約 25,055 件
https://w.atwiki.jp/bankett/pages/394.html
第九回大阪近郊交流会 第1位 使用者 ゴンゴン大王 使用色 赤黄 コンセプト 焼いて、止めて、戻して、殴れば、いいんじゃね… でも、雷光フェイトはツンデレ要素があります メインデッキ (60) 赤 (32) 4 《紅の鉄騎“ヴィータ”》 3 《鉄鎚の騎士“ヴィータ”》 3 《不屈の妖精“レイジングハート”=イマジナリー》 3 《破壊する突撃者“ノーヴェ”》 3 《大平原の小さな胸“リナ・インバース”》 4 《アクセルシューター》 4 《ディバインバスター》 3 《スターライトブレイカー》 3 《シュワルベ・フリーゲン》 2 《鉄の伯爵“グラーフアイゼン”》 黄 (24) 3 《仮面の男“リーゼロッテ”》 3 《閃光の疾駆者“バルディッシュ”=イデア》 4 《ライトニング分隊隊長“フェイト・テスタロッサ”・ハラオウン》 3 《気高き雷光“フェイト・テスタロッサ”・ハラオウン》 4 《フォトンランサー》 4 《バインド》 3 《クロスファイア・シュート》 無色 (4) 4 《ジュエルシード》 サイドボード (15) 赤 (4) 1 《アダルトな紅の鉄騎でか“ヴィータ”》 3 《シュツルム・ファルケン》 黄 (6) 3 《天真爛漫“アリシア・テスタロッサ”》 3 《サンダーフォール》 青 (3) 3 《二代目祝福の風“リインフォースⅡ”》 無色 (2) 2 《祝福に護られた騎士“ヴィータ”&“リインフォースⅡ”》
https://w.atwiki.jp/secondarea/pages/56.html
若くしてガレーネの統治者となった、ノーディカルの女性。【通り名持ち】調律者。 その強さと温厚な性格から、人々の信頼は厚い。 普段は眼鏡をかけている。 服装も保守的なものが多いが、本気の戦闘時では自身の【調律発動】のイメージの定着の為か、かなり際どいデザインの羽衣を身に纏う。 その為か、調律者関係の本などに載っているときは、いつも髪が青い。 また、温厚で落ち着いている彼女だが、かなりの酒豪。 年相応におちゃめな一面もある。 種族:ノーディカル 年齢:31(ノーディカルの為、見た目は20ほど) 身長:166cm スリーサイズ:B78/W52/H80 フォルム:薄い緑髪(ロング)→深い青髪(興奮時)、スレンダー体型 職業:【通り名持ち】調律者 ・ガレーネの統治者 装備:両手剣(伝鳴語加工:特級) SOM:【調律式】 活力発動 / 性質発動 / 調律発動<翔る> 好き:自然、平和、お酒 嫌い:暑さ、湿度 拠点:【風の都】ガレーネ ・戦闘スタイル/通り名【神速】 彼女は、戦闘時の装備に「防御力」を求めない。 攻撃が「当たらない」のか前提の為である。 【活力発動】でも眼で追いきれないスピードで行動する彼女だが、【調律発動<翔る>】を使用した彼女の動きは、視えない。 単なるスピードの強化でなく、自身の【生体SOM】に干渉し、身体の重み、持っている武器の重みすらも軽減する。 <翔る>を発動した彼女の背中には、大きな4枚の翼を模ったSOMが見られる。 彼女が本気を出せば、まさしく三次元的な、風のような動きが可能になる。 そしてその速度で放たれる一太刀の衝撃は凄まじい。 打たれ弱いのは確かだが、打たれなければ問題ない。それを可能にするのが彼女なのである。 ・空の護り人 彼女は、【調律発動<翔る>】によって、空を飛ぶことが出来る。 その能力を活かし、ガレーネ周辺のパトロールを上空から行っている。 そして脅威を発見すると、突撃。空からでっかい生物が降りてきたと思ったら、彼女が持ってたというのはよくある光景。 ただ、ガレーネに住んでいない者が見たら、かなり驚くだろう。 ・エンターティナーな一面。 彼女は、よく子供たちと一緒に遊んであげているのだが、たまーに本気を出す。 一度、街の子供たち全員を相手取っておにごっこをしたのだが、数え終わった瞬間に全員がタッチされるという本気ぶりを見せた。 (タッチじゃわからないという意見があったため、シールを貼るというルールを作り、またも一瞬で全員の背中にシールを貼った。) その時、【調律発動】をかましていた。遊びにも本気。 ある意味ファンサービス旺盛ともいえるが、なんだかえげつないエピソードである。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/28824.html
らいこうのばれっと【登録タグ ちょむP ら 曲 結月ゆかり】 作詞:ちょむP 作曲:ちょむP 編曲:ちょむP 唄:結月ゆかり 曲紹介 アルバム『RealitY』収録曲のショートバージョン。 PVはキャラミんStudioで制作されている。 歌詞 その想い解き放て 未来へと刻みつけ 心に秘めた熱い炎で けして狙いは外さない 孤独に震えてた いくつもの夜には 彷徨いながら 傷つきながら 夜明けを待ちわびた 譲れない想いが その胸にあるなら その身を賭けて守りぬくこと 忘れはしない どんな痛みも負けぬ強さ いつかきみの翼へ変わる さあ今すぐ 空へ向かって 君の手で撃ち抜いて ほとばしる弾丸で 掴んだ真実 色褪せないよ 高鳴る鼓動 今こそ その想い解き放て 未来へと刻みつけ 心に秘めた熱い炎で けして狙いは外さない コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mihoyowikiunofficial/pages/635.html
目次 性能ステータス スキル1 映・雷光の鎖 スキル2 映・麻痺の連鎖 入手方法 説明 関連項目 性能 ステータス No. 名前 4200 雷光ブリュンヒルデ・映像 小分類 種類 ☆ 神格覚醒 特殊 ニーベ 7 〇 属性 攻撃力 射速 残弾数 雷電 4666 1.7 74
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/45601.html
鬼暴走シデン・マッハ レアリティなし 火文明 (7) NEOクリーチャー:ソニック・コマンド/サムライ 7000 ■NEO進化:自分の火のクリーチャー ■侵略:コスト5以上のビートジョッキーまたは火のコマンド ■侍流ジェネレート ■このクリーチャーが攻撃した後、それがこの ターン初めての攻撃だったなら、このクリーチャーをアンタップする。 ■W・ブレイカー ■スマッシュ・バースト 侍奥義 神速一閃 レアリティなし 火文明 (5) 呪文: ■S・トリガー ■自分のクリーチャーと相手のクリーチャーを一体づつ選ぶ。その二体をバトルさせる。 作者: 初投稿兄貴(代理作成:ヴァン) フレーバーテキスト 収録 関連 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/antiwarez/pages/13.html
◆月数十万アフィブログ「神速VIP」現状まとめ◆ ヤフオクでマジコン販売してる奴発見 ↓ 連絡先が何と「神速VIP」管理人と一致 ↓ マジコン売ってんじゃねーよ、通報すっぞ ↓ スレに現れて鎮火工作 ↓ いいからアフィやめろ ↓ やだよー!ライブドアからお金もらってるから^^ 平気で記事更新する ↓ 全力で任天堂の通報フォームと警察に通報 コメ凸 ↓ ライブドアニュースTOPに掲載 ↓ スレで謝罪 ブログコメント欄閉鎖 ↓ コメント削除 ↓ 解析班が個人特定中 ↓ ヤフー・mixiから逃走中、でもROMってたw ↓ 総力でつぶすわw(今ここ)
https://w.atwiki.jp/bankett/pages/158.html
《擱座無き雷光“バルディッシュ”・アサルト》 ●4/2 アイテム [[イラストレーター]]:塗夢(TOM) +2/+2の修正を与える。 バトル相手のスキルを全て無効化する。 ●1/1:目標の[[キャラクターのスキル]]全てを無効化する。 ・考察etc ここに記入する予定です。
https://w.atwiki.jp/ge2rb/pages/105.html
現在、このページはテンプレート移行作業中のため、情報は一部前作のものとなっています。 ハンニバル神速種 発生起源 不明 攻撃属性 【神】 弱点 ◆物理属性 :【銃破砕】 【銃貫通】 【切断】 【剣破砕】 【剣貫通】 ◆非物理属性:【氷】 【雷】 【神】 ◆部位防御力 属性防御率 物理(銃) 物理(剣) 非物理 部位 銃破 銃貫 剣切 剣破 剣貫 火 氷 雷 神 頭 破壊前 45 45 40 40 40 90 65 65 65 破壊後 20 20 10 10 10 90 45 45 45 首 75 75 75 75 75 90 75 75 75 右腕 70 70 50 50 50 90 75 75 75 篭手 破壊前 45 90 75 45 75 90 65 65 65 破壊後 10 45 35 20 40 90 55 55 55 腹 75 75 75 75 75 90 75 75 75 逆鱗 破壊前 25 25 40 45 20 90 25 25 25 破壊後 90 20 90 90 90 90 35 35 35 両足 70 70 50 75 75 90 75 75 75 尻尾 75 75 75 75 75 90 75 75 75 数値が高いほど攻撃が通りにくくなります。 ◆状態異常耐性 耐性 持続時間 ホールド 無効 ― ヴェノム 封神 スタン ― ◆ダウン 部位 ダウン姿勢 備考 右腕 右側を下に横向きにダウン 両足 頭を下げてうつ伏せにダウン 探知タイプ 捕喰 ◆アラガミバレット 銃身 名称 属性 説明 SN ブラッドレイジ 一直線に飛び、多段ヒットする火球 AS 壊劫球 弱い誘導性能を持つ大型の3way弾 BL 黒炎舞 敵に当たるか一定時間経過で地面から火柱を発生させる弾を設置する SG パニッシュブラック 射程の短い火柱を地面から発生させる ※入手できるアラガミバレットは装備している銃身に依存する ◆素材と確率 難易度1~14 難易度15 - 亡竜鎧 -% 亡竜軟鋼 -% 亡竜神甲 -% 亡竜神兜 -% 亡竜神牙 -% 劫神晶 -% 亡竜神酒 -% 亡竜神角 -% 亡竜石 -% 結合崩壊 ◆素材と確率 部位 難易度1~14 難易度15 頭 - 亡竜神兜 -% 亡竜神牙 -% 亡竜神角 -% 篭手 - 亡竜鎧 -% 亡竜神甲 -% 亡竜石 -% 逆鱗 - 亡竜軟鋼 -% 劫神晶 -% 亡竜石 -% ◆破壊可能部位 名称 破壊方法 防御率変化 頭 全ての攻撃が有効 軟化 篭手 破砕が有効 軟化 逆鱗 背中にある突起部分。全ての攻撃が有効 硬化 出現ミッション 難易度 ミッション名 フィールド 他の討伐対象 備考 15 紫の炎 終末の神林・階層核 ラーヴァナ 15(DLC) 燃え落ちるメギド エイジス マガツキュウビ 高 15 ニルヴァーナ・トレイル フェイズ1/4 蒼氷の峡谷 亡国の血戦 神機兵保管庫 ソロ限定 双竜乱舞 エイジス ハンニバル侵喰種 EX 15 漆黒の捕喰者 鎮魂の廃寺 虎の瀬踏み 黎明の亡都 ヴァジュラ 30秒後に出現 特務 15 グランド・チェンバレン フェイズ4/4 萌芽の神域・鎮魂の座 特務 15(DLC) カタロスの花 フェイズ3/3 淘汰の神梯・中間部 2体討伐 2分後に2体目出現 行動パターン 内容 詳細・前後の行動 対処法 尻尾払い 後ろから前にかけて時計回りに尻尾でなぎ払う発動の直前にごく短い溜めモーション有り ガードか体の横方向に離れるジャンプ→空中ガードで回避可能 なぎ払い 篭手で小さく前を払う。出が早く見切るのは難しい左側は攻撃判定が広く、斜め後ろぐらいまである 右にいれば当たらないジャンプすればある程度は回避可能 連続なぎ払い 前進しながら左腕→右腕となぎ払う。終了後に威嚇する前兆として左手を握る動作があるが出が早い独特の軌道でかわしにくい 後ろにいれば当たらない ホーミング突進 立ち上がって突進してくる。ホーミング性能は低め爪を左右に構えて走るので意外と横に判定が長い発動直後から判定がでるため、ステップ1回の距離では当たることも 引き付けてステップ回避または落ち着いてガード ループパンチ 屈んだ後、前方に向かって一回転ジャンプして空中から右手で叩き潰す 着弾する少し前にステップするかガード 空中槍突進 右手に炎の槍を構えて後方へ飛び、対象に向かって空中から突撃槍を刺した地点の周囲に小さな衝撃波を発生させるホーミング性能は低めその後篭手とは逆の方、後方へ大きく飛びのくため、攻撃を読めれば反撃のチャンスになる 跳躍後、少し間をおいてステップ篭手の方へ避けるとかわしやすいまたは落ち着いてガード 剣乱舞 活性化時のみ。両手に炎の剣を出して5回連続で斬り払いながら移動する軌道が独特で、特に狙いはつけない斬り払いはそれぞれ別判定で、威力は高い 離れる。念のためガードも推奨 ファイアブレス 前面に半円を描くようにブレス攻撃。必ず往復し、終了後に威嚇する隙が大きく数少ない捕喰のチャンス 前に立たない 壊劫球 息を吸い、前方3方向に向けて火球を放つ。横方向に弱い追尾性があるステップ1回の距離では避けきれないことが多い 前に立たないガードorジャンプ 火柱 両手を地面についた後標的の足元に渦が発生、その後火柱が発生する威力が高いうえ、影炎とモーションの見分けがつかない 足元に渦が出たらステップ両手をつくモーションをしたら立ち止まらない 影炎 火柱召喚と同じモーションで両手を地面についた後、ハンニバルの下から標的を低速で追尾する渦が発生、やや間をおいてから3回火柱が発生する火柱は威力が高く、全て追尾しながら発生し、3回目は少し間をおいてから発生する攻撃自体はダッシュでかわせるが、ハンニバルが火柱の陰に隠れてしまい次の行動が見えにくいことがあるので注意 常に動きながら渦の様子を見て移動 バックジャンプ 真後ろに素早くジャンプして間合いを離す着地時に攻撃判定があるが範囲とダメージは小さい 真後ろにいないようにする ハーフターン 前方にジャンプしながら素早く反転する着地時に攻撃判定があるが範囲とダメージは小さい 真正面に立たない ファイアストーム 逆鱗破壊後のみ。空中に浮き、全方位に炎の竜巻を3回放出する軌道は固定だが、竜巻の回転も速くなっているためか、ステップ1回分程度の距離でガードしていると2HIT以上することもある(通常種・侵喰種の竜巻は同じ場所を再び通ることはない)至近距離だと更に多段ヒットし、ガードしていると物凄い勢いで削られる終了後威嚇 距離を取ってガード 活性化 口から紫の炎を吐くようになる。 剣乱舞が解禁される。 攻略 動き自体はハンニバル通常種とあまり変わらないが、動作がかなり素早くなっている。 予備動作を見てからでは回避が間に合わないことが多いので一撃離脱を主にして立ち回ることを推奨する。 威嚇時の隙も小さくなり、更にホールドも効かないため捕喰を狙いにくい。 攻撃の最中に上手くコンボ捕喰を当てたり、スキルでバースト状態を維持しやすくするなどの対策が必要だろう。 また、火球攻撃が侵喰種の使う3wayのものになっており、影炎をアレンジした攻撃も追加されている。 神速種の影炎は渦が低速化し射程距離も短く、3回発生する火柱もダッシュしていれば十分避けられるので落ち着いて対処すること。 侵喰種と同様に炎が神と火の複合属性(割合は神>火)になっている点にも注意。 亡国の血戦編 一人での出撃となるので常に標的にされていること、回復弾やリンクバーストなどの支援を受けられないこと、倒れれば強制リスポーンで耐久力を大幅に削られることを念頭におかなければならない。 ハンニバル単体討伐ミッションである「不死の竜帝」を余裕を持ってクリアできるほどの実力と戦略をもっていないのなら返り討ちにあうだろう。 準備 リンクサポートデバイスの「被ダメ↓30%」や「黄泉返り」が非常に有効なので苦手な時間帯にセットすると生存率があがる。 活性化されてしまうとさらに動きが速くなり、剣乱舞も解禁され近づくこともままならなくなるので、スキル「癒し効果」やリンクサポートデバイス「不活化30%」も有効。 ハンニバル神速種は炎攻撃も行ってくるが、 火柱と影炎は離れる方向へダッシュ 壊劫球はジャンプで跳びこす ファイアブレスは離れるか側面へ移動 ファイアストームは逆鱗を破壊しなければ使用してこない と物理攻撃に比べ対処がしやすいので物理防御を主体に装備を整えるのも手である。 刀身はダウンの奪える右腕と両足に有効な物理属性を主体に整える。 強化パーツ「延命息災の御守」には癒し効果、体力Lv7、アイテム使用速度Lv7、ヘイト活性化抑制Lv7と有効なスキルがそろっている。 スタングレネードが有効なので8個用意しておくことを忘れずに。 戦闘 右腕から両足にかけて攻撃が薄いので常に右腕側に移動するように心がけ、ダウンを奪える右腕と両足を攻撃し反撃を受ける前に退避する一撃離脱戦法を主体とする。 活性化に対処する自信がないならば、即活性化してしまう結合崩壊は起こさないようにする。 ダメージを受けてしまった場合はむやみに受身やガードをすると追撃を受けてしまいがちなので注意。 火柱と影炎は見分けにくいがどちらにせよ移動が対策となるので、左腕を地面についたら離れるようにした方がいい。 中距離にいると壊劫球を放たれるが落ち着いてジャンプして跳びこし、ホーミング突進を待つ。 ホーミング突進はガードしたあと振り向けばガードからのコンボ捕喰が決まる(ロックオンしているのなら上方向を入力しておけば自動的に振り向く)。 活性化対策 スキル「癒し効果」とリンクサポートデバイス「不活化30%」を併用しても活性化は防げない。 活性化中は手に負えなくなるので万全を期すなら相手をしないに限る。 スタングレネードを使用したあと素早くフィールド両端のF・G地点に逃げ込めば警戒状態のハンニバルは来ないので、ゆっくりと態勢を整えることができる。 銃身がスナイパーならステルスフィールドを展開することで確実に逃げられる。 1分ほどで活性化と警戒状態が解除されるので後ろから忍び寄りチャージ捕喰を決め仕切りなおそう。 ショートブレード ダウンを取れる両足に張り付いて、ダウンを狙う。 その場合尻尾払いが脅威となるが、尻尾払いが実は3/4回転しかしないので、後ろ足右側に張り付くのが基本となる。基本種で尻尾払いの性質を理解していれば対処しやすい。前述の通り、ジャンプ後ガードでも対応できるので、ショートがジャンプで行動キャンセルできる面を生かして是非とも利用していきたい。 また、ハンニバルがこちら側に振り向いたら股抜きする要領でステップすれば、最短距離最速でまた定位置に戻れる。 剣乱舞は必ずどこを攻撃するか決まっているので、コースさえ読めればむしろここは回復チャンスになりうる。 ダウンしたらすかさず頭を狙っていきたいが、あまり深追いせずに余裕を持った離脱も心がけた方がいい。 BAは何をしても攻められる風斬り、空中△がうまく使えるのならそちらも悪くない。 また、張り付く場合捕食は出来ないものと覚悟しておいた方がいい。 タイムを考えるならリンクサポートはジュリウス・アリサがいいかもしれない。 張り付き戦法以外にも突進後の隙を狙うこともできるが時間がかかる。 ロングブレード 基本は通常種同様両足か右腕を切ってのダウン狙い。 相手のスピードに対抗するため、ドライブツイスターや韋駄天など機動力に重点を置いたBA選択もあり。 IE連爆で篭手を狙ってのひるみループを仕掛ける手もあるが、OP消費の関係上完全なループとはならないのが難点。 どうしても勝てない場合の最終手段は、IE速射を装備して右腕への連射。容易にダウンループに持ちこめる。 右腕の耐性は破砕貫通とも同値なので、篭手の結合崩壊を狙わないのなら刀身は墓石剣である必要はない。 Bブラッドアーツ強化のあるヴォリーショナル、近接特殊攻撃威力↑とB総合攻撃力↑のあるクロガネ剣、そもそもの攻撃力の高い呪刀なども選択候補。 バスターブレード 破砕が有効なのが頭・右腕・篭手と正面に近い場所のため、ヒットアンドアウェイが基本となる。 足のダウンを積極的に狙うためにも切断が高い刀身を選ぶ方が吉か。破壊できる部位はダウンした時に集中的に攻めよう。 挙動自体はほぼ通常種or侵喰種と同じもののため、タイミングがつかめればパリング系も有効。CCはダウン時か捕喰時以外はまず当てられない。 バーストが切れると1HITのあとのアドガすら間に合わない事もあるので、往復ブレスなど隙の大きい攻撃時は確実に捕喰していきたい。 ファイアストームの前後にも大きめの隙があるので、パーフェクトを狙わないのなら、銃などで先に逆鱗を壊してしまい捕喰の機会を増やすのも悪くない。 BAはスラッシュレイドか、ブルータルアッパーが安全。 ブーストハンマー 右側面あたりに張り付いて攻撃後の隙に右腕を狙うと、ダウンも取れるので戦いやすい。 通常攻撃2段目を出すとほとんどの場合次の攻撃を避けられないので、1発攻撃を当てたら即離脱を心がける。 リーチが短く思うように攻撃を当てられない場合が多いので、アクセルスマッシュやガイアプレッシャーといったブラッドアーツがあると便利。 また、ブーストを使いながら戦うのも有効。ブーストドライブを利用すれば接近→攻撃→離脱という流れを通常攻撃よりも素早く行うことができるので、敵の速さにある程度対抗できる。隙をみてブーストを発動し、周囲を旋回するようにしてブーストドライブを繰り返すとよい。 チャージスピア 貫通が他属性より有効という部位が事実上ないため、チャージグライドやピンポイントに攻撃できる△を有効に生かした戦い方が必要となる。 狙いはダウンを取れる右腕とし、距離が開いたらチャージグラインドで、張り付いたときは△攻撃で攻めると良いだろう。 ただし壊劫球のホーミングがステップで避けきれない事が多いため、相手正面では無理にチャージをせず側面への回避、若しくは様子を見てからチャージに移った方が安定するだろう。 BAは反撃されないよう命中時に硬直のあるものを避け、地上で使える物を選ぶと良い。 特殊な戦い方としては空中□ボタン攻撃が縦方向に強い性能を利用し、非物理属性の高い刀身とスキル「空中ジャンプ」を装備して高い位置から攻撃を繰り出すという手がある。 空中ジャンプの高さにいれば火柱、影炎、ファイアストーム以外の攻撃は当たらないので攻撃効率は落ちるが比較的安全。 BAは長時間高度をたもてるフロートサイクロンが適当だろうか。 相手と同じフィールドに立たないというのも一つの戦法である。 メモ RBになってデータベースにアラガミの攻撃属性の情報が追加されたが、データベース曰く攻撃属性は神のみ 侵喰種も同様 - 名無しさん 2015-04-05 00 40 33 とりあえず変わったのは属性耐性と亡国の荒神晶体16位か。オートガード戦法やブラッドレイジ(アラガミバレットでない方)も踏まえた攻略法が書けるといいかな - 名無しさん 2015-04-05 00 43 54 耐久値が上がってるからダウンハメができなくなってる。ダウン狙う戦法なら切断系の武器装備して足と腕交互に攻撃すればハメまでとはいかないけど動き封じながら安全に戦える。 - 名無しさん 2015-05-04 09 59 44 亡国の血戦、ショートno装備でBR - 名無しさん 2015-05-17 04 10 57 すまんミスった。亡国の血戦は、ショートならBA地獄の螺旋+BRがオススメ。開始すぐにBR(破壊と解き放つ力以外全部誓う)で結構早く倒せる。因みにBR発動の為のダメージは銃撃で稼ぐべし - 名無しさん 2015-05-17 04 15 08 ふと思ったけど攻略情報ってBR非使用時と使用時で戦法が変わる場合はそれも言及しておいた方がいいよな。銃身はどれも1~2行になるから仮に書くなら「銃身」でまとめちゃっていいと思うが - 名無しさん 2015-05-17 09 36 43 名前
https://w.atwiki.jp/tmnanoha/pages/425.html
天空に一条の矢が突き刺さり、鏡面のように張り巡らされた紅き結界を突き破る。 瞬く間に無数のヒビを生じさせて壊れゆく偽りのセカイ。 滅びの断末魔の叫びを上げる化生の胃袋、その只中にて――― 「やるじゃねえか……あいつら」 ――――――翳した槍を懐に背負い込むランサー。 暴風のように翻る魔力は宝具発動による魔槍の遠吠え。 あの矢が結界を抜けなかった時はダメ押ししようかと思っていたのだが………その必要も無かったようだ。 「さて………そろそろ行きますか」 元の蒼さを取り戻した大空の元、無様に蹴り飛ばされた身を起こしつつ――― 猛犬は再び戦場へ還る。 ―――――― 悪夢の世界はようやく終わりを告げる。 邪神によって囲われた鮮血の檻はその機能を完全に停止し、世界はまるで何事もなかったかのような平静を取り戻す。 その元、対峙する二人と一体。 フェイトとシグナム、ライダーが場に三つの影を落としている。 もはや支えも無しには立っていられないほどに衰弱した魔導士と騎士。 対するサーヴァントも只ならぬ事態に屈辱と憤怒に身を焦がしていた。 「どうした? よたついてんじゃねえか?」 「ランサー………くっ……余計なお世話です!」 ひょうげた男の言葉がその場を飾る。 ライダーに排除されて戦線離脱していた男だったが、まるで散歩から帰ってきたかのような気軽さだ。 対して身構えるシグナムとフェイトは彼の軽口に付き合える状況ではない。 今この両者に攻め込まれたら………とても応戦は無理だ! 「少し休んでろ」 だが意に反して男は呟く。 槍の穂先が虚空にふ、と構えられ、ガチン!!とライダーの短剣とかち合う。 「おう、ちょっと面貸せ」 「…………性懲りもなく貴女は…」 ライダーの髪が怒りに逆立つ。 虎の子の結界を破られた彼女もまた、戯れに付き合う余裕など無い。 美丈夫な男の口元を釣り上げた笑みとは対照的に、再びアイマスクに覆われたライダーの表情にはありありと焦燥が浮かんでいた。 「馬鹿女と話をつけてくる。 帰って来たら続きだ」 背中越しに交わされる男の言葉は冗談のような響きを持っていたが、それが示す意味は一つ。 彼と、彼に連れ出された女怪の背中が二人の視界から消え失せる。 地面を削り取るような跳躍の跡を残して、男と女はその場から飛び荒び…… 互いの武器を交錯させながら――――森の奥へと消えていった。 ―――――― 「………どうやら奴らが仲間ではないという、お前の見立ては全面的に正しかったらしいな」 「……はい」 フェイトとシグナムそっちのけで彼らは殺気を放ちながら針葉樹の向こうへ飛んでいってしまった。 あとに残された二人の頬を風が静かに撫で付ける。 「「…………」」 期せずして訪れた静寂。 途端、ヘナヘナとその場にへたり込み、地面に尻餅をつくフェイトとシグナム。 肩を支え合ってようやっと両の足を立たせていた二人だったが流石に限界だった。 蒼白を通り越して土気色になった顔には、敵には絶対に見せてはいけない表情がありありと浮かび、苦痛と疲労に押し潰された弱気の色を隠せない。 天を見上げて肩で息をしながら、全てを投げ出したい衝動に駆られる弱りきった心身。 食人の結界内で溺死する寸前だったその身は、あと少しでも気を抜けば魂が抜け出てしまうのでは、と危ぶむほどに頼りない。 「………大丈夫か、?」 「あまり……でも、生きてます…」 「そうか。 何よりだ」 痛みどころか寒気すら感じる最悪のコンディション。 舌すら上手く回ってくれない。 身を寄せ合う二人はまるで極寒の地に取り残されたエスキモーのよう。 地に体を沈ませて、ようやっと……ひとまずは命を拾ったのだという事を実感した。 弛緩した体に染み入る酸素がおいしくて悶えそうだった。 これで受けたダメージがすぐさま回復するわけは無いが、それでも一分、二分とこうして訪れたインターバル。 それは熾烈を極めた戦闘、張り続けた極度の緊張から擦り減った心身を癒してくれる。 「テスタロッサ」 「……………」 しかしながらフェイトの脳裏には、先の槍の男に言われた痛烈な言葉が過ぎっていた。 本当に全滅するところだった……他ならぬ自身の甘さによって味方までをも窮地に陥れた。 自分が槍兵の命を奪えたならば、このピンチはなかったのだから。 ずっと心に引っかかっている…………それが不甲斐無い。 シグナムがこちらを慮って汚れ役を引き受けるつもりだったのも気づいていた。 それを知りつつ、何のアクションも起こせなかった自分が情けない。 「テスタロッサ……」 「……え? あ、はい! すいません……何ですか?」 「どうした?」 魔導士の深刻な表情は決して怪我の具合によるものだけではあるまい。 不振に思い、尋ねる将。 「……あの槍の人に言われました」 「ランサーか」 「はい…………シグナム。 私は……そんなに未熟ですか?」 静かに一言一言を噛み締めるように言葉にするフェイト。 先の一戦で男と交わした問答の内容を騎士に語って聞かせる。 黙ってそれを聞いていたシグナムが――― 「戯言だ。 気にするな」 一言で片付け、切り捨ててしまう。 「でも……」 「まさか、この私に慰めの言葉を期待しているのではあるまいな?」 フェイトの言葉に厳しい視線を向ける将。 声色に怒りの色が見える。 こうした弱音、自虐の念は彼女のもっとも嫌うところだ。 言い淀む執務官に対し、将が更なる言葉を紡ぐ。 「羨ましいか?」 ことに二人の関係は馴れ合いのそれではない。 烈火の将にとってフェイトテスタロッサハラオウンは10年の月日を共に切磋琢磨してきたライバルだ。 その関係を否定する類の言葉など不快極まりない。 聞きたくもない。 「答えろテスタロッサ。 人を躊躇いなく斬れる私やあの男が羨ましいかと聞いている。 お前は今までそんな力を欲していたというのか?」 「そ、それは……」 「私やあの男のような者はな、心に鬼を飼っている。 人の命など容易く吹き消すことに躊躇いの無い、戦場の鬼だ。 確かに殺し合いにおいて、それは有利に働くだろうな。」 当然の理屈だ。 真剣と刃引きの剣を携えて打ち合えば、どちらが有利かなど問うまでもない。 だが、それはフェイトが槍兵に向かって叩き付けた信念にもある通り、全て覚悟の上で抱えた不利なのだ。 殺せない者が殺せる者に劣っているという考えは絶対に間違っている。 ―― 殺せないのではなく殺さない ―― 命を奪うための戦いではなく、明日を迎えるための戦い。 その信念の元に、争いをなくすために、争いの象徴たる剣を取るという矛盾。 ――― 不殺 ――― 戦いにおいてそれが不毛であるか否か、長年に渡って論じられてきた永遠の命題だ。 「お前はそれでいい……」 騎士は静かに言い放つ。 高町なのはや自分をも凌ぐ素質と才能を持ちながら、評価ではエースオブエースに比べ地味な印象を抱かれがちな彼女。 「お前のような心積もりで戦う者がいるからこそ、我らは寸でのところで滅びの連鎖に身を堕とす事なく進んでいける。 正しい道を示すものがいるからこそ力もまた正しい方向へと向くのだろう?」 決して戦いに向く性格ではない。 しかしながら戦いにおいてマイナスに働くとしても……それを短所として断ずるのは人として切なすぎる。 彼女の持つ「慈愛」の心。 「優しすぎる」という事。 それは――――宝だ。 決して悪徳ではない。 戦いに身を置きながら決して血に狂い、狂気に堕ち込む事なく剣に優しさを持ち続けられる者。 そんな人間だからこそ主以外で唯一、かつて罪に塗れた剣を預けるに値すると騎士は考えるのだ。 「今はお前が隊長だ。 私の剣を正しい方向へと導く者だ。 それが外道の力に魅せられてどうする? お前の信念はそんなに安くはないだろう?」 「すいません……」 「良い……たまにはお前の弱音を窘めるのも乙なものだ。 実は最近、お前がしっかりしすぎて些かつまらんと思っていたところだからな」 「………もう、、面白がられても困ります」 気恥ずかしさに頬を真っ赤に染める魔導士である。 ここは幼少の頃を知られているという弱み……まだまだ子供扱いされてしまうのも無理もないという事か。 (しっかりしないと……これ以上、自分に全幅の信頼をかけてくれるシグナムを失望させるわけにはいかない) 一瞬、見せた弱気な発言など吹き飛ばす。 そこには名執務官の表情をすっかり取り戻したフェイトの姿があった。 「さっそくですが以後の事について提案します。 私はこのまま相手を追撃した方が良いと思いますが、どうでしょうか?」 「……てっきり退却して体制を立て直すものかと思ったが…… 分かっているのか? 我らの損傷も極めて重い。 恐らくもう長くは持たんぞ」 「理解しています……残された戦闘可能時間は少ない。 加えて確かに危険な相手ですが…… 虎穴にいらずんば虎児を得ず。 そしてスカリエッティの手がかりを掴むチャンスでもある。 ただし様子見はもう無しです………空からのオーバードライブで一気に殲滅しましょう。」 賭けるは全額ベット―――敵との最終決戦に有り金全てを抱えて臨む。 「全開で行く以上、こちらの行動時間も限られてくる。 外せば……分かっているな?」 「承知の上の事……10分以内にかたをつけます」 力強く言い放つ執務官。 これでこそフェイトテスタロッサだ。 発破をかけた甲斐があったと内心苦笑する騎士である。 こちらが最大限有利な状況での奇襲に全戦力を投入するのは悪くない。 相手の仲間割れが続いているのなら絶好のチャンスだ。 それに後が無いのもまた事実。 先ほど自分がほのめかした一時撤退……それが無理だという事は承知している。 ライダー、ランサーの埒外の機動力を見れば、あれを振り切るのは難しい事など明白だろう。 フェイトはともかく自分が捕まる……自身の鈍足に歯噛みするシグナムである。 二人揃って生還する道は―――奴らを打破する事でしか開けない。 ならば全力で勝利の札に全てを賭けるだけの事だ。 それ故の勝負、それ故のオーバードライブ。 (隊長らしくなったな…) 幼少の頃に覗かせていた頼り無さはもはや微塵も無い。 その精悍な佇まいは、自分の剣を預けて微塵の後悔も無いものだ。 母艦のバックアップがない状態での全開戦闘は局内では基本的に認められていない。 フルドライブがブーストならば今から突入する領域は――ニトロ。 凶悪な出力を得られる代わりにガソリンと駆動系が一瞬で焼け付く類のものだ。 途中でガス欠で動けなくなればそれで終わり。 伸るか反るかの大博打……文字通りの電撃作戦となる。 「私がオフェンス、お前がバックアップ。 これは変わらずで良いな?」 「はい」 「こちらも一つ進言だ………お前のオーバードライブは一先ず温存しておけ」 「! シグナム! それは…」 「私はともかくお前の傷ではアレの制御はキツすぎる……高い確率で制御を外れ自滅するだろう。 もしものための後詰として取っておけ。」 「…………はい」 この期に及んで出し惜しみをするわけでもない。 単に効率の問題だ。 後衛に必要なのは過剰な火力でなく正確さ―――突破力は前衛にあればいい。 同フィールド上にSランク武装隊の余剰火力を二つ重ねるのは無駄な運用と相成る。 全く同じ箇所に同時にナパーム弾を落とすようなものだ。 「分かりました……それで行きましょう」 「決まりだな。 アギト!」 将が森の虚空に向かって叫ぶと、木々の間から物凄い勢いで飛んでくる者がいた。 「馬鹿野郎……馬鹿野郎ッ! こんなになるまで放置しやがって!」 目に大粒の涙を称えて将の肩に激突する勢いで抱きついたのは――剣精アギト。 シグナム専用の融合型デバイスにして彼女に最強の力を与えるラストカード。 将の言いつけを守って今までずっと木々の高台に身を隠していた小さな妖精。 将を睨みつけて恨みがましい視線をぶつける気持ちも分かろうというものだ。 「こんな……こんな、お前! 死んじまったらどうするんだよ! この馬鹿! 馬鹿!」 「……よく動かなかった。 待たせたな。 今、お前の力が必要だ」 やがて静かに――――だが力強く呟く女剣士。 それはこの小さな戦士にとっての鬨の声。 苦痛の極みに達した我慢の時を経て今、ようやく彼女は開戦の狼煙を上げる事が出来る。 「ああ! ギャフンと言わせてやろうぜ!」 涙を拭い……スン、と鼻を吸う仕草を見せる妖精。 再び泣き笑いじみた笑みを見せて、彼女は体の前で力強く拳を握る。 もはやこの炎の妖精も止まらない。 主人を散々にやってくれた借りを返す! 敵を蹴散らすまで決して鎮火出来ない追い火の根源だ! 「シグナム…頼りにしてます」 「任せておけ」 かつてない強敵を前に彼女達はついに全戦力を投入する時が来た。 空気が震える。 戦意が高揚する。 嫌がおうにも緊張する心胆。 「テスタロッサ……死ぬなよ」 「貴方も」 Sランクオーバーが最大戦力を解放した時、町一つを容易く焦土と変えるほどの破壊を齎す。 文字通りの破壊神と化す、その身が捉えるは殲滅すべき敵の姿のみ。 戦いが始まればもう、近づくどころか念話で言葉をかわす事さえ困難になるだろう。 故にこれがこの戦い―――フェイトとシグナムが交わした最後の言葉となる。 「……………ユニゾン」 シグナムが澄んだ泉のように静かなる面持ちで――言葉を発す。 途端、融合型デバイス・アギトが騎士の胸に重なり、その身がゆっくりと同化していく。 幻想的な光景はやがて眩いばかりの光によって視覚を遮られ、変わりに周囲に撒き散らされるのは身を焦がされるほどの凄まじい熱気。 まるで太陽を前にしたときのような触れるもの全てを焼き尽くす恒星の如き熱と光を称え――― 彼女の背中より生えた鋭角的なフォルムの翼が場に翻る。 今――最強のベルカの騎士が戦場に降り立った。 襲撃者に炎熱の鉄槌を下すために、愚かなる敵に審判を下すために 周囲数10mの大木を、その余波で瞬時にケシズミにして――― 真なる烈火の将が、再び空に舞い上がるのであった。 ―――――― 「どうした? 足に来てるぜお前?」 「貴女の……知った事ではありません」 「ま、お互い様だな」 戯れに幾合か打ち合った後、既に息を切らしているライダーが盛大に吐き捨てる。 自分の全魔力を注ぎ込んだ神殿を破られたのだ……痛手で無いはずがない。 「そんなザマで俺に勝てる可能性など万に一つもあるまい。 このまま殺してやろうか? ああ?」 「森の奥で漁夫の利を企んでいた犬畜生がよく吼える…… 貴方如き一瞬で灰にする切り札を私が残しているのを忘れたのですか?」 「忘れちゃいねえさ……んで、それが正真正銘お前さんの打ち止めだって事もな。 どうする? それを使った後、追いかけてくるあの二人に倒されるかい?」 憮然とするライダー。 男の言葉はいちいち図星なのだが、やはり心情的に素直に頷けるものではない。 そもそも横槍を入れて戦いを中断してきた意図が見えない。 「やはり、なーんか違うんだよなぁ。 なあ、ライダー……一旦、落ち着く気はねえか?」 そんな男は頭をぼりぼりと掻きながら、今一釈然としない様子だ。 「何がしたのですか貴方は?」 「それが分かれば苦労しねえんだよ」 「発言が莫迦丸出しですよ…? 頭のネジでも飛びましたか」 「取りあえず今したい事はある。 お前なんぞと組んで敵と戦え、なんて抜かした阿呆を頭のネジが飛ぶまで殴ってやりてえ」 「その時は私にも殴る場所を残しておいてくれませんか?」 何の因果でいけ好かない奴と組んで戦わねばならないのか? 一糸乱れぬコンビプレイを見せる強力な敵に対して、一挙一足が互いの足を引っ張るこちら側。 これでは個々の戦力で上回っていようと勝てるものか。 こんな命令をシャレ以外で下すボンクラマスターなど死んでしまえば良いのだ。 「それだ。 俺はな、自分トコからこの事を聞いた覚えが全くねえ。 覚えが無いまま戦ってきた。 強烈に戦意を掻き立てる何かに従ってな お前はどうだライダー? あの餓鬼から何と言われてここに来た?」 「………」 槍を肩に抱えて途端に鋭い視線を騎兵に向け、探るような目つきで問いかける槍兵。 ――― 違和感 ――― 無言のままに長い髪を掻き揚げるライダーもまた―――言いようの無い居心地の悪さに気づく。 「――――はて、?」 「ケッ……俺の頭のネジが何だって?」 妙だ………これではまるでノータリンそのものではないか…… 「確かに記憶、状況に不都合があるようですね。 それは認めましょう」 ノータリンでなければ意思を剥奪された傀儡だ。 自分たちはひょっとすると何か別の意図を持つ者の術中に既に落ちているのかもしれない。 「まあ、それはこの戦いを終わらせた後で考えても遅くありません。 取りあえず私はあのフェイトの元に早く戻ってやらなくては……」 「えらくあの嬢ちゃんにご執心じゃねえか?」 「―――どうやら一目惚れをしたようです」 言って唇を艶かしくペロリと舐め上げるライダー。 「イヤだねえ……本能が食欲にのみ直結しているやつは」 「粗野な野犬に極上の美酒を見つけた時の感動など理解できませんよ。 私の趣向など貴方にはどうでも良い事。 違いますか?」 違わなくは無いが、冬木の地でもこの女は気に入った人間(あくまで味覚的に)をストーカーしまくってノイローゼにしてしまった前科がある。 グルメの貪欲さは他の追随を許さないというが、犠牲になったのが密かにランサーも狙っていた良女だけに苦々しい思いを拭えない。 「そんな事より気乗りのしないランサー……貴方はどうするのです?」 「ううむ……まあ、いつもは敢えて考えないようにしてるトコあるんだけどな。 何せウチのは性根が腐ってやがるから。」 「奇遇ですね。 私も大半は思考を切って行動していますよ。 ウチのも頭が腐っていますので。」 他の家ではマスターとサーヴァントは大概、上手くやっているというのに 恋の花を咲かせたり結婚しやがった奴までいるのに……とんだ貧乏くじである。 顕現した時から不幸が決まっているなんてあんまりだろう…… 額に手を当ててくっ、と地面に涙を落とす両サーヴァント。 こうなっては伝説の英霊もうらぶれた日本のサラリーマンと変わらない。 「コホン………と、とにかく貴方はどうするのかと聞いているのです。 仮にも音に聞こえた槍の使い手が戦いを放っぽり出しておめおめと帰りますか?」 「生憎、この槍に誓っちまったんだよなぁ……」 ―――アトゴウラ ―――四枝の浅瀬 この誇りにかけて必ず、敵か己の死を以ってのみ戦いを終わらせる―――赤枝の騎士の大禁戒。 これを男は既に発動させてしまっている。 故に帰れない その身は誓いを果たすまで強制的に戦場に留まらざるを得ないのだ。 「何ですか……回りくどい事を言っておいて結局それとは」 「確かにな。 余計な息継ぎだった。 どの道こいつを相手にブチ込まずには帰れねえんだ………なぁ?」 言って肩越しに上空を見上げ、空に佇む好敵手に同意を求める。 愛すべき敵は既に其処に居た。 こちらの様子を猛るでも憤るでもなく静かに見下ろす空の雄、ベルカの騎士シグナムその人だ。 「共食いは終わりか?」 「ああ、紆余曲折あって何とかな。 待ってろって言ったのにわざわざ出向いてくれるとは……まさか俺が恋しかったってんじゃないよな?」 「いや、焦がれて狂うかと思ったぞ。 私の生涯であれほどの施しを受けたのは初めてだからな」 こちらもあまり気が長い方ではない。 その槍にも隣の女にも随分と世話になった。 一刻も早く返したいのだが…………もういいか?」 「律儀な女だぜ……いつでもいい―――――来な」 「大きな口を叩く―――――私の胎内で死に掛けていた者が。 猶予を与えてやったのだから、その隙に尻尾を巻いて逃げれば良いものを……」 もっとも逃がす気などありませんが、と付け加えてライダーが嘲りの笑いを漏らす。 「尻尾か」 デバイスを中距離形態―――シュランゲフォルムへと変容させる将。 「ならば竜の尾の一撃、受けてみるか……?」 空恐ろしいほどに低い唸るような声で彼女は静かに呟いた。 途端、広がる空を一面の焼け野原のように薄橙色に染め上げる。 其は彼女の抑え切れない炎熱の魔力。 「まずは返すぞ…………剣閃、」 ほい来た烈火!! Max Macht!!! 異なる三つの意思が重なり、溶け合い、剣へと集中していく。 轟々と空の大気を震わせ、体の周囲を歪に歪ませる騎士の様相。 騎兵も槍兵も馬鹿ではない。 この尋常ではない気配、肌をチリチリと焼く殺気、脳に警鐘のように鳴り響く危機感。 間違いなく来る………先の矢に勝るとも劣らぬ―――――宝具級のナニかが!!! 「火竜………」 この日、初めてサーヴァントの二人の表情が戦慄に凍る。 その場から踏み込まずに横薙ぎのフォームから放たれるそれこそ 烈火の将シグナムが剣精アギトとユニゾンした時にのみ可能とされる最強を超えた最後の一撃! 「いいいいいいっせんんっ!!」 それを今、眼前に向けて薙ぎ放ったのだ!!! ―――――― 火・竜・一・閃・!!――― 連結刃の広大な範囲全てを薙ぎ払い、焼き尽くす炎帝の業火。 アギトとレヴァンティンが思考を同化・同調させて膨大な炎熱を変換、加速して放たれるそれは 近距離特化型であるシグナムが剣精との出会いで新たに手にした究極の刃である。 と同時に、初めて己が全てを引き出してくれる主と出会えたアギトの秘めた力の発現でもあった。 「はっ、こいつは――!!!」 シグナムの咆哮と共に振るわれる炎竜の尻尾。 舞い上げられた槍兵が絶句する。 薙ぎ払われた森は一瞬で焦土と化し、アスファルトは焼け焦げて剥がれ落ち、下の地面を地層レベルにまで抉り取る。 「火力と範囲、共に対軍宝具並ですか。」 未だ収まらぬ大破壊、ライダーもその威力に驚愕せずにはいられない。 これほどの巨大な牙を今の今まで温存していたのか……あの剣士は!? 刃が通り過ぎた大地に魔力の残滓が火柱となって巻き上がる。 それは正しく煉獄の炎。 草木一本残さない炎熱地獄の具現だ。 ―――――、、、、…… 虫一匹逃がさないとはこの事か。 シグナムの一撃によって地形は大きく変貌し、突起に富んだ峠道は一瞬で平坦な焼け野原となってしまった。 これが―――――これがSランクオーバーの全力。 戦略兵器とまで比喩される彼女らの本気の力であった。 何とか直撃だけは免れたサーヴァント達が、何も無い大地にぽつんと地に伏せながら将を見上げる。 煽られる熱気、超広範囲にまで及ぶ炎の蹂躙によりチリチリと肌を焼く感触に不快感を露にする二人。 何とか即死だけは防いだ二人だったが……何の障害物も足場も無い状況で空を飛ぶ相手を前にした時の絶望感たるやどうだろう? 一発で仕留められなかったとはいえ、将の一撃はこの戦の天秤を確実に傾かせてしまったのだ。 だが――― 燃え盛る炎の怒りはこんなものでは収まらない! ――― 「おおぉぉぉおッッッ!!」 一閃だけど一閃じゃねえんだなこれが!! シュランゲ=フォルムで横なぎに振るわれた鞭の様な炎を再び、今度は頭上にたゆませて―― 「火竜一閃ッッ!!!!」 将は熱帯びる蛇腹剣を再び、一気に振り下ろしたのだ! 「っ! 連打だとぉ!!!???」 「馬鹿な―――!?」 灼熱の鞭が今度はランサーとライダーの頭上から襲う。 これほどの火力、これほどの出力、これほどの範囲の攻撃を連続で振るうなど考えられない!? それぞれ左右に分け放たれる形で横に飛び、何とか黒焦げになるのを免れた両者。 終末の炎が場に降り注ぐ。 彼らを分け隔てるように地面に突き立った炎の壁はゆうに上空20mにも及び――― ニ閃によって槍兵、騎兵共に腕、足の感覚が奪われてしまっていた。 ジリジリと肌を焼け爛れさせる熱気だけでも人を殺傷するには余りある。 人外のサーヴァントは今、炎竜の巣穴にこぞって放り込まれたようなものだった。 「驚いたねこりゃ……力だけならマジでサーヴァントを超えてやがる。 まともに向き合えば焼き鳥だな。」 「ホットドッグの間違いでは?」 「洒落を効かせてる場合か! 来るぞ!」 衝撃に弾かれ、左右に分け放される両者を見下ろして―――― 「今度は私が二人同時に相手をしてやる……纏めて来い。」 一騎当千の英霊を前に―――― ベルカ最強の騎士が雄々しく言い放つのであった。 前 目次 次
https://w.atwiki.jp/tmnanoha/pages/423.html
??? ――― 「凄いわね…」 フェイトとランサー。 シグナムとライダー。 山道地帯を舞台とした四者が集う戦場、その戦いを遥かな高みから観測するナンバーズ達。 「一回戦に比べて地味、ですわねぇ…」 「いえ、確かに火力では先の戦いに劣りますが繰り出す技の冴えは微塵も劣るものではありません。 特にこの槍の戦士が素晴らしい」 「ランサーのサーヴァント……セッテがそこまで言うなんて、よっぽどね」 「まだ六課陣も本気を出していませんが上手い事ばらけてくれたおかげでしょう。 総当りの様相を呈し、万遍の無いデータが取れます。 あとは双方の全開出力さえ出せれば」 「はいはい……流石はセッテちゃん、マジメでちゅねー♪ 戦闘タイプでないクアットロには影を追う事すら出来ないバトルだ。 むくれる四女である。 「ふふ、腐っている暇は無いわよクアットロ。 私たちだってやる事は山積みなのだから。 ところで……トーレとチンクの姿が見えないのだけれど?」 「トーレ姉さまは調整室ですわ。 チンクちゃんはブリッジ。 またあの神父にイジメられてるんでしょうねぇ」 両手を挙げておどけて見せるクアットロ。 モニターで繰り広げられている戦い、ひとまずは自分らが心配する必要はないだろう。 機器ををオートにしてくつろぐ四女を尻目に――― (…………トーレ姉さま) 七番目の機人ナンバーズ・セッテ。 もっとも喜怒哀楽に乏しいと言われた彼女が、調整室――姉の消えた方向を見て表情に陰を落とすのであった。 ―――――― 調整室に一陣の風が巻き起こり、次いで遅れるように来た衝撃波が周囲を切り裂く。 キュギ、!という鼓膜を引き裂く音波は、音を置き去りにした事によって起こるソニックブームの残滓に他ならない。 IS・ライドインパルス――― ナンバーズ3・トーレの身に宿る驚速の牙。 視認外から、視認出来ぬ速度にて、視認を許さぬままに対象に必殺の刃を浴びせるという単純にして強力な武装兵器だ。 その後姿、両の足から異常加熱に対する冷却装置がフル稼働し 廃熱の煙が蒸気のように彼女の全身を包み込み、機械の身体を通常シフトへと戻す。 奇襲に特化したこのISは一撃必殺を旨とし、理論上、回避も防御も不能の最強の技―――で、ある筈だった。 「くそ……!」 ダン、と彼女の壁を叩く音が部屋に響く。 十二分な絶技を繰り出したにも関わらず彼女の表情はありありと苦悩に染まっていた。 その沈んだ瞳の理由は間違いなく、周囲のモニターが映し出す機動6課とサーヴァントの戦いの様相によるものだろう。 「全然駄目だ……これでは…」 鋼の身体に似つかわしくない弱々しい呟きが漏れる。 かつてJS事件においてフェイトテスタロッサハラオウンに完全敗北を喫し、この遊戯盤においても魔法使いに惨敗。 戦闘機人の誇り。 博士の作り上げた最高傑作たるこの身の証明。 今にして思えば滑稽な話だが、以前は自分達が最強だと信じて疑っていなかった。 魔導士など所詮はただの人間、決して我らに勝てるはずがないと。 姉妹たちも自信に満ち溢れていた。 管理局の戦力を前にしても負けないと疑っていなかった。 (地に堕ちたな……) そんな自信も誇りも、何もかも………自身の敗北の数々と共に、腐って堕ちて見る影も無くなってしまった。 (ドゥーエ……) 虚空に視線を泳がせて、彼女は遠く離れた戦地にて散った既にこの世のどこにも居ない姉の名を呼ぶ。 不甲斐無きこの身では姉の無念を、共に抱いた悲願を成就する事は出来ないのか? 彼女はこの世に生まれ出て初めて戦闘部隊の長たる責任と重圧に悩み、苦悩する。 「トーレ姉さま」 その時、何時の間に部屋に入って来たのか背中越しに7女セッテの姿を認めるトーレ。 不意にかけられた声に葛んだ視線を向ける。 「セッテ。 私の調整中は部屋に入るなと言ったはずだ」 「ウーノ姉さまの決定を伝えに来ました。 ランサーとライダー。 あの二人を迎えに行くのは我々になりそうです」 「………そうか」 妹に情けない姿を見せるわけにはいかない。 先ほどまでの消沈した姿をひた隠し、表面上はいつもの毅然とした物腰で七女に接する姉。 だが、それは傍から見ても虚勢以外の何物でもなくて――― 「戻るぞ」 「はい」 内に悲壮な想いを抱いたままにトーレは調整室を後にした。 (どうにか……どうにかしなければ) 秘めた想いは強さへの渇望と、失った誇りを取り戻す事。 「…………」 その後ろに追従するセッテ。 姉のこんな姿を見るのは初めてだった。 こんな時に何を言えば良いのか色々考えようとして……自分にはそんな機能は付いてない事。 結局は当たり前の事しか言えない己に、歯痒さと共に気づく。 機「人」として目覚めた感情が、この戦いを経て彼女達をどこへ導くのか。 答えの分からぬままに――――刻の秒針は無情にも針を進めていくのだった。 ―――――― ―――――― 四つの光が弾けて集い、金髪の魔導士が悲鳴という名の絶叫を上げる。 眼前に広がる光景に目を背け耳を塞ぎたい気持ちに駆られながらも、その一部始終を見逃す事は断じて許されない。 その、戦友の最期になるかも知れない光景をフェイトは砲撃のトリガーに指をかけながらに見据えていた。 故にその始終は――――凄まじいながらも、誰にとっても予想外の結果。 蒼い疾風と紫紺の怪異が紅蓮の炎を挟み込み、穿ち抜く。 三者が交錯し、歪な擬音諸共に激突したフェイトの眼下――― 「「「………」」」 三つの膨大な力がぶつかり、金属が、魔力が、凌ぎを削り、切り裂かれる甲高い音が鳴り響き 槍兵と女怪の直撃をまともに受けて双方から貫かれる形になったシグナム。 一見、それはサーヴァント二体の獲物に串刺しにされた情景に写って見える。 「ああ………」 フェイトのデバイスを持つ指が震え、唇がわななく。 Wait...Sir 「…………え!?」 だがデバイスの声にすぐに目を見開き、驚く魔導士。 ――― ギチギチ、ギチ、 ――― それは…………闘神の所業か? 高度に位置し、雲に覆われたフェイトの視界が粉塵を掻き分けて三者の様子を見据えると 中央の女騎士が二刀を以って双方のサーヴァントの槍を、短剣を寸でのところで仁王のように受け切っているではないか! 「ぬ、ううっ!!! はぁっ!!!!」 ヴォルケンリッター烈火の将シグナムが吼える! 左右から迫った凶刃を何するものぞと裁き、巻き込み、今、苛烈に打ち返す! いかにサーヴァントといえど宙に浮いたままではどうしようもない。 トドメを刺しに行ったランサーとライダーの体制が崩れ、弾き返された。 「撃てぇッ!!!」 「はいっ! トライデントッ………スマッシャァァーーーッ!!」 将の怒号を受けて力強い仕草で指にかかったトリガーを引き放つフェイト。 中距離狙撃砲が漆黒のデバイスからぶっ放された! 「ぐお、あッ!!」 「うう………!」 バルディッシュに叩き込まれたカートリッジは三発。 練りに練られた純正の魔力がフェイトの体内で凝縮され、デバイスを通して増幅される。 そして今、砲撃魔法が雷神の怒りの鉄槌となって吼え狂い、敵に襲い掛かったのだ! 左手の甲にデバイスの柄を添えて掌から放たれた極太の砲撃は、あの高町なのはのエクセリオンバスターと比べて些かの見劣りも無い。 翳した手首から方円方に広がる魔法陣の中央からぶっ放されたそれが左右に一本ずつ枝分かれし 一本はシグナムを掠めて通り過ぎ、一本がランサーを、また一本がライダーを滝のように飲み、そのまま地面に突き刺さる。 フィールド全体に落雷独特の重低音が、次いで鼓膜を裂きかねない凄まじい爆音が鳴り響く。 フェイトの全開砲撃。 Sランク魔導士の全力―――トライデントスマッシャー。 身の毛がよだつ光景とはまさにこの事だ。 天災の中央、巨大なクレーターを作り出した落雷の中心地点にて二つのヒト型が地表に叩きつけられ 10回ほどバウンドしながらそれぞれ地面を滑り、ゴミのように投げ捨てられて場に落着していた。 雷帝の怒りに触れた者の末路である。 「…………ふ」 それを見て苦笑とも取れる溜息を静かに漏らす女剣士。 魔導士の卓越したコントロールによって自身の体スレスレを通り過ぎた砲撃だが 本来ならアレを自分も食らっていたのだ。 ゾッとしない。 「シグナム……! よく無事で……!」 稲妻の主が上空から降りて来る。 血相を変えて飛び込んでくる騎士の戦友、フェイトだ。 「凄い……あの二人の攻撃を同時に裁くなんて……流石です!」 友の惜しみない賞賛の声だったが、対して釈然としないのはシグナムだった。 (何だ……? 今の腑抜けた攻撃は…) そう、それは受けた将が怪訝な思いを隠せないほどにお粗末な一撃だったのだ。 あのタイミングで止めとなる一打を放られてはいかに烈火の将とてただでは済まなかっただろう。 だのに無傷? 敵の不手際としか思えないが…… 些かの疑問に苛まれる将だったが、二人の眼下―――地上にてのそりと起き上がる影が二つ。 何とか現世にカタチを残せたのも高い対魔力と得物を盾にした受身が間に合った故か。 しかしそのダメージは計り知れない。 ふらつく二体の怪人を前に―――フェイトとシグナムが新たな攻勢をかけるのだった。 ―――――― LANCER,s view ――― うむ……体が痺れて動かねえ。 「ったく……いいザマだぜ」 舌の根まで焼き尽くされたかのような雷の衝撃。 粗末極まりない結果に愚痴るのも億劫だ。 「まったくです。 これでは埒が明かない」 隣の奴が頼んでもいねえのに相槌などを打ってくる。 ……………………… 「槍術を極めたにしては幼稚な誤爆ですね。 アイルランドの光の御子―――早くもヤキが回りましたか」 「てめえこそ邪魔しやがって……何のつもりだライダー」 「貴方が先に間合いに入って来たのでしょう? あそこで互いに宝具を打ち合えば上空のフェイトに狙い打たれていた」 「そんな事よりも、ライダー……一つ聞いていいか?」 ところで当たり前のように俺の側にいるこいつ。 今更だが……どうして俺はこんな奴と共闘してたりするんだ? 「さっきのアレは俺も巻き込む気だったのか?」 連携など上手くいく筈がねえ。 信頼関係など成り立つわけがねえ。 何せこいつとは元々―――― 「アレとは?」 「とぼけるんじゃねえ 一度目に森からすっ飛んで来た時の事だ」 「とぼけるとは心外な………敵を討つために宝具を展開しようとしただけですが? たまたま進路上に何かが転がっていようと私の与り知るところではない」 「………そうかい―――――――――そりゃそうだ」 敵が上方より迫る。 一刻も早く迎え撃たなくちゃいけねえ。 だがこの状況――――――ちいと頂けねえなぁ…… 敵と味方の線引き……こればかりは今のうちにはっきりしとかねえと――― ―――――― FATE,s view ――― 「……………シグナム」 戦いが始まってより抱いてきた微かな違和感。 従来ならば見逃してしまうような幾つもの些細な要素。 それらが脳内で散りばめられたパズルのように組みあがっていく。 まだ断言するには早いかも知れない。 かも知れないけど………もしかするとあの二人は――― 「ばらけての各個撃破よりも2on2のコンビネーションで攻めましょう。 私の勘が正しければ、それで圧倒出来るかも知れない……」 「何?」 シグナムが怪訝な顔をする。 相手にダメージがある以上、速攻をかけて一気に鎮圧するのがセオリーのこの場面。 今にも接敵しようという、その出足を止められた不満も手伝い、不満げな表情を見せている。 「根拠はあるのか? 一対一が二対二になるだけだぞ。 数の有利が働くわけでもあるまい?」 「初めから気になっていたんです……彼らは本当に味方同士なんでしょうか?」 「? どういう事だ?」 「いえ、初めは双方の雰囲気から感じた事なんですが…」 轡を並べて現れた怪人……彼らは初めからどこかおかしかった 険悪な空気というのは黙っていても滲み出てくるもの。 目も合わさずに、短い会話からすら滲み出てくるそれに対してずっと不思議に思っていた。 「共にこちらに攻撃を仕掛けてきたのだぞ? それが味方同士でないなら何だ?」 「利害の一致か状況によって仕方なく手を組んでいるか…… そういう成り行きで組まされてしまう事は珍しい事ではありません」 突飛な理論と言われるのは理解しているけど……でも、どこか壁を作っているように見受けられる両者。 そして戦闘開始直後、すぐにこちらを分断して一騎打ちに持ち込んできたあの手合い。 当然、自分達の戦闘力に自信があっての行動なのだろう。 けれど、それだけでないとしたら? 単騎の戦闘に自信があるのではなく単独で行動したい理由が他にあるのだとしたら? 二人が轡を並べて戦う事に何らかの抵抗を感じているのだとしたら? 先ほどの攻防でも彼らは、互いをフォローしようとする動きさえなかったのだ。 「長考の時間も無いな………いいだろう。 ライトニング2、隊長の指示に従う」 「シグナム……ありがとうございます」 「何、執務官として培ったお前の観察眼を信じるだけの事だ」 念輪で、時間にして僅かなやり取りを終えて私とシグナムは頭上から敵を挟み込む。 ライダーと槍の男を中心に弧を描くように旋回しつつ、私は射撃用スフィアを展開して攻勢に備える。 そして間を置かずに相手に仕掛けようと思い立ったその矢先に―――――― ――――――――――――――――――それは起こった。 「なっ!?」 息を呑む私。 対面のシグナムも驚愕の表情を浮かべている。 迎えた眼下………男の槍が―――――― ライダーに向かって翻ったのだ。 ―――――― 高速で左右に分かれる敵が徐々にその輪を狭めてくる。 今にも飛び掛って来ようと構える猛禽ニ匹。 もはや秒の暇もなく戦闘は再開される。 それに対して彼らは雷撃のダメージを負っていて、しかも――――当たり前だった「事実」を再確認させられた後だ。 これでは戦えない。 宝具すらまともに繰り出せない。 真名開放は発動後に隙が出来る……その横っ腹を、隣の「サーヴァント」に突かれかねないのだ。 ―――――――――故に男は意を決し、動いた。 「っ、ぐ――!?」 山なりに緩急をつけて距離を測るライトニング隊に対し、迎え撃とうと鎖剣を構えるライダー。 その彼女の腕に突然、衝撃が走った。 予想だにしないところから来た攻撃は隣の男の紅い槍の穂先。 それがライダーの二の腕に思いっきり叩きつけられていたのだ。 後ずさりする騎兵。 効いたというより驚いて、その場につんのめる。 「―――何のつもりですランサー?」 「てめえはもういい………引っ込んでな。 信頼の置けぬ相手に背中を預ける気はない。」 肩を並べる味方(味方ではないのだが)の突然の申し出に暫くポカンとなった後、嘲りの視線を返す女怪。 「彼女達を一人で相手にすると? 音に聞こえしその槍とて荷が勝ちすぎると思いますが」 「お前の知ったこっちゃねえよ。 邪魔だから消えろと言っている。 あまり俺に近づくと一緒に刺し殺しちまうかも知れないぜ」 「近づくなとはご挨拶ですね。 私の背中にべったりと張り付いていた者の言葉とは思えない」 「おかげで安物のハブ酒みてえな匂いが染み付いて取れねえ。 どうしてくれる?」 「――――安心するといい。 洗っていない犬の匂いしかしませんから、貴方は」 包囲の陣形を取りつつも唖然とするフェイトとシグナムを頭上に、彼らは思い出したかのように氷の殺気をぶつけ合う。 まるであの冬木の地で遭遇した時のように。 やはり彼らはサーヴァント……敵同士に他ならない。 「いいでしょう……私は私で好きに動かせてもらう。 死ぬのは構いませんが、せいぜいその御名に泥を塗らないように」 「名だぁ? 英雄みてえな口利いてんじゃねえよ化け物が―――さっさと行きな」 「ふん……」 槍兵と騎兵、まさかの決別。 短い会話がほどなく終わるのと戦況が動き出すのが―――同時だった! 「おおおおあぁぁあっっ!!!」 吼え狂う烈火が円を描く軌道から一転、高速で上空より飛来する。 「ハッハァ!!!」 瞬時に男が槍を翻して答える。 再び待ち望んだ瞬間に、歓喜に震える騎士と槍兵。 空を舞う猛禽と地を駆ける猛獣が再び相対し殺しあう。 そして騎兵は爆ぜるように後方へと飛び荒び―――― 再び、森の中へと消えていったのだった ―――――― 既に第二局は始まっていた。 滑空するシグナムが地上を駆けるランサーと再び邂逅する。 双方、決して浅くない傷を負っているのだが、手負いの獣は恐ろしいという格言通りか。 牙を剥き出しにして互いの喉笛を食い千切ろうと翻る肉体は見るものの心胆を凍えさせる。 だがそこに介入する魔導師一人。 金色の細い短剣のような形状を取る射撃魔法が将に先行するように飛来し、ランサーの身に降り注ぐ。 フェイトのプラズマランサーだ。 女剣士の周囲を守るように、いくつもの雷の矢が浮かんでいる。 将の周りに顕現し、並行して飛ぶ矢はまるで一糸乱れずシグナムの援護に回っている。 前衛の騎士を守る最強のオプションだ。 徐々に追い詰められる槍兵。 流石にこんな正確な狙撃を受けながら烈火の将と切り結ぶのは自殺行為。 打ち出される矢を叩き落しながら剣士の猛襲に合わせるように併走する男。 「……あの女はどうした?」 「さあな。 その辺でカエルでも丸呑みしてるんじゃねえか? まあ気にするこっちゃねえやな」 「ぬかせ! 伏兵のつもりか?」 「俺を前にして他に気を取られる余裕があるのかねっとッ!!」 その槍は淀みなく、その戦意に聊かの陰りも無い。 本当に……本当に単機でライトニングの隊長と副隊長を相手にするつもりなのか? 将の顔が侮蔑と屈辱に歪む。 「シグナム! 冷静に!」 「分かっている……奴がそうしたいなら、好きにさせておけば良い。」 シグナム個人の心情はともかく……管理局員として、ここで敵に付き合って一騎打ちを挑むなどという行為が出来る筈が無い。 個人の誇りよりも部隊の安全。 敵が一人になったならば好都合。 包囲殲滅するだけだ。 森に消えた女怪への警戒も新たに、地駆ける魔犬の掃討にかかるフェイトとシグナム。 紅と金色の閃光が今、堰を切ったように――― 蒼い男を挟み込むように切りかかった! ―――――― SIGNUM,s view ――― 「ぬううっ!!」 「らぁッッ!!」 曇天に私と奴の怒号が響き、レヴァンティンの灼熱の一撃を真っ向から打ち返すランサー。 一太刀ごとに大地を炎上させるほどの空襲をかけているのだが、対して奴は微塵の遅れも見せない。 「そこっ!」 そして私に一寸遅れ、影を重ねるように追随したテスタロッサの黄金のサイスが奴を襲う。 巨大なザンバーは連携には不向きゆえのサイスモード。 あいつの愛用の多種機能デバイスが術者の思考に応じて縦横無尽に振るわれる。 その炎と雷の刃を一身に受ける槍の男。 紅と金の魔力光にサンドイッチにされる形になっているにも関わらず 大人しくパンの具になるほど、この男は大人しくはなかった。 「くっ…!」 二人分の膂力を同時に受けながら、地に食んだ両足はまるで大木だ。 ビクともしない。 真紅の刃先で剣を、柄部分で鎌を受け止め、双方の接地部分からギャリギャリ、と歪な音が漏れている。 「むうっ!! りゃあ!!!」 すかさずランサー。 右足を軸に一回転し、横合いに薙いで二つの刃を受け流し、コマのように私達を弾き飛ばす。 バランスを崩したテスタロッサに先んじて踏み込み、叩きつける我が剛剣。 奴の額を真っ二つにする筈の刀身を、槍兵は刃先1ミリの域で後方に下がり、かわす。 一瞬遅れて対面、アッパースイングで振り上げられる相方の高速の鎌からの金の刃も最小限の軸移動で受け流す。 威力も太刀筋も速度も、属性すらも違う同時攻撃をここまで往なし受けるなど……教導隊の怪物並だな。 「さあ、もっとだ! 続けて来やがれッ!!」 乱舞する蒼い肢体。 駒のように絶え間なく回転し、穿ち来る槍。 時にはこちらを踏み台にして飛び退り、打ち合う衝撃すらも移動の推進力にして男は翻る。 爛々と光る魔獣の眼差しは何かを求め渇望し、駆け巡る姿は暴虐にして華麗の一言だった。 「ぐふっ!?」 いかん……一瞬の思考すら命取りだ。 奴の飛び蹴りが私の胸部に突き刺さる。 甲冑を抜くには至らないが、不意の事ゆえ踏ん張りが効かない。 6mほど後退させられる。 離れ際に合わせるべく蛇腹に変形したレヴァンティンを前方に放ち、敵を串刺しにしようと振り被るが…… 「なにっ!?」 もはや穿つ相手は正面にいない。 男は既に蹴りの反動で空に上がり、空中のテスタロッサを猛襲。 残像すら斬らせて貰えんか……! 蒼き閃光となって金髪の戦友に肉薄する真紅の魔槍。 「貰ったぜぇぇぇえぁぁッ!!!!!」 そのまま上空に向けて突きの弾幕を繰り出すランサー! 「こ、のぉ…ッッ!!!!!」 フル出力によるシールドを前面に展開し、黄金の盾が紅い五月雨を弾き返そうとする。 だが盾に突き立つ刺突は容赦なく容赦なく魔力壁を削り、掘り進み――― 「あっ!? くううう!!!」 バリアブレイク。 大きく後方に弾け飛ぶテスタロッサ。 一つ二つの突きならば受け止められただろうが、50の乱撃を同時に貰ってはいかなバリアとて崩壊せざるを得ない。 「シィィィ―――」 両側に押し返された我らを脇に見据え、静かに息吹。 美しい軌道で槍をバトンのように回し、ゆっくりと後方の腰元に回してその場に佇む男。 「つ、強い………手がつけられない! あの守りの固さは異常です!」 「異常というのは同意だ。 普通ではない相手という事は分かっている。」 分かってはいたのだが……しかし、これほどとはな…… こちらとて互いにSランクの称号を持つ機動6課ライトニングの隊長と副隊長だ。 それをたった一人でこうまで虚仮にする存在などあって良いものなのか? 動きが目に見えてよくなっていく。 まるで水を得た魚だ。 先にテスタロッサが言ったが、特筆すべきは鉄壁の防御。 後に知る――――槍のサーヴァントの真名。 生き残る事にかけては右に出るもののいないと言われた御業の片鱗を今、我々は垣間見ているわけか。 「ううっ!?」 対面にてかち合う槍と鎌。 テスタロッサの滑空にランサーが先回りして飛び掛る。 眉間を皮切りに、正中線に次々と穿たれる槍、実に五閃。 何とか身を捻り、体に穴を開けられるのを防いだ相棒だったが、その体の横を五つのレーザー光線のようなモノが通り過ぎる。 九死に一生、ぶわっと全身の毛穴が開く感覚だろう。 あいつの強張った顔が、その心情を物語る。 「油断するな! まだだっ!!!」 「は…! うぐっ!?」 短い悲鳴をあげるテスタロッサ。 突きから移行した薙ぎ払いが胴体に叩きつけられていたのだ。 「うおおおおりゃあああああああっ!!!」 獅子奮迅の怒号と共に長物を振り切り、テスタロッサを弾き飛ばす。 腰から不時着し、地面を滑るように転がって何とか体勢を立て直す戦友。 こほ、と嗚咽にむせび前方を見据える先で、今度は私と男が鍔迫り合い。 槍兵の横っ腹めがけて剣を叩きつける私をニィ、と歪な笑みと共に迎え撃つランサー…… こいつは私達を侮っているわけではない―――――― また現時点、自身の戦力がこちらに対し劣っている事も承知している。 それでいてこの戦いを、その身全体で楽しんでいるのだ………窮地さえも。 バトルマニアどころの騒ぎではない。 バトルジャンキーだな。 そんな男と心行くまで打ち合いたい……一人の騎士として一対一で。 そのような衝動に駆られつつ、私は任務を至上として剣を振るう。 ほとほと手を焼かされている事ばかりを述べているが、当然こちらが優勢である事に変わりは無い。 敵とて徐々にだが確実にこちらの刃を受けて傷ついている。 ほどなく決着はつくだろう。 このままいけば我らの勝ちは揺るがない。 ランサーよ……どうするつもりだ? ――――――――本当にこのまま意味も無く負けて終わるつもりか? ―――――― ―――――― サーヴァント・ランサーは歓喜する。 英霊の真名はクーフーリン。 クランの猛犬の異名を持つアイルランドの大英雄。 現代の世界史においてアーサー王やアレクサンダーのような世界に名を響かせるような威名はないものの 生涯を戦に生きた純一戦士である彼は軍神として、一地方においてまさに神の如き崇拝を集めていた。 祖国においてはあのアーサー王すら凌ぐ威名を誇るこの男もまた―――冬木の奇跡・聖杯戦争に召還されたサーヴァントの一人。 場所、時代を超えて一同に集い、最強の御名の下に戦う。 武と誇りを抱いて世界に名を刻んだ英霊にとって、それは祭……まさに夢のような舞台であった事だろう。 第五次聖杯戦争に招聘され、まだ見ぬ最強を相手に槍を震える喜びに胸躍っていたランサー。 ――― だがしかし、彼を待っていた運命は過酷極まりないものだった ――― 「――――パゼット……ッ!」 「間抜けなサーヴァントの到着か。 遅かったな……もはやお前は私の飼い犬だ」 黒衣の神父が光の灯さぬ双眸を向け、腕に宿った令呪を彼に見せて言う。 薄気味の悪い相手なのは理解していたのに、マスターの気の許した相手だと油断したのが悪かった。 口煩いのが玉に傷だが、心通わせられるパートナーに巡りあえた事を感謝した矢先…… そのドブのような目をした男にマスター、パゼットフラガマクレミッツは倒された。 令呪を剥ぎ取られ、男は主を護れないままに自身を奪われる事となったのだ。 その後の彼の聖杯戦争は語るも惨々、見るも無残の一言。 ろくに全力で戦うことも適わず、主の仇を討つ事も役目を果たす事も出来ずに 彼の戦いは、光り輝く生涯の名にそぐわぬ幕を引く結果に終わったのである。 「ついてねえなぁ………パゼット―――仇くらいは討ってやりたかったが…」 果てる寸前、眉をしかめて小言を飛ばす女マスターの顔が浮かぶ。 生前、死す時までついには己の信条を全うしてきた英霊にとって 何も為せずに終わった此度の戦争の無念はいかばかりのものか。 常に戦の先頭を駆け抜け、満ち足りた生涯を送ってきた男は、何も残せずに―――その戦いは終焉を迎えた もし次があるなら……その時は全力で戦りてえものだぜ――― ―――――既に叶う事のない、ただ一つの未練を遺して ―――――― LANCER,s view ――― 「記憶」が所々、断片的に残っている違和感がある。 その鬱陶しい違和感は何故か霞がかっていて、深く考えようとすると思考が強制的に閉じちまいそうになる。 だから今は考えるのを止めた。 何せ勿体ねえ。 これほどの戦。これほどの敵。 楽しまなきゃ損ってもんだ。 やはり足手纏いがいないと体が軽い。 戦況はちいとばかし不利な方がノリも良い。 いつもの俺……紛う事なく、いつもの戦だ。 それにあのクソ神父に処された楔の制約が薄く感じられる。 震える魂、力が止め処なく溢れてくる。 確か一度目に見えた敵とは全力で戦えないのではなかったか? ええい、どうでもいい……何もかんも、どうでもいい! 今はただ戦え、闘え、と! 前回の分まで闘えと! 俺の中の獣性がその肉体を突き動かすのだ!! 「ち、ぃ!」 奴らは強え。 二対一とはいえ、もう少し何とかなるかと思ったが…… 攻、防、機動力全てにおいて抜かりがねえ。 連携の精度も、付け焼刃のそれとは一線を隔す。 強引に捻じ込み、宝具で一人減らす―――まずはそれをしなけりゃ始まらないんだが、その行程の見込みすらつかねえ状態だ。 両脇に打ち込まれる雷の矢に軸移動を封じられ、剣士の渾身の一振りをまともに受ける羽目になる。 両足が膝下まで地面にめり込む。 その両の足を、これまた執拗に狙う金髪のお嬢ちゃん。 息も付かせねえとはこの事か! 「よいしょっとぉ!!」 全身のバネで埋まった両足を引っこ抜き、アスファルトを撒き散らしながら豪快に跳躍する俺。 だが、そこに打ち落とされる嬢ちゃんの斬戟も先ほどまでとは明らかに勢いが違う。 今まで俺は、俗に言う「多人数故の隙」を巧みに突いて相手に拮抗させてきた。 連携であるが故に、意思の疎通が遅れる「群」だからこそ生じる隙。 それは「個」が大兵力を相手に戦う際に有利に働くほぼ唯一の利点だ。 偏に、他者と自分の思考のズレ、タイムラグ―――意思疎通の困難さに起因する。 一瞬の目配せ。 一方が崩された時に生ずるもう一方の焦燥。 フォローしようとする時の理想のラインから外れた余分な動き。 それらのノイズが個々を100%の挙動から遠ざけ、そこを的確に突いていくのが単騎駆けの基本だ。 まあ簡単に言っちまえば、1+1を2にさせないという事なんだが…… だが、それに対して心の通じ合ったベストパートナーは1+1を5にも10にもしてくる。 黄金の連携は互いの覚悟と信頼がそれを完璧なものへと近づけ、子供騙しなど通用しない域へとその精度を誘っていく。 良いコンビだぜ……一年二年やそこらの付き合いじゃねえな、あれは。 「おぉりゃっ!!!」 頭上を通り過ぎた金髪の背中に今一度、跳躍して襲い掛かる俺。 飛ぶ鳥を堕とさんと繰り出された渾身の一刺しが、嬢ちゃんの脊椎を貫き通そうと迫るが、瞬間――― 「ソニックムーブ!」 背中を隠す白いマントまでが、一瞬でこの視界から掻き消えやがった! しかも野郎…………こりゃ、誘いだ! 間抜けにも二対の猛禽相手に宙に浮かび上がった俺の体は、さぞかし手頃な獲物に見えただろう。 左右から同時に迫る羽持つ者ども。 やべえ! 不安定な空中で受身を取る俺。 「ぐ、ぬうっ!!!!」 中空へと舞い踊る肢体。 エアハイクが終わるまで数秒。 しかしてそれはコンマの位を奪い合う戦場においては気の遠くなるほどに長い時間だ。 餌に釣られた魚が無様に晒した横っ腹。 飛来する猛禽の爪を、牙をただ黙って貰い続けるサービスタイムの始まり始まりってか。 「「ブレイクッッ!!」」 共に吼え来る炎と稲妻。 中心に位置する俺に対し、刻み込むようなクロスラインを描く。 何度も何度も、獲物……即ち俺が地に落ちるまで、何度も描く。 ギィン、! ギィン、!という炸裂音が間断なく響き渡り、その度に槍の防御で殺しきれぬ衝撃で肉体が弾け 飛び、のけぞり、中空できりもみしながら地面に向かって堕ちていく体。 「はおっ……ッ!」 そのまま受身も取れずにコンクリの地面に盛大に落下したとさ。 くそ………みっともねえ……… 何かが潰れるような鈍い音と共に叩きつけられた肉体は、瞬く間にボロ雑巾の如し。 「こりゃ、次からは迂闊に跳べねえな……」 負傷した側頭部からどろりと流れる赤い液体をペロリと舐め、大地に突き立つ槍を抜き放ち憤然と構える。 「降伏する気はないか」 「当たり前だろうが」 「貴女に勝機は無い! 無駄な抵抗は……」 「せっかく掴んだ好機をお喋りでフイにする気かい? 良いところなんだ……さっさとかかって来な」 「…………っ!」 唇を噛んで憤慨する金髪の嬢ちゃん。 相変わらず、無為な流血は好まんか? お優しいこった……確かに言う通り、まともにやってたら俺の勝機はほぼゼロだ。 故にそろそろ――――――勝負に出る時。 もう少しだ………もう少しで全部、読める。 こっちだって、ただやられるために出て来たわけじゃねえんだ。 身を斬られるも、骨を削られるのも全て勝利のために。 切り札は―――未だこの手の内にある。 一糸乱れぬが故に規則正しい奴らの軌道。 それは弛まぬ修練の賜物だろう。 だが、だからこそ、乱れぬからこそ読める。 二人が重なる軌道………必ず訪れるコンマ一秒以下の必勝の機会は――――確かに存在した。 ―――――――――そこに「こいつ」をブチ込んでやる。 右手に構えた槍を片手に携え、投擲の体勢に入る。 打ち込まれた刃の痛みを燃料に変え、いよいよ持って覚悟を決める。 乗るか反るかの一発勝負。 肌がチリチリしてきやがった。 こういう空気は良い……実に良い。 これぞ戦の醍醐味だぜ! 左手を前方に、指を立てて添える。 それは現代の狙撃手が相手に定める照準のようなもの。 狙いはただ一つ。 相手の空中での軌道、炎と雷が交わり重なる瞬間――― 「狙い撃ちだ………心躍るじゃねえか。 久しぶりに熱くなってきたぜぇ!」 我が意思を受けて、真紅の槍が再び吼える。 二敵を射抜く確率は針の穴を通すが如く。 だからこそ、それを為すのが無双の英霊の証明に他ならない。 猛犬の切り札を、再び轟の一文字を以って起動させる。 ―――空気がざわつく。 打ち合いを避けて距離を計る俺と、高速で旋回し虎視眈々と止めを刺そうと迫る相手。 共に激しい動きにて相手を牽制し、その機会を待つ。 地を蹴る音、空を裂く音だけが場に響き、静寂とは程遠い戦場の、場の空気だけが静まり返っていく。 それはどちらが先に必殺の牙を叩き込むかに息を呑む場の空気の緊張の高まりだろう。 共に止めの図式の見えたこの勝負……あとは幕を引くだけか。 名残惜しいが、双方がその思考に達した今―――決着の刻を遅らせるクロノスの神などもはや無力の長物。 「行くぜ…………」 上空にて炎熱と春雷が同時に飛来し、目も眩むような速度で飛び交い、的を散らしながらに迫り来る。 その軌道の―――刹那とすら言い難い接点を今…… ――― 突き穿つ ・・・ ――― ゲ イ ・ ―――――― 戦場が終局を迎えようとする。 後はどちらかの躯が場に横たわるのみ。 そんな未来の光景を幻視させる、今まさに決着がつくその時―――― ―――――――異変は起きた。 三者が予想だにせぬ、世界を覆う鮮血の帳――――― 「あ………ッ、ううっ!!??」 紅い呪縛に先ず犯されたのがフェイト。 流星の尾のような金色の魔力を引きながらランサーに突っ込んだ、その勢いのままに 彼女は空中で急激に姿勢を崩し、つんのめって地面に墜落した。 「な、なにっ…!?」 彼女の後方、シグナムが声を詰まらせる。 しかしてその異変はすぐに女剣士の身体をも侵食。 突如、足に重りを付けられた鳥のようにゆっくりと空より堕ちゆく。 ――― 血の様な一面の赤に彩られたセカイ ――― 重くヤスリのように絡み付いてくる毒々しい空気。 それに触れているだけで、まるで肌を焼かれるような感覚に襲われる。 AMF……魔導士殺し―――アンチ・マギリンク・フィールドの発動を初めは疑った二人。 だが、だが、この禍々しい瘴気に満ちた空間は魔力を減退させるとかそんなレベルの話ではない。 まるで魔力はおろか本体すらも溶かし尽くす炉心の中に放り込まれたかのよう―――― フェイトが寒さに震えるように両肩を抱きしめて地に倒れ付す。 シグナムが焼けるような熱さに喉を焼かれて苦悶の呻きを上げる。 そんな中―――― 「あの野郎……………」 「コレ」の正体にいち早く気づいたランサーが獰猛な唸り声を上げ、自身の頭上にある木々の闇を見据えて叫ぶ。 「ライダーッ!!!!」 視線の先――― 木々の間に、腰まで伸びる長髪をなびかせて立つ彼女に向かって――― 前 目次 次