約 30,345 件
https://w.atwiki.jp/sosclannad9676/pages/96.html
情報統合思念体の思惑が交差しているその思いの違い。派閥闘争が起きることもあり、意思は不完全である。 いまは、主流派がメイン。 主流派、急進派、穏健派、革新派、折衷派、思索派が存在する。 主流派は長門有希で、朝倉涼子は急進派。 喜緑江美里は、どこに属するのかわかっていないが、穏健派だと思われる。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3283.html
TURN-03へ 誰もが寝静まるような深夜…その少女、長門有希は自室にて今日部室で手渡された銀色の機械「決闘盤」の内部構造や分析などを行っていた。 モンスターカードゾーンに5枚、魔法&罠カードゾーンに5枚、フィールドカードゾーンに1枚。計11枚のカードをセットし使用可能。 変形し収納する事も可能 。 ソリッドヴィジョンと呼ばれる特殊な像によりモンスターを再現。これは今のレベルの地球人類の作れる技術を明らかに超越している。 こんなもの一体どうやって作ったのだろうか…。 まぁこの星の有機生命体の昨今の科学技術の発達は目まぐるしいものがある。 このくらいのものが出来てもおかしくないのだろう。 きっと。 そんな事を考えながら長門は自分のデッキをセットし、試しにカードをセットしようとした。 その時、 「あら、こんな時間にそんな事してたら明日の学校遅刻するわよ…?」 「!!」 「こんばんは♪」 ここに居る筈のない、朝倉涼子がそこにいた。 「何故貴方がここにいる、朝倉涼子。あなたは私が情報連結の解除を行った筈。再構成を申請した覚えはない。」 「久しぶりに長門さんの顔が見たくなっちゃってね…勝手に再構成しちゃったの♪」 ニヤリと笑みを浮かべる朝倉。 「そんな事はありえない。貴方は私のバックアップ。私が申請しない限り再構成はありえない。」 「でも実際に在り得てるのよ?私がここに存在するという事実は消せないわ。」 間髪入れず長門は朝倉に問いかける。 「目的は、何。」 「そうねぇ、やっぱりここは初志貫徹!キョン君を殺して涼宮さんの出方を見ようと思うの♪今のあたしなら何でもできそうだわ♪」 「私が、させない。彼にも涼宮ハルヒにも手出しはさせない。」 拳を握り締め臨戦態勢を取る長門。 「そうね、長門さんは邪魔するでしょうね。だから長門さんにはここで退場してもらおうと思うの。ね?」 そう言った途端、朝倉涼子の周りから歪んでいく。 そして部屋は薄暗く何もない空虚な空間と化した。 「…この部屋は私のプロテクトがかかっていた筈…何故…」 ほんの少し、常人にはわからない程度うろたえた長門を見て朝倉がニヤリと笑う。 「今の私はなんだってできるっていったじゃない。」 「これから闇のゲームを始めるわ。」 「闇のゲーム…?」 「私は何らかのゲームで相手に勝つ事によって罰ゲームを与える事ができる力を与えられたの。今の私は情報統合思念体とは独立した存在だから有機情報連結の解除の申請はできなくなっちゃったけど……あなたがゲームに負ければ罰ゲームとして私単体でも有機情報連結を解除する事ができちゃうわ♪」 「ならばその闇のゲームを行う前に貴方の有機情報連結を解除する。」 「それは無理な相談ね。私には今プロテクトがかかっているわ。私がこの空間にいる限り、長門さん、貴方にも思念体にも私を解除することは出来ない。でも……ゲームに勝てばこの空間は消えるわ。そうすれば私の有機情報の連結を解除することも出来るんじゃないかしら。」 「…なら…ゲームで勝つまで!!」 「何のゲームにしようかしら…そうね、それにしましょ♪」 長門が腕に装着している決闘盤(デュエルディスク)を見、目を閉じ何かを呟く朝倉。 すると黒板を爪で引っ掻くような音と共に朝倉の腕にデッキが装填済みのデュエルディスクが現れる。 「ルールは把握してるわ…このゲームは特にね…。」 スイッチを押し決闘盤(デュエルディスク)を展開させる長門。 「なら問題ない。私は彼を守る為、貴方を倒す。」 『『『デュエル!!!』』』 TURN-05へ ※カードの絵柄が知りたい場合はイメージ検索推奨します
https://w.atwiki.jp/ln_alter2/pages/158.html
筑摩小四郎 登場作品【甲賀忍法帖】 登場話数 3 殺害者 朝倉涼子 最期の言葉「甲賀弦之介、討ち取った――」 【本編の動向】 登場話は006 伊賀の散歩者、退場話は059 ユケムリトラベル(下) 人類五名温泉宿の旅。 参戦時期は室賀豹馬達を襲撃する少し前から。 いきなり盲目+参戦前と似たような風景をした場所からのスタートという、どう考えても嫌がらせとしか思えない状況に叩き込まれる。 混乱するがままに、ふらふらと天膳を捜し求める彼の前に現れたのは姫路瑞希。 盲目の小四郎が不意に現れた瑞希を襲撃→瑞希逃げてー! 小四郎と瑞希は協力関係に。瑞希が料理を振舞う→小四郎逃げてー! まったく正反対の悲鳴がスレ内で飛び交う中、二人のとった行動は……? 普通に同行するだけでした。 「姫」路に付き従う形で歩みを進める小四郎の前に、次に現れたのは友好的な雰囲気の北村祐作と朝倉涼子のペア。 ……あれ? そのまま彼らと合流し、情報交換を行う小四郎。 北村の支給品から忍術勝負の結末を知ってしまうが、彼はこれを偽りと断定。 その後、他三人が温泉に入りにいってしまい、小四郎は一人辺りを警戒する。 見回りに動こうとしたその時、不意に参戦前から彼を助けてくれていたお幻の鷹が殺される。 姿の見えぬ襲撃者、彼は殺気からそれを宿敵甲賀弦之介と確信する。 盲目の彼に弦之介の瞳術は通じない、必勝の確信とともに忍術、吸息かまいたちを放つ小四郎。 手ごたえとともに勝利を確信したその瞬間、彼の命は消えたのであった。 結局のところ彼にとっては勝利を確信させた筈の盲目という状況の悪さが、常に足を引っ張ったといわざるをえないだろう。 状況の不自然さも、襲撃相手(朝倉)を妨害によりしとめ損なった事に気がつかなかったのも、目が見えないこととは無関係ではない。 とはいえ実は彼にとって一番、死を引き寄せたといえる要因は他にもある。 原作で他の忍者もそうなのだが、集団からはなれて単独行動をとったとき彼らの死亡確率は格段に跳ね上がるのだ。 あの時あるいは北村と温泉に入りに行けば助かった可能性もなかったわけではない。
https://w.atwiki.jp/rakirowa/pages/109.html
◆BOMB.pP2l. No. タイトル 登場人物 015 既知との遭遇 地球破壊爆弾No.V-7、泉こなた 028 その少女、ゼロのリスタート 結城奈緒 035 変種第二号 黒井ななこ、キョン、小早川ゆたか、クールなロリスキー 047 たった一つの強がり抱いて 素晴らしきフラグビルド 049 リバーワールド Dボゥイ、岩崎みなみ、かえる 055 K-パックス 柊かがみ、高町なのは、前原圭一(やる夫) 059 GHOST IN THE SHELL 朝倉涼子 060 誰かが死ぬのが怖いのか? 園崎魅音、6/氏(外見かがみ)、柊つかさ、相羽シンヤ、ラッド・ルッソ 062 憂鬱アンドロイド 真・長門有希、南千秋、ピッピ、川田章吾、静かなる~Chain-情~、ランキング作成人 063 プレデター 阿部高和 064 二人がここにいる不思議 衝撃のアルベルト 070 1984年 6/氏(神)、やる夫、ジョセフ・ジョースター 073 ここにいるのは―― クールなロリスキー、いさじ、村雨良、黒井ななこ 085 大都会交響楽大都会交響楽(中編)大都会交響楽(後編) 地球破壊爆弾No.V-7、泉こなた、6/氏結城奈緒、忘却のウッカリデス、遊城十代阿部高和、ラッド・ルッソ、桂言葉、真・長門有希 090 大都会交響楽(裏) 三村信史 登場させたキャラ 2回 泉こなた、黒井ななこ、結城奈緒、ラッド・ルッソ、真・長門有希、阿部高和 地球破壊爆弾No.V-7、クールなロリスキー 1回 柊かがみ、柊つかさ、小早川ゆたか、岩崎みなみ Dボゥイ、相羽シンヤ、衝撃のアルベルト、川田章吾、ジョセフ・ジョースター、三村信史、村雨良 6/氏、朝倉涼子、南千秋、高町なのは、遊城十代、いさじ、園崎魅音、ピッピ、 静かなる~Chain-情~、素晴らしきフラグビルド、忘却のウッカリデス、 6/氏(外見かがみ)、6/氏(神)、かえる、ランキング作成人、キョン、前原圭一(やる夫)、やる夫、桂言葉 多彩なキャラ、展開何でもござれな書き手。圧倒的把握力と投下量で本ロワを引っ張っていくお方 (2009-03-12 17 45 17) 地球破壊爆弾No.V-7さんその人なのかもしれない (2009-03-31 08 56 18) コメント
https://w.atwiki.jp/kskani/pages/302.html
◆5xPP7aGpCE 氏 氏が手がけた作品 話数 タイトル 登場人物 102 悪魔と戦闘機人と学生と(前編)(後編) 悪魔将軍、古泉一樹、ノーヴェ 107 俺達はとんでもない思い違いをしていたのかもしれない 深町晶、スエゾー 108 舌は踊り、血は騒ぐ 水野灌太(砂ぼうず) 119 少年追い易く信頼成り難し少年いずくんぞ獣人の志を知らんや 碇シンジ、川口夏子、朝比奈みくる、ハム 130 蜘蛛は水を求め、水を恐れる 雨蜘蛛 138 復讐者と悪魔の出会い空気少女ノーヴェと導く悪魔 悪魔将軍、ノーヴェ、ネオ・ゼクトール 141 逃れられぬ蛇の視線我が銃よ、俺の決意を示せ嗚呼、素晴らしき人生哉! キョン、スバル・ナカジマ、ナーガ 155 Girl who does lessonIt s a show time 悪魔将軍、ノーヴェ、古泉一樹、キン肉万太郎、ジ・オメガマン、中トトロ 157 学校を出よう! キョンの妹、ヴィヴィオ、朝倉涼子 159 saturated with fear キン肉スグル、ゼロス、水野灌太(砂ぼうず)、碇シンジ 162 Spider that entered museum砂の器 深町晶、スエゾー、雨蜘蛛 163 Nord Stream Pipeline -on stream-Nord Stream Pipeline -blow out-Nord Stream Pipeline -Disaster- 高町なのは、冬月コウゾウ、ケロロ軍曹、ネオ・ゼクトールラドック=ランザード(ズーマ)アプトム、川口夏子、ハム、リナ=インバース、ドロロ兵長悪魔将軍、ノーヴェ、古泉一樹、ジ・オメガマン、惣流・アスカ・ラングレー、キョンの妹、朝倉涼子、ヴィヴィオ、中トトロ 165 蜘蛛は何処に消えた? リヒャルト・ギュオー、タママ二等兵 169 本当の敵勝者と敗者 ウォーズマン、スバル・ナカジマ、ナーガ、キョン、長門有希、草壁タツオ 170 学校の妖怪 水野灌太(砂ぼうず) 178 囚われ人は嘘をつくまずは相手を知る事から始めましょう ウォーズマン、スバル・ナカジマ、キョン 181 第三回放送 長門有希、草壁タツオ、中トトロ 182 決着! 復讐の終わりそれはきっと未来へと繋がる行動 ネオ・ゼクトール、アプトム 186 Hard Luck DuoTurning point ハム、川口夏子 195 I returned キン肉万太郎、悪魔将軍、古泉一樹、川口夏子 197 罪と罰冬の訪れ、そして春の目覚め 深町晶、雨蜘蛛、スエゾー、長門有紀 198 contradiction キン肉スグル、ハム 登場させたキャラ 5回 悪魔将軍 4回 ノーヴェ、古泉一樹、川口夏子、ハム 3回 水野灌太(砂ぼうず)、キョン、スバル・ナカジマ、中トトロ、ネオ・ゼクトール、深町晶、スエゾー、雨蜘蛛、長門有希 2回 碇シンジ、ジ・オメガマン、キョンの妹、ヴィヴィオ、朝倉涼子、ナーガ、ウォーズマン、草壁タツオ、アプトム、キン肉万太郎、キン肉スグル 1回 朝比奈みくる、ゼロス、高町なのは、冬月コウゾウ、ケロロ軍曹、ラドック=ランザード(ズーマ)、リナ=インバース、ドロロ兵長、惣流・アスカ・ラングレー、リヒャルト・ギュオー、タママ二等兵 作品に寄せられた感想 初っ端から二部作投下等とにかくハイクオリティなお方 -- 名無しさん (2008-12-21 23 42 11) 真面目な話ばかりかと思いきや!コミカルな描写も巧かったwキョン子とか空気ノーヴェとか…可愛すぎだろ! -- 名無しさん (2009-01-08 21 10 12) 全体的にクオリティが高く、考察も深い。本当に尊敬します -- 名無しさん (2009-02-16 20 17 03) 考察も戦闘描写もうまく、変態も書ける。 -- 名無しさん (2009-04-11 00 06 15) 超展開が多く、没になることも多いがその発想はとどまらない。 -- 名無しさん (2009-05-11 15 29 56) 100話超えてから書き始めたにもかかわらずこのSSの数。内容も半端ねぇ! -- 名無しさん (2009-06-03 01 15 35) あらゆる意味でセンスが凄い -- #123 (2010-04-22 23 02 00) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2830.html
俺の名は谷口。的屋だ。いや、的屋だったと言うべきか。さっきまで的屋だったが、店仕舞いしてしまったんだから、的屋とはいえないな。的屋じゃなくなったんだから、元の探偵に戻ったということになるのだろう。 では改めて。俺の名は谷口。探偵だ。 俺はバイト料代わりの練乳みぞれカキ氷を長門におごってやり、ぶらぶらとそこらを歩いていた。祭りの終り近くというのはやはり寂しいもので、人通りのまばらになった道路沿いを見ていると、ああもう夏も終わっちまうのか。という似合いもしないセンチな気持ちがわいてくる。夏は終わっても、夏の暑さはいっこうに納まらないのにな。 「………兄貴はこれからどうするの?」 さあ、どうしようかな。とりあえず、たまご焼きでも食べながら考えるさ。俺、お祭りに来たらたまご焼きは絶対買うようにしてるんだ。焼きたてのたまご焼きって、縁日にでも来ないと食べられないじゃん? 焼きそばとかお好み焼きとかタコ焼きは食べたくなったらすぐ食べられるけど、焼きたてたまご焼きって簡単には手に入らないだろ? 希少価値だよ。レアフードだからな。たまご焼き屋も最近は見なくなったし。 「………綿菓子もね」 作りたての綿菓子も縁日の出店くらいじゃないと手にはいらないよな。そういえば。でも俺、いい年だし。綿菓子なんてガラでもないから、パスでいいや。 「………私は食べたい」 お前な……ここぞとばかりにたかってくるな。 「………あと、金魚すくいも」 金魚すくいはもうたくさんだろ? 金魚がほしいんなら、後でいっぱいやるよ。100匹くらい。遠慮するな。余ってるんだ。 「………そうじゃなくて。もうひとつの金魚すくい屋の方」 なに言ってるんだよ。あんなところへ行けるわけないじゃないか。あれこそ諸悪の根源、いろんな意味での商売敵の巣窟だぞ。あんなところへ行きたいなんて、お父さんは許しませんよ。 「………ケンカはいけない。仲直りしないと」 俺はズボンのポケットに手をつっこんだまま立ち止まり、長門の横顔に目をやった。 お前。ひょっとして俺とキョンのこと心配してたのか? わずかに眉をひそませて俺の顔を見上げる長門の顔を見ながら、俺は変に照れくさくなって目線をそらした。やれやれ。まさかこんなガキにまで気を遣わせてしまってたなんて。 あのな、長門。俺とキョンがいがみあっているのは、昨日今日に始まったことじゃないんだぞ。なんていうか、犬猿の仲のくせに腐れ縁っていうか、言葉で説明しづらいが、俺とあいつはこれでけっこうバランスがつりあってるんだ。俺としてはバランスとれなくなってもいいんだが、不思議にこれで安定しちゃってるんだよ。だからケンカしたって「まあこんなのいつものことだ」と思っていられるから、わざわざ細かいことまで気にすることはないんだ。 「………ケンカするほど仲がいいって言うこと?」 違う。断じて仲はよろしくないぞ。言ってみれば、磁石の同極同士っていう感じ? 「………臭い物をくさいと分かっていても、ついついニオイをかいでしまう、という感じ?」 お、ちょっと近づいたぞ。しかし意味がよく分からない。そして残念ながらたとえが悪い。だれが臭い者だ。 だいぶダラダラと歩いていたつもりだったが、早くも屋台群の端っこまで来てしまった。ここで祭提灯のすだれは途切れている。やっぱ屋台あっての縁日だよな。屋台が無くなると、そこを境目に祭と日常の隔たりがはっきり別れているようで、やっぱり寂しい気がする。ここから先へ行ってしまうと、もう今日という日が終わってしまうようだ。 しかしこっから先へ進むわけにはいかない。さっさと家に帰ってしまいたい気分ではあるのだが、店を片付けないといけないし。 もう長門は帰れよ。夜も遅いし。 「………うん。それじゃ」 今日はありがとうと控えめに手をふって、ぼんやりとした街灯の光の向こう側へ去っていく長門を背中を眺めていると、やはり1日がもう終わってしまったのだな。という気になってくる。とうとう今日は失敗したまま終わってしまったのか……。 長い人生、そんな日もあるさ。だろ? そんなことでいちいちヘコんでられないぜ。 どうしよ。このまま本当に店の片付けに戻ろうかな。コンビニでおでんでも買ってこようかな。どうしよう。 「あら、谷口くん。店にいないとおもったら、こんなところにいたの。もう店仕舞い?」 やあ朝倉さん。奇遇だね。こんなところで逢うなんて。これも運命ってやつかな? さっき会って別れたばかりだけど。 「そうかもね。運命なんて言ったら大げさだけど」 いやいや。きっと運命に違いないよ。長門も帰ったことだし、運命ついでにこれから一緒に祭りを見て回らない? 「縁日、もうすぐ終わっちゃうわよ?」 いいさ、それでも。始まる前でも終わる間際でも、祭りは祭りさ。一応、まだ屋台だって開いているし。人が少なくなったぶん、かえって歩きやすくなっていいや。 「そうかもね。それじゃ。せっかくだし、谷口くんに案内してもらおうかな?」 あ、そういや朝倉さん、お姉さんと一緒に来てたんだっけ? お姉さんは? 「いいのよ。お姉ちゃんなら、彼氏と二人で先に帰ったもの」 すこし寂しげにそう言うと、朝倉涼子は照れ隠しのように微笑んだ。ああ、置き去りにされちまったわけか…。とんだ運命だな。 しかし、こう言ったらなんだが、好都合。これで心置きなく朝倉さんと2人で縁日を見て回れるってわけだ。 「そうね。私もひとりでどうしようかと思ってたところだし」 さびしい男と女が、しめやかに終わっていく夏祭りの路上で出遭ってしまったんだ。長くのびた影に孤独をさとり、よせる波のように2人よりそえば、ゆれる提灯の明かりも絡みあう指をおぼろげに照らしだす。てな風情だ。 「いやな言い方するわね…。まさか変なこと考えてるわけじゃないでしょうね」 変なことってなんだよ。俺はいたって健全なことしか考えていないぞ。それじゃあ、お手々つないで行きましょうか。 「やーよ。谷口くん、口ぶりがいやらしいんですもの」 ああ、ごめんなさい。冗談です。謝るんで勘弁してください。だから訴えないでください。お願いします。 俺の必死の謝罪が功を奏したのか、朝倉涼子はくすりと笑って歩き出した。 「冗談よ。行きましょう」 一緒に行こうと言ってはみたものの。さっきまで金魚すくい屋でポイの紙を破り捨てることに執念を燃やしていた俺と違って朝倉さんは、もうあちこち見て回っているんだろうな。さあ、どうするべきか…。こういう時は男が積極的にリードするものだと相場が決まっているが、このままだとイニシアチブを朝倉さんに奪われっぱなしだ。 でもこのまま朝倉さんの先導について行くというのも楽でいいかも。いやいや、やはり俺が男らしく彼女を楽しませてやらないと。そして積もりに積もったマイナスイメージを払拭しなければ。 かといって、終わりかけの縁日でどう盛り上がれというのか。うーむ、これは難問だ。 「もうすぐ花火の時間よね。公園に行きましょう」 そうだ、花火という手があった。まだまだイベントは残ってたんだな。神はやはり俺を見捨ててはいなかったのだ。ところで今日、花火なんてあったっけ? 「知らないの? 電柱や掲示板に貼ってあったポスターにも書いてあるじゃない。21時20分から公園で打ち上げ花火をやるって」 アイヤ知らなかった。なんだ、去年はそんなイベントなかったじゃないか。青年会め。俺に黙っていやがったな。ずるいぜ。 「キミが知らなかっただけじゃない?」 そうです。はい。面目ない。いや、マジで面目ない…。 「そこまで落ち込まなくても。そんなこともあるわよ。谷口くん、金魚すくいの店の準備に熱中してたみたいだし。気づかなかったのね」 ううぅ、フォローありがとうございます。なんて言うか、地元人として立つ瀬がない…。 その時、あたりがネオンのようにぱっと明るくなったかと思うと、腹の底をふるわせる音が周囲にひびきわたった。 空を見上げると、華々しい光の玉が暗い夜空にかき消えて行くところだった。ああ。花火だ。本当に花火なんてあったんだ。長門にも教えてやりたかったな。 「あ、もう花火が始まっちゃったみたい! 急ぎましょう!」 駆けだした朝倉さんの後を追うように、俺もつられて走り出した。 ま、いいや。別に無理して男がリードしようとしなくても。性別なんて関係ない。その場のノリで行ける人が、みんなを引っ張っていけばいいのさ。 その時ふと頭の片隅に、鶴屋さんの別れ際のセリフが浮かんできた。 ───21時27分。公園の真ん中にある矢倉に近づいたらダメにょろよ? いい? 絶対に。お姉さんとの約束っさ 何があるのか知らないが、朝倉さんが行っちまったんだ。行かないわけには、いかないさ。 道路に人通りが少なくなったと思ったら、みんなこっちに移動していたのか。公園の内外はたいそうな混み具合だった。 遠くの方から花火を遠望している人もたくさんいるが、やはり花火は打ち上げ間近で見上げながら眺めるのが大胆で豪快で磊落だとみんな思っているのだろう。 どん、と音をたてて、また一つ空中で輝く火花が四散した。やっぱ夏はこれだよな。 時計を見ると、針は21時23分を指していた。 「きれい…。花火っていいよね」 時計から目を上げると、朝倉涼子の顔が花火の光を受けて白く輝いていた。夜闇の黒と火花の白い光に照らされ、まるで名のある画家が描いた単色絵画のようで、とても美しかった。花火っていいよね。 「朝倉さん。谷口くん。2人も来てたんだ」 誰かに呼びかけられ、ふり返る。そこには浴衣姿の朝比奈さんと香具師姿のキョンが立っていた。 こんばんは、朝比奈さん。奇遇ですね、こんな時間にお会いするなんて。『夜』なのに『朝』比奈さん、なんっちゃって。 「うふふふ。もう、谷口くんったら~」 「……なにが面白いんだ、そのダジャレの」 うるさい黙れキョン公。面白くもないダジャレなんてのは百も承知。会話の流れの潤滑油にいちいち横槍を入れるなんて、なんて野暮ったいヤツだろうねまったく。 「ふ~ん、そうなんだ」 じと目というのだろうか。椎名誠的な表現をするならワニ目というのだろうか。妙な具合に目を細めた朝倉さんが、わざわざ俺の顔を覗き込むように視線をおくってくる。 な、なんスか? 俺、なにか不謹慎なことでも口走りましたか? 「私の名前も『朝』倉なんだけどな。私、谷口くんに今日2回も会ったのに、そんなダジャレ1回も言われてないんだけど?」 そうでしたっけ。まあ、仕方ないっスよ。今さっき思いついたシャレなんだし。な、なんスか? なんでそんなに睨むんスか? 「睨んでなんていないわよ。もう。いいわ」 何か知らないが、朝倉さんはカリカリした様子でそっぽ向いてしまった。どうしたんだ? そういえばさっきから変にイラついているような感じだったな。いつからだったかな……。そう、この公園に来た時くらいから…… その時。ひやりとした感覚が俺の手に走った。朝比奈さんの浴衣姿とキョンのアホ面から視線を離す。 後ろ手に、朝倉涼子が俺の手首をにぎっていた。そっぽ向いてるから、彼女がどんな顔をしているのかまでは窺い知れない。 俺は背筋に冷水をかけられたよな既視感がして、小さく身震いした。 今のこの状況。俺が見た夢の中の様子に似ている。さっき見た夢の中の映像。そこでも俺は不意に朝倉涼子に手をにぎられ、ふるえる声でこう言われたんだ。 ───助けてよ。谷口くん バカバカしい。夢の中の出来事を、現実世界にあてはめるなんて。気が滅入ってるのかね。今日は厄日かもしれないな。朝倉さんに手をにぎられたのはラッキーだが。 どん、と雷が落ちたような音をたて、赤い花火が夜空にさいた。その一瞬の火花の中で、俺の視界の隅に古びた公園のアナログ時計が残影のように映った。 その針は、21時27分を指していた。 どん、と耳元で大太鼓が打ち鳴らされたような音がした。ひゅるるる…ぱっと花火が夜闇を照らし出す。誰もがそう思ったに違いない。 しかし大太鼓の音の後に起こったのは、非日常的な光景と群集の悲鳴だった。公園の中心にそびえたつ矢倉が、突然ぐらりと傾いだかと思うと、ばきばきという乾いた音をたてながら崩れ落ちてきた。 蜘蛛の子を散らすように、というのだろうか。花火見物に集まっていた観客たちは声をあげながら逃げていく。 俺は事態を把握しきれていない頭で、俺の手をぎゅっと握ったまま動かない朝倉涼子の肩をだいて反射的に逃げ出した。まるで金縛りに遭ったかのように身じろぎしなかった朝倉涼子も、俺に引きづられると正気にもどったように歩き出した。あたり一面に、逃げ惑う群集の声が大音量であふれかえっていた。 「朝比奈さん!」 切羽詰ったキョンの声に驚き振り返ると、朝比奈さんがその場にへたりこんで固まっていた。まずい。腰でもぬかしたのか!? すぐさまキョンが朝比奈さんを抱え上げるが、とっさのことでうまく持ち上がらない様子だ。俺も手伝うべきかと一瞬迷ったが、俺が今やるべきことは他にある。悔しいが、朝比奈さんの保護はお前に任せたぞ、キョン! 完全にバランスを失った矢倉が、まるで悲鳴のようにスピーカーのハウリングを起こしつつこっちへ倒れてくるのが目に入った。巨大なモンスターがのしかかってくるかのような威圧感だ。 朝倉涼子をかばいつつ、俺はなりふり構わず駆け出した。 背後で大きな質量をもつ物体の、盛大に砕け散る音が耳に届いた。 公園脇の街路樹の根元まで走って行き、俺は倒れこむように歩道に座り込んで後ろを振り返った。公園内には土煙がもうもうと舞っており、夜の暗さと相まってなにも見えない。 周囲は統制のとれていない大勢の人たちの喧騒に満ちていた。当然だ。花火見てたらいきなり矢倉がたおれてきて、あやうく押しつぶされるところだったんだ。誰だって興奮するさ。 俺の隣では、呆然と朝倉涼子が公園の土煙を眺めつつ脱力したように立っていた。 俺はその場で深呼吸を2,3度行い、理性で興奮をおさえこみ立ち上がった。まだ少し、足がふるえている。 キョンと朝比奈さんが無事逃げられたかが気になり、あたりに目をやった。しかし周囲一面、避難民やら野次馬やら判別できない大勢の群集で埋めつくされていて、とても2人を探し当てられるような状況ではない。すぐに事態収拾のため、警察もやってくるだろう。さらに人探しは難しくなる。 朝倉さん、ここから離れよう。後のことは警察なり何なりに任せて。 俺と朝倉さんは金魚すくいの屋台に戻り、道具をまとめてテントを折りたたんでいた。 俺はもうだいぶショックからも立ち直っているんだが、朝倉さんの方はまだ浮かない顔つきをしたままだ。まだ逃げ遅れた朝比奈さんとキョンのことが気になっているんだろうか。 朝倉さん、大丈夫? 気分でも悪いか? 「……ううん。大丈夫よ。いきなりのことだったから、まだちょっとショックが残ってるだけ」 そっか。そうだよな。ビックリするよな。俺も久しぶりにどきどきしちゃったもん。どうせドキドキするならトキメキで胸を高ならせたかったもんだが。世の中思い通りにはいかないものだ。 「ごめんね。私が花火にさそったりしたばっかりに。こんなことになって…」 朝倉さんのせいじゃないさ。それに、朝倉さんも俺も怪我ひとつ無いんだ。気にすることなんてない。 テントは青年会に返し、金魚をいれていたコンテナも青年会の管理する倉庫に放り込んできた。俺は残った小物道具を箱につめこみ、自転車の後ろに載せて運搬していた。 自転車のハンドルを持って自転車を押しながら、少ししめっぽい夏の夜風を受けて歩いていた。その隣を朝倉さんが無言で歩いている。 「…………」 てっきり朝倉さんのナーバスも一時的なもので、少したてば「怖かったね~!」と笑って言えるようになるだろうとタカを括っていたんだが。彼女のショックは俺の想像以上に深いものらしい。実は朝倉さんって、俺の想像以上にデリケートな人だったんだな。口には出せないが。 なあ、朝倉さん。 「……なに?」 あん時はどうしようかと思ったけど、無事だったんだしさ。そう落ち込むこともないと思うぜ。 「心配してくれてるの? ありがと」 小さくそう言って無理矢理、微笑む朝倉涼子の笑顔が痛々しく感じられた。 なんなら、『朝』まで一緒に居てやろうか? 『朝』倉さんだけに。 てっきり笑うか変な顔して反論してくるとばかり思って覚悟を決めていたが、朝倉さんは俺のさむいダジャレを聞いても特に反応を示さず、きょとんとした表情で俺の顔を見ていた。なんだよ。そんな顔して見るなよ。照れるじゃないか。 何か変な物でもくっついてるんじゃないかってくらい、しばらく俺の顔を見ていた朝倉さんだったが、徐々に肩をゆらし、笑い始めた。 「うふふふ。ははは。おっかしい。なに? 公園で私がダジャレ言ってくれなかったって言ったこと、ひょっとしてまだ根に持ってたの?」 なんだよ。悪いかよ。けっこう俺ってナイーブなんだぜ。 「あはははは。ごめんなさい。気にしなくてもいいのに。ああ、笑いすぎて涙でてきちゃった」 朝倉さんはムッとした顔の俺の肩をたたき、小指で目の涙をぬぐった。やめてくれよ。そういう仕草みてるとドキドキしちゃうだろ。 何がそんなにおかしいのか知らないがひとしきり笑った後、朝倉涼子はごめんなさい、と呟いて俺の肩に額をあずけた。 なんだよ。ごめんって。いいさ。気にしてないから。人に笑われるのには慣れてるし。 しばらく無言で朝倉さんは俺の肩に頭をくっつけていた。俺としては何がなにやら分からず困ってしまうわけだが、困ったまま、小刻みにゆれる朝倉さんの両肩を見ていた。 「私の家、ここから近いんだ。ありがと、送ってくれて」 静かにそう言って、朝倉さんは軽い足取りで歩き始めた。 「またね」 手を振り、朝倉涼子は閑静な路地を走って行った。 その後姿が見えなくなった後でも、俺はまだわずかに心臓の動悸がおさまりきっていなかった。収まれ、俺の心拍数。 不思議な夜だった。風がふいても、まだ朝倉涼子の香水の残り香が鼻腔にのこっているような気がした。 縁日の次の日。郵便受けに入っていた新聞を広げ、コーヒーを飲んでいると、地方欄に昨日の21時27分の件が載っていた。 1晩経った今でさえ、あの時の記憶は鮮明に残っている。炸裂する花火の打ち上げ音。ゆるやかに傾いで倒れてくる矢倉台。土煙。生々しい。 新聞によると、あの1件は不幸な偶然が重なった上での事故だったらしい。なんでも、空に打ち上げようとした花火の発射台が誤って倒れてしまい、それが矢倉に命中してしまった。矢倉は矢倉で、支柱の木の一本が腐っていて、花火の衝撃にたえきれずポッキリいってしまったらしい。 俺の脳内に、ふっと涼宮ハルヒと古泉一樹の姿が浮かんだ。どうも最近、都合のいい偶然話をみかけると、奴らの顔を思い出してしまう。 事故ってのは多かれ少なかれ、こういった不幸な偶然が重なって起こるものなんだ。いちいちヤツらのせいじゃないかと疑ってかかっても詮無いことだろう。 新聞によればあの事故で、負傷者が1名出たらしい。事故が起こった経緯よりも、俺としてはむしろその負傷者1名の方に「偶然」を感じるね。 この事故での負傷者1名とは、キョンのことだ。詳しいことは分からないが、昨夜聞いた話では、キョンは朝比奈さんをかばって矢倉の直撃を受け、腰に打撲症、大腿骨骨折の重傷を負ってしまったらしい。 見上げた根性だ。そして、よくやったとキョンを褒めてやろうと思う。いくら気にくわないヤツだとはいえ、朝比奈さんを守った上での名誉の負傷だし。 それに知り合いが入院するってのは、相手が誰であろうと気分のいいものじゃないんだ。 今キョンは市民病院に入院中で、朝比奈さんが付き添いに行ってるそうだ。入院費は青年会がなんとかするだろう。 俺はキョンの見舞いの品に、甘口キムチがいいか辛口キムチがいいか思案しながら立ち上がった。もういっぱいコーヒー飲んでから出かけよう。 「砂糖は入れるかい? ブラックばっかじゃ身体に悪いっしょ?」 台所から、コーヒーメイカーを手にした明るい笑顔の女性が現れた。 「やあ。昨日ぶりだね谷口くん。新聞読んでたから、邪魔しちゃ悪いと思って勝手にあがらせてもらっちゃったよ」 俺は寝癖のついた頭をぼりぼりしながら、クエッションマークの浮かぶ脳みそでその女性に目をむけていた。……誰だっけ。見覚えが……あ、そうか。鶴屋さんだ。 じゃあ、砂糖抜きで。 「はい、どうぞ」 あ、ども。うーん、この舌を刺激する酸味がたまらない。 で、今日はどのようなご用向きで? 「昨日もらった金魚なんだけどさ。ホームセンターに行ってもエサの種類が多すぎてなにを買ったらいいか分かんないんだよ~。どの種類のエサをあげればいいのかな?」 ああ、基本的になんでもいいっスよ。ゆっくり水中に沈んでいくタイプのエサがいいかも。 「いやあ、金魚を飼ったことがないからさ。全然分からなかったんだよね。ありがと!」 いやいや。お役にたてて何よりっス。そんじゃ、また。縁と機会があればお会いしましょうぞ。 ふーん、とうなって鶴屋さんは俺を観察するように見た。 なんスか? 「いやね。てっきり昨日のことをいろいろ訊かれるんじゃないかって思ってたのに、訊かれないからさ。何か調子がくるっちゃうっていうかさ~」 訊きたいことならいっぱいあるけど、全部教えてくれるの? 「うん。教えたげるよ」 俺はコーヒーを飲み干し、テーブルの上にカップを置いた。 やっぱ、やめときますわ。余計なことまで聞いて変なことに巻き込まれたくないんでね。 「ふーん。キミって、けっこう賢いんだね」 賢くなんてないっスよ。賢かったら、もっといい生活してますよ。 古泉も似たようなこと言ってたしな。 ───知りたいですか? いくら知的好奇心から知りたいことでも、それで今の平穏無事な生活を失ってしまいかねないってリスクは大きすぎる。 「たとえば、谷口くんが知らない間に日本の税制度が変わって、消費税が値上げされてしまったとするよ。消費税が5%だと思っていたのに、実は10%になっていた。買い物をする時、カウンターで清算する段になっても、キミは消費税が値上げされたいたことに気づかなかった。どう? 知らず知らずのうちに予定以上の出費をしていたとしても、キミは幸せかい?」 カップから口を離すと、鶴屋さんが妙な話をふってきた。 知らない間に金を想像以上に搾取されてしまうのはイヤだな。それに、税が値上げされたことを知らなけりゃその後の消費生活にも関わってくるし。そういう意味では不幸…かな? 「知らないよりも知っておいた方がいいってことは世の中にたっくさんあるけどさ。やっぱ知らない方が幸せなこともあるんだよね。消費税の値上げのたとえで言えば、キミは知らず知らずのうちに予想よりも多い税をとられていることになるけど、それは知らないからこそあれこれ考えずにいられるのっさ。もし多くお金がとられていることに気づいてしまったら、消費税を値上げした政治家を恨んでみたり、買い物にかかる出費を嘆いて暗澹とした気分になったりするんじゃないかな。そうなったらば、やっぱ不幸だと思わない?」 そう言われれば、そうなるかもね。知らぬが仏っていうことわざもあることだし。 「消費税が値上げされたら、それを知っても知らなくても、お金をとられることに変わりはないんだし。むしろ知らなければ、余計なことに神経を使わずに平穏に暮らしていけるじゃないか」 強引な話ですね。 「まあ、たとえ話だしさっ。物事を知ることは必ずしも幸せにつながるとは限らないけれど、知らないということは幸せにつながるのだよ」 無知=幸福ってことですか? まあごくごく一部の意見には同意しますけど、物を知るということは大事ですよ。情報を仕入れる上で、有用な情報化不必要な情報化を選り分けることができないから、不幸をしょいこむことにつながるということはあるだろうけど。 「知らないでいられるってことは、けっこう幸せなことだよ」 とまあ小難しい話はここまで。疲れるしさ。と言って鶴屋さんは俺の背後にまわると、背中をぽんと叩いてまたけらけらと笑った。 「ま、事情を知りたくないっていうんなら無理に教えることもないかっ。でも、もしこっち側の秘密が知りたくなったならいつでも言っておくれ。可能な限り教えてあげちゃうよ」 それだけ言うと、鶴屋さんは手を大きくふって玄関へと降りていった。靴、そこにあったのか。 「あ、そうだ。谷口くん。ひとつだけ。キミがどれだけ私の言うことを信用するかは別問題として、忠告しておいてあげるよ」 ドアを開け、今まさに部屋から出て行かんとしていた鶴屋さんが、肩越しに振り返った。 「朝倉涼子にゃ気をつけな」 バタン。と音をたててドアが閉まった。 出て行く間際の鶴屋さんの笑顔が、なぜか古泉のにやけ顔とかぶって見えた。あのスマイルって、なにかのスラングなのだろうか。 ───朝倉涼子にゃ気をつけな 頭の中に、夕べの朝倉涼子の走り去る後姿が浮かんできた。 確かに、知らなきゃよかったよ。鶴屋さんも余計なことを教えてくれたもんだ。 ため息をつき、俺は寝癖を直して靴を履いた。 コンビニで日本産甘口キムチを買って、キョンの見舞いにでも行こうと家を出た。 ~完~ <次回予告> 谷口「まったく。鶴屋さんが変な忠告するから気になって気になって」 鶴屋「あっははは! ごめんよ谷口くん。キミの心の純真な部分を傷つけちゃったかな?」 谷口「…んなこたないですけど。ま、いいか。俺はこれから仕事あるんで。立派な社会人として」 鶴屋「おー、そういえばキミは探偵さんだったんだね~。仕事って、なになに?」 谷口「それは教えられませんよ。職務上知りえた情報を部外者に横流しすることはできなんでね」 鶴屋「え~と、ふむふむ。部屋に盗聴器がしかけられてないかどうかの調査? うん?」 谷口「うぉい! なに勝手に重要文書に目を通してるの!? ダメよダメダメ、ダーメダメよ!」 鶴屋「重要な物なら、無造作に接客テーブルの上に放り出しておくことは感心しないにょろよ?」 谷口「金庫に入れようと思ってたら鶴屋さんがいきなりどこからともなく現れたんじゃないスか」 鶴屋「で。誰の盗聴するの?」 谷口「……俺が盗聴するわけじゃないんスよ?」 谷口「次回、ゴシップ探偵、谷口 ~かわいいあの子は売れっ子マジシャン~」 鶴屋「谷口くん、マジックなんてできるのかい?」 谷口「いや、俺はできませんけど…。そういや鶴屋さんがいつの間にか俺の部屋に入ってきてたのってマジック? 全然気づかなかったんスけど」」 鶴屋「マジックだよ。種も仕掛けもあるのさっ! こう、窓にね、ガムテープを貼ってナイフで切れ目をいれて一気にハンマーでぽこっと」 谷口「それ不法侵入じゃないスか! 窓から入ろうが玄関から入ろうが不法侵入には変わりない……ああ、うちの窓が!」
https://w.atwiki.jp/tikan/pages/1.html
「痴漢で始まる出会いもある」 ヒーロー ごうだのびた ID OHOいい男 ヒロイン 痴漢太郎(仮) 概要 ウィキはみんなでバナナジュースwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww このページは痴漢wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww メールで送られてきた赤外線を用いて送信することで、トーチャンOHOwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww さぁみんなでブクブクストローエレベーターwwwwwwwwwwwwwww 痴漢太郎(仮)=ハム太郎(仮)wwwwwwwwwwwwwwwwww 新しいページを作りたい!! ページの下や上に「ストローエレベータwwwwwwwwwww」という技があるので、クリームソーダーあばばばばばばばして作成してください。 表示しているページを編集したい! ページ上の熊やページ下の虎を戦わせてください。居なくても仮定しましょう。 とっとこハム太郎が出てきて編集してくれまwwwwwwwwwwすwwwwwwww ブログサイトの更新情報を自動的に載せたい!! お気に入りのブログのRSSを使っていつでも新しい情報をマスカクオwwwwwwwwwwwww-http //atwiki.jp/tools/blogrssmaker.html ニュースサイトの更新情報を自動的に載せたい!! 冷蔵庫ばったんばったんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww RSSを使うと簡単に情報通になれます、詳しくはこちらをどうぞ。 その他にもいろいろな機能満載!! @wiki 便利ツール ヘルプ・マニュアル・FAQで間違いを見つけたら? お手数ですが、俺の家へ向けてケッツアゴーwwwwwwwwwwwww ⇒support@atfreaks.com バグ・不具合を見つけたら? お手数ですが、俺の家へ向けてケッツアゴーwwwwwwwwwwwww ⇒http //bugs.atwiki.jp/ ⇒http //bugs.atwiki.jp/node/4 分からないことは? 俺のかーちゃんでーべーそーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww @wiki イイ男のFAQ @wiki 痴漢初心者おホモだち講座wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww @wiki はじめての痴漢マニュアル メールで問い合わせ @wiki ケツの穴を守るツール 等をご活用ください
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/3792.html
解説 ライトノベルキャラ29名で行うトーナメント。 前回と異なり、今回は代理出演なし。全員本人が出演している。 ……その分、同一人物が出演していたりするのだが。 前回出そびれたメンツも総出演しているため、作品ファンにとってはうれしいことである。 なお、そっくりさんのみのおまけ大会「他人の空似トーナメント」も併設されている。 出場キャラクター + 本戦 『涼宮ハルヒの憂鬱』 涼宮ハルヒ(チョイヤー氏) 涼宮ハルヒ(汚レ猫氏) キョン キョン子 古泉一樹 朝比奈みくる(minoo氏) 朝比奈みくる(CCI氏) 長門有希(ドロウィン氏) 長門有希(i@氏) 長門有希(汚レ猫氏) 朝倉涼子(yukimiti氏) 朝倉涼子(minoo氏) 谷口 鶴屋さん 『マリア様がみてる』 小笠原祥子 藤堂志摩子 島津由乃 福沢祐巳 松平瞳子 『フルメタル・パニック!』 ARX-7 アーバレスト ボン太くん 『ロードス島戦記』 ディードリット 『キノの旅』 キノ 『アンジュ・ガルディアン』 マリー=デイヨン 『東方香霖堂』 森近霖之助 『ゼロの使い魔』 ルイズ 『ウィザーズ・ブレイン』 セラ 『空の境界』 両儀式 『灼眼のシャナ』 シャナ 『サモンナイト』 ミニス・マーン 『パラサイト・イヴ』 Aya BREA + 他人の空似トナメ 『吉永さんちのガーゴイル』 高原喜一郎 『這いよれ!ニャル子さん』 クー子 ニャル子 『グイン・サーガ』 グイン 『キノの旅』 陸 『僕にお月様を見せないで』 駒犬銀之介 メタルゴリラ 『狂乱家族日記』 乱崎月香 関連大会 ラノベっぽい何かでタッグトーナメント オリキャラ&版権キャラでタッグトーナメント RPGっぽい何かでタッグトーナメント 特撮っぽい何かでタッグトーナメント 有名ペアっぽい何かでタッグトーナメント おもちゃ屋さんトーナメント コメント ハルヒ多すぎワラタwww -- 名無しさん (2009-12-17 17 12 06) minoo氏長門作ってたっけ? -- 名無しさん (2009-12-18 19 47 09) ↑誤植のようでしたので、訂正しておきましたー。 -- 月見うどん食べたい (2009-12-19 19 56 49) 名前 コメント マイリスト
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/996.html
長門有希のファンクラブ。 朝倉については本人の項を見てほしい 現在のメンバーは朝倉涼子、キーボードクラッシャー、クルーゼ、流石兄弟兄者、ディアボロモン。 メンバー共通の目的はただひとつ。長門と結婚することである。 カオスロワ中では朝倉以外出番がなく空気化。 二日目にディアボロモンによってディアボロモンと朝倉以外のメンバーが殺される。 しかもそのディアボロモンは暗黒長門とともにらき☆すたはウザイ同盟に入ったので 実質この団体は崩壊したも同然である。
https://w.atwiki.jp/ayanami_nagato_ruri/pages/316.html
史上最大の侵略 長門の様子がおかしい 阪中の依頼が終わってからコッチのことだ おかしいと言っても普段どおりの無表情だ。普通の奴らは気付かないだろう だが長門に関する洞察力は俺は誰よりもすぐれていると自負している。その俺がいうのだ。間違いない というわけでおかしな点。その一。 自習授業中=ほぼ休み時間中にハルヒの話を聞き流しながら、フと校庭に目を転じてみると体育の授業なのだろう。体育服姿でバスケをしている女子生徒たちがいた。 その中で一際、機敏に動く影があった。長門だ。遠目でもはっきりわかる 長門は味方にパスもせずに、一人でドリブルをして敵のガードを擦り抜けてダンクシュートを決めるという、ハルヒ顔負けの活躍をしていた 長門が体育の授業をしている姿を初めてみた。意外と熱心に受けているじゃないか。いいことだ ただチームプレーはした方がいいぞ。あと味方にハイタッチを求められたら形だけでもいいからやっておけ。 見てみろ。後ろの奴がにらむように見ているぞ。バスケ部かもな と、この時は思ったのだがあとで思い回してみるとあの時の長門は積極的すぎた。不自然な位に。 まるで体を動かして何かを忘れようとしているように俺にはみえた おかしな点二。 放課後、掃除当番のハルヒを置いて、一人で部室に行った。 キ「ちわーす」 ドアを開けてみると長門がいつものポジションにいた。ただし読書はしていなかった 胸の前でストップウォッチを握って目を閉じている。 あれだ。時間ぴったりにボタンを押すやつか?お前なら正真正銘、寸分の誤差もなく、ドンピシャの時間に止められるよ。 長門がカチッと白い親指でボタンを押して、閉じていた目を開いてタイマーをみた。 次の瞬間、長門の無表情が完全に崩れたのだから俺が驚いたのもわかってもらえるだろう。 長門の表情にははっきりと焦りが浮かんでいた。 キ「長門?」 俺が恐る恐る呼び掛けると長門はビクリとコチラを振り向いた。 まさか今初めて、俺がいたのに気付いたのか? キ「お前・・・」 かけるべき言葉を考えながら長門の元に歩み寄ってタイマーを覗き込んだ。 58秒と少しだった。 いくらを目標にしたかはわからないが、さっきの表情を見るかぎり、外れたのだろう。 俺はウルトラマンがゼットンに倒された光景を直視したような絶望感に教われた。信じられない。こういう作業で長門がミスをするなんて キ「具合でも悪いのか?」 長「平常通り」と普段通りの無表情で首を振る その様子を見てなぜか冬の合宿で倒れた長門を思い出した。俺は長門の額に手を当てた。 キ「つッ!」 思わず手を引っ込めた。前に四十度の高熱を出した妹の額よりもずっと熱い。人間の体温とは思えない(人間じゃないが) キ「おま・・・すごい熱じゃないか!」 長「・・・これが私の平熱」 いや、うそつけ キ「今日は帰って寝ろ。頼むから」 長「・・・・・そう」 長門は案外、素直に引き下がり、帰り準備を始めた。俺もその作業を手伝う キ「歩いて帰れるか?タクシーを呼ぼうか?」 長「いい」 部室から出ていく前に俺の方を見て「ありがとう」と言って帰っていった。 有希姉の様子がおかしいです。 おかしいと言っても普段どおりの無表情です。しかし妹の私からみればおかしい点が多々あります。 とりあえずその中の一つをあげてみます。 見た目からは想像できない異常な食欲が有希姉の特徴の一つです。 ところがその食欲がウソのように失せています。いつもなら何杯もお代わりするのに、最近は一杯食べればいい方。おかずにも手をつけません。 その他にもボーッとしていることが多かったり、私の髪を洗う時も動作が機械的だったり、体も触ってきません(別にしてほしいわけではありませんよ?) 本人に聞いても答えは同じ。「平常通り」 長「ごちそうさま」 呟くように言って、まだかなり量が残っている茶わんを下げに席を立ちました。 ル「有希姉、やっぱり様子がおかしいです」 レ「そうなの?」 テレビを見ながら生返事をレイ姉がかえしてきます ル「・・・・・・気付いてなかったんですね」 レ「わからないわ。多分三人」 ル「ごちそうさま」 レイ姉のバカ。 それにしても有希姉はどうしてしまったんでしょう?前にもキョンさんといろいろあって様子がおかしかったですが、あの時よりもひどいです。 その夜。いつも通り三人で川の字になって眠っていると、ふと私は目を覚ました。そして有希姉がいないことに気付きました。 なぜか不安になって布団から出て有希姉を探しました。 有希姉は私たちが食事を取っている部屋に明かりも点けずにいました。 私は声をかけられませんでした。なぜなら襖の隙間からは有希姉以外にもう一人、立ってたのが見えたからです。 有希姉と同じ高校の制服を着た女子生徒で、顔は暗くてよく見えませんが清楚な感じがします。 その人は機械的な口調でこちらに背を向けている有希姉にこういいました。 喜緑(以下喜)「長門さん。わかっていると思うけどあなたはもう限界だわ」 私は息をひそめて耳を傾けます。有希姉の知り合いのようです。 喜「あなたがこの任務についてから四年が経とうとしている。これまでに、特に涼宮ハルヒと直接接触してからのあなたは一インターフェースに与えられた役割をはるかに超えた行動をしている」 有希姉はピクリとも動きません 喜「朝倉涼子を初めとする敵対勢力や情報生命体との戦い。時間凍結や情報操作。さらには複雑な時空改変」 女の人は小さくため息を吐きます。 喜「情報統合思念体は回収を検討している」 背筋が凍る思いがしました。『回収』。有希姉を。まるで物のような扱いです。 長「それは承服できない。急進派が動き出したとの情報を確認した。今、私が離れるのは危険」 女の人はクスッと笑いました。 喜「あなたが心配しているのは彼とこの家から離れることでしょう。変わったわね」 有希姉はなにもいいません。 喜「あなたの任務は私が引き継ぐ」 長「他派の有機端末は信用できない。主流派の端末はすべて別の任務についている。私しかできない」 二人はしばらく無言で見つめあっていました。 喜「これ以上無理をすればあなたは消滅する」 と言って女の人は玄関から普通に出ていきました。 有希姉が鍵を閉めに玄関に向かったのと、同時に私は寝室に戻りました 布団に入ったのにちっとも暖まりません。 しばらくして 有希姉は音も立てずに部屋に戻ってきて布団に入りました。 声をかけようと思いましたが止めて、眠ることにしました。 翌朝。今日は休日です。目を覚ました私は有希姉がいなくなっていたことを知り、驚きました。 私は涼宮さんやキョンさんに電話をかけてみました。もちろん、有希姉のことは知りませんでした。 まさか・・・。 レ「ルリ、どうしたの?」 レイ姉がのんきな声をかけてきます。 ル「有希姉が、有希姉がいないんです」 私は自分が泣きそうになっていることに気付きました。 レ「部活の不思議探索とかいうのじゃ・・・」 ル「違います! 今、電話して確かめました!!」 思わず怒鳴ってしまいます。その怒鳴り声を聞いたレイ姉は何を思ったのか顔を引き締めて レ「探してくるわ。あなたは電話がくるかもしれないからここにいなさい」 ル「ええ。怒鳴ってすみません」 レ「いいのよ。・・・怒鳴られて当然だもの」 レイ姉は身仕度をして出ていきました。 それから十五分後。 ピンポーンと家のインターホンが鳴りました。 何も考えずに玄関まで走って扉を開けました。 「やあ、すみません。朝早く」 そこにはいつもの紳士的な笑みを浮かべた古泉さんがいました。さらにその背中に小柄な、私の大事な姉の有希姉さんも。 私は古泉さんと有希姉を家に入れて、古泉さんは何もせず、寝かしてやるだけでいいという事なので有希姉を布団に寝させました。有希姉は死んだように眠っています ル「どうして古泉さんが有希姉を?」 古「簡単なことです。実を言いますと、長門さんのお仲間の過激派の方たちが動きだしたんです」 ル「それは・・・知っています」 古泉さんの笑顔にほんの少し驚きが浮かびます。 私は昨夜のことを説明しました。 古「その女の人は喜緑江美里さんと言いまして、長門さんのお仲間です。どの派に所属しているかは不明ですが」 ル「敵・・・みたいなものじゃないんですか?」 古「少なくとも今はね。現についさっき、長門さんを助けてくれました」 ル「助けたって・・・何をしていたんですか?」 古「長門さんは涼宮さんに危害を加えようとしていた朝倉涼子と戦っていたんですよ」 ル「ええ?」 古「過激派の方たちは大した反応も示さず、それどころかおとなしくなりつつある、涼宮さんにしびれをきらしたんです。といっても殺したり、傷つけたりという気はないようです。朝倉涼子を送り込んで涼宮さんの目の前で不可思議な力を使って刺激を与えるのが目的でした。もちろん、それはよくないことです。我々の今までの努力がすべて泡です。長門さんは阻止しようと朝倉涼子に挑みましたが・・・」 古泉さんの笑顔がわずかに曇ります。 古「あなたの知っての通り、長門さんはもうボロボロなんです。当然です。彼女はそれだけの働きをしてきた。そんな状態で朝倉涼子に挑んでも結果は明らかです一方的な戦いでした」 ル「待ってください。見てたんですか?」 古「ええ。僕達も一応、涼宮さんの護衛についていました」 ル「じゃあ、じゃあなんですぐに助けてくれなかったんですか?」 古「超能力者と言えば聞こえはいいですが、所詮は人間です。宇宙人同士の戦いには割って入れませんでした」 そう言われれば何も言えません。 古「あともう少し、喜緑さんが割って入るのが遅かったら長門さんは消滅していたでしょう。よく礼を言っておいてください」 ル「なんで助けてくれたんですか?」 古「彼女の属している派閥は不明ですが、たぶん主流派に近いんだと思います。だから止めてくれたんでしょう」 古泉さんは肩を大げさにすくめます。 古「ですが、朝倉涼子はまだ生きています。まだ引き下がらないでしょう。多分、ターゲットを変えてくるでしょう」 ル「どういうことです?」 古「涼宮さんに危害を加えれば、情報統合思念体の何派かを敵に回してしまうことがわかりましたから、涼宮さんの身近な人間を殺すつもりでしょう。その結果敵になる人間、つまりなんの組織にも属しておらず、かつ殺害することで涼宮さんに一番ショックを与えられる人間。ここまで言えばわかるでしょう」 ル「キョンさん・・・」 長「させない」 私はびっくりしてパッチリと目をあけた有希姉を振り向きました。 長「彼には・・・指の一本もふれさせない」 有希姉は起き上がりました。その顔からは普段の無気力さも、力を使い果たした疲れもありませんでした。 ル「無茶です!! 喜緑さんに任せればいいじゃないですか!」 長「涼宮ハルヒの保全は彼女の任務に含まれているが、彼は入っていない。当てにならない」 古「残念ながら、ルリさん、長門さんの言うとおりです」 古泉さんは有希姉に目を合わせます。 古「援護の一つでもできればいいんですが・・」 長「いい。彼女は私が責任を持って倒す」 有希姉は起き上がって部屋から出ていきます。私はあわてて追い掛けます ル「待ってください!これ以上無理をすれば・・・・・・」 長「お願い、ルリ」 玄関に着いたとき、有希姉が吸い込まれそうなきれいな瞳を向けてきます。 長「消えるにしても、彼女だけは・・・」 私は笑ってしまいました有希姉が少しクビをかしげます。 ル「ダメだって言ってもいくんでしょう?」 そういう姉です。それに私もアキトさんが殺されそうになったら同じ行動をするでしょうし。 長「・・・・・・あなたは私にはもったいない位のいい妹だった」 ル「な、何いってんですか!止めてください!」 泣いちゃいそうです。 そこでいきなり、玄関の扉が開きました。レイ姉でした ル「お、お帰りなさい」 レイ姉は有希姉をしばらくじっとみつめてから レ「・・・ただいま」 と靴を脱ぎはじめました 逆に有希姉が靴をは履きます レイ姉に有希姉のことを言わないと思った時に レ「がんばって」 と有希姉の細い肩を軽く叩きました。 これにはさすがの有希姉も驚いて振り返ります。 レイ姉にはまだなんも話していないのに・・・。 有希姉が口を開こうとします。そこへレイ姉が振り向いて 「私たちよりも別れの言葉を言うべき人がいるでしょう?」 有希姉は口を閉じていつもどおりの無表情で扉を開けて出ていきました。 とたんに私の両目から涙があふれだします。そんな私をレイ姉がやさしく抱き締めてくれます。 そうでした。私たちには言葉はあまり必要ないんです 日が暮れた頃。トイレから自室へと戻った俺は愕然とした。 部屋の中央で長門が正座していたからだ。 キ「どうした?なんかの用でもあるのか? あ、そう言えばルリちゃんが探していたぞ」 長門がこの部屋に侵入したことはなんの不思議もない。そこまでする理由が気になる。 長「聞いて」 長門は正座したまま俺を見上げる。初めて長門の家に行って、コイツが宇宙人だと告白した時のことを思い出した。 長「私はこの星の人間ではない。私は情報統合思念体のヒューマノイド・インターフェイス。この星の言葉で表現するなら宇宙人なの」 俺は口をあんぐりと開けた。そんなことはもう吐き気がするほど知っている。なんでいまさら・・・。 長「冗談」 俺の困惑をさらに増加させるようなことを言いだした。 長「ジョーク。ある特撮番組の最終回のセリフを改竄した」 冗談?長門が? キ「・・・お前、体の具合はもういいのか?」 長「良好」 キ「そうか。あー、なんだな。お前も冗談が言えるようになったか」 俺は部屋のドアをしめてあぐらで座る。 長「そう。私は変わってしまった・・・それが幸いだったのか、不運なのか判断に困っている」 顔こそ相変わらずの無表情だが、声は本当に困惑していた。 そんた長門をみながら俺は幸いに決まっていると声に出さずに叫んだ。 違うよ。お前は変わったんじゃない。成長したんだパッと見、一年前の人形みたいだったころと変わってないが、実はお前は色々といい意味でかわった、つまり成長したんだ。 成長するのはいいことさ。少なくとも人間にとってはな キ「変わってしまったんじゃなく変われたんじゃないか?」 とりあえずそういうと長門はパチパチと瞬きをしてから「・・・・・・そう」とお馴染みの返事をした キ「待ってろ。なんか食う物持ってくるから」 用なんか気にならなくなってきた。長門は俺の家に遊びに来た。それでいいじゃないか。俺は立ち上がって背を向けた。 長「さきほどの発言を撤回する。私という固体にとってあなたに会えたことは間違いなく幸運だった」 おいおい。何をくさいことを言っているんだと俺は振り向いた。 そこに長門の姿はなかった 暗い夜道を、清潔そうな長髪を腰までのばした北高の制服を着た女子が歩いてきたのを確認した。 制服が気に入っているのか。少なくとも私のように着替えるのが面倒という理由ではないだろう。 朝「待っててくれたのね。うれしいわ。長門さん」 朝倉涼子は笑顔で私との距離をつめながら、小声でなにかをつぶやく。 とたんに周囲の風景が変化して、コンクリートの壁が私と彼女を囲むように出来る。周囲の空間が歪みだす。 朝「もう喜緑さんも助けてくれないわよ?」 私は彼女を消滅させる言葉を口ずさもうとする。 すると頭からパーソナルネーム喜緑江美里の声が聞こえてくる。 (ダメよ!これ以上、力を使えばアナタは本当に消えてしまう・・・) 長「・・・情報結合の解除を申請する」 本来ならこれで周囲の空間の歪みが一層、ひどくなるのだが、ほとんど力が残っていない。 周囲の空間にはなんの変化もない。 朝倉涼子が笑みを張りつかせたまま肉薄してくる 私はそれをやっとのことでかわすが、空間から生えてきた槍に左バラを貫かれる。 長「◎×▲○△パーソナルネーム朝倉涼子を有機情報連結を解除する」 やはりなんの変化もない。朝倉涼子は私をいたぶるように傷つけていく。 朝「一年前のはね、私がバックアップ用だったから負けたの。今は違うの」 私は全身のほとんどを槍で貫かれる。 朝「さて。それそろ終わろうかな」 朝倉涼子が、ナイフを持って私のもとに近寄ってくる。私はもう一度つぶやいた 長「情報連結解除開始」 とたんに周囲の空間、私を貫いていた槍が粒子となって崩壊をはじめる。 朝「な、なんで・・・」 茫然としている。その朝倉も粒子となって足から崩壊している。 長「私はあなたを買い被っていた。二度も同じ手ではまるとは優秀とは言い難い」 私の傷も消えていくが、意味はない。どうせ消えるのだから。 朝「今まで崩壊因子をしこんでいたの? でもあなたには残って」 あっと口を開いた。 朝「あなたを結合している情報連結をいくつか解除してそれを崩壊因子に変えたのね。でもそれじゃああなたは・・・」 長「いい」 私は残った力を振り絞って立ち上がった。 朝倉涼子はほほえんで何かを口にするのを遮るように「帰って」と告げた。 朝倉涼子はキョトンとした顔で消滅した 周囲の空間は正常に戻っていた。しかし私の崩壊はすでに始まっていた。 私は彼のいる家を見上げた。ちゃんとお別れがしたかったが無理そうだ。 彼が窓から顔を出してくれれば・・・ その時、地面に小さな物体が落ちてきた。それはゆっくりと、次々と落ちてくる。 キ妹「ねぇ、キョンくん。シャミをどこにやったのぉ?」 キ「知らねぇよ。一階に降りたんじゃねぇか」 キ妹「ムゥゥゥ」 妹はおれの言葉を聞かずシャミセンを探し続ける 長門のやつはどこにいったんだ? 急に現われたと思ったら急に消えて・・・。 ふと窓を見て俺は驚いて窓を開けた。 雪だ。春なのに雪が降っている。どうやら地球は本当におかしくなったか。それともハルヒの力か。 そんなことを考えながら雪を眺めていると、道端に人影をみつけた。長門だった。 長門はしばらく俺をじっと無表情で見つめていたが、ぎこちなく、なんとかやってみましたという感じで、だがハッキリと微笑んで手を降り始めた。 俺はしばらくあっけにとらわれたがすぐに我をとり戻して、自然に手を振り返す。 キ「おい!来てみろよ。世にもめずらしいもんが見れるぜ!」 俺は振り向いて妹に呼び掛けた。それから再び振り向いてみると、長門の姿が完全に消失していた。 いや、長門のいた場所に少し輝く粒子が待っているのが確認できたから余計に驚いた。 キ「あ、あれ?」 キ妹「わー。雪だあ」 妹はシャミセンのことをすっかり忘れてはしゃぎだす。 雪はしんしんと降り続けている。粒子は跡形もなく消えていた ル「レイ姉!レイ姉!起きてください!遅刻しますよ!」 三女の声で私は目を覚ました。 レ「んー」 長い夢だった。夢の内容はほとんど覚えてないのが普通なのにちゃんと細かく覚えている。 ・・・私はちっとも活躍してない。なんで私の夢なのに有希があんなに活躍しているの? レ「碇君なんて名前も出てきてない・・・」 ル「何いってんですか!早く制服に着替えて!有希姉がご飯待ってるんですよ!!」 私は制服に着替えて、食卓にむかった。 有希は席に座って本を読んでいた。 私は有希の真っ正面に座って、じっと妹の顔をみつめた。 長「・・・・・・何?」 耐えかねたように本から顔をあげた。 レ「・・・今のうちだけよ」 それだけ言って、私はいただきますと食事に手をつけた。 有希はキョトンとしていたが、すぐに食事をはじめる。 ル「ちょっと! 二人とも勝手になに食事はじめてんですか!」 終わり