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登録日:2012/05/02(水) 21 51 10 更新日:2024/06/14 Fri 01 18 55NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 06年秋ドラマ 2003年 PG12 TBS まげてのばして コミカライズ化 ソープ嬢 ドラマ ミステリー ミュージカル 一代記 不幸 中島哲也 中谷美紀 伝記 刑務所 嫌われ松子の一生 実写化 小説 山田宗樹 幻冬舎 教師 映画 映画はコメディ 空知周太郎 転落人生 鬱展開 松子。人生を100%生きた女。 2003年に発売された山田宗樹のミステリー小説。 教師をクビになったことがきっかけで人生の坂を転がり落ちる一人の女性の半生を、 彼女の死後それを追う甥の視点とを併せて描いている。 内容からも分かるように非常に重苦しく救いのない展開が続く小説だが、 2006年に公開された映画では全体的に華やかなコメディタッチのミュージカルで構成されており、 展開のテンポの速さによって鬱成分が若干軽減されている。 こればかりは、監督の中島哲也氏のセンスに脱帽するほどである。 なお、松子役を演じた中谷美紀は撮影中何度も監督に怒られノイローゼ気味になったとか。 2006年には連続ドラマ化されたが、こちらはあまり評価は高くない。 【ストーリー】 東京で自堕落な生活を行っていた福岡出身の青年、川尻笙はある日父から今まで存在すら知らなかった伯母、 松子の死を聞かされその遺品の整理を言いつけられる。 自室のアパートで撲殺死体で見つかった松子は、生前の奇行でアパートの住人から「嫌われ松子」と呼ばれ、 実の弟である父も彼女には関わりを持たないようにしていた。 一体伯母とはどんな人物だったのだろう? そんな疑問を持ち彼女の部屋を整理する笙だったが、 生前の松子を知る人物が次々と現れ、想像を絶する過酷な人生が彼の目の前に現れる。 それもこれも、30年前は美しい中学教師だった松子がある事件をきっかけに学校をクビになったことから、 全てが始まった……。 【登場人物】 ~現代・主要人物~ ○川尻松子 主人公にして悲劇のヒロイン。 妹にばかり構う父からの愛情に飢えており、愛されることを何より望んでいる。 だが、生まれつきやり方が不器用であるために悉く空回りしてしまう残念な女性。 変な所でプライドも高く、それゆえに上手くいかないことも多々あった。 ○川尻笙 現代パートの主人公。バンドを目指して福岡から上京したが失敗、彼女にも振られニート生活真っ最中。 そんな折に伯母の死を聞かされ、彼女の生き様を目の当たりにすることで自身の人生観を考え直し始める。 ○川尻紀夫 笙の父で松子の弟。極めて一般的な人生観を持つ会社員。 以前は普通の姉弟仲だったが、川尻家崩壊の原因となった松子を憎み、最後まで彼女を受け入れることはなかった。 ○沢村めぐみ 刑務所時代に知り合った松子の唯一と言っていい友人。 AV女優を経てAV製作会社の社長を務めている姉御肌な女性。 境遇に関係なく松子に親しく接していたが、龍の登場で彼女に拒絶されてしまう。 そのことは死んだ今もなお後悔として残ることになった。 ○龍洋一 松子の中学時代の教え子であり、彼女を窃盗の濡れ衣を着せクビに追い込んだ張本人。 しかしそれは松子への恋心の裏返しだった。 松子が35歳の時にはヤクザの一員となり、彼女と偶然再会し愛を告白。 これにより彼女をヤクザの道に引きずり込んだことになったが、上から命を狙われ逮捕。 しかし彼女の純粋さに耐えきれず、出所後に松子の元から去った。これは双方にとって大きな打撃になってしまった。 ○渡辺明日香 笙の元カノ。続編小説では主役を飾る。 【23歳・中学教師編】 ○田所教頭 修学旅行の下見で松子に乱暴を働き、ていをつけて売店の窃盗容疑で松子をクビにした。 原作では逃亡中の龍に殺される。 ○佐伯俊二 松子の同僚の教師。松子が恋い慕う好青年。 恋人同然だったにもかかわらず窃盗事件で破局になった。 ○川尻久美 松子の妹。生まれつき病弱で両親から特別可愛がられている。 それゆえに松子からは嫉妬と憎悪を抱かれていた。 その反面松子のことは大好きなシスコン。 だが、松子の家出で彼女の精神は破綻をきたしてしまう。 ○川尻恒造 松子の父。病弱な久美にばかり愛情をかけ、松子のことは昔から疎かになっていた。 だがその実、彼女の家出には一番気にかけており、内心愛情を絶やしていなかった。 【23~24歳・DV被害者/不倫編】 ○八女川徹也 作家志望の青年だが、小説が一向に売れずアル中になり当時同棲中だった松子に暴力を振り続ける。 太宰治ばりの分裂症気味な男。 最期は松子の目の前で自殺した。 ○岡野健夫 八女川のライバル。八女川への劣等感から、彼の死後かつての恋人松子と不倫関係を続ける。 だが、松子の出来心のせいで妻に不倫がバレて彼女を捨てた。 【25歳・ソープ嬢編】 ○赤木 ソープランド「白夜」のマネージャー。 松子の生きのいい脱ぎっぷりを気に入り彼女をソープ嬢に採用。 内心彼女に好意を抱いていた。 ○綾乃(斉藤スミ子) 「白夜」のソープ嬢。松子の教育係で、彼女とはよくコンビを組んで奉仕した。 原作では不幸な最期を迎える。 【26歳・殺人編】 ○小野寺保 ソープランドでの松子の常連客。滋賀の雄琴で一発当てるために彼女とコンビを組むも、 ヤク中の挙句彼女の金を浮気相手に注ぎ込んだことが発覚、激怒した松子に刺し殺された。 【26~34歳・刑務所編】 ○島津賢治 東京で理容師をしている男性。逃亡を続け、自殺未遂の松子を助け彼女を世話した。 松子は出所後彼と暮らすために刑務所で美容師の資格を取るが、出所後彼は既に別の女性と結婚し子供もできていた。 【34歳・美容師編】 ○内田あかね 松子が勤めていた美容室の店長。 ≪川尻松子の一生≫ 1947年 川尻家の長女として誕生 1970年 大川第二中学に教師として赴任 1971年 修学旅行で窃盗事件発生 松子はとっさに教え子の罪を被るが、責任を押し付けられ学校をクビにされる 生家を家出 八女川と同居生活 父病死、八女川自殺 1972年 岡野と不倫生活 その後破局 「白夜」のソープ嬢に採用、人気ナンバーワンに しかし、素人ソープ嬢人気に押されクビに 1973年 小野寺と共に雄琴に異動し、ソープ嬢を続ける 1974年 痴情のもつれで小野寺を殺害 東京へ逃亡、玉川上水で入水自殺未遂 島津と知り合い数日同居、その後逮捕、投獄 1974年 ~ 1982年 刑務所内で美容師の資格を取り、東めぐみと知り合う 1982年 刑務所を出所、美容室で働く めぐみと再会 1983年 教え子・龍と再会、同棲開始 組織から命を狙われ、龍逮捕 1987年 龍出所するも拒絶、のちに再逮捕 紀夫と最後の会話、幼い笙に会う 1988年 荒川沿いのアパート「ひかり荘」で引きこもり生活開始 2001年 病院でめぐみと再会、名刺を渡されるも公園に捨てる 夜、考え直し名刺を探しに行くがそこでリンチに遭い殺される(享年53) 追記して 修正して お腹がすいたら帰ろう。 アニソンを うたって アニヲタWikiに帰ろう。 「おかえり」 「ただいま」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 教頭…それは天罰というんよ。 -- 名無しさん (2014-06-11 20 47 03) 映画と原作では龍の末路が全然違う。原作では教会の仕事を手伝ったりする真人間に更生したけど映画では松子の死を知った後自暴自棄になって暴れてまた逮捕されてる。松子に対する仕打ちを考えればある意味映画の方が妥当かもしれんが。 -- 名無しさん (2014-06-19 22 10 57) サントラが欲しくなる映画だった -- 名無しさん (2015-04-03 12 13 14) 記事読む限りこれがコメディになるのが想像できない -- 名無しさん (2016-10-09 20 48 05) 大体龍のせい -- 名無しさん (2020-02-13 16 23 42) 名前 コメント
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ゲームの三国統一メッセージと表情をそのまま載せてます。 星や春蘭の日本語が怪しいのはゲームのほうの誤記です。 画像がない武将は、いま手持ちにおらず、画像が取得できないため、 後日あげます。 三国統一お疲れ様。ご主人様のおかげで私、ここまでこれたよ。私ご主人様のこと、大好きだよ♪ 三国統一おめでとうございます、ご主人様。はじめの頃に比べると、ご主人様はずいぶん成長なされましたな。で、できればこれからも一緒にいてくれると嬉しいのですが…。 おかえりなさいなのだ!三国統一なんてとってもスゴイのだ!これからは食べたいものをたーくさん食べられるのだ! お疲れ様です。もう、私から教えることは何もありませんね…。はわわ、な、泣いてなんていませんからね!本当です!ちょっと寂しいなとか思っていませんからね! 戦勝おめでとう主。私は主が友であることを誇りに思うぞ。これからも主の槍として、共に戦っていこうではないか。そうだな、二人で正義の味方になるのというのもいいな…。 お疲れ様です、ご主人様。これからは夫婦水入らずで過ごせますね♪あらあら、照れなくてもよろしいのに。 お疲れだったな、お館。三国統一なんてすごいじゃないか。さぁて、これから色々と忙しくなるぞ。ほら、立った立った! ふぇ~ん、ご主人様ご無事でよかったです~。わ、私三国統一なんて夢みたいです~。ご主人様にお仕えできて本当に光栄です~。 おかえり、ご主人様!三国統一おめでと!これからご主人様との生活を想像すると…にひひ、色々楽しみだね~♪ おかえりなさいませ。三国統一お疲れ様でした。これでもう誰とも争わなくていいんですね。私は、それだけでもう十分です。本当にお疲れ様でした。 いくら三国統一したからって気が緩みすぎなんじゃないの?もう、ボクがいないと本当にダメなんだから…でも、お疲れ様。べ、別にちょっとカッコイイとか思ったわけじゃないんだからね! 三国統一、ご主人様すごい。平和だとみんな楽しい…いっぱい寝て、ごはんたくさん食べられる…。 ほ、本当に三国統一をしてしまうなんて…むむ~、こうなれば陳宮も認めるしかないようですね…。 おっかえり~!三国統一おめでとうな~!もう、むっちゃかっこ良かったわ!うち惚れ直したで~! 三国統一、見事だったわ。ま、この私が選んだのだから当然といえば当然ね。これからも私と共に歩みなさい、これは命令よ♪ 三国統一とはお前もなかなかやるじゃないか。見直したぞ。だが、この程度で私は満足せんぞ!目指すは三国最強だ!そのために、お前にはもっともっと強くなってもらなわんとな! 秋蘭 三国統一おめでとう。素晴らしい戦いぶりだったな。きっとお前じゃなければ、できなかったことだろう。これからもよろしく。頼りにしているぞ。 すごいよ!ホントに三国を統一しちゃったんだね!それじゃお祝いしようよ!ボクおいしい店知ってるんだ! おかえりなさい!三国統一おめでとうございます!あ、そうだ!やっぱりお腹すいてますよね?それじゃあ腕によりをかけて、ごちそうを用意しますね! 三国統一、おめでとうございます。私もあなたにお供することができて…う、嬉しさのあまり鼻血が…ぶは~! おお、三国統一おめでとうなのです。やはりあなたは私が見込んだとおりの人だったのですね~。これからもこの大陸を照らし続けてくださいね~。 お疲れ様でした。三国統一おめでとうございます!私は、あなたと共に戦えたことを心から誇りに思います! ようやったな。お疲れ様~。これからはうちのからくりも平和のために使わなあかんなぁ。そんじゃさっそく実験台お願いするで~! 三国統一おめでとうなのー!これからはお洒落し放題なのー!いや~ん、想像するだけで楽しみなのー♪ 三国統一おめでとー!さぁ、お酒よお酒!じゃんじゃん飲むわよー!ふふ、三国統一なんて本当に夢みたい♪ 蓮華 おかえりなさい。三国統一なんて夢みたいね。これからは時間もたっぷりあるんだし、今はゆっくり休むといいわ。 おかえりなさーい!三国統一おめでと~!それじゃあ平和になったことだし、私がお嫁さんになってあげるね♪ まさか三国統一をやり遂げるなんてのぅ。まったく、長生きはしてみるもんじゃな!さぁて次はどんな夢を見させてくれるか楽しみだわい! 冥琳 三国統一おめでとう。見事な手腕だったな。ふふ、これからお前の隣でどんな景色を見られるかと思うとワクワクするな。 三国統一、見事だったぞ。そうだな、お前といるのも悪くはないな。これからもよろしく頼む。 お、お疲れ様です!三国統一おめでとうございます!この大陸に平和が訪れるなんて…私とっても嬉しいです。今度ごま団子をたくさん用意して、どこかに行きましょうね! お疲れ様です!三国統一おめでとうございます!私、平和になったら、たくさんのお猫様と一緒に暮らすのが夢だったんです!はわ~お猫様~♪ お疲れさま~♪待ってたよ~♪三国統一なんてびっくりしちゃった~。それじゃあ、たっくさんご褒美あげちゃうね~! おーほっほっほ!三国統一の大義、褒めて遣わしますわ!ああ、大陸中に広がる私の名声…想像しただけで笑いが止まりませんわ! 三国統一なんてスッゲーな!しびれるかっこ良さだぜ!やっぱ次は三国最強を目指すんだよな!?男はでっかく夢持たねーとな!よーし早速特訓しようぜ! ご無事で何よりです。そして三国統一おめでとうございます。これでもう平穏な日々を過ごせるかと思うと、それだけで涙が出ちゃいそうです…。 美羽 三国統一ご苦労なのじゃ!これからはハチミツ水を飲み放題なのじゃ~♪ あらら、三国を統一しちゃいましたか~。ま、私はいつかやると思ってましたよ。ホントですよ?ほらほら、人間疑いもせず素直に喜ぶのが一番ですよ~♪ 三国統一おめでとうなのにゃ!みぃも嬉しいにゃ~!今度は南蛮で大王になるにゃ~! おかえりなさぁい!もう、どこいってたのよぉん。寂しかったわぁん♪さあ、私のガッチガチの胸板で抱きしめてあげるぅん! お疲れ様。三国統一、よくやったな。だが、まだまだこの大陸には病魔が蔓延っている!いくぞ!俺たちの戦いはこれからだ!
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機甲盤古 第十章 http //www.comibook.com/cb207 <翻訳者コメント> 1ページ タイトル:仙縫鎭〔4〕 2ページ 守芬(…………ダメだ……) 3ページ 守芬(こんな配線構造見たことない…) (機体設計図でもなきゃ、手が付けられないわ!) 「魯泉。盤古の機体設計図ってあるかしら?」 魯泉「き、機体…何?」 守芬「…わからないか」 「せめて説明書だけでもあれば…」 「修理の取っ掛かりが掴めるのだけど」 魯泉「…説明書?」 4ページ 盤古『説明書みますか?』 魯泉『え? いいよ。ぼく読み書きができないんだ』 魯泉「あ!」 「あった! これだ!」 「説明書ってこれかな?」 守芬「そうこれよ!」 「見て! 構造の説明が載ってる!」 5ページ 守芬「これだけ詳細に書かれてれば、修理だってできるわ」 魯泉「やった!」 守芬「ん?」 「元始? これどの時代の年号かしら?」 魯泉「うーん…いつだろう?」 守芬「ちょっと調べてみましょう」 「……え?」 6ページ 守芬「盤古の出荷日2000年前だわ!」 魯泉「ええ!?」 「ロボットって2000年前にもあったの?」 守芬「あるわけないでしょ! 火薬だって無かった時代よ!」 (あり得ないわ、こんなこと…) (けど、確かに盤古はこの時代の産物じゃない……) (こいつは…) (存在自体が謎めいている……) 7ページ 守芬(今はそんなこと考えてる場合じゃない!) (説明書が見付かったんだ。これなら…) (きっと盤古を直せるわ!) 鍾洋「それで…守芬は工場の整備室にいるわけか」 8ページ 鍾洋「なあ、友俊」 「俺を助けた、あの亀の名前は?」 友俊「盤古…」 9ページ 友俊「彼の名は、メカ亀盤古」 10ページ 魯泉「目を覚ました!」 守芬「人工知能回路が修復されたからね」 魯泉「盤古……」 守芬「修理自体はまだ全然だけど、これで一先ず安心じゃないかしら?」 魯泉「うん、ありがとう。守芬姉さん!」 「盤古…ごめん…」 盤古「………ご主人様?」 11ページ 魯泉「こんなに傷付いてしまって…きみはいつもぼくを助けてくれるのに……」 「ぼくには、きみを助ける力がなくて……」 盤古「………」 魯泉「故郷まで連れて行くって言ったはずが、こんな目に合わせてしまって」 「ぼくがもっと強かったら、盤古を守ってあげられるのに……」 12ページ 守芬「何言ってるのよ…」 「あなた、さっき工場で2度も盤古を助けてたじゃない」 「強くなくたってやれることはあるわ。違う?」 魯泉「………でも…」 盤古「ご主人様、もしもですよ?」 魯泉「え?」 盤古「もしもご主人様に力があって、そしてそれがしがピンチに陥っていたとして…」 「その時ご主人様は、傷を負ってでも、それがしを助けたいと思いますか?」 13ページ 魯泉「それは…勿論だよ! 当たり前じゃないか!」 盤古「…そうでしょう?」 「それがしも同じなんですよ、ご主人様!」 14ページ 台詞なし 15ページ 5日後―― 鍾洋「梱包は済んでるか?」 職員「はい」 鍾洋「よーし、運んでくれ!」 「守芬!」 守芬「どうぞ」 鍾洋「よう! どうだい、修理の方は」 16ページ 守芬「あ、父さん!」 「これで最後よ。手腕部を結合させて、今稼働をみてるとこなの」 盤古「バッチリです!」 守芬「そう? なら修理は完了よ」 魯泉「守芬姉さん…」 「盤古を助けてくれて、ぼく何て言ったらいいか…」 守芬「あは! それはお互い様でしょ?」 鍾洋「ろーせん!」 魯泉「はい?」 17ページ 鍾洋「これ、お礼として受け取ってくれ。我が家自慢の洋服だ!」 魯泉「え? そんな! いいんですか?」 鍾洋「遠慮するない!」 「家に送っておくから、おじちゃんに住所を教えとくれ!」 魯泉「え? で……でも…」 友俊「守芬。盤古くん本当にもういいのかい?」 守芬「うーん、完全にとは言えないのよね…」 「説明書だけじゃ修理にも限度があるわ…少なくとも直せたとこは正常に機能してくれてるけど」 「残りは元の工場でどうにかしてもらうしかないわ……」 「ただ…」 18ページ 守芬(本当は、可能なら私もついて行って盤古の正体を知りたいのだけど……) (無理な話よね…) 友俊「守芬…?」 守芬「わかってるのよ、私は女の子だって」 「いつまでも自分のわがままを通せる訳がないんだ」 友俊「え?」 『好きか嫌いかは問題じゃないよ、キミは一生こんな仕事を続けるつもりかい?』 「ああ、あの時のことをいってるのか!」 「そういえば、ちゃんと話してなかったね」 「守芬、僕は別に君が仕事を続けることに反対しているわけじゃない」 19ページ 友俊「僕が言いたかったのは、君がずっと工場のことを一人で抱え込む必要はないってことなんだ」 「君達の工場は近年随分と拡張されたけど」 「君一人で工場全体の整備を行うには無理があった」 「だから機械に詳しくないおじさんも駆り出されてしまい、今回のようなトラブルも招きやすくなる」 「大きい工場が上手く機能するには、上に立つ人間が適切な人員配置で負担を分散させなきゃならない」 「たとえその人に現場の作業ができなくても、その人にはその人にしかできない役割がある」 「僕は洋裁も整備もできないけど……」 20ページ 友俊「工場の「経営管理」でなら、一番力になれると思うんだ」 守芬(…そうだ……) (父さんが入院して、盤古を修理してる間、) (工場の事務処理はずっと友俊がやってくれてたんだった…) 「友俊、ごめんね…」 「今度からはちゃんと、あなたを頼るわ」 「…………」 21ページ 守芬「友俊、一つお願いがあるの。私、今回のことであの子達助けたくなっちゃった」 友俊「うん?」 魯泉「ついに仙縫鎮ともお別れだね。何だかここでは色んな事が起こった気がするよ!」 盤古「そうですね!」 魯泉「行こうか、盤古」 盤古「了解です」 盤古・魯泉「ん?」 22ページ 盤古「守芬さん?」 魯泉「どうしたの? そんな大荷物抱えて」 守芬「どうって…私、あなた達について行くことにしたわ!」 盤古・魯泉「え!?」 守芬「子ども一人でいるより大人がいた方が安全でしょ? それに、道中盤古に何かあったら私が看てあげられるし!」 23ページ 守芬「機械整備士として、盤古のこともっとよく知りたいの」 「是非同行させてもらえないかしら?」 魯泉「でも守芬姉さん、工場の方はどうするの?」 守芬「友俊に調整をお願いしてるわ。だから大丈夫よ」 魯泉「あ、じゃあ結婚の話は…」 守芬「ああ、あれ? 私達元々日取りなんて決めてないのよ!」 「だからこう言ってきたわ…」 守芬・友俊『ごめん、結婚は帰ってくるまで待ってて』 24ページ 鍾洋「あいつそんな事言ったのか?」 友俊「守芬らしいですけどね」 鍾洋「年頃の娘が婚約者ほっぽって旅行に行く奴があるか…」 友俊「1度くらいはいいでしょう! 長い人生、こんな機会はそうそう無いでしょうから」 魯泉「盤古、いいかな?」 盤古「ご主人様がよろしければ、それがしもよろしいですよ」 魯泉「それじゃあ…」 「これからご面倒をおかけしますが、よろしくお願いします!」 守芬「こちらこそ!」 25ページ 守芬「さあ、出発よ!」 魯泉「うん!」 [その後、魯泉宅――] 魯天雨「おお! 魯泉のやつ、今度は服を送ってくれおった!」 名前 コメント
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繁殖牝馬牝系 アサクサスケールアイスストームグルームキャヴァンイマジンブレイカーゴージャスマンボクリムゾンフレアマロングラッセシャダイカグラネコカグラセントオラシオンタイキソックスウキクモモールスアイシクルフォールチームフォーマルハウトティアパールホワイトスノーラインアクターテルシルキーブラックフェアリーミンストレルソングルーネイトエルフヒッティングフットシュヴァルツシルトヒッティングリーフミステリアスレインフサイチセイルパーティガールシャッターチャンスリトルダストルミナリエクラシックアローレーヴァテインガングニールラストプリマドンナ
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「さぁ?お祈りの時間だぜ?マリアンヌ」 鋭く構えた逆水平の指先で自分を指差し、やや気怠げな視線と口調で 承太郎の端整な口唇から零れた甘い声がマリアンヌの清らかで艶やかな躰に 恐怖と陶酔との入り交じった異質な体感を駆け巡らせる。 (ま、まだ、何か手があるはず、高速接近してくる『星の白金』に 巧く”バブルルート”を合わせられれば!「金貨」の状態で指先から弾けば死角から ”星躔琉撃”「本体」攻撃出来る!) 「せめて苦しまねぇように、一瞬で終わらせてやる、ぜ」 承太郎の甘い言葉と共に白金に煌めく「幽波紋光(スタンドパワー)」が スタープラチナの右手に集束していく。 (勝負は、一瞬よ!マリアンヌ!) そう強く己を鼓舞してマリアンヌは交差手法(カウンター)に備えて 長衣(ストール)を前方に突き出しやや前傾姿勢の構えを執る。 だが、このとき、マリアンヌは目の前の承太郎に意識が 集中し過ぎていた為に気がついていなかった。 その白金に煌めく「幽波紋光(スタンドパワー)」が、スタープラチナの 『ケリ足であるスタンド右脚部にも同時に集束していた事を』 そして。 次の瞬間。 目の前の「スタンド」スタープラチナは「本体」である空条 承太郎と共に 音もなく目の前から消えていた。 「ッッッッッッッッッッラァァァァァァァァァァァッッッッ!!!!」 「!?」 気づいたのはその声の「後」だった。 自分の視線の遙か先、20メートル辺りの部分で砕けたリノリウムの破片が 中空に舞っていた。 そして、マリアンヌの、その可憐な見かけと細身の躰にはやや不釣り合いな、 美しい造形のふくよかな左胸に半透明のスタープラチナの右拳の寸撃が いつのまにか叩き込まれていた。 防御と回避を犠牲にし、代わりに攻撃力とスピードを極限まで 高めた必殺のスタンド攻撃。 強靱無双。戦慄の轟撃。 流星の流法(モード) 『流星弾轟衝(スターブレイカー)』 流法者名-空条 承太郎 破壊力-A スピード-A 射程距離-B(最大25メートル) 持続力-D 精密動作性-B 成長性-A 「あっ……」 痛みも衝撃もまるで感じず、まるで一切の「過程」を消し飛ばして 「結果」だけがいきなりマリアンヌの目の前に現れたようだった。 貫通はさせずに、その驀進拳撃の威力が全てマリアンヌの躰内部に叩き込まれた為、 内部で夥しい数の破壊衝撃波が波紋を引き起こし滅砕振動波と化した 攻撃エネルギーがマリアンヌの躰を微塵の隈もなく音速で駆け巡る。 まるで全身の血液が沸騰したかのような異常な感覚。 そして高圧電流が全身を駆け廻るような強烈な体感。 その二つの衝撃が声を上げる間もなくマリアンヌの全身で激しく渦巻く。 そして、次の刹那、マリアンヌの躰はそのダメージにより存在の形を 維持出来なくなったのか、白い人型の炎の塊と化しまるで宵闇前の夜霧のように 空間へ霧散した。 残された純白の長衣(ストール)が宙に靡き、一枚の金貨がリノリウムの床の上に 落ちて澄んだ音を立てる。 「フッ……やっぱ ”ハリボテ” かよ?」 初めからその全てを見越していた承太郎は口元に微笑を浮かべて 己の推理の正しさを静かに実感する。 「くぅッッ!!」 霧散する白炎に紛れて本当に悔しそうな声を上げて、宙に浮いた一体の人形が 空間をバランスを崩した軌道で飛び出した。 そこに。 「おっと!」 白炎の中、自分の死角からからいきなり伸びてきた、 鍛え抜かれ引き絞られた「人間」の腕がマリアンヌのフェルトの躰を 素早い手捌きで掴んだ。 「な!?」 予想外の事態にマリアンヌは驚愕の声をあげる。 「この空条 承太郎に、同じ手が二度通用するなんて思い上がるのは、 十年早いンじゃあねーか?マリアンヌ?」 口元に仄かな微笑を浮かべて、承太郎は手の中のマリアンヌの顔を 怜悧なライトグリーンの双眸で覗き込む。 「こ、この!離しなさい!空条 承太郎!」 「フッ……!」 承太郎の手の中でマリアンヌは抗議の声を上げる。 口調と声色は変わっていないが、何分見た目がさっきとはうって変わって 随分可愛らしくなっているので意図せずに承太郎口から笑みが漏れた。 「わりーがソレは出来ねー相談だな。このままオメーを連れて屋上に行き、 それをダシにオメーのご主人様とやらには無条件降伏と洒落込ませてもらうぜ 」 「な!?」 再びマリアンヌはその愛くるしい表情は変えないままで驚愕の声をあげる。 「あんまり気が進まねー手だが、他の生徒やセンコー共の生命には代えられねぇんでな。 ま、仕方ねぇ。堪えてくれ」 承太郎はその怜悧な美貌に少しだけ邪な笑みを口唇に浮かべ、マリアンヌにそう告げる。 「ひ、卑怯よ!星躔琉撃!男なら正々堂々私のご主人様と勝負なさい!」 激高したマリアンヌがその(本当に)小さな躰を動かしながら承太郎の 手の中で抗議の声をあげる。 「ハッ、紅世の徒(テメーら)にだけは死んでも言われたくねぇ台詞だな」 事実上、もうこの戦いは「結末」を迎えたも同然なので、 やや気分が弛緩した承太郎は左手で制服の内ポケットから煙草を取り出し 口唇の端に銜える。 「まぁ安心しな。別に命までは取らねーよ。その代わりメキシコに在る SPW財団秘匿の地下隔離施設で一生「柱の男」と仲良く暮らして貰うがな。 人間じゃあねぇ紅世の徒(テメーら)に人間の法律は通用しねぇし、 かといって黙って放置しとくにゃ危険過ぎる存在だぜ。紅世の徒(テメーら)はよ 」 傅いたスタープラチナにライターで煙草に火を点けてもらいながら承太郎は 手の中のマリアンヌに銜え煙草で静かにそう告げる。 「その紅世の徒とやらも”アラストール”みてぇなヤツばっかなら話もラクなんだがよ、 ホントにままならねーモンだぜ。現実ってヤツはよ」 「……い……一体……な……何を……言ってるの……かし……ら……? アナタ……解らない……わ……」 その大きな赤いリボンのついた背に流れるチャコールブラウンの毛糸の髪に、 艶のある大粒の冷や汗の珠を一つ浮かべ、余りにも想定外の事実を承太郎から 告げられたマリアンヌ頭の中は主の操る炎以上に真っ白になる。 いきなり押し黙ってしまったマリアンヌに、このままでは ”ご主人様” との 「取引」が円滑に進まなくなると想った承太郎は 「よぉ?どうした?起きてッか?マリアンヌ?」 人形を掴んだ右手を軽く揺すってみる。 その承太郎の呼びかけにハッ、と我を取り戻したマリアンヌは 「こ、この!離せ!離せ!エイ!エイ!」 手のない肌色フェルトの腕で薄く血管の浮いた承太郎の右手を ポカスカやり始めるが、無論象と蟻の戦力差なのでまるでお話にもならない。 「この!卑怯者!離せ!離せ!離せェェェッ!」 「あぁ~あ、うるせぇうるせぇうるせぇ 」 この2日間、野別幕なしで本当に「うるさい」ほど散々聞かされた為に いつのまにか移ってしまった「誰か」の口癖でボヤきながら 承太郎は学帽の鍔を正し屋上に向けて歩き出した。 その彼の脳裏でその張本人は「なによッ」という表情でムクれていた。 その刹那。 清らかな鐘の音色が空間を流れた。 次の瞬間。 いきなり周囲に散乱していた武装燐子達の残骸が次々に膨張して膨れあがり 承太郎の周囲で無数の爆発が巻き起こった。 ズッッッッッッッッッッガァァァァァァァァァァァァァッッッッ!!!! 「ッッ!!?」 同時に頭上から途轍もない大音響の爆裂音が鳴り響き、衝撃の伝播で 頭上の蛍光灯が次々に割れて周囲にガラスの豪雨が降り注ぐ。 更に破壊の轟音と白い爆炎の嵐で承太郎の周囲30メートルは 瞬く間に純白の白炎が司る破壊と頽廃の地獄と化した。 「チィッ!」 咄嗟にスタンドを出現させて、反射的に足下の床を爆砕させて踏み抜き、 ソレによって生まれた運動エネルギーによってスタンドと共に防御体勢を 執ったまま学ランの裾を靡かせて素早く後方へと飛び巣去り白炎の爆破圏内から 脱出を図る承太郎。 「クッ!」 しかし、その規模が余りにも巨大過ぎた為その行動は直撃を避けるだけに 終わり、結果激しい爆破衝撃と爆風、さらに爆砕の余波によって承太郎は スタープラチナと共に大きく上空へと弾き飛ばされ、天井の板をその身で打ち砕き 更にその内部に組み込まれていた鉄筋に背からブチ当たってようやく その直線軌道を変え、着弾軌道に対して直角の降下軌道を描きながら 勢いよくリノリウムの床の上に大の字の体勢で仰向けに叩きつけられた。 「がはぁッッ!!」 全身を劈くほどの落下衝撃。 気が緩んでいた時に突如到来した想定外の惨劇に、 さしもの承太郎の口からも苦悶の叫びが生温い鮮血と共に 吐き出される。 「ぐっ……うぅ……な……何……だ……?今の……爆弾みてぇな…… モノ凄ぇ能力は……!」 血の伝う側頭部を右手で押さえ、グラつく視界を精神の力で強引に 繋ぎ直しながら承太郎はよろよろと身を起こす。 その表情は不意打ちを喰った事に対する己への戒めと、 大事な愛用の学ランがボロボロにされた事に対する両方の怒りで歪んでいる。 (クソッタレが……ッ!アバラが何本かイッちまったかもしれねぇ……! オマケに大事な制服もズタボロにしてくれやがって……! やってくれたな……! ”ご主人様” よ……ッッ!) その周囲は先刻の大爆発現象の余韻である、白い炎があちこちで燃え上がり 通常の物理法則を無視して至る処に類焼していた。 (マリアンヌの仕業じゃあねぇ。もしこんな芸当が出来るンなら さっきとっくに使ってた筈だ。コレがそのご主人様とか抜かす紅世の徒 ”フリアグネ”というヤツの真の能力か?確かに花京院のスタンド能力 『エメラルド・スプラッシュ』と較べてもまるで引けを取らねぇ、 恐ッそろしい能力だぜ) 心の中で先刻の能力の解析を終えた承太郎は、裂傷によって口内に 溜まった大量の血をリノリウムの床の上に吐き捨てる。 ビシャッッ!と白い封絶の光で染められた廊下が、 無頼の美貌をその身に携える貴公子の鮮血で染まった。 「ッッマリアンヌ!?」 承太郎は咄嗟に自分の右手に視線を送った。 先程しっかりと握っていたはずの肌色フェルト人形が、 いつのまにか手の中から消えていた。 突然の爆破衝撃で思わず離してしまったのだろうか? だとしたらあの白炎の業火が渦巻く焦熱地獄の中に放り出してしまった事になる。 寒気に似た体感が承太郎の背に走った。 「クッ……マズったか……!命まで取る気はなかったんだがな…… しかし……いくら敵とはいえその相手を味方もろとも始末しようなんざぁ とんでもねぇ下衆ヤローだな……!そのフリアグネとかいうヤローはよ……!」 憎むべき敵とはいえ、正々堂々と勝負を挑んできた そのマリアンヌの悲劇的な最後に対し承太郎は苦々しく歯を軋らせる。 「敵は取ってやるぜ。マリアンヌ……!」 そう強く心に誓い胸の前で強く拳を握った承太郎の前方から 「私のご主人様を悪く言わないでッッ!!それと勝手に殺さないでッッ!!」 聞き慣れた清廉な声が返ってきた。 『誰もいない空間から』 そして、その何もない空間にいきなり純白の長衣(ストール)が弧を翻らせて 出現し、その中から人形姿のマリアンヌが口元を笑みの形で曲げたまま顔を出した。 「私は無事よ!掠り傷一つ負ってない!ご主人様が現在お持ちの最大「宝具」 ”ダンスパーティー”を発動された時には 『最優先で強力な防御型自在法を発動させて私の身を護るように』 ”ホワイトブレス”に操作系自在法を編み込んで下されていたの! この戦いが始まるよりもずっと前からね!」 そう叫んで必至に己が主の名誉を弁解するマリアンヌ。 「それに大体今の爆発はアナタを狙ったモノじゃないッ! だからご主人様が私を巻き込んでアナタを討滅するなんて事自体がありえないのよッ!」 目の前で愛狂しいその表情を崩さないまま、まるで最愛の恋人を侮辱でも されたかのようにヒステリックな口調で自分に怒鳴り続ける喋る人形。 その彼女(?)無事な姿に承太郎は複雑な感情を抱きながらも 己が疑問をマリアンヌに投げかけた。 「今のが、オレを狙った遠隔能力じゃあねぇとするなら、一体何だってんだ? もしかしてシャナのヤツがもうオメーのご主人様をヤっちまったのか?」 「縁起でもない事言わないで!今のはおそらく炎髪灼眼に向けて放った ご主人様最大焔儀に対する単なる余波よッ!」 「何ッ!?」 心に走った衝撃により頭蓋へのダメージで鈍っていた思考回路がようやく その機能を回復し始める。 そうだ。 何故「その事」を考えなかった? 先程、マリアンヌに問いかけた疑問とは「逆」の事実を。 「ッッ!!」 その、あまりに強烈過ぎる存在感から心理の盲点になっていたのか? いくら強力な戦闘能力をその身に宿していたとしても、 まだ年端もいかない「少女」である事には変わりがないのに。 「覚えておきなさい!星躔琉撃!アナタなんか!アナタなんか! 私のご主人様には!「絶対」に敵わないんだからァァァァァッッ!!」 涙ぐんだ声で強烈な捨て台詞を残しながらマリアンヌは中身が空になった ”ホワイトブレス”を宙に残し、まるで妖精のように白い燐光を 靡かせながら割れた窓ガラスの隙間から外に飛び出して上へと消えていった。 大事な人質にまんまと逃げられてしまったが、承太郎の思考はいま 「そんな事」とはまるで別の方向、否、正確には脳裏を駆け巡った衝撃に より再び思考停止状態に陥っていた。 そして、耳障りなほどに激しく脈打つ心臓の鼓動音と共に、 ゆっくりと一つの言葉が甦ってくる。 ”フリアグネの必勝の秘密は彼の持っている「銃」にある ” 先刻の花京院の言葉。 ”その銃で撃たれた”フレイムヘイズ”は全身が己の炎に包まれて灰燼と化すらしい” 今のが、その銃に装填された弾丸がシャナに着弾した結果起こった現象なのだろうか? それとも、仲間であった花京院ですら知らない全く別の能力。 何れにしても、あの「爆発」の後では、余波ですらあの凄まじいまでの破壊力を 引き起こす能力の「直撃」を受けてしまっては。 もう。 もう…… 最悪の事象が、静かに、承太郎の頭の中で形造られていく。 しかし、彼の意識は、頑強にその形成に叛逆した。 そんな筈は……ない…… そんな筈はない! 今朝まで、否、ついさっきまで自分の傍にいてやかましく騒いでいたのだ。 まだ年端もいかないその小さな身には不釣り合いな、 凛々しい瞳と腰の下まである艶やかな黒髪をその身に携えた ”フレイムヘイズ”の少女、が。 この世ならざる空間 ”封絶” その中で今日まで勇敢に戦い続け、数多くの人間の生命を護ってきた紅い髪と瞳の少女。 誰に称えられる事なく、誉められる事もなく。 人外の怪物達を相手に文字通り傷だらけ、そして血塗れで闘ってきた筈の少女。 何れその命尽きる時も、誰に知られる事もなく戦場の荒野で散っていく事のみを 定められた悲憐の存在。 その事自体に自分が言うべき事は何もない。 その事はきっと、少女自身が決めた事の筈だから。 少女が自分自身が選び取った「戦場」の筈だから。 その事に自分が言える事はなにもない。 だが。 しかし。 そんな戦の申し子のような暮らしを続ける修羅の少女にも、 微かではあるがようやく「救い」が訪れる筈だったのだ。 戦い続ける運命(さだめ)は変わらないだろう。 これからも彼女は戦場で血を流し続けるのだろう。 でも、そんな少女にもようやく『帰るべき場所』が出来る筈だったのだ。 心も躰も傷だらけでも、その身を癒す場所とその身を労ってくれる者が居る処、 「家族」の居る場所が。 ようやく。 ようやく。 自分の祖父 ” ジョセフ・ジョースター ”との出逢いによって。 闘う以外、何も知らない少女。 本来闘いには向かない「女」であるのに自ら”フレイムヘイズ”という過酷な 道を選んだ少女。 でも、ようやく、これから始まる筈だったのだ。 少女の。 シャナの。 ”人” としての「生」が。 それが。 それ、が。 こんな。 こんな死に方。 在り得る筈がない。 在って良い筈が、ない! 『何人もの人間の生命を救っておきながら 自分自身は最後の最後まで救われない結末など!』 「シャ……ナ……」 承太郎の震える口唇から意図せずに少女の名が漏れる。 その脳裏に過ぎる黒衣を纏った紅蓮の姿。 そう。 少女には、祖父と出逢うまで「名前」すら無かったのだ。 「シャナァァァァァァァァァァァァァァッッッッ!!!!」 白い封絶で覆われた空間に承太郎の彼女の名を呼ぶ絶叫が響き渡った。 しかし。 還ってきたのは、残酷な、 静寂のみだった。 ←PAUSEッッ!! STARDUST¢FLAMEHAZE*
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メカ 自分の分身である超高性能メカ(?)を作ります。 最強のLv、体力を誇る自分の分身。購買部で購入することが出来ます。 購入したプレイヤーのことを「ご主人様」と呼び、自分の思い通りに操作が出来る優れもの。 隠し武器であるげんじょーのハリセンを始めから装備しており出現した際はかなり脅威だ。 さらになんと、げんじょーのハリセンを購買部で購入することも可能。 しかしメカは優勝できないのでご注意を。 ご主人様(本体プレイヤー)が死亡しメカだけが生き残った場合はルールにより事実上そのプレイヤーの優勝は消えてしまう・・・。 しかし、メカは壊れるまで使えるのが購入した人の権利なのでご主人様がいなくなっても使うことが出来る。 その場合残されたメカは大金を持ってる可能性があるので頑張って倒してみよう。 またメカは命を購入出来ないので限りがある。
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首蜻蛉 一話 「うぅ~…ひゃう、もうちょっと右…」 「ここ?」 「きゃう!ちべたい!もーなんで左右間違えるのよ~!!」 こんにちは。僕は敬部。「けーぶ」って呼ばれています。ご主人様の背中に湿布を張ろうと格闘中。 趣味はご主人様の「アカネ」様に悪戯することです。たとえば、わざと湿布の張りどころを間違えたり。 「ていうか、こんなの本当に効くのぉ?」 「そりゃトンボの世界には無いでしょうけど、人間世界じゃ普及してますよ。肩こりとか、腰痛とか」 「む~…ぜったい、ちべたいだけだ~…」 ヒトの言うトンボとは、羽とか、目とか、いろいろと人間離れした要素があります。 でもご主人様達「トンボ族」はそんなのでもないですよ。 たとえば赤の幾何学模様の羽は取り外し式。これ、魔力を固めた物なんで、割れてもすぐ構築できます。 履き慣れたクツのように感触があるので、急にさわると「ひゃう」ビックリします。 他にも、目元は「にゅー」普通の人間です。ほら、モミモミすると面白顔できますよ? トンボらしく全天視認できることはできますが、素の状態だと人間と同じです。視力は平均30だけど。 さらに「あうー」全身は普通の人間女性。せいぜい触覚が2本生えているくらいですかね? それに全身に幾何学模様があります。これはトンボ柄です。アカネ様はミヤマアカネだと思います。 ご主人様の本名が「深山 茜(みやま あかね)」なのは偶然のはず…。「もっと下もー」 さらにオシリから生えたシッポです。まるで装甲版のような外骨格ですが「うんにゅー♪」 意外とやわらかくて、マッサージすると蕩けてしまいます。 「おしまいです」 ご主人様の背中にタオルを挟んでまたがりもみほぐす時間は過ぎました。 「え~」 「『え~』じゃないです。ゴハンつくらないと」 「弾幕勝負したのよー、つかれたのよー。もうちょっと、ね?」 弾幕勝負とは、トンボ流のケンカです。いえ、決闘ですね。 魔法で火の玉とか土くれとか飛ばして打ち負かすんですけど、 勝つと食材を値引きしてもらえたりします。つまり日常です。 ご主人様のブーイングをよそに立ち上がろうとしたらうわあっ!? ゴチン 「えへへー、足つかまえたー」 ご主人様は常に悪気はないんです。 でも顔からお布団の無いところに入りました。ここ、岩の洞窟にワラを編んだじゅうたんです。 保温はあっても、かたいです。いたいです。 「…ふえ」 「ほら泣かない!」 グズり出した自分を両手でギュっと包み込んでくれます。 サラシに巻かれた胸(トンボには下着なんてありません。少数民族ですから)に顔が押し付けられて、 なんか少し悔しくなったので我慢しました。 「怒んないでよ、ごめーん」 …その顔でBB弾ゼロ距離級の威力で何度魔法を叩き込まれたことか。(いわゆる、しつけです) でも毎度の事ながら、物理的に脱出できない都合で、僕はここにいます。それは追々。 「…おかず、ハエとカマキリの煮付けにしますよ」 「あーんごめん、ってばあ!だからそんなババ臭いメニューは許してよう…」 胸元にホールドアップされたまま頭頂部をグリグリ撫でてきます。くすぐったいです。 ちなみにトンボは肉食です。 狩人嗜好で新鮮な大物を狩るトンボと探索者嗜好で腐肉を好むトンボがいます。 ご主人様は前者。バーベキューはレアどころかブルーが大好き。腐肉や煮付は高齢者の人気だそうです。 ぼくは断然にウェルダンですね焦げ目がいいんですよ。ナマニクとかお腹を下します。ていうか死ねますよ?確実に。 「さ、もうお米も炊き上がっているころです」 「ジェラート冷えてるかなあ!?」 ご主人様がキラッキラの目でこちらを見ます。 「いい頃合ですよ」 僕は微笑み返しました。 落ち物の本のレシピで作った、シャリシャリ(シャーベットランクです)の蜂蜜ジェラートが大好きなんです。 ただし作るのに半日かかるんで月に一回くらいしかやりません。 (ちなみに本気で機嫌が悪いときはジェラートにミミズ突っ込んでやりました。気がつかずに食べてました…トンボだからいっか?) 寝室から隣の居間に二人で進むと、たくさんの妖精がいます。 「ニョホ」「ニョー」 この一つ目のモフモフが生えている毛玉状物体は「ベアード」というそうです。 「メシクワホー」「ハラヘニョー」 わりとしゃべります。ちなみに我が家には20体います。 手乗りサイズといいますか、直径は大小込みで5~10センチだと思います。 毛の色はこれまた七色おりまして、まあ半数は黒と白です。 これが、もっちもっち、もっちもっちと跳ねながら足元に集まってきます。 実際さわり心地はもちもちのフワフワです。 「はいはい、みんなもゴハンだね。それじゃあ冷蔵庫を…」 ガチャリ 「…えッ、空っぽ!? どーいうことよ、ねえ!?」 ぼくにもよくわかりません。ふとベアードたちのほうを見ると 「二十匹余さず一斉に目を逸らしただとッ!?」 「消してやるッ!貴様らの存在を消してやるうううう!!」 「わー!!!魔方陣展開しないでください外骨格召還しても狭いです家がつぶれますーーー!!!」 「また建てればよろしぃーーーーーーー!!」 「ニョホホーーーー!!!」 チュドムッ 食べ物の怒りは恐ろしいです。 つづく
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誘拐と人食い 02 学校町から二駅ほど離れ、やや山中へと車を走らせた場所に建つ豪奢な屋敷 重厚な作りの玄関扉の前に立ち、音門金融の社員である黒服の佐藤梨々は、重い溜息を吐いて呼び鈴を鳴らした それに反応して、扉周辺に設置された十数台のカメラが一斉に梨々に照準を合わせる 「何度来ても慣れなっスね、これ……」 十数の物言わぬ冷たい機械の目に見据えられ、背中にじっとりと嫌な汗をかく それからものの数秒後、分厚く重たい扉が音も無く開き、両脇に十数人のメイドが為す列の真ん中で、一人のメイドが深々と御辞儀をして梨々を迎えた 「いらっしゃいませ、音門様からの御使いと窺っております」 顔を上げ微笑んだメイドが手にしていたのは、一枚のエプロン 「ご主人様へのご面会は、こちらを着用の上でと言付かっております」 「また訳のわからん趣向っスね……まあこれぐらいで済むならいいっスけど」 滑らかで艶やかな高級そうな生地のそれを受け取り手早くエプロンを纏う梨々に、メイドはにこやかな笑顔で首を振る 「申し訳ありませんが、着用方法が違います」 「へ?」 そう言うとメイドは何処からともなく、竹と藤で編み上げた衣装籠を取り出し 「エプロン以外のお召し物はこちらへどうぞ」 「ふざけんなーっ!?」 すぱーんとエプロンを柔らかな絨毯に叩き付け叫ぶ梨々 「ご主人様は常に真剣でございます。主にエロスに対して」 「前に来た時は、上着脱いでシャツの襟元を緩めるだけで良かったっスよ!? 胸元を穴が開くほど見られたっスけど!」 「生憎と、ご主人様は取引については非常に公正な方ですので」 メイドがぱちりと指を鳴らすと、両脇に並んでいたメイド達が一糸乱れぬ動きで梨々を取り囲む 「前回、対価以上の情報を無断で持ち出した事に対するペナルティでございます」 梨々は自分の能力のオン、オフを自由に切り替える事が出来る 必要な時以外は煩いためにオフにしていたのだが、それが完全に裏目に出た 「に、逃げようと思えば、あんたら全員ぶっ倒して逃げる事も出来るっスよ?」 「それでは貴女が音門様からのお役目を果たせないと愚考致しますが」 メイドは笑みを崩さず、またぱちりと指を鳴らす それと同時に周囲のメイドが一斉に裁ち鋏を取り出した 「お役目を果たせずお帰りになるか、素直にご主人様のご指示に従っていただくか……強制的に従っていただいた後、そのままのお姿でお帰りになるか。選択はご随意に」 「……自分で着替えるっス」 がっくりと項垂れた梨々に、メイドは笑顔で衣装籠を手渡し 「では、お召し物はこちらへ。ご安心下さい、ご主人様からは下着の回収や調理などは承っておりませんので」 「回収はともかく調理って何っスか!?」 「まずは少量のお湯で出汁を充分に」 「説明はいらねぇっスよ!? つーか助兵衛爺だとは思ってたっスけど出鱈目な変態っぷりっスね!?」 半泣きで服を脱ぐの梨々に、メイドは何一つ揺るぎの無い笑顔でこう返した 「お褒めに預かり恐悦至極に御座います。できればご主人様と面会の折にも、できるだけ蔑み罵る調子でお伝えいただけると大変喜ばれるかと」 「……絶対嫌っス」 ――― 禿上がった頭と僅かに残った白い頭髪 やや大柄で引き締まった筋肉質の身体は、齢90を越えているとは思えない 「うむ、久しいの梨々ちゃん。相変わらず可愛いし、良い乳しとるのぅ」 その身体に五人ほどの半裸の女性を絡ませて、舐めるような視線で裸エプロンの梨々を眺めている 「あんまりにも良い乳しとったんで、ちょいと調べさせて貰ったが……いかんのぅ、情報取引に梨々ちゃんみたいなのが来ちゃあな」 「調べて出てくるもんじゃないっスよ……うちの元締めに聞いたんスか?」 「あの坊主が部下を売るような輩かね。儂のコネを舐めてもらっちゃ困るのぅ……むしろアレなら舐めて欲しいもんだがの」 ジョークと本気が2:8ぐらいで混ざったセクハラ発言に、梨々はうんざりとした顔で身体を隠すように椅子の上で丸まっていた 「ところで今日はどんな用件かの? 儂のハーレムに入りたくなった?」 「んなわけねっス。ここしばらく学校町で行方不明事件が多くて、『誘拐結社』の動向でも聞けないもんかと思って遣わされたっス。借金のカタに爺さんに売る予定だった娘も消えちまったっスよ」 「ふむ」 老人は記憶を手繰るように考え込む その様子を見て梨々は自らの能力をオンにした 彼女は都市伝説そのもの 都市伝説よりも古くから存在する妖怪の血族、『さとり』の一人 相手の思考を読み取るという能力により、老人の考えている事が全て梨々の頭に流れ込んでくる 「ぶはーっ!?」 平静を装えって思考を読むつもりでいたのだが、流れ込んできた老人の思考に思い切り吹き出してしまう 「かかか、儂の『全裸健康体操第一・象さんの章』のイメージは気に入って貰えたかの?」 「こここここっちの質問について真面目に考えろジジイっ!?」 「勝手に思考を読まれるのはつまらん。儂は語るのも聞くのも好きでのぅ」 老人が姿勢を変えると、絡み合う女性達もまた思い思いに姿勢を変える 「海外ならともかく、国内の『誘拐結社』の連中が動くのはこれからかの。既に動いているなら、とっくに商品リストが届いとるはずだしの」 「……つまり、今起きてる行方不明には、少なくともそいつらは関わってない?」 「今までに、だの。近々商品を提供できるかもと挨拶には来とったからのぅ」 顎をさすりながら、老人はふむと唸る 「何か判ったら教えてやろう。その時は梨々ちゃんが聞きに来るとええ」 「またあっしっスか!?」 「音門の坊主んトコは若い女は梨々ちゃんだけじゃろ? 色々似合いそうな服を用意しておくからいつでも来るとええ」 「二度と御免じゃ色ボケジジイっ!?」 「おふう、もっとキツく罵ってええぞ? ええぞ?」 この老人には一生勝てない気がする 寿命とは無縁の妖怪の身でありながら、内心は完全に白旗を揚げてしまっていた梨々であった ――― 学校町の商店街に、一際派手な一行が鳴り物を響かせて行進していた 飾り立てられたトラックに描かれたのはサーカスの絵 跳ね回る道化師達が道行く人々にチラシを、子供達には風船を配って回っている 「……風船」 「何だ、欲しいのか?」 買い物を終え荷物を下げた大の服の裾を引きながら、まぐろが無い目を輝かせて大の顔とサーカスの一団を交互に見ていた 「子供に配ってるやつみたいだし、俺が貰いに行くのもな」 少々困った顔で眺めていると、視線の先にいた風船を持った道化師が跳ねたり転びかけたりしながら駆け寄ってくる 聞こえたのか、大がそう思って声を掛けようとしたその時 道化師が風船を一つ、まぐろに差し出した 笑顔の化粧の下にも笑顔を浮かべ、まぐろに風船の紐を握らせるとその頭をぽんぽんと叩き 道化師は手を振りながら騒ぎの只中へと戻っていった 風船の紐をくいくいと引っ張りながら、おおと喜ぶまぐろを尻目に大は微妙な顔をする 「見えてたのか」 見えるのは都市伝説か、契約者か、霊感の強い人間だけ あの道化師はそのどれだったのだろうかと考えながら、はしゃぐまぐろのの手を引いて帰途に着くのであった 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
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超覚醒 150(120+30)/130、周囲ユニット数4体以上で180(120+60)/130。 紋章効果:攻防20ずつアップ、最大HP50ダウン。 -- (名無しさん) 2016-06-28 02 25 36 ――ねぇ、僕の笛の秘密、知りたい? ふふ…やっぱり? 一度聞いたら忘れられないこの音色… どうしてこんなに素晴らしい音を奏でられるのか…知りたくてしょうがないんだよね? いいんだよ、ボクの笛は最高だもん。心を奪われて当然さ! なんたってボクのおじい様は、夢の国の大スター…あの伝説の笛吹き男『ハーメルン』なんだからね! その血をひくボクの笛が最高なのは、必然にして当然のことなのさ! ボク、おじい様をとってもとっても尊敬しているんだ。おじい様の笛は素晴らしいんだよ! とっても純粋で、聞く者の心を奪う…とってもステキな音色なんだ。 ボクもそんな笛が吹きたくて、おじい様に笛を教えていただきたかったんだけれど… おじい様は、「お前はもう充分に上手だよ」って、まるで相手にしてくれなかったんだ… …でも、おじい様は、ある時からよく下町に通うようになってね。下町なんかで何してるんだろうって皆に聞いてみたら、親のいないどこかの女の子を弟子にして、笛を教えてるって言うじゃないか…! …ボク、たしかに上手だけど…そんなに上手だったかな…? 一度でいいから、ボクだっておじい様に笛を教わってみたかったよ… もしかして、その子のほうが可愛くて、教え甲斐がありそうだったのかな… …ボク、その子がうらやま………違う違う! おじい様はボクの実力を認めてたからこそ、教える気にならなかったんだよ! あ~~~もう、暗くなっちゃったね! とにかく! ボクは世界一の笛吹き、ハーメルンの一族! いわばエリート中のエリートなんだよ! 物心付く前から今まで、努力を怠ったことなんて一度もないのさ。 亡きおじい様の名に恥じぬよう、ボクは世界一でいなければならないんだから――なのに…なのになのになのにぃぃぃぃ、なんなんだよあの怪力ちんちくりん! ボクの笛をお気楽の道楽だって? まるでボクが何の信念も無く、努力もしてないみたいな言い方して! きいい! 「下町で会った、どっか大道芸のお爺さんにならって笛を磨いた」だとか言ってたけど、あんな子に教えるんだから、そのお爺さんも笛界の風上にも置けないとんでも笛のお爺さんなんだろうね、フン!! 笛にかけた時間と情熱なら、ボクだって絶対負けないよ! …あ~もう思い出したら腹が立ってきたよ、あのロールパン頭のちびっこめ…! 次に会ったらボクの素晴らしい笛の音を聞かせて、まいったと言わせてやるんだから! 身長 おっきくないよ 体重 重くはないよ 最高速度 びゅんっとね 生息域 純粋な子の居る町を転々とね 楽しみ 笛を吹くこと 最近気になるもの あのちんちくりんの笛の音 -- (名無しさん) 2016-06-28 18 19 58 3.5フレーバー 「僕はハーメルン。君を、迎えに来たんだ」 空飛ぶ巨大な笛に乗り、突如目の前に現れた少女は、木馬に乗った女騎士に向かって穏やかに微笑みかけました。 「君に一緒に来てほしいんだ。これは、僕の頼みであると同時に、“世界の願い”でもある。大人でありながら、子供のように純粋な心を併せ持つ――君は理想的な存在なんだ、ドン・キホーテ卿」 そう言って女騎士に差し出した少女の手を、小さな影が振り払いました。 「ダメっすよご主人様! こんなファンタジー丸出しのセリフなんかじゃ、今時子供すらついていかないっす! 空いた腹も減るいっぽうっす! きっとしょーもないこと考えてるだけっすから、こんな奴の頼みは聞くだけ無駄っすよ!」 がるるると、怒る獣がごとき警戒心を露わにする従者に、女騎士は尋ねました。 「どうしたサンチョ。腹が空いて気が立っているのかもしれないが、それにしても警戒しすぎではないか?」 「ご主人様… こいつはダメっす。笛ってのは、心を癒し、敵を薙ぎ倒し、路銀を稼ぐ…命をつなぐ大事なもの――その笛を尻にしいて飛んでるなんざ、ロクな奴じゃねぇに決まってるっす!! きっと笛の音もガラガラピヒョロ~~ンな小汚ねぇ感じっすよ!!」 「んな…! 僕は夢の国のエリート、あの『ハーメルン家』の者だよ? その僕の笛がそんな音なわけないじゃないか! 君の笛こそなんだい? 良く磨かれてはいるけど、ボコボコの傷だらけだ。そんな君の笛はピロポロファファファファ~ンなおバカな感じの音なのだろうね」 「ヘッ、お前の笛からは、いけすかねぇ金持ちの匂いがするっす。そんなお気楽道楽な笛が、この大道芸道という修羅の道で、血反吐を吐きながら磨き上げた笛にかなうはずないっす。オラ、聞いてやるっすから、そのニュチョネチョブブブパ~~ンな、ど汚ねぇ笛を吹いてみるっすよ!」 「むっきぃぃい! いいさ、吹いてやるよ! 君のプラファラカカカカカ~ンなおまぬけな笛で大いに笑わせてくれたならね!」 話の趣旨も忘れ、果てしなく言い合いを続ける二人。見かねた女騎士が、二人を制して言いました。 「二人ともやめてくれ。…ハーメルンとやら、事情はよくわからないが、信頼する従者にここまで言われては、おいそれとついていくわけにはいかない。すまないな、他をあたってくれないか? さぁ、行こうサンチョ」 「ご主人様… サンチョはご主人様に一生ついていくっす…」 そう言って背を向ける女騎士。すると、少女は笛から降りて騎士の方をまっすぐに見つめると、うってかわって真剣な顔で語りかけました。 「世界の願い――そう言ったろう? これは、世界の行く末を左右する、大切な“正義”の話なんだ。“女神様”に頼まれた手前、僕としてもそう簡単に引くわけにはいかないよ。僕にできることならば、なんでも惜しみなく協力する。なんなら衣食住も保証し――」 「わかった。ちょっと待ってくれ。サンチョ、金持ちといえど、困っているならば人は人。お腹と相談してからもう一度よく考えてみないか?」 「…うぅ、またご主人様があの目に… うわーんご主人様がまた空腹のあまりおかしくなったす~! 衣食住に釣られたっす~!」 「…な、泣くなサンチョ、まずは生きねばとドン・キホーテ流の言葉にもあってだな…」 世界の命運の話を前に、泣き叫ぶ従者と、腹の虫を鳴らしながらそれをなだめる女騎士。そして話が一向に前に進まずにうなだれる笛吹きの少女。彼女らが紅い光を巡る熾烈な戦いに身を投じるのは、あと少しだけ先のお話でした。 ~『夢なりし紅の騎士物語』 その6~ -- (名無しさん) 2016-07-04 01 32 31 「…な、泣くなサンチョ、まずは生きねばとドン・キホーテ流の言葉にもあってだな…」 世界の命運の話を前に、泣き叫ぶ従者と、腹の虫を鳴らしながらそれをなだめる女騎士。そして話が一向に前に進まずにうなだれる笛吹きの少女。彼女らが紅い光を巡る熾烈な戦いに身を投じるのは、あと少しだけ先のお話でした。 ~『夢なりし紅の騎士物語』 その6~ 身長 1.55[meter] 体重 48[kg] 最高速度 気まぐれ 好きなもの 純粋な子供 嫌いなもの 嘘つきな大人 笛とは 楽しんで吹くもの! 匡吉 -- (名無しさん) 2016-07-04 01 33 24 フレーバーから察する限り、お爺さんが教えてた相手がサンチョ。 -- (名無しさん) 2016-07-04 01 38 17
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ホドモエシティの街の一角に、タブンネ親子が飼われている家がありました。 そのタブンネは大層可愛がられているようで、あったかそうな手編みのセーターを着させられています。服の中央には、ご主人様が付けてくれた大きな花のアップリケが咲いています。 タブンネの子供は10匹程いて、どの子も可愛い盛りでママが大好きな甘えん坊です。 タブンネは自分に抱きついている子タブンネの内の一匹を愛おしそうに抱き上げると、子タブンネのポヨポヨの柔らかいお腹に頬ずりします。子タブンネもとっても嬉しそうにミィミィと喜びます。 その下では、わたしも抱いてほしいよう、といった甘えた目でタブンネを見上げてミィミィと鳴いています。 とても幸せそうな親子です。その横では、ご主人様が仕事に行くための身支度をしています。 「じゃあタブンネ、良い子にしてるんだぞ。」 そう言うとタブンネは少し寂しそうながらもミィ!と鳴いて返事をします。 ご主人様が家を出ると、タブンネはちっちゃな椅子を出してきて窓際に置き、それに乗って窓から外を見ています。タブンネはご主人様が大好きで、いつもご主人様が見えなくなるまでご主人様を見送っているようです。 しかし今日は何故だか家の前で誰かと話しているようです。 ご主人様は二人の男と話していて、二人のうち一人の男から厚い封筒を受け取ると「毎度あり。」と言っていつものように出掛けていきました。 タブンネは不思議に思いましたが、子タブンネ達がまだ甘えたりないのかミィミィと母親を呼んでいます。タブンネはとことこと子タブンネ達に歩いていき、ストンと腰を下ろすといつものように子供達に愛情を注ぎ始めました。 タブンネが子タブンネを抱き上げると、子タブンネはとってもうれしそうに笑っています。そしてタブンネがチュッと子タブンネにキスをすると、子タブンネはミィミィ鳴いて喜びます。 その下ではまたもや子タブンネ達が「自分にもシテシテコール」をしています。 しばらくするとなにやら子タブンネ達がタブンネのお腹に顔をうずめて何かをチウチウ吸っています。 どうやら母乳を吸っている様子。タブンネも子タブンネも、とっても幸せそう。 しかしそんな幸せも、乱暴に開けられたドアの音にかき消されてしまいました。タブンネ達が一斉にドアを見ると、見慣れない男二人が立っています。 さっきの二人だ!タブンネは思いました。子タブンネ達は男が怖いのかタブンネの後ろに隠れて怯えながら様子を伺っています。 すると男がずんずんと部屋に入ってきて、タブンネに抱きついている子タブンネを引き剥がすと持っていた大きな布袋にポイと入れてしまいました。子タブンネ達は危険を感じたのか男から逃げ出しました。 タブンネはいきなりのことにビックリしています。しかしそうこうするうちにどんどん子タブンネ達は袋に入れられていきます。 タブンネはハッとすると、次々に子タブンネを袋に入れていく男達に「やめて!子供を返して!お願い!」といったようなミィミィ声をかけています。 しかしそんな願いは通じず、子タブンネ達は全員袋に入れられてしまいました。中では子タブンネ達がミィミィと母親を探してもがいています。 家を出ようとする男達の足にタブンネはしがみつき、子供を返してと必死に鳴いています。 「ミィ!ミィミィ!ミギィッ!?」 するとタブンネの顔に強烈な後ろ蹴りが炸裂。タブンネは無様にも後頭部を床に打ち付けてしまいます。 男達は乱暴にドアを開き、カギをかけるとミィミィうるさい袋を背負って冷凍コンテナの方向へと行ってしまいました。 突如として現れた男二人に子供達を奪われてしまったタブンネ。まだ状況が飲み込めないのか、座り込んでポカーンとしています。 あんなに響いていた子タブンネ達の声はキレイさっぱりと止み、常に感じていた子タブンネ達の温もりは暴力とともに消え去ってしまいました。 タブンネはやっと状況を飲み込めたようで、オロオロとパニック状態に陥っています。 「ミッミッミッ………!」 タブンネは不安のあまり部屋中をグルグルと走り回っています。 「ミッ……ミィーーーーッ!!」 するとタブンネは何かを悔やむような、子供達においすがるような叫び声を上げると、自分が何をすべきかわかったようでドアノブへと一直線に向かっていきました。 「ミィ!ミイッ!ミイー!」ガチャガチャ しかしドアノブは開く訳ありません。またもやタブンネは部屋中をグルグル回っています。 するとタブンネはさっきご主人様を見送った窓を思い出しました。一目散に窓に向かい、椅子に上がり窓を乱暴に開けるとタブンネは窓によじ登り始めました。 そしてタブンネは、久しぶりに外の世界の土を踏みました。しかしそんなことはどうでもいい。子供達を助けなきゃ!!タブンネは短い足を必死に動かして冷凍コンテナの方向へと走ります。 しばらくすると、子タブンネ達のママを呼ぶ声が聞こえてきました。タブンネはそれを頼りに必死に走る、走る。子供達をもう一度抱きしめたい。それだけがタブンネの原動力でした。 道中、何度も街行く人にぶつかったりゴミに足をとられて転びましたが、タブンネは力を振り絞って走り続けました。 そしてタブンネは、やっと愛する子供達の姿を見る事が出来ました。 子タブンネ達は何やら台車の上の大きな檻に入れられ、涙を目に浮かべミィミィと必死に母親を呼び続けていました。その檻はゆっくり、ゆっくりと冷凍コンテナへと入って行きます。 タブンネはひとまず子タブンネに会えた事が嬉しくて、思わず涙ぐんでしまいます。 子タブンネ達がタブンネに気付きました。みんなママに会えた事がうれしくて、ミィミィと喜びの声を上げています。 早く子供達の所に行ってあげなきゃ!タブンネは檻に向かって走り始めました。 すると急にタブンネの視界は真っ暗になり、何かに体をぶつけてしまいました。 どうやら作業員が荷物を運んでいたようで、詰まれた荷物はバラバラと音を立てて崩れてしまいました。 「ふざけんな!邪魔なんだよ豚!」 タブンネは子タブンネ達の目の前でサッカーボールのように蹴飛ばされ、ゴミ袋の山に派手に突っ込んでしまいました。 子タブンネ達は蹴飛ばされてしまったタブンネを心配するような声で鳴いています。 そして子タブンネ達の入った檻が、冷凍コンテナの中に完全に入ってしまったのを捉えました。 タブンネは痛む体にムチを打ち、ゴミ袋の山からのそのそと脱出し、汚くなってしまた手編みのセーターをポンポンとはたくと痛む体をひきずって冷凍コンテナへと歩み始めました。 子供を救うため、痛む体を引きずりフラフラと冷凍コンテナへと向かうタブンネ。 途中、何度も荷物を運んでいる作業員にぶつかったり、ぶつかりそうになってしまい、その度に虫のように蹴散らされてしまいます。 タブンネがやっと冷凍コンテナについた頃にはもう子タブンネ達はかなり奥深くに行ってしまったようで、ミィミィとママを呼ぶ声がしんしんと響いていました。 タブンネはその声を聞き、早足でコンテナの中へと入っていきました。 すると、いきなり強烈な寒さがタブンネを襲いました。タブンネは余りの寒さに一瞬ビクッとしましたが、立ち止まる事無く子タブンネ達の鳴き声を頼りに走っていきます。 幸いなことに、このセーターとタブンネ特有の厚い脂肪があったおかげで、死に至るような寒さではないようです。 タブンネは向かっている途中、ご主人様に何度も感謝しました。 しかし子タブンネ達の鳴き声を聞いているうちに、タブンネはあることに気づきました。 子タブンネの声はどんどん奥に行く度に弱っているのです。そしてブルブルと震えながらも必死に絞り出しているような声だと感じとったのです。 タブンネはより一層急ぎます。早くしないと、手遅れになっちゃう!白い息を吐きながらタブンネは走ります。 そして、やっとの事でタブンネは子タブンネ達の檻に辿り着きました。 どうやら肉を冷凍させるためのエリアのようで、子タブンネ達はカチコチの肉に囲まれ一箇所に集まりブルブルと震えていました。 「ミィ!ミィミィ!」「フィ、フィィ…」「ミィ…」 タブンネがお母さんはここにいるよ、大丈夫だよ、と言うと子タブンネ達は弱々しくも喜びの声を上げます。しかし、今にも消えそうな声です。 ここにきてタブンネは、ある重要な事に気づきました。それは、この檻を開ける事が出来ないということです。 考えもしなかったことに焦るタブンネ。しかし現実は残酷で、そうこうするうちに子タブンネ達はどんどん弱っていく。 タブンネは、檻の前を通る作業員達になにやら呼びかけています。 「お願い!子供達を助けて!」 そう言っているようです。しかし、作業員達はそんなタブンネに目もくれず、自分の持ち場に行ってしまいます。 しばらくすると、タブンネ達がいる所を担当する人がやってきました。 「ミッミッ!ミィ~ミィミィミィ!」 タブンネは必死にお願いしています。 「う~ん、ごめんなあ。おっちゃんにはその檻、開けられんのだわ。」 タブンネは落胆しますが、どうしても諦めることはできません。作業を続けるおじさんに、タブンネは必死にすがりつきミィミィと目に涙を浮かべお願いします。 始めは申し訳なさそうにしていたおじさんでしたが、さすがのしつこさにイライラしている様子。そしておじさんの怒りが爆発。 「しつこいぞ!何度も言った通り、俺にはこれを開けられん!あとお前、ゴミ臭いんだよ!」 しかしタブンネは諦めません。これしか子供達を救う方法が無いからです。 流石の優しいおじさんも、自分の仕事を邪魔する者には容赦はしません。 とうとう怒りは暴力に変わりました。 タブンネは、子供達の目の前で二度目の暴力を味わされるハメになりました。 耳を引っ張られ、顔を殴られ腹を蹴られ…やがてボロ雑巾のようになってしまったタブンネは自分の非力を憎みながら凍てつく地面にひれ伏しています。 フンと鼻をならし仕事を片付けていくおじさん。その横では、子タブンネ立ち上げたが鉄格子の間から必死に母親に呼びかけています。 しばらくするとおじさんは行ってしまいました。タブンネは寒さと痛みに耐えながら立ち上がり、愛する子供達の目の前まで来て、バタリと倒れてしまいました。 ぼやけた視界の中に、なにやら見慣れた顔の人間が、こちらに歩いてきます。 その正体がわかった時、タブンネの心はパアッと太陽が頭を出したかのように急に暖かくなりました。 その人間は、ご主人様でした。タブンネは全てが救われるような気がして、ご主人様にミィミィとお礼を言うように呼びかけています。 しかし次の瞬間、タブンネの心はまたもや凍てつく風に覆われた。 ご主人様の隣に、あの男二人がいるのだ。 自分の子供達をこんな所に置き去りにして、タブンネの心をたくさん痛めつけた張本人だ。 それでも、それでもタブンネはご主人様の足に力無くしがみつき、ひたすら助けと情けを求め鳴き続けます。 するとご主人様が防寒着のポケットから取り出した封筒から札束を広げ、男達とビジネスの話をしています。 タブンネは、自分の声が届いていないんだと思って、さっきより強めに鳴きます。でも、いくら鳴いてもご主人様は自分を見てくれない。 チラリと横を見ると、目を閉じブルブルと震え続ける愛しい子タブンネ達が見えます。タブンネは必死になって鳴きます。喉が潰れるまで鳴きました。 すると、男のうち一人が口を開いた。 「こいつさっきからうるさいんだが、どうするよご主人。」 すると、ご主人様がタブンネを見下ろして言いました。タブンネは、やっと自分に気付いてもらえたと思って安堵の表情を見せます。 しかし、次の瞬間タブンネの心は深い闇の底へと落ちていった。 「こいつはもう使い物にならなそうだ。お前らで処分しておけ。」 「ミィッ!?ミィ!ミィミィミィ!ミッミィ!」 タブンネは、そんなの嘘だよ、有り得ないといった顔で声を張り上げます。 すると、タブンネの視界はご主人様の靴で覆われた。鼻血を吹き出し、じたばたともがくタブンネ。 ご主人様だった人は、何度も何度もタブンネの顔を蹴りつけます。 「ふん!この媚びたような顔を見る度ヘドが出そうだったんだよ!今日まで生き延びられて幸運だったな豚ァ!」 言葉ひとつひとつが、タブンネに突き刺さっていった。そう、全ては罠だったのだ。一人の人間が至福を肥やすための罠だったのだ。 タブンネはそれに、まんまと引っかかっただけ。タブンネはご主人様に拾われた日の事を思い出した。 群れからはぐれ、ひとりぼっちで泣いていたタブンネに、差し伸べられた手…それが全ての始まり。 顔を血まみれにしたタブンネは、男の手によって冷凍コンテナからつまみ出され、近くの草むらへと乱暴に投げられた。 もう日は沈みつつあり、オレンジ色がタブンネを包み込む。 タブンネの記憶はここで途切れた… ご主人様に顔を踏みつけられ、顔を血まみれにされたタブンネ。その表情は絶望と悲しみだけで構成されています。 しかし、なおもタブンネはご主人にすがりつきます。一方ご主人は汚い顔を近づけるタブンネをゴミを見るような目で見ています。するとご主人が口を開きました。 「おい、檻の中にいる子タブンネ共が泣いて喜んでいるぞ。お前ら、もっと楽しいショーを見せてやれ。」 男二人がニヤリと微笑み「了解。」と言うとご主人の足にすがりつくタブンネを思いっきり蹴り飛ばしました。 「ミギャァァッ!!」 タブンネはコンテナに背中から激突。子タブンネ逹はミィッ!と悲鳴を上げました。 そして男がぐったりとしているタブンネを掴むと、檻の前の地面にビターンと叩きつけました。 「ミガッ!ミィギィィィィ!!」 タブンネは痛みのあまりのたうち回ります。そして男二人による容赦ないリンチが始まりました。 「ミギッ!ミグィィイ!ンミィッ!ンギィィイ!!」「ミィ!ミィミィン!ミッミィ!!」 タブンネの短い絶叫と子タブンネ達の悲鳴が見事な合唱を奏でています。 どれくらい時間がたったでしょうか、もはやタブンネは芋虫のように丸くなりピクピクと痙攣するのみになってしまいました。 体も足跡だらけ、タブンネがあんなに大事にしていたセーターは完全にボロボロです。 「なんだ?お前タブンネのくせにお洋服なんて着ちゃってるのかぁ?」 男がボロボロの薄汚れたセーターに手をかけると、タブンネはさっきまでの弱りようからは想像も出来ない程に暴れ始めました。 「オラッ!」 男が力を入れるとセーターはビリビリと音を立てて破け、タブンネから離れていきました。 「ミィイイイイイイイイ!!」 タブンネがやかましく喚き散らしながらじたばたと暴れています。 すると男はハッとしてご主人に申し訳なさそうに尋ねます。 「あー、すまん。これいくらだ?」 ご主人が答えました。 「いい。それは安物だ。それにタブンネの毛皮で出来ている。値段などたかが知れているさ。」 「そりゃ大安心だ!」 そして男はセーターをめちゃくちゃに踏みつけます。タブンネがそれをかばおうとしますが、一緒に蹴られてしまいます。 セーターは完全にボロ切れになってしまいました。 追々と泣くタブンネ。子タブンネも、タブンネの泣く姿には耐えられないのでしょう。 子タブンネ達はタブンネにおいすがるあまり、鉄格子に手を付き立った姿勢のままでミィミィとかすれた声で鳴いています。涙は滝のように流れています。 しかしそんなことをしていては体温を逃すばかりで、鉄格子も冷気でカチカチです。 「おい見ろよ!あいつらの手、凍っちまってるぜ!」 タブンネが視線を移すと、子タブンネの手がカチカチと音を立てて凍っていきます。しかしそんなことには気付かず子タブンネ達は鳴き続けます。 そしてその時はやってきてしまいました。子タブンネ達は足から徐々にカチカチと凍っていき、ついには凍った手と合流してしまいました。 それでもタブンネ達は涙を流して鳴いています。首が完全に凍ってしまった時、子タブンネ達は絶望と悲しみに歪んだ顔で凍ってしまいました。 最後まで母親を求め続けた子タブンネ達は、最期の時まで母親の温もりに溺れることなく死んでいきました。 「ミッ…?ミィ…?ミィ…ミィ…?」 どうしちゃったの…?といったような声で凍ってしまった子タブンネ達に呼びかけているタブンネ。 男達は笑いをこらえながら檻の中で絶望の表情のまま凍っている子タブンネを取り出しタブンネに投げました。 子タブンネの小さな胸に、タブンネは今にも千切れそうな触覚を当てます。 しばらくの静寂の後、タブンネの顔はみるみるうちに青白くなっていきました。 「ミィィァァァアアアアアアアア!!!!」 タブンネの絶望に染まった叫びが、冷凍コンテナの冷たい空気に響き渡る。 男達はもういいだろう、といった顔をしてタブンネの首の後ろを掴むと、発狂し暴れまわるタブンネを担いで出口へと向かっていきました。 タブンネはその間、子タブンネ達の檻から目を離す事はありませんでした。 そしてタブンネを近くの草むらにゴミのように投げ捨てると、暴れ続けるタブンネに強烈なストンプを食らわせ冷凍コンテナへと戻っていきました。 タブンネはどこまでも青い空と、自分の無力さを憎みながら気絶しました。 タブンネは夢の中にいました。 暖かい部屋の中、タブンネとその子供達はご主人が寝ていた布団の上に寝転がり幸せな気分に浸っていました。 外には雪が降っていて、子タブンネ達は初めて見る雪に目を輝かせ、窓から手と顔をムニュッとつけたまま離れようとしません。 タブンネは幸せに身を任せ寝転がっている子タブンネ達を抱き寄せ一匹一匹丁寧にペロペロと舐めています。 子タブンネはちょっとくすぐったそうですが、すぐに可愛らしい笑顔が咲き、両手をバンザイして喜びを体で精一杯表現します。 窓に張り付いていた子タブンネ達も、それを見るとちいさな椅子から降りてママの所に向かっていきます。 部屋中にミィミィという喜びや愛情を催促する声が響きます。タブンネはその声を聞く度に幸せでした。 しばらくするとご主人が美味しそうな木の実と甘い甘いホットミルクを持ってきました。 タブンネ達は木の実を受け取ると大きく口を開けてかぶりつき、しゃくしゃくと幸せそうに木の実を頬張っています。 タブンネ達は木の実を食べ終わるとホットミルクをぺちゃぺちゃと飲み始めました。みんな口の周りを白くして、ミッミッ♪と幸せの声を上げ飲んでいます。 そして食べ物は無くなり、お腹いっぱいの子タブンネ達はタブンネに抱きつきミィミィと甘え始めました。 タブンネ達は布団の上でいつまでもいつまでも寝転がったり、抱き上げたり抱きしめたり…いつの間にか子タブンネ達は甘え疲れて眠ってしまいました。 タブンネはそれを見ると幸せそうに目を閉じて、子タブンネ達と夕方になるまで眠っていました。 でも、目を覚ましても子供達はいませんでした。それどころか体中が痛くて、心がズキズキとしています。 タブンネはさっきの物が夢だとわかると、涙を流してえぐえぐと泣き始めました。 夢の中のタブンネは、今のタブンネに無いものを全て持っていました。 タブンネが空を見上げると月と星がキラキラと輝いていました。そしてタブンネは昨日のうちに起こった事を全て思い出しました。 タブンネは長い間気絶していたようで、既に街からは光が消え、人は一人も歩いていませんでした。 タブンネはのそのそと草むらから立ち上がると、寝静まった街にトボトボと歩いていきました。 タブンネのお腹はペコペコで、お昼に食べた木の実以外何も口にしていませんでした。 タブンネは子タブンネ達が死んだ瞬間をこの目で、この触覚と肌で、イヤというほど感じてしまいました。今もあの不気味な冷たさが手に残っています。 柔らかくて暖かいポヨポヨのお腹はすっかり凍って固く冷たくなっていて、まんまるでくりくりの大きな目は白く濁っていて、そこからは涙がつららのように垂れていました。 タブンネはもう、全てを諦めた様子でした。肩はガックリと下がり目は虚ろで、あんなに良かった毛並みもボサボサです。 そして何よりタブンネは身も心もズタズタでした。タブンネは1日で全ての幸せを奪われ、ただの汚い豚へと成り下がってしまいました。 タブンネはいつのまにかご主人の家の前にいました。無意識に家へと帰っていたのでしょう。 ここがタブンネの唯一の居場所です。もうここ以外帰る場所は無いのです。 タブンネは固く閉じられたドアを力無く叩いたり、引っ掻いたりしていました。いつまでも、いつまでも… 気が付くと太陽が頭を出していました。タブンネはそれを虚ろな目で見つめ続けていました。 すると、街の家から次々と人が出てきました。作業服を着ています。タブンネはそれを見ると、思わず着いていってしまいました。 もしかしたら…そう思いタブンネは冷凍コンテナへと歩みを進めます。 タブンネは冷凍コンテナが開くのを一人でずっと待っていました。作業員達がタブンネを指差して何かを喋っています。 「あいつ、昨日のタブンネだよ…」 「まだわかってないのか…もうとっくに凍っちまってるのに」 タブンネはそんな言葉を生気の無い顔で聞いています。そして無表情なのに、涙が流れてきました。 もうタブンネの精神はボロボロです。子供を奪われ主人に捨てられ、帰る場所すら無いのです。タブンネはわずかな希望にすがりつくしかありませんでした。 でも、タブンネはわかっていました。目の前で死んでいった子供達は、鮮明に記憶に残っています。 それでもタブンネは諦めきれませんでした。ただひたすら、またあの幸せを求めているのです。 タブンネはずっと待っていましたが、いつのまにか眠ってしまいました。 しばらくすると、冷凍コンテナの周りが賑やかになっていました。 タブンネを耳をピクッと動かして、目を開きました。 何やら漁師のような人達がコンテナで冷やしたマグロや肉を広げ、スーツ姿の人達に売っているのです。 タブンネはそれを見て、自分の子供達がどこにいるのか、必死になって探し回りました。 そしてタブンネは、冷やされて冷気を発している檻を見つけました。 その横には、あの男が椅子に座って料理人と話しをしていました。タブンネは料理人の後ろで、怒りに震えていました。 やがてその料理人は紙に何かを書き、それをあの男に渡して子タブンネを受け取りどこかに行ってしまいました。 男がタブンネに気付きました。男は憎しみと恨みのこもった顔で睨み続けるタブンネを見て、ニヤリと微笑みました。 「よお、昨日のママさんじゃねぇかwwこんなに美味しいお肉を提供してくれてありがとなwww」 タブンネはますます顔を怒りで歪めます。 「まあ、今のお前はママでもなんでも無いただの汚い豚だけどなww」 男がそう続けると、タブンネはもう我慢出来ない!といった顔で息を荒くして怒りに身を震わせていました。 「ミフーッ!ミフーッ!」 「おぉっと、そんなに怒ってもダメだぜ。何しろコレは超高級の…」 男がそう言って檻の中の子タブンネ達に手をかけました。タブンネはその瞬間、子供達を守らなきゃ!という気持ちが心の奥から吹き出ました。 「ミィーーーーーーッ!!!」 タブンネは男に、見よう見まねの全力の捨て身タックルを食らわせようとしました。 しかし男はそれをひょいと避け、タブンネに足を引っ掛けました。 ものすごい勢いで顔から転倒し、地面を滑るタブンネ。顔から傷口が開き、血がにじみ出ます。男は大爆笑しています。 どこまでも惨めな気分のタブンネは、地面にひれ伏したまま歯をギリギリと鳴らし地面を殴り続けるしかありませんでした。 男はそんなタブンネを無視して商売を続けていました。 「ミギギギギギ……ミフーッ!ミフーッ!ミィィィイ………!」 ぶつけることの出来ない怒りと憎しみ体を悶えさせ、わなわなと震え続けるタブンネ。 しかしそうこうするうちに子タブンネ達は飛ぶように売れていき、タブンネの目の前でまた一匹、また一匹とどこかに運ばれていきます。 タブンネはこのままではいけないと思い、男の前まで来て顔と手を地面に付き、ペコペコともう勘弁して下さいといったふうに頭を下げています。 怒りをこらえ、今にもどうにかなりそうなのに、その諸悪の根元にペコペコと頭を下げるのはとても耐えきれませんでした。 「ダメダメ、そんなことしても返してあげないよ。」 男はそう言いますが、タブンネはそれをやめません。よく見れば、地面が涙で濡れています。 「そうだ!タブンネちゃんがサンドバッグになってくれれば、子供達を返してあげるよ!」 タブンネはサンドバッグという言葉がわかりませんでしたが、顔をバッと上げ「何でもします、やらせて下さい!」といったふうにペコペコと頭を下げミィミィ鳴きました。 「ようし決まりだ!タブンネちゃんはこれからタブンネじゃなくてサンドバッグだ!」 男はそう言うと、檻の中でエビのように丸くなり凍っていた、売れ残りの一番小さな子タブンネを取り出すと、タブンネの口に詰め込みました。 「ンムィッ!?ムゥー!ムグゥーッ!」 男はそんなタブンネを押さえつけ、口に強力なガムテープを貼りつけました。 男はそれを喉のほうへと送り込もうとしています。 タブンネは必死になって飲み込まないようにしていますが、息が出来なくなり喉の力を緩めた瞬間にブチブチと喉がなり、子タブンネを飲んでしまいました。 お腹の中で、冷たくて大きな物がゴロゴロとしている感覚はとても気持ち悪く、それが子タブンネだと思うと今にも吐き出したくて仕方ありませんでした。 この子タブンネは、兄弟の中で一番小さくて、一番甘えんぼうで、まだ乳しか飲めない可愛い子タブンネでした。 「ムムム、サンドバッグにはこんな媚びた尻尾はついていないぞ!」 男がわざとらしく言って、尻尾を握り力を入れ始めました。 ブチィッ!フサフサの尻尾は血にまみれながら千切れました。 「ンンンンムゥィィイギィィィイイイイ!!」 声にならない悲鳴を上げ、痛みに苦しみ暴れ回るタブンネ。 男はひきちぎった尻尾をタブンネの肛門に詰めると、またもやあのガムテープで肛門を完全に塞ぎました。 そして耳と耳を縄で縛りつけ、冷凍コンテナのすぐ横にあるフェンスにくくりつけられてしまいました。 タブンネは尻尾をちぎられた激痛に耐えきれず、涙をポロポロ流して泣いています。 「ようし、これでタブンネちゃんはめでたくサンドバッグになれたね!じゃあまず手始めに…オラッ!」 男は無防備なタブンネの腹に右ストレートをくらわせました。 ボコォッという鈍い音のあと、タブンネの声無き悲鳴が上がり、お腹の中で何かが潰れた音がしました。 「じゃあタブンネちゃ…いやサンドバッグちゃん、死ぬまで頑張ってねー!」 男は高笑いと共に去っていきました。 タブンネはというと、鼻でプゴプゴ赤い泡を立てて必死に呼吸をしています。 そして冷凍子タブンネによりキンキンに冷やされてしまったお腹は、何やらギュルギュルと鳴っています。 通りかかる作業員達が、不思議そうな、興味津々な目をして通り過ぎていきます。 タブンネは惨めで惨めで、恥ずかしくて恥ずかしくて… そして助けを求め鳴いていると突然凄まじい腹痛に襲われました。 タブンネはお尻をクイッと上げ排泄を試みますが、肛門が完全に塞がれているので排泄が出来ません。 お腹の激痛に体をよじらせ悶えるタブンネ。するとタブンネの前に人が立っています。 タブンネはこの人が助けてくれるのだと思って、鼻でプゴプゴ必死に呼吸して、フガフガと鳴いて自分の可哀想な姿をアピールしています。 するとまたもやタブンネは内臓が破裂するような激痛を感じました。タブンネはなにが起きたのかわかりませんでした。 タブンネは鼻から血をブシュッと吹き出し白目になって手足をじたばたさせています。 すると周囲からどっと笑い声が聞こえてきました。 タブンネがまばたきして目を開けると、拳を構えた作業員がいました。そしてそれを見た直後… 「ムグィギィィッ!プッ!プゴッ!プゴゴッ!プヒュー!プヒュー!」 タブンネの腹に拳がズバンとめり込み、タブンネの内臓は破裂してしまいました。 タブンネは必死に呼吸をしていますが、血と鼻水が邪魔をして、赤い鼻ちょうちんが出来ています。 間髪入れずに次の拳が襲いかかりました。 それはタブンネの腹を上から突き上げるようなパンチで、タブンネは胸の辺りに溜まっていた内臓の破片や血ヘドが一気に逆流してしまいました。 しかし口から吹き出す事は許されず、鼻から勢い良く飛び出しています。さながらギャグマンガのようです。 タブンネは口に溜まっている血ヘドが気持ち悪くて、何度も吐きそうになりました。 「あースッキリした。また今度頼むわサンドバッグちゃんww」 作業員はせいせいした様子で去っていきました。 気が付くとタブンネは大勢の作業員達に囲まれていました。皆ニヤニヤと不気味な笑みを浮かべています。 タブンネは今から自分がされる事がなんなのか、一瞬で理解出来ました。 「ムィッ……ムー!ムィムィムムーッ!ングーッ!!」 タブンネは必死になって命乞いしていますが、そんな態度は逆効果です。 ドゴン!ズバァン!そこら中に音が響き、男達は次々とタブンネの腹に強烈なパンチをくらわせています。 タブンネは目をギョロギョロさせ、ただ体の中身が潰れていく感覚に耐えていました。 腸や大腸、さらには膀胱までが潰れ、タブンネの体内に糞尿が染み出します。 「こいつでとどめだ!」 最後と思われる作業員が、タブンネの背中が突き破れそうなほどのパンチを食らわせました。 「ングギミィィイイイイイイイ!!」 タブンネは絶望と苦痛に染まった叫びを上げました。 「ミブボォッッッ!!」 するとタブンネの口を固く閉じていたガムテープが謎の赤黒い液体とともにタブンネから放出されました。 「うわ!汚ねぇ!おい逃げるぞ!」 タブンネは赤黒い液体を放出した後、茶色い液体をドボドボと吐き出しました。 「ミボォオエエエエエエエエエエ!!」ビチャビチャ タブンネの吐き出した茶色の液体はタブンネの体内に溜まっていた糞尿でした。 するとタブンネの喉がいきなりベコンと盛り上がり、何か大きくてピンクの汚れた毛玉を吐き出しました。 それは、子タブンネでした。汚物の中から、白く濁った2つの目がタブンネを見つめていました。 「ミギィィィィァァァァアアアアアア!!!」 タブンネが絶叫を上げると、縛られていた耳がちぎれ、タブンネは汚物の中にどしゃりと落ちてしまいました。 汚物の中に、汚い小さな毛玉の上にアザだらけのタブンネが乗っかっています。 タブンネは、やっと子供を抱きしめる事が出来ました。 そしてタブンネは呼吸も出来ぬまま、醜く汚れたまま死んでいきました。 その死に顔は絶望に歪みきっていて、この世の物とは思えないほどでした。 そしてもう、ホドモエシティからは子タブンネ達の甘える声は聞こえなくなってしまいました。 終わり