約 30,346 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/1217.html
Report.14 長門有希の憂鬱 その3 ~涼宮ハルヒの追想~ 活動後の部室。ハルヒは独り佇んでいた。他の団員達は先に帰した。夕日に照らされ、オレンジ色に染まった部室。あの日と同じ風景。思い出す、あの日の出来事。 本棚に歩み寄る。ここは本来文芸部室。だから、本棚の蔵書数は北高の全部室中随一だろう。蔵書には、SFのハードカバーが目立つ。その多数の厚い本を読む人物は、今はこの部室にいない。 あの日起こった、不幸な心のすれ違い。ハルヒは忘れられない。自分が突き飛ばしたせいで、負傷して血を流す彼女の姿を。そして、その彼女を置き去りにして、逃げるようにその場を立ち去った自分の行動を。 彼女はいつも通りの無表情だった。自分はどんな顔をしていたのだろうか。 ハルヒは、自らの行動を悔いていた。そして、だからこそ、彼女に合わせる顔がないと思っていた。だから、翌日彼女が事情により学校に来ていないと聞いて、少し安堵した。時間が稼げたから。 しかしそれは間違いだった。時間が経つほど、考える時間が増えるほど、自らの行動が重くのしかかる。ますます彼女に会いにくくなる。考えれば考えるほど、会い辛い。 最近、部室での会話で、彼女について触れられることが多くなっていた。いくらハルヒが話題を変えても、いつの間にか話題は彼女のことに移っていた。特に、昨日の朝比奈みくるの発言は、決定的だった。 「はい、涼宮さん、お茶です。はい、長門さん……っと、長門さんはおらへんかった……うっかり用意してしもた~」 【はい、涼宮さん、お茶です。はい、長門さん……っと、長門さんはいないんだった……うっかり用意しちゃった~】 お茶を出し終えると、みくるはぽつりとハルヒに言った。 「あたし、みんなにお茶を淹れてるから分かるんですけど、一人おらへんだけで、すごく違和感ありますね……」 【あたし、みんなにお茶を淹れてるから分かるんですけど、一人いないだけで、すごく違和感ありますね……】 ハルヒは、自分の眉がつり上がるのを自覚した。 「なぁに、みくるちゃん? 何が言いたいん?」 【なぁに、みくるちゃん? 何が言いたいの?】 「ひっ!? い、いえ、ただ、寂しいなーって……」 それきり、ハルヒは黙りこくったので、みくるも自分の席に着いて、編み物を始めた。 窓辺の指定席は、今は無人。パイプ椅子は、畳んで立て掛けられている。いるべき人がいない風景。それはとても違和感がある風景だった。 ハルヒは知らない。ハルヒの力のせいで彼女が消滅したことを。彼女を取り戻すために、彼らが様々な工作を行っていることを。 彼らの工作は、じわじわとハルヒに効き始めていた。 「わたし達の工作は、どうやら効果を示しているようですね。」 喜緑江美里が口を開いた。 空間封鎖された生徒会室。ここは今、『長門有希消失緊急対策本部』となっている。 「僕らは部室での会話で、それとなく、しかし確実に、長門さんの話題に触れ続けとります。」 【僕らは部室での会話で、それとなく、しかし確実に、長門さんの話題に触れ続けています。】 古泉一樹が言った。彼は部室の会話で、長門有希の話題に誘導する役を務めている。 「俺は、どうも長門についてはハルヒにマークされてるみたいやから、あからさまにはできひんけど、みんなの話題には参加するようにしとぉ。あとは、そうやな……」 【俺は、どうも長門についてはハルヒにマークされてるみたいだから、あからさまにはできないけど、みんなの話題には参加するようにしてる。あとは、そうだな……】 「あんさんは、無意識に長門さんを視線で探してますから、それで十分でっせ。」 【あなたは、無意識に長門さんを視線で探していますから、それで十分ですよ。】 「……俺は、そんなつもりはないんやけどな。」 【……俺は、そんなつもりはないんだがな。】 キョンは一樹を睨む。 「おっと、これはこれは。その反応だけで十分ですわな、状況証拠は。」 【おっと、これはこれは。その反応だけで十分ですね、状況証拠は。】 一樹はいつもの如才ないスマイルで応じた。 「あたしは、昨日ちょっと積極的に頑張ってみました!」 「朝比奈さん、あれはGood Jobでしたよ。」 みくるの行動を賞賛するキョン。 「ええ、まったく。昨日のあなたの言動は、相当効いたようです。MVPは間違いなくあなたですね。」 江美里も同意する。 「昨日のあなたの言動がきっかけになって、今、涼宮さんは『寂しい』という状態になっています。」 それがどんな感情なのか、わたしは実感できないんですけどね、と江美里は付け加える。 「もう一押し……ってわけね。」 朝倉涼子は思案顔で呟く。 「今日早めに活動を切り上げた涼宮さんは、今は部室で独り、物思いに耽っています。」 江美里は、涼子に向かって言った。 「さて。お膳立ては整いました。あとは長門さんの代理……あなたの仕事ですね。」 「そう……やね。そろそろ……行けるかな?」 【そう……よね。そろそろ……行けるかな?】 「『機は熟した』と思いますわ。『鉄は熱いうちに打て』っちゅう言葉もありまっせ。」 【『機は熟した』と思いますね。『鉄は熱いうちに打て』という言葉もありますよ。】 一樹も賛同する。 「うん、そうやね。ほな、ちょっと行ってくるわ。」 【うん、そうよね。じゃあ、ちょっと行ってくるわ。】 涼子は、部室へと向かった。 部室の本棚の本を手に取るハルヒ。そのまま窓辺に行くと、立て掛けてあるパイプ椅子を広げて座った。あの日から学校に来なくなってしまった彼女のように、無言で窓辺に座るハルヒ。そうすることで、彼女を追想するように。 思い出す、彼女と過ごした日々。 最初は、まるで部室の付属物のように存在感のない娘だった。 それが、共に過ごすうち、だんだん彼女を見る目が変わっていく。彼女は万能だった。何でもそつなくこなせた。 決定的だったのは、一年生時の文化祭。 メンバーの病気や怪我で出演ができなくなった、先輩女子のバンド。見かねたハルヒは、彼女を誘って急遽メンバー入りし、舞台に立った。そこで彼女は、驚くべきギターの腕前を披露した。ハルヒの歌声とともに、彼女の情熱的なギタープレイは、その場にいた誰もを魅了した。それは、他ならぬ、共に舞台に立ったハルヒ達も同様に。 体育祭では、ハルヒに負けず劣らずの素晴らしい身体能力を見せつけた。特にアンカーを務めたクラス対抗リレーでは、最下位でバトンを受け取ると、表情を変えずに見る見る走者を追い抜き、ハルヒがアンカーを務める1年5組に次ぐ、二位にまで持ち込んだ。無表情ながら鉢巻きをたなびかせて疾走し、見る見る順位を上げていく小柄な体操服姿に、彼女の隠れファンが急増した。 バレンタインデーの時は、料理の腕前も見事だった。徹夜で賑やかにチョコレートケーキを作る、ハルヒとみくる。彼女はそんな二人を静かに、そしてこれ以上ないほど的確にサポートした。何と彼女は、温度計もなしに、チョコレートのテンパリング(温度調節)をやってのけた。さらには、まかない料理も作ってくれた。チョコレートケーキ製作中は、匂いが移ったり味が分からなくなったりしないよう、薄味の惣菜と、ほかほかご飯に吸い物。プレゼントを山に埋めて帰ってきたら、胃腸に負担を掛けずに冷えた身体を温める、手作り出汁の香り高いうどん。 阪中家での『陽猫病』事件では、その博識ぶりで、見事に事件を解決した。いつも大量に本を読んでいるが、それが実際に役に立つのだから大したものだとハルヒは思った。彼女は阪中家の恩人として盛大な歓待を受け、ハルヒはそれを我がことのように喜んだ。 共に過ごした一年の間に、ハルヒは彼女を『SOS団随一の万能選手』と捉えるようになっていた。 そんな二人の関係に転機が訪れる。先日の、ハルヒの捕り物劇に端を発する、一連の騒動。 ハルヒは精神的に追い詰められていた。そんなハルヒを救ったのが、彼女だった。彼女は、ハルヒの行動の意図を理解し、危険を冒してハルヒに会いに来てくれた。苦しさに押し潰されそうだったハルヒの慟哭を受け止め、優しくそばに寄り添ってくれた。 一緒に帰るために『男装』を提案するなど、意外な一面も見せてくれた。彼女の部屋に招待し、泊まって行くことを勧めるなど、積極的な面も持っていた。そしてその夜、二人は結ばれた。性別の垣根を越えて、肉体的にも精神的にも、二人は繋がった。 次の日には、彼女を通じて彼女の友人に問題を解決してもらった。彼女の人脈には驚かされた。その日はそのままデートにも行った。朝の目覚めの時と同様、彼女の素顔、生の言動に心を揺さぶられた。 彼女と朝倉涼子のそっくりさんに遭遇したこともあった。 その時は彼女も一緒にいた。彼女のそっくりさんは、彼女とは性格が全く違っていた。声も違っていた。しかし、実は彼女もそっくりさんも、お互いの声を真似ることができた。彼女がそっくりさんの声を、いつもの無表情で真似したときは、正直、絶句した。あまりにもシュールでユニークだったから。 彼女との思い出は、どれも大切な、掛け替えのないもの。記憶の中の彼女は、大半が無口で無表情だったが、それでも輝いていた。 そして、つい先日の、あの出来事。 彼女に、自分の恥ずかしい物を目撃されてしまった事件。ハルヒは激しく動揺し、とんでもないことをしでかした。しかし、そのことで実感したこともあった。ハルヒは彼女を…… ハルヒは、知らず、涙を流していた。自分の中で、こんなにも彼女の存在が大きくなっていたのか。 「会いたい……会いたいよぅ……何で、あんなことになってしもたん……有希……早(はよ)……会いたい……謝りたい……何で、謝らしてもくれへんの……? 何で、何で……」 【会いたい……会いたいよぅ……何で、あんなことになってしまったの……有希……早く……会いたい……謝りたい……何で、謝らしてもくれなにの……? 何で、何で……】 言葉にならない思い。言語化できなかった分は、涙と嗚咽になって溢れ出す。 「ゆ、ゆき、有希……有希ぃ――――! うわあああぁぁぁ……!!」 以前にも声を上げて泣いたことがある。その時は彼女が、優しくハルヒの頭を抱いて、ハルヒの慟哭を受け止めてくれた。 でも今は――誰もいない。 「悩み事?」 その時、声が掛けられた。 「うっ、ぐすっ……朝倉?」 涙を拭いながら、部室の入り口を見るハルヒ。 「何よ、人が泣いてんのが、そんなにおかしい? 悪趣味やな。用がないんやったら放(ほ)っといてくれる?」 【何よ、人が泣いてんのが、そんなにおかしい? 悪趣味ね。用がないんだったら放(ほ)っといてくれる?】 涼子は、部室に入ると、扉を閉めた。 「ご挨拶やなあ。わたしは、女の子が泣いてるのが放(ほ)っとかれへんかっただけ。」 【ご挨拶だなあ。わたしは、女の子が泣いてるのが放(ほ)っとけなかっただけ。】 ゆっくりとハルヒに近付く涼子。 「何? 慰めの言葉やったら、要らへんで。」 【何? 慰めの言葉だったら、要らないわ。】 涼子を睨み付けるハルヒ。しかし涙に濡れたその目は真っ赤に充血しているので、迫力に欠ける。 「慰め違(ちゃ)うけど、何て言うのかな……うん、独り言!」 【慰めじゃないけど、何て言うのかな……うん、独り言!】 涼子は微笑を湛えたままで言う。 「そこまで涼宮さんに思われる長門さんも幸せやね。」 【そこまで涼宮さんに思われる長門さんも幸せよね。】 「…………」 「……大丈夫。あなたが願えば、きっとすぐに会える。」 「……根拠は?」 「な~んにも。」 ハルヒは大きく溜め息をついた。 「何よ、それ……」 「言(ゆ)うたやん? 独り言って。」 【言ったじゃない? 独り言って。】 涼子は、指を組みながら言った。 「でも、わたしは、『信じる』ことって、結構重要やと思うな。成功のイメージを信じて行動すれば、上手くいく時があると思わへん? 逆に、悪い方にばっかり考えが行く時って、何やっても上手くいかへん時もあるし。悪い方に考えて気持ちが沈んで、結局上手くいかへんのと、良い方に考えて気持ちが盛り上がって、結局上手くいくのとやったら、わたしやったら、上手くいく方を選ぶな。」 【でも、わたしは、『信じる』ことって、結構重要だと思うな。成功のイメージを信じて行動すれば、上手くいく時があると思わない? 逆に、悪い方にばっかり考えが行く時って、何やっても上手くいかない時もあるし。悪い方に考えて気持ちが沈んで、結局上手くいかないのと、良い方に考えて気持ちが盛り上がって、結局上手くいくのとだったら、わたしだったら、上手くいく方を選ぶな。】 「『信じる』……」 「長門さんとまた会えることを信じればええん違(ちゃ)うかな。きっと長門さんも、涼宮さんに会いたがってると思うわ。」 【長門さんとまた会えることを信じれば良いんじゃないかな。きっと長門さんも、涼宮さんに会いたがってると思うわ。】 涼子は言葉巧みにハルヒを誘導していく。涼子は優秀だった。 「結局、朝倉は、どうするつもりなんやろな?」 【結局、朝倉は、どうするつもりなんだろうな?】 キョンが口を開いた。緊急対策本部では会議が続いていた。 「人間の『感情』というものは、わたしにはよく分からないので、何とも言えませんが。」 江美里は答えた。 「その、朝倉さんって、喜緑さんや長門さんと同じ、その……『端末』、なんですよね。」 みくるは言った。 「ということは、こんな言い方は失礼やと思うんですけど……みんな、人間の『感情』はよう分からへんのですよね?」 【ということは、こんな言い方は失礼だと思うんですけど……みんな、人間の『感情』はよく分からないんですよね?】 「その質問の答えは、」 江美里が答える。みくるが息を呑む。 「禁則事項です。」 盛大に椅子からずり落ちるみくる。 「というのは冗談ですが、基本的にそう考えていただいて差し支えありません。」 (TFEI端末って、実は意外と冗談好きなんか……!?) 《TFEI端末って、実は意外と冗談好きなのか……!?》 と、キョンは思った。 「ただし、例外もあります。例えば長門さんについては、キョンくんはよくご存知ですよね?」 「え? あ、ああ……長門は、顔には出さへんけど表情に表れへんだけで、無感情なんやなくて実はかなり感情豊かです。長く一緒におったら、だんだん分かるようになってきました。」 【え? あ、ああ……長門は、顔には出さないけど表情に表れないだけで、無感情なんじゃなくて実はかなり感情豊かです。長く一緒にいたら、だんだん分かるようになってきました。】 そうですね、と江美里は続ける。 「そして長門さんは、様々な体験をして、暴走したこともありました。そう、あの冬の世界改変事件です。と言っても、お二人さんには、実感はないでしょうけれど。」 江美里はSOS団員達を見回して続ける。 「暴走の原因は、現在も検証中なのではっきりとしたことは言えませんが、長門さんに、人間で言うところの『感情』に相当するものが発生したのが一因ではないか、というのが大勢の見解です。」 「ははあ。すると、あれでっか。長門さんは、感情が生まれ、育っていったものの、本質的には理解でけへんもんやから、だんだんとその感情を『持て余した』っちゅうわけでっか。」 【ははあ。すると、こういうことですか。長門さんは、感情が生まれ、育っていったものの、本質的には理解でないものだから、だんだんとその感情を『持て余した』、と。】 一樹がしたり顔で解説する。 「『感情』がどのようなもので、それがどのように作用したかについては見解が分かれていますが、とにかく、『感情』のようなものが関係しているのではないか、という点では概ね一致しています。」 江美里は、これは私見ですが、と前置きして続けた。 「同様に、朝倉涼子が独断専行し、キョンくんを殺害しようとした件も、やはり『感情』が何か関係しているのではないかと、わたしは考えています。」 「そういえば、朝倉はあの時、何も変化せぇへん観察対象に飽き飽きしてるって言(ゆ)うてたな……」 【そういえば、朝倉はあの時、何も変化しない観察対象に飽き飽きしてるって言ってたな……】 キョンは、当時を思い出しながら言った。朝倉涼子本人の謝罪を受けたことで、多少は『彼』の精神的外傷も緩和されたものと思われる。少なくとも、冷静に当時を振り返ることができるくらいには回復していた。 「本来わたし達は、『飽きる』ということはありません。そのようには作られていないのです。飽きてしまうようでは、観測ができませんからね。でも、朝倉涼子は、観測に飽きた。そして、独断であのような凶行に及んだ。暴走としか言いようがありません。『未熟な感情の暴走』。これが、二人が起こした事件を定義する言葉ではないかと考えています。」 「えっと、それじゃ……今の朝倉さんは、未熟ながらも感情を持っている、ってことですか?」 みくるが問う。 「それが本当に『感情』かどうかは分かりませんが、少なくともわたしよりは、朝倉涼子の方がよく人間の感情を理解して、より適した行動を取れると思います。」 「でも、それじゃ、その、また感情に流されて……」 恐る恐るみくるは問うた。江美里が答える。 「朝倉涼子は、人間で言えば二度死にました。そして二度生き返りました。『感情』を持つ『生命体』が、『臨死』又は『転生』を経験した。それが思考や行動に大きな影響を与えるだろうことは、想像に難くありません。これまでの彼女の言動から推察するに、もう以前のように暴走する可能性はないと言えるでしょう。」 「随分、朝倉を信用してるんですね。」 キョンの問い掛けに、江美里はやや思案するような表情で答えた。 「信用……ですか。」 江美里は窓があると思しき辺りに視線を巡らせながら言った。 「我々端末同士の関係は、人間のそれとは少し違いますが、そうですね。人間の関係に例えて言うなら、確かに『信用』という言葉が近いかもしれません。」 江美里はキョンに視線を戻して続けた。 「キョンくん。あなたは、長門さんを『信用』していますか?」 「もちろんです。全幅の信頼を寄せてると断言できます。はっきり言って、俺は自分よりも長門の方を信用してるかもしれません。」 キョンは即答した。 「それなら、今の朝倉さんも信用してもらえませんか? もちろん、そう簡単には考え方を変えられるものではないということは、情報としては知っています。でも……」 江美里は、ふっ、と表情を緩ませて言った。 「何と言っても、今の朝倉さんは、その長門さんのバックアップ、代理なんです。彼女が長門さんの代わりを務められるのは、単に能力が同程度だからというだけではなくて、あなた達と関係が深くて、かつ、あなた達の行動を同程度には理解しているからなんですよ。今の彼女は……長門さんそのものだと思ってもらって差し支えありません。もちろん、元々の性格付けの設定が違うので、例えば無言で本を読んでいる朝倉さん、という姿を見ることはないでしょうが、『涼宮ハルヒとその周囲の観測及び保全』という任務に関しては、長門さんと全く同じ行動原理に制御されています。」 「せやから、彼女を信用せぇ、っちゅうことを言いたいわけでっか。」 【だから、彼女を信用しろ、と仰りたいわけですか。】 一樹が口を挟む。 「信用しろ、とはおこがましくて、とても言えません。わたしに言えるのは……」 ここで江美里は立ち上がった。 「どうか、彼女を、朝倉涼子を信じてやってください。お願いします。」 こう言って江美里は、深く頭を下げた。 「えっ、わっ、わっ、そ、そんな、頭を上げてください! あ、あたしが変なこと言(ゆ)うてしもたから……」 【えっ、わっ、わっ、そ、そんな、頭を上げてください! あ、あたしが変なこと言っちゃったから……】 みくるが慌てて立ち上がり、江美里に声を掛ける。 「……朝倉は、長門が元に戻れば自分が用無しになるって分かってて、それでも長門のために動くって言いました。」 キョンは江美里をしっかりと見つめていた。 「俺らを守るって言(ゆ)うた長門の言葉を信じるように、俺は朝倉の言葉も信じようと思います。」 【俺らを守るって言った長門の言葉を信じるように、俺は朝倉の言葉も信じようと思います。】 「……ありがとうございます。」 江美里は、柔らかい表情で謝辞を述べた。 彼らが様々な工作を行う一方で、彼らの意思とは関係ない部分でも世界は動いていた。長門有希が消失したことで、涼宮ハルヒの周辺を取り巻く勢力の版図が変化していた。 その中の一つ、情報統合思念体の内部でも、大きな変動が起きていた。かつてキョンを殺害しようとした急進派からは、更に先鋭化した『過激派』が派生していた。 過激派とは、観測対象である涼宮ハルヒ自身に直接刺激を与え、その反応を観測しようとする集団。早い話が、涼宮ハルヒに危害を加えようとする一派のこと。急進派は、その勢力を大きく減じていた。 攻撃か、静観か。派閥内の者には、二者択一が迫られた。朝倉涼子は、長門有希のバックアップを務める事で、自動的に主流派に取り込まれることとなった。 かつての同志が敵となり、かつての仇敵が友軍となる。情報統合思念体の内部は、今や群雄割拠の相を呈していた。 そんな過激派の一部が、長門有希不在を好機と見て、涼宮ハルヒへの攻撃を企図していた。 情報統合思念体内部の意思は不統一。彼らの行動を止める者は誰もいなかった。 彼らの手が涼宮ハルヒ達に近付いていた。 『その時』が迫っていた。 ←Report.13|目次|Report.15→
https://w.atwiki.jp/ln_alter2/pages/155.html
ユケムリトラベル(下) 人類五名温泉宿の旅 ◆LxH6hCs9JU (ユケムリトラベル(上) 人類五名温泉宿の旅より) 姫路瑞希、朝倉涼子、北村祐作の三人が入浴に向かった頃、怪我人の筑摩小四郎は一人、客間で待機していた。 相変わらず壁に背をやり、肩には鷹を止まらせ、そして手には北村から譲り受けた巻物が握られている。 この巻物は、ただの巻物ではない。 服部家が定めし伊賀と甲賀の『不戦の約定』……それが解かれたことを意味する、忍法殺戮合戦の象徴であるのだ! 実際にその目で確かめること叶わぬが、北村が読み上げた文面は正しく、 伊賀と甲賀の国境、土岐峠のうえで薬師寺天膳が読んだものと同じであった。 そう、同じであったのだ……不足がない、という意味では。 小四郎が頭を悩ませているのはまさにそこ、あそこで確認したときにはなかった、追記が為されていたのである。 つまり、伊賀組十人衆と甲賀組十人衆の計二十名が死に、最後に朧が伊賀の勝ちを綴った――と。 (解せぬ……いつぞやじゃ、いつぞやおれは死んだ? おれはこうして生きておる……朧さまや天膳さまとて、生きておる) ここに連れて来られる以前の記憶を辿る。 池鯉鮒の東にある駒場野の原野で、小四郎は主、薬師寺天膳とはぐれてしまった。 盲の身ながらに主の姿を探しさ迷い歩き、気づけば斯様な事態に巻き込まれ、姫路と出会った。 その間に、決着がついたのだろうか。 一人はぐれとなった小四郎は死んだと見なされ、何者かが己の名を血で消したのか。 (ありえん。天膳さまとはぐれてからまだ半日も経っておらぬ。その間に決着など、ありえようはずがない!) そもそも、朧や天膳、敵方の甲賀弦之介とて、小四郎と同じくここに連れ去られたはずなのだ。 この事実から読み取るに、やはり手元の秘巻に記されているのは偽りの死亡と戦勝報告。 長らく続く伊賀と甲賀の因縁、その終止符となるであろう戦が穢されるとは、腹ただしいにもほどがある。 (しかこれは事……このままでは、朱絹どのお一人で室賀豹馬や如月左衛門、陽炎を相手にせねばならなくなる) 同時に、このまま見知らぬ土地で燻っていては、この秘巻のとおり四名が死んだと取られる可能性もある。 もとより、即刻戻らねば伊賀と甲賀の一対三。一人残してきた同胞、朱絹の安否が気にかかるというものだ。 汗が溜まり気持ち悪いという女の心はわかる。しかし己は忍者也。 盲とはいえ休んでばかりもいられない。忍者だからこそ、主と怨敵は足で探し出す。 小四郎の具足が畳を強く踏みしめ、ゆらりと長躯を持ち上げたと同時に、突然鷹が騒ぐ。 肩から飛び立ち、甲高い鳴き声とはばたきの音。 何事かと小四郎は訝る。二つの音はすぐにやんだ。 代わりに、鷹が畳みに落ちる音が聞こえた。 鼻は、血の臭いを嗅ぎつけた。それも、鳥の血だ。 ああ、なんということか……お幻の鷹が死によった! 唐突な別れに小四郎は感慨を得る間もなく、鷹が死んだ要因を気配に捉えた。 人だ。人が立っている。 小四郎の眼前、十数歩ほど先。障子戸の前に、何者かの気配が感じ取れる。 「誰か。姫路どのか、北村どのか、朝倉どのか」 気配だけではその正体までは掴めず、声で判断しようにも相手は問いかけに答えない。 しかし、既に鷹は死んでいるのだ。 鷹はなぜ死んだのか。突然死の原因もまた、眼前の者が知っているに違いない。 「答え申されよ。誰か――」 より強く問う、小四郎の総身に震えが走った。 デジャヴ――既視感のある殺気が、眼前の人と思える方から放たれたのだ。 すかさず身構え、鎌がなかったことに一瞬だけ躊躇するも、蓑念鬼愛用の棒を振り翳す。 「まさか、甲賀弦之介かっ」 あの日、鍔隠れの里で相対した際、体に覚え込まされた嫌な空気。 その鋭い眼光から放たれる、魔のごとき殺意は目を離すこと不可能にさせた。 結果、小四郎の顔面は拉げ、目が使い物にならなくなった。 今、眼前から放たれる底なしの殺気はまさしく――甲賀卍谷衆が首魁、甲賀弦之介のものとしか思えないのであった。 なればこそ、今この場で逆襲を果たす好機也! 小四郎はあれ以来目が見えない。見えないということは、つまり弦之介が誇る瞳術も通じないということである。 あのときは目をそらせなかったばかりに負けた。しかし今度は見ろと言われようが見えぬ状況。望むべき再戦。勝てる。 ――――ひゅる。 風が鳴いた。小四郎のみ気づけた。 伊賀一党、弦之介を討てる見込みがある者がいるとすればただ一人。この筑摩小四郎である。 小四郎の忍法は必殺必中。如何な忍者といえども、間合いに踏み込みさえすれば死は免れない。 それが恐るべき瞳術を秘めた忍者、甲賀弦之介であったとしても。 瞳術の要たる目が、小四郎の瞳に映らないともなればなおのこと。 (来い! 朧さまに代わり、今この場でおまえを討つ) 弦之介が障子戸の前から一歩、また一歩と、客間の中へ踏み込む。 足音は壁際に立つ小四郎のもとへ、一直線に進み寄ってくる。 小四郎と弦之介の間に、見えぬ凶器が形成される。 虚空に生まれしは小旋風。その小旋風の中心に、わずか真空が生じている。 姿形を成すとすればそれは小さな、しかし真空に触れたが最後、犠牲者は鎌いたちに襲われるがごとく内部から弾けだす。 これこそが、筑摩小四郎の妖術とも言うべき忍法。 強烈な吸息により、虚空に小旋風を生み出す技也。 警戒すべきは、吐き出しではなく吸い込み――しかし誰がそれを警戒などできようか。 小四郎の忍法はいわば呼吸。封じる策など、呼吸を止めさせる以外にありはしない。 そして呼吸を止めさせることなど、口元を痰で覆いでもしない限り不可能なのだ。 風待将監ならいざ知らず、瞳術以外に奇異な忍法を持たぬ弦之介では、不可避は必定。 一歩、また一歩と、弦之介が歩み寄る。 小四郎は棒を構えながら待った。息を吸いながらに待った。小旋風を作りながら待った。 やがて、ぱっと空気がはためいた。 肉柘榴の出来上がる音が、豪快に聞こえてきた。 どしり、と重みのあるものが、眼前で倒れた音も聞こえた。 (手応えは、あった。音も、あった。殺気も……消えた) 戦いが決しても、小四郎に惨状を見やることはできない。 弦之介は今やどんな変わり果てた姿となっているのか。 爆ぜた肉の色は、飛び出した眼球の行方は、刻まれた神経のほつれは、確認が取れないでいる。 しかしこれだけはわかる。手応えと倒れた音と失せた殺気が証明している。歓喜に身が震えた。 怨敵は今や、物言わぬ躯へと変わり果てた! 「甲賀弦之介、討ち取った――」 次の瞬間、小四郎の意識はどこぞへと飛び、その命も潰えた。 ◇ ◇ ◇ 「いやぁ、実にいいお湯だった。これで二度目だが!」 男湯の脱衣所、備え付けの浴衣に身を包んだ湯上りの北村祐作がいた。 左手を腰に当て、右手には瓶のコーヒー牛乳を掴み、天を仰ぐようにしてぐいっと一気飲みする。 願望としてはこのままマッサージチェアに雪崩れ込みたくもあったが、さすがにそれは自重しておこう。 北村がここで湯に浸かるのは、今回で二度目になる。 一度目は上条当麻との接触の際。北村は初対面の相手を前にしても物怖じせず、平然と入浴を楽しんでいた。 そして今回、朝倉涼子の申し出により再び入浴の時間を設けることになり、せっかくだからと二度目の入浴にしゃれ込んだのだった。 それはなにも、彼が無類の風呂好きだからというわけではない。 焦っても事は無し。こんなときだからこそ、平常心を保ち体力を温存させる必要がある。 クラス委員長兼生徒会副会長の役職に就く彼は、物事を冷静に捉えられる視点に立とうと務めたのだ。 北村が尊敬してやまない生徒会長――狩野すみれなら、そうやって皆を導く側に立つはずだから、と。 (三日間の猶予、か……我ながら楽観した考えだよな) 朝倉と姫路、いや上条や千鳥の前でとて、北村は弱気を秘めることに必死になっていた。 先ほどの話し合いで自らが提示した論も、嘘ではないにしてもいろいろと不安が内包されている。 七十二時間が経過すれば全員が死ぬ運命、しかしそれまでは誰が誰と争う必要もない。 本心でこそそう思ってはいるが、他の五十九人すべて同じ価値観を持っているとは限らないのだ。 中には、他人の死など歯牙にもかけない者とているだろう。 中には、他のすべてを犠牲にしてでも生き延びようとする輩もいるだろう。 中には、自分すら含めた五十九人を殺害してまで守りたい女がいる男だっているだろう。 北村がほのかな恋心を抱く相手、狩野すみれに対しそこまでできるかといえば、答えは否だ。 まだまだ先の長い生涯、もちろん死にたくなどないし、高須竜児や逢坂大河といった友人たちを犠牲にする気にもなれない。 そもそもここに狩野すみれがいるかどうかとて不明瞭だ。 いるかどうかもわからない人物を探し回るよりは、地道な人集めに徹したほうが効率的である。 (会長がここにいるなら、きっと俺と同じように、もしくは俺よりも上手いやり方で人を集める。 逢坂たちだって黙っちゃいないだろうが……高須あたりは例のごとく、初対面の人間に誤解されてそうだな) 見た目恐々とした三白眼の友人を思い描きつつ、北村は空になった瓶をその場に置き捨てる。 脱衣所を出て、小四郎が待っている客間へと向かった。おそらく女子二人はまだ入浴中だろう。 (あの人は俺なんかに守られるほど弱くはない。亜美や櫛枝も、怒らせるとなにをしでかすかだ) しんとした廊下をスリッパで歩む。窓の外からは、かすかに朝焼けが差し込んできていた。 (一人でできることは少ない。だけど一人一人が協力し合えばなんとかなるさ……そうだろみんな) やっぱり楽観してるかなぁ、などと声に漏らしている内、北村の身は客間の手前まで来た。 引き戸に手をかけようとして、ふと止める。中から話し声が聞こえてきたのだ。 「だから言ったでしょう。他の二人はともかく、この男だけは違う、と」 「私には予想もできなかったなぁ。だって有機生命体の呼吸器官じゃとても無理な芸当よ」 「素性は知れませんが、只者ではないというのが一見してわかりました。まあ、それも既に死人です」 「そうね。さすがに首を裂かれて生きているなんてこともないでしょうし……念のために、もいでおこうかしら?」 声色は女性、それが二組。 一人は朝倉のもので、もう一人は姫路のものではない。 どこか大人びた、聞き覚えのある声は……朝倉と一緒にいた“師匠”という人のものだろうか。 (風呂に入っている間に戻ってきたのか? それにしても、首がどうとか……) 考えながら、北村は障子戸を引いた。 客間の光景が視界に飛び込んでくる。 朝倉涼子と師匠はそこに立っていて、北村のほうへと振り返った。 朝倉は湯上りなのか、服装がセーラー服から浴衣に変わっている。 朝倉の右手には刀が握られており、足下に目をやれば――凄惨極まりない血の海が広がっていた。 「……っ」 北村が息を呑む。戸を開けるべきではなかった、と今さらの後悔に苛まれる。 惨状を目の当たりにして、嘔吐の波も押し寄せてきた。今はまだ、と懸命に我慢する。 事実を言葉にして問うのは躊躇われた、それでも口にしないわけにはいかなかった。 「朝、倉……っ、なんなんだ、これは!」 絞り上げるように叫ぶ、北村の表情からは余裕が消えていた。 朝倉はにこやかに、北村の絶叫とも言える質問を受け取る。 「あのね、北村くん。あなた――」 「刀を貸しなさい」 朝倉が答えようとした寸前、横に立つポニーテールの女性が、右手の刀を奪い取った。 その女性、師匠は自分の手に刀を握り直し、先端を北村に向け、 「あ――?」 腹を刺した。 血が逆流する。口内に血の味が充溢する。口から血が零れる。腹にも血が滲む。目でも血を見た。出血で倒れ込む。 脳はスプーンで抉られたのかと錯覚するほどに機能を失い、揺らぐ視界で狂気に淀む二人の殺人者を捉えた。 血に混じった畳の匂いが、うつ伏せになった北村の鼻にかかる。 視点が低くなって、その惨状はより鮮明に頭の中に入ってきた。 (筑摩に……姫路……っ) 死体が二つ、転がっている。 黒い装束の男と、裸の女と思える死体が、二つ。 男のほうは服装からして筑摩小四郎に違いなく、喉には鮮血の華が咲いていた。 女のほうは顔が潰されており何者かわからなかったが、消去法でいって姫路瑞希に間違いなかった。 それ以外にも、鷹の死骸が転がっていた。一羽と二人、北村も入れて三人、仲良く血の海を泳いでいる。 「まだお話中だったんだけど」 「これ以上、あなたの回りくどいやり方に付き合うのは御免です」 「だからって、すぐに殺しちゃうのはどうかと思うわ」 「必要な情報は引き出せたのでしょう。“試験”も終わりました。生かす価値は皆無です」 「もう。本当にシビアなんだから」 この二人は、いったいなにを和やかに談笑などしているのだろう。 北村にはわからなかった。自分がなぜ刺されたのか、姫路と筑摩がなぜ殺されたのか。 朝倉と師匠は、なぜ人を殺すのか。それだけが知りたかった。 なのに。 もはや言葉を口にする力も残っていなかった。 たかが腹を刺されただけだというのに、いや腹を刺された経験などないが。 それとも、胸だったのだろうか。刺されたのは心臓か、肋骨に阻まれたりはしなかったのか。 どうにも瑣末なことばかり考えてしまう。死の間際だというのに、走馬灯すら見ることができない。 (なんか……想像してたのと違う、なっ) 案外、苦しくはなかった。痛みを実感するよりも先に、死が駆け抜けたのかもしれない。 師匠の殺し方は実に的確だったと言えよう。北村は感慨を得る間もなく、黄泉路へと旅立った。 ◇ ◇ ◇ 「それで、点数は?」 「そうですね……一点といったところでしょう」 「それは何点中?」 「十点中、一点です」 「採点の仕方を詳しく訊きたいのだけれど」 すべての騒動が一段落した後、制服に着替えた朝倉と、服装変わらぬ師匠の身は、温泉の外にあった。 「まず、あなたが自ら作戦を考案し提案してみたところで加点一。 北村祐作、姫路瑞希、筑摩小四郎の三人に気取られることなく輪に溶け込んで見せたところで加点三。 姫路瑞希を誘い出し、殺害を滞りなく済ませたところで加点六。この時点であなたの点数は十点です」 ふむふむ、と頷きながら朝倉は小型乗用車の運転席に乗り込む。 師匠は相変わらずの図々しさで助手席へと乗り込んだ。 「知恵を絞って見せたのは評価に値しますが、やり方が回りくどく、時間をかけた割には収穫が少ない。よって減点二。 筑摩小四郎の力に気づかず、私から忠告を受けたことで減点一。実際に私が止めなければ死んでいたでしょうから減点五。 殺害が露見した後、北村祐作の殺害にさらに時間をかけようとしたところで減点一。この時点であなたの点数は一点です」 ハンドルを握ろうとしたところで終了した採点に、朝倉は異を唱えた。 「それ、減点が厳しすぎないかしら?」 「実際に死に掛けたのですから、本来は減点どころの話ではありません。そもそも」 「あー……わかったわ。なんだか長いお説教をくらいそうだから、一点で我慢する」 朝倉は渋々といった様子で、師匠の評価を受け入れた。 温泉での“試験”は――朝倉にとっては“実験”とも言える過程は、終了したのである。 朝倉と師匠が温泉を目指し車を走らせていた頃のことだ。 目的地を目前にしたところで、北村祐作という少年に呼び止められた。 師匠の目的は皆殺しであり、朝倉の目的は涼宮ハルヒの保護だ。 自分たちや涼宮ハルヒを害する可能性のある人間は、すべからく殺害の対象となる。 なので師匠は、出会いがしらに北村を殺そうとした。しかし、朝倉がそれを制したのだ。 理由はこうだ――『ちょっと試してみたいの』。 (単細胞と捉えていましたが、向上心はあるようですね。まるで生まれたての赤子……心は、の話ですが) 朝倉涼子は外見に釣り合わぬ異常な運動神経と怪力、そして椅子を槍へと作り変えた、あの異能を持っている。 ただし戦闘経験に乏しく、仲間ではなく“武器”として使いどころを見極める必要があるとも思っていた。 それが彼女は自分から、他の人間を殺すための作戦を考案し、実行に移して見せたのだ。 それも刀で斬りかかる、という直接的な方法ではない。殺害対象の仲間を偽り、潜り込むというものだった。 『これでも、涼宮ハルヒのクラスメイトを演じてきたわけだから。設定された身体年齢に近しい有機生命体とのお話は得意よ』 というのは、当時の朝倉の言だ。どうやら彼女には潜入工作の心得があるらしい。 こちらには武器が揃っており、殺害対象である北村に警戒は見られなかった。 朝倉の言うような策を持ち出さずとも、殺害は容易であったのだ。 ならばそんな回りくどいやり方を取る必要はない、と師匠はこれを却下しようとして、しかしやめた。 興味を抱いたと同時、こちらも試してみようと思ったからである。 この朝倉涼子が、自分の契約主に相当する存在となり得るかどうかを。 (失敗してしまうようならそこまで。利用する価値なしと見なし切り捨てる予定でしたが、まあ及第点でしょう) 結果、朝倉は見事北村の仲間として潜り込んで見せた。 師匠はその間、適当な理由をつけて別行動を取っていたのだが、実は温泉内に潜み朝倉の首尾を観察していた。 直後に姫路瑞希、筑摩小四郎の二人が加わったが、それすらも欺いて見せた。演技は得意なのかもしれない。 素人と見るには明らかに異質だった筑摩小四郎を、ただの人間としか捉えなかったのが大いにマイナスではあるが。 「なんにせよ、次はありませんよ。あなたの手腕はもとより、この方法は時間をロスしすぎです」 「わかったわ。でもね師匠。私に下された採点をさらにプラスする要因は、まだ残っているのよ?」 出発に踏み切る直前になって、朝倉は得意気にそれを取り出して見せた。 入浴の間、客間にまとめて置かれていた荷物。その中から抜き取った北村の支給物だろう。 朝倉の手には『お宝写真!』と書かれた茶封筒があり、師匠は黙ってそれを受け取った。 中身を確認すると、出てきたのは三枚の写真である。 「姫路さんの服からこっそり抜き取っておいたの。それ、お宝らしいから“SOS料”としてどうかしら?」 入っていた三枚の写真をしげしげ眺め、師匠は唖然とした。 一枚目に写っていたのは――メイド姿のアキちゃん。 二枚目に写っていたのは――メイド姿のアキちゃん(パンチラ☆エディション)。 三枚目に写っていたのは――ブラを持って立ち尽くすアキちゃん(着替え中メイド服着崩れバージョン)。 ため息を零し、これを朝倉に返却した。 「採点を改めましょう。減点一。あなたへの評価は――零点です」 「ええ、どうして!?」 人当たりのいい優等生として知られる朝倉涼子が、初めて零点を取った瞬間だった。 【E-3/温泉付近/一日目・早朝】 【師匠@キノの旅】 [状態]:健康、ポニーテール [装備]:FN P90(30/50発)@現実、FN P90の予備弾倉(50/50x19)@現実、両儀式のナイフ@空の境界 [道具]:デイパック、基本支給品、金の延棒x5本@現実、医療品、フィアット・500@現実 [思考・状況] 基本:金目の物をありったけ集め、他の人間達を皆殺しにして生還する。 1:朝倉涼子を利用する。 2:天守閣の方へと向かう。 【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]:健康、ポニーテール [装備]:シズの刀@キノの旅 [道具]:デイパック×4、基本支給品×4、金の延棒x5本@現実、軍用サイドカー@現実、蓑念鬼の棒@甲賀忍法帖、 フライパン@現実、人別帖@甲賀忍法帖、ウエディングドレス、アキちゃんの隠し撮り写真@バカとテストと召喚獣 [思考・状況] 基本:涼宮ハルヒを生還させるべく行動する。 1:師匠を利用する。 2:天守閣の方へと向かう。 3:SOS料に見合った何かを探す。 [備考] 登場時期は「涼宮ハルヒの憂鬱」内で長門有希により消滅させられた後。 銃器の知識や乗り物の運転スキル。施設の名前など消滅させられる以前に持っていなかった知識をもっているようです。 【アキちゃんの隠し撮り写真@バカとテストと召喚獣】 明久に送られた脅迫文に同封されていた、アキちゃん(女装した吉井明久の意)の隠し撮り写真。 通常のメイド服バージョン、パンチラ☆エディション、着替え中メイド服着崩れバージョンの三種類が茶封筒に収められている。 世間に晒されてしまえば吉井明久の底辺に近い評価をさらに落とすこと確実な代物だが、 一部女子には好評で、とりあえずスキャナーを購入し全世界にWEBで発信する者も現れかねない威力を持っている。 【人別帖@甲賀忍法帖】 伊賀と甲賀の「不戦の約定」が解かれたことを記した巻物。 記された忍者二十人の名には血のすじが引かれており、末尾に忍法合戦決着の模様も書き加えられている。 原作ラストにおいて、甲賀弦之介が書き加えた状態のもの。 【マリアンヌの器@灼眼のシャナ】 坂井悠二を攫った直後、シャナとの決戦においてフリアグネの“燐子”であるマリアンヌが器としていたマネキン人形。 花嫁を模したのかウエディングドレスを纏っており、またマネキンの造りは他のものと比べても精巧。 これが単なるマネキン人形であったのか、マリアンヌの意思総体が混在していたのかは、定かではない。 ◇ ◇ ◇ 空が白み始め、夜の帳は朝の日差しに天壌の席を譲る。 眩しさはまだ訪れず、直視するには問題もない。 なので、しばらくはこうしていても大丈夫、と。 ――少女は、思う。 温泉裏手の街路に置き捨てられたむき出しの肢体に、力はなく。 ぼうっとした意識だけが残り、閉じかけの瞳で天を仰いでいた。 ――衣服を纏わず、地べたを背中に、仰向けとなって外気を味わうのは、姫路瑞希だった。 朝倉涼子に殺されるかと思ったところでこのような仕打ちを受けた彼女は、思う。 どうしてこんなことになってしまったのだろうか。ただそれだけを、後悔とともに念じる。 ◇ ◇ ◇ 「……驚いたなぁ」 朝倉涼子による、浴場での突然の暴行。 まさかの溺れ死にを味わうかと思った姫路瑞希は、我武者羅に腕を振り回し、どうにか朝倉の魔手から逃れ、浴槽から脱したのだ。 「火事場の馬鹿力ってやつかしら。あなたにそんな力が残っていたなんて、予想外」 「けほっ、かぁ……はっ」 咳をするように飲んでしまった湯を吐き捨てる瑞希。 傍らには、同じく浴槽から出てきた朝倉の裸体がある。 暴行から一時的に逃れることはかなっても、逃げ続けることはかなわない。 朝倉は依然微笑を浮かべたまま、タイル敷きの床に膝をつく、瑞希の体に触れた。 「ねぇ姫路さん。あなた、さっきこう言ったわよね。助けて、って」 「……っ」 息苦しさが癒えるよりも先に、朝倉が語りかけてくる。 表面上は可愛らしい女の子なのに、その中身は得体が知れない不気味さが秘められている。 どう受け答えをしたとしても、助かりはしない。助けを願ってはいても、本能は既に諦めかけていた。 「“恋する女の子”のパワーってやつなのかな……うん。あなたに少し、興味が湧いたの。 どうかしら、私のお願いを聞いてくれるって言うんなら、この場は助けてあげるのだけれど」 嘘だ、と腹の底から叫びたい衝動に駆られた。 先ほどまでの朝倉の行動は、明確な殺意あってのものだ。 今さら悪ふざけでしたなど、どうして信じられようものか。 「あなただけじゃないわ。あなたの大切な吉井明久くんも。これは交渉。姫路さんには、私の手伝いをしてほしいのよ」 怯える瑞希は未だなんの言葉も返せないまま、朝倉の底冷えするようなまっすぐすぎる目を見てしまった。 身が竦む。この少女は平然とした顔つきで、狂気にまみれた言動を繰り返しているのだ。 「ここであなたを殺すのは簡単。でも、あなたみたいに脆弱な有機生命体一人蹴落としたって、実りは少ないわ。 どうせなら、師匠にも知られないところでもう一つくらいコミュニティを築いておきたいのよ。 よく聞いてね。私は涼宮ハルヒという存在を生き残らせるために行動している。具体的に言うと、 涼宮ハルヒを害するかもしれない存在の排除、平たく言えば、涼宮ハルヒ以外の全員を殺害することが私の目的ね」 先の朝倉の質問を思い返す。吉井明久一人のために、姫路瑞希は殺人者になれるか、否か。 瑞希は、なれないと答えた。しかしこの朝倉は、涼宮ハルヒのために殺人者になったというのだ。 内包されているのがどのような想いなのかは知れないが、それが瑞希のような恋心でないことだけは見て取れた。 「でも、それは私たちだけじゃとても手が追いつかないの。北村くんの推論が当たっているとしたら、 最悪七十二時間が経過しても大勢の人間が残ってしまうと思うし。そしたら涼宮ハルヒ共々全滅よ。 それだけは回避したい。だから、ね。姫路さんにも涼宮ハルヒ以外の有機生命体を殺して回ってほしいの」 饒舌に語る朝倉の顔から、目が逸らせない。 瑞希は戦々恐々としたまま、聞き漏らすまいと努めた。 「あ、でもこの行動は契約に反すると思うし、師匠はこれ以上の同行者を良しとしないだろうから……うん。 姫路さんは姫路さんで、私たちとは違うところで頑張って。涼宮ハルヒ以外なら、誰を殺してくれても構わないから」 姫路瑞希は運動があまり得意ではなく、性格も温厚で、争いごとは苦手だ。 自分でもそう思っている。だからこそ、朝倉が見当違いな願いを言っているように思えてならない。 「引き受けてくれるなら、私はあなたを殺さないし、吉井明久くんに会っても殺さないでいてあげる。 計算どおりにいけば、最後は私と師匠、涼宮ハルヒ、姫路さんと吉井明久くんの五人になるでしょうから、 そうなったら改めて殺し合うといいわ。私としては、師匠の存在が最終的な懸念にもなると思うし、 あなたという不確定要素がいてくれればやりやすいことこの上ない。つまり、約束は残り五人になるまで継続ね」 もし、朝倉涼子と吉井明久が対面してしまったならば――考えたくもない。 今の自分の身以上に、彼の安否を気遣えばこそ、朝倉の提案は魅力的であるはずだった。 「贅沢を言うとね、あなたというちっぽけな存在がどこまでやれるか、観察したいところではあるの。 この熱意は涼宮ハルヒに向けていたものとは違うし、情報統合思念体の意思というわけでもない。 有機生命体――人間に近しい存在となってきている“私”のための、まあ努力と言ったところなのかしら」 朝倉は瑞希に殺人者としての才覚でも見たというのだろうか。 彼女が自分に対して、なにをそんなに期待しているのかわからない。 朝倉の腕を振りほどいたこととて、無我夢中だっただけなのだ。 それを暴力として、他人の命を刈り取るために使えるかといえば、 「私の言葉が信じられない? じゃあ、これならどう?」 答えは語るまでもない。 そのはずなのに――朝倉涼子は、姫路瑞希の左手中指に手をかける。 爪と皮膚の間に、朝倉の指の爪が食い込んだ。 なにをされるのか、わからなかった。 爪と皮膚の密着部が、べりり、とわずかに離れた。 少しばかりの痛みを感じて、身が縮こまった。 爪が皮膚から、べりりりっ、と音を立てて剥がされた。 激痛に、瑞希の絶叫が木霊した。 「姫路さんが断れば、私は今からあなたを殺して、その後にすぐ、吉井明久を殺しにいくわ」 そう言ってから、朝倉は爪を剥がした指の隣の指、瑞希の左手薬指に手をかける。 逃れたくても逃れられない。朝倉に手首をきゅっとつままれ、足だけがじたばたした。 「これが、私の本気。自分以外の存在のために……私とあなた、それぞれ頑張りましょう?」 薬指の爪が、乱暴に毟り取られる。 二本の指の爪が、そうしてなくなってしまった。 ◇ ◇ ◇ ちらり、と自分の左手に目をやる。 中指と薬指の爪がない。 綺麗に剥離された指は、まだ血が残っている。 真っ赤になったそれは感覚も薄く、ずきずきと痛んでいた。 あの後、朝倉は師匠に気づかれぬようこっそりと瑞希を運び出し、裸のまま裏手に放置した。 本人としては種でも撒いた気分なのだろう。どこか純真にも見えたあの瞳は、本当に瑞希を殺人を期待している。 瑞希といえば、それどころではなかった。 爪を剥がされた痛みよりもまず、殺されそうになったというショックが、彼女を打ちのめしていた。 空が明るくなり始めても、起き上がる気にはなれない。 街路のど真ん中で、恥ずかしげもなく裸体を晒している。 羞恥よりも恐怖が勝っていた。 動けばなにかが崩壊するような気がした。 命は助かったが、瑞希が求めた助けは訪れなかった。 振り分け試験の最中、高熱を出した自分を気遣ってくれた声は、 清涼祭のとき、チンピラに暴行されそうになった自分を助けに来てくれた彼は、 手作りのお弁当を美味しそうに食べてくれた男の子は、いつだって隣にいてくれた瑞希の好きな男の子は、 「明久君……明久、くん。うっ……あ、あぁ……」 助けに来てはくれなかった。 ここは、そういう場なのだ。 でも、 だからといって、 いやだからこそ、 朝倉の言うとおりに、殺人を肯定することなどできない。 体以上に心をずたずたにされ、それでも瑞希の意思は強くあった。 と、そこへ。 「……君、大丈夫?」 まったくの事情を知らない優しげな声が、瑞希の上より降りかかった。 ◇ ◇ ◇ それを見た瞬間、黒桐幹也の心臓は肋骨を突き破り外に出た。もちろん比喩である。 心臓が跳ね上がる、どころではないざわめきが、彼の思考を支配し身を束縛した。 あれはなんだろうか。人間だ。一糸纏わぬ裸の人間が、道の途中に転がっている。 空は既に明るくなり始めていた。だからこそ気づけた。ピクリとも動かぬ女の体に。 これはいったいどんな状況だろう。考えるよりも先に過ぎった予感は、忌避したいほどの可能性。 どこの世界に、往来で裸を晒しながら寝る女性がいようものか。まさか、と前置きしなくとも。 死体じゃないか。 朝焼けもそろそろという時刻、黒桐幹也は進路上に横たわる女性を発見して、動けなくなった。 思い起こされるのは、数時間ほど前の一件だ。黒桐は今と同じように、女の子の死体を発見した。 守れなかった、己が死なせてしまったにも等しい、吉田一美との別れ。 その次なる邂逅は、先の一件とまったく酷似した、できることならこのまま逃げ出したいほど悲惨なものだった。 (それでも、もう逃げることはできない) 罪悪感とは使命感と同じもの。それは人によっては正義感とも呼ばれ、安易に掲げる者は偽善者として罵られる。 それも甘んじて受けようじゃないか、と黒桐は一歩を踏み出した。 転がっているそれが、本当に死体なのか否かを確かめるために。 「明久君……明久、くん。うっ……あ、あぁ……」 声が、聞こえてきた。 足下から発せられる、弱々しい嘆きの声だった。 黒桐はほっと胸をなでおろす。安堵も早々に、彼女を救おうと身を屈めた。 「……君、大丈夫?」 上着を脱ぎ、裸体を隠すようにして少女に覆い被せる。 少女は横目でこちらを見た。目と目が合い、彼女がひどく消耗していると気づいた。 女性の裸体ゆえ、しげしげ眺めることは躊躇われたが、一見しただけでは外傷は特になかったと思う。 なにか、目立たぬ部分で酷い目に合わされたのか。 すぐに吉田一美の――そして白純里緒の顔が頭に思い浮かび、しかし首を振る。 今はなによりも、彼女を保護することが先決だ。 黒桐は少女を安心させようと、懸命に声をかける。 「なにがあったかは聞かない。僕は君になにもしない。だから落ち着いて」 「あ……う、あぁ……」 「体は動くかい? 無理に喋る必要ない。でも立てるなら、どこか落ち着ける場所に移動したほうが――」 慟哭が激しくなり、少女はゆったりした動作で黒桐の胸元に飛び込んできた。 「あっ……あぁ、ああぁぁぁ…………っ、あぁ~…………っ」 嗚咽とも、涙とも取れない、純粋な悲しみ。 黒桐はこの偶然の出会いを、どう受け取るべきかと悩んだ。 今はただ、少女が泣き止むまで待とう。 そう心に決め、胸を貸すのだった。 ――いったいここでなにがあったのか、と目の前の温泉施設を睨みつけながら。 【E-3/温泉付近/一日目・早朝】 【姫路瑞希@バカとテストと召喚獣】 [状態]:精神的ショック大、左中指と薬指の爪剥離 [装備]:黒桐の上着 [道具]:なし [思考・状況] 基本:死にたくない。死んでほしくない。殺したくない。 0:明久君……。 1:朝倉涼子に恐怖。 【黒桐幹也@空の境界】 [状態] 健康 、罪悪感、強い悲しみ、使命感 [装備] なし [道具] デイパック、血に染まったデイパック、基本支給品×2、ボイスレコーダー(記録媒体付属)@現実、七天七刀@とある魔術の禁書目録、ランダム支給品(確認済み)1~3個 [思考・状況] 基本:式、鮮花を探す。 1:少女(姫路瑞希)を落ち着かせる。 2:吉田さんの知り合いを見つけ、謝罪しレコーダーを渡す。 3:浅上藤乃は……現状では保留。 4:先輩ともう一度話をする。 [備考] ※吉田一美の殺害犯として白純里緒を疑っています。 ※白純里緒が積極的に殺し合いに乗っていることに気がついています。 ※温泉施設の客間に『お幻の鷹@甲賀忍法帖』の死骸と、『マリアンヌの器@灼眼のシャナ』が頭部を損壊した状態で放置されています。 【筑摩小四郎@甲賀忍法帖 死亡】 【北村祐作@とらドラ! 死亡】 投下順に読む 前:神威 (無為化) 次:はじまりの森 時系列順に読む 前:Triangle Wave 次:はじまりの森 前:ART OF FIGHTING――(作法) 師匠 次:「曲がった話」― Analyzing Device ― 前:ART OF FIGHTING――(作法) 朝倉涼子 次:「曲がった話」― Analyzing Device ― 前:姫路に忍びあり 姫路瑞希 次:ラスト・エスコート 前:姫路に忍びあり 筑摩小四郎 死亡 前:ハローグッバイ 北村祐作 死亡 前:勝者なき舞台 黒桐幹也 次:ラスト・エスコート
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/1011.html
俺たちは埼玉方面に歩いていたが、千秋のガキが「疲れたぞバカ野郎。」と駄々をこねやがった。 だが俺たちはここ数時間も歩いてばっかだからな。小学ぐらいのガキなら疲れる頃だろうと思ってたぜ。 朝倉も賛成みたいだから休むか。考えもまとめたいしな。 俺がひとりで考えていると朝倉が話しかけてきた 「それにしても…赤木君がカオスロワに参加するなんて2期以来かしら。1期の時は結局首輪は外せたの?2期は途中で目立たなくなったけど何やってたの?」 何だこの女ふざけたことを聞きやがる・・・ 「どういうことだ…?俺たちが参加しているカオスロワってのは前にもあったのか?」 「覚えてないの?1期や2期の名簿に貴方の名前があるのを私は確認したのよ。」 「…知らないな。そもそも俺がこのゲームに参加するのは今回が初めてだ。」 「ふぅんそうなの。」(嘘をついてるようではないし同姓同名の別人か…それとも平行世界の人間か?まぁどっちでもいいけど。) 朝倉は知らないが、1期の時の赤木しげるは19歳の時の参戦である。現在参戦している赤木しげるは13歳。 ここにいる赤木しげるは並行世界からの参戦である。(ここの世界の現在19歳の赤木しげるは行方不明) 赤木は朝倉に対して無言で筆談するよう促す。朝倉も同意したようだ。 『首輪の解析はできたか?』 『人間が作ったものだから仕組みや外し方は簡単にわかったわ。でも問題があるの。』 『無理に外そうとすると爆発…か。』 『ええ、この問題をクリアしない限り首輪の解除は難しいわ。対抗策は主催の首輪を制御する機械を無力化するぐらいかしらね。』 『いや…もう一つある…。どうやら死人には反応しないみたいだ。さっき襲ってきた奴の死体の首輪を無理やり動かしてみたが何もおこらなかった。』 『でも死んじゃったら意味がないんじゃない?』 『死人と呼べる状態にすればいい…』 『まさか…』 『ククク…察しがいいな朝倉さん。そう…仮死状態ならほとんど死人同然。アンタなら人を仮死状態にできそうだがな。』 『確かに私なら人を仮死状態にするのもできなくはない。でも首輪が心臓音のみで生死を判断しているとは限らないんじゃない?』 『そう…そこだ…。そこがギャンブル…生死を賭けたギャンブル…。失敗すれば死、成功すれば首輪が外れるギャンブルというわけさ。』 『相当狂ってるわね。怖いなんて思わないの?』 すると赤木が突然一言呟いた 「この世の中…バカな真似ほど…狂気の沙汰ほど面白い…!」 その発言に対し朝倉は微笑を浮かべながら 「そうね。人はやらないで後悔するよりやって後悔した方がいいっていうし。」 「ああ…ただ試すのは今じゃない。もっと後だ…今は主催側の情報や脱出手段がほしいからな。」 心底赤木君の異端の戦略に驚いたわ。もうこれは中学生の発想ではないわね。 それに中学生に似合わぬ白髪。一体何してすごしていたんだか。 まあ今はそれを気にしている暇はないわね。 カオスロワを潰す。長門さんも探す。両方やらなきゃいけないのが朝倉涼子の辛いところね。 後一時間で放送の時間だからしばらくゆっくりしていましょうか。 一日目・午後3時頃/栃木県】 【赤木しげる@アカギ】 [令呪]倍プッシュだ・・・! [状態]かなり運がある [装備]拳銃 [思考]聖杯戦争を潰す とりあえず朝倉さんと千秋の目的に付き合ってやろう ※赤木は長門を朝倉の恋人で性別は男だと思っています ※13歳からの参戦です 【朝倉涼子@ハルヒシリーズ】 [宝具]情報操作 [状態]健康 [装備]北高制服 [思考]長門と結婚したい やっぱり近くに長門さんの気配を感じるわ ※朝倉が感じている気配は岩崎みなみのものですが、まれに間違ったものを受信することもあります。 【南千秋@みなみけ】 [状態]疲れた。休ませろバカ野郎 [装備]不詳 [道具]ふじおか(熊のぬいぐるみ) [思考]姉を探して合流する 2人して何を話しているんだ
https://w.atwiki.jp/sasurauyoudesu/pages/132.html
高嶺清麿 友情度 +11 マスターであり、やる夫ともども見てて飽きない人。 フェイト・テスタロッサ 友情度 +10 彼女の色ボケは私が育てた。(ドヤッ イカ娘 友情度 +6 仲良くしようと思っている。 チンク 友情度 +5 仲良くしようと思っている。 フェイト・アーウェルンクス 友情度 +4 仲良くしようと思っている。 ナル 信頼度 +7 移動時、いつも世話になってる。 やらない子 友情度 +10 共に戦う仲間。 長門有希 友情度 +5 教会のシスター。 朝倉涼子 友情度 +7 教会のシスター。 霧雨魔理沙 友情度 +6 幾度か同行している人 ジャギ 友情度 +6 『ジードさん』 巴マミ 友情度 +5 幾度か同行している人。 ドーラ・コイ・ホワイトドラゴン 友情度 +6 幾度か同行している人。 カレン・オルテンシア 信頼度 +3 今後が楽しみ。三角関係的な意味で。 高嶺なのは 信頼度 +10 実は清麿の朴念仁をどうにかさせようと密約を交わしている仲。文は清麿と契約した精霊であり、なのはと結託した密偵なのだ。 高嶺ユーノ 信頼度 +9 清麿の父。それ以上でもそれ以下でもない。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1250.html
Report.14 長門有希の憂鬱 その3 ~涼宮ハルヒの追想~ 活動後の部室。ハルヒは独り佇んでいた。他の団員達は先に帰した。夕日に照らされ、オレンジ色に染まった部室。あの日と同じ風景。思い出す、あの日の出来事。 本棚に歩み寄る。ここは本来文芸部室。だから、本棚の蔵書数は北高の全部室中随一だろう。蔵書には、SFのハードカバーが目立つ。その多数の厚い本を読む人物は、今はこの部室にいない。 あの日起こった、不幸な心のすれ違い。ハルヒは忘れられない。自分が突き飛ばしたせいで、負傷して血を流す彼女の姿を。そして、その彼女を置き去りにして、逃げるようにその場を立ち去った自分の行動を。 彼女はいつも通りの無表情だった。自分はどんな顔をしていたのだろうか。 ハルヒは、自らの行動を悔いていた。そして、だからこそ、彼女に合わせる顔がないと思っていた。だから、翌日彼女が事情により学校に来ていないと聞いて、少し安堵した。時間が稼げたから。 しかしそれは間違いだった。時間が経つほど、考える時間が増えるほど、自らの行動が重くのしかかる。ますます彼女に会いにくくなる。考えれば考えるほど、会い辛い。 最近、部室での会話で、彼女について触れられることが多くなっていた。いくらハルヒが話題を変えても、いつの間にか話題は彼女のことに移っていた。特に、昨日の朝比奈みくるの発言は、決定的だった。 「はい、涼宮さん、お茶です。はい、長門さん……っと、長門さんはおらへんかった……うっかり用意してしもた~」 【はい、涼宮さん、お茶です。はい、長門さん……っと、長門さんはいないんだった……うっかり用意しちゃった~】 お茶を出し終えると、みくるはぽつりとハルヒに言った。 「あたし、みんなにお茶を淹れてるから分かるんですけど、一人おらへんだけで、すごく違和感ありますね……」 【あたし、みんなにお茶を淹れてるから分かるんですけど、一人いないだけで、すごく違和感ありますね……】 ハルヒは、自分の眉がつり上がるのを自覚した。 「なぁに、みくるちゃん? 何が言いたいん?」 【なぁに、みくるちゃん? 何が言いたいの?】 「ひっ!? い、いえ、ただ、寂しいなーって……」 それきり、ハルヒは黙りこくったので、みくるも自分の席に着いて、編み物を始めた。 窓辺の指定席は、今は無人。パイプ椅子は、畳んで立て掛けられている。いるべき人がいない風景。それはとても違和感がある風景だった。 ハルヒは知らない。ハルヒの力のせいで彼女が消滅したことを。彼女を取り戻すために、彼らが様々な工作を行っていることを。 彼らの工作は、じわじわとハルヒに効き始めていた。 「わたし達の工作は、どうやら効果を示しているようですね。」 喜緑江美里が口を開いた。 空間封鎖された生徒会室。ここは今、『長門有希消失緊急対策本部』となっている。 「僕らは部室での会話で、それとなく、しかし確実に、長門さんの話題に触れ続けとります。」 【僕らは部室での会話で、それとなく、しかし確実に、長門さんの話題に触れ続けています。】 古泉一樹が言った。彼は部室の会話で、長門有希の話題に誘導する役を務めている。 「俺は、どうも長門についてはハルヒにマークされてるみたいやから、あからさまにはできひんけど、みんなの話題には参加するようにしとぉ。あとは、そうやな……」 【俺は、どうも長門についてはハルヒにマークされてるみたいだから、あからさまにはできないけど、みんなの話題には参加するようにしてる。あとは、そうだな……】 「あんさんは、無意識に長門さんを視線で探してますから、それで十分でっせ。」 【あなたは、無意識に長門さんを視線で探していますから、それで十分ですよ。】 「……俺は、そんなつもりはないんやけどな。」 【……俺は、そんなつもりはないんだがな。】 キョンは一樹を睨む。 「おっと、これはこれは。その反応だけで十分ですわな、状況証拠は。」 【おっと、これはこれは。その反応だけで十分ですね、状況証拠は。】 一樹はいつもの如才ないスマイルで応じた。 「あたしは、昨日ちょっと積極的に頑張ってみました!」 「朝比奈さん、あれはGood Jobでしたよ。」 みくるの行動を賞賛するキョン。 「ええ、まったく。昨日のあなたの言動は、相当効いたようです。MVPは間違いなくあなたですね。」 江美里も同意する。 「昨日のあなたの言動がきっかけになって、今、涼宮さんは『寂しい』という状態になっています。」 それがどんな感情なのか、わたしは実感できないんですけどね、と江美里は付け加える。 「もう一押し……ってわけね。」 朝倉涼子は思案顔で呟く。 「今日早めに活動を切り上げた涼宮さんは、今は部室で独り、物思いに耽っています。」 江美里は、涼子に向かって言った。 「さて。お膳立ては整いました。あとは長門さんの代理……あなたの仕事ですね。」 「そう……やね。そろそろ……行けるかな?」 【そう……よね。そろそろ……行けるかな?】 「『機は熟した』と思いますわ。『鉄は熱いうちに打て』っちゅう言葉もありまっせ。」 【『機は熟した』と思いますね。『鉄は熱いうちに打て』という言葉もありますよ。】 一樹も賛同する。 「うん、そうやね。ほな、ちょっと行ってくるわ。」 【うん、そうよね。じゃあ、ちょっと行ってくるわ。】 涼子は、部室へと向かった。 部室の本棚の本を手に取るハルヒ。そのまま窓辺に行くと、立て掛けてあるパイプ椅子を広げて座った。あの日から学校に来なくなってしまった彼女のように、無言で窓辺に座るハルヒ。そうすることで、彼女を追想するように。 思い出す、彼女と過ごした日々。 最初は、まるで部室の付属物のように存在感のない娘だった。 それが、共に過ごすうち、だんだん彼女を見る目が変わっていく。彼女は万能だった。何でもそつなくこなせた。 決定的だったのは、一年生時の文化祭。 メンバーの病気や怪我で出演ができなくなった、先輩女子のバンド。見かねたハルヒは、彼女を誘って急遽メンバー入りし、舞台に立った。そこで彼女は、驚くべきギターの腕前を披露した。ハルヒの歌声とともに、彼女の情熱的なギタープレイは、その場にいた誰もを魅了した。それは、他ならぬ、共に舞台に立ったハルヒ達も同様に。 体育祭では、ハルヒに負けず劣らずの素晴らしい身体能力を見せつけた。特にアンカーを務めたクラス対抗リレーでは、最下位でバトンを受け取ると、表情を変えずに見る見る走者を追い抜き、ハルヒがアンカーを務める1年5組に次ぐ、二位にまで持ち込んだ。無表情ながら鉢巻きをたなびかせて疾走し、見る見る順位を上げていく小柄な体操服姿に、彼女の隠れファンが急増した。 バレンタインデーの時は、料理の腕前も見事だった。徹夜で賑やかにチョコレートケーキを作る、ハルヒとみくる。彼女はそんな二人を静かに、そしてこれ以上ないほど的確にサポートした。何と彼女は、温度計もなしに、チョコレートのテンパリング(温度調節)をやってのけた。さらには、まかない料理も作ってくれた。チョコレートケーキ製作中は、匂いが移ったり味が分からなくなったりしないよう、薄味の惣菜と、ほかほかご飯に吸い物。プレゼントを山に埋めて帰ってきたら、胃腸に負担を掛けずに冷えた身体を温める、手作り出汁の香り高いうどん。 阪中家での『陽猫病』事件では、その博識ぶりで、見事に事件を解決した。いつも大量に本を読んでいるが、それが実際に役に立つのだから大したものだとハルヒは思った。彼女は阪中家の恩人として盛大な歓待を受け、ハルヒはそれを我がことのように喜んだ。 共に過ごした一年の間に、ハルヒは彼女を『SOS団随一の万能選手』と捉えるようになっていた。 そんな二人の関係に転機が訪れる。先日の、ハルヒの捕り物劇に端を発する、一連の騒動。 ハルヒは精神的に追い詰められていた。そんなハルヒを救ったのが、彼女だった。彼女は、ハルヒの行動の意図を理解し、危険を冒してハルヒに会いに来てくれた。苦しさに押し潰されそうだったハルヒの慟哭を受け止め、優しくそばに寄り添ってくれた。 一緒に帰るために『男装』を提案するなど、意外な一面も見せてくれた。彼女の部屋に招待し、泊まって行くことを勧めるなど、積極的な面も持っていた。そしてその夜、二人は結ばれた。性別の垣根を越えて、肉体的にも精神的にも、二人は繋がった。 次の日には、彼女を通じて彼女の友人に問題を解決してもらった。彼女の人脈には驚かされた。その日はそのままデートにも行った。朝の目覚めの時と同様、彼女の素顔、生の言動に心を揺さぶられた。 彼女と朝倉涼子のそっくりさんに遭遇したこともあった。 その時は彼女も一緒にいた。彼女のそっくりさんは、彼女とは性格が全く違っていた。声も違っていた。しかし、実は彼女もそっくりさんも、お互いの声を真似ることができた。彼女がそっくりさんの声を、いつもの無表情で真似したときは、正直、絶句した。あまりにもシュールでユニークだったから。 彼女との思い出は、どれも大切な、掛け替えのないもの。記憶の中の彼女は、大半が無口で無表情だったが、それでも輝いていた。 そして、つい先日の、あの出来事。 彼女に、自分の恥ずかしい物を目撃されてしまった事件。ハルヒは激しく動揺し、とんでもないことをしでかした。しかし、そのことで実感したこともあった。ハルヒは彼女を…… ハルヒは、知らず、涙を流していた。自分の中で、こんなにも彼女の存在が大きくなっていたのか。 「会いたい……会いたいよぅ……何で、あんなことになってしもたん……有希……早(はよ)……会いたい……謝りたい……何で、謝らしてもくれへんの……? 何で、何で……」 【会いたい……会いたいよぅ……何で、あんなことになってしまったの……有希……早く……会いたい……謝りたい……何で、謝らしてもくれなにの……? 何で、何で……】 言葉にならない思い。言語化できなかった分は、涙と嗚咽になって溢れ出す。 「ゆ、ゆき、有希……有希ぃ――――! うわあああぁぁぁ……!!」 以前にも声を上げて泣いたことがある。その時は彼女が、優しくハルヒの頭を抱いて、ハルヒの慟哭を受け止めてくれた。 でも今は――誰もいない。 「悩み事?」 その時、声が掛けられた。 「うっ、ぐすっ……朝倉?」 涙を拭いながら、部室の入り口を見るハルヒ。 「何よ、人が泣いてんのが、そんなにおかしい? 悪趣味やな。用がないんやったら放(ほ)っといてくれる?」 【何よ、人が泣いてんのが、そんなにおかしい? 悪趣味ね。用がないんだったら放(ほ)っといてくれる?】 涼子は、部室に入ると、扉を閉めた。 「ご挨拶やなあ。わたしは、女の子が泣いてるのが放(ほ)っとかれへんかっただけ。」 【ご挨拶だなあ。わたしは、女の子が泣いてるのが放(ほ)っとけなかっただけ。】 ゆっくりとハルヒに近付く涼子。 「何? 慰めの言葉やったら、要らへんで。」 【何? 慰めの言葉だったら、要らないわ。】 涼子を睨み付けるハルヒ。しかし涙に濡れたその目は真っ赤に充血しているので、迫力に欠ける。 「慰め違(ちゃ)うけど、何て言うのかな……うん、独り言!」 【慰めじゃないけど、何て言うのかな……うん、独り言!】 涼子は微笑を湛えたままで言う。 「そこまで涼宮さんに思われる長門さんも幸せやね。」 【そこまで涼宮さんに思われる長門さんも幸せよね。】 「…………」 「……大丈夫。あなたが願えば、きっとすぐに会える。」 「……根拠は?」 「な~んにも。」 ハルヒは大きく溜め息をついた。 「何よ、それ……」 「言(ゆ)うたやん? 独り言って。」 【言ったじゃない? 独り言って。】 涼子は、指を組みながら言った。 「でも、わたしは、『信じる』ことって、結構重要やと思うな。成功のイメージを信じて行動すれば、上手くいく時があると思わへん? 逆に、悪い方にばっかり考えが行く時って、何やっても上手くいかへん時もあるし。悪い方に考えて気持ちが沈んで、結局上手くいかへんのと、良い方に考えて気持ちが盛り上がって、結局上手くいくのとやったら、わたしやったら、上手くいく方を選ぶな。」 【でも、わたしは、『信じる』ことって、結構重要だと思うな。成功のイメージを信じて行動すれば、上手くいく時があると思わない? 逆に、悪い方にばっかり考えが行く時って、何やっても上手くいかない時もあるし。悪い方に考えて気持ちが沈んで、結局上手くいかないのと、良い方に考えて気持ちが盛り上がって、結局上手くいくのとだったら、わたしだったら、上手くいく方を選ぶな。】 「『信じる』……」 「長門さんとまた会えることを信じればええん違(ちゃ)うかな。きっと長門さんも、涼宮さんに会いたがってると思うわ。」 【長門さんとまた会えることを信じれば良いんじゃないかな。きっと長門さんも、涼宮さんに会いたがってると思うわ。】 涼子は言葉巧みにハルヒを誘導していく。涼子は優秀だった。 「結局、朝倉は、どうするつもりなんやろな?」 【結局、朝倉は、どうするつもりなんだろうな?】 キョンが口を開いた。緊急対策本部では会議が続いていた。 「人間の『感情』というものは、わたしにはよく分からないので、何とも言えませんが。」 江美里は答えた。 「その、朝倉さんって、喜緑さんや長門さんと同じ、その……『端末』、なんですよね。」 みくるは言った。 「ということは、こんな言い方は失礼やと思うんですけど……みんな、人間の『感情』はよう分からへんのですよね?」 【ということは、こんな言い方は失礼だと思うんですけど……みんな、人間の『感情』はよく分からないんですよね?】 「その質問の答えは、」 江美里が答える。みくるが息を呑む。 「禁則事項です。」 盛大に椅子からずり落ちるみくる。 「というのは冗談ですが、基本的にそう考えていただいて差し支えありません。」 (TFEI端末って、実は意外と冗談好きなんか……!?) 《TFEI端末って、実は意外と冗談好きなのか……!?》 と、キョンは思った。 「ただし、例外もあります。例えば長門さんについては、キョンくんはよくご存知ですよね?」 「え? あ、ああ……長門は、顔には出さへんけど表情に表れへんだけで、無感情なんやなくて実はかなり感情豊かです。長く一緒におったら、だんだん分かるようになってきました。」 【え? あ、ああ……長門は、顔には出さないけど表情に表れないだけで、無感情なんじゃなくて実はかなり感情豊かです。長く一緒にいたら、だんだん分かるようになってきました。】 そうですね、と江美里は続ける。 「そして長門さんは、様々な体験をして、暴走したこともありました。そう、あの冬の世界改変事件です。と言っても、お二人さんには、実感はないでしょうけれど。」 江美里はSOS団員達を見回して続ける。 「暴走の原因は、現在も検証中なのではっきりとしたことは言えませんが、長門さんに、人間で言うところの『感情』に相当するものが発生したのが一因ではないか、というのが大勢の見解です。」 「ははあ。すると、あれでっか。長門さんは、感情が生まれ、育っていったものの、本質的には理解でけへんもんやから、だんだんとその感情を『持て余した』っちゅうわけでっか。」 【ははあ。すると、こういうことですか。長門さんは、感情が生まれ、育っていったものの、本質的には理解でないものだから、だんだんとその感情を『持て余した』、と。】 一樹がしたり顔で解説する。 「『感情』がどのようなもので、それがどのように作用したかについては見解が分かれていますが、とにかく、『感情』のようなものが関係しているのではないか、という点では概ね一致しています。」 江美里は、これは私見ですが、と前置きして続けた。 「同様に、朝倉涼子が独断専行し、キョンくんを殺害しようとした件も、やはり『感情』が何か関係しているのではないかと、わたしは考えています。」 「そういえば、朝倉はあの時、何も変化せぇへん観察対象に飽き飽きしてるって言(ゆ)うてたな……」 【そういえば、朝倉はあの時、何も変化しない観察対象に飽き飽きしてるって言ってたな……】 キョンは、当時を思い出しながら言った。朝倉涼子本人の謝罪を受けたことで、多少は『彼』の精神的外傷も緩和されたものと思われる。少なくとも、冷静に当時を振り返ることができるくらいには回復していた。 「本来わたし達は、『飽きる』ということはありません。そのようには作られていないのです。飽きてしまうようでは、観測ができませんからね。でも、朝倉涼子は、観測に飽きた。そして、独断であのような凶行に及んだ。暴走としか言いようがありません。『未熟な感情の暴走』。これが、二人が起こした事件を定義する言葉ではないかと考えています。」 「えっと、それじゃ……今の朝倉さんは、未熟ながらも感情を持っている、ってことですか?」 みくるが問う。 「それが本当に『感情』かどうかは分かりませんが、少なくともわたしよりは、朝倉涼子の方がよく人間の感情を理解して、より適した行動を取れると思います。」 「でも、それじゃ、その、また感情に流されて……」 恐る恐るみくるは問うた。江美里が答える。 「朝倉涼子は、人間で言えば二度死にました。そして二度生き返りました。『感情』を持つ『生命体』が、『臨死』又は『転生』を経験した。それが思考や行動に大きな影響を与えるだろうことは、想像に難くありません。これまでの彼女の言動から推察するに、もう以前のように暴走する可能性はないと言えるでしょう。」 「随分、朝倉を信用してるんですね。」 キョンの問い掛けに、江美里はやや思案するような表情で答えた。 「信用……ですか。」 江美里は窓があると思しき辺りに視線を巡らせながら言った。 「我々端末同士の関係は、人間のそれとは少し違いますが、そうですね。人間の関係に例えて言うなら、確かに『信用』という言葉が近いかもしれません。」 江美里はキョンに視線を戻して続けた。 「キョンくん。あなたは、長門さんを『信用』していますか?」 「もちろんです。全幅の信頼を寄せてると断言できます。はっきり言って、俺は自分よりも長門の方を信用してるかもしれません。」 キョンは即答した。 「それなら、今の朝倉さんも信用してもらえませんか? もちろん、そう簡単には考え方を変えられるものではないということは、情報としては知っています。でも……」 江美里は、ふっ、と表情を緩ませて言った。 「何と言っても、今の朝倉さんは、その長門さんのバックアップ、代理なんです。彼女が長門さんの代わりを務められるのは、単に能力が同程度だからというだけではなくて、あなた達と関係が深くて、かつ、あなた達の行動を同程度には理解しているからなんですよ。今の彼女は……長門さんそのものだと思ってもらって差し支えありません。もちろん、元々の性格付けの設定が違うので、例えば無言で本を読んでいる朝倉さん、という姿を見ることはないでしょうが、『涼宮ハルヒとその周囲の観測及び保全』という任務に関しては、長門さんと全く同じ行動原理に制御されています。」 「せやから、彼女を信用せぇ、っちゅうことを言いたいわけでっか。」 【だから、彼女を信用しろ、と仰りたいわけですか。】 一樹が口を挟む。 「信用しろ、とはおこがましくて、とても言えません。わたしに言えるのは……」 ここで江美里は立ち上がった。 「どうか、彼女を、朝倉涼子を信じてやってください。お願いします。」 こう言って江美里は、深く頭を下げた。 「えっ、わっ、わっ、そ、そんな、頭を上げてください! あ、あたしが変なこと言(ゆ)うてしもたから……」 【えっ、わっ、わっ、そ、そんな、頭を上げてください! あ、あたしが変なこと言っちゃったから……】 みくるが慌てて立ち上がり、江美里に声を掛ける。 「……朝倉は、長門が元に戻れば自分が用無しになるって分かってて、それでも長門のために動くって言いました。」 キョンは江美里をしっかりと見つめていた。 「俺らを守るって言(ゆ)うた長門の言葉を信じるように、俺は朝倉の言葉も信じようと思います。」 【俺らを守るって言った長門の言葉を信じるように、俺は朝倉の言葉も信じようと思います。】 「……ありがとうございます。」 江美里は、柔らかい表情で謝辞を述べた。 彼らが様々な工作を行う一方で、彼らの意思とは関係ない部分でも世界は動いていた。長門有希が消失したことで、涼宮ハルヒの周辺を取り巻く勢力の版図が変化していた。 その中の一つ、情報統合思念体の内部でも、大きな変動が起きていた。かつてキョンを殺害しようとした急進派からは、更に先鋭化した『過激派』が派生していた。 過激派とは、観測対象である涼宮ハルヒ自身に直接刺激を与え、その反応を観測しようとする集団。早い話が、涼宮ハルヒに危害を加えようとする一派のこと。急進派は、その勢力を大きく減じていた。 攻撃か、静観か。派閥内の者には、二者択一が迫られた。朝倉涼子は、長門有希のバックアップを務める事で、自動的に主流派に取り込まれることとなった。 かつての同志が敵となり、かつての仇敵が友軍となる。情報統合思念体の内部は、今や群雄割拠の相を呈していた。 そんな過激派の一部が、長門有希不在を好機と見て、涼宮ハルヒへの攻撃を企図していた。 情報統合思念体内部の意思は不統一。彼らの行動を止める者は誰もいなかった。 彼らの手が涼宮ハルヒ達に近付いていた。 『その時』が迫っていた。 ←Report.13|目次|Report.15→
https://w.atwiki.jp/datui/pages/91.html
NO. 名前 支給品 01 相羽シンヤ 鉄パイプ 02 赤木しげる サイレンサー付き拳銃 03 朝倉涼子 アイスピック 04 朝比奈みくる 三味線糸 05 阿部高和 大型拳銃 06 泉こなた カッターナイフ 07 岩崎みなみ 出刃包丁 08 風見志郎 トランプ型の刃物 09 桂ヒナギク 日本刀 10 門倉雄大 警棒 11 ギャバン 金属バット 12 キョン 首輪探知機 13 キョン子 スナイパーライフル 14 古泉一樹 ボウガン 15 修正したあとすぐ熱血~狂気のKX.Hw4puwg ピアノ線 16 城茂 アサルトライフル 17 涼宮ハルヒ メリケンサック 18 スバル・ナカジマ フルフェイスヘルメット 19 ゾフィー 火炎放射器 20 高良みゆき 不明 21 滝和也 ショットガン 22 タケシ 即効性の睡眠薬 23 チンク スタンガン 24 ドラス サブマシンガン 25 長門有希 鎖鎌 26 渚カヲル 手榴弾×5 27 初音ミク バールのようなもの 28 柊かがみ 拳銃 29 柊つかさ コンバットナイフ 30 マサキ・アンドー 不明 31 マリオ 毒キノコセット 32 ミオ・サスガ ハリセン 33 南夏奈 スタングレネード×3 34 南光太郎 冷凍マグロ 35 峰岸あやの 鉈 36 八雲紫 プラスチック爆弾 37 ユーゼス・ゴッツォ 防弾繊維の服 38 ランキング作成人 斧 39 ルイージ リボルバー 40 ◆6/WWxs9O1s クルミ一袋
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5203.html
Project512_Part11-もくじ- クイックメニュー ○<本スレに9月に書いた分を収録しているのです! 【 休んでいない夏休みが開け、鈍った体を残暑が激しく蝕む九月初めの出来事だった、 退屈を持て余しいっそ俺自身が立てちまおうかと思った矢先に奴は立っていた。 ───やれやれ 既に口癖となった単語を溜息と共に紡ぎだしつつも、俺は心の中でこう思っていた。 『 1、乙だぞ』、と。】 【チャック・古泉一樹が一緒にお風呂に入れる】 【●<ロスタイムはウキウキウォッチン!アッチコッチソッチコッチいいとも(デレッテテッテテ!)】 (第一次ロスタイム暴動) 【●<ウホリロ!】 【歴史】 【保守小ネタ・깍두기】 【●<自分でかけば許可もいりません】 【お題?・もっこり】 【○<あたし緑だったのですか!?】 【チャック・キョンに禁則事項できる】 【チャック・佐々木がいじめられる?】 【保守小ネタ・Bランク】 【第二次ロスタイム暴動】 【長門「アラル、まじめ、シュールのSSを書いてみた」】 【チャック・古泉一樹にいじめられる?】 【特別書き下ろし】 【未明の保守小ネタ】 【絶不評!512文字で語るバルバロッサ作戦】 【アラル、まじめ、シュールのSSはここに来なさい!Ver.3】 【別にオチはない】 【第三次ロスタイム暴動(失敗)】 【特にオチはない2】(拙作のみ収録) #最近チャックが少なくて寂しいです(゚д゚) ・ ・ ・ ・ ・ □□□□□□□\ □□□□□□\.\ \\\\\\\\\_ . / ̄ ̄ ̄ ̄/|.\\| | ./____/ .| ̄/._| ∥ ∧ ∥ ..|/./ /ヽ ∥__(゚Д゚∥ |___| ◎| /_____/ _★ ../ヽ_ノ /|◎≡≡≡◎| //ヽ/  ̄ |_| ≡≡≡ ||___| ◎| [二二二二二] ヽヽ_ノ 「ソビエトロシアではSSがあなたを書く!」 ・ ・ ・ ・ ・ 【 休んでいない夏休みが開け、鈍った体を残暑が激しく蝕む九月初めの出来事だった、 退屈を持て余しいっそ俺自身が立てちまおうかと思った矢先に奴は立っていた。 ───やれやれ 既に口癖となった単語を溜息と共に紡ぎだしつつも、俺は心の中でこう思っていた。 『 1、乙だぞ』、と。】 ●<スレが立ちました! ●<僕のテトドンも立ちましたよ! キョン「アッー!?アナルだけは!!アナルだけは!!」 佐々木「そこまでだよ!●くん!」 キョン「さ、佐々木!?」 佐々木「やあ、キョン。今日は9月9日で僕の記念日だよ。 そこで無理矢理出番を作ろうと馳せ参じたんだよ、くっくっ」 ●<僕っ娘とは言え、僕たちのメイクラブに女性の介入は認めませんよ! キョン「古泉、お前はいい、黙っていろ」 佐々木「それなら僕のキャプテンCockを見てくれないか、こいつをどう思う?」 ●<すごく…大きいです… 佐々木「九曜さんに頼んでつけて貰ったのさ!」 キョン「な、なんだってー!?」 佐々木「僕のキャプテンCockも未知なる海へ航海しようと思うんだよ、どうだいキョン?」 キョン「ま、待て!キャプテンクックの綴りはCooKだ!」 ●<記念日ならば仕方がありませんね、今日のオチは佐々木さんにお譲りいたしましょう。 佐々木「ささもっふ!」 キョン「アッ!アッー!?」 俺< 1乙!! 【チャック・古泉一樹と一緒にお風呂に入れる】 妹「キョンくんおふろあいたよー」 キョン「わかったー」 ガチャ 古泉「僕たちが入浴しなければ、確実にこの世界は崩壊する…。困った物です」 キョン「…古泉、なぜお前が俺ん家の風呂にいる?」 古泉「このお題も涼宮さんの望んだ物、そう機関では考えています。 さあ涼宮さん向け創作のお時間ですよ!」 ●<ウホーオー(略) キ<アッアッアアッアッー! 泉「…というSSを書いて見たョ」 田村「先輩! 手抜きにも程があるっス!」 Patricia「終わりdeath」 俺「ゴメソ」 【●<ロスタイムはウキウキウォッチン!アッチコッチソッチコッチいいとも(デレッテテッテテ!)】 165 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(ネブラスカ州)08/09/1217 31 01.94 DUxTNdg6O 今日の格言:迷ったらアナル 166 以下、名無しにかわりまして俺がお送りします(仏領インドシナ)08/09/12 17 48 54.11 GRamAnF6FO 俺の格言:「迷わなくてもアナル」 167 以下、名無しにかわりまして俺がお送りします(仏領インドシナ)08/09/12 17 49 58.34 GRamAnF6FO 俺<むしろ最初からアナル以外の選択肢は有り得ませんね! 169 以下、名無しにかわりまして俺がお送りします(仏領インドシナ)08/09/12 17 56 04.21 GRamAnF6FO 俺<↑↑↓↓←→←→ANAL 169 以下、名無しにかわりまして俺がお送りします(仏領インドシナ)08/09/12 19 06 27.22 GRamAnF6FO ●<神人のスーパーウリアッ上にジャンプ大パチンを合わせる、そこでインド人を右に。 ○<豪鬼出現コマンド公開! キ<お前のその手でたしかみてみろ! 俺<餃子うめえ 【●<ウホリロ!】 ウーホホッホーー ウーホホッホーー ウホウホイイオトコー 事件が起きれば変身(●<フンモッフ!) 掘ってけ尻穴失神(キ<アッー!アッー!) 【歴史】 ●<歴史の授業のお時間ですよ! ●<1931年満洲事変! 谷口「なあキョン、なんでお前のツレが五組来てあんな事やってんだ?」 国木田「しかも全裸で」 キョン「知らん、俺に聞くな」 ●<マン臭だけにクサイ年と覚えましょう! 鈴木「下品」 瀬能「最低」 阪中「そ、そんなに臭くないのね」 佐伯 成崎 大野木「「「さ、阪中さん!?」」」 ●<ロスタイム長いですね! キョン「いいから服を着ろ、話はそれからだ」 【保守小ネタ・깍두기】 ハルヒ「ちょっとキョン!」 チョン「チョソンインミングンマンセ!キムイルソンチャングンマンセ!」 ハルヒ「なによ! 偽者とか紛らわしいわね!」 ●<偽者でもアナルに変わりはありません!ふんもっふ! チョン「アッ!アッー!!アイゴ-!!!」 こうして●の活躍によって日本の平和は守られた! しかし、●にとっては一つの戦いが終わったに過ぎない。 頑張れ●! 戦え●! 日本の平和を守るため! 【●<自分でかけば許可もいりません】 ●<では僕は率先してカキましょう! ●<カキカキ、カキカキ ●<ウッ・・・ ●<スッキリ! 【お題?・●<もっこり】 ●<もっこりと言えばまりもっこり! ●<すなわちもっこりイズまりもですね! ●<そこで緑色になってみましたよ! ●<フフ、どうです? まりもみたいでしょう? ●<カラーでお見せ出来ないのが残念です! 【○<あたし緑だったのですか!?】 ●<赤いきつねと! ○<緑(?)のたぬきなのです! ★<どん兵衛派でしゅwww 【チャック・キョンに禁則事項できる】 ●<いつもの事です キ<アッー! 俺<以上、総製作時間1分41秒! ★<文字打つの遅いでしゅねwwwwwwwwwwww 俺<サーセン 【チャック・佐々木がいじめられる?】 「──ですから、あたしたち超能力者は 組織”を結成したのです!」 口角泡を飛ばしながら熱弁を振るう彼女の表情はなかなかエキサイティングな見物だったけれど、 時折混じる『宇宙人』や『超能力者』という単語に僕はどこか冷めていた。 僕にとってそれらはテレビアニメで地球侵略を企てていたり、ゲームセンターの筐体の中で操作するもの、 少なくとも僕にはそれ以外で一生縁が無い存在、と言う認識だったからね。 何度目かの『超能力者』が彼女の口から飛び出した時、僕は溜息交じりの言葉を心の中で噛み潰していた。 ──やれやれ そういえば中学の頃にこれが口癖となっていた友が居たね、彼は今いったいどうしているだろうか? 「んんっ、もうっ! 佐々木さん信じてないのです!」 「やあ失敬失敬、ちょっと君を見ていたら昔の友人を思い出してしまってね、考え事をしてしまったよ。 ところで橘さん、君たちの”組織”は一体どんな事ができるんだい? さっきの”閉鎖空間”以外の事だよ」 「んーーっと、そうです! たとえば佐々木さんがいじめられたりしたらあたしたちが全力で助けるのです!」 ふむ・・・、僕は少し逡巡してしまった。 昔馴染みが一人も居ない学校に進学した事もあって、僕は学級で特異な存在として見られているのは事実だった。 しかし仮にも学友だ、いじめなんて卑怯な振る舞いをするような輩がいるなんて思いたくもないよ。 「佐々木さん優しいのです! あたしはそんな優しい心の持ち主にこそ”神”の力を持ってもらいたいのです!」 「やあ橘さん、”神”なんて言葉はお世辞とは言え僕には過ぎた言葉だよ。 それと僕に抱きつくのはまだ良いとしよう、どさくさ紛れに唇を奪おうとするのはやめていただけないかな?」 「あぅあぅ、モンゴリアンチョップは痛いのです」 ガッシ、ボカ、僕はツッコミを入れた、スイーツ、と。 さて橘さんにはああ言った物の深い付き合いのある友人が出来た訳でもなく、聞こえよがしに 『奇妙な女』とか『変な女』などと言われた事もあるのも事実だよ。 僕が僕であるのには結構な労力が必要なんだ、一抹の不安も無いと言ったらそれは嘘になる。 「任せて欲しいのです! 佐々木さんを侮辱するような人はあたしが懲らしめるのです!」 今度は僕が橘さんにしがみ付く羽目になってしまった。 だって仕方ないだろう、僕のせいで人が死ぬのは阻止しないと・・・。 「ちょ、ちょっと橘さん!? 100tハンマーはまずいって! 100tハンマーはまずいって!」 ・ ・ ・ 橘「佐々木さん、その後の学校生活はどうなのです?」 佐々木「・・・あの日の騒動をたまたま同じ学校の生徒が見ていてね」 橘「はぅ?!」 佐々木「女の子同士で抱きつかれたり抱きついたりするガチ百合で定着してしまったよ」 橘「そ、それで佐々木さんがいじめられちゃったりしてるのです!?」 佐々木「幸いにもそんな事は無いよ、でも・・・」 橘「でも?」 佐々木「毎日の様に女の子から『お姉様と呼ばせてください』とか『私とスールになってください』って・・・」 橘「はぅあっ!?」 佐々木「・・・橘さん、君の”組織”の力でどうにかならないかい?」 橘「任せて欲しいのです! 佐々木さんにはあたしというスールが居ると判ればきっとみんな手を引くのです!」 佐々木「ちょ、ちょっと橘さん!? ガチ百合だけは!!ガチ百合だけは!!」 橘「ハァハァ、ちゃんと責任をとるのです! 佐々木さんをお嫁に貰うのです!!」 佐々木「アッーーーー!?」 (終ワレ) ・ ・ ・ 【Bランク】 谷口「A~Dまでランク付けして、そのうちAランク以上はフルネームで覚えたぜ!」 国木田「由良さんがそのAなわけ?」 谷口「いーや、B+++++++++++++++++だな、あれは性格もいいに違いない」 国木田「めがね属性贔屓が丸だしの評価だね」 キョン「ポニーテールなのもポイント高いな」 国木田「なんで素直にAランクにしないの?」 谷口「フルネームがわかんねーんだよ・・・」 【第二次ロスタイム暴動】 ●<ロスタイム突入してますね! ○<古泉さんばかりに目立たせないのです! ○<佐々木さーん!佐々木さーん!ハァハァ 佐<らめぇぇぇ! 阪中「涼宮さんにはわたしがいるのね」 ハルヒ「アッー!?」 鶴屋「みくる~っ!」 みくる「ひゃわぁぁぁぁぁ!!」 朝倉「長門さん、わたしたちも・・・」 長門「朝倉涼子の有機情報連結を解除する」 朝倉「あーあ、残念」(サラサラサラ) 一姫「私たちも性転換すれば、ほら!」 キョン子「百合だけは!百合だけは!」 俺<一人身万歳! ●<今回のロスタイムも長そうです! 長門「戦艦長門は全長224.94メートル……」 ●<すごく…、長いです…… 【スレタイ】 長門「かつて世界第四位の面積を誇ったアラル海は潅漑により流入するアムダリヤ川とシルダリヤ川の水量が激減し、干上がりつつある」 長門「灌漑によって作られた綿花畑の農場も塩害により失敗、周辺の砂漠化が進みつつある」 長門「アラル海の事例は20世紀最大の環境破壊として歴史に記された」 長門「それはさておき、シュールストレミングの缶詰は危険」 長門「アラル、まじめ、シュールのSSを書いてみた」 長門「日付が変わる……」 俺「IDも変わる」 俺「よろしい、ならばチャックだ」 【チャック・古泉一樹にいじめられる?】 213 ●<いつもの事で…お、おや?! おや、こいずみのようすが!? 一姫「な、なんで性転換なんですか!?」 キョン子「百合だけは!百合だけは!」 ○<引き続きロスタイム暴動をお楽しみください!なのです! 【特別書き下ろし】 俺<たまには性転換物もいいよね! ●<あなたが見てるの女体化した僕とキョン子さんのレズ物ばっかりじゃないですか!! 俺<と、書いてたらスレが落ちたYO!!! ・ ・ ・ 【お題?】 90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/26(金) 06 00 04.83 ID MoBlkpvAO ●<オチンチンビローン 91 :以下、名無しにかわりまして多丸がお送りします:2008/09/26(金) 06 54 43.02 ID IlyUshInIl2 裕「裕です」 裕「みなさんこんばんは」 裕「裕です」 裕「・・・裕です」 裕「ちゃんとアニメでも出番があった裕です」 裕「裕です」 裕「名前のあるキャラの中で一、二を争う影の薄さだと評判な裕です」 裕「裕です」 裕「たまにSSで出番があっても『多丸(弟)』な扱いの裕です」 裕「裕です」 裕「今日は森さんの言いつけでスレを保守する仕事中な裕です」 裕「裕です」 裕「行数制限に引っかかって一度消えました」 裕「裕です」 裕「ここで分割です」 (続) 裕「裕です」 裕「保守荒らしが2ちゃんねる運営で議論になってるので難しい問題です」 裕「裕です」 裕「とりあえずホで韻を踏んでみますか」 88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/26(金) 03 30 08.49 ID IlyUshInIl2 ホッホゼーフロッテ 89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/26(金) 04 41 52.98 ID IlyUshInIl2 ホルストヴェッセルリート 裕「ほ、、、ほ? うーん・・・」 古泉「裕さん、おはようございます」 裕「一樹くん、一樹くん、保守ネタは無いかい?」 古泉「裕さん、何かそれじゃ違うキャラみたいですよ」 裕「ゆたか~ん」 古泉「おっと、前回保守から一時間以上開いてますね、『●<オチンチンビローン』っと」 裕「一樹くん、こりゃなんだい?」 古泉「ははっ、アナルスレっぽくていいじゃないですか」 古泉「ビローンビローン」 裕「一樹くん、とりあえず服を着てくれないか」 古泉「はっはっはっ」 古泉「ビローンビローン」 (続) 96 :以下、多丸にかわりまして古泉がお送りします:2008/09/26(金) 07 48 30.16 ID IlyUshInIl2 ───翌日 一姫「な、なんでなんの脈絡もなく僕が性転換してるんですか!?」 一姫「Pixivですか?ニコ動ですか?」 一姫「それとも何か変な同人誌でも読んだのでしょうか?」 一姫「困った物です」 森「こっ、古泉・・・?!」 一姫「あっ、森さん! なぜか何の脈絡も無く性転換されてるんですよ! どうにかしてください!」 森「ただでさえ朝比奈みくるのお陰で並扱いされてるのに・・・、なんであんたまで巨属性になってんのよ!」 一姫「え、えっ!? 知りませんよ、なぜかそう言う絵が流通してるだけで・・・」 森「うるさいわね! 罰として古泉は今夜の保守当番よ!!」 一姫「ふも~ん(´・ω・`)」 ・ ・ ・ 一姫「とは言え保守荒らしが問題になってるこのご時世です、どうした物でしょうか」 一姫「裕さんがやってたみたいにホで韻を踏んでみますかね」 一姫「ほ・・・、ほ・・・、ほ・・・?」 一姫「『ホッテントット』?」 一姫「ほ・・・」 一姫「Zzzz...」 (続) 98 :以下、古泉にかわりまして森さんがお送りします:2008/09/26(金) 07 54 19.82 ID IlyUshInIl2 ───さらに翌朝 森「こーーーいーーーーずーーーーみーーーーー!!」 一姫「はぅあ!?」 森「スレ落ちてんじゃないのよ! 何やってんの!!」 一姫「で、でも僕だって昼間は学校行ってるんですよ?! 夜は寝ないと・・・」 森「言い訳は認めません!!」 一姫「ヒィィ!」 森「罰として身体の一部をホッテントット族みたいにしてやるわ!!」 一姫「そ、それは!? 森さんそれはまずいです!! グロの領域です!!」 ・ ・ ・ キョン子「それで古泉の身体の一部がそんな状態になっちまったって訳か?」 一姫「はい・・・」 身体の一部「びろーん」 キョン子「戻んのか?」 一姫「わかりません・・・」 身体の一部「びろーんびろーん」 (糸冬) 100 :以下、森さんにかわりまして俺がお送りします:2008/09/26(金) 07 57 27.41 ID OreoREijn0 俺<寝不足でラリって書いた、今では多分きっとおそらく反省している。 俺< 100ゲット! ・ ・ ・ 【大不評!512文字で語るバルバロッサ作戦@擬人化シリーズリスペクト】 フューラー「ソ連に進攻するわよ~」 ヴェーアマハト「いいのか?まだイギリスとの戦争終わってないだろ」 ルフトバッフェ「西部戦線は空軍にお任せ下さい、僕たちだけで陥としてみせますよ」 ヴェーアマハト「んじゃ進攻するぞ」 フューラー「あんたもたまにはやるわね!モスクワは目の前よ!」 カチューシャ「Qwaaaaam!!」 ヴェーアマハト「スターリンオルゲル!」 フューラー「なにビビってんのよ!撤退したら死刑よ!」 カチューシャ「Qwaaaaam!Qwaaaaam!」 ヴェーアマハト「これ無理!これ無理!アッー!」 ドゥーチェ「ふぇぇん、エジプトで負けそうでしゅ」 フューラー「イタリアは黙ってて!」 ・ ・ ・ 【アラル、まじめ、シュールのSSはここに来なさい!Ver.3】 ──ドガシャーン! 「みんな、次の不思議探索はウズベキスタンへ行くわよ!!」 和製トルクメンバシ団長サマがけたたましい騒音と共に頓狂な発言をなし、 朝比奈さんは怯え、古泉はニヤケ面のまま眉毛を八の字にし、長門は一瞥してから 読書に戻り、そして俺は呆れた。 こうやっていつもと変わらない日常が戻ってくると、既に二学期も一ヶ月が過ぎ、 夏という季節が終わっちまったと言うことを実感させられる。 部室はまだ蒸し暑かったが、窓から吹き込む風は肌寒く、秋の匂いがした。 「ちょっとキョン! なによそのリアクションは、つっまんないわね~!!」 やれやれ、お前は俺のリアクション芸が見たかったのか? 人間どんな事でも繰り返してりゃ慣れちまうんだ、リアクションのバリエーション 考えるのも一苦労だっぜ、俺も精一杯の変化球で切り替えしてやる。 「お前にはウズベキスタンよりもその隣国の先代大統領の方がお似合いだ」 「それは違うわね、あたしの著書はルーフナーマより上位に位置するわ!」 お前が言うと洒落にならん、本当に実現しかねん。 金ピカに塗られた巨大ハルヒフィギュアが全国各地津々浦々に設置されて崇拝対象に なっているような国は頼むから作らないでくれ。 ハルヒを”神”に例えた古泉も流石に同感のようで、100円スマイルの中に憂いを 湛えていやがった。 ええい、忌ま忌ましい。男同士の無言アイコンタクトスキルが 上達しても嬉しくない、まったく無駄な特技ばかり冴えやがる。 「なによ、あんたら男同士で見つめあっちゃって怪しいわね~」 なんでそこで目を輝かせてやがるんだ!! 少しは自重しろ!、『友達をこんな目で見ちゃダメっス』とか言ってる埼玉の 女子高生を見習え! いや見習っちゃダメか?! 朝比奈さんと長門もそんな目で見ないでくれ、いや見ないで下さい、お願いだから。 古泉、たまにはお前からも何とか言ってやれ。 「訪問するにはいささか遠過ぎる国ではないかと思うのですが、何故ウズベキスタンなのですか?」 「良くぞ聞いてくれたわね古泉くん! やっと本題よ!」 俺からも褒めてやるぞ古泉、ナイス話題反らしだ。 そしてハルヒは鞄の中からWikipediaあたりをプリントしたと思わしきお手製資料集を── 「じゃーん」 ──なんて言いながら喜々として取り出した。 まったく、こう言うところでだけ無駄に気が利く奴だ。 ハルヒの取り出した資料には白いクレーターのような衛星写真が印刷されていた。 なんだこりゃ? 「……アラル海、かつて旧ソ連にあった世界第四位の湖。無計画な潅漑事業によって 水位が大規模に低下し、消失の危機にある。 白く写っているのは塩。 塩湖であったため、かつての湖底には塩分が堆積し植物が育ち難く砂漠化しつつある」 「それで干上がった部分がウズベキスタン領ってわけよ! これってチャンスだと思わない?」 喜ぶな、謝れ、死んだお魚さんに謝れ。 環境破壊で困っている人たちにも謝れ。 「世界の不思議を解明するためならきっとウズベキスタンの人だって許してくれるわ! 海の底って月面よりも遠い世界だって海江田四郎も言ってたでしょ、それが地続きになってんのよ!」 「海ではない、アラル海は湖……」 「干物になってるかも知れないけど、UMAの一匹や二匹ぜったい見つかるわ! あたし前々から思ってたのよね、水棲UMAなんて水がなくなっちゃえば ちょちょいのちょいで一網打尽だって!」 旧ソ連のお偉いさんだって珍獣(干物)探しのためにアラル海干上がらせた訳じゃないだろう、 このままネス湖や屈斜路湖や池田湖がハルヒの珍獣探しのために干上がったりしちゃ 地球規模の環境破壊だ、危うし地球、オカルト女子高生の珍獣探しで砂漠化か?! 「流石団長です、素晴らしい発想ですね。 しかし旅費もかかりますし・・・」 イエスマン副団長も珍しく二の句を次いだ、そりゃ地球が砂漠化するかどうかの 瀬戸際だ、頑張れ少年エスパー戦士、地球の平和を低レベルに守るんだ。 「お金なら鶴屋さん焚きつければどうにでもなるわ」 なんてこった、少年エスパー戦士の反撃は一言で一刀両断されちまった。 ここは俺も援護射撃せざるをえない。 「金がなんとかなったとしてもだな、言葉だって通じんだろ」 「公用語はウズベク語…」 「旧ソ連でしょ? ロシア語で大丈夫じゃない」 「俺はロシア語なんてスクリューパイルドライバーとスーパーウリアッ上しか知らん」 「ロシア語なんてストロガノフとサノバビッチだけ判れば十分よ、なんとでも交渉できるわ!」 両津勘吉だってイエスとノーくらい言えたんだぞ、そんな意味のわからん言語で 会話を試みられたってカザフスタンの人に迷惑なだけだ。 そうやって俺とハルヒの舌戦が白熱しかけたところに伏兵が現れた。 「あ、あの~~、そもそもアラル海にUMAさんのお話とかあったんですか?」 それは忘れていた! 念のため言うが発言した朝比奈さんの存在を、ではないぞ。 ハルヒの影響でオカルト系の無駄な知識はすっかり増えたが、アラル海のUMAなんて 噂話は聞いたことがなかった。 よし、その線で攻めるか! 「火の無いところに煙は立たないって言うだろう、逆に言えば煙の無い所に火はないって事だ、 アラル海の跡にUMAの干物がある可能性は殆どないってこったな」 「でもカスピ海モンスターならいっぱい写真あるわよ!」 そりゃソ連軍の兵器じゃねぇか。 「とにかく深海には何がいるのかわかってないのよ! きっとUMAだって居るわ!」 「アラル海は海ではなく湖」 「う゛っ」 さりげに一回目のツッコミを無視されていた長門だったがここで反撃に転じた、 ナイスだ長門、地球環境のためにハルヒの野望を打ち砕いてくれ! 「一般に湖沼は海洋に比べ水の対流が少なく、深層は酸素濃度が低く生物の生存に適さない。 浅層に生息する生物ならば既に発見されている可能性が高い、かつてのアラル海は漁業が 発達し人の出入りが頻繁であったため、未発見の生物が存在した可能性は極めて低い」 「う゛ぅ~、わ、わかったわよ! 有希がそこまで言うならアラル海行きは諦めるわ」 俺はともかく普段はイエスマンの団員三人からの反撃は予想外だったのだろう。 相当堪えたらしく団長サマのアラル海熱は鎮定された、よかったな地球、よかったな水棲UMAたち。 若干ハルヒは落ち込んだ様子だったが、落ち込んだ表情は意外とかわいかった。 すまんな古泉、閉鎖空間の対処はお前らに任せたぞ。 「地球の不思議はUMAだけではない。 涼宮ハルヒ、あなたの資料にヒントがある…」 しおらしくなったハルヒの肩に『ぽん』と手を置き気を使う長門、初めて会った頃には 想像も出来なかった姿だ、女の子してるなぁ。 長門はハルヒのお手製資料集から『ぴっ』と一枚抜き取るとみんなに示した。 「これ…」 長門が選んだページには砂漠に放置された漁船や、朽ちた桟橋のような建物が写っている。 「アラル海でかつて漁業が盛んだった頃は缶詰の製造が盛んだった、これはその工場跡」 「缶詰が世界の不思議に関係あるの?」 「ある、世界各地のさまざまな食文化は立派な不思議、探求する価値がある題材。 缶詰ならば異国で調理された物を同じ様に喫食できる、わたしは缶詰の探索を提案する」 流石だな長門、ハルヒのお手製資料をリサイクルしてハルヒの面目を立てると共に 見事に話題を転化して新たなネタに興味を向かせた。 古泉感謝しろ、閉鎖空間は発生しないと思うぞ。 「でしたら僕の知り合いに輸入食材を扱っている方がおりまして、安価に入手できるかと」 超能力者も乗り気だった、いつものニヤケ面も今は心からの笑顔のようだ。 そりゃそうだろう、トルクメニスタンでニヤゾフ大統領にザンギュラとかピロシキとか 言って国際紛争になる危険と比べたら、珍しい缶詰買うくらいの負担は安い物だろう。 「あのあの、わたしもお料理とか頑張りますから」 すみません、存在忘れてた訳じゃないですよ朝比奈さん。 朝比奈さんの手にかかればどんな缶詰だって満漢全席ですよ。 「さて、話もまとまったようだし、ネット通販で珍しい缶詰でも探してみるか?」 「そうね!」 やれやれ、俺たちはまだ登り始めたばかりだぜ、この長い缶詰坂をな。 『未完』、っと大きく筆文字で書きたくなったところでまたもや長門の発言だ。 「ちょうど珍しい缶詰を昨日購入した、一人で食べるのは勇気が無……惜しい」 長門がちょこんと差し出した缶詰には『SURSTROMMING』と書かれている、何語だ? 「…シュールストレミング、スウェーデン語」 「あ、あにょ~、缶が膨らんでましゅよ?」 「…問題ない、缶の中でも発酵が進む。これで通常」 俺の背中につつーっと嫌な汗が伝い、長門以外の全員が硬直した。 俺たちの地方は発酵食品はあんまり食わない、納豆と言えば甘納豆だ。 「……どう?」 いや、かわいらしく小首を傾げられても困る。 「ええ~い、発酵食品が怖くて団長はできないわ!」 缶切りを持ったドン・キホーテは無謀にもシュール缶に挑んでいった。 その後の惨状は語るもおぞましい、俺は止められなかったことを悔やみ、 朝日奈さんは泣き出し、長門まで失神した。 その夜はさぞや巨大な閉鎖空間が発生しただろう、古泉スマン。 そして部室は一ヶ月ほどシュール臭が取れなかった。 これを読んでいるみんな、シュールストレミングはネット動画に留めて 置いた方が身のためだぞ。 (強引に終) 【別にオチはない】 長門「トラップオア徒手格闘」 朝倉「な、なによその出オチ?」 長門「ハロウィン」 朝倉「どっちも殺る気満々で選択になって無いじゃない」 喜緑「オチなんてありませんわ」 長門「保守」 長門「トラックオアニート」 朝倉「せめてトで韻を踏みなさいよ!」 長門「ニートと呼ばれたくなかったら労働」 朝倉「だからってなんでトラックなのよ!」 長門「街で拾って来た」 看板『トラック運転手募集』 朝倉「返してきなさいよ」 長門「あなたには免許がないから無理だった」 朝倉「悪かったわね」 喜緑「またオチはありませんわ」 朝倉「わたしはニートじゃなくて家事手伝いよ!」 長門「保守」 長門「トニックオアトートバック」 朝倉「何よその選択」 長門「トで韻を踏んだ」 朝倉「で、意味は?」 長門「……」 朝倉「無いわけね」 長門「…朝倉涼子、あなたが超能力者だとは予想外」 朝倉「超能力じゃないわよ」 長門「でもたまに同性愛属性が付与される」 朝倉「それも超能力じゃないわ!」 長門「では両刀?」 朝倉「百合から離れなさいよ!」 喜緑「またオチはありませんわ」 長門「保守」 長門「ソニックオアエリート」 朝倉「はいはい保守保守」 長門「←ため→+P」 ガイル『ソニッブー』 朝倉「エリートは?」 長門「ソリッドオアスネーク」 朝倉「流さないでよ!」 長門「どちらも新川執事」 朝倉「わたし孤島行ってないわ」 長門「トリップオアトナカイ」 朝倉涼子◆ToNAKaIorz「なんでわたしに変なトリップつけるのよ!」 長門「情報操作」 喜緑「またオチはありませんわ」 長門「保守」 朝倉涼子◆ToNAKaIorz「ねえ長門さん」 長門「胸の話なら聞きたくない」 朝倉涼子◆ToNAKaIorz「自虐?」 長門「……」 朝倉涼子◆ToNAKaIorz「ところで保守ネタだけど」 長門「つまらないのは書いてる人のせい、わたしの責任ではない」 朝倉涼子◆ToNAKaIorz「保守しても今晩三日落ちじゃないの?」 長門「うかつ」 喜緑「これがオチですか?」 俺「サーセン」 【第三次ロスタイム暴動(失敗)】 ●<トリックオアアナル!(アナルを差し出さないとイタズラしちゃいますよ!) キ<どっちにしろアッー! ○<そして新スレなのです! ●<いちもつですよ! 【特にオチはない2@祝新スレ】 長門「ト連送オア東京特許許可局」 朝倉涼子◆ToNAKaIorz「トしか既に原型がないわ」 喜緑「長門さん、特許は特許庁で扱います。特許許可局は日本の行政に存在しませんよ」 長門「うかつ」 朝倉涼子◆ToNAKaIorz「即死防止保守よ」 長門「眠くなった」 喜緑「寝る前にちゃんと歯を磨きなさい」 朝倉涼子◆ToNAKaIorz「その前にわたしのトリップなんとかしてよ!」 長門「……べつにいい」 朝倉涼子◆ToNAKaIorz「良くないわよ!」 長門「……かまわない」 朝倉涼子◆ToNAKaIorz「わたしはかまうわ!」 喜緑「眠くなったのでオチはありませんわ」 朝倉涼子◆ToNAKaIorz「ちょっと、長門さん!わたしの名前欄直してよ!!」 『完』 #なぜかリレーSS状態で続いてましたが拙作以外は未収録です ・ ・ ・ ・ ・ _ . , ^ `ヽ 〃 イ fノノリ)ハ (ヽィヘリ(l|゚ -゚ノlリ …。 ⊂〈_jk{つ{⌒l^0 Menu Top Part1 Part2 Part3 Part4 Part5 Part6 Part7 Part8 Part9 Part10
https://w.atwiki.jp/hu-ten/pages/12.html
2話目 やる夫が風俗店員になったようです やる夫 キャスト:主人公 ちゅるやさん(涼宮ハルヒの憂鬱) キャスト:解説役 ムスカ(天空の城ラピュタ) キャスト:ニュー速いってミルク店長 阿部高和(くそみそテクニック) キャスト:ニュー速いってミルク店員 兼 嬢 霧雨魔理沙(ゆっくり魔理沙)&博麗霊夢(ゆっくり霊夢) (東方Project) キャスト:終わり 雛苺(ローゼンメイデン) キャスト:ニュー速いってミルク いちご嬢 伊藤誠(School Days) キャスト:ニュー速いってミルク店員 伊藤誠 弓塚さつき(月姫) キャスト:ニュー速いってミルク さつき嬢 シエル(月姫) キャスト:やる夫の回想内 元恋人 東儀白(FORTUNE ARTERIAL) キャスト:ニュー速いってミルク 白嬢 朝倉涼子(涼宮ハルヒの憂鬱) キャスト:ニュー速いってミルク嬢 高良みゆき(らき☆すた) キャスト:ニュー速いってミルク嬢 春日歩(あずまんが大王) キャスト:ニュー速いってミルク嬢 西園寺世界(School Days) キャスト:ニュー速いってミルク嬢? 桂言葉(School Days) キャスト:ニュー速いってミルク嬢? 引越しおばさん キャスト:ニュー速いってミルクNo2 ミヨコ嬢 オタク(2ch AA) キャスト:常連客 登場人物集3へ
https://w.atwiki.jp/kotobajiten/pages/213.html
autolink(id=body) 外の人繋がりとは、中の人繋がりの対義語である。 中の人繋がりは声優ネタなのに対し、こちらはキャラクターの外見が似ている場合のコラボに用いられる。 外見が似ていると言われる人たち インデックス ⇔ イカ娘 ⇔ キュアマリン 諫山黄泉 ⇔ 秋山澪 ⇔ 天草シノ 高坂潤平 ⇔ 上条当麻 ⇔ 相沢たける 朝倉涼子 ⇔ 相沢千鶴 ⇔ 柏木千鶴 鳥居江利子 ⇔ 田井中律 ⇔ 枝先絆理 ⇔ 東和馬 柊つかさ ⇔ 神岸あかり 三浦あずさ ⇔ 都築乙女 塔矢アキラ ⇔ ハク ⇔ イザーク・ジュール アーチャー ⇔ ディアッカ・エルスマン イザーク ⇔ 魂魄妖夢 ⇔ カディエ 小室孝 ⇔ 武藤カズキ 姫路瑞希 ⇔ るい先生 水瀬伊織 ⇔ 桜見鏡子 霧雨魔理沙 ⇔ 右代宮朱志香 ボア・ハンコック ⇔ 婚后光子 天野河リュウセイ ⇔ ツナシ・タクト 南千秋 ⇔ 逢坂大河 涼宮ハルヒ ⇔ 仲村ゆり 綾波レイ ⇔ 長門有希 滝野智 ⇔ 西園寺世界 八神はやて ⇔ 平沢唯 藤堂志摩子 ⇔ 琴吹紬 松平瞳子 ⇔ 若王子いちご 細川可南子 ⇔ 柚木加菜子 楓(覚醒) ⇔ ロック・ハワード シジマ(ポケモン) ⇔ 柴田勝家(戦国無双) 山井大介 ⇔ 田中浩康 今岡誠 ⇔ 東出輝裕 秋月律子 ⇔ 川島乃枝 高城沙耶 ⇔ 間宮由美
https://w.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/471.html
みさお「突然だけど飼ってたオタマジャクシの話をするヴぁ」 あやの「へえ~」 みさお「手足が生える段階のオタマジャクシは正直キモイんだっZE」 あやの「へえ~」 みさお「部屋が水槽を飛び出したカエルもどきでいっぱいになった時は鳥肌たったよ」 あやの「へえ~」 みさお「ゴレンジャー!」 あやの「へえ~」 みさお「しまった!これはあやのスクリプトだ!」 みゆき「突然ですが八十八ミリ砲の話をしますね」 あやの「へえ~」 みゆき「八十八ミリ高射砲は旧ドイツ軍の開発した当時としてはとても優秀な対空砲で」 あやの「へえ~」 みゆき「対空だけではなく水平に射撃することで厚い装甲を撃ち抜く対戦車砲としても活用でき」 あやの「へえ~」 みゆき「高い命中精度と威力は連合軍やソ連軍を恐怖させました」 あやの「へえ~」 みゆき「さらには当時最強の重戦車ティガーⅠにも搭載され、アフリカ、ロシア、イタリアで猛威を振るいました」 あやの「へえ~」 みゆき「ケーニヒスティガーにはそれの改良型が……はっ、スクリプトか!」 こなた「突然だけどヤンデレの話するね」 あやの(ry こなた「最近は何かと話題のヤンデレだよね。ひぐらしとか学校の日々とか」 あ(ry こなた「でもさ、朝倉涼子は違うと思うんだよね」 ( こなた「朝倉涼子はさ、ほら、任務に忠実な人形だったみたいじゃん?」 こなた「スクリプトに話てもつまんない……」 みさお「柊の家って、神社らしいぜ」 あやの「へえ~」 みさお「やっぱり巫女さんの格好とかしてんのかなあ。あり、神社って巫女でいいんだっけ?」 あやの「へえ~」 みさお(またスクリプトか……)「柊って可愛いよな」 あやの「へえ~」 みさお「実は、柊のこと好きなんだ。だから今年のクリスマスは勝負をかけてみようと思って」 あやの「へえ~」 みさお「あやのはどう思う? 上手くいくと思うなら、『へえ~』って言ってくれよ」 あやの「へえ~」 みさお「……うん、逃げてちゃダメだよな。よしっ。今からあいつを感動させるような告白を考えるぞ!」 あやの「へえ~」(どうしよう。冗談でやってたのに、すごい話を聞かされちゃった……) ななこ「おっ、峰岸ーっ。」 あやの「(黒井先生なら大丈夫かしら)」 ななこ「なぁ峰岸。そっちのクラスは学園祭で何やるん?」 あやの「へぇ~」 ななこ「へぇ~って真面目に聞いとんのかいな。」 あやの「へぇ~」 ななこ「こ、これはあの噂のあやのスクリプトかっ!」 あやの「へぇ~」 ななこ「(ならこんな話はどうや?)あ、あのな峰岸。幼い女の子って可愛いないか?」 あやの「へぇ~」 ななこ「でな、今度のクリスマスにちょっと連れ込もうと思うんやけどな、良いと思うならへぇ~って言ってくれ。」 あやの「へぇ~」 ななこ「そ、そうか。なら話は早いな!よっしゃ!燃えてきたで!今すぐお誘いメールや!じゃあな、峰岸。」 あやの「(冗談のつもりだったのにすごい話を聞かされちゃったかも)」 こなた「突然だけど今私ノーパンなんだ」 あやの「へえ~」 こなた「今回は負けないよあやのスクリプト。 ブラまでつけてないのだよ」 あやの「へえ~」 こなた「畜生……見た目変わんないよ…」 あやの「へえ~」 こなた「ネコに話しかけてるような感覚だね…」 あやの「へえ~」 こなた「ほーら、猫じゃらしだよ~」 あやの「雑草を目の前にちらつかせて何がしたいの?」 こなた「…………へえ~」