約 5,047,515 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1047.html
零より来る者──あるいは準々決勝(後編) ロッテお姉ちゃんが構えたのは、天使の輪によって極限まで収束した 閃光の槍。対する弁慶さんの相棒は、刃を集め力を束ねた旋風の槍。 どちらも、まともに喰らえば必死……全身全霊を込めた一撃だもん。 距離は十分取り……互いに残ったブースターを、全開にするんだよ! 「……ドライ!」 「……ツヴァイ!!」 「……アインッ!!!」 『ゲーン(往きます)!!!!』 そしてきっかり三カウントの後、二人はアスファルトを蹴って走る! 瞬きする間にも距離は詰まっていき……互いの力が高まるんだよ!! 「穿て閃光ッ!!……神儀、ブリッツ・シュピッツェッ!!」 「偽りよ、全てを覆せ……ストラーダフェイクゥッ!!」 そして、僅かコンマ0.24秒……互いの槍は大気を切り裂いて交錯ッ! 互いのエネルギーがスパークした衝撃で、フィールドは閃光に包まれて、 余波が地面を薙ぎ払っていくんだよ。二人の姿は暫く見えなかったけど、 土煙と残光が晴れた後、そこに立っていた二人は……ズダボロなんだよ。 「ほら、見ろ……弁慶の方が、強かった……」 「……確かに、この槍……迷いのない、一撃……ですの、ッ」 「ロッテ……ちゃんッ!?」 先に倒れたのは、ロッテお姉ちゃんだったんだよ。七つの刃でCSCを 砕くが如き一撃を受けて、アスファルトへ倒れ込むロッテお姉ちゃん。 でもボクは見たんだよ……弁慶さんのお腹に突き立てた、光の槍をね? 「……気は、抜けなかった……手強い、奴……ッ」 『べ、弁慶ッ!?弁慶ッ!!』 『これは果たして!?……ジャッジは、弁慶選手の勝ちですっ!!!』 「Wooooooooooooooooo!!!!」 相打ち気味に、折り重なる様に倒れる弁慶さん。でも、及ばなかったね。 全力は出し尽くしたもん、ロッテお姉ちゃんもボクも悔いはないんだよ? エントリーゲートから戻ってきたロッテお姉ちゃんを抱え、オーナー席を 降りて、千空さんの所にボクらは歩く。“勝者”と握手がしたいもんね。 「……リベンジお見事なんだよ、弁慶さんに千空さん。完敗、かもね」 「良い戦いが出来て、わたし達幸せですの~♪……って、千空さん?」 千空さんも、こっちに歩いてきたけど……さっきより、顔色が悪いかな? とりあえずは、勝者を称える為に手を差し出して、握手をしたんだよっ。 でもそれと、ボクの胸に千空さんが倒れてくるのは同時……だったかな。 「は、はぁ……よかった、弁慶勝ったんだね……あっ、目眩が……ッ」 「!?……千空さん、千空さん?……気を失ってるんだよ、弁慶さん」 「緊張で、貧血か。すげぇ迷惑……お前、千空を頼む。なんか面倒だ」 「分かったんだよ、千空さんは男の子だけど……うん。軽い、大丈夫」 どうやら、ボクとの握手で緊張の糸が切れちゃったみたいなんだよ……。 多分ステージに上がる前から、緊張で体調崩してたのかもしれないもん。 ボクらは急いで、救護室に千空さんを運ぶ事にしたんだよ。その途中で、 晶お姉ちゃんと“神姫部”の皆を呼び集めたけど、診断は……面会謝絶。 「こら弁慶。自分のオーナーに対して、あんな態度はいけませんよ?」 「な……なんだ義経ッ、煩い!弁慶がどうにかするの、すげぇ面倒ッ」 「……ひょっとして、弁慶さんってかなり素直じゃない性格ですの?」 「すみません皆さん……こんなですけど、弁慶も心配してるんですよ」 「し、してないしてないしてないッ!?勝手な事、言うな!……全く」 「紅くなっちゃって……可愛い所もあると思いますよ、弁慶さんは♪」 弁慶さんは、舞台上での言動を義経さんって神姫に咎められてる所だね。 ボクがこれを見ているって事は、ボクらも人数の都合で入れないんだよ。 例外で、晶お姉ちゃんだけが認められたんだもん……会話が聞こえるね。 「ドクターストップだそうだ。情け無いぞ千空よ、あの程度で……」 「そ、そう言われてもあんな大舞台で……僕、死ぬかと思いました」 「……もう少ししっかりしろ。弁慶は私の“妹”を下したのだぞ?」 なんだか、晶お姉ちゃんに覇気がない気がするのは気のせいかな……? ……“神姫部”の人達も、ニヤニヤしたり悔し涙を流したりしてるね。 ちょっと、千空さんが羨ましい気もするんだよ。皆に想われてるもん。 「でだ。その……貴様に梓が勝ったら、貴様を……という話だったな」 「あ……い、いいんですよ。そんな話僕はどうだって……晶さんっ?」 「い、否っ!!私は気に入らぬ……その様なアンフェアな話は好かぬ」 「え、ええと。あのー……晶さん?どうしたんですか、もじもじして」 ……なんだか、晶お姉ちゃんの声が急に上擦ってきた気がするんだよ。 だけど現実に出てきた言葉は、その異変以上に凄い物だったんだよッ! 「……その、チップは逆の条件を提出しよう……と言う事でどうだ?」 「ぎ、逆のチップ?あの、えっと、それって……ええっと~……!?」 「貴様な……一日借りるが、その時私を好きにしろ!という事だッ!」 ──────思考が、空白になる。そして、直後に皆が発したのは……! 『え゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!!!?』 まさに“絶叫”だったんだよ。誰も予想だにしない、有り得ない契約。 でもそれは今、晶お姉ちゃんの口から告げられてしまったんだよ……! “神姫部”の皆も大騒ぎだけど、ボクの両肩に乗るアルマお姉ちゃんと ロッテお姉ちゃんも、それは今までにない酷い取り乱し様だったもん。 「え、ええっ!?マイスター、あの人にもらわれちゃうんですかッ!」 「まさかそんな事はないと思いますけど、うう……どうしますの!?」 「こんな時は……深呼吸なんだよ……すー、すー、すー、す……うぐ」 「あ、梓ちゃん吐いて吐いてッ!息を吐いてくださいですの~っ!?」 「これから、マイスターと千空さんどうなっちゃうんでしょう~……」 ──────新たな波乱と共に、ボクらの“祭り”は終わったんだよ。 メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/567.html
暗き過去に、深き眠りを(後編) どうやら“かまきりん”の制御は、本体たる神姫素体から蟷螂頭の方に 移ったらしい。恐らく昆虫の頭に専用のAIが仕込んであるのだろう。 AIの導入自体は誰もがやっている事なので構わないが、この使い方は 少々解せなかった。神姫の意思を無視する事は、私もアルマも赦せん! そしてアルマは“アサルトキャリバー”を起動させ、距離を詰める!! 「……ここからは、本気で行きますッ!!」 「Shaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」 「行け“かまきりん”!何かされる前に切り裂いちゃえ!!」 そっと、アルマが自らの腰に手を当てた。ベルトのバックル部分だ。 縁に偽装されたレバーを半分起こすと同時に、“Heiliges Kleid”の アーマーが浮き上がり、垂れ下がっていたマント部分が水平に立つ。 その縁は実剣の様に研ぎ澄ましてある……全てはこの時の為なのだ! 『Plug-out!』 「G、Gyaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!??」 「アルマ!……よし、装備の折り込みと展開は成功した様だな」 再び電子音が叫ぶ。同時にアーマー全体が爆ぜ、四方に飛び散った! 鋭利な装甲板が幾つも胴部に刺さり、蟷螂の悲鳴が空間を支配する。 そして肝心要の爆心地には、既に先程までのアルマの姿はなかった。 ダメージをどうにか堪えた魔物が必死になって、“敵”の姿を探す。 「ぶ、ぶひ!?どういう事……?“かまきりん”ッ!!」 「Urrrrrrrrrrrrrr……!?」 「ここです、あたしはここにいます!」 「ぶふぅ!?あ、あれは……“あくまたん”!!」 皆の視線が上に集まる。キャノンの誘爆やアルマの“装甲排除”によって 鍾乳洞の天井は一部崩れ、外の光がエンジェルラダーの様に差していた。 その輝きを背に天へ舞うのは、黒き一人の武装神姫だった──アルマだ。 「……いいえ、そうじゃないですよ猪刈さん……ッ!!」 「Grrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr……!?」 「あたしは、紅星の閃姫(ロードナイト・ヴァルキュリア)です!」 紅き星の閃きを持つ戦乙女……私が三人の為に考えた二つ名の一つだ。 ロッテに以前約束した事柄であるからな、二人にも是非与えたかった。 センスが壊滅的な猪刈めには、一生こういう思考は宿らぬだろうがな? 「ろ、ろっ?な、なんだよそれ格好悪い……“かまきりん”!!」 「Syarrrrrrrrrrrrrrrrrrrrraa!!!!」 「紅き“戦乙女”の名にかけて……この戦い、頂きますッ!」 悪魔の意匠を一部残す物の、頭上に輝く“天使の環”と弾倉機構を持った 大いなる槍に盾……ロッテに引けを取らぬ“戦乙女”の姿がそこにある! 翼の狭間にある二基のブースターは、さながらアルマの頭髪にも見えた。 ロッテの勇姿と他に大きく違うのは……大型化した腰部のスカートだな。 「なんだよ、ナマイキ言っちゃって!撃て撃てッ!!」 「Shagyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」 「マイクロミサイル!?……ですが、この程度ッ!」 変わり身にすっかり興奮した蟷螂めは、命令通りに全身の装甲から ミサイルを放つ。だが、撃っているのは“かまきりん”ではない。 砲撃特化のフォートブラッグなら兎も角、この程度の戦術AIなら ミサイルの弾道制御も上質ではない。全身のブースターを噴かし、 無数の弾幕を振り解きつつ上空から一気に接近……背後を取った! 「一気に攻めろ、アルマ!勝負を決めてしまえ!」 「はいっ!この槍で……魔物を、倒しますッ!」 ここが最大の勝機と見て、私は最後の指示をアルマへと与える。 猪刈の判断不足に付け込んで、一気に畳み込むチャンスなのだ! 「ブレードスカート起動……はぁあっ!」 「Shaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!?」 「鎌が!?な、なにしてんだよぉ、斬れ、踏めっ!!」 “妹”は私の言葉を受けて、スカートに仕込んであった“腕”を 展開。その先端に据えられた六本のブレードを高速回転させて、 振り返りざまに斬ろうとしてきた蟷螂の鎌を、跳ね飛ばした!! 皮肉にも、同じ第四弾のジルダリア・ジュビジー両方のタイプを 参考にした新武装、“ヴァルキュリア・ロクス”の一撃だった。 「貴方の腕は二本。私には……もっと沢山の腕があります!」 「Gyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!?」 「か、“かまきりん”ッ!?」 そう宣言したアルマは、左手のバックラーを水平に構え……発射! いや、より厳密には盾に仕込まれたクローアームを展開したのだ。 鈎爪は過たず蟷螂の頭を捉え、アームの先端に仕込まれた銃器…… “ジャマダハル”サブマシンガンが複眼式カメラアイを粉砕する! 「捉えました……これで、決めさせてもらいますっ!」 「AhhhhhhhhGyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa……!!」 「ぶひぃ~っ!!!ば、バカなバカなぁっ!?」 AIの戦意が薄れた瞬間を狙い、アルマは胴体を垂直方向に貫く形で 左手で支えた槍を突き刺し、右手に掛かった“トリガー”を弾いた! 同時に炸薬の衝撃で、鋭い穂先が蟷螂の機関部へと叩き込まれる!! 「──────フォイエルッ!!」 「Gaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa……!???!」 「ぶひぃ~っ!!!ば、バカなバカなぁっ!?」 アルマが“別のトリガー”を弾いた瞬間、忌まわしい蟷螂の上半身は 木っ端微塵に爆ぜる。“かまきりん”の武装は全滅、勝負ありだな。 裂帛の轟音が止んだ後には、胴体を砕かれ藻掻き苦しむ魔物が居た。 「ど、どういう事だよッ!?なんで槍だけで爆発ぅッ!!?」 「零距離砲撃をしてはならないと、誰も決めておらんだろうが」 「今回は、シュラム用のグレネード弾を撃ち込んでみましたよッ」 右手の“フラーメイェーガー”は、一見してただのランスではない。 炸薬によるパイルバンカー機能は勿論の事、穂先を通して敵の体内に 弾丸を撃ち込む事が出来る、“零距離砲撃の為の銃”でもあるのだ。 リボルバー機構まであるのに全く気付かない、猪刈めの眼力が悪い。 「今出してあげますから……やああっ!!」 “ヨルムンガルド”を拾ったアルマが、残った蟷螂の躯を斬り捨てる。 その中には、悪夢から醒めつつある“かまきりん”が横たわっていた。 感極まったアルマは武器を全て降ろした後、彼女をそっと抱き寄せた。 「う、ぅ……あれ、小官は……まだ生きてる……?」 「ユニットが壊れて、正気を取り戻したのか。何よりだ」 「……よかったです。助かってよかった、助けられた……!」 「小官の負けみたいですね……話を、聞かせてください」 『テクニカルノックアウト!勝者、アルマ!!』 「これであたしの過去も精算できました、マイスター!」 こうして戦いは終わり、二人は無事にヴァーチャル空間を抜け出した。 以前の時と同じ鐵を踏まない為に、私はエントリーゲートからアルマを 素早く回収……すぐに猪刈の所へと向かった。案の定口論をしている。 別れ際にアルマが2~3助言をした為か、“かまきりん”の目は鋭い。 洗脳か自閉症か分からんが……ともあれ今は、それを振り払った様だ。 「なんであんな負け方するんだよぅ!お前までバカかッ!?」 「お言葉ながら……小官にもマスターを選ぶ権利がある筈!」 「そう言う事だ猪刈。衆人環視の中で約束を破るか、貴様?」 「う、うぐっ!う、煩い!そんな約束なんか……ゲゥッ?!」 あのバカが“かまきりん”を破壊するよりも早く、ロッテが動いた。 私の肩を蹴って跳躍し、猪刈の眉間を“フェンリル”で殴ったのだ。 鉛玉を撃ち込むよりは遙かに弱いが、奴を気絶させるには十分だな。 「蒼天の旋姫(セレスタイン・ヴァルキュリア)が、見届けてますの」 「……ロッテや、二つ名とはバトルエントリー時に名乗る物だぞ?」 「これだって立派なバトルですの。あの娘を救い出せましたしね♪」 「忝ない。後、相談なのだが……マスターを捜していただけないか」 「引き受けよう、最早猪刈などの元で苦しむ事がない様に手配する」 ──────悪夢は必ず醒めるよ、朝はきっと来るのだから。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/goronka/pages/2497.html
【作品名】武装神姫 【ジャンル】アニメ 【先鋒】クララ 【次鋒】アン 【中堅】イーダ 【副将】アーク 【大将】ヒナ 【設定】 メディアミックス作品で、フィギュアごとに記載されている設定と最低限の公式設定さえ踏まえていれば媒体ごとの設定の違いが許容されると公式で決まっている。 そのためフィギュアごとの設定とアニメの公式サイトの設定、作中の描写にてテンプレを作成している。 神姫 全高15cmのフィギュアロボ。心と知性と感情を備えている。 様々な装備を換装し、オーナーを補佐する。量産品なので同じ顔の別人が普通に登場しうる。 その中でも、戦闘目的で武装された神姫を武装神姫と呼ぶ。(公式共通設定) 神姫は鉄アレイや掃除機を普通に担いで歩けるほど力持ち。起動したてでもすぐに戦闘可能で、驚異的なバランス感覚、運動能力を備える。(1話、2話) 作業能力も驚異的で、たった3体の神姫でも主人が高校の始業式に出かけ、帰ってくるまでに数十箱の引っ越し荷物を全部整理することが可能。(1話) 防水も完璧なようだ(1話、4話。クララが川に落ちたり、レーネが酢をモロに被ったりシャワーを浴びても平気だった) バッテリー駆動。丸一日は充電しなくても動ける模様。(3話) ある程度暗くても平気。目は望遠機能もある。(3話) 口にしたものの成分が分かる。(2話) 周辺地図を視界に呼び出せる。また仲間の位置が分かる。(3話) レーネが「魚臭いのです…」と言っていたり、風呂で気持ちよさそうにしていたりするので人間に準じる五感も備わっているようだ(2、3話) ビジュアライザー バトルフィールド展開装置。原理不明。仮想空間の可能性はあるが、フィールドには物理的実体がある。 以下根拠。神姫ハウスも参照。 ・内部で使用される武器は実弾で、内部で銃弾がかすった手紙はバトルフィールドの外に出てからも損傷が残っていた。(1話) ・また外部への流れ弾を防止する機能があるようだ。(1,3話) ・3話時点でバトルフィールド内部と外部で威力や機動力に差が出ている描写はない他、神姫ハウス(下記)でも中でわざわざ体を洗っている等(3話)しているので、内部での行動は全体的に現実に準ずるようだ。 よって、バトルフィールド内部での神姫同士の戦闘描写は原則、採用する。 神姫ハウス ビジュアライザーを改造した神姫用の家。 改造と言ってもビジュアライザーにデータディスクを入れているだけなので、単に居住用の出入り自由なバトルフィールドを展開しているだけと思われる。 温泉や銭湯、何故か地下壕まである。 停電で機能停止した際急に消えた時、内部で椅子に座っていたストラーフが尻もちをついていたので、物理的実体があると思われる。 【名前】クララ 【属性】セイレーン型MMSエウクランテ 武装神姫 世界大会準優勝(笑) かまセイレーン 町内大会優勝 【大きさ】15cm 【攻撃力】 《エウロス》小剣。エウクランテ型には二本あるが、クララは右手にエウロス、左手にボレアスを装備している。 自分の身体を貫通する威力の大剣と真正面から打ち合える。威力も同等と思われる。 《ボレアス》設定上ビームランチャーのはずだが、アニメでは機関砲として描写されている。 神姫に合わせたサイズのビルをぶち抜く威力。着弾点で数センチの爆発が起こる。ひょっとしたらビームマシンガンかもしれない。 【防御力】倒れてきた神姫に合わせたサイズのビルに押しつぶされても平気。 岩に叩きつけられて叩きつけられた側の岩が砕けるほどの衝撃でも平気。 アンのライトセイバーでぶった切られてもさほどダメージを受けない。 「5秒で片付けてあげる。ここがあなたたちの墓場よっ!」と言い終えてからちょうど5秒後、イーダにワンパンで倒された。 【素早さ】数十センチの距離から機関砲が仲間に撃たれたのを知覚して武装しながら割り込み庇える反応速度のアイネスと互角。 飛行可能。バトルフィールド内の人間でいえば1km以上は余裕にある距離(実際はその1/12)を1秒弱で通り抜けているので秒速100m程度はあるだろう。 【特殊能力】 《プレステイル》武装を組み合わせて飛行マシンであるプレステイルに変形可能。 …なのだが作中ではレースのために無理やりタイヤを(輪ゴムで)つけてた。 タイヤは飾りで地面ギリギリを飛行していたと思われる。 アークのパトクロス並みの速度は出る様だがスレ的には意味はあまりない。ちなみにダサい。 単純に小さいので人間等からの攻撃は非常に当たりにくく、視認もしにくいものと思われる。 逆に武装神姫からの人間への攻撃は的が大きいので非常に当てやすいだろう。 【備考】神姫サイズのビルは第一話冒頭に登場したもの。階数は40階以上の模様。サイズは現実の1/12のはずなので、単純計算で10m以上はある。 【長所】間垣神姫にしてはひんぬー。 【短所】間垣神姫なので平均と比較すると巨乳。 【名前】アン 【属性】天使型MMSアーンヴァルMk2 武装神姫 【大きさ】身長15cm 【攻撃力】 格闘 アンは拳足での攻撃を多用する。蹴りでコンクリが砕け40cmほど飛び散る(3話) 素手でクララにダメージを与えられる程度。 《M8ライトセイバー》 名前の通りのビーム式の剣。素手よりは威力があると思われる。(1話) 《アルヴォPDW11》 銃剣付きのサブマシンガン。弾切れする様子はない。素手よりは威力があるだろう。(1,3話) 【防御力】コンクリを砕くアークの格闘でも目立った損傷はない。 【素早さ】クララ以上の速度で飛行可能。クララを近接戦闘で圧倒する反応。 【特殊能力】単純に小さい。人間等からの攻撃は非常に当たりにくく、視認もしにくいものと思われる。 逆に武装神姫からの人間への攻撃は的が大きいので非常に当てやすいだろう。 【長所】あんばるの伝統に従い微妙にやんばる 【短所】あざとい 【名前】イーダ 【属性】ハイマニューバトライク型MMSイーダ 武装神姫 武装神姫中最貧の胸を誇るひんぬー 【大きさ】身長15cm ちなみに実物大のフィギュアで測ってみたらスリーサイズが5/3.9/5.8 【攻撃力】 《OS-36 Aカービンエクステンド》 イーダが装備する機関砲。瞬時に他の武器と換装可能。 弾丸の一発一発がビルの屋上のコンクリートをあっさり砕き、2m近い爆発を起こす威力。 人間が使用する重火器と比較しても遜色ないだろう。 《エアロチャクラム》 両腕の更に外側にある二基の巨大なクローアームユニット。トライク時の前輪なのでタイヤがついている。 一撃でクララを瞬殺する威力。人型時に地上を高速走行する際は車輪を利用するため、片方が使えない。 《エアロヴァジュラ》 ヒナのグリーヴァと打ち合っても平気な大剣。威力も同等だろう。 《スリルドライブ》 単純にひき逃げアタック。武装神姫を数十メートル吹っ飛ばせる。 コンクリを砕くだけのパワーがあるものと思われる(コンクリを砕くパワーがあるアークと互角のパワーがあるヒナと鍔迫り合いで互角。3話) 【防御力】 ヒナに空中戦で体当たりしてぶつかっても大丈夫。 乗っていた車ごと深さ1mくらいの落とし穴に落ちたが無事。 【素早さ】 反応速度は機関砲の砲弾を数十センチの距離から刀で弾き、回避しながら肉薄してくる敵と互角。 近接戦闘でクララが全く反応できないほどの反応。 ・人型形態 飛行可能。アークと同等。 4秒で40~50mは移動しているので移動速度は秒速10m程度か。 ・トライク形態 前二輪後一輪の車両形態に変形した武装。 凄まじいドライビングテク。数センチの助走しかせずジャンプして窓から外に飛び出したり、そのままビルの壁面を駆けあがれる。 写っている隣のビルから推測して、8階以上の高さまで約4秒で駆け抜けられる。(3話) また、雨天の中、7~8m程度の距離を0.5秒で走り抜けている(4話) 瞬時にトライクへと変形できる。トライク部であるヴィシュヴァ・ルーパーと人型の本体は構造上独立しているので降りて戦うことは可能。 ちなみに車両らしくライトがついている。 【特殊能力】 単純に小さいので人間等からの攻撃は非常に当たりにくく、視認もしにくいものと思われる。 逆に武装神姫からの人間への攻撃は的が大きいので非常に当てやすいだろう。 【長所】ひんぬー!ひんぬー!! 【短所】回避型なので防御描写が少ない。 【名前】アーク 【属性】ハイスピードトライク型MMSアーク 武装神姫 【大きさ】身長15cm 【攻撃力】 格闘 ぶつかるだけで地面のコンクリが砕ける。 《ダブルアームフォールディングナイフ》関節を備えたアームで保持されたナイフ。普段は折り畳まれ、伸びた時の長さはナイフというより槍。素手よりは威力・リーチともにあるだろう。 《OS-35 Aライフルエクステンド》 イーダのカービンとほぼ同等のサイズの機関砲。威力も同等だろう。 《スーパーシルバーストーン》 トライクの先端に装備している機関砲。トライクの軸線を合わせる必要がある。取り外して手持ちでも使える。 イーダのものよりデカい。アークとイーダは同じメーカーの姉妹機なので威力も相応にあるだろう。 《ロードファイター》 要するにひき逃げアタック。轢かれた神姫が数十メートルほど吹っ飛んでいく威力。 【防御力】 モロにアンのレーザーソードを喰らってもパトロクロスから吹き飛ばされただけで目立った損傷はなく、まだ動くことができた。 素手でアンと殴り合っても平気。 【素早さ】 飛行可能。アンと互角。 腰部から伸びた車輪で人型時でも高速走行が可能。 ・トライク形態 前一輪後二輪の車両形態。単純にパーツ組み換えによる変形。 瞬時にトライクへと変形したり、逆にトライクから人型へ変形できる。高速走行中に人型に戻って跳躍、攻撃といったこともできる。 トライク部であるパトロクロスと人型の本体は構造上独立しているので降りて戦うことは可能。 飛行していないが、飛行中のアンより早い。 【特殊能力】 単純に小さいので人間等からの攻撃は非常に当たりにくく、視認もしにくいものと思われる。 逆に武装神姫からの人間への攻撃は的が大きいので非常に当てやすいだろう。 【長所】アンをあと一歩まで追い詰めた。 【短所】美乳 【名前】ヒナ 【属性】悪魔型MMSストラーフMk2 武装神姫 【大きさ】身長15cm 【攻撃力】 腕が四本あるため大量の武器を同時に使用可能。 パワーはパンチ一発でクララを倒したイーダと互角。 《コーシカ》家の壁をあっさり貫通する威力(2話)の小剣。素手でコンクリを砕く相手と同等のパワーで振るう。 《グリーヴァ》巨大な大剣。同型機である大会優勝者のストラーフMk2が使用した際、ビルをあっさり真っ二つにする威力だった(1話)武器も使用者も量産品で違いは人格のみなので威力は同等とみていいだろう。 《ジーラヴルズイフ》巨大なハンドガン。壁を貫通する威力(2話)。 《ローク》ガトリング砲を備えたシールド。石畳を砕き20cmくらいの爆発が起こる威力(4話) アークと互角のパワーがある(3話)ので、素手でもコンクリを砕けるだろう。 【防御力】 イーダの機関砲が尻にかすったがペイントが剥がれただけ(3話) 素手でコンクリを砕くアークと何度もぶつかりあったが無傷(3話) 【素早さ】飛行可能。アークやイーダよりやや上(3話) よって、クララより早いので秒速100m程度か(クララはアークと互角のアンと互角) 反応速度は、数十センチの距離から機関砲で撃たれても剣で叩き落としながら肉薄して近接戦闘に持ち込める程度。 【特殊能力】 単純に小さいので人間等からの攻撃は非常に当たりにくく、視認もしにくいものと思われる。 逆に武装神姫からの人間への攻撃は的が大きいので非常に当てやすいだろう。 【長所】実は全裸 【短所】直撃を食らったことがないので防御がよく分からない。 【備考】よく見るとコーシカかとおもったらグリーヴァを小さくしたように見えるがよく分からないので、差別化の意味を込めて名前はそのまんまに。 参戦 vol.110 16-21
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/531.html
神は降りて、姫とならん(前半) アルマも落ち着き、暫く経ったある冬の日。私達は四人連れ立って とある場所を目指し電車を乗り継いでいた。ロッテとクララは肩、 アルマは白衣の胸ポケットだ。何れも掴まりやすく改造してある。 しかし何だ。アルマは意外な側面を、先程から見せつけてくれた。 「はぐはぐ……マイスターおいしいです、はいっ……♪」 「アルマや、コンビニのおにぎりを1つ丸々喰うのか?」 「うぐ、んっ……はい、だって食べ物がこんなにっ……」 この通りアルマにも食事機能があるのだ。しかもこの娘は大食い。 恐らくあの大修理時にMk-Z氏が仕込んだのだろうが……侮れぬな。 というわけで三人に昼食を与えながら、私達は電車を乗り継いだ。 「けふっ。ごちそうさまでした、マイスター……えっとぉ」 「そうか……では、そろそろ指定された駅だ、降りるぞ?」 「はいですの~♪それにしてもフェレンツェ博士……一体」 「マイスターの意見を聞く限り、マッドサイエンティスト」 私の背後に、脅威・好機……色々な視線が注ぐ。食事を喰う人形。 大方はそんな意識故だな。珍しいかもしれんが、嘆かわしい事だ。 自然からすれば人間の食事風景だって、同じくらい奇異な物だぞ? 半ば八つ当たりに近い義憤を仕舞い込み、私はカートを展開する。 それは大きなスーツケースをフロントに構えた、折り畳み自転車。 住まいがあんな地下である為、普通の自転車では何かと不便でな。 「さてと、ここから……もう見えているか。あのビルへ向かう」 「……マイスター、なんだか話が大きすぎる気がするんだよ?」 「私もそう思っている。まさかフェレンツェめの研究所が……」 都会の風を浴びながら、自転車を軽やかに乗る私は思う。彼奴めが “あの”鳳条院グループ・本社ビルの一室を占拠しているのだぞ? 博士の研究テーマは今まで知らなんだが、あれでも天才科学者だ。 本社に“幽閉”されていたとて、それ自体はおかしくないのだが。 「そして何故、私が呼び出されるかだ。あの馬鹿げた方法は兎も角」 「マイスター……まだ橘さんの前でのアレ、怒っちゃってますの?」 「当たり前だ!あの親父め、人の前で恥を掻かせおって……ッ!!」 ……聞くな。真面目に応対した私がバカなだけだ、その筈だが! 奴めから代金をむしり取り、詰問でもしてやらねば気が済まぬ。 というわけで、私はビルの入口……というより検問所に着いた。 「お嬢ちゃん、ここは散歩コースじゃないよ。別の道へ──」 「たわけ!22階のフェレンツェ博士に言え、槇野が来た!」 「へっ!?じょ、冗談言っちゃ……って、槇野晶さんッ!?」 「名前があるならさっさと通せ、博士とて暇はなかろうっ!」 「は、はいっ。で、でもどう見ても幼女……う、ううぅん?」 来客リストと私の顔を見比べる警備員を後目に、敷地へと入る。 顎に一発くれたかったが、ここで揉めて警察沙汰も馬鹿らしい。 この怒りも全部、フェレンツェめにぶつけてやるとしようかッ! 「ハッハッハ、よく来てくれたね槇野く……ぎゃああっ!?」 「此方から出向くのは初めてだな、なぁフェレンツェ……?」 「痛たたた、しかしいきなり膝蹴りとはヘビーな挨拶だねぇ」 「己の胸に半分聞け。もう半分は八つ当たりだ、気にするな」 というわけで、研究所に通されるなり私は一撃をくれてやった。 まあ奴も十分変人、この程度でへこたれる様なタマではないな。 その場で、私は神姫“三姉妹”達の紹介をさせてやる事とした。 「ふむ、こちらが以前からのロッテ君。で、クララ君にアルマ君か」 「そうだ。所でその“撫でながら話す”癖はどうにかならんのか?」 「何、私にも娘がいてね。どうしても手が寂しくなると言うかなぁ」 ……今、物凄い事を聞いた気がした。フェレンツェめに娘だと!? 「それは今度聞こう……一々自慢する為に喚んだ訳ではあるまい?」 「いやいやっ。そんな事で喚んだとあっては、私は殺されてしまう」 「分かっているなら、本題に入ってくれ。重要な事なのだろうしな」 私が催促すると博士は部屋の自動式カーテンを閉じ、壁際に歩いた。 何なのか?と勘ぐった私を振り向き、博士は神妙な面持ちで問うた。 「……槇野君、君にも我が研究に協力してもらいたくてね」 「口外するな、嫌なら帰れ、大仰な実験だ、と言うのか?」 「いや、君は話が早くて助かる。実験とは……これなのだ」 博士は壁にセットされたテンキーを操作して、カードを差す。 鈍い音と共に壁……と思われていたシャッターが、展開した。 「これは人間……いや、ヒューマノイド・マシンか?!」 「人型神姫インターフェイス……彼女らの新しき躯だよ」 ──────そこに眠るは、新たなる神の噐。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/kuromame/pages/1.html
ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名、トップページ、メンバー管理、サイドページ、デザイン、ページ管理、等)することができます ■ 新しいページを作りたい!! ページの下や上に「新規作成」というリンクがあるので、それをクリックしてください。 ■ 表示しているページを編集したい! ページ上の「このページを編集」というリンクや、ページ下の「編集」というリンクを押してください。 ■ ブログサイトの更新情報を自動的に載せたい!! お気に入りのブログのRSSを使っていつでも新しい情報を表示できます。詳しくはこちらをどうぞ。 ■ ニュースサイトの更新情報を自動的に載せたい!! RSSを使うと簡単に情報通になれます、詳しくはこちらをどうぞ。 ■ その他にもいろいろな機能満載!! 詳しくは、FAQ・初心者講座@wikiをみてね☆ 分からないことは? @wikiの詳しい使い方はヘルプ・FAQ・初心者講座@wikiをごらんください。メールでのお問い合わせも受け付けております。 ユーザ同士のコミュニケーションにはたすけあい掲示板をご利用ください
https://w.atwiki.jp/busou_bm2/pages/117.html
Mk2から新しく登場するマスター 前作から引き続き登場するマスターはその1 マスター 神姫 装備 環綾香 シレーナ ゼピュロス+NS手榴弾+NSテンペスト+NSイリス・マスクパーツ+EXカイキアス・ブレストパーツ+MKアペリオテスR+リプスS+MKノトス・レッグパーツ+EXアイオロス・リアウイング+MKスキロン・ショルダーパーツ+MK ピュンマ・ハマハマ ナディア エウロス+NSテンペスト+NSアルヴォPDW9+NSイリス・マスクパーツ+EXカイキアス・ブレストパーツ+MSレイディアントリスト白+RDアペリオテスR+リプスS+EXノトス・レッグパーツ+EXアイオロス・リアウイング+MKスキロン・ショルダーパーツ+MS ミュー・垂乳根 満姫 トリアイナ+MTオルフェウス+FNネプチューン・トリトン+VCアリオン+OG淑女の手袋黒+BKヴァイスガーター+GCガラテイア・リアユニット+OGアンピリトテ・ショルダー+BK 平壁真垂 かべこ トリアイナ・ハスタ+MT金棒+LBサーマルセンサーレイディアントリスト黒+BKマジカルスカート+RDレザーブーツ黒+BK TSUGARU 赫 ホーンスナイパーライフル+NSフォービドブレード+NSアキナス+MSクラウスカチューシャ+EXホーリィアーマージャケット+GCホーリィバーニアスカート+EXSRX03ホーリィB+EXレインディア・タイプγ+EXSRX03 腕部アーマー+EX 五進クリニック 梓 フォービドブレード+LBココレット+LBクルイーククラウスカチューシャホーリィアーマージャケット+GCホーリィバーニアスカート+GCSRX03ホーリィBレインディア・タイプγ+GCSRX03 腕部アーマー ニーヌ・マッケンジ フィオ テンペスト+NSエウロス+LBタートルシェル+MSEVFフルカウル+MSEVFアリギエーリ+OGEVFサイドカバースカート+MSEVFキャンディチューン+OGEVFラムエア+OGEVFフェアリング+MS コバヤシ マッハ JLフォークブレード+BKJLライトガン+BKJLショットガン+BKJLエイプカウル+GCレイディアントアーマー白+BKJLフューエル・ユリ+GCJLエキゾースト+GCJLサーキュラソー・リア+GCアンピリトテ・ショルダー+BK 九州ライダー1号 ユリ EVFベイオネット+LBEVFガン+LBEVFアサルトライフルB+LBEVFラヴィ・ツインカム+OGEVFアリギエーリ+OGEVFサイドカバースカート+OGEVFキャンディチューン+OGEVFラムエア+OGEVFフェアリング+OG 九州ライダー2号 マリ JLショットガン+NSJLライトガン+NSJLフォークブレード+BKJLエイプカウル+OGJLフューエル・ユリ+OGJLエキゾースト+OGJLサーキュラソー・リア+OGJLクユラ・アクセント+OG 魔法使い 美紗緖 クルイーク+TKエスカトロジーゴスロリパラソル+BK忍装束"紫苑"+GCレイディアントリスト白+BKマジカルスカート+RDレイディアントフット白+RDコンしっぽ+GC 足寄百合香 美月 プリシニア・ルンカ+BK-9サブマシンガン+GRサラ・ヴァティーヌ+KYサークレットカウルZel Cプロテクター+GCレイディアントリスト黒+RDレザーパンツ+BKヴァイスガーターつれてけご主人様 三鷹台六朗 レイナ アキナス+MSOB サフィルスパーン+ALメイドさんカチューシャ+RDメイドさんハーフエプロン+RDメイドフリルスカート+RDメイドニーソックス+RD黒のパンプス+RD 丹下鍛造 桜 WA666アマラジェーニ+msズベンエルゲネブ カマリ+CRサラ・ヴァティーヌ+GCFL017スペクトルガードレイディアントリスト黒マジカルスカートマジック★ニーハイブーツ 島津佳美 アイラ ヴィヴィアン+MSズベンエルゲネブ カマリ+CRヴィヴィアン+AQEVFフルカウル+MSレイディアントアーマー黒+BKゴスロリスカートエンジニアブーツ 村ピープル ネヴィル JLライトガン+NSJLフォークブレード+BKZel ガトリングキャノン+LBコンみみ+OGFL013胸部アーマー+GCJLフューエル・ユリ+GCJLエキゾースト+GCアリアンロッド+RDJLクユラ・アクセント+GC 小田春海 くらら EVFガン+NSEVFベイオネット+LBジーラヴズルイフ+TKZel Gメット+ゴーグル+MSEVFアリギエーリ+OGビームリングアーム黄色+IREVFサイドカバースカート+MSEVFキャンディチューン+MSアイオロス・リアウイング+MKEVFフェアリング+MS 漆黒の牙 レヴィア スキュラ+MTニニアン+AQトリアイナ・ハスタ+NSEVFラヴィ・ツインカム+MSOSY010 CIクーラー+MKMU"ジェリーmk2"+MKアンピリトテ・ショルダー+OG 九鬼マユ チロ ゴスロリパラソル+BKライデン・トライハスタ+TKレサート・ロッドシステム+VCマルチセンサーゴーグルレイディアントアーマー黒+RDレイディアントリスト黒+RDレイディアントフット黒+BKトリムルティ+CL 薄田美幸 ミコ ネプチューン・トリトン+VCスキュラ+MT防壁+TKアリオンペネロペイア・BCD+OGMU"ジェリーmk2"+MKアンピリトテ・ショルダー+BK 五百旗頭かのみ タマモ EVFベイオネット+LBニンブス+LBEVFアサルトライフルB+NSヘッドセンサー・アネーロ+GCカイキアス・ブレストパーツ+MKEVFサイドカバースカート+OGEVFキャンディチューン+MSZel F.A Mユニット+OGEVFフェアリング+MS 戸次香織 エリカ 忍者鎌"散梅"+LBイゾルデ+KRイゾルデFL013 シニヨン忍篭手"紫式部"+GC忍草摺"紫蘭"+GC忍脚絆"紫鳳"+GC忍襟布"陽炎"+GC 戸次詩織 ユリカ エアロヴァジュラ+LBOS-36 AカービンEx+SKヴォーバン忍装束"紫苑"ゴスロリスカートOSY010 Aガード+GCトリムルティ+GC2mmSRCEXPLOD+GCOSY010アームガード+GC 倉田音羽 オルフェ ジークリンデ+MTP・A・R ショットガン+GRニンブスフレイアヘルメ+GCヴァイスブレストヴァイスカフス+GCヴァイスガーターニーベルング+GCヴァイスシュルター+GCヴァイスチョーカー+GC ダーリン あんこ M8ダブルライトセイバーLC3レーザーライフルトゥインクルバトンヘッドセンサーユニコーン+MSFL016チェストガードLGコレオプテール+MSロントラシューズパーツ+MSディコ・シールド+MSLSHアームレット+MS マスター 神姫 F3開始~F2優勝まで F1開始~F0予選開始まで F0開始後 青山遊馬 かさぎ ゼピュロスシルバーストーンカイキアス・ブレストパーツノトス・レッグパーツアイオロス・リアウイングスキロン・ショルダーパーツ 吠莱壱式+SKスタンロッド+msエウロスイリス・マスクパーツ+MSカイキアス・ブレストパーツ+MSアペリオテスR+リプスS+MSノトス・レッグパーツ+MSアイオロス・リアウイング+MSスキロン・ショルダーパーツ+MS エウロス+LBゼピュロス+LBプチマスィーンズ[CAT]+GCイリス・マスクパーツ+MSカイキアス・ブレストパーツ+MKレイディアントリスト白+BKアペリオテスR+リプスS+MSノトス・レッグパーツ+MSアイオロス・リアウイング+MKスキロン・ショルダーパーツ+MS 新渡戸総一 セイラ トリアイナスキュラアリオンペネロペイア・BCDガラテイア・リアユニットアンピリトテ・ショルダー トリアイナ・ハスタ+MTネプチューン・トリトン+MTアリオン+BKペネロペイア・BCD+BKMM09MR フィン+BKアンピリトテ・ショルダー+BK トリアイナ・ハスタ+MTイゾルデ+BKジーラヴズルイフ+TKZel グルーヴドメット+OGZel Cプロテクター+OGZel リストプロテクター+OGスキンファクシ+BKZel サイプロテクター+OGZel F.A Mユニット+OGディコ・シールド+GCZel ドラムマガジン+GC マスター 神姫 F2開始~F2優勝まで F1優勝~F0予選開始まで F0開始後 時速30km 和津香 フォービドブレードホーンスナイパーライフルクラウ・ソナスクラウスカチューシャホーリィアーマージャケットホーリィバーニアスカートSRX03ホーリィBレインディア・タイプγSRX03 腕部アーマー フォービドブレード+LBホーンスナイパーライフル+LBプリシニア・ルンカ+BKクラウスカチューシャ+GCホーリィアーマージャケット+GCホーリィバーニアスカート+GCSRX03ホーリィB+GCレインディア・タイプγ+GCSRX03 腕部アーマー+GC フォービドブレード+LBP・A・R ショットガン+GRヴォーバン+TKクラウスカチューシャ+GCレイディアントアーマー白+RDFL016Lガントレット+GCホーリィバーニアスカート+GCSRX03ホーリィBレインディア・タイプγ+GCSRX03 腕部アーマー+GC マスター 神姫 F1開始~F1優勝まで F1優勝~F0予選開始まで F0開始後 橋田義一 エムアール EVFベイオネットEVFガン+LBEVFアサルトライフルBEVFフルカウルEVFアリギエーリレイディアントリスト黒+RDEVFサイドカバースカートEVFキャンディチューンEVFラムエアEVFフェアリング EVFベイオネット+LBEVFアサルトライフルB+LBEVFラヴィ・ツインカム+MSEVFアリギエーリ+MSEVFサイドカバースカート+MSEVFラムエア+MSEVFフェアリング+MS レサート・ロッドシステム+LBヤタガラス+SPベアトリーチェ+VCEVFラヴィ・ツインカム+MSEVFアリギエーリ+OGEVFサイドカバースカート+OGEVFキャンディチューン+OGEVFラムエア+OGEVFフェアリング+OG 定岡千鶴 美礼 JLフォークブレード+BKJLスナイパーライフルJLショットガンJLエイプカウルレイディアントリスト白+RDJLフューエル・ユリJLエキゾーストJLサーキュラソー・リアJLクユラ・アクセント JLフォークブレード+BKJLライトガン+BKJLショットガン+BKJLエイプカウル+GCJLフューエル・ユリ+GCJLエキゾースト+GCJLサーキュラソー・リア+GCJLクユラ・アクセント+GC JLライトガン+NSJLショットガン+NSローク+SPJLエイプカウル+OGレイディアントアーマー黒+BKJLフューエル・ユリ+OGJLエキゾースト+OGJLサーキュラソー・リア+GCアンピリトテ・ショルダー+BK
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1439.html
猛り狂いし、地を灼く竜(中編) このガルラという娘。セイレーン型をベースとしていながら、機動性能は さほどでもない……というより、ピーキーな調整となっている様だった。 何故か?パッと見飛べないアルマの先手を取るならば、上空に舞い上がり 彼女の攻撃を回避しようと努める筈だ。だが、浮遊こそすれ飛び上がらぬ その飛行能力は……恐らく、大剣を活かした突進の為に用いる物なのだ。 読み通り彼女は騎乗するアルマの高さまで浮かび……一直線に突撃した! 「では、行きます……その愚鈍なトカゲで何処まで耐えられますか!」 「ッ!?は、速いッ!きゃうっ!?……っと!」 「……と言いつつ、その小さな盾で凌ぐとは。侮れませんわね」 「痛……作ってくれたマイスターの、御陰です!せぁぁぁっ!!」 「くっ、この槍も……鋭い!?いえ、これは貴女自身の……!」 だがアルマの反射とて生半可ではない。咄嗟に“ティンクルスター”の ビームシールド機構を展開して、大剣の一撃を凌ぎきったかと思えば、 “センチュリオン”の能力……アルマの場合は、電磁徹甲機能だ……を フルに活かして、鋭い突きを幾度と無く繰り出していく。そう、相手は 重量級ランクでは軽量の類に入る“神姫パーツ流用組”。槍の一撃でも 相応の傷を負わせる事は可能だ!無論、アルマの“技術”もあるがな? 「修羅場を潜り修練を積んできたのは、伊達じゃありません……ふっ!」 「うぁっ!?……しかし、下に潜り込めば届かないでしょうッ!」 『グァオオオッ!!』 「!?しま……くあぁっ!?」 流石に堪えきれなくなったガルラが、下から攻めようと高度を下げる。 だが通常のヴィークルと違い、アルマのそれは恐るべき“竜”である。 彼女がそれと相対する危険性に気付くのと、大角での突きを喰らうのは ほぼ同時だった。装甲を貫通するには至らぬが、効いた様だ……だが! 「ファフナー、そのまま跳ね上げて!“アレ”をやりましょうっ!」 『グル、ァァッ!!』 「う、わああぁぁっ!?」 「“エルテリア”……そして“ヨルムンガルド”、出番ですよ!」 更に私の知らぬコンビネーションを、アルマとファフナーは発揮したッ! 角に引っかかったガルラを、そのまま天に放り投げるファフナー。それを 追って、緊急用排出機構を用いたアルマが己を天に打ち上げる!両手には 盾と槍ではなく、双振りの“クレイモア”が握られていた。片方は従来の “ヨルムンガルド”が合体した通称“ホーン”という大剣。もう一つは! 「な、っ!?その剣は……槍と盾が、合体……ッ!?」 「“ソリッド・バスタード”。魔剣の威力を活かす形態です!はっ!!」 「ぐぁっぅううっ!?」 そう、“センチュリオン”と“ティンクルスター”には変形機構がある。 “妹”達が携える魔剣の、直接的なパワーを引き出すパーツとなるのだ。 アルマの場合は“剣達を統べる”時、副次的に発生する硬度強化の権能を 利用している。盾と槍が変形して出来た“巨大剣”を、魔剣エルテリアを 埋め込む事で使役させるのだ……“龍神剣エルジェネリス”の応用だな。 ともあれその双振りの剣で、ガルラは十字に斬り裂かれ地に落とされる! 「ファフナー、仕上げですっ!“フォールダウン”!!」 『グゥゥ……グルァッ!!』 「ひぁっ!?うわあああぁぁあっ!?あ、熱い……ッ!?!」 墜落と同時に、ファフナーがその顎から何かを吐く。それは“弾”だ。 “フォールダウン”。私が“プルマージュ”に与えた最後の共通武装が この砲撃機能だ。円錐状の弾丸は、内部に充填された物質を炸裂させて 着弾点に様々な打撃を与える。ファフナーのそれは“焼夷弾”。神姫の 鎧を融かし灼き尽くす“竜の吐息”。“灼地龍”という異名の由来だ! 実は二発しか撃てぬが、その威力は目の前のガルラが証明してくれた。 「これがあたし達のコンボ技、“ディスロケート・スラッシュ”!」 「痛……こ、この……調子に乗らないで頂きたいわね!」 『まだ削り切れていない、警戒しろアルマ!!』 「……え?朱天の刃が真っ二つに開いて……え、えぇっ!?」 『いかん!アルマ、避けろ!力場式のレーザーブレードだッ!!』 「──────遅い、ですわっ!!」 「きゃぁあああぁぁっ!?」 着地と同時に“再合体”して騎乗状態に戻るアルマは、誇らしげだった。 だが、相手も一筋縄ではいかない。己の大剣を先端から割り開いた彼女は その根本より、巨大なレーザー刃を発生させて……振り下ろしたのだッ! 全身の翼とブースターをフルに活かしたその斬撃は、アルマの脳天を狙い 真一文字に突き進み……そして、巨大な爆風がアルマ達を包み込んだッ! 「ふふふ、はははははっ!多少はやる様でしたが、これまでですわ!」 『アルマ……!アルマ、無事だな!?』 「ん……にしても遅いですわね、何をしているのジャッジシステムは?」 『……それは勿論。あたしが倒れてないから、ですよッ……!』 「え!?」 アルマの声に、ガルラだけでなく私達の視線も集まる。確かに爆風の中、 光の刃は地面に突き立っている……様に見えた。しかし、その中心点には 巨大なクレーターがあり、その奥に……一つの影があった!小さな脚と、 大きな腕。まるでヘリコプターの様な長い胴体に、メットのみの頭……。 その歪な“人形”が、“力場式”レーザーを真剣白刃取りしていたのだ! 「こ、れは……馬鹿な!?これを白刃取りなんて、無茶な事……ッ!」 「痛ぅ……力場式でなかったら、真っ二つでした。今も危ないですけど」 『“ゴーレム・シルエット”で耐えるとは。しかし負荷が高いぞ!?』 「分かってますマイスター!駆動系がバーストする、ギリギリです……」 「ならこのまま、押し切ってあげましょう……はぁぁああッ!」 “ゴーレム・シルエット”、それが“プルマージュ”第二の姿である。 “竜”の姿よりも“搭乗用ヴィークル”の側面を強調させたその機体は 防御性能に富んでおり、攻撃用の“武器腕”を備えた重装形態である。 神姫が中に乗り込み制御コアとなる事で、この形態は真価を発揮する! アルマはその“武器腕”……一種のヒートクローで、刃を止めた訳だ。 だが、大出力の閃光は長く止められぬ。そこでアルマは、討って出た! 「そうは、させません……“レコード・ブレイカー”点火ッ!!」 「ぅあっ!?あ、ああああぁぁっ!?」 『グルォォォーンッ!!!』 ──────己を護る精強な鎧で、反撃だよ……! 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1564.html
神姫ちゃんは何歳ですか?第三十話 初めての神姫バトルはタッグマッチ 書いた人 優柔不断な人(仮) 「で、挑戦状を叩き付けてきたって訳か」 「済まねぇ親父。でも、あたいガマン出来なかったんだ…せっかく親父達が直してくれたのに…」 顛末はユキ達から聞いた 「まぁ受けちまったものはしょうがない。二人とも辞める気は無いんだろ?」 「勿論です!」 「あたりまえだ!ああちくしょう、思い出しても腹が立つ!あのヤロウ『普通に戦っても面白くない。どうせならタッグマッチでやらないか。お前等は二人揃って一人前なのだろ?』と言いやがった!」 ティグリースとウィトゥルースは合体をコンセプトにしている為、そう思ってる人はかなり多い 実際には単体で使っている強豪も多いのだが。その中で武器パーツを購入してまで真鬼王やファストオーガを使ってる人なんて殆ど居ない しかし、真鬼王のイメージがあまりに強すぎて、『二人揃わないと真価を発揮出来ない神姫』と勘違いされているのがこの2体を使っているマスターが少ない理由と言われている 「大丈夫よ二人共。なんたって、センパイが付いてるんだから」 二人を励ます皐月 「あまり…楽観視は…できません…」 しかし、水那岐がそれを否定する 「え?なんで?」 「あのな皐月…確かに俺は色んな神姫を見てきたり、様々なデータを見たりはしてきたが、俺自身はバトル初心者だぜ」 「あ…」 「しかもティールもファロンも原因不明のプログラム不調があって、まともに戦えるか不安だ。検査したが、サポートプログラムには何の異常も無い」 ユキやミチルが気づき、そして相手が指摘したという攻撃動作の不調。その原因が掴めないでいた 「とりあえずデフォ装備で行ってみるしか無いな。合体攻撃も封印だ。現状では使えるかも不安だし、なにより装備が無くなった方を狙われる危険がある」 「じゃな。相手も真鬼王が出る可能性の高いタッグバトルを挑んできたくらいじゃ。なんらかの策があるやもしれん」 ふと相手の戦績を見る エル(セイレーン型):五戦四勝一敗 リーゼ(マーメイド型):五戦五勝 「まだ起動して日は浅いようだが、言うだけのことはありそうだな」 「たまたま当たりを引いて調子良く連勝して天狗になってるだけなのだ」 この当たりって言うのは、戦闘補助プログラムとコア適正、そして自身の装備とが合致した事を言う そしてこの神姫達は、基本装備でしか戦っていない 「当たりを引いただけなのか…ん?」 「どうしたんですかセンパイ?」 当たり…か 当たりがあるという事はハズレもある この子達のコアに入ってるサポートAIは『直した』だけだ もし、コア適正と合わない為に不調をきたしているのなら、合った武器を用意すれば… 「ダメだ、探してる時間が無い。とりあえず今のままで行ってみるしかない」 俺は武装の入ったケースを開けた 「ヨウヤクオレノデバンダナ」 「すまんな剣王、まだ最終調整も済んでないのに」 「剣王?この真鬼王の名前ですか?」 皐月が尋ねてくる 「ああそうだ。俺はフィールドの外で指示を出す事しか出来ないからな。頼むぞ剣王、二人を守ってやってくれ」 「リョウカイ、マイマスター。ケンオウ、ブソウモードヘイコウシマス」 そう言って剣王はバラバラになり、ティールとファロンの装備となった ちなみに真鬼王は、反重力フィールドと電磁ドライブによりこの合体機構を可能にしている さらに陽電子砲まで装備してるというのだから、ラインバレル社の技術の高さが伺える 「だ、大丈夫よ!きっと勝てるわよ!」 と言う皐月の声は震えていた 「正直、勝てる確率は一割といったところじゃな」 「そ、そんなぁ観奈ちゃん。センパイが作った新素体と強化された真鬼王の剣王が付いてるのに…」 「それを加味して一割と言っておるのじゃ」 「そ、そんなぁ~」 「まぁ今回のバトルは勝ち負けよりも、二人のバトルに対する意気込みを見せられればいいと思っている」 「親父ぃ~、戦う前からそんな事言うなよ。あたい達は勝ってくるぜ!勝てる確率が一割もあるって言うなら、絶対あきらめないぜ!」 グっと拳を握り、気合い十分なファロン。そんな彼女を見て俺は 「…そうだなファロン。でもな、そんなフロートユニットに乗って言われても、迫力無いぜ」 と言った 「お、親父~」 「ぷっ…頑張りましょファロン。全力を尽くせば、きっと勝てるわよ」 クスクスと笑いながらファロンを励ますティール 「よし!俺も全力でサポートするぜ!」 「アンシンシナ。オレガフタリヲゼンリョクデマモルゼ」 剣王がファロンの上にある陽電子砲の上から言った 「ぷっ…あははっ!」 「ナ、ナンダヨ」 砲の上からひょっこり顔を出した剣王に一同は思わず笑ってしまった 「キ、キズツクナァ…」 「い、いや、頼りにしてるぞ剣王!」 そして俺は二人をアクセスポッドに入れ、電脳空間へと送り出した バトルスタート フィールドは西部劇に出てくるような町となった 「へっ、決闘にはおあつらえの場所だな。でもあの人魚姫はどっかでピチピチ跳ねるしか出来ないんじゃないか?」 『残念だが、イーアネイラは浮かんで移動するぞ』 「なんで魚が飛べるんだよ!」 『マグネッサーのおかげだ』 「なんじゃそら!」 『気にするな、昔のネタだ。実際はお前のフロート同じ原理さ』 「まぁそうでもしないと、本当に水中戦しか出来なくなりますしね」 『ティール、適切な解説を有り難う。それより、敵さんの動きをキャッチした。北からこちらに向かってる…一体が先行してるな。速さから見てエウクランテ、エルだったか、だと思われる』 「ケッ!あの鳥女か。丸焼きにしてやるぜ!」 「この距離で陽電子砲撃っても当たらないわよ。私が接近するから、ファロンは援護して」 「おい、それじゃあティールが集中攻撃を喰らうじゃないか!大丈夫か!?」 「大丈夫よ。私、素早しっこいんだから。それんい、剣王もいるし」 確かにティールは普段はおっとりしているが、意外と素早いし、回避が得意な寅型だ さらに背負っている炎機襲の両脇に付いている炎虎甲には防御シールド発生装置を増設してある 『よし、それで行こう。ティール、無理に避けなくても、剣王がシールドを張ってくれる。まずは相手の攻撃パターンを掴むんだ。それとファロン。ティールを援護しつつ、リーゼへの牽制も忘れるな』 「分かりました」 「おっけー、いくぜ!」 ティールがスラスターを吹かし、エルへと接近する -どんなに凄い攻撃でも、見切ってしまえば恐れるに足らず- よくミチルが言っている言葉だ 当たりを引いたのなら、攻撃は鋭くてもパターン自体はあまり無いはずだ もし自分の攻撃が当たらなくなったら、動揺し隙が出来るはずだ 「勝機があるとすればそこか…」 俺はマスターシートでぼそっと呟いた レーダーを見れば、相手も同じような動きをしている あちらさんは、こっちの作戦に乗ってくれるらしい それとも、俺達が乗せられてるのか… 「なんだ、威勢が良い狂牛の方が来るかと思ったが、大人しい子猫ちゃんか」 エルが接近してきたのがティールだと確認し、ボアレスをしまいエウロスを構えながら言った 「私は子猫じゃありませんよ」 ティールも極閻魔を構える 共に2刀同士。目線が合い火花が散る 「見せてもらおうじゃない、キャッキャウフフ仕様じゃ無い所をさぁ!」 エルが叫び、ティールへと襲いかかる ガキッ! あまりの突進スピードに避ける動作さえ出来なかったティール 「…チッ、防御シールドか!」 しかし、間一髪張られた防御シールドがティールの身を守った 「でも、それだけか!」 ガン!ガン!とシールドへと攻撃を続けるエル (このままじゃシールドが…なんとか避けないと…) ブン! ようやくエルの攻撃が空を切る 「ふん、ちょっとはマシになったようね…そうこなくっちゃ」 エルは一度空中へと飛び、ティールの様子を窺った 「機動とシールドで耐えて、それでどうするの?」 「こうするんだよ!」 ファロンが空中へと飛んだエルへ向かってルインM21二丁とラピッドランチャー二門による集中砲火を浴びせる しかし、その攻撃はエルには当たらなかった 「…いや、当たらないとは思ってたけどさ。ここまでヒドイとは…敵ながら哀れだ」 「うるせぇ!避けんじゃねぇこのやろ!」 『いや避けてないし…』 ファロンの攻撃は、明後日の方角、とまではいかないが、微動だにしていないエルに対しことごとく外れていた 『ファロン。ラピッドランチャーの官制を剣王に回すんだ』 「あ、ああ。その方がよさそうだ…」 落ち込みながらも指示に従うファロン 「むっ!なんだ?急に…うわっ!」 いきなり攻撃が命中コースになった事に驚くエル。それでも命中弾をゼピュロスでしっかりと防御する 慌てて回避行動を取るも、避けた先に弾が飛んでいたり 「うわっ!なんでこんな所に?」 剣王の正確な射撃とファロンのいい加減な射撃が組み合わさり、回避困難な攻撃となったようだ たまらず地上へと逃げ込むエル 「くっ…私だって!」 ティールは降りてきたエルに向かって突撃をする ガシィ! 「ふん。ちょっとはマシになったんじゃないの?」 エルはティール渾身の一撃を、二振りのエウロスで防御する 「まだまだぁ!」 左手に構えた極閻魔でエルの腹を斬りつける ブゥン! 「そんな大振り!あたらないよ!…っと!」 ドン!ドン! エルは空振って隙だらけになったティールに斬りかかろうとしたが、ファロン(というか剣王)からの援護射撃に、避けるしか無かった 『いいぞ、この調子で二人がかりで…あれ?』 そういえばリーゼは何をしている? ふとレーダーを見れば、ゆっくりとファロンへと近づいてるようであった ウィトゥルースは射撃重視の神姫だが、イーアネイラは… 『マズイ!気を付けろファロン!リーゼがそっちに向かってる!』 気づいた瞬間、リーゼは人魚型とは思えない程の速さとなり、ファロンへと急接近した 「あの人魚姫、ようやくお出まし…ってなんだあり…ぐはっ!」 どごっ! 轟音を響かせながらファロンへと急接近したリーゼは、そのまま体当たりをぶちかましてきた 剣王が反重力フィールドを展開してくれたおかげで致命傷とはならなかったが、浮いていた為に派手にぶっ飛ばされる 「あら残念。防がれましたか」 リーゼは自分の両脇に付けられたブースターを排除しながら言った 迂闊だった。今まで標準装備しかしてなかったからって、今回も標準で来るとは限らないじゃないか リーゼは人魚型本来の装備に加え、アーンヴァルのExブースターを4つも増設していたのだった -イーアネイラは、その容姿からは想像出来ない程の高い強襲性能を持っている- 元々水中使用を前提に作られた体は、高い出力がある さらに武装に於いても、射撃戦から格闘戦まで幅広く用意されている 若干、防御力が低く回避性能に弱みがあるものの、その強力な攻撃力からこういった強襲戦法を取らせているオーナーも多いと聞く 「ちっきしょー。人魚姫様、やってくれるじゃねーか」 ファロンは慌ててルインM21からコンピクトU7へと持ち替える 「あら、わたくしの事をそんな可愛く言ってくれるだなんて。少しは手加減して差し上げましょうか?」 リーゼは肩からスキュラを取り、ファロンと対峙する 「…そいや変だよな。姫なんてオバサンに向かって言っちゃ」 ピキ 「…なんですって?」 さっきまでのどちらかと言えば穏やかだった表情とうって変わり、鬼の形相へと変わったリーゼ 「…あーあ。あの丑型、NGワード言っちゃったよ。こりゃ無事じゃ済まないね」 リーゼは尾鰭を使って地面を蹴り、ファロンへと急接近する 「うわっ!なんだこのオバサン!」 パンパン! 慌てて牽制するも、弾は当たらない ガン! リーゼはファロンへと取り付き、スキュラを出鱈目にに振り下ろす 「訂正しなさい!私はオバサンじゃなくてよ!」 ガン!ガン! ファロンは反重力フィールドで身を守るのが精一杯だった 「ファロン!…きゃっ!」 「ほらほら、よそ見してる場合じゃないよ!」 ティールはファロンを助けに行こうとしたが、エルに阻まれた 「くぅっ!えいっ!」 「貴方の攻撃は、基本がなってないのよ子猫ちゃん!」 ティールの攻撃を軽く受け流し、回し蹴りを放つエル ガスッ! 強烈な蹴りが、ティールの腹にヒットする 「がはっ!」 そのまま吹き飛ばされるティール 「ティールっ!」 「貴方の相手はわたくしですわよ、お嬢ちゃん」 ガスッ! 強烈な尾鰭の一撃を受け、ファロンもまた吹き飛ばされる 「…まぁ、キャッキャウフフ型にしては、よくやった方かな。その装備をくれたオーナーに感謝するんだな」 「…そうですわね。今ならわたくしをオバサンと言ったことを謝って訂正するなら許して差し上げてもよくってよ」 …ここまで、か やはりバトルをデータで見るのと実際にやるのとは大違いだ 俺はサレンダーボタンに手を伸ばした 「ダメだよお兄ちゃん!」 そんな俺をユキが制止した 「ユキ…」 「ティールちゃんもファロンちゃんも、まだ諦めてないよ!なのにお兄ちゃんが諦めてどうするの!お兄ちゃんが信じないでどうするのよ!」 ユキの言葉にモニターを見れば、二人とも砂を掴んで立ち上がろうとしていた 「…まだやるです気か」 エルの言葉に 「当たり前だ、勝負はまだついちゃいねぇ!」 「そうです!私達はまだ戦えます!」 と力強く答える二人 それを見たエルは 「…そうか。ならば私は、それに応えねばならんな」 とバイザーを下ろしながら言った 「あら、エルが本気になったわね。それじゃあわたくしも、本気を出そうかしら」 とリーゼも構える 「…なぁ親父、今からアタイ達の好きなようにやらせてくれ」 「試してみたい事があるんです」 ファロンとティールが俺に言ってきた 『よし分かった!こうなったら、お前達の好きなように暴れてこい!』 ここまで実力差があるのに、合体封印とか言ってられない 俺は二人に任せる事にした 「よし、いくぞティール」 「うん!」 二人は気力を振り絞ってジャンプする 「来るか、真鬼王!」 「相手にとって、不足無し、ですわ」 と構えるエルとリーゼ 二人の武装が離れ、別の形となる そして降り立つ二つの人影 『…って二つ?』 よく見ると、二人は武装の一部を入れ替えただけだった ティールの方は炎機襲に付いていた炎虎甲を外し、代わりにラピッドランチャーを付けている さらにルインとインフェルノキャノンまで取り付け、武装も剣が無くなっていて、大腿にコンピクトを下げている ファロンの方はといえば、フロートユニットを背面に回し、炎虎甲を装着 極閻魔を大腿に吊し、風神・雷神・そして朱天を背面ユニットに下げている 「こ…これって…」 「武器を取り変えただけじゃない!」 エルとリーゼの背後に、『ガビーン』という文字が見えた気がした 「今のあたい達に、真鬼王が使える自信はねぇ」 「だけど、これが今の私達に出来る精一杯です!」 というファロンとティールに対しリーゼは 「そんな付け焼き刃で何を…」 と言ったがエルは 「…成る程な。お察しな部類にある剣術や射撃術に頼るより、今出来る可能性を模索した訳か」 『そうか!その手があったか!』 基本的に、剣術がダメな神姫は射撃が、射撃なダメな神姫は剣術や格闘術が得意な傾向がある ティールとファロンが、それぞれコア適正が合わないでダメだったのなら、その反対の装備を試してみるべきだった こんな事を失念していたとは… 「いくぜティール!」 「うんっ!」 そしてティールはエルに、ファロンはリーゼへと向かう 「ふっ。見せて見ろ。さっきとは違うという事を!」 エルはエウロスを構え、ティールと対峙する 「はっ!」 パンパン! ティールはコンピクトを二丁構え、エルに向かって発砲する 「さっきのヤツよりも、ずっと正確な射撃だ」 時に避け、時にエウロスで弾丸をはじくエル 「んもう、ファロンたら無駄撃ちするから…」 残弾が無くなったのか弾倉を捨てるティール 「リロードする隙など与えるものか!」 猛然と飛びかかるエル ティールは背中のラピッドランチャーを放ち牽制する 「そんな弾が当たるものか!」 炎機襲の外側に付けられたランチャーでは間隔が広すぎて、この至近距離ではマトモに狙えない 「せいやっ!」 エルは気合いを入れ斬りかかる ガキッ! ティールはそれを避けず、唯一残された格闘武装・滅爪で受け止める 「まだまだぁ!」 もう一方のエウロスも振り下ろすが ガキッ! これもまた滅爪で防ぐ 「くっ…結構やるな…だが、これからどうする気だ?」 「こうするんですよ」 と言いながらティールは手首を曲げ、弾倉の無い銃をエルへと向け、トリガーを引いた ドン! 弾が無いはずの銃から放たれた一撃は、エルの腹部へとヒットした 「ぐっ…バカな…」 当然の疑問 「弾倉を取り替える時は薬室内に一発残しておく。常識ですよ?」 当然のように答えるティール そして、もう一つの銃を頭へと狙いを付け、トルガーを引く パリン! 弾丸はエルのバイザーへと命中し、割れた 一方、リーゼと対峙したファロンは… ガキィッ! スキュラにより強烈な斬撃を繰り出すリーゼ ファロンはそれを風神でガードしていた 「…なんなのコイツ…」 イーアネイラのパワーとテティス・テイルパーツの質量を考えれば、相当な衝撃が加わってるはずである もしガードしても、その衝撃で弾き飛ばされてもおかしくない それなのに目の前のファロンは微動だにしない リーゼの攻撃は、逆に自身の間接にダメージを与えているようだった 「まるで岩でも叩いてるみたい…まさか、反重力システムを逆転して?」 「へっ、やっと気づいたのか?意外に抜けてるんだな」 いくら攻撃力に優れるイーアネイラでも、そのパワーと耐久力はサイフォスにも匹敵すると云われるウィトゥルースをまともに相手するのは難しい しかも唯一勝っている『重量による安定感』も、重力制御システムを正方向へと向け自身に高重力を掛け押しつける事によってカバーされてはお手上げである 本来のウィトゥルースの傾向ならば格闘が苦手な為、こういう事はしないのだが 「…だったら、離れてしまえばタダの的ですわ!」 リーゼは接近戦を諦め、射撃戦へと移行した 「…よく考えれば、相手は射撃武器を持っていないのでしたわ…持っていても当たらないですし」 スキュラを肩に付け、ネプチューンを構え、発射する 「うおっ!」 ドン!ドン!ドン! 弾が次々とファロンへと命中するが、咄嗟に防御態勢を取った為、有効打にはならなかった 「やったなこのぉ!」 ファロンはリーゼ目がけて風神を投げつける ガスッ! 「当てましたね…このわたくしに当てましたね!」 「へへっ、投げる方が性に合ってるらしいぜ」 今度は極閻魔を構え、投げつける 「そうそう何度も当たりませんわ!」 リーゼは今度はしっかりと回避し、逆にネプチューンを発射した ガン! 「あたたっ!」 命中したが、ダメージは軽微のようだ 「なんて頑丈な!でもコレならどうですか!『メイルシュトローム』起動!」 リーゼはスキュラ・ネプチューン・プロテウス・サーペントといったイーアネイラの武装を全て合体させた最強武装『メイルシュトローム』を起動させた 「ターゲットロック…発射!」 超高速の弾丸が、ミサイルが、メーサー砲がファロンに襲いかかる ドンドンドン!…ドゴォッ! 爆炎に包まれるファロン 「ふっ…一時はどうなろかと思いましたが、わたくしにかかれば…」 「…人魚姫様にかかれば、どうだって?」 「それは、わたくしにかかればイチコロ…って!」 爆炎の中から聞こえてくる声に驚くリーゼ ブゥン! シールドの出力を一瞬だけ上げ、煙を払いのけるファロン 少々煤けてるものの、ほぼ無傷だ 「バ、バカな!わたくしの最強の攻撃を喰らって無傷だなんて!」 「へっ!そんなの知るか!こんどはあたいから行くぜ!」 雷神を構え、重力を反転させ浮遊し炎虎甲のブースタを点火するし突撃する 「くっ…回避は…間に合わないっ!」 リーゼは回避を諦め防御態勢に入る オルフェウスを構え、重力制御を正方向に加えて体勢を崩さないようにする 「お~~~りゃぁ~~~!」 猛牛さながらの体当たりとも言える攻撃 ドガッ! 「きゃぁっ!」 先程のファロンと同じ防御方法、にもかかわらずリーゼは派手に弾き飛ばされた 小型ながらも高い防御力を誇るオルフェウスは割れ、自身の左手までも切り落とされる 「まだまだぁ!」 ヒュン、ヒュン! ファロンは追い打ちとばかりに雷神を投げつける グサグサッ! 「はぐぅ!」 それはテイルパーツへと刺さり、重力制御装置を破壊する 「コレでトドメだぁっ!」 バシュ! 炎虎甲を分離させリーゼへと飛ばす それはリーゼを掴んで空高く持ち上げた 「いくぜ!必殺!」 ファロンは朱天を構え、高くジャンプする 空中で朱天を開き、リーゼを拘束する 「ま…まさか…」 リーゼの顔が恐怖に染まる ニタァと笑うファロン -後にリーゼは語る このとき見た丑型の表情は、今まで見た神姫のどの表情よりも怖かったと- ファロンはリーゼを逆さまにして、叫ぶ 「朱天!煉獄堕としぃ!」 高高度から重力制御を掛け、一気に下降する あっという間に眼前に迫る地面に、リーゼは失神した ドゴオオオオオッ! ものすごい衝撃波が辺りを破壊してゆく 二人が『墜落』した所には巨大なクレーターが出来、その中心にリーゼは突き刺さっていた 《リーゼ・戦闘不能!》 「くっ…リーゼが負けたのか…」 腹部を押さえ、額からオイルを流しながらヨロヨロと立ち上がるエル どうやら腹部への直撃は防弾スーツが、頭部への攻撃は咄嗟にバイザーに当てる事で致命傷を免れたらしい 「ファロンてば、無茶するんだから」 弾倉を装填しながら答えるティール 「凄いヤツじゃないか。まさか真鬼王幻の大技・煉獄堕としを、合体しないで一人でやってのけるとは」 「やった本人ものびちゃってますけどね。調子に乗りすぎです」 『え…なんで知ってるんだ?』 確かにファロンもクレーターの中でノビている しかし損傷は軽いとは言えないが、戦闘不能になる程のダメージでは無い為、アナウンスはされていない あの位置からではクレーターの中までは見えない 俺はモニターしているから知っているが、剣王も伝えてないしティールには分からないはずだ 「衝突の際、0.03秒程シールドを張るのが遅れてましたから」 俺が知らない事まであっさりと答えるティール …そういえば、今でにもファロンにティールを呼んでくるように頼んでも動かないで、叱ろうとしたらティールが来た、なんて事はしょっちゅうあった もし二人になんらかの繋がりがあって、お互いの事が分かってるのなら… 「まぁいい、一対一の決闘と行くか。行くぞティール!」 俺が考え事をしていると、二人がバトルを再開した エルが地を蹴り、ティールへと襲いかかる バンバンと射撃した後、炎機襲を切り離しエルへと向かっていくティール 「まさか、拳銃で接近戦をやるとはな」 エルの剣撃を、手首の内側を押さえ反らせる。そしてそのまま零距離で発砲 一見、弾数に限りのあるティールの方が不利なようだが、焦りの表情を浮かべているのはエルだった 小型で威力の小さいコンピクトだが、装弾数は多い しかもこの至近距離ならば防弾越しにでも十分なダメージが出せる事は、先程身に染みて分かっているのだろう さらにエルの攻撃は、殆どティールには当たらなくなっていた 鋭い剣筋で短時間に勝利を収めてきた彼女にとって、この戦いは長すぎたのだ 短銃での近接戦、等という今まで体験した事のない戦法を取るティールは、彼女にとって脅威であった ドンドン! 「くぅっ!」 ティールの攻撃が、エルの大腿にヒットする 「まだまだ!」 バンバンと追撃をかけるティール たまらず大きく飛び避ける ダダダッ! 「なんだと!?」 エルが離れると、先程切り離した炎機襲が攻撃してくる エルはさらに大きく避けなければならなくなった 「このままではマズイ!」 大きく距離を取り。ボアレスを放つ これを落ち着いて回避するティール その間に更に距離を離すエル 『どうやらあちらさんは、遠距離でも撃ち合いをする来らしいぞ?』 今までの戦歴を見る限り、彼女に射撃戦の経験は無い しかし、このまま『不利』な近接戦をやるより、ティールもやったことがない射撃戦をする事に賭けたのだろう しかもエウクランテには『奥の手』がある 「…私にも、奥の手はありますよ?」 俺の考えを見抜いたのか、ティールが自信たっぷりに言った そして炎機襲と再び合体し、空へと跳んだ 「跳んでくるとは、迂闊な!」 飛んでいるエルと違って、ただジャンプしているだけのティールは空中での回避が困難になる このチャンスにエルはボアレスを放ち、牽制する 「剣王、お願い!」 ティールの指示を受け、剣王は炎機襲に取り付けられたルインを使い、飛んできた弾丸を打ち落とす エルはこの隙に奥の手の『テンペスト』を完成させた 「いっけぇ~~~!」 ドン! ものすごい轟音を立て、光弾が発射される しかしティールもただ黙ってはいなかった 「…エネルギー充填完了…全武装、発射!」 バシュゥ! インフェルノキャノンが、ラピッドランチャーが、ルインが、コンピクトが、合計7門の火器が一斉に火を噴く それはテンペストが放った光弾を打ち抜き、エルへと襲いかかった 「うわああああっ!」 エネルギーの殆どを飛行とテンペストに回していた為身動きの取れなかったエルは、それをまともに喰らってしまった 翼は焼け、テンペストは砕かれ、全身に無数の銃弾を浴びる そして墜落していくエル 『やったなティール!』 俺はマスターシートでガッツポーズを取っていた そして地面に着地しようとスラスターを吹かすティール ぼすっ… 「…あ、エネルギーが切れちゃいました」 炎機襲のスラスターから光が消え、自由落下を始める 『そっか。さっきのインフェルノでエネルギーを使いすぎちゃったのか…っておい!』 いくらなんでもこの高さから落下したらタダじゃ済まない いくらおっとりしてるといっても、もうちょっと慌ててもいいんじゃないか? と思っていると、下から何かが飛んできた 「全く、ティールは手間が掛かるな」 それは意識を取り戻したファロンだった 「ありがとうファロン」 ティールを抱えながら反重力を働かせ、ゆっくりと降下する スタッ 二人は鮮やかに着地する 《エル・戦闘不能。勝者ティール・ファロン組!》 AIジャッジが、二人の完全勝利を告げた 「やったぁ勝った勝ったすご~い」 大はしゃぎな皐月 「よく…がんばりました…ぱちぱち…」 水那岐も喜んでいる 俺達が騒いでいると、エルとリーゼがやってきた 「すまなかった。君達をキャッキャウフフ型などとバカにして。君達は立派な戦士だ」 深々と頭を下げるエル 「今回わたくし達が負けたのも、たまたまですわよ。次回はこうは行かないんですからね」 ふん、とソッポを向くリーゼ 「こらこら。リーゼも謝りに来たんだろ」 と、オーナーと思われる人が言った 「う…あ、愛玩用だなんて言ってごめんなさい…」 顔を真っ赤にしながらペコリと頭を下げるリーゼ 「まぁいいって事よ。それより、面白い戦いだったぜ!」 バンバンとリーゼの背中を叩きながら言うファロン 「あうう…」 しょんぼりとファロンの為すがままにされているリーゼ …随分と態度が変わったな? 「あのー…」 「ん?どうしたのムツキちゃん」 「気になってたのですが、どうしてキャッキャウフフ型をそんなに嫌うのですか?私達が占拠してたといっても、ほんの一部でしたし、時間もそんなに居たわけでは無いですし」 「あ、それは…」 と相手のオーナーが口を開いた瞬間 「それは俺から説明しよう」 と話って入る人物がいた 「って、日暮さん、どうしたんですか?」 「いや、あの二人がバトルするっていうから気になって、兎羽子にレジ任せて見に来ちゃった」 「いいんですかそんなんで。ホントに店を高階さんに取られちゃいますよ」 「う…まぁそれは置いといて。エルとリーゼがキャッキャウフフ嫌いになったのは、ウチにも責任があるんでね」 「え?どういうことですか?」 「去年の暮れにやった武器在庫一掃セールで、普段戦わない神姫達がこぞって武器を買いに来てね。選んでるならと大して気にも留めなかったんだが、まさか5時間も占拠してたとは気づかなかったんだ」 「なるほど…」 「しかも性能じゃ無くて「キャーこの武器可愛い」とか「なにこれキモーイ」とか言いながら騒いでばかりいて、普通に買いに来たバトル派の神姫を閉め出していたんだよ」 「そりゃ、イヤになるわよねぇ…」 ウンウンとうなずく皐月 だったらもうちょっとデパートで悩むのは止めてください 「まぁその後、ジェニーさんに叱られてその子達も納得して謝ってくれたんだけどね」 「バトルを始めたばかりのエルちゃんとリーゼちゃんがそのセールを楽しみにしていた気持ち、分かるなぁ」 と俺が言ったら 「そうなんですよ!広告にあったハンドガン、試してみたかったのにあの連中ときたらいつまでもいつまでも…」 思い出して興奮したらしいエル 「セールを逃したら、お兄ちゃんがまたパスタ生活です」 「そうですわね。お兄さまの健康を守るのも、私達の役目ですから」 はぁーっとため息を付きながら健気なことを言うエルとリーゼ 「そっか、君達はセールの事よりも、オーナーの事を心配して怒ってたんだね。えらいえらい」 つい他人の神姫なのに撫でてしまった 「あっ…何をするんですか…」 「あうう…ちょっといいかも…」 照れながらもはにゃ~んとする二人 「ちょっとお兄ちゃん」 ユキが止めに入った 「うわっ!どうしたユキ?」 「ダメだよお兄ちゃん。それはオーナーさんの役目だよ?」 「ああそうか、ワリィワリィ…」 ウチの環境に慣れきって、普通はオーナーがナデナデするって事をすっかり忘れてた 「…まぁお兄ちゃんが撫でたくなる気持ちも分かるけどね…えらいえらい」 といって二人を撫でるユキ 「あーっズルイぞ。かーちゃん、あたいも撫でてくれ!」 「私も…撫でて欲しいな…」 それを見ていたティールとファロンも撫でろと騒ぎ出す そんな光景を見ていたエルとリーゼのオーナーは 「一体、何なのですかこれは?」 と言った。そこで俺は 「撫でて上げれば分かりますよ。貴方の神姫達は、貴方のために戦ってるのですよ。たまには労をねぎらって上げてください」 と教えて上げた 「そ、そうなのか…よし。おーい、エル、リーゼ」 「あ、はい」 「なんですかお兄さま」 「…二人とも、頑張ったな…」 なでなで 「は、はい…はふぅ…」 「お兄さま…暖かい…」 「…たまにはキャッキャウフフもいいかも…」 おまけ 「ところで、何でこの二人は貴方をお兄ちゃんとか呼ぶのですか?」 ウチも人のことは言えないが、普通のバトルユーザーに見える彼が、そう呼ばせていたのが気になった 「いや、登録中に妹のヤツが「お兄ちゃん、電話だよー」って叫んだのを拾ったらしい。訂正するのもメンドイからまぁいっかってね」 いいのか、それで? ゲスト解説 墨井 進(すみい・すすむ) エルとリーゼのオーナー 以前から神姫は気にしていたのだが、受験が終わり一人暮らしにも慣れた所を妹に押され、ようやく購入を決意した新参者 別にヲタな趣味は無い真っ当な大学生である アパートに一人暮らしをしているのだが、妹がちょくちょく遊びに来て食料を持って来てくれるの、でさほどキビシイ食生活は送っていない エル(エウクランテ型) どちらかというと生真面目な性格をした神姫 自分にも他人にも厳しい 戦績よりも内容を重視するタイプだが、割と順調に白星を重ねていた リーゼ(イーアネイラ型) 自分に甘く他人に厳しいワガママな神姫 内容よりも戦績を重視するタイプで勝つためには何でもするタイプ(反則などはしないが) でも切れやすい
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1048.html
{武装神姫についてと俺について} あの事件(俺の後頭部が机に炸裂)から一週間が経った。 アンジェラス、クリナーレ、ルーナ、パルカは色々な事をはじめた。 アンジェラスとパルカは料理や掃除がやりたいと言い、俺は武装神姫用の包丁や掃除機とかを作り渡した。 クリナーレは何か運動するものが欲しいと言い、俺は武装神姫用のダンベルとか作り渡した。 ルーナはパソコンがやりたいと言い、俺のパソコンを貸した。 まぁ、人それぞれに趣味があるのは当然な事。 だから俺は、こいつ等が何が欲しいとか何が必要とか言われれば作ったり準備してやった。 とても良い事だと思う。 だが、やる分には構わないが余計な事はしないで欲しかった。 アンジェラスとパルカは料理にしろ掃除にしろ全然使い方が酷かったために台所は地獄と化し滅茶苦茶になるし、クリナーレはダンベルをグルグルと回し俺が『危ないぞ』と言った瞬間にクリナーレがダンベルを持った手がすっぽ抜け俺の顔に命中するし、ルーナは俺のパソコンに入ってる秘蔵のコレクション(主にエロゲーとか…)をやろうとするし。 もう酷いの一言しか出ない。 そんな感じに生活してい訳だ。 俺はというと武装神姫について調べていた。 武装神姫とはなんぞや。 まぁ、この一週間で大抵解った。 自分の武装神姫を他の神姫と戦わせたりトレーニングをやらせて育てる。 ゲーム風で言えば育成シュミレーション。 悪く言えば娯楽のための人形遊びだ。 しかもこの武装神姫は結構奥が深く、色々とヤバイ噂もある。 表の世界は武装神姫を普通に育てる。 なら裏の世界はどうなのだろうか。 実は裏の世界は現実的に酷いものばかりだった。 市販されてる武器を改造したりオリジナルの武器を作って、その武器を使って神姫達に闘わせ、どちらかが破壊されるまでやらせるデスマッチ。 軍事利用で暗殺型用とかスパイ型用に武装神姫を作ったり。 人間で言うドーピング…神姫用のドーピングを使って身体的と能力的に強くさせたり。 後はそうだな…愛玩用にする。 簡単に言えばダッチワイフだな。 そりゃあ人間の女の形をしてるんだもん。 作りたい気持ちは解るが、俺にとっちゃそんなのただの外道としか認識できない。 そんなにやりたければ性風俗店に行けばいいのに。 とまぁ、一応代表的なものを上げた。 そんな奴等を俺はアンダーグランドの住人と思っている。 表があれば裏がある。 世の中よく出来てるぜ。 けど、俺はどちらかと言うとアンダーグランドの方の人間だな。 勿論、アンジェラス達にそんな下らない世界の武装神姫には絶対させない。 こいつらを預かってる姉貴にも迷惑がかかるしな。 まず第一に俺のプライドが許せない。 「ねぇねぇ、アニキー」 そう無垢なる彼女達を守らなければ。 「アニキってばー」 俺はそう心に誓ったのだ。 「シカトするなー!」 ギューーーー! 「イッテー!?」 クリナーレが俺の髪の毛を引っ張る。 結構、痛いです。 「ボクの事をシカトするなよ!」 「…イテテテ。あぁ~悪かったな。で、何か用か?」 引っ張られた髪の毛を摩りながらクリナーレの用を聞いた。 するとクリナーレは一丁の銃を取り出した。 その銃は名は『モデルPHCハンドガン・ヴズルイフ』という武装神姫用銃である。 神姫ショップで一般的に売ってる銃。 だが、クリナーレが持っている『モデルPHCハンドガン・ヴズルイフ』はちょっと違う。 何故なら…俺が見よう物真似で作った銃なのだから。 「ゲッ!?クリナーレ、その銃を何処で見つけた」 「え~と、隣の部屋の机に大事そうに飾られてたから、そこからちょっと借りただけだよ」 「まだ使ってないだろうな!」 「う、うん。もしかして怒った?」 クリナーレは申し訳なさそうな顔をした。 「いや、怒ってはいないよ。他の皆はその武器や他の武器の事知ってるのか?」 「今の所、ボクだけだと思う」 「そうか。よかったぁー」 「よかった?」 「あ、こっちの事だ。ちょっと皆に話す事が出来たな。クリナーレ、皆を呼んで来てくれ。それと銃は没収だ」 「えー、今はこの銃でトレーニングしたいのにー」 「話が終わったら嫌になる程使わせてやる。だから皆を呼べ」 「約束だよー」 不満そうにクリナーレは俺の左手の手のひらに乗り、俺は地面に左手を置くとクリナーレはアンジェラス達を呼びに行った。 もう見つかってしまったらしい。 あの銃には色々とやっかい事があるというのに。 いや、あの銃に限らず他の武器も色々とヤバイ。 これで今まで黙ってきた事がバレる。 でもまぁ、何時かバレる日はくる。 なら日が浅いうちに言っとくべきかもしれない。 「みんなを呼んで来たよー」 クリナーレが戻って来てその後ろにはアンジェラス、ルーナ、パルカの順に来てくれた。 「何か御用ですか?」 「遊んでくれるの?」 「まさか、私達をリセットするんじゃ…」 「まぁ用事といえば用事かな。それとパルカ。リセットなんかする訳ねーだろうが」 ホッとするパルカ。 まったく、何処まで怯えてるんだ? そんなに俺が怖いのか? もしそうならちょっとショックだな。 て、今はそれよりも。 「それじゃみんな。俺の肩に二人ずつ左右に乗っかってくれ。地下に案内するからさぁ」 「へぇー、地下なんかあったんだこの家。ボク知らなかったなぁ」 「地下でエロい事するつもりですね」 「んな訳ねーよ。それともルーナだけ放置プレイしてやろうか?」 「放置は嫌ですぅ~」 ルーナはルーナで何だかエロ方面の方向に話そうとするし。 ちょっと、ムラムラとくる言葉に誘惑される俺だが理性が強い俺はそう簡単に落ちないぜ。 俺は中腰をして机と同じぐらいに肩の高さ合わせる。 トコトコ、と俺の方に移動するアンジェラス、クリナーレ、ルーナ、パルカ。 右肩にクリナーレ、パルカ。 左肩にアンジェラス、ルーナ。 みんなが肩に移動し終わると俺は地下に向かった。 …。 ……。 ………。 「ここがそうだ」 パチ、と電気を入れ部屋が明るくなる。 とても大きな部屋で壁は無機質なコンクリートで覆われ、机が二つと色々な道具が置かれている。 なんとも味気の無い部屋。 肩に乗せてるアンジェラス達を机に下ろし、クリナーレだけ右手の手のひらに乗っける。 アンジェラス達は『なんでクリナーレだけ』と不思議そうに思った。 俺はすぐその場に厚さ10ミリのドアぐらいの大きさの鉄板が置かれてる場所まで行き。 「こいつを撃つんだ」 クリナーレに命令した。 命令した後、鉄板から7,8メートル離れてから先程クリナーレから取り上げた『モデルPHCハンドガン・ヴズルイフ』を渡す。 クリナーレは俺から渡された銃を構える。 とても綺麗な構え方だ。 やはりそのようにプログラムされているのだろうか? いやいや、その考えは止めとこう。 俺は彼女達を人間同様に扱うと決めたばかりじゃねーか! 左手をクリナーレの背中に触れるギリギリでとめとく。 この行為が無駄になれば嬉しいのだが…。 「せい!」 バキューン! 「うわぁ!?」 「クゥッ!」 撃った衝撃でクリナーレが後ろに吹き飛ばされて、俺が予め用意していた左手でクリナーレを掴み助け、すぐさま右手でクリナーレ覆う。 だが助けた俺の身体はクリナーレが撃った衝撃を全て受けたためバランスを崩し尻餅をついてから倒れた。 「ご主人様!?」 「ダーリン!?」 「お兄ちゃん!?」 机の上で叫び心配する三人。 「安心しろ、大丈夫だ」 俺は上半身だけ起こし、閉じた両手を開いてみる。 どうやらクリナーレは無事みたいだ。 けど自分を両手で抱くように縮こまって小刻みに身体を震わせている。 いったいどうしんだ? 「クリナーレ、大丈夫か?」 「…あ、あっ…アニ…キ…」 涙目になっているクリナーレ。 どうやら銃を撃った反動で恐怖を感じたみたいだ。 無理もない。 市販で売ってる銃はあんな反動は無いからなぁ。 やっぱり撃たせるんじゃなかった。 クリナーレを怖らがせてしまったのだから。 「大丈夫。もう大丈夫だ」 「アニキ…ボクは…」 「何も言うな、怖かったんだろう。なら今は甘えていいんだ」 「アニキー!」 クリナーレが俺の胸元の服を両手で掴んで泣く。 「怖らがせてゴメンな」 俺は謝る事しか出来ない。 所詮その程度の人間。 「ご主人様、大丈夫ですか?」 「ホッ。案外大丈夫そうね。心配したんだからねー」 「よかったですー!姉さんもお兄ちゃんも無事で!!」 「お前等…」 アンジェラス、ルーナ、パルカが俺の左太もも辺りで心配そうにしていた。 あの高い机からどうやって飛び降りたのだろう。 まぁ今はいいや。 こいつ等も安心させないとな。 「俺は大丈夫。ただクリナーレが怯えちゃったかな。ワリィ事しちまったぜ」 「いえ、ご主人様は悪くないですよ」 アンジェラスが俺を慰めてくれる。 何故、こいつは俺の事をここまで気にかけてくれるのだろうか? まるでアンジェラスだけが特別な神姫みたいに感じる。 「サンキューなアンジェラス。みんな、あれを見てくれ」 顔で合図をし、鉄板が置かれてる場所を見てもらう。 アンジェラス、ルーナ、パルカは鉄板が置かれた場所を見る。 「そ、そんな…」 「…うわ~」 「…酷い」 三人はそれぞれ別の驚愕を示した。 三人が見た物は、鉄板が二つに別れ真ん中の部分は粉々に吹き飛んでいた光景だ。 たった一発の弾丸で頑丈な鉄板が半壊の粉々。 とんでもない威力だ。 「あの銃は俺が作ったんだ」 「そんな!だって、あれはどうみても」 「市販されてる『モデルPHCハンドガン・ヴズルイフ』の銃って言いたいんだろ、アンジェラス」 「そ、そうですけど」 「あの銃は見ようもの真似で作った物だ。…姉貴が武装神姫関係の会社で働いてるのを知っているよな」 無言で頷くアンジェラス。 目は真剣そのものだ。 「俺は何か物を作るのが好きなんだ。まぁ趣味みたいなものだな。それで姉貴の会社に行き、武装神姫関係の武装や装備のデータをパクッて、それをベースにして俺が作ったオリジナルの武器が出来上がる訳よ」 「ご主人様…もしかしてご主人様は…」 「そう、俺は違法な武器を作っちまった。他にも色々と悪い事を沢山やってきた…犯罪者という訳になるかな」 アンジェラス、ルーナ、パルカは沈黙した。 まさか自分のオーナーが武装神姫の違反者だとは思わなかったのだから。 しばし無機質な部屋の沈黙が訪れた。 だがその沈黙はすぐに消えた。 「そんなの…関係ないよ」 声の主はクリナーレだった。 泣いたせいか目が充血していた。 「アニキは酷い奴じゃないよ!実際こうしてボクの事を守ってくれたあげく、心配までしてくれるんだから!!」 「クリナーレ、お前…」 「アニキ!ボク達は例えアニキが悪い事をしていても大丈夫!!ねぇみんな!!!」 必死で俺を庇うクリナーレ。 嬉しかった。 ここまで他人のために言ってくれる奴は簡単にいない。 「クリナーレ、大丈夫よ。私達が、ご主人様を軽蔑するわけないじゃない」 「そうよ。この一週間一緒に暮らしたけど、とても悪人面に見えないしダーリンはとても恥ずかしやがりさんなんだから」 「姉さん、私はお兄ちゃんに色々な事を教えてもらいました。私に教える時のお兄ちゃんは笑顔で言ってくれます。そんなお兄ちゃんが悪人には見えません!」 今度はアンジェラス達が言ってくれた。 まったく、どうしてこいつ等はこうも馬鹿なんだろうか? 犯罪者が悪人に見えない。 馬鹿じゃん。 本当、お人よし過ぎる馬鹿者だ…こいつ等は。 嬉しくて涙がチョチョギレルわい。 「ほんと、お前等ていうやつは…」 こいつ等といると俺の心はなんだかとても軽くなる。 今までやってきたった行いは殆ど悪い事が多い。 それも生きる為という肩書きという理由で…。 まぁ色々悪行三昧してきた訳よ。 なら今から俺がやってきた罪はどうやって償うべきか…。 罪は後で考えるか、今はこいつ等のめんどうみる事が最優先だ。 「よし!気を取り直すついでに飯でも喰うかぁー!!」 ガバッとアンジェラス達を両手で掬い上げ俺の胸に抱き寄せる。 少し恥ずかしいけど俺はアンジェラス達にニコヤカに笑って見せた。 「ご主人様!」 「アニキ!」 「ダーリン!」 「お兄ちゃん!」 「今日は俺の手作りの飯だ。心して喰えよ!」 「やったー、アニキの手作りの料理美味いだよなー」 「嬉しいです、ご主人様」 「あらあら、生活費がヤバイのにそんな大盤振る舞いしていいんですか?」 「ルーナさん、お兄ちゃんの事ですから大丈夫ですよ」 ワキャワキャっと喋りにながら一階に向かう。 これからはこの大切で大事なひと時を俺は守っていこうと思った。 今日の出来事で今までの俺にさようならし、俺は新しくなった。 さぁー、俺の新たな生活の始まりだ!
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1166.html
戻る 先頭ページへ 廻る。 狂る狂ると、狂る狂ると。 回る、回る、歯車。 力を廻らす為に、回る。 ニューラルネットワークを奔る、心の力。 疑似神経回路網を奔る、電気信号。 身体の隅々にまで、アクチュエータの隅々にまで、廻らせる。 その力の、彼女達の力の源は、感情。 主を喜ばしたいという、感情。 勝負に勝ちたいという、感情。 敵を倒したいという、感情。 只管戦いたいという、感情。 その感情を燃料に、歯車を回す。 その力で、戦う。 彼女が燃やすのは、何? 「アル・ヴェル、出力全開」 「イェス、マスター」 主の命令に、アル・ヴェルは短く応えた。 間髪入れず、両足に備え付けられた三対の翼を展開。エネルギーフィールドを最大出力で展開。 エネルギーフィールドは周囲の空間と強く反発し、その反発から加速を生み出す。 刹那、アル・ヴェルは右足を無造作に振り抜いた。それと同時に何かが砕ける音がした。 アル・ヴェルは一見、無表情だ。 しかし、その心の内には得体の知れない感情が渦巻いている。それを悟られぬ様にアル・ヴェルは表情を表には出さない、 「次は当てるよぉ、師匠ぅ?」 虚空を踏みしめるアル・ヴェルの遥か眼下、廃墟群の中からカーネリアンの声が響く。 カーネリアンは無造作にチーグルを廃墟の壁に突き立て、一息で引き抜く。 凄まじい轟音と共に廃墟の一部が倒壊し、チーグルの掌の中に2smはある巨大なコンクリートの塊だけが残った。 「そぉ~れ」 そして、それをぽい、と頭上に投げた。 「うりゃぁ!」 次の瞬間、チーグルに握るロケットハンマーでコンクリート塊を打ち抜いた。 ブースターの音、金属と塊が衝突する音、空気を裂く音、その全てが重なり、アル・ヴェルへとコンクリート塊が一直線に向かう。 驚愕よりも先に、どう動くべきかが頭を巡る。回避しても良い。この距離なら十分可能だ。 しかし、アル・ヴェルはそれを拒んだ。 高速で迫るそれを前に、左足はそのままで右足だけを大きく引いた。 コンクリート塊は一瞬でアル・ヴェルの目前に迫り、まさに今衝突しようとしている。 「……破ツ」 刹那、アル・ヴェルの右足が鈍く光った。 両足に供えられた三対の翼、羽鋼が不可視の壁を展開したのだ。 不可視の壁は空間に強く反発し爆発的な加速を生み出し、それを与えられた右足は目視不可能な速度で振り抜かれた。 アル・ヴェルに蹴られたコンクリート塊は、進行方向と逆のエネルギーをぶつけられアル・ヴェルへ届く事無く砕けた。 それは、アル・ヴェルの不安の表れだったのかもしれない。 その破片は重力に引かれてカーネリアン目掛けて落下する。破片と言えどその一つ一つは未だ0.5smはある。 アル・ヴェルは眼下に佇むカーネリアンを見た。 「……ふふぅん」 笑っていた。楽しそうに。嬉しそうに。可笑しそうに。 それを見たアル・ヴェルもまた、笑った。 何故笑ったか分からない。ただ、何となく笑いたかった。 カーネリアンと、笑い合いたかっただけだ。 「アル・ヴェル、急降下蹴激」 「イェス、、マスター」 翼長、悠に3smはある巨大な羽鋼を展開。それと同時に電磁推進装置を稼働させる。 ぱちり、と大気に電流が走った。羽鋼の翼から電流が放たれているのだ。 翼から放たれる電流は空気の流れを操作し、驚異的な機動性を生む。 それに加え、エネルギーフィールドも発生させる。 アル・ヴェルの両脚は、淡い光と迸る電流に包まれた。その姿はある種神々しくもある。 「……行きますよ」 アル・ヴェルは誰に言うでも無く呟くと次の瞬間、落ちた。 その加速は圧倒的だった。一秒もかからず最高速に達したアル・ヴェルの身体は白い流星のようにカーネリアン目掛けて落ちた。 「ははん」 カーネリアンとの距離は、一瞬で零になった。 まず、爆音と衝撃波が周囲を襲った。次に砕かれた地面の粉塵と瓦礫が周囲に撒き散らされ、最後にアル・ヴェルとカーネリアンの近接戦闘が幕を開けた。 「遅い」 カーネリアンの至近に居ながらも、アル・ヴェルの心中は穏やかであった。 それは言いかえれば不安の表れだった。それを解き放てば、何かが起こる気がする。そんな不安から、アル・ヴェルの心は酷く冷たく穏やかだった。 見る事さえ叶わぬ右足がカーネリアンの頭部目掛けて繰り出された。 大気を震わせ、粉砕し、全てを砕こうとするそれを、カーネリアンは防いだ。 「あはぁ」 アル・ヴェルの羽鋼の破壊力の一つの源はエネルギーフィールドにある。ほぼ純粋なエネルギーであるこれは、周囲の空間を圧迫する。 圧迫された空間は当然、反発する。この反発する力を利用したのが羽鋼の超加速だ。 速度はそのままで武器になる。 アル・ヴェルはそれを体現している。 彼女の蹴りは鉄球の一撃と等しく、直撃すれば神姫であろうとただでは済まない。 「喉元過ぎれば何とやら、てねぇ」 アル・ヴェルとカーネリアンの距離は、僅か。まさにお互いの息がかかる位置だ。 アル・ヴェルは右足をハイキックの要領で繰り出しており、カーネリアンはその右足の下から、四つん這いに近い体制でアル・ヴェルの太腿をチーグルの巨大な掌で掴んでいる。 蹴り技と言うのは、例外を除いて脛から爪先までを用いる。アル・ヴェルにおいてはそれがさらに如実なのだ、 何故なら、アル・ヴェルの超加速を生み出すのが足首の辺りから生える三対の羽鋼だからだ。 加速が十分に活きる部位は自ずと限られる。 要は、破壊力があるのは脚先のみ。ならばそこ以外の部位を捉えてしまえば良いのだ。 だが、アル・ヴェルもこれくらいの事は想定内だ。 防がれた事に驚きは無い。むしろそれくらいやってくれると考えていた。 何故か、アル・ヴェルはその事が、可笑しなことに嬉しかった。 そう考える自分を戒め、その考えを直ぐに抑え込むように、掴まれた右足を軸に左足をカーネリアンの頭に向けて蹴り上げた。 カーネリアンは丁度四つん這いの体勢だが、チーグルとサバーカにより体格はアル・ヴェルの倍近い。よって、アル・ヴェルの左足はカーネリアンの頭とはやや離れた場所にある。 もし、カーネリアンがチーグルとサバーカを装備していなかった場合、繰り出された左足を回避する事は出来なかっただろう。 カーネリアンはアル・ヴェルの右腿からチーグルの手を放し、大きくバックステップ。それに遅れる事無く、アル・ヴェルは一瞬で距離を詰める。 アル・ヴェルの不安がまた大きくなった。 カーネリアンと離れてはならない。そんな気がしたのだ。 轟音、とでも表現するしかない音がアル・ヴェルの脚と共に鳴り響く。 飛び蹴りの要領で繰り出した右足が、カーネリアンの左脇腹に鋭く突き刺さる。その 瞬間、カーネリアンは蹴りの有効範囲を除け、無防備な脹脛にロケッロハンマーの柄を押し当て、軌道を反らした。 アル・ヴェルの右足は、本来の目的地であるカーネリアンの脇腹を外れ、カーネリアンの左側頭部の横の虚空を大きく突き刺した。 一撃一撃が神姫を破壊し得るに相当な威力を秘めている羽鋼だが、当たらなければ意味が無い。カーネリアンは、それを体現した。 だが、アル・ヴェルは止まらない。 反らされた右足のエネルギーフィールドを逆方向に出力。虚空にて一瞬の静止状態を作り出す。 身体は水平のままに右足を軸に左足を振り上げ、カーネリアンの顎を狙う。 カーネリアンはそれを、大きくバックステップすることで避ける。後退りながらもロケットハンマーを下から抉るように振り上げてアル・ヴェルの背中を狙う。 アル・ヴェルは虚空を蹴った左足に軸を移してくるりと半回転、今度は右足を振り下す。 ロケットハンマーが火を噴き、鋼の塊に強烈な加速を与える。 羽鋼が瞬き、エネルギーフィールドが激烈な加速をその脚に与える。 急激な加速を与えられた質量が孕むエネルギー。 超常の加速、純粋な速度が生み出すエネルギー。 質量と加速。 純粋な速度。 その二つが交差する。 エネルギーとエネルギーの衝突。 それは破壊の濁流、破壊の雄叫、破壊の狂気。 ロケットハンマーを通し身体を襲う破壊の奔流。 羽鋼を通じ身体を貫く破壊の歌声。 「はは」 それは二人の深層回路に刻まれた原初の衝動を刺激する。 「ははは!」 武装神姫の闘争本能を刺激し、呼び覚ます。 「ははははははははは!」 戦場に木霊するカーネリアンの笑い声。 己の力を叩き込む事への歓喜の声。 全力で戦える事への渇望の声。 戦いを求める雄叫びの笑い声。 二つの力がぶつかり合う事で生じた、危うく脆い均衡状態。 刹那、均衡が崩れた。いや、崩したというべきか。 アル・ヴェルの自由な左足が降り抜かれるのと同時に、カーネリアンの身体が吹き飛んだのだ。 衝撃波。 しかし、アル・ヴェルの脚が引き起こした衝撃波はそれほど威力は無い。 体勢を立て直したカーネリアンはすぐさま一歩踏み込んだ。そして、ロケットハンマーを大きく、右から薙いだ。 アル・ヴェルは迫るロケットハンマーの柄に右手を添え、左腕を押し当てた。ロケットハンマーの破壊力もまた絶大だが、それは打突部に限った話だ。 アル・ヴェルはロケットハンマーの一撃を神姫の細い腕で防ぎ切り、そして、自由な右足をカーネリアンの脇腹に叩きこんだ。 「ぁぐ」 脇腹への一撃、それは神姫を斃すには充分な一撃であった。 しかし、カーネリアンはその刹那、左腕を差し込む事により威力を減衰、さらに身体を捩る事によってさらにその威力を減衰させた。 「はは……ははは」 しかし、それでもその威力は絶大だ。 カーネリアンの左腕は全壊。脇腹付近のフレームは滅茶苦茶で、傍目から見ても凄まじい損傷だ。 「ははは……ははははは!」 ダメージは痛みに変換され、カーネリアンの身体を奔る。 だが、今の彼女にとってそれはただの興奮剤に過ぎない。 「ははははは!」 カーネリアンは脇腹の損傷になど目をくれず、アル・ヴェルへと襲いかかった。 地上から僅かに浮かぶアル・ヴェルは何の構えも無く、自然体で待ち構えている。 がっ、とカーネリアンの右足が地面を捉えた。 その右足を軸に、身体を捻りながらロケットハンマーを右上に逆袈裟で振るう。 それに合わせ、背部のエクステンドブースターを点火し身体の捻りに更なる速度を加える。 最後に、打突部後部にあるブースターが火を噴いた。その威力は更なるモノへと昇華する。 大気を啼かせ、砕き、喰い壊しながら踊る破鋼。 冷たい鋼は黙して語らず、しかしその質量は絶大。 質量は即ち破壊力となり、それに速度が更なる破壊力を加える。 それは、羽鋼と同じ必滅の一撃。 それは、全てを壊す必壊の一撃。 それは、まさに一撃必殺。 「貴女も言ってましたね」 だが、アル・ヴェルはそれを止めた。 必滅の、必殺の一撃を。その細い腕のみで止めて見せた。 「喉元過ぎればなんとやら」 アル・ヴェルの両手はロケットハンマーの柄の中程を握っていた。 カーネリアンが羽鋼の一撃を防いだのと同じ理屈だ。 破壊力があるのはロケットハンマーの先端、打突部のみ。 それ以外……例えば柄はさほどの威力も無い。 先ほど、カーネリアンと同じ方法でアル・ヴェルはロケットハンマーを防いだ。 ただ一つ、違う点があるとすれば、アル・ヴェルはチーグルなどを使わず、素手で止めた事か。 カーネリアンは防がれると感じた瞬間、残った右腕に握るギロチンブーメランの切っ先をアル・ヴェル目掛けて差し込んだ。 それに呼応し、チーグルで握るロケットハンマーも引く。 アル・ヴェルのバランスを崩し、その腹にギロチンブーメランを叩き込もうと言う寸法だ。 「手加減は、しません」 それよりも早く、アル・ヴェルの左回し蹴りがカーネリアンの脇腹に叩きこまれた。 風を裂く轟音と衝突音が同時に響く。 カーネリアンの脇腹にはアル・ヴェルの左足が食い込み、腹部は中程まで破壊されている。上体を保つのさえ難しいだろう事が見て取れる。 「つかまえたぁ」 だが、それはカーネリアンの罠だった。 アル・ヴェルは距離を取ろうとした、だが、間髪入れず至近距離でチーグルの右ストレートをもろに貰った。 「……っ!?」 そして、アル・ヴェルの左足は、左のチーグルで握り潰された。 肉を切らせて骨を断つ。 そう例えるには余りにも無茶で無謀なカーネリアンの行動。 鈍い痛みがアル・ヴェルの身体を駆け巡る。 痛みは一瞬の隙を生み、その隙をカーネリアンは逃さない。 左のチーグルでアル・ヴェルの左足を握り潰したまま、アル・ヴェルの身体を地面に叩き付けた。 固いもの同士がぶつかり合う音が響く。 アル・ヴェルはうつ伏せに地面と叩き付けられた。 一瞬、意識が遠のいたと思った次には全身を激痛が襲う。 「まだまだぁ!」 息を吐く前にアル・ヴェルは振り上げられた。 酷い眩暈と吐き気の疑似感覚に苛まれながらアル・ヴェルの身体は高々と掲げられた。 一瞬の静止、そして直後に振り下ろされるアル・ヴェル。 「あぁぁぁぁぁっ!!」 アル・ヴェルが吼えた。 そして、左足を掴むチーグル目掛け右足を振り下した。 アル・ヴェルは自身の左足事チーグルを破壊し、その拘束から逃れた。 しかし、振り下ろされるエネルギーは殺しきれず、そのまま一直線に投げだされる形になった。 数sm程飛び、地面に落ち、転がって、アル・ヴェルはようやく止まった。 ノイズ混じりの視界と意識の中、立ち上がろうと脚に力を入れた。 「脚が……」 右足はほぼ全壊と言っても良い損傷であった。 チーグルで握り潰されたのに加え、自らの一撃を加えられたそれは、脛から先が無くなっていた。 しかし、それでもアル・ヴェルは立ち上がった。 無事な左足に重心を乗せ、バランスを取る。 羽鋼はそこそこの質量を持つ。それが幸いし然程バランスは悪くは無い。 だが、片翼を失った今、蹴りを放つ事は難しいだろう。 それに加えて、一度地面に叩き付けられた衝撃も相当なものだ。 「お互いぃ……ボロボロだねぇ」 アル・ヴェルから離れた場所でカーネリアンが立ち上がった。彼女もアル・ヴェルを振り下す反動を殺し切れなかったのだ。 右のチーグルで左の脇腹を押え、その手にはロケットハンマーを杖代わりに立ち上がった。 左のチーグルは手首付近を完全に破壊され、罅が肘付近まで到達。 脇腹も半分近くを抉られており、内部機構が時折スパークを放っている。 どう見ても、戦える状態では無い。 「ふふ……」 機能停止寸前、両者共に満身創痍のその状況でアル・ヴェルは笑っていた。 全身を襲い、脳内を駆け回る痛み。 絶え間なく続くそれが、今は心地よかった。 アル・ヴェルは気付いていた。自分が戦いを楽しんでいる事に。 そして、それを拒んでいた事。 「師匠ぉ、良い顔で笑うねぇ」 一歩一歩、ゆっくりと時間をかけてカーネリアンは歩く。 アル・ヴェル目指して、ゆっくりと。 「そう、見えますか」 アル・ヴェルもまた歩を進めた。 片足で、たどたどしくだが、確実にカーネリアンを目指して。 「そんな楽しそうな顔ぉ、初めてだなぁ」 サバーカを装備したカーネリアンは、アル・ヴェルに比べて二回りほど大きい。 それは、普段のアル・ヴェルにしたら些細な問題だが、羽鋼の片翼が捥がれた今、それは大きな問題だ。 羽鋼は翼の様に、一対で初めて成り立つ装備だ。 片方の羽鋼で攻撃し、もう片方の羽鋼で姿勢を保つ。今のアル・ヴェルにはそれが出来ない。 加えて、未だ無事な右のチーグル。今のアル・ヴェルにはそれを防ぐ術は無い。 圧倒的に、不利な状況。 普通のアル・ヴェルなら、ここで白旗を振っていただろう。 しかし、今のアル・ヴェルの頭に敗北の文字は無い。 あるのは一つ、戦いへの願望。 例えこの身が砕けても、戦う事を止めない。 その眼は、そう物語っている。 「けどぉ、ここまでかなぁ」 アル・ヴェルとカーネリアンの距離は、僅か1sm程になっていた。 刹那、カーネリアンは鋭く間合いを詰め、右のチーグルでアル・ヴェルの頭部を捉えた。 アル・ヴェルは、意識を手放した。 「満足したか?」 テープで腹部をぐるぐる巻きにしたカーネリアンを、右手で抱えながら恵太郎は言った。 「うん。第満足だよぉ」 少々疲れが見える表情ながら、カーネリアンは笑いながら応えた。 「ごめんね、マスターぁ」 右腕で左肩を抱きながら、カーネリアンが言った。 「何がだ?」 カーネリアンを優しく見つめながら、恵太郎は言った。 「ボクのわがままに付き合わせてぇ」 ごめんと言いながらも、その顔に謝罪の色は無い。 「俺も二人の決着を見たいと思ってたんだ」 恵太郎は上機嫌で応えた。 「じゃあ、もう一つ。また修理の手間掛けさせちゃう」 今度は、申し訳なさそうに俯きながら言った。 「何、お前の為ならむしろ喜んでやるさ」 左手の指でカーネリアンの頭を撫でながら恵太郎は言った。 「うん……時間が無いのに、ごめん」 くすぐったそうにしながら、カーネリアンは呟いた。 「今までの時間を考えれば充分だよ」 恵太郎は、どこか寂しそうに言った。 「そうだよね……そうだよ、ねぇ」 離れた指を名残惜しそうに見ながら、カーネリアンも呟いた。 「もう心残りは無いか? カーネリアン」 真面目で、どこか悲しそうな瞳で恵太郎は言った。 「それはこっちのセリフだよぉ、マスター?」 カーネリアンは笑った。屈託なく、無邪気に笑った。 先頭ページへ 進む