約 969,178 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3326.html
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「まさか、こんな日が来るとはなぁ…」 ハギヨシ「………」 京太郎「やっぱ重てぇな、男だもんなぁ」 京太郎「にしても…ハギヨシさんが熱中症で倒れるとはな………」 ハギヨシ「………」 京太郎「しかし、夜だからあまり目立たないとはいえ………」 京太郎「少々、いやかなりキツいもんがあるな、これ………」 -約1時間前、インハイ会場付近- 純「悪りぃな、須賀。こんな忙しい時に」 京太郎「全然大丈夫っす!それよりハギヨシさんは?」 純「日陰で寝かせてる」 ハギヨシ「」 京太郎「マジかよ…」 純「ああ、俺も信じられねぇよ…」 京太郎「というか他の方々は?救急車とか…」 純「ああ、それはだなぁ………」 ハナシナサイ、ハジメ トーカキモチハワカルケド ビェエエエンハギヨシー フタリトモオチツイテ 純「あの調子でな、レスキュー隊どころか自衛隊呼びそうな勢いでさ。」 京太郎「ああ…」 純「という訳でさ、ヨッシーおぶってホテルまで頼むわ」 京太郎「はいぃ?!」 京太郎「いや、普通に救急車呼びましょうよ?」 純「大袈裟にしたく無ぇんだよ、ウチも色々あってさ…それにヨッシーの為にもさ」 京太郎「え、いや、それなら純さんが…」 純「すまん無理、そろそろあの二人じゃ透華達押さえ切れなくなる頃だから」 純「という訳で後は頼んだぞー!」 ハナシナサイハナシテハギヨシー アアモウダメ… ビエーン マタセタナフタリトモ! イケメンキタコレデカツル オトコジャネェー! 京太郎「」 京太郎「と、いう訳なんだけど………って誰に説明してんだか」 ハギヨシ「本当にご迷惑をお掛けしてしまいましたね」 京太郎「ハ、ハギヨシさん、起きてたんですか?!」 ハギヨシ「ええ、今しがたですが」 京太郎「ああ~良かったぁ、本当びっくりしたんすから」 ハギヨシ「実に申し訳ない、このハギヨシ一生の不覚です…というか降ろしていただいてm「それは駄目です!」 京太郎「ついさっきまでぶッ倒れてた人が何言ってんですか!それに純さんにも頼まれてますから」 ハギヨシ「そうですか………」 京太郎「そうです、ハギヨシさんは俺とは違うんっすから…色んなモンしょって立ってる人なんすから!」 ハギヨシ「須賀くん?」 京太郎「と、兎に角早く良くなって貰わないと。俺も、龍紋淵の皆さんも心配したんっすから」 ハギヨシ「須賀くん、何か悩みでも?」 京太郎「何言ってるんですか、今はハギヨシさんの話で……」 ハギヨシ「そうですか、ならば少し眠らせてください。そしてこれからするのは只の寝言」 京太郎「え、えぇ~?」 ハギヨシ「確かに今の君に背負える物は無いのかもしれません」 京太郎「しかし共に歩む仲間はいるではありませんか、まずそれを自覚なさい。」 京太郎「は、はい!」 ハギヨシ「そして現状を憂うならまずより努力をなさい、いささか君は移り気が多すぎます…色々と」 京太郎「うぐっ、ぞ、存じております……」 ハギヨシ「ですが、物事を広く受け止める姿勢は大変よろしい、もしかしたら私よりも多くの物を背負えるかもしれませんね」 京太郎「も~どっちなんすか~」 ハギヨシ「んっふ」 ハギヨシ「よろしければ、個人的に教授して差し上げたいところですが…」 京太郎「え?!」 ハギヨシ「いささか人目に付き過ぎたようですね。」 ナニアレーウワーナイワーイヤアリダヨーダル… 京太郎「あ…」 ハギヨシ「また日を改めてということで…」シュバ 京太郎「き、消えた………やっぱ執事ってすごい、改めてそう思った」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ HGYS(危ない、実に危ない…) HGYS(あのような若い情熱を見せられてはまた悪い虫が起きてしまう) HGYS(久しぶりの東京…二丁目でハッスルしすぎて倒れたばかりだというのに、いけないいけない) HGYS(しかし…) HGYS「おんぶというものもいいものですね」 HGYS「次は私が須賀くんを…んっふ」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 花子「あっぢぃぃぃぃ」 京太郎「じゃあ降りましょうよ…」 花子「やーだよ歩くのめんどいんだよ」 京太郎「ノーヘルなんかで原付乗るから」 花子「このクソ暑いのにヘルメットなんか被ったら死ぬ死ぬ」 京太郎「どう見てもそのニット帽の方が暑そうです」 花子「こーれはオシャレなの!お前もカワイー女の子を堪能できてまんざらでもないんだろー?」 京太郎「確かに、それは言えますねー」ハハハ 花子「正直者め、ごほーびにこうもうちょっと密着して」ギュッ 京太郎「あ、やわらけぇ」 ミーンミンミンミン 花京「…」 花子「やっぱ密着すると暑いわ…」 京太郎「そですね…」 ミーンミンミン ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「また咲が迷子になったので皆で手分けして探していたら、会場外のベンチで寝ている咲を見つけた」 京太郎「こんなとこに居たのか……おい、咲ッ!」 咲「…zzz」 京太郎「起きろよ咲!風邪引くぞ!」ユサユサ 咲「……zzz」 京太郎「全く起きねぇ…しょうがない、おぶって連れてくか」ヨッコイセッ 咲「…zz…ウ~ン、固い」ムムム 京太郎「文句言うな!我慢しろ!」 咲「…スー…スー…スー」 京太郎(寝息がくすぐったい…///) 咲「…スー…スー…スー」 京太郎(こいつこんなに軽かったのか。最近たくましい姿しか見てなかったから忘れてたけど…) 咲「…スー…スー…スー」 京太郎(こういうとこは変わって無くてちょっと安心) 咲「…スー…ンン…スー」 京太郎(でも、胸はもう少し大きくなって欲し……あっ、尻は見た目よりあるかも!) ゴッ! 京太郎「痛っ!!……頭突きされたし。」 咲「…フンッ」 なんだかんだで控え室近く 京太郎「お姫様ー。もうすぐ部屋着きますよー。」 咲「ウーン」 京太郎「恥ずかしいから、そろそろ起きろー。」 咲「ウウッ」 京太郎「おーい、咲さーん?」 咲「………お姉ちゃん」グスッ 京太郎「咲?」 咲「……お姉ちゃん…私強くなるから……また一緒に…麻雀……」 京太郎「咲……」 京太郎(そういや照さんもこの会場にいるんだよな…清澄の最大の敵として) 京太郎(咲…お前が努力してるのは俺達みんなが知ってる。きっとお姉さんもお前の活躍を見てる。) 京太郎(麻雀を楽しむお前を見てると俺も楽しいから。お前達の見る世界を俺も見たいから。) 京太郎「だから……頑張れ、咲。」 咲(ありがとう京ちゃん)ギュッ カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 昨日姉帯さんとケンカをしてしまった。 理由はほんの些細な事だったが、滅多に怒らない姉帯さんと本気の口論をしてしまい 未だに口を利くことはおろか顔も合わせてもくれない。 それからだ。 肩にずしりと、何かの重みを感じるようになったのは…… 豊音「」ムスー 京太郎「……あの、姉帯さん。重いんでそろそろ降りてくれませんか」 豊音「」ギュウゥゥゥゥ 京太郎「いでででで!すいませんすいません!!重くないから絞めないで!」 豊音「京太郎君のばかー…」グスッ 京太郎「ですからオレが悪かったですって!!だからもうそろそろ……」 豊音「ヤー」ギュゥゥゥゥ 京太郎「ぎゃああああああああ」 胡桃「……なにやってんの、あれ」 白望「……じゃれてるんじゃない?ダル……」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| ――目眩がする。 ――欠けた夢を見ているようだ。 幼い頃、母が死んだ。 とても悲しいことで、泣いて泣いて、ただ泣いて。 そうして、私は妹より先に泣き止んだ。 いや、止まざるを得なかった。だって、妹はまだ泣いている。 甘えたかっただろうに、もう母はいなかった。 だからだろう、父は人一倍妹に気を配った。 父に背負われるのは、いつでも泣いている妹だった。 私は大丈夫、泣き止んでいる。だから、えこひいきだったとか、 そんなことはちっとも思わない。 ただ――ふと気付いてしまった。 私は、お父さんに、一度も背負われたことがない。 もちろん、それが原因で仲違いする訳はない。 父はいつでも優しく、厳しく、私たちのことを愛してくれていたし。 妹だってそうだ。私のことを心から慕ってくれている。 それは本当に嬉しいことだけど――。 それでも、たまに思うのだ。 ほんの少し、ほんの少し――姉であることを忘れて、泣き続けていれば。 あの人は私を背負ってくれたのだろうか、と。 ああ、何て我が侭。 何もかもが充足しているくせに、私は未だそんな他愛もないことを 引き摺っている――。 ――瞼を開く。 ――薄い橙色の日差しが、目に眩しい。 景色が動く。 私は無意識に足を動かそうとして、それがろくに動かないことに気付いた。 「ん……」 「ああ、起きた起きた。おはようございます、宥さん」 目を開いて、私は大層驚いた。 私は、須賀京太郎君に背負われていた。 「あれ、私――どうして?」 「温室で眠っていたので、玄さんに頼まれて家まで送っているところです」 「そっかぁ。………………ご、ご、ごめん! あの、今」 今すぐ離れる、と言い掛けて私の言葉は止まってしまう。 長年仄かに思い続けていた夢が、違った形で叶えられていることに気付く。 「…………あぅ」 「どうしました?」 「あの……もう、もう少しだけ、このままでいい?」 私の体はすっかり成長してしまって。 背負われるなど、夢のまた夢だったけれど。 そうか、こういう形もあるのか。 「いいっすよ」 「ごめんね、重いよね?」 「いやいや、軽いものです。女の子っていうのは、そういうものでしょう」 離れよう、と思ったけど思い直して顔を首筋に近付ける。 男の人の匂いだ、と私は思った。 この匂いをかいだだけで、私はひどく落ち着いてしまう。 回した両腕が、ごつごつとした体の固さを伝えてくる。私がその身を 預けても、平気で突き進む――力強い体だ。 「ねえ、京太郎くん」 「はい」 「私ね、たまに凄く泣きたいときがあるの」 「……そうですか」 「でね。もしそうなったときに、お願いしたいことがあるの」 「何ですか?」 ――あなたの背中を、貸して下さい。 「……はあ。俺なんかの背中でよければ」 「うん、ありがとう」 瞼を閉じる。 彼に背負われているだけで、私はこんなにも幸福で――。 「……しあわせ」 そう呟いて、首に回した腕の力を少しだけ強くした。 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| ハギヨシ「んっふ」 京太郎「おんぶ!ハギ!おんぶ!」 ハギヨシ「仕方ないですねぇ、京太郎君の甘えんぼさん♪」 京太郎「にぃに!にぃに!」 ハギヨシ「ほら、私につかまりなさい」 京太郎「んんー!ハギ!おおきー!」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| マホ「うーんうーん……」 京太郎「うーむ……」 マホ「ダ、ダメです、もう頭がパンクしちゃいそうです……」 京太郎「全くだな……」 優希「咲ちゃん、マホと京太郎は何をしてるんだ?」 咲「和ちゃんから麻雀の問題集を貰ったんだって。1日五ページをノルマにしてるらしいんだけど……」 優希「要するに勉強に苦しんでるわけか、気持ちはよくわかるじぇ……」 和「あら、問題集ならゆーきにも用意してますよ?こちらは数学ですが」 優希「じょ!?」 和「今度こそ赤点を取らないようにしてあげますからね……さあ、行きましょうか」 優希「いやああああ!さ、咲ちゃん助けてー!」 咲「が、頑張ってね優希ちゃん!」 優希「そんなああああ……!」 ―― 京太郎「お、終わったー!」 咲「お疲れ様京ちゃん。はい、お茶」 京太郎「おう、ありがとうな咲……ん?」 優希「」チーン 京太郎「どうしたんだ、優希は……」 咲「和ちゃんとテスト勉強してたから……」 京太郎「ああ、なるほどね……」 マホ「すう、すう……」 咲「あっ、マホちゃん、寝ちゃったんだ?」 京太郎「休ませないとオーバーヒートしちゃいそうだったからな。本人はまだ出来ますとか言ってたけど無理やり休ませた」ナデナデ マホ「ふにゅ……」 咲「なんか京ちゃん、マホちゃんと仲いいよね……」 京太郎「いやあ、初心者仲間がいるってこんなに素晴らしい事だったんだな!」 咲「京ちゃん……」 京太郎「さてと、そろそろ帰るか……よいしょっと」 咲「えっ」 京太郎「ほら、優希起きろ。そろそろ帰るぞ」 優希「お、おう……ってんなっ!?」 京太郎「なんだよ、マホが起きちまうから大声出すなよ」 和「あれ須賀君、なんでマホをおんぶしてるんですか?」 京太郎「ほら、せっかく寝てるから起こすのも可哀想だろ?それにいつもの事だしな」 咲「いつもの……」 優希「事ぉ?」 京太郎「あれ、言わなかったっけ?最近俺達麻雀の勉強のために休みとか一緒なんだぜ?」 京太郎「マホは時々寝ちゃうからそういう時はこうしておんぶして送るんだよ」 咲「」 優希「」 和「そうだったんですか。勉強熱心なのはいい事です」 京太郎「期待には応えたいからな。じゃあ帰ろうぜ」 咲「……ま、まさかこんな」 優希「予想外のライバルがいたとは……」 マホ「むにゃ……京太郎先輩大好きです……」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| ハギヨシ「んふふ、大きいのは背中だけじゃないんですよ?」 京太郎「ハギ?」 ハギヨシ「ほら、御覧なさい。ここもおっきなんですよ」ボロンッ 京太郎「うわー!ハギおっきしてる!ちゅっゆっ?」ペロッ ハギヨシ「おうふ!そこは舐めちゃいけませんよ、京太郎君!」 京太郎「んー!ハギのあそこ美味しい!ちゅっちゅー!」 ハギヨシ「あふぅ///」 京太郎「のど輪締めするー!」 ジュッポズゴゴゴゴゴジュポポポ ハギヨシ「ん"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っ?」 ハギヨシ「おうふっ!!」ビュルルルルル! 京太郎「ふえっ!?」ゴクゴクゴク ハギヨシ「ハァハァ……」 ハギヨシ「い、一体どこでそんな技を覚えてきたんですか!」 京太郎「ハギのために頑張った!んちゅっ!」 ハギヨシ「まったく、京太郎君ときたら……んちゅっ!」 京太郎「あたし、ハギのことだーいちゅきっ!」 カン ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 哩「んあっ!…ふぁぁ…っっ!」クチュ 哩(外で…人気のない公園でこげなこと…これ興奮してやめれんけん…) 哩「やぁあっ…気持ちよかっ…」ヌチャ 男「よぉ…一人でお盛んだな?」 哩「なっ!」 男「俺もちょっと溜まっててな…ちょっと相手してくれよ…」 哩「いっ…いやっ!」 男「そんなこと言わないでさ…期待してたんだろ?」ズルッ 哩「~~ッッ!」 男「へへっ…大きさには自信あるんだぜ?」 哩「来んで!」 男「ほら…まず口で…「哩さん!」がっ!」ドゴッ 京太郎「ほら!今のうちに逃げますよ!」 哩「きょっ…京太郎…けんど腰ば抜けて…」 京太郎「なら背中に捕まって!急いで!」 哩「わっ…わかった!」ギュッ 男「てっ…てめぇ…」 京太郎「逃げるが勝ちってな!」ダッ 男「待ちやがれ!」 京太郎「誰が待つかよっ!」 京太郎「はぁ…どうやら逃げ切ったみたいですね…」 哩「京太郎…怖かったけん…」ギュ 京太郎「もう!ああいう人通りのないところに女の子一人は危ないんですから!」 哩「ごめんなさい…」 京太郎「今回はたまたま俺が通りかかったから良いですけど…哩さんみたいなかわいい人は注意しないと!」 哩「かっ…かわいい…//」 京太郎「今日はこのまま家まで送っていきますから…」 哩「助かるちゃ…まだ歩けそーになかね…」 京太郎「哩さんみたいなかわいい人をおんぶできるならお安い御用ですよ」ハハッ 哩「うちも京太郎をこげん近くに感じられてうれしか…」 京太郎「何言ってるんですか?」 哩「京太郎の背中ば…大きくて…そいであたたかくて…」 京太郎「…哩さん?」 哩「普段は頼りなしゃそうで…ばってん、いざっち時は頼りになっち…」 京太郎「……」 哩「さっきもヒーローみたく助けてくれて…やけんうちは…京太郎ばすいとーよ」 京太郎「…そんなこといってると本気にしちゃいますよ?」 哩「うそじゃなか…本気ばい…」ギュッ 京太郎「……」 哩「京太郎ん返事聞かせて欲しかな…」 京太郎「哩さんはいつも凛々しくてかっこよくて…だけどかわいらしくて…」 哩「……」 京太郎「でもちょっと…いや、かなり変態で姫子さんと一緒にいつも回りに迷惑かけてたり…」 哩「大きなお世話たい…」プイ 京太郎「他にも色々ありますけど…そういうところもひっくるめて…哩さんのこと好きですよ…」 哩「京太郎…」 京太郎「なんかちょっとくさかったですね?」 哩「そげなことなかよ?」 京太郎「哩さんすごいドキドキしてますね…くっついているからよくわかります…」 哩「京太郎も同じやろ…」 京太郎「背中からでもわかるくらいドキドキしてます?」 哩「なんっちなくばい…」 京太郎「……」 哩「……」 京太郎「…それじゃあ今から恋人同士ってことでいいんですかね?」 哩「もちろんたい…京太郎以外は考えられんけん…」 京太郎「なんか顔がにやけちゃいますね…」 哩「おんぶだと顔見えんのが残念やけん…」 京太郎「こんなだらしなく緩んだ顔見られなくて助かりました…」 哩「うちもこげな顔見られなくてよかった…」 京太郎「あらら…残念…見たかったのに」 京太郎「もうそろそろ着きますね…」 哩「京太郎…今日ば両親帰っち来んのやけど…」 京太郎「いきなり誘ってるんですか?」 哩「ばってん…うちは変態やし…」プン 京太郎「開き直りましたね…なら遠慮せず泊めてもらいますよ?」 哩「期待しちょるよ?」 京太郎「がんばります…」 哩「なあ京太郎…」 京太郎「んっ?」 哩「大好きったい!」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| ヤ1「大変です!花山組のやつらが攻めて来やした!」 智葉「なんだと!状況はどうなってる!」 ヤ1「いま入り口で…がっっっ!」 花山組の若いの「死ねえぇ! 辻垣内智葉ああぁっ!」パン 智葉「ぐうぅっ!」 京太郎「おじょー!こいつめ!」パン 花山組の若いの「がああぁぁあぁっっ!」ドタ 智葉「くそっ…へましちまった…」 京太郎「まずいな…足打たれてやがるぞ…」 ヤ2「しかもこの出血量…太い血管が傷ついてやがる…早く病院に行かないとまずいな…」 ヤ3「だが…おそらく囲まれて逃げ場はないぞ…」 ヤ4「どうやら腹くくるしかないようだな…須賀…よく聞け…」 ヤ4「この通りおじょーは足を打たれ動けない…俺たちが特攻して何とか逃げ道を作る…だからおじょーを担いで逃げろ…」 京太郎「なっ!」 ヤ3「お前とおじょーには指一本触れさせやしねぇさ…だから頼んだぜ?」 京太郎「なんでですか!こういうことは新入りの俺が…」 ヤ2「うるせぇ!」ガッ 京太郎「ぐっ!」 ヤ2「新入りなんだから上の言うことは黙って聞いてろ!」 ヤ3「それによ…やつら前にして逃げ出したとあっちゃ…先代や頭に顔向けできねぇんだよ…」 京太郎「兄貴いっっ!」 智葉「おまえら…わかった…背中は任せたぞ…」 ヤ4「いくぞおめぇら!最後に花山組に俺たちの男気見せてやるぞおおぉぉおぉっっ!!」 『うおおぉぉぉおぉぉおぉ!!』 智葉「須賀っ!走れっ!」 京太郎「くっ…うおぉおぉぉっ!」ダッ 京太郎「はぁ…はぁ…何とか逃げてこれたか…おじょー…すぐに病院に…」 智葉「ああ…須賀の背中は…広くて…暖かいな…」 京太郎「おじょー…何言ってるんですか?」 智葉「お前の…背で…死ねるな…ら…しあわ…せ…だ…」 京太郎「弱音はいてどうしたんですか!いつものおじょーらしくないですよ!」 智葉「なあ…最後に…名前…を…」 京太郎「もうすぐ病院です!あきらめないであと少し…」 智葉「須賀…私は…お前のこ…と…」 京太郎「さと…は…?」 智葉「……」 京太郎「智葉ああぁああぁぁぁあぁっっっ!!」 ------------------------------------------------------------------ ダヴァン「今年のブンカサイの演劇はこれで行きましょう!」 智葉「おい…ぶっ殺されたいのか?」 京太郎「俺も手伝います…」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| もこ「……」ジトーッ 京太郎「あん?」 京太郎(なんだこいつ。もしかして俺の方見てる?) もこ「……」ジトーッ 京太郎(なんか気味悪いな。はやくここから逃げよう……ん?) もこ「……」サッサッサ 京太郎(今のはサイン?) もこ「……」サッサッサ 京太郎(えーと……お・ん・ぶ……何!?俺におんぶしてほしいのか!?) 京太郎(そういえばあいつ腕に包帯巻いてるし、怪我でもしてるのか!) 京太郎(こうしちゃいられねえ!男京太郎、怪我人を無視するほど人間腐っていねーぜ!) 京太郎「おい!頭にへんてこなリボンつけた女!」 もこ「……」 京太郎「歩けないんだろ?ほら、おんぶしてやるから俺につかまれ!」 もこ「……」 京太郎「はやくしろ!俺だって暇じゃねえんだ!」 もこ「……」コクリ ガシッ 京太郎「よし、つかまったな!行くぞ、うおおおおおおおおお!」ドドド もこ「……」 京太郎「とりあえず病院いけばいいのか!?」 もこ「……」 京太郎(くそっ、喋れないほどの激痛なんだな!) 京太郎「しっかりしろ!俺が絶対にお前を助けてやるからな!!」 もこ「……」 病院 京太郎「はぁはぁ……やっと着いた」 京太郎「おいナース!急患だ急患!こいつの手当てをしてやってくれ!」 憩「はーい、ちょっと待ってなー」 憩「ってあれ、もこちゃん。どこか怪我でもしたん?」 もこ「……」フルフル 京太郎「は!?」 もこ「……」ボソボソ 憩「え、なんかいきなりおんぶしたいって変な男に連れまわされたって?」 京太郎「なにいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」 憩「……あの、警察に一応通報しておくから」 もこ「……」コクリ 京太郎「ちょ、待てよ!誤解だ誤解!」 憩「あ、もしもし。なんか痴漢みたいな事件があったんですけど――」 京太郎(くそっ!こうなったらとことん逃げるしかねえ!!) 京太郎「うおおおおおおおおお!スタコラサッサだあああああああああああ!!」ダッ ガシッ!! 京太郎「!?」 もこ「……」 京太郎(な、何だこいつの握力!まったく身動きがとれねえ……!) もこ「……」 ピーポーパーポー 池田「おい!痴漢はどこだし!」 憩「あ、警察さん。こっちですぅー」 池田「お、こいつが噂の金髪痴漢やろうか!見るからに女の尻を追っかけまわしてる顔してるしwwwww」 一「さあ、署まできてもうらうよ!パトカーに乗りな」 京太郎「そ、そんな!違うんです、話を聞いてください!」 一「はいはい、署で話を聞くから大人しくしててね」 京太郎「うわあああああああああああああああああ」 京太郎「はっ!」 京太郎「……夢か」 おわり ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 郁乃「は~いド~ン!」ガシッ 京太郎「のおっ!?」 郁乃「須賀くんの背中、ええなぁ~」ニコニコ 京太郎「何すかいきなり!」 郁乃「そら街で偶然背中を持て余してる須賀くんがおったら抱き着きたくなるやろ~?」 京太郎「全く理解できねえ……」 郁乃「それで~須賀くんは何してるん~?」 京太郎「見ればわかるでしょう、部活の買い出しですよ……ってぇ!」 京太郎「なんで監督のアンタがここにいるんですか!」 郁乃「え~?なんでやろな~」 京太郎「アリさんマークですか、ったく」キュッ 郁乃「え」 京太郎「落ちないでくださいよ、っと」 郁乃「す、須賀く~ん?」 京太郎「何、っすか、両手買い物袋で後ろにあなたでキツいんですけど」 郁乃「そないにエグいんやったら降ろせばええやろ~?」 京太郎「ダメです、絶対に部室まで連れて行くんですからね!」 郁乃「ほ、ほら、私って重いやろ?」 京太郎「ちょー軽いんで大丈夫です!」 京太郎「代行(を部室へ連れて行く使命)のためならこんなんへっちゃらですもんね!」 郁乃(私のためなら……)カァァ 郁乃「……」ウツムキ 京太郎「はぁ、代行も黙ってれば可愛いのに、ってか黙っててくださいずっと」 郁乃(かわいい、須賀くんが可愛いって言ってくれた……) 郁乃(い、今まで言われたことなかったのに……)ポシュー 京太郎(心臓バクバクしてるし、動揺してるのバレバレなんだよなぁ) 京太郎(ま、大人しけりゃ問題ナッシングだからいいんだけど) 京太郎(顔をうずめてるせいか背中が熱い……) 郁乃「///」ポシュー 京太郎(顔が見たいなぁ……) 京太郎(それはそうと、洋榎が見たら癇癪起こすよな、これ) 京太郎(部室に着く前に降ろして一緒に行けばいいか) 浩子(……あれは確か姫松の新監督と、洋姉の……) 浩子「フッ」ニヤリ 京太郎「ただいま戻りましたー!」 恭子「主将、帰ってきましたよ」 洋榎「もうええ……どうせウチは捨てられたんや……」 絹恵「……須賀くん、ちょっとええか?」 京太郎「洋榎、どうしたんですか?」 絹恵「この写真を見てもしらばっくれる気なん?」スッ |手ぶらの京太郎が郁乃をおぶっている写真| 京太郎「……は?」 絹恵「なんで須賀くんは買い出しもせんと、代行とイチャイチャしとるんや?」ニコニコ 京太郎「いや待ってくださいって、俺こうやって買い物袋持ってるじゃないっすか。代行と会ったのも買い物の後ですし」 洋榎「どーせっ、代行と会う約束してデートしてたんやろ、ぐすっ」シクシク 京太郎「だから誤解だってば!」 絹恵「でも見てみぃ須賀くん、代行の顔」 京太郎「代行の顔がどうしたんすか」 郁乃「ほへぇ~///」ニマニマ 絹恵「表情めっちゃほころんどる」 京太郎「いつもの顔じゃないっすか!」クワッ 京太郎(何だよこの写真、誰が撮ったんだよ、加工したんだよ!) 洋榎「京太郎、ぐすっ、えぐっぅ、はぁ、もうウチのこと、げほっ、どうでもええんやろ?ぐすっ」 京太郎「泣き止めよいい加減!」 京太郎「俺はいつでも洋榎一筋なんだから、信用しろよ!」 洋榎「いつっ、も、オカンとっ、絹の胸、ぐすっ、見てへんやつなん、ぅっ、って信じられ、へん」 京太郎「そ、そんなことは…………」チラッ 洋榎「……」ジーッ 京太郎「バレてたか……」 絹恵「バレバレや」 京太郎「なあ、許してくれよ」 洋榎「うっさいわ、あほ!」 恭子「何しとるんや、あのアホップルは」 漫「須賀くんが代行とイチャイチャしとったらしいですよ」 由子「洋榎も須賀くんも大変なのよー」 絹恵「須賀くんの自業自得ですから、私らはあっちで打ちましょう」 恭子「せやな、半荘後には終わってるやろ」 ―――半荘終了後 京太郎「洋榎、俺の背中はどうだ?」 洋榎「あったかくて、デカくて、筋肉質で、京太郎の臭いもして……最高やで」 京太郎「ん、そっか」 洋榎「京太郎?」 京太郎「どうした?」 洋榎「あんな……ウチ、やっぱり……」 京太郎「やっぱり?」 洋榎「めっちゃ、めっちゃ、めぇーちゃっ!好きやで!京太郎!」ギュッ 京太郎「おう、俺だって滅茶苦茶好きだぜ、愛してるぜ!洋榎!」 アハハ アハハ アハハハハ 一同(リア充爆発しろ) 郁乃(須賀くんの背中、気持ち良かったなぁ~)ポケー カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 初美「京太郎~もっと早く走るですよー」ケラケラ 京太郎「これが限界でぇぇすっ!!」 初美「言い訳なら聞きたくないですー」 京太郎「ちょっとは聞いて!お願いだからはっちゃんさん!!」 初美「軽く境内を3周するですよー」ゲシッゲシッ 京太郎「いでっ!ちょっ馬じゃないんだから蹴らないでってば」 霞(いやね、何も私もおんぶしろとは言わないわよ?) 霞(でもね、少しばかり目に付くと言うか意識しちゃうと言うか……) 春「楽」ポリポリ 京太郎「あの春さん?髪の毛に食べ零しが乗るんだけど」 春「女子みたいなこと言わないの」ポリポリ 京太郎「いや待てって。春が食べるの止めたら良いんだよ。明白にそう言ってんじゃん」 春「私に……死ねと?」ジワッ 京太郎「うん。なんか……ごめん。もうそのままで良いや」 春「やた」ニコッ 霞(これはみんなの為、そうみんなの為に思ってのことなのよ) 霞(最近雰囲気が明るくなったのは良いことだけれど、それに比例して腑抜けちゃってるもの) 霞(ここで律することが出来るのは家系から考えても私くらいだし) 霞(嫌われ役……やってみせるわ)グッ 小蒔「これはすごく良いものですね」 京太郎「そうですか?まあ小蒔さんからしてみれば楽して動ける訳ですけど」 小蒔「それもあるとは思いますけど………うーん。なんと言えば良いのでしょう」ムムムッ 京太郎「ハハ…そんな深く考えなくても…」 小蒔「………お父様」ポソッ 京太郎「はい?」 小蒔「そうですお父様です!京太郎さんにこうされていると昔お父様にして頂いた時のことを思い出しました!」 京太郎「……俺、小蒔さんより年下ですけど……」 小蒔「………あれ?ではどう言えば良いのでしょう」ハテ? 霞(そうと決まれば心を鬼にして挑まなくちゃね) 霞(私はここの規律の為みんなの為、鬼になります) 巴「ちょっと!私は良いってば!」 初美「良いから黙っておんぶされてろですー」 春「快適だからオススメ」ポリポリ 小蒔「とても不思議な心持ちになれますよ巴ちゃん!」 京太郎「だそうなのでやってみました」 巴「君のそのノリの良さがたまに怖くなるよ」 京太郎「だって……断れる空気じゃないんですもん」 初美「いやー。これで永水制覇ですよー」 春「この達成感はなかなか」ポリポリ 小蒔「次、また私でも良いですか?」ウズウズ 霞「……………」 霞「……………くすん」シュン ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「ん、と……この場合は」カチカチ 淡「ねぇ~」ドシーン 京太郎「のわぁっ!?」 淡「キョータローあーそーんでー。ひまひまー!」 京太郎「ちょなぁ今、牌譜整理しながら勉強してるんだからさぁ。1人で遊んでてくれよ」 淡「やーだー、1人やだー。ちょっとでいいからー」 京太郎「ったくもう。少しは落ち着けよせわしねーな」 淡「むー」 京太郎「なんスか?」 淡「ねぇキョータロー。私って邪魔? 本当にウザくて真剣に嫌い?」ウルウル 京太郎「そんなこと一言も言ってないだろ。ちょっとやかましいけどお前といると面白いし楽しいよ」 淡「…………プ、ククク……あはははっ! 引っかかったー!」 京太郎「な!? おま、この野郎!」 淡「お前といると楽しいよキリッ!」 京太郎「もういい。お前キライ」ノソノソ 淡「やーだーもう、キョータローってば冗談通じないんだもん!」ガバッ 京太郎「あ、コラ! 背中に乗っかるな!」 淡「わーいおんぶおんぶ! 行けキョータロー全速前進!」 京太郎「なにが全速前進だ! ってか降りなさい、そろそろ……」 ガチャ 咲「京ちゃーん、玄関の開いてたから勝手に上がっちゃった、よ……」 淡「あ! サキー! いらっしゃーい」ヨッス 京太郎「oh……」 咲「で、どうして淡ちゃんが京ちゃんにおんぶさってるのかな」ピクピク 京太郎「いや、あの……淡が勝手に……」←なぜか正座気味 淡「ふふーん。私とキョータローは恋人同士なんだからこれくらいのスキンシップ普通だもん!」フフン 咲「こ、恋び、……~~本当なの京ちゃん!」バンバン 京太郎「いえ、一切身に覚えがないんですが……」 京太郎(後、机をバンバン叩かないでください) 咲「……!」キッ 淡「将来的にそうなるんだから今から明言しても一緒だもん!」 咲「というか、淡ちゃんはいつまで京ちゃんにおぶさってるの!」バンバン 淡「むふー、キョータローの背中って大きくて温かくてなんだか落ち着くんだー」フニャー 咲「むー! 京ちゃん脚崩して!」 京太郎「え?」 咲「早く!」 京太郎「は、はい!」 咲「じゃ、じゃあ私はこっちでいいよね?///」ノソ 咲「///」ギュゥゥ 淡「~♪」ギュゥゥ 京太郎(ちょっと待て。まず状況を整理しよう。え~、背中に淡がおぶさってて、膝の上で咲を抱っこしている。――以上) 京太郎「え、なにこの状況っ!?」ガタッ 淡「あ、もう……キョータローあんまり動かないでよ。落ちちゃう」 京太郎「あっと、わりぃ」 京太郎「…………じゃねぇよ! 降りろよ! 咲もそこ退きなさい」 淡「やーだ」ギュッ 咲「ん///」ギュッ 京太郎「ってか君らアレですよ。言っときますがそこは恋人専用の場所ですよぉー」 淡「乙女か」 咲「夢見がちか」 京太郎「なんでしょうね、この扱い。えー、お前らさっきと言ってること違くない?」 淡「サキー後で場所交代して!」 咲「いいけど、じゃあ私にも背中譲ってね」 淡「うん!」 咲「じゃあいいよ♪」 京太郎「もう少し僕の意見も大事にしよう」 咲「京ちゃんは黙って座ってればいいの!」 淡「そーだそーだ! キョータローのクセに生意気だ!」 京太郎「あーもう、……へいへいわかりましたよお姫様方」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「おんぶっていいよなぁ」 京太郎「女の子の重さとか柔らかさとか全部同時に味わえるし」 京太郎「スタイルのいい子なら胸とか尻とかを十二分に堪能出来る」 京太郎「逆にちっちゃい子だとしたら保護欲を刺激されてこれまた素晴らしい」 和「…………」 京太郎「はぁ……おんぶしてえなぁ……おんぶ……」 和「そう言いながら近づくの止めてください」 京太郎「べ、別に俺は和をおんぶしたいだなんて一言も」 和「白々しい……というか隠す気もありませんね」 京太郎「おんぶさせてください!!」 和「正直なのは良いですけど、嫌です」 京太郎「じゃあどうすりゃいいんだよ!!」 和「知りませんよ何キレてんですか」 京太郎「どうすりゃいいんだよぉ……俺はぁ……ウッ……」 和「そんな、泣かれても……」 京太郎「よぉーっしわかった。和、俺におんぶさせてくれたら俺のことおんぶさせてやるよ」 和「デメリットしか無いじゃないですかお断りします」 京太郎「んなら俺のことおんぶしてくれたらおんぶしてやんなくもないぜ?」 和「なんで上から目線なんですか嫌ですよ勿論」 京太郎「んじゃあ俺と麻雀をして、勝ったほうが相手をおぶる。負けたほうは相手をおぶる。これでどうだ!?」 和「勝っても負けてもどっちも変わらないじゃないですか」 京太郎「そう。だからこの際勝ち負けなんて関係ないんだよ」 和「何がしたいんですかアナタ」 京太郎「和をおんぶしたいの!!」 和「嫌です」 京太郎「おーんーぶ!おーんーぶー!!」 和「駄々こねても嫌です」 京太郎「おっんーぶっ! おっんーぶっ!!」パンッ パンッ 和「アンコールみたいに言われても嫌です」 京太郎「なぁ和……。どうしてこの世から紛争が無くならないんだろうな」 和「え、なんですか急に」 京太郎「地球は広大……それでいて宇宙は膨大、未だに広がり続けている……」 和「はぁ」 京太郎「そう考えたらさ、和が俺のおんぶを拒否するのってとても小さなことに思えてくるだろ?」 和「まぁ」 京太郎「よし、こい!」バッ 和「しませんよ」 京太郎「我思う故に我あり。これはデカルトの言葉だ」 和「そうですね」 京太郎「おんぶする故に我あり。これは俺の言葉だ」 和「聞いたことないです」 京太郎「ところでいい加減俺におんぶされる気になってきた?」 和「須賀くんこそいい加減諦める気になってきませんか?」 京太郎「和ってさ、俺以外におんぶされたことある?」 和「息を吐くように嘘つかないでくださいよ、ビックリしましたよ一瞬」 京太郎「あ、親とか女性とかは無しだぜ! そういうのはおんぶとは言わない言わない」 和「アナタおんぶというものを勘違いしてません?」 京太郎「で、どーなのよ!」 和「…………。 親を含めないんでしたらまぁ……」 和「ありませんけど?」 京太郎「…………」 和「なんでそんなんで泣くんですか……」 京太郎「良かった……まだ和のおんヴァージンは残ってたんだ……」 和「おんヴァージン……」 京太郎「ところで和。調度良く俺の背中が一人分空いてるんだけど……」 和「そんなこと言われて乗る人いませんよ」 京太郎「今ならお安くしとくぜ?」 和「金取るんですか。 おんぶで」 京太郎「おはよう和! 今日もいいおんびゅよりだな!」 和「え?」 京太郎「……」 和「今、なんていいました?」 京太郎「今日もいいおんぶ日和だな」 和「かみましたよね?」 京太郎「おんぶ日和だなー!」 和「今ゼッタイかみ」 京太郎「おんぶ日和だなーー!!」 和「ごまかさ」 京太郎「おんぶ日和!!!」 和「……」 和「……クスッ」 京太郎「!!!」 京太郎「和ぁ! 怪我したんだって!!?」 和「なんでそんな嬉しそうな顔なんですか……腹立つ……」 京太郎「準備できてるぜ」スッ 和「あの、怪我したの指なんですけど」 京太郎「遠慮するな。 さぁこい」ススッ 和「おんぶする必要皆無なんですけど」 京太郎「照れてるのか? 大丈夫、周りに誰もいないよ」 和「帰れ」 和「昨日、B組の○○くんにおんぶしてもらいました」 京太郎「 」 和「……須賀くん?」 京太郎「 」 和「……い、息をしてない!!」 京太郎「 」 和「冗談ですから!! おんぶしてもらってないですから!! こんな下らない理由で死なないで須賀くん!!!」 7 和「須賀くーーん!!!」 京太郎「 」 ―カンッ ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 煌「皆さんお揃いのようで…すばらですっ!」ガラッ 哩「どうや姫子ー」 姫子「高いとですぶちょー!」 哩「そらよかばい」 美子「あんたらほんと仲えーね」 仁美「ばってん姫子ケツ丸出しやと」 煌「なーにやってんですかね」 仁美「おお花田、物理的リザベーションをすることで二人の絆がどーとか」 煌「ああ…それは…まあすばらですね」 美子「無理せんでよか、誰が見てもアホばい」 哩「何を」 姫子「バカにしてー」ドドド 美子「合体したままこっちくんな」スタタタ 煌「と、言うことがありまして」 京太郎「はぁ」 煌「それでですね!私も!」ピョンピョン 京太郎「成程、やりたいわけですね」スッ 煌「では失礼して」ガシッ 京太郎「軽っ!普段何食ってんすか」 煌「それはすばらくない質問ですねぇ、乙女の秘密って奴ですよ京太郎さん」 京太郎「乙女は謎だらけだ…それで乗り心地はどうです?」 煌「そぉれはもう!すばら!超すばらですよ!高いです」キャッキャ 京太郎「それはよかった」 煌「では早速このまま部室に行きましょー」 京太郎「マジっすか!?」 煌「さあ走るのです!」 京太郎「誰もいませんね」オンブ 煌「はて」オンブ 哩「おー花田…」ガラッ 姫子「すばらやっと…」 京太郎「…」 煌「…」 姫子「…」 哩「…」 姫子「…ふっふっふ花田、とうとうどっちのおんぶが最強か決める時が来たようやね」 煌「今日の日は負けないよ姫子ぉ」シャドーボクシング 京太郎「白水さん、今日は手加減できませんよ」 哩「誰に口ば聞いとるんね須賀ぁ。姫子乗るんや」スッ 姫子「合点!」 仁美「今年の代表の自由が丘は強いんやろうか」 美子「まー一昨年選抜に出て2回戦まで行っとったし」 仁美「言うても夏は初めてやけん」 美子「相手は宮崎の代表や言うとったよ」 ワーワー 仁美「何か部室が騒がしか」 美子「まーた部長らが騒いどるんやろ…」ガラッ 京太郎「うおー」ドタドタ 哩「やるな須賀ー」ドタドタ 煌「すばらー!」 姫子「まてー花田ー」 美子「今日は帰ろか」 仁美「賛成、ラーメンば食いにいくばい」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 胡桃「ぐ、ぐぎぎぎ…」プルプル… 京太郎「あの、先輩…俺一応男子ですしそんな無理しない方が…」 豊音「そうだよー、いくらなんでも無茶だってー」 胡桃「う、うるさい!京太郎をおんぶするぐらい私だってできるよ!!」グググ… 塞「胡桃…さっきからかった事は謝るからさ、もうやめなって」 白望「傍から見ても無理してるのが分かる…」 エイスリン「クルミ、カオマッカ!」 胡桃「そ、そんなことない…うおりゃぁぁぁぁ!!!」グォォォォ!! 京太郎「うおっ!」 豊音「すごい、本当におんぶできたよー!!」 胡桃「どう、私だってこのぐらい…あっ」グラッ 塞「あっ」 白望「あっ」 豊音「あっ」 エイスリン「oh!」 京太郎「えっ、ってうわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 ドシーーーーン!!! 塞「胡桃―!!!」 エイスリン「クルミ、ツブレマンジュウ!!」 白望「エイスリン、何気に酷い…」 豊音「そんな事言ってないで2人を助けようよー!」 胡桃「うっ…京太郎のデブ、豚。もっと痩せろぉ…」グスッ 京太郎「はいはい、何とでも言っていいので大人しくしててくださいね」ヨイショット 豊音「けど、大事にならなくて良かったよー」 塞「といっても胡桃が少し足を捻挫しちゃったんだけどね」 白望「それで京太郎におんぶしてもらってるっていう…」 エイスリン「マサニ、ミイラトリガミイラ!!」 胡桃「う、うるさいそこぉ!」 京太郎「先輩、今の体勢で怒っても説得力がないです」 胡桃「うぅ…」 豊音「やっぱり胡桃はおんぶするよりされる方が似合ってるよー」 エイスリン「クルミ、マルデコアラ!!」 塞「はいはい2人ともこれ以上胡桃をいじらない。一応怪我人なんだしね」 白望「ダルっ…」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎(道で足を挫いてた巫女さんを送ってきたのはいいんだけど) 憧「どうしてお姉ちゃんが京太郎におんぶされてるのよ!」 望「道で困ってたらおんぶでここまで送ってもらったの」 憧「彼女のあたしですらしてもらったことはないのに!」 望「ちょっと落ち着きなさい、憧」 望「でも気持ちよかったからこのまま京太郎君もらっちゃおうかな~?」 望「京太郎君は年上に興味ない?」 憧「もう、お姉ちゃん!」 京太郎(なに、この修羅場) 霞「巫女なら私を忘れてもらっては困るわね」 京太郎(なんか増えたよ) 霞「京太郎君は私みたいなおもちの大きなこの方がいいもんね」ギュッ 京太郎(おぶさったときのおもちの感触がすばら!)デレー 望・憧「ぐぬぬ」 霞「永水に来たら毎日こうしてあげるわよ?」 京太郎「それはすばら!」 憧「京太郎の浮気者~!」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「まったく熱中症で倒れるぐらいならアイドル活動休んでくださいよ」 いちご「ちゃちゃのんはアイドルじゃけぇファンは裏切れんのじゃ」 京太郎「アイドルとして背負いすぎでしょう。たまにはこんな風に俺も背負いますから」 いちご「あ、ありがとう」 いちご(京ちゃんの背中がこんなに気持ちいいなんて考慮しとらんよ///) ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「シロ先輩もたまには自分で歩いてくださいよ」 シロ「ダルいからやだ」 シロ(京太郎を取られるのはもっとダルい) 京太郎「先輩聞いてます?」 シロ(京太郎を取られないようにするには)チュ 京太郎「先輩何してるんですか!?」 シロ(これで京太郎は私のもの) 後日 豊音「あれー。京太郎君首筋虫に食われたのー?」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 霞「私が行き遅れるという風潮があるらしい」 京太郎「そうなんですか?」 霞「ほかにも加齢臭がするとかかすみさんじゅうよんさいだとか」イジイジ 京太郎「俺はそんなこと思わないんですがね」ギュッ 京太郎「俺がこうして背中から抱きしめてる限りは大丈夫でしょう?」 霞「あらあら大きな赤ちゃんね」クスッ 霞「でも本当の赤ちゃんも早くおんぶしたいわね」 霞「頑張ってね、あ・な・た」 京太郎「が、頑張ります…」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「うっ…」 智美「どうしたんだー?」 京太郎「いえ…急に体が重く…」 智美「おー?少し雑用を任せすぎたかなー」ワッハッハ 京太郎「いやいやいやいや、これは結構マジで洒落にならない感じなんですけど」 智美(まーこの匂いはモモの奴だなー) 京太郎「な、なんか柔らかい…」 智美「ワハハ…不思議なこともあるもんだなー」 京太郎「そ、そうですね…具体的にはなんか黒髪の影の薄い巨乳娘に背後から覆いかぶさられてるような感触ですね…」 桃子「気付いてたッスか!?」ガーン 京太郎「ワハハ」 智美「ワハハ」 京太郎「うあー気持ち悪い」 智美「水も飲まずに無茶するから熱中症なんかになるんだぞー」 京太郎「面目ない…」 智美「しっかし須賀君は重いなー」ワハハ 京太郎「大丈夫ですか?」 智美「何、おねーさんに任せときなさい」ワッハッハ 智美「そんかわり調子良くなったら今度はおぶってもらうぞー」 京太郎「あ、歩きでいいんじゃ…」 智美「バカだなー須賀君は」 京太郎「…先輩」 智美「なんだー?」 京太郎「シャンプー何使ってんすか?」 智美「な、なんか変か?」ワタワタ 京太郎「ちょーいい香りっす」 智美「いいだろー、秘密だけどなーワッハッハ」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 玉子「まさか自分が大戦犯になるなんて…」グスッ 京太郎「先輩、そろそろ泣き止んでくださいよ」 玉子「でも…」 京太郎「先輩の悲しみは俺が引き受けます、だから先輩は笑っていってください」 玉子「うむ…」zzz 京太郎「おんぶしたら寝ちゃったか、先輩頑張ってたし」 玉子「京太郎、よきにはからえ」ムニャ ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「野依プロどうですか?」 理沙「快適!」プンスコ 京太郎「このままホテルまでお送りしますね」 理沙「了解!」プンスコ 理沙(でもこのままお別れはやだ)ギュッ 京太郎「の、野依プロ、首絞まってますって」 理沙「名前!」プンスコ 京太郎「分かりましたから理沙さん、首絞めないで!」 理沙「このまま///」ギュッ ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 玉子「NOである~……」 京太郎「あん?」 玉子「私はこのかた生まれておんぶをしてもらったことがないのだ」 京太郎「……」 玉子「お、いいところに私をおんぶしてくれそうな青年がいたのである!」 玉子「おいそこのお前」 京太郎(うっわ、なんか関わっちゃいけないやつに声かけられたぞ……) 玉子「私をおんぶしてくれ!」 京太郎「い、いや~、俺はちょっと……」 玉子「YESである!」 京太郎「は?」 玉子「そこはYESであるとこたえてほしかった!」 京太郎「……あの、頭だいじょうぶですか?暑さでやられましたか?」 玉子「NOである!私はいたって真面目で落ち着いておる!」 京太郎「めんどくせぇ」 優希「おい京太郎!」 京太郎「お、優希。丁度よかった。変なのにからまれたんだ、助けてくれ」 優希「うるさい!そんなことはどうでもいい!」 優希「それより私はお腹が空いて歩けないのだ!」 優希「私をおぶってタコス屋までつれていけ!このバカ犬!」 京太郎「へいへい。まったくホントお前は口を開けばタコスタコスタコスだな」 優希「ふん!ほら、私をはやくおぶるのだ。えいっ!」ピョン 京太郎「うわわ、いきなり背中に乗るな!」 優希「いけー!バカ犬号!私をはやくタコス屋まで連れて行くのだ!」 京太郎「まったく、お前にはかなわんよ」 イチャイチャラブラブ 玉子「こんな展開NOである~……」 おわり ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「弘瀬先輩て重そうですよね」 淡「あーそうかも」 照「特に一部が脅威」 京太郎(なんて会話を聞かれてたらしい) 菫「そんなに言うなら試してみればいいじゃないか!」 京太郎「ちょっと先輩、落ち着いてくださいよ」 菫「私は落ち着いている!」 京太郎「少なくとも落ち着いてる人は叫ばないと思いますよ」 菫「うるさい、お前なんかこうしてやる!」ギュ 京太郎「ちょ、いきなり来たら危ないですって」 菫「うるさい、お前なんか私に潰されてしまえばいいんだ!」 京太郎「先輩は重くないですよ?」 菫「じゃあ、あの会話はなんだったんだ?」 京太郎「あれは弘瀬先輩がアタックまでの尻が重いっていう話ですよ」 菫「え?」 京太郎「先輩、なかなか俺のアプローチに応じてくれないじゃないですか」 菫「あうあう」 京太郎「でもこれは俺に脈ありってことでいいんですよね?」 菫「わ、私と付き合うからにはちゃんと結婚のことまで考えて何歳でお互いの両親に挨拶にいくとか」 菫「子供は何人欲しいとか私は3人は欲しいなとか庭付きの一戸建ての白い家で犬を飼いたいなとか色々決めることがあるだろう!」 京太郎「はいはい」 淡・照「やっぱり菫の(愛は)重い」 おわり ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 成香「うぅ、控室まで帰りたくないです……」カタカタ 成香「皆さんにどうお詫びすればいいのでしょうか……」ガクッ 成香「もう足がすくんで動けないです、ぐすっ」 京太郎「大丈夫?手、貸そうか?」スッ 成香「えっ、す、すみません……っ」プルプル 成香「あぅっ」コケッ 京太郎「おっと」ガシッ 成香「すみません……」プルプル 京太郎「歩けるか?」 成香「えっと……無理、です、すみません」プルプル 京太郎「ん……そうか」 京太郎(部長に頼まれた用事があるんだけど、このまま見放すわけにはいかないよな) 京太郎(結局先鋒戦見れなかったし、早く控室に戻んないと優希にどやされるだろうし……よし) 京太郎「じゃあ俺が運んでいくよ、乗って」 成香「乗る、って……そ、そんなの悪いですよ!」 京太郎「いーからいーから、早く乗れって」 成香「私、重いですから、大丈夫ですよ」プルプル 京太郎「脚をプルプル言わせてるやつが何言ってんだ、さっさと乗れって」 成香「す、すみません!」ギュッ 京太郎「んっ、道案内頼めるか?」 成香「はい……自信ないですけど」 京太郎「オッケー、出発だ!」 成香(おんぶ、なんてお父さんにしてもらって以来です) 京太郎「ここはどっちに行けばいいんだ?」 成香(でも、どうしてこの人のおんぶは……) 成香(どうして、こんなに落ち着くんでしょうか) 成香(ずっとこうしていたいです) 京太郎「おーい」 成香「は、はい!」 京太郎「どっちに曲がればいいんだー?」 成香「え、えっと、ここは左です!」 京太郎「あいよ」 京太郎「君、あんなとこで泣いてたけど、なんかあったの?」 成香「……仲間のみんなに迷惑をかけてしまったんです」 京太郎「迷惑?」 成香「はい……私のせいで半分以上削られてしまって、ぐすっ」 成香「私のせいで、みんなが……っ」 京太郎「……俺もさ、部活の中で弱くって、大会じゃ一回戦負けでさ」 京太郎「他の仲間はここまで進んで来れたのに、俺はあいつらの顔に泥塗るだけで、嫌だったんだ」 成香「そう、だったんですか」 京太郎「ああ、悔しくて悔しくてたまらなかったけど、こんな俺でも役に立ちたい、って思った」 京太郎「みんなのために働いて、誰にも見られなくて、誰にもほめられないけど、俺はそれで良かった」 京太郎「あいつらが麻雀に専念できるように、俺があいつらのためになれている、って思うとこんな裏方の仕事でも十分だった」 京太郎「そりゃ表に出たら戦犯だ何だって叩かれたりするかもしれないけど、よく頑張ったって褒めてくれる人もいる」 京太郎「俺とは違って、理解してくれる人がいるんだよ」 京太郎「君は、表に出て、負け続けて、それでも最後まで頑張ったんだろ?」 成香「……はい」 京太郎「なら、君は胸を張って居場所に戻るべきだ」 京太郎「それは恥ずかしいことじゃないんだよ、むしろ勲章さ」 京太郎「だからそんなとこで泣かないでくれ」 成香「……すみません」 京太郎「で、次はどっちだ?」 成香「右、だったと思います」 京太郎「うい、りょーかい」 成香「あ、ここまででいいです」 京太郎「もう歩けるのか?」 成香「はい、元気をもらえましたから」 京太郎「にしし、じゃあ大丈夫だな!」 成香「あ、あの、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」 京太郎「須賀京太郎だ、横須賀の須賀と京都の太郎だ、君は?」 成香「私は本内成香です、本の内と成り上がりの香りで、本内成香です」 京太郎「じゃあまた、どっかで会えるといいな」 成香「はい、ご迷惑をおかけしました」 京太郎「んー……本内さん、そういうときは謝るんじゃなくて「ありがとう」って言ってほしいな」 成香「すみま……はっ」 成香「ありがとうございました」ペコッ 京太郎「おう、どういたしまして」ニカッ 京太郎「俺は……あっちか」 成香「あ、あ、あ……」 成香(須賀さんに励ましてもらったのに、私は何もしてないじゃないですか!) 成香(何か、言わないと―――!) 成香「す、須賀さん!」 京太郎「ん?」 成香「これからも、須賀さんも!」 成香「頑張ってくだしゃぁっ!」 京太郎「…………」 成香「…………」 成香「うぅ、噛んでしまいましたぁ」ウルッ 京太郎(結婚しよ) 京太郎(本内成香ちゃんかぁ、lineのIDだけでも交換するべきだったかな) 京太郎(小っちゃくって可愛くって、あれが母性本能をくすぐるっていうのか?いや俺男じゃん) 京太郎(おっぱいは無いけどああいう子もいいなぁ)ダラー 京太郎(さーてと、控室に帰らないとな) #aa(){{{ /´〉,、 | ̄|rヘ l、 ̄ ̄了〈_ノ _/(^ーヵ L__」L/ ∧ /~7 /) 二コ ,| r三 _」 r--、 (/ /二~|/_/∠/ /__」 _,,,ニコ〈 〈〉 / ̄ 」 /^ヽ、 /〉 ´ (__,,,-ー ~~ ̄ ャー-、フ /´く// `ー-、__,| }}} 誓子「ねえ、君、なるかと一緒にいたよね?」 京太郎「え?」 誓子「肉塊とミンチ、どっちがいいー?」ニマァ 京太郎「」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 紘「出かけたら転んでしまうなんて…」 京太郎「どうかしましたか?」 紘「ちょっと転んでしまいまして」 紘「でも大丈夫です」 京太郎「うわ、足腫れてるじゃないですか」 京太郎「病院に送りますから俺の背中に乗ってください」 紘「いえ、ご迷惑ですし…」 京太郎「俺のことは気にしないでください」 紘「あ、ありがとうございます」ニコッ 京太郎「やっぱりお姉さんは笑ってる方が可愛いですよ」イケメンスマイル 紘「は、はい///」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| ~中学生設定~ 京太郎「帰り道にじゃんけんして負けた奴が勝った奴の荷物を背負っていくゲーム」 京太郎「ましてや今日は終業式。絶対に負けられない幾多の荷物を持ち帰らねばならない日……!」 京太郎「だと、いうのに!」 咲「あ、また勝った」 京太郎「咲さん強すぎじゃないですかね!」 咲「きっと『カン』が良いんだね、私。ふふふ」 京太郎(だがもう咲の荷物はない! 負けても俺が文字通り背負うリスクはない!) 京太郎(必勝の背水の陣、この勝負、ここか――) 咲「あ、次負けたら私を背負って帰ってね?」 京太郎「え゛」 宮永父「……うちの娘が、いつの間にかSM女王の才能を開花させてた件」 咲「ち、違うよ!?」 京太郎「ぜひゅー……ぜひゅー……な、何が違、ガ、ゴハッ、ゴッ、ハッ」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 憩「あー東京は暑いなぁ…温暖化最悪やわー」 もこ「……」コクン 憩「こう暑いと熱中症の人が…あら?」クラッ もこ「…?」 憩(まずったなぁ…これあかんやつや…)ドタッ もこ「……!!」ビクッ 憩「もこ…ちゃ…」 もこ「……」オロオロ 京太郎「~~~♪」 もこ「……!」ピカーン 憩(…んっ?) 京太郎「気が付きましたか?」 憩「…君は?」 京太郎「あの子に連れてこられました…あなたが倒れてたので…」 もこ「……」コクン 憩「あー迷惑かけてごめんなぁ?」 もこ「……」フルフル 憩「もうこんな時間やないか…阿知賀の試合始まってるやないか…」 もこ「……」コクリ 憩「うちのことはええからもこちゃんだけでも見に行ってええよ?」 もこ「……」オロオロ 京太郎「憩さんは俺が連れて行きますから先に行ってください」 もこ「……」コクリ 憩「あぁ…うちも見たかったなぁ…」 京太郎「今から見に行きますよ?」 憩「でも…まだうち歩けそうにないんよ…」 京太郎「ならこうします!」グイッ 憩「わわっ!」 京太郎「おんぶされるのは恥ずかしいと思うけど我慢してくださいね?」 憩「ちょっとこれは恥ずかしすぎる…//」 京太郎「試合見れなくてもいいんですか?」 憩「うっ…背に腹は変えられんか…」 京太郎「今から行けば次峰戦が終わる前には着きますから」 憩「ほんま迷惑かけてごめんなぁ…」シュン ~移動中~ 京太郎「実家は病院なんですか!」 憩「うん…でもナースが熱中症で倒れるなんてダメダメやなぁ…」 京太郎「医者の不養生ってやつですか?」 憩「まったく持って反論できん…ところで聞きたいことあったんやけど?」 京太郎「なんですか?」 憩「さっき倒れたとき応急処置で…脇の下や股のところにも冷やしたタオルあったけど…まさか君が…?」 京太郎「医療行為ですから…」 憩「…えいっ!」グイ 京太郎「ちょっ…し…絞まって…」 憩「乙女の恥ずかしい部分を見た罰や…//」ググッ 京太郎「りっ…理不尽だ…」 憩「あんなとこ見られたらもうお嫁に行けへんやん…」 京太郎「仕方ない状況でしたしそんな気にしなくても…」 憩「女の子ってのはそういうもんなんですぅ!」 京太郎「ならお詫びに俺の秘密の部分を…」カチャ 憩「もしもし!警察ですか!」ケイタイトリダシポパピプペ 京太郎「すいません!調子に乗りました!」デートシテクレマスカ? 憩「まったく…セクハラは犯罪やでー」 京太郎「暴力も犯罪やでー」 憩「んっ?なんか言ったぁ…」グググッ 京太郎「ぐへぇ…」 憩「京太郎くんおもしろいなぁ…」クスクス 京太郎「面白いで首絞められたらたまったもんじゃないです…」 憩「まあ冗談やから…これでも感謝しとるんやで?」 京太郎「なら態度で示してくださいよ…」 憩「さっきからうちの太股撫で回してるやん…ご褒美やろ?」 京太郎「おんぶしてるから仕方ないじゃないですか!」 憩「これじゃあ不満か…ならば…えいっ!」ギューッ 京太郎「…何してるんですか?」 憩「こうやっておもいっきり抱きつけば背中で私の胸の感触が味わえるやろ?」 京太郎「…何言ってるんですか?」 憩「……」グググ 京太郎「ちょ…ごめんな…さ…絞まっ…て…」 憩「女の子を傷つけること言ったらあかんでぇ…気にしてるんやから…」 京太郎「すいません…でも胸がなくても憩さんはかわいいですって…」 憩「お世辞でもうれしいでー」 京太郎「お世辞じゃないですよ?憩さんみたいなかわいい彼女できたら良いのになぁ…」 憩「でも京太郎くんは面白いしそれなりの顔やし彼女くらいすぐできるやろ?」 京太郎「現実ってのはそう甘くないんですよ…」 憩「私ならあいとるでー」 京太郎「ぜひ俺の彼女に!」 憩「お断りやでー」 京太郎「ですよねー」ガクッ 京太郎「…着きましたね」 憩「ありがとなぁ…もう歩けそうやから大丈夫よ?」 京太郎「じゃあ降ろしますよ…よっと…」 憩「ご丁寧にどうも…わざわざほんとにありがとうな…」 京太郎「いえいえ…俺もこっちの方に用事あったので」 憩「お礼の1つでもせなあかんなぁ…ちょっとしゃがんでくれへん?」 京太郎「こうですか?」 憩「ええで…んっ…」チュッ! 京太郎「」 憩「あー固まってもうたか…ならうちの連絡先ポケットに入れとくでー」 京太郎「」 憩「いきなり彼女は無理やけど…お互いのこともう少しわかってから…それなら喜んで彼女さんになったるで?」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 怜「ごめんな、京太郎。わざわざ迎えに来て、その上おんぶまで……」 京太郎「いいてすよ別に。それより、帰ったらちゃんと皆にごめんなさいして下さいね」 京太郎「試合に勝つためとはいえ、あんな無茶して、心配かけたんだから」 怜「そうやな、ちゃんと謝らなな……」 怜「それにしても京太郎の背中、気持ちええなぁ」 京太郎「そうですか?」 怜「そうやで。竜華の膝もええけど、こっちもクセになりそうや」 京太郎「俺の背中でいいなら、いつでもどうぞ」 怜「ホンマに?」 京太郎「本当です」 怜「ホンマのホンマ?」 京太郎「ホンマのホンマですよ」 怜「……なんで?」 京太郎「どうしました?」 怜「なんでそんなに京太郎は、ウチに優しくしてくれるん?」 京太郎「それは……」 怜「そない優しくしたら、勘違いしてまうやろ」 京太郎「……勘違い、じゃないですよ、多分」 京太郎「オレは、園城寺先輩のことが好きだから、だから……」 怜「待って、京太郎」 京太郎「はい?」 怜「その続き、インターハイが終わってから、聞かせてくれへん?」 京太郎「……はい、わかりました」 怜「それと……」 京太郎「なんです?」 怜「これからは、名前で呼んでくれると、その、うれしいなって……」 京太郎「……はい! 怜先輩!」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 某年某日某所 タッタッタッ ドンッ 男の子「うわぁ!?」 女の子「きゃあ!」ドサ 男の子「てて、うわごめん! 大丈夫?」 女の子「ふぇ……」ジワッ 男の子「え?」 女の子「ふええええええ」ビエーン 男の子「わわわ!? ちょっそんな泣くほど痛かったのか!?」 男の子「えーと、つまりお姉ちゃんと喧嘩して出て来ちゃったって事?」 女の子「うん……」グス 男の子「うーんっと……」 女の子「グス……ヒック……」 男の子「ほら、連れて行ってあげるから一緒に帰ろう」 女の子「……」 男の子「はぁ、よし! おんぶしてやる! 乗れ!」 女の子「ふえ?」 男の子「ほら! 早く」 女の子「で、でもお父さんが知らない人に着いていっちゃダメって……」 男の子「俺! 須賀京太郎! よろしく!」 女の子「え?」 京太郎「これでもう知らない人じゃないだろ! さぁ乗れ!」 女の子「えっと、あの……わた」 京太郎「ほら早く!」 女の子「う、うん……」ヨジ 京太郎「よーし! しっかり掴まってろよ!」 タッタッタッ 女の子「わわわ」アセアセ テクテク 京太郎「ちょっとは気、晴れた?」 女の子「……」 京太郎「君はさ、どうしたいの?」 女の子「どう……って」 京太郎「お姉ちゃんと仲直りしたい?」 女の子「うん……」 京太郎「じゃあ、さ。君のほうから行かないと」 京太郎「大丈夫! 君は悪い子じゃないし、君のお姉ちゃんだってきっと仲直りしたいって思ってるよ?」 女の子「でも! ……でも、また喧嘩になっちゃったら、もし嫌いって言われたら」 女の子「怖い……」 京太郎「そうだね……誰だって嫌われるのはイヤだね」 京太郎「でも努力しないと」 京太郎「がんばらないと」 女の子「でも、がんばってダメだったら……」 京太郎「また挑戦する!」 女の子「それでダメだったら!?」 京太郎「また、がんばればいいよ」 女の子「それでも……ダメ、だったら……?」 京太郎「そしたら、俺のとこに来なよ」 女の子「ふぇ?」 京太郎「それでもダメだったら、俺がまたこうやっておんぶしながら家まで送ってあげるよ」 京太郎「それなら、またがんばれるだろ?」 女の子「…………うん」 京太郎「うん!」 京太郎「そういえば、まだ名前聞いてなかったね」 女の子(さっき言おうと思ったら遮ったのそっちなのに) 女の子「私、宮永咲。です……」 京太郎「サキ、か。どんな字書くの?」 咲「えっと、花が咲くの咲」 京太郎「花が咲く……咲」 京太郎「綺麗な名前だね!」ニカッ 咲「っ!?///」トクン 京太郎「よろしくな! 咲!」 ~数年後 京太郎「ったぁ~っくよう。補習なんてついてねぇ」 京太郎「小テストの点数くらいおまけしてくれればいいのに」ブツブツ 京太郎「今から部活行っても大した時間……あ、部長からメール着てる」 『今日の部活は終わったわよん♪ そのまま直帰で構わないから』 京太郎「oh……」 京太郎「まぁ連絡入れてもらえただけよしとするか」 京太郎「しゃーない帰るか」 咲「京ちゃん」 京太郎「ん? 咲?」 京太郎「どうしたんだ? こんな時間まで。あ、さてはまた図書館で本の虫だったんだろ」 咲「あはは、そんなとこ。一緒に帰ろうと思って待ってたんだけど、大丈夫かな」 京太郎「おう! もちろんいいぜ」 テクテク 京太郎「……」 咲「……」 京太郎(さぁーてこの状況) 京太郎(示し合わせて一緒に帰るなんて高校始まって以来だな。なんかあったか) 咲「ねぇ、京ちゃん」 京太郎「うん?」 咲「おんぶ、してよ」 京太郎「は?」 咲「ダメ……?」 京太郎「いや、ダメって言うか。どうした突然」 咲「……」 京太郎「はぁー仕方ねーな。ほれ!」スッ 咲「ありがと、京ちゃん」ヨジ 京太郎「掴まったか? 立つぞ」 咲「うん。大丈夫」 京太郎「よっと、お前昔とぜんぜん変わらないな」 咲「どう言う意味?」 京太郎「こういうシチュエーションなら嬉し恥ずかしなイベントがいたたたたたた」 咲「ど、う、言、う、意、味、か、な、!?」ギギギギ 京太郎「痛い痛い痛い!? 首の皮を抓らないで! 本気で痛いから!」 咲「まったく、京ちゃんはホントにエッチなんだから」プンプン 京太郎「ちょっとした冗談なのに……」グスン 咲「京ちゃんは大きくなったね」 京太郎「そうか?」 咲「うん、背中すごく大きくなった。けどこの温かさと匂いは昔のままだね」ギュッ 京太郎「汗臭いだけだ」 咲「そんなことないよ。私の好きな匂いだよ」 京太郎「お前さ、マジでなんかあった?」 咲「私ね。麻雀部、…………入ったよ」 京太郎「そっか……」 咲「それだけ?」 京太郎「お前が自分で考えて決めたんだろ? ならそれでいいじゃん」 京太郎「つい最近までお前が麻雀出来る事すら知らんかった俺にどうこう言う資格無いって」 咲「……」 京太郎「お前のそれってのはさ、照さん関連の話なわけ?」 咲「それって……?」 京太郎「麻雀が嫌いとかどーとかって」 京太郎(って言うか、咲がそんな落ち込んだりするのってたいてい照さん絡みだし……) 咲「……」 京太郎「話聞いてくださいって状況作っといて黙り込むなよ」ハァ 咲「あ!? っ、ごめん……」 京太郎「あーいや、悪い。俺もいじわるな言い方だった。話したくないなら別に」 咲「わからないの……」 京太郎「わからない?」 咲「うん。なんでお姉ちゃん、私を置いて行っちゃったのか。なんで疎遠になっちゃったのか……」 京太郎「…………」 咲「だから、麻雀部で全国に行ければ……この道を辿って行けば、その先にお姉ちゃんに会えるなら」 咲「京ちゃん」 京太郎「ん?」 咲「私、がんばるから」 京太郎「うん」 咲「もっとがんばるから」ギュゥゥ 京太郎「うん」 咲「もう少しだけ、こうしてて良い……?」グス 京太郎「おう」 咲「えへへ、ありがと。京ちゃん」 京太郎「咲、俺さ。お前のこと……」 咲「うん?」 京太郎「いや、俺がんばってるお前を見てるのが好きなんだ。だから」 京太郎「がんばれよ! 咲」 京太郎「ずっと応援してる。そんでもしまたしんどくなったら、そん時は」 京太郎「また、俺の背中くらい貸してやるから」 咲「うん! ありがとう、京ちゃん」 咲「大好き!」 カン ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 清澄高校 部室 ガチャッ 京太郎「あれ、部長まだいたんですか? 外とっくに暗くなってますよ」 久「そういう須賀くんこそ。部活終わってからまだ学校にいたの?」 京太郎「俺は友達に返さなきゃいけないものがあったので、そいつを待ってたんです。…部長は?」 久「ヤボ用があってね。その用事が終わったんだけど、ちょっと疲れたからゆっくりしているところよ」 京太郎「そうですか。じゃあ俺と一緒に帰りましょうよ」 久「んー?」 京太郎「えっ?」 久「なに? それは須賀くんからのお誘い?」 京太郎「えっ、いや、外は暗いですし。部長一人で帰すのも駄目かなって思って…」 久「ふーん、気遣いは一人前じゃない」 京太郎「どうも。いや、普通じゃないですか」 久「でもいいわ。私もう少し部室でゆっくりしていきたいから。須賀くん先に帰ってていいわよ」 京太郎「え、でも……」 久「気にしないの。先輩が帰っていいって言ってるんだから素直に従っておきなさい」 京太郎「部長」 久「ほらほら、帰った帰った」 京太郎「……じゃあお先に失礼します」 バタンッ 久「……」 久「……」 久「痛っ…」 久「それにしても足のこの痛み、なかなか引いてくれないわね…」 久「……」ソーッ ピトッ 久「痛っ! や、やっぱ無理。立てないわ」 久「あーもう! どうにかならないかしら……」 ガチャッ 久「!」 久「……」 京太郎「怪我してたなら早く言ってくださいよ。本当に帰ろうかと思いましたよ」 久「言えるわけないでしょ! 部室で逆立ちしてたら雀卓に足ぶつけたなんて!」 久「こんな情けない姿、後輩には見せられないわよ……」 京太郎「別に俺ならかまいませんよ。しっかり者の部長にもこういう一面があるんだってわかって、おもしろいです」 久「……!」ブンッ 京太郎「痛っ! 物投げないでくださいよ」 京太郎「ほら、乗ってください」 久「お、おんぶ……」 京太郎「だっこの方がいいんですか?」 久「わかったわよ……」 久「あぁもう! こんなところ、ほんとに咲たちには見せられないわ……」 京太郎「じゃ、行きますよ」スクッ 京太郎「落ちないようにちゃんと掴まってくださいよ。落ちたらまた足痛くしますからね」 久「うん……」ギュッ 久「いい、須賀くん? このことは他の皆には言っちゃ駄目よ」 京太郎「やっぱり駄目ですか」 久「当然よ。皆から何言われるかわからないじゃない」 京太郎「染谷先輩や優希には、からかわれ続けますね」 久「私は部長として威厳を保たなきゃならないの。それくらいわかりなさいよ」ギュッ 京太郎「グッ…首絞めないでくださいよ…」 久「ふん」 京太郎「わかりました。俺と部長だけの秘密ってことで…」 久「わかればよろしい」 久「…でも、ありがとう」 久「須賀くんに運んでもらえなかったら、それこそもっと恥ずかしいことになってたかもしれないわ」 京太郎「どうってことないですよ、それに……」 久「?」 京太郎「部長みたいな美人をおんぶするってのもけっこう嬉しいんですよ」 久「……」 京太郎「背徳感があるっていうのか、すげえドキドキして……」 久「やっぱり下ろして」 京太郎「無理です」ガシッ 久「下ろしてー!」ジタバタッ 京太郎「ちょっと、暴れないでくださいよ!」 チョットマッテー ハヤクカエリタインダケドー 久「!」 久「す、須賀くん、脇の教室に入って!」 京太郎「どうしたんですか、いきなり?」 久「前から人が来るでしょ! 早く隠れて!」 京太郎「別に見られたっていいじゃないですか。外を出たら人目につかないわけないんですし」 久「こ、校舎で見られるのはなし! 知りあいかもしれないじゃない!」 京太郎「他のクラスの教室に入っちゃっていいんですか?」ニヤニヤ 久「いいから早く入りなさい!」パシッ 京太郎「痛っ、わかりましたよ…」 ガラッ 京太郎「電気つけなくていいですよね?」 久「当たり前よ。とりあえずさっきの人たちが通り過ぎるまで……」 久「!」 久「やばっ……この声は……!」 京太郎「どうかしたんですか?」 久「今近づいてくる子たち、私の知りあいだわ……」 久「このクラスの子なのよ…!」 京太郎「じゃあこの教室に入ってくるってことですか?」 久「たぶん……でも今からじゃ出られないし……」 京太郎「ひょっとしてまずい状況だったりします?」 久「決まってるじゃない! こんな暗い教室で何してたかって…!」 アレ? イマナンカキコエナカッタ? 久「!!」ギクッ 久「やばいわ、この教室に向かって…!」 京太郎「部長、こっちです!」ダッ 久「えっ?」 京太郎「逃げられないなら隠れるしかないです!」 久「でも隠れるところなんて…」 京太郎「何を言ってるんですか!」 京太郎「ロッカーがあるでしょう!」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 和「もう!ゆーきなんて知りませんからね!」 優希「のどちゃん!」ズルッ ドシャァッ 優希「痛いじぇ……」 京太郎「おい、大丈夫かよ」 優希「誰だ?」 京太郎「足腫れてるな、立てるか?」 優希「どこの馬の骨とも知らないやつにィッ!」グキッ 京太郎「無理してんじゃねえよ、俺におぶされ」 優希「うるさい!うるさい!」 京太郎「なんだよ、人が親切してやってんのに」 優希「だからお前の手助けなんかいらないじぇ!」 京太郎「いいからとっとと乗れ、脚悪くなっても知らねえぞ」 優希「……そこまで言うなら、背負わせてやるじぇ」 京太郎「素直じゃねえやつだな」 前を向くアイツの顔は見えなかった アイツの身長とかからすると、私と同じ学年だろうか そうやって観察をしたあと、のどちゃんとの喧嘩が頭に浮かんできた このままのどちゃんと喧嘩したまんまなんて嫌だ そう思って俯くと、アイツの首元におでこが当たった 京太郎「あんまし上手いこと言えないけどさ、喧嘩ができるような友達がいるってのはいいことなんだぜ」 京太郎「……まあ、頑張れよ」 そう呟いたアイツの髪は夕日に照らされて金色に輝いていた、暗い気持だった私を照らしてくれるような、眩しい金色だった 京太郎「おんぶっていいよな」 京太郎「なんか懐かしくて、なんかあったかくて……」 京太郎「相手の顔なんて見えねえのにそいつの思ってることが伝わってくるような気がするんだ」 アイツの口調は楽しそうで、そんなアイツの言葉は今でも覚えている 京太郎「おい、優希ー、着くぞー」 優希「わかってるじぇ、ちょっと黙ってろ!」 京太郎「痛っ!お前後で覚えてろよー!」 今の私は夕日の中で京太郎の頭を見ていた かんしょーを邪魔されたので腹いせに頭を叩くと、笑半分怒り半分の声が返ってくる 今日の体育でけがをした私は京太郎におんぶをされて、いつかの道を通っていた 降りる場所は、京太郎と私の家までの道を分かつ交差点、そこはもう目の前だったけど、 京太郎の背中から離れるのは名残惜しかった 京太郎が麻雀部に見学に来たとき、私は一目でアイツだと気付いた。 でも京太郎は私を見るとすぐにのどちゃんのおっぱいへ目線を移した 感想を言うと、久しぶりの京太郎の背中はあったかくて、懐かしかった だからだろうか、おんぶをされて、励まされたことを私は覚えているのに、京太郎は気づかない。 その寂しさともどかしさが私にはたまらなかった だけど――― 京太郎「なあ、優希」 京太郎「おんぶっていいよな」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| あの夢のようだったインターハイは瞬く間に過ぎ去り、 早まった日の暮れが夏の終わりを告げている。 落ちかけた夕焼けに染められた部室は、いつもと変わらない光景のはずだったけれど 私には他の何所よりも眩しい。 そんな感傷に浸りながら思い出に馳せていた私は不意に現実に引き戻される。 「部長」 ベッドに腰かけていた私の顔を覗き込むように須賀君が声をかけてきていた。 彼の方へ向きなおす。 「あら、私はもう部長じゃないわ」 私は今日この麻雀部を引退したのだから。 そう言わんばかりの返事に竹井先輩、と口ごもりながらも律義に呼びなおしてくる彼が可愛い。 「そろそろ時間です」 時計を見れば下校時間までもうわずかにせまっていた。 帰らなければ。 とはいえ、須賀君の手伝いもあり後はまとめた荷物を持って立ち去るだけなのだけど。 でも今の私はそれができずにいた。 「……もう少しだけここにいたいの」 ここには私の青春が詰まっているから。 だからここが私の居場所ではなくなってしまうということを受け入れたくない。 今ここを出て行けば全てを失くしてしまうようで怖い。 ただのわがままだ。 私は弱い。 せめて最後くらい、今日くらい、格好つかないものか。 俯いてしまった彼に、取り繕うようにたずねる。 「ねえ須賀君?」 「はい」 「あなたには用を押しつけてばかりになっちゃったけど、須賀君は……楽しかった?」 「はい。俺、麻雀部に入って本当によかったです」 「そっか……」 嬉しいけれど、それはなぜかとても淋しい。 まっすぐな彼の言葉が引き金となったかのように抑えられない感情が込み上げてくる。 鼻の奥がツンとする。きっと今私の顔はひどく歪んでいることだろう。 参ったな。こんなはずじゃなかったのに。 誤魔化すように言葉を繋ぐ。 「じゃあ、最後にもうひとつお願いしていいかしら?」 いつも通りにと思うほど耐えられない。 自分でもわかるくらいに声が震えてしまっている。 「なんですか?」 「ちょっとあっち向いててくれる?」 「え……?」 「い、い、か、ら」 上手くは言えていなかったと思うがもうかまわない。 私は静かに後ろを向いた彼の背中におぶさるように飛び乗った。 これでもう彼に私の顔は見えないのだ。 あとは驚いてバランスを崩しかけた須賀君を傍目に囁くだけだ。 いつもからかうように。なるべくいたずらっぽく。 「今夜は帰りたくないの。だから、あなたがここから連れ出して?」 最後の一言は声が掠れてひどいものだった。 須賀君は冗談らしいため息ひとつで返して、背中で泣きじゃくる私を運んでくれた。 結局私の涙が枯れたのは夜闇につつまれた田舎道の中だった。 秋を感じさせる夜風は涼しく、泣きはらして熱をもった頬に涼しい。 でも、街灯に照らされた道路を歩く須賀君の背中はあたたかで私の気持ちを落ち着かせた。 「ねえ、須賀君」 返事はなかったけれど。 「……ありがと」 不甲斐ない私の言葉を背中で受け止めてくれた彼が、 私の初恋の人だったかもしれないと気付いたのはそれから随分先のことだった。 カン ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 晴絵「ごめんね須賀くん、他校の生徒にこんなことさせちゃって。まさかあんなところに小鍛冶健夜が……」 京太郎「会って挨拶しただけで腰抜かすって、赤土さんって本当に小鍛冶プロが好きなんですね」 晴絵「違う! あいつのせいで私は、私は、う、ゥオェエェ!」 京太郎「ち、ちょっと吐かないで下さいよ!」 晴絵「だ、だいじょーぶ、だよ……?」 京太郎「しっかりして下さいよ」 晴絵「うぅ、面目ない。あ、そこの角曲がってすぐの部屋が……」 灼「……」 晴絵「あ、灼、ただいま」 京太郎「あ、阿知賀の方ですか。俺、清澄のすが……って、ちょっと!」 晴絵「ま、まって灼! あなたは大きな誤解を……」 ガチャ、バタン!! 晴絵「してるぅ……」 ガチャリ 京太郎「あ、戻ってきた。よかった。実は赤土さんが腰を……」 バンッ!! 京太郎「抜かして、しま、しま……」 灼「……ハルちゃんをおろせ」 京太郎「そ、そのボーリングの球はいったい……」 灼「いいからおろせ!」 京太郎「は、はい! あ、赤土さん、立てます?」 晴絵「か、壁に手をつけばなんとか」 京太郎「よかった。それならもう……」 バンッ!! 京太郎「ハイナンデショウ!」 灼「そのまま回れ右、そして三つ数える内に私達の視界から、消えろ……」 晴絵「あ、あのね灼、これはそういうんじゃなくてって須賀くんもういないし!」 ~その頃 京太郎「あの娘恐かったなあ。また寒気がしてきた」ガクブル 京太郎「あれ? 寒気が止まんない?」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル 咲「京ちゃん」ゴゴゴゴ… 京太郎「咲? ど、どうしたお前、なんか雰囲気が……」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル 咲「さっきおんぶしてた女の人、誰?」ゴゴゴゴゴゴ… 京太郎「いや、あの……」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル 咲「誰なの? ねえ、誰なのって聞いてるんだよ?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ… 京太郎「((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」 咲「誰なのよッ!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…… 京太郎「(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブル」ショワァ… ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「今日も一人で頑張ってたのか?」 数絵「だって私一人なんだから仕方ないじゃない」 京太郎「だからってこんなに疲れるまで打つことはないだろうに」 京太郎「立てなくなるくらいまで雀荘にこもる必要はないだろう?」 数絵「私はおじいさまの期待を裏切りたくないの」 数絵「そのためならどんなに厳しい東場にだって耐えれるようになってみせる」 京太郎「努力は立派だけどそれで潰れちゃ意味ないだろう?」 京太郎「それにお前は可愛いんだからへんな奴がよって来るかもしれない」 京太郎「その辺もっと自覚持てよ」 数絵「う、うん///」 数絵(京太郎が助けてくれるならどんな逆境でもまくってみせる!)ギュッ ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 哩「んひぃぃいぃっ!」ビクッ 姫子「ああぁぁああぁぁっっ!」ビビクン 京太郎「どうしたんですか!!」 哩「あぁ…これ…気持ちよすぎて…」 姫子「ぶ…ちょ…26藩は…しゅご…すぎ…」 京太郎「…」 煌「…」チラッ 京太郎「配牌で純正九蓮宝燈だと…これを縛ったのか…」 煌「とりあえずこの2人をどうにかしないと…もう下校時間です…京太郎くんは姫子をお願い」ハァ 京太郎「煌先輩は一人で平気ですか?」 煌「安河内先輩でも呼んでに2人で運びますよ…」 京太郎「それじゃあそっちはお願いします…よっと!」 煌「おお…おんぶとは大胆な…すばらっ!」 姫子「京太郎…ごめ…ん…」 京太郎「いえいえ…これぐらいならなんでもないですから…」 姫子「はぁ…んんっ!」 京太郎(てかさっきから背中で姫子先輩が息を荒くしていて…それが首筋に当たってやばい…しかもいいにおいするし…) 姫子「あっ!ああっ!」ビビクン 京太郎(たまに小刻みに震えたりして…なんかエロい…あとYシャツの下のほうが濡れてるんだが姫子先輩の汗だろうか?) 姫子「んっ…」モゾモゾ 京太郎(やめて!体こすり付けないで!やわらかい感触がまずいの!) 姫子「えへへ…」ギューッ 京太郎(そんな強く抱きつかれたら…背中に小さいけど確かなおもちの感触が!) 姫子「きょーたろー…」 京太郎(…もうお持ち帰りして良いんじゃないだろうか?) 姫子(こげんアピールしても手ば出さんとは…もっと過激なことせんといかんね…) カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 絹恵「痛たたたた……ホンマにすまんなぁ、京太郎くん」 京太郎「このくらいへっちゃらですから」 絹恵「せやったらもーっと体重かけるなー」ムギュゥ 京太郎「はうっ!?」 京太郎(絹恵さんのおっぱいと太ももが俺の上半身に寄せられているゥ!?) 京太郎「ブフォッ」ドバァ 京太郎(なんつー破壊力、流石は絹恵さんだぜ!) 京太郎(って、いやいや、そうじゃなくて、ここは姫松高校のマネージャーとして注意しなきゃだよな)フンス 京太郎「まったく、絹恵さんの丸いものを見たら蹴る癖、いいかげん治してくださいよ」 絹恵「いやーそれは体に染みついてもうたーというか……その……京太郎くんも中学おったから知っとるやろ」 京太郎「知ってますけど、今回だってなんで超合金カーネルの頭なんか蹴ってんですか」 京太郎「……ってか超合金カーネル・サンダースって何だよ」 京太郎「とにかく、心配したんですからね?」 絹恵「うん……ごめんな」 京太郎「ったく、なんで洋榎さんといい絹恵さんといい愛宕家は……」ブツクサ 絹恵(京太郎くんに怒られてもうた、あはは) 絹恵(おんぶも気持ちええし、ほんまお父さんみたいやな) 絹恵(年齢的に言えば弟やけど) 絹恵(……お父さんにおんぶしてもろたことないやん) 絹恵(そんなんしてもらう前に死んでもうたからなぁ) 絹恵(やっぱり今は京太郎くんの時代やな、一家に一台京太郎くん!なんつって) 絹恵「京太郎くーん」 京太郎「何ですかー?」 絹恵「私のお父さんにならへん?」 京太郎「嫌です」 絹恵「即答した!?」 絹恵「もっと迷うと思ったんやけど」 京太郎「絹恵さんの父親なんて距離、嫌ですから」 京太郎「俺は、もっと……」カァァ 京太郎「もっと絹恵さんの傍にいたいですから」ボソボソ 絹恵「そ、そっか……」 京太郎「……」カァァ 絹恵「……」カァァ 絹恵「すっ、進むスピード遅いで!はよ歩きぃ!」バシバシ 京太郎「のんびりゆっくりまったり行きましょうよー」 絹恵(今のって、告白ってことでええんやろか?) 京太郎(何やってんださっきの俺!絹恵さんが何も聞いてなくて返事に困ってたみたいだから良かったものの) 京太郎(二人でインターハイに行けたときに告白するって決めたんじゃないか!ホント何してんだ!) 京太郎(まあ告白したとしても 「弟とか、そんなんみたいやと思ってたさかい、ごめんな」 とか言われてフられるんだろうな) 絹恵(私は、京太郎くんのことをどう思っとんやろ) 絹恵(頼りになるお兄ちゃん?偶に甘えてくる弟?) 絹恵(あと、一緒におると胸がドキドキして、これは何なんやろ、動悸?息切れ、気つけ……救心?) 絹恵(それは置いといて) 絹恵(自分の気持ちがようわかれへんわ) 絹恵(京太郎くんは私のことが好きなんやろか、私は京太郎くんのことが好きなんやろか) 絹恵(……やっぱりようわかれへん) 絹恵「……はぁ」 京太郎「ため息吐くと、幸せが逃げますよ」 絹恵「私は、京太郎くんとおれるだけで幸せやから」 絹恵「むしろ古い幸せを捨てて新しい幸せを吸ってるんや」 京太郎「さっぱりわっかんねー」 絹恵「……京太郎くんは、私とおれて幸せ?」 京太郎「俺は……毎日が幸せですよ」 絹恵「大袈裟やなぁ」 京太郎「こんなこと言うの、絹恵さんだけですよ」 絹恵「……お互い、どうして面と向かって言えないんやろか」 京太郎「おんぶしてるからじゃないっすか」 絹恵「そらそうやけど……なんかもうアホらしなってきよったわ、家でカルピス飲みたい」 京太郎「あ、俺も飲みたいです!」 絹恵「ほなこのまま家までよろしくなー」 京太郎「了解です!」 京太郎(そうか……そうだったんだ!) 京太郎(走れば走るほど、絹恵さんのおっぱいは弾み、弾んだおっぱいは俺の背中に当たる!) 京太郎(つまり速く走ればその分絹恵さんのおっぱいを楽しめる!) 京太郎(クッソ、なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだバーロー!)ダダダダ 絹恵(今なら、抱き着いてもばれへんやろか……)ドキドキ 絹恵(ほんの少し大胆になるくらいやったら……ええやろ)ギュッ 京太郎(は、弾まなくなった……だと……?) 京太郎(弾まなくなった割には背中には柔らかい感触がある、これは……まさか……) おっぱい「残像だ」 京太郎(なんだよ残像って) 絹恵「今日は迷惑かけてもうたね」 京太郎「いえ、呼んでくれればどこでも行きますし、なんでもしますよ」 絹恵「ふふっ、頼もしいヒーローさんやな」 京太郎「そうでしょうそうでしょう、もっと褒めてください」 絹恵「じゃあ、そんなヒーローさんにお礼するから、目閉じてくれる?」 京太郎「はい……」 絹恵「……京太郎くんの気持ち、全部届いとったで」 絹恵「今度は、もっとちゃんとした言葉で聞かせてな」 絹恵「私もその頃には自分の気持ち、京太郎くんに伝えるから」 絹恵「今はまだ待ってな」 絹恵「……あと」 絹恵「いっつもおおきに」 チュッ ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎(それで俺たちの関係が遠くなるっていうのは嫌だから告白したくない俺もいるわけで……) 咲「京ちゃん!」 京太郎「ん?どうした、咲」 咲「最後にお願いがあるんだけど……いいかな?」 京太郎「最後?どういう意味だ」 咲「あのね……もう一度私をおんぶしてほしいの」 京太郎「お、おんぶ?いや、もう十分おんぶしただろ!」 京太郎「だってほら、8月6日からずーっとおんぶし続けてるんだぜ?」 京太郎「流石に俺も体力尽きたわ……」 咲「そんな……ぐすっ、京ちゃんなら私のいうこと聞いてくれると思ったのに……」ウルウル 京太郎「いや、泣かれても困るんですけど……」 咲「ひっく……」 京太郎「……」 咲「ふえぇ……」 京太郎「…………」 京太郎「……仕方ない。ほら、背中空いてるからつかまれよ」 咲「京ちゃん!」 京太郎「ほら、あと10レスしか残ってねえぞ。急げバカ」 咲「う、うん!ありがと、京ちゃん」 京太郎「咲はまだまだ甘えんぼさんだな」 咲「えへへ」 ウオオオオオオオオオオオオオ 京太郎「あん?」 優希「おいバカ犬、私もおんぶするんだ!」 京太郎「は?お前どこから現われて……」 優希「うるさうるさいうるさーい!いいから私に従えバカ犬!」 京太郎「いや、もう無理――」 久「あら、須賀君。私もおんぶしてくれないかしら?」 京太郎「部長まで……」 まこ「そんならわしもおぶってもらおうかのう」 京太郎「この流れは……まさか!」クルッ 和「……」 京太郎「……」 和「え?嫌です」 京太郎「ですよねー」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 池田「おい、須賀!」 京太郎「うわ、どうしたんですかいきなり」 池田「昨日キャプテンをおんぶしてたってのは本当か!?」 京太郎「えっと、なりゆきで…」 池田「華菜ちゃんが休んでる隙に……くぅ~羨ましいし!」ガシッ 京太郎「のしかからないでくださいよ…」 池田「で! どんな感じだったんだし?」 京太郎「何がですか?」 池田「キャプテンを背負ってみての感想だよ。お前、キャプテンが憧れだって言ってたじゃないか」 京太郎「……」 京太郎「敢えて言うのであれば、そう。至福でした」 京太郎「後ろから香る美穂子さんの匂い、耳元をくすぐる静やかかつ甘い吐息」 京太郎「背中にあたるこの世のものとは思えないほどの柔らかさを誇る母性の塊、手に触れたエロティックな太腿」 京太郎「それを自らの五感を持っておんぶしている間のわずか4分29秒。存分に堪能しつくしました」 美穂子「……」/// 京太郎「!」 池田「それじゃあ邪魔ものの華菜ちゃんは帰るし!」 京太郎「この野郎!」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2299.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1359735674/ 咲「もう2月になるんだね、この前新年を迎えたと思ったのになんだか時間が早く感じるよ」 和「ここ最近はずっと寒かったので少しは楽になるといいんですけど」 優希「モグモグ……」 咲「あっ、そうだ。 2月といえばもうすぐなんだ」 和「なんの話ですか?」 咲「ちょっとね……ねぇねぇ優希ちゃん、もうすぐだけどプレゼントどうするの?」 優希「へっ? なんの話だ咲ちゃん」 咲「えっ……和ちゃんはともかく、もしかして優希ちゃんも知らないの?」 優希「だからなにを……」 咲「もうすぐ……2月2日は京ちゃんの誕生日なんだよ?」 優希「……え?」 --教室-- 優希「京太郎!!」 京太郎「どわあっ!? な、なんだよ優希、驚かすなって」 優希「そんな事どうでもいい! なんで教えなかったんだ!?」 京太郎「何を……あっ」 優希「京太郎の誕生日がもうすぐだなんて私聞いてないじょ! 今からじゃ満足にプレゼントだって……」 京太郎「あー……別にいいって、そんな今さら誕生日で大喜びするほど子供じゃないんだし……」 優希「っ……そういう問題じゃない!」 京太郎「じゃあなんだって言うんだよ?」 優希「咲ちゃんが京太郎の誕生日を知ってて、私が知らないっていうのが気に入らないんだじぇ!」 京太郎「……は?」 優希「だ、だって私は、京太郎の、その、ううー……か、彼女なんだからな!!」 京太郎「バカ、声が大きい! つうか恥ずかしがるくらいなら言うなよ!」 優希「うるさいうるさい! それもこれも隠し事をした京太郎がいけないんだ!」 京太郎「んな大げさな……誕生日教えてなかったくらいで……」 優希「私からしたらくらいで済まされない大問題なんだじょ!」 京太郎「とりあえず落ち着けって! 教室でこんな事してたら色々厄介な事に……」 ザワザワザワザワ…… モブ男1「須賀の奴、片岡とつき合ってたの? だったら前に咲ちゃんと一緒にいた時からかったのまずかったか……?」 モブ男2「そういえば須賀、片岡のために金持ちの家の執事に弟子入りしたらしいな……愛だねぇ」 モブ男3「リア充か……死ねばいいのに」 モブ女1「雑用ばっかりって噂で聞いてたのに麻雀部辞めなかったのは彼女がいたからなんだー…… 須賀君ってば片岡さん大好きなんだね」 モブ女2「片岡さんもよく絡んでたらしいよー、須賀君のためにメイド服着てご奉仕したとか……」 モブ女3「片岡さんなら問題ない、許す」 京太郎「うあ……」 優希「あ……」 京太郎「とりあえずこれ以上ここで話すのはまずい。 外行くぞ」 優希「……」コクコク --屋上-- 京太郎「雲がきれいだなー……当分教室戻れないしずっと見てたいぜー」 優希「ご、ごめん……」 京太郎「いや、いいんだけどな。 どうせいつかはバレた気もするし」 優希「そうか……って、それより誕生日だ、誕生日!」 京太郎「ああ、誤魔化されなかったか。 成長したな優希」 優希「話をコロコロ変えるな! さあ、吐け! なんで私に誕生日を教えなかった!?」 京太郎「……はあ、わかったわかった。 理由を言えば納得するんだな?」 優希「そうそう、最初からそうして素直にしてればいいんだじぇ」 京太郎「……ほら、お前この前タコスもあんまり買えなくなってきたーとか言ってたじゃん?」 優希「そういえばそんな話もしたな」 京太郎「だからなんつーか、誕生日プレゼントとかで金使わせるのも悪いかなーって」 優希「えっ……」 京太郎「お前、そういうの気にしないように見えて意外と気にするタイプだしさ…… バレないまま誕生日過ぎてれば問題ないと思ったんだよ」 優希「そ、そんなの……」 京太郎「前にも言ったけど俺、お前がタコス食ってる時とかの笑顔好きだし…… それが見られなくなるくらいなら自分の方は我慢する。 その日だってデートするんだから一緒にいられないわけじゃないだろ?」 優希「それは、そうだけど……」 京太郎「まっ、バレちまったならしょうがない。 誕生日のデートはたくさん楽しませてくれればそれでいいよ、 優希には普段麻雀で世話になってるしな。 あっ、どうしてもって言うなら一度色々成長した優希とデートしてみたいかも」 優希「無茶言うな……」 京太郎「だよなー、つまりはそんな無茶な事くらいしか浮かばないくらい、俺は満足してるってことだ」 キーンコーン、カーンコーン…… 京太郎「さーて、じゃあ俺は教室戻るわ。 優希も遅刻になる前に教室戻っとけよー」 ガチャッ、バタンッ…… 優希「私は、そんな気遣いいらないのに……」 --廊下-- 京太郎「……」 「京ちゃん、あんまり女の子を泣かせるのはよくないんじゃないかなあ?」 京太郎「人聞きの悪い事言うなよ、咲」 咲「そうかな? 私は優希ちゃんが泣いてるように見えたよ?」 京太郎「別に、誕生日くらいでそんな……」 咲「京ちゃんにとってはそうかもしれないけど、優希ちゃんにとってもそうだとは限らないよ」 京太郎「む……」 咲「だいたい京ちゃん、私にはプレゼントよろしくなーとか言ってたくせに優希ちゃんには甘いんだから」 京太郎「しょうがないだろ……そりゃ友達と彼女じゃ、どうしたって差は出ちまうもんだ」 咲「……」ポカーン 京太郎「な、なんだよ」 咲「いや、京ちゃん変わったなあって」 京太郎「……そんな事ないだろ」 咲「ううん、変わった。 前は和ちゃんばっかりで優希ちゃんの事全然見てあげてなかった京ちゃんが、 自然に優希ちゃんを優先してるんだもん」 京太郎「……俺、そんなにあいつ邪険にしてたか?」 咲「うん」 京太郎「即答かよ……さすがにへこむぞ」 咲「でも私はいいことだと思うよ。 京ちゃん、なんだか優しくなったもん」 京太郎「買いかぶりすぎじゃね?」 咲「そんな事ないよー。 あっ、でも勝手に自分で結論だしちゃうのはやっぱりダメだよ、 優希ちゃんには優希ちゃんの考えがあるんだから」 京太郎「んー……わかったわかった、善処するようにする」 咲「なんか怪しいけど……まあいいや。 じゃあ今回は特別に悩めるカップルに咲さんが仲むつまじくなれるヒントをあげよう!」 京太郎「……恋人なんかできたことないくせに」 咲「黙って聞く!」 京太郎「はいはい……」 --片岡家-- 優希「……」 優希(京太郎の誕生日まで後3日……今さらなにを準備したらいいんだ?) 優希(軍資金はほとんど残ってない……おこづかいの前借りもこの前しちゃったじょ……) 優希(手作りのプレゼントは時間がないから出来ないし、本当にどうすればいいんだじぇ……) 優希「はあ……成長した私とデートしたいって言われても、そんなのどうしようもないし……」 ブー……ブー…… 優希「メール? 誰からだろ……咲ちゃん?」 優希「なになに……!?」 優希「そ、そうなのか……確かにこれならいけるかもしれないじぇ!」 優希「ふふん、待ってろよ京太郎ー、今年の誕生日は私が一生忘れられない日にしてやるじぇ!」 咲「これでよし、と。 後はお互いの頑張り次第だよ京ちゃん、優希ちゃん」 咲「さて、私は小説の続きでも書こうっと」 --2月2日-- 京太郎「……」 京太郎(あれから3日、優希から連絡一切なかったな。 はあ、こっちから接触しようにも あいつ学校休んでるし、電話やメールも返ってこない……完全に怒らせちまったのかなあ……) 京太郎「デートには来るって今朝メールあったからドタキャンとかはなさそうだけど…… こりゃ今日はいつも以上にエスコートしてやらなきゃな」 「おーい京太郎ー!」 京太郎「おっ、来た来た……!?」 京太郎「えっ、あれ……はあ?」 優希「えへへ、お待たせだじぇ!」 京太郎「えっと……優希、だよな?」 優希「もちろん! なんだ、彼女の顔を忘れたのかー?」 京太郎「いや、だってお前……」 京太郎「髪と身長が3日じゃありえないくらい伸びてんじゃねぇか!?」 優希「おっぱいも大きくなったじょ、触ってみる?」 京太郎「確かに大きく……って、何を言ってんだこら!」 京太郎(いったいどうなってんだこれ、身長は咲とそんなに変わらないし、 髪は腰まで伸びてやがる……おまけに胸が竹井先輩に届くか届かないかレベルにまで大きく……) 優希「うーん、なんか反応が悪いじぇ……京太郎はこんな私、嫌い?」 京太郎「いや、嫌いとかじゃなくてだな……というか本当にどうしたんだよそれ」 優希「ふふん、実は……全国団体戦で戦った永水の人達に協力してもらって、身体を未来の私にしてもらったのだ!」 京太郎「あそこなんでもありだな、おい!?」 優希「京太郎の誕生日プレゼントは、未来の成長した私とのデートだじぇ! 嬉しいか?」 京太郎「……」 京太郎(誕生日プレゼントって……やっぱりこいつ気にしてたのか。 つーかあれは成長してもデートするような関係でいたいなってくらいの意味で、別にわざわざ鹿児島まで行ってそんな事しなくてもいいっつうのに……) 優希「……」ニコニコ 京太郎(だけどなっちまったなら今さら元に戻してこいって言うのもなあ…… それに、普段もかわいいけど今はさらに綺麗になってるし……) 京太郎「……ああ、嬉しいな」 京太郎(だったら今日1日くらい、楽しむのも悪くないだろ) 優希「よかったじぇ! それじゃあデートに行こう京太郎!」ギュッ 京太郎「お、おう……」ドキッ 京太郎(身長伸びてるからいつもより顔が近い!? それにこの腕に当たる柔らかい感触…… ま、まさか優希にこんな感触を感じる日が来るとは……) 優希「どうしたんだ京太郎?」 京太郎「な、なんでもない。 とりあえず映画にでも行くかー」 京太郎(だから顔が近いんだよ!) --映画館-- 京太郎(魔法少女マジカルはやりん……宿敵アラフォーすこやんとの 戦いを描いた話題作、だったっけか。 なんでアラフォーすこやんより年上のはずの マジカルはやりんが、アラサーを名乗っているのかで物議を醸してるとかなんとか……) イイカゲンニミトメヨウヨ……アナタハレッキトシタアラフォーナンダヨ、マジカルハヤリン! チ、チガウ! ワタシハアラフォーナンカジャナイ! 優希「おおう……この後どうなるんだじぇ」 京太郎「……」 京太郎(それにしても身体は変わっても中身はやっぱり優希だな…… 最初は緊張したけどいつも通りなこいつを見てたら段々緊張してるのがアホらしくなってきた) 優希「ん? 私の顔に何かついてるか京太郎?」 京太郎「あっ、いや別に……」 コレデトドメダヨアラフォースコヤン……スターライト、ブレイカー!! ワタシダッテアラフォージャナイノニィィィィィ……!! 優希「やった! マジカルはやりんの大勝利だじぇ!」ギュッ 京太郎「……!」ドキッ 京太郎(アホらしくはあるんだが……やっぱり調子狂うんだよなあ) ---- 京太郎「もうお昼だな……いつもみたいにタコス屋にでも行くか?」 優希「えっと、それなんだけど……き、今日は私がタコスを作ってきたじぇ!」 京太郎「マジか!? そういえばお前タコス作り上手かったよな……」 優希「ふふん、前に食べたのよりもグレードアップした自信作だじぇ。 存分に味わうがいいぞ」 京太郎「そこまで言うなら期待させてもらうか……でも」 優希「ん?」 京太郎「ずっと疑問だったんだけどさ、お前自分であんなに美味いタコス作れんのになんで俺にタコス頼むんだ?」 46 寝てしまっていた……少ししてから再開します 2013/02/02 05 05 39 ID 0HPtOB4k0 優希「……」 京太郎「俺のなんて師匠やお前に比べたらまだまだ……って、なんだよその目」 優希「……別に。 やっぱり京太郎は女心がわかってないって呆れてるだけだじょ」 京太郎「ど、どういう意味だよそれ!」 優希「ふん、それくらい自分で考えろ! ほら、さっさと行くじぇ!」 京太郎「あっ、ちょっと待てよ!」 優希「……好きな人が作ってくれたタコスの方が美味しいからに決まってるだろ、京太郎のバカ」 ---- 京太郎「美味い……」 優希「そ、そうか!」 京太郎「いったいどう作ったらこんなに美味くなるんだよ……なんか隠し味でも入ってんのか……?」モグモグ 優希「おっ、さすが京太郎! 私が入れた隠し味に気付いたな?」 京太郎「マジで入ってんのか!? 後学のために教えてくれよ、家で再現してみたいし」 優希「このタコスの隠し味、それはー……京太郎への優希ちゃんの愛情、だじぇ!」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎「……」 優希「き、京太郎、なんか言ってほしいじょ……」モジモジ 京太郎「……あっ、な、なんだよそれ! 全然参考にならないじゃねぇかよー!」 優希「そんな事ないだろ! 京太郎も私みたいに優希ちゃん大好きって気持ちをこめればいいのだ!」 京太郎「あ、あのなあ……」 京太郎(やっべえ……さっきから心臓ドキドキしてそろそろ痛くなってきたぞ。 少し身長とか髪が伸びただけでこんなに印象変わるのかよ、女の子って……) 優希(京太郎、少しは喜んでくれてるのかな? 見た感じはいつもとあまり変わらないけど…… もっと押した方がいいのか? そういえば前にラジオでこういう時の対処法を小鍛治プロが話してたはずだじぇ……たしか) 優希「き、京太郎!」 京太郎「な、なんだ?」 優希「あ、あーんだじぇ!」 京太郎「」 優希(あ、あれ? 京太郎固まっちゃったじょ……おかしいな、小鍛治プロは男は こういうのをされたらイチコロだって言ってたのに……その後福与アナに笑われてた気もするけど) 京太郎(なんなの、もうさ、なんなんだよこれは! こいつ本当に優希か、 和の昔馴染みとか言ってた阿知賀の人が化けてんじゃねぇのこれ!?) 優希(えっとこれでダメだった時は……) 優希「……」パクッ 京太郎(自分でタコスを食った……諦めてくれたか) 優希「んっ……」 京太郎「」 京太郎(……なんで優希はタコスを半分くわえたまま俺に顔を突き出してるんでしょうか?) 優希「んっ……た、食べないのか京太郎?」 京太郎(頼むから上目づかいとかやめてくれ、本当に色々もたないんだって!) 京太郎「い、いや大丈夫……じ、じゃあもらうわ」 優希「ん……」 京太郎「モグモグ……」 優希「……」 京太郎「モグモグ……」 京太郎(なにしてんだ俺……人通りがないわけじゃない場所で ポッキーゲームみたいにタコス食うとか……恥ずかしくて死ねるぞ!) 優希「美味しい?」 京太郎「ああ……」 京太郎(味なんかわかるかよ、ちくしょう! 俺達って普段はもっとこう軽いっていうか、 気の置けない感じで一緒にいるのに今日は調子狂いっぱなしだっつうの!!) 優希「まだまだタコスはあるからな!」 京太郎(おーい、もしかしてそれは全部今ので食べさせる宣言ですかー? 俺、耐えられるかな、ははは……) ---- 優希「~~♪」 京太郎「……」 京太郎(昼飯は強敵だった……もう後半は無心でタコスを食べてた気がするぜ…… 今の俺なら麻雀で全く振り込まない自信がある) 優希「~~♪」 京太郎(原因の優希ときたら人の気も知らないで鼻歌なんか歌ってるし……いや、楽しんでくれてるならいいんだけどよ) 京太郎「……喫茶店にでも行くか」 優希「賛成だじぇ!」 京太郎(だけどとりあえず一息入れたい……) 京太郎「トイレ行ってくる。 適当に飲み物でも頼んどいてくれ」 優希「はーいだじぇ」 京太郎「ふう……今日は何というかいつも以上に神経使う1日だな」 京太郎「優希はいつもの感覚でじゃれてきてんだろうけどこっちからしたら一種の拷問だぞ、あれは」 京太郎「かといって下手に注意なんかしたら無駄に意識して緊張してますってばらすようなもんだし……どうしたもんか」 京太郎「とりあえずお茶でも飲みながらゆっくり考え……」 京太郎(落ち着くために入った喫茶店、しかし俺が少し目を離した隙に次の一手は決まっていた) 優希「遅いじぇ、京太郎!」 京太郎「」 京太郎(トイレから戻ってきた俺が見たもの、それは……) 京太郎(ストローが2つ刺さり、ジュースがたっぷり入って俺達のテーブルに鎮座していた巨大なグラスだった) 京太郎「……」チュー 優希「……」チュー 京太郎(どうしてこうなった) 京太郎(一息つくどころかガンガンライフが削られてるんですけど、本当にどうしてこうなった!) 京太郎「……」チュー 優希「……♪」チュー 京太郎(ちくしょう、いい顔しやがって……こっちはちょっとしたパニックで大変なんだぞ……こんなところ知り合いにでも見られたら普通にアウト……)チラッ 咲「……」ジー 京太郎「」 咲「……」ジー 京太郎(見られてる、めちゃくちゃ見られてる) 優希「……? どうした京太郎、飲む口が止まってるじぇ」 京太郎「ああ、いや……」 京太郎(どうする? 咲がいるのは優希の背中側の窓だからこのまま黙ってればたぶん気付かない……) 優希「京太郎ー?」 京太郎(だけど考えたら咲は今俺と一緒にいるのが優希だってわかってるのか? ……大丈夫、だよな?) 咲「……」パクパク 京太郎(なんだ? 咲の奴口をパクパクして……何か伝えようとしてんのか? なになに…… 『私の事は気にしないで続けてください』と……) 京太郎「続けられるかあ!!」ガタンッ! 優希「京太郎!? きゃうっ!?」バシャッ 京太郎「あっ、悪い!」 優希「なんなんだ急に立ち上がって……おかげで顔がびしょびしょだじぇ……」フキフキ……ズルッ 京太郎「!?」 京太郎(か、髪の毛が……ズレた) ---- 優希「……」 京太郎「……」 京太郎(だいぶ日が傾いてきたな……それにしてもさっきのはなんだったんだろうな。 優希の髪の毛が確かにズレた気がしたのにいつの間にか元に戻ってるし咲もいなくなってるし) 優希「……」 京太郎(……やっぱりそういう事なんだろうな。 さっきから黙り込んでるのがその証拠、か) 京太郎「優希」 優希「なんだー?」 京太郎「ちょっとそこの公園に行かないか?」 優希「……ん、わかった」 --公園-- 優希「はあ……今日は楽しかったじぇ」 京太郎「それは何よりで」 優希「なんだか京太郎の誕生日なのに私の方が楽しんでたような気もするじょ」 京太郎「……んなこたねぇよ。 俺だって楽しかった」 優希「それなら、よかったじぇ」 京太郎「……だからさ、そろそろその色々付けてるの外したらどうだ?」 優希「……やっぱりバレちゃったかー、きっかけは喫茶店か?」ファサッ 京太郎「まあな。 そこから最初は混乱しててわからなかった違和感を感じ始めたんだよ。 ったく、かつらにシークレットブーツにパッド……気合い入れすぎだろ」 優希「ううむ、さすがに龍門斑特注のものでも最後まではごまかせなかったじぇ……」ヌギヌギ 京太郎「つーかいくら不思議パワーがありそうな鹿児島でも、未来のお前の身体にしたとかそんなオカルトはないだろ? お金ないって言ってたお前に鹿児島までの交通費があるわけないしな」 優希「理由として咄嗟にあれしか浮かばなかったんだからしょうがないじょ」 京太郎「あとな、いくらなんでもパッド詰めすぎ。 あんなに大きな胸がそう簡単に手に入るかっつうの」 優希「京太郎は大きいおっぱい大好きだから見栄張っちゃった……まあとにかく、いつもの片岡優希ちゃん参上!だじぇ」 京太郎「様子見に来てたって事は咲あたりの入れ知恵だろうけどさ……お前そこまで俺の誕生日気にしてたのか?」 優希「むしろ気にしない方がおかしいじぇ」 京太郎「そんなもんか?」 優希「そんなもんだじぇ。 咲ちゃんからかつらとかのモニターを龍門斑が探してるって教えてもらって、 3日かけて不自然じゃないように慣らして……これくらいしかもう誕生日プレゼントなんて出来なかったから頑張ったんだじょ」 京太郎「……」 京太郎(結局俺の軽い一言が今日の騒動を生んだわけだ……まいったなこりゃ) 優希「それでどうだった京太郎? 成長した優希ちゃんとのデートは」 京太郎「んー? さっきも言ったけど楽しかったぜ? でも」ギュッ 優希「!?」 京太郎「確かに今日のお前もよかったけど、俺はちんくちくりんなお前の方が優希らしくて好きだぜ?」 優希「それ、褒めてるのか?」 京太郎「もちろんだ。 今日1日デートしてやっぱりいつものお前と過ごすのが一番だなーって再確認したよ」 優希「そう、か……」 京太郎「だから今度成長した優希とデートするのは、今日みたいな作り物じゃなくて 本当にお前がそうなった時にしようぜ。 それまでくらいなら余裕で待つしな」 優希「……なんだかプロポーズみたいだな」 京太郎「言うな、俺も言ってから気付いたんだから」 優希「えへへ……」 京太郎「ああ、そういえば優希知ってるか?」 優希「んー?」 京太郎「今日はツインテールの日なんだってよ」 優希「なんだそれ?」 京太郎「男が好きな女の子に結ぶもの渡して、気持ちを受け入れてくれるなら女の子はそれで髪を結ぶんだと」 優希「へぇ、そうなのかー」 京太郎「というわけで、ほらよリボン」 優希「えっ」 京太郎「さっき言った俺の気持ちを受け入れてくれるなら、それを結んでくれ」 優希「……」 京太郎「……」 優希「……今さらにもほどがあるじょ」シュルッ 京太郎「何かにつけてかっこつけたいんだよ、男の子はな」 優希「わけがわからないじぇ、全く……」キュッ 京太郎「ははは、似合ってるぜ優希」 優希「んっ……ところで京太郎、このリボン髪を結ぶためのリボンじゃないだろ?」 京太郎「そうだな、それはよくプレゼントの包装に使うリボンだ」 優希「これ、もしかして私自身をプレゼントにしろって意味だったりする?」 京太郎「まあ……うん、お前の想像通りだ」 優希「……」 京太郎「……」 優希「京太郎の、エッチ」 京太郎「ばっ、別にそこまでさせるつもりは……!?」チュッ 優希「しょうがない……そんなエッチな京太郎には誕生日プレゼントとして、私をプレゼントするじぇ!」ギュウウウ…… 京太郎「ちょっ、お前いきなり積極的過ぎ……」 優希「私も今日は無理してたみたい……だから取り返す勢いで甘えてやるじょ!」 京太郎「落ち着け、ここは公園だ、誰に見られるかわからな……のわあああああ!?」 優希「京太郎、だーい好き!」 チュッ! カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3455.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379321075/ それは、彼の人生において、二度目の恋だった。 海の底のように真っ暗で、音一つない孤独な世界。現実ではない、不思議な世界。 そこは牌の世界だった。 京太郎(かわいい……) 牌さんを一目見て、彼はそう思った。 京太郎「あの、あなたは……」 声が震えそうになるのをなんとか抑えて、ブロンドの少女に話しかけた。 少女はゆっくりと顔を上げ、彼の顔を見て、鬼のような形相で言った。 牌「ああん!? 男がわたしにしゃべりかけんじゃねーよ。百合は神聖なもので 男は汚いの。わかる? わかったらさっさと消えろ」 おおう。 京太郎(……ええと……この人もしかして) 想像は当たる。 牌「この世界に男はいらない」 ――牌さんは百合厨だった。 1・ 中学三年生一月下旬 友人「なんだ、お前も清澄受けるのか」 今日は高校へ願書を提出しに行く日である。同じ高校に出願する生徒はみんな集まって直接高校へ提出する。 集合場所の教室で京太郎は友人に声をかけられた。 京太郎「ああ、清澄に行きたい理由があるからな!」 友人「しかしお前の成績で受かるか?」 京太郎「この前やった信学会の模試でB判定だった」 友人「お、成績上がったのか」 京太郎「英数理社は9割取れたしな!」 友人「マジかよ! なんでB判定なんだ」 京太郎「国語がな……9点しかなかった」 友人「漢字問題しか合ってないパターンか」 京太郎「……正解」 友人「つーか、あれ? お前ってわりと本、読んでなかったか?」 京太郎「ああ、あれは百合小説だからな。国語とは別物なんだよ。ちなみに最近のブームは主従百合だ」 京太郎なんせ主従百合は背徳感が二倍!まさにお徳なジャンル!ついでに主従どちらかのおもちが大きかったら完全に俺得!」 友人「マイノリティな趣味を大声で言うな」 京太郎「はぁ……。国語の問題が百合小説だったら得点取れるんだけどなー」 友人「ねーよ」 京太郎「僕っ娘百合小説とか問題に出たらたぶん俺、問題解くのそっちのけでその作品のssを書くと思うぜ」 友人「得点取れてねーじゃねーか」 京太郎「確かに……くそっ! 俺は一体どうすればいいんだ!」 友人「ほらよ、システム中学国語 論理入門編だ」 京太郎「……サンキュー」 友人「で、お前が清澄に行きたい理由って何なんだ?」 京太郎「え!? そ、そりゃあアレだ。清澄の図書館に百合姫の雑誌が置いてあるからだ!」 友人「……咲ちゃん目当てか?」 京太郎の言葉を無視して、友人はそう言った。 京太郎「うおっ、やめ……咲に聞かれたらどうする!」 友人「まだ来てねーよ」 京太郎は周りを見渡す。よかった、まだ咲は来てないようだ。 京太郎「あー……もう、からかうなよ」 友人「からかってねー。つーかさっさと告白しろよ」 京太郎「おおおうえっ いやいやいや、受験前だし! 変な影響して試験に響いたら困るし!」 友人「焦れったいなぁお前は」 京太郎「ほっとけ」 友人「それにしても百合男子のくせに普通に恋するんだな」 京太郎「ああ……正直、困惑してるよ」 女の子どうしの絡みにキュンキュンしたことは幾度となくあったが、一人の女の子を見て胸が苦しくなったのは始めての経験だった。 そもそも恋なんてしないと思っていた。女の子は女の子と付き合うべきであり、そこに男は不要だと常々思ってきた。 そして自分は男。自分は世界に不要な存在で、存在価値などない。そんなことを去年までは本気で考えていた。 しかし今では違う。いまは自分がこの世界に生まれてきたことに感謝している。 生きてるからこそ百合の妄想で楽しむことが出来る。 生きてるからこそ咲という少女に出会えた。 京太郎(百合男子失格なのかな……俺って) そう、失格かもしれない、でも構わない。 彼は普通に恋もする百合男子として生きていくことを誓ったのだ。 ――そんなふうに自己問答をしていたそのとき、教室の扉がガラッと開かれた。 入ってきた人物を見た瞬間、世界の色が鮮やかになったように感じた。 京太郎「(世界はどこまでも灰色なのに、好きな人はびっくりするほど色づいている。どうしてなんだろう)」 友人「(ポエムはやめろ)」 京太郎「(世界の美しさを時世時節で楽しむことができるならいつでも)」 友人「(だからやめろって)」 咲「すみません……道に迷っちゃって」 京太郎(三年間通った校舎で迷子! くそっ……かわいい!)キュンキュン 友人「(顔赤い顔赤い)」 生徒A「よーし、これでみんなそろったね! じゃ、清澄高校へ出発します!」 清澄高校を受験する13人がバスに乗り込んだ。 京太郎と友人の座った席の後ろに咲が座っている。 友人「…………」 京太郎「…………」 友人「(いやチャンスだろ、話しかけろよ)」 京太郎「(そ、そうしたいのはやまやまなんだが、どんな話をすればいいんだ)」 友人「(そりゃまあ、好きなものの話とか)」 京太郎「(え? 『私の世界を構成する塵のような何か。』の話をすればいいのか?)」 京太郎「(あの作品、男一人登場するけど必要か不必要かの話をすればいいのか!?)」 京太郎「(ちなみに俺は最初圧倒的不必要派だったけど最近はありかなとも思えるようになってきたぜ!)」 友人「(百合トーク以外で)」 京太郎「(え……思いつかねー。他に好きなもんねーし)」 友人「(お前は百合の純粋培養か)」 京太郎「(……いや、他にもあったな。最近は麻雀とかも好きだ)」 友人「(おっ、いいじゃねーか。麻雀って花形競技だし)」 京太郎「(だけどなあ……咲が麻雀やってるところって見たことないんだよな)」 友人「(へえ?)」 京太郎「(しょうがない……やはりここは『野ばらの森の乙女たち』の話を……!)」 友人「(だからやめろって! 百合好きは増えてきたとはいってもまだ少数なんだぞ! 軽蔑される危険性もあるんだ!)」 京太郎「(……悪かった。大丈夫、この趣味は他人に知られたらいけないってことは重々承知してるよ)」 友人「(……そのわりには俺に百合好きばらしちゃってるじゃねーか)」 京太郎「(それは、お前がこんなことで他人を迫害したりするやつじゃないってわかってるからだ)」 友人「(……はあ……まったく、こりゃずいぶんと信頼されてるな)」 京太郎「(事実だからな)」 友人「(ったく……よし、俺が話すきっかけを作ってやるよ)」 京太郎「(え、マジで!? どうするんだ!?)」 友人「(勉強会作戦だ)」 京太郎「(……おおっ)」 友人「(咲ちゃんは国語が得意科目、お前は苦手科目だ。これはお前が咲ちゃんに勉強を教えてもらう理由として十分だろ)」 京太郎「(なるほど……二人きり秘密の勉強会か……! 俺自作の百合名場面名鑑にも似たようなシーンが載ってるぜ!)」 友人「(それはしまってろ)」 京太郎「(はい)」 友人「…………というわけなんだ。こいつに国語の基礎を叩き込んでやってくれないか?」 咲「そういうことなら……うん、私で良ければ、いいよ」 京太郎「いいのか、咲?」 咲「うん、代わりに数学、教えてね」 京太郎「おう、国語以外なら任せろ!」 咲「国語以外は全部得意なの?」 京太郎「おう! 一番得意なのはゆr……」 友人「<●> <●>」 咲「ゆ?」 京太郎「ゆ……ゆ……ゆ、有機化学だ」 咲「中学分野の有機化学ってそんな範囲広くない気がするんだけど……」 そんなことを言われても他に「ゆ」で始まる科目を思いつかなかったんだからしょうがない。 京太郎「咲はどうして清澄を受けるんだ?」 会話が途切れないようにするためにそう聞いた。 慣れ親しんだ関係ならば沈黙していても居心地を悪くは感じないというが、まだ京太郎と咲の関係はその域に達していなかった。 咲「う~ん……近いからかな」 京太郎「ふむ、流川タイプか」 咲「歩いていける距離じゃないと道に迷っちゃうからね」 京太郎「へえ、北海道に行こうとして沖縄に行くタイプか」 咲「図書館の蔵書も多いし」 京太郎「確かに、百合姫どころか5号までしか発行してない百合姉妹まで置いてあるし」 咲「学力的にもちょうどよかったし」 京太郎「まあ、やっぱりそれが一番だよな」 咲「須賀くんは?」 京太郎「………………」 苗字+君付けかー。まだ壁を感じるな……。 そうだ、目標を立てよう。中学を卒業するまでにあだ名で読んでもらう! 小さすぎる目標な気もするが気にしない! 京太郎「俺が清澄を選んだのは……」 ――咲がいるから。 女慣れしているイケメンとか、鈍感系ハーレム主人公とか、他の世界線の俺とか、 少女向け恋愛漫画に出てくるキャラならそんな台詞も吐けるかもしれないが、自分には言える気がしない。 どうせ言おうとしても噛んで 「さ、さきがいるから」 「ささき? 佐々木って誰? 長野県警察本部長の佐々木真郎さんのこと? へえ、あの人清澄出身だったんだ」 「え、ちがっ、そうじゃなくて」 「違うの? あ、分かった! 佐々木彩夏ちゃんだね! 須賀くん、ももクロ好きなんだ!」 「私も『行くぜっ! 麻雀少女』よく聴くよー。でも残念ながら清澄にあーりんはいないよ!」 みたいなことになるに決まっている。 京太郎「……そうだな……学食のメニューに惹かれて、だな」 咲「確かにメニュー多いよね」 京太郎「レディースランチが特に美味そうだった」 咲「それは須賀くん、食べられないんじゃ……」 当たり障りのない会話を続けている内にバスは八久保小学校前に到着。 バス停から五分ほどの場所にあった清澄高校に入る。 高校の先生にどこからか見られている気がして、普段は閉めていない第一ボタンと首のフックまできちんと閉め、 ダサいからという理由で一度も付けたことがない名札バッジをきちんと付けた。 友人はそんな京太郎を見て似合わねえと笑っていたが、その友人も同じような格好をしており、思わず笑ってしまった。 友人「さっきの会話、まだまだだな」 京太郎「うそだろ。けっこう話、弾んでたぜ?」 友人「レディースランチのくだり。あそこは『だったら俺の代わりに注文してよ』ぐらい言えよ。そしたら一緒に飯食う約束も出来るじゃん」 京太郎「ぐっ、確かに」 友人「しかも図書館のくだりじゃ百合姫の話に百合姉妹の話までしやがって」 京太郎「いやいやそんな話してねーよ」 友人「してた」 京太郎「してた?」 友人「してた」 ……やってもーた。おそらくテンパりすぎて無意識に口に出ちゃったのだろう。 京太郎「何だろう……こう、俺が百合好きなのを隠すうまい方法ってねーかな」 友人「別のものを好きなふうに装うとか、どうだ?」 京太郎「なるほど……Aさんのことが好きなのにBさんを好きなふりをして、Aさんへの恋心を隠すんだな」 友人「そうそう」 京太郎「俺自作の百合名場面名鑑にも似たようなシーンが載ってるぜ! でもそういうことしてたら事態がややこしいことに!」 友人「それ持ち歩くな」 京太郎「そうだな……じゃあここは男らしくおっぱい好きでも装うか」 友人「装うも何もおっぱい好きだろ、京ちゃん」 京太郎「はい、胸の大きさに差がある百合ップルが好きです! 須賀です!」 友人「それにおっぱい好きって……印象よくねーよ」 京太郎「隠語を使うなんてどうだ?」 友人「プリンとかか?」 京太郎「白くて……柔らかくて……丸くて……すべすべ…………おもち……そうだ、『おもち』なんてどうよ!」 友人「妊娠中におもちを食べるとおっぱいが張りすぎて、赤ちゃんが飲みづらくなるらしいし、母乳の質が悪くなるらしいぞ」 友人「おもちとおっぱいの相性は良くないのに隠語に使うのはありなのか?」 京太郎「アリだな」 友人「ならいいけど」 京太郎「今日から俺はおもち好きだ!」 友人「正解は?」 京太郎「越後製菓!」 校門の前に辿り着く。 京太郎「じゃ、俺は寄るところがあるから」 友人「どこ行くんだ?」 京太郎「麻雀部を見学してくる」 校内マップで部室棟がどこにあるかを確認する。どうやら二階の連絡通路を通って行くのが一番近いらしい。 部室棟に入ると汗っぽいにおい、絵の具のにおい、埃っぽいにおいが充満しており、ほとばしる青春の香りだぜ、と感じた。 扉に貼られたプレートを一枚一枚確認していく。 京太郎「あれ?」 見落としたのだろうか。麻雀部の文字を確認することが出来なかった。 京太郎「もう一回見なおすか」 今度は見落とさないように心の中で部の名前を暗唱しながらチェックする。 麻婆部で一瞬ビクッとなったがやはり麻雀部はない。 京太郎「おっかしいなー、案内には麻雀部あるって書いてたはずなんだけど」 見つからない以上、諦めるか誰かに聞くかの二択だ。 だが知らない人に声をかけるのは得意ではない。 店で買物するとき目当ての物がどこにあるか分からなくてもなかなか店員に聞けないタイプだった。 京太郎「いやいや、落ち着け俺。ちょっと聞くだけだ。怖がる必要はないだろ」 ちょっと聞くだけとはいえ高校生に話しかける度量はない。そのため教師らしき人を探す。 部室棟に教師は来ないようだったので校舎の方へ戻った。 どこかに話しかけやすそうな先生はいないかとキョロキョロしていたそのとき、印刷室からスーツの女性が出てきた。 小中学生なみの小柄な女性で本当に教師なのか疑ったが、話しかけやすそうではあったのでその人に決めた。 京太郎「あの、すみません」 女性「はい、先生です」 先生だった。 京太郎「麻雀部ってどこにあるかわかりますか」 女性「麻雀部?」 聞きなれない単語を聞き返すときのような声で、彼女は言った。 女性「うちに……麻雀部はないんじゃないかと先生は思いますけど」 京太郎「そうなんですか? ホームページの部活一覧には載ってたんですけど」 女性「ちょっと待って下さいね」 そう言うと女性は印刷室の扉を開けた。 女性「ねぇイッチー! うちに麻雀部ってあったっけ?」 一太「どうしたんですかササヒナ先生、突然」 そう言いながら部屋の奥から出てきたのはフレームのうすい眼鏡を掛けた男子高校生だった。 一太「んっ? 君、麻雀部を探してるのかい」 京太郎「はい、部室棟になくって……」 一太「ああ、なるほど。麻雀部はね、旧校舎の最上階……正確には屋根裏なんだけど……そこにあるんだ」 京太郎「よかった……麻雀部、ちゃんとあったんですね」 一太「まあいろいろわけありでね……。竹井久、っていう人が部長だから、麻雀部のことはそこで聞いてみるといいよ」 ササヒナ「さすが副会長! 詳しいね!」 一太「元部員ですから」 この副会長と教師、かなり仲が良いらしい。会話のテンポが小気味良かった。 京太郎「ありがとうございました。いってきます」 一太「おっと、最後にちょっといいかい」 旧校舎に向かおうとした京太郎を、彼は呼び止めた。 一太「こんなことを強制はできないんだけど……君が清澄に合格したら、麻雀部への入部を前向きに検討して欲しい」 京太郎「そんなに俺、麻雀強くないですけど」 一太「君は、やめないタイプじゃないか?」 京太郎「えっと……『何を』かによりますけど、根気だけなら、まあ」 一太「うちの麻雀部には君みたいなタイプが必要なんだと思う」 どういうことだろう。 一太「ま、頭の隅でもいいから、今の言ったことを覚えておいてくれないか」 京太郎はさっきまでのことを思い出しながら旧校舎へ向かっていた。 京太郎「ロリ教師か……。百合の妄想に使いたいけど、男の副会長と仲良くしていたのが百合の妄想の邪魔だな」 京太郎「いや、何のために神は人間に妄想力を与えたと思ってるんだ! 副会長を女の子に変換するんだ」 京太郎「ほらあっという間に百合ップル完成! 教師と生徒の百合妄想って最初、抵抗あったのになぁ……」 京太郎「主従百合にハマってからはイケる口になっちゃったなあ……。学生やってると身近だもんな、先生×生徒は」 京太郎「でも商業作品の長編で先生×生徒の話、まだ見たことないんだよなぁ……」 京太郎「たくさんあると思うんだけど俺の検索網には引っかからない……誰か百合の師匠がいればいいんだけど、ちくしょう」 そうこうしているうちに旧校舎に到着。古そうな感じではあったが、建物の造りがどことなくおしゃれだ。 木目を上手く活かした壁や柱は、しゃれたペンションのようだった。 京太郎「おっ、ここか」 ついに麻雀部のプレートを見つける。 京太郎「すみませーん!」 扉をノック。硬い木だったので手が少ししびれたがカンカンといういい音が響いた。 ところが返事がない。 しばらくしてさっきよりも強めに扉を叩いたがやはり返事はなかった。 京太郎「失礼します」 おそるおそる扉を開こうとする。が、やけに重い。強く力を込めるとギギギギキィーッという甲高い摩擦音がした。 京太郎「立て付け悪っ……」 旧校舎というからにはやはりあまり整備されていないのだろう。 京太郎「勝手に油さしちゃってもいいんだろうか……安いしイイよな?」 カバンを探る。 京太郎「しまったKURE 5-56、持ってきてねー……あ、でもシリコンスプレーがあるじゃん」 京太郎「そうそう、椅子がギーギー鳴るから今日スプレーしたんだったっけ。よしよしこれでいいや」 蝶番のところに吹きかけ、扉を開け閉めする。徐々に開閉に要する力が減り、滑りが良くなっていくようだった。 京太郎「ひどく満足である」 「あなた、なにしてるの?」 京太郎「うおっ!?」 後ろから急に声をかけられ、京太郎は動転し声を上げた。 「あら、扉が軽くなってる。もしかしてあなたが?」 京太郎「あの、すみません……整備の血が騒いじゃって」 「いやいや、ありがとう。新入生が来るまでに何とかしなきゃとは思ってたんだけど、手間が省けたわ」 京太郎「もしかして竹井さんですか?」 久「あら? どこか出会ったことあるかしら」 京太郎「副会長……だったかな……に聞いたんです」 久「そう、あいつ……ね。そっか」 遠くを見るような目で彼女は言った。 久「今は麻雀できないんだけど、どうする須賀君? 部室見てく?」 京太郎「お願いします……ってあれ、どうして俺の名前を」 久「名札」 そう言って久は京太郎の胸ポケットを指差した。 京太郎「ああ、なるほど」 普段は名札なんか付けないので忘れていた。名札を外し、ようやく部室に入る。 周りを見渡す。ステンドグラスにシーリングファン、高い天井と年季は入っていたが豪華な部屋だった。 京太郎「この部屋、学校に見えませんね」 久「元校長室だから」 京太郎(校長から部屋を強奪したのかこの人……) 久「……新校舎が出来るときに校長室は移動したのよ」 京太郎「よかった、強奪してないんですね」 久「一応言っておくけど、私はそういうことするタイプじゃないからね」 そうは見えないと思いながらも、京太郎は卓の前に座る。かなり旧式タイプの卓で使い込まれている様子であった。 久「ごめんなさいね、実はその卓、故障しちゃってて、修理しないといけないんだけど……」 久「実は今、新しい卓を買う為に部費を貯めてるのよ」 京太郎「だいぶ古いですもんね、これ」 久「創部当時から使い続けてるらしいわ」 京太郎「いつ買えるんですか」 久「あー……えーっと、もうすぐ、かしらね」 京太郎「……もしかしてこの卓、だいぶ使用してないんじゃないか」 久「んー……まあね、かれこれ三ヶ月ぐらい?」 京太郎「よかったらこの卓、修理しましょうか」 久「できるの!?」 京太郎「中学じゃ『長野の整備王』として名を馳せてます」 久「なんだか雑用が得意そうな名前ね」 京太郎「それは風評被害です」 毎日持ち歩いている整備グッズを取り出し、卓を解体していく。 京太郎「ベルトは――あと三ヶ月ぐらいは持ちそうですね。うん、部品の老朽が故障の原因ではなさそうです」 京太郎「シリコンスプレーとかを使えば何とかなりそうです」 シリコンスプレー万能説。ホームセンターに行けば500円以内で買えるので、ぜひ買うべきである。 手慣れた手つきで調整を続ける京太郎。 京太郎「これでいいかな……牌を借りてもいいですか」 久「ちょっと待っててね……はい、これよ」 ケースに収められた140ほどの牌。 ――それは、どこにでもある普通の牌。表面についた細かい傷は、この牌が長年使われてきたものであることを物語っていた。 ――ただそれだけの牌。見た目には奇妙なところはひとつもない。 ――だが京太郎は、その牌に触れるのが恐ろしかった。 京太郎「……お借りします」 それでも彼は触れた。 京太郎「ぃいっぅがっっ!?」 頭から血液が抜き取られたような脱力感が襲い、そして景色が白く染まり――。 目を開けると真っ暗な世界に立っていた。 京太郎(ここは……いったい) 前後も左右も上下だってわからない空間を、ただひたすらに歩く。 京太郎(進んでるんだよな、これ? 同じ場所でもがいてるだけってことはないよな?) 何か目印がほしい。目印がなければ行動の指針も立たない。 必死で目を凝らして、なにか特別なものがないか探す。 そこに、ちいさな光が見えた気がした。 金色に輝く小さな光。 それは少女だった。 京太郎(かわいい……) 彼女を一目見て、彼はそう思った。 少女のイメージを一言で表すと――咲に雰囲気が似ている少女だ。 京太郎「あの、あなたは……」 声が震えそうになるのを根性で抑えて、金髪の少女に話しかけた。 少女はゆっくりと顔を上げ、彼の顔を見て、鬼のような形相で言った。 少女「ああん!? 男がわたしにしゃべりかけんじゃねーよ。百合は神聖なもので 男は汚いの。わかる? わかったらさっさと消えろ」 おおう。 京太郎(……ええと……この人もしかして) 想像は当たる。 少女「この世界に男はいらない」 ――完全に百合厨だった。 京太郎「お前が……!」 少女「ん?」 京太郎「貴様らのせいでマナーのいい百合好きまで白い目で見られるんだぞ!!」 少女「なんだお前は」 京太郎「ただの百合好きだ!」 少女「男が百合好きィ? 何言ってんだお前? 男は不要なものだろ、つまりお前も不要物だろ。お前の存在が百合の邪魔だろ」 京太郎「一理あるぜ、お前の意見! 俺もそう思ってずっと苦しんできたからな! しかし今の俺はそんなものは乗り越えた!」 少女「乗り越えたんじゃないだろ、男不要の真理を悟って諦めたんだろ? 真理を覆しようがなくって考えるのをやめたんだろ」 京太郎「言いたいことを言いやがって……! 貴様とは決着を付けなくてはならないようだな……!」 少女「いいだろう……私が世界の真実というものを教えてやろう」 京太郎「俺の名は須賀京太郎……あるときは男子中学生、またあるときは『長野の整備王』……」 京太郎「しかしその正体は『百合男子連合雑用担当《エピ百合アンの須賀》だ!」 少女「わたしの名前は《麻雀 牌》。表の顔は牌世界の支配者! しかしその正体は――全麻雀少女百合化計画の主導者!」 京太郎「全麻雀少女百合化計画だと!?」 牌「くくくく、恐ろしいか?」 京太郎「いや、その計画いいっすね」 牌「えへへー/// でしょ?」 京太郎「その計画が達成されれば竹井久先輩も百合になるのか……イェスイェスイェス!」 京太郎「きっとあの人、中学のときはちょい不良で純粋な女の子を何人か落としてるタイプだぜ」 牌「わかるー絶対本人は無自覚で口説きまくってそう!」 京太郎「素晴らしい世界だな、百合世界! その世界で少女たちはプラトニックな愛を育んで……」 牌「おいコラちょっと待てプラトニック派かよお前はエロティックのない百合なんて紅生姜のない牛丼屋みたいなものだろ」 京太郎「べっ……紅生姜のない牛丼屋だと!? ほほう……言ってくれるじゃねーか。やっぱり俺達は戦う運命にあったようだな」 牌「来いよ京太郎! 貴様の百合の花びらを全部むしりとってやる!」 久「大丈夫!? 須賀君!?」 そこで目が覚めた。 京太郎「……俺、この麻雀部に入ります」 久「え? そりゃ嬉しいけど……なにがその決意を引き出したの?」 京太郎「戦い相手がいるんです!」 百合愛好者というのは数が少ない。迫害される立場にあるのだ。 だからこそ少数の百合好きたちは手を取り合って協力していかないといけないと百合ーダーは言っていた。 それを京太郎は納得していたはずだった。 京太郎(だけど目の前に現れた牌ちゃん! 俺は彼女とは相容れない……だからこそ強く想う。) 京太郎(これは本能だ。アイツにだけは絶対……負けたくない……!) 京太郎「俺は牌を超越するっ!!」 ――こうして、牌と京太郎という二人の戦いが始まったのだった。 1・終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3798.html
部室 ガチャ 塞「アレ?2人だけ?」 京太郎「はい」 胡桃「ん」充電中 塞「……胡桃は充電として、京太郎は何やってんの?」 京太郎「まだ時間あるんで今日出された宿題を…」 胡桃「そこ、間違えてる!」 京太郎「え、どこですか?」 ガチャ 白望「……ダル」 エイスリン「オソクナッタ!」 胡桃「別に大丈夫だよ」充電中 塞「ちょうど揃ったし打つ?」 京太郎「じゃ、俺が先に打ちますね?」 胡桃「りょーかい」 ガチャ 豊音「お、遅くなってゴメンね?」 胡桃「んー……いいよー」充電中 白望「それ、ロン」 胡桃「うっ……」 京太郎「あーあ」 豊音「お茶淹れるねー」 塞「じゃ、今日はここまでねー」 豊音「お疲れさまー」 エイスリン「オツカレサマ!」 胡桃「うーん、今日は勝てなかったなー」充電中 京太郎「そうですねー」 白望「…………いつまでやってんの?」 3人「!?」 胡桃「……あ!」 京太郎「しっくりきすぎて忘れてました……」 胡桃「充電しすぎたねー」 京太郎「ですねー」 4人(早く付き合えばいいのに) カンッ!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3324.html
まこの雀荘 まこ「なぁ、京太郎。おぬし、おもち大好きよな?」トン 京太郎「えぇ、そりゃもう三度の飯より大好きですよ」トン 久「犯罪には走らないでよー」トン 藤田「若い男子高校生など、毎日おもちの事ばかり考えてるだろうな。まぁ、仕方ない事さ」トン、プカー まこ「実はな。摩訶不思議な能力を身につけたんじゃ」トン 京太郎「へぇー、もう並大抵のオカルトでは俺は驚きませんよ」トン 久「で、どんなオカルトよ?」トン まこ「なんと、女性のおもちサイズを点棒化して、奪う事が出来る能力じゃ」 藤田「ふーん、それはつまり点棒によって、おもちサイズが変動するって事か?」トン まこ「そうじゃ。今から説明するぞい。ワシのバストが80じゃ。これが80000点持ちになる。そして、リーチをかける」トン、リーチ 京太郎「うーん、わかんねー。適当に字牌っと」トン まこ「通らん、一発じゃ。12000点じゃな。んで、わしのおもち見てみい」 京太郎「おおっ、まこ先輩のメイド服がはちきれんばかりに!?Eはありますね!!」 まこ「うむ。12000点追加じゃから、バスト92って所じゃな」ポヨン 久「へぇー、すごいじゃない」 藤田「ふむ、確かに摩訶不思議なオカルトだ」プカー まこ「逆に…」 藤田「おっと、それは通さないよ」 久「あちゃー、振り込んじゃったー」 京太郎「むっ!?部長のおもちが小さくなった気がする!」 久「ふむふむ」ペタペタ 久「うわっ…、小さくなった!」 まこ「こうなる」 まこ「まぁ、簡単じゃな。点棒を奪えば、おもちが大きくなる」 京太郎「すごい能力ですね!!これは、第一次おもち大戦が起きますよ!!」 まこ「でな。ワシの雀荘、最近めっきりお客さんが減ってしまってな。ぜひ、テレビやネットで話題作りしたいわけじゃ」 久「ふむふむ、なるほどね。テレビ局なら靖子を通せば何とかなるかもね」 藤田「おいおい…、まぁ面白そうなら、ぜひ話を通してみよう」 まこ「ちなみにハコっても、胸は消滅せんぞ。まぁ、完全にまな板みたいにはなるが」 まこ「全国大会の美少女達集めて、おもち麻雀しようと思うんじゃ」 京太郎「はぁ、それはすばらな企画だと思いますけど、でも胸が大きい人にメリットないんじゃ…」 久「そうよねぇー。咲や優希なら、やる気出して参加してくれそうだけど、和とかはねぇ…」 まこ「うんうん、ワシもそう考えた。だが、京太郎、おぬし摩訶不思議なオカルト持ってるじゃろ?」 京太郎「ぎ、ギアスの事ですか!?いつバレたんだ…」 まこ「そうそう、全国おもち(強)以上を大会に出るようにギアスかけてくれ」 京太郎「いやー、流石にそれはちょっと…良心が…」 まこ「ふふふ、おぬし、おもちが大きな宮永照や宮永咲を見てみたくないか?逆に胸がない事を気にする石戸霞など、どうじゃ?」 京太郎「うーん…、それはそれでアリですが…、むむむ」 まこ「ほれほれ、男は己の欲望に素直になるんじゃ」 京太郎「うーん…、おもち…、おもち…、おもちがとっても大きい幼馴染。…ありですね!」 京太郎「わかりました、この漢、須賀京太郎、おもちに生きてそしておもちで死にます」ドン!! まこ「ほー、そうかそうか。ありがたい。では、頼んだ!」 京太郎「イエス・ユア・ハイネス」 まこ「さて、これで生贄となるチームは揃うかな」 久「まぁ、胸が大きい方が最初の持ち点棒も多いしね。逆に咲なんか、一撃でハコる可能性もあるし」 まこ「そうじゃ。ようは、負けんかったらいい。簡単な話じゃ」 久「チームは私が決めてもいい?」 まこ「ええぞい。久なら、きっと面白くしてくれるじゃろ」 藤田「…プロの参加も可能かな?私達も、プロである前に一人の女だからね」 まこ「もちろん。話題は大きい方がええからね」 そして、場面は九州に変わる 京太郎「キョウタロウ・スガが命じる!お前達、おもち麻雀で全力以上で当たれ!」キュイーン 小蒔・初美・霞「「「イエス・ユア・ハイネス」」」 こんな感じで、全国を飛び回ってた。 京太郎「全てはおもちに優しい世界のため。俺は…、俺は…、おもちレクイエムをやり遂げてみせる!!」 大会当日 恒子「はい、やって参りました!長野県は染谷雀荘!ここで摩訶不思議な麻雀が行われると聞いて飛んできましたー!!」 恒子「なんと!全国大会で熱戦を繰り広げた美少女雀士達が、また再び麻雀で死合おうと言うわけです!」 恒子「しかも賭けるのは自分のおもち!!栄光のバストアップか、苦渋のバストダウンか!!」 恒子「これは、女のプライドと意地をも賭けた麻雀です!!」 恒子「なお、すこやんは選手登録しちゃったため、解説は全国優勝の清澄高校から竹井久選手」 恒子「司会はおもちマイスター国際S級資格をお持ちの須賀京太郎君にお願いします」 京太郎「みんな、おもちは好きかーーーーー!!!!!!!!!」 観客「うおおおおおおおおおおおお!!」 京太郎「大きいおもちだけではなく、小さいおもちも愛してるかー!!!!!!!」 観客「当たり前だああああああああ!!」 京太郎「貧乳はステータス、爆乳は?」 観客「人間国宝だああああああああ!!」 京太郎「では、長らくお待たせしました。チームを紹介します。まずは…、おもちに憧れるそんなお年頃、チーム乙女な魔王」 京太郎「先鋒、片岡優希」 優希「おもちを手に入れて、完璧美少女になるじぇ」 京太郎「次鋒、薄墨初美」 初美「永水の無乳と覚えられて、はや三年。大学生活で、ステキな、おもちライフしたいです!」 京太郎「中堅、国広一」 一「お、おもちで谷間が出来たら、マジックで役に立つから!それだけ!ホントだよ!」プイ 京太郎「副将、宮永照」 照「…誰だろうと、全力で狩るのみ」 京太郎「大将はもちろん、この人!!宮永咲!!」 咲「…プロマイゼロも手加減もするつもりないから」ゴッ 京太郎「続きましてー、大人げないと言われようが、心はいつだっておもちに恋する少女。チームおもちに恋して」 京太郎「先鋒は日本が誇るエース、もちろんこの方、三尋木咏」 咏「先鋒で終わらせるよー。あっ、着物じゃ胸大きいとキツくね?知らんけど」 京太郎「続きまして、阿知賀大進撃の立役者、赤土晴絵」 晴絵「いやー、ははは。玄と宥見てたら、ちょっとうらやましくてねー」 京太郎「意外な出場者、だが麻雀の実力はかなりの物。中堅、熊倉トシ」 トシ「ふふふ、ジイさんが大きなおもちを昔から大好きでね。まぁ、死ぬ前に一度くらいはね」 京太郎「まくりの女王。副将、藤田靖子」 藤田「まぁ、10cmくらい欲しいだけなんだが。頑張ります」 京太郎「そして、麻雀界の生きる伝説来ちゃいました!大将は、もちろん…、元世界ランク2位、小鍛治健夜」 健夜「男の人は大きいおもちが大好き!雑誌に書いてたから!」 恒子「あー、すこやんがアンアン呼んでたなーそう言えば」 久「咲のチームが本命かと思いきや、大本命来ちゃったわね。もうこれ賭けにならないわー。大損だわー」 京太郎「さて、続きまして。関西が生んだ大きいおもち!チーム、阪神おもちタイガース」 京太郎「先鋒、松実玄」 玄「お、お姉ちゃーん」ウルウル 京太郎「次鋒、上重漫」 慢「…飛ばないように頑張ります」ドヨーン 京太郎「中堅、荒川憩」 憩「いやー、取られんよう頑張りますー」 京太郎「副将、愛宕絹恵」 絹「あ、悪夢や」カタカタ 京太郎「そして、大将はこの方!清水谷竜華」 竜華「ははは、よろしゅう…」ドヨーン 京太郎「そして続きましては!関東が生んだ、大きいおもち乙女!チーム、読売おもちジャイアンツ」 京太郎「先鋒、福路美穂子」 美穂子「上埜さんが出てなかったなんて…、頑張ります」 京太郎「次鋒、弘世菫」 菫「照と当たらなかったか…。助かった…。まぁ、適当に頑張ろうか」 京太郎「中堅、妹尾佳織」 佳織「えっと…、初心者ですが、どうぞお手柔らかにお願いします!」 京太郎「副将、東横桃子」 桃子「消えれるっすかねー。まぁ、何とか頑張るっす」 京太郎「大将、姉帯豊音」 豊音「身長ならいくらでもあげるんだけどなー。おもちはやだなー。頑張るぞー」 京太郎「そして最後のチームになりました!!おもち界のレジェンドだけを揃えた、おもち・オブ・レジェンド」 京太郎「チーム、おもち黄金郷」 京太郎「先鋒、眠れるおもち、神代小蒔」 小蒔「全力以上で頑張ります!」 京太郎「次鋒、暖かいおもちがいっぱいおっぱい、松実宥」 宥「おもち無くなると寒いよー、頑張るよー」ブルブル 京太郎「中堅、まだまだ進化し続けるおもち、原村和」 和「えーと、咲さんになら別にあげてもいいんですが…。まぁ、頑張ります」 京太郎「副将、とにかくデカいッッ!石戸霞」 霞「あらあら、20cmくらいなら持ってかれても全然平気なんだけどねぇ。得意分野行かせて貰おうかしら」 京太郎「そして、最後になりました!麻雀とおもちで一番有名なのは、この方。牌のお姉さんこと、瑞原はやり」 はやり「うーん、一番当たりたくない人達と当たっちゃった。まぁ、頑張ります☆」 京太郎「以上5チームで、死合開始となります!」 京太郎「なお、おもち黄金郷チームは平均が1m超えのスーパーおもち艦隊です」 京太郎「そのおもちに敬意を表し、シード扱いとさせて頂きますッッ!」 京太郎「そして、他の4チームで死合して頂き、最後の1チームとなったチームとおもち黄金郷チームで、闘ってもらいます!」 京太郎「それでは…、おもちファイト…、レディーーーーーゴーーーー!!」 観客「わぁあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」 結果 健夜「ロン、国士無双、トビだね」 はやり「13面待ち…」グニャア 京太郎「決まったーーーーーー!!優勝はやはりこのチーム!おもちに恋して!」 久「まぁ、ガチガチの本命レースね。オッズにしたら1.1倍くらいかしら」 恒子「それでは優勝者インタビューに移りたいと思います!」 恒子「はい、先鋒の三尋木プロ。着物から谷間がこぼれてますねー」 咏「あんま大きすぎても困るんじゃねーって思って、多少手加減したわけよー。まぁ、谷間ってなんか痒いよねー知らんけど」 +25cm 恒子「はい、次鋒の赤土晴絵さん」 晴絵「ブラがキツくなったくらいかなー」 +5cm 恒子「では、中堅の熊倉トシ元プロ」 トシ「ふふふ、私も年だから大きすぎると疲れるからね。ジイさんと1戦交えたらちゃーんと返しに来るよ」 恒子「流石、大人ですねー。いや、このチームみんな大人なんですけどね」 +20cm 恒子「では、藤田靖子プロ」 藤田「うーん、目標に届かなかった。今年の高校生は強いなー」 +5cm 恒子「では、最後を締めるのはすこやんでーす」 恒子「あれ?すこやん、どこ行った?」キョロキョロ 健夜「こ、こーこちゃん…、ここ…、ここに居るよーーーー!!!!!!」 恒子「どうやらおもちが大きすぎて、動けなかったみたいですね」 恒子「すこやん…、流石に欲張り過ぎだと思うよ」 健夜「わーん!ちょっと加減忘れちゃっただけだよー!」シクシク 恒子「ってか、これギネスに載せれるんじゃ。写メ写メ」パシャパシャ すこやん、+80cm 久「須賀君、あれはおもちとしてはどうなのよ?」 京太郎「申し訳ないが奇乳は、エロゲーか成年コミックだけで十分っす」 カン
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5655.html
タグ一覧 http //www34.atwiki.jp/kyotaross/tag/?sort=num 白糸台照 菫 淡 尭深 誠子 ハーレムスレ126(h126-100)まで反映 長そうなのを反映 咲はこちら 清澄はこちら 風越,鶴賀,龍門渕はこちら 永水,宮守,姫松,臨海,有珠山はこちら 阿知賀はこちら 千里山,新道寺はこちら 劔谷,越谷,その他はこちら 白糸台 36 白糸台 38 36の続き 48 38の続き h4-35 白糸台 h5-23 白糸台・咲 h12-37 白糸台(尭深メイン) h12-43 白糸台 h15-64 白糸台 h22-16 白糸台 h26-46 白糸台(淡メイン) h26-65 白糸台 h27-50 白糸台 h28-04 白糸台 h28-16 白糸台 h28-34 白糸台 h28-70 白糸台 h29-26 白糸台 h30-71 白糸台 h35-82 白糸台 h40-26 白糸台 h40-46 白糸台 h41-11 白糸台 h41-14 白糸台 h41-58 白糸台・照・えり h41-75 白糸台 h42-05 白糸台・咲 h42-14 白糸台 h42-18 白糸台 h42-50 白糸台 h42-54 白糸台 h42-66 白糸台 h42-70 白糸台 h43-09 白糸台 h43-49 白糸台・照・清澄 h44-01 白糸台 h44-02 白糸台 h44-03 白糸台 h45-21 白糸台 h48-03 白糸台 h48-38 白糸台 h49-25 白糸台 h50-12 白糸台 h50-50 白糸台 h53-07 白糸台 h53-33 白糸台 h56-26 白糸台 h57-05 白糸台 h57-08 白糸台 h57-10 白糸台 h58-12 白糸台 h58-43 淡・白糸台 h61-29 白糸台 h63-13 白糸台・淡 h64-15 白糸台 h65-27 白糸台 h66-25 白糸台 h67-22 白糸台・清澄 h68-21 白糸台 h68-23 白糸台・照 h71-01 白糸台 h74-15 白糸台 h76-06 白糸台 h77-37 白糸台 h77-38 白糸台 h77-39 白糸台 h77-55 白糸台 h78-21 白糸台 h78-37 白糸台 h80-36 白糸台 h80-45 白糸台 h80-57 白糸台 h80-74 白糸台 h82-36 白糸台 h82-43 白糸台 h85-12 白糸台 h86-66 白糸台 h86-91 白糸台 h87-13 白糸台 h87-62 白糸台 h88-43 白糸台 h90-07 白糸台 h93-36 白糸台 h94-34 白糸台 h96-12 白糸台 h97-22 白糸台 h103-27 白糸台 h104-72 白糸台 h107-25 白糸台 h107-39 清澄・白糸台 h108-19 白糸台 h109-05 白糸台 h113-24 白糸台 h115-33 白糸台 h116-13 白糸台 h116-14 白糸台 h116-25 白糸台 h118-09 白糸台 h118-31 白糸台 h119-23 白糸台 h119-28 白糸台 h121-80 白糸台 h121-82 白糸台 h121-83 白糸台 h122-38 白糸台 h123-22 白糸台 h125-02 白糸台 h125-82 白糸台 h126-43 白糸台 h126-94 白糸台 京太郎が黒髪にしてみたら・白糸台編 白糸台 京太郎、部室で熟睡 白糸台Ver 白糸台 京太郎、部室で熟睡2週目 白糸台編 白糸台 Kちゃんぬいぐるみ、東京にて 白糸台・臨海 てるてる会議 白糸台 寮長さんは金髪学生 白糸台編 白糸台 日本一ネタ 多数 照 02 照・菫 05 照・美穂子・清澄 06 05の続き 19 照・菫 40 照・咲 51 照・咲 57 照・咲 67 照・咲・優希・久 71 照・池田・清澄 h3-25 照・久・ゆみ h4-3 照 h4-5 照・咲・純 h4-7 照・玄 h4-9 照・淡・咲 h4-11 照・咲 h4-14 照 h4-26 照 h5-11 照・咲・久・小蒔・豊音 h7-3 照 h7-41 照・菫 h7-44 照・淡・和・桃子・憩・良子・永水 h8-1 照・咲・久 h8-2 照・咲 h8-64 照・淡・咲 h10-7 照・咲 h10-21 照・咲 h11-8 照・淡・咲・小蒔・部長勢 h11-9 照・咲・部長勢 h11-24 照・咲 h11-36 照・淡 h12-20 照 h13-19 照 h13-23 照 h15-1 照 h15-3 照 h16-20 照・菫・淡 h16-22 照・怜・煌 h16-24 照・咲・衣 h16-26 照・咲・玄・宥・智紀 h16-50 照・咲・衣 h17-43 照・咲 h17-44 照・咲 h17-47 照 h17-59 照・咲・玄・宥・愛宕一家 h18-26 照・淡・怜・竜華 h18-46 照・咲 h18-51 照 h19-19 照 h19-51 照 h20-70 照・良子 h21-26 照 h21-58 照 h22-53 照・咲 h23-51 照 h23-53 照 h23-54 照 h23-63 照 h23-90 照 h24-05 照・咲 h24-30 照 h24-48 照 h26-03 照 h26-08 照・尭深・誠子 h26-20 照・咲 h26-23 照・和・優希・ゆみ・煌・ハギヨシ h26-67 照・宥・洋榎 h26-68 照 h27-05 照 h27-10 照 h27-22 照 h27-39 照 h27-52 照 h27-54 照 h27-67 照・淡 h30-06 照 h30-10 照・咲 h30-13 照・淡・咲・穏乃 h30-34 照 h30-46 照・咲 h30-63 照・咲 h31-09 照 h31-23 照・菫 h31-48 照 h32-01 照 h32-02 照・菫・淡 h32-11 照・淡・咲 h32-12 照 h32-20 照・菫・淡 h32-27 照・淡 h32-39 照 h32-40 照 h32-42 照 h32-46 照 h33-12 照 h33-28 照 h33-48 照 h33-51 照 h34-01 照 h34-08 照・菫 h34-10 照・菫・淡 h34-12 照 h34-29 照・菫・咲・和 h34-46 照 h34-57 照 h34-58 照 h34-59 照 h34-61 照・咲 h34-62 照 h34-63 照 h34-64 照 h34-65 照 h34-66 照・菫 h34-67 照・怜 h34-68 照 h34-85 照 h34-86 照 h34-88 照 h35-09 照 h35-19 照 h35-27 照 h35-33 照 h35-45 照 h36-07 照・菫 h36-42 照 h36-55 照 h36-68 照 h36-78 照 h37-11 照・菫・佳織 h37-22 照 h37-24 照・煌・清澄 h37-53 照 h37-58 照 h38-19 照・咲 h38-52 照・智葉・憩 h38-57 照 h39-06 照・咲・玄 h39-08 照・淡・衣・小蒔 h39-31 照 h39-33 照・菫 h39-36 照・菫 h39-58 照・菫 h39-76 照 h39-77 照 h39-80 照・玄 h40-32 照 h40-67 照・咲 h40-72 照 h40-74 照・菫 h40-82 照 h40-94 照 h40-96 照 h41-17 照・淡・菫 h41-32 照 h41-58 照・えり・白糸台 h41-70 照・咲・清澄 h42-06 照・菫 h43-26 照・菫・淡 h43-49 照・咲・白糸台・清澄 h44-03 照・菫・淡 h44-06 照・淡・清澄 h44-35 照・咲 h44-38 照 h44-48 照・菫 h44-53 照 h45-01 照・淡・咲 h45-23 照 h45-53 照 h46-04 照・咲 h46-08 照・咲 h46-12 照・咲・怜・宥・理沙 h46-23 照・菫・淡・清澄 h47-03 照 h47-18 照 h48-10 照 h49-22 照 h49-49 照・咲 h50-04 照 h50-24 照 h50-37 照・咲 h50-39 照 h50-49 照 h50-55 照・咲 h51-04 照 h51-36 照・咲 h51-42 照・咲 h52-12 照・咲 h53-04 照 h53-17 照・咲 h53-61 照 h54-16 照 h54-19 照 h54-42 照・咲 h55-09 照 h55-54 照 h56-01 照 h56-04 照 h56-07 照・淡 h56-10 照・淡 h56-42 照 h58-03 照 h58-18 照 h58-22 咲・照 h58-26 照 h59-01 照・憩 h59-02 照 h59-11 照 h60-16 照・咲 h60-17 照 h60-20 照 h60-25 照 h61-08 照・淡・咲 h61-49 照・菫 h62-28 照 h63-19 照・咲 h64-04 照 h64-05 照・咲 h64-06 照 h64-10 照・咲 h66-52 咲・照・淡 h67-08 照・咲 h67-26 咲・照・淡 h67-46 照・菫・淡 h67-53 照 h68-01 照・菫・淡 h68-08 照 h68-09 照 h68-12 照・咲 h68-23 照・白糸台 h68-25 照・菫・淡 h68-26 照・咲 h69-01 照・咲 h69-25 照 h69-36 照・憩・智葉 h69-42 照・菫・淡 h69-50 咲・照・淡・成香 h70-02 照・淡 h70-06 咲・照 h70-11 照・菫・淡 h70-45 咲・照 h71-06 照 h71-12 照 h71-15 照 h71-24 咲・照 h72-22 咲・和・照 h73-27 咲・照 h73-30 咲・照 h74-14 照 h74-35 咲・照・淡 h74-58 照 h75-09 照 h75-12 咲・照 h75-15 咲・照 h75-26 照 h75-28 照・菫・淡 h76-21 咲・照 h77-14 淡・照 h77-56 照 h78-16 咲・照 h78-23 照・小蒔 h78-24 照・清澄 h78-30 照 h78-51 咲・照 h80-26 咲・照 h80-32 照 h80-48 照 h80-51 照・菫 h80-73 照 h80-75 照 h80-76 照 h80-77 照 h81-63 照・淡 h82-02 照 h82-23 照 h82-39 照 h82-46 淡・照 h82-55 咲・照 h82-64 咲・照 h83-08 照・咲 h83-14 照 h83-30 智葉・照 h85-03 咲・照・菫 h85-04 照 h85-10 咲・照 h85-41 照・清澄 h86-24 咲・照 h86-35 照 h86-57 照・淡 h86-65 照 h86-84 咲・和・照 h87-29 照・淡 h87-37 咲・照・淡 h87-60 照・憩・いちご・やえ h87-84 照 h87-85 照 h87-105 照 h88-22 咲・照 h88-27 咲・照 h88-38 淡・照 h89-17 咲・照 h90-36 照 h90-45 照 h91-01 照・淡 h91-08 健夜・照・咲 h91-10 照 h91-24 咲・照 h91-30 咲・照 h92-09 照 h92-38 照 h93-04 照・淡 h93-07 照 h93-10 照 h93-33 照・菫・淡 h93-35 照・淡 h93-52 照 h94-03 咲・照 h94-21 照 h95-06 照 h95-31 照 h95-34 咲・照 h95-52 照 h96-09 照 h96-19 咲・照 h96-20 咲・照・みなも h96-21 咲・照 h96-38 咲・照 h96-55 白望・春・照 h97-04 咲・照 h97-07 照・菫 h97-08 照 h97-10 照 h97-17 咲・照 h97-18 照 h97-50 照 h98-10 咲・照 h98-14 照・菫 h98-21 照 h98-24 照 h98-25 咲・和・久・照 h98-26 照 h98-31 照 h99-06 咲・照 h99-07 咲・照 h99-08 照 h100-06 咲・照 h100-15 照 h100-16 咲・照 h100-21 咲・照 h101-06 咲・照 h101-07 照 h101-14 咲・照・淡 h102-04 照 h102-07 咲・照・阿知賀 h103-05 咲・照 h103-25 咲・照 h103-28 咲・照 h104-43 照 h104-45 照 h104-77 咲・照・和・優 h105-02 照・菫 h105-03 照・菫 h105-05 照 h105-06 咲・照 h105-25 照 h105-48 照 h106-03 咲・照・淡・久・まこ h106-18 咲・淡・照 h106-37 照・咲 h106-39 照・淡・菫 h107-49 咲・照・淡・憧・和 h107-54 照・菫 h107-70 照・菫 h108-18 照 h108-27 照 h108-45 照・菫 h108-58 照 h108-61 咲・照 h108-63 照 h110-01 照・菫 h110-33 咲・照 h111-07 照 h111-29 咲・照 h111-46 咲・照 h111-47 咲・照 h111-49 咲・照 h111-50 照 h112-01 照 h112-31 咲・照 h112-39 照 h114-08 照 h114-13 咲・照 h114-19 照・淡・菫 h114-28 照・淡・菫 h115-03 照 h115-10 照・淡・菫 h115-38 照 h115-54 咲・照 h116-05 咲・照・久 h116-23 咲・照 h117-01 照・清澄 h117-13 照 h117-60 照 h118-04 照・咲 h118-17 照・久 h118-30 照・優 h118-41 照 h119-02 照・咲 h119-03 照・はやり h119-42 照・咲 h120-32 照・菫 h121-21 照 h121-54 照・咲 h121-59 照・淡 h121-110 照 h121-119 照 h122-13 照・菫・淡 h122-36 照・菫 h122-37 照・淡 h122-41 照・咲・健夜 h123-16 照 h123-41 照・清澄 h125-04 照・淡 h125-30 照 h125-37 照 h126-15 照 h126-19 照・誠子・穏乃 照→京←咲 咲・照 すこやん 咲・照・健夜 桃姉帯照と出会う話 咲・桃子・照・豊音 ぽんこつドーナツ 照 幼馴染 照 須賀一家 咲・和・照・淡 須賀一家 2 ↑の続き 学年別選抜チーム 多数 中和剤 咲・照 2年生集合させてみた@ -衣side- 衣・照・菫・豊音 3年生集合させてみた その1 3年生 3年生集合させてみた その3 3年生 3年生集合させてみた その4 3年生 照→京←淡 その1 照 照→京←淡 その2 照・淡 照→京←淡 その3 照・怜 照→京←淡 その4 照・淡 照→京←淡 その5 照・淡 照→京←淡 その6 照・淡 照→京←淡 その7 照・淡 チャット・3年生 3年生 ポッキーゲーム 照・春 ポッキーゲーム? 照 菫 02 菫・照 19 菫・照 103 菫 h4-36 菫 h6-22 菫 h7-39 菫 h7-41 菫・照 h8-33 菫 h8-53 菫 h11-8 菫・照・淡・咲・小蒔・部長勢 h11-23 菫 h11-27 菫 h12-42 菫 h13-16 菫 h15-44 菫・優希・豊音・穏乃・衣・桃子・洋榎・セーラ・胡桃 h16-20 菫・照・淡 h16-28 多数 h17-81 菫 h17-82 菫 h18-4 菫 h19-15 菫・智葉 h19-22 菫 h20-13 菫 h21-60 菫 h22-26 菫・久・憧 h26-07 菫・淡 h26-22 菫・淡 h26-36 菫・尭深・誠子 h27-26 菫 h27-47 菫 h27-66 菫・淡 h29-11 菫・咲・塞 h31-23 菫・照 h32-02 菫・照・淡 h32-20 菫・照・淡 h34-06 菫 h34-08 菫・照 h34-10 菫・照・淡 h34-29 菫・照・咲・和 h34-66 菫・照 h35-24 菫 h35-37 菫 h36-07 菫・照 h37-11 菫・照・佳織 h37-69 菫 h38-45 菫 h38-46 菫 h38-49 菫・智葉・ゆみ h39-33 菫・照 h39-36 菫・照 h39-58 菫・照 h40-35 菫・智葉・ゆみ h40-53 菫・淡 h40-74 菫・照 h41-17 菫・照・淡 h42-06 菫・照 h42-31 菫・淡 h43-26 菫・照・淡 h44-01 菫 h44-02 菫 h44-03 菫・照・淡 h44-48 菫・照 h45-41 菫 h46-23 菫・照・淡・清澄 h49-13 菫 h49-23 菫 h49-54 菫・淡 h50-52 菫 h51-24 菫 h54-14 菫 h54-25 菫 h57-31 菫 h60-26 菫 h60-38 菫 h61-23 菫・淡 h61-49 菫・照 h67-17 菫 h67-46 照・菫・淡 h68-01 照・菫・淡 h68-10 菫 h68-25 照・菫・淡 h69-42 照・菫・淡 h70-11 照・菫・淡 h75-28 照・菫・淡 h76-30 菫 h80-49 菫 h80-51 照・菫 h80-87 菫 h83-03 菫 h85-03 咲・照・菫 h87-86 菫 h87-87 菫 h88-73 淡・菫 h92-48 菫・淡 h93-33 照・菫・淡 h97-07 照・菫 h98-14 照・菫 h105-02 照・菫 h105-03 照・菫 h106-39 照・淡・菫 h107-04 淡・菫 h107-43 菫 h107-54 照・菫 h107-70 照・菫 h108-45 照・菫 h109-28 菫 h110-01 照・菫 h114-19 照・淡・菫 h114-28 照・淡・菫 h114-34 淡・菫 h115-07 淡・菫 h115-10 照・淡・菫 h117-46 菫 h118-28 菫 h120-32 菫・照 h122-13 菫・照・淡 h122-36 菫・照 h122-39 菫・淡 h123-58 菫 2年生集合させてみた@ -衣side- 衣・照・菫・豊音 3年生集合させてみた その1 3年生 3年生集合させてみた その2 3年生 3年生集合させてみた その4 3年生 チャット・3年生 3年生 ポッキーゲーム 菫 名探偵シリーズ その1 清澄メンバー・菫 淡 115 淡 h4-9 淡・照・咲 h6-21 淡(下衆京注意) h7-44 淡・照・和・桃子・憩・良子・永水 h7-45 淡 h7-52 淡・咏・はやり・良子 h7-76 淡 h8-5 淡・尭深 h8-49 淡 h8-64 淡・照・咲 h9-23 淡 h10-4 淡 h10-16 淡・咲・和・憧・桃子 h11-36 淡・照 h11-8 淡・照・咲・小蒔・部長勢 h12-19 淡 h12-38 淡・衣・白望 h12-44 淡 h13-4 淡 h14-1 淡 h15-2 淡・咲・玄・白望・小蒔 h15-5 淡 h16-20 淡・照・菫 h16-60 淡 h17-6 淡・照・菫 h17-45 淡・白望 h17-51 淡・尭深 h17-56 淡・咲 h18-3 淡・照・菫・尭深・誠子 h18-8 淡 h18-26 淡・照・怜・竜華 h19-21 淡 h19-60 淡 h20-19 淡 h20-27 淡 h20-35 淡 h20-36 淡・白望 h21-20 淡・穏乃・小蒔・いちご・はやり h21-56 淡 h21-75 淡 h22-17 淡・優希・穏乃 h22-48 淡 h22-51 淡 h22-62 淡・和・憧・穏乃・透華 h23-02 淡 h23-03 淡・咲 h23-04 h23-03の続き h23-05 淡 h23-12 淡 h23-15 淡 h23-19 淡 h23-20 淡 h23-21 淡 h23-22 淡 h23-25 淡・菫・誠子 h23-30 淡 h23-34 淡・竜華・健夜 h23-55 淡・咲・穏乃・憧・桃子・和・優希 h23-64 淡・菫 h23-69 淡・照・菫・尭深・誠子 h23-85 淡 h24-02 淡・照 h24-45 淡 h24-46 淡 h25-01 淡 h25-06 淡・菫 h25-10 淡 h25-12 淡 h25-22 淡・菫・誠子 h25-52 淡 h26-07 淡・菫 h26-21 淡 h26-22 淡・菫 h26-24 淡・咲・池田・憧・小蒔・絹恵 h26-30 淡 h26-33 淡 h26-46 淡・白糸台 h26-54 淡 h26-55 淡 h26-61 淡 h26-75 淡 h26-76 淡 h26-78 淡・尭深・誠子 h26-89 淡・照・菫・尭深 h27-28 淡 h27-43 淡 h27-45 淡・菫・誠子 h27-48 淡・菫 h27-49 淡 h27-56 淡・照・菫・尭深・誠子 h27-66 淡・菫 h27-67 淡・照 h27-69 淡・尭深 h27-72 淡・誠子 h27-74 淡・照・菫・尭深・誠子 h27-77 淡 h28-01 淡・照・菫・尭深・誠子 h28-05 淡・透華・佳織 h28-09 淡 h28-11 淡・菫・誠子 h28-19 淡 h28-30 淡・清澄 h28-35 淡・菫・誠子 h28-56 淡・美穂子・佳織・貴子 h29-13 淡 h29-21 淡・美穂子・憧・白望・清澄 h29-28 淡 h29-34 淡 h29-35 淡・真佑子 h29-36 淡・真佑子 h29-61 淡・菫 h30-07 淡 h30-13 淡・照・咲・穏乃 h30-34 淡・衣・照・小蒔・咲・穏乃・マホ・ネリー・明華・憩 h30-41 淡・尭深 h31-02 淡・咲・良子・優希・穏乃・桃子・数絵 h31-15 淡・透華 h31-25 淡・照・菫・尭深・誠子 h32-02 淡・照・菫 h32-11 淡・照・咲 h32-20 淡・照・菫 h32-27 淡・照 h34-10 淡・照・菫 h34-84 淡 h35-14 淡 h35-27 淡・照・小蒔・霞・春・宮守 h35-63 淡・照・菫・尭深・誠子 h37-19 淡・小蒔・竜華・姫子 h37-66 淡・衣 h37-70 淡・菫 h38-66 淡・久 h39-08 淡・照・衣・小蒔・菫 h39-35 淡・咲・優希・泉・憧・穏乃・和・春 h39-57 淡・佳織・春・白望・玄・美穂子・清澄・鶴賀 h39-83 淡・照・菫 h40-15 淡 h40-36 淡 h40-45 淡 h40-48 淡 h40-49 淡 h40-53 淡・菫 h40-84 淡・尭深・誠子 h41-17 淡・照・菫 h41-75 淡・照・菫・尭深・誠子 h42-13 淡 h42-31 淡・菫 h43-01 淡 h43-07 淡 h43-09 淡・照・菫・尭深・誠子 h43-10 淡・菫 h43-11 淡 h43-12 淡・明華 h43-26 淡・照・菫 h43-54 淡 h43-56 淡 h44-03 淡・照・菫 h44-06 淡・照・清澄 h44-07 淡・泉・和・桃子 h44-22 淡 h44-31 淡・咲 h44-61 淡 h45-01 淡・照・咲 h45-10 淡 h45-32 淡 h45-43 淡・哩 h46-03 淡 h46-23 淡・照・菫・清澄 h48-01 淡・咲 h48-02 淡・咲・穏乃・和 h48-21 淡・咲・優希 h48-29 淡・照・菫・尭深・誠子 h49-07 淡 h49-08 淡 h49-32 淡 h49-50 淡・咲 h49-54 淡・菫 h50-32 淡 h50-48 淡・照・菫・尭深・誠子・咲・優希・和 h51-01 淡・菫 h52-14 淡・照・咲・菫 h52-24 淡 h52-49 淡・菫 h52-62 淡・咲 h53-13 淡 h53-34 淡 h53-50 淡・照・菫・尭深・誠子 h54-01 淡 h54-23 淡 h54-45 淡 h54-49 淡・照・菫・尭深・誠子 h55-69 淡 h56-07 淡・照 h56-10 淡・照 h57-04 淡 h57-06 淡・照・菫 h57-07 淡・尭深・誠子 h57-24 淡 h57-27 淡 h57-28 淡・尭深・誠子 h57-60 淡・咲・優希 h58-17 淡 h58-43 淡・白糸台 h59-24 淡 h60-02 淡・憧 h60-14 淡 h60-51 淡 h61-08 照・淡・咲 h61-20 淡 h61-21 淡 h61-23 淡・菫・誠子 h62-03 淡 h63-13 淡・白糸台 h63-14 淡 h64-13 淡・小蒔・憧 h66-12 憧・淡 h66-26 玄・淡・憧 h66-29 憧・淡・ネリー h66-52 咲・照・淡 h67-18 淡 h67-26 咲・照・淡 h67-34 咲・淡 h67-46 照・菫・淡 h68-01 照・菫・淡 h68-03 咲・淡・久 h68-16 淡 h68-25 照・菫・淡 h69-13 淡・憧 h69-28 淡 h69-31 淡 h69-42 照・菫・淡 h69-48 淡 h69-50 咲・照・淡・成香 h69-57 淡・姫子 h69-58 淡 h70-02 照・淡 h70-11 照・菫・淡 h71-50 淡 h73-03 淡・憧・咲 h74-05 咲・淡・莉子 h74-21 淡 h74-25 淡 h74-35 咲・照・淡 h74-36 淡 h75-22 淡 h75-28 照・菫・淡 h75-29 淡 h75-34 マホ・塞・淡・もこ・咲 h76-33 淡 h76-38 淡 h77-14 淡・照 h77-29 淡・小蒔・白望・美穂子 h77-40 淡 h77-41 淡 h77-47 咲・淡・穏乃・ネリー h77-54 淡 h78-22 衣・淡 h78-43 淡 h79-09 淡 h80-02 淡 h80-27 淡 h80-47 淡 h80-67 淡 h81-01 憧・淡 h81-28 咲・淡・穏乃・ネリー h81-60 咲・淡 h81-63 照・淡 h82-03 淡・憧 h82-06 淡・ネリー h82-20 淡 h82-27 淡 h82-46 淡・照 h83-07 淡 h83-25 咲・和・憧・淡 h84-16 淡 h86-05 淡 h86-57 照・淡 h86-86 咲・ネリー・淡・穏乃 h86-90 淡 h87-15 淡 h87-16 和・淡・穏乃 h87-29 照・淡 h87-31 淡 h87-37 咲・照・淡 h87-80 淡 h87-81 淡 h87-109 淡 h88-38 淡・照 h88-59 淡 h88-73 淡・菫 h89-06 淡 h90-12 淡 h90-35 淡 h90-46 淡・智葉 h90-47 淡・竜華・怜 h90-49 智葉・淡 h91-01 照・淡 h91-41 淡 h92-20 淡 h92-48 菫・淡 h93-04 照・淡 h93-33 照・菫・淡 h93-35 照・淡 h93-40 淡 h95-02 淡 h95-16 淡 h95-32 淡 h95-43 淡 h95-45 淡 h95-47 淡 h96-25 淡 h97-02 咲・和・淡 h97-14 咲・淡 h97-29 淡 h97-33 淡 h98-16 淡・桃子 h98-43 咲・淡 h98-44 淡 h99-01 淡 h99-05 淡 h99-33 淡 h100-14 淡 h100-24 淡 h101-09 淡・清澄 h101-10 咲・淡 h101-14 咲・照・淡 h102-35 淡 h103-19 淡 h103-33 淡・清澄 h104-38 淡 h105-49 淡 h105-52 淡 h106-03 咲・照・淡・久・まこ h106-11 淡・憧 h106-18 咲・淡・照 h106-39 照・淡・菫 h106-40 淡 h107-01 淡 h107-02 淡 h107-04 淡・菫 h107-40 淡 h107-49 咲・照・淡・憧・和 h108-13 淡 h109-48 淡 h110-03 淡 h110-04 淡 h110-32 淡 h111-17 淡 h111-38 淡 h112-09 淡 h112-12 淡 h113-29 淡 h113-30 淡・憧 h114-19 照・淡・菫 h114-28 照・淡・菫 h114-34 淡・菫 h115-07 淡・菫 h115-09 淡 h115-10 照・淡・菫 h115-11 淡 h116-01 淡 h116-63 淡 h117-30 淡 h117-40 淡 h118-49 淡 h119-11 淡 h120-22 淡 h121-22 淡 h121-58 淡 h121-59 淡・照 h121-79 淡 h121-81 淡 h121-132 淡 h121-144 淡・咲・優希 h122-13 淡・照・菫 h122-37 淡・照 h122-39 淡・菫 h122-40 淡 h123-19 淡 h123-21 淡 h123-23 淡 h123-24 淡 h123-26 淡 h123-33 淡 h123-36 淡 h123-48 淡 h123-55 淡 h123-57 淡 h124-38 淡 h124-78 淡 h125-04 淡 h126-75 淡 須賀家の日常 淡・佳織・透華・衣 須賀一家 咲・和・照・淡 須賀一家 2 ↑の続き 学年別選抜チーム 多数 1年生集合させてみた その1 1年生 1年生集合させてみた その2 1年生 1年生集合させてみた その3 1年生 1年生集合させてみた その4 1年生 1年生集合させてみた その5 1年生 1年生集合させてみた その6 1年生 1年生集合させてみた その7 1年生 1年生集合させてみた その8 1年生 1年生集合させてみた その9 1年生 三年生「京太郎」のこぼれ話 淡 照→京←淡 その2 照・淡 照→京←淡 その4 照・淡 照→京←淡 その5 照・淡 照→京←淡 その6 照・淡 照→京←淡 その7 照・淡 チャット・1年生 1年生 ポッキーゲーム 淡 ポッキーゲーム2 淡 尭深 h7-46 尭深 h8-5 尭深・淡 h8-40 尭深 h11-15 尭深 h11-35 尭深 h12-27 尭深 h12-36 尭深 h12-37 尭深・白糸台 h12-41 尭深 h16-21 尭深 h17-51 尭深・淡 h19-42 尭深 h20-18 尭深 h21-74 尭深・絹恵・智紀 h22-50 尭深 h23-73 尭深 h24-51 尭深 h24-55 尭深 h25-28 尭深 h25-29 尭深 h26-08 尭深・照・誠子 h26-26 尭深 h26-36 尭深・菫・誠子 h26-78 尭深・淡・誠子 h26-87 尭深 h27-69 尭深 h30-15 尭深・白望・春・美幸 h30-27 尭深 h31-16 尭深 h31-22 尭深 h31-28 尭深 h32-38 尭深・絹恵・智紀・佳織 h33-38 尭深 h34-49 尭深 h35-68 尭深 h50-08 尭深・久・白望・絹恵・怜・竜華 h52-25 尭深 h54-15 尭深 h54-46 尭深 h117-77 尭深 2年生集合させてみた その1 2年生 2年生集合させてみた その2 2年生 2年生集合させてみた その3 2年生 チャット・2年生 2年生 こたつIN・2年生 2年生 誠子 h11-30 誠子 h14-9 誠子 h15-50 誠子・穏乃 h23-73 誠子・尭深 h26-08 誠子・照・尭深 h26-36 誠子・菫・尭深 h26-60 誠子・純 h26-78 誠子・淡・尭深 h26-86 誠子・まこ・いちご h27-72 誠子・淡 h52-27 誠子 h126-19 誠子・照・穏乃 2年生集合させてみた その1 2年生 2年生集合させてみた その2 2年生 2年生集合させてみた その3 2年生 チャット・2年生 2年生 こたつIN・2年生 2年生
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6192.html
特別編 side鶴賀 ※日記発見から中身拝見までの流れは省略します □月▼日 今日は休みだったが、部の買い出しで蒲原先輩の車に乗って出かけた 助手席でしっかりシートベルト締めて覚悟を決めて気合いを入れればなんとか耐えられる。ジェットコースターとか平気な方だし 買い出しついでに普段通らないような道をドライブ感覚で通ってみたり、ふと見つけた喫茶店で昼飯にしたりと結構楽しかった 先輩もいつものようにワハハって笑いながら運転してたし、楽しんでいたと思う 帰り道、ふと今日デートみたいでしたね、って言うと、いきなりブレーキ踏まれてちょっと顔ぶつけた 「わ、ワハハ。変なこと言ってからかうんじゃないぞー」そう言いながらさらに荒くなった運転で送ってくれた もうちょっと運転練習してくれないかな……いきなりブレーキは勘弁してほしい ゆみ「……ほう、楽しそうだったんだな」 智美「わ、ワハハ。そうだぞー、楽しかったぞー」 佳織「でも、顔打った京太郎くん大丈夫かな」 睦月「うむ。変なところを打ってなければいいんだがな」 桃子「まぁ、京太郎も悪いっすよね。いきなりデートとか言うから」 智美「そ、そそそそうだよな!もう、からかうんだからなぁ」 ゆみ「……蒲原、そこにモモはいないぞ?」 智美「わ、ワハハ……え?」 桃子「……動揺してるっすねー」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6068.html
まとめ 設定 本編 第一章【小悪魔テク! 文学少女の逆襲】 アフター 第二章【モテル反撃!犯される女子力!】 アフター 第三章【密着!そしてS(シャープ)S(シューター)恋愛へ】 アフター 第四章【厨二病タコス! 聖雀士と化した少女】 アフター 第五章【厨二病ギアス! 紅騎士と化した天使】 アフター 第六章【ストーカー部長 変態ラブレター!】 アフター 第七章【初デート! キャップの恐るべき女子力】 アフター 第八章【ラブイズマネー! 恋するお嬢様】 アフター 第九章【思い込みメール 彼女気取りのネキ】 アフター アフターのアフター 第十章【いつだって最後尾 不思議なディスタンス! アフター 第十一章【大二病アタック! 大人の女性かじゅ!】 没アフター アフター 第十二章【新ジャンル!? メンヘラロリの名はマホっち】 アフター アフターのアフター 第十三章【守りたい! デカァァァァイッ! 気弱女子!】 アフター 第十四章【小悪魔テク! 女子力粉砕スーパーノヴァ!】 アフター 第十五章【古典的!? あったか~い最強ボディタッチン】 アフター 第十六章【ステルスは捨てるっす!! お願い私を見て!】 アフター 第十七章【略奪愛! 何を諦める必要があるんや!?】1 第十七章【略奪愛! 何を諦める必要があるんや!?】2 アフター 第十八章【大天使エイスリン! 日本の文化はエロばかり!?】 アフター アフターのアフター アフターのアフターのアフター パラレル? 第十九章【すばらっ! 大好きなお姉ちゃん!】 アフター 第二十章【巫女サーの姫! 女子力憑依の裏技!】 第二十一章【何これチン百景! 阿チン賀のドラゴンロード!】 第二十二章【やったぜ。怜はミチミチと満ちたんや!】 第二十三章【和っ姦ねー! 迫り来る合法ロリの影!】 小ネタ・おまけ 小ネタ1 小ネタ2 小ネタ3 小ネタ4 小ネタ5 小ネタ6 小ネタ7 小ネタ8 小ネタ9 小ネタ10 小ネタ11 小ネタ12 小ネタ13 小ネタ14 小ネタ15 本スレ -【SS】咲「やっぱり京咲がナンバーワン!」京太郎「?」 【SS】咲「やっぱり京咲がナンバーワン!」京太郎「?」 【SS】照「やっぱり京咲はナンバーツー!」京太郎「?」 【SS】菫「やはり京咲はナンバースリーか」京太郎「?」 優希「やっぱり京咲はナンバーフォーだじょ!」京太郎「?」 和「やっぱり京咲はナンバーファイブですね」京太郎「?」 久「やっぱり京咲はナンバーシックスだわ」京太郎「?」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3461.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379321075/ 7・ 空。 それは無限に広がる自由のキャンパス。 この空間を支配することは人類の夢。 また、ポエムってしまった。 ……とにかく、上空1000メートル。 京太郎と和は空中散歩を楽しんでいた。 和「自家用ヘリって……須賀君、どれだけお金持ちなんですか……」 京太郎「金持ってるのも稼いだのも親だって。俺はすねをかじってるだけー」 褒められたことじゃないのかもしれないが、「親のお金には頼らない!」と言ったことがない。 親の支援なしに生きていくことなんてまだ出来ないし。誰だって親に守られて生きていくんだし。 精神だけ独立しても、それはただの反抗期だ。 本当に親に反抗したいなら経済的にも自立しなければだめだ。 反抗したいと思ったことはないけど。 将来、どうやって生きていくかも決めていないのに。 京太郎(そういえば染谷先輩は、もう将来のことを考えてるんだっけ) 京太郎(すごいよな……染谷先輩) 京太郎(俺も、考えてかなきゃ……ならないよな) 父親の神社を継ぐにしても。祖母の会社を継ぐにしても。 百合愛を活かせる仕事ができればいいのかもしれないけど、お金が得られるようになった趣味は楽しくないとも言うし。 麻雀のプロは……一度潰えた夢だし。 飛行機にはもう何度も乗ったことがあるが、ヘリコプターに乗ったのは初めてだ。 しかもそのヘリコプターは部活の友人のもの。 そしてその友人、須賀君は遠くを見る目で、考え事をしているようだった。 和「あの、大丈夫ですか?」 京太郎「………………」 呼びかけても返事がない。私の声が耳に届いていないようだった。 和「須賀君!」 京太郎「ぅおっと、すまん、考えごとしてた」 和「穏乃のことですか」 京太郎「いや、将来のこと」 和「唐突ですね」 京太郎「そうか? 俺の頭の中じゃ、論理的なプロセスがあったんだけどな……なぁ、和」 和「何ですか?」 京太郎「和は、将来の夢、あるか」 真剣な顔だった。 彼は、ときどきこういう顔をする。 出会ってからまだ少ししか経っていないけれど、もう数回ほどこんな顔を見た。 その真剣な顔を見ると、わたしはギクリとする。 怖いのだ。 何かを抱えてそうな瞳。モヤモヤとしたものがお腹の底で渦巻いているような嫌悪感。 和「……小学校の先生とか、お嫁さんとか、色々なってはみたいものはあります」 京太郎「いいな、それ」 和「だけど、だからといって、なれるわけじゃないですけどね」 京太郎「と、いうと?」 和「いえ、別に……そう思っただけです」 京太郎「親、か?」 和「……その何でも見透かしてるような態度、好きじゃないです」 京太郎「堪えるなぁ。いろんな人にときどき同じこと言われるけど」 和「……すみません」 京太郎「俺は親からの支配とか、そういうの感じたことないから、和の気持ち……わからないよ」 京太郎「だから俺がいくら良いことを言ったところで、それは上辺だけの台詞だ。誰かの借り物の台詞だ」 京太郎「何か悩みがあったとしても、それを解決できるのは俺じゃない。……きっとそのうち、それを解決してくれる誰かに出会えるよ」 和「……はい」 京太郎「でもさ、話したら少し楽になることもあるし、聞かせてくれないか。解決はできないだろうけど、聞くことは出来る」 和「そういう須賀君にもあるんじゃないですか?」 京太郎「なにが」 和「悩み事、です」 京太郎「……う~ん、特に……思い当たることはないな。いくつか疑問とかはあるけど、悩み事ってほどのものじゃないし」 京太郎「基本俺、お気楽に生きてるからなー」 和「本当に、そうですか?」 須賀君の目を見ていると湧いてくるこの感情。 須賀君の過去に、何かあったのではないかという疑惑。 それはまだ消えていない。 和の目は真剣だった。 言い逃れできなさそうな空気。 しかし、京太郎にとっての悩み事は、他人に話せることではない。 京太郎(『どうして百合アンソロジー「つぼみ」が休刊になったのか悩んでる』なんて、とてもじゃないけど言えねえ……) この真実を知ったときは悲しくて悲しくて、どうしてこの世界はこんなにも残酷なんだろうと嘆いたものだ。 京太郎「……やっぱり、悩んでることなんて、思いつかないな」 和「そうですか……そうなんですね」 納得いかないようではあったものの、それ以上の追求はなかった。 和「私も将来のことをいろいろ考えたりしますけど」 京太郎「おう」 和「でも今は目の前に大きな課題があるんです。まずはそれをどうにかしないといけないと思ってます」 京太郎「課題? それって……」 和は言うべきか言わざるべきか少し悩んでいるようだったけど、観念したかのように息をついた。 和「今年のインハイ、優勝できなかったら麻雀をやめさせられるんです」 京太郎「……そっか」 和「………………」 京太郎「残りの部員、見つけなきゃな」 和「……見つかるんでしょうか」 京太郎「そりゃ、きっとどこかに」 和「でも、三年生も二年生も一人ずつしかいなかったんですよ? もう私たちの学年は二人いるのに、あと一人見つけるなんて……」 京太郎「大丈夫だって、必ず見つかる」 そのとき京太郎の脳裏に横切ったのは咲の姿だった。 あいつなら、麻雀をやってくれるかもしれない。 誘ってみよう、そしたらきっと何かが起こるはずだから。 時山「あと五分で到着です」 京太郎「ありがとう、時山さん。例のもの、用意は出来てますか?」 時山「こちらです」 和「須賀君、そのかばん、なんですか?」 京太郎「見たいか? ほら」 カバンの中に入っていたのは、女性用の服、一式。 和「わぁ、かわいい……ブランドは……D.A.SUTUARTですか。私、ここの服、好きなんです」 和「NAGANO STYLEとコラボしたシリーズは大流行でしたよね」 京太郎「NAGANO STYLEの服もあるぜ」 和「これ、今春の新商品ですね! NAGANO STYLE、好きなんですか?」 京太郎「おう、メンズ商品も充実してるからな。少ない布面積に盛り込むふんだんな装飾は海外でも高評価されてるらしいぜ」 京太郎「デザイナーの長野雫さんが、海外の賞を取りまくってたみたいだし」 和「でも、どうしてこんな服を?」 京太郎「和、言ってただろ? 穏乃は今、阿知賀女子に進学してるかもしれないって」 和「実際のところはわからないですけど……」 京太郎「穏乃の家に電話して確かめたんだ。どうやら本当に阿知女みたいだぜ」 時山「そのようにお聞きしました」 和「そうなんですか」 京太郎「で、穏乃は今どこにいるか聞いたんだ。どうやら穏乃は、麻雀部の活動で学校にいるそうだ」 和「麻雀、ですか!?」 京太郎「驚くようなことなのか?」 和「いえ……。穏乃、小学校卒業と同時に麻雀をやめていたので……」 京太郎「……そうだったのか」 和「そうですか……よかった」 京太郎「また穏乃と打ちたかったのか」 和「え……いや…ふふ、そうですね。打ちたかったんだと思います」 京太郎「……よかったな、和」 和「……はい」 きっと和にとって、奈良で過ごした数年は大切なモノだったのだろう。 彼女はそういうことをはっきりというタイプではないのでわかりにくいけれど。 和「で、結局その洋服はなんのために……?」 京太郎「と、言い忘れてた。女装のためだよ」 和「えっと……よくわかりません」 京太郎「阿知賀女子学院は女子校だぜ? 女子校は百合の聖地!」 京太郎「男っぽいものは取り除かねばならない!男の俺も本来なら立ち入るべきではないが……今回は事情が事情だ」 京太郎「極力百合の園を汚さないように女の子になる配慮ぐらいはするべきかと思ってな!」 和「何を言ってるのやらさっぱり……」 京太郎「阿知賀は共学化しやすい学校だが……この世界線は共学化しなかったんだ」 京太郎「いや、共学化なんてしたら百合の花が枯れるから勘弁願いたいんだが……」 和「えっと……結論は」 京太郎「女装したいから、女装する」 和「なるほど、須賀君の声って、女装しそうなタイプの声ですもんね」 ……そこまで思い切ったことは言ってない。 京太郎「和は少しぶっちゃけすぎるところがあるよなー」 和「そんなつもりはないんですけど……せっかくだし、もう少しぶっちゃけてみましょうか」 京太郎「和に『ぶっちゃけ』という言葉は似合わないというぶっちゃけをしたいところだけど、どうぞ」 和「どうして須賀君、急に奈良に来ようと思ったんですか?」 京太郎「えっと……それは」 優希への思いが何なのか確かめるため。 ……そんなこと言えない。 京太郎「穏乃に久々に会いたかったから」 和「それ、本当ですか」 京太郎「和……お前まさか本当の理由を知って……!」 和「本当は最近の阿知賀スレブームに便乗しようとしてるんじゃないですか」 京太郎「ぶっちゃけた!」 ちげーよ! 和「もしくはシリアス展開ばかりが続くのが辛くてギャグ展開で済みそうな場所に緊急避難してるという可能性も」 京太郎「到着だぜ……! 阿知賀……!」 素早く服を着替え、京太郎はヘリから飛び出した。 新子憧は、刺激的なことが好きだった。 しずは、刺激的な少女だ。 私がしずのそばにいたいと思ったのは、そんな刺激的なところに惹かれているのだろう。 しずのそばにいたら、刺激的で、楽しい日々が続くのだ。 部活の休憩時間、憧は屋上へ風に当たりに来ていた。 屋上は四方が高いフェンスに囲まれていて多少開放感は損なわれているものの、校舎の周りの森林を一望できて気持ちがいい。 頭をつかう麻雀を得意とする憧にとって、頭の休憩のために屋上は最高の休憩場所だった。 ……ところで。 刺激的なことが好きとは言ったが。 ヘリコプターが私をめがけて飛んでくる。 エンジンの音なのかプロペラの音なのかはわからないが爆音が耳をつんざく。 そのヘリから一人の少女が飛び出してくる。 息を呑むほど美しい少女だった。 パラシュートが開く。 美しい少女は優雅に体を動かし、巧みに軌道を修正しながら。 ゆったりと、憧のいる屋上へ着地した。 空から降ってきた美しい少女。 屋上を吹き抜ける風で長い髪がうねる。 その少女は輝いているかのようだった。 少女は空を見上げ、自慢気な声で言った。 京子「なるほどSUNDAYじゃねーの」 SATURDAYだ。 ほどなく、ヘリも着陸し、中から出てきたのは、憧もよく知る少女だった。 和「須賀君なんでわざわざパラシュートなんて使ったんですか」 京子「特に意味は無いよ。そして今は京子と呼んで!」 和「跡部人気に便乗するためですか」 京子「和、ぶっちゃけキャラになる気か」 憧「の…………」 和・京太郎「ん?」 憧「和ぁ!?」 和「お久しぶりです、憧」 ……ここまで刺激的なことは求めていない。 京太郎が初めて女装をしたのは中学1年生。 百合を汚さないために始めた女装。 でも今は百合とは別の独立した趣味になっている。 どうしてこの趣味は理解者が少ないのだろうか? こんなに可愛い服を着られるのに。 そもそも男の服にはキュートさが足りない。もっと男の服にもフリフリなやつがほしいです。 最近スカートがメンズファッションとして取り入れられたときは「俺の生まれる時代は間違ってなんかいなかった!」 と思ったものだが、実際のところ、まだ一般化してないし、そもそもスカートと言ったってミニは許されていない。 丈が長くてゆるふわ系フリフリスカートも大好きではあるのだが、短いやつも履きたいのだ。てなわけで今、俺はミニスカート姿だ。 いや、「俺」という無粋な一人称はやめよう。 私、須賀京子は阿知賀女子学院に降り立っていた。 女子校である。 女子校である! 百合の聖地である! 少子化の影響で共学化なんてしてないのである! 阿知賀に来た途端、そこらかしこから百合の香りが漂ってきた! 憧「………………」 阿知賀に来て一番最初に目についた少女もまた、ほのかな百合の香りに包まれていた。 京子「はじめまして!」 憧「あ……はい、はじめまして」 握手をする。 憧「えっと、和、この子は……?」 和「須賀京太郎、男です」 憧「え」 京子「はい?」 憧「え」 和「須賀君、こちらが先ほど写真でお見せした新子憧さんです」 京子「へえ……『女の子は一年もあれば見違えるぐらい変わるものだ』と本藤先輩が言ってたけど、本当なんだね! 私、感心!」 和「案外あっさりなリアクションですね」 京子「女の子はいつでもかわいくなれるんだよ? 私、知ってる」 和「カプ総合スレや阿知賀スレで『憧の急成長に驚く』シチュエーションの話がたくさんあるから」 和「競合を避けるためにあっさりなリアクションしたのかと。ぶっちゃけそう思いました」 京子「ぶっちゃけキャラはやめよう、和」 しかしこんなに姿が変わってしまうと、本来の目的である「優希への思いが何であるか確かめる」が達成できなくなる。 わざわざ奈良まで来て得られるものがなにもないのでは、悲しくなってしまう。 そこで、新たな目的を思いついた。 百合の種探しである。 百合の種探しとは。 もうすぐ百合ップルになりそうな女の子を探して事前に仲良くなり、女の子たちがゆりゆりしているさまを観察させてもらうことだ。 憧「えっと、あの」 京子「あなた、恋、してる?」 憧「はい?」 京子「好きな女の子、いる?」 憧「え、ちょっ、まっ」 京子「いるんだね! 私、応援してるから!」 憧「え? う、うん」 京子「LINEのID交換しよう! それで逐一、好きな女の子とやったイベントを報告してね!」 憧(え? あれ? どうなってんのこれ!?) 京子「ID!」 憧「あ、はい……」 百合の可能性をひとつゲット。幸先のいいスタートだ。 京子「じゃ、他の百合の香りを追ってくるから、このへんで……」 憧「ちょっと待って!」 京子「どうしたの?」 憧「和。この人とどんな関係!?」 いきなり旧友が謎の女装男とともにヘリで現れたら、そりゃ二人がどんな関係なのか気になるだろう。 和「須賀さんとの関係ですか」 京子「和ちゃんとの関係、かぁ……」 部活仲間? 友だち? 何だろう……、私と和の関係って。 ……そういえば。 ヘリの中で話し合った。 将来のこと。将来、なにになりたいか。 私たちは、将来のことを話しあった関係なのだ。 和・京子「将来のことを話しあった関係」 京子「だよ」 和「です」 憧「え」 憧「えええええええええええええええええ!?」 阿知賀麻雀部室にて。 京子は京太郎に戻っていた。 京太郎「ひどい……ひどい……この世界は俺の敵だ……」 玄「ど、どうしたの京太郎くん」 京太郎「玄さん……ここって女子校ですよね」 玄「うん」 京太郎「百合の園ですよね」 宥「ユリの花が咲くのは5月からだけど……」 京太郎「なのに男性教師がいるんですよ!?」 玄「え!? 普通だと思うけど」 京太郎「俺の知ってる女子校は男なんて一人もいないんです!」 玄「どういうこと!?」 京太郎「くそっ……これだから現実は……! もっと百合漫画を見習えよ……!」 京太郎「こんな思いをするぐらいだったらカプ総合スレでいろんな女の子とインスタントにイチャイチャしてるほうがマシだ!」 穏乃「ねーねーきょーたろー。さっきの女の子の姿、もう一回見せてよー」 京太郎「よし、じゃ、着替えてくるぜ!」 灼「ハルちゃんはもうすぐ来るとおも……」 和「そうですか……それじゃ赤土さんが来るまでここで待っていていいですか?」 穏乃「赤土先生は今、職員会議中だから、30分もしないうちに来ると思うよ」 京子「手うがは大切だよ 手うがしようね!」 和「としのーきょーこー?」 京子「 !? 」 和「なんでもありません」 穏乃「わーすっごい! かわいい!」 憧「なじみすぎ!!」 なじんでいた。 憧「っていうかしず! こいつと知り合いなの!?」 穏乃「きょーたろはうちのお得意さんだったんだよ」 憧「玄と宥姉は!?」 玄・宥「初対面」 憧「なじみすぎ!」 京子「すみません……憧さん……。私、邪魔でしたよね……」 京子「みんなと話すのが楽しくて、つい騒いじゃいました……。本当にごめんなさい……」 憧「え……いや……別に怒ってるわけじゃ」 京子「心配して損した!」 憧「譲歩して損したんだけど!?」 元の姿に着替える。 あまりに長い時間京子でいると、自らのパーソナリティを喪失しかねないからだ。 玄「和ちゃんと京太郎くんは将来のことを話しあった関係なんだよね?」 和「はい、そうですね」 玄「いいなあ~……憧れるなあ……」 京太郎「そんなに憧れることですか?」 玄「そりゃ当然! 女の子なら当然なのです!」 京太郎「じゃあ玄さんも俺達と将来のことを考えませんか?」 玄「えぇっ!? だ、だめだよ、そんな! 和ちゃんが怒るよ」 和「構いませんよ」 玄「寛容!? 長野ってそんなに爛れた場所なの!?」 京太郎「何故長野の悪口を……。温泉とかいっぱいあっていいところですよ?」 玄「うちにもいい温泉があるのです」 京太郎「へえ、いいですね! 温泉旅館か何かですか?」 玄「うん。あ、良かったら温泉、どうですか?」 京太郎「あ、それじゃあ、入ります。和も入るよな?」 和「いいですね、温泉。お願いします」 玄「ま、まさか一緒に?」 京太郎「なんでそうなるんですか」 玄「あはは、さすがにまだ早いよね! よかった!」 和「早い遅いの問題なのでしょうか……」 玄「とすると、お二人はどこまで……?」 京太郎「どこまで、とは?」 玄「二人で今までにやったことは?」 二人でやったこと? う~ん、特に思いつかない。 和「そうですね……さっき須賀君の部屋でベッドに押し倒されました」 玄「すごく進んでる!?」 京太郎「あーあれかー。そういえばそんなこともあったな」 玄「そんなどうでもよさそうに……」 京太郎「まあ(バランスを崩して押し倒すなんて)よくあることですし」 玄「長野怖いのです」 京太郎「なぜさっきから長野へバッシングが……? いいところなんですよ長野。交通マナーが少しばかり悪いですけど」 玄「それって良い所だと言えるの……?」 京太郎「奈良も鹿さんの交通マナー悪いんですよね? それと一緒です」 玄「結構違う気が」 玄「でも羨ましいな……。和ちゃんのおもちを自由に扱えるなんて」 京太郎「え、扱えませんよ?」 玄「そこはまだ許してないんだ」 和「『まだ』ってなんですか『まだ』って。一生許しませんよ」 玄「そこはプラトニックなんだ……長野って訳がわからないのです。おもちを触れないとか……長野には行きたくないのです」 京太郎「長野に何か恨みでも……?」 玄「おもち帝国岐阜の隣に位置しながら、長野のおもちは平均以下の大きさしかないんだよ!?」 京太郎「ならば恨むのも致し方無いですね」 玄「そうなのです……ってあれ? 京太郎くん、おもちという言葉をなぜ……?」 京太郎「そういえば玄さん、なぜ俺が作った隠語を……?」 玄「…………」 京太郎「…………」 この世に、奇跡は存在した。 300km以上離れた奈良と長野で、同じ言語文化がまったく別の人間によって誕生していたのだ。 京太郎「奇跡ってあるもんですね……」 玄「うん……私、感動しちゃったよ」 そこで京太郎はあることを思い出した。 京太郎「おもちスレって知ってますか」 玄「うん。私、あのスレの住人だもん」 京太郎「こんな形でオフ会をすることになるとは思ってませんでした」 玄「うん、仲間に会えて、私……嬉しい」 京太郎「俺もです。でもせっかくだったら他の住人さん……」 京太郎「もち吉さんとか、†妖魔†さんとか、黒の騎士さんとか、チャチャさんにも会いたかったですね」 玄「京太郎くん……。ここで重大発表があるんだ」 京太郎「……なんですか?」 玄「その人達、全部、私の自演なんだ……」 京太郎「…………え」 玄「そう、それはあの日のこと――」 おもちのことを語りたかった。 おもちのことで夜を明かしたかった。 でもそんな話を出来る人はいなかった。 日に日に募るおもちへの思い。 それは発散されることはなく。 ――私は、私と語ることにしたのだ。 掲示板を作り。 自分のパソコンと、おねーちゃんのパソコンと、自分のケータイと、おねーちゃんのケータイと 旅館のパソコンを使い分け5つの人格を作り出し。 たった一人でおもち談義をしていた。 楽しい時間だったけれど、虚しさは募り続けた。 だからその日現れたその人は、私にとってかけがえのない人だ。 あなたが初めておもちスレを見たとき、私は人生であれほど嬉しかったことはなかった。 時には心苦しいながらもあなたのおもち観を叩いたりもした。 それでも私は、あなたに感謝している。 玄「ごめんね……自演なんかして……」 京太郎「玄さん……」 痛いほど、彼女の気持ちが理解できた。 京太郎にも似たような経験があったのだ。 百合が好きになって。 誰かと語り合いたいほど好きになって。 でもそれを語れる人はいなかった。 今でもあの頃のことを思い出すと心が寒くなる。 大切な何かが欠けていたあの日々。 それはちょうど紅生姜のない牛丼のようで。 決して戻りたくない過去だ。 京太郎「いいんですよ玄さん……! いいんです……! そんなことはもう……!」 玄「でも、ずっと騙してたんだよ? 大切な京太郎くんを……ずっとずっと騙してたんだよ?」 京太郎「気にしてないです……! 玄さんの気持ち、とても良くわかりますから……!」 玄「京太郎くん……!」 和「そうですよ、玄さん。須賀君は玄さんの気持ちを良く理解してますよ」 玄「和ちゃん……!」 和「須賀君もよくSSスレで自演しまくって自分のスレを人気があるように見せかけてますし」 京太郎「これでぶっちゃけるのは最後にしよう、なっ?」 しばらくすると、阿知賀麻雀部の顧問であるという赤土さんがやってきて、和と話していた。 赤土さんが来た瞬間、灼さんの百合指数が十倍に底上げされ、歓喜したのは言うまでもない。 京太郎はそっと部室を出ると、廊下にある自動販売機でビックルを買い、ベンチに座って瞑想した。 阿知賀女子麻雀部は百合の土壌であるとともに、片思いしかない、悲恋の世界だ。 灼さんの思いは一方通行だし、憧の思いも一方通行だ。 百合の物語は悲しい最後を迎えることも多い。 だからこそ現実ではハッピーエンドを迎えてもいいと思うのだ。 憧と灼さんに、何とかしてハッピーエンドを与えられないだろうか。そう思った。 京太郎「……ん?」 憧「あ……」 そこに、憧がやって来た。 京太郎「何か飲みに?」 憧「……やっぱ戻る」 京太郎「俺のことなんか気にすんなよ」 憧「……別に」 京太郎は立ち上がり、自動販売機の目で財布を出した。 京太郎「何飲む?」 憧「ちょっ……自分で払うから」 京太郎「そうか、つぶつぶドリアンジュースか」 憧「カルピスソーダ!」 京太郎「はい、購入っと」 憧「あ……しま……」 京太郎「隙を見せたな」 憧「くっ……。それ、いらないから」 京太郎「俺、炭酸苦手なんだけど」 憧「……子どもみたい」 京太郎「よく言われる」 憧「……あーもう、貰うわよ! ありがとねっ!」 京太郎「助かるよ」 近づこうと一歩踏み出した瞬間、憧は一歩、後ずさった。 京太郎「…………」スタ 憧「…………」スタ 京太郎一歩前進。 憧一歩後退。 京太郎「…………」スタスタ 憧「…………」スタスタ 京太郎ニ歩前進。 憧ニ歩後退。 これはもしかして、俺、避けられてね? 何故だろう。 嫌われるようなことをしたか? したけども。 京太郎「俺のことは嫌いでも、LINEで百合話をする約束はやめないでください!」 憧「……別にあんたのことが嫌いなわけじゃないわよ」 京太郎「好きというわけでもないのか」 憧「好きになる要素ないでしょ」 京太郎「たしかにな」 否定はできない。 京太郎「じゃあなんで近づこうとすると離れるんだ」 憧「あ……えと……それは」 京太郎「それは?」 憧「……苦手だから」 京太郎「なにが」 憧「お、男の子が……」 京太郎「はは、なるほどな」 憧「……ダメだよね、やっぱり、異性が怖いなんて」 京太郎「……そんなことねーよ」 憧「そんなわけない! 治すべきなんでしょ!?」 京太郎「いいじゃねーか、異性が苦手なくらい。無理して慣れようとする必要はないよ」 憧「でも……」 京太郎「治したいならゆっくり治していけばいい。慌てなくたっていいだろ」 というか。 治してほしくない! 男嫌いとか最高じゃんか! それってもう百合に生きろっていう神様からのメッセージだぜ、きっと。 憧がここまで育てた百合の芽を枯れないように守るのは、「男が苦手」というステータスなのだ。 変な男に捕まったらせっかくの百合の芽が花を咲かせる前に枯れてしまう。 そんなのは許せない。 京太郎「憧、俺は気にしないから」 憧「そっか……ゆっくりでいいんだ」 京太郎「ああ」 憧「……ありがとね、京太郎」 京太郎「?」 憧「うらやましいな……和」 京太郎「へ……? 憧、お前、なに言って……」 穏乃「大変だよ、きょーたろー!!」 そんな憧との会話中、穏乃が慌てた様子で駆け込んできた。 京太郎「どうした!?」 穏乃「和が、和が、熱を出して倒れて……!」 京太郎「え……あっ!」 そうだ。確かに今日の和の様子は変だった。 普段はあんなにぶっちゃける性格じゃないのに、今日はやたらとぶっちゃけていた。 あれは体調が悪くて調子がおかしかったんだ! 松美館。 看病しやすいよう、板場に一番近い部屋を貸してもらった。 板場に氷があるからだ。 晴絵「疲れが溜まってたみたいね。この時期は生活の変化も多いし、体調を崩しやすいからね」 和「……そうですね」 穏乃「おかゆ持ってきたよ! 食べられる?」 和「ありがとう穏乃。いただきます」 京太郎「ごめんな、和……。俺が無理に連れ回したせいで」 和「いえ……私も気づかなかったですから……」 ……そうじゃないんだよ、和。 奈良に来たのは俺の勝手な用事で。 それに巻き込んだのがいけなかったんだ。 京太郎は立ち上がり和のそばを離れ、部屋の入口にいる時山さんのそばへゆっくりと後ずさった。 時山「原村様のご両親への連絡、完了しました」 京太郎「ありがとう、時山さん」 場所が奈良だったのは不幸中の幸いか。 もともと和が住んでいた場所なので、親同士の繋がりもあったため、奈良にいることで大きなトラブルにはならなかった。 時山「この部屋と隣の部屋を使わせていただくよう、手続きも致しました」 京太郎「……いつもすみません」 時山「いえ、お役に立てるのならば」 京太郎「……天江家でのことを思い出してるんですか」 時山「…………違いますよ。それに今の衣様は龍門渕家にいらっしゃるのでしょう?」 時山「龍門渕家にはあの荻原さんがついています。何の心配もいりません」 京太郎「……わかりました」 夜。 京太郎「それじゃ和、何かあったら遠慮なく呼んでくれ。おやすみ」 和「はい、おやすみなさい」 和のいる部屋を出た京太郎は自分の部屋に戻ろうとしたが、思い直してロビーに行った。 ロビーの端にある自動販売機の前に立つ。 京太郎「……昼に一本ジュース飲んじゃったからな。一日二本は飲み過ぎ……」 水を買う。 出てきたペットボトルを目に近づけて、水の向こう側を見通す。 水を通すとゆらゆらと世界が揺れる。 それは牌の世界に似ていた。 京太郎「今日は牌に会えなかったな……」 なぜだろうか。最近、牌のことを考える時間が増えた。 今ごろ牌は何をしてるだろうとか、どんなことを考えてるのだろうとか、過去にどんなことがあったのだろうとか。 考えるだけ無駄なのに、気づけばそんなことばかり考えていた。 ゆらゆら揺れる空間に、揺れる人影が映った。 京太郎「……こんな時間に外出して親に怒られないのか」 穏乃「……和のことが心配で」 憧「ちゃんと許可は取ったわよ」 灼「部長としての責任もある……」 京太郎「大丈夫だ、今は安定してる。ゆっくり休めば元気になるはずだ」 穏乃「そっか……よかった」 安堵したように三人はソファーに腰を下ろした。 京太郎「早く戻ったほうがいいぜ。許可を取ったとはいえ親も心配だろ」 穏乃「許可っていうのは松美館にお泊りする許可だよ」 京太郎「あ、そういうこと……よく親の許可取れたな」 憧「あんたの親はどうなのよ。いきなり外泊なんてして」 京太郎「ふ……俺の親か……?」 視線をそらし、天井を見上げる。電灯が眩しかった。 穏乃「まさか……親」 京太郎「ああ……」 視線を戻す。 京太郎「超怒ると思うぜ!」 穏乃「予想と違った!」 京太郎「はぁ……明日がこえーよ……。何時間説教されるのやら……下手したら説教だけで2ページは消費する可能性も……」 穏乃「のび太のパパか」 憧「和のこと……心配?」 京太郎「そりゃそうだろ」 憧「そうよね、将来のことを話しあった関係だもんね」 京太郎「? 確かに、そうだけど」 穏乃「どうやって二人は知り合ったの?」 京太郎「部活が一緒だった」 穏乃「ほほー……定番だね。で、告白はどっちから」 憧「ちょっと、しず!」 穏乃「ヘヘ……いいじゃんか」 京太郎「告白って何のことだ?」 憧「してないの!?」 京太郎「ただの友だちに告白なんてするわけないだろ」 穏乃「え? ……将来のことを話しあった関係なんじゃ」 京太郎「おう。将来、何になりたいかについて語り合った関係だぜ」 憧・穏乃「………………」 灼「知ってた」 京太郎「え? え? なにこの空気」 灼「アラタ」 その後、旅館の雀卓で三人にボロボロにされた京太郎だった。 麻雀終了後。 京太郎は穏乃を外へ呼び出した。 明かりの近くには虫が沢山いたため、少し暗がりになっていた池のそばへ。 松美館の池は宴会所の窓から一望できる場所にあった。 月明かりが池の表面で反射してきれいだ。 穏乃「どうしたの、きょーたろー」 京太郎「なんだかんだでゆっくり話せなかったからさ。思い出でも語ろうかと」 穏乃「思い出かー。実はそんなにないよね」 京太郎「まーな。期間的には短かったし」 小学校が同じだったわけでも、一緒の麻雀教室に通っていたわけでもない。そんな都合の良い過去はないのだ。 京太郎「あのさ、穏乃は覚えてるか」 穏乃「なにを」 京太郎「俺がここに引っ越してきたときのこと」 穏乃「うーん……半分くらい」 京太郎「俺、何か言ってなかったか」 穏乃「……………………………………」 穏乃は目を閉じて、顔を傾けた。 忘れかけたことを思い出そうとしているのだろう。 穏乃「そういえば、ときどき言ってた気がする」 京太郎「なんて?」 穏乃「『あのとき、俺は足が動かなかった』って」 穏乃「『そんな情けない俺の隣を、あいつは駆け出した』」 穏乃「『あのとき俺がその役目を負っていたら、サキも、テル姉も、あいつも――あんなことには』」 京太郎「……その先は!? まだ他に何か言ってなかったか!?」 穏乃「ん……えっと……何か言ってたっけ」 穏乃の肩を掴む。 京太郎「何でもいいんだ! どんな些細な事でもいいから、頼む!」 穏乃「い……痛いよ、きょーたろー」 京太郎「あ……わるい」 肩から手を離す。 手が痺れていた。どうやら知らないうちに強く握っていたようだ。 穏乃「なにか、あったの」 京太郎「…………」 穏乃「すごく、必死だった」 見抜かれている。 和は俺のことを「何でも見透かしてるよう」と表現したが、穏乃ほどではないと思う。 京太郎「今日、和とアルバムを見たんだ。俺が奈良にいたときの――つまり穏乃との写真。そのアルバムを見て気づいたことがある」 京太郎「そのアルバムに、空白期間があるんだ。二年間分の写真がすっぽり抜けていたんだよ」 それは、記憶に蓋をした時間。 京太郎「俺がそのころの写真を捨てたのか、親が隠したのか分かんねーけど……思い出さなきゃならない」 穏乃「……わかった。あのときのこと、もっと思い出してみる」 穏乃は黙って空を見上げた。 穏乃「ひとつだけ、思い出した」 京太郎「…………」 穏乃「『好きだったのに』」 京太郎「え?」 穏乃「『好きだったのに』って言ってた」 次の日。 阿知賀女子学院屋上。 ヘリに乗り込んだ京太郎たちは阿知賀女子麻雀部の六人に見送られていた。 プロペラの音が轟いている。 穏乃「和! そこからなら、みんなを見れる!?」 和「見えますよ!」 大きな声で和は返事をした。 穏乃「これが、私たちのチーム!」 穏乃が両腕を大きく広げる。 和「はい!」 穏乃「全国で和と遊ぶために、作ったんだよ!」 和「……!」 穏乃「全国、絶対来いよ、和!」 和「そんな約束は……いえ」 和は京太郎の顔を横目で見て、覚悟を決めたように言った。 和「必ず、行きます!」 奈良が離れていく。 京太郎と和にとっての思い出の場所が。 京太郎「そんな約束はできない、っていうのかと思った」 和「そう言うつもりでした」 京太郎「じゃ、なんで」 和「ふふ、どうしてでしょうね」 京太郎「答えは?」 和「答えは教えませんよ」 こうして、二人の奈良の旅は終わった。 旅に意味を求めてはいけないとは言うけれど。 大切なものを手に入れた気がした。 7・終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3483.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388925097/ 清澄に入学して一週間が過ぎました まだ名前も知らない彼は、たまに通学路で背中を見たり、廊下を歩いているのを教室から見かける程度 追いかけて、声をかければ届く距離 それにも関わらず、私は彼に話しかける勇気を持ち合わせていませんでした クラスこそは知っているものの、彼の名前は知らないまま 私と彼の問題で面倒をかけるのは気が進まないので、ゆーきに彼に話しかけてきてくれるように頼む、ということはできず 彼と同じ中学校に通っていた同級生の方と仲良くはなりましたが、 彼女から彼について聞き出すことも気恥ずかしく、とてもできるようなことではありませんでした ,.ー-‐.、 ヽ、 ヽ __ /,..-ニ‐- '"_,..) / ̄\ _,.‐-、 ' ´/ , _ 、´ / ヽ ' 、 .ノ _ _ ,. ''" ,. -‐/ _  ̄\ / _| r ヽ i'´ ` ! , ',. -一' ./..'/ .} / <_ ,..-、 ! l i ヾ、_ / ,. '′ ,..,. ,/ ./ `ー-イ \ / ヽ ! ! し , iヽ、i / / { \ヽ i' _,/ ,.イ ̄`'´ /! ゙、 l ! / ヾ | ー'´ `´\ ヽヽ ! / ̄ // / / | └! .i! .!┘ ヽ r'´ ,.'⌒ `,. l ! 〈 \| | | | l !l .! ヽ ! ! ゝ-‐'´ /l .! ヽ r/ ヽ/ | l .l ! l i ゙、 \ / } .}ー"ヽ ヽ ヽ__// _ r、__, ,、 __,ノ l .! l .! | ト、゙、 `ヽヽ j ノ`ー-、 } ./ / | | ≧、__|  ̄ ____r' 」 l、゙、_ノ」__ン____________゙、`' /__ ヽ/_/ ./ | |________  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ } ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄"'´ ̄ ̄ ゙、. | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽノ ヽ、ノ 『第二話 踏み出した足』 和「こんなことで大丈夫なのでしょうか……」 優希「朝から元気無いぞ!のどちゃん!」 和「今日は早いんですね」 優希「エトペンの目覚ましより三十分も早く起きられたんだじぇ!」 和「私があげた甲斐があったというものですね、偉いですよ、ゆーき」 優希「ふははーもっと褒めて遣わすじぇ」 和「それは逆の立場で言う言葉ですよ」 和「早く起きた分は何をしていたんですか?」 優希「えーっとねー……」 優希「40分くらい二度寝してたじぇ」 和「プラスマイナスゼロどころか寧ろマイナスではないですか!」 優希「目覚ましに勝ったことに変わりはない!」 和「どうしてそう胸が張れるんですか……」 優希「のどちゃんは垂れやすそうだじぇ」 和「慣用句ですよ、余計なお世話です」 優希「見てると半分くらい分けて欲しくなるじゅるり……」 和「そういう語尾にもできるんですね」 優希「そーだ、のどちゃん、今日の放課後は暇?」 和「暇じゃないですよ、忘れたんですか?」 優希「じょ?」 和「今日麻雀部に突撃しようって言っていましたよ」 優希「じぇじぇじぇ!?」 和「入学式へ行くときにゆーきが言ったんですが」 優希「んー…………」 優希「そう言えばそんな気がするじぇ」 和「ゆーきが忘れていてどうするんですか」 優希「てへっ☆」 和「てへっ☆じゃないですよ、しっかりしてください」 優希「今の可愛かった!もう一回頼むじぇ!」 和「やったところでどうする気なんですか」 優希「携帯で撮って全世界に発信!」 和「脅迫に使う文句の一例ですよね!?」 優希「のどちゃんのその可愛さはもっと有効活用するべきだと思うじぇ」 優希「グラビア撮影の依頼とか来ないの?」 和「来ませんよ、されてもしません」 優希「そう言うと思って去年の夏に撮っておいたのどちゃんのスクール水着と麻雀部プールに」 優希「遊びに行った時の水着写真を奥っておいたじぇ!」 和「何を勝手にしくさってですかあああああっ!」ガシッ 和「どこに!どこに送ったんですか!」ガシガシッ 優希「うぷっ……ラーメンタコスをリバースしそうだじょ……」 和「朝からどんなものを食べているんですか……」 優希「ラーメンの残り汁にタコスを漬けて食べるんだじぇ」 和「…………シチュータコスよりはマシみたいですが、食文化が違いすぎます」 優希「タコスであれば何でもいけるじぇ!」 和「わかってましたが凄い雑食ですね」 優希「それほどでもないじぇ~」 和「まったく褒めてません」 優希「送ったって言うのは冗談だじょ」 和「そういう冗談ばかり言っていると友人が減りますよ」 優希「のどちゃんがずっと友達でいてくれるから気にしないじぇ」 和「褒めても昼食のタコスしか出ませんよ」 優希「やった!のどちゃん太っ胸!」 和「意味が分かりません」 優希「こう、器が大きい、みたいな?」 和「納得してしまったのが悔しいです」 和「それは太っ腹、というのですよ」 優希「のどちゃん太っ腹!」 和「最近気にしてるんですからやめてください!」 優希「どう言えばいいのかわかんないじょ!?」 優希「閑話休題、須賀京太郎とはどうなったの?」 和「須賀……京太郎?」 優希「例の金髪だじぇ」 和「須賀君、というのですか?」 優希「知らなかった?」 和「……はい、お恥ずかしながら」 優希「クラスは1-B、のどちゃんからのクラスだと少し遠いくらいだじぇ」 和「そんなことを調べてくれたんですか?」 優希「のどちゃんの恩人は私の恩人でもあるからな!」 和「そうですか……ありがとうございます」 優希「いくら教えたところでのどちゃんがヘタレのままじゃ意味ないんだけどね!」 和「うっ…………ゆーきの言う通りです」 優希「そーこーでー!」 優希「今日須賀京太郎を麻雀部に誘ってみるじぇ!」 和「今日ですか!?」 優希「今日だ!」 和「今日なんですか!?」 優希「今日だじぇ!」 和「そ、それは些か急というか……」 優希「今の内に先制攻撃しておかないと、他の部活に入っちゃうじぇ?」 和「ですが、彼と話すのは……っ」 優希「やる前から諦めていたら、何もできない」 優希「恥ずかしい、恐い――――そうやって諦めていたら、須賀京太郎はもっと遠くに離れちゃう」 優希「一回勇気を出すだけ、もう少しだけ精一杯」 優希「のどちゃんなら、多分……ううん、絶対大丈夫だじぇ」 和「優希……」 優希「頑張れ!のどちゃん!」 和「わかりました!私、頑張ります!」 和「今日話しかけて、須賀君を誘います!」 私の隣にいる子は正真正銘ゆーきなのか 学校に着くまでタコスの話を飽くことなく延々と続けるゆーきを見ていると、そんな疑念はいつの間にか消沈していました クラスの下駄箱へ歩く間にB組の方の下駄箱を一瞥して、早速気にしてるじぇ、というゆーきのからかいを一蹴 今度こそはと決意を握りしめて、私の今日は始まりました ところが、彼の身にあんなことが起こっていようなどと この時の私は、知る由もありませんでした―――― ――翌日 「須賀君なら今日風邪で休みだよ」 和「ぇ――――――――――――っ」 和「せっかく……せっかく勇気を出したのに……」 優希「何て言うか、まーそんなこともあるじぇ」 和「はぁ……」 優希「麻雀部に無事入部できて、部長たちもいい先輩で良かったからプラスマイナスゼロってことでいいんじゃないか?」 和「そうですね……」 優希「須賀京太郎の住所も調べたけど、行く?」 和「ちょっとアグレッシブすぎやしませんか」 優希「隣の席の子が同じクラスだったらしいので教えてもらったんだじぇ」 和「よくそこまで聞き出せましたね」 優希「今朝言ったのどちゃんの水着写真二枚あげたら大喜びで働いてくれたじぇ」 和「冗談だと言っていたではないですか!何しているんですか貴方はぁっ!」ガシッ 和「去年もその写真を男子に一枚二千円で売っていましたよね!そろそろ懲りましょうよ!」ガシガシッ 優希「ううっ、揺れる空がデジャブだじょ……」 和「そろそろ腕が痛くなってきました」 優希「のどちゃん太りがちだからいい運動になるじぇ」 和「気にしなくて結構ですよ!」 ――翌日、昼休み 「須賀君なら、他の教室に行ったみたいだけど?」 和「アッハイ」 ――また翌日、昼休み 「今日は須賀君いるよ、呼んでこようか?」 和「え………………」 和「あ………………………………」 和「う………………………………………………」 和「ふ、腹痛が痛いので今日はやめておきます……」 ――そのまた翌日、昼休み 和「行って来ます!」 優希「頑張れのどちゃん!草葉の陰から見守ってるじぇ!」 和「物陰から見守っていてください」 和「……すぅー」 和「はぁー……」 和「…………」 和「はぁー…………」 和「はぁー……………………」 京太郎「よっ、原村さん」 和「!?」 和「ごほっ、げほっ、えほっ、げぼぉっ!」 京太郎「女の子らしからぬ声!?原村さん大丈夫!?」 和「……はぁっ、はい、大丈夫です、至って問題ありません」 京太郎「そっか、病気かと思ってヒヤヒヤしたぜ」 和「……あの、どうして私のことを……」 京太郎「ほら原村さん有名人だし、昨日俺に用があったんでしょ?」 和「あ……はい」 京太郎「立ち話も難だ、学食行こうぜ」 和「お昼ご飯でしたら私が払います」 京太郎「ははっ、そんなのいいよ」 京太郎「女の子に払ってもらうなんて真似させられないもんな」 和「いえ、お礼をさせてください!」 京太郎「お礼……って、そんなん寧ろ……」 京太郎「…………!」ピコーン 京太郎「じゃあ一つ頼みごと、いいかな?」 和「はい!」 和「レディースランチです」 京太郎「ありがと!原村さんは頼まなかったの?」 和「私はお弁当がありますので」 京太郎「もしかして自作?」 和「……はい」 京太郎「すっげー!やっぱ原村さんって何でもできるんだな!」 和「そんなことありませんよ」 京太郎「いやいや、だってすごく美味そうだぜそのお弁当」 京太郎「可愛い、スタイルいい、お弁当もおいしそう、勉強できる、運動もできる、麻雀が強い!完っ璧だろ?」 和「いえ、その……可愛いなんて…………」カァァ 須賀君はまるで、昔からの友人であるかのように、私と話してくれました 私がどもっても話し出すのを待ってくれて、しっかりと応答してくれて、とても楽しそうに私との会話を続けてくれる 会話の内容は、お互いの自己紹介に始まり、中学校のことや、あの日のこと 彼と和やかな雰囲気で過ごす昼休みは至福に感じられました ゆーきや他の生徒の視線も忘れて、彼との会話を楽しみました 京太郎「原村さんに消しゴム渡した後、照れくさくなっちゃったんだよ」 京太郎「ほら、原村さん可愛いから」 京太郎「テレビにも出てるの知ってて、テスト中に気付いた」 京太郎「それから休み時間に原村さんの隣にいるのがなんか恥ずかしくて」 和「ああ、通りで……」 京太郎「気分悪かったよな、ごめん」 和「全く全然これっぽっちも……少し不思議でしたが」 京太郎「でっすよねー」 京太郎「原村さん五限何?」 和「数Ⅰですね」 京太郎「そっか、俺は化学で別棟だからさよならだ」 京太郎「トレー下げてくるよ、じゃあね」 和「あっ…………す、須賀君!」 背中を向けた彼に、声を 教室の前で話しかけるのに、勇気は不必要でした 彼との会話に、恐怖は感じませんでした 羞恥も感じませんでした 彼の先回りが私から臆することを忘れさせてくれたのです けれど、これからの私の発言は彼が知りもしないこと 彼の先回りのしようのないこと つまり、私自身で勇気を出して、恐怖も羞恥も取り払わなければならないこと 「一回勇気を出すだけ、もう少しだけ精一杯」 一歩だけ、足を踏み出そう 振り向いた彼に、声を 和「入試の日!本当にありがとうございました!」 和「感謝しきれないほど、ありがとうございました!」 和「あ、あと!話は変わりますが……」 和「私と……私と、麻雀部に入ってくれませんか?」 京太郎「うん、いいよ」 和「二つ返事!?」 続く