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畑荒らし レベル:数 9-11 1-3 構成 名前 種類 レベル 初期付与 使用技 畑荒らし 9-11 特徴 生命(Lv9:360、Lv10:400) 生息地域 越後 を−ロ ドロップアイテム 軍事クエスト:盗人のまげ 材料、他:おむすび ならず者の腹巻、ならず者の飾剣 その他情報 名前 コメント
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畑荒らし レベル:数 9-11 1-3 構成 名前 種類 レベル 初期付与 使用技 畑荒らし 9-11 特徴 生命(Lv9:360、Lv10:400) 生息地域 越後 を−ロ ドロップアイテム 軍事クエスト:盗人のまげ 材料、他:おむすび ならず者の腹巻、ならず者の飾剣 その他情報 名前 コメント
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畑荒らし レベル:数 9-11 1-3 構成 名前 種類 レベル 初期付与 使用技 畑荒らし 9-11 特徴 生命(Lv9:360、Lv10:400) 生息地域 越後 を−ロ ドロップアイテム 軍事クエスト:盗人のまげ 材料、他:おむすび ならず者の腹巻、ならず者の飾剣 その他情報 名前 コメント
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畑荒らし レベル:数 9-11 1-3 構成 名前 種類 レベル 初期付与 使用技 畑荒らし 9-11 特徴 生命(Lv9:360、Lv10:400) 生息地域 越後 を−ロ ドロップアイテム 軍事クエスト:盗人のまげ 材料、他:おむすび ならず者の腹巻、ならず者の飾剣 その他情報 名前 コメント
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人も訪れぬ山奥、ゆっくりめでぃすんは飢えていた めでぃすんは他のゆっくりと違って毒キノコや毒のあるスズランなどの植物を主食とする。 普通の植物も食べられない事もないが、やはりめでぃすんにとっては味にコクが無くイマイチゆっくり出来ない。 最近は他のゆっくりも人間や他の動物には毒でもゆっくりにとっては無関係な毒キノコ(手足のしびれや心臓麻痺など)を食べるようになってきた。 ───ゆっくりしたい。お腹いっぱい毒野菜をむーしゃむーしゃしたい─── しかしこんな山奥では◯国産汚染野菜すらない。 すると目眩のするめでぃすんの目の前に以前はなかったはずの毒々しいまでに青々とした草の群れがあった。本能的に (これはゆっくりできる草だ) そうさとっためでぃすんはすかさずその草を食べ始めた。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」 「コルルラァ!なにワシらの草を食うとるんじゃ!」 突然ヤクザ風の男が現れた。 「兄貴、こいつ畑荒らしですぜ」 「畑荒らしは犯罪者だ!ぶっ殺してやる!」 「ゆうう~っ!」 「ほおお~そう言う君たちはこんな山奥で何を栽培してるのかな~」 「すんません大麻です」 「ちょっと署まで来い」 ヤクザさん潔いなw -- 名無しさん (2011-08-06 20 41 02) 名前 コメント
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『畑荒らしの正体』 24KB 制裁 番い 赤ゆ 希少種 現代 独自設定 若干長めの作品に挑戦 うーぱっく制裁注意 希少種(うーぱっく)虐待注意。 うーぱっくのサイズは成体で、成体ゆっくりを二匹入れて若干余裕がある程度というサイズ設定。 その他、独自設定が満載です。 男は田舎の農村で、野菜を作って生活している。俗に言う、農家である。作っているの は大根、トマト、人参、きゅうり等が中心である。自分で食べていくには困らないし、有 機栽培の男の野菜は一部で評価が良く、それなりに収入もあった。 そんな男だが、現在深刻な悩みを抱えていた。悩みのタネとは、ゆっくりによる野菜へ の被害である。 「ちくしょう、またゆっくりか!」 この日も男が畑へとやって来ると、畑の野菜が幾つか無くなっている。荒らされ方を見 ると、野生の動物ではなく、間違いなく野生のゆっくりの仕業である事が分かる。 男は今まで何も対策せず、黙って畑を荒らされていたわけではない。最初にゆっくりを 潰した時から数えれば、数十匹以上はゆっくりを潰している。「どぼぢでこんなごどする のおおおおおおお!?」というお決まりの台詞なんて、既に聞き飽きたぐらいである。 畑を荒らされない為の対策もしっかり施した。男の畑の周りの柵は、成体ゆっくりが全 力で跳ねても入れない高さを計算して作られている。柵の隙間も、ゆっくりのサイズを前 提に作られ、生まれたての赤ゆすら通さないようにしてあるのだ。 しかし、そこまで対策したにも関わらず、ゆっくりによる畑への被害は減らないのであ る。男は悩んだ。正直な所、これ以上どうやって対策したら良いのか、まるで検討がつか なかったのである。男はしばらく考えた末、一つの結論を導き出した。 数日後、男は畑の側に簡易的な監視小屋を建造した。ここならば、身を隠す場所が無い 畑と違って、隠れながらゆっくりを監視をする事ができる。 ここまで大掛かりにやる必要は無いのでは、と思う人が殆どだろう。しかし、男はこれ 以降も同様の被害が必ず発生するだろうと考えていた。なので、長期的に畑を監視できる 場所が必要であると判断したのだ。 男は農作業を終えると、一度いつものように帰ったふりをし、茂みの中を通って監視小 屋の中へ入った。男の行動を監視されていた場合、そのまま監視小屋に入っては意味が無 いのだ。相手はゆっくりなので、大丈夫かもしれないが、念には念を入れておいたほうが 絶対に良い。 現に、最近の畑荒らしの犯人と思われるゆっくりは、男が畑で農作業をしている間に現 れた事は一度も無いのだ。その点を考慮すると、奴らは男の行動パターンを何らかの手段 で知り、男がいない時間を狙って荒らしに来ているのではないかと推測できるのだ。それ を利用して、男がいない隙を狙って現れるゆっくりを、監視小屋で確認しようという訳で ある。 男が小屋で監視を始めてから数時間、ついにその時はやってきた。 男が見つけたのは、空を飛ぶ二つの四角い物体である。双眼鏡で確認してみると、四角 い物体にはコウモリの羽のような物がついており、ゆっくりと男の畑へと向かってくるの が確認できる。二つの四角い物体が男の畑へと着地すると、その中から、四角い物体一つ につき二匹、合計四匹の成体ゆっくりが飛び出てきた。 「むきゅ! うーぱっくたち、きょうもありがとう。おやさいさんをひとりじめするわ るいにんげんから、おやさいさんをとりもどすまで、すこしまっていてちょうだい、むき ゅ」 「うーぱっくたちはゆっくりまっているんだぜ! まりささまのむれいちばんのしゅう かくてくにっくで、あっというまにおやさいさんをてにいれるのぜ!」 「そんなことはいいから、はやくおやさいさんをむーしゃ、むーしゃしたいよ! れい む、もうがまんできないよぉ!」 「れいむ! そんなこというのはとかいはじゃないわ! ばかなにんげんがくるまえに さっさとおやさいさんをとって、とかいはなおうちにかえってからたべましょう?」 「「うー!!! うー!!!」」 通常種ゆっくり達のほうは、男が今まで何度も見てきた、典型的なゲスゆっくりのよう である。男の関心は、ゲス達を乗せてきた、羽がついた四角いゆっくりに向けられた。 (あれは……うーぱっくと言う奴か?) 男は、ゆっくりに畑を荒らされるようになった際、ゆっくりの知識をつけるため、村の 役場に唯一存在するパソコンを使ってインターネットにアクセスし、ゆっくり関連のペー ジを読み漁っていた。その際に、うーぱっくに関しても、一定の知識を得ていたのだ。 うーぱっく。野菜や果物等の見返りと引換えに、ゆっくりを乗せて飛ぶことがある。れ みりゃ種、ふらん種と同じで再生力が高い。小麦粉の皮で出来ている通常種ゆっくりと違 い、ダンボールで出来ている。これらが、うーぱっくの特徴である。 (ゆっくりが入れない高さの柵の効果が無かったのは、うーぱっくに運んでもらってい たからだったのか。四匹の内のどれかが、柵が出来ている事に気付いて、うーぱっくを利 用して侵入する事を考えたんだろうな。まぁ、あの四匹の中では、ぱちゅりーだろうな。 、 男がそんな事を考えていると、ゆっくり達が野菜の収穫を終え、帰路に着こうとしてい た。ここまでの所要時間は約五分。ゆっくりからしたら、ずいぶんと良い手際である。 (あいつら、もう何度も荒らしてやがるな……? ずいぶんと慣れてやがる。絶対に追 いかけて潰してやるぜ……) 男は、今すぐに監視小屋を飛び出して、ゲスゆっくりどもを一匹残らず潰したいという 欲求をぐっと我慢した。 確かに、今すぐ飛び出していって通常種どもを潰す事は簡単である。しかし、うーぱっ くどもには確実に逃げられてしまうだろう。奴らを逃がしたら、また他のゆっくりが奴ら に乗ってやってくるに違い無い。 うーぱっくの個体数は希少種と変わり無いぐらいに少ないと聞く。と言う事は、ここら 一帯に生息しているうーぱっくはあいつらだけだろう。つまり、あいつらを逃さずに殺す ことができたら、畑の被害は暫く無くなると言っても良いのである。 うーぱっく達が飛び立ち、森の方角へとゆっくり進みだした。 (やはり巣は森にあるか。だが、この森は深すぎる茂みも無いし、木々も密集していな いから、見失うことは無さそうだ。うーぱっくが飛ぶ速度も、思ったよりもずっと遅い) うーぱっくは通常、人間が普通に歩く速度ぐらいで飛ぶことができるが、今は一匹につ き、成体ゆっくりを二匹積んでいる。それに加えて今回は、それなりの量の野菜も一緒に 積んでいるのである。その重さによって、飛行速度は格段に落ちてしまい、今は小学生の 子供がゆっくりと歩く程度でしか飛ぶことができない。 森に入ってから、五百メートル程進んだ所だろうか。うーぱっくが、森の木の中でも一 際大きな木の根本付近に着陸した。どうやら、ここがゲス通常種ゆっくりの内のどれかが 巣にしている木のようだ。 「うーぱっく! おれいのとまとさんと、にんじんさんなんだぜ! またおやさいさん がかってにはえてくるゆっくりぷれいすにいくときは、よろしくなんだぜ!」 「「うー♪ うー♪」」 リーダー格と思われるまりさが、うーぱっくに運搬のお礼の野菜を渡す。うーぱっくは それを受け取ると「うー! うー!」と、平常時より若干テンションが上がったことを感 じられる鳴き声を発しながら、自らの巣へと戻っていった。ゆっくりを下ろしたことで飛 行速度は増している、森の中という環境を考えると、追いかけるのはほぼ不可能だろう。 そうなると、男が次にやる事は一つである。畑を荒らした四匹の通常種ゆっくり達の制 裁だ。うーぱっくの巣の場所は、そいつらにじっくりと聞けば良いのである。 「さぁ! みんなでおやさいさんをむーしゃ、むーしゃするのぜ!」 「ゆぅーん! おやさいさんはゆっくりできるよー! れいむはとまとさんがたべたい よ! ゆっくりはやくちょうだいね!」 「むきゅきゅ! れいむ、ばかなにんげんは、ぱちゅたちのけんじゃなほうほうにきづ いてないのよ。いつでもたべられるんだから、よゆうをもちましょ!」 「ほんと、いなかもののにんげんねえ。おやさいさんがかってにはえてくるゆっくりぷ れいすのおやさいさんは、みんなありすたちのものよ!」 (糞饅頭どもが……好き勝手喚きやがって。まぁいい、今がお前らの最後のゆっくりタ イムなんだからな……) 「――おい」 「「「「ゆっ……?」」」」 男が隠れていた木の影から姿を現し、ゆっくり達に話しかける。ゆっくり達は固まった まま、動こうとしない。餡子脳では、現実を理解するのには時間がかかるようだ。 「「「「どぼぢでくそにんげんがここにいるのおおおおおおお!?」」」」 ゆっくり達は、何故男がここにいるのかが理解できていないようだ。 「馬鹿か? お前らをつけてきたからに決まってるだろ? ほら、さっさと盗んだ野菜 を返せ。今なら許してやるからな」 男は許す気などまったく無かったのだが、面白そうだという理由で、ゆっくり達に選択 肢を与えてみたようだ。 「どぼぢでまりざざまたちが、くそにんげんのいうことをきかなきゃいけないんだぜえ ええええ? おやさいさんは、まりささまたちのものなのぜええええ!」 「おやさいさんをひとりじめするくそにんげんは、ゆっくりしね!」 「むきゅうううう! ぱちゅのかんっぺきっ! なけいかくがあああ! そう、これは ゆめなのよっ……エレエレ」 「この、いなかものおおおおお! どぼぢでそんないなかもののはっそうしかできない のおおおおおお?」 どうやら野菜を返す気なんて微塵も無いようである。男は、知っていた。こういう奴ら には、見せしめが必要であるという事を。 「いなかもの! だまってないで、なんかいいなさいよ! まったく、これだからいな かも……ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 男は、一番近くにいたありすを踏み潰した。体の半分が黒い染みとなったありすは、発 声に必要な部分が生きているのか、大きな悲鳴を上げている。 「い゛な゛がも゛の゛ぉ゛……ゆ゛っ゛ぐり゛じね゛……ゆ゛っ……ゆ゛っ……ゆ゛っ ……ゆ゛っ……」 それから数秒は、男に恨み節を口にしていたありすだったが、間もなくして、ゆっくり 特有の痙攣を始めた。もう長くはあるまい。 「ふざけるなくぞにんげんんんんんんんんんんん! よぐも、よぐもありずをや゛っだ なあああああああああ?」 「ありずうううううううう!? どぼじで!? どぼじでごんなごどにいいいい!?」 「エレエレ……む、むきゅ……? あ、ありずうううう! エレエレエレエレエレ…… もっど、むっきゅり……エレエレ……」 まりさは尚、男に対して敵意を剥き出しにしている。れいむは戦意を喪失しかけている ようだ。ぱちゅりーはショックでクリームを吐きすぎて、永遠にゆっくりした。 「力の差がわかったか? さっさと野菜を返せ。そうしたら命だけは助けてやると言っ ているんだ」 男はもう一度、ゆっくり達に問いかける。 「ゆぅ……わかったよ。おやさいさんをかえすから、れいむとまりさのいのちだけはた すけてね」 「でいぶうううううううう!? どぼぢでぞんなごどいうのおおおお!?」 (ほう、れいむの方はゲスにしては聞き分けが良いようだ。それに対して、まりさのほ うは……なんというか、典型的なゲスゆっくりだな) 男がそんな事を思っている内に、二匹は言い争いを始めていた。 「まりさ、れいむたちじゃにんげんさんにはかてないよ。くやしいけど、ゆっくりあき らめようよ」 (悔しいってなんだよ糞饅頭が……) カチッ! 「はあああああああああ!? なにいってるのぜえええええ!? くそどれいのにんげ んなんかにしたがうなんて、どうかしてるのぜええええええ!? あんなにんげん、まり ささまにかかれば、いちころなのぜえええ!?」 (本当におめでたいな、餡子脳(笑)って奴は……) 「ありすはまりさよりも、つよいゆっくりだったのをわすれたの? このまえ、まりさ はゆっくりずもうでありすにまけてたよね? そのありすが、あっというまにころされち ゃったんだよ?」 「ゆがああああああああああああ!? まりさはさいっきょうっ! なのぜえええええ えええ!? まりさがまけるわけないのぜええええ!? れいむは、にんげんさんのどれ いになったのぜええええ!? そんなゆっくりできないゆっくりは、まりささまがせいっ さい! してやるのぜえええええ!」 ”負けた”という言葉に過剰反応したまりさ。余程自尊心が高いゆっくりらしい。 「ゆっくりしねっ! にんげんのどれいは、ゆっくりしねぇ!」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛!? ばりざっ、や゛め゛でね! お゛ねがい゛! ゆ゛っぐ りやめてねっ!」 れいむに攻撃を仕掛けるまりさ。まりさの目には、れいむはもう人間に従う奴隷ゆっく りとしかうつっていないのだろう。このまま攻撃を仕掛け続ければ、無抵抗のれいむはあ っと言う間に永遠にゆっくりしてしまうだろう。正気に戻ったまりさは、目の前に転がる 永遠にゆっくりしたれいむを見て、どのような反応を見せてくれるだろうか。男は楽しみ で仕方がなかった。 「ゆ゛っ……もっど……ゆ゛っぐり……じだがっ……」 カチッ! 「はぁっ……はあっ……じねっ……ばりざをばがにじた……ゆっ……?」 まりさは、れいむを永遠にゆっくりさせた事で、徐々に興奮がおさまってきたようであ る。冷静になった時、目の前に転がっているれいむだった物を見て、まりさはどんな反応 を示すだろうか。 「どぼじででいぶがえいえんにゆっくりしちゃってるのおおおお!? ぐぞにんげんに やられたのおおおお!?」 (流石餡子脳! 期待を裏切らないゲスっぷりだぜ……!) まりさは、自分がやった事を一切覚えていないようである。男は、現実をまりさに突き つけてやる事にした。 「れいむを永遠にゆっくりさせたのはお前だよ、まりさ」 「ゆ……?」 まりさは思っていた。なんだこの人間は、なんでまりさが友達のれいむを永遠にゆっく りさせないといけないんだ。こんな分かりやすい嘘をつく人間は、今すぐに死ぬべきであ ると。 「はああああああ!? そんなばればれのうそ、だれがしんじるのぜええええ? もう いいのぜ! げすなにんげんはさっさとまりささまにせいっさいっ! されるのぜ!」 まりさが男の足に体当たりを仕掛ける。”ぽよんっぽよんっ”という、アニメのような 音が、断続的に鳴り響く。まりさが疲れて動けなくなる一分後まで体当たりは続いた。 「ゆふうっ! ゆふうっ! ゆっへっへ……ここまでやれば、くそにんげんはとっくに えいえんにゆっくりしてるのぜ……?」 まりさは己の勝利を確信していた。 「で、お前のせいっさいっ! とやらは、それだけなのか?」 微動だにせずその場に立っている男と、男から発せられる、余裕たっぷりの台詞を聞く までは。 数分後、そこには赤紫色に腫れ上がった、ぼこぼこの”何か”が転がっていた。勿論こ れは、先ほどまで男に体当たりをしていたまりさである。 まりさは男の取り出した蝿たたきによって、全身がぶくぶくに腫れあがるまで叩かれ続 けたのである。 (効果はてきめんだったようだな。インターネットという物は、本当に便利だ) 男はインターネットで、ゆっくりを殺さず傷めつける器具として、蝿たたきが最適とい う情報を手に入れていたのである。実際に使ってみて、その情報が嘘偽りの無い物だと言 う事も実証された。実に良い気分である。 「で、まだ俺よりもお前のほうが強いと言うか?」 男が再びまりさに問いかける。 「ご、ごべん……なざ……い……ばりざは……よわいゆっくりです……にんげんさんに は……ぜったいにかてません……」 まりさの敗北宣言だった。 「分かれば良い。とりあえず、野菜は返してもらおうか。それと、良い忘れていたんだ が、お前らを畑へ運んできた、あのダンボール箱の巣の場所も教えてもらおうか」 「だんぼーるさん……? うーぱっくのことなんだぜ……?」 「ああ、それだ」 男は、ごく少量のオレンジジュースをまりさにふりかける。すると、あっという間にま りさの体の腫れは引き、ある程度動けるまでには回復する。これも、インターネットから 得た知識である。 「さて、怪我も治った所で、早速案内してもらおうか。怪我が治ったからって、逃げよ うとか、抵抗しようなんて考えるなよ? お前なんて、いつでも永遠にゆっくりさせる事 はできるんだからな……」 「ゆっくり……りかいしたよ……」 五分程歩くと、先ほどの通常種が住処にしていた木よりも、一回りか二回り大きな木が 見えてきた。道案内役のまりさの言う事が真実ならば、あそこの木の枝の一つを、うーぱ っく達が巣にしているらしい。 「あの辺りかな……? これなら覗けるか……?」 男は、持参した双眼鏡を使って枝を一つ一つを観察する。暫くして、お目当ての枝を見 つけることができた。枝の上でゆっくりしているのは、二匹の成体うーぱっくと、その子 供と思われる、赤うーぱっくが一匹である。 男は、こっそりと近づいて、間近でうーぱっく達の様子を観察してみる事にした。木の 根本付近から枝を覗くと、枝の上で蠢くうーぱっくどもの姿を鮮明に捉える事ができる。 それに加えて、先ほどは聞こえなかった、うーぱっくどもの「うー! うー!」という耳 障りな鳴き声もしっかりと聞こえる。 「「うー! うー!」」 「ぅー♪ ぅー♪」 普通のゆっくりの会話に置き換えると 「「おちびちゃん! ゆっくりごはんさんをたべようね!」」 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー!!!」 なんていう、ふざけた会話が繰り広げられているのだろう。男は簡単に想像する事がで きた。 (糞ダンボールが……人の畑の野菜を、さも自分が育てたかのように……不愉快極まり ない) 男は、リュックサックからY字型の器具を取り出す。これはスリングショットと呼ばれ る投石機。馴染みのある言い方をすると、パチンコだ。 狙うは、巣の手前側にいる、親うーぱっくの片割れだ。男は、しっかりと親うーぱっく に狙いをつけ……パチンコ玉を発射した。 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛ー!!!!!!」 パチンコ玉は親うーぱっくの体を貫通した。体に穴の空いた親うーぱっくは、力なく巣 から地面に転がり落ちる。体はダンボールの為、高い所から落ちても、落下のダメージは 少ないようだ。 男は穴の空いた親うーぱっくを拾い上げると、うーぱっくの巣に向かって叫ぶ。 「巣にいるうーぱっくども、出てこい! 一匹残らずだ! もし、一匹でも欠けていた 場合、このうーぱっくは永遠にゆっくりさせてやるぞ!」 しばらくすると、巣から二匹のうーぱっくが飛んできた。 (親うーぱっくが一匹、赤うーぱっくが一匹、合計2匹っと。よし、一匹も欠けていな いようだな) 「まりさ、お前らを俺の畑に運んだのは、間違いなくこいつらなんだな?」 男は、まりさに確認を取る。 「そうなんだぜ……間違いないんだぜ……」 男は、オレンジジュースで親うーぱっくを治療する。あっと言う間に回復した親うーぱ っくは、元気に家族の周りを飛び回っている。男はそれを確認すると、うーぱっく達に問 いかけた。 「で、お前らにも俺の畑を荒らした責任を取ってもらわないとな。まりさと違って、お 前らは既に人の野菜を食っちまったみたいだしな……どう償ってくれるんだ?」 男の問いかけに、親うーぱっく達が答える。 「うー! うー……うー! うー、うー……うー!」 「うーーーーー! うーーーーーー!」 (正直何言ってるかわからん。まりさに聞いてみるか……) 「おいまりさ、あいつらはなんて言ってるんだ……?」 「……まりさには……いえないんだぜ」 「――言え」 「わかったのぜ……うーぱっくは、どぼぢでおやさいさんをかえさないといけないのお おおお? あのおやさいさんはうーぱっくたちのものなんだよおおお!? ひとのものを とろうとするげすにんげんは、ゆっくりしね! っていってるんだぜ……」 ゲスの友はまたゲスと言う事か。うーぱっく達もまた、ゲスゆっくり達に負けないぐら いのゲスだったようだ。男のこめかみがピクピクしているのを見て、まりさをおそろしー しーを流した。 「なるほど、もういい」 男はそう言うと、あっという間にうーぱっく達を捕縛した。空を飛べると言っても、俊 敏な鳥などと比べたら、うーぱっく達の動きは亀みたいなものである。掴める高さにいる ならば、捕獲する事など、造作もない事なのである。 男は、親うーぱっくの内一匹の羽をむしり取る。 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ー!」 親うーぱっくの悲鳴が辺りに響き渡る。うーぱっくは、れみりゃ種と同じぐらいの再生 能力を持っている為、一日もたてば羽が生えてくる。その為、羽が一時的に無くなっても 問題は無いのだが、やはり痛い物は痛いようだ。もう一匹の親うーぱっくと、赤うーぱっ くは、泣き叫ぶ羽無し親うーぱっくを必死にぺーろぺろしている。これで、しばらくは逃 げる事はないだろう。 「まりさもご苦労だったな。お礼に良い物をやるぞ」 男は、ポケットから手のひら大の四角い機器を取り出す。 「これは……なんなのぜ……?」 まりさは、これが何なのかまったく見当がつかないようである。 「これはな、カセットレコーダーっていうんだ。簡単に言うと、声を録音する事ができ る道具だな」 男はカセットレコーダーの再生ボタンを押す。 「はあああああああああ!? なにいってるのぜえええええ!? くそどれいのにんげ んなんかにしたがうなんて、どうかしてるのぜええええええ!? あんなにんげん、まり ささまにかかれば、いちころなのぜえええ!?」 聞こえてきたのはまりさの声。そう、男はまりさがれいむを永遠にゆっくりさせるまで のやり取りを、カセットレコーダーに録音していたのだ。 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛!? ばりざっ、や゛め゛でね! お゛ねがい゛! ゆ゛っぐ りやめてねっ!」 まりさは目を見開いて、口をポカーンと空けたまま、カセットレコーダーから流れてく る、自身と、れいむの声を聴いている。 「ゆ゛っ……もっど……ゆ゛っぐり……じだがっ……」 れいむが永遠にゆっくりした。ここでカセットレコーダーの音声は途切れる。 「にんげんさん……これ……なんなんだぜ……?」 まりさが、震えながら男に問いかける。 「何って、お前がれいむを永遠にゆっくりさせるまでの記録だよ、まりさ」 「ゆ、ゆがああああああ!? ゆがあああっ!? ゆうううう!? ゆ……ぱぴぷぺぽ おおおおおおおおおおおお!?」 まりさ自身、男に尋ねる前から気付いていたんだろう。ただ、信じたく無かった。これ は自分では無い、そう思いたかった。しかし、男が真実を告げた事によって、思い込みは 崩壊し、まりさの精神は崩壊した。 「あらら、壊れちゃったか……ふむ、良い事を思いついた。まりさはこれに役立っても らおうか」 男は、まりさの口に手を突っ込むと、中身の餡子を掻き出し始めた。数分後、そこには びらびらの、まりさの皮だけが残った。 「準備はできた……っと。使うのはこっちで良いかな」 男は、先ほど羽をむしったうーぱっくを掴む。 「「うー!!! うー!!!」 親うーぱっくと赤うーぱっくが、返せ! 返せ !と言わんばかりに男に向かって喚い ている。ハイハイ、とでも言うような態度で軽くあしらうと、男は羽の無い親うーぱっく を細かくちぎり始める。 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛! う゛う゛う゛う゛う゛!」 羽無し親うーぱっくが悲鳴を上げる。自分の体が少しずつちぎられていく感覚とは、一 体どんな物なのだろうか。 男はちぎった親うーぱっくの体を、まりさの皮へと詰めていく。 「う゛う゛……ぅ゛ぅ゛……ぅ゛……」 体の三分の二を失った辺りで、羽無し親うーぱっくが永遠にゆっくりした。男はそんな 事知ったこっちゃ無いと言った感じで作業を進めていく。残された親うーぱっくと赤うー ぱっくは、羽無し親うーぱっくが詰められたまりさの皮の前で、涙を流している。 「はい、完成っと!」 男が作ったのは、まりさの皮の中にうーぱっくを詰めた『段ボール肉まん』である。男 はインターネットで、中国にはこういう食べ物があるという事を調べていたのだ。 「ほら、お前らにも分けてやるよ、食いな」 男が親うーぱっくと赤うーぱっくに肉まんを差し出す。 「う゛う゛! う゛う゛う゛う゛!!!」 「ぅ゛ー…… ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 二匹は食べることを拒否しているようだ。 ドンッ! 男が地面を思いっきり叩いて言う。 「いいから食えっていってんだろ!? てめぇら食わなきゃ永遠にゆっくりさせるぞこ らぁ! 食うのか、食わねえのか、どっちだ、ぁぁん?」 男が脅しをかけると、親うーぱっくは涙を流しながら肉まんを食べ始めた。赤うーぱっ くだけは絶対に守って見せる。そんな決意が見て取れる表情だった。 しかし、そんな決意が他者に伝わらない事もあるのである。 「ぅ゛ー!!!!!!!」 なんと、赤うーぱっくが男の指に噛み付いたのである。 「ぅー! ぅー!」 その上、勝利宣言。男の指からは少量の血が出ている物の、ダメージは殆ど無いと言っ て良い。それがわかっている親うーぱっくは、顔を真っ青にして変な汗を体から流してい る。 「ぅー! ぅー……ぅ?」 はしゃいでいる赤うーぱっくが、いつの間にか男に摘まれていた。そして、間髪いれず に羽をむしり取られる。 「ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っ!」 更に、男はポケットからライターを取り出すと、赤うーぱっくの一部に火を付けた。 「ぅ゛ぅ゛ー!!!!! ぅ゛ぅ゛ー! ぅ゛ぅ゛ー!」 そして、泣き叫ぶ赤うーぱっくを親うーぱっくの中に放り込む。 「う゛ー!? う゛う゛う゛ー!?」 体を焼かれる痛みに、親うーぱっくは殺虫剤をかけられた蝿のように、狂ったように空 を飛び回る。 「ほら、早くしないと火がお前に燃え移るぞ? どうせそいつは助からない。だったら せめて自分が生き残ってあげるのが、赤うーぱっくの為じゃないのか? ほら、早く落と せよ! 落としちまえよ!」 男の言う通り、今赤うーぱっくを落とせば、親うーぱっくは助かるだろう。 しかし、まだ湿ったダンボールのように体の柔らかい赤うーぱっくを落とせば、体がひ しゃげて、燃えて永遠にゆっくりする前に落下ダメージで永遠にゆっくりしてしまうだろ う。高度を下げてから落とせば助かるかもしれないが、現在親うーぱっくは体が焼ける痛 みによって、飛行に集中できる程余裕が無い。そのため、細かい調整をしながら飛ぶ事が できないのだ。 それに、そんな事をしている時間も無いのだ。まだ、もしかしたら火が消えるかも、と いう可能性に賭けたほうが、確率が高いと言える。親うーぱっくはゆん生で最大の選択を 迫られていた。 そして、親うーぱっくが選択したのは…… 「う゛ー! う゛ー!」 親うーぱっくが空中でひっくり返る。足場を失った赤うーぱっくは、真っ逆さまに地面 に落下し体がひしゃげたまま燃え続ける。燃えるまでもなく、既に永遠にゆっくりしてい るだろう。 「あははははは! 子供の命よりも、自分の命を取ったってわけか。こりゃ傑作だ!」 男の高笑いが辺りに木霊する。 親うーぱっくは、ふらふらと地面に不時着すると「ぅー、ぅー」と言う、消えそうな程 小さなうめき声をあげている。自分の安易で愚かな選択を、今更後悔しているのだと、男 は思った。 (こいつは、ゆっくりとして再起不能だな) 「ぅー……ぅー…」 親うーぱっくが呟く。「殺して、殺して」とでも言っているのだろう。男には手に取る ように理解できた。 「バーカ、殺さねーよ。死ぬなら勝手に野垂れ死んでろ」 男がくるりと振り返り、元来た方向へと去っていく。親うーぱっくは、その背中を虚ろ な目で、ずっと見つめていた。 END 後書き 初めて二十キロバイトを超える作品を書きました。思っていた以上に大変で、日頃から 長い作品を書いている作家の皆さまに、改めて脱帽した次第であります。 過去の作品 anko2785 ゆっくりとお正月を満喫しよう! anko2758 作ろう!ドスまりさ! anko2753 共生 anko2751 ゆっくり餅 anko2737 イヴの夜に anko2561 すぃーはゆっくりできない anko2516 読書の秋 anko2514 新発見、ゆっくりの新しい移動法 anko2504 冷凍ゆっくり anko2503 新たなエネルギー源 anko2501 胴付きになりたかったまりさ anko2498 日本を支える一大産業(本編) anko2495 一番多いゆっくりは コンバートあき
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近年多発するゆっくりによる田畑の被害。 それを一掃、または予防するために様々な対策を話し合う事になった、今日はその会議の一回目である。 では、今日は山之辺さんの対策について話してもらいます。それではどうぞ。 うちは主に芋を作ってるんです、味は上々で良く美食家が揃うと言われている紅魔館から、直接仕入れに来てもらったりもしているんです。 そんなわけで、コレまでも小動物に食われるということは多々ありました。 でも初めてゆっくりに畑が襲われてから考え抜いた末、毎年こうして利用しているんです。 朝露が乾き始めた頃、何時ものように畑に向かっていた彼が見たのは自分の畑の上で騒いでいるゆっくり達だった。 農道で区切られている畑の一つ、それがゆっくり達によって無残に食い荒らされていた。 近く程に目を背けたくなる。 かじられた芋がそこらじゅうに散乱していた。 「おじさんどうしたの?ここはゆっくりたちのおうちだよ♪」 さらっと、更に癪に障るようなことを言うゆっくり、どうやら魔理沙種のようだ。 彼は、注意深く辺りを見回した。 ゆっくり魔理沙が一匹、霊夢が三匹、れみりゃとちぇんが一匹ずつ。 楽しそうに芋を食べているそれらを見ていると、沸々と怒りを覚えた彼だったが、口調だけは穏やかにゆっくり に話しかけた。 「君達はどこから来たのかな?」 「もりからきたの」 霊夢種の一匹が答える。 「もりにはこわいおじさんがいるからにげてきたの」 もう一匹の霊夢種だ。どうやら加工場職員の事を言っているらしい。 ずっと森で暮らしていたから、人里のことがよく判らなかったのだろう。 「ここはおじさんの畑なんだよ」 「はたけってなぁに?」 「畑って言うのは、野菜とかを育ててる場所だよ」 「おじさんがそだててたの?」 「そうだよ」 三人目の霊夢種と魔理沙種が交互に答える、どうやらこの群れのリーダー格はこの二人なのだろう。 「おいもおいしかったよ、またつくってね!!!」 「まりさも、またいっぱいたべてあげるよ!!!」 また食べ始めるゆっくり達、いまいち理解できていないらしい。 「あのね、畑って言うのは……」 「ここはまだ、おいもあるから、おじさんもゆっくりしていいよ」 「いや、畑の野菜は売るために作ってるんだよ。ただじゃないんだよ」 「おいしいおいしい! おじさんもっとつくってね」 「うめ、これめっちゃうめぇ! おじさん、はやくつくっておうちにもってきてね」 「これを売ってお金にしないと、おじさんもゆっくりできないんだよ」 「おかねっなに、ゆっくりできるの?」 「食べ物とかを手に入れたりするのに、必要なものなんだよ」 「じゃあいらないよ。もうゆっくりできてるもん。ねー♪」 「ねー♪」 その二匹の言葉でタガが外れた彼は、リーダー格の霊夢種を杭で打ちつけた。 「ゆ゛ーー」 突如、ガクガクと痙攣して絶叫をあげる。 まわりのゆっくり達も、やっと何が起こったのか理解したようだ。 「おじざん。ゆるじでー」 「おながずいだんですー」 「れいむをだずけであげてー」 必死で懇願するゆっくりと、必死に杭を抜こうとする、れみりゃ種。 それを見捨てて、逃げるゆっくり魔理沙の姿が目に入った。 「ゆっくりしんでね」 それだけ言い残して、農道を勢いよく去って行く。 彼もすぐに、残っているゆっくりに、ここにいろとだけ言い残し、急いで追いかける。 「ゆっくりしてってね!!!」 時折振り返ってはそういって挑発する。 たしかに、普通のゆっくりよりも大分はやく動けるようだ。 だが、彼は慌てずに誘導するように追いかけていく。 「ゆっくりしで……!?」 多少ずるがしこいが、やはりゆっくりだ。 これだけあからさまに、誘導しても気付かずに勝手に罠にかかってくれた。 獲物が通ると、即座に縄で縛って吊し上げるモノだ。 「ゆゆ!」 意地悪狸でも捕まえたかのように、彼は腰にさしてあった鎌を持ち近づく。 魔理沙も、これから自分がどうなるか想像がつくらしい。 「れっ、れいむがここをおうちにしようっていったんだよ! わるいのはれいむだよ!」 嘘を並べて何とか逃げようとする魔理沙、しかし既に鎌は振り下ろされた後だった。 「ゆー! ……ゆ?」 おかしい、何時まで経っても痛みは来ない。 不思議になった魔理沙が目を開けると、切られた縄と、それを掴んでいる男が目に映った。 「森で大変だったんだろ。お手伝いをしてくれるんだったら、家においてもいいよ」 優しく語り掛ける、先ほどの殺気が嘘のようだ。 「わっ、わかったよ。おてつだいするよ」 そういう魔理沙を連れて畑に戻ると、杭を抜いてもらった霊夢が看病されていた。 「れいむ、ぶじだったの?」 「うん。ゆっくりしてればなおるよ」 「よかったね」 きちんと急所は外せたらしい、穴が開いているようだが、じきに塞がるだろう。 どうやら、ショックで魔理沙が逃げ出したことも覚えていないようだ。 「じゃあ君達、ここはおじさんの畑だから、勝手に住んじゃいけないよ。でも、きちんとお手伝いするって約束し てくれたら、家に住まわせてあげるよ」 「するする、やくそくするよ」 「もうかってにたべないから、ゆるしてね」 素直に頷いたゆっくり達を、家に連れて帰った。 とりあえず、庭の木の下を自由に使わせてやることにして、今日は休ませた。 明日からお手伝いしてもらうよとだけ告げて、彼も中に入っていく。 翌日から、ゆっくりたちは一生懸命お手伝いをした。 ちょうど、秋の収穫時だった為、ゆっくり達に収穫させて、彼が運ぶと言う構図が出来上がっていた。 もっとも、あの霊夢と魔理沙は時々盗んで食べていたようだが。 今まで一人でやっていた作業を分担してやることが出来た為、収穫も早々に終えることが出来た。 しかし、辺りが雪に覆われ始めた時、未だ庭で生活している事に、あの二匹が文句を言ってきた。 「おじさんだけあったかいへやのなかでずるいよ。まりさたちもはいるよ♪」 「れいむたちがてつだったから、おかねいっぱいになってゆっくりできるんだよ♪」 図々しく上がりこんでくる、連れられて入ってきたほかの種類は端の方で寄り添って暖を取っているというのに、 二匹は堂々と火鉢にあたってきた。 「あったかいね」 「ひがでてるもんね」 「あのまきをくべるともっとあったかくなるかな」 「もっとゆっくりできるね!」 「おいおい、蒔きも高いんだから無駄には使えないんだよ。ダメダメ」 「だってさ」 「おおこわいこわい。まりさたちがてつだわなかったら、こんなにかえなかったのにね」 「「ねー」」 いっそ、ここで加工場に売り飛ばしてもよかったが、彼は他の利用法があったので、渋を薪をくべた。 「あったかいね」 「こんどから、もっともっとまきをいれてね」 それから暫く経ったある日、珍しく彼は朝早くから台所に立っていた。 「おじさん、おへやあったかくするね♪」 「まきはいれられるから、おじさんはそこで、ごはんつくってってね」 そんな図々しい言葉を聞いても彼はそうかい、とだけいって流した。 余程、今作っているものが大切なのだろう。 「さぁ、できたよ。かぼちゃを大量ににたんだ」 大きな鍋に大量に入ったかぼちゃ、綺麗に一口大になっているそれは、ゆっくり達にはご馳走に見えた。 「おいしそー」 「うめっ!めっちゃうめー」 「うめー! おじさん、これうまいから、まいにちつくってね!!!」 「おかねいっぱいあるから、まいにちつくれるね!!!」 彼は、何も言わずに終始ニコニコとそれを見ていたが、粗方食べ終わった頃に、ようやく一言だけ喋った。 「この頃、あまり跳ね回っていなかっただろ、実は昨日、運動する装置を買ってきたんだ」 「やるやる」 「れいむもやるー」 「よしよし、じゃあちょっと体を縛るよ」 ゆっくりをしたから四方に縛っていく、縛り終えると、ちょうどスイカを縛っているような状態になった。 その調子で次々と全員を縛っていく。 縛り終えたところで、今度は魔理沙を、取っての着いた四角い箱に入れていく。 「さいしょは魔理沙からだね」 「はやくうごかしてね」 「言われなくても」 言うが早いか彼はものすごい勢いで取っ手を回し始める。 連動するように、魔理沙がはいった箱もすごい勢いで回る。 「ゆゆ!」 中身がかき回される感覚、そんな奇妙な感覚に魔理沙は何も言えない。 「よし、次」 たっぷり十分は回しただろうか、箱から出された魔理沙は口から戻さないように、直ぐに口を塞がれていた。 その後も、れみりゃをのぞく全員が同じように回された。 彼はその様子を満足そうに見ると、一人で食事を済ませ眠ってしまった。 翌日、彼はそのゆっくり達を荷車に載せ、街までやってきた。 まず、ゆっくりれみりゃをセリにかけて大金を手に入れ、次にこれまた高値でゆっくり達を売りさばいた。 何がなんだか分からないままに、売られていくゆっくり達。 離れるのがいやで必死に近づこうとするが、縛られてしまっている状態ではまったくの無力だった。 あえなく散り散りになるゆっくり達。 魔理沙を買い取ったのは、永遠亭のイナバだった。 「はやくこの縄を解いてね。はやくといてね」 「……気持ち悪い」 「おおこわいこわい」 へらへらと喋りかけるゆっくりを見て呟くイナバ、その後、彼女は永遠亭に着くまで一言も口を開かなかった 「ただいま帰りました。師匠、言われたものを買ってきましたよ」 「ありがとうウドンゲ。じゃあ、先に姫様のお部屋に運んでおいて頂戴」 「はい」 だれもいない部屋に放置された魔理沙、しかし今までも家とは比べ物にならない位暖かいこの部屋は、魔理沙にとって居心地がよかった。 魔理沙は勝手にここを自分の部屋にした。 「あら、今年はなかなか大きいわね」 「そうですねー。それじゃあ頂きましょうか」 突然入ってきた二人の女性に縄を解かれる。 「ここは、まりさのへやだよ!かってにはいっちゃだめだよ!!」 「あらあら、うふふ」 「ことしは、特にふてぶてしいですね。」 言いながら帽子を取り払う。 「おおこわいこわい。ゆっくりかえしてね」 「……面白くなりそうね永淋」 「はやくでていってね、それとゆっくりできないから、ごはんももってきてね」 「えい♪」 「ゆ?」 突然、体に包丁を入れられる魔理沙。 余りにも突然だったので、一瞬呆気にとられた、が。 「い゛い゛い゛いだいー」 直ぐに、激烈な痛みが襲い出した。 それを意にかけずに、更に包丁を進める輝夜。 右の頬にグルッと円を描いたそれは、反対側にも同じように円を描いた。 「いだいよ。おばさんなにするの!」 この期に及んで神経を逆撫で摺る様な事を言う魔理沙、今までの癖なのだろうが自分の首を絞めることになった。 「へぇー、本当に今年のは面白いわねぇ」 スプーンに持ち替えて頬から中身を掻き出していく、反対側も同様だ。 「!!!!い゛い゛い゛い゛だ゛だ゛だ゛だ゛だ゛い゛い゛い゛い゛い゛」 もはや余裕も何もない、気を失うまで、想像を絶する痛みにただ耐えるだけだ。 しかもそれも簡単には叶わない。 既に、魔理沙種の体の構造を調べ終えている永淋の指示で、生命に関係の無い箇所から掻き出されているのだから。 「ゆ゛ゆ゛ぐり゛じだだい゛よ゛ーー!」 「おお怖い怖い。永淋見てよこの顔」 「確かに見るだけで不快感が増しますねー」 二人はこれから数十分間この作業を続けた。 今年は、研究の成果か出し終える直前までゆっくりの意識があったようだ。 「うどんげー終わったわー。夕食のテーブルに運んで頂戴」 「はい師匠。うわぁ、今年は特に美味しそうですね」 通常、食事の用意はイナバ達がやるのだが、この作業は別であった。 わざわざ回りくどい方法で、絶叫と共に餡子をとりだすこの方法は、永遠を生きる蓬莱人のみが理解できる方法なのだろう。 或いは、これで一年を知っているのかもしれない。 今日は冬至の日、そして彼が売っていたゆっくりはこう書かれていたのだから。 ~今年も販売!! 冬至かぼちゃ。 冬まで保存したかぼちゃと、同じく腐らずに保存されている ゆっくりの生餡で作った特製です。冬を乗り切る栄養がたっぷり付きますよ~ 以上です、そういって彼は発表をやめた。 「ありがとうございました。さて、今の意見ですが、時期は限られていますがこの時期には殆どの人が作るので需要は大量に見込むことが出来ます。 それでは、第一回ゆっくり畑荒らし対策会議を終わります。今回の議題の解答は次回までに考えておいて下さい」
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近年多発するゆっくりによる田畑の被害。 それを一掃、または予防するために様々な対策を話し合う事になった、今日はその会議の一回目である。 では、今日は山之辺さんの対策について話してもらいます。それではどうぞ。 うちは主に芋を作ってるんです、味は上々で良く美食家が揃うと言われている紅魔館から、直接仕入れに来てもらったりもしているんです。 そんなわけで、コレまでも小動物に食われるということは多々ありました。 でも初めてゆっくりに畑が襲われてから考え抜いた末、毎年こうして利用しているんです。 朝露が乾き始めた頃、何時ものように畑に向かっていた彼が見たのは自分の畑の上で騒いでいるゆっくり達だった。 農道で区切られている畑の一つ、それがゆっくり達によって無残に食い荒らされていた。 近く程に目を背けたくなる。 かじられた芋がそこらじゅうに散乱していた。 「おじさんどうしたの?ここはゆっくりたちのおうちだよ♪」 さらっと、更に癪に障るようなことを言うゆっくり、どうやら魔理沙種のようだ。 彼は、注意深く辺りを見回した。 ゆっくり魔理沙が一匹、霊夢が三匹、れみりゃとちぇんが一匹ずつ。 楽しそうに芋を食べているそれらを見ていると、沸々と怒りを覚えた彼だったが、口調だけは穏やかにゆっくり に話しかけた。 「君達はどこから来たのかな?」 「もりからきたの」 霊夢種の一匹が答える。 「もりにはこわいおじさんがいるからにげてきたの」 もう一匹の霊夢種だ。どうやら加工場職員の事を言っているらしい。 ずっと森で暮らしていたから、人里のことがよく判らなかったのだろう。 「ここはおじさんの畑なんだよ」 「はたけってなぁに?」 「畑って言うのは、野菜とかを育ててる場所だよ」 「おじさんがそだててたの?」 「そうだよ」 三人目の霊夢種と魔理沙種が交互に答える、どうやらこの群れのリーダー格はこの二人なのだろう。 「おいもおいしかったよ、またつくってね!!!」 「まりさも、またいっぱいたべてあげるよ!!!」 また食べ始めるゆっくり達、いまいち理解できていないらしい。 「あのね、畑って言うのは……」 「ここはまだ、おいもあるから、おじさんもゆっくりしていいよ」 「いや、畑の野菜は売るために作ってるんだよ。ただじゃないんだよ」 「おいしいおいしい! おじさんもっとつくってね」 「うめ、これめっちゃうめぇ! おじさん、はやくつくっておうちにもってきてね」 「これを売ってお金にしないと、おじさんもゆっくりできないんだよ」 「おかねっなに、ゆっくりできるの?」 「食べ物とかを手に入れたりするのに、必要なものなんだよ」 「じゃあいらないよ。もうゆっくりできてるもん。ねー♪」 「ねー♪」 その二匹の言葉でタガが外れた彼は、リーダー格の霊夢種を杭で打ちつけた。 「ゆ゛ーー」 突如、ガクガクと痙攣して絶叫をあげる。 まわりのゆっくり達も、やっと何が起こったのか理解したようだ。 「おじざん。ゆるじでー」 「おながずいだんですー」 「れいむをだずけであげてー」 必死で懇願するゆっくりと、必死に杭を抜こうとする、れみりゃ種。 それを見捨てて、逃げるゆっくり魔理沙の姿が目に入った。 「ゆっくりしんでね」 それだけ言い残して、農道を勢いよく去って行く。 彼もすぐに、残っているゆっくりに、ここにいろとだけ言い残し、急いで追いかける。 「ゆっくりしてってね!!!」 時折振り返ってはそういって挑発する。 たしかに、普通のゆっくりよりも大分はやく動けるようだ。 だが、彼は慌てずに誘導するように追いかけていく。 「ゆっくりしで……!?」 多少ずるがしこいが、やはりゆっくりだ。 これだけあからさまに、誘導しても気付かずに勝手に罠にかかってくれた。 獲物が通ると、即座に縄で縛って吊し上げるモノだ。 「ゆゆ!」 意地悪狸でも捕まえたかのように、彼は腰にさしてあった鎌を持ち近づく。 魔理沙も、これから自分がどうなるか想像がつくらしい。 「れっ、れいむがここをおうちにしようっていったんだよ! わるいのはれいむだよ!」 嘘を並べて何とか逃げようとする魔理沙、しかし既に鎌は振り下ろされた後だった。 「ゆー! ……ゆ?」 おかしい、何時まで経っても痛みは来ない。 不思議になった魔理沙が目を開けると、切られた縄と、それを掴んでいる男が目に映った。 「森で大変だったんだろ。お手伝いをしてくれるんだったら、家においてもいいよ」 優しく語り掛ける、先ほどの殺気が嘘のようだ。 「わっ、わかったよ。おてつだいするよ」 そういう魔理沙を連れて畑に戻ると、杭を抜いてもらった霊夢が看病されていた。 「れいむ、ぶじだったの?」 「うん。ゆっくりしてればなおるよ」 「よかったね」 きちんと急所は外せたらしい、穴が開いているようだが、じきに塞がるだろう。 どうやら、ショックで魔理沙が逃げ出したことも覚えていないようだ。 「じゃあ君達、ここはおじさんの畑だから、勝手に住んじゃいけないよ。でも、きちんとお手伝いするって約束し てくれたら、家に住まわせてあげるよ」 「するする、やくそくするよ」 「もうかってにたべないから、ゆるしてね」 素直に頷いたゆっくり達を、家に連れて帰った。 とりあえず、庭の木の下を自由に使わせてやることにして、今日は休ませた。 明日からお手伝いしてもらうよとだけ告げて、彼も中に入っていく。 翌日から、ゆっくりたちは一生懸命お手伝いをした。 ちょうど、秋の収穫時だった為、ゆっくり達に収穫させて、彼が運ぶと言う構図が出来上がっていた。 もっとも、あの霊夢と魔理沙は時々盗んで食べていたようだが。 今まで一人でやっていた作業を分担してやることが出来た為、収穫も早々に終えることが出来た。 しかし、辺りが雪に覆われ始めた時、未だ庭で生活している事に、あの二匹が文句を言ってきた。 「おじさんだけあったかいへやのなかでずるいよ。まりさたちもはいるよ♪」 「れいむたちがてつだったから、おかねいっぱいになってゆっくりできるんだよ♪」 図々しく上がりこんでくる、連れられて入ってきたほかの種類は端の方で寄り添って暖を取っているというのに、 二匹は堂々と火鉢にあたってきた。 「あったかいね」 「ひがでてるもんね」 「あのまきをくべるともっとあったかくなるかな」 「もっとゆっくりできるね!」 「おいおい、蒔きも高いんだから無駄には使えないんだよ。ダメダメ」 「だってさ」 「おおこわいこわい。まりさたちがてつだわなかったら、こんなにかえなかったのにね」 「「ねー」」 いっそ、ここで加工場に売り飛ばしてもよかったが、彼は他の利用法があったので、渋を薪をくべた。 「あったかいね」 「こんどから、もっともっとまきをいれてね」 それから暫く経ったある日、珍しく彼は朝早くから台所に立っていた。 「おじさん、おへやあったかくするね♪」 「まきはいれられるから、おじさんはそこで、ごはんつくってってね」 そんな図々しい言葉を聞いても彼はそうかい、とだけいって流した。 余程、今作っているものが大切なのだろう。 「さぁ、できたよ。かぼちゃを大量ににたんだ」 大きな鍋に大量に入ったかぼちゃ、綺麗に一口大になっているそれは、ゆっくり達にはご馳走に見えた。 「おいしそー」 「うめっ!めっちゃうめー」 「うめー! おじさん、これうまいから、まいにちつくってね!!!」 「おかねいっぱいあるから、まいにちつくれるね!!!」 彼は、何も言わずに終始ニコニコとそれを見ていたが、粗方食べ終わった頃に、ようやく一言だけ喋った。 「この頃、あまり跳ね回っていなかっただろ、実は昨日、運動する装置を買ってきたんだ」 「やるやる」 「れいむもやるー」 「よしよし、じゃあちょっと体を縛るよ」 ゆっくりをしたから四方に縛っていく、縛り終えると、ちょうどスイカを縛っているような状態になった。 その調子で次々と全員を縛っていく。 縛り終えたところで、今度は魔理沙を、取っての着いた四角い箱に入れていく。 「さいしょは魔理沙からだね」 「はやくうごかしてね」 「言われなくても」 言うが早いか彼はものすごい勢いで取っ手を回し始める。 連動するように、魔理沙がはいった箱もすごい勢いで回る。 「ゆゆ!」 中身がかき回される感覚、そんな奇妙な感覚に魔理沙は何も言えない。 「よし、次」 たっぷり十分は回しただろうか、箱から出された魔理沙は口から戻さないように、直ぐに口を塞がれていた。 その後も、れみりゃをのぞく全員が同じように回された。 彼はその様子を満足そうに見ると、一人で食事を済ませ眠ってしまった。 翌日、彼はそのゆっくり達を荷車に載せ、街までやってきた。 まず、ゆっくりれみりゃをセリにかけて大金を手に入れ、次にこれまた高値でゆっくり達を売りさばいた。 何がなんだか分からないままに、売られていくゆっくり達。 離れるのがいやで必死に近づこうとするが、縛られてしまっている状態ではまったくの無力だった。 あえなく散り散りになるゆっくり達。 魔理沙を買い取ったのは、永遠亭のイナバだった。 「はやくこの縄を解いてね。はやくといてね」 「……気持ち悪い」 「おおこわいこわい」 へらへらと喋りかけるゆっくりを見て呟くイナバ、その後、彼女は永遠亭に着くまで一言も口を開かなかった 「ただいま帰りました。師匠、言われたものを買ってきましたよ」 「ありがとうウドンゲ。じゃあ、先に姫様のお部屋に運んでおいて頂戴」 「はい」 だれもいない部屋に放置された魔理沙、しかし今までも家とは比べ物にならない位暖かいこの部屋は、魔理沙にとって居心地がよかった。 魔理沙は勝手にここを自分の部屋にした。 「あら、今年はなかなか大きいわね」 「そうですねー。それじゃあ頂きましょうか」 突然入ってきた二人の女性に縄を解かれる。 「ここは、まりさのへやだよ!かってにはいっちゃだめだよ!!」 「あらあら、うふふ」 「ことしは、特にふてぶてしいですね。」 言いながら帽子を取り払う。 「おおこわいこわい。ゆっくりかえしてね」 「……面白くなりそうね永淋」 「はやくでていってね、それとゆっくりできないから、ごはんももってきてね」 「えい♪」 「ゆ?」 突然、体に包丁を入れられる魔理沙。 余りにも突然だったので、一瞬呆気にとられた、が。 「い゛い゛い゛いだいー」 直ぐに、激烈な痛みが襲い出した。 それを意にかけずに、更に包丁を進める輝夜。 右の頬にグルッと円を描いたそれは、反対側にも同じように円を描いた。 「いだいよ。おばさんなにするの!」 この期に及んで神経を逆撫で摺る様な事を言う魔理沙、今までの癖なのだろうが自分の首を絞めることになった。 「へぇー、本当に今年のは面白いわねぇ」 スプーンに持ち替えて頬から中身を掻き出していく、反対側も同様だ。 「!!!!い゛い゛い゛い゛だ゛だ゛だ゛だ゛だ゛い゛い゛い゛い゛い゛」 もはや余裕も何もない、気を失うまで、想像を絶する痛みにただ耐えるだけだ。 しかもそれも簡単には叶わない。 既に、魔理沙種の体の構造を調べ終えている永淋の指示で、生命に関係の無い箇所から掻き出されているのだから。 「ゆ゛ゆ゛ぐり゛じだだい゛よ゛ーー!」 「おお怖い怖い。永淋見てよこの顔」 「確かに見るだけで不快感が増しますねー」 二人はこれから数十分間この作業を続けた。 今年は、研究の成果か出し終える直前までゆっくりの意識があったようだ。 「うどんげー終わったわー。夕食のテーブルに運んで頂戴」 「はい師匠。うわぁ、今年は特に美味しそうですね」 通常、食事の用意はイナバ達がやるのだが、この作業は別であった。 わざわざ回りくどい方法で、絶叫と共に餡子をとりだすこの方法は、永遠を生きる蓬莱人のみが理解できる方法なのだろう。 或いは、これで一年を知っているのかもしれない。 今日は冬至の日、そして彼が売っていたゆっくりはこう書かれていたのだから。 ~今年も販売!! 冬至かぼちゃ。 冬まで保存したかぼちゃと、同じく腐らずに保存されている ゆっくりの生餡で作った特製です。冬を乗り切る栄養がたっぷり付きますよ~ 以上です、そういって彼は発表をやめた。 「ありがとうございました。さて、今の意見ですが、時期は限られていますがこの時期には殆どの人が作るので需要は大量に見込むことが出来ます。 それでは、第一回ゆっくり畑荒らし対策会議を終わります。今回の議題の解答は次回までに考えておいて下さい」
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近年多発するゆっくりによる田畑の被害。 それを一掃、または予防するために様々な対策を話し合う事になった、今日はその会議の一回目である。 では、今日は山之辺さんの対策について話してもらいます。それではどうぞ。 うちは主に芋を作ってるんです、味は上々で良く美食家が揃うと言われている紅魔館から、直接仕入れに来てもらったりもしているんです。 そんなわけで、コレまでも小動物に食われるということは多々ありました。 でも初めてゆっくりに畑が襲われてから考え抜いた末、毎年こうして利用しているんです。 朝露が乾き始めた頃、何時ものように畑に向かっていた彼が見たのは自分の畑の上で騒いでいるゆっくり達だった。 農道で区切られている畑の一つ、それがゆっくり達によって無残に食い荒らされていた。 近く程に目を背けたくなる。 かじられた芋がそこらじゅうに散乱していた。 「おじさんどうしたの?ここはゆっくりたちのおうちだよ♪」 さらっと、更に癪に障るようなことを言うゆっくり、どうやら魔理沙種のようだ。 彼は、注意深く辺りを見回した。 ゆっくり魔理沙が一匹、霊夢が三匹、れみりゃとちぇんが一匹ずつ。 楽しそうに芋を食べているそれらを見ていると、沸々と怒りを覚えた彼だったが、口調だけは穏やかにゆっくり に話しかけた。 「君達はどこから来たのかな?」 「もりからきたの」 霊夢種の一匹が答える。 「もりにはこわいおじさんがいるからにげてきたの」 もう一匹の霊夢種だ。どうやら加工場職員の事を言っているらしい。 ずっと森で暮らしていたから、人里のことがよく判らなかったのだろう。 「ここはおじさんの畑なんだよ」 「はたけってなぁに?」 「畑って言うのは、野菜とかを育ててる場所だよ」 「おじさんがそだててたの?」 「そうだよ」 三人目の霊夢種と魔理沙種が交互に答える、どうやらこの群れのリーダー格はこの二人なのだろう。 「おいもおいしかったよ、またつくってね!!!」 「まりさも、またいっぱいたべてあげるよ!!!」 また食べ始めるゆっくり達、いまいち理解できていないらしい。 「あのね、畑って言うのは……」 「ここはまだ、おいもあるから、おじさんもゆっくりしていいよ」 「いや、畑の野菜は売るために作ってるんだよ。ただじゃないんだよ」 「おいしいおいしい! おじさんもっとつくってね」 「うめ、これめっちゃうめぇ! おじさん、はやくつくっておうちにもってきてね」 「これを売ってお金にしないと、おじさんもゆっくりできないんだよ」 「おかねっなに、ゆっくりできるの?」 「食べ物とかを手に入れたりするのに、必要なものなんだよ」 「じゃあいらないよ。もうゆっくりできてるもん。ねー♪」 「ねー♪」 その二匹の言葉でタガが外れた彼は、リーダー格の霊夢種を杭で打ちつけた。 「ゆ゛ーー」 突如、ガクガクと痙攣して絶叫をあげる。 まわりのゆっくり達も、やっと何が起こったのか理解したようだ。 「おじざん。ゆるじでー」 「おながずいだんですー」 「れいむをだずけであげてー」 必死で懇願するゆっくりと、必死に杭を抜こうとする、れみりゃ種。 それを見捨てて、逃げるゆっくり魔理沙の姿が目に入った。 「ゆっくりしんでね」 それだけ言い残して、農道を勢いよく去って行く。 彼もすぐに、残っているゆっくりに、ここにいろとだけ言い残し、急いで追いかける。 「ゆっくりしてってね!!!」 時折振り返ってはそういって挑発する。 たしかに、普通のゆっくりよりも大分はやく動けるようだ。 だが、彼は慌てずに誘導するように追いかけていく。 「ゆっくりしで……!?」 多少ずるがしこいが、やはりゆっくりだ。 これだけあからさまに、誘導しても気付かずに勝手に罠にかかってくれた。 獲物が通ると、即座に縄で縛って吊し上げるモノだ。 「ゆゆ!」 意地悪狸でも捕まえたかのように、彼は腰にさしてあった鎌を持ち近づく。 魔理沙も、これから自分がどうなるか想像がつくらしい。 「れっ、れいむがここをおうちにしようっていったんだよ! わるいのはれいむだよ!」 嘘を並べて何とか逃げようとする魔理沙、しかし既に鎌は振り下ろされた後だった。 「ゆー! ……ゆ?」 おかしい、何時まで経っても痛みは来ない。 不思議になった魔理沙が目を開けると、切られた縄と、それを掴んでいる男が目に映った。 「森で大変だったんだろ。お手伝いをしてくれるんだったら、家においてもいいよ」 優しく語り掛ける、先ほどの殺気が嘘のようだ。 「わっ、わかったよ。おてつだいするよ」 そういう魔理沙を連れて畑に戻ると、杭を抜いてもらった霊夢が看病されていた。 「れいむ、ぶじだったの?」 「うん。ゆっくりしてればなおるよ」 「よかったね」 きちんと急所は外せたらしい、穴が開いているようだが、じきに塞がるだろう。 どうやら、ショックで魔理沙が逃げ出したことも覚えていないようだ。 「じゃあ君達、ここはおじさんの畑だから、勝手に住んじゃいけないよ。でも、きちんとお手伝いするって約束し てくれたら、家に住まわせてあげるよ」 「するする、やくそくするよ」 「もうかってにたべないから、ゆるしてね」 素直に頷いたゆっくり達を、家に連れて帰った。 とりあえず、庭の木の下を自由に使わせてやることにして、今日は休ませた。 明日からお手伝いしてもらうよとだけ告げて、彼も中に入っていく。 翌日から、ゆっくりたちは一生懸命お手伝いをした。 ちょうど、秋の収穫時だった為、ゆっくり達に収穫させて、彼が運ぶと言う構図が出来上がっていた。 もっとも、あの霊夢と魔理沙は時々盗んで食べていたようだが。 今まで一人でやっていた作業を分担してやることが出来た為、収穫も早々に終えることが出来た。 しかし、辺りが雪に覆われ始めた時、未だ庭で生活している事に、あの二匹が文句を言ってきた。 「おじさんだけあったかいへやのなかでずるいよ。まりさたちもはいるよ♪」 「れいむたちがてつだったから、おかねいっぱいになってゆっくりできるんだよ♪」 図々しく上がりこんでくる、連れられて入ってきたほかの種類は端の方で寄り添って暖を取っているというのに、 二匹は堂々と火鉢にあたってきた。 「あったかいね」 「ひがでてるもんね」 「あのまきをくべるともっとあったかくなるかな」 「もっとゆっくりできるね!」 「おいおい、蒔きも高いんだから無駄には使えないんだよ。ダメダメ」 「だってさ」 「おおこわいこわい。まりさたちがてつだわなかったら、こんなにかえなかったのにね」 「「ねー」」 いっそ、ここで加工場に売り飛ばしてもよかったが、彼は他の利用法があったので、渋を薪をくべた。 「あったかいね」 「こんどから、もっともっとまきをいれてね」 それから暫く経ったある日、珍しく彼は朝早くから台所に立っていた。 「おじさん、おへやあったかくするね♪」 「まきはいれられるから、おじさんはそこで、ごはんつくってってね」 そんな図々しい言葉を聞いても彼はそうかい、とだけいって流した。 余程、今作っているものが大切なのだろう。 「さぁ、できたよ。かぼちゃを大量ににたんだ」 大きな鍋に大量に入ったかぼちゃ、綺麗に一口大になっているそれは、ゆっくり達にはご馳走に見えた。 「おいしそー」 「うめっ!めっちゃうめー」 「うめー! おじさん、これうまいから、まいにちつくってね!!!」 「おかねいっぱいあるから、まいにちつくれるね!!!」 彼は、何も言わずに終始ニコニコとそれを見ていたが、粗方食べ終わった頃に、ようやく一言だけ喋った。 「この頃、あまり跳ね回っていなかっただろ、実は昨日、運動する装置を買ってきたんだ」 「やるやる」 「れいむもやるー」 「よしよし、じゃあちょっと体を縛るよ」 ゆっくりをしたから四方に縛っていく、縛り終えると、ちょうどスイカを縛っているような状態になった。 その調子で次々と全員を縛っていく。 縛り終えたところで、今度は魔理沙を、取っての着いた四角い箱に入れていく。 「さいしょは魔理沙からだね」 「はやくうごかしてね」 「言われなくても」 言うが早いか彼はものすごい勢いで取っ手を回し始める。 連動するように、魔理沙がはいった箱もすごい勢いで回る。 「ゆゆ!」 中身がかき回される感覚、そんな奇妙な感覚に魔理沙は何も言えない。 「よし、次」 たっぷり十分は回しただろうか、箱から出された魔理沙は口から戻さないように、直ぐに口を塞がれていた。 その後も、れみりゃをのぞく全員が同じように回された。 彼はその様子を満足そうに見ると、一人で食事を済ませ眠ってしまった。 翌日、彼はそのゆっくり達を荷車に載せ、街までやってきた。 まず、ゆっくりれみりゃをセリにかけて大金を手に入れ、次にこれまた高値でゆっくり達を売りさばいた。 何がなんだか分からないままに、売られていくゆっくり達。 離れるのがいやで必死に近づこうとするが、縛られてしまっている状態ではまったくの無力だった。 あえなく散り散りになるゆっくり達。 魔理沙を買い取ったのは、永遠亭のイナバだった。 「はやくこの縄を解いてね。はやくといてね」 「……気持ち悪い」 「おおこわいこわい」 へらへらと喋りかけるゆっくりを見て呟くイナバ、その後、彼女は永遠亭に着くまで一言も口を開かなかった 「ただいま帰りました。師匠、言われたものを買ってきましたよ」 「ありがとうウドンゲ。じゃあ、先に姫様のお部屋に運んでおいて頂戴」 「はい」 だれもいない部屋に放置された魔理沙、しかし今までも家とは比べ物にならない位暖かいこの部屋は、魔理沙にとって居心地がよかった。 魔理沙は勝手にここを自分の部屋にした。 「あら、今年はなかなか大きいわね」 「そうですねー。それじゃあ頂きましょうか」 突然入ってきた二人の女性に縄を解かれる。 「ここは、まりさのへやだよ!かってにはいっちゃだめだよ!!」 「あらあら、うふふ」 「ことしは、特にふてぶてしいですね。」 言いながら帽子を取り払う。 「おおこわいこわい。ゆっくりかえしてね」 「……面白くなりそうね永淋」 「はやくでていってね、それとゆっくりできないから、ごはんももってきてね」 「えい♪」 「ゆ?」 突然、体に包丁を入れられる魔理沙。 余りにも突然だったので、一瞬呆気にとられた、が。 「い゛い゛い゛いだいー」 直ぐに、激烈な痛みが襲い出した。 それを意にかけずに、更に包丁を進める輝夜。 右の頬にグルッと円を描いたそれは、反対側にも同じように円を描いた。 「いだいよ。おばさんなにするの!」 この期に及んで神経を逆撫で摺る様な事を言う魔理沙、今までの癖なのだろうが自分の首を絞めることになった。 「へぇー、本当に今年のは面白いわねぇ」 スプーンに持ち替えて頬から中身を掻き出していく、反対側も同様だ。 「!!!!い゛い゛い゛い゛だ゛だ゛だ゛だ゛だ゛い゛い゛い゛い゛い゛」 もはや余裕も何もない、気を失うまで、想像を絶する痛みにただ耐えるだけだ。 しかもそれも簡単には叶わない。 既に、魔理沙種の体の構造を調べ終えている永淋の指示で、生命に関係の無い箇所から掻き出されているのだから。 「ゆ゛ゆ゛ぐり゛じだだい゛よ゛ーー!」 「おお怖い怖い。永淋見てよこの顔」 「確かに見るだけで不快感が増しますねー」 二人はこれから数十分間この作業を続けた。 今年は、研究の成果か出し終える直前までゆっくりの意識があったようだ。 「うどんげー終わったわー。夕食のテーブルに運んで頂戴」 「はい師匠。うわぁ、今年は特に美味しそうですね」 通常、食事の用意はイナバ達がやるのだが、この作業は別であった。 わざわざ回りくどい方法で、絶叫と共に餡子をとりだすこの方法は、永遠を生きる蓬莱人のみが理解できる方法なのだろう。 或いは、これで一年を知っているのかもしれない。 今日は冬至の日、そして彼が売っていたゆっくりはこう書かれていたのだから。 ~今年も販売!! 冬至かぼちゃ。 冬まで保存したかぼちゃと、同じく腐らずに保存されている ゆっくりの生餡で作った特製です。冬を乗り切る栄養がたっぷり付きますよ~ 以上です、そういって彼は発表をやめた。 「ありがとうございました。さて、今の意見ですが、時期は限られていますがこの時期には殆どの人が作るので需要は大量に見込むことが出来ます。 それでは、第一回ゆっくり畑荒らし対策会議を終わります。今回の議題の解答は次回までに考えておいて下さい」 選択肢 投票 しあわせー! 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ゆっくりが幻想郷に出始めた頃のお話 幻想郷のとある森の中。その奥深くにはささやかな畑と一つの小屋が。 真昼だが辺りは鳥の鳴き声がするくらいで、人の気配はない。 だが、ちょうど収穫間近のキャベツの影にはなにやらうごめくものが。 「それ」はガサガサとキャベツを揺らし、バリバリと音を立てながら貪っているようだった。 時折、声のようなものも聞こえてくる。 と、そこにカゴを背負った畑の主と思われる青年が森から姿を現した。 人付き合いは皆無で、たまに収穫した作物を街の市場へ売りに行くといった生活を送るこの青年。 今日もはした金と酒や食料などを調達し、住処へと戻ったのだった。 また、畑は小屋の入り口の裏に位置していたため、帰宅した青年が異変に気づくことはなかった。 疲れを癒すように椅子に腰掛け、さっそく買った酒を注ぎチビチビと飲み始める。 至福の時、ふと暇つぶしにと、ついでにもらってきた瓦版を手に取る。 ちなみに今号の一面は「幻想郷で謎の妖怪?が繁殖??」というものだった。 「へえ・・」 読み進めると、その妖怪は大きさが大小様々な饅頭のような生物らしい。 また、ある程度の人語を解し、自らも簡単な受け答えや意思疎通が可能であるという。 記事中では絵も交えて2種類が紹介されていた。 黒髪と紅白の頭飾りが特徴の「ゆっくりれいむ」と 黒いとんがり帽子に金髪が特徴的な「ゆっくりまりさ」 どちらも可愛いような可愛くないようなつかみ所のない人間の生首のような妖怪だ。 実際に絵で見るとますますもって気味が悪い。 どちらも「ゆっくり」が口癖であること、幻想郷の有名人の顔が象られていることなどから 人々の間でその名が付いたという。 「それ」は普段山奥や森などの人里から離れた場所に住み、昨今急速にその数を増やしているらしい。 人間の田畑も食害にあっているという。となっては青年にとって他人事ではいられない。 「まさかな・・・」 ふと不安になった青年。酒を置き、畑の様子を見に小屋を出る。 畑に到着し辺りを見回ると、悪い予感は的中してしまっていた。 「あっ!」 青年は思わず声を上げる。 栽培されていた野菜の内、キャベツの一部は、無残にも食い荒らされていた。 その奥には音を立てながらキャベツに集っている、人間の頭より少し大きい2つの丸い物体。 「・・・ゆっ ゆっ♪」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 「・・・こいつらは・・・」 間違いない、記事で見たゆっくりとかいう妖怪だ。 そしてそれぞれ姿の違うその「ゆっくり」はまさに「ゆっくりれいむ」と「ゆっくりまりさ」に他ならない。 「おい!そこの!!」 大声で怒鳴ると、2匹のゆっくりはびくっと体を震わせる。 「ゆゆっ!?」 「ゆっ??」 同時に振り返るゆっくり。何が起こったかわからないといった顔でこちらをぽかーんと見つめる。 だがすぐ我に返ったようで、大きく口を開いた。 「ゆっくりしていってね!!!」 なるほど、だから「ゆっくり」なのか、と無理やり納得する。 記事の絵の通り、どこか人をバカにした間抜け面に力が抜ける。 「ゆっ おじさん、だーれ?」 「ゆっくりしてるの?」 畜生に人の事情はわかるまい。 青年が立ち尽くしていると、ゆっくり2匹が足下まで寄ってくる。 なんだこいつら警戒心もまるで無しか、とすっかり怒る気もなくした青年。 「ここはねー、おじさんの畑なんだよ。畑。」 力なくゆっくりに話しかける。 「はたけ?なにそれ?おいしいの?」 「ここゆっくりできるところだね!」 微妙に人の神経を逆撫でするゆっくり達。そして更に喋り続ける。 「おなかいっぱい!!」 「ゆっくりー!ゆっくりー!」 「あのねえ、おじさんはね、ここで野菜を作ってるんだよ。 勝手に人のものを食べちゃダメじゃないか」 怒りを抑え、人語を解すのだから説得もできるはずだ、とゆっくりを論す。 「ゆ~? だめ?」 「ゆっくりたべたい~」 だめだこりゃ、と青年はため息をつく。 と、その時脇の草むらからガサガサともう1匹のゆっくりらしきものが姿を現した。 「む、むきゅぅ~ ぜぇ~ぜぇ~」 かわいらしい?帽子をかぶったそのゆっくりらしきものはは、ズルズルと体を引きずりながら 息も絶え絶えで青白くなっていた。 「ぱちゅりー!!」 「ゆっくりおそいよ!」 「む、むきゅぅぅ・・・ むきゅっ??」 会話から察するに、これも2匹の仲間で、ゆっくりの一種らしかった。 ぱちゅりーと呼ばれたそのゆっくりは青年に気づいたのか、一瞬戸惑いを見せた。 「ぱちぇもおじさんといっしょにゆっくりしよう!」 こちらの気も知らずに、と青年は歯をかみしめた。 「ゆっくりー!」「ゆっくりー!!」「むきゅ~」 こうして目の前のゆっくりが3匹になってしまった。 力尽くで追い出そうとも考えたが、初めて目にする得体の知れない相手だけに うかつに手を出すのは得策ではないと青年は考えていた。 「ゆぅっ!おじさんはゆっくりでていってね!」 突然ゆっくりまりさが体当たりを仕掛けてきた。 思わず青年は驚きのけぞったが、と同時にこの饅頭の非力さにも驚いた。 妖怪と聞いて若干は警戒していたが、その必要もなさそうだ。 足下で必死にボテンボテンと体当たりをするゆっくりを見下ろし、安堵する。 「ゆっ?まりさのおぼーし!ゆっくりかえしてね!!」 しつこいのでまりさの帽子をむんずと掴み取る青年。 不測の事態に体当たりを止め、届かない帽子にジャンプを繰り返すまりさ。 「なあ、お前たち。ここは人間が野菜を育ててる場所なんだよ。 それを勝手に食べちゃダメだ。わかったら出て行ってくれないか? 出て行ったら帽子を返してあげるぞ」 これ以上相手にするとキリがないので、何とかゆっくりに譲歩してもらう他はない。 「ずるいよおじさん!はえてきたおやさいひとりじめして!!」 「ゆっくりはやくまりさにおぼうしかえしてね!!」 「むきゅ!そーよ!ごほっごほっ」 「駄目だこいつら・・・」 何度話しても時間の無駄だと実感した青年。 話して駄目なら実力行使しか手はない。 ふと近くにあった棒きれを振りかざし、地面に叩きつける。 「「「ゆっ!!?」」」 「ほらっ!!いい加減にしないと痛い目見るぞ!!」 同時に持っていたまりさの帽子を森の茂みに勢いよく投げ捨てた。 「ゆっ!まりさのおぼーし!!」 「ま、まりさ ゆっくり待ってね!!」 帽子を追いかけ茂みに消えるまりさ、後を追いれいむとぱちゅりーも奥へと消えていった。 「ふう・・・」 ゆっくりは追い払った、しかしまた来るかもしれないという懸念は青年の中に当然あったが とりあえず被害にあった野菜の世話に戻る。 食い散らかされたキャベツと、青年は知る由もないがゆっくりの残していった排泄物を片付け 青年は小屋へと戻った。椅子に腰掛け飲みかけの酒を口にし、一息つく。 「そろーり、そろーり」 ぴくりと聞こえたその声。動きを止め耳を傾けると、間違いなくさっきのゆっくりの声。 裏の窓からそっと様子を見ると、性懲りもなく再びあの三匹が畑へと侵入していたのだった。 「あいつら・・!ったく・・・」 やはりというか再び現れたゆっくりにウンザリしながら畑へ向かった青年。 「おい!お前ら!」 「ゆっ? またきたよまりさ!」 「おじさんしつこいよ!」 「むきゅっ!ここはわたしたちのゆっくりぷれいすよ!」 「はぁ・・・(何を訳のわからないことを・・・ それにしつこいのはお前たちだろうに)」 しつこさに業を煮やした青年ではあったが、相手が人語を喋る得体の知れない生物ということで 対処を決めかねていた。 さっきのゆっくりの攻撃は青年にとってまったく取るに足らないものだった。 よって、おそらくこちらが手傷を負うことはないだろう、という読みはある。 とはいえ人間の頭の形で、人間の言葉を喋る生物をどう駆除すればいいか。 青年の中には当然の迷いがあった。 「ゆっ!まりさ、ちゃんすだよ!」 「おじさん、あしもとがおるすだよ!」 隙を突いたつもりなのか、ボヨンボヨンとまた青年の脚に体当たりを繰り返すまりさ。 同じことを繰り返す学習しないこの生物に、青年の迷いも少し晴れた。 「(そういえばこいつら饅頭なんだよな、ならちょっとくらい痛い目見せてやっても・・・)」 「ゆぼっ!!?」 効かない体当たりを繰り返すまりさに正面から蹴りを食らわせた。 まりさは茂みの側まで吹っ飛び、青年の脚には何とも言い難い、柔らかくやや重い感触が残る。 「(あっ やりすぎたか?)」 吹っ飛ばされたまりさは動かない。他二匹もいきなりの反撃に驚いたのか、呆然としている。 「・・・ゆっ? ・・・まっまりざあああああ!!!」 「むぎゅううう!!」 慌ててまりさの元へ向かう他二匹。まりさはよろよろとこちらへ向き直る。 「ゆ゛っ・・? どぼじで・・・なにがおきたの・・?」 「まりざあああじっがりじでえええ!!」 「ゆ゛っ・・・これくらい・・だいじょうぶ・・だよ・・・」 力の差を見せつけたはずだが、まだわからないのだろうか。 そもそも何をされたかもわからない様子だった。 頬の辺りの皮が破け、黒いものが覗いている。 裂けた皮の辺りを舌で仕切りに舐めるれいむを静止し、再び青年へと向かうまりさ。 先ほどは跳ねていたが、ダメージが大きいのかズリズリと地面を這うように。 「(まだ懲りてないのか・・・ あのはみ出てるのは・・・饅頭だから餡子なのか?)」 「ごごはまりざだぢのゆっぐりぶれいずなんだよ・・・ じゃまじないでね・・・」 自分勝手なことを呟きながらこちらに這いずるまりさの姿に、 青年の中で言いしれぬ嫌悪感と怒りがこみ上げてきた。 相手は動物でも妖怪でもない。饅頭だ、食べ物だ。 そう言い聞かせ、さっきの棒きれを手に取り、思い切りまりさに振り下ろす。 「このっ!!このっ!!」 「ゆ゙っ!!ゆ゙っ!!ゆ゙ばっ!!ぶっ!!や゙っ!!べでっ!!ばっ!!」 「や゙っや゙べでえ゙え゙え゙え゙え゙!!!ばり゙ざがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!」 「むぎゅうううううううううううううう!!!」 何度も何度も叩きつけられ、まりさはやがて声も発しなくなった。 帽子がひしゃげ、口や傷口から餡子を漏らしたズタボロの饅頭がそこにあった。 「ば・・・ば、りざ・・・あ゙あ゙あ゙・・・」 「・・・」 ぱちゅりーはすでに気を失っているようであった。 れいむも目から涙を流し、嗚咽を漏らしている。 「人の畑で好き勝手したからだ、悪く思うな」 青年は失神しているぱちゅりーを掴み、底部に両手の指を食い込ませ 思い切り両側へと引っ張った。 「む゙ぎっ!!!!」 短い叫びと共に、真っ二つに裂けた皮から中身がボタボタと流れ出る。 数秒で手には皮だけが残り、地面にはクリーム状の中身と目玉が残された。 一匹残ったれいむは全身から汗のようなものを流し、ただブルブルと震えている。 「ゆ゙・・ぁぁ・・・だ、だずげで・・・ おねがいじまずぅぅ・・・」 「・・・どうせまた来るんだろ?」 「ま、まっで・・・!!」 青年は情けを捨て、棒を思い切り頭に突き刺す。 「ゆ゙っ!ゆ゙っ!ゆ゙っ!ゆ゙っ!」 目を見開き身体を震わせるその様に、不気味なものを感じた青年は れいむを突き刺したまま棒を思い切り振り、森へとぶん投げた。 「はー・・・何か胸糞悪いな・・・ また同じようなのが来なきゃいいが」 ゆっくり駆除の後片付けをしながら、青年は今後が心配でならなかった。 そして同じ頃、幻想郷の各所では増殖したゆっくりが様々な問題を引き起こすのであった。 おしまい 実は半年位前の書きかけです。今ごろ気付いて中途半端に完成させUPしました。 やっつけですいません。ネタも平凡ですいません。 書きかけのネタは他にもあるんですが、飽きっぽいので今後は未定です。。。 過去に書いたSS ゆっくりいじめ系28 ゆっくり加工所でのある実験 ゆっくりいじめ系724 ゆっくり整形 ゆっくり加工場系16 小規模加工所でのゆっくり処理 ゆっくり加工場系20 小規模加工所