約 3,215,496 件
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/61354.html
【検索用 ささやかなふしあわせ 登録タグ 2013年 UTAU からっP さ 曲 曲さ 波音リツ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:からっP 作曲:からっP 編曲:からっP 唄:波音リツ 曲紹介 毎日寒いですね。 曲名:『ささやかなふしあわせ』 歌詞 ささやかなふしあわせが 降り積もって 今日も私を冷やしてく ささやかなしあわせはいつ降るの? 冷たい 寒いわ。 なんかうまくいかないな なんだか疲れているな ごはんがおいしくないな あのひとが妬ましいな やなことばかりが目に付くなんてわびしいね でも 冷えてる心じゃ しあわせになんて気づけない ささやかなふしあわせが 降り積もって 今日も私を冷やしてく ささやかなしあわせに気づけないの 冷たい 寒いわ。 しあわせは降ってこない そんなことわかってるのに 泣きごと うわごとばかり 吐き出しまた冷えていく ささいなしあわせ 大事にしなきゃだめだよね でも 少しは 休んで 塞いで 逃げてもいいじゃない ささやかなふしあわせは 降り続けて 今日も私を濡らしてく ささやかなしあわせに気づけるように あたたかかく しんしんと 優しくなりたい。 ああ、嘆いたって寒いのに それでも たまには いじけて 塞いで 逃げてもいいじゃない ささやかなふしあわせは 降り積もって 明日も私を冷やすけど 足元のしあわせに気づけるように あたたかかく したたかに 優しくなりたい。 それまで 寒いわ。 コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/21069.html
【登録タグ CUL GUMI R あぐP 初音ミク 曲】 作詞:あぐP 作曲:あぐP 編曲:あぐP 唄:GUMI・CUL・初音ミク 曲紹介 ~音。空。飛んで行け。そこには無限に広がる空際~ Vocaloidを始めた頃の原点に戻って、本当に好き勝手やらせて頂きました(笑)エレクトロ系の節目になると思います。 Vocaloidの自由って何?そんな想いを聴いていただけたら幸いです。(作者コメ転載) PVを 螺鈿氏 が、マスタリングを 内緒でお願いP が手掛ける。 歌詞 澄み切った身体 芽生えた誘因 空は私を包んで 舞い上がった 洗い流した 野心 希望 すべて包み込んで Ah- 森羅万象から解き放たれた 無窮(むきゅう)に広がる私達の詩 見つけてよ 拾い集めた フレーズ届ける ルールは遥か下のほう 空を舞って何処へでも行けるよ 見えて来た あなたからのリンクを待ってた そう これが私達の詩 届く距離なんて関係ないのだから 総ての想い繋ぐために生まれてきた どんなカタチだっていいでしょう? 今日また何処かで聴かれていたら あなたとの時間は 必然だと思えるから Ah- 浮かぶ身体に 預けた天命を 1つだけ自由にできるなら 叶えてよ 時間を超えて 旋律届ける 0と1の世界にも 感情があったっていいじゃない? 雲の先 あなたからのリンクが届いた そう これが私たちの声 いつか何処かであなたに届くように 全ての想い伝える為飛び立った どんな言葉だって伝える 明日またどこかで聴かれていたのならば 心は満たされてく 今ここから 溶け出した未来図 初めから決めてた もう変えはしないから 声をからすほどにSing!!!! そう 空に舞う時の間 決してとまらない風に乗る言葉は 決まってない未来 形作って見えてくる そう これが私達の詩 届く距離なんて関係ないのだから 総ての想い繋ぐために生まれてきた どんなカタチだっていいでしょう? 今日また何処かで聴かれていたら あなたとの時間は 必然だと思えるから コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/14003.html
おれんじでいず【登録タグ yksb お ゆうなつ 巡音ルカ 曲】 作詞:ゆうなつ 作曲:イママP 編曲:イママP 唄:巡音ルカ 曲紹介 青春時代を思い出すアコースティックポップです!(作者コメントより) 青春は甘酸っぱいのかな?大切な思い出だけど…思い出すとちょっと苦い。そんな過去のお話。(ゆうなつ氏のマイリストコメントより) イラストは潮音氏、動画は作詞も手がけたゆうなつ氏。 コンピレーションCD『Aurore et Crepuscule』収録曲。 歌詞 chu lu chu chu Orange-days chu lu chu chu Orange-days chu lu chu chu Orange-days chu lu chu chu Orange-days Orange-days Do you remember? オレンジを見て想う 放課後のSunset 染まる教室で君とさよなら 胸が痛んだ 甘酸っぱい想い出 ミキサーに詰め込んで オレンジジュースにしちゃおうかな? グッと飲み込んでみよう 楽しいことはあっという間に消える世界 悲しいことは深くまで残る果実 全身に満たされるこのオレンジの香り 次の幸せを運んでくるのかな? ただただ 立ち止まっているだけで 未来は必ずやって来て 過去は未来を追いかける 飲み込んだ想い出も追いかけてきた あの頃の君のもと 心 タイムスリップ 辛い記憶のはずでも想い浮かぶのは君の笑顔 時間をかけてゆっくり出来上がったジュースは 心にしみるオレンジ 100%のありがとう 悲しいことだと閉じ込めた 君の優しさ 本当に悲しいのは君と過ごした日々 無理やり忘れてしまおうとすること だと今頃気付いた 甘酸っぱくて苦いね 私の周りをくるくると 過去と未来の追いかけっこ 進むスピードは同じ 捕まることはない 笑ってしまうね あと一口で終わるんだね 君と私の記憶 無くなったあと 少し楽になれるかな? 新しい私 君とおわかれ 最後の一滴 とびっきり 弾け飛んで駆け巡るよ 君との幸せ 「ありがとう」 大切な大好きな人 穏やかな光が差し込む部屋の カラのグラスへSunset オレンジジュースみたいで 忘れちゃダメと言われたんだ、涙が chu lu chu chu Orange-days chu lu chu chu Orange-days chu lu chu chu Orange-days chu lu chu chu Orange-days Orange-days I don't forget you コメント なんで誰もコメントしないのー。アップテンポだけど落ち着いて聞ける佳い曲 -- tori (2012-08-27 19 46 57) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/10817.html
このページはこちらに移転しました 君は笑って 作詞/423スレ143 綺麗な星空 鈴虫の声 外から吹き付ける冷たい夜風に 君の髪が揺れる 君は「さよなら」と言って笑って 少し泣いたね 前を向いて 遠くなって 違うだれかのモノになるの? 無力な僕 無邪気な君 お願いだから全部 壊れて…壊れて! 僕らは不幸になる為に生れてきたと言うなら せめて今夜だけでも 君は笑って 僕は唄を歌って 不幸の中の一瞬の微笑みを幸と言うなら せめてこれからは 君は笑って 僕を忘れて
https://w.atwiki.jp/boukyakunotesoro/pages/192.html
これは誰かの過去のお話。 + 持ち主 持ち主は、新しい家に引っ越すそうだ。 いらない道具は引っ越す際に全て捨てられる。 俺もきっとこのままだと捨てられてしまうだろう。1年ほど前から使われていた電球は、 箱の中に入れられて、燃えないゴミの収集日までずっと玄関に置かれていた。 燃えないゴミの収集日になったら、このままだと俺も捨てられてしまう。 でも、まだ俺は知らない物を知りたかった。 このまま捨てられてしまったら、何も知れない。 俺はずっと天井にいて、部屋に光を照らすだけ。 天井以外からの景色を見てみたかった。 “世界を見てみたい。” その小さな願いは俺をテソロにした。 + 3人 それからティールという、レンチのテソロに出会った。 持ち主も、テソロになった理由もほぼほぼ同じ。 俺ら2人は気がとても合い、相棒と名乗る事にした。 ティールには弟がいて、 とても元気な鍵のテソロだった。 名前はオルレーというらしい。 俺達はずっとみんなで仲良くしていた。 + ××× _あーあ×、割れちゃった。 明日××を変えよう。確かあそこに新しい××があるはず。 今まで灯してくれてありがとうね。××の子。
https://w.atwiki.jp/ddff_orique/pages/279.html
【登録タグ さ ライトニング】 【タイトル】ささやかな安らぎ 【概要】コスモスの計らいで自分の世界の物を手にする事ができた ライトニングは、旅先でそれを紐解いたのだが……。 【対象】012中盤付近まで進んでいればOKです。 捏造アイテムに抵抗が無い方向け。 【バトル】固定ライトニングで条件戦が1戦。 敵はトレーニングリング装備なので倒される事はありませんが、 条件を外すことによる負けルートもあります。 【作者より】条件戦で作ったらこんな内容になりました。 ライトニングの装備でも若干のネタをやってみましたので、 チラッと覗いてやって下さい。 なお、敵の装備は胴の物も現実に存在します。 【コード】0000-1069-6147-1089 スレ感想 【2スレ】 AFのこだわりに大爆笑させてもらいました。敵があの場所に何しに来たか、AFで分かる仕様が面白かったです。負けパターンは見ませんでしたが、だいたいどういうことになるのか、想像がつきました……wほんわかするクエストで、良かったと思います。( 410) 本当にささやかな願いをワクワクしながら楽しんでるライトさん可愛いww仮に他の面子、特にカオスのメンバーに食わしてやったらどう反応するか想像したらまた笑ってしまいました ( 433) 概要を見た限りではもっとお堅い品物を取り寄せたものだとふんでいたのでちょっと驚きです。あとバトル条件を巧く物語に組み込んでいるなあという印象2人のやりとりに和み、温かくなると同時にお腹がすいたクエストでしたw( 448) コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1792.html
灰色の空間をただひたすらに歩く。目的地はキラークイーンの右腕だ。 もともと、この空間は白かったはずなのだが、今では一部の隙間もなくすっかり灰色に染まっている。あのときのままだ。なぜだろうか? 自分の夢なのに意味がわからないなんておかしなことだ。いや、おかしくは無いか。自分の夢の意味を知らない人間なんて五万といるもんな。 夢の意味なんて単純なものでなけりゃあ、そういったものの専門家でもない限りわからないものだ。 キラークイーンが聞こえる方へ進んでいくと、やがてキラークイーンの右腕が見えてきた。今度は歌ではなく腕を目印にして歩き出す。 この空間にはキラークイーン以外何もない。だからここ来ればキラークイーンのもとに行くしかないのだ。 そして歩いているとき、不意にあのときの闘いのことを思い出す。そしてその中に違和感があることに気がついた。 対峙したキラヨシカゲ。灰色に染まる世界に消える透明な壁。顔にぶち当たるシアーハートアタック。腹を貫くキラークイーンの左腕。 無くなった左手を押えるキラヨシカゲ。絶望し、頭に銃弾をぶち込まれ爆発したキラヨシカゲ。崩壊する世界。 違和感の一つはこの灰色だ。あのときのよく見るとあのときの灰色じゃない。あのときの灰色よりいくらか白みがかっている。なぜだ? もう一つの違和感は、この空間だ。キラヨシカゲが崩れ去ったあのとき、この空間は崩壊したはずだ。なのに未だにこうして存在している。 夢だからいくら壊れても平気なのか?夢ってのはそんなものなのか?考えても考えても答えは出ない。自分のことだってのにわからないってのはもどかしいもんだな。 そんなことを考えているうちにキラークイーンにたどり着く。相変わらずサビは聞こえない。だがそれがいい。キラヨシカゲとは違うっていういい証だ。 右腕しか見えないのもやっぱりいい証だ。右腕は私だけのもので、サビ以外も私だけのもの。自分特有のものってのは最高だな。 そんな気分に浸っていると視界の隅になにかどす黒いものが映った。慌ててその黒いものに目を向ける。 自分の中で、この世界で黒いものといえばキラヨシカゲ以外に思い浮かぶものは無いからだ。そして目を向けた先にあるものに私は驚いた。 それはどす黒い染みだった。黒の中にあろうと発見できるとまで思うほどのどす黒い染み。 キラークイーンの位置から考えると、そこはキラヨシカゲが崩れ去った場所に他ならない。なんでそんな場所にこんなどす黒い染みがあるのだろうか? 答えは出ないまま、いつもどおり私の意識は暗転した。 パートⅣ 使い魔は穏やかに過ごしたい 「水兵リーベ僕の船ななまがりシップ……」 「ななまがりシップスクラークですね」 「だめだな。なかなか覚えれない」 「焦らなくても、ゆっくり覚えていけばいいですよ」 「ニャー」 穏やかな陽光をその身に受けながら、私はシエスタと共にベンチに座っていた。もちろんただ座っているだけじゃない。シエスタから文字を教わっているのだ。 アルビオンが攻めてきたあの戦いからすでに1週間ほど過ぎていた。城下町はてんやわんやの大騒ぎらしいが学院では特に変わったことはない。 いつも通りの日常が繰り返されている。いつも通りというのは素晴らしいことだ。下手に騒ぐよりよっぽどいい。 騒ぎがあればこうしてシエスタに文字を教えてもらうことなんてできなかったからな。そう、私はシエスタに文字を教えてもらっている。 タルブの村が焼き尽くされたあの戦いで、シエスタは死んでいなかった。村の人間も殆んど死ななかったらしい。 全滅、あるいは8割がた死んでいると思っていただけに、随分と運がいいと思う。その運のよさを私に分けてほしいくらいだ。 「情…………………気品優雅さ……ああ?」 「情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ」 「…………これ一体何が書いてあるんだ?」 「さあ、前にも言いましたけど結構難しいことが書かれてる本ですから」 シエスタが学院に帰ってきたとき、シエスタは私を見るなり泣きながら私に抱きついてきた。それはそれは驚いたものだ。 いきなり抱きつかれたこともそうだが、私の中じゃあ既にシエスタは死んだ事になってたからな。死人に抱きつかれたらそりゃあ驚くに決まっている。 泣きながら抱きつかれるってのは正直鬱陶しかったが、引き剥がすようなことはしなかった。さすがにそれはひどすぎるだろうからな。 仕方なく自分から離れるまで好きにさせておいた。やがてシエスタは泣き終え、私に礼を言った。助けてくれてありがとう、と。 意味がわからなかった。私は何かを助けた覚えなんてない。タルブの村は私が着いたときにはすでに火の海だったしな。 シエスタが言うには、村の何人かが巨大な戦艦に向かって飛ぶゼロ戦を見たらしい。シエスタの父もそれを見たそうだ。 そのあと、小さな太陽が現われたことから、あれは私が起こしたものだと判断したらしい。確かにゼロ戦は飛ばしたがあの光を放ったのはルイズだけどな。 それにしてもあのとき、ゼロ戦を見ていた奴がいるんだな。そのことに驚いたよ。 「キラヨシカゲってどう書くの?」 「えっと、こうですね」 本当に、本当に穏やかな時間だ。デルフと話す以外で心穏やかになる瞬間があるとは夢にも思わなかった。なぜこうも穏やかでいられるのだろうか。 それはきっと、今隣にいる人間がシエスタだからだろう。隣にいるのがルイズだったらこうもいくまい。あれは人の形をした何かだ。 そんなものの隣にいて、安心しろというほうが無理なんだ。ルイズを見るたびにあの光を思い出す。ルイズを見るたび恐怖心が心をかき乱す。 未知に対する恐怖が私の平穏を妨げる。この恐怖心を心から失くすためには、ルイズを殺すしかないんじゃあないか? 「ヨシカゲさん?」 「なんだ?」 「どうかしたんですか?少し顔が怖いですよ」 「……そうか」 ルイズを殺すべきなんじゃないか、最近こればかり考えている気がする。いや、実際こればかり考えている。ルイズを殺して得られるメリットを考えてみる。 ルイズを殺せば『虚無』系統の使い手はいなくなる。それによって『虚無』に対する恐怖が無くなる。自由の身になれる。 デメリットはなんだ? ルイズは貴族の中でも身分が高い。王族とも付き合いがあり、お姫様の友人でもある。ってことは殺した場合……、怪しまれる。追究される。尋問される。 それも徹底的にされるだろう。一番近くにいるのがいつも私だ。絶対に怪しまれるに決まっている。逃げれば自分が犯人だといっているようなものだしな。 一生お尋ね者になってしまうかもしれない。いいベッドで眠れてうまい食事を朝昼夕きっちり取れる、この生活も手放すことになる。 ルイズは、魔法が使えるようになった。いつかだかルイズはこう言っていたな。 呪文をきちんと使いこなせる立派なメイジになりたいって。他のメイジが普通にできることを自分も普通にできるようになりたいって。それができただけで満足だって。 ルイズはその満足への足がかりを手入れた。だが、私はどうだ?『幸福』から遠のいたような気がする。 なぜ、こんなにも私がルイズに恐怖を抱いているのか、それはルイズが『虚無』を使えるからに他ならない。 私はあれ以来虚無を見ていない。しかしその力は、はっきりとまぶたの裏に焼きついている。 火』『水』『風』『土』、これらの系統はこの学院にいる限り、結構日常的に見られるものだ。だから慣れきっている。 慣れているものに人間ってのはそれほど恐怖を感じないものだ。だが、『虚無』は違う。ありゃあ今まで見てきた魔法とは全くの別物。 格というか次元が違う。一目見てわかる異常。明らかなる未知。それが『虚無』を身近で見て、そして感じた私の印象だ。 ルイズは個人で戦局を変える未知なる力を秘めている。そんな化け物の近くにいて気が休まるものか。 ルイズがあの力を私に使ってこないとも限らないのだ。あんなものを使われたら私はとてもじゃないが対処できるとは思わないね。対処できないからこそ怖い。 ふと横に目を向けると猫が私の心配などよそにウトウトしている。それを見ているとなんだか、こう、腹立たしい。こっちは真剣に考えているってのになんだその態度は! とりあえず肩に乗っている猫を掴み後ろに向かって放り投げる。 「ニャ~~~~!?」 「え?なんですか今の泣き声?」 「なんでもない」 「あれ?猫ちゃんは?」 脱走してもルイズなら、使い魔に逃げられるなんてメイジの恥だとか言ってお尋ね者にしそうだな。 そうだ、いっそ事故に見せかけて殺したらどうだろうか?スタンドならおそらく可能だ。 ……こんなこと考えるなんてまさしく『幸福』じゃないって証拠だよな。本当にどうしてこんなことになっちまったんだろ。 「ハァ~……」 「ヨシカゲさん。本当にどうかしたんですか?なにか心配事でもあるんですか?少し様子がおかしいですよ?} 「なんでもないさ」 「でも「なんでもない。それよりこれは何て読むんだ?」……これはですね」 穏やかに、時間が過ぎていく。 どうしてこんなことになったのか?どうして私がこの世界に来てしまったのか?私の問いに答えられる人間なんているわけも無かった。
https://w.atwiki.jp/mtgflavortext/pages/3307.html
穏やかに捧げる生け贄1つは、パニック状態で捧げる1ダースよりも価値があるわ。 ――サマイトの癒し手、オアリム "A sacrifice made in peace is worth a dozen made in panic." ――Orim, Samite healer テンペスト 【M TG Wiki】 名前
https://w.atwiki.jp/millionbr/pages/207.html
空見て笑って 太陽が少し傾きかけてきた頃。 風が草木を撫でる道を二人は行く。 終わりの見えない旅路を想起させる、どこまでも広がる森林地帯。 「二人と合流したら何か食べよう。お腹が空いてたら元気出ないからね」 わざとらしいほどに明るく、響が語りかける。 風花もまた深入りすることはせず、静かに頷く。 結構な距離を歩いただろうか。 約束の場所はここからそう遠くないはずだ。 「環たちが亜美を見つけてくれてればいいんだけど」 「ほんとに、どこに行っちゃったのかなぁ?」 「案外この近くにいたりして、なーんて」 冗談めかして言いながら、響は辺りを一瞥する。 何者かが木陰に姿を隠すのが見えたが、何の変哲もない林道だ。 「…………え?」 いや、そんなはずは。 しかし、今確かに響の目に映ったのは―― 「亜美……?」 先程まで血眼になって探していた、双海亜美その人なのだから。 だが、名前を呼んでも返事はない。 「亜美ちゃん? 亜美ちゃんなの?」 響の声に気付き、風花もまたその名を呼ぶ。 依然として、応える者はいない。 真相を確かめるべく、風花は背後の大木へと歩み寄る。 「待って! 風花! 近づいたら危険だ!」 呼び止められ、思わず足を止める。 響も風花も、亜美を連れ戻したい気持ちに嘘はない。 だが、一度襲われたことがどうしても尾を引いてしまっている。 「……亜美ちゃん、ちょっとだけでいいから、私の話、聞いてくれないかな」 「……」 幾許かの沈黙を経た後、亜美はゆっくりと姿を現した。 手を後ろで組み、ばつの悪そうに視線を逸らしている。 「亜美ちゃん、急にこんなことになって、不安な気持ちなのはわかるよ。 でも、だからってみんなを傷つけるのは、絶対間違ってる……」 子供を諭すように風花は語りかける。 「早まっちゃ駄目……こんなときこそみんなで力を合わせなきゃ。 だって私たち、同じ事務所の仲間でしょう? もっと私たちを頼ってよ……」 その声は、彼女の本心からの言葉。 楽しかった日々を取り戻す。 それを切に願う悲痛の叫び。 「私だけじゃない。響ちゃんも……みんなも待ってる。 きっとまたやり直せるよ。だから……一緒に行こう、亜美ちゃん」 そう言って、風花は手を伸ばす。 その優しい笑顔は、かつて見た面影と全く変わらなくて。 「わかったよ……」 亜美が答える。 弱々しく、けれど確かな決意を秘めた眼差しを向けて。 そして、差し伸べられた手を…………掴むことはなかった。 「……やっぱりこうするしか方法はないって」 腕を振り抜く。 肉を穿つ生々しい音が木霊した。 「風……花……?」 風花の首から鉄の杭が顔を出していた。 中に詰まった赤い液が隙間から滲み出る。 やがて杭が引っ込むと、腕を伸ばした体はゆっくりと倒れ伏した。 「なんでだよ! 風花はこんなに亜美のことを想ってくれていたのに!」 「うるさいうるさい! ……もう、イヤなんだよ……。 助かりっこないのに、期待したくないんだよ……。 夢見させるようなこと言わないでよ!」 亜美が吼える。 あの頃に戻れるものなら戻りたい。 そう願っていたのは亜美も同じだ。 だが、もう遅い。 ここで折れてしまったら、何の為にひなたを殺したのかわからなくなってしまう。 もう、戻れない領域まで来てしまったのだ。 「もう決めたかんね……! 亜美、みんなをブッ殺して、絶対生き残ってやるから!」 「亜美! 話を聞いてくれ! 亜美っ!」 だが、響の言葉も亜美の耳には届かない。 躊躇いなく、一直線に駆け寄る殺意を前に、響は―― 「っ! ……ようやくやる気になったんだ?」 自身の武器をその手に構えていた。 【豊川風花 死亡】 ◆ ◆ ◆ 「ひびきとふうか、遅いなぁ……」 「どうしたんだろう。道に迷っちゃったのかなぁ」 待ち合わせの場所には琴葉と環しか来ていなかった。 約束の時間はとうに過ぎているのに、響と風花がくる様子がない。 「……ちょっと探しに行こっか」 「うん! 早く行こう!」 何か事故に巻き込まれた可能性もある。 二人の無事を祈りながら、彼女らが向かった方角を目指す。 「ねえことは、何か聞こえない?」 「そういえば……何の音だろう」 しばらく道なりに進んでいると、彼方から妙な音が聞こえてくる。 金属同士がぶつかり合うような音だ。 まるで剣戟のような―― 「――ッ! 環ちゃん! 行こう!」 「え? う、うん!」 この音は恐らく戦闘によるもの。 誰かが命の危機に晒されていることは想像に難くない。 やや強引に環を引き連れ、音の源へと急行する。 「響ちゃん! 風花さん!」 悪い予感が的中してしまった。 今正に戦闘を行っていたのは響ともう一人、双海亜美。 「あ……ふうか……」 風花は……見るに堪えない姿になり果てていた。 事態が呑み込めず、環はその場で硬直している。 一方、響の状況も芳しくない。 亜美の暴走を止めようと奮闘してはいるが、武器を振るうことにまだ迷いが見える。 当然、全力で殺しにかかる亜美とぶつかり合えば劣勢に陥ることは必然。 琴葉の呼びかけに応じる余裕もない。 「ぐっ、しぶといなぁ!」 鶴橋と鉈が幾度も衝突する。 命を刈り取るため、何度も何度も必殺の一撃が放たれる。 「どうしよう……このままじゃ響ちゃんが……!」 助けに行きたいが、迂闊に近づくことすらままならない。 亜美の攻撃をなんとか凌いでいるが、次第次第に響が押され始めていた。 あとどのくらい攻撃を捌けるのかも定かではない。 (やっぱり、これを使うしかないの……?) 琴葉は自身が携帯する銃に目をやる。 この距離なら亜美に反撃されることなく響を援護出来るだろう。 だが、撃てるのか。 かつての友を射殺す、その覚悟が自分にあるのか。 先程出来なかったことが今急に出来るようになるのか、と。 琴葉は自問する。 「そこっ!」 「ッ!? あぁっ!」 などと思案している内に、戦況が大きく変化する。 鶴橋が鉈を掠め取り、地面に落下させたのだ。 すかさず腕を振り上げる亜美。 万事休すか。 「響ちゃん!」 まだ終わらない。終わらせない。 琴葉は半ば無意識の内に銃を構える。 ――轟音が響き渡った。 沈黙。 辺りは静寂に包まれる。 鶴橋を構えたまま硬直する亜美。 引き金に力を込め続ける琴葉。 そして―― 「なん……で…………」 響の体が崩れ落ちた。 「…………え?」 呆気にとられる。 亜美を狙って銃を構えた。 そして引き金を引いた。 なのに、なぜ響が倒れる? 「違っ……そんな……っ、私……」 言うまでもない。 外したのだ。 銃など見たこともない少女が覚悟を決めたところで、使いこなせるはずがなかった。 (私じゃ、ない……私は……ちゃんと、狙って……) 犯した罪の大きさに耐えきれず、無心で逃避する。 私じゃない。 私は悪くない、と。 (違う、違う、違う違う違う違う! 私じゃない私じゃない私じゃない! 私のせいじゃな 響いた音が途絶えた後、少女が倒れ伏した。 後悔に顔を歪め、首筋から鮮血を吹き出す琴葉。 隙をつき、頭蓋を陥没させてやるつもりであったが、逸れてしまったらしい。 走りながらの攻撃では精度に欠けたか。 「……っ!? うあうあ~っ!?」 一息ついた直後、不意に亜美の天地が逆転する。 何故倒れてしまったのか。 その原因は亜美の眼前にあった。 「っ、たまきち……!」 「返せ……」 亜美を押し倒し、上から睨みつけているのは環だった。 「返してよ……」 呟く声が聞こえた刹那、亜美の顔に重い痛みが走る。 「返せ……! みんなを……返せぇっ!」 怒りに身を任せ、環は拳を振るい続ける。 右。左。右。左。 何度も何度も、何度でも。 我に返った頃には、環の目の前は真っ赤に染まっていた。 腫れ上がり、痣に歪んだ亜美の顔。 皮膚が擦り剥け、血に塗れた両手。 倒れた琴葉の体から流れ続ける血。 何も残らなかった。 ふうか。ひびき。ことは。 何度痛めつけても、何度怒鳴っても、もう誰も帰って来ない。 「うう……うあぁああああぁ!」 急に居た堪れなくなり、環は走り去る。 凄惨な光景から目を背けるように。 失った希望を追い求めるように。 これで本当に、何もなくなってしまった。 (あー……亜美、まだ生きてるんだ……) 壮絶な責め苦を味わいながらも、亜美はまだ死に至ることはなかった。 体が重い。 意識が朦朧とする。 顔が燃えるように熱い。 それでも、生きていた。 (いっぱい、殺しちゃったなぁ) ひなたの頭を叩き割った。 風花の首に風穴を空けた。 響を殺す寸前まで追い詰めた。 琴葉の体に楔を打ち込んだ。 たった一日で四人。 沢山の仲間を手に掛けた。 もう、人としての尊厳を保てない程に。 それでも、生きていた。 (風花お姉ちゃん、最後の最後まで心配してくれたっけ) 薄れゆく意識の中、脳裏に浮かぶのは風花の最期。 決して諦めず、何度も何度も、優しい言葉をかけ続けてくれた。 結局、亜美には届かなかったけれども。 今となっては、彼女の慈愛が骨身に染みる。 だけど、死ぬことだけは絶対に嫌だった。 どんなに無様でも。 何の為に生きているのかわからなくなっても。 地を這ってでも生き延びてやるつもりだった。 (でも……今は少しだけ……) もう体の感覚がない。 今だけは、これ以上何も考えたくなかった。 虐殺に身を投じる破滅の未来にほんの少しの恐れを覚えながら、亜美は静かに瞼を閉じる。 【一日目/日中/B-1】 【双海亜美】 [状態]体中に擦り傷、顔面に無数の殴打痕、心身共に疲弊 [装備]鶴嘴 [所持品]支給品一式、ランダム支給品(0~1) [思考・行動] 基本:死にたくないから、殺し合いに乗る 1:もう疲れたよ…… 2:真美には、会えない。けど…… 3:希望って……なんだろうね? ※琴葉、響、風花の支給品一式はB-1に放置されています。 ◆ ◆ ◆ たまきを置いていったふうかが嫌いだ。 弱っちいひびきが嫌いだ。 ひびきを撃ったことはが嫌いだ。 みんなに酷いことするあみが嫌いだ。 助けに来てくれないおやぶんが嫌いだ。 みんなみんな、大っ嫌いだ! 【一日目/日中/B-1】 【大神環】 [状態]体中に擦り傷(応急処置済み) [装備]なし [所持品]支給品一式、ランダム支給品(1~2) [思考・行動] 基本:みんなと一緒にいたかった 1:誰か助けてよ……! ◇ ◇ ◇ 終わってしまった。 何もかも、これで本当に終わり。 結局、だぁれも助けられないまま。 ……いや、それだけで済んだならどれだけよかっただろう。 響ちゃんは私のせいで死んだ。 私さえいなければ、まだ生きていられたのに。 「うぅ……うあぁっ……うあぁああぁ……っ」 私は子供みたいに泣きじゃくっていた。 あまりにも無力な自分が情けなくて。 惨めで。悔しくて。 嗚咽を漏らすたびに体が軋む。 心が悲鳴を上げている。 痛くて、痛くて、苦痛は増していくばかり。 それでも、涙は止め処なく溢れ出した。 これはきっと、私への罰。 偉そうに指示するだけで何の結果も残せない、役立たずな私が背負う十字架。 ならば、甘んじて受け入れましょう。 誰に看取られることもなく、苦しみを抱いて逝きましょう。 「やっぱり……琴葉は……泣き虫、だなぁ……」 耳を疑った。 もう決して聞こえるはずのない声が響き渡る。 「ひび……き……ちゃん……?」 掠れる声でそっと呼んでみる。 もう届かないと思っていたその名前を。 声を発するだけで喉が焼けるように痛い。 「自分が、いないと……だめ、みたい、だね……」 聞き間違いじゃなかった。 響ちゃんはまだ生きている。 だけど、それもきっと時間の問題。 「ごめん……なさい……ごめん、なさい……っ」 だって、貴女の声は今にも消えてしまいそう。 「わたしの……せいで……!」 「琴葉は……悪くない、ぞ……」 私の言葉を響ちゃんが遮る。 「ちがうの……! わたしが……はずした、から……!」 「琴葉が……誰かを、殺す……ところ、なん……て……見たく、ない……よ……」 「でも……でも……!」 言葉を続けようとする私の手に温かい感触が触れる。 もう視界が霞んでわからないけれど、響ちゃんが手を握ってくれているみたい。 「自分……気にして……ない、から……泣かない……でよ……」 体を撃たれて。 理不尽な痛みを与えられて。 それでも尚、私を気にかけてくれる。 「琴葉は……ずっと、頑張って……きたん……だから……」 どうして? どうしてそんなに優しくしてくれるの? 最初にここで会った時もそう。 こんな私に構ったって、なんにもいいことなんてないのに。 ごめんなさい。 本当にごめんなさい。 何度謝ったって、決して許されることじゃないけれど。 ねえ、正直に言ってよ。 こんな目に遭うのは琴葉のせいだって、もっと怒ってよ。 言いたいこと、伝えたいことはたくさんあるのに、言葉が出てこない。 「綺麗な……空、だなぁ……」 響ちゃんが誰に語りかけるでもなく、そっと呟く。 もう何も見えないけど、きっと綺麗な青空なのだろう。 「みんな……この空の……上で、待ってる……のか、なぁ……」 何となく、その言葉の意味が分かった。 春香ちゃんを始め、ここで散っていったみんな。 世迷い事かもしれないけど、確かにどこかで待っててくれているような気がする。 ……私たちも、今からそっちへ向かうのかな。 「ほんとう、は……じぶんも……こわいんだ……」 不意に、私の手を握る力が強くなる。 「ひとりは……いやだよ……」 さっきよりも更に弱々しい声で、私に語りかける。 「て……はなさない……でね…………」 なんだ。 同じなんだ。 私も、響ちゃんも。 私もそっと手を握り返す。 響ちゃんの気持ちに応えるように。 貴女はいつも気丈に振る舞っているけれど、本当はとっても寂しがり屋で。 そんな貴女がとても近しい存在に思えて。 ずっと私を支え続けてくれた響ちゃん。 ようやく気付いた。 貴女に捧げる言葉は謝罪なんかじゃない。 ありがとう。 一緒にいてくれて。 こんな私でよければ、どうかその手を離さないで。 正直に言えば、今も怖くて怖くてたまらない。 だけど、貴女がついていてくれるなら―― 「わたしは……もう……だい、じょう……ぶ…………」 【我那覇響 死亡】 【田中琴葉 死亡】 Walther Groggy 時系列順に読む ひなた のろい 投下順に読む Walther Groggy 田中琴葉 死亡 大神環 ♪空の向こうへ 我那覇響 死亡 豊川風花 死亡 双子の星座 双海亜美 ▲上へ戻る
https://w.atwiki.jp/yukue/pages/90.html
「…本当に、ごめん…」と、目の前にいる彼はそう言った。 とても申し訳ない様な顔をして。 「謝るとか、そういう問題じゃないよな…でも…、」 私は彼が何故、今私にそう謝っているのかを知っている。 確かに謝るとか、そういう問題ではないのだけれども。 何年前だっただろうか。 幼い頃の私は、親と逸れて何処かも分からない草むらでただ立ち尽くしていた。 段々と暗くなる辺りに怯えて、動けずにいた時に、彼が現れた。 「こんな所に…珍しいな。お前、こんな所にいたら危ないぞ、ほら…」 そう言って、彼は私を助けてくれた。 彼の親は私を見て、「あら、可愛いポケモンじゃない。」と言った。 彼の友達に会った事もあった。何処かで聞いた、「個体値」「努力値」… よく分からないけれど、彼の友達はそれをとても気にしているらしく、 私を横目でチラりと見て、彼に何度も説明していた。「強さが違う…」とか。 しかし、彼はいつも「コイツはコイツだから」と言って私を撫でていた。 そのことがとても嬉しかった事も鮮明に覚えている。 彼を乗せて広い野原を駆け回ったこともあった。 優しかった彼の親が、私を良く思わなくなったのは、私が進化した頃からだった。 「進化するのは良いけどね、大きすぎるのよ…家に入れたくないのよ。」とか、 「食事代とかも考えてよね」とか、私への不満を述べる親に、私はあまり親しみを感じれなかった。 実際私は木になっている木の実を食べたりしていたのだけれども。 そして、時代の移り変わりによって、中心の都市へと彼の家族は引っ越すことになった様だ。 「あのポケモンも連れて行くの?此処みたいな田舎じゃないんだから勘弁してよね」と、 彼の親は私を嫌そうな目で冷たく見つめていた。 そして、彼は私との別れを決意した様だった。 彼の親の強い押しに、彼は最後まで反対した。 何年も一緒だったし、逃がすという行為に気が進まないようだった。 けれど、親の権力には敵わなかったようで、最後まで悔しそうに泣いていた。 別れの最後に、彼は「悪いのは逃がす決断をした俺だ。 だから、俺の親を恨んだりしないでやってくれ…恨むなら、俺を恨んでくれ…」 そして、「…本当に、ごめん…」と、彼はそう言った。 …私には、私をとても大切に育ててくれた彼を 恨もうとか、憎む、などということが出来なかった。 彼が私を大切にしてくれたことを知っていたし、 私が彼の長年のパートナーであったため、彼が私と同じようにとても辛い気持ちを分かっていた。 彼をチラりと見ると、声を押し殺して泣いていた。 …もしかしたら、その時私も泣いていたかもしれない。 そして、私は静かにその場を走り去った。 遠くで彼が『ギャロップ』と私の名前を呼んだ。私は振り向かずに、夜の森へ姿を消した。 あの別れから何年経ったのだろうか。 彼の家族は遠い街へと引越し、嘗ての彼の家はもう無くなっていた。 鮮やかに覚えていた彼との思いでも少しずつ、少しずつ薄れていく。忘れたくは無いのに。 そんな時に、私は大抵広い野原にいた。彼を乗せて走り回った野原に。 此処にいると、彼との昔の思い出を、鮮明に思い出せる様な気がして。 作 2代目スレ 119-120