約 672,958 件
https://w.atwiki.jp/howtostudy/pages/19.html
概要 基本テクニック達成目標研究から フロー 逆算勉強法 日めくり式 参考にした本 みんなの攻略方法 コメント 選択肢 投票 いいね! (0) 概要 学習の過程において、学習者は課題に対する様々な目標をもつ。そのような学習への態度や姿勢は、その後の学習を規定し、成果の質に結びつく。 目標設定することは、学習の初期には、学習者を課題へと関心を向け、適切な課題選択をさせる可能性がある。そして遂行においては、取り組んでいる課題に努力を向ける。また、目標追及への粘り強さを可能にする。そして、積極的に課題に取り組んだことで、成果に対する満足感や自己評価を得ると考えられる。このように、学習の初期、遂行、結果のそれぞれにおいて目標設定の積極的な効果が認められる。 基本テクニック 達成目標研究から 達成目標研究では、学習者のもつ目標は、学習に適応的な目標である「熟達目標」と、学習に不適応的な目標である「遂行目標」に分類される。近年ではこの熟達-遂行に加え、接近-回避という次元が導入される。 基準 個人内/絶対的 相対的 接近 熟達接近目標(例 わかるようになりたいから) 遂行接近目標(例:よい成績がとりたいから) 回避 熟達回避目標(例:習得できないのがいやだから) 遂行回避目標(例:無能だと思われたくないから) これら4つの学習目標のうち、学習過程に最も効果的であるのは熟達接近目標であることが多くの研究から認められている(*1)。 さらに、目標の持つ動機づけを促進する特性として次の表のような8つの観点が挙げられる。 目標の優れた特性 目標設定の例 目標の「具体性」 具体目標:私はテストで得点をB以上に上げたい。一般目標:私はテストでよい点をとろうとする。 目標の「接近性」 近時目標:私は授業の最後までに1ページの問題を終えよう。遠隔目標:学期の終わりまでに、この本を終えよう。※遠隔目標より近時目標の方が学習に効果的 短期間と長期間の目標の「階層的組織」 短期目標:授業で課題にされた外国語単語の定義をマスターする。長期目標:言葉の自発的な会話の中で語彙を増やす。※短期と長期の目標が階層的になっている方が学習に効果的 目標間の葛藤の「調和」と不足 優等生のリストに載せられたいという私の目標は、両親の目標と一致する。 「難しい」あるいは意欲的な目標 スペイン語の本の動詞全部を学習するという私の目標は、難しいができるものだ。 自己設定目標と指定された目標の「起源」 自己設定目標:私は学校で少なくともCで代数コースをパスする。指定された目標:先生は、私が少なくともCで代数をパスすることを期待している。※自分で選択した目標は、他人から課された目標よりも効果的 目標の「意識した」質 練習を通して向上しようとするなら、エッセイの書き方をモニターしなければならないことに私は気づいている。 学習過程か遂行結果への目標の「焦点化」 私の最初の目標は、作文のクラスで成績を上げるような「遂行結果」に移る前に、作文の修正過程を学ぶことが中心である。 フロー 「フロー」とは、焦点の絞られた高い集中力をもって活動に没頭しているときの楽しい体験をいうが、その生起条件は次の通りであり、目標の難易度を設定する上で参考となるだろう(*2)。 フローの生起条件 1 活動の難しさのレベル(挑戦のレベル)とその活動に取り組むための行為者の能力のレベルが「高次でつりあっている」こと。 2 活動の瞬間瞬間の目標が明確であり、自分が目標に近づいているかどうかや課題をちゃんとこなしているかどうかといったフィードバックが即座に得られること。 なお、挑戦のレベルと能力のレベルに応じて経験する内容は次のとおりモデル化されており、生起条件のうち「高次でつりあっている」とは、左下ではなく、右上で釣り合っているという意味である。 4チャンネル・フローモデル 能力レベル低い 能力レベル高い 挑戦レベル高い 不安状態 フロー状態 挑戦レベル低い アパシー状態 退屈/リラックス状態 逆算勉強法 「東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっているシンプルな勉強法」の著者である河野玄斗は、「逆算勉強法」を自身の勉強法の一番の要であり最も効率のよい勉強法として紹介している(*3)。逆算勉強法は次の3ステップからなる。 ステップ1 目標を立てる ステップ2 目標に対し必要なステップやタスクを分解し、それに向けて全体の大まかなスケジュールを作る ステップ3 大まかなスケジュールを細かく分け、タスクベースとその日1日の目標を作る そして、具体的に実践するために上記ステップを細かく分けると次の5つのステップに分類できるという。 ステップ1 目標を知り、具体的なゴールを設定する。 「長期的な目標」(○○大学に合格する)を知り、やるべきことを逆算した上で、さらにそれを掘り下げて「短期的な目標」(6月の試験で平均80点を取る)に対する逆算もすることが必要となる。ここで目標を知るとは、「自分の目標を達成するのに必要な知識を得る」⇒「現時点の自分の状況も把握しておく」⇒「目標と現状のギャップから試験までにやるべきToDoを洗い出す」という作業である。 ステップ2 ゴールまでにやりたいことを決める 予備校に行くべきなのか、行くとしてどこに行くべきか、どんな参考書を使用すべきかを決める必要がある。これらを最短で知る方法は「自分よりゴールに詳しい人に教えてもらう」ことであり、「合格者や優秀な人が、信頼できる・優秀だと指名した人」に聞くのがベスト。そして、一人ではなく複数人に聞くこと。また、アドバイスをうのみにせず、自分なりに腑に落ちるところを参考とするのが大事。 ステップ3 やるべきことをスケジュールに落とし込む 「この参考書は2週間でこなす」「その次はこの参考書と問題集を同時並行で1か月ほどかけてこなす」といった具合に参考書単位でのざっくりとしたToDOリストを作る。大雑把にスケジュールを立てて、あとは実践しているうちに適宜修正していく方法がお勧め。予定通りにいかないこともあるが、「勉強を途中でやめない」ことが重要。ペースダウンした時も落ち込まず、続けることだけを考える。 ステップ4 実践する 最終的には、どれだけ実践できるかが勝敗を分ける。目標を達成できるかどうかは、「どれくらい頑張れるか」という量的な部分と「目標への最短距離となる正しい方向に向かって頑張れるか」という質的な部分の2つで決まる。後者の質を高める方法として、「全体像を意識すること」と「アウトプット」の二つが重要なカギとなる。勉強しなければならない全範囲を「1本の木」に例えると、幹は「重要な部分のみを一貫したストーリーの中で説明したもの」であり、枝葉は「試験の出題頻度が幹よりも低い派生した知識」、枯れ葉は教科書に載っているものの、試験に出ないマニアックな知識にあたる。「全体像を意識する」とは、幹を見極めてそれを育てること、そして枝葉を勉強するときは、幹のどの部分から派生するしているのかを意識すること。「問題集を解く」、「人に教える」といったアウトプットの勉強法は、記憶しながら理解しているかを確認できる最も効率的な方法。 ステップ5 進み具合(進捗)を定期的に確認する これは、ステップ4と同時に行う。学習が計画通りに進んでいるか、そして学習した内容がしっかり身についているか、さらに、自分が立てた計画の方向性が間違っていないか振り返る。重要なのは、計画を状況の応じてその都度変えていくこと。自分が立てた計画も「そのとき最良だとして立てた仮説」に過ぎない。その都度立てた仮説を検証して改良(PDCAをしっかり回す)していかなければ、成長はとまってしまう。 日めくり式 「東大NO.1頭脳が教える 頭を鍛える5つの習慣」の著書である水上颯は、河野玄斗が進める逆算勉強法のようのなやり方は、コツコツやるのが得意な人向けであり、だいたいの見通しから毎日のノルマを逆算できるのは、たくさんの経験を積んだ人だけであるとして、(水上自身も含め)コツコツバージョンで挫折しがちな人に対し「日めくり式」のやり方を勧めている(*4)。 「日めくり式」のやり方のポイントは次のとおりである。 大きな目標を達成するためにやらなければならないことを、あまりぎちぎちにスケジュールに落とし込まず、そのときの気分で一つ一つ片づけていく。 一つできたら、「次はこれをやってみよう」と日めくりカレンダーをめくるように次々に新しいことに取り掛かるイメージ 意識するのを、あくまで目の前の小さな目標だけにする。 大きな目標と関係ないことや間違ったことをしてしまわないように、「今、何を目指していて、どれくらいできているか」を言葉や数値で明らかにしておく。 参考にした本 自己調整学習 理論と実践の新たな展開へ/自己調整学習研究会【3000円以上送料無料】 価格 3,960円 (2023/2/12 10 44時点) 感想(0件) 自己調整学習に関しても網羅的に記載された入門書。 この分野について最初に読むならこれ! 図解 東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法 [ 河野 玄斗 ] 価格 1,320円 (2023/2/12 11 24時点) 感想(2件) あの天才、河野玄斗氏の実践する勉強法が余すところ なく解説されています! 東大No.1頭脳が教える 頭を鍛える5つの習慣 思考の生産性がみるみる上がる「知的生活」実践法! (単行本) [ 水上 颯 ] 価格 1,540円 (2023/2/12 11 26時点) 感想(3件) 東大No1の天才が教える脳を鍛える天才育成法! クリエイティヴィティ フロー体験と創造性の心理学/M.チクセントミハイ/浅川希洋志/須藤祐二【3000円以上送料無料】 価格 3,520円 (2023/2/12 11 40時点) 感想(0件) 「フロー」に関する第一人者の解説書。いかにフローが 勉強において重要かわかります! みんなの攻略方法 実践テクニックを紹介する欄。 ※管理人も収集した情報を書き込みますが、読者も自由に追記してくださいね♪ (記載例)【10代 高校生 佐藤太郎(ニックネーム)】 私は、○○の時には○○することで○○しています。 【30代 会社員 管理人】 管理人は、あまりコツコツすすめるのが得意ではないし、性に合わないので、水上颯さんが進める日めくり式に近い方法で目標を立てて勉強しています。具体的には、「○○試験を合格する」と目標を立てたら、そこまでに読むべき教科書・参考書、解くべき問題集を列挙して、「〇月までにこの参考書を読み切る」とざっくりと計画を立てます。そこからは、一日に確保できる勉強時間がほとんど決まっているので、その時間内に猪突猛進で進めていきます。計画通りに進まないこともよくあるので、特に気を付けるのは、優先順位ですね。 【一流の勉強】https //progress-study.co.jp/media/studygoal/ 目標設定の具体的なステップ ①ゴールを設定する ②そのゴールを達成するために必要なことを書き出す ③優先順位をつける ④1ヶ月の達成目標を決める ⑤1日にやる勉強を決める ⑥目標を確認してもらう ⑦立てた目標と行動内容に従って取り組む ⑧1ヶ月ごとに目標と行動を見直して修正していく 【武田塾】https //www.takeda.tv/marugame/advice/post-162382/ 志望校合格という高い目標を達成するため、勉強時間もいきなり高い目標で取り組もうとする人が多いです。 ですが、それは間違いです。 これまで1日2時間ぐらいしか勉強してこなかった人が、いきなり明日から5時間勉強やろうと思っても、「言ったものの…正直厳しい…」というネガティブな気持ちがよぎるはずです。 そんなマインドで取り組んでも、十中八九、その目標は失敗します。 (中略) とにかく重要なのは達成できる短期目標を立てることです。 毎日2時間20分勉強できるようになったら、また同じように20分増やし、今度は2時間40分勉強することを目標にしましょう。 そしてそれができれば3時間と、徐々に勉強できる時間を伸ばし、最終的に1日5時間勉強できるようになればOKです。 【さすらいの塾講師】https //omoukoto.net/mokuhyousettei-yarikata/ 《挫折しない!》勉強の目標を決めるポイントとは? 基本的には《大きな目標→小さな目標》と決めていく 逆に「小さな目標」から考える場合もある 「小さな目標」は1日の中で完結できるものにしよう 目標が決まったら具体的な勉強計画を立てよう 自分で決めた目標であること 頑張れば絶対に達成できる目標を設定する できるだけ数字を使った目標設定をする 【トラスト・パートナーズ社労士事務所】https //www.trustpartners-sr.jp/page_mokuhyosettei.html ●目標の立て方のコツ では、「目標を達成できない理由」としては何が考えられるでしょう? 様々な理由が考えられますが、例えば、 「本気では達成を望んでいない目標だった」 「目標を途中で忘れてしまった」 「達成までの方法が分からず途方に暮れた」 「予想外のことがおきて気力がなくなった」 などが思い浮かぶのではないかと思います。 目標設定のコツは、こうした目標達成できない理由を予め想定して目標達成までの道のりを設計しておくことです。 ※上記HPから「目標達成ルート★設計シート」をダウンロードできる。 コメント 名前
https://w.atwiki.jp/luminousspice/pages/15.html
自分の学ぶ目的を書き出していますか あなたは学ぶことで何を実現したいのですか。具体的な目標を書き出すと、常に目標に向かって正しい行動をとっているか、常に意識できるので目標達成の助けになります。 具体的な目標があれば、学習計画の質が高まり、目標達成の要件やクロージングの手続きも記述し易くなります。 すぐにまとまった文章で書けないとき 自分の目的に近いと思われる文章を、思いつくが限り書いてみましょう。書いているうちに最適な表現が見つかってきます。 不安から勉強に駆り立てられるとき 漠然とした不安から勉強しなくてはいけない、というプレッシャーにかられている人もいるようです。 今はキャリア上の目的が具体的に見つからず、みんなと楽しく仕事ができれば良いのなら、家族や友人、職場の仲間と楽しい時間を過ごすこと、彼らの役に立てるように時間を使った方が有意義だと考えてはどうでしょうか。 その背後に本当のゴールは隠れていないだろうか 作った目標から少し引いて第3者的視点で眺めてみると、背後にある本当の目標が見つかることもあります。自分の欲求に近い形での表現がみつかるのです。たとえば、次のような例が考えられます。 3年以内に必要な資格を取得して○×職種に就く。 例1)今までの専門経験を生かしながら、大幅な裁量と大きな責任というやりがいが持つ。 例2)転職転勤せずに、家族と過ごす時間が増やせるようなワークスタイルを実現する。 例3)○×職種は学生の頃からの夢で、毎日現場で助けが必要な人の役に立つ。 最近広く使われるようになってきた○×という知識を活用した新規プロジェクトの来期の企画を立てる 例a)関係者から注目を集めてグループの存在感を示し、あたらし物好きなグループの士気を高める。 例b)最終的には新規業務を立ち上げに発展させて社内起業をめざす。 例c)お客様から一番沢山いただいている要望を解決して、提供サービスの質をさらに向上する。 もし本当のゴールは、最初の目標を経由しない、別の方法で容易に実現できるのなら、迷わずその選択肢を取りましょう。学習はあくまでも一つの手段なのですから。 ゴールしたイメージが見えてきた 具体的な目標設定が出来れば、学習プロジェクトの完了条件も書けます。この完了条件がしっかりしていると、終わりのない旅に巻き込まれずに済みます。 あなたはどんなゴールシーンが見えましたか。 [2009-03-20 23 37 52 (Fri)] 本編 目標設定 このページを家族友人に勧めたいと思う
https://w.atwiki.jp/eiyou-edamame/pages/31.html
栄養教育目標の設定 教育目標の達成期間は、短期・中期・長期の3期間に分けて、それぞれに目標を設定する。 目標設定の順番 最終改善目標となる大目標、長期目標を設定(教育目標を具体的なものにする) 大目標達成の為の一定期間に達成したいものを中目標、中期目標として設定(大目標を具体策) 中目標達成の為の短期間で達成できるいくつかの明確な小目標、教育目標を設定(中目標を達成出来る内容) 短期目標(行動目標) 数週間~1か月、長くても3か月以内 対象者が最も達成しやすい食習慣や生活習慣の改善を目標とする。 能力に合った無理のない、実行可能な内容がよい。 一度に多くの目標を上げない。 すぐ結果が得られる内容がよい。 Ex.1日3食摂る、汁物は1日1杯、1日20分以上歩く、毎日体重を測定して記録する 中期目標 数か月~6か月以内 最初に設定した短期目標が達成したことを確認し、少なくとも6か月続けていくことを新たな目標として設定。 又、生活習慣の改善は複数あるので、複数の目標を一つ一つ徐々に達成し、日常習慣として定着出来るようにする。 6か月以内に結果が得られる内容にする。 長期目標 6か月~1年以内 短期、中期の目標が達成したことを確認した上で更なる食習慣や生活習慣の改善を目標として設定。 1年以内に結果が得られる内容とする。
https://w.atwiki.jp/cv_200x/pages/22.html
目標とは グラフ等で自分の進行状況と目標指定した方とで 比較ができるようです。 XBOX Liveランキング上で設定ができます。
https://w.atwiki.jp/daicom/pages/32.html
ウェブサイトの目標設定 ウェブサイトの目的が明確になったからといって、すぐにコンテンツ制作に取りかかってよいというわけではありません。この時点では、ようやくステークホルダーが共通のスタート地点に立ったというだけで、まだゴールが見えて居ないからです。 例えば、ビールの新製品を発売する場合、「年間の販売目標を100万ケースとする」など、明確な目標の設定が必要となります。このように、ビジネス活動は基本的に目標を定め、実現可能な戦略を立案し、それにむかってステークホルダーが一丸となって進むことで、はじめて、プロジェクトが成功します。 このプロセスはウェブサイトの制作でも同じです。例えば、「インターネット上で中古のインテリア家具の物販サイトを立ち上げよう」という目的が定まったところで、「どのような層をターゲット」に、「月間どれだけの人を集め」、「どれだけの売り上げを達成することが目標なのか?」、それが明確でなければ、具体的なサイト戦略を立てることは不可能です。 明確な目標がない場合は、それぞれのステークホルダーが「何を考え」、「何を実行すればよいのか」が分からず、また、最終的にプロジェクトが成功したかどうかも判断できません。
https://w.atwiki.jp/iihito/pages/61.html
公式サイト◆Step1◆を一緒に見て「目標設定」をしよう! Yビジネスの注意点と保障サービスのチェック イノベーションYシステム ☆LEVEL 1 ◆Step1◆ 目標設定 商品選定アドバイス http //member.netbusinesscollege.jp/iyb/level1/setting/ ※重要※イノベーションYビジネスの注意点 http //member.netbusinesscollege.jp/iyb/level1/impoint/ 返金保障サービスの対象について http //member.netbusinesscollege.jp/iyb/level1/mbtarget/ 取り扱い禁止商品について http //member.netbusinesscollege.jp/iyb/level1/hpgoods/
https://w.atwiki.jp/fxshouken/pages/333.html
為替相場決定理論 為替変動がどのような要因で起こるのかを分析したものです。国際収支説、購買力平価説などがあります。 トップページへ
https://w.atwiki.jp/novpat/pages/35.html
ここでは、パターン認識や回帰分析の研究をするにあたって基礎となる機械学習と決定理論について、知っておくべき事項を簡単まとめる。 目次 機械学習 最尤法 ベイズ推定法 MAP推定法(最大事後確率推定法) ヒストグラム密度推定法 カーネル密度推定法 最近傍法 モデル選択 交差確認 周辺尤度最大化 決定理論 識別率最大化法 期待損失最小化法 棄却オプション ベイズの定理 参考文献 機械学習 学習データセットから確率分布を推定することを機械学習という。とくに、対となる2つの学習データセットから結合分布もしくは条件付き分布を推定する場合を教師あり学習という。パターン認識や回帰分析は、教師あり学習の一つである。 機械学習では、無作為抽出されたサンプル集団から元の確率分布を推定することになるので、推測統計学と関係が深い。実際、機械学習で使う技法の多くは推測統計学のものである。 機械学習には、大きく分けてパラメトリック法とノンパラメトリック法とがある。パラメトリック法は、パラメトリックモデル — 有限次元のモデルパラメータで記述された関数の族(Ex.正規分布) — を用いて確率変数の確率分布を推定する方法である。パラメトリック法には、最尤法、ベイズ推定法、最大事後確率推定法がある。一方、ノンパラメトリック法は、モデルパラメーターは用いずに、データ集合から直接に目的の確率を計算する方法である。ノンパラメトリック法には、ヒストグラム密度推定法やカーネル密度推定法、最近傍法がある。 パラメトリック法 最尤法 ベイズ推定法 最大事後確率最大化法 ノンパラメトリック法 ヒストグラム密度推定法 カーネル密度推定法 最近傍法 最尤法 パラメトリック法のなかで、もっともポピュラーかつ古典的な推定法が最尤法である。最尤法のコンセプトは、学習データがもっとも生起しやすいようにモデルパラメーターを決めることである。変数の確率分布が、モデルパラメーターを用いて条件付き確率であらわせるとしたら、尤度関数 を最大化するを推定値とする: 。 実際に利用する場合には、尤度関数を直接最大化するのではなく、対数尤度関数を最大化することが多い。対数をとることで、 となり、解析的な取り扱いが容易となるためだ。とくに、確率分布が指数関数族であらわされる場合は右辺が多項式になるので、解析的にとなるを求めることができる。 教師あり学習において、条件付き確率を,とモデル化すれば、最尤法と最小二乗法が等価になることが数学的に証明されている。さらに、に対して決定理論を適用すると、予測関数はとなり、これもやはり最小二乗法の予測関数と一致する。 ベイズ推定法 パラメトリック法において、本来、定数であるはずのモデルパラメーターに不確実性があることをみとめ、その不確実性をも評価する推定法がベイズ推定法である。モデルパラメーターの不確実性は(ベイズ)確率によって定量的に評価する。古典的な確率論の立場では、確率は客観的な頻度としてしか解釈されないので、定数であるモデルパラメーターに確率を定義することはできない。そのため、ベイズ主義者のなかでしか認められていない推定法である。 ベイズ推定法のコンセプトは、モデルパラメーターの確率変数化と周辺化である。まず、データセットからモデルパラメーターの事後確率を求める。次に、求めた事後確率に条件付き確率をかけて、結合分布を計算する。これをモデルパラメーターについて周辺化することで、を推定する: 。 ベイズ推定法を用いる利点としては、次のものが挙げられる。 モデルの複雑度が高い場合でも、オーバーフィッティング(モデルパラメーターの過適応)を避けることができる。 モデルの比較・選択を訓練データからおこなえる。→ 周辺尤度最大化法 ベイズ確率を認めていることから、逐次的な学習が容易に導入できる。今、モデルパラメーターの確率分布が既知であるとする(事前確率)。ここで、新しい情報が得られたとすると、ベイズの定理より、と更新できる(事後確率)。さらに、新しい情報を得られたとすると、と更新できる。これを繰り返すことで、最終的にを得ることができる。 MAP推定法(最大事後確率推定法) 最尤法とベイズ推定法の中間に位置する推定法である。ベイズ推定法と同様に、ベイズ確率を採用している。 基本的な考え方は、最尤法にしたがうが、尤度を最大化するのではなく、モデルパラメーターの事後確率を最大化する: 。 MAP推定法は、最尤推定法に正則化項を加えることに対応する。事前確率が正則化項にあたる。正則化項を加えることで、確率モデルの複雑度を制御し、オーバーフィッティングを防止できる。ただし、ベイズ推定法とは異なり、適切な事前確率を見つけ出すことができなければ、オーバーフィッティングを防ぐことはできない。 ヒストグラム密度推定法 ノンパラメトリック法のなかでもっともシンプルな推定法がヒストグラム密度推定法である。 連続な確率変数を幅で区切り、その番目の区間に入ったの観測地の数をとする。この係数を正規化された確率密度とするために、これらの係数を、観測地の総数と、区間の幅とで割る。すると、各区間の密度は、 になる カーネル密度推定法 ヒストグラム密度推定法と同様に、ノンパラメトリックなアプローチの推定法である。 最近傍法 これも、ノンパラメトリックなアプローチの推定法である。 モデル選択 交差確認 モデルの推定に最尤推定法を用いた場合のモデル選択法が交差確認である。訓練データとは別にテストデータを用意し、尤度関数を最大化するモデルを選択する。はモデルパラメーターで、訓練データによって最尤推定する。 訓練データとテストデータを分けねばならず、効率が悪い。また、モデルパラメーターを繰り返し学習しなおす必要があるため、時間もかかる。 周辺尤度最大化 モデルの推定にベイズ推定法を用いた場合のモデル選択法が周辺尤度最大化である。ベイズ確率を認めているので、モデルの確かさを確率によって定量的に評価できる。交差確認と異なり、訓練データとテストデータを分ける必要がなく、手持ちのデータをすべて有効活用できるという長所を持つ。モデル選択のひとつであるハイパーパラメーターの決定も、周辺尤度最大化によって解決できる。 今、モデルの候補をであらわすと、モデルの確かさは次のようにあらわせる。 。 ここで、事前確率はモデルの好みをあらわしている。事前確率が等確率であると仮定すれば、 である。はモデルパラメーターである。モデルパラメーターについて周辺化しているので、を周辺尤度という。周辺尤度最大化では、これを最大化するモデルを選択する。 周辺尤度を最大化することの、根拠は以下のとおりである。もし、モデルの複雑度が小さすぎると、自由度の狭さから、周辺尤度は小さくなる可能性が高い。一方で、モデルの複雑度が大きすぎると、密度が薄くなり、やはり周辺尤度は小さくなる可能性が高い。この結果、周辺尤度最大化によって、中程度の複雑さをもったモデルが選ばれることになる。 決定理論 パターン認識や回帰分析のような教師付き学習において、条件付き確率から予測関数を求める方法が決定理論である。条件付き確率は機械学習によって求める。 識別率最大化法 識別率を最大化するように予測関数を決定する。定式化すると下記のようになる。 。 条件付き確率が正規分布を用いてモデル化される場合、予測関数と分布の平均は一致する: 。 期待損失最小化法 予測関数をとしたときに、予想される損失の期待値を最小化する。確率変数の分布が条件付き確率によってあらわされるときに(このとき、)、と決定してしまったときの損失をとすると、損失の期待値は とあらわせる。これを最小化する予測関数を求めればよい。変分法を用いれば、その答えは、 であると導かれる。したがって、予測分布が正規分布のときは、識別率最大化法と期待損失最小化法は同じ予測関数を導くことになる。 棄却オプション 書き込み中 ベイズの定理 ベイズ推定法において重要な役割を果たすベイズの定理は次式である。 は、情報が得られる前からわかっている確率分布だから、事前確率分布とよぶ。一方、は、情報が得られた後にわかる確率分布だから、事後確率分布と呼ぶ。事前確率を事後確率に変換するために必要な関数は尤度である。 参考文献 Christopher M. Bishop Pattern Recognition And Machine Learning Springer-Verlag (2006) ISBN 978-0387310732 統計学 font(green){無作為抽出されたサンプル集団から母集団の確率分布を推定する方法論が統計学である。} 確率分布の推定方法には、大きく分けてパラメトリックモデルとノンパラメトリックモデルがある。パラメトリックモデルは、確率分布を関数の線型(非線型)結合によって表現し、そのパラメーターを推定することで、確率分布の推定をおこなう。一方、ノンパラメトリックモデルは、今現在得られているデータ集合から目的の確率分布を計算する。 パターン認識や回帰分析は、目的変数と従属変数の結合分布もしくは条件付き分布を推定することと言い換えることもできる。 ベイズ統計学 ベイズ推論の概要 font(green){ベイズ推論とは、確率の加法定理や乗法定理を過不足なく用いて(未知)変数の確率分布を推論することである。}従来の方式(未知変数の不確実性を無視し一つの推定値を求めていた)とは異なり、すべての可能性を保持・評価するため、 +ベイズの定理を用いることで、逐次的な学習(確率分布の更新)が自然に導入できる。今、目的変数$$Y$$の確率分布$$P(Y)$$が既知であるとする(事前確率)。ここで、新しい情報$$X_1=x_1$$が得られたとすると、ベイズの定理より、$$P(Y|X_1=x_1) \propto P(Y)P(X_1 = x_1|Y)$$と更新できる(事後確率)。さらに、新しい情報$$X_2=x_2$$を得られたとすると、$$P(Y|X_1=x_1,X_2=x_2) \propto P(Y|X_1=x_1)P(X_2 = x_2|Y, X_1=x_1)$$と更新できる。ただし、逐次的に得られる情報が独立であると仮定できる場合は(ほとんどの例でできる)、$$P(Y|X_1=x_1,X_2=x_2) \propto P(Y|X_1=x_1)P(X_2 = x_2|Y)$$である。これをナイーブベイズ識別器という。最尤推定法でも、Robbins-Monroアルゴリズムを用いれば、逐次的な学習は可能であるが、収束スケジュールの調整など技巧的なテクニックを必要とする。 +期待値を推定値とすることで、学習時に含まれる誤差(外れ値)の影響を少なくできる。 +決定理論と組み合わせることで、最適な意志決定(事後確率の最大化 or 期待損失の最小化)ができる。 +棄却オプションを利用できる。 +確率モデル(独立に学習した結果)の結合が容易である。 というメリットがある。 ベイズ推論をおこなおうとすると、客観確率(頻度としての確率)に加えて主観確率(不確実性の尺度としての確率)をも確率として認める必要がでてくる。というのも、ベイズ推論にしたがえば、頻度の定義できない変数にも確率分布が定義できてしまうためである。たとえば、正規分布にしたがって生成された乱数列から元の正規分布の平均$$\mu$$を推定することを考える。このとき、$$\mu$$は間違いなく定数であり確率(頻度)を伴う変数ではない。しかし、ベイズ推論にしたがうと、$$\mu$$の確率分布を求める(考える)ことになる。確率を不確実性の尺度として理解することで、この矛盾が解消できるのである。 ベイズの定理 ベイズ推論では、未知変数の確率分布を求めようとする。そのため、確率分布の更新を可能とするベイズの定理: $$P(Y|X=x) \propto P(Y)P(X=x|Y)$$ は大きな意味をもつ。$$X, Y$$は確率変数である。確率分布$$P(Y)$$を bold(){事前確率}, $$P(Y|X=x)$$を bold(){事後確率}とよぶ。$$P(Y)$$は、$$X=x$$という情報を得る bold(){前}にわかっている確率分布だから bold(){事前}確率であり、$$P(Y|X=x)$$は$$X=x$$という情報を得た bold(){後}にわかる確率分布だから bold(){事後}確率である。 font(green){ベイズの定理によれば、事後確率$$P(Y|X=x)$$は、事前確率$$P(Y)$$に尤度関数$$P(X=x|Y)$$を掛けることで得ることができる。} パターン認識への3つのアプローチ 生成モデル |$$x$$を入力変数、$$y$$を目的変数とする。結合分布$$P(x,y)$$をモデル化し、決定理論を用いることで$$y$$の最適値を決定する。このモデルの最大の特徴は、サンプリング法によって人工の入力列を生成できる点にある。これによって学習データの不足領域が明らかになる。入力変数の確率分布までも求めなければならないため、3つのアプローチのなかで最も手間がかかる。特に入出力空間が大きい場合は、パラメトリック学習を用いないと安定した識別器を得ることは難しい。 識別モデル |事後確率$$P(y|x)$$を直接モデル化する。推論と意思決定だけが問題である場合、識別モデルで十分である。 識別関数モデル |識別関数$$y = f(x)$$の関数形を直接モデル化する。このとき、学習の対象は関数のパラメーターとなる。このアプローチは、他の2つの方法と異なり、入力変数や出力変数の確率分布を考慮しない。そのため、ベイズ推論をおこなうメリットのうち、2.〜5.は使えない。しかし、一度学習さえ完了すれば、意思決定は高速にできるので、音声認識などの実時間処理をしたいシステムに向いている。誤差逆伝搬法やSVMは、ノンパラメトリックな識別関数の学習法の一種である。 決定理論 ベイズ推論によって得られた確率分布から最適な意思決定(行動決定)するための方法論が決定理論である。入力ベクトルを$$\bf{x}$$とすると、入力空間$$\bf{x}$$のすべてに最適なクラス$$\rm{C}_k$$を割り当てることが目標となる。以後の説明では、結合確率$$P(x,\rm{C}_k)$$は既知とする。クラス$$\rm{C}_k$$の決定領域(クラス$$\rm{C}_k$$に割り当てられた$$\bf{x}$$の集合)は$$\rm{R}_k$$で表す。 ベイズ決定則(事後確率最大化法) |事後確率$$P(\rm{C}_k|\bf{X=x})$$は、$$\bf{X=x}$$という乗法が与えられたとき、クラスが$$\rm{C}_k$$となる確率を表しているが、 bold(){クラスが}$$\rm{C}_k$$ bold(){で正しい確率}と読み替えることもできる。このように読み替えると、決定領域$$\rm{R}_k$$が正しい識別結果を返却する確率は br()$$\sum_k \int_{\bf{x} \in \rm{R}_k} P(\rm{C}_k|\bf{X=x})d\bf{x}$$ br()によって表すことができる。この確率を最大化するように決定領域を設定したい。その方法は、上式より明らかに、事後確率$$P(\rm{C}_k|\bf{X=x})$$を最大にするクラスへ分類することだ。 期待損失最小化 |入力$$x$$にクラス$$\rm{C}_k$$を割り当てたときの期待損失(損失の期待値)を考える。損失は$$x$$と思っていたものが 期待値 |目的変数$$y$$が実数ならば・・・ 棄却オプション | 最尤推定法 最尤推定法の概要 ベイズ推論とは異なり、頻度主義にもとづく推定法である。 確率モデル 情報理論 情報量 エントロピー 期待できる情報量。驚きの期待値。分布の一様性を定量的に表したもの。 カルバックライブラー情報量
https://w.atwiki.jp/keizai2ch/pages/31.html
第十三章 為替レートの決定理論 (1)金利平価説 ①カバー付金利平価(CIP Covered interest parity) 1、円資金をそのまま円金融市場で運用 ¥(0)(1+r)=¥(1) -① 2、ドルをアメリカで運用し、先渡し取引で一年後のドルを確定させる。 ⅰ先ずドルに両替する。¥(0)÷Sドルだけ手に入る ⅱ1年間ドルで運用すると¥(0)÷Sドル×(1+r*) ⅲ先渡取引を利用して円に両替する ¥(0)÷Sドル×(1+r*)×F -② 3、①と②が異なるなら裁定取引が起こるから①=②となる よってカバー付金利平価式は下記 F/S=(1+r)/(1+r*) 4、近似式Ⅰ F/S-1=(1+r)/(1+r*)-1 (F-S)/S=(1+r-1-r*)/(1+r*)≒r-r* (F-S)/S=r-r* またはF=(1+r-r*)S 上記の式から先渡しプレミアムは内外金利差に等しいと分かる。 ②カバーなし金利平価(UIP Uncovered interest parity) 将来の為替レートをE(St+1)とする 市場参加者がリスクを問題とせず、期待収益だけに関心があると仮定すると、 (1+r)と¥(0)(1+r*)×E(St+1)÷Stは等しくなるはず。 よってUIP式は下記 E(St+1)/St=(1+r)/(1+r*) 金利平価説 - Wikipedia http //ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E5%88%A9%E5%B9%B3%E4%BE%A1%E8%AA%AC 弾力性アプローチ CA$ =EX$ -IM$ =P$ x・X(P$ x,FY)-P$ m・M(P¥ m,,Y) ここで、為替レートをS(円÷ドル)とすると P$ x=P¥ x/S、P¥ m=P$ x・Sとなるので CA$ =P¥ x/S・X(P¥ x/S,FY)-P$ m・M(P$ x・S,Y) アブソープションアプローチ Y=C+I+G+NX C+I+G=国内需要A(アブソープション)とすると Y=A+NXとなる。 緊縮財政や金融引き締めにより国内需要Aを減少させれば、Yを一定とすると Y-A=NXより、輸出が増大する。 マネタリーアプローチ マネーサプライを減少させて利子率rを上昇させ、投資を減らすことにより、アブソープションアプローチのように総需要を減少させて純輸出NXを増加させる。 アセットアプローチ(ポートフォリオアプローチ) 購買力平価(説)PPP 絶対的PPP P=S・P* 相対的PPP d=π-π* 購買力平価説 - Wikipedia http //ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%BC%E8%B2%B7%E5%8A%9B%E5%B9%B3%E4%BE%A1 為替相場決定理論・文章末注 http //terasakikatusi.at.infoseek.co.jp/exchange.htm 最近の為替レート決定理論:展望論文 http //www.mof.go.jp/f-review/r16/r_16_048_073.pdf 為替レートはなぜこんなに変わりやすいんだろう。 http //cruel.org/krugman/fxrate.pdf
https://w.atwiki.jp/joker_m_co/pages/40.html
1.為替相場決定理論 外国為替相場は、自国通貨と外国通貨の交換比率です。為替レートは、外貨を買う人と売る人がどれだけいるかという為替の需給により決まります。 ≪フローアプローチとストックアプローチ≫ 為替相場決定理論には様々な学説がありますが、為替需給のどこに注目するかにより、フローアプローチとストックアプローチの2つの体系に分けられます。 ※フローとは「流れ」のことです。ある一定期間に動いたお金のことで、所得や給料のことを意味します。ストックとは「存在量」のことです。ある時点の資産残高のことを意味します。 ◆フローアプローチ フローアプローチは、一定期間の取引高から需給を捉える方法です。一定期間に生じた対外取引の受取りと支払いの金額から、為替レートを導き出します。 フローアプローチによる理論は、固定相場制の為替市場を背景に唱えられた理論に多く、一般に古典派理論と呼んでいます。 ※固定相場制とは、決済に利用される為替レートが一定相場に決められている取引制度のことです。 ◆ストックアプローチ ストックアプローチは、一時点の資産残高から需給を捉える方法です。投資資産に占める外貨資産の保有額の比率から、為替レートが決まると考える理論です。 ストックアプローチによる理論は、1970年代以降の変動相場制の為替市場を背景に唱えられた理論で、近代派理論と呼んでいます。近代派理論が古典派理論より優れた理論というわけではありません。古典派理論の方が実際の為替レートの動きをうまく説明できる場面も数多くあるからです。 2.古典派理論 古典派理論は、1970年代以前に唱えられた理論です。固定相場制の市場が背景にあったことが特徴です。そのため、古典派理論は、為替需給を一定期間の取引量から捉えようとするフローアプローチが理論の中心になっています。 古典派理論を代表する学説として、国際収支説、購買力平価説、為替心理説があげられます。 古典派理論…フローアプローチが理論の中心 国際収支説 (国際貸借説) 為替の需給は、国際貸借の状況により決まると考える理論 購買力平価説 外国為替レートは、自国通貨と外国通貨の購買力の比率に よって決定されるという理論 為替心理説 為替相場は、思惑、信頼感、人気、登記、予測などといった 心理的要素によって変動すると考える理論 ≪国際収支説(国際貸借説)≫ 為替の需給は国際貸借の状況により決まってくると考える理論を、国際収支説とか国際貸借説と呼びます。英国の銀行家で政治家でもあったG・J・ゴッシェン(1831-1907)が、1861年に唱えた理論です。これは、国際貸借の状況を一定期間の経常収支から捉えようと考えたものです。 例えば、経常収支の黒字は、為替レートを円高・ドル安に動かします。経常収支が黒字になると、日本が受取る外貨を円に換える動きが起こり、外貨を売って円が買われるからです。逆に、経常収支の赤字は、為替レートを円安・ドル高に動かします。経常収支が赤字になると、外国に外貨を支払う必要が生じるため、円を売って外貨を買う動きが起こるからです。 国際収支説の問題点は、国際収支から為替の需給関係の実態を把握できない点です。為替の決済を遅らせたり早めたりするリーズ・アンド・ラッグズの動きを、経常収支は捉えていません。また、国際収支のデータ収集方法は、各国の統計データに誤差があり、信頼できないという弱点があります。 国際収支説は、19世紀後半から第1次世界大戦に至る金本位制時代に支持された理論です。当時の国際収支は、大半が経常収支であったため、経常収支で為替の需給関係を把握できたのです。ところが、1980年代以降から、国際収支の中で資本収支の占める割合が大きくなり、経常収支のみでは国際間のお金の動きを見るのはむずかしくなってきました。そのため、経常収支と、1年以上の資本(資金)の動きを見る長期資本収支をくわえた基礎的収支の動向を見るようにしています。 国際収支説は、短期的な為替レートの動きを説明する場合に適しているようです。 ◆参考 (1) 国際収支とは、ある一定期間に生じた国際間の経済取引の明細と帳尻(ちょうじり)を記録したものです。国際収支は、「経常収支」(けいじょうしゅうし)と、借款(しゃっかん)や対外投資などの動きを示す「資本収支」からなります。経常収支は、物の売買の帳尻を示す貿易収支、サービスの売買の帳尻を示す貿易外収支、贈与等の移転収支を合わせたものです。 (2) 国際貸借は、一時点の対外投資と、投資や借入金の残高の状態を意味します。しかし、国際貸借説でいう国際貸借は、一定期間のお金の動きである経常収支を指すものです。 ≪購買力平価説≫ 外国為替レートは、自国通貨と外国通貨の購買力の比率によって決定されるという理論を、購買力平価説と呼んでいます。スウェーデンの経済学者、G・カッセル(1866-1945)が1921年に唱えた説です。 物やサービスの価格は、通貨の購買力を表しています。財やサービスの取引を自由に行える市場では、同じ商品の価格は1つに決まります。これを一物一価の法則といいます。取引が自由に行えて価格の情報が十分に与えられるのであれば、海外でも同じ商品の価格は同じ価格で取引されるはずです。 もし、米国の物価が日本より安ければ、米国の製品を買う人が増えるはずです。円を売ってドルを買う人(円安ドル高)が増えるため、米ドルは上昇します。逆に、日本の物価が米国より安ければ、日本の製品を買う人が増えるはずです。米ドルを売って円を買う人(円高ドル安)が増えるため、米ドルは下落します。 日本で1個100円のハンバーガーが米国で1ドルであったとすれば、為替レートは、1ドル=100円で釣り合うと考えられます。これを絶対的購買力平価説といいます。 しかし、ある一時点の通貨の絶対的な価値(購買力)を把握するのはむずかしい問題です。そこで、2国間の物価の相対的な動きに着目することにしました。2国間の物価のどちらがより大きく変動したかを見ることにしたのです。 2国間の物価指数上昇率の差をインフレ格差といいますが、2国間のインフレ格差から為替レートを決める方法を相対的購買力平価説といいます。 ある国の物価が上昇すると、その国の通貨価値は下がります。これを2国間で見ると、インフレ格差分だけ相手国の通貨価値が下がると考えられます。 現在の為替レートが1ドル=120円として、日本の物価指数が5%、米国の物価指数が10%上がるとすると、相対的に見て、5%だけ米国の物価が上がったことになります。その結果、ドルの通貨価値は、円に対して5%だけ下がると考えられます。つまり、為替レートは、1ドル=114円に下落して均衡するというわけです。 新為替レート-旧為替レート× 自国インフレ率 相手国インフレ率 新為替レート =120× 105% 110% =114 購買力平価説は、長期的な為替レートの動きを説明するのに適しています。 ≪為替心理説≫ 為替相場は、思惑、信頼感、人気、登記、予測などといった心理的要素によって変動すると考える理論です。フランスの経済学者のA・アフタリオン(1874-1956)が1927年に唱えた説です。政治情勢、軍事情勢などのニュースが流れると相場が大きく変動する現象を説明する理論です。 3.近代派理論 為替相場制度は、1973年に変動相場制へ移行しました。これに呼応して主要諸国は、資本(資金)の国際間の移動を自由化させる措置を取ったため、お金が投機目的で世界を飛び回るようになりました。 近代派理論は、こうした投機目的で動き回るお金が増えたことに着眼して導き出された理論で、ストックアプロ-チを中心に展開されています。 ストックアプローチは、マネタリーアプローチとアセットアプローチに分けられますが、アセットアプローチが理論の中心です。 ≪アセットアプローチ≫ アセットアプローチは、ある一時点の金融資産(アセット)の保有高に注目して、為替の需給関係を見ようとする理論です。金融資産の組合せのことをポートフォリオと呼ぶところからポートフォリオ・アプローチとも呼んでいます。 為替レートは、投資家による国際間での資産選択を通して決定される資産価格の一種で、異なる通貨建ての資産の期待収益が等しくなるように決定されると考える理論です。 期待収益率というのは、収益の実現がはっきりしない場合に予想される、平均的な収益率のことをいいます。簡単にいえば、将来の予想平均収益率のことです。 投資家は、将来に予想される利回りのほかに、キャピタルゲインやキャピタルロスというリスクを考慮して、国内外の資産にどれだけ投資するかを決めていきます。このポートフォリオに組み込まれる外貨建て金融資産と邦貨建て金融資産の保有比率によって、為替レートが決定されると考える理論です。 ◆例 日本国債と米国国債の2つの金融資産から、どちらか1つを選択する場合を考えてみましょう。日本国債の最終利回りを5%、米国国債の最終利回りを7%、と仮定します。 日本国債の期待収益率は最終利回りと一致しますが、米国国債の期待収益率は最終利回りと一致しません。為替損益が発生するからです。この為替損益は、プラスであったりマイナスであったりしますが、これらを平均して予想した為替レートを期待為替レート変化率と呼ぶことにします。 米国国債の期待収益率は、米国国債の最終利回りに期待為替レート変化率を加減したものとなります。 ドル金融資産期待収益率=米国国債最終利回り±期待為替レート変化率 このドル金融資産期待収益率が円金融資産の期待収益率よりも高い場合、ドル金融資産に投資することになります。円を売ってドルを購入する動きが起こり、為替レートは、ドル高円安に推移します。 この動きは、円金融資産の期待収益率とドル金融資産の期待収益率が等しくなったところで止まります。期待為替レート変化率が、2%(7%-5%=2%)になると、ドルと円の期待収益率が等しくなります。したがって、為替レートは、現在レートより2%ドル高になったところで均衡することになります。 米国国債最終利回り=ドル金融資産期待収益率+期待為替レート変化率 ドル金融資産期待収益率=米国国債最終利回り-期待為替レート変化率 円金融資産期待収益率=日本国債最終利回り ところで、期待為替レート変化率は、日米間の金利差に相当しています。 米国国債最終利回りをドル金利、日本国債最終利回りを円金利に置き換えると ドル金融資産期待収益率=ドル金利-期待為替レート変化率 円金融資産期待収益率=円金利 という式が得られます。ドル金融資産と円金融資産の期待収益率は等しいところで均衡するとすると 円金利=ドル金利-期待為替レート変化率 とおけます。そこでこの式を変形すると 期待為替レート変化率=ドル金利-円金利 となり、期待為替レート変化率は、日米金利差に相当することがわかります。 アセットアプローチ(ポートフォリオ・アプローチ)は、投資資産のポートフォリオ選択理論を、為替レートの決定に応用したものです。