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594 :天倉澪 ◆ER64J6XKva5u :2009/09/27(日) 14 47 17.96 ID B2kYOhr+O 憂「ねぇ、ロリコンてなに?」 聡「え?そんなことも知らないんですか?」 憂「だって……」 聡「知らないんなら知らないままでもあなたのためかもしれないけど」 憂「えぇ~そうなの?」 聡「いやぁ……なんか気が引けて……」 憂「先輩からの命令です 教えなさい」 聡「うぅ…そう言われちゃうとなぁ……じゃあ言いますけど別に責任は負いませんよ?それが条件です」 憂「大丈夫!」 聡「なんか罪悪感がすごい」 595 :天倉澪 ◆ER64J6XKva5u :2009/09/27(日) 15 08 29.24 ID B2kYOhr+O 聡「ーーーーーという事です 分かりました?」 憂「…………」 聡「ほらぁ引いたでしょう?だからやだったんですよ~」 憂「聡君!あなたもそのロリコンというやつなの!?」 聡「ちちちち、違いますよ!!なにいってるんですかいきなり……」 憂「はぁよかったぁ聡君がロリコンだったら一生口聞かないつもりだったよ」 聡「なんですかそれ!?ひどいですよそりゃあんまりだ」 憂「え?どうしてそんなにあわてる必要があるの?疑いは晴れたんだよ?」 聡「いっいやぁだってもしも肯定してたら憂さんが一生口聞いてくれないなんて聞いちゃったらそりゃ誰でも焦りますよ」 憂「あっお姉ちゃんにもおしえてあげたほうがいいかな?なんか危ないし……」 聡「それは憂さんに任せますよ 俺はもうこれで」 憂「うん じゃあせいぜいロリコンにはならないでね~」 聡「はいっ!それじゃさよなら~(さり気なく釘を打つとは……」 憂「さて、どうしようかな」 憂「お姉ちゃんも危ないからねぇ 一応教えた方がいいよね」 601 :天倉澪 ◆ER64J6XKva5u :2009/09/27(日) 15 45 22.86 ID B2kYOhr+O 憂「ただいまー!」 唯「おっかえりー!憂 おなかすいたよ~」 憂「はいはい、少しはダイエットすることを学ばなくちゃ」 唯「そんなこといってもすいちゃうものは仕方ないんだよ」 憂「またアイス?」 唯「うん!さすが憂分かってるね」 憂「ガリガリ君ソーダ味!」 唯「おぉ、ちょうどそれが食べたかったんだよね~」 憂「うふふ 食べる前に手洗いうがいしようね」 唯「さっきやってきたよっ!」 憂「そっか、じゃあ座ってたべようね」 唯「やった~!」 私はこんなあったかい日常を大切にしていこうと思う。少なくともお姉ちゃんだけはずっと見守ろうと決めています。 憂「あれ?なんか忘れてるような…まいっか♪」 終わり
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ウマヤド(厩戸皇子) 日本神話に登場する皇子。 のちのショウトクタイシ(聖徳太子)。 関連: オオエ (大兄皇子、父) アナホベノハシヒト (穴穂部間人皇女、母) トジコノイラツメ (刀自古郎女、妻) ヤマシロノオオエノオウ (山背大兄王、息子) タカラノオウ (財王、息子) ヒキノオウ (日置王、息子) カタオカジョオウ (片岡女王、娘) タチバナノオオイラツメ(2) (橘大郎女、妻) シラカベオウ (白髪部王、息子) テシマジョオウ (手島女王、娘) カシワデノホキキミノイラツメ (膳部菩岐々美郎女、妻) ハツセノオオキミ (泊瀬王、息子) サエグサオウ (三枝王、息子) イトシコオウ (伊止志古王、息子) マロコオウ (麻呂古王、息子) ツキシネノヒメミコ (舂米女王、娘) クハタジョオウ (久波太女王、娘) ハトリジョオウ (波止利女王、娘) ウマヤコジョオウ (馬屋古女王、娘) ウジノカイタコ (菟道貝鮹皇女、妻) 別名: ウマヤト (厩戸皇子) ショウトクタイシ (聖徳太子) ウマヤドノミコ (厩戸王) トヨトミミ (豊聡耳) トヨサトミミ (豊聡耳皇子) カミツミヤオウ (上宮王) ウエノミヤタイシ (上宮太子) ウエノミヤノウマヤドノトヨトミミ (上宮之厩戸豊聡耳命) ウエツミヤノウマヤトノトヨトミミ (上宮之厩戸豊聡耳命) カミツミヤウマヤドノトヨトミミ (上宮之厩戸豊聡耳命) カミツミヤウマヤドノトヨトミミノヒツギ (上宮之厩戸豊聡耳太子) ウマヤドノトヨトミミオウジ (厩戸豊聡耳皇子命) ウマヤトノトヨトミミ (厩戸豊聡耳皇子) ノリノヌシノオオキミ (法主王) トヨトミミノノリノオオキミ (豊聡耳法大王) マケノキミヒジリノキミ (東宮聖王) ウマヤトノトヨトミミノショウトクノリノオオキミ (厩戸豊聡耳聖徳法王) ウマヤトノトヨヤツミミ (厩戸豊聡八耳命) ウエノミヤノミコ (上宮王) 祭神とする神社: 善知鳥坂神社(秋田県仙北郡) 榮神社(秋田県横手市) 太子神社(秋田県由利本荘市)
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《「神霊大宇宙」》 No.1477 Spell <Arcane Magic Vol.4> NODE(5)/COST(3) 術者:豊聡耳 神子 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 【オーバードライブ】 〔全てのプレイヤー〕は〔自分の手札X枚まで〕を選べるだけ選び、破棄する。 その後、〔場の必要ノードがX以下のキャラクター全て〕を破棄する。Xはこのカードの「オーバードライブ」の効果で除外したカードの枚数の2倍に等しい。 神霊が集い、新たな宇宙が産まれる。 Illustration:RiE コメント 豊聡耳 神子のスペルカード。 オーバードライブを用いたリセットカードである。 オーバードライブの値に対応した手札破壊を行い、更にノードが一定以下のキャラクターを一掃する。 この手のリセットカードにしては珍しく、処理するキャラクターの範囲をある程度自由に決められるのが最大の利点。 術者を据えてプレイすれば、手札も場も更地になった盤面を非常に強力なキャラクターである「豊聡耳 神子」が駆け抜けるため、そのまま勝負が決まってしまうこともままあるだろう。 オーバードライブが3以上だと豊聡耳 神子/13弾と豊聡耳 神子/15弾、4以上だと全ての「豊聡耳 神子」が巻き込まれてしまうため、その点は注意が必要。 下準備さえしっかりとできていれば恋符「マスタースパーク」と日符「ロイヤルフレア」を足して2で割らないようなカードとして運用できる、パワフルなカードである。 自分が不利な状況であればあるほど輝くカードであるため、入念な下準備を必要とするオーバードライブとの噛み合いがやや悪いのが目立った欠点である。 また、性質上、相手の手札が多く、こちらの手札が少ない場面で最大限に効果を発揮するが、そのような状況だと相手からのカウンターをかわしにくいのも気になる。 術者を同じくする「詔を承けては必ず慎め」と組み合わせると安全にこのカードを通すことができる。 オーバードライブのルール上、秘術「天文密葬法」では行えた裏向きキャラクターを処理するためのX=0での起動は不可能な点に注意。 収録 Arcane Magic Vol.4 関連 「豊聡耳 神子」 豊聡耳 神子/11弾 豊聡耳 神子/13弾 豊聡耳 神子/15弾 豊聡耳 神子/18弾 豊聡耳 神子/PR 豊聡耳 神子/PR2 場で「豊聡耳 神子」として扱われるカード 伝説の神仙チーム(連結) 奇跡の怨霊チーム(連結) 感情の創造チーム(連結) 術者が「豊聡耳 神子」であるスペルカード 名誉「十二階の冠位」 召喚「豪族乱舞」 仙符「日出ずる処の道士」 秘宝「斑鳩寺の天球儀」 「星降る神霊廟」 神光「逆らう事なきを宗とせよ」 「詔を承けては必ず慎め」 「神霊大宇宙」 「生まれたての神霊」 光符「救世観音の光後光」 「十七条の憲法爆弾」
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Top 用語一覧 エネファーム エネファーム 聡が自慰行為をすること。または聡自身を指す言葉。 由来は、唯「家出しちゃった…」内の聡の設定から。 上記作品にて聡があまりにも女性に対して劣情を抱いたので、それが大きな反響を呼び、この呼び名が自然と広まっていった。 以後しばらくの間、聡=変態として書かれることがブームとなった。 また、聡自身をエネファームと呼ぶことも同時に定着し、聡はエネファームという新たな地位を確立するに至った。
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《「詔を承けては必ず慎め」》 No.1465 Spell <Arcane Magic Vol.3> NODE(0)/COST(0)(Nullity) 術者:豊聡耳 神子 効果範囲:その他 発動期間:世界呪符 【ラストワード】 【世界呪符】 (自動γ): あなたがスペルカードをプレイした場合、〔相手プレイヤー〕はその干渉の終了時まで、必要ノードがX以下のコマンドカードをプレイする事が出来ない。Xはあなたがプレイしたスペルカードの必要ノードの値に等しい。 (自動γ): 〔このカード〕が相手プレイヤーのカードの効果で破棄された場合、〔相手プレイヤー〕は手札を全て破棄する。 承詔必謹。君則天之。臣則地之。天覆地載。四時順行。万氣得通。地欲覆天。則致壞耳。是以君言臣承。上行下靡。故承詔必愼。不謹自敗。~十七条の憲法 Illustration:三日月沙羅 コメント 収録 Arcane Magic Vol.3 関連 「豊聡耳 神子」 豊聡耳 神子/11弾 豊聡耳 神子/13弾 豊聡耳 神子/15弾 豊聡耳 神子/18弾 豊聡耳 神子/PR 豊聡耳 神子/PR2 場で「豊聡耳 神子」として扱われるカード 伝説の神仙チーム(連結) 奇跡の怨霊チーム(連結) 感情の創造チーム(連結)
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―30分後― 律「できた!」 澪「えっ………」 唯「……んん?」 律「……なに?」 紬「……思ったよりおいしそうだから、驚いているのよ……」 律「そう……」 唯律澪紬聡「いただきます!」 パクッ 唯「まぁぁっぁずぅううう!」 律「えっ……」 澪「………」パクパク 紬「ふっ……」 聡「え?」 澪「くっ………」 律「……ごめんね」 唯「……あはっ、冗談だよ~」 律「び、びっくりしたなー……うん……」 聡「……」モグモグ 紬「……パラパラしててお店のチャーハンみたい」 聡「……あっ、レタス入ってる、大きい……」 聡「姉ちゃん…レタス……」 律「……食べなさい」 聡「はぁ……」 唯「……」モグモグ 澪「聡……レタス私の皿に入れな」ちょいちょい 聡「あっ、ありがとう」 ヒョイ 澪「くくっ、なーんてね、唯、パス!」 ヒョイ 唯「来ると思った、紬ちゃん、パス!」 ヒョイ 紬「りっちゃん、パスよ!」 ヒョイ 律「……えっと」 律「唯、パース!」ワクワク ヒョイ 唯「ん……」パクパク 律「………」 澪「……食べ終わったら昨日の残りの花火するか」モグモグ 紬「そうね……」 律「……へへっ」 唯律澪紬聡「ごちそうさまでした!」 唯「花火、花火♪」 澪「へへっ……」 律「昨日は雨だったからなぁ……」 紬「湿けてないかしら……」 ―外― 澪「……火、つけてみる」 律「うん」ドキドキ 澪「……」 プシャァアァァァ 澪「おぉ……湿けてない」 唯「夏は……やっぱ花火だね」 聡「打ち上げもやりましょうよ」ワクワク 紬「……聡君、焦らないでぇえええ!」 紬「わかった……?」 聡「は、はい」 プシャァアァァァ 律「えへへ、楽しい」 澪「……律、かわいいな」 唯「うん……」 澪「……線香花火、やろう」 唯「うん……」 シュボッ 澪「……線香花火っていいよな、素朴で」 唯「ん……」 律「それそれー」プシャァアァァァ ドンッ 律「あっ、ごめん、唯」 唯「………落ちた」 澪「儚いな……」 唯「やってくれるねぇ……」 律「……ご、ごめん」 唯「へへっ、冗談、冗談」 律「なんだよー……」 唯「……」 紬「ねずみ花火やりましょ……」 唯「おっ、いいねぇ」 シュボッ シュルルルルルルル 律「おーおー、回ってる」 シュルルルルルルル 澪「えいっ!」 ……… 律「なんで踏んだ?」 澪「怖かったから!」 律「あー、わかる……」 紬「打ち上げ花火……やりましょ」ドキドキ 唯「待ってましたー……」 澪「……」 澪「火、つけるぞ」 律「うははっ」 ドキドキ 澪「離れろー!」 ダーーーッ 紬「……」ドキドキ 唯「……」 ドキドキ 聡「……」 ドキドキ 澪「あがれ、あがれ……」 ………… 律「あれ……?」 澪「湿けてたかな?」 唯「聡君、ちょっと見てきて」 聡「ええ? 怖いですよ」 紬「できるわ、がんばって!」 おそるおそる 聡「………」 ピュウウウ! 聡「うわっ!」 パーーーン! 律「聡、大丈夫かー?」 澪「……音デカイなぁ」 唯「うん、びっくりした……」 律「きれいだなぁ………」 律「私も火つけたい!」 ドンッ!バシャ 唯「バケツの水が……」 澪「これは……湿けたな」 律「ご、ごめん……」 紬聡「………」 澪「……もう花火はやめだ、中入るぞ」 律「…………」 唯「……お風呂入ろう」 澪「……うん」 聡「……」ドキドキ ―お風呂― 澪「花火、楽しかったな」 律「………」 唯「………」 紬「ええ……」 律「……あのさ、こんな狭い湯船に4人一斉に入るっておかしいよね?」 澪「……え?」 紬「……よく分かんないこと言わないで」 律「……誰かが湯船から出て体洗ったりすればいいんじゃないの?」 紬「あぁ、確かに……」 唯「じゃ、私から……」ザバッ 唯「………」ワシャワシャ 律「昨日はさ、体洗う時も一斉に洗ったからな……」 澪「ん……」 唯「………」ワシャワシャ 唯「あっ……ボディソープで頭洗っちゃった……」 澪「ふっ……」 律「……ボトルに書いてあるだろ、普通間違えないよ……」 唯「……シャンプーで体洗おう」ワシャワシャ 律「………」 ―リビング― 唯「気持ちよかったー」 律「……今日はアイス4つ買っといたよ」 澪「おお……」 唯「……」ペロペロ 律「……」ペロペロ 澪「……」カリカリ 紬「……」シャリシャリ 唯「うっ……頭が痛い」 唯「……いったぁあああ……」 唯「はぁ………」 律「ゆっくり食べな」 澪「……なぁ、律」 律「なに?」 澪「私も頭痛い……」 律「……」 澪「聡って……」 律「……聡がどうかした?」 澪「……クロスワードパズル好きだよな」 律「……あぁ、ずっとやってるよ」 紬「ふふ……」 律「?」 律「……もう2階行こうか」 ―律の部屋― 律(………なんかすごい疲れた) 澪「明日も泊まっていい?」 律「えぇっ………」 唯「わーい♪」 紬「タノシイワー」ワクワク 律「ん……いいよー」 紬「ヤッタワー」ワクワク 唯「ねぇ、あれしよう」 澪「………枕投げだな!」 律「おっ、いいね……」 唯「いっくよー!」 ポンポンポン 澪「うわっ、いい枕投げるな」 律「へへっ、私のも食らえ、みおー!」 ヒュン ボスッ! 澪「ふぎゃっ…………」 唯「あっ……」 紬「……ちょっと」 ん 澪「うわっ……いったぁ……」 律「ご、ごめんね」アセアセ 澪「……いや、いいよ」 律「……そ、そう?」 澪「隙ありぃぃぃいいいっ!!」 バスッ! 律「くぅぅううう………今のは効いたぜ……」 紬「タノシイワー」 唯「………」 紬「ソイヤ、ソイヤ」 ポンポンポン 唯「紬ちゃんすごーい!」 澪「それそれーーー」 ポンポンポン 律「あっはっはぁあああ!」 ガチャ 聡「……ちょっと、うるさいです」 律「ん……」 バタンッ 唯澪紬「ふううううううう!」 ポンポンポンポン 唯「枕投げ、最高ぉおお!」 ―聡の部屋― 聡「うるさい……クロスワードパズルに集中できない……」 聡「ええっと……横が……」 あぁああん 聡「え!? なに?」 シーーーーン……… 聡「………」ドキドキ ―律の部屋― 律「………変な声出すなよ」 澪「ごめん………」 ガチャッ 聡「……あの、大丈夫ですか?」 律「?」 律「………大丈夫だけど」 聡「そう……」 バタンッ 唯「なんか飽きてきたー」 紬「そうね、腕も痛いし……」 律「疲れたし、もう寝るか」 澪「賛成………」 唯「おやすみー………」 律「……電気消すよ」 カチッ 律「zzz……」 唯「zzz……」 紬「zzz……」 澪「………」ムクッ スタスタ ガチャッ バタンッ 澪「喉乾いたなぁ…………」 ジャーーーーッ 澪「……」ゴクゴク 澪「………うまい」 澪「………うわっ!聡いたのか……」 聡「………」 澪「……どうしたんだよ」 ジャーーーーッ 聡「なんか……耳が痛くて……寝れないんだ」 澪「………耳が?」 聡「耳鳴りっていうのかな……なんかキーンとして……」 聡「うん………」 聡「はぁ………」 澪「……幽霊と目が合ってるときに、耳鳴りがするらしいな」 聡「怖いこと言わないでよ……」 澪「きぃぇぇええええ!」 聡「うわーーっ!!」 7
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池沼唯とリベンジ(その5) 聡「ルールは守らないとな…約束どおりこいつは返してやるよ!」ポイッ 聡は泣き叫ぶ唯に向かって豚の弁当箱を放り投げた。 唯「あうぅ…ぶぅぅぶぅぅぅぅ!ぶぅぅぅぅぃぶぅぅぅ(@q"#)」 唯は泣きながらぶーぶーを手に取り胸元に引き寄せる。 聡「はぁはぁはぁ……鈴木後は任せた…」 粉々になるまで踏み続け疲れたのか、聡はその場に座り込んだ。 鈴木「ああ。分かってる。」 鈴木は拳にメリケンサックをはめて唯に近づいていく。 唯「やめちぇぇ!!ぶーぶーこわたないでぇぇぇ(@q"#)」 唯は子供を守る母親のように唯一残された友達、豚の弁当箱を腕の中に隠すように身体を丸めた。 鈴木「そんなもんに興味はねーよ!俺の狙いはこっちだ!!」ドゴッ 鈴木は唯の顔面目掛けて拳を繰り出す。 そして執拗に唯の顔だけを狙う様に叩きのめした。ボカッ!ドコッ!バキッ!グシャ! 唯「っ…………ぅ……………(###@q×###)」ゲホッ 唯は声を上げる事も出来ずに顔と口からおびただしい量の血を出して気絶した。 そして鈴木は気絶した唯の口を開かせる。 鈴木「よしっ歯は…ボロボロになってるな!あの男の子の分の仕返しだ!」 鈴木が今回の作戦に参加したのはもちろん親友の聡の為でもあるが、あの日出会った兄妹の為でもあったのだ。 聡「鈴木もういいか?そろそろ日も暮れてきそうだし、今日は帰ろうぜ。」 鈴木「ああ。腹も減って来たしな。」 聡「明日又来るからおとなしくしてろよデブ!」 気絶している唯に向かってそう投げかけた聡は部屋の扉を閉め、鈴木と共に家路についた。 翌日…… 唯「ぐごごごおおぉぉぉお!ち”ゅぴぴーーすぴぴぴーーーー(@q=#)」 昨日から気絶したまま眠ってしまっていたようだ。 唯は気絶するとそのまま体力回復の為に眠りに入る事が多い。 今までも数多く気絶してきた唯の生存本能がなせる技なのだろう。 今回は身体の痛みに加えて、大好きだったうんたんを壊された精神的ショックも相まって、いつもより更に大きいイビキを部屋中に響かせている。 唯「あうぅ…(@p #)」パチ…ムクリ 唯「ん゛ひぃ…まえがみえらいでつ…おかおいちゃい…(@p"#)」 唯の右目は昨日ドラムスティックを叩きつけられた影響で、紫に変色しており、まぶたも開かない程に腫れあがっていた。 下手をすると失明してしまう可能性もある程である。 グゥゥゥーー 唯「…ぽんぽんすいたれす…(@p #)」 食いしん坊の唯が昨日から何も食べていないので腹の虫も泣いているようだ。 消化するものが無かったからか、珍しくオムツの中には日課のブブブーがない状態である。 その時… 扉を開けて聡が入って来た。 本日は聡一人だけのようだ… そして聡の手に持っている物を見て唯は驚愕する。 唯「あうぅ…。あうっ!!(@q゚#)ぎぃぃたぁぁぁぁ!ぎいぃぃだぁぁぁぁぁ!(@q"#)」 聡が手に持っていたのは唯のぎいた(ギブソン・レスポール・スタンダード)だった。 ちなみにこの高価なギターを何故池沼の唯が持っているかというと、軽音部入部当初に池沼にでも演奏出来る楽器がないかと探しに行った楽器屋で唯が気に入り、 紬のコネで安くはなったが、更に憂の半ば脅迫じみた店側への脅しなどによりタダで巻き上げた品物だった。 (もちろん唯は演奏など出来るはずもなく、今や唯の着せ替え人形と化している。) 昨日うんたんを壊された事を思い出したのか、気が狂ったような大声でぎいたに向かって叫んでいる。 聡「お前の妹が快く貸してくれたよ。一番大切な友達なんだろ?」 唯にとってぎいたは、うんたんほど長くいっしょにいた訳ではないが、うんたんと同等かそれ以上に大切な友達だった。 もしうんたんを親に例えるならぎいたは恋人にあたるほどである。 唯「やめちぇーーー!!ぎぃたこわちゃないでぇぇーーー(@q"#)」 うんたんの様に友達を目の前で壊されるのはもう見たくないのか、唯は泣きながら聡に訴えた。 破れや汚れなどでボロボロになったお気に入りの「ロマンス」Tシャツは唯の血と涙で更にグチャグチャになっている。 聡「そんな大切な物なのか………お前の妹とだったらどっちが大切だ??」 昨日のうんたんの時以上に取り乱す唯に向かって問いかけた。 唯「ぎい゛ぃだぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!ぎいぃだがだーせつでつ!!!(@q"#)」 唯「ゆいごめ゛なたいぃぃぃ!!ぎいぃたこわだないでぇぇぇぇ!!!(@q"#)」 唯は目の前のギターしか見えていないのかギターに向かって手を伸ばし、心からの思いを訴えている。 聡「即答か…。このギターがお前にとって一番大切なんだな!昨日言っただろ??俺は一番大切な物をぶっ壊すって!!」 聡はギターを頭上まで振り上げた! 唯「ぎぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃぃぃぃい゛い゛いいいぃぃぃぃぃたぁぁぁぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛(@q"#)」 唯は断末魔のようにぎいたの名前を叫ぶ。 そして聡は無言でギターを地面に叩きつけた。 …………シーン………… しかしギターの地面に叩きつけられる音がいつまでたっても鳴ってこない… なんと聡は地面のスレスレの所で叩きつける事をストップさせていたのだ。 聡「……ギターに罪はないよな…まぁ昨日のカスタネットもだけど…はぁ……」 唯「ぎぃいた…ぎぃいた…(@q #)」 唯は聡がギターを叩き壊さなかった事を見て呆然としている。 聡「そんなに大切なら返してやるよ!ほらっ!!」 聡はギターを唯の所まで行き手渡した。 唯「う゛ぅ゛ぅーー!ぎいたぁ…ぎぃいたーあいたかたでつー(#@q"#)」 唯は涙をこぼしながらぎいたを抱きかかえるようにしている。 まるで恋人との再会に咽び泣いているように… しかしその時…… ビビビビビビビビビーーーーー 唯「あ゛ぁ゛ぁ゛う゛う゛ぅ゛…………(@q"#)」グッタリ… 聡が唯の背後に回り込み、首筋にスタンガンで高圧電流を流しこんだ。 ぎいたが助かり気を抜いていた唯は呻き声をあげ気絶してしまう。 聡「さぁ……最後の仕上げだ………。」 そう呟き部屋を跡にする。 唯「………あ゛ぅぅ…(@q #)」パチ 唯「あうっ!ぎいた!ぎいぃたどこでつ?!(@q゚#))三((@p゚#)」キョロキョロ 唯は目を覚ますと同時に先程まで腕に抱いていたぎいたがない事に気付いた。 急いで傷だらけの顔を起こして辺りを見渡す。 唯「ぎいぃたぁぁ!!よかたでつ!いまたつけまつ(@q^#)」 ぎいたは無傷で壁に立て掛けられていた。 唯には届かない距離にあったが、池沼の唯の頭では距離感を理解することが出来ない。 助けようと必死に手を伸ばした瞬間に唯は自分に起こっている身体の異変に気付いた。 唯「ぎぃいた…ゆいといっしょで………あうっ?(@q゚#)」 なんと唯の身体には異様な形をした器具が取り付けられていたのだ。 形状は肋骨のような形をしており、まるで角のような鋭い先端から金属で出来ていて唯の胸部全体を覆っていた。 背中にも同じような器具が取り付けられており、二つが唯の胸部から背中までを一周するような形になっている。 唯「こえなんでつか…(@q゚#)」 唯は自分に取り付けられている器具をまじまじと見つめる。 やがてその異質な形状をした器具に恐怖を抱いたのか力づくで取り外そうと試み始めた。 唯「ん゛ん゛も゛も゛も゛も゛……ぶぐぐぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛(@q´#)」 渾身の力で取り外そうとするが、その器具はビクともしない。 唯「ん゛ん゛ーーぶうぅぅ(@q #;)………とえないでつ……」 疲れたのか唯は地面に座り込んだ… その時… 聡「気がついたのか…」 聡が扉を開け唯のいる部屋に入って来た。 すると… 唯「う゛ぅ゛ーう゛ぅ゛ー(@q´#)」 又ぎいたを壊しに来たと思った唯は聡に向かって威嚇するように唸り声を上げている。 聡「もうギターは壊さないから安心しろ!!」 聡の「ぎいたを壊さない」という言葉を聞き安堵した唯は先程から疑問に思っていた事を問いかけた。 唯「あうぅ…(@q #)こえなんでつか?こえおもちゃい!!とっちぇ(@q´#)」 唯は自分に付けられた器具を再度力ずくで取ろうとしながら聡に訴えた。 聡「まぁお前の頭では理解出来ないと思うけど教えてやるよ。この機械の真ん中にタイマーが付いてるだろ…」 顔や腹の贅肉が邪魔して唯からは見る事は出来ないが、唯に取り付けられた器具のちょうど真ん中の位置にアナログ式の時計のようなものが取り付けられていた。 聡「このタイマーが作動すると、お前の胸と背中の機械が同時に動き出して、先端から突き刺さりお前の身体の中に侵入していくんだ。そして時間が進むにつれて身体の奥へ奥へと進んで行く…。」 一呼吸おいて聡はさらに話を続ける。 聡「そしてタイマーがゼロになると身体の中から外へ喰い破るように弾けるんだ…まぁ逆トラバサミみたいなもんかな?」 唯「あうぅ…………(@q #)ポカーン…」 唯には聡の言っている事が全く理解出来ないので呆然としている。 聡「簡単に言えばこの機械が動き出すとお前は死ぬって事だよ…」 唯「ゆい…ちぬでつか……?!(@q゚#)」 池沼の唯にも「死ぬ」という言葉は理解出来たのだろう。 得体の知れない器具を取り付けられている不安と「死」という言葉の恐怖から唯は今までにないような大声で池沼泣きを始めた。 唯「びぃ゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ん゛ん゛!!!!ゆいぢにちゃぐない゛ぃ゛ぃ゛ぃーーーーーーーー(@q"#)」 そんな唯を聡は無言で見つめている。 そして唯の口からとんでもない言葉が飛び出した。 唯「ゆ゛い゛ごめんな゛だいずる!!!ごめん゛なだい!!!!ゆるじでくだぢゃい!!!!お゛ねがいぢまつ゛!!!!(@q"#)」 なんと唯の口から敬語が飛び出したのだ。 唯は重度の池沼の為、今まで目上の人など誰と話すにも敬語を使う事など全く出来なかった。 その唯の口から出た敬語。 誰に教えられたでもなく、唯の生存本能が勝手に出させた言葉なのだろう。 その言葉を聞いた聡だが… 聡「悪いな…もうお前の生きるか死ぬか…命の選択権は『ある人』に委ねられているんだ…。」 聡「もう俺にはどうする事も出来ないよ…。」 聡は唯の方に目を向けず、少し俯くようにして答えた。 するとその時… ピィーーーーーーーーーーーーーーーー 唯の池沼泣きを掻き消すようにタイマーの作動音が鳴り響いた… (その6)へ続く (その4)へ戻る 池沼唯SS一覧へ戻る カウンター 今日 - 昨日 -
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Top 【シェア】みんなで世界を創るスレ【クロス】 地獄世界・「地獄百景」 第7話 「鬼と白梅」 襤褸を纏い、寂しい河原に座り込んだ少年の姿は異教の聖人にも似ていた。まだ堂々と魔が闊歩するこの時代だが、彼が人の姿をとった鬼と気付く者はいない。 じっと濁った水面を見つめる彼の名は聡角。長じては蒼燈鬼聡角を名乗る、酒呑、茨木と並ぶ名家の鬼である。故郷である地獄を出奔して数日、まだ年若い彼は鬼の力で病や傷を癒やし、人命を救う旅を続けていた。 戦乱、飢餓、疫病。その短い生涯を苦痛のみで塗り潰され、やがて聡角の住まう地獄へとやって来る夥しい亡者たち。 坐して彼らを裁き、再び罪に満ちた現世に送り出すことだけが、鬼の使命とは若い聡角には思えなかったのだ。 恐れられ、忌み嫌われる鬼とて、姿を変え善を積めば人界に秩序を与えられるはず、そして鬼がその名を神仏と連ねる日が必ず来ると信じ、彼は生まれ育った地獄を後にしたのだった。 (…梅か…) 黙想に耽る聡角の鋭敏な嗅覚が、まだ冷たい春の風に混じる仄かな香りを感じ取る。鮮やかに綻んだ蕾を求め彼は周囲に視線を巡らせたが、低い河原からは寒梅の枝を見つけることはできなかった。 「…ずっと川上の村や。こっからは見えへん。」 不意に聡角の耳元で愛らしい声が響き、姿の見えぬ声の主を探して静かに立ち上がった聡角の前に、ひときわ濃厚な梅の香りと共に一人の少女が出現した。 「…あんたは…鬼やな?」 ふわふわと聡角の頭上に浮かぶ可憐な彼女は白梅を想わせる純白の小袖を着ていた。自らと同じ孤独な化生の気配に納得した聡角は、静かに頷いて答えを返す。 「…梅の精か。それじゃずいぶん遠い散歩だな?」 「うん。香りが届くとこまでは、こうやって飛んで来れるねん。」 春の訪れを喜ぶように、彼女はほのかな芳香を振りまきながら、くるくると聡角の周囲を舞う。 辛苦に満ちた人界にあって、唯一聡角を慰めるものは移ろう四季だった。燦々たる夏の緑、黄金に染まる秋風、峻烈に地を覆う霜… 厳しい顔を少し和ませた聡角は彼女の本体、寒風に凛と咲く健気な白梅を観ようと風上へと歩きだしたが、疾風のごとく彼の前方に舞い降りた梅の精は、瞳に非難の色を浮かべて厳しい声を上げた。 「…あんたやろっ!? 病人や怪我人直しながら都に向こてるっちゅうアホ行者は!?」 唐突な怒声に少し戸惑った聡角は、彼女の膨れっ面をまじまじと見る。野に生きる獣や虫、ざわめく木々の言葉は何より早く地を駆けるのだ。聡角の噂はその主より早くこの河原を通り過ぎたようだった。 「…いかにも、できる限りの事はしている。」 「…ちょっと前に、権左ちゅう名前の刀傷の男の怪我を治したやろ!?」 権左という名に覚えはなかったが、二日前に酷い刀傷の男を助けたのは事実だった。凶相の男ではあったが、満身創痍の彼を捨て置けず、幾つかの鬼術と薬草で瀕死の彼を救ったのだ。 「…あの男は人殺しの野盗や。この土手の上…うちが咲いてる村の人たちが、必死に戦って追い払ったのに…」 「…されど死にかけ、助けを求めていた…」 聡角は、唇を尖らせ自分を睨む精霊を見つめながら、おずおずと彼女の怒りを解く釈明を口にした。暴力に暴力で応えて平和は無い。たとえ罪人のものであっても、等しく尊い命を守ることが世を善に導く礎になることを。 訥々と聡角が説く慈悲の教えに、白梅の精はさして納得する様子もなく聞き入っていたが、やがて眉間に皺を寄せた彼女はふわりと宙を舞い、頭から聡角に突撃した。 「うあ!?」 ごちん、と音を立てて梅の精の頭突きは説法中の聡角の額に命中した。意表をつかれてたじろぐ聡角に、梅の精は甲高い怒声を浴びせかける。 「屁理屈はええねん!! 鬼の癖に仕事もせんとこんな所でいらん事してからに!!」 梅の精の剣幕に気圧された聡角は言葉を失った。確かに彼女の言うとおり、地獄で死者を裁き、道を反れた魂を厳しく浄化するのが鬼の役目だ。 「…怖い鬼が地獄で待ってなかったら、なんぼでも悪い事する奴が出るやろ!! さっさと帰って亡者シバいてこい!!」 乱暴だがもっともな彼女の意見に聡角は沈黙を続けた。果たして、ただ今日を生き抜く為だけに殺し、奪う人間たちを断罪することが天が鬼に与えた使命なのか。 (…神仏はどうお考えなのか。今や人界こそ地獄、そして地獄にこそ救済が必要ではないのか…) そんな聡角の苦悩は、この短気な梅の精にも伝わったようだった。頭突きで崩れた結い髪を直しながら、彼女はぼそりと拗ねたように詫びる。 「…ごめん。鬼も…辛い仕事やな。悪人の相手ばっかりで、嫌われて。たまにええ事したら、うちに頭突きされて…」 「…謝ることはない。私は…余計なことをしたようだ。」 「…ううん、判ったらええねん…」 梅の精はしばらく所在無げに聡角の頭上を浮遊していたが、やがて照れたように小さな呟きを洩らした。 「…そや、うち明日は忙しいねん。一年一度の晴れ舞台や。」 「晴れ舞台?」 「…この辺で咲く梅はうちだけやから、あした村の人がみんな…わざわざ見に来るんや。ご馳走も何もない、情けないほど貧乏臭い花見やけどな…」 凍てつく朝霧のなか、雪よりも白く咲く小さな花が聡角の瞼に浮かぶ。誇りに満ちた眼差しで村の方角を見つめる梅の精の横顔を、聡角は美しいと思った。 「…日和に恵まれれば好いな…」 静かにそう答えた聡角はくるりと向きを変え、川下へと静かに歩み去る。梅の精は慌てて彼を追おうと舞い上がったが、その姿は無情な寒風にかき消され、透き通った声だけが聡角の背に追いすがった。 「…で、でも本当は今朝がいちばん綺麗に咲いてるねん!! 観てい…」 北風に散る香りと共に彼女の声は途絶えた。一度だけ振り返った聡角は、しばらく白梅の残り香を探るように佇んでいたが、やがて灰色の寂しい河原を踏みしめて歩き去った。 ◇ …前日と同じように赤茶けた藪を抜け、ごろごろと鈍色の石が転がる河原に降りた聡角は、昨夜から堂々巡りを続ける自問自答を繰り返した。 (…何故、戻ったんだ…) その答えは、何より理を重んじる聡角にしてはいささか乱暴なものだった。『神託』という鬼らしからぬ結論が、彼を昨日梅の精に出逢ったこの場所へ導いたのだ。 朗らかな彼女の声と、まだ観ぬ一輪の花。染み入る寒さに負けぬ凛とした生命力に、聡角は自らが求め続ける、万人を救済する強い力を垣間見たのだった。 しかし寒々と曇った空の下、二人が別れた場所を過ぎても、あの清楚な芳香は漂っては来なかった。 (…!?) 代わって聡角の鼻腔に、冷たい風に乗った焦げ臭い匂いが届く。不吉な予感に彼が慌てて駆け登った土手の下には、白梅咲く小さな村の最期が惨たらしく広がっていた。 (なんと…いうことだ…) 焼け落ちた何軒かの粗末な家屋からはまだ細く白煙が立ち上っている。悲惨な略奪の光景だった。怒りに満ちた鬼の眼をもってしても、生き残った住人の姿は見いだせない。 「…誰か!! 誰かいないか!!」 抵抗空しく斬られた者、為す術もなく矢に貫かれた者。そう広くない村落を巡った聡角は、一人の生存者も見つけられぬまま哀れな亡骸に掌を合わせ続けた。 そして己の無力を詫び、既に黄泉へと旅立った彼らの骸を荼毘に付そうとしながら、彼は村人たちが愛した可憐な白梅の姿を探し求める。あの愛らしい精霊の樹は無事だろうか… (…ここ…あんたの前…) 微かな応えが聡角の前、燃え落ちた梁の下から発せられた。梁に薙ぎ倒され、焼け焦げた梅の木は、もはや一片のくすぶる炭のようにしか見えなかった。 「あ…あ…」 悲痛な呻きと共に彼女に駆け寄った聡角は、掌が灼けるのも構わず重い梁を持ち上げ、無惨に折れた彼女の幹に触れた。 「大丈夫か!? 一体…」 (…権左が…仲間と仕返しに来て…みんな、殺されてしもた…) …彼女をこんな姿にしたのは、他ならぬ神仏を真似ようとした己の傲慢だった…抉るような後悔に震える聡角の手中で、灰となったか細い枝が音もなく崩れてゆく。 「…私は、どう…償えば良いのだ…」 (…しゃあないよ。あんたも悪気は無かったんや…) 「しかし…しかし…」 耐え切れぬ自責の念に、ただ爪で地を掻き毟る聡角の前に、白梅の精の霞む姿が横たわった。煤で汚れた青白い頬に、屈託ない昨日の笑顔はなかった。 (…何人かは逃げ延びた人も居る。その人らの為に、うちは来年も絶対に花を咲かすんや…絶対に、な…) 毅然と言い放ち、苦しい息のなかでようやく悪戯っぽい笑みを浮かべた白梅の精に手を触れ、聡角はありったけの魔力をその身体に注ごうとした。傷付いた幹と渇いた根に、再び瑞々しい生命を喚び戻そうと。 (…また、あんたは要らんことをする…これくらいで枯れるうちやない。それより…) 力なく白梅の指が差し示す先、壊れた荷車の影に、一人の亡者がブルブルと震えながら潜んでいた。 (…権左や。分け前のいざこざであっけなく仲間に殺されたんや…) 自らの死に取り乱した権左の霊は、聡角の視界から逃れようとさらに暗がりへと潜り込んだ。このまま彼の悪しき魂が闇に堕ちてしまえば、さらなる悲劇の連鎖は続いてゆくだろう。 強くなった北風が、罪なき者たちの嗚咽のように聡角の全身を刺す。鬼のなすべき務めは、やはりこの地上には存在しないのだ。 (…さ、行くんや!! あんたが助けるんは私やない。鬼は…この世で救いようのない、権左みたいな奴を救うんが仕事や…) 聡角の逡巡を断ち切るように、消えゆく精霊の叱咤が響いた。悲哀に満ちた顔を上げ、恐ろしげな鬼の姿に還る聡角を見届けた彼女は、最後にもう一度微笑んで、傷を癒やす深い眠りの底に沈んでいった。 (愛しい白梅よ、私は…私は…) 天を仰ぐ聡角に彼女が残した言葉は、彼の予見した『神託』だったかもしれない。自らの位置など知ることもできぬ無限の宇宙で、生きる者全てに与えられた始まりも終わりも判らぬ使命。 儚く、そして強い白梅の教えを噛みしめた鬼は、向かい合うべき弱き魂、地獄の業火に怯える権左の霊へと静かに歩み寄った。 ガチガチと歯を鳴らし、子供のように泣きじゃくる権左は何処でその道を誤ったのか。それを確かめ、過ちを正す慈悲の鬼こそ即ち『獄卒』なのだ。 「か、勘弁してくれ…地獄は嫌や…勘弁してくれ…」 「…立つのだ権左。私は長い贖罪の道を常にお前と並んで歩く。恐れることはない…」 朗々と響く力強い聡角の声に、権左がはじめてその憔悴した顔を上げた… ◇ …それから聡角は、数え切れぬ年月を数え切れぬ権左と歩き続けた。現世では重過ぎた荷物を共に背負い、その罪と同じだけ深い、彼らの嘆きに耳を傾けながら。 はにかみながら聡角に感謝を告げ、さらなる階梯を登ってゆく者、聡角のもとに留まり、共に宇宙の秩序を支える者。かつての罪人が光ある道を歩き始めたとき、聡角はいつも不屈の白梅をその瞼に浮かべる。 「……おい聡角、やっぱ駄目だ。こないだの修理から、昇降機構ずっと調子悪いからな…」 眉をしかめて遥か上空の専用ゲヘナ・ゲ-トを見上げた殿下は縁側からちょこんと腰を上げた。 ここは聡角の私邸。その広い庭園に集まった大勢の魔物たちは、ときおり夜空を見つめながら並べられた酒肴を楽しげに囲んでいる。 「ねぇねぇ聡角さま!! もう食べ物が無くなったニャ!!」 「『いすぱにあ』から出前をとったらどうかニャ?」 「…そうしてくれ。」 微笑んで頷いた聡角の背後で、このやたら騒がしい侍女二人組はピョンと跳んでハイタッチを決める。美しく着飾った宮廷侍女に、慣れぬ式服が少し窮屈そうな獄卒たち。 賑やかな宴会から少し離れた聡角は、まだ携帯ゲーム機のようなゲ-ト操作端末をいじくり回している殿下に答えた。 「…どうかご心配なく。こんな私用でお借し頂けただけで充分です。…ゲ-トからは私が降ろします。」 「…おかしいなあ。こないだは調子よく降ろせたんだが…そろそろ時間だよな…」 ため息をついた殿下が端末をポイと投げ捨てたとき、長い髪を結い上げた美しい獄卒が聡角に走り寄った。部下である彼女に予定通りの進行を告げた聡角は姿勢を正し、全身に満ちる魔素を虚空の一点に向けた。 「…ゲ-ト始動しました。秒読み、開始します。」 時を刻む獄卒の落ち着いた声。思えば自分はこの日の為に、『移魂の術』に磨きをかけ続けたのかも知れない…ふと、そう考えた聡角の背後から嬉しげな冷やかしが飛んだ。 「…しっかりやれよ聡角!! ゲ-トから女房落っことしたら、洒落になんねーぞおい!!」 だいぶ酔った、獄卒長紫角の声だ。生真面目な副官を茶化せる珍しい機会に紫角は有頂天のようだった。 しかしチラリと恨みっぽい眼を上司に向けた聡角の術は、生と死の門を越えた妻をしっかりと掴んでいた。名高い霊木『鬼寒梅』は今夜地上での長い役目を終え、彼女を待ち続けた鬼のもとへ嫁いで来るのだ。 「…ゲ-ト、開きます。」 聡角の裂帛の気合いと共に、黒雲の隙間から雷鳴が轟く。 「招!!」 一同が舞い降りた眩しい稲妻に目を覆った次の瞬間、丹精込めて手入れされた庭の一隅に、見事な白梅が静寂に包まれ佇んでいた。 「…おお…」 闇に映える白い花に、最も無骨な獄卒さえ息を呑む。そして墨色の幹からさらに見目麗しい花嫁がその姿を現したとき、この婚礼に集まった全員が深い感嘆の吐息を洩らす。 馥郁たる香りに包まれ、慎ましく夫の傍らに並んだ白梅の精に、かつてのおてんばな少女の面影はない。 焼け焦げ、捻れた幹から逞しく新芽を伸ばし、驚嘆する人々の目を長年楽しませ続けた彼女は、今や落ち着いた趣を備える艶やかな妖となっていた。 「…鬼寒梅と申します。山家育ちの不調法者ですが、何卒よしなに…」 「…殿下殿下、迎えの御言葉ですニャ!!」 「お、おう…」 侍女長に促された地獄の皇子が、ぎくしゃくと進み出て婚礼の開始を告げる。離れてなおひとつの魂であり続けた鬼と白梅、その二人きりの時間は、まだもう少し先のようだった。 上へ
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━━クリス・レッドフィールド 元空軍でその頃からバリー、ジル、フォレスト達とは交流があった。 曲がったことが嫌いなクリスは空軍でも上官と揉めた結果退職、と言う彼らしい辞め方をしていた。 空軍を退職した彼はS.T.A.R.S.と言うところにスカウトされた。ICPOとは違い主にテロを専門に取り締まる警察と言えば分かりやすいだろうか。 クリスが入った時はその中でも近年増加傾向にあったバイオテロを未然に防ぐ為躍起になっていた頃だった。 彼がS.T.A.R.S.に入ってしばらくしてから起きた事件。 それがクリスの人生を大きく変えることとなった 連続猟奇事件の調査と先遣したブラヴォーチームの捜索の為にクリス達アルファチームはアークレイ山中へ派遣された。しかし突然化物に襲われ洋館に逃げ込んだ彼らを待ち受けていたのはウェスカーが仕組んだ罠やB.O.W.、そして究極兵器タイラント。 戦いは壮絶を極めた。ブラヴォーチームはレベッカを除き全滅、アルファチームはクリス、ジル、バリー、ブラッドの四人だけだった。先程上で出たフォレスト、フォレスト・スパイヤーはクリスのチームで頭脳的な役割を果たしていた。射撃でもクリスと並び優秀 しかし、そんな彼ですらそこで命を落としたのだ。 何人もの仲間が死んでいった。それは自分の力が及ばなかったからだと何度も自分を責めた。 だが彼女はそんな俺を何度も励まし助けてくれた、ジル・バレンタイン。 彼女は俺にとって言葉では言い表せない、仲間…だけでもなく恋人…でも家族でもない。 ただ誰よりも大切な人には変わりなかった。 今度は俺が助ける番だジル。アークレイでは助けられなかった仲間達よ、すまない。 だが今は彼女を助ける為に力を貸してくれ… ━━━━━━━━━ クリスは部屋内部でジルと対峙していた。 部屋を軽く見渡すがあるのは奥にボタンの様なものだけで後は何もない伽藍の様な部屋。 入って来た扉は厚い鉄の壁で閉じられている。 どう出るか…は後でジルと二人で考えることにする。 まずはジルが正気かどうかを確かめる。 クリス「ジル…何があった?」 ジル「……」 喋れないのか、と一瞬思ったがそれはジルの一言で杞憂に終わる。 ジル「クリス、殺す」 クリス「……ふぅ」 参ったな。しかし会話?が出来るのならまだ可能性はあると見た。それからも彼女の攻撃を避けつつ話し掛ける クリス「やめろジル!俺を殺して何になる?!」 ジル「うるさい、殺す」 ヒュン、とナイフがクリスの目の前を通過していく。ジルに手を出すわけにはいかない為にこうして回避に徹しているがそれでもギリギリだった。 敵にして初めて彼女の身体能力の高さを思い知らされる。 クリス「(このままじゃ埒が明かないな……。)」 彼女が正気ではなく何かによって操られている様な感覚は感じ取れていた。しかし人を操る方法……催眠術くらいしか思い付かないぜ全く。 クリス「これならもっと読心術でも勉強しておくんだったな」 更にジルの攻撃は激しくなる。 避けられないと思った一撃をクリスは咄嗟に腕を掴み止める、が、それを見越した様にジルはクリスの腹に蹴りをお見舞いした。 ガッ……なんてありきたりな声が嫌でも漏れるほど強烈な蹴り。 これじゃゾンビの頭もサッカーボールの様に吹っ飛んで行くわけだ。 クリスは負けじと蹴ってきたジル足を両方で上へと持ち上げる。 ジルはその勢いを利用し、事も無げにバク宙を披露してみせた。 また少し距離が出来る二人。 バク宙の勢いのせいだろうか、ジルのBSAAの制服の胸の辺りが少しはだける。 クリス「!?」 そこから少し見えた小さな宝石の様な物、が埋め込まれているように見えた。 クリス「(まさかあれがジル…いやジル達を。何とか外せれば…)」 隙を伺うもジルにそんなものはない。またジルのナイフラッシュがクリスを襲う。 クリス「(くっ!やはり気絶させるか何かしないとな)」 しかし戦ってみてわかった。このジルは決して記憶を失ってるわけではないことにクリスは気づいていた。 何故ならクリスが苦手な左側面から常に攻撃を繰り出して来る辺りジルの記憶もちゃんと持っている。 ならばジルの知らない技で気絶させるしかない クリスは一度大きく下がると初めて構えを取った。 そして来いよと言わんばかりに手招きをする。 これにジルも反応しナイフを捨て構えを取った。 この律儀さはやはりジルだなとクリスは自分の仮説に間違いはないと確信した。 ジル「シッ!」 ジルから動き出し素早い右のハイキック、クリスはこれを何とか手で止める。 クリス「(これじゃない……)」 ジルは更にそのまま足を折りたたみまた打ち出す、今度はミドルの中段蹴り。 クリスはこれを肘でブロック クリス「(来いよ……ジル!)」 ジルは痺れを切らし大振りの右ストレートをクリスに…… クリス「(こいつだ!)」 クリスはその拳を避けるとジルに背中を見せつつ腕を取る。 そのまま足をシフトさせジルの足をかける。足をかけられ宙に浮いたジルの体を背中を支点にし腕で引っ張り込むとジルはそのまま背中から落ち、ドサッと言う鈍い音を立てつつ地面に激しく強打された。 一本背負い 日本発祥、柔道の一番メジャーな技と言っても過言ではないだろう。 クリス「日本の格闘術はさすがに知らなかったようだなジル。」 背中を強打した為か気を失っているジルに近づき胸元を開く。 クリス「……端から見ればただの変態だな」 最初に断っておくが俺にこんな趣味はない。今は非常時、人が溺れているのを助けたレスキュー隊員。しかし救助者は息をしていない。なら人工呼吸をする、これは当たり前の行為だ。レスキュー隊員に非はまるでない、ましてはやましい気持ちなどある筈もない。 クリス「……(心を無にしろクリス……!気持ちはいつもレスキュー隊員だ)」 そう自分に言い聞かせながらジルの胸元にある宝石を手に掴み、剥ぎ取った────── ────田井中律 私と聡はどこにでもいるまあ普通の姉弟だと思う。仲は結構いい方で良くゲームなんかを一緒にしたりしていた。 たまの休みには映画に連れて行ってやったりとなかなかのいい姉だなと自分で思ったりなんかもしていた。 私とは歳が4つ違う為に一緒の学校に田井中と言う名字は二つ刻まれることはなかった。 けれど聡は『大学に行ったら姉ちゃんと一緒の学校にいれるな!』とか可愛いげのあることを言ったりもしていた。 『あ、でも姉ちゃん頭微妙だから大学は難しいか』何てしっかり憎まれ口も叩く辺り私にそっくりだと思う。 そんな聡は私のありきたりで当たり前の大切な弟であり家族で、そんな大切な人と今、私は対峙しているのだ。 話を現世に戻すとしよう。入って来た扉は固く閉ざされている。 部屋の奥には一つのボタン。 間違いない、この部屋はあれだろう。 二年前私達を切り裂いたとも言える部屋だった。 律「なるほどね…頑張って助けても結局一人は置き去りになると…。考えることが汚いな」 だがそれは前の話だ。今は外に頼もしい味方もいる、そして何よりタイムリミットはない。あの時は邸が爆発するからと揉めたが今はそれもない。なら気楽にやれる。 律「聡、危ないからそんなもの捨てな。姉ちゃん命令だぞ」 聡「律、殺す」 律「姉ちゃん命令に逆らったらもう映画とか連れて行ってやらないぞ?いいのか?」 聡「映画……、」 おっ、反応した。見た感じ操りの類いみたいだけどそこまで根は深くないらしい。 律「また映画一緒に行こう、聡。」 聡「映画……何の……映画?」 律「お前の大好きなポケットモ○スターだ!」キランッ☆ 聡「殺す」 聡は狂う様にナイフを振り回して来た! 律「い、一体何が悪かったんだ……!」 そうか…私が20ってことは聡ももう16か。 しまった年齢を加味していなかった。さすがに16歳がポケットモ○スターの映画は無理があるか。 律は考えながらも聡の攻撃を軽くかわして行く。身体能力に差がありすぎるのか聡は律に触れることすらままならなかった。 聡「クッ……ナンデダ……」 律「聡、姉ちゃんのこと嫌い?」 聡「、、、、、」 聡は顔を歪める。喋りたくても喋れないといった感じだ 律「聡、あんたは……いや、私達はこんな所にいるべき人間じゃないんだよ」 あの平凡だけど、幸せだった日常が私達の居場所なんだ。 だってそうだろう…… 律は眼を瞑り大きく両手を広げた。 聡「……なんのつもりだ」 律「私達にこの世界は似合わないよ、聡、私達は…もっと…日向(ひなた)で生きていいんだ」 急に海に投げ出された様に私達はこの畏怖の世界に来た。 生き残る為に、大切なものを守る為に、私はこの暗い海を闇雲に泳いだ。 泳いで、泳いで、疲れ果てて……沈みそうになったのを助けてくれたのはみんなだった。 彼女達は信じていた。また戻れると、あの光溢れる世界に、だから諦めるなと だから、私も信じる。 聡を、家族を、絆を。 人の強さとは何だろう。それは腕力だろうか、それとも知識だろうか、様々な強さがあると思うけど。 私はそれを本当の強さとは思わない。腕力で相手を捩じ伏せた所でそれが何になるのだろう。 確かに現実は甘くない、守る為に致し方なくその腕力を行使することもある。 なら腕力がないものは弱いのか? 違う、澪は腕力があるわけではない。それでも私を守る為に命を賭けてくれた。 そんな彼女が弱いわけがない 本当の強さとは「思い」の力 私はそう思っている。 だから────── 律「聡、姉ちゃんは聡のこと大好きだよ」ニコ 聡「……ねぇちゃん」 聡の手からナイフが落ちる。 眼を開け聡を見る律 律「聡……帰ろう」 聡「……う、……うあっ…」 うん、と言う言葉を飲み込み、聡は胸を押さえながら苦しみ出した。 律「聡!?」 慌てて苦しむ聡に駆け寄る律。だが聡はそれを拒む様に手を横に振るった。近づくなと言う意味だろう。 律「胸が苦しいのか?!」 聡「姉ちゃん…俺を殺してくれ…じゃないと俺が姉ちゃんを殺してしまう」 ようやく捻り出した言葉は自分を殺せという悲痛の叫び 律「聡……」 律「無理だよ…そんなこと。聡を殺すことなんて…」 聡「いいんだ…本当は死んでたも同然なんだから…。父さんと母さんはウェスカーに化物にされたらしい……。俺はただ姉ちゃんへの当て付けに生き延びさされただけだから…」 律「そんな……」 両親が死んだ事実と、今目の前にいる唯一の肉親となった弟まで失うかもしれないという現実 聡「姉ちゃん…生きて。俺ら家族の分まで…」 律「やだよ…聡…。そんなこと…言わないで」 涙を溜める律に聡は笑いながらこう言った。 聡「似合ってねーし、らしくねーよ…姉ちゃん」 そう、いつも太陽みたいに明るくて眩しくて、その笑みが大好きだった。 聡「ぐぅ……これに逆らったせいかな…気が遠くなって来たや…」 聡の胸辺りには宝石の様なものが禍々しく輝いていた。まるで逆らえば死ぬぞ、と言わんばかりに。 律「聡!それがあんたを苦しめてるんだな!?」 聡「ウェスカーに……つけられたんだ…。それから…意識が遠くなって……。」 律「ならそれを外せば……っ」 律は聡に駆け寄り宝石を取ろうとするも外れない。 律「くっ…このっ!外れろ!」 力一杯引っ張るも外れない。それどころか、「があぁッ」聡は一層苦しみ出す。 律「っ……どうすれば」 聡「殺せ……!姉ちゃん!頼むから……モウ…オレジャナクナル…」 たった一人となった肉親を自分の手で殺さないと駄目なのか…。 ここまで来て…やっと会えたのに…聡…。 「律!!!諦めないで!」 律「?!」 外から声がする。この声は、「澪!」考えるよりも先に声が出た。幸い鉄の壁で閉じられていても声は聴こえるのだろう。 澪はずっと壁の前で私達姉弟を心配してくれていたのだ。 澪「律、聡君を助けられるのは律だけだから…!」 律「ありがとう、澪」 澪は今ここにいるのは私しかいないから助けられるのは私しかいない、と言ったわけじゃない。 今聡にとって一番必要なのは私なんだ その私が諦めたら一体誰が聡を助けるんだ 律「聡、姉ちゃんを信じろ」 律は右脚のホルスターからコルトM19を抜きゆっくりと弾を込める。 聡「姉ちゃん……」 姉ちゃんに殺されるのら本望だ。それを受け入れる様にただ両手を広げた。 律「……聡、絶対助けるから」 静かに撃鉄を起こす、 そして、躊躇わず引き金を引いた ─────────。 澪「律…」 必ず姉弟一緒に出てきて…。 パァン!と不意に嫌な音が響く 澪「銃声?!律?!」 壁に向かって声をかけるも返事は返って来ない。 澪「律!りつ!」 それでも何度も呼びかけるとちょっとめんどくさそうなダルい声を出した律が「大丈夫だよ」と返事をしてきた。 澪「聡君は?」 律「無事無事。今はちょっと気を失ってるけどね。」 澪「良かった……」 本当に良かった。 5
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澪「いたのか憂ちゃん。……服は?」 憂「お掃除で汚れてしまったので脱ぎました!」 澪「なんかもういいや」 唯『憂いるの?』 憂「あ、お姉ちゃん。憂だよ」 唯『さっき和ちゃんが来てくれたんだけど、急にバグっちゃって』 梓「唯先輩もかなりのバグを起こしてますけど」 唯『むっ、あずにゃん! お尻は気持ちいいんだよ!』 梓「はいはい……今からウォシュレット買ってきますから、そしたら出てくれますか?」 唯『え? ……ううむ』 憂「律さんの家のより気持ちいいの買ってくるから!」 唯『こ、これよりも……』 唯『わかった、買ってきたら……ね?』 澪「よし、じゃあ約束したところで、早速行くか」 トタトタ 紬「あ、少し待って」 澪「どうしたムギ?」 紬「このまま皆で出ていったら、りっちゃん家は空き家状態になっちゃうわ」 憂「お姉ちゃんがあの状態ですし、鍵もかけられませんし、確かにそうですね」 梓「誰かが留守番しないといけませんね」 憂「私は行きます。お姉ちゃんのお尻の穴のことは、私が一番よく知ってます」 紬「私も、お財布だから行かないと」 澪「梓は?」 梓「残った方がいいと思います。澪先輩も」 梓「最低2人はいないと、何かあったときに対処がしにくいです」 澪「じゃあ、憂ちゃんとムギでホームセンターに行ってくれるか」 憂「わかりました。なるべく急ぎますね」 梓「お願いね、憂」 紬「梓ちゃん、私には?」 梓「お願いね、つむぎ」 紬「……ちょっとキュンってした」 ガラララッ 憂「じゃあ、行ってくるね」パタンッ 澪「……それにしても」 梓「はい?」 澪「律が遅いな。トイレに行ったにしては」 梓「確かにそうですね。もうどれだけ経ったやら」 梓「大方、今回の問題にかかわるのが嫌で、どこかうろついてるんでしょうけど」 澪「そうだろうな。わるーい寄り道をしてることだろう」 梓「……?」 澪「ここじゃ冷えるな。部屋に戻ろう」 梓「そう、ですね?」 スタスタ 唯『みっ、澪ちゃん』 澪「ん?」ピタ 澪「唯、どうかしたのか?」 唯『あのー……』 梓「?」 唯『お腹、すきません?』 澪「……ふむ。そろそろ7時になるか」 澪「いいかもしれないな。私がご飯を作ってあげるよ」 唯『助かります!』 梓「澪先輩、お料理できるんですか?」 澪「ふっふ。これでも時々律に振る舞ってやったりしてるんだぞ」 梓「へぇー……あの、私料理はからきしダメなんですが」 澪「いいよ、私がやる。唯、待ってて。すぐ作るから」 唯『ありがとっ、澪ちゃん!』 澪「どういたしまして。梓のぶんも作るからな」スタスタ 梓「あっ、はい。ありがとうございます……」 梓「……」ポツーン 梓「は……」 梓「することない……」 ガタッ ガラララッ 聡「ただい、まっ……」 梓「ひ」ビクッ 聡「あれ、俺んち……」 聡「だよ、ね?」 梓「し、しらないです」 聡「……あ、前にもあったなこんなこと」 聡「澪さん? います?」 トストス 梓「……」 澪「ん、なんだ?」ヒョコ 聡「あの子、姉ちゃんの友達ですか?」 澪「ああ。梓だ」 梓「あのっ、澪先輩。その人は」 澪「ん? えっと……誰だっけ? モリスン?」 聡「……聡です」 澪「そうそう、律のいとこの橋本くんだ」 梓「あ、それはそれは……その、こんばんは」 聡「あの、一応おじゃましてますぐらいは」 澪「モリスン。今、夕食を作ってるけど、モリスンも食べるか?」 聡「いや、だから聡……」 澪「わかった、モリスンのぶんも作っておくな」 聡「いっいえ! あのおれ、部活の仲間と食べてきたんで! いいですっ!」ドタタタッ 澪「フ……」 梓「……澪先輩、本当に料理できるんですか?」 澪「律は泣きながら最高だって言ってくれるよ」 梓「……私、コンビニ行ってきます。ご飯はいいですよ」 澪「そうか? まあ手間が省けるからいいけど……」 梓「何か欲しいものがあったら買いますけど」 澪「いや大丈夫。行ってきてくれ」 梓「……はい」 スタスタ トンットン 梓「……」 ガラララッ …パタン 梓「私……何の役にも立ててない」 梓「澪先輩はド下手なりにお料理してるし、」 梓「憂は全裸でだって唯先輩のためにウォシュレットを買いに行ってくれてる」 梓「ムギ先輩はお金を出したし、律先輩はきっとどこかでおしっこしてる! ……なのに」 梓「それなのに私、こんなんじゃだめだよ」 梓「……すぅー」 梓「私にできること、それは……」 グッググ… 梓「ふ……ぐぐぐっ……カイリキーッ!!」ガゴッ 梓「はあ、はぁっ……このマンホールから下水道に入ること」 梓「パイプを通って唯先輩のいるトイレまで行って、中から鍵を開けちゃえばいいんだ」 梓「私のちっちゃい体なら行ける!」 梓「よし、行くよ私!」 ピョン ヒュー… ―――― 澪「……さっきから、なにうろちょろしてるんだ」 聡「っと、あの……トイレがあかなくて」 澪「ああ、トイレはあかないぞ。唯がこもってるからな」 聡「ゆい?」 澪「私の友達だよ。ウォシュレットがお気に召したらしくて、ずっとこもってる」 聡「はい? っ……え、ウォシュレットで遊んでるんですか?」 澪「かれこれ2時間ほど」 聡「……高、3、ですよね?」 澪「言ってもまだ17なんだ。許してやれ」 聡「いやあのでも、俺わりと限界な」 澪「うるっさいな! もらせよ!」バン 聡「ひいっ!」じょわっ 聡「ううっ、ぐくぅ……おれ、その唯って人に話つけてきます!」 聡「人ん家のトイレにこもるなんて!」 澪「おいっ、モリスン!」 聡「なんですかァ水縞モロ! PANCHIRA!」 澪「っ……く」 聡「フンッ」 ドスドス 澪「……立場上、止められなかった」 澪「くそっ、くそ……」 澪「パンツの話題は反則だろう……」 ポタッ…ポタッ 澪「ぐすっ」 コンコンッ 唯『なあに、澪ちゃん?』 聡「いや俺、その……」 聡「田井中さんのいとこの、橋本モリスン……ですけど」 唯『……』 唯『なにか用?』 聡「単刀直入に言います。今すぐウォシュレット遊びをやめてトイレを出てください」 唯『なんで』 聡「あのですね、ここ僕ん家の……いやそもそもそこトイレなんですよ」 聡「用を足したいに決まってるじゃないですか」 唯『……へー』 聡「へーじゃなくて。ぅく……あの、唯さん、もう本当に出ちゃいますって」 唯『じゃあ出せばいいじゃん』 聡「いや、出せばいいじゃんって言いましても」 唯『出したいんでしょ?』 唯『私もこうして好き放題してるんだし、キミも出したいなら出せばいいじゃん』 聡「ちょっと理屈がわかんないです。俺が損するだけじゃないですか」 聡「ほんとに、いいから早く……」 唯『……』 チョロロッ チョロ… 聡「ちょ、唯さんまたそれ」 唯『ん、ふぁ……』シャァァァ… 唯『なんと言われても、どかないからね。ん……』 聡「っ……唯さん、マジで限界なんスけど……!」 聡「ぅあ……だめだっ、でるうっ!!」 ジョオオオオオオォォ… 聡「オ……オ、オ、オ」 ガクッ 聡「……中、3、だよな……オレ」 バシャン ―――― 澪『さてと、掃除終了』 唯「ごめんね澪ちゃん、何から何まで」 澪『いいよ。じゃ、ご飯ここに置いとくな』 澪『私は部屋にいるし、梓たちは出てるから』 唯「ありがとー、澪ちゃん」 澪『どーも』 トッ トッ トッ 唯「……」ソロッ カチャ ガチャ 唯「おお……」 ススッ パタン カチャ 唯「スープパスタ。コンソメの匂いがする……」 ギシ 唯「よっと……」ポチ ウィーン… プシィィィッ 唯「はっ、はふ……」カチャカチャ 唯「ん、もぐ……じゅじゅう」 唯「ふふぅ……ウォシュレットしながらご飯なんて最高だよぅ」プルッ 唯「はふ、ふーっ。じゅるるじゅちゅ……ごくっ」 唯「でも、ちょっとしょっぱい……涙の味?」 唯「……私、何してるんだろう」 ―――― 唯「ふー、ごちそうさま」 カチャン 唯「……」 唯「……う、ん」 唯「なんかお腹がゴロゴロする」 唯「……うぎゅう」ブルブル 唯「はあっ、はっ……」 ガラララッ 紬『澪ちゃん梓ちゃん、ただいま!』 憂『お姉ちゃーん! 買ってきたよー!』 唯「げっ!」 憂『約束だよ、トイレから出てきて!』 唯「っ……」グギュギュ… 憂『お姉ちゃん?』 唯「……今は、出れない」 12