約 1,033 件
https://w.atwiki.jp/bastard/pages/146.html
陣形 第一段階 比翼陣|嘴尖突|鶴翼翔|踊尾閃|竜蟠構|虎踞陣 第二段階 錐攻雁陣|護央雁陣|渦状蜷陣|飛竜鳳翼|群狼如旋|竜虎相撃|虎臣衛穴|蛟竜坐窺|豺狼乱舞 第三段階 虎豹牙突|竜尾尖角|雌翼抱卵|伏竜波構|伏虎蛇列|臥竜睨殺|鷹隼双舞 第四段階 潜竜昇仙哮|獅子號呼砲|鴻鵠翼卵姿|玄武護甲陣|怒鷲翔翼刃 第五段階 青竜咆天撃|白虎群流射|朱雀耀閃翅 ※①~④はステータス画面での並び ① ③ ② ④ 第一段階(CNT:~24) 比翼陣 ■③■■ ■■②■ 前列2人が補助関係となっていて ■■■■ 単独前衛に攻撃補助します ④■■① 嘴尖突 ■③■■ ■■■■ 中列の2人が前進すれば単独前衛に ④■②■ 2人で攻撃補助できます ■■■① 鶴翼翔 ④■■① ■■■■ 前衛2人が後退すれば中心の人物を ■③■■ 2人で防御補助できます ■■②■ 踊尾閃 ■■■① ④■②■ 最後列の人物が前進すれば ■■■■ 2人から防御補助を受けられます ■③■■ 竜蟠構 ■■■■ ③■■■ 中列2人が一体技を構成し ■②■① その内左側の人物は補助構成します ④■■■ 虎踞陣 ■②■■ ■■■■ 前衛の後退で連続技を構成します ■③■■ 後列2人から攻撃補助されます ④■①■ 上へ 第二段階(CNT:25~49) 錐攻雁陣 ■■■■ ■③■■ 万遍なく補助関係ですが ④■②■ 単独前衛に攻撃補助が2人付きます ■■■① 護央雁陣 ■■■■ ■■■① 万遍なく補助関係ですが ④■②■ 最後列に防御補助が2人付きます ■③■■ 渦状蜷陣 ■■■■ ■②■■ 中列に補助2人を置いた ④■①■ バランスの良い陣形です ■③■■ 飛竜鳳翼 ④■■① ■■■■ 前衛2人を補助にするか ■■■■ 前衛も一体技を組むか選択可能です ■③②■ 群狼如旋 ■■■① ③■■■ 右端2人を補助にするか ④■■■ 右端も連続技を組むか選択可能です ■■■② 竜虎相撃 ■■■■ ■③■■ 2人技の一体技と連続技を ■④■■ 一度に発動できる陣形です ■■②① 虎臣衛穴 ■■■■ ③■■■ 4人の位置が集中しているので ■②■■ 一体、連続への移行が容易です ④■①■ 蛟竜坐窺 ④■②■ ■■■■ 前列、後列で ■■■■ 一体技が一歩で構成できます ■③■① 豺狼乱舞 ③■■■ ■■■① 右端、左端で ④■■■ 連続技が一歩で構成できます ■■■② 上へ 第三段階(CNT:50~69) 虎豹牙突 ■■■■ ③■■① 右端、左端で連続技が構成できます ④■■② ■■■■ 竜尾尖角 ■■①■ ■③■■ 前半分で補助、後ろ半分で一体技が ■■■■ 構成されています ■④②■ 雌翼抱卵 ■③■■ ■④■■ 左半分で連続、右半分で補助が ■■■① 構成されています ■■②■ 伏竜波構 ■■■■ ④■②■ 中列に4人が集まっています ■③■① 一体技へのシフトも容易です ■■■■ 伏虎蛇列 ■③■■ ■■①■ 中列に4人が集まっています ■④■■ 連続技へのシフトも容易です ■■②■ 臥竜睨殺 ■③①■ ■■■■ 2人技を同時に2回発動できます ■■■■ ■④②■ 鷹隼双舞 ■■■■ ■②■■ 一体技と連続技を ■③■■ 同時に発動できます ■④①■ 上へ 第四段階(CNT:70~89) 潜竜昇仙哮 ■■■■ ④③■■ 2人一体技を2回発動するか ■■②① 4人技にシフトするか選択可能です ■■■■ 獅子號呼砲 ■③■■ ■④■■ 2人連続技を2回発動するか ■■①■ 4人技にシフトするか選択可能です ■■②■ 鴻鵠翼卵姿 ■■■■ ④■■① 中心で一体技を発動する2人を ■③②■ 防御補助で援護します ■■■■ 玄武護甲陣 ■■①■ ■③■■ 中心で連続技を発動する2人を ■④■■ 攻撃補助、防御補助で援護します ■■②■ 怒鷲翔翼刃 ■■■■ ■②■■ 3人一体技を発動するか ④③①■ 2人一体、連続を組むか選択可能 ■■■■ 上へ 第五段階(CNT:90~) 青竜咆天撃 ■■■■ ④③②① 4人一体技を発動可能な陣形です ■■■■ ■■■■ 白虎群流射 ■①■■ ■②■■ 4人連続技を発動可能な陣形です ■③■■ ■④■■ 朱雀耀閃翅 ■■■■ ■③①■ 2人技なら一体2回、連続2回を ■④②■ 選択的に発動できる陣形です ■■■■ 上へ
https://w.atwiki.jp/nicotetsu/pages/920.html
概要 ニコニコ旅客鉄道のです☆すたの発案により計画された、北部より初音市の東部を通り、南部へ至る縦断特急である。 路線の収容限界に近づいている初音市中心部を避けて走行する。直通運転が活発な東北地区と南東地区を結ぶ、長距離特急列車である。 計画にあたり、多くの社局・管轄区を通るため、綿密な計画がなされ、順次株主報告がされている。 なお、この特急計画の為、ニコニコ旅客鉄道は路線を初盆支社管轄である、初盆・泉小野地区へ延長し、同じグループ企業内で、路線が競合する状況を生み出した。 使用車種 485系300番代 停車駅一覧 管轄 路線名 駅名 停車駅 備考 東鉄 ● 弘南 ● ニコ旅大川支社 ニコ海動本線 杏仁 レ 春陽 レ 大川市 ● 真赤 レ 鳥詩 ● ニコ旅泉小野支社 壇所浦 ● 芽瑠斗 レ 泉小野 ● 泉尻 レ 葱馬 レ ミシャクジ井公園 レ か・ミシャクジ井 レ 帰宅厨 レ 東ノ宮 レ 吸田 レ TSD新町 レ 小手指 ● 春深 春深線 質屋蔵 レ 茶漬 レ 延陽 レ 鴻池 レ 夢卵 レ 春深西行寺 ● 植木 レ 山田 レ 御万 レ 茶碗 レ 提灯 レ 春深口 ● 響詩市 啓治線 根谷森 レ 響詩藤原 ● 響詩線 槍頭 レ 涅槃 レ 響詩 ● 通過駅化予定 境界 ● 旗 ● 左内 穏線 愛宕中 レ 湯ノ花温泉 レ 治武里線 繭 レ 古里湖 レ 徳間 レ 今庄 レ 左内線 音羽 レ 綿詩野 ● 御幸 レ 田原 レ 左内 ● 明里線 若杉 レ 秋本 レ 南東 ● 神男 ● SSS 日車線 豆腐台 レ ?線 一橋 レ 滝野 レ 病濡檜花線 小此木 レ 新?条 ● ルーミア レ G レ 大阪 ● スイッチバック X線 草履 レ 歩湾彼 レ かぐや レ 塩素2号 レ 臨港 喜和見線 真更 レ 粉雪町 レ 牙突 レ 緋村 レ 四乃森 ●
https://w.atwiki.jp/suzukifuku810/pages/85.html
葛城連 ―虐待おじさん レベル HP MP 攻撃力 防御力 魔法力 魔法防御 敏捷性 運 7 857 0 44 20 17 17 36 29 20 1670 0 84 37 31 30 70 58 35 2582 0 131 57 47 46 110 91 99 6172 0 328 134 114 111 227 234 虐待で鍛え上げられた剣術を武器に戦う KBTITバーの常連 悶絶耐性+ 特技 名称 消費TP 説明 取得条件 蝋燭 3 相手に蝋を垂らす。相手を火傷状態にする 初期習得 体当たり 0 敵単体にダメージを与え、一定確率でバランスを崩させる。当たりにくい 初期習得 YO! 10 敵単体に対して防御力無視の強力な攻撃を行う。 初期習得 鎧通し 15 敵に防御無視のダメージ&相手の防御力を下げる レベル 15 ×2な! 50 刀技。敵全体に対して2回攻撃を行う。 レベル 20 心頭滅却 10 使用者のTPを少し増やす。 レベル 25 牙突弐式 80 敵全体に対して強力な攻撃を行う。 レベル 30 本気で怒らせちゃったね! 100 敵単体に対して強力な4回攻撃を行う。会心あり 悶絶属性 レベル 35 りんご爆弾との相性 やはり物理型だが単体火力が高く、悶絶属性弱点ならかなりのダメージを叩き出せる。敏捷性もまあまあ。HZMKNPIもそうだが、人間便器マスクもあるし、魔法アタッカーだけでなく彼らのような物理アタッカーも入れておきたい所。 本人の性能 序盤から強力な物理アタッカーのライバル、HZMKNPIが登場した事により、若干影が薄くなった。悶絶弱点の敵は相変わらず多いが、同じダンジョンに集まることが多くなり、ダンジョンの得意不得意が前作よりもはっきりするようになった。悶絶弱点でなくとも攻撃力はHZMKNPIに次いで2番目に高く、技も単体技が多いので、HZMKNPIと同じような戦い方で活躍が可能。前作ほどの勢いは無くなったが、まだまだ現役。
https://w.atwiki.jp/bk_ucp/pages/102.html
黒騎士団外伝 第二章⑤ 愛治『いてて…セ…セフィロトさん!?』 セフィ『だ…だいじょぶです。気を失っていただけでダメージはありません………………』 愛治『ん?セフィロトさんどうしたの?』 セフィ『あ…愛治さんアレ!!』 愛治『なっ!?壁の高いところに仮面被った人が槍でぶっ刺されてる!!』 セフィ『ま…まさか壬生のおおかry』 千雪『別に私は悪・即・斬を掲げてませんし牙突でぶっ刺したわけではありません。』 愛治『そ…そんな事よりあの仮面は?』 千雪『例外の一人不明体という方だそうです。顔が見えないのと声をボカロに改変してる事から誰だか確証は得ませんが口調から大まかな予想はできます』 セフィ『れ…例外倒しちゃったんですか!?』 千雪『医務送還されないところを見ると決着はついてないと思います。それに奇襲といえタキさんを瞬殺した手前を考えると狸寝入りだと考えるのが妥当かと考えています』 セフィ『寝入りと言うかアレじゃ鶏の血抜きだよね』 愛治『もしくは呪いの藁人形』 不明体『人が即死並みの致命傷受けてる残酷絵図を冷静に眺めないでよね(笑)』 愛治『うわっ!動いた!』 セフィ『しかも動き方がグロいです!』 不明体『よいしょっと。さすがちゆちゃん確実に心臓を打ちぬいてる。槍を抜いた瞬間におそらくボクは絶命するだろうね。つまりボクはゲームオーバー、医務送還されるわけだよ』 不明体『開始すぐ、しかも初登場で負けるのはさすがにいやだな(笑)』 ブシュッ!プシャァァァ 愛治『グロい!えぐいよ!』 セフィ『自殺…!?』 千雪『…………』 バタッ 不明体『よっこいしょっと(笑)さて、戦おうか?』 セフィ『傷口が』 愛治『血痕が…ない?!』 千雪『久しぶりに敗色濃い戦いになりそうです(汗)』 黒騎士団外伝 (2012/02/13) 文章:yasu 前へ トップ 次へ
https://w.atwiki.jp/fullgenre/pages/290.html
Ultimate thing(前編) ◆EboujAWlRA 息を切らしながら、詩音は走っていた。 日の出には近いがまだ薄暗いこの時間帯では足元も不確かで、詩音は何度もつんのめってしまう。 それでも詩音は走り続ける。 あの煙が上がった先に悟史か沙都子、魅音やレナに圭一と言った仲間が居たらと考えてしまうと、どうしても脚が止まらないのだ。 簡単に死ぬわけはないと思うが、どうしても不安に駆られる。 もしも、あそこに居て銃を持った殺人者と相対していたら。 そんな状況ならば、AK-47、カラシニコフと呼ばれる突撃銃を持った詩音が行けば戦力になれる。 ある種、カラシニコフを持っていることで詩音の気を大きくさせていた。 拳銃よりも大型の、分かりやすぎる凶器。 これをもって脅せば、会話の際にかなりの優位に立てるだろう。 だが、詩音のそんな考えにも一抹の不安がある。 それはさきほど警察署で出会った学生服を来た少年とスーツの中年が原因だ。 詩音がカラシニコフを向けたにもかかわらず、あの二人は特に怯えたような感情を表に出さなかった。 その事実が詩音の考えに若干曇りを作る。 (でも、万が一悟史くんや沙都子が危険な目に遭っているのなら……!) だが、不安要素があろうとここで詩音は止まる理由はなかった。 万が一にも可能性があるならば走る価値はある。 いずれにせよ、詩音にははっきりとした目的地が定まっていないのだ。 この広い島を無作為に走り回るくらいならば、何かしらの目立つものを追う方が効率が良いだろう。 あわよくば、その目立つ物へと寄ってきた、あるいは逃げてきた悟史達と出会うことがあるかもしれない。 「……!」 だが、その詩音が足を止める。 目前から誰か、二人組が近づいてくることに気づいたからだ。 学園寮からの脱走経験がある詩音は夜目が効く上に勘も良い。 カラシニコフを手に取り、腰を僅かに落とす。 目の前の二人組が殺し合いに乗っているか乗っていないか、それは定かではないが警戒するに越したことはない。 「止まりなさい!」 詩音は目の前の二人組、泉こなたと平賀才人へと声を投げつける。 突き放す様な鋭い言葉。 そんな詩音の声色にこなたとサイトは僅かに肩をすくめて、それでも詩音の持つカラシニコフを目にやると足を止める。 カラシニコフが脅しとして確かに機能したことは詩音に安堵の感情をもたらした。 だが、直ぐに気持ちを切り替えてこなた達へと投げかける言葉を考える。 下手な言葉は口に出来ない。 与し易い相手だと舐められて、煙に巻かれるのだけは避けたい。 下手な会話は時間の消費と情報の混乱を招くだけだ。 「『北条悟史』と『北条沙都子』、それに『竜宮レナ』に『前原圭一』と『園崎魅音』に会った、もしくは居場所は知りませんか?」 詩音はストレートな言葉を選んでおくことにした。 いちいち腹を探りながら言葉を交わすような状況ではない。 一言二言、お互いに必要な言葉を交わせればそれでいい。 もちろん、爆心地から現れたこの二人に警戒していた、という気持ちもある。 特に焦った様子もなく、サイトは剣を片手に現れたのだ。 何かしらのきな臭い物を感じ取った詩音としては、警戒しない方がおかしい。 そんな詩音のピリピリとした様子を感じ取っているのか、こなたはサイトへと顔を向けて答える。 「その人達のこと知ってる、サイト?」 こなたは肩を持ち上げて知らない、と仕草で示してサイトへと振る。 だが、サイトは何も言わない。 今まで忠実にこなたと付き添ってきたサイトには珍しい反応だ。 こなたはサイトの表情を見た後、視線を追う。 「すげえ胸……ってぇ!?」 サイトが何を見ていたのか、こなたが察した瞬間に漏らしたサイトの言葉。 こなたは笑みを浮かべて脚を踏みつぶす。 体重の軽いこなたとは言え、思い切り脚を上げてから踏み下ろされたのではダメージもかなり大きい。 足の甲を抑えながらピョンピョンと飛び回る。 呑気とも取れるその動作に、詩音は若干苛立つ。 出来の悪いコントを見ている暇はないのだ。 「わ、悪いルイズ。えーっと、北条に、竜宮に……ああ、うん、俺は知らねえよ。 ルイズと会うまで、俺は誰とも会ってないからな」 「視線を胸から一切ずらさずに謝るのもどうかと思うよ」 多大な期待を抱いていたわけではないが、やはり言葉にされると落胆を覚える。 詩音はこの二人に他にも情報を聞きだすべきかを僅かに考え、やめておくことにした。 カラシニコフを抱えたまま、脚を一歩動かす。 背中を見せずに立ち去るのも中々難しいものだ、と詩音は思った。 「そうですか。それでは私はこれで」 「あれ、聞くだけ聞いて行っちゃうの?」 「別に話すこともないでしょう? それともそちらもなにか?」 言葉と視線に「用があるならさっさとしろ」という思念を込めてこなたを見返す。 こなたは僅かに面白くなさそうに眉を潜めて、直ぐに何かを思いついたように顔を明るくした。 怪しい、詩音は直ぐにそう思う。 どうもこの二人はおかしいと詩音は察する。 特に男の方、サイトは妙に落ち着かないというか詩音とはまるで違うものを見ているというか。 「いやー、実はあの遊園地で踏んだり蹴ったりな目にあっちゃってさ」 「逃げる……やっぱりあそこでなにかあったの?」 「そーそー。こーんな狐みたいな細い目をした背の高い男の人に襲われたの」 こなたは自身のタレ目を人差し指で上へと釣り上げる。 それにしてもサイトは特に何も言わない、まるで犬のようだと詩音は思った。 しかし、こなたの言葉はあまり信用出来ない。 襲われたというわりにはどうも落ち着きすぎているような気がするのだ。 それにサイトが剥き出しの剣を固く握りしめているのにも気に掛かる。 (……いや、それともこっちを刺激しないようにしてる?) こなたのにこやかな顔に、嘘をついているという考えではない別の考えが頭によぎる。 思えば詩音は銃を持っているのだ、変に刺激するのは避けるだろう。 そう考えると、こなたが常ににこやかななのにも納得ができる。 「……とりあえず、ご忠告感謝します」 嘘をついている可能性と、本当のことを言っている可能性。 そのどちらもあり得るため、話半分に聞いておくことが吉だろう。 背の高い、狐のような細い目をした男、か……警戒していた方が良いだろう。 詩音はそう思いながら、銃口を僅かに下げる。 構えを解いたわけではない、力を少し抜いただけだ。 その僅かな瞬間だった、サイトが女神の剣を持って僅か一歩で詩音の懐へと詰めたのは。 「ハッ!」 息を鋭く吐いたサイトは女神の剣を横一線に振るう。 普通の高校生にしか見えなかったサイトの突然の素早すぎる行動に詩音は虚を突かれる。 カラシニコフを持ち上げる、いやそれでは間に合わない。 不思議なほど落ち着いた頭で詩音は判断する。 スパッ、とテレビの時代劇ならば擬音がつきそうなほどあっさりと女神の剣は切り裂く。 女神の剣、神の加護を得た聖剣は業物と呼ばれるに相応しい、なまくら刀とは違う切れ味を持っている。 身体能力を高め、さらにそれを持つは剣での戦闘を何度もこなしたサイト。 ガンダールブ発動中に、体の神経に刻み込まれた技術はサイトにとって大きなプラスとなっている。 流されやすい、良く言えば素直な性格が技術の吸収を助けているのだ。 そして、サイトは自身が斬り捨てた物を見据える。 いや、正確に言えばその結果晒された詩音の身体を眺めていた。 詩音は呆然として、片手でカラシニコフを持って斬られた胸元を押さえる。 慌てたようにバックステップでサイトと距離をとるが、直ぐに本能でかがみ込んでしまう。 こなたもそんな詩音の身体を冷めた目で見る。 いや、呆れている、と言い換えても良いかもしれない。 そして、熱が篭ったように詩音を見つめるサイトの向こう脛を思い切り蹴りつける。 脚を踏まれた時以上の、声にもならない声をあげる。 サイトが女神の剣を使い切り裂いたのは、詩音の服だった。 しかも、見事に胸部だけ。 横一文字に、サマーセーターを、胸の位置に。 もうわかりやすく言ってしまおう。 詩音のブラジャーが見えてしまったのだ、サイトの斬撃によって。 詩音は知らないが、こなたとサイトは密かに視線を合わせて詩音を襲うと決めていた。 明らかに強力な武器であるカラシニコフに惹かれたが故の行動だ。 それを何が起こったかサイトは胸を斬ったのだ。 恐らく、詩音が現れて以来片時も離さなかった視線が原因であろう。 「……この程度!」 詩音は頬を僅かにだけ赤らめ、躊躇いがちだが立ち上がってカラシニコフを構え直す。 もちろん、今まで腕で隠していた胸が剥き出しになる。 下着が残っていることと肌に傷がつかなかったことは幸いだと、何処か見当違いな思考が過ぎる。 「うおお……!」 「ッゥ!」 痛みによる呻き声ではない、感嘆の念が多分に篭った声をサイトが漏らす。 詩音は顔をひきつらせてカラシニコフのトリガーを引く。 もちろん当てるつもりはない威嚇射撃だ。 だが、思わず引いてしまった、という感情のままの行動のため狙いは少しずれたかもしれない。 「うわあ!」 「ルイズ! ……てめえ!」 その銃弾はこなたの足元へと打ち付けられた。 今まで平静を装っていたが、こなたもさすがにこれには驚いたように後ずさる。 こなたの反応にサイトは慌てたように名を呼び、無事を確認するとほっと一息つく。 そして、直ぐに詩音の方へと怒りに顔を染めて向き直る。 その瞳には先程のような浮ついた感情はない。 (藪をつついて蛇を出す……か) 威嚇射撃は威嚇にならず、逆に向こうを刺激しただけ。 銃を持っていることがここまでアドバンテージにならないとは、さすがに詩音も苛立ちを覚えてくる。 サイトと詩音のにらみ合いが続く。 こなたは、ふー、ふー、っと深呼吸を繰り返したのち、ただ手持ち無沙汰にそれを眺めている。 サイトと詩音がにらみ合いを続けて数分ほどが経った後だった。 「思ったよりも離れていなかったようだな」 冷たい、全てを突き放すような声が響く。 三人が声の方向へと視線を向けると、そこにはキツネ目をした青い警官の制服らしきものを来た男が銜え煙草で立っていた。 キツネ目の警官、斎藤一はちらりとサイトとこなたを横目で見る。 銃を構えた詩音には一瞥もくれない。 「人を殺めたか、小娘」 『嫌な奴に会った』とこなたとサイトは眉をしかめながら思う。 『背の高い、細目の男……それにあの服、警官?』と詩音はこなたたちの言う細めの男が目の前の斎藤だと察する。 その詩音の考えの通り、この青い警官の服を着た長身の男はこなたとサイトが出会うきっかけとなった男だ。 「どうして、そんなことを思うの?」 「くだらん腹芸を使うな。どんなに身体を洗おうと、こんな短時間で染み付いた血の臭いは取れん」 そう言い切り、相変わらず細く鋭い目でこなたとサイトを見据える。 その目には先程のような怒りも蔑みも存在しない。 明確な敵意が瞳から伝わってくる、怒気の混ざらない純粋な敵意だ。 「悪、即、斬……市井を脅かす貴様らは既に悪だ。餓鬼の悪戯を超えてしまったんだよ」 グッ、と強く拳を握りこんで左肘を弓を引くように思い切り後ろへと持っていく。 斎藤はこなたを殺すつもりはないが、サイトはその限りではない。 こなたにしても殺さなければ良いのだ、腕の一本ぐらいなら奪ってしまうかもしれない。 間違いなく、先程とは違う。 こなたの横に居たサイトもそれを認識したのか、女神の剣を構えてこなたの盾になるように前へと立つ。 相変わらず射殺すように鋭い瞳、サイトはそれを真っすぐに受け止めて女神の剣を正眼に構える。 膠着状態が、僅かに続く。 先に動いた方が負ける、と言うわけではないがあの警官には隙が一つとして存在しない。 そして、隙がない以上はサイトから簡単に動くわけにはいかない。 「フンッ!」 故に、先に動いたのは警官から。 信じられないほど速い初速、そして全くスピードが落ちない中速、ついにはスピードが上がった終速。 あっという間にサイトの懐に斎藤の姿が現れる。 やはりこの糸目の警官は強い、とこなたは思い、詩音はその精密かつ速すぎるその動きに愕然とする。 揺れない信念と研ぎ澄まされた技と人知を逸する身体能力、全てを兼ね添えている。 しかし、それを避けたサイトも只者ではない。 確かに、あの女神の剣を持てばこなたでも斎藤の攻撃は見えた。 だが、サイトは見えただけでなくそれをはっきりと避けたのだ。 しかも次の瞬間には、反撃を狙っている。 やはりこの二人はただ身体を鍛えているというだけではない。 何かしらの武術を習っていて、しかもかなりの修練を積んでいる。 そうこなたが考えている間にも攻防は続いていく。 サイトが女神の剣で切りつけると、斎藤は無骨な篭手でそれを受け流す。 斎藤のそこにある空気を裂くようなストレートを、サイトは紙一重で避けていく。 その攻防は、もはやテレビで見る格闘技などとは比べ物にならない。 むしろ、特撮や時代劇であるような殺陣に似ている。 実は裏で二人は段取りを組んでいる、と言われてもこなたと詩音は信じるだろう。 それほど二人の攻防は見事なものだった。 サイトが攻めていると思ったら、いつの間にか斎藤が攻めている。 味方であるサイトが押されているというのに、こなたはただ見ているだけ。 正確に言うならば見ることしか出来なかった。 その時ようやく一撃(と言っても距離をとるためだけの弱い蹴りだが)を入れたサイトが距離をとる。 斎藤はそれを追わずに、鋭い目付きで見据えたまま構え直す。 「……逃がしては、くれねえよなぁ」 「逃げてみるか?」 まるで他人事のように、何の感情もなく斎藤は言葉を返す。 「そいつは無理そうだな」とサイトも精一杯不敵な笑みを作りながら返す。 先程と違い、斎藤は『人を殺した』こなたとサイトに執着している。 簡単に逃げれるとは思えない。 ここがいわゆる執念場かー、とこなたがどこか呑気に思った瞬間。 「見ぃぃぃつけたぁぁぁぁぁぁぁ!!」 大声が、響いた。 その声は詩音にだけ聞き覚えがなく、斎藤とサイトとこなたには聞き覚えのある声。 野太い男の声で実は舌が二枚あるのではないかと言うほど早口に言葉を繰り出すあの声。 「人を殺すことは当然なのか? 人を殺せない人間は弱い人間なのか?」 何かを訴えるように、あるいは自分に言い聞かせるように大きな声と共にこちらへと向かってきている。 詩音も、斎藤も、サイトも、こなたも。 その声へと耳を傾けてしまう。 「いいや、違うね! 人を殺さないことは弱いことなんかじゃあない、むしろ強い意思の持ち主だ! 殺すことでしか解決できない人間とは違う文化的な人間さ! 俺なんかとは違うなぁ! 俺はその心に敬意を示す! 文化とはそうであるべきだ! 人間に豊かな心をもたらす物だ! だぁぁぁからぁぁぁぁぁ! 俺は!」 その瞬間、唐突に目の前に現れた。 その場に竜巻を運び、砂嵐を作って現れたその男、ストレイト・クーガーはサングラスを僅かに上げ。 「止める! 最速でなぁ!」 そう、宣言した。 突然現れた、黒いサングラスをした男。 その目はやはりこなたとサイトを見ており、詩音には一瞥をくれただけ。 また何か出た、と詩音は頭を抱えたくなるが斎藤とサイトとこなたの三人に緊張が現れたことから、直ぐに気を引き締める。 この男にも何かある、詩音はそう思ったのだ。 「見つけましたよ、こなたさーん!」 「いやあ、こっちは逃げたかったんだけどなあ」 はははー、と呑気に笑いながらこなたは答える。 だが、その顔には僅かに汗が浮かび上がっており緊張していることが察せられる。 こなただけでない、サイトなど歯を食いしばって顔をしかめている。 つまりこの男はフレンドリーに声をかけているが、こなたとサイトにとっては面倒な相手だと言うことなのだろう。 詩音はなんとなくではあるが今の状況を把握する。 まず、斎藤はこなたとサイトを殺そうとしている。 こなたとサイトは殺し合いに乗っており、斎藤と敵対している。 クーガーはこなたとサイトに用が有る、態度から殺すような荒っぽい真似はしないだろう。 (ここから出るなら今……今なら問題なく出れるでしょ) この騒動に巻き込まれている暇はない。 詩音としては、早く仲間を探しておきたいところなのだ。 服装が服装だが、そんなことに構っている暇もない。 生命がかかっているのだ、旅の恥はかき捨てではないが気にしている場合でもない。 「……っと、おやおや。これはまた刺激的な格好ですねえ、お嬢さん。 こんな薄暗い中で刺激的な薄着はいけません、風邪のような病原菌だけでなく邪な思いを抱いた男も寄りついてしまいますよ いえいえその男を誘うが目的だと言う場合もあるかもしれませんが貴女の凛とした目をみる限りそれもなさそうです。 男としては嬉しく思わないこともありませんが文化的な男を称する以上こんな状況でそのような薄着の女性の誘いにのるべきではなーい。 というわけでこれをどうぞお嬢さん。こう見えても中々暖かい上に動きやすくて便利なものですよ。 あ、私のことを構う必要は一切としてありませんよ。男は黙って女性を支えるものですからねえ。 男性と女性、いえ、人と人は支え合って生きていくもの、それが文化的」 「ありがとうございます」 詩音が立ち去ろうとした瞬間、クーガーはその姿を見つけた引き止める。 そして明後日の方向を向きながら、そのホーリー隊員の制服を脱ぎ詩音へと差し出す。 詩音は最低限の礼儀としてクーガーの言葉が終わってから受け取ろうと思ったが、一向に終わる気配に痺れを切らし早々に受け取ってしまう。 僅かに汗をかいていることに顔をしかめるが、今の胸元が開いた服よりはマシだと思い素直に羽織る。 裾が長い、クーガーと詩音の体格にはかなりの違いがあるから仕方が無いことではあるが。 腕の裾を捲り、手元も自由にする。これで良い。 クーガーは話を途中で折られ、肩を竦める。 「……さーて、ではこなたさん。早くそんなことやめてしまいましょうか」 「なんで?」 クーガーの言葉に、こなたは不思議そうな声を返す。 斎藤はそれに眉をしかめ、クーガーはなおも諦めずに声をかけ続ける。 「こなたさーん。貴女、自分のしていることが分かってるんですか?」 「分かってるよ、これはゲームでしょ? だったらこれで優勝しないと。 それでブイツーくん……ゲームマスターからリセットボタンを貰うんだ。 やり直し、やり直し。それで元通りだよねー!」 そこで詩音は、ああ、と思う。 なにか奇妙だと思ったらこなたは気が触れていたのだ。 現実から目を離すのを悪いことだと決めつけるつもりはないが、一方の都合のいい展開にしか目を向けないのは駄目だ。 そんなに上手く行くものではない。 上手く行くものではないから、詩音は今こうして焦っているのだ。 「ルイズ、もう良いだろ。危ないから下がってろって」 クーガーがなおもなにか言おうとした瞬間、こなたを庇うようにサイトが一歩踏み出す。 だが、クーガーと斎藤がその言葉に反応する。 サイトがこなたに向けて言った、ルイズという言葉に、だ。 「ルイズ?」 「ルイズ・フランソワーズ……名簿にそんな名前があったな」 「おいおい、そりゃおかしいってもんだぜ。こなたさんは泉こなたって名前で名簿に乗ってる。 この俺ストレイト・クーガーの名前も斎藤さんの名前も、カズマも劉鳳も社長もかなみちゃんも緋村剣心さんだって名前が乗ってる名簿にだ。 まさか一人の人物を同じ名前で乗せる必要もないだろう。 いや、確かに名前と言うのは一種の記号であってその人となりにはあまり関係ないのものだ。 愛した人間と結ばれることでその名を一部を変えるパターンはあるが、それでもその人の本質に変りはないだろう。 だがだが、今は名簿の問題だ。人の名を記す名簿にはその記号を記すことでその存在が居ることを伝えることに意味が」 「その餓鬼は泉こなた。何故ルイズと呼ぶ? ああ……」 クーガーの長々とした台詞を、今度は詩音ではなく斎藤が被せる形で打ち切る。 そして、短くなった煙草を吹かしながら。 サイトの目を見据えた僅かに笑みをこぼし。 「死体でも見たか?」 その斎藤の言葉に、サイトの顔が真っ赤に染まる。 図星か、と笑いながら斎藤は呟く。 「……うっせえんだよ、お前ら! ルイズはここに居るって言ってんだろうが!」 「くだらんな」 斎藤は限界まで短くなった煙草を捨て、次は金属バットを手に持つ。 サイトも手に血管を浮かび上がるほど強く握って女神の剣を正眼に構える。 「……おい、お前」 「うるせえって言ってるんだよ! ルイズはなあ……ルイズはここに居るだろうが! 小柄で、怒りやすくて、手が口よりも先に出て……そのルイズがここに居るだろうが!」 クーガーはサイトの言葉に顔を歪め、腰を落としてクラウンチングスタートの体勢を取る。 詩音はここから離れるタイミングを失ったことに頭を抱える。 こなたはサイトの勝利を祈るだけ、ここで逃げれるという自信がないからだ。 そして、何かが起こればこの沈黙が破られる。 そんな瞬間に一人の男が横槍を入れる形で現れた。 「……やっと、人が居たか」 その男は、痩せぎすの体躯をしていた。 よく光る目と獣のように上端がぴんととがった耳。 半袖とジーンズ、そして何故か靴を履いていない。 ほっそりと痩せぎすの体躯から一種独特の精気を発散するその男。 明らかに何かが違う、『いかにも』と言った雰囲気を持っている。 その男の名は後藤。 五体のパラサイトが一つの身体に同居している種変りなパラサイトだ。 その『パラサイト』後藤に対して、最も反応が早かったのは『人斬り』斎藤一だった。 斎藤は素早く腰を落として身構える。 サイトたちからは目を離し、決して後藤から視線をそらさない。 人を殺し続けた故に人の殺し方を知っている斎藤には、後藤が人でない何かだと直感的に理解できたのだ。 そして、次に違和感を覚えたのは『アルター能力者』ストレイト・クーガーだ。 本土にて身体を弄られたクーガーは自分と似たものを感じたのだ。 ただの人間とは身体の作りが違う、そんなものを。 『ガンダールブ』平賀サイトと『鬼』園崎詩音は目の前の生き物を人間だと認識したが、何かがおかしいと肌が訴えかけていた。 シャツのボタンを一つずれて掛けてしまったような、そんな些細だが確かな間違いを感じるのだ。 そして、修羅場慣れなどしているわけのない『一般人』泉こなたでは、威圧感のある男の人だな、としか思わなかった。 「後藤だ」 「……?」 「お前たちは名前を知りたがる。ならば、先に名乗っておくだけだ」 ゆったりとした言葉ではあるが、何かを急くように後藤はしゃべり続ける。 得体の知れない後藤に詩音を含めた五人は動くことが出来ない。 まるで銃弾が底を尽きた状態で猛獣を前にした狩人のような、そんな感覚。 「……三人か」 そんな場を作った元凶である後藤は無機質にそう呟く。 ここに居る人間は五人。 後藤の言う三人とは一体何だ?と詩音が思った瞬間、後藤が詩音の頭を見透かしたように呟く。 「歯応えのありそうなのは、三人だな」 無表情のまま、僅かに首をコクリと回して一歩踏み出す。 瞬間にバラバラであったここに居る全員の考えがようやく一致した。 『この生き物は危険だ』、と。 後藤は殺し合いに来てから、ようやく強い高揚感を覚えていた。 目の前の人間は強い。 少なくとも暴力団の事務所に乗り込んだ時ぐらいには面白くなるだろう。 しかも、今度こそ食事にありつけるのだ。 あの貧相な身体をしたルイズとか言う少女だけでは満腹にはなれなかった。 だが、今回は体格の良い男が三人に、早熟気味の少女が一人とルイズなる少女と同じような貧相な身体をした少女が一人。 これだけ食せば満腹になる、しかも戦闘欲求まで満たせるオマケ付きだ。 人の言葉で表すならば、まさに『至れり尽くせり』といったところか。 一人ひとりじっくりと味わっている暇はない。 目の前の男三人も、場合によっては少女二人も、後藤へと襲いかかってくる。 共通の敵を見つけた人間は一先ずの協力を結ぶ、その敵が強力であればあるほどにそれは顕著だ。 「……さて」 後藤は始めて見るご馳走を前した子供のように、一切の躊躇いもなく動き始めた。 人間よりも高い身体能力を使い、一足飛びで五人の間合いへと飛び込む。 そして、右腕を肘から下まで鋭利な刃物へと変える。 肘から下に、釣り針のような反りを二つほど作っている鋭すぎる刃だ。 その刃を鉄甲をつけた斎藤へと勢いよく振り下ろす。 「ふん……阿呆が!」 斎藤は鼻で笑いながら右の無敵鉄甲でその刃を受け流し、さらに左手で強く握りしめた金属バットを横薙ぎに後藤の腹へと叩き込む。 壬生浪と呼ばれ人を斬り続けた新撰組浪士、その三番隊組長・斎藤一には後藤の狙いらしい狙いもない気のままの刃など速いだけの物に過ぎない。 がら空きになった腹へとバットを叩きつけられた後藤は僅かに距離を取り直す。 ここで逃がしはしない、追撃をと考えた斎藤だったが無敵鉄甲に目をやり足を止める。 後藤の刃を受けた無敵鉄甲に僅かな切り傷が見える。 サイトやこなたの斬撃で一切傷がつかなかった無敵鉄甲に、だ。 それほどあの刃は鋭く、振り下ろした後藤の膂力は流しきれないほどに強力だったということか。 僅かに緩んでいた心を再び締め直す。 「なるほど……」 腹部にバットを叩き込まれた後藤が何かを確かめるように腹をさする。 そして、斎藤と腹を見比べながら、その間にも表情を一切変えない。 喜びも、怒りも、哀しみも、楽しみも。 感情を忘れたのではなく最初から知らないかのように一切表情を変えない。 詩音は背筋がぞっとする。 いつか園崎は鬼だ、なんて話があるし分からないでもないが、目の前の後藤は鬼ですらない。 いや、後藤は生き物なのだろうか? ただ人を殺すことにだけに拘っている機械なのだと言われた方がまだ納得できる。 「野獣風情が人里に降りてくるな……」 詩音がそんな思いをいだいている横で、斎藤が吐き捨てるように呟く。 クーガーとサイトは様子見に徹する。 斎藤の高い戦闘力を知っているため、先に戦わせて後藤の力量を見極めようとしているのだろう。 見様によっては姑息とも取れる戦法ではあるが、それほどに斎藤の力を信頼しているのだ。 なによりクーガーにはこなたを止めるという使命がある。 サイトとこなたがここから立ち去らないように、それでいて二人と詩音へと後藤が攻撃を仕掛けないように見張っている。 クーガーが居る限り、サイトとこなたも動けない。 下手に動いて斎藤とクーガーが死に、後藤と相対するのを嫌ったのだ。 あのモンスターと呼ぶに相応しい後藤は、どうしようもなく嫌だった。 「お嬢さん……今のうちに逃げてください。ここは少し危ない」 クーガーは詩音の耳元に顔を近づけ、そう呟く。 目の前であり得ないことが起きているというのに、非常に落ち着いている。 それはクーガーがアルター能力者、詩音の基準でいうあり得ない人物であることも起因している。 恐らくあれを何らかのアルター能力だと思うことにしたのだ。 「安心してください、アイツは俺と斎藤さん、サイトとかいう少年に興味あるみたいですからねえ」 クーガーはサングラスを上げ、詩音へとウインクして見せる。 詩音は僅かに考え込み、少し自己嫌悪の情を浮かべながらカラシニコフを抱えてここを立ち去った。 それでいい、とクーガーは呟き後藤へと向き直る。 一方、斎藤は腰を落とし、バットを持った左を弓を引く様に後ろへと持っていき、右手を照準をあわせるようにをバットの先端に添える。 クーガーとサイトとこなたは知っている。 あれは斎藤が放つ最速最強の構え。 顔に直撃すれば、首から下と頭がお別れしてしまうのではないかと思わせるほどの威力を持った拳だ。 拳で打った姿しか見たことがなかったが、バットを持った姿を見て三人は確信する。 これは本来武器を用いての構え、拳はただの代用品だったのだ 「……死ね」 斎藤は短い言葉と共に、爆発するようなスタートを切る。 後藤はそれを待ち受ける。 侍を相手に、猛獣がカウンターを狙う。 斎藤はその馬鹿さ加減におかしさよりも巨大な怒りを覚える。 たしかにこの棍棒では本来の牙突の威力は出ない。 だが、それでも鬼の副長であり稀代の天才・土方歳三が考案した左片手平突きは甘いものではない。 後藤はブレード状に硬質化させた右腕を振りかぶる パラサイトである後藤には、どんなに速い斎藤の攻撃であっても見えている。 迫り来る金属バットへと右腕を突き刺すように持っていき。 「……む」 後藤の右腕が吹き飛んだ。 かろうじて肩との接続部分は残っているが、重火器が直撃したように右腕がその形状を保てずに四散していく。 威力に押し負けた、人間相手に。 そのあり得ない事態を後藤が理解した瞬間、斎藤は叫ぶ。 「まだだ!」 斎藤はその言葉と共に、伸ばしきった左腕を思い切り横に払う。 当然、左手に強く握ったバットも薙ぎ払われる。 そのバットは右腕がなくなったゆえにがら空きになったボディに直撃する。 牙突、左片手平突きは突きと横薙ぎの二段構えであるこそ新撰組に採用されたのだ。 かつ、斎藤一はその牙突だけを極めたスペシャリスト。 いくら化け物であろうとこれを食らえば生き物である以上立てない。 「……なるほど」 「っ……! 癇に障る野獣だ……!」 だが、後藤はまだ立ち上がる。 腹をさするだけで効いてはいないと言わんばかりに表情を変えずに。 そして、斎藤を見つめて呟く。 「お前は強いらしい」 後藤は簡素な賛美の言葉の後に、「だが……」、と付け加える。 相変わらず表情を変えることはなく、四散したはずの右腕を元の形へと戻していきながらの台詞。 「何故、三人で来ない?」 本心からの、不思議でたまらないとも取れるような口調で後藤は言う。 当然斎藤の怒りは限界まで届く。 だが、斎藤が次の動作を取るよりも早く、高く跳躍したクーガーが居た。 踵部分に仕込まれたピストンと側面部の噴射口を使えば、クーガーは宙を舞うことだって出来る。 「そうだ、それでいい……」 ラディカル・グッド・スピードを脚部に展開したクーガーのかかと落とし。 後藤は先程の牙突のような防御ではなく、回避を選択する。 クーガーの攻撃が牙突よりも強力だと感じたわけではない。 ただ先程は迎え撃ったから次は避けてみるかという散歩のコースを変えるような気軽さで思っただけの話だ。 クーガーのかかと落としは空振りに終わる。 後藤は横に素早く身体を動かし、硬質化させた右腕でクーガーの首をはねようとする。 「てりゃあ!」 「ふん!」 だが、それはサイトと斎藤の左右からの攻撃が入ることで失敗。 バットを突き出した斎藤の攻撃を右腕で、サイトの女神の剣を振り下ろした攻撃を左腕で、それぞれ盾のように広げた両腕によって防ぐ。 「人間は殺すことについてはどの生き物よりも長けている……か」 左腕でサイトの女神の剣を、右腕で斎藤のバットを受け止めながら呟く。 先程まではいがみ合っていたように見えた三人が一斉に攻撃したため、思わずその言葉を思い出したのだ。 しかし、クーガーは直ぐに次の攻撃を繰り出す。 サイトと斎藤の攻撃によって両腕が塞がれた今が好機。 腕を地面につけて押すように腕に力を入れ、逆に脚は後藤の腹へと突き出す。 カポエラを思い出させる攻撃。 「くっ!」 「うわ!?」 だが、後藤はそのクーガーの攻撃を察して、直撃する前に高く飛び上がる。 クーガーの跳躍も高い、が後藤の跳躍はもっと高い。 空振りしたクーガーの蹴りと、突如支えのなくなった斎藤とサイトが倒れこむ。 さらにそれぞれのデイパックも四散し、あらぬ方向で飛んでいく。 「即興にしては面白いな……」 上空を見上げると、そこには建物の壁に刃と化した右腕を突き刺した後藤が居る。 そして、腕をバネのように伸縮させたかと思うと。 弾けるように、勢いよく地面へと落ちてきた。 斎藤たち三人は、不恰好に転がるようにして弾丸のように降り落ちる後藤から距離を取る。 地面に落下した際に、後藤の握りしめた左拳は地面に叩きつけられコンクリートにヒビが入る。 あれがまともに入っていれば間違いなく肋骨は粉砕、その下の内臓も破裂で即死だろう。 だが、威力以上に恐ろしいのは、先程見せたバネのような腕の変化。 恐らくここが室内ならばまるでスーパーボールを思い切り叩きつけたかのように、後藤は立体的な動きで自由自在に動き回っていただろう。 同じく殺し合いに連れてこられた、縮地という歩法扱う瀬田宗次郎と同じように。 そういう意味ではこのほどほどに広がった道路での立体的な動きが出来ない戦闘ならば、まだ与し易い。 最速の男ストレイト・クーガー、壬生浪斎藤一、ガンダールブ平賀才人の三人は揃ってそう思った。 しかし安堵している暇はない。 後藤は次の攻撃へと移る。 刃のように固めた右腕を最も近くにいるクーガーへと振り下ろす。 だが、平面でのスピードならばクーガーは負けはしない。 右腕に軽い蹴りを入れることで身体を攻撃線上から外し、余ったもう一方の脚で蹴りを叩き込む。 このままでは尻餅を突いてしまい隙を作ってしまうことになるが、クーガーは片腕を地面につき支える。 そして、先程の一発だけでは後藤が倒れないであろうことは察していた。 故にまるでダンスを踊るようにクーガーは蹴り続ける。 まずは宙へ腕で跳ね上がるように後藤の顎に一撃。 後藤の顎が空へと上がった瞬間に、片足が地面につき上がったままのもう一方の足で腹部に軽く一撃。 次に両足が地面へとつけば、身体を屈める。 横薙ぎ振るってくるであろう後藤の右腕を避けるためだ。 クーガーの読み通り後藤の右腕は空を切る。 そして、後藤が右腕を空振りした時を見計らって足払いを掛けて体勢を崩す。 時間にして僅か数秒。 クーガーは後藤を確かに翻弄していた。 「ハハアハハッハア! スピードでこの俺を張り合おうなんてなあ!」 だが、後藤は一向に顔色を変えない。 楽しんでいるわけでも苦しんでいるわけでもない、痛みに顔を歪めすらしない。 まるで痛みを感じていないのではないかと思うほどの無表情だ。 クーガーは機械と戦っているかのような感覚を覚える。 それは当然とも言える。 後藤はパラサイト、この地球上で最も「痛みに鈍い」生き物だ。 その上、腹部による攻撃は全て腕によるガードと皮膚の硬質化で防いでいる。 「っう!?」 足元に激痛が走る。 視線を落とすと、脚部に展開したラディカル・グッド・スピードが後藤の脚に貫かれている。 ちょうど今まで振るっていた腕のように先端の尖った刃へと変えていたのだ。 腕だけでなく脚も変化させることに驚愕を覚えながら、距離を取り直そうとする。 だが、後藤はそこで終わらない。 右腕を突き刺すように素早く動かす。 その右腕はクーガーの脇腹を貫き、血を滴らせる。 だが、致命傷ではない。 「ぬおわぁ!」 そして、止めと言わんばかりに後藤は長い脚でクーガーを蹴り飛ばす。 パラサイトの全力の蹴り、クーガーは遠くへと吹き飛ばされていく。 その間に斎藤とサイトは距離を取り、後藤もそれを追撃せずに見送る。 仕切り直し、だが後藤は大したダメージどころか疲労すら感じさせない。 斎藤は手に持ったデイパックを手探りで何かを取り出す。 金色の柄をした、反りの大きい蛮刀だ。 「ちっ、蛮刀か……どこまでも使えん餓鬼だ」 「てめえ、それは俺の!?」 サイトの言葉から分かる通り、斎藤の得意とする反りの少ない美術品のような美しさを持つ日本刀ではない。 それはこのバトルロワイアルの参加者の一人でもあるヴァンの蛮刀。 日本刀ではないが、バットよりは遥かにマシだと斎藤は自身に言い聞かす。 今にも襲いかかってきそうなサイトを片手で制し、腰を落とす。 蛮刀を持った左手を弓を引くように後方へと持って行き、照準をあわせるように蛮刀の先端に右手を添える。 三度目となる、牙突の構え。 一度目は拳、二度目はバット、三度目は蛮刀。 そして、順を追うごとに圧迫感を増している。 拳を武器とする拳法ではなかった、バットのような棒を扱う杖術ではなかった。 この牙突の構えは、刀を持ってこその剣術。 それをサイトとクーガーは悟る。 後藤は斎藤から溢れる怒気と殺気を心地よいと言わんばかりに正面から受け止める。 そして、腰を落とし、左腕を硬質化させる。 左腕を、『弓を引くように引いていく。』 「貴様……!」 後藤が取った構えは、斎藤の牙突の構え。 と言っても斎藤のようなバランスの取れた構えではなく、不恰好な動けるかどうかも分からない構え。 だが、斎藤を煽るにはそれだけで十分だった。 怒りを原力に斎藤は走り出す。 いや、走りだすと言うよりも弾け飛ぶと言った方がしっくりと来るだろう。 そして、斎藤の動きに合わせて後藤も動き出す。 構えと呼べるか前からのスタートでもないのに、そのスピードは斎藤と何の遜色もない。 このことから単純なスペックは後藤の方が上だと斎藤にも分かる。 しかし、技術ならば斎藤の方が勝っている。 ならば後藤はどう来るか、当然搦手だ。 後藤は左腕に添えた右手を硬質化させ、奇襲をかける。 (くだらんっ!!) だが、斎藤は首を捻り上半身をのぞけらすことで右腕の攻撃を交わす。 そして、体勢を崩したままだというのに牙突を放つ。 牙突により、後藤の左腕が弾ける。 だが、まだ終わらない。 二度目となるが牙突は二段構え、平突きで仕留めることが出来なければ直ぐ様に横薙ぎへと移る。 斎藤は忠実にその極めた技を実行へと移し―――― 唐突に、足の甲に鋭い痛みを覚えた。 もちろん痛み程度では横薙ぎを止めはしない。 だが、僅かにスピードが鈍ったのは事実だ。 その僅かなスピードの差で、脚を硬質化させ脇腹をガードしている。 ダメージは残るが致命傷ではない上、後藤はパラサイト。 斎藤の牙突はほとんど失敗したと言っても良い。 「ちっ……だが、まだ……っ!?」 ならば、と斎藤は位置取りを僅かに変え、零距離から身体のバネだけで放つ牙突・零式へと移ろうとする。 だが、まるで地面に縫いつけられたかのように足がピクリとも動かない。 そこで視線を下へと降ろすと、そこには後藤が斎藤の足を思い切り踏みつけていた。 刀同士での戦いは足の使い方も大きな要素である。 故に何度も死線をくぐり抜けてきた斎藤には、ただの踏みつけならば抜け出す方法を知っている。 だが、後藤が行っている踏みつけは普通のものではなかった。 足の指を硬質化させ、刃で突き刺しているのだ。 そしてそれはコンクリートにも達している。 固められたコンクリートとパラサイトの単純な力に挟まれ斎藤は抜け出すことが出来ない。 後藤は僅かに動揺している隙に、右腕で斎藤の左の肘から下を切り落とす。 壬生浪と言えども肉体は人、パラサイトの刃により簡単に切り落とされる。 蛮刀を持った左腕が地面へと落ちる。 斎藤は歯を食いしばり、痛みに耐えながら右腕を振り上げる。 だが、斎藤が拳を叩き込むよりも早く後藤はその右腕を切り落とす。 腕のなくなった斎藤、だが目に怒りにギラつかせたまま蹴りを放つ。 それは単純に後藤が憎いからでも、負けることが嫌いだからではない。 彼の信じる唯一の正義、悪・即・斬の信条が故。 人里に降り、人を食い散らす獣は悪だ。 その獣が何を思っていようと、食料がないという事情があろうと関係ない。 悪は斬る、それが新撰組のような人斬り集団が信じる唯一の正義。 腕がなくなろうと、脚がなくなろうと、五体がなくなろうと、ただ悪を斬る。 それが、乱世を刀で変えようとした人斬りたちの、唯一の正義。 「まずは、一人」 時系列順で読む Back 元教師とメイドさん Next Ultimate thing(後編) 投下順で読む Back 元教師とメイドさん Next Ultimate thing(後編) 055 少女と獣 後藤 072 Ultimate thing(後編) 044 幸せの星(後編) 泉こなた 平賀才人 046 三竦み 園崎詩音 066 お前の姿はあいつに似ている ストレイト・クーガー 斎藤一
https://w.atwiki.jp/tarowa/pages/291.html
Ultimate thing(前編) ◆EboujAWlRA 息を切らしながら、詩音は走っていた。 日の出には近いがまだ薄暗いこの時間帯では足元も不確かで、詩音は何度もつんのめってしまう。 それでも詩音は走り続ける。 あの煙が上がった先に悟史か沙都子、魅音やレナに圭一と言った仲間が居たらと考えてしまうと、どうしても脚が止まらないのだ。 簡単に死ぬわけはないと思うが、どうしても不安に駆られる。 もしも、あそこに居て銃を持った殺人者と相対していたら。 そんな状況ならば、AK-47、カラシニコフと呼ばれる突撃銃を持った詩音が行けば戦力になれる。 ある種、カラシニコフを持っていることで詩音の気を大きくさせていた。 拳銃よりも大型の、分かりやすぎる凶器。 これをもって脅せば、会話の際にかなりの優位に立てるだろう。 だが、詩音のそんな考えにも一抹の不安がある。 それはさきほど警察署で出会った学生服を来た少年とスーツの中年が原因だ。 詩音がカラシニコフを向けたにもかかわらず、あの二人は特に怯えたような感情を表に出さなかった。 その事実が詩音の考えに若干曇りを作る。 (でも、万が一悟史くんや沙都子が危険な目に遭っているのなら……!) だが、不安要素があろうとここで詩音は止まる理由はなかった。 万が一にも可能性があるならば走る価値はある。 いずれにせよ、詩音にははっきりとした目的地が定まっていないのだ。 この広い島を無作為に走り回るくらいならば、何かしらの目立つものを追う方が効率が良いだろう。 あわよくば、その目立つ物へと寄ってきた、あるいは逃げてきた悟史達と出会うことがあるかもしれない。 「……!」 だが、その詩音が足を止める。 目前から誰か、二人組が近づいてくることに気づいたからだ。 学園寮からの脱走経験がある詩音は夜目が効く上に勘も良い。 カラシニコフを手に取り、腰を僅かに落とす。 目の前の二人組が殺し合いに乗っているか乗っていないか、それは定かではないが警戒するに越したことはない。 「止まりなさい!」 詩音は目の前の二人組、泉こなたと平賀才人へと声を投げつける。 突き放す様な鋭い言葉。 そんな詩音の声色にこなたとサイトは僅かに肩をすくめて、それでも詩音の持つカラシニコフを目にやると足を止める。 カラシニコフが脅しとして確かに機能したことは詩音に安堵の感情をもたらした。 だが、直ぐに気持ちを切り替えてこなた達へと投げかける言葉を考える。 下手な言葉は口に出来ない。 与し易い相手だと舐められて、煙に巻かれるのだけは避けたい。 下手な会話は時間の消費と情報の混乱を招くだけだ。 「『北条悟史』と『北条沙都子』、それに『竜宮レナ』に『前原圭一』と『園崎魅音』に会った、もしくは居場所は知りませんか?」 詩音はストレートな言葉を選んでおくことにした。 いちいち腹を探りながら言葉を交わすような状況ではない。 一言二言、お互いに必要な言葉を交わせればそれでいい。 もちろん、爆心地から現れたこの二人に警戒していた、という気持ちもある。 特に焦った様子もなく、サイトは剣を片手に現れたのだ。 何かしらのきな臭い物を感じ取った詩音としては、警戒しない方がおかしい。 そんな詩音のピリピリとした様子を感じ取っているのか、こなたはサイトへと顔を向けて答える。 「その人達のこと知ってる、サイト?」 こなたは肩を持ち上げて知らない、と仕草で示してサイトへと振る。 だが、サイトは何も言わない。 今まで忠実にこなたと付き添ってきたサイトには珍しい反応だ。 こなたはサイトの表情を見た後、視線を追う。 「すげえ胸……ってぇ!?」 サイトが何を見ていたのか、こなたが察した瞬間に漏らしたサイトの言葉。 こなたは笑みを浮かべて脚を踏みつぶす。 体重の軽いこなたとは言え、思い切り脚を上げてから踏み下ろされたのではダメージもかなり大きい。 足の甲を抑えながらピョンピョンと飛び回る。 呑気とも取れるその動作に、詩音は若干苛立つ。 出来の悪いコントを見ている暇はないのだ。 「わ、悪いルイズ。えーっと、北条に、竜宮に……ああ、うん、俺は知らねえよ。 ルイズと会うまで、俺は誰とも会ってないからな」 「視線を胸から一切ずらさずに謝るのもどうかと思うよ」 多大な期待を抱いていたわけではないが、やはり言葉にされると落胆を覚える。 詩音はこの二人に他にも情報を聞きだすべきかを僅かに考え、やめておくことにした。 カラシニコフを抱えたまま、脚を一歩動かす。 背中を見せずに立ち去るのも中々難しいものだ、と詩音は思った。 「そうですか。それでは私はこれで」 「あれ、聞くだけ聞いて行っちゃうの?」 「別に話すこともないでしょう? それともそちらもなにか?」 言葉と視線に「用があるならさっさとしろ」という思念を込めてこなたを見返す。 こなたは僅かに面白くなさそうに眉を潜めて、直ぐに何かを思いついたように顔を明るくした。 怪しい、詩音は直ぐにそう思う。 どうもこの二人はおかしいと詩音は察する。 特に男の方、サイトは妙に落ち着かないというか詩音とはまるで違うものを見ているというか。 「いやー、実はあの遊園地で踏んだり蹴ったりな目にあっちゃってさ」 「逃げる……やっぱりあそこでなにかあったの?」 「そーそー。こーんな狐みたいな細い目をした背の高い男の人に襲われたの」 こなたは自身のタレ目を人差し指で上へと釣り上げる。 それにしてもサイトは特に何も言わない、まるで犬のようだと詩音は思った。 しかし、こなたの言葉はあまり信用出来ない。 襲われたというわりにはどうも落ち着きすぎているような気がするのだ。 それにサイトが剥き出しの剣を固く握りしめているのにも気に掛かる。 (……いや、それともこっちを刺激しないようにしてる?) こなたのにこやかな顔に、嘘をついているという考えではない別の考えが頭によぎる。 思えば詩音は銃を持っているのだ、変に刺激するのは避けるだろう。 そう考えると、こなたが常ににこやかななのにも納得ができる。 「……とりあえず、ご忠告感謝します」 嘘をついている可能性と、本当のことを言っている可能性。 そのどちらもあり得るため、話半分に聞いておくことが吉だろう。 背の高い、狐のような細い目をした男、か……警戒していた方が良いだろう。 詩音はそう思いながら、銃口を僅かに下げる。 構えを解いたわけではない、力を少し抜いただけだ。 その僅かな瞬間だった、サイトが女神の剣を持って僅か一歩で詩音の懐へと詰めたのは。 「ハッ!」 息を鋭く吐いたサイトは女神の剣を横一線に振るう。 普通の高校生にしか見えなかったサイトの突然の素早すぎる行動に詩音は虚を突かれる。 カラシニコフを持ち上げる、いやそれでは間に合わない。 不思議なほど落ち着いた頭で詩音は判断する。 スパッ、とテレビの時代劇ならば擬音がつきそうなほどあっさりと女神の剣は切り裂く。 女神の剣、神の加護を得た聖剣は業物と呼ばれるに相応しい、なまくら刀とは違う切れ味を持っている。 身体能力を高め、さらにそれを持つは剣での戦闘を何度もこなしたサイト。 ガンダールブ発動中に、体の神経に刻み込まれた技術はサイトにとって大きなプラスとなっている。 流されやすい、良く言えば素直な性格が技術の吸収を助けているのだ。 そして、サイトは自身が斬り捨てた物を見据える。 いや、正確に言えばその結果晒された詩音の身体を眺めていた。 詩音は呆然として、片手でカラシニコフを持って斬られた胸元を押さえる。 慌てたようにバックステップでサイトと距離をとるが、直ぐに本能でかがみ込んでしまう。 こなたもそんな詩音の身体を冷めた目で見る。 いや、呆れている、と言い換えても良いかもしれない。 そして、熱が篭ったように詩音を見つめるサイトの向こう脛を思い切り蹴りつける。 脚を踏まれた時以上の、声にもならない声をあげる。 サイトが女神の剣を使い切り裂いたのは、詩音の服だった。 しかも、見事に胸部だけ。 横一文字に、サマーセーターを、胸の位置に。 もうわかりやすく言ってしまおう。 詩音のブラジャーが見えてしまったのだ、サイトの斬撃によって。 詩音は知らないが、こなたとサイトは密かに視線を合わせて詩音を襲うと決めていた。 明らかに強力な武器であるカラシニコフに惹かれたが故の行動だ。 それを何が起こったかサイトは胸を斬ったのだ。 恐らく、詩音が現れて以来片時も離さなかった視線が原因であろう。 「……この程度!」 詩音は頬を僅かにだけ赤らめ、躊躇いがちだが立ち上がってカラシニコフを構え直す。 もちろん、今まで腕で隠していた胸が剥き出しになる。 下着が残っていることと肌に傷がつかなかったことは幸いだと、何処か見当違いな思考が過ぎる。 「うおお……!」 「ッゥ!」 痛みによる呻き声ではない、感嘆の念が多分に篭った声をサイトが漏らす。 詩音は顔をひきつらせてカラシニコフのトリガーを引く。 もちろん当てるつもりはない威嚇射撃だ。 だが、思わず引いてしまった、という感情のままの行動のため狙いは少しずれたかもしれない。 「うわあ!」 「ルイズ! ……てめえ!」 その銃弾はこなたの足元へと打ち付けられた。 今まで平静を装っていたが、こなたもさすがにこれには驚いたように後ずさる。 こなたの反応にサイトは慌てたように名を呼び、無事を確認するとほっと一息つく。 そして、直ぐに詩音の方へと怒りに顔を染めて向き直る。 その瞳には先程のような浮ついた感情はない。 (藪をつついて蛇を出す……か) 威嚇射撃は威嚇にならず、逆に向こうを刺激しただけ。 銃を持っていることがここまでアドバンテージにならないとは、さすがに詩音も苛立ちを覚えてくる。 サイトと詩音のにらみ合いが続く。 こなたは、ふー、ふー、っと深呼吸を繰り返したのち、ただ手持ち無沙汰にそれを眺めている。 サイトと詩音がにらみ合いを続けて数分ほどが経った後だった。 「思ったよりも離れていなかったようだな」 冷たい、全てを突き放すような声が響く。 三人が声の方向へと視線を向けると、そこにはキツネ目をした青い警官の制服らしきものを来た男が銜え煙草で立っていた。 キツネ目の警官、斎藤一はちらりとサイトとこなたを横目で見る。 銃を構えた詩音には一瞥もくれない。 「人を殺めたか、小娘」 『嫌な奴に会った』とこなたとサイトは眉をしかめながら思う。 『背の高い、細目の男……それにあの服、警官?』と詩音はこなたたちの言う細めの男が目の前の斎藤だと察する。 その詩音の考えの通り、この青い警官の服を着た長身の男はこなたとサイトが出会うきっかけとなった男だ。 「どうして、そんなことを思うの?」 「くだらん腹芸を使うな。どんなに身体を洗おうと、こんな短時間で染み付いた血の臭いは取れん」 そう言い切り、相変わらず細く鋭い目でこなたとサイトを見据える。 その目には先程のような怒りも蔑みも存在しない。 明確な敵意が瞳から伝わってくる、怒気の混ざらない純粋な敵意だ。 「悪、即、斬……市井を脅かす貴様らは既に悪だ。餓鬼の悪戯を超えてしまったんだよ」 グッ、と強く拳を握りこんで左肘を弓を引くように思い切り後ろへと持っていく。 斎藤はこなたを殺すつもりはないが、サイトはその限りではない。 こなたにしても殺さなければ良いのだ、腕の一本ぐらいなら奪ってしまうかもしれない。 間違いなく、先程とは違う。 こなたの横に居たサイトもそれを認識したのか、女神の剣を構えてこなたの盾になるように前へと立つ。 相変わらず射殺すように鋭い瞳、サイトはそれを真っすぐに受け止めて女神の剣を正眼に構える。 膠着状態が、僅かに続く。 先に動いた方が負ける、と言うわけではないがあの警官には隙が一つとして存在しない。 そして、隙がない以上はサイトから簡単に動くわけにはいかない。 「フンッ!」 故に、先に動いたのは警官から。 信じられないほど速い初速、そして全くスピードが落ちない中速、ついにはスピードが上がった終速。 あっという間にサイトの懐に斎藤の姿が現れる。 やはりこの糸目の警官は強い、とこなたは思い、詩音はその精密かつ速すぎるその動きに愕然とする。 揺れない信念と研ぎ澄まされた技と人知を逸する身体能力、全てを兼ね添えている。 しかし、それを避けたサイトも只者ではない。 確かに、あの女神の剣を持てばこなたでも斎藤の攻撃は見えた。 だが、サイトは見えただけでなくそれをはっきりと避けたのだ。 しかも次の瞬間には、反撃を狙っている。 やはりこの二人はただ身体を鍛えているというだけではない。 何かしらの武術を習っていて、しかもかなりの修練を積んでいる。 そうこなたが考えている間にも攻防は続いていく。 サイトが女神の剣で切りつけると、斎藤は無骨な篭手でそれを受け流す。 斎藤のそこにある空気を裂くようなストレートを、サイトは紙一重で避けていく。 その攻防は、もはやテレビで見る格闘技などとは比べ物にならない。 むしろ、特撮や時代劇であるような殺陣に似ている。 実は裏で二人は段取りを組んでいる、と言われてもこなたと詩音は信じるだろう。 それほど二人の攻防は見事なものだった。 サイトが攻めていると思ったら、いつの間にか斎藤が攻めている。 味方であるサイトが押されているというのに、こなたはただ見ているだけ。 正確に言うならば見ることしか出来なかった。 その時ようやく一撃(と言っても距離をとるためだけの弱い蹴りだが)を入れたサイトが距離をとる。 斎藤はそれを追わずに、鋭い目付きで見据えたまま構え直す。 「……逃がしては、くれねえよなぁ」 「逃げてみるか?」 まるで他人事のように、何の感情もなく斎藤は言葉を返す。 「そいつは無理そうだな」とサイトも精一杯不敵な笑みを作りながら返す。 先程と違い、斎藤は『人を殺した』こなたとサイトに執着している。 簡単に逃げれるとは思えない。 ここがいわゆる執念場かー、とこなたがどこか呑気に思った瞬間。 「見ぃぃぃつけたぁぁぁぁぁぁぁ!!」 大声が、響いた。 その声は詩音にだけ聞き覚えがなく、斎藤とサイトとこなたには聞き覚えのある声。 野太い男の声で実は舌が二枚あるのではないかと言うほど早口に言葉を繰り出すあの声。 「人を殺すことは当然なのか? 人を殺せない人間は弱い人間なのか?」 何かを訴えるように、あるいは自分に言い聞かせるように大きな声と共にこちらへと向かってきている。 詩音も、斎藤も、サイトも、こなたも。 その声へと耳を傾けてしまう。 「いいや、違うね! 人を殺さないことは弱いことなんかじゃあない、むしろ強い意思の持ち主だ! 殺すことでしか解決できない人間とは違う文化的な人間さ! 俺なんかとは違うなぁ! 俺はその心に敬意を示す! 文化とはそうであるべきだ! 人間に豊かな心をもたらす物だ! だぁぁぁからぁぁぁぁぁ! 俺は!」 その瞬間、唐突に目の前に現れた。 その場に竜巻を運び、砂嵐を作って現れたその男、ストレイト・クーガーはサングラスを僅かに上げ。 「止める! 最速でなぁ!」 そう、宣言した。 突然現れた、黒いサングラスをした男。 その目はやはりこなたとサイトを見ており、詩音には一瞥をくれただけ。 また何か出た、と詩音は頭を抱えたくなるが斎藤とサイトとこなたの三人に緊張が現れたことから、直ぐに気を引き締める。 この男にも何かある、詩音はそう思ったのだ。 「見つけましたよ、こなたさーん!」 「いやあ、こっちは逃げたかったんだけどなあ」 はははー、と呑気に笑いながらこなたは答える。 だが、その顔には僅かに汗が浮かび上がっており緊張していることが察せられる。 こなただけでない、サイトなど歯を食いしばって顔をしかめている。 つまりこの男はフレンドリーに声をかけているが、こなたとサイトにとっては面倒な相手だと言うことなのだろう。 詩音はなんとなくではあるが今の状況を把握する。 まず、斎藤はこなたとサイトを殺そうとしている。 こなたとサイトは殺し合いに乗っており、斎藤と敵対している。 クーガーはこなたとサイトに用が有る、態度から殺すような荒っぽい真似はしないだろう。 (ここから出るなら今……今なら問題なく出れるでしょ) この騒動に巻き込まれている暇はない。 詩音としては、早く仲間を探しておきたいところなのだ。 服装が服装だが、そんなことに構っている暇もない。 生命がかかっているのだ、旅の恥はかき捨てではないが気にしている場合でもない。 「……っと、おやおや。これはまた刺激的な格好ですねえ、お嬢さん。 こんな薄暗い中で刺激的な薄着はいけません、風邪のような病原菌だけでなく邪な思いを抱いた男も寄りついてしまいますよ いえいえその男を誘うが目的だと言う場合もあるかもしれませんが貴女の凛とした目をみる限りそれもなさそうです。 男としては嬉しく思わないこともありませんが文化的な男を称する以上こんな状況でそのような薄着の女性の誘いにのるべきではなーい。 というわけでこれをどうぞお嬢さん。こう見えても中々暖かい上に動きやすくて便利なものですよ。 あ、私のことを構う必要は一切としてありませんよ。男は黙って女性を支えるものですからねえ。 男性と女性、いえ、人と人は支え合って生きていくもの、それが文化的」 「ありがとうございます」 詩音が立ち去ろうとした瞬間、クーガーはその姿を見つけた引き止める。 そして明後日の方向を向きながら、そのホーリー隊員の制服を脱ぎ詩音へと差し出す。 詩音は最低限の礼儀としてクーガーの言葉が終わってから受け取ろうと思ったが、一向に終わる気配に痺れを切らし早々に受け取ってしまう。 僅かに汗をかいていることに顔をしかめるが、今の胸元が開いた服よりはマシだと思い素直に羽織る。 裾が長い、クーガーと詩音の体格にはかなりの違いがあるから仕方が無いことではあるが。 腕の裾を捲り、手元も自由にする。これで良い。 クーガーは話を途中で折られ、肩を竦める。 「……さーて、ではこなたさん。早くそんなことやめてしまいましょうか」 「なんで?」 クーガーの言葉に、こなたは不思議そうな声を返す。 斎藤はそれに眉をしかめ、クーガーはなおも諦めずに声をかけ続ける。 「こなたさーん。貴女、自分のしていることが分かってるんですか?」 「分かってるよ、これはゲームでしょ? だったらこれで優勝しないと。 それでブイツーくん……ゲームマスターからリセットボタンを貰うんだ。 やり直し、やり直し。それで元通りだよねー!」 そこで詩音は、ああ、と思う。 なにか奇妙だと思ったらこなたは気が触れていたのだ。 現実から目を離すのを悪いことだと決めつけるつもりはないが、一方の都合のいい展開にしか目を向けないのは駄目だ。 そんなに上手く行くものではない。 上手く行くものではないから、詩音は今こうして焦っているのだ。 「ルイズ、もう良いだろ。危ないから下がってろって」 クーガーがなおもなにか言おうとした瞬間、こなたを庇うようにサイトが一歩踏み出す。 だが、クーガーと斎藤がその言葉に反応する。 サイトがこなたに向けて言った、ルイズという言葉に、だ。 「ルイズ?」 「ルイズ・フランソワーズ……名簿にそんな名前があったな」 「おいおい、そりゃおかしいってもんだぜ。こなたさんは泉こなたって名前で名簿に乗ってる。 この俺ストレイト・クーガーの名前も斎藤さんの名前も、カズマも劉鳳も社長もかなみちゃんも緋村剣心さんだって名前が乗ってる名簿にだ。 まさか一人の人物を同じ名前で乗せる必要もないだろう。 いや、確かに名前と言うのは一種の記号であってその人となりにはあまり関係ないのものだ。 愛した人間と結ばれることでその名を一部を変えるパターンはあるが、それでもその人の本質に変りはないだろう。 だがだが、今は名簿の問題だ。人の名を記す名簿にはその記号を記すことでその存在が居ることを伝えることに意味が」 「その餓鬼は泉こなた。何故ルイズと呼ぶ? ああ……」 クーガーの長々とした台詞を、今度は詩音ではなく斎藤が被せる形で打ち切る。 そして、短くなった煙草を吹かしながら。 サイトの目を見据えた僅かに笑みをこぼし。 「死体でも見たか?」 その斎藤の言葉に、サイトの顔が真っ赤に染まる。 図星か、と笑いながら斎藤は呟く。 「……うっせえんだよ、お前ら! ルイズはここに居るって言ってんだろうが!」 「くだらんな」 斎藤は限界まで短くなった煙草を捨て、次は金属バットを手に持つ。 サイトも手に血管を浮かび上がるほど強く握って女神の剣を正眼に構える。 「……おい、お前」 「うるせえって言ってるんだよ! ルイズはなあ……ルイズはここに居るだろうが! 小柄で、怒りやすくて、手が口よりも先に出て……そのルイズがここに居るだろうが!」 クーガーはサイトの言葉に顔を歪め、腰を落としてクラウンチングスタートの体勢を取る。 詩音はここから離れるタイミングを失ったことに頭を抱える。 こなたはサイトの勝利を祈るだけ、ここで逃げれるという自信がないからだ。 そして、何かが起こればこの沈黙が破られる。 そんな瞬間に一人の男が横槍を入れる形で現れた。 「……やっと、人が居たか」 その男は、痩せぎすの体躯をしていた。 よく光る目と獣のように上端がぴんととがった耳。 半袖とジーンズ、そして何故か靴を履いていない。 ほっそりと痩せぎすの体躯から一種独特の精気を発散するその男。 明らかに何かが違う、『いかにも』と言った雰囲気を持っている。 その男の名は後藤。 五体のパラサイトが一つの身体に同居している種変りなパラサイトだ。 その『パラサイト』後藤に対して、最も反応が早かったのは『人斬り』斎藤一だった。 斎藤は素早く腰を落として身構える。 サイトたちからは目を離し、決して後藤から視線をそらさない。 人を殺し続けた故に人の殺し方を知っている斎藤には、後藤が人でない何かだと直感的に理解できたのだ。 そして、次に違和感を覚えたのは『アルター能力者』ストレイト・クーガーだ。 本土にて身体を弄られたクーガーは自分と似たものを感じたのだ。 ただの人間とは身体の作りが違う、そんなものを。 『ガンダールブ』平賀サイトと『鬼』園崎詩音は目の前の生き物を人間だと認識したが、何かがおかしいと肌が訴えかけていた。 シャツのボタンを一つずれて掛けてしまったような、そんな些細だが確かな間違いを感じるのだ。 そして、修羅場慣れなどしているわけのない『一般人』泉こなたでは、威圧感のある男の人だな、としか思わなかった。 「後藤だ」 「……?」 「お前たちは名前を知りたがる。ならば、先に名乗っておくだけだ」 ゆったりとした言葉ではあるが、何かを急くように後藤はしゃべり続ける。 得体の知れない後藤に詩音を含めた五人は動くことが出来ない。 まるで銃弾が底を尽きた状態で猛獣を前にした狩人のような、そんな感覚。 「……三人か」 そんな場を作った元凶である後藤は無機質にそう呟く。 ここに居る人間は五人。 後藤の言う三人とは一体何だ?と詩音が思った瞬間、後藤が詩音の頭を見透かしたように呟く。 「歯応えのありそうなのは、三人だな」 無表情のまま、僅かに首をコクリと回して一歩踏み出す。 瞬間にバラバラであったここに居る全員の考えがようやく一致した。 『この生き物は危険だ』、と。 後藤は殺し合いに来てから、ようやく強い高揚感を覚えていた。 目の前の人間は強い。 少なくとも暴力団の事務所に乗り込んだ時ぐらいには面白くなるだろう。 しかも、今度こそ食事にありつけるのだ。 あの貧相な身体をしたルイズとか言う少女だけでは満腹にはなれなかった。 だが、今回は体格の良い男が三人に、早熟気味の少女が一人とルイズなる少女と同じような貧相な身体をした少女が一人。 これだけ食せば満腹になる、しかも戦闘欲求まで満たせるオマケ付きだ。 人の言葉で表すならば、まさに『至れり尽くせり』といったところか。 一人ひとりじっくりと味わっている暇はない。 目の前の男三人も、場合によっては少女二人も、後藤へと襲いかかってくる。 共通の敵を見つけた人間は一先ずの協力を結ぶ、その敵が強力であればあるほどにそれは顕著だ。 「……さて」 後藤は始めて見るご馳走を前した子供のように、一切の躊躇いもなく動き始めた。 人間よりも高い身体能力を使い、一足飛びで五人の間合いへと飛び込む。 そして、右腕を肘から下まで鋭利な刃物へと変える。 肘から下に、釣り針のような反りを二つほど作っている鋭すぎる刃だ。 その刃を鉄甲をつけた斎藤へと勢いよく振り下ろす。 「ふん……阿呆が!」 斎藤は鼻で笑いながら右の無敵鉄甲でその刃を受け流し、さらに左手で強く握りしめた金属バットを横薙ぎに後藤の腹へと叩き込む。 壬生浪と呼ばれ人を斬り続けた新撰組浪士、その三番隊組長・斎藤一には後藤の狙いらしい狙いもない気のままの刃など速いだけの物に過ぎない。 がら空きになった腹へとバットを叩きつけられた後藤は僅かに距離を取り直す。 ここで逃がしはしない、追撃をと考えた斎藤だったが無敵鉄甲に目をやり足を止める。 後藤の刃を受けた無敵鉄甲に僅かな切り傷が見える。 サイトやこなたの斬撃で一切傷がつかなかった無敵鉄甲に、だ。 それほどあの刃は鋭く、振り下ろした後藤の膂力は流しきれないほどに強力だったということか。 僅かに緩んでいた心を再び締め直す。 「なるほど……」 腹部にバットを叩き込まれた後藤が何かを確かめるように腹をさする。 そして、斎藤と腹を見比べながら、その間にも表情を一切変えない。 喜びも、怒りも、哀しみも、楽しみも。 感情を忘れたのではなく最初から知らないかのように一切表情を変えない。 詩音は背筋がぞっとする。 いつか園崎は鬼だ、なんて話があるし分からないでもないが、目の前の後藤は鬼ですらない。 いや、後藤は生き物なのだろうか? ただ人を殺すことにだけに拘っている機械なのだと言われた方がまだ納得できる。 「野獣風情が人里に降りてくるな……」 詩音がそんな思いをいだいている横で、斎藤が吐き捨てるように呟く。 クーガーとサイトは様子見に徹する。 斎藤の高い戦闘力を知っているため、先に戦わせて後藤の力量を見極めようとしているのだろう。 見様によっては姑息とも取れる戦法ではあるが、それほどに斎藤の力を信頼しているのだ。 なによりクーガーにはこなたを止めるという使命がある。 サイトとこなたがここから立ち去らないように、それでいて二人と詩音へと後藤が攻撃を仕掛けないように見張っている。 クーガーが居る限り、サイトとこなたも動けない。 下手に動いて斎藤とクーガーが死に、後藤と相対するのを嫌ったのだ。 あのモンスターと呼ぶに相応しい後藤は、どうしようもなく嫌だった。 「お嬢さん……今のうちに逃げてください。ここは少し危ない」 クーガーは詩音の耳元に顔を近づけ、そう呟く。 目の前であり得ないことが起きているというのに、非常に落ち着いている。 それはクーガーがアルター能力者、詩音の基準でいうあり得ない人物であることも起因している。 恐らくあれを何らかのアルター能力だと思うことにしたのだ。 「安心してください、アイツは俺と斎藤さん、サイトとかいう少年に興味あるみたいですからねえ」 クーガーはサングラスを上げ、詩音へとウインクして見せる。 詩音は僅かに考え込み、少し自己嫌悪の情を浮かべながらカラシニコフを抱えてここを立ち去った。 それでいい、とクーガーは呟き後藤へと向き直る。 一方、斎藤は腰を落とし、バットを持った左を弓を引く様に後ろへと持っていき、右手を照準をあわせるようにをバットの先端に添える。 クーガーとサイトとこなたは知っている。 あれは斎藤が放つ最速最強の構え。 顔に直撃すれば、首から下と頭がお別れしてしまうのではないかと思わせるほどの威力を持った拳だ。 拳で打った姿しか見たことがなかったが、バットを持った姿を見て三人は確信する。 これは本来武器を用いての構え、拳はただの代用品だったのだ 「……死ね」 斎藤は短い言葉と共に、爆発するようなスタートを切る。 後藤はそれを待ち受ける。 侍を相手に、猛獣がカウンターを狙う。 斎藤はその馬鹿さ加減におかしさよりも巨大な怒りを覚える。 たしかにこの棍棒では本来の牙突の威力は出ない。 だが、それでも鬼の副長であり稀代の天才・土方歳三が考案した左片手平突きは甘いものではない。 後藤はブレード状に硬質化させた右腕を振りかぶる パラサイトである後藤には、どんなに速い斎藤の攻撃であっても見えている。 迫り来る金属バットへと右腕を突き刺すように持っていき。 「……む」 後藤の右腕が吹き飛んだ。 かろうじて肩との接続部分は残っているが、重火器が直撃したように右腕がその形状を保てずに四散していく。 威力に押し負けた、人間相手に。 そのあり得ない事態を後藤が理解した瞬間、斎藤は叫ぶ。 「まだだ!」 斎藤はその言葉と共に、伸ばしきった左腕を思い切り横に払う。 当然、左手に強く握ったバットも薙ぎ払われる。 そのバットは右腕がなくなったゆえにがら空きになったボディに直撃する。 牙突、左片手平突きは突きと横薙ぎの二段構えであるこそ新撰組に採用されたのだ。 かつ、斎藤一はその牙突だけを極めたスペシャリスト。 いくら化け物であろうとこれを食らえば生き物である以上立てない。 「……なるほど」 「っ……! 癇に障る野獣だ……!」 だが、後藤はまだ立ち上がる。 腹をさするだけで効いてはいないと言わんばかりに表情を変えずに。 そして、斎藤を見つめて呟く。 「お前は強いらしい」 後藤は簡素な賛美の言葉の後に、「だが……」、と付け加える。 相変わらず表情を変えることはなく、四散したはずの右腕を元の形へと戻していきながらの台詞。 「何故、三人で来ない?」 本心からの、不思議でたまらないとも取れるような口調で後藤は言う。 当然斎藤の怒りは限界まで届く。 だが、斎藤が次の動作を取るよりも早く、高く跳躍したクーガーが居た。 踵部分に仕込まれたピストンと側面部の噴射口を使えば、クーガーは宙を舞うことだって出来る。 「そうだ、それでいい……」 ラディカル・グッド・スピードを脚部に展開したクーガーのかかと落とし。 後藤は先程の牙突のような防御ではなく、回避を選択する。 クーガーの攻撃が牙突よりも強力だと感じたわけではない。 ただ先程は迎え撃ったから次は避けてみるかという散歩のコースを変えるような気軽さで思っただけの話だ。 クーガーのかかと落としは空振りに終わる。 後藤は横に素早く身体を動かし、硬質化させた右腕でクーガーの首をはねようとする。 「てりゃあ!」 「ふん!」 だが、それはサイトと斎藤の左右からの攻撃が入ることで失敗。 バットを突き出した斎藤の攻撃を右腕で、サイトの女神の剣を振り下ろした攻撃を左腕で、それぞれ盾のように広げた両腕によって防ぐ。 「人間は殺すことについてはどの生き物よりも長けている……か」 左腕でサイトの女神の剣を、右腕で斎藤のバットを受け止めながら呟く。 先程まではいがみ合っていたように見えた三人が一斉に攻撃したため、思わずその言葉を思い出したのだ。 しかし、クーガーは直ぐに次の攻撃を繰り出す。 サイトと斎藤の攻撃によって両腕が塞がれた今が好機。 腕を地面につけて押すように腕に力を入れ、逆に脚は後藤の腹へと突き出す。 カポエラを思い出させる攻撃。 「くっ!」 「うわ!?」 だが、後藤はそのクーガーの攻撃を察して、直撃する前に高く飛び上がる。 クーガーの跳躍も高い、が後藤の跳躍はもっと高い。 空振りしたクーガーの蹴りと、突如支えのなくなった斎藤とサイトが倒れこむ。 さらにそれぞれのデイパックも四散し、あらぬ方向で飛んでいく。 「即興にしては面白いな……」 上空を見上げると、そこには建物の壁に刃と化した右腕を突き刺した後藤が居る。 そして、腕をバネのように伸縮させたかと思うと。 弾けるように、勢いよく地面へと落ちてきた。 斎藤たち三人は、不恰好に転がるようにして弾丸のように降り落ちる後藤から距離を取る。 地面に落下した際に、後藤の握りしめた左拳は地面に叩きつけられコンクリートにヒビが入る。 あれがまともに入っていれば間違いなく肋骨は粉砕、その下の内臓も破裂で即死だろう。 だが、威力以上に恐ろしいのは、先程見せたバネのような腕の変化。 恐らくここが室内ならばまるでスーパーボールを思い切り叩きつけたかのように、後藤は立体的な動きで自由自在に動き回っていただろう。 同じく殺し合いに連れてこられた、縮地という歩法扱う瀬田宗次郎と同じように。 そういう意味ではこのほどほどに広がった道路での立体的な動きが出来ない戦闘ならば、まだ与し易い。 最速の男ストレイト・クーガー、壬生浪斎藤一、ガンダールブ平賀才人の三人は揃ってそう思った。 しかし安堵している暇はない。 後藤は次の攻撃へと移る。 刃のように固めた右腕を最も近くにいるクーガーへと振り下ろす。 だが、平面でのスピードならばクーガーは負けはしない。 右腕に軽い蹴りを入れることで身体を攻撃線上から外し、余ったもう一方の脚で蹴りを叩き込む。 このままでは尻餅を突いてしまい隙を作ってしまうことになるが、クーガーは片腕を地面につき支える。 そして、先程の一発だけでは後藤が倒れないであろうことは察していた。 故にまるでダンスを踊るようにクーガーは蹴り続ける。 まずは宙へ腕で跳ね上がるように後藤の顎に一撃。 後藤の顎が空へと上がった瞬間に、片足が地面につき上がったままのもう一方の足で腹部に軽く一撃。 次に両足が地面へとつけば、身体を屈める。 横薙ぎ振るってくるであろう後藤の右腕を避けるためだ。 クーガーの読み通り後藤の右腕は空を切る。 そして、後藤が右腕を空振りした時を見計らって足払いを掛けて体勢を崩す。 時間にして僅か数秒。 クーガーは後藤を確かに翻弄していた。 「ハハアハハッハア! スピードでこの俺を張り合おうなんてなあ!」 だが、後藤は一向に顔色を変えない。 楽しんでいるわけでも苦しんでいるわけでもない、痛みに顔を歪めすらしない。 まるで痛みを感じていないのではないかと思うほどの無表情だ。 クーガーは機械と戦っているかのような感覚を覚える。 それは当然とも言える。 後藤はパラサイト、この地球上で最も「痛みに鈍い」生き物だ。 その上、腹部による攻撃は全て腕によるガードと皮膚の硬質化で防いでいる。 「っう!?」 足元に激痛が走る。 視線を落とすと、脚部に展開したラディカル・グッド・スピードが後藤の脚に貫かれている。 ちょうど今まで振るっていた腕のように先端の尖った刃へと変えていたのだ。 腕だけでなく脚も変化させることに驚愕を覚えながら、距離を取り直そうとする。 だが、後藤はそこで終わらない。 右腕を突き刺すように素早く動かす。 その右腕はクーガーの脇腹を貫き、血を滴らせる。 だが、致命傷ではない。 「ぬおわぁ!」 そして、止めと言わんばかりに後藤は長い脚でクーガーを蹴り飛ばす。 パラサイトの全力の蹴り、クーガーは遠くへと吹き飛ばされていく。 その間に斎藤とサイトは距離を取り、後藤もそれを追撃せずに見送る。 仕切り直し、だが後藤は大したダメージどころか疲労すら感じさせない。 斎藤は手に持ったデイパックを手探りで何かを取り出す。 金色の柄をした、反りの大きい蛮刀だ。 「ちっ、蛮刀か……どこまでも使えん餓鬼だ」 「てめえ、それは俺の!?」 サイトの言葉から分かる通り、斎藤の得意とする反りの少ない美術品のような美しさを持つ日本刀ではない。 それはこのバトルロワイアルの参加者の一人でもあるヴァンの蛮刀。 日本刀ではないが、バットよりは遥かにマシだと斎藤は自身に言い聞かす。 今にも襲いかかってきそうなサイトを片手で制し、腰を落とす。 蛮刀を持った左手を弓を引くように後方へと持って行き、照準をあわせるように蛮刀の先端に右手を添える。 三度目となる、牙突の構え。 一度目は拳、二度目はバット、三度目は蛮刀。 そして、順を追うごとに圧迫感を増している。 拳を武器とする拳法ではなかった、バットのような棒を扱う杖術ではなかった。 この牙突の構えは、刀を持ってこその剣術。 それをサイトとクーガーは悟る。 後藤は斎藤から溢れる怒気と殺気を心地よいと言わんばかりに正面から受け止める。 そして、腰を落とし、左腕を硬質化させる。 左腕を、『弓を引くように引いていく。』 「貴様……!」 後藤が取った構えは、斎藤の牙突の構え。 と言っても斎藤のようなバランスの取れた構えではなく、不恰好な動けるかどうかも分からない構え。 だが、斎藤を煽るにはそれだけで十分だった。 怒りを原力に斎藤は走り出す。 いや、走りだすと言うよりも弾け飛ぶと言った方がしっくりと来るだろう。 そして、斎藤の動きに合わせて後藤も動き出す。 構えと呼べるか前からのスタートでもないのに、そのスピードは斎藤と何の遜色もない。 このことから単純なスペックは後藤の方が上だと斎藤にも分かる。 しかし、技術ならば斎藤の方が勝っている。 ならば後藤はどう来るか、当然搦手だ。 後藤は左腕に添えた右手を硬質化させ、奇襲をかける。 (くだらんっ!!) だが、斎藤は首を捻り上半身をのぞけらすことで右腕の攻撃を交わす。 そして、体勢を崩したままだというのに牙突を放つ。 牙突により、後藤の左腕が弾ける。 だが、まだ終わらない。 二度目となるが牙突は二段構え、平突きで仕留めることが出来なければ直ぐ様に横薙ぎへと移る。 斎藤は忠実にその極めた技を実行へと移し―――― 唐突に、足の甲に鋭い痛みを覚えた。 もちろん痛み程度では横薙ぎを止めはしない。 だが、僅かにスピードが鈍ったのは事実だ。 その僅かなスピードの差で、脚を硬質化させ脇腹をガードしている。 ダメージは残るが致命傷ではない上、後藤はパラサイト。 斎藤の牙突はほとんど失敗したと言っても良い。 「ちっ……だが、まだ……っ!?」 ならば、と斎藤は位置取りを僅かに変え、零距離から身体のバネだけで放つ牙突・零式へと移ろうとする。 だが、まるで地面に縫いつけられたかのように足がピクリとも動かない。 そこで視線を下へと降ろすと、そこには後藤が斎藤の足を思い切り踏みつけていた。 刀同士での戦いは足の使い方も大きな要素である。 故に何度も死線をくぐり抜けてきた斎藤には、ただの踏みつけならば抜け出す方法を知っている。 だが、後藤が行っている踏みつけは普通のものではなかった。 足の指を硬質化させ、刃で突き刺しているのだ。 そしてそれはコンクリートにも達している。 固められたコンクリートとパラサイトの単純な力に挟まれ斎藤は抜け出すことが出来ない。 後藤は僅かに動揺している隙に、右腕で斎藤の左の肘から下を切り落とす。 壬生浪と言えども肉体は人、パラサイトの刃により簡単に切り落とされる。 蛮刀を持った左腕が地面へと落ちる。 斎藤は歯を食いしばり、痛みに耐えながら右腕を振り上げる。 だが、斎藤が拳を叩き込むよりも早く後藤はその右腕を切り落とす。 腕のなくなった斎藤、だが目に怒りにギラつかせたまま蹴りを放つ。 それは単純に後藤が憎いからでも、負けることが嫌いだからではない。 彼の信じる唯一の正義、悪・即・斬の信条が故。 人里に降り、人を食い散らす獣は悪だ。 その獣が何を思っていようと、食料がないという事情があろうと関係ない。 悪は斬る、それが新撰組のような人斬り集団が信じる唯一の正義。 腕がなくなろうと、脚がなくなろうと、五体がなくなろうと、ただ悪を斬る。 それが、乱世を刀で変えようとした人斬りたちの、唯一の正義。 「まずは、一人」 時系列順で読む Back 元教師とメイドさん Next Ultimate thing(後編) 投下順で読む Back 元教師とメイドさん Next Ultimate thing(後編) 055 少女と獣 後藤 072 Ultimate thing(後編) 044 幸せの星 泉こなた 平賀才人 046 三竦み 園崎詩音 066 お前の姿はあいつに似ている ストレイト・クーガー 斎藤一
https://w.atwiki.jp/dplutorpg/pages/37.html
デストロイ優美子 キャラクター名(よみ) デストロイ優美子(ですとろいゆみこ) ステータス HP 5MP 2攻撃力 20防御力 1敏捷性 1 運 1 特殊能力 特殊能力名『私の前に道はある』 ■特殊能力効果 効果:ハイパーエリート突破 範囲+対象:自分自身 持続時間:永続 スタイル:パッシブ 能力原理: 少女の胸に宿った刹那的な反骨精神が、偶然にも魔人能力へと昇華したもの。 簡単に言えば進路上にある障害物を無視できる能力だが、ここでいう「障害物」とは非常に抽象的な概念であり、優美子自身にも完璧に把握できているわけではない。 この能力により、他人からのプレッシャー、法律、暗黙の了解、心霊現象、何らかの概念能力等の目には見えない障害物について、彼女は一切の影響を受けずに素通りすることが出来る。 また、物理的なバリケードや閉じられた門なども突破可能だが、何の変哲もない壁や床は多くの場合無視して通ることが出来ない。 これは、対象を彼女自身が「自分の行く手を阻むもの」として認識しているかどうかの違いである。 プロフィール 性別:女 簡易キャラクター設定:思い込みが激しく、活動的。外見は古風な不良だが、中身は純粋培養お嬢様。言動に結構素が出る。 詳細キャラクター設定:黒いセーラー服と腰に携えた木刀が特徴的な女の子。本名は白雪優美子だが、魔人に覚醒してからはデストロイ優美子を自称している。 一人称は「このデストロイ優美子」で語尾は「だぜ」。 思春期に理解のある両親のもとで毎日楽しく暮らしており、彼女の極めて反社会的な能力が活かされることは殆どない。 なお、剣道部でもないのにいつも木刀を携えているのは、お土産屋さんで勢いで買ったものの部屋に置き場所が見つからなかったためである。 戦闘スタイルは多分牙突的なやつです。 サンプル台詞 「このデストロイ優美子は晩御飯カレーライスがいいぜ」 「お父さんの次はこのデストロイ優美子がお風呂に入るぜ」
https://w.atwiki.jp/nicotetsu/pages/1140.html
株式会社ニコニコストア 種類 株式会社 市場情報 非上場 本社所在地 初音市孔明区 設立 業種 小売業 事業内容 スーパーマーケット 代表者 鶴屋さん(代表取締役社長) 主要株主 株式会社ちゅるや百貨店 100% 概要 ちゅるや百貨店が100%出資している子会社で、駅周辺に展開しているスーパーマーケットチェーンである。 ニコ鉄グループスーパーマーケットの中核店舗ブランドで、駅に直結もしくは隣接している店舗が多い。 フランチャイズ店舗を内部に展開している店舗もあるため利便性が高い。 低価格ブランドを掲げ、一部店舗を除き月数回、客自らが値引きできる日などが設定されている。 毎月25日はニコニコデーとなっている。 なお、関連会社に小鳥鉄工所から買収したコトリマートがある。 なお、21××年、ホームセンターサンクスニコ鉄と統合予定。 ロゴ #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (ニコニコストア.gif) 店舗 初音市孔明区 矢部野本店 初音市水樹区 水樹店 原巳浜店 幻想郷村 幻想郷駅前店 稗田駅前店 有栖川町 有栖川駅前店 桜田楼善町 翠星台駅前店 堀江町 堀江駅前店 初音島 紅魔館駅前店 鏡音市 桜咲店 菊地店 七国山店 南初音市 諷詠塔店 白河店 くさかべ店 久遠寺店 弘南区 彩度山市 彩度山店 星彩駅前店 芝市 全駅前に展開 四乃森市 路間坂店 星華美店 武礼葉店 坂風炉店 御出居店 羅尾店 喜和見店 粉雪町店 牙突店 山岸店 霧島店 渚橋店 惣流店 綾波店 鶴抵市 和光春日部和光口店 和光春日部春日部口店 悠久市 悠久店 真戸市 春日位詰店 新世界紗亜内店 二湖町 華ヶ峰店 良船町 高和問屋町店 初盆湾岸町及び泉小野市 初盆港店 部羅地方 御舞店 東光地区 画像 矢部野本店(看板は塗装されました attachref 元ネタ 西鉄ストア ニコニコ堂
https://w.atwiki.jp/ccopedia2/pages/89.html
投票終了しました。 たくさんの投票ありがとうございました! 投票結果まとめマイリスト→http //www.nicovideo.jp/mylist/40500931 自分のお気に入りのキワミMADを一人5個投票できます! ☆参加条件 キワミMADを5つ以上見れる人 ☆対象になる動画 2012年12月26日から2013年12月25日までに投稿された キワミMAD ☆対象にならない動画 キワミと関係の無い動画 MAD動画以外(検証シリーズ、歌ってみた等) 2013以前の再うp(リメイクや手描き再現はおk) 5人以上参加の合作 ☆参考マイリスト http //www.nicovideo.jp/mylist/39519893 ●投票期間は12月30日まで 記入例 フタエ天国『をとりよせ』sm2351237 【手描き】フタエノキワミで粉雪【MAD】sm8134546 フタエ天国『ザ・ぼんキワミ』sm3512782 54 ルパンサーセン!著作権配慮版 sm3526395 【手描き】二重天使キワミちゃん シークレットソード2 sm4513322 ※sm~だけでも構いませんが確認のほどお願いします 投票欄 1.ゴウカンロンパ OP【ダンガンロンパ×KYM】 sm22341943 2.キワミス・モノクローム sm21978789 3.パウちゃん【あまちゃんOP×KYM】 sm21748026 4.【KYM】運命のインポシビレ【東方二重極】 sm21748165 5.【音MAD】二重の薔薇を極みなさい【KYM×新ローゼンメイデンOP】 sm21404732 -- (名無しさん) 2013-12-05 19 52 51 1.【音MAD】進撃のキワミOP「売れん弓矢」 sm20799873 2.KYMKING !! sm21896701 3.【KYM】ニャル子さんW OP ゴブは二重ノ極也 【動画版】 sm20585817 4.キワミス・モノクローム sm21978789 5.極の下のノーパン【東方輝針城×KYM】 sm20973089 -- (名無しさん) 2013-12-05 23 47 09 1.sm20283174 【KYM】キワミ大戦 極!幕末牙突団 2.sm20503894 煉獄来航 3.sm20505940 【手描KYM】ドリフ大罵倒祭 4.sm20794892 【手描キワミ】The Man With The Mugen Jin【FF8】 5.sm21297673 けんちゃあああああメイジング・グレイス -- (ニュトーイ) 2013-12-07 20 38 25 1.隅田川夏極歌 sm22263272 2.進撃のキワミOP「売れん弓矢」sm20799873 3.銀河最強のフタエノキワミ sm20502224 4.thousand KYMs sm21752226 5.KYMKING !! sm21896701 -- (CCO・・・生きろ・・・) 2013-12-08 11 07 14 1【KYM】キワミ大戦 極!幕末牙突団 sm20283174 2 【手描KYM】ドリフ大罵倒祭 sm20505940 3 キワミオドル sm21477724 4 【スタジオゴブリン】CCOのとおり道 【となりのシシオ】sm21156546 5 【手描キワミ】ワーミィの↑ライド:鉄【ほじのワーミィ】 sm20528479 -- (大蛇) 2013-12-08 19 02 31 1.NIGHT FLIGHT -KYMix- sm21156663 2.ほじのワーミィ2 タイトル sm19964617 3.【KYM】 DRAGONFLASH ( SUPER FIRE POWDEST KYMIX ) sm21609162 4.キワミス・モノクローム sm21978789 5.煉獄来航 sm20503894 -- (秋月うでぃ) 2013-12-10 15 49 15 1.【ほじのワーミィ】まいなーとともに【剣心誕生大罵倒祭(´・ω・`メ)】sm21127191 2.壬生のサイートOP サイート☆マーチsm20216072 3.アッーアッーアッー(キワミ×YAH YAH YAH)nm21748226 4.弟っ弟っ弟子sm20498698 5.【手描キワミ】七色の(´。ω゚`メ)動画sm20497738 -- (めけーも) 2013-12-10 18 11 51 1.【KYM】真琴CC浦さんsm20266931 2.ぜろ式【KYM×ゆゆ式】sm21163327 3.銀河最強のフタエノキワミsm20502224 4.キワミス・モノクロームsm21978789 5.【KYM】 DRAGONFLASH ( SUPER FIRE POWDEST KYMIX )sm21609162 -- (名無しさん) 2013-12-23 04 44 45 1.【手描KYM】ドリフ大罵倒祭 sm20505940 2.KYMKING !! sm21896701 3.【KYM】ロシア語検証できしめん sm21161575 4.ブルーベリーのキワミ.mp4 sm21159986 5.ニャル子さんW OP 【Full】 恋は渾沌の隷也×KYM【ゴブは二重ノ極也】sm20508520 -- (名無しさん) 2013-12-26 09 39 43 キワミとヒムーラの大冒険 「CCO・DE・クイズ」 sm20015682 剣ちゃんイケ面・・・【手描き】 sm20497675 煉獄来航 sm20503894 【音MAD】二重の薔薇を極みなさい【KYM×新ローゼンメイデンOP】 sm21404732 隅田川夏極歌 sm22263272 -- (♯眼д近)<何かが可笑しいッ!!!) 2013-12-27 19 24 07 腐れCCOとカレゐセット【手描き】sm20497808 ニャル子さんW OP 【Full】 恋は渾沌の隷也×KYM【ゴブは二重ノ極也】sm20508520 悪一文字の華sm20595886 【音MAD】進撃のキワミOP「売れん弓矢」sm20799873 KYMKING !!sm21896701 -- (名無しさん) 2013-12-28 03 54 46 1.銀河最強のフタエノキワミ sm20502224 2.煉獄来航 sm20503894 3.【手描KYM】ドリフ大罵倒祭 sm20505940 4.【KYM】 DRAGONFLASH ( SUPER FIRE POWDEST KYMIX ) sm21609162 5.パウちゃん【あまちゃんOP×KYM】sm21748026 -- (鼻炎感) 2013-12-28 23 23 01 1.CCO-KAI Disco 【sm20443319】 2.【KYM】真琴CC浦さん 【sm20266931】 3.キワミーベイベー#5 「えんまあいてにじごくのくにとり」 【sm21140814】 4.ゴウカンロンパ OP【ダンガンロンパ×KYM】 【sm22341943】 5.銀河最強のフタエノキワミ 【sm20502224】 -- (サブマリソ) 2013-12-29 02 42 08 1. sm20497738 【手描キワミ】七色の(´。ω゚`メ)動画 2. sm20266931 【KYM】真琴CC浦さん 3. sm21157045 【KYM】極時計 ~ キワ・ダイアル【183】 4. sm21127191 【ほじのワーミィ】まいなーとともに【剣心誕生大罵倒祭(´・ω・`メ)】 5. sm21156743 【東方二重極】cco・ゲーム -- (ヘッドb) 2013-12-29 16 42 26 1.煉獄来航 sm20503894 2.【手描キワミ】七色の(´。ω゚`メ)動画 sm20497738 3.キワブーン sm21747807 4.thousand KYMs sm21752226 5.ぜろ式【KYM×ゆゆ式】 sm21163327 -- (中小罵倒祭) 2013-12-29 21 25 40 【手描KYM】ドリフ大罵倒祭 sm20505940 【手描キワミ】The Man With The Mugen Jin【FF8】 sm20794892 NIGHT FLIGHT -KYMix- sm21156663 【KYM】 DRAGONFLASH ( SUPER FIRE POWDEST KYMIX ) sm21609162 ゴウカンロンパ OP【ダンガンロンパ×KYM】 sm22341943-- (ごがつ) 2013-12-30 00 55 05 1.きかんしゃ宗マス sm19829913 2.【手描キワミ】七色の(´。ω゚`メ)動画 sm20497738 3.【音MAD】進撃のキワミOP「売れん弓矢」 sm20799873 4.キワブーン sm21747807 5.パウちゃん【あまちゃんOP×KYM】 sm21748026 -- (トンロン) 2013-12-30 14 41 24 1.ホーキィのピンホーキ sm19962664 2.【KYM】キワミ大戦 極!幕末牙突団 sm20283174 3.FF6 戦闘のキワミ sm20296984 4.極の下のノーパン【東方輝針城×KYM】 sm20973089 5.【KYM】 DRAGONFLASH ( SUPER FIRE POWDEST KYMIX ) sm21609162 -- (名無しさん) 2013-12-30 16 40 30 【手描きKYM】(ヽ^ゝ^)が悪魔城に挑戦したようです sm19718533 屋根裏びったん sm20497984 ブルーベリーのキワミ.mp4 sm21159986 【KYM】運命のインポシビレ【東方二重極】 sm21748165 まさいとうのテーマ sm22343133 -- (ヴヌ) 2013-12-30 17 54 16 1.【音MAD】進撃のキワミOP「売れん弓矢」 sm20799873 2.銀河最強のフタエノキワミ sm20502224 3.【KYM】 DRAGONFLASH ( SUPER FIRE POWDEST KYMIX ) sm21609162 4.きかんしゃ宗マス sm19829913 5.CCO-KAI Disco sm20443319 -- (旧型) 2013-12-30 23 40 52 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/overtune45/pages/82.html
デザートプリンス 氷の女王 スラッジ スペード ハート ドュームトリアス アルケミーウェル デザートプリンス Lv.38 HP514000 TP687 地 特技 アースクエイク グランドダッシャー アドプレッシャー スラストファング ブラストヴァルカン ハーデスブレイズ ファイアランス イフリートソード アイテム 砂の王子の腕輪 オレンジバジル ハラッパー遺跡 氷の女王 Lv.47 HP600000 TP849 氷 特技 アブソリュート デルタストライク メルトストリーム チルドマウンテン バイオレントクール ダイヤモンドダスト 氷の口づけ アイスミサイル チルドクリスタル アイシクルボルト 凍結の息 輝く息 アイテム 氷の女王の冠 水晶の粉 氷珠ミルティアクリス ユメの木の迷宮 スラッジ Lv.58 HP870000 TP1265 魔 特技 リジェネ プロテス シェル ヘイスト フェイス サモンデーモン ブラッディハウリング カースクライズ ヘイトゥレッド ブラックアウト ブリザード ジャングルグロウ 怨念の憑依 おたけび アイテム 魔珠ヘドロンバイル 怨念の具現石 アポロ神殿 スペード Lv.83 HP1050000 TP1570 - 特技 瞑想 まわしげり 襲爪雷斬 雷雲斬 風雷神剣 岩斬滅砕陣 烈震天衝 月閃虚崩 爆牙衝 烈空斬 魔神剣 絢舞 ソードレイン 秘奥義 緋凰絶炎衝 連波叙雨纏 龍獄牙突焼 アイテム 大剣ロードシュウァート サファイアメイル 魔靴スペードガーブ アポロ神殿 ハート Lv.86 HP890000 TP5500 - 特技 マヌーサ デスフォーチュン デンジャフュジョン アカシックトーメント イービルライト ブラッディランス メルトダウン ミスティックシグネチャ ブラックホール シェルガ ダルダル エクステンション エクスメテオテン イノセントシャイン レイジングドライヴ ルイナスオーメン 秘奥義 イクタミネイション アスペクト・エクリプス アイテム 魔杖ハートヴォラプタス チャームレオタード ガーターベルト アポロ神殿・頂上部 ドュームトリアス Lv.259 HP10580000 TP390000 闇 特技 ダークネスシールド ダークグレネイド クラッカー 地獄の遠吠え イビルパニッシャー バルバリティークロー ダークソウルブレス ダーククラスト ブラッディハウリング ジンブラスト メテオスォーム ギガヴェスタ メルトンジラッフ シュヴァルツブリッツェン グランドトリガー アクエリアススフィア テラーアドヴェント アーステッパー クライムアドヴァース 秘奥義 カオスディセンド ドゥームアドヴェント アイテム 太陽剣ソルブレード 巨斧ヘラクレスアックス 魔杖ヴァジュラメイス アンプサイナックル アイリスローブ 超兜ミネルバヘルム アラストールフード ユェリアンの指輪