約 5,047,815 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1863.html
第一回「中の人などいないッ!」(var1.5) 解説「唐突に始まりましたこのコーナー、「神姫無頼質問コーナー"時報さんが回答したあとに"」」 助手「変なタイトルですね」 解説「作者からの要望だから仕方がないよ」 解説「申し遅れました。僕は時報(ときほう)、フリーのライターさ。このコーナーの回答役を務めさせてもらうよ」 助手「私は、紅緒の日暮(ヒグレ)と申す者です」 時報「記念すべき第一回は、誰も要望がないので勝手に回答しちゃおう。との事です」 日暮「えっと、今回のテーマは「登場人物のイメージCVは誰?」だそうです。リストにしましたのでどうぞ」 彩聞 形人:白石稔 ヒカル:田村ゆかり ジーナス:中原麻衣 氷男 聖憐:遠藤綾 零牙:高山みなみ 飛竜 一深:松元恵 リック:永田亮子 風間 健人:子安武人 グレース:笹川亜矢奈 真 光一:浪川大輔 マオ:橋本まい 長瀬 祁音:小野大輔 ラスター:阿澄佳奈 ジュラ:松岡由貴 ベルクト:加藤英美里 メィーカー:折笠富美子 彩聞 令佳(形人の母)・バラライカ:桑谷夏子 背景(ガヤ)・単発ゲスト:主要キャストでの掛け持ち 日暮「半分近くが角川作品の出演者ですね」 時報「作者は最近のアニメをあまり見ないからなぁ、その他はバトロンの声優だし」 日暮「ていうか形人さんが白石って…」 時報「意 外 性 を 狙 っ たとか。まあ、白石さんの演技力は強力だしね」 時報「声色については?」 日暮「特に言われてません、ただ中原氏の声色はキャラに合わせてクール系だとか」 時報「なんだか知らないけど、さっきから首が痒いんだよなぁ…」 日暮「(あ…(汗)」 時報「…もう我慢できない。ぐ、ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!(ぼりぼりぼり)」 日暮「ちょっと…」 ぼりぼりぼり、ばりばりばり、バリバリバリ(ブシャァッ!!! ドタッ) 日暮「…時報さんがL5発症でお亡くなりになられたので、今回はこの辺で」 日暮「これが本当の「時報が回答したあとに」という事ですか…」 オワレ 神姫無頼質問コーナーに戻る 流れ流れて神姫無頼に戻る トップページ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1640.html
人物紹介 黄昏よりの使者+α編 警告 この頁は物語の終盤に出てきた要素を、主に扱っています。 その為、所謂“ネタバレ”が含まれている恐れがあります。 【神姫オーナー】[追っかけ:向坂 光] 【武装神姫】[五女:エルナ] [二十一人目:アールヴ] 【その他MMS(オリジナル)】[残党:ロキ] 【その他MMS?(分類不能)】[縛鎖:ナイトメア] 【その他】[支援兵器:アルファル] [支援兵器:プルマージュ] 【神姫オーナー】 [追っかけ:向坂 光] 氏名:向坂 光(こうさか ひかる) 通称:じゃじゃ馬 年齢:17歳 性別:女性 CV:折笠 富美子 国籍:日本人 誕生:XXXX年03月21日 職業:学生 趣味:神姫の改造、渋谷の散策 特技:精密作業、メール打ち 食事:好きな食べ物:不明 嫌いな食べ物:不明 住所:不祥(東京都下?) 特徴:亜麻色の艶やかな髪を、肩胛骨辺りまで伸ばした娘。 当代の女学生であり、ファッションもそれに準ずる。 槇野晶のファンだという、神姫オーナー。ファッションセンスと 武装性能で、晶を目標として神姫バトルを戦っている快活な娘。 性格は“じゃじゃ馬”であり、神姫のアールヴとは何かと口論が 絶えない……と言っても、周りが見ればそれは痴話喧嘩である。 エルナとの対戦を経て、彼女もまた晶への尊敬を深めたらしい。 いずれ、エルナの宿敵として再び立ち塞がる日が来る……かも? 【武装神姫】 [五女:エルナ] 名称:MMS-FRJ-011-LUV version.1,79h[Erna(エルナ)] 通称:紫風の尖姫(アメティスト・ヴァルキュリア) 素体:独自型MMS・フレイヤ(規約内に収まる用、改造済) 年齢:再起動後数日/起動後数年(外見は少し幼めである) 性別:女性 CV:後藤 邑子 色彩:紫・銀・白・菫色を中心とする 国籍:武装神姫(登録地:日本・東京秋葉原神姫センター) 階級:秋葉原神姫センターサードリーグ(順位不明) 職業:槇野晶の武装神姫、名刺上は「工房アシスタント」 趣味:歌と踊り(北欧の民族舞踏系?)、模擬戦・訓練・修行 特技:短距離走等スピードを用いる動作、歌と踊り(同上) 食事:好きな食べ物:甘味各種、B級フード(焼きそば等) 嫌いな食べ物:炭酸飲料、“臭い缶詰”(トラウマ) 特徴:物凄く長い、菫色のストレートヘアを項で束ねる。 気分や装備では、解いたりツインテールにもする。 素体の塗装は、肌色と白・銀・紫をベースに変更。 カメラアイは琥珀色のドールアイ改造品へと置換。 両耳に紫水晶のピアス、胸には水晶のペンダント。 元は犯罪結社“ラグナロク”が開発した破壊工作兵器の試作品。 流浪の末に晶と“姉”達の元へ辿り着いたが、“悪夢”の呪いと 長旅や凶行による素体への酷使によって、超AI諸共ボロボロに なってしまった為に、神姫として改造・修復の処置を受けた姿。 性格は素直でなく激昂しやすいが、その実は真面目で大人しい。 しかしながら世間一般に疎い所為か、ドジを踏む事もしばしば。 晶を「マイスター」と呼び、“五女”として晶と三姉妹を慕う。 それは決してベタベタ甘えるという意味ではない物の、信じるに 足る“御姉様”という、精神的支柱の証となっている。その反面 他の人間はなかなか信用せずに、棘のある態度で接する。神姫に 対しては素直にこそなれない物の、姿勢は相当マイルドである。 それはこれまでの経験により、人間を信じる事に畏れがある為。 装備の換装で軽量級・重量級両クラスへの参戦を可能とする為、 徒手空拳での神姫同士による格闘にも耐えうる程の強度を誇る、 レアメタル・特殊高剛性フレームへの素体置換が行われている。 以前は更に強靱なフレームを用いていたが、デチューンされた。 他にもジェネレータ等、全てがギリギリまで性能を抑えてあるが 今なお、心・技・体・速度……四要素のバランスはかなり良い。 通常時には[hmOCU_ALXXX “Electro Lolita”]の先行試作品を、 真っ赤になりながらも着用している。 (XXXに入る型番は、不定) 一方でバトルの際は、高潔ながらも一切容赦しない姿を見せる。 己の技量と存在を活かす“戦闘”が、彼女はお気に入りなのだ。 “食事機能”でのエネルギー補完が修理の際に実装されており、 変換効率に於いてアルマと並ぶ“エネルギー重視型”を用いる。 [二十一人目:アールヴ] 名称:“光霊姫”アールヴ 素体:独自型MMS・アールヴ(オリジナル素体) 年齢:不明 性別:女性 CV:国府田 マリ子 国籍:武装神姫(登録地:日本・東京) 職業:不明 趣味:賭け試合(チップは、互いの武器) 食事:なし(食事機能未実装) 武装:可変斧“セブンスムーン”/闇機竜ドヴェルグ 装備:フィオラ、独自の追加装甲 特徴:可変武装を活用した、領域を選ばない戦い方を旨とする エルナの重量級ランク初陣にして、軽量級(通常)ランクでの、 セカンド昇進試合の相手を努めた神姫。マスターの向坂光とは 性格がそっくりであり、互いのじゃじゃ馬振りはある種有名。 群を抜いたタフネスとパワー……更に不屈の精神で、エルナを 窮地に追い込む。しかし、戦いへの態度がエルナの冷たい心に 火を付けてしまい、結果圧倒的に追い詰められ敗北を喫する。 しかし、彼女がそれを恨む事はなかった。むしろ諭してくれた エルナに対して、ある種の敬愛すら持っているかの様である。 それはマスターの光が晶に抱いている、尊敬の心と似ていた。 【その他MMS(オリジナル)】 [残党:ロキ] 名称:MMS-HPS-000-TOD version.1,30a[Loki(ロキ)] 通称:“戦略級殲滅型MMS(ハザード・プリンセス)零号機” 素体:独自型MMS・フレイヤ(超剛性希少金属製フレーム) 年齢:起動後数年(但し、外見から推し量る事は出来ない) 性別:女性 CV:後藤 邑子 色彩:白・銀・灰色・黒を中心とする 国籍:破壊工作兵器(製作地:北欧) 階級:なし(登場時点では、武装神姫ではない) 職業:無職(以前はテロリスト、但し無自覚) 趣味:なし(以前は、創造主との歓談が趣味) 特技:暗殺(対人・対機械を問わず)、情報処理 食事:なし(食事機能未実装) 特徴:その頭を、フルフェイスのヘルメットで覆った娘。 素体の塗装は、肌色と灰・銀・白・と黒がベース。 但し、殻の素肌を露出させている部分は殆ど無い。 両手・両脚が武装に置換されており、胸にも武装を 搭載。背部にはバックパックが直付けされている。 北欧の犯罪結社“ラグナロク”が販路開拓の為に開発していた、 テロリズム用独自MMSのプロトタイプ・零号機。神姫の試作機を その設計ベースとしており、“妹”達同様に感情を備えている。 しかし、人間という存在やそれに与する機械全てを恨んでおり、 滅びてでも“復讐”を成し遂げようという執念に囚われている。 故にヒステリック且つ短絡的・自虐的で、物事は疑って掛かる。 その躯は徹底して、社会を破壊する“テロ”の為に調整された。 爆破工作を得意としており、列車爆破を行った際には持ち込んだ TNT火薬と自前の“プラズマ・ボマー”で、破壊を遂行する。 【その他MMS?(分類不能)】 [縛鎖:ナイトメア] 名称:XXX-XXX-XXX-XXX[Nightmare(ナイトメア)] 通称:“悪夢” 素体:不明 年齢:起動後数時間(精神年齢は不明) 性別:不明 CV:なし(合成音声・女性形) 色彩:黒・紅を中心とする 国籍:なし(発生地は不明) 階級:なし(武装神姫ではない) 職業:なし(データの塊である) 趣味:なし(自我を持たない?) 特技:なし(情報操作が得意?) 食事:なし(食事機能未実装) 特徴:鬼とも騎士ともつかない、漆黒・単眼の虚構存在。 素体は一般的な武装神姫よりも、相当大柄である。 両腕は躯に不釣り合いな大きさの、クローアーム。 元々は、ロキの体内に潜伏していた情報機器用ワームウィルス。 テロ支援用破壊兵器として作られた時に仕込まれた“罠”だが、 本来は純粋にパソコン等のデータを破壊するだけの代物だった。 それがロキの歪んだ“憎悪”により徐々に変質していった結果、 神姫の超AIさえ侵蝕する様な、複合情報破壊システムとなる。 完全な“バグ”であり、ロキ自身でさえも存在を知らなかった。 ウィルスとして持つ情報破壊能力を、ヴァーチャルフィールドに 於いて純粋な破壊力へ転換した“悪夢”は、最凶最悪の敵として 幸福を掴みかけた“五姉妹”に、最大の試練を与える事となる。 【その他】 [支援兵器:アルファル] 名称:elVTA_AL778 [Alfar II(アルファル2)] 通称:[Sharnone(シャノン)] 年齢:数週間 性別:女性? CV:合成音声(Donna Burke 他) 色彩:モノトーンとクロームが基調、状態により変色する 国籍:ぷちマスィーンズ(登録地:日本・東京秋葉原神姫センター) 職業:槇野晶の武装神姫・エルナに仕える“騎士” 趣味:なし 特技:神姫のサポート(戦闘・お手伝い等多岐に渡る) 食事:なし(食事機能未実装) 特徴:多種多様な変形機能を見せ、主に忠実である。 晶がエルナの為に新規開発した、ぷちマスィーンズを土台とした 戦術支援システム。基本的には従来型の“アルファル”と同様の 機体であるが、その容姿や戦闘能力は随分と異なった物である。 なおその名は、やはりケルト神話の登場人物から取られている。 [支援兵器:プルマージュ] 名称:elVDV_AL778 [Plumage II(プルマージュ2)] 通称:[Tiarmarl(ティアマル)] 年齢:数週間 性別:女性? CV:合成音声(Joanna Day 他) 色彩:白とクロームに、主たるエルナのカラー・紫が基調 国籍:ぷちマスィーンズ(登録地:日本・東京秋葉原神姫センター) 職業:槇野晶の武装神姫達に付き従う“竜” 趣味:なし 特技:神姫のサポート(主に戦闘と室内の移動) 食事:なし(食事機能未実装) 特徴:莫大な出力を持ち、八体に分離・変形する。 晶がエルナに与えた、重量級ランク用の高速機動戦闘システム。 “獣の王”という機体コンセプトを、より押し進めた龍である。 獰猛だった彼女を、エルナが力ずくで手懐けたという噂も……? なお名前の由来は、バビロニア神話の竜であるティアマトー神。 メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/712.html
可愛いという事実は、罪にも似て 知人紹介で神姫系イベントへの参加を予定している私・槇野晶であるが、 その準備段階も最終フェイズに突入した。つまり、私が着ていく衣装だ。 また進展に伴って、本来私が進めていた“重量級ランク”への参加準備も どうにか先行試作型弌号機の仕上げ段階まで移行していた。という訳で、 今日は、それら用件全てを満たす為に“ホビーショップ・エルゴ”のある 商店街までやってきた。衣服の“材料”調達と、日暮への試作機紹介だ。 「日暮。今日も来てやったぞ、暖冬と早春のコンボは躯にどうだ?」 「や。良くないね……ん、そっちの娘は葵ちゃんじゃないのかい?」 「あ、は……はい。葵ちゃんのお姉さんで、槇野茜って言いますっ」 「葵にはフィンランドでの姉妹が居てな。妹の方は梓という、有無」 前者の用事は片づいた為、後はMMSショップ“ALChemist”に帰ってから 試着を行えば済む。“材料”とはつまる所、作り上げた衣装に相応しい アンダーウェアの事なのだからな。デザインは“フィオラ”準拠であり サイズは私準拠。そう、当日私が着る事を前提として縫製したのだな。 そういう訳で、今アルマのHVIF……茜を連れてエルゴに来た所だ。 「は、初めまして日暮さん……貴方の事は、えっと。葵ちゃんから」 「いいっていいって、そんな堅くならなくて。ほら側に来るかい?」 「……ふぇ、ええっ!?そ、そんなあのえっとうんと、うぅッ!?」 「日暮、貴様……人の“妹”に色目を使うなとあれ程言っただろう」 「マイスター、察してあげて下さい。恐らく自覚症状はありません」 「ご、ごめんなさいお姉ちゃんと日暮さん。取り乱しちゃって……」 眉を潜める私を、うさ大明神ことジェニーが宥める。確かに日暮の方は 気付いたのか気付かないのか……照れた様に頭を掻いているだけだな。 気を取り直し私は荷を広げる。神姫センターに持っていくトランクだ。 「これは、神姫サイズのヴィークル?いや……“バイザー”か?」 「流石だな日暮。確かにコレは“バイザー”を参考にしているぞ」 「ん?……ああ、前見せてもらったデータの適用先ってこれかい」 「はいですの。試作機って事で、わたしの分しかありませんけど」 その中から出てきたのは、ミサイルの様な形状をした飛行物体だった。 ロッテの言う通り、これはまだ一機しか存在しない“プロトタイプ”。 白衣の胸ポケットから飛び出してきた彼女は、上機嫌で解説を始めた。 「日暮さんに推敲してもらったのは、輪転層型の回転構造物に使う……」 「制御プログラムだったね。ってまさか“コレ”の内部に仕込んだの?」 「そうだ。輪転層型の立体ギアを作り、それに各部品を繋げているのだ」 「ドラムの回転運動を利用して、各部品の接続箇所を変更できるんだよ」 「……ドラムフレームか。でも、自在な“変形”とまでは行かないよ?」 流石と言うべきか、日暮には一発で目論見を暴かれてしまったな……。 彼の言う通り、この飛行物体“ビルト・パンツァー”は変形するのだ。 重量級ランクでは、従来過積載や出力異常と見なされたレベルを越えて 多種多様な武装が可能だ。反面、公式でサポートする気は薄いらしく、 情報が漏れている第六弾が、複数種の合体によって成し遂げる程度だ。 それとて、従来のバトルでも使える“軽量級用”である事は変わらん。 従って重量級に参加する為には、大半の装備を自作せねばならんのだ。 「実証実験をしていて、私もそう思った。変形機構は完全ではないな」 「ツガルタイプや第五弾の様な、電磁式連結システムじゃダメかい?」 「試してみたんですけど、複雑な合体や重装甲には耐えられませんの」 「物理的な合体補助機構なら、趣旨に添った重武装も可能になるもん」 「という訳で、この変形システムを押し進める為の意見が欲しいのだ」 そう言って、私は“ビルト・パンツァー”を日暮に渡す。一見すると スペースシャトルの様な構造だが、上部には神姫一人が搭乗可能だ。 そして部品の接続部には“仕掛け”がしてある。日暮はそこを見た。 曰く、強度を活かしたまま複雑な変形をするには発想の転換も必要。 「そうだね、ドラムフレームから発展するなら……ムーバブル、っと」 「む?客が来たか日暮……って、あれは……黒葉学園の女子高生か?」 「……どう見ても男子制服じゃないですかぁっ!って、幼……ひ!?」 何かに気付いた日暮の目線を追っていくと、入口に一人の客が居た。 割と遠くない場所にある“私立黒葉学園”。その学生服を身につけた 少年が私に向かって無礼な事を言い放つ……そう言えば、あの学園は “神姫部”なるクラブもある程だ。学生がこの時間にエルゴに来ても それ自体はおかしくない。そして、無礼な言葉もどうでもよかった。 「……な、ななっ!?なんですか、ごめんなさい怒らないで……」 「か、か、か……!可愛いッ!なんだ貴様は、可愛すぎるぞッ!」 「ええっ!?抱きつかないで下さいっ!?助けて日暮さんっ?!」 この少年、可愛い!否、『こんなに可愛いのに男の子の筈がない!』。 陳腐な女子オタク向けのフレーズではあったが、私とてアキバの住人。 そして……女子である。今なら、その意味する所が十分良く分かるッ! 顔を赤らめて日暮に“真面目に”助けを求める所など、もう堪らん!? 「あー、諦めた方が良いよ千空“ちゃん”。その人、火が付くと」 「マイスターは止まりませんの。でも、男の人にこんな反応……」 「……ロッテお姉ちゃん、多分この人が女性っぽいからなんだよ」 「茜、手伝え!私の“アレ”をこの娘に着せるぞ!日暮、貸せ!」 そう、到底男に見えない。故にこそ“可愛い物に弱い”私の性癖が、 鎌首を擡げ、この“娘”に狙いを定めるのだ。もう辛抱出来んぞッ! 「あうっ!?わ、わかりましたお姉ちゃんッ……ごめんなさい」 「奥の部屋が空いてるけど、あんまり散らかさないでよ、晶?」 「そ~ん~な~っ!や、やめてくださいっ!!うわぁぁッ!?」 服を持ってきた包みを開き、アンダーの梱包を一着分だけ開封する。 そして二人がかりで手早く全裸にし、アンダーから全てを着せるッ! 普段の私なら目の前の茜と同じく真っ赤になる状況だが、それ以上に “彼女”の晴れ姿を一度見てみたいという欲求が、勝っていたのだ。 ……悲鳴と悲嘆の中、着付けは数分で終了。私達三人は店に戻った。 「う、うぅぅ……なんでまた僕がこんな格好させられてるの……」 「千空ちゃんの先輩みたいな女性が他にもいるって事だよ、うん」 「……そんな感心していないで、少しはこの人止めて下さいよ~」 「止めても無駄だ。それにしても、ここまで似合うか……くうッ」 私が着る前提で作った、人間大の“フィオラ”風コーディネイトだ。 サイズが心配だったがそちらもどうにか収まって、モノトーンの中に 普段のフリル全開とは違う、儚げで可憐な美しさを見せつけていた。 私のセンスに狂いはなかった。安心して私も着ていけるという物だ。 にしても、この場で脱がせてそれっきりは少々惜しいな……よしッ! 絶望のポーズを取る千空とやらを起こし、私はある場所に連行した。 「皆ジェニーの所に集まれ、記念写真を撮るぞ!日暮、カメラを持てっ」 「……なんでデジカメなんか持ってたんだい、晶?まあ別にいいけどね」 「すみません、後10分位したら脱がせてもらえる筈ですから……ね?」 「え、ええっ!?うぅぅぅ……写真なんて撮って、どうするんですか?」 そんな事は言うまでもなかったし、ロッテがすぐ代弁してくれた。 何せ、開催までもう余裕がない。資料としても打って付けなのだ! 「マイスターならきっと、写真を“鳳凰カップ”で飾るつもりですの♪」 「えええええええぇぇっ!!?……今日は厄日なのかなぁ、ううぅ……」 「人間も神姫も、この際諦めが肝心なんだよ?はい、笑って……チーズ」 「災難というか何というか。ご愁傷様と言っておきましょう、千空さん」 ──────可愛い事に罪はないんだよ、きっと? 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/997.html
戦うことを忘れた武装神姫 その32 <<その31から。。。<< 久遠の前で、神姫サイズの椅子に腰掛けて向かい合うあずさとリゼ。 「・・・私の型番は型式無しの『Type-91』。 武装タイプとクラリネットタイプの合いの子、とでも言ったところでしょうか。」 「え、き、91型?!」 リゼの目が驚きで丸くなった。 「あら、ご存知でしたか。」 「ヌシさんから聞いた事があるんです。 はっ! もしかして・・・あずささんが、ヌシさんが話していた・・・」 「そういうこと。 今日、お前だけを連れてきたのも、あずささんに会わせるためだったんだよ。」 手元のチェイサー(水のこと)を含んだ久遠が口を挟んだ。 「すみませんね、あずささん。 ちょいとリゼの反応を見てみたかったというのもあって。 リゼも予想通りの反応で安心しましたよ。」 久遠の言葉にちょっぴりむくれるリゼ。 「そう怒るなって。 いま美味しいバーボン分けてやるから。」 「本当?」 ぱっと明るい表情になるリゼに、 「予想通り・・・ですか・・・。 リゼさんは本当に神姫らしい神姫ですよ。」 クスクスと楽しそうに笑うあずさ。 「あ。そうすると。」 ふと手を叩いたリゼはちょっと考えるしぐさを見せ、 「そうすると、あずささんはあたしの叔母さんにあたるんだよね? ヌシさん。」 と久遠に声をかけた。 ぴくり。 小さなピアスが付いたあずさの耳が動いた。 右の目じりがちょっと引きつっている。 それに気づいた久遠が止めるまもなく、リゼは言ってしまった。 「だって91型だと、あたしよりずっと歳増でしょ?」 カッ!!と、あずさの目が開かれた次の瞬間。 どばしゃっ 久遠の手元にあったチェイサーが、リゼにぶかっけられていた。 呆然として椅子に腰かけるヌレヌレのリゼ。 「失礼な! 起動したのは貴女よりもあとなんですよっ!!」 水音を聞きつけて慌てて戻ってきたマスターは一目でその状況を理解し、あずさの頭を小突いた。 「こら。 お客様になんてことをするんですか。 申し訳ありません、リゼさん。」 「あ、いえ。自分も悪いんです。 そのへんのことをしっかり伝えておかなかっ・・・」 言いかけた久遠をさえぎり、マスターはあずさを手に乗せて顔の前へと持ち上げた。 「あずさ。ここではどのように振舞うか、そして何故そうしなければいけないか。教えたはずですよ。」 シュンとなって黙って頷くあずさは、マスターの手のひらからカウンターの上に移ると深々と頭下げた。 「大変申し訳ありませんでした。ついカッとなってしまって。。。」 ヌレヌレになったリゼをやさしく拭くあずさ。リゼはどう反応してよいのか全く解らず、あずさに身を任せたまま久遠を見ていた。 「すみません、こいつもまだまだ修行が足りないもんで。」 久遠はちょいとリゼを突付く。意図を解したリゼも頭を下げた。 「このような形でのお詫びというのも何なのですけれど・・・ひとつはリゼさんに。」 と、マスターは奥から出したものとは別のボトルを傾け、グラスを二つ久遠の前へ差し出した。 一通り拭き終わったあずさは久遠にも頭を下げると、ひとまわり小さいグラスを手にリゼの前へ。 「どうぞ、リゼさん。」 半ば困惑の面持ちのリゼに、久遠は黙って小さく頷いた。 「いただきます・・・ !!!」 一口含んだだけで、リゼの表情が・・・緊張が解け、再びいつものリゼの顔に戻った。 「すごい・・・口当たりがいいのに、いつまでも響く感じ・・・きれいな味・・・。」 ホッと小さく息をつき、うっとりとした眼差しでグラスを見つめるリゼに、あずさもまたほっと胸をなでおろしていた。 続いて久遠もグラスを傾けた。 表情を伺うかのごとく、マスターが声をかけた。 「ハイランドの25年です。いかがですか?」 「ま、マスター、こんないいものを・・・」 「どうぞ御気になさらずに。」 「違うんです。これだけの味を覚えさせてしまうと、リゼの舌がどんどん贅沢になっちゃってウチが困るんです。」 眉間にしわを寄せて見つめる久遠に、あえて知らん顔のリゼ。二人の様子にマスターもあずさも、思わず笑みがこぼれていた。 それからどれだけの時間が過ぎたのだろうか。リゼとあずさの会話は終わる気配もなく、実に楽しそうに続いている。流れるジャスのリズムに合わせて指が動いているところをみると、おそらく歌談義なのだろう。。。 穏やかな面持ちでふたりを眺める久遠。 ふと、リズムの中に混じるカタカタという木の部品が作動する音に気づいた。 マスター、また新しい骨董品を・・・。半ば呆れるような面持ちで見上げるは、壁にかけられたからくり時計。 時報に合わせ、半円になった部分で小さな列車が走っていた。 リゼも気づいてあずさに訊いている。 聞き耳を立てる久遠、どやらねじ巻きはあずさの仕事・・・ぜんまい仕掛けか。 なんと贅沢な時を刻む道具なんだろう。 琥珀色の液体が入ったグラスに口をつけ、久遠はしみじみと噛みしめる。 ・・・リゼとこんなにも贅沢な時を過ごすのは、初めてかもしれない- 。 と、マスターがグラスを拭きながら思い出したかのように話しかけてきた。 「久遠さんは、神姫に年齢という概念はあると思いますか?」 声をかけられ、時計から視線をリゼたちに戻した久遠。 言われてみれば、今まで神姫たちの年齢なんて・・・ 「考えたこともないですね。」 「久遠さんのことですから、きっとそう答えると思いましたよ。」 マスターは安心したようにほっと息をつくと、グラスを置いてさらに続けた。 「あずさを起動させてから、私も神姫に対してずいぶんと考えが変わってね。 僕はね、神姫たちにヒトと同じような年齢という概念はないと思うんだ。」 マスターの言葉に、グラスを持ったまま考え込む久遠の袖をリゼが引っ張っていた。 「ヌシさんヌシさん、あずささんから歌を教わったんだ。」 向こうではあずさがマスターに一言二言、マスターは小さく頷いてCDを入れ替えた。 リゼは久遠にちょっと悪戯っ子の視線を投げると、リゼはあずさに目配せ。 CDの演奏が始まり- 、神姫のデュエットが静かな店内に響き渡る。 -Cradle of Time。 確か、そんな曲名だった気がする- 。歌声に魅了されながら久遠は思い出していた。 最後のソロ部分を、リゼが力いっぱいに歌い上げ- 。一礼をするあずさとリゼに、久遠もマスターも拍手を送る。 「・・・この歌の通り。それぞれが、それぞれの早さの『時』を刻んでいるんだろうな、とね。 だけどね。」 歌い上げたあずさを自らの肩に乗せたマスターは、 「そんな神姫たちと、君たち - いや僕たちの『時』が重なるような、そんな場所があってもいいだろ?」 と、あずさと合わせるかのごとく、久遠と彼の手元で甘えるリゼに微笑みかけた。 穏やかな時間(とき)の流れを紡ぐ神姫がいる。 ここに居るのは、戦うことを忘れた武装神姫。。。 >>帰り道。。。 (その32.5へ)>> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/450.html
戦うことを忘れた武装神姫 その9 ・・・その8の続き・・・ 「ずいぶんと集まってるなぁ。」 CTaとの会合から数日後。久遠は、M町のセンターに居た。 「ネット上でもずいぶんと話題になっていましたし・・・」 久遠のバッグから顔を出したリゼが言うと、同じく顔を出していたシンメイが、 「さっきその辺で、ここ始まって以来の人の入りだ、とかいってましたね。」 と付け加えた。 「・・・。でもまぁ、いい舞台が出来ていると思えばいいんじゃないかな?」 ちょっぴり緊張した面持ちながらも、いつもの口調で受付へと進む久遠・・・。 あの翌日、仕事から帰った久遠はCTaのアドバイス -といっても酔っぱらいのつぶやきレベルだが- を伝えた。 すでに対戦をすることについては皆了承していたものの、久遠同様どうすればよいか、悩んでいた。 だが。 CTaの言葉の意味は、どうやら神姫達の方が先に理解できたらしい。まだ悩む久遠を差し置いて、神姫達は各々準備に取り 掛かったのであった。 そして・・・。 「待ってたっすよ、久遠さん。」 そこには、先に受付を済ませたトップランカー「サイトウ」が座っていた。 「どうもどうも、・・・サイトウさんでしたっけ。今日はよろしくお願いいたします。 ・・・おや?」 久遠がフィールドに目を移すと、モノブロックフィールドの中に、サイトウの神姫が4体、装備をした状態で待機していた。 「これからウォームアップも兼ねてのデモをするんすよ。 へへ・・・お客も揃ったみたいだからな・・・アスタ、ベルタ、コリン、ディサ! ファイア!」 4体の神姫-白子、黒子、兎子、騎士子-は、それぞれが手にした得物で、的が描かれたキューブを次から次へと撃破、数分であっというまに破壊し尽くした。どよめきと、拍手がわき上がる。 横目で見ながら受付の書類記入をしている久遠の横では、彼の神姫がその様子を、バッグに開けられた小窓から見ていた。 「・・・。」 その猛烈な状況に、言葉が出ない。 「はいはい、おわったよー。」 手続きを終え、久遠が4人を出そうとバッグを開けると、中では隅に固まった4人が。泣き顔になっているシンメイは、白いハンカチを用意し、棒っきれに結びつけようとしている有様。 「ま、ますた〜・・・。」 「だー! 今更何やってるの!」 作りかけた白旗を取り上げる久遠。 「だって、あんなの反則だよぉ・・・」 と、リゼが言いかけたとき。 「久遠さん、本当にやるんですか?」 と、聞き覚えのある声。 かえでだ。 「お、かえでちゃんか。」 「あんな攻撃のできる相手ですよ、本当に、本当に大丈夫なんですか?」 心配そうなかえでのその声に・・・ 「まーっかせなさーい!!」 突如、カバンの中からリゼが飛び出した。どこで仕入れたのか、或いは作ったのか、妙にカッコイイサングラスを着け、いつのまにかこさえた「にくきゅう」隊のジャケットをまとった、いかにもな姿で-。 かえでの声に、久遠の言いつけ、「ヒーローであり続けること」を守ること、何故この場に来ているか・・・を思い出したリゼ。久遠を見つめる目に、もう迷いはなかった。 それを見た久遠は、ひょいと持ち上げて自らの肩の上に。 「絶対に負けないよ。 あたしたちは最強の神姫戦隊、にくきゅう隊だ!」 その様子に、エルガが先ず反応した。 「にゃーん! キッチンの山猫、エルガなのー!」 リゼと同じ服装ではあるが、きっちり自前のヤンチャオを装備し、手には包丁(模造)という、誠に不思議なスタイルで飛び出してきた。 「料理は愛情、心を込めて! にゃっはー!!」 さっと飛び上がると、久遠の肩の上に乗った。 ざわめくギャラリー。 「よいしょっと・・・ ふぅ、そろそろ私の順番ですか? え・・・あらまぁ、こんなにも大勢の皆様に見に来て頂くなんて・・・は、はわわわっ!」 のっそり顔を出したイオは、久遠の肩に乗ろうと飛び上がったのだが、お約束どおり、バッグの足を引っかけてあらぬ方向へ・・・ だが、かえでがナイスキャッチ。 久遠の方に無事乗せられた。と、ぱっとバッグから光とスモーク。 「傷つき倒れ、悲しむ神姫の呼ぶ声が・・・ならば私が行きましょう、たとえそこが地獄でも!! はぁっ!!」 かけ声ひとつ、一気に飛び出し久遠に飛び乗ったドクタースタイルのシンメイ。 「ささ、総司令。 お願いしますよ。」 急にノリが良くなっているシンメイ。やはり、こういう場面で姉御肌のリゼが引っ張る力というのは大きいんだなぁ・・・と、しみじみ感じつつ久遠はリゼと打ち合わせ通りに続けた。 「つーことで、にくきゅう隊、ただいま参上ですー。 い、いでででっ!!」 「ヌ・シ・さ〜ん〜!! あたしたちがここまで決めたのに、何だそのやる気のない締めはぁ〜〜!!!」 久遠の言い回しに納得行かなかったのか、リゼは思いっきり耳を引っ張る。 「わ、わかった、わかったから引っ張るんじゃない!!!」 「わかればよろしい。」 その様子に、かえでを含め、見ていたギャラリーが一斉に和む。 久遠たちは取材に来ていた雑誌社やミニコミ誌、果てはケーブルテレビの取材まで受けるはめに。 彼らが想像していた以上に、ウケが良かったらしい。 昔はこうしたイロモノは多かったのに・・・と思いつつも、にこやかに取材に応じる久遠、ギャラリーに囲まれちょっとした撮影会になる4体の神姫。 フィールドの脇では、完全に蚊帳の外となったトップランカー・サイトウが、彼らを嫉妬の目つきで眺めていた。。。 やがて、試合開始の時間がやってきた。 アナウンスが入る。 -「久遠 VS サイトウ、まもなく開始します」- ・・・>その10へ続くっ!!>・・・ <その8 へ戻る< >その10 へ進む> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1112.html
妖精の騎士、その御印は虹の如し “W.I.N.K.”の搭載・定着と充電の為に、我が“妹”達が眠って数時間。 その間に私・槇野晶もシャワーや仮眠を取り、目覚めたのはつい先程だ。 見れば充電は完了していた……傍らに収納してある“アルファル”もだ。 チェックプログラムも異常なし。起動して良さそうだ……では起こすか! 「ん……そろそろいいぞ。起きてくれんか、アルマ・ロッテ・クララ?」 「……むにゃ。あ、後三分寝かせてください~……ぅぅん、ふぇ……?」 「アルマお姉ちゃん、寝坊しちゃダメだよ。晩御飯に間に合わないもん」 「ば、ばんごは……ええっ、もうそんな時間ですかクララちゃんッ!?」 「ふふふっ。アルマお姉ちゃんってば~、まだおやつの時間ですの~♪」 寝惚けていた事に気付き赤面するアルマ、それを見て笑う二人の神姫。 ロッテもクララも……慣れた故とはいえ人が悪いな、全くこの娘らは。 ともあれクレイドルから彼女らをそっと抱き上げ、作業台に移動する。 ふむ……特段挙動に変化はない。“W.I.N.K.”の定着は成功した様だ。 「どうだ。色々とメンテナンス等もしてみたのだが、具合は平気か?」 「ん……何も問題はないですの~♪ただ、今回の“教本”は随分……」 「容量がありますよね?普段は圧縮されてるから気になりませんけど」 「つまりこれから扱う“モノ”も、それだけ複雑な構造を持つんだよ」 「御明察。複雑さでは“Valkyrja”や“SSS”等足下にも及ばぬぞ」 そして、それに見合った多機能さも当然備えている。だがそれは、過日 アルマが敗北した時の様に“装備に振り回されてしまう”危険を孕む。 振り回されないだけの挫折と克服、そして熟練に最大の補助。それらが 全て揃ったとはまだ言い難い。だが、歩を止めるという選択肢も無い。 「それでも自分の物にしないと、次のステージにも進めない……と」 「そう言う事ですの、アルマお姉ちゃん。でも、大丈夫ですの~♪」 「マイスター(職人)だもん。ボクらの特性は、多分考えてるんだよ」 「有無。世界でたった三つの、“お前達の騎士”を作ったつもりだ」 不思議な顔をする皆を作業台の上に降ろし、私は三つの箱を取り出した。 簡単な辞書サイズのそれは、表具に“Alma”“Lotte”“Clara”の名前が 彫金で施されており、一見して三姉妹専用のキャリアケースだと分かる。 皆が覗き込む中で、私はそっとロッテの名が刻まれた箱の上蓋を開いた。 「これは、“EL DoLL”に関わる装備一式を収める為の専用ケースでな」 「あ、“フェンリル”と“ライナスト”に“レーラズ”が入ってますね」 「“マビノギオン”も入ってるんだよ……でも、この中央の物は何かな」 「幾つものパーツが、フレームで繋がってますの……外部装甲ですの?」 「半分正解だ。ロッテ、起動させてみるが良い。“アルファル”をな!」 私の言葉を受け、ロッテが軽く瞑目する。その時、箱の中央で眠っていた 鋼の塊に光が宿り、宙へ緩やかに浮かぶや否や……変形を開始したのだ! 複雑に連動した幾つものフレームが、部品を引き寄せては繋ぎ合わせ…… 干物の様に平べったかったそれは、コンマ数秒で全く別の形状となった。 それは、白と黒にクローム系……モノトーンで構成された、謎の物体だ。 「きゃぁっ!?こ、これって……もしかして“UFO”……ですか?」 「形状は近いが、電磁浮遊システムとブースターで飛んでいるだけだ」 「……待って。これの通信パターンは、ぷちマスィーンズなのかな?」 「有無。流石に無から自律思考型の戦闘用超AIは作れぬからな……」 「それでも、こんな物を作るなんて……マイスター、怖い娘!ですの」 とは言え、コアモジュール以外の部分については私の手も入っている、 系譜的には“ぷち”であるが、規模と能力等その全てが従来とは違う! 『単騎で一人の神姫を補佐する』……それを実現する為の機構なのだ。 ロッテはそれを見抜いたらしく、目の前の構造物に見入っている様だ。 暫く辺りを見回した“アルファル”も、ロッテへと視線を定めて……。 『Are You my-master? If so is, please acquire nickname to me.』 「……私に名前を下さい、でいいかな?ヒアリングは特訓中なんだよ」 「有無。ただこれは、“アルファル”が唯一喋れる言葉だ。通常時は」 「“ぷち”同様、言葉を越えた繋がりを持って接する……ですよね?」 「そうだ……さあロッテ、これはお前だけの“妖精騎士”だ。任せる」 「わたしだけの名、ですの?ぅ~ん……“フィオナ”はどうですの?」 それを聞いた途端、UFOは直ちに変形。神姫より一回り大きい人の姿を 取った……と言っても、神姫達よりは遙かに“ロボット側”なのだがな。 ともあれ、その姿を見せた“妖精騎士・フィオナ”はロッテに対して跪き 臣下の礼を取った。ロッテは手を取り、軽くキスをする。主従の成立だ。 「ではフィオナ、今後はわたしと姉妹……そしてマイスターの為にッ!」 「嬉しい事を……アルマとクララ、お前達の騎士も出してやっておくれ」 「はいっ!ロッテちゃんが“フィオナ”……あたしは“モリアン”で!」 「ケルト神話からの引用だね。ならボクは……“アルサス”でどうかな」 パーソナリティが女性……“ぷち”なのだから“雌”か?……と察して、 ロッテ同様二人も捻った名前を付け、自分の箱に念じる。それと同時に、 全く同じデザインをした“妖精騎士”が飛び出し、アルマとクララに対し 跪き、臣従の意思を示す。二人がこれに応じたのは言うまでもない事だ。 “アルファル”もそれに応じて、機体色がモノトーンから神姫達の色…… 即ち、それぞれ紅・蒼・翠に変化した。意思表示の一環で行った様だな。 「さて。彼女らはお前達の戦い方……“クセ”を学ぶ事でより進化する」 「なら今後は、フィオナ達も一緒に特訓しますの♪いいですよね、皆?」 「勿論ですよっ。セカンド昇格の試合まで、あまり時間はないですしね」 「新しい相棒と一緒に、どこまで己を引き出せるか……頑張ってみるよ」 ──────どこまで私が皆を高めてあげられるか、頑張るよっ。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1358.html
舞い踊る秋──あるいは少女の危機 長かった2037年の夏も、俄に秋の様相を呈してきた。しかしだ、 当代に於いて人々の情熱が冷えていくのかというと、そうではない。 むしろ踊り明かす事で自分達を体現し、エネルギーを発散させる者も 存在する。私・槇野晶と“妹”の神姫達は、今“それ”を見た所だ。 『はい、香耶!皆、いいね!行くよッ!それそれそれそれぇぇっ!!』 『エト!遅れないで、あたい達の“魂”を人に見せつけるんだよッ!』 『は、はいっ!そ、そぉーれっ!!それそれそれっ!……ととっ!?』 その名は東京よさこい。2000年に入るか否か、という所で始まった 一種の“ダンスフェス”とでも言うべき新しき祭りだ。私は本来、全く この手の催しに興味がなかったのだが……第三十八回を数えた今年は、 神姫を愛するマスターとして、そしてMMSショップの店主として、是非 見ておきたかった事情があるのだ。それが、彼女らのダンスグループ。 『あのエトとかいうジュピジーは危なっかしいな。微笑ましくもあるが』 『でも、後ろで踊ってる人間の皆さんとの統制は、本当見事ですの~♪』 『ダイナミックですよね。生命ではないですけど、躍動感は感じますっ』 『この手のエネルギーを持つのは、生物だけじゃないって事なのかな?』 店の客曰く“神姫と人が共に踊る”とされたグループ。実際、舞台前に 設置された“神姫の為の櫓”には、二十数人からなる神姫達が揃った。 而して彼女らは、一糸乱れぬ……少々危ない所もあったがな……動きを 見せて、人間とのダイナミズム溢れるコラボレーションを知らしめた! にわかファンも良い所であるが、よさこいとやらも悪くは無い。有無。 「ふーむ、アレだけでも十分満足だ。次を見る為に、少し休むか?」 「うん、少しお腹空いたんだよマイスター……人混みも凄いもんね」 「こんな状況だと、何があってもおかしくないですね……不安です」 「あまり案じても始まらないですの~♪さ、お店を探しますの~っ」 夕闇差し迫る池袋……そう、祭の場は秋葉原ではない!これが拙かった。 私達は店を早めに切り上げて、わざわざ不慣れな池袋まで来ていたのだ。 しかも宣伝になると思い、我が“妹”達に“Electro Lolita”の新作を、 私はそれらをデザインモチーフにした自家用の華美な服を着込んでいた。 自分達の僅かな無防備さに気付かぬままに、私は休める店を探して歩く。 ……己の小さな躯が、神姫諸共引き寄せられたのは不意に気を抜いた時。 「む、少々深い路地まで来てしまったか。皆、戻るぞ……うおっ!!」 「よぉう、お嬢ちゃん。可愛いねぇ、お兄さんとちょっと遊ばない?」 「く、は……離せッ!!アルマ、ロッテ!クララ、無事か!……くっ」 「おーお、お人形さんまで可愛くしちゃって~……へへ、溜まらねぇ」 体躯や造形はそう不細工ではない……むしろ、怜悧な雰囲気を漂わせる その男は、評価をぶち壊しにする邪悪で醜悪な下卑た笑みを浮かべた。 そして私の両腕はしっかりと押さえ込まれ、身動きが取れない。更に、 アルマとロッテが、小声で急変を告げる……視線を逸らせば、クララが 小刻みに震えていた。そう言えば、この娘だけは幾度かHVIFの時に 絡まれた事がある……トラウマとして“心”に棘が刺さっているのか。 ──────そうなれば、私の決断は一つだった。これ以外にあるか! 「っ、く……皆、私はいい。お前達だけでも逃げて、交番に行け!」 「そ、そんな事……だめですの、マイスターを傷つけられるなんて」 「そうですよ。そんな事したら、あたし達も……どうしていいか!」 「だが、お前達を破壊される事だけは避けねばならない……頼むッ」 「オラ、いいから大人しくしろ!楽しませてやるっつってんだろ!」 必死に抗おうと試みるが、壁に密着した状況では蹴りも満足に放てん。 國崎技研の香田瀬めが以前指摘した通り、脚に体重が乗らねば微力だ。 従ってそれは、男の下劣な情欲を煽るだけに終わった……のだが、運は 私達を見捨てなかったらしい……路地の入口から、声が掛かったのだ! 男の有り余るエネルギーが、憎悪となって一気に其方へと向いた……。 「よ、オッさん。こんな薄暗い内に幼女を拉致監禁か?最近は物騒だな」 「んだテメェ、邪魔すんじゃねぇ!この娘と遊びに行こうってだけだ!」 「……だそうだが日暮よ、このロクでもない光景を見て貴様どう思う?」 “ホビーショップ・エルゴ”の日暮が、そこにいたのだ。無論、奴めは 池袋在住という訳でもない……だが紛れもなく日暮は携帯電話を手に、 普段通りの笑みを浮かべて近寄ってきたのだ。意外と心強いな、有無。 男が逆上して殴りかかる中で、日暮は私にウインクをする……成程な。 「とりあえずお巡りさん呼んどいたから、派手な事は止めとこうぜ?」 「んだと!?ざけんなテメェ!……オラ、オラッ!逃げんじゃねぇ!」 「逃げちゃあいないさ、でもその娘を離したのはマズったぜオッさん」 「……そう言う事だ!これでも喰らっておくがいいっ!せぁぁっ!!」 男の、一瞬の絶叫。次に『ゲァァァ……』という薄汚い鳴き声が洩れた。 注意が逸れた隙を狙って、私が己の膝を下郎の延髄へと叩き込んだのだ。 膝をガクリと折って男が地に倒れ伏すのと、警官がやってくるのは同時。 私はまず、服の中で怯えていた神姫達を出して……強く抱きしめてやる。 「マイスター、大丈夫です?服、汚れちゃってますけど怪我とかは……」 「心配するな、もう大丈夫だぞ……しかし日暮、何故貴様がここに居る」 「多分晶ちゃんと同じ理由じゃないかな。ほら、さっき神姫が踊ってた」 「よさこいのグループかな?それなら、日暮さんがいるのも納得だもん」 「……礼は言う、だが人を幼女呼ばわりするな!“ちゃん”も止めろ!」 「あはは、マイスター助けてもらったんですし今日は我慢ですの~っ♪」 ──────人の繋がり、神姫の絆。改めて、大切かな。 メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/532.html
神は降りて、姫とならん(後半) シャッターの奥にあったのは、女性三人の裸体……より厳密には、 それは機械だった。外見では判別できないが、私のカンが告げる。 フェレンツェめ同様、伊達でマイスター(職人)を名乗りはしない。 人を模した肉の噐とでも言うべきか。それが3つ、目の前にある。 「マイスター、これって……なんだか感じますの」 「その感覚が事実ならば、フェレンツェ……貴様」 「如何にも。本来はロッテ君の為に用意したのさ」 ここで私は数年来の付き合いで初めて、博士の研究を知る事となる。 それは即ち『人と神姫のコミュ二ケーション』。高度知性体・人類と 人が産み出した新たな高度知性体・AI……その代表格たるMMS。 更にその中でも氾世界的にメジャーな存在となりつつある、神姫達。 「なるほど。博士の研究とは、相互交流に於ける諸問題か……」 「そう言う事さ、槇野君。これを使えば、物理的な壁は消える」 「だが、それで事が済めば研究は終わりだ。他にもあるだろう」 「その通り。人と同じ姿を取れば、その分だけ距離が近くなる」 人と近しい故に、先程のアルマ達以上に偏見に晒される危険がある。 逆に人でないが故に道具の代わりに、大量に使い棄てる事も出来る。 更にここまで精密なら、恐らくはその……子を為す事もあるだろう。 産まれてきた子供は果たして、どちらの“種族”足り得るのか……? 「人の世が変わって行かねばならぬ、と私は思うが……さてな」 「隣人として人間が神姫達を受け入れなければならない、と?」 「単純な話ではないな。だがそれを知る為の研究者、だろう?」 「そして槇野君は神姫の為に鋼を操る錬金術師……という所か」 フェレンツェめのジョークか世辞か分からぬ言葉で、私は笑う。 そう。私にはそれしか出来ないから、ただひたすらに金を産む。 賢者の石たる、神姫の微笑み。其こそは代え難き、黄金の価値。 ……だが、そこまで分かっていて奴は私に何をやらせようと? 「で、ロッテの為に用意したと言ったが……どういう事なのだ?」 「ああ、槇野君の神姫にこれらを使ってみてほしい。それだけさ」 「え?え?!あたし達に、ですか……えっと、フェレンツェ博士」 「うむ。第三者の視点を持つ、アルマ君達に協力してほしいのだ」 「ボク達に……この躯に入ってほしい、って事でいいのかな……」 重要な話にも拘わらず、神姫を避けなかったのはこういう事か。 流石フェレンツェ、分かっていると言うべきだな。こんな案件、 私が神姫抜きに聞いていたら二つ返事で断っていた所だが……。 「アルマ、ロッテ、クララ。これは、お前達の意思次第だ」 「わたしの……意思。人の姿を望むか、という事ですの?」 「有無。お前達が一人でも異を唱えれば、私は首を振らぬ」 「え、えっ?!……でも、受け入れれば……この大きさに」 「そうだね。身長は槇野君と大きく離れない様にはしたが」 「……マイスターと同じ目線で、同じ感覚で、同じ時間を」 私は敢えて3人に振る。彼女らの意思を無視する気など毛頭無い。 もしも彼女らが拒絶したとして、私はそれも構わんと思っていた。 “神姫の選択”なのだからな。暫く、彼女らは見つめ合って……。 「マイスター、答え……出します」 三人は異口同音に告げ……そして、大きく首を縦に振った。 彼女らは人の姿を得る事を、望んだ。これもまた“選択”。 二度確認はしない。彼女らの意思を信じ、私は抱き上げる。 「それでは博士、改造を宜しく頼む。難産かもしれぬがな?」 「ハッハッハ。大丈夫、私はフェレンツェ・カークランド!」 「……その根拠がない自信に、今は期待するとしよう。頼む」 そうして博士がシャッターの向こうに消え、待つ事大体90分。 閉じられた壁が再び開き、ゆっくりと“彼女ら”がやってきた。 手にはそれまでの神姫。彼女らは人の器を得た、新たな神の姫。 「ハハハ……交歓が終わったら説明をするよ、君達」 「マイスター……マイスター、ロッテですのっ!!」 「……マイスター、ボクがクララだよ。分かるっ?」 「アルマです!マイスター、変じゃないです……?」 「……分かるッ。そうか、お前達が……綺麗だぞ?」 ──────どうなろうと、私の妹達に代わりはないんだよ。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/238.html
橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 あらすじ ちょと腕利きな元ネット界のカリスマとちょと普通とは違う神姫たちのちょっとかしましい生活日記 明人「ちょっとじゃないだろ・・・」 著 神姫の父 めにゅう 設定資料 (日記その十六 現在) 《登場人物紹介》 《登場神姫紹介》 《特別設定》 《特殊武装》 《人型神姫インターフェイス》 《八相》 《百の質問回答ページ》 本編 日記その一 かしまし 日記その二 〈前編〉 先生はつらいよ 日記その二 〈後編〉 それぞれの恐怖 日記その三 〈前編〉 ジジイ襲来 日記その三 〈中編〉 エンドレスワルツを一緒に 日記その三 〈後編〉 明人VS葉月 日記その四 〈前編〉 『八相』 日記その四 〈後編〉 英雄の復活 日記その五 子の心、親知らず? 日記その六 デートと波乱は紙一重 日記その七 隠し味はコイゴコロ? 日記その八 再会の日 日記その九 朝の味噌汁はワカメ入りで 日記その十 〈前編〉 師走には大根も走る 日記その十 〈後編〉 昴VS香憐 日記その十一 幼女との遭遇 日記その十二 日記に書くべきか迷う内容 日記その十三 フェレンツェの志 日記その十四 〈前編〉 彼女たちの宿命 日記その十四 〈後編〉 背に翼なくとも天使は舞う 日記その十五 少年よ大志を抱きすぎるな。迷惑だから… 日記その十六 私立龍ノ宮大学 日記その十七 鳳条院の姫君 日記その十八 戦場へ 日記その十九 姫たちの輪舞曲 鳳凰カップ編 鳳凰杯 詳細設定 随時更新中 鳳凰杯・まとめページ 随時更新中 まとめページはけものや氏に作成していただきました ぷろろーぐ 鳳凰カップ 祭りの前の楽しさよ 鳳凰カップ初日 午前 予選の裏で祭りめぐり 午後 揃い始めた者たち 鳳凰カップ二日目 アルティVS葉月 『策謀家』再び 弾丸と悪魔と準々決勝と 『表』と『裏』 『緑色のケルベロス』 『α』の鼓動 鳳凰カップ編は以下の作品とリンクさせていただいています。 神姫ちゃんは何歳ですか? 妄想神姫 HOBBY LIFE,HOBBY SHOP 春夏秋冬 凪さん家シリーズ 戦うことを忘れた武装神姫 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 幻の物語 岡島士郎と愉快な神姫達 武装神姫のリン アールとエルと EXECUTION 剣は紅い花の誇り 徒然続く、そんな話。 Gene Less おまけ 第1回『初兄』会議 日記その六 前話 出会いは雨の日 日記その九と十の間 かつての死神 日記その十四 アルティ目線 父の夢 ある日のエリーのラボにて リンク大歓迎です。「使ってやろうじゃないの」というお方は是非とも使ってやって下さい。 なお、リンク時には上記の設定資料を参考にしていただけると幸いです。 作品中『ホビーショップエルゴ』、『MMSショップ“ALChemist”』、『喫茶店<日々平穏>』 にはお店の常連客として大変お世話になっております。 『ホビーショップエルゴ』 HOBBY LIFE,HOBBY SHOP:Gの人氏 『MMSショップ“ALChemist”』 妄想神姫 妄想の人氏 『喫茶店<日々平穏>』 春夏秋冬 永眠者氏 ご意見やご感想、リンクの申請、ご要望等ありましたらこちらへ書き込みよろしくお願いします。 おぉ、ご来店ありがとう御座います。これは凪系のキャラも鳳凰カップに出ないとおかしいですな(爆)時間軸飛び越えて参戦しようかと思います(笑) -- チアキの人 (2007-03-04 21 02 07) うぉう、凪さんちメンバーご参加とは嬉しいことです。それに伴い日記その2を 真 にあわせて少し修正 -- 神姫の父 (2007-03-04 21 33 11) 鳳凰カップに関してですが、『EXECUTION』のキャラに真っ当な実力のキャラがおりませんので、ここは一つ鳳凰カップの阻止を狙った大事件を起こしたいのですが……宜しいでしょうか?(ぇ) -- 穂刈 (2007-03-09 21 21 32) 大いに宜しいです。遥々米国から来ていただけるとは嬉しいことですwこちらからも少しからませてもらうやも知れませぬ(ぇぇ) -- 神姫の父 (2007-03-10 00 54 07) 一応確認しておきたいのですが、28日にはメールを送ったのですが……届いたでしょうか? -- 穂刈 (2008-03-01 23 28 28) ああ済みません、今確認したところ届いていたのを確認しました。(汗) -- 穂刈 (2008-03-01 23 31 13) はじめまして、最近になって武装神姫関連のSSを読み始めたのですがこちらの作品は続きは止まっているのでしょうか?設定やキャラが面白いので続きがとても読みたいですの是非頑張ってほしいです -- にゅう (2011-07-21 00 11 14) >にゅうさん 久しぶりに来てみればありがたいコメントを頂いてるではありませんか! 頑張って続き書きますかぁ!! -- 神姫の父 (2011-09-19 18 41 14) 神姫の父さん、続き書かれるなら期待して待ってます、頑張ってください\(^o^)/ -- にゅう (2011-09-19 21 27 50) まさかここで,hackのボス名が見られるとはw -- 名無しさん (2012-11-03 10 26 06) 名前 コメント 今日 - 昨日 - 総計 -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1499.html
真心と、惑いし想いの、その先に ぎこちない。それが、戦闘終了後の感想だった。フリッグとロッテ達が、 戦闘終了後に何を会話していたのか、幸か不幸か私・槇野晶は知らない。 戦績の管理で、暫く彼女らの側を離れていたのでな。だが、確かに聞いた あの言葉は……ロッテの“心”からの想いは、私の耳にまだ残っていた。 「……私が『大好きな人』か……歩姉さん。遺言は、達成出来たのか?」 「マイスター、マイスター?どうしました~?カード還ってきましたよ」 「む?……あ、ああそうか。すまないアルマ、これで帰り支度も完了か」 「フリッグさん達はとっくに帰ったんだよ。また戦おう、って約束して」 私を愛してくれている。人だから、神姫だから。一応は同性だから…… そんな垣根等問題でない、唯一無二の存在として。私を想ってくれる。 しかし、私がそれに応える資格は果たしてあるのか?明確な概念として 表面化すると、迷いがあった。何故なら、それは……過去を想うが故。 「……ふふ、マイスター。貴女の笑顔の為に、わたしは勝ちましたの♪」 「おお、ロッテ……そうだな。見事な戦い振りだ、そして可憐だったぞ」 「はいですの。そうして、笑ってほしいから……ずっと側にいましたの」 ロッテが取り戻した、純粋な微笑み。それを見ればこそ、私の“心”に 絡みついていた棘は、再びじっくりと私を苛み始める。想いを言葉に。 そう思っても、即座にそれを為すには……まだまだ私は、弱い様だな。 「ロッテちゃんの言葉で、分かったんです。あの時、あたしを助けて」 「そしてまた、窮地に陥っていたボクを拾い上げてくれたマイスター」 「あたし達を救ってくれた貴女に、精一杯の恩返しがしたかった……」 「……それが、笑顔になってもらう事なら。ボクらの想いも同じだよ」 そして何より辛かったのは、アルマとクララの想いも等しい事なのだな。 つまり私が“大切な伴侶”として接してきた娘らは、皆私を好いている。 意識してなかった“それ”をハッキリ認識した時、私は悩み出したのだ。 「む……そう、か。皆三人とも、私を慕ってくれるというのだな……?」 「はい。ロッテちゃんにだけ言わせて、あたしが黙ってるわけには……」 「ボクも、そこまで奥手じゃないもん。今なら、大好きって言えるよ?」 「……アルマお姉ちゃんとクララちゃん、わたしの所為で大胆ですの♪」 『何故、私が神姫と共に在り始める様になったのか』。それを言う時を。 そして“それ”を告げても尚、彼女らは私を好いていてくれるのかをな。 無論、口にするのは容易い。だが、タイミングを選ぶ必要を感じたのだ。 そうでなければ、“妹”達のみならず……私も耐えきれぬだろうからな。 「お前達の気持ちは、良く分かった。だが、弱い私を赦してくれるか?」 「え?それって……まだ、マイスターからは言ってもらえないんです?」 「そうだ、アルマや。私は、弱い……まだ、言葉にする勇気がないのだ」 「……少し寂しいけど、それでも信じてるんだよ。ボクらは何時までも」 「マイスターなら必ず、言ってくれますの。何もかも見せてくれるって」 「すまんな。クララ、ロッテ……そしてアルマ。少しだけ、待ってくれ」 本当は分かっているのだろうな。告げるべき言葉も、告げるべき想いも。 そして、私の全てを晒け出しても彼女らは受け入れてくれるという事を。 だが何かの切っ掛けがない事には、言い出せん……これが、人の弱さか。 「……それはそれとして。ロッテの快気祝というか、祝勝会をせねばな」 「そう、ですね。どうします、今日は?前回は、外食しませんでしたし」 「和食がいいかな……少しだけ安くて、美味しい店を知ってるんだよ?」 「ならそこにしますの~♪マイスター、今日は一杯食べちゃいますの!」 だがそれを察してくれたのか、彼女らはすぐさま話題転換に応じてきた。 “妹”達の暖かさに感謝しつつも、私はぎこちない空気を振り払う様に、 皆をポケットに入れて神姫センターを後にした。クララの案内で向かった 和食屋は、チェーン店なのか違うのか判然とせぬ、こじんまりした店だ。 「ふむ……御膳の種類が結構あるのだな。四種類を皆で分けてみるか?」 「名案ですのっ。ならわたしは、この“チキンカツ膳”にしますの~♪」 「あたしは、え~と。じゃあ“旬の刺身膳”で。食べやすそうですしっ」 「……ボクは、そうだね。“豚キムチ膳”かな。辛さが不安だけど……」 思えば、この『食事が出来る神姫』という在り方も、そしてHVIF等の 存在も……結果論ながら、私と彼女ら自身の笑顔の為に選んだ……或いは 偶然選びとっていた道だ。今こそ全ての事柄に、感謝をせねばならんな。 そう、歩姉さんが私達に託した所から始まる、全ての出会いに……有無。 「では、今日という日に感謝しつつ……料理を注文するとしようか!」 『はいッ!!!』 ──────荊を振り払って、何時か貴女達に届きます様に……。 次に進む/メインメニューへ戻る