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新章:affectionate 今が何時なのかわからない。けれど少なくとも午後四時五十二分は過ぎている。 時計を見なくともわかる。あの銃声が、俺に正確な時間を告げてくれた。 俺は窓の外を再び見る。いつもの見慣れた教室が目に入る。いつも座っている自分の席も見えた。そして、その教室の窓一枚が、ひび割れている。 それを行ったのが──長門だとコイツは言う。 「それを……信じろってのか? どけよ。おまえの話じゃなく、この目で確かめてやる」 「まだそんなことを言うつもりか」 深いため息と憐憫の情を交えた視線を、男は壁に体を寄りかける……いや、壁じゃない。壁じゃないところに、ヤツは寄りかかっていた。 「そこまで愚鈍なら、さぞ幸せだろう。あんたはまんまと誘い込まれて、閉じこめられたと言うわけさ」 よく言うぜ。ここに『閉じこめられた』と言うのなら、おまえだってそうだろう。それとも、閉じこめているのが自分だから余裕があるってことか? 朝比奈さんは以前、こいつを見て「悪い人に見えない」と言っていたが、その点に関しては大いに反論したいところだ。 「あんたが僕にどんな感想を抱こうがかまわないが、どうしてそこまで鈍いんだ? 首の上に乗っかっているのはカボチャか? 僕がここにいる、その理由を考えろ。前も言ったが、僕は朝比奈みくるとは違う。そうだろう?」 射すくめるような目を向けられて、朝比奈さんはビクッと震えて俺の後ろに隠れる。隠れながらも、顔だけは出して男に目を向けていた。 「あ、あなたがあたしと違うなら……あなたは、すべて知ってるってこと? あなたは……今、何が起こっているのかわかってる……の?」 朝比奈さんの精一杯の言葉に、そいつは口の端をわずかに釣り上げた。 「考えるとはそういうことだ。諾々と流れに身を任せればいいってもんじゃない」 「何を知っている?」 俺の言葉に、男はデキの悪い生徒がようやく正しい答えを導き出して満足した教師のような笑みを浮かべた。ああ、そうかい。俺がそう聞くことこそ、おまえの思い通りってわけか。そりゃ満足だろうな。 「そう、あんたはまず、僕にそう聞くべきだった。そのために僕はここにいる。酔狂で顔を出すほど、愚かじゃない」 「さっさと話すことを話して未来に帰れ」 精一杯、怖い顔を作ったつもりだが、どうやらこいつには通じないらしい。そういう凄味に耐性ができるほど場数を踏んでいるのか、ロクな人生を歩んでない証拠だな。 「朝倉涼子は時空改変を行った」 ……なんだと? 「いや、今の時点では行うつもりだ──と言うべきか。どちらにしろ、長門有希が引き金を引いた時点でその未来は確定された。ほかに、」 「そ、そんなはずないです!」 朗々と語る男の言葉に割ってはいる朝比奈さんの声。男は嫌な顔ひとつ見せずに口をつぐんだ。そう、割って入ることが規定事項だとでも言わんばかりだ。 「そんな、改変だなんて……あたし知りません! そんなことが行われていたなら、この時間平面に来たあたしだって、」 「知ってるはず……か? そうだ、歴史の転換を迎えるほどの大きな改変なら、あんただって知っていておかしくない。だが、そこは賢くやったようだ。それほど大きな変化もなく、小さな変化なら、あんたは知らないだろう?」 「え……?」 「ただ、人間になること──それが目的だ。世界すべての記憶を塗り替えるわけでもない、劇的な変化をもたらすわけでもない。ただ人になる……そのためだけに、あの女は壮大な舞台装置を作り上げ、あんたたちを巻き込んで延々と演じている。幕はすぐそこだ。あとは最後の仕上げを待つだけだろうさ」 人間に……なること? それが朝倉の目的? それならもう達成しているじゃないか。ミヨキチに取り憑いて、朝倉としての記憶もあって人として生きている。そうじゃないのか? そもそも長門や喜緑さんの話と食い違っている。 「食い違いなどどこにもない。だがそれは目的のひとつでしかない。他方から見れば答えも変わる。わかるか? 万能なる叡智を持つ宇宙情報体の手下が、人に化けてこの世界に干渉する。それを侵略と言わずなんと言おう」 「それがどうした」 古泉の話なら、この世界にはすでにTFEIみたいなのはゴロゴロいるんだろ? 俺たちが気づいてないだけで、そこいらには宇宙人や超能力者、さらには朝比奈さんを始めとする未来人もてんこ盛りだ。今更、侵略だなんだと騒いでどうする。朝倉一人がその中に加わろうとしているだけで歴史を変えようとしてたのなら、イカレてるとしか思えない。 「あんたの楽天的な考えには恐懼すら感じるね。何故、朝倉涼子が人の感情を理解しようとしているか考えなかったのか? 吉村美代子と同化して記憶も共有しているなら、『感情』などというものを学ぶ必要はない」 そうかもしれない。けれどそれがウソだとして、だからといって歴史を変えるほど重大なウソとは思えない。 「長門有希はあんたに何と言った? 同化した心を分離させるのは『自分には』不可能と言ったまでだ」 そうだ、長門にはそれができない。けれど長門以外のヤツならできるかもしれない。 「そしてあんたは、ここに閉じこめられる前に何を見た?」 それは……俺を殺そうとした朝倉の……姿? あれは幻影……じゃない? 本当にそこに実在していたのか!? でもあいつは、長門に消されたはずだ。あの姿で存在するはずがない。仮に存在するとしたら、じゃあミヨキチと同化している朝倉は誰だ? 「問題はそこじゃあない」 と、ヤツは言う。 「真に危惧すべきことは『あんたを殺そうとした』朝倉涼子が、何の制限もなく人の世界に溶け込もうとしていることだ」 様々な光景が、フラッシュバックする。朱に染まる教室──水飴のように伸びた黒い影──歪んだ空間──脇腹に突き刺さったナイフ──そして、朝倉涼子の微笑み──。 「朝倉涼子は誰かを殺す。それが個人であるのか、世界そのものであるのかはわからない。だが、その影は僕が知る歴史に刻まれている。朝比奈みくる、あんたも気づかないだけで知っているだろう。そうせざるを得ないモノを、あの女は背負っている」 傷痕すらない脇腹が、ズキリと痛む。この日常でも、長門が改変した十二月でも、俺を殺そうとした朝倉涼子。長門有希の異常バックアップ。それが──。 「何故この事実が禁則になっていないかわかるか?」 男の言葉が、胡乱な雑音のように耳に届く。 「朝倉涼子が人になるそのときに、野蛮な解決方法がひとつ残されているからだ」 それは……。 「そろそろ時間だ。いろいろ策を施したが、朝倉涼子の方が一枚上手だった。いや、こうなることが歴史の必然か。もう、僕に手出しできることはない。あんたは涼宮ハルヒにとってのカギであるように、朝倉涼子にとってのカギでもある。だから、あんたにしかできない」 ポンッと肩を叩く男の手の平の感触とその声で、我に返る。瞬間、耳をつんざくような轟音が聞こえた──のは錯覚か。 いや、あらゆる音が急に大音量で再生されたかのように、鼓膜を揺さぶった。 消失する足下。空間ごと捻るような感覚。プリズムを通して三原色に分離されたような光が瞼を刺激し、これはヤバイ──と思い、恐怖を感じて目を閉じようとしたそのとき、そこにいる人影に目を閉じることを躊躇させる。 俺を見ている人影。笑顔ではなく、どこか悲しそうに、切なそうに目を向ける──朝倉涼子。 ──何故、そんな顔をする。どうして、そこにいる……? そんな俺の疑問を断ち切るように、意識が暗転した。 ぶるぶると震える携帯の振動で目が覚めた。 ここはどこだ? と周囲を見渡せば、見慣れない部屋の中……いや、マンションの中だ。朝倉の部屋。そのリビングで俺は寝っ転がってたらしい。 ズキズキと頭が痛む。体がえっらい強張っていて、ちょっと動くだけでも節々に痛みを感じる。満身創痍というのは、こういうものなのか。 今、何曜日の何時だ? 携帯の時間を……見ても仕方がない。確か俺は過去に行ってたはずだ。携帯も一緒に持って行ってたはずだから、現在時間とズレが生じている。 室内を見渡すと、壁に時計がかかっていた。十二時三〇分。昼の十二時だろう。外の明るさから、それはわかる。それなら今は何曜日だ……と考えた矢先に、再び携帯に着信があった。 「……はい」 ほとんど反射行動だった。頭の中はカラッポのまま、無意識に通話ボタンを押していた。 『キョンくん? キョンくんですか!? 大丈夫ですか!? あたしと一緒に昨日の放課後に時間跳躍したこと、覚えてますか!?』 かん高い声が頭の中を揺さぶる。誰の声だ……と朧気に考えていると、すぐに頭の中で該当する人物の姿が浮かぶ。 「朝比奈さんですか?」 『そ、そうです! えと、キョンくんと昨日の放課後に時間跳躍したあたしです』 「ええ、それは……覚えてます」 覚えている。そのことはちゃんと記憶している。あの胡散臭い未来人野郎の話も、最後に見た朝倉の姿も覚えている。ただわからないのは、どうして今の俺が、ここにこうして寝転がっていたのか、そのことだけだ。 「いったい何がどうなってるんですか?」 『それは……』 と言いかけて、スピーカーからは朝比奈さんが口をぱくぱくさせている音だけが聞こえた。 『ごめんなさい……詳しくは言えません。禁則事項になってるみたい。ただ、あたしたちは強制的に元時間に戻されたの』 「えっと……それじゃ朝比奈さんは」 『はい、昨晩の鶴屋さんの自宅前でキョンくんと別れた時間に戻っていました。本当はすぐにキョンくんと連絡を取りたかったけど……でも、今のこの時間まで、キョンくんは何も知らなかったでしょう? だから伝えることにも制限がかかっていて……ごめんなさい。本当に、あたし……』 「いや、それは……」 それは、朝比奈さんが謝るべきことじゃない。下手なことを言っても俺を混乱させるだけだし、朝比奈さんが今まで黙っていてくれたのは最善の選択だ。 「朝比奈さん、今どこにいますか?」 『今、学校にいます。長門さんに話を聞きたくて、でも』 「いませんか」 『ええ』 何なんだよ長門。おまえは何をやりたいんだ? どうしてそんな姿を隠すような真似をしてるんだ。俺たちに顔を合わせられないようなことでもしているのか? それとも別の理由があるのか? おまえが本当に俺を狙撃したというのなら……その理由くらい教えてくれたっていいじゃないか。 『キョンくん、大丈夫? あの……』 携帯のスピーカーから聞こえる朝比奈さんの声で、我に返る。 「今から俺も学校に行きます。携帯の電池がそろそろやばいんですよ」 『でも、』 「大丈夫ですよ。それに、一人でいるほうが気が滅入ります。学校で待っていてください」 『わかりました……。待ってますから、でも無理は本当に……しないでくださいね』 わかっていますよ、朝比奈さん……と言って通話を切り、深いため息を吐く。今ここに至り、よくもまぁ俺も建前を口にできたもんだ。本音を言えば 「すでに無理のし通しなんですよ」ってところさ。 鏡で顔を見れば、そりゃもうヒドイ有り様だろう。顔くらい洗いたいが、もともと空き家になっていた朝倉の部屋では水が出ない。仕方なく、そのまま部屋を出て……学校に向かう前に長門の部屋に寄ってみた。 案の定、呼び鈴を鳴らしたところで反応はなかった。 北高にたどり着いたのは午後一時を過ぎたころ。そろそろ午後の授業が始まるその時間に朝比奈さんのところへ顔を出しても、話なんてできない。ただ、学校へ来る前にコンビニで携帯用の充電器を買って来たので、携帯は使えるようになっている。 一応、俺が学校に到着したことはメールしておいた。詳しい話は放課後に、という一文は忘れない。すぐに返信があり、ただ一言『わかりました』と書いてあった。 教室に足を踏み入れると、ガラス窓にはテープで補強され、狙撃の事実をありありと証明している。その窓のすぐ側の席には、ハルヒが珍しく驚いた顔を見せていた。 「ど、どうしたのキョン!? こんな時間に学校に来て、しかもすっごい顔色悪いわよ」 これは驚きだ。あのハルヒが至極真っ当に俺のことを心配してくれている。余計な台詞も一切なく、心底心配してくれていた。それはつまり、今の俺はそこまでひどい顔をしているということか。こりゃ、胃に穴が開いていてもおかしくないな。 「ちょっと体調がよくないだけだ。午前中は病院に行ってたんだよ。気にするな」 「気にするなって、あんた……」 まだ何か言いたそうなハルヒを無視して、俺は自分の席に腰を下ろした。まぁ、それでもハルヒの前なんだが、あれこれ詮索されたくない気分でもある。有り体に言えば、ほっといてくれってヤツだ。 顔を覆うように額に手を当てて、俺はこれからのことを考えた。 あの胡散臭い未来人野郎の言うことをどこまで信用すればいいのか。朝倉は本当にいるのか。長門の狙いが何なのか。そして美代子はどこにいるのか。 難問続出だ。しかもそのすべてを解き明かさなくちゃならない。おまけに正しい答えはどこにもないときたもんだ。 冗談じゃない。やってられるか。 どうして俺なんだ。何でもかんでも俺に押しつけすぎだ。雪だるま式で厄介事が増えていくこの運命を呪いたい。このまま何もかも投げ捨てて、逃げちまおうかとさえ考えた。 「……ョン、ねぇキョンってば!」 現実に引き戻す、ハルヒの声。 「なんだよ? 今、考え事してるんだ。邪魔しないでくれ」 「考え事って何よ? あんた、やっぱりおかしいわ。保健室で休んでなさい」 「平気だって。いいから少し黙っていてくれ」 と、俺がそう言った瞬間、鈍い痛みが頬に走った。首がむち打ち症になりそうな衝撃に、いったい何が起こったのかすぐに理解できなかったが、口の中には血の味が広がっている。 「ってぇ~……」 「ほらあんた、口から血が出てる。これは由々しき事態だわ。早速保健室に行きましょう」 何を寝言ほざいてるんだコイツは。血が出てるって、おまえがいきなりぶん殴ったからだろうが! しかもビンタじゃなくて振り抜きのストレートってどういうことだ!? 「うるさい」 据わった目つきで言われ、思わず息を呑む。その隙を逃さず、ハルヒは俺のネクタイを締め上げると、周囲の目など微塵も気にした素振りを見せずに保健室まで連行された。 保健室には保険医の先生はいなかったが、カギはかかっていなかった。それがせめてもの救いかもしれないが、仮に先生がいたところでハルヒの奇行が収まるわけがない。俺を開いているベッドの上に投げ飛ばすと、鼻息も荒くテコでも動かないとばかりに椅子に腰を下ろした。 「さて、あんたが何に悩んでいるのか詳しく聞かせてもらおうかしら」 摂氏零度の視線を俺に浴びせ、ハルヒは少しも笑うことなく口を開く。久しぶりに見る怒髪天モードの憤慨ハルヒだ。下手な猛獣と同じ檻の中に入れられるよりも怖い。怖いが、だからと言ってすべてを話すわけにもいかない。 こいつにすべて話したら、それこそ世界の終焉だ。 「別におまえに話すことなんて、」 「あぁ~ん?」 精一杯、拒否の意思を示そうとしたが、ハルヒは最後まで俺に喋らせてくれない。小さい手のくせに、がっしり俺のこめかみに指を食い込ませてベッドに押さえ込み、アイアンクローをかましてきやがった。 「あんたっ! みたいなっ! ヒラ団員がっ! この唯一絶対のっ! 団長さまにっ! 口答えするなんてっ! 五十六億七千万年っ! 早いのよっ!」 「いだだだっ! あいだだだだっ!」 一言一言の区切りとともに、指に力が込められる。こいつだったら間違いない、新鮮な取れたてリンゴを握りつぶして果肉たっぷりのジュースを作れるね。 「まだ口を割らないつもり!?」 「だ、だから本当に何もない。何でもないんだっ!」 ああ、なんか今、朝比奈さんの気持ちがちょこっと理解できた。が言いたくても言えない『禁則事項』ってヤツの精神制御ってのが分かった気がする。 ここまでヒドイ目に遭わせられても、ハルヒには本当のことを伝えるわけにはいかない。その結果がどうなるかなんて知りたくもないし、見たくもない。ただ、ロクなことにならないのはわかってる。 だからどんな仕打ちを受けても口を閉ざすしかない。今の俺なら、どんな強力な自白剤を使われても、真実を言わずに料理のレシピを口にできる自信があるね。 「ふん」 ようやく、ホントにようやく、頑なに口を閉ざす俺に呆れてくれたのか、ハルヒの極悪なアイアンクローがはずされた。 俺がホッと安堵のため息をもらすと、ハルヒは腰を上げてかちゃかちゃと薬品棚を物色して、薬ビンをいくつか持って戻ってきた。 おいおい、まさか本当に自白剤でも調合するつもりか? 「バカじゃないの? そんなことするわけないでしょ。ほら、唇切れてるから手当してあげる」 それをやったのはお前だろう、と言いたかったが、何も言わずに消毒液を含ませたコットンで傷痕を消毒するハルヒを見て、言うべき言葉を飲み込んだ。 「あんたの悩みって、昨日のことに関係あるの?」 黙々と治療していたハルヒが、不意打ちでそんなことを言った。一言で『昨日のこと』なんて聞かれれば、ハルヒには到底話せないことばかりが浮かんでくる。 もっとも、ハルヒ的には妹と美代子が学校に来たことだけを指しているんだろうが。 「……いや」 そのことに思い至り否定しても、間が開きすぎた。平静さを心がけて否定したつもりだが、ハルヒにはバレバレのようだ。ようだが、認めるわけにはいかない。 「あんたってさ、バカで鈍感だけど、妙なところで意地っ張りよね」 「だから本当に……」 「はいはい、わかったわかった」 ぺしん、と張り手するように俺の頬にガーゼを貼ったハルヒは、薬品関係を棚に戻すとまた戻ってきた。何で戻ってくるんだ。おまえはそろそろ教室に帰れ。 「なんであたしがあんたに指図されなきゃなんないのよ」 「そうかい。なら好きにしろよ」 「好きにするわよ」 ハルヒ監視の下、寝たくもない保健室のベッドで横になってる俺は、動こうにも動けない。かくいうハルヒは、憤まんやるかたないという表情でそっぽを向いている。 精神的によろしくない沈黙が適度に場の空気を最悪なものに染め上げたころ……唐突にハルヒが口を開いた。 「あたしはね、これでもあんたのこと、ちょっとは信用してるのよ」 「はぁ?」 「あ、もちろんあんただけじゃなくて、有希やみくるちゃん、古泉くんのことも信用してるのよ。そこんとこ勘違いしちゃだめよ。ともかく、みんな何があっても必ず側にいてくれるって思ってるの。あんたはどう思ってる?」 「なんだ急に」 「いいから答えなさいよ」 「もちろん信用してるよ。だからそれが何だってんだ?」 「あたしのことも信用してる?」 「……言うまでもないだろ」 そう答えると、ハルヒはふんっと鼻で笑った。 「そうよ、あんた分かってるんじゃない。言うまでもないことなのよ」 「何が言いたいんだ?」 「あたしが何を言いたいのか、あんたには分かってるんじゃないの?」 ああ……ああ、そうか。そうなのか、ハルヒ? 「おまえは全部知ってるのか? 俺が……」 「知るわけないじゃない。あんた、何も話さないもの。でもあんた、何か悩み抱えてるんでしょ? んで、信用してるあたしにも話せないことなんでしょ? じゃあいいわよ、別に。あんたのどーしょーもない悩みなんて、興味ないわ。心配なんかしてやんないわよ」 「そうかい」 「そうよ。でも、そうね。あんたがあたしのことを信用してくれてるらしいから、あたしもあんたのことは信用してあげる。あんたが決めたことなら上手くいくって、あたしが保障してあげるわ。だからあれこれ悩むなんて、無駄で無意味で無問題なのよ」 「そうか、悩むだけ無駄か。おまえが信じてくれるなら、そりゃ心強いな」 「でしょ」 ぺしん、と俺の額を叩くと、ハルヒは「言うべき事を言ってスッキリした」と言わんばかりに、いつものような怒っているのか笑っているのかわからない表情を見せて、ようやく重い腰を上げた。 「今はゆっくり何も考えずに寝ることをオススメするわ。葬式に参列してるようなあんたの顔、普段の二乗でひどい顔よ」 ひでぇ言われようだ。そこまで言われりゃ、一言くらい言い返したって罰はあたらねぇだろ。 「ハルヒ」 「何よ。文句でもあんの?」 「ありがとう」 俺の言葉に、目の前で散弾銃をぶっ放された旅行鳩みたいな顔を見せたハルヒだが。 「わかってるならいいのよ、バカキョン」 すぐにいつものような100ワット笑顔を見せて、ハルヒらしいコメントを口にした。 次のページへ
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キョン「……朝倉、これ…」 朝倉「えっ…?」 キョン「メリークリスマス(ニコッ)」 朝倉「あ……」 キョン「開けてみろよ」 朝倉「……うん」(パカッ) キョン「サイズは多分合ってると思う」 朝倉「これは、指輪?」 キョン「あぁ、これを左手の薬指にはめてくれるか?」 朝倉「それって……プロポーズ?」 キョン「そういう意味で送ったんだがな、はは……………朝倉、結婚しよう」 朝倉「キョン君……」 ・ ・ ・ ・ ・ チュンチュン…… 朝倉「(ガバッ!!)……ゆ、め……?……キョンくん」 朝倉涼子のグサデレ ~クリスマス編~ 第1話 第2話 朝倉「ふぅ……」 キョン「朝から浮かない顔だな、どうした?」 朝倉「ちょっとね…(あなたが夢なんかに出てきたからよ……)」 キョン「そうか…あっ、そうだ朝倉」 朝倉「ん、なぁに?」 キョン「クリスマス」 朝倉「(ドキッ!?)」 キョン「ケーキってホールを一人で食えると思うか?あれを一人で食べるのには 憧れるよな」 朝倉「…そ、それはちょっと多いんじゃない?」 キョン「やっぱり多いか…それでクリスマス」 朝倉「(ドキッ!?)」 キョン「ツリーって松の木じゃ代用できないか?」 朝倉「………それはちょっと無理があるんじゃない?」 キョン「そうか……で、クリスマs」 朝倉「もうっ!!しつこいわね!!なんなのさっきからクリスマスクリスマスって!勝手に一人でパーティでもしてればいいじゃない!!」 キョン「な、なに怒ってるんだよ」 朝倉「うるさいわね、あたしは今日虫の居所が悪いの!だから…じゃ死んで♪」 キョン「ちょww怒ってるからって殺すなwww」 朝倉「あなたがあまりにしつこいからよ」 キョン「(やっぱり刺されないと始まらない…はぁはぁ)グフッ」 第3話 キョン「朝倉はクリスマスどうやって過ごすんだ?」 朝倉「そうねぇ、うちで一人寂しくすごしてみようかしら」 キョン「そんな悲しいこというなよ」 朝倉「ふふ、ちなみにキョン君は?」 キョン「俺は、そうだな…このままだと家族団欒のクリスマスが待っているな」 朝倉「あら、素敵じゃない」 キョン「しかし、高校生になってまで家族と過ごすのもなぁ」 朝倉「仲が良いのは素敵なことよ♪……でもまぁ、誰か他の人と過ごしたいなら…あたs」 ハルヒ「キョン!!今年のクリスマスは部室で鍋よ!!ちゃんと予定を空けておきなさいよ!?」 キョン「今年もか?」 ハルヒ「文句は言わせないわ!じゃああたしは部室に先に行ってるわ」 キョン「やれやれ」 朝倉「……よかったわね、予定ができて」 キョン「何一つうれしくないがな。朝倉、さっき何を言いかけたんだ?」 朝倉「え?……あぁ、なんでもないの……」 キョン「よかったら朝倉も参加するか?」 朝倉「あ、あたしは遠慮しておくわ。あたしなんか団員でもなんでもないんだもの……」 キョン「気にすることないと思うぞ。あいつらも喜ぶだろうしな」 朝倉「ほんと大丈夫だから。キョン君だけで楽しんできたらいいわよ。ね?」 キョン「そうか………あ、じゃあ俺はあと部室に行くよ。もたもたしてたらまた ハルヒにどやされちまう。じゃあな朝倉」 朝倉「うん……ばいばい」 朝倉「くすん……」 第4話 朝倉「くすん……ひっく…」 ?「あらあら、そんなに泣いてしまってはせっかくのかわいい顔も台無しですよ?」 朝倉「え…?」 喜緑「ね?これで涙をふいてください」 朝倉「う、うん…ひっく…ありがとう」 喜緑「何かあったんですか?」 朝倉「……」 喜緑「ふぅ…彼に何か言われたんですか?」 朝倉「別にそんなんじゃないわ…(ぷいっ)」 喜緑「強がっていては何も進展しませんよ?あなたはいつも強がってばかりなんだから…」 朝倉「…」 喜緑「…」 朝倉「ぅ……ひっく、だって、だってキョン君が…キョン君がぁっ……ひっぐ、ひぐ…」 喜緑「よしよし…」 朝倉「い、今までずっと…ひぐ、一緒にいたのに……春も、夏も…秋も…えっぐ……」 喜緑「うんうん……」 朝倉「だから、キョン君と…ぐすっ、一緒に…ク、クリスマス…過ごしたかったのにぃ……うっ…」 喜緑「……」 朝倉「っく、あたし、どうしたらいいのかな……?」 喜緑「今からでも遅くはありませんよ」 朝倉「ほんと?」 喜緑「彼の気持ちがまだあなたのほうに残っているなら、もしかしたら…」 朝倉「でも」 喜緑「『でも』なんて言ってたらあなたは絶対後悔しますよ」 朝倉「……うん、そうね。あたしがんばってみるわ」 喜緑「涙も止まったようですし、もう彼を追いかけられますね?」 朝倉「えぇ。ありがとう」ダッ 喜緑「ふふ……」 第5話 ガチャ 朝倉「キョン君はいる!?」 ハルヒ「な、なによ!あんたいきなり人の部室に入ってきて!!」 朝倉「キョン君は!?」 みくる「キョンくんは1人でおでかけしましゅたよ?」 朝倉「え!?」 ハルヒ「さっき、クリスマス用の買い物に行かせたのよ。買い物が済んだら帰宅しても良いって言ってあるから今日はもう部室に来ないと思うわよ」 朝倉「そんな……どこに買い物へ行ったの?」 ハルヒ「そんなの部員じゃないやつに言うはずないじゃない」 朝倉「ッ!……そ、そうよね…ごめんなさい。じゃ、あたし帰るわね、勝手に入ってきて本当ごめんなさい」 ハルヒ「わかればいーのよ。」 朝倉「…」ガチャ 朝倉「ふぅ、どうしよう…」 ガチャ みくる「(キョンくんなら商店街に行きましゅたよ)」 朝倉「え?」 みくる「(しぃー…ふふふ、しゅじゅみやしゃんには内緒でしゅよ?がんばってくだしゃいね)」 朝倉「ありがとう。え、えーっと……空気の人!!」ダッ みくる「ふふ、わざわざ教えてあげたのに空気の人でしゅか。ふふふ…」 第6話 商店街 朝倉「キョン君、どこにいるの?」 朝倉「キョン君…」 キョン「朝倉じゃないか、こんなところでなにやってるんだ?」 朝倉「ひっ!」 キョン「なんつう驚き方だ、らしくないな。どうしたんだ?」 朝倉「え、その…」 キョン「お前の家はこっちじゃないだろ?」 朝倉「えーっと、なんて言うか……そう!涼宮さんに言われたのよ。キョン君の手伝いをして、ってね♪」 キョン「手伝い?あのハルヒがお前に頼んだのか?」 朝倉「そ、そうよ?だから手伝ってあげるわね。まったく…どうしてあたしがこんなことしなくちゃならないのかしら」 キョン「それはうちの団長がすまないことをしたな。俺のほうは1人でも大丈夫だから朝倉は帰ってもいいぞ?」 朝倉「そんなことできるわけないじゃない!」 キョン「ッ!?」 朝倉「あっ!…だ、だから。ほら、頼まれたことを投げるなんてあたしにはできないってことよ♪」 キョン「あぁ、そういうことか。なら手伝ってもらわないといけないな」 朝倉「そういうこと♪」 キョン「だが、もう買い物は終わっちまったからな。あとはうちまで荷物を運ぶだけなんだが、それでも良いのか?」 朝倉「ふふ、あたしが手伝うって言ってるでしょ?」 キョン「そうか。じゃあお言葉に甘えて…お願いしますよ、っと」 朝倉「はいはい♪」 キョン宅 キョン「ふぅ!すまなかったなこんな遅くまで」 朝倉「そんなの気にしないで(結局話せなかったまま着いちゃった…)」 キョン「じゃあうちまで送るから待ってろよ、家の中に荷物を置いてくるから」 朝倉「あ…いいのよそんな、1人でも帰れるわよ」 キョン「何か話したいこともあるんだろ?」 朝倉「!?」 キョン「表情に出てたぞ。だからちょっと待ってろ」 朝倉「うん……」 ・ ・ ・ ・ ・ 朝倉「……」 キョン「……」 朝倉「何か話したら?」 キョン「話があるのはお前だろ?だから俺からは何も話さないよ」 朝倉「……あの、その、クリスマスの話なんだけど…」 キョン「ん?やっぱり俺らのパーティに参加することにしたのか?」 朝倉「そ、そうじゃなくて……クリスマスを…その、」 キョン「?」 朝倉「あたしt」 谷口「よぉっ!キョン!!何やってんだこんなところで?」 キョン「なんだ谷口か」 谷口「なんだとはなんだ、失礼な。あれ?なんで朝倉と歩いてるんだ? まさかお前らwww」 キョン「そ、そんなんじゃねぇよ!なぁ朝倉?」 朝倉「(ズキッ)……」 キョン「朝倉?」 朝倉「……」 キョン「どうしt」 朝倉「触らないで!!!!」 キョン「!?」 朝倉「キョン君の、バカ!!!!!あんたなんかあんたなんか死んじゃったらいいのよ!!」グサッ キョン「グフッ」 朝倉「あなたも変なとこに現れないで!!!!」グサッグサッ… 谷口「ぐぼぁ」 朝倉「うわぁぁぁん……」 キョン「はぁはぁ、朝倉…今日はいつもに増して鋭さが違うな……谷口大丈夫か?」 谷口だったもの「……」 朝倉「ひっぐ…うっぐ……キョン君の、バカ!!キョン君の……ばかぁ!!!!!」 第7話 朝倉宅 朝倉「えぐ、うっ……もう知らないッ!キョン君なんか…キョン君なんかぁ……ふぇぇぇん」 長門「……」 朝倉「うっ…うっ……」 長門「カレー食べる?」 朝倉「うわぁぁぁぁん!!!」 長門「……そう」 キョン宅 キョン「なんだって朝倉のやつあんなに怒ってたんだ…?」 キョン「あいつ、そういえば泣いてたな……」 キョン「腹でも痛かったのか?」 第8話 12月24日 SOS団部室 ハルヒ「さぁて鍋も煮えてきたことだし、早速始めるわよ!!!」 古泉「盛り上がってきましたね」 みくる「おいしそうでしゅねぇ」 長門「……(ウズウズ)」 キョン「……」 ハルヒ「どうしたのよキョン、有希みたいに黙っちゃって。あんたなんか変よ?」 キョン「ん、あぁ。なんでもないんだ、さぁ始めようぜ」 朝倉宅 朝倉「結局、一人でクリスマスを迎えることになっちゃったなぁ…あはは……」 朝倉「さみしくなんか、ないもの……」 部室 ハルヒ「キョン!なんかやりなさい!!」 キョン「無茶振りすぎるだろ!」 「「あははは……」」 朝倉宅 朝倉「……」 朝倉「もうこんな時間…買い物に行こうかしら……」 部室 みくる「うーん、もう食べられないでしゅ……」 長門「…(ガツガツ)」 ハルヒ「有希もやるわね(ガツガツ)」 古泉「二人でババ抜きもいいですね」 キョン「楽しさが見出せんがな」 朝倉宅 朝倉「……」ガチャ キィー……バタン―――― 第9話 朝倉「綺麗な空……クリスマスにはいい夜ね…ふふ、あたしには関係ないか……」 部室 「「zzz……」」 キョン「みんな寝ちまったのか」 古泉「それでは二人しかいないことですし…」 キョン「な、なんだよ?」 古泉「ふふふ…」 キョン「気持ち悪いぞ」 古泉「高校生らしく、いわゆるぶっちゃけトークをしましょうか」 キョン「はぁ?」 古泉「ずばりあなたは誰が好きなんですか?」 キョン「お前は中学生か?」 古泉「僕も男子高校生ですからね。そういうことには一応興味はありますよ。で、誰なんですか?もちろん僕と言う選択肢もありますよ?ふふ」 キョン「黙れ。しかし…あまり考えたこともなかったな」 古泉「おや、彼女ではなかったのですか?」 キョン「誰のことだ?」 古泉「あなたといつも一緒にいる人ですよ」 キョン「朝倉のことか?」 古泉「あなた方はいつだって一緒にいたではないですか、ちょっぴり嫉妬してしまうくらいにね、ふふ。そのような感情があるからだと思っていましたけどね」 キョン「それは……」 朝倉『キョン君♪』 キョン「朝倉は……」 朝倉『じゃ死んで♪』 キョン「あいつは…」 朝倉『キョン君の、バカ!!』 朝倉『ひっぐ…うっぐ……キョン君の……ばかぁ……』 キョン「朝倉っ!?……」 古泉「?」 キョン「すまん古泉、急用を思い出した。ちょっと出てくる」 古泉「ふふふ、そうですか。こっちのことは任せてください」 キョン「すまん!」ダッ 古泉「クリスマスには何があるかわかりませんね……」 第10話 キョン「畜生!俺はバカか!?あんなにも朝倉は俺の側にいてくれたのに…朝倉はあんなにも俺とのクリスマスを望んでくれたのに……朝倉、どこにいるんだ!?」 朝倉「……」 キョン「朝倉!いるか!?」ドンドンッ キョン「家にいない?……どこへ、行ったんだ?」 キョン「くそっ…考えても仕方がない……その辺を探すか」 朝倉「……」 キョン「朝倉…どこだ!!」 朝倉「……」 キョン「朝倉ぁぁッ!!」 朝倉「…?今、誰かの声が……」 キョン「朝倉ぁぁぁぁぁ!!!!」 朝倉「やっぱり聞こえる。誰かしら?」 キョン「朝倉どこにいるんだよ……」 朝倉「誰…?」 キョン「朝倉ぁぁぁぁあぁあぁぁぁ!!!!!」 朝倉「え?キョン君!?」 キョン「朝倉ぁ…」 第11話 朝倉「キョン君!!」 キョン「ッ!?」 朝倉「……」 キョン「はは…公園にいたのか…はぁはぁ」 朝倉「……どうして?」 キョン「随分探したぞ?」 朝倉「ねぇ……どうして?」 キョン「どこに行っちまったかと思っt」 朝倉「どうして!!??今更何しに来たの!?」 キョン「朝倉…」 朝倉「涼宮さんたちと一緒にパーティしてればいいじゃない!こんなところに来る理由なんかないじゃない!!」 キョン「朝倉…」 朝倉「さっさと戻ればいいじゃない!!」 キョン「朝倉……」 朝倉「なによなによ!!あたしのことは放っておけばいいじゃない!!!!」 キョン「朝倉ッ………涙が、出てるぞ?」 朝倉「え……?こ、これは……」 キョン「随分待たせたな。すまなかった」 朝倉「別にあたしはここであなたを待ってたわけじゃないわよ……」 キョン「そうじゃないんだ………おまえの気持ちに気づくまでに随分と待たせてしまったな」 朝倉「……」 キョン「俺は極度の鈍感のようだな、はは…」 朝倉「…いわよ(ぼそっ)」 キョン「え?」 朝倉「遅いわよって……言ったのよ、ばかぁ……ふぇぇぇぇん……」 キョン「……」 朝倉「ばかばかばかばか……あたしを、ひっぐ、い、いつまで待たせる気なのよぉ……」 キョン「すまなかった…」 朝倉「ずっと、ずっと待ってたのに、っく、キョン君のこと…こんなにも好きなのに……キョン君のことが大好きなのに!!!」 キョン「俺もだよ…」 朝倉「……今、なんて……?」 キョン「俺も朝倉が好きだ…笑ってるおまえが、ナイフ振り回してるおまえが……いつも俺の横にいてくれるおまえが、俺は好きだよ」 朝倉「キョン君……うわぁぁぁぁぁあぁあぁぁん……ふわぁぁぁぁあん」 キョン「おいおい……泣き虫だな」 朝倉「えっぐ、うっぐ、本当に、本当にあたしのこと好き?」 キョン「あぁ大好きだ」 朝倉「よかった…あたしのこと、そんな風に考えてくれてるなんて思わなかったから」 キョン「そんなことないさ、その証拠にほら、これ」 朝倉「なぁにこれ?」 キョン「クリスマスプレゼントってやつだよ」 朝倉「え?」 キョン「ちゃんとおまえのために買っておいたんだ。受け取ってくれるか?」 朝倉「うん…」 キョン「じゃあ開けてみてくれ」 朝倉「……」パカッ キョン「サイズは多分合ってると思うんだが…」 朝倉「これって、指輪……」 キョン「はめてみないのか?」 朝倉「そうね。ふふ」 キョン「その指は…」 朝倉「この指にはめる意味がわかるでしょ?」 キョン「あぁ。どうやら俺は告白と同時にプロポーズまでしてしまったようだな」 朝倉「そうよ、あなたはこれからいつまでもあたしといることになったんだからね?ふふ」 キョン「一生俺はお前に刺され続けるって事か?」 朝倉「そのとおり♪」 キョン「やれやれ」 朝倉「キョン君、」 キョン「ん?」 朝倉「……メリークリスマス」チュ キョン「!?」 朝倉「あたしからのプレゼント♪」 キョン「もうくれないのか?」 朝倉「考えておいてあげる♪さぁうちに行きましょ、今日はクリスマスなんだからね♪」 キョン「ふふ、やれやれ」 朝倉「(サンタさん、最高のプレゼントありがとう♪)」 朝倉涼子のグサデレ ~クリスマス編~完
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プロローグ 第1話~a Re-Birth in the Best Dream~ 第2話~Selfish Desire~ 第3話~False Happiness~ 第4話~a Farewell in the Worst Nightmare~ 第5話~then...Happy End?~ エピローグ ※朝倉×キョン(←ハルヒ)のSSです。 一部『~分裂』のネタバレありなので注意。 本編とプロローグ、エピローグあわせて全7話構成になる予定。 甘さひかえめ、かといってビターなわけでもなし。 ヤンデレ・ツンデレ分は皆無です。 萌えはありませんが、時々燃え(バトル)描写ありかも。
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朝倉涼子のグサデレ ~夏休み・プール編~ 第1話 キョン「暑い……なんだってんだ今年の夏は」 朝倉「もう、せっかくあたしが時間を空けてまでこうしてキョン君なんかと会ってあげてるっていうのにそうやってグチばっかり……」 キョン「あぁ、すまん。しかし、毎年のことだがどうして夏というのはこうやる気を削ぐのだろうかな」 朝倉「また言ってる、あーあ、あたし帰っちゃおうかなぁ…」 キョン「ッ!?」 朝倉「話してるばっかりで移動しようともしないし、つまんないんだもの。それともどこかへ行く?」 キョン「わ、わかった。行くから帰るのだけは、、、」 朝倉「それじゃあどこへ連れてってくれるのかしら?期待して良いのよね?」 キョン「(とは言ったものの行くあてがないしな……しかしこの前の浴衣は格別だったな、ウヘヘ。おっと涎が…浴衣の次はやはり水着か?うん、そうだな夏だしな。夏と言ったら水着と言っても過言ではないな!!まぁ朝倉の水着が見たいだけなんだがな。 フヒヒww…)」 朝倉「キョン君、心の中で言ってるつもりでしょうけど全部口に出してるわよ?そういうのは口に出すものじゃないと思うの。つまりあたしは何が言いたいかと言うと…… キョン君キモいわ。じゃ死んで♪」 キョン「ちょww筒抜け俺キモスwww」 朝倉「キモいって認識してるなら自重しなさいね?」 キョン「(朝倉の水着、フヒヒw…はぁはぁ)グフッ」 第2話 キョン「で、どうだ?夏だしプールというのは?もちろん健全な考え方でだぞ?」 朝倉「そんな鼻血だしながら言われても説得力皆無よ?」 キョン「(やばい興奮しすぎたww)まぁそこは置いといて……」 朝倉「うーん(今年はまだ水着を着てないし、キョン君に見せるんなら気にする必要もないかな…?でも興奮したキョン君に襲われちゃうかも。キャッ♪)」 キョン「襲ったらどうせ反撃するんだろうよ(ボソ)」 朝倉「何か言った?」 キョン「いいえ!」 朝倉「ふーん…まぁ別に言ってあげてもいいかな?どうせ暇だしね。べ、別にあたしが行きたいわけではなくてしょうがなくてだからね?」 キョン「そうか行きたいのかぁ(ニヤニヤ)」 朝倉「何にやけてるの?そんなふぬけ顔でプールなんか行ってもどうせ足をつって溺れ死ぬだけね。それなら今死んでも同じね、じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwいっそ溺死にしてくださいwww」 朝倉「大丈夫よ、人想いに一発で死ぬように努力するから」 キョン「(やっぱビキニだよな、フヒヒww…はぁはぁ)グフッ」 第3話 キョン「とりあえず二人は自宅に戻り道具を準備しもう一度集まろうということになったのだ……説明終了!いやぁ待ち遠しいことこの上ないなww」 朝倉「お待たせ♪」 キョン「朝倉……白いワンピが眩しいぜ」 朝倉「もう、大げさね♪」 キョン「早く行こうぜ!!」 朝倉「興奮しすぎよ?まったく……子供じゃないんだからね?もうっ!」 キョン「じゃあ着替え終わったらプールサイドで会おう」 朝倉「うん♪」 キョン「おぉ結構広いもんだな……しかしプールの大きさなんてものは目じゃない!俺が興味あるものは朝倉のみだからな!」 朝倉「人前で大声出して何やってるの?恥ずかしいじゃない」 キョン「朝kッ!?…うっ(クラッ)」 朝倉「キョン君!?ちょっと大丈夫!?いきなり倒れたりしてどうしたの?」 キョン「あ、朝倉……」 朝倉「何?」 キョン「GJ!」 朝倉「は?………もうっ!バカ…」 キョン「俺の期待通りビキニを着てきてくれたんだな?」 朝倉「た、たまたまよ?去年のしかなかったからしょうがなく……」 キョン「それ値札ついてるぞ」 朝倉「うそ!?ちゃんとさっき取ったはず、ハッ!?」 キョン「やっぱりちゃんと新調してたんだな(ニヤニヤ)」 朝倉「謀ったわね?キョン君の分際で許さないわ、プールサイドを血で染めてあげるわ、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww他の人に迷惑のかかる行為はご遠慮くださいwww」 朝倉「そんな指示に従ってらんないわ」 キョン「(どこにナイフ仕込んでたんだ…はぁはぁ)グフッ」 第4話 キョン「じゃあ泳ぐか」 朝倉「普通に泳いでもつまらないし、まずあのウォータースライダーに行きましょ♪」 キョン「あ、あれか…?」 朝倉「そう、あれよ♪」 キョン「そこにはまるでバベルの塔の如くそびえ立つスライダーがあったのであった……」 朝倉「誰に説明してるの?早く行きましょ」 キョン「実を言うと俺は高速系のアトラクションは苦手だったのであった……」 朝倉「そんなナレーター風味の説明はいいから早くして?」 キョン「正直行きたくないのであった……なぁ普通に泳がないか?」 朝倉「あたしのこと嫌い?」 キョン「は?嫌いなわけないだろ、むしろすk」 朝倉「じゃああたしの言うことも聞けるはずよね?さぁ行きましょ♪」 キョン「やれやれ」 キョン「浮き輪に乗るタイプか、ご丁寧に二人用なんか準備しやがって」 朝倉「はい、乗って」 キョン「俺が前か!?」 朝倉「当然でしょ?あたしはか弱いのよ?」 キョン「そうかい」 朝倉「じゃあしゅっぱぁつ♪」 キョン「……」 朝倉「キャー♪」 キョン「ヒッ!?ギャ゛ー゛!!」 朝倉「キャー♪楽しいわねキョン君!!」 キョン「も、無…理(ガクッ)」 朝倉「キョン君!?」 ――――― キョン「……」 朝倉「―ン君!」 キョン「う……」 朝倉「―ョン君!!キョン君!!無事!?」 キョン「あれ…俺……」 朝倉「乗ってる途中で気絶しちゃったのよ…大丈夫?」 キョン「あぁ、心配かけたな。すまなかった……」 朝倉「べ、別に心配なんか、」 キョン「目に涙が溜まってるぞ?」 朝倉「これは、プールの水が、」 キョン「目も赤いしな」 朝倉「こ、これもプールのせいよ」 キョン「ふふ」 朝倉「そんな憎まれ口叩けるならもう平気ね、あたしに迷惑かけた罪は重いわよ?」 キョン「朝倉になら命だって捧げるよ」 朝倉「じゃあ遠慮なく……じゃ死んで♪」 キョン「ちょww冗談www」 朝倉「あたしに冗談は通じないわ」 キョン「(朝倉にかかればシリアスも一気に一転…はぁはぁ)グフッ」 第5話 朝倉「今度はあっちで泳ぎましょ」 キョン「流れるプールになってるみたいだな」 朝倉「人が多いわね…キャッ!?」 キョン「どうした!?」 朝倉「今、誰かにお尻触られた……」 キョン「何ッッ!!朝倉の尻を触るだと!?痴漢野郎め!なんて、なんて羨ましい!!俺でさえまだ触ってないというのに……ふざけおって、必ず捕まえて感触を聞き出してくれる!!いやしかし、俺は尻よりも朝倉の太股のほうが……畜生!悩ませやがるぜ」 朝倉「……」 キョン「朝倉待ってろよ、今変態を捕まえてきてやるからな」 朝倉「その必要はないわ。変態なら今目の前にいるから。ね、キョン君。じゃ死んで♪」 キョン「ちょww俺は太股派www」 朝倉「あの世でほざいてなさいね♪」 キョン「(あぁ朝倉の太股に頭をのせたいよぉ、そしてクンカクンカしたいよぉ。 ペロペロしたいよぉ…ハァハァハァハァ)グフッ」 第6話 朝倉「次は波のでるプールに行きましょ♪」 キョン「結構高い波もくるな、朝倉流されないように気をつけろよ?」 朝倉「バカにしないで欲しいわね、あたしはキョン君みたいに鈍くさくないのy(ザパーンッ)」 キョン「ぷはぁ…朝倉!?朝倉どこだ!どこにいるんだ!!」 朝倉「……ぷはっ!ふぅ、ちょっと油断しちゃったわね」 キョン「朝倉無事か!?」 朝倉「えぇ、でもあんなに大きな波が来るなんて思ってもなかったから少し驚いちゃった」 キョン「無事みたいだな、よかっt」 朝倉「キョン君?どうして顔が赤いの?どうしていきなり顔を背けるの?」 キョン「いや、朝倉の…水着が、その……」 朝倉「え…水着?……キャーーッッッ!!!どこ!?あたしの水着どこにいったの!!??波で流されちゃったのね!?それよりキョン君何見てるの?信じられないわ!もう最低!変態!!償ってもらうわ!!じゃ死んで♪」 キョン「ちょww手ブラはエロいwww」 朝倉「その記憶も消し去ってあげる」 キョン「(実際よく見えなかったが、貴重なものを拝めたぜ…はぁはぁ)グフッ」 第7話 朝倉「ねぇ、ちょっと深いところに行ってみない?」 キョン「大丈夫か?危ないぞ。何かあってからじゃ遅いしな」 朝倉「臆病ね、じゃあ一人で行っちゃうからね」 キョン「わかったわかった、ついていくよ」 キョン「かなり深いぞ。もう足なんかつかないな」 朝倉「平気よこんなの、もうちょっと行ってみましょ」 キョン「ふぅ…」 朝倉「キョン君早k、キャッッ!?ゴボッ…あ、足が……キョ、ゲホッ助け……ブクブク……」 キョン「朝倉ッ!!どうした!?沈むなッ!おいっ!!ちくしょう!!(ザプン!!)」 朝倉「(痛い…足つっちゃった、あぁどんどん沈んでいっちゃう、、、キョン君 に謝らなきゃ…ちゃんとさっきあたしに危ないって言ってくれたのに。あたしは そんな言葉も聞かずに……でもこれじゃもう謝れない。ごめんね、キョンく、ん ………)ゴボッ、ブクブクブク……」 朝倉「……」 キョン「朝倉、起きてくれよ…頼むよ、死なないでくれ、頼むから…」 朝倉「……ン君」 キョン「!?」 朝倉「――泣いて、るの?まるで…子供、みたいね…ふふ♪」 キョン「朝倉ぁ!!……、ひっぐ、大丈夫か?」 朝倉「バカね、あたしが勝手に死ぬわけ……ないでしょ?」 キョン「俺、えぐ、、俺おまえに死なれたら……ひっぐ」 朝倉「もう泣かないの。あたしはちゃんとここにいるでしょ?離れたりしないわ」 キョン「あざぐらぁ……」 ―――― キョン「一時はどうなるかと思ったぜ」 朝倉「だいたいキョン君は心配しすぎなのよ。プールで泣くなんてあたしまで恥ずかしくなっちゃったじゃない」 キョン「そ、そもそも朝倉が深いとこに行こうなんて言わなかったら何事もなく済んだろ?」 朝倉「あたしのせいだって言うの?」 キョン「そうとしか考えられないだろ」 朝倉「ふぅ~ん。そういうこと言うの……じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwお決まりのオチwww」 朝倉「良い話で終わらせるわけないでしょ♪」 キョン「(次こそは朝倉と良い関係に…はぁはぁ)グフッ」 ~夏休み・プール編~完
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朝倉涼子のグサデレ ~夏休み・プール編~ 第1話 キョン「暑い……なんだってんだ今年の夏は」 朝倉「もう、せっかくあたしが時間を空けてまでこうしてキョン君なんかと会ってあげてるっていうのにそうやってグチばっかり……」 キョン「あぁ、すまん。しかし、毎年のことだがどうして夏というのはこうやる気を削ぐのだろうかな」 朝倉「また言ってる、あーあ、あたし帰っちゃおうかなぁ…」 キョン「ッ!?」 朝倉「話してるばっかりで移動しようともしないし、つまんないんだもの。それともどこかへ行く?」 キョン「わ、わかった。行くから帰るのだけは、、、」 朝倉「それじゃあどこへ連れてってくれるのかしら?期待して良いのよね?」 キョン「(とは言ったものの行くあてがないしな……しかしこの前の浴衣は格別だったな、ウヘヘ。おっと涎が…浴衣の次はやはり水着か?うん、そうだな夏だしな。夏と言ったら水着と言っても過言ではないな!!まぁ朝倉の水着が見たいだけなんだがな。 フヒヒww…)」 朝倉「キョン君、心の中で言ってるつもりでしょうけど全部口に出してるわよ?そういうのは口に出すものじゃないと思うの。つまりあたしは何が言いたいかと言うと…… キョン君キモいわ。じゃ死んで♪」 キョン「ちょww筒抜け俺キモスwww」 朝倉「キモいって認識してるなら自重しなさいね?」 キョン「(朝倉の水着、フヒヒw…はぁはぁ)グフッ」 第2話 キョン「で、どうだ?夏だしプールというのは?もちろん健全な考え方でだぞ?」 朝倉「そんな鼻血だしながら言われても説得力皆無よ?」 キョン「(やばい興奮しすぎたww)まぁそこは置いといて……」 朝倉「うーん(今年はまだ水着を着てないし、キョン君に見せるんなら気にする必要もないかな…?でも興奮したキョン君に襲われちゃうかも。キャッ♪)」 キョン「襲ったらどうせ反撃するんだろうよ(ボソ)」 朝倉「何か言った?」 キョン「いいえ!」 朝倉「ふーん…まぁ別に言ってあげてもいいかな?どうせ暇だしね。べ、別にあたしが行きたいわけではなくてしょうがなくてだからね?」 キョン「そうか行きたいのかぁ(ニヤニヤ)」 朝倉「何にやけてるの?そんなふぬけ顔でプールなんか行ってもどうせ足をつって溺れ死ぬだけね。それなら今死んでも同じね、じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwいっそ溺死にしてくださいwww」 朝倉「大丈夫よ、人想いに一発で死ぬように努力するから」 キョン「(やっぱビキニだよな、フヒヒww…はぁはぁ)グフッ」 第3話 キョン「とりあえず二人は自宅に戻り道具を準備しもう一度集まろうということになったのだ……説明終了!いやぁ待ち遠しいことこの上ないなww」 朝倉「お待たせ♪」 キョン「朝倉……白いワンピが眩しいぜ」 朝倉「もう、大げさね♪」 キョン「早く行こうぜ!!」 朝倉「興奮しすぎよ?まったく……子供じゃないんだからね?もうっ!」 キョン「じゃあ着替え終わったらプールサイドで会おう」 朝倉「うん♪」 キョン「おぉ結構広いもんだな……しかしプールの大きさなんてものは目じゃない!俺が興味あるものは朝倉のみだからな!」 朝倉「人前で大声出して何やってるの?恥ずかしいじゃない」 キョン「朝kッ!?…うっ(クラッ)」 朝倉「キョン君!?ちょっと大丈夫!?いきなり倒れたりしてどうしたの?」 キョン「あ、朝倉……」 朝倉「何?」 キョン「GJ!」 朝倉「は?………もうっ!バカ…」 キョン「俺の期待通りビキニを着てきてくれたんだな?」 朝倉「た、たまたまよ?去年のしかなかったからしょうがなく……」 キョン「それ値札ついてるぞ」 朝倉「うそ!?ちゃんとさっき取ったはず、ハッ!?」 キョン「やっぱりちゃんと新調してたんだな(ニヤニヤ)」 朝倉「謀ったわね?キョン君の分際で許さないわ、プールサイドを血で染めてあげるわ、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww他の人に迷惑のかかる行為はご遠慮くださいwww」 朝倉「そんな指示に従ってらんないわ」 キョン「(どこにナイフ仕込んでたんだ…はぁはぁ)グフッ」 第4話 キョン「じゃあ泳ぐか」 朝倉「普通に泳いでもつまらないし、まずあのウォータースライダーに行きましょ♪」 キョン「あ、あれか…?」 朝倉「そう、あれよ♪」 キョン「そこにはまるでバベルの塔の如くそびえ立つスライダーがあったのであった……」 朝倉「誰に説明してるの?早く行きましょ」 キョン「実を言うと俺は高速系のアトラクションは苦手だったのであった……」 朝倉「そんなナレーター風味の説明はいいから早くして?」 キョン「正直行きたくないのであった……なぁ普通に泳がないか?」 朝倉「あたしのこと嫌い?」 キョン「は?嫌いなわけないだろ、むしろすk」 朝倉「じゃああたしの言うことも聞けるはずよね?さぁ行きましょ♪」 キョン「やれやれ」 キョン「浮き輪に乗るタイプか、ご丁寧に二人用なんか準備しやがって」 朝倉「はい、乗って」 キョン「俺が前か!?」 朝倉「当然でしょ?あたしはか弱いのよ?」 キョン「そうかい」 朝倉「じゃあしゅっぱぁつ♪」 キョン「……」 朝倉「キャー♪」 キョン「ヒッ!?ギャ゛ー゛!!」 朝倉「キャー♪楽しいわねキョン君!!」 キョン「も、無…理(ガクッ)」 朝倉「キョン君!?」 ――――― キョン「……」 朝倉「―ン君!」 キョン「う……」 朝倉「―ョン君!!キョン君!!無事!?」 キョン「あれ…俺……」 朝倉「乗ってる途中で気絶しちゃったのよ…大丈夫?」 キョン「あぁ、心配かけたな。すまなかった……」 朝倉「べ、別に心配なんか、」 キョン「目に涙が溜まってるぞ?」 朝倉「これは、プールの水が、」 キョン「目も赤いしな」 朝倉「こ、これもプールのせいよ」 キョン「ふふ」 朝倉「そんな憎まれ口叩けるならもう平気ね、あたしに迷惑かけた罪は重いわよ?」 キョン「朝倉になら命だって捧げるよ」 朝倉「じゃあ遠慮なく……じゃ死んで♪」 キョン「ちょww冗談www」 朝倉「あたしに冗談は通じないわ」 キョン「(朝倉にかかればシリアスも一気に一転…はぁはぁ)グフッ」 第5話 朝倉「今度はあっちで泳ぎましょ」 キョン「流れるプールになってるみたいだな」 朝倉「人が多いわね…キャッ!?」 キョン「どうした!?」 朝倉「今、誰かにお尻触られた……」 キョン「何ッッ!!朝倉の尻を触るだと!?痴漢野郎め!なんて、なんて羨ましい!!俺でさえまだ触ってないというのに……ふざけおって、必ず捕まえて感触を聞き出してくれる!!いやしかし、俺は尻よりも朝倉の太股のほうが……畜生!悩ませやがるぜ」 朝倉「……」 キョン「朝倉待ってろよ、今変態を捕まえてきてやるからな」 朝倉「その必要はないわ。変態なら今目の前にいるから。ね、キョン君。じゃ死んで♪」 キョン「ちょww俺は太股派www」 朝倉「あの世でほざいてなさいね♪」 キョン「(あぁ朝倉の太股に頭をのせたいよぉ、そしてクンカクンカしたいよぉ。 ペロペロしたいよぉ…ハァハァハァハァ)グフッ」 第6話 朝倉「次は波のでるプールに行きましょ♪」 キョン「結構高い波もくるな、朝倉流されないように気をつけろよ?」 朝倉「バカにしないで欲しいわね、あたしはキョン君みたいに鈍くさくないのy(ザパーンッ)」 キョン「ぷはぁ…朝倉!?朝倉どこだ!どこにいるんだ!!」 朝倉「……ぷはっ!ふぅ、ちょっと油断しちゃったわね」 キョン「朝倉無事か!?」 朝倉「えぇ、でもあんなに大きな波が来るなんて思ってもなかったから少し驚いちゃった」 キョン「無事みたいだな、よかっt」 朝倉「キョン君?どうして顔が赤いの?どうしていきなり顔を背けるの?」 キョン「いや、朝倉の…水着が、その……」 朝倉「え…水着?……キャーーッッッ!!!どこ!?あたしの水着どこにいったの!!??波で流されちゃったのね!?それよりキョン君何見てるの?信じられないわ!もう最低!変態!!償ってもらうわ!!じゃ死んで♪」 キョン「ちょww手ブラはエロいwww」 朝倉「その記憶も消し去ってあげる」 キョン「(実際よく見えなかったが、貴重なものを拝めたぜ…はぁはぁ)グフッ」 第7話 朝倉「ねぇ、ちょっと深いところに行ってみない?」 キョン「大丈夫か?危ないぞ。何かあってからじゃ遅いしな」 朝倉「臆病ね、じゃあ一人で行っちゃうからね」 キョン「わかったわかった、ついていくよ」 キョン「かなり深いぞ。もう足なんかつかないな」 朝倉「平気よこんなの、もうちょっと行ってみましょ」 キョン「ふぅ…」 朝倉「キョン君早k、キャッッ!?ゴボッ…あ、足が……キョ、ゲホッ助け……ブクブク……」 キョン「朝倉ッ!!どうした!?沈むなッ!おいっ!!ちくしょう!!(ザプン!!)」 朝倉「(痛い…足つっちゃった、あぁどんどん沈んでいっちゃう、、、キョン君 に謝らなきゃ…ちゃんとさっきあたしに危ないって言ってくれたのに。あたしは そんな言葉も聞かずに……でもこれじゃもう謝れない。ごめんね、キョンく、ん ………)ゴボッ、ブクブクブク……」 朝倉「……」 キョン「朝倉、起きてくれよ…頼むよ、死なないでくれ、頼むから…」 朝倉「……ン君」 キョン「!?」 朝倉「――泣いて、るの?まるで…子供、みたいね…ふふ♪」 キョン「朝倉ぁ!!……、ひっぐ、大丈夫か?」 朝倉「バカね、あたしが勝手に死ぬわけ……ないでしょ?」 キョン「俺、えぐ、、俺おまえに死なれたら……ひっぐ」 朝倉「もう泣かないの。あたしはちゃんとここにいるでしょ?離れたりしないわ」 キョン「あざぐらぁ……」 ―――― キョン「一時はどうなるかと思ったぜ」 朝倉「だいたいキョン君は心配しすぎなのよ。プールで泣くなんてあたしまで恥ずかしくなっちゃったじゃない」 キョン「そ、そもそも朝倉が深いとこに行こうなんて言わなかったら何事もなく済んだろ?」 朝倉「あたしのせいだって言うの?」 キョン「そうとしか考えられないだろ」 朝倉「ふぅ~ん。そういうこと言うの……じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwお決まりのオチwww」 朝倉「良い話で終わらせるわけないでしょ♪」 キョン「(次こそは朝倉と良い関係に…はぁはぁ)グフッ」 ~夏休み・プール編~完
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「おはよう」 一晩ぶりに見る呆け面に、私は満面の笑顔で挨拶の言葉を投げつけてやる。 彼はそんな私に言葉には何のリアクションもとらず、ただ、私の顔を軽く一瞥しただけで、いつものように私に背を向け、そのままそれっきり、黙り込んでしまった。 まったくもって無防備な背中。 ……分かってるわ。 未だ今はそのときじゃないのね。 今、この背中をどうこうしたところで、何も変わりはしない。 すべては、長門さんが望んだ世界が、久遠に続くため。 そのためのスイッチとなる瞬間が、この世界のどこかに在る。 ……私はその瞬間を、探さなければならない。 それを見つけ出すときまで、私の鞄の中の鍵は、取っておかなければならない。 その日、私は一間目の体育の授業の途中で、こっそりと教室に舞い戻り、鞄の中から必要なものだけを抜き出し、それを靴箱に隠した。そして二間目の授業を受け、次の休み時間。私は隠しておいた荷物を持ち、学校を抜け出した。 学級委員長の朝倉涼子の行動としては、あまり望ましいものではなかったけれど…… おそらく、あの男は今後も、放課後のたびに長門さんの元に行くだろう。彼にとっても、彼女は唯一の希望なのだろうから。 私がそこに同席することで、彼が何かを見出すことを妨害することぐらいはできるかもしれない。けれど、それでは、私の目的を果たすことにはならない。彼が居る限り、私は自分の目的の為に動くことができない。 長門さんの望んだこの世界を守り、彼女との日々を取り戻す。 それが私の使命なのだから。 そうでしょう、長門さん? だから、ごめんなさい。 少しだけ、あなたの部屋を見せてもらうわね。 ◆ 彼女の部屋の鍵は、私の手帳の裏表紙の内側のポケットに貼り付けてあった。 私―――長門有希の友人である朝倉涼子は、一体どんな方法で、この鍵を手に入れたのだろうか。 それはもしかしたら、彼女が私に、友人の証か何かとして託してくれたものなのかもしれない。 あるいは、それは朝倉涼子が……たとえば、あのナイフのように、『一樹くん』あたりに頼んで手に入れたものなのかもしれない。 私は自分の携帯電話に、彼と連絡を取った形跡がないかどうかを調べてみた。けれど、私の携帯電話の受信ボックスは、ここ一ヶ月ほどの間に、友人たちと交換した他愛のないメールで埋め尽くされているだけだった。 人気者は、かくも大変なものなのだ。 ◆ 長門さんの部屋に、この世の中に存在するべき一切の物音は、ひとつとして存在していなかった。数少ない家具や、カーテンのない窓。そして、コンロの上に置き去りにされた、私が腕によりをかけてつくったおでんの残り。それらはまるで主人を失ったペットかなにかみたいに、まるで生気を失い、黙りこくっていた。 私は右手にぶら下げた小さなポーチの中から、彼女に託されたあのナイフを取り出し、銀色の刃から革製のカバーをはずし、それをポーチごとちゃぶ台の上に放り出した。 そして、ナイフを右手にぶら下げたまま、閉ざされた引き戸の前に立ち、私は改めて室内を見回した。 長門さんはあれほどまでに変わってしまったというのに、この部屋は、以前と何一つ変わっていない。 そこは私と長門さんが、かつて、永遠とも思える日々をすごしていた場所だった。 そして。 私が唯一つ、見たことのない空間。 常に閉ざされていて、私が立ち入ることの出来なかった、その引き戸の向こう。 長門さん、待っててね。 私は呟き、左手で襖の取っ手に触れ、一息に開け放った。 ――― あの扉の向こうには、きっと、長門さんにとっての正しさがあるのね ◆ 始まりも、終わりも。私にとってのすべては、この教室だった。 これは終わりであり、始まりである。 空気は例によって冷え切っており、窓の外には、冬の夜の闇が広がっている。 長門さん。 今、行くわ。 私は規則正しく並べられた椅子や机を薙ぎ払いながら、閉ざされた後方のドアへと走った。そして、私が学校から持ち出した、もう一つの鍵。職員室から盗み出してきた、その小さな金属の塊を、乱暴に鍵穴へと刺し入れる。 半ば引きちぎるように錠をはずし、私は廊下へと飛び出した。 暗闇の中を駆け抜け、踏み外さないように気をつけながら、階段を数段飛ばしで駆け下りる。 ―――ああ。 長門さん。 どうして、私の記憶をそのままにしていたのか。 あなたは私を選んでくれたのね。 この世界を……あなた望んだ世界が、正しいものかどうか、私に選ばせてくれた。 そして、彼は、あなたを狂わせたエラーそのもの。 そうなんでしょう? 長門さん。 冷たい外気の中に飛び込み、最初に見たのは、長門さんのおびえた表情。そして、あの男の背中と、あの男の手の中に握り締められている、銀色に輝く何か。 ああ、やっぱりあなたは―――私と長門さんの世界を壊そうというのね? 「キョン君! 危な……!」 誰かが叫び声を上げる。長門さんが、眼鏡の向こうの視線を、私に向けた。 ――長門さん。 ――今、行くわ。 私は体の中から湧き上がる異様な多幸感をかみ締めながら その男の向こう側の長門さんの元へ向かって、目を閉じて駆け出した。