約 5,047,992 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2631.html
「ただいまー」 「あ、おかえりなさい」 家に帰ってきて、部屋に入るとシオンが出迎えてきてくれた。 ああ、いいな。ただいまが言えるって。 別に家を空ける父さんが嫌いなわけではないけど、もう少し家にいてくれたら嬉しいのになと思う。仕事なのだから、しょうがない。 第一、僕がちゃんと暮らしているから安心して仕事ができるのだ。僕がわがままを言ったらいけない。 「特に何もなかったかい?」 「はい、異常はないですよ」 異常なんておおげさな。と思うけど、神姫にとって留守を任されるのは大変な任務らしい。淳平に聞くと、家を空けるなら一緒に行くことは多いらしいけど、バイト先とかに持っていけないらしいから。 今度は学校にも連れて行って、ミスズとかにも会わせてみようかな。神姫にも友達は必要だし。 でも、その前に大事な話しをしよう。これからの為にも。 「あー、シオン。ちょっとこっちに来て」 「? ……螢斗さん、どうしましたか」 不思議そうに僕の傍に来てくれる。 僕もその場に座って紙袋にあるものを取り出す。持つと意外とズッシリと重い。 部屋のテーブルにそれを置く。正面に『武装神姫』と書かれたロゴがはっきりと見える。 「これが何かわかるよね?」 「……もしかして……」 僕がちょっと大きいぐらいであるケースの留め具を外すと、中からはパステルピンクのアーマー一式とハンドガンと数本のバレル。 これが、アーティル型の公式装備らしい。各神姫には専用と呼べるような一式装備が発売されていて、それを元に、色々な、別の装備を取り付けていって、自分だけの武装神姫を創るみたいだ。 「これは……どうして……」 「ごめん、嘘ついた。今日、アルバイトじゃなくって、実は……シオンの前のオーナー宮本 凛奈さんと会ってきたんだ。それで、これを預かった」 テーブルの上で狼狽しているシオンにそう告げる。これは自分が使っていた装備だとわかったらしい。 バトルの恐怖と共にあった戦うための装備。いまそれが目の前にある。 「……でも、螢斗さんには、凛奈さんと会う意味なんか……」 「意味はあるよ。シオンを知る為に会ってきたんだ」 「わたしを……」 目線を同じにして、顔を下げているシオンの頭を撫でる。これが多分一番落ち着くと思う。僕にとっても、シオンにとっても。 「色々聞いたよ。シオンのお姉さん、イスカのこと。なんで家出することになったのかとか。そして、バトルのこととか」 シオンの肩が『バトル』の部分でピクッと動く。 「シオンは時々、物思いにふけってる時があるよね。ずっと外の方を向いて、遠い目をしててさ。多分、前にいた所を思い出してるんだろうなって」 「……自分でもわからないですけど、そうなのかもしれないです。螢斗さんってそういうの鋭いですよね」 「うん。一人で暮らすようになって、しっかりし続けようとしてて、他人を見てたらいつのまにかそういうのに敏感になってた。そうして出来ることを見つけるんだ。僕が出来ることをね」 「だけど、結局、私に何をしてほしいんですか? バトルですか? 武装神姫のクセに戦えない神姫だってわからせたいんですか?」 シオンの慟哭。目元を隠し、涙を流す。 「違うよ」 「でも、これじゃあ……」 「後悔させないためかな」 「えっ?」 泣きながらも、顔を上げるシオン。もう一回「ごめん」と謝りながら、ハンカチで目元を拭う。ほんと、よく泣くよな。 「宮本さんはいずれ、日本を離れるんだって。外国の方で仕事を習うために。気軽に日本には帰れなくなるから。だから、いなくなったシオンを気にして探し続けてたんだ」 「……それじゃ、お姉ちゃんも」 「一緒に行くことになるね。今すぐに、行ってしまうってわけじゃないけど。このままお姉さんに嫌われたままでいいのかな」 シオンにそう語りかける。 このままなにもせず、時間が忘れさせてくれるまでいることもできる。だけど、これはシオンが本当の意味で、“武装神姫”になるための必要なことだと思う。 自分勝手だと思えるけど、このままなんて悲しいじゃないか。僕にはシオンを拾った責任がある。 「神姫バトルをしてみないか」 「……」 シオンは僕に背を向けて、窓の方、夜の外を見ている。どんな感情が中で渦巻いているのかはわからない。 「イスカお姉さんに、シオンを認めさせるためにも。戦えないからって僕はシオンを蔑まない。僕も一緒に戦うさ」 「ここに置いておくよ」と言って部屋のドアに向かう。 傍にいても仕方がない。今は一人で整理させる時間が必要だ。 言いたいことを全部言ったのはいいけど、来た当時の、また塞ぎ込んだ状態に戻ってしまうかもしれない。 さっきも思った通り、なにも出来ず終わるかもしれない。このままバトルができないかもしれない。 (でもさ、重い後悔を残したまま、今を過ごすのは良くないよな。父さん) 今はどこかの飛行機に乗って、空を飛んでいる父親の顔を思い出しながら、僕はリビングに降りていった。 ―――― 螢斗さんは部屋から出て行った。 ドアの方に私は振り返る。 目の前には、私の使っていた武装。たいして使えていなかった私の装備。前マスター凛奈さんが揃えてくれた物だ。 中にある銃を手に取る。 『フェリス・ファング』 これに色々、バレルを組み替えて、武器を転送しなくとも装備をその場で変えられる利点がある。バレルはそのままリアのユニットに取り付けていれば、銃器として扱う事ができる。 私のデータ上にはそうなっていて、覚えているけれど、ちゃんと使えなきゃ意味がない。ちゃんと弾を当てたことも、組み替えられたこともない。 トレーニングの時はしっかりできるのに、本番でできなきゃいけないのに。 これを持つとあの頃の出来事が思い出された。 ……わたしはイスカ。お前のお姉ちゃん ……マスター。この子私の名前を呼んでくれたぞ。嬉しいな ……何をやってる。相手をしっかり見て撃つんだ ……ほらほら、初めてのバトルだったんだから、泣くな 私にも前マスター凛奈さんに対しても無口で無愛想だったけど、ものすごく優しくて、私にとっては大好きなお姉ちゃん。 だけど。 ……お前はなにもできない、玩具なんだな どんなバトルでも、恐怖感に捕らわれて何も出来ずに終わる。 ある日、筐体の空間から前マスター凛奈さんのもとに帰った時、赤い瞳で睨まれてそう告げられた記憶のメモリ。 武装神姫は戦うための玩具。そうお姉ちゃんにも教わって、トレーニングも欠かさなかった。 だけど、どうしても抜け出せない。勝てない。腕も足も震える。銃口が定まらない。当たらない。指示にも満足に動けない。そして負ける。 前マスター凛奈さんは怒りはしなかったけど、ただ「次、頑張ってみよう」との探り探りのような言葉。 凛奈さんも嫌いではない。もちろん、尊敬しているから。 お姉ちゃんともバトルなんかしないで、ただ一緒にいられれば良かった。無表情な顔で、でも声は優しくて名前を呼んでいてくれたら良かった。 ……ただの人形 そう呟かれて、苦しかった。 機械人形の私たちの口から、直接「人形」と呼ばれる苦しさは並大抵ではない。 私は何も言い返せず、お姉ちゃんはそのまま会話もしてくれなくて、前マスター凛奈さんもお姉ちゃんを、それと私をどう扱っていいか、戸惑っていた。 だから、逃げ出した。 窓から外に飛び出して。走って、走って、走って。野良猫に標的にされ追いかけられて、そして……。 「……螢斗さん」 フェリス・ファングのグリップを握りしめて、今のマスターの名前を呟く。 助けてくれたのに失礼にも警戒していた私に優しくしてくれて。 素性もわからない神姫の私に新しい居場所をくれた人。 一人ぼっちは寂しいと思うけどな キズのあるクレイドルの中にずっといたら、声が聞こえた。拾ってくれた人が出した声だとはわかってはいたけど。 私のCSCの中にその言葉が染み込んだ。 寂しかった。ぬくもりが欲しかった。 人形の私が大層な考えなのかもしれないけど、ただ飢えていたんだ。 そう思ったら、声の主に話しかけていた。 そして今、私はこうして、此処にいる。 マスターは私の抱えている物も背負い込もうとしている。 とても優しい人。 この人になら、私は全てを賭けられる。拾ってくれた恩も傍にいてくれる恩も私はまだ返せていない。だったら、私はもう一度………。 「よし」 濡れていた目元を腕で拭う。肘の関節を伸ばし、手首のジョイントを固定し、トリガーに指をかける。それを確認して、銃口を前方に向ける。 目を瞑り、バトルでの情景を鮮明に思い出す。 少し腕が震えてくる。 だけど、清算するためにも、私は克服しなきゃいけない。 前マスター凛奈さんの為に、お姉ちゃんの為に。そして、螢斗さんの、マスターの為に。 「っ!」 指に力を込め、トリガーを引く。瞬間、カチっと音がする。 もちろん、弾が入っていないのはわかってる。 これで、 私の脳内で仮想の相手に当てるイメージをする。 これを本番でする。やってみせる。 ―――― 「ねぇ、本当に大丈夫?」 「はい、なんとかやってみせます」 休日の日。昼ごろの時間帯、ゲームセンターの前には突っ立っている僕と、服の胸ポケットには、妙に意気込んだシオンがいる。 話しをしたあの日、塞ぎ込んでたらどうしようとか嫌われたらどうしようとか考えながら、オドオドと自室に戻ってみたら。 『今度、バトルをしに行きませんか』 と、開口一番言われた。 唖然として生返事で了承し言い返すと、「よかったです」ともらし持っていた銃を持ち撃つような練習をし続けていた。 よくはわからないけど、スッキリした顔立ちになっていたから、自分の中で整理がついたんだろう。 僕の独り善がりじゃなかったんだ、よかったよかった。とホッとしたのも束の間。 淳平に今度の休日、神姫と一緒にゲームセンターに来てくれるように連絡をして頼んだ。 いきなり、見知らぬ人とバトルをしかけても、僕が対処できないし、淳平の方が神姫バトルは先輩なんだから、良い先生になれるだろう。 特にミスズに期待しよう。そうしよう。 そして、今はその淳平たちを待ってはいるんだけど……。 「お友達の方に何かあったんでしょうか」 「いや、今日は休みの日だし、寝坊だよ、多分。今はお昼だけどね」 心配している様子のシオンに言い聞かせる。 淳平のことだから、朝起きれないと思って昼に待ち合わせにしたのに、こんなに待たされるとは。 朝はミスズと母親の、二人がかりで起こすらしいが、それでも起こすのに苦労するらしい。 母親は昼にはもういないとすると、ミスズだけで一体どんな状況になっているやら。 すると、ヴゥーヴゥーっとズボンから携帯のメール着信振動。 ――ミスズです。マスターは今から支度をし始めたので、中で待っててください。ご迷惑をおかけします―― ……案の定これだ。嫌になっちゃうよね。まったく。 ミスズが淳平の携帯を操作してメールをうっているんだろう。自分のマスターのフォローをする神姫。泣けてくる。 「シオン、中に入ろう」 「でも、まだ、お友達が」 「遅れるから、中で待っててってメールが来たからさ。心配する必要はないよ」 「そうですか。よかったです、お友達の方に何もなくて」 (シオンはいい子だなー……) と、心の中で、シオンをべた褒めしつつ、両開きのドアを潜る。 見回してみると、前に来た時よりも、人が幾分か多い気がする。休日ということもあり、学生くらいの年代の人が多い。 前回、来た時に見ていなかった案内板を見てみる。 広く使われている一階は神姫の専用バトルスペースになっていて、二階や三階には普通のゲームセンター通りのメダルゲームやアーケードゲームがあるみたい。 ここは、この街で神姫バトルが一番流行っているらしいから、神姫バトルを前面に押し出した結果なんだろう。 ……それで、どうしようか。 いきなり、暇そうな神姫オーナーに『バトルしようぜ!』とか僕には無理だぞ。 中で待つぐらいなら、他の人の神姫バトルとかを見てたらいいのだけど、今は誰もやってない。 お昼時でご飯だからなのかな。休憩所にも人がいるけど、バトルする雰囲気は出してない。 暇つぶしの為に、いっそのこと、二階のゲームでもするか。……いやいや、ここに来た目的は神姫バトルなんだからシオンの前でうつつをぬかせないよ。 ああ、どうしよう。僕は行き場を失っている。これがあるから、淳平を呼んだのに。くそう、恨むぞ、淳平。 そして、僕がちょっと挙動不審に陥りかけていると。ポケットから上を見上げて僕に向こうを促した。 「螢斗さん。あの方に話しかけてみては」 「うーん、うん? 誰のこと?」 指の指す方、奥の方に顔を向けると、僕と同じようなちょっと挙動不審になっている少女が神姫と話していた。 遠目から見て、同い年ぐらいに見える。黒く肩までの髪に赤いリボンをアクセントにしている可愛らしいと思える子だ。 そして僕と同じように挙動不審に見えると言う事は。 (仲間だーー!!) おもわず脳内で叫んだ。 よかった、僕たちは一人と一体じゃなかった。 「あの人にバトル申し込ませてもらおうか」 「……そうですね」 焦りが出てこないよう口にする。 そう例えば、高校入学式の日、自分のクラス。見知らぬ人たち。元の中学の友達がいない中、クラスでは緊張している自分。偶然その隣が自分と同じような緊張感を生みだしている気がして、話しかけて意気投合する、そんなきっかけを醸し出すんだ。 (…………よし、行くぞ!) 「こ、こんにちわ。バ、バトルできますか?」 うわ、すごくどもってしまった。 恥ずかしいけどしょうがない。即行でこのままいこうと開き直る。 けど。 「え! あ、は、はい。できます……よ」 顔を赤面させながら、相手の方もどもった。 (仲間だーー!!) 僕はなぜかむせび泣いた。希望はここにあった。 無人島の中、一人で生きてきて心細かったけど同じように難船して漂流してきた人を見つけたぐらいの感動だ。 さっきから僕のテンションがおかしい。けど気にしない! 「螢斗さん、よかったですね」 「ちょ、ちょっと、どうしたんですか!?」 「あー、リミちん泣かしたー。いーけないんだー、いけないんだー」 シオンの嬉しそうな声と、目の前の彼女の戸惑った声と、茶化すような神姫の声が同時に聞こえた。 前へ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1865.html
第三回「私のカラダ、気になるの?」 時報「皆さんこんにちは、死にオチに定評のある時報です」 日暮「日暮です」 時報「今回のテーマは"神姫の素体ってどんな種類があるの?"との事です」 日暮「この設定は皆さんの創作を阻害するものではありませんが、ご自由にお使い下さい」 ○通常型素体 一般的に使用されている素体、武装神姫には専用の素体が用意されている。 var.1は関節部が人形然としているが、var.2からは改善された。 コミュニケーション用の機能として、擬似的な食物摂取機能が内蔵されている。 が、今のところ摂取したものをエネルギーに変換する機能は実装されていない(ヂェリーなど、神姫用に作られたものは除く) (武装神姫2036・武装神姫バトルロンドに登場のバージョン) ○fresh素体 外観等をより人間に近づけたモデル。 再現はプライベートゾーンにも及び、実質1/12の人間と言ってもいい。 ただし、再現度が高すぎるため18歳以下には販売されていない。 近年はMMSを使った性犯罪が多発しており、この素体を規制する動きも見られる。 また、この素体の販売を自重する店舗も多い。 本来は通常のMMSに使われるもので、武装神姫への使用はあまりしない。 戦闘用には強度不足が目立つためである。 (シナリオ上"脱げる"SSに登場のバージョン) ○NAKED 一般的に「黒素体」「白素体」と呼ばれる素体。 オリジナルカラーの素体を作る時などに用いられる。 本来は武装神姫のトレーニング用。 ※民明書房刊「MMS入門 第二版」より。 時報「あれ? オーナーが16歳のリックちゃんはfreshを使用しているね」 日暮「一深さんの事だから、買う時に年齢をごまかしたという可能性もありますね」 時報「関係ないけど日暮ちゃん、見てほしい写真があるんだ」 日暮「?」 日暮「…零牙さんですか? これ」 時報「そうなんだ。実はとんでもないナイスバディだったんだ!!」 日暮「(このパターンは…)」 時報「( ゚∀゚)o彡゜おっぱい!おっぱい! 巨乳はジャスティス!!」 R「獣牙爆熱拳!!」 ボ グ ワッ シ ャ ー 日暮「…時報さんが蒼穹の猟犬さんに成敗されましたので、今回はこの辺で~」 神姫無頼質問コーナーに戻る 流れ流れて神姫無頼に戻る トップページ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1429.html
アイドルは神姫を救う? 前編 あの試合から1ヶ月がたった。恒一はいずると話すことが少なくなり、毎日のように研究所に通っていた。 (恒一、シュートレイがやられたダメージが大きいのが相当ショックだったんだろう…) いずるは彼の姿を見て心配になっていた。 あの試合の後、シュートレイは集中治療室に運ばれた。一命を取り留めたものの、彼女の精神的ダメージは思ったよりも深刻だった。あれ以来、虚ろな状態で何も反応を見せなくなってしまったのだ。おそらく自分が破壊されるイメージが脳裏に焼きついて、トラウマになっているのだろう。日常生活もままならない状態なので、、シュートレイは今もリハビリを続けている。 今日も恒一は小百合の下へ足を運んでいるのだろう。いずるはそんな彼のことを気にかけていた。 「どうしたのいずる、そんなに深刻な顔して」 家に帰ってきたいずるを、ホーリーが出迎えた。彼女もそのことが心配でしょうがないのだ。 「恒一の事だよ、あの事件から急に元気がなくなってね」 「ああ、恒一のことか。それで恒一は今どうしてるの?」 ホーリーの質問に、いずるは少し落ち着いて答えた。 「小百合さんの研究所に通ってシュートレイの看病さ。どうやら回復が遅れてるみたいなんだ」 「シュートレイはもう傷は治ってるんだよね?それなのに、どうして恒一のもとに帰らないの?」 「それは、彼女の心が病んでるからなんだ…」 重々しい言葉を放ついずるを見て、ホーリーは少し寂しそうな顔になった。 「病んでるって、そんなに重病なの?だったらホーリーたちもシュートレイを元気付けてあげないと」 「そうだな、だったらあとでお見舞いにでも行こうか」 そのとき、玄関のチャイムが鳴った。 『すいません、宅急便です』 どうやら宅急便の人が荷物を届けに来たみたいだ。いずるは玄関に行って荷物をとりに行った。 荷物の送り主はいずるの実家からだった。その中身は米やラーメンなどの食料品や、衣類などの日用品だった。 「母さんの奴、こんなもの送ってくるなんて」 箱の中を一通り出し終わったいずるは、包装に包まれた箱があることに気付いた。 「あれ、こんなものが…」 どう見ても怪しい包装箱を、いずるは恐る恐る開けてみた。 「…これって、神姫か…?」 包装を取り除いた箱に書いてあるのは、『武装神姫』の文字があった。どうやら親は神姫も一緒に送ってきたようだ。 「どうしてうちの親が神姫のことを知ってるんだろう?」 いずるはその中身を開けてみることにした。その中身はアイドルタイプの神姫とその付属パーツ、起動ディスクとクレイドル、そして手紙が入っていた。 「ええと…何々…」 いずるは手紙を読んでみることにした。 『いずるへ、お前も一人では寂しいだろうから、最近はやっている友達ロボットを送る事にした。最初コレを見たときはビックリしたよ。何せ胴体がない生首状態だったんだから。慌てて胴体を買ってきて繋げたよ。でもまだ起動してないから安心して。あと起動に必要なものは出来る限り用意したつもりだから。このロボットがお前の生活に潤いを与えてくれる事を祈ってるからね。あと、年に一回でもいいからうちに帰ってきなさいよ。 母より』 「…」 いずるは暫くの間言葉が出なかった。その後我に帰ると、改めて母が送ってきた神姫を手に取った。 「相変わらず変わってるよなあ、母さんは。よく父さんが止めなかったもんだ」 さっそくいずるはパソコンに神姫を繋ぎ、起動ディスクを入れた。 「起動の仕方は小百合さんから教わってるから大丈夫だ」 いずるはもしものときに再起動できるように小百合から起動のノウハウを教えてもらっていた。そのため、初めての起動でもある程度のことは知っているのだ。 「よし、これで準備OKと…。さっそく起動させるぞ」 起動ボタンをクリックするいずる。すると神姫の目が少しずつ開いていった。 「…起動確認しました。始めまして、あなたがわたしのオーナーですね」 起動成功。続いていずるはオーナー認識のための手続きを始めた。 「そう、私は都村いずる。君のオーナーだ」 神姫はにこっと笑い、いずるのことをオーナーと認識した。 「それでは、わたしに名前を付けてください。あなたのお気に入りの名前を付けてくださいね」 いずるは悩んだ。名前を決めていなかったのだ。 「そうだな…、どうしようか…」 ホーリーの時は思いつきでつけたのでそんなに悩む事はなかったのだが、今回は状況が違う。いずるは悩みながら名前を考えた。 「…よし、きみの名前はミルキーだ」 いずるは彼女の名前を「ミルキー」と名づけた。かわいらしいと思ったからだ。 「ミルキーですね。登録しました。始めまして、わたしの名前はミルキーです。よろしくおねがいしますね」 やっと登録が終わった。これで彼女もいずるのパートナーになったのだ。 「ねえいずる~、もう入っていい?」 隣の部屋からホーリーの声が聞こえてくる。もう痺れを切らしているのだ。 「もういいよ。いま登録が終わったところだ」 登録終了を聞いたホーリーは喜んで部屋に入ってきた。 「ホーリーにも妹ができたんだね!やった~!!」 大はしゃぎするホーリー。それを見ていたいずるはホーリーに注意した。 「お前はこれからお姉さんになるんだから、見本になるようなことをしないとダメじゃないか。ほら、ミルキーが笑ってるぞ」 いずるが指差した先には、くすくすと笑うミルキーの姿があった。 「あ、ごめんね。つい嬉しくなっちゃって、こんなことしちゃった」 「いいえ、こんなに喜んでくれて、わたしも嬉しいです。これからもよろしくお願いします、ホーリーお姉さん」 ぺこりとお辞儀をするミルキー。意外と礼儀正しいのかもしれない。 「オーナーさんもよろしくお願いしますね」 「いずるでいいよ、ミルキー」 「では、改めてお願いします、いずるさん」 ミルキーはにっこりと微笑んだ。 それからというもの、いずるはミルキーの育成に全力を注ぎ込んだ。ホーリーも一緒にミルキーのお姉さんになるように努めた。 「ええと、これはヒーリングの効果があるんですね」 「ああ、これは回復効果がある能力だな。これで相手の神姫の精神的ダメージを回復できる、と説明に書いてあるな」 「あと、こちらの本のページにはアロマテラピーと書いてありますが、これはどのような効果があるのですか?」 ミルキーは順調に見たもの、聞いたものを吸収し、自分の知識や経験にプラスしていく。そのスピードはいずるも驚くほどだった。 「すごいね、ミルキーは。どんな知識も自分の物にしちゃうんだもん。ホーリーもそんな能力があったらいいのに」 うらやましがるホーリー。しかしミルキーはそんな彼女に励ましの言葉を送る。 「ホーリーお姉さんもいいところがあるじゃないですか。わたしにはできないことがいっぱいありますし」 「でも起動してそんなに経ってないのに、こんなに覚えちゃうんだからすごいよね。このまま行けばアイドルじゃなくてナースになったりして」 三人がお世辞を言い合っているとき、玄関のチャイムが鳴り響いた。 「お客さまですね」 「そうだな、ちょっと見てくるからここで待ってるんだぞ」 いずるは玄関に来て客を迎え入れた。 「やあいずる、久しぶりだな」 客は恒一だった。心なしか少し元気がないように見える。 「恒一、お前大丈夫か?」 「ああ、今のところはな…。今日は少しばかり気分転換したいと思ってね」 いずるは恒一を部屋へ招きいれた。中に入った恒一は見覚えのない神姫=ミルキーに注目した。 「お前、新しい神姫を購入したのか?」 「まあね、話せば長くなるけど…」 いずるはミルキーを手に乗せて、恒一に見せた。 「始めまして恒一さん、わたしはミルキーといいます」 「は、始めまして…俺は木野恒一。よろしく」 なぜか照れる恒一。彼女のかわいらしさにドキドキしているのかも知れない。 「ところで恒一、シュートレイの様子はどうなんだ?」 いずるがシュートレイのことを話題に持ち込むと、恒一の表情が曇った。 「それが…」 どうやらシュートレイは前と変わらない様子らしい。 「そうだ、まだ時間があるからシュートレイのお見舞いに行ってみようか?」 いずるの提案にホーリーとミルキーは賛成した。 「いこう、シュートレイのことが心配だし」 「わたしもシュートレイさんに一目会ってみたいです」 「よし、決まりだな。みんなでシュートレイのお見舞いに行こう」 元気のない恒一を尻目に、いずる達は神姫研究所へ行く事にしたのだった。 電車に揺られて数十分、いずるたちは町外れにある神姫研究所にやってきた。この隣には、神姫たちのメンテナンスや療養をする『病院』が隣接している。シュートレイは神姫研究所付属の病院に入院しているのだ。 「知らなかったな~、ここの隣に病院があるなんて」 「私もここの隣に新規の病院があるなんて、つい最近まで知らなかったんだ。何せ、規模が小さいからね」 さっそく中に入ろうとする一行だが、入り口で誰かに呼び止められた。 「あら、いずる君に恒一君。みんなでシュートレイのお見舞い?」 声の主は小百合だった。彼女も病院に出入りしていたのだ。 「小百合さん、こんにちは。これからシュートレイの様子を見に行こうと思って」 「そう、でも酷なことをいうけど、彼女の回復はかなり遅れてるから、暫くはこのままの状態が続くと思うわ」 少し残念そうに現状を語る小百合。その直後、いずるの肩に座っているミルキーに目がいった。 「あら、この神姫、ニューフェイスね。新しく購入したの?」 「始めまして小百合さん、わたし、ミルキーと申します」 すかさず挨拶するミルキー。それを見た小百合は感心した。 「あらあら、礼儀正しいのね。ところでこの神姫、どうしたの?あなたはあまり神姫のことが好きじゃなかったはずだけど」 「話せば長くなりますが…」 いずるはミルキーがどのように自分のマスターになったのかを説明した。 「あははははっ、そう、そんなことがあったの。さすがいずる君のお母さんだわ。自分の息子に神姫を送るなんて」 「しょうがないですよ、送り返したら何か言われそうですし。それに、もう一人増えても家族が増えるだけですから」 いずるの意外な言葉に、小百合は思わずふふんと鼻笑いした。 「いずる君、最初会ったときとは印象がまるで違うわ。これもホーリー効果、ってことかしら」 ちょっと意地悪げに言う小百合。 「そ、そうですか…」 「そう、それにしてもこのミルキーちゃん、結構賢そうね。やっぱりオーナーに似てるのかしらね」 ミルキーをまじまじと見つめる小百合。 「それで、この子の成長ぶりはどうかしら?上手くいってる?」 「はい、いつも借りてきた医療関係の本などを一生懸命読んでます」 ミルキーの急激な成長振りを説明するいずる。そのとき、急になにかがひらめいた感じになった小百合は、いきなりいずるに話しかけた。 「そうだ、シュートレイに会う前にちょっと研究所に寄ってほしいの」 「研究所って、どうしてですか?」 「いいから、ちょっと説明することがあるのよ」 小百合はいずる達を無理やり研究所に引き込んだ。 「で、何をするつもりですか?」 「さっきミルキーが医療関連の本を読んでたと言ってたわね。もしかしたら彼女に精神医療の知識があるんじゃないかしら」 「でも、読み始めてからまだそんなに時間が経ってませんし、もしあったとしても、治療なんてできるかどうか…」 「まあ、これを見てからでも決めるのは遅くないわ」 小百合は引き出しの奥から小さい箱を取り出した。 「これは…、何ですか?」 「これは精神医療用の『ヒーリングバトン』といってね、神姫や他のロボットの精神を安定させる、いわば『精神安定器具』といったものね」 これを見た恒一はすぐさまバトンの側に近づいた。 「どうしてこれがあるのを黙ってたんだよ?」 「これは普通の神姫では扱えないの。使い方がシビアだから、ある程度医療関係の知識がないと使えないのよ」 ミルキーはバトンが入った箱の近くに近づき、バトンをじっと見つめた。 「いいんですか、わたしがいただいても?」 「それを持つかどうかはあなた次第よ。もしバトンを持つつもりなら、あなたの能力を借してほしいの」 小百合はバトンを取り出した。 「…どういうことなんですか?」 ミルキーの質問に、小百合はこう答えた。 「いずる君から聞いた話だと、あなたはある程度だけど医療関係の知識を身につけてるようね。それに加えてあなたの能力は回復系、つまり癒しの力があるから、相性は抜群なのよ。だからお願い、シュートレイを助けてあげて」 ミルキーは暫く考えてから、答えを出した。 「分かりました、わたしにしかできないことならばやって見ます」 「それじゃあ、これを使えばシュートレイはもとに戻るんだな?」 再び割ってはいる恒一。しかし小百合は少し心配そうに答えた。 「恒一君、たとえ元に戻らないとしても、後悔しないことを約束できる?この作業はとてもシビアで、たとえ直ったとしても、完全に戻る確率は5割にも満たないわ。最悪の場合、リセットしなければいけないかもしれない。それでも彼女を救う気持ちはある?」 小百合の質問に、恒一は静かに、しっかりと答えを出した。 「ああ、よろしく頼むよ」 つづく もどる 第十一話へGO
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2635.html
「……そんなことが」 「はぁー、そんな神姫もいるんだねぇ。……私が言えた義理じゃないけどさー」 空いた休憩所で今までのことを話し終えた。 シオンもだいぶ落ち着いてきた。 シオンが来てから、最近なんか人に自分の境遇を話してばっかりだな。 別に嫌ではない。身の回りがガラッと変わったようなそんな感じがするだけ。 「そんなわけで、なんとかバトル恐怖症を治したくてここに来たのだけど」 「結局こうなってしまった……」 「う、うん。ごめんね」 霧静さんたちは迷惑じゃないのだろうか。普通に考えたら、自分でもこんな神姫はおかしいと少し思ってしまうわけで、まともにバトルできなかったし。 「大丈夫、気にしてないよ。銃が使えない神姫だけどアリエって今はちょっと強いんだよ。昔はまともに戦えなかったし。……それでいえば、アリエとシオンちゃんは似ているのかもね」 なんだよーそれはー、とアリエは納得がいかなそうな顔をしている。 それで、あの奇妙な大剣を使っているのか。わざわざ銃に似せた剣もアリエの為を思った武装なのかも。 優しい子だな、霧静さんは。 「とりあえずさー、私のこの『エレメンティア』が件のストラーフが使っていたのに似ていたのが問題だったんだからさ。他にもバトルさせてみてもいいんじゃない? 何回かやれば勝てるかもよー」 アリエが意見を言う。 『エレメンティア』というのはその大剣の名前だろう。 ファンタジー色の強い、物語に出てくるような名称だ。 僕としては少しカッコイイと思えてしまった。 しかし、あの大剣の状態が変わった時、イスカのに似ていたってのもあるのだけど、まだバトルをやらせてもいいのだろうか。 大丈夫なのかな? 僕はシオンを見る。 「……まだ、やれます……」 涙を拭いて、僕の目を見てくる。 ただそれがうまく出せないだけで、根性はやっぱりあるんだなと思った。 ―――― 駄目だった。 何人かとバトルを申し込ませてもらってみたけど、戦えていなかった。 犬型や砲台型、イスカと同じような悪魔型とも戦うことはできた。 でも、戦うことはできても全敗だった。 負ける度に泣いてしまうシオン。慰める僕たち。 シオンが気になっているのか――バトルの度に、僕の傍に霧静さんとアリエもいてくれる。 ここで真剣に付き合ってくれる友達が出来たのは嬉しいけど、肝心なバトルは白星を挙げられなかった。 そううまくはいかないか。簡単にできたら、宮本さんにいた頃に治っているはずなんだから。 「う~ん、このまま、やらせても勝てないだろうね。きっと」 「……ちょっと、アリエ。言い方が……」 たしなめようとする霧静さん。 「だって、事実でしょー。銃撃を当てられてもない、撃てたとしても、見当違いの所に当たってる。打撃も本気で打ち込めてないみたいだし。こりゃまじ重症だねー」 アリエの言う通り、相手と戦わせてみても、シオンはダメージを与える攻撃を一切できてない。 勝たせるにはどうしたらいいのだろうか。 いや、勝つまでも、まともに勝負ができるぐらいにならないと、どうしようもない。 ああでもない、こうでもないと、僕たちが思考錯誤している時だった。 「いやー、遅れてごめんな!!……ありゃ?」 「……えっと、この人は?」 「うるさい、おにいさんだねー」 霧静さんたちは僕に訪ねてくる。 場が読めてない淳平だ。 そういえば、淳平が遅れて来るのをすっかり忘れていた。 「マスターがご迷惑をおかけしました……それで、この方々は」 といつも通り胸ポケットにいるミスズが言う。 「うわー、羨ましいなー。こんな可愛い子と仲良くなっちゃって。このこの」 僕を淳平が肘でつついてくる。 「えっ……あの……」と霧静さんは可愛いと言われて恥ずかしそうに顔を赤らめている。 「……淳平、それ以上何も言わない方がいいよ」 「えー、なんでー?」 ミスズが冷徹な瞳で見ているから。 神姫が人間に攻撃できるようなら、絶対危ないだろうな。いつか、目で殺されるかもしれないけど。 「リミちんになんかしたら、許さへんでー!」 アリエがエセ関西弁で凄む。(なんで関西弁?) 「そんなのじゃないって。さっき友達になった霧静 璃美香さんと神姫のアリエだよ。まあ、淳平が来ないから、霧静さんたちと仲良くなったのは事実だけど」 「え、そうなのか」 淳平が来なかったから、霧静さんと話そうとしたわけだしね。 でも、僕は今はシオンのことで頭がいっぱいだよ。 「あなたがシオンね。初めまして、ミスズです」 「……初めまして……」 ミスズが床に降り立って、泣き止んだシオンに挨拶をする。 そういえばどっちも初対面だよな。僕がシオンとの会話のタネにしたことがあるくらいだし。 その本人に会えたんだ。 なんとなく、仲良くなれる気がしたからな、この二人は。 「はーい、私はアリエだよ。よろしくー」 「アリエね。よろしく」 目の前で武装神姫が三人集まった。 友達が増えていくのはいいことだな。 「あれー、どこかで見たと思ったら、キミってO大女子高の生徒でしょ。前にここでバトルしてたの見てたよー。この神姫とかがすっげぇ強かったな。あ、俺は伊野坂 淳平。この子はアーンヴァル型の神姫でミスズだからね!」 「……えっと」 「ほら、霧静さんが困ってるでしょ。やめなって」 少し興奮している淳平が見てられない。 可愛い子が好みらしいから、霧静さんの近くに淳平を寄らせないほうがいいのかも知れない。 あ~、霧静さんは人見知りをするらしいから、こっちは仲良くなれるのか心配だ。 ―――― 「シオンのはなかなか重いみたい」 缶ジュースを買って、三人で飲んでいる。 休憩所のベンチに僕が真ん中で左に霧静さん、右に淳平がいる。人は人同士で、神姫は神姫同士で交流を深めると、なぜかアリエが場を仕切った。 まあ、文句はなかったし、別にそれでいいと思ったからこうなった。 少し向こうにシオンたち三人がいる。 楽しそうに話しているのが見える。 三人寄れば姦しいっていうのかな、あれは。 ……うるさくはしてないけど。 「ふーん、戦えない武装神姫、ね。CSCのせいなのか。螢斗は破棄やリセットは許せないんだろ? だったら、このまま、バトルしないってのは駄目なのか?」 (さっきから、その考えが頭にチラつくけど、それは駄目なんだよな) 「元々、宮本さんの所から家出したのもそれが原因だけど。でも、なんとかしてやりたい。シオンはバトルをしたくない訳ではないみたいだし、嫌がってる様子もない。逆に自分からやろうと思ってる。だけど、身体が拒否する感覚があるって。神姫センターに修理にも出したこともあるらしいけど……なにもなかったってさ」 「……したいのに、できないなんて、変な話」 改めて考えると、人間の精神病みたいだなと思った。 神姫なのに人みたいに反応を起こすなんておかしいよな。 人間の思考に近く、感情があるのも大変なことだと思う。 「まぁまぁまぁ、俺たちも、なんとか協力するからさ。元気出せよ! っな! この後、ミスズともバトルさせてからまた考えてみようぜ」 「……そうだね」 肩を叩いて励ましてくれる淳平。 いけないな、僕が暗くなってた。こういう常時明るい淳平が少し羨ましくなった。 「私も……協力する。シオンちゃんがあんなに泣いて可哀想」 「ありが――」 「あんがとねー! 霧静さん!」 「えっ……その……」 なんで、淳平がお礼を言うんだ。ああ、身を乗り出すから、僕の隣から霧静さんが若干距離を離した気がする。 いまだに淳平に慣れていない霧静さんを助けてから、シオン、ミスズ、アリエを呼び戻すことにしよう。 でも、このままバトルを続けて、なんとかなるのだろうか。 ―――― 「はい、これ、ヂェリカンだよー。私の奢りだからー」 螢斗さんたちと離れて、アリエさんとミスズさんと私。 こんな風に神姫だけで集まるなんて初めてだ。 アリエさんが自分の神姫サイズのバックパックから、色んなヂェリカンを取り出した。ヂェリカンは神姫用の趣向品で、人間と同じような、種類のある飲み物だ。 お酒みたいに酩酊状態になる飲み物から、ジュースのドリンクと色々ある。 私の基本データにはそうあった。 「なんで、アリエはこんなの持ってきているの?」 ミスズさんがアリエさんに対して、疑問に思ってそう言う。 ミスズさんは、マスターの淳平さんや螢斗さんたちには丁寧だけど、神姫同士では気軽に接するみたいだ。 ……でも、私はこういうのは初めてで、いまだに緊張している。 「いやだなー、ミっちゃん。敵であったとしても戦い終わって互いにヂェリカンを一杯飲む。それで私たちはもう友じゃん」 「……一緒にヂェリカンを飲んだら友達ということですか?」 「YES!」 「だからって、このヂェリカンをたくさん持っている理由にはならないのだけど。そもそも、なによこれ。『ゲルリン☆ヂェリー』って」 ミスズさんがそれを手に持つ。 ゼリーでできている人間のような、そんな感じ……いや、そうとしか言えないキャラクターのデフォルメイラストが前面にされている。 「ネタで持ってきたんだー。友達がいたら、飲ませようと思って」 「……ひどくない。それ」 アリエさんが、あははっと笑う。 アリエさんは明るいし友達が多そうだ。 私とは大違いだ。バトルに銃武装が使えないっていうハンデがあるのにすごく強いし。 「ほれ、シーちゃんも、これ」 とアリエさんが一つのヂェリカンを渡してくる。 『イチゴ・オレ ヂェリー』と書かれてある。 「ピンク同士、似合いそうだよー」 「……すいません、頂きます」 手渡されて、蓋を開けてみて飲んでみる。 「あ、おいしい」 「だしょー。それ結構お気に入りなんだ。人間の飲むイチゴ牛乳と似せているんだよ。でも、こっちの方が美味いんだよねー」 甘みがあって、ほんのりとイチゴの味がする。 神姫に合うように、調整されているんだろうな。ヂェリカンは初めて飲んだけど、確かにおいしいと思った。 「神姫ショップにこんなのがあった記憶はないのだけど……」 「あー、こういうのは、リミちんの伯父さんが経営している神姫ショップに売ってるんだ。独自に取り寄せててさー。ちなみに、わたしの武装も伯父さんが作ってくれたんだよー。伯父さん、リミちんに甘いから」 「だからって、こういうの買うのはオーナーの霧静さんなんだから。迷惑かけない方が……」 「大丈夫、大丈夫。ちょびーと、貰っただけ」 「……もしかして、無断?」 「もち!」 「だめでしょ!!……ああ、飲んじゃった、お金払わないと。でも、払えるのはマスターだしなー、ああ、どうしよう」 「……ふふ」 なんとなく、可笑しくて笑ってしまった。 この場がなんとなく楽しく思えた。バトルはうまくできなかったけど、この子たちと友達になれたのは素直に嬉しいと思える。 「この際だ! あんた、これ飲みなさい!」 「うわー! やめてってば! ……うッゴク…………マズッ! ガク」 さっきの「ゲルリン☆ヂェリー」を飲ませているミスズさんと、飲まされているアリエさんとがいつのまにか展開されている。 それで、パタリとアリエさんが倒れてしまった。 あれはそんなに不味いのだろうか。 「それ、ちょっと飲んでみたいんですけど、いいですか?」 「やめておきなさい、死ぬわよ」 「マズマズー」 せっかく持ってきてくれたのだし、もったいない。それにイラストもなんか可愛く思えてきた。 「ッゴク……あ、……私、これ、結構好きです」 ドロッとしてはいるけど、飲めるゼリーみたいな。それでいて柑橘系の味がして、しつこいようで、なんでかあっさりしている不思議な飲み物。 私としては、大好きな部類に入りそう。 「ホ、ホント!? シオンが言うなら……どれどれ……ッゴク…………マズッ!……キュ~」 パタリとミスズさんも直立から倒れてしまった。 あれ? なんで、こんなにおいしいのにみんな倒れるのだろうか。不思議だ。 とにかく、このままにしておけない。 螢斗さんたちに、知らせにいかないと。 ―――― 「あ、螢斗さん。大変です、二人が」 なんでか、ミスズとアリエが倒れていた。 傍らには『ゲルリン☆ヂェリー』と書かれたヂェリカン。それから、なにかドロッとしたのがこぼれ出ている。 何があったんだろうか。これを飲んで倒れだしたよな、二人とも。 うめき声でどちらも寝言のように「マズマズー」と言っていた。本当に何があったんだよ。 シオンに聞いても「……おいしいと思うのですけど」と不思議そうに言う。 「うぉー!! ミスズゥーー!!」 「あっ! これって伯父さんの所の。アリエってば、まったく、もう」 結局、この後二人が強制スリープモードから帰ってこず、バトルもせず、その場はお開きとなってしまった。 淳平は何のために来たんだろうか、わからなくなっちゃったな……。 前へ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2708.html
言うならそれはそれはラッキー 辺りを深い霧が包みこむ。視界が白く染まる。これで目が使えなくなってしまった。 だが、問題はない。 (樹羽、2時の方向。距離4.5) 頭の中に直接響く声。私は声に従って、その方向を見た。建物が密集する廃墟ステージ。目の前には建物。しかし、距離は4.5S。 (この奥か。シリア、バーニア。音は控え目に。同時にボレアス展開後、チャージ開始) 意思を伝え、それが形となる。すでに慣れた重さが右手に乗る。背中の翼が展開し、ゆっくりと浮き上がる体。やるなら先手必勝だ。 建物を越え、その下にいた相手を視認する。同時に相手の回りに丸いターゲットサイトが現れ、射程圏内に到達したことを告げる。右手をつきだし、引き金を引いた。 しかし、相手もこちらを確認したらしく、即座にかわされ、打ち出された光の帯は地面に激突し消滅する。 だが、これぐらい予想の範囲内だ。 (ゼピュロス、エウロス展開!) 持っていたランチャーの姿は消え、代わりに見慣れた鉄甲とカタールの重さが乗る。ブーストをかけて、インファイトに持ち込む。 左手のカタールを突きだしながら突撃。相手は後ろに回避。そこから、足のスラスターとリアのバーニアをフルでふかし、空中で前転するようにショックを吸収。その際、踵落としもかます。 これも回避される。しかし、これは当てるためじゃない。 空振った足は正確に大地を捕え、そこから足のスラスターを噴射し、右手の鉄甲で殴る。これは当たった。 さらに左に身を捻り、カタールでなぎ払う。 「あうぅっ!」 相手は軽く吹き飛んだ。私はかなり無茶な体制でなぎ払ったにも関わらず、真っ直ぐ足から着地。 うん、いい調子だ。 「だんだん良くなってますね。どうですか?」 霧がはれ、練習の相手をしてくれた神姫――エリーゼは笑みを浮かべる。 「はいっ、良好です!」 自分ではない声が答える。今のこの体の持ち主だ。 「そろそろライドアウトしましょう。続きはまた明日」 「はい。樹羽もそれでいいよね?」 声は私に問いかける。それに私は、声を使わず答えた。 (うん。今日は疲れた) 「じゃあ、ライドアウトするね」 視界が白く染まっていく。慣れ親しんだ感覚とともに、私の意識は浮上する 7月16日(土) 神姫のマスターになると宣言した翌日。柏木さんから電話があった。あの神姫のクリーニングが終わったらしい。 本当なら華凛と共に行きたかったが、今日は平日。華凛は学校がある。仕方なく私は、一人でホビーショップに来た。 「いらっしゃい。出来てますよ?」 店内は相変わらず客入りが少なく、私以外に客はいなかった。 「客、いませんけど」 「はははっ、仕方ありませんよ。平日ですからね。さあ、こちらです」 案内されたのは、前回と同じくスタッフ専用の部屋だった。デスクとパソコンしかない殺風景な部屋で、デスクの上には工具類が雑多におかれている。 「ちょっと待っててください」 そう言って、柏木さんは部屋の奥に入っていった。 「店長、すごく嬉しそうです」 突然耳元で声がした。振り向くと、エリーゼの顔が目の前にあった。 逆さまで。 「……なんでわざわざ逆さま?」 「あれ? あんまり驚いてくれませんね。店長の時はビックリして戸棚に頭ぶつけちゃったんですけど」 エリーゼは天井に吊された円盤に足だけかけて逆さまになっていた。手を使い、円盤の淵を掴むと、今度は振り子のように体を揺らし始める。勢いがついたところで、跳躍。回転をつけつつ、綺麗にデスクの上に着地した。まるで新体操選手のようだ。 「けっこう自信あったんですけどね~、まだまだですね、私も」 内心、ものすごく驚いているのはほっといて。 「で、嬉しそうって?」 「あ、それですか。それは……」 エリーゼが何か言おうとしたところで、柏木さんが帰ってきた。その手には、クレイドルが乗っており、その上にはあの神姫が座っている。 「おや、どうしました?」 「いいえ、なんでもないですよ店長」 「そうですか? それならいいんですけど」 エリーゼはこちらを振り向く。なんとなくだが“話はまたいずれ”と言っているようだった。 柏木さんはクレイドルをデスクに置く。数日前とあまり変わった点はない。だがその眠った顔は、不思議と穏やかに見えた。 「まだ、マスター登録はしていません。この子の意向もありますからね」 言われて、確かにその通りだと思った。いきなり『あなたは私の神姫です』など言われたら、そっちも困ってしまう。 「起動しますよ。心の準備はいいですか?」 「はい。お願いします」 クレイドルをパソコンに繋ぐと、ディスプレイには小さなウインドウが現れた。左下には『start』の文字。 「いきますよ」 柏木さんがエンターキーを押し込む。そして、小さな駆動音とともに、神姫は目を覚ました。次第に、瞳に光が宿っていく。 「……ここは?」 「S県K市にあるホビーショップです」 「なんで……私……はっ!」 神姫の顔が青ざめる。血が通っているわけじゃないから、本当に青ざめているわけじゃないが、そう見えた。 「あの、私っ!」 「大丈夫ですよ。改造された部分は全てクリーニングしました」 「そ、そうなんですか? よかった……」 神姫が安堵の表情を浮かべる。やっぱり改造された記憶は残してあるようだ。 「あなたは、自分がどこから来たか、憶えてますか?」 「えっ、どこからって……あれ?」 神姫が表情を曇らせる。その様子から、憶えていないのだろう。確か、3日前の記憶しかなかったはずだ。 「なんで……思い出せない……」 「そうですか……。では、あなたのマスターさんのことは?」 「マスター……」 神姫はさらに表情を暗くした。唯一残っていた記憶を思いだしたのだろう。 「……はい、憶えてます」 「どこまで憶えていますか?」 「…………」 遂に神姫は黙ってしまった。顔は完璧にうつ向き、表情すら見えない。 「……エリーゼ、後はお願いしてもよろしいですか?」 「言うだけ言って丸投げしましたね、店長。まあ、引き受けますけど」 エリーゼはエウクランテに近付いて、なにやら話かけ始めた。ボリュームを絞っているのか、こちらまで聞こえない。 「さ、神姫のことは神姫に任せて、我々は退散しましょう」 「……わかりました」 私は柏木さんに連れられ、部屋を出た。 完璧に投げたな、この人。 第三話の2へ トップへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1288.html
ガングラー鋼月の『今時の武装神姫事情』Vol.4 『家電としての神姫』 さて今回は、若干趣向を変えて、インタビュー形式でお送りすることになった。 インタビューのお相手は、家電総合メーカーSH社の情報家電部門・那珂川ジュンさん。近日発売予定の『家電の能力を持った武装神姫』の生みの親だ。 家電メーカー製神姫とは一体どんなものなのか。お会いして話をしてみると、神姫の新たな可能性が見えてきた。 ガングラー(以下、ガ): 今日はよろしくお願いします。 那珂川氏(以下、那): こちらこそよろしくお願いします。 ガ: さて……手元の資料によりますと……SH社で神姫を出す、という計画があるとか。 那: 早いですね。どこの部署が漏らしたんだ(笑) ガ: いえ、昨日の発表会でもらってきたんですが(笑) 那: あ……もうそんな時期でしたか。じゃあいいや。はい、そういうわけで、SHから神姫が出ます。スマートフォン型神姫『ヴェーヌルドライ』。その名の通り、生活の支援に重点を置いた神姫です。 ガ: いわゆる、秘書機能を重視したモデルなのですね。 那: はい。スケジューリングやGPS経由のナビ、PHS回線を使った通信機能などをデフォルト装備に組み込んであります。EDEN社からライセンス供与をいただいた正式な神姫ですから、神姫バトルにも参戦できますよ。 ガ: SHさんのような家電メーカーが武装神姫という玩具を出すというのは、正直かなり意外なんですが。 那: まあ……そうでしょうね。ただ、ウチ的には神姫は玩具としてはあまり見ていませんので……。30万越えのロボットを玩具というのは、ちょっと(笑) ガ: まあ、確かに(笑) 那: もちろん、神姫の玩具的な使い方……神姫バトルや着せ替えを否定するつもりはありません。というか、僕もやってますし。 ○神姫は究極の携帯支援ツール ガ: 那珂川さんは、いつ頃から神姫を? 那: 割と初期からですね……アーンヴァルを発売日に買ってからの付き合いですから。 ガ: 割とというか、思いっきり初期ですね(笑) 那: ええ。バトルはあまりしないので、セカンド止まりですけど。 ガ: では、その辺りから神姫の採用を? 那: それもありますし……神姫のコンセプトが、我々のやりたいことに合っていた、というのもあります。 SHはPDAの時代から携帯支援ツールを作り続けているんですが、その究極系が神姫……だと思うわけです。 ガ: 個人用の秘書、というやつですか。 那: はい。SHも喋る携帯支援ツールや、簡易AIを搭載したハイスペックPDA、スマートフォンを出しているわけですが、これはあくまでもパソコンの延長でしかなかった。超AIの搭載で音声制御は可能になりましたが、ハコ型の筐体ではそれも限界がある。 ガ: はい。 那: もちろん、ブレイクスルーとして人型の支援ツールを出そうという計画は長くありました。けれど、携帯用支援ツールとするなら、それほど大きくは出来ないし、突飛な形にも出来ない。かといって、スマートフォンやPDAの需要はあくまでニッチ需要ですから、パソコンや立体ディスプレイなどのように大がかりな予算も掛けられない(苦笑) ガ: H社のPシリーズやS社のIVOとは違う開発アプローチが必要だった、という事ですか。 那: そうです。IVOは愛玩用ペットロボ、Pシリーズは家事手伝いや介護支援ロボットとしては大変優秀だと思いますが、彼らを秘書として一日連れ歩くのは正直無理があるわけです。 ガ: Pシリーズは二メートルありますしね。 那: 電車に乗るのも別料金ですし(笑) もちろんそれが必要な大きさなら問題はないんですが……PDAの延長としてみるならば、大きさ的にはポケットに入るサイズ……十センチから十五センチが理想的だったわけです。 ガ: なるほど。神姫の大きさですね。 ○SH製神姫は百万円 那: もちろんウチにもロボット開発部門はありますが、どちらかといえばPシリーズやIVOと同系列の中型ロボット開発が中心でして、十五センチサイズの小型ロボットの開発ノウハウはほとんどありませんでした。 ガ: 企業的には、小型ロボットの開発はどうなんですか? 那: 企業としては、まずしっかりした精度と動作保証の取れる人間サイズを作って、そこから小さくしていきたいんですよ。言い方は悪いですが、オモチャを作ってるワケじゃありませんので。その辺りもあって、いきなり小さいものはハードルが高いから、作りたがらない。 ガ: だから自社開発ではなく、神姫を? 那: はい。最初は、開発部に依頼したんです。今のPシリーズをとりあえず小さくできないかって。 ガ: 無理だと? 那: さすがに無理とは言いませんでしたが……通常のAIタイプをそのまま小さくするとして、初期シリーズは一体で百万より安くは出来ないだろうと言われました。 ガ: それは……。 那: 競合相手として見たくはないのですが、その値段で出したとしても……僕だったら神姫かSRWに秘書ソフト入れて使うな、と。少しくらい精度が悪くても、気を使ってくれるし、何より可愛いし(笑) ガ: 神姫はCSCが載っている分、その辺りのAI搭載ロボットよりも段違いに優秀ですしね。 那: ええ。そんなわけで、神姫という優秀な小型ロボットが出ている現状で、これに自社開発のみで勝負するのはちょっと厳しいなと思ったわけです。オモチャに負けるようじゃ、とても売り物にはならないぞと。 ○玩具から家電へ ガ: そこで逆転の発想が出てくるわけですね。 那: もともと、SHは他社との共同戦線も得意なんですよ。PHS回線はW社さんとの共同ですし、他方面でも色々と連携を取って仕事をさせていただいています。 ガ: EDEN社も神姫の開発に関しては似たようなスタイルですね。 那: ええ。幸いにも、EDENさんはその辺りに理解のある企業さんでしたので、お話はかなりスムーズに進めさせていただきました。秘書機能重視で作りたいと言ったら「じゃあ武装神姫じゃなくて、神姫の名前だけで売りましょうよ」と言われてしまったり(笑) ガ: え?(笑) 那: さすがにそこは気が引けたので……というのは冗談ですが、武装神姫(MMS素体Ver1.0)の拡張性は非常に魅力的でしたので、その辺りの仕様はちゃんと合わせて、神姫バトルにも耐えられる仕様にさせてもらいました。 ガ: (笑) 那: あと、外装パーツやソフトウェアの開発ノウハウはこちらも携帯やPDAで十分蓄積出来ていましたので、さすがに百万より安くなってます。 ガ: だいたい、一般の神姫と同じくらいですか? 那: そうですね。SHの一発目ということで、結構頑張った価格設定に出来たと思っています。 武装セットのみも販売しますので、現行の神姫マスターさんもぜひ試していただければと(笑) ガ: 一発目ということは、後継機種も期待していいわけですか……? 那: もちろん、需要があればの話ですが。しかし、現行の武装神姫を秘書目的で使っているユーザーさんもかなりいらっしゃいますので、高機能な秘書能力を持った『ヴェーヌルドライ』の需要はあると思っています。 ガ: そうですね。僕もMMSを使っていますし。 那: 実は僕も使っていました。あ、ここ、オフレコでお願いします。SH的には怒られちゃうので(笑) ガ: (笑) それでは、今日はお話ありがとうございました。 那: こちらこそありがとうございました。 神姫のボディに家電のノウハウ。マスターと共にある神姫と、生活を支える家電製品というのは、案外と相性の良いものなのかも知れない。 もっとも、炊飯器型神姫や冷蔵庫型神姫が出るとは思えないが……。 個人的に言わせてもらえば、リモコン型神姫は、出たら便利かもしれない。 トップ
https://w.atwiki.jp/busou_bm2/pages/124.html
神姫を選ぶ時に能力や所持アビリティを重視する人へ。 神姫の素ステはあまり気にしなくてもいいかもしれないが純正パーツをつけた時のパラメータの参考にはなる。 素体ステータスDLC以外(素体ステ) DLC販売(素体ステ) 固有RAに必要な武装をつけた際のステータスDLC以外(武装ステ) DLC販売(武装ステ) 素体ステータス DLC以外(素体ステ) 神姫 LP ATK DEF DEX SPD プラスアビリティ マイナスアビリティ RRmax 攻撃力 防御力 スピード WE回復 GBダメ アーンヴァルMk.2 400 45 45 7 4 大剣+1、ランチャー+1 浮遊機雷-1 ○ ○ ○ ストラーフMk.2 400 35 40 6 4 ダブルナイフ+1、ハンドガン+1 バズーカ-1 ○ ○ ○ ハウリン 450 45 40 2 4 ロッド+1、ビット+1 大剣-1 ○ ○ ○ マオチャオ 350 40 35 5 5 ドリル+1、ビット+1 ダブルナイフ-1 ○ ○ ○ アーク 350 40 40 4 6 小剣+1、ランチャー+1 なし ○ ○ ○ イーダ 300 40 40 4 5 大剣+1、ライフル+1 ロッド-1 ○ ○ ○ ゼルノグラード 350 45 40 6 3 パイルBK+1、ガトリング+1、粒子BLST+1 ハンマー-1、楽器-1 ○ ○ ○ アルトレーネ 400 40 50 4 4 大剣+1、浮遊機雷+1 ビット-1 ○ ○ ○ アルトアイネス 450 40 50 4 4 小剣+1、大剣+1 槍-1 ○ ○ ○ フブキ 350 45 40 4 7 小剣+1、投擲+1 ショットガン-1 ○ ○ ○ エウクランテ 450 35 40 5 7 ナックルAC+1、ショットガン+1 Dブレード-1 ○ ○ ○ イーアネイラ 350 40 35 5 7 槍+1、バズーカ+1 ミサイル-1 ○ ○ ○ ツガル 450 40 40 4 6 Dブレード+1、ライフル+1 投擲-1 ○ ○ ○ ジルリバーズ 350 45 35 4 7 小剣+1、ライフル+1 パイルBK-1 ○ ○ ○ エストリル 400 35 45 4 7 パイルBK+1、ハンドガン+1 大剣-1 ○ ○ ○ + 隠しキャラ 神姫 LP ATK DEF DEX SPD プラスアビリティ マイナスアビリティ RRmax 攻撃力 防御力 スピード WE回復 GBダメ ジャスティス 350 60 50 5 5 大剣+1、機関銃+1 ハンドガン-1 ○ ○ ○ ミミック 400 40 40 5 5 なし なし ○ ○ ○ 強化ミミック 400 50 80 3 50 なし なし ○ ○ ○ DLC販売(素体ステ) 神姫 LP ATK DEF DEX SPD プラスアビリティ マイナスアビリティ RRmax 攻撃力 防御力 スピード WE回復 GBダメ ベイビーラズ 400 40 45 5 4 ダブルナイフ+1、楽器+1 爆弾-1 ○ ○ ○ 紗羅檀 400 45 40 4 5 投擲+1、楽器+1 ハンマー-1 ○ ○ ○ 蓮華 350 50 40 5 5 ダブルナイフ+1、投擲+1 浮遊機雷-1 ○ ○ ○ ガブリーヌ 350 40 50 5 5 槍+1、ハンドガン+1 ナックルAC-1 ○ ○ ○ ラプティアス 450 40 40 4 6 ダブルナイフ+1、ハンドガン+1 機関銃-1 ○ ○ ○ アーティル 450 40 40 6 4 ナックルAC+1、機関銃+1 ドリル-1 ○ ○ ○ プロキシマ 400 40 40 4 5 斧+1、ライフル+1 楽器-1 ○ ○ ○ マリーセレス 380 50 40 5 5 小剣+1、バズーカ+1 ドリル-1 ○ ○ ○ ムルメルティア 350 50 50 5 3 パイルBK+1、ハンドガン+1 粒子BLST-1 ○ ○ ○ 飛鳥 350 40 45 8 5 小剣+1、爆弾+1、機関銃+1 斧-1 ○ ○ ○ ジュビジー 450 35 50 5 4 ハンマー+1、ハンドガン+1 ミサイル-1 ○ ○ ○ ジルダリア 350 45 35 5 5 小剣+1、ショットガン+1 ライフル-1 ○ ○ ○ ヴェルヴィエッタ 450 40 40 5 8 ロッド+1、ランチャー+1 小剣-1 ○ ○ ○ リルビエート 450 40 40 5 8 小剣+1、ミサイル+1 槍-1 ○ ○ ○ オールベルン 400 40 50 5 5 小剣+1、粒子ブラスター+1 斧-1 ○ ○ ○ ジールベルン 400 50 40 5 5 小剣+1、浮遊機雷+1 ランチャー-1 ○ ○ ○ アーンヴァルMk.2黒 400 45 42 20 4 攻撃力+3、小剣+1、大剣+1、ランチャー+1 防御力-3、斧-1、浮遊機雷-1 ○ ○ ○ 固有RAに必要な武装をつけた際のステータス アビリティはパラメータ系でかつ絶対値が3以上のもののみ書いてます。 詳しいアビリティは各神姫のページを見てください。 装備は空いているのではなく着けているのを書いてます。 DLC以外(武装ステ) 神姫 レールアクション ランク LP SPD DEX CHA DEF 火器 光学 COST 武 頭 体 腕 腰 脚 靴 背 盾 ア パラメータアビリティ アーンヴァルMk.2 一刀両断・白 5 5739 41 67 224 621 -5% 10% 418 PB ○ ○ ○ ○ ○ なし スピード+3 一刀両断・白EX 7 9498 66 109 356 1028 -5% 10% 924 大HG ○ ○ ○ ○ ○ なし スピード+5DEX+3 グランニューレ 5 5736 40 67 225 623 -17% 35% 326 なし ○ ○ ○ ○ ○ ○ なし LP-4 グランニューレEX 7 9496 63 109 359 1030 -22% 45% 599 なし ○ ○ ○ ○ ○ ○ なし DEX+3CHA+5LP-4 ストラーフMk.2 一刀両断・黒 5 5704 34 36 214 537 10% -5% 264 なし ○ ○ ○ ○ なし スピード-4 一刀両断・黒EX 7 9441 57 59 335 886 10% -5% 488 なし ○ ○ ○ ○ なし スピード-4LP+3 ジャーバル・クルイク 5 5704 34 36 214 537 10% -5% 253 なし ○ ○ ○ ○ なし スピード-4 ジャーバル・クルイクEX 7 9441 57 59 335 886 10% -5% 467 なし ○ ○ ○ ○ なし スピード-4LP+3 神姫 レールアクション ランク LP SPD DEX CHA DEF 火器 光学 COST 武 頭 体 腕 腰 脚 靴 背 盾 ア パラメータアビリティ ハウリン ドッグサーカス 5 6236 61 58 328 621 20% -10% 408 なし ○ ○ ○ ○ ○ なし 防御力+3 ドッグサーカスEX 7 10313 101 99 531 1029 24% -12% 747 なし ○ ○ ○ ○ ○ なし 防御力+4LP+3 マオチャオ スーパーねこ乱舞 5 6138 65 64 328 611 -5% 10% 383 なし ○ ○ ○ ○ ○ なし LP+4 スーパーねこ乱舞EX 7 10216 106 105 531 1017 -5% 10% 834 DL ○ ○ ○ ○ ○ なし 防御力-3スピード+3LP+6 アーク ロードファイター 5 5815 67 61 301 621 0% 0% 484 Lc ○ ○ ○ ○ 1 防御力+3スピード+3 ロードファイターEX 7 9664 109 101 484 1028 0% 0% 842 Lc ○ ○ ○ ○ 1 防御力+4スピード+5 イーダ スリルドライブ 5 5733 63 60 306 619 0% 0% 328 なし ○ ○ ○ ○ 1 - スリルドライブEX 7 9558 103 102 496 1027 0% 0% 668 なし ○ ○ ○ ○ 1 防御力+3LP-3 神姫 レールアクション ランク LP SPD DEX CHA DEF 火器 光学 COST 武 頭 体 腕 腰 脚 靴 背 盾 ア パラメータアビリティ ゼルノグラード バレットカーニバル 5 5836 63 68 311 615 10% -5% 464 Gt ○ ○ ○ ○ ○ ○ 1 防御力-3DEX+4LP-3 バレットカーニバルEX 7 9698 104 111 503 1022 0% 0% 822 Gt ○ ○ ○ ○ ○ ○ 1 防御力-3スピード+3DEX+6LP-5SP+4 アルトレーネ ゲイルスケイグル 5 6037 60 60 316 632 0% 0% 494 大 ○ ○ ○ ○ ○ 2 防御力+4 ゲイルスケイグルEX 7 10008 102 99 515 1041 % % 905 大 ○ ○ ○ ○ ○ 2 防御力+6DEX-4 アルトアイネス シザース・ガリアス・ドミニオール 5 6086 63 62 317 631 0% 0% 376 なし ○ ○ ○ ○ ○ 2 防御力+3SP-3 シザース・ガリアス・ドミニオールEX 7 10059 103 103 518 1038 0% 0% 724 なし ○ ○ ○ ○ ○ 2 防御力+3CHA+3LP+3SP-4 フブキ 夢想手裏剣 5 3724 53 32 253 448 -5% 10% 379 投 ○ ○ ○ ○ 1 - 夢想手裏剣EX 7 9795 110 107 502 1027 -5% 10% 848 投 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 1 スピード+4DEX+4CHA+4LP-3 神姫 レールアクション ランク LP SPD DEX CHA DEF 火器 光学 COST 武 頭 体 腕 腰 脚 靴 背 盾 ア パラメータアビリティ エウクランテ グライドオンプレステイル 3 3485 36 35 173 332 0% 0% 182 なし ○ ○ ○ ○ ○ 1 - グライドオンプレステイルEX 7 9870 109 105 496 1028 0% 0% 876 散 ○ ○ ○ ○ ○ 1 防御力+3スピード+3 イーアネイラ ウェパル・アサルト 3 3334 37 34 172 323 0% 0% 627 槍 ○ ○ ○ 1 CHA+3 ウェパル・アサルトEX 7 9613 108 103 483 1014 0% 0% 894 槍 ○ ○ ○ 1 防御力-5スピード+3CHA+6 ツガル プレゼント・フォー・ユー! 5 5982 65 63 308 621 0% 0% 497 DB ○ ○ ○ ○ ○ 1 LP+3 プレゼント・フォー・ユー!EX 7 9874 107 103 498 1028 0% 0% 886 DB ○ ○ ○ ○ ○ 1 防御力+3LP+4 ジルリバーズ ヘリッシュクレイドル 4 4557 52 47 233 470 0% 0% 259 なし ○ ○ ○ ○ 1 SP-3 ヘリッシュクレイドルEX 7 9610 109 102 479 1022 0% 0% 670 なし ○ ○ ○ ○ 1 防御力+3スピード+3 エストリル フラッシングブレード 4 4681 53 46 241 481 0% 0% 371 PB ○ ○ ○ ○ ○ 1 - フラッシングブレードEX 7 9820 111 101 498 1035 0% 0% 835 PB ○ ○ ○ ○ ○ 1 防御力+5スピード+5 + 隠しキャラ 神姫 レールアクション ランク LP SPD DEX CHA DEF 火器 光学 COST 武 頭 体 腕 腰 脚 靴 背 盾 ア パラメータアビリティ ジャスティス 終焉の宴 7 9702 107 106 490 1041 0% 0% 武器2通り+ms 868+NS 887 大 ○ ○ ○ ○ ○ 1 クリティカル率+5防御力+6スピード+4CHA-4SP+3 DLC販売(武装ステ) 神姫 レールアクション ランク LP SPD DEX CHA DEF 火器 光学 COST 武 頭 体 腕 腰 脚 靴 背 盾 ア パラメータアビリティ ベイビーラズ We Will Rock Y☆ 5 5800 60 64 297 622 15% 10% 480 DK ○ ○ ○ ○ ○ なし SP+4 We Will Rock Y☆EX 7 9601 102 105 480 1026 25% 10% 834 DK ○ ○ ○ ○ ○ なし 防御力-4ロック範囲+3SP+6 紗羅檀 ロスト・パラディウム 5 5932 63 61 340 584 45% -18% 548 小 ○ ○ ○ ○ ○ 1 LP+3 ロスト・パラディウムEX 7 9826 104 101 498 1025 50% -15% 951 小 ○ ○ ○ ○ ○ 1 クリティカル-4武器エネルギー回復+3LP+6SP+3 蓮華 後天爆裂 5 6132 65 63 328 620 15% 10% 375 なし ○ ○ ○ ○ ○ なし 武器エネルギー回復-3ガードブレイクカット+3 後天爆裂EX 7 10208 106 104 531 1028 -5% 10% 703 なし ○ ○ ○ ○ ○ なし クリティカル率+3防御力+3武器エネルギー回復-4ガードブレイクカット+5ブースト性能+3スピード+3SP+3 ガブリーヌ ヘルクライム 5 5836 63 61 304 630 30% -5% 419 なし ○ ○ ○ ○ ○ 1 ヘルクライムEX 7 9700 103 102 494 1038 40% -5% 757 なし ○ ○ ○ ○ ○ 1 クリティカル率+6防御力+3溜め時間短縮+3LP-3 ラプティアス スーパーダブルナックル 5 6237 64 61 328 621 -13% 25% 420 なし ○ ○ ○ ○ ○ ○ なし 防御力+3溜め時間短縮-3ブースト性能+3 スーパーダブルナックルEX 7 % % なし ○ ○ ○ ○ ○ ○ なし アーティル スーパーツインカノン 5 6236 64 66 328 617 20% 0% 416 なし ○ ○ ○ ○ ○ なし クリティカル率-3ブースト性能+3SP+3 スーパーツインカノンEX 7 % % なし ○ ○ ○ ○ ○ なし プロキシマ オメガスターロード 5 6186 66 62 329 618 10% -5% 506 斧 ○ ○ ○ ○ なし 武器エネルギー回復+3スピード+3 オメガスターロードEX 7 % % 斧 ○ ○ ○ ○ なし マリーセレス バッカルコーン+E83 5 5815 53 62 298 619 -5% 10% BZ ○ ○ ○ 1 バッカルコーン+E83EX 7 % % BZ ○ ○ ○ 1 神姫 レールアクション ランク LP SPD DEX CHA DEF 火器 光学 COST 武 頭 体 腕 腰 脚 靴 背 盾 ア パラメータアビリティ ムルメルティア ベルリンのバラ 3 3389 31 33 178 343 0% 0% 219 なし ○ ○ ○ ○ ○ ○ 1 防御力+4 ベルリンのバラEX 7 9796 103 103 498 1045 0% 0% 869 なし ○ ○ ○ ○ ○ ○ 1 クリティカル率+5防御力+6武器エネルギー回復-4 飛鳥 悠久の神風 3 3457 36 33 183 333 0% 0% 260 小 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2 悠久の神風EX 7 10004 110 102 514 1031 0% 0% 839 小 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2 武器エネルギー回復+5ブースト性能-4スピード+3 ジュビジー ホーリーエクスプロージョン 3 3291 33 18 163 322 0% 0% 153 なし ○ ○ ○ ○ ○ 1 ホーリーエクスプロージョンEX 7 9868 104 103 496 1035 0% 0% 674 なし ○ ○ ○ ○ ○ 1 SP+6 ジルダリア ダイヤモンドリーフ・ストーミング 3 3191 34 19 163 309 0% 0% 231 小 ○ ○ ○ ○ ○ 1 ダイヤモンドリーフ・ストーミングEX 7 % % 小 ○ ○ ○ ○ ○ 1 ヴェルヴィエッタ アルティメットレーザー 5 % % なし ○ ○ ○ ○ なし アルティメットレーザーEX 7 % % なし ○ ○ ○ ○ なし リルビエート トリプルクラッシュ 5 % % なし ○ ○ ○ ○ なし トリプルクラッシュEX 7 % % なし ○ ○ ○ ○ なし オールベルン ライトニングソード 4 % % 小 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2 ライトニングソードEX 7 % % 小 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2 ジールベルン ダークネス・キラー 4 % % 小 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2 ダークネス・キラーEX 7 % % 小 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2 アーンヴァルMk.2黒 一刀両断・真 5 % % PB ○ ○ ○ ○ ○ なし 一刀両断・真EX 7 % % 大HG ○ ○ ○ ○ ○ なし
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1715.html
■緊急リリース!“Rosa bianca”の御案内 平素はMMSショップ“ALChemist”をご利用頂きまして、皆様には心より 御礼を申し上げます。さて、当工房ではこの度春期の新作に続きまして 神姫の皆様に於ける“実用性”も重視した逸品を、ご用意致しました! 日頃のマスターに対するお手伝いから、バトルロンドに於ける戦術まで 幅広い局面にて神姫の皆様を、美しく可憐に引き立てる“無垢の衣”。 それがこの度紹介致します“Rosa bianca”(ローザ・ビアンカ)です。 “白き薔薇”を銘に頂く今回のコンセプトモデルは、店主・槇野晶曰く 『錬金術が産んだ白薔薇。美しく光り輝くも、冷たい銀の棘に御用心』 という言葉が示す通り、とても味わい深い仕上がりとなっております。 神姫の皆様がより『可憐に輝く』機会を、店員一同お待ちしています! ■“Rosa bianca”の特徴 神姫の身体制御を補助するアンダードレス“フォルトゥナ(Fortuna)” 『幸運』という名前の基本衣装は、当工房の主力ブランドであります “Electro Lolita”の流れを汲む、風雅・可憐な神姫用ドレスです。 今作はその見た目のみならず、特殊な縫製技術・電装機構によって、 耐衝撃・斬撃防御や、関節駆動用サーボモーターの補助を行う構造。 これにより神姫様の“安全”や日々のお手伝いを、陰から支えます! 十種類の武装から成り立つオーバードレス“アルジェント(Argento)” 『銀』の名を持つこちらの特殊ドレスは、“フォルトゥナ”の上から 着込む事でその外見を大きく換える事が出来ます。典麗なフォルムが 印象的な布地には、『鋼鉄の強靱さと布のしなやかさ』を兼ね備えた “ALChemist”独自の形状記憶型剛性繊維を、贅沢に使用しました。 各パーツは、分離・変形する事でバトルロンド用の武器になります。 しかも組み替えは自由自在!勿論、防具としての性能も一級品です。 “V.A.N.G.U.A.R.D.”(VAriable aNd General Unites ARmed Dress.) ──先進的なる“可変複合式汎用武装服飾”の妙を、ご堪能下さい! 公式神姫パーツにも馴染む、スタイリッシュな装甲“ルーチェ(Luce)” 『光』と命名しました、オプションアーマーもご用意しております。 若干の武装化を施す事も可能で、バトルロンド等でのスピーディーな 行動をお約束します。勿論、武装化しなくてもお使い等での広範囲な フィールドワークに威力を発揮します。公式部品にも接続可能です! ■コンポーネント構成 【hmOCU_AL037:アンダードレス“フォルトゥナ(Fortuna)”】 ・チョーカー(当工房で販売中の各種装飾品が装着できます) ・身体補助機能付きブラウス(高分子式充電池を内蔵します) ・ブレスレット(各種電装機器を内蔵。神姫様の制御用です) ・レース入り手袋(装甲繊維使用。衣類の取り扱いもどうぞ) ・ショートスカート(アーンヴァルタイプで膝丈が目安です) ・身体補助機能付きニーソックス(膝上までをほぼ覆います) ・編み上げ式革製ブーツ(サイズや形状等は、ご相談下さい) 【hmOCU_AL038:オーバードレス“アルジェント(Argento)”】 ・カチューシャ(伸ばして、ブーメラン等の曲刃になります) ・コート(広げてバインダーになる他、斧の刃にも使えます) ・コードタイ(伸ばす事でロッドに変形。四個で一本を構成) ・小リボン(コードタイと併せて着用。四本のナイフに変化) ・ケープ(ロングボウです、伸縮式の矢を十二本収納します) ・ベスト(左右に分割・変形させる事で、ナックルガードに) ・カフス(袖口一体型。延ばして、ワイヤーウィップに変形) ・大リボン(腰に着用。解く事で両刃のブレードになります) ・エプロン(スカートの前部。カイトシールドや槍の穂先に) ・パレオ(スカート後部、ラウンドシールドです。握手付属) 【hmOCU_AL039:オプショナルアーマー“ルーチェ(Luce)”】 ・センサーパレット(側頭部用:神姫の知覚機能全般を補佐) ・ウィングコート(背部用:短距離飛行や長距離走行を実現) ・ソニックガントレット(腕部用:握力や腕力を補強します) ・ガジェットポーチ(腰部用:小物や専用の武装を収納可能) ・ダッシュローラー(脚部用:折り畳み式で歩行も快適です) 【付属品】 ・充電機構付きケース(USB電源とコンセントの二極対応) ・取り扱い用手袋一式(マスター用、サイズはご相談下さい) ・洗濯用の特殊ネット(一式丸ごとを洗濯機に掛けられます) ・付属プログラム一式(DVD一枚付属、神姫様用とPC用) ・取扱説明書/保証書(ご購入から半年間、無償修理します) 【仕様】 ・お色は七種(紅・橙・黒・翠・白・藍・紫)を揃えました。 ・洗濯機洗いが可能です。(一部電装品や装飾品は除きます) ・神姫様の体型・ヴァージョンに応じ、寸法を調整します。 【オプション(別売・応相談)】 ・“ガジェットポーチ”用武装は、十種ご用意しています。 また、MMS用ジョイントの接続アダプターも御座います。 ・給仕服等、各業種ヴァージョンへの仕様変更も承ります。 (但し、内容次第ではお応え出来ないケースが御座います) ・一部は、単品販売が可能です。また、各種カスタムに伴う パーツの新規追加等も承ります。詳しくはご相談下さい。 ■価格・購入法 こちらの品はセミ・オーダーメイドです。価格は時価となっております。 まずは当工房へご相談下さい。代金のお支払い方法は、数種御座います。 運営理念・販売方法の都合上、極力来店してのご検討をお勧め致します。 遠隔地等の事情で通販希望の方は、当工房のフォームよりご連絡下さい。 ■取り扱い上の注意 本品はその特性上、鋭利になっている部分が大変多くなっております。 電源をオフにした場合怪我に至る程の鋭さは無くなりますが、念の為に 着付けの際は必ず(神姫・マスター共に)付属の手袋を装着して下さい。 また、武装モードで使用されない時は全部品の電源を待機状態かオフに してください。電源がオンのまま素手で取り扱いますと、怪我等をする 恐れがあります。(安全の為、15分オートスタンバイ機能が御座います) 制御用電源に神姫様のバッテリーを併用しますので、2%程駆動効率が 落ちるケースも確認されております。使用の際は、よくご確認下さい。 メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinki_ss/pages/41.html
※このページは、各投稿者様の連載作品紹介ページです。 「エガオノママデ」「エガオニハカナワナイ」の2作品に関しては それぞれ個別の紹介ページ(特別図書館)を参照ください。 投稿者様の五十音順で配置。以下の項目を明記してもらえば記述方法は自由とします。 読みやすいように、編集人が校正等を加えることがあります。ご了承ください。 ●連載タイトル(SS板サーチ結果をリンク) / 投稿者名(武装紳士録へリンク) /あらすじ / 検索キーワード ご指摘・ご意見あれば、 まとめwiki管理人のメールアカウントに直接投げてください。 ●このページで紹介されているのは以下の投稿者様の連載作品です。 (五十音順・敬称略) ・Ex-Mavis ・カタリナ・リナ ・我闘 ・シン=アカツキ ・セイロン ・タイガ ・ツインガンナー ・ティーノ ・風雷坊 ・万年睡眠不足 ・みずねこ(ねこ隊長) ・ゆーげん ・雪冠 ・らいか ●Ex-Mavis ・「Sky High!!」 あらすじ: 次期防空軍主力空戦型MMS開発競争、通称プロジェクト「スカイハイ」に参加した メイヴィスとエミリーのお話。全15話。Ex所有神姫設定の原点になりました。 【管理人注:続編「SkyHighⅡ-Wish-」連載中!】 =====●カタリナ・リナ ・「武装神姫「零」」 あらすじ: この話の名は 武装神姫「零」 多くの武装神姫たちが戦い散り、お互いを傷つけあう。 多くの神姫がそれぞれの正義、主張、理念を掲げ戦う。 勝利も敗北もない、戦いの物語 (80話・本文より抜粋) 【管理人注:タイトル検索はできません。カタリナ・リナさんの作品一覧から検索してください。】 ===== ●我闘 ・「仮面神姫 零狼」 ・「緋い藤(あかいはな)」 ===== ●シン=アカツキ ・『妖精の種』(完結) ・『ダークプリズム』(完結) ===== ●セイロン ・「週刊砲子マガジン」 あらすじ:自作武装の紹介 ===== ●タイガ ・「うっかり侍シリーズ」 真夜のうっかりな日々を面白おかしく紹介 =====●ツインガンナー ・「トライスピナー」シリーズ あらすじ: 突如現われた破壊者「イリーアン」、「イリーアン」から人々を守るために結成された 対イリーアン組織「I.M.B」所属のストラとトライスピナー、そして仲間達の戦いと 日常を描いた物語。平行世界のストーリーであり、ストラ達も人間という設定。 No151. No179. No224. No227. No282. No314. No318. No360. No381. No404. No408. No419. No589. No618. 当初はストーリー作品ではありませんでした。 上のリンクはストーリ作品になる前の時のものです。 ストーリー作品になってからのリンク No699.(ドラグーンモード初登場) No901.(リーフィ初登場) No1076.(ストラのヤキモチ) No1223.傀儡使い編 No1488.(ストラと紅緒のケンカ) No1599.2.14の乱 No1823.想い編 No2580.ライのソバット No2709.ホワイトデーの贈り物 No3195.激闘編 No4841.回想編(総集編と思っていただければ) No6887.ストラ編 No8607.トライスピナー編 No10068.ショートストーリー No11569.特訓編 が今のところのストーリーです^^ 【管理人追記】 最新シリーズ「No.14617.砂漠の攻防編」が完結しました。 =====●ティーノ ・「とある神姫とそのマスター」シリーズ それはごくごく平凡な、どこにでもいるとある神姫とそのマスターのお話。 =====●風雷坊 ・「打ち砕くものは彷徨いの果てに」 ===== ●万年睡眠不足 ・「授名の儀式」 あらすじ:神姫に名前を授ける儀式 ・「それぞれの輪舞曲」 (完結) あらすじ: 数多の神姫舞い踊る戦舞台バトルロンド。万年睡眠不足の神姫「神代 雪月」も その舞台に挑む一姫だった。彼女の戦績は振るわず、共に始めた仲間に ランクで差をつけられ焦りを覚える。己の焦りと友とマスターの想い、 彼女は舞台の果てに何を見るのか…みたいな?w ===== ●みずねこ(ねこ隊長) ・「我が家の日常」 あらすじ: 我が家の日常(?)風景を思いつきだけで構成しています=w=)+ ===== ●ゆーげん ・「妹が来る?」(全15話) ===== ●雪冠 ・「武装神姫ノアイ ~バトルノクターン~」 あらすじ: 不安定な能力ながら、普通の神姫では歯が立たない程の力をもつ神姫。 そんな特別な強さを持つ神姫が、いくつもの戦いをともにしたマスターと離され 不安によって不安定な能力を開放してしまう…。 ===== ●らいか ・「紅い悪魔」(全100話・完結)
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2715.html
何かを得るためにはそれ相応の代価を支払はなければならない 7月26日(火) そして次の日、私はまたあの騒音の中にいた。耳が痛くなってきそうなほどの音量で、様々な音が混ざり合っている。やっぱりこの空間には慣れそうにない。 「そう? あたしは慣れてるけど」 「私は二回目」 「私に関しては初めてですよ……」 肩に乗ったシリアが、私の顔を支えに座っている。冷たい指の感触が頬に伝わる。 「大丈夫?」 「うん、なんとか……」 シリアもこの空間には馴染めそうにないな、と思いながら私は神姫バトルのコーナーを見た。 今日もいい賑わいを見せている。中学校や高校が夏休みに入ったためか、若いマスターが多く見受けられた。中には親子連れの姿まである。 ちなみにお金に関してだが、ちゃんとリアルマネーだ。さすがにゲームセンター側としても運営が成り立たなくなってしまっては困るだろう。 だが神姫センターでの買い物にはspt(神姫ポイント)を使うらしい。これはバトルに勝てば手に入り、また運営にお金を払えばもらえるそうだ(倍率は0.2倍だとか)。 ただまあ、神姫バトルでリアルマネーを賭けた勝負は禁止らしい。3年前にはちらほらやっていたらしいが、今は警察の目が鋭くなっていてここ最近では数は少なくなったとか。全部華凛から聞いた。 「これって交代制だよね?」 「そうよ、沢山いても回転率次第で早く回ってくるから、今のうちに用意して起きなさいよ?」 相変わらず天井に吊られているモニターを見る。なるほど、確かに画面右上には時間制限のような数字が見える。300秒らしい。つまりいくら長引いても5分で片がつく作りになっているようだ。 つまり私の番が回ってくるまで軽く時間がある。それまでに私は華凛に聞きたいことがあるのを思い出した。 「華凛、神姫持ってないんだよね?」 「んー? ないわねー」 華凛はあくまでモニターから目を離さずに生返事した。 「じゃあ、なんでこんなに神姫に詳しいの?」 「…………」 華凛はモニターを見たまま黙っている。だがその横顔には戸惑いの色がハッキリ見て取れた。 「……知りたい?」 その時、華凛の声が幾重にも重なったゲームの音に遮られずにやけに鮮明に聞こえた。何か、変な気分だ。まるで、知ってはならないことを知ろうとしているような―― まるで、華凛の嫌な過去を知ろうとしているような、そんな感覚。 私は、華凛のことはだいたい知っている。私のことは話したし、華凛のことも話してもらった。 だが、まだ私の知らない華凛がどこかにいるようだと薄々思っていた。まだ私は、親友のことを全部知っていない。 「……知りたい」 私はそう答えた。華凛が進んで話してくれるなら、私も黙って耳を傾けた。だが、今はそうではない。私から求めている。今までにない緊張感が、私の体の中に走る。 「…………」 華凛は目を閉じた。逡巡しているようにも見える。やがて、ゆっくりと目を開いた華凛は、 「えいっ」 私の頬を両手で引っ張っていた。 「そっかー、知りたいかーっていうか柔らかっ、あ、なんかクセになりそう……」 「か、かふぃん?」 しばらく私の頬をむぎゅむぎゅと引っ張った後、ようなく華凛は離してくれた。 「あー、柔らかいわね、いやホント。マシュマロみたいってこういうこと言うのね」 「……痛い」 「ごめんごめん。で、なんであたしが神姫に詳しいかだったわよね?」 「うん、そう」 「それはね……」 「……それは?」 華凛は十分に間を取ってから話しだした。 「実は、あたしも神姫が欲しいのよ」 「……?」 それがどう神姫に詳しいことに繋がるのだろうか? 「あたしって下調べとかは結構するからね、神姫が欲しいから、色々調べたのよ」 仁さんも色々教えてくれたし、と華凛は語った。確かにあの人の神姫の話は面白い。調べているうちに詳しくなったと華凛は語った。 だが、なんだかんだ言って今の理由は嘘だろう。華凛が私の考えてもいることが分かるように、私だって華凛が嘘をついているかどうかぐらいすぐに分かる。 華凛は嘘をついている。でも、その意味まではわからない。 (話したくなったら、話してくれるよね……) 私は華凛がいつか話してくれると思いながら、自分の番を待った。 (何で……話せなかったんだろう……) あたしの隣にいる小柄な少女は、緊張した面持ちで自分の神姫と話している。 それにしても、なぜあたしは樹羽に話せなかったのだろう。 (神姫……か) 神姫を見ていると、不安になってくる。その小さな体は簡単に壊れてしまいそうで―― (違う……そうじゃない……そんなの言い訳だ) あたしはもう一度樹羽を見た。さっきよりは緊張はほぐれ、真っ直ぐ前を見ている。 あの真っ暗な部屋で塞ぎ込んでいた子が、2週間も経たないうちにここまで成長するとは、あたしも驚いた。 違うな、多分これが本当の樹羽の姿なのだろう。自分の殻を少しずつ割って、ゆっくりと本来の樹羽が出てきているのだ。 (この調子で行けば、夏が終わる前に樹羽の引きこもりは治るわね……。そしたら、あたしは……) そこまで考えて、あたしは頭を振った。今からそんなことを考えても仕方がない。 だが静かに迫るその時を、あたしはただ待つしかなかった。 直前の人がバトルを終え、私の番が回ってくる。 相手は青年だった。椅子に座り、対戦相手を待っている。ポケットからイヤホンを出そうとしたが、こちらの姿を確認すると黙ってまたポケットにしまった。 少し背が高い。それにしっかりとした目、キレのある顔立ち。なんだかんだ言って、つまりかっこいい人だった。 だが、なんとなく近寄りがたいオーラが出ている。私が声を掛けようか悩んだが、 「よろしく……お願いします……」 とだけ言った。だが、声が小さかったせいか、相手には聞こえていなかったらしい。 私の中で気まずさが残った。どうしようか悩んでいると、後ろから声がした。 「あれ? 東雲じゃん。何やってんの?」 華凛だった。後ろから対戦相手をに話し掛けている。話し掛けられた方は、華凛を見るや、目を見開いた。 「あ、秋已? お前こそ、神姫も持ってねぇのに何やってんだよ?」 「あたしは付き添い。本命はこの子」 東雲と呼ばれた人は、こちらを改めてみた。 「てことは、やっぱり対戦相手ってことか。俺は東雲榊(しののめさかき)。よろしくな」 「奏萩樹羽……よろしく……」 適当な言葉が見当たらず、私はそう答えた。東雲くんは肩をすくませると、 「シンリー、対戦相手だ」 と台に向かって言った。 台には一人の神姫の姿があった。普通の神姫より少し小さい。黒いポディに金髪。生では初めて見るが、アルトアイネス型の筈だ。 シンリーというらしい彼女は台の上で何やら書いていた。神姫サイズの小さなノートに、何やら走り書きのような文字がちらほら書いてある。 「ちがう……こうじゃない……もっとこう、テーマを絞って……」 ああでもないこうでもないと何やらぶつぶつ呟いている。 「な、なにがあったんだろう……」 「さあ」 シリアも対戦相手に挨拶しようと出てきたが、肝心の対戦相手が取り込み中だ。 「ちょっと東雲、どうしたのアレ」 「ああ、あいつ作曲出来てな、最近スランプらしいから気分転換に来たんだが……」 気付けばネタ帳を持ち出し、気分転換にならないらしい。 「曲作れるんですか? すごいですね」 シリアは初対面の相手に普通にしゃべっている。社交性はシリアの方が上だな、やっぱり。 「ああ、ネットで『Day Black』って偽名であげてるよ」 『Day Black』、直訳すると、『東雲』になった筈だ。 「そう、なんですか……」 シンリーはまだぶつぶつ言っている。あれでバトル出来るのだろうか? 「バトルは、出来るの?」 疑問をそのまま口にしてみる。すると、東雲くんはちゃんと答えてくれた。 「出来るっちゃ出来るな」 「何よそれ、つまり100%じゃないってこと?」 「ま、そうなるな。だけどナメんなよ。強いぞ、俺たちは」 にやりと笑う東雲くん。 「いいじゃない、その勝負、乗ったわ!」 「華凛、戦うの私とシリア」 だが華凛はそんなことお構い無しでことを進めた。気付けば椅子に座って、ヘッドギアを着けている自分がいる。 「シリア、行ける?」 ポッドに収納されたシリアに尋ねる。 『私は問題ないよ。でも、シンリーさん大丈夫かなぁ?』 耳元のスピーカーからは、シリアの心配そうな声が聞こえてくる。 「相手のことを考えるのはいいけど、バトルには集中しよう」 『うん、そうだね。集中集中……』 私もあの状態のシンリーは気になる。だが、対戦相手なのだ。やるなら、全力でやらないと失礼だろう。 私はボタンを押した。既に聞きなれたアナウンスが流れ始める。 『…3、2、1、0、RideOn―――』 そしてカウントがゼロになり、私の意識は神姫にライドした――。 東雲と樹羽の勝負が始まった。あたしはモニターで二人の勝負を観戦している。 (また、やってしまった……) 昔から挑発には弱く、すぐに受けてしまう。これは樹羽の勝負なのに、何やってるんだろうねあたし。 (でもまだあたしが引っ張らなきゃいけない時期か、さすがに一人でゲーセン行けって言うのは時期尚早よね……) モニターの中の樹羽は、武装を展開している。まもなく戦いが始まるだろう。 (それにしても、樹羽のあの能力だけは予想外だったわね……) 通常、人の脳では指示することの出来ないブースター部分に指示を送ることが出来る。これは普通に身に付くものではない。この能力を使いたいからといくら努力しようとも無いものはどうしようもない。 (樹羽は……普通じゃない……) だからどうと言うわけではないが、やはり気にはなる。 (でも、本人も知らない能力だし。樹羽のお母さんに聞く? いやいや、そんなこと聞けないでしょ) 結局あたしは、樹羽の能力については何もわからないままなのであった。 第六話の2へ トップへ戻る