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【表記】アルクェイド 【俗称】アルク 【種族】真祖 【備考】 【切札】 【設定】 【ステータス】 筋力A+ 耐久B 敏捷A 魔力C 幸運D バーサーカー化:A→C パラメーターをランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。 ……のだが、マスターの勘違いでうまくいっていないようだ。 魔眼:A→C 見たもの、見るものの魂を魅了する魔眼を所持しているようだ が、マスターの勘違いでうまく機能していないようだ。 原初の一:EX→× 星からのバックアップを受ける事で、敵対する相手より一段階上のスペックになるスキル。 ……なのだが、マスターであるガトーの勘違いでまったく機能していない。 舞台が地球である場合、相手が地球産のものである場合は何のペナルティもなく発動するが、ムーンセルでは使用時間の制限がかかり、また、上回れない規模の存在もでてくるようだ。 血の姉妹(プルート・ディ・シェヴェスタァ) 白いバーサーカーが放った宝具……のようなもの。 宝具というよりは彼女が持つ特性のようなもの。 月と地球の関係性を利用した世界設定とも。 月の頭脳体から起こり、長い年月を経て地球の触覚となったこの化身は、月の分身でありながら地球の権能も兼ね備えている。 月の基本ルール、地球の基本ルールを同時に体現し、また、これらが同列する時の齪酷を攻撃手段として使用できる。 その一つが、周囲の環境を地球《じぶん》側によせる権能、テラフォーミング・アトラクションだ。 月の重力は地球の六分の一にすぎない。 たとえ電脳世界であれそれは変わらず、(ムーンセル内の情報はすべてムーンセル中枢の質量に引き寄せられる。これを電脳空間における引力と考える)ムーンセルに存在するものはすべて月の法則に拠っている。 この素体はその概念を体現し、地球側である彼女の前に現れるものすべてを六分の一の能力に下げてしまう。これはどれほど高い対魔力を持っていても防げない、世界そのものの決まり《ルール》である。 (余談ではあるが、戦いの舞台が地球だった場合、敵対対象より一段階上の能力を獲得する権能となる) ……とまあ、概念の話なのでたいへん分かりづらい。 地球側から見れば相手が六分の一になっただけ、 月側から見れば相手が六倍になっただけ……と、 見ようによってはどちらにもとれる権能だが、これは明確に”相手の能力を六分の一にする”もの。 彼女が自身をブーストできるのは地球の時、 彼女が相手にペナルティをかすのは月の時、 と考えると分かりやすい。 原初の一 Q:サーヴァントの強さとは、どれくらいのなモノなんでしょう? A:これはですね、攻撃能力はだいたい戦闘機一機分なんですよ。 戦闘機は個人で立ち向かうには強力すぎる力をもっているけれども、 一つの街を滅ぼすには何度も補給しなければならない。 ただ連中(サーヴァント)が厄介なのは、奴ら霊体なので通常攻撃が効かないんですよ。 破壊力においては近代兵器のほうが強力なものが多いんですけど、通常兵器が聞かないと言う時点でいまだ最強。 で、戦闘機も核弾頭を搭載できたりするように、宝具をそれぞれ備えており、中にはとんでもない宝具を持ってる奴がいる。 だから、強さは戦闘機ぐらいだと言うのがイメージしやすいかなと。 あと、ギャグっぽく言うならば「月姫」のアルクェイドの4分の1くらいかな? 一人頭の強さは。サーヴァント一人だとアルクが勝つだろうけど、サーヴァント二人だとアルクがてこずってる間に後ろからプスッと…いけるかな。 Q きのこ氏がファンブックで仰っていたアルクとサーヴァントの強さ比較ですが、 この比較されているアルクって、30%程度しか力を出せていない状態と、全力状態のどちらでしょか? A どっちかてーと30%のアルクです。 もともと某プライミッツマーダーを御するには七騎の守護者が必要とされており、 聖杯戦争の七騎のサーヴァントというのはこれになぞらえているらしいですよ、どうにも。 (コンプティーク2005年9月号) Q ギルガメッシュとアルクェイド(30%)はどちらが強いのですか? アルクェイドがサーヴァント4体分の強さなのに対しhollowではギルはサーヴァント5体分+αと読み取れる描写がありましたが。 A アルクェイドの強さの定義に、「相手に合わせて出力を変えられる」というものがあります。 バックアップである星からの絶対命令として、相手の強さよりやや上の出力しか許されないのですね。 で。アルクとサーヴァントの個体面としての能力はほぼ同格。 サーヴァントは各々の宝具を、アルクは無限のバックアップをもって戦い、その相性によって差が出るわけです。 シンプルイズベストなアルクはオールラウンダーなので総じて勝率が高いだけであって、どうしても苦手な相手というのは存在します。 例えば、本人の能力はアルクと同格でも、その武装がとんでもなく多く、用途も多岐にわたる場合とか。 アルクが許される引き出し額は相手の『個体能力』に準じるので、ギル様のようなタイプには、ほら、ねえ? そしてサーヴァント5体分+αというのは、単純な「火力」の比較です。 『残骸』たちのようにそれぞれが雑兵レベルの相手になら攻撃をかわされることもないので、後はもうひたすらに武器の多い者が有利というか。 ブロードブリッジにおいて、1対1で優れたサーヴァントはあんまり目立てないのはそのためです。 あと、通常アルクェイドはサーヴァント約2体分の個体能力ってことでひとつ。 (コンプティーク2006年9月号) 空想具現化 本編でロアを消し去ったアルクェドの空想具現化は、包丁で大根を切るように廊下の大気の層を真空状態にした、という事 ロア本人に影響は与えられないが、微塵切りにされていく大気を避けられるはずもなく、ロアは足首だけがかろうじて残った(アルクの想像には、床にまで断層を作る、という意思が足りなかった)訳である ―――じゃあ最後の質問になります。ぶっちゃけた話、アルクェイドはどのくらい「強い」んですか? たとえば、空想具現化能力とはどんなレベルの事まで可能になるんでしょう? きのこ>アルクだったら、リミッター解除すれば山奥に1つの街を作り上げる事ぐらいできます。 ただ、人の手が入りすぎている現代の街では、まず壊してから作る、という事になるので長い時間が必要となり、 その間に教会にかぎつけられて「ストップ!」と戦争になりますねー。 基本的に空想具現化だけでは人間に手を加える事は極めて困難です。他の動物なら、できちやうみたい。 まあ、ぶっちゃけていっちやうと、アルクってかみさまみたいです。肉をもった精霊だから。 ―――それは、真祖全てに言える事ですか? きのこ>真祖といってもピンからキリまでいるので。アルクエイドは一番初めの真祖と同位の結晶だから、次元が違います。とまあ、こんなところ。 ちなみにマーブル・ファンタズム、という呼称のマーブル、はダンゴ現象から由来しているみたいです。確率論、みたいな。 (旧公式サイト掲示板) [73 のレス1] Name:■ Date:2001/12/07(Fri) 22 27 HP 大理石、というよりはおはじき? でしょうかね。よくわかりませんが。 ええと、昔スタッフ座談会できのこさんが"マーブル"はダンゴ現象に由来していると言ってました。 ダンゴ現象っていうのは、例えば0と1がそれぞれ50%の確率で出現する場において、そのどちらか一方がたまたま何度も連なって出現する現象…なんだろうか? あまり詳しくないのでもしかしたら間違ってるかもしれません。 まあともかく、どちらかが連なってダンゴみたく見えるからダンゴ現象、なのかも。 要するに、前述の0と1が50%…というのは自然な状態ですよね。で、その自然法則に支配された状況下においても、ダンゴ現象のようにまるで人の手が加わってるのではと疑ってしまうような状況が起こりうる。 なら空想具現化や固有結界というのは世界に直結する事によりあらゆる事象が発生する確率に干渉し、それによって偶然中の偶然とも言える事象を意図的に発生させるというものなのではないかな、と。 例えば本当に偶然と偶然が重なり合って生み出された、まるで人工物のように見える自然物というのも存在しています。なら確率に干渉すればブリュンスタッド城みたいなものを具現化できても不思議はないかもしれません。 [73 のレス3] Name:きのこ Date:2001/12/08(Sat) 12 39 大正解ー! そのマーブルですー。 所詮現実など黒か白かの確率の転がしあいでしかないのだ、というリアリティ・マーブル。 幻想によって現実を幻想たらしめるマーブル・ファンタズム。 基本は一緒でも似て非なる世界干渉なワケなのですー。 ―――じゃあ最後の質問になります。ぶっちゃけた話、アルクェイドはどのくらい「強い」んですか? たとえば、空想具現化能力とはどんなレベルの事まで可能になるんでしょう? きのこ>アルクだったら、リミッター解除すれば山奥に1つの街を作り上げる事ぐらいできます。 ただ、人の手が入りすぎている現代の街では、まず壊してから作る、という事になるので長い時間が必要となり、 その間に教会にかぎつけられて「ストップ!」と戦争になりますねー。 基本的に空想具現化だけでは人間に手を加える事は極めて困難です。他の動物なら、できちやうみたい。 まあ、ぶっちゃけていっちやうと、アルクってかみさまみたいです。肉をもった精霊だから。 真祖 第三者的に見て、二人の戦闘能力は伯仲している。 けれど、先輩自身が口にしていたとおり、アルクェイドの能力というものに限界はないみたいだ。 いくら先輩がすごいって言っても、それは一定以上に伸びていくものじゃない。 なのにアルクェイドのヤツときたら、まるで際限というものがない。 初めは先輩に圧されていたくせに、すぐに先輩と互角になって、今では先輩の力を軽く上回ってしまっている――― ……あれは、この自然界の上にいるだけで完璧な生命だと、前に誰かが言っていた。 自然の延長である真祖は、この世界という地盤からいくらでも活力を引き上げられる。 「むっ。なによ、そのばか力って。 言っておくけど、通常時の筋力だったら志貴のほうが上なのよ。 わたし、そう無闇に物を壊したりはしないんだから」 彼女の目は、何も見ていない。 片手で立ちあがろうとするのだけれど、そのたびに彼女は地面に倒れてしまう。 自らの血だまりで手が滑って、そのたびに彼女の体は赤くなっていく。 何度も、何度も。 立ちあがろうとして、滑って、倒れて。 ……そんな無様な行為さえ、彼女は愉しんでいるようだった。 「待っていて、すぐに殺してあげるから……!」 笑って、狂ったように笑い続けて、アルクェイドは自らの血の海でもがいている。 「あ、あ―――――」 びちゃり、びちゃり、という、音。 アルクェイドは自らの血の海で、気が狂ったように笑っている。 「ああ、あ――――」 喉からこぼれる血液。 切断された死に至る傷。 それがよほど痛いのか。 彼女は、その痛みを緩和させるために、自らの腹や腕を、噛み、切っていた。 分割前、昼、それ以前の普段の生活中よりは死が見えている状態 「―――あ」 そうだ。 初めてアルクェイドを見た時。 自分が自分でないような、あの時。 メガネを外した俺の目は、いつものラクガキと――― ラクガキが流れ出している原因みたいな、黒い点が見えていた。 「……あった。あの時だけだけど―――たしかに、黒い点が視えてた。 おまえの体に何個もあって、黒い線は点と点を結ぶように流れてた」 例えるのなら、それは血管のように。 分割10日後、夜、世界を殺した後、直前に空間の死が見えるまで過負荷かけていた状態 ごん、というズレ。 これで、終わった。 この一帯。 アルクェイドに向けて放たれている活力とやらの供給源である自然を、 この一帯だけ『殺した』。 「――――考えたわね、志貴!」 アルクェイドが走りこんでくる。 その体、いたる所に死が浮かび上がっている。 「よし―――――!」 いける。 これならアイツを仕留められる――――そう、勝利を確信するより早く。 「ご―――――ふ」 口から、血が逆流してきた。 「え……?」 ……彼女の動きがあまりに速すぎたせいだろう。 ただ、信じられなくて、痛みも衝撃も、何も感じなかった。 ザン、という音が、今さらになって耳に響いた。 ドボドボと大量の液体がこぼれていく音。 見れば。 アルクェイドの爪は、俺がそれに気がつくより早く、俺の胸を串刺しにしていた。 「……志貴にやられてなければきっと完全に視えないでしょうけど、 今はたぶん視えてると思う。 わたしね、夜は『死期』がないんだけど、昼間は多少できてしまうのよ。 志貴がわたしを殺せたのは昼間だったからだけど、 その後の蘇生で力を失ってしまっているから、今は夜でも『死期』ができてしまってる。 ―――ようするに不老不死でなくなったわけだけど、志貴、わたしの体の線が切れる?」 「―――真祖にとって人間は敵にすぎません。 もともと自然の一部、いえこの世界そのものとリンクしている彼らの能力は、 それこそ際限というものがないんです。 ……教会の長い歴史の中でも、真祖と戦った記録は数えるほどしかありません。 彼らは世界そのものから力を引き上げる。 だから、彼らを倒すということは世界を倒すほどの概念武装が必要になります。 ……もちろん、そんな武装はありません。 ですから彼らには、外的要因による『死』を与えることができない」 あの夜。 ホテルの一室で彼女は言った。 遠野志貴が彼女を殺そうとしたときが夜であったのなら、 たとえこの目でも彼女から死を視るコトはできなかった、と。 つまり。 それは、死なないというコトだ。 「くっ――――!」 なんとか地面に着地して、ナイフを構える。 いくら睨んでも、アルクェイドの体には『線』一つ視えない。 「くそ、なんてデタラメなんだ、アイツは……!」 ――――まったくもってその通りだ。 太陽の恩恵がないこの夜のなか。 月の姫に挑むということは、あまりにも無謀すぎた。 ――――――アルクェイドの体を凝視する。 びきり、と頭の芯で音がする。 今までのような頭痛じゃなくて―――本当に、脳に亀裂が走ってしまいそうな、おと。 「――――――っ」 それでもだめだ。 アルクェイドという存在から『死』が読み取れない。 日中ならともかく、夜においてはコイツはかぎりなく完璧に近い命、 死という概念を持たない存在なんだから。 「どうして――――!」 狂いそうになる。 生命の死。植物の死。空間の死さえ視えている。 なのに、アルクェイドには死の要因がない。 ……あれは、この自然界の上にいるだけで完璧な生命だと、前に誰かが言っていた。 自然の延長である真祖は、この世界という地盤からいくらでも活力を引き上げられる。 だから死なない。限界というものがない。 「あ――――」 つまり。 それは、自然界の上だけの完全なのか。 「だから、どんな手段を使ったのかって聞いてるの。 ルーンやカバラあたりの秘術には抗体耐性が出来てるからわたしには効かないし、 抗体耐性が出来てないモノ───わたしがまだ経験したことのない魔術っていえばこの国の古神道と南米の秘宝ぐらいなものよ。 「いえ、それだってあそこまでわたしを“殺して”おく事はできないわ。 答えて志貴。貴方、どんな年代物の神秘でわたしをあそこまで再起不能にしてくれたの?」 「年代物の神秘って……なにそれ?」 「歴史と想念を蓄えた触媒のこと! もう、この国にも神器ってあるんでしょう? たいていは法杖や剣、宝石や仮面を使用する対自然用概念武装のことだけど──ねえ志貴、貴方本当にそっちの方面の人じゃないの?」 「そっち方面もなにも、俺はただの学生だって言ったじゃないか。知ってる事なんてなにもないよ」 「うそよ。魔術師でもない人間がわたしを傷つける事なんてできないわ。……志貴、わたしに隠してることがあるでしょ?」 「わたし一人では、いえ教会の秘宝では真祖であるアルクェイドを消滅させる事はできない。できて彼女を拘束し、封印する程度です。 けど遠野くんが彼女から死の要因を視つけられるのは、話は違ってきます。 遠野くん、力を貸してください。貴方が協力してくるのなら、わたしだけでもアルクェイドを殺しきる事ができる……!」 「―――真祖にとって人間は敵にすぎません。 もともと自然の一部、いえこの世界そのものとリンクしている彼らの能力は、それこそ際限というものがないんです。 ……教会の長い歴史の中でも、真祖と戦った記録は数えるほどしかありません。 彼らは世界そのものから力を引き上げる。 だから、彼らを倒すということは世界を倒すほどの概念武装が必要になります。 ……もちろん、そんな武装はありません。 ですから彼らには、外的要因による『死』を与えることができない」 「……解せぬな。貴様を害せるほどの概念武装は限られている。アレを保有しているのは教会の殺し屋どもだけだ。 このような極東の地に、埋葬機関が派遣されるとは思えぬが」 ゴンゴンゴン。 轟音をあげて、弾丸のような速度で、アルクェイドめがけて三匹の獣が走る。 黒い犬、なんかじゃない。 そのいずれも本体であるネロ自身より巨大な、悪魔みたいに凶悪なシルエットをした、三匹の 豹だった。 「――――――」 アルクェイドは動けない。 三匹の豹は、ただ、地面を駆けて行くだけでレンガ作りの地面にヒビをいれていく。 逃げようとするアルクェイドより、豹たちのほうが何倍も速い。 一瞬にして。 三匹の豹は、そのどれもが胴体から真っ二つに裂かれて、地面に転がった。 「―――な、に?」 ネロの声が響く。 アルクェイドは何も言わない。 そのまま、ネロ本体へと一息で襲いかかる。 「――――!」 ネロの体から獣が出る。 獅子は、出た瞬間にアルクェイドに顔をつかまれ、胴体から引きぬかれた。 豹は、襲いかかった瞬間、眉間をこぶしで突き破られて絶命した。 虎は、粘土細工みたいに胴体そのものを引き裂かれた。 そのあとに続くものは、みな同じ運命をたどった。 空を飛ぶ鷲も、見上げるほど巨大な灰色熊も。 地面を泳ぐけったいな鮫も、 冗談としか思えない、ショベルカーみたいな巨大な象も。 結局は、アルクェイドを止める事さえできず、一瞬にして黒い粘液に戻っていった。 勝負に、なってない。 ……アルクェイドのヤツ、なにが動くだけで精一杯だ。 ネロが体から出した獣は決して弱いものじゃない。 ライオンも虎も、一頭だけで自動車をまたたくまにスクラップにできるほどの動物なんだ。 おまけに灰色熊っていったら、戦車だってひっくり返されてスクラップにされかねないほどの『暴力』のかたまりなのに。 そんな猛獣たちが、なす術もなくアルクェイド一人に引き裂かれ、ネロ本人もすでに瀕死になっている。 「……認めよう。 アルクェイド・ブリュンスタッドと成ってようやく理解した。 この体の中身は底なしだ。私では汲めて三割程度だったろう。 おまえたちがこの身を打倒しえたのは、タタリにそぐわぬ姿になった私の落ち度だ。 だが、これも今宵だけの余興。 真祖の体、惜しくはあるが次の機会にするとしよう」 「言ってくれるじゃない。なに、わたしは貴女の爪の先程度の存在だってコト? たいした化け物ねアルクェイド。貴女に比べたらわたしなんてまだまだ小物よ!」 「あら、簡単に殺しちゃった。 おかしいなあ、もっともっとわたしなんかじゃ何百人いたところで殺しようのないヤツなのに。 ……もしかして、わたしと殺し合う前に誰かに殺されてたの? 「っ―――――!」 ダン、と派手な音をたてて、俺は尻餅をついてしまっている。 「こ……のぉ! おまえ、いきなり何するんだ!」 「いいから前!」 女が叫ぶ。 見れば―――俺という標的を失った黒犬は、そのまま壁まで跳躍していた。 ぴたり、と黒犬はトカゲのように壁に張り付いて、また跳んだ。 タン、と壁からこちらに向かって反射してくる。 黒犬の軌跡は、さながら黒い稲妻のようだった。 「―――!」 あまりに速すぎて反応できない。 黒犬は牙と唾液にまみれた口をあけて、今度こそ、俺の喉笛へと食らいつく――― 「くっ………!」 思わず目を閉じる。 喉に、黒犬の牙が食い込む。 が、その瞬間。 きゃん、と鳴き声をあげて、黒犬の牙は俺の喉元から離れていった。 「え―――?」 ―――そんな、バカな。 黒い犬は、鳴き声をあげて真上に跳ね上がっている。 何もないのに、独りでに空高く舞い上がってしまっている。 そのまま――――何メートルも空中に跳ね上げられた黒犬は、 きゃん、とやけに可愛い鳴き声をあげて、そのままコンクリートの上に落下した。 いや、正しくは。 コンクリートの上に、激しく叩きつけられた。 「――――なんだ、いまの」 「―――もう。また無駄な力を使っちゃったじゃない」 女は静かに黒犬へと近寄っていく。 黒い犬はコンクリートの上で押し花のようにペシャンコになっている。 「―――とんでもなく雑種の使い魔ね。……ようするに偵察役っていうことかしら」 黒い犬は、そのままコールタールみたいな黒い液体になって、 コンクリートに吸いこまれていった。 「……溶けた……ううん、今のってもしかして融けたのかな。 ――――まさかね。こんなところに混沌があるわけないか」 ふう、と女は長い息をはいて、俺のほうへとやってくる。 「けどこればっかりは譲れないわ。志貴、少し外で頭を冷やしてきて」 うわ、いたっ。 まさか出て行け、なんていうセリフをアルクェイドに言われるとは思わなかった。 ほらほら、と眼光の迫力だけで台所まで押されてしまう。 ……っていうか、あいつ空想具現化でこっちの体を鷲掴みにしてやがる。 評価 「言われてみればそうね。あんまり派手目の戦いは無いか。 じゃあ、そんな両儀にしつもーん! あなた、セイバーの芸風をどう思う?」 「どうって、いいんじゃないか? 派手で楽しくて。 冒険活劇ってそんなもんだろ。お前だって、似たようなもんじゃないか」 「こっちはただの伝奇物よ。 ビーム撃ったり地下空洞を崩壊させたり出来ないわ。予算が違うし。 何よりほら、月姫は、ミ、ミ……ミステリー? そんな感じ?」 「アルクェイドはこちらに来ても一線級で戦える人材ですが。 むしろあなた、出演するゲームを間違えてませんか? ミステリを力技で解決しているようなものですよ」 「んー。月姫無双とか出ないかしらね?」 「暴れキャラである事に異論は無いんだな……。 Fateの方が合ってるんじゃないか、おまえ?」 「む。そう言う両儀はどうなのよ? Fateの世界、好き?」 「別に。そっちには幹也が居ないし。 願いが叶うとか言われても、普通、願いってのは叶うものだろ?」 「な――なんてストレートな……」 「そりゃ貴女はぶっちゃけ神様ですからね。持たざる者の苦しみなどは解らないでしょう」 「そんな頭の悪い比喩すんな。 オレのなんて可愛いもんだ、そこのばか女はそれこそ制限無しだぞ。 想像しただけで城作るような奴なんだぞ?」 「私の方も制限だらけだけどねー。そっかー、二人から見るとそう見えるのかー。 一番使い勝手がいいのはセイバーなんだけどなー。 んじゃあまあ、Fateはそのあたりにして。月姫は? どう思う?」 「エロいですね」 「まあ。エロいな」 ……信じたくはなかったが、やはり真祖か。 これはとんでもないものを具現化してくれたものだ。 しかし正気なら勝負にならんだろうが、どうやらバーサーカー化している。 まあ、マスターの方もバーサーカーのようなものだがな。 真祖とは、精霊だ。 吸血鬼の王とも、星の意思ともいわれる強大な力を言うらしいが――― まあ、あの程度の男に乗りこなせるものでもないから、バーサーカーなのだろうさ。 正気で来られたら、今頃こちらは霧散していたかもしれないが……あれなら何とかなるだろうさ。 【戦闘描写】 【能力概要】 【以上を踏まえた戦闘能力】 【総当り】
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ペンニンニン(ぺんにんにん) 登場作品 +目次 シンフォニア 関連リンク関連種 ネタ シンフォニア おっとりした格好に惑わされないように攻撃時は意外に機敏よ No. 121 系統 鳥系 Lv 45 攻撃属性 - HP 3990 TP 0 攻撃 645 防御 85 経験値 141 ガルド 21 弱点属性 火 耐性属性 - 落とすアイテム 大吟醸 和誉・パルマコスタワイン 盗めるアイテム - 出現場所 ねこにんの里周辺 (※基準はNormal 落とす(盗める)アイテムの数値は入手確率) 行動内容 2連続で石を投げ、前方の敵を攻撃する。 ダッシュからのヘッドスライディングで前方の敵を攻撃する。 総評 ねこにんの里周辺に出現するペンギンの着ぐるみを着たような見た目の人型のモンスター。ペンギニストの上位種なのでどう見ても着ぐるみだが鳥系なのも同じ。 何気にカラバリがある。頭がオレンジ色で下半身が紫色の個体と、頭が緑色で下半身が赤い個体がいる。図鑑に載るのはオレンジの方。 ▲ 関連リンク 関連種 ペンギニスト ▲ ネタ ▲
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登録日: 更新日:2024/02/16 Fri 11 46 28NEW! ▽タグ一覧 BCUエペカップseazon2 しりさげぬ セルフ受肉 モしも モしもサ 着ぐるみ 絵師 プロフィール 身長:70cm(時々888m) 体重:べいくどもちょちょ3つ分 年齢: デビューした日:2021年10月8日 誕生日:5月31日 好きなもの: 苦手なもの: エピソード ケモノメインの同人活動(ミズ名義)、ケモV活動、ケモノ着ぐるみ活動の3つ全てを行っている数少ない人物である。 配信タイトル APEX ポケットモンスターバイオレット スプラトゥーン Phasmophobia Getting Over It Stray Cuphead Five Nights at Freddy's Five Nights at Freddy's 2 Five Nights at Freddy's 3 2周年記念パーティー コラボ相手一覧 光闇 ベル モリモリ リオ シュエ ガオ 陽渚 レモン 篝火 サンサム 蜥蜴 もんよ モトエナ 戌ヶ森 ロク モリモリ コ リンガウ 小楽 利休太 ジャグリングドラゴンヒョウガ リンク X(Twitter) YouTube
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アル・マクウィギン 名前:Al McWhiggin デビュー:『トイ・ストーリー2』(1999年) 概要 「アルのトイ・バーン」というおもちゃ屋の経営者。 往年の人気TV番組「ウッディのラウンドアップ」の関連商品を収集しているコレクターでもある。ある日、アンディ・デイビスの家のヤード・セールでたまたま見つけたウッディを盗難し、日本*の小西おもちゃ博物館に売って儲けようと企む。 店のCMには自身が出演している。コミカルなニワトリの着ぐるみを着て登場することから、ハムやバズ・ライトイヤーにはニワトリ男と揶揄されている。 声を担当したウェイン・ナイトは、TVシリーズでバズ・ライトイヤーの宿敵ザーグを演じることとなった。 登場作品 1990年代 1999年 トイ・ストーリー2 トイ・ストーリー2:バズ・ライトイヤー参上!(映像のみ) 声 ウェイン・ナイト(1999年) 樋浦勉(2000年)
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レベルMAX> 霊幻(メイド) レアリティ 最大レベル 激レア 60 属性ボーナス ボーナス値 紫 15~900 スキル 四方消去 メイドで集合!!文化祭バトルガチャ限定 同属性のサポートキャラ 名前 レアリティ 最大レベル 属性ボーナス スキル 備考 律 レア 40 紫 01 紫色ブーストII 神室真司 ノーマル 20 紫 01 紫色ブースト 白鳥大地 ノーマル 20 紫 02 スコアボーナス 浄堂麒麟 ノーマル 20 紫 04 コインボーナス 朝日豪(覚醒) レア 40 紫 01 紫色ブーストII 襲撃!!大人の超能力者!ガチャ限定 同系統スキルのフロントキャラ 名前 レアリティ 最大レベル 属性ボーナス スキル 備考 モブ(ウシ) 激レア 60 黃 09 四方消去 どうぶつの森で着ぐるみパーティー!ガチャ限定 霊幻(メイド) 激レア 60 紫 09 四方消去 メイドで集合!!文化祭バトルガチャ限定 テル(キリン) 激レア 60 青 09 四方消去 どうぶつの森で着ぐるみパーティー!ガチャ限定 情報提供:☆りこ☆ 様
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基本データ 出玉総合病院に勤務する医師。 患者との交流に悩みを抱えている。 同棲中、健康度がかなり低いと話しかけた際に反応がある。 帰宅場所:天釘駅出玉口前 出現場所:出玉総合病院の第二診察室 好きなデート場所:轟寿司 嫌いなデート場所:うるさい場所が嫌いらしい。パチンコは普通のようです。 支払い:自分が払う×/割り勘にする(不明)/おごってもらう○ 好きな食べ物:アルコールと言ってるが、シャンパン、ウィスキーロックの反応はなし 嫌いな食べ物:ハンバーグ、かつ丼、天津丼での苦手反応を確認。油っぽいものは×? 合コン参加:居酒屋いらはい(鯖江と来る) 攻略可能性別:女のみ 同棲条件:冷静・慈愛寄りの性格、1回目のデートで告白成功を確認。冷静・鬼畜でも成功。情熱は× パチンコデート時のパラ:運 27 健 70 鋭 12 清 68 修 13 腹へり どうも効果的な意味ありげな振る舞いはない様子。 攻略 1.出玉総合病院の第二診察室に居るので、健康度が低い状態で話し掛ける。 (健康を下げるには、朝、昼や雨の日に傘を差さずに歩きかローラースケートで移動、2、3日偏った食事(飲物のみなど)、何も食べずに翌日まで寝るを繰り返せばOK) 2.診察後、健康を70以上に回復させてから再度診察を受ける。 加山から、入院患者の扱いに困っている話を聞く。 3.2F病室の男の子に話し掛け、加山の何処が不満かを尋ねる。(病室の場所は受付で聞ける) 4.着ぐるみの頭部を持った状態で加山に話し掛ける。 着ぐるみの頭部を加山に預ける。(複数持っている場合は選択肢で選べる) ※預けた着ぐるみは返って来ないので注意。 ここまでは同日中に進行可。 5.翌日以降、加山と入院患者の男の子(賢太郎)に交互に話し掛ける。(これを2回繰り返す) 6.翌日以降、第二診察室の加山に話し掛ける。 診察室を出ると、加山の噂をする看護士達を目撃するイベントが発生する。 7.翌日以降、賢太郎の病室に行く。 (以後、大会で優勝するまで、加山との会話はループ) 8.ストーリー上のバトルロイヤルで優勝する。 出玉ロワイヤルでの予選、デルキングでの乾等との対戦、天釘のマッチメーク、塚内町の賭場でのマッチメークなどが対象。 鯖江のイベントでのバトルロイヤルでもOK。 過去の優勝経験は判定外の模様で賢太郎と約束をしてから改めて1位を取る必要がある。 ※シルバームーンでのバトルは判定されない。 9.大会優勝後、2Fの賢太郎の病室で賢太郎に話し掛ける。 10.翌日以降、第二診察室で加山に話し掛けると電話番号を入手。
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DQⅣ 白虎の毛皮を被った【とらおとこ】の猛者。 ということは、着ぐるみ? やはり中の人がいるってことなのか。 呪文も学習しており、マホトーンで呪文を封じてくる。 岩をも砕く攻撃力を持つ。……などと書かれているが、 実はサントハイム周辺のモンスターの中では中堅、もしくはその下であったりする。 なので4章のトラ男のような脅威はない。 【デスパレス】に多数生息するが、周りと比べると相当弱いので可哀想である。 最大HPが100というのが小気味よい。 ちなみに落とすのは毛皮のコートである。やっぱり着ぐるみ? 【エスターク神殿】でも【ライノスキング】のお供として登場するが その頃にはあまりにも弱く、瞬殺されるだけであった。 DQⅦ(3DS版) トクベツなモンスターとして登場。本編では唯一の2作品出演となった。 特徴はⅣとほぼ同じ。特技や道具が充実する本作では、マホトーンがかかってもあまり問題ではないだろう。
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登録日:2021/04/25 Sun 14 52 45 更新日:2024/05/25 Sat 22 34 15NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 2021年 ADV CERO D Nintendo Switch Steam qureate いづみななみ イザナミだ インモラル エロ エログロ ギリギリ ゲーム サバイバルホラー パンチラ パンツ フェチ ホラー マルチエンディング 廃墟 廃深 配信 頭隠して尻隠さず ここには何かがいる 『廃深(はいしん)』とは、qureateから発売されたNintendo Switch向けのゲーム。 2021年4月15日発売。ダウンロード専用タイトルで価格は2280円。 同年6月11日にSteam版が発売。2022年2月4日からはDLsiteにおいても販売開始。 台湾や韓国など国外ではアークシステムワークスをパブリッシャーとしてパッケージ版Switchソフトが発売されている。 【概要】 ジャンルは公式曰く「サバイバルホラーアクションADV」。 タイトルである「廃深」は「配信」をもじったものであり、配信者として動画を録るため廃墟に訪れた3人が怪異に巻き込まれるホラーADVである。 一般的にホラーゲームは流血表現などショッキングな描写が多いため対象年齢が高めに設定されていることが通例だが、本作も例に漏れずCEROレーティングはD(17歳以上対象)である。 ……が、本作に関しては単純に「グロい」「怖い」というだけではなくお紳士様お淑女様向けのゲーム内容である点も対象年齢が高い理由として切り離せないだろう。 そう。「エロい」のである。「エロい」のである。 パンチラどころではないパンモロやブラ透けが当然のように飛び出してくるほか、女性キャラが首を絞められるなど特定の性癖をお持ちの方々が喜びそうなシーンまで含まれている。 おまけに全パートフルボイス。震え声やら呻き声やら中の人の熱演もあって様々な場面で臨場感が伝わってくる。 とは言えやはりホラーゲームはホラーゲームなのでエロいだけでなく普通に怖い。 「エロ中心でどうせホラー要素はオマケなんだろ?」などと軽く考えて耐性の無い人間が購入した場合、夜中に一人でトイレに行けなくなるかもしれない。 豚さんの着ぐるみが可愛いから、などの理由でお子さんへ買ってあげようとしている親御さんがいたら一旦冷静になって考え直してみよう。そもそもCERO Dだし。 世界中のお紳士様お淑女様からの期待に応え、続編となる『廃深2』が2023年9月21日に発売された。 【あらすじ】 動画配信者として活動している生駒美桜、桜井奈々、白石梓の三人組。 チャンネル登録者数100万人を目指す奈々の提案により三人は地元の廃墟『ホテル イザナミ』を訪れて動画撮影を行うことに。 早速ホテル内に入り込んで探索を開始した三人であったが、美桜がエントランスに置かれた豚の着ぐるみに気を取られているうちに奈々、梓と離れ離れになってしまう。 二人と合流するべくホテルの奥へと歩みを進める美桜だが、そんな彼女にナタを携えた豚の着ぐるみが突如襲いかかってくる。 辛くも着ぐるみの襲撃をやり過ごした美桜。しかし、その後も様々な怪現象に遭遇し……。 果たして三人は無事にこの廃ホテルから脱出することが出来るのだろうか。 【登場人物】 キャラクターデザインは乾和音が担当。 生駒美桜(CV.山崎はるか) B84(Cカップ)・W58・H86 主人公の一人。ロングヘアで清楚な雰囲気。 大人しく引っ込み思案なタイプであり、奈々と梓に誘われて『ななチャンネル』のメンバーになる前は所謂ぼっちだった模様。 基本的には撮影など裏方仕事を好んでおり、動画にはあまり出たがらないらしい。 そんな性格設定のわりには異常にメンタルが逞しい。 一歩間違えれば転落しかねない状況でも率先して窓から身を乗り出すし、明らかに内部で血生臭い行為が行われている空間でも平然と覗き込む。おかしなものが見えていてもさほど気にしない。 また、ヒビが入って脆くなっていたとはいえ、拾った金槌でホテルの壁を破壊して自分が通れるサイズの穴を空けるあたり腕力も中々のものである。 ゲーム序盤はデフォルトで美桜を操作することになるためか、イメージイラストなどには彼女が描かれている。 下着はピンク。 桜井奈々(CV.西明日香) B80(Bカップ)・W53・H83 主人公の一人。赤髪をツインテールにしており、小柄なのもあって三人の中ではもっとも幼い印象。 『ななチャンネル』の設立者であり、チャンネルの顔としてもっとも積極的に動画に出演している。 登録者数や再生数にはかなり敏感なようで「ド田舎で暮らす自分達では頑張っても中堅止まり」「地元の人間しか知らないような廃墟を探索すればバズる」と彼女が考えたのが今回の動画撮影の発端。 そんなこともあって美桜と梓は一連の怪現象を奈々の再生数稼ぎのドッキリではないかと疑いを抱くのだが……? 些か軽率な行動も目立つが基本的には友達思い。 美桜と合流した後は操作キャラとして選択可能になる。 下着は水色に白のドット柄。小銭目当てに自販機の下を漁る際にパンツが丸見えになるが、二十代のわりに色んな意味で子供っぽい気がする。 白石梓(CV.松田颯水) B88(Dカップ)・W57・H86 主人公の一人。容姿端麗文武両道な黒髪クールビューティー。三人の中では長身。 奈々とは小学生の頃からの腐れ縁。 元々は動画撮影や編集などを担当していたが、女性視聴者層を意識した奈々によって無理矢理動画に出演させられるように。 男性受けも狙っていたのかは定かではないが、胸の谷間を強調した服を着ている上にスカートの丈も三人の中で一番短い。 凛とした容姿や大人っぽい性格とは裏腹に実は一番怖がりで追い込まれると真っ先にパニックを起こす。正直美桜のメンタルがおかしいだけで梓の反応は至極まともではないだろうか。 過去に家族に関するとある苦い経験をしている。 奈々同様、美桜と合流した後は操作キャラとして選択可能になる。 下着は黒。 豚の着ぐるみ 廃ホテル内でナタを片手に美桜達を追いかけ回す謎の着ぐるみ。元々はホテルの近くで営業していた遊園地『堵替塚ファンタジーランド』のマスコットらしい。全身の至る所が血に塗れている。 この着ぐるみから逃げ隠れしながらホテルの中を探索して脱出を目指すのが本作の主な流れ。 遭遇してナタが命中すると一発でゲームオーバーとなってしまう。近くにいる時にはカラカラ…とナタを引き摺る音が聞こえるので意識すると冷静に対処出来るかもしれない。 まぁ何処からともなく目の前に湧いて出ることもあるが。 基本的には個室内のトイレに隠れるか廊下の柱に隠れるかでやり過ごすことになるのだが、実はナタを振り終えた後であれば着ぐるみの背後に回り込んで逃げられる。 そして、ホテルに巣食う恐怖は着ぐるみだけではなく……。 【その他】 エンディングはバッドエンドが四種類、グッドエンドが一種類の計五種類存在する。 どのエンディングも条件さえ満たせば初回から到達可能だが攻略情報などを見ずにプレイした場合、通常はバッドエンドのどれかに辿り着く可能性が高い。 また、エンディングだけではなく主人公達が巻き込まれるイベントにも様々なパターンがあるため、探し出して全てを見るということもやり込みとして楽しめる。 一度クリアした後はタイトル画面からイベント絵が閲覧可能となるのだが、ここで表示されるのはベースとなるイラストのみで表情やボイスの変化などは本編でしか確認することが出来ない。 そのため気になった場面ではスクショを撮るか専用のセーブデータを作るかをオススメする。 特にバスルームでのイベントは選択次第でブラ透けを拝まずに進行している可能性もあるので要注意。 お紳士様お淑女様向けの要素を含んだホラーゲームということで注目を集めたのか、 ニンテンドーeショップで公開されているDL数ランキングにおいてダウンロード専用タイトルとしては最高で五位以内にランクインしており売上は好調な模様。 2023年時点で全世界累計20万DL以上を記録したらしい。 ウェブコミック配信サイトの「コミックノヴァ」にて2022年2月から同年12月までコミカライズ版が連載されていた。作画担当はいづみみなみ。 概ねゲーム本編に忠実にシナリオが進んでおり、作者事情で第5話から第6話(最終話)まで半年近い期間が開いたものの無事完結している。 また、それとは別にゲーム本編の前日談を舞台にした『廃深零』も、まんが王国から電子書籍として配信されている。こちらの作画担当は剛田ナギ。 2023年にqureateから発売された『俺の有休恋物語』とは世界観が共通しているのか、ななチャンネルについて言及されている。 なんでも登録者数を増やすためにとっておきの企画の撮影を予定しているそうな。一体どこの廃ホテルを探索するつもりなんだ…。 また、美桜らしき少女を操作して豚の着ぐるみが投げつけてくるナタを回避するミニゲーム『LIFE STREAM』を遊ぶことが出来る。 2024年に発売された『バニーガーデン』ではナイトプールの背景に水着姿の美桜、奈々、梓らしき三人組がいる。 (向かって右奥のプールサイドにいるロングヘアの女性、赤髪ツインテールの女性、黒髪をアップにした女性) 舞台は呪われた田舎の堵替塚ではなく東京なので旅行にでも来ているのだろう。 追記・修正は周囲に着ぐるみがいないか確認してからお願いします。 カラ…カラカラ… △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 昔からホラーとエロは同居するものと言われている…多分 -- 名無しさん (2021-04-25 15 11 51) 絵が可愛いんでやったら結構ホラーにも力が入ってて怖いという意見はよくあるな。ここのメーカー可愛い女の子が売りの作品多いから、ホラーおまけだろwと思った人が多かったらしい。 -- 名無しさん (2021-04-25 15 33 59) 美桜がメンタル逞しかったのは実は伏線という。豚さんの謎といて成仏させたらGOODENDになる…と思ったら全然甘かったっていうね -- 名無しさん (2021-04-25 17 05 07) 知れば知るほど気になるゲームだな。ホラー苦手だけど買おうかな -- 名無しさん (2021-04-25 19 10 31) GoodENDじゃなくTrueENDでは。とりあえずハッピーエンドではないんだよね、主役三人は助かったけど… -- 名無しさん (2021-04-25 22 08 01) フェイントを知ってから着ぐるみが目的地までのブースト手段になった -- 名無しさん (2021-04-26 12 00 18) 女の子達がピンチな時にひたすらπタッチしてくる謎の存在(プレイヤー) -- 名無しさん (2021-04-27 08 13 29) このメーカー他はコテコテの萌えゲー作ってるけど結構面白かったからホラーの挑戦続けてほしいな -- 名無しさん (2021-06-24 01 41 14) こんなえっちな女の子たちが子供たちの霊に捕まったらそのうちママの代わりにされたりえっちなこと延々とされると思うと興奮する。 -- 名無しさん (2021-07-29 14 04 02) 田舎の日常は都会の非日常なんだから、むしろ田舎であることを全面に押し出せば再生数とか稼げたのではと思ってしまう。田んぼの水入れとかが100万再生いくこともあるのよ? -- 名無しさん (2022-02-07 21 46 00) ゲーム本編に続いて前日譚まで漫画化されるあたり、結構人気だったのかな -- 名無しさん (2022-05-25 23 45 46) 面白かったけど最後は完全に和ホラーのテイストで上書きされてしまうのがちょっと引っかかったかな。おかげでトゥルーエンドがお迎えエンドに並んで怖いという…あの顔不気味過ぎて凝視してられん… -- 名無しさん (2022-06-29 20 46 45) コミカライズ版の最終話更新が大分滞ってるのでどうしたのかと思ったら、作画の方が体調崩されてたのね……お大事に -- 名無しさん (2022-09-02 08 48 50) トゥルーエンドは主人公達は生きて帰れてもう危ないところには近寄らないだろうけど恐怖は続く…。 -- 名無しさん (2023-01-12 11 45 03) 「ブラ透けを拝まずに進行している可能性があるので要注意」←草 -- 名無しさん (2023-01-12 11 55 21) 豚の着ぐるみの下着の色は? -- 名無しさん (2023-04-16 14 16 44) ↑そらぁ血みどろな赤よ -- 名無しさん (2023-05-25 22 30 42) 新作の発売決定しとるやん! -- 名無しさん (2023-08-31 00 27 06) 一番の怖がりの梓にしても、なんだかんだ言って友達のピンチを前にしたら勇気を振り絞って動けるだけの勇気はあるんよね。(次作のキャラがコンプレックスの影響もあって豆腐メンタルなのもあるが) -- 名無しさん (2023-09-30 15 58 16) エr……ゴホンゴホン。ギャルゲーかなんかでも欲しい。そして美桜ちゃんとイチャイチャしたい -- 名無しさん (2023-10-21 09 07 17) 3人ともスタイル抜群だから、グラビア路線でもいけそう -- 名無しさん (2024-04-23 20 44 50) 名前 コメント
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----ざんっ!! キャリアウーマンに手を伸ばしていた「夢の国の黒服」が、将門の一閃で切り裂かれた 真っ二つにされた「夢の国の黒服」は、即座にその存在を抹消させる 「ふん、雑魚めが…」 「将門様、つよぉい」 くすくすくす キャリアウーマンが将門の傍で笑う …ぷるぷるぷる ハンガーの生首は、そのキャリアウーマンの傍でぷるぷる震えているが 「さて……出てくるが良い。歪められし化け物よ。生まれ出た目的を忘れた、愚か者」 …ひたり それは、静かに姿を現した それは…リス、の着ぐるみのようだった 真っ赤な鼻が、どこか道化じみている そして、そのリスの背後には…黒い、黒い、パレードがひしめいていた 狂気のパレードが、将門たちに迫ってくる! 「………」 将門は、周囲を窺った 辺りには、自分たちの他に人影なし …すなわち 本気になっても、なんら問題はない、という事だ 「我の後ろから、離れるでないぞ」 「はぁい」 わっ、と 黒いパレードが、二人に襲い掛かる しかし……ざんっ!!と 将門の刀の一薙ぎで、それらは真っ二つに切り裂かれた ざんっ、ざんっ!!と さらに、細切れに切り裂かれ…静かに、消滅し 将門が刀を振るうたび、パレードは数を減らしていく 「くかか…どうしたぁ?この程度なのか?」 黒いパレードは…元々、「夢の国」に攫われた、子供 しかし、それを知っていても、将門は手加減しない …将門には、わかっていた これは、もはや元には戻れない 既に臓器を抜き取られ…最早、生きて人間に戻ることなど、不可能 ならば、ここで楽にしてやろう これは、祟り神なりの、慈悲 攫われ、臓器を抜かれ、その憎むべき相手に使役されている憐れな者たちへの、慈悲なのだ 「………」 リスの着ぐるみが、サーベルを手に迫る しかし、将門は笑みを浮かべたままだ その振りかざされる攻撃を、避けようともしない 受け止めすら、しようとしない ---っぎん!!!と サーベルが、将門の首にぶつかり…鈍い音を、立てる サーベルは、将門の首を…切り落とす事が、できない 「!?」 「くかかかかかかかかか……!!」 さぁ、悪夢に囚われた愚かな者よ お前に、悪夢を見せてやろう …はらり 将門の髪が、乱れ出す その肉体が、消えうせていっている 危険を感じたのだろう リスの着ぐるみは距離をとった その背後から、もう一体、少々毛色の違うリスの着ぐるみが新たなパレードを率いて、迫ってくる 「くかかかかかかか!!!!いくら増えようとも無駄無駄無駄ぁああああ!!!!」 「首塚」平将門が本性を現す 首だけの姿となり、けたけたと笑って、迫り来るパレードたちを睨み付けた ごきり、ごきり パレードたちの首が、折れはじめる しかし、それでもパレードたちは向かってくる 不死性を持つパレードたちは、この程度では止まらない …直後 一瞬、天が、光った 「首塚」の祟りによる雷が降り注ぎ その雷が、パレードたちに直撃する 雷の高温は、首が折れて不恰好な状態で動くパレードたちに直撃し…真黒焦げに焼きつくし、静かな眠りへとつかせていく …すぅ、と 再び、将門に胴体が戻った くすくすくす キャリアウーマンは、その後ろで将門の力を目の当たりにし、嬉しそうに微笑んでいた 「さぁ、後はお前たちだけぞ?」 ニタリ、将門は二体のリスの着ぐるみ相手に笑う リスの着ぐるみたちは、互いにサーベルを持ち、将門に飛び掛る 「…将門様ぁ、たまには、私にもやらせてくださいませ」 ひらり キャリアウーマンが、もっていた鞄から、それを取り出す 薄っぺらい、安っぽいコートのかかったハンガーだ ば!!と、それを二体のリスに見せ付ける その、襟口の部分に…ハンガーの生首は、出現した 「!?」 咄嗟に、黒い鼻のリスが警戒するように動きを止めた しかし、赤い鼻のリスはそのまま突進し… 「えいっ!!」 「!」 っば!!と キャリアウーマンは、そのコートを…赤い鼻のリスに、羽織らせた 「…さぁ、あなたは「着た」わね?この子が着た……コートを」 「……!!」 ぎ ぎぎぎぎ 赤い鼻のリスの動きが、目に見えて鈍る その首が…ぎりぎりと 万力で締め付けられているかのように、傾いてくる ハンガーの生首 その、呪いじみた力が発動しているのだ 「あなたたちは、簡単には死なないんでしょぉ?だからぁ……何度も、何度も、何度も何度も何度も、首を折られて死んじゃえばぁ??」 ごきんっ!!!! 赤い鼻のリスが、ハンガーの生首の力で、首の骨を折られた そのまま、ごりごりと…アスファルトの地面に、埋められていこうとしている 「…っ!」 相方を助けようとしているのだろうか 黒い鼻のリスが、キャリアウーマンにサーベルを振りかざした だが 「くかかかかかかかか!!貴様の相手は我がしてやろう!!」 そのサーベルは、将門の刀に受け止められた 楽しげに、楽しげに、将門は笑う 一度切った程度では、死なぬ敵 ならば……その心壊れ尽くすまで、何度でも殺してやろう 学校町 西区の一角にて 将門は、キャリアウーマンと共に…マスコット二体と黒いパレードとの、戦闘状態へと突入した …地面が揺れる事こそないものの、天は数回、光り続け…将門の呪いは、着実に、「夢の国」の戦力を、削りにかかるのだった to be …? 前ページ次ページ連載 - 首塚
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「月島さんは、レレナさんたちが行きそうな場所の、心当たりとかあるの?」 歩道の手すりに浅く腰かけて地図を広げつつ、泉こなたが問いかけた。 制服を着た童顔の少女と、くたびれたワイシャツを着た優男風の青年の取り合わせ。 ぱっと見には歳のはなれた兄妹のような組み合わせだが、実はこの2人、意外と歳の差が――『ない』、とみせかけて、想像以上に『ある』。 見た目は小学生程度の、実は女子高生。内実は18歳である少女、泉こなた。 見た目は20歳前後のフリーター。その内実は、平安時代から生きている本物の吸血鬼、月島亮史。 社会的身分を考えれば2歳ほどしか違わない2人だが、年齢差およそ千と少し。 ジェネレーションギャップもさぞ大きいかと思いきや――意外と会話は成立している。 「行きそうな場所――日頃からよく足を運ぶ場所ってことかな」 「うん、おなじみの場所。当てずっぽうに探しても時間がかかりそうじゃん。 私の場合はアニメイトとかとらのあなだから、地図にはのってないし」 「虎の穴……最近の女の子は、すごい所に行くんだね」 「たぶん、月島さんが考えてるのとは別の意味ですごいよ」 失礼、年齢差とは別の要因で、成立していなかった。 「僕は夜中しか起きてられないから、彼女らの行動パターンにはあまり詳しくないな。 しいて言えば、病院や診療所に行くことはないと思うよ」 月島亮史が探す2人の少女。1人は幽霊であり、1人は半吸血鬼である。 物理的干渉を受け付けない幽霊は、病院を必要としない。 半吸血鬼には『再生』能力があるので、こちらも病院を必要としない。 「夜中……やっぱり吸血鬼って、お日さまが苦手だったりするの?」 素朴なこなたの疑問。 「苦手というより――天敵かな。ちょっとでも陽射しを浴びると、命にかかわる。 あと、『流れる水の上』を渡るのも辛い。こっちは死ぬほどじゃないけど、しばらく橋の上にいると倒れる」 「ふーん。レトロな吸血鬼なんだねぇ。最近は陽射しも平気な吸血鬼だって多いのに」 「……こなたくんは何者なんだい?」 こなたの知る『最近の吸血鬼』とは、漫画などに出てくくる赤いコートを着た吸血鬼なんかを指している。 「だったらさ、朝になるとやばいんじゃない? どこかの建物に入らないと」 「それが問題だね。ただ、不幸中の幸いかここには地下鉄があるから、日中でも移動することはできるかな」 「おお、ラッキーだね。……って、それ、逆に言うと月島さんを探してる人たちも、地下鉄に来るってことなんじゃないの?」 言われて初めて亮史は気づく。基本的に亮史は、『自分が周囲に与える影響』について鈍感にできていた。 それもそうだ。吸血鬼が陽射しをしのごうとするなら、最も適した施設は地下鉄の内部に決まっている。 ならば、亮史を探す舞やレレナも、地下鉄に目をつける公算は大きい。 問題は、亮史を探すだろう人間が、2人だけではないだろうということ。 「上弦さんが、地下鉄で舞さんたちと鉢合わせしたら、危ないかもね」 こなたが先回りして言った。もともと、『お約束な展開』に対する直感は鋭い。 「そうなると、地下鉄で上弦を妨害しつつ、レレナくんたちと合流しないといけない、か」 「なら、これから直行で地下鉄に行くのがベストだね。レレナさんたちがいつ地下鉄に来るか分からないし」 「いや、吸血鬼同士には『感知』が働くから、行き違いになることはないよ。 吸血鬼も幽霊も『力』を持っているから、半径百メートル以内に近づけば分かる。 だから陽が昇るまでは、地下鉄沿線の地上を捜索して、夜明け前に地下鉄にもぐった方が、効率的だろうね。 その方が見晴らしが聞くから、誰かから情報を得られる確率が上がる」 「へー、便利なんだねぇ……あ、でもちょっと待って」 吸血鬼の話に大きな瞳をきらきらさせていたこなた。 しかし途中で言葉を切り、何かを思いついたように唇に指先をあてる。 「逆に言うとさ、陽がのぼっても上弦さんが地下鉄に来なければ――事情があったのでも何でも、地下鉄に着かなかったら、上弦さんはその日中は動けないってことだよね」 「うん、そうなるね。ただ、上弦を妨害できる参加者がいるとは、正直思えないけど」 「んで、逆にレレナさんたちが夜があけても地下鉄に来なかったら――月島さんとしてはヤバいんだよね」 「そうなるね。レレナくんは半吸血鬼だから陽射しには強いけど――それでも、危険な目にあって地下鉄まで来られない可能性はある」 「そうなったらさ――わたしの支給品に、イイものがあるかもしれないよ」 「いいもの?」 さっきちらっと見えただけななんだけど――と呟きならが、こなたはディパックをがさごそと漁る。 「あった!」 目当てのものを見つけたらしく、ディパックから両手をニュッと引き抜いた。 こなたの両手が抱えていたのは、カエルだった。 見事な緑色をした、カエルとしか言いようのないものだった。 より正確にいえば、カエルの頭部だった。 「――着ぐるみ?」 続けてこなたは、ディパックの中からカエルの胴体部分を取りだした。 それはもう、大の男が楽々と着られるような、大きな胴体だった。 間接部分は何か素材が入っているらしく、両手両足の曲げ伸ばしなど、なかなか快適に行うことができそうだった。 首元まですっぽりと覆うデザインになっており、日光からの遮光性なども申し分なさそうだった。 なんでこんな着ぐるみが、あんな小さなリュックの中にすっぽり入るんだろう。 まず、亮史が思ったのはそれだった。 「これなら日中でも動き回れそうじゃん? ふもっふ!」 こなたは得意そうに、カエルの頭部を差しだしてくる。 カエルはつぶらなくりくりとした瞳で、半月の形に大きく口を裂いて、笑顔を浮かべている。 つまり着ぐるみ特有の、愛きょうがあるけど、見ようによってはとても恐ろしい表情だ。 ……なるほど、確かに遮光性は充分に期待できるだろう。 そして、“日中でも日光を気にせず安全に移動できる”というメリットも、実にありがたい。 殺し合いの真っただ中で、こんなものを着ているところを見られては、別の意味で安全とは言い難いかもしれないが。 こなたは、にこにこと笑っている。 ……どうやら、『殺し合いをやっている街の中を、カエルの着ぐるみを着て歩く』というシュールさに対して、自覚がないらしい。 これは、こなたという少女の感覚が、常人離れしているのか。 それとも亮史の気づかないうちに、人間のファッションセンスは進化していたのだろうか。 「……もしもの時は、お世話になろうか」 内心はいやいやながらも、亮史はこなたから手渡されたカエルを、ディパックの中にしまった。 「ところでこなた君の支給品は、その銃と着ぐるみだけなのかな。……色々とお世話になるようで悪いけど、斧か棒状の武器があればありがたい」 「お、月島さんは棒術が使えるの?」 「これでも接近戦用の武器はだいたい扱えるよ。ただ、吸血鬼のバカ力だと刀は折れることが多いから、斧や硬い棒なんかの方が、使い勝手がいいね。 シャベルのひとつでも、吸血鬼には充分な威力を出せるから」 攻撃手段としては『狼』のような変身能力もあるけれど、基本的に変身しての攻撃は加減が効きにくい。 「なるほどー。わたしに聞いたってことは、もしや月島さんの支給品はハズレ?」 そこを聞かれると、バツが悪い。 「僕にとっては、ハズレかな……大きな銃が入ってたけど、僕は銃器を扱ったことはないから。あとはよく分からない黒い宝石と、赤いボールと」 「ふーん。じゃあその宝石とボールを、私にくれないかな。もしかしたら何かの秘蔵アイテムかもしれないし」 「それは構わないけど……使い方が分かるの?」 「アイテムなんて、だいたい使い方に傾向があるでしょ? 宝石系だと、特定の状況で体力を回復させるとか。 ボールの形をしたアイテムだと、実は中に何かが入ってるとか」 「こなたくんは知識が深いんだねぇ……」 「何でもは知らないよ。知っていることだけ」 何でもないことのように答えながら、こなたは自分の支給品の、最後のひとつを確認している。 亮史は思う。吸血鬼の知識といい、最近の人間は、オカルトなものに対する造詣が深いのだろうか。 それとも、このこなたという少女が、思わぬ拾いものだったのだろうか。 「あった。これ、鉄棒っぽいんじゃないかな」 果たして、こなたの支給品には亮史の目当てが入っていた。 こなたは棒状のそれをぐっと握り、ディパックから引き出す。 そして次の瞬間、ぐらぐらとよろけた。 「うわっ。何これ、重たい。すごい重たい」 「こなたくん、大丈夫?」 「あ、ありがとー。月島さん」 亮史が背中を支えて、『それ』を受け取る。 『それ』は、長い長い鉄棒だった。 ただし、大きな青い布地が紐に繋がれて翻っていた。つまり、旗だった。 海のような青い布地に、赤いラインが一本引かれていた。 どこかの学校の部活動の、応援旗か何かに使われているようなデザインだった。 そして、なるほど重かった。 もっとも、『重い』というのはあくまで人間が持った場合に重く感じるだろうということで、吸血鬼にとっては楽々と持ちあがる軽さだったが。 材質も、重さの分だけしっかりしていて、折れたりする心配はなさそうだ。 旗の部分を取り除いてしまえば、武器として扱う分には申し分ないだろう。 この旗を使っていたチームにが聞いたら、怒りだしそうなことを考えつつ、亮史は旗の部分を結んでいる紐をほどこうとした。 夜風に煽られた旗がふわりと翻り、そこに張り付いていた説明書がひらりと落ちる。 そこには、旗の所属するチーム名が書かれていた。 「あおがくテニス部応援団旗?」 「それは『せいがく』って読むんだよ思うよー」 「こなたくんの知ってる学校なのかい?」 何気なく亮史が尋ねると、こなたはハッとしたように顔を上げた。 「あれ……? 知ってる学校みたいな気がしたんだけど。すごく有名な学校なような、でもそうじゃないような……」 初めて亮史の質問に歯切れの悪い答えを返し、こなたは『うむむ』と唸り声をあげる。 亮史はそんなこなたに首をかしげただけで、旗を外す作業に戻った。 釈然としないのは、こなたの方だった。 まるで、頭の中にトゲが引っかかっているみたいな。 (『あおがく』だったら青山学院のことなんだけどねぇ……) この状況では学校の名前などどうでもいいはずなのに、妙に気にかかる。 まるで『本当なら知っている』はずの知識を、どうしてだか『思い出すことができなくなった』ような。 (どっかで聞いた気がするんだよねー……まあ、いいや) 例えるならば『一度読んだ漫画』のはずなのに、内容を思い出せなくなってしまったような、そんな焦燥感だった。 【F―7/住宅街/一日目黎明】 【月島亮史@吸血鬼のおしごと】 [状態]健康、『力』を微消費 [装備]青学応援団旗(旗なし)@テニスの王子様、フェイファー・ツェリザカ・ハンドキャノン(残弾5)@現実 [道具]基本支給品一式、青学応援団旗(旗のみ)@テニスの王子様、カエルの着ぐるみ@スパイラル・アライヴ、ツェリザカの予備弾(10発) [思考]基本:ゲームには乗らない。レレナと舞を失うことに対する強い恐怖。 1.夜が明ける前後までは、地下鉄沿線を捜索 2.レレナくん、舞くんと何としても合流。並行して、こなたくんの友人も探す。 4.上弦、ツルは最大限に警戒。 ※参戦時期は、5巻と6巻の間。 ※こなたを、小学生ぐらいの年齢だと思っています。 【泉こなた@らき☆すた】 [状態]健康、陵桜高校の制服 [装備]違法改造エアガン(残弾10/10)@スパイラル~推理の絆~ 、モンスターボール(中身不明)@ポケットモンスターSPECIAL [道具]基本支、ゲートルードのグリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ給品一式 [思考]1.夜が明ける前後までは、地下鉄沿線を捜索 2・月島さんと行動。 3.かがみやつかさ、ゆーちゃん、岩崎さん、田村さんと合流したい。 ※高校三年時からの参戦です。 ※オタク知識に制限がかかっている可能性があります。(程度の度合いは不明) ※亮史とこなたの名簿には、以下の人物に丸がついています。 雪村舞、レレナ・パプリカ・ツォルドルフ、柊かがみ、柊つかさ、小早川ゆたか、岩崎みなみ、田村ひより 【フェイファー・ツェリザカ・ハンドキャノン@現実】 オーストリアのフェイファー社が開発した超大型拳銃。 コスト無視、安全性も無視、人間が扱える限界をも無視して、「最強の拳銃」を作るためだけに生み出された名(迷)品。 本体重量だけで6.5kg(ロケットランチャーとほぼ同重量)。 人間の腕力で使いこなすのはまず不可能で、機関銃と同様に地面に据え置いて撃たなければならない。吸血鬼の腕力なら扱えるかも。 【青学応援団旗@テニスの王子様】 泉こなたに支給。 青学の試合で、応援要員(主に試合が回って来ない時の河村隆か桃城武)が振りまわしている大きな大きな旗。 桃城曰く、重量20キロはあるらしく、一般人が片手で持ち上げることはまず不可能。 ただし河村隆は片手で持ち上げた。さすがタカさんだ、何ともないぜ。 【ゲートルードのグリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ】 まどか☆マギカ2話で巴マミが魔女ゲートルードを退治して手に入れたグリーフシード。 マミの話だと、これひとつでだいたい2回分、ジェムを回復させることができるらしい。 【カエルの着ぐるみ@スパイラル・アライヴ】 鳴海清隆が持っている着ぐるみシリーズの一作。 関節部などが動かしやすい構造になっており、実際に清隆はこの着ぐるみに乗った状態で自転車をこぐことができた。 ちなみに本編では前が見えない仕様だが、本ロワでは遮光性を保持しつつも、着ぐるみの中から外を見られるようになっている。 Back 040Open Death Trap 投下順で読む Next 042道化(ピエロ)のつぶやき Back 005The style of Otaku 泉こなた Next [[]] Back 005The style of Otaku 月島亮史 Next [[]]