約 644,303 件
https://w.atwiki.jp/yuri48moe/pages/32.html
出典:AKB48で百合萌えPart2 レス:29-32 君の手相を診てあげよう ~さえなつ篇~ 伸ばされた指先の美しさに見惚れた。 どうしてこんなにも綺麗なんだろう。おんなじ人間とは思えない。 じっと自分の手のひらを覗き込む横顔を盗み見るとそれもやっぱり美しくて、 私は息をするのも忘れそうになる。 自分の手のひらを穴が開くんじゃないかってくらい見つめて 佐江は絶えず何かブツブツ呟いていた。 呟きながら指先で、手相の線をなぞる。 切り揃えられた爪は控えめだけれどきちんと手入れされていて、 滑らかな丘陵も艶やかなナチュラルカラーのマニキュアもその全部が美しかった。 ぱっと空気が離れた気配がして、瞳をむけたら、佐江と目があった。 「なっつみぃ」 私のことを呼ぶその唇も全部全部きれい。 ぼーっとしていたら、なっつみぃってまた呼ばれた。少し苦笑交じりで。 うわ、やばい。バレる。バレるってなにが。いや、そのこれは。別にそんなじゃなくて。 落ち着かない思考になにがなんだかわからなくなる。 かーっと体温の上昇を感じる。 せめて顔色が変わらないでって思ったのに、やっぱりそれは無理だったみたいだ。 「あれ?なっつみぃーなんか耳あかいー!」 よくわかってないくせに大はしゃぎする佐江がいて、 あぁやっぱりそれも可愛いだなんて、場違いなこと考えた。 よくわかんないけど私、相当重症みたいだ。 「ねぇねぇ、他になんかあるー?」 手を差し出す佐江の声は少しだけ舌足らずで、 それは佐江が人に甘えるときに出す声だった。 そうだねぇなんて言いながら、私は嬉しくてたまらなくなる。 「あ、これ」 わざと驚いたような仕草。 佐江が期待にわくわくしてるのが伝わってくる。 「この線わかる?」 なるべく自然に人差し指を滑らす。 真剣に頷く佐江を引き寄せたくなる衝動を堪える。 「これある人はみんなの人気者なんだよ。やっぱ佐江は人気者だ」 「まぁじでぇ!」 佐江が少しも興奮を抑えようとしないで大はしゃぎする。 白い歯を屈託なく見せて、やりぃ、と喜ぶ佐江がまぶしい。 そんな佐江をもっと見ていたくて、私はどんどんと佐江が喜びそうなことを言っていった。 はっきりいって私にわかるのは生命線とか運命線とか そういうはっきりした線だけで、詳しいことはなんにもわからない。 ただ喜ぶ佐江が見たくて、私の言葉に喜んだり笑ったりする佐江が見たくて、だから。 本当のことを知ったら佐江はどう思うんだろう。そう考えることすら恐ろしい。 みんなは私を優しいというけれど、本当はぜんぜん違う。 私は自分のために嘘も平気でつけるような人間だ。 「やっべぇ、わたし超すげぇ」 佐江が明るく笑う。本当、太陽みたいだ。 なんかこれ相当はずい例えだけど。 また耳が赤くなるのを自分で感じた。 見られたら嫌だと思っていたら、佐江が、目いっぱいに広げた手の平を私に差し出す。 「ちょっとやっばいから自慢してくるわ」 言いながらちょうど香菜が居るあたりに視線を向けた。 あ。自分の吐いた嘘が暴かれるかもしれない状況に一気に後悔が噴出す。 佐江はそんな私に気がつかないで、 なっつみぃありがとーなんてご機嫌に香菜の方に歩いていった。 あー。私なんて嫌な人間だろ。 自己嫌悪に陥る。楽屋の人込みで一人。 自分で思いついたフレーズがあまりにもくだらなくて笑った。 私、なにやってんだろう。 「大丈夫だよ」 突然後ろから声がして、なんでもないように振り向いたら、 かおりんが緩く微笑んでいた。 「香菜はほら、バ……鈍いから」 優しい笑顔で随分と酷いことを言う。思わず苦笑するとかおりんがまた笑った。 「それにしても佐江喜んでたねぇ」 様子を見られていたことがわかって恥ずかしさと後ろめたさに死にそうになる。 私が当てずっぽうで手相を見ていたことも、かおりんはどうやら気付いてるみたいだった。 「佐江が」 ぽってりとしたかおりんの唇が動く。 それだってとても綺麗だったけど、佐江と違うなぁなんてやっぱり場違いなことを考えた。 「喜んでたからそれでいいんだよ」 言い終わって、かおりんがまた微笑んだ。 「ありがとう」 自然と口から零れた言葉に、 どういたしまして、と緩く笑って、かおりんは私の横を通り過ぎる。 佐江と香菜がいるほうに向かって歩いていくようだった。 「まじで!やっばくない?!」 香菜を交えて笑う佐江は、やっぱり全部が美しかった。 終
https://w.atwiki.jp/yugihonsure/pages/565.html
本スレ用語一覧>エビフライ農家の朝は早い 1000 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です 20XX/XX/XX(X) XX XX XX.XX ID XXXXXXXX0 エビフライ農家の朝は早い 本スレの 1000に書き込まれる常套句。 この言葉がいったい何を意味しているのかは全く不明。 書き込んでいる人はそれまでに書き込みを行っていないことが多いため、 スクリプトによる自動書き込みか単なる廃人ゲッターとも噂されるが、真相は不明。 調べてみたがどうやら遊戯王とは無関係なネタらしい。てっきりGXのネタかと。 -- 名無しさん (2014-04-08 12 44 38) え?UMAの頭が海老だからじゃないのか -- 名無しさん (2014-04-08 13 09 16) ↑2006年には既に存在してたらしい。思ってた以上に古いネタだ。というかこのネタ自体更に元ネタがあるし2chは奥が深いぜ… -- 名無しさん (2014-04-08 21 50 06) 農家はエビフライなんて知らないから -- 名無しさん (2014-04-18 07 04 21) これ遊戯王関係ない2ch定番ネタじゃん馬鹿か -- 名無しさん (2014-04-25 04 32 02) ↑ネット漬けの毎日だと君が馬鹿になるだろうねえ(苦笑) -- 名無しさん (2014-05-09 19 58 47) なつまんの十代絡みのネタだと思ってた -- 名無しさん (2014-05-18 18 42 08) これ通用しないってやっぱ世代交代してるんだなぁと -- 名無しさん (2014-07-14 15 09 13) 自分が知ってるネタを知らなきゃ無知だと馬鹿にして自分が知らないネタを知ってるやつにはネット漬けだと馬鹿にする 都合のいいことだ -- 名無しさん (2014-11-05 10 41 15) Q まるで意味が分からんぞ! A 知らん。そんな事は俺の管轄外だ。 -- 名無しさん (2020-05-14 13 00 07) これほんと謎 -- 名無しさん (2021-03-21 07 46 11) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/prememo_2ch/pages/24.html
プレシャスメモリーズの新発売のカードを発売前に公開していたブログ。 多くの本スレ民が閲覧していることで知られていた。 なお、管理人のよしあしはグランドパンダキャニオンの店員である。 現在は閉鎖。
https://w.atwiki.jp/yugihonsure/pages/125.html
本スレ用語一覧>個々リオ ヴァンキチの「心」のタイプミス。 「コクリコ坂から」にちなんで「個々リオ坂から」と揶揄される。 このタイプミスの後しばらくヴァンキチはタイプミスを恐れて 漢字変換をしなくなり、文章がひらがなだらけになった時期があるが現在は治っている様子。 関連項目 ~でしゅ 説明武装区
https://w.atwiki.jp/yugihonsure/pages/48.html
アニメネタ一覧>○○って? ああ! それって○○? 伝説の○○さ いずれかのネタ振り。 僕だ!、知らんそんな事は俺の管轄外だ、あなた自身なのです、調整中の いずれかの返答が返ってくることも。 「エンワって?」「除去ガジャって?」など本スレ四天王の名言をもう一度聞きたい場合にも使われる。
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/109.html
最終決戦を制した上条勢力。 魔術、科学の「世界の崩壊」を望まぬ者達の活躍と、覚醒した三人の超能力者と一人の幻想殺し、三人の聖人と二対の天使によってアレイスター率いる敵を撃破した。 そして、禁書目録は上条当麻に別れを告げる。 「とうま、私はこれから壊れ果てた世界を直す為に、いろいろな所を旅しなきゃならないの」 なら俺も付いて行く、上条がそう言うが、禁書目録は止める。 「とうまは短髪…みことを護るって約束があるでしょ!だから、これでお別れ。…とうまと逢えて楽しかったよ!もう会えないかもしれないけど、とうまはみことと幸せになってくれなきゃ嫌かも!…かおり達が呼んでるからそろそろ行くね!」 「禁書目録……。あぁ、わかった。それじゃあ、運が良かったら一万二千年後にまた会おうぜ!」 飛びきりの笑顔で禁書目録は去っていった。 「インデックス…笑ってたけど辛そうだったわね…」 「美琴…。そう、だな。…それじゃ俺達も行きますか!」 「どこに!?」 「決まってんだろ。美琴の両親に挨拶だよ」 絶対能力者の一人、御坂美琴の叫び声が木霊した。 「皆さん、それでは宜しいですね?」 「はい、火織」 「もちろんだよ」 「良いのよなー」 その他大勢のアニェーゼ部隊や、天草式のメンバー、女子寮のメンバーが神裂の問いに答える。 「それじゃあかおり、行こ!」 禁書目録はその先頭に立ち、世界を直す長い旅に出た。 「舞夏ー、今帰ったにゃー」 「やっと帰ってきたなー。正直…帰って来ないかと…思ってたん…だぞ…」 「ごめんな…舞夏」 とある学生寮では感動の再開を果たし、 「さてと、絶対能力者と言えど、修行を怠ってはならねーな!」 またある場所では一人の熱血漢が修行を始め、 「またパシリかよ…」 とあるマンションでは平和に暮らす少女と、それを守る無能力者が居て、それぞれが勝ち取った平和を楽しもうとしていた。 そして─。 「本当にこの道で合ってンだろうなァ?」 「ミサカが嘘付くわけ無い、ってミサカはミサカは断言してみる!」 絶対能力者の中でも最強の一方通行と、彼を支え続けた打ち止めが、ある目的地を目指していた。 「確かこっちだったよな」 「ね、ねぇ…本当に行くわけ?」 「ん?あぁ。俺は一秒でも早く美琴と一緒になりたいからな」 「…バ カ」 後に世界を救った英雄として語り継がれる上条当麻と、生涯、彼を支え続ける妻となる御坂美琴もある目的地を目指していた。 「そこだな」 「そこか」 ここで二組の足は止まった。 「あなた方もここに用事ですか…って一方通行!?」 「奇遇ですね…って当麻!」 「あら、打ち止めも一緒ね」 「わーいお姉様!ってミサカはミサカは久しぶりの再開にはしゃいでみる!」 上条当麻と一方通行は驚き、御坂美琴と打ち止めはさも当然のように抱き締めあう。 「えーっと、一方通行もご挨拶的な?」 「そういう当麻もかァ?」 こういう時だけ仲良しな二人。最終決戦で互いに背中を預け合った仲である。 「そ、それじゃあ行くぞ…」 「あ、あァ…」 ピンポーン、とチャイムを鳴らす上条。 程なくして一人の女性が出てきた。 「どちら様ですかーって白い子…確か一方通行 君に当麻君、 それに打ち止めちゃんに美琴ちゃんじゃないの!どうしたの?」 御坂美鈴。上条と一方通行を結び付ける一因の女性だ。 「今日は大切な話があって来ました」 「同じく。重要な用件なンだよ」 「そ、そんなに改まって…美鈴さん困っちゃうな…。と、とりあえず上がって」 いつもとは違う雰囲気の二人に気圧される美鈴。ひとまず家の中に入るように指示する。 「一方通行、第一段階はクリアだな」 「次が難関なンだよな」 家の中に二人は入っていく。 どうやら二人は共同戦線を張るつもりらしい。 「お姉様ー、この二人はいろいろ正反対なのに中身は一緒だったりするよねー、ってミサカはミサカは面白がってみたり」 「そうね。ま、そこが二人の良いとこなのよね」 打ち止めと美琴は、二人の後を追う。 御坂家にお邪魔する上条と一方通行。美琴と打ち止めは実家に帰ってきた。 「さて、何の用だ?上条当麻君に一方通行君。まぁ、そこに座りなさい」 美鈴に案内され、居間にやってきた上条と一方通行は、そこに待ち構えていた一人の父親ー御坂旅掛のオーラに体が硬直する。旅掛に言われた通り、テーブルを挟んで旅掛の向かい側に正座する二人。 「きょ、今日はお義父さんに話があって来ました」 「同じく。大切な用件があって来ました」 上条の隣には、美琴が。 一方通行の隣には打ち止めが座っている。 「ふむ…君達の意志は本気のようだ。声色を聞けばわかる。だが、君達にお義父さん、等と言われる筋合いはない」 その一言に背中に冷や汗が流れる二人。 「しかし、君達の話を聞かせて貰おう」 旅掛は、いつの間にか美鈴が煎れていたコーヒーを一口飲み、言い放った。 「最初に一方通行君から聞かせて貰おうか」 指名された一方通行は一瞬、少しだけ震えたが、自分の意志を旅掛に伝える。 「お、俺は今日、打ち止めを貰いに来ました!」 「却下だ。どうやら君は敬語と言うものを知らないのかな?そんな奴に打ち止めは任せられない」 次は当麻君、と言われ上条は深呼吸する。隣の一方通行が俯き、涙を溜めたのが見えた。 意識を集中させて宣言する。 「答えは却下だ。挨拶に来たというのに、なんだ?そのボロボロの服は。挨拶に来るならもっとマシな格好で来るべきだな」 正論を突きつけられ、反論出来ない二人。 「…悪い、一方通行……仇取れなかった…」 「…別に構わねーよ……」 「用件が済んだなら帰りたまえ」 意気消沈する二人を見て旅掛は帰ることを勧める。 無言で立ち上がり、玄関に向かおうとする二人。 (このまま帰ったらいつまで経っても了承はしないぞ?良いのか?若造共…) 旅掛は二人の背中を見つめ、問い掛ける。 「なぁ、一方通行」 「なんだ当麻」 「俺は諦めが悪いようだ」 「奇遇だなァ。俺もそう考えてたとこだ」 上条と一方通行は旅掛に背中を向けたまま、会話を交わす。 そして─。 「俺は美琴を貰う!」 「俺に打ち止めを寄越せっ!」 振り向き、吠える。 「なっ…当麻…」 「一方通行…」 覇気を取り戻した二人に美琴と打ち止めが驚く。 が、それに驚いたのは二人だけではない。美鈴と旅掛も同じだ。 「何度言っても無駄だ。却下だ」 その答えは予想通りとも思われる表情の上条と一方通行。 「そうだと思ったぜ」 「演算無しでもわかるってことだなァ」 満身創痍。まさしくこの言葉が合う二人だった。 深呼吸をして意識を高める上条と一方通行。 「俺は何度も打ち止めに救われたァ。そして今日もコイツに救われた…。最初は鬱陶しいと思ったこともあったがよォ、いつの間にか俺は打ち止めが居ねェと寂しくなっちまうんだよ。だから俺から打ち止めを取り上げるんじゃねェ!…それでも却下するってェなら俺は打ち止めをかっさらって行ってやンぞ!」 拳を握り締め、自分の想いを旅掛にぶつける一方通行。 「良くやった一方通行…次は俺の番だッ!俺は美琴を愛してる…。最初から愛していたわけじゃない。だけど!学園都市で過ごして行く中で美琴は俺の掛け替えのない存在になった!これからも美琴と一緒に居たい!それでも却下するなら…その幻想は俺がぶち殺す!」 一方通行に続き、上条が想いをぶつける。 二人は互いに拳と拳をぶつけ合い、行動を賞賛した。美琴と打ち止めは初めてみる想い人の一面に圧倒されていた。 「全く…若いって良いよな」 黙って聞いていた旅掛が動く。 「お前達は本当に娘達を幸せに出来るんだな?」 勿論、と二人は頷く。 「もし幸せに出来なかったら覚悟しておけよ?俺は容赦しないからな。美琴、打ち止め。幸せになるんだぞ」 その言葉を聞いた4人(+話を聞いていた美鈴)は最高の笑顔になった。 激闘を終え、御坂家を後にした4人は学園都市まで戻ってきた。 「なぁ一方通行」 「あァン?」 「良かったな、了承貰えて」 「てめェもな、当麻」 二人はどちらともなく右手を差し出し、握手していた。 「ホント、無茶苦茶よね…あの二人」 「でもそんな当麻お義兄さんに惚れたんでしょーってミサカはミサカは悪戯に質問してみるー!」 「なっ…アンタねぇ!…そう言う打ち止めもそこに惚れたのよね」 「ギクッてミサカはミサカは姉妹の遺伝子は怖いって思ってみたりー!」 御坂美琴の体細胞クローンの打ち止め。しかし美琴の妹達である打ち止めだが、一生を共に歩む男性は違った。が、本質は似たようなものだったりするのだが。 「そういえばアンタ、さらっと当麻義兄さんとか言わなかった?」 「だってお姉様の旦那様は義兄になるわけだよ、ってミサカはミサカは当たり前のことを言ってみる」 この一言が、夕日をバックに未だ握手し続ける旦那達に波乱を呼ぶことになるのだが、それはまた別のお話し。
https://w.atwiki.jp/yuri48moe/pages/55.html
出典:【外交】AKB48で百合萌えPart3【歓迎】 レス:95-103 昨日の夜は眠れなかった。 あんなはずではなかったのに、こぼれて 出てくる言葉は彼女を傷つけてしまって いた。 佐江は私が入院してからというもの毎日 お見舞いにきてくれた。 手術のときも、学校をわざわざ休んでず っと付き添ってくれた。 手術直前薬のせいで意識が遠のきかけた 私に「大丈夫だから、佐江がついてるか ら!!」と声をかけてくれたのはとても心 強かった。 感謝の言葉をいくら並べても足りないの に、本当はもっともっと甘えていたいの にそれなのに私は佐江を突き放すことで しか自分を表現できなかった。 昨日だってそうだ。 最近私のせいで学校をサボりぎみの佐江 に、 「学校いかなくていいの?」 と聞くと佐江はマンガを読みながら、 「今日は校長の誕生日で学校休みなの」 とウソだと分かりきった嘘でごまかした。 本当なら「ごめんね、私のせいで…」 とか、「無理してきてくれなくてもいい よ」とかそんな言葉がでてくれればいい のだが、素直になれない私は、 「私のせいにしないでね」 そう言ってしまった。 「何が??」 「私のお見舞いに行ってるから成績が落 ちたとか、そのせいで補習受けないとい けないとか、そういうこと後から言われ るの嫌だからさ。」 「別に優子のせいにしないよ。それに優 子のことがなくても私は元々補習組だしっ。」 と笑っていった佐江はまたマンガを読み 始めた。 こんな言い方をしたいわけじゃないのに 心ではそう思っていても、出てくる言葉 は全て佐江を傷つけようとする。 「マンガなら学校でも読めるじゃん。」 「ここの方が静かだし、学校と違って先 生優しいし。」 「だから来てるの??」 「あ~違うよ!ごめんごめんそうじゃな くて…そりゃ一番は優子のことが心配で…」 「迷惑なんだけど。」 「えっ!!」 「サボるんなら他行ってやってよ!ここ にくる必要ないでしょ!」 「だから違うって…」 「私は佐江がマンガ読むために入院して るんじゃないんだよ!!」 「そんな言い方っ…私は優子のことが心 配で!!」 「そういうのも迷惑なの!!」 「!!!!」 「別に佐江に心配されなくても、全然平 気だし!佐江に看てもらわなくても、ご 飯だって食べられるし、薬だって飲める し、着替えもできるし…だからもう来な くていいよ。」 「………。」 言い終えた時には取り返しがつかない状 態だった。 佐江は今にも泣き出しそうな顔で私を見 ていた。そんな佐江をまた私は突き放す ようにして、顔をそむけた。 「…ごめん。」 佐江はそう呟くと、静かに病室を去ってい った。 佐江のいなくなった部屋は急に冷たさを 増していった。まだ太陽は沈んでいない はずなのに、とても暗く感じた。 さっきまで佐江が座っていた椅子の上に 置かれたマンガを見ていると何故か涙が 止まらなくなった。 どうしていつもこうなのか、佐江は私の ことを考えていつも一緒にいてくれたの に、そのことをちゃんと分かってるはず なのに、なぜ「ありがとう」のその一言 が言えないんだろう。 入院したのは自分のせいなのに、佐江は 何にも悪くないのに、なぜ彼女に謝らせ てしまったのだろう。 素直になれない自分にイライラして、佐 江に八つ当たりして、本当に最低だ。 こんな私と一緒にいても佐江が幸せにな れるはずがない。 明日佐江に電話して、今日のことを謝ろ う…そして私とはもう会わない方がいい と、ちゃんと伝えよう。 次の日、私は病院の中庭のベンチに座 っていた。ここなら携帯も使える。 握り締めていた携帯を開くと画面に楽 しそうに笑う私と佐江がいた。 もうあの頃には戻れないんだ… そう思うとまた涙が溢れてきた。 零れ落ちるまえに佐江に伝えてしまお う、そう思って急いでボタンを押した。 コールは2回。 「もしもし…」 昨日も会ったはずなのに佐江のその声 は妙に懐かしく思えた。 「あの…わたし…優子…」 「うん…分かるよ。」 「あの、さ…昨日のことなんだけど…。」 「うん。」 「その…なんていうか…。」 「…………。」 そこまで言ったら、もう涙が限界になっ ていた。重力に負けて次から次へとこぼ れてくる。 私は震えそうになる声をなんとか抑えな がら言わなければならない言葉を口にし た。 「ごめ…ん…」 「えっ!?」 「ごめんなさい……ひどいこと言って 佐江傷つけて…本当にごめんなさい…」 「優子…」 「あんなこと言うつもりじゃなかった の…私のせいで全然学校行ってない佐 江が心配で…でもどう言ったらいいか 分かんなくて、混乱して、ホントは一 緒にいたいし、でも佐江はつまんない だろうし、楽しいの私だけだし、アレ… 何言ってんの私…ちょっと待って…あ れっ!?」 「優子大丈夫??」 「とにかくっ!私といても佐江が傷つ くだけだからもう会いにこないで!電 話もメールもしないで!じゃあ!」 返事も待たずに電話を切った。 そう…これで良かったんだ…。 これで……。 そう思えば思うほど涙がとめどなく溢 れてきた。 私は抑えることなくその涙を流した。 誰に見られていようが関係ない。 届くことのないこの思いを誰にぶつける こともなく、嗚咽とともに消えていった。 すると急に後ろから誰かが抱き付いてき た。 「誰??」と聞かなくても分かる。 私はこの匂いを忘れたことなど一度もな い。 「佐…江??」 そう問いかけると、抱きついた腕がさら に私を締め付けた。 「なんで…??来ないでって言ったじゃん… もう私会わないって言ったじゃん…」 「じゃあなんで泣いてるの??」 「それは…」 言い訳を考えていると、佐江は絡ませて いた腕を放し、回り込んで私の隣に座っ た。 その時私は初めて彼女の表情をみた。 佐江も私と同じように涙で顔がぐしゃぐ しゃになっていた。 「佐江…どうしたの??」 「どうしたのじゃないよっ!バカッ!」 「え…??」 「会いにくるなとか、電話するなとか そんなの無理だし!!なんでそんなこと 言うのっ!?」 「それは…。」 「もうマンガも読まないし、お見舞い のプリン食べたりもしないから、だか ら…嫌いにだけはならないでっ!!」 そう言って、佐江はうつむいてしまっ た。 そんな彼女を見ていると急に胸の奥が 締め付けられた。 こんな最低な私のことを好きでいてく れる佐江のことが愛しくてたまらなく なった。 私は佐江と私の間にある一人分の空い た空間がなんだかもどかしくなり、自 分から距離を縮めた。 すると佐江も私に擦り寄って、顔をう ずめるようにして私の肩に顔を落とし た。 二人だけの時間が静かに過ぎてゆく… こういうのを幸せっていうんだろう… 自然と自分の気持ちも素直になってゆく… 「佐江…ごめんね…」 「…………」 「もう会わないとかいって…」 「…………」 「本当は佐江が来てくれなくなったらっ て考えたらすごく怖かったんだ…。 だから…今日来てくれてホントに嬉しか った。」 「…………」 「こんなこと言ったらすごい勝手かもし れないけど…これからも私と一緒に…… いてくれる??」 そう言って、佐江の方を見るといつの間 にか佐江は私の肩から顔を上げていて、 目の前に佐江の顔があった。 そして、 「勝手だよ…」 そう言いながら、佐江は私の唇にそっと 自分の唇を合わせた。 ゆっくりと二人が離れた後、佐江は私を 見つめて言った。 「ホント優子は勝手すぎ…。でも…、 勝手に私のそばを離れようとするのだけ は絶っ対に許さないから。」 少し悪戯っぽく言った佐江は、いつもの 笑顔に戻っていた。 もう意地を張ることなんてない。 素直になったこの気持ちを失わない様に したい。 私は佐江の手を握り、彼女の肩に体をあ ずけて、 「うん…。」 と一言だけ、素直な気持ちで呟いた。
https://w.atwiki.jp/yugihonsure/pages/340.html
本スレ用語一覧>TF PSPのゲームソフト「TAG FORCE」シリーズのこと。 現在6まで発売している。(1~3がGX、4~6が5D's) ゲーム本体とOCGのカードがおまけとして付いている。 ゲーム内容は発売時までのカード+TF限定オリジナルカードを収録しており、 フルボイスでアニメキャラとの本格デュエルを楽しめる・・・ のだが、アニメには登場しない女の子のオリジナルキャラ(モブキャラ)に定評があり、 ツンデレ・お嬢様・ガチレズ・不良など様々な属性のキャラがおり、 ネット界隈では「カードゲームができるギャルゲー」とまで言われる。 ついにTF5ではモブでも人気キャラには専用のグラフィックまでついた。さすがギャルゲーメーカー・コンマイ。 「原作『遊☆戯☆王』の時代にもこのクオリティでゲームを出して欲しかった…」と望む声もあるほどの人気である。 ゲーム内ではネットで遊戯王がネタにされている事を知ってか、GXのゲームであるにも関わらずDMの《バーサーカー・ソウル》が アニメに登場してから何年も経っているにも関わらず、ニコニコのMAD人気に合わせてオリジナルカードとして収録されたり(*1)、 本スレのノリそのままに三沢が全員に無視されたり、「ニレンダァ」~「ゴレンダァ」までが専用ボイス搭載だったり、 ディマクや三沢やヤリザ殿が過剰に持ち上げられたり、「伝説って?」「ああ!」が5D'sになっても過剰に弄られたり、 クロウのインチキ発言が返されたり、最強のゴーストがガチ気味【BF】のクロウであったり、 「胸が熱くなるな・・・」「凄い一体感を感じる」「乗るしかないこのビッグウェーブに」などのネットスラングが出たり、 「2位じゃダメなんだ」といった時事ネタまでが登場したり…いちいちあげたらきりがない。 更には他のアニメを明らかに意識したデッキレシピが配信(*2)されるなど、本スレ民にはニヤニヤできるネタが到る所にある。 「本スレ民」には。 ネタに特化している一方で、アニメの完全再現はできていないと言われている。 最近の遊戯王はプレイングが難しく、ゲームのAIには使いこなしにくいデッキも多い。 遊星が《増援》で《ソニック・ウォリアー》を優先的にサーチする、 十代が《E・HERO ワイルドジャギーマン》を優先して特殊召喚する、 《光の護封剣》がある状況で《パワー・ボンド》を使うカイザー亮や 《レッド・デーモンズ・ドラゴン》と他モンスターを並べる元キンなど良く分からないCPUの行動も多い。 また、収録カードの関係上「ダークシグナー編」中心のTF4でレクス長官が出なかったり、 TF3で「GXの集大成」を謳ったわりに最終回のエピソードがばっさりカットされていたりとシナリオ面の不備も目立つ。 一応TF6ではこの点は改善されているが、TF初代以降はコスト削減によりアニメBGMやOPが一切使われていないのも問題。 この点から「こんだけ悪ふざけするくらいならアニメ再現をもうちょっと頑張れよ」を言う批判もあったが全てネタのゴリ押しと同調圧力でもみ消された。 もっとも、アニメ補完には定評があり、TF3ではGXで放置されたサラやアモンの補完、サイコショッカーの正体、 TF6では赤き龍、地縛神、機皇帝の関連などかなり重要な部分まで補完している。 ぶっ飛んだギャグや恋愛ゲームさながらのシナリオばかりが話題になるが、敵キャラクターのシナリオはかなり鬱要素が強い。 また初心者でも簡単な操作と分かりやすい解説があるので安心して遊べる。 カード単価がかからないので様々なデッキを組むことができるのも強み。 そのため遊戯王のルール、プレイングをこのゲームで覚えた人もいるらしい。 ただし同じカードでも現在とは裁定が異なるものも存在するので今からやる人は注意。 新作の発売を望む声も多いが、現在もTF7が出る様子はない。 対抗馬であるDSのWCSも同じである。 そのせいかTFを懐かしむ人間が増え、 カードがついていないはずの中古TF6が10000円台にまで暴騰するという珍事を引き起こしている。 KONMAIも需要があると判断したのか2013年6月にTF6を2000円でDL販売が開始されたので今から欲しい人はそちらをおススメする ただしDL版はUMD連動が行えないほか、(元のゲームの発売が2011年なので仕方ないが)最近登場したカードは軒並み未収録となっている MD出たから亡霊も消えたか -- 名無しさん (2022-08-17 14 29 45) どちらかというとクロスデュエルか -- 名無しさん (2022-09-18 12 44 19) ついに逮捕された人が出たか -- 名無しさん (2023-04-11 20 50 40) なお、今回の容疑者と同一人物かは不透明なものの、山崎裕基との名義はPS Vita/PSP向けソフト『遊戯王アーク・ファイブ TAG FORCE SPECIAL』に存在。 -- 名無しさん (2023-04-12 18 21 32) パワハラはマジであったんだろなあ -- 名無しさん (2023-04-12 23 36 11) クロスデュエル死んで亡霊か -- 名無しさん (2023-04-13 19 59 11) 消火器足りてないとかいうフレーズが生まれたな -- 名無しさん (2023-05-08 18 45 00) ほんとバグ少ないことは凄いわMD -- 名無しさん (2024-05-09 19 18 36) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magilogi/pages/41.html
禁書魔法・呪文 【捕食】 【模写】 【袋綴】 【批評】 【痛飲】 【落書】 【貫撃】 【縛魂】 【罠】 【虚身】 【改竄】 【隔離】 【人質】 【屍型】 黄昏選書収録蔵書 【汚染】 【書架】 【呵責】 【空腹】 【霊喰】 【覇権】 蔵書一言 【捕食】 元型を無理矢理破壊して自分は魔力を得ることができる。マイナスが付くが、適当にキャストでも付けて貪り食ってやろう。 【模写】 真の姿の複数回利用が可能になる。ただし、対象の真の姿な点には要注意。「【攻撃強化】だけど【元型変化】も欲しいな」みたいな時は、使い分けが効く。 【袋綴】 こちらも真の姿の複数回利用が可能。阿房宮の【禁呪】経由で取る場合、【攻殻】も併用するとなんと3回も真の姿が切れる。そこまで多用した真の姿があるかと言われたら……使えるものは使って損なし! 【批評】 こちらは判定なしで、相手は1/66で決まった特技で判定。手番こそ使うが、リスクがない上に抵抗しにくいと、攻撃呪文としてシンプルに強い。 【痛飲】 人のチャージ魔素を先手を取って奪ってしまえば魔法も使えなくさせられる。領域次第では回復もできて一石二鳥。 【落書】 個人的に蔵書数を増やしやすい・使い切りが多い書工阿房宮の【禁呪】で悪さされまくっている印象がある蔵書。エネミーでも一度使った呪文を適当な元型に変換してやって嫌がらせしよう。 【貫撃】 防御不可の1点ダメージ。厄介なブロックがどれだけ展開されていても問題ないのだから、元型使い相手には相性〇。 【縛魂】 抵抗のしにくさを上げることは勿論、「抵抗っつっても、魔力1点払えばだいたい成功するでしょ」という油断を封じ込めることができる。 【罠】 相手が低い魔力だった場合、手番を無駄に消費させることができるかもしれない蔵書。ただ、手番消費を目的にしようとすると分科会の挑む順番で調整できてしまうのがやや痛い。普通に削りとしては優秀なのだが。 【虚身】 削った魔力だけダメージが上昇し、さらに削れば削るほど抵抗しにくくなるというお得要素パック詰めの蔵書。ガンガン攻めたいひと向け。 【改竄】 【批評】と比べると打点は落ちるが、あちらはピン持ち特技などが当たる可能性があるのに対してこちらは持っている範囲内で確実に一番遠い判定を押し付けることができる。運を信用しないひと向け。 【隔離】 「契約」による振り足しをダメ押しの手段として構えたり、「霊化」による元型召喚をコンボパーツにする魔法使いも少なくない中、それらの一切を封じることができる。復活妨害は流石にできないが、十分プレッシャーを与える仕事を果たすだろう。 【人質】 禁書さん📖「おい! 運命変転かダメージ選べよ!」 魔法使い🧙「一回なら痛くねえや! 運命変転食らってやらあ!」 ……なんて光景がしょっちゅう見られるが、実際のところ大ダメージを回避した場合、アンカー喪失のリスクを抱えたまま対峙し続けないといけないのはかなりのストレスを受ける。これを持っている禁書は早々に突破してやろう。アンカーがいっぱいいるならリスク分散されるけど 【屍型】 破壊したり消滅した元型を復活させることができる。単純にブロック使用や攻撃で消えた元型を復活させられるだけでも美味しいが、能動的に破壊・消滅させたものをもう一回働かせることができる。ブラック 【汚染】 狙った変調を与えることが出来る。修得時なので、リスペックの段階で再指定するなり確実に刺さる好きな変調を選ぶなり好きに使える。 【書架】 断章戦でプレイヤーがやりがちなプロット一点狙いを牽制することができる。といっても、112とか5556みたいな選び方で簡単に避けられてはしまうのだが……低階梯のうちはバラバラにすればするほどランダムも当たりやすくなるため、そういう時は役立つ。 【呵責】 疵持ちに2点~7点のダメージを与えることができる。【怨霊召喚】といい、禁書は疵持ちの虐め方について詳しいらしい…… 【空腹】 最大魔力と現在魔力に差があればあるだけ魔素を失う。1点回復はさせてしまうが、魔法を使えないという状況を作り出して2点以上削ってやればプラマイで言えば全然プラスになるので何ら問題はない。 【霊喰】 【捕食】の追加ダメージ獲得版……というには、細部が色々と違うので確認が必要。両方併用できたら最高だったんだけど……これだけでも、十分に強い。 【覇権】 魔力3以下の魔法使いを無理矢理降伏させることができる。魔力をコストにする魔法使いであれば迂闊に支払えなくなるし、そうでなくとも動揺を誘うには十分な効果である。
https://w.atwiki.jp/crossnovel/pages/140.html
とあるマンションの一室。 <上条>という表札がかかった部屋の一室で禁書(インデックス)は悪夢にうなされていた。 「・・・とうま・・・とうま・・・。」 「とうま!」 混沌とした暗黒の世界。 その中では、禁書を世話している上条 当麻が、ボロボロになりながらも何者かと戦っていた。 自身の右手に潜む能力<幻想殺し(イマジンブレイカ―)>を武器にその何者に攻撃を仕掛けようとする上条であったが、 敵の持つ超高速移動に対応出来ず、そのままサンドバックと化していた。 「とうま、逃げるんだよ!」 叫ぶ禁書。 だが、その言葉は上条に届くことはなく、彼はついに力尽きてしまった。 傷だらけになった状態で倒れこむ上条のもとへ禁書が駆け付ける。 「とうま!お願い・・・しっかりして!!」 禁書は一生懸命に呼びかけるが、上条からの反応は一切無かった。 そんな禁書のもとへ、上条が相手をしていた影がゆっくりと現れた。 相手を見る禁書。 彼女の眼には、大きな刀のような武器を持つ、青い装甲に包まれた何者かが映りこむ。 そして、何者かは言い放った。 「絶望が・・・お前のゴールだ。」 自身の武器を振りかざす何者か。 その武器は禁書へ、そして当麻へと振り下ろされるのであった。 「・・・ぅわぁあああああっ!!」 勢いよく飛び起きる禁書。 彼女が着ていた、カエルの着ぐるみパジャマは尋常じゃない汗でぐっしょりとなっていた。 「・・・!とうま!とうま!!」 突然、彼女はベッドから飛び降りると、床で寝袋を敷いて寝ている上条へ大声で叫ぶ。 「とうま!とうま!!とーおーまーぁっ!!!」 「・・・おい・・・なんだよ・・・禁書・・・。」 「とうま!生きてるんだね?!」 「・・・まだ5時じゃねぇか・・・明日は・・・というか今日は土曜なんだから・・・遅くまで寝かせてくれよ・・・。」 「生きてるよね?生きてるよね?!」 「・・・お前の所業で死にそうだよ・・・。」 そう言って、上条は再び寝てしまった。 「ボディガード?」 「そうだよ。今日一日、私がとうまのボディガードになってあげるんだよ! だから、感謝するんだよ!!」 上条の言葉に禁書が答える。 一方の上条は大きめのフライパンを振り回しながら、ご飯を炒めていた。 「・・・ったく、3時間前に禁書の夢で叩き起こされるわ、 今度は『ボディガードになりたい』と言いだすわ、 終いには『感謝しろ』と言いだすわ・・・どうしたんだよ、いったい。」 「どうもこうも無いんだよ!」 上条の後ろでプンスカ怒る禁書。 それに対し、上条はその様子に目を向けること無く山盛りのドライカレーを完成させると、 一杯を自分の皿へ、残りのドライカレーをフライパンごと禁書に出すのであった。 「とりあえず、これ食って落ち着・・・って、もう食い始めてるか。」 無言で食べ始めた禁書を後目に、上条は自分の分の朝食をさっさと済ませると、 簡単な身支度をし始めるのであった。 「・・・あれ?とうま、どこかに出かけるの?」 「ああ、ビリビリと映画の約束しちまったからな。」 上条の様子にようやく気付いた禁書が、靴を履こうとしている彼に言う。 「映画?」 「ああ。えぇっと・・・『ジェシカの彷徨と恍惚・傷だらけの乙女は何故西へ向かったのか:漂流編』 ・・・って随分とタイトルの長い映画だこと。」 ポケットに突っ込んであった前売り券を見ながら上条が言う。 「・・・あ、ちょっと待って!」 突然、声をあげる禁書。 その数秒後、彼のもとへ不思議な格好をした禁書が現れた。 「・・・おい。なんだよ、鍋なんか頭に被って・・・。」 「だって、今日はとうまのボディガードなんだよ!だから多少は武装しないと!」 そう言って、右手のオタマを振りかざす。 「お前な・・・そんなフザケた格好で連れて行けるワケ無いだろ。」 「心配ご無用なんだよ!だから、安心するんだよ!!」 自信満々に言う禁書。 それに対し、上条は何かを考え付いたのか、禁書の頭をさするのであった。 「・・・じゃあ、俺の提示した条件を守ったら、ボディガードとして連れてってやる。」 「ホント?!その条件って何、ナニ?!」 「・・・服を着ろ。」 「・・・え?」 そう言って、自身の格好を見る禁書。 先ほどまで彼女の体は修道服に包まれていた・・・はずだったが、 先ほど上条が禁書の頭を撫でた際に彼の持つ<幻想殺し>が発動、 それによって彼女の服はバラバラの布の塊と化したのであった。 「な・・・な・・・な・・・とおまぁっ?!?!」 玄関で裸体を晒しながら、大声をあげる禁書。 だが、上条は禁書が取り乱しているうちにさっさと外へ出掛けてしまったのであった。 OP:http //www.youtube.com/watch?v=MYbQpDocz6A feature=related 「・・・それにしてもビリビリの奴、随分と待たせるな。」 学園都市と呼ばれる巨大空間、その中の一画にある映画館の前で上条はひとり立っていた。 「どうせ、またヤンキーかなんかに絡まれて、そいつらをボコって遅刻・・・ってのが関の山だろうな。 別にやっても文句は無いが、さすがに時間は守って欲しいよ・・・ったく。」 愚痴りつつ、映画館のネオンを何の気無しに見る。 「それにしても・・・。」 上条はふと思い返していた。 それは今朝、朝食の製作にかかる前の出来事だった。 「『青の通り魔』が俺を襲っただって?」 今朝見た悪夢の内容を説明する禁書に対し、上条が聞く。 「そうなんだよ、とうま!夢の中に『青の通り魔』が出たんだよ!それに・・・とうまが・・・。」 禁書は悲しそうな顔をしてうつむく。 『青の通り魔』・・・。 それは、数週間前から学園都市に出没するようになったという、 学園都市に住む人々の命を狙って暗躍する謎の犯罪者の通称であった。 その存在はまったくの謎に包まれており、唯一分かっているのは風のごとく被害者の前に現われ、 そして被害者をサンドバックのように何十発も殴って殺害するという残忍かつ奇怪な犯行手段をとるということであった。 これまでに20人もの屈強な男が被害に遭っているのだが、唯一ひとりの男性が奇跡的に生存したことがあった。 のちに、その被害者は搬送先の病院で息を引き取ったのだが、死ぬ前に彼はこう言ったという。 「青い・・・悪魔だ・・・。」 「『青い通り魔』・・・か。それにしても、禁書は随分と物騒な夢を見てくれたもんだよ。」 つぶやく上条。 その時、彼の頭に禁書の言葉がフラッシュバックする。 『それに・・・とうまが・・・。』 禁書の悲しげな言葉、そして寂しげな顔。 今思えば、夢だったとは言え、禁書は精いっぱいに自分のことを心配していた。 なのに、自分はそんな気持ちを理解せず、それどころか邪魔扱いしてしまった。 「・・・禁書に悪いことしっちまったな。」 ポツリと言う上条。 「・・・しょうがない。映画が終わったらアイツにケーキでも・・・。」 上条が言いかけたその時だった。 遠くの方から聞こえてくる爆発のような音。 その直後、映画館のネオンが・・・いや、ネオン以外にも電灯や自動販売機といった機械が次々とストップするのであった。 「・・・まさか!!」 爆発音の聞こえた方向の空を見る上条。 目線の先には、彼の予想通り、地面から雷のような雷撃が無数に発生していた。 「ビリビリの奴、また何かしでかしやがったな!」 そう叫ぶと、上条は雷撃の方向へ全速力で走りだした。 一方、雷撃の中心地にふたりの姿があった。 そのうちのひとり、青い装甲に包まれた男が言う。 「貴様、いつまで抵抗するつもりだ!!」 「そっちこそ・・・女の子だからってなめるんじゃないわよ!」 一方、もうひとりの存在・・・学校の制服を身にまとった少女も負けじと答える。 「こういうセリフは本来、黒子が言うべきだけど・・・『ジャッジメントですの』だ!覚悟しなさい、『青の通り魔』!!」 「『青の通り魔』だと?勘違いも甚だにしろ、『ドーパント』め!!」 そう言うと、青い装甲の男は右手に持つ大きな剣にUSBメモリ状の何かを挿入し、剣の引き金を引いた。 ENGINE!!ELECTRIC! 響き渡る音声。 すると、青い装甲の男は刀をライフルのように構え、彼女に向かって数発の光弾を発射した。 「おっと!」 飛んでくる光弾に対し、回転して避ける女性。 そして立ち上がり、スカートのホコリを払いながら、ポケットから数枚のコインを取り出した。 「それがあなたの能力?」 「ん・・・?」 「教えてあげる、光線技っていうのはね・・・こうするんだよっ!!」 少女の指から弾き飛ばされる数枚のコイン。 と、次の瞬間、その軌道を追うかのように、 彼女の持つ能力<超電磁砲(レールガン)>によって発生した大量の電気エネルギーが指から放出された。 青い装甲の男を襲う光線。 そのうちの一本は男が持つ刀を吹き飛ばすのであった。 「なんてパワーだ!くそっ・・・人間態にやるのは気が引けるが・・・仕方がない!!」 そう言って、男は腰にある『バイクのハンドルを模したベルト』のクラッチレバーに手をかけた。 TRIAL!MAXIMUM DRIVE!! 音声が響き渡ると同時に、体を青白い炎で包み込む男。 そして、ベルトのアクセルを思いっきり引くと、空高く跳び上がり、キックの体勢に入った。 「甘い!」 一方の少女も、上空の男に向かって再び光線を放つ。 男を捕らえる光線・・・だったが、男の足先から発せられる多量のエネルギーによって光線は無効化されてしまうのであった。 「何っ?!」 驚く少女。 しかし、男はお構いなしに少女との距離をどんどん縮め、ついには彼女を捕らえた。 目前まで迫るキックに対し、思わず腕で顔を覆う少女。 そして目をつぶり、無駄な抵抗とは分かっていながらも、彼女は全身に力を込め、キックからのダメージを抑えようとする。 だが、いつまで経っても、彼女へキックのダメージが来ることは無かった。 この状況を不思議に思ったのか、ゆっくりと目を開ける少女。 その目線の先には、彼女の前に立ち、男の放つキックを右手のみで阻止する者の姿があった。 「・・・上条 当麻!!」 一方の男も叫ぶ。 「・・・!お前、上条じゃないか!!」 着地する男。 その直後、上条は右腕を押さえながら、膝をついてしまった。 少女が上条のもとへ行く。 一方の男もベルトを外し人間の姿に戻ると、彼女同様に上条のもとへ駆けつけた。 「上条!・・・腕が折れているのか?」 「しっかりして!!」 「・・・おい、女!この近くに病院はあるか?!」 「・・・え・・・病院?」 「早く答えろ!」 「・・・え・・・あ・・・ここから5kmほど直進した所です。」 男の表情に対し、思わず敬語で話す少女。 「近くか・・・よし!」 そう言うと、男は再びベルトを腰に付け、赤いUSBメモリ状の物=ガイアメモリを構えた。 「変っ・・・身っ!!」 ACCEL!! ガイアウィスパーとともに発せられた赤い装甲が男を包み込む。 そして、男は赤き装甲の戦士に変身すると、上条を背負い、なんと自らの体をバイクに変形させるのであった。 エンジンを噴かせ、発進体勢に入る男。 この状況にポカンとする少女であったが、突然ハッとし叫ぶ。 「ちょっと、あんた何者なのよ!私に襲いかかるわ、コイツを助けるわ、青くなるわ、赤くなるわ・・・。」 「俺に質問するな。」 「・・・へっ?」 「だが、答えてやっても構わない。答えが聞きたかったら、俺についてくるんだ。」 そう言って、男は猛スピードでその場を後にした。 「え・・・あ・・・ちょっと・・・。」 呆然とする少女。 その時、何者かが彼女の肩をトントンと叩く。 「・・・ん?うおぅっ?!」 驚く少女。 その先には、戦車のような形をしたロボット=ガンナーAがいた。 「な・・・何なのよ、あんた!!」 叫ぶ少女。 それに対し、ガンナーAはマニピュレーターを動かし、彼女と自身の背中を交互に指していた。 「・・・乗れってこと?」 彼女の答えに対し、嬉しそうに首を縦に振るガンナーA。 「・・・まあ・・・とりあえず。」 そう言って、ガンナーAの背面にある、足の掛けられそうな場所に足を置く少女。 そして、ガンナーAも彼女の搭乗を確認すると、先ほどの男を追うかのように猛スピートで発進するのであった。