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現在交換したアイテムが交換所に復活、所持枠から消失していると言う報告がありますので気をつけてください 新アイテム【ヒストラ水晶】について 今回から装備を進化することができるアイテムが新登場 恐らくは入手機会がかなり限られてくると考えられるので最低でもこれだけは交換しておこう。 EX2について 基本はストーリーの悪夢ルシファーと殆ど変わらない 変更点は光縛玉、レーザー玉の登場くらいである。 時間制限はないので初心者でも《調和》で長時間ヒットアンドアウェイを繰り返しても勝つことはできる。 HP ルシファー本体 60,000 光縛玉、レーザー玉 10,000 光縛玉 床全面に光縛にするトラップを設置 破壊するとSBゲージが100%分上昇 破壊しそびれると広範囲爆発をし、攻撃・防御上昇のバフをルシファー本体に掛ける レーザー玉 上と下両方に出現 レーザーの飛距離はそこまで長くない 残しておいても何ら問題ないし壊しても特に何かあるわけではない
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作詞:ゆう 作曲:オレジナルP 編曲:オレジナルP 歌:初音ミク 鏡音リン 鏡音レン 翻譯:cyataku(不當之處敬請指正) 紅茶與甘甜與喜歡的分量 投射入的 陽光溫暖宜人 有點發睏 忽然想做個夢 讓人想哭般 平靜的午後 雖然在等 可你還是沒來呢 孤零零扔在一旁的 溫熱紅茶 一口 飲下發出嘆息 有點想挑戰而放入的 喝不慣的蜂蜜 甘甜沁入喉間 一點點地 因為有你 所以有我 腦海中浮現的容顏 滿臉笑意 最喜歡了 卻又在 忽然間變得不安起來 吶,快點過來 抱住我吧 許久以前喝完的紅茶 熟悉的安靜店鋪裡 閃閃發光的茶杯 用手指描著杯沿 沈澱的沈渣 愈演愈烈的思念 你還沒來 輕輕呼出的 苦澀嘆息 融入空中 要是這份不安也能完全溶解的話 我是這樣的 想念著你 明明心情從不曾如此苦澀 總是平靜 因為有你 所以有我 回想起來 那寬廣的掌心 非常幸福 卻又在 忽然間變得寂寞起來 吶… 想要見你 焦急的心情 時鐘走動的聲音 在房間裡迴盪 窗外 人影 讓我不能呼吸 跑了進來 因為有你 所以有我 (“抱歉來晚了”)那最喜歡的聲音 這樣就沒法生氣了 好狡猾呢! 牽起的手中是 彼此混雜的溫度 吶,溫柔地親我一下吧♪ 翻譯:Fe 紅茶與糖分與喜歡的分量 透射而來 陽光如此溫暖 微盹著 彷彿要進入夢鄉 彷彿惹人流淚一般 這寧靜的午後 在這等待著你 還沒來哪 孤零零 放在一旁的紅茶 一口 與嘆息一同喝下 只是想稍微變成大人 而放入了 喝不慣那蜂蜜 的甜味 暈染了喉頭 一點一滴 有你的存在 我便存在著 腦海浮現那張臉 滿面的微笑 最喜歡你了 即使如此 心意卻忽地轉為不安 哪、快一點過來 緊抱住我吧 早早 之前便喝完的紅茶 已看得慣熟 安靜的店內 閃閃發亮的 茶杯 邊緣 以指輕描 沉積而 沉澱 逐漸倍增 的想念 你還不來 輕輕地 吐出 苦澀的 嘆息 溶化於半空 如果連這份不安也能融化 就這麼繼續 想念著你 胸口的苦悶 就不再會難受了 有你的存在 我便存在著 回想起來 那寬大的手掌 身處幸福 即使如此 心情卻忽地感到寂寞 哪…… 好想 要見到你 著急地想念 時鐘的聲音 在房間裡迴響著 越窗看見了 人影 讓人呼吸頓停 飛奔了進來 有你的存在 我便存在著 ("對不起吶") 最喜歡的聲音 讓人生不了氣 太狡猾了! 牽起的雙手 兩相混融溫度 哪 溫柔地親吻我吧 投射入的陽光溫暖宜人 有點發睏 忽然想做個夢 讓人想哭般 平靜的午後 雖然在等 可你還是沒來呢 孤零零扔在一旁的 溫熱紅茶 一口 飲下發出嘆息 有點想挑戰而放入的 喝不慣的蜂蜜 甘甜沁入喉間 一點點地 因為有你 所以有我 腦海中浮現的容顏 滿臉笑意 最喜歡了 卻又在 忽然間變得不安起來 吶,快點過來 抱住我吧 許久以前喝完的紅茶 熟悉的安靜店鋪裡 閃閃發光的茶杯 用手指描著杯底 沈澱的沈渣 愈演愈烈的思念 你還沒來 輕輕呼出的苦澀嘆息 融入空中 要是這份不安也能完全溶解的話 我是這樣的 想念著你 明明心情從不曾如此苦澀總是平靜 因為有你 所以有我 回想起來 那寬廣的掌心 非常幸福 卻又在 忽然間變得寂寞起來 吶…… 想要見你 好想見你 焦躁的內心 已經無法等待 窗外 人影 讓我不能呼吸 跑了進來 因為有你 所以有我 我最喜歡的聲音說著 「抱歉來晚了」 這樣就沒法生氣了 好狡猾呢 可是我還是有點不安 吶,快點離開這裡 回家去吧 回到溫暖的家裡 然後溫柔地親我一下喔♪
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服を着替えて愛用のエプロンを身に着けた私は、少々不安な気持ちを抱えながら台所に 向かうことにした。 台所には、エプロンを身につけたお母さんと食卓に座っているどこか心配そうな表情の お父さんが居るだけだった。 どうしてだろう、かなたさんの姿が見えない。何か準備でもしているのだろうか? 「準備はできたかしら? それでは早速はじめましょう」 「ちょっと待ってよ、お母さん。かなたさんがまだ……」 そこまで口にして私は違和感に気づいた。お母さんの喋り方やトーンがいつもと違って いることに。 「……えっと、その、もしかして……かなたさんですか?」 普通ならそんなことあるわけないと思う私だけど、死んでしまったはずの人に料理を教 わるという事自体がまともじゃないのだから、ふと思ったとおりのことを尋ねてみた。 「ええ、正解です。さすがに親子ですね。すぐに分かってしまいましたね」 苦笑交じりにいうお母……じゃなくてかなたさんは、「ちょっと待っていてください」と 目を閉じた。すると、 「……あっさり見破られちゃったわね。でも、すぐに私じゃないって気づいてくれたのは 嬉しかったわ、かがみ」 あっという間にいつものお母さんに戻った。 「えっと、その、どういうことなの?」 かなたさんがお母さんの体を借りて動かしていたとは思うけれど、何故そんなことをす る必要があるのだろう? 「かなたさんは生身の体を持っていないから、包丁を握ったりできないらしいの。だけど、 家庭料理って実際に作らないで口だけで説明するのは難しいのよ。だから少しの間私の体 を使ってもらっているのよ。ほら、さっきのゴマ団子もこうやって私の体をかなたさんが 動かして作ったのよ」 こともなげに凄いことをさらっと言うお母さんに、私はなんと言っていいのか分からな かった。でも、食卓に座っているお父さんがどうしてあんなに心配そうな顔をしているの かは分かった。 「だけど、本当にさすがは私の娘ね。すぐに分かってくれてお母さんは嬉しいわ」 言葉とは裏腹に、お母さんは意味ありげな視線をお父さんに向ける。 「……そっか、全然気づかなかったんだ、お父さんは……」 きっとゴマ団子を作っていた時に、お父さんは、しばらくの間お母さんの体をかなたさ んが動かしていることに気づかなかったのだろう。 「いや、おかしいなとは思っていたんだよ、もちろん……」 なんともばつが悪そうなお父さんに少し同情してしまう。妻の変化にすぐに気づいて欲 しかった気持ちはわかるけれど、他の人が体を動かしているなんて状態は普通の人の思考 の範疇にはないと思う。 「さてと、無駄話をしていると時間がなくなっちゃうわね。……かなたさん、お願いしま す」 お母さんは静かに目を閉じた。 「……それでは、始めましょうか」 そう言って目を開けたお母さんは、かなたさんの口調に戻っていた。 まずはかなたさんがお手本として一人で料理を作ってくれた。 メニューはサバの味噌煮込みをメインに、ほうれん草のおひたし、肉じゃが、鶏肉の竜 田揚げ、魚のつみれ汁。それらをかなたさんはあっという間に作ってしまった。 「そして最後に……」 かなたさんは慣れた手つきで卵焼きを適当な大きさに切り分けて皿に盛り付けた。 「はい、これでできあがりです。かがみちゃん、ただおさん、よろしければ味を見ていた だけませんか?」 「あっ、はい……」 私とお父さんはかなたさんの料理を順番に食べてみた。 「美味しい……」 「うん、確かに美味しいね」 私とお父さんは素直な感想を口にした。どれもこれもすごく美味しくて、そしてほっと する味だった。 「特に、この卵焼き……」 ほかの品との組み合わせとしては少しミスマッチな気がしたけど、かなたさんの卵焼き の味は絶品だった。 「この献立からすると少しあわないかもしれませんが、私の得意料理なので入れてみまし た。それに、しょっぱい料理が多いですから、甘い味もあった方がいいと思いまして」 少し恥ずかしそうな仕草でかなたさんは言う。……でも、いかんせん外見がお母さんだ からなんとも違和感がぬぐえない。 「それに、そうくん――あっ、その、私の夫もその卵焼きが大好きで、私はほとんど毎日 作っていたんです。だからこれだけは私が自信を持って作れる料理なんです」 かなたさんはそう謙遜するれど、卵焼き以外もどれもこれも洗練された素晴らしい味だ。 正直、こなたより上手だと思う。それでも少しこなたの味に似ている気がするのは、かな たさんがそうじろうさんに料理を教えたからだろう。そしてその味をこなたが受け継いだ んだ、きっと。 うん。かなたさんの料理を作れるようになれば、私の料理の腕は確実に上がるはずだ。 何よりこなたにかなたさんの料理を食べさせるためにも必ずマスターしないと! ただ、ひとつ大きな問題がある。 それはかなたさんの手際が良すぎて、私には何をどうやって作ったのか全然覚えられてい ないということで……。不安だ。私は本当にかなたさんの料理を作れるようになるのだろ うか? 「それじゃあ、次はかがみちゃんの番よ」 そんな私の不安をよそに、お母さん…じゃなくて、かなたさんは微笑んだ。 ★ ☆ ★ ☆ ★ いくら料理下手とはいえ、最近は一生懸命料理を勉強してきた。そんな私の努力の成果 は見事に……実を結ばなかった。 かなたさんの提案で、まずは肉じゃがを作ることになったんだけど……。私は一番最初 のジャガイモの皮むきですでに散々な有様だった。 かなたさんは瞬く間に皮を剥いていくのに対して、私がやるとプッツン、プッツンと何 度も皮が切れてしまいやたらと時間が掛かる。その上表面がでこぼこになってしまって、 剥いたはずの皮にはジャガイモがたっぷりとその存在をアピールしていた。 「ううっ、上手くいかない……」 「かがみちゃん、少し私の包丁を持った方の手を見ていてください」 そんな私を見かねたのか、かなたさんの指導が入る。 「包丁を使って皮を剥くときに、一番重要なのは親指なんです。この指で刃を上から押さ える力加減が重要なんですよ。かがみちゃんは少し力が入りすぎているみたいですから、 もう少し力を抜いて見てください」 かなたさんはそう言ってもう一個のジャガイモの皮を少し剥いて見せてくれた。 私はかなたさんに言われたとおりに少し肩の力を抜いてみた。 「それと、親指は皮を挟んでもう少し刃の上に乗せてください。刃の前に指を置かなけれ ば指を切ることはありませんから。そして包丁ではなくジャガイモの方を動かしていくん です。少し一緒にやってみましょう」 かなたさんは私の後ろに回り、包丁を持った私の手に自分の手を重ねて直接指導してく れた。すると今までが嘘のようにするするっと皮が剥けていった。もちろん前みたいに皮 にジャガイモがついていたりはしない。 「さぁ、やってみてください」 かなたさんが手を離し、私は一人で今の動きを思い出して包丁を動かす。 「そうそう、上手ですよ」 何度か皮が切れてしまって、やはり少しいびつだけれど、先ほどよりずっと上手く皮を 剥くことができた。 「……できた、私でもできた!」 今までで一番上手にできたと喜ぶ私に、かなたさんも嬉しそうに笑う。 「さて、次はにんじんの皮も剥かなければいけません。でも大丈夫です。少し皮が硬いで すが、今と同じようにやればすぐにできます」 「はい、かなたさん!」 私は嬉しくて元気よく答える。 「はい、とてもいいお返事です。それではまずこのにんじんを……」 「ええっと、親指を刃の上に……」 私はかなたさんの指示通りに料理を作っていった。 「お肉もいいですけど、やはりお魚もしっかり食べないといけませんよ。お店の方にお願 いするとおろしてくださるとは思いますが、いい機会ですから魚をさばく方法も練習して おきましょう」 「はっ、はい……」 魚の頭を落として骨に沿っておろすのはことのほか大変だった。サバの味噌煮込みも簡 単ではなかったけれど、魚の身を叩いてつみれにするのはもっと難しかった。けれど面白 かった。なんというかいかにも料理を作っているという感覚が楽しかった。 「野菜はついつい不足しがちになってしまいますから、しっかり意識してとらないと。で も野菜炒めにしてしまうとどうしても塩分の取りすぎになってしまいます。おひたしにし てポン酢で野菜を食べるのはとてもいい方法ですから、しっかり覚えてね」 「はい」 ほうれん草のおひたしは比較的簡単だったけれど、かなたさんが美味しく作るコツをい くつか教えてくれたので、私はしっかりとそれを覚えた。 「あまり頻繁ではカロリーが気になるけど、揚げ物はやはり美味しいから、たまには食べ たくなりますよね?」 「はい。ものすごく食べたくなる時があります」 私の同意にかなたさんは嬉しそうに微笑んだ。 「油の温度の加減もそうですし、中までしっかり火を通すのは少し難しいです。加えて後 始末が大変ですけど、それに見合うだけの美味しい作り方を教えますからしっかり覚えて ください。まずは鶏肉を薄く……」 どんどん料理を作るのが楽しくなってきて、それと同時にだんだんかなたさんとの距離 が縮まっていく気がするのが嬉しくて、私は料理作りに没頭した。そして気がつくと、そ ろそろ夕飯の時間になっていた。 「さて、これで最後です。卵焼きは簡単に作ることはできますが、美味しく作るとなると 大変です。おダシを入れてダシ巻き卵にする方法もありますが、私の場合は基本的に卵と お砂糖とお塩だけで作ります。あと少しですから頑張ってください」 「はい。頑張ります!」 「本当に、かがみちゃんはいい子ね……」 かなたさんは優しく私の頭を撫でた。 恥ずかしいけど、なんだか嬉しかった。だから私は一層気合を入れて卵焼きにチャレン ジした。 「へぇ~。さすがにお母さんが隣に付いていただけあるよね。ちゃんと食べられるじゃな い」 「こらっ、まつり。かがみが一生懸命作ったんだから、そういう事言わないの。こんなに 美味しいじゃない」 「ははっ、ごめん、ごめん。かがみ、すごく美味しいよ。ずいぶん頑張ったね」 いの一番に私の料理に箸を伸ばしたまつり姉さんといのり姉さんが美味しいと言ってく れた。 考えてみるとずいぶん久しぶりの大人数での食事だ。これでつかさがいれば柊家全員が そろうんだけど……。 「美味しいよ、かがみ」 「うん、上出来よ、かがみ」 お父さんとお母さんもそう言って喜んでくれたので、私はほっと胸をなでおろした。 とは言うものの、味付けはほとんどかなたさんがやってくれたのだから美味しくないわ けはないのだけれど。 生憎とかなたさんは今この場にはいない。「あまり私の存在は知られないほうが良いと 思いますので」と言って、私の料理がひと段落すると姿を消してしまった。 お父さんもお母さんも話していないのだろう。まつり姉さんといのり姉さんはかなたさ んの存在を知らないようだ。まぁ、知ったらパニックになるのは目に見えているからこの まま黙っていたほうがいいと思う。 「それじゃあ私も、いただきます」 私もみんなに倣って料理を口に運ぶ。味見は何度もしたからどんな味かは知っているの だけれど、改めて美味しいと思った。ところどころに私が切ったいびつな切り口の野菜や 魚が気にならないといえば嘘になるけど……。 「でもやっぱり、卵焼きがなんだかいまいちなのよね……」 もちろん他の料理も私が作ったものとかなたさんのものでは全然違う。けれど卵焼きの 味と見た目の差はあまりにも顕著だった。 「卵焼きはシンプルだからどうしても腕の差がでてしまうのよ。でも、かがみの作った卵 焼きだけなら十分美味しいと思うわよ。比較する味が際立って素晴らしいから、そんなふ うに思ってしまうだけ。後は練習あるのみよ」 「あっ、お母さん、自画自賛してる!」 何も知らないまつり姉さんの言葉に、お母さんは「あら、そうかしら?」ととぼける。 結局私の料理もわりと好評で、ひとつ残らずみんなの胃の中に納まった。美味しいとい って食べてくれたのは嬉しかったけど、やはりまだまだ修行が足りない。まぁ、今日一日 で急に料理上手になるわけはないんだけどね。 そして夕食は終わり、みんなは部屋に戻ったり居間でテレビを見たりしていたけど、私 はお母さんと一緒に食器を洗っていた。 「良かったわね、かがみ。好評だったじゃない」 「うん。でも、もっと上手になりたい。特にあの卵焼きは絶対に作れるようになりたい。 明日もかなたさんに教えてもらって、何とかものにして見せるわ!」 こなたにもあの卵焼きを食べてもらうために、しっかり覚えないと。 「ところでお母さん、かなたさんは今どこにいるの? 少し話したいことがあるんだけど」 今は私とお母さんだけしかいないのに、何故かかなたさんは姿を現さない。 「……さぁ、どこにいるのかしらね。もしかしたら、あんまりにもかがみが不器用だから、 どう教えたらいいのか頭を悩ませているのかもしれないわね」 意地悪なことを言うお母さんをむっとした顔で見ると、 「ごめんなさい、冗談よ。かがみがあんまりにもかなたさん、かなたさんて言うから、お 母さんやきもちを焼いてしまったのよ」 そんな冗談を言って笑った。 「もう……。はい、これで最後ね」 私は最後の皿を洗い終えた。 「……大丈夫よ。また明日の朝になれば、かなたさんは来てくれるわよ。きっとね。さて、 お茶にしましょうか? お母さん、かがみの大学の事やこなたちゃんとの生活の話を聞き たいわ」 「そんな話、聞いても面白くないと思うけど……」 「あら、面白くないかどうかは話を聞いてからお母さんが決めるわよ。あっ、お父さんに も声をかけないとね」 お母さんは嬉しそうにお茶の用意をする。何がそんなに嬉しいのだろう? でも、本当 のことを言うと私も聞いてほしい話はいっぱいある。何から話そうかと考えているうちに、 自然と自分が笑顔になっていることに気づいた。 「そっか、やっぱり私も嬉しいんだ。お母さんとお父さんに話を聞いてもらえるのが……」 明日も料理の勉強をするから夜更かしはしないほうがいいのは分かっているけど、私の 話が長くなることは間違いなかった。 ★ ☆ ★ ☆ ★ お母さんの言っていたとおりだった。朝食が終わり、まつり姉さんといのり姉さんが出 かけたころを見計らって、かなたさんは我が家に来てくれた。 そして、私は朝からずっと料理を続けていた。 「うん、上手、上手。だいぶ包丁の扱い方が良くなってきましたね。素晴らしい進歩です」 「かなたさんがしっかり教えてくれるからです。あっ、かなたさん、肉じゃがの味付けは これくらいでいいですか?」 「はい、いいお味です。もしもどうしても味が分からないときは薄味で作っておくといい ですよ。味を濃くするのは後でもわりと簡単にできますが、薄めるのは難しいんです」 かなたさんが教えてくれることをしっかりと覚えながら、私は料理を作っていく。 そして、かなたさんが見てくれていたおかげではあるけれど、何とか私一人でも昨日教 えてもらった料理はほとんど作れるようになった。でも、どうしてもあの卵焼きだけは上 手にできなかった。 かなたさんがやっているのと同じようにやっているつもりなんだけど、どうしても同じ ようには作れない。かなたさんの卵焼きは柔らかくて優しい甘さが口の中に広がるのに対 して、私の卵焼きは堅くて卵と砂糖の味が上手く合わさっていない気がする。 「やっぱり上手くいかない……」 それまでの料理が順調だった分、一番しっかり覚えたいと思っていた卵焼きで躓いたシ ョックは大きかった。 「ええと、かがみちゃん。かがみちゃんは私の作るとおりにしっかりやらないといけない と思っているんじゃないかしら?」 「……はい。でも、どうしても上手にできなくて」 そう言ってうな垂れる私の頭を、かなたさんは優しく撫でてくれた。 「私は料理を作る時に心がけていることがあるの。それはね、料理を食べてくれる人が喜 んでくれる姿を想像しながら作るようにしているってこと」 「喜んでくれる姿を想像しながら……ですか?」 かなたさんは、ええ、と頷いた。 「料理って不思議なものでね、作った人の気持ちがこもるの。だから、この料理を食べて 喜んでくれる大切な人の姿を想像しながら作ると、その思いがこもって美味しくなるのよ」 「……本当ですか?」 「ええ、本当よ。たとえその時は失敗してしまっても、その気持ちを持ちながら料理を作 っていれば必ず美味しくなるの。経験者が言っているのだから、間違いないわ」 かなたさんはそこまで言うと恥ずかしそうに口元に手をあてて、 「私も最初は失敗してばかりで……。そうくんに喜んでもらおうと新しい料理に挑戦する たびに失敗してしまって……。でも、そうくんはまた今度頑張ればいいと言ってくれたの で、私は頑張って……。そうくんに喜んでもらいたい、美味しいって笑って欲しいって思 いながら料理を作り続けて……。そうしたらね、いつの間にか上手になっていたの」 そう話してくれた。 「失敗してもいいの。何度でもやり直せるのだから。しっかり作らないといけないって肩 に力を入れなくていいのよ。ただ喜んで欲しいって思いを込めて作って。ねっ、かがみち ゃん」 かなたさんは私の手を握って優しく諭すように教えてくれた。 「その、やってみます……」 なんとなく恥ずかしくて、私は顔を真っ赤にしながら卵焼き作りを再開した。 かなたさんに教えてもらったように、私の料理を食べて喜んでくれる大切な人のことを 思いながら。そう、こなたの笑顔を思い浮かべながら。 何度も何度も繰り返して、少し上手くできたと思ったらまた失敗を繰り返して、私は卵 焼きを作り続けた。そして、お昼を過ぎて空が赤く染まり始めたころだった。 「……うん。私より美味しくできたわね、かがみちゃん」 私の卵焼きにかなたさんが太鼓判を押してくれたのは。 「ほっ、本当ですか?」 「ええ、本当よ。よく頑張ったわね」 かなたさんはそう言うと、不意に私を抱きしめた。 「あっ、あの、かなたさん……」 「ごめんなさい、少しだけこのままでいさせて……」 かなたさんの声は震えていた。 「ありがとう、かがみちゃん。私ね、夢だったの。娘と一緒に料理を作るのが。……こな たが赤ん坊のうちに私は死んでしまったから……叶うはずのない夢だったのに……かがみ ちゃんが叶えてくれた……。ありがとう……本当に……」 「かなたさん……」 かなたさんは泣いていた。……でも何故だろう? お母さんの顔にダブってかなたさん の姿が見えるのは……。 「……ありがとう、かがみちゃん。それと、ごめんなさい。そろそろ限界みたい……」 「えっ、限界って……待って、かなたさん!」 かなたさんの言っている意味を理解して、私は叫んだ。 どうしてかは知らないけれど、かなたさんは消えてしまいそうになっている。 「待って、待ってください、かなたさん! 私、私、かなたさんに言っておかなくちゃい けないことがあるんです! ごめんなさい、私はこなたを……」 私はこなたを愛してしまっている。同性愛というタブーを犯している。そのことを私は かなたさんに話しておきたかった。かなたさんの大切な娘を異端な道に進ませてしまった ことを謝りたかった。けれどかなたさんは私の唇に手を当てた。 「かがみちゃんと一緒にいるこなたは、毎日とても幸せそうね。私はそれがとても嬉しい の。かがみちゃん、これからもこなたのことをお願いね……」 ……かなたさんは知っていたんだ。私とこなたの関係を。その上で許してくれた。私と こなたがこれからも一緒にあることを。 「かがみちゃん……本当に…ありがとう……」 「かなたさん……。嫌だ! 待って、待って!」 悲しくなるくらい優しい笑顔のまま、かなたさんは消えてしまった。 ……分かってしまった。もうかなたさんはどこにもいないんだって……。 「……んっ……、あれ、かがみ……。かなたさんは?……」 お母さんが目を覚ました。……この喋り方はやっぱりお母さんだ。かなたさんじゃない。 「……お母さん……かなたさんが……かなたさんが……」 「……そう。帰ってしまったのね……」 お母さんの言葉に我慢ができなくなった私は、大声で泣き叫んだ。 「こっ、こんな……こん…な……別れ方……酷…いよ……。かなた…さ…ん、かな……た さ……ん……わぁぁぁっ!」 「……うん。酷いわよね……。……ごめんね、かがみ……」 泣き続ける私を抱きしめたまま、何故かお母さんは私に謝った。 ★ ☆ ★ ☆ ★ 夕食を食べる気にもなれなくて、私は自分の部屋のベッドで横になっていた。 「……かなたさん……」 かなたさんが消えてしまったあの後、お母さんは私にすべてを話してくれた。 名前は教えてくれなかったらしいけど、かなたさんはうちの神社に祀られている神様の 一人が力を貸してくれたおかげで私たちの前に姿を現すことができたのらしい。お母さん の体を動かして料理を作ったりできたのもそのおかげだったみたいだ。……けれど神様が 与えてくれた力は二日と持たないものだった。 もちろんかなたさんはそのことを知っていた。そして、うちのお母さんとお父さんにも そのことを告げていた。「2日にも満たない時間ですが、どうか娘さんに私の料理を教えさ せてください」と頼んだそうだ。 けれどかなたさんは、私にはそのことを決して話さないで欲しいと二人に口止めしてい たらしい。 ……私は何度も同じところで失敗をして、その度にかなたさんに尋ねた。何度も何度も お手本を見せてくれるようにせがんだりもした。 貴重な時間が失われていくのに、かなたさんは嫌な顔ひとつせずに優しい笑顔で教えて くれた。何度も分かりやすくお手本を見せてくれた。さぞ焦っていただろうに、そんなそ ぶりはまったく見せずに優しく笑っていてくれた。 そういえば、昨日の夕食前からかなたさんの姿が見えなかった。きっとあれは、少しで も長くここにいられるようにと力を温存していたのだろう……。 『失敗してもいいの。何度でもやり直せるのだから。しっかり作らないとって肩に力を入 れなくていいのよ。ただ喜んで欲しいって思いを込めて作って』 不意にかなたさんの言葉が思い出された。 そして私は、その言葉こそがかなたさんが私に伝えたかったことなのだと今更ながらに 気づかされた。 だからこそかなたさんは、わずかな時しか一緒にいられないことを私には教えたくなか ったんだ。私を焦らせたくなかったんだ。 ただ相手のことを思って、喜んでほしいって思って、何度も何度も失敗をして少しずつ 上手くなっていけばいい。私は生きているのだから。これからもこなたと一緒に生きてい くのだから。何度でもやり直しはきくのだから……。 かなたさんはそう教えてくれていたんだ。最初で最後の機会と言っていた貴重な時間の 全てを使って……。 『かがみちゃんが私の料理を覚えても、それが私の料理だということをこなたには教えな いで下さい』 かなたさんはそうも言っていた。あんなに私のために、そしてこなたのために頑張って くれたのに、そのことはこなたには言わないでほしいって……。 「……おかしいよ。……そんなのおかしいよ……」 どれだけの思いをかなたさんはあの料理に込めていたのだろう。自分では伝えられない こなたへの思いを込めていたのだろう。そんなかなたさんの思いをこなたに伝えてはいけ ないなんておかしい。絶対に間違っている! 私は心を決めて体を起こした。そしてそのまま台所に向かう。 台所にいたのは、食器を洗っているお母さん一人だった。 「かがみ……」 お母さんは心配そうに私の名前を呼んだ。 「お母さん、お願い、力を貸して!」 「なっ、何、突然? 力を貸して欲しいって、どういうこと?」 私の突然の言葉にお母さんは慌てる。けれど私はかまうことなく言葉を続けた。 「お願い、どうしてもお母さんの力が必要なの!」 私は気持ちばかりが急いて何をして欲しいのか言うことも忘れてしまっていた。 けれどお母さんは困ったような笑顔で、 「分かったわ、かがみ。私は何をすればいいのかしら?」 そう言ってくれた。 ★ ☆ ★ ☆ ★ 「もう少しゆっくりしていってもいいんじゃないかい? 料理を作ってばかりで、全然休 めなかったようだし」 夫は心底娘が帰ってしまうことを寂しがる。もちろん、私だって寂しくないわけはない。 けれど、かがみにはやらなければいけないことがある。そのために昨日もあんなに頑張っ たんだから。 「ごめんなさい、お父さん。でもまたすぐに帰ってくるから」 かがみはそう言って笑った。 「それじゃあ、そろそろお願い、お父さん。どうしてもお昼過ぎまでには帰りたいから」 「うん。わかったよ……」 夫は観念したように車に乗り込んでエンジンをかけた。 「ごめんね、かがみ。お母さんは少し用事があるから、ここでお別れするわ」 「うん。ありがとう、お母さん。無理をさせてごめんね。ゆっくり休んで」 私は申し訳なさそうな顔の娘の額をコツンと突いた。 「人を年寄り扱いしないの。休むも何も、あんなに散らかった台所の掃除をするのは私し かいないでしょう? 人の心配より自分の心配をしなさい。……頑張ってね、かがみ」 私の言葉に、かがみは「うん」と力強く頷いた。その顔が少しだけ大人びて見えたのは 私の目の錯覚ではないと思う。 「それじゃあ、またね、お母さん。夏休みには帰ってくるから」 「ええ。楽しみにしているわ」 かがみは車に乗り込んだ。そして小さく手を振った。私もそれに合わせて手を振る。 「それじゃあ、送ってくるよ」 「ええ、お願いします。気をつけてくださいね」 夫にそう声をかけて、私は二人を見送った。そして二人を乗せた車が完全に見えなくな ったのを確認してから、 「見送りに来てくれたんですね。ありがとうございます、かなたさん」 そう声をかけた。 「……みきさん、私の姿が見えるんですか?」 返事はすぐに返ってきた。 「いいえ、生憎と姿は見えません。ですが、なんとなくここにいることは分かるんです。 もしかすると、かなたさんに体を貸していたことが原因かもしれませんね」 神様の力が切れてしまったためだろう。私にももうかなたさんの姿を見ることはできな い。けれどそこにいてくれることははっきりと分かる。こうして話をすることもできる。 「……すみません、かなたさん。私たちはお節介でしたよね?」 少しの沈黙の後、私はかなたさんにそう尋ねた。姿が見えなくなった後も、かなたさん が私たち親子のことを見守ってくれていたことは分かっていたから。 「……いいえ。いくら感謝しても、感謝を仕切れません。みきさん、本当にありがとうご ざいます……」 かなたさんの声は震えていた。 「私はたいしたことはしていませんよ。私は娘の手伝いをしただけですから」 本当に私はかがみの手伝いをしただけ。全てはかがみが考えたことだ。 「とても優しい子ですね、かがみちゃんは……」 「ええ。私の自慢の娘です」 私の言葉に「そうですね」とかなたさんは同意する。きっと微笑んでいたと思う。 「さて、私はそろそろ帰ります。……ご迷惑をおかけしました」 「いいえ、楽しかったですよ。……お盆にはまたこっちに来るんですよね? その時には 必ず我が家にも寄ってください。そして、今度は私にも料理を教えてください。かなたさ んの料理の味をなくしてしまうのはもったいないですから。 大丈夫、私はかがみよりずっと料理は上手ですよ。今回みたいに誰かの体を動かさなく ても、覚えてみせますから」 笑顔で言う私とは対照的に、かなたさんの声のトーンは下がる。 「ですが、またご迷惑を……」 「もう! どうしていまさら遠慮なんてするんですか。こなたちゃんの他にもう一人、かな たさんが料理を食べてもらいたい人がいるでしょう? その人には私が作って届けます。 かなたさんの思いを」 「……みきさん……みきさんたちに…出会えて……私は幸せです……。ありがとう…ござ い……ます……。」 そう言葉を残して、かなたさんは今度こそ本当に帰ってしまった。 「こちらこそ、素敵な友人ができて嬉しいですよ。また会いましょうね、かなたさん」 心からそう思う。かなたさんに出会えてよかったと。 「さあ、かがみ。後はあなた次第よ。頑張ってね……」 私はそう愛しい娘にエールを送った。 次へ コメントフォーム 名前 コメント
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【甘さは急に止まれない】永井 加奈子 (投先) 最終更新日時 2020/12/28 17 32 13 このページを編集 属性 レア 守備適性 決め球 ムーヴィング 変化球1 - ◎ 〇 △ - - - - - - - - 変化球2 - キャラ総評 2019/2/11に追加されたデブネキでは初の恒常?SSR投手。 バレンタインデーを控えウキウキな地蔵達を前に実装された待望の恒常SSR投手…なのだが、シーンはまさかのバレンタインデー終了後にウキウキで割引チョコを買い漁る加奈子と、それに振り回される近藤ちゃんという1シーンや。 この後、手あたり次第にチョコを買おうとする加奈子であったが、あえなく近藤ちゃんに叱られ戻すことに。いくら安いからって食べ過ぎはアカンで! 因みに悩み解消では一日にチョコから摂取するカロリーを700kcalに制限しようとしていたが、これを有名なチョコ製品で計算すると下のようになるで。 チョコパイ 約4個 明治の板チョコ 約3枚 チョコボール 約4箱 キットカット 約11枚 ブラックサンダー 約7個 うん、普通に食べ過ぎや加奈子…。 選手としては甲子園原と投げたゆを足して割ったような性能や。 計算されたカロリーコントロールから試合後半へ行くほど力を発揮し、得点圏にランナーを置いた場面で最大のパフォーマンスを見せる感じやな。 風属性は前述の甲子園原や神宮寺さんなどライバルも多いが、長い間第一線を張っていた投手達に近い性能を持つ加奈子もある程度期待してもええと思うで。 野手能力に関しては0すこでも投手としては破格のミート3000、パワー3500を誇り、構成次第ではクリーンナップ入りまで視野に入る。 なお守備力に関してはお察しください…。 ~新田家にて~ 新「いや~でもお菓子もそうだけど沢山チョコ買ってきたね~これだけあったら今日一日と言わずしばらくは大丈夫そうじゃん♪」 近「本当、加奈ちゃんが見境なく買おうとするから止めるが大変だったよ…」 新「目に浮かぶようだわ~咲もおつかれっ!そういえばさ~チョコって食べ過ぎると鼻血とか出るっていうけどあれホントなのかな~?」 永「大丈夫!チョコレートの食べ過ぎと鼻血が出やすくなるのには何の関係もないんだよ(パクー」 永「昔はチョコが貴重品だったから食べ過ぎない様にそういう風に言ったり食生活のバランスが崩れることが一番の原因と言われているよ(パクー」 永「だからチョコを食べ過ぎてもいつも通りちゃんと栄養バランスの整った食事をすれば鼻血は出ないから安心してね美奈ちゃん♪(パクー」 近「でも食べ過ぎるとお肌にも良くないって言うよね。肌が荒れたりできものが現れたりもするみたいだし」 新「わかる!沢山食べた数日後に鏡を覗いたら赤いのがポツっと…」 永「落ち着いて美奈ちゃん!ニキビや肌荒れは肌を清潔に保ってバランスのいい食事と運動をしていれば予防できるよ!(パクーパクー」 永「だから今まで通り野球の練習を頑張っていればチョコを沢山食べても大丈夫!(パクーパクー」 新「そっか~まぁチョコは置いといても今は打倒!有原って目標があるし頑張るっきゃないっしょ!」 近「私もピッチャーとキャッチャー両方練習するのは大変だけど…次の試合では三人一緒に出られるように頑張ろうね!」 永「うん!私もいっぱい練習してもっともっと上手くなってたくさんカロリー消費するね!(パクーパクーパクー」 新「よーし野球の話はここまで!今日は息抜き息抜き~♡…ってなんかチョコ、やけに減ってない!?」 近「本当だ…たくさん買ってきたはずなんだけど…」 永「ふえっ?なんでだろう~?(パクーパクーパクーパクー」 試合評価 * 球 速 コントロール スタミナ ミート パワー 走 力 守 備 備考 素パラメータ 122km/h 3925 3592 3005 3583 2590 2269 - 恒常スキル後パラメータ 129km/h 5275 4092 3005 3583 2590 2269 ゴロ率+2 敵打者パワー3000以上 +5km/h - - - - - - キレ+5 2回以降 +3km/h +1000 - - - - - 変化球発動率+5 敵走者1人以上 -km/h +400 - - - - - 度胸+5 敵走者得点圏 +8km/h +500 - - - - - ノビ+5 最大バフスキル後パラメータ 148km/h 7575 4092 3005 3583 2590 2269 変化球発動率+5/ノビ+5/キレ+5/度胸+5/ゴロ率+2 +チームスキル発動条件 チームスキル発動条件 * チームスキル 発動ライン 限界突破数 信頼ランク ミ パ 走 守 迅雷風烈 ミ3400 1 - - - 5-3 超熟練打線・中堅 パ4200 - 1 - - 7-5 熟練打線・殿 ミ3500 1 - - - 6-1 - - - - 行を追加するときはこの行をコピペ 熟練打線・中堅はLv100なら凸と信頼度無しで発動する。(チームスキル名)は2凸8-5でも発動しない。 パッと見て球速がやや低く、コントロールが高い軟投派のような能力値やね。 変化球もムーヴィングやし、高いコントロールから打たせて取るピッチングを展開しそうやから、内野の守備がこの加奈子が活躍出来る鍵になるやろな。 体内に蓄えたカロリーを消費することで尻上がりに調子を上げていく模様。 ほぼ5回で強制降板させられるオートよりも継投を自分で操作できる戦術の方が相性良さそうやな。 デレスト評価 メニュー ランク カード名 属性 力 速 技 効果 練習メニュー ★★ 遠投 風 0 9 20 - 追加メニュー ★★★ 反復横跳び 風 0 17 35 - 追加メニュー ★★ 焼きそばのりパン - - - - テクニック型メニュー1枚と同時に実行可能獲得ポイント上昇 追加で1回行動 初期が☆2で追加も弱☆3と至って平凡ラインナップ。一応食を代表するキャラだけに今回もパン持ち しかしバレンタインキャラなのに何故か持っているのは焼きそばのりパン…これはアレか、甘いものばかり食べていると塩気が欲しくなるというアレか スキル解説 ランク スキル名 条件 効果 入手可能デレスト1 入手可能デレスト2 ★★★ 幸せの連続 投球時/2回以降 自身のコントロールが超絶に上昇し、球速・変化球発動率が大幅に上昇する 重なる気持ち 5-13-50 小麦色の世界 0-8-50 ★★ 低めの秘奥義 投球時 自身のコントロールが超バツグンに上昇し、ゴロを少し打たせやすくなる 練習なくして 0-0-45 重なる気持ち 0-7-45/小麦色の世界 0-7-44 ★★ 尻上がりの奥義 投球時/投球イニングが3回以降 自身の球速が大幅に上昇し、コントロールが大きく上昇する いつもの二人 34-0-4 小麦色の世界 27-0-5 ★★ 体重移動の奥義 なし 自身の球速が大幅に上昇し、コントロールが大きく上昇する 清城高校 2-20-20 秤を揺らす若葉 16-16-16 ★ 特別なチョコレート? 走者が1人以上いるとき 自身のパワー・コントロールが大きく上昇し、度胸が大幅に上昇する 小麦色の世界 15-0-0 綾織の水平線 13-0-0 ★ 超全力投球の極意 なし 自身のスタミナがわずかに減少するが、球速が超大幅に上昇する いつもの二人 一本足 ★ 自然体の極意 投球時/走者が得点圏にいるとき 自身のコントロールが超大幅に上昇する 清城高校 - ★ 制球の心得 なし 自身のコントロールが少し上昇する ★ 緩急の心得 まれに/投球時 敵打者のミート・パワーをわずかに減少させる ★ コントロールの基礎 なし 自身のコントロールがわずかに上昇する 固有ピンクは2回以降の発動になるから注意やで。逆に加奈子と対峙する場合バフの出揃わない初回に一気に攻めるという戦法が有効かもしれん コントロールが伸びる構成で【低めの秘奥義】もあるから内野は固めて置きたいところやな。美味しいものクラブは皆守備ガバすぎるから練習頑張らんと… そして案の定というかお約束というか【体重移動の奥義】も完備。リアル体重も簡単にどこかに移動出来たらダイエットが簡単になるわね 才能 才能名 Lv 条件 効果 糖分のチカラ 7 投球時/打者のパワーが3000以上のとき 自身の球速が超バツグンに上昇し、キレが大幅に上昇する ピンチ◎ 5 投球時/走者が得点圏にいるとき 自身の球速が大幅に上昇し、コントロールが上昇する 知恵ある計画 7 投球時/走者が得点圏にいるとき 自身の球速が超バツグンに上昇し、コントロールが少し上昇し、ノビが大幅に上昇する スタミナ◎ 5 なし 自身のスタミナが超大幅に上昇する +ネタバレ注意!固有悩み文 固有悩み文 無謀な計画(→知恵ある計画) 条件:投球時/走者が得点圏にいるとき 効果:自身の球速が大幅に減少し、コントロールがわずかに減少し、ノビが減少する 『バレンタインチョコのセールって、ついつい買いすぎちゃ うよね…でも、1日1粒とか、ちゃんと計画を立てて食べ れば、きっと太らないはず! よーし、今年は無理のない計画を立てて、少しづつバレン タインチョコ味わうぞっ!おー!』 画像 1つを除き他3つが全て条件付きという構成。野手時にあった「守備を犠牲にしての自バフ」を投手に直すとこのようになるらしい。 糖分を消費することで強打者にも対抗する力を得るとはなんとも加奈子らしい才能である。 悩み解消では、賢者モードで九十九先輩とカロリーの計算をしたり、近藤ちゃんに見つかると「嫌だー!!」と絶叫し脱豚脱兎のごとく逃走を図るも美奈子に捕獲され必死に抵抗したりする様子が見られる。 折角買ったチョコを近藤ちゃんに一括管理されそうになったのが原因なのだが、一体どこで彼女の悩みが解消されたかは定かではない…。 セリフ集 +押すと開きます 状況 セリフ ホーム あ、見て見て咲ちゃん! あのチョコ、すっごくおいしそうだよ! って、いけないいけない。美奈子ちゃんが待ってるんだし、早く買い物終わらせなきゃね! でも、いいお喋りをするには、いいお菓子が隣にないと。やっぱりお菓子って簡単には決められないよね~ それにしても、バレンタインが終わった後も、お店はまだ、チョコで溢れかえってるんだね~ え、ちょっと待って! この売り場のチョコ、全部セール品だよ!? これは絶対に買わなくっちゃ! すごい…あの高級チョコが、この値段なの…? こっちのチョコは、セットだとめちゃくちゃ安くなるし… えっ、あ、あはは…さすがに買い過ぎかなぁ…。でも、このまま売れ残っちゃうのも、可哀そうでしょ? 大丈夫だって! チョコは保存も利くんだし! …一気に食べたりしないから…。えぇ~そんなぁ~! 「売り場に戻してきなさい」だなんて、あんまりだよ~ 試合 試合前 いつもなら躊躇しちゃうけど、今日なら、イケる気がするの! 開始 緊張しないように、ひと口だけ、チョコを…(はむっ カットイン通常 チョコレートー! カットインターニングポイント - 勝利 やったぁ~!嬉しくって胸がいっぱいだよ~! えひひ…今日は自分へのご褒美に、たっくさん食べちゃおうかなぁ~ 敗北 や、やっぱり、もぉ~ちょっと、お菓子を減らしとけばよかったかな…? デレスト 特訓 まだまだ!もっとたくさんイケる気がするの! 練習で体を動かしたら、お菓子を食べても…太らない、よね? "永井 加奈子 "の他シーンをチェック! アイコンタップorクリックで"UR"各ページへ アイコンタップorクリックで"SSR"各ページへ アイコンタップorクリックで"SR"各ページへ コメントフォーム ログを開く 絶好調&月相手に出してたってのもあるが、全国大会で防御率1点台だったで。直江もそうだけどコントロールPは野手の守備力次第で化けるな - 名無しさん (2020-09-17 01 49 15) 総評の妄想会話いらんやろ。ここWikiやぞ - 名無しさん (2020-12-09 06 34 44) ここ有志wikiやぞ。特定のキャラバカにしたりするわけじゃないならこういうのでいいんじゃないですかねぇ。 - 名無しさん (2020-12-09 09 18 29) 野崎リンクこれか体重計どっちがいいんやろ - 名無しさん (2021-08-24 02 01 54) 全国大会で使うならこれかな。ランクマのハイスコア狙いなら体重計もいいとは思うけど - 名無しさん (2021-08-24 05 25 46) 名前
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Not failure , but low aim , is a crime. ― James Russel Lowell 小さな町の小さなチョコレート専門―Bitter。その名の通り、日曜だというのに中には客が空っぽという苦々しい光景が繰り広げられている。 この店を経営しているのは、20代中盤の女性だ。 「はぁ…」 カウンターで頬杖を付き溜息を1つ。 「…私、何してんだろ…?」 哀愁を帯びた声色で尋ねるが返事はない。終いには顔を伏せてしまった。 「…父さん…母さん…ごめん…」 彼女の両親は2年前、不幸かな、鉄道事故により他界した。 あまりにも突然のことで、ショックのあまりに両親の死という事実を受け入れられず、抜け殻のように呆ける日々を過ごしていた。 しかしながら、Bitter―つまり両親の店を売るという話が持ち上がった時分、彼女は生気を取り戻す。 『この店は…両親の宝なんです!…私が必ず継ぎますから!…だから、売れません!』 親族の前で啖呵を切った…まではよかったのだが。その結果がこのザマである。 両親が生きていた頃には少なくとも家族全員が食っていき、尚且つささやかな貯蓄が出来る程には繁盛していた。 それでも、彼女のチョコレートの味が決して不味いという訳ではない。 彼女は幼い頃から店の手伝いをしてきた。もちろん、チョコレート作りも含まれる。 そのため、味自体は父親の作ったものと遜色がない。いや、寧ろ忠実なる生き写しと形容するのが適当であろう。 ならば、どうして客足が途絶えたのか。理由はこの店の向かいにある。 「…こうなったのもあのでっかいのが原因よね…」 “でっかいの”とは、彼女が店を再開する少し前に他のチョコレート店―Heavenが参入してきたのだ。 大きさは実にBitterの5倍以上。カフェのように店内でチョコレートを食べることができる。 そして、何より世界でも有名なチョコレート職人が作っていることが最大の魅力だった。 彼女はこれで不味かったら文句を言ってやろうと思い店に乗り込んだことがあるのだが。完膚までに叩きのめされた。 まず見た目の美しさだ。人、動物、花など様々な形を細部まで再現したチョコレートが並んでいた。最早、食べ物と言うよりは芸術そのものだった。 問題は中身だと気を取り直し口にしてみる。その瞬間、甘美が作り出す無限の世界が広がった。が、特別に強調することもなく、ゆっくりと深く染み込んでゆく。 衝撃的だった。こんなチョコレートは食べたことがない。完敗だ。 彼女はただの客と成り下がり、そのまま帰る他しかなかった。 悔しかった。認めたくなかった。彼女にとって父の味は誇りであった。だが、彼女は味を変えようとはしなかった。 それをしてしまえば父の味を守れなくなるから。父を否定することになるから。 と、店の入り口が開く。彼女は顔をあげ、笑顔を作り客を向かい入れようとした。 「いらしゃ……」 が、相手を認識するとすぐに顔が険しくなる。 「よう、相変わらずシケてる店だな。」 茶髪にサングラス。日焼けした肌。口にはタバコとお世辞にもガラは良いとは言えない男が1人。 「冷かしなら帰って…」 鋭く、冷たく、それでも努めて冷静さを保ち言い放った。 「おうおうおう。お客様にとんだ言い草だな。チョコレートを1箱買おうと思ったのによお。」 すると、彼女はいきなりショーケースの中のチョコレートを片付け始めた。 「…残念でした。裏切り者に売るチョコレートはたった今売れきれた所です。」 険悪な空気が場を支配する。彼女は下唇を噛みながら鋭く睨みつけた。 「姉ちゃん…あんたがこの店を守ろうとすんのは構わねえさ。だがな…オレにはそんな義務、1mmもねぇんだ。」 姉から発せられる強い憤りにも、我関せずという口調で返す。 「こんなぼろっちいモン守るくれぇなら、向かいさんでしっかり金稼ぐね。オレは頑固な誰かさんと違って賢いんだ。」 その言葉に、彼女は俯き、蚊が鳴くように一言呟いた。 「………帰って………」 「は?何か言っ…」 聞き取れなかったのか、眉間にしわを寄せて耳に手を当てて訊こうとするが、遮られた。 「帰ってって言ってるでしょ!!このスットンキョー!!恥知らず!!腰抜け!!!二度と来ないで!!!」 悲鳴交じりに叫びながら伝票を投げつけた。 「ちょ、おい…あぶね…ちっ…はいはい、分かりましたよ。こんなゴリラ女がいる店なんざ、こっちから願い下げだ!!」 そう捨てゼリフを吐くと乱暴にドアを開け、去って行った。 一人残された彼女の頬には…雫が伝っていた。 「うう…ぐ…なんであんた、向こうに行っちゃったの…?一人ぼっちは寂しいんだよ…」 彼は現在の彼女の唯一の肉親で、両親の生前には一端のチョコレート職人として彼女同様に店を手伝っていた。 『いつか店を継いで、親父を越えて引導を渡してやる』と豪語して。野心が輝き、満ち足りていた。 彼女が鬱病になりかけていた時にはいつも傍で支えていた。店の再開も、姉弟の2人でやっていこうと決めた。 それが…客が奪われ、売り上げは伸びず、彼はいつしかBitterをふらふらと出て行き、Heavenで働くようになっていた。 ただし、チョコレートを作るのではなく、ただのレジ係なのだが。 彼女は膝をつき、泣き崩れた。 己の人生を呪い、両親に謝罪し。そうすることしか出来なかった。 どれ位の時間が経ったのだろう。泣き疲れた彼女はそのまま眠りに入っていた。が、それを妨げる声がする。 「―――さん、お―――さん!」 朦朧とする意識の中、頭を上げると、そこには―――黒い帽子、鮮やかで美しい金髪、整然とした三つ編み―――ゆっくりまりさがいた。 「おねえさん、おきて、おねえさん!」 状況が良く分からず周りを見る。Bitterの中であることは確認できた。入り口の方へ目を向けると見事に開いていた。 …手動である筈なのに、どのように開けたのかが甚だ疑問だ。 とにかく、店に迷い込んで来たらしい。何故か一生懸命に呼びかける。 「どうしたの?私に何か用?」 「ゆ!おねえさんはちょこれーとやさんだよね?」 恐らくチョコレートでも食べたいのだろうと察した。 「ええ、そうよ。食べたいの?待ってて、今もってくるから。」 立ち上がり、先程片付けかけたチョコレートを持って来ようとするとまりさに止められた。 「ゆ!ち、ちがうの!まりさ、たべたいんじゃないの!」 彼女は首を傾げた。雑食でなんでも食べてしまうゆっくりがチョコレート屋に来てチョコレートを食べたい訳ではない。中々に解せなかった。 「ん?食べたいんじゃないの?…うーん、じゃあ、どうしたいの?」 再度尋ねると、まりさは途端に顔を赤らめ下を向き何やらモジモジしている。 「ゆ…あの…その…」 言葉もどこかはっきりしない。 「早くいいなよ。言ってくれないとどうしていいか分からないわ。」 催促すると相変わらず恥ずかしそうにしてるが、ようやく喋り始めた。 「ゆ…ま、まりさに…ちょこれーとのつくりかたをおしえてほしいの…」 “チョコレートの作り方を教わりたい” まさかの展開だった。手もないゆっくりがチョコレート…いや、その前に料理を作るいう概念が果たしてあるのか。どうしたものかと悩む。 「…作るって…まりさ、あんた手がないのにどうやって作るのさ?」 指摘するが、自信満々に胸を張って答える。 「ゆ!おててがないぶんは『きあい』と『こんじょう』と『あい』でかばーするよ!」 気合と根性と愛でカバー…? どうカバーするのかが全くもって謎ではあるが、まりさは真剣な目をしていた。それにしても…一体、何がまりさを突き動かしているのだろう。 「えーっと…まりさはどうしてチョコレートを作りたいの?目的を教えてくれないかな。」 そう訊くと、またもや顔が火照り、俯き始めた。 「ゆっと…えっと…」 どうも言いにくいらしい。彼女はだんだんまりさに興味が沸いてきた。 「言えないなら仕方が無いね。目的が分からないのにチョコレートの作り方は教えられないなあ。いやー、残念だなあー。」 わざとらしく振舞うが、まりさが慌てふためいた。まりさにとって教えてもらう・もらえないは死活問題なのだろう。 「ゆ!わ、わかったよ!ちゃんと言うよ…あ、あ、あのね…まりさね…ぱちゅりーに…ちょこれーとをあげたいの!!」 決心し、開き直って言い放った。 「ぱちゅりーに?…どういうこと?」 聞けたはいいが、よく理解出来なかった。なぜ、そんな必要があるのか。 「ぱちゅりーはここさいきん、びょうきでねこんでるんだよ…もうすぐ、ばれんたいんでしょ?だから、ばれんたいんの日にちょこれーとをあげてげんきだしてもらいたいの…」 成る程。そういえばもう如月だ。大体把握できた。 「つまり、愛するぱちゅりーにチョコレートをプレゼントしたいってことね。」 すると、まりさの顔がとうとう真っ赤になってしまった。 「あ、あいするなんて…そ、そそそ、そんなんじゃないよ…ただ、ぱちゅりーに…げんきに…なってほしくてその…」 こんなあからさまな慌て方を見た彼女は悪戯っぽく笑う。 「へぇ~…じゃあ、ぱちゅりーのことは愛してないのね?」 「ゆ!そ、そんなこと…ないけど、きらいじゃないような…その…むしろともだちとして…すき…というか…」 語気は徐々に弱くなってゆき、最後には消え入りそうな息にしか聞こえなかった。 「はいはい。分かったから…教えてあげるわよ。」 ウインクを沿えて了承した瞬間、まりさの顔は晴れあがった。 「ゆゆ!!ホント?おねえさん、ありがとう!!」 「その代わり!」 喜びこちらへ向かおうとするまりさを遮るように掌で制する。 「そ…その代わり…?」 まりさは緊張気味におずおずと訊き返した。 「美味しいチョコレート作るのって結構大変だよ。血が滲む努力しても上手く作れずに泣いちゃって、夜も寝れない。うつ病になって、ゆっくりできないかも。特にあんたは手がないんだから尚更苦労するよ、絶対。それでも、途中で投げ出さないって約束できる?」 誇張して言うがこれもまりさの覚悟を確かめる術に違いない。 「ゆぎぎ…や、やくそくする!ぱちゅりーのためだもん!」 少々渋ったものの、その決意に偽りは感じられなかった。 「よろしい!では、早速修行といきますか。」 「ゆ♪ゆ♪ゆ♪」 興味本位なのか…それとも一人でいることから生じる苦を紛らわすためなのか、あるいはその両方か。 彼女の心理を読み取ることは難しいが、とにかく、まりさにチョコレートのレシピを伝授することとなった。 「う~ん…あんまり難易度が高いのは…流石に無理よね…」 古びたノートを持ってきて開く。そこにはチョコレートのレシピが手書きで載っていた。 「ゆ!、ちょこれーとけーきとか、くっきーがいいよ!」 その難易度の高い注文に苦笑を浮かべる。 「あのねぇ…初心者なんだから大人しく溶かして固めときなさいよ…」 まりさは完成写真を見ながら涎を垂らしていた。今にも写真にかぶりつこうとせんとする獰猛な目をしている。 「こらこら!これは写真なんだから…がっつかないの!」 暴れるまりさを抑え込む。 「まりさもはやくつくりたいよ!」 「焦らないの!…あ、ほらこれなんてどう?」 そこに写っていたのは古典的なハート型のチョコレートだった。 「ゆゆ!…なんだかしょうわのにおいがするよ…」 白けたような哀れむような色を浮かべている。 「うっさい!どうせ私は昭和生まれのおばさんですよ。ケッ!」 「ゆう…で、でもこれはこれで…その、あいがなんとかつたわりそうだよ!すこしはゆっくりしてるよ!」 何やらフォローし始めた。 「あんたね…それ皮肉って言うのよ…まあいいわ。これでいい?」 「ゆ、わるくはないよ!」 さて、場所は調理場へと変わる。帽子の上から三角巾を被りやる気も満々だ。 「いい?まずはこの板チョコを…って、食うなこら!」 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせ~♪おねえさん、まりさ、このままこれをわたすことにするよ!」 その甘味に一目惚れしたのか、もともこうもないことを言い出した。 「あんた!それでいいの!?」 今までも突っ込みを入れてきた彼女だが、今回ばかりは醸す感じが異なる。 「いいよ!これならぱちゅりーもよろこんでくれるよ!」 確かに『チョコレートを渡す』ことには変わりはなく、板チョコであっても美味しい。 「…見損なったわ…そんなことしてもぱちゅりーは何にも喜んでくれないわよ…」 呆れたように首を横に振る。 「ゆ!うそはやめてね!こんなにもおいしいんだからよろこぶにきまってるでしょ!?」 頬を膨らませ威嚇する。 「バカヤロー!!!」 怒りのこもった声がこだまし、まりさはその場で固まった。 「その板チョコにはね…あんたの愛が入ってないんだよ!!」 独立宣言をするかの如く力強く高々とその事実を言い放った。 「ゆがーん!!」 「いい、バレンタインってのはね、好きな人のためにいかに愛を込めるかが重要なのよ!最近は金にもの言わせ、高級なチョコレート買って渡すセレブ気取りのアマがいるけど… 何それ、美味しいの?そんなの渡しても誰も喜んでくれないわ!重要なのはいかに頑張ったか、努力したか、どれ程の愛が詰まっているのかよ! たとえ形が悪くても、たとえ味がまずくても、『手作り』に敵うバレンタインチョコはあるのだろうか?いや、ない!ここに断言する!なんなら我の命を賭けてもよい! 買って渡したチョコなんぞ、コップ一杯…いや、ヤクルト一杯以下の愛しかないわ!それに比べて手作りはどう?意中の人のことを思い浮かべて作るのよ! 『ちゃんと食べてくれるかな?』とか、『ライバルには負けたくない!』とか不安や対抗心を抱きながらも一生懸命に作る。 そこにはガンジーの慈愛よりもエジソンの努力よりもモーツァルトの繊細さ以上の莫大な財産が眠っているのだ!その愛の値は実に7000L! これぞ人間の神秘と言うものだ。なんという希望の溢れ具合だ…もうこれだけで飯が4杯は食える!!2020年問題がなんだ!少子高齢化社会がなんだ!そんなことなどまるでどうでもよくなってくる! (中略) 素晴らしい…素晴らしいぞ…その渦に飲み込まれる光景を想像しただけで気絶してしまいそうだ…あぁ…」 恍惚とした表情で涎を垂らしている。いわゆる、ヘブン状態というやつか。このままどこか遠くの世界へと旅立っていきそうだ。 きっと今なら自由に空も飛べるはず。 放置されていたまりさだが涙で溢れていた。 「おねえさん…まりさは…かんどうしたよ…」 ………マジで………? 世界がシンクロしたアッー。2人の目が宝玉のように光光軍く。 「まりさ、まりさ、まりさああああああああああ!!!」 「おねえさん、おねえさん、おねえさああああん!!!」 熱く抱きしめあい、価値観を共有しあう。常人にはついていけないが何、気にすることはない。 「はっ!いけない、また暴走してしまったわ…」 急に我に返った彼女は取り繕いたいのか誤魔化したいのか咳払いをコホンと一つして、まりさから離れる。 「と、とにかく愛が大切なのは伝わったわよね!…それじゃあ、本題に戻って…まずはこの板チョコを細かく切るのよ。」 「ゆ、らじゃー!…でもどうやって?」 「この包丁を使ってね…」 テンポよく板チョコを刻み始めた。その小気味良さは実に手馴れたものだ。流石は幼い頃から店の手伝いをしてきたというだけある。 「ゆ!すごい、どんどんちいさくなってゆくよ!」 はしゃぎながらその包丁捌きを見つめる。 「ほら、あんたもやってみなさ…って、包丁持てないか…」 包丁を渡そうとするが、早速詰んだ。 「ゆ!だいじょうぶだよ!まりさには…まだくちがのこってるんだから!」 口…某海賊漫画には真剣咥えた3刀流剣士もいるし…確かに持てないこともないが… 「まりさ、包丁って案外重いよ。大丈夫なの?」 そう、幾分、顎力のいる仕事だった。持つだけなら何とかなるかもしれないが…それを咥えて物を切るなど気が遠くなるような作業だ。 「…おねえさん…たいせつなのは…“あい”なんだよ!」 荘厳に口を動かした。 「がーん・・・わ、わたしとしたことが…まさか弟子に愛について教わることになるとは…まだまだ…未熟だということなのか…?」 綺麗なorzの姿勢を形成する。まりさは早速包丁の柄を咥えた。 「ゆーしょ、ゆーしょ…ゆ…なかなかおもいよ…」 彼女はまりさの健闘するまりさの声に反応し応援を始めた。 「まりさ、逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ!!!!闘うんだ!!愛だよ、愛!ぱちゅりーのことを考えるんだ!!」 何か、最早狂人に近い。 「ゆ…そうだよ、すべては…あいするぱちゅりーのため!!ゆりゃああああ!!」 気合の入った掛け声と共にまりさが超高速で包丁を上下に振り回す。きめえ丸の首振りよりも…カールルイスよりも…はぐれメタルよりも速く逞しく美しく。 「これが…愛の力…」 彼女はそのまりさが繰り広げる激闘に眩暈を覚え始めた。だが… 「ゆ…こんなもんだz…ゆがーん!!どうしてまったくきれてないのおおおおおぉぉぉ!!!???」 チョコレートは…生きていた。粉々になる所か…全くの無傷と言っていいほどダメージがない。そう、丁度、アストロンがかけられたように。 「これは一体…」 彼女も不気味に思ったのだろう。呪われているのではないかと訝しげにチョコレートを覗き込む。そして…まりさの包丁を見たとき…答えは導かれた。 「まりさー!逆、逆!」 気を取り直してもう一度トライ。 まりさは先程の奮闘で疲れてしまったのだろう。今回は実にゆっくりとした包丁捌きを披露する。 「ゆ…ゆ…ゆ…あんまりきれいにきれないよ…」 己の拙さにしょんぼりするまりさ。 形は不揃いだが、切るという目的はあくまでチョコレートを溶かし易くすることだ。均等に刻めた方が良いに越したことはないが。 「う~ん、別に大した問題じゃないんだけどね…と、そろそろいいよ。」 さてさて第一段階はクリアした訳だが。 「じゃあ、次は湯せんしましょうか。」 「ゆ…せん…?ゆ!わかった、ゆっくりせんようのりゃくだね!」 的外れな発言に微笑みを返した。 「ふふ…実際にやってみながら説明した方が早いわ。」 大小のボールとゴムべら、温度計を取り出すと、大きい方のボールにポットの湯を注ぎ込んだ。 「いい、湯せんっていうのはね…簡単に言うとチョコレートを溶かす作業のことよ。」 「どうやってやるの?」 「55度位のお湯が入った大きいボールの中で、さっき刻んだチョコレートが入った小さいボールを…ほら、こんな風にね…」 手本を見せたが、まりさは首を傾げる。 「ゆ…どうして55どなの?もっとあついおんどじゃだめなの?そのほうがはやくとけるよ!」 まりさの意見は最もだその方がきっと効率は上がるだろう。 「んーとねー。あんまり熱過ぎるとチョコが不味くなるっていうか…味が薄くなるっていうか…とにかくゆっくりできなくなるのよ。」 顎に人指し指を当てて、どうしたもんかと考えながら説明する。…後半、若干の誤魔化しが入っているが。それでもゆっくりできないというのは有効な脅し文句だ。実際、まりさはその言葉に対して敏感に反応する。 「ゆ!それはこまるよ!ゆっくりしたあじになってほしいよ!」 懇願するように喋った。 「そうね。その為にこの温度計で常に温度を把握するのよ。ほら…この赤い目盛りがこの辺を指してればいいの。」 指で大体の範囲を示した。 「ゆっへん、まりさにまかせてね!」 早くやってみたいのか急かすまりさ。しかし、彼女はそれを制止する。 「もちつけって…これやる時にお湯がチョコと混ざらないように気をつけてよ。水分が入っちゃうと固める時にムラになるのよね~。」 「むら…?」 「そう、簡単に言うとゆっくりできなくなるってことよ。」 「ゆ!ゆっくりできないのはいやだよ!」 …恐るべし、ゆっくりできない効果… 「だけど…今回ばかりは愛で乗り切れないわね…」 確かに、手がなければボールが固定できずに不安定になる。先程のようにゴムべらを咥えてかき混ぜるのはいいが、どうしてもお湯が浸入して風味が損なわれてしまいそうだ。 「ほら、私がボールを支えてあげるから…その間に掻き混ぜな。」 その申し出に何故か不敵に笑みを浮かべるまりさ 「おねえさん…まりさのとくしゅのうりょくがあれば、てつだいはむようだよ。」 何やら自信ありげだ。 「まりさ…なにをしようというの…?」 「おねえさんはそこでみててね。ゆっゆっゆっ…ぼーるさん…ゆっくりしていってね!!」 まりさが叫ぶと、どうしたことか。どんぶらこっこと揺られ揺れていた小ボールの動きが中央に収束し始める。まるで、コマのように。but,回転はない。 「これは…奇跡だ…“愛”が巻き起こした奇跡だ…」 驚愕のあまり空いた口が塞がらないといった様子だ。 「…おまえはもうゆっくりしている。」 決めゼリフ的な何かも吐き出した。 「どう、お姉さん?」 ゴムべらを持ち上げてチョコレートを垂らした。 「…うん、ダマは…残ってないわね。オッけーねよ。」 「…さむい、さすがさむい。しょうわのおんな。」 冷ややかな視線が彼女を攻撃する。 「…わるかったわね…そんなことより、次のステップよ。次は…テンパリングよ。」 「ゆ!わかった、てんねんぱーまのいやりんぐのりゃくだね!」 「はい、テンパリングとは、そうね…まぁ、簡単に言うとゆっくりしたチョコを作る為の仕上げね。」 面倒なのか、まりさのボケにも突っ込むことなくかつ、実に簡潔な説明で済ました。 「ぐたいてきには?」 「そうね…固めるときになめらかで艶やかにするための作業よ。さっきは温めたけど今度は冷やしながらするのよ。」 大ボールの湯を捨て、今度は水に切り替えると、棚へと向かった。 「今回は…オードソックスにココアでいこうかしら。」 まりさはその光景を不思議そうに見つめている。 「まりさ、今度はテンパリングのアキレス腱は温度よ。チョコレートの温度を常に30度に保つ必要があるの。」 まりさが恐る恐る尋ねた。 「ゆ…も、もしも…もしも、温度を守れなかったら…?」 ニコニコ笑みを振り向きながら親指を突きたてた。が…ゆっくりとひっくり返す。 「ジ・エンド。その瞬間…そのチョコはゆっくりできなくなる。」 天国から地獄へ堕ちるような動作だった。 「ゆぎゃああああ!!それはこまるよ!」 「温度はくれぐれにも慎重にね。で、30度になったらこのココアを…そうね…小さじ1杯分加えるの。そして、後は満遍なくかきまぜる。途中で温度が冷め始めたら…ほら、こっちにお湯用意してるから大ボールに足せばいいわ。」 「ゆ…こんかいはなんいどSらんくだね…」 まりさが眉を顰めた。 「まりさ…自分を信じなさい。そして…今一度、愛の力を放出するのよ。あなたならできる。」 優しい口調で語りかけた。 「ゆ…おねえさん…まりさ、まけないよ!」 さあ、テンパリングへと突入。 「たいちょう!げんざいちょこれーとのおんど、38、37…35どまでさがりました!」 …現場に只ならぬ緊張感が漂う。 「うぬ。ゆめゆめ焦るでないぞ、30度まで待つのじゃ。」 いかにもベテランの臭いで固められた口調だ。さしずめ、司令官と言ったところか。 「ゆ!…33…32……たいちょう、まもなく30どです!ほうげききょかを!」 物騒な単語が聞こえてくるが何、気にすることはない。 「…よし、許可する。ココア砲構え!!」 「31…30!ここあほう、はっしゃ!!」 口からゴゴゴゴゴゴゴゴという震度2程の微妙な揺れが鳴り響いた。 「たいちょう、ここあ、とうにゅうしました、おいしそうです。たべるきょかを!」 「だめだ!まだだめだ!本当の地獄はここからだ…まりさ、掻き混ぜなさい!」 「ゆ、らじゃー!!」 ゴムべらを巧みに駆使して、ボールの底を剥がすかの如く掻き混ぜる。その度にぐわんぐわん、洗濯機のように回るまりさの首は滑稽だ。 「いいぞ、まりさ…そのままココアの粉がなくなるまでやるんだ…そう、出来る限り逆回転でも掻き混ぜるんだ。」 「ゆっゆっゆっ!」 「まりさ!温度が下がり始めたぞ!私が小ボールを持ち上げている間に大ボールにお湯を足すんだあああああ!!」 「ゆ、らじゃー!」 見事な連携で死線を潜り抜けた。 「たいちょう、ここあのこな、かんぜんにしょうめつしました!」 「よし!では仕上げに入る!このハートの型にそのチョコレートの流し込むのだああああ!!!お前の愛を全力で込めて!お前の愛する者の名を叫びながら!!」 さらにヒートアップする。 「ゆ!ぱちゅりいいいいいいいいい!!!」 「まだだ、叫べ!愛してると!!もっと自分を曝け出すんだああああああああ!!!」 「ぱちゅりいいいいいいい!!!あいしてるよおおおお!!!」 「まだだ、まだ足りない!!まだ、愛が足りない!!このままでは世界は滅びてしまうぞ!お前の手で、お前の愛でこの世界に希望を灯すのだあああああああ!!!」 「ぱちゅりいいいいいい!!まりさは、せかいをすくうよおおおお!ぱちゅりいいいいいいいい!!!」 …普通に流し込めよ… 「ふう…後は冷やすだけね…」 ここまで2時間掛かってないのだが…3日間徹夜で仕事をやりきったような疲労感が二人を生暖かく包んだ。 冷凍庫に入れ、ここからは辛抱強く待つ作業だ。 「ゆ…おいしく…できてるかな…」 まりさが不安気な影を落す。 「大丈夫よ。まりさの愛を全て込めたんだから…不味い筈がないわ。私が保証する。」 安っぽいウインクを作るが、今のまりさには宇宙一頼もしく感じられたことだろう。 すると、彼女が俯いた。 「わたしね…思い出したよ。」 話が見えず、まりさは戸惑う。 「ゆ…?どうしたの、おねえさん…」 「実は今日までずっとずっと忘れてたんだ。大切なこと。…チョコ作りに最も大切なのは食べてくれるお客さんへの“愛”だってこと。」 まりさは黙って聞くしかなかった。 「私ね、父さんと母さんが死んで…この店を守ろうってこだわり過ぎたのかな…売り上げ伸ばすことや…向かいのでっかいチョコレート屋への対抗心しか持ってなかった。」 先程までの熱く、元気な彼女が嘘みたいだ。別の仮面を被っていたのだろうか。 「お父さんの『お客様への愛を第一に』って教えをずっと忘れて…必死にもがいても、からまわりばっかでさ…だから…こんなんだから…弟にも見捨てられちゃったのかな…?」 いつしか…その目には涙が溜まっていた。 悔しい。情けない。 己が愚かで…ちっぽけな人間だということが。 「おねえさん…まりさは、おねえさんすごいとおもうよ。」 「…え…?」 「おねえさん、たったひとりでいままでがんばってきたんでしょ?それに…まりさにたいせつなことおしえてくれたよ!」 沈黙の時が訪れた。だが、そこにはどこか温かみがあって…居心地の良いまろやかさと共に溶けてしまいそうだった。 「あ、いけない…そろそろチョコレート、完成した頃ね…」 名残惜しい表情を浮かべながらも冷凍庫へと向かった。 「うわあ…これは…どんなチョコレートよりも美味しそうだね。まりさの愛が…詰まってるわ…」 そのチョコはどこか眩しく見えた。 「ゆ…ほんとうだね!とってもゆっくりしてるよ!」 まりさにも何か感じるものがあるらしい。 「さてと…この箱の中に入れるけどいい?」 「ゆ!かまわないよ!」 とうとう、まりさのチョコレートは完成した。後は…ぱちゅりーに渡すのみだ。そして…お別れの時が来た。 「ゆ!おねえさん!まりさにいろいろおしえてくれてありがとう!このごおんはいっしょうわすれないよ!」 文句のつけようのない100点満点の笑みだった。 「いいのよ。私こそ、あなたに感謝してるわ。お陰で…大切なことを思い出せた。…今度、遊びにおいで、こんどはもっと難しいチョコレートを一緒に作りましょ。」 「ゆ!わかったよ!おねえさん、それじゃあね…ほんとうにありがとう!」 気がつけばもう夕方だった。まりさが地平線の彼方へと消え去るまで彼女は見送った。それが、まりさへの礼儀となるから。 「…まりさが遊びに来るまでに潰れてなきゃいいけどね…」 軽く冗談めかして呟くが切実な願いだった。 「父さん…また、1から出直します。」 沈みゆく橙赤に向かい静かに誓った。 ―――バレンタインデー当日――― カップルが溢れ、冬だというのにピンク色の艶やかなオーラが街全体を覆っていた。 今年は男が女にチョコを渡す等という光景も多分に見られる変則的な年ではあるが、その恋色の雰囲気は例年と変わることがない。 おっと、例のまりさが箱を担いで移動してる。ぱちゅりーにチョコレートを渡しに行く途中だろうか。追いかけてみよう。 街外れの林へとまりさは向かった。そして、巣らしき穴へと入ってゆく。どうやら、ここがぱちゅりーの家らしい。 「ぱちゅりー!」 そこには…ぐったりとしたぱちゅりーがいた。まりさに呼ばれ、声のする方向へと顔を向けるが焦点が合っていない。 「…む…きゅ…まりさ…なの…ね…」 声も途切れ途切れにしか聞こえない。まりさは悲しげな表情を一瞬浮かべるが、すぐさま笑顔になる。 「ぱちゅりー、きょうはね、ぷれぜんとがあるんだよ。」 果たして喜んでいるのか…それすらも読み取れない程反応が薄い。それでもまりさは笑顔を崩さなかった。 「はい、まりさがにんげんのおねえさんのところでしゅぎょうしてつくったちょこれーとだよ!きょうは、ばれんたいんだから…そ、その…だいすきなぱちゅりーにこれをおくるよ!ゆっくりあじわってね!」 すると、ぱちゅりーは薄らと笑みを浮かべた。 「ま…りさ………あ…りが…と…」 ゆっくり、本当にゆっくりだがお礼の言葉を述べた。 「ゆ!…まりさが…あの…えっと…く、くくく、くちうつしでたべさせてあげるね…!」 顔を赤らめながらも一口千切ってぱちゅりーの口の中へと受け渡す。 そしゃくしているかも分からないが、幸せそうに…本当に幸せそうに目を瞑った。 「…お…い…しい…よ…」 「そうでしょ!まりさ、ぱちゅりーにたべてもらいたくて…いっしょうけんめい、あいをこめてつくったんだよ!せかいをすくういきおいで、ぜんしんぜんれいをかけて!!…ぱ…ちゅり…?」 先程まであったわずかな返事は…途絶えた。 「…ぱちゅりー?ねぇ、ぱちゅりーったら!ねぇ!」 あれ…? なんだか…かおがあついよ… 「もっとたべてよ!おいしいんだよ!」 あれ…? あまいちょこれーとが…にがくなってるよ… 「そうだ!ぱちゅりーがげんきになったらおそとでいっしょにあそぼうね!それから…けっこんもしようね!」 あれ…? どうして…へんじしてくれないの… 「ぱちゅり…?…ねぇ、おねがいだから、めをあけてよ!!!!ねぇったら!!ぱちゅりー!!!!!」 ぱちゅりーは仏様のように笑っていた。 愛するまりさにチョコレートを貰い。 愛するまりさの傍らでゆっくりと眠りについた。 ―――数週間後、Bitterにて――― その後も店内には彼女1人という殺風景な光景が繰り広げられている。初心に帰りチョコレート作りに励むが一度取られたお客さんを取り戻すのは難しいという現実的な向かい風に邪魔されている。 それでも、彼女は弱音を吐くことはもうない。 「さて、今日も1日頑張りますか!」 大きく背伸びしこの日が始まる。いよいよこの日も開店時間だ。 しかし…この日は勝手が違った。 「おじゃまします!!」 元気の良い声が聞こえてくると思うと、あのまりさが入ってきた。 「あれ…あんた、あの時の…まりさ!?遊びに来てくれたんだ!」 彼女は驚きと喜びの声をあげた。 「ゆ!おねえさん、ひさしぶりだね!でも、きょうはあそびにきたんじゃないよ!」 「…ん?じゃあ、一体…?」 不審に思う彼女を背に、まりさは大声を張り上げた。 「みんな!はいってきて!!」 すると…れいむが、まりさが、ありすが、ぱちゅりーが、ちぇんが、みょんが、めーりんが、さくやが、れみりゃが、ふらんが…ともかくあらゆる種類のゆっくりが中へと入ってきた。 その数は悠に100を越えていた。 「きょうは、まりさはおんがえしにきたんだよ!むれのみんなとそうだんしたら、みんなでてつだうことになったんだよ!」 彼女は、呆気に取られ、声すら出なかったが徐々に乾いた笑い声をあげる。 「あんた律儀ねぇ…そんな大きな恩売った覚えはないのに…」 「ゆ!みんなでいっちだんけつすれば、きっとだいはんじょうまちがいなしだよ!!」 ゆっくりたちによる掛け声の大合唱が始まった。 この後、Bitterは奇跡の復活を遂げることになる。 『ゆっくりたちがチョコレートを作り、宣伝し、売る店がある』という噂は日本中を駆け巡ったのだ。 ―FIN― 名前 コメント
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毎日新聞記事へ飛ぶ (元記事控) 東国原英夫知事は6日、口蹄疫対策の初動態勢について「迅速な対応ができなかった」との認識を示したうえで、今後の発生に備えた新しい法や指針の必要性を指摘した。被害を最小限に抑えきれなかった現実に「農家や地域住民、我々の向き合い方に甘さがあった」と述べた。 家畜伝染病予防法や防疫指針は、ウイルスを封じ込めるため、家畜のできるだけ早い殺処分と埋却を求めている。だが、現実には埋却地の確保や周辺住民の同意などに時間を要し、殺処分対象頭数の増加に処分が追いつかなかった。 定例会見で知事は「家伝法には忠実だった。ただ、疑似患畜が所見で発生しても、検体を動物衛生研究所(東京)に送らなければならなかった。農家には検査結果が分かるまで殺処分したくない気持ちもあった」などと振り返った。 今後に備えて「宮崎の経験や犠牲を無にしないため、もし起きたときには被害を最小限に食い止める防疫措置を行えるマニュアルが必要。次代に伝える義務がある」と述べた。【石田宗久】 毎日新聞 2010年7月7日 地方版 7月 対応 防疫関係
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絶好調&月相手に出してたってのもあるが、全国大会で防御率1点台だったで。直江もそうだけどコントロールPは野手の守備力次第で化けるな - 名無しさん (2020-09-17 01 49 15) 総評の妄想会話いらんやろ。ここWikiやぞ - 名無しさん (2020-12-09 06 34 44) ここ有志wikiやぞ。特定のキャラバカにしたりするわけじゃないならこういうのでいいんじゃないですかねぇ。 - 名無しさん (2020-12-09 09 18 29) 野崎リンクこれか体重計どっちがいいんやろ - 名無しさん (2021-08-24 02 01 54) 全国大会で使うならこれかな。ランクマのハイスコア狙いなら体重計もいいとは思うけど - 名無しさん (2021-08-24 05 25 46)
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焼き芋奉行のストール?もそうだが加奈子はビビッドな色合いのものが似合うと思う。日本人形ぽいともいう - 名無しさん (2019-02-12 02 12 46) 各駅停車が改善された現在、ピンチで力を発揮する選手って活躍できるんですかね? - 名無しさん (2019-02-12 10 43 29) ちゃんと走力に気を使ってるチームは少数派やしいけるやろ - 名無しさん (2019-02-13 06 01 33) 回跨ぎの間にバナナやなくてチョコ食っとるんやろなぁ… - 名無しさん (2019-02-14 15 31 45)
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#blognavi かなり危ないところもあったが月の涙を手に入れたので明日、アースガルドに戻る。 甘かった。アバドンは現象であって意志とかそういうもので御せる類の存在ではなかった。 駆けつけたシィルが、自分の命を顧みず偽りの月を引き剥がそうとしてくれたおかげで なんとか意識を取り戻し、アバドンをズラすことに成功した。 アバドンは完成に向かっているフレイスの防壁に向かって眷族を生み出しながら進み始めた。 今日、アバドンに中てられて少しわかったことがある。 俺を止めるために戦闘態勢に入るアイラとシェル、それを止めようとするルセリア そんな中でラシアが言った言葉が俺に突き刺さっていた。 「心を失いそうになる時は、本当に大切なただ一人を想い光とするのです」 これを聞いて、俺は誰のことも心に浮かべることができなかった。 そのせいで、シィルを危険な目にあわせてしまった。 俺には、本当に大事だと思っているたった一人というものが存在しない。 大事だと思っているたくさんのものなら存在しているというのに。 シィルには、かなり恥ずかしいこと言ったから心が決まってないなら忘れて、 と言われた。俺もうわ言でいろいろ言ったのでお互い忘れることにした。 カテゴリ [普通] - trackback- 2010年01月06日 23 09 16 #blognavi