約 5,048,033 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/114.html
【なぜなに武装神姫、そのさん】 「さて今週の武装神姫の時間です。ハイテンションから一気にローテンションになるとその後のリハビリが大変なみさにゃんです」 「ぼへー……」 「なんか呆けてるわねぇ、ねここ。とにかく今回のお題はこちら」 『リーグって何?』 「これはかなり独自設定で申し訳ないんだけどね。 実は武装神姫は来年からネットでバトルサービスを始める事になっているの。 でも小説の舞台は2036年で、来年からスタートするバトルとは多分風味が違うんじゃないかってお話。 それにバトルサービルの詳細が余り出てこないので、それを元にすることも出来ない」 「それでオリジナル設定なのね、みさにゃん」 「そうなの。だから便宜上、実力に応じたランク分けをして3つのリーグを設定したと言う訳。 やっぱり野良試合だけじゃつまらないしねっ☆」 「本音はそこかにゃ……」 続く 上へ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1842.html
1.武装神姫、里親募集中 珍しいこともあるものだ、と思う。 その晩僕は、会社の友人と共に行きつけのバーへとやって来ていた。 それ自体は別に珍しいことではない。 人数の関係で普段のカウンターではなくテーブル席にいることは、まあ珍しいことではあるが、ここではさほど重要なことではないので置いておく。 僕が珍しいと言ったのは、その友人の隣に座っている女性の存在だ。 グラスの中身を一口飲み、ちらり、と斜め前に座る彼女を見やる。 「んー? どうしたの、狩野クン~」 僕――狩野暁人というのが僕の名前だ――の視線に気付いたか、彼女が間延びした声で問い掛ける。 酔っているように感じられなくもないが、彼女の場合普段からこんな口調なので、それだけでは判別がつかない。 「いや……若山さんがここにいるなんて珍しいな、と思ってね」 彼女は若山成海といって、僕の同期の一人である。 僕との関係は、顔見知り以上友人未満といったところだ。 まあ、社交性が決して高いとは言えない僕にとって、会社の同期は皆同じような関係ではあるのだけれど……一人の例外を除いて。 「今日は特別に呼んだんだよ、成海がいた方が話も進みやすいだろうからな」 僕の正面に座ったその例外……失礼、山城大地が言う。 同期の中では、唯一かなり仲の良い友人と言える存在だ。 とはいっても、僕と彼の相性が特別良かったわけではない。 それは単に「とりあえず全員と仲良くなっておく」という彼の信条に基づくものであり、彼にとっては僕も含めた同期全員が友人である、というわけである……まあ、ここにも例外があったりするわけで。 大地の言葉に、隣の例外……つまり若山さんが頷く。 要するに彼らは男女の関係なわけで、友人ではない、ということなのだけど。 「話……ねえ。僕と大地だけじゃないって時点で、何かあるんじゃないかとは気付いてたけど」 言いながらまたグラスに口をつける。 カクテルグラスの中でゆらゆらと揺れる透明な液体……ギムレットという名のカクテルだ。 僕のお気に入りのカクテルの一つである。 今から五百年もの昔、西洋の男たちが新たな大陸を夢見て、こぞって帆船を航走(はし)らせた時代があった。 そんな中で生まれた、海の男達の酒……それがギムレットだ。 一人で飲みに来る時なら、この酒を傾けながら、延々とその時代に想いを馳せることもする……無論、今日はそんなことはしないけど。 「一体何の話だい?」 「まあ、そんなに焦るなって」 そう言いながら、大地が鞄の中をごそごそと漁る。 散々ちらつかせておきながら、何を言っているんだか……。 「狩野クンなら、きっと興味ある話だと思うな~」 ニコニコしながら若山さんがそんなことを言う。 それはまるで彼女自身にとって嬉しいことのような笑い方で、僕は余計に訳がわからなくなっていた。 「ほら……よっと」 大地が鞄から取り出したのは、縦三十センチ横二十センチほどの白いボール紙の箱だった。 何も書かれていない真っ白な箱……いや、右上にマジックらしきもので何か書いてある。 「ん……『MMS-ANG』? 何これ?」 「武装神姫だよ」 僕の疑問に即答したのは若山さんだった。 その顔は、やっぱりとても嬉しそうで。 「武装神姫……って、あの武装神姫?」 「他に武装神姫ってのがあるとは知らないが、その武装神姫だよ」 今度は大地に返された……そりゃ、そのくらいわかってるけどさ。 武装神姫の名ならよく知っている。 僕はシステムエンジニアの仕事をしているが、その関係で新しいテクノロジー絡みのニュースなんかは逐一チェックするようにしている。 四年前くらいだったか、その武装神姫が発表されたニュースも、記憶にはあった。 もっともその時僕が興味を持ったのは、前面に押し出されていた感情プログラムの方ではなく――その手のプログラムは僕の専門外であり、よくわからなかったというのも理由だ――駆動系、つまりハードウェアの方だったんだけど。 「まあいいじゃない……で、どうしたのこれ? 大地が買ったとか?」 それにしては梱包がちゃんとしてないけど、なんて続けた僕を、大地はからからと笑い飛ばした。 「違うって。まあ俺も興味がないわけじゃないけど……世話とか大変そうだし、何より成海がうるさいからな」 大地の言葉に、若山さんが何故か胸を張る。 「当然でしょ~。私というものがありながら、神姫の女の子にうつつを抜かすなんて、お天道様が許してもこの私が許さないんだから~」 中身だけとれば強気な発言なんだろうけど、間延びした声のせいで全然そうは聞こえない。 そんな若山さんの言葉に、大地は肩をすくめた。 「だってさ。自分は神姫持ってるくせに、理不尽だと思わねえ?」 「私はいいのよ~、女の子同士だし? それとも何、大地ってば神姫にヤキモチやくのかしら~?」 うりうりと大地の頬を突っつく若山さん。これはこれで、きっと仲がいい証拠なんだろう……僕にはよくわからないけど。 「へえ、若山さんは神姫を持ってるんだ。じゃあ、この神姫は若山さんの二個目ってこと?」 何気なくそう言った僕に、若山さんは真剣な顔で身を乗り出してきた。 普段のほわっとした彼女からは想像もつかない様子に、僕は思わずたじろいでしまった。 「狩野クン……悪気がないのはわかってるけど、その『個』って言い方は取り消してくれるかな? 武装神姫はただのロボットじゃない、それぞれが人格を持って『生きて』いるんだから」 どうやら彼女にとって、武装神姫という存在はとても大切なものらしい。 確かに、武装神姫が心を持っているというのは僕も聞いたことがあるし、ましてや彼女はその武装神姫と共に過ごしているのだ。 それを物呼ばわりされたら怒るのは当然だと気付く。 「ごめん、不用意な発言だったね。さっきの言葉は取り消すし、若山さんに……それから、若山さんの神姫にも謝る。本当にごめん」 そう言って僕が素直に頭を下げると、若山さんは一転してほわっとした表情になった。 よかった、許してくれるみたいだ。 「うん、ありがと~。狩野クンならわかってくれるって思ってたよ。それにうちのコにまで謝ってもらえるなんて、私感激だわ~」 すっかりいつもの調子に戻った若山さん、さっきの面影は微塵もない。 そんな彼女の様子に大地は苦笑いだ。 「それでね、このコのことなんだけど……残念ながらうちにはお迎え出来ないのよ~。神姫って世話するのに結構お金が必要でね。さすがに二人目は……」 若山さんがとっても悲しそうな顔でうなだれる。 どよーんという効果音が聞こえてきそうだ。 そっか、若山さんが買ってきたわけでもないのか……あれ、待てよ? 「……あれ、じゃあこのコは誰が買ってきたの?」 「買ってきたんじゃなくて、うちの会社のものだったんだよ」 大地が僕に言う。うちの会社……って、え、うち? 「うちの会社、そんなこともやってるんだ?」 「まあな。ほら、うちの会社って『何でもお任せください』がウリだろ? ま、武装神姫に関して言えば、やってたってのが正解なんだけどな」 僕達が勤めている会社『PPFコーポレーション』は、今大地が言った通り何でもやってるっていうのがセールスポイントの一つにある。 ゆりかごから墓場まで、って言えばわかりやすいかな。 大地曰く、その一環で武装神姫の流通ルートにも介入しようとしたらしいけど、さすがにその手の専門企業には敵わなかったらしい。 そして現在では事業から撤退、結構な数の武装神姫が在庫として残ってしまったとか。 大多数は関係社員が引き取っていったらしいけど、この神姫だけ最後まで残ってしまい、いよいよ廃棄処分かというところを、若山さんが見かねて引き取ってきたそうだ。 「そんなことがあったんだ、全然知らなかったよ」 「お前なあ、少しは社内の他のことも気にかけろよ? まあ、お前んとこは突出した専門分野だからしょうがねえのかもしれないけどさ」 僕の言葉に大地が苦笑する。 そう言われても、自分に興味のないことには全く関心がいかないのが僕なんだから仕方ない。 「そっか、このコこのままじゃ行く場所がないんだ」 言いながら、白い箱をそっと撫でる。 この中にどんな神姫がいるのか知らないけれど、心を持てる可能性のある者が、その機会すら与えられないままに消えていくしかないのは理不尽だと思う。 それは殺人と同じなんじゃないか……そんな考えが頭をよぎった。 唐突に、がばっと手を握り締められる。 何事かと顔を上げると、目をうるうるさせた若山さんが両手でがっちりと僕の手を掴んでいた。 ちょっとだけ、痛い。 「そうなの~! 可哀想なのよ~! こんなのってないわよね~、理不尽だと思わない~?」 今にも泣きそうな顔で、僕が考えていたことと似たようなことを言う。 もしかして僕の心を読んでたんじゃ……なんて、そんなわけないか。 それはさておき、確かに可哀想だとは思うし、何とかしてあげたいとも思う。でも、僕に出来ることなんて一体何が……あ。 「もしかして……僕にこのコを引き取ってほしいってこと?」 鈍い鈍いと言われる僕だけど、さすがにここまで条件が揃っていれば気付く。 僕の言葉に、大地は大きく一回、若山さんはぶんぶんぶんと三回、それぞれ首を縦に振った。 「そういうこと。いきなりの頼みで悪いとは思っちゃいるが……引き受けてもらえないか? これは成海だけじゃなく、俺からの願いでもあるんだ」 大地の目は真剣だった。 大地が神姫に対してどんな想いを抱いているかはわからないけど、少なくともこの言葉が本気であることは間違いなかった。 「お願いっ! お願いします~っ!」 若山さんが両手で俺を拝んでくる。 何もそこまでしなくても……と思ったけど、彼女もそれだけ本気だってことだろう。 気付けば大地も僕に頭を下げている。 正直言って、僕は武装神姫にさほど興味はない。 そして、興味のないことは、いかに周りがもてはやしてても手を出さないのが僕の信条でもある。 とはいえ、こんな事情を前にして、しかも二人からこんなに必死にお願いされた上で、それを無下に出来るほど、人として腐ってはいないつもりだった。 「二人とも、顔上げてよ。大丈夫、このコは僕が引き取るよ」 僕がそう言った途端、再び若山さんががばーっと僕の手をとり、ぶんぶんと振り回す。 いや、だからちょっと痛いってば。 「ホント!? よかったあ~、このままじゃ私心配で夜も眠れないところだったよ。ありがとう~!」 そこまで感謝されるとは思ってなかったので、僕は少々戸惑ってしまう。 その一方で、彼女がどれだけ神姫のことを大事に想っているかが、僕にも伝わってくるのを感じた。 大地はやれやれといった感じでソファに深く腰掛けているが、その表情には間違いなく安堵の色が見えた。 彼女のこともあるし、やはり大地も心配していたんだろう。 それから僕は、二人――主に喋っていたのは若山さんだけども――に神姫のことについて色々と教えてもらった。 仕事柄、メンテナンスとかそういった類の話は問題なく理解できたけど、やはりそれだけで万事オーケーというわけでもないらしい。 特に神姫とのコミュニケーションは僕にとって大問題だった。 「神姫も心を持っているんだから、細かいこと考えずに、普通に人と接するのと同じように接してあげればいいんだよ~」 なんて、若山さんは言っていたけれど、人付き合いが得意とは言えない僕にとってそれが一番の気がかりであるということに、彼女は気付いてないようだった。 やれやれ、これからどうなることやら……。 こうして僕と神姫との共同生活が始まることになった。 家までの道を歩きながら、僕は漠然とした不安とちょっとした期待を、同時に感じていた。 TOP 2.目覚めは猫の鳴き声で
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/416.html
人物紹介 MMSショップ“ALChemist”編 【神姫オーナー】[店長/長女:槇野 晶] [故人:槇野 歩] 【武装神姫】[次女:アルマ] [三女:ロッテ] [四女:クララ] [故人:クリスティアーネ] 【人型神姫インターフェイス(HVIF)】[次女:槇野 茜] [三女:槇野 葵] [四女:槇野 梓] 【その他】[支援兵器:アルファル] [支援兵器:プルマージュ] 【神姫オーナー】 [店長/長女:槇野 晶] 氏名:槇野 晶(まきの あきら) 通称:マイスター(職人) 年齢:不祥(外見は12~14歳程度) 性別:女性 CV:小暮 英麻 国籍:日本人 誕生:XXXX年02月14日 職業:対外的にはMMSショップ店長、実体は未定である。 趣味:神姫の改造・自作パーツの製造、服飾、甘味巡り 特技:MMS関連の各種精密工作、情報処理(勉強中) 食事:好きな食べ物:ジャンクフード、甘味各種 嫌いな食べ物:梅干し、納豆 住所:〒10A-8X2R 東京都千代田区外神田1-2Z-4X0 万世橋無線会館B2F MMSショップ“ALChemist” 特徴:艶やかな黒髪を肩胛骨で揃えた、非常に小柄な少女。 大抵は作業用白衣と可憐な服、更にウェアラブルPCに 接続された丸眼鏡風度入りディスプレイを着用する。 外出時には、白衣を脱ぎ華美な服を露わにする事も。 当物語の、“人間側”の主人公。マッドサイエンティスト幼女。 アキバの外れにあるMMSショップ“ALChemist”の店長を務める。 店の法的権利を所有する“オーナー”がいるらしい。(詳細不明) よく言えば物をハッキリという、悪く言えば傍若無人な娘さん。 かなりの居丈高であり、不機嫌そうに唇を結んだ表情が印象的。 丸眼鏡の奥にある目も鋭い為、決して万人受けはしないタイプ。 神姫に関する職人(マイスター)としての強い自負を持っており、 正規品の相談から改造・修理まで、印象に反して面倒見は良い。 その為、リピーターの中には彼女の性質に理解のある者が多い。 セリフ回しは基本的に断定系であり、容赦のない苛烈な話し方。 自分の神姫や気に入った客には、多少は荒っぽい口調も和らぐ。 特にプライベートでは、照れたり笑ったりと普通の少女の反応。 その反面冷静・冷徹に物を考える、クールな内面を抱えている。 内心では神姫犯罪や、神姫を軽視する人間の存在を憂いており、 今はその為に何が出来るかを、自分でも少し模索している様子。 若干百合気味……というか己の“妹達”への愛情を持っている。 それは『好き』や『愛する』を飛び越え、一周した“大好き”と 表現されるべき、純朴で純粋……且つ一途な感情だったらしい。 必殺技は、小柄な躯を全て活かしての“ハンマー飛び膝蹴り”。 反対に苦手なのは水泳。“カナヅチ”という程ではないが……。 [故人:槇野 歩] 氏名:槇野 歩(まきの あゆむ) 享年:不祥(死亡は数年前である) 性別:女性 CV:北都 南 国籍:日本人 誕生:XXXX年03月14日 職業:技術者(MMS及び武装神姫関係、超AIに詳しい?) 趣味:不明 特技:不明 食事:好きな食べ物:不明 嫌いな食べ物:不明 特徴:艶やかな黒髪を腰の付近まで伸ばした、小柄な女性。 外見年齢が幼いのを、若干気にしていた様子である。 晶の“実姉”。生前はMMS関連メーカーの開発チーフであった。 武装神姫の開発初期に於いても、プロジェクトの末端に携わる。 産み出した試作機の一体“クリスティアーネ”とは姉妹だった。 欧米へと海外出張に赴いた際、とある事件に巻き込まれて落命。 それでもなお、人を……そして“機械”を恨む事無く、逝った。 その志はあらゆる意味で、晶とその姉妹達に今も息づいている。 【武装神姫】 [次女:アルマ] 名称:MMS-SLF-017-LUV version.1,23a[Alma(アルマ)] 通称:紅星の閃姫(ロードナイト・ヴァルキュリア) 素体:悪魔型MMS・ストラーフ(強化フレームに換装済み) 年齢:再起動後数日/起動後数年(外見は同型機より少し幼い) 性別:女性 CV:植田 佳奈 色彩:赤・銀・黒・桜色を中心とする 国籍:武装神姫(登録地:日本・東京秋葉原神姫センター) 階級:秋葉原神姫センターセカンドリーグ・下位 職業:槇野晶の武装神姫、名刺上は「工房アシスタント」 趣味:歌と踊り(どちらもPOP系?)、手芸、人に尽くす事 特技:力仕事、歌と踊り(同上)、手芸 食事:好きな食べ物:甘味各種、しょっぱい物 嫌いな食べ物:炭酸飲料、酸っぱい物 特徴:長い桃色のストレートヘアをシニヨンにしている。 気分や装備で、解いたり団子ヘアにしたりもする。 素体の塗装は、肌色と黒・銀・紅をベースに変更。 カメラアイは琥珀色のドールアイ改造品へと置換。 両耳に石榴石のピアス、胸にルビーのペンダント。 元は猪刈が晶との対戦時に使用した、ストラーフタイプの1体。 神姫を“ゲームの駒”としか見ない猪刈によって破壊されたが、 「ちっちゃい物研」の手によって修復され、更に晶の手で改造。 性格としては大人しく一歩後ろに付くタイプ……実は甘えん坊。 晶を「マイスター」とは呼ぶが、“妹”の立場に戸惑いがある。 戦いには嫌悪的・消極的であったが、ロッテとの出会いで変化。 ぎこちない側面は見られるが、今後の生活で改善が期待できる。 装備の換装で軽量級・重量級両クラスへの参戦を可能とする為、 徒手空拳での神姫同士による格闘にも耐えうる程の強度を誇る、 レアメタル・特殊高剛性フレームへの素体置換が行われている。 通常時には[hmOCU_ALXXX “Electro Lolita”]の先行試作品を、 恥ずかしがりながら着用。 (故に、XXXに入る型番は不定である) “食事機能”でのエネルギー補完も修理の際に搭載されており、 変換の効率ではロッテを凌ぐ“エネルギー重視型”を使用する。 [三女:ロッテ] 名称:MMS-AVA-014-LUV version.1,46b[Lotte(ロッテ)] 通称:蒼天の旋姫(セレスタイン・ヴァルキュリア) 素体:天使型MMS・アーンヴァル(強化フレームに換装済み) 年齢:起動後数年?(外見は一般の同型機より少し幼い) 性別:女性 CV:小林 沙苗 色彩:青・金・白・水色を中心とする 国籍:武装神姫(登録地:日本・東京秋葉原神姫センター) 階級:秋葉原神姫センターセカンドリーグ・下位 職業:槇野晶の武装神姫、名刺上は「工房アシスタント」 趣味:マイスターの作る服を着る事、及び各種お手伝い 特技:歌唱(主にクラシック系を我流アレンジして唱う) 食事:好きな食べ物:甘味各種、チキン系のサンド類 嫌いな食べ物:炭酸飲料、激辛系全般 特徴:長い水色のストレートヘアを三つ編みにしている。 気分や装備で、解いたりポニーテールにしたりも。 素体の塗装は、肌色と白・金・青をベースに変更。 カメラアイは琥珀色のドールアイ改造品へと置換。 両耳に瑠璃玉のピアス、胸にサファイアの首飾り。 一体のアーンヴァルタイプ(新品)を、槇野晶が全身全霊を込めて 規約範囲内で極限までカスタムした神姫。晶の“妹”とされる。 性格としては陽気で従順。更に人懐っこく、華美な装飾を好む。 晶を「マイスター」と呼ぶが、“妹”の立場を受け入れている。 献身的な側面があり、戦闘後の負傷神姫をケアする場合もある。 これらは晶との密着生活で、自然に培われた“心”と思われる。 装備の換装で軽量級・重量級両クラスへの参戦を可能とする為、 徒手空拳での神姫同士による格闘にも耐えうる程の強度を誇る、 レアメタル・特殊高剛性フレームへの素体置換が行われている。 通常時には[hmOCU_ALXXX “Electro Lolita”]の先行試作品を、 年頃の娘の様に着こなす。 (故に、XXXに入る型番は不定である) どうやら食事によるエネルギー補完も、可能としているらしい。 [四女:クララ] 名称:MMS-HWL-012-LUV version.1,04c[Clara(クララ)] 通称:翠月の穿姫(ジェイダイト・ヴァルキュリア) 素体:犬娘型MMS・ハウリン(強化フレームに換装済み) 年齢:起動後数週間(外見は一般の同型機より少し幼い) 性別:女性 CV:水樹 奈々 色彩:緑・銅・灰・翠色を中心とする 国籍:武装神姫(登録地:日本・東京秋葉原神姫センター) 階級:秋葉原神姫センターセカンドリーグ・下位 職業:槇野晶の武装神姫、名刺上は「工房アシスタント」 趣味:読書、勉強、各種メディアの鑑賞、楽器演奏 特技:舞踏(主にフィジカル面の修練?)、情報処理 食事:好きな食べ物:甘味各種、辛い物全般(激辛はNG) 嫌いな食べ物:炭酸飲料、揚げ物など脂っこい物 特徴:翡翠色のショートボブヘアに、帽子と眼鏡が特徴。 素体の塗装は、肌色と灰・銅・翠をベースに変更。 カメラアイは琥珀色のドールアイ改造品へと置換。 両耳に橄欖石のピアス、胸にエメラルドの首飾り。 左手甲・右腕に、蔦の様な紋様の刻印が存在する。 初期不良品として交換に応じたハウリンを、晶が改造した一体。 実際、火器管制システムの致命的機能不全や駆動部出力低下等の 不具合が数個見つかっており“武装神姫”としては一見不良品。 性格としては寡黙であまり表情を変えないが、超絶ストレート。 晶を「マイスター」と呼んでおり、“妹”の地位を誇りに思う。 戦闘は一見出来なさそうだが、“オーバーロード”作用によって 情報処理機能が異様に発達しており、更にそれらの入出力機能も 優れている為、ヴァーチャル空間内部を合法的にハッキングして 様々な事象を引き起こす行為……自称“魔術”での戦闘が可能。 その代わりリアル戦闘では、何らかの電子的兵装がないと無力。 装備の換装で軽量級・重量級両クラスへの参戦を可能とする為、 徒手空拳での神姫同士による格闘にも耐えうる程の強度を誇る、 レアメタル・特殊高剛性フレームへの素体置換が行われている。 但し“オーバーロード”の副作用もあって、動きは鈍めである。 通常時には[hmOCU_ALXXX “Electro Lolita”]の先行試作品を、 着用。顔には出さないが嬉しい。 (故に、XXXに入る型番は不定) “食事機能”のエネルギー補完も修理の際に搭載されているが、 ロッテ以上の“コミュニケーション重視型”の為、非常に小食。 [故人:クリスティアーネ] 名称:MMS-573 version.0,24i[Christiane(クリスティアーネ)] 通称:無し 素体:大天使型MMS・クリスティアーネ(プロトタイプ) 年齢:起動後数週間(外見は現在の天使型より少し年上) 性別:女性 CV:雪野 五月 色彩:白・銀・金・黒を中心とする 国籍:武装神姫のプロトタイプ(未登録) 階級:無し 職業:槇野歩製作の、試作型武装神姫 趣味:舞踊、歌唱、読書 特技:情報処理、精緻なる“心” 食事:なし(食事機能未実装) 特徴:蜂蜜色の豊かな髪を伸ばした、琥珀色の瞳の神姫。 素体の塗装は、肌色と白・銀・黒をベースに変更。 カメラアイは琥珀色の特注品へと置換されていた。 槇野歩達が、武装神姫開発プロジェクトの最中で産み出した娘。 神姫達のプロトタイプであり、結局は実用化されなかった存在。 産み出してくれた技術者・槇野歩とは種族の垣根を越えた姉妹。 特別な機構によって得ていた精緻極まる“心”が、全ての始源と 言えるかも知れない。彼女は槇野歩共々この世を去っているが、 その影響は現在にまで、少なからぬ余韻を残し続けていたのだ。 【人型神姫インターフェイス(HVIF)】 [次女:槇野 茜] 氏名:槇野 茜(まきの あかね) 年齢:不祥(外見は16~18歳程度) 性別:女性 CV:植田 佳奈 国籍:フィンランド人(自称、実際には国籍無し) 職業:MMSショップ店員及び留学生(対外的) 趣味:歌と踊り(どちらもPOP系?)、手芸、人に尽くす事 特技:力仕事、歌と踊り(同上)、手芸 食事:好きな食べ物:甘味各種、しょっぱい物 嫌いな食べ物:炭酸飲料、酸っぱい物 住所:〒10A-8X2R 東京都千代田区外神田1-2Z-4X0 万世橋無線会館B2F MMSショップ“ALChemist” 特徴:蜂蜜色のセミロング風ヘアを、シニヨンにした少女。 深紅の瞳が特徴。(周囲にはコンタクトと言っている) 両耳には石榴石のピアス、胸にルビーのペンダント。 大抵は晶とお揃いの可憐な服とエプロンを着用する。 長女・槇野晶とは腹違いの妹であり、フィンランドからつい先日 留学の為に日本へと帰ってきた、帰国子女三姉妹の長女である。 現在は店でアルバイトする代わりとして、住まいを貸している。 ──という晶のシナリオに沿って活動する、アルマのHVIF。 フェレンツェ・カークランド博士の趣味なのか、美少女である。 学生服や私服も多数持つが、これらは全て偽装の為に存在する。 [三女:槇野 葵] 氏名:槇野 葵(まきの あおい) 年齢:不祥(外見は16~18歳程度) 性別:女性 CV:小林 沙苗 国籍:フィンランド人(自称、実際には国籍無し) 職業:MMSショップ店員及び留学生(対外的) 趣味:綺麗な服を着る事、及び各種お手伝い 特技:歌唱(主にクラシック系を我流アレンジして唱う) 食事:好きな食べ物:甘味各種、チキン系のサンド類 嫌いな食べ物:炭酸飲料、激辛系全般 住所:〒10A-8X2R 東京都千代田区外神田1-2Z-4X0 万世橋無線会館B2F MMSショップ“ALChemist” 特徴:長い蜂蜜色のストレートヘアを三つ編みにした少女。 深い蒼の瞳が特徴。(周囲にはコンタクトと説明する) 両耳には瑠璃玉のピアス、胸にサファイアの首飾り。 大抵は晶とお揃いの可憐な服とエプロンを着用する。 長女・槇野晶とは腹違いの妹であり、フィンランドからつい先日 留学の為に日本へと帰ってきた、帰国子女三姉妹の次女である。 現在は店でアルバイトする代わりとして、住まいを貸している。 ──という晶のシナリオに沿って活動する、ロッテのHVIF。 これまた日本ではなかなか見られない、絶世の美少女だったり。 晶と長く過ごしたキャリア故か、店番も十分に一人でこなせる。 [四女:槇野 梓] 氏名:槇野 梓(まきの あずさ) 年齢:不祥(外見は16~18歳程度) 性別:女性 CV:水樹 奈々 国籍:フィンランド人(自称、実際には国籍無し) 職業:MMSショップ店員及び留学生(対外的) 趣味:読書、勉強、各種メディアの鑑賞、楽器演奏 特技:舞踏(主にフィジカル面の修練?)、情報処理 食事:好きな食べ物:甘味各種、辛い物全般(激辛はNG) 嫌いな食べ物:炭酸飲料、揚げ物など脂っこい物 住所:〒10A-8X2R 東京都千代田区外神田1-2Z-4X0 万世橋無線会館B2F MMSショップ“ALChemist” 特徴:蜂蜜色のショートヘアを、自然に流した可憐な少女。 深緑の瞳が特徴。(周囲にはコンタクトと言っている) 両耳には橄欖石のピアス、胸にエメラルドの首飾り。 大抵はお揃いの可憐な服とエプロンに、眼鏡を着用。 長女・槇野晶とは腹違いの妹であり、フィンランドからつい先日 留学の為に日本へと帰ってきた、帰国子女三姉妹の三女である。 現在は店でアルバイトする代わりとして、住まいを貸している。 ──という晶のシナリオに沿って活動する、クララのHVIF。 これまた美少女である辺り、フェレンツェ博士の側面が窺える。 偽装の為に持つ勉強道具であるが、彼女は本当に勉強している。 【その他】 [支援兵器:アルファル] 名称:elVTA_AL777 [“魔女の箒(ブルーム)”Alfar(アルファル)] 通称:[Fiona(フィオナ)/Morian(モリアン)/Ulthers(アルサス)] 年齢:数週間 性別:女性? CV:合成音声(Donna Burke 他) 色彩:モノトーンとクロームが基調、状態により変色する 国籍:ぷちマスィーンズ(登録地:日本・東京秋葉原神姫センター) 職業:槇野晶の武装神姫達に仕える“騎士” 趣味:なし 特技:神姫のサポート(戦闘・お手伝い等多岐に渡る) 食事:なし(食事機能未実装) 特徴:多種多様な変形機能を見せ、主に忠実である。 晶が三姉妹の為に開発せしめた、ぷちマスィーンズを土台とした 多重可変型戦術支援システム。YES/NOしか喋れない物の、忠誠は 篤く、主である神姫の為なら何でもこなす、立派な騎士である。 なお名前の由来は、いずれもケルト神話から取られた物である。 [支援兵器:プルマージュ] 名称:elVDV_AL777 [“星龍姫(ライナー)”Plumage(プルマージュ)] 通称:[Fafner(ファフナー)/Wybrio(ウィブリオ)/Lindorm(リンドルム)] 年齢:数週間 性別:女性? CV:合成音声(Joanna Day 他) 色彩:白とクロームに、主たる神姫のパーソナルカラーが基調 国籍:ぷちマスィーンズ(登録地:日本・東京秋葉原神姫センター) 職業:槇野晶の武装神姫達に付き従う“竜” 趣味:なし 特技:神姫のサポート(主に戦闘と室内の移動) 食事:なし(食事機能未実装) 特徴:莫大な出力を持ち、性格が実に多彩である。 晶が重量級ランクへ赴く三姉妹に与えた、“アルファル”の対と なる重装型高機動戦闘システム。人語は話せない物の、愛嬌ある 仕草と相反する勇敢さを兼ね備えた、“獣の王”と呼べる存在。 なお名前の由来は、いずれも各種神話に登場する“竜”である。 メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2628.html
「はー、すごいな。これは」 駅前の近く、人通りが多い道には大小様々なお店が建っている。 そこにあるゲームセンターに来てみたが、色んな人と神姫たちがごった返していた。 見渡せば、数個の筐体。その筐体内でバトルをする神姫たち、それに指示を出したりしているオーナーがいたり。隅の方には休憩所のような所があり、神姫を持ったオーナー同士数人で談話している人たちもいる。 「ゲームセンター内は草バトルでさ、公式の武装でもいいし、レギュレーション判定ギリギリのカスタム武装もよし。自分で作れるなら自作武装の人もいる。フリーバトルっていうルールだな。 実力はピンキリで、やり始めた初心者から、すんげえ強い神姫とそのオーナーもいたりする。草バトルだから、ランクとかも気にしなくていいし、バーチャルだから自分の神姫が怪我をする必要もない」 説明どうもありがとう。ミスズがカンぺを出しているのが見えているけど。 「ここのゲーセンでは鬼みたいに強いオーナーは見ていないけどさ。俺はとりあえず、だれか暇そうだったら、適当にバトルしてくれって言ったりしている」 「いきなり、知らない人と? 僕だったら無理だな」 高校生ならゲームセンターによく来るとは思うけど、僕はうるさい所はあまり好きじゃないし、ゲームセンターなんて久しぶりに入った。 小学校の時、父さんに連れられて、入った記憶しかない。その頃はゲームセンターなんて、テレビゲームの筐体ばっかだったのに、今じゃ、それより数段大きい筐体だ。 時代は進化しているんだな。 ここも人間用のゲームだけではなく、神姫専用のゲームとかもあるみたいだし、ガラの悪いお兄さんお姉さんもあまりいないみたいだ。 「この前来た時は、可愛らしいオーナーがいましたよね」 「ああ、O大女子高の制服を着てた子か。バトルを見てても結構な強さだったな」 「それが話しのストラーフの人?」 「いんや、その子ではなくて。俺が見たのは大学生っぽくて、ラフな格好してて、かっこいい女性って感じの人。俺としてはそっちより、その美少女の子が好みだ。うん」 淳平にとってはそこが一番重要なんだね。 ミスズは胸ポケットから冷たい視線で淳平を見ていた。はっきり言って怖い。 「う、ゴホン! あー、それよりも、僕はそっちのストラーフ使いが目的なんだ。いるか、どうかわかる?」 このままでは淳平の命が危ないという事で、早々に話を切り替えた。 「ああ、そういえば、そうだな。ちょっと探してみようぜ」 淳平と一緒に筐体を見て回ってみる。立ち止まって、内一つの筐体内ではバトルをしている。ミスズと同じような天使型アーンヴァルの神姫と猫型マオチャオの神姫が互いの武装を使って戦っていた。 じっくり戦闘風景を見てみる。 ゴーストタウンらしき場所。開けた場所で二人の神姫が対峙していた。 ―――― アーンヴァルが手に持った銃で弾幕を張っている、それを素早い動きで避けて移動しているマオチャオ。と、突然、弾の雨が止んだ。 弾切れと気付いたマオチャオが電光石火、ものすごいスピードでアーンヴァルに迫っていく。 「にゃー!」という可愛らしい声を出しながら、右手の爪による攻撃を繰り出そうとしていた。声はそれでも表情は勇ましく、あんなスピードでの攻撃を受けたら、相手だってひとたまりもないだろう。 しかし、真っ直ぐによる攻撃行為。相手のアーンヴァルはそれを冷静に見、構えている。手に持っていた銃を捨て 当たると思った寸前、軽く横に身体を反らし、背中に見える機翼ロケットからの瞬間噴射。それにより、攻撃は寸でのところで見切られ、勢い余ったマオチャオはアーンヴァルのいた後方に行く。 マオチャオは足により勢いを殺しブレーキをかけた。だが、それがいけなかった。 アーンヴァルは一瞬止まったマオチャオを隙と判断し、前傾姿勢になりロケットを、今度は全力で噴射し肉薄。腰から取り出した光学の剣で背中に向けて横一線に切り裂いた。 マオチャオの姿はモザイク処理されたように姿を消していった。 ―――― あー! くそ! という悔しそうな声が筐体の左側から聞こえた。マオチャオのオーナーの声だろう。 (なるほど。これが神姫バトルなのか) 漫画やアニメ、ゲームなどで起きることが、こうして15cmの人形たちが現実に起こしている。迫力があって、臨場感があって、こんな遊びなら誰もが夢中になれるだろうな。 「どうよ、神姫バトルをまじかで見た感想は」 観戦していた僕を淳平が見ると、聞いてきた。 「うん。これなら皆、神姫同士を戦わせたがるのもわかる気がするよ」 「だろ。そう思うよな!」 戦っている神姫たちも生き生きとしていた。だけど、シオンのような戦いを好まない神姫もいるという事を知っていると、なんか複雑だ。 「それより、あっちの方に人だかりができてる。多分そこだろうよ」 「人だかり?」 少し歩くと、向こうには、一つの筐体にたくさんの人が集まっている。これがみんなギャラリーなんだろうか。 「もうすぐさ、試合が終わりそうみたいだ。だから、早く早く」 「ちょ、ちょっと」 僕の腕を引っ張って、人だかりの中に淳平は強引に進み出ていこうとする。もう片方の手は、ミスズのいる胸ポケットに手を置いて苦しくないようにしているのが見える。 僕は苦しかったが、なんとか、バトルが見える位置に来れたみたいだ。 「ほれ、あれだ」 「あ、うん」 どれどれと軽い気持ちで見てみたが、フィールドは異様な雰囲気を醸し出していた。 そこは荒野のフィールドで何も障害物がないステージ。広い空間をいかに使うかという戦略が考えられそうだが。 「……なんか、一方的だね」 「前も、こんな感じだったぜ」 ―――― フィールドにはボロボロになりながらも、ハンドガンを撃ち続けている兎型ヴァッフェバニーの神姫と、バイザーを付けていて真っ赤な大剣を逆手に構えている悪魔型。 そのストラーフの真っ黒い装甲にはキズが付く様子はない。 ヴァッフェバニーが撃ち続けてはいるが、当たってはいない。いや、正確には大剣を盾にして、ストラーフ自身にはまったく当たっていない状況だ。 ヴァッフェバニーの表情は切羽詰まっている。無駄弾を撃ちながらも、戦況を変える一手を考えていそうだが、実際問題打つ手がなさそうだ。頼みのオーナーからも指示は出てきていない様子。 「……面倒だな」 そうストラーフは呟くと、ブンっと大剣を順手になおし薙ぐ。 あんな重そうな大剣を使い、しかも片手で扱っていることにも驚いたが――振るった直後に「ぐあぁ!」と声をあげるヴァッフェバニー――あのストラーフ、弾を大剣ではじき返してヴァッフェバニーに当てるという芸当をしでかした。 跳ね返った弾が肩の装甲に当たり、銃を落として、おもわず片膝をつくヴァッフェバニー。それに対して、上段に構えてゆっくり近づく、赤い大剣を持つ悪魔。 「終わり……」 大剣を上から下へ、思いっきり振り下ろす。 口元だけが見えるストラーフは退屈そうに言葉を漏らし、それで決着はついた。 『WINNER イスカ』 ジャッジはイスカというストラーフの勝利を宣言した。 ―――― 「あれで、何連勝だよ?」「さぁ、5連勝ぐらいじゃね?」「いや、もっとやってるだろ。しかもどれもワンサイドゲーム」「うわぁ、俺ら、よええ」「馬鹿言え。あれが強すぎる」 ガヤガヤとそんなことが周りから聞こえてくる。連戦をしていて、どれも同じような結果に終わっているらしい。 「いないのー? だったらもういいかしらー」 ストラーフ側のオーナーブース。そこから、ジーパンに長袖パーカーの女の人が周りに声を上げて聞いてきている。見える感じには茶色の髪でうなじまでのショートヘアー、顔は凛々しく同姓にモテそうな顔だなと思った。 「あの人がそうなんだね、淳……平……? あれ、どこに?」 さっきまで、会話してて、試合見てたのにいつの間にか消えている。周りを見てもたくさんの人ごみの中。見つけようとしても、見渡せる位置じゃないと僕の背では見つけられそうにない。はぐれたのかなと心配になったその時。 「はーい! はい! はい! 俺、やります!」 あ、あんな所に。 思いっきり手を天井に届かせんばかりに上げ、周りの喚声に負けないぐらいに声を張っている淳平が。周りからも新しい挑戦者に感嘆の声も上がっている。 それと、恥ずかしいのか、それを肩から止めようとしているミスズ。 ストラーフ側の反対方向。さっきまでヴァッフェバニーのオーナーがいた場所に淳平がいた。 「……はぁ、わかったわ。これで最後にしてちょうだい」 ため息をもらし、席につくストラーフのオーナー。元気さに圧倒されたのか、それとも連戦に疲れているのかはわからない。あれ、神姫オーナーも疲れるのかな。疲れるのは神姫じゃあ、いや、指示を出して逐一戦況を見るオーナーは疲れるだろう、と僕が余計な事を考え込んでいたら、ポケットから携帯のマナーモードでのメール着信振動。 確認すると。 ――ちょっと、バトってくるわ―― 「勝手だ!」 そして、僕が初めて見る淳平とミスズのバトルが始まった。 前へ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/657.html
働いた“妹”の、心意気に触れて “鬼の霍乱”という言葉の通り、誰しも意外な行動を見せる事がある。 私・槇野晶とて、それは例外ではない。まあ、その……なんだ、有無。 なんとも情けない事だが、数年ぶりに風邪を引いてしまったのである。 かといって、店を空けるわけにも行かない。これでも一応、客商売だ。 「こほ、こほっ……店はどうなっている、葵……っと、客が来たか」 「いらっしゃいませですの、中野さん♪今日はマイスターの代役で」 「お、アルバイトの……あ、あー。君ら名前が紛らわしいからなぁ」 時刻は既に夕方。こっそり寝床を抜け出して様子を見に来た所で、 丁度接客を始めたロッテのHVIF……葵の姿を見る事となった。 今日がロッテの“当番日”だったのは、病床の私にとって幸運だ。 たまに店番をロッテに頼むが、今日は葵に一日中頼む事が出来た。 一番私との付き合いが長い故に、業務は大抵こなせる。だが……。 「葵ですの。晶お姉ちゃんの三女!……それで、第四弾の事ですの?」 「ああ、うんうん。ロッテちゃんに伝言頼んだんだけど、神姫だしね」 「……ですね、“神姫の店番”がちょっぴり不安なのは分かりますの」 今の常連客・“バーコードの”中野との会話通り、神姫が一般店舗の 店番をし、決済までこなすという状況に抵抗感を持つ人はまだ多い。 私の必死の説得とロッテの人柄により、常連は大抵黙認してくれる。 そう……黙認だな。公然と認めづらく感じる人間の方が、多数派だ。 流石に面と向かって言い放つ愚か者が居なくとも、真相は変わらん。 「うん。ロッテちゃんは真面目で良い娘だけどねぇ、葵ちゃんみたいに」 「そ、そんな褒めないで下さいですの!ロッテさんだって、困りますよ」 「ははは。まあおじさんのジョークだよ、ジョーク。で、第四弾ある?」 だがロッテは己の置かれた状況をよく理解している。それ故にこそ 店番中に訪れる常連には、極力誠実を以て応える。神姫であっても 信用があれば取引出来ると証明する為に。だが、限界は存在した。 神姫達が“独自性”を持つとは言え、人間には心理的な壁がある。 その点HVIFは、現在“垣根を取り払う”役割を果たしている。 「第四弾の内二つはハイブリッド生体パーツを利用したタイプですの」 「そうらしいねぇ。なんでも、華と種なんだってね?で、もう一つが」 「精密砲撃に強いフォートブラッグタイプですの。売れてますよっ♪」 「ああ、これこれ!まずはこれが欲しかったんだよ、何処も品切れで」 本来なら“肉の躯”が無くとも、この様に商談が出来ればいいのだが…… 流石にその様な変革を全員に求めるには、未だ人類は幼いと言えるのだ。 故にこそフェレンツェめがこの様な物を作り、私が実験に協力している。 とは言え人間と寸分違わぬ姿をしていても、葵の本質は“神姫”である。 ……正体を中野が知った時、今と同じ様に気軽な商談が出来るかどうか。 「じゃあ、これとこれとこれ……素体は、一人分でいいや。お勘定ッ」 「毎度有り難うございますですの~♪お値段は──────円ですの」 「電子決済でお願い……ロッテちゃんにはこれで何時も頼むんだけど」 「それは大丈夫ですの、わたしも手順はしっかり覚えていますから♪」 実に嘆かわしい限りではあるが、急速な改革が出来る問題でもない。 神姫を扱う側として、今は誠意あるオーナーを増やすしかないのだ。 何時かもっと大胆且つ能動的なアクションをしてみたい物だが……。 「それじゃあこれで帰るか、女房煩いし。マイスターに宜しくね」 「はい、申し伝えておきますの。有り難うございましたですの♪」 「はーい……それにしてもあの娘、ロッテちゃんに雰囲気が……」 ……中野め、伊達にこの店に通い詰めている訳では無さそうだな……。 気付かれる事はないと思うが、こういう局面は何時でもヒヤヒヤする。 さて、客足も減った様だし寝床に戻るとしようか……しまったっ!?! ──────思った時には、既に実行しているッ!地下に響く轟音ッ! 「きゃうっ!?……く、痛ぁ~っ……」 「ふぇ?お、お姉ちゃんなんでっ!?」 迂闊だった。纏っていた毛布に足を取られ、私は倒れてしまった。 階段を無様に転げ落ち、下階の床に突っ伏す羽目となってしまう。 幸い精密機器の眼鏡は外していたし、毛布の御陰で怪我もないが。 なんとも見られたくない姿を、葵に見せてしまった……無念、だ。 「葵がちゃんと店番出来ているか、見たくなって起きた……ケホッ」 「ダメですの!お姉ちゃんの躯はHVIFと大差ないんですから!」 「葵お姉ちゃん、マイスターが布団に居ない……って居たんだよッ」 「マイスター何してるんですかッ!あんな熱あったのに、もう!?」 咳き込んだ所で、充電から目覚めたアルマとクララにも見つかった。 直後アルマは力強く、私の口に体温計をねじ込む。測定はクララだ。 乾いた電子音が数分ほどして鳴り響き、体温を示した……いかんな。 「38.4度……マイスターは普段体温高いけど、これは異状」 「体格の所為もあって、体温が高いですからねマイスターって」 「アルマ、変な事を言うんじゃない!……ケホケホケホッ!!」 「ああもう!ほらお姉ちゃん、ベッドに運びますの……んしょ」 深く咳き込み倒れ伏す私を、葵が躯の全面で抱きかかえ運んでいく。 ……ちょっと待て、これは俗に言う“お姫様抱っこ”ではないか!? 熱っぽさもある所為か、彼女の仄かな体温が優しく感じられる……! アルマとクララの、駆動系の放熱も感じられるが……やはり暖かい。 「あ、あの!?その、えっと……あのな?葵ッ……えっと」 普段有りえない状況故か、或いは不安に満ちた為か。言葉が出ない。 病気の人間を運ぶのは、“殻の躯”では為しえぬ事の極北だからな。 こんな事で報告要素をゲットするのは、なんとも情けない話だが…… でも今だけは、彼女らの厚意に甘えようと思う。それが私の義務だ。 「す、すまないな葵。いつもいつも世話を掛けて……アルマとクララも」 「何言ってるんですのおとっつぁん、ですの♪大事なお姉ちゃんですし」 「そう、大事なマイスターだから。病気の時はじっとしててほしいもん」 「本当にダウンしちゃったら、皆心配しちゃいますよ?ホントにもうッ」 ──────姿形が違っても、誰かを思う“心”は変わらないよね。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/115.html
【なぜなに武装神姫、そのよん】 「ネタが尽きてくるんじゃないかと微妙に不安な今日この頃。こんにちわ、みさにゃんです」 「ねここが燃え萌えできればそれでいいのだー!」 「いやまぁ、そうなんだけどね……あはは。さて今回はこちら」 『ねここって何でそんなに猫なの?』 「え゛ー」 「えーって、十分猫よ。まぁそれは置いといて。 神姫に個性はあると1回目で言いましたが、機種ごとにある程度大まかな性格の傾向は存在します。 天使型であればおしとやか、悪魔型であれば小悪魔的とでもいうような感じでしょうか。 それで猫型は大抵猫っぽくプリインストールされてる場合が多いようです……そのまんまです。 ちなみに例外はいくらでもあるので、貴方の所に届く神姫は標準から離れた凄い性格をしているかもしれませんね」 続く 上へ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/428.html
前へ 先頭ページへ 次へ エルゴ飛行隊(ERGO Spuadron)メンバー表 上から二体ずつでエレメント(二機編隊)、四体ずつでフライト(四機編隊)を組む。大会参加神姫のほとんどが飛行性能の高いアーンヴァルもしくはツガルであったため、本飛行隊も全二十体のうちアーンヴァルが八体、ツガルが四体も在籍している。 ヘッドフライト アイズ隊 飛行隊長(ヘッドフライト隊長) 忍者型MMSフブキ「シヅ」 (コールサイン)アイズ1/(TACネーム)マーベリック(トップガン) ファーストリーグ72位のトップランカー神姫。ファーストトップ100において片手で数えるほどしかいない公式装備主義(ノーマリズマー)神姫の一体で、彼女はその中でも最も上位に位置する。今回は飛行装備としては非常に軽装だが、それが彼女の実力を端的に表しているといえる。 ヘッドフライトは飛行隊の総指揮のほか、要所でのピンチヒッターをエレメント単位で、時には一体ずつで行う、遊撃部隊よりも自由な戦闘部隊となっている。 飛行隊員 犬型MMSハウリン「シエン」 アイズ2/サイクロプス(一つ目巨人) 非公式バトルより参加した神姫。飛行装備の見当たらない軽装とそれに似合わぬTACネームであるが、その理由は試合開始後に明らかになる。 マウス隊 飛行隊員 天使型MMSアーンヴァル「マイティ」 マウス1/シュリーク(金切り声) ブリーフィングルームで変な叫び声を上げたおかげでチームのみんなに存在が知れわたり、不名誉なTACネームをつけられてしまった。セカンドリーグで徐々に頭角を現しつつある公式装備主義神姫。無駄を可能な限り排した機動戦闘装備で今回のイベントに臨む。 飛行隊員 猫型MMSマオチャオ「ねここ」 マウス2/レイドル(杓子) ねここの飼い方より特別出演。 巨大なフライングウェポンプラットフォーム「シューティングスター」を駆る神姫。大推力と高火力を駆使した強襲戦法を得意とする。 猫も杓子も・・・・・・という言い回しから名づけられた適当なTACネームだが、そもそもTACネームとはそういったところからつけられることが多いため、一番らしいといえばらしい。 アームズフライト ショルダー隊 飛行隊副長(アームズフライト隊長) 天使型MMSアーンヴァル「スノーボウ」 ショルダー1/サレンフェイス(仏頂面) カスタムメイドの飛行装備を身にまとった神姫。セカンドリーグでも強豪に属する。 無口で感情を表情に出さないのでオーナーによってねこみみ・ねこしっぽ(白)が付けられている。 アームズフライトは実力のある神姫で占められ、主制空戦を担う。ヘッドフライトも普段はこちらに参加する。 飛行隊員 サンタ型MMSツガル「千乃(せんの)」 ショルダー2/エラスティカ(Elasticity=屈託の無さ) スノーボウに憧れている、白き翼で羽ばたく神姫。 フィンガー隊 飛行隊員 天使型MMSアーンヴァル「エーコ」 フィンガー1/アーチャー(弓手) 弱気で泣き虫なアーンヴァル。敵に肉薄するのが怖いため射程の長い射撃装備に身を包み、遠距離からの狙撃性能は非常に強力。本人はアームズフライトよりも後方支援のチェストフライトの方が似合っていると思っている。 飛行隊員 騎士型MMSサイフォス「マリオン」 フィンガー2/カバエロ(スペイン語で騎士) どこまでも堅実な武装に身を固めた騎士。適度な装甲と適度な機動力、そして適度な量の補助アイテムを引っさげる。 ※それぞれのTACネームの頭文字を並べ替えると・・・・・・。 チェストフライト ハート隊 飛行隊副長(チェストフライト隊長) 兎型MMSヴァッフェバニー「バーニング・ブラック・バニー」 ハート1/B3(ビーキューブ) 『不良品』?より特別出演。 対艦巨砲主義のオーナーらしくゾイドのグラインドキャノンを主砲として背中に担ぎ、ありったけの機銃、砲、ミサイルで武装した空飛ぶバルカン半島。もはや神姫の面影は無く小型空中戦艦にしか見えない。実際に前線基地として機能し、飛行隊の火力の中心となる。ただの火力バカのような印象を受けるが、オーナーの軍事知識やサバイバルゲーム経験によって意外に指揮能力が高い。 チェストフライトは直接火力支援をはじめとした後方からのサポートを担当する。 飛行隊員 サンタ型MMSツガル「パーシモンケープ」 ハート2/バーミリオン(朱色) 尊大な態度のツガル。ノーマルよりも全身を朱色に染めている。火力よりは一発の威力が高いスマートな武装を選び、カスタム装備の収束粒子砲「パワーランチャー」と大型ミサイル「ハルバード」で身を固める。能力としては凡庸で、セカンドの真ん中あたりをうろうろしている。 ラング隊 飛行隊員 天使型MMSアーンヴァル「リッテ」 ラング1/ボマー(爆発物管理者) 爆発物を中心に武装するアーンヴァル。単なるミサイルにとどまらず、投下爆弾、浮遊機雷、チャフ弾、スモーク弾、鳥もち弾など、多彩な爆発物を用いる。チェストフライトの中でもっとも前に出て戦う。 飛行隊員 犬型MMSハウリン「オービル」 ラング2/ディポー(兵站) 今回の大規模空中戦をもっとも深く分析したであろう神姫。武装は自衛用のハンドガトリングと短距離ミサイルだけであるが、武装ポイントに修理システムと可能な限りのユーティリティーポーチを取り付け、仲間達の弾薬補給や修理に奔走する。 トルソーフライト ネーバル隊 飛行隊員(トルソーフライト隊長) サンタ型MMSツガル「チェシャ」 ネーバル1/CC(チェシャ猫:Chesha Cat) 自由奔放な性格のツガルタイプ。何の根拠も無いような気まぐれで移り気な行動をとるのでつかみ所が無いため、トルソーフライトは必然的に遊撃部隊として動くことになる。 飛行隊員 悪魔型MMSストラーフ「モノストーン」 ネーバル2/オッド(不揃い) あからさまに片輪の悪魔ルーシーの猿真似神姫。とはいえ実力はそれなりにあるらしく、サードリーグで着実にポイントを増やしている。今回は脚にエクステンドブースターを四機付けて飛ぶ。 ユテルス隊 飛行隊員 天使型MMSアーンヴァル「チアキ」 ユテルス1/ジェミナス(双子) 天使型MMSアーンヴァル「サキ」 ユテルス2/ジェミナス(双子) とある理由で再起不能だったアーンヴァルの頭脳を特例で二つに分割し、それぞれに小柄な特注ボディを設け双子となった神姫。チアキが姉、サキが妹であるが、特にどちらが上ということも無く、その振る舞いは双子らしく二体同心。装備まで一緒なのでパッと見どちらがどちらか分からない。TACネームも同一とし、二体一組で行動する。 ちなみにオーナーも双子の姉妹で、それぞれが一人ずつ別のコンソールルームに入っている。まるで同一のチームに入るのが前提であったかのようである。 レッグスフライト ニーズ隊 飛行隊員(レッグスフライト隊長) 天使型MMSアーンヴァル「オーリーエンダー」 ニーズ1/サーヴィランス(監視者) 背中に高性能レドームを背負ったエリント装備のアーンヴァル。 レッグスフライトは全員電子的装備の神姫が集められ、偵察、索敵、撹乱などをになう電子戦部隊として編成された。 飛行隊員 サンタ型MMSツガル「アルタ」 ニーズ2/アナリスト(分析官) 他の三体がそれぞれの任務に集中できるよう、彼女は送られてきた情報を分析整理し飛行隊やチームに通達することを専門とした。 トーズ隊 飛行隊員 侍型MMS紅緒「菜月(なつき)」 トーズ1/アインハンダー(強行偵察機) 重装鎧を着たまま大出力のブースターで敵陣を強行偵察する侍。それでも敵集団の真っ只中に突っ込むため被弾率は高く生還率も低いが、最も確実で重要な肉眼情報を自チームに伝える。こうした行動でも制空ポイントが入るので、任務に就く神姫は不足しない。 右腕のみを攻撃専門とし、左腕は装甲で覆われて胴体と一体化しているように見えることからも、このTACネームを付けられた。 飛行隊員 天使型MMSアーンヴァル「ルウン」 トーズ2/スナーカー(引っ掻き回す者) 黒髪、色白のアーンヴァル。このイベントに備えたオリジナルの電子撹乱装備を身に纏い、飛行隊の電子戦闘を一手に担う。 ※作者より:ねここちゃん、B3を除く神姫たちは全員コラボレーションのために使ってくださってかまいません。 前へ 先頭ページへ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/643.html
手織り、羽織り、慈しみを込めて “♪梅は咲いたか、桜はまだかいな”等という詩もあるが、暖冬傾向が 進んだ2037年現在は、冬は短い物である。東京ともなれば尚更だ。 という訳で折角の冬服も出番が多少減ってきた今日この頃である故に、 HVIFと私用の春物衣装を買い、私・槇野晶はアキバに帰ってきた。 「うむ、今日も可愛い服がいろいろあったな……今帰ったぞ、茜!」 「あっ!おかえりなさい、お姉ちゃん。うんと、えと……収穫は?」 「見てみるといい。今年の春物新作は、可愛らしくも動きやすいぞ」 最初に出迎えてくれたのは、住居フロアで編み物をしている茜だった。 そう、今日はアルマの“HVIF当番”の日なのだ。人前に出る行為を 率先して行わないアルマ……茜は、当番の日を部屋で過ごす事が多い。 無論買い物などで必要なら出かける事もあるがな。それにしても……。 「にしても茜や、お前は家庭的な事をしている雰囲気が似合うなぁ」 「ほ、ほえっ!?なっ、何を言ってるんですか、お姉ちゃんッ!?」 「いや、“姉”の私が言うのもなんだが……本当に、似合ってるぞ」 落ち着いた色合いのジャンパースカートを身につけて、毛糸と編み棒を 手に楽しそうに何かを作る、あるいはエプロンをまとって台所に立つ。 元より神姫に備わる“創造性”という物を確信する私ではあるのだが、 こうして楽しげに何かを行う茜を見ると、その実在は一層確信出来る。 HVIFの可能性を垣間見る一コマとも言えるが……それ以前にッ!! 「そ、そんなぁ……お姉ちゃんに言われると、恥ずかしいです……」 「……くぁぁぁぁーッ!?た、たまらんっ!!茜、可愛いぞッ!?」 金砂の髪を揺らし、白い頬を染めて照れる……紅蓮の眼を持った少女。 “神姫”だという意識はもちろん私の中にある。だが、だからこそッ! “殻の躯”から“肉の躯”に転じた時のインパクトは、未だに高い!! たまらず私は茜を抱きしめてやる……こら、貴様見るなあっち行け!? 「……マイスター、昼間からドキドキしすぎなんだよ?」 「きゃああっ!?はえ、え……い、一体いつからっ?!」 「しょうがないですの、インターフェイスですからっ♪」 「え゛!?ろ、ロッテにクララ……今まで何処にいた?」 ……貴様の所為で、ロッテとクララに見つかったではないかッ!? こほん、それはともかくだ……彼女らは“ちっちゃい物研”謹製の 洋風クレイドル……またの名を神姫ハウスだ……から、出てきた。 その両手には“フェンリル”と、“斬鋼糸”を改良した“ヘル”。 どうやら、隣にある専用トレーニングブースで特訓していた様だ。 「……いつからって、最初っからだもん。ね、ロッテお姉ちゃん」 「はいですの。マイスターが帰ってきた時から、ず~っと……♪」 「う゛、うあぁぁぁぁ……声くらい掛けてくれぬか、頼むからッ」 顔から火が出そうな程、私は真っ赤になる。茜の方は、茹で蛸も同然。 対してクララは普段通りの冷静さ、ロッテは愉快そうに微笑んでいる。 完全にしてやられた、という事か……だが、本心故どうしようもない。 だからこそ……私はそっとロッテとクララも抱き寄せて、懐に包んだ。 「マイスター?なんでわたし達まで抱きしめちゃいますの~?」 「……だって、インターフェイスの茜にだけする事ではないぞ」 「ロッテお姉ちゃん笑ってる。ひょっとしたら確信犯なんだよ」 そう言うクララも、僅かに微笑んでいる。これは……ヤキモチなのか? “神姫の心”が人と変わらぬ物である以上、そういう感情は当然ある。 そう、HVIFを使っている茜もまたこうして、私の背中に……って! 「うわああっ!?茜何をしてるかっ、背後から、そのっ!」 「……お姉ちゃん、あたしだっているんですからね……?」 柔らかい感触を、背に覚える。“殻の躯”でも撫でたりする時は、 緊張する部位だがこう私と変わらぬサイズになってるとなぁッ!? その後、茜を皆で宥めて離れるには三分ばかりを要した……ふぅ。 「でも、アル……じゃない、茜お姉ちゃんは帰りを待ってたんだよ」 「なんだと、クララ?何か私、忘れ物でもしていたのか……茜や?」 「え、ええっと……今日の成果を、お見せしたいなって思って……」 そう言うと茜はごそごそと紙袋から、一つの人形を取り出して来た。 それは可愛らしいクマの編みぐるみ……をくっつけた、ストラップ。 神姫の“殻の躯”では作れぬ、とは言わないが重労働なのは確かだ。 真直堂みたく、複数人の神姫で一斉に作るという訳にもいかんしな。 そう言う意味でも、HVIFの利点がまた一つ分かった。良い事だ。 「……これは、茜が作ったのか?その編み棒と毛糸を使って」 「後、市販のストラップと綿にビーズも……楽しかったです」 「ありがとうな、茜。楽しい事とはいえ、私の為になぞ……」 あ、という息を呑む音が聞こえる。私が、彼女の手に口を寄せた為だ。 流石に正面切ってキスが出来る程、私は開けっぴろげな性格ではない。 だが感謝の心は示したかった。それ故に……こういう妙な行動となる。 自分でも笑ってしまうが、誠意だけは何時でも大事にしたかったのだ。 余談だが茜の、白魚の様な指は……とても滑らかで清く、暖かかった。 「──────ま、まままま……じゃない、お姉ちゃんッ!?」 「さあ、夕食を作るぞっ!茜や、手伝ってくれぬか?その後で」 「え、ええっと……あ、そうですね、お洋服!……喜んでっ♪」 ──────姿形は違っても、心通わせれば、全てが楽しいよね。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2701.html
「ほら、ここだよ!」 そう華凛が指差す建物は、看板が綺麗なイルミネーションで彩られていて、いかにもな建物だった。 周りには、神姫を持った人がちらほら見える。 ある神姫は笑い、またある神姫は、マスターに対して怒っているように見えた。 (ホントに人間みたい……) 昔のアニメで、神姫のようなロボットが出ていたのを思い出す。あのアニメは相当昔の物だったが、当時の人からしたら、15cmのロボットが現実になるとは考えもしなかっただろう。 「樹羽~、行くよ~?」 と、気が付くと、華凛は建物の入り口付近まで行ってしまっていた。 「あ、うん」 私は多少急ぎ足で華凛の後を追った。 建物の中は、様々なゲーム機器の音が混じりあい、酷いタバコの臭いが立ち込めていた。華凛に導かれるままに、歩いて行くと、そこに辿り着いた。 数台のテーブル状の筐体を挟んで、神姫のマスター達が椅子に座って瞑想していた。 ……少なくとも、無知な私の目には、変な機械を頭に着けてただ目を瞑っているだけにしか見えなかった。 「我慢大会?」 「違うわよ、筐体の中を良く見なさい」 言われるままに筐体の中を目を凝らして見てみた。 良くみたら、筐体の上にはうっすらとホログラムが展開されていた。その中で、赤と水色の点が動き回っているのが見える。 「あの点が神姫たちよ。これがヴァーチャルバトルね」 「リアルもあるの?」 いちいちヴァーチャルバトルと区別するのだから、リアルバトルもあるのでは? 「ああ、それはあることはあるんだけど、スペース的に難しいわね。本で読んだと思うけど、神姫は15cmあるの。その神姫が、ヴァーチャルバトルと同様に、縦横無人に動くには、だいたい10×10㍍もの大きさのバトルフィールドが必要になるわ」 確かに、このゲームセンターに10×10㍍ものフィールドをこの台数だけ置こうと思ったら、全てのゲームを取り出さなくてはならないだろう。 「あ、ほら、樹羽。あのスクリーンにバトルの状況が出てるよ!」 私は華凛が指差す観戦用の大型スクリーンを見た。 天井から吊されたそれは、現在行われているバトルの様子が、リアルタイムで表示されていた。左上と右上には、それぞれの神姫の種類と登録名、そして残存HPが記されていた。さらに左下と右下には、その神姫が使っている武装が記載されている。 左はマオチャオ型の「こなべ」。見た感じ、猫をイメージした神姫のようだ。 残存HPは1036/3096。使用武器は、ナックルが2つにドリルが1つ。全て近距離用の武器だ。ウェポンプール(多分、予備武装みたいなもの)にはビットと書かれている。 対する右はジルリバーズ型の「リエラ」。背中から飛び出ている2本のタイヤと大きなスカートパーツが印象的な神姫だ。 残存HPは3640/3640。つまり無傷。使用武器は、ライフルとショットガンが1丁ずつに小剣が1本。さらにウェポンプールには、サブマシンガンが一丁。 「うわ、あの神姫無傷だよ」 周りのギャラリーから、そんな呟きが聞こえる。確かに、戦い方を見ていれば、無傷な理由がよくわかった。 ステージは、建物などが立ち並ぶ廃墟ステージ。 その建物の陰から、ショットガンとサブマシンガンで弾幕をはり、ライフルで的確に狙撃する。近付かれたら後退しながら弾幕をはる。卑怯ともとれる戦法だが、相手が近接武器しか装備していないのが悪い。 いや、ビットを装備していたようだが、とっくに壊されていたらしい。ウェポンプールのビットの欄に破壊と赤い文字で書かれている。 「結構厳しいね」 「…………」 その時、マオチャオはショットガンのリロードの隙に、一気に距離を詰めた。ジルリバーズも後退しながらライフルで狙撃するが、元々そんなに誘導性能は高くないようだ。うまくかわしながら進むマオチャオ。ジルリバーズも下がるのをやめ、相手の出方を見る体制に入った。と同時に、ライフルの欄の赤いゲージが伸びる。 「ダメ、今じゃない」 「え?」 そのタイミングじゃない。今見たマオチャオの移動速度的に、ジルリバーズの元につく前にショットガンのリロードが完了するだろう。 待て、何故相手は打つのをやめた? 先程のようにサブマシンガンをばらまいて逃げることも可能だろう。 それをしないのは何故だ? 考えられるのは…… と、その時マオチャオの姿が消えた。正確には、消えたように見えるほど早く動いたのだ。観戦用のスクリーンには、青いラインと点が表示される。多分マオチャオの動きだろう。そうなると相手の左から襲撃するルートだ。 ジルリバーズの右には建物がある。逃げ道は、後ろか前のどちらか、しかし、前には瓦礫。 ということは、逃げ道は後ろ。それも予想しているのだろう。恐らく、相手の回避に合わせて別の一撃を加える気なのだ。 「それじゃダメだ、カウンターが来る」 「あの、樹羽?」 ジルリバーズが建物の方に向き直る。突っ込んでくる相手に背中を見せる形になった。ギャラリーから戸惑いの声。しかしその声は、次の瞬間驚嘆の声に変わった。 ジルリバーズのリアからブースターがふき、建物の壁を蹴りあげる様に上がる。 マオチャオの拳が空を切った。 「バカ」 見事に宙返りを決めたジルリバーズは、ライフルを敵に向け、引き金を引く。先程よりも大きい光弾はマオチャオを包みこむ。残りHP438。 さらにジルリバーズは、ライフルの上部につけられていた小剣を掴み、分解。落下と同時に一閃。マオチャオは悲鳴もなく、データの塵となった。 ブザーが鳴り、画面には『Winner ジルリバーズ型 リエラ』のテロップ。ゲーム終了。ジルリバーズも悠然とデータの塵になっていく。 「だからダメだって言ったのに。射撃武装での遠距離戦が主体の相手が突然撃つのをやめたら、不信に思わなきゃ。そこをチャンスと見るかトラップと見るかが、プレイヤースキルなのかな……」 「樹羽~、帰ってきて~」 「はっ……」 あれ? 私は何を? 「大丈夫? なんかブツブツ呟いてたけど」 「あ、いや、なんでもない……」 答えながら、私は考える。 何故、あんなに考えたんだろう。 昔から不意に考え込んでしまうのはよくあることだった。でも、口に出すことはなかったはずだ。 (それにすら気付かないほど、夢中になってたってこと?) はっきりとしない感覚は、考えが伴って確信に変わる。 (私は……) 第2戦の開始を告げるブザーが響いた。 第一話の2へ 第二話の1へ トップへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/230.html
登場する人&神姫 浅見 秋人 (あさみ あきひと) 会社員 両親は離婚。母親に姉弟ともに引取られるがその後事故により他界。 父方の元には行かず姉弟二人暮らし。 恐ろしく切れ味の鋭い自家製刃物を神姫に持たせ、バトルに参加している事で一部のオーナーからはソードマイスターと呼ばれている。 バトルは勝つためではなく、神姫達の自由意志に任せて参加。 ハウリン<冬花>を引き取ってからは参戦していない為、神姫達のリーグ順位は落ちる一方だが本人達は気にもしていない。 基本的に事なかれ主義。そして無駄に凝り性。 浅見 弥生 (あさみ やよい) 喫茶店<日々平穏>マスター 秋人の姉 母親から引き継いだ喫茶店を経営している。 母の再婚相手、浅見宗次の連れ子だった秋人を離婚後母が引取りまもなく他界。 秋人が宗次を敬遠していたため父方には戻らず姉弟二人で生活していくことを選ぶ。 血の繋がりはなく、その事は秋人は知らない。秋人を姉弟以上の感情で見ている。 ねここの大ファン。そのため同型のマオチャオタイプを購入。ただし機械音痴。 何かあるたび秋人に泣きつく。最近やっとテレビの番組予約が出来るようになる。 おっとりした性格で小柄な可愛い系の女性。しかし芯は強い。 ハウリン 冬花 (とうか) マスター 秋人 ファースト登録(以前の登録がそのままの為) これまでの戦闘経験からA(秋人の調整した戦闘用ボディ使用時)~B+(ノーマルボディ使用時)の戦闘能力を持っている。 物静かな清楚な女の子。 アーンヴァル 春香 (はるか) マスター 秋人 セカンド登録 遠近共にバランスの取れた戦闘をする。特徴が無いのが特徴。 初期の頃からバトルに参加していたためセカンドにいるが実力はサードクラス。 面倒見の良いお姉さんタイプ。 ストラーフ 鈴夏 (すずか) マスター 秋人 セカンド登録 中~遠距離の射撃戦を好んでする。 近距離になると秋人から貰った守り刀を躊躇無く使う。この子が折りまくっていたので秋人の刃物は進化し続けたとも言える。 秋人に関してちょっと嫉妬深いのが玉に傷。 マオチャオ ネム (ねむ) マスター 弥生 サード登録 デビューしたて 弥生がねここのファンなのを知ってバトルに参加。ただしマスターが弥生なので的確な指示が出せる訳も無く敗戦続き。唯一、春香とのバトルにて1勝をあげる。 目標はねここと対戦して勝つこと。 基本的に楽しければ何でもOK。 感情が高ぶると「にゃー」としか言えなくなる 春夏秋冬TOPに戻る TOPぺ-ジに戻る