約 969,265 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6245.html
朝 京太郎「……はっ!なんだ夢か」 健夜「うぅ…」カァァ 良子「……」 カァァ 京太郎「義姉さん達が俺より早くおきてるだと…」 健夜「き、京君…わ、私頑張るからね」 良子「あれをソロで耐えるのは無理です…京太郎、私も頑張ります」 京太郎「なに言ってるんだ?」 京太郎「朝から義姉さん達が他所よそい…てか明らかに意識されてる気がする」 健夜「貴…京君、もうすぐ、牧場だよ!」 京太郎「え、そうだね、義姉さん」 良子「京太郎は牧場で何をするんですか?」 京太郎「義姉さん達と乳搾り体験に行こうかなって…キリッ!」 健夜「えっ…京君も覚えてるの?」 良子「うぅ…京太郎大胆です」 京太郎「えっ…牛の乳搾り体験だよ」 健夜「そ、そうだよね」 良子「バッド…そうなりますよね」 京太郎「……やっぱり変だ」 ーーーーーー 作業員「ではゆっくり根元から絞ってください」 京太郎「根元から絞って…」 ピュウゥぅ… 京太郎「お、おお出た…」 作業員「上手ですね」 京太郎「そうですか?牛の機嫌がいいから偶々ですよ」ワハハ 作業員「牛の機嫌がわかるんですか?」 京太郎「ええ、なんとなくですけど」 作業員「ならさぞかしモテるんでしょうね」 京太郎「なんでそうなるんですか」あはは 作業員「祖父がいつも言ってたんですよ。牛の機嫌は女の機嫌を知るより難しいってね」 京太郎「…なら俺は今頃ハーレムですよ」ワハハ 作業員「そうですね」アハハ 健夜「京君楽しそうだな」 良子「ですね…はぁ…」 ぎゅうう… 牛1(なんなんだこの人間は…後ろに魔物と悪魔が見えるじゃないか) 牛2(あっちのイケメンがよかったわ) 良子「…今、この牛が京太郎をスナイプした気がします」 健夜「えっ…?」ゴッ… 牛1.2(だ、誰か助けて!) 昼2 京太郎「さて次だ次」 京太郎「馬に乗って風になろう」 ーーーーーー 健夜「京君も馬に乗るの?」 京太郎「そうだけど健夜義姉さんも?」 健夜「うん、良子ちゃんが羊の追い込みショーに行っちゃって今のうちに乗ろうかなって」 京太郎「なら一緒に乗ろうよ。一応、経験者だから」 健夜「う、うん!」 ーーーーー 健夜「き、京君、ちゃんとしててね」 京太郎「大丈夫大丈夫、ちゃんと後ろにいるから」 健夜「う、うん」 京太郎「なら行くよ…そりゃ!」 馬(これが長老が言ってた強者を乗せる喜び…確かにこれはいいものだ) 馬「ヒ、ヒヒーン!」 健夜「え、は早いよ!」 京太郎「まだだ、まだ行ける。いけるぞ!」 馬(さらなる高みへ、俺は行く!) 健夜「京君のばかーーー!」 京太郎「ヒャッハー!」 夕方 京太郎「ごめん、義姉さん」 健夜「許さない…私はやめてて何度も言ったのに…」 京太郎「義姉さんだって途中から楽しんでたじゃないか…」 健夜「あ、あれは吹っ切れたんだよ!あんなに激しくされたら誰だってああなるよ!」 良子「ふ、二人ともさっきから何の話をしてるんですか?」 健夜「聞いてよ、良子ちゃん!京君は酷いんだよ!やめてって言ったのにわざと激しくして…怖かったよ」 京太郎「えっ、ちょっと待って良子義姉さん!健夜義姉さんも途中で自分から腰振ってた!」 良子「……京太郎、貴方はギルティです」 健夜「良子ちゃんの後ろにソロモンの悪魔が見える…」ボソ 京太郎「それはおかしい!俺は健夜義姉さんが良いって言ったからしたんだ!」 良子「えっ?」 健夜「あんなに激しくなんて聞いてないよ!」 京太郎「そ、それは俺が悪かったけど…」 良子「き、京太郎なら私が頼めば…あの…その、私ともしてくれるんですか?」 京太郎「えっ、あっ、うん。俺なんかでよければ」 良子「それなら今日の晩に…」 京太郎「幾らでも乗馬くらい教えてあげるよ」 良子「しま…はっ?」 京太郎「えっ、乗馬を教えて欲しいんじゃないの?」 健夜(…良子ちゃん勘違いしたのかな?) 良子「……」ブルプル… 京太郎「良子義姉さん?」 良子「京太郎なんて大キライです!」←顔を真っ赤にして膨れっ面になる 夜 京太郎「あれ、義姉さん達何してるの?」風呂上がり 健夜「明日、人と会うからそれの準備」 良子「イエス、気を許したらどうなるか解らない相手です」 京太郎「……それでなんで和菓子のカタログを見てるんだ?」 健夜「トシさんが好きだからだよ」 京太郎「トシさん?」 良子「私と健夜義姉さんが頭があがらない人の一人です」 京太郎「トシって事は男なのか?」 健夜「違うよ、見た目は優しいおばあちゃん」 良子「中身はブラックですけどね」 京太郎「へぇ…それって俺もついていったら…」 健夜「駄目だよ」 良子「許可できません」 京太郎「…まあ、わかってたけど。それなら俺は明日、フラフラしとくよ」 健夜「ごめんね、京君」 京太郎「いや、別にきにしてないよ。1人で食い倒れしとくから」ワハハ 良子(転校の話はまだできないんです…ソーリー京太郎) 朝 京太郎「眼が冷めたらもう義姉さん達が居なかった…隠し事に関係してるのか?」 公園 ゾロ目 京太郎「何処かに行くって言っても行く当てがないしとりあえず昨日牧場の帰りに見た公園で時間を潰すか」 ーーーーーー ??「…だるぃ」 京太郎「……朝からベンチでだらけてるだと…」 ??(誰……あの人は優しい気がする) ??「……」ジー 京太郎(あれ、俺何かしたか?ずっと見られてるんだが) ??「………だる」ジー 京太郎「あ、あの…どうかしました?」 ??「のど渇いた…」 京太郎「えっ?」 ??「……」 京太郎「…さっき買ったお茶ならありますけど」 ??「…もらう…でも飲むのだるい」 京太郎(なんでだろ…普段なら無視するんだけど…この人はほっとけないんだよな) 京太郎「飲ませましょうか」 ??「……うん…あーん」 京太郎(一瞬迷った?) 京太郎「ゆっくりいきますね」 ??「うん……」 ゴク…ゴク… 京太郎「離しますね」 ??「…ありがとう…だるい」 京太郎「……」 ??「……名前は?」 京太郎「えっ、須賀京太郎です」 ??「京太郎…私は…白望」 京太郎「白望さん?」 ??「シロでいい…」 京太郎「わかったよ、シロ」 ??「うん……眠い…」 バタ 京太郎「なっ…」 ??「…一時間…おやすみ…zzz」 京太郎「寝ただと…」 シロ「…zzz」 京太郎「無防備だな…初対面なのにな俺たち」 シロ「…zzz」 京太郎「寄りかかられてるから動けないし…何より寝てる美人を動かす訳にもな。はぁ…とりあえず膝枕に移動して上着を掛けとくか。五月なのにまだ少し寒いからな」 スッ…バサ… 京太郎「ああ…やばい…俺も眠くなってきた…zzz」 ーーーーー シロ「…堅い…?」 京太郎「すぅ…zzz」 シロ「…京太郎…ひざまくら…」身体をゆっくり起こす バサ…上着が落ちる シロ「…京太郎の…やっぱり優しい」 京太郎「うぅ…ああ、起きましたか?」 シロ「おはよう」 京太郎「おはよう」 ぐぅ… 京太郎「あっ、すいません…朝をあんまり食べてなくて」 シロ「…ご飯食べに行く?」 京太郎「えっ?」 シロ「美味しい所を知ってる…」 京太郎「…お願いしていいですか?」 シロ「うん…」 京太郎「なら行きますか」 立ち上がる シロ「うん…」←手を伸ばすだけで立たない 京太郎「……おんぶでいいですか?」 シロ「…うん」 ダキ… 京太郎「店はどっちですか?」 シロ「あっち…」 顎で指示し 京太郎「なら行きますか」 シロ「ここ…」 京太郎「ひっつみって何ですか?」 シロ「……すいとん」 京太郎「ああ、すいとんの別名か」 シロ「美味しいよ」 京太郎「なら期待してます」 ーーーーーーー 京太郎「…やっぱり隣に座るんですか」 シロ「駄目?」 京太郎「いや別にかまいませんけど…食べさした方がいいんですか?」 シロ「…うん」 京太郎「猫舌とかありますか、一応暖かい料理なんで」 シロ「…少しだけ」 京太郎「わかりました…少しだけ冷ましますね」 シロ「ありがとう…」 店員「おまたせしました、ひっつみのセット二つです」 ガタ、ガタ… 京太郎「とりあえず小鉢から」 シロ「うん…」 京太郎「あーん」 シロ「あーん…美味しい」 京太郎「次は…」 ーーーーーーー シロ「…ごちそうさま」 京太郎「お粗末さまでした」 シロ「…京太郎は食べた?」 京太郎「ああ、大丈夫ですよ」←半分以上残っている シロ「……箸かして」 京太郎「あっ、はい」 シロ「…あーん」 京太郎「えっ?」 シロ「お返し…」 京太郎「べ、別に大丈夫…」 シロ「あーん…」 京太郎「…あーん」 パク… シロ「…美味しい?」 京太郎「はい、美味しいです」 シロ「よかった…」 京太郎「とりあえず外に出たのは良いけど…」 シロ「…ダル…」京太郎におぶられて張り付いている 京太郎「…何処に行きますか?」 シロ「…公園で日向ぼっこ…」 京太郎「…そうしますか」 シロ「……zzz」 京太郎「座って三分で寝ただと…」 ??「シロ…?」 京太郎「次は金髪の外人だと…」 ??「あ、アノ。」 京太郎「英(えっと、英語喋れるから大丈夫ですよ」 ??「英(そ、そうなんですか…隣で寝ている女の子は私の友人なんですがどうかしたんですか?」 京太郎「英(日向ぼっこをしてたら三分で寝ました)」 ??「英(えっ?)」 京太郎「英(お昼にすいとんを食べて、日向ぼっこをしてたら三分で寝ました)」 ??「英(ふふふ…シロらしい。名前を聞いてもいいですか?」 京太郎「英(須賀京太郎って言います」 ??「英(私はエイスリンです。隣に座ってもいいですか?」 京太郎「英(かまいませんよ」 エイスリン「英(ありがとう。京太郎とシロはどんな関係なの?) 京太郎「英(朝に会ったばかりですよ」ワハハ エイスリン「英(面白い冗談ですね…恋人なんですか?」 京太郎「英(残念ですけど、事実です」 エイスリン「英(…本当ですか?」 京太郎「英(本当です」 エイスリン「英(京太郎は優しい人ですね」 京太郎「英(普通ですよ」 エイスリン「英(普通ならシロがここまで気を許しません…どんな魔法を使ったんですか」 京太郎「英(ただ、飲み物を飲まして、おんぶして、ご飯を食べさしただけですよ」ワハハ エイスリン「……」某前とする 京太郎「英(話は変わりますけどここに絵を描きにきたんですか?」 エイスリン「英(そうです。日本の景色は綺麗だからスケッチのしがいがあるから」 京太郎「英(ありがとうございます) エイスリン「英(京太郎がお礼を言うんですか?」 京太郎「英(自分の国が褒められたら嬉しいでしょ。それもこんな美人に」 エイスリン「英(も、もう、京太郎はお世辞が上手ですね」 京太郎「英(本心だったんだけどな」あはは エイスリン「英(本当に面白い人ですね」うふふふ シロ「…っ…zzz」 エイスリン「英(おう、シロが起きてしまいますね」 京太郎「英(そうですね、少し静かにしますか」 エイスリン「英(はい。私もそろそろ絵を描き始めます」 シロ「…あれエイスリンがいる…」 エイスリン「オハヨウ、シロ」 京太郎「シロが寝てすぐにきたんですよ」 シロ「…そうなんだ…わたしはどれだけ寝てたの?」 京太郎「一時間ぐらいかな…」時計をみながら シロ「…エイスリン、京太郎に何かされた?」 エイスリン「ナニモサレナカッタヨ」 シロ「ならいい…だるい」ひざまくらの状態から動かない 京太郎「…動かないんですか?」 シロ「だるい…」 エイスリン【シロが甘えてる絵】 京太郎「…そうなんですか」 シロ「…違う」京太郎と反対側に向くがひざまくらをやめない ??「あれ…?」 京太郎「…次は全身黒長身の美人だと」 エイスリン「トヨネー!」 シロ「……だるい」 豊音「エイスリンさんとシロと……誰なのかな?」 京太郎「須賀京太郎って言います」 豊音「姉帯豊音って言います。よろしくだよー」 京太郎「こちらこそ」 豊音「皆はここで何してたの?」 エイスリン【日向ぼっこの絵】 京太郎「日向ぼっこですかね」 シロ「日向ぼっこ…だる」 豊音「そ、そうなんだ…私も混ぜてもらっていいかな?」 京太郎「別にかまいませんよ」 豊音「ありがとうー!」 京太郎「皆さん同じ麻雀部だったんですか」 豊音「そうだよー」 エイスリン【麻雀の絵】 シロ「うん」 京太郎「俺もそこそこ麻雀できるんですよ、最近はネット麻雀とかもしてますし」 豊音「ネット麻雀…?」 エイスリン「わ、ワタシモするよ」 シロ「…だるいからあんまりしない」 京太郎「シロらしい理由だな。一応、京って名前でそこそこ強いんだぞ」ワハハ 豊音「えっ…京さん?」 京太郎「ええ、京ってHNですよ」 豊音「わ、私、ぼっちだよ!」 京太郎「えっ?ぼっちさん?」 豊音「か、感激だよー!ネット麻雀界で流星の如く現れて、あののどっちさんすらも凌ぐトップ率…まさか須賀君だとは思わなかった!」 京太郎「そ、そんなに凄くないですよ」カァァ エイスリン「キョウタロウはツヨイノ?」【麻雀の絵】を見せてくる シロ「……気になる」 豊音「強いよ!中身は運営かプロかって言われてて対戦相手の誰かを飛ばして終わったりするんだから」 京太郎「姉帯さん!」 豊音「だ、だって事実だよ…」オロオロ シロ「……打ちたいな」 京太郎「えっ?」 エイスリン「キョウタロウ、ショウブ!」 豊音「それはいい考えだよ!」 京太郎「……」 京太郎「麻雀を打ちたいのは打ちたいんですが…そろそろ夕暮れ時なんでよかったらご飯でもどうですか?」 シロ「逃げた…」 エイスリン【定食の絵】 豊音「そうだね…皆でご飯に行くのもありだと思うよ」 京太郎「俺はこっちの事は何も知らないからお供させてもらいます」 シロ「行け、京太郎」ひざまくらからおんぶにジョブチェンジした 豊音「うぅ…何処にいこう」 エイスリン【………】 京太郎「焼肉か…それでいいですか?」 シロ「食べさしてくれるならなんでもいい」 豊音「大丈夫だよー」 エイスリン「ヤッター!」 ーーーーーーー 京太郎「あっ、そっちの肉焼けたんでどうぞ。シロ、あーん」 シロ「あーん」 パク… シロ「美味しい…」 エイスリン「デリシャス!」 豊音「須賀君も食べなきゃ駄目だよ?」 京太郎「俺も食べてますよ」ワハハ シロ「……あーん」 京太郎「えっ?」 シロ「あーん…」 京太郎「さ、流石に人前じゃ…」 シロ「あーん…」 パク… 京太郎「…」もぐもぐ シロ「美味しい?」 京太郎「はい、美味しいですよ」 エイスリン【てを繋いだ男女の絵】 豊音「須賀君とシロって付き合ってるのかな?」 京太郎「そ、それはないです!俺みたいな奴にシロみたいな美人は勿体なすぎますよ」あはは シロ「…あーん」 京太郎「あっ、ちょっと待ってな…こっちのカルビは少し冷ましたから食べれると思う」 パク…もぐもぐ シロ「…美味しい」 エイスリン「……キョウタロウ!」 京太郎「どうかしました?」 エイスリン「あ、あーん」 京太郎「えっ…?」 エイスリン「ワタシジャダメカナ?」 京太郎「そ、そんな事はないですよ、あーん」 パク…もぐもぐ エイスリン「オイシイヨ、キョウタロウ」ニコニコ 豊音「うぅ…京さん、わ、ワタシモ…」 京太郎「は、はい。あ、あーん」 豊音「あーん」 パク…もぐもぐ 豊音「美味しいよー」 京太郎「今日は本当にありがとうございました」 エイスリン「英(こちらこそありがとうね。また良かったらメールしてね」 シロ「だる……また岩手に決たら連絡ちょうだい」豊音におぶられている 豊音「今度は麻雀を打とうね!」 夜 京太郎「えっ、明日は皆で牛タン食べに行くんじゃないの?」 健夜「その予定だったんだけど…」 良子「トシさんがどうしても京太郎と麻雀を打たせたい子が居ると言ってて…断れなかったんです」 京太郎「それなら仕方ないけど」 健夜(ごめんね、京君…トシさんの口車に乗せられて京君なら勝てるとか言っちゃったから。) 良子「あと京太郎は槍は禁止です…つまり全力は出したら駄目です」 京太郎「…わかってるよ」 良子「ならいいです…。フルパワーではなくて相手に教えるつもりで打ちなさい。もう京太郎はそこまでのランクにきてます」 京太郎「そうなのかな?」 良子「そうです。あの頃とは比べ物になりませんよ」 健夜「でもまだまだ私達の方が強いけどね」 京太郎「いつかは追いついてみせるよ」 良子「…案外、近い未来に約束が果たされそうですね」小声 朝 京太郎「…そういえば今日の相手は誰なんだ?」 健夜「トシさんの教え子達だから実力的には多分、咲ちゃんの下くらいかな」 良子「それくらいですね。後色眼鏡を無くす為に私と健夜義姉さんは行きませんから。京太郎はソロで此処に行ってください」 京太郎「色眼鏡って…」 良子「戻ってきたら良い事がありますよ」ニコニコ 健夜「……」カァァ 京太郎「期待してるよ。それじゃあ行ってきますか!」 健夜良子「いってらっしゃい」 数分後 健夜「り、良子ちゃんは何を着るの?」 良子「私は素直にナース服で…健夜義姉さんは?」 健夜「わ、私はこれかな…」スク水+猫耳 良子「oh…マニアックですね」 健夜「り、良子ちゃんに言われたくないよ!」 雀荘 京太郎「あれ、姉帯さん?」 豊音「あれ、須賀君?なんでここにいるの?」 京太郎「いや、義姉さん達に言われてここでトシさんって人の弟子達と打ちにきたんですよ」 豊音「えっ…?」 トシ「あんたがあの二人の弟かい?」 京太郎「そうですが…貴女がトシさんですか?」 トシ「ああ、そうだよ。早速だけどこの子達と打ってくれるかい?」 京太郎「かまいませんけど…自己紹介だけお願いしていいですか?」 塞「臼沢塞です。」 胡桃「鹿倉胡桃だよ」 豊音「えっと…姉帯豊音です」 京太郎「須賀京太郎です…姉帯さんの知り合いって事はみなさん同じ高校の麻雀部でいいんですか?」 胡桃「そうだよ…豊音の知り合いなの?」 京太郎「ええまあ、知り合いって言ったら知り合いです」 豊音「須賀君は…」 トシ「話は麻雀が終わった後にしておき。彼の実力は此処にいる誰よりも強いから全力で挑みなさい」 塞(この見た目金髪が?) 胡桃(トヨネより強い?) 豊音(須賀君…京さんと打てるとか嬉しいよー!) 胡桃「私が親だね…」 京太郎(あれ槍が二本ある…あれ?……とりあえず槍以外は全力で行く)ゴッ! 塞「なっ!」 豊音(こ、これがリアルの京さん!) 京太郎(義姉さん達の力がより強くなった?いや受け継いだ感じがする。ヤリは慣れてないからかしかたないとして……) 塞(な、なんなんだあの化け物は!塞ごうとしてももう遅いし…最初に聞かせれてたらもっと方法があったのに!) 豊音(ネットでも強いけどリアルだとその倍はつよく感じるよ…) 胡桃(とりあえず通りそうなのを…) コトン 京太郎「それロンです」 バタバタバタ… 京太郎「大三元、32000です」 トシ(あの二人が言ってた以上!小鍛冶健夜と戒能良子の後継者!) 京太郎 57000 豊音 25000 塞 25000 胡桃 -7000 胡桃「も、もう一回しよう!」目尻に涙が溜まっている 塞「く、胡桃!」 豊音「……」オロオロ トシ「もう一度やってくれるかい?」 京太郎「別にいいですけど…」 京太郎(明らかに能力が強くなってる…女の子を泣かしたくないんだけどな。次の局はどうしようか) 京太郎(…俺みたいな奴が手加減なんか考えるのはおこがましい…さっきと同じように全力で行く) 塞(私が親…今度は塞いでやる) 塞「えっ…?」 塞(私の能力が効いてない!?) 京太郎(…何かに塞がれる感覚がしたけど、どうにかなったな) 豊音(うー敵討ちしたいのに京さんが速すぎるよ!) 塞(…少し無理するしかないか) 胡桃(負けない…絶対勝つ!) 京太郎「ツモ!2000.4000」 胡桃(ま、負けないから…)涙目 京太郎(……聴牌した。いつもの槍と正しかったら間違いなく撃ち抜く。狙いはあのモノクルの臼沢さん。全力で応える…怖がられようと何を思われようとも俺は本気だ) 豊音(京さんが止められないよ!) 塞(塞げないってどう言う事なんだ…なんで通じない!) コトン…ドス…バリン…←真っ白な槍が塞を貫き、モノクルに亀裂がはいる 塞「えっ…?」 京太郎「…ロン…国士無双、32000です」 塞「なっ…!」 京太郎「ありがとうございました」 塞「……」レイプ目 豊音「…一回も上がれなかったよ」 胡桃「…」涙を必至に堪えている トシ「…ここまでの強さとわね。健夜と良子が自慢する事だけはあるよ」 京太郎「ありがとうございます。義姉さん達に恥ない打ち方をしているつもりです」 トシ「…それでこの子達はどう映った?」 京太郎「…俺の意見なんかでいいんですか?」 トシ「ええ、貴方の意見が聞きたいわ」 京太郎「一番嫌だったのは臼沢さん能力で、読みきれなかったのは鹿倉さんですね。姉帯さんの能力は発動条件を満たしてなかった感じがしたので俺には解りません」 トシ「塞が嫌な理由は?」 京太郎「重ねて打たれたら俺の能力の上に何か蓋をされたかもしれないと考えるとゾッとします」 トシ「胡桃は?」 京太郎「貼っているのに態と立直をしてなかったので…読みきれないですよ」わはは トシ「豊音はどう思う?」 京太郎「能力については解りませんが心当たりがあります…ネット麻雀でよく地獄単騎や追っかけ立直をかけるんでそこらへんの能力だと思って鳴かせず、立直をせずに行ったんです」 トシ(僅か三場でそこまで読まれた…いや、この子が規格外なんだろうね) 京太郎「個人的には臼沢さんが塞がないって選択肢を持ったり、鹿倉さんはわざと立直するのもありかなと思いましたね。姉帯さんはとりあえず能力前回で圧力をかけていく戦いとかできれば強いかなって…」 トシ「ありがとう、参考になったよ。よかったら誰かと話してやっておくれ…私の責任でもあるからこのまま解散なんしない」 京太郎「はぁ…わかりました」 京太郎(とりあえず鹿倉さんと話すか) 京太郎「あ、あの…」 胡桃「な、何よ…!」涙目 京太郎(怖がらせたか…役満直撃さしたらこうなるわな) 京太郎「……」 京太郎「すみませんでした」 胡桃「えっ…?」 京太郎「役満を当てた事は謝りません。ただ、年上の綺麗な女の子を怖がらしたのは俺が悪かったです。すいませんでした」頭を下げる 胡桃「……年上のき、綺麗な女の子……」カァァ 京太郎「……」下げたまま 胡桃「……胡桃は年上のお姉さんだから許してあげる。でも私よりも塞のフォローをしてあげてよね」 京太郎「えっ?」 胡桃「一番キツイのは塞ってことだよ、京太郎君」 ーーーーーーー 京太郎「まだ話せるな」 京太郎(鹿倉さんにも言われたし臼沢さんと話すか) ーーーーー 塞(……)レイプ目 京太郎(……健夜義姉さんが本気で打った後にでる被害者の顔だ。モノクルが割れたのも多分、俺のせいだし…どうしたものか) 京太郎(モノクル…) カタ… 京太郎「あ、あの…」 塞「……何?」目が虚 京太郎「これ落ちてましたよ」←モノクルを差し出し 塞「……」モノクルを見たままかたまる 京太郎「……」反応を待つ 塞「壊れちゃったんだ…」モノクルを手に持つ 京太郎「すいません…」 塞「別に君が謝る事じゃないよ…ねえ、君が最後にしたあの槍はなんなの?」 京太郎「視えたんですか?」 塞「自分に突き刺されば視えるよ」少し笑う 京太郎「…秘密ですよ、あれは俺の力です。本当なら一本だけだったんですが…二本に増えてて」 塞「私は試し撃ちされた訳だ…」 京太郎「そうです。モノクルが割れたのもあれの余波のせいだと思います」 塞「…君は変わってるね」 京太郎「えっ?」 塞「モノクルが壊れた事には謝るのにその原因の槍に対しては謝らないんだね」 京太郎「そ、それは…」 塞「聞いてたから別に慌てなくていいよ」 京太郎「うぅ…」 塞「……できればね、本当は怖いんだけど君の本当の全力で私と打ってくれないか?」 京太郎「えっ、俺は別に」 塞「さっきの槍より強い槍があるんだろ?」 京太郎「……はい、あります」 塞「使わなかった理由は私達じゃそれに耐えれないって判断されたからかな?」 京太郎「……」 塞「無言は肯定だよ、須賀君。正直、私は君が怖い…怖いけど怖くないんだ。あの槍が刺さった時に何かに触れたんだ…それが何かとは解らないだから私はそれを知りたいんだよ」 京太郎「……」 京太郎「……本気で打ちますよ?」 塞「ああ、私は君の本気が見てみたい」 豊音「だったら、私も打つよ!」 胡桃「わ、私も…」 ぽん…胡桃の肩の上に手が乗る トシ「この子の代わりに私が打つよ…健夜達の愛弟子の本気を味わってみたいと思ってね」 京太郎「わかりました」 トシ「私が親だね」 京太郎(槍二本で本気で勝つ)ゴッ! 塞「……っ」 豊音(京さん強すぎたよー!) 京太郎(あれ…浮気したからいつもの槍がこない。でも全力で行くって言ったからな!) 塞(槍ができてないのか?) コトン 京太郎「ロン!7700!」 トシ(まだ様子見だね) 京太郎(龍門渕の時もこんな感じだったな…) 塞(……) コトン 京太郎「ロン!3900!」 トシ(本気を出さない?いや、出せない?) 京太郎(…まじであのときみたいだ…) 京太郎「ツモ!12000、6000」 トシ(槍が見えてない不調なのか…次を待つかどうか。親だからね……次が回ってきたら終わりにしよう) トシ(あら…揃ったら仕方ない) 京太郎(させるかよ…) 渇望と添い遂げた者発動! トシ(アガリ牌を全部握られた…) トシ(そろそろ本気でいくよ!) 京太郎(来た!…) 京太郎「立直!」 塞(あれが須賀君の本気の槍)ゴクリ… トシ(あの槍は…不味い) コトン ザシュ…グニャ…バシュ←トシの影がトシを縛り上げる トシ「なっ!」 京太郎(別の槍を為すか…) 京太郎「立直!」 塞(あれはさっきの槍)ゴクリ… トシ(あの槍は…不味い) コトン ザシュ…グニャ…バシュ←トシの影がトシを縛り上げる トシ「なっ!」 京太郎「ロン!7700!」 京太郎(……臼沢さんに全力で挑むんだ。あの人なら何かをわかってくれる、そんな気がする) 塞(…あれが須賀君の本気の槍…!) 豊音「うぅ…何もできてないよ」 トシ(縛られてなにもできない…それにあの槍は…!) 塞(これが通れば) コトン… ドス…←塞の胸を突き破り、影に刺さる 京太郎「ロン…緑一色、48300」 塞(こ、これが須賀君の…)ジュワ… 京太郎 117600? 豊音 14000? 塞 -43900 トシ 12300 須賀京太郎が勝利しました。 京太郎「……ふぅ」 姉帯「お疲れ様…京さん強すぎるよ!」 トシ「…どれだけ能力があるんだい」 京太郎「わかりません…何時の間にか増えてるんで」 トシ「流石あの2人の義弟だよ…」 塞「……す、須賀君」カァァ 京太郎「は、はい」 塞「あれが君の全力の槍?」 京太郎「そうです、俺が持てる全力です」 塞「そうか…ありがとう」顔が赤い 京太郎「いえ、臼沢さんこそありがとうございます。あの槍を受け止めてくれて」ニコニコ 塞「うぅ…」ジワ… ーーーーーー 京太郎「今日はありがとうございました」 トシ「此方こそこの子たちに貴重な体験をさせられてよかったよ」 豊音「またネット麻雀を打ちましょう!」尊敬の眼差し 胡桃「つ、次は絶対に勝つ!」 塞「……」何かを考えている 京太郎「それでは」 スタスタ…旅館に向かって歩き出す。 塞「す、須賀…いや、京太郎!」 京太郎「えっ?」 ギュ…←後ろから手を握り締められ 塞「これ、私の住所と電話番号、メルアド」 京太郎「あ、ありがとうございます」 塞「それとこれは…槍のお礼」 チュ…頬にキスされ 京太郎「えっ…」 塞「あの槍に突き刺された瞬間にきみの根源を見た気がする…出会ってばかりで信じられないだろうが私は君を“見捨てない"。それだけは覚えといてくれ。それじゃあ…」 ダッ…走り去っていく 京太郎「………これは夢か?」 ーーーーーーー 某所 ??「急に電話などどうかしたんですか?」 トシ「今日、須賀の最後の直系っと麻雀を打った…と言えば解るかい?」 ??「要件は?」 トシ「連れないね。六女仙を受け継ぐ者がそれじゃあ駄目だ。要件を簡潔に言おう…須賀の直系の転校先に岩手も加えてもらう」 ??「……。それについてあの二人は?」 トシ「了承はとった」 ??「なら私共には関係が無い話では?」 トシ「あるさ。霞、いい加減に過ちを認めないと攫って行くっていってるんだよ」 霞「…っ!わ、私は!」 トシ「要件はそれだけだ…よく考えるんだね」 プツン… トシ「全く…あと30年私が若ければ…」 昼2 京太郎「なんでそんなに顔を真っ赤にしてるんだ?」 健夜「き、京君が早く帰ってこないから…お昼ご飯を持ってきた女の中居さんに…うぅ…」 良子「…もうお嫁にいけません」 京太郎「…わけがわからない」 健夜「京君が早く帰ってきたらこんな事にならなかったの!」 良子「…全て、京太郎が悪い!」 京太郎「ちょっえっ?」 健夜「家に帰ったら抱き枕の刑だからね」 良子「あと、今日はフレンチが食べたいです…期待してますね」ニコニコ 京太郎「不幸だー!」 夜 京太郎「ようやく帰ってきた…久しぶりに感じるはずなのに感じないのはなんでだ?」 京太郎「カピーと話すか」 カピー「パカパカ(なんだタラし男。私が契約を果たしてる時に、女を一人堕落させたあげく一丁前に能力が欲しいのか?」 京太郎「…もしかして連れていかなかったから拗ねてる?」 カピー「パカパカ(違うぞ!麻婆豆腐が辛かったから八つ当たりだ」 京太郎「はいはい…今度、どっかに歩いて行くか」 カピー「パカパカ(…仕方ないからついていってやる。ところで今日は私に何をさせるんだ?)」 京太郎「そういえばこんなんひろったんだけど…」 小さな手鏡を出す カピー「パカパカ(…これは儀水鏡だな。簡単に言うと神降ろしの媒体だな。主には不要だが必要な人物に渡したりすればいい)」 京太郎「儀水鏡って言うのか…因みにさカピーはこれで何を呼べるんだ?」 カピー「パカパカ(最高位の私は無しでだれでも呼べるぞ」 京太郎「なんだそれ」あはは カピー「パカパカ(嘘じゃないんだがな」 朝 京太郎「…抜け出してと…」 健夜「京君…あと…一人欲しいよ…zzz」 良子「…zzz」 京太郎「…旅行以来、義姉さん達がエロい」 京太郎「朝ごはんを作るか」 ーーーーー 京太郎「……飯ができても起きてこないだと」 カピー「パカパカ(旅行明けは仕方がないだろ」食べ終わっている 京太郎「なあ、俺さ、カピーが食べてる所を最近見てないんだが」 カピー「パカパカ(……気のせいだろ」 京太郎「だといいんだがな」ジト目 咲は合宿、桃子は家を知らない為、龍門渕になります。 京太郎「…衣にお土産を持って行くか」 カピー「パカパカ(儀水鏡を忘れるなよ)」 ーーーーーーーーー 京太郎「さて何で行こうか」 ハギヨシ「その心配はいりません」 京太郎「えっ、なんでハギヨシさんがこんな所にいるんだ?」 ハギヨシ「衣様が須賀様に会いたいと申されたのでお迎えにあがりました」 京太郎「…因みに拒否権は?」 ハギヨシ「衣様を泣かせるのですか?」 京太郎「わかりました、お土産もありますし」 ハギヨシ「ありがとうございます」 ハギヨシ「着きました。衣様が門で待っているのでお願いします」 京太郎「わかりました」 とてとて…←門まで歩いて行く 衣「義兄様ーーーー!」 ぎゅっと←突撃して京太郎に抱き付く 京太郎「うっ…ひ、久しぶりだな衣」 衣「本当に久方ぶりだ…また来ると言って来なかったからな…」 京太郎「色々と忙しかったんだ…ああ、これ岩手のお土産。銘菓のお菓子らしいから一緒に食べようぜ」 衣「こ、衣はお菓子なんかに…。」 京太郎「食べないのか?」 衣「うっ…」涙目 京太郎「お、俺が悪かった。衣の為に買ってきたんだ、食べてくれないか?」 衣「そ、そこまで言うなら衣が食べてやろう」ニコニコ 京太郎(…やばい、かわいすぎる) 京太郎「今日は皆はいるのか?」 衣「居ないぞ!」 京太郎「えっ?」 衣「透華はパーティー、ハジメ達は実家に帰った」 京太郎「じゃあ、衣一人なのか?」 衣「そうだ!だが京太郎が居るから寂しくないぞ!」 京太郎「…そうだな、今日はずっといるぞ」 わしゃわしゃ←頭を撫でる 衣「へへ…」ニコニコ 衣「それで何をするのだ?」 京太郎「そうだな…」 京太郎「衣の質問に答えるぞ」 衣「質問?」 京太郎「ああ、衣が聞きたい事を答えるぞ」 衣「そ、それじゃあ、京太郎はペットとかは飼ってるのか?」 京太郎「ペットか…カピバラを飼ってるな。人の言葉を喋ってこの間は星の意思を倒したとか言ってたな」 衣「か、カピバラとはそんか奇怪なモノなのか…」 京太郎「いや、カピー、俺の所のカピバラが特殊なんだろ」ワハハ 衣「そ、そうなのか…それじゃあ次は」 衣「京太郎は関西弁についてどう思う?」 京太郎「なんかこうピンポイントだな。嫌いでもないし好きでもない…普通かな」 衣「……解答になっていないぞ」 京太郎「だってなあ、関西弁って大阪独特の訛りに対して特にな。義姉さん達と色々回るから珍しい訳でもないしな」 衣「それもそうか。なら最後に……」 衣「岩手旅行はどうだったのだ?」 京太郎「楽しかったぞ。中尊寺行ったり、馬に乗って風になったり、あとあれだな麻雀を打ったな」 衣「義兄様は旅行に行っても麻雀を打ったのか…酔狂にもほどがあるぞ」 京太郎「義姉さん達に頼まれたんだ。衣の言う、奇怪な打ち手とも打ったしな」 衣「それはまことか?岩手にもいるのだな…衣と同じ存在が」 京太郎「ああだが勝ったのは俺だがな」どや顔 衣「当たり前だ!義兄様を倒すのは衣だからな」どや顔 京太郎「……」衣と眼を合わす 衣「……」京太郎の眼を見る 京太郎衣「「フハハハハ!」」 京太郎「楽しみにしてるぞ、衣」 衣「ああ、待っておれ。衣は直ぐにその頂に行くからな」 衣「ごちそうさま」 京太郎「流石、ハギヨシさんだな。どの料理も美味しかった」 衣「あたりまえだ、ハギヨシは優秀だからな」 京太郎「それもそうだな」 衣「義兄様、これからどうするんだ?」 京太郎「そうだな…」 京太郎「岩手の疲れも残ってるし、昼寝でもしないか?」 衣「昼寝か…別にかまわない。衣の部屋で寝るのか?」 京太郎「そうだな、床で寝る訳にもいかないしな」 衣「わかった、衣の部屋はこっちだ!」 ーーーーーーーー 衣「……zzz」 ギュ…京太郎は左手、衣は右手を握って寝ている 京太郎「昼寝をし始めて五分…寝るのがはやいな。ふわぁ…俺もそろそろ寝るかzzz」 透華「ただいまですわ!」 一「ただいまー」 純「ただいま」 智紀「ただいま」 ハギヨシ「お帰りなさいませ」 透華「あら、衣は何処にいるのかしら?」 一「そういえば何時もなら待ってるのに…」 ハギヨシ「衣様は須賀様とお昼寝の最中でございます」 透華一「はっ?」 ハギヨシ「衣様は須賀様とお昼寝の最中でございます」 透華「な、何故須賀京太郎がここにいるんですの?」ワナワナ 一「そ、そうだよ、衣が呼んだりしない限り…あっ!」 ハギヨシ「お察しの通り、衣様が朝から須賀様を招き今に至ります」 透華「い、今は何処にいるのかしら?」 ハギヨシ「衣様が居る離れです」 ダッ… 透華と一が同時に走る 純「相変わらずモテモテだな、須賀は」 智紀「そうだね…」 衣「……っ…」目が覚める 衣「……義兄様」隣に京太郎が居る事に安心する バタン 透華「須賀京太郎!」 一「須賀君!」? 衣「………京太郎は今寝てるぞ。静かにしないか」ゴッ 京太郎「…っ…」 透華「こ、衣…これには訳が…」 一「そ、そうだよ…」 衣「……久方ぶりに麻雀でも打とう。今の衣は悪鬼羅刹よりも強いぞ」 透華、一「ひっ!」 衣「さあ、行こうか」 ーーーーーー 京太郎「……あれ…なんで誰もいないんだ?」 京太郎「…とりあえず起きるか」 ハギヨシ「須賀様、少しお時間を頂いてもよろしいでしょうか?」 京太郎「…また衣の話ですか?」 ハギヨシ「違います…今日は貴方についてです」 京太郎「俺ですか…」 ハギヨシ「そう、貴方の過去についてです」 ハギヨシ「須賀家直系最後の一人、須賀京太郎様」 京太郎「……」 ーーーーーー 衣「ツモ…87000オール!」 透華「こ、衣が止まりませんわ!」 一「ロンをなかった事にしてもなんでロンになるの!」 純「荒れすぎだろ!」 智紀「……鬼ね」 京太郎「…俺はこれで」 ハギヨシ「お送りしなくても?」 京太郎「大丈夫ですよ。それより、さっきの事は…」 ハギヨシ「わかっています、余程の事がない限り他言はしません。執事に二言はありません」 京太郎「ありがとうございます。あんな話、誰が聞いても楽しくありませんからね」ハハハ ハギヨシ「…本当に最後になりますが、もしその時が来たら貴方はどうするのでしょうか?」 京太郎「決まってるじゃないですか。その時に決めます」 ハギヨシ「…ふふふ、わかりました」 京太郎「では今日はありがとうございました」 ハギヨシ「またいらっしゃる事を楽しみにしています」 ーーーーーー 衣「は、ハギヨシ!義兄様は何処に行った!」 ハギヨシ「急用があると言って帰られました」 衣「ま、まことか!衣が居なくなって怒ってはいなかったか?」 ハギヨシ「大丈夫ですよ、須賀様はその様な事でお怒りにはなりません」 衣「そうか…また来てくれるかな?」 ハギヨシ「ええ、また呼べばきてくれますよ」 衣「次は麻雀が打ちたいな」 ハギヨシ「打てばよろしいかと」 衣「ああ、全力で義兄様に勝ちに行く!」 夜 京太郎「まさかハギヨシさんが調べあげるなんて思わなかったな。義姉さん達に話そうとしたけどまた何処かに出かけてるみたいだし…どうしたものか」 京太郎「カピーと話そう」 カピー「パカパカ(なんだ、また来たのか?とりあえずなんだ……ああ、あれか芽の成長か能力の強化かどれにする?」 京太郎「能力は今のままでいいから芽の成長ってやつを頼む」 カピー「パカパカ(堅実だな。成長の振り幅を決めるか)」 カピー「パカパカ(また強制力が働こうとしたな…だが、私はそんなモノには屈しない!花ではなく木に成長するようにしておいた…全く、たかだか一ヶ月でここまで成長する」 京太郎「俺ってそんなに成長したのかな?」 カピー「パカパカ(気のせいだ。主は慢心王にする訳にはいかないからな。主は才能がないから努力を忘れるな」 京太郎「そうだよな…最近勝ってるから強いのとか思ったら駄目だよな」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5698.html
3 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/10(火) 13 00 03.62 ID BN8rPPaYo [3/8] ‐==‐- ´ .. . . .. . .. . . . . .. . ` /. . . .. . . . . . . . . .. . . . . . . \ . . . .. . ./ . . . . . .. . . .. . . . . . . . ..丶 ∧ . . ./. . . . . . . . . .. . . . . . .. . . . ... . . . /⌒ . / . . .. . . . . . . . . .. . .ハ. . . .. . .. . . . (なんやのこの人……?) /. . . .. { . . . / . . . ,イ . . . . / }. . . .. . . . . . .. . ,'. . . . 八 . /  ̄ /. ./ / i|. /. .. . . . ..ノ . . . .. .. .. . ∨____/ / ∨ ∨. . / ... .  ̄} . . . .. . i. γヽ{ ∪  ̄` ___,} / /. / . / } . . . . .. . | .{ ∪ ̄`'/∨/ / . . . . .. . . | 人__ '' , / ./ . . . .. . . . . | . . . .ヽ ''' / /. /. . .. . . . . .|. . . .. .} \ .-, U イ ′ / . . . .. . . . . .| . . . ./ _ < . . ' /. . . __,._-‐─!. . . {、 / ̄´. . . .. | . . . i. /. . /  ̄`! . . | \ 〈 ___. . . .. . /| . . . | /. ./ |! . |// \⌒ヽ//`ー- |. . . |. / . / { . . |\ //\ V ////|. . .|. / ../ .. .{ \ /∧ i}//// | . . . | 【須賀京太郎】 <アイドルランク>(ファン人数) Fランクアイドル(0~1000) <容姿> B(56) <雀力> F(14) <歌唱力> F(15) <演技力> D(32) <特技> タコス作り <担当> 清水谷竜華(プロデューサー) 花田煌(マネージャー) 弘世菫(麻雀コーチ) 瑞原はやり(トレーナー) 竹井久(事務員見習い) <アイドル経歴> 雑誌特集 パンフレット サイン会 |. G | F | E | . D |. C | . B |. A | . S | SS |SSS―――┼―――――――――――――――――――――――――容姿 |lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll雀力 |lllllllllllllll歌唱力|lllllllllllllll演技力|llllllllllllllllllllllllllllllll <須賀京太郎のファン> 宮永照 宮永咲 蒲原智美 愛宕洋榎 愛宕絹恵 江口セーラ 鹿倉胡桃 染谷まこ 片岡優希 35 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/10(火) 22 33 37.75 ID 4mIrGtYHo [3/11] 【サイン会の前日 鶴賀】 それは――突然の事だったっす 桃子「須賀京太郎っすか?」 佳織「う、うん。知ってるかな?」 桃子「いえ、清澄の雑用をやってたことくらいしか……(本当は知ってるっすけど)」アセアセ 佳織「……新人のアイドルさんなんだけど、智美ちゃんがファンらしいの」 桃子「元部長さんが? へー、ジャニヲタ辞めたんすね」 佳織「あの佳織ちゃんがジャニヲタを辞めるなんて……ありえないよ」ガタガタガタガt 桃子「それもそうっす」タシカニ あの三食ジャニーズとかまぼこだけで生きている元部長が…… 新人アイドル、しかも顔が少しマシなだけの須賀京太郎のファンになるとは 佳織「それでね、今度智美ちゃんがその須賀君のサイン会に行くらしくて」 桃子「ははーん、なるほど! そこで私の出番って事っすね!」 佳織「うん。ちょっと様子を見てきてほしいの」 桃子「オーケーっすよ! どうせその日は何も予定無いですし」 佳織「あれ? 私……サイン会が何日か、言ったっけ?」キョトン 桃子「」ドキィッ 佳織「ふぇ?」オドオド 桃子「な、なんでもないっす! 大船に乗ったつもりで待ってるすよー!!」デーン 佳織「????」 私も少しだけ興味があるっす……須賀京太郎! 桃子「ふふふ」ニヤリ 桃子「須賀、京太郎!」デデーン 開幕コンマ判定 安価↓3 ゾロ目でモモのおもちを鷲掴み 00~29 桃子「やっぱダメっすね」 30~89 桃子「ふーん、結構悪くないっすね」 90~99 桃子「うぇっ……//」ドキドキ 48 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/10(火) 22 47 15.00 ID 4mIrGtYHo [4/11] 【サイン会 当日】 ザワザワ ガヤガヤ 京太郎「どうも、ありがとうございます」ニコッ イカ娘風のシスター「ありがとうなんだよ! このサイン、大切にするかも!」 京太郎「独特な格好ですね(声が部長に似てる)」アクシュ 刀を背負ったポニテ半ジーンズ「こ、これは魔術による、その……」カァッ 京太郎「お、男の人ですか」ギュッ 青髪ピアス「ぼかぁ幸せもんやなぁ! こないな男前に握手してもらえるなんて! ところで女装の趣味なんかは」ベラベラ 京太郎「ジャージですか?(胸でけぇ)」ゴクリ 炊飯器でなんでも作りそうな人「こんな格好で悪いじゃん。でもサインは大切にするじゃん」ニギニギ 京太郎「可愛い子だね、お母さんときたのか?」 ロリピンク教師「こう見えてもちゃんと大人なんですよー!!」プンプン 京太郎「日野さん!?」 馬面「いや、誰だよ!?」ガビーン ワイワイ キャッキャ 桃子「さて、潜入するっすよ」スゥゥゥゥ こんな列、わざわざ並ばなくても…… 桃子「(先頭に割り込むっす)」ニヤリ タタタタッ 京太郎「ん……?」 ラストチャンス! コンマ安価↓3 ゾロ目でモモのおっぱいモミモミっ!! モミモミっ!!! モミモミだって言ってんだろぉぉおぉぉ!? 00~29 京太郎「もう、終わりか」 30~89 京太郎「あれ、誰かいるような……」 90~99 京太郎「ダメですよ、そこの人!」 63 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/10(火) 23 00 29.24 ID 4mIrGtYHo [5/11] 桃子「(よし、誰にも気づかれてない)」タタタッ モヤァ~ 京太郎「あれ、誰かいるような……」 桃子「(次は私の番っす)」ニヤリ 京太郎「次の人、どうぞ」 桃子「今だ!」スゥッ 京太郎「え?」 桃子「次は私っすよ」 京太郎「鶴賀の東横……だっけ? ……いや、違う」 桃子「え?」 京太郎「確か次は……そこのゴーレムさんだったような?」 エリス的なゴーレム「……///」 褐色ゴスロリ「そうだ。確かに私達だった筈だ」 桃子「うぇ!?」 京太郎「ダメだぜ横入りしちゃ。並び直してくれよ」 桃子「(なっ!? 私が見えていたんすか!?)」ガビーン 京太郎「でも、なんで急に現れたんだ……?」ウーン 桃子「(どうやら違うみたいっすね。じゃあ、どうして?)」 エリス的なゴーレム「……//」ニギニギ 褐色ゴスロリ「よかったなエリス」 京太郎「ずっと後ろから目立ってましたよ」アハハ 桃子「(なるほど、単に目立つ奴の前に並んだから……)」ナットク トボトボ 桃子「(私を見ることが出来れば……あるいはと思ったっすけど)」チラッ 京太郎「ぐぁぁぁ!?」 エリス的なゴーレム「うぉぉぉ!」 . . . . . . . | |il \l\ | l !. | |ll \{\从八/|iト、从「 ! | |l| |ll l_」 | , , ,|l|, , , , ,|ll, , , ,小 八 |l| |l| / l . .| l\ |l| ー-― |l|.イ | .| . .| | 〕lト. ._ _ .. ≦ |l| . | | .| l 八 l l | | | 从川 --- 「\ 从 .| | リ .リ 八 )ハ l | .ル{斗≦/ } { /{ `ヽ厶イ . / / j/ \{\ .| |l |l 厶イ⌒ト . 桃子「やっぱダメっすね」ハァ カンッ!! 76 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/10(火) 23 17 00.75 ID 4mIrGtYHo [6/11] 【合宿準備 京太郎の部屋】 京太郎「えーっと、歯ブラシと歯磨き粉も入れて……」ガサゴソ 煌「酔い止めは入れました?」 京太郎「はい! バッチリです!」 煌「ふふっ、なら後は用意しておきました」 旅行カバン「」キラキラァァァン 京太郎「おぉぉ!!」 煌「後は明日に備えてゆっくり休むだけですね」 京太郎「いつもありがとうございます」 煌「これくらい当然じゃないかな?」クスッ 京太郎「煌さんには助けられっぱなしですよ」ハァ 煌「ふふっ。それは私だけじゃないから」 京太郎「本当にそうですよ、竜華さんや部長にも助けられっぱなしで」 煌「うん。みんな京太郎君の事が大好きだからね」 京太郎「あはは、照れますね」 照「(照だけに)」 京太郎「あ、そういえば明日からの合宿は……誰が来るんでしたっけ?」 煌「えーっと」カキカキ 龍門渕透華 清水谷竜華 花田煌 原村和 79 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/10(火) 23 20 36.36 ID 4mIrGtYHo [7/11] 煌「こんなかんじかな?」 / \ / / i ヽ / / ./| | ヽ . / i | | | |ヽ . i i i ′ | i. ./| | | | i .| | .| | / | | |i |‐|‐ト |i 斗‐|┼ i .| .| |. / /|八 |八 |_.レ'.._| 八/__.}/∨}/ | | 厶イ | ヽ{{ 午不か}/ 午示下}. | | | | 弋__ソ 弋__ソ レ' | | |ハ /| | | |ヽ} ' /´| | | | 人 _ /. .| | | /i | | ` ._ ィ i .| i. .| {/.人{ |/} 厂} ー .{ア}_l_ | i . ′ ,. -‐乂¨ ̄{¨ ¨} ¨八/}/ r<. 、 | | >、 / \\ | | // \ 照「私を忘れてる(照だけに)」 京太郎「へぇ……あ、でもあの人達は来ないんですか?」 煌「あの人?」 京太郎「ほら……あの」 安価 コンマが60以上orゾロ目で着いてくる IDが重複した場合はひとつずつズレます ↓1 宮永咲 ↓2 弘世菫 ↓3 片岡優希 ↓4 竹井久 ↓5 瑞原はやり ↓6 大星淡 ↓7 宮永照 ↓8 ハギヨシ ↓9 染谷まこ ↓10 八尺様 124 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/10(火) 23 37 12.09 ID 4mIrGtYHo [9/11] 京太郎「ほら、ハギヨシさんとかですよ!」 煌「あ、それもそうですね」 プルルル プルルルル 京太郎「ん?」 照「あ、そうそう。大阪旅行、うん。咲も来る?」デンワチュウ 京太郎「」 煌「これは……」 照「え? 他にも呼ぶ? うん、別にいいけど」デンワチュウ 京太郎「て、照さん?」 ピポパッ 照「あ、菫。実はかくかくしかじか」デンワチュウ 京太郎「……」 煌「……」 ~~~そして翌日~~~ 照「これだけ呼べた」ドヤッ 咲「楽しみだね!」 優希「大阪旅行だじぇー!」 和「あまりはしゃいじゃダメですよ、ゆーき」 菫「楽しみだな」 淡「別に……。ただタコ焼き食べたいだけだし」プイッ はやり「しっかり特訓しようねっ☆」キャピィン ゾロゾロ 竜華「」 煌「」 京太郎「多すぎだろ!?」 透華「わ、私が目立っていませんわ!!」ガビーン ハギヨシ「透華お嬢様も負けていませんよ」フフッ 社長「では、しっかり修行してきたまえ!」 京太郎「あれ、社長いつのまにか元気に……?」 社長「あぁ~」 京太郎「気のせいか?」 久「お留守番は任せてね」バイバイ 京太郎「はい! お土産買ってきます!!」 ~~~なんやかんやで出発!~~~ 134 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/10(火) 23 44 59.49 ID 4mIrGtYHo [10/11] 【行きの貸切ジェット 提供 龍門渕グループ】 照「とうたんイェイ~♪」 咲「とうたんイェイ~♪」 優希「とうたんイェイ~♪」 和「とうたんイェイ~♪」 菫「とうたんイェイ~♪」 淡「とうたんイェイ~♪」 はやり「とうたんイェイ~♪」 竜華「とうたんイェイ~♪」 煌「とうたんイェイ~♪」 京太郎「とうたんイェイ~♪」 / ,ィ| / \_,..----、 / /ヾ| //| iヾ゛\ | | ト、゙、V//| | ゙、 リ /| | |゙゙゛`!´"'| i | | |/ | | / |.|、 | .| / ---|┼-| .ー||-iー‐- ゙、| な、なぁぁぁ!? / ___/_゙、 | リ__\__ \ /  ̄`/ュ iヾ \ "´ュ iナ'´ \ /イ / i i 、 ヽ // 〈 i /|i ' /| i、 | ( ゙、 | ソ丶 r―‐、 ,イ/ 人リ /\ ヾ、 / ゝ、 `ー―' _/レ'/ / \__,ノ、 / | Y /r‐|` ー ' |`V / / ー- . ヾ===ァ'´ __/_) |-'´ `゙ヽ ./ | .∠____ ) // / 、 / /| /ヽ∧ ! / \ i ( i | / , -'´ ヽ / / i゙、゙、 ゙、 ( / i \_,ノ ) | ( .,ヘ V / ,ハ | \/ \ \// /  ̄`ヽ ハギヨシ「お誕生日おめでとうございます」 透華「そ、そんな!? わざわざ私の誕生日を……!?」 一同「おめでとーか!!」デデーン 透華「み、皆さん……」ジワッ ,r'´ ̄ ̄ ヽ /丶 _//∧ l'⌒ヽ-、_ / .|ヽヾ、7/ i| ヘ_/^ヽヘヘ / |,⊥ミ∨/l| ト、 └ユ ! .i ト、 ヘ ヌ二¨ ヽ ! 今11月ですわよ!! l |L_ ゝヽ_/ ャ=ヽャ‐ \-、 i '7_,.≧=- }} ′ ` ヘ. \ヽ j ff'"⌒ヽ ノ 、_,.ィi レ、 l ヘ!. ノ 7弋 , , 爪从 . i l. イ ハ tt彳′ l j ∧ // ! ト、 _ ‐ュ /7 ∧ヘ. /,ハ ヽヽヘ f二´-‐'' " / / / ヘ ヘ { { ヘ 丶 ゝ _ /∨ / ヘ ヘ ヘ! ゝ \ ` ┬-‐' /! ィ′ ヘ ヘ 丶、_ \ 广弌irく l l 〉────'┼‐-、 !| \ Y/ /V ≦ヽl ∨ l ト !| ハ l| ィイ' 7ソトミ、 ヽヽ ヽ. l l 厶イ j ∧/ //ハヽ\∨lルl l f´ i ノ/ ∧∨// ヾ 、 ゝ'.ノ l 一同「「「「「「「」」」」」」」」ガーン ※スレ内の時系列と現実の時系列は異なっております 154 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/10(火) 23 59 03.27 ID 4mIrGtYHo [11/11] 141 だったらかおりんもジャニヲタです(半ギレ) ~~~なんやかんやで到着~~~ 透華「到着ですわ!!」 京太郎「こ、ここが修行場!?」 <<妙神山>> 看板【この門をくぐるもの、一切の望みを捨てよ!】デデーン 京太郎「なんだか物騒な事が書いてあるんですが、それは……」 竜華「ここは地元でも有名な温泉宿やで!」 咲「うわぁ、鬼の像があるよ!」 優希「門にも顔が付いてるじょ!」ツンツン 和「不気味ですね」 はやり「美容にも効果あるといいなぁ」フフフ 煌「どこから入ればいいんでしょう?」 ワイワイガヤガヤ 透華「ああもう!! 多すぎですわ!!」ムキー ハギヨシ「いいではないですか、賑やかで」クスクス 京太郎「よし、早速入ってみよう」ギィィィィ _≧‐-ミ 、 ┌vヘ. _ ⌒ `ー-ミ/ 丿 /^\ア" __, -‐_ ___ V ^ 廴/ /^ー ~^ '⌒^ヽゝ ∨ / /令=令x ',. / /VvVvVl| ,. {/l _」Lk┴'¨¨¨¨二L」,_j ′ i| j_」'´'´ ___ r=ミ、 ,ハ ,. 八_jLノ'^^K /'⌒゙ 、 ん′ ′. | |´( , ′ ,ノ | , `ーヘ、 く__ア ′ _j」. { ) 、、 _/ 」L '^^. L」廴_jL」___j|  ̄| ≦=x ノ ∧ //^Y⌒ 、. __ -‐ "´ | ',У, ′ {__彡イ‐- _. 〈 ! У /{__彡ヘ 〉. \ / ‘、 / , ′}__彡イ イ. | \/ ,/ / {__彡イ/ ′x=x , ,゙ / / {__彡イ / イ|℃}. ‘ { / / {___彡' _,ィj「}叱_ノ |∧ ,/ / {__彡}ィj「}} '′ 管理人「あら、お客さんですか?」 京太郎「あ、どうも。予約していた者なんですが……」 管理人「なるほど、修行希望の……」フフッ 京太郎「!?」ゾクッ 170 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 00 08 16.93 ID KNzvG3h+o [1/9] 165 大して内容に関係ないから気にせんでええよー 透華「まずは部屋に案内して頂きたいですわ」 管理人「そうですね。移動でお疲れでしょう」 ハギヨシ「私が荷物をお運びいたします」スッ 京太郎「いやいや、俺が持ちますよ!」 咲「きゃあっ!? 猿がいるよ!」 優希「うぉぉぉ! 本物の猿だじぇぇ!」 猿「うきゃきゃっ!」 煌「猿がいる温泉宿なんですね」フムフム 淡「猿とかすごっ! 服来てるし!!」キラキラッ 菫「あまり近づくと引っかかれるぞ」 猿「……ふむ」チラッ 京太郎「おーい、お前達ー!」 猿「(なるほど、これはヤツ以来の逸材かもしれんな)」ウキャキャッ 京太郎「何してるんだー? 行くぞー!」 咲「あ、待ってよー!」 照「猿の元からさる(猿だけに)」 菫「……」 はやり「早く温泉で温まりたいね☆」ブルブル 管理人「こちらです」 京太郎「あ、はい!(美人だけどなんで角が生えてるんだこの人)」 そうこうして、部屋に案内されたみんな 180 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 00 22 09.38 ID KNzvG3h+o [2/9] 176 原作でモテまくってたのに、最終回がアレなのよね…… 京ちゃんと対極の境遇だったのに二次創作では扱いが割と似てるよねー 【みんなの部屋】 イェーイ! ハシャグジョー! ワーイ! オンセンイコー! サンセーイ! 竜華「全く、旅行に来たわけやないのに」ハァ 京太郎「そうですね。ここで修行を頑張らないと……!!」 菫「そう気を張っていればいいというものじゃないさ」 京太郎「菫さん!」 菫「目的を追うのはいいが、経過も大事だ」フッ 京太郎「経過?」 菫「楽しく目指そうじゃないか、トップアイドル。その為に私達はいるんだ」 京太郎「菫さん……」ジーン 淡「おかしい、こんなの菫じゃない」 照「完全に同意」 管理人「修行コースはどうしますか?」 透華「さて、どうしましょう」 煌「一番ハードなコースはありますか?」ワクワク 管理人「死を覚悟するのであれば、あることはありますが」 煌「え?」 透華「死……?」 管理人「今までこれを受けて生きていたのは二人だけです(一人例外もいますが)」バッサリ 竜華「あかん!! そんなのさせられへんて!」 京太郎「で、でも! それくらいやらないと……」ガタガタガタガタ 管理人「見返りは大きいですよ?」 竜華「ダメや!!」 管理人「そうですか、それならハードコースくらいにしておきましょう」 ハギヨシ「それでもハードなんですね」 管理人「よくて、右手一本ですみますよ」ニッコリ 一同「「「「歌の練習って一体……!!?」」」」ガビーン 188 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 00 30 58.21 ID KNzvG3h+o [3/9] 管理人「とりあえず、まずは温泉に入られてはどうですか?」 京太郎「あ、いいっすね」 竜華「せやな。まずはさっぱりせんと」 管理人「ではこちらへ」 京太郎「温泉かー、楽しみだな」ワクワク ハギヨシ「私は少々荷物の片付けをしたいので、京太郎君はお先にどうぞ」 京太郎「え? ハギヨシさんは来ないんですか?」 ハギヨシ「また夜にご一緒しましょう」フフ 京太郎「はい! 流し合いっこしましょうね!」 ナニシテルンダジョー ハヤクイコウヨー 京太郎「おう、今行く!」スタコラサッサー 【男湯】 カポーン 京太郎「お、おぉぉぉぉ!? ひれぇぇぇ!!」 なんて開放感溢れる浴場なんだ!! 京太郎「早速入ろうっと」チャプッ 猿「うきゃっ!」ペシッ 京太郎「いでっ!?」 猿「きゃきゃきゃっ!!」 京太郎「な、なんだよ猿!?」 猿「うきゃきゃっ!」ビシッ 京太郎「え? 体をちゃんと洗えって?」 猿「うきゃ」コクリ 京太郎「そーだな。悪い」テクテク ゴシゴシゴシ 京太郎「って!? 猿がいるんですけどぉぉぉぉぉお!?」ガビーン バンダナの男「ん? 誰かいるのか……?」チャポン 京太郎「え?」クルッ バンダナの男「よっ。ゆっくり浸かっていけよ」 京太郎「どうも」ペコリ 198 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 00 38 06.89 ID KNzvG3h+o [4/9] 【一方その頃 女湯】 優希「のどちゃんのおっぱいまた大きくなってるじぇ!!」 和「ゆ、ゆーき!!」カァッ はやり「うわー! 凄いボリュームだね!」タユン 竜華「胸なんて、飾りみたいなもんやし」ユサユサ 咲「……」ツル 照「……」ペターン 淡「くっ……」 菫「別に胸なんて大した問題じゃないさ」 透華「……」ゴゴゴゴゴゴッ 優希「揉みしだいてやるじょー!」モミッ 和「ひゃっ!? ゆ、ゆーき……// やめっ!」カァッ 竜華「何やっとんねん……」 煌「油断はよくないんじゃないかな?」キラーン 竜華「ふぇっ?」 モミィッ! 竜華「ひゃぁぁぁぁぁ!?」マッカッカッカ 煌「おー、これはいいですね」モミモミ 竜華「んぁっ、だ、ダメやっ、てぇ……//」 咲「あわわわ!!」 淡「呼んだ?」 照「淡だけに」 菫「言ってる場合か」ハァ 【男湯】 キャー! イヤン! ヤメェヤ! アン! ンァァ! 京太郎「……」ギンギン バンダナの男「……」ギンギン 猿「……」ギンギン 203 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 00 45 16.22 ID KNzvG3h+o [5/9] バンダナの男「なぁ、兄ちゃん」 京太郎「あ、はい」 バンダナの男「隣のアレ、全部おまえの連れ?」ブルブルブル 京太郎「ええ、まぁ」ゴシゴシ x<ニ/ /7 /ニj i 、 ニニニイ / /ニ' /ニニ| i ト、 ', i ニニニ/ /,イ-y' /=ニ__i | iニ, ', | x< i /// / X、_ i !', 7ニニV i ! 〃 ! / // ̄7 ,>==zヽ、 i | .! / >-V i', | i r-{ / /´ .i/ 0 `ヾ- i 7 .i / i ! i jV { 7 V/ ', ,' .i,' .| /=ニ===zリ-i √V ヘ ヽ {` ≧-====テ彡 / i / 0 ヾ.,. '∨ / \ ヽ . ,'〃ミx、 .,. '/ i ,'i ヽ-', . . ' , i `ヽ、__, ' , i i / 7 .ハ . / . , '´/ /j j ,' /i/ .ヘ . ′ / ;.イ / 7 /| / ,イ〃 ヽ _ ,'イ〃 / イ | ,'-イt \ `ヽ二ニユ ,イ '´ ./´ .レ;';';';'ヽ、 \ ,. <;';';';';';';'\ ,イ ヽ、 ,. <;';';';';';';';';';'>x_ /;';';';';';';' ̄ヽ バンダナの男「うぉぉぉぉぉおぉ!なんでや!? 所詮男は顔なんかぁぁぁぁ!?」チナミダ 京太郎「」 猿「わきゃきゃっ!」 バンダナの男「こうなったらもー覗く!! 覗くしか無いんや!!」 京太郎「うぇえぇ!?」 バンダナの男「止めてくれるな! 情けは世の為、人の為ぇぇえ!!」ダダダッ 京太郎「だ、ダメですよ!! 覗きなんて!!」アセアセ バンダナの男「お前はどっちの味方なんだ!?」 京太郎「そ、それは……」 選択安価↓3 1 そらもう、男の味方ですよ(ゲス顔) 2 ダメなものはダメ! 210 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 00 50 58.12 ID KNzvG3h+o [6/9] 京太郎「ダメなものはダメですってば!!」 バンダナの男「こ、この……!!」ギリッ !、 ,.ィ ,// ヽー─----- .,, l `ゝ、 , '!、,. ''" 'ー'" ,'、,_____ \ ゙ヽ. 、 ! `"''',.=マ゙ ,' `ヽ、 `~''丶、ヽ ヘ lヽ l ,.'´,.ュ、 ゙', ,. -‐- .,_ ,' `丶、 ゙ヽ.', ヘ ! ゙!、! l {., ,ノ リ゙ ,/ ,.ィ k-、 ヽ.l`"'''' ー- 、 \ ヘ l ト-‐='''"゙ヽ ゝ= =‐'/ ,/ ! ,/ ヽ. ヘし',゙ `丶、 ゙! .} ,. ノ゙,r- 、 《 ( ,! ,! } ゙! ,! ''"´l,' ,/ .,' \\ \/ / ,/ リ i ll i' ,' \゙ヽ / / ,ノ ! !! └'" ,/`ゝ-‐' ~ /j ≦.,,__ l 八_ _,,/ て , ゙i } `ヽ、 l _,,, ̄ i.゙‐''フ 、---- .,,_ `~/ ,,..ノl ,ィ ハ. 、 `ヽ_ヽ_ l. !. ', ,rェゝゞ、て_ , 〉 ィ=‐''''"゙''i , / {. ヘ ゝ_ヾゝ、.,,_ ,./メヾ~\ !. V ',ゝニィー゙ `7 / _{ r‐'i / / , ' ヘ_ ヘ." ゝ、ゝ、 マ ,.-ヤァ=ッヽ ;' V ヘ / / /゙ _`ニィ , ' ,'、,ィ"´ ヘ ヘ ゙'ー,/ / ` バ `i. V ヘ / ,/ / ゙i l ,1 , ,l、`''丶., ゝゝヽii. i./ / ! V ', i 厶ノ l l,i'l. レッィヤ 、 ヽ',i、',ゞ、',',ゞ 仆 (・) l. V ゙! ri. ゝ..,,.... ,ュ,'゙ヘ. l l' ,〉メl゙ ` ゙ヽ.,ヘヾ ゝ `ゞl;ト ,' _,.、ヽ i l i、 _,,! 二};ゝ-'゙ l/ヘ ヽ ヘ ゞム彡三 マ ム- ,,! } ~ ,! ゙ヽ くοム゙!-- ,,、 ',゙ (・) ゙. 彡彡三 ゙ 、_,,.ム l! l l ! `" く_,ィフ ,〉 i、',~ i 彡彡=`ヾー‐'''""~_,,ニ、 ,!l l l l r-、 "''゙ ト、ヽ /;;f´ ,..、 u "",. ''"゙l ! ,/ l ,',. - ッ゙ l! ,' ,〉 /ヽ!"~ヾ、 、,.ィ彡;;;;;i、 '゙ヾム ,. ''ヽ ! l ´`! ' ,ヘ. l / / ,r ヘ. ,' ゙ヽ、 ゙ゞ' ; /彡 '';; ! _,.イ ゙! !-‐''" V / ヽ.,,__,ノ/ / / ,/ ,! ,. =、゙!彡彡彡 _,,.. r '" l! l,,.ィ" ゙ー' ヘ ゝ‐'゙ ムノ l ,' '"ヘゝ .,, ,,ィ=''"l! l! _,l!、,.ィ´ ヘ ,.--、{二} /ヽ, ,ィヘ,! ! ,. -i! ゝ〃ヽ l! _》='"´ ∨ !'"ヽニ"/ ヽ从 、,.゙!υlヽ、ヽ.__,,.ィー''" 弋ヽ_ヽ、ヾ、"´ ゝ、ヽ\ヾ、 `''r-ヽヾ、 {! ベヽヾ、 ,.ィ" ゝ ゝ、ヽヾ、 / ` ゞ.ヘ. ,,,.--‐-‐;;" ヘ.,ヘrュ,,_ ,〃 ;; _,,.ィ゙ `ヾ、K"ヽゝ-‐y--y=彡彡彡 ,, - ..,,_ ヽ三ミ三三三彡彡彡" i"r''"~`"''`''==ェ- ..,,,,,,,,,__|//////彡彡" ヾ;、 y''""''ー-- 三三三三!/////彡" ヾ;、 ヘ ''" 三三三'゙(/////" 京太郎「」 バンダナの男「このアホ! 間抜け!! 偽善者!! お前みたいなのがいるから戦争がなくならんのやー!!」 京太郎「あの、意味が……」 バンダナの男「ええい!! しばらく黙ってろ!!」つ黙 京太郎「っ?! むぐぐぐぐ!!」ジタバタ バンダナの男「わははははーっ!! これでチャックメイトじゃー!!!」つ覗 管理人「何してるんですか?」ニコニコ バンダナの男」 管理人「随分と楽しそうですけど」ニコニコ バンダナの男「」アセダラダラダラ 219 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 00 59 21.48 ID KNzvG3h+o [7/9] ~数分後~ バンダナの男「」チーン 管理人「全く、この人はいつまでたっても」プンスカ 京太郎「……お、恐ろしい」ガタガタガタガタ 管理人「それに引き換え、貴方は真面目なんですね。欲を抑えて立派ですよ」ニッコリ 京太郎「あ、いえ。その、なんつーか……」ポリポリ 管理人「?」 京太郎「本当は覗きたくてたまらなかったんです」 管理人「は?」ジャキッ 京太郎「でも、裏切りたくなかったんですよ」 管理人「……え?」キョトン 京太郎「隣にいるのは、みんないい人たちばかりで……その、俺なんかの為によくしてくれていて」 管理人「……」 京太郎「だから、その期待を裏切りたくなかったというか、その……うまく言えないんですけど」 管理人「……真っ直ぐな人」ボソッ 京太郎「え?」 管理人「貴方みたいな人間、久しく見ていないような気がします」クスクス 京太郎「え? 人間?」キョトン 管理人「これは、ほんのサービスです」スッ デコチュッ 京太郎「うぇっ!?」ドキッ 管理人「修行がうまくいく、おまじないですよ」ウィンク 京太郎「あ、ありがとうございます……//」カァッ 管理人「ふふっ、頑張ってくださいね」 バンダナの男「どぼぢておれだげ」ガクッ 猿「お前も随分とモテておるくせにのぅ。鈍感な奴じゃ」アキレ ※ 女神の加護を手に入れた 合宿期間中 特訓の成功率が上昇します 287 名前: ◆RwzBVKdQPM[sage] 投稿日:2013/09/11(水) 21 50 47.09 ID vHn9E3i+o [2/13] 透華「特訓ですわ!!」 京太郎「AこいAこい!!」 デデーン 京太郎「うわぁぁぁぁぁ!?」 淡「ばーか! Bに決まってんじゃん!! 何やってんの!」ポカポカ 竜華「これはヤバイで……」ガタガタ 咲「来る、来るよぉ……シェリフが来るよ!」 和「あ、あぁぁ……!」ブルブル 優希「逃しはしないじょ」ニヤリ はやり「これではやり達が一位だね!」 煌「油断はできませんね」 菫「この弓は高いが、中々強いな」 照「買わないで盗もう」 菫「ダメだ」 透華「な、何をやっていますの……?」ワナワナ ハギヨシ「ドカポンチームマッチですね」 ウォォォオシェリフブッコロシテヤラァァア! ヤメロッテ! モッテテヨカッタエアバック! シェリフガマケタ……ダト? イェェェァァァァ!!? カッタァァァァ!? 透華「」 289 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 22 05 07.40 ID vHn9E3i+o [3/13] 【数分後】 透華「な、なんでドカポンなんてやっていますの?!」プンプン 竜華「いやぁ……やってみるとおもろいんや、これ」テヘッ 京太郎「すいません」ペコリ 透華「なんでよりによって貴方達が!!」ムカムカ 煌「まぁ、息抜きは大事かなって」アハハ ソウダソウダー ベツニイイジェー! タノシモウヨ! 透華「ダメですわ!」 優希「つまらないじょー!」 照「京ちゃんと遊びたい」 咲「わ、私も!」 和「私も……その……//」カァッ 淡「いいじゃん、アイドルなんてやめちゃえばさー」 / \ _人_ ' ` 、 \ Υ'/ / / ト、 丶 / / / | | | Χ } .′ il / | | \ | / `、 リ | i | _|l__∧ト、八 | メ´ ニニ / } | | | || `>x、\| 斗チ芋ミ、∨ ,′j | |l l|斗示芋ミ、 ''h! } ,′ , ねっ! |l 八 И'h! } 乂___ノ / / || \| 乂__ノ /i/i/ / /l| .八 ゝ /i/i/i i / / / / | ‘,\ ハ r ア /l/ / / | ト、 込、 _ノ // ,イ l| |l l\ \> .,_ /∨ /l| 八_ |ヽ. 八l_\ \-─=ー ァ--< / / 八 { \ `ヽ | | ./ /´ ハ 〕 { 〉 ,′ / ` ヽ \∧ | |/─、_ / |∨ __ Ⅴ__=| / 〕\ \ | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\) | ,′ \ 丶 はやり「あらら☆」 煌「しょうがない人達ですね」 菫「全くだ。高校生にもなって落ち着きのない」ハァ 透華「はぁ……」 293 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 22 16 18.78 ID vHn9E3i+o [4/13] 菫「しょうがない、今日は別行動を取ろう」 煌「別行動?」 菫「今日一日、このぽんこつ共は私が面倒を見る。外にでも連れて行けば機嫌も直るさ」 ダレガポンコツダジョー! ヒドイヨ! スミレニハイワレタクナイ! ドウカン! 菫「世話の焼ける」ヤレヤレ 竜華「みんなの面倒は弘世さんが見てくれるとして」チラッ 透華「問題はこちらの行動ですわね」 京太郎「え?」 はやり「京太郎君はどうしたいのかな?」 京太郎「オレは……」 透華「勿論、特訓なのでしょう?」 煌「京太郎君……?」 京太郎「うーんと」 選択安価 ↓3 1 街に繰り出す 2 旅館でゆっくりする 3 レッスンする 4 ウルトラスペシャルデンジャラス&ハード修業コース 309 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 22 26 34.08 ID vHn9E3i+o [5/13] 京太郎「やっぱりレッスンしたいです!」 透華「そう! その意気ですわ!」キラキラ 優希「京太郎、遊びに行かないのか……?」ウルウル 照「京ちゃん……」 咲「……」 和「仕方、ありませんよね」ウツムキ 京太郎「ごめんみんな。でも俺、やらないと……」 菫「君が謝る必要はないさ。元々私達は勝手に着いてきたんだからな」 京太郎「菫さん……」 菫「君を応援する一人として、成長を心待ちにしているよ」ニコッ 京太郎「はいっ!」 淡「おえー」 -─===‐-ミ ´. . . . . . . . . . . . 、/. . . . . . . . . . . . . . . \. . . . . . . . . . . . ト、 . . . . `、. . . . . . . . .|. . . . | \. . . . ',. . . . . . . |. . . . | \|. . .. . |. . | |. ‐/、|. . l . | -‐. |、. . .. . |. . | |. / |. . 八ノ ハ . | . .. 八. |┬─┬}/ ┬‐┬‐ . . |`ヽ}. /⌒ヽ} | | 三 | | .'. . |. { '└─┘  ̄ └‐┘ l. . |人_ u j. . |i. . . .> )‐┤ イ.l 'i. . . i . _;〕ト _/| h ≦. . .| 八/ト、. . |/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/| \{ .,_ \| |/ ハ / ヽ > | ノ / ∧ 照「げろげろー」 透華「さぁ、早速行きますわよ!」ガシッ 京太郎「あ、ちょっ……」 透華「私がしっかり面倒見て差し上げますわ!」グイグイ 京太郎「はいっ!」 竜華「あっ……」 はやり「ほら、行こうよ?」 煌「清水谷さん?」 竜華「う、ううん? なんでも、あらへん」 ハギヨシ「では参りましょうか」 317 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 22 37 51.86 ID vHn9E3i+o [6/13] 【妙神山 修行場】 透華「では早速特訓を開始しますわ!」 京太郎「お願いします!」 竜華「(さっきは龍門渕の人に先越されたけど、うちやってこの日の為に準備してきたんや)」ギュッ 一週間前から徹夜して、京太郎君の為に色んな特訓を考えた せやから、この合宿でうちも役に立てることを証明してみせたる! 竜華「……!」メラメラ はやり「今日も頑張ろうねっ☆」 煌「頑張りましょう!」 竜華「それじゃあ、早速今日のメニュー……」 透華「今日は私が特性メニューを作ってきましたわ!」バーン 竜華「え?」 京太郎「へぇ、見せてもらってもいいですか」 透華「この日の為に二週間も前から徹夜して考えましたのよ?」フフフ 京太郎「凄い、こんなに緻密な事まで……流石ですね!」 竜華「……ほんまに、凄い」 透華「ふふっ、これくらいのこと出来て当然ですわ」ニッコリ 竜華「あっ」カサッ 京太郎「あれ? 竜華さんどうしたんですか?」 竜華「う、ううん! なんでもあらへんよ」サッ クシャクシャ! 京太郎「???」 透華「さぁ、それじゃあ始めますわよ!」バーン はやり「頑張ろうね!」 煌「清水谷さん?」 竜華「……」 選択安価 ↓3 1 容姿 2 雀力 3 歌唱力 4 演技力 5 はやりんスペシャル☆ 333 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 22 46 48.27 ID vHn9E3i+o [7/13] 京太郎「歌の練習ですね」ンアー 透華「そもそも、音程が取れないのに歌おうとするからいけないんですのよ」ペシッ 京太郎「え?」 透華「まずは音楽の勉強から始めますわ」 黒板「」デデーン 京太郎「うわぁ、おたまじゃくしがいっぱいだー」 透華「やはり音符も読めませんのね」ガックリ 竜華「(うち、そないなことも気づかなかった……)」 はやり「どうりで中々音程が治らないだねー」 煌「灯台下暗しですね!」 透華「ではまず、楽譜が読めることを最低の目標としますわ」 京太郎「はい!」 竜華「(これで上手くいくなら、うちは……)」ショボン コンマ安価↓3 ゾロ目で大成功 00~19 失敗 歌唱力+1 20~79 成功 歌唱力+3 80~99 大成功! 歌唱力+5 349 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 22 57 53.93 ID vHn9E3i+o [8/13] 透華「と、なるわけですわ」ビシッ 京太郎「はへらはひへ~」グルグル 透華「だらしないですわね」ハァ 京太郎「で、でもなんとなく分かってきましたよ?」キリッ 透華「では試しに……」スッ ラジカセ「」カチッ 京太郎「アスファルト↑ タイヤを切りつけながら↑↑ 暗闇↑↑ 走り抜けるぅぅ↑↑」 透華「あがががっ!?」ビクビク 竜華「凄い、うまくなっとる……」 煌「こんなに変わるなんて」ウルウル はやり「成長したね……」グスグス 透華「こ、これで成長してるんですの……?」コンワク 京太郎「俺、前に進んでる!?」ヤッター 竜華「……」ズキッ 透華「と、とにかく続けますわよ」フラフラ 京太郎「お願いします! 龍門渕さん!」ニコニコ コンマ安価↓3 ゾロ目で大成功 00~19 失敗 歌唱力+1 20~89 成功 歌唱力+3 90~99 大成功! 歌唱力+5 379 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 23 14 09.73 ID vHn9E3i+o [10/13] 京太郎「なるほど、分かってきました」 透華「本当ですの?」ジトーッ 京太郎「聞いていてください」スッ 竜華「……」 ラジカセ「」カチッ 京太郎「こ~た~えが、見つか~らない♪ も~どかしさで~いつか~らか♪」 透華「!?」 京太郎「空ま~わり、し~ていた♪ 違う誰かの~も~とへ~ゆく君を~♪」 竜華「(違う、誰かの元へ……)」ドクンッ 京太郎「責められる筈もない~♪ なん~となく~気~づ~ていてた~君の~迷いに~♪」 煌「!?」 京太郎「ゆ~め~である~ように~♪ ひと~みを~! 閉~じてーあのー日を思う~♪」 はやり「凄い……ちゃんと聞いていられる」 京太郎「か~ぜ~に抱か~れて~♪ 笑っていた~二人~♪」 竜華「うっ、ぐすっ……うぇぇぇ……」ポロポロ 京太郎「え?」ピタッ 煌「清水谷さん……?」 透華「泣くほどの歌でも無いと……」 竜華「っ!!」ダダダッ ガラガラッ!! 京太郎「竜華さん!?」 歌唱力が大上昇した!! 歌唱力がEになったお!! 京太郎「オヤジの好きな歌だったんだけどな……」 煌「多分ですけど選曲は関係ないかと」 386 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 23 22 25.64 ID vHn9E3i+o [11/13] 京太郎「それにしても竜華さん、大丈夫かな……?」 透華「きっとあまりの成長ぶりに感動したんですわ!」ドヤァ 京太郎「そ、そうだったのか!?」ガビーン はやり「確かにすっごく上手になったね♪ でも、プロとしてはまだまだかな?」 煌「(これで音楽関連の営業を増やしても大丈夫かな?)」ヤッタ 透華「では、特訓を続けますわよ!」 京太郎「あ、でも……」 透華「どうかしましたの?」キョトン 京太郎「あ、えと……」 はやり「何か考え事?」 京太郎「……」 選択安価↓3 1 このままデュエル続行だ! 2 男ならぁぁぁぁぁ!!! 403 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 23 38 21.41 ID vHn9E3i+o [12/13] 397 龍門渕監禁エンドォ……(小声) というのは冗談で、透華Pの誕生や! 京太郎「あの、今日はここまででいいですか?」 / \_/\-―‐-y'´ \ /-‐y'" ,ヘ ヽ / ∧ \ / ! \ヽ/ //i ヽ , !. |'"´`゙ y''"´ ´| i | | i | /′ | i .|. i | ハ| 〈.! | | | !/ / |! ヾ、 |ハ | / 廾ー-_、__, )!、_,._-‐┤ .゙、 / /./ fr、)) /′ fr、i) ゙、 `、 /.イ ∧| ゛'" `゙'" ト、 丶. /// ハ._ヾ⊂⊃ ⊂⊃ !人 ヾ、、 i/ i ,i 〈 `,! / .リ ) i、 ヽ!. /リ 、ソ Y´;/i\. ∠ニゝ ,..イ / |ノ ノ / 、 ヽ! `ー---イ´| . . `ヽ/ / \/ / Y´ . . \ \ / | . . . / イ、 \ 透華「はへ? これからだといいますのに?」 京太郎「すいません! 後でまた説明しますから!」タタタ ガラガラ 煌「京太郎君!?」 京太郎「すいません!」 ピシャッ 透華「一体どうしたんですの……?」 はやり「やっぱり男の子だねー」クスクス 煌「うん、やっぱり京太郎君はこうじゃなくちゃ!」 透華「……???」 【妙神山 京太郎達の部屋】 竜華「うぅっ……うち、なんの為にここにおるんや」ウツムキ 京太郎君の力になれないで、何がプロデューサーや! 龍門渕さんの方が……ずっと向いとるやん 竜華「いらん子……なんかな?」 ダダダダッ!! 竜華「!?」 ガラガラ! 京太郎「竜華さん!!」 竜華「っ……!?」ゴシゴシ 京太郎「膝枕してください!!」デーン 竜華「ふぇっ?」キョトン 京太郎「ぐはっ!? は、早くしないと……俺、死んじ……」ガクガクガク 竜華「なっ!? なんやて! まさか怜の病気をもろたんか!?」 416 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/11(水) 23 53 59.59 ID vHn9E3i+o [13/13] 京太郎「も、もうだめぽ……」ガクガク 竜華「しっかりしぃ! 今膝枕したるで!」スッ ムニュン 京太郎「……はわぁ」ムニュムニュ 竜華「大丈夫? 痛いところあらへん?」サスサス 京太郎「……凄く気持ちいいです! ずっとこうしていたいくらいですよ」ポワァァァン 竜華「あ、あほ! 何言うとるねん……//」カァッ 京太郎「気持ちいぃなぁ」スリスリ /.......... / | ハ ハ ..ノヽ..∧. /....../... / | | \ 斗-、 i ∧ '....../..{ 〃 { 弋{ 〃ヽ 廴 \ | ∧ i...../... | ト-| { \ ぅ 斗=ミ、 i | / ∧ |... 7.. | | | {_ ヽィ乏) ハ 入 φ / ∧ |ハ ヽr y 弌 弋辷ツ ′ 〉 / i / ∧ |{ i ∧〃_) ハ ` _厶ィ ハ | / ∧ |{弋 〈 ハ ゞ -'' 、 //// ´ } | / ∧ ` >へ i /// u / | / ∧ }. . -‐- 、 rー ' | / ∧ |.∧ V_ ノ イ | | / ∧ |... ゝ / | | | / ∧ |... > < 八 | | \_ |... i `¨ハ 〉 | |/ ̄ ̄ ̄〃 へ ^ヽ |... | 〉 / | | // ⌒ヽ.∧ |... |__// _/{ | | // V∧ r―|... / ./---、 ' ./ { | |_彡 ' V∧. ∧ { |... / // ̄ ̄ 7 | | |=- / V. / } ト| / 〃 / | | | ./ / V 竜華「全く、心配して損――」 京太郎「どうして……いなくなったんですか?」 竜華「え?」 京太郎「そんなに俺の歌、ダメでした?」 竜華「ちゃう!! そないなこと、あらへん……」ウツムキ 京太郎「じゃあ……どうして?」 竜華「それは……」ギュッ __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__ > ´ ̄ / ` `、 、、 - ´ / ' } ヽ ヽ\ \ `  ̄ >' / , | ∧/! | } ヽ ヽ /,ィ / ' / /| _/,.ム斗}-/ ハ . {/.' ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ } | . / イ/{ ! ィ斧从}/ Vzソ ノ /イ , <__ ´// 从{ Vソ / / イ- 、 | {'{ { , ' /' ⌒ } | 从Ⅵ /. ノ | 叭 v_ ̄ヽ ,rー' 从 、 イj / / . < |' /}/ 、__ ´ } イ从/ | |/ 京太郎「ずっと一緒ですよ」 竜華「!?」ドクンッ 京太郎「約束したじゃないですか」 425 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/12(木) 00 06 24.54 ID lOhNI51to [1/7] 京太郎「だから……俺がトップアイドルになる日まで、いなくならないでください」 竜華「な、なんで、そないなこと……」ブルブル 京太郎「今日は……竜華さんのこと考えずに勝手なことばっかりしましたよね」 竜華「っ!」 京太郎「ごめんなさい。俺、妙に舞い上がって……大事なこと、忘れてました」 竜華「そんなの、そんなの……」ポタッポタッ 京太郎「やっぱり、俺は竜華さんじゃなきゃダメだって」 竜華「~~~っ!!」カァッ 京太郎「だからずっと……」 竜華「そんなの! そんなの口ではなんとでも……」 扉「」スーッ コロコロコロコロ (覗) パァァァァァ 竜華「あっ」ドクンッ ~~~~~ 京太郎「俺、竜華さんを悲しませちまった」ギリッ ザザッ 京太郎「やっぱり、竜華さんと一緒にトップアイドルを目指したい」 京太郎「あの日、竜華さんがいたから俺は……」 京太郎「竜華さんに褒めてもらいたい」 京太郎「竜華さんのちちしりふとももぺろぺろしたい」 京太郎「竜華さんに認めて貰いたい」 京太郎「竜華さんと一緒に……」 ザザッ 京太郎「夢を叶えたいんだ!!」 ~~~~~~ 竜華「うぅっ、ぐすっ……ヒック、あ、あほ! あほあほあほあほぉ!」ペチペチ 京太郎「透華、さん?」 竜華「なんで、なんでや……」ポロポロ 京太郎「……」 竜華「うちなんかより、龍門渕さんの方がええやん! うちなんて、うちなんて……」 426 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/12(木) 00 07 43.77 ID lOhNI51to [2/7] 竜華「うぅっ、ぐすっ……ヒック、あ、あほ! あほあほあほあほぉ!」ペチペチ 京太郎「竜華、さん?」 ←ここ 竜華「なんで、なんでや……」ポロポロ 京太郎「……」 竜華「うちなんかより、龍門渕さんの方がええやん! うちなんて、うちなんて……」 訂正で うわぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!?!!?!?!?!? やっちまったぁぁあああああああああああああああああ!??!?!?! 444 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/12(木) 00 24 05.60 ID lOhNI51to [3/7] 竜華「しかも、今透華さんって……いつの間に名前呼び会う関係なん? あてつけ?」エグエグ 京太郎「い、今のは誤植というか!? なんというか!?」アセアセ 竜華「……まぁ、それはええんやけど」ジトッ 京太郎「(いいんだ)」ホッ 竜華「うち、何もできひんのに……なんで? なんでうちにこだわるん?」 京太郎「それは……」 (覗) パァァァァ! ~~~~~ 竜華「事務所の為だけやない、京太郎君の為にも頑張るんや!」カキカキカキ ザザッ 竜華「やっぱり、京太郎君と一緒やないとダメやな」 竜華「あの日、京太郎君がいたからうちは…」 竜華「京太郎君に褒めてもらいたい」 竜華「京太郎君に膝枕して耳かきしてあげたい」 竜華「京太郎君に認めて貰いたい」 竜華「京太郎君と一緒に……」 ザザッ 竜華「夢を叶えたいんや!!」 ~~~~~~ 京太郎「……」ポロポロ 竜華「え?」 京太郎「お、俺……やっぱり竜華さんがいいです」 竜華「京太郎……君?」 京太郎「俺のプロデューサーは竜華さんじゃなきゃ、ダメなんです」ゴシゴシ 竜華「……アホ」ペチペチ 京太郎「竜華さん……」ギュッ 竜華「どこ触っとんねん」ペチッ 京太郎「おもちぃ……」ボソッ 竜華「この変態アイドル。こら、うちぐらいしか務まらんわ」ボソッ 京太郎「はい!」ニコッ ??「グギギギギギギギ」チナミダ ???「ふふっ。ありがとうございます」ナデナデ 452 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/12(木) 00 37 23.28 ID lOhNI51to [4/7] 竜華「……なぁ、京太郎君」ナデナデ 京太郎「はい……」モニュモニュ 竜華「これからも頑張ろな」ナデナデ 京太郎「はい、頑張ります」ヒザマクラーン 竜華「うちも……頑張ったる」 京太郎「……一緒に、ですね」 竜華「アホ!! 後でイヤやて言うても遅いで!!」ギュゥゥゥ 京太郎「」ムガムガ 竜華「絶対、ぜーったいにトップアイドルにしたる!!」ギュゥゥゥゥ 京太郎「」ブクブクブク __ , -‐ ` ...、 /. .ヽ、 ,. ´. ,、 .\ /. i |`、 、 .ハ、. /. , , i ,i i リ `、|、 i ヽ ', ,' / / / /| /| / ', |.', | `i ', ', ', | i |/| ///// i/ ∨|| | | i, | | | |´,-‐‐-、、 ,斗-、/ / i |/ | | |〈|つ |` イつ | 〉/ /|/ | | | .i、 丿 ...i、 ノ | | | ', ', ー´ ` ´ .| | 須賀京太郎は―― | ヽ ', //// //// ノ | うちが育てたる!! | `、丶、 ` ー ´ , -´/ | | | | \ ' ,>┬ ┬ -‐´ | / | | | | | >\ >、|` 、 / / i | | | | | ,´ `ヽ` -- _、i /|´ | | | ', ', | | 〉-、 / _/`´ー` ,‐| / | | ',', ', ', |/` ヘ´ ´ `、 / / \|`〈 \/ ‐-、 ヽ 〉´|/ \ / ',〈 ,-´/、`ー--, ∧ ,-´〉`-, `/;;;;;;;/ー┬- ´;;i`ー;;´ヽ´ 〈;;/;;/;;;;;;;/;;;;|;;;;;;;|;;;;',;;;;;',;;;〉 |`ー- ´┬、___|ー -┬' |、 .,' | | | ー‐‐,' |ー―´.| | ,' | ,' | ,' | ,' | ,' | ,' | ,' | ,' |,-,/ |,-‐|  ̄ `‐´ 京太郎「」チーン 煌「大丈夫ですかー?」ツンツン 透華「育てるどころか永眠させていますわね」ツンツン はやり「でもここは元気いっぱいだねー」ツンツン 須賀ホーン「」ビンビン 竜華「な、ななななぁっ!?」カァッ 竜華「なんでおるんやぁぁぁぁぁぁ!?」 一同「「「「そりゃ、ここが部屋だし」」」」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/9306.html
h118-01 京久 h118-02 複数 h118-03 京咲和優 h118-04 京咲照 h118-05 複数 h118-06 京咲和優 h118-07 京和 h118-08 京怜竜 h118-09 京・白糸台 h118-10 京白 h118-11 複数 h118-12 京ネリー h118-13 不明 h118-14 京・永水 h118-15 複数 h118-16 京和透 h118-17 京久照 h118-18 京・清澄 h118-19 京咲 h118-20 複数 h118-21 京桃 h118-22 京和 h118-23 複数 h118-24 複数 h118-25 京咲和優 h118-26 京竜 h118-27 京咲 h118-28 京菫 h118-29 京・女子プロ h118-30 京照優 h118-31 京・白糸台 h118-32 京咲 h118-33 京清澄 h118-34 京・阿知賀 h118-35 京久 h118-36 京・阿知賀 h118-37 京・清澄 h118-38 京和 h118-39 京咲 h118-40 京・清澄 h118-41 京照 h118-42 京・阿知賀 h118-43 京・阿知賀 h118-44 京・阿知賀 h118-45 京宥 h118-46 京久 h118-47 京・阿知賀 h118-48 京和憧 h118-49 京淡 h118-50 京・清澄 h118-51 京・阿知賀 h118-52 京姫 h118-53 京・清澄 h118-54 複数 h118-55 京憧
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5752.html
740 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 02 20 28.14 ID kRHMwVoko [24/27] 母さん。 俺、駄目みたいです。 父さん。 アンタのコレクション返せないのが心残りです。 カピ。 お前ならきっと俺がいなくても平気だろう。 咲。 もしかすると出会うかも知れなかったけど、もうその機会は無さそうだ。 俺はこの後の極刑を考える。 やばい。 小蒔さんが隠せるとは思えない。 これを見たという事実。 それは何れ、何かしらの形でバレる。 絶対にバレるはずだ。 霞『あらあらあらあら』 初美『ぎるてぃ、ですよー』 巴『最低です…』 春『さらば』 あれ、ありえそうだよ? 心の中で涙を流す。 さぁ、一思いにやってくれ。 もはやその領域である。 しかし。 何故か。 妙な空白が、そこにはあった。 小蒔「………」フニョフニョ 京太郎「………何してるんです?」 小蒔「勝ちました!」 何に? そうは問わない。 さっきまで写真の巫女と自分の胸を比較してたのは俺も見えてる。 ただ、勝ちました。 その発言だけが意味不明なのだけど。 はて、何でだろうか? 827 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 22 09 05.51 ID 7+z1SiV1o [4/19] 【8月18日:朝】第二回戦試合当日 小蒔「おはようございます、京太郎君!」 京太郎「おはようございます、小蒔さん」 それぞれが手に朝食の載ったおぼんを手に、俺は小蒔さんと言葉を交わす。 今日は試合の日。 2回戦。 清澄、宮守、姫松。 その三校と永水が対戦する日だ。 すでに巫女服を身に纏い、いかにも臨戦態勢。 そういった風体の小蒔さんと向かいあうように俺は席に座る。 揃って、いただきます。 先ずは味噌汁を一口。 うん、良い出汁している。 最初は言葉無く、それぞれが食事を勧める。 半分ほど、皿の上の料理が無くなった頃だろうか? 俺はゆっくりと、話を切り出していた。 京太郎「今日、試合ですね」 小蒔「あ、はい。私の初戦です」 京太郎「応援しか出来ませんけど、その応援は精一杯やりますよ」 にこりと微笑む。 うん。 俺は応援くらいしか出来ない。 それ以外に力になれるだろうか、とも考えてみる。 ……いや、無理だな。 せいぜい、滝見さんの黒糖とか、小間使いがいいとこだ。 むしろ何もしない方がいいんじゃね?俺。 気を散らせるなんてのはしたくないし。 ――――おんぶ。 ――――すばらです! ………。 何かが、聞こえた。 俺は首を捻る。 なんというか。 懐かしい、声が聞こえたような気がした。 930 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 22 47 10.65 ID 7+z1SiV1o [13/19] その声の人たちは。 きっと、気にもしない。 片方は気だるげ。 もう片方は覚悟している。 それは俺程度で乱される集中力じゃない。 その人を構成する部品のようなものだ。 俺は小蒔さんを見る。 この人には、それがあるのかは不明だ。 麻雀の時だけは、この人は人じゃなくなる。 だからそれは小蒔さんの個じゃない。 彼女に降りてくる、“ソレ”のもの。 だから俺は思う。 小蒔さんが、不安定に見えるから。 大丈夫なのか。 俺の相手をしてペースを乱されないのか。 自分の打ち方を出来るのか。 そう、思うのだ。 京太郎「……小蒔さん」 小蒔「はい?」 京太郎「………」 言葉を考える。 この人に、どんな言葉がいいのか。 悩んで、悩んで。 よし、と呟いて。 俺は小蒔さんを、見た。 京太郎「今日の試合、見てますから」 小蒔「はい、そうでしょうけど……」 京太郎「ですから、小蒔さん」 貴方の全力。 俺に見せ付けてください。 貴女の、確固たる意思を。 姫様の病み度が2上昇しました 938 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 22 51 52.04 ID 7+z1SiV1o [15/19] 【8月18日:昼】第二回戦試合当日 小蒔「―――」プシュー 京太郎「oh God……」 ……朝の、アレ。 それから試合が始まり、今は中堅戦が始まったばかり。 俺は今も頭からポンコツ音を鳴らす小蒔さんを見る。 先鋒。 それは宮守に喰われた、という感じだった。 +700点。 マイナスよりはマシ。 そういった感じではあるが、あれだ。 なんというか、張り切ってただけあって、うん。 すっごく声がかけずらい。 途中まで自分のうち筋でやってるのは、俺でも分かった。 最後の最後で、降ろしてきた。 それも分かった。 ただ、その。 なんというか。 京太郎(めっちゃ落ち込んでる……よな?) やっぱり、落ち込んでる。 なんとなくだが、それが分かるような気がした。 ちらり。 俺に小蒔さんの視線が向けられる。 だが次の瞬間には、顔を俯けてしまった。 小蒔「……ちょっと、お手洗いに行ってきます……」 霞「……大丈夫、小蒔ちゃん?」 小蒔「大丈夫、です………」 ふらふら、ふらふら。 そんな足取りで行ってしまう。 そこで、俺に向けられる視線視線&視線。 ゆっくりと振り向けば、石戸さん、狩宿さん、薄墨さんの笑顔があった。 ………うわぁい! 巫女さんの笑顔だぁ!! 京太郎「俺もトイレ行ってきます!!!」 殺されてまう!! 助けて姫様!! 9 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 23 25 15.13 ID 7+z1SiV1o [1/3] ふらふら、ふらふら。 そんな覚束ない足取りで咲を行く後ろ姿を捉えた。 小蒔さん。 俺が声をかけようと口を開く。 そのまま吸い込んだ息を吐き出せば、声となって出ただろう。 でも、声はかけられなかった。 何故か。 それは、本当にトイレに入ってしまったから。 京太郎(………あれ、この状況はやばくね?) 女子トイレの前に居る男子。 いかん、アウトだ。 むしろアウトじゃなくても利用者の視線を受けただけで死んでしまいそうだ。 ええ、そうですよね。 女子大会ですもんね。 野郎が何の用だ、ってもんですよね。 俺はそそくさと離れようと足を反対に向ける。 ただ。 小さく。 聞こえた。 鼻を啜る音。 小さく、嗚咽を漏らす声が。 京太郎「――――」 泣いている、のか? 俺は足を止める。 耳を澄ますまでもない。 あの人は。 泣いていた。 俺は、動けない。 そこまで、思いつめていたのか。 そんな、自失。 それに襲われていて。 動けなかった。 19 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 23 36 34.80 ID 7+z1SiV1o [2/3] 小蒔「戻、らなきゃ……」グスッ ふらり。 そんな呟きと共に小蒔さんが出てくる。 俺は、そこに居た。 びくりと、小蒔さんが震える。 その表情にあるのは、恐れ。 まるで子供が親に置いていかれた時のような、不安による恐れ。 恐怖と警戒心とがごちゃ混ぜになった、怯えた猫のような姿だと俺は思った。 小蒔「あ、あぁ……」カタカタ 京太郎「小蒔さん……」 小蒔「い、いや……嫌ぁぁぁぁあああああああ!!」 京太郎「小蒔さん!?」 不意に。 そんな絶叫が、響いた。 聞く者を一瞬で不安にさせる。 そんな恐怖の篭った、叫び声だ。 身を腕で抱きしめる小蒔さん。 ガタガタと。 まるで冬山に薄着で放置されたような震えの仕方で怯えていた。 俺はどうするべきか分からず、固まるしか出来ない。 嫌ぁ、嫌ぁ!!と。 次の瞬間には。 俺に縋り付く、小蒔さんの姿。 俺の思考が、停止した。 小蒔「ごめ、んなさい……」 小蒔「ごめん、なさい……―――」 小蒔「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい―――」 小蒔「ちゃんとできなくて、ごめんなさい。なんでもするから、だから―――」 京太郎「え、へ、は?」 ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい 36 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 23 48 43.66 ID 7+z1SiV1o [3/3] 壊れたオルゴールのように。 何度も小蒔さんは謝罪を繰り返す。 逆に俺が冷静を取り戻すほどに。 小蒔さんのその姿は、凄惨に満ちていた。 京太郎「小蒔、さん……」 小蒔「ひっ!」ビクッ 俺が声をかけるだけ。 それだけで、深く恐怖に沈んだ瞳から涙が零れる。 小蒔「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!京太郎様に、ちゃんと結果を見せるって―――!」 京太郎「小蒔さん!!」 小蒔「――――ッ!!!」 俺が肩を抱き、声を上げる。 声が、止まる。 涙も止まる。 がくり。 力が、急激に抜けた。 慌てて俺が小蒔さんを支える。 抱き上げた、その瞬間。 小さく。 かすれた声が、俺の耳だけに届いた。 小蒔「ごめ、んね――――京、ちゃん……」 京太郎「え?」 今、なんて? 俺はそれを問いかけようとして、それが出来ないことを知る。 小さく、泣きつかれた子供が眠ってしまうように。 寝息を立てて、小蒔さんは寝てしまっていた。 京太郎「………ああくそ、何なんだよ畜生…」 がしがしと、俺は頭をかく。 とりあえず落ち着いてくれたのだ、それでいいだろう。 しかし、今の問題は……。 警備員1「君、ちょっと来てくれるかな?」ニコッ 警備員2「大丈夫、抵抗しなければ何もしない」 …………ああっ、不幸だ。 52 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 00 02 47.65 ID j19jZCw/o [1/29] こってりと、警備本部で事情聴取を受けた俺は、目覚めた小蒔さんの鶴の一声で解放されることになった。 あのままだと、『少年A、全国大会出場選手に暴行か!?』という記事が作られかねなかった。 そう思うと非常に震える思いである。 しかし。 俺はちらりと、小蒔さんを見る。 何処か、さっきまでの雰囲気は無い。 落ち着いてる。 そんな感じだろうか。 理由を考えてみる。 だが、俺はそもそも女心なぞ分かりはしないのだ。 となると、あれだ。 こういう時は黙ってた方がいいだろう。 ……さっきまでの様子。 それを思えば、賢明な判断だろう。 小蒔「あ、あの……京太郎君」 京太郎「何ですか、小蒔さん」 小蒔「その、ね。ごめん、なさい……」 ごめん。 謝られると、どきんとする。 またあの状態になるんじゃないか。 そんな疑いが浮かぶ。 だけど、それはそんなに鬼気せまるものじゃなくて。 何処か、困ったような声だ。 小蒔「先鋒で、あんまり稼げませんでした……」 京太郎「いいじゃないですか、それくらい」 小蒔「へぅ…」 京太郎「石戸さんも、薄墨さんも、狩宿さんも滝見さんも居ます。皆を信じて、待ちましょうよ」 それとも信じれませんか、みんなが。 俺はそう問いかけると、小蒔さんはすぐに否定した。 なら悩んでも、しかたない。 後は、信じるだけだ。 俺に出来ることは、それくらいなんだから。 京太郎「さ、戻りますよー」 小蒔「……はい!京太郎君!」 変化ありませんでした。 54 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 00 03 45.39 ID j19jZCw/o [2/29] 【8月18日:夜】 ――――永水は、敗退した。 その事実が、俺たちに圧し掛かる。 惜しかった。 どの高校も予選通過できる。 それだけ可能性ある試合だった。 それは事実だ。 何処か和気藹々とした雰囲気。 負けたばかりの高校とは思えない。 そういう優しげな空気がそこにはあった。 それが今、ここにあるのはまだ小蒔さんや薄墨さんの個人戦がある。 それもあるし、何より。 皆の第一は、優勝でなく小蒔さんなのだ。 彼女に尽くす。 それが彼女たちの意義。 麻雀をする意味だ。 だけど、全てに対して真剣だったのは事実。 勝てなかった。 でも、良い試合だった。 それがあるからこそ、今こうしていれる。 俺は小さく息を吐く。 疲れというよりも、安堵だ。 今日は、色々とあった。 試合のことも、事情聴取されたことも。 それにあの豹変した小蒔さんのことも。 あれは、何だったか。 深く考えるべきじゃない。 俺はそう思いながら、また足を伸ばす。 その小蒔さん。 彼女は今、ここに居ない。 それも当然だろう。 俺は今、風呂場に居るのだから。 162 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 00 35 28.04 ID j19jZCw/o [11/29] 京太郎「あ~」 溶ける。 こういうのを極楽というんだろう。 時刻は深夜近い時間帯。 もう女子たちは風呂を使い終わった後で、俺の入浴時間になっている時間帯だ。 乳白色の湯。 なんともほどよい温度。 肌も艶々になるってもんである。 ……石戸さんのことを連想してませんよ? こほん。 しかし、こう広いと泳げそうな気もする。 貸し切るとそうしてみたくもなるが、何か空しくなってくるだけな気もするけれど。 というか空しい。 さっさと、上がってしまおう。 俺は湯から出て、脱衣所へ行く。 体を適当に拭い、半タオルで頭をガシガシと拭く。 そのまま足は俺の部屋の方角へ。 鍵を出し、ドアへとかける。 ガチャン。 鍵を開き、中へ。 俺は敷かれている布団へとダイブ。 ベッドとは違い、下が硬い畳でもはっきりと分かるふわふわ感。 うーんこの高級布団。 実に最高である。 そうそう、ここなんか特に柔らか―――「ぁ、ん……」 や、夜話やわやわやわああああああああああああ!!!?!? 181 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 00 45 39.85 ID j19jZCw/o [13/29] 跳躍。 直立。 点灯。 離脱。 一瞬でその動作を行った俺は部屋のドアまで引き下がる。 見れば、ぽっこりと膨らんだ俺の布団。 明らかに中に誰か居る。 それがはっきり分かる状態だ。 もぞり。 布団が動く。 ひょこっと。 掛け布団が少し退き、そこに居る人が見えた。 小蒔「京太郎、様……」 京太郎「こ、ここここまこままま……小蒔さん!?」 アンタ何してんの!? 俺が震える手で思わず指差す。 ぽやん、とした顔。 少し赤み掛かって、なんとも色めかしい。 ……って、いやいやいや。 落ち着け俺よ。 クールになるのだ。 我が頭脳をフル活用し、活路を見出すのだ。 1、ここは俺の部屋じゃない。 答えはNO、俺の荷物が置かれ、俺の持つ鍵で開いたこの部屋が俺の部屋じゃないということはない。 2、小蒔さんが部屋を間違えた。 答えはNO、そもそも間違えても入れないだろJK。 ぬおおおおおおお!と俺が頭を抱える。 意味が分からない! そんな叫びが俺の思考を圧迫する。 しかも何だ、京太郎様って。 俺って様つけられる人間じゃないことですのよ? そう思っていると、目の前には小蒔さんの姿。 考えすぎていて接近を感知してなかったらしい。 手が、伸ばされる。 俺の、頬に。 え、いや、いやいやいやいやいや!!! 191 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 00 57 22.51 ID j19jZCw/o [14/29] 京太郎「落ち着いて!落ち着いてください!!」 小蒔「大丈夫です、落ち着いてますよ?」 嘘だ! そう言えたらなんと幸せなんだろうか。 にこりと。 そう微笑む小蒔さん。 待て待て、待ってほしい。 いきなり過ぎる展開でしょう。 俺がそう思い、叫びたくなるのをぐっと堪える。 よし、落ち着け。 冷静になったな、須賀京太郎。 とにかく今は、石戸さんを呼ぶべきだ。 そうすれば……。 小蒔「京太郎、様……」 京太郎「はいはい、お酒でも飲んだんですか?今石戸さん呼びますから――――」 小蒔「罰を、お与え下さい……」 京太郎「………WHY?」 小蒔「京太郎様に勝利を捧げられなかった、私に罰を与えてください………」 ふらふら。 近寄る、小蒔さん。 ぎゅっと。 抱きついてくる。 やめてくださいしんでしまいます。 いや、何で俺が罰っしなきゃいけないんだ? 俺が引きついた顔で、小蒔さんを見る。 聞くしかない。 そうそう、話せば分かってくれるもんだ。 京太郎「小蒔さん、罰とかそんなの、俺たちは友達じゃないですか」 罰なんてやれない。 というかやりたくもない。 俺がそう、柔らかく伝える。 小蒔さんは、少し俯いていた。 そうそう、落ち着けば分かってくれる人だ。 206 名前: ◆VB1fdkUTPA[!red_res] 投稿日:2013/01/16(水) 01 14 03.90 ID j19jZCw/o [15/29] 京太郎様、子供は何人欲しいですか? 私は女の子が欲しいです。 きっと京太郎様に似て可愛い子になります。 男の子も、京太郎様に似てかっこいい子になるに決まってます。 名前も二人で考えて……いえ、京太郎様がお決めになるのでしたらそれに全て従いますよ? 小さくても、狭くてもいいです。 そんな家に住んで、家族で寄り添って生きていくんです。 素敵だと、思いませんか? あ、ワンちゃんとかもどうでしょう! 子供たちを守ってくれて、最後はその命の終わりで生命の大切さを教えてくれる。 とても偉大で、可愛いパートナーです。 あ、京太郎様はわんちゃんはお嫌いですか? なら、私が何でも京太郎様のお好きな動物の真似でもしますね。 京太郎様。 可愛がってくれますよね? だって、京太郎様ですから。 当然ですよね! あ、そうです。 京太郎様の好きな料理は何ですか? 京太郎様に食べさせて差し上げるものに妥協はしません。 でも、優しい京太郎様は不味くても「おいしい」って言ってくれますよね。 そんなの、私は納得できませんっ! これからずっと料理を作りますから、京太郎様に喜んで貰うために。 ああっ。 そうでした。 京太郎様にはまだ言ってませんでした。 私は貴方様と結ばれるなら家も出て行けます。 愛し合う二人は引き裂けません。 それは、九神様でも。 ……あ、京太郎様が婿入りしてくれるのなら、話は別ですよ? きっと霞ちゃんも、お父様もお母様もおじい様もおばあ様も歓迎してくれます。 そうだ、そうしましょう。 そうすれば、皆と一緒で毎日楽しいですよ! ……あ。 でも、浮気は駄目ですよ? 霞ちゃんも、初美ちゃんも、春ちゃんも巴ちゃんも可愛いですから。 私、そうなったらショックです……。 234 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 01 23 42.08 ID j19jZCw/o [16/29] ノンストップ。 そんなマシンガントークが俺に突き刺さる。 意味が、分からない。 ぐるぐると。 全ての言葉が俺の脳内で回っている。 すりすりと。 俺の胸元に擦り寄る小蒔さん。 まるで猫のように甘えてくるその姿。 気づけば俺はその頭を撫でている。 えーと。 うーんと。 ええっと。 京太郎「―――うん、そうですね!」 小蒔「~~~♡」 なんか悩むのも億劫だ。 もういいじゃないか。 可愛いし。 可愛いし。 大事なことなので2回言いました。 悪くないどころか、ここまで愛されるなんて滅多に無いだろ。 うんうん。 悪くない悪くない。 京太郎「助けて石戸さぁぁぁぁぁん!!!!!」 姫様がレベル4になりました 269 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 01 33 29.58 ID j19jZCw/o [20/29] 【8月19日:朝】 (⌒ 、 .. . ... . . . . . . .... .. . . . .. . . . .. .. .. .... . . . ... ( ヽ⌒ヽ 、 / / .. . . . .. . . . .. .... . ...( ) ... . . . . . . .. ___┐ / /ヽ `ヽ / |´ , へ , ⌒ヽ . .. . . . . . . .... . . . . . |___/ / . ... .. | | .. .... .. . . . . ( ' / ./ ヽノ ゝ `ヽ / .... . . . . . ... / . . . .. . . .. | . ...... .. .(⌒ ... .... . /... . . . . .. / | . . .... .... / / .... . . . . . .. | ... . . . . . . .... .. .... .. . . . .. / / . ..... . . . . . . .. ... | . .. ... . . チュン、チュンチュン.. ..... .. .. . . .. .. . . . . . ... ...... .. .... .. i / (⌒ 、 .. .... .. . . . .. . . ... , ⌒ヽ . . . . ... . .. .... .. . . . .. . .. ... ( ヽ⌒ヽ 、 ( Y⌒ ヽ 308 名前: ◆VB1fdkUTPA[!蒼_res] 投稿日:2013/01/16(水) 01 46 21.78 ID j19jZCw/o [22/29] 朝になった。 俺は抱きついたまま眠る、小蒔さんを見る。 何も無かったぞ。 一応言っておくけどさ。 一晩、抱き枕状態。 実に天国で、地獄の時間だった。 俺は今、幸せそうに眠る小蒔さんを見る。 冷静になった、俺。 昨日のアレは、何だったのだろうか。 それをふと考える。 いや、分かってる。 小蒔さんの好意。 それは、分かってる。 でも、こうまでなるのか。 それが俺には分からないのだ。 出会って、4ヶ月ほど。 世の中にはスピード結婚というのもあるので、一概にはいえない。 ただ、それにしたっておかしいじゃないか? 俺は何でかと考える。 こうまで、好意を持たれる。 まるで、それが根底にあったような。 小蒔「……ふぁ?」 京太郎「あ、起きました?」 その時。 短い声と共に、小蒔さんが起きる。 ぽけっとした顔。 昨日のことは何か悪い夢。 そんな反応でもしてくれないかと俺は思う。 ただ、俺と目があったその瞬間。 ふにゃりと、小蒔さんは笑っていた。 小蒔「えへへ……」 ………。 参ったなぁ……。 326 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 01 51 03.76 ID j19jZCw/o [24/29] 【8月19日:昼】 永水総動員。 それが先ほどまで、起こっていた。 見れば、狩宿さん、滝見さん、薄墨さん、石戸さんが息も絶え絶えという風体で座り込んでいる。 その周囲には、御札、破魔矢、塩、十字架(!?)などなど。 古今東西問わずの祓いを扱う道具が揃っていた。 そうだ。 先ほどまで、小蒔さんへと総動員で浄化の儀式が行われていたのだ。 結果は、言うまでもないだろう。 何も憑いていないのだから、変わりようが無い。 俺は隣に座る小蒔さんを見る。 なんというか、普段どおりである。 小蒔「もう、霞ちゃんってばひどいですっ!」 霞「ご、ごめんなさいね小蒔ちゃん………駄目ね、何も憑いてないみたい」 初美「きょうたろー、何したですかー?」 京太郎「何もしてません」 吐けば楽になるですよー。 そんなこと言ってくるこの人。 そらそうですよね。 いきなり自分たちの姫様がこんな風になってたら誰だって驚きますよね。 でも俺だって驚いてるんです。 小蒔「京太郎様、お散歩に出かけましょう!」 京太郎「え、いやあの……」 霞「……気をつけてね、小蒔ちゃん」ハァ 小蒔「はい!分かりました!」 京太郎「石戸さーん!?」 OKサインを出す石戸さん。 ただし、片目をぱちりと閉じられる。 任せたわよ。 そういう意味を俺は感じとり、頷く。 きっと、何か考えてくれるんだろう。 俺はそれを信じるだけ。 今は、それしかない……! 霞「はぁ……」 初美「……いいんですかー?」 霞「いいんじゃないかしら?」 春「姫様、大胆」ポリポリ 巴「なんというか、まぁ……」 感想をそれぞれ漏らす。 恋に燃える。 まさしく、そんな表現がぴったりと来る。 それが今の小蒔の状態だろう。 霞はぼんやりと、外を見る。 ちょうど、庭に出て行く京太郎と小蒔の姿がそこにはある。 傍から見れば、カップルに十分見える。 そんな(一方通行気味な)雰囲気がある。 霞は小さく息を吐く。 なんとも、とんでもない成長の仕方をしたものだと。 霞「須賀君、後は君次第なのかもね……」 これしか言えない。 ある意味、これは現実逃避であった。 411 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 21 42 47.69 ID BhheSlXYo [2/15] 【8月19日:夜】 夜となった。 明日は宮守高校のメンバーとの海水浴。 それに揃って出かけるらしい。 あの、白い人が居る高校だ。 俺はそれに幾らかの不安を覚えていた。 だが、そうも言えない。 それが今の状況だろう。 俺は、隣で丸まるように眠る小蒔さんを見る。 ……正確には、対処に追われて何もできなかった。 そう言うべきなんだろうけど。 小蒔「ん………」 京太郎「……はぁ」 すぅすぅ。 そう静かに寝息を立てる小蒔さんの頭を撫でる。 見れば、俺の着ている浴衣はしっかりと握られ、離れそうにない。 こうなると、どうしようもないのが俺が培った経験で分かる。 そう思っていると、部屋の扉をノックする音。 早い到着。 それを待ってました。 そんな気分で、俺は迎えた。 霞「あらあら、お楽しみ中かしら?」 京太郎「冗談でもそんなこと言わないでくださいよ……」 あらあら、と口元に手をやって笑む石戸さん。 なんとものんきな雰囲気である。 そのまま、石戸さんは小蒔さんを挟んだ反対に腰を落ち着ける。 視線は小蒔さんに。 何処までも優しげな顔をしている。 なんというか、母親みたいに。 母性あふれる、と言うべきだろうか? 霞「何か考えたかしら?」 京太郎「滅相もありません、マム!」 怖い。 433 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 22 19 48.13 ID BhheSlXYo [5/15] 霞「でも、小蒔ちゃんにも困ったわねぇ」 石戸さんがぼそりと。 何処か疲れたように呟く。 なんというか、お疲れ様です。 それくらいしか言葉が出ない。 そんな俺に向けられる視線。 ……なんでだろう。 凄く責められてる。 そんな気がするのは。 霞「とりあえずだけど、須賀君。小蒔ちゃんのことは君に任せることになるわ」 京太郎「やっぱりですか……」 霞「私たち総掛かりで駄目なら、鹿児島に戻って本家の皆様にお力を借りなきゃ駄目よ」 まぁ、何も憑いてないから無意味なんでしょうけど。 またため息をつく、石戸さん。 思案顔をして、俺を見る。 霞「……須賀君、そのうち私たちに姫様と同じく旦那様って呼ばれる気は無い?」 京太郎「意味が分かりません」 霞さんじゅうはっさいの従順度が1上昇しました 472 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 22 50 09.36 ID BhheSlXYo [9/15] 【8月20日】 宮守高校。 岩手県代表の、初出場チーム。 俺は岩手に行ったことはない。 ただ。 何故か、俺には景色が見覚えあった。 雪残る大地。 見慣れた、でも初めて見る学校。 笑いあう、5人の仲間と先生。 ああ。 そこに、俺は居る。 それを、俺は知っていた。 シロさん。 自然と名前が出る、その人。 白い髪を持った、眠たげな瞳の人。 そうだ。 俺は。 俺は……。 あの人を、俺は……。 京太郎「俺は………」 479 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 23 01 09.62 ID BhheSlXYo [10/15] 海。 それは何処か開放的な気分になる。 そういう場所だ。 俺は今、パラソルの下に居る。 日差しはそれなりに強い。 日焼け止めは、塗っておいたので問題ないだろうけど。 俺は少し、息を漏らす。 ああ。 なんというか、あれだ。 だるい。 実にそういう気分だろう。 俺は視線を、俺の周囲に向ける。 隣。 雑誌で顔を覆って寝転ぶ、シロさん。 俺のもう片方隣。 にこにこと、微笑む小蒔さん。 そして。 エイスリン「シロ!キョウタロ!コマキ!ジュース!」 京太郎「ありがとうございます、エイスリンさん」 小蒔「ありがとうございます」 シロ「置いておいて……」 エイスリン「アイスティーシカナカッタ!イイ?」 そして、エイスリンさん。 俺は小さく、息を吐く。 なんというか。 なんというか。 京太郎(空気、気のせいか重たいなぁ……) 506 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 23 18 19.65 ID BhheSlXYo [13/15] 京太郎「シロさ……じゃなくて小瀬川さん、ジュース温くなっちゃいますよ」 シロ「シロでいいよ……ちょいタンマ、今起きるから…」 のそり。 そんな感じで起き上がる、シロさん。 エイスリンさんが「ハイ!」と手渡す。 それに、一瞬の空白。 見れば、「?」というような顔をするエイスリンさん。 シロさんは、じっと。 エイスリンさんを見ている。 しかし、それはもういいのだろう。 小さく礼を言うと、プルタブを開いていた。 喉が少し鳴る。 随分と喉が乾いていたようだ。 シロ「あー………」 ぽけっと。 小さく息を吐くシロさん。 何か溜め込んだ物を吐き出す。 そういう風にも見えた。 突然、シロさんが視線を俺に向ける。 そこにあるのは。 なんだろうか。 あるのは、少しの……。 シロさんが、ふと俺を見る。 考えが読めない。 そんな目だ。 いや、むしろ読めないからこそ。 その視線にあるものに気づけたのか。 シロさんは小さく欠伸。 眠たげに転がって、それから口を開いた。 シロ「ねえ、京太郎……ずっと昔にさ……何処かで、会わなかったっけ……?」 そんな気だるげな問いかけ。 ずっと昔。 そう、シロさんが聞く。 気づけば、小蒔さんも俺を見ていた。 空気は変わる。 何処か粘ついた、重たいコールタールのような。 そんな空気に。 視線を、隣に。 小蒔さんがそこには居る。 いや。 違う。 何かが、そこに居た。 シロさんと、目が合う。 シロさんに浮かぶのは、何だ。 俺に浮かんだ感情は、恐怖。 怖い。 恐ろしい。 この人は、小蒔さんなのか? そんな疑問。 そして、また感じたのは、懐かしさ。 まるで、ずっと昔。 何時からか知っていたような。 そんな、懐かしさ。 シロさんが小さく、笑った。 シロ「……別に、盗らないよ」 だるいし。 そんな言葉。 ふっと、空気が変わった。 545 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/17(木) 00 01 10.20 ID jwx27MTso [1/17] 京太郎「?」 エイスリン「??」 俺とエイスリンさん。 二人揃って頭上に疑問符を上げる。 だるい。 別に盗らない。 それだけで、空気は違う。 何処か静かな水面。 それを思わせるような感覚がある。 さっきまでが時化て荒れた海。 そう思えば、それくらいの落差はある。 シロさんが立ち上がる。 エイスリンさんに手を伸ばし、そのまま行く。 じゃあね。 そんな声。 それと共に、皆が遊ぶ方へと向かっていってしまった。 小蒔「むぅ……」 京太郎「………小蒔さん?」 小蒔「何でもありませんっ!」 何故か不機嫌な小蒔さん。 俺がそれに頭を捻ると、体を斜めに。 肩に頭を置いて、もたれかかる。 そういう形で、俺に寄りかかる。 京太郎「……あの?」 小蒔「京太郎様、このままにさせてください」 京太郎「……了解です」 静かな。 無言の時間が流れる。 なんというか。 うん。 京太郎(なんというか、流されてるなあ……俺) まあ、今はいいだろう。 空がこんなにも青いのだから。 今は、悩む必要は、無い。 【―――――】
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6163.html
はやり「はぁぁぁ~~.........」 靖子「.........」 咏「.........」 良子「.........」 はやり「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ......」 靖子「.........」チラッ 咏「...............」チラッ 良子「............はぁ」 良子「......えっと...はやりさん...?」 はやり「......なにかな?」 良子「どうかしたんですか......?」 はやり「......私、今日誕生日なんだ......」 (知ってるが......)(知らんけど......)(知ってますが......) はやり「あーあ......早く彼氏欲しいなぁー」 (無理だな)(無理だろ)(無理ですね) はやり「どっかにいい出会いとかないかなー?」 「すまんなぁ...京太郎」 「いえいえ、俺がやりたくてやってるだけですから」 「んじゃ、今日は女性が多いしホールに出てもらおうかの」 「わかりました」 まこさんの実家が経営している喫茶店の手伝い始めてはや二年目 大学に行きたいと親に伝えると自分で稼いで行くなら構わないと言われたのでバイトすることにした 昔に比べると麻雀の競技者は男性よりも女性の方が多くなっていた そんな高校三年生の秋 同じように喫茶店のバイトに来た 「どもっす」 「あー......京太郎か...っ!」 俺の顔を見るとまこさんがすぐさまかけよてきた 「どうかしたんですか?」 「いやそれが...」 まこさんが喫茶店の一か所を指差した その先にあったのは――― 「はややっ♪」 .. ------ .. ... ´ . . . . . . . . . . . . . ` ..、. -――┐ ┌―‐ 、/ . . . . . . . . . . . . . . . \ . . ./- 、 / 八 / / . . . ./ . . . . . . . . . . . . . .\{ ‘, <.. /} / / . . . ∧ . . . ∧ . .\ . . . . . \___ノ } .\ /└/ / . . . / ∨ . . ∧ . . . .\ . . . . l \ ┌┬' i . . . . // ./l l | . . | .l´ ̄ ∨ . . . \ . . l\ . .リ . . 「¨ . . |∨ . . . . .. // .∧l从l . | .{ -、 \{\ . \ .|__,∨ ! . . ! . ||. . . . . . // . ∧ l }八芹芋ミ \ァ芋苧ミ | . | . . | . .. . ||. . . . . .|. / { . . . . . . .| l ∧{ {. J刈 i. J刈'| . |⌒! . || . . . . . | { { . . . . . . .| l . . .| 乂_ツ 乂__ツ ! . !ノノ . || . . . . . | { ∨ . . . . .| l. . . l . ,,,, ' _ ,,, | .リイ| . . . . || . . . . リ { ∨ . | {\{ . .、 V } ...イ/ l .| | . . . . || . . . / \ ∨ . . .| | . . .|. .个 .... _  ̄ _ {-/ 、 l .| | . . . . ||. . /. ∨ .リリ . . リ . . | ./⌒ヾく{___/ /⌒'i .| | . . . . |八 . {. | .//----、 .l∧‘,‘, { { } -=ニ二乙' .{ |//にニ=- / ∧_} } -{ { / }__{乙)' .. //ノ^ソ ,ノ/ / `ー' `ー`イ { {‐┴、) \ /i. \------=彡'// にソ 乂 } __ ‐┘ ̄{\,ノ . \____彡'  ̄ ̄ ̄ / { 、/´ \ ./⌒´ \ノ / ---- ´ 上機嫌そうに麻雀をする牌のお姉さん、瑞原はやりさんだった 「はややっ!」 はやりんレーダーこと、イケメンレーダーにビビッと反応が 「どこ......どこ.........?」 辺りをキョロキョロと見渡してみる しかしどこにもいない 「はやや......?」 間違ったのだろうか いやそんなことは...... 「いらっしゃいませ、お嬢様」 「こちらが本日オススメの品になります」 目の前には私が注文したチーズケーキ そして私の横にいるのは はやり(い、いい.........イケメン!?) とびっきりのイケメンだった そしてそれが彼と私の初対面でもあった 京太郎「えっと......瑞原さん?」 はやり「はやり」 京太郎「......はやり..................さん」 はやり「今はそれでいっか♪」 京太郎「そう言えば今日誕生日でしたね」 はやり「うん......」 京太郎「もしかして年齢とか気にしてます?」 はやり「............」 京太郎「俺は気にしてませんよ」 はやり「......でも」 京太郎「そんなはやりさんにプレゼントです」 はやり「これは......?」 京太郎「開けてみてください」 はやり「う、うん」ガサゴソ 京太郎「.........」 はやり「こ......これって...」 京太郎「ちょっとキザすぎですかね?」 はやり「ううん......そんなことない...」ギュッ 京太郎「俺が嵌めてみてもいいですか?」 はやり「うんっ......うんっ!」 京太郎「じゃあいきますよ」 すっとはやりの左手の薬指に銀色の指輪をはめる 「ピッタリ.........」 薬指で光る指輪を見て顔がニヤニヤとしだすはやり 「あ...でも、これのお金......」 「お金って.........はやりさんのマネージャーやってから一回も困ったことないんですけど...」 「あ、そっか」 思い出したかのようにえへへとはやりが頬を緩めた あの日、喫茶店ではやりと出会ってから京太郎の生活は一変した まず、連絡先を聞かれ、仕事中だと断ると 「じゃあ終わるまで待ってるね♪」 と言い出したので京太郎は仕方なくはやりのことを放置すると本当にはやりは京太郎が上がるまで待っていた 根負けして連絡先を交換しするとその次の日から毎日のように連絡が来るようになった 麻雀をする人もしない人も知っている牌のお姉さんとメールを出来るのだ もちろん京太郎も毎日のように連絡を取り合った そして京太郎の大学の合格発表を同時にはやりから時間があるときだけマネージャーになってくれないか と提案を出されたのだ もちろん、二つ返事で承諾した 正直、下心もあった でも本心ははやりを支えたいと思ったからだ そして今に至るわけなのだが はやり「きょーたろーくーん」 京太郎「はいはい、なんですか」 はやり「こんなの私に渡しちゃうなんて......えへへ」 京太郎「なんです?」 はやり「責任、取ってもらうから♪」 京太郎「どんどこい、ですよ」 はやり「わーい♪」ギュー 京太郎「当たってる当たってる!///」 はやり「当ててるんだよ♪」 はやり「大好きだよっ京太郎くんっ♪」 カンッ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5750.html
544 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 15 54 23.94 ID IDg01zbNo [36/89] 京太郎「先輩ー、シロ先輩ー!豊音さーん!どうかしましたー?」 ビクッ。 そう、シロ先輩の肩が揺れた。 そんな気がした。 それに気づいたのは、俺だけかも知れない。 だから多分、気のせいだろう。 豊音「あ、京太郎くーん!エイスリンさん!お帰りー!」 京太郎「ただいまっす」 エイスリン「タダイマ!」 挨拶して、近寄る。 ふと見れば、何時も通りの先輩たち。 ゆっくりと、シロ先輩が振り返った。 シロ「……京太郎?」 京太郎「はい、どうしました?というか、何してたんです?」 豊音「何もしてないよー。散歩行こうって、シロが言って…」 シロ「………そういうこと」 ぷいっ。 そんな感じで視線を逸らすシロ先輩。 気でも抜けたようにベンチに腰を下ろしていた。 ………って、ちょっと待て。 まさかこのパターンって……。 シロ「京太郎、おんぶ」 京太郎「やっぱりか畜生!?」 ん、と手を俺に伸ばす先輩。 それに思わず叫ぶ。 予想通り。 それに小さく溜息を吐きながら、気合一発。 俺はシロ先輩を背負うと、エイスリン先輩、豊音さんに声をかけた。 京太郎「じゃあ、帰りましょうか」 皆の、ところに。 シロ「………きょーたろ…」ギュッ ・シロ、エイスリンの病み度が1上昇しました 575 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 16 14 41.27 ID IDg01zbNo [41/89] 【8月20日:朝】 両手に花。 そういう言葉がある。 女性などに、その艶やかさから『華のある人』などと言うように。 男がそんな花々を両の手に持っている。 つまりは一人が複数の女性を侍らせている状態を両手に花という。 つまり。 今の俺みたいな状態を、両手に花、というのだろう。 エイスリン「ウミ!」 胡桃「海!」 塞「海だねぇ」 京太郎「海ですねぇ……」 右腕。 シロ先輩の浮き輪と腕の間に通している手をエイスリン先輩がおっかなびっくり手に取っている。 左腕。 クーラーボックスを持つ手をバランス崩した部長が握っていた。 頭。 肩車した鹿倉先輩が麦わら帽子を被ってちょこんとそこにいた。 何でこうなっているか。 それを答えるのは、まぁ面倒である。 順に説明しよう。 鹿倉先輩がサンダルを無くして、ガラスが割れてて危なかったから俺が肩車して。 砂場に足を取られたエイスリン先輩が俺の右手をとってバランスを正し。 それによって崩れた俺の姿勢を臼沢部長が左手をとって支えた。 以上である。 だがまぁ、それはあくまで俺たち4人の認識で。 永水の皆さんとか、他の海水浴客なんかは俺のことを見ていた。 ……何か殺意すら感じるんですけど。 まぁそうですよね。 ぱっと見、俺が侍らせてるようにしか見えませんよね。 俺は悪くねぇ!俺は悪くねぇ!! 主張するべきはしておくべきだけど、意味なさそうだ。 なんもかんもタイミングが悪いわ、本当に。 600 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 16 41 50.01 ID IDg01zbNo [46/89] 【8月20日:昼】 それぞれが思い思いに楽しむ中。 俺は一人、荷物番としてパラソルの下に居た。 まぁ、当然である。 むしろ率先してやるべきだろう。 選手たちの慰労でもある海水浴。 ある意味では俺は場違いというものだ。 遠目に、シロ先輩と鹿倉先輩は浮き輪で漂流。 エイスリン先輩と豊音さんは永水の人とビーチバレーだ。 そんな、平和な光景を見ているとふと、俺の頬に押し当てられる感触。 冷たい。 ……冷たい!? 塞「お疲れ様、須賀君」 京太郎「ぶ、部長!?」 振り返れば、そこには部長の姿。 手に持っているのはアイスキャンデーだ。 どっちがいい、と問われて俺はソーダ色のを選ぶ。 部長は俺の隣に座ると、俺と同じように小さくアイスキャンデーに舌を這わせていた。 塞「冷たっ」 京太郎「でもこれ美味いですね」 塞「私はさっきまで海に入ってたから、塩気のせいで余計に甘く感じるよ」 あむっ、と先輩の声。 あんまり見ないようにしつつ、俺も噛り付く。 しゃくっという音。 解れるように崩れたそれを咀嚼しつつ、俺はふと口に出した。 京太郎「豊音さんの言葉借りる訳じゃないんですけど」 塞「うん」 京太郎「なんつーか、こういうのも思い出になりますね」 やっぱり。 俺はそう言う。 永水の人たちも、先輩たちも。 その楽しげな表情に陰りはない。 綺麗な思い出。 きっと、そうなってくれるだろう。 615 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 17 16 51.18 ID IDg01zbNo [49/89] 塞「……そっか」 京太郎「そうですよ」 先輩が小さく、呟く。 俺も呟く。 日差しが強い。 それに目を細めて、ぬっ、と。 太陽を遮る影があった。 豊音「京太郎君!早く来て!!」 京太郎「豊音さん!?」 塞「どうしたの?」 エイスリン「シロ、クルミ!ナガサレタ!」 京太郎・塞「はぁ!?」 俺と部長が揃って立ち上がる。 見れば、浮き輪。 ぷかぷかと流されているのが見える。 潮に浚われてるー!? 京太郎「あああああ!部長、行ってきますー!!」 塞「えちょ、わわっ!?」 部長にアイスキャンディーを渡し、猛ダッシュ。 ああもう! あの人たちは本当にもー!! 変化ありませんでした。 616 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 17 18 17.53 ID IDg01zbNo [50/89] 【8月20日:夜】 海からの帰り道。 人気の少ない電車の車窓から見える東京の街を俺は見ていた。 今日は、色々とあった。 それは勿論トラブルもあったけど、何事にも発展していない。 よくある笑い話になるようなものばかりだろう。 俺はうっつらと舟を漕ぐ皆を見る。 はしゃいでいただけあって、疲労の色は濃い。 それは俺も同じだけど、元々の体力は俺が一番ある。 だからこそ、俺は眠りにつく皆の中で一人起きていた。 視線は、俺の膝に。 そこに頭を乗せて寝ている、鹿倉先輩。 今日、シロ先輩と流されていったあの時。 俺と塞さんの通報を受けたライフセーバーの人が来た時の安心した顔。 そして今の眠る表情。 とてもだが、年上には思えないようなあどけなさがある。 ……これ言ったら、絶対に怒られるだろうけど。 ガタンッ。 電車が揺れる。 軽い体を持つ鹿倉先輩がびくりと反応。 目をぱちりと開いた。 俺と目が合う。 京太郎「あ、起きました?」 胡桃「………」 「∀」としている口。 そのまま、ゆっくりと汗が顔ににじみ出る。 表情が変化しない。 それに俺が「どうしました?」と声をかける前。 先輩は勢いよく、頭を起した。 京太郎「あれ、どうし―――痛っ!?あたっ、何で叩くんですか!?」 胡桃「う、うるさい!デリカシーなさすぎ!!」 京太郎「なんで!?」 胡桃「うるさいうるさいうるさい!!」 そう言って、ふん、と腕を組んでそっぽ向く先輩。 そんな赤くなるくらい興奮して怒らなくてもいいのに……。 従順度が1上昇しました 660 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 20 18 01.71 ID IDg01zbNo [55/89] 【8月21日:朝】 私にとって、大事なことは三つある。 それぞれが、私を作る構成材料だ。 一つ、ダルいこと。 私は労力を発揮する、というのが嫌いだ。 結果的に無駄になることはしない。 雨が降れば雨音を聞きながら部屋の天井の染みを数えることもなく、じっと。 ただただ眺めているだけでその日を過ごすくらいに何もしない。 二つ、今の状態が変わること。 今の関係。 部活の皆の関係が崩れることは、ダルいことだ。 少なくとも、私は全員とも気に入っている。 私の中にある、ダルくない。 友達たちの関係。 そして、三つ。 今では、これが一番大事になってしまった。 なんで、ということを考えるのも、ダルい。 だけど、それは確かに私の中にある。 シロ「………」 京太郎「Zzz………」 私が見下ろす、彼。 何処かだらしなく顔を歪めた、安心しきった表情で眠る、京太郎。 三つ目。 それが、京太郎。 何時、じゃない。 多分、いつの間にか、だと思う。 私の中にあるこの感情を自覚したのは。 私は、彼が好き。 ………なんだろうか? 分からない。 ただ思うことが、ある。 エイスリンにも、豊音にも、塞にも、胡桃にも。 いや、他の誰かでも。 京太郎が一緒に居ると、酷く不快。 そう、不快だった。 シロ「………ダルい」 710 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 20 57 30.18 ID IDg01zbNo [58/89] ギシリ。 鈍く軋むベッドのスプリング。 京太郎が小さく、「ん…」と声を漏らす。 起きないでね。 私は無言でそう告げる。 起きたら、めんどくさいことになるから。 私はそのまま、彼の上に跨るように。 京太郎を見下ろす。 ああ、不味いな。 鍵は勝手にフロントから借りてるんだった。 こんなことしてる場合じゃないのに。 そうは思っても、体は。 私の体は、動く。 膝立ちから、四つんばいに。 京太郎の私の顔が、ぐんと近づいた。 寝息が、私の頬を撫でる。 薄く開いた唇。 ゆっくりと、京太郎の唇を触れる。 ざらり。 乾いた触感が、私の指を刺激した。 シロ「―――――」 シロ「いい、よね……?」 うん。 別にいいよね。 719 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 21 01 51.91 ID IDg01zbNo [59/89] イタダキマス 739 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 21 14 54.23 ID IDg01zbNo [60/89] ─────── ───── ─── ── ─ . 目が覚めたら、とんでもないことになってた。 そんな経験は無いだろうか。 妙な寝苦しさ。 それを覚えた俺が目を覚ましたのは朝の5時過ぎのことだ。 随分と早く目が覚めた。 そう思いつつ、俺は身を起そうとして、気づいた。 体が動かない。 というより、何かが居る。 目が冴え、思考がクリアになっていき、今の現実を認識する。 オーケーオーケー。 目が冴えたぜ。 俺は油断なく、しかし一気に布団を剥ぐ! 京太郎「……シロ先輩?」 そこに居たのは、少し肌蹴て、丸まっている、シロ先輩の姿。 朝日が目に入ったのだろうか。 うっすらと、目を開く。 シロ「ん……もう少し、寝る……」 京太郎「あ、はい。了解っす」 じゃなーい!? え、え? どういうこと? 何でシロ先輩が居るの? 思わずループ仕掛ける思考。 それを晴らすために一路俺は洗面所に向かう。 そこで、判明する。 俺の首筋とか、鎖骨とかに残る、赤い痕。 ………ねぇ、これってキスの痕とかそんなんじゃないよね? ね? え、嘘でしょ? まだ夢でも見てるのか俺。 749 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 21 24 34.93 ID IDg01zbNo [61/89] そんな俺の問い。 それに結構な時間がかかったのか、物音。 見れば、シロさんが装いを正している姿だ。 そのまま、ぺたぺたとサンダルを鳴らして俺の横に。 肩を、ぽん、と。 そうして無表情のまま。 俺を見た。 シロ「京太郎」 京太郎「は、はい……?」 シロ「私は気にしない、京太郎も気にしない。いいね?」 じゃ、朝ごはんで。 そう言って出て行く、シロさん。 え。 ええ? 京太郎「ええええええええええ!?」 シロの病み度が1上昇しました 768 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 21 31 24.05 ID IDg01zbNo [63/89] 【8月21日:昼】 衝撃の朝から、三時間くらい。 麻雀を打つシロ先輩を見ながら、俺は頭を抱えていた。 記憶が無い。 昨日は俺、普通に部屋に帰って寝た……はずだよな? 疑心暗鬼がさらなる疑問を呼んで、何が本当か分からなくなってきた。 ただ、ちらりと。 俺はシロ先輩に視線を向ける。 先輩は、俺と目を合わせた。 そして小さく、舌を出す。 それだけだ。 やっちまったのか、俺。 マジなのか、俺よ。 覚えてないとか最低すぎるぞ。 そんなことで頭を抱える。 そこでふと、俺への視線を感じた。 見れば、鹿倉先輩だ。 胡桃「頭抱えて何やってるの?」 京太郎「いえ、別に……」 胡桃「何か悩んでるなら聞くよ!」 言えるわけねーです! そう言えたらどれだけ幸せなことか。 俺は頭を再度抱える。 鹿倉先輩は、そんな俺の様子に頭を捻るばかりだった。 変化ありませんでした 805 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 22 02 46.05 ID IDg01zbNo [66/89] 【8月21日:夜】 一度、シロ先輩と一人で接触するか? 俺はレクレーション室で考える。 今朝の真偽。 それを確認するだけでも俺には何かのプラスになるだろう。 従順に話してくれるか。 それはまだ分からないが、悩んでるよりは確実だろう。 俺が一人考えていると、ドアが開く。 まさかのシロ先輩かとも思ったが、違う。 豊音さんだ。 豊音「京太郎君、こんばんわー」 京太郎「こんばんわです、豊音さん」 ふわふわと。 そんな雰囲気で挨拶をしてくる豊音さん。 そんなこの人を見て、俺の脳裏に一つの考えが浮かぶ。 相談。 出来るだろうか。 先生には、正直、言えない。 それはシロ先輩も同じだろう。 でも、部活の仲間たち。 それなら。 俺はそう思う。 ああでも。 この人がもし、それを聞いたとして。 どんな反応を、示すのだろうか。 それが俺には、怖かった。 だからこそ、口つぐむ。 俺は話を切り上げる。 そうするように。 小さく笑みを浮かべた。 京太郎「お休みなさい、豊音さん」 夜が来る。 863 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 22 48 05.36 ID IDg01zbNo [73/89] 【8月22日:朝】 あの日から二日目。 今日も悩む。 なんてことはない。 もう考えても分からないものは分からないのだ。 なら、何らかの接触がシロ先輩からあるはずだ。 多分、きっと。 体が軽い。 こんな爽快な気持ちは初めてだ。 悩み無用。 CMは良い言葉を言うものである。 胡桃「何で朝からスキップしてるの?」 エイスリン「キョータロ、ウレシソウ!」 京太郎「いえいえ、悩みなんて悩んでも無駄って分かったんです!」 朝日が輝く! なんて爽やかな日なんだろうか。 体が軽ry 胡桃「……それって根本的には解決してないよね?」 京太郎「げっはぁぁぁ!?」 鹿倉先輩の言葉のボディーブロー。 それに俺が崩れ落ちる。 そう、だった。 確かに解決した訳でもなんでもなかった……。 そうだよ! ただの現実逃避だよ! 悪かったな! エイスリン「キョウタロ、ファイト!」 手をぎゅっと握り、ファイティングポーズを取るエイスリン先輩。 ああもう、本当にこの人は癒されるなぁ。 924 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 23 14 27.63 ID IDg01zbNo [81/89] 【8月22日:昼】 胡桃「それで、何に悩んでたの?」 京太郎「いや、何でもないですって!」 昼過ぎ。 散歩に出た俺の後ろでそう告げる鹿倉先輩。 俺はその人に何もない。 大丈夫。 そんな色々な表現で問題ないことを告げる。 しかし、この人の眉は歪んだまま。 どう考えても納得してないのが丸分かりである。 胡桃「お姉さんに相談できないこと?」 京太郎「お姉さん……?」 胡桃「私年上だよ!?」 お姉さん。 そう言われると思わず考えてしまった俺に鹿倉先輩が突っ込む。 はっはっは。 こうして反応するだけでも駄目です。 俺がそう言いたげに笑みを浮かべると、顔色が固まる。 ああ、きっとこの人は何も言わず“潰す”とかそういうこと考えてるな。 俺は静かにそう予測する。 もう流石にそれなりに分かるわ。 京太郎(………これがシロ先輩にも使えればなぁ…) ままならない。 本当にままならないものだ。 944 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 23 27 11.56 ID IDg01zbNo [84/89] 【8月22日:夜】 京太郎「エイスリン、先輩……?」 エイスリン「ウゴカナイデ」 俺は今現在、困惑していた。 俺の部屋。 そして、そこに居るのは俺だけのはずだ。 時刻は深夜。 それに程近い時を時計の針が示している。 聞こえる音。 それはペンを奔らせる音。 そして時計の音だ。 なんで、こうなっているんだったっけ。 ゆっくりと、思い返す。 そうだ。 確か、先輩がいきなり俺の部屋に来たのだ。 思いつめたような。 何かを我慢しているような顔だった。 そんな、気がする。 そうして今やっているのは、俺の絵描きだ。 どうにも落ち着くのに、これが一番らしい。 俺はそれに困ったような空返事を返して、今に至る。 この人は、何をしたいのだろうか。 普段のエイスリン先輩は、物静かだけど活発で、それでいて恥ずかしがり屋。 そんなイメージがある。 だけど、さっきの。 あの顔。 まるで、自分のやりたかったことを他人に先越されたような。 そんな、顔。 エイスリン先輩は、俺を見る。 気のせいだろうか。 そこに、薄ら寒いものを感じたのは。 990 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 23 58 57.80 ID IDg01zbNo [89/89] エイスリン「デキタ!」 出来た。 という声が響く。 手は慣れた手つきでスケッチブックを閉じ、そしてくるり。 ペンを一回しして耳へと挟んだ。 エイスリン「アリガト、キョウタロ!」 京太郎「いえ、気分転換になったのなら十分ですよ」 そこにあるのは、普段通りの先輩。 にこにこと、笑っている先輩。 じゃあね、と先輩が去っていく。 それに俺は拍子抜けすら感じつつ、出て行く先輩を見送る。 なんというか。 本当に絵を描きたかっただけみたいだな。 京太郎「寝る、か……」 うん、ゆっくりと寝るとしよう。 14 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 00 07 57.27 ID OMedMnLEo [1/13] ────── ──── ─── ── ─ 今手に取った、京太郎の絵。 私はそれを慎重に、丁寧にスケッチブックから外す。 そして、一つのファイルを出した。 そこにあるのは、今までの京太郎。 新しい、一番のページにその京太郎を私は仕舞う。 そして、ペンで日時を記入。 ベッドに転がるように、私は京太郎を胸に抱いていた。 エイスリン「フフ…」 ここには、私が出会った頃からの京太郎が居る。 こうして、眺めるしかできない。 そんな京太郎が、ここにはある。 幸せ。 小さく噛み締める幸せ。 私は日本語が苦手。 それに、少し恥ずかしい。 だから、何時もこっそり京太郎の絵を描いていた。 ああ、それは。 それは、誰にも渡さないでいい、私だけの京太郎。 だから、まだ。 エイスリン「モット、描キタイ」 京太郎のことを。 もっと。 病み度1上昇 87 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 16 19 59.35 ID OMedMnLEo [7/13] 【8月22日:朝】 もはや慣れてすらしまったホテルの天井。 それを見て俺は目を覚ます。 周辺確認。 誰もいない。 それに妙な安心感を覚える俺。 もしかして、夢遊病みたいに勝手に行動してた、とかは無いみたいだ。 気のせい、だろうか。 俺の周り。 それが妙に殺伐としている風に感じる。 そんなことありえないのに。 俺は食堂に集まった宮守の皆を見渡し、そう思う。 そうだ。 皆の空気が悪くなる、なんてない。 全国大会に負けた後だって、あんなに暖かい空気だったのだ。 ありえない、馬鹿な考えだな。 俺は一人納得する。 しかし、だ。 京太郎「なんか臼沢先輩と鹿倉先輩と飯食う回数増えましたね、そういや」 塞「偶然でしょ?」 胡桃「でしょ」 そうかなぁ。 いや、もしかすると無意識にシロ先輩を避けてたからかも知れない。 嫌悪とかじゃなくて、冷静になるために。 俺だって男である。 布団の中に女の人が居て、しかも意味深なこと言われればどきどきもする。 しかもシロ先輩みたいに可愛らしい人ならなお更だ。 意識の切り替え。 そのために距離を取っている……かもしれない。 うーん、ありえそうなのがまた。 塞「まぁ、皆で食べてるんだから変わりは無いでしょ」 胡桃「無いよ」 なーんか丸め込まれてるような気がしなくもないんだけどなぁ。 100 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 16 43 10.87 ID OMedMnLEo [10/13] 【8月23日:昼】 京太郎「……」 豊音「~♪」 家でペットを飼ってる人。 そんな人は経験あると思う。 自分の後ろをついてくるペットの姿とか、そういうのだ。 今、俺の中にある感情はそれと非常に似通っていた。 前を行く俺。 後ろに続く豊音さん。 ちょっとした買い物ついでの散歩だったのだけど、なんでこうなってるのだろうか。 いや、何で着いてきてるんですか、と聞いてもいいんだ。 良いんだけど……。 豊音「あれ、どうしたのー?」 京太郎「何でもないっす!」 豊音「そうなのー?」 ……なんといいますか。 『何で着いてきてるんですか』と聞いたらすっごい悲しそうな顔する。 そんな確信があるのだ。 だから俺は口に出さず、何も言わない。 豊音さんも当然、何も言わない。 ただ、そんな無言はどうにも長く続かないものだ。 気づけば、俺は豊音さんと並んで歩いている。 会話を少し交えつつ。 例えば好きなものとか。 身の回りのこととか。 そんな単純なこと。 そもそも、会話なんてものは話題となるものがあって、共感や理解があれば続くものだ。 気づけば、結構話し込んでいたような気もする。 笑って、すっきりもしたような気がする。 よし、と俺。 意識を切り替えて、行こう。 明後日から、個人戦が始まるのだから。 俺にやれること。 それをやっていこう。 144 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 19 11 35.89 ID Itsf4tojo [5/53] 【8月23日:夜】 京太郎「今戻りましたー」 豊音「ただいまー」 胡桃「おかえり豊音ー須賀君」 塞「おかえり、散歩?」 京太郎「ええ、まぁ」 豊音「じゃあ私部屋に戻って着替えてくるよー」 胡桃「行ってらっしゃい、戻ってきたら麻雀しよ!」 レクレーションルーム。 そこで椅子に腰掛けていた臼沢部長、鹿倉先輩に声をかける。 どうやら暇していたのか、麻雀をするつもりだったらしい。 京太郎「あれ、シロ先輩とエイスリン先輩は居ないんですか?」 胡桃「二人とも居ないよ」 塞「シロがひとりでに外出なんて珍しいよね」 京太郎「ですねぇ」 牌を手元で遊ばせながら部長が言う。 確かに珍しい。 今頃何してるんだろうか? エイスリン先輩にシロ先輩。 もう時間も時間、そろそろ帰ってきて欲しいものだけど。 胡桃「心配?」 京太郎「そりゃそうですよ、女の子なんですから」 女性の一人歩き。 それは心配するには十分だ。 いくら東京が明るい街であっても、それだけ人は多い。 相対的に変質者も多いだろう。 多分、きっと。 そう俺が思っていると、にやにやと笑う臼沢部長が俺に声をかけてきた。 塞「須賀君は過保護だねぇシロ達に」 京太郎「後輩として、男として当然です。勿論先輩たちだってそうですよ」 居なくなってたら心配する。 俺が当然だと言わんばかりに二人にもそう告げると、急に会話が止まる。 何でだ? 塞の従順度が1上昇しました 193 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 19 46 36.03 ID Itsf4tojo [10/53] 【8月24日:朝】 むすっとしてる。 俺を見上げるシロ先輩の表情を例えるなら。 というか、どういう顔しているかと言うのならそれだろうか。 不機嫌。 実に無言でそれを主張している顔だ。 はて。 俺は何かしただろうか? いや、したかも知れないのだけど覚えてないのが一昨日あるけど。 まぁそれは置いておこう。 今現在、朝食終了。 今日の昼過ぎには団体戦の決勝が終わるかも知れない、という時間だ。 そんな中、俺は部屋に戻ったのではあるが、何時の間にかシロ先輩はそこにいる。 いや、着いて来て当然のように部屋に入ってきただけなんだけども。 ええと、部屋に帰らそうとしたんだっけ? そしたら、今に至るんだったか。 京太郎「シロ先輩、何でそんな怒ってるんですか……」 シロ「怒って、ない」 京太郎「いや、怒ってるでしょう!?」 じゃなきゃそんな顔しない。 俺は表情変化を見分けるプロなのだ。 それくらい、もはや慣れて分かる。 しかし、だ。 何で怒るんだろうか? 帰れ、と言って怒ってる……そんな訳ないな。 となると、この間の件だろうか。 朝の、アレ。 もしかして、それをはっきりさせてないから怒ってる……のか? 京太郎「あの、先輩?怒ってる理由って……この間の朝のあれですか?」 シロ「………違うよ」 目を逸らし、バツが悪そうにそう言う。 あれ? 俺が頭を捻る。 この間のことで怒ってる訳じゃない。 ということは、怒るようなことは起こっていない。 そう取れるだろう。 と、いうことは。 俺、一線は越えてない? マジで!? 京太郎「あ、はは……はぁ~~~……ッ!!」 シロ「?」 俺が思いっきり息を吐き出す。 いやぁ、心が軽い! あれだけが心に引っかかってたからなお更だ。 ふふふ、今夜は枕を高くして眠れそうである。 京太郎「……って、あれ?」 じゃあ、あのキスマークはどうなるの? 今冷静になると、あれはどう考えても誤魔化しとかそういう問題じゃない気がする。 聞いてみたい。 でも怖い。 なんというジレンマだろうか。 シロ「………ねぇ、ここに居てもいい?」 京太郎「へ?あ、ええ、もうしょうがないからいいですけど……」 シロ「じゃあ、ここに居る……」 俺の思考の間をついて、シロ先輩がそう言う。 怒ってたように感じたのが、俺がここに居ても平気と言うと、嘘みたいに静かになる。 枕を抱き、ベッドの上で丸まる。 そしてそのまま、瞳を閉じてしまった。 ………まさか、寝るつもりだったけど部屋に戻るのがダルかった。 そんな感じの理由なのか……? シロ「………寝る?」 京太郎「寝ませんよ!!」 シロの従順度が1上昇しました、ぞろ目ボーナス(特別)で次の判定の従順度上昇コンマ範囲を大きくしましょうかね 261 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 20 19 31.13 ID Itsf4tojo [14/53] 【8月24日:昼】 『試合、終了――――!!』 京太郎「………終わり、ましたね」 胡桃「そうだね」 塞「ああ、そうだね……」 テレビの前。 俺は無言でその結果を瞳に映す。 終わり。 全国団体。 それが今、終わった。 今、それを見ているのは俺と鹿倉先輩、臼沢部長だ。 妙な無言。 そんな空気がそこにはあった。 鹿倉先輩を見る。 何時も通りの表情。 そこには、でも、確かに。 一瞬の悲しみがあった。 多分。 それは、あの舞台に立てなかった。 そういう後悔もあるんだろうか。 俺はあまり見ないようにする。 少し、何かをこするような。 そんな音が聞こえたのだ。 ただ、それは直ぐに止まる。 椅子から降りる音。 それに俺と臼沢部長が視線を向ける。 何処に。 そう問う。 鹿倉先輩は背中を向けたまま。 振り返らず、少し震えた声で、言った。 胡桃「飲み物、買ってくるよ」 京太郎「………分かりました」 胡桃「うん、二人とも待っててね」 先輩が出て行く。 がちゃん。 そういう音がして、ドアのロックが自動で降りた。 342 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 20 48 17.59 ID Itsf4tojo [18/53] 塞「……泣いてた、かな?」 京太郎「どうでしょうか、鹿倉先輩は強い人なので」 臼沢部長の問い。 それに俺はぼかすように答える。 泣いてた。 それを態々、言うことない。 そういう態度で俺は答えると、「そっか」と答える部長。 空白の時間が少し出来る。 その空気。 塗り替える言葉。 短く。 小さく。 部長が放つ。 塞「……行きたかったなぁ、あそこに」 そんな呟き。 ほろり。 それがトリガーであったように。 小さい水滴が部長の瞳から毀れ出る。 あれ。 おかしいな。 戸惑った声。 俺は無言でハンカチを差し出す。 それが、切っ掛け。 もう耐える必要がない。 ハンカチを見た瞬間、それを体が理解してしまった。 ぼろっと。 小さく泣く部長。 俺はそれに、ただ手を添えておくことしか出来なかった。 ゆっくりと。 手を握る。 部長が立ち上がった。 「ちょっと貸して」と、声かけて。 俺の胸に、顔を埋めていた。 この時。 部長の、鹿倉先輩の夏は、本当の意味で終わったのだろう。 346 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 20 50 30.58 ID Itsf4tojo [19/53] 【8月24日:夜】 京太郎「……大丈夫ですか、臼沢部長」 塞「ん……ごめんね、ありがとう」 時間が少し過ぎる。 気づけば、もうすぐ夕方だろうか。 ……結構な時間、抱きしめてた。 そんな気がする。 顔を見合わせ、毀れ出る笑い。 なんだかおかしくて、笑ってしまった。 塞「あははははっ……京太郎君、さっきも言ったけど、ありがとう」 京太郎「いえいえ……って、京太郎?」 塞「そ、これで私の部長としてのお仕事はおしまい。ある意味、もう君の先輩じゃないからね」 京太郎「そんなこと―――『だから』…?」 にこり、と笑う部長。 何処か晴れ晴れ……そんな雰囲気さえあった。 塞「だから、もう部の先輩後輩じゃなくて……京太郎君と私は友達、って間柄じゃないかな?」 京太郎「はい?」 塞「……あれ、嫌だった?」 京太郎「いえそんな!」 慌てて否定。 いや、部長が俺をそれくらい大切な。 大切な仲間に思ってくれている。 そうだと思うと、なんだろう……凄く、うれしい。 それに目元が熱くなりそうな気もする。 苦笑する部長は、また俺を見て続けた。 塞「友達だからね、私のこともこれからは塞って、呼んでくれないかな」 京太郎「はい、了解です部長……あっ」 塞「あ、部長って言ったね?」 京太郎「す、すいません!つい癖で…」 にぃ、と腕を組んで笑む塞さん。 俺はそれに小さく、頭を掻いて答える。 シロ「―――――え?」 え? 539 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 21 25 43.24 ID Itsf4tojo [26/53] 声が聞こえた。 ドアが開く音は、無かった。 いや、気づかなかったのか。 視線を、俺の背後。 ドアへと向ける。 そこには、二人。 シロ先輩。 そして、エイスリン先輩が居た。 エイスリン先輩は、笑顔。 違和感すら感じるような、満面の笑み。 反対に。 シロ先輩は。 先輩は……。 シロ「何、してたの?」 何処か、怖い声で。 塞さんを、見ていた。 塞「ああ、シロ。おかえり。いや、ちょっと京太郎君と話してただけ―――」 シロ「答えて、塞」 ふらり、ふらり。 浮遊するように一歩。 また一歩と、近づくシロ先輩。 その動きに、生気はない。 びくり。 少し震えた塞さんが短く、「あ、ああ」と声を搾った。 塞「団体が、試合が終わったからね。もう私も部長なんかじゃなくて、京太郎君の友達として呼び方を変えたんだ」 シロ「京太郎」 京太郎「本当です」 嘘を言わせない。 そういう空気がある。 シロ先輩が俺を見た。 何を考えているか分からない、暗い瞳が俺を写している。 そのままゆっくりと、口を開くのが見えた。 シロ「私も―――先輩、なんて言わなくていい、よ」 554 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 21 31 30.72 ID Itsf4tojo [27/53] シロ「シロ、でいい」 エイスリン「ワタシモ!」 少し、空気が軽くなった。 俺は詰まっていた空気を吐き出し、はい、と頷く。 シロさん、エイスリンさん。 俺がそう言って、顔を見る。 頷くエイスリンさん。 少し考えた後、同じように頷くシロさん。 空気が晴れる。 張り詰めた風船。 それが割れるんじゃなくて、普通に空気が出て行った。 そんな感じだろうか。 見れば、そこに居るのは何時ものシロさん。 さっきのは、何だったんだろうか。 俺は少しの興味と、本能。 それに揺られ、息を吐く。 深く考えない方がいいだろう。 俺は小さく、息を吐いた。 569 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 21 34 39.95 ID Itsf4tojo [29/53] 【クスクス】 【やっぱり幸せになれないんだね】 【早くこっちにおいで】 【“ ”が可愛がってあげるから】 584 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 21 37 47.77 ID Itsf4tojo [30/53] 【8月25日:朝】 個人戦の抽選日。 うちの学校からはシロさん、エイスリンさんが出場することになっている。 豊音さんは残念ながら能力制限で出場逃し。 鹿倉先輩、塞さんは防御型ということもあってかこれも出場を逃した結果だ。 つまり、宮守の2枚看板火力。 その二人が個人戦に挑むのである。 さて、その抽選発表が今日の昼から。 現在は朝、何をしているかと言うと……。 胡桃「充電、充電!」 エイスリン「クルミ!ウゴカナイデー」 京太郎「何なんですかこの構図」 今、俺が鹿倉先輩を“充電”しているその状態をエイスリンさんが絵に描いていた。 妙にシュール。 そんな感じの光景である。 というか、鹿倉先輩ってシロ先輩とだけ充電してなかったか? まぁそんな疑問は、エイスリンさんの言葉で消えるんだけど。 エイスリン「クルミ、キョウタローノ子供ミタイ!」 胡桃「え!?」 京太郎「はいぃ!?」 え、何でそんないきなり? しかも満面の笑みでそう言ってるしこの人。 そんな俺の疑問。 それは聞こえていないのか。 ただただ、笑顔なエイスリンさんがそこにいた。 エイスリン「ア、デモ!キョウタロノ子供ナラ、クロイロオカシイ!」 京太郎「黒色?って、ああ髪の毛の色ですか」 エイスリン「ウン!私トキョータロ、カミイッショ!」 京太郎「あっはは、だったら絶対金髪の子供ですねー」 エイスリン「ア……ウン……///」 京太郎「?」 胡桃「変態!」 京太郎「ええ!?何でですか!?」 649 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 22 01 40.09 ID Itsf4tojo [36/53] 【8月25日:昼】 中継が入る。 組み合わせ中継。 皆がそれを見つめている。 シロさんの相手が決まる。 エイスリンさんの相手が決まる。 それだけ。 ほんの一時間という放送。 それは終わった。 場に残ったのは、俺、鹿倉先輩、エイスリンさん、シロさん。 何やら鹿倉先輩が考えを二人に披露しているようで、俺は蚊帳の外だ。 だけど、ぽろり。 そう聞こえた中に、俺の名前があった。 ような気がする。 胡桃「―――以上!ということで頑張っちゃってね!」 エイスリン「ガンバル!」 シロ「頑張る」 京太郎「えええ!?エイスリンさんはともかくシロさんを頑張らせるだと!?」 俺の聞き間違いじゃないよね? 今、シロさんが「頑張る」って言ったよね!? 思わず戦慄。 鹿倉先輩、恐ろしい人……! 俺が慄く。 シロさん、エイスリンさんが俺を見た。 なんか視線が怖い。 まぁ、それは俺の気のせいなのだろう。 皆が解散。 俺は自分の部屋に戻る。 ノック音。 それにはい、と俺は答える。 ノックの感じは、少しテンポが悪い。 もしかすると。 俺の予想は当たる。 そこに居たのは、何時もの。 眠たげな目をした、シロさんだった。 京太郎「あの、どうしまし――――」 822 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 22 35 02.28 ID Itsf4tojo [41/53] ふわっ。 そんな風。 そして温かさ。 それが突然、俺に襲い掛かる。 固まったまま、俺は視線を下に。 胸元。 そこには、白色。 シロさんの、頭が見える。 抱きつかれてる。 それを理解するまで、結構の時間がかかった。 ような気がする。 多分。 いや、実際の接触時間はほんの数十秒なんだけど。 がちゃん。 鍵の閉まる音。 かちゃ。 チェーロックがかかる音。 その迷いのない動作。 俺が何かを言う前に。 先輩がまた俺に近づく。 ゆっくりと。 俺の脇から腰へと手を回し。 ぴったりと。 体を寄り添わせるように。 抱きつく。 京太郎「………」パクパク 絶句。 本当に今の状態は、それだ。 何を言うべきか。 そもそも喋っていいのか。 それが分からない状態だ。 シロ「京太郎…」 くぐもった声。 はい。 そうも答えれないほど、動揺していた。 シロ「喋らなくて、いい―――でも、聞いて」 静かに、そんな声で、シロさんが話す。 俺は小さく頷く。 それしか出来ない。 それを受けて。 シロさんが少し体を離して。 俺を見上げる。 シロ「私は………京太郎が、欲しい」 欲しい。 俺が、欲しい。 伝えた言葉。 それを肯定するように、首筋に唇を落とすシロさん。 それが、この間の俺の首筋についていた正体だと。 俺に教えるように。 シロ「ん……」 京太郎「痛―――ッ!」 カリッ。 痛み。 そして温かさ。 まるで猫が傷を舐めるように。 噛んだ痕を小さく舐める。 だけど、俺もそれで冷静になれた。 逆に。 痛みで正気を取り戻した。 そう言ってもいいかも知れない。 シロさんの肩を掴む。 そして、引き離す。 「あ…」と言う声。 そんな、甘さのある声。 俺を求める声なのだと。 そう思わせられると、思考がまたふやけそうになる。 だけど。 俺は息を呑む。 聞きたいことが、あったから。 889 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 23 18 32.08 ID Itsf4tojo [45/53] 京太郎「―――何で、今なんです?」 そう、俺は聞く。 今、つまりは大会なのに。 この人は、ダルい。 そうは言っても、麻雀には真面目だったはずだ。 仲間を大事にしているはずだ。 いきなりだ。 こんなことをいきなり、された。 俺にはそれが、分からない。 混乱している。 時間が欲しい。 俺の脳みそはそう叫んでいる。 ああそうだ。 訳が分からない。 何でこんな。 こんなことになっているのかも。 それは、問いかけ。 俺の問いかけ。 シロさんは、答える。 シロ「京太郎に、愛して欲しいから」 シロ「私だけを見て欲しいから」 シロ「エイスリンにも、塞にも、豊音にも、胡桃にも」 シロ「渡したくない」 シロ「私だけを見て、ほしい」 シロ「それだけ」 シロ「それだけ」 シロ「他の子と、京太郎が話してる」 シロ「それだけで、嫌」 892 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 23 20 12.39 ID Itsf4tojo [46/53] シロさんが近づく。 俺が一歩下がる。 逃げれない。 俺の脳裏にそんな考えが浮かぶ。 渡したくない。 そう、言った。 愛している。 俺を。 だけど。 それは。 一方通行すぎるんじゃないか? 俺には分からない。 シロさんが、俺の目の前に。 シロ「京太郎――――」 京太郎「―――――」 963 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/13(日) 23 35 42.75 ID Itsf4tojo [51/53] シロ「京太郎……」 京太郎「し、シロさん………」 手を引かれる。 ああ。 なんでだろうか。 逆らえない。 俺は、逆らえなかった。 ベッド。 シロさんの体が小さく跳ねる。 ぎしり。 俺の体重が、かかる。 待て。 待て待て待て。 俺は何をしている? こんな、いきなり。 俺はだって、まだ何も言っては。 言っては……。 シロ「――――来て」 京太郎「――――――」 【END:全ては薄氷の関係】
https://w.atwiki.jp/kyoshura/pages/81.html
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4359.html
―――ラジオ局 はやり「それでは今週もはじまりましたー!『教えて!牌のおねえさん』の時間です!」 はやり「メインパーソナリティーは瑞原はやり。そしてアシスタントにまたまた京太郎くんを呼んでます!」 京太郎「はは、よろしくお願いします」 はやり「なんと京太郎くん、今日から私の付きb……え、これは言わない方がいい?わかりましたー」 はやり「それでは今週も行ってみましょう!お便りの方お願いします!」 京太郎「えー、ラジオネーム攻め寄せる怒涛の殺意さん。すごいお名前ですね。女性の方からのお便りです」 京太郎「『恋人を同業者に持っていかれました』」 京太郎「ってあれ、これしか書いてないですね。これはどういうことなんでしょう」 はやり「うーん、持っていかれたっていうのがどんな感じかにもよりますよね」 はやり「例えば彼氏さんに浮気されたのか、それとも同業者ってことですし異動みたいなことがあったのか」 はやり「どっちかわからないとどうにも……。男性としてはどうなんですか?」 京太郎「そうですねぇ」 京太郎「そうですね、やっぱり会えないのは寂しいので会いたいですかね」フゥ 京太郎「異動、と仮定するならですけど」 京太郎「俺だったら少しでも早く仕事を終わらせて、その人と会う時間を作りたいです」 はやり「なるほどー!攻め寄せる怒涛の殺意さん、参考になったでしょうか」 はやり「どれでは次のお便りに行きましょう」 京太郎「はい。ラジオネーム小鍛治プロのカードありがとうさんからの――」 ――― ―― ― 京太郎「お疲れ様でしたー」 はやり「お疲れ京太郎くん。それにしても最初の質問の答え、何か自分のことみたいだったよね」 京太郎「え、そんなことないですよ?」 はやり「ふーん?」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5751.html
505 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/14(月) 01 25 48.62 ID 09Lz0Stho [25/36] 【オープニング】 私たちの通学する学校。 それが共学になったのが、今年の春。 女の園に殿方……男の人が入ってくる。 それはもうとても騒ぎになってたのを今も覚えています。 ただ、恥ずかしながら私は何時もの癖でお昼寝。 目が覚めたのは、8時過ぎで、もう遅刻してしまう。 そんな時。 私は、出会いました。 曲がり角。 そこで思い切りぶつかりながら。 京太郎「痛!?…って、大丈夫ですか!?」 小蒔「は、はい。大丈夫――――!?」 差し出される手。 私がふと、視線を上げる。 男の人。 ただ。 それには何かが憑いていました。 重なり合うような、手のひら。 女性の、手。 貌の無い、女性。 声があるなら。 それは何を言っているのだろう。 何処までも狂った、感情。 生々しいまでの感情の、負の塊がそれでした。 ただただ、縋り付くような重い怨念。 それを憑かせる、男の人。 京太郎「ど、どうしました?」 小蒔「………だい、じょうぶなんですか?」 京太郎「はい?」 ただ。 憑かれている人は何処までも普通で。 何処までも、そんなことには無縁のはずなのに。 なんで、ここまで正気なんだろう。 私は気づけば、そう問いかけてそうでした。 547 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/14(月) 01 40 32.51 ID 09Lz0Stho [26/36] 小蒔「霞ちゃん!助けて下さい!!」 霞「あら、小蒔ちゃん。何処に行ってたのかしら?担任の先生が―――」 京太郎「あ、あの、ここ麻雀部ですか?何でここに俺を……?」 霞「………あら」 私が麻雀部―――皆の居るところに急いで彼を連れて行く。 中に居た霞ちゃん。 目が合うと、一瞬で察してくれたのか立ち上がる。 パンパン、と手を打ち鳴らす。 それで集まる、皆。 手馴れたように、塩や札などを用意している姿が見える。 置いてけぼりな男の子。 私は彼の手を握ると、しっかりと頷いた。 小蒔「もうこれで大丈夫です!」 京太郎「はい?」 小蒔「初美ちゃん!」 初美「はいですよー。このお札、しっかり握っておいてくださいねー」 京太郎「いやいやいや!?どういうことですこれ?!というか貴女服しっかり着てくださいよ!」 初美「巫女なので、それよりお札みた方がいいですよー」 初美ちゃんの言葉。 それに「え?」と男の子。 私もつられてみる。 何時の間にか、真っ黒。 悲鳴を上げて札を投げ捨てようとした彼の手を握って止めさせる。 その間に。 何時の間にか、祓うこと自体は終わってたみたいでした。 巴「すみません、強すぎて払い切れませんでした……」 春「危険」 霞「参ったわね……」 汗だく。 そんな様子で語る皆。 何も分からない。 そんな様子の男の子。 どうしたものか。 そんな空気が出来ていく中。 私は思いついたと言わんばかりに立ち上がりました。 566 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/14(月) 01 47 39.30 ID 09Lz0Stho [27/36] 小蒔「じゃあ、麻雀部に参加して貰いましょう!」 京太郎「え?」 小蒔「そうすれば、日中の様子で分かります!」 私の提案。 彼が、今回入ってくる新入生だから出来ること。 あら、と霞ちゃん。 おおよそ、この提案は間違いじゃないみたいで。 にこり。 そんな感じで微笑んでくれます。 霞「そうね、ある意味では丁度いいかしら」 春「放っておくと取り殺されるかも知れない」 巴「まぁ……ですね」 初美「姫様に拾われて幸運ですねー」 京太郎「へ?へ?へ?」 右往左往。 そんな男の子に私は手を差し出す。 ようこそ。 私はそう、明るく。 彼に声をかけた。 小蒔「ようこそ、永水麻雀部へ!」 京太郎「………え?」 あ、まだ混乱してるみたいです。 【オープニング終了】 573 名前: ◆VB1fdkUTPA[!蒼_res] 投稿日:2013/01/14(月) 01 52 57.67 ID 09Lz0Stho [28/36] 夢を見た。 優しい夢だ。 俺は高校で、麻雀部の部長。 後輩たちに惜しまれながら、卒業式を迎えた。 卒業式の、面々。 保護者、近親の席。 俺は小さく、手を振る。 そこに居る、5人。 4人の仲間たち。 そして、一人の、母親譲りらしい白い髪を持った、小さな子供。 手を伸ばしてくる、その子。 俺はゆっくりと、抱き上げた。 ダルい。 そんな、母親の呟きを耳に受けて。 俺は小さく、苦笑する。 ただ。 俺は見た。 ここに居ない、人。 今は遠い祖国へと帰ってしまっている人。 金色の、あの人。 ああ。 一度、話しておくべきだった。 俺は小さく、後悔していた。 また年月は過ぎる。 俺は家事をしながら、テレビの向こうで麻雀を打つ妻を見ている。 お母さん、強いね。 娘の声。 そうだな、という俺の声。 プロ雀士として、一児の母として。 なんとも頼りがいある我が家の大黒柱だ。 母の一挙一動にはしゃぐ娘。 そんな幸せの空気。 まるでそれが夢だと。 俺に教えるように。 インターホンが鳴り響いた。 576 名前: ◆VB1fdkUTPA[!red_res] 投稿日:2013/01/14(月) 01 54 14.29 ID 09Lz0Stho [29/36] 「ヒサシブリ、キョータロー!」 635 名前: ◆VB1fdkUTPA[!red_res] 投稿日:2013/01/14(月) 02 07 19.12 ID 09Lz0Stho [33/36] 「え?」 「おとうさん、だれー?」 金色の、あの人の髪。 それが、白色に変わっていた。 『白になったら、愛してくれる?』 そう、言って。 笑って、スタンガン。 ああ。 そして。 そして。 {7777>-‐… ‐<777777} |/∠ 、 ´ ̄`ヽヾ///| У \'| / ‘, / i i| ′ ′ ト、 八 i |i | i | ∨ i }__ ! i ソ ノ コ |{ 斗-,ハ { /ヽ{ハ `メ | 八{ | 厶=ミ \x=ミⅥ }| 白 ノ コ ? ヽ■■■■■■■■■■■ 八 ■■■■■■■■■■■/ ‘, ′ i ヘ ''' ' '''' 厶イ | i{ i } 个 ` ´ イ i 八 i 八 八ト、ハ// //}≧r</}/}ノ/ハ)ノ}/ ′ ,//{ _レ' ///^ヽ | Ⅵ//》《\ /// | ∨{_ノ}{ ヽノ /// ! | ∨/}}{{////,/ | | ∨}}{{////′ , __ ‘, ∨,////i ////ハ , ∨///,! /∧///,'} 653 名前: ◆VB1fdkUTPA[!red_res] 投稿日:2013/01/14(月) 02 12 54.79 ID 09Lz0Stho [34/36] 京太郎「うわああああああああああ!?」 俺は布団を跳ね飛ばす。 体が震えていた。 鮮明すぎる夢だ。 あの夢。 俺はそれがはっきりと思い出せる。 その事実に恐怖する。 しかし。 夢は夢だ。 時間が経てば、自然と。 自然と、俺は落ち着きを取り戻す。 震えも、止まった。 そして俺は、枕をどける。 そこにあるのは、真っ黒なお札。 またか。 またなのか。 京太郎「ここまで来るともう慣れすらあるぞ……」 何が俺に憑いてるんだろうな。 石戸さん曰く、執念深い生霊みたい、らしいけど。 もしくは前世とか。 そういうの。 ……自分で言うのは、非常にアレなのだけど。 なんかオカルトだよなぁ、俺の周り……。 842 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/14(月) 19 46 16.77 ID +ZW1OyrUo [20/24] 【8月14日:朝】 ぺちん。 軽い音が響き渡る。 それが何なのか。 俺がそれに気づくのは難しいことじゃなかった。 頬に感じる衝撃。 叩かれてる。 それはすぐに分かった。 しかも誰が叩いてるかまでもだ。 この小さい手。 該当するのは一人だけだ。 京太郎「………何してるんです?薄墨さん」 初美「ようやく起きましたねー」 お清めの時間ですよー。 そう俺に告げる痴j……じゃなくて薄墨さん。 体系的に小学校低学年にしか見えないこの人。 なんと18歳である。 俺の先輩だ。 実に違和感全開な姿だろう。 しかも妙に肌蹴ている服装が特徴的で、目のやり場は無い。 この人、一応全国放送で映るのに大丈夫なんだろうか? そんな俺の心配をよそに、塩を握りこむ薄墨さん。 お清め。 そう言われてやっている行為がある。 葬式から帰った時にやる塩での清めと同じようなもので、それ自体は簡素なもの。 しかし、巫女さんたちにやられると何とも効果がありそう。 そう感じるのは何でだろうか? 衣装によるところもあるのかも知れない。 初美「はーい、もういいですよー」 京太郎「ありがとうございます、薄墨さん」 初美「いえいえ、お安い御用ですよー」 初美の病み度が1上昇しました 869 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/14(月) 20 04 10.43 ID +ZW1OyrUo [23/24] 【8月14日:昼】 組み合わせ抽選。 今行われているそれを俺は会場に見に来ていた。 永水高校。 数少ないシード権を持つ高校の一つ。 第一試合はシードで無く、2回戦からの参戦になっている。 しかし、だ。 俺はBブロックの対戦表を見る。 初出場の高校が二つも入っているのが気になる。 そう石戸さんは言っていた。 清澄、そして宮守。 重点的にそれを見てきて。 そう言われた俺は資料片手に周囲を見回していた。 しかし、人が多い。 いや、そりゃ抽選会ともなれば当然なんだろうけど。 俺はそう思いつつ、堪らず人ごみから逃げ出す。 ああ、疲れた。 俺は小さく息を吐く。 シャツを叩き、そして。 俺は、横に居る人に気づいた。 シロ「―――――」 京太郎「―――――」 その人は。 白色。 白。 シロ。 その眠たげな目と俺の目が、合う。 シロ「………ねぇ」 どくん、どくん、どくん。 その声を聞いた瞬間、俺の心臓の鼓動が跳ね上がる。 その人は。 眠たげに。 俺を見上げた。 シロ「………何処かで、会ってない……?」 969 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/14(月) 21 24 43.06 ID oY6QcP2ko [5/7] 何処かで。 何処かで。 何処かで、だと? そんなことあるもんか。 そんな。 そんな、こと……。 ――――来て。 京太郎「………ぐっ!?」 シロ「……!」 こみ上げるものがあった。 ふらり。 俺は頭が急に冷える感覚を覚える。 ああ。 これは。 いやな感覚だ。 周りも俺に気づいたのか、ざわめきが聞こえる。 誰かが心配してくれてるのだろうか。 声がまた、聞こえた。 久「ちょっと君、大丈夫?顔色、凄く悪いわよ」 煌「ご自分の所属高校とか言えますか?」 ああ。 駄目だ。 この人たちも。 俺は。 俺、は……。 知って、る……。 シロ「…………きょう、たろう?」 975 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/14(月) 21 27 33.38 ID oY6QcP2ko [6/7] 意識が。 暗転する。 暗い。 暗い。 水の中。 沈む。 沈む。 沈、む………。 し……。 31 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/14(月) 21 50 37.96 ID oY6QcP2ko [1/24] ああ。 明るい。 ここ、何処だ? 俺は白色の世界を見る。 ここは。 ここは……。 京太郎「医務、室……?」 シロ「……大丈夫?」 久「あら、早いお目覚めね」 煌「先生、目を覚ましましたよ!」 京太郎「え、は……え?」 俺を見下ろす三人。 それに俺が混乱する。 えっと。 えっと? え? さっきまであった感覚は無い。 普通だ。 何処までも普通。 俺が思わず首をかしげると、入れ替わりに先生とやらが入ってくる。 もう大丈夫。 そう判断したのか、去っていく3人。 ただ、白い人が。 シロさんが。 俺に最後に、小さく視線をやっていた。 あれ? 何で、シロさん……? 45 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/14(月) 22 00 09.57 ID oY6QcP2ko [2/24] 【8月14日:夜】 霞「須賀君、会場で倒れたそうね」 小蒔「大丈夫でしたか?」 京太郎「なんとか、ですけど……」 ここ、永水高校が止まっている“旅館”の一室。 俺は正座して石戸さんと神代さんの前に座っている。 今日の出来事。 それはどうやら伝わってるようで、帰った直後巫女総動員でのお祓いを受けたばかりだ。 ちなみに、お祓い担当の滝見さんと狩宿さんはダウンしている。 何でも今日、練習していた時にも神代さんのを祓ってたそうで、その分ダメージが深いらしい。 「もうお眠ですよー」という薄墨さんの声。 それはどうにも申し訳ないという気持ちにさせるばかりだ。 霞「それで、何があったのかしら」 京太郎「………」 石戸さんが問いかける。 嘘を言わせない。 そんな気概すら感じる声。 俺が少し、悩む。 いや、なんというか。 これ、言っていいんだろうか? なんかとんでもない、とても恐ろしいものに巻き込んでしまう。 そんな気がするのだ。 京太郎「いえ……誰かとすれ違って、こうなってて……あんまり、覚えてないっす」 霞「そう……」 小蒔「そうですか……」 京太郎「ご迷惑、かけます」 深々と頭を下げる。 困った。 そんな空気が二人に流れていた。 いや、本当に。 色々と迷惑をかけているのだ。 しかも助かっているから、性質が悪い。 返せることは、何でもしてお礼しなきゃいけないなぁ。 姫様の病み度が1上昇しました 97 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/14(月) 22 21 28.96 ID oY6QcP2ko [6/24] 【8月15日:朝】一回戦開催日 本日、全国大会一回戦。 今日だけで約2/3近い高校が脱落する、最初の登竜門だ。 永水はシード。 つまりはその登竜門は関係ないのだけど。 そんな俺は今、非常に困っていた。 小蒔「頑張ります!」フンス 京太郎「いや何をですか?」 今現在。 俺の後ろにちょこちょこと着いてくる巫女さんが一人。 よく巫女さんが持っている棒に白い紙が付いたあれ(大幣というらしい)。 それを装備していて、実に巫女らしい風体である。 ここが全国会場じゃなければ。 俺の故郷の長野で言えば善光寺とか諏訪の方とかであればだけど。 しかも、神代さんは去年の大会。 それでえらいインパクトのある試合をしていたらしい。 報道陣も目立つ紅白を見ればカメラを向ける。 そんな状態だ。 小蒔「大丈夫です!私が守りますから!」 京太郎「むしろ神代さんに何かあったら俺が殺されかねません」 主にこの人たちのお家の方々とかに。 宗教は怖い。 実にそれを実感したものだ。 小さく息を吐き、俺はどうするかと考える。 こうして動くとなると、目立つ。 嫌でも目立つ。 だから試合を見るとか、そういう次元じゃないのだ。 俺は神代さんに向き直る。 「?」という顔。 ああもう、この人は…。 京太郎「……奢りますから、ちょっとお茶でも飲みに行きましょう」 うん、それなら問題ない。 ボディーガードはつらいよ、とほほ。 姫様の病み度が1上昇しました。 149 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/14(月) 22 38 49.11 ID oY6QcP2ko [9/24] 【8月15日:昼】 小蒔「すみません、須賀君。ご馳走になって……」 京太郎「いえいえ、お茶くらい奢らせて下さい」 会場近くの喫茶店。 そこで抹茶オ・レとケーキのセットを幸せそうに口に運ぶ神代さんを見る。 会場から離れ、誰とも出会うことは無い。 そういう場所へと来たが、待ってほしい。 こうして対面していると、あれだ。 小蒔「?」 京太郎「………もう一個、食べます?」 小蒔「いいんですか!」 京太郎「ええ、もうここでお昼にしちゃいましょう。お好きなのいいですよ」 小蒔「ありがとうございます!」 なんというか、うん。 デートみたいだよな、これ。 正直、永水の皆さん可愛いし。 おもちも非常にすばらですし? そんな子とお茶できるなんて、それだけでご褒美じゃね? うんうん、と俺は一人納得する。 そうだよ。 楽しんだもんが勝ちなんだよ。 何事も捉え方。 苦痛ですらそれが快楽だと思える人間もいるのだ。 あ、それは流石に特殊事例だけど。 今、この状況。 可愛らしい巫女さんとお茶してる。 そう思えばなんと甘美なことだろうか! いやぁ、平和だなぁ! 小蒔「須賀君って霞ちゃんより優しいです!」 京太郎「あの人は厳しいけど優しいですよ」 まぁ、保護者みたいなもんですけどねー!! はぁ。 姫様の病み度が1上昇しました。 211 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/14(月) 22 57 00.68 ID oY6QcP2ko [13/24] 【8月15日:夜】 満面の笑み。 女の子の笑顔はいいものである。 俺は今日、それを再確認した日でもあった。 時刻は夕刻。 それなりに長く、喫茶店に居たような気がする。 まぁ、それで一葉さんが英雄1枚と細かいのになって帰ってきてしまったけれど。 いやいや、これは必要経費。 実にそう思えるだけのゆったりとした時間だろう。 俺は電車を乗り、旅館近くの駅で降りる。 後ろには、笑みを浮かべた神代さんの姿がある。 ここから、歩いて10分ほど。 そこに旅館はある。 会話は、無い。 喫茶店で妙に話しすぎてしまった。 話題を使いすぎたのかも知れない。 いや、話題がそれで切れてしまうくらいしか話せない俺も俺なんだけど。 小蒔「須賀、君……」 京太郎「はい?どうしました?」 ふと、声をかけられる。 それに俺はなんだ、と振り返る。 見れば、うっつらうっつらとしてる神代さんの姿。 まさか、ここで? 俺は冷や汗をたらりと流す。 この人、唐突に寝ることがあるのだ。 別に病気じゃない。 無いんだけど、寝る。 この人は寝る。 ああ、今にも……。 小蒔「ぐぅ……」フラァ~ 京太郎「どわあああああ!?」 慌てて腕を伸ばす。 姫抱きみたいな感じになる。 ああ、重力に負けないおもちなことで。 じゃなああああああい!! 京太郎「やっぱりどっちがボディーガードかわかんねぇぇぇぇ!!!」 302 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/14(月) 23 24 21.53 ID oY6QcP2ko [19/24] 【8月16日:朝】 小蒔「……」ニコニコ 京太郎「………」 何でだろうか。 何でこうなってるんだろうか。 俺の一歩後ろ。 まるで忠実な飼い犬のように傍に控えている神代さんを俺は見る。 ああ、何でだ。 何でこうなったんだ。 一日中相手してたけどさ、昨日。 それでこうなるものなんだろうか? 石戸さんの視線が怖い。 僕なにもしてないよ! ……言っても無駄なんだろうなぁ。 京太郎「……あの、神代さん?」 小蒔「はい!何ですか?」 京太郎「……何でもないっす」 ああ! なんか視線が痛い! 純粋すぎる視線が痛いよぉ!! この人はそういう作為とか、そんなのは無い。 無邪気。 そういうのが見え隠れしているだけ。 何処までも、疑わない人だ。 なんというか。 はぁ。 とても、良い人だ。 だけど疑うことを知ってほしい。 そのうち、悪い大人に騙されそうで騙されそうで……。 ……石戸さんとかが感じてるの、こういう感情なのかなぁ……? 350 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/14(月) 23 47 44.92 ID oY6QcP2ko [22/24] 【8月16日:昼】 霞「須賀君、正座」 京太郎「へ?何で―――」 霞「正座」 京太郎「はい!!!」 こえええええええ! 散歩から帰ってきての第一声。 正座コールに俺が思わず震え上がる。 ああ、神代さん! 薄墨さん!神代さんを連行しないで! セーフティーが! 俺の命のセーフティーが!! 霞「あらあら、何で震えてるのかしら?」 京太郎「」ガタガタ 霞「……何か、震えるようなことを小蒔ちゃんにしたのかしら」 京太郎「何もしてません!!!!」 冗談じゃねぇ!? そんな度胸あるもんか! 俺がそう答える。 そうすると、「ふんふむ」と思案顔の石戸さん。 困ったような、そんな顔をしている。 霞「じゃあ何でかしら?須賀君にやけに懐いてるみたいなんだけど……」 京太郎「いやさっぱりなんですよね……」 うん、本当に。 俺は口を滑らせない。 神代さんが口にした、「霞ちゃんより優しい」発言。 俺は決して口にしない。 ただ、この人にはそんなのは通用しないみたいで…。 霞「まぁ、きっと須賀君が甘やかしたからでしょうね」 京太郎「うっ」 霞「……やっぱり。もう駄目でしょう、勝手に甘やかさないで下さいね」 も、申し訳ないっす……。 というか石戸さん、お母さんみたいっすね、言ってること…。 417 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 00 14 06.89 ID kRHMwVoko [2/27] 【8月16日:夜】 京太郎「うう、足が痺れた……」 石戸さんのありがたーいお言葉。 それを受けた俺は体をへの字型に伸ばして動けないでいた。 慣れない正座。 地味にこれがきついのである。 足のふくらはぎとか、ぴくぴくしてて攣りそうだ。 こういうのは慣れればどうにでもなるんだろうけど、そこまで行ってない俺。 この苦しみを甘んじて受け入れるしかないんだろう。 そんな俺に、こっそりと近づく影。 なんだなんだと、俺は振り返る。 そこに居たのは、噂のあの人。 神代さんが、居た。 小蒔「京太郎君、大丈夫ですか?」 京太郎「な、なんとか……」 心配そうに俺の傍に座る神代さん。 ああ、その優しい御心。 もう後光差してます。 とまぁ、そんなことは言えもしないけど。 しかし、俺はそこで気づく。 今、俺のことを須賀君じゃなく、京太郎君。 そう呼んだのを。 俺は聞き逃してはいない。 京太郎「あの……神代さん?」 小蒔「小蒔、でいいですよ?」 京太郎「いや、何でいきなり……」 小蒔「私たち、お友達じゃないですか?」 はぁ。 俺はそんな気の抜けた返事をする。 いや、確かにここ四ヶ月くらいの付き合いだ。 友人…と言われれば、そうだ、と言える。 そんな自信はまぁ……ある。 しかしなんというか。 京太郎「いきなりですね……」 小蒔「?」 500 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 00 49 28.00 ID kRHMwVoko [7/27] さて、話を戻そう。 京太郎君。 そう神代さんが呼ぶなら、うん。 別に何の問題もない。 そういうことで不快になるとか無いし。 むしろこれは喜ぶべきことだ。 京太郎「えーと……小蒔、さん?」 小蒔「はい!京太郎君!」 にこり。 そう笑って俺に答える小蒔さん。 うん。 なんというか、悪くない。 非常に悪くないぞ。 むしろこれはこれで役得なんじゃないか? そう思えるような気もする。 京太郎「小蒔さん」 小蒔「京太郎君」 うん。 いいかも知れない。 理由は言わずとも分かるな? 565 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 01 10 42.93 ID kRHMwVoko [13/27] 【8月17日:朝】 巴「須賀君、起きてますか?」 京太郎「あ、どうぞー」 朝。 部屋へのノック音が響く。 俺は何時もどおりのこと。 そう思いながらその声に答える。 京太郎「今日は狩宿さんでしたか」 巴「うん、じゃあちゃちゃっと祓うね」 そう言って、お祓い準備をする狩宿さん。 なんというか、手馴れている。 やっぱり巫女さんなんだなぁ、と思う。 こういう淀みない動作。 それはもう染み付いた動きですらある。 そう俺が考えていると、小さく狩宿さんが苦笑した。 巴「一応、巫女の経歴は一番少ないんですけどね」 京太郎「……顔に出てました?」 巴「はい、出てましたよ」 そういや、よくこの人は制服着ていたな、と思う。 やはりあれか。 それでもこんなにも見えるとは、衣装の効果なんだろうか? いや、それにしたって効果絶大すぎるだろう。 巫女さんなんて普段目にしないけども。 ある意味では日本古来からある属性だけどもの。 小さく、俺はため息をつく。 なんか、あれだ。 永水に来てから、妙に価値観が変化した。 そんな気がする。 京太郎「……俺、卒業した後から普通に戻れるかなぁ……」 巴「あ、あははは……」 そんな乾いた笑いかたしないでください。 本当に怖いんですから。 615 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 01 30 48.71 ID kRHMwVoko [16/27] 【8月17日:昼】 全国大会。 その2回戦。 それが明日行われるということもあってか、今では麻雀はしない。 小蒔さんの性質上、それが一番なんだろう。 皆、牌を握ってはいじる。 それくらいしかやってはいない。 俺はそんな皆を見ては細かい雑事を行う。 そういうのが基本的な行動だ。 そして、今。 俺はその雑事をやっている。 そのはずなのだが……。 小蒔「京太郎君、何か手伝えませんか?」 京太郎「いえ、何も無いです」 小蒔「あうう」 ……ああ、そうだよ。 またこういうことになってるんだ。 この人、もうわんこみたいに俺の後を着いてくるんです。 そのうち、紐を俺につけそうだ。 主に石戸さんと薄墨さんが。 あの二人は小蒔さん至上主義。 結果的にためになるなら、何でもする。 きっと。 恐らく。 確実に。 小蒔「あ、あの……」 京太郎「何もありませんよ」 小蒔「はい……」シュン うな垂れる小蒔さん。 ああ、神様。 俺はどうすればいいんでしょうか? たまに何が正解か分からない。 俺にはそういう時があります。 びしっと、言うべきなんだろうか。 うーん。 でも、言えば言ったでなんかその通りにしそうなんだよなぁ小蒔さん…。 従順度が1上昇しました 669 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 01 53 21.28 ID kRHMwVoko [20/27] 【8月17日:夜】 しょんぼり。 そうされると罪悪感が沸いてくる。 そんな状況が、今の俺だ。 俺の部屋、そこは男の聖域である。 そこに、何でか。 何故か、小蒔さんが居るのだ。 手に箒を持って。 ……いや、分かる。 大体の理由くらいは察せれる。 親切心で掃除をしよう。 そう思ったのだろう。 ただ、いやなんというか。 俺も男な訳で。 そういう本は持っている訳でして。 ええまぁ。 ……まぁ、そういうことです。 小蒔「……」チラッ チラリ。 小蒔さんが本の表紙に目をやる。 次の瞬間には、真っ赤になって目を逸らす。 なんというか、あれだ。 子供はコウノトリが運んでくる。 それを信じている無邪気な子供に現実をマジマジと見せた。 そんな罪悪感がある。 京太郎「あー……」 言葉に困る。 何を言うべきなんだろうか。 ここは、なんか悩む。 ええと。 ええっと。 そんな俺の悩み。 それを払うように、小蒔さんが小さく尋ねた。 小蒔「京太郎君は……その、こういうのに興味あるんですか?」 男に聞かないでください、死にたくなります。 726 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 02 13 02.97 ID kRHMwVoko [23/27] というか何の拷問なんだろうか、これ。 女の子と対面して正座。 その間には秘蔵のエロ本。 もはやこれだけで死にたくなるというのに、さっきの質問だ。 やめてください、死んでしまいます。 もはやその境地に達しているレベルだ。 小蒔「………」パラッパラッ 京太郎(捲らないでえええええええ読まないでえええええええええ!!!) やめて! 本当にやめて!! 母ちゃんに机の上に整理されて置いておかれるより辛い! 苦しい! というか何でそんなマジマジと見てるんですかーっ!? そんな、俺の声なき叫び。 小蒔さんの手が動く。 ページが。 コスプレの記事へ。 どばっと。 俺の全身から汗が吹き出る。 小蒔「あ、巫女服……」 あ、死んだ。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6449.html
京太郎(なんだか知らないけれど、赤土さん……じゃなくて晴絵と一緒にテレビを見ていたら、なんだか知らんが近い) 晴絵「……っ」ソッ 京太郎(よ、寄りかかられた!?なんだなんだ、まるで恋人のようだ!) 晴絵(きょ、京太郎……私に、なんかしたりしないの、かな?) 京太郎(どうすれば良い!?俺は、どうすれば良い!?) 京太郎「そろそろ寝ます」 晴絵「ふぇっ!?」カァァッ 晴絵「わ、わかった……じゃあベッドで寝てて、お風呂入ってくる!」ダッ 京太郎「あ、はい……」 京太郎(良いのかな?まぁ、良いんだろうなぁ) 京太郎(おやすみなさーい)バタンッ 晴絵「きょ、京太郎……私初めてでっ……」 京太郎「」zzz… 晴絵「……」 宮永家・咲部屋- 咲「ん、今京ちゃんが誰かをがっかりさせた気がする……」 32日目終了- 33日目・朝- 京太郎「ん、朝か……」 晴絵「んぅっ……」 京太郎(隣で晴絵が……寝てた、俺何もしてないよな?) 京太郎「とりあえず、朝御飯でも作っとくか」ウン 晴絵(朝起きたら朝御飯ができてて、一緒に食べて……こ、これが恋人!)ハゥッ 京太郎「お口に会いました?」 晴絵「うん!とっても!」 京太郎(帰らないとな、今日はさっさと帰ろう、そうしよう!) 晴絵「えっと、まだ時間に余裕もあるし駅まで送って行くよ」 京太郎「え、ほんとですか!?助かります!」 晴絵「うん、それじゃあ行こうか」 京太郎(休みの連絡ぐらい入れとくか) 駅前- 晴絵「今度は気を付けてね……奈良に来たときは私もしっかりしなきゃだけど」 京太郎「あはは、すみません」 晴絵「もう、敬語……」 京太郎「あ、あぁ、ごめん……」 京太郎(良いのか、レジェンドにこんなタメ口で) 晴絵「また来てね、行くこともあるかもしれないけど」 京太郎「ああ、楽しみにしてる」ニッ 晴絵「う、うん」カァッ 京太郎「それじゃ!」 晴絵「うん、またね!」 自宅・夕方- 京太郎「さて、荷物も置いたし……どうするか」 京太郎(さて……同類と麻雀は打つなって言われたけど、ちょっと気になってもいるんだよな)ムムッ まこ「いらっしゃい、今日はどうするんじゃ?」 京太郎「そうですね……」 京太郎「今日も麻雀で、空いてます?」 まこ「空いとるな、あちらへどうぞ」スッ 京太郎「どうも、飲み物はコーヒーで」 まこ「承りました」 ??「今日はここで打とう」 ??「失礼するぞーワハハ、って、あ」 京太郎「あ」 ??「君はこの前学園前に立っていた」ジトー 京太郎「ご、誤解があるようですね」 ??「誤解なー」 モモ「あっ、京さん!」バッ 京太郎「お、モモじゃないか!」 ??「知り合いか?」 モモ「はい!」 ??「……なるほど、私より先にモモを見つけたというのは君だったのか」 ??「これで前に学園前にいた理由もわかったなーワハハ」 ??「と、智美ちゃん!私もやるの?」 京太郎(オモチ力高め!) ??「ああそうだぞー、私は蒲原智美だ」ワハハ 京太郎「あ、須賀京太郎です!」 ??「加治木ゆみだ、よろしく頼む」 ??「い、妹尾佳織です、初めて一ヶ月なんでお手柔らかに!」 京太郎「はい、あとはモモと……」 ??「津山睦月です」ペコッ 京太郎「ああ、これはご丁寧に」ペコッ ゆみ「さて、打ち合おうじゃないか」 智美「負けんぞー」ワハハ 佳織「よ、よろしくお願いします!」 京太郎(さて、お手並み拝見だな……)スッ ゆみ(モモが褒めていたからな、相当強いと思っていいだろう) 智美(ワハハ、なんだか嫌な感覚が一瞬した気がしたけどなー) 佳織(うぅ、えっと……色々、揃えて……)ワタワタ P能力『ビギナーズラック』強制発動 京太郎(なんだ、妹尾さんって初心者か?)タンッ ゆみ(油断しているようだな)タンッ 智美(さて、なんとしても佳織にふりこまないようにきをつけないとなー)タンッ ワハハ 佳織(えっと、こっちとこっち、こっちとこっち……) 京太郎(力を借りるぞモモ……)タンッ スゥ モモ(京さん、あれって私の?) ゆみ(なんだ、この違和感は)タンッ 智美(なにか忘れている気がするぞー)タンッ 京太郎(ここからはステルス京ちゃんの独壇場だ!) 能力『ステルス京ちゃん』発動 佳織「えっと、ツモです……えっと3000・6000?あ、親だから6000オールです」 京太郎「うぇ!?」 ゆみ(はじまった) 智美(それだけじゃなくドラ、裏ドラ、リーチ……点数計算したくないぞー)ワハハ 京太郎(妹尾さん、油断してたら刈られかねない……ビギナーズラックだって信じたいけどさ) ゆみ(放銃しなくても、ツモられたらおしまいだからな) 智美(なるほどなーモモと同じ感覚がしたのは、消えたからかー?)ワハハ 佳織(えっと、奇跡は二度も続かないからっ……)ワタワタ P能力『ビギナーズラック』強制発動 京太郎(くそっ、どうすっかなぁ……)タンッ ゆみ(佳織のことがバレたか)タンッ 智美(どうするかなー)タンッ ワハハ 佳織(これとこれが、こうだから……えーとっ) 京太郎「俺のターン!」ドン☆ 睦月(なんだっ!?)ビクッ モモ(あんな京さんもカッコいいっす♪)ハゥッ ゆみ(なにっ!?)ビクッ 智美(……なんだ?)ワハハ 佳織(あ、あれ、なんなのぉ!?)ビクッ 京太郎「俺の……ターン!」カッ 能力『無限煉獄龍』発動 京太郎(さぁ、これが俺の……ドロー!)キュピィーンッ! ゆみ(なんだこれは!) 智美(ワハハ、笑えないぞー)ワハハ 佳織(はわわわわっ) 京太郎「死者と生者……」スッ 睦月(なんだこれはっ!) 京太郎「ゼロにて交わりしとき……」ズズッ まこ(やっぱり、化物やな)アセッ 京太郎「永劫の檻より魔の竜は放たれる!」グオンッ モモ(京さんカッコいいっす!) 京太郎「こいよ、無限煉獄龍(インフェルニティ・デス・ドラゴン)!」ズォンッ! 京太郎「デス・ファイア・ブラスト!」ゴッ 智美(ッ!?) ゆみ(くっ、これは、痛みが伝わる!?) 佳織(ま、麻雀って怖いっ) 京太郎「……ツモ、8000オール」ダンッ☆ 佳織「えっと、ツモ」 京太郎「二本場で!?」 東場の『ステルス京ちゃん』の効果により和了順位が二段階上がる ゆみ(須賀君もモモに似たようなことしていたが、やはりツモからは逃げられないか) 智美(化物が二人いるぞー)ワハハ トップ 京太郎 101+67=168 二着 佳織 102+63=165 三着 ゆみ 72+00=72 ラス 智美 54+00=54 京太郎「ありがとうございました!」 佳織「つ、強い!」 ゆみ「まぁ初めて一ヶ月だからな」 智美(まさか佳織のビギナーズラックをしてもなお勝てないなんてなー)ワハハ モモ「さすが京さんっす!」ガバッ 京太郎「うおっ」 睦月「なんでお前は相手を応援してるんだ」 ゆみ「まぁ、須賀君がどれだけ強いのかわかったよ」 京太郎「正直あぶなかったですけど」アハハ ゆみ「さて、そろそろ帰るか」 智美「そうだなー」 モモ「はいっす!」 京太郎「あ、加治木さん少し良いですか?」 ゆみ「ん、どうしたんだい?」 京太郎「少し、良いですか?」 智美「ワハハ、お邪魔みたいだから帰るぞー」 佳織「えっ、えっ!?」 ゆみ「こら、別にそういうことじゃっ!」 睦月「先輩、私たちはこれで、行くぞ桃子」 モモ「ちょっ、騒ぎすぎてバレてた!離すっすむっちゃん先輩っ!わ、私はいったいどうすればいいっすかぁ~!」ズルズル 京太郎「どうしたんでしょうね?」 ゆみ「さぁ、知らないな……モモも気の毒に」 京太郎「へ?」 ゆみ「まぁ良い、店を出て歩きながら話そう」 京太郎「はい!」 まこ「ありがとうございました~」 ゆみ「ところで、どうして私を誘ったんだ?モモと仲が良いんじゃ……」 京太郎「仲が良いから、感謝してるんですよ」 ゆみ「ん?」 京太郎「モモを見つけてくれて、ありがとうございました!」バッ ゆみ「っ!?あ、頭を上げてくれ!」 京太郎「あ、すみません……でも、モモを、アイツを見つけてくれて、本当に感謝してるんです」 ゆみ「……そんなにモモのことを大事に思っているのか」 京太郎「はい、あいつの話を聞いて……同情ってわけじゃないんですけど、俺なら絶対に耐えられないから、同じ学校でアイツのことを知ってて、わかってくれる人が大事なんですよ」 ゆみ「私も自分から見つけたわけじゃないんだがな」 京太郎「ん、どういうことですか?」 ゆみ「す、少し恥ずかしい話になるのだが、まぁ君には話しておこうか」カァッ 京太郎「ハハハハハッ!」ゲラゲラ ゆみ「そ、そんな大声で笑うことないだろうッ!」 京太郎「だ、だってそんなっ」クププッ ゆみ「私がどれだけ必死だったか……」 京太郎「まぁそれだけ言ったんですから、モモのことお願いしますね」 ゆみ「頼まれなくたって私はモモを離す気はないさ」 京太郎「はい」ニッ ゆみ「君、良い男だな」クスッ 京太郎「なっ」カァッ ゆみ「ふっ、赤くなったな」 京太郎「加治木さんだって」 ゆみ「さんざん恥ずかしい思いをされたんだ、返したくもなる」 夜- 自宅・自室- 京太郎「よし、明日は火曜日だな!」 京太郎「よし、ネトマだ!」 一人目 きょーこ 二人目 シロ 三人目 どらごん 京太郎「お、末原さんとシロと……どらごんか!」 きょーこ:よろしく頼みます シロ:よろしく どらごん:お任せあれ! キョータロ:さて、お願いします! 京太郎「絶望が、お前のゴールだ!」ゴッ トップ 京太郎 二着 どらごん 三着 きょーこ ラス シロ シロ:ラス きょーこ:まぁ私らの本分はリアル打ちやしな どらごん:私もそう思うのです! きょーこ:にわかは相手にならんよ シロ:憤怒?傲慢? きょーこ:嫉妬 シロ:把握 どらごん:なんの話? 京太郎「仲良いなこの二人」 京太郎「どらごんからか」 どらごん:あの二人の言ってることわかる? キョータロ:まぁ、自分はわかりますよ どらごん:えーどういうことー? キョータロ:まぁ、ちょっとオカルト的なことなんですけど……信じてます? どらごん:私もドラが一杯集まるんだよ! キョータロ:把握 どらごん:え? キョータロ:京太郎です どらごん:えー!?驚いたよ! キョータロ:自分もですよ どらごん:じゃあまた今度来てね! キョータロ:はい 京太郎「ログアウトした……」 京太郎「あれ、末原さんから?」 きょーこ:来たとき麻雀打ってくれへんかったな キョータロ:いやぁ、ちょっと強欲の方に言われまして、同類と打つのは良く無いって きょーこ:強欲らしいやりかたやん、気にせんでやろう キョータロ:大丈夫なんですかね? きょーこ:大丈夫やって、近くにいるならやってみぃ キョータロ:わかりました きょーこ:それじゃ、おやすみなー キョータロ:おやすみなさい 京太郎「よし、寝るか!」 カピー「カピッ」イ、イッショニ… 京太郎「ほら来いカピー!」 カピー「カピ」ショ、ショウガナイナ… 33日目終了- 34日目・朝- 京太郎「……さて、学校だな!」 テクテクテク 京太郎「能力制御、しっかりしときたいなぁ」ハァッ 衣「京太郎!」ワーイ 京太郎「おう衣、悪かったな昨日は黙って休んで、心配かけた」 衣「本当だ!透華なんてそわそわしっぱなしだったぞ!」 京太郎「おう、いや、ほんと悪い」ナデナデ 衣「ん~……でも、本当に勝手にどこか行ったら怒るぞ」 京太郎「わかってるよ」グイッ 衣「肩車高い!」ワーイ 京太郎「よし、しっかり掴まっとけよ!」 衣「うん!」 授業- すでに授業で強化することは無いのでスキップ 昼- 京太郎「さて、昼はどうするかなぁ」 京太郎「やっぱりいた」 純「どうした、オレたちを探してたのかぁ?」ニッ 智紀「え?」 京太郎「いや、いれば一緒に昼食べるかなってな」 純「可愛い後輩のためだもんな、ほら来いよ!」 京太郎「おう、ありがとな」 智紀「きょ、今日は……」 京太郎「あ、俺の弁当だったな約束だったもんな、好きにもってけ」ニッ 智紀「う、うん!」ニコッ 放課後- 京太郎「さて、偵察だと鶴賀と風越で、部室に行くとみんないるよな」 部室- ガチャッ 京太郎「よぉ!」 透華「京太郎!貴方はまた黙ってどっかに行ったようですわね!」 京太郎「そ、そんなこと言っても仕方ないだろ!」 一「透華のこと心配させたんだから、それなりに反省しなよ?」 京太郎「あー……すまん」ナデナデ 透華「べ、別に心配なんてまったくっ……」カァァッ アンテナ「」ブルンブルン 智紀「……」 京太郎「麻雀だな!」 京太郎「純、一、ハギヨシさん、麻雀しようぜ!」 純「お、久しぶりだな!ちょっとパワーアップした俺の力を見せてやるぜ!」グッ ハギヨシ「お手柔らかにお願いしますね」ニコッ 一「よし、やろっか!」 京太郎「よし、やるか!」 京太郎(よし、今日はどうするか……) 純(さて、アイツの勢いを乱す!) P能力『流れを読む力』発動 ハギヨシ(お手並み拝見、ですね) P能力『あくまで執事』発動 一(さて、私にどこまでできるか……) 京太郎(使う必要ないな!)タンッ 純(仕掛けてこないのか?)タンッ ハギヨシ(やらなくても勝てると踏みましたか) 一(どうしようかな、ハギヨシさんの手もわからないし……) 京太郎「よし、ツモ!800・1600!」 純(流れは切ったと思ったんだけどな、安い手だけど確実だ) ハギヨシ(おや、さすがにお強い) 一(ハギヨシさん思ったより強い!) 京太郎(純の能力厄介だな、でもハギヨシさんってそれを華麗に回避してるよなぁ) 純(勢いを乱してもあれかよ) P能力『流れを読む力』発動 自分以外の和了判定を20下げる 点数を10上げる ハギヨシ(ふむ、配牌は……) P能力『あくまで執事』発動 自分は他の能力の効果を受けない 点数安価が10下がる 一(さすが京太郎……) 京太郎(ハギヨシさんがダークホースだったな) 純(たく、これじゃぁ) ハギヨシ(おやおや、これは京太郎君に勝つのは難しいかもしれませんね) 一(この調子なら!) 京太郎(いや、まぁ良いさ)タンッ 純(今回もか)タンッ ハギヨシ(まったく……) 一(これ、キッツイなぁ) 京太郎「よし、終わり!」 純「だぁ、普通に強いじゃねぇかよ!」 ハギヨシ「努力のたまものですね」 一「いくらなんでも、成長速度が……」 トップ 京太郎 85+62=147 二着 ハギヨシ 35+56=91 三着 一 23+31=54 ラス 純 13+36=49 放課後2- 京太郎「さて、どうするかな」 透華「」ソワソワ アンテナ「」グワングワン 智紀「」チラチラ 京太郎「じゃあ一、お前に麻雀を教える!」 一「教えるのとか得意なの?」 京太郎「なせばなる!」 一「凄い不安なんだけど」 京太郎「ネトマやるか!」 一「ネトマ?」 京太郎「まぁやってみればわかるよ、デジタルの世界ってのを体感してみようぜ」 それから…… 一「思ったより難しいね、なんだかいつもと違うから考え方もちょっと変わっちゃって……」 京太郎「いつものお前なら」グイッ 一(み、身を乗り出してっ、近いっ)カァァッ 京太郎「こいつを捨ててると思うんだよな」 一「う、うん……でもボクは基本的にデジタル打ちだし」 京太郎「それでも現実とデジタルじゃだいぶ変わっちゃうんだよ」 一「なんとなく、わかる」コクッ 京太郎「じゃ、やってみようぜ」ニッ 夜- 自宅・自室- 京太郎「なんだか、最近喰ってないなぁ……憤怒か」グゥゥッ 京太郎「ハッ、どうした俺……」 京太郎「よし、ネトマをしよう!」 一人目 まこりん 二人目 とよねー 三人目 SSS 京太郎「お、豊音さんだ」 まこりん:よろしくお願いします とよねー:キョータロ君だ、久しぶりー SSS:よろしく頼む キョータロ:お願いします! 京太郎「オン・ステージだ!」ゴッ トップ 京太郎 二着 まこりん 三着 とよねー ラス SSS まこりん:これでも勝てんのか! とよねー:キョータロ君ちょーつよいよー SSS:プロか何かか? キョータロ:そんなわけないでしょ(笑) 京太郎「なんでそんなこと聞いてきたんだ?」 京太郎「お、ウィスか」 SSS:凄まじかったな君は、ネットで聞くのもおかしいが、なにか使っているのか? キョータロ:能力的なものは一切使えませんからね、運が良いってのもあるんだと思います SSS:運か、うらやましいな キョータロ:こんなところで使ってもしょうがないんですけど SSS:そうか、でも君の打ち方はどこかで見たことある気がする キョータロ:逆ナンですか?(笑) SSS:そんなわけないだろ、まぁまたお手合わせ願うよ キョータロ:こちらこそ 京太郎「お、ログアウトした」 京太郎「お、豊音さんからだ」 とよねー:久しぶりに打ったけどやっぱり強いよー キョータロ:ありがとうございます、でもお互い本分はリアル打ちですからね とよねー:そうだねー、まだ一つも見せられてないから頑張るよー キョータロ:楽しみにしてますよ 京太郎「ん、ログアウトしたか……」 京太郎「よし、眠いな!」 カピー「カピッ」キョウモ…! 京太郎「県予選まであと一ヶ月もないのか……よし、気合入れろ気合!」グッ カピー「カピ」カマッテ! 34日目終了- 35日目・朝- 京太郎「……今日も学校かぁ」 テクテクテク 京太郎「今日の放課後はどうするかぁ」ハァッ 京太郎「おう、智紀!」 智紀「ようやく会えた」ホッ 京太郎「ようやく?」 智紀「えっ、あっ!なんでもないからっ!」カァァッ 京太郎(智紀っていつも冷静なんだがなぁ) 智紀「い、一緒に行こう?」 京太郎「おう」 授業- すでに授業で強化することは無いのでスキップ 昼- 京太郎「さて、昼だな」 京太郎「お、やっぱりいた」 透華「あら京太郎、どうしましたの?」 京太郎「いや、たまにはと思ってな」ストッ 衣「京太郎のお弁当!」ワーイ 京太郎「まぁいくつかやるよ」ナデナデ 衣「衣にくれるのか!ワーイ!」 一「まぁ京太郎の御飯がおいしいのはボクも同感だけど」 透華「なら私も」 京太郎(無くならないよな?) 放課後- 京太郎「さて、どうするか……」 部室- ガチャッ 京太郎「今日も来たぜ」 透華「ねぇ京太郎、入部届を出していないと聞いたのだけれど、嘘ですわよね?」 京太郎「あ」 一「これは間違いないね」 京太郎「あー……すまん」 透華「個人戦に参加するためにも早く入部届を出しなさい!」 京太郎「はいはい」 智紀「今すぐ」 京太郎「おう」 京太郎「なぁ純」 純「オレか……どうした?」 京太郎「逆にさ、ああいう常時発動能力ってどうやって手に入れるのか知りたいんだけど」 純「知らねぇよ、なんとなくで身に着くもんだろ」 京太郎「これまた難しいことを」ムムムッ 京太郎「純、ネトマしてるか?」 純「だって流れ読めねぇし」 京太郎「そんなこと言ったってしょうがねぇだろ」ハァッ 純「たく、やるよ、やれば良いんだろ」 京太郎「そうそう、男は度胸なんでもやってみるもんだ」 純「オレは女だ!」 放課後2- 京太郎「さて、次は……」 京太郎「衣はさ、前に言ったよな……麻雀で心を折るって」 衣「折れてしまう、と言った方が良い。じゃないと悲しくなる」シュン 京太郎「そうか、でもさ……案外どうにでもなるんじゃないか?」 衣「どうにでも?」 京太郎「あぁ、全国を見てみてもお前より強そうな奴とか、お前と同じくらい強い奴が山ほどいるよ」 衣「本当か……?」 京太郎「あぁ、だからさ……楽しめよ、麻雀をさ」ニッ 衣(衣の、月……そっか、そういうことだったのか、京太郎……)ニコッ 夜- 自宅・自室- 京太郎「うぅ、なんだこの感覚……」グゥゥゥッ 京太郎「気分転換になにかするか」 京太郎「なるほど、さすが小鍛冶さん、まったくわからないようなわかるような!」 京太郎「お、メールだ」 京太郎「お、小鍛冶さんからだ」 差出人:小鍛冶健夜 本文『どう、個人戦は突破できそう?』 京太郎「正直に言っとくか」 本文『ちょっとしたミスでまだ麻雀部に入ってないことになってて、明日にでもエントリーしにいかなきゃなんないんです』 差出人:小鍛冶健夜 本文『麻雀部に入ってないことに? まぁ明日にでもエントリーに行くなら、東京に来るの楽しみに待ってるね おやすみ』 京太郎「おやすみなさい!」 京太郎「次は、意外な人からだな」 差出人:はやり 本分『京太郎君の夜のお供、牌のお姉さんはやりんだよ~☆』 京太郎「ぶ、文面から伝わる……この感覚っ」 本分『突然セクハラですか!』 差出人:はやり 本分『はやりんちょっと、そういうのわかんないかな~?そう言えば咏ちゃんから聞いたんだけど、修行の旅に出たりするんでしょ☆ お姉さん感心しちゃうな!だから今度私に着いてこない?』 京太郎「気になるな」 本分『ちょっと気になります』 差出人:はやり 本分『その時に鳴ったら連絡するね!夜は君だけの牌のお姉さんだぞ☆』 京太郎「……」 本分『おやすみなさい』 京太郎「最後は、雅枝さんだ」 差出人:雅枝 本分『この前はいきなりやったけど、今度来るときはしっかり連絡してな、泊まれるようにしとくから』 京太郎「優しいな雅枝さんは」 本分『申し訳ないって気持ちもあるんですけど、愛宕家にいると元気になるんでお邪魔しちゃいます』 差出人:雅枝 本分『今度は、一緒にな♪ おやすみ』 京太郎「ん?あぁ、ゲームか?」 本分『はい、おやすみなさい』 小鍛冶家・健夜部屋- 健夜「ふふ~ん、京太郎君とメール~」ニコニコ 健夜「ハッ!お姉さんなのにちょっと舞い上がりすぎだよね、もっと大人の女としての余裕がないと、うん!」グッ 瑞原はやり家- はやり「んん~☆あの感覚、ちょっと癖になりそうだなぁ☆」ニコニコ はやり「京太郎君、狙っちゃおうかなぁ~」 愛宕家・雅枝部屋- 雅枝「京太郎は良い男やなぁ~」フフッ 雅枝「あ~、あかん……前の旦那に操をたてるつもり、やったんやけどなぁ~」ハァッ 自宅・自室- 京太郎「さて、寝るか」 カピー「カピッ」チョットグライ… 京太郎「おやすみー」パチン 35日目終了- 36日目・朝- 京太郎「……さて、放課後は部室に行かずにエントリー票出しに行かなきゃな」 テクテクテク 京太郎「おう衣ぉ!」 衣「ひゃぅっ!?きょ、京太郎!?」 京太郎「肩車してやろうか?」 衣「えっ……い、良い!」プイッ 京太郎「ん?」 衣「衣はお姉さんなんだからな、いい加減そういうのは卒業するんだ!」フンッ 京太郎「ん……そっか、じゃあ行こうぜ」 衣「ん!」 授業- すでに授業で強化することは無いのでスキップ 昼- 京太郎「さて、今日の昼は……」 透華「今日も来ましたの?」 京太郎「ん、ダメだったか?」 透華「別に、そうは言ってませんけど」プイッ アンテナ「」グイングイン 衣「京太郎、今日もくれるのか?」 京太郎「おう」 衣「わーい!はっ、ま、まぁ交換しようじゃないか」 一「なんでちょっと冷静になったのさ」 京太郎「あ、一も食えよ」アーン 一「へっ、あ、あーん」モグッ 京太郎「まぁ俺ももらうけどなー!」 放課後- 京太郎「えっと、なんかあったような……」ウムムッ ガチャッ 京太郎「ふふ~ん♪」 一「ほら見て、来たでしょ?」 透華「京太郎、あなたって子は……」 京太郎「ん?」 純「完全に忘れてるな」 京太郎「なにが?」 智紀「エントリー票」 京太郎「あ……」 京太郎「明日で良いか」 透華「今日が締切ですわよ?」 京太郎「へ?」 透華「今すぐ行ってらっしゃい!」ウガーッ 京太郎「りょ、了解!」ビシッ 会場- 京太郎「電車さえ乗れば思ったより近かったな」ウン 京太郎「すみません、個人戦のエントリーしたいんですけど」 受付「はい、学校名、学年、名前を」 京太郎「龍門渕高校一年、須賀京太郎です」 受付「はい、では後日インターネットなどで公開される表を見てください」 京太郎「はい」 タッタッタッ 京太郎「ん~そう言えば女子の団体戦の方は張り出されてるんだっけ……」 京太郎「無駄な時間がかかるしな、さっさと出てッ」ゾッ ??「あぁ、久しぶりだ……ご無沙汰じゃないか」ニッ 京太郎「い、池田さん……」 華菜「ちょっと個人戦のエントリーしてたらまさかお前に会うなんて思っても見なかったし」 京太郎「まぁ、俺も驚きましたよ……ッ」グッ 華菜「ん~暴れてるし、ちょっと抑え過ぎじゃないか?ちょっとそこまで付き合ってくれても良いぞ!」ニッ 京太郎「えっとですね」 京太郎「付き合いますよ……美穂子さんは?」 華菜「はぁ、何言ってるし?良いからちょっとそこの喫茶店行くから顔かすし!」ニャー 京太郎「はぁ……」 美穂子「華菜~って京太郎君!」 京太郎「あ、美穂子さん……」 美穂子「京太郎君……」キュンッ 華菜「なにキャップのこと見てるし、行くぞ須賀ァ!」 京太郎「あぁ、はいはい着いて行きますよ」 美穂子「ふふっ、仲が良いのね」 会場を三人が出て少し経った後……。 ?「京ちゃんが居るような気がしたんだけどな……気のせいか」ハハッ 喫茶店- 京太郎「えっと、池田さんはどうして俺をここに?」 華菜「ちょっと麻雀を打ってみたくなったってのが本音だけど、まぁ良いし」ニャン 美穂子「最近の華菜は本当に強いものね、須賀君でもまともに戦いあえるんじゃないかしら?」 京太郎「まぁ俺だって最強ってわけでもありませんしね」 華菜「当然だし、華菜ちゃんの足元に這いつくばることになるし!」シャーッ 美穂子「あ、そうだ未春を忘れてたわ!連れてこなきゃ!ごめんなさい、少し外れるわ!」 京太郎「はは、ドジっ娘ですね」 華菜「最高だし」ニャァン 京太郎「……で、本題なんですが……俺たちってなんですか?なんで惹かれあうんですか?」 華菜「付き合わせたのはあたしなのに質問するのは須賀ってわけだにゃ~」 京太郎「まぁ、一応全員と会ったんで……一番身近にいる池田さんに聞きたかったんです」 華菜「華菜ちゃんが知るわけないだろ!」 京太郎「え、なんでキレるの!?」 華菜「そんなもん自分で考えるし、あたしは今、打倒天江衣のことで一杯一杯だし」フゥッ 京太郎「はは」 美穂子「ごめんなさい二人共、未春連れてきたわ」 未春「忘れるなんてひどいですよ~特に池田さん」 華菜「どういう意味だし!」シャーッ 京太郎「慕われてるんですね」 美穂子「ええ、華菜はウチの大将だもの」 京太郎「なるほど」 放課後2- 京太郎「さて、エントリーも完了したし、どうするかな」フゥ 京太郎(さて、来たは良いけどどうするかなー) まこ「最近良く来るんじゃな、いらっしゃい」 京太郎「麻雀、好きですから」 京太郎「ふぅ」 まこ「コーヒーお待たせしました」 京太郎「どうも」 まこ「個人戦、出るんか?」 京太郎「まぁ、男子の方が人口は多いですけどそのぶん今回の女子ほど強くは無いでしょうから楽ですね」ハッ まこ「お手合わせ願いたいもんじゃ」 京太郎「俺もです」 夜- 自宅・自室- 京太郎「うぅ、なんだこれ、空腹感……?」ギュルルルッ 京太郎「気分転換になにかしよ」 京太郎「よし、ネトマをしよう!」 一人目 はやりん 二人目 まこりん 三人目 かずちゃん 京太郎「お、はやりんとまこりんとかずちゃん……なんか似てる名前」 はやりん:みんな大好きな牌のお姉さんだよ☆ かずちゃん:キツい まこりん:言うな! キョータロ:えっと、よろしくお願いします 京太郎「花道!」ゴッ トップ 京太郎 二着 はやりん 三着 まこりん ラス かずちゃん まこりん:あぁもう諦めとうなってきたわ キョータロ:方言出てますよ はやりん:二着でぎゅぴーん☆ かずちゃん:南場で火力が上がれば キョータロ:まぁ異能は…… 京太郎「しょうがない」 京太郎「まこりんさんからだ」 まこりん:さすがじゃな、感服するわ キョータロ:ありがとうございます、でも中々どうして現実だと勝てないときもあって まこりん:今を勝てれば十分でしょう キョータロ:無理して標準語で書かなくても まこりん:いや、どっちでも良いんだけどね キョータロ:さいですか まこりん:またな、お店の方もご贔屓に 京太郎「ログアウトしたか、お店って……あそこしか思い浮かばない」 京太郎「あ、南浦さんから」 かずちゃん:最近メールもしなくなったから、放っておかれてるのかと思った キョータロ:ごめんなさい かずちゃん:冗談だよ(笑) キョータロ:そりゃ安心しました、でも本当にそうですね 今度暇があったらメールか遊びのお誘いぐらいしますよ かずちゃん:うん、期待してるよ キョータロ:お任せあれ! 京太郎「お、ログアウトした、じゃあ俺も寝るかな」 京太郎「あれ、そう言えばカピー?」キョロキョロ 京太郎「カピーどうしたんだろ」 36日目終了- 37日目・朝- 京太郎「……今日で最後だ」 テクテクテク 京太郎「色欲と暴食、大変だな」 京太郎「衣ぉー!」ガバッ 衣「ひゃわっ!?」 京太郎「ころたんイェー!」タカイタカーイ 衣「や、やめれ京太郎!私はお姉さんなんだぞ!」 京太郎「イェー!」 衣「ど、どうした京太郎!?キョウタロー!!」 授業- 京太郎「歩~」 歩「久しぶりだね、ハイ」ジカンワリ 京太郎「牌?(難聴)」 教師「私は言ったはずよ、もう貴方に教えることはないと……」クッ 京太郎「まだ、あります!」キリッ 教師(やだ、須賀君ったらこんな真剣な表情でっ)キュン 歩「早く、授業を、始めろ!」 昼- 京太郎「さて、昼はどうするか……」 京太郎「おう純」 純「どうした、呼び出して」 京太郎「学食付き合ってくれよー」 純「なんでまた」 京太郎「レディースランチ」キリッ 純「あいあい」 京太郎「助かるなー純ちゃんがいると助かるなー」 純「ちゃんとか言うな!」カァッ 京太郎「やっぱレディースランチ最強だな!」モグモグ 透華「相変わらずですわねー」 京太郎「おう、って透華」 一「みんな学食にするんだ」 歩「凄い視線集まってますよ」 智紀「まぁ、この面子が揃えば嫌でもそうなる」 衣「わーい、京太郎エビフライ一口くれ!」 京太郎「量が少ないんだが……一口だけな」 衣「うん!」モグッ 純「じゃあオレも」モグッ 京太郎「バカ!お前一口でかいだろ!」 透華「じゃあ私はこちらを」ヒョイッ 一「じゃあボクはこれ」ヒョイッ 歩「じゃあいつもの恩返しと思ってね、これ」ヒョイッ 京太郎「こ、こらぁっ!俺のレディースランチがっ……」 智紀「買ってきてあげたから」 京太郎「やっぱり智紀しかいねぇ!」 智紀「ッ」カァァッ 透華「……」ムッ 衣「む~」 一(あれ、ボク、イラッとした?) 純(まったく、アイツは) 歩(京太郎を好きになるとこうなる、私は気を付けよう) 放課後- 京太郎「えっと、今日は何もないよな……」 部室- ガチャッ 京太郎「うぃーす」 透華「ようやく部員としての自覚が出てきましたのね!」 京太郎「ん~そんなとこだな」 智紀「そう言えば、男子生徒が男子麻雀部作ろうとしてるらしい」 京太郎「え、そうなのか?」 智紀「そしたら、団体戦出れるかもね?」 京太郎「あぁ~まぁ、どうでも良いかな」 透華「京太郎、ハブられやがりそうですものね」 京太郎「うるせぇ!」デコピン 透華「あいたっ!」 京太郎「一、調子はどうだ?」 一「なにがって……麻雀のことに決まってるか、でもやっぱり麻雀をするたびに思い出しちゃうんだ、この手錠の意味」フフッ 京太郎「まぁ俺はその手錠嫌いじゃないけど」 一「え、なにっ、どういう意味?ドSだったの?」 京太郎「俺にそういう趣味はねぇよ、ねぇはずだよ……ただそれがあったからお前、ここにいるんだろ?」 一「……」 京太郎「だから俺は好きだぜ」 一「……くさっ!」ウワッ 京太郎「な、なんだよ!」カァッ 一「台詞くさいっ、ファ○リーズ取ってきて!」 京太郎「ひでぇな!」 一「でも、嬉しいかな……そんなこと言えるの京太郎ぐらいだし」クスッ 京太郎「どういう意味だよ」ムスッ 一「さぁ?」 一(本当に嬉しいんだけどねっ) 放課後2- 京太郎「ん~、と」 京太郎「智紀、そういやあの件だけど」 智紀「うん、聞かせて」 京太郎「透華たちに教えてないのか?」 智紀「偵察してるって教えても、ちゃんと聞くかわからないし」 京太郎「寸前で教えるんだろ?」 智紀「注意点とかをまとめて資料にして渡す、それだけで透華たちなら十分対抗できるはず」 京太郎「そうだな、じゃあしっかり聞いとけよ、この麻雀部の偵察担当須賀京太郎の偵察能力」ニッ 夜- 自宅・自室- 京太郎「うぅ、またお腹が減った感じがする」ギュルルルッ 京太郎「だめだ、気分転換だ!」 京太郎「んぁ、お、電話か!」 咲『もしもし、京ちゃん?』 京太郎「どうした、今丁度気分転換になにかしようと思ってたんだよ~」 咲『そうなんだ、じゃあ暇だったの?』 京太郎「いや、むしろお腹が減ってしょうがないんだよ、腹いっぱい食べたんだけどなぁ」 咲『へぇ、そうなんだ……』 京太郎「はぁ、オカルトと関係あんのかなぁ」 咲『わかんないなぁ、そういえば京ちゃんって昨日大会会場に居た?』 京太郎「おう、居た居た」 咲『そっか、なんか後姿が見えた気がして』 京太郎「風越の知り合いに会ってなぁ」 咲『そうだ、今度清澄にも来てよ、連絡くれれば入れてもらえるようにするから』 京太郎「そうだなぁ~あのおもちと会えるなら!」 咲『もう、京ちゃんたら!』 京太郎「ハハハッ!」 京太郎「ん、電話切ったらメールが来てる」 京太郎「誰からだ?」 京太郎「おお、なんか珍しいメンツ」 差出人:純 本文『お前、智紀と今日なにか話してたけどどうしたんだ?』 京太郎「ん~まぁ純なら普通に聞くか」 本文『実は最近他校の偵察に出ててな、智紀は警戒する必要もあるって』 差出人:純 本文『なるほどな、透華とか衣は負けるわけないって思ってるからな、俺もそんなの必要あるのかわかんねぇけど』 京太郎「まぁ、純も思うか」 本文『あんまり長野をなめない方が良いと思うぞ、正直魔境レベルだ』 差出人:純 本文『これからも頼む おやすみ』 京太郎「聞き分けが良いな、おやすみっと」 京太郎「次は南浦さんだな」 差出人:数絵 本文『そろそろ君とまともに麻雀が打ちたいな』 京太郎「うん」 本文『俺もですよ、南浦さんはインハイ出るんですか?』 差出人:数絵 本文『私は個人戦だけだけど、出るよ』 京太郎「そうなんだ」 本文『応援してますね、俺の友達も沢山個人戦に出るんで両方とかになっちゃいますけど』 差出人:数絵 本文『女友達が随分多いんだ』 京太郎「確かになぁ」 本文『そうなりますねぇ、俺も男友達が欲しいです』 差出人:数絵 本文『仲の良い友達がいるだけいいじゃないか おやすみ』 京太郎「あれ、なんかしたかな……おやすみなさいっと」 京太郎「お、胡桃さんだ」 差出人:胡桃 本文『久しぶりー、突然帰るんだもん、びっくりしたよ』 京太郎「あぁ~」 本文『ご心配(?)おかけしました』 差出人:胡桃 本文『まぁ良いけどね、あの祠って言うか蔵っていうか、どんな感じ?』 京太郎「どんな感じ、か」 本文『出ていく時には中でなにがあったのかほとんど覚えてない感じですね』 差出人:胡桃 本文『そっか、ちょっと怖いね』 京太郎「あぁ、まったく考えてなかった」 本文『そうですね、でも見返りのありますから』 差出人:胡桃 本文『ちょっと入ることも考えた方が良いのかな、おやすみ』 京太郎「おやすみなさいっと」 龍門渕家・純部屋- 純「なるほどな、やっぱり油断大敵ってことか」フゥ 純「能力強化も麻雀強化もしないとな」グッ 南浦家・数絵部屋- 数絵「私は、麻雀だけできれば良い、友達なんていらない」グッ 数絵「……はずだったのに、今は……」シュンッ 鹿倉家・胡桃部屋- 胡桃「はぁ、みんな能力持ちだもんねー」ハァッ 胡桃「うらやましいなぁ~」 京太郎「そういや今日は金曜か……どうするかなぁ」 京太郎「旅行行くか、大丈夫かうちの経済状況……さて、どこに行くか」 京太郎「よし、東京に行こう!」グッ カピー「カピ」マタッ!? 京太郎「お、カピーいたカピー!」ワーイ カピー「カピッ」ヤ、ソンナイキナリッ! 37日目終了-