約 213,506 件
https://w.atwiki.jp/puutisite/pages/15.html
進め!立体機動
https://w.atwiki.jp/pesci_radio/pages/232.html
「それじゃあな! しみったれたじいさん、長生きしろよ。そしてそのケチな孫よ、俺のこと忘れるなよ!」 それは遥か昔の輝かしい思い出。 しかし、決して繰り返してはならない世界の危機。 その悪夢が、再び目覚めようとしていた。 「弓と矢? 弓道でも始めたのか?」 「いや、違う。弓と矢は武器じゃない」 電話の向こうの承太郎の声は真剣そのものだった。 しかし、俺は浮かんだ冗談を飲み込まずに口に出した。 「じゃあなんだ? 壁にでも飾るのか?」 「……相変わらずだなポルナレフ。けどこれは冗談を言ってられない問題だ。そうでないと世界が再びDIOの悪夢に呑まれることになる」 「どういうことだ?」 DIOの悪夢と聞いては冗談で流すわけにはいけない。 「弓と矢は……そうだなスタンド使い製造機と言えばわかりやすいだろうか」 「スタンド使い製造機……?」 「重要なのが矢のほうであることは確かなんだ」 「おいおい、ちょっと待ってくれよ。どういうことなのかがさっぱりわからねぇ」 「あ、ああ……すまない。といっても俺もスピードワゴン財団もよくわかっていないんだ」 承太郎にしては珍しく歯切れが悪い。 「?」 「ポルナレフ、あのエジプトへの旅は覚えているな?」 「あたりまえだろ! あの旅を、仲間達を忘れられるはずが無い」 当然のことを聞いてくる承太郎に、俺は軽いイラつきを覚えながら答えた。 「ああ、俺もそうだ。じゃあ思い出してほしい、俺達はあの旅で何人のスタンド使いと戦った?」 「何人……エセ船長と船の猿と霧のババアと……」 俺は遠い記憶を掘り起こし始めた。あんまり思い出したくねぇこともあるんだけどなぁ。 そんな感情を読み取ったのか、承太郎は俺の思考を遮るように言葉を発した。 「とにかく30人近いスタンド使いと戦ったな、じゃあDIOはどうやってそれだけの人数を集めたと思う?」 「肉の芽じゃねぇのか?」 俺は無意識に額の生え際をおさえた。 「それもある。だが、これまでは存在も知られていなかったようなスタンド使いもヤツは集めていた。 それに俺やじじいにスタンドが目覚めた理由はDIOにスタンド能力が発現したからだ。 ヤツはどうやってスタンド能力を手に入れたと思う?」 「それがお前が言う弓と矢の力だというのか?」 「そうだ。どういう原理でそうなるのかなんかはわかっていない。しかし、解っているのは弓と矢に選ばれ、刺された人間はスタンド能力が発現するということだ」 「じゃあ……お前の言っている悪夢っていうのは」 「そうだ、弓と矢は未だにこの世界のどこかに存在している」 承太郎のその言葉は俺を震えさせるのに十分すぎる恐怖を含んでいた。 DIOのヤツは確かに倒した。しかし、ヤツは場所を、時を、世界を超えて再び俺達の前に立ちはだかろうとしている。 「俺は……それを探せばいいのか?」 「……すまない、ポルナレフ。俺だけで対処できればよかったんだが」 「何いってんだ、水臭いぞ承太郎。任せとけって――」 あれから俺はヨーロッパを飛び回った。 この地のどこかにある。そんな気がしたからだ。 そしてその予感が的中していることを、俺はこのイタリアで知った。 しかし、その時はすでに奴らの術中にはまっていた。 「クソッ! ここもだめか」 俺は受話器を公衆電話に叩き付けた。 反動で収まらなかった受話器が跳ね、狭いケースの中で暴れる。 繋がらなかった証に小銭が1枚戻ってくる。 周りを見回しても人っ子どころか建物すらない。 道路の周りにあるのは木と岩と今使い終わった公衆電話だけだ。 こんなへんぴな所まで組織の手が回っているとは、俺は奴らをなめ過ぎていた事に今更ながら気づかされた。 俺はあれからヨーロッパ中を巡り、ついにこのイタリアで弓と矢の手がかりを見つけた。 ギャング団『パッショーネ』。 イタリアで最近勢力を拡大しているこの組織。そのボスが弓と矢を持っているらしいということだった。 そしてその情報は的確だった。 だが、それを確かめるために俺は組織に関わりすぎたらしい。 住まいを爆破され、街中では命を狙われる。 何とか敵の目を欺き、手紙をポストに投函することはできたが、恐らく届いてはいないだろう。 そして今のように電話による連絡もできない。まさに八方ふさがりだった。 もしかしたら何らかのスタンドで常に追跡されているのかもしれない。 しかし、今は周囲に人影はない。 俺はこの先どうするかを考えるために一本足で立っている公衆電話に背をあずけた。 すると、何か硬い感触が指先に触れた。 そこには、一枚の鏡がぶら下がっていた。 「何だ!? 何が起こったんだッ! ここは……何かがおかしいッ!」 俺は何が起こったかわからなかった。 自分の身に何か異変があったわけではない。 しかし、周りの風景に違和感を感じる。 よくわからない、しかし何かがおかしい。 例えるなら、そう。DIOの『世界』を初めて味わった時のような……。 俺の頭をそんな印象がよぎり、さらに承太郎の言葉を思い出した。 『世界が再びDIOの悪夢に呑まれることになる』 身の毛がよだつ恐怖を感じた。 確かに今、DIOの悪夢が俺の前に現れている。 そこまで考え、気付いた。 「これは……スタンド攻撃だ」 思い返してみる。 公衆電話にもたれた時、指先が何かに触れた。 見てみるとそれは何の変哲も無い鏡だった。 しかし、その鏡に映るものは普通じゃなかった。 木の陰に男が立っていたのだ。 半身を隠しているためよくはわからないが、女のように長い黒髪とすらっとした長身、そして凛とした顔立ちが見て取れる。 俺は慌てて振り返った。 しかし、そこには誰もいない。 もう1度鏡を見る。 確かに男が映っており、しかもこっちへ歩いてくる。 もう1度振り返った。 その時、すでに風景は変わっていた……。 「そうだ、あの男だ。あの男はどこだ!」 俺は弾かれるように顔をあげ、あたりを見回した。 そんな男の姿はどこにも無い。 いくら細身だったとはいえ、あの長身を完全に隠せる場所など周囲には無い。 俺は警戒しつつ公衆電話の前に移動した。 そして、そこで違和感の正体に気付いた。 「おかしいぞ……この電話、受話器が右にある……それに、数字の並びが……」 「さすがに早いな。その勘の良さでこれまでの追跡をかわしてきたのか?」 前方から声がした。俺は銃声を聞いた鹿のように後ろに下がった。 前を見ると、公衆電話の向こうにはさっき鏡に映っていた男が立っていた。 「ジャン・ピエール・ポルナレフ、フランス人。幼少時代にスタンド能力に目覚める。 スタンドは『シルバー・チャリオッツ』、西洋騎士の姿をした近距離スピード型のスタンドでかなりの精密行動が可能……」 「……何者だ」 「ふん、いつもならさっさと片付けるんだがな、騎士様に合わせて名乗ってやろう」 男はポルナレフに見下す視線を向け、胸を張り、名乗った。 「おれはイルーゾォ。『パッショーネ』の暗殺チームの一人さ」 イルーゾォは名乗ると口の端を歪め、邪悪な笑みを浮かべた。 その眼からは暗殺チームという言葉を聴いた俺の反応を先読みし、嘲笑しているような視線が向けられている。 もちろん、その予想に従うわけもなく、俺はいつもの軽口を吐いた。 「へぇ、暗殺ってのはそんなひょろい身体でもできる仕事なのか」 イルーゾォは予想外の俺の反応に少し表情を歪めたものの、変わらず見下す視線のまま挑発してきた。 「ふん、試してみるか?」 「言われるまでも無いッ! シルバー・チャリオッツ!」 俺の誇り高き精神の象徴、常に銀色に輝く騎士の姿をした相方の名を、俺は高らかに叫んだ。 しかし、その声は虚空に響くばかりで、そばに彼は現れなかった。 「なに!?」 「ククククク、どうした? 騎士様が白馬に乗って駆けつけてくれないみたいだが」 イルーゾォはそう言って高らかに笑った。 「……やっぱり、ここは現実とは違う空間……」 「ククク、そうだ。ここは鏡の中の世界。俺と無機物と、俺が許可した生物しか入ることができない世界だ。 それはスタンド能力も同じこと。俺が許可しない限り、お前のスタンドはここに来れない」 イルーゾォは、まるで勝利を確信したかのように自らの能力を晒した。 「鏡の中か……どうやらファンタジーやメルヘンじゃなくても存在するみたいだぞ、花京院」 俺は思わず、かつで共に旅した今は亡き仲間の名前を呟いた。 「さぁ、お遊びはここまでだ。お前はボスに近づきすぎた、死ねッ! マン・イン・ザ・ミラー!」 イルーゾォは公衆電話を避け、俺の元に走ってくる。 その傍らには、がっちりした身体つきのゴーグルをかけたようなスタンドが現れた。 「クソッ!」 俺は飛び跳ねるように再び後ろに下がった。 半秒前まで俺がいた場所でマン・イン・ザ・ミラーの拳が空を切る。 あのひょろいヤツだけならまだしも、生身の身体ではスタンドに敵わない。 俺は一目散にイルーゾォから離れた。 「スタンドと同じく本体もすばしっこいな。だがどこまで逃げても無駄だぞ。 俺を倒さない限り、お前はこの世界から出ることができない」 イルーゾォの余裕の言葉を背に、俺は細い杉の根元まで離れた。 イルーゾォとの間は10mほど、この杉を倒せればイルーゾォの所まで届くだろう。 そこまで考えて俺はイルーゾォの言葉を思い出した。 『俺が許可しない限り、お前のスタンドはここに来れない』 ここに来れない。ということは、どこかには出ているということだ……そしてそれは、現実世界の俺のいる位置! 「シルバー・チャリオッツ!」 俺は自分の予想を信じ、杉に攻撃を仕掛けた。 俺の予想通り、杉にチャリオッツの切り筋が浮かび、杉の軋みがあたりに響いた。 繊維の塊がちぎれる音をあげながら、杉はイルーゾォに襲い掛かった。 「ふん、気付いたか」 しかし、イルーゾォはそれを鼻で笑うと軽く横に動いた。 倒れてくる杉をマン・イン・ザ・ミラーが殴り、倒れる位置を少しずらすだけで杉は何者も巻き込まずに地に沈んだ。 「外で無機物を破壊すれば、中の無機物も破壊される。だが、無駄だ。そんなものでおれは倒せない」 イルーゾォは相変わらず勝ち誇った顔を崩さない。 しかし、俺は名案を思いついた。 「チッ!」 俺は近づいてくるイルーゾォから離れた。 そして今度は、パニーニが地面に突き刺さったような形の岩の前に来た。 イルーゾォはゆっくりと近づいてくる。 「なんだ? 今度は石つぶでも飛ばしてくるつもりか?」 さすがに読まれた。しかし、そんなことは想定内だ。 「ああ、その通りだッ!」 同時に背後の岩が砕ける。 砕けた勢いをそのままに、いくつかの欠片がイルーゾォに向かって飛んでいく。 「無駄だと言っただろう」 イルーゾォはマン・イン・ザ・ミラーの拳で欠片を軽く弾いた。 しかし、俺は岩を砕くことをやめない。 その後もいくつかの欠片がイルーゾォの元へ飛んでいくが、全て軽くあしらわれる。 「ふん、無駄だと言うのに」 単調な攻撃にイルーゾォの動きからするどさが消えた。 (今だッ!) 俺はこの瞬間を待っていた。 「シルバー・チャリオッツ!」 一発限りの飛び道具。そして恐らくこの世界に現れることができるであろうチャリオッツのある部分。 チャリオッツに命じた直後、細長く銀色に輝くものが俺の目の前に現れ、一閃の矢のようにイルーゾォに向かってゆく。 油断していたイルーゾォがそのスピードに反応できるはずも無く、それはやつの左肩に突き刺さった。 「グァァァァァッァア!」 激痛にイルーゾォはこれまでの余裕の表情を崩し、叫び声をあげる。 その左肩には細長い剣身が刺さっている。 「こ……こいつは……」 「チャリオッツの剣には秘密があってな、一度しか使えないが、剣身を飛ばすことができる。 チャリオッツが持った状態の剣はスタンド能力になる。しかし、飛ばした剣身はただの無機物になる」 「ちくしょお~~~~~! こんなものを刺しやがってぇ~~!」 情けない声で叫んだイルーゾォは使える右腕で懐から取り出した何かを空高く投げた。 さらに、一瞬遅れて、マン・イン・ザ・ミラーが先ほどチャリオッツが砕いて飛ばした岩の欠片をつかみ、投げた。 2つの投擲物は俺の頭上で交わった。 何かが砕ける音がすると共に、頭上から光の雨が降り注いできた。 「なんだ!? ……くッ!」 俺は背を曲げて下を向き、腕を額に当てて凌いだ。 雨に当たった服や皮膚が切れる。 光の雨が止んだ後、あたりを見回してみると、草の上にいくつもの光が輝いていた。 その光の1つを拾ってみるとそれは、鏡の破片だった。 「鏡……? まさかッ!」 俺は即座にイルーゾォがうずくまっていた場所に眼を向けた。 しかし、そこには血痕があるだけで、イルーゾォの姿は無かった。 すると背後に人影を感じた。 「そのまさかだよッ!」 慌てて後ろを振り向こうとしたが頬に激しい衝撃を受けた。 「ぐあッ!」 俺の身体は後ろに吹き飛んだ。 頬が熱く、口の中には鉄の味が広がる。 「鏡があればそこが出入り口になる……これがマン・イン・ザ・ミラーの能力だ」 息を荒げて立つイルーゾォ。 剣身を抜いたようで、その左腕からは絶え間なく鮮血が滴り落ちている。 「さぁ、これで終わりだ!」 イルーゾォがマン・イン・ザ・ミラーを従えて走ってくる。 「うおおおおッ!」 俺もイルーゾォに向かい駆け出した。 「ふん、やけくそか。だが、お前の拳が俺に届くことは許可しないいぃッ!」 イルーゾォとすれ違う寸前にマン・イン・ザ・ミラーの拳が俺の横腹に入る。 「ゴハァッ!」 俺は吐血し、横腹を押さえながら転がった。 勢いが止まったのは俺がさっきまで立っていた場所の近く。 「殴り飛ばされて鏡の破片が散らばっている外に行こうとしたようだが、そのぐらいお見通しだ」 イルーゾォが再び俺のほうに歩いてくる。 俺はよろけながらも立ち上がる。 「もう鏡で移動する必要も無いッ!」 再び勝ち誇った表情で、走ってくるイルーゾォ。 「欠片の範囲から逃げる? 違う、ここに来るのが目的だったんだぜッ!」 「何ッ!?」 「シルバー・チャリオッツ!」 再び俺は相方の名を叫ぶ。 やはりその姿は俺の傍らには現れない。 だが、その代わりに鋭くとがった岩の欠片が俺の横に浮かぶ。 「そ、それはッ!」 走った勢いを殺そうと身体をのけぞらせるイルーゾォ。 しかし、すぐには止まれず徐々に近づいてくる。 「そう、これはさっき岩を削って作っておいた剣身。飛ばした剣の代わりとなる、チャリオッツの武器だッ!」 俺は叫ぶとようやく止まれたイルーゾォに向かって走り出した。 岩の剣身も俺についてくる。 「うああああぁぁぁぁぁ!」 「お前の負けだッ! イルーゾォ!」 「お、お前がこの世界にいることを許可しないぃぃッ!」 突然、目の前からイルーゾォが消えた。 「何ッ! どこに行った!?」 辺りを見回してみる。風景がさっきからまた変わっている。 「……いや、戻ったのか?」 どうやら現実世界に戻ってきたらしい。いや、むしろはじき出されたと言うことか。 足元には鏡の破片が散らばっている。 恐らくイルーゾォはもう違う場所に移動しているだろう。 「ここにいるはずなんだが……こういうのも逃がしたっていうんだろうか」 まぁしばらくはイルーゾォも襲ってこないだろう。 落ちていた剣身を拾いながら、俺はそう思い、諦めてこの地から離れることにした。 どうもすっきりしないので、嫌がらせに近くの木を一本切り倒してみた。 そして、彼は再び動き始める。 悪夢を二度と見ないために。 完
https://w.atwiki.jp/ricekoban/pages/17.html
比喩表現一覧
https://w.atwiki.jp/elendia/pages/36.html
オリジナル小説 Duel Monsters Neo Duel Monsters Neo -デュエルモンスターズ・ネオ-・・・・ それは、デュエルモンスターズの新たなる世界と新たなる可能性。 デュエルモンスターズに魅せられたとある少女、小日向 茜。 そして、茜が出会う様々な人間や、次々と現れる謎の者たち。 必要とされる駒が定位置についた時、運命の歯車は静かに、そして確実に動き出す。 彼女たちは一体何を目指して、どこへ向かうのか・・・・・。 今ここに、デュエルモンスターズの未知なる世界が幕を開ける。 プロローグ 第01話 ~ 第30話 ※ 2009年3月14日更新 第31話 ~ 第60話
https://w.atwiki.jp/wiki12_fortune/pages/16.html
作家でごはん アリの穴 テキスポ インスマスの末裔 インスマスの末裔 書き損じ 首が飛ぶ メモ
https://w.atwiki.jp/m-cookie/pages/58.html
未来永劫 Dark Story ↓↓意見や感想をお聞かせ下さい↓↓ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yanderemen/pages/15.html
https://w.atwiki.jp/azunaya/pages/26.html
生きる GARNET CROWの曲を聴きながら、感じ取りながら 書いた作品です。やっぱり長い文章は苦手だ(´・ω・`)
https://w.atwiki.jp/moedra/pages/299.html
●「エラゴン 遺志を継ぐ者」 ┗サフィラ
https://w.atwiki.jp/foreign_blue/pages/30.html
最近読んだ本 銀河英雄伝説 外伝5 週末のフール 目がよくなる