約 30,347 件
https://w.atwiki.jp/fllaykunan/pages/9.html
キャラクター(SEED) キャラクター フレイ・アルスター ステラ・ルーシェ? キラ・ヤマト? シン・アスカ? ルナマリア・ホーク メイリン・ホーク? ギルバート・デュランダル アンドリュー・バルトフェルド? イザーク・ジュール? ディアッカ・エルスマン? ミリアリア・ハウ? アウル・ニーダ? スティング・オークレー? キャラクター(00) 刹那・F・セイエイ マリナ・イスマイール シーリン・バフティヤール ティエリア・アーデ スメラギ・李・ノリエガ リボンズ・アルマーク ヒリング・ケア フェルト・グレイス? ルイス・ハレヴィ? アニュー・リターナー? キャラクター(ガンダム) シャア・アズナブル クワトロ・バジーナ フル・フロンタル コマンダーサザビー アムロ・レイ キャラクター(その他) セイバー? パチュリー・ノーレッジ フランドール・スカーレット ルルーシュ・ランペルージ? レミリア・スカーレット 綾崎ハヤテ 遠野秋葉? 朝倉涼子 古明地こいし 古明地さとり 御坂美琴? 紅月カレン? 鋼鉄ジーグ 射命丸 文 藤岡弘、? 藤原妹紅 博麗 霊夢? 白井黒子 八意永琳? 稗田阿求 福沢祐巳 霧雨魔理沙? 真紅? 水銀燈 戦場ヶ原ひたぎ ミスト・レックス アニス・タトリン イカ娘? [[]] アムロ・レイ キャラクター(00) キャラクター(SEED) キャラクター(その他) キャラクター(ガンダム) ギルバート・デュランダル コマンダーサザビー シャア・アズナブル シーリン・バフティヤール スメラギ・李・ノリエガ
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1167.html
妹「キョーンくん!朝だよー!」 キョン「・・・あー」 妹「ほらー!早く起きてー!」 キョン「いって!わかったわかった!」 妹「はぁやぁくー!」 キョン「ふぁー・・・」 キョン(長門のこと考えてて・・・よく寝れなかったな) 妹「キョン君?目真っ赤だよ?」 キョン「あー、なんでもない。それよりほら、朝飯だ」 妹「うんっ!」 学校 キョン「うーす、ハルヒ」 ハルヒ「・・・」 キョン(また機嫌悪そうだな・・・いつものことか) ハルヒ「・・・ねぇ、キョン?」 キョン「ん、何だ?」 ハルヒ「有希、いつになったら帰ってくるんだろ」 キョン「長門か?確か2、3ヶ月って言ってたぞ」 ハルヒ「・・・ふーん」 キョン「なんだよ突然」 ハルヒ「う、うるさいわね。あんたには関係ないのっ!」 キョン「っと、はいはい」 ハルヒ「・・・ふんっ」 ガラッ みくる「はぁはぁはぁ・・・キョ、キョンくぅん!」 キョン「・・・朝比奈さん?」 パタパタ みくる「ひぃひぃ・・・」 ハルヒ「ちょ、ちょっとみくるちゃん!?こんな時間にどうしたの?もう授業始ま・・・」 みくる「と、とにかくキョンくん!一緒に来てください!」 キョン「へ?なんで俺が・・・ってて!」 みくる「はやくしてくださぁい!」 キョン「わ、わかりましたからそんなに引っ張らないで下さいよ!」 ハルヒ「みくるちゃん!?どういうこと・・・」 バタン ハルヒ「・・・なんなのよ」 みくる「はぁはぁ・・・」 キョン「えーと、なんですか?こんな所に連れ出して」 みくる「た、大変なんですよぉ!緊急事態です!」 キョン「へ?緊急事態?」 みくる「その、朝倉さんが・・・」 キョン「え?」 みくる「だから朝く・・・わわっ! キョン「あ、朝倉!?ちょっと、今何て言いました!?」 みくる「ひっ!ちょっと落ち着いてキョンくん・・・ひゃ!」 キョン「朝倉が何なんですか!?」 みくる「えと、その・・・こっちに戻ってきたみたいなんですよぉ!」 キョン「な・・・マジですか!」 みくる「マジです・・・大マジです」 キョン「なんで朝倉が・・・」 みくる「前に長門さんから話は聞いてました・・・キョンくん殺されそうになったって・・・」 キョン「その情報は誰から?」 みくる「えと・・・その、禁則事項ですぅ・・・」 キョン「アレですか?未来の偉い人とかそんなのからですか?」 みくる「そ、そんなところです・・・」 キョン「くっそ・・・今朝倉がどこにいるかわかりますか!?」 みくる「それはちょっと・・・ってキョンくん!?どこ行くんですか!?」 キョン「朝比奈さんは古泉にこのことを伝えてください!俺は長門のところに行って来ます!」 みくる「そんな!一人じゃ危険すぎますよ!キョンくん!!」 キョン「くっそ!」 キョン「はぁはぁはぁ・・・」 ピンポーンピンポーンピンポーン キョン「くっそ・・・出ろよ!長門!」 ガチャ キョン「!」 長門「・・・」 キョン「長門!俺だ!」 長門「何」 キョン「とりあえず中に入れてくれ!」 長門「・・・なぜ」 キョン「いいから!」 長門「・・・」 ガーッ キョン「はぁはぁ・・・」 長門「何」 キョン「あ、朝倉はこなかったか!?」 長門「・・・朝倉」 キョン「そうだよ、朝倉涼子! 長門「・・・来てない」 キョン「そう・・・か・・・ハァー・・・」 長門「朝倉涼子は消えた。私が情報連結を解除したはず」 キョン「朝比奈さんがな、戻ってきたって」 長門「・・・朝比奈みくるが」 キョン「ああ・・・理由はよく分からないけどな」 長門「・・・理由」 キョン「ふー、とりあえず安心したよ・・・無事でよかった」 長門「・・・」 ヴーヴー キョン「なんだ?」 長門「・・・電話」 キョン「あ、ああ。俺か」 パカッ キョン「なんだこの番号?」 長門「・・・っ!」 キョン「もしも・・・」 長門「出ちゃダメ」 キョン「へ?」 ?「・・・ふふ、見ーつけた」 キョン「!」 バチッ! キョン「いでっ!」 長門「・・・特定された」 キョン「な、なんだよ突然」 長門「・・・来る」 キョン「来る?何が来r」 ドォォォオオオォオオオンッ!! キョン「うおぉぉぁっ!」 長門「っく・・・」 オォォォ・・・・ 長門「・・・なぜここへ」 朝倉「ふふ、お久しぶりね。長門さんに・・・キョン君♪」 5話
https://w.atwiki.jp/tikandame/
□目撃者探しています!2009年(平成21年)12月10日(木)午後11時頃新宿駅での出来事です http //yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1273243077/ 被害者の母親のブログ ※絶対に2chやニコニコの乗りで書きこまないでください。 スレ+ニコ動宣伝テンプレ ★目撃者捜しています! 冤罪と思われる事件で自殺してしまた人の母が今も新宿駅でビラ配りしています。 http //yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1273243077/ ★スレを読むのが面倒な人はニコニコで ニコニコで1位にして多くの人へ知ってもらおうと思います。 マイリス、コメントお願いします。 http //www.nicovideo.jp/watch/sm10636411 ※現在、動画は連絡先を隠しています。お母さんに公開許可の問い合わせを行っております。許可され次第、オープンにする予定です。 目標 目撃者を探す。(これを第1でお願いします) 少しでも多くの人に知らせる ニコニコ、スレ宣伝時間あればしてください。 http //www.nicovideo.jp/watch/sm10636411 JR,警察に何かしらの対応をさせる マスコミを動かす ※大学生を~より↑を優先してください。特に多くの人に知らせるという所。 新宿警察 電話する人へ 1.このニュースは事実ですか? 2.大学生も逮捕したか? 3.最初から何故決めつけた行動をしたのか? 4.母親には何故情報開示を行わないのですか? 5.ボイスレコーダーの内容を見る限り警察にも責任はあったと思いますが? 6.この事件についてどうするんですか? これを電話で聞きましょう ビラを配ってくれる人達へ コピーして東京の駅でくばりませんか? http //www.uproda.net/down/uproda023585.jpg 一連の流れ 原田さんがJR新宿駅構内で酒に酔った女子大生と男子大学生2人に 「痴漢」と呼ばれて激しい暴行を受ける ↓ 警察に連行され、“被疑者”として事情聴取を受けさせられる ↓ 女は「私の勘違いかもしれない」と被害届を出さず ↓ 原田さんも逮捕はされなかったが、23時から朝の6時前まで拘束聴取 「自分は理由もなく暴行を受けた被害者だ」と訴えるも警察は痴漢だと断定して一方的に取り調べが行われる ↓ 翌朝の午前5時45分、再び事情聴取に応じる確約書を書いたうえでようやく解放される ↓ しかし原田さんは家には帰らず、新宿駅のコインロッカーに鞄を預け、 そのまま母校の早稲田大学のある地下鉄東西線早稲田駅で飛び込み自殺 ↓ その後、原田さんがボイスレコーダーで暴行直後から釈放までノンストップで全てを録音していたことが判明 ↓ 唯一の遺族である残された母が録音された内容を聞き、数々の矛盾点を警察へ追及するも今のところ情報開示なし ↓ 現在母はブログで情報提供を呼び掛けたり、新宿駅でビラ配り等をしている ↓ 母がボイスレコーダーの内容の一部をネットで公開する事を検討 ↓ 母が検察庁に大学生への告訴状を提出、受理された模様 ↓ 母がブログ上で犯人起訴を呼びかける署名を開始 ←今ここ。 ●原田さんが持っていたボイスレコーダーに残された記録 原田さんの発言 「15番線と16番線の階段を登っていたら、突然3段目か4段目から下に落とされ馬乗りになられた。 『おまえだろう、おまえだろう』と暴力をふるわれ、身の危険を感じ相手を反転させて、自分が上になってもみくちゃの状態になった」 「駅員には『暴行を受けたので助けてください』と言ったが、『おまえだろう、おまえだろう』と一方的に詰め寄られた」 「帰らせてください。暴行をふるわれているんですよ」 警察の発言 「お前、詰め所に行けない理由があるんだろう」 「女性の方は何であなただと言ったのかね」 「女の方が確認しているんですよ」 「真実は一つだけですから、女性の方は真正面から来ているのであなたの顔を見ている」 ソース http //www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20100506/dms1005061611006-n2.htm ▼ノート(補正済み) http //freedeai.180r.com/up/src/up1393.jpg 現在、VIP・ν速・ν速+でスレ進行中
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/3475.html
朝倉涼子が輪郭線を完全に喪い、跡形も残さず消滅する。 長門の与えた彼女へのラストワードが、消え失せ乖離してゆく彼女の鼓膜にまで届いたかどうか、確かめる術は最早ない。己の力で滅した元同胞に対し長門が覚えた感情は、単純な勝利への喜びに満ちて終われるものではなかった。 他に選びようがなかったとはいえ、後味の悪さは付随する。葬った彼女に対し、寂寞と羨望を抱いていたかつての己を長門は思った。 言うなれば彼女は模範だったのだ。 後退して行く未来を憂いて、思念体の意向に反した行動を取った。ヒューマノイドインターフェースとしては欠落しているようでいて、其の実どの情報端末より活き活きと「人間」の感情を、それは主に負に傾いたものではあったけれども、自前のものとして持ち合わせていた。朝倉当人は、その事実を自覚しきらぬままに。 朝倉によって改変されていた空間情報は、スノードーム内に組まれていたプログラムによって自動修正が始まった。溶解した飴のように周辺一切を同色に染めていた銀が伸びあがり、うねりながら元の廊下を模って修復を行ってゆく。 連結を解除される寸前までいった長門自身の肉体も、プログラムの影響下にてどうにか回復するが、貫かれた足腰のために喪ったバランスまではすぐに取り戻せなかった。立ち上がろうとしてよろめき倒れ掛かった身を、さり気なく細い両腕が抱き止める。 「相変わらずの無茶ぶりですね、長門さん」 穏当な女性の声が、長門を労ってやんわりと降る。長門は瞬き、琥珀の瞳の表層にその姿を映した。 喜緑江美里――長門と同じくTFEIの一人。長門は自分を助け起こすようにする喜緑を物言いたげに見据える。 朝倉の言質が正しいのであれば、彼女も既に長門を切り捨てていておかしくない存在なのだ。喜緑は元々、長門の暴走を未然に阻止するための監査を目的の一つとして、此の学校に派遣されていたのだから。 「誤解があるようです。情報統合思念体は貴女を見捨てた訳ではないんですよ?」 お転婆な妹を案じる物静かな姉の様に、喜緑はおっとりと微笑んだ。 「朝倉涼子から急進派『主』の位置をトレース、捕捉を完了。一斉掃討が始まっています。――つまりは、この計画自体が釣堀ということです。主流派は元々、急進派を容認するつもりはありませんでした」 淑女らしい微笑のもと、紡がれる解説は長門の推測をまた、越えていた。喜緑ののんびりとした解説が正気ならば、主流派が急進派を滅する為に、古泉の「機関」とその救援に向かう長門の行動までを見越し、策を弄して急進派を『嵌めた』ということに他ならない。 「何故」 長門の問いは端的だった。 「涼宮ハルヒの情報フレアの観測が成せない事は、主流派にとっても致命的。急進派の主張にも思念体からすれば正当性はあった。それなのに主流派は敢えて、急進派を掃討までして現状維持を貫いた。……それは、何故?」 「自律進化の可能性は、涼宮ハルヒ本人のみでなく、その周辺に波及していることに思念体が気付いたからです。――長門さん、貴女のことですよ」 「……わたし?」 鸚鵡返しにするしかない長門の呟きに、長門の髪を梳かすように手をやった喜緑は何処か嬉しげでもあった。 「感情という概念。地球上で貴女が獲得したそれは、思念体に随時送信され、分析を受け続けました。それは人類に見るべき価値を持たなかった思念体にとって理解の範疇を超えたもの。貴女がそれを得たことによって、思念体は可能性を夢見た。――その『感情』こそが、涼宮ハルヒの力の源に直結し、進化の鍵足り得るのかもしれないと」 それは同時に退化の可能性をも含有するものではあるけれど。 進化の方向性を見失い、停滞していた情報統合思念体が見出した、小さな人間の奇蹟。 「長門さん。貴女の未来を『既定事項』にするのは、貴女の選択です。……もう、気付いているのでしょう? そのスノードームが、何時、どの時代から齎されたものかについても」 長門は、己の窮地を救った硝子の球体に眼を遣った。古びたアンティーク物、古泉一樹が長門に託した雪の結晶のような贈答品。けれど朝倉涼子を瞬時に打ち倒し、空間再生を図ることの出来るプログラムを内臓したそんなものが、この時代に残存している筈がない。 「貴女の規制は解除されました。全情報端末が貴女の支援に回ります。――長門さん」 巣立つ子を見送る親の眼差しをもって、喜緑は長門を後押しした。 涼宮ハルヒの可能性の波紋に飲み込まれ、『感情』を得た長門有希に朝倉涼子の他に。彼女らを見守って来た一端末の喜緑江美里までもが、確かに、人の持つそれと等価の親愛を形にする。存分に暴れて構いませんよと、茶目っ気を混ぜた一声と共に。 「貴女の大切な人を見つけに、いってらっしゃい」 憂慮する事項は、情報制御能力を再び取り戻した今、長門有希には何一つとして有りはしない。 長門は言われるまでもないと主張せんばかりに喜緑を見つめた。 「――同期を申請する」 『機関』傍に配置された情報端末に、その身をもって、古泉一樹を救いにゆく。統合思念体は愛娘の意思に、 ただ一言、 ―――「許可」の、返礼をした。 怒号と、叫喚が飛び交っている。 銃声に伏す仲間。機関銃の耳障りな騒音。古泉一樹は草叢に潜ませた身を縮め、散り散りになった仲間を案じながらグリップを握り直す。 非常時に備えて一通り、扱えるように訓練ならば積んでいたものの、まさか高校生の身分の内に手にすることになるとは思っていなかった拳銃。借り物のようにしっくり来ない黒光りするそれの重みが、古泉に否応なしに戦線を意識させた。 機関所有の山奥。他の支部との中継地が置かれた其処には、今から政府転覆を宣言しゲリラ活動に身を投じられそうなレベルの武器庫、弾薬庫があった。涼宮ハルヒ抹殺をもくろむ過激派が要所押さえにまず狙ったのはそこであり、機関の現状維持主張派と攻防戦が続いている。 応援要請は疾うに発されているから、暫く待てば各地から支援部隊が回ってくる。そうなれば過激派を抑え込むも容易だ。必要なのはそれまでの時間稼ぎであり、可能な限り犠牲を減らすことだった。 古泉はすっと深呼吸をする。 今回の彼等の反旗には、謎が多い。急に過激派が動き出したことも、それを機関の上層部が事前に察知し、食い止めることが叶わなかったことも、考えれば考えるほど奇妙な話だった。 立てられるのは一つの仮説。何らかの介入、人間の手に及ばないような上位の力が加わった事により、過激派が成功を過信し行動に踏み切ったとしたならば。 「死ぬ」未来を古泉自身に先に提示した未来人の思惑も気に掛かっていたが、手元にあるのは状況証拠ばかりで情報が不足している上、ゆっくり思考に浸る暇もなさそうだ。――敵が、倉庫を占領する為に近付いて来る。 古泉は身をやや持ち上げ、後退しながら低姿勢で狙いを定めた。 網膜の裏に、SOS団の面々の姿がちらつく。帰って、皆と一緒にパーティーを。長門さんを祝し、クラッカーを鳴らし、皆で騒いでケーキを食べて。涼宮さん、朝比奈さん、「彼」もきっと楽しく過ごせる一日になる。 解散時になったら、そう、改めて彼女に言おう。 「――!おい、向こうだ!」 古泉が引き戻した意識の先で、男が別方面の仲間に向けて銃を突きつけている。古泉はまずい、と反射的に引き金を引いた。乾いた音に、衝撃の反動が手首にかかる。ずうんと指先の痺れる感触、手が震えて痛んだ。弾は運よく反乱分子の一人の脚を貫通していたが、男の上げた痛烈な叫び声が、敵を此方に引き寄せていく。 古泉が慌てて視線を走らせると、仲間の方は無事に逃げたらしく、先程まで棒立ちになっていた姿は見えなくなっていた。 とはいえ、ぐずぐずしているとすぐにまた群がってくる。離れなければと古泉が踵を返すその先に、見慣れぬ男が血走った眼で走り込んできた。違う角度から攻め込んできていたらしい敵の一味。 「野郎!」 唾棄するような叫びが聞こえ、駆け付けた男の銃口が古泉に牙を剥く。逃げろ、走れ、叱咤すべき脚が動かない。 まるで時を逸したような、スローモーションの中のような光景だった。口径何ミリの弾丸か、そんな事までは把握仕切れなかったにせよ、一直線に走るその一撃が古泉に目掛けて飛来して来ることをほんの一秒僅かの間に、古泉自身が理解した。銃弾が己の胸に、吸い込まれるように飛び込んでくる。視界が、刹那に白く染まった。――激痛は、遅れて古泉の半身を灼いた。 「あっ……ぐ…!」 呻き声が漏れたが、それすら聞こえない。自分が倒れたのかどうかさえ、古泉には判断が効かなかった。フラッシュを焚かれたままの世界、視神経が焼き切れたように何も見えない。 か細く人の名を、彼自身が切望するように呼ぶ。現実に彼の腹部を赤く染めていた鮮血が、留まりを知らずに古泉の唇までも浸食して濡らし、地に染みこみゆく。 古泉一樹は遠退く意識をそのまま手放す寸前、――真っ白に埋もれたなかに薄い影を見たような気がした。 ひとひら春の日に舞い降りる、それは、雪のように。
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/638.html
解説 16チーム計32名の仲良し達のタッグトーナメント。 出場条件が仲の良い人たちということで組み合わせは原作準拠の仲良しコンビとなっている。 よってほとんどが作品ごとの組み合わせである。 今回は会話が入っており、ミニストーリーものとなっている。 前大会の優勝者も登場しており、 リクエストに応えて最後には前大会優勝者と今大会優勝者とが対戦することに。 ちなみになんとうp主も会話パートに混じってたりする。 仲良し達 + ... 愛されているバカジョー東&ダン ひぐらしのなく頃に前原圭一&竜宮レナ 遠野家遠野秋葉&遠野志貴 紅と銀真紅&水銀燈 紅魔館レミリア・スカーレット&十六夜咲夜 必殺お仕置き姉妹ナコルル&リムルル 情報統合思念体長門有希&朝倉涼子 千年守朱鷺宮神依&このは 大番長天楼久那妓&斬真狼牙 天外魔境綱手&大蛇丸 氷と炎クーラ・ダイアモンド&K 幼馴染フィオナ・メイフィールド&廿楽冴姫 アイドルと踊り子麻宮アテナ&桃子 萃夢想伊吹萃香&博麗霊夢 SOS団涼宮ハルヒ&朝比奈みくる チームメイト藤堂香澄&ユリ・サカザキ 関連動画 つるぺた杯 【第二回】つるぺた杯 漫画・アニメ・同人杯 パーツ・ジャンル別チームトーナメント 新生男女タッグトーナメント【ロリ】 武瑠亜無限学園 コメント 名前 コメント マイリスト
https://w.atwiki.jp/haruhi_dictionary/pages/48.html
人物画像 登場作品 基本情報 性格・容姿 正体 関連項目 関連人物 人物画像 登場作品 第3巻『涼宮ハルヒの退屈』収録の「ミステリックサイン」 第8巻『涼宮ハルヒの憤慨』収録の「編集長★一直線!」 第9巻『涼宮ハルヒの分裂』 第10巻『涼宮ハルヒの驚愕(前)』 ゲーム『涼宮ハルヒの約束』 ゲーム『涼宮ハルヒの激動』 基本情報 みくるの隣のクラスに属する県立北高校2年生(第9巻『分裂』より3年)の女子生徒。 生徒会役員で、執行部筆頭と書記を兼任している。SOS団に行方不明の彼氏の捜索を依頼した「悩み相談者第1号」でもある。 性格・容姿 外見はおとなしく清楚な感じで、物腰は常に柔らかく丁寧。 正体 長門や朝倉と同じく、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースである。 彼女がどこの派閥に所属しているのかは現時点では判明していないが、穏健派だと思われる。作中の容姿や台詞から、朝倉のように攻撃的ではないことが分かっている。 周防九曜の動きを観察するため、喫茶店にウェイトレスとして登場した可能性がある(第9巻『分裂』(β-4)より)。 また、古泉は「一度暴走を起こした長門の監視役」ではないかと推測していたが、第10巻『驚愕』において、彼女が自律的な行動のため自ら能力を封印した長門から、 その封印解除の権限および地球上で情報統合思念体を代表する役割を譲渡されたことが自身の口から明かされる。 関連項目 宇宙人関連 関連人物 涼宮ハルヒ キョン 長門有希 朝倉涼子 生徒会長 周防九曜
https://w.atwiki.jp/ln_alter2/pages/390.html
CROSS†POINT――(交語点) 後編 ◆EchanS1zhg 【7】 「美波は私と一緒に戻らなくてもいいの?」 「うん、水前寺のことはほっとけないし、それに瑞希だってこの近くにいるかもしれないから」 「そっか。じゃあ悠二のこともよろしくね」 「まかせといて。ウチが二人にはバカなことはさせないから」 美波といくつか言葉を交わすと、シャナは夕闇の中へと飛び上がり火の粉を散らして優雅な羽を背中に広げた。 この世のいかなる生物も持たざるその羽で大気を打ち、フレイムヘイズの少女は飛び去ってゆく。 悠二は藍色の空の向こうに光の点となって遠ざかる彼女の姿を名残を惜しむように見送り、 小さなクラクションの音に急かされ、ようやく水前寺が待つ救急車へと戻った。 「なんならこの場合は坂井特派員が一緒に戻ってもよかったのだぞ?」 悠二が助手席につくと水前寺がそんなことを言う。 「いや、いいんだ。贄殿遮那も渡すことができたしね。それに今はできることをしたいんだ」 「なるほど。引き続き浅羽特派員捜索の任についてくれることを部長として感謝しよう。島田特派員にもな」 「とってつけたような言い方。……でも、いいわ。まだしばらくは特派員でいてあげるから」 「なぁにがしばらくだ。部長の許可を得ない退部などこの俺は許さんからな」 「人権を無視して勝手に部員にしておいてよく言うわよ」 夕暮れの四つ角にエンジン音が響き渡り、浅羽直之を追って救急車が再び走り始めた。 「――しかし、トーチとフリアグネとかいう紅世の王の話だが」 「うん、当ては外れたし、思い違いもあったみたいだ」 「だがそいつの行動がただの無意味ではなかったと、坂井特派員は考えているわけだな?」 「そうだね。あの紅世の王が意味のないことをするとは思えないから何かしらの意味はあるはずだよ」 車の運転席と助手席で、またいつかのように二人は考察を開始する。 今回の議題は、『フリアグネがトーチを作った理由』についてだ。 あの紅世の王が《都喰らい》を企てているかもしれないという可能性はヴィルヘルミナからの指摘により否定された。 かといって、トーチを作った理由が皆無だとは考えられない。なので二人は今ある材料を元に思考を始める。 「トーチとしての伊里野クンに残された時間は通例よりもかなり少なかったらしいな」 「そうだね。本来、トーチの役割はフレイムヘイズに対する目くらましみたいなものだから数日以上もつのが普通だよ」 「ならば、そこから2つの可能性が考えられる」 「あえてそうしたのか、もしくはそうせざるを得なかった――だね?」 うむ。と水前寺は満足そうに頷いた。 確かに考えるべきはここからだったようだと悠二は認識しなおす。 シャナとアラストール、そして自分はトーチを見てすぐにフリアグネが策を打ってきたものだと考えたが、 そう考えること自体がまだ早まったことだったのだ。 「あえて消えるまでの時間を短くした場合であるが、 この場合、トーチの消失に坂井特派員やヴィルヘルミナ女史らが気づけるのかを試したのかもしれんな」 「普段は気づかせない為のトーチを、あえて逆の目的に使ったってことか……」 フレイムヘイズは、トーチの消失を感知して現場に急行しそこから紅世の王を追い始める。 紅世の王は追跡を逃れる為、逃げる時間を稼げるようそれなりの時間をトーチに与えてその場を去る。 それが通常であるが、その時間差を利用すれば逆にトーチが消える瞬間の世界の歪みを囮にすることも可能だ。 存在の力を感知することが難しい今、気兼ねなくトーチを作れる紅世の王側にすれば、それはアドバンテージとなる。 「逆の場合、残り時間の少ないトーチしか作れなかったということになる」 「僕やシャナが遭遇した弱すぎる燐子と同じようにか……」 「だが安心はするなよ坂井クン。形勢不利とみて、あえてそういうふりをしているだけかもしれんのだからな」 確かにフリアグネの立場から見れば、シャナと自分だけならともかくヴィルヘルミナもいるというのは苦境と言えるだろう。 蓄えた宝具を持ち合わせていないのも、彼の王の性質から考えればかなりの痛手のはずだ。 ならば、力の弱い燐子やトーチにしてもそうしかできないのではなく、ただ力を節約しているだけなのかもしれないし、 弱まっているフリをしてこちらの油断を誘っているのかもしれない。 「そして、もうひとつの可能性がある」 「人類最悪だね」 先刻の放送で人類最悪の口から伊里野加奈の名前は読み上げられなかった。 果たして人類最悪は“ほんとうのこと”を知らず記憶が改竄されたのか、知っててあえて呼ばなかったのかは不明だが、 少なくともトーチとして登場人物が消失しても彼は名前を読み上げないということだけは判明したのである。 ならば、このリアクションこそがフリアグネがすぐに消えるトーチを作った理由だったかもしれない。 「これらの可能性から何が導き出されるのか、……専門家ではない俺にはわからん。 だが、何らかの意味があったのだとしたら、 それ単体では意味をなさないトーチの存在は次のアプローチの為の布石ととらえるべきだろう」 「フリアグネが次に考えること、か……」 水前寺と考察する中、悠二はこれまでの思考の中にある考え方が欠落していたことに気づいた。 相手はあのプライドの高い“狩人”フリアグネなのである。 ならば、この状況において彼の視線や矛先を向ける相手が必ずしもフレイムヘイズや他の人間らだとは限らない。 彼に虜囚の辱めを与えた人類最悪――この事態を作り上げた者にも向かっていて当然だ。 「まぁ、そこらへんのことはヴィルヘルミナ女史と合流してから詰めてゆくのがよかろう。 あちらはあちらで俺達が戻るまでの間に話を進めているだろうからな」 「そうだね。僕たちも早く浅羽くんを保護して戻らないと」 「まったくタイムイズマネーとは言ったものだ」 考えてみれば、自分達もフリアグネもこの場所で目的とするところは全く変わらないのかもしれない。 ただその立場と取りうる手段が異なるにすぎないのだ。 邪魔者を排除し、事態を解決し、この世界から元の世界へと帰還する。可能ならばこの事件を解決した上で。 フレイムヘイズは紅世の王を排除対象とし、紅世の王はフレイムヘイズを排除の対象とする。差はこれだけしかない。 「(だったら、あえてこの場は共闘することも可能なのか――?)」 もしフリアグネがすでに事態解決の切欠を掴んでいて、その方法が《都喰らい》のように犠牲を必要としないのだったら。 そうであるなら、この事件を解決するまでの間ならフレイムヘイズと紅世の王が手を組むことができるかもしれない。 「(……カルメルさんには虫がよすぎると怒られるかもしれないな)」 一度冷静になったことで、クリアになった頭の中にいくつかの道筋が見えてきた。 そして、悠二が討滅の対象としてではなくフリアグネに興味を持った時、不意にポケットの中の携帯電話が震え始めた。 「……カルメルさんからかな?」 なんとなしに思いながら悠二は携帯電話を取り出し、淡く光るディスプレイを見つめた。 神社の電話番号ならもう暗記している。表示されているのがその番号ならば相手は十中八九ヴィルヘルミナだろう。 だがしかし、番号は神社のものではなかった。 【8】 「しかし随分と長く通話していますね」 「そうね。多分このタイミングだし仲間内での報告会を兼ねた作戦会議じゃないかしら」 そうだといいのですが。と言って、師匠はハンドルをゆっくり切って車を誰もいない道へと進めた。 朝倉が放送の後から数分おきにかけている電話番号からの反応は、最初から今までずっと通話中のままだ。 もしかすればただ単に通話中の状態で電話が放置されているのでは、とも思えてくる。 だがもしそうでないのだとしたら、当たり前だが通話して連絡を取り合っている人間が最低二人はいることになる。 そう、つまり……彼女達からすれば最低でも二人の“獲物”が期待できるということになる。 「さっきの放送では御坂美琴、古泉一樹、シズと3人の名前しか呼ばれなかったわけだけど、師匠はこれをどうみる?」 「あなたの報告が正しいのならばその3人は実際に死んだのでしょう」 「もう、疑うふりなんてやめてよ。どうせ師匠も聞いてたんでしょう? それで師匠はどう考えるのって聞いてるの」 「そうですね――」 膠着状態に陥ったのでしょう。と、師匠はそれを簡潔に表した。 「3人のうち、御坂美琴と古泉一樹は我々が仕留めた獲物です。 となると我々が関与しなかった場所では一人しか死んでいないことになります」 「そうね。私達の視点から見れば、私達を取り巻く環境はほとんど進行していないことになるわ」 「状況が開始してから半日強で、早くも安定した状態に落ち着いてしまったということです」 この場所には59名の人間がおり、それぞれが暗黙の了解として互いに殺しあうことを前提として理解しあっている。 なので人間同士が出会えばそこで殺し合いが発生し、大抵の場合いずれかが死亡する。 これが続き、ゲーム盤となる場所の広さに対して人の数が少なくなれば、結果として遭遇――死亡の数も減少する。 そして、進行が膠着する原因は他にもある。この催しの参加者はゲームの駒でなく人間なのだ。 温泉や警察署で遭遇したように、今現在生き残っている参加者は目的の為に徒党を組んでいる可能性が高い。 おそらく、その傾向は殺人を許容しない“人間らしい”参加者の方が顕著だろう。 つまり、遭遇して殺しあうパターンと同時に、遭遇して殺しあわないパターンもありえたことだ。 殺しあわないパターンであった場合、その2人が1組となれば殺しあった場合と同様に遭遇の機会を減らすことになる。 「結果として、こういうったゲームは参加者が殺し合いに積極的だろうがそうでなかろうが それなりに状況が進めば遭遇しあえるユニットの数が減り、膠着状態に陥ってしまうというわけね?」 「そのとおりです……が、それこそあなたには説明する必要のなかったことでしょう?」 「ふふ、師匠ったら。互いの認識を確認しあうのに会話はとても重要よ?」 「……なんにせよ、現状としては突発的な遭遇戦が起こりづらい状況となっているというのが私の見解です」 朝倉は満足そうにうんうんと頷いた。逆に師匠の方は何を今更という顔である。だからこそ彼女達は動いているのだから。 「つまり、この電話を使用している彼らは、それぞれに複数人で固まっている可能性も充分にありえるということよね」 「そうですね。この状況で電話口のそれぞれにいる人間が各自一人ずつというのは少し考えづらい。 ある程度の信頼があるのならば二人で行動した方が安全ですし――」 「――もしその安全を確保しているのだとすれば、それは互いに複数人で行動してるって計算できる……ということよね」 「取らぬ狸の皮算用にすぎませんが」 「勿論、計算できない要因が多いのは私も承知の上よ。 でも、師匠もその“期待値”に賭けた。だから運転もしてくれているんでしょ?」 「それもありますが、私が危険視しているのは時間切れですよ。膠着状態が続いたまま3日を終えるのは御免ですから」 言葉通り、師匠が一番危険視しているのは時間切れであった。 この手のゲームにおいて一番恐ろしいことは、ゲームが進まないターンを安易に見逃して 最終盤において決着に必要な手数が足りなくなってしまう事態であると、彼女は豊富な経験から知っている。 この人類最悪の用意した世界の場合、時間とともに舞台は狭くなるので兎の様に逃げ続ける獲物を追う手間は省けるが、 だからといって最終盤に人間を残しすぎると計算して生き残るのが難しい大混戦が発生しかねない。 「師匠は楽をしようとは考えないのねぇ」 「怠けていい時間など人生の中にはありませんよ」 「生まれた時から時間制限付きってわけ? ふぅん、有機生命体はそんな風にも考えるのね」 「“今日終わらせられることは今日終わらせろ”という言葉を守っているだけです」 「確かに。実は私も待つのは苦手なの」 「では、そろそろもう一度電話をかけてみてはどうですか?」 了解。と、朝倉は携帯電話を開いて通話キーを押した。ゆっくりと電話を耳に当て、待つこと数秒――……。 「どうやらもう向こうの長電話は終わったようね」 「交渉は任せますが油断はしないように。とりあえず今はその相手さえ確保できれば十分です」 「残りの仲間の居場所は拷問でもして聞き出すわけ?」 「それで聞きだせるのならそうしますし、相手の電話番号が知れれば人質なりなんなりに使えばいいのです」 「本当、師匠ったら物騒なんだから」 「海老で鯛を釣るという方法ですよ。 小さな獲物を釣り上げ、次の獲物の餌にすることで最終的には一番大きな獲物を釣り上げる算段です」 「はいはい。じゃあ、最初の獲物は私に任せて――と、もしもし、聞こえている?」 【9】 『――もしもし、聞こえている?』 電話の向こうから聞こえてきたのはまたしても女の声だった。だがしかし以前に聞いたものとは声色が全く違う。 声色そのものが不幸の色を帯びていたあの不吉な声ではなく、それよりも随分と穏やかな感じのものだった。 「はい、聞こえています」 また不吉なことを聞かされるのではと身構えていただけに意表を突かれたが、 悠二はなんとか平静を保って返答することに成功した。そして、電話の相手に対しあなたは誰なのかと尋ねてみる。 『私は朝倉涼子よ。よろしくね』 「朝倉、涼子……」 『ん? もしかして誰かから私の名前を聞いていたのかしら? 涼宮さん? それともキョンくんかな?』 「キョンから聞いてますよ」 名前を聞き、悠二はこの通話が非常に重要であり、また油断すべきものではないことを認識した。 朝倉涼子とはキョンが頼りにしていた万能の宇宙人のひとりであり、かつては彼を殺そうともした人物(?)である。 味方にすることができればかなり頼もしいが、しかしそこには大きな危険が潜んでいるかもしれない。 『そうだったんだ。じゃあキョンくんはそこにいるのかしら?』 「いえ、今は別行動中ですよ」 『そう。彼の声が聞けないのは残念だわ。それであなたは誰なのかしら?』 「え? ……ああ。坂井悠二です。 えーと、それじゃあ朝倉さんはどうしてこの電話の番号を知ったんですか?」 『ふふ、そうなの。私もこの電話番号にかけて誰が出てくるのか知らなかったのよ。 知ってたのは番号だけ。藤乃さんてわかるかな? 浅上藤乃さん。一度、あなたに電話したはずなんだけど』 「前に電話をかけてきたのが、その藤乃さんなんですか?」 どうやら以前に不吉な電話をかけてきた女性は浅上藤乃と言うらしい。 悠二はこれまでに得た情報の中を探り、今のところ全く誰とも縁のない名前であったことを確認した。 『ええ、こちらのほうで彼女を“保護”してね』 「保護?」 『そうよ。彼女ったら変なことを言ってなかった? 友達を殺したとかなんとか』 「ええ、聞かされました」 『じゃあ安心して頂戴。それは彼女の妄言で全部嘘なのよ』 少しだけ気持ちが楽になった気がした。 あれが嘘なのだとすれば、吉田さんかもしくは関係ない誰かがその彼女に殺されたのではないとなるのだから。 とはいえ、それも含めて全部嘘なのかもしれない。なので悠二は慎重に通話を続ける。 『彼女ったらどうやら最初から心身ともに失調をきたしているらしくてね、だから私達で保護したの』 「そうなんですか。…………私達?」 『ええ、私と師匠と藤乃さん。私達はこの3人で行動しているの。この世界から速やかに元いた世界へと戻れるようにね』 師匠とは名簿にそのまま師匠とだけ書かれていた人物だろうか。 悠二はもう一度記憶の中を探るが、その人物もまだ誰とも縁のない正体が不明なままの人物であった。 「元の世界に戻る、ですか?」 『ええ、そうだけど。あなたたちは違うの? キョンくんならそう考えると思うのだけど』 「いえ、こちらも同じですよ。僕たちも元の世界に戻りたい。できれば、全員でです」 『ならよかったわ。私達協力しあえるわよね。そっちは何人なのかしら?』 電話から聞こえてくる朝倉の声が弾む。 事前に聞いてなければ彼女が宇宙人だとは気づけなかったろう。 もっとも今でも彼女が宇宙人だとは感じられないが、ただの前向きで明るい女の子としか認識できなかったはずだ。 しかし、フレイムヘイズには変人が多いからという訳ではないが、 逆にこの人当たりのよさが油断ならないのではと、悠二は僅かに緊張の度合いを高めた。 「こちらも今は3人ですよ」 『それはキョンくんも含めて? 今はってことはもう他にも仲間がいっぱいいるのかしら』 物怖じがないのか、それともこちらの隙を見逃さないのか。それが宇宙人だからなのか、声色からは全くわからない。 「……ええ、そうですね。何人かいます」 『んー、すこし歯切れが悪い感じかなぁ。もしかしてキョンくんから何か言われて警戒している?』 「正直に言うと、その通りです。あなたは物事を解決するのに殺人を厭わない、と」 『そうね、それは否定しないわ。 キョンくんにも言ったけど、命というものに対して私はまだあなたたち有機生命体と同じ価値観を持っていないの』 それはぞっとするような言葉であり、また覚えのある感覚だった。 『でも私がキョンくんを殺そうとした理由まで聞いていれば解るのだと思うけど、 今現在の私には彼やその他の人物を殺す理由が存在しないわ』 「そうですね。キョンも同じように言ってました。だから、あなたを探して協力を要請しようとも」 『――でしょう♪ だったら私達は協力しあえるわよね』 朝倉の声にまた喜色が浮かぶ。話としては今のところ何もおかしくはない。キョンの言ってたことにも誤りはなさそうだった。 なのに、悠二の心にはまだなにかすっきりしない部分があった。まとまらない漠然とした不安のようなものが。 『それで彼はどこまで私のことを話したのかしら?』 「あなたと長門有希という人は宇宙人の作ったロボットみたいなもので、ほぼ万能だとか」 『うんうん』 「それで、あなた達の目的は涼宮ハルヒの保護と観察だと」 『キョンくんったらそんなことまで……、でも話が早いわ。 聞いてのとおり、私達の……と言っても長門さんは死んじゃったので私ひとりだけど、目的は涼宮ハルヒの保護と観察よ。 ここは彼女の観察に適した環境とは言えないから、今の目的は彼女を元に世界に戻すことね。 勿論、キョンくんにも生きて帰ってもらいたいわ。こんなところで死なれちゃったら、それはそれで困るもの』 「それがあなたの優先順位ですか?」 『ええ、そうね。あなた達もこの事態の解決と元の世界への帰還を目指しているなら私達が対立する必要はないはずよ。 もしここから出られる手段が宇宙船のようなものだとして、その定員が2人だけなら 私は涼宮ハルヒとキョンくんを生き残らせる為に仲間やあなた達に危害を加えることになると思う。 けど、定員が10名ならその必要性は下がると思うし、全員が帰れるなら全く必要ないことになるわよね。 そういう方法を一緒に模索してみないかしら?』 「ええ、そうできるなら僕達もあなた達にとっても一番だと思います」 実に冷静で、冷静すぎる。口調こそ普通の女の子だが、悠二の印象としては朝倉はヴィルヘルミナに近いと思われた。 交渉するにあたり、情に訴えず、ある程度の手札を曝し、あくまで理性的な取引を求める。 こちらが仕事をする限り、むこうも仕事をしてくれる。契約するのならば理想とも言える相手だ。 「……質問しますが、朝倉さんの方では何か事件解決の為の取っ掛かりのようなものは見つけているんですか?」 キョンは長門有希が生きていればどうにでもできると言っていた。そして朝倉も同等の力を有していると。 『うーん、痛いとこを突かれちゃったかな。正直に話すとこちら側の収穫は今のところゼロよ』 「キョンはあなた達ならなんとかできるかもと言ってましたが」 『まず、私達そのものは外宇宙に存在する情報統合思念体が辺境惑星に用意した端末でしかないの。 そして普段使用している力のほとんどは上位体からダウンロードして初めて使用できるものばかりなのよ』 「つまり、情報統合思念体というものにアクセスできないと普通の人間と変わらないってことですか?」 『普通の人間よりかは頑丈だし、能力も持っているわ。でも、確かにこの事態の中ではそんなに変わらないかもね。 あなた達にわかりやすく言うと、ネットワークに繋がってないPCのようなものよ。 プリセットされた能力は所持しているけど、それ以上はまず統合思念体との接続を回復させる必要があるの』 なるほど。と悠二は頷いた。これで事態が迅速に終息しない理由や、長門有希が死亡した理由は判明したことになる。 『期待を裏切ってしまったかしら? でも人間はこういう時、“三人寄れば文殊の知恵”って言うでしょう? 上手につきあえるなら、協力して互いが損をするってことはないはずよ。どうかしら?』 「その通りだと思います。できるなら僕も朝倉さんとは会って詳しいことを聞いてみたいですから」 『じゃあ――』 「けど、僕の一存じゃ決められません。少しだけこのまま待ってもらっていいですか?」 『うん、いいわよ。 ただ、こっちには“時は金なり”ってすごく怒る人がいるの。だからできるだけ早くしてね♪』 ■ 「ふう……」 携帯電話を耳から離し、いつの間にかに前かがみになっていた姿勢を戻すと悠二は小さく息を吐いた。 「どうやら交渉を受けているようだな坂井クン。相手と相手が要求している条件を述べたまへ」 「なんだか難しい顔でよくわかんない言葉使ってたけど、もしかして脅されてるの?」 すぐさまに隣の水前寺が口を、そして気づけば座席の間から顔を出してこちらを窺っていた。 「相手はキョンが言ってた朝倉涼子って女の子だよ。実は宇宙人に作られたロボットらしいんだけどね」 「実に胡散臭くて俺好みだな。それで用件とは?」 「むこうは、彼女と師匠と浅上藤乃の3人でいるらしいんだけど、脱出の為に協力しないかって」 「なんだそういうことだったんだ。ウチは女の子が増えるのは歓迎するわよ」 美波はほっとしたと顔を緩め、その向こうで水前寺は正面を見たままなるほどと頷いた。 しかしこのなるほどは納得したという意味ではなく、そこまでは理解したという意味のなるほどだ。 「それで、相手は坂井特派員が即座に決断できないような無理難題をふっかけてきているのかね? 例えば物資を全てよこせだの、命令権はこちらによこせだのとかかね?」 「いや、それはないよ。彼女達は偶然にこの電話番号を知って、ただ仲間になりましょうって言ってるだけさ」 「それに何か問題でもあるの? もしかしてウチらの中の誰かの仇とか……?」 「それもないかな。僕が浅上さんに変な電話をかけられたけど、他の人は今回がはじめての接触のはずだよ」 だったらなぜそんな煮え切らない態度なのか。と、水前寺と美波が眉根を寄せた。 無論、こんな状況だから誰かと接触するのならばそれは慎重ではなくてならないだろう。 しかしこれまでの悠二の行動は慎重さを持ち合わせながらも、いつも大胆で素早いものであった。 それが何故、今回に限ってこんなにも躊躇してしまうのか。それは悠二自身にも明確な理由は見当たらない。 「どこかに引っかかりを覚えるというのなら、それはまだ見落としている問題があるということだろう」 「そうかな? キノのことで少しナーバスになっているだけかもしれない」 「……キノのこと?」 「島田特派員。現在君のクラスの者に対してはそれはトップシークレットとなっている。 皆と合流すれば改めて説明するので今は余計な詮索はやめたまへ」 「説明が面倒なら面倒って言いなさいよ。……クラスが低いってのはちょっとヘコむわ」 心の中で美波に頭を下げつつ、悠二は病院で見たあの光景をもう一度思い浮かべた。 この場所には善人のふりをして近づき、不意をついて危害を加えるものがいる。 もし、朝倉や彼女の仲間の中にそんな人物がいたとしたら――それが、不安の元なのだろうか? 「(それとも、僕は浅上藤乃と接触するのを嫌がっているのだろうか?)」 この事態が始まって早々にかかってきた電話の内容と、その後の想像により彼女の印象はかなりおどろおどろしい。 だから無意識に恐怖を抱き、それを遠ざけたい心理が働いているのかもと悠二は考える。 しかし考えても曖昧な不安の理由はわからなかった。曖昧な不安はそのままの形で心の中に残っている。 「接触に慎重になりたいのならば時間を作ればよい」 水前寺の声に悠二は顔を上げた。 「簡単な話だ。待たせておけばいいのだよむこう側をな。 我々は目下浅羽特派員を捜索中だということも忘れたかね? ならば相手方にはどこか適当なところで待っててもらい、こちらが後から接触する形にすればよかろう。 その時坂井特派員がひとりで接触すれば、いざという時、戦えない我々が足手まといになることもないだろうしな」 ああ、と悠二は納得した。そう。むこうからもち掛けられた提案ならば多少こちら側の事情も鑑みてもらえるはずである。 それに元々、どちらかが場所を指定しなければ合流することはできないのだ。 「ありがとう水前寺。そうすることにするよ」 言って、悠二はもう一度携帯電話を耳に当てた。 なんなら接触する際にシャナを呼び戻してもいい。こういった事情ならヴィルヘルミナも賛成してくれるだろう。 そしてシャナとふたりであれば、どんな問題であろうと乗り越えられるはずなのだ。 ■ 「もしもし」 『結論はでたかしら?』 「うん、でたよ。悪いけど、今こちらは人を追っている最中なんだ。だからすぐに合流ってのはできない。 だから時間を置いて、どこかで待ち合わせる形になるけどいいかな?」 『別にかまわないけど……その必要はもうないかもしれないわ?』 「え?」 『確認したいんだけど、あなた達は自動車で移動してるわよね。私、耳がいいから電話越しでもわかるのよ』 悠二は顔をあげてゆっくりと流れてゆく周りの景色を見渡した。 こちらが車で移動していることを知って、もう待ち合わせの必要がない。では彼女はどこから電話しているのか? 『実はこっちも車の中から電話してたんだけど気づいた?』 サイドミラーの中に見える後方の風景。その中に速度を上げてこちらに接近する車両の姿があった。 『そっちは救急車でしょ? こっちはパトカーなの。こういうのって奇遇って言うのかしら。どう思う?』 白と黒のツートンカラーに赤色のランプを備えた特徴的なデザインはまさしく日本のパトカーそのものだ。 『はじめまして。よろしくね♪』 サイドミラーの中で朝倉涼子が綺麗な笑顔を浮かべ手の平をひらひらと振っていた。 【E-4/市街地(映画館より北)/一日目・夜】 【坂井悠二@灼眼のシャナ】 [状態]:健康 [装備]:メケスト@灼眼のシャナ、アズュール@灼眼のシャナ、湊啓太の携帯電話@空の境界(電池残量75%) [道具]:デイパック、支給品一式、リシャッフル@灼眼のシャナ、ママチャリ@現地調達 [思考・状況] 基本:この事態を解決する。 0:どうする? 1:接触してきた朝倉涼子達に対応する。 2:浅羽直之を探して保護し、ヴィルヘルミナらと合流する。 3:事態を打開する為の情報を探す。 ├「朝倉涼子」「人類最悪」の二人を探す。 ├街中などに何か仕掛けがないか気をつける。 ├”少佐”の真意について考える。 └”死線の寝室”について情報を集める。またその為に《死線の蒼》と《欠陥製品》を探す。 4:もし途中で探し人を見つけたら保護、あるいは神社に誘導。 [備考] 清秋祭~クリスマスの間の何処かからの登場です(11巻~14巻の間)。 会場全域に“紅世の王”にも似た強大な“存在の力”の気配を感じています。 【水前寺邦博@イリヤの空、UFOの夏】 [状態]:健康だがフルボッコ、髪の毛ぐしゃぐしゃ [装備]:電気銃(1/2)@フルメタル・パニック!、救急車@現地調達(運転中) [道具]:デイパック、支給品一式、「悪いことは出来ない国」の眼鏡@キノの旅、 ママチャリ@現地調達、テレホンカード@現地調達、 [思考・状況] 基本:この状況から生還し、情報を新聞部に持ち帰る。 0:む? 1:接触してきた朝倉涼子達に対応する。 2:浅羽直之を探して保護し、ヴィルヘルミナらと合流する。 3:事態を打開する為の情報を探す。 ├「朝倉涼子」「人類最悪」の二人を探す。 ├街中などに何か仕掛けがないか気をつける。 ├”少佐”の真意について考える。 └”死線の寝室”について情報を集める。またその為に《死線の蒼》と《欠陥製品》を探す。 4:もし途中で探し人を見つけたら保護、あるいは神社に誘導。 [備考] 伊里野加奈に関連する全てからの忘却を免れました。「ほんとうのこと」を理解した結果です。 【島田美波@バカとテストと召喚獣】 [状態]:健康だがフルボッコ、鼻に擦り傷(絆創膏) [装備]:第四上級学校のジャージ@リリアとトレイズ、ヴィルヘルミナのリボン@現地調達 [道具]:デイパック、支給品一式、 フラッシュグレネード@現実、文月学園の制服@バカとテストと召喚獣(消火剤で汚れている) [思考・状況] 基本:みんなと協力して生き残る。 0:え? 1:状況を見守る。 2:人を探す。 ├親友の「姫路瑞希」をがんばって探す。 ├「川嶋亜美」を探しだし、高須竜児の最期の様子を伝え、感謝と謝罪をする。 └竜児の言葉を信じ、全員を救えるかもしれない「涼宮ハルヒ」を探す。 [備考] シャナからトーチについての説明を受けて、「忘れる」ということに不安を持っています。 伊里野加奈に関連する全てからの忘却を免れました。「ほんとうのこと」を理解した結果です。 【10】 「どうやら電話している間に偶然見つけることになっちゃったみたいだけど、こういうのってどういうのかしら?」 「さぁ、ただの幸運ではないですか」 「彼らにとっては?」 「これからしだいです」 師匠はパトカーを救急車の後方15メートルほどの距離まで近づけると、アクセルを弱めスピードを落とした。 「それで、私達はどうするの師匠?」 「交渉がうまくいっているのならこのまま事を推移させていいでしょう。時に情報は金よりも価値があります」 「了解。上手くやってみせるわ」 「警察署から逃げ出したキョンという人物から情報が伝わっているのだとすれば、網にかけられているのは我々です」 「なので決して油断はしないように――でしょ?」 姿を現したことに対してまだ電話の向こうからリアクションはない。向こうとしても対応を決めかねているらしい。 携帯電話で連絡を取り合っている以上、警察署での朝倉達の行動を見たキョンの情報が伝わっている可能性は十分ある。 とするならば、先程の待ち合わせという提案は罠だったのかもしれない。 「言っておきますが、いざという時はあなたも後ろで寝ている子も見捨てますからね」 「じゃあ私が師匠を見捨てても恨まないでよ」 「恨みはしますよ。理屈と感情は別の問題です」 「ほんと、有機生命体の思考って理不尽だわぁ……」 朝倉は携帯電話を持ちながら。師匠はハンドルを握りながら。そして何も事情を把握してない藤乃は眠りながら。 次の相手の一手を待つ。 【E-4/市街地(映画館より北)/一日目・夜】 【師匠@キノの旅】 [状態]:健康 [装備]:FN P90(35/50発)@現実、FN P90の予備弾倉(50/50x17)@現実 両儀式のナイフ@空の境界、ガソリン入りペットボトルx3、パトカー@現地調達(運転中) [道具]:デイパック、基本支給品、医療品、パトカーx3(-燃料x1)@現地調達 金の延棒x5本@現実、千両箱x5@現地調達、掛け軸@現地調達 [思考・状況] 基本:金目の物をありったけ集め、他の人間達を皆殺しにして生還する。 1:目の前の集団と接触。仲間の情報を引き出した後、始末か利用かする。 2:朝倉涼子を利用する。 3:浅上藤乃を同行させることを一応承認。ただし、必要なら処分も考える。よりよい武器が手に入ったら殺す? 【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]:疲労(中)、長門有希の情報を消化中 [装備]:携帯電話@現地調達 [道具]:デイパック×4、基本支給品×4(-水×1)、軍用サイドカー@現実 シズの刀@キノの旅、蓑念鬼の棒@甲賀忍法帖、人別帖@甲賀忍法帖、フライパン@現実、 ウエディングドレス@灼眼のシャナ、アキちゃんの隠し撮り写真@バカとテストと召喚獣、金の延棒x5本@現実 [思考・状況] 基本:涼宮ハルヒを生還させるべく行動する(?)。 1:坂井悠二と通話を継続し、直接接触できるように計らう。 2:長門有希の中にあった謎を解明する。 3:師匠を利用する。 └師匠に渡すSOS料に見合った何かを探す。 4:浅上藤乃を利用する。表向きは湊啓太の捜索に協力するが、利用価値がある内は見つからないほうが好ましい。 [備考] 登場時期は「涼宮ハルヒの憂鬱」内で長門有希により消滅させられた後。 銃器の知識や乗り物の運転スキル。施設の名前など消滅させられる以前に持っていなかった知識をもっているようです。 長門有希(消失)の情報に触れたため混乱しています。また、その情報の中に人類最悪の姿があったのを確認しています。 長門有希(消失)の保有していた情報から、ゲームに参加している60人の本名を引き出しました。 【浅上藤乃@空の境界】 [状態]:無痛症状態、腹部の痛み消失、睡眠中 [装備]:なし [道具]:なし [思考・状況] 基本:湊啓太への復讐を。 0:……むにゃむにゃ。 1:電話があればまた電話したい。 2:朝倉涼子と師匠の二人に協力し、湊啓太への復讐を果たす。 3:他の参加者から湊啓太の行方を聞き出す。 4:後のことは復讐を終えたそのときに。 [備考] 登場時期は 「痛覚残留」の途中、喫茶店で鮮花と別れたあたりからの参戦です。(最後の対決のほぼ2日前) 腹部の痛みは刺されたものによるのではなく病気(盲腸炎)のせいです。朝倉涼子の見立てでは、3日間は持ちません。 「歪曲」の力は痛みのある間しか使えず、不定期に無痛症の状態に戻ってしまいます。 湊啓太がこの会場内にいると確信しました。 そもそも参加者名簿を見ていないために他の参加者が誰なのか知りません。 警察署内で会場の地図を確認しました。ある程度の施設の配置を知りました。 【携帯電話@現地調達】 ピンク色をしていて、二つ折りタイプの携帯電話。 朝倉涼子がファミレスの中で放置されていたのを拾ったもので、普通に使用することができる。 ■ 【D-4/上空/一日目・夜】 【シャナ@灼眼のシャナ】 [状態]:疲労(小) [装備]:贄殿遮那@灼眼のシャナ、メリヒムのサーベル@灼眼のシャナ [道具]:デイパック、支給品一式、不明支給品x1-2、コンビニで入手したお菓子やメロンパン、 [思考・状況] 基本:悠二やヴィルヘルミナと協力してこの事件を解決する。 1:まずは神社に戻りヴィルヘルミナと合流する。 2:その後、一緒に天文台へと移動し、今後の対策を練ってからそれに沿って行動する。 3:百貨店にいると思われるフリアグネはいつか必ず討滅する。 投下順に読む 前:only my railgun (前編) 次:盤面の瀬戸際で 時系列順に読む 前:only my railgun (前編) 次:盤面の瀬戸際で 前:disappear/loss ヴィルヘルミナ・カルメル 次: 前:intermezzo――(間奏) 逢坂大河 次: 前:intermezzo――(間奏) 須藤晶穂 次: 前:intermezzo――(間奏) ステイル=マグヌス 次: 前:intermezzo――(間奏) シャナ 次: 前:intermezzo――(間奏) 坂井悠二 次: 前:intermezzo――(間奏) 島田美波 次: 前:Memories Off (上) 水前寺邦博 次: 前:「作戦会議」― IN Bennys ― 師匠 次: 前:「作戦会議」― IN Bennys ― 朝倉涼子 次: 前:「作戦会議」― IN Bennys ― 浅上藤乃 次:
https://w.atwiki.jp/masturbation/pages/68.html
あ
https://w.atwiki.jp/lightnovelcharacters/pages/95.html
故人席、と書かれた看板がひょっこりと――堂々と立っているのは何か違うだろうし、かといってしょぼくれた看板になっていても 困る気がするのでこのくらいの立ち方でいいのだろう――立っている席で、イールギットはぶつぶつと知人――黒髪おさげで白衣を纏うと いう明らかに奇怪な格好の男相手に愚痴をつづっていた。 友人というほど親しくはなかったが、それでも顔見知りと呼べる程度には知っている相手ではある。 「……あーのラッツベインとかいう女の子、いったい母親は誰なのかしらね」 話しかけている相手はなにやら図面を広げてせっせと筆を走らせるのに夢中になって――体育祭のゲスト席で図面を広げるおさげの白衣男と あれば相当に目立つのだが、当の本人はまったく気づいていないらしい――おり、聞いているのか聞いていないのかは正直判断しかねた。 が、この際かまわずイールギットは続ける。 「これであのヒステリー女が母親だったりした日には……なんていうか、化けて枕元に立ってやるわ、わたし」 それを聞いて――ヒステリー女、と聞いて反応したのだろう、ようやく白衣の男――コミクロンが筆を止めて 顔をこちらに向けてきた。 重々しく腕組みなどしながら、ひどく深刻そうな声をあげる。 「うむ……これで母親がティッシだったりした日には……」 コミクロンはそこでためらうように一度深呼吸し――想像するのも嫌らしかった―― 「迅速にキリランシェロに制裁を加えねばなるまいな。この最先端テクノロジーによって!」 ばん、と図面を叩く。 「……さっきから書いてるそれ、一体なんなの?」 「うむ。とある武器屋の親父から発注された品のための図面だ。確かユーマ・カスール・ナンブとか言ったかな? 子供に自分の武器を譲ってしまったので代わりが欲しいらしい」 そこでコミクロンは一度言葉を切ると、妙に誇らしげな態度で言ってきた。 「こいつはすごいぞ。異世界の技術の詰まった画期的発明品だ!」 「へえ。それ、どんな武器なの?」 「刀だ」 きっぱりと即答してくる。 「………………なんかすごく原始的な武器に聞こえるけど」 疑問に思って聞いてみるが、あまりコミクロンは気にしなかったようで返事はなかった。 と――そこで気配を感じてふと顔を上げる。 女子生徒がすたすたとこちらに歩み寄ってきたことに気づいた。 黒装束の自分たちと違い、普通の学生服を着た長髪の少女だが――あまり 平穏とは言えない様な、なんとなく危なげな微笑がなんとなく周囲に溶け込むのを拒否しているかのように見える。 「どう?それ、出来上がりそう?」 彼女はコミクロンのほうを向いてそんなことを言ってきた。顔見知りであるらしい。 この子は誰?と視線で促すと、コミクロンはやはり重々しげな仕草で答えてくる。 「うむ。我が科学の持つ偉大なる技術に感服した俺の助手その2だ」 「朝倉。朝倉涼子よ」 彼女はコミクロンのあまりといえばあまりな紹介にも――助手その1は誰なのか気に ならないでもないが、今は関係ないだろう――特に表情を変えず、淡々と自己紹介してきた。 「あなたがこれを?」 コミクロンがせっせと筆を走らせていた図面を示して、イールギットは尋ねてみる。 「そ。同じ雑誌に載ってるよしみってことで特別に拝借してきたの……150ガーベラの設計図よ」 微妙にわけのわからない内容を含んでいる言葉に眉をしかめる。が―― 「まあ、本人に了承はとってないけどね」 「それって盗難って言うんだと思うけど」 さらに聞き捨てならない台詞が飛び出し、イールギットはそちらについ反射的に指摘を入れる。 だがその朝倉という少女は気にした様子もなく、やはり危険そうな笑みを浮かべながらー― 「いいのよ、面白そうだから。『気にするな、ジャンク屋脅威のメカニズムだ』……ってところかしらね」 「そういうことだ。これでキリランシェロに科学の尊さを改めてその身に刻み込んでくれる!」 「……いや、わたしとしてはどっちかっていうとあの女のほうにやってほしいんだけどね」 意気揚々とした二人の前に、イールギットはそんなことを言うのがせいいっぱいだった。 CAST 魔術士オーフェン イールギット コミクロン 涼宮ハルヒシリーズ 朝倉涼子 スクラップドプリンセス ユーマ・カスール・ナンブ
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4242.html
君に入れ物を授けよう 命の形をした偽りの入れ物 与えよう、その手足を、瞳を、髪を 君は私の芸術… 元は君自身のもの。でも今は私のもの 君を縛る呪いは私にとって好都合だった。 一度は朽ちたその身、再び私が取り戻そう。 生を偽装したカラクリを 命を真似たヒトガタを さあ、もう一度その地に降りたて 愚かな感情に惑わせられる事も無く・・・ ソレハ流レル音ノヨウニ 【第一章】「始回転」 誰かが私を包んでいる 見えない、でもそれはとても冷たいもの 暗くて、狭くて、悲しい… 覚えている。そんな場所に私はいた 何も視えず、何も感じず、動けない 何時からこうしていたんだろう もう何十年、何百年、何千年…? 確かめるような指先で、誰かが私に触れた気がした そして目の前に光が広がる 冷たい光、そこに温かさは無く 私はただそれを見つめていた それからどれ程時間が経ったのだろう? 鉄のような、氷のような、酷く冷たくて恐ろしい声が私の耳元で囁く 『君に手足を授けよう、自分で動くことの出来る力を。授けよう、だがその呪い解かれる事は無い。そう、君は永遠に偽りを受け続けながら…』 「ハッ!!」 布団から飛び出すかのように私は目を覚ました。 最近決まって悪夢を良く見る 「はぁ…はぁ…」 本当に体験したことのあるような・・・でも絶対に味わいたくない、そんな夢。 「…大丈夫?」 でも平気。そんな私を心配してくれる優しいお姉さんもいてくれる 「大丈夫よ、有希おねえさん・・・」 「そう…それならいい…」 私には記憶が途切れ途切れにしか無い。 お母さんお父さんの記憶は一つも無くて、生まれた頃から今までの記憶がほとんどない 全部お姉さんから聞いた話。 覚えている記憶は、学校での日々のこと 転校して戻ってくる前の記憶。 私は転校した記憶さえ無くて、そこからここに戻ってきたまでの記憶もない 気がついたら布団で寝ていて、お姉さんと名乗る女の人がいて、その人から色々な話を聞いた それまでは、有希お姉さんがお姉さんだと言う事すら思い出せなかったんだもん 「…どうしたの?」 私が深く考え込んでいるみたいな顔をしていたのか、お姉さんはまた不安がっている 「なんでもないわ」 「さっき酷くうなされているように見えた…」 「そんなこと無いから・・・ね?」 「…そう」 これ以上お姉さんに迷惑を掛ける訳にもいかないし、ただでさえずっと私の事を気に掛けてくれているんだから… 「今日から北高に貴女は戻る事になる。用意は私がしておいた。これが制服でこれがカバン…」 「ありがとう有希お姉さん。それじゃ初日から遅れる訳にもいかないし、ご飯食べて先に行くね!」 トーストから飛びはねた食パンにバターをさっと塗って口に加え、そのままマンションを飛び出す みんな私の事覚えててくれてたかなあ?また仲良くしてくれるかな? 委員長はもう決まってて出来なさそうだけど~ なんて事を思ったりしながら少しわくわくしている自分が可愛い ごく最近まで通っていたようで、ずっと昔にここに来たような懐かしい坂道を登る。 私はそれを一歩ずつ噛み締めながら長い長いこの通学路を進んで行った その男は深い思念を持ちながら、しかし原因を解明出来ずにいた しかしそれは男ではない 男の形をしているが実際は宇宙すらもを統括する圧倒的な意思。 有機生命体の器を作り、自らの意思をその中に閉じ込め、地球に降下した。 偽りの意思を銀河の果てに置き去りにして・・・・ 「記憶障害、か…礎の記憶を絶たせるフェイズに移行する段階に於いて、断殺した呪いの一部が、知性プログラムに影響を及ぼしたとでも言うのか…? 何故思い出さない。今の御前は私の為だけに動く道化でしか無いと云うのに…」 最初は単なる惑星でしか無かった。 並んでいる物の中の一つ しかし今やそれは急速な進化を遂げ、超越せし者さえ生みだした その涼宮ハルヒと呼ばれる驚異を観測すべく作り出した幾つかの偽り それは真の命にして偽りの命 男は高層ビルの屋上から下界を見下ろしていた 下から聞こえる様々な且、異質な音。 生まれる筈の無かった進化の印にして驚異 男はやがて後ろに現れたもう一つの意思に気がつく だがそれは驚異の側。すなわち人間・・・ その人間は靴まで隠れる長く、黒いコートを着て、両手をポケットの中に閉まっている 顔さえも黒い布が覆っている。 首の肌色、髪一本すら見えない 全体を黒で覆い尽した不思議な人間 それはまるで宇宙そのものだった 『情報を統合する意思…』 その人間は口を開く 「…何者だ?」 人間は両手を広げ語りだす ポケットから出された手には、黒い手袋のついた、またしても人肌の見えない手 『二つの礎のリンクする先は夢想。夢想は朧げにはかない境地。可想界が齎す幻影・…繰り返される呪の連鎖…そして貴方は解き明かす事無くただ流れを悟るべく一人錯乱に溺れ喘ぎ【トキ】の前に平伏す…』 「興味深い言葉を奏でる…だが所詮貴様は人。いずれ超越した意思の前にその身を屈折す事になるだろう」 『その名、朝倉涼子。実名、朝倉涼子。その名、長門有希。実名…』 男の顔がみるみる内に引き攣る 「…!やめろ」 人間は黒い手を再びポケットにしまうと、もう話す事は無いといわんばかりに男に対して背を向ける 『…また会おう。起点たる意思、宇宙を統括する意思、よ』 男は不思議な感覚を捨てきれなかった 「待て、貴様名を言え。貴様は紛れもなく【人】だ。人には名が存在する筈。 私の名は…そうだな、人間界の物言い表しに於ける記号を用いるならば【情報統合思念体】とでも名乗っておこう」 音楽にして一小節分、時が流れる。 止まっていた人間は淡々と質問の答えを告げた 『我が名は【LEGENDARY】』 「LEGENDARY…だと」 『WAWAWA、WASUREMONO』 謎めいた言葉を残すと、その人間は何もない空間から異次元への扉を開き、軽い足取りで歩を進めた。 まるで自分がどこに辿り着くのか、結果を知り尽くしているか如く 「…奴は間違いなく人間だ。宇宙を統括する私の足元にも及ばぬ存在。だが何だ…?あの私より遙か先を見透かしているかのような眼は?奴が私より上を行くとでも言うのか?・…震えている?この造り物の有機生命体の器が何かを感じ取っているのか? どのみち朝倉涼子があの状態では、私自身が暫くこの地球に潜むしかあるまい…」 男はそう呟くと、再び高層ビルの屋上から、下界を見下ろすのであった ・【L『s』M】 第一章「始回転」2