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「ふぅ……」 秋祭り、三日目 お化け屋敷から出て、タバコを口にする …昨日のあの戦いの様子など嘘のように、街は賑やかさを取り戻していた 新聞でもテレビでも、今回の件の話題はほとんど出ていない きっと、どこかの誰かさんたちが、そう言った情報を封じ込めているのだろう 世界とは、そう言う風に出来ているのだと、いつからか気付くようになってしまった ……思えば それに気付いたからこそ、今の自分がいるのかもしれない そうとも、思う 「兄さん、休憩?」 「………あぁ」 お化け屋敷のすぐ傍の出店でバイトしている弟に、声をかけられた いつも通りの、笑顔 さぞや、女性客をひきつけている事だろう 「…お前は?」 「僕は、もうちょっと後で休憩かな」 そうやって話している間にも客が来て、弟は対応している 自分と違って、こいつはこう言った対応がうまい 昔は人見知りで泣き虫だったくせに、いつからかこうやって逞しくなっていた 一卵性の双子 外見は、全く同じなのに 中身は、こんなにも違う 「…………」 …気付いていないとでも、思っていたか お前が、何か得体の知れない連中と接触している事を 気付いていないとでも思っていたか お前が何をしているのか、俺が気付かないと思っていたのか 気付かれていない、と思うなら思っておけ 俺とて、お前に報せたくない事をしている、しようとしている …だから、これはお互い様なのだ 「ね、兄さん。僕の休憩時間になったら、お昼にしようよ?お弁当作ってきたよ」 「…こう言う時くらい、屋台で済ませばいいだろう」 「え~、でも、こう言うお店のって大抵ボッタクリだよ?」 …そのボッタクリ値段で飲料を売っているお前の言えたことか そうは思ったが、彼は口に出す事はなく ただ、タバコの煙をゆらり、登らせるのだった …首筋をさする その時は、まだ、来ない 前ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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「ウォォォォォォォォォォオオォォォォォオオオォォォオオオ!!!!!!」 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド 全裸のマッスル筋肉が、祭会場を駆け巡る どう見ても猥褻物チン列罪です、ありがとうございました が、今は秋祭りの真っ最中 仮装大会やら仮装行列やら、そう言う話も出ていたために 皆、南極に出現したと噂の「マッスルヒトガタの仮装」だと信じて疑っていないようである ……若干名、何かに気づいているらしき者たちもいたりするが あれの暴走を止められていない時点で、気づいていもなんら意味をなさない …とまれ それは、祭会場を駆け抜けていた 何を思うか、駆け抜けていた その彼に、向かって どこからか、茶色い液体が襲い掛かってくる……! 「…むぅん!?」 ばしゃぁんっ!! それに、茶色の液体は確かに、かかった しかし しかし、だ それは、そんな物をものともしなかった 通常ならば、骨も残さず溶かされるはずだと言うのに しかし、オリバーポーズをとっただけで、その茶色の液体を…それは、防いだのだ その茶色の液体が、どこから飛んできたのか? それは、とりあえずそれを気にする事はなく 再び、祭会場をサイドチェストのポーズで爆走していくのだった 「…あっれぇ?おかしいなぁ。確かにかかったはずなんだけど」 「……お前は、問答無用で溶かそうとするな。大勢の人間の前で惨劇を起こすな」 「だって、溶かさなきゃ駄目な気がしたんだもん」 悪びれなく言った弟の言葉に、教師はため息をついた まったく、こいつは… 溶けていたら溶けていたで、大問題だろう こんだけ大勢の人間がいる前で、どう言い訳するつもりだったのか 「…とりあえず、警察には通報しておいた。とっとと行くぞ」 「はぁい、兄さん…でも、気のせいかな。警察がちっとも役に立たない気がするんだ。アレ相手だと」 「俺もそんな予感がするが、まぁ、通報しないよりはマシだろ」 「……うん、そうだよね」 にっこり笑って頷いてきた弟を連れて 教師は、元の持ち場へと戻っていくのだった 終わっちまえ 前ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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エントリーキャラ エントリーNo.1 名前 山田 文 所属 宝塚家 キャラクター詳細 宝塚家に仕える家政婦。いわゆるメイドさん。超弩級の天然娘であり、あの宝塚まりもが「いじめ甲斐がないから」と彼女への嫌がらせをやめたほど。目尻に涙を浮かべながらも、彼女は今日もまりものために働く 意気込み 宝塚家の顔に泥を塗らないよう、精一杯頑張りますぅ!お、応援よろしくおねがいしますねっ! 中間ランキング位 最終ランキング2位20831913票 えへへ…♪わたしが2位なんてすごく嬉しいですぅ!みなさんの応援のおかげですね♪これからもよろしくお願いします!!まりも様も見ていてくれたかなぁ… エントリーNo.2 名前 東雲 美帆子 所属 Automaton キャラクター詳細 私兵集団「Automaton」の支配者にして「クイーン」。強力なバックを持ち、全員が余所に行けば幹部待遇確実と言われるほどの少数精鋭で構成されるチームの、事実上のリーダーである 意気込み 幕は上がったわ。この私が主役の舞台のね。脇役たちは隅で踊ってなさい 中間ランキング位 最終ランキング4位12148929票 …あと数手、足りなかったわね。それでも、この敗北から得る経験は多かったわ。次は負けない。私の辞書に敗北の二文字は許されないのだから エントリーNo.3 名前 淀川 茶々丸 所属 なし キャラクター詳細 己に降りかかる不運を他人と転嫁するという、不思議な才能を持つ女の子。彼女のそばにいると不幸に見舞われるのだが、彼女の太陽のような笑顔は、人々を惹き付けて止まない 意気込み 前回は2位だったかんねー今回は汚名返上名誉挽回!ガンガン1位を目指しちゃうよーっ!! 中間ランキング位 最終ランキング1位34567035票 やったー!!アタシが1位だーっ!!ありがとうね、みんな!!アタシ、今めちゃくちゃ幸せだよ!!こんなに幸せで大丈夫かってくらい幸せ!!この幸せ、みんなにわけてあげる!! エントリーNo.4 名前 フランソワーズ 棗 所属 なし キャラクター詳細 国籍不明、経歴不詳、性別不明(?)の国際指名手配中の殺し屋。この名前の殺し屋が裏社会に姿を現してから数十年が経っており、その存在も都市伝説と化しているというが… 意気込み あんまり表舞台に立つのは嫌だけど…せっかくの機会だものね。59代目フランソワーズ、世界にその存在を見せつけてやるわよ! 中間ランキング位 最終ランキング5位10608083票 アタシが5位…応援してくれている人たちの依頼、達成できなかったわね…屈辱だわ。でも、59代目フランソワーズ、負けっぱなしじゃ終わらないから!! エントリーNo.5 名前 キャロル 金城 所属 なし キャラクター詳細 自称「みんなの妹」の少女。アメリカ人の父を持つハーフで、日本人離れした容姿を誇る。その可愛らしさを武器に、街で数多くの男達を骨抜きにしているという 意気込み やっほー♪お兄ちゃんたちのために、キャロルはせーいっぱい頑張るからねぇ~♪だからぁ、みんなもキャロルだけに投票してよね♪ 中間ランキング位 最終ランキング6位8828568票 ぐぬぬ…っ!!キャロルが6位なんて…っ!!も~っ!!お兄ちゃん、もっと応援してよね!!あ~あ、優勝したかったなぁ… エントリーNo.6 名前 有瀬 鈴菜 所属 正義の味方 キャラクター詳細 幼い頃から正義のヒロインに憧れ続け、本当になってしまった女の子。頼んでもいないのに街にはびこる不良どもをなぎ倒し、『成敗にゃ!』と高笑いする何とも妙なヒロインである 意気込み にゃははは♪正義の味方ニャンダーマン、参上にゃ♪みんな、大きな声で応援よろしくにゃっ!正義は必ず勝つんだにゃっ!! 中間ランキング位 最終ランキング8位7625551票 にゃにゃっ!?私が敗れるにゃんて…悔しいにゃっ!!次は負けにゃい!!正義は、最後には必ず勝つものなんだにゃ!! エントリーNo.7 名前 美作 愛子 所属 某進学校 キャラクター詳細 都内の某進学高で教壇に立つ、魅惑の美人女教師。一見派手な生活をしてそうなセクシーな女教師だが、その実極めて内向的で臆病、かつ地味な性格をした残念な美人である 意気込み 苦節[ピーー]年…私もいよいよ輝けるときがきたのね…っ!あさましいと言われても、本気で頑張るんだからっ! 中間ランキング位 最終ランキング9位7471457票 ねぇ聞いてお花さん。私ね、人気投票で負けちゃったの。最下位なの。なんというか、お酒でも飲まなくちゃやってられないの… エントリーNo.8 名前 姫咲 木乃美 所属 なし キャラクター詳細 傍から見れば誰もが認める美人のお姉さん。その実態は、暴力や罵詈雑言など何でもありの凶暴女。「黙っていれば完璧な美女」という感想を100人中100人全員が抱くという 意気込み あんま見世物みたいになんのはいやだけど、やるからには本気でやってやるわ。…だって、優勝者は富と名声とお金が手に入るって噂だし…ぐふふ… 中間ランキング位 最終ランキング3位16221872票 あーあ、残念。3位かぁー。アタシにしては健闘したほうだと思うけどアタシを応援してくれたみんな、ごめんね。優勝できなくて。ま、次回リベンジってことで! エントリーNo.9 名前 早乙女 麗一 所属 なし キャラクター詳細 「男」だけしか愛せなくなった美の探究者。それ以上でも、以下でもない 意気込み きぃいいいッッッ!!前回の人気投票は何かの間違いよっ!このワタシが負けるなんてありえないもの!今度こそ、今度こそ1位をとってやるんだからっ! 中間ランキング位 最終ランキング7位7827215票 最下位からの脱出。それだけで、ワタシ満足しないわ着実に進化しているワタシの美しさ、真骨頂を披露するのは、次回の人気投票で、かしらね…うふふ♪
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「…………」 窓から一人、夜空を眺める 歓送迎会はとっくに終わり、一人で家に帰り、またビールなどをあけていた、この男 明日も仕事だと言うのに、遠慮なく飲んでいる …さて、宴に参加したあいつらは、楽しんできただろうか? 楽しんできていればいい、とそう考える 弟も、楽しんできていればいいのだ たまには、自分のことなど忘れて楽しめばいい ……こちらのことなど、考えなくてもいいと言うのに あいつは、未だにこちらから離れない こちらとて、唯一生き残ってくれている、血の繋がった家族だ 無碍な扱いをするつもりはない …だが 「………近い、な」 首筋をさする …巻き込みたく、なかったと言うのに このままでは、巻き込んでしまうのか? 「………いや」 首筋をさすりながら、小さく呟く …まだ、どうにかなるかもしれない 何とか、あいつを巻き込まずに、全て終わらせる そうだ、誰にも巻き込まずに 弟も、教え子も、教え子が契約しているトイレの花子さんも、骨格標本も、ついでに人体模型も 誰も、巻き込まずに終わらせるのだ 自分だけで、決着をつけてみせる 「…これ以上、お前の好きにさせるか」 背後に感じた気配に、男はそう呟いた すぐに消えた、その気配 …しかし、気づいていた その気配が現れる頻度が、どんどん多くなってきている …その時は、近いのだ 「…これ以上、殺させるか………俺が、終わらせてやる」 小さく、小さく、彼は呟く 誰にも伝えずにいるその事情を一人抱えて 静かに、首筋をさすりながら to be … ? 前ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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長編 未来史(SFモノ) Always Coming Home クローン史。パラレル。 後日譚? 『ACH』の50年ほど前の話。 再構成(「娘っ子」) 月天心 いわゆる女体化モノ。さほどやましくはないが苦手な方はご注意。 終曲 『月天心』の設定を基にした最終編の再構成長編。 ギャグ ユリシーズ 松アニキの放浪記。いったいいつになったら公園にたどり着くのか。 戦え公務員 オリジナル主人公、世田谷区役所勤務・高原靖司(27歳)のかぎりなくとめどなくメロウな日常。 短編 ノーマル その手に託すもの ガンマンと姉御。ファーストインプレッション。 サボテン 妙子姉ちゃん視点、田所晃・誕生日前日。 【警告】女性向?【危険物】 デカいのとちまいの 詳細はリンク先でご覧ください。 兄貴と不良少年? 詳細はリンク先でご覧ください。
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朋子は自販機の前に立ち、ポケットの小銭を探った。 ピー、ガコン。さらにコイン投入。 ピー、ガコン…ピー、ガコン。 3本のコーラを布製の巾着に詰め込んだ。 口元をキュッと絞ると、そこを右手でしっかり握った。 買い出しをしているわけではない。 あるいは誰かと乾杯するためでもない。 ダッシュする。思ったとおり、曲がり角からいくつかの人影が慌てながら飛び出した。 朋子は四つ角まで全力で走りながら、急角度で物陰に滑り込んだ。 ブンッ!最初の人影の顔面に即席の“ブラックジャック”が叩きつけられた。 「あがッ!」追っ手の前歯が吹っ飛ぶ。 朋子はコーラ入り巾着をすくいあげるように、 今度はアゴに叩きつけた。ガゴンッ!どさりと地面に大の字にのびる追っ手。 「次はどいつだい?」朋子は穏やかに、しかし殺気を込めて訊いた。 「くそッ!覚えてやがれッ!」お約束のセリフを残して、 追っ手たちは一目散に駆け出していた。 「フゥ…」朋子は服装の乱れをきちんとなおして、歩きだす。 この街では敵を作り過ぎたかな…。 いつも今回のように敵を察知して回避できるとは限らない。 狙われる心当たりがありすぎて、おちおち気が抜けない。 「潮時かな…転校でもすっか…」 プシュッ!振り回したコーラが勢いよく顔にかかって朋子はため息をついた。 ホコリ臭い体育館倉庫。 転校初日だというのに、いきなりトラブルだった。 自分は避雷針のように厄介事を引き寄せているのだろうか。 朋子は自嘲的に唇を歪めた。 「ツッパッてねーでなんとかいえよ」 グイッと胸ぐらをつかまれた。 ケンカに明け暮れる毎日に嫌気がさして、遠い街に引っ越してきたのに、 生まれ持った宿命なのか、あきらめの気持ちで朋子はゆっくり拳を握った。 「あなたたち、止しなさい!先生呼ぶわよ!」 朋子が振り返ると、タヌキ顔の女の子が立っていた。 「なんだコラ。すっこんでろよ」 不良グループのひとりが威嚇する。 あいつ…たしかクラスにいたな…。朋子はそのおせっかいな女の子の顔を見た。 ああ、委員長だ。風紀を乱すなってか。 「フン、なんかしらけたなあ。いこうぜ」 予想に反して不良グループは朋子から手を離した。 ジロッと朋子をにらみつけて、その場を去っていった。 「大丈夫?」心配そうにタヌキ顔が近寄ってきた。 「礼をいう気はないよ。頼んだ覚えもないしね」 つっけんどんな態度に面食らったようだが、すぐさま笑顔になった。 「私、宮崎由加。分からないことは聞いてね」 由加はかなりの変わり者だと分かった。 秀才でとてもヤンキーには見えないのだが、 名の知れた不良校の連中と交流があるらしかった。 校内でちょっとした影響力を持っているのはそのおかげか。 太鼓持ちめ。徒党を組まずヤンキー道を突き進んできた朋子には、軽蔑の対象だ。 そんなある日のこと。 高校が所有する郊外の実習場を整備することになった。 草刈りをして、農耕地にできそうな土地を確保する。 キツい重労働である。 「どこ行くの?」フラフラと山道を歩いていく朋子に、由加が声をかけた。 「フケるんだよ。こんなことやってられない」朋子は吐き捨てた。 「ほっときなよ」ヒソヒソ声が耳に届いた。 転校してきてから一向にクラスに溶け込もうとしない朋子は浮いた存在だった。 話しかけてくるのはおせっかいなタヌキ顔だけだ。 なおもなにかいいたげな由加を無視して、朋子はスタスタ歩み去った。 街を見下ろせる小高い丘に着き、朋子は深呼吸した。 ゴミゴミした街だ…。転校、失敗したかな…。 「いッ!」突然、太ももに激痛が走る。 一匹のマムシがシュルシュルと逃げていった。 「うッ」立っていられず、その場に倒れる。 薄れていく意識のなか、誰かが駆け寄ってくるのが見えた。 目が覚めたのは病院のベッドの上だった。 蛍光灯の乳白色がぼんやり病室のなかを照らしていた。 「気がついたかね?」白衣の医師がカルテを片手にベッドの脇に立っていた。 「見事な応急措置だったね。お友達に感謝しなさい」 まだはっきりしない頭で朋子は医師の言葉を聞いていた。 「毒を吸出して、しっかり止血したおかげで全身に毒がまわらなかったんだ」 「…だ、誰が…」朋子は訊いた。 「お友達もちょっと怪我をしててね」医師がいう。 「君を背負ってから、一番の近道をしたんだろう。 獣道の急傾斜を駆け降りたんだ。 ここに着いた時には、何ヵ所か骨折してたよ」 断片的な記憶が、朋子の脳裏によみがえってきた。 駆け寄ってくる由加の顔。 太ももに口をつけ、毒を吸出している様子。 「しっかりして!」叫びながら私をおんぶした…。 朋子の頬を涙が一滴伝い落ちた。 終業のベルが鳴った。 教室からゾロゾロとあくびを噛み殺していた生徒たちが出ていく。 退屈で身が縮んだとでもいうように背伸びをしながら。 「金澤さん、おしまいまで教室にいたとは珍しい」 松葉杖をつきながら由加が朋子を冷やかした。 「ああ、自分でも驚いてる」 命を救われた一件以来、朋子は由加と一緒の時間を過ごすことが多くなった。 なにしろ自分のせいで怪我をして不自由な思いをしているのだ。 そしてなにより命の恩人である。 ――迷惑でなければ、足が治るまで送り迎えをさせてほしい―― これまで一匹狼でやってきた朋子にとっては、かなりこそばゆい提案だったのだが、 由加は満面の笑みで受け入れてくれた。 しかしベルが鳴るまでなんと退屈だったことか。 時間がこれほど遅く流れる場所は他にあるまい。 ロッカールームは下校の生徒たちで騒がしかった。 朋子は由加の帰り支度を待った。 そこへ、いつぞや朋子に絡んできた集団が通りかかった。 「よう宮崎、誰かさんのせいで大変だったな」 朋子を無視してリーダー格の女生徒がいう。 「そうでもないわよ」由加はきっぱりした口調で応じた。 チロッとリーダー格の目が、はじめてそこに朋子がいたのかと気づいたふうに向いた。 「はん、いろいろ聞いたぜ…おまえ、とんだ疫病神だな」 ピクリと朋子の手が動いた。 「だめよ金澤さん!」 あわてて由加がその腕を押さえた。 「ふん、せいぜい気をつけな。ハードラックに…」 グッと朋子が詰め寄る。 「やるか!」ザッとリーダー格が半歩下がって身構えた。 「やめて!」由加が足を引きずりながら間に入った。 向こうの仲間がガムを噛みながらニヤついている。 動こうとしない朋子を無理に押し戻した。 意地で固まっているような肩を。 「おう宮崎、近々な、決着つけようと思ってんだぜ」 「決着ってなんのこと?」 「ここのアタマは誰が相応しいかってことだよ、あん?」 ヘビのような目つきで由加と朋子を見やった。 「いつでも相手になってやるよ」朋子がにらみ返した。 ふん、と鼻を鳴らしてリーダー格が踵を返す。「いくぜ」 その足跡をそのまま踏みしめるように仲間たちは尾いて校舎から出ていった。 「あんな連中と張り合うなんてやめましょう」 「向こうがちょっかい出さなきゃ、こっちからは仕掛けないよ」 この高校でも権力争いは絶えない。 ちょっと肩が触れ合った摩擦熱でも、すぐに火種になる。 そして油が注がれ燃え上がるのだ。 由加をトップにしてまとまれたら、抗争なんかとは縁をきれるかもね…。 朋子は由加の鞄を持ってやりながら、並んで歩いた。 空のまぶしさに顔をしかめながら、朋子は提案する。 「ねえ、アタマやってみる気ない?」
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各スキルレベル1を使用。計算上。小数点第三位まで、四捨五入。 スキルアップ率トピ前提で計算なので、正確かはまだ未検証。 単位は%。 ※表記について、小数点第三位が基本だが、0.666・・・のように循環小数となる場合 二桁以上同じ数字を表記している。その場合小数点第四位以下まで書く場合がある。 また割り切れる場合も小数点第四位まで記入することあり。 自分で正確に求めたい場合、 スキル1で出ている値に 1+(スキルレベル-1)×0.5で割ること。 ↓はその方法で算出しているため、実際確認していない。 また比率一定のため、素材のスキルレベルが2以上の場合も算出することが出来る。 その場合は、下の表に 1+(素材のスキルレベル-1)×0.5をかけること。 HR 餌 HN R HR SR SSR 1 12.00 20.00 30.00 40.00 2 8.00 13.33 20.00 26.66 3 6.00 10.00 15.00 20.00 4 4.80 8.00 12.00 16.00 5 4.00 6.67 10.00 13.33 6 3.43 5.71 8.57 11.43 7 3.00 5.00 7.50 10.00 8 2.67 4.44 6.67 8.89 9 2.40 4.00 6.00 8.00 10 2.18 3.36 5.45 7.27 SR 餌 HN R HR SR SSR 1 8.00 12.00 20.00 30.00 2 5.33 8.00 13.33 20.00 3 4.00 6.00 10.00 15.00 4 3.20 4.80 8.00 12.00 5 2.67 4.00 6..67 10.00 6 2.29 3.43 5.71 8.57 7 2.00 3.00 5.00 7.50 8 1.78 2.67 4.44 6.67 9 1.60 2.40 4.00 6.00 10 1.45 2.18 3.36 5.45 SSR 餌 HN R HR SR SSR 1 1.00 8.00 12.00 16.50 2 0.67 5.33 8.00 11.00 3 0.50 4.00 6.00 8.25 4 0.40 3.20 4.80 6.60 5 0.33 2.67 4.00 5.50 6 0.29 2.29 3.43 4.71 7 0.25 2.00 3.00 4.13 8 0.22 1.78 2.67 3.67 9 0.20 1.60 2.40 3.30 10 0.18 1.45 2.18 3.00 LG 餌 HN R HR SR SSR 1 0.40 1.00 8.00 12.00 20.00 2 0.267 0.67 5.33 8.00 3 0.20 0.50 4.00 6.00 4 0.133 0.33 2.67 4.00 5 0.10 0.25 2.00 3.00 6 0.067 0.166 1.333 2.00 7 0.10 0.125 1.00 1.50 8 0.033 0.088 0.666 1.00 9 0.025 0.0625 0.50 0.75 10 0.0166 0.044 0.333 0.50
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作品情報 あらすじ 管理者レビュージャンル 評価点 問題点 総評 余談 作品情報 [429] Client error `POST https //webservices.amazon.co.jp/paapi5/getitems` resulted in a `429 Too Many Requests` response { __type com.amazon.paapi5#TooManyRequestsException , Errors [{ Code TooManyRequests , Message The request was de (truncated...) 作品名 前略、百合の園より 作者名 須河篤志@twitter 掲載誌 つぼみつぼみweb 掲載期間 つぼみ:vol.17~vol.21つぼみweb:2012年5月23日~2013年5月22日(番外編含む) 単行本発売日 1巻:2012年10月12日2巻:2013年6月12日 備考 あらすじ 金髪・ツリ目のキツい風貌から恐れられている倉敷百合。そんな彼女が抱える『ある秘密』がばれそうになったとき、かばってくれたのは、聖人君子な優等生・藤原美園だった! それからというもの美園は百合に興味津々、しかも実は女王様キャラで…!? コワモテ赤面純情少女と底なし裏あり無敵少女の、不格好で目まぐるしいドラマティックデイズ! 管理者レビュー ジャンル 学園 百合 評価点 シンプルな学園百合。外見不良少女・倉敷百合と優等生・藤原美園。百合が漫画を描いているという秘密を美園が知ったことから二人の関係が変わっていく。 関係性と心情描写がしっかりした百合漫画。特に、外面・内面についてよく掘り下げられている。 問題点 漫画要素が薄い。「漫画を描いている」要素は話のキッカケにすぎない。 総評 シンプルに描かれた百合漫画。本編はメイン2人中心、おまけでサブキャラを掘り下げ、と切り替えが上手。 余談 本作の単行本1巻に、読み切り作品が収録されている。 『恋初め』つぼみ vol.14 『恋初め・その後』つぼみWeb 2012年3月28日
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登録日:2021/10/31 Sun 05 51 45 更新日:2022/10/24 Mon 15 43 15NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 SM ギャグ ヤングエース 最新話無料配信 漫画 百合 その姿を一目見た瞬間 理想の女王様を見つけたと思った 抜群のスタイル 美しい黒髪 切れ長の目…わたしの求めていた完璧な容姿だった そう、容姿だけは完璧だったのに… すげえバカなんだわこいつ 「ドM女子とがっかり女王様」とは『ヤングエース』20年3月号より連載の、狐ヶ崎による漫画作品である。 22年6月号にて完結。単行本は全4巻。 KADOKAWAの配信サイト「Comic Walker」およびニコニコ静画にて第1、2話および最新話が無料配信中。 更新日は『ヤングエース』発売日と同じ毎月4日。 【あらすじ】 高校に入学したドM女子、中村さよは己の理想とする容姿をした女王様、久米川みすずと出会う。 しかし久米川は全教科赤点、卑屈でぼっち気質、運動音痴でセンス0の容姿全振りがっかり女王様であった。 人付き合いが苦手で不器用な久米川を誘導しつつ、理想の女王様に育てようとする中村の主従逆転高校生活が始まる。 【作風】 一話につき1~4ページで構成されているショート百合コメディ漫画。 連番で続き物になる事もあるが、基本は一話完結型。 勢いのあるギャグ描写と甘酸っぱい百合要素の緩急が特徴的。 基本は久米川と中村の2人とその周囲の人物による学校生活が描かれるが、作中キャラによる童話パロディやホラーネタなどが一話限定の設定で出てくることもある。 巨乳キャラが多数で、お色気描写もある。 スパンキングや縄での拘束などSMの他、おしっこ、おもらし描写が多い。 【登場人物】 ・久米川みすず 黒髪ロングでナイスバディの外見は完璧な少女。 だが学力は壊滅的で、ペーパーテストはほぼ一桁点、字も汚くほとんどひらがなしか書けない。 他にも服装や芸術のセンス0、だらしのない私生活、メシマズ、泣き虫で卑屈な性格と、どこを切っても残念要素の塊のがっかり女王様。 趣味は漫画とゲームで、部屋にはゲーム機や攻略本が多数あり、週刊漫画誌を常に買っている描写がある。 クラスでは女王様っぽい高嶺の花として扱われており、上述の欠点は全て気づかれていない。 弱みを探している上井草が気付いた描写もなくボロを出してはいないらしい。 久米川の書いた汚い習字に高評価が付いたり、久米川の写真をおまけに付けた購買パンが飛ぶように売れたりと人気はある。 中村の性癖に引いてばかりだが、友人としては大切に思っている。 女王様としての行動は能力不足でうまく行かない事が多い。 しかしコミュ障ゆえの人の気持ちを考えない一言が中村にクリティカルヒットする事もあり、そういう時はドMとして素直に喜ばれている。 ・中村さよ 背が低いサイドテールのドM女子。 久米川には劣るが十分巨乳。 学力に関する描写はないが確実に久米川よりはいいと思われる。 字は活字並みに綺麗。 久米川の残念っぷりや意味不明な行動にツッコんでいるが、自身もドMっぷりから奇行に走る事もある。 表情を変えず丁寧語から即座に罵倒に移る、ち〇ち〇亭を思わせるツッコミが特徴。 性的嗜好はMにしてS。 理想の女王様である久米川に対して声を荒げて迫り、自分のM欲を満たす命令をさせて両方を満たしている。 気の弱い久米川は言うなりに従ってくれるが、あまりの残念要素のためうまく行かない事が多い。 M欲を見せるのは久米川のみだが、加虐心を煽られ他の女子を責め立てたことがある。 久米川の事はあくまで女王様として見ており、つい可愛いと思ってしまうと動揺する。 キスやペッティングを求めるなどの性欲も感じているが、プレイの一環としては恥じらいがなくても素直に求められると逃げてしまうヘタレな一面もある。 ・野方まりあ 中村たちのクラス担任兼、英語担当の女教師。 美術部の顧問でもあるが、部員は強制的に入部させた中村と久米川しか描写されていない。 教師とは思えないぶっ飛んだ行動でたびたび2人を巻き込むトラブルメーカー。 たびたび全裸になったり、おしっこをネタにするなどお色気描写を平然と飛び越えてくる。 見た目は色っぽいがある意味久米川を越える残念女教師。 しょっちゅうクビや逮捕されている描写があるが当たり前のように戻ってくる。 ギャグ描写に限らず学内で大人が必要になるケースの多くで登場するため、一番仕事をしている説もある。 ・上井草めい クラスの女王様を目指すリア充女子。 外見だけは女王様めいた雰囲気を持つ久米川に何かと突っかかろうとするが、威圧的な行動や煙に巻くような言動のためうまくいかずにいる。 (実際はいきなり話しかけられテンパって変な返しをしたり、素で意味不明な行動を深読みしているだけ) 次第に2人の関係に薄々感づき、中村を取ろうと接近するも中村の嗜虐心を煽ってしまい酷い目に合う。 その後も被害者枠、常識的なツッコミキャラとして定着した。 ・石神井もずく 三つ編みにメガネの典型的文学少女。メガネを外したら当然のごとく美少女顔(*1) 百合好きであり、久米川のような美少女と他の子の恋愛を見る事を夢想している。 基本的に陰気だがなぜか強気で、上井草やクラス委員長に攻撃的な発言をする。 下衆な迫り方をする中村に解釈違いを感じていたものの、久米川が楽しそうならその方がいいと自身の中で折り合いをつける。 その後は2人の百合小説を執筆している模様。 お嬢様でもあり、とんでもない豪邸に住んでいる。 ・体育教師 褐色肌の女性体育教師。 準レギュラーながら本名は不明。 主に無茶苦茶をやらかす野方のツッコミ役として登場。 犯罪に対しては容赦なく通報し、たびたび野方をクビや拘留に追い込んでいる。 とはいえ嫌っているわけではなく、野方が主催して生徒が誰も来なかったクリスマスパーティーに参加しに来たり、合コンをセッティングしたりと面倒見はいい。 家を追い出された野方を泊める大人百合展開になる事もある。 ・クラス委員長 中村たちのクラスの委員長兼、風紀委員の女生徒。 準レギュラーながら本名は不明。 校門前での取り締まりや文化祭の出し物決めの司会などで登場。 いわゆる学園ネタをやるために必要なポジションとして生まれたキャラと思われたが…… のちに「規則で決められていない事は何をやってもいい」という倫理破綻者である事が発覚。 取説に書いていないので姉のPS4にハムを入れて壊し、弁償のため禁止されているバイトではなく転売で稼ごうとする様子が描かれた。 その後も銭ゲバキャラとして描写される。 【余談】 キャラ名は西武鉄道の駅名もしくはその一部が使われている。 (中村は中村橋、石神井は上石神井もしくは石神井公園) 男性キャラは背景モブを除いて一切登場しない。 学校では男子生徒モブさえ登場していないため、女子高と思われるが明言はされていない。(*2) ただしふたなりは存在しているらしい。 いわゆる「3回見たら死ぬ絵」が3回仕込まれていた回があるが、連載版のみで書籍版では別のものに置き換えられている。 追記、修正は教室で大技林を読んでからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 女子高と思われるが明言はされていない。 クラスのシーンでどう見ても女子生徒しかいないから女子校でしょ。この手の作者の特徴として男性モブが一切描けないから女子校に逃げてる。 -- 名無しさん (2021-10-31 12 34 38) まあ、でもこの漫画ならいずれしれっと男子生徒が出て来て「え、共学だったんだ…」みたいな展開になっても驚かない、今まで男キャラがいなかったのはどいつもこいつも男の娘ばっかだったとか…割となんでも有りだからな -- 名無しさん (2021-10-31 17 33 41) お母さん、最初はまともな人かと思ったけどそんな事は無く…… -- 名無しさん (2021-10-31 17 34 24) 久米川がお菓子食って太ろうと思ったら胸だけ大きくなっちゃった話好きw -- 名無しさん (2021-10-31 20 37 03) 本当に登場コマだけは滅茶苦茶美しいみすずに対し、さよが次の瞬間「すげえバカなんだわコイツ」とバッサリ切り捨てる導入部分で掴みは完璧。 -- 名無しさん (2021-11-01 07 16 36) みすずが特別アホではあるが、通ってる学校の女生徒は顔面偏差値は高いが軒並みアホというのが作中発言であたりする -- 名無しさん (2021-11-01 10 26 32) 今1番好きな漫画だわ。100巻ぐらい続いてほしい -- 名無しさん (2021-11-01 14 01 32) 同じく好きな漫画!でもアニメ化は無理な部類かな? -- 名無しさん (2021-11-03 00 26 18) とんでもなくエロい時ととんでもなくエモい時、そしてとんでもなく怖い時がある凄い漫画。特にホラー回は落ちがヤバい。 -- 名無しさん (2022-03-29 16 38 25) もう終わるっぽいな… -- 名無しさん (2022-06-04 18 39 44) 気づいたら終わってたー 何の余韻もない最終回だった -- 名無しさん (2022-07-14 23 19 46) 全然最終回っぽくない終わり方だった。でも楽しかったよ! -- 名無しさん (2022-10-24 15 43 15) 名前 コメント
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それは、GW終了の、その前日の事 「………」 やや不機嫌に、彼、荒神 秀は中央高校の校長室に向かっていた ……何だ、いきなり呼び出しなど どうせ、またロクでもない事なのだろう、と考え、ため息をつく ただでさえ、都市伝説事件の多い学校町 そこにおいて、この中央高校は、群を抜いて都市伝説発生率が高い 何か、都市伝説が生まれやすい、もしくは、惹きつけ易い条件でも整っているのだろうか 原因があり、どうにかできると言うのなら、どうにかしてほしいところだ かつかつと足音を立て、校長室の前に辿り着く ノックもせず、ぞんざいに扉を開けると 「おや、来たね」 「…?荒神先生?」 …校長の、他に 先客がいた 高元道男 この春に中央高校にやってきた、国語教師だ 秀よりは年上だが、秀と比べれば小柄で…言っては悪いが、どちらかと言えばうだつの上がらない風貌だ だが、教師の鑑とも言える人物であると、この短い期間で理解できるような、そんな人物 …その高元が、自分と同時に呼び出されていたらしい事に、秀は眉をひそめる 「………何の用件だ」 校長相手とは思えぬ口調で、秀は校長である出道に尋ねる そんな秀のぞんざいな対応など全く意に介さず、出道は笑った 「まぁ、そう警戒しないで。今回は、君にとってもいい話だから」 「…今回「は」、か」 いつもは、悪い話だと言う自覚が、一応はあったのか 秀は小さくため息をつき、出道を睨むように見据える 「あの、校長先生?荒神先生も。これは、一体…」 一人、高元が、話に付いていけずに困惑している にこりと、出道はそんな高元に、どこか胡散臭さすら感じる笑顔を向けた 「あぁ、高元先生、そう緊張なさらず……何、用件は簡単なことです」 す、と 真っ直ぐに、出道の視線が、高元を射抜く 「まずは、単刀直入に………高元先生も、都市伝説契約者になりましたね?」 「………え?」 出道の言葉に、高元がきょとんとした表情を浮かべた …それは、事実を突然、言い当てられた驚きと…高元「も」と言う、他にも都市伝説契約者がいるような言い方のせいだろう きょとんとしている高元に、出道は続ける 「私も、ちょっとした都市伝説と契約していましてね。わかるんですよ、校内の都市伝説契約者が」 …そうだ、出道の契約都市伝説は、この中央高校内において、あらゆる面で強力な力を持つ 中央高校内の都市伝説や契約者を把握する事くらい、簡単なことだろう だからこそ、秀もまた即座に契約者である事が見破られたのだ 「いやぁ、生徒の契約者は多いのですが、教師の中では、荒神君以外ほとんど契約者がいないものだから。助かりますよ。契約者が増えると言うのは」 にっこりと それはもう、胡散臭く笑う出道 す、と出道の手が、秀を指す 「こちらの荒神君も、高元先生と同じ、都市伝説契約者ですよ」 「……荒神先生も?」 高元が、出道の言葉に、秀に視線を向ける その視線に、かすかに居心地の悪さを感じながら、秀はため息をついた 「…一応、契約者だ………校長、その話をする為だけに、俺を呼んだのか?」 「まぁまぁ。話はそれだけではないから。少し、待っていてね」 …どうでもいいが、先ほどから、出道は秀相手と高元相手とで、話し方が違う まぁ、高元の方が年上であるのだし、秀は出道に対し敬意も何も払っていないぞんざいな対応である故、これで充分なのかもしれないが 「…さて、高元先生。教師であり、都市伝説契約者であるあなたに、お願いがあります」 「お願い、ですか?」 「えぇ…場所のせいなのか何のせいなのか。この学校は、都市伝説の発生率が異常に高いのです…都市伝説がただでさえ多い、この学校町においても」 ですから、と 出道は、ゆっくりと続ける 「…高元先生にも。この学校の敷地内に現れる都市伝説から…生徒達を、護ってほしいのです。今までは荒神君と、事情を知っているとある生徒に任せていましたが…彼らだけに、負担を背負わせる訳にもいきませんから」 …ならば、お前ももう少し、その契約都市伝説の力を役立てろと言うのだ ……ある程度、出道が能力を使っているからこそ、少しは都市伝説の発生率が下がっている事は知っているが だが、その気になれば、もっとできるだろうに 秀からの無言の抗議の視線を、出道はさらりと無視してくる 「どうでしょう、高元先生。お願いできるでしょうか?……もし、あなたが何か、契約都市伝説に関する事で困った事や問題がありましたら、出来る限り協力しますが」 「…困ったことや問題、ですか…」 ……やや、視線を遠くする高元 どうやら、何か問題があるらしい それがまさか食費の問題であるとは、秀は予想もしないのだが 出道は、にこにこと高元を見つめ続けている ……この男も、これから色々と巻き込まれていくのだろう、と 秀はほんの少しだけ、高元に同情したのだった to be … ? 前ページ連載 - 花子さんと契約した男の話