約 969,195 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6268.html
早朝 京太郎「………カピーが居なくなった。なんでだよカピー」 道中 霞「……死にそうな顔をしてるわよ、京君」 京太郎「えっ…霞さんか。そんなに酷い顔をしてますか?」 霞「ええ」 京太郎「カピーが何処かに行ったんです」 霞「カピーってペットの?」 京太郎「はい…」 霞「なら大丈夫よ」 京太郎「えっ?」 霞「あの方が京君を裏切ったりは絶対にしないわ」 京太郎「で、でも…」. 霞「シャキッとしなさい、須賀京太郎!私達と結納する男がそれ位で狼狽えてはダメ」 京太郎「…はい」 ギュ…霞に抱きしめられて 霞「良い子ね……大丈夫、大丈夫だから」 京太郎「すいません…」 霞「いいのよ。夫を支えるのも妻の役目だから」 女子決勝結果 一位 小瀬川白望 二位 エイスリン 三位 獅子原爽 四位 石戸霞 小瀬川白望と須賀京太郎はプロとのエキシビションマッチをします。 相手は小鍛冶健夜と戒能良子です。 女子個人優勝インタビュー アナウンサー「優勝おめでとうございます、小瀬川選手」 白望「ありがとうございます」 アナウンサー「ぶっちぎりの優勝でしたがどうでしたか?」 白望「…一歩間違ったら私が負けてた」 アナウンサー「えっ?」 白望「ぶっちぎりなんかじゃない…今回は運が良かっただけ」 アナウンサー「そうなんですか…辻垣内選手を破ってここまできた獅子原爽さんはどうでしたか?」 白望「強いと思う」 アナウンサー「プロとのエキシビションマッチについての意気込みをお願いします」 白望「私達が勝つ」 アナウンサー「私達?それはまさか…」 白望「そろそろダルいから…それじゃあ」 スタスタ アナウンサー「あっ!こ、小瀬川選手待ってください!」 京太郎「…シロに会いに行きたいが無理そうだな」 トントン… 「はい?」 後ろを向くと池田さんが居た。あれなんでこの人がここにいるんだろ? 「ちょっとだけ手伝って欲しい事があるんだし」 顔を下に向けたまま身体を震わしている…何か大変なコトが起きてるのか? 「俺で良かったら手伝うけど…」 「こっち」 池田さんが俺の手を握って急ぎ足で歩き出した。一体何が起こってるんだ? ーーーーー 「あの、こんな所に来てどうするんですか?」 倉庫室と書かれた部屋の前に池田さんは来ていた。 「中に用があるから」 池田さんはそう言ってドアを開けて電気のついていない部屋に入っていった 「待ってくださいよ」 俺も続いて中にはいる。部屋の中は暗くてなにもみえない。 バタン… 「えっ?」 ドアが閉まる。後ろを振り向くが真っ黒でなにも見えない。 ドン… 「っ…」 頭に強烈な痛みが走る…意識が徐々に薄れていく。 「大丈夫だし…」 池田さんがそう言って後ろから俺を抱きしめてくれたような気がした。 ーーーーーー 「あっ…気持ち良い」 嬌声に近い池田さんの声で目が覚めた…あれ目が見えない。それに足と手が縛られてる。下腹部に違和感がある。一定感覚で何かを打ち付けられている。 「池田さん?」 「な、なんだ…」 上擦った声で答えてくれる。 「一体何をしてるんですか?」 俺がそう言うと下腹部の違和感がキツくなった。キツく?あれてかこれってもしかして… 「華菜ちゃんの華菜ちゃんによる華菜ちゃんのための孕ませセックス」 セックス…まて、待ってくれ可笑しいだろ! 「な、何を…」 「な、何って…危険日ど真ん中の華菜ちゃんの中にもう五発も出してるのにそ…それは酷いにゃ…ほら…またこうやってビクビクしてるし…」 パンパンと音を大きく立てて池田さん…いや、池田がペースをあげている。やめてくれ、やめろよ! 「やめろよ、池田ァ!」 「嫌だし!華菜ちゃんをこんなにした責任を須賀は京太郎はとるべきだ!!それにもう華菜ちゃんは妊娠確定だし…ほら見てよ京太郎…こんなにも溢れてるんだよ?京太郎の精液で」 そう言って池田は腰を降り続ける。やばい、何かが込み上げてきている。 「ほら、またビューって出しなよ…華菜ちゃんのまんこに種付けしたいんだろ?」 「そんな事は…」 「あるよ…だってフェラで二回、淹れて五発も出したのにこんなにカチカチ…もう華菜ちゃんの中はこのチンポの形になっちゃってる」 「ならやめろよ!」 「嫌…言ったでしょ華菜ちゃんは我慢してきたんだ…だから今日は気が済むまで京太郎のチンポで気持ち良くなる」 「赤ん坊ができたらどうするんだ」 俺の言葉に池田さんの動きが止まる 「その時は私が育てる。京太郎にはかけない…そんな事よりも子宮が疼くんだ。もっともっと…ザーメンを寄越せって。三ヶ月だ…三ヶ月も待った。もうね…今の華菜ちゃんには京太郎のチンポさえ何もいらないんだ」 池田が身体を倒して俺の上に持たれかかってくる。 「だからさ京太郎…いや、ご主人…華菜ちゃんを抱いて欲しい…いや、抱いてください」 後日談 タレントA「今日の特集はあの伝説の麻雀選手須賀京太郎の素顔に迫りたいと思います」 タレントB「えっと…これって放送できる内容なのかな?」 タレントA「大丈夫です。飛ぶのはディレクターの首だけですから」 タレントB「は、はぁ…それにしても本人が亡くなって数年でこんな事を放送しなくても…」 タレントA「いや、私の祖母が言ってたんですよ。須賀京太郎に会った事があるけど別に世間で言われてるような人じゃなかったと」 タレントB「そうなんですか…まあ、彼が死んだ時に泣いた人の数からして悪い人では無いと思いますが」 タレントA「お嫁さん合計で30数人…一人は戸籍を絶対にいれないと言っていざ蓋を開けてみたら最初から戸籍を居れてたってツンデレ爺だから仕方ないですよ」 タレントB「ちょ、香ちゃんそれ以上言うと消されちゃうよ!」 タレントA「大丈夫、大丈夫…そうなったら須賀京太郎の孫の二代目すこやん事、須賀健夜プロに養ってもらうから」 タレントB「もう…私は香ちゃんを養える程のお金を稼いで無いよ」 タレントA「またまた…世界ランキング一位にしてグランドマスターの称号を持ってるすこやんがそんなわけないでしょ」 タレントB「私が一位になったのは偶々だよ。それより話がずれちゃってる」 タレントA「そうだった。もうすぐアラサーの須賀プロに話を変えられる所でした」 タレントB「まだ私は25だよ!」 タレントA「はいはい…とりあえず話を進めるとしましょう」 タレントB「流された!?」 タレントA「須賀京太郎の話の逸話は沢山ありますが…今日は唯一須賀の性を名乗る事のなかった池田華菜との話についてやっていきたいと思います」 タレントB「……ノーコメント」 タレントA「えー…って何時もならいう所ですが今日は内容が内容なのでそれは想定済みです。世間一般の認識では須賀京太郎と池田華菜との間に何があったかは発表されていません。ですが我々は一つの真相にたどり着きました」 タレントB「真相?」ゴゴゴゴ タレントA「…今回だけは圧力には屈しないよ、すこやん。須賀京太郎の最初の子供を産んだのは池田華菜です。彼女は17の時に当時は名門として有名だった風越女子を中退し、それからあの衝撃の会見までの十数年間消息をたっていました」 タレントA「その間に彼女はどうしていたかは知りません。ただ彼女の子供である池田京はこう語っています」 「母が犯した罪は父に葛藤と罪悪感しか残さなかった…それでも父は私を確かに愛してくれた」 タレントB「……」 タレントA「池田華菜が犯した罪についてはもう故人の過去を蒸し返すつもりはありません。私たちが今日、明らかにするのは須賀京太郎が池田華菜をどう想っていたかです」 タレントB「どう想ってたの?」 タレントA「結論から言うと彼は池田華菜を愛していました」 タレントB「…」 タレントA「年に一度、須賀京太郎は妻達や子供達に合わずに長野で一人で過ごすのが習慣でした」 タレントB「その時に会ってた?」 タレントA「その通り。これは信頼できる筋からの話だから間違いない」 タレントB「でもそれって池田華菜はずっと長野に居たの?」 タレントA「そうみたいね。須賀京太郎が住んでいた家に細々と暮らしていたらしいわ」 タレントB「…知らなかった」 タレントA「すこやんが知ってたらびっくりだよ。この事は須賀京太郎のお嫁さんと一部の人しか知らなかった事だから」 タレントB「…売女の事なんてどうでもいいよ」 タレントA「それがいけないんだよ、すこやん。須賀家の人間と世間は池田華菜の事を悪としか見ていない。須賀京太郎を強姦し、子供を勝手に生み、妹を見捨て、何も語らずに死んでいった。でもねそれはあくまで他人の視点なんだよすこやん」 タレントB「……」 タレントA「すこやんは何も知らないよね?」 タレントB「わ、私は…」 タレントA「一番苦しんだのはすこやん達じゃないんだよ。本人達が苦しんだ。一年しか会えない事に池田華菜は泣いていた。須賀京太郎は自分達のせいで不幸になった娘に最後まで後悔の念をもっていた。すこやんにその気持ちはわからないよね?」 タレントB「それはあの人が…」 タレントA「だからそれがエゴなんだよ。これがあの須賀京太郎の関わった事じゃなかったらこんな事態にはならなかった。その証拠にすこやん達は真相を聞かされなかった…誰が悪いじゃないんだ。間が悪かっただけだよ」 タレントB「…」 タレントA「紐解いていくよ。今日はその為にきてもらったんだから。すこやん達が知らない人生を」 プツン… 華菜「これなんだし…」 京太郎「俺と華菜の関係を世間にバラした時の反響の結果」 華菜「……………お世話になります」 健夜「うん、これからは華菜ちゃんには色々な事を覚えてもらうからね」ゴゴゴゴ 良子「イエス。京太郎を襲ったんです…覚悟してください。デスッた方がましだと思わせますんで」ゴゴゴゴ 華菜「…華菜ちゃん…死ぬかもしれない」 京太郎「大丈夫ですよ、人は死にませんから」 カン!! 夕方 京太郎「……気がついたら寝てた。何があったんだ?」 会場内 小蒔「京太郎様」 京太郎「あっ、姫様こんにちわ」 小蒔「あ、明後日は頑張ってください」 京太郎「はい…まあ、義姉さん達が相手なんで全力でいきます」ゴゴゴゴ… 小蒔「京太郎様なら大丈夫です」 京太郎「姫様達が応援してくれるなら百人力ですからね」 小蒔「そ、そうです!」 京太郎(姫様と会話してると和む) 小蒔「そ、それに霞ちゃんが言ってましたから」小声 京太郎「何を言ってたんですか?」 小蒔「えっ、あの…迎えにきてくれるって言ってました」 京太郎「あぅ…あの、ひ、姫様はいいんですか?」 小蒔「私は…その構いません。また皆で暮らせたらそれでいいんです」 京太郎「…」 小蒔「時間はやり直せません…関係も元には戻りません」 小蒔「ですが、私達は前に進めますから」 京太郎「…あと少しだけ待っていってください」 小蒔「はい。9年待ちましたから…また迎えにきてください」 京太郎「わかりました。あの場所で待っていてください」 小蒔「あそこですね…」 京太郎「ええ」 小蒔.京太郎「秘密の場所で」 夜 コンコン 京太郎「はい、開いてますよ」 ガチャ… 白望「疲れた…」 京太郎「シロか?なんで部屋の番号が解った?」 白望「これが部屋に届いた…」カードを見せて 京太郎「…なんだそれ?」 白望「招待状」 京太郎「招待状?誰からの」 白望「カピーから」 京太郎「えっ?」 白望「明日の墓参りについていって良いって」 京太郎「……」 白望「…墓参りって何?」 京太郎「はぁ…姿を消してもお節介なんだなカピー。墓参りは墓参りだ。知ってるだろ、シロ…須賀大社には俺の両親の墓があるんだ」 白望「知らなかった…」 京太郎「言ってなかったからな」 白望「そこに行くの?」 京太郎「ああ…ケジメが必要だからな」 白望「怖いの?」 京太郎「…怖い。正直、あそこには行きたくない」 白望「それなら…」 京太郎「ダメだ。前に進むって決めたから」 白望「……」 スタスタ…ギュ… 京太郎「シロ?」 白望「やっと辿り着いた…」 京太郎「なにがだ?」 白望「なんでもない…明日、ついて行くから」 京太郎「それは構わないが…」 白望「ならいい。私は京太郎と居るって決めたから」 京太郎「…そうか」 白望「うん」 白望(これが…足りなかったピース) 就寝前 京太郎「なあ…シロなんで帰らないんだ?」 白望「ダルい…」ベッドでゴロゴロしていて 京太郎「まてまて、あれだぞ北海道の時とは違うんだぞ?」 白望「大丈夫…着替えはあるから」 京太郎「えっ?」 白望「胡桃も買収済み…」 京太郎「…まさか泊まるつもりじゃないよな?」 白望「その通り」 京太郎「………襲うぞ」 白望「できるなら…寧ろ歓迎する」 京太郎「…畜生、シロが肉食系女子だった」 白望「シャワー浴びてくるから…覗いてもいいよ」 京太郎「普通そこは逆だろ!」 白望「真っ赤…京太郎は初心だね」 京太郎「…もう寝るからな」 白望「おやすみ」 京太郎「ああ、おやすみ…全くシロは」ぶつぶつ 早朝 夜 コンコン 京太郎「はい、開いてますよ」 ガチャ… 白望「疲れた…」 京太郎「シロか?なんで部屋の番号が解った?」 白望「これが部屋に届いた…」カードを見せて 京太郎「…なんだそれ?」 白望「招待状」 京太郎「招待状?誰からの」 白望「カピーから」 京太郎「えっ?」 白望「明日の墓参りについていって良いって」 京太郎「……」 白望「…墓参りって何?」 京太郎「はぁ…姿を消してもお節介なんだなカピー。墓参りは墓参りだ。須賀大社には俺の両親の墓があるんだ」 白望「知らなかった…」 京太郎「言ってなかったからな」 白望「そこに行くの?」 京太郎「ああ…ケジメが必要だからな」 白望「怖いの?」 京太郎「…怖い。正直、あそこには行きたくない」 白望「それなら…」 京太郎「ダメだ。前に進むって決めたから」 白望「……」 スタスタ…ギュ… 京太郎「シロ?」 白望「やっと辿り着いた…」 京太郎「なにがだ?」 白望「なんでもない…明日、ついて行くから」 京太郎「それは構わないが…」 白望「ならいい。私は京太郎と居るって決めたから」 京太郎「…そうか」 白望「うん」 京太郎「……起きたくねぇ」 白望「おはよう」 京太郎「ああ、おはよう…えっ、起きてたのか?」 白望「うん…さっき起きた」 京太郎「なら二度寝を…」 白望「ダメだよ。決めたんでしょ」 京太郎「…はい、そうです」 白望「シャワー浴びてくるから…起きとくんだよ」 京太郎「はい」 スタスタ… 京太郎「はぁ…いつからシロとの立場が逆転したんだろ」ノソノソとベッドから出て 京太郎「……よし、準備するか」 10分後 白望「シャワー空いたよ」下着姿 京太郎「し、シロ!その姿はダメだろ!」 白望「…裸の方が良かった?」 京太郎「そういうことじゃなくて…ああもう、シロの馬鹿野郎」 スタスタ 白望「京太郎の前だけだよ」ボソ 白望「お墓参りか…記憶の中に無いって事は何かがあるのかな?」 白望「ダルいけど…少し嬉しいな」 昼1. 須賀大社 「……」 いざ着いてみると怖いよりも懐かしさが込み上げてきた。昔の思い出などほとんど覚えていないのに。 「ここ裏口だよ?」 白のワンピースを着たシロが俺にそう聞いてきた。正面から入らない事に疑問を抱いたのかな。 「ここでいいんだ…」 そう言ってシロの左手を少し強く握りながら目を瞑り鳥居をくぐる。右手にもつ花の重さに逃げ出したくなる。 「……」 ゆっくりと目を開けると目の前には鳥居は無く、後ろに存在していた。 「帰ってきたのか」 口から零れる。一歩踏み出せばもう進むしかない。 「京太郎?」 「ついて来てくれてありがとうな、シロ」 手を引きながら記憶を辿って歩いて行く。一歩踏み込む度に、涙がでるのをぐっと堪えた。 母と手を繋いで歩いた道 父の背中を追い走った道 その道をシロと二人で歩く。 「ここだ」 母屋があったその場所に小さなお墓があった。握る手が強くなる。ああ… 本当に両親は死んでしまっていたのか。 「……ここに母屋があったんだ」 気がついたらそう言っていた。 誰に向けられた言葉なのかは解らない…隣にいる白望に言っているのか自分に言い聞かしているのか…ただ言葉がでていく。 「俺とお母さんとお父さんと三人で暮らしてた…本当に幸せだった」 自分の中で止まっていた時がゆっくりと動き出す。頬を伝う涙が潤滑油になり時計の針は時を刻む。 「此処に来たくなかった。そうしたらいつの日か父さん達が迎えに来てくれる気がしたから。心の何処かで望んでいたんだ…父さん達が生きているって」 「……」 ありえない夢物語を信じていた。義姉さん達がどれだけ言っても俺は此処に来なかった。義姉さん達はトラウマのせいだと思っていたがそんな理由では無い。 事実を認めたく無かっただけ 来たら認めしかない 両親は自分のせいで死んで逝った事実を 「そんな事はありえないのにな。目の前で死んだのにそれを認めなかったんだ…親不孝だろ」 墓の前に歩いて行く。 墓石に刻まれた文字を見る。 俺はやっと帰ってきたようだ。 「ただいま」 その言葉と共に俺は泣き崩れた 「……」 彼が泣いていた。恥も外見も捨て、私が居る事も忘れて泣いていた。 私はこの彼を知らない。 彼がこんな事をしていたなんて知らなかった…いや、解っていたつもりで私は彼の事を何も知らなかった 娘に両親の事を聞かれても彼は笑っていた 娘が事実を知っても彼は笑って娘を許してた 私はそれで彼が納得したんだと思っていた。 だって彼は笑っていたんだから。 なのに目の前の彼は泣いている。 いつもの笑顔じゃなくて いつもの強い姿ではなくて 私の知っていた京太郎はそこには居なかった 目の前に居たのは一人で泣く事もできない本当の彼 「ごめん…」 手を彼に伸ばしても彼はその手をとってくれない。とれるはずもない…彼は泣いているんだから。 「ごめん、京太郎」 彼の姿が歪んで見える。辛かったはずなのに私は私の事だけを考えていた。 「本当にごめんなさい」 鉛みたいな足を動かして彼に近づく。近くに居た筈の彼が何よりも遠い。 「京太郎…!」 彼を背中から抱きしめる。護ってくれていた背中はこんなに小さかった…支える。支えないといけない 「京太郎」 私が京太郎を支るんだ 京太郎「みっともない所を見せたな…ごめん」 白望「いいよ…私もごめんね」 京太郎「なんでシロが謝るんだよ」 白望「白望」 京太郎「えっ?」 白望「シロじゃなくて白望って呼んで」 京太郎「どうしたんだ急に」 白望「…秘密」 京太郎「…白望」 白望「うん…京太郎」 京太郎「…恥ずかしいぞ」 白望「気のせい…それよりはやくお花を供えないと」 京太郎「…そうだな」 スッ… 京太郎「……」手を合わせて 白望「……」手を合わせて 一分後 京太郎「…ふぅ」 白望「……」 京太郎「行こうか」 白望「うん」 ギュ…手を握り 京太郎「なあ白望…」 白望「駄目…皆に言わないといけない」 京太郎「やっぱりそう思うか」 白望「うん」 京太郎「……義姉さんに勝った後だな」 白望「京太郎がそれでいいなら私は何も言わない」 スタスタ…鳥居まで来ていて 京太郎「…」振り返って 白望「…」京太郎を見ている 京太郎「………」何かを呟く スタスタ…鳥居をくぐって ??「強く生きなさい」 京太郎「えっ?」 白望「どうかしたの?」 京太郎「…いや、なんでもない。それより昼ご飯だ」 白望「……そうだね」 京太郎(ありがとう母さん) 夜1. 京太郎「……明日か」 最終決戦 義姉との決戦 京太郎「……よろしくお願いします」 白望「よろしくお願いします」 健夜「こっちこそよろしく」 良子「よろしくです」 健夜「……」京太郎をみていて 京太郎「どうかしたんですか?」 健夜「…なんか一皮剥けたね」 京太郎「なんで今、そんな事を言うんだよ」 健夜「良子ちゃんもそう思わない?」 良子「イエス…少し気に入りませんね」 健夜「そうだね…本気でいこうか」ゴゴゴゴゴ 京太郎「理不尽だな…」ゴゴゴゴゴ 京太郎ロン 良子「私が親ですね…最初から全力でいきますよ」 逢魔が時発動! 京太郎(義姉さん達は本気だ…でも勝つのは俺達だ) 複製者と添い遂げた者発動! 白望「私達に負けはない」 京太郎「そうだな、白望」 良子(能力を見極めさせてもらいます、京太郎!) ソロモンの渇望発動! 良子(ファック…私達が知らない内にどれだけの女と寝たんですか京太郎)ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「っ!はやく和了しよう…命が危ない」 最善を引き当てる者発動! 氷神と添い遂げた者発動! 白望(……私をコピーしたのかな?) 健夜(ああ、あれは不味いかも) 京太郎(槍も弓も良子義姉さんか健夜義姉さんの能力で使えない…それでも、俺が勝つ!) 良子「立直」 コトン… 京太郎「ロン!」 良子「えっ?」 京太郎「国士無双、32000だ」 京太郎 57000 白望 25000 健夜 25000 良子 -7000 須賀京太郎が勝ちました。 卒業式 宮守校長「33 須賀京太郎!」 京太郎「はい!」 スタスタ… 宮守校長「卒業証書…」 保護者席 健夜「…京君があんな立派になるなんてね」ボロ泣き 良子「だ、駄目ですよ…ま、まだ、終わってないんですから」ボロ泣き 胡桃「うわぁ…お姉さん達ボロ泣きしてる」 豊音「し、仕方ないよ…私だって嬉しいもん」ボロ泣き 塞「はいはい、迷惑になるからって私達だけ出席したんだから落ち着いて」ハンカチを渡して エイスリン「それにしても京太郎…かっこ良くなったね」 白望「元からかっこいい」 エイスリン「それもそうだね」 トシ「あんた達全員トッププロや大学生なんだから静かになさい」ゴゴゴゴゴゴ 一同「は、はい」 ーーーーーーーーー 麻雀部部室 京太郎「ふぅ…」 コンコン… 京太郎「開いてますよ」 ガチャ… 白望「卒業おめでとう」 京太郎「ありがとう…なんかこの三年間がすごくはやかった」 白望「男子個人三連覇+エキシビションマッチ三連覇したらそうなる」 京太郎「今年のマッチ相手が白望だった時は焦ったがな」 白望「こっちもマホが宮守に行くと思ってなかったから…」 京太郎「そうだな…マホのコピー能力はやばいからな」 白望「うん…数が増え続けてる」 京太郎「マホ自身もプロ並に打てるからな…敵にはしたくないしな」 白望「うん…京太郎、カピーは?」 京太郎「…まだ帰ってきてない。そのうち帰ってくる気がするんだがな」 白望「……」 京太郎「これから大変な事になるからカピーの事で止まってはいられない」 白望「37人との結婚式…」 京太郎「あ、改めて数を言われると罪悪感が湧くな」 白望「ならやめればいい」 京太郎「それは無い」 白望「ヒモになるの?」 京太郎「うっ…ひ、ヒモじゃないぞ家事洗濯をだな」 白望「一部を除いて全員できる」 京太郎「正直に話すと麻雀プロでタイトルとかとりたい…でもな、生まれてくる子供達の事を考えたら俺は家にいるべきなんだと思う」 白望「…」 京太郎「お母さんがたくさん居てお父さんが一人…絶対に問題も起こる。その時に知らないままで子供が背負う事だけは避けたいんだ」 白望「京太郎らしいね」 京太郎「そうか?親として当たり前だろ…たぶん」 白望「…京太郎らしいよ。皆が待ってるからはやく来てね」 京太郎「ああ、すぐ行くよ」 バタン… 京太郎「ふぅ…明日から大変だな」 ??「パカパカ(自分で選んだ道なのだろ」 京太郎「そうだな…再来年には10人のお父さんだからな」 ??「パカパカ(ペースを考えろ。そのペースだと10年経つ頃には100人にはなるぞ」 京太郎「そ、そうだな…」 ??「パカパカ(私はまだ主には必要か?」 京太郎「当たり前だろ、カピー」 カピー「パカパカ(そうか」 京太郎「約束、まだ果たしてないだろ」 カピー「パカパカ(……そうだな」 京太郎「なら側にいてくれ」 カピー「パカパカ(……幸せか京太郎?」 京太郎「幸せだよ、**」 カピー「パカパカ(……その名で呼ぶな馬鹿息子が」 京太郎「……久しぶりにそう言われたな」 カピー「パカパカ(馬鹿は馬鹿だからな」 京太郎「それじゃあ行こうか」 カピー「パカパカ(抱っこしろ、抱っこ」 京太郎「はいはい…」 ギュ… カピー「パカパカ(朱に交われば赤くなるか…義姉達に似てきたな。」 京太郎「義姉さん達がどうしたんだ?」 カピー「パカパカ(なんでもない、はやくいくぞ」 京太郎「ちょっ、カピー!!」 T R U E E N D 後日談 小瀬川白望 高校卒業後、プロ入り。新人王等のタイトルをとる。二つ名は岩手の大魔王 鹿倉胡桃 高校卒業後、プロ入り。当初は期待されていなかったが小瀬川と渡り合う打ち手と判明するや否や世間に注文を浴びる。 辻垣内智葉 高校卒業後、大学に進学。当初はプロ入りが囁かれていたが本人が希望した為に東京大学に入学。インカレでその実力を発揮した。 ハオ慧宇 二年の時に女子個人優勝。三年も確実と言われていたが夢乃マホに敗れる。京太郎が大学進学を希望した事によりプロ入りを取り消し、京太郎と同じ大学に進学する。 獅子原爽 高校卒業後、大学に進学。プロ入りをすると思われていたが子供達の為にも学歴がいると判断して辻垣内と同じく東京大学に進学。インカレでは覇龍の二つ名で呼ばれていた。現在は法律の勉強をしている 松実宥 高校卒業後、松実旅館を継ぐ為に女将修行を始める。大学進学を周りに勧められるが妹の玄の事も考えて上記の事になった。 月に一度岩手に出現しているのを確認されているが真偽は確かめられていない。 小鍛冶健夜 須賀京太郎が高校一年の夏に告白するとそれを糧に世界タイトルを連覇していく。現在の目標は京太郎の赤ちゃんを身ごもり、育休をとること。 戒能良子 義姉の小鍛冶健夜と同じく世界タイトルに挑戦する。日本人の麻雀は狂っていると言われたのはこの義姉妹のせい。 姉帯豊音 高校卒業後、大学に進学。麻雀プロになろうかと考えたが保母さんになる事を決意。大学の勉強をしながらちゃっかり京太郎に家事洗濯を習っていたりする。インカレで暴れている。 エイスリン 高校卒業後、大学に芸術大学に進学。絵の才能とその筆から描かれる絵はダヴィンチの再来と言われた。 臼沢塞 高校卒業後、大学に進学。豊音と同じ教育学部に進学し、小学生の先生を目指している。 佐々野いちご トップアイドルを目指して世界に進出中。須賀京太郎が高校一年の時の冬に家に突撃し、別名血のクリスマスの切っ掛けを作る。 夢乃マホ 長野に帰るも宮守高校に入学する。宮永照、小瀬川白望の再来と言われる程に圧倒的な麻雀でインハイに旋風を起こす。腹黒キャラになりつつある。 末原恭子 高校卒業後、大学に進学。凡人の一手と呼ばれる書籍を発表し、ベストセラーになる。須賀京太郎の事を公私問わずにご主人様と呼ぶ為、後に大スキャンダルになる。 荒川憩 高校卒業後、大学に進学。医学部に進学し、医者の道を目指す。本人は須賀京太郎の計画を知っている為に目指している。後のドクターKは彼女のこと。 松実玄 高校卒業後、大学に進学。 経営学を学び、姉の助けになる為に努力している。インカレの三龍の一角。 瑞原はやり 28で芸能界を引退し、麻雀プロも引退して臨海のコーチになる。その理由は語られていないが裏取り引きがあったと言われている。 竹井久 高校卒業後、大学に進学。高校での功績から特待生で某有名私大に推薦入学。インカレでの打ち方とその容姿から悪女の二つ名が付けられる。 園城寺怜 高校卒業後、大学に進学。須賀京太郎との蟠りを無くし、将来の事を考えた時に自身の能力を活かした仕事をする為に経済学を学んでいる。ネリーとは悪友。 石戸霞 高校卒業後、鹿児島総本山神代の補佐になる。神代小蒔の補佐としてその手腕を活かす。仏の姫と鬼の霞と言われている。 天江衣 高校卒業後、大学に進学。須賀京太郎のアプローチに一番真剣に応えた人物。両親の後を継ぐ為に古典文学の研究者を目指している。 雀明華 高校卒業後、フランスに帰国。フランスのタイトルを全てとり須賀京太郎が20になると同時に日本で挙式をあげる。 江口セーラ 高校卒業後、麻雀プロになる。関西の期待のホープと呼ばれている。 ネリー 高校卒業後、大学に進学。臨海系列の株を買い占め、大学卒業後に理事長に就任。数年後に白糸台を蹴落として関東最強は臨海と呼ばれるまでにする。 東横桃子 高校卒業後、大学に進学。心理学を学び、カウンセラーの道を歩んでいる。 原村和 高校卒業後、大学に進学。父の仕事を継ぐ為に弁護士になる為に法学部に入学する。須賀京太郎が父親と一番揉めたのは和の父親であった。 国広一 高校卒業後、大学に進学。龍門渕透華の付き人をしながら国際学部に入学する。須賀京太郎が龍門渕家に天江衣をくださいと言いに来た時の龍門渕透華の行動にボロ泣きした。 福路美穂子 高校卒業後、大学に進学。岩手の大学に進学し、姉帯豊音と 親友になる。ただし二人揃って電子機器が苦手な為にいつも須賀京太郎に教えてもらっていた。 愛宕洋榎 高校卒業後、大学に進学。母の背中に憧れて居た事もあり高校の教員免許を取る為に勉強する。 愛宕絹恵 高校卒業後、大学に進学。姉の背中を追う事をやめ、自分の道を探し始める。園城寺怜と出逢い、活路を見い出す。 神代小蒔 高校卒業後、鹿児島総本山神代のトップにたつ。色々な人に支えられながら迎えの時を待っている。 狩宿巴 高校卒業後、大学に進学。東京大学に進学し、経済学を学んでいる。大学を卒業したら鹿児島に戻り地域発展に貢献するつもりでいる。 薄墨初美 高校卒業後、神代小蒔の補佐になる。神社の巫女をしながら色々な事を画策している。 滝見春 高校卒業後、神代小蒔の補佐になる。戒能良子からはプロになる事を勧められたがそれよりも地に足のついた生き方を選んだ。 宮永咲 高校卒業後、大学に進学。文学部に進学し、インカレでは長野の魔王と呼ばれている。須賀京太郎の幼馴染にして、須賀京太郎と一番距離があった存在。 妹尾佳織 高校卒業後、大学に進学。センターを剛運で満点をとり、姉帯豊音達がいる大学に進学。将来の夢は保母さん 三尋木咏 須賀京太郎に勝ったら結婚する賭け麻雀をして36連敗中。義姉二人にも同じ数だけ負けている。 清水谷竜華 高校卒業後、大学に進学。親友の園城寺怜の世話をしながら教員免許の勉強をしている。インカレでは巨龍と呼ばれている 後日談 最年少と最年長 マホ「す、凄いですはやりさん!」 はやり「これ位できて当たり前だよ☆」 マホ「マホまだこんなにもお料理できませんから凄いです!」 はやり「もうマホちゃんたら…でもあれだよ、いつかはマホちゃんもお料理できるようにならないとね☆」 マホ「はい!京お兄ちゃんの為に料理を作りたいです!」 はやり「そうだね☆マホちゃんは料理の才能があるから大丈夫だよ☆」 マホ「ほ、本当ですか!」 はやり「本当だよ☆」 マホ「マホ頑張ります!!」 はやり「その調子だよ☆!」 ーーーー 白望「親子みたい…」 京太郎「いいか白望、絶対にそれをはやりさんの前で言うなよ…殺されるぞ」 白望「解ってる」 はやり(後で二人ともお仕置きかな☆?) 後日談 智葉「今日は勝たしてもらうからなシロ」 白望「智葉でもそれは無理…勝って私が今日の晩御飯を決める」 爽「シロ、それはおかしいよ。一応、今からタイトル戦をするんだから」 慧宇「そうです。勝って今日の晩御飯を作ってもらおうなんて図々しいですよ」 白望「ハオは勝ったら抱いてもらうつもりだよね?」 智葉「ほぅ…」 爽「へぇ…」 慧宇「な、何言ってるんですか!そんな事あるわけないでしょ!」 白望「…顔真っ赤だよ」 慧宇「今日こそはその顔を顰めてさしあげます」ピキピキ 爽「私はハオの方が気になる」ゴゴゴゴゴ 智葉「同じく。少し盛った奴にはお灸を据えてやろう」ゴゴゴゴゴ 慧宇「計りましたね、シロ!」 白望「ダルい…今日の晩御飯はおでんがいいな」ボソ… 慧宇「シロー!」 爽「抜け駆けは駄目だと思う」ガシ 智葉「久しぶりに先輩として指導してやらないとな」ガシ 爽、智葉「覚悟してね(しろ)、ハオ」 慧宇「…ぜ、全部倒して私がご主人様とイチャイチャするんだ!」 カン! 後日談 ネリー「久しぶり、京太郎」 京太郎「そうだな。調子はどうなんだ?」 ネリー「少し疲れた。はやりさんが手伝ってくれるから大分とマシになったけど学校の経営って大変なんだよ?」 京太郎「それは仕方ない事だ。俺だって家で子供の世話をしてるけど毎日が嵐みたいだからな」 ネリー「そうだね…でも、可愛いから頑張れる」 京太郎「だな。俺の子供なんだなと思うと幸せだからな…」 ネリー「顔が緩んでる。そうなるのが京太郎のいいところだけど。それよりも今日は久しぶりのデートなんだから期待してる」 京太郎「任せろ。初デートに行ったグルジア料理の店を予約してあるからそこでディナーだな」 ネリー「もう、またあそこにしたの?」 京太郎「当たり前だろ。あそこは俺とネリーの思い出の場所なんだから。記念日のデートはあそこだ」 ネリー「もうすぐお互い30になるのに?」 京太郎「肉体が衰えても記憶は鮮明だからな」 ネリー「……もう、反則だよ京太郎」 京太郎「何がだ?」 ネリー「なんでもない。それよりも早く行こう」 ギュ…手を握り 京太郎「おう」 スタスタ… ネリー「ねぇ、京太郎」 京太郎「なんだ?」 ネリー「私さ…今日が一番危険な日なんだ」 京太郎「…」 ネリー「二人目が欲しいかなって…」 京太郎「……ホテルの予約もしてある」 ネリー「えっ?」 京太郎「帝都ホテルの最上階だ」 ネリー「……考える事は一緒みたいだね」 京太郎「そうみたいだな」 ネリー「愛してるよ、京太郎」 京太郎「俺の方こそ、愛してるぞネリー」 カン! 後日談 カピー「パカパカ(気がついたら大阪だと…」 洋榎「あれは……面白そうやな」 スタスタ…近づいていき カピー「パカパカ(なんだ?」 ガシ… 洋榎「うわ、ふさふさやな…とりあえず恭子にでも見せたろ」 カピー「パカパカ(離せ、小娘何をするつもりだ!」 洋榎「暴れたあかんて、たこ焼き食べさしたるから」 カピー「パカパカ(…本当か?」 洋榎「大人しくなった…あんた言葉が解るんか?」 カピー「パカパカ(当たり前だ」 洋榎「解るみたいやな…可愛いしはやく皆に見せたろ!」 スタスタ… ーーーーーーー 恭子「それでカピバラを拾ってきたんですか?」 洋榎「そうです」正座 恭子「飼い主が探してたらどうするんですか」 洋榎「そ、それは…」 絹恵「うわぁ…めっちゃ可愛い…」 漫「そうやね…甘いもの好きなんかな?」 カピー「パカパカ(菓子をくれるのはいいが私に触るな」ポリポリ 由子「カピバラは雑食なのよー」 恭子「適当な事を言わない!」 洋榎(足が痺れてきた…) 恭子「だいたい主将は」 洋榎(あかん、これ説教パターンや!) 絹恵「それにしても可愛いな」なでなで カピー「パカパカ(当たり前だ!」ポリポリ 漫「ポッキーもあるで」 カピー「パカパカ(痛い、ポッキーで突つくな」 由子「カピーはかわいいよー」 カピー「パカパカ(えっ?なぜお前が私の名前を知っている?」 由子「私は忘れなかっただけよー」 絹恵「何言うてるん?」 由子「秘密や」 漫「ああ、可愛いなホンマに」なでなで カン! 後日談 大沼「ぬるいな」 世界プロA「なにをいってるんだい、Mr大沼」 大沼「ぬるいと言っておるんじゃ…当たり前の麻雀、当たり前の捨て牌…世界とはこれ程つまらないものだったんじゃな」 世界プロB「不謹慎だな。最下位のお前が言っていい言葉じゃない」 世界プロC「そうです、貴方は残り3000しかないじゃないですか」 大沼「…だからぬるいと言ったんじゃよ」ゴッ… ざわ…ざわ… 大沼「わしがこれまでアガらなかったのは布石。最後の最期に和了する為のな」 世界プロA「な、何を言っている」 大沼「チリ一つすら残さない…ツモ」 バタバタ…牌が倒れていく 世界プロB「ありえない!」 大沼「四暗刻単騎、大四喜、字一色…五倍役満は八万オールじゃ」 世界プロC「……」あぜんとしていて 大沼「つまらん…実につまらない」 大沼「須賀…はやくプロにこい」 後日談 「なあ…結局儂だけが生き残った」 住み慣れた部屋で老人は隣に座る少女に尋ねた。 「…100歳まで生きた。寧ろ生きすぎだ」 見た目とは似つかない口調で少女は老人の問いに応える。 「100歳か…随分と長く生きたな」 「…そうだな」 何気ない会話をしながら二人の間にはゆっくりと時間がせまってきていた。 「色々な事があった…子供が産まれて…気がついたら孫が居て…一人、また一人と儂をおいて逝った」 老人は懐かしみながら昔を振り返る。 18歳の時に結婚して 19で子供が産まれて そこから先の人生は幸福だった。 風当たりは確かに強かった。 だが年が過ぎる度に家族が増えた。 いざこざや喧嘩もあった。だが最期には皆が笑っていた。 そして別れの時がやってくる。 「ごめんね、京君」 義姉達は最期まで泣いていた。 「……先に逝って待ってます」 初恋の人はそう言って笑ってくれた。 「…天国があるならまた暮らせますね」 最期までオカルトを信じなかった天使は最期にそう呟いた。 「先に逝く。一番遅れてこい」 最期まで気高い彼女が流した涙を俺は見た。 36人。 愛した家族が天国に旅立っていく。子供達もその後をおっていく。 一人なら辛かった。 一人なら泣いた。 一人なら死んだかもしれない。 でも側には彼女が居た。 「大丈夫…私が居る」 それが彼女の口癖。 誰かが逝く度に手を握り彼女はそう呟いた。 それでも…その彼女が逝く時がくる。 「……また逢おう」 彼女はそう言って永遠の眠りについた。その目が覚める事は無い。 「…逝くのか?」 少女が手を握ってくれる。出会って95年…一番長い付き合いだ。 「ああ…ありがとうな」 名前が出ない。この少女の名前が。 「馬鹿者…また会えるだろう」 手に水滴が落ちてくる。 「そうだな…またな…**」 ゆっくりと瞳を閉じる。静かな闇が訪れる。 そこには最愛の人達が居るのだろうか?居ないのなら…それでもいい。探すだけだけなのだから。 後日談 久「ここが京太郎の新しい家ね」 優希「相変わらずデカイ家だじぇ」 咲「ここが新しい京ちゃんの家」 まこ「のぉ…なんでわしらここにおるんじゃ?」 和「私にもわかりません」 久「さぁ、行くわよ」 ピンポーン… 優希「あの馬鹿犬、絶対驚くじぇ」 咲「…おかしくないよね」服装チェック まこ「茶菓子は…」 和「ここにありますよ、染谷先輩」 ガチャ… 久「遊びにきたわよ、須賀君!」 優希「久しぶりだな京太郎!」 咲「……」緊張し過ぎで固まり まこ「すまんの、京太郎」 和「お久しぶりです、須賀君」 ばーーーーん…扉が開き 白望「…誰?」 清澄一同「えっ、誰?」 カン! 後日談 良子「……塞は意外に腰にエロスを感じますね」 塞「ち、ちょっとやめてください、お義姉さん!」 健夜「待って塞ちゃん。まだ私を倒してないからそれは認められないよ」 塞「えっ、言いって言ったのは健夜お義姉さんですよ!」 健夜「…忘れてた」 胡桃(…もう少し私にもあれば)胸をペタペタと触り エイスリン「……」胡桃の肩を黙っておいて 白望「…だるい」勝ち誇っていて 豊音「みんな一緒で楽しいよー」 カピー「パカパカ(…私は主と入りたかったんだが」 トシ「…諦めな。見張っとかないとどうなるか解らない」 カピー「パカパカ(…それもそうか」 男湯 京太郎「……なんか寂しい」 カン! 後日談 胡桃「そこ野菜も食べる!」 エイスリン「チキングッド!」 塞「…あっ、それは狙ってた椎茸」 豊音「早い者勝ちだよー」 京太郎「はいはい、まだあるからそんな事で争わないでください」 塞「…ぶー」 京太郎「こっちの白菜も美味しいですよ?」 塞「…ならそっちにしとく」 京太郎「はい」 トントン…京太郎の肩が叩かれて 京太郎「…待ってくださいね、シロさん」 白望「……あーーん」 京太郎「解ってますよ、アーン」 パク…もぐもぐ 白望「美味しい…」 京太郎「ならよかったです」 胡桃「…ずるい」 京太郎「えっ?」 エイスリン「ワタシモ!」 豊音「わ、私も…」 塞「…あーん」 京太郎「…はぁ、仕方ないか」 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6469.html
?- 京太郎「ん、今日はあるんだな」 「そうだな」 京太郎「えっと、俺はどうすれば良いんだ?」 「自分で考えろ」パチンッ 京太郎「はやりさんのとこに行くか」 「お前もこりない奴だな」 京太郎「はやりさんは俺のためだって言ってたけど」 「あながち間違いではない」 京太郎「そっか」ギィッ 「自分のためでもあるだろうけれどな」 バタンッ 京太郎「ここも久しぶりだな」 はやり「京ちゃんッ♪」ダキッ 京太郎「びっくりしたぁ!」 はやり「今日はどうしての?」ニコニコ 京太郎「一世代前の大罪のことなんですけど」 はやり「……うん、良いよ」コクッ 京太郎「えっと」 はやり「次はなにを聞く、あとは嫉妬と怠惰だけど、別に他の人たちの詳しい話でも良いんだよ!」 京太郎(様子がおかしい?) 京太郎「嫉妬と怠惰って、俺が知ってる人ですか?」 はやり「嫉妬はね、前の暴食と色欲の慕ちゃんの友達の石飛閑無ちゃんって言って、まぁ可愛い子だったよ♪」 京太郎「女性ばっかですね」 はやり「そうだねー前回はね☆」 京太郎「で、怠惰なんですけど」 はやり「……どうしても、聞く?」 京太郎「へ?」 はやり「本当に聞いて、京ちゃんは平気?」 京太郎「それって……どういう?」 はやり「怠惰……聞きたい?」 京太郎「聞きたいです……」 はやり「そっか、怠惰……残る一人の一世代前の大罪は、三尋木咏……京ちゃんの師匠こと咏ちゃんだよ」 京太郎「……はい?」キョトン 京太郎「いやそれはないですよ、だって俺がはじめて喰った時だって知らないって」 はやり「知らないわけないよ、京ちゃんを騙してたんだよ……ずっと近くにいて、それでも京ちゃんに大罪のことを黙ってた」 京太郎「いや、だましてたなんて、そうだ自覚がなかったとか!」 はやり「私たちと一緒にいて知らないわけないし、昔は戦いあったし」 京太郎「いや、いやいやいや!」 はやり「まぁ信じるも信じないも自由だよ、結局は東京で会えるし、京ちゃんは電話もできるでしょ?」 京太郎「まるで本当みたいな言い方じゃないですか」 はやり「本当のことだよ、京ちゃんはずっと騙されてた」 京太郎「……」 はやり「また会おうね☆」ニコッ 7月27日 111日・昼前- 京太郎「今日も起きるの遅くなったけど……まぁ良いか」 京太郎「それにしても、なんでだろ」ハァ 京太郎「なに暗くなってんだ!昼だな、昼!」 京太郎「どっか食べに行くかぁ」ヨット 京太郎(誰か誘ってみるかな?) 京太郎「一人で行くか、うん!」 京太郎「どこ行くかなぁ」 京太郎「たまには、じゃないけどワスバーガー行くかなぁ」 ワスバーガー- 京太郎「何食べるかなぁ」 京太郎(咏さんとは東京でだったしなぁ) 京太郎(なんか、寂しい気もするなぁ……) 京太郎「はぁ……」 京太郎(一人で考えるには丁度良いのかぁ?) 京太郎「ふぅ、食べた食べた……」ケフッ 京太郎「どうするかなぁ」 京太郎「よし、咲にメールしてみるか」 京太郎「あれ、返ってこないな……?」 京太郎「俺ってほかに清澄の人メアド知らないからなぁ……って帰ってきた」 差出人:咲 本文『ごめんね、今日部活休みなんだ それに体調崩しちゃったから』 京太郎「なるほどなぁ、お大事になっと」 京太郎「どうするかなぁ」 京太郎(清澄の人たちに会うなら、Roof-Topに行けば良いんだな)ウン 京太郎(ちょっくらふらついてみるかぁ) 京太郎「ん、優希じゃんか」 優希「ん、京太郎じゃないか」モグモグ 京太郎「相変わらずタコス食ってるなぁ、最近はどうだ?」 優希「んむ、咲ちゃんが元気無いなぁ、のどちゃんが転校したからっていうのもあるだろうけど」モグモグ 京太郎「へぇ、そっかぁ、そう言えば今日清澄に行こうと思ったんだけど部活してないのか?」 優希「んぐっ、最近は学校じゃなぁ、部長はプロに行くって言っててさ、染谷先輩も家があるし……どっちかっていうとRoof-Topに集まることが多いしな」 京太郎「そうか、今度からそっちに行くとするかな」 優希「おう!」グッ 京太郎(咲のやつ……元気無いって、大丈夫か?) 夕方- 京太郎「さて、どうするかなぁ……もう夕方だしなぁ」 京太郎(池田もいないし、この時間から行くか……?) 京太郎「いや今日はやめとくか、行くならもっと早いうちだな」ウン 京太郎「なんか買いに行くかぁ」 京太郎「服でも買いに行くかぁ、東京にいっても大会出る時以外は私服なわけだしな!」グッ 京太郎(つか、俺も有名人みたいだしちょっとは気を使わなければ) 京太郎(店に来たは良いけれど) 京太郎「ん~どうするか~」 京太郎「あれ、竹井さん」 久「あら須賀君、服を買いに来たのよね、東京に備えて?」 京太郎「そんなとこです」ハハッ 久「へぇ、私が見繕ってあげましょうか?」 京太郎「え、良いんですか?」 久「良いわよぉ、男の子の服を見繕うなんてことめったにないしねぇ」 京太郎「……大丈夫ですよね?」 久「任せなさい♪」パチッ 京太郎「では、お願いします!」 京太郎「それじゃありがとうございました」 久「いえいえ、あぁでも今度なにかおごってもらおうかしら♪」 京太郎「撤回します、まぁ構いませんけど」 久「ふふっ、楽しみにしててねー!」 京太郎「はい、それじゃ」 久「うん、それじゃぁね!」フリフリ 京太郎「さて、帰るかな」 夜- 自宅- 京太郎「ふぅ、どうするかなぁ」 京太郎(これ、初心者かここまで来た人間にしかわかんないだろ、色々と)フンフム 京太郎「ちょっとは良くなったか?」 京太郎「んぁ、メールだ……」 京太郎「ん、誰からだ?」 京太郎「歩からか」 差出人:歩 本文『もうすぐで東京だけど、ちゃんと準備はしてる』 京太郎「母親かお前は」 本文『問題ないぞ、みんなの方はしっかりとしてるか?』 差出人:歩 本文『当然、うちには誰がいると思ってるの?』 京太郎「さすがハギヨシさん」 本文『なら安心だな、東京までもう少しだ、頑張ろうぜ』 差出人:歩 本文『うん、お互い頑張ろうね! おやすみ』 京太郎「まだ日にちはあるのになぁ、おやすみなっと」 京太郎「次は、咲か」 差出人:咲 本文『今日はごめんね』 京太郎「ん」 本文『気にするな、それよりも体調直しておけよ インハイ長野一位なんだから』 差出人:咲 本文『わかってるよ、心配しょうなんだから それじゃあまた東京でね おやすみ』 京太郎「ん」 本文『おう、体調早く治せよ おやすみ!』 京太郎「ふぅ、大丈夫かほんと」 京太郎「さて、寝るかなぁ……カピー?」 京太郎「……居ないかぁ」ハァッ 111日目終了- ?- 京太郎「はぁ……」 「三尋木咏のことか?」 京太郎「ん、まぁな……」 「騙されてたからな」ククッ 京太郎「そういうわけじゃ、ねぇだろうけど……」 京太郎「あの人に会いに行くか」 「まぁなにかあるならあいつが良いだろうな」 京太郎「一体何者なんだ?」 「お前の世界に干渉できるほどの奴ってことだけ」 京太郎「わからん」ギィッ 「身近なやつかもな?」 バタンッ ?「久しぶり」 京太郎「ん、久しぶり」 ?「ごめん」 京太郎「なにが?」 ?「いや、色々とね……とりあえずなにか聞きたいことがあって来たんでしょ?」 ?「暴食のこと、か……そうだな、どこから言おうか」 ?「早い話、池田を見ていればわかるが暴食を限界まで酷使するとああなりかねない」 ?「最強技の一つや二つは打っても問題はないだろうけれど、限界を超えた能力の酷使は気をつけろ」 ?「ある意味では、大罪の運命と言っても良いんだがな、最終決戦は出し惜しみなしで行けということだけ伝えておく」 ?「暴食は愛した力なんだから、信用しろ」 7月28日 112日目・朝- 京太郎「ん、どうするかなぁ……朝日がまぶしい」 京太郎「出かけるかなぁ」 京太郎(今日も睦月さんいないかー) 京太郎「とりあえずなんか勝って帰るか……お、ヤンガンだ」 昼前- 京太郎「さて、どうするかなぁ」 京太郎「透華たちのところに行くか……誰かに連絡入れてみよう」 衣『もしもし、どうした?』 京太郎「そっち行って平気かぁ?」 衣『大丈夫だぞ、お昼も今からだから早く来ーい』 京太郎「了解だ、すぐ行く!」 龍門渕家- 京太郎「お邪魔しまーす」 透華「あら京太郎、いらっしゃい」ニコッ 京太郎「お、おう」 衣「お前は次になんかテンション高いな、と言う!」 京太郎「なんかテンション高いな……ハッ!?」 純「実は今日、取材が来るんだよ」 京太郎「え、俺邪魔じゃね?」 一(むしろ向こうにとっては願ったりかなったりでしょ) 智紀「とりあえずお昼……」 京太郎「そういやそうだな」 ハギヨシ「お待たせしました」スッ ※お昼パートはスキップします 京太郎「さて、まだ取材が来るまで時間はあるんだろ?」 純「そうだぜ、な萩原さん?」 ハギヨシ「はい」 京太郎「なら……」 京太郎「そういや智紀、鶴賀のことだけどさ」 智紀「詳しく」 京太郎「おう、隣座るな」トサッ 智紀(近い……)カァッ 京太郎「で、みんなのぶんを話すか」 夕方- 京太郎「どうするか……」 京太郎「ハギヨシさん、付き合ってください」キリッ 一同「」ガタッ ハギヨシ「ふふっ、まさか京太郎君から誘ってくださるとは」 京太郎「まだ、俺は貴方のことを知らない……」 ハギヨシ「良いでしょう、やりましょうか……」 一同「」ガタタッ 京太郎「……麻雀卓のある部屋にいきましょうか」 ハギヨシ「えぇ、私も本気でお相手いたしましょう」 一同「」ガターンッ 京太郎(二人でやるか、四人でやるか……) 京太郎「いきましょう」 ハギヨシ「えぇ」 バタンッ 透華「……」 純「透華が冷えてる!」 衣「ふんっ!」ゴッ 透華「」ばたんきゅ~ 一「ふぅ」 智紀「偵察に行く」 純「オレも」 衣「私もだ」 一「ボクも」 ハギヨシ「では、はじめましょうか」 京太郎「二麻ですから、一対一の正々堂々とした勝負ですね」グッ ハギヨシ「えぇ、本気で行かせていただきます」ゴッ 京太郎(や、やれるか……オレ!) ハギヨシ「愉しくやりましょう」フッ 京太郎「ですね……でも、本気でやらせてもらいます!」ニッ ハギヨシ「はい、そうですね……本気でぶつかりあいましょう」ニッ 京太郎「行きますよ!」 P能力『色欲:発熱』自動発動 効果:相手全員の点を-5する EX能力『NEVER』自動発動 効果:自分へのマイナス効果を10軽減しプラス効果を10上昇させる ハギヨシ「えぇ、見せてください……“ここ”の貴方の実力を」 P能力『あくまで執事』発動 効果:相手の能力で点がマイナスされない 効果2:能力が発動する度に点数が+10される 京太郎(なんとか良さげだな!) ハギヨシ(ふむ、おもしろいことになってきましたね)フフッ 京太郎 226+74=300 ハギヨシ 226+22=248 京太郎、ハギヨシの順 京太郎「いきますよ!」スッ ハギヨシ「ほぉ、食した能力をコピーする……存分に使っていますね」フッ 京太郎(見える!) 能力『青眼の預言者発動』 ハギヨシ「では私も……」 能力『ファントムペイン』発動(残り0) 京太郎(来たかッ!) 京太郎(させない!)キュィンッ ハギヨシ「ッ!?」 ハギヨシ(正直、驚きましたよ)フッ 京太郎(斬り刻む!)ギンッ 能力『牌を殺すということ』 判定:特殊ステータス以下 須賀京太郎:魔眼『100』 判定:成功 京太郎(視える!) ハギヨシ(これは、いささかマズいですね) ◇効果処理開始 京太郎「これが……牌を殺すということだ!」ザンッ 能力『牌を殺すということ』 判定:クリティカルヒット 効果:チェーン上の相手の能力すべてを無効にする ハギヨシ「これは、さすがですね」フッ 能力『ファントムペイン』無効 京太郎「そして、見る!」 能力『青眼の預言者』 効果:点が+15され、その後一度の和了安価の数値が+10 ◇効果処理終了 京太郎「ロン、8000!」 ハギヨシ「満貫ですか、すでに見られていましたか」フッ 京太郎(まだ、油断できないな) 京太郎「さらに行きます!」ギンッ P能力『暴食(愛)』発動 効果:能力『魔物喰い』が失敗しない P能力『クリア・マインド』自動発動 効果:すべてのオカルト能力が相手のオカルト能力にチェーン発動可能になる ハギヨシ「えぇ、私の実力を超える力、見せていただきましょう」フッ P能力『あくまで執事』発動 効果:相手の能力で点がマイナスされない 効果2:能力が発動する度に点数が+10される 京太郎(これはっ) ハギヨシ(おや、良くありませんね)クッ 京太郎(ハギヨシさん、終わらせる!) 能力『卓の死点』を発動 ハギヨシ「その動きは光の速度とすら言われる素敵滅法の力、お見せしましょう」フッ 能力『素敵滅法』をチェーン発動(残り0回) 京太郎「トップ・クリア・マインドは光の速度すら超える!デルタ・アクセル!」ゴゥォッ! 能力『トップ・クリア・マインド』自動発動 効果:相手の能力の発動を無効にする ハギヨシ(これは、やられましたね、しかしまだ終わりませんよ!) 能力『星の白金』を発動(残り0回) 京太郎(ハギヨシさん、喰わせてもらいますよ!) 能力『魔物喰い』発動 ハギヨシ(私の“これ”を、喰うことができると?甘くみられたものです)フッ 能力『世界』発動 効果:相手の能力の発動を無効にする 京太郎(なっ、防がれた!?だけど!) 京太郎(考えろ、暴食が防がれた、ならどうする!) (まだお前には戦う術が山ほどあるだろう) 京太郎「そうだ、クリア・マインド!」ゴッ 京太郎(暴食の力……)ズズズッ ハギヨシ(これは!?) 京太郎「喰らえぇッ!」ゴォッ 能力『暴食:ベールゼブブ』発動 対象:ハギヨシ固定 ◇効果処理開始 京太郎(暴食の力!)ギンッ 能力『暴食:ベールゼブブ』 効果:対象の点を半分を奪う ハギヨシ(これは、さすがです……完全なる覚醒!しかし、星の白金!)ゴゥッ 能力『星の白金』発動 効果:相手の能力でマイナスされた分相手の点数もマイナスする 京太郎(ぐっ、なんだこの重さ……でも、これでどうだ!) 能力『卓の死点』発動 効果オカルト80以上の全員を点を-30する ◇効果処理終了 京太郎(ハギヨシさん、やっぱり強い!) ハギヨシ(やはり、京太郎君はすでに高くにいますか……終わりですね)フッ 『卓の死点』効果適用 ◇順位 トップ 京太郎 93+51=144 ラス ハギヨシ 53+50=103 京太郎「はぁっ……」 ハギヨシ「京太郎君、君の勝ちです」フッ 京太郎「ありがとう、ございました」ニッ ハギヨシ「いえ、やはり貴方はその運命にあるべき人物だったようです」 京太郎「どういう、ことですか?」 ハギヨシ「いえ……なんでもないです」 夕方2- 京太郎「あれ、そう言えば取材は?」 ハギヨシ「そろそろですよ」 リンゴーン 京太郎(すごい重い音するインターホンだな) ハギヨシ「では、私はお出迎えに行くので」シュバッ 京太郎「……さすがだなぁ」 応接室- 透華「あら、遅くってよ京太郎!」ビシィッ 京太郎「おう悪かったよ、ってその人」 順子「須賀君!」 京太郎「あ、どうもです」ペコッ 一「知り合い?」 京太郎「前に取材してくれた人」 順子「ありがとうね、売れたわよあの号」 京太郎「そりゃなによりです」ハハッ 順子「せっかくだし須賀君にも取材しようかしら、一通りは終わったから」 衣「衣も沢山答えたぞ!」エッヘン 京太郎「えっとぉ……」 京太郎「じゃあ、せっかくなので」 順子「ありがとう!」 京太郎(長くなりそうだなぁ) 夜- 京太郎「すっかり夜だなぁ」 純「泊まって行ってもいいんじゃねぇか?」 透華「それは良いですわね、泊まっていく?」 京太郎「あぁ、その手があったか……」フンフム 京太郎「せっかくだし泊めてもらうかな」 衣「わーい、京太郎がお泊り!」 智紀(よし、今回こそは……) 京太郎「とりあえず家に連絡するわ」 ハギヨシ「準備はおまかせください」 京太郎「ありがとうございます」 客間- 京太郎「相変わらずハギヨシさんの料理は美味しかったなぁ~」 京太郎(さて、誰かの部屋に行ってみるかなぁ) 京太郎「衣~」 衣「ん、京太郎!」ダキッ 京太郎「おう」 衣「どうしたんだ?」 京太郎「暇だったから話でもなと」スッ 衣「うむ、良いぞ!」トサッ 京太郎(膝に乗るのか) 京太郎「結局、どうだったんだ?」 衣「なにがだ?」 京太郎「能力、戻ったか?」 衣「戻りはしないけれど、新しい力は手に入れたな」ニッ 京太郎「さらにか」 衣「京太郎のおかげだぞ、衣が強くなれたのは」ニコッ 京太郎「そうか?」 衣「そうだ♪」 京太郎「そういえば……」テクテク ハギヨシ「どうなされました?」 京太郎「さすがのタイミングですね、風呂っていつ頃入って大丈夫ですか?」 ハギヨシ「今なら平気ですよ」 京太郎「じゃあ、行ってきます~」 ハギヨシ「今(の好感度)なら(怒られないから)平気ですよ」ニコッ 風呂- 京太郎「ん~相変わらずうちより全然広いなぁ」 京太郎「ん、あれ……誰か」 京太郎「あ、歩!?」 歩「ひゃっ、京太郎!?」ビクッ 京太郎「す、すまんすぐに出るから!」 歩「待って!」 京太郎「お、おう?」 歩「ま、前もだったし、別に良いよ」 京太郎「そ、そっか……じゃ、じゃぁ……」 ザァァァァッ 京太郎(無感情でただ頭を洗え) チャプン 京太郎「……」 歩「あはは、温かいねー」 京太郎(前より、近い……?) 歩「あのさ」スッ 京太郎「ち、近いぞ」 歩「……女として見てくれてるんだ?」 京太郎「そりゃ、確かに気楽に話しかけられるやつの中でもお前ってトップクラスだけど、女として見ないとかはないし」 歩「ははっ、じゃあ、無理ではない……かなぁ」 京太郎「は?」 歩「京太郎と付き合う、とか」カァァッ 京太郎「へ?」 歩「だ、だからっ……そ、そういうこと」フィッ 京太郎「え、えっと……」 歩「どう、かな?」 京太郎「無理じゃないだろ、普通に考えて」 歩「へ?」 京太郎「だってさ、お前って可愛い方だろ明らかに」 歩「ふぇっ」カァァッ 京太郎「メイド服でスカート上げてあげてるとことか男は放っておかないって」 歩「ちょ、なにをっ!?」 京太郎「もうちょっとおもちがあればとは思うけど」 歩「う、うっさい!」 京太郎「だからさ、その……待っててくれよ、な?」 歩「えっと、なにが?」 京太郎「どうなるかわかんないけど、返事だよ」ポリポリ 歩「……うん!」ニコッ 三年後- 京太郎「卒業だな」 歩「そうだね」 京太郎「お前、あんまり変わらなかったな」 歩「……ごめん」 京太郎「なに気にしてるんだよ」ギュッ 歩「だって、こうして手をつないでるのは良いんだけど……腕組む時に当たってないでしょ?」 京太郎「べつにおもちがなくっても、柔らかいし」ニッ 歩「なななっ!」カァァッ 京太郎「まぁともかく、さ……」スッ 歩「へ?」 京太郎「えっと、もうプロとしての契約も済んでるしさ……結婚、しないか?」 歩「え……」 京太郎「透華たちに土下座したんだぞ『歩をくれ』って」 歩「そ、そんなことまで?」 京太郎「当然だろ……それで、これからもさ、こうやってなんでもない日常を過ごせたらなって思うんだよ……」 歩「うん」 京太郎「だから、一緒にさ、暮らさないか?」 歩「うん、これからも、京太郎と一緒が良い……」ギュッ 京太郎「おう」ニッ 歩「ずっとね♪」ニコッ 杉乃歩EXED チャプン 京太郎「……」 歩「あはは、温かいねー」 京太郎(前より、近い……?) 歩「あのさ」スッ 京太郎「ち、近いぞ」 歩「……女として見てくれてるんだ?」 京太郎「そりゃ、確かに気楽に話しかけられるやつの中でもお前ってトップクラスだけど、女として見ないとかはないし」 歩「ははっ、じゃあ、無理ではない……かなぁ」 京太郎「は?」 歩「京太郎と付き合う、とか」カァァッ 京太郎「へ?」 歩「だ、だからっ……そ、そういうこと」フィッ 京太郎「え、えっと……」 歩「どう、かな?」 京太郎「……」 歩「京太郎?」 京太郎「……」ボチャンッ 歩「京太郎!?京太郎!?メディック!メディ―――」 ハギヨシ「お待たせしました」 歩「京太郎が!」 ハギヨシ「のぼせてますね、おまかせください」 自室- 京太郎「ん、ここは俺の部屋……」 ガチャッ 京太郎「ん、透華?」 透華「起きてたんですの?」 京太郎「のぼせたのかそう言えば」 透華「えぇ、大丈夫ならこれはいりませんでしたわね」 京太郎「氷か?」 透華「えぇ」 京太郎「せっかくだしもらおうかな、せっかく透華が持ってきてくれたんだし」ニッ 透華「え、ど、どうぞ」カァッ 京太郎「あぁ、冷やっこい」 透華「そう」フフッ 京太郎「……あんま騒がないな」 透華「あっ、ま、毎度騒いでるわけじゃないでしょう!」 京太郎「おうおう」ナデナデ 透華「うぅ」カァァッ 京太郎「昔から、透華は人気者だったよな、なにもしないでも目立つし」 透華「京太郎もでしょう?」 京太郎「俺は悪目立ちだよ、中学の頃は不良だと思われるし」 透華「へぇ……」 京太郎「同じ金髪なのになぁ」 透華「そうですわね」スッ 京太郎(ち、近い……そういや透華のやつ俺のこと好きなんだよなぁ) 京太郎「んっ」ギュッ 透華「ひゃっ!?ななな、なんですの!?」 京太郎「いぃや、なんかまったく環境も家族も違うのに、こうやって一緒に居られるのって不思議だよなぁ、だいたい龍門渕に俺が入学できたってのもなんとも……」 透華「い、一緒にいたかったからですわ……」ギュッ 京太郎「おう、わかってるよ……」ナデナデ 透華「本当に、わかってますの?」 京太郎「わかってるさ、今はわかる……俺もお前がいないとダメだからな」 透華「へ!?」カァァッ 京太郎「そのまんまの意味だよ」 数年後- 歩「京太郎ーが帰ってきましたー!」 一「ん、海外に行ってたわりに早いねー」 智紀「いつもより早い」コクコク 京太郎「一応、俺ここの主人なんだけど?」 純「へ~敬語が良いのかぁ」 衣「衣もか?」 京太郎「いや……はぁ、もう良いかぁ……」 透華「お帰りなさい京太郎」ニコッ 京太郎「透華~!」ダキッ 透華「ちょっ、お腹の子に触りますわよ!」ドンッ 純「まぁそうなるわな」 一「まだ大きくなってないみたいだけどねぇ」 智紀「透華に弾き飛ばされて可哀そう」ギュッ 京太郎「智紀~」ギュッ 衣「衣もだ!」ギュッ 透華「人の旦那になにしてやがりますか!」 京太郎「いや、役得」 透華「う、浮気ですの京太郎!?」 京太郎「いや、そういうわけじゃ」 衣「そういえば今回の仕事は咲たちとも一緒だったと聞いた!」 京太郎「おま、変なことを!」 透華「ま、まさかぁっ!」 京太郎「落ち着け!」 透華「う、浮気なんて許さなくってよ!」 京太郎「違うって!」 一「まぁ、浮気なんてないだろうね」 純「だろうなぁ」 智紀「するとしたら館内の誰かだと思うけど」 衣「愛人なら衣がなるぞー!」 京太郎「なに勝手にへんな議論してるんだよ!」 透華「京太郎のへっぽこ旦那ぁ!」 ハギヨシ「やれやれですね」フフッ 龍門渕透華EXED 京太郎「ん、透華?」 透華「起きてたんですの?」 京太郎「のぼせたのかそう言えば」 透華「えぇ、大丈夫ならこれはいりませんでしたわね」 京太郎「氷か?」 透華「えぇ」 京太郎「せっかくだしもらおうかな、せっかく透華が持ってきてくれたんだし」ニッ 透華「え、ど、どうぞ」カァッ 京太郎「あぁ、冷やっこい」 透華「そう」フフッ 京太郎「……あんま騒がないな」 透華「あっ、ま、毎度騒いでるわけじゃないでしょう!」 京太郎「おうおう」ナデナデ 透華「うぅ」カァァッ 京太郎「昔から、透華は人気者だったよな、なにもしないでも目立つし」 透華「京太郎もでしょう?」 京太郎「俺は悪目立ちだよ、中学の頃は不良だと思われるし」 透華「へぇ……」 京太郎「同じ金髪なのになぁ」 透華「そうですわね」スッ 京太郎(ち、近い……そういや透華のやつ俺のこと好きなんだよなぁ) 京太郎「……」ナデナデ 透華「んっ……」 京太郎「……可愛いなぁ」 透華「ふぇっ!?」カァァッ 京太郎「やべ」 透華「そ、そろそろ寝ますわ!おやすみなさい!」シュバッ 京太郎「はえぇっ!って、嫌われてないよな?」 京太郎「ん、誰かからメールだ」 京太郎「誰からだろ?」 京太郎「ん、シロからか」 差出人:白望 本文『調子はどう、万全?』 京太郎「もうすぐ東京だからなぁ」 本文『もちろんだ、そっちはどうだ?』 差出人:白望 本文『豊音とエイスリンがもうテンション高い』 京太郎「ダルいのか」 本文『ちゃんと付き合ってやれよ』 差出人:白望 本文『うん、それじゃみんな楽しみにしてるから、東京で会おうね おやすみ』 京太郎「そうだなぁ」 本文『あぁ、東京でな! おやすみ!』 京太郎「お、良子さんからも来てる」 差出人:良子 本文『お久しぶりです、もうすぐインターハイですけれど大丈夫ですか?』 京太郎「おぉ、さすがにみんなインターハイの話題かぁ」 本文『えぇ、心の準備もできてますよ、東京も慣れてますからね』 差出人:良子 本文『なら平気ですね、もしかしたらはやりさんやすこやさんに絡まれるかもしれないので気を付けてくださいね』 京太郎「気を付けようがない」 本文『はい、心に留めておきます』 差出人:良子 本文『でも、私が呼び出したら来てくださいね?』 京太郎「ははぁ……」 本文『了解です(笑)』 差出人:良子 本文『冗談です、それではまた東京で good night おやすみなさい』 京太郎「おやすみなさいっと」 京太郎「お、次は雅枝さんだ」 差出人:雅枝 本文『もうすぐ東京やな、すっかり久しぶりやから、楽しみにしとるよ♪』 京太郎「それは嬉しい」 本文『俺も楽しみにしてますよ、また千里山の人たちと麻雀もやってみたいですし』 差出人:雅枝 本文『私とも打ってなぁ』 京太郎「ん」 本文『もちろんですよ、楽しみにしてます』 差出人:雅枝 本文『ありがとうな じゃあまた、おやすみな!』 京太郎「おやすみなさいっと」 京太郎「さて、ねるかなぁ」 京太郎「……もうすぐ東京だなぁ」 112日目終了- ?- 京太郎「今日もか」 「まぁな、もうすぐだぞ」ククッ 京太郎「んあ?」 「ほら、早くしろ」パチンッ 京太郎「お、おう?」 京太郎「恭子さんに会いに行くか」 「ん、そうか、あいつもか」 京太郎「はぁ?」 「いやなんでもない、都合が良いのか悪いのか」ハッ 京太郎「……?」ギィ 「どちらにしろ、もうすぐだ」 バタンッ 恭子「京太郎君か」 京太郎「……なんか疲れてます?」 恭子「なんかな、ん……荒川憩とやりあってからなぁ」 京太郎「そんなに強いんですか」 恭子「ん、正直化け物レベルやな、全力でなんとかやりあえて……まぁ勝ったけど」ハァッ 京太郎「本当に疲れてるんですね」 恭子「うん」 京太郎「姫松ってどうですか?」 恭子「主将は相変わらず強いし、漫もオカルトの発動がなんとかなりはじめたし、結構ええんとちゃうんかなぁ……あ」 京太郎「どうしました?」 恭子「主将が京太郎と会えんと寂しい~言うてたし、メールや電話だけでもしとき?」 京太郎「ん、はい」 恭子「告白までされたんやろぉ?」 京太郎「うぇ、なんで知ってるんですか!?」 恭子「へぇ、そうなんや」 京太郎「騙しましたね!」 恭子「ふふっ、でも羨ましいな」ボソッ 京太郎「へ?」 恭子「なんでもないよ」ニコッ 7月29日 113日目・朝- 京太郎「ふぁ……そういえば」 京太郎「誰に電話してみるかなぁ」 京太郎「美穂子さんに電話してみよう」 プルルルルッ 美穂子『もしもし?』 京太郎「あぁ美穂子さん、こんな朝にすみません」 美穂子『起きてたから気にしないで、どうしたの?』 京太郎「いえ、そういえば美穂子さんと池田の二人はいつ頃行くつもりですか?」 美穂子『そうね、八月の二日ごろには着くようにするつもりよ』 京太郎「なるほど」 美穂子『京太郎君はどうするの?』 京太郎「ん~、聞いてみないことにはどうにも」アハハ 美穂子『そう、なるべく早く会いたいわね』 京太郎「そうですね、じゃあこれで!」 美穂子『えぇ、またね』 京太郎「はい」 京太郎(朝ご飯までもうちょっと時間あるか)ウン 京太郎「せっかくだし朝ご飯まで時間つぶすかなぁ」 ガチャッ 京太郎「ん、衣だ」 衣「ん、おはよう京太郎!」 京太郎「朝から起きてるなんて珍しいなぁ」 衣「衣ももう子供じゃないからな、朝食だって作ってやるぞ!」 京太郎「おぉ、そのうち頼むよ」ナデナデ 衣「うむ!」 京太郎「昨日の話なんだけどさ」 衣「ん、魔断の力、わずかによみがえってきたきがするぞ」ニッ 京太郎「そりゃ安心だな、インターハイは化け物揃いだからな」 衣「うむ、心してかからねば!」グッ 京太郎「頑張れよぉっ!」ナデナデ 衣「うん!」ニコッ 京太郎「ふぅ、ハギヨシさんの御飯は相変わらずおいしかったぁ」 ハギヨシ「京太郎君もすっかりお上手になっているじゃないですか」 京太郎「うれしいですねー」 京太郎「そういえば、お前あれからどうだ?」 歩「あれからって?」 京太郎「普通に、麻雀の話だよ、一応麻雀部の補欠なんだから頑張ってもらわないとな!」 歩「うん、調子が良いと思う……あともうちょっとなにかれば掴めそうなんだけど」ムムッ 京太郎「頑張れよ!」ナデナデ 歩「うん、ありがと」ニコッ 京太郎「さて、どうするかなぁ」 京太郎「一、特訓だ!」 一「またぁ、絶対食べないでよ?」 京太郎「おう」 一「目を見て答えてよ」 京太郎「よし、精神統一だ」 一「えー」 京太郎「強くなるためだ!」 一「はいはい」スッ 京太郎「……」 一「」チラッ 京太郎「……」zzz 一「寝てるのかい!」バシッ 京太郎「へぶっ」 昼前- 京太郎(さて、どうするかなぁ) 京太郎「ハギヨシさん」 ハギヨシ「どうしました?」 京太郎「ハギヨシさんは、悩みとか無いんですか?」 ハギヨシ「……無いわけではないですよ」 京太郎「たとえば?」 ハギヨシ「私がいなくなったら龍門渕家はどうなるのかと、いや、正確には私が安心して透華お嬢様や衣様を任せられるに人間がいないことが悩みです」 京太郎「え、なにかあるんですか?」 ハギヨシ「えぇ、私がいなくなったら……京太郎君に後を継いでもらいたいと、いかがでしょう?」フフッ 京太郎「……」 京太郎「……」コクッ ハギヨシ「ありがとうございます、すぐにでも出ていきたいのですが君に色々と引き継がねばならないこともありますからね」 京太郎「はい……」グッ ハギヨシ(ええ、貴方なら安心です) 10年後- 「帰ってきましたね」 ギィッ 「ハギヨシ、お帰りー!」 パァンッ 「これは、どういうことですか?」 衣「おぉ、ハギヨシが驚愕しているぞ!」 透華「はじめてみましたわね」 ハギヨシ「どうして、わかりました?」 純「うちの執事は優秀なんで」 一「ほんと、どうかしちゃったかと思ったけどねぇ、もう8年以上も姿くらましてたハギヨシさんが帰ってくるなんて言い出して」 歩「やっぱりハギヨシさんほど尊敬できないのが良いところです」 ハギヨシ「……なるほど」フッ 京太郎「お帰りなさい、ハギヨシさん」 ハギヨシ「すっかり、板についていますね」 京太郎「そりゃ、もう10年近くやっていますから」 透華「いつまで経っても私たち相手にだけ執事っぽくないのですわ!」 京太郎「それが俺の良さだからな」フッ 透華「まぁ、その方が私としても良いですわ……京太郎は京太郎、ハギヨシはハギヨシですもの」ニコッ ハギヨシ「……」 京太郎「お帰り……ハギヨシ」ニッ ハギヨシ「えぇ、ただいまお戻りしました、京太郎」フッ ハギヨシEXED 京太郎「ハギヨシさん」 ハギヨシ「どうしました?」 ハギヨシ「5日からのことですか、“彼女”にも聞いたでしょうけれど、宮永咲さんとの決戦があります」 ハギヨシ「まず朝にその日、決戦へ赴くかどうかですね、行かなくても行くでもどちらでも良いでしょう」 ハギヨシ「しかし、そのまま放置すれば大変なことになるのでできる限り早く行きましょう、最も楽なのが5日に戦うことでしょう」 ハギヨシ「そして5日からできることと言えば今までと変わりません、違うことと言えば一部を除いた他県の生徒たちも一いるということでしょう……以上です」 ハギヨシ「あぁあと……やはり貴方に龍門渕を任せて良かった、京太郎」フッ 京太郎(どうするか、このまま昼食いただくか、それとも出て他のとこで食べるか……)ムムッ 京太郎(電話でもするか、誰にしよう?) 京太郎「咏さんに電話してみるか」ソソクサ プルルルッ 咏『もしもし、どうしたん?』 京太郎「いえ、なんとなく電話してみたくなったんで」 咏『へぇ、なんとなくであたしに連絡したんだぁ~嬉しいかも』 京太郎「あはは、なんか照れます」ハハッ 咏『まぁもうすぐ東京なんだし、そしたら沢山会えるし!』 京太郎「そうですね、じゃあまた!」 咏『うん、またね!』 プツッ 京太郎「……さて、頑張るかな!って昼かぁ」 昼過ぎ- 京太郎(結局昼御飯もいただいたな……) 京太郎「さて、どうするかなぁ」 京太郎「これが、俺の素敵滅法!」 ハギヨシ「まだまだですが、光るものはあります」フッ 夕方- 京太郎(さてと、そろそろ帰るのも手か……) 京太郎「ハギヨシさ~ん♪」 ハギヨシ「おやおや、どうしました?」 ハギヨシ「危険ですか、そうですね……選択による危険ですが、件の三尋木咏さんは東京に行けば強制的にイベントが発生するでしょう」 ハギヨシ「そして一番の問題は『??』が溜まっている方ですけれど、こちらでは誰一人として危険な方はいません」 ハギヨシ「危険な方は、そうですね……愛宕洋榎さんが危ないでしょう、連絡は早めにとっておかないと東京に行った時が怖いですよ」フッ ハギヨシ「では、また細かいなにかを聞きたい時は……3ですね」ニコッ 夕方2- 京太郎(んっと……) 京太郎「メールを誰にするかなぁ」 京太郎「洋榎さんにメールしてみるか、恭子さんにも言われたし」 本文『今、暇ですか?』 差出人:洋榎 本文『暇!久しぶりやなガースー!』 京太郎「おぉ」 本文『久しぶりです、中々連絡取らずにすみません』 差出人:洋榎 本文『寂しかったで(怒) まぁこうしてメールくれたから良かったけど』 京太郎「あぁ」 本文『ほんとすみません、東京でまた会いましょうね!』 差出人:洋榎 本文『うん、絹もおかんも会いたがってるから、また泊まりに来たりもするやろし!』 京太郎「楽しいからなぁ、あそこの家」 本文『また行かせてもらったりもあると思います それじゃ、また東京で!』 差出人:洋榎 本文『うん、楽しみにしとるよ~♪』 京太郎「ん、洋榎さんと絹恵さんの写メか……良いね!」グッ 夜- 京太郎「うわ、もう暗い!」 透華「またですの?」 京太郎「そういや前もあったなぁ……さて、帰るか、ありがとな」ナデナデ 透華「べ、別に構いませんけど……気を付けて」 京太郎「おう、それじゃぁな!」 深夜- 自宅- 京太郎「どうするかなぁ」 京太郎「ネトマでもするかな!」 一人目 グラマス 二人目 とよねー 三人目 どらごん 京太郎「健夜さんに豊音さんに玄さんかぁ」 グラマス:さて、やろうか!私に勝って見せてね! キョータロ:頑張ります! とよねー:よろしくねーがんばるよー どらごん:お任せあれ! 京太郎「お前の運命は俺が決める……!」 トップ グラマス 二着 京太郎 三着 とよねー ラス どらごん どらごん:やっばいのです とよねー:ちょーつよいよー キョータロ:もう無理 グラマス:あはは、最近自信ついてきたよ! キョータロ:いや、ほんと……これでまだ力があるんだから勘弁ですよ グラマス:普通にやればこれだね キョータロ:見抜けなんだ どらごん:お疲れ様! とよねー:おつかれさまだよー 京太郎「お疲れ様っと」 京太郎「豊音さんからか」 とよねー:ちょー強かったねー、京ちゃんでも勝てないなんてー キョータロ:あの人は別格ですよ、まぁ俺が勝てない人なんて案外いたりしますけど とよねー:えーちょー気になるよー、でも東京でまた会えるね、楽しみにしてるよー キョータロ:俺も楽しみにしてます! とよねー:またねー 京太郎「ん、ログアウトしたのか……さて、どうするかな」 京太郎「玄さんからか」 どらごん:インターハイ、私大丈夫かな? キョータロ:大丈夫ですよ! どらごん:だって私ボロボロで キョータロ:相手はとんでもだったんで大丈夫ですよ! どらごん:その中にキョータロ君が入ってるんだけどね? キョータロ:まぁとりあえず、また東京で会いましょう! どらごん:うん、またね! 京太郎「ログアウトしたかぁ」 京太郎「さて、寝るかなぁ」 京太郎「カピー?」 京太郎「……寝るか」パチンッ 113日目終了- ?- 京太郎「ん?」 「大罪同士で争わないんだな」ククッ 京太郎「は?」 「なんでもない」パチンッ 京太郎「はぁ?」 京太郎「淡に会いに行くかな」 「好きにしろ」 京太郎「おう」ギィッ 「どうなるか、だな」ククッ バタンッ 京太郎「よう淡」 淡「京太郎だ!」 京太郎「おう淡!」 淡「どうしたの?」 京太郎「なんとなくだよ、会いたくなっただけ」 淡「へぇ~嬉しいなぁ~」ギュゥッ 京太郎「抱きつくな!」 淡「やっこい?」 京太郎「もうちょっと大きくなってから言え」 淡「……えっち」カァッ 京太郎「うるせぇよ」 京太郎「白糸台って、どうなってたんだ?」 淡「ちょっとピリピリしてきたねー三連覇がかかってるから」 京太郎「だよなぁ、うちも見習ってほしいよ」 淡「えー大変だよー?菫なんて生理かってぐらい」 京太郎「そういうこと言うなよ!」 淡「う、うん、とりあえずみんな会いたがってたからね、またね!」フリフリ 京太郎「お、おう、またな!」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6221.html
特別編 side永水 ※日記発見から中身拝見までの流れは省略します ☆月◇日 学校の先生を「お母さん」と呼んでしまう現象、たまにやってしまう アレを今日不覚にもやらかしてしまった 部活中、つい霞さんを呼ぶ時、「あ、母さん…」と言ってしまった やばかった。一瞬時が止まった その後笑顔だけどすごい威圧感のある霞さんに正座させられた どういうことなのか、一体なぜ間違えたのか、をじっくりと聞かれた 後ろで爆笑を堪えているであろう初美さんと春がやけに目に付いた。今度仕返ししてやる 本当にうっかり間違えただけで、つい霞さんが落ち着いているからで、決して深い意味や悪質な意図は無い そう言うがそのまま部活終了まで俺は正座のままだった 俺が悪いけどさぁ……ぶっちゃけ初美さんと並んだら親子だろ、アレは 霞「」 初美「……これは私も怒るべき……ちょ、何か降ろしてません?」 小蒔「か、霞ちゃーん?」 巴「お、落ち着きましょう?ほら、これ日記ですから、多少はこういうこともあって……その……」 春「黒糖あるから落ち着いて?京太郎にバレるよ?」 霞「……そうね、えぇ……日記をこっそり見ている立場でこういうことは言えないわよね」 小蒔「ほっ」 霞「でも、ねぇ……」 霞「許せないことも、あるのよ?」ゴゴゴゴゴゴ 初美(あ、これ駄目ですねー) 巴(止めれそうにないです。ごめんなさい京太郎くん) 春(グッバイ京太郎。ちゃんと霊になってからも呼ぶから安心してね) 霞「ちょっと行ってくるわね?えぇ、大丈夫よ?話し合い(物理)よ?」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6073.html
第二章【モテル反撃!犯される女子力!】 アフター 京太郎の家 照「京ちゃん、お風呂ありがとう」 京太郎「はい……照さんの服。今、洗濯して乾かしてますから」 照「ん……助かる」 京太郎「服はどうしました?」 照「京ちゃんのYシャツを借りたの。というより、そろそろこっちを見て」 京太郎「……見たくありません」 照「どうして?」 京太郎「(これは夢なんだ。今照さんの姿を見たら、俺は、俺は現実を受け止めくちゃいけなくなる)」ブルブル 照「(京ちゃんは照れている。だったら、私が素直にさせるべき)」サワッ 京太郎「えっ!?」ドキン 照「私、京ちゃんとだったら……いいよ?」サスサス 京太郎「て、照、さん?」ドキドキ 照「ふふ、京ちゃんのアソコ……硬くなってる」サワ 京太郎「んっ、ダメ、です! 照さんっ!(や、やばい! 理性が!?)」ドキドキドキ 照「抵抗しても無駄だよ(そしてここで決め台詞)」ニヤリ . ´ ` 、 . , , ,. / ′. / , / ′. ∧ .i. | i| . | 、 i なぁ……すけべしようやぁ…… /_\ | .| | i| . | | ハ l |i | ./ ,イ '| .| _|_ il ト、 . | }/_, ∨ |i | / /' | l| .|_l |__ x、八. | \} '",,_ i´) |i | .// | 八 | 乂_弋ツ>\ |<弋ツ.ノ . ∧ リ. | ′ | \| ハ  ̄ \{  ̄´ / ∨ | |l λ , ハ | i| 込、 __ __,. ,イ ! 、 | __| |__,. ー‐ ´ ./| | ハ |-‐= ' | .l| | . /> . イ.>| | / ‐ | |l 八 |. ′ / | /| /_ '} 八 / \ | |-- 、 --/ . | / | / \| ト-========イ }' .ノ' 京太郎「……」 京太郎の京太郎「」シオシオ 照「えっ」 京太郎「あの、離してください」 照「あ、うん」 京太郎「乾燥機見てきます」スタスタ 照「うん」 バタン 照「……う、うわぁぁぁぁんっ!」ビエェェン 最大のチャンスを失った照ちゃんなのでした
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3460.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379321075/ 6・ 京太郎「咲……」 咲「京ちゃん……」 手が重なりあう。 暗闇の中では視覚が役に立たない。 それにともなって他の感覚が鋭くなってくる。 衣服の擦れる音が聞こえる。 時計の針が動く音が聞こえる。 心臓の鼓動が聞こえる。 触覚が、敏感になっていく。 京太郎「本当にいいのか、咲……」 咲「うん……」 咲の肩に手を置いて、そして――。 「おっきろーーーーーーーーー!」 ――ようやく目が覚める。 さて、牌の世界へ飛ばされるとかいうファンタジーな展開に、京太郎がたいして動じなかったのには理由があった。 それはすでに京太郎があるファンタジーを飼い慣らしていたからだ。 京太郎「……おはよう、カピ」 カピ「あ、ようやく起きた! ご主人さま、起きた!」 喋るカピバラというファンタジーだ。 京太郎「いい夢だったのに……! 正直、これ夢だなってわかってたけど……! あとちょっとだったのに!」 カピ「なになに? いい夢? 知りたい!」 京太郎「教えない」 カピ「さきちゃんの夢でしょ!」 京太郎「へ? なんのことだ?」 カピ「寝言でさきさき言ってた! ごまかせない!」 京太郎「ひどい」 カピ「フラレたのに健気!」 京太郎「うぅ……」 カピ「ストーカー野郎!」 京太郎「今日のお前ひどくね?」 カピ「それにしてももう高校生だっていうのに女の子の一人も部屋に連れてこないとは……人間の寿命は長いって言うても心配やわ」 京太郎「やめてください」 カピ「いないの? 仲いい女の子?」 京太郎「いや、そんなこと言われてもさあ……。あ」 カピ「どしたの」 京太郎「そういえば今日、和が来るんだよ」 カピ「へ~! その人、仲いいの?」 京太郎「う~ん、向こうはまだ俺のことを信用してない感じはあるんだけど」 カピ「じゃあ、何で来るの」 京太郎「こんなことがあってさ……」 昨日のこと。 見事、ニ人の男子部員を集めた京太郎。あと二人の男子部員と、一人の女子部員を求め、和に相談した。 京太郎「和。お前に憧れてここに来た麻雀の強いやつっていねーの?」 和「いえ……別に私は憧れられるような存在じゃありませんし」 そんなわけない。 京太郎「後輩とかは?」 和「あ……二人いるんですけど……確かにあの子たちは慕ってくれますね。嬉しいです」 京太郎「二人? 中学も強豪校ではないのか」 和「高遠原です」 京太郎「へえ、優希と一緒か。二人は幼馴染だったり?」 和「私は中学2年生のときにこっちに引っ越してきたんです。親友ですけど、幼馴染というわけではないんですよ」 京太郎「引っ越しか。前の中学は麻雀部強かったのか?」 和「そんな有名じゃない……いえ、麻雀部はありませんでした」 京太郎「なんてとこ?」 和「阿知賀女子学院中等部、です。知らないと思いますけど……」 京太郎「……奈良県の?」 和「知ってるんですか!?」 京太郎「小2のころから小4までの間、奈良県の小学校に行ってたんだよ」 和「私は小6からなので……ちょっと時期が違いますね」 京太郎「阿知女かぁ……じゃあ、もしかしてだけど、高鴨穏乃って人、知ってるか?」 和「え!? 知ってます! 須賀君も穏乃の友達だったんですか?」 京太郎「う~ん……どっちかというと、穏乃のおばあちゃん――雪乃さんと仲が良かったんだけどな」 和「えっと、たしかお土産屋でしたっけ?」 京太郎「和菓子屋でもあるけどな。和菓子を買うため、その店によく行ったんだ」 京太郎「最初は親と一緒に、だけどな。……雪乃さん、優しくって。いろいろよくしてくれたよ」 京太郎「学校帰りとかしょっちゅう雪乃さんのところに遊びに行ったっけ……いい思い出だ」 雪乃さんには大切なことをいろいろ教わった。京太郎の人生観の一部は、彼女によって形作られたと言っても過言ではないくらいだ。 京太郎にとっての初恋は咲であることに間違いはないが、雪乃さんにもほんのり淡い恋心を抱いていた。 年齢差は大変なことになるけど、それはまあ……。 和「穏乃とは、そのときに?」 京太郎「ああ。小学校は違ったけどな。雪乃さんを通して紹介された。遊んだのは数回だけど……まあ穏乃はあんな性格だ」 京太郎「人見知りだった俺とも、仲良くしてくれたよ。いいやつというか……すごいやつって印象だった」 和「……そうですね、私もそう思います」 奈良で過ごした三年間、それは幸せな時間だった。 奈良に来る前はあんなに心が苦しかったのに……。 ――苦しかった? あれ? 何で苦しかったんだっけ? 何で俺、引っ越したんだっけ? 和「そのころ穏乃はどんな感じでした?」 京太郎「見るか? アルバムにそのころの写真があるし」 和「お願いします」 京太郎「あ、そうだ。小6の穏乃も見たいな。どんな風に成長したのやら」 和「じゃあ、私もアルバムを持っていきますね」 持っていく? 持ってくるじゃなくて? 和「須賀君の家へ」 カピ「のどかちゃんのこと好きなの?」 京太郎「ん? おもちが大きいから好きだぜ。咲と絡ませたら最高の百合ップルだろうな……」 胸の大きさに差がある百合ップルは最高。京太郎が辿り着いた、一つの真理だった。 カピ「そうじゃなくて、恋愛感情的に」 京太郎「ははは、まだ出会って一ヶ月も経ってないんだぜ? どうやって惚れるんだよ」 カピ「そういえば気になる! どうしてご主人さま、咲ちゃんのこと好きになったの?」 京太郎「え~? うふふふ///」 カピ「なんか気持ち悪い」 京太郎「いろいろ咲のことが気になるイベントはあったんだけど……決定的だったのは修学旅行のときだな」 カピ「お、何だかまともそう」 京太郎「修学旅行の一日目、夕食の時の話だ。その夕食はいくつかのコースから好きなメニューを選べた」 京太郎「まあ若者の集団なわけだからみんな肉料理とかを選んでた。その中で咲は秋刀魚の塩焼きを頼んでたんだ」 京太郎「いや、秋刀魚の塩焼きも、もちろん美味しいよ? でも、それを選ぶ人は少なかったからさ、思わず注目しちゃったんだ」 京太郎「それでな、すごいんだぜ、咲。すっげー綺麗に魚を食うの」 京太郎「骨と身を綺麗に分けて、食べれるところは全部食べて、最後に残るのは綺麗な骨」 京太郎「俺、魚食うの苦手でさ、親に厳しくしつけられたからそこそこ綺麗には食えるんだけど」 京太郎「咲のは今までに見たことがないくらいに綺麗だった。あのときは、もう、マジで惚れたね。結婚したくなった」 カピ「目の付けどころが、シュールです」 京太郎「そうかな、惚れ惚れするぜ?」 カピ「まあ、それはいいんだけど……のどかちゃんが来る前に本棚の百合本は隠してね」 京太郎「……忘れてた」 本棚上部から下部までそびえ立つ百合! 百合! 百合! こんなの見られたらドン引き間違いなし! 京太郎「片付け完了! あとは和が来るまでゆるゆりの最新刊を読んで待ってよう」 カピ「片付け完了してない!」 京太郎「………………」 京太郎「……ふへっ」 京太郎「…………ふぬっ」 京太郎「……ふぅ。ゆるゆりは百合じゃないよなー。ほんのり百合っぽい、友情日常漫画って感じ」 カピ「そうなの?」 京太郎「ひまさくは百合だけど」 カピ「あれ」 京太郎「結京も百合だけど」 カピ「おい」 京太郎「あれ? やっぱり百合漫画じゃね?」 京太郎「っていうか、この世の漫画は全部百合漫画じゃね?」 京太郎母「京太郎ー! お友達が来たわよー!」 京太郎「うおおっ! 思ったより来るの早い! ゆるゆりは……ベッドの中にでも入れとくか」 カピ「ガンバッ!」 京太郎「いらっしゃい、和」 和「お邪魔します、須賀君」 部屋に和を招き入れる。 普段部室でしか会わない人が自分の部屋にいるのは何だか不思議だった。 和「……何だかいろいろと驚きました。須賀君ってお金持ちだったんですね」 京太郎「違う違う、お金持ちなのは俺の親」 京太郎「尊敬はしてるけどな、親のこと」 京太郎「ま、そこに座ってくれ」 小さいテーブルの前に置かれた座布団の一つを指さす。 和が座ったのを確認し、その反対側に京太郎も座る。 和「須賀君、結構本を読むんですね」 本棚を見上げながら和は言った。 ちなみに百合本棚はクローゼットに入れ、普段はクローゼットに入れている麻雀関連の本棚を外に置いてある。 カモフラージュのためだ。 和「麻雀関連の本がいっぱい……これ、一年やそこらで集められる量じゃない気が……」 京太郎「ん? ああ、5,6年分くらいだけど」 和「須賀君って麻雀を始めたの、最近じゃなかったですっけ」 ……そういうことにしてるんだった。 自分の昔話は秘密にしておくようにやっさんに頼んだのだ。 本当は強いんだぜー! とか恥ずかしいし。 つーか今の俺じゃ、誰にも勝てないから、バレるわけないんだけどな! 京太郎「えーと、打ち始めたのは最近だけど、本とか見て研究は昔からしてたんだ」 京太郎「さ、そんなことより、アルバム見ようぜ」 カピ「キュー!」 京太郎「ん? お前も見たいか?」 カピ「うっす!」 和「いま喋りませんでした!?」 京太郎「珍しいな、和がそんな変なことを言うなんて」 カピ「キュー」 和「き、気のせいですか」 京太郎「そうそう。カピバラが喋るとか非科学的。せーの、はいっ……『そんなオカルト』?」 和「それ、持ちネタじゃないです!」 1ページ目。 手をつないでる写真。 和「仲良かったんですね」 京太郎「懐かしいなあ……」 家族同士で写っている写真。 和「家族ぐるみの付き合いだったんですね」 京太郎「むしろそっちが中心だったかな。よくいろんなところに行ったなぁ」 京太郎「山とか、キャンプ場とか、山とか、なっらーけんこーらーんどとか、山とか」 山での写真が何枚か出てくる。 和「このときから穏乃、山が好きだったんですね……」 京太郎「へえ、その言い方だと今も好きなのか? うん、確かにあいつ、山には並々ならぬ執念があったし」 京太郎「一回だけ、だけどな。俺と穏乃の二人で山に登ったんだよ。近くの小さな山」 京太郎「まだあのときは幼かったし、遭難――ってほどじゃないけど迷子になって――」 心細くて、不安で、怖くて、泣きそうだった。 でも穏乃は違った。 楽しそうだったんだ。 京太郎「怖くないの?」 あのとき、俺は聞いた。 その質問に、うん、と答えるだろうと期待して。 穏乃「そんなことないよ。山は怖いものなんだよ」 穏乃「天気だって、動物だって、地形だって、山は人間に牙をむくことがあるんだ」 穏乃「それでも、そういうことをちゃんと理解したとき」 穏乃「山は私たちにいろんなものを与えてくれるんだ」 穏乃「私は、楽しさをもらった」 穏乃「山は怖いけど、楽しいんだ!」 そのときの穏乃の顔を見ているうちに、心が落ち着いたんだ。 落ち着いた心で周りを見回したら、帰り道が何となく見えたよ。 ……あ、この話にオチはないんだけど、印象に残ってる、大切な思い出だ。 和「私も、穏乃と登ったことがあります」 京太郎「お、そうなのか」 和「1つだけ穏乃に言いたいことは、山登りに適した格好をすべきということです」 京太郎「その辺はなあなあで済ませよう」 和「いいんでしょうか……山登りが好きなある人が」 和「『こんな格好で山登んな!小さい山だろうが慣れた山だろうが関係ねえ! 山なめんな!』って激怒してましたけど」 京太郎「どんなものでもマニアというのは面倒くさいものだからな」 百合男子もそうだけど。 京太郎「さてと、次のページ……」 一緒にお風呂に入ってる写真。 京太郎「……は、また今度にして、和の持ってきたアルバムを見せてくれ!」 和「何ですか、今の写真」 京太郎「恥ずかしかったのでナシ」 和「お風呂ですか」 京太郎「まだお互い幼かったからな――実に微笑ましいよな!」 和「はぁ……まあ、普通ならそうなんでしょうけど……穏乃の場合はそうはいかないような」 京太郎「へ? なんで」 和「穏乃が小6のときの写真です」 京太郎「変わってない」 和「こっちが中1のときの写真です」 京太郎「難易度の高い間違い探しか」 和「最後、引っ越すときに撮った写真です」 京太郎「女の子らしくなった……ということはなかった」 和「つまりその写真は幼かったころの微笑ましい1ページというわけにはいかないんです。今現在の写真と言っても過言じゃないんです」 京太郎「いや、その理屈はおかしい」 本当におかしい。 和「というわけでこの写真はお預かりするということで」 京太郎「いやいや、なんでそうなる……ハッ」 もしかしてもしかすると。 百合名場面図鑑収録「あの子の写真を持ってるのは私だけじゃないとイヤ」なのか!? そういえば和のカバン。誰かから貰ったんじゃないかと妄想したが、あれは現実!? あのカバン、穏乃のイメージとマッチングしてるし! 間違いない! 穏和は現実だったんだ! 百合はファンタジーじゃなかったんだ! 百合は現実だったんだ! 京太郎(いや、落ち着け俺、素数を数えるんだ。2,3,5、7、11、13……あ、間違えて奇数を数えるの忘れてた) 和「どうしたんですか?」 京太郎「なんでもない、とにかくその写真を元の場所へ」 手を伸ばす。少し届かなかったので体を乗り出した。 和「そんなに必死に取り戻そうとするとは……やはり」 京太郎「ないない、ありえな、うわっ!」 バランスを崩す。 和を押し倒す。 ベッドにダイブ。 京太郎「………………」 和「………………」 今朝見た、夢のことを思い出した。 目の前の少女が咲だったらな、と思った。 京太郎「和……」 和「す、須賀君」 カピ「キーッス!」ヘイッ! カピ「キーッス!」ソレ! 和「あれ、なにか言いました?」 京太郎「……ちょっと待っててくれ」 和「なにをするんですか?」 京太郎「カピを可愛がってくる」 和「それ今する必要あるんでしょうか……」 京太郎「クッ……まさかこのことを教えなければならないとは」 和「な、なんですか」 京太郎「誰にも言うなよ?」 和「は、はい」 京太郎「俺と和、二人だけの秘密だからな?」 和「わかりました」 京太郎「実は俺……一時間に一度はカピをモフモフしないと手が震えたりするんだ」 和「モフモフ中毒ってやつですか? 大変ですね。もしモフモフしなかったら、いったい……」 京太郎「俺自身がカピバラになる」 和「予想通りです」 京太郎「と、いうわけで、さあ! こっちの部屋でモフモフだ! カピ!」 カピ「堪忍してくれー!」 バタンッ! ―――――――――――― 京太郎「と、いうわけで、さあ! こっちの部屋でモフモフだ! カピ!」 須賀君はニコニコとした表情でカピさんを抱きかかえた。 カピ「堪忍してくれー!」 気のせいだろうか。喋った気がするのだが。 いや、そんなオカルト――いや、やめよう。持ちネタ扱いされる。 バタンッ! 扉が閉まる。 和「そういえば、さっき……」 ベッドに倒れたとき、背中にゴツっとしたものが当たった気がする。 和「何でしょう、四角い感触でしたけど……」 布団の中に手を入れると、中から本が出てきた。 和「漫画……でしょうか?」 タイトルは「ゆるゆり」。聞いたことはない。 しかし、その本が放つ魔力に、和は冒されていた。 読んでみたいという、恐ろしい魔力に。 和「……須賀君が来るまでの間、読んでみましょうか」 カピをモフり終えた京太郎は、自分の部屋に戻ってきた。(※モフる=人前で喋らないように指導すること) 京太郎「わるい、和。遅くなった」 和「い、いえ。だ、大丈夫です」 ……何故だろう。 心なしか和の顔が赤い気がする。 そしてそれ以上に。 和から百合のにおいがする気がする。 和「ま……まさかあんな世界があっただなんて」 京太郎「和?」 和「は、はい!」 京太郎「もしかして、体調が悪いのか?」 和「い、いえ! そういうわけでは」 京太郎「ならいいんだけど」 和「そ、そうです、須賀君! カピさんは?」 京太郎「今は眠ってる」 和「そうなんですか」 京太郎「物理的に」 和「どういうことですか!?」 京太郎「俺のモフりテクが気持ちよかったんじゃないか?」 和「妙な造語を創らないでください」 京太郎「さて、それじゃ本格的に和が持ってきた写真を見ますか!」 和の写真。和と穏乃と知らない女の子ふたりの写真。 和「この子――憧というんですけど、誰かに似てると思いません?」 京太郎「えー? うーん……俺の知ってる人?」 和「もちろん」 京太郎「むむむむ……」 普段は女の子を百合妄想のために使っているので、あんまり顔を覚えていないのだ。 大事なのは関係性だし。 顔の良し悪しなんておまけなのだ。 でも、今回は違った。 答えの少女が唯一、京太郎が百合妄想を出来なかった人物だからだ。 京太郎「ゆうき……そうか、優希か!」 ちゃんと顔を覚えている三人のうちの一人だった。 和「そうです。あれ……思ったより時間がかかりましたね……即答すると思ってたんですが」 京太郎「はは……いや、こういうの苦手でさ」 そのとき京太郎の脳裏にあるひらめきが宿った。 まだ京太郎は疑問に思っていたのだ。 なぜ優希で百合妄想をすることが出来ないのかと。 もしその原因が容姿なら。 優希と似た憧という少女でも百合妄想は出来ないかもしれない。 そうなると疑問が解消される。 京太郎「……行こう」 和「行くって、どこへ……」 京太郎「奈良」 和「え」 京太郎「吉野へ行こう!」 和「今からですか!? 五時間はかかりますよ!?」 京太郎「時山さん」 時山「はい、ここに」 京太郎「ヘリ、出してもらえますか」 時山「かしこまりました」 和「え? え? え? 執事さん?」 時山「ちなみに私、萩原さんの旧友です」 和「なんかこの人、めちゃくちゃ下手な伏線を張りましたよ」 京太郎「そういうのは伏線とは言わない」 6・終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6049.html
まとめ 設定 本編1 本編2 本編3 本編4 本編5 本編6 別ルート おまけ1 おまけ2 おまけ3 おまけ4 おまけ5 本スレ 理沙「京太郎!」プンスコ 京太郎「わかりました」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/8822.html
仕事をこなし切った頃、差し込む朝日に意識が向いた。 最も今やっているのは、監督の意図を読み切れなかったことの不始末だが。 京太郎「監督が新道寺を外した理由はこれか?」 新道寺メンバーの枠をサイズ変更。 その下に白糸台メンバーを近いサイズにして並べる。 京太郎「先鋒の照さん対策に、防御特化の花田選手で凌ぎ切る。 次鋒、中堅は定石。副将と大将の反撃で勝利を、か」 有力候補の筈なのに、昨日監督は新道寺の調査を外した。 わざわざ姫松調査まで指示したにも関わらず、だ。 ようやく見当がついた。見事に白糸台対策に徹している。 白糸台のみ、と言い換えてもおかしくない。 先鋒にエースではなくエース対策、となれば奇策の一種だ。 嵌ればいいが、外せば定石の敗北より傷が深くなる。 故にウチとぶつかっても心配はない、ということなのか。 確かに新道寺、白糸台共にAブロック側だ。 楽観しまくっていいなら、共倒れなんてこともある。 しかしそうなれば、その2校を降した別の2校が上がってくるわけで。 多分千里山とどこかが。 あるいは千里山と新道寺が落ちて、奇策喰らって疲弊した白糸台を撃つ算段? 京太郎「あーダメだ。こんがらがってくる。流石に仮眠2時間挟むだけじゃキツイわ」 大会初日からほぼ完徹なんてバカやってるのは俺くらいかも。 椅子ごと後ろに背伸び。あー、体中がバキバキいってやがんの。 ネリー「バカじゃない?」 京太郎「どぅわ!」 驚きの余り後ろに倒れた。 椅子ごとだったので、背中へのショックは間接的で済んだが。 天地逆転の視界にネリーがいた。 そりゃいなかったら、ネリーの声を幻聴したわけだから正しいんだけど。 京太郎「なんでいるんだ? カギは?」 ネリー「フロントで借りた」 京太郎「なんてザルなセキュリティ!」 男の部屋のカギ貸せ、なんて要望に応えるなよ。 ネリー「朝食に来ないし、ケータイ繋がらないし心配したんだよ」 仮眠起こしのアラーム使ってから、電源切ったままだったな。 ん、朝食? 京太郎「今何時だ?」 ネリー「7時半ぐらい」 嘘だろ!? こんな日差しで? 起き上がってカーテンを開く。 8割曇り空。2割青空? 降ったり止んだりになるだろう面倒な空だった。 あるいは急激な俄雨になりかねない空模様。 光が弱いんで、明け方の日差しと勘違いしちまったわけね。 京太郎「ゴメン、世話かけた」 ネリー「ホントだよ。罰金だからね!」 京太郎「ああ、値段はそっちで付けてくれ」 流石にコレぐらいはできる。しないなんて俺の沽券に関わるし。 ネリー「え、と今すぐは要らない、かな。ツケといてあげる!」 余計にカッコ悪いだろーが。 ネリー「いいの! それでキョウタローはどうするの? 起きてられる? また寝る?」 京太郎「そりゃ寝たいけどマズイだろ。せめて一言詫びとかなきゃ」 ネリー「ネリーが言っといてあげるよ! 椅子にもたれてイイ顔で寝落ちしてたから 起こすのに気が引けたって」 ありがたい、と思ったのはやはり寝不足だからか。 不義理にはなるが、チェックとファイリングは済ませてある。 データ編集もだ。まあ言い訳は利く。 京太郎「頼もうかな。代わりに昼奢るわ」 ネリー「ホント!? 絶対だよ!」 頷いてベッドの横へ向かう。綴じたファイルとフラッシュメモリ数個をケースに移した。 京太郎「監督に渡してくれるか? データは出来てたみたいなんで 寝てる横から持ってきましたって」 ネリー「うん、わかった」 ケースを両手でしっかり持ち、こっちに顔を向けた、と思いきや何やら悪い表情。 ネリー「奢るのネリーだけじゃ済まないと思うよ?」 京太郎「あー。仕方ないさ。コレじゃあな」 返事しつつケータイ再起動、アラーム再設定、と。 照さんの時より自分のマズさは分かる。むしろこれでいいなら御の字だ。 ネリー「札掛けとけば、掃除来ないでしょ? 起こしに来てあげるから、カギ持ってっていい?」 京太郎「今アラーム設定してるぞ」 ネリー「二度寝されたら困るの! 勝手に持ってくよ!」 そう言ってドアに向かっていく。まあ、カギはともかく、だ。 京太郎「ネリー!」 大きめに声を出す。ビクっとしてこっちを振り返る。 ネリー「なに?」 京太郎「ありがとう」 これを伝え忘れたら、どうしようもない。 心配そうだったネリーの表情が解れていく。 ネリー「うんっ!」 可愛く微笑ったネリーがドアの向こうに出ていった。 京太郎「さて、と」 シャワーぐらいはざっと浴びよう。でなきゃ寝てる途中で起きちまう。 カンッ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3478.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1395560725/ 京太郎「ゆみさんはまだかな?」 加治木「すまない京太郎待たせてしまったか?」 京太郎「大丈夫です。今きたとこですから」 加治木「ならよかった。それで京太郎今日はどこに行くんだ?」 京太郎「今日は雀荘に行きます」 加治木「わかった」 加治木「だが、京太郎前みたいにトバされることはないだろうな」 京太郎「お、おそらく」 加治木「ならいい」 京太郎「お、咲じゃねえか」 咲「あ、京ちゃんと加治木さん」 加治木「こんにちは宮永さん」 京太郎「よーし、咲一局打とうぜ」 咲「いいけど、三人しかいないよ」 トシ「すまないが、その卓に混ぜてもらえるかねぇ」 豊音「こんにちはー宮永さんと加治木さんと京太郎くん」 京太郎「これで四人になったな。さっそくやろうぜ」 豊音「がんばるよー」 結果 豊音「やったー!!一位だよ」 咲「負けちゃったな」 加治木「京太郎今回はトバなかったな」 京太郎「いや~、トバなかったけどやっぱり勝ちたかったですね」 加治木「気にするな。前回よりは強くなっているのだから」 咲「うん。京ちゃん前よりも強くなったよ」 京太郎「そうか。だが次は勝ってやるからな!!」 咲「私も負けないよ!!」 加治木「京太郎次はどこに行くんだ」 京太郎「次は劇場に行きます」 加治木「わかった。行こう」 京太郎「ゆみさんはどの映画が見たいですか」 加治木「私は……」 加治木「今はみたいのがないな」 京太郎「そうですか。なら球場に行きましょう」 加治木「よし。そうしよう」 加治木「そういえば、今日の試合には蒲原がでるといっていたな」 京太郎「おお。蒲原さんのチーム勝てるといいですね」 京太郎「お、ちょうど始まりましたね」 色々あって 京太郎「9回裏で4対1」 加治木「満塁でバッターは蒲原か」 京太郎「お、ピッチャーが投げましたよ」 カキ―ン 実況「おおっと、蒲原選手これはホームランになるか~」 実況「はいったー!!ホームラン!!」 加治木「おい、あのボールこっちにくるぞ!!」 京太郎「ゆみさん危ない!!」 京太郎「大丈夫ですか!!ゆみさん」 加治木「あ、ああ。大丈夫だ」 加治木「ありがとうな京太郎」 京太郎「か、彼女を守るのは彼氏の役目ですから///」 加治木「そ、そうか///」 京太郎「も、もう夜ですしどうします?///」 加治木「京太郎はどうしたい?」 京太郎「俺はクレーンゲームがしたいです」 加治木「なら、そこにあるゲームセンターに行こう」 京太郎「ゆみさんなにかほしい景品ありますか?」 加治木「そうだな……」 加治木「小鍛冶プロへの挑戦権付きエトペンがほしいな」 京太郎「お、あれなら簡単に取れそうですよ」 京太郎「…………よし取れた!!」 京太郎「ゆみさんどうぞ」 加治木「ありがとうな京太郎」 加治木「お礼に何かしてやろう」 加治木「京太郎何かしてほしいことはあるか?」 京太郎「俺はキ、キスしてほしいです」 加治木「キ、キスだと///」 京太郎「キ、キスです///」 加治木「わかった。では行くぞ///!!」 京太郎「は、はい///」 京太郎(こうして俺の初デートは大成功で終わった) そして三年後 京太郎(今日俺はゆみさんと結婚する予定だ) 京太郎(だが、そのためにはまだやるべきことが俺にはある) 京太郎(それは) 京太郎「咲、今日こそ俺はお前に勝つ!!」 咲「京ちゃん、式まであと1時間しかないよ」 京太郎「わかってる。」 京太郎「だがお前に勝てて初めて俺は自分をゆみにふさわしい人間だと思える」 京太郎「だから咲全力で来てくれ」 咲「・・・・・・わかったよ京ちゃん」 京太郎(おれは全力で咲と戦った) 京太郎(そして俺は咲に勝った) (式場) 京太郎「ゆみさん咲に勝ってきました」 京太郎「ゆみさん、いや、ゆみ」 京太郎「僕と結婚してください」 加治木「喜んで」 カン
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3458.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379321075/ 4・ 京太郎「別に俺、メイド服でもいいですよ」 まこ「いや、そりゃぁちぃと……」 京太郎「ていうか、メイド服の方がいいです」 まこ「別にそがぁに頑張らのぉても……」 京太郎「ぶっちゃけ、メイド服が着たいです」 まこ「本音はそれか!」 長期的な麻雀ブームの到来により、雀荘も増加傾向にある。 それにつれて雀荘同士の客取り競争は激化しており、サービスの多い雀荘も最近では珍しくなくなってきた。 ペット雀荘。カラオケ雀荘。レストラン雀荘。添い寝雀荘。膝枕雀荘。ネットカフェ雀荘。 商売って大変である。 そして、雀荘「Roof-top」はメイド雀荘であった。 京太郎「メイド雀荘なんだから俺もメイド服を着てしかるべきですよね」 まこ「執事服を着んさい」 京太郎「メイド服がダメなら全裸でも……!」 まこ「執事服を着ろ」 京太郎「……うっす」 しぶしぶ執事服を着る。メイド服のほうが良かったけど、それでもやはり普段しない格好というのは新鮮だ。 執事服を着ると、不思議と気持ちがシャンとした。 紳士的な性格になったかのようだった。 まこ「お、ええのぉ。似おぉとるよ」 京太郎「ふふ、ありがとうございます。染谷先輩のメイド服も美しい! 私、ドキッとしました」 まこ「な、なんかキャラが変わっとらんか?」 京太郎「そうですか? 私は、いつもどおりですよ。普段と格好が違うので、そういう風に見えるのかもしれませんね」 まこ父「君が今日のバイト……須賀君だね。ふむ……私の若いころにそっくりだ」 京太郎「そうなんですか? 光栄です」 まこ父「麻雀の修行も兼ねてるんだったか?」 京太郎「はい。バイトで修行というのは誠実さに欠けるかもしれませんが……」 まこ父「はっはっは、構わないよ。……実はね、私も高校生だったころ、ここで君と同じようなことをしたんだ」 京太郎「バイトしながら修行、ですか」 まこ父「そのときこの雀荘の看板娘だった染谷奏――それが今の私の妻だ」 京太郎「婿入りですか? ロマンチックな話ですね」 まこ「な……なんか恥ずかしぃけぇ、あんたら、やめぇ」 まこ父「奏の父――つまりまこの祖父も似たような経験があるらしい」 京太郎「なにか……運命のようなものを感じますね」 まこ「ひょっとしてこれわしで遊んどる?」 客A「すみませ~ん! アイスコーヒーアリアリで!」 客B「あ、俺はナシナシ頼むわ」 客C「こっちはアリナシー」 客D「アリアリこっちにもひとつ」 客E「二人目と同じやつ、よろしゅう」 客F「じゃあこいつの逆をひとつ」 客C「やっぱりアリとナシ逆にしてくれる?」 客A「俺も逆にしてもらおうかな」 客G「どん兵衛お願い!」 客H「ソースかつ丼」 客I「かつ丼にとき卵じゃなくソースかける野蛮人が! あ、レモンステーキお願いします」 客J「レモンステーキはステーキじゃない。佐世保市民はおかしい。冷茶ひとつ」 客K「私は熱茶をお願いしようか」 客L「ここまでで一番多く注文されたやつをひとつ」 客M「それじゃ僕は二番目に多く注文されたやつにしようかな?」 京太郎「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」 暗記ゲームかよ。 暗記力にはそこそこ自信があるけど。 客N「わー今日は執事さんがいるー! 私今日この人と打つー!」 京太郎「ご指名ありがとうございます」 客O「ふっ、執事か。たまには趣向を変えて執事と打つのも悪く無い」 京太郎「ありがとうございます」 客P「ちょっと執事さん。手袋かじってみてください」 京太郎「はい」 客P「……イイッ」 京太郎「ありがとうございます」 5半荘終了。だが10半荘ぐらいやったような疲れだった。 京太郎(今日の成績は……連対率4割、トップは0……ノーレートじゃなかったらタダ働きになるところだった) 客Q「店員さん、本走、入ってくれよ」 京太郎「はい、ただいまー……って、あっ」 客Q「よう、京ちゃん」 それは京太郎の新しいクラスメイトである八坂という少年だった。 京太郎「やっさん……麻雀打つんだな」 八坂「遊びだけどな」 京太郎「麻雀歴は?」 八坂「秘密」 京太郎「強いのか」 八坂「俺にとって麻雀は遊びだから……」 京太郎「強いんだろ?」 八坂「……どうしてそう思う」 京太郎「纏っているオーラが強者のそれだ――なんて言えたらかっこいいんだけどな。俺はそういうの見えないし、ただの勘だ」 八坂「頼りにならない勘だな。……俺は弱いよ」 サイコロを回す。親は八坂だった。 八坂「正直、諦めてたんだ」トンッ 京太郎「なにを」 八坂「麻雀」 京太郎「……へえ」 八坂「ありがちな挫折を経験してな。本当にありがちでつまんない挫折を」 京太郎「麻雀が嫌いになったってか」 八坂「お前は好きなのか」 京太郎「……………………」 八坂「まあいい。別に嫌いになってなんかいねえよ。ただ麻雀を真剣にやるのがアホらしくなっただけだ」 京太郎「真剣にやったほうが楽しいだろ」 八坂「思ってもないこと言うなよ」 京太郎「ははは……ひどいな」 八坂「俺はな、去年までクラブチームに入ってた」 京太郎(やっぱりか……) 八坂「恵比寿のJrユースだ」 京太郎「!」 八坂「俺はプロになりたかった」 京太郎(おい……おいおいおい、まじかよ……。只者じゃないって気はしてたけど、Jrユース出身とはな……) Jrユースとは中学生対象のプロ養成組織。恵比寿はあの小鍛治健夜が過去に所属していた強豪チームだ。 そこのJrユースのメンバーということはつまり、麻雀のエリート中のエリートということ。 京太郎「かんべんして欲しいぜ……負けてもへこたれない精神とか、俺にはねーのに」 他者を圧倒する強運も。 負けても次に向かおうとするガッツも。 ……麻雀が好き、とかいう言った者勝ちな言葉も。 八坂「お前の麻雀歴は」 京太郎「一年とちょっと、お前とは比べ物にならないくらい短いよ」 八坂「嘘だろ、それ」 確信めいた言い方だった。 京太郎「勘、か?」 八坂「違えーよ。見たことあるんだ、お前を」 京太郎「………………」 八坂「ジュニアチームでな」 Jrユースが中学生対象のプロ養成組織なら、ジュニアは小学生対象のプロ養成組織だ。 八坂「確かあれは長野のジュニアチームだった」 八坂「たった一度だけ戦って――それ以降そいつに会うことはなかった」 八坂「あのとき俺は誰よりも強かった」 八坂「小学生に敵はいないと思ってた」 八坂「井の中の蛙の典型だな」 八坂「だけど、お前に――負けた」 八坂「運が悪いとか、調子が悪いとか、そういう言い訳もできないほど完敗だった」 なにも、答えられない。 言葉がなかった。 八坂「……配牌6シャンテンから和了る確率は10パーセントを切るとも言われてる」 八坂「お前の配牌は6シャンテンと言っても最悪な方の6シャンテン」 八坂「七対子がなきゃ8シャンテンのクズ配牌。和了る確率は5パーセントも無いんじゃないか?」 八坂「本来、お前は一回も和了れないのが正しいんだ」 八坂「なのにお前は、負けてるとはいえ和了れてる」 八坂「それはお前が強いから」 八坂「配牌運は最悪。ツモ運も凡人並」 八坂「だけどお前は、それ以外のパラメータがマックスなんだ」 八坂「麻雀漫画でよくいるよな? すごい観察眼を持つやつ」 八坂「相手の視線移動、発汗、理牌の動き、どこから捨てたか、文字で書くだけなら簡単だからみんなが使いたがる設定」 八坂「言うまでもなく、リアルじゃほとんどありえない、出来るわけがない、そういう観察眼」 八坂「そんな馬鹿げた技術を馬鹿なお前は本当に身につけちまってるんだ」 八坂「当然、点数期待値の計算を完璧にこなして、どこで押すか引くかを理解してな」 八坂「言うまでもなく強くなりえたのに」 八坂「それを無に帰す配牌の運の悪さ」 八坂「苦労も努力も水の泡と化す悪運」 一呼吸おいて、彼は言った。 八坂「……お前、いったい何をした」 八坂「何をしでかしたらそんなことになる」 八坂「なぜお前は麻雀をやめた」 八坂「8年前、なにがあった」 京太郎「……さあ、知らね」 八坂「知らないってことはないだろ」 京太郎「……誤魔化してるわけでも、煙にまこうとしてるわけでもないぜ? そんな昔のことはもう忘れた」 八坂「ふーん、忘れた、か」 京太郎「でも1つだけ言っとく。長野のチームをやめたのは、たぶん引っ越しが原因だ」 八坂「引っ越し?」 京太郎「小2の頃に長野から奈良の方へ引っ越したんだよ。それが原因でやめたんじゃねーの」 八坂「まるで他人事のようだな」 京太郎「奈良に行く前のことはもう記憶も薄いし……なによりその頃を思い出そうとすると頭が痛くなる」 八坂「やっぱりなんかあったんじゃねえか」 京太郎「知らない。あったのかもしれないし別に何も無かったのかもしれない。無理に思い出そうとは思わない」 八坂「ふん、ならいい」 そのとき京太郎は二萬五萬の両面待ちでテンパイ。 珍しく役がすでに一つあったためリーチをかけない。 リーチすべき局面ではあったが、そのとき京太郎は八坂の力を見たいと考えた。 リーチをかけてしまうとその力を見過ごすかもしれなかったのだ。 八坂「カン」 二萬でカン。京太郎の和了り牌が一種類消えた。 八坂「追加のカンだ」 五萬でカン。これで現在の形からは和了れない。 京太郎(三萬と四萬の使い道がほとんどなくなった……。これがやっさんの当たり牌なら……恐ろしい打ち手だ) 京太郎(試してみたい) 選択したのは三萬。四枚見えてる五萬から考えてもっとも妥当なはずの牌。 八坂「ロン、6800」 京太郎「70符……こんなに符が怖いと思ったことはないぜ」 そして今日のバイトはこれで終了。 いろいろあった一日だった気がする。 牌の世界。 今日も来た。 部室に一番乗りして牌に触れ、この世界に来るのが京太郎の日課だった。 京太郎「ひさしぶり」 牌「昨日も来たじゃん」 京太郎「24時間ぶり」 牌「……うん」 一番最初に来たときより、この世界は少し明るくなった気がする。 深海から少し海面に上昇したかのような。 いや、比喩はいらない。 この世界は海の中を模した世界だった。 暗くて分かりにくいが泡があり、変な形の魚がいる。 息苦しいとかそういうのはなく、水族館にいる感じ。 京太郎「今日はBDプレーヤーとまどマギを持ってきたぞ」 牌「まどマギ!? SFの皮をかぶった百合ものとして有名な、あのまどマギ!?」 京太郎「そうそう、ガチ百合アニメとして人気なまどマギ」 牌「グッジョブ!」 京太郎「任せろ」 牌「ちょ、これの使い方は? BDプレーヤー使うの初めて!」 京太郎「あ、これはな」 牌「近づかないで!」 京太郎「無茶言うな」 いけすかない神様にささやかな仕返しをしてやろうと後ろから抱きつくように使い方を解説する。 牌「く……屈辱!」 京太郎「こうしないと教えにくい」 牌「うそだうそだ! 嫌がらせしようと企んでるんだ!」 京太郎「んなわけないだろ……俺はそういうことはしないよ」 嫌がらせじゃなくて仕返しだし。 牌「くぅぅ……まどマギのために我慢、まどマギのために我慢……」 京太郎「……一応神様なんだろお前」 牌「一応も何も神様なのだ!」 京太郎「はいはい」 そういえばまどかも神になったわけだし、こういう神様が居てもおかしくはないか。 そして、操作方法を教え終わり、そっと牌から離れる。 牌「体が温い……」 京太郎「はっはっは」 牌「気持ち悪い……」 京太郎「あきらめろ」 牌「まどマギを見て忘れるのだ……」 京太郎「おーう、そうしろそうしろ」 二日目のバイトが始まる。 昨日より慣れたとはいえ、やはり忙しい。 やっさんが来るんじゃないかと待ち構えていたが、姿を現すことはなかった。 三日目。 京太郎「な、なんですか……このメイド服」 休憩時間、京太郎はピンク色と青色の奇妙な改造メイド服を発見する。 まこ「いいじゃろ、それ」 京太郎「だ、誰が着るんですか……これ」 まこ「それがのぉ……誰も着なぃんじゃ。寂しぃわ」 京太郎「百合的には正統派メイド服しか認めない」 まこ「百合的……? 着てみたら良さがわかるゆぅて思うんじゃが」 京太郎「これはないと思いますけどねえ……。あ、ちょっと着てみていいですか」 まこ「着るんかい」 精神を女の子にして、服に袖を通す。 まこ「どうじゃ?」 京太郎「アリですね」 アリでした。 広がっていくストライクゾーン。アウト取り放題になりそうで怖い。 四日目。 女性A「ソースかつ丼はないだろ! カツ丼好きをバカにしている!」 女性B「そっちこそ! んな心の狭さでかつ丼好きを名乗るなんて、おこがましいにも程がある! ソースカツ丼のほうが旨いのよ!?」 女性AB「ぐぬぬぬぬぬぬぬ」 まこ「京太郎」 京太郎「はい」 まこ「行ってこい」 京太郎「嫌すぎる……」 結局二人をなだめるために麻雀を打ち、京太郎はミンチにされる。 京太郎「これじゃ出来上がるのはミンチカツ丼……これが話のオチじゃないことを祈る、ぜ……」ガクッ 結局二人は「カツ丼ってなんでも美味しいよね」という結論に到り、二人仲良く外へかつ丼を食べに行った。 疲れ損である。 五日目。 今度は牌の世界。 ちなみに三日間ほど牌がアニメに夢中で、話しかけてもほとんど返事をしなかったので、語るに語れない。 牌「私、まどか教の信者になる!」 京太郎「こらこら神様」 牌「まあそれは冗談として」 京太郎「冗談でよかった」 牌「急いでコミスタとパソコンを買ってきて」 京太郎「……おい、お前」 牌「今ならコミスタを持ってれば無償でクリスタも手に入るんだよ! このサービスもうすぐ終わるらしいから! 急ぐのだ!」 京太郎「時間軸おかしくなるからやめろ」 牌「同人誌描いて……コミケで発表するのだ」 京太郎「コミケ行けないだろ」 牌「大丈夫、私が行くのは天上界のコミケだから!」 京太郎「何やってんだよ神様たちは!」 牌「ブッダさんがいつも開催するんだけどね」 京太郎「オーケー、わかった。バイト代で買ってくるから……そこまでにしておこう」 楽しそうだな天上界。 百合オンリーイベントはあるんだろうか。 牌「まどマギについてだけど」 京太郎「続くのか」 牌「男にうつつを抜かした青いやつが不人気なのは納得だね」 京太郎「いや待てよ不人気だなんて誰が決めたんだ捏造だよそんなのは。『杏さや』も『さや杏』も最高だったろ」 牌「……京太郎ってさ、最初は対立してる系が好きだよね」 京太郎「確かに」 牌「それも良かったけど『ほむまど』には勝てないよね」 京太郎「何でだよ!」 一人分、キャラ不在のまま、激論が始まったのだった。 バイト最終日。 まこ「お疲れさん、よう頑張ったの」 京太郎「一週間、ありがとうございました。……なんだか寂しいですね」 まこ「一生うちで働いてもええよ?」 京太郎「それも、いいですね」 本当に、そう思った。 まこ「この一週間、どうじゃった?」 京太郎「こう言ったら失礼なのかもしれませんけど……楽しかったです」 まこ「失礼じゃない、わしもそう思うとるし」 京太郎「そうなんですか?」 まこ「わしゃぁね、将来この雀荘を継ごうて思うとる」 京太郎「……他のことをやりたいと思ったことってないんですか」 まこ「ある。当然な。昔はわしも『親の敷いたレールは嫌』なんて軒並みなことを言ぅとったし」 まこ「ホンマはここでの仕事が一番好きなんにのぉ」 まこ「ただ反発したいっちゅう理由ばっかしでそがぁなことを言ったんじゃ」 京太郎「何だか、染谷先輩がそんなことを言う姿、想像出来ないです」 まこ「初めはのぉ、この雀荘はお姉ちゃんが継ぐはずじゃったんだんじゃ」 京太郎「お姉さんいるんですか?」 まこ「知らんかったか?」 京太郎「なんとなくお兄さんがいるイメージでした」 まこ「カツオお兄ちゃんなんかおらんわ」 そこまでは言ってない。 まこ「お姉ちゃんはキャビンアテンダントになる、って言ぅて、家を出てったわ」 まこ「今は海外の航空会社のキャビンアテンダントをやっとる」 京太郎「うおっ、海外ですか」 まこ「海外から徐々にステップアップして、日本の航空会社に入るんが普通のルートらしい。今はベトナムじゃって」 京太郎「すごいなぁ……真似できない」 まこ「この前は研修で無人島に行って、『この蛇は食えるから探して捕まえてこい!』やら『この虫は毒があるから倒し方を教える!」 まこ「こうだ! さあお前ら、探して殺して連れて来い!』やら『イカダを作ってここから脱出しろ!』とか言われたらしいわ」 京太郎「わお……」 なんだかイメージと違う。 きらびやかなイメージとは真逆の体育会系的な研修。 京太郎「今どき、そんなの必要なんですかね……。遭難してもすぐに救助が来るでしょうし」 京太郎「なにより、飛行機ってほとんど事故らないんでしょ?」 まこ「そうじゃのう……確か……最後に飛行機が事故を起こしたのは……」 この話をするべきじゃなかったのかもしれない。 深く掘り下げてはいけなかったのかもしれない。 今さら後悔しても遅いのだけど。 そう思わずにはいられなかった。 まこ「8年前。そう8年前じゃな。あれが最後の飛行機事故じゃ」 目の前の景色が目まぐるしく変わっていく。 巻き戻すかのように、意識が過去に過去にへと向かっていく。 血液の流れがはっきりと感じられるようになった。 吐き気がする。 意識は、奈良へ引っ越したあのときに到達した。 京太郎(戻るな……!) 京太郎(これ以上、戻るなっ!!) 思い出せないはずの、消えてしまったはずの9年前。 そこにいたのは見覚えのある少女、見知らぬ年上の少女――。 ――そして、牌ちゃん。 京太郎(俺は、昔――牌に会ったことがあるのか?) 止まっていたと思っていた時間は、止まってなんかいなかった。 ずっとずっと、進んでいたのだ。 ただそれを、止まったと信じて投げ出した。自分を騙して消し去った。 彼は、その一つを取り戻す。 4・終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3323.html
部室の掃除中 京太郎「部長!この変な矢は何なんですか?掃除したら出て来ましたよ」 久「須賀君、今すぐそれを離しなさいッ!」 京太郎「え?……痛ッ!血、血が!」 久「あーあ……やっちゃったわね須賀君……どうなっても知らないわよ」 京太郎「ど…どういうことなんですか!?傷も無いですよ!」 久「いずれ分かるわ。今日は帰りなさい」 次の日部室にて 京太郎「こんちわー遅れましたー」 久「よく来てくれたわね。調子はどうかしら?」 D4C「……」┣¨┣¨┣¨┣¨ まこ「なんじゃ京太郎、アレに触れたんか?」 キングクリムゾン「……」┣¨┣¨┣¨┣¨ 優希「いぬぅ!心配してなんかいないんだからなっ!」 メイドインヘブン「……」┣¨┣¨┣¨┣¨ 咲「京ちゃん大丈夫?」 GER「……」┣¨┣¨┣¨┣¨ 和「アレとは何ですか?」コオォ…… 京太郎「」 京太郎「え……え…………え?」 久「やっぱり見えるようになってるかぁ」 まこ「これでお主もオカルト使いの仲間入りじゃな。よかったの」 優希「犬がオカルトなんて贅沢だじぇ!弱いままの方が守りがいがあるじぇ」 咲「あはは!これで一緒に楽しめるね!」 和「?オカルトなんてあり得ませんよ」コオォ… 京太郎「和以外背後に巨人が控えてるんだが……これは幻覚じゃないのかよ……」 京太郎「和もよく見れば変な呼吸してるし……」 和「失礼ですね。これは生まれつきです。身体の調子が良いのはこの呼吸が原因だと聞きました」 優希「波紋法を使えばこんなお化けオッパイになるんだな!」 和「うるさいですよ優希!」オーバードライブ! 優希「当たらないじぇ!」ヒュンヒュン 京太郎「何だコレ……」 久「仕方ないから説明してあげるわ。これから貴方もお世話になるだろうし」 久「この矢はね、人の潜在能力を覚醒させるのよ。つまり後ろにいる巨人は私達の能力そのもの」 京太郎「お、俺にもその…潜在能力が?」 久「ええ、あるはずよ。その矢に選ばれたのだからね。実は覚悟が無い雀士がその矢に刺されると死んじゃうのよ」 京太郎「そんな危険なモノ部室に置かないでください!俺が死んだらどうするんですか!?」 久「でも死ななかった。でしょ?私達は貴方を信じていたのよ」 まこ(いけしゃあしゃあと嘘をつきよる…) 久「で、この潜在能力を私達はスタンドと呼んでいるわ」 咲「……早く京ちゃんのスタンド教えてよ!」 京太郎「え……そんなこと急に言われても……出し方なんてわからねぇよ」 優希「こう、バーンッ!で、ズキューンッ!でゴゴゴゴな感じだじぇ!」 京太郎「アバウト過ぎるわ!どうしろってんだ…」 久「実際優希の説明であってるから困るのよ。スタンドは感覚よ」 咲「京ちゃん!頑張って!」 京太郎「……悩んでても仕方ない!やってやるぜ!」 京太郎「来いッ!俺のスタンドッ!……………」 全員「……」ゴクリ 京太郎「……あれ?出てこない…………やっぱり無理だったのか?」 咲「え…えっとぉ……」 久「こ、こんなこともあるわよ…」 優希「……タコス食うか?」 まこ「スタンド像がないのもいるけぇ……元気だせ」 和「そもそもスタンドなんてオカルトありえません」 京太郎「……こんなことって……畜生がァ!」バッグポイー………ドゴォーン! 全員「!?」 京太郎「」ポカーン キラークイーン「……」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 京太郎「こ、これが俺の……スタンドッ!」 咲「なんか……凄い能力だね」 久「爆発したのが備品じゃなくて良かったわ」 優希「何でタコスを出す能力じゃないんだ!」 まこ「良かったのう」 和「SOA」 京太郎「い、いやぁ……麻雀で爆発能力が何の役に立つんですか?」 全員「………さぁ?」 久「取り敢えず!!須賀君のスタンドが分かったところで麻雀しましょう」 京太郎「俺やります!きっとこの能力を使いこなしますから!」 咲「京ちゃんその意気だよ!頑張って!」 久「じゃあ入るのは須賀君、まこ、和、優希でいいわね?あと、須賀君以外は能力使っちゃダメよ」 優希「スタンドが無くても犬程度なんともないじぇ!」 京太郎「言ってろ!爆破するぞ!」 優希「ひぇぇ、和ちゃん!京太郎が苛めるじぇ!」 和「須賀君、スタンドだか何だか分かりませんが女の子に暴力はいけませんよ」 京太郎「……はい」 雀卓にて 京太郎「よろしくお願いします!」 他「よろしくお願いします!」 京太郎(キラークイーンの能力は爆破……まず牌を引き寄せるとかそういう事には使えない) 京太郎(じゃあどうすればいい?俺は麻雀自体凄く弱い。いくら能力無しとはいえインハイ目指してる奴等相手に勝てるとは思えない) チャ……タン……チャ……タン…… 京太郎(じゃあ麻雀じゃないところで勝負するのはどうだ?こんな能力があるんだ。イカサマし放題じゃあないか!) 京太郎「ッ……」 久「あぁ!言い忘れたけどスタンド使いは普通の人間よりも身体能力上がってるからスタンド使ってイカサマしようとしても無駄よ」 京太郎(あぶねぇ!危うくバレるところだった) 久「後ろから覗くのも無能力者にしか使えないしね。バレるから。過去にインハイでそれをやった選手がいたんだけど……」 京太郎「いたんだけど?」 久「イカサマした瞬間に雀卓から吹き飛ばされたわ。審査員のスタンドに殴られてね」 京太郎(ひえぇ……使えるのはバレないように使える能力だけってことか) 京太郎(爆発……うーん。牌を爆弾に……牌が弾ける……チョンボ!?コレだッ!) 京太郎「キラークイーン」ボソッ 優希「ふむふむ!やっぱり犬は犬だじぇ!」 スチャ……パァーン……バラバラバラバラ 優希「じぇぇぇ!?!?」 和「優希……チョンボですよ。はしゃぐから……」 まこ「まったくお前さんはタコスが無けりゃツモるのもできんのか?」 京太郎「優希はあわてん坊だなぁ」ニヤリ 京太郎(牌を爆弾に変えてチョンボを誘発……勿論バレないように俺がツモる瞬間にさりげなく山牌にキラークイーンを触れさせる) 久(まったく……厄介すぎる能力に目覚めてくれたわね) 久(麻雀で勝てないなら麻雀をしなければいいなんて……正直そこまで歪んでるなんて思わなかったわ) 咲(酷いよ京ちゃん……こんなことして楽しいの?麻雀は正々堂々してこそ楽しいんだよ。チョンボさせるなんて……) まこ(口ではああ言ったが何ともアレな能力じゃの。まぁ、ワシには当たらんがなぁ) 優希(タコスタコスタコスタコス) 和(さっきから皆さん何を考えているんでしょうか) 対局終了 京太郎「いやぁ、優希に釣られて皆山牌崩してたな。俺もうっかりやっちまったよ!」1位 和「私ももっとリアル麻雀に慣れないといけませんね。」2位 まこ「ワシがこんなにチョンボするとはのぅ。誰かが仕込んどるとしか思えん」3位 優希「じぇぇ………犬ごときに!」ダントツ4位 久「今日はこの辺で終わりにしましょう。須賀君もスタンドのつかいかた覚えたようだからね」 咲「京ちゃん!スタンドは奥が深いんだよ!まだまだ強くなるはずだから練習だけは怠らないようにね!」 久「次は私達もスタンド使わないとね」 D4C「……」┣¨┣¨┣¨┣¨ 自宅 京太郎「ククク……やっと、やっとだッ!女子に勝った!もうこんなに素晴らしいことはないッ!第三部完ッ!でもいいだろ」ニヤニヤ 京太郎「キラークイーンッ!」シュン! キラークイーン「……」┣¨┣¨┣¨┣¨ 京太郎「いいなぁ!いいなぁ!この洗練されたフォルムッ!」 京太郎「咲達みたいなゴテゴテと色々付いたスタンドとは違う圧倒的シンプルさ!所々にある髑髏も良い味だしてるぜぇ!」 京太郎「今日から俺はスタンド使いの仲間入り。全国の強い雀士の1人になったんだ!もう雑用とか言わせねぇ!」 龍門渕 衣「新しいスタンド使いが現れたようだな」ゴゴゴゴ ザ・ワールド「……」┣¨┣¨┣¨┣¨ 透華「我が龍門渕に敵う訳がありませんわ」 ウェザーリポート「……」┣¨┣¨┣¨┣¨ 次の日 京太郎「え!?インハイが中止!?!?」 久「……そうよ。どうやらスタンド麻雀の危険性と狡さを誰かが大声でいったらしいのよ」 咲「じ、じゃあ部長の夢は……」 久「残念ながら……うぅ……あ…諦める……しか……」グス 優希「酷い話だじぇ……」 まこ「まったく無能力者の僻みは恐ろしいのぅ。大会に出るのなんぞ殆ど能力者だろうに」 和「オカルトが怖くて麻雀を辞めるなんてただの言い訳です」 京太郎「……」ダンッ! 咲「!?急に机叩いてどうしたの?」 京太郎「こんなのってありかよ……折角スタンドを手に入れたのにッ!弱かった俺がッ!やっとッ!強くなれるはずだったのにッ!」 まこ(チョンボは強いうちに入るんか?) 咲(うーん……) 京太郎「部長ッ!大会がなくなったのならッ!俺達が全国に殴り込みをかければ良いじゃあないですか!!!」 久「でも……私の……夢は…」 優希「犬ぅ!たまには良い事言うじぇ!大会が無いなら全国の雀士と戦って勝てばいいんだじぇ!」 咲「京ちゃんの言うとおりだよ!大会が無いなら私達が自分で作れば良いんだ!」 まこ「まぁ、そんなのもありかの。トロフィーは無いが気分だけでも……な」 和「アリですね。大会が無くなるのは残念ですから」 久「皆……」 京太郎「移動代なら俺が出します。雑用係の名誉にかけて!(その辺の不良でキラークイーンの能力を試すか)」 久「有難うね須賀君、皆………よし!清澄麻雀部の今後の目標は全国の強豪校の撃破よ!」 全員「おう!」 久「先ずはどこと戦おうかしら」 京太郎「長野でも強い所はありますよ」 まこ「去年の龍門渕とかは凄かったのう」 咲(お姉ちゃん……) 優希「タコスがあるところに行きたいじぇ」 和「うーん……奈良とかは…いえ、なんでもないです」 姫松高校にて 久「まずはここ!姫松よ!アポは取ってあるから安心して入れるわ。勿論須賀君もね」 京太郎「公式戦じゃないから俺も卓囲んで良いんですよね?よっしゃあ!」 咲「たしか強いのは愛宕さん……だったよね」 まこ「噂から察するに何とも賑やかな打ち筋らしいのう」 和「うるさいのはあんまり感心しませんね」 優希「大阪はたこ焼きが美味しいんだじぇ」 代行「ほな今日はよろしくなぁ。うちらもインハイが無くなって手持ち無沙汰にしてたんや」 洋榎「うちらと戦うんやったら覚悟しいや!ボコボコにしたるで!」 絹恵「お姉ちゃんの言う通りや!名も知らない高校に負けるほどうちらは甘くないで」 漫「負けないのよー」 恭子「みんな落ち着いてーな。今日はよろしくお願いします」 代行「振り分けはどうするん?団体戦方式?それとも自由に打つ?」 久「では折角なので自由でお願いします。大会のようにしたいとはいえ、急な話ですから」 代行「りょーかい。んで、そこの男子はどうするん?見てるだけ?」 京太郎「できれば……俺も打ちたいです。でも女子の皆さんの邪魔をするわけにはいかないので」 洋榎「えらく謙虚なやっちゃなぁ!男子ならもっとビシぃ!っとせい!」バシバシ 京太郎(痛ぇ……なんつー力だよ……はっもしかしてスタンド使いッ!?) 代行「そんなら、終わった後にでもちょろっと打っていいで」 京太郎「ありがとうございます!」 久「じゃあ、私達のインハイを始めましょうか!全員散らばる!」 優希「東場ならメイドインヘブンの加速について来られる雀士はいないじぇ!」 ロン!跳満! 漫「酷いのよー、スタンド使いがいるなんて聞いてないのよー……」 恭子「え……無名高に何でスタンド使いがいるんや…」カタカタ 和「まったく、何も見えないのにどうしてそんなに震えているんですか」コオォ… ツモ2000 漫「こっちもなんや変な能力持っとるし……ついてないのよー」 恭子「何でや……どうしてうちらにはスタンドがいないんや…」