約 853,543 件
https://w.atwiki.jp/llss/pages/741.html
元スレURL 【SS】海未ちゃんVSアーム・ジョー 概要 Q:アーム・ジョーというのは人なの? A:『噫無情』と言うのは人なのです。 タグ ^園田海未 ^星空凛 ^コメディ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/imasss/pages/1592.html
当Wikiに記載されたアイマスSS、モバマスSSの投稿数の推移をそれぞれ累計、期間別にグラフにしています。 ※2013年12月末時点 ※3ヶ月毎の更新を予定 総合投稿数 ※クリックして拡大 キャラ別投稿数(累計) ※クリックして拡大 キャラ別投稿数(期間別) ※クリックして拡大
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/1060.html
【初出】 禁書SS自作スレ>>826-827 とある授業の社会見学 序―2 上条当麻がインデックスに頭を丸齧りされているのと同じ頃、当麻の通っている学校の職員室で、担任である 小萌先生は机に向かって何やら作業をしているところであった。 パソコンの画面に学園都市の地図を読み出したり、プリンターで出力した資料にチェックを入れたり、さらに他 の資料をコピーしたり、それらを分厚いクリアファイルに閉じていったりと中々に忙しそうである。 さらに、小萌先生の身長は一三五センチ程なので、机からコピー機や資料の棚に移動する際にも、一手間余 計に掛かってしまう為、輪をかけて小萌先生の動きは慌しいものとなっている。 そんなふうに動きまわっていると、職員室の扉が開いて一人の教師が入ってきた。 「ありゃ、月詠センセ、まだ学校に残ってたの? 相変わらず仕事熱心じゃん」 入ってきたのは黄泉川愛穂という名の教師である。 ちなみに、彼女の担当教科は体育であるために年中のほとんどをジャージで過ごしている。ジャージを着てい るのがもったいないくらい美人でスタイルの良い大人の女性なのだが、今日も今日とて、またジャージを着て、 長い黒髪を後ろで軽く縛ったラフな格好をしている。 「あ、はい。明日のための準備をですね、まだもう少ししておこうと思ってるのですよ」 「ふーん。…っと、センセ、プリントが一枚落ちてるじゃん」 軽い足取りでプリントを拾うと、小萌先生に手渡そうとする黄泉川。その際見えたプリントの内容に思わず疑問 が口をついて出る。 「んん? 社会見学祭に出展予定の全企業・グループ、研究機関の全リストと活動内容、及び、学園都市内外 両方の活動施設場所? センセ、こんなの一々全部調べてたら時間なんていくらあっても足りるわけ無いじゃん」 「そうは言ってもですね。うちのクラスの生徒さんはいろいろと手が掛かる子が多いのでこうやって調べておか ないと心配なのですよ。それに、こうやって調べておけば何かあった時も行動が取りやすいと思うのですよ」 その答えに、 「そんなもんかねぇ…。センセのところの生徒さんたちはかえって何かあった時なんか、クラスがまとまって臨機 応変に対応できそうな感じがするじゃんよ。ウチのは普段の生活はそつなくこなせるけど突発的事態には向い てない無難な優等生ばっかで、センセのとこみたいにはっちゃけてる奴はいないんじゃん」 などと気楽そうに返す黄泉川。 「なっ、う、うちのクラスの子たちだって、皆が皆そんなにはっちゃけてる子ばっかりじゃありませんよ!」 そんな黄泉川に対して迫力のない目で睨み付けながら小萌先生は反論しているが、対する黄泉川はあっけら かんとしている。 「まあまあ、どの先生でも自分の預かってる生徒さんたちはかわいく見えるもんじゃん♪」 「なっ、何を言ってるんですか!」 顔を真っ赤にして叫ぶ小萌先生を楽しそうに見ていたが、ふと真面目な口調で呟く。 「まあ実際、こんなウチでも預かってる子どもらは可愛いわけで。だからこうやっていろいろと準備をしちゃうわ けなんじゃん」 見れば、彼女はいつの間に出してきたのか大型のスポーツバッグを足元に置き、他にも色々と道具を手に取 りながら別の袋に詰めている。 「それは……」 「明日の社会見学祭は一応、企業側のデモンストレーションで学校側はそれを見学するだけ、イベントの裏側 には積極的には関わらないってことだけど、何があるか分かんない以上、ウチとしても出来るだけの準備をし ておこうって思ったんじゃん」 気遣わしげな小萌先生の視線に気付くと、照れくさそうに笑う黄泉川。されど、その言葉、その瞳にふざけた色 は無い。 そう、明日は学園都市が年に数回外部に向けて公開する内の一日。 外部からの関心、興味も高いが、それは生徒の側も同じ事。 日頃から学園都市の中だけで生活している身としては、外部と接触、交流を図る数少ない機会なのである。 それを期待している生徒たちのためにも、明日は何にも邪魔されずに精一杯楽しんでもらいたい。 彼女が所属している警備員も、そのためにこそあるのだから。 「まぁ、何かあったときはセンセにはウチのクラスの連中も頼むことになるかも知れないから、今のうちにお願い しておくじゃん」 「ほ、本当は何事もなければ一番なのですよ!」 「そりゃそうだ! こりゃセンセに一本取られたかな!」 心配する小萌先生を見て、不安を吹き飛ばそうとするかのように明るい声を出す。 わざわざ不安要素を前面に出す必要は無い。事が起こったら起こったとき。先のことが分からない以上、その とき自分にできる事をやればいいのだと。 「それじゃウチはこれで失礼するじゃん。センセもあんまり遅くまで準備で残って、明日の朝寝坊しないように気 を付けなきゃだめじゃんよ」 「なっ、そ、そんなことはしませんよ!」 「あっはっは、それじゃーねーん」 足取りも軽く職員室から出て行く黄泉川。 「もう、まったく…」 それを見送った小萌先生も小さく息を吐くと残っている作業を片付けていく。彼女は彼女、自分は自分にできる ことをするために…。 「でも、明日は本当に、生徒の皆さんが楽しめる一日になって欲しいのですよ…」 呟きながら見上げる小萌先生の視線の先には雲一つ無い星空。天頂にある月は何も語らず、ただ静かに光を 降り注いでいる。 社会見学祭開催前夜はこうして更けていくのであった……。
https://w.atwiki.jp/dngss5/pages/294.html
SSその2 長ったらしい名前の、いかにもな最高級ホテルの上階。 そこが、あたし――阿呂芽ハナに与えられた部屋だった。 窓の外を見れば、高いビル群のつむじがずらりと一望できてしまう。 ソファだとか、ベッドだとか、なんの意味があるのかも分からない観葉植物だとか、内装のひとつひとつに至るまで、一体あの場末のネカフェ何泊分にあたるのか。 敷かれたカーペットも同じく高そうなのに、土足(ローファー)で踏みつけるのが正式だというのだからあたしの庶民ハートがキリキリと痛む。 あ、でもシャワールームはすごく綺麗。アメニティも超充実。それは素晴らしい。最高。 「……ふう」 スクールバッグを置いて、ベッドに腰を下ろす。 お尻がじんわり沈みつつも適度に支えられる、絶妙な反発感。 このベッドで寝るのは、さぞや心地よいことだろう。ちょっと楽しみ。余裕が出てきた。 気分を多少落ち着けると、無意識の習慣で右手がスマホを手に取る。 時間を潰したいとき。落ち着かないとき。特に理由のないとき――こうしてスマホを触ってしまうのは、現役JKの悲しいサガってやつだ。 適当にザッピングしようか、それとも大して面白くもないアプリゲームでもやろうか。行き先を決めかねた親指が所在なく宙を彷徨って、やがて。 「…………」 ……あたしは少し躊躇ってから、その文字列を検索した。 ▼阿呂芽ハナ [検索] オリュンピアの出場者一覧見たけど、阿呂芽ハナって誰? ただの女子高生? 強いの? 魔人剣道とか武道の大会でも見たことないし、大会関係者の娘とか? 五賢臣とは苗字違うでしょ。 じゃあアレだ。五賢臣の誰かと寝たんだな! 見るからに援交とかやってそうな顔してるし。 つーか俺寝たことあるわ。クールな顔してすげえ乱れて良かったぞ。 「……ハァ。最悪」 そんな予感もしてたとはいえ、これは堪える。 最強の魔人を決める戦いの場に、何の実績もないただのJKが放り込まれたんだ。 好奇の視線と根も葉もない雑言。所詮、世間なんてそんなものだ。 どうして受かったのかなんて、あたしにも分からない。 抽選枠に運よく引っかかったのか。考えたくないけど、五賢臣だかがJK好きだったのか。 なんでもいい。幸運でも、好色でも。 受かってしまえばこっちのものだ。 「……大丈夫。やってやる」 失うものなんて、元から何もない。 もう、とっくの昔に喪ってしまった後だから。 それでも、そうだ。あたしは。あたしには……! 「あたしには、『サンプル・シューター・コラボ( マ マ )』がいるんだ……!」 気持ちが落ち着かない。 どこかクラクラするような、内からカッと熱くなるような、不思議な感覚。 いつの間にか、喉もカラカラに渇いていた。 「……あたしは、勝つ! 勝つんだっ……!」 不安。 恐怖。 警鐘。 あたしのどこかが発する咎めるような声を、丸ごと飲み下してしまいたい。 漁ったバッグの中のペットボトルはとうに空で、部屋のゴミ箱に投げこんで、外れたけどお構いなしに、外に出る。 確か、ロビーに自販機があったはずだ――ルームサービスだのを頼むのは、なんだか気が引ける。 甘くて、けれどほんのり苦い、温かい市販のカフェオレがいい。 エレベーターを降りて、真っすぐ。自販機のところで、ああ、先客がいるみたいだ―― 「――む」 「あっ」 「……ッ!」 男女のふたり組。 モッズコートを着た、冴えないツラの男。 そして傍らに侍る、メイド服を着せられた女の、忘れもしないその顔は―― 阿呂芽ハナ 本戦1回戦SS 「Day Dream Believer」 灰色の大地を、暗く湿った風が撫でた。 彼方からは断続的になにかの悲鳴のような声が聞こえてくる。 運営の魔人により生成された、『地獄』ステージ。あたしの戦場だった。 「……、……ハァ」 もはや溜息しか出てこない。 わざわざ、あたしが言うまでもない。誰がどう見たって、こんなの最悪の中の最悪だ。 なにさ、地獄って。 あたしみたいなウリしてそうな不良には、ここがお似合いってこと? バカにしやがって! 「……しかも、いないしさぁ。暗黒騎士……なんとかザード」 ゲームのキャラみたいな、言ってて恥ずかしくなるようなうろ覚えの名前は、あたしの対戦相手だ。 スマホで確認する。そうそう、暗黒騎士ダークヴァルザードギアスだ。 こないだ会ったときも、本人がそう名乗っていた。あまりに真顔で言うもんだから、直視できなかった。 「……」 連関して浮かんできそうになる『会ったときのこと』を、あまり思い出さないようにする。 いけない。あいつは、倒さなくちゃいけない相手なんだ。 このだだっ広い地獄から見つけて――できれば先に見つけて、こっそり頭でも撃って、それでおしまいにしてしまいたい。 手にしたスマホで、地図アプリを起動してみる。 現在位置を示すアイコンは大会会場のままで、そりゃそうか、とも思う。 やはり魔人能力で生み出される空間には、そういう裏技は通じないみたいだ。 会場内にあって、しかも試合を中継しなきゃいけない都合上、電波がしっかり通っているのはあたしにとっても都合がいい。 ホントに全然見つかんなくて途方にくれたら、ツムツムできるし。いやしないけど。 「……あ。それなら、そっか」 ひとりのときって、どうにも独り言が出がちになってしまう。 ともあれあたしは、思いついたことをすぐさま実行に移す。 他の人はどうかしれないけど、こんなときでも常にスマホを中心に生きれるのは、フツーのJKの特権かもしれない。 ▼暗黒騎士ダークヴァルザードギアス [検索] あたしの対戦相手。あの冴えない男の大仰な名前を打ち込む。 もしなにかのキャラクターがモチーフなら、弱点とかが見つかるかもしれない。 魔人能力は妄想の産物。そういうパターンもあるってどっかで聞いたことがある。 そうして見つけた情報を、あたしは、後に後悔することになる。 見なければよかった、って。 ▼ ▼ ▼ そのふたりを見たとき、あたしは胸がざわつくのを感じた。 よく見知ったその顔。感情を読み取りにくい表情。 サンプル花子。 なぜメイド服なのか。隣の男の趣味なのか。確かに陰キャのオタクっぽい雰囲気がある。 どうする。 いや、どうするもこうするもないけど。大会参加者は、私闘厳禁。ちゃんと把握してる。 それでも。この男のサンプル花子の扱いによっては。 あたしはあたしを抑えきれる自信はない―― 「……どうした、アナスタシア。旧知の者か?」 「いいえ。ダークヴァルザードギアス様。ですが――」 「ぶふっ!」 噴き出すのをこらえきれなかった。 えっ、なんて? ダーク……え? アナスタシア? えっ、サンプル花子でしょ……!? その名前ぜんぶ、アンタの趣味? 嘘でしょ??? 完全に警戒モードだったところに、思わぬ角度から殴られた気分だ。 あたしの、まあ失礼な自覚はある反応を、ダークなんとか様はあまり気にした風でもなく。 「フ。確かにこの地上において我が威名はいささか耳朶に厳しいか。故にもう一度、我が口から名乗って進ぜよう」 ばさり、とくたびれたモッズコートを翻し、男は威厳たっぷりに言った。 「我こそは、孤高にして高潔なる暗黒騎士! ダークヴァルザードギアスである」 「そして忠実なるしもべ、アナスタシアと申します」 「ぶはっっ!!」 真顔で繰り広げられる学芸会に、あたしは全然耐え切れなかった。 「……そして、我の『薄氷魔撃・ガルツォ=ヌルス=ファグナス』が炸裂。悪政者は退き、アナスタシアは解放されたのである」 「はあ」 自販機前のベンチに並んで座り、あたしはこのイタい男の武勇伝を聞かされていた。 なんとか様の隣のサンプル花子を見ると、熱心に頷き感動に瞳を潤ませてすらいる。 これが本当にあったことなのか、それともそういう設定で発注した個体なのか、マジで分からない。 「……でも、じゃあ。その、あくせーしゃから救った後も、アナスタシア……さんは、どうしてメイド服なの?」 「ええ。私はダークヴァルザードギアス様の従者ですから」 分かんない! 依然として分かんない! でも……なんとなく、伝わってくるものはある。 嫌々じゃあ、なさそう。この人は、自分の意志でダークうんたらに仕えてる。 サンプル花子に「自分の意志」なんて、ってのもあるけど、でも、分かるんだ。 そういうのは、なんとなく。 「……そっか。……良かったね、アナスタシアさん」 あたしの呟きに、アナスタシアさんはちょっと首を傾げた後、「はい」と噛み締めるように頷いた。 それからさらに少し話して、ふたりとは別れた。 自信たっぷりに先陣を切るダークハルバードグラス様(やっと覚えられた)と、その後ろをついていくアナスタシアさん。 ふたりを見送って、あたしも今度はミネラルウォーターを買って部屋に戻る。 最後に振り返れば、また何か話しているみたい。本当に、仲が良いことだ。 ▼ ▼ ▼ 「……」 「どうした? アナスタシアよ。憂心あらば、遠慮なく我に打ち明けるがいい」 「……ダークヴァルザードギアス様。あの、阿呂芽ハナという子。おそらく、私と同じ――――」 ▼ ▼ ▼ 部屋に戻る。 閉まった扉に腰を預けて、ふう、と一息。 いいふたりだったな、と素直に思う。 あたしだって、なんでもかんでもブチ切れてるわけじゃない。 人とサンプル花子の、素敵な関係があることくらい知っている。 たとえば――そう。あたしとママも、あんな感じだった。 どこに行くときも、あたしが先を急いでママが窘めながらもついてきてくれて。 しばらくして、危ないからって手を繋いで歩くようになるところまでが1パターンで。 ああ、そうだ。 あの事故の日も、そうやって手を繋いで歩いていたんだ。 道ではしゃぐのは危ない、って。あたしも、はーい、っておっきな返事をして。 これでどこでも一緒だねって、そうやって笑っていたのに。 ずっと一緒だったのに。 ママだけが、遠くに行ってしまった―― 「……う、ううう」 足音荒く部屋を進み、ソファのクッションに顔を埋める。 幸せそうなサンプル花子に、良かったねって言える感性くらい、ある。 ただ、結局あたしが喪ったものを思い出すことになって、辛いだけだ。 「――今だけだ。最悪なのは……今だけ」 ぜんぶひっくり返す。そのために、ここに来た。 気持ちを新たに、あたしはその日を待った。 ――今にして思えば。 あのホテルでバッタリ出会った時点で、予感しておくべきだった。 同じタイミングで、同じところに宿泊してるなんて、きっと同じ理由に違いなかったのに。 ▼ ▼ ▼ 「……フン。他愛もない」 ずん、と重く鈍い音と共に、巨体が地に沈む。 全身に刻まれた裂傷。我が暗黒瘴気に蝕まれた頭は、さながら黒き靄に支配されたが如くだろう。 配置されていた障害物――牛頭の獄卒も、我が盟友・暗黒瘴気剣『ダムギルスヴァリアグラード』の前にはさしたる脅威ではない。 地獄と称されたこの地形に、我――暗黒騎士ダークヴァルザードギアスは、故郷にも似た懐かしさを覚えている。 荒野の大陸『ギ・ガラクシア』。彼の地もまた、力無くては生き残れぬ峻厳なる場所であった。 我とて、そう。この友と、二人でなくば。 右手に提げた暗黒瘴気剣ダムギルスヴァリアグラードへと視線を落とし、すぐ、なぜか握っていた灰色の枯れ枝を放り棄てる。 植物も枯れ果てる、不毛の大地。 この地には我の他に、戦士があと一人。数日前に邂逅した、不可思議な縁を持つ娘。 名は、そう―― 「……フッ」 身を躱す。物音には気づいていた。 後方より飛来した超常の弾丸が、的を外し地を穿つ。 アナスタシアと同じ、『魔弾の射手(ザウバークーゲル)』。 他にも名があった気がするが、棄てさせた。あの能力は、間違いなく『魔弾の射手(ザウバークーゲル)』以外の何物でもない。 「尋常なる死合に、奇襲か。だが、許そう。持たざる者の、其れでもなお勝たんとする、その闘志を認めよう」 コートを翻し、その者へと向き直る。 背後にそびえた針の山より、ゆっくりと現れたる少女は、まさしく。 「我が決闘者。阿呂芽ハナよ」 「……」 口を真一文字に閉じ、不服そうに顰めた眉。 変わらぬ不遜な表情のまま、阿呂芽ハナは我に歩み寄り、止まる。 この間合い。我が暗黒瘴気剣ダムギルスヴァリアグラードの外であり、娘の『魔弾の射手(ザウバークーゲル)』の内。 自身に有利な陣の張り方。 それでこそ、というものだ。 小娘でありながら、彼我の戦力の見極めはできている。相手にとって不足なし、である。 良かろう。 降り注ぐ弾雨を捌き、我が刃を届かせるまで。 牛頭の亡骸より棍棒を拾い上げる。我が手の内、ダムギルスヴァリアグラードが暗黒瘴気を纏う。 「いざ往かん。これなるは、我が覇道の序章……、」 「ずいぶん、いいキャラしてるんだね。……『土屋一郎』」 踏み出しかけた足が止まる。 見開いた眼で、娘を見る。 「ヤリブスマート……ああ、あそこ、品揃え悪いよね。あんたみたいなイタいのがバイトじゃ、当然か。そりゃあ、晒されるよ」 口の端を歪めた阿呂芽ハナは、小型電子石碑(スマートフォン)を掲げる。 綴られた呪言を、磔になった画像を、直視できない。 「……悪いけどさ。あたし、コンビニ全般、大ッ嫌いなんだよね」 ▼ ▼ ▼ ♪ ずっと夢を見て 安心してた ♪ 僕は Day Dream Believer そんで 彼女はクイーン それは、某大手コンビニエンスストアのテーマソング。 往年の大歌手が、亡き母を想い唄った曲。 ――もう今は、彼女はどこにもいない。 ――朝早く目覚ましが鳴っても。 ――でもそれは、遠い遠い思い出。 ――日が暮れてテーブルに座っても、 ――今は彼女、写真の中で ――優しい目で僕に微笑む。 その歌を耳にするたびに軋む心があることを、彼女(・・)は理解してはいない。 「……」 テレビから流れ始めたCMソングを認め、サンプル花子はリモコンを手に取った。 今は、設定(インプット)されたルーチン通りの、午後の休憩時間。 テーブルの上の茶菓子を摘まみつつ、テレビを見る。そういう仕様だ。 番組内容に拘りはない。CMに入ったのなら、執着なく別の局にチャンネルを変える。 次のチャンネルは、確か何年か前のドラマの再放送をやっていたはず。 「?」 首を傾げる。様子がおかしい。 別の番組がやっていた。 棍棒を携えた青年と、スマホを掲げる少女が向かい合っている。 これもまた、なにかのドラマなのだろうか。 少女の言葉がスピーカーから流れる。その声を耳にすると同時、画面の少女の正体に、サンプル花子は気付いた。 「――ハナ?」 ▼ ▼ ▼ 掲げたスマホには、マナーの悪い客がふざけながら店内で撮った写真が映っている。 突飛なコンセプトの新商品を撮影した、何の変哲もない画像――その、背景に。 制服を着て覇気のない目で棚卸しをしている、冴えない男の姿。 「土屋一郎。へぇ、卒アルまであがってんじゃん。……この頃から目が死んでるね」 あたしは、可能な限り嫌味な言葉遣いを作って、いたぶるように話を続ける。 「読み上げてあげよっか? ……『土屋って、こんなやついたっけ?』『同窓会誰も呼んでないの?』『あれじゃない? 体育祭のリレーで思いっきりコケてたやつ』『それは俺』……」 息が詰まる。すこし、苦しい。 ずっと一方的に喋ってるからだ。あるいは、この地獄とかいうところに漂ってる空気が、すごく肺に悪いかだ。 知らない。ぜんぶ、無視する。今はとにかく、攻撃を続けなければ。 「アハッ。トレンドにもあがってるじゃん、暗黒騎士ダークヴァルザードギアス。良かったね、人気者。……『イタいオタクとそのへんのJKのバトルとか何が楽しいの?』『五賢臣は五乱心に改名しろ』……これあたしのディスも入ってんじゃん。まあいいけど」 「……」 「黙ってないでさ。ねえ。卒業年からして……いま、25歳くらい? そんなトシで暗黒騎士とか、恥ずかしくないの? 一人暮らし? それとも実家? ……親、とか。どう思ってるかなぁ!?」 親。言いながら、あたしも軽く、思いを馳せる。 こいつの親が、この中継を見ていたら。やっぱり、息子が晒し者にされてて悲しいんだろうか。あたしに対して怒り心頭だろうか。 それとも恥ずかしい息子だって呆れかえるのだろうか。 少なくとも、あたしの場合。 この中継を、ママに見られてなくて良かったって、心から思う。 地獄。 罪を犯した者が落とされる、身の毛もよだつような場所。 なるほど、今のあたしにはお似合いだ。 「……娘」 黙って聞いていた土屋一郎が、やっとのことで呟く。 ずっと瞳を閉じて、耐えるような、瞑想しているような、そんな表情をしていた。 「もう、止せ」 「ハ……アハハ! さすがの暗黒騎士サマも、もう無理か! じゃあ、さっさと降参――」 「否」 瞼を開けた土屋一郎――暗黒騎士ダークヴァルザードギアスに、まっすぐに射竦められる。 あたしの罵詈雑言に、少しもたじろいでいない。……どころか。 「阿呂芽ハナ。貴嬢のためだ」 「……は?」 その眼は、何なの。 弱者とか子どもに向けるみたいな、その眼は。 ママがあたしに向けた、優しく困ったような表情と同じ、それを、やめて。 「……我に突き立てんとした刃が、己が魂にも疵を刻んでいるではないか」 「な、にそれ」 その言葉から慌てて隠すみたいに、あたしは制服の袖で目尻を拭う。 「っ……意味、分かんない」 無意味だ。分かってる。 たぶん、途中からずっとそうだった。声だって震えてたし、鼻もたくさん啜ってた。 もう、取り繕えない。 「……最悪っ……!」 俯いた拍子に、灰色の地面にパタパタと染みが広がった。 それを見たくなくて、戦いの真っ最中にあるまじきことに、両手で顔を覆ってかぶりを振る。 どんな手を使ってでも勝つって、そう決意した。 失うものなんてない。どれだけ汚くても、絶対に勝利をもぎ取ってやるって。 だから、検索結果から試合のミラー中継にたどり着いたとき、これで不意打ちしてやるって画策した。 だから、土屋一郎の個人情報を見つけたとき、これで心を折ってやるってほくそ笑んだ。 失うものなんて何もない。 あたしの心だってそうだ。勝つためには、いくらでも壊れろって思っていた。 でも、無理だった。 短い間だったけど、分かっちゃったから。 ダークヴァルザードギアスと、アナスタシアさん。 ふたりは主従だって言ってたけど、あれは、もっと違う何かだった。 互いが互いを尊重して、支え合って。そんな、暖かな関係を、知っている。 家族だ。 サンプル花子と築いた家族が、あそこにもあったんだ。 あたしとママ以外にも、あったんだ。 「――最悪ッ!!」 叫びながら、あたしはスマホを地面に叩きつけた。 液晶の破片を散らかしながら、スマホはクルクルとどこかへ滑っていく。 そうしたって、自分のしたことが帳消しになるわけじゃないのに。 「最悪、ううう、最悪! ホント、最悪っ……!!」 あたしはもう、隠しようもないくらいに泣きじゃくっていた。 袖がびちゃびちゃになるくらい泣き喚いて、どのくらい時間が経っていたのかも定かじゃない。 その間、ダークヴァルザードギアスが攻撃を仕掛けてこなかったのは、暗黒騎士とやらの矜持ってやつなのか、それともそれほどまでにあたしが哀れだったのか。 「……そろそろ、終幕としようぞ」 暗黒騎士は懐からどっかの部位の人骨を取り出した。 地獄っていうくらいだから、地形のどっかに落ちてても不思議ではないけれど。 それでも、拾っちゃうのか。割とヒく。けど、まあ、暗黒騎士だしな。 そして結局棍棒はいつの間にか捨てていた。あっちのほうが強そうだろうに。 そんなことをぼんやりと考えられるくらいには、落ち着いた。 腫れぼったい視界で、暗黒騎士を見る。 「自ら負けを宣言するなら、我も命までは奪わん……が」 「……それは、嫌」 「フ。で、あろうな」 無様に泣き腫らした赤い目でも、あたしは精一杯にダークヴァルザードギアスを睨みつけている。 退かない。退きたくない。 そこまで譲ってしまったら、あたしにはもう、本当に何もなくなってしまう。 「ならば我がともがら、ダムギルスヴァリアグラードが幕を引くまで」 程よい長さと太さを持つ人骨が、じっとりとした暗い気を纏っていく。 いい加減理解できていた。あれが、ダークヴァルザードギアスの魔人能力だ。 武器強化能力――かな。 暗黒騎士ってイメージ的にも、あの攻撃を食らったらマズそう。ゲームでいえば、バッドステータス付与系って感じ。 優先するべきは、回避。 「決着の刻ぞ!」 ダークヴァルザードギアスが駆ける。 構えは上段。なんとなく、一撃で決めてくれそうな気概を感じる。 距離がどんどん縮まっていく。人骨の間合いまで、あと数歩―― 「『鎮魂槌撃・ゴルドラード=バストゥス』」 振り下ろされるよく分かんない名前の一撃を、あたしは真っすぐに見つめる。 怖い。でも、やる。 不安を。恐怖を。警鐘を。 ぜんぶ、殺す。あたしは……勝つんだ!! 「っ……ああああああっ!!」 気合の咆哮をあげて、あたしは動いた。 左手首を掲げて盾に。右手は袖を引っ張って精一杯の防護にして、骨を掴む。 攻撃を、正面から受け止めにかかる。 「ぎ、ああああうあああっ――!」 衝撃と同時に、地獄の業火に焼かれたみたいな鋭い痛みが襲う。 痛い。痛い痛い痛い――! 悲鳴が溢れる。止まったはずの涙もボロボロと零れだす。 胸が苦しくなって、息も詰まってくる。頭もクラクラしてきた。 でも――どこか、心地いい気持ちもあった。 マゾではない。決して違う。 自分のしでかした罪に、痛みという罰が与えられている錯覚。その心地よさ。 それがあるだけで、あたしはやっぱり、こうして良かったと思えた。 「……ム、ぬうう」 ダークヴァルザードギアスが不可解そうな声を上げた。 彼が放った必殺の一撃は、あたしの左腕の半ばまでと、右の手のひらをザックリ切り裂いたところで止まった。 それ以上押し込もうとしているみたいだけど、なんとかソードをがっちり掴んだあたしの手が、徐々に押し返している。 JKが、成人男性を押し返している。ふつうはありえない光景。でも。 「ッ……あたしの。あたしとママの、『サンプル・シューター』を舐めんなっ……!」 魔人能力『サンプル・シューター』の威力は、「助走をつけた全力パンチ」に等しい。 それはすなわち、本人の腕力や脚力を鍛えることで、後天的に威力を向上できるということ。 だからあたしは鍛錬を欠かさなかった。腕相撲じゃ負けなし。体育祭のリレーでは陸上部に並んでアンカーを走る。 どっちも、一線級の戦闘魔人には劣るだろうけど。 でも、腕力と脚力以上に、それを鍛えさせた『サンプル・シューター』への――ママへの執着が、あたしの一番の武器だ。 これだけは、誰にも負けやしない。見せつけてやる。 「コンビニバイトが、舐めんなよ……! あたしのバイト先はっ、酒屋だああああっ!!」 「何、だとッ……!?」 人骨ごと、力任せにダークヴァルザードギアスを振り回した。 ダークヴァルザードギアスは人骨を取り落としながらたたらを踏んで後ずさる。 「はあっ……はあ! うううっ……!」 両腕の痛みは甚大で、血はダラダラ流れている。視界も、涙でぐしゃぐしゃだ。 息も切れ切れ。心臓もバクバク。頭もなんだかグラグラしてる。 コンディションは最悪。 それでも、あたしはまだ最悪じゃ(まけて)ない。 最悪じゃ(あきらめて)、ない。 「暗黒騎士が、なんだ! ……マザコン舐めんな!!」 ▼ ▼ ▼ 目の前の娘――阿呂芽ハナを、侮っていた部分がないといえば、嘘になる。 我と同様、五賢臣なる者たちの目に適って本戦に出場したのだ。ただの道化ではないだろう。 そう考える裏で、しかしただの少女ではある、との思いもあった。 アナスタシアの言葉で、娘の能力がアナスタシアと同じ『魔弾の射手(ザウバークーゲル)』であると判明した瞬間に、強力な術者ではないという格付けが為されたのも確かだ。 いずれにせよ――阿呂芽ハナの最後の抵抗は、我にとって予期せぬものであったことは認めよう。 ではそれは、我の意にそぐわぬものか? 我の覇道において不都合な存在か――? 「……フッ。否!」 障害とは、強大であればあるほど好い。 好敵手を求め彷徨った、ギ・ガラクシアでの日々が懐かしい。 彼の地に似た、この地獄で――我は得たり。尽きることなき闘志を燃やす、至上の好敵手を。 「一撃防いだこと、まずは称賛しよう。だが……我が暗黒瘴気剣に死角なし!」 コートの内より友を呼び覚ます。 両の指の間に装填された、計八対の暗黒瘴気剣ダムギルスヴァリアグラード。 特に関係はないが、昨夜のアナスタシアとの饗宴の記憶が思い起こされる。 あれは、素晴らしいひと時であった。 「……トランプじゃん!!」 娘が何か騒いでおる。 我の必殺の『革命返し(ヴァルスギルグナール)』がアナスタシアの策謀を打ち砕いた瞬間を、貴嬢にも見せたかったわ。 そう。我には、アナスタシアがいる。 莫逆の友、ダムギルスヴァリアグラードがいる。 闘争に囚われた我が身は、明日をも知れぬ。 だが、未来のよすがはなくとも、刹那(いま)のよすががある。 それさえあれば、我は、我でいられる。そうなのだ、娘よ。 「……受けてみよ。『無尽鳥撃・ダズ=フェニカ=フェニカ』!」 暗黒瘴気剣ダムギルスヴァリアグラードを、一斉に放つ。 対する娘はにわかに後退りつつ、比較的無事な右手を掲げる。 掌に集中しだすは、『魔弾の射手(ザウバークーゲル)』の弾丸。 だが、すぐには撃ち出されない。維持されたまま、娘は痛みに顔をしかめつつも親指と人差し指で輪を作る。 「あッツ……『コラボ』ッ! 『サンプル・バブル』!!」 輪の中へ呼気を吹き込む。 滞留した弾丸が、泡の膨らむが如くに大きく広がっていくではないか。 娘が手を振って泡を放すと同時、我の『無尽鳥撃』と接触。 耳をつんざく破裂音を立てて、互いの業は対消滅した。 なるほど、泡沫(バブル)。 儚くも美しき防壁か。楽しませてくれる。 「ならば。この距離では、如何に?」 「ぐっ……!」 泡沫(バブル)で視界が覆われた際に、我は走り出していた。間合いが詰まる。 迎撃すべく娘も『魔弾の射手(ザウバークーゲル)』を放つが、消耗も大きかろう、狙いは定まらず彼方へ飛ぶ。 取り出したる暗黒瘴気剣は、これまで永き闘争の歴史を共に歩んできた、文字入りダンボール製(さいきょうのひとふり)ぞ。 「『薄氷魔撃・ガルツォ=ヌルス=ファグナス』」 「『スライド』ッ!」 複数の炸裂音。暗黒瘴気剣が肩を掠める。 だが、確たる手応えはなし――斜め後方へと視線を向ける。 姿勢を低くした阿呂芽ハナがいた。 「はあっ、はああっ……!」 「フム。大方、『魔弾の射手(ザウバークーゲル)』を直下に撃ち、その衝撃で高速機動したといったところか」 成功したとはいえ、無茶な回避だ。 能力『魔弾の射手(ザウバークーゲル)』の弱点は、すでにアナスタシアより聞き及んでいる。 過度の使用により訪れる、百と八十の静寂。あそこまでの移動に、一体何発を切った? そして、消耗というならば。 両腕と肩。三度も我が暗黒瘴気に侵されては、すでに立っていることもままならぬはず。 にも拘らず未だ立ち続け、我に向ける眼光の未だ鋭きことよ。 まったく、飽きさせぬ娘ぞ。 「……我に獲物をいたぶる趣味はなし」 故にこそ、そろそろ仕舞いとせねば。 どうやら、娘も同じ腹積もりであるらしい。 「ううう……うううううっ……!」 堪えきれぬ痛みを呻きと泪で訴えつつも、懸命なる意志にて両腕を前方へ構える。 既知なり。『魔弾の射手(ザウバークーゲル)』の最終奥義、『黒星粉砕(カウス=ボレアリス)』。 両の掌より精製した弾丸を同期。二乗の破壊力を以て敵を撃滅する、まさしく決着に相応しき業。 その威力はアナスタシアも案じておった。 だが、付け入る隙はある。 両腕の損傷。加えて我が暗黒瘴気の侵蝕。 先程の攻防でも、狙いを外しておった。強大な業故に、生じる隙もまた甚大なり。 娘の側に立つならば、『黒星粉砕(カウス=ボレアリス)』が唯一の勝ち筋。是が非でも当てたい筈。 なれば、自ずと導かれる。射程距離のさらに内。十二分に引き付けてからの必中の一射。 無論、それは我の暗黒瘴気剣を懐へ招くと同義。互いに、必殺の間合いぞ。 「フ! 終焉に相応しき交錯となろう。いざ参らん――!」 娘の砲口と不退転の眼差しを見据え、突き進む。 我が覇道は常に高潔にして威風堂々たらねばならぬ。真っ向勝負こそ華よ。 「まだ……! はあっ、まだ、まだあっ……っ!!」 一歩。また一歩と彼我の距離が詰まる。 地に鮮血を垂らしながらも、娘は絶好の機を窺いタイミングを計る。 「はあっ、はあ……! はああっ……、」 荒い呼吸のリズムが――止まった。 「『サンプル』!」 来る! 我の間合いの一歩外。流石の慧眼と讃えよう。 そうでなくては面白くない! さあ、ここから凌ぎ、華麗に決めて魅せよう。 砲掌を、見極める。 「『キャノッ……!?」 娘の掌中に渦巻いた弾丸が、霧散した。 驚愕に見開かれる眼。 「あっ……」 失策か。残弾を見誤ったな。 呆気ない幕切れではあるが、何、ここまでよくぞ戦った。 苦しまぬよう、一刀にて終わらせてやるのがせめてもの餞となろう。 「さらば、不屈なる少女よ! 『深淵斬撃・グラウドロス――――」 視界が揺れる。 膝に力が入らない。否、膝だけではない。 全身から、力が抜けていく。 振り上げた手中、ダムギルスヴァリアグラードが滑り落ちた。 状況を精確に理解できたわけではない。が、概ね察した。 一杯食わされたようだな。 フ。それでこそ、我が好敵手よ。 見事なり、阿呂芽ハナ―――― ▼ ▼ ▼ 「……ム」 「お目覚めですか? ダークヴァルザードギアス様」 「ああ……アナスタシアか」 大会会場内、医務室。 グロリアス・オリュンピアの試合にて敗北した魔人が転送され、エプシロン王国の秘薬により蘇生される場所。 前後の記憶がやや不明瞭ながら、それでも。 暗黒騎士ダークヴァルザードギアスは、自身が敗北したことを理解した。 覚醒直後のようなぼやけた視界が徐々にはっきりとしていく。 視界の中に一際大きく映るのは、上下が逆さまになったアナスタシアの美貌。 妙に近い。 「えっ?」 ん? なにかおかしくない? その疑問の答えは、今更のように気づいた、後頭部を支える柔らかく暖かな感触が教えてくれた。 すなわち――膝枕である。 「えっ、はっ!?」 素っ頓狂な声を上げて身じろぐ暗黒騎士ダークヴァルザードギアス――土屋一郎。 仕方ない。彼女いない暦=年齢には刺激が強すぎた。 だが、彼の身体はアナスタシアが手を回し、いかにも離れがたく拘束されていた。 アナスタシアは、凛々しい暗黒騎士としての主も、たまに現れるどこか情けない素の主も、どちらも慕っていた。 つまり、わざと。こう見えてしたたかな女であった。 「……ンンッ! ン゛ッ! ――フ。我が就寝の番、大儀であったぞ」 なんとなく威厳を取り戻した感じを演出しつつ。 しかしすぐさま、表情に影を落とす。 「いや。無様なところ見せたな……高貴なる暗黒騎士たる我が、初戦敗退か」 「いいえ」 自嘲的な笑みすら浮かべた暗黒騎士に、敬虔なる従者は首を振った。 「ご立派でした。主さま……誰もが貴方の雄姿を讃えています」 言いながら、アナスタシアは携帯を摘み上げ、彼に見せる。 彼自身の携帯だ。普段は、もっぱら小早川店長からの業務連絡のみで、両親からの着信も、友人からのメッセージもない――その、枯れた端末に。 土屋センパイ、魔人だったんスね! 超カッチョかったッス! オレ、感動しました! ――バイトの後輩。 土屋君。いつもありがとう。楽しそうに打ち込めているものがあるみたいで、安心しました。 ――店長。 テレビ見たよ! 土屋くん、すごいね! そだ、今度集まろうって話出てるんだけど―― ――かつての同級生。 一郎。お疲れ様。たまには顔見せに帰ってきな。 ――両親。 たくさんのメッセージに溢れた携帯は、自分のものではないようで。 それでも、暗黒騎士の胸に広がるのは、虚栄ではない感情で。 心無い者もいる。 金銭問題。人間関係。先の見えない未来。不安はどこそこにもある。 最悪は、誰の心にも巣食っている。 それでも。 思いもよらぬほど近くに。案外、救いは転がっているものだ。 取るに足らぬフリーターが、高潔なる暗黒騎士になることも。 虐げられた少女を、高潔なる暗黒の騎士が現れて助けてくれることも。 そんな、白昼夢の妄想のような出来事も、信じてさえいれば。 すべて現実に起こりうる。フェム王女も愛した、魔人の国ならば。 「……フ。フフふ、はは、ははははっ!」 その日。 暗黒騎士ダークヴァルザードギアスは、久しぶりに、土屋一郎として笑った。 ▼ ▼ ▼ 「……はあっ。……『サンプル・シューター』……!!」 その瞬間まで、すべてスローモーションだった。 迫りくる暗黒騎士も、振り上げたクソダサいダンボールの剣も。あたし自身の鼓動すらも。 目の前で、グラリと揺れて倒れようとしている、対戦相手も。 すべてのサンプル花子に奥の手として登録されている、大技『サンプル・キャノン』。 それをフェイクに使って、弾切れを誤認させる。緩んだ意識の間隙に、必勝の一撃を入れる。 狙いは顎。過たず撃ち抜けた。事前にエイムをブレさせる演出を挟んだおかげもあったかもしれない。 そう、演出。わざと。……5割くらいは。 嘘。3割くらいは、演出。 ……本当、当たって良かった。 ともあれ――ずっと暖めてた、あたしの一世一代の作戦。 相手が『サンプル・シューター』を知らなければ(アナスタシアさんを連れていなければ)通じなかった、決死の逆転策。 実際、とても際どかった。あたしの残弾は、不意打ちの分でめでたく空になった。 残されていた残弾数は、大体1.5発分。 0.5発分で不発を演じて、最後の1発分で決める。 成功して良かった。 ここから3分間は、正真正銘の丸腰。 もしこれで決まっていなかったら。起き上がられたら。 あたしに、打つ手はない―― 「――あ。ああ……ああああああ」 スローモーションが一転、加速していく。 勝利を確信して緩んでいた頭が、急速にうなりをあげ始める。 もし、起き上がられたら。 これで決まっていなかったら。あたしに打つ手は、なにもない。 逆転、からの再逆転。 「ああああっ、ああああああ――!!」 嫌だ。負けられない。 今まさに崩れ落ちる相手が、途端に醜悪な魔物に見えてくる。 気絶したフリをして勝機を窺う、姑息な魔物。 もう目の前にあるんだ。掴みかけた勝利を、手放してなるものか。 手放してなるものか――! 無我夢中で伸ばしたあたしの左手は、ダークヴァルザードギアスのくたびれたモッズコートの襟を掴んだ。 ザックリと切られた腕が、死んでしまうような痛みを訴えてくる。 知らない。そんなことよりも、あたしは。 「ああああああッッ!!」 静止したダークヴァルザードギアスの顔を、右手で力いっぱいに殴りつけた。 前掛かりになりすぎて、ダークヴァルザードギアスごと倒れてしまう。 「ぐあっ……うう、うううううッ――!」 左手を離してしまった。なにしてんの。ふざけるな。 殴った右手の痛みもすさまじい。黙ってて。それどころじゃない。 やらなきゃ。でないと、あたしが負ける。 「あああああッ! あああッ、ああああああああッ!!」 仰向けになったダークヴァルザードギアスに馬乗りになって、あたしは一心不乱に拳を振るった。 反撃はない。抵抗すらもない。 でも油断してはいけない。このチャンスを逃がしたら、あたしは負けるんだ。 「あああああああああ――ッッ!!」 両腕が燃える。 頭が痛い。視界がぼやける。呼吸もまったく整わない。 とうにカラカラに渇いているはずの喉から、あたしの意思とは関係なく声が溢れてくる。 再び、涙も流れてきた。何に対して、なのか、あたしにも分からない。 なにもかもを置き去りにしたあたしの頭の中には、唯一「勝たなきゃ」という思いだけがあって。 その思いに突き動かされるまま、どのくらいの時間、そうしていたんだろう。 「っ……ああ、ああああっ……ゲホッ! えほっ、はあッ……!」 あたしの腕がまったく上がらなくなって、ついには声も枯れた頃。 馬乗りになった相手が誰だったのか、判別する手段はなくなっていた。 首のない死体が倒れている。 頭部があるはずの場所を中心に、地獄の灰色の大地に毒々しく咲いた深紅(ふかくれない)の花。 大会会場に再転送されるまで、真っ白な頭でそれを見ていた。 【グロリアス・オリュンピア 第1回戦 地獄STAGE 決着】 勝者:阿呂芽ハナ 決着時間:41分51秒 49分32秒 決まり手:気絶による戦闘不能 殴殺 視界が一気に開けた。 膝立ちのあたしは、息苦しい灰色の世界ではなく、照明が眩しい大会会場のドームにいた。 股下に転がっていたはずのダークヴァルザードギアスがいない。 ああ、負けたら医務室へと転送されるんだっけ。あまり、頭が回らない。 よろめきながら立ち上がる。 ステージをぐるりと囲んでいる観客は、みな一様にぽかんとした表情を浮かべている。 ショックを受けているような、開いた口が塞がらないとでもいうような。どこかマヌケな感じ。 降り注ぐ視線の中心にいるのは、まぎれもなくあたし。 戦いの勝者。あの暗黒騎士を倒した、いうなれば勇者だ。 けれどそこに賞賛の色はなし。どころかむしろ、化け物でも見たかのようなこの空気は何―― 「――あ、ああっ」 置いてけぼりにしていた様々なものが、一気にあたしに追いついてくる。 肉を潰し骨を砕く感触。 全身に浴びた返り血の生温かさと不快なにおい。 すぐ近くから聞こえていた、何か獣の唸り声のようなものは、ああ、あたしの声だったんだ。 「……ち。違っ……違う。あたし……違う――!」 ひとを、殺した。 いくら秘薬とやらで蘇るとはいえ。 昨日までただの女子高生でしかなかったあたしが、ひとを、殺した。 顔も制服も、赤い返り血にべっとりと染まって。 弁解にもなってない弁解を並べる口に続こうとした両手は、少しも持ち上がることなくだらんと垂れて、会場を血で汚す。 その血だって、あたしの血なのかダークヴァルザードギアスの血なのかも、よく分からない。 会場に集まった人たち。ううん、それだけじゃない。 テレビとかで見ている日本中、世界中の人が。 きっと、あたしのことを化け物だと思ってる。 やめて。そんな目で、見ないで。 息が荒い。視界が暗い。頭が重い。さっきの、地獄の瘴気に未だ囚われているような感覚。 そうだ。あたしが悪いんじゃない。 地獄だからだ。地獄の鬼か何かに乗っ取られてたんだ。あれは、あたしじゃなかった。 誰か、そう言って。 ――ぱちぱちぱち。 しんと静まった会場に、間の抜けた拍手の音が響いた。 顔を上げる。会場の一番奥。 耐魔人用強化ガラスごしに、そいつと目が合った。 『……素晴らしい戦いでした。地獄という戦場に、これほど似合う戦いもなかったでしょう』 蕩けそうな微笑を浮かべた、色素の薄い髪と肌を持つ、ドレス姿の少女。 『止めていただいた甲斐がありました(・・・・・・・・・・・・・・・・)。阿呂芽選手。貴女の勇姿に、心から御礼申し上げます』 ふわりと頭を下げる、フェム=五十鈴=ヴェッシュ=エプシロン。すべての元凶。 遥か高みから見下ろす女だけが、あたしが化け物であることを祝福しているみたいだった。 こいつのせいで、あたしは。 ちがう。自分のせいだ。 ちがう。あたしのせいじゃない。あたしじゃない。 あたしは、化け物じゃ―― 「うっ――う、ぐっ」 醜い声とともに。 あたしはその場に、胃の内容物を盛大にぶちまけた。 遠く、悲鳴があがった気がする。 そのまま、意識がどこかへ消えていく。 電池が切れた人形みたいに、カクンと砕けた足腰。崩れ落ちる。 打ち付けた顔面に痛みはなく、生暖かく湿った感触とすえたにおいだけがある。 全身全霊をかけた暗黒騎士との決闘なんて、そんな白昼夢の妄想、誰も信じてはくれない。 ただ、野獣のように気の狂ったJKが全国ネットで醜態を晒しただけだ。 本当に、最悪の地獄(ショー)だった。 夢というなら、そう。あたしはもう、ずっと悪夢しか見てない。 救いの手が差し伸べられるなんて。 それこそ、白昼夢だ。信じちゃいない。 ▼ ▼ ▼ 同刻。 阿呂芽家のテレビには、未だ変わらず番組が続いている。 戦いは決着を迎えた。 勝者である何の変哲もない少女は、会場転送後に気を失い、担架で運ばれるところだった。 サンプル花子にインプットされた昼休憩の時間は、まだ残っている。 ルーチンが「夕飯の買い物」に切り替わるまで、あと1時間と8分。 にもかかわらず。 バタン、と音がして。 扉が閉まり、次いで足音がひとつ、急ぎ遠ざかっていった。 <阿呂芽ハナ 本戦1回戦SS「Day Dream Believer」 了>
https://w.atwiki.jp/magamorg/pages/10728.html
SS・トリガー 「スーパーシールド・トリガー」と読む。「S・トリガー」の上位能力で、光によく見られる。 ウェイクアップ・スパーク (文明)光 レア コスト8 呪文 ■SS・トリガー -このカードをシールドゾーンから自分の手札に加える時、コストを支払わずに唱えてもよい。その後、このターンまだ一度も「SS・トリガー」を使っておらず、自分のシールドが1枚でもあれば、このカードを唱えた後、墓地に置くかわりに裏向きにしてシールドに加える。 ■相手のクリーチャーをすべてタップする。 S・トリガーを使った後は普通、唱えた呪文は墓地へ置かれる。 だがこの「SS・トリガー」は使った後、他に自分のシールドが残っていればもう一度シールドに仕込むことができる。 ・このカードが2枚シールドにあっても、ターン中、どちらか1つを一度しか使えない。これは2枚をぐるぐる回すのを防ぐため。 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/llss/pages/74.html
南ことり・小泉花陽 スレタイ キャラクター 詳細 備考 日付 【SS】花陽(どうやら花陽は殺されるみたいです) ことり・花陽 詳細 コメディ・ことぱな 20160109 【SS】女の子という生き物。 ことり・花陽 詳細 ことぱな 20191030 R-18G スレタイ キャラクター 詳細 備考 日付
https://w.atwiki.jp/spacecowboy/pages/98.html
test.JPG チュートリアル画面があったので試しにうp -- (admin) 2008-01-06 20 12 44 nationleader_reborn_after_war1.JPG Reb0rnがリーダーの時のANI この時はANI強かったなぁ nationleader_reborn_after_war2.JPG スタックしたらしい -- (admin) 2008-01-06 21 12 39 ATM00015.JPG 大量のアイテム見てニヤニヤしてたのは俺だけ? -- (Ezusa) 2008-01-07 05 44 20 画像上げようとおもったが アンインストしたら画像もろとも消えるのな yawaraka rebornリーダの時は最強だったね ezusa 50xのときは凄まじかった。ちょっと進むたびアイテムでラグってたしなw -- (DeRacroix) 2008-01-13 15 40 08 あさってたらしょうもないけど 4桁ダメでたのあったので貼り付け -- (DeRacroix) 2008-01-13 15 46 39 お、こんな所が出来てたのか! 俺もアンインストで全部消えてしまった・・・ ReBornはやばかったな・・・BCUの厭戦ムードといったら見てられなかったよw ところでヨーロッパ版?のSCO,Flysis始まってるよ~ これは昨日のMotherShip初防衛記念で集合した写真。 下のKelvinってのは現在Fameランキング1位の奴。新Binderつけてるね -- (RustyTachikoma) 2008-02-02 16 06 28 新アーマー装備してみたいな HDD漁ってたらイベントBishop戦のSSあったから貼り付ける このボス、数十人で撃破試みたけど結局殺せず、最後はGM.Xarfoxが一撃でしとめた VS_bishop_event.jpg -- (DeRacroix) 2008-02-07 02 36 52 WPアーマー RapidBinder 購入記念SS デザインの美しさはアーマー随一ではないでしょうか? 本来そんな機能はないのにスピードや攻撃力が上がったような気がするんですね。 長い時間と、高い資金を支払っただけに充実感が大きいです。 うれしさのあまりSSをとって少しレタッチして投稿しようと思いました。 -- (RapidBinder01.jpg ) 2009-10-24 21 04 59 ↑RapidBinder01.jpg ミス、名前欄に画像名を入れてしまいました。 -- (RaidenHornet) 2009-10-24 21 19 24
https://w.atwiki.jp/dangerousss4/pages/173.html
第一回戦SS・寺院その2 第一回戦【古代】寺院SS「今日、僕は初めて――」 目を閉じると、まぶたの裏に鏡子の顔が浮かび上がる。 悲しい顔で、私を見下ろすあの女。 セックスは共に楽しむものだと、あいつは言った。 あなたのセックスは悲しい、とあいつは言った。 理解のできない言葉だ。 セックスは力だ。支配する力だ。優劣は必ず発生し、共存することなど出来はしない。 希望崎学園でも『虎の尻穴』でも、私はそうやって生きてきた。 鏡子、貴様がそれでもセックスを愛だなどと言うのなら…… ……私は、それを否定しよう。私の人生が、間違っていないと証明するために ああ、細やかな振動が私を刺激する。 私の戦いが、始まるのだ。 ―――ジジジジジジジ………… 腕時計のアラームが鳴り止むのと同時に、天樹ソラは閉じていた目を開く。 先ほどまで彼は自宅にいたはずだ。しかし今、眼前には長い長い石段が広がっていた。 どこまで続いているのだろうか、月明かりの下では見上げても階段の先を見通すことはできない。 遠く、遥か頭上で鐘の音が響く。どうやらこの階段の先に寺院が有るらしい。 ソラは右手首の腕時計にチラリと目をやる。そこに文字盤は存在せず、代わりに二つの人名と一つの地名が表示されている。 『【古代】寺院 猟奇温泉ナマ子vs天樹ソラ』 この先に、対戦相手が居る。 ソラは一度深呼吸をし、階段を登り始めた。 ――― 一歩づつ、奇襲と罠に気を配りつつ階段を登りながら、ソラは対戦相手のプロフィールを思い出す。 猟奇温泉ナマ子、17歳、ビッチ養成機関『虎の尻穴』出身、現在希望崎学園2年生。特筆すべき経歴、ビッチ選手権ベスト4、準決勝にて鏡子に敗退。 何らかの性的な魔人能力をもっており、願いも性に関するものと推測される。 『N』に渡された資料に記載されていたのはそれぐらいだ。 17歳、ソラと同い年だ。だが、プロフィールを見ただけでも分かる。彼女の歩んできた人生はソラとは全くの別物だ。 どんな願いを持っているのだろうか、どんな思いで戦いに身を投じているのだろうか。 ……できれば戦わずに、怪我を負わせずに終わらせたい 湧き上がるそんな想いを打ち消す。 こんな自分勝手な想いよりも、叶えなければならない願いがソラにはある。 ならば、戦い、勝つ。なすべきはそれだけなのだ。ソラは自分にそう言い聞かせる。 そんなことを考えながら石段を登っていると、足元に影が差した。 誰か来たのか。 いつでも外せるように右手の手袋に手をかけながら階段を見上げると、影の根本には禿頭の若者が立っていた。 袈裟、というのだろうか、仏僧のような服を着た若者はソラの視線を受けて一礼をする。 「天樹ソラ殿、でございましょうか?」 名前を呼ばれ、ソラは警戒を強める。 この世界にソラの名前を知るものが居るとすれば、それは対戦相手である猟奇温泉ナマ子に他ならない。 ならば、あの僧侶は猟奇温泉ナマ子と何らかのつながりがあると見て間違いがない。 手袋を外そうと指をかけたソラに対し、僧侶は手の平を向けてとどめる。 「待ってくだされ、私はナマ子殿より伝言を預かって参り申した」 伝言、と言われてソラは手袋から指を離す。 一体何なんだろうか、対戦相手と話すべきことなど、あるのだろうか。 「『この戦いについて話がしたい、本堂まで来てくれ』。だそうです。案内しますゆえ、ついてきてはもらえませぬか?」 話がしたい。 罠の可能性は高い、とソラは思う。 何らかのトラップを張って待ち構えている。あるいは対峙しないと使えない能力である。など、様々な可能性は考えられる。 乗れば、不利を被るだろうとソラは思う。 ……だが一方で、それらを警戒する余裕はソラにはないことも事実である。 ソラの能力は手で触れたものにしか効果がなく、他の攻撃手段にも乏しい。 持久戦となれば不利になるのはソラの側だ。 相手が罠を張っていようと、踏み込まなければソラに勝ち目はない。 受けざるを得ない。 「わかりました。案内してください」 頷くソラを見て、僧侶は一瞬安堵の表情を浮かべる。 「それでは、どうぞこちらへ」 先導する僧侶の後を追いながら、ソラの頭にふと疑念がよぎる。 確かに敵に接近できなければ勝ち目が無いのは事実だ。 だが、本当にそれだけの理由で承諾したのだろうか? 話があると言われた時、戦わずに済む可能性を考えなかっただろうか。 傷つけることも、傷つけられることもしないで済むと思わなかっただろうか。 ぎり、と奥歯を噛みしめ思考を振り払おうとする。 そんなことを考えてはいけない。 ヒナを思い出せ。 笑っていたヒナの顔を、照れていたヒナの顔を 最後に見たヒナの背中を、思い出せ。 勝ち抜かなければならないのだ。余計なことを考える余裕はない。 覚悟を決めなければならないのだ。なのに、こんなこと…… 「……ナマ子殿は、こちらでお待ちです」 僧侶の声がソラの思考をさえぎる。気がつけば、いつの間にか本堂までやってきていたらしい。 装飾の施された扉は閉ざされている。中からは何の音も聞こえてこない。 僧侶が手をかけると、扉は重々しい音を立てながら開いていく。 「ソラ殿……その……申し訳ない……」 吐き出された僧侶の謝罪は、軋む扉の音に吸い込まれソラの耳へは届かなかった。 本堂の中には異様な光景が広がっていた。 ソラたちの学校の体育館ほどはあろうかという本堂の中、まるで道を作るように数十人の僧侶たちが二列に並んで座っていた。 そしてその道の先、本尊であろう曼荼羅の前で少女があぐらをかいている。 禿頭で袈裟の僧侶達に囲まれた、ただ一人袖のないワンピースを纏った長髪の美少女。 場違いであるはずなのに、自分こそがこの場の主であるとばかりに不遜な笑みをたたえた少女にとって、ミスマッチさえも背徳的な美しさを醸し出すスパイスなのだろう。 ソラが写真で見たのと同じ顔の、だが、写真よりもはるかに美しく見える少女。 猟奇温泉ナマ子、その人に間違いがなかった。 「貴様が、天樹ソラか?」 曼荼羅の前に座したまま、少女は口を開いた。 「ええ……猟奇温泉ナマ子さん、ですよね。話がある、と聞きましたが」 「ああ、そうだ。この戦いの勝敗について話をしたい」 戦いの勝敗。 予想していた……いや、期待していた話題ではある。 「それは、どういう……」 「まあまて、そんなところに立ったままでは話しづらいだろう?こちらへ来い」 少女はソラに向けて手を招く。だが、ソラは進まない。 このまま進めば僧侶に囲まれる形になる。 もし彼らが敵に回ったなら、対処しきれない可能性が高い。 ためらうソラをみて、少女はぽん、と手を叩く。 「なるほど。確かにその警戒は最もだ」 そう言ってナマ子が手招きすると、僧侶たちはおずおず立ち上がる。 二列に並び道を作っていた僧侶は、全員がナマ子の左右に控える形となった。 「退出させろ、とまでは言わないでくれ。何分か弱い女だからな。二人っきり、ではさすがに不安なんだ」 この状況でも、例えば僧侶たちを壁として使われた場合のソラの不利は否めない。 だが、ナマ子もこれ以上引く気はなさそうだ。 押し問答をしても始まらない。あくまでも会話に支障がない程度まで、ソラはナマ子との間の距離を詰める。 そんなソラに対し、警戒心が強いな、とナマ子は苦笑を向け、話を始めた。 「貴様が知っているかは知らないかは分からないが、私はあまり戦闘向きの魔人ではない。戦っても無為に傷を負うだけの結果になる可能性が高い。それで勝てるのならいいが……負ければ、生き残れても負傷したままこの世界に残ることになる。場合によってはそのほうが死ぬより辛いかもな」 話の内容は後ろ向きだが、朗々と語るその姿に敗北への懸念は感じられない。 奇襲をしかけてこないということは、まだ射程内ではないのか? それとも本当に、この場で話し合いで勝利を決めるつもりなのだろうか…… 「私にも願いはある、が……そこまで強いものではない。命のほうが大事だ。だから、貴様の願い次第では勝ちを譲ってもいいと思っているんだよ。天樹ソラ」 勝ちを、譲る。 あるわけがないと思っていた。 だが、あってほしい、とも思っていた。 本当だろうか、この距離からは表情が読めない。 無意識のうちに、ソラは少しだけナマ子に近づく。 「本当ですか?」 「ああ、もちろん。くだらない願いであれば譲りたくはないが……強い願いを持っている奴は、その分必死になる。死に物狂いの相手にボロボロにされて負けて、こんな世界で治療も受けられず死ぬ、なんてぞっとしないからな」 ナマ子の表情は笑顔、真意は読めない。 もう一歩、ソラはナマ子に近づく。 「さあ、聞かせろ、天樹ソラ。貴様はどんな願いでこの戦いに挑んでいるんだ?」 「僕は………」 答えていいのだろうか、信じていいのだろうか。 不安はある。だが、戦わずに――血を流さず、流させず戦いが終われば、どんなに素晴らしいだろうか。 もはやソラには一縷の望みを振り払うことは出来なかった。 「僕は……戦闘空間に取り残された幼馴染を助けたいんです。ヒナを一人にしたくない、ヒナに伝えてないことがまだたくさんある――ヒナと一緒に居たい。それが、僕の願いです」 ナマ子がわずかに眉を潜める。ソラはそれに気づかない。 張り付いたように動かないナマ子の笑顔、その違和感にソラは気づかない。 「ほぉ……そいつは、恋人か?」 「え、いや、ち、違います!」 「ああ、まだそういうのじゃない、と。なるほど、わかった」 慌てて否定するソラを横目に、ナマ子は納得が言ったかのような表情で二、三度頷き。 「やめだ」 吐き捨てるように言い放った。 「ああ、やめだ。やめだ。逃げさせないためにはもう少し引き込みたかったが、もうやめだ。貴様の吐き出す言葉は聞くに耐えない」 ナマ子はゆらり、と立ち上がる。張り付いた笑顔は離れ、浮かぶのは侮蔑と嘲笑。 「あの子のため?一緒に居たい?なんだそれは、愛とでも言うつもりか?」 ナマ子の両脇に控えていた僧侶たちに動揺が広がる。 「全くもって馬鹿馬鹿しい。くだらない」 ナマ子を中心として、おぞましい気配が立ち上る。 ざわめく僧侶たちの中から一人が立ち上がる。ソラを案内した若い僧侶だ。 「ナマ子殿!話が違います!従えば我らは巻き込まないと……!」 「黙れ」 声を荒らげ詰め寄ってくる彼の口に、ナマ子は右手指を挿し入れた。 ぐるり、と首を回し、ナマ子は僧侶を見つめる。 怯え、不安、そして瞳に残る僅かな力。それら全てがナマ子をいらだたせる。 「なあ、お前らの開祖はそう言ったのか?マーラを前に『自分は一生懸命努力しています。どんな命令でも従います。だからどうか私を誘惑しないでください』 そう懇願したのか?」 指は彼の口の中を艶めかしく撫で回す。 わずかに身を震わせながら耐える彼をあざ笑うように、ナマ子は厳かに宣言する。 「『プレローマ』」 静謐に満たされていた本堂の空気が、淫靡な邪気に塗り変わる。 不穏な気配を感じ距離を取ろうとしたソラの表皮を、奇妙な快感と射精感がなでる。 これ以上は危ない、そう感じ踏みとどまったソラの視線の先では、ナマ子が若い僧侶の口に指を突っ込んだまま僧侶を引っ張った。 中国拳法のようなゆったりした動き、バランスをくずされた僧侶は倒れる。 ダメージがあるようには見えない、ゆったりとした動き。 だというのに、僧侶は倒れたまま痙攣し、立ち上がってこない。 「誘惑に乱されぬための修行?何かを成し遂げるための意志?誰かへの愛?」 僧侶たちの、そしてソラの顔を見回し、ナマ子は高らかにあざ笑う。 「そんなもので、『プレローマ』の支配から逃れられるというなら、見せてみろ」 さもなければ、蹂躙するぞ―― 彼女の宣言と同期して、僧侶たちにパニックが広がった。 怯えるもの、慌てるもの、反応は様々だ。 逃げようと走りだした僧侶が、膝から力を失い倒れた。 うずくまって震えていた僧侶が、ひときわ大きく痙攣した後動かなくなった。 誰も彼も、身動き一つとると、そのまま力を失い動かなくなる。 あっという間に本堂には栗の花のような精液の臭いが満ちていく。 本尊の曼荼羅には僧侶が出したものであろう精子が付着し、真っ白に染め上げられていた。 悲鳴と白濁にまみれた本堂の中、立ちすくむソラに向かって、ナマ子はゆっくりと、一歩一歩近寄ってくる。 ソラは動けない。 手袋をしたままの右手に向けてゆっくりと左手を動かすだけでも、射精感に体が支配されそうになるのだ。 下手に動けば、僧侶たちと同じ運命をたどるに違いない。 「天樹ソラ。貴様、童貞だな?」 「……っ」 「やはりな。ああ、気にするな」 艶かしい足遣いで、ナマ子は正面からソラに近寄ってくる。 「殺しはしない。私はビッチだ……人殺しでは、ない」 吐息が掛かりそうな至近距離。ジリジリと左手を動かす。右手首に触れ、指を動かす。 もぞもぞと動いているソラの左手を、ナマ子は強引に掴み引き寄せる。 手袋の縁にかかっていた指が抜かれる。 下手に左手を掴む手を振り払おうとすれば、ナマ子の能力を受けて僧侶たちと同じ末路を辿るだろう。 だが、片手では右手の手袋を外すことは出来ない。 「幼馴染を救いたいと言ったな?ヒナ、だったか、その女と一緒に居たい、と」 「だったら……それが何だ」 ナマ子が再び笑顔を見せる。最初に話していた時とは違う、感情がむき出しの嘲笑。 「その気持ち、何回目の射精まで持つかな?」 美しい少女であったはずだ。 だが、ソラは眼前に居る少女はからおぞましさしか感じることが出来なくなっていた。 「ば、馬鹿にするな!」 「威勢がいいことだ」 精一杯の虚勢を受け流し、ソラの体にナマ子の指が触れる。 初めは肩から、ヌラリ、と軟体生物のように動きながら、下半身へと這って行く。 「喜べよ童貞。抜いてやる」 ナマ子の手が局部に触れる。 全身を走る衝撃に、ソラはなすすべもなく倒れた。 倒れ伏すソラを見下ろしながら、ナマ子は手に付着した精液を舐めとった。 気に食わない男だった、とナマ子は思う。 本来ならばもう少し油断させてから制圧する予定だった。 だが、救いたいだの一緒に居たいだの、虫唾の走る言葉を叫ぶこの男に耐え切れず予定より早く『プレローマ』を発動することとなってしまった。 『プレローマ』の射程は半径20m、相手の能力によっては逃げられてしまう可能性もあった。 そういった意味では運が良かったのだろう。 だが……この男の言葉は気に食わない。 愛など無い、絆などない。人と人との関係など、所詮は欲望に基づく奪い合いだ。 『虎の尻穴』でも、希望崎学園でも、ナマ子はそうして生きてきた。 支配し、奪う。弱者は搾取されるために存在し、対等な関係など実力が拮抗するが故の妥協に過ぎない。 この男の言葉も、所詮は無自覚な征服欲にすぎないのだ。 『あなたのセックスは悲しい……』 鏡子に告げられた言葉が脳裏をよぎり、ナマ子は思わず歯ぎしりをする。 あの女の言葉を否定するために、あの女をビッチではなくただの人殺しに貶めるために、私は誰も殺さずに勝ち抜かねばならない。 不快な記憶を振り払い、ナマ子はソラを見下ろす。 この男はこのまま場外にでも捨てればいい。 さすがに女一人で運ぶのは難しいだろうが、適当な僧侶をたたき起こして運ばせればいいだろう。 そこで、違和感を覚えた。 ソラの右手に腕時計がついていない。 落としたのだろうか。だが、周囲を見回してもそれらしきものは見当たらない。 (……時計だけを回収した?なんのために……こいつは囮で、他に時計所有者が居るのか?) ナマ子が僧侶を脅してソラを招いたように、ソラもまた僧侶を使ってナマ子の出方をうかがった、という可能性も否定はできない。 だが、本堂内に隠れられるような場所はない。 外から狙おうに射線は通っていない。まず奇襲は不可能だ。ならば、様子見か? 湧きだした疑念は収まらない。しかし、この男が本当に『時計』所有者ならば無視するわけにも行かない。 結論として、奇襲の危険性も薄いことから、ナマ子はソラが時計を所持していないか検分してから囮か否かの判断を下すこととした。 愛撫でソラの上着を破く、時計は隠されていない。 ならば下着の中を、と手をかけたところで、足首を何者かに掴まれた。 まさかと、驚愕と共に目を足元に目をやると、最初に射精させてやった若い僧侶が這いつくばりながらナマ子の足首を掴んでいた。 「ソラ殿……申し訳ない……我々が……騙されたせいで……」 弱々しく綺麗事を呻く僧侶の姿に苛立ちを覚え、足で股間を踏みつける。 痙攣、そしてまた動かなくなる。 腹立たしくなるほどに弱い。 不満があるのなら力を得るべきだ。その力がないのなら素直に蹂躙され支配されるべきなのだ。そこの僧侶も、天樹ソラらしきこの男も。 男の体に残る衣服は右手の手袋のみ。 しかし、薄い手袋はどう考えても中に手以外のものが入っているようには見えない。 やはりこの男は囮だったのだろうか?そう思いながらナマ子はソラの手袋を外す。 手袋の中には、半透明の右手しか入っておらず…… 右手の中に突然腕時計が現れた。ソラはその時計を、右手のスナップで放り投げた。 思わずナマ子は腕時計の行方を目で追う、追ってしまう。 ガリッ、ソラの口元から、何かを噛み潰すような音がした。 ぐったりとしていたソラの眼と口から血液があふれ、体が跳ねるように動く。 素早い、格闘魔人の如き速度で右手をナマ子に向けて突き出す。 激しく素早い動き。それはプレローマに蝕まれ、すぐに力を失い慣性のみで倒れこむように動く形となる。 確かに虚はつかれた、初速の分だけ速度は保っているが、だが、まだ、遅い。 格闘術を収めた魔人であるナマ子にはギリギリ回避することができるタイミングと速度。 ゆるやかに身を引けば、紙一重で回避できる。あとはもう一度イカセてやれば立ち上がることはできまい。 そのまま相手の股間に手をのばそうとして―――――足を引かれ体勢を崩す。 「寺の中で……これ、以上、の……狼藉、は…」 若い僧侶が、もう一度足を掴んでいた。 虫の息だ。少し力を入れればすぐに振り払える程度の弱々しさだ。 だが、回避と両立は出来ない。 足を抑えられる、半透明の右手が顔に迫る。 「負け犬が!くだらない真似を!」 僧侶の手を振り払う。あっけなく手は足から離れる。所詮、弱者の意志などこの程度のもの。 だが、ソラの右手はもう目の前に。 指先が眼球に触れる。この程度のことで、と思った瞬間激痛とともに視界が失われる。 妙にゆるやかな時間間隔の中、自分の顔面がどんどん削り取られていくのを感じる。 ナマ子にはソラの能力の詳細がわからない。だが、触れられること自体が致命的であったことだけは理解できた。 苦痛がナマ子を苛む。敗北の実感が背筋を這い上がる。 そしてその中で、ナマ子は一片の満足を得る。 天樹ソラの掌。優しさの欠片もない、傷つけるだけの掌。 理解などとは程遠い、自分を排除するためだけに体を撫でる手の感触。 結局のところ、こいつらだって私と同じなのだ。 口では愛だの意志だの叫ぼうと、相手を排除することでしか目的を達成できないのだ。 ――そうだ、これが力だ。これこそが、勝者の持つべき力だ。 鏡子の優しい愛撫とは違う。鏡子の柔らかな愛撫とは違う。 これが私の知っているセックスだ。これが私の知っている力だ。 正しいのは私で、間違っているのは鏡子。 そうだ、それでいいんだ。この敗北は受けいれられる。 受け入れられる、はずなのに。 何故、最期に鏡子の悲しそうな涙を思い出してしまうのだろう。 私は、わたしは、わ た し は 愛 な ん か――― そうして、ナマ子の意識は消え去っていった。 ―――そうして、僕は勝利した。 足腰はガクガクと震えている。 ただでさえ消耗している時にスズハラGXで無理やり動かした反動だ。動くはずはない。 猟奇温泉ナマ子の体は動かない。賭けに勝ったのは僕だった。 彼女は僕を殺さないと言っていた。ならば、勝利する方法は限られてくる。 その隙を、狙う。あの状況で僕が思いつけた勝ち筋はそれだけだった。 騙し討ちを成功させるために、こっそりと左手で『時計』を外して手袋の中に滑りこませ、『廃墟』側に隠した。 深い考えがあったわけではない。 あったはずのものが消える。無かったはずのものが出てくる。 それで少しでも注意を反らせれば、勝利の目が出てくる。それだけを考えて闇雲に取った行動だった。 目論見は成功した。その結果、僕は彼女を殺した。 僕は彼女のことを何も知らない。 どんな願いを持っていたのか、 どんなふうに生きてきたのか、 なぜ人を殺さないのか、 なぜ……あんな辛そうな顔で僕や僧侶達を否定したのか。 今となっては、どれも知る由もない。 自分が誰かを踏みにじった実感から、喉から悲鳴がもれそうになる。 敵だから、闘わないと戻れないから、先に仕掛けてきたのはあいつだ。 だから僕は悪くない。 こみ上がってくる言葉を、僕は必死で飲み込む。 誰かを殺したことを言い訳しちゃいけない。 この行為に慣れてしまえば、きっと僕はヒナの前に立てなくなってしまう。 だから、これだけは忘れてはいけない。 今日、僕は初めて、人を殺した。 第一回戦【古代】寺院SS「今日、僕は初めて、人を殺した」終了 このページのトップに戻る|トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/llss/pages/1676.html
元スレURL 【SS】if...カリスマが貴女なら。 概要 ツバサがことうみの幼なじみだったら タグ ^綺羅ツバサ ^園田海未 ^南ことり ^小泉花陽 ^友情 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/railsimnewwiki/pages/374.html
Screen Shot 一般投稿 このページは全てのRailSimユーザーがご自由にSSを投稿することができます。 当ページ利用規約規制中を除くすべてのRailSimユーザーが投稿可能。 投稿する画像はRailSimのスクリーンショットに限る。 撮影したSSを編集しての投稿は可能。 SSのサイズは400×300のみ SSの画像形式はpng・jpg・jpegのみとする。 SSを投稿する際は必ずRailSim界で使用しているハンドルネームを使用する事。名無し・匿名、もしくはこれに類するハンドルネームは使用禁止。 このページに掲載されたSSは新Wiki運営が自由削除できるものとする。 この利用規約に反した場合、運営の警告無視(重)を適用する。 このページにSSをアップロードもしくは投稿した時点で以上の利用規約に同意したものとする。 投稿テンプレート |タイトル:(タイトル名)|投稿者:(投稿者名)|投稿日時****/**/**| | | | ref(ファイル名.ファイル拡張子)| | | |(コメント)| テンプレート使用例 タイトル:夕焼けの鹿児島本線風 投稿者:涼川草太 投稿日時2010/12/19 イメージは遠賀川~海老津間ですが全く似てませんね^^;テンプレート使用例です。コメントは規約に反さないようお書き下さい。参考として、fpsは0.2の状態で撮影しています。 タイトル:突っ切る青い弾丸 投稿者:紀波寛 投稿日時2010/12/20 こんな場所は存在しません。特急がこんなド田舎を走るのかも知りません。 タイトル:街並みと鉄道 投稿者:AkoRapidService 投稿日時2010/12/20 設定上は赤穂駅を出て支線の古池線に向かう混合列車。町の生活圏の一角を小さい電車がコトコト走る、地方私鉄ならではのシーンです。 タイトル:雪の日のE721系 投稿者:どらどら 投稿日時2011/1/1 年末年始に荒れた東北。E721も雪まみれになって走ります。 タイトル:秘境を往く 投稿者:pasuko 投稿日時2011/1/4 秘境を往く気動車です タイトル:ステーションシティ 投稿者:田中電鉄 投稿日時2011/1/4 現在製作中のレイアウト。夜景をとったらこうなりました。 タイトル:交換待ち 投稿者:pasuko 投稿日時2011/01/08 イメージはローカル線の早朝の通学列車の交換待ち。 桜と駅と気動車をマッチさせた結果がこれだよ タイトル:すれ違う地下鉄 投稿者:micomico 投稿日時2011/1/22 南北線と半蔵門線がすれちがいます。ちなみにこんな場所は存在しません。 タイトル:唸れ!MT54! 投稿者:涼川草太 投稿日時2011/02/07 はくたか代走の489系。485系の兄弟なのでMT54で合ってるはずです。北陸本線にこんな場所が存在するかは知りません。 タイトル:都会 投稿者:ams01 投稿日時2011/02/07 都会の風景。 タイトル:普通客レのある風景 投稿者:AkoRapidService 投稿日時2011/02/07 製作中のナハ10のプレビュー版として作成。なんか四国っぽい風景ですが、DF50牽引の客車普通列車が加速中です。ちなみにハエタタキは即席PI、その他微妙なPIをあつらえました。 タイトル:飛行機 投稿者:YUUEXP 投稿日時2011/02/09 ポン置きみたいですいません。手前はSAAB340-Bです。飛ぼうとしているのがDHC8-Q400です。 タイトル:下町風 投稿者:こもるん 投稿日時2011/02/13 開発に残された下町の路地裏から見る路面電車です。後ろでは開発が進んでいます。 タイトル:信濃の春 投稿者:pasuko 投稿日時2011/02/14 信濃の春は遅し タイトル:疾走、幹線の特急 投稿者:it2000 投稿日時2010/02/22 なんとか本線を走るなんとかという特急。って感じを出したかったんです。アングルをもう少し工夫すればよかったかな・・・。 タイトル:駈けろ京阪特急 投稿者:涼しい人 投稿日時2010/02/26 駅を通過する京阪特急。東福寺をモチーフに作成。疾走感ゼロ タイトル:春の中央線 投稿者:とかち 投稿日時2011/02/26 中央線にはこのような風景があるか分かりませんが、よく見ると車両の色が違いますね タイトル:夕暮れ時の駅に停車する列車 投稿者:RT 投稿日時2011/03/01 タイトルそのままです。やっぱり影があると雰囲気出ますねぇ。 タイトル:JR四国と桜 投稿者:こもるん 投稿日時2011/03/20 JR四国の広告風にしてみました。今からの季節にピッタリの桜と合わせてみました 画像形式・サイズ不備につき非表示 画像形式・サイズ不備につき非表示 タイトル:日暮れ時の山陽本線 投稿者:涼しい人 投稿日時2011/05/22 家路へ向かう人々を乗せ、瀬戸内に反射する夕日を浴びながら今日も電車は走る。 タイトル:夕暮れの都心部 投稿者:Tamer 投稿日時2011/06/13 夕暮れのMyTownを撮影。いかがでしょうか? タイトル:とある私鉄の4線区間(ver0.2) 投稿者:田中電鉄 投稿日時2011/06/14 風圧防護壁(西武の場合)と言うそうなホームを遮る例の壁のテストも兼ねて、一枚撮ってみました。視野角:50度。追記:某所ご指摘にそぐい、改定させていただきました。ホームが真っ暗になったり、防護壁が見えなくなったりするので、影は割愛。 タイトル:夕焼け小焼けで日が暮れて 投稿者:田中電鉄 投稿日時2011/06/17 誕生日記念に夕焼けのシーンを。 タイトル:陸橋を越えよ! 投稿者:Yuu200DC 投稿日時2011/08/07 D52が、陸橋を越えているようなSSです。 タイトル:頑張るキハ30 投稿者:フーミン 投稿日時2011/09/12 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 各プラグイン制作者の方々、ありがとうございます。 タイトル:路面電車が走る町 投稿者:Yuu200DC 投稿日時2012/02/29 路面電車の終点の駅のような風景。グラボ変えたから影を付けても25fps タイトル:おもちゃ箱 投稿者:Raptor 投稿日時2012/03/11 模型みたいな? タイトル:近郊の街に桜降る 投稿者:狐野優一郎 投稿日時2012/03/13 各プラグインの製作者様に感謝を表し。春を迎えた近郊の街をイメージして タイトル:影とRailSim 投稿者:こもるん 投稿日時2012/06/06 飛行機の影がきれいに地面に映りました。列車が無いけれど、こんなのもありかな♫♪ タイトル:神戸高速線 投稿者:るりほし 投稿日時2013/02/16 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (00000303.jpg) 阪急・阪神神戸高速線を走る須磨浦公園行き直通特急と新開地行き各駅停車を再現。須磨浦行きはもうありません(泣) タイトル:夕時の北陸本線 投稿者:H-8101 投稿日時2013/02/23 400×300にしてから車両が全然目立っていないことに気付きました。ここのSS作者様のSSを参考にしてるので雰囲気が似てしまってます。 タイトル:鏡の中の検測列車 投稿者:Yuu200DC 投稿日時2013/06/26 夕暮れの海岸線をひた走るDE10とマヤ検が日産GT-Rのサイドミラーに写ったようなSSです。ていうかこれ系の編集ってOKなんですかね運営さん・・・。 タイトル:新疋田~敦賀の大カーブ 投稿者:快特13A 投稿日時2013/08/09 新疋田~敦賀の大カーブです。カントがあまり付きませんでした(-_-;) タイトル:上越線 はくたかを流し撮り 投稿者:快特13A 投稿日時2013/10/19 寒気がしそうな上越線で流し撮りしました。流し撮り写真を友達が撮ってきたので対抗しようとして(笑) タイトル:アカオビ 投稿者:急行「加助」 投稿日時2018/05/13 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 夕焼けの中、切通から這い上がってくる東急9000系です。※16 9環境で撮ったSSなので余白を追加しております