約 12,786 件
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/25583.html
甘さ控え目のチェリーパイ(あまさひかえめのちぇりーぱい) 概要 アスタリアのミラルド(2019年度追加(☆4))の術技1。 登場作品 + 目次 アスタリア ファンタジア はるかなる時空 関連リンク派生技 関連技 ネタ アスタリア 習得者:ミラルド 分類 術技1 属性 HIT数 発動率 30% 威力 備考 - 全体回復力20%。 ▲ ファンタジア はるかなる時空 ローンヴァレイへ旅立つ際にミラルドがミントに渡した品。ミラルドの母の直伝で、クラースの大好物との事。 「甘さ控えめ」なのはクラース本人は健康のために薄味にしていると言っているが、他の人の焼いたパイは甘すぎると言って食べないのだとか。 そのパイのかけらは4精霊との契約を終えてモーリア坑道へと向かう時にまでお守りとして持っていたようで、アルヴァニスタの宿屋で革袋に未だに入っているのをアーチェが発見した。 ▲ 関連リンク 派生技 ▲ 関連技 ▲ ネタ クラースの好物料理。原点は小説「テイルズオブファンタジア はるかなる時空」上巻から。 小説「テイルズオブファンダム 旅の終わり」ではメルが4408年のアーチェに作っていた。 ▲
https://w.atwiki.jp/seitei/pages/280.html
ソース 安倍)特にね、やっぱり予算委員長だったからわかるでしょ?予算委員会で。いかにストレスがたまるのか。で、このストレス溜めてたらですね、人生100年時代にならなくてですね。なんか65ぐらいになっちゃいますから。ですからこの甘さをとりながらですね、ストレスを解消すると。甘さとってですね、逆の方向にいかないようにしなきゃいけないんですが、それはやっぱり、ストレス解消とですね、より、より早く眠れるようになるのかなと思いますね。 安倍首相 自民党ネット番組の発言 全文掲載(NHK政治マガジン 2018年9月19日)魚拓 そして、好物だというチョコレート菓子「ブラックサンダー」を放送中に一つほおばると、「(国会の予算委員会が)いかにストレスがたまるか。この甘さをとりながら、ストレスを解消する」と話した。10日に閉会した臨時国会での野党の追及も、ジューシーな食べ物と甘い物で乗り切った? 首相はジャーキー食べても「ジューシー」 あの人が指南(朝日新聞デジタル 2018年12月21日19時19分) 動画 1 08 02~
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/511.html
槍は甘さを持つ必要はない ◆y0PHxpnZqw アパートの一室で春紀達は盗んだお菓子で一足早いティータイムを過ごしていた。 テーブルに広がっているのは、ポテチにチョコレート、菓子パンなど多種多様だ。 それらを乱雑に掴み取り、噛み砕く。三人はガツガツと食事に集中しきっていた。 「はるるん、これ全部食べていいん!?」 「おう。でも、食べ過ぎない程度にしとけよ。食べ過ぎたら身体に毒だからな」 そう言って、春紀はペットボトルのコーラをゴクゴクと飲みながら、ポテチをつまむ。 れんげも真似してか、同じくポテチを口に含み、コーラを口に注ぎ込む。 傍から見ると、聖杯戦争中とは思えない気の抜けっぷりだ。 「とりあえず、これ食べたら……その、かっちゃん探しにいこうな」 「うん!!」 満面の笑みでお菓子を食べるれんげを見て、春紀も薄く笑みを見せる。 いつの時だって、子供の笑みは卑怯だ。こんなにも気分を暖かくするのだから。 「おいおい、お菓子は逃げねぇんだ。落ち着いて食えって」 こうして、世話を焼いてしまうのもれんげを妹とダブらせてるのもあるのだろう。 幼い弟妹を養うべく、笑顔を見るべく生きてきた今までと何ら変わりもない。 頭の中に想起される幸せだったひだまりが、春紀を強くする。 『それにしても、さっきの定時連絡を信じると28人もいんのな、マスター。最初に出会った奴とこいつ。そんで、マスターを入れて三人。残り24人は依然として不明。 はー、大変なこった。道程は険しく長いねぇ』 (あぁ、どいつもこいつも譲れねえ願いがあるんだろ) 『そうかい? このガキはそうとは思えねぇけど? 頭はとことん抜けてんし、定時連絡を聞いても、神様からのお告げなのん! って言いやがる。 よくもまあ、生き残れてるもんだよ、信じられねぇ』 溜息をつきながら、横目でれんげを見る杏子に、春紀は苦笑する。 平和だ。戦争に身を投じているというのに、こんなにも穏やかでいいのだろうか。 まるで自宅にいるような安心感を覚えていたその時、杏子が念話で会話を切り出した。 『なぁ、マスター』 (何だよ。菓子なら腹八分程度に) 『そうじゃねぇよ。そいつ、そのままにしていいのか?』 目線の先にはニコニコとお菓子を頬張っているれんげの姿が映る。 見ているだけで和む有り様だが、何か杏子の機嫌を損ねることでもしたのだろうかと記憶を辿ったが、特には思い当たらない。 それとも、食い意地の張った嫉妬心をぶつけるつもりなのだろうかとつらつらと考えた。 『考えたんだが、そいつよぉ。ここで殺した方がいいんじゃねぇか』 だが、流れてきた言葉はどの予想とも違う物騒なものだった。 危うく春紀は表情を崩しそうになったが、暗殺者として培ってきたポーカーフェイスからか、持ち直す。 (はぁ!? そんなこと!) 『できねぇってか? 優勝を目指してるんだ、殺すのが先か後か。それだけだろう? あたしとしてはここいらで一人蹴散らして勢いをつけておきたいんだけど、どうだい?』 現実的に考えると、れんげを生かしておく理由なんて一つもない。 非力で聖杯戦争を理解できない参加者など足手まといだ。 加えて、こんな幼い少女を一人にするサーヴァントも信用に値しなかった。 杏子の価値観からすると、同盟の範疇にすら入らない。 (…………駄目だ) 『明確な理由があるなら言ってみなよ。そいつを生かすメリットってやつをさ』 (だって、何も知らない子供なんだぞ!?) 『そんなの、理解できないそいつがわりぃじゃん? 悔やむべくはこんな戦争に参加しちまった不運だねぇ』 皮肉げに嗤いながら論調を強くしていく杏子に、春紀は押されていた。 彼女を論破する理由が見当たらない。そして、れんげをこのままにすることがどれだけ足枷になることか。 (それでも、ここで殺す必要はない。急いては事を仕損じるってよく言うだろ?) 『…………まーね。この場はそういうことにしておいてやるよ』 絶好のチャンスから目を背け、殺す覚悟が定まらない彼女は未だノースコア。 夜闇に紛れて敵を討つことが信条の暗殺者であるから、行動に移せないのは幾分か杏子も理解している。 だが、今は違う。自分のテリトリーに無力な参加者がほいほいと来ているのだから殺すべきだ。 本気で勝ち抜く気があるならば、躊躇なく殺るべきだ。 『だけど、その矛盾がいつかお前を殺すぜ?』 春紀は暗殺においてもどっしりと構え、確実性を求めるタイプだ。 何か、急がざるを得ない事態が来ない限りは攻めの姿勢に移らない。 だから、彼女はれんげを殺さないし、殺すつもりもなかった。 優勝するという決意が揺らいでることはありえない。ありえないはずなのだ。 それがただの現実逃避とも気付かずに。 『…………やっぱ似てるよ、お前は』 最後に呟いた言葉の意味を理解できず、春紀はれんげへと顔を向き直した。 ● (こりゃ駄目だね。口では悪ぶっておきながら結局は甘ったれた情を捨て切れねぇ) 春紀とれんげが仲良く会話している光景を、杏子は醒めた目つきで見ていた。 本気で勝ち抜くなら、ここで殺すべきだった。少なくとも、杏子はれんげのことを生かすメリットはないと考えている。 (別にいいんだけどさ、春紀がそれで満足なら。何処の世界でも、馬鹿は死んでも治らないし) 今回はお節介含め助言程度に言ったが、深くは踏み込む気はさらさらない。 どこぞの騎士のように忠節がある訳でもなし、彼女の考えを無理矢理に変えることを杏子はしなかった。 (ただ、こいつが死ぬとあたしも死んじゃうんだよねぇ。今のままだと、どう考えても途中で頓挫すんね。 自滅パターンに入ってやがる。 一度は死んだ命だし、そこまでマジになってねーけど……このままこいつの甘さに足引っ張られて死ぬのは癪に障る) 春紀がどんな死に様を晒すも勝手だが、聖杯戦争は相方と一蓮托生なのだ。よって、春紀のミスは杏子にも繋がる。 相方の勝手な想いに殉じて無駄死するのは、杏子としても好ましくない。 第二の人生とやらも興味はさらさらないが、縛られてすっ転ぶのは御免だ。 (誰かの為に自分を殺すなんざ――不幸しか呼ばねーってのに) 【B-9/アパート/一日目 午後】 【寒河江春紀@悪魔のリドル】 [状態]健康 [令呪]残り3画 [装備]ガントレット&ナックルガード、仕込みワイヤー付きシュシュ [道具]携帯電話(木片ストラップ付き)、マニキュア、Rocky、うんまい棒、ケーキ [所持金]貧困レベル [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争を勝ち抜く。一人ずつ着実に落としていく。 1.れんげは殺せない。お菓子を食べた後は、かっちゃんを捜しに行く。 2.食料調達をする。 [備考] ※ライダー(キリコ・キュービィー)のパラメーター及び宝具『棺たる鉄騎兵(スコープドッグ)』を確認済。 ※テンカワ・アキトとはNPC時代から会ったら軽く雑談する程度の仲でした。 ※春紀の住むアパートは天河食堂の横です。 ※定時制の高校(月海原に定時制があるかは不明、別の高校かもしれません)に通っています。 ※昼はB-10のケーキ屋でバイトをしています。アサシン(カッツェ)の襲撃により当分の開業はありません。 ※ジナコ(カッツェ)が起こした事件を把握しました。事件は罠と判断し、無視するつもりです。 ※ジョンスとアーチャー(アーカード)の情報を入手しました。 ただし本名は把握していません。二人に戦意がないと判断しています。 ※アサシン(カッツェ)の情報を入手しました。 尻尾や変身能力などれんげの知る限りの能力を把握しています。 【ランサー(佐倉杏子)@魔法少女まどか☆マギカ】 [状態]健康 [装備]多節槍 [道具]Rocky、ポテチ、チョコビ、ペットボトル(中身は水、半分ほど消費)、ケーキ [思考・状況] 基本行動方針:寒河江春紀を守りつつ、色々たべものを食う。 1.春紀の護衛。 彼女の甘さに辟易。共倒れは御免被る。 2.宮内れんげは、役にも立ちそうにないから始末しておきたい。 3.食料調達をする。 [備考] ※ジナコ(カッツェ)が起こした事件を把握しました。 ※ジョンスとアーチャー(アーカード)の情報を入手しました。 ただし本名は把握していません。二人に戦意がないと判断しています。 ※アサシン(カッツェ)の情報を入手しました。 尻尾や変身能力などれんげの知る限りの能力を把握しています。 ※れんげの証言から彼女とそのサーヴァントの存在に違和感を覚えています。 れんげをルーラーがどのように判断しているかは後の書き手様に任せます。 【宮内れんげ@のんのんびより】 [状態]魔力消費(小)(睡眠により回復) ジナコへの恐怖 左膝に擦り傷(治療済み) [令呪]残り3画 [装備]包帯(右手の甲の令呪隠し) [道具]なし [所持金]十円 [思考・状況] 基本行動方針:かっちゃんたち探すん! でも、その前にお菓子食べるん! 1.はるるんと友達なん! 2.はるるんとかっちゃんを友達にしたいん! 3.怖かったん…… [備考] ※定時連絡を聞きましたが、聖杯戦争のシステムを理解していません。 ※カッツェにキスで魔力を供給しましたが、本人は気付いていません。 ※昼寝したので今日の夜は少し眠れないかもしれません。 ※ジナコを危険人物と判断しています。 BACK NEXT 085 シオン・エルトナムと純血のロード 投下順 087 卓袱台会議 085 シオン・エルトナムと純血のロード 時系列順 087 卓袱台会議 BACK 登場キャラ:追跡表 NEXT 066 テレビとか新聞とかちゃんと見ないとダメだって 寒河江春紀&ランサー(佐倉杏子) 101 めんかい 宮内れんげ ▲上へ
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/50119.html
【検索用 あまさのひけつはらふてしょ 登録タグ 2016年 CeVIO あ さとうささら ラマーズP 曲 曲あ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ラマーズP 作曲:ラマーズP 編曲:ラマーズP 唄:さとうささら 曲紹介 Hello. Sasara so cute...... 元気があふれてキュンキュンするがいいさ、HAHAHA! 曲名:『「甘さ」の秘訣は「ラブ」でしょ?』(「あまさ」のひけつは「ラブ」でしょ?) ラマーズPによるさとうささらオリジナル曲 YouTubeでは40万再生を達成している(2021年9月現在) 歌詞 (動画より書き写し) 素直に「好き」って言ったでしょ! 本気なんだけどね 信じてくれない…… これは恋じゃないの? 何かが違うかな? これでも振り絞る勇気だったのに 初なのは理解してたけど…… 不意に繋いだ手と手は 遥か先まで踏み込むアプローチ? その答えは「ラブ」なの? 私はまだ知らないハニー? お姫様主義さえ分からないわ! まだ心の準備が出来ないくらいの急展開プリーズ! 幸せってこーゆーこと?? もっと教えて! 私だけの「味」はどう? 病み付きになるまで連れ出してね カレンダーの白紙 全部埋めこみたい 夢中になるほどに抱きしめちゃえ! 君はまだ消極的なのに 心くすぐるようなメロディー さりげない仕草でアピールしてきた! 気の迷いに惹かれて 私に溺れちゃったハニー? 「甘さ」だって余裕でしょ? とろけちゃいそう! 1つかぎりの愛情は 独り占めにしたいね ハッピー! ヤキモチってこーゆーこと?? もっと構ってね! 鈍感なんて嘘でしょ!? 私にだって分かるわ! こんな甘い甘いのに 無自覚なんて残酷ね 次第に魅力感じたら やっぱ私が1番! 最終的に決めちゃえって焦らせるから 好きは好きって言いたい!! その答えは「ラブ」でしょ? 私はまだ知らないハニー? お姫様主義さえ分からないわ! まだ心の準備が出来ないくらいの急展開プリーズ! 幸せってこーゆーこと?? もっと教えて! コメント ささらちゃんで初めて聞いた曲、、、追加ありがとうございます、、、! -- Sakura (2022-12-09 16 05 32) この曲めっちゃ好き -- 無名 (2023-06-01 20 58 36) ラマーズPさんのささらちゃんが一番好きです -- 名無しさん (2024-02-02 13 02 37) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5525.html
カボチャと紅茶と若布の甘さ 第一話 《milk tea》 「そういえば喜緑君、そろそろ生徒会室にもあの黄色いドデカボチャを飾らないか?」 「もうそんな時期ですか。いいですね、確か生徒会室の【行事物・秋・Halloween】の箱に入ってると思いますよ」 「では明日辺りにでも飾るとするか。それにしても、早いものだな」 「今年も会長の為に腕によりをかけてカボチャタルトを作りますから、楽しみにしててくださいね」 「タルトもいいが、今年はカボチャのプリンが食べたい気分だ。聞くところによるとミルクティーを混ぜると一層美味しくなるらしい」 「まぁ、会長が自分からリクエストされるなんて珍しいですね。明日は雪でも降るんじゃないですか?それにしても、プリンですか。頑張って会長のお口に合うようなカボチャプリンを作りますね」 「喜緑君が作ったものが俺の口に合わなかったことなど、今まで一度も無かったじゃないか。それに俺は君が作ってくれる料理ならどんなものでも嬉しいぞ」 「もう、会長ったら。今日は何か変ですよ?でも、こういう会長も私はいいと思います。これからはもっと自分を出されてみてはいががですか?」 「こればっかりは仕事だからな。君も知ってるだろう。仕方ないんだ」 「………」 私と二人きりの時くらいは仮面を外してそのままの会長でいて欲しい、なんて言ったら一体会長はどういった反応をしてくれるのでしょうか。残念ながらこの件に対する思念体の解答は返って来ませんでした。ですが…… 「ん?どうしたんだ喜緑君、急に黙り込んだりなんかして」 「いえ、なんでもありませんわ会長」 私はまだ今のままの関係で十分なのです。この会長のお傍にいられればそれで。 とりあえずは来たるハロウィンに向けて、カボチャプリンの作り方を勉強しないといけませんね。えーっと、ミルクティーを入れるのが会長の好みでしたっけ。そんなもの本当に合うんでしょうか? 早速家に帰って作ってみたくなりました。 と、私が一人の世界に入り込んでいたら、 「…プリン、楽しみにしてるぞ」 会長が小声で呟いています。 「はい。私も会長に食べてもらうのが楽しみです」 まだどんな味かも自分で分からないのに。気付いたらそんなことを言っていました。 会長は少しだけ俯いてから 「それじゃぁな」 とだけ言って、自宅の方へと歩いていきました。 私は少しの間だけそれを見つめてから、マンションのロビーに入りました。 さて、この世界に楽しみなことがまた一つ増えました。きっと当分は忙しくなるでしょう。 ミルクティー以外だと何が合うんでしょうかなどと考えながら、私はまた誰もいない部屋へと一人帰っていきました。 第二話 《Trick or Treat.》 今日は一日中爽やかな秋晴れで、久しぶりに上着をクローゼットから出さずに済みました。最近上着のせいで肩が凝り気味だったんで助かります。上着って意外と重いんですよね。それに動きづらくなるし。 まぁ、いつも私の寒さを防いでくれてるので、上着さんも今日はちょっとお休みできてよかったんじゃないでしょうか。 と、いうわけでカボチャプリンを作ってみました。もちろんミルクティー風味です。何てったって会長のリクエストですからね。 それにしても少し作りすぎちゃいました。折角なので誰かにおすそ分けでもと思うのですが、やはりこういう時に思い浮かぶのは…… 「……呼んだ?」 「今から行こうかなと思ってたところです。それよりも急に目の前に現れないでくださいよ。驚くじゃないですか」 「……情報操作は得意」 「何誇らしげな顔してるんですか。次からはちゃんと玄関から入って来てくださいね」 「……善処する。それよりも…… 一つ一つのプログラムが甘い。側面部の空間閉鎖も、情報封鎖も甘い。だからわたしに気づかれる。侵入を許す」 ……えーっと、急に何を言い出すんでしょうかこの子は。 「邪魔する気?」 訂正。この子『達』は。本当にいつ来たんですか、全くもう。 「このプリンを超能力者の彼にでも渡せば、間違いなく会長氏は動く。これ以上の情報を得るにはそれしかないのよ」 あれ?今何て? 「『君は俺の書記のはずだ。勝手な行動を許可した覚えはない。いいから俺の傍にいろ』」 ああ、物真似のつもりでしょうが、残念ながら全然似てませんね。 「『嫌ですと言ったら?』」 いや、言いませんから。それに会長はそんなこと言ってはくれないでしょうし。 「『全力で君を止める』」 台詞はかっこいいんですけど、ね。 「『やってみますか?ここでは私のほうが有利です。会長は生徒会室にあるハサミの位置すら分からないじゃないですか』」 それはこの前教えたんで大丈夫だと思いますよ。 「『別に喜緑君さえいてくれれば問題ないさ』」 うっ、今のはちょっと言われてみたいかも…… って、そろそろ終わらせましょうか。 「長門さん、私といる時の会長の声はもっと丸くて優しめですよ。それに朝倉さん、会長は最近ボンドと糊の区別だってちゃんと付くようになったんですから」 「……違った?有機生命体の感情という概念がわたしにはまだ理解できていない」 「あら、人間って結構学習能力あるのね。ちょっと見直したわ」 いいえ長門さん、ちゃんと理解してるじゃないですか。こうやって私をからかってることが何よりの証拠ですよ。 「それに二人とも、食べる前に何か言うことがあるんじゃないですか?」 「……美味しかった」 「それは食べた後よ。正解はいただきますだわ」 んー、どうやらもう一押しみたいですね。 「まあそれでもいいんですけど、今日は折角なので伝統に則って……」 「あ!分かったわ。長門さん、ちょっと」ゴニョゴニョ ふふ、どうやら思い付いたようですね。 「じゃあせーので一緒に言うわよ、長門さん。せーのっ」 「……「トリック オア トリート!」」 Trick or Treat. 完. おまけ 会長「なあ古泉、今回は俺が主役のはずじゃなかったか?」 古泉「当初の予定ではそうだったのですが、どうしても朝倉さんが喜緑さんに会いたいと言ってきかなかったもので…。おそらくそれはまた後日ということなのでしょう。会長もちゃんとカボチャプリン貰えるみたいなので安心してください。」 会長「ふん。俺が頼んだんだから当たり前だろ。それはそうとお前は喜緑君のプリンを貰ったのか?」 古泉「ええ、大変おいしくいただきましたよ。流石は喜緑さんといったところでしょうか、って会長!?いきなり何をするんですか!」 会長「俺よりも先にそのプリンを食べるなんてけしからん!一口よこせ!」 古泉「……もう食べてしまいましたよ。それにしてもあなたが暴力に走るなんて……これは今後に期待できそうですね」 続く.
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/1104.html
★ ☆ ★ ☆ ★ 「まったく、かがみのバカ!」 本日最後の講義が終わり、ここ数日間口を開くたびに出てくる言葉を口にしながら私は 誰も待っていない寂しいアパートに帰ろうとしていた。 「なにが料理を勉強して来るだよ! 料理は全部私に任せておけばいいじゃん!」 私がかがみの料理下手をからかったのがきっかけなのはわかっている。私が原因だって 自覚はある。けれど、そう文句を言わずにはいられなかった。 こっちに引っ越してきてからずっと一緒だったのに、急にいなくなるなんて酷い。かが みは私が毎日どれだけ寂しい思いをしているのか分かっているのだろうか。 三日前の昼過ぎに来た「無事に着いた」という内容のメールを最後に、かがみからの連 絡はまったくない。寂しがり屋のかがみの事だから、きっと毎日何度も私に電話なりメー ルをしてくると思っていたのに……。 なんだかこっちから連絡するのも癪だったので、向こうからの連絡が来るのをずっと待 っていたけど、帰宅予定の今日になってもまったく連絡がない。 「ああっ、もう。普段私が連絡しなかったら怒るくせに!」 だんだん不安になって来た。本当にかがみは今日帰ってくるのだろうか? 確か最終の列車で帰ってくるはずだから、もう列車には乗っているだろうけど……。 「とりあえず、少し早めに駅に行って待ってようかな」 別に早く駅に行ったところで列車の到着時間が変わることがないのは分かっているけど、 なんだかじっとしていられない。 とりあえず家に戻って準備をしようと、私は自分のアパートに向かって走り出した。 バス停から私たちが住んでいるアパートまでは大した距離が離れているわけじゃない。 すぐに私の視界にアパートが見えてきた。そして、そこで気づいた。 「あれっ、電気がついている……」 それが意味していることを悟り、私は一層足を速めて玄関のドアにたどり着いた。 「えっと、鍵、鍵は……」 防犯のためにドアはいつも施錠している。私ははやる気持ちを抑えられずに慌てて鍵を 取り出した。 「ただいま、かがみ!」 ドアを開けるのと同時に叫ぶ。するとすぐにかがみが居間から出てきた。 「おかえり、こなた」 普段と変わらない笑顔のかがみを見て、わたしはほっとするのと同時に腹立たしい気持 ちがあふれてきた。 「もう、かがみ! なんで早く帰ってくるならメールでも入れておいてくれないのさ! 全然連絡してこないから、私は心配していたんだよ!」 「あっ、ごめん。いろいろ向こうで思いがけない出来事があったんで、連絡するのをすっ かり忘れてしまっていたのよ」 むぅ、何があったのかは知らないけど、私への連絡を忘れる程の出来事って何さ? 「え~、え~、そうですか。かがみは私といるより、家族のみんなといるほうが楽しいん だね」 「だから、ごめんって謝っているじゃない。それと、早く帰ってくる連絡をしなかったの は、こなたに私の料理勉強の成果をみせて驚かせようと思ったからよ。 そろそろお腹が空いてきたでしょう? もう料理は大体出来ているから、もう少し待っ ていて。髪を乾かしたらすぐに晩御飯にするから、あんたも楽な格好に着替えてきたら?」 言われてみるとかがみの髪は濡れている。お風呂に入っていたんだろう。 「ほほう、なんか自信満々だね。面白い、どこまで腕を上げたか見てあげようじゃないの」 この数日でどれほどかがみが腕を上げたか、怖いような楽しみなような……。でも久し ぶりの二人での食事だ。楽しみな気持ちのほうが大きいに決まっている。 「驚くわよ、きっと。あっ、言っておくけどつまみ食いは駄目だからね」 「嫌だな、かがみ。そんなことをするわけないじゃない」 私だってそこまで命知らずじゃない。とりあえず楽な服装に着替えることにしよう。 「あっ、かがみ、胃薬は用意しといたほうがよさそうかな?」 「やかましい! いいからとっとと服を着替えて来い!」 かがみの怒声に、私は自分の部屋に退散する。うんうん、やっぱりこの反応がないとね。 かがみが帰ってきたって感じがするよ。ああっ、なんだか自然と口元が緩む。 「さぁ~て、どんな料理が出てくるのかな~」 久しぶりのかがみとの食事だ。多少焦げていたり、味に難があっても美味しく食べられ るよ、きっと。……どうか美味しく食べられる範疇でありますように。 着替えを終えた私は、意を決して居間に向かうことにした。 「……ねぇ、本当にこの料理全部をかがみが作ったの?」 私がそう思うのは当然だと思う。何日か前までりんごの皮剥きも上手に出来なかったか がみが、こんなに多くの料理を作ったなんて。 「当たり前でしょう。私以外のだれが作るって言うのよ」 かがみはあっさりそう言い、私にご飯をよそってくれた。 「いや、それにしてはあまりにも……」 サバの味噌煮込みに肉じゃがにほうれん草のおひたしと卵焼き、それに揚げ物がついて、 トドメの汁物はつみれ汁。どれもこれも見た目は非常に素晴らしかった。 「ふふん、驚いたでしょう? ほら、温かいうちに食べてよ」 得意げな顔のかがみに促され、私はとりあえず手近の肉じゃがに箸を伸ばした。 芋を適当な大きさに崩して口に運ぶ。 「……なっ……」 いや、ちょっと待ってよ。何でこんなに美味しいのさ? 私が作る肉じゃがよりずっと 美味しいよ。 「どうかな?」 かがみが味を尋ねているのは分かったけど、私はそれどころではなかった。次々と別の 料理に箸を伸ばして味を確認する。 「……どれもこれもみんな美味しい……」 信じられなかった。かがみはどれだけ頑張ったんだろう? どの料理も私が作るものよ りずっと美味しい。……あれっ、でも何でこんなにはっきり私の料理より美味しいって思 うんだろう? なんだか私の作る料理に味が少し似ている気がするからかな? 「本当? ねぇ、こなた。嘘じゃないよね?」 「嘘なんてつく理由がないよ。すごいよ、すご過ぎるよ!」 不安そうなかがみに私は力強く答えた。 「そっか……。よかった」 安堵の表情を浮かべるかがみ。そして安心したように自分も料理に箸を伸ばし始めた。 「ねぇかがみ、このつみれ、魚だよね? 包丁で叩いて作ったの?」 つみれの食感は完全な滑らかなものではなく、魚の身の食感が残っている。フードプロ セッサーを使うと滑らかにはなるんだけど、なんかいまひとつ物足りないんだよね。まぁ、 その分手間が掛かるんだけど。 「ええ、そうよ。その方が美味しいって教えてもらったから」 かがみは嬉しそうに笑う。 「じゃあさあ、この鶏肉の竜田揚げは……」 「ああっ、それはね……」 私は一つ一つの料理のことを尋ねながら食事を楽しむ。かがみも嬉しそうに丁寧に説明 してくれる。本当に美味しい料理だ。それにかがみの説明を聞いていると、どれだけ手間 隙をかけてくれているのかがよく分かって嬉しかった。 「うんうん。本当にどれもこれも美味しいよ。でも特にこの卵焼きが絶品だね。優しい甘 さで、食べるとなんだかほっとする感じだよ」 「……うん。私もこの卵焼きが大好きなの。頑張ったんだから……」 かがみは笑顔で言ったけど……。どうしてかな? 少しだけその笑顔が憂いを含んでい るように見えたのは。 「ふぅ~。ご馳走様。最高に美味しかったよ、かがみ」 あまりの美味しさにご飯をお代わりしてしまった。 「うん。お粗末さま。綺麗に全部食べてくれて嬉しいわ。あっ、お茶、飲むでしょう?」 かがみはそう言ってお茶を淹れてくれた。いや、至れり尽くせりとはこのことだね。 「あんがと、かがみ。それにしても美味しいだけじゃなくて、すっごく気持ちがこもって いる料理だったよね。私への愛にあふれていたよ」 冗談めかして言った私の言葉。きっとこう言えば、「ばっ、馬鹿! 恥ずかしい事言う な!」とかなんとか、かがみが可愛い反応を見せてくれると思っていたんだけど…… 「………ええ、そうよ。こなたへの愛情がたっぷり込められた料理だもの。それも二人分 の愛情がね……」 かがみはやっぱり憂いを含んだ笑顔でそう言い、 「こなた、少し話を聞いて頂戴。信じられない話だと思うけど、どうしてもこなたに聞い てもらいたいの」 そう続けて、真剣な目で私を見つめた。 「かがみ……。……うん、話して」 ただならぬかがみの表情に、私は姿勢を正す。 「うん、実はね……」 そう切り出し、かがみは私に話してくれた。誰が今食べた料理をかがみに教えてくれた のかを……。 「……………」 かがみの話を全部聞いて、私は絶句するしかなかった。 信じられない話だった。ううん、今も信じきれないでいる。もしもこんな話をかがみ以 外の誰かから聞いたのなら、私は絶対に信じなかったと思う。 ……けど、かがみが私に話してくれたんだ。誰よりも優しくて思いやりのあるかがみが、 嘘や冗談で私が人に触れて欲しくないお母さんの事を言うはずがない。 「かなたさんには、こなたにこのことは言わないでって口止めされていたの。でも……で もね、私はかなたさんの思いはこなたにしっかり伝えないと駄目だと思った。 どれくらいかなたさんがこなたのことを思っているのか……愛してくれているのか、こ なたに伝えなくちゃいけないと思ったのよ」 かがみは少しだけ怖い顔をしていた。……真剣だからだ。痛いくらいかがみの気持ちが 伝わってきた 「……大丈夫だよ、かがみ」 私は何とか笑顔を作る。 「お母さんは私がうんと小さいときに死んじゃったから、全然記憶ないからさ……。今更 話す事や見ることができないって言っても、今までと何も変わらないよ」 うん、そうだよ。何も変わらない。今までだってそうだったんだから。お母さんの姿は 写真で知っている。お母さんの声は……声は覚えていないけれど……大丈夫、うん、大丈 夫だよ。もともと話せるわけないんだし……。だからさ、かがみ。その顔はもうやめてよ。 見ているこっちが痛々しすぎて涙がこらえきれなく……なるか…ら……。 我慢は長く持たなかった。私の瞳から涙がぽろぽろ零れ落ち始めた。だけどせめて顔を 俯けてかがみには見えないようにして、嗚咽が漏れない様に歯を食いしばる。 「……こなた。もう一品だけ食べて欲しいものがあるの」 かがみはそう言って冷蔵庫から何かを取り出し、私の前に置いた。 「……これって……」 涙をぬぐってテーブルを見ると、皿に乗ったプリンとスプーンが置かれていた。 「食べてみて、こなた」 かがみは少し怖い顔のままそれを食べるよう促す。 「……うん、美味しそうだね……」 正直ものを食べられる気持ちじゃなかったけれど、私はそう言って一口だけ口に運ぶ。 「………甘い……」 口いっぱいに広がるとろけるような甘さと舌触りに私は驚いた。こんなに美味しいプリ ンを食べたことはない。 「その料理はかなたさんの料理じゃないの。私がいろいろ工夫して作った卵焼きよ」 「えっ、これが卵焼き?」 見た目も味もプリンそのものなのに。 「ええ、そうよ。これも卵焼きよ。丁寧に卵をかき混ぜてからしばらく置いておいて、そ れから炭火でじっくり焼くとこういう卵焼きが作れるのよ。まぁ、実際に作るのは言うほ ど簡単じゃないけどね」 簡単じゃない事は説明を聞いているだけでも分かる。炭で焼くと言っても家の中で焼け るわけがない。わざわざ外で炭をおこして焼いたのだろう。 ……そういえば、かがみはご飯を食べる前にお風呂に入っていたみたいだった。きっと 不器用なかがみのことだから、外で炭をおこすのに手間取って汚れてしまったんだろう。 ……この卵焼き、どれほど手間が掛かっているんだろう。 「前にテレビで宮崎県の郷土料理として紹介されていたことがあってね。美味しそうだっ たから、いつか挑戦してみようと思って作り方を調べておいたのよ。まぁ、良く分からな いところがたくさんあって私だけじゃ上手く作れそうもなかったから、うちのお母さんに 手伝ってもらったんだけどね」 そう言ってかがみはほんの少しだけ表情を緩めた。 「かなたさんが言っていたの。料理を作るときには、大切な人に喜んで欲しいって思いを 込めて作ることが一番大事なんだって。だから私はこなたのことを思って料理を作った。 こなたに喜んで欲しいって気持ちを込めてね。 他の料理ももちろん気持ちを込めたけど、その卵焼きを作るときには特に気持ちを込め たのよ。卵を混ぜているときも、焼いているときも、型を使って形を整えている時も、ず っとね……」 「かがみ……」 私は何と言えばいいのかわからなかった。 「……話をすることも、姿を見ることも出来ないのだとしても、かなたさんはこなたの事 を大切に思っている。こなたを愛している。その気持ちはこなたに分かって欲しいの。 そして、こなたには私がいるから。かなたさんに負けないくらい私がこなたのことを大 切に思っている。こなたを……愛しているって事を分かって欲しいのよ……」 かがみはそこまで言うとにっこりと微笑んだ。 「ねぇ、こなた。私の卵焼きの味はどうかな? 私の料理の腕はかなたさんの足元にも及 ばないけれど、こなたを大切に思っている気持ちは……この気持ちだけは、かなたさんに も負けていないよね?……」 かがみの優しい笑顔に、私の心の中に生まれた悲しい気持ちが薄れていくのが分かった。 そして私はもう一口かがみの卵焼きを口に運んだ。 ……うん、やっぱり美味しい。幸せな甘さが私の口に広がっていく。 さっき食べたお母さんの卵焼きは、優しくて心が癒されるような甘さだった。けれどか がみの卵焼きは悲しい気持ちを幸せな気持ちに変えるような甘さだ。 この甘さがかがみの思いなんだろう。私への気持ちなんだろう。かがみは「悲しいこと があっても私が居るからね」って思いを込めてくれているんだ、この甘さに。 「うん……。すごく美味しいよ、かがみ……。お母さんの卵焼きに負けてないよ」 「本当? よかった……」 だからどうしてそんなに優しく微笑むのさ、かがみは。私はかがみがどれだけ私のため に頑張ってくれているのかも知らずに文句ばかり言ってたんだよ……。なのに、それなの にかがみは……。もう、また涙があふれてきたよ……。 私はかがみになんといえばいいのだろう。 ごめんなさい? ありがとう? 違う。そ んな言葉じゃ私のこの気持ちは伝えられない。だったら……。 「……でもね、かがみ。かがみの卵焼きは少し甘すぎるよ……」 私は涙もぬぐわずに悪戯っぽい笑みを浮かべる。 「えっ、嘘! 味見はちゃんとしたはず……」 「本当だよ。食べてみてよ」 慌てるかがみに、私は卵焼きを一口分スプーンで取ってそれをかがみの口元に差し出す。 「そんなはずは……」 かがみがそう言って私のスプーンから卵焼きを口にした次の瞬間、 「んっ、あっ!」 私は瞬く間にかがみの唇を奪った。 ごめんなさい、ありがとう、大好き、そんな思いを全て込めて甘い甘いキスをする。か がみが甘い卵焼きに思いを込めてくれたように、私もこの甘いキスに思いを込めて……。 「なっ、こなた……」 長い口付けの後、顔を赤らめるかがみに私はにっこり微笑んで尋ねた。 「ねっ、甘いよね?……」 コメントフォーム 名前 コメント すごく甘すぎる! -- かがみんラブ (2012-09-23 15 18 31) マックでボロ泣きして隣の人にひかれた・・・w GJです! -- 名無しさん (2010-08-13 16 34 02) 良い話だ!大好き!! -- 名無しさん (2010-04-15 17 42 56) 月並みなレスで申し訳ありませんが 全俺が泣いた GJです -- 名無しさん (2010-01-08 02 09 04) 本スレにも書いてみたけど、保管庫で見るとまた違った味があってコレがまた・・・ ホントに何なんだろうなぁこの温かさ。 くやしい! くやしいぞぉ! -- 名無しさん (2009-03-07 01 23 09) あなたの作品心が温まります!大好きです(^O^)前作に続きまた泣かされました。 -- 名無しさん (2009-03-04 18 26 01) いい話だ… 素晴らしい! -- 名無しさん (2009-03-04 11 42 48) 投票ボタン
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/677.html
ゆっくりを虐待すると何故甘くなるか。 どうしてゆっくりは物覚えが悪いか、しかし体罰を用いると比較的記憶力が良くなるか。 等について化学的な面から推測してみました。 こじ付けなどもありますし、既存のSSと若干かぶる部分もありますが、それでもよろしい方はお読みください。 尚本設定についてはもし流用したいという方が折られましたらご自由にご使用ください。 ゆっゆっ、おれいはいちまんえんでいいよ!! ゆんやぁぁっぁアマギリさんはゆっくりできないいいい!!!! 「永琳様、お夜食はいかがでしょうか?」 今日診察した患者のカルテを検分しなおしていると、部屋の外からノックと共に鈴仙の声が聞こえてきた。 「丁度甘いものがほしかったところなのよ。今日は何があるのかしら?」 「お饅頭と金鍔がありますよー。粒餡と漉し餡がありますが永琳様はどちらをお召し上がりになられますか?」 「そうね、漉し餡の方を貰おうかしら、折角だしあなたも付き合いなさい。」 「ありがとうございますー。お部屋に上がらせていただきますね。」 そう言うなり鈴仙は急須と湯のみ2つ(最初から相伴に預かる気だったらしい)、金鍔が2つと、 そして幻想卿のガン細胞、ド饅頭ことゆっくりれいむとゆっくりまりさが乗ったお盆を持って部屋に入ってきた。 「あら?ゆっくり饅頭なんて買わなければいけないほど永遠亭の財政は困窮していたのかしらね、鈴仙への奉公金を減らそうかしら」 「ええー!違いますよ、これは薬を下ろしている先の愉宴堂(ゆえーんどう)さんがご好意でくださった分なんです。」 「あらそうなの、ということはそっちの金鍔もそうなのかしらね?」 「はいー。愉宴堂さんも最近ではゆっくりを加工した色々なお菓子に手を出しているそうですよ? 一押しはありす、ちぇん、ぱちゅりーを「くっつくよ!」させた後に職人の手でじっくりとあぶりあげた3色クリームパンらしいです」 話しながら手際よく湯飲みにお茶を注いでいく鈴仙。まぁゆっくりでも甘いものに変わりはないので食べることにする。 「おいしー!永琳様、この金鍔とっても甘い上にすーっと口の中でとけておいしいですよ!」 「そうね、こっちのお饅頭もとっても甘いわ、お茶がなかったら辛い位ね」 「いつも納入してもらっている上菓子とは一線を駕す甘さですよね。これで一個5文らしいですからすごい!」 「私はいつもの方が上品な甘さで好きだけどね、いくらお砂糖を後から添加しなくていいからといってもちょっと甘すぎるわ」 「あれ?このお菓子にはお砂糖は使われていないんですか?お砂糖の味はしてますけど。そういえばちょっと後味は軽い気がしますけども。」 「そういえばまだ鈴仙には見せてなかったわね、ゆっくりは苦痛を与えたりすることで甘くなるのよ、 此間実験したレポートがあるから後で読んでおきなさい。」 饅頭も食べ終わったし、私は言うなり本棚からファイルを一つ取り出し、その中からさらにレポートを取り出す。 (薮蛇だなぁ・・・またレポートに対しての考察を書かされちゃう・・・) 「はい、これが『ゆっくりの食料とエネルギー代謝、及び体内で用いられている糖』のレポートよ、明日までに読み上げて考察を提出しなさい」 (うう・・・やっぱり・・・今日もまた寝る時間が減っちゃう) 「はい・・わかりました。ではこれで失礼します」 鈴仙はひきつった顔をしながら部屋を出て行った。薮蛇だなぁって顔ね。 あの子ももうちょっと勉学にいそしんでくれたら私の研究もはかどるんだけどねぇ。 さぁ、私は私でカルテの検分を終わらしてしまいましょう。 鈴仙は部屋に戻って机に向かった。 考察を提出できないと後が怖いからである。 ゆっくりの食料とエネルギー代謝、および体内で用いられている糖 幻想卿に突然出現したゆっくりれいむ、及びその亜種であり、個体数が比較的多いとされるゆっくりまりさ、ゆっくりありす、 ゆっくりちぇん、ゆっくりぱちぇりー(以下これら5種を指して基本種とする)が食料及び製菓材料、 その他食料廃棄物の処理等に活用され、現在では人里では無くては成らない存在と認識されるようになっている。 理由として、これら基本種は、摂食した物質を直ちに消化し、体内にて餡子(及びクリーム)に変換するからである。 この能力は基本的に有機物に限られ、野生においては昆虫や野草、及び好物として花や果実、ハチミツ、 そして人里で栽培されている野菜などを好物として摂食するとの報告がある。 逆に土や硝子、金属などは消化できず「うんうん」として体外へ相排泄口より排除を行う。 これらの事象は概ね里の人間(彼らは自分達のことを鬼意惨などと自称していた)によって実証されている事実である。 しかしこれらの事象は上記の事実により結果は判明しているが、どのようにして中身に変換されるかの過程が不明である。 その為、本実験においてどのような物を基本種はエネルギー源としているか、また体内においてどのような挙動を行うかについて 生体実験や解剖などを用いて探索していくこととした。 まず前提として、生物は体内において、摂食した食物を分解し、それによってエネルギーを得ている。 そのため、この条件は基本種にも当てはまるものとして実験を行った。 一般的に基本種が摂食するものを参照すると、好物は甘味(あまあま)であることがわかる。 生物は欲求するものを好むため、基本的にこれらが基本種の体内でエネルギー源として用いられている可能性は高かった。 そのため、基本種のエネルギー源は糖であると仮定し、 基本種が主に摂食しているとされる物質に含まれている糖類のからの推測行うこととした。 昆虫:血液中にトレハロースを含む あまあま:基本的に人里で用いられている糖はスクロースである 澱粉類:マルトースを含む 植物類:木材はリグニンを多く含むが、基本的に基本種は木材は食さない 野草、野菜類はセルロースを多く含む これらの事象から、基本種は2糖類などを摂食し、エネルギーとして用いる糖以外は貯蔵し、 その後体内でグルコース(ブドウ糖)に分解、そして解糖系を経由してピルビン酸への代謝を行っていると考えられる。 そして昆虫等を摂食し、ニコチンアミドアデニンを取り込むことでクエン酸回路へ向かっているものと考えられる。 (発生したばかりの赤ゆっくりに酸味が残っているのは、ニコチンアミドアデニンを取り込めずにクエン酸回路が働いておらず、 ピルビン酸が体内に残っているからと考えられる) しかし、クエン酸回路が働いているならば基本種たちの燃費はもっと良いものになるはずである。 甘みを好まない野生生物も基本種を摂食しているという事実から、ピルビン酸とニコチンアミドアデニンよりアセチルCoAが 生産される時点で糖の代謝は終わっているのではないだろうかと、暫定的に仮定することとする。 さて、ここで一つの疑問が発生する。 何故基本種は肉体的苦痛、精神的苦痛(いわゆる虐待)を行うことで甘くなるのかである。 初めは生存への本能より、多量のグルコースを生産することで、運動機能の向上を行い、 危機からの脱出を図るためではないかと考えた。 しかし、鬼意惨の「ゆっくりに物事を覚えさせるには虐待しないとほとんど不可能だ」 という発言により、ある考えがひらめいた、それは 多量のグルコースを生産し、さらにそれをエネルギー源、材料とすることでグリコーゲンを生産 そのグリコーゲンの網状構造を基本主たちは記憶領域として用いているのではないだろうかという事である。 本仮説を証明するために以下の実験を行った。 基本種のうち、最も数が多いとされる「れいむ」次に数が多いとされる「まりさ」を用意した。 れいむとまりさを10個ずつ用意し、それぞれ1個ずつをペアとした。 実験方法は摂食を行う際に、「む~しゃむ~しゃしあわせ!」と発言する事をしてはいけないと言い、 もし行った場合は罰を与えるということを伝えた。 その後野菜を少量与え、上記の発言を行うことを確認したあとに下記の罰を与えた。 グループ1:軽く頭をはたいた グループ2:頭を強く叩いた グループ3:頭をとても強く叩いた、若干の吐餡を確認 グループ4:メスを用いて皮部分に切り込みをいれ、中身を外気に露出させた グループ5:注射用針を用いて、1mm刻みに中身に到達する程度まで刺突を行った グループ6:両目玉をくりぬいた グループ7:頭髪の全除去、おかざりの没収を行った グループ8:「こんなんじゃたりないよ!!!もっともってきてねくそばばぁ!!!」 「まったくきのきかないばばぁなんだぜ、こんなんじゃだれもおよめさんにもらってくれないのぜ」 と発言を行ったため、姫様の協力を持って、それぞれを永遠の世界に1匹づつ旅立たせた。 しばらく観察を行っていると「ひとりじゃゆっくりできないいい!!!」や「ゆんやぁ!どぼぢでなにもないのおおお!!!」 などといっていたが、その内に動かなくなった。ゆっくりごときの精神では永遠という世界は耐えれるものではないらしい。 グループ9:鼓蝶夢丸ナイトメアの投与を行い、睡眠中に発言を行わない旨を延々と録音機器より再生を行った。 グループ10:グループ4~10(8を除く)で行ったことを全て行った 下に行くほどに肉体的、精神的苦痛は大きいものと考えられ、それに比例するかのように悲鳴も大きいものであった。 実験後、再び少量の野菜を与え、発言を行うかを確認。 さらにその後解体し、体内のグリコーゲン濃度を部位ごとに測定した。 結果としてはグループ1~3では再び発言を行い、グループ4~10では発言が行われない結果となった。 ただし、グループ4、5においては、ペアのうちれいむだけが発言を行った。 追試を行う予定ではあるが、これはれいむの中身が粒餡状の何かであり、粒の部分が記憶を阻害しているのではないかと考えられる。 (れいむがゲス化したとされる亜種のいわゆるでいぶが、他のゲスと比べ一線を駕した能力を持っているのはこの粒構造に起因しているのではないだろうか?いずれにしても要追試する必要があると考えられる) またグリコーゲン濃度については、概ねグループの番号が大きいほど、中枢近辺のグリコーゲン濃度は高く、 頭皮周辺、口腔周辺、背部周辺、即部周辺では全てのグループにおいて差異が見られなかった。 例外として、グループ3がもっともグリコーゲン濃度が低い結果となったが、吐餡部分のグリコーゲン濃度を測定すると グループ4より高くグループ5より低い結果となっていた。 そのため、吐餡する事によって記憶を捨てている可能性が示唆された。 以上の実験により、 1・基本主は2糖類などを摂取し、普段はそのまま糖として蓄積し、必要なときに体内でグルコースに変換を行うことで活動している。 2・基本種は記憶を行うために、グルコースをグリコーゲンに変換し、その網状構造を持って記憶を行っている。 3・副次的に判明した事だが、赤ゆっくりの酸味はピルビン酸由来のものである 4・基本種が様々な虐待によって危機に陥ったときに多量のグルコースが生産される、これは次に危機に陥らないように、 記憶を行うために、グリコーゲンを生産するための材料とエネルギーを生産しているのだと考えられる。 等ということが判明した。 次回への課題として、基本種において糖以外はどのような利用をされているか、 ぱちゅりーの記憶力が一般的に良いかなどを検証していく予定である。 八意 永琳 (ふぇー永琳様ってばこんな実験してたんだ・・・) 鈴仙はレポートに一気に目を通して、そしておなかがすいていることを感じた (んー、さっき甘いもの食べたのにまたおなかすいてきちゃった、 ちょうどいいしこのレポートで学んだ事を利用して、狂気の瞳でゆっくりを苦しめてゆ菓子でも作って食べてみようかな) この時鈴仙はまだ気がついていなかった。ゆっくりの精神が想像以上に脆弱なことに。 また、そんなゆっくりを夜中に食べることの恐怖に。 この日狂気の目によって狂わされたれいむは大声を上げて苦しみ、その後鈴仙のおなかにきえていった。 そして、数日後体重計に乗ったれいさんはその時のれいむと同じくらいの大声を上げることとなった。 汚あきが書いたほかのSS fuku1811 ゆあつそうち ゆ実験物でした。長々とお読みいただきありがとうございました。 他にもゆ実験物やゆ料理物などを作成していこうと思います。 虐待パートよりも考察パートなどが長いのをなんとかしたいけど叫び声とかがマンネリになってしまって難しい。
https://w.atwiki.jp/hamaosenmatome/pages/149.html
http //news.kanaloco.jp/localnews/article/1202180008/ がれき受け入れ問題:黒岩知事に見通しの甘さと誤算/神奈川 2012年2月18日 黒岩知事の「撤回」表明は、いったん冷却期間を置きたいという意向の表れだ。知事の受け入れ方針は一貫しており、最終決着ではなく、あくまでも仕切り直しの段階に入ったことを意味している。 問題がこじれたのは知事側の見通しの甘さと誤算が背景にある。知事は昨年暮れに県議会で突然、方針を表明。処分場建設時の反対運動を無視したような頭越しの対応が、まず地元の不信感を招いた。それでも知事は「建設時も最終的には受け入れてくれた」とどこか楽観していた節がある。 皮肉にも、地元理解を得る目的で開催した「対話の広場」が決定的な誤算だった。キャスター出身の知事が司会役を務める討論会で、いじめや自殺などをテーマに回を重ねている。だが賛否が対立し、しかも知事自身が一方の当事者である今回の問題では、結果的に反対意見だけを先鋭化させる効果しかなかった。 知事の不用意な発言も影響した。記者会見などで「普通の人なら理解してくれるはずだ」「日本人として復興に協力したい」と反対意見を異端視するような発言が続き、「地元理解が大前提」と繰り返す知事の言葉は、もはや空虚にしか受け取られなくなっていた。 町内会の側には、感情的な反対論ばかりが突出することへの戸惑いもある。冷静な協議のために冷却期間を置くという点だけが唯一、双方とも合致したことになる。
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1379.html
「うーん、やっぱりつかさの作るクッキーは美味しいねー」 「えへへ、ありがとー」 休日の昼下がり、こなたは柊家に遊びに来ていた。 つかさの焼いたクッキーを食べながら、つかさと二人で楽しく話している。 こなたは三人で遊ぶ…つもりで来たのだが、生憎かがみは別の友人と遊びに行っていた。 しばらくゲームで遊んでいたのだが、ずっとこなただけのプレーが続いたのでお喋りに切り替えたのだ。 「それにしても、本当につかさは料理上手いよね。 やっぱり昔から料理は好きだったの?」 「うーん、確かに小さい頃からやってはいたんだけど… 元々、興味があって始めたわけじゃなかったんだ」 「…え、そうなの?」 つかさがいつもとは違う、柔らかさが抜けた表情になる。 その様子を見て、こなたは多少戸惑いつつも質問をした。 「…えーとさ、それじゃ何で料理を始めたの? 私みたいに仕方が無い状況で…って訳じゃなさそうに見えるし…」 「うん…丁度お姉ちゃんもいないし、良いかな。 ちょっとだけ長くなるんだけど、いい?」 少し遠くを見るような目をしているつかさ。 当時に何かあったのだろうか… こなたはそんな雰囲気を感じ取っていた。 「…うん、聞かせて」 そこから、つかさは静かに話し始めた。 姉と自分の事。 そして、自分が料理に打ち込み始めたきっかけを… ◆ 幼稚園の頃、つかさは男子にちょっかいを出されることが多かった。 もちろん4~5歳の子供がやる事なので、からかって反応を楽しむ程度のものだったが… つかさはからかわれると、すぐに泣き出すことが多かったために、ちょっかい出しの格好の的だった。 だが、そんなつかさには同じ幼稚園内に一つの頼れる存在がいた。 …双子の姉、かがみだ。 「ちょっと!つかさをいじめるな!」 「わー、『しゅごしん』がきたぞー、にげろー!」 「だれが『しゅごしん』よーっ!」 つかさがからかわれて泣き始めると、大体すぐにかがみが飛んできた。 なので幼稚園内では、『かがみはつかさの保護者』というイメージが定着してしまっていた。 「だいじょうぶ、つかさ? たまにはつかさもいいかえしなさいよ、むこうがおとこのこだからってえんりょしない!」 「あうぅ…だってだって、いいかえすなんてこわくてできないんだもん…」 「なさけないわねー、もっとしっかりしなさいよ」 「はぅ…」 生来の優しさと気の弱さが災いして、どうしても言い返す事ができないつかさ。 自分の身に問題が起こった時、必ずそれを解決するのはかがみという構図が出来上がっていた。 小さい頃からこの形が出来上がったため、かがみもつかさも特にこの事について気にしてはいなかった。 だが、後にこの関係について考えさせられる機会が起きる。 そのきっかけは、小学校に上がった時の『ある出来事』だった… かがみとつかさ、小学二年生の時。 つかさは、相変わらずの気の弱さでからかわれる事が多かった。 それでも幼稚園時代のように泣くことは少なくなったが… やはりその度にかがみが助けに入るのは変わらなかった。 そんなある日、つかさにとって一つの転機となる出来事が起こった。 給食の時間、つかさはいつものように給食当番から食事をよそってもらい、席に戻ろうとした。 だが… ガシャン!カラカラカラ… 「いたたた…うわあぁぁぁ、どうしようどうしよう…!」 机の前まで来たところで足をもつれさせてしまい、派手に転んでしまったのだ。 教室の床に飛び散った給食。 クラス内が突然の出来事に、一時騒然となる。 同時に、近くにいた友達がつかさを心配して話しかけてきた。 「大丈夫、つかさちゃん!?怪我しなかった?」 「う・うん、大丈夫だけど…あうあう、どうしよう…!」 うろたえてその場から動かないつかさ。 と、そこに別のクラスメイトの女子が割って入ってきた。 「何してるの、急いで掃除しないと! 柊さん、こけちゃったのは仕方がないから、急いで片付けて!」 言うと同時に、掃除用具入れへと飛んでいくクラスメイト。 それにつられて、他の生徒達もモップや雑巾を取り出しに行った。 …しかし、つかさはその場でへたりこんだままだ。 頭が混乱していて、次にどう行動すれば良いのか整理がつかなかったのだ。 その様子を見て、友達がつかさに声を掛ける。 「ほら、つかさちゃん。 とりあえず立って、食器を片付けよう?」 「あ…あ、うん、そうだね…」 結局、つかさは落とした食器を使用済み食器のカゴに入れただけで、掃除は全てクラスメイトが終わらせた。 そして食事の時間が終わった後の昼休み、つかさはとあるクラスメイトの女子に声を掛けられた。 「柊さん、ちょっといいかな?」 「あ、え…?」 それは、先程つかさが混乱していた時に割って入ってきた女子だった。 その事を認識するなり、つかさはすぐに謝った。 きっと、さっき動けなかった事についての話に違いない…そう直感したからだ。 「えっと…さっきはごめんなさい、私…動けなくなっちゃって…」 「…謝るんだったら、さっきは自分から行動してほしかったわね。 普通こぼしちゃったら、雑巾とかですぐに拭く位はするでしょう?」 「あ…う…」 一つ一つの言葉がつかさの心に刺さる。 だが、最も厳しい言葉がその後に発せられた。 「柊さん、普段お姉さんに守られているから…『その事』に慣れちゃってるんじゃないの? さっき長い間動かなかったのも、『誰かが助けてくれる』っていう考えが少しあったからじゃないの? 自分で何とかしようって考えたことは無いの?」 「…!」 言われた瞬間、つかさはこれまでの事を思い返した。 ちょっかいを出された時、自分がミスをした時、勉強がわからない時… そんな時、いつも姉であるかがみの姿がそこにあった。 最初はかがみが自主的に助けてくれることが多かったが、今は自分から頼りに行く事も多い。 そこには、かがみへの『依存』があった。 つかさは自分でも気がつかないうちに、『姉が守ってくれることは当然の事』と考えるようになっていたのだった。 この事実を認識した途端、つかさの心にある感情が生まれた。 それは依存しきっていた自分への悲しさか、これではいけないという焦りか… つかさ自身、うまく説明できない感情が渦巻いた。 「そ、それは…その…」 口ごもるつかさ。 この事について反論は全くできない。 しかし、つかさはこの状況で『そう考えた事は無かった』と言う事ができなかった。 言ってしまえば、つかさの中の色々なものが崩壊しそうだったからだ。 それは、つかさの自己を守るための小さなプライドだったのかもしれない。 「…まあ、仕方がないわね。 何にしても、自分からもう少し何とかしようって気を起こした方が良いと思うわよ?」 「…うん、ありがとう…」 その日、つかさは一つの決意をした。 お姉ちゃんに依存する事をやめよう… つまり、なるべく自分の力で物事を解決できるように努力しよう、と。 『姉に助けられてばかりの自分』を変えたいと思ったのだ。 …だが、決意だけでは物事はうまく進まないもの。 つかさはこの決意を立てた事によって、逆に自らの弱さを認識する事になる。 ◆ 一ヵ月後、つかさはリビングの隅でうずくまっていた。 お姉ちゃんに頼らない。 その決意を立てたはいいものの、結局以前と変わらない生活を続けてしまっているのだ。 あれから、いつもの様にかがみがトラブルの現場に駆けつけてくれた事が何度かあった。 その度につかさは、かがみに言葉を伝えようとしたが…できなかった。 『大丈夫だよ、自分で何とかするから』 …それだけの言葉が、どうしても言えない。 まだ、心のどこかで姉という存在に甘えているのだ。 そして、それはつかさの心に深く根を張っていた。 深く染み付いた『それ』は、一朝一夕に取れるものではない。 つかさは甘えてはいけないという思いと、頼りたいという心の間で悩み続けていた。 …と、その時だった。 「…つかさ?どうしたのよ一体」 かがみがリビングに入ってきた。 隅っこでうつむいているつかさを見て、何があったと思ったのだろう。 かがみは心配そうな表情で、いつもの元気さが無いつかさを見た。 「あ、お姉ちゃん…何でもないよ、何でもないから…」 無理に笑顔を作って返事をするつかさ。 しかし、そんな事でかがみをごまかす事はできなかった。 「どう見ても何でもないようには見えないわよ。 …何か悩みでもあるの?良かったら言ってごらん?」 つかさを心配してくれているかがみ。 しかし、その優しさがつかさには辛かった。 お姉ちゃんが相談に乗ってくれる。 …でもそれは、またお姉ちゃんに頼ることになる。 それだと、せっかく決意したことをまた達成できなくなる… つかさは、心の中でそう思っていた。 しかし… 「…実はね、私…」 結局、つかさはかがみに相談した。 自分はこれまで、姉に頼りすぎだったのではないかということ。 そして、自分はその状況を改善しようと頑張ったこと。 しかし、結局この一ヶ月間その目標に近付くことが出来なかったこと。 こうして相談する事に複雑な気持ちを抱きつつ、つかさはかがみに全てを話した。 「…そんな事を考えてたの?」 「…うん…」 つかさは話している間、かがみの顔を見ることができなかった。 ある意味、仕方が無い事だっただろう。 自分が頼らないように…と考えていた姉そのものに相談しているのだ。 …やはり、自分はまだ甘い。 自己嫌悪に落ち込みそうになった、その時だった。 「つかさらしくないわね、何をそんなに変な風に考えてるのよ」 「えっ?」 つかさが考えている方向とは、別のニュアンスの答えが返ってきた。 かがみは、さらに言葉を続ける。 「そりゃ、確かになるべく自分で解決できた方が良いとは思うわよ? でもさ、そうしようと決めたからって、そんな急に力がつくわけじゃないでしょ。 特につかさの性格じゃ、『ああいう』トラブルを自分の力だけで解決できるようになるのは、まだまだ厳しいわよ」 「うう…そんなハッキリと言わなくても…」 少し落ち込むつかさ。 「大体、私が助けに入るのは『他の人がつかさに向けて行動した結果起きる』トラブルだけよ? 男の子からちょっかいを出されたり、からかわれたりするパターンね。 つかさの行動で起きたトラブルには、流石に助け舟を出せないわよ。 それさえも自分で解決しようとしないなら、私もそのクラスメイトの言葉に同意するわね」 「あ、う…」 お姉ちゃんに頼らないように。 そればかりを考えていたせいで、自分自身の欠点を修正することまで気がまわっていなかった。 最初にクラスメイトから言われた言葉だったのに… …自分は何を勘違いしていたんだろう。 そんな考えが、つかさの頭をよぎる。 「…それに、つかさは自分が頼りっぱなしだって事を悩んでいたみたいだけど… 私だってつかさに頼っている事…助けられている事があるんだよ?」 「…ふぇ!?」 意外な言葉だった。 自分が姉に頼られ、そして姉を助けていた…? 全く自覚がなかったつかさにとって、その言葉の衝撃は大きかった。 「私が落ち込んでたり、悩んでいたりしていた時… そんな時、つかさはいつも私を元気付けようとしてくれてるよね。 つかさがかけてくれる言葉で、いつも私は安心できるんだ。 そういう意味では、私はつかさの事を頼りにしているんだよ」 「えっ…私…が…?」 かがみは悩んだり落ち込んだりした時、それを一人で抱え込む癖がある。 それをいち早く察知し、声をかけるのはつかさだったのだ。 助けられてばかりだと思っていたが、実は自分も姉を助けていた… この言葉は、つかさを追い詰めていた心を緩めさせるのには十分だった。 …だが、つかさの心の隅には何かがまだ引っかかっていた。 「それに、私達はまだ小学生じゃない。 そんな難しいことを考える必要は無いわよ! あれこれ考えず、今まで通りにいこうよ、ね?」 「…う、うん」 「ふふ、少しは笑顔が戻ったみたいね」 話が終わり、リビングから出て行くかがみ。 その後姿を見ながら、つかさはある事を考えていた。 自分が直していくべき部分。 それは、先程のかがみとの話ではっきりとわかった。 この事については、これからの生活でゆっくりと直していけば良い。 だが、つかさはもう一つの事も考えていた。 今までかがみが落ち込んでいた時の事を思い出していたのだ。 かがみが机の前で泣いていた時、頭を抱えて悩んでいた時… そんな様々な場面で、つかさは確かにかがみの心をフォローしていた。 そして、落ち着いたかがみが『ありがとう』と言葉を返す。 …しかし、そこにはいつものかがみから抜け落ちているものがあった。 そう、『笑顔』だ。 かがみは、とにかく心に色々な事を溜め込むタイプだ。 なので一旦落ち着いたとしても、心に余裕ができない。 心の片隅に、必ず不安要素が残るようにしてしまっているのだ。 油断してはいけないという、かがみの堅実な面がそうさせているのだろう。 しかしそれでは、精神の方が持たない。 そんな事を続けていれば、いつか何かしらの形で爆発する可能性もある。 いつも自分を体だけではなく、心まで守ってくれるお姉ちゃん。 力が弱い自分としては、せめてお姉ちゃんの心をしっかり守りたい… その為にはどうすればいいのだろうか。 またそういう状況になった時、お姉ちゃんの心を芯からほぐすためにはどうすればいいのか… その時、ふとつかさの頭に一つの考えが浮かんだ。 かがみが今まで、一番良い笑顔をしていた時の事。 楽しく話をしていたときの事。 少し重い話をしていても、ある事がきっかけで先程までの緊張が解ける時… 「…あ」 つかさは思いつくやいなや、すぐに家の本棚をあさった。 しばらくごそごそとやっていたが、ある本を一冊手に取った。 それは、菓子作りのレシピ本。 「…お姉ちゃんが一番幸せそうな時って、お菓子を食べてる時だもんね」 少なくともつかさの記憶の中で、一番かがみがリラックスしている場面はお菓子を食べている時だった。 ならば、自分の想いを込めたお菓子で心を暖めてほしい。 単純な理由だったが、それが当時のつかさが出来る精一杯の事だった。 何より、これまで自分を守ってくれていた事のお礼にもなるから。 早速作ってみよう…と思ったが、思いとどまった。 せっかくだから、ちょっとお姉ちゃんを驚かしたい。 そこで、つかさはかがみが家にいない時に菓子作りの練習を始める事にした。 ◆ 母・みきの協力も得て、つかさは菓子作りの練習を始めた。 初めての菓子作りに選んだのは、クッキー。 なるべく自力で頑張りつつも、難しい所は母の助けを借りつつ作っていった。 …そして、試作第一号が完成。 早速、母と一緒に試食してみる。 「あら、結構美味しく出来たじゃない。 初めてにしては上出来よ、これは」 「うん、思ったより良い感じに出来たねー」 想像以上の出来栄えに喜ぶ二人。 後はもう少し練習して、ちゃんと一人でも作れるようにしよう… そう思った時だった。 「あれー、つかさ、お母さんと一緒にクッキー作ったの? どれどれ、一つ食べさせてよ」 「あ、まつりお姉ちゃんー」 姉のまつりが入ってきた。 まつりは机の上に置かれたクッキーを見ると、すぐに手を伸ばして口の中へと放り込んだ。 反応を待つつかさ。 ところが、まつりからの反応は予想外のものだった。 「…あれ、何だかちょっと微妙だね…お母さん、いつもと作り方変えた?」 「えっ!?あの…まつり、あのね?」 今回はつかさが主に作ったのだ、と説明しようとするみき。 だが、まつりはそのまま感想を喋り続ける。 「何だかいつものお母さんらしくない味だね。 新しい味に挑戦しようと思ったの? 前より美味しくないから、これはやめておいた方がいいんじゃな…」 「まつり!これはつかさが初めて作ったクッキーなのよ。 私はつかさの作業を手伝っただけなの!」 言われた瞬間、まつりの顔が凍りつく。 「えっ……あ…!」 まつりの多少大雑把な性格が、ここで災いしてしまった。 つかさは母の作業を手伝っているだけだと思い込んでしまい、思った事をそのまま口に出してしまったのだ。 まつりとみきは、恐る恐るつかさの様子を見る。 つかさは、下を向いたまま黙っていた。 その様子を見て、まつりが口を開く。 「…ご、ごめん…あの…お母さんの作業を手伝っているだけかと思ってね…その…えっと…」 まつりは混乱していた。 自分が発した不用意な言葉のせいで、つかさを傷つけてしまった…と。 みきも同じように、つかさが傷付いたのではないかと心配していた。 だがその直後、つかさが急に顔を上げる。 「まつりお姉ちゃん、感想ありがとう。 もっと美味しくなるように、色々試してみるね」 二人の予想に反して、明るい表情と口調で返事をしたつかさ。 流石にこれには、まつりとみきの両名が驚いた。 いつものつかさだったら、半分泣きべそ状態になっていただろう。 しかし、今日は違った。 『美味しくない』という意見を素直に聞き入れ、なおかつもっと美味しくすると言ったのだ。 今までからは考えられないつかさの様子を見て、まつりは戸惑いながら言葉を返した。 「い、いやその…ちょっとストレートに言い過ぎてごめん。 えっと…美味しく出来たクッキー、期待してるね」 「うん、頑張るね!」 一体つかさはどうしたのだろう。 そんな考えが、まつりの頭の中を駆け巡った。 一体どうしたのか…と聞こうとしたが、流石に居心地が悪かったのか、そのまま退席した。 一方、当人のつかさはもっと美味しく作ろうと意気込んでいた。 (そうだよね、やっぱり食べてもらうならしっかり美味しいものを作らないと… 誰が食べても『美味しい』って言ってもらえる位のものにしなくちゃ! …何より、かがみお姉ちゃんに美味しいって感じてもらわないと意味が無いもんね) そう、今のつかさは『かがみに美味しく食べてもらいたい』という事だけを考えていた。 理由はどうあれ、思いというものは人を強くする。 つかさは色々な意見を貪欲に取り込み、より良いものを作ろうという気概に満ち溢れていた。 …それからしばらくの間、つかさはかがみが家にいない時を使ってクッキー作りの練習を続けた。 そして一ヵ月後… 「うん、良い感じにできたーっ!」 休日の昼過ぎ、台所につかさの声が響いた。 あれからつかさは何度も改良を重ね、少しずつクッキーの味を高めていった。 そして一ヶ月経った今日、最初の頃とは比べ物にならない程のクッキーを作り上げたのだった。 まずは自分で試食するつかさ。 どうやら、納得がいく味にできたようだ。 そこでつかさは母を呼び、出来上がったクッキーを試食してもらった。 「まあ、これ凄く美味しいじゃない! お母さんも形無しだわ…腕を上げたわね、つかさ」 「えへへ、頑張ったもん」 嘘偽りの無い賞賛の声に、つかさは少し恥ずかしそうに、しかし嬉しそうに笑った。 ようやく美味しいクッキーが作れるようになった。 後は、かがみに食べてもらうだけ… その時だった。 「…ただいまー」 玄関の戸がゆっくりと開けられる。 声の主はかがみだ。 いつもなら5時近くまで遊んでいるのに、今日は早く戻ってきた。 「お帰りなさい、かがみ。 今日は珍しく早いわね?」 「お母さん、ただいま。 …うん、今日はちょっと早く解散しちゃってねー」 笑いながら返事をするかがみ。 だが、つかさの目には笑顔の裏の顔が見えていた。 (…お姉ちゃん、何かあったみたいだ…) そのまま部屋に戻るかがみ。 つかさは、後を追ってかがみの部屋へ向かった。 扉の前に近付くと、中から声が聞こえてくる。 …それは、押し殺した泣き声だった。 流石にこの状態で部屋に入るわけにはいかない。 かがみの状態が落ち着くまで待った後、つかさは部屋をノックする。 「…お姉ちゃん、入っていい?」 「…つかさ?…いいわよ」 声の雰囲気だけは、いつもの状態に戻っていた。 部屋に入ると、そこには机の前に座った、少し目のまわりがほんのり赤いかがみがいた。 「どうしたのよつかさ、何かわからない事でもあったの?」 あくまで平静を装うとするかがみ。 しかし、無理をしているのがつかさには丸分かりだった。 「…お姉ちゃん、今日何かあったの? 帰ってきた時、何だか様子が変だったから…気になって…」 「…!」 その瞬間だった。 かがみがつかさに抱きつき、泣き出したのだ。 いきなりの事につかさは驚き、戸惑った。 「お、お姉ちゃん?」 「つかさ…うっ…聞いてよぉ…ぇぐっ…」 つかさはかがみをなだめながら、話を聞いた。 聞くと、友達と遊んでいる最中に些細なことで喧嘩したらしい。 それだけならまだ良かったのだが、相手がかがみの持っていた人形を壊したのだった。 それは、かがみが一番気に入っていた、そして大事にしていたもの。 目の前でそれを破壊されたショックから、かがみは相手に一発ビンタを入れてそのまま帰ってきたらしい。 「そうだったんだ…」 「大事だったのに…お気に入りだったのに…!」 先程とは違い、今度はしっかりと感情を表に出しているかがみ。 やはり一番近い、そして一番気を許せる存在の前だからだろうか… そこには姉と妹という関係を越えた、信頼しあえる二人の関係があった。 「お姉ちゃん、元気出して。 お人形は壊れちゃったかもしれないけど、今までの楽しかった思い出は残ってるでしょ? …あのお人形さんは、ずっとお姉ちゃんの心にいるよ。 だから…泣かないで…」 「うっ……ひぐ…っ…!」 それからしばらく、かがみはつかさの胸で泣いた。 とっても頼もしいお姉ちゃんだけど、意外と弱いところもあるんだな… そんな事を、つかさは考えていた。 …そして十数分後、かがみは落ち着きを取り戻した。 「…ありがと、つかさ。 また…助けて貰っちゃったね」 「ううん、私はお姉ちゃんの話を聞いただけだよ」 「…あはは、相変わらずつかさは控えめねー」 かがみの顔に笑顔が戻る。 と、その時だった。 かがみが急にバランスを崩して倒れそうになった。 「うわっ…とと…」 「お、お姉ちゃん?どうしたの?」 「うん…ちょっと疲れちゃったみたい。 今日は色々あったからね…」 先程までは気がつかなかったが、確かにかがみの表情には疲れの色が出ていた。 喧嘩と怒りから来た疲労、そして泣いた事による体力の消費が大きかったからだろう。 ひとまず、つかさはかがみをベッドに寄りかからせる。 そして、しばらくつかさはどうしようか考えていたが… 「お姉ちゃん、ちょっと待っててね」 言うなり、つかさは部屋を飛び出した。 急に部屋を出て行ったつかさを見て、かがみはきょとんとする。 つかさ、急にどうしたんだろう… 普段とは少し違う様子のつかさを見て、かがみは多少不思議に思っていた。 しばらく待っていると、とたとたと音を立てながらつかさが戻ってきた。 「お待たせ、お姉ちゃん」 「急にどうしたの?…って、それは?」 つかさの手には、かがみが戻ってくる前に焼き上げたクッキーを乗せた皿があった。 そう、この時のためにつかさは今までクッキーを作る練習をしていたと言っても過言ではない。 部屋の真ん中にある机に皿を置き、つかさがゆっくりと喋り始める。 「疲れちゃった時には、やっぱりお菓子を食べるのが一番だよ。 お姉ちゃんが帰ってくる前に、クッキーを焼いたんだ。 一緒に食べようよ」 「え?…これ、つかさが作ったの!?」 かがみにとって、それは衝撃的な事だった。 かがみはつかさが今まで料理をしている所を、全く見たことがない。 しかし、つかさが持ってきたクッキーは見た目からしてとても良く出来ていた。 ほんのりと良い香りも漂っている。 気が付くと、かがみはクッキーに自然に手を伸ばしていた。 「じゃあ…いただきます」 「うん、食べてみてー」 まだほんのり温かいクッキーを、かがみは口の中へ入れる。 その瞬間、香ばしくて優しい香りが口の中一杯に広がる。 それは、かがみの予想を超えた美味しさだった。 「えっ…お、美味しいっ! こ、これ本当につかさが作ったの?凄すぎるわよ!」 「えへへ…ありがとうー 実はお姉ちゃんが家にいない時、こっそり作るのを練習してたんだ。 お姉ちゃんに食べてもらいたいなって思って…」 クッキーを食べるかがみの顔には、先程まで泣いていたのが嘘だったかのような笑顔になっていた。 そんなかがみを見て、つかさもつられて笑顔になる。 (よかった…お姉ちゃん、心が和らいだみたい。 やっぱり一生懸命作って良かった…) かがみの様子を見て、ほっとするつかさ。 自分も一緒に食べようとした、その時だった。 「…つかさ、ありがとう」 かがみが声をかけてきた。 それに気付いたつかさはクッキーを取ろうとした手を止め、声の主を見る。 そこには、普段はめったに見せる事の無い、優しい表情をしたかがみがいた。 「このクッキー、とても美味しいわよ。 …それに、凄く優しい味がする。 つかさの優しさや思いが伝わってくるような…そんな味がする」 「そ、そんな、大げさだよー」 「いや、本当よ。 …やっぱり私は、こういう所はつかさに敵わないんだなって思うわ。 つかさの優しさには…とってもね…」 穏やかな表情で話すかがみ。 つかさはその言葉を、静かに聞き続けた。 「…つかさのお菓子は、体にも心にも優しいと思うわ。 私にとって、一番美味しくて嬉しいものかもしれない。 だから…今度またつかさが何か作ったら、是非食べてみたいな」 かがみが顔を少し赤くしながら、つかさに微笑みかける。 つかさはそれを受け、自然に言葉を返していた。 「うん、もちろんだよ! これから色々美味しいお菓子を作っていくから、期待していてね!」 「本当!?それじゃあ、楽しみにしてるね!」 満面の笑顔で喜ぶかがみ。 つかさも、そんなかがみを見て笑顔でいっぱいになっていた。 この日はかがみにとって、とても辛い日になった。 だが、同時にとても幸せな日でもあった。 …そして、つかさにとっても最高に幸せな一日になった。 それは、姉妹の絆がより深まった日。 この日が二人にとって、人生に深く刻まれる日の一つとなったのは間違いなかった… ◆ 「…そっか、つかさが料理を始めたきっかけは、かがみを思っての事からだったんだね」 「うん、それからお菓子作りにはまって、段々普通の料理にも興味が出てきて… 気が付いたら、今みたいな感じになってたんだ」 目の前にあるクッキーを手に取り、こなたがふと声を漏らす。 「この美味しいクッキーも、かがみがいたからこそ出来たって訳かあ。 …何だかちょっと、かがみとつかさが羨ましいな…」 こなたは、かがみとつかさの『姉妹としての絆の深さ』に羨ましさを覚えていた。 もし、自分にも実の姉や妹がいたらどうなっていたのだろうか… そんな事を、つかさの話を思い出しながら考えていた。 と、その時。 「たっだいまー! あ、こなた来てたんだ?いらっしゃいー」 「やあかがみ、お邪魔してるよー」 「ちょっと待っててね、荷物置いてくるからー」 かがみが帰ってきた。 いつもと変わらぬ笑顔で帰ってきたかがみ。 しかし、友達と遊びに行っていた割には帰ってくるのが早い。 こなたはそれを見て、つかさに一つ質問をした。 「…ねえつかさ、今日のかがみはどう?」 「え?…ふふ、大丈夫だよ、今日は特に何も無かったみたい。 多分友達の都合で、早く解散しただけじゃないかな?」 「そっか…あはは、良かった。 …でも、泣いちゃうかがみを少し見たかった気もするけどね」 「流石にもうそんな事はないでしょー、私達もう高校三年生だしね」 「はは、そうだよねー…以前ダイエット失敗した時は泣いてたけど」 「あはは…でも、それお姉ちゃんの前で言っちゃ駄目だよ?」 笑いあうこなたとつかさ。 丁度そのタイミングで、かがみが部屋に入ってきた。 「お待たせー…って、何二人で笑ってたの?」 「んーん、何でもない、ただの世間話だよ。 それよりほら、さっきつかさがクッキー焼いたから一緒に食べよー」 「おー、それじゃ早速頂こうかしら」 「食べ過ぎてまた太らないようにねー」 「うるさいわ!」 料理やお菓子の美味しさをさらに素晴らしくする要素。 それは、作り手の心。 思いを込めて作ったものを食べれば、皆も自然と笑顔になれる。 今、こなた達はとても良い笑顔で喋り、笑いあっている。 その絶えぬ笑顔は、つかさのクッキーに込めた思いがこなた達の心に響いた結果なのかもしれない。 コメントフォーム 名前 コメント かがみ×つかさ!なんか良い話 で、感動しました。 -- チャムチロ (2012-08-29 15 57 08) 話はよかったけど普通給食こけて倒したら小学生なら慌てて混乱するんじゃね? -- 名無しさん (2011-04-21 16 48 37) こんなお話が大好きです -- 名無しさん (2008-08-11 15 54 37) いい話でしたGJ -- 九重龍太 (2008-06-15 09 30 35) GJ!GJ!!GJ!!! -- 名無しさん (2008-04-03 00 24 24) ええ話や! -- 名無しさん (2008-04-01 13 35 56) なんとも素晴らしい。 かがみの為に頑張ってたのがいいですね。 -- 名無しさん (2008-01-31 09 08 08)
https://w.atwiki.jp/lls_ss/pages/1130.html
元スレURL 梨子「甘さと春と」曜「修学旅行!?」 概要 気になるあの子への想いを抱えた修学旅行 それは桜色の季節の前触れ タグ ^桜内梨子 ^渡辺曜 ^高海千歌 ^恋愛 ^ようりこ 名前 コメント