約 3,760,056 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1341.html
竹林の奥に、ひっそりと佇む、月から幻想郷へと移り住んだ者達が住む永楽亭。 その地下には、和風の屋敷には不釣り合いな内装の研究室がある。その部屋の中で机に座った、看護師のような服を着た銀髪の美し い女性が片肘を突きながらガラスケースに入った何かを見つめていた。 「おねえさん!おめめがいたいよ!おうちかえる!」 大きめのガラスケースに入っているのは、今や幻想郷でお馴染みとなった。ゆっくりれいむだった。 しかし、何やら様子がおかしい。 「なにもみえないよ!」 ゆっくりれいむの両の眼球には、手術用のメスが深々と突き刺さっており。その眼からは、涙と餡子が混ざった液体が流れている。 ガラスケースの中には、その液体が飛び散った跡があり、ゆっくりれいむが痛みで暴れていた痕跡が窺える。 「あらあら、何も見えないのね?それじゃあ、お友達の姿も見えないし、お花見もできないわね?」 微笑みながら、ゆっくりれいむに語りかける銀髪の女性は、“月の頭脳”こと、八意永琳だ。 「ゆっくりできないよ!」 体を左右に揺らしながら訴えるゆっくり霊夢。 「うふふ、私はとってもゆっくりしてるわよ?」 ニコリっとする永琳。その優しい笑顔で何人の男性を虜にしてきたのか。 「ゆっくりさせてよーっ!!!」 泣き叫ぶゆっくりれいむ。 「ゆっくりれいむちゃん、安心して?私はお医者さんなのよ?こっちにいらっしゃい?あなたのお目々を治してあげるわ。」 永琳がそう言うと、少し間をもった後、ゆっくりれいむは声のする前方へ恐る恐る向かう。 ゴツッ 「ゆ゛ぐぅぅぅううぅぅっ!!!」 しかし、ゆっくりれいむの前には当然、ガラスケースの面が立ちはだかっている。両目のメスはより深く突き刺ささる。 実は、こんなやり取りがもう五回程続いている。 激痛に泣き叫ぶゆっくりれいむ。 「あら、ごめんなさい。ケースの扉を開けるのを忘れていたわ。ほら、もうこっちに来れるわよ。」 もちろん、そんな扉は無い。 「もうやだ!おばさんはうそつきだよ!!!」 さすがに知能の低いゆっくりでも、こう何度も騙されていたら少しは学習するようだ。 しかし、ゆっくりれいむがせめてもの抵抗で発した。その単語がいけなかった。 「お・ば・さ・ん…?」 突如、八意永琳の顔が豹変した。顎を思いっきり横にずらしながら歯ぎしりし、眉毛は釣り上がり、目線は斜め上に向かっている。 顔中にシワが走り、血管が浮き出る。 「だ・れ・が、おばさんじゃこのちくしょうがあああぁあああぁあぁぁぁっ!」 永琳は凄まじい勢いで席を立つと、棚から濃硫酸の入ったビンを取り出し、すぐさま元の席にかけ戻り、ゆっくりれいむの 入ったガラスケースの上部の扉を開け、ドボドボと濃硫酸をそそぎ込んだ。 「ゆぅーーーっ!!!」 どんどん溶けていく、ゆっくりれいむ。 「わしはまだまだティーンエイジャーじゃああああああっ!!!」 発狂しながら濃硫酸を注ぎ続ける永琳。 「ゆっくりゆるしてね!ゆっくりゆるしてね!」 必死に命乞いをするゆっくりれいむ。 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ……。」 しかし、ゆっくりれいむはドロドロの液体になり、ガラスケースには饅頭のジュースが出来上がった。 「ふぅっ、ふぅっ、ふぅ……。」 肩で息をしながら、我にかえる八意永琳。 「あらいやだ、もっと時間をかけて楽しむつもりだったのに……。うどんげっ!うどんげっ!!」 「はい!何ですか師匠!!」 八意永琳の弟子、鈴仙・優曇華院・イナバが部屋へと駆けつける。 「このドロドロの汚いの、皿に分けて隣の部屋のゆっくりどもの餌にしておいてちょうだい。」 「はい!師匠!」 ガラスケースを抱え上げ、部屋を後にするうどんげ。 「…!」 ふと、あることに気づく八意永琳。 「あらあら…私ったら…ウフフ……。」 彼女の股は濡れていたのだ。 狂気を操る自分でさえ、師匠の持つ狂気にはかなわないだろう。 ガラスケースの中の、溶けたゆっくりれいむを見つめながら、うどんげはそんなことを思っていた。 今宵は新月、永楽亭の静かな夜は続いていく。 おわり
https://w.atwiki.jp/naianakikaku/pages/1700.html
夢を見るのは脳が起きている状態で、記憶の整理をしているときだそうです。 約3時間ごとに30分程度くるこの睡眠はレム睡眠と呼ばれています。 普通、この睡眠の間は夢を見ていますが、覚えているのは極稀だそうです。 ですから僕は、このモノクロの夢が本当に夢なのか自信を持てません。 僅かに開けていた窓を開け、誰も寄り付かなかった部屋を覗きこんだのは、僕と同い年の女の子でした。 それからその女の子は毎日同じ時間、僕が部屋の換気の為窓を開ける時間に遊びに来ました。 毎回無視を貫く僕に構わず話しかけ、一人で笑っていたのを覚えています。 最初こそしつこく思っていましたが、気がつけば僕は彼女を気にしだしていました。 そしてある日、窓が開くのを見計らって僕は尋ねていたのです。 「どうして毎日僕の所に来るんですか…?」 はじめましても、こんにちはも、僕らに必要はありませんでした。 それから窓が開くたびに僕らは何気ない会話を交わし出しました。 やがて彼女はその窓から僕を外へと引きずり出しました。 気味悪がられようと、何を言われようと、彼女だけは僕と一緒に遊んでくれました。 しかしそれでも僕の世界に色がつくことはなく。 モノクロの世界のまま僕は彼女の背を追っていました。 …夢だから、でしょうか。 気がつけば一瞬にして、僕も彼女も成長し、とある倉庫の中に居ました。 …覚えています、この景色。 それは、僕たちが不良として暴れまわっていた頃の記憶。 そしてこの倉庫は、僕の「最後の」、彼女にとっての「最期の」喧嘩でした。 明らかに多い数を裁いていく彼女に僕は見とれていたのを覚えています。 そして、後ろからの奇襲への注意を叫ぶのが、遅かったことも。 コンクリート固めの地面に倒れ込む、僕の大切な存在。 白と黒だけの世界に、僕は初めて「色」を見ました。 それは、流れ出る赤と、彼女の染めた青でした。 息絶えたことは、眼に見えて分かる事実でした。 暫く動けなくなったのを覚えています。 僕は唯茫然と、彼女を見ることしかできなかったのです。 後ろから襲いかかってくることに気付いてても、僕の体は動きませんでした。 彼女なしでは僕は生きていけない。このまま死んでも構わないと、僕は思っていたのです。 しかし。 自分の頬を、何かがかすめました。 後ろから轟音。振り返ると、不良の一陣が倒れ込み、壁に今までなかったはずの鉄柱が突き刺さってました。 がさがさと音がして、立ちあがる気配がしました。 僕は振り返り、その光景に絶句するしかありませんでした。 空間に浮かび上がる砂鉄。 それが形を成し、幾本もの鉄柱へと生まれかわる。 次の瞬間、鉄柱はその場から姿を消し、敵であった不良を襲っていました。 眼の前で起こった確かな光景に、僕はただ唖然とすることしかできませんでした。 そこからの映像はまったくもってぐしゃぐしゃで。 突然倉庫の端が爆破し、僕は気絶してしまったようでした。 モノクロの世界に最後まで写っていたのは。 ただ美しい青色だけでした…。 あれから数年。 僕は彼女から信じられない事実を語られました。 「あの時」と同じように、僕も死んだというのでした。 一重には信じがたいこの言葉。 ぼくが信じる事が出来たのは、きっと語ってくれたのが彼女だったからかもしれません。 僕も彼女と同じなんだ。 「おかしな人」になったんだ。 込み上げるおかしな笑いをとどめることができませんでした。 僕は君と同じ世界に生きることを許されたんだねと、僕はそう解釈することにしました。 それは実にありえない、実にすばらしい現実でした。 僕の眼の前の景色は彩り始めていました。 モノクロの世界から脱することができるのは、もう少しなんだね。 僕は信じるよ。 この先どんなことが待ちうけようとも、きっと君に追いついてみせる。 君と居る事が出来るなら、どんなことでも乗り越えて見せるから――。 モノクロセカイ 病棟に警報が鳴り響くのは、この後すぐの話だった…。
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/1160.html
18 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/30(金) 21 03 54 ID vMJ0IL7I 【食堂】 ひたぎ「さて、皆さんお待たせしました」 C.C.「引っ越し後、最初のひたぎウィッチの時間だ」 上条「いや別に誰も待ってn」 ヒュン ガッ ひたぎ「あら?手が滑ったわ」 上条「どう滑ったら壁にカッターが突き刺さるんだよ!?」 ひたぎ「壁に刺さったのは上条君が避けたからでしょ?」 上条「やっぱり俺を狙ってたんじゃねぇか!!」 ひたぎ「え?何を言ってるのこの人?」 上条「は?」 ひたぎ「嫌だわ…上条君ったら『こいつ俺に気があるな』って目で私を見てたのね…」 上条「そういう意味じゃねぇーーーッ!!!」 C.C.「とんだうぬぼれ男だな…童貞の癖に…」 ひたぎ「全く、勘違いしないでよね。一応言うけどこれはツンデレ台詞じゃないわよ」 上条「……もう反論する気も起きない…」 アーチャー「ふん、相変わらず仲のいい奴らだ」 上条「どの辺が!?」 アーチャー「これだけ言いたいことを言えるのは、この程度のことでは相手が自分を嫌いにならないと思っているからだ」 上条「……嫌われてもいいと思ってるのかもしれねぇじゃねーか…」 アーチャー「そんな奴は最初から相手にしない。この2人はそういう奴らだ」 ひたぎ「………」 C.C.「………」 アーチャー「ふん、反論もなしか?」 衣「う~ん…よくわからぬが…要するにシーちゃんもひーちゃんも上条が好きなのか?」 上条「いやそれはちg」 ひたぎ「ええそうよ。実は私は上条君が大好きなの」 C.C.「そして私も上条が大好きなんだ」 上条「はい!?」 衣「おお~そうだったのか~」 ひたぎ「ええ、もうメロメロなのよ」 C.C.「もはや首ったけという奴だな」 上条「え、あの、え…?」 アーチャー「……羞恥を煽る方向に切り替えたか…」 黒子「お姉様がいなくてよかったですの…」 士郎「インデックスも今は聞いてないしな…」 インデックス「引っ越しの後の食事は美味しいんだよ!」ガツガツ セイバー「貴女は特に関係ないはずでは!?」バクバク インデックス「え、え~と…色々あるんだよ!!」ガツガツ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1315.html
やっぱり避ける方が先です! 「ハァッ!」 私は左手で敵の足を狙い拳をはなった。 ゴッ! 命中した瞬間、鈍い音がした。 これで相手がバランスを崩れるは…ず…。 「………破壊…する」 「エッ…」 ドグシュ! ………そんな…。 相手の足を殴ったら普通バランスを崩すはずです。 なのに敵のハウリンはピクリともバランスを崩さなかった。 そして私は…ソード・オブ・ガルガンテュアで攻撃された。 胸に突き刺されたソード・オブ・ガルガンテュアは深く刺さっていて、私は完全に動けなくなりました。 痛い。 痛いです、ご主人様。 助けて、ご主人様。 ごめんなさい、ご主人様。 「アンジェラスー!気をしっかりもて!!頼む!!!」 あぁ、ご主人様が大声で私の事を心配してくれてる。 嬉しいです。 でも、ごめんなさい。 もし、あそこでご主人様の言う通りにしてればこんな結果には…。 「待ってろよ!今から筐体をぶち壊して、お前を助けてやるからな!!」 あれ、ご主人様が鼻声になってる。 あ…よく見るとご主人様は涙を流しています。 ご主人様が涙を流してる所を久し振りに見ました。 …そういえば、あの時にもご主人様は泣いてましたね。 だんだん瞼も重くなってきました。 もう駄目なのかな…私。 ああぁ、だんだん寒くなってきました。 寒い。 寒いです、ご主人様。 抱いて暖めて、ご主人様。 ごめんなさい、ご主人様。 「おい!?逝くな!俺を置いていくのかよ!!たのむから生きてくれ!!!」 「…ご、ご主人様。ごめんなさい」 「ごめんなさいって…おい、ヤメテくれよ!?そんな縁起でも無い事言うなよ!」 「ご主人様…一言しか…言わないのでよく…聞いてくださいね…」 「聞きたくない!聞きたくない!!」 「私…ご主人様の事…九年前から好きでした。…愛してます」 「アンジェラス、お前!」 「さようなら…ご主…愛しのマスター…」 「アンジェラスーーーー!!!!」 そして…大好きで愛してるマスターの顔を見ながら私はゆっくりと…瞼を閉じた。 BUT END
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1589.html
○月×日 20:45 裏門傍 「…やれやれ、ようやく付いたな」 「まったくだわ」 タクシーを降りた女性と少女 赤い靴と、その契約者だ 赤い靴は相変わらず、爆乳美女の姿のままである 「まったく…異空間は発動させられるのね?」 「あぁ。だが、異空間を通って敷地内に入る…と言うのは無理そうだな。異空間に身を潜めるくらいはできそうだが」 それと、あとはせいぜい他の異空間にちょっかいをかけられるくらいか …とまれ この高校に、マッドガッサー一味はいるのだ 「さて、監視カメラが見えるな…門から入る訳にはいかないな」 「でしょうね」 ひょい、と 赤い靴は、契約者の体を片腕で抱き上げた そして、ったん!!と 軽々と、塀を飛び越える 女性の体になっていても、これくらいの身体能力はある すたんっ、と着地も軽やかだ 「だが、校舎内に入るにはどうしてもカメラの前を通るぞ?」 「わかってるわよ。でも、気づかれるのが遅いにこしたことはないでしょ?」 「まぁ、その通りだな」 契約者を抱き上げたまま、壁沿いに進む とにかく、校舎内に侵入する出入り口を探さなければ ---だが、その時 「っ!?」 「きゃっ!?」 どすっ!!と 二人の傍に、矢が突き刺さった 頭上を見上げると…屋上から、誰かが狙いをつけてきている! 「赤い靴っ!」 「わかっている!!」 即座に、異空間を形成し、避難する ここにいながら、ここではない空間を作りだしそこに入り込む、引き込む それが、赤い靴の能力だ 普段ならここに入り込んだまま移動できるのだが…この敷地内では、なぜかそれが使えない (…恐らく、あちこちに描かれている魔法陣のせいだと思うが…) 視界に入ってくる魔法陣を見やりつつ、そう考える赤い靴 全て消してしまえばいいのかもしれないが、そんな時間はない こうやって隠れているだけでも、タイムロスなのだ、本来は だが、今はこうするしかない 自分達に、遠距離攻撃手段はないし……自分の戦闘力は、落ちてしまっているから 契約者を危険に巻き込まないためにも、仕方ないのだ 「あぁ、もう、じれったいわね…!」 「そう言うな…誰かと合流できれば楽なのだが、今は慎重に行くしかあるまい」 苛立つ様子の契約者の頭を撫でつつ、赤い靴は苦笑した …相手の正確な人数、戦力も不明の今現在 そして、校舎内にどれだけの戦力が入り込んでいるかも、はっきりとはわからない ……とにかく、自分たちはひたすらに慎重に進んでいくだけだ to be … ? 前ページ連載 - 赤い靴
https://w.atwiki.jp/ffdqbr3rd/pages/899.html
第52話:最強同士の同盟 砂浜で激しい旋風が巻き起こっていた。 力と力のぶつかり合い、巨大な竜巻が塔のようにそびえたつ。 アーロンのくり出す風の奥義にセフィロスが応え、トルネドの魔法を覇気とともに放った結果である。 アーロンはアリアハン南の海岸に出現したが、運の悪いことにそれはセフィロス出現場所と同位置だったのだ。 初め、両者は向かいあったまま動かなかった。 お互いの出方を探るため、というより戦う意思表示を先にする方を譲りあったとでもいった方が正しい。 完全にどちらもやる気だった。 理由は両者で異なる。 こいつは間違いなくゲームに乗る、アーロンの理由はセフィロスの瞳の色を見てそう判断したため。 逃げられるとは思えなかったのだ。 一方のセフィロスは最初からゲームに乗っていたため。 単純明快、生き残るために参加者を倒す、それだけだ。 数多の砂粒を吸い上げた風の塔が形を崩して、辺りに砂の雨を降らしたとき、セフィロスは勝機が見えた と判断した。 すなわち、この視界が奪われた状況で、自分は相手の位置が完全にわかっていると。 敵の殺気を読んだのだ。 目を閉じ精神を高めたセフィロスの頭の中には、二十歩ほど先に赤い靄のような塊が映っていた。 赤い靄こそ敵の放つ殺気をイメージしたもので、それがアーロンである。 姿がはっきり映っているわけではない。 ただ自分がわかりやすい形であればいいのだ、その位置に敵が居ることが把握できればいいのだから。 セフィロスは両手を胸の高さまで持っていく。その手には村正が握られている。 ばっ、と砂地を蹴って、疾走した。目を閉じたままで。 砂粒が全身を叩いたがセフィロスの進路を妨げる障害にはならない。 敵を目前としたところで、跳躍し、勢いをつけて斜めから刀を振り下ろした。 そこには姿勢を低く待ち構えていたアーロンがいた。 金属と金属のぶつかる激しい衝突音。 アーロンはセフィロスの刀を剣で受け止めた。 体重をかけたセフィロスの斬撃を受け流して反撃に出るアーロン。 セフィロスは体勢を崩し、膝をついていた。 「殺気を読めば不意討ちなど!」 なるほど、とセフィロスは思った。 この男も同じことをやっていたか。さて、おもしろくなりそうだ。 セフィロスは歓喜に震え、少し本気を出す気になった。 アーロンが剣を振り下ろす一瞬の間の思考だ。 次の一瞬、何かが深々とめり込む異様な音がした。 「どうした?」 セフィロスは思わず声をかけた。 剣を握ったままのアーロンが彫像のようになって動かない。 数秒間をおいて、ゆっくりとアーロンが崩れ落ちる。 セフィロスは倒れてくる体からさっと身をかわす。 砂浜に巨体が横たわった。 アーロンの背には針が突き刺さっていた。 針には毒が塗られており、それがアーロンに死をもたらした。 セフィロスが視線を移すと風のおさまった砂浜に何とも面妖な衣装をした男が立っていた。 悪趣味といってもいい。 この男がやったのか……セフィロスは不機嫌になった。 「どういうつもりだ。まさか私を助けたなどと言うつもりか」 クジャは心底おもしろそうに笑った。 「まさか。君はどう見てもその男より強いよ。いや、それどころじゃない、僕と同じくらいの力を持っている。 どう転んでも負けるなんて思えなかったね」 「なら何故余計な手出しをした」 セフィロスの問にクジャは髪をかき上げて答える。 「挨拶さ。君と行動を共にするものとして。これから二人で次々と血祭りをあげようじゃないか」 「共にだと……」 セフィロスは立ち上がってクジャを見つめた。 この男……強い。体じゅうから尋常でない力を発している。 セフィロスは自分がこの男と戦いたがっていることに気づいた。 全力を出すにふさわしい相手を見つけた。その喜びがこみあがってくる。 クジャは両腕をひろげて空を見上げた。 「君は本当に強いね……。たぶん、普通の人間じゃないんだろうね。生まれ持った才覚かな、凡人が どんなにがんばっても手に入れることができない…… 僕の隣を並んで歩いていても不自然じゃない者、それは君、初めてだよ」 クジャは自分の言葉に酔っていた。 彼の己の肉体を誇示するような服装も、その性格から来るものだろう。 セフィロスはクジャの性格は拒絶したかった。まるで道化師、到底好きにはなれない。 だが、その内在する力には間違いなく惹かれるものがある。 セフィロスはクジャの申し出に応じる気になった。 「貴様は正直理解し難いところが多い、が、いいだろう。手を組んでやる。 ただし条件付きだ。最後、私と貴様の二人だけになったところで、本気で闘い合いたい。 誰にも邪魔をされずに、どちらかが死ぬまでな」 クジャは笑って、いいよとうなずいた。 「まあ、わざわざ条件づけしなくても結局そうなるんだけどね」 【セフィロス 所持品:村正、ふういんのマテリア 行動方針:参加者を倒して最後にクジャと決闘 【クジャ 所持品:ブラスターガン、毒針弾、神経弾、 行動方針:最後まで生き残る】 【現在位置:アリアハン南の海岸】 【アーロン 死亡】 【残り 123名】
https://w.atwiki.jp/karanemi/pages/351.html
作品名:魔法少女育成計画シリーズ 使用者:リップル(= 細波華乃(さざなみ かの))、スノーブラッド 魔法少女育成計画に登場する能力。 投げたものが必ず対象へ命中する軌道を描く魔法。 魔法少女アバターの固有武器は刀、クナイ、手裏剣。 魔法についての詳細軌道操作 投擲物の速度と威力 位置の把握が必要 使用者との関連性無限の苦無と手裏剣 関連項目 関連タグ リンク 魔法についての詳細 軌道操作 投げたものが必ず対象へ命中する魔法では手裏剣となっているが、手裏剣以外も必中になる。 リップルはほどなく標識三つ分を全て裁断し、鉄屑と化した元標識を片端から投げて籠 に積み終えた。投げた標識は、どのように投げようと、不自然に変化して吸い込まれる ように籠の中に落ちていく。魔法「百発百中の手裏剣の腕前」は、手で投げればなにに対 しても作用する。案外節操がない。 命中するまでの軌道を操作できる相手の進行方向に設置したり、相手の防御・迎撃をすり抜けさせられる。 (中略)リップルの投げるクナ イは奇怪極まる軌道を描いて飛ぶ為、ただ盾として置くだけでは防ぎきれない。絶え間 なく複数の虹を作り、動かさなければならなかった。 投擲物の速度と威力 音速で発砲できる魔法少女が迎撃できない速度片手で0.1秒以内に発砲できるカラミティ・メアリが拳銃1丁あたり2発しか撃てない。 魔法少女に致命的なダメージを与えられる威力ただのガラス片でも対人地雷で傷付かない魔法少女の身体に突き刺さる。 威力は使用者が調整可能。 一発撃ち、二発撃ち、三発撃ち、四発目は撃つ暇がなく拳銃で横薙ぎに払い、そこまで だった。肩に、鎖骨に、ガラス片が突き刺さり、手裏剣の回転が肉を抉り、クナイが眉間 に深々と突き立ち、(以下略) 位置の把握が必要 どれだけ相手の位置の把握しているかで命中率が変わる視線が通っていれば必中。 リップルがイメージした場所に飛ぶため完全に対象を捕捉する必要はないが、その分精度は落ちる。 リップルの魔法を効果的に使うためには、視線が通っていなければならない。だいたい の位置に投げてもそれなりの精度はあるが、所詮それなりでしかない。視界を塞いでし まう煙幕弾との相性は良くなかった。 使用者との関連性 無限の苦無と手裏剣 苦無と手裏剣は魔法少女のコスチュームのひとつであるため、無限に供給される弾切れが存在しない。 投げた苦無と手裏剣は落とされても残り続けるため、再利用できる。だが相手に利用されることもあり得る。 魔法少女の武器には、制限なく使えるものがある。どれだけ撃っても矢筒から出てくる 弓、どれだけ食べても無くならないひまわりの種、どれだけ投げても尽きることのない投 げナイフ。リップルの手裏剣やクナイもこういったアイテムの類だろう。どれだけ投げて も一向に終わる気配が無い。 関連項目 関連タグ 必中 能力 自動装填 軌道操作 魔法少女育成計画 リンク
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/1739.html
あの時、佐助の忠告に従っておけばよかったのだ。 呆然と横たわったまま慶次は思ったが、あの会話の時点で慶次は自分の心持ちをよくわかっていなかったのだ。 汗で張り付いた前髪が気持ち悪い、そう思えば心を読んだかのように硬い指が慣れた動きで前髪をかき上げた。 「…もっと、楽にせよ」 無理だ。 またも慶次の思考が読まれたのか、ざらついた声が続ける。 「まずゆっくりと息を吸うとよい。吸ったなら、細く少しずつ吐きだせ。ああ、俺の肩に掴まれば楽になろう」 聞き分けのない子供に言い聞かせるように慶次に語りかける幸村の瞳は恐ろしく澄み切って、美しい。 言われるままに呼吸をし、幸村の肩にすがる慶次の様子を冷静に見ながら、豊かに弾む乳房を揉みしだき、押しつけた腰を回す。 苦痛に強張るばかりだった慶次の肉体を慣れた動きと冷静な観察であっと言う間に溶かし、幸村のいいように変えていく。 ぐちぐちと濡れた音は破瓜のせいだけではない。 (ああ、あんたは正しかったよ、恋をした女の忠告は聞くべきだったんだ) 破廉恥と、凛々しい顔立ちを赤く染めたのは確かに今慶次の上にいる男だ。 「…っ…あう…」 「まだだ、慶次殿。すべて入っておらぬ」 「うそ…もう無理だってば…」 「平気だ。俺に任せてくだされば」 ゆっくりと、幸村の顔が下りてくる。 だらしなく唾液に塗れた慶次の口元を、幸村は丁寧に舐めている。 犬のような男だとからかったのは、いつだったか。 (あんたの言う通りだよ) 慶次は、本当の恋を知らなかったのだ。 「はは…ほんとだよさっちゃん」 「なにか?」 「幸村、俺はあんたを舐めてたよ。恋って、破廉恥なものなんだな」 「左様。なればあまり吹聴なさるな」 赤い虎の若子が、妬けては困る。 嘯く口はしばし笑い、やがてゆっくりと重なり合った。 了
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/2430.html
俺は立っていた。 全身を血に染まらせて。 足下に転がる三好の三人に、既に意識はなかった。 流れ出る鮮血が、渡り廊下一面を覆い尽くし、ぽたぽたと滴り落ちては地を汚していた。 死ぬつもりであった。 だが、その絶望を上回る程の、絶対の怒りが全身に渦巻いていた。 許さない。許せない。こいつらだけは。 荒い息も整わぬまま、俺は一直線に奴の部屋へ向かっていた。 勢い良く障子戸を開けると、こちらに背を向けていた久秀は、別段慌てた風もなく、ゆっくりとした動作でこちらへ向き直った。 「松永久秀ぇぇぇッッ!!!」 奮い起こす様に、怒気をあらんかぎりの叫びに乗せ、それと共に俺は床を蹴った。 ただ命を奪う為だけに、刀を両手に持ち替え、体重を掛けて突する。 そして、全ての音が消えた。 手にした刀は、何の抵抗もなく深々と久秀に突き刺さっていた。 一瞬遅れて踊る様に湧き出た血が、刀を持つ俺の手を染め上げる。 「何故だ……」 声を上げたのは俺だった。 「何故避けなかった……!」 俺の声だけが部屋に響き渡った。 「何故……だろうな」 少し間の開いた後、久秀は自嘲気味に口の端を上げた。 「俺を利用する為だけに側に置いていたのだろう!?」 思わず声を荒げて食い掛かる。 「利用するだけ利用して、腹の内で嘲笑っていたのだろう!?違うのか!?」 襟元を締め上げても尚、久秀は何も言わずに目を細めていた。 「返せ……返してくれ……!お館様を!佐助を!武田を……!!」 力任せに揺さぶれば、久秀はがくがくと力なく揺れた。 それ以上の言葉が、溢れ出た涙に遮られる。 返せと喚いて、返ってくるものではない事も分かっていた。 返せと言う事自体が間違っている事も分かっていた。 奪ったのは俺自身に他ならないのだから。 いつしか俺は、憎い筈の男に縋る様に泣いていた。 成す術のない赤子の様に、泣きじゃくっていた。 久秀は身動き一つせず、血の流れ出る腹を押さえたまま、ただ、ぼんやりと虚を見つめていた。 「……遅かったな」 ぽつりと呟いた久秀の言葉が、俺の背後に立つ人物に向けられたものだと気付くのに数刻要った。 それ程に、俺の死角を取った人物は、全くと言って良い程気配を感じられなかった。 慌てて振り向き様構えようとしたその手が、あっけなく後ろ手に捉えられる。 続いて流れるような動きで、もう片方の手が俺の視界を塞いだ。 一寸の油断を悔やんだ後、だがその掌の温かさに懐かしさを覚え、俺は動きを止めた。 「誰かさんのお陰で身動き出来ない程重傷だったもんでね」 聞き覚えのある軽い口調は、紛れもなくその男の声だった。 「佐助……?」 止めどなく溢れ出た涙が、俺の顔を覆うその掌を濡らしていく。 懐刀が俺の手を滑り落ち、かららんと無機質に床に転がった。 月に群雲8
https://w.atwiki.jp/2023/pages/80.html
参加メンバー レン/GUMPEST 化蟹漁師ミリー 鉱石人 事件の経緯 (part102)にて発生。 突如街に現れたきるどーるのメカ「カブトブジン」! 3人の狙いはGUMPEST V2のデータだった! 着ぐるみ電波で人々にオスのカブトムシ着ぐるみを着せていくメカ。 ミリーとキンバリーも例外なく着せられ、行動を制限される… さらには物理攻撃のバリアによりミリーの銛も防がれてしまう。 そこへ駆けつけたGUMPEST V2!突進を決めて登場した! が、電波の範囲内だったのでカブトムシ着ぐるみを着せられました。 遠距離バリアも近接攻撃バリアもあるカブトブジンに苦戦する3人… さらに3人がGUMPEST V2のデータを読み取っていたため奥の手も使いかねていた… しかし「バリアの切り替え」という弱点を見つけた3人はタイミングを合わせて大技を繰り出す! その結果ミリーの銛が突き刺さり自爆装置が作動、ロボは爆発してきるどーるは星になったとさ… + めでたしめでたし…? …だがしかし、きるどーるはGUMPEST V2の名前と戦闘データを持ち帰っていた。 目的は果たされてしまったのだ… + おまけ 描写されていないが、 魔法少女ビーストこと古手取 妙子もカブトムシ着ぐるみを着せられており、 街路樹の樹液をめっちゃ舐めていたらしい。 きるどーる一行が自爆したときの轟音で危機を察知し、その際に正気に戻り自分が何してたかを知り赤面して逃げ帰ったそうな。