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「祭礼と世間」 論文内容 一 塩竈神社の帆手祭──「神輿荒れの騒動」神輿と警察の衝突 明治以降、町村の祭礼行列の警護 警固の役→警察 日本銀行の「祭礼入費」 二~四 神輿舁きの悪意=前代の社会生活から存在 私怨か公怨か 塩竈様=氏子の思想統一に厳しい神 ザツトナ:正月十五日の晩、小児が各家を罵倒しながら町内を廻る 諸国の「公の罵倒式」の類例 京・祇園社 :十二月晦日深夜、参詣人同士が暗がりで 近江・多賀神社:「をけら詣り」除夜の晩 千葉(市?) 千葉寺・南葛飾郡千葉村:「千葉笑ひ」十二月晦日の晩 千住二丁目:正月十五日、宴席で罵倒し合う 紀州有田郡の山村:「御田踊り」見物人が踊り手を罵倒──秋の収穫云々 ザツトナに携わるもの=小児 正月十五日=子供を重んずる日 ・道路に立ち塞がり物をねだる ・夜分人家の門を叩き、餅や銭紙を貰いまわる ・花嫁の尻を打つ 越後の狐:先年の白狐が毎年一定日に、悪行を罵る 琉球:神が従属と山・海から現れ、王家の庭で終日舞う 五~六 神輿の社会上の地位 神輿=神が乗る 御旅所=神の選んだ祭場→祭場へ至る道筋も同様 武州栗橋:(牛頭)天王の神輿を鯉と泥亀がもたらしたという言い伝え =神の思召によって祭らるべき地に祭られた 神体漂着の縁起 仏閣でも武州浅草の観世音の例⇔しかし、国産と輸入の違い有りか 輸入──信心又は福分ある個人が稀有に発見=個人本位 国産──箱其他の器に乗って漂蕩して自ら来る。到着地が奉祀の地=土地本位 cf. 神体飛来(熊野権現)・神体盗み(道禄神=利益増大) 七~九 神幸中止──豊後由須原の八幡(=柞原八幡宮)の社伝 キリシタン大名大友宗麟と在地宗教勢力の争い 神輿の他軽重の変化するもの──越後南蒲原郡大崎村小布施神社の天降石=石卜の一種 神による移転地選定 神の入った厨子・笈、神体の弓が重くなり、その場に祀る ex.羽前鶴岡天神町の天神・江州堅田浦の走湯権現・大隈国安楽温泉の熊野権現・出雲の塩冶比古神社 十~十三 石占 相模海老名地方の某社──五月五日の祭の日、塚から丸石が現れる→神輿に入れると重量増加 神社の正体に天然の丸石──甲州各街道の道祖神(サヘノカミ)も同様=中世以来の石神 「石神」→「石を管理する神が居る」という思想の転化。「卜ひ石」「伺ひ石」など =「神体」と「神宝」の区別の困難さ 阿波国・阿波井大明神の伺ひ石 石占を管理する神嫗──後継を石占で決定 東京池袋村の百五十年ほど前に流行った天神様 後廃れて、試し石は庭先に →社寺境内にある力石の類は石占の形式的な遺物 相州大磯の虎子石=石占のバリエーションの一つ その他、奥州の古い田歌・吉野のオイトシボ石・甲州勝沼の「さすり地蔵」 十四~十五 神輿を舁く者の選定 甲:神人と称する特殊の部曲から。ex.祇園の犬神人、又弦指・弦女曾(ツルメソ)、駕輿丁 乙:一定の規則で氏子から舁き手を選出。若い男子が基本──塩竈神社はこちらのケース 若衆制度 十五歳(元服)から加入。三年乃至五年間──神輿舁きはこの短く限られた期間 「年ばえ」:最後の一又は二年の年長の若衆。さらにその後一箇年を「中老」 村の生活=若い衆が思想の中堅 童児→大人=誕生よりも重大な宗教上の事件 教育の統一=若者入り 若者宿での共同生活 →共同体における強固な習慣の統一 十六 神輿の行動=神意かつ民意 神酒の役割=神との仲介=託宣。人を霊媒にする →神酒の製造=巫女 【補足】 ■祭礼と祭の相違 (「日本の祭」(初出:昭和17年)より) 祭礼=祭の一種、見物の集まってくる祭? 神輿の渡御+行列(風流)=神の祭場への降臨 諸国でも飾り御輿を用いるようになったのは近世以降 見物する群の発生 =信仰者でない人の参加 夜通しの奉仕が古い祭の式=「日本の祭」……夕御饌・朝御饌 参る=元来は「籠る」 ↓ 日中屋外の所作の増加・重視 夏の祭の増加 =「祭」→「祭礼」への推移 ■塩竈神社(宮城県塩竈市) 奥州一宮 祭神:盬土老翁神【シオツチオヂノカミ】(別称:塩椎神・塩筒老翁神・事勝国長狭神) 製塩・漁業を伝えた神、航海、出産の神 出典:「塩竈神社」公式サイト〔http //www.siogamajinja.or.jp〕 ■神輿の成立 ・形式の成立は不明。有力説として天平勝宝四年(725)東大寺大仏開眼供養の折、宇佐八幡大神を迎えるに際し紫色の輦輿(天王輦)を用いたことに始まるとするもの(西角井 1985) ・但し、この時の「神輿」には神体ではなく、宇佐八幡の憑依した女禰宜が乗っていたという見解もある(飯沼 1996) ・仏具由来説もあり(小沢宏之『江戸神輿』1981──西角井著書の中で言及) 西角井正大『民俗民芸双書99 祭礼と風流』岩崎美術社,1985. 飯沼賢司「八幡神と神輿の成立──宇佐宮の女禰宜と「御験」(みしるし)の関係──」 『歴史評論』№550,歴史科学協議会,1996. ■公の罵倒式 ・「千葉笑ひ」について、折口信夫は「ほかひゞと」=「正月に主として出て来て祝言を述べて廻る人々」の一種としている 「年中行事」『折口信夫全集 第十五巻 民俗学篇Ⅰ』中央公論社,1976(初出:昭和七―五年) ■若者連 ・脱退年齢は、30歳(長野県北佐久郡)、35歳(宮城県黒川郡宮床村大字小野)、40歳(茨城県久慈郡幸久村大字上河合)など様々。 脱退については年齢に関わらず、妻帯した時点で脱退という事例もある。 若者連に入るのは長男のみ、また他村からの入婿に限り2年延長という事例あり(茨城県久慈郡幸久村大字上河合) 中山太郎『増補 日本若者史』パルトス社,1983(初出:春陽堂,1930)
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鶴岡八幡神社祭礼 屋台名 奉納番号 初奉納 階・塗り 彫り 屋根の色 高覧幕 台輪幕 隅提灯 変遷 法被 縮小画像 特徴・その他 ご神輿 江戸中期 親善会 一番平成3年 2段・白木 蛭子より。旧屋台は現北条西 三津屋 二番 2段・白木 上小川より 旧屋台は現三津屋御神楽 北條南 三番平成5年2段・白木 上の浦より 北條新田 五番平成6年 3段・白木 足立の庄より 睦会 六番 2段・白木 尾土居より 北條西 七番平成10年2段・白木 大久保→親善会より ゑびす会 八番平成10年2段・黒塗 旧新兵衛 三津屋御神楽 土居→三津屋として奉納→御神楽として奉納| 保内八幡神社祭礼 屋台名 初奉納 階・塗り 彫り 屋根の色 高覧幕 台輪幕 隅提灯 変遷 法被 縮小画像 特徴・その他 ご神輿 江戸中期 本町 3段・黒塗 本友会 2段・白木 花鳥 清水町 栄町 平成22年2段・白木 三国志 北川 三保神社祭礼(小松三嶋神社) 屋台名 初奉納 階・塗り 彫り 屋根の色 高覧幕 台輪幕 隅提灯 変遷 法被 縮小画像 特徴・その他 ご神輿 江戸中期 今在家 平成11年 2段・白木太閤記 氷見朝日町 五所神社祭礼 屋台名 初奉納 階・塗り 彫り 屋根の色 高覧幕 台輪幕 隅提灯 変遷 法被 縮小画像 特徴・その他 ご神輿 江戸中期 廣江 平成17年 2段・白木源平合戦 西新町 徳威神社祭礼 屋台名 初奉納 階・塗り 彫り 屋根の色 高覧幕 台輪幕 隅提灯 変遷 法被 縮小画像 特徴・その他 ご神輿 江戸中期 吉田 平成19年 2段・白木源平合戦 赤 赤 川沿町 石田 平成25年2段・白木 紫 赤 八丁 柳森神社祭礼 屋台名 初奉納 階・塗り 彫り 屋根の色 高覧幕 台輪幕 隅提灯 変遷 法被 縮小画像 特徴・その他 ご神輿 江戸中期 明理川あかりがわ 平成20年 2段・黒塗太閤記紺 朱地に金刺繍で左三つ巴一つ 濃紺と白の縦縞 白地に黒字であ加理○和、○は変体仮名、裏は朱で左三つ巴 都町 黒地の金刺繍で縦に行書で明理川・紺地に白抜きで丸にデザイン文字で明理川 御幣、破風鳳凰
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【巫神話】 【浜のけんか祭】 【たけきの藩の祭前】 【巫連盟の祭前】 【神輿出陣】 【祭の裏方達】 【祭の観客達】 【神輿のかき手達】 【浜漢への道】 【祭の終わり】 【巫神話】 水名潟(みなかた)はたいそうな力持ちだった 彼は村一番の力持ちと自負していたし、誰もがそれを認め、そして恐れていた ある日、巳火槌(みかづち)という名の旅人が村にやって来た 彼はとても小柄で、水名潟の半分ほどの大きさだった 彼は村をたいそう気に入り、そこに家を建てて生活を始めた そんな巳火槌にむかって水名潟はこう言った この村に住むのなら俺の言う通りにしろ、と 巳火槌はしばらく考え、そして答えた それでは力比べをしよう もしも負けたら従おう、けれど勝ったらお前が従え 水名潟は大きな声で笑って、いいだろう、と答えた その返答に、巳火槌は小さく微笑んだ ※※※※※※※ ※※※※※※※ 褌は男の正装!! ある祭参加者の言葉 ※※※※※※※ ※※※※※※※ 次の派生SS → 浜のけんか祭 → 漢達の序曲 【浜のけんか祭】 有馬信乃は、今日も神主との打ち合わせで白浜宮神社を訪れていた。ほぼ毎日、かれこれ二週間ぐらいになるだろうか。他の仕事も抱えながらでの祭の打ち合わせであるため、どうしても多くの時間をとれず、こうして回数を小分けにして進めていくしかない。 さて、あとは参加者の最終調整くらいかな。 手にした書類をぱらぱらとめくりながら今後の予定を考え、みたらし団子茶房<巫>に向けて足を進めた。 「信乃さん」 白浜宮神社の鳥居を抜けて少し歩いたところで、信乃を呼び止める声がした。声の方に目を向けると、そこにはボロマールがこちらに向かって手を振っていた。 「おや、ボロマールさんじゃないですか。こんにちわ」 たけきの藩国民であるはずの彼だが、最近、巫連盟の方へ遊びにいることが多い。よほどこの国が好きなのか、それとも別の用件のためか、どちらでも良いことではあるが、いくら仕事の忙しい時でもこうして友と会うことは嫌いではない。 「これから団子でも食べようかと思っているんですが、良かったら一緒にどうです?」 「いいですね。僕も信乃さんにお話があったとこなんですよ」 「僕に? どのようなご用件で?」 「まあそれは団子でも食べながら、ということで」 ボロマールは1カートンの煙草を取り出して、笑みを浮かべた。 「これ、お土産です。よかったら吸ってください」 摂政、七比良鸚哥の体調はここのところ芳しくはない。それでも今日も書類の束と格闘していた。普段から仕事熱心であることは皆の知るところであるが、ここ数日はいつも以上に仕事に打ち込んでいた。その結果体調を崩しているわけであるが、それでも彼は仕事を止めない。ある時は布団の中で、ある時はドラッカーに薬物を借りながら、寝る間も惜しんで仕事を片付けていった。 全ては祭のために! 休養を勧めるメイド達に対しての返答はこの一言のみであった。 彼のやっている仕事が祭の準備というわけではない。祭に参加するために休暇を申請しようと、前倒しで仕事をしているのだ。摂政と言う仕事は藩国内だけでなく藩国外からの仕事も有しているため、年中無休と言っても良い。ところが鸚哥はこの祭の日だけは毎年休暇を申請している。いや、この祭以外に休みは取っていないとも言える。一週間ほどの長期休暇を申請し、本番に向けての特訓を行うほどの気合いの入れ様なのだ。 今年こそ、今年こそ! 鬼のような形相で、彼は仕事を片付けていった。 「こんな感じで良いかな」 雹は最後の神輿を見上げながら呟いた。これで今年参戦する神輿八台を全て作り終えたことになる。 神輿をぶつけ合うという性質上、各村ごとに神輿を製作するとどうしても公平さにかけてしまう。そのため神輿の基礎部分は全て藩国の方で作り、飾り付けなどを村ごとで自由に行なわせている。雹は今年の神輿製作責任者に任命されていた。 「雹様〜」神輿製作組の一人が、雹の元へ走ってやってきた。「有馬様から、もう一台神輿を追加して欲しいとの注文が入りました」 「えぇ〜、何でまた?」 「それがですね……、国外からの参加者が予想以上に多いので、作って欲しいとのことでして……」 確かに今年は国外参加者が例年よりも多いとの話は雹の耳にも届いていた。経緯のほどは定かではないが、ここ最近帝国内で和装が流行りとなっていることの影響ではないだろうか、と以前に信乃が言っていたことを思い出した。 「ふむ、そういうことならしょうがないなぁ。まあ、材料も余裕はあるし、すぐに取りかかるとしようか」 雹は道具箱からのこぎりと金槌をとり出して、木材置き場の方へ向かおうとした。 「あ、お待ち下さい。じつはもう一つ、これを有馬様から受け取って参りまして」 そう言って雹に一枚の紙を手渡した。 雹はそれにじっくりと目を通す。 「この通りに作れ、と?」 「はい。何でもその神輿を担ぐのは特別な人ばかりだから、とのことです」 雹が手にした信乃の紙、そこには保育園児のような絵で神輿の設計図が描かれていた。 団子屋が一年で最も忙しい日はたいてい月見の時期である。ところが、みたらし団子茶房<巫>では少し異なる。というのも店主、柊久音が政庁勤め、店員の大半が見習いメイド達、という事情もあって、国事として行われる祭の無料配布飲食物を一手に取り仕切っているため、現在、けんか祭に向けての団子製作が通常業務の傍らで行われていた。 おかげで、いつも以上にみたらしのたれの香りが店の外にまで広がり、客足が増えて忙しさが増すという歓迎すべき悪循環が起こっている。 「ほらほら、手休めたあかんよ。今年は予想参加者がごっつ多いからね。国外からもぎょうさん来るみたいやし、いっぱい配って<巫>の名を帝国一にできるように頑張ろう」 今日何百個目かの団子を握りながら久音がはっぱをかけると、はい、と爽やかな返事が返ってくる。まだまだ皆気力は十分のようだ。 国境付近にさちひこはやって来た。後に数人の供を従えて。 「国王、この建国で多忙な時期に国を空けることはあまり感心できませんがね」 声をかけてきた側近らしき男に顔を向け、そしてにやっと口の端をあげた。 「つまらんことを言うなよ。立国申請の済んでいない現状、俺はまだこの国の民なんだからな」 「ですが、戦火に晒されていると言うわけでもなく、たかがお祭りごときで……」 続く言葉を、さちひこは手をあげて止めた。 「国の礎は民だ。戦火から守ってやることも大事かもしれないが、日常の生活を笑顔で暮らせるようにしてやることの方が大事だと思わないか?」 「そうかもしれませんが、何も国王になろうというお方がなさらなくとも」 「国王だからこそするのさ」 そう言ってさちひこは町の方へと向かって歩き出した。 お待ち下さい、と言いながらも、従って来た者達がさちひこを追いかける。 「せっかくの祭なんだ。賑やかしは一人でも多い方が良いだろ」 あすふぃこは国境警備隊のほぼ全員を引き連れて、堀の外へと戻ってきた。 「明日からの祭、参加したい者は行って良い。三日間の休暇を与えよう」 後につづく隊員に振り返って大きな声で言った。そして、あすふぃこ自身はまた国境警備隊詰め所に向かって足を進めた。 「ちょ、ちょっとお待ち下さい。あすふぃこ様は参加なさらないんですか?」 あすふぃこは何を言っているのか、と考え込むように首をかしげた。 「私は男じゃないからな。特にこの祭へ参加したいとも思わないよ。それに……」 そう、こんな時でも敵は待ってはくれないのだ。国中が浮かれているいま、それを守る者だって必要なのだ。 しかし、あすふぃこはそのことは口にはしなかった。 警備隊の者達だって、祭に参加したいだろう。そんなことを口にしてしまえば、おそらく彼らはまた警備の方へ戻ってしまう。だから何も告げずに、自分だけで戻ろうと考えた。 「俺達も戻ります!」 隊員達は誰一人として街の中へは入らなかった。 来た時と同じように、あすふぃこを先頭にして国境へと向かって帰っていった。 そこが我が家であるかのように。 神聖巫連盟において、他国からの来客はほとんどない。小国である巫はこちらから出向くことの方が多いくらいだ。だがこの日は違っていた、珍しくたけきの藩国から、なんとたけきのこ藩王自らが赴いていたのだ。ただ用件と言っても公務ではない。一般的にはお忍びと言われる部類である。なので公式の待遇はとられず、みぽりんと藻女の二人が彼女のお相手することになった。 宮廷官達の寮の一室、そこにある茶室において三人は午後の茶席を設けていた。 「このような時期においでになるなんて。何かございましたか?」 「いえ、そう言うわけではありません。気晴らし、とでも言いましょうか……」 「気晴らしならFVBの方がよろしいんじゃないですかあ? あちらの方がいっぱいいろんなものがありますよ?」 「ええ、そうなんですがね。ただ、うちの国民達が、巫で祭がどうとか、話をしておりましたので、他国にまで名を轟かすようなお祭りでしたら少し行ってみようかと思いましたの」 「ええ、もうすぐ五穀豊穣祈願の祭があるんです。そのせいか、摂政なんかいつもの三倍は働いてるのよ。ねぇ、みぽりん」 「そうですよ。近づくのも怖いくらいに……がくがくぶるぶる」 みぽりんは何かを思い出したのか、いまにも泣き出しそうに顔をくしゃくしゃに歪めていた。 「へー、あの七比良さんが、ねぇ……」 どうやらたけきのこにはそんな鸚哥の姿は想像できないようだった。 こんこと霞月は、たけきのこの供をして神聖巫連盟にやって来た。自分たちの国からあまり出たことのない二人には、巫連盟の全てが目新しく、そして面白かった。否、普段の生活を見ているだけであれば、そこまでの興味は抱かなかったかもしれない。祭が近いせいか、街中がとても活気に溢れていて、いたるところでとんてんかんかんと屋台や催し物会場が組み上げられている。 「こんこさん、屋台や舞台が作られているのはわかるんですけど、なんで柵や壁までつくられてるんでしょうね?」 まるで戦争でも始まるかのように、建物の周囲には柵や防護壁のようなものが作られていた。しかもそれらを組んでいるのは役人のようで、戦場で陣地作成なんかをやっていたのを見かけたこともある。 「神輿をぶつけ合うって言ってたからなぁ。あれくらいのことをしないと、建物なんか簡単に壊せるほど、きっと盛大なものなんじゃないかな」 それぞれの思惑を胸に秘め、けんか祭の日は一歩一歩迫っていた。 次の派生SS → 漢達の序曲 → たけきの藩の祭前 → 巫連盟の祭前 【たけきの藩の祭前】 「ふー、たまにはこういう祭もいいものね」 お供にこんこ、霞月を従えて、たけきのこが先頭を歩く。 祭の前日だと言うのに大通りにはたくさんの屋台が並び、変わって通常営業を行っている店はほとんどない。国全体がほぼお祭仕様に生まれ変わっている。たけきのこは、ほんの数ヶ月前に行われた自国の祭、たけきのこ祭を思い出した。 あの祭はとても面白かったし、うちの方が楽しかったと胸を張って言えるが、いかんせん自国では、誰もが自分のことを知っている。三歩歩けば、あらあらたけきのこちゃん、と近所のおばさんがよってきて、十歩も歩けば人だかりができる。それはそれで嬉しい限りだが、こうして思うままにふらふらとあちこち行けることもまた面白い。自国ではできぬ楽しみである。 「そう言えば、ボロマさんの姿が見えないけど、どこに行ったのかしら?」 「さあ、何も聞いてませんが……、こんこさんは知ってます?」 「さて、どこに行ったやら。ですが、この国には友達が多いようですから、その方々の元へ行かれたんじゃないでしょうか」 「ふーん、そっか」 彼は彼で楽しんでいるようなら、それも良いだろう。そう考えることにして、たけきのこはあちこちの屋台に突撃をかけることにした。 「どうぞお受け取り下さい、ボロマールさん。なかなか良い褌でしょ」 自慢げに笑いながら、信乃はボロマールにきれいにたたまれた布を手渡した。 「どれどれ」 ボロマールはそれを手にとって広げ、鑑定士のように目を凝らしながら、時には布を引っ張ったり丸めたりして、褌を眺めた。 「確かにこれは良い。さすが巫の褌だ」 「いえいえ、恐れ入ります」恐縮して信乃は頭を下げる。 「いえ、お世辞ではありませんよ。しかしよろしいのですか? こんな上等な褌を無料配布するなんて」 「ははは、しょせん褌ですからね。それにこれは参加者の証でもありますから。できれば記念に残るようなものに、と思いまして。よその国ではてぃしゃつやら、すたっふじゃんぱあやらを作られるでしょ。それと同じようなものですよ。と言っても、他国の方では日常に褌を着用することなんてないでしょうから、あまり喜んで頂けないかもしれませんね」と言って、申し訳無さそうな顔で苦笑した。 「ふむ、しかし……、これは、良い褌だ」 ボロマールは目を爛々と輝かせて、褌に見入っている。 褌には赤い布地で、中央には「甲」の文字が黒で描かれている。布地の色と文字によって神輿の分担地区ごとに分かれている。赤は他国参加者で、甲の字は一組目という意味である。そんな説明を信乃はしていたが、ボロマールの耳には届いていないようにも見える。 「そうそう、それからこれが当日の参加者集合場所と時間、それから諸注意を書いたものになります。くれぐれも、集合場所は間違えないようにしてくださいね。色々と危険がありますから」 「ほうほう、なるほど。しかし危険とはいったい?」 「まあ、いろいろとね。あるんですよ、この祭には……」 ぷかりと煙草の煙をふかし、信乃は遠くを見るように視線をそらした。 「ただいまですー」 信乃と団子屋での面会を終えたボロマールは、たけきの藩宿舎に戻ってきた。 「あ、ボロマさん。お帰りなさい」 「お帰りなさい」 「あれ、お二人だけですか?」 部屋にいたのはこんこと霞月だけで、たけきのこの姿は見当たらなかった。 「ええ、藩王様は藻女様の元へ遊びに行かれてます」 「そうですか。まあ、いいや。そんなことより……どうです、これ!」 ボロマールは懐から赤い褌を取り出した。 「ボ、ボロマさん……、それは……」 「さすがに他国でそれは、ちょっとまずいんじゃ……」 こんこと霞月の二人は顔を凍らせている。 「ははは、そうじゃありませんよ。この褌は明日、祭の神輿担ぎに参加するものに配布される褌ですよ。どうです、お二人も神輿担ぎに参加しませんか?」 ああ、なるほど、と二人は納得し、安堵の息を漏らした。 「ん〜、面白そうですけどパスします」霞月はやんわりとした口調で断る。 「俺は……、せっかくの祭だし、参加できるなら担いでみようかな」こんこは乗り気のようだ。 「じゃあこれはこんこさんにお渡ししましょう」 ボロマールはついさっき信乃から貰った褌を当日の概要が書かれた紙と一緒に、こんこに手渡した。 「え、これはボロマさんの分じゃないの?」 「いや、僕の分は別にあるから心配ご無用です」 次の派生SS → 漢達の前奏曲 → 巫連盟の祭前 → 神輿出陣 【巫連盟の祭前】 祭の前日だと言うのに、政庁の中はてんやわんやになっていた。一部の女官達にとっては例年のことなので慌てたりすることもないが、新人や中堅手前の若手女官達はぎゃあぎゃあと不満をまき散らしながらも、次々に仕事をこなしていく。 毎年祭の一週間くらい前から徐々に男性職員は休暇をとりはじめ、前日ともなれば、九割近くの男性職員は政庁から姿を消してしまう。残っているのはひ弱か、エリートのみでおいそれと手伝いなど頼むのは気が引けるような男達ばかりだ。そのため女性職員にとっては一年で最も過酷な一週間となる。 「ふえええ、ふええええ、仕事がぁ、仕事が、襲ってくるです〜〜〜!!」 と言うような、錯乱一歩手前とも取れる叫び声が、政庁のあちこちからあがっていた。 完成はしたが、本当にこれで良いんだろうか? 雹は信乃特注の神輿を眺めながら首を捻った。 他の神輿よりも一回り以上を大きく、しかも神輿内の空洞部分がやたらと広い。特別、というからこれで良いのかもしれないが、この神輿はあきらかに他の神輿よりも強度がなかった。もって二戦というところだろう。どう考えても境内戦まで辿り着けるとは思えない。 しばらくの間雹は頭を悩ませた。そして、 ——よし、もう少しだけ補強しておこう。 そう結論をだして、工具をとって改良を始めた。 信乃さんは文族だからな。きっと強度計算を間違えたのかもしれない。 厨房は戦場である。武官であるはずのメイド達が<巫>で研修を受けるのは、ここがもっとも激戦区だからかもしれない。……、んなわけはない。 だが、その忙しさ、気の抜けなさ、それはまさしく戦地での状況と似通っていることだけは確かである、祭前の<巫>に置いては。 司令官、もとい、団子屋店主、久音も最前線である竃の前に立ち、味の決め手となるたれの製作を引き受けていた。 「店長、三千個上がりました!」 「店長、粉が底をつきかけてます!」 「店長、追加注文が入っています!」 店長、店長、店長、メイド達が口を開いてまず最初に出る言葉は久音を呼ぶ声ばかりである。 普段の業務はほとんど店員任せにしているが、たまにふらっと現れては誰よりも鮮やかな手つきで仕事をこなしていくため、店員達からは格別の信頼を得ている。だがそれも、こんな忙しい日には災いとなってしまう。指示さえ与えればあとは完璧にこなしてくれるので楽と言えば楽ではあるが、責任者と言う立場はやはりしんどいものなのだ。 「上がった三千個は政庁へ持ってって。粉は裏の倉庫にあと三袋予備があるからそれ全部使てまお。で追加注文は何個なん?」 「それが……、一万個ですっ!」 厨房にいた誰もが凍りつき、時が止まる。 「誰か……、材料買うてこーい!!」 久音の叫び声が、メイド達を現実へと引き戻した……。 かこーん、と小気味良い音をたてて、ししおどしが水を吐き出し跳ね上がる。 六畳ほどの畳の間、寮にある藻女の自室だ。庭園に面しているため、格子を開けば、自分のもののように楽しむことができる。 「良い音。私ししおどしって好きなの」 「うん、たしかに。風情があっていい音ですね」 部屋の中央には机があって向かい合って座る藻女とたけきのこ。二人は同時に手にした湯のみをずずっと啜る。のんびりとした、穏やかな雰囲気が彼女達を包んでいる。 「そうそう、思い出した。あのね、せっかくうちに来てくれたから、お土産を用意しておいたの」 「お土産?」 「いまはまだ秘密ね。来れなかった人達に配ってあげて」 「そんな、わざわざありがとうございます」 かこーん、とまた、ししおどしが鳴いた。 次の派生SS → 漢達の前奏曲 → たけきの藩の祭前 → 神輿出陣 【神輿出陣】 雲一つない晴天、とはいかないまでも空は青く、太陽も国民達の熱気に煽られたように煌煌と輝いた快晴となった。今日は熱くなりそうだ、と思った信乃は少し満足げな笑みを浮かべた。 「さて、それでは最終確認をさせて頂きます」 白浜宮神社の境内には各地区からの神輿担当役人と担ぎ手達の長が集まっている。信乃は彼らに向かって説明を始めた。 「今回の神輿台数は国外参加二つを含め全十神輿となっています。順路道理に進んで頂くと、ここ白浜宮境内までに二回、もしくは三回の神輿競り場所を通ることになります。大体同じような時間で辿り着けるように順路調整は行ってありますが、もし早くついた時は相手が来るまでそこでしばらくお待ち下さい。経路図は後ほどお渡しいたしますので、忘れずに持って帰るようにお願いいたします」 ここまで言って信乃は集まった一同の顔をぐるりと一週見渡した。この辺りは例年のことなので信乃よりも詳しい人間の方がこの場には多い。 「それとですね、今年は他国参加者が多いことから不慣れな方々もいらっしゃると思いますので、彼らと当たる時は十分な注意をお願いします。一応何人かは我が国の者をつけてはおりますが、担当の者はしっかりと確認の方よろしくお願いします」 信乃の言葉に鸚哥がうむ、と深く頷く。 「では皆様、説明は以上ですが、何か質問はございますか?」 遠くの方から太い腕がにょきっと伸びた。 「国外参加者と当たった時は、やっぱ手を抜いた方が良いのか?」 からかい半分の質問なのだろう、その声を聞いた周りの男達がわははと大声を出して笑った。 「浜漢の栄誉を他国の方に持って行かれてもよろしければ、手を抜いて頂いて構いませんよ」 信乃は軽い冗談で返す。 持って行かさねーよ、今年の浜漢は俺達のもんだ、などと男達は口々に言い合いながらさらに笑い声を高めた。 「それでは皆様、それぞれの地区に戻って正午の鐘をお待ち下さい。今年も派手に、大暴れして頂くことを期待しています」 おおっ、と野太い男達の叫び声が境内に溢れ、各人それぞれに解散した。 「やあ、信乃さん。さすがに良い仕事をしてくれるね」 境内から立ち去ろうとした信乃に、鸚哥が声をかけてきた。 「あ、摂政さま。担当地区の方、よろしくお願いしますね」 「もちろんです、任せなさい」 鸚哥は胸を張って自信満々に答える。 「ところで、摂政さま……」 信乃は項垂れるように少しだけ頭を落とした。 「どうしました? 何か問題でも?」 「いえ、問題と言うか。摂政さまがこの祭に相当な気合いを入れてらっしゃることは重々承知しておりますが、せめて祭が始まるまでは法被くらい羽織って頂けませんか? 一応他国からの観客もいらっしゃいますので……」 真っ赤な褌に黒字の乙、いまの鸚哥が身に纏っているものはそれだけだった。 「今日は天気もよくてとってもいい気持ちです。こんな日をお祭り日和っていうんでしょうね。私は……、神輿も担げないし、屋台とかまわろうかな。あ、わらび餅が食べたいです。どこか美味しい屋台が出てたらあとで教えてくださいね。ではみなさん、今年の浜漢を目指してがんばってください」 神社の境内では藻女が舞台に昇って祭の開催を宣言する。 そして、境内の隅に立っている釣り鐘堂から、低く重みのある鐘の音が、三度打ち鳴らされた。境内で耳を澄ませば、各地区から一斉に神輿を担ぎ上げる声が聞こえてきそうな気がした。 次の派生SS → 漢達の前奏曲 → 祭の裏方達 → 祭の観客達 → 神輿のかき手達 【祭の裏方達】 本当ならば今頃は、屋台でも食べ歩きをしながらのんびりと楽しんでいる予定だった。それは久音だけでなく、今ここで働いている全てのメイド達も同じだっただろう。ところがそれは儚い夢と消えてしまった。今日も引き続き、みたらし団子の作成に追われている。 追加注文一万個、ようやく七千個を作り終えたところだ。 「後、三千個〜!」 数を数えていたメイドの一人が叫ぶように数を伝えるが、帰ってくる声はほとんどため息ばかりである。 「はいはい、手を休めんと。さっさと終わらせて遊びに行くんやで〜」 叱咤激励する久音だが、やはり彼の声にも今までのような力はない。作り終えたところで、くたくたで<巫>から一歩外に出ることは、元気な時に国の外まで歩くよりも難しいことだろう。 くそ〜、信乃さんめ、あとで覚えとれよ〜。 追加注文を持ってきた信乃に向かって、<巫>職人一同の怨みは時が経つに連れて積み重なっていった。 「一班配置に付きました」 「二班、準備完了です」 白浜宮神社境内に設置した豊穣祭実行委員本部。その片隅で椅子に座っている信乃のもとに次々と報告者達がやって来る。彼はを黙ってそれを聞き、ただ首を縦に振るだけだった。 「祭のほうは順調みたいだね」 ひとつ、報告とは違う言葉が紛れ込んでいた。 「さちひこさん! 来てらしたんですか」 「まあね。建国はしてるけど、俺だってまだこの国の藩民ではあるからな。こんな日くらいは遊びにもくるよ」 さちひこは信乃のとなりに椅子を持ってきてそこに座った。 「今年は何か警備が厳重だねぃ〜」とぼけた口調で言葉を出すが、すぐに真顔になって声を潜めた。「何かあったのかい?」 信乃は小さく、そして薄く微笑を浮かべた。 「何もないようにするため、ですかね」 「それにしちゃあ、変装した兵士が町ん中をごろごろと歩き回ってるようだけど?」 「あちゃー、そんな簡単にばれちゃってますか」信乃は苦笑して頭を掻いた。 「いや、俺はここの兵士の顔は大体知ってるからな。戦時と同じ組み分けで行動してたから、公務中なんだろうって思っただけさ」 なるほど、と納得し、相手にそれを悟られていないだろうかと信乃は考える。せっかくここまで順調に事は運んでいるのに、最後の詰めで失敗なんてことになったらまったく情けない話だ。 「人手が必要なら何か手伝おうか?」 さちひこが心配げな顔をして提案してきた。 「いえ、ご心配には及びませんよ。そちらの方は大方順調です。……いや、やっぱり少しだけ手伝ってもらえますかね」 「何をすれば良いんだい?」 「いや、たいしたことじゃないんですけどね。そろそろ僕はここを離れて別行動をしなくちゃならないんです。それで、代わりが来るまでここの留守番をお願いできます?」 「なんだ。そんなことで良いのかよ」 笑いながらさちひこは、良いよ、やってやる、と快諾した。 「すいませんね、祭を楽しむ邪魔をしてしまって。それでは、失礼します」 さちひこと別れ、信乃は白浜宮神社をあとにして、目的地へと向かった。 次の派生SS → 漢達の行軍歌 → 祭の観客達 → 神輿のかき手達 → 浜漢への道 【祭の観客達】 藻女とみぽりんはそれぞれ右手にわらび餅、左手にわらび餅、お付きのメイドもわらび餅、いや、わらび餅持ちと、わらび餅に埋め尽くされての祭散策である。藻女がほんの一言わらび餅を食べたいと言ったために、屋台中のわらび餅屋が挨拶の後一斉に押し寄せてきたせいだ。 「ひえははー、ひぽひんわはひほひひはひほはへはいへふー」 口の中いっぱいにわらび餅を詰めてみぽりんが喋る。 「どうしたの? あ、もっとわらび餅が食べたい?」 にっこり笑う藻女に、みぽりんは勢いよく首を振る。 「大丈夫、冗談だから。そうね、私もわらび餅はそろそろ飽きたかしら」 その瞬間、周囲にあった屋台のおやじ達の目の色が変わる。出し物を作る手に力を入れ、藻女の次の言葉をまっている。彼女に美味しいと言わせれば、半年くらいは好調な売れ行きを見込めるからだ。 「そうだ、摂政にケーキ作ってもらおう」 がしゃーんとあちこちの屋台から調理器具が音を立てて、屋台のおやじと共に崩れ落ちる。 「でも今日は摂政さまは朝からお仕事してらっしゃいましたよ?」 「うん、お仕事だからいいの。遊んでるのを邪魔しちゃったら悪いけどお仕事だったら残業してもらえば良いんだし」 「ああ、なるほど〜」 「じゃあ摂政を探しにいきましょう」 「はいですうー」 みぽりんと藻女はわらび餅を食べながら鸚哥を探しに雑踏へ消えた。 「あら? こんこさんとボロマさんはどこにいっちゃったの?」 たけきのこは後を歩く霞月に向かって尋ねた。 「お二人とも神輿を担ぎにいかれましたよ」 「神輿って、あれよね?」 たけきのこが指し示したところには、褌一丁の男達がヨイヤサッと威勢の良い掛け声とともに神輿を担いで街の中を練り歩いている。 「ええ、そうだと思いますよ。昨日ボロマさんが赤い褌を持っていましたから」 たけきのこははた、と足を止めた。 「どうなさいました、藩王様?」 「不安だわ、激しく不安だわ……」 こんこはともかくボロマールにいたっては過去数度に渡って自国内で暴走したことがある。しかも今回は祭ということもあって、半ば公認的に褌一丁で暴れることが出来るのだ。 たけきのの恥とならないだろうか。 それで収まれば良いのだが(いや、良いとは言えないが)、下手をすれば外交問題にもならないかと、たけきのこの頭の中はめまぐるしい早さで回転していく。 「霞月さん、二人がどこで神輿を担いでいるか知ってる?」 そう尋ねられた霞月は、神輿競りの案内を見ながら答える。 「えっと、こんこさんは赤字に甲の字が入った褌をしていたので、さっき通り過ぎた神輿と競り合う予定になってますね。そろそろ競りが始まる頃かもしれません。ボロマさんは……、赤い褌で出かけられてたのでおそらく一緒だと思います。赤い褌の神輿は一台しかないようですから」 「そう、わかったわ。ちょっと急ぐわよ」 言ったすぐ後に、たけきのこは競り会場に向かって駆け出した。 「ちょ、ちょっとおまち下さーい」 霞月もすぐにその後を追って走り出した。 角を曲がればもう競り会場というところに二人が差しかかったとき、屋根の上を一つの影が通り過ぎた。たけきのこは足を止めてそちらの方に視線を向ける。嫌な予感が心の奥底で沸々と音を立て込み上げてくる。 「今の影、見た?」 後ろを振り返ることなく、同じく立ち止まった霞月に声をかける。 「影ですか? どこにそのようなものが」 どうやら彼には見えなかったようだ。 「そう、じゃあいいわ。霞月さんはこんこさんの応援に行ってあげて。私はちょっと野暮用ができたから、ここで別れましょう」 たけきのこは影の向かった屋根の先を見据えて言う。すると、もう一度影がふっと飛び出してきた。今度はしっかりと予測して眺めていたので、遠目からでもはっきりと、それが人影であることは見て取れた。 次の派生SS → 漢達の舞踏曲 → 神輿のかき手達 → 浜漢への道 【神輿のかき手達】 真っ赤な褌を締めた男達が集まっている。たけきの藩国からの参加者はこんこ一人だけのようで、辺りを見回すと、赤い髪やら白い髪やら様々な国から人が集まっているようだ。 ボロマさんの姿が見えないが、もう一つの組に回ったのかな。 「それではみなさん、参加者の確認を行いますので、神輿担ぎの方から順に並んでください」 背中に祭と書かれた青の法被を着た男が叫んでいた。それを聞いたこんこは確認の列に並ぶ。 「はい、それでは次の方〜」 こんこの番がやって来た。たけきの藩国のこんこです、と担当者に名を告げると、ぺらぺらと手にした用紙からこんこの名を探そうとしていたのだが、時間が経つにつれて表情が険しくなっていく。 「あの、申し訳ありませんが、たけきの藩国からの参加はボロマールさんという方になっておりまして、こんこ様はご登録されていないようなのですが……」 「あれ、そうなんですか。そのボロマールさんから褌とかいろいろ渡されたのですが」 「では代理登録された、ということなんでしょうかね。いや、まあ、気になさらないでください。たけきの藩国の登録は信用ある方からの指示が出ておりますので、問題はありませんから」 「問題なんてあるんですか?」 「え? ええ、まあ……。ほら、祭と言っても世界的には戦時中ですからね。てろりすとやらの対策や、諜報員なんかが紛れているなんてこともありますので」 「あぁ、なるほど……」 なかなか厳重に管理されているものだ、とこんこは感心する一方で、ボロマールの参加資格を奪ってしまって大丈夫だったんだろうかとも案じていた。 「それでは、もうすぐ神輿の出陣となりますので、準備の方をよろしくお願いいたしまーす」 神輿の最後列、雹はそこで神輿を担いでいた。今日の祭は自分の作った神輿をそれぞれどんな風に活躍するかを見て回るつもりでいたが、通りかかった先で人手が足りねえと騒いでいる男達に出会ってしまった。よくよく見てみると、それは職人町の男達、技族である雹にとって知らない仲ではない者も何人かいる。特に彼らを取り仕切っている飯屋のおやじさんには、昼食なんかを奢ってもらったりと世話にもなっていた。 仕方ないよなぁ。 ほぼ二つ返事で引き受けてしまったために、こんな場所にいる。てっきり提灯持ちか太鼓叩き辺りだろうと思っていたのに、褌一丁で神輿を担ぐハメになっていた。 職人町地区は毎年優勝候補に挙げられながらも、未だ優勝したことがないという万年二位地区と不名誉な称号を手に入れている地区で、毎年汚名返上のために年々威勢だけはうなぎ上りであり、今回も相当な意気込みで祭に臨んでいた。普段は寡黙な男達も、今日は荒々しく雄叫びを吠えまくる。 「すまねえな雹さん」飯屋のおやじが後から声をかけてきた。 「いえいえ、皆さんにはいつもお世話になってますから」ほんの少し苦笑を混ぜた顔で返事を返す。 「今年はうちの主力がごっそり抜けちまってよ。いや、公務だってんだからしょうがねえのはわかっちゃいるんだけどなぁ……」 「公務、ですか?」 「ああ、何でも神輿の警備担当が足りねえとか何とかでな。うちの地区の岡っ引きなんかが皆そっちに連れてかれたのさ」 警備担当? 雹は少し首を傾げる。祭の実行委員の人数は足りているようなことを信乃が言っていたからだ。警備にしても兵士達を動かしているなんて噂もあったほどだから、岡っ引きにまで声がかかるはずはないのだが……。 雹がそんなことを考えているうちに、神輿は競り会場へたどり着いた。 「さあ雹さん、こっからが本番だぜ!」 飯屋のおやじさんが普段の倍以上の大声で突撃の合図を出した。 次の派生SS → 漢達の鎮魂歌 → 浜漢への道 【浜漢への道】 良くわからないままに神輿を担いで来たこんこだが、進むごとに声援が増えているような気がした。もともとが国外参加者で構成されている神輿だから、それほど応援があったわけではない。さきほど壊した相手の応援者達が、今度は自分たちのことを応援してくれているようだ。中にはさっき神輿を担いでいた男が法被を纏って応援してくれていたりもする。 祭っていいなぁ〜。 なんとなくだが、こんこはぼんやりと考えた。 「おう、あんちゃん。そろそろ気入れろよ。次のお相手がお待ちかねだぞ」 こんこの隣で神輿を担いでいる四十過ぎのおやじが、こんこに声をかけてきた。どこの国の男かはわからないが、なんでもこの祭には十年以上参加している他国参加者の主と呼ばれている男だ。ここまでの道で初参加のこんこにいろいろと祭のことを教えてくれていた。 「今度の相手は強えぞ。なんたって毎年優勝候補に挙げられている職人地区組だ。ただ、今まで一度も優勝したことがねえってことから万年二位なんて呼ばれててな、だから俺たちにも勝機はあるってことよ」 こんこは少し首を伸ばして相手の神輿を眺める。 先に神輿競り会場に入場した彼らは、野太い掛け声を叫び、神輿を高らかに掲げて士気を高揚させている。とんでもない気合の入りようだ。ほんの少し身震いをさせる。 こんこ達の神輿も競り会場へと入り、二つの神輿は気合いを入れるため(正しくはそれも儀礼の一つであるが)大きな円を描くように会場内をぐるぐると回り始める。三周ほどしたところで競り審判の巫女が鐘を鳴らして、両方の神輿は中央に引かれた二本の開始線まで移動して、開始の合図を待つ。 開始線の間に審判が立ち、両手を大きく横に開いて、見合って見合って、と今にも飛び出しそうな神輿を抑える。その間それぞれの神輿は、よいやさぁっ、えいさーっ、とそれぞれの地区ごと独自の掛け声で自分たちを鼓舞している。神輿の声の高まりとは打って変わって周りの観客達の声は静かになっていく。 「はっけよーいっ」審判が少しずつ神輿からは慣れていった。「のこったぁっ」 開いていた両手を大きく振って交差させた。 ほぼ同時にお互いの神輿が相手めがけて突進していく。こんこも神輿の支えを肩に乗せて、力一杯相手に向けて神輿を押し出す。 木材と木材の激しくぶつかり合う音、そして、裂ける音。渾然一体となって、こんこの耳に、競り会場に、大きく響き渡る。同時に観客達からも応援の声がどっと沸き起こる。 一度目ではお互い決着がつかなかったようだ。審判はまだのこったぁ、のこったー、と声を出している。 二つの神輿は少し下がって距離をとり、大きな掛け声を出した後、相手に向かってまた突撃していった。 何度神輿をぶつけ合っただろうか、雹はもう回数を覚えていない。身体中のあちこちに痣ができ、肩には擦り傷らしきものが無数の線を作っている。それでも気合いだけは萎えることがなかった。むしろ傷が一つ出来る度、もっと力をっ! と身体中の血が騒いで仕方がないほどだった。 「よいやさぁー!!」 掛け声とともに再び神輿がぶつかり合う。 ばきばきと音をたてて木材が崩れていく音が雹の耳に入った。同時に観客達の間からはおお〜、とざわめきが走り、すぐさまそれが大歓声に変わった。 「ひが〜し〜〜!」 審判が勝者の方角を指して高らかに宣言した。観客達の声はより一層に大きくなる。 雹の目の前を、壊れた相手の神輿の欠片がどさどさと落ちていった。 終わった……。 ただ茫然とそれを見ていた。そして、 「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」 誰から始まったのはわからない、だが雹自身も歓喜の雄叫びを上げていた。職人地区組の男達は近くにいる誰でも彼でもかまわず、肩を組み、抱き合い、そして、感極まって泣きじゃくる者までいた。 何十年と続いてきた歴史の中で、職人地区初めての栄誉をその手にしたのである。万年二位という屈辱的汚名をようやく返上したのだった。 「ありがとよ、雹さん。あんたのおかげだぁ!」 飯屋のおやじさんが雹の手を握って力強く上下に振る。 「いや、私なんてたいしてお役に立てたかどうか……」 「いやいやいや、雹さんのおかげさぁ!」 おやじさんは大きく手を振り上げて、雹の背中をばしっと叩く。背中に紅葉をつけた雹はふらふらっと前に飛ばされて倒れた。 あたたた……、おやじさんの方がまだまだ体力あるじゃないか……。 背中をさすりながら立ち上がろうとするが、どうやら全力を出し尽くしたようで、起き上がろうとして失敗して地面に転んだ。仕方がないので雹はそのまま境内に大の字に寝転がって、大きく息を吸う。 「おおおおおおーーーーーー!!!!」 大声を出した。ただそれだけのことだが、何故かとても爽快な気分になれた。 次の派生SS → 漢達の子守唄 → 祭の終わり 【祭の終わり】 境内のあちこちで篝火が焚かれ、夜の闇を払う。昼の神輿競りとはうってかわって、静かな、厳かな儀式となるのがこの祭である。五穀の豊穣を祈願して、神に贈り物を奉る。 境内中央の石畳を、藻女、神主、そして巫女達が進み、その後には浜漢に選ばれた者達が穀物の苗や、農具などを持って従っている。それぞれが指定された位置に座すと、神官が最初の祝詞を読み始め、それに続いて楽が奏でられる。 「今年も私達に豊かな食がありますように……」 神主に続いて藻女が奏上文を読み上げて、一連の式は滞りなく過ぎていった。 今年も豊かな実りがあったかどうか、それはまた別の祭である……。 次の派生SS → 漢達の子守唄 → 帰路 → 日常の曙
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登録日:2012/04/01 Sun 01 30 59 更新日:2023/11/27 Mon 22 50 36NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 かなまら祭り そらのおとしもの とんまつり みうらじゅん マーラ様も大満足 公式が病気 奇祭 川崎市 日本はじまってた 真剣で私に恋しなさい!! 神奈川県 祭り 金山神社 かなまら祭りとは、神奈川県川崎市の金山神社で毎年4月の第1日曜日行われる祭り。 この祭りの最大の特徴とは、 男性のナニ(ちん○)を象ったデカい神輿が町を練り歩く ということである。 男性のナニ(ち○こ)を象ったデカい神輿が町を練り歩く 大切なことなので2回言いました。 「それより、この神輿を見てくれ。 こいつをどう思う?」 「すごく、大きいです…」 ■金山神社について 金山神社は前述した通り、神奈川県川崎市にあるが、社殿は若宮八幡宮の境内の中にある。 明治時代までは京急大師線、川崎大師駅の近くに神社があったが電車を折り返す施設を建設することになり、現在の若宮八幡宮の境内に遷された。 金山神社では鉱山や鍛治の神様である「金山比古神(かなやまひこのかみ)」と「金山比売神(かなやまひめのかみ)」という二柱の神様を奉っている。 また、両神はイザナミが火の神・カグツチを産んだ時に女陰に火傷し苦しんだ際に吐いた嘔吐物から化生した事、 金山と金魔羅(かなまら。魔羅とは勿論○んこのこと)と読み方が似ていることから性の神様としても信仰されている。 そのため、境内には男のシンボルを象ったモノがあちこちに鎮座している。 鍛治職人や金属や金物を扱う商人や企業以外にも子授けや夫婦和合、性病回癒を願う人々から信仰を集めている。 主に子孫繁栄、夫婦和合、性病や下半身に関わる病気治療に霊験があるとされており、 最近ではエイズ除けを願う人々や不妊治療に関わる医療関係者が参拝することも。 ■かなまら祭り かなまら祭りの始まりは江戸時代に遡る。 江戸時代、東海道五十三次の2番目の宿場である川崎宿に勤める飯盛女(奉公人という名目で黙認されていた私娼の女性)たちが、 性病除けや商売繁盛の願掛けを行った「地べた祭」がかなまら祭りのルーツとされている。 かなまら祭りは明治時代に入って以降廃れていき、一時期は氏子たちによって細々と行われて午前中に終わるという短いものであった。 しかし、外国の民俗学者から性信仰が現在も残る神社として注目されるようになり、これを受けて「かなまら講」という組織が地元の人々により結成される。 かなまら講の参加後は江戸時代の地べた祭の再現や男根神輿、 仮装行列や大根を削ってち○この形にする細工などのアイデアを盛り込んでいき徐々に盛大になっていく。 エイズ除けを祭に結びつけたことにより外国人はもちろん日本人にもアピール。結果現在は沢山の観光客が訪れるようになり、老若男女が神社にやって来る。 ■神輿 かなまら祭りでは神輿に御霊を入れる神輿御霊入れ式の後、に仮装行列の後に続いて3基の神輿が巡幸する。 ◇エリザベス神輿 浅草橋の女装クラブ「エリザベス会館」から寄贈された神輿。 太くてでっかいピンク色の男根の張り型が上向きに載せられている。こちらはエリザベス会館の人々が担ぎ、 かなまら!でっかいまら! と掛け声を発しながら巡行する。 ◇かなまら舟御輿 舟型の台座の上に黒光りする鉄製のたくましい男根のご神体が鎮座する。 こちらは日立造船から寄贈されたもの。鉄製なのは神社が鍛治の神様を奉るからである。 ◇かなまら大神輿 正方形の台部に木製の男根のご神体が納められている。3基の神輿の中で一番古く、神輿のトリを飾る。 この他にも露店が多数出店している。 売られているものは、 ち○こと女の子のアソコを型どった飴細工 ち○こと女の子のアソコの形で染めた手ぬぐい ちん○のお守り ち○んこや女の子のアソコが描かれたTシャツ 鍬や鎌などの農具 ちん○こキャンドル(大中小各種) といった感じである。 男も女も普段はタブーとされている○んこ型の飴を笑いながらなめたりしゃぶる姿は何とも不思議でシュールである。 また、男性や女性が乗っかる大きな木製の男根も用意されている。男性は根元の方に座ると良いとかなんとか。 ●余談 同様のお祭りや、お祭りをやる神社として静岡県のどんつく神社のどんつく祭、愛知県小牧市の田懸神社、犬山市の大懸神社の豊年祭が有名である。 こちらでも男根を象った神輿が練り歩き、飴細工やフランクフルトが露店で販売される。 「真剣で私に恋しなさい!!」のテレビアニメ第6話にかなまら祭りが出てきており、主人公たちがこの祭りに参加している。 追記、修正はち○こ形の飴をしゃぶりながらお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ち○こ信仰や祭りは実は全国的にあったりするけどそんなに日本特有なんかな -- 名無しさん (2014-03-17 18 32 33) やっぱり神輿とか飴とかをつくるときは誰かのナニを参考にするのかな…。 -- 名無しさん (2014-03-18 08 58 09) フジテレビのニュースで見たことがあるがあのご立派様はこれか。 -- 名無しさん (2014-03-18 09 38 49) 最近は子供向けの戦隊でも死の棺桶をぶち破るシーンがあるのでやっぱりチ○コは偉大だ。 -- 名無しさん (2014-03-18 11 43 47) コロナ前に田縣神社のちん○こ祭り行ったが、外人(主にアメリカ人)だらけだったし、ビデオカメラ担いだ海外の報道陣も来てたから珍しいんだろうな -- 名無しさん (2023-11-27 22 37 22) 名前 コメント
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閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>提案>霊柩車 霊柩車 03/10/05 それでは日本語なり漢字なりの命名が為されている車はないものか。「鳳凰」「翠龍」「祈天」のような名を持つ車はないか? あれはどうだ。正調純和風の雰囲気を持つ、煌びやかで神々しく、つい親指を隠してしまうあの車。どうだろう。名前はないか?調べてみた。霊柩車の写真集というものが世の中にあることを知った。 「キャデラック宮型霊柩車」「国産4WD宮型霊柩車」 味も素っ気もないではないか。しかしあの神輿を背負っている奴は「宮型」と名乗っているのか。神輿のない型は「洋式霊柩車」らしいのだが、どうにもここで何かやり場のない情けなさというものが底を突き抜けて指先が重く感じるのだが、どうにかならないのか。 しかし霊柩車もよく見ると色々な型があるもので、ある種の伝統工芸品とも言えるし、祭祀に纏わるものであるから所有していれば何かの特典でもあればいいと思わないか。8ナンバーであるというだけではなくて、霊柩車を所有しているだけで貸車業の許可が無条件に下りるとか、出動手当ては完全無税とか。大体あのセンスはヤンキーか成り上がり者にしか発想出来ない印象がある。神輿を搭載した車が登場したのは大正の頃と云うが、あれが早いうちに用途を限定したことで、違法改造主義者の道をひとつ閉ざしたことは、悪くはないが、目出度い形の物が非常なる迫力を持って縁起の悪い印象だけを纏ったことは、少し残念でもある。 どうせなら、霊柩車に漢字名を付けて輸出しようよ。何、判りゃしないさ。あれは神輿であり、日本にあっては大変目出度い車である。普段街中では目にする機会が少なくて、しかも見かけた時はよく見てみなよ、皆礼服を着ているぜ。さあ見たか。幸運な奴め。そこでおまじないがあるんだ。見た瞬間親指を隠すのさ。拳の中に握りこんで。でもその時にくれぐれも親指の先っちょを人差指と中指の間から覗かせてはいけないよ。それでは効果も何もありゃしない。どうして親指か?色々あるんだよ。おまじないだからさ。効果?親が長生きするとか言うね。何?親に早く死んでほしい?それならば見かけた瞬間親指を突き出して祈ればいいよ。どうだいこの神輿。この彫刻。この金箔。定員はね、個体差があるんだけど、標準的なのは前に二人、後ろに一人。あ、そうそう後ろは一人じゃないや。もう一人分、少し狭いけどベッドスペースがあるんだ。だからキャンピングカーにも使えるよ。これを見たら君達のように車は単なる機械だなどとは言えないだろう?これはね、車であって車でない。べんべん。神輿であって神輿でない。べんべん。それは何かと訊ねたら。芸術品。芸術品なのよね。だから少し高いけど、普通の日本人は乗っていないよ。だって神聖な車だもん。だって高いんだもんこれを買って乗り回してみなよ。ご通行中の皆様の視線を一身に集めることが出来るよ。羨望。驚愕。憐憫。わあい人気者だ。 そんな台詞に騙されて、海の向こうで「これぞ日本車!」と自慢気に乗り回している間違った親日家がいる気もするが。 しかし何だね。霊柩車の土台となる車、よくよく見ると「ベンツ」「キャディラック」「リンカーン」てええええええい。折角神輿を載せるなら、国産車使いんさいな。 TOTAL ACCESS - Today - Yesterday - LAST UPDATED 2021-12-03 06 47 32 (Fri)
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★中原日枝神社★ 徳川家康が中原御殿の鬼門鎮護のために建築し、鷹狩りの際はかならず参拝したと伝えられる中原の鎮守。 旧下宿にあたる中原三丁目に鎮座し、境内はひろく古木が多い。本殿に氏神・大山咋命(おおやまくいのみこと)が、本殿右の階段奥にある東照権現社に徳川家康が神格化したものである東照大権現(とうしょうだいごんげん)が祭られている。神紋(神社・祭神の紋)は巴(東照宮は葵)。明治には、「山王社」と呼ばれていた。 東照権現祭は徳川家康こと東照大権現を祭る祭り。神社神輿とトラックの山車が町内を練り歩く。中原下宿バス停前からは、鷹狩り行列を模した行列と子供神輿が加わり、祭りを盛り上げる。 ★日程★ 4月17日より前で一番近い日曜日 東照権現祭 8 40 日枝神社発 9 20 中原小学校正門前 10 15 中原下宿バス停発(下宿太鼓保存会による歓迎の太鼓)→旧道へ 11 30 中栄信用金庫発 12 15 日枝神社着 行列内容 神社神輿 山車(中原上宿太鼓保存会・中宿太鼓保存会・御殿太鼓保存会・裏宿太鼓保存会) (中栄信用金庫から加わる) 甲冑行列 子供神輿(各町内)
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春祭り・宵宮 子どもの神輿と山車が双葉町内をまわります。 1 日時:4月7日(土)午後1時出発(12時30分時集合) 2 集合場所:あおぞら公園 春祭り・本宮 大人の神輿と山車が神明神社から出発して双葉町内をまわります。 神輿と山車は、4月8日(日)午前9時30分ごろに双葉町(松原児童遊園)へやってきます。 子どもたちは、あさひ公園~松原児童遊園~都営~神明台上へと山車を引きますので、午前8時30分にあおぞら公園へ集合してください。
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『おおいそなみつひこのかみ』 海の魚を束ねる神にして、漁師達の守護神。 稀に水揚げされる赤神輿と呼ばれる魚は、彼が三桜神に捧げる為に育てていると云われている。 新年の朝、櫃(ひつ)に入れた貢物を海に投げ入れれば漁の手助けをしてくれると信じられているようだ。 この貢物は陸地の物が好ましく、最初の漁で赤神輿が獲れたら神へ奉ずる為に神輿で担いで陸に揚げなければならないとも。 関連 薫桜ノ皇国 薫桜神道 漁師(フィッシャー) レッドストーンペイヴィング 目次に戻る
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テント作り 今日のお昼ぐらいまでのテント 屋根部分はできましたが、一部不安定だったり釘が出ていて危ない部分があり、まだ少しだけ作業が必要なようです。これも安全のため。 防火シートを合わせて壁部分を作っています。防火シートの枚数は恵まれている先端・音環! 霧吹き自衛隊員土井ちゃん。 アイスの食べ過ぎには気をつけよう。 マケット。見回りにきた芸祭委員の方もかっこいいと言ってくれました! ブルーシートを地面に敷きました。なんと雨が降っていない日は広げて作業スペースが拡大できる。 その後発砲スチロールや道具箱等をテントに収納して今日の作業が終了。問題が出てきたらその都度直していくということで、一応テントができました!やったぞ これは住める☆ 3倍のしみ(チョコ)コーン 先輩からお菓子の差し入れを頂きました。ありがとうございました! 足立さんの携帯は楽器になるようです。 怖い話大会。話をすると寄ってくるといいますが、終わりに↑ながつかが塩をまいたので一件落着! 次の作業は8月3日(月)です。
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スレ5-880 880 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 20 41 45.27 0 お祭り絡みで思い出した去年の揉め事。 義実家の近所の神社も子供神輿があって結構有名。 今の世の中でも数え年12歳未満の男の子限定の子供神輿で ダンナも義兄も子供の頃は毎年楽しみに担いでたらしい。 今は義兄家と義実家は同居でうちは同じ市内で双方男子持ちなので 我が家はお祭りに日帰り参加で子供神輿に参加させてもらい、 息子たちにいい思い出ができることを感謝してる。 去年は義兄嫁のお父さんが亡くなって義兄家の男子は御神輿を担げなかった。 そのことで義兄嫁さんがうちの息子も担ぐの参加するのを止めさせなさいと要求してきて一波乱した。 平等じゃないからうちも辞退すべきって本気で言うんだもんびっくりしたよ。 881 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 21 04 22.79 O 880 義実家の近所のお祭りに参加させてもらってるんでしょ? そこのうちの子が出られないのに、自分の子だけ参加させるって、ちょっと空気読めてなくない? 今回は見合わせてあげたらいいのに。 883 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 21 09 08.77 0 881 同意。 これは義兄夫婦と義実家同居で、義実家の地域の神輿なんだから その家の従兄弟が喪で出れないなら、合わせるべきでは…? しかも要求って。 885 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 21 11 29.04 O 883 マルッと同意 旦那はいたたまれなかったろうな~ 890 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 21 16 08.69 0 880 自分が義兄嫁の立場で考えたらどうなんだろうか? 880家の近所の神輿があって、喪中とかで神輿担げない。 義兄子達が遊びに来て神輿担ぐ!と言って担いだ。 どう思う? 891 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 21 16 22.58 0 でも亡くなったのは義兄嫁の父だから、義実家は喪中じゃないでしょ。 だったら義両親も「義兄子は残念だけど仕方ないね」と思いこそすれ、 喪中じゃない880子に合わせろとは言わないと思う。 893 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 21 19 11.65 0 まぁ、そういう場合は気遣いで遠慮するわな。 894 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 21 19 25.34 0 「あら?○○さん家の親戚?あそこ喪中だったよね?」 「あ、義兄嫁さん側のご不幸なんですよ~」 「あらそう。じゃ問題ないわね」 895 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 21 20 56.60 0 894 都合いい解釈だなw 898 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 21 23 46.72 0 神輿かつぎにだけ儀実家帰省 901 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 21 27 16.16 0 そこまでして神輿に執着する気持ちが分からない。 何か余得でもあるのかな。今時の子供は神輿やら村の祭りやらをそこまで執着する とも思えないし。むしろどこでも子供自身は面倒くさがって参加者が減っているのに。 902 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 21 29 15.85 0 地域外の人がお祭りの時だけ来て神輿かつがせろは無い。 903 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 21 40 46.55 0 おまつりの時だけ来て、お客様待遇で観光客のような気持ちでいるんじゃない? 田舎の祭りは当番で色々回って来たり、下準備や神社清掃で朝から出たり ご祝儀の寄付のって結構面倒。それを全部すっ飛ばして親戚だからってオマケで 参加させて貰ってた状態だったのに、そこの家の子おいといて自分は参加ってどうよ? 904 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 21 42 20.82 0 文脈からすると義兄嫁だけが辞退しろと言ってきたけど、結局参加したってことかな。 義両親、義兄、旦那、子どもたちはどんな反応だったの? 義兄子のオマケとして参加してるなら当然辞退だけど、 おそらく義両親の好意で参加してるんだろうから、 義両親と義兄嫁に確執生じてそうな気が。 905 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 21 44 10.13 0 ↑ 参加資格というか肩書き?が「義兄子の従兄弟」ではなく 「義両親の孫」なんだろうね、ってこと。 910 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 22 04 58.48 0 嫁にいったとかやったとかは言わないけど 同居してるくらいなら、神輿かつがせてやればよかったのにね>義兄嫁 「実家で不幸ありましたけど、こちらの神事には関係ないことですから」 と表面上言っとけば 義弟嫁に出るなと文句言うより平和だったと思う。 911 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 22 06 08.12 0 自分が880の義兄嫁立場だと、どう思う?って話。 平気ですしお寿司です。って人が 880。 914 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 22 10 51.80 O お祭りだけど、うちの地区の場合ですが 旦那伯父が亡くなった時は担がなかったです 理由は、神輿がけがれるからです。何かあった時(怪我人が出たとき)に○○の者が神輿を担いでたからと言われるのが嫌だから 神輿を担ぐ人にとってはそれだけ慎重になるのです 923 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 22 20 17.50 0 914 旦那伯父は父方?母方? うちの近所は母方・妻方の不幸は見てみぬ振りしてる。 男系の血筋が大事、女系?なにそれ、って感じ。 婿さんの場合はその逆。 地元命、地元の血続きなら何でもおk、みたいな。 いろいろあって勉強になるいんたーねっつだわ 925 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 22 26 34.33 O 923 父方伯父です その年は旦那従兄弟全員担がなかったです もちろん当日だけではなく練習などの日も不参加 地区によるみたいだけど母方もダメと言う地区も有りますよ 920 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 22 15 36.25 0 あーそういえば法被やサラシやら用意するものだよね… どうしたんだろ? 921 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 22 20 06.27 0 法被や揃いの浴衣って揃いを一括購入だから主催者が用意するんじゃない?お金集めて。 そのお金を義兄が払っていたから義親が払っていたか、880がちゃんと負担していたか 分からないけどさ。晒しは自分で当然用意するんだろうけど。 926 名前:880[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 22 26 36.59 0 ぼーっと眺めていたらレスがすごい勢いで進むので夫婦で鑑賞してました(スマソ たくさんすぎて、かいつまんでしまうけど 本来なら子供神輿なので義兄家の甥は子供神輿を担いでよかったの。 義兄嫁は身内の葬式あったからお祭り自体に参加できない。 義両親は当然参加、義兄と義兄子だけでお祭りに行くはずが 義兄嫁が子供に辛い気持ちを話したら子供も今年はかつがないと言ったらしい。 そこまでは、ええ話やで済むんだけどなぜかうちの息子にまで巻き添え話が来た。 うちの子は巻き添え食ういわれはないので普通に参加しました。 ハッピや鈴は神社に用意があって借り出しのお礼金を払う仕組みなので問題なし。 あとは何かあればお答えします。 927 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 22 27 04.08 i 不幸があったら、神輿かつげないって知らなかった。 929 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 22 29 03.91 0 神社はケガレを嫌がるからね。喪中なら当然担げない。 母方でも血の繋がった祖父は祖父で立派な喪中だから子供神輿といえ神社の 祭なら担げないはず。 931 名前:880[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 22 35 21.43 0 そこの子供神輿はかつぐまえに神社で水かぶれば子供は不浄にならないってことになってる。 たとえ父方身内で不幸があっても参加する子は参加する。 ダンナも義兄も同居のおじいちゃんがなくなった年も担いだって言ってた。 その時は義両親はお祭り不参加なので兄弟だけで行ったらしい。 940 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 22 47 51.15 0 参加させるさせないは、子どもたちの意向もあるし様々だと思うんだが。 自分が義兄嫁なら、「辞退しろ」なんて絶対言わない。 自分が義兄嫁でも「辞退しろ」と言う、って人はいるのか? 943 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 22 50 45.22 0 940 普通は言えないよね。 945 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 22 54 38.70 0 義兄嫁の辞退しろは、ハァ?とは思う。 880の不参加従兄弟置いて参加させたってのも何だかな。とも思う。 948 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/08(木) 22 59 32.10 0 義兄もアホくね? 義兄が嫁と一緒に不参加ってことにして、ジジババに子供連れてってもらって参加させりゃいいじゃん 966 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 03 05 51.76 0 義姉にしたら同居してる地元の自分とこはなしなのに、たまに遊びに来るだけの従兄弟が我が物顔で地元のお祭り出るのは面白くないだろ 地元のお祭りなら自分の子供の友達担いでるだろうし 967 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 03 13 07.59 0 880は相手がどう思おうが関係ないですしお寿司なんだってば! 977 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 09 01 49.86 0 理解してても880は遠慮すべきだと思った。 義兄嫁も言うべきではないけどね。 988 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 09 22 55.67 0 気遣いが無い義実家なんだろうかね? それで見当違いに義弟嫁に切れたのかもね。 父亡くして辛いのに誰も案じてくれなくて爆発したということかもね。 結局はスルーして神輿担いで楽しい思い出出来たんだしいいじゃないの? 992 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 09 29 52.02 P 普段、義実家の行事に嫌々参加させられてる嫁子さんが多いのかと思った。 地元密着でウトメと同居してて、年中行事が多い地域の嫁にとっては 義兄嫁アリエナスなんだけど、 立場が違うと義弟嫁アリエナスなんだろうなと。 994 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 10 16 15.28 0 992 そうかもねー 私は前者なので、アリエナスというよりは勇気あるなーと感心した。 祭の掟に逆らうなんて、町内全部を敵に回すのと同じ意味だものw うちの義弟嫁は最初から参加しないけどねwwww 995 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 10 17 28.69 0 なにか底意地悪いよね 義兄嫁は父親が死んで参ってるのに同居家族は嫁一人残して祭りに行く気満々。 息子だって行きたかったろうに母親のために我慢してくれたのに、 年が近い甥っ子がこれみよがしに御神輿担ぐとかありえない そりゃ、法律で禁じられてるわけじゃないけど 同居のいとこが不参加なら少しは思いやるもんじゃないの? 997 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 10 18 46.47 0 995 同意。 配慮や気遣いとは、こう言う時使うもんだ。 Next→45-959