約 4,798,931 件
https://w.atwiki.jp/virtualrowa/pages/223.html
倒れていたバイクを立て直すと、がた、と鈍い音がした。 ハンドルバーを握りしめ、ネオは何も言わずじっとバイクを見つめていた。 マシンは艶のない黒い装甲を纏っており、その隙間から剥き出しになった巨大なエンジンは辺りを威嚇するようだ。 無言でそれを抱えながら、ネオはウインドウを操作した。 【拾う】と表示されたコマンドを選択すると、瞬間マシンの姿は消え失せる。 同時にアイテムウインドウには“ナイト・ロッカー”と表示され、それで終わりだった。 あれほど存在を主張していたはずのマシンも、指先一つでデータ状の存在として格納してしまえる。 そういう場所なのだ、ここは。 「……アッシュ」 後ろでガッツマンが悲痛な声を漏らした。 大柄なロボットである彼は、その外見とは裏腹に仲間の死に涙できる優しさを持っていることをネオは知っていた。 彼は近くのビルにその巨大な腕を叩きつけ項垂れている。 今しがた届いた一通のメール。 そこに彼らの知った名前が一つあった。 「…………」 無機質なネオは何も言えなかった。 湿った閉塞感が胸の中を渦巻き、言葉をかき消してしまう。 沼に沈み入るかのような気分だった。柔らかな、しかし強い力で身体が抑え付けられているように思えた。 ――アッシュ・ローラー この異様な空間で出会い、激励された一人の青年の名だった。 彼とガッツマンとの出会いは、ネオにとって一つの転機となった。 ――彼が、死んだ。 遭遇した機械のアバターによって、彼はデリートされた。 ネオの目の前で、彼は一人あの死神のようなアバターに挑み、死んだのだ。 マトリックスにおいて死は、即ち現実での死だ。 コンピュータゲームのようにやり直すことなどできはしない。 まずはその事実を受け止めなくてはならない。 ネオにとって仲間を失うことは今までだってなかった訳ではない。 それはエージェントとの交戦の結果であったり、あるいは仲間からの裏切りであったり、幾つもの死があった。 多くの者を自分は失ってきた。その中には、たった一人人間として愛することができた、トリニティさえもいる。 ――しかしアッシュの死は。 ネオにとってまた別の意味を持つものであった。 ――その責任は、俺にある ……ネオは彼に手が届き得る位置にいた。 にも関わらず何もできなかった。結果として、アッシュはその命を落とした。 救うことができたはずだった。でも、できなかった 「うう……」 悲しむガッツマンは、ふとそこで顔を上げた。 機械の身体であるが、不思議と感情豊かに表情を変える。 そしてその顔には、 「あのネットナビ、絶対に許さないでガス……!」 ……明確な、怒りがあった。 仲間をデリートされ、許せないと怒りを燃やすその姿は、何も間違ってはいない。 「…………」 だが、ネオはガッツマンのその姿を見ても、やはり何も言うことはできなかった。 肯定も、否定も、彼に対しできなかった。 知っているからだ。 何故自分があの時動くことができなかったか。 何故あの機械が自分の言葉に激昂したか。 ――あの機械は、言った。俺を憎め、と。 あの機械は人間への憎悪で戦っている。 だからこそ、ネオの言葉に怒り、軽蔑の言葉をネオに残していった。 その憎悪をネオは理解できる。 機械に対して憎悪を抱く人間は幾らでも見てきた。 皮肉な話だ。だからこそ、逆に機械が人間を憎悪することも理解できるなんて。 ある意味で、あの機械はどこまでも人間的だった。 強い憎悪を持つ機械はここに来るまで見たことがなかった。 ガッツマンの優しさと同じく、機械は誰かを憎むこともしないものだと思っていた。 メロビンジアン、アーキテクト、あまたのエージェント、そしてスミスでさえも、憎悪という感情を見せることは無かった。 そういったものを抱くのは何時だって人間だった。人間が人間を殺す時、そこに憎悪が迸る。 ネオが遭遇した機械の中で、最も“感情豊か”に見えた者はスミスだ。 しかし彼でさえも、ネオに向けた感情は“感謝”だった。彼は自分を憎いと思っていたのではなく、あくまで力を求めていたに過ぎない。 彼はそれを“自由”だと表現していたが、しかしその在りようは本当に彼の意志によるものだったのか。 そういう意味で、あの機械とスミスは一線を画する存在だった。 彼の憎悪は本物だった。機械の激昂は、スミスの語る“自由”などよりもよほど真に迫ったものがあった。 彼は“意志”がある。明確な“意志”があるからこそ、怒りに縛られる。 ――そんな彼に力で対抗することは果たして正しいのか? あの機械に対し救世主の力を振るうべきだ。 今からでも追いかけるべきだ。 そう思いはする。 ――しかしそれでは何も変わらないのではないか。 それがネオの迷いだった。 プログラムされた救世主から脱却することは決めた。 しかし、それは人類と機械の延々と続く戦いを終わらせるためではなかったか。 プログラムから離れても、個人として戦いを選べば――同じではないか。 ――あのアリスたちだってそうだ。 トリニティを殺害した者を排除しようとした自分と、あの機械の何が違う。 誰かの為のプログラムから脱却することは、つまるところ単に私怨に憑かれることを意味してしまうのか。 分からない。故に自分はあの悪意ないアリスたちに打ちのめされた。 だからこそ、あの機械に力を振るうことに迷いがあった。 力を振るえば、力は個としてのものになる。 憎いから、あの機械を倒すことになる。 しかしその先に人類と機械の融和の道が開けるとは、どうしても思えなかった。 アリスも、あの機械も、みな憎み力で排除することが本当の“救世主の力”なのか。 ――選べなかったんだ、俺は、あの時 戦争を終わらせる方法。 この問い掛けに正しい答えなどない 近世以降、人類が何度もこのテーマに挑んだが、しかし答えなど出なかった。 何度も何度も繰り返し提唱されたせいで、陳腐に堕してしまったテーマだった。 答えなどない。それくらいマトリックスから目覚める前から知っていた。 プラグの先にあったアメリカでだって、こんな問いかけは何度も見かけた。 戦争をなくす方法――あるいは続ける方法――そんなもの、あの国ではさんざん議論されてきた。 圧倒的な力による支配は対抗勢力の伸張を招き、結果として戦争を呼んでしまった。 そういった歴史から学んだアメリカは方針を転換した。 戦争を支配するのではなく、どこか遠いところで戦争することにした。遠くに戦争を押しやることで、自国の周りを静かにしようとした。 結果としてそれは成功していた。少なくともあのアメリカは、平和だった。 仮想的な平和を築いたんだ。 それがネオの知る“戦争を終わらせる方法”の一つだった。 正しいかは別として、あの国はそれを選んだ。 マトリックスがあの時代を選んだのも分かる。 人類を飼う籠の日常として、これ以上ないほど的確な時代はないだろう。 “救世主の力”などとファンタジックな言葉で糊塗しているが、結局はそれと同じ次元の話だ。 答えなどない。何が正しいのかなど、人類には決めることはできない。 できるとすれば、それこそ機械だけだ。 プログラムは与えられた法則から明快に答えを出す。 だから機械が設定した“救世主の力”には答えがあった。 人類を力によって導き、滅び、そして再建する。それが定められたプログラムだ。 そこから抜け出し、真の意味で“救世主”になることをネオは選んだ。 だからこそ、選ばなくて張らないのだ。 自らの意志で、トーマス・A・アンダーソンとして、一人の人間としての“救世主”の在り方を選ばなくてはならない。 ――何もかも正しくはない 力によって復讐することも、別の道を探すことも、同列の選択だ。 一人の人間として選択する以上、絶対的な正しさなどない。 ある側面では正しくとも、別の側面では誤っている 選ぶとは、言い換えれば切り捨てるということだ。 ――それでも選ぶと決めた。 プログラムでなく、自らの“意志”を以て“救世主”になると決めた。 その上で、自分はどうするべきだ。 あの機械を排除すべきか、あのアリスに報復すべきか、彼らを憎むべきか。 それとも赦すべきか。全てを忘れ、笑い、同じ道を歩まんと説得するべきか。 別の道を探すのか。どちらも間違っていると切り捨て、第三の道を模索するのか。 あまたの選択肢がネオの胸中を渦巻いていく。 その中心にあるのは“救世主”とラベルの張られた力であり、同時に“ネオ”であり“トーマス・A・アンダーソン”だった。 三つが重なり合い、一体となって答えを求めている。 三つ全て自分だ。トリニティはそのことを教えてくれた。 「うう……アッシュ」 少なくともガッツマンは悲しみと怒りを選んだ。 その想いに乗せ、彼はアッシュの名を追悼している。 だがネオは未だその名を呼べないままだった。 あれだけ颯爽としていた男をどんな声に乗せて呼ぶべきなのか、ネオは掴めなかった。 「…………」 何も選べないまま、がらんどうの空を遠くに思い、彼はただ一人街に沈んでいた。 【F-8/アメリカエリア/1日目・日中】 【ネオ(トーマス・A・アンダーソン)@マトリックスシリーズ】 [ステータス]:健康 [装備]:エリュシデータ@ソードアートオンライン [アイテム]:基本支給品一式、ナイト・ロッカー@アクセル・ワールド、不明支給品0~2個(武器ではない) [思考・状況] 基本:本当の救世主として、この殺し合いを止める。 1:ガッツマンと共に行動する。 2:トリニティを殺害した者を見つけ出し、この手で…… 3:ウラインターネットをはじめとする気になるエリアには、その後に向かう。 4:モーフィアスに救世主の真実を伝える 5:………… [備考] ※参戦時期はリローデッド終了後 ※エグゼ世界及びアクセルワールド世界についての情報を得ました。 ※機械が倒すべき悪だという認識を捨て、共に歩む道もあるのではないかと考えています。 ※このバトルロワイアルには、異なる世界の者達が呼ばれているのではないかと推測しています。 ※この会場は、加速世界の一種に設置されているのではないかと考えています。 【ガッツマン@ロックマンエグゼ3】 [ステータス]:健康、ナビ(フォルテ)への怒り [装備]:PGMへカートⅡ(7/7)@ソードアートオンライン [アイテム]:基本支給品一式、転移結晶@ソードアートオンライン、12.7mm弾×100@現実、不明支給品1(本人確認済み) [思考] 基本:殺し合いを止める為、出来る事をする。 1:ネオと共に行動する。 2:トリニティを殺害した者を見つけ出し、この手で倒す。 3:ロックマンを探しだして合流する。 4:転移結晶を使うタイミングについては、とりあえず保留。 5:アッシュ…… [備考] ※参戦時期は、WWW本拠地でのデザートマン戦からです。 ※この殺し合いを開いたのはWWWなのか、それとも別の何かなのか、疑問に思っています。 ※マトリックス世界及びアクセルワールド世界についての情報を得ました。 ※このバトルロワイアルには、異なる世界の者達が呼ばれているのではないかという情報を得ました。 ※この会場は、加速世界の一種に設置されているのではないかと考えています。 097 カルバリン砲がぼくを狙う 投下順に読む 099 対主催生徒会活動日誌・8ページ目(再会編) 097 カルバリン砲がぼくを狙う 時系列順に読む 099 対主催生徒会活動日誌・8ページ目(再会編) 082 空の境界・――遥かに羽撃く ネオ(トーマス・A・アンダーソン) 102 異空間より絆をこめて 082 空の境界・――遥かに羽撃く ガッツマン 102 異空間より絆をこめて
https://w.atwiki.jp/sakabamasuta/pages/162.html
ゴースト 死後、安らかに眠る事が出来なかった魂の総称。 ファントム、スペクター、ホーントなどとも。 その多くは非業の死による嘆きや、恨み憎しみ等によって悪霊となったものであり、 その恐るべき執念は主に生ある者への無差別な攻撃となって向けられる。 +... アンデッドモンスターのうち、特に霊体そのものを指す呼び名については多種多様あるが、 ここでは特段の伝承がない「名称」のみのものを列記した。 主たる意味としては ghost(霊体) phantom(幻影) specter(幽霊) haunt(幽霊が出る) といったところである。 ゲームによってはこれらに敵としてのレベルの優劣や、凶悪性などの差異を持たせているものもあるが、 和訳の通り単語自体に優劣を決める根拠はない。
https://w.atwiki.jp/toho_yandere/pages/407.html
4スレ目 870リメイク 赤の手記 4月1日 今日は変な人間を拾った。 少なくとも私という吸血鬼の存在とその脅威ぶりは、近隣の人間共には知れ渡っているはずだ―― そう、もし出くわそうものなら、裸足で逃げ出すくらいには。 そうであるにも関わらず、奴という男は私を見ると、能天気に「おはようございます」などと挨拶をしてきたのだ。 ……こういう場合は、二通りのどちらかに分けられる。 私が話に出てくる当人だと思ってもいなかった場合か、そもそも話自体を御伽噺か何かだと信じていなかった場合だ。 稀に咲夜のような例外もいるが、あんなのがそうそういてはたまらない。 いずれにせよ、奴が私のことを正真正銘の吸血鬼だと知った場合の反応を見てみたくなったので、館まで連れて来ることにした。 最近は暇を持て余しがちだったから丁度いい。どんな顔を見せてくれるのか、今から楽しみである。 赤の手記 4月15日 あいつ――○○を拾ってから、早くも二週間が過ぎた。 メイド達の仕事につき合わせたり、パチェと魔理沙が繰り広げている争奪戦に放り込んでみたり、美鈴の訓練の相手をさせてみたり、妹と遊ばせてみたり。 兎に角色んなことを試してみたのだが、終ぞ奴が驚いたり、慌てたりすることはあっても、恐怖を見せることはなかった。 いや、それよりも寧ろ、この館にすっかり順応してしまったように感じる。 メイド達や咲夜からは、仕事の手伝いをマメにしていたせいもあって既に信頼厚く、 フランとは殺されそうになりながらもちゃんと遊んでいたようで、今では懐かれた挙句「兄様」呼ばわり。 肩車しているのを見かけた時は少し羨ましかった。 パチェと魔理沙の争奪戦も、傍にいた小悪魔から事情を聞くなり、雷鳴の如き一喝で魔理沙を叱りつけ、 今後は借りたらきちんと返すという約束を取りつけていた。 ……正座に涙目の魔理沙を見るのは多分あれが最後だろう。 美鈴に至っては、筋が良いので是非とも門番隊にスカウトしたい、と上申してきた。 やけに嬉しそうな顔がむかついたので、断っておいた。 最初はそこらの人間と同じかと思っていたが、完全で瀟洒を謳う咲夜すら感心する非凡ぶり。 何か秘密でもあるのかも知れない。 もう暫く様子を見てみることにする。 追記として、奴の淹れる木苺のジャムティーはとても美味しかったことを記しておく。 咲夜が悔しがっていた。 赤の手記 5月1日 とりあえず近況を記しておくこといする。 ○○を館に雇い入れることになった。 というのも、「いつまでも食客のままでは立つ瀬がない。 働かせて貰えないのならば里へ帰らせて欲しい」とここ最近五月蝿かったからだ。 館へ連れて来る少し前に、里でも仕事を失くしていたばかりだったようで、この話をした時は大層喜んでいた。 笑うと笑窪が出来ることを発見した。 しばらくは咲夜の補佐役にでも充て、腕前次第で仕事を増やしていくことにしよう。 赤の手記 6月7日 肩車をしてもらった!あれはいいものだ……世界が広がる。 また今度してもらおう。 赤の手記 7月14日 今日は危ないところだった。 もう少し夜の散歩にかまけていたら、○○にこの手帳を見られてしまうところだった。 見られた所で、この館の日々が綴られているだけ。 別に構わないはずなのだけれど、どうして私は、見られたくないと思ったりしたのだろうか? ……落ち着かない。 今日はもう寝ることにする。 赤の手記 7月25日 今日は○○が買出しで一日留守にしている。 つまらない。 赤の手記 8月12日 美鈴と組手をしている○○を見かけた。 手加減はされているのだろうが、成程確かに筋はいい……中々に善戦をしていた。 しかし気の扱いや、種族の能力差故か、最終的には負けてしまっていた。 もう少し様子を眺めていてもよかったのだけど、私は部屋へと戻ることにした。 楽しそうに笑う二人を見ていると、胸がもやもやするからだ。 ……イライラする。 赤の日記 9月20日 フランが穴を開けた屋根の修理費、しめて\3.665.000也。 顔は笑っていたけれど、青筋を立てて淡々とフランを叱る○○はとても怖かった。 しかしこの修理費をどこから捻出しようか。 頭が痛い。 赤の手記 12月20日 もう少しでクリスマスだ。 去年までは何て事はない、皆を招いて宴会をしてオシマイだったが、今年は違う。 館で……いや、恐らくいつものメンバーの中で唯一の男性、○○の存在だ。 何処かのブン屋の仕業により、いつの間にか○○は館の内外問わず知れ渡る存在となってしまっていた。 曰く、吸血鬼に一目置かれる人間、と。 確かにその通りではあるのだが、このままではいけない。 面白い事が大好きな、隙間妖怪を筆頭とする面子に、下手をしたら連れ去られてしまうかもしれない。 それは嫌だ。 すごく嫌だ。 何とか策を練らねばならない。 そろそろ○○が本を読みにくる。 ベッドに戻らないといけない。続きは明日にしよう。 赤の手記 12月23日 ようやく決まった。 覚悟もした。 恥ずかしいけれど、やる他ない。 ……これは私の為ではなく、○○に館に残って欲しいという、皆の意見を酌んでの行動だ。 だからこそ、当主である私が動くんだ。 赤の手記 12月24日 今から策を実行に移す。 かみさま、おねがいします。 赤の手記 12月25日 今まで五百年余り生きてきたが、昨日ほど勇気を振り絞ったことは無い。 ○○は私の願いを受け入れてくれた。 お願いをした直後の○○の面食らった顔は中々見物だったが、優しく微笑みながら頭を撫でてくれた、あの温かさを忘れることはないだろう。 それにしても皆して私を茶化すのは勘弁して欲しい。 私はただ、○○にずっとここに居て欲しいと告げただけなのに。 やれようやく言ったかだの、おめでとうだの、散々からかわれてすっかり参ってしまった。 ……でも、かわりに○○がおでこにキスをしてくれたから、皆への不満は帳消しにしておいてやろう。 赤の手記 1月1日 今日は○○の膝の上に座って、彼の身の上話を聞かせて貰った。 彼の家族は誰に対しても等しく優しく、それ故に家は狭い――私の部屋ひとつと同じくらいなんだそうだ! ――けれど、いつも温かくてぽかぽかしているらしい。 一度くらいは見に行きたいとせがんでみたけれど、やんわりと断られてしまった。 残念。 赤の手記 1月22日 ○○の提案で、弾幕ごっこの代わりにフラン達と雪合戦をした。 流れ弾による窓の修理費、しめて\224.000。 咲夜の顔が心なしか引きつっていた気がする。 だからあんなにやり返してきたのか……。 赤の手記 3月5日 今日はとても焦った。 起きたら○○が何処にもいなかったからだ。 思わず寝間着のまま館中を探し回ってしまったが、私の様子を見た咲夜が事情を教えてくれた。 なんでも○○の親に不幸があったとの知らせを買出し中に受けたらしく、咲夜が一日休みをやったとのことだった。 咲夜の前だというのに、安堵のあまりへたりこんでしまった。 こんなにも私を心配させるとは、家臣にあるまじき行為だ。 帰ってきたら一日中傍に置いてこきつかってやろう。 赤の手記 5月10日 数日前より、私の館から姿を消している者がいる。 昨年より新しく雇った執事長の○○だ。 何の能力も持たないただの人間にも関わらず、咲夜と同程度の仕事を淡々とこなし、 里の人間の人望も厚く、確か面白半分で命じた時は白狼天狗と互角の勝負をしていた。 兎に角、ただの人間にしては有望な人材だった。 そんな○○が突然こう申し出てきた。 曰く、数日の休みが欲しい、と。 普段から私によく尽くしてくれていたので、一つくらいは願いを叶えてやろうと快諾した。 しかし、それ以降○○が紅魔館に戻ってきた形跡はない。 咲夜に探させてみたが、少なくとも館にはいないらしい。 手荷物も幾つか無くなっていたそうだ。 里帰りでもしているのだろうか。久しぶりに奴の顔が見たくなってきたことだし、明日あたりこっそり遊びに行って驚かせてやろうと思う。 赤の手記 5月11日 何なんだ、あれは、嘘だ、そんな。 あいつは私だけのものだ。 それ以外は許さない。 赤の手記 5月12日 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない(以下数 ページに渡って同じ内容) 赤の手記 5月13日 昨日までの私はどうやら相当に混乱していたらしい。 はは、私としたことがみっともない。 そうだ、あれはただ女が転んだから○○が支えていただけ。 そう、きっとそれだけのことなんだ。 ○○は優しくて有能だから、主従関係でなくたってそれくらいの事はやってのけるのだろう。 里の者は似合いの夫婦だと話していたが、それも夫婦に見えてしまうくらい自然だっただけなんだ。 ○○はまだ独身だから、そういう相手を探していても不自然ではないしな。 多分幼馴染とかそういった存在なんだろう、あの女は。 明日には○○が帰ってくる。また彼の顔が見られる。 楽しみだ。でも、私の心を乱したあの女については処分しようと思う。 ○○は私のモノだから、所有物の所有物を私がどう扱ったって、どうってことないだろう。 赤の手記 5月1⊿ (ここからのページは赤黒く滲んでおり、読解が酷く難しい。 判読出来たキーワードの中には「裏切り」、「血」、「従僕」などといったものが含まれている) 赤の手記 7月14日 ○○は、わたしだけのものだ。 だれにもわたさない。 ずっと。 ずっとこの館で暮らすんだ。
https://w.atwiki.jp/toho_yandere/pages/3061.html
タグ一覧 キツネつきと道化師とキツネシリーズ 早苗 霊夢 「ああ、お友達が来たわね。じゃあ私は、もう帰るわね」 上白沢の旦那は博麗霊夢の相手をまともにやりたくなくて、あからさまに目線をそらしていたのだけれども、博麗の巫女の中でも様々な意味で、特に、等ととも言われている博麗霊夢がその程度の拒絶の感情で怖気づくはずはなかった。 なので結局、霊夢が言う所のお友達……つまりは稗田○○が上白沢の旦那の近くに来るまでは、博麗霊夢はその場にとどまり続けた。 決してその、留まり続けた理由は、1人っきりにしては等と言う殊勝だったり優しい理由でないのは、明らかであった。 上白沢の旦那は確かに、博麗霊夢から視線をもらい続けていたからだ。明らかに、彼を見定めるような値踏みするような、はっきり言って不愉快極まる視線を注がれ続けていた。 二つの足音、遠ざかる足音と近づく足音、博麗霊夢が立ち去って稗田○○が近づいてくる足音が聞こえてきても、上白沢の旦那は万が一にでも再び博麗霊夢の表情を見る事が無いようにと、顔をそらし続けていた。 結局その、顔をそらし続けると言う意地を張り続ける状況は、 「何か変な事を言われたのか?」 こうやって、○○が声をかけてくれるまで上白沢の旦那は、続けることとなってしまった。 この時、上白沢の旦那に声をかけてくれた○○の声色に、稗田の冠は無かったと言ってよかった。 そんな、気心知れた存在から声をかけられたことによって、上白沢の旦那はようやくホッとした息を漏らす事が出来た。 「ご自慢の勘を披露されたよ」 若干どころではなく、博麗の巫女をけなすような言葉が上白沢の旦那の口からは湧いて出てきた。 その言葉に対して、○○は少し驚いたような怯えたような気配を見せて、博麗霊夢が歩いて行った方向に目線をやって、ひどく気にしていた。 どうやら妻があの、稗田阿求であろうとも、博麗霊夢の機嫌は気になってしまうようであったが。失礼な事をやられた後だからか、上白沢の旦那の感情は少し以上に荒れていた。 事実、博麗霊夢が聞いていないかどうかを気にする、○○の姿を見ても上白沢の旦那は鼻で笑うぐらいの物であった。 「博麗霊夢は気にしないだろう、あの性格ならば」 いつもなら○○はすぐに返事をくれるのだけれども、今回ばかりはゆっくりとした様子で辺りを伺いながらであった。 「そうだな、博麗霊夢は、気にしないだろうね」 含みのある言葉であった。博麗霊夢は、と言う部分を妙に強調した話し方をしていた。 上白沢の旦那は、いまだに憮然としていたが。 「それより」 ○○がこの場を仕切り直しに、違う話をしようと言う風に言葉をつむいだ。 「ずっと早くに来たのには、かなり差し迫った理由があるとは想像できるんだが。依頼の話をする約束をしていたとしてもだ、悪い状況なのだろう?」 君が俺にしてくれると言う、依頼の話をしようと、○○は求めてきた。きっとその方がお互いにとって、危なく無くて済むと、○○は考えたのだろうけれども。 「そう、そうだ!!頼む聞いてくれ、○○!!」 博麗霊夢からの失礼な態度と、勘だと言うのに自信満々にヒントを賜った事で、少し以上に思考が途切れていたが、○○からの促しによって、上白沢の旦那は息を吹き返した。 「まぁ、まぁ……慌てて喋り出しても言いたい事の1割だって伝えれないなんてことはよくある。ああ、丁度良かった!お茶のお代わりと、私の分のお茶菓子も用意してほしい」 運良くなのか、あるいは博麗霊夢と何かもめたのではと心配したのか。どちらにせよ○○は、近くを通りがかった奉公人に自分の分も含めて、お茶とお茶菓子を持ってきてくれるように頼んだ。 奉公人は指示を貰って立ち去る際、チラリとだけれどもしっかりと上白沢の旦那を見た、いつもよりも気にかけるような表情であった。 そしてその気にかけるような表情は、一番の友人である○○が当然のことながら最も色濃く見せていた。 「ああ……そうだな、ありがとう、落ち着かせてくれて」 友人からの気にかけてくれるような表情を見て、上白沢の旦那は苛立ちと焦り、これらの感情から全く解放はされてはいない物の、さりとて制御する事は可能になった。 少し落ち着いて、更に落ち着きを取り戻すために座りなおして残っているお茶を飲み干した。 その後、上白沢の旦那は○○と、○○が奉公人に頼んだお茶とお茶菓子がやってきた後も取り留めのない話をした。 天気の事、あるいは○○の飼っている犬の事。全部○○の方から話を振ってくれて、上白沢の旦那がそれに対して答えたり話を膨らませると言った具合だ。 けれども奇妙な事に、寺子屋に関わる話だけは全くなかったが……なぜそうなのかは、上白沢の旦那だって気づける。○○が推理したのだ、と。 上白沢の旦那が稗田邸に駆け込んだ時間は、寺子屋がちょうど始まった頃だ。 だと言うのに彼は、寺子屋の事も放り投げて稗田邸に、名探偵である○○の所へ駈け込んで来た。 それだけ考えれば、寺子屋の中で何かが合ったのだと、そう考えてしまうには強い合理性があるだろう。だから○○は、上白沢の旦那が完全に落ち着いたなと言う事を確認するまでは、寺子屋の話を振らなかった。 それぐらいは、上白沢の旦那だって推理できる。 そして、上白沢の旦那が目の前にあるお茶菓子を食べ終えた、そこを見計らって○○は姿勢を正した。 「それで」 先ほどの天気だとか飼い犬の事を話す時と、明らかに違った落ち着いた声を出した。 「ああ」 お茶とお菓子のおかげで、上白沢の旦那が見せていた興奮も完全に落ち着いてくれていた。今ならば話せる、どちらともがそう思う事が出来た。 「長くなるかも」 「構わない」 初めにそう断りを入れたら、長くなってもいいようにと○○は自分と相手の、空になった湯飲みにお茶のお代わりを注いでくれた。 「さっきの談笑で、○○、お前は寺子屋の話題をしなかったと言うよりは避けていたから、その時点できっと寺子屋の絡みで何かが合ったと気づいてくれてたんだろう。そう、実際にその通りではある、正確にはとある生徒の、とある兄弟に関わる事だ。実は、今日の朝に登校してきてくれた時に、その兄弟のうちの兄の方が、その……信じられない事なんだが腕を折って登校してきたんだ」 ここで○○が、少し質問を挟んできた。 「その兄弟は衛生的な格好をしているか?」 ただ質問の意図よりも質問してくるときの調子、声色、目の色。○○を構成するすべてが……友人にこんなことを思うのは失礼だとは思ったが、怖いと思った。それが事実であった。 「ああ……」 「大事な事だ!!思い出してくれ!!その兄弟の衛生状況、更には栄養状態は!?」 怖さすら思わせる○○の様子に、上白沢の旦那はまことに珍しい事に○○の前だと言うのに、言葉を詰まらせてしまったが。 「服は!?ほかの子と比べて発育状況は!?ちゃんと風呂に入っているか!?」 もっと珍しい事に、最初は上白沢の旦那を落ち着かせるために少し、お茶を飲んだりして回り道をしていたはずなのに。今度は○○の方が、上白沢の旦那よりも興奮して落ち着きを失っていた。 幸いにも奉公人達は誰も、この客間へとは入ってこなかったが。ここまでの声量でまくし立てるようにすれば、だれの耳にも聞こえていないなんてことはあり得ない。 バタバタとした音が、朝ゆえのあわただしさとは明らかに違う足音が聞こえてきた。あの様子、奉公人達の何人かが集まったのは推理するまでもない。 「○○、心配されてるぞ。外に待機されている」 上白沢の旦那は何とかこの言葉だけを紡いだ、幸いにも○○は目の前にいるのが自分の友人であり、自分が荒れてしまえば友人にも迷惑をかけてしまう事がギリギリの所ではあるが、思い至ってくれたようだ。 「ああ……すまない」 ○○はそう言って、客間の入り口前にてふすまを開けずに待機している奉公人達の方に、まずは何ともないからと言う風に伝えに行ってくれた。 「すまない、騒がせてしまって……彼から聞いた依頼の話が、予想以上に深刻だった」 けれども、奉公人たちがすわ大ごとか言わんばかりに、この客間へとなだれ込む事態だけは避けられたが。○○の中では最悪の予想ですらどんどん悪化しているのか、とりつくろう余裕がなくなっていたように見受けられた。 奉公人達は、○○が解散するようにと言ったからすぐに、部屋の前から遠ざかってくれたが。 稗田阿求の教育により、○○の事を稀代の名探偵だと信じている奉公人達は、まさか○○から物凄く悪い状況であると伝えられた衝撃、あるいは恐怖は、○○よりも酷くざわめいてしまった。 「……」 奉公人達が完全に立ち去るまで、歩行音を注意深く聞き取りながら○○はずっと黙っていいたけれども。何も考えていない、そんなはずはなかった。少なくとも上白沢の旦那にだって、○○の今の感情ぐらいは推察する事が出来る。 怒りと嘆きであった、そして怒りと嘆きに振り回されないように冷静さを取り戻そうとする、そんな努力も見えた。 そして○○の耳に、奉公人たちが完全に立ち去ってくれた事を確認したら、○○は口を開いてくれたが。それは独り言で、自分自身に対してのもので、考えをまとめるがため。 「予想通りのクソ親ならば……純狐とクラウンピースにぶん投げてしまっても良いかもなぁ。どちらも子供は好きそうだ、もちろん真っ当な意味で」 あるいは、決断せよと言わんばかりに、自分自身の背中を押すかのような物であった。その独り言の最中に上白沢の旦那の存在は無かった、代わりに明らかな敵意があった……むしろその敵意が向いていないと言う事で、上白沢の旦那の存在が無かったことは良かったのかもしれなかったけれども。 博麗霊夢が口に出した名前が、○○の口からも出てきた。 その一致を、偶然として片づけてしまう事は上白沢の旦那にはできなかった。明らかな引っ掛かりを覚える。 ゆっくりとした動作で、○○は上白沢の旦那の方向を向いた。わざとらしかった、けれどもそうしないとならなかったのは、理解できた。 「阿求に少し、何、一言か二言程度だが、伝えておくことがある。それが終わったらすぐに寺子屋に行く、その兄弟を永遠亭に連れて行こう。あそこが一番邪魔が入らない」 ○○は上白沢の旦那がはいともいいえともいう前に、部屋を出て行ってしまった。 ○○がいなくなった部屋は重苦しかった。 待たされることは今までにも何回かあったが、こんなにも重い空気が漂う稗田邸は、初めてであった。 ――もしかしたら自分はとてつもなくお気楽だったのかもしれない。これは、ちょっとした不良だとかそう言う問題ではないのかもしれない。 ○○がここまで荒れる原因にはまだ、思い当たらないが……完全に深刻な物として考えている。 博麗霊夢の勘とやらを、あんなものを肯定する気は無いけれども。依頼がかぶった事よりも○○も純狐とクラウンピースを気にした事の方が、重大な物として。 あの二つの存在が、この幻想郷に置いて強大な物であるのは、最高戦力であるのと同じぐらいに歴史家として稗田の次に名高い上白沢慧音を妻としているのだから、資料の閲覧も許されている。 純狐とクラウンピースの名前は、確かに見たことがある。強いと言う事も、知っている。 この両名が、自分の依頼にどう関わってくるのか全く分からなかった、おおざっぱな予測すら建てられないのは実に苛まれたけれども。 ○○の方は苛まれるを通り越して大きな怒りすら抱いている、そんな状態の彼に色々と質問を投げかけるのは二の足どころではなく、ためらいの感情が前に出てきてしまう。 だが上白沢の旦那が、○○が戻ってきたら質問を何とかしてみようと言う、そのための心の準備と言う物が雀の涙ほどしか出来上がらないうちに○○は戻ってきた。 妻である稗田阿求を連れている事も、雀の涙ほどの心の準備が消え去った事もあるが、○○が相変わらず怒りを溜めながら、外出用の上着を羽織ろうとしていたことも、やばいなと思うには十分であった。 普段であるならば、どんな状況であろうとも、○○が外に出るときは稗田阿求が○○の側によってかいがいしく、上着を羽織らせてやっているはずなのに、今回はその手間すら惜しいと言う事らしい。 「上白沢の旦那さん」 阿求が声をかけた、○○はまだ急いで上着のボタンをかけている。 「何かあったらすぐに声をかけてください。人でも物でも金でも、援助します」 究極の後押しを貰った。けれどもまったく、上白沢の旦那は嬉しくなかった。むしろ怖さがより大きくなった。 この事件、明らかに稗田夫妻の虎の尾を踏んでしまっていた。 踏んでしまったことに対して、いくらなんでも上白沢の旦那に対しての怒りや責任云々は、一切考えてはいない位の正気さはあったが……。 何か原因があった場合――いや、ある。あの骨折は自己とは思えない――その原因に対して、いったい、稗田夫妻はどのような処遇を与えてしまうのだろうか。 もっと恐ろしいのは、稗田夫妻が両方とも頭に血を上らせてしまったら、だれも止めれない事だ。 一瞬、頭の端っこに酷いぐらいに自信家の博麗霊夢が見えた。あるいは、頼れるか?勘を自信満々に振り回すのは、上白沢の旦那の思考の基本から逸脱はしているが、権力者であり戦力としても高い事は認めなければならない。 最悪の場合は…………上白沢の旦那は黙って博麗霊夢の事を、名簿の一番上に移動させた。 「行こう」 ○○は、上白沢の旦那が実は阿求の言葉もほとんど聞かないで、何かあった場合の歯止め役として、博麗霊夢の事を考えていたなんてことには……気づくどころか、何か別の事を考えているなと言う、そんな事にも気付かずに急ぐばかりであった。 「あ。ああ……」 上白沢の旦那は、稗田夫妻の虎の尾が踏まれてしまった事に、だからこそ必死で動いてくれるだろうと言う、いわゆる良かった探しでそう悪くない状況ではないか?と自分で自分をごまかしていたが。 ○○はドスドスと歩いて行って上白沢の旦那が付いてきていない事にすら、気づいておらず。 そして……これが一番怖かった。 稗田阿求も怒りを溜めていて、上白沢の旦那に対して。 「早く来い、この依頼は私の気持ちが収まらない。全力で支援してやるんだから本気で解決に動け」 わなわなと震えながらつぶやいた。 怒りの矛先は、原因だけに向けているはずなのだけれども。原因究明に対する動きに、稗田阿求からの及第点すら得られなければ、原因の一部とみなされかねなかった。 「……分かった」 今更逃げる気などは、最初から無かったけれども。逃げれないと言う事実は、中々に上白沢の旦那の恐怖心をあおっていた。 増してやその恐怖を与えている相手が、人里の最高権力者である稗田阿求なのだから。 基本的に稗田○○は、自分が入り婿で逆玉だからと言う、後ろめたさと立場の低さがあるから、出来る限り穏やかな存在であろうとしているし。 別に演じる必要もなく、○○は生来の人格からして穏やかである。 その甲斐もあるし、そもそも稗田阿求が実に強く惚れているから、奉公人はもちろんだがほとんどの人間も○○の事を好意的に見てくれている。 だが今の○○は、焦りと怒りとで鬼気迫る表情をしながら、上白沢の旦那が走って寺子屋から稗田邸に向かったのと同じように、今度はその逆を行ってその走っている人物は稗田○○であった。 既に上白沢の旦那が、明らかに不味い事が起こったような面持ちで必死になって、稗田邸に走って行ったことは、里の住人の間にはもう知れ渡ってしまった。隠す気も無いどころかそんな発想も出てこなかったとはいえ、こういう時に有名人はつらかった。 「急げ!」 そして今は○○が、上白沢の旦那の時よりも酷くなった状態であった。走りながら大きな声を出して、上白沢の旦那に急ぐようにと、必死になっていた。 もうこれは、隠せないどころではない。里の隅々、下手をしなくとも天狗やそれ以外の勢力にも、何らかの話が耳に飛び込むだろう。 隠す気はあまり無かったとはいえ……不味い線をなんの注意も払わずに踏みしめながら走り抜けている、そんな気がしたが。 稗田阿求の怒りにまみれた表情を思い出すに、自らの安全を考えれば実はその線とやらが一番、安全なのが気がかりであり皮肉な気配ですらある。 そして隠さなかった結果はすぐに表れた。 上白沢の旦那も稗田○○も、まだ気づいていなかったが、緑色の巫女が、東風谷早苗が空を飛んでいた。 早苗は眼下に、鬼気迫る形相で走り続けている稗田○○の事を見て、追いかけていた。 感想 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/orirowavr/pages/142.html
「なんでこないな事になってしもうたんや………」 人気アイドルグループ『ハッピー・ステップ・ファイブ』の副リーダー安条可憐は膝を抱えて震えていた。 その震えは寒さによるものではない。 むしろこの場は燃えるような熱気に包まれていた。 ここは火山のお膝元にある鉱山の中。 可憐が転送されたのはその近くだった。 近くの火山が定期的に噴火するというマップの注意書きを見て、避難のために慌てて駆け込んだのがここだった。 それが間違いだった。 鉱山の入り口は一つ。つまりは出口も一つ。 そこを塞がれれば、もう逃げ場などないという事にもっと早く気づくべきだった。 「我は魔族を総べる王。魔王カルザ・カルマである。 そこな者。隠れていないで疾く姿を見せるがよい」 唯一の出入り口の前には魔王を名乗る人外の者が立っていた。 可憐はただ物陰に座り込んで隠れるようにして息をひそめることしかできなかった。 「ホンマに、なんでこないな事になってしもうたんや………」 ■ 最初はドッキリかな? と思った。 けれど、シェリンなる少女によりあれよあれよと話が進んでいき。 だんだんドッキリとかそういうレベルの話じゃないなと気づき始め。 気付けば、見知らぬ地に飛ばされていた。 ありない出来事の数々。 目の前にマグマの池が広がっていた時にはすでに死んでいて地獄にでも来たのではないかとすら考えたくらいだ。 真っ先に確認した参加者名簿を見れば、驚くべきことにHSFのメンバー全員がいた。 それどころか、デビュー前に脱退した利江までいるではないか。 私たちに何の恨みがあるというのか? ドッキリでもあり得ないくらいの人選だった。 「この体が作り物(アバター)ってホンマかいな……むっちゃ汗かくやん」 誰に言うでもなく一人愚痴をこぼしながら、頬を伝う汗をぬぐう。 汗が吹き出しぴったりと服が体に張り付く。 体は外からも中からも熱され、湯気のような靄が全身から沸き立っている。 「あぁー、あん時もこないな感じやったなぁ」 冒険バラエティの過酷すぎる海外ロケで、火山地帯を探索させられたことを思い出した。 お笑い好きのソーニャは『可憐ばっかりズルいデース、私もそういう仕事したいデース』なんて、いつものエセ外人口調で抗議していたけれど、こればかりは譲れない。 HSFの中で、そういう体を張る仕事は可憐の担当だ。 何でもできる器用なソーニャはこういう仕事もこなしてしまうんだろうけど、可憐はそうじゃない。 ダンスも歌も才能がない自分がユニットのために出来る事を考えた末に導き出した役割だ。 ユニットのためだけじゃなく、自分自身のためにもこの役割だけは誰にも譲るつもりはなかった。 「しっかし、熱いなぁ」 地図を確認するべくメニューを開く。 思考すればメニューが開く。 どんな超技術だ。 現在位置の確認と共に火山エリアの注意書きが目に入った。 「うわぁマジかいな、ここ活火山なんかい。移動中に噴火されたらかなわんで」 なんてボヤキながら、屋根のある場所を探して歩いた。 ■ そうして今に至る。 熱を帯びる大地に尻もちをつきながら、出口に立ちふさがる相手の姿をちらりと盗み見る。 人種の違いなどでは説明のつかない紫の肌。 何より目に付くのは頭部より生えた巨大な二本の角である。 それが人とは違う生物であることを何より雄弁に語っていた。 「隠れていても始まるまい。いい加減出てきたらどうだ?」 それだけで力があるような威厳を含んだ声。 隠れている可憐の存在などお見通しだと言わんばかりである。 「10秒待つ。それまでに応答がなければ敵対の意思があるとみなして攻撃を開始する」 反応を見せない可憐の態度に業を煮やしたのか魔王が最後通牒を突きつけた。 重力が増したのではないかと錯覚するような重圧が可憐の全身にのしかかった。 「10、9、8、」 カウントダウンが始まった。 その声が、可憐の焦りを加速させる。 (どないする……!? どないしたらええ……!? だいたい魔王ってなんやねん! そんなんきょうび中二のキララでも言わんわ! けど由香里やったら言うかもなぁ……。ってそんなんどうでもええねん!!) 自分で自分にツッコミながら、混乱する頭を落ち着けるよう努力する。 出ていかなければ攻撃される。 だからと言って、あんな怪物の前に無防備に姿を晒すだなんてそれこそ自殺行為だ。 なら、どう動けばいいというのか? 「5、4、3、」 答えは出ない。 考えもまとまらない。 それでも無慈悲にもカウントダウンは進んでいく。 「2、1、ゼ」 「ッ。ま、待ってください!」 カウントダウンが終わるギリギリのところで、可憐は両手を上げなら通路の影から出ていった。 元より選択肢などなかった。 出ていかなければ確実に攻撃される。 ならば、まだ可能性のある方を選択するしかない。 「あの、その‥‥ウチに戦う気ぃなんてないんです。 すぐ出ていかんかったんは、こないな事に巻き込まれてもうて、どないしたらええかわからんくて、混乱してもうてて……」 言い訳めいた言葉を並べる可憐を魔王の眼光が射抜く。 刃よりも鋭いその視線に呼吸が止まる。 動きを止めた可憐に出来るのは、沙汰を待つ罪人のような心境で魔王の次の動きを待つことだけであった。 心臓が止まりそうなほどの緊張感の中、魔王はふむと納得したように頷いて。 「…………その言葉、まさか同郷の者か」 「同郷…………?」 混乱しながらも思わず問い返していた。 事態をつかみ切れていない可憐を安心させるように魔王の表情から威厳が張り付いた仮面が剥がれる。 そして、少し照れたようなはにかんだ表情で魔王は言った。 「ワシも……そうやで」 「魔王はん…………ッ!」 ■ 「怖がらせてもうたようでスマンな。ワシは同族には手ぇださへん安心しいや」 話してみれば悪の大魔王の様だった相手は、気さくなおっさ……お兄さんだった。 地元の近所に住んでたおっちゃんたちを思い出す気さくさである。 その外見はどう見ても人間ではないのだが、そう言えば外見は好きに設定できるのだった。 恐らくはそれでイジったのだろう、と可憐は納得した。 よく考えればそりゃそうだ。 そもそも名前に魔王なんて入ってる人がいるはずもない。 自分で名前も外見もカスタマイズしたと考えるのが自然である。 「えっと、ほななんとお呼びすればええですかね?」 「好きに読んでくれてかめへんで。立場上普段はアレやけど、堅っ苦しいのは好きちゃうねん、ホンマはな」 話を聞く限り、どうやらこの魔王様は社長的な何かをやってる人の様である。 部下の前では威厳を保って振舞っているため、いろいろと大変らしい。 「ほな、カルマさんてお呼びさせてもらいますわ。 ほんでカルマさんはこれからどないするおつもりです?」 そう可憐は問いかけた。 可憐自身、どうしたらいいのかわかっていないからこそ、他人がどうするのかを聞いておきたかったのだ。 「ワシけ? せやなぁ。同郷の人間がおると分かった時点で、もうシェリンとかいうネェちゃんのゆうてた話の乗るんはなしやなぁ ただ、ここにはどうやらワシに因縁のある勇者がおるようてな、そいつらだけは許されへんな、出会ったらいてもうたろか思っとるわ」 勇者? と一瞬疑問に思ったが、そういえばシェリン曰くプレイヤーの呼称が勇者だったか。 「因縁て、どないな関係なんです?」 「おお、聞いてくれるか可憐の嬢ちゃん? これがホンマに酷い輩どもでなぁ。 ここには二人おるんようなんやけど、一人は「郷田薫」ゆう、金融の流れを無茶苦茶にしおったドアホゥでな。 おかげでワシが長年かけて作り上げた土壌が全部ぱぁや。何人も喰うに困って死者も出た、ホンマ酷い話やったで」 「それは…………ホンマに酷いですね」 「もう一人はある意味もっと酷うてな。「陣野愛美」とかいう女なんやけど、なんやワシらの土地で怪しい宗教なるもの始めおってな。 そいつにのめり込んで何人も死んでいったわ」 「宗教ですか……そういう話もよう聞きますけど、怖いですねぇ」 金融崩壊に悪徳宗教。 世の悪逆を煮詰めたような、聞いているだけで吐き気がする連中だった。 その話はあまりにも可憐にとっては現実離れした別世界の話だったが、社長ともなればそういう世界とかかわりがあるのだろう。 語るカルマの辛酸を舐めたような表情は実に実感がこもっており、同情を誘った。 「スマンスマン。暗ろうなってしもたな。そういう嬢ちゃんはどうなんや? なんや知り合いでもおるんか?」 「知り合い、ですか。そうですねおるみたいですわ……」 そう言って名簿に載っていたメンバーの名前を読み伝える。 その名を聞きながらカルマはふむふむと頷きを返す。 「さよか。それでその子たちは嬢ちゃんとどないな関係なんや?」 親しい間柄なのか、それとも自分のように敵なのか? そうカルマは問うていた。 可憐は僅かに言葉に詰まる。 知り合い。などという生易しい関係ではない。 友人、仲間、同僚、ライバル。 ”彼女たち”を言い表す言葉はいろいろあるだろう。 その中で何が一番適切なのか。 「そうですね。ここにおるんはどうしようもなく可愛らしゅうて、何よりも頼りになる。ほんで、どうにも心配なウチの家族ですわ」 苦楽を共にし、共に生きていく運命共同体。 それが彼女たちの絆を表す一番適切な言葉だろう。 「家族か、そら守護らなアカンな」 「……家族を、守護る」 カルマの何気ない呟き。 それで、可憐の中で曖昧だった自分のやるべきことが決まった気がした。 「カルマさん、ありがとうございます!!」 勢いよく立ち上がった可憐はカルマに向けて深々と頭を下げた。 「お、おぅ。いきなりどないしたんや可憐嬢ちゃん」 「カルマさんのお蔭で、やるべきことが決まりました。 すんません。いきなりですけどもう行きます!」 HSFを守護る。 HSFのために動く。 そうと決まったからにはじっとなんてしていられない。 HSFのために体を張るのは可憐の仕事だ。 この役割だけは誰にだって譲ってあげない。 あっけにとられていたカルマだったがそれも一瞬。 決意を決めた可憐の目を見て、ニカっと笑った。 「いい目や。決めたからには気張りや可憐嬢ちゃん! さっき聞いた名前の子らはワシも気にかけとくわ」 「はい! ありがとうございます」 元気のよい返事ともに可憐が炭鉱の出口まで駆けていった。 そこで一度立ち止まり、カルマの方を振り返って。 「あんじょうおおきに! 安条可憐でした。ほな!」 ビシッとキメ台詞を残して駆け出していく。 そんな姿を見送りながら、魔王カルザ・カルマが手を振った。 ■ 「クク。元気のよい事よ」 再び威厳のある口調に戻り、喉を鳴らして魔王は笑った。 気持ちのいい元気な娘だった。 あのようなモノがいるのなら魔族の将来も明るいというもの。 その家族たる魔族の一族がこの地にいるというのなら、魔族の王として気に掛けるのは当然のことと言える。 可憐に同行しその目的を助けるという選択肢もあっただろう。 だが、魔王はそうしなかった。 何故なら魔王には魔王の目的があるからだ。 それは勇者との戦いである。 むろんシェリンの定義する勇者ではなく、魔王の住まう世界を侵略した悪しき勇者たちである。 彼女と行動を共にしていては、その戦いに巻き込むことになる。 特にあの神の如き女、魔王たる己を滅ぼした陣野愛美との戦いともなれば手加減はできない。 周りの被害など気にしている余裕はなくなるだろう。 肉体を失い、魂の身の存在となった己に与えられた二度目の機会。 転生までの数百年を待たずして訪れた好機である。 逃すわけにはいかない。 「逃しはせん。勇者ども覚悟しておれ!」 炭鉱の中に魔王の声が木霊する。 その頭上で、火山が小さく噴火する音がした。 [G-3/鉱山周辺/1日目・深夜] [安条 可憐] [パラメータ]:STR:C VIT:C AGI:C DEX:C LUK:B [ステータス]:健康 [アイテム]:不明支給品×3 [GP]:30→40pt(キャンペーンで+10pt) [プロセス]: 基本行動方針:HSF(家族)を守る 1.HSFのメンバー(利江を含む)を探す 2.「陣野愛美」と「郷田薫」に警戒 ※魔王カルザ・カルマをゲーム好きのどっかの社長だと思ってます [魔王カルザ・カルマ] [パラメータ]:STR:A VIT:B AGI:C DEX:C LUK:E [ステータス]:健康 [アイテム]:不明支給品×3 [GP]:0→10pt(キャンペーンで+10pt) [プロセス]: 基本行動方針:同族は守護る、人間は相手による、勇者たちは許さん ※HSFを魔族だと思ってます 008.ヴァーチャル・リアル鬼ごっこ 投下順で読む 010.恋するテレパシスト 時系列順で読む GAME START 安条 可憐 喪失と欺瞞、あるいは無価値 GAME START 魔王カルザ・カルマ GREAT HUNTING
https://w.atwiki.jp/legends/pages/537.html
禿「師よ・・・どうか安らかに・・・」 空を見上げポツリと呟く あぁ、イエさんに続き貴方まで失う事になるとは・・・・・・ 禿「大丈夫ですか?」 太郎「はい、貴漢のお陰で助かりました・・・・・・」 口では大丈夫と言ってるものの恐らくは辛いのだろう・・・私だってキツいのだ 禿「状況はあまり良いとは言えないでしょう・・・・・・『夢の国』、それに『鮫島事件』とは・・・」 太郎「彼も無事だと良いんですけど・・・・・・」 このまま手をこまねいてる訳には行くまい・・・ 禿「我々にはもう戦う力が残されていません・・・」 太郎「悔しいけど、その通りです・・・」 禿「ですが、何もしない訳には行かないでしょう・・・・・少し下がってください、奥の手を使います」 まさか、アレを使う事になるとは・・・できれば使いたくなかった・・・ 禿「ハァァァァァッッ!!」 残された兄気を全て解放する!! 禿「来たれ!我が歴戦の盟友達よ!!」 金色の兄気が空気中に散って行き、蜃気楼の様に大気が揺らめき、兄気は人の姿を象って行く かつて契約していた盟友達へと・・・ 太郎「これは・・・・・・」 禿「私の奥の手・・・かつて契約していた、そして今は一つとなっていた都市伝説達を解放する力・・・」 この身一つで戦うことを信条としていた私の奥の手 そう・・・ 禿「 裸 漢 招 来 !!」 その叫びと共に完全に顕現を果たすかつての盟友達!! 『青いツナギの良い男』や『エイズ・サム』達が私の周りにひしめく 禿「盟友達よ・・・行きなさい!!」 ガチムチ兄貴達「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」」」」 太郎「あんな・・・たくさんの都市伝説と契約していたのですか・・・?」 禿「類似した都市伝説ですし、ほんの40人ほど・・・大したことはありませんよ」 頼みましたよ、盟友達 どうか、私の代わりに町を救ってください・・・! この後、学校町内で全裸のガチムチ男の目撃情報が相次ぐこととなるが 割とどうでも良い話である 前ページ次ページ連載 - はないちもんめ
https://w.atwiki.jp/idatenhistorimateri/pages/25.html
前畑秀子:「いだてん~オリムピック噺~」 史実での「前畑秀子」 前畑秀子の史料・文献・書籍文献検索の時の注意 『前畑ガンバレ』 『婦人公論』手記「泳いで、泳っで、泳ぎぬいて」 『文藝春秋』特別再録「オリンピックの英雄たち」 関連人物 関連項目 登録タグ 前畑秀子:「いだてん~オリムピック噺~」 演:上白石萌歌 神宮プールのこけら落としで開催された「極東大会」の平泳ぎで日本新記録を打ち立てた、若干16歳の少女。 名古屋の豆腐屋に生まれたが、両親を早くに亡くしてしまう。 それでも「椙山女学校」の校長の計らいで学校に通いながら水泳を続けていた。 やがて「ロサンゼルスオリンピック」に代表選手として選ばれ、銀メダルを獲得する。 しかし、それは「水泳選手・前畑秀子」の人生の始まりであった。 史実での「前畑秀子」 日本女性初のゴールドメダリスト。 アナウンサー「河西三省」による「前畑がんばれ!!」の名実況と共に有名となっている。 「いだてん」では河西三省による実況と共に、 東京市長・永田秀次郎からの叱咤激励 1日に二万メートルもの距離を泳ぐ猛練習 親が枕元に立つ(改変あり) ベルリンオリンピック決勝戦前に御守りを飲み込む(改変あり) など、その過酷なオリンピック水泳選手としての人生が綴られた。 その一方で「オリンピックのメダルと結婚、どっちも手に入れた日本で初めての女性」であったことなど様々な逸話が省略されているので、書籍や映像などで「前畑秀子の人生」を読んだり観たりする事をお勧めする。 前畑秀子 - Wikipedia 前畑秀子 | NHK人物録 | NHKアーカイブス 椙山歴史文化館シリーズ「金メダリスト・前畑秀子を知る」- YouTube 例えば「いだてん」放映後、「歴史秘話ヒストリア」にて「前畑秀子」が特集され、NHKオンデマンドにて視聴が出来る。 歴史秘話ヒストリア|「前畑がんばれ 誕生!女性初の金メダル」- NHK 歴史秘話ヒストリア 「前畑がんばれ 誕生!女性初の金メダル」-NHKオンデマンド #歴史秘話ヒストリア #いだてん「前畑がんばれ 誕生!女性初の金メダル」 まとめ - Togetter そして故郷の和歌山県橋本市では「前畑秀子の資料」を展示している展示館がある。 前畑秀子・古川勝資料展示館 - Google 検索 わかやま新報|前畑秀子に脚光 日本女性初五輪金メダリスト 和歌山から支える五輪:/4 橋本の誇り、広く発信 水泳で金メダル、前畑・古川の偉業紹介/和歌山 - 毎日新聞(有料記事) 前畑秀子の史料・文献・書籍 文献検索の時の注意 前畑秀子は金メダル獲得後、結婚改姓し「兵藤秀子」と名乗っていた。 そのため「兵藤秀子」名義の文献や書籍もいっぱいあるので、検索する時には気をつけること。 「前畑秀子」検索結果 - 国立国会図書館デジタルコレクション 「兵藤秀子」検索結果 - 国立国会図書館デジタルコレクション 『前畑ガンバレ』 『前畑ガンバレ』兵藤秀子 著|文学の扉2 金の星社:Amazon 前畑秀子が「兵藤秀子」となり、水泳指導者となった時に著された児童書。 ひいては「前畑秀子の自伝」となる。 両親を亡くし、校長たちの支援により競技生活を続け、ロサンゼルスオリンピックに出場し銀メダルを獲得。しかし永田秀次郎や多くの日本人に叱咤激励されてしまい戸惑うも、枕元に立った母親の言葉により「頑張るんだ!!」という言葉と共に一転奮起。1日二万メートルもの猛練習の末、ベルリンオリンピック代表となり、プレッシャーに堪えつつも御守りを飲み、ゲネンゲルとの戦いの後、金メダルを獲得した。 これらの内容により、「いだてん」第36話「前畑がんばれ」を始めとした「前畑秀子物語」の基となったと考えられる。 その一方で「いだてん」では省略された、椙山女学校での支援の詳細な話や他の兄弟たちの話(特に大変だったのは長兄であったそうな) そして「鶴田義行」との逸話が綴られている ていうかこれが「いだてん」ツルさんに対する「憧れ片想い」の元ネタなんじゃね?説をですな(・ω・) 『婦人公論』手記「泳いで、泳っで、泳ぎぬいて」 『いだてん』で話題! 金メダリスト・前畑秀子の手記「泳いで、泳っで、泳ぎぬいて」|婦人公論.jp ベルリンオリンピックで金メダルを獲得し帰国した後、水泳界を退くに当たって寄稿された文。 早世してしまった亡き友への思いなど、「いだてん」とは異なる視点で描かれている。 『文藝春秋』特別再録「オリンピックの英雄たち」 1964年東京オリンピックの前年に、雑誌『文藝春秋』に載った対談記事。 金栗四三、高石勝男、鶴田義行、織田幹雄、南部忠平、宮崎康二、小池禮三、古橋廣之進、河西三省、などなどなどと「兵藤(前畑)秀子」という、そうそうたる面々が一堂に会した対談記事となる。 「いだてん」及び2020年東京オリンピックに合わせる形で再録された。 「文藝春秋digital」で読む事が出来たり(有料部分あり)(後編はこれから更新されます) 特別再録「オリンピックの英雄たち」(前編)|文藝春秋digital 特別再録「オリンピックの英雄たち」(中編)|文藝春秋digital 実は国会図書館に行けば、原文であるデジタルデータが読めたりする。 『文芸春秋』41(7)「オリンピックの英雄たち」 - 国立国会図書館デジタルコレクション そしてこの中で兵藤秀子こと前畑秀子の、ロサンゼルスとベルリンでの思い出話が語られている。 そして中編の終盤(有料部分)にベルリンオリンピックと河西三省の談話が載っている。 更に言えば意外な人物が意外な形で登場するので、一読をお勧めする。 (まだまだ追記します。) 関連人物 小島一枝 松澤初穂 白山広子 鶴田義行 河西三省 関連項目 ロサンゼルスオリンピック(1932年) ベルリンオリンピック 東京オリンピック(1964年) 登録タグ ベルリンオリンピック ロサンゼルスオリンピック(1932年) 前畑秀子 小島一枝 松澤初穂 河西三省 白山広子 鶴田義行 ↓イイネ!!はこちら↓
https://w.atwiki.jp/smorkingsmorking/pages/102.html
かなり長くなっているため、全体評だけをひとまずアップする。各論については後日。 著者紹介 著者は鈴木健。SmartNewsの設立者の一人で、最近Forbesの起業家ランキングで二位に輝いた人である。 起業家ではあるが、元々は電子貨幣や地域通貨などの情報系研究者で、スマートニュースなども研究の一環として設立した(結果大成功)。 本書概要 さて、『なめらかな社会とその敵』(*1)は、この鈴木の思想を明らかにし、その未来構想を明らかにするものである。その核心は次の言葉にある。 この世界に境界が引かれていることへのナイーブな違和感、少年時代のそうした原体験の多くを、人々は忘れてしまう。世界をあるがまま観ることはもはや許されず、他の人がそうであるように世界を単純化して観るようになっていく。 (ⅱ) 彼の原体験は、ベルリンの壁であった。可視化された、コンクリートの境界線。境界線こそなければ流れなかったであろう血。そして世界を分割するのは物理的な壁だけではなく、人間の心の中にもある。むしろ、境界線を作ることは生命の本質でもある。リソースを囲い込んで自らのものとし、世界を分割することで認識を可能にする(ii)。しかし、それは時に暴力をも生み出すのだ。もし境界線がなければ、境界線をなくせば、暴力は生み出されないのではないか。彼はそう考える。 ではどうやって境界線をなくすか?そもそも境界線はそんなに固定的で、何者をも通さない厚いものなのだろうか?そこで鈴木は、細胞のアナロジーで世界を捉えることで、境界線が越えうることを根拠づけようとする。【核】、【膜】、そして【網】。 【核】とは、中央集権の象徴である。中央集権的な組織に満ちあふれる現代社会(8)、他者を認識し、資源・他者を制御する自己(15-18)の象徴である。 【膜】は、境界線である。【核】は、【膜】によって資源を囲い込み(8)、自己の所有物を確定する(18)。 これら【核】、【膜】を生み出す複雑な反応ネットワークが、【網】である。【核】や【膜】は仮の姿あるいは一時的な現象として生まれるのであり、それは全体そのものではない(19)。もしそうなのであれば、【核】や【膜】が人間の生み出した現象に過ぎないのであれば、それらを変えることも、なくしてしまうことも可能ということになる。【膜】をなめらかにし、世界がネットワークであることを認識することも、越境することも可能ということになる(19)。それはかつてであれば不可能であった。人間の認知能力には限界があり、だからこそ、【核】と【膜】によって世界を単純化してとらえようとしたのである。しかし今では、なんらかの技術的な方法によってその限界を突破することができるかもしれないのだ(45)。なぜならば、オートポイエーシスとしての生命システム(人間)は、外部の環境と相互作用し、環境を変えながら自らも変容させるからである。 我々は技術によって環境を作り替えることで、我々の認識能力をも変えることができるのだ。であれば、技術革新によって、世界を単純化しないままに認識できるようにもなりうる。それが、「なめらかな社会」である。それは、多様性のない「フラット」ではなく、非対称な関係が非連続的であり、その間に断絶がある「ステップ」でもない(39-41) そして、鈴木はこの『なめらかな社会』を実現するための4つのコアシステム――貨幣システム(伝播投資貨幣PICSY)、投票システム(伝播委任投票)、法システム(伝播社会契約)、軍事システム(伝播軍事同盟)を提案する(ⅲ)。 全体評 決して易しい本ではない。理由は二点有る。一つが途中出てくる数理的モデルなどを理解するのがかなり難しいこと。これは微積分すらもうなさっぱり思い出せない俺が悪いともいえるのだが、俺みたいな奴は一杯いるだろう。ただ、本書における数理的モデルは、筆者自身が読み飛ばしてくれてよい(69)との旨を記述しているため、理解せずとも特に問題はない。 もう一点が、鈴木の言う『なめらかな社会』の構想自体が、我々の認識している現実からあまりにも乖離しているが故に、イメージが非常に難しことである。大まかに、鈴木が何を言いたいのか、をつかむのはそこまで難しくない。国家、制度、そして人間、それらを分かち、その支配範囲を画定する境界線を、境界線自体を残しつつも、より越えやすい境界線にしていく。これが鈴木の構想する「なめらかな社会」である。しかし、このイメージはあくまでも「なめらかな社会」という社会構造についてのイメージであって、「なめらかな社会」に生きる人間についてのイメージではない。このことが、第三章以降の各論を読む上で問題となるのだ。 伝播投資貨幣PICSY、伝播委任投票、伝播社会契約、伝播軍事同盟。これらは社会制度であり、これらの総体が「なめらかな社会」の社会構造となるのだが、これら社会制度を使うのは人間である。しかしそれは現在生きる我々とは違う認識能力を持つ人間である。それゆえ、これら社会制度について検討する際に、我々がこれら社会制度を用いるかのようにイメージしてしまうと、これら社会制度を理解することができない。そのようにイメージしてしまったならば、鈴木に対して論点を間違えた無意味な非難を浴びせることになるだろう。 では「なめらかな社会」に生きる人間はどのような人間なのだろうか。私自身もその正確な理解ができているのかには自信がないが、おそらく、その端的な例となるのが「統合失調症」であろう。鈴木は、これまでの近代社会が前提としてきた、「自由意志をもった一貫した自己」というイメージを否定する(174)。かわりに提示されるのが、ドゥルーズの「分人」概念である(134-135)。鈴木は、この「分人」を、近代的な個人にかわる政治・社会の最小単位として扱おうとする。 頭のなかをかけめぐる複数の異なる声、これこそが分人たちの声である。これらの声は矛盾し、会話し、ときに溶け合うこともある。ちょうど自分の腕を他人の腕だと信じて疑わない自己身体失認と同様に、自分の脳の中の声も他人の声として聞こえてしまうのが統合失調症によくある幻聴の症状である。それはら宇宙人や神の声として解釈されることさえあった。(174) 現代社会においては、これら分人たちの声は、「責任を要求される」などの手段によって、一貫性のある一つの自己として結晶化される(174)。一方、鈴木の構想では、この「自己の結晶化」が拒否される、「身体が生み出す矛盾した声を、矛盾したままはき出す」(174)。「分人民主主義が大事にする規範と倫理は、身体から生じる自然な声や情動を重視し、個人の中、組織の中、国家の中の矛盾を理解し許容する文化である」(175)。 鈴木の「なめらかな社会」は、このような分人を前提としている。伝播投資貨幣PICSY、伝播委任投票、伝播社会契約、伝播軍事同盟。これらを利用するのは分人であり、現代社会で前提とされ、我々もまたそうであるような「個人」ではない。このことを理解しないまま本書を読むと、間違った理解にたどり着く。例えばであるが、山形浩生による書評、鈴木『なめらかな社会とその敵』ヒース『ルールに従う』:社会の背後にある細かい仕組みへの無配慮/配慮について、あるいはツイッターでなめ敵とかいって喜んでる連中はしょせんファシズム翼賛予備軍でしかないこと。これを読む際には注意しなければならない。 この書評においては、本書で重視される「関係性」がめんどうなしがらみでもあること、「なめらかな社会」とはそのような関係性を重視する閉鎖的農村社会であること。PICSYが社会貢献度に応じた新たな階級社会を生み出すだろうということ。分人民主主義の分割投票が、投票者個々人の責任を問わない、ナンセンスで無責任な制度であること。「なめらかな社会」における近代個人観の否定は自由、平等、プライバシーをも全て否定してしまい、究極の全体主義と化すること。これらを指摘する。しかし、これらの指摘は、鈴木に対する批判としては全く的を外している。この書評にも記述があるが、 むろん、真になめらかな社会は人々の自由も平等もプライバシーも必要としないのかもしれない。すべてはつながりあった一つの「自分」であり、それ以下の個体など考慮しないのかもしれない。これは著者がかなりはっきり述べていることだ。著者は、国家と個人だけが突出して(つまりなめらかでない形で)重みを与えられている現状を批判し、会社、コミュニティ、地域などにそうした主体としての意味づけを分散させることをこのシステムで目指したいと述べている。これはつまり、個人というものに与えられている意義や権利、たとえば自由や平等やプライバシーなどの重み付けも下げると言っているに等しい。個人の価値付けも、いまはデジタルだ。人間だから固有の価値と権利がある、というわけだ。でも、なめらかさを追求する鈴木のシステムはそんなデジタルな断絶は許さない。人間の価値だってなめらかに変化する。結果的にそこには、価値の高い人、価値がその半分くらいしかない人、まったくの最低限の人間といった人間としてのランク付けがなめらかに生じる。人々に潤いを与え、なごやかにし、ネズミをたくさん捕った近所のどら猫より価値の低い、本当に猫にも劣る(しかもそのおとり具合を数値的に示されてしまう)人間がたくさん生じる。(山形 2013) 鈴木ははっきりと述べているのだ、人々の自由も平等もプライバシーも必要ではないと。ゆえに、「なめらかな社会」が究極の全体主義に至ったところで、鈴木にはなんの不都合もない(*2)。「なめらかな社会」の全体主義性に拒絶反応を示す人間は、あくまでも現代社会の人間である。「分人」であれば究極の全体主義たる「なめらかな社会」を、特になんら疑問を抱くことなく受け入れる、そのように想定されているのだ。 本書が全体主義の書であることは、事実であろう。その意味で山形の批判は正しい。しかしそれは本書に対する批判にはならない。本書を絶賛する人々を「ファシズム翼賛予備軍」と呼んだところで、彼らには何らダメージをもたらさない。山形は「本書が誤っていること」を指摘したのではない。山形は「「ファシズム」や「全体主義」という言葉の持つ悪いイメージを用いて、本書と本書のフォロワー達を非難する」だけである。 本書の誤りを指摘したいのであれば、次の3つの道をとることができる。一つは、「なめらかな社会」が前提とする諸概念を否定すること。「分人」やら「核、膜、網」といったものを否定すればいい。そうすれば「なめらかな社会」は崩壊する。もう一つは、鈴木の提示する社会制度が、「なめらかな社会」に寄与しないことを指摘すること。PICSYやら伝播委任投票などを導入したところで、社会はなめらかになどなりはしない、といえばいい。最後の一つは、理念的批判である。「なめらかな社会」そのものが、「正しい社会」なるものから外れていることを指摘すればいい。山形はこの三つ目の道をとるが、「全体主義に対する現代人の持つ悪いイメージ」をその根拠としているところに大きな欠陥がある。一応山形はヒースの『ルールに従う』を引きながら、本書を「一見粗雑さに見えるものが保存していた社会的な価値をまったく顧みることなく、きわめて単純な理念だけを乱暴に適用した社会システムを構想してしまった」(山形 2013)ものとしているが、これも本書の立場からすれば「だから何?」としかならないだろう。 さて、ここまで本書の擁護論を書いてきたわけだが、私自身は本書の「なめらかな社会」には賛同しない。「関係性」を重視するという本書の視点には賛同するものの、そのためにはむしろ、ある意味で社会をより「ステップ」にする――内と外の断絶をより強くする――べきだと考えるからである。本書の主張が「ステップな社会をなめらかな社会に」だとすれば、私の主張は「なめらかな社会をステップな社会に」である。本書の認識と異なり、現実の現代社会は、既にかなりなめらかな社会である。Twitterやフェイスブック、グローバル企業、タックスヘイブン、環境問題、グローバル経済、移民。既に一国家によって、または一組織によってのみ決定できる領域のほうが小さくなっている。 本書が執筆された当時には想定されていなかったであろうが、現在においては、福祉排外主義政党が支持を集め、またイギリスではブレグジット、アメリカではトランプ大統領の誕生と、反グローバリズムの潮流が力を持っている。この現象を、本書の言葉に即して言い換えるならば、現在では、無視できない数の人々が、国家の膜が薄くなってくことに耐えられず、むしろ膜を厚くし、核を強力にし、網を見ないようにしようとしている、ということになるだろう。彼らは分人ではないため、なめらかな社会に耐えられないのは必然である。 しかし、現代社会の人間は、どうすれば分人となれるのだろうか。本書の答えは不完全である。システム(人間)と環境の相互作用たる構造的カップリング。技術によって人の認知能力を変容させる。そしてそのための諸制度を本書では提案した。しかし、これらによって実際に人間がどのように分人となるのかは、本書に記述されてはいない。構造的カップリングは神秘化されてしまっており、それら社会制度が「なめらかな社会」を作り出せるのかは自明ではないのだ。 であれば、「こんな面倒なシステムを作るまでもなく、勝手に近所づきあいをふやし、親戚づきあいをすればいいだけではないか?」(山形 2013)。山形は――本書で想定されている関係性が、近所づきあいや親戚づきあいのような「近い」関係性ではなく、ソーシャルネットワークという「遠い」もしくは「弱い」関係性であることを見落としているものの――この点についてはいみじくも指摘している。なめらかな社会を作り出す制度を実現することよりも、現代社会の既存の制度を強化するほうがたやすく、さらに、各人が自らの関係性を強化していくほうがはるかにたやすい。そもそも、自らの隣人との関わりを充実させることなしに、地球の裏側の人々との関係を意識することなど、できるのだろうか。 参考文献 山形浩生(2013)「鈴木『なめらかな社会とその敵』ヒース『ルールに従う』:社会の背後にある細かい仕組みへの無配慮/配慮について、あるいはツイッターでなめ敵とかいって喜んでる連中はしょせんファシズム翼賛予備軍でしかないこと」https //cruel.hatenablog.com/entry/20130326/1364268478(2018/12/19最終閲覧) (2018/12/19)
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7733.html
前ページ次ページゼロの黒魔道士 ワイヤーの上、ルイズおねえちゃんを抱えたまま、滑る。 火花が散る靴の裏が、焼けつくように熱い。 でも、そんなことも気にならない。 ……絶対に許せない。 フォルサテ、待っていろ!! ゼロの黒魔道士 ~第六十七幕~ Dive Into The Heart 「よい……しょっと!」 ワイヤーを伝った先は、バブイルの身体の一部、 尖塔の一番先っぽの部分。 「よーし、行くわよっ!ビビ!」 「うんっ!!」 帽子を、深く、深く被り直す。 ここから、フォルサテのいる場所まで。 決して近くは無い。でも、遠くも無い。 自分のためだけに、みんなの命をもてあそぶ…… フォルサテ、絶対に、許すもんか! 「で、ビビ!どっち行けばいいの?」 「……ぇ」 ……そういえば…… “バブイルの中に、あいつらがいる場所へ繋がる扉があるはずだ。 『悪魔の門』……言葉そのままだね” ……もしかして……これだけしか、手掛かりが、無い……? 「――と、とにかくここじゃ無さそうだし、降りればいいわけよ、ね!?」 「う、うん……」 いきなり、失敗しちゃったなぁ…… でも、『悪魔の門』って言うぐらいだし…… 真っ黒で、大きい。多分、そうだと思う。 思うんだけどなぁ…… だけど、絶対に見つける。見つけてやるんだ。 ・ ・ ・ 「これを、降りればいいのよね、きっと!」 「……グルグルしそう」 尖塔の中は、長い長い螺旋階段になっていた。 二重螺旋、って言うのかな? 階段が二重になっていて、同じようにグルグルした長いのが、 ボク達が下っている反対側の壁に寄り添うように伸びている。 それにしても、長い。 これだけの高さの尖塔だから、当たり前といえば当たり前なんだろうけど…… 「急ぎましょ!ビビ、あいつ許せないんでしょ?」 「……うん!」 そうだ。 そんなこと考えている場合じゃないんだ。 『悪魔の門』を急いでみつけないと……! 「あ、ちょ、ちょっと!? ビビ、焦りすぎないでよ!?なんか危なっかし…… きゃっ!?だ、大丈夫っ!?」 ……焦りすぎは、危険。そう思うんだ。 流石に、二段飛ばしで降りるのは無茶みたい…… 『心は熱くても、頭は冷静に』……うん、その通りだ。気を付けなきゃ…… 「もー……しっかりしなさいよねっ! これから、すっごいヤツと戦わなきゃいけないんだから、怪我されたら……」 そう言って、ルイズおねえちゃんが伸ばした手に捕まろうと、手を伸ばす…… そのときだった。 尖塔の壁が、大砲の弾をぶつけられたように、弾け飛んだ。 「きゃぁっ!?」 「う、うわっ!?」 「GRRRRRRR……GWOOOOOOOOOOOO!!」 折りたたまれた翼を広げて、 銀竜が、その姿を現した。 壁をぶち破って、ボク達を、襲いに? こんなところで、やられるわけには、いかない! 「デルフっ!!」 「……」 「デルフ?」 デルフを握り締める。でも、なんだろう、いつもと、違う。 確かに、『ガンダールヴ』の力が湧いてはいるけど…… でも、こう……返ってこない、って感じ。 デルフが、応えてくれない。 シェルがかかった相手に、魔法攻撃をしているような、そんな手ごたえの無さ。 どうしたの?デルフ?本当に、どうしたの? 「び、ビビ、前っ!!」 「う、うわっ!?」 ガキンって目の前で、牙むき出しの口が閉じられる。 危ない。帽子の端っこが、銀竜の鼻先に触れて揺れた。 「デルフ、どうしたのっ!変だよっ!?」 「……あ、あぁ……」 「GWOOO!」 「っ!!せいっ!!」 デルフを振り上げて、叩きつける。 ギンッと、金属と金属が触れあうような音。 硬い。こいつの皮、プロテスがかかっているのかって思うほどに、硬い。 ……でも、それ以上に、デルフから力が引き出しきれていない。 いつもだったら、金属相手にだって、傷をつけるぐらいの力は出せるはずなのに…… 「くっ……」 「GWRAAA!!」 まずい、避けきれない。防ぎきれない。 思わず目をつむってしまいそうになる…… 「『錬金』っ!!」 響いたものは、爆音。 「GYAAAAAAAAAAAAAAAAA!?!?」 胴体の大部分を失って、銀竜は苦しみもがいていた。 その体を乗り越えて、ルイズおねえちゃんがこっち側に降りてくる。 「ビビ、大丈夫っ!?」 「る、ルイズおねえちゃん……」 すごい。ルイズおねえちゃんの魔法、本当にすごい。 どんな魔法障壁や皮の厚さも貫いてしまう爆発なんて、聞いたことが無い。 「……わ、悪ぃな、娘っ子……はは……」 それに比べて、デルフの声が本当に弱々しい。 どうしちゃったって言うんだろう、ホント…… 「悪ぃな、じゃないわよ!ったく……ビビ、怪我無いわね?」 「う、うん……っ!?ルイズおねえちゃん!!」 「GRRRRR……」「GWOOOO!!」 最初の銀竜の開けた穴から、二体、いやもっと多くの銀竜が入ってきた。 完全に……狙いは、ボク達だ……! 「嘘でしょっ!?」 「ルイズおねえちゃん、急ぐよっ!!」 「あ、当たり前よぉおおっ!!」 二段飛ばしなんて、そんな生易しいものじゃない。 ほとんど、転んでいるのか落ちているのか分からないほどの速さで、 ボク達は螺旋階段を下って行ったんだ…… ピコン ATE ~セイヴ・ザ・クイーン~ 少女が率いるコンツェルト。 手にはナイフを振りかざし。 「いいかい、面で潰すんだよっ!両翼は平民どもの保護っ!」 少女の指揮で、戦局が動く。 王様の馬と王様の家来、全部揃えて大防戦。 「はっ!水メイジ、前へっ!!」 「回復魔法――放てっ!!」 大通りに溢れ満ちるは、ガリアの命脈、シレ川の水。 悪しき者は押し流し、弱き者を救わんとする、護国の大波。 無理矢理、合わぬ魂を与えられ暴走した屍共は、 その狂えし鼓動を『整えられ』、元の死骸へとその身を戻す。 だが、数が多い。 幾重にも重なる陣容は、兵の身体そのものを盾としていた。 盾の後ろより、飛び出す1体。 向かって左翼、屍にしては素早い動き。 タンタンタタンッと足運び、踊り上がるは敵の影。 1人漏らせば速いもの、左翼の戦列が乱れ出し、 抜け出た屍数十人、そろいもそろって醜悪なる面の皮。 元より死人、死など恐れず、一直線に少女の方へ。 衛兵共が留めようとするも、本能のままに動く者と比すれば反応は遅い。 彼らが最も守らねばならぬ人、その場所まで、最初の一人が辿りつく。 「イザベラ様っ!!」 叫んだころにはもう遅く、唱うる呪文が間に合うべくも無し。 間の抜けた面して、君主の名を呼ぶことが精一杯。 イザベラは呆れる。 本当に馬鹿ステルモール、既成概念とやらにとらわれた頑固者である。 第一、だ。 「ふんっ!!」 誰が、助けて欲しいなんざ泣きごとを言った? 守られるべき少女は、自ら短剣を振るう。 水晶の粉、とでも例えるべきか、水魔法と風魔法の生む剣技。 それが襲撃者の身体に触れるか触れないかという刹那の間に、 斬という音すら立てず、ただただ包みこむように、屍を四散させしめた。 「お、おぉ……」 「――意外って顔だねぇ?無能王の娘はやっぱり無能だとでも思ったかい?」 自嘲気味の皮肉。 これぐらいは言わせてもらっても問題あるまい。 事実、今まで魔法を行使する姿など見せたこともなく、 我儘で、怠惰な、能無し王族と思われていたのはまず間違いないのだから。 「い、いえ、そそそんなめっそうもっ!?おそれ多い――」 「ふんっ!あたしは寛大だからね!どう思われたって構わないさねっ! あんたはせいぜい無能呼ばわりされないように働きなっ!」 ならば、そのギャップを利用する。 『不良と捨て犬の法則』という奴の変形バージョンだ。 普段無能である者が、緊急時にあり得ない働きをしてみせる。 兵の支持と士気を上げるのに、そこそこ役立つだろう、というわけだ。 「は、はっ!!」 良い返事。相手を信頼しきった完璧な返礼。効果アリ。 普段からこうして良い返事をしてくれりゃぁいいものだが、 我儘勝手な自分の下ではそうもいかないか。 イザベラは自嘲の笑みを浮かべようと―― 「――っ」 ぐらり。 水の中に入ったように、視界が揺らぐ。 地に立ってはいるが、それが足で立っているのか腹で立っているのかすら分からない。 目まいや立ちくらみ、それに類してはいるが、 そんなチャチなものでは無いということを、イザベラは歪む景色の中冷静に判断した。 「(少々、ご無理が祟りましたな)」 囁くように、声が響く。 心に直接届く声。 それが、壊れそうになった五感の中で、リンと鈴の音のように響く。 「(あんたは黙ってなっ!ここが踏ん張りどころなんだよっ!!)」 心の中で返答を。 悪態ではあるものの、イザベラは感謝していた。 その声に、しがみついてよりかかる。 そうすることで、呼吸が整い、なんとか視界が戻ってくる。 声の主に、直接触れ、握り締める。 手にした短刀、そのものに。 『地下水』。 裏社会じゃちょっとは名の知られた暗殺者の正体が、 握った者の精神を操ってしまう短剣だなんて知ってるのはそう多くない。 インテリジェンス・ソードならぬインテリジェンス・ナイフといったところだろうか。 「(必死な姿、応援したいのは山々ですがね。ご忠告申し上げたいことが)」 「(何だってのさ?くだらないことだったら聞かないよ)」 「(俺の言うことが下らないわけないでございましょ? あんた様の魔力のコトさ。残り良いトコ2,3発ってとこでしょうね)」 こいつの強みはそれだけではない。 持った者のポテンシャル、すなわち潜在魔力を引き出し、 自由自在に四系統全ての魔法を使うことができるのだ。 『親譲りの無能』とさえ評されるイザベラからすらも引き出すのだから、 その力は大した物だと言えるだろう。 だが、それとて無尽蔵に、とはいかない。 所有者の精神力を確実に食い潰し、やがて使い果たす。 無から有を為す、どんな幻想であっても、それはあり得ないことなのだ。 「(……はっ、そんなことかい)」 「(それ以上無理すると……最悪、身体が壊れちまいますよ、ってハナシだ。 あんたは嫌いだが、操りやすい体が減るのは嫌なんでね。一応警告させてもらいますよ)」 所詮、ナイフ。 操る者がいなければ文字の通りに手も足も出ないということは重々承知している。 だからこその忠告だ。 地下水にとってみれば、今彼を持つ少女は、ほどよい『宿主』というだけで、別段こだわる必要は無い。 「ハッ!上等じゃぁないか!!」 「ど、どうされました!?」 そのイザベラが、突如吠えた。 喉を震わし、声に出し、気を吐いた。 目まいが何だと言うのだ、身体が何だと言うのだ、とばかりに。 「(上等、でございますか?)」 「(馬鹿にされっぱなしってのはね、我慢ならないんだよ!見返して、やりきって死ねるんなら本望さね!)」 イザベラという女性。 彼女の行動原理をシンプルに形容するならば、『理により無理を通す』というところであろうか。 元々、父に似てチェスの腕前も悪くない。 頭そのものは至極真っ当で、有能であるはずなのに、 あえて無能で無謀を振る舞い続けたことには、それなりの理由が存在する。 あらゆる点で従姉妹であるシャルロット、すなわちタバサに劣り、 父であるジョゼフからは無視をされ、 家臣達はそろいもそろって腹に一物を持ってゴマをするおべっか野郎か、 あるいはあからさまに嫌悪し、心で中指立てて厭々つき従うよう輩ばかり。 そんな彼女にとって、我儘は、唯一許された自己主張だったのだ。 簒奪者の娘と蔑まれ、無能の姫と軽んじられ、似合わぬ冠を嘲笑われた彼女は、 ともすればたやすく折れる心を、無理矢理傲慢に振る舞うことで支えていた。 それが、彼女なりの理であり、無理であっても通さねばならぬ道理であった。 王家のものとして、屈することは許されぬ。 折れた膝には、やがて有象無象が群がり、国そのものが蝕まれるからだ。 そのために、従姉妹にも辛く当った。 嫉妬が無かった、とは言うまい。 明らかに、イザベラはシャルロットを羨んでいた。 イザベラ自身、シャルロットを虐めるときにドス黒い優越感が、心の飢えを満たしたことを認める。 だが同時に、襲いかかったのはいつも決まって、虚しいばかりの罪悪感。 悔いることも許されぬ立場であり、役柄を演じてしまった彼女にとって、 それは自ら背負った磔の十字架であった。 埋まることのない罪の意識は、やがて決壊を迎える。 決定的な事由、火竜山脈における『季節外れの不死鳥の卵』捜索依頼である。 腐れ坊主共との会話の端で出た言葉に、何故乗ってしまったのか。 ロマリアの思惑通りに任務を思いつき、それを指示してしまうという愚行を、何故犯してしまったのか。 クジャから通信で事の顛末を聞いた後、イザベラは一人部屋で泣いた。 たまりにたまった感情が、高慢という仮面で押し隠した全てが、雫となって溢れ出た。 許せなかった。 彼女を全てにおいて凌駕するくせに、彼女に忠実に尽くそうとする従姉妹、シャルロットが。 彼女にとって大切な家族であるのに、無視をし続けた父王、ジョゼフが。 そしてもちろん、彼女自身が。 今までタバサを、彼女の大事なシャルロットを、何度となく死地に遣わせながら、 いざ死の危機に瀕したと聞き、狼狽し涙した、自分自身が。 だからこそ、彼女は今一度、無理を通す。 それが彼女の理であり、通すべき道理だからだ。 その傲慢ぶりを、もう一度だけ発揮する。 これが最期だ。 その後は、罪を償うために修道院にでも入ってやってもいいだろう。 その前に、修道院を取り仕切るロマリアのクソッタレどもの大掃除だ。 あぁ畜生。生臭坊主共め! ことにかいて、このガリア王の娘であるイザベラ様を騙して、 大事な大事なシャルロットを、虚無だかなんだか知らないが餌扱いしやがっただと? 許せるわけが、無い。 「(またご無茶を……)」 「(あら、無茶しすぎたときには、あんたが止めると思ってたんだけど?)」 ロマリアの糞共に一泡食わせるってことならば、何だって利用してやるつもりだった。 自分の身体?安い代償だ! 彼女は、王女である。 王女の所有物は、己の肉体のみにあらず。 国家そのものが彼女の血肉であり、そこに住む人民こそ魂なのだ。 だから、イザベラはもう1度ギュッと地下水を握り締めた。 信頼と、覚悟を伝えるために。 「(……裸踊りでもさせて、ですか?)」 「(ブッ!?それを今言う!? ――あのときの辱め、ここで償えなきゃ溶かして鍋にでもしてやるよっ! そうならないよう、知恵と魔力をあたしから絞りだしなっ!!)」 「(上等、でございますな)」 ナイフとの会話にケリをつけ、 もう1度、彼女は大通りを見渡した。 守るべき地が、今飲みこまれている。 守るべき、王女の地が。 「馬鹿ステルモール!前に出るよっ!自陣にひきこもってるだけじゃ守れるもんも守れやしないからねぇっ!」 「は、はっ!ま、前とはっ」 「正面から堂々とッ!行くよっ!!」 王女は、王女らしくあるべし。 大臣の小言がふと思い出される。 いいだろう。王女らしく振る舞ってやる。 覇道たる大通りの真ん中を、堂々と。これ以上、王女らしいものはあるまい? イザベラは、彼女の中の王女を守るため、 王女と王女の血肉を守るため、 威風堂々、立ち向かうのだ。 ピコン ATE ~フレイムタン~ 真っ赤な舌が、廊下を這って襲い来る。 骨をも焼き焦がす炎。 だがコルベールは、臆しない。 唱える呪文は最小限。 力を力で抑えるのではなく、力を技で撃ち払う。 剣を交えるがごとく、炎の波が重なって、 火の粉をふりまき爆ぜて散る。 「ふふ、やるな」 火の粉の向こうに、敵の顔。 かつて己が焼いた、部下の顔。 生徒を焼こうとした、敵の顔。 あのとき、確実に命を奪っていれば…… いや、過去を省みてなんとする。コルベールは自身を諌めた。 見つめるべきは、現在。炎の中の、敵。 メンヌヴィルの次の動きを見て、コルベールは撥ねた。 窓を突き破り、その向こうへ。 刹那、業を焼き尽くす地獄の舌が、廊下を満たす。 壁も天井も焼きつくし、ズ、ズ、ズと学院が崩れる。 窓から逃げたコルベールは、そのまま広場の方へと逃げた。 距離をとらねば。 戦闘を続けていた者と、長年遠ざかっていた者では差があまりある。 コルベールはそれを確かに実感していた。 火の魔法が、他の魔法と圧倒的に違う点。 それはこと戦闘において『小細工が必要ない』ことだ。 振ればそのまま敵を払い、撃てばそのまま敵を穿つ、まさに破壊の象徴。 その意味において、メンヌヴィルは最高クラスの炎の使い手となっていた。 一切の小細工を打ち捨てた力そのもの、 かつてコルベールが持っていた、非情なる力そのものに。 「どうした!隊長殿?逃げ回るばかりではないか、えぇ? いつの間にチキンに成り下がってしまったんだ!?」 闇から、声が届く。 学院の壁に反射し、重なる。 輪唱のように、笑い声がこだまする。 どこだ、敵はどこだ。 宵闇の中見渡しても見えぬ。 それは敵も同じ、と言いたいところだが、そうはいかぬ。 相手は盲人。元より闇の中の住人。 暗がりのみを友として、牙を磨き続けた獣。 ジリッと音がする。木の葉が燃える微かな音。 身を、よじる。 焼き焦がす熱。 質量のある炎。 圧倒的な破壊力。 かすっただけで、重心が崩される。 「惜しい!マントが焦げただけか! しかし次は体だ! 貴様の燃え尽きる匂いを嗅がせてくれよ、えぇ!? この、オレに!オレを!感じさせてくれよ!ははははははははははははは!!」 「くっ……」 逃げる。 逃げる。 闇の中、コルベールは逃げる。 やがて出るのは中庭の1つ。 見通しが効く。これだ。 少しでも、闇の中で盲人相手に勝機を見出すとすれば、 見通しの良い場所に出ねば話にならない。 それでも、中庭を囲むように、植え込みの藪。 隠れる場所は、無くは無い。 ドッドッドッと、心音が上がる。 これからの一足一挙動が、ある意味で賭けなのだ。 「最高の舞台を用意してやったよ、えぇ?隊長殿…… 鬼ごっこはもうお終い。残念だぜ、えぇ?楽しい時間はあっと言う間だな!」 どこから聞こえるのか、皆目検討はつかない。 中庭が、濛々と立ち上るメンヌヴィルの熱気と殺気に満たされたかのようであった。 「なぁ、メンヌヴィルくん。お願いがある」 「悪いんだが、焼き加減はウェルダンに決めているんでね、えぇ? 焼き始めの場所ぐらいは聞いておいてやるさ。なぁに、昔馴染だろう、えぇ?」 息をするのを、忘れそうになる。 コルベールは、溜息のように短く息を吐き出し、吸い込んだ。 「降参して欲しい。私はもう、魔法で人を殺さぬと決めたのだ」 だからこそ、教師になった。 破壊以外の、炎の使い道を、考え教えるために。 「おいおいおい……学校ってのは生徒だけじゃなく、先生も馬鹿になっちまうものか、えぇ? いいか? 俺は、お前が見える。 お前は、俺が見えない。 理解したか、えぇ? どう逆立ちしたって、貴様に勝ち目は無いだろうが!」 「そこを曲げてお願い申し上げる。このとおりだ」 見えぬ相手なれど、頭を垂れて願う。 半分は、本気。彼の本心からの願い。 だが、もう半分は、冷静な武人であったころの非情な思惑。 すなわち勝機を誘うための、演技。 「――なぁ、隊長殿?いぃや、もうあんたは俺の憧れた隊長殿じゃねぇや、えぇ!? 腑抜けだ!あぁ、糞ったれの間抜け野郎だ!脳味噌までとろけ切ったボケ爺だ! そんなお前を、二十年間追い続けた俺も同じって言いたいのか、えぇ!?」 案の定、である。メンヌヴィルが吼えた。 相手の激昂。これがコルベールの狙った勝機だ。 怒り狂った獣は、攻撃が単調になりやすい。 コルベールの狙いはそこにあった。 ただ、誤算があるとすれば。 「……決めたぜ。お前が来ないってんならよ、えぇ? 俺様は好きな物は先に食う方なんだがよ……貴様が腰抜けなせいで優先順位が変わっちまった。 ガキ共の柔肌の方が燃やし甲斐があるってもんだぜ、えぇ?」 「っ!!」 コルベールは、教師だ。 仮面の演技が、いつしか本物となり、 愛すべき生徒達に、馬鹿にされながらも囲まれて、 コルベールは今や心身共に教師だ。 だから、怒る。 大きな誤算。それは自らの怒りを制御しきれぬこと。 コルベールは、かつての武人としての冷静な頭脳ではなく、 愛すべき生徒を守る教師の魂を、今燃やしていた。 「お?いいねぇ!そうだよ!怒りだ!その怒りを感じさせてくれよ、えぇ!? お前の大切な生徒だろ?ほぅら、もっともっとだ!もっと実感させてくれよ!」 「いいえ……あなたには、もう感じることすらできないでしょう」 「だろうなぁ!お前が黒っ焦げの炭になっちまうのはもうすぐだもんな!ははははは!」 小細工無用、力と力が、ぶつかり合う。 魔法学院の中庭で、今また、炎と怒りが交差する。 「……ぜぇ……ぜぇ……や、やめて欲しいわね、ホント……」 尖塔を降り切った先、出口の光が見えたのはいいけど、 その先がまた酷かった。 「……ゾンビと……銀竜……こんなに……」 街の中……ボロボロだから、多分遺跡だと思うけど…… そこら中を、モンスターが埋め尽くしている。 エンカウントしないで、先に進むのは、かなり厳しい。 そもそも、建物の壁を見ても分かるけど、 この街は迷路みたいに入り組んでいる。 これじゃ、どっちに行けば『悪魔の門』かだなんて…… 「……右、だな……」 「デルフ?」 デルフが、小さくポツンと呟いた。 「右だ……相棒、多分右、だぜ……そこに例の『門』があらぁ……」 「どーしてあんたに分かるのよ?」 ルイズおねえちゃんが、疑わしそうに聞く。 ……そうだよ、ね……?なんで、デルフがそんなこと知ってるの……? 「分かんねぇ……ちくしょ、こう、うまく言えないんだがよぉ…… 頭が割れそうだわ……頭なんざ無ぇけど……はは……」 デルフの声が、苦しそうに聞こえる。 「……右、だったね」 「ビビ!?あぁ、もう!勝手に行かないでよっ!!」 ボクは、デルフの相棒で、 相棒っていうのは、お互いを信用しなくちゃいけない。 だから……行くべき道は、はっきりしていた。 「はぁああっ!!」 「『錬金』っ!『錬金』っ!!『レビテーション』っ!!」 「GROWWWW!?」「GYAAAAM!!」 かき分けて、かき分けて、進む。 ちょっとずつ、それでも、確実に。 その先の道を、信じて。 ・ ・ ・ しばらく進むと、何だか、空気が濃くなったような感じがしたんだ。 「ビビ、あれっ!!」 「……? !! 『虹』!?」 建物の影に隠れて分かりにくかったんだけど、間違いなく、『虹』だった。 歪んだ色が、幾重にも重なって、それが柱みたいに、空の高くまで伸びて…… いや、違う。 空から、伸びてきて、地面に向かっている? まるで、何かに、吸い込まれるかのように…… 「『悪魔の門』って、あの先じゃない!?」 「……うん!!」 確かに、それっぽい。 魂を飲み込むなんて、いかにも『悪魔』って感じがする。 それに、この空気の濃さ……大きな魔力の存在がすぐ傍にあるって感覚。 いかにも、って感じだ。 「行くわよっ!!」 「うんっ!!」 まだまだ襲い掛かるゾンビを振り払って、ボク達は遺跡の奥へ奥へと進んでいった。 ・ ・ ・ 「これが……『悪魔の門』っ!?」 『虹』の柱の下の端っこ、それは、思ってたものとは大分様子が違っていた。 まず、その色は真っ黒なんかじゃなく、真っ白に輝いていた。 『虹』のいくつもの光が、赤や緑や青や黄色、そんな色の光がいくつも重なって白く光って見える。 その光が、大きく広がって、扉というか、鏡というか……これだと、まるで…… 「『召喚の扉』……?」 そう、ボクがこの世界に呼ばれたときにくぐったような、召喚の扉にそっくりだ。 白く光って…… あ、と思い出したんだ。 この光って、『輝く島』のものに似ているんだってことに、やっと気がついた。 テラから漏れ出た、テラやガイアの魂の光……『輝く島』の光そのものじゃないか。 これが、悪魔の門なら、この先に……! 「――で、どうする、ビビ?」 「……決まってる、でしょ?」 「GWAAAMM!」「GRLLLLLL!!」 背後からは、まだまだ銀竜やゾンビ達がこっちに向かってきているのが分かる。 ボクは、デルフを握りなおして、反対の手で、ルイズおねえちゃんの手を、しっかりと握った。 離れないように、しっかりと。 「……行くよ!」 「えぇ!悪い奴らを倒しに、ね!!」 襲い掛かるモンスター達をボク達は振りきって、 光の中へと、飛び込んだ。 その先に待つ物がなんだろうと、構うことなく…… 前ページ次ページゼロの黒魔道士
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/31877.html
【検索用 ほうきゃくにっき 登録タグ 2015年 Diarays IA MAYU NexTone管理曲 VOCALOID うに ほ コウ 初音ミク 房野聖 曲 殿堂入り 鏡音リン 鏡音レン】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:コウ(Diarays) 作曲:コウ(Diarays) 編曲:コウ(Diarays) 絵:房野聖・うに(Twitter) 唄:初音ミク・鏡音リン・鏡音レン・IA・MAYU 曲紹介 ――忘却日記――最終章「忘却日記」 曲名:『忘却日記』(ぼうきゃくにっき) Diaraysラストアルバム「忘却日記」収録曲。 ボカロバンド Diarays の28作目。 第一章「メアの教育」から続く、忘却日記シリーズの第六章にして最終章。 「鳴る小説」第一幕『忘却日記』 ※『忘却日記』シリーズは本楽曲で完結となるが、「鳴る小説」シリーズは次作『絶望接種』に続く。 ※下記のナンバリング表に記載している「8月0日」はアルバム『忘却日記』に収録されていない、実質ボーナストラックのようなもの。「8月0日」発表前は『絶望接種』第零章「死んではいけない」または『絶望接種』第一章「ネアの幻遊」に続いていた。 第五章 最終章 第零章 4月44日 忘却日記 8月0日 歌詞 + 小説パート “母さんが生き返る。ナイト” 「実現したいことを書いたページにその代償が浮かび上がるんだ。」 「この日付までに必ず達成するんだ、いいかいメア。」 「夢に出てきた百人を…こんなもの本当に信じるの?」 「この日記は本物だ。学校の女子生徒に書き込ませた。」 「じゃあお兄ちゃんのその目も…」 あの女はてっきり視力を失ったことが代償となったと思っていたが違った。 「そう、あの…」 何故だ?名前が思い出せない。 女子生徒?そもそも女だったか… 「大丈夫?お兄ちゃん…」 その時、兄妹はまだ、 日記の本当の力を知らなかった。 いないいない私がいない 夏、閉じ込められた静雑音 痛い、聞こえやしない 忘れた生の回路切って 堕ちた偽愛の継承 霞んだ憧憬を 最期に名前を呼びたいな ページは破かれた そう、許されないことだって あなたが"正"と言ったんだ 光の無い世界を僕らは征く 綺麗な手に宿る汚れすぎた教育を 満たされたその日に黒く濁る空は死んだ 「何この写真…」 「どうしたの?お母さん。」 「知らない子が私たちと映ってるの。」 「何言ってるのお兄ちゃんじゃない。」 「メアこそ何を言ってるの?」 お母さんの戸籍を確認した時、役所の人はひどく混乱したけど、お兄ちゃんは違った。 "最初から兄などいなかった" 世界が狂っているのか、私が狂っているのか、わからなかった。 嫌い嫌いあなたが嫌い 冬、閉じ込められた風景画だって 今は記憶の温度 ねぇ、壊れやすいものだって あなたが"真"と言ったんだ 縛られた世界を僕らは解く 綺麗な瞳に宿る怖れすぎた失明を 受け入れたその日に少女は過ちに気付く 1988年8月31日、山奥の車道で青年が乗用車にはねられたが、一命を取り留める。 ドライバーは事故当初"2人はねた"と供述していたが見つかっていない。 2000年4月4日、しかしこの男性が妻の出産直前に原因不明の脳出血を来し死亡。 2014年1月24日、女子高生が校内で首を締められ死亡。しかし当校の生徒ではなく身元がわかっていない。 2014年4月18日、身元不明の青年が郊外の廃墟で自らの首を切り死亡。匿名の通報により発見される。 死んだ後みんな忘れられるんだ。この日記に書き込んだ人間、みんな。 お兄ちゃんはあの子を○したあと、実現したかったことを確認して日記を取り返すつもりだったんだろう。 けれど"○されること自体"が彼女の望みだった。 効力以外の力で上書きが可能なら、あの日記は完璧じゃない。 私は絶対、 絶対にお兄ちゃんを忘れたくはない。 その最終列車が切り出した まだ代替生存憂いても 悲しいほど世界は振り向かない 唯それだけのこと 再会の無い暗い脳内 壊れかけた日記綴っても 悲しいほど世界は許さない 唯それだけなんだ 愛を頂戴 変わってく姿も 泣いて頂戴 記憶の中には 後悔さえも咲いて消えて 確かにお母さんには会えた。 少し痛い体を私と受け取って けどこれは私の本当の幸せじゃない。 全てを終わらせるため、もう一度家族に会うため、メアは、最期の筆を取った。 「10年前に戻る。メア」 そう、許されない嘘だって 目の前に少し若いお母さんがいた。 私が消してあげたいの 「お母さん、これに願い事を書いて欲しいの。名前もね。」 愛された時間の 「あらとても古い本ね、いいわよ。」 忘却だけは それを見たメアの両眼から、雨が降った。 「メアとナイトがいつまでも仲良しでありますように。ダリーナ」 形の無いものだって これでお兄ちゃんは私のことも、お母さんのことも忘れるだろう。 価値も未来も無くたって けど、それでもいい。 消えてしまうことなんて無いもの。 馬鹿な兄を愛したこと。 (ダリーナリーナ ダリーナ聞いて ダリーナリーナ ダリーナ聞いて ダリーナリーナ ダリーナ聞いて ダリーナリーナ ダリーナ聞いてよ) 10年後、母を忘れたナイトは日記に書き込むことはなかった。 10年前に戻る代償として、10年後に消えるはずだったメアの存在は、 ダリーナの筆によって上書きされた。 人は誰しも、死んだらきっといつか忘れられる。 けど忘れられるより、今ここにある気持ちが消えてしまう方が悲しいでしょ? 大嫌いなお兄ちゃん。 「なんてね」 「大好きなお兄ちゃん。」 (MVより書き起こし) + パート別の色分け歌詞 メア(演:初音ミク) ナツキ(演:鏡音リン) ソラ(演:鏡音レン) ナツキ ソラ ナイト(演:IA) ユマ(演:MAYU) いないいない私がいない 夏、閉じ込められた静雑音 痛い、聞こえやしない 忘れた生の回路切って 堕ちた偽愛の継承 霞んだ憧憬を 最期に名前を呼びたいな ページは破かれた そう、許されないことだって あなたが"正"と言ったんだ 光の無い世界を僕らは征く 綺麗な手に宿る汚れすぎた教育を 満たされたその日に黒く濁る空は死んだ 嫌い嫌いあなたが嫌い 冬、閉じ込められた風景画だって 今は記憶の温度 ねぇ、壊れやすいものだって あなたが"真"と言ったんだ 縛られた世界を僕らは解く 綺麗な瞳に宿る怖れすぎた失明を 受け入れたその日に少女は過ちに気付く その最終列車が切り出した まだ代替生存憂いても 悲しいほど世界は振り向かない 唯それだけのこと 再会の無い暗い脳内 壊れかけた日記綴っても 悲しいほど世界は許さない 唯それだけなんだ 愛を頂戴 変わってく姿も 泣いて頂戴 記憶の中には 後悔さえも咲いて消えて 少し痛い体を私と受け取って そう、許されない嘘だって 私が消してあげたいの 愛された時間の 忘却だけは 形の無いものだって 価値も未来も無くたって 消えてしまうことなんて無いもの。 馬鹿な兄を愛したこと。 (ダリーナリーナ ダリーナ聞いて ダリーナリーナ ダリーナ聞いて ダリーナリーナ ダリーナ聞いて ダリーナリーナ ダリーナ聞いてよ) いないいない私がいない 夏、閉じ込められた静雑音 痛い、聞こえやしない 忘れた生の回路切って 堕ちた偽愛の継承 霞んだ憧憬を 最期に名前を呼びたいな ページは破かれた そう、許されないことだって あなたが"正"と言ったんだ 光の無い世界を僕らは征く 綺麗な手に宿る汚れすぎた教育を 満たされたその日に黒く濁る空は死んだ 嫌い嫌いあなたが嫌い 冬、閉じ込められた風景画だって 今は記憶の温度 ねぇ、壊れやすいものだって あなたが"真"と言ったんだ 縛られた世界を僕らは解く 綺麗な瞳に宿る怖れすぎた失明を 受け入れたその日に少女は過ちに気付く その最終列車が切り出した まだ代替生存憂いても 悲しいほど世界は振り向かない 唯それだけのこと 再会の無い暗い脳内 壊れかけた日記綴っても 悲しいほど世界は許さない 唯それだけなんだ 愛を頂戴 変わってく姿も 泣いて頂戴 記憶の中には 後悔さえも咲いて消えて 少し痛い体を私と受け取って そう、許されない嘘だって 私が消してあげたいの 愛された時間の 忘却だけは 形の無いものだって 価値も未来も無くたって 消えてしまうことなんて無いもの。 馬鹿な兄を愛したこと。 ダリーナリーナ ダリーナ聞いて ダリーナリーナ ダリーナ聞いて ダリーナリーナ ダリーナ聞いて ダリーナリーナ ダリーナ聞いてよ コメント 切ない・・・。忘却日記シリーズ大好き!! -- 悪斗 (2015-04-19 11 04 05) 忘却日記シリーズ切なくて、でも面白くて好きです!そして、色分けしていただきありがとうございますっ! -- 赤蝶 (2015-04-24 18 50 59) この曲リズムも歌詞も好きで最近毎日聴いてます(*´∀`*) -- 名無しさん (2015-05-26 07 12 31) このシリーズ好き! -- まっつー (2015-06-07 17 52 01) このシリーズ大好きです! -- 零 (2015-08-13 23 02 25) 鏡音が至高 -- 名無しさん (2015-08-18 10 12 10) この曲でシリーズの全貌が明らかにされたなぁ -- 東雲 (2015-08-24 21 56 47) ミクちゃんの声やっぱり可愛くて綺麗なところがある -- 名無しさん (2015-08-31 19 07 49) いい曲 -- SARNe† (2015-08-31 19 28 18) なんだか尻すぼみに終わってしまったような感覚です。もうちょっとどうにかならなかったのでしょうか -- 名無しさん (2015-09-29 14 07 33) 動画見ながら泣きました…このシリーズ大好きです -- 名無しさん (2015-10-26 13 28 04) このシリーズを最初から聴いていくとやばい -- 名無しさん (2015-10-27 15 02 15) めっちゃ大好きです。 -- 名無しさん (2016-01-09 10 23 14) 鈴屋天才かよ。 -- 名無しさん (2016-02-25 18 17 33) 泣いた泣いた!!!!ナイトかっこいい~。 -- 甲乙 (2016-02-25 18 18 31) このストーリー本当すごいな。ちょっと難しいとこもあるけどわかったら本当泣ける。 -- 名無しさん (2016-02-25 18 20 02) ダリーナってお母さんの名前だったんだ!最後の「ダリーナ聞いてよ」ってかっこいいし、泣ける。 -- 名無しさん (2016-02-25 18 22 34) 小説じゃなくて楽曲だからこそ泣けるんだと思う。 -- 名無しさん (2016-03-21 00 59 48) 早く殿堂入りして欲しいですね -- ナイロン (2016-06-02 07 44 09) 小説がいいか楽曲がいいかは人それぞれ -- 蒼空 (2016-07-02 20 30 33) >そう、許されないことだって あなたが"正"と言ったんだ のフレーズが大好き -- 名無しさん (2016-08-05 17 23 02) 感動。これ聞いた時、全てがわかって本当スッキリした。リズムも曲風もすべてが好き! -- 赤兎 (2016-08-21 08 43 44) お母さんはいつ死んだの?お母さんって、ダリーナだよね?そこだけわからない -- とまと (2016-08-24 09 10 07) >そう、許されない嘘だって私が消してあげたいの 愛された時間の忘却だけは で毎回涙腺崩壊する -- 名無しさん (2016-09-01 05 32 00) 解釈がほしいですぅー‼このシリーズイイネ1000‼ -- 不登校&問題児 (2017-07-14 13 53 34) なんかハマりそう! -- 暇人# (2017-12-14 05 29 07) MAYUちゃんの声良いなぁ… -- 問題児アタリ (2019-04-22 08 43 05) 耳から離れない曲 -- 名無しさん (2021-10-18 18 06 41) しんどすぎ… -- 名無しさん (2024-02-13 18 32 16) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。