約 969,080 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5670.html
664 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[sage] 投稿日:2014/06/03(火) 00 29 47.75 ID Eq/2EbiA0 [2/8] 優希「京太郎ー!」 京太郎「なんだ?」 優希「タコス、欲しいじぇ」 京太郎「おう、大丈夫だぜ」スッ 優希「流石だ!」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 666 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 00 32 35.67 ID Eq/2EbiA0 [3/8] 優希 77 0~50 和 51~70 まこ 71~80 久 81~99 優希 671 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 00 35 35.40 ID Eq/2EbiA0 [4/8] 京太郎「あ、先輩」 まこ「ほれ、水やる」ヒュッ 京太郎「ありがとうございます」パシッ まこ「疲れてる顔をしとるからのぉ」 まこ「気、ぬくなよ?」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 674 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 00 37 28.94 ID Eq/2EbiA0 [5/8] まこ 114 咲「二人目……」ボソッ 0~30 和 31~60 久 61~99 和 676 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 00 39 21.25 ID Eq/2EbiA0 [6/8] ゆーきだった 優希「ひまだじぇー」 優希「構え京太郎~」 京太郎「鬼ごっこするか」 優希「こいつ馬鹿だじぇ!」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 679 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[sage] 投稿日:2014/06/03(火) 00 40 52.64 ID Eq/2EbiA0 [7/8] 優希 97 咲「三人目……」 0~50 和 51~99 久 682 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 00 42 50.45 ID Eq/2EbiA0 [8/8] 久「ごめんね、須加君……」 久「全国終わったら雑用なんてしなくてもいいわ」 京太郎「いいんですよ、俺の気持ちですから」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 685 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 00 46 01.99 ID l3pYIff30 [1/3] 久92 咲「四人目だね」 京太郎「お、もう着くな」 和「京太郎君」ギュッ 京太郎「ほぁ!」 和「どうしましたか?」 和「早く行きましょう」 京太郎「お、おう」 和「ふふっ……」チラッ 咲「……す」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 和「っ!」ゾクゾク 0~30 小 31~60 中 61~99 大 689 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 00 48 42.15 ID l3pYIff30 [2/3] 和 142 咲「もう、五人目かぁ……新幹線は楽しいね」ボソッ ーーー 京太郎「よし、旅館に着いたぞ」 京太郎「少しウロウロするか」 0~30 千里山 31~60 白糸台 61~99 龍門渕 699 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 01 46 11.57 ID PHOoj5Bf0 [1/2] 最初に和だったら接触はそこで終わってたんだよね これも運命 淡「へぇ……あなたが照の……」 菫「こらっ淡、ジロジロ見るな」 淡「ごめんねー」 京太郎「いーよ、別に」 尭深「……」ズズッ 誠子「へぇ……」 安価下1 淡 安価下2 尭深 安価下3 誠子 703 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 01 49 08.36 ID PHOoj5Bf0 [2/2] 京太郎「いい人達だったな」 0~50 千里山 51~99 龍門渕 705 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 01 53 53.68 ID l3pYIff30 [3/3] 淡 45 尭深 81 誠子 76 セーラ「お、強そうな男やな」 セーラ「俺と勝負や!」 京太郎「勘弁してくださいよ……知らない人」 怜「あんたは……」 京太郎「あなたは……どこかで会ったような……」 怜「うちもそんな気がするわ」 浩子「ついに壊れてもうた……」シクシク 泉「んな、おおげさな」 竜華「うち……出遅れた?」 安価下1怜 安価下2セーラ 安価下3浩子 安価下4竜華 安価下5泉 712 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 02 01 16.13 ID iqGYEoLp0 咲「6人目だね、悲しいよ」 怜 60 セーラ 15 浩子 100 竜華 60 泉 41 ーーー 京太郎「うわ、子供だ」 衣「愚弄するではない下郎!」 透華「これだから庶民は……」 一「いくらなんでも失礼だよ」 ハギヨシ「あなたは……京太郎君ですか」 京太郎「あっ……ハギヨシさん」 純「んだよっ?」 智紀「京太郎……君」 安価下1 衣 安価下2 透華 安価下3 一 安価下4 純 安価下5 智紀 718 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 02 07 52.68 ID gLI3ocVk0 咲「7」 照、優希、まこ、久、和、浩子、智紀 衣 50 とーか 32 一 76 純 20 智紀 149(強制) 京太郎「いろいろな人と知り合いになったな、照はインタビューで忙しいらしいから誰かを飯に誘うか」 ーーー 怜「で、私達か」 淡「変なのー」 衣「?」 一「僕もだよーへんなのー」 京太郎「まぁまぁ、食べましょうよ」 怜「仕方ないわー」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 720 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 02 11 21.25 ID qfxE8dsB0 [1/2] 衣70 一 96 怜80 淡 65 咲「これで8」 照、優希、まこ、久、和、浩子、智紀、一 衣「まだ遊びたい!」 京太郎「マジで!?」 怜「接点なさすぎて気が引けるわ」 淡「私達会話らしい会話してないよね」 一「僕はもう寝るよ」 0~30 そのままレストラン滞在 31~60 移動 61~99 京太郎の部屋 722 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 02 14 48.00 ID qfxE8dsB0 [2/2] 咲「11、急展開すぎるよ」 怜 110 淡 95 衣 100 怜「なんで男の部屋にいるんや……うち///」 淡「へー京太郎だけなんだ」 衣「……」スヤスヤ 京太郎「寝るなぁ!」 怜「うるさいわ」 淡「かっこ良くみえてきたよー」 怜「それは言えてるわ」 京太郎「……?」 一日が終わりました 729 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 08 56 16.36 ID rJNI2DIB0 [1/4] 京太郎「ふぅ、なんとか帰ってもらえたぜ」 prrrrrrr 京太郎「あ、電話だ」 自由安価下2 733 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 09 08 03.05 ID rJNI2DIB0 [2/4] 照「もしもし」 京太郎「もしもし」 照「インタビュー疲れた」 京太郎「あはは、お疲れ様」 京太郎「今度見させてもらうよ」 照「見ない方がいい」 京太郎「どうして?」 照「私が恥ずかしい」 京太郎「今度見させてもらうわ」 照「やめて」 734 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 09 12 48.23 ID rJNI2DIB0 [3/4] 朝 京太郎「うーん朝だ」 京太郎「選考会も終わったしどうしようか」 0~30 宮守 31~60 鶴賀 61~99 臨海 736 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 09 20 27.85 ID w55c4VoA0 [1/2] エイスリン「!」 京太郎「ん?」 エイスリン「……」カキカキ バッ エイスリン「!」 京太郎「迷子?」 ーーー 京太郎「ふぅ……」 胡桃「心配したよ!」 エイスリン「ミンナ!!」 豊音「良かったよ~」 シロ「だるっ……」 塞「良かった……」 シロ「……ありがとうそこの男の人」 京太郎「いえいえ」 安価下1 シロ 安価下2 エイスリン 安価下3 胡桃 安価下4 塞 安価下5 豊音 743 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 09 26 15.22 ID rJNI2DIB0 [4/4] 咲「12」 シロ 12 エイスリン 93 胡桃 70 塞 50 豊音 37 京太郎「人助けした後は気持ちがいいな」 京太郎「さて、水でも買いに……」 鶴賀0~50 51~99 臨海 745 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 09 34 04.15 ID v8zyORgi0 智美「ワハハお前清澄の雑用だな~」 京太郎「ひ、ひどい!」 京太郎「どうして鶴賀の皆さんがここに?」 ゆみ「まぁ……夏休みだし」 佳織「あはは~」 モモ「……」ユラッ 睦月「うむ」 安価下1 睦月 安価下2 智美 安価下3 佳織 安価下4 ゆみ 安価下5 モモ 753 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 10 45 11.02 ID w55c4VoA0 [2/2] 咲「15」 咲「選ぶ事も大事かもね」 睦月 96 智美 71 佳織 100 ゆみ 65 モモ 94 ーーー 京太郎「うわっ外人の人ばかり……」 智葉「道を尋ねたい」 京太郎「あ、あっちですよー」 ダヴァン「たすかりまース」 ネリー「ありがとねー」 明華「……」ペコッ ハオ「……」 安価下1 智葉 安価下2 ハオ 安価下3 明華 安価下4 ダヴァン 安価下5 ネリー 766 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 17 43 02.19 ID mpWAvxP2O 咲「16……肌の色は関係ないよ」 智葉 41 ハオ 25 明華 26 ダヴァン 149 ネリー 31 ーーー 京太郎「よし、昼になったな」 「ーーー」 一緒にご飯を食べるのは? 自由安価 安価下2 771 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 18 27 37.67 ID 5zy0Ci96O [1/6] 衣「昼食か、よかろう」 京太郎「……」 たまたま会ったからなんて言えないわな。 ーーー 衣「中々美味しいな」 京太郎「中々ってなんだよ」 衣「ところで、好いている女子はいるのか?」 京太郎「いるよ、とっても綺麗な人が」 衣「そうか……」 ーーー 咲「衣ちゃんかぁ……」 咲「輪廻の果てまで呪ってあげるよ」 咲「その先に花は咲くのかな?」 ーーー 好感度上昇安価 衣 0~30 小 31~60 中 61~99 大 774 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 18 35 33.99 ID 5zy0Ci96O [2/6] 衣 125 咲「もう手遅れだよ、衣ちゃん」 咲「衣ちゃんは周りを不幸にするんだ」 ーーー 京太郎「さて、どうしようかな」 夕方 0~50 永水 51~99 姫松 776 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 18 39 40.18 ID 5zy0Ci96O [3/6] 姫松Vや(ry 洋榎「ほれ、絹金髪がおるで」 絹恵「こらお姉ちゃん!失礼やで!」 京太郎「俺!?」 由子「うるさいのよー金髪君」 京太郎「あなたも金髪がじゃないですか」 漫「同じ臭いを感じるわ……」 恭子「なにしてるんやろ、私達」 安価下1 漫 安価下2 由子 安価下3 ネキ 安価下4 絹恵 安価下5 恭子 786 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 18 47 21.13 ID 5zy0Ci96O [4/6] 漫 144 由子 149 ネキ56 絹恵9 恭子19 咲「18」 咲「一人だけ天に愛されている人がいるね」 咲「あははっずるいなぁ」 ーーー 京太郎「!」 京太郎「おもち!!!」 京太郎「バスト!おもち!胸!Yes!!!」 霞「ふふっ、面白い人ね」 小蒔「……」スヤスヤ 春「……」ポリポリ 巴「なんかジロジロ見てるよあの人」 初美「私の身体が目当てですかー?」 それは無い。 安価下1 小蒔 安価下2 巴 安価下3 春 安価下4 初美 安価下5 霞 793 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 18 53 11.67 ID 5zy0Ci96O [5/6] 小蒔 40 巴 93 春62 初美54 霞73 咲「19」 咲「この人達はアクが強いね」 ーーー 京太郎「色んな高校の人と会ったなぁ」 0~50 阿知賀 51~99 新道寺 796 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 18 57 59.78 ID 5zy0Ci96O [6/6] 憧「シズ~」 京太郎「どうしたんですか?」 憧「迷子の友達を探してて」 穏乃「私は迷子にならないよ」ヒョイッ 憧「あはは、ごめんごめん」 灼「……」 玄「同士の匂いがしますのだ」 宥「?」 安価下1 玄 安価下2 宥 安価下3 憧 安価下4 灼 安価下5 穏乃 822 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 23 40 51.71 ID Eq/2EbiAO 咲「20」 咲「胸って邪魔だよね」 玄 97 宥 43 憧 85 灼 81 穏乃 89 ーーー 京太郎「おお、可愛い制服だな」 煌「そこのあなた、それはすばらですね」 煌「私もそう思います」 京太郎「はい、新道寺の制服は素晴らしいと思います」 姫子「あはは、そんな人始めてよ」 美子「……」 仁美「変態」 京太郎「……」グサッ 安価下1 煌 安価下2 美子 安価下3 仁美 安価下4 姫子 安価下5 哩 哩「行くぞ~」 830 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 01 10 34.92 ID RUAhiXH+O [1/4] 咲「へぇ」 煌 75 美子 36 仁美 1 姫子16 哩 42 ーーー 照、優希、まこ、久、和、浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、玄 咲「ぜんぶ、全部京ちゃんの所為だからね」 ;,. ;,. ;, ; ;, .; ,. ;,... ...; ;..... ; ;;... .... ;. , ;, . . ,,, ; ;,,,,., ; ,., ;; .,. ; ,;. ;, .; ,;,.; ;. ;,. ., , ; ,;, .,;.;;., .;, , .;.. ;.. ,,. . . . ̄ . . .. .、 ; ; ; ; ;; rァ ,,., ; ; ; ; ;; ; ; ; ;,. ; ;,;. ;, .;, , ..;,. . ,;. ,,;.;. ,;.. ー-=‐''" ...... .. . . .. . . .. . ...丶 ,. ;., ., ,.;., .;, ,;. ; ,;.;., .;;.;..,;. .;, ;..; , , ;.. `¨ラ.. . . . . . . . . . .. . . ヾ 、 ;, .;, ;.;,.;, ;,. ; ; , .;. ;, .;, ; ;.;,;. ,;. . ;,.. /. / .. i] .. . i . ... . . . .. ' ヽ . -イ , .;, .; ,;. ; ;., ;.;;.,; .;, ;, , . ;.. .. ;, ;.. ./.. /.. . ..|A . | ハ l l } / .l ;,; ;,. ;,.;,... ;, .;, ;. ,,.;..; ,;. ;; ;,. ; 厶イ / '.ニ\ |/○}イ ィ N .l ノ ,.; ,;.,. ,;. ;.;.;;. ,;. ;, , .;, ..; ,;., .; |Λ 〔ト、'.ニニヽ|-ニニノイノ .ノ }. 斗' ; ;,. ;,. ,; , . .;. .; ;, ;. ,; ;. , , .; ノ) `} 入 /ン ´ ; ,.; ; .;, .; , ., . , .;, ;. ,; ;. ; ` }Λ{ .>r--- ´l<_ , ,;. ; ,; .;..;, ;. ,; .;, ;. ; ___ r--y''"´ | ノ  ̄二二ヽ . -‐'フ ., .; , ,;. ;. , . ,;. ,;... ; ./ ) .| ‘. ̄´ / .ィ⌒ 、 ヽ'く / '',, ,; .;.;, ;. ;, ;, ; ,; .. l 厂 ̄ Λ ‘. ./ .イl7 、 ` ァ ; ., ;. ,; ;. ;, ;... . . ... ,; ,.. ヾ イ \ ‘ / .ィl| |ル \/ ,....., , ;. , ;, .;;.......;, ;, ;. ;,,,.; , .,,... く\ .|弋≧=彡□≦=-彡 、 /ム ,.., .;, .;, ,;. ; ,;. .;;.;, ;, , .;.;;., ; , , , ;..;.;, ;. \\ |  ̄ /liノ心 〕ト、//ヽl ,.,, ;,. ;, ;., ;. , .,. ,; ーーー 深夜 京太郎「これが深夜の東京か、中々エロチックだな」 健夜「うひゃー!疲れたー!」 健夜「酒だ酒だー!」 理沙「うるさい!」プンスコ 咏「これ、一般人に見られたらまずいんじゃね?知らねーけど」 はやり「はやりには関係ないかなっ☆」 良子「その時はゴートゥーザハウスをさせてもらいますね」 安価下1 健夜 安価下2 理沙 安価下3 咏 安価下4 良子 安価下5 はやり 839 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 01 23 07.30 ID UJn6pLPMO 清澄編もこのスレでの完結は無理になったなー 咲「……」 咲「流石にその人たちはノーカウントかな」 咲「深すぎる業は身を壊す」 咲「あの人達場合、別の枷が壊れてるよ」 ーーー 京太郎「咏さん、近いですって」 健夜「……」 咏「それくらい大丈夫だよ、知らねーけど」スリスリ 健夜「……」 良子「そろそろ帰りますよ」 はやり「ルー語やめたのかなっ☆」 理沙「帰る!」プンスコ 健夜 53 理沙16 咏 149 良子 53 はやり 76 ーーー 部屋 京太郎「はぁ……疲れた」 コンコンッ 京太郎「ん?」 京太郎「はーい」ガチャ 自由安価 安価下2 843 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 01 34 14.77 ID RUAhiXH+O [2/4] 咲「……」 咲「いい夢はみれたのかな?」 ーーー 京太郎「部長?」 ガチャ 久「須賀君」 京太郎「どうしましたか?」 久「入ってもいいかしら?」 京太郎「少しなら大丈夫ですよ」 久「……」ニヤッ ギュゥ 久「今までありがとう……決勝……応援してね」 京太郎「部長……やめてください」 久「私だけを応援して欲しいの」 京太郎「それは……ごめんなさい」 久「そんなーー」 久「咲……なの?」 久「それとも和?」 京太郎「……」 京太郎「ごめんなさい」 久「……」ポロポロ ガチャ 京太郎「っ!」 咲「部長、何してるんですか?そんな所で」 咲「はやく、帰りますよ」 久「っっっ!」 咲「はやく、帰りますよ」 一日が終わりました 845 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 01 36 45.80 ID RUAhiXH+O [3/4] 京太郎「よし、今日は決勝だ」 京太郎「必死に応援しないと!」 ーーー 京太郎「誰かに会おう」 誰に会う? 自由安価 安価下2 848 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 01 39 36.57 ID RUAhiXH+O [4/4] ダダッ 京太郎「照!」 照「!」 照「京太郎……」 京太郎「頑張ってくれ!」 京太郎「負けるなよ!」 照「……」 照「うん。全力でがんばる」 京太郎「俺は清澄だけど……やっぱり照が一番なんだ」 照「分かってる」 ーーー 咲「……」 咲「やっぱり酷い目にあってもらわないと」 862 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 01 53 43.23 ID ChAR4PypO [1/2] クッソ有能なドラゴンロード } }'////////} } リ////////} /\ {! ////////// //\\ {∨///////// // \\ {////////// // \\ {///////// //\\ {//////// // \\ 〉/////〈 // \\ ム//////ゝ // \ 人///人 / /\\ 〃////ヽ ,/{ // \\ {//////リ/ ! // \ \ V///// `ニ=- - /// ヽ /////ハ ( /-‐=‐-‐=‐-‐=ー-\=ー-‐=ニ〈////// 〉Y⌒\ー‐=/‐=‐--‐=‐--‐=‐--‐=‐-ニ=‐-‐=‐-‐=‐‐-‐=ー-‐=‐-‐|`¨TT¨´|=|-‐=‐-‐=‐--‐=‐-‐=‐-‐=‐-‐=‐-=-二二二二ニニニニニニニニニニニl !=l │ニニニニニニニニニニニニニニニニ二二二/\‐=ニ=‐-‐-‐=‐‐-‐=ー-‐-┤ lニl l-‐=‐--‐=‐--‐=‐--‐=‐--‐=‐-/∠\\ニニニニニニニニニニニニニl lニニl lニニニニニニニニニニニニニニニニニニ//ニニ┏━━━囗┏━━━囗┏━━囗┏━━囗┏━━囗┏━━囗┗━━┓囗┗━━┓囗┗━┓囗┗━┓囗┗━┓囗┗━┓囗 ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃┏┓┏┓┏┓ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃┗┛┗┛┗┛┏━━┛┃┏━━┛┃┏━┛┃┏━┛┃┏━┛┃┏━┛┃┗━━━┛┗━━━┛┗━━┛┗━━┛┗━━┛┗━━┛ 穏乃「……」 咲「完璧に封じられた……」 穏乃「ロン」 恒子「逆転だー!!!」 健夜「得点こそ宮永咲さんと宮永照さんがすごかったですが、阿知賀の全体の力、そして穏乃さんの後半戦からの驚くべき巻き返しが効いたと思います」 恒子「優勝は阿知賀だー!!!」 健夜「おめでとうございます」 穏乃「やったー!」 ,-マ ,廴__ \ γ==‐ 入. \ーュ、 ̄`ヽ ム - ` { \_ く.| ̄` V ´ ` 、 \. `寸‐二八 ト、 / / \ \ \ ヽ // 勹ュ ′ / / ,ィ ヽ \ ヽ__ // /./二\ /| \/ / / / ハ ヘ ` ー-_- __ `寸ニ/ノ /二二ハ. |λ ! ,l / \| i ;.イ / | ヾー- 、 ` 、-- _‐-、 守三ヲ二二二入 lハ | ハト、i |_|ヽ | |/ || | ト、 \ ` 、 ヽ `ヾ、 マ二二二二二ニヽュ_ V´.| l ,ィ示心ト、ハ| -┼| | | |トヽー-- \ \ `. `寺二二二二二ヘ\八 ハヘ. 弋_ツ ヽン芯ムイ ./| | j! ヾ. \ \. `寸二二二二ヽニマ.迅ヘハ "" .辷ツ/|_j厶レ'二≧、ヾ ヽ ハ ` 二二二二{ニ.ハ、ヾ、| Y`ー、_ ' ∧ |二/ムァ‐ 、二ヽ\、 } | \二二ニ./ニヘヽ.|ト、`ー_'_ ィニ∧、〈 { / / /ヽニ{ ノ / \二/二二二リ「} ̄二ニ/ニ/ニ.ヾ、>ニュ{_ム}‐' _/ / |_/二二二二 ||二二ニレニ.厶ィ´ } | ー―‐z/ |二二二二二ニ||二二ニ厂 リ |二二二二二ニ||二二./ |二二二二二ニ||二ニ./ λ二二二二ニ ||ニニ./ ハ.}二二二二ニ/'二 /\ 二二二二二./'二 /ト、ニヽ |二二二二二.{{二ニノ ヾュニ} |二二二二二.ハヤ二二二ノタ |二 「l二二二二ヾ二ニ/.,イ |二 |.|二二二二ニ}} /./ ' 八二l」二二二二_ム' / ト、 }二二≦==‐rヘ´ .|ヾュ、 865 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 01 56 24.91 ID ChAR4PypO [2/2] 淡「うぅ……負けた」 淡「二回も負けたよぉ……」 /. . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヽ // . . . . . . . . . . ゙、 i. . / . . . .| ゙、 ノ, // ;.ィ ∧ | ゙、 /イ. / / . // // 、 ;、 | . i ( ( i/ / / // // i | | | ! |゙、 シ;.ィ / / / // ! |/ | | | ゙、 r;='"´//i //ーメ _ ! /__,..」 ! | | ヽ, リ / !イ ハ! .,ィ=≧ミ、 ,/._,∠二/!| ! | ノ ,..- .‐ .' .´ ノ| ;、'^ 〈 !; i゛ //イ! ;レ7 /i| ! ;! / i r―ー-‐'"/ ! i .丶.i ヒ二⊥ ,/ /ヲ- !/ ;! / /リ. | | ノィー| |‐-‐'゙、 """ レ′ / / / // ー=ノノー---< ,.┤ | .| \ ' _ノ/ /、 '" `ヽ、 / ! | | iー- 、` ´ _,..-‐'/ /  ̄/7ヽ, \/ ゙、 !| |  ̄,. '.;"´ / // /ヽ / ゙、゛、 |_ //;.イ´ // ゙、 / ヽ ヽヾ ト、 ` i / ̄/ // | r'"´ \ ト、、 ! フノ―/ /// i |. ゙、. |`i 、゛、. i'"´ / // / i... ; ヽ ゙、. | i \\ i / // /_ // ゙、 |、ヽ λ | \\! / // / ̄ノ l ネリー「手も足も出なかったよ……」 咲「くそっ……」 867 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 02 38.86 ID s2AR7eXmO [2/4] --……-- r―‐⌒ヾ \ |∨ \ \ |/゚ 。 \. . . . . . . . . . . . . . . / \ . . . . \ . . . . . . . . . . . . . . 。 // / \ . . . . . . . . . ` .o。 . . . . . . . . . . . i ゚. /イ / . . .イ . . ー┬--- . . . __ .` . .o。 . . . . .|. ..。 i{ | ′ . .'{_|_ . . . | リV . . . . . . } .>匕、 \j--i || |/ . . ∧}リ≫┘o。v――'’xr示=ミト、 . .\}、 リ { . . . .|! ‘, ィ芹≧ュ ’|イi//| 》、 。 . . .ぃ、 | . . . . .「`ヽ《乂_゚ツ ゞ= '゚ リ/リ゚。 . .ト、i | . . . .小 , , ' , , / . . .∧ .} リ l. . . . . | }ゝ-! jハ . . . j/} .| 。. . . { { j 八 -==ァ イ }/ j ノ ゚ 。.リ \{≧ュ。. ィ jソ ″ / ゞ イニ} ` ´ {ニヽ ィニ// ゝ|ニ\_ ┬==≦ニ/ニ7____ __,.|ニニムニニニニニlヽ /ニ|ニニニ/ニニニ|`-―――‐一´|ニニニムニニニニ|ニム. /ニニ |ニ7ニニニニニ| |ニニニニ}ニニニ=|ニム 晴絵「おめでとう……皆」 晴絵「あれっ……?」ポロッ 晴絵「涙が……」ポロポロ 全員「……!」 ーーー 夜 ホテル 京太郎「皆、お疲れ」 久「ひっく……うぅ……ひっく」 久「皆……ありがとぉ……」ポロポロ 優希「うわーん!私がもっとしっかりしていればぁ……」ポロポロ 和「……」ポロポロ まこ「悔しい……のぅ」 咲「……」 京太郎「本当……すごかったよ」 俺は思ってもいなかった……ここから悪夢が、眠れない夜が始まるだなんてーー 870 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 05 38.39 ID s2AR7eXmO [3/4] 咲「さて、これとそれでは話は別だよ」 咲「今日はリストの全員始末するって決めたんだ♪」 咲「少し疲れるけど頑張るよー!」 京太郎「咲……?」 咲「照、優希、まこ、久、和、浩子、智紀、一、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、玄 」 咲「誰から行く?」 安価下2 照、優希、まこ、久、和、浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、玄、限定 全員が選び終わるまで終わりません 879 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 15 35.59 ID PGbvE1JAO 咲「あーあ、負けちゃった」 咲「皆役にたたなかったよ」 咲「私以外マイナス収支ってどういうこと?」 咲「みんなー!!きいてください、部長は前日の深夜に京ちゃんに告白していましたー」 咲「そんな人が部長……ってどういうことですか?」 優希「……」ギロッ 久「ひっ……違うのよ……」 和「どうしようもない人ですね」 まこ「……なんじゃそれ、わしがアホらしくなってしまったわ」 久「ごめんなさいごめんなさい!」ダッ 京太郎「部長!」 まこ「ほっとけ」 ーーー 別室 久「ひっく……ひっく」 咲「本当都合がいいですね、部長」 久「っ!」 咲「この私が見えるってことは、もうギリギリですね」 咲「部長」ギュッ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 咲「永遠に、人と関わらないでください……迷惑です」 久「あーー」 久「私なんかいない方がーー」 彼女はこれからずっと家から出なくなってしまった。 暴飲暴食、惰眠を家で貪り、親の金に手を出し、株で失敗……一家心中。 ーーー 咲「終わったね♪」 京太郎「?」 咲「京ちゃんは黙っててよ」 咲「優希、まこ、久、和、浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、玄、の中から選んでね」 安価下2 884 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 23 26.75 ID rW9z/Mc9O [1/3] 一週間後 通学路 和「私は……」トボトボ 須賀君にフられて……更に転校…… 和「もう駄目ですね」 咲「……」 和「宮永さんーー!」 気付いた時には遅かった、彼女の手にはとても鋭いカミソリと包丁…… 体が動かない、激痛で叫んでいるのに誰も来ないし、見つからない。 ゆっくりと、ゆっくりと……鋭利なカミソリで痛め付け、包丁で確実に。 私の物が落とされて行く。 咲「胸なんて、邪魔だよね」 ーーー 咲「確認完了したよ」 京太郎「……?」 咲「優希、まこ、久、和、浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、玄、選んでね」 安価下2 890 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 29 57.93 ID rW9z/Mc9O [2/3] 咲「ごめんね、優希ちゃん」 京太郎「え?」 優希「もう、嫌だじぇ」ガツガツ 京太郎「おい優希!食い過ぎ……!」 優希「うるさい!」ガツガツ 京太郎「これって……」 過食症……? ーーその後優希は過食をしては嘔吐を繰り返し、人として壊れていってしまったのだ。 ーーー 咲「まこ、浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、玄、選んでね」 安価下2 894 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 35 43.34 ID rW9z/Mc9O [3/3] まこ「みんなおかしくなってしまった……」 まこ「のう……咲お前さんの発言から狂って行ったぞ」 まこ「優希、食うのはやめい!」 優希「……」ガツガツ 咲「……」 咲「必要ない人です」 まこ「なっ!」 まこ「ーー」 咲「ほら、誰からも認識されなくなった」 京太郎「咲……?」 咲「京ちゃんは別かも知れませんね」 京太郎「お前何をしてるんだ!?」 和(私は関係ないですね……) ーーー 咲「浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、玄、選んでね」 自由安価下2 902 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 41 03.27 ID K5FUaRybO 咲「和ちゃんはとっておきだよ」 ーーー ホテル、ロビー 玄「優勝嬉しいなー」 暴漢「……」ニヤニヤ 玄「え……?」 その後彼女は自殺。 自分のした行いの重さに気づきもせず、無様に散って行った。 ーーー 咲「私の思うがままだよ」 咲「浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、選んでね」 安価下2 907 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 46 43.25 ID 6MZ+bfP0O [1/2] モモ「……」 モモ「本当に誰も相手してくれない」 モモ「誰も私を認識しない」 モモ「どうしろっていうんすか?」 モモ「きょーさん」 ーーー 咲「あのひと、気持ち悪いってずっと思ってたんだ」 咲「浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、ダヴァン、漫、由子、巴、選んでね」 936 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 12 25 25.48 ID vamhsYyrO [2/4] ミス 佳織でした 咲「……麻雀素人さんだ」 咲「ちょっと待っててね京ちゃん」 京太郎「咲……?」 ーーー 佳織「決勝……凄い戦いだったなー」 佳織「私も頑張らないと……!」 咲「それ、無理ですよ」 佳織「え、え、え?」 咲「打ちましょう、人は居ますから」 智美「……」 ゆみ「……」 ーーー 咲「もう一局」 ーーー 咲「もう一局」 ーーー 佳織「ね、ねぇ……もうやめて」プルプル 咲「もう一局」 ーーー 佳織「ご、ごめんなさい……ごめんなさい…………」ブツブツ 咲「もう二度と牌に触らないでくださいね」ニコッ 937 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 12 28 25.54 ID vamhsYyrO [3/4] 淡「……あなたは」 咲「……」 淡「照の妹」 咲「そんな事はもうどうでもいいよ」 淡「じゃあ何?」 咲「あなたにはこの先必ず不幸な目に会う運命を与えるよ」 淡「頭大丈夫?」 咲「幸せの絶頂から叩き落とす類のね」 淡「変なのーじゃぁね」 咲「うん、バイバイ」 ーーー 咲「浩子、智紀、一 、怜、衣、エイスリン、睦月、ダヴァン、漫、由子、巴、選んでね」 939 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 12 34 24.17 ID vamhsYyrO [4/4] 浩子「あんた……清澄の」 咲「知ってますか?」 咲「醜いアヒルの子」 浩子「知っとるけどそれがどうしたんや?」 咲「まるであなたですね……」 浩子「大きなお世話や、いてまうぞ」 サクッ 咲「……」 浩子「ど、どうして……?」 浩子「どうして……ですか?」 浩子「監督……」ドサッ 咲「ふふふ……」 ーーー 咲「智紀、一 、怜、衣、エイスリン、睦月、ダヴァン、漫、由子、巴、選んでね」 安価下 941 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 12 44 38.28 ID cRlxUZLeO [1/2] エイスリン「……」 咲「こんばんは」 エイスリン「!」 咲「あ、何も書かなくて大丈夫ですよ」 咲「ほら」ガララッ 咲「戦犯のあなたは死んだ方がマシだと思います」 咲「はい、飛び降りて」 エイスリン「っ!」 咲「ほらっ手伝ってあげますから、姉帯豊音さんもそのつもりのようですし」 豊音「……」 エイスリン「シローー!」 ーーー 咲「はぁ……面倒だったなぁ、最後まで暴れちゃってさ」 咲「さぁ次は」 咲「智紀、一 、怜、衣、睦月、ダヴァン、漫、由子、巴、選んでね」 安価下 943 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 12 51 32.16 ID cRlxUZLeO [2/2] 巴「あの時から体がおかしいなぁ……」 咲「清澄と対局した時から」 巴「!!!」 咲「もうておくれですよ」 咲「さぁ、最後の一局打ちましょう」 ーーー 巴「……」 咲「あなたにとっては大きすぎる力でしたね」 巴「あ……あ」 咲「可哀想に……壊れちゃったよ」 ーーー 咲「智紀、一 、怜、衣、睦月、ダヴァン、漫、由子、選んでね」 安価下 947 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 16 48 29.31 ID fFh7E8ASO [1/9] 智紀「誰……?」 咲「こんばんはー」 智紀「……」 咲「どうして無視するんですか?」 智紀「さっきから皆の様子がおかしい」 智紀「いきなり倒れこむように寝て……」 咲「あなたも寝ましょうよ」 智紀「断る」 咲「いや、もう遅いです」 智紀「……!」 ガクゥッ 咲「足……使えなくしました」 智紀「うそ……?」 咲「不思議ですよね、こんな力」 ーーー 咲「一、怜、睦月、ダヴァン、漫、由子、巴、衣、選んでね」 安価下 949 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/06/04(水) 17 02 48.77 ID fFh7E8ASO [2/9] 咲「あ、戦犯の人だ」 ダヴァン「!!」 ダヴァン「oh……宮永さんですかー」 咲「その名前で呼ぶのはやめてね」 ダヴァン「それは失礼しましター」 咲「じゃあ……どうします?」 ダヴァン「どうするとは?」 咲「この場で死ぬか」コトッ ダヴァン「!!!」 咲「あなたが住んでいたスラムに戻るか」 咲「あ、私を殺そうとしても無駄ですよ」 咲「あなたとその仲間が死んでしまう」 ダヴァン「……ハイ」 ーーー 咲「自殺を選んだよ、空気の読める人は好きだなー」 咲「智紀、一、怜、衣、睦月、漫、由子、選んでね」 951 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 17 06 27.47 ID fFh7E8ASO [3/9] 咲「ちっ……」 咲「今回は諦めてあげる」 咲「一、怜、衣、漫、由子、選んでね」 954 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 17 19 21.09 ID fFh7E8ASO [4/9] 衣「咲!」 咲「衣ちゃん、元気だね」 衣「無論!」 咲「じゃあ、これから何があっても大丈夫だね」 咲「人一倍頑張ってね」 ーーー 咲「これからもこの先も……ね」 咲「一、怜、漫、由子、選んでね」 956 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 17 26 24.59 ID fFh7E8ASO [5/9] 咲「この人ね……」 咲「次から力を使い過ぎたら死が近くなるようにしよう」 咲「段々と苦しんで苦しんで」 咲「ーーもし誰かが手を出したとしても私は知らないよ」 ーーー 咲「一、漫、由子、選んでね」 958 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 17 27 57.58 ID fFh7E8ASO [6/9] 咲「その人には何もしないよ」 咲「周りが不幸になる」 咲「それがとっても素敵だね」 咲「ふふっ」 ーーー 咲「漫、由子、選んでね」 961 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 17 32 49.31 ID fFh7E8ASO [7/9] 由子「のよー?」 咲「あ、こんばんはー」 咲「特に目立ちもせずにお疲れ様でした」 咲「目立たない人は存在を消しましょう!」 由子「どういうことな……のよ?」 由子「?」 ーーー 咲「ふぅ……疲れたなぁ」 咲「残るは漫」 咲「一応助かるか確かめてあげる」 0~99 死 ゾロ目 助かる 965 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 17 38 41.88 ID fFh7E8ASO [8/9] 咲「強姦されてから死ぬようにしといたよ」 咲「さてと……残るは」 咲「あいつか……」 京太郎「お、おい咲?」 照「……?」 咲「鴨がネギしょってきたよ」 咲「久しぶり、お姉ちゃん」 京太郎「皆を知らないか?」 京太郎「和と優希以外……清澄の皆が……」 咲「あははっ」 / .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . / . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚ . ' . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . / . . . . . / . . . . . i . ,| i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . .′ . . . /i . . . . ,|ノ | ト、 . i . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ / . . . . . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . .. ' . . | . . . . . ' | . . . / | | | ヽ . . ト、_ . . . . i . . . . . . . . . ゚ ./ . . . . . . | . . . . . . . . . . . . . . ' . . | . . . . ' | . . . | | |_」 -| . .Τ 丶 i | . . . . . . . . ハ / . . . . . /| . . . . . . . . . . . . . ' . . . | . . . . ' | . . . | |/| ,′ | . ./ Ⅵ | . . . . i . . . ./∧ ./ . . . . 'フ . | . . . . . . . . . . . . i. . . . | . . . . ' | . . . .i '| |' . . 」ィ芹丐 Ⅵ| . . ∧ . // . .i / . . . '´ / . ∧ . . . . . . . . . . . . |. . . ∧ .;. ′ | . . / |' . .x豕刋 芍⌒マⅥ . ∧ V .'i . . | ./ . . '´ ' . . / ∧ . . . . . . . . . /|. . . ' V ;| | . / . . . ,狄i[_ o -i| . . }! | / i i . | . ′ / . '´ .i . /i/ ∧ . . . . . . . / | . . . .' ∨| | / . . . . . .汽,. 、汐 . . リ .|イ / / . . | . ′./'´ .| . / .| / ∧ . . . . . . i′ | . . .;' V| |' . . . . . . . .`¨¨´ ' ' / |_/ / . . . |/ .| / | ./ ∧ .. . . . . | | . / ゙| . . . , '´ .| / . ∧| .|' .| / ./ .∧ . . . . | | / . .; ´ |イ . . ./ .| .| | / . / ∧ . . . . Ⅳ |' -‐--- '´ ' /i/ .| / . / /i . \ . . .| iム / 、 イ /| .| . ./ / .| . . . .\ .从_ムー---‐ ´ .イ '! / .| / ./ .| . . . . 厂 ´ト、. ヽ _.. / / |′ .|' ./ | . . . ∧ . /| . `¨¨へ '´ ./ iル′ .|/' | / ∨ !、 . / |>o。_ / .!-ー-- .._ {. | ./ ∨{. Y/ | . . . ./i . ¨7 T¨¨¨¨¨¨´ ^ー 、 ` ̄ 咲「私が皆を壊しちゃった」ニコッ 京太郎「さ……き?」 照「……!」 990 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/06(金) 00 22 28.54 ID 1Rifd7ihO すまんな、照一周目の後日談やっとらんかったな。 ーー須賀京太郎、一年生の冬。 12月、季節は冬。 夜19時ーー 寒さに身を強張らせる季節、恋人達が手を繋いで温め合う季節、恋人達が一年で最も愛を誓う季節なのかもしれない。 照「京太郎っ」 京太郎「おっ照」 ギュッ しっかりと手を繋ぐ、その温もりを忘れないように、互いを見失わない為に、その仲を簡単に確かめ合う為に。 照「明日からクリスマスだね」 京太郎「そうだな、明日は楽しむか」 照「でも、前日にデートって変だね」 京太郎「そうか?まっ……行こうぜ」 この俺、須賀京太郎には目的があった。 24時を回った時、照にプレゼントを渡す事だ。 少しーーキザかも知れないけど喜んで貰えたら俺はそれで良い。 京太郎「よし、晩飯でも食うか」 照「うん」 ーーー 「……」ギリッ ギリギリギリギリッ クリスマスと同時に悪夢も迫っていたーー 991 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/06(金) 01 03 50.59 ID xEmSDszbO 結構、学生にしては上等なレストラン。 彼女を連れて行けばイチコロだろう。 京太郎「美味しいか?」 照「京太郎、ナイフとフォークの手が逆」 京太郎「あっ……っごめん」 照「私は大丈夫。周囲の目を気にして」 いつも通りの会話。一見ギスギスしているようにも見えるが、それが照の愛情表現の一つでもあり、京太郎もそれが嬉しかった。 それにーー 照「京太郎」 京太郎「ん?」 照「ありがとう。とても美味しい」 ,. ´ ヽ ,. ´ \ / , , ヽ / / / , , ヽ . , / / / | | ∨ . / / , _ _ / / i | l | / 从| /| `イ | ∧ . | / | | / ィ { /ィ-、 } ∧ | -} |-|---く , |  ̄´ | ∧ | _)雫ミ从 | _}∧ _ / }ヽ / | Ⅵ V ノ \|´_)笊雫ミ/ / / , | , | , V ノノ' イ .イ ,′ | j 从 / / /' ノ / / | ,| { . _ ´ ィ ー ´ / / | /| 从 . ‘ ’ イ | / / / | / 从{_r--'´` ー 、-=≦ ∨ / / }' / || | ∧ /,' / .イ / || | / _,./ / イ /\ / ∧ { /⌒\´/ ´ ´ 、 , { . \、 ,′ / ,. ---――‐`ヽ、 / ∧ . . . ∨ /_,. .― . .´ . . .// Ⅵ | {__ , \ . . {_/-- ´ . . . . . . ./ , マ | //≧=- 〉介、______/_ / } | //> ´ ` <≧=--r-- 、  ̄, ' | | ,く ̄´ ` / /^T \ { マ〉 r つ ` < / ∧__|>´| ∧ } 京太郎「!……へへっ」 この二人は深く、この街に降る雪よりも、そこに面する海よりも深く愛し合っている。 ーーー 智葉「……」チャキッ 智葉「宮永……照」ギリギリギリギリッ 992 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/06(金) 01 13 16.61 ID IWf5m8hfO 夜22時、ほんの少しだけ早いクリスマスイルミネーションに彩られた街を歩いていたら夜も遅くなっていた。 照「京太郎、今日はとても楽しい」 京太郎「そうだな、俺もいつもより楽しいよ」 すっかり、人通りも遅くなっていた。 照「……」 照(様子がおかしい……) 京太郎「……?」 いち早くも照が周囲の異変に気付いていた。 お台場の海の砂浜とは言え、流石に人が少なすぎる。 積もった雪の上を歩く、風情のあるカップルが何人か居てもおかしくはない。 ーーー 「智葉さん……ですよね?」 「そうだが?」 「力……貸しますよ」 「……?」 「私も“アイツ”の事、嫌いですから」 / / /| | | ヽ \. / / / / / | |. | | | | ', ヽ ∧ / / /./ / | | | | _|L.--|.,,,_ | | l ', / / | ト|_,r|''´|` | | |\ | `ト| | | | / | | ィ| |─ト |ヽ | / ̄V| | | | | | / | レ´| \|_\| ト、. | 彡三=、 | ./ / / ! /彡イ | ト| 彡 ─ヾ \| \ /,'⌒ヽ \/ / / |、. | ヽ ゝ///;'⌒',ヽ | ! ! | ||イレ' | ハ!. | ト、 || | '; ! | ヾ、;;;;;;;ノ |/ ハ / |. | ハ, \ ヾ.;;;;;...' , ハ / /. | /ヘ ヽ..ハ ハ// / / \トハ ー_,ア ノ'´// |ゝ、 //イ/ |人> ._ < | / / \|\| ー< |´ | |> 、 /| / \ ーーー 993 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/06(金) 01 21 16.48 ID 5kfedrniO [1/2] 夜23 30 一通り雪が積もった砂浜でのデートを終えた二人。 京太郎も異変に気付いた。 京太郎「なぁ……人……少なくないか?」 照「……」コクリッ 京太郎「ここ……お台場だぜ?」 照「早く駅の方に戻ろう」 京太郎「そうだな、それがいい」 ……胸騒ぎがする。 あの時のような悪夢……せめて照だけは巻き込まれないようにしないといけない。 俺は最悪のケースも頭に入れていた。 がーー もう遅かった。 照「ど、どうして……」 京太郎「どうして貴女が……」 京太郎「明華さん……!」 明華「……」 明華「ネリーさんのように、厳しいお国柄では無いので」 明華「迎えに来ましたよ、京太郎君」ニコッ 994 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/06/06(金) 01 37 23.43 ID 5kfedrniO [2/2] 心は至って冷静。 大した脅威でも無いからだ、この人が相手なら照を庇いながらでも追い払う事が出来る。 京太郎「俺……人を傷付けたくは無いです」 明華「京太郎君……?」 京太郎「照の為なら……俺、あんたの事殺せますよ」 明華「なら……京太郎君を殺して、私も死にます。それが正解ですね」ニコニコ 京太郎「……照。俺の後ろへ」 照「うん……」 明華「ぁぁぁあああああ!!!」 単純な突進、これなら護身の心得もない京太郎でも、単純な鍛えた力であしらうことが出来る。 京太郎「くっ……」ガシッ 明華の腕を持って、その手に持ったナイフをすぐさま海へと投げ飛ばす。 明華「……!」 京太郎「明華さん諦めてください……照もとっくに警察へ連絡しています。今なら誤魔化せますから……!」 明華「……」 明華「あなたはどこまで……お人好しなんですか?」 明華「私……あなたのそんな所が大好きだったんですね……」 明華「……」 もう諦めはついた。彼は最後まで私の事を心配してくれた。 彼の後ろにいる彼女なら私の大好きな彼を支えてあげることが出来る。殺すのもたんなる脅し、どうやら毒というものが抜けてしまったようだ。 明華「分かりましたーー今までごめんなさい」ペコッ 京太郎「明華さん……!」パァァァ 明華「彼女の事、幸せにしてあげーーー後ろーーー!!!」 まさか彼女がこの場に居るなんて思ってもいなかった。 長い刀を持って、京太郎君の後ろにいるテルさんをーー 996 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/06(金) 01 40 17.77 ID UUQR/F/0O ーーブスッ 997 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/06(金) 01 57 32.14 ID cK1kMc7aO 夜24 00 クリスマスイブ 智葉「はぁ……はぁ……!」 智葉「ど、どうして?」 智葉「どうして、どうして、どうして、どうして、どうして、どうして、どうして、どうして、どうして、どうして」ブツブツ 明華「あ、あぁ……そんな、そんなぁ……」ポロポロ 京太郎「よ、よぉ……大丈夫か?ーー照」 照を押しのけるように照の前に立ち、胸を貫かれたのにも関わらず、京太郎は照の方へ顔を向け、微笑んだ。 照「ーー京太郎!!!」 京太郎「智葉さん……ちょっと痛いけど……眠ってくれ!!!」ゴンッ 智葉「がっ……!」 隙を突いて、智葉の頭を満身創痍の体の全力を使い殴り抜ける。 女一人を気絶させるには十分だった様だ。 照「京太郎……京太郎……っ!」ポロポロ 京太郎「ちょっと……疲れた」ドサッ 照に抱えられながらその場で倒れこむ京太郎。幸いにも下は雪、衝撃は少ないが……その雪は血で汚れ、京太郎の体にもーー とっくに限界が来ていた。 京太郎「照……これ」スッ 京太郎は最後の力を振り絞るように照へ最後のプレゼントを渡した。 照「……!」 京太郎「ごめんな……これが最後で、開けてくれ」 照「……」ガサガサ シルバーのリングと透明のリングのネックレス。 京太郎「着けてくれ」 照「……」カチャ 京太郎「ああーー綺麗だ」 京太郎「ーー綺麗だよ」 ,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、 /_,..- ヽ ` 、 / /´ / ∨ \ , ´ / ,' 、 ヽ / , , / /| | . | | | ∨ _/ / / |_|__'_| | _}_|_|_| | |  ̄ ̄´/ イ ' { ´| |/__{ | , ´/}/_}∧ | | | / / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | | / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{ ´/イ }从lム ; \ ,ノ / \ | ∧ ∧,イ Ⅵム - - イ // _ヽl\ //イ__ |////} ` ー ´「////| |////| . / |/[__}/| ,...<////∧ , |/////> 、 , <///////////\ ///////////> 、 , </////////////////}____{/////////////////> 、 //////////////////////| |////////////////////∧ {/////////////////////∧ ,'//////////////////////} |//////////////////////∧ ////////////////////////| 京太郎「ーー照」ガクッ 雪が降り積もる中、眠るように、深い眠りにつくかのように、須賀京太郎はその短い生涯に幕を閉じた。 照「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 涙が止まらない、身を震わせながらも照は京太郎の亡骸を抱き締め続けていた。 カンッ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/579.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1354280210/ いつからだろうか。 「負けてもいい」と思わなくなったのは。 久「ツモ。これで逆転ね」 和「ふぅ……捲られてしまいましたか」 京太郎「うぅ……また俺がラスか……」 優希「はっはっは、犬ごときが私に勝とうとは百万年早いわ!」 まこ「お前さんも、威張れるほどの点ではないじゃろ」 優希「とっ、東場だけなら私がトップだったじょ!」 京太郎「いっつもそれだろ、お前は」 優希「なっ、なにをー!」 なぜなのだろうか。 みんなの下にいることに、耐えられなくなったのは。 京太郎「なぁ、咲。前から気になってたんだけどさ」 咲「どうしたの、京ちゃん」 京太郎「なんでお前、いつも槓材が入ったり嶺上牌が分かったりするんだ?」 咲「え、えぇ……それは、何と言うか……自然にと言うか……何となく?」 京太郎「何となくで済むわけねーだろ、あんなに連発されりゃあ」 咲「と言われても……」 京太郎「はぁ……俺も咲みたいに、欲しい牌を都合よく引けたら少しは勝てるかもしれないのになぁ……」 咲「京ちゃんだって、欲しい牌を引けたことくらいあるでしょ」 京太郎「そりゃ何度もあるけどさ、肝心な時に引けずに負けるんだ」 京太郎「そう……俺は、ここぞって時に欲しい牌が引けたことは一度もないんだよ」 咲「そうなんだ……」 京太郎「咲と何が違うのかなぁ、俺は……」 咲「うーん……ちょっと考えてみたんだけど、京ちゃんは『この牌で和了れる』って思って引いたことないんじゃない?」 京太郎「は?」 咲「私はいつも嶺上牌を引くときは『この牌が和了り牌だ』って信じてる。牌のことを信じてる」 咲「だから……その気持ちに、牌が応えてくれるんじゃないかなって、ふと思ったんだ」 京太郎「何だそりゃ。信じるだけで引けるわけないだろ」 咲「そんなことないよ。麻雀が好きなら、きっと引けるようになるよ」 咲「愛する麻雀を、牌を、信じる気持ちがあれば……」 ――――――――その言葉は、俺の心の奥深くに―――――――― 咲「きっと、京ちゃんにも引けるよ。京ちゃんの、和了り牌を」 ――――――――溶けて、消えていった―――――――― 京太郎(……結局、気持ちなんか関係なかったんだ) 京太郎(俺と咲の差は、牌を愛しているかどうかじゃない。牌に愛されているかどうかだ) 京太郎(咲は牌に愛され、そして俺は……牌に、愛されなかった) 京太郎(努力だけでは、埋めることのできない壁がある。俺と、咲のような……魔物たちとの間には) 京太郎(そんな俺が、勝ち進むためには……方法は一つしかない) 京太郎「……リーチ」 京太郎(何かを犠牲にしてでも……) 京太郎(一方的に敵を蹂躙できるほどの、圧倒的な力を得ること!) えり「……結局、順当に前チャンピオン宮永照の連覇で終わりましたね」 咏「結果だけ見れば確かに順当だねぃ。でも、彼女の優勝への道のりは決して平坦なものじゃなかった」 咏「荒川憩、神代小蒔、原村和……彼女らとの対戦は、彼女にとっても楽なものじゃなかったはず」 咏「特に、決勝戦の宮永咲との熱戦……最後の最後まで、どちらが勝つか私にも分からなかった」 えり「宮永咲……団体戦優勝の清澄高校の、大将ですね」 咏「宮永照は今の力ですら、即プロに放り込んでもそこそこやれるだろうさ」 咏「彼女のような有望な若者が、どんどん現れてくるんだ。私もうかうかしてはいられないかもねぃ」 えり「……そういえば、今年からエキシビジョンマッチをやるんでしたね」 咏「そうそう。男女の各個人戦優勝者と、プロ2名で戦うアレ」 えり「女子の優勝者は宮永照……彼女にしてみれば、今の力を試すチャンスといったところですか」 咏「それはどうかな。しょせん非公式のおまけバトルだから、彼女はともかくプロ側はどこまで本気だか」 えり「そういうものですか……そういえば、男子の部はどこまで進んだんですか?」 咏「ちょっと遅れて、今は準決勝って聞いたよ。ね、ね、今から見に行こうぜ!」 えり「はぁ……構いませんけど……」 咏「いや~、男子の部も楽しみだなぁ」 えり「なんだかずいぶん、ワクワクしているように見えますが」 咏「男子も女子に負けず劣らず、強い子がいっぱいいるからねぃ。どんな奴がいるのか楽しみってのもあるし、さらには」 えり「さらには?」 咏「噂によると、とんでもなく強い奴がいるらしいんだよ。しかもなかなかのイケメンだとか」 えり「とんでもなく、強い……?」 咏「どんだけ強くて、どんな顔してるんだろうなぁそいつ。楽しみで仕方ないさ」 えり「あの……一つお聞きしますが、強さと顔、どちらを楽しみにしてるのですか?」 咏「決まってんじゃん、両方!」 えり「……………………」 咏「……お、着いたな。さすがに観戦者も沢山だ」 えり「モニターによると……ちょうど真っ最中みたいですね」 咏「ほうほう、さすが準決勝まで残った連中だ。かなりのつわもの揃いだねぃ」 えり「見ただけで、分かるのですか?」 咏「強者からはそういうオーラってものが発せられるんだよ。えりちゃんは、感じないか?」 えり「わ、私は麻雀は素人なので……」 咏「宮永照からももちろん感じたし、今打っている彼ら……モニター越しからでも、十分わかるさ」 咏「例えばAブロックの方の準決勝は、あの七三分けの彼がヤバい。彼は相当デキるねぃ」 えり「そうなんですか……」 咏「Bブロックの方の準決勝では……トップがずいぶん独走してるな。何て子だい、彼は?」 えり「少々お待ちを、今確認しますね」 咏「やっぱりオーラも、彼から圧倒的に強いものを…………感…………」 咏「…………じ…………」 咏「…………………………………………」 咏(え?) 「ロン、タンピン三色ドラ1。8000」 咏(おい……ちょっと待て……) 「ツモ、リーヅモ七対ドラドラ。3000・6000」 咏(なんだこいつは……高校生だろ、そんな……ありえない……) 「ロン、発中チャンタドラ1。7700」 咏(こんな……こんな、奴が……) 咏(存在、していいのか…………?) カラーン えり「三尋木プロ、扇子落としましたよ」 咏「…………」 えり「三尋木プロ?」 咏「…………えりちゃん」 えり「え?」 咏「…………彼…………何者だい?」 えり「えっと、今の子ですよね。彼は、清澄高校一年の」 「リーチ」 えり「須賀、京太郎……という名のようです」 咏「須賀……京太郎……」 京太郎「ツモ」 京太郎「リーチ一発ツモ……海底撈月。4000オール」 『決まったぁーっ! 初出場ながらも、ダントツのトップで決勝進出!』 『強い! 圧倒的に強い!』 『清澄高校一年、須賀京太郎選手! この強さは本物だぁーっ!』 まこ「お疲れさん、咲」 優希「準優勝なんて凄いじぇ! さすが咲ちゃんだじぇ!」 咲「う、うん、ありがとう……やっぱりお姉ちゃんには届かなかったけど……」 和「でも、素晴らしい戦いでした」 久「……不思議なものね。去年まで大会にも出られなかった状態だったのにね」 優希「まるで酷い配牌だったのが、国士無双に化けたような気分だじぇ!」 久「あら、昔からいる私は酷い配牌だったのかしらねぇ~?」 優希「じぇっ! そそそ、そういう意味では……!」 まこ「こらこら、優希をからかうのはやめんしゃい」 和「ふふふ……」 池田「おーい、清澄ー!」 透華「見事な戦いぶりでしたわ、皆さん」 ゆみ「うむ、素晴らしい結果だな」 咲「あ……風越と龍門渕、鶴賀の皆さん……」 久「ありがとう。みんなもわざわざ東京まで応援に来てくれて」 一「いやいや、ボクたちも楽しかったよ」 睦月「こちらも、勉強させていただきました」 池田「でも、来年こそはキャプテン率いる風越が優勝をいただくし!」 美穂子「か、華菜、私卒業するんだけど……」 純「オレたちも今度は負けねえぜ」 蒲原「ワハハ、じゃあうちもだー」 妹尾(私たちはそもそも来年出られるのかな……) 久(……思えば、ここまでの道のりは険しいものだったわね) 久(県予選での龍門渕戦は今考えても勝てたのが不思議なくらいだし……) 久(全国でも宮守、永水、姫松、有珠山、臨海……そして白糸台。どの学校も、紛れもない強敵だった) 久(またあの舞台に立つには、これらの強豪と再び戦わなければならないけど) 久(きっと、皆ならやってくれるはず。咲たちなら、きっと) 蒲原「それにしても、本当に清澄は大活躍だったなー」 ゆみ「団体戦は優勝、個人戦は準優勝だからな」 池田「いやいや、もしかしたらそれだけじゃ済まないかもしれないし」 美穂子「他にも何かあるの、華菜?」 未春「あれ? キャプテン、知らないんですか?」 池田「清澄、もう一つタイトル取りそうな勢いなんですよ」 美穂子「もう、一つ…………?」 池田「今やってる男子の部個人戦で、須賀京太郎とかいう清澄の一年が決勝に進んだみたいだし!」 「「「「……………………!」」」」 美穂子「ええっ!? け、決勝に!?」 池田「ネットでも、イケメン強豪男子として評判ですよ」 未春「その暴力的なまでの圧倒的強さに、ヘルカイザー京というニックネームまで付いていると聞いています」 モモ「は、初耳っす……」 ゆみ「なんだ、そんな強い部員がいるのなら話してくれてもよかったじゃないか、久」 久「あ……う、うん……」 智紀「…………」 一「須賀君……か……」 福路「龍門渕の皆さんは、ご存じだったんですか?」 透華「え……えぇ、まぁ……」 池田「?」 咲「…………京ちゃん…………」 まこ「京太郎は……きっと、この大会を最後に麻雀部を辞めてしまうじゃろう」 未春「えぇっ!?」 ゆみ「ど、どういうことだ!?」 和「……須賀君は、元々はとても弱かったんです。それこそ、初心者同然に」 和「それが、全てを犠牲にすることで……圧倒的な力を得てしまったんです。誰一人、太刀打ちできないほどの」 モモ「ど、どういうことっすか?」 池田「華菜ちゃん、話が全然見えないし!」 久「……そうね、話しておくわ。須賀君のことを」 久「かつて私たちの仲間だった、一人の男の子のことを…………」 透華(……………………) 透華(あら…………?) 透華(そういえば、衣はどこに?) 京太郎(もう少しで、決勝開始か……) 京太郎(体の方はもう、この力には慣れた。具合が悪くなることはない) 京太郎(今までの相手も、皆県予選を勝ち抜いた猛者だが……全く寄せ付けず、ここまで勝ち上がることができた) 京太郎(これが、清澄のみんなが……咲が、見ていた景色。高校麻雀の頂か) 京太郎(ここまで来るのに、何を犠牲に……いや、考えるのはよそう) 京太郎(後悔など、100点棒の一本ほどもしていないのだから) 京太郎(そう、俺は後悔なんかしているはずは……) 京太郎「……………………」 京太郎「県予選前の……満月の晩以来ですね」 京太郎「お久しぶりです、天江さん」 衣「…………京太郎…………」 京太郎「東京に来たのは、清澄の応援ですか?」 京太郎「それとも……俺を、止めに来たんですか?」 衣「……決勝の舞台まで来たお前に、この場で力を捨てろとは言わぬよ」 衣「それに、衣が何を言っても聞く耳持たぬだろう」 衣「だが、それを承知で言わせてもらおう。もう、これっきりにしてほしい」 京太郎「……どういうことです?」 衣「衣は辛いのだ。闇の道を歩み続ける京太郎を見ているのが」 衣「そして、その京太郎を見ている清澄の面々を見ているのが……たまらなく、辛いのだ」 衣「何せ、今の京太郎を生み出してしまったのは、他ならぬこの衣なのだからな……」 京太郎「……………………」 衣「お前は、自分だけ力がないことに……舞台に立てないことに、絶望を抱いていた」 衣「だが、この大会でお前は、誰も彼をも魅了するほどの華々しい麻雀を打ち抜いた」 衣「須賀京太郎の名は、大会の記録にはもちろん……全国の観衆全ての記憶に深く焼きついたことだろう」 衣「ならば、もう十分じゃないか。これ以上、何を望むというのだ」 京太郎「……天江さん。あなたには感謝しています」 京太郎「そのあなたに負担を強いてしまったことは、申し訳なく思います」 京太郎「でも……俺はやっぱり、この力を捨てることはできません」 衣「……どうしてもか?」 京太郎「俺だって、本当に心から望んでこの道を歩んでいるわけではないです」 京太郎「出来ることならば、今まで通りの生活の中で、この舞台に立ちたかった」 京太郎「でも、気付いてしまったんです。あの、女子団体県予選の日で」 衣「…………」 京太郎「俺には、悪待ちを和了る力はない」 京太郎「気付かれずリーチをかける力も、捨て牌を見えなくする力もない」 京太郎「嶺上牌や海底牌で確実に和了る力もない」 京太郎「そして……槓を繰り返し、役満を作り出す力も……ない」 京太郎「素人でもわかります。そこには……努力だけでは埋めることのできない、魔物たちとの壁がありました」 衣「京太郎…………」 京太郎「俺は勝ちたいんです。望んだ牌を引くことのできない俺でも、そんな連中に勝ちたい」 京太郎「だから……俺は、この力を捨てることはできません」 衣「…………だが」 京太郎「……そろそろ決勝の時間です」 京太郎「もう、俺には関わらないで下さい。お互い、苦しむだけでしょうから」 京太郎「では、失礼します」 バタン 衣(…………京太郎…………) 衣(お前の苦悩は理解できる……勝つための力を欲するのもわかる……) 衣(だが、なぜなのだ。京太郎よ) 衣(なぜ、お前は……そこまでして、勝ちたいのだ……?) ガチャリ 京太郎(ここが、決勝の舞台か……) 京太郎(……咲の奴は、個人戦準優勝……) 京太郎(あの気弱で泣き虫な咲が、準優勝……全く、大したもんだ……) 京太郎(だが、俺は咲には負けない……優勝して、お前を完全に超えてやる) 京太郎(見てろよ、咲、和、優希、部長、染谷先輩……) 竜「一年坊……あンたの背中は一人もしょえない、やめなよ麻雀は……」 京太郎(俺こそが最強だってことを……見せてやる!) 『それでは、いよいよ男子個人戦決勝開始です!』 久「……これが、彼に関する事実よ」 美穂子「そんなことが……」 ゆみ「強さを求めるために、他の全てを犠牲に……か」 透華「彼があの日、龍門渕を訪ねて来た時……確かに感じましたわ。強くなりたいという強い意志と……若干の、狂気を」 透華「ですが、ここまでとは……衣も、私たちも、全く予想していませんでしたわ……」 久「私も気付いてあげられなかったわ……彼がそこまで、自分の力にコンプレックスを抱いていたなんて」 久「もう少し私が彼に気を配っていれば……こんなことは、避けられたかもしれないのに」 和「ぶ、部長のせいじゃありませんよ!」 優希「そうだじぇ! 一人になってまで強くなりたいなんて考える、あいつがどうかしてるじぇ!」 池田「……私は……正直、ちょっとわからないでもないな。須賀君の気持ちが」 未春「華菜ちゃん……?」 池田「私もさ、あの決勝戦……天江衣にボロボロにされた時、やっぱり思ったよ」 池田「もっと自分が強ければ、こうはならなかった。もっと自分が強ければ、みんなを勝たせてあげられた……って」 池田「でもそれは、大好きな仲間を捨ててまでやることじゃない。それで得た強さに、意味なんかない」 美穂子「華菜……そうね、私もそう思うわ」 純「ああ、そうだな。あいつのやり方は、絶対に間違っている」 和「でも……須賀君は、そのことに気付かなかった。何としてでも、強くなりたかったんですね」 咲「……………………」 ゆみ「……男子は、今決勝の真っ最中だろう。行ってみなければな、彼を見に」 久「……ええ」 咲(……京ちゃん……) 咲(京ちゃんは……自分のやり方が間違ってるって……) 咲(本当に、気付いていなかったの?) 咲(私は知ってる。京ちゃんが、本当はとても優しい人だってことを) 咲(私は知ってる。京ちゃんが、影でどれだけ部のために働いてきたかを) 咲(そんな京ちゃんが、麻雀部を捨ててまで強くなるってことが間違ってるなんて、気付いてないとは思えない……) 咲(でも、もし気付いてたのなら……) 優希「咲ちゃん、行くじぇ」 咲「あ……うん」 咲(京ちゃんが、もしそのことに気付いてたのなら……) 咲(京ちゃんは、どうして……そこまでして、強くなりたかったの?) 咲(教えてよ……京ちゃん……) 咏「決勝でも相変わらず、トップ独走……か」 えり「こんなに強い選手が眠っていたなんて、驚きですね」 咏「……えりちゃん、私が彼に驚いたのは、その強さじゃないんだよ。いや勿論、強さもだけど」 えり「と、言いますと……?」 咏「麻雀ってのは元々、競技ではなく娯楽の一種さ。勝つことよりも、楽しむことが第一だ」 咏「だけど、こういう大会やプロの試合になると、その目的が勝つことにすり替わってしまう」 えり「ですが、それは仕方ないことなのでは……」 咏「その通りさ。変な言い方だけど、勝利のみ求めてるように見えても……みんなそれを含めて、麻雀を楽しんでるんだ」 咏「県大会を勝ち抜くほど、打ち込んできたんだ。この大会の参加者に、麻雀を好きじゃない奴なんか、一人もいないはずなんだよ」 咏「そう……彼一人を除いてね」 えり「彼が……麻雀を、好きではない?」 咏「元々は好きだったはずなんだろうけど……今はむしろ、憎んですらいるように見えるよ」 咏「麻雀とは本来、青少年に希望と光を与えるもの。彼の華々しい麻雀は、日本全国の視聴者を魅了しているだろう」 咏「でもその傍らで、彼が対局相手にもたらすものは、恐怖と闇。そこには、相手へのリスペクトなんかひとかけらも存在しない」 咏「ただ貪欲に、勝利のみ求める……そんな高校生、かつて一人でも存在しただろうかねぃ」 えり「ヘルカイザー京……と、言われるわけですね」 咏「なぜ彼が、そんな道を歩んだかは知る由もないけど、彼は間違った道を歩んでいるはずなんだ」 えり「……負ければ彼も、気付いてくれるんでしょうか?」 咏「かもしれないねぃ。だけど……」 『決勝戦もついにオーラス! 優勝候補筆頭の竜選手を抑え、トップは初出場の須賀選手!』 咏「彼に勝てる者は、この大会には……ただの一人も、いなかったみたいだ」 衣「む……お前たち、大勢でどこに行ってたのだ?」 透華「こっちのセリフですわ! 迷子のアナウンスを出そうかとすら思いましたわよ!」 衣「こ、衣は子供じゃないっ!」 優希「それより、決勝はどうなってるじぇ?」 衣「オーラスで、京太郎がダントツのトップだ。幸いに……とは、とても言えぬがな」 まこ「京太郎……ついに、ここまで……」 和「信じられません、あの須賀君が……」 咲「京ちゃん……」 京太郎(あと一局……それで優勝) 京太郎(清澄の雑用係でしかなかった時から二ヶ月……我ながら、よくここまで来たもんだ) 京太郎(誰にも勝てなかった俺が、最強の高校生だ……) 京太郎(これで、清澄麻雀部ともお別れだ。俺は、一人で戦い続ける) 竜「一年坊……その力、真っ当なもんじゃないな……」 京太郎「…………」 竜「あンた、背中が煤けてるぜ……」 京太郎(背中が煤けている……か、そうなのかもな。でも……) 京太郎(俺は、望んでこの道を選んだんだ) 京太郎「……カン」 ズォッ! 咲「…………」ゾクッ 咏「……!」 小蒔「……ん……」 巴「あら、お目覚めですか?」 小蒔「……今、何か強大な力を感じました。禍々しいほどの、何かを」 初美「わずかですが、私も感じ取れましたよー。方角的には……男子の会場の方ですか?」 霞「小蒔ちゃんのように、神を降ろせる殿方がいらっしゃるのかもしれませんね」 小蒔「……いえ、神の力とは異質のものだと思います。ですが、もし神の力であったならば……」 小蒔「それはきっと、悪鬼と呼ぶべきものなのでしょう」 洋榎「うわっ、靴紐が切れてもーた……」 恭子「なんや、不吉やなぁ」 絹恵「不幸な事故でも起こるんとちゃう、お姉ちゃん」 洋榎「……ん……」 洋榎(不幸な事故……か) 洋榎(これから起こるのか……もしかしたら今、どこかで起こっているんかもな……) シロ「……なんだろう、今の……」 胡桃「どうかしたの、シロ?」 シロ「男子会場の方から……物凄く、異常な感じがした……神代とか、ここで会った一部の打ち手のような」 塞「そんな遠くから? とんでもない化け物がいるのね、男子の部は」 エイスリン「…………」バッ ← 仏教地獄絵図みたいな絵 胡桃「豊音、サインでも貰いに行く?」 豊音「そうだねー、ついでにみんなでお手合わせをお願いしてみようか? せっかく東京まで来たんだし」 胡桃「でもどれだけ強くても相手が一人なら、塞がいればさすがに勝負にならないんじゃない?」 塞「私、すっごい疲れそうだけどね……」 シロ「……やめておいた方がいいと思う」 胡桃「何で?」 シロ「うーん……何となくだけど……」 シロ「今の人とは、打っちゃいけない気がする」 淡「ねぇねぇ、照。今の気付いた?」 照「……うん……」 淡「凄かったねぇ。なんて言うか……おどろおどろしいって感じ?」 照「…………」 淡「この大会で見た人たちとは、何か違うよね。一体誰なんだろ」 照「…………」 淡「照?」 照(今の感じ……) 照(…………) 照(どこか……懐かしいような……) 京太郎(見てるか……咲) 京太郎(これが、俺の力だ!) 衣「…………」 衣「須賀……京太郎……」 衣「地下より生まれし……怪物……」 京太郎「ツモ、嶺上開花。400・700」 京太郎(優勝……か) 京太郎(昔の俺みたいに、ほとんどの人は雲の上の話と思うも、欠片ほどの期待を胸に抱き) 京太郎(一部の人間は、本気でその座を目指し切磋琢磨している……) 京太郎(全国の頂点。高校生プレイヤーの、誰しもが憧れる場) 京太郎(これが、あの5人の……咲たちの、立った頂) 京太郎(でも……なぜだろうな) 京太郎(そこまで、感慨深くもないのは) スタッフ「須賀選手、そろそろ対局場を移動をお願いします」 京太郎「……わかりました」 京太郎(……きっと、現実のその地位が手に入ってしまったからなんだろう) 京太郎(ハッキリしていることは、この力を得なければ……ずっと、昔の弱い俺のままだった) 京太郎(みんなが全国の舞台で戦っている時も、指をくわえて眺めていることしかできないままだった) 京太郎(咲みたいに、俺も活躍したい。全国の場で、勝ち進みたい) 京太郎(あんなに強く思っていたことだ。嬉しくないわけがないはずだ) 京太郎(……いや、何も考える必要なんてない。今の俺にできることは、ただ上を目指す……それだけなのだから) 京太郎「もう入室して、いいんですか?」 スタッフ「はい。小鍛治プロと三尋木プロが到着し次第、開始致します」 京太郎「……女子の、チャンプは?」 スタッフ「もう入室済みです」 京太郎「……わかりました。では」 ギィッ 照「……さっき、感じた力。なんとなく覚えがあった」 京太郎「……お久しぶりです。照さん。俺のこと、覚えていてくれたんですか」 照「昔から……咲が、ずいぶん懐いていたから」 京太郎「…………」 照「驚いた。京ちゃんが、そんなに強くなってたなんて」 京太郎「俺がこの場に立っていられるのは、奇跡の産物ですよ。本来、そんな力は俺には無かった」 照「だとしたら……その力のために、一体何を犠牲にしてきたの?」 京太郎「……どういうことです?」 照「個人戦決勝……対局が終わった後、少しの時間だけだけど……咲と、何年かぶりに会話をした」 照「咲は、私と会うためにこの大会に参加したみたいだけど……その咲の第一声、わかる?」 京太郎「……いえ」 照「ずっと心待ちにしていた姉との会話で、最初に切り出したのは……自分のことでも、私のことでもなかった」 照「震えながら、か細い声で……『京ちゃんを、止めてあげて』って、言ったんだ」 照「これから、この場で京ちゃんと対局する、私に向かって」 京太郎「……咲が……」 照「色々と積もる想いがあったはず。負けた悔しさも、再会の感動も」 照「話したいことは山ほどあっただろうに、与えられたわずかな時間の中で、咲の言った言葉は……それだった」 照「自分の想いを押し殺し、京ちゃんの心配をしていた」 京太郎「…………」 照「京ちゃんがどういう経緯でここに立っているのかは分からないし、今更姉ぶる気もない」 照「でも、もし今の京ちゃんが、誰かを不当に悲しませた末の結果なのだとしたら」 照「私は……この勝負、負けるわけにはいかない。京ちゃんの、ためにも」 京太郎「……無理ですよ。俺も、もう止まれないんです」 照「だったら、止めてみせる。私が」 京太郎「…………」 京太郎(照さん……咲だけでなく、俺のことも心配してくれているのは有難く思います) 京太郎(でも……すいません。今回は……) ギイッ 健夜「お待たせしました」 咏「…………」 京太郎(あなたの相手をしている余裕は、なさそうなんですよね) 健夜(この子が、須賀京太郎……) 健夜(カメラを通してでも、思ったけど……やっぱり直に見ると、桁が違う) 健夜(こんな高校生、今まで見たことない。私や咏ちゃんでも、油断すると、やられかねないほどの力が既にある) 健夜(でも、その力は……本来、この場に似つかわしくない、黒きもの) 健夜(……どうして、こんな子が生まれてしまったのかなぁ……) 咏「須賀君……だね」 京太郎「はい。今日は、よろしくお願いします」 咏「あっはっは、非公式のおまけ試合だ、気楽にやりなよ……って言いたいところだけどさ」 咏「悪いけど、こんなに負けられないって感じているのは、初めてさ」 咏「この大会の、目的って知ってるかい?」 京太郎「誰が、どの学校が高校最強か決めること……ですか?」 咏「それも勿論あるねぃ。だけど、一番の目的はそういうことじゃない」 咏「この大会の参加者は、誰もが上を目指して努力してきた」 咏「努力を積み、仲間とも協力し……研磨を重ね、強い意志を持って戦ってきた」 咏「結果、敗れてしまった者も、それまで培った努力や、仲間と作った思い出は、一生モノの宝物になるだろう」 咏「そういう、青少年の健全な育成ってのが、一番大切なことなのさ。そっちの女の子は、そのことを体感しているはず」 照「…………」 咏「須賀君。君だって元々は、そういう類の人間だったはずだ」 咏「勝てば喜び、負ければ悲しみ……仲間と共に、目標へ向かって走り続けていたはずだ」 京太郎「目標……」 『タコス力、充填だじぇ!』 京太郎(そう、俺には目指すものがあった) 『ほいじゃあ、行ってくるかのー』 京太郎(でも、それはあまりに遠くて) 『悪い待ちにしても……いつも、勝っちゃうのよね』 京太郎(その時の俺では、まるで手が届かなくて) 『見えるとか見えないとか、そんなオカルトありえません』 京太郎(だからこそ、俺は……) 『ツモ。清一、対々、三暗刻、三槓子、赤1――――――嶺上開花』 『32000です』 京太郎(強くなりたいって、思ったんだ……) 京太郎「…………」 咏「おせっかいだと思うだろうが、その時の心を……この麻雀で、思い出してほしいね」 咏「せっかく、グランドマスターまでいるんだ。須賀君ほどの奴でも、相手としては申し分ないだろうから」 京太郎(首位打点王で、日本代表の先鋒、三尋木咏) 京太郎(そして……グランドマスター、小鍛治健夜) 京太郎(二人とも紛れもない、トッププロ……その強さは、間近で見ると対局せずとも何となくわかる) 京太郎(どのくらいの差があるのかは、分からないが……きっと、今の俺よりも少し上だろう) 京太郎(ならば、この勝負……やることは、一つだけだ) 京太郎(俺は……さらに、上を目指すって決めたんだから) 『それでは、対局を開始してください』 「「「「よろしくお願いします」」」」 【東1局 親:咏】 咏(東一局……確か宮永照は、最初の局は和了らず様子を見る傾向にある) 咏(須賀京太郎は、東一局だろうと何だろうと、関係なしにガンガン仕掛けてくる) 咏(何にせよ、争う相手が一人少ないのは助かるねぃ。この親番はぜひとも和了っておきたいところだ) 咏(配牌も……ツモも悪くない。いいスタートが切れそうだ) 健夜(……ちょっと微妙、かな) 健夜(咏ちゃんの親番は怖いから、さっと流したいところなんだけど……) 健夜(まぁ、この面子で怖くない人なんていないか) 咏(よしっ、張った!) 咏「リーチ!」 健夜(親リー……振るわけにはいかない) 健夜(脇の二人も、迷わずベタオリ……和了られちゃうかな) 3巡後 咏「ツモ。リーヅモ平和ドラ1、裏1。4000オール」 京太郎「はい」 健夜(リードされちゃったか。まぁ、仕方ないね) 照(……) 咏(さて、幸先良いスタートを切れたはいいけど、問題はここからだ) 咏(宮永照は次から動き出す。他の二人も当然、このまま黙ってやられるタマじゃない) 咏(いよいよ、試合開始ってところかな) 【東1局1本場 親:咏】 咏(今回も、いい手が入った。メンタンピンドラ1、裏次第で跳満まである) 咏(発を鳴いた下家の宮永照に振る可能性もあるが、一気に突き放すチャンスだ。勝負するしかないな) 咏「リーチ!」 照「ロン。発のみ、1000点」 咏(あっちゃあ……ま、しょうがないか。それより……) 健夜(始まる、かな……宮永さんの、連荘) 照(……さっきの局) 照(私の鏡で、京ちゃんの力を覗いてみた。でも……何も、見えなかった。京ちゃんの、姿すらも) 照(見えたものは、ただの闇……こんなことは、今まで一度たりともなかった) 照(私の理解の及ばぬ力……京ちゃんの力であり、京ちゃんの力ではない何かがそこにあった) 照(でも……あれは何だったのかな) 照(闇の中に一瞬だけ煌めき、すぐに消えて行った……花びらのような、欠片は) 【東2局 親:照】 照「ロン、平和ドラ1。2000」 健夜(……やっぱり、点数が上がってる) 健夜(宮永照……和了るたびに点数が増えていく特徴がある。団体戦でも個人戦でも、その力は猛威をふるった) 咏(エンジンかかってきたねぃ、女子チャンプ) 【東2局1本場 親:照】 咏(……このへん、か?) 健夜「ポン」 咏(よしよし、鳴いてくれた) 健夜(この子に連荘させると、一気に持っていかれる。無理矢理にでも止めにいく) 咏(私も早和了りに徹したいんだけど……上家のこの少年、なかなか鳴かせてくれないんだよねぃ) 京太郎「……」 咏(かと言って攻めにも守りにも徹してるって感じでもないし、何考えてんだか) 咏(ま、しょうがない。すこやんと二人で、何とか止めに……) 照「……ツモ。2100オール」 咏(って思ったそばから、これだよ) 健夜(次はきっと、満貫級が来る。いいかげん何とかしないとね) 照(……京ちゃん) 照(ここまで全く動きがないどころか、戦う意思すら感じられない) 照(でも……このまま終わるつもりはないよね。どうやって止める? 私の親を) 【東2局2本場 親:照】 照「リーチ」 咏(くっ、また……) 健夜(ドラ3のいい手だけど、先制された……でも……) 京太郎「……」タンッ 咏(……まずいな。このままだと宮永照にまた和了られてしまう。なら……) 咏「チー」 咏(彼の切ったこの牌、一見鳴きにくいところだけど、ここで鳴いて……この牌を) 健夜「ポン」 健夜(よし、張った!) 照(……これは……) 健夜「ロン。タンヤオドラ3、7700」 照「……はい」 咏(何とか止まってくれたか) 健夜(さて……ここからだね。出遅れたぶん、巻き返させてもらうよ) 【東3局 親:健夜】 健夜「ロン、11600」 咏「ありゃあ、黙ピンピンロクかぁ。いたた」 咏「でも……」 【東3局1本場 親:健夜】 咏「ツモ。リーチ一発メンピンツモドラ1。3000・6000の1本場は、3100・6100」 咏(たとえ2万点取られても、3万点取れば勝てる。それが麻雀なのさ) 健夜(咏ちゃんも、調子づいてきた。そして……次は、いよいよ須賀君の親番) 健夜(ここまで、彼は全く動きがない……ずっと様子見しているって感じで来てる) 咏(この親番まで、様子見しているとは思えない。そろそろ動いてくるはずだ) 咏(さぁ。須賀京太郎……ヘルカイザーとまで謳われるその力、とくと見せてもらおうか) 京太郎(……さっきの連携も火力も、見事なもんだ) 京太郎(そして、直に感じてもわかる……予想通りこの二人には、まだ俺は届かない) 京太郎(それなら……やるべきことは一つだ) 【東4局 親:京太郎】 照(京ちゃん、今度こそ動いてくると思ったけど……) 照(今までと同じように、やっぱり戦いに来る気配がない……何を考えてるの、京ちゃん) 照(いいよ、それなら……戦いの場に引きずり込むまで) 照「リーチ」 健夜(宮永さんの、リーチ……) 咏(ラスの京太郎としては、そう簡単にはオリたくないはずだが……) 京太郎「……」タンッ 咏(……あっさりオリるもんだな。手牌、悪かったのか?) 京太郎「ノーテン」 咏「テンパイ」 照「テンパイ」 健夜「ノーテン」 健夜(南入、か……) 咏(しかし、どうなってるんだ? さすがに何か変だぞ) 咏(本当に何もしていない、っつーか戦う気すらなさそうだ……) 咏(これ本当に、私を戦慄させた……最強の高校生、須賀京太郎なのか?) 健夜(須賀君……きみは一体、何を企んでるの……?) 【南1局 親:咏】 咏(さて……下家の宮永照が、ダブ南をポン) 咏(ここで和了られると、またしんどいことになっちまうな) 健夜(しかし、須賀君はやっぱり何も……) 京太郎「……」タンッ 照(……二筒?) 咏(何かビミョーな牌だな。鳴くべきか、鳴かざるべきか……) 健夜(宮永さんに対しても安全と言い切れるほどではない……でも、手が進んでる様子もない……) 照(……京ちゃん、一体……) 咏(……!) 健夜(す、須賀君……!) 咏(京ちゃん、まさか……!) 咏(そ、そうか……わかった、須賀京太郎の狙いが……) 咏(こいつ……何てこと、考えやがるんだ……!) 健夜(須賀君、戦う気が感じられなかったんじゃない……最初から、まともに戦う気なんてなかったんだ) 照(京ちゃん……) 照(いくら非公式とはいえ、トッププロ二人と打ってるのに……こんな……) 照(何で……何で、そこまでするの……京ちゃん……) 健夜「ツモ、300・500……」 咏「……終局だねぃ」 照「……ありがとうございました」 京太郎「ありがとうございました」 健夜(こんな……) 健夜(こんな、勝った気のしない……後味の悪い麻雀は、初めてだよ……) 咏「……なぁ、須賀君」 京太郎「何ですか?」 咏「背中は、見えたかい?」 京太郎「……はい」 咏「……そうかい。おっそろしいねぇ」 恒子「すこやん、お疲れー!」 えり「お疲れ様です、三尋木プロ、小鍛治プロ」 恒子「いやぁ、さっすがグランドマスター。この面子相手でも、しっかりトップとはねー」 健夜「…………」 えり「お二人とも、さすがにお疲れのようですね」 咏「あぁ……とんでもないバケモンを、間近に見ちまったからねぃ」 恒子「え、そこまで? やっぱあの宮永照って凄いんだねー、咏ちゃんを抑えて2位だったんだから」 咏「いや……私が言ったのは、須賀京太郎の方さ」 咏「あいつの狙いに気付いてからは……もう私は、戦う意欲を完全に削がれてたよ」 えり「須賀京太郎? 男子チャンプの?」 恒子「彼、和了らず振らずの空気ラスだったじゃん。狙いって何?」 健夜「……ねぇ、こーこちゃん。もしこーこちゃんが、あの場に出て打てたら、どんな気持ちで打つ?」 恒子「え? そーだねぇ……やっぱりトッププロ二人が相手なんだし、胸を借りるつもりで全力で……」 健夜「そう、それが普通だよね」 咏「あぁ。現に宮永照もそうしてた……まぁ彼女の場合、全力だったのは別の理由もありそうだったけどね」 健夜「でも……須賀君は、最初から勝ちに行くつもりなんて全くなかった」 えり「え?」 咏「ずっと彼は、戦いの輪の外から、あることをしていた」 咏「それにハッキリ気付いたのは……あの南1局の、二筒切りさ」 恒子「? それがどうしたの?」 咏「あの二筒切りは……和了りに行くための一打ではない。でも、オリるため一打でもない」 咏「あれは……私たち、トッププロとの力量差……距離を、測るための一打だった」 咏「この半荘、彼は最初から勝負を捨て……ずっと、私たちの力を測っていたんだ」 恒子「なっ……!」 えり「そ、そんな……」 健夜「まともに打ってたら、きっと私たちには勝てないと思ったんだろうね」 健夜「だから、彼はあっさりとこの勝負をオリた。高校生の発想とは思えないよ」 咏「麻雀を楽しもうとか、そんな気持ちは微塵もない。完全に、勝利以外目に入ってないねぃ。アレは」 えり「どうして彼は、そこまで……」 咏「わっかんねー……全然わっかんねーよ……」 健夜「……これは私の予想だけど……きっと彼は、今までずっと負けてきた」 恒子「負けてきた? あんなに強いのに?」 健夜「負けてきたからこそ……誰よりも勝利に飢えている。渇いている」 健夜「それがどうして、あんな化け物になってしまったかは、知る由もないけどね……」 咏「…………」 健夜「圧倒的な力を持ちながらも、今回はまだ粗削りなところも多少あったから、まだ私たちには届かなかった」 健夜「でも……もう数年経って、より洗練されれば……もはや、手のつけられない存在になる」 健夜「その時こそ、真に叫ばれるだろうね」 健夜「ヘルカイザー京……と」 咏(今までずっと負けてきた……か) 咏(清澄高校……女子団体戦の、全国優勝校……) 咏(君だって、昔は楽しく麻雀を打っていたはず。君を変えてしまったのは、彼女たちなのかい?) 咏(もし、そうだとしたら……) 咏(きっと……彼を、戻せるのも……) 照「……京ちゃん」 京太郎「照さん、お疲れ様です」 照「何で、あんな打ち方をしたの?」 京太郎「……何のことですか?」 照「とぼけないで。勝ちに行く気、なかったでしょ」 京太郎「……今の俺じゃ、多分あの二人には勝てない。だから、今回は『見』に回った。それだけですよ」 照「……私は、相手にもしていなかったってことだね」 京太郎「…………」 照「私は、咲ほど京ちゃんと遊んだことはないけど……それでも、わかる」 照「最初から目の前の勝負を捨てて臨むような、相手へのリスペクトを欠くような人じゃなかった」 京太郎「何年も経てば、考えも変わります」 照「それで……ひたすらに勝利のみを求めるようになったってわけ……」 京太郎「……昔の俺じゃ、誰にも勝てませんから」 照「だったら、真っ当な方法で強くなればいい」 照「白糸台にはたくさん部員がいるけど、みんな一軍目指して、毎日努力を積み重ねている」 照「京ちゃんだって、それができるはず」 京太郎「……できないんです」 照「できない……?」 京太郎「確かに、普通に麻雀を打っているだけでも、強くなれるでしょう」 京太郎「実際、以前はそうしてました。麻雀を楽しみながら、強くなれればって思っていた」 京太郎「できればいつか、清澄のみんなよりも強くなれれば……そんな風に、思っていた」 照「だったら……」 京太郎「でも……気付いてしまったんです。あの、団体戦県予選の日に」 照「気付いて、しまった……?」 京太郎「えぇ」 ――――――――ツモ。清一、対々、三暗刻、三槓子、赤1―――――――― 京太郎「鬼にならねば……」 ――――――――――――32000です―――――――――――― 京太郎「見えぬ地平が、ある……」 久「長野も、半月ぶりね」 まこ「東京に比べれば寂しいところじゃが、やっぱり落ち着くのう」 和「いったん、部室に行くんですか?」 久「ええ。みんなでトロフィーを、飾りにだけ行きましょう」 久「……須賀君。悪いけど、それ持って付き合ってくれるかしら?」 京太郎「ええ、勿論です」 咲(京ちゃんは、今3つのトロフィーを抱えている) 咲(団体戦のものと、私のと……京ちゃんの、優勝トロフィー) 咲(重いだろうから自分で持つってみんなが言っても、雑用は自分の仕事だって言って……) 咲(まるで、これが最後だからって言ってるようだった) 咲「このへんに置けば、いいですか?」 久「ええ、いい感じよ」 まこ「……わしら、優勝したんじゃな」 優希「正直、まだ実感わかないじぇ」 久「……ありがとうね、みんな。いい仲間を持って幸せよ、私」 まこ「素晴らしい後輩たちに恵まれたのぅ」 和「そ、そんな……私なんて、大したこと……」 久「いえ、あなたたちがいなければ、ここまでは決して辿り着けなかったわ」 久「和も、優希も、咲も……それと須賀君も、ね」 京太郎「……ありがとうございます」 咲(……部長も……いや、部長だけじゃない) 咲(和ちゃんも、優希ちゃんも、染谷先輩も……みんな、わかってる) 咲(これが、京ちゃんの……清澄麻雀部としての、最後の仕事になるってことに) 京太郎「俺と咲のトロフィーはどうします?」 久「……それは、あなた達のものよ。好きにしていいわ」 京太郎「……じゃあ、持って帰らせていただきます」 京太郎「それじゃ、みんな」 咲「……京ちゃん……」 和「…………」 優希「…………」 まこ「…………」 久「…………」 京太郎「さような……」 咲「……嫌だよ」 咲「行かないでよ……京ちゃん」 咲「一緒に学校行って、同じ教室で授業受けて……」 咲「お昼も一緒に食べて、部活で麻雀打って……」 咲「最後はまた明日ねって……ずっと、ずっと、そうしてきたじゃん……」 京太郎「……咲……」 咲「もう、そんな風に京ちゃんと過ごせなくなるなんて……私、嫌だ」 咲「もっと、もっと」 咲「京ちゃんと……一緒に、いたいよ……」 和「さ、咲さん……」 優希「咲ちゃん……」 まこ「咲……」 久「…………」 京太郎「咲……」 咲「だから、お願い……行かないで、京ちゃん……」 京太郎「…………」 京太郎(咲……ありがとうな) 京太郎(最後の最後まで、ずっと俺のことを思ってくれて……) 京太郎(でも……) 京太郎「ごめんな。もう、決めたことだ」 咲「……っ!」 京太郎「だから……」 久「……須賀君。一つだけ、お願いしてもいいかしら?」 京太郎「何ですか、部長」 久「最後に私たちと、一局だけ打ってほしいの」 京太郎「…………」 久「須賀君。あなたは確かに、この清澄高校麻雀部の部員だったわ」 久「短い間だけど、部活でも、合宿でも、大会でも……苦楽を共にした、私たちの仲間だった」 久「強くありたいというあなたを、止めることはできない。だけど……最後に一局だけ、麻雀を打ってほしいの」 久「もちろん、須賀君さえよければだけど……ダメかしら?」 京太郎「…………」 京太郎「わかりました。一局だけなら」 久「ありがとう。でも、今日はみんな移動で疲れてるでしょうから、また後日でいいかしら?」 京太郎「俺は構いません」 久「じゃあ後日、また連絡するわね」 久「……約束よ。私たちと、一局だけ麻雀を打つって」 京太郎「はい、わかりました。じゃあ……失礼します」 バタン 咲「部長……」 まこ「何か、考えでもあるんか?」 久「彼はもう、言葉では止まらないわ。私たちが何を言っても、彼の心には届かない」 和「それは、そうかもしれませんが……」 久「だったら、元の須賀君に戻せる手段は……もう、麻雀しかないわ」 久「麻雀を通して、麻雀を楽しんでいた頃の気持ちを取り戻してもらう……それしか、手はない」 優希「麻雀で、京太郎を……」 和「でも……そううまく行くんでしょうか? たった一局で……」 久「何言ってるの。一局じゃないわ、五局よ」 まこ「……へ?」 優希「部長、でもさっき一局だけって……」 久「彼と約束したの、聞いてたでしょ? 私たちと、一局だけ麻雀を打つって」 久「つまり、一人ずつ打てば計五局になるでしょ?」 和「あ、あの……それって、屁理屈では……」 まこ「京太郎が、そんなもん認めるとは……」 久「大丈夫よ、約束したんだもの。彼は約束を破るような人じゃないってこと、みんな知ってるでしょ?」 まこ「まぁ、それはそうじゃが……」 和「でも、私たちの誰か、須賀君……残りの対局者二人は、どうするんですか?」 久「他校から誰かを引っ張ってくるしかないわね。今は龍門渕はもちろん、風越や鶴賀も事情を知ってる。協力してくれるはずよ」 久「……咲」 咲「…………」 久「これが、最後のチャンスになるわ」 久「彼と、離れたくないんでしょ?」 咲「……はい」 久「きっと、この機会を逃したら、もう昔の須賀君には戻らない」 久「だから……この五局で、取り戻すわよ。麻雀は弱くても、部のために献身的に働いてくれた、優しかった頃の須賀君を」 咲「……わかりました。私、やります!」 和「私も、力になります。絶対に、やりましょう」 まこ「……うむ……」 優希「京太郎のタコス、また食べたいからな! 私もやるじぇ!」 久「……みんな、ありがとう」 和「ところで、順番はどうするんですか?」 まこ「大会と同じなら優希じゃが、同じにする必要は別にないからの……何か、案はあるんか?」 久「……特にないわ。私自身、どういうオーダーが最善なのかはわからない」 久「でも、先鋒は決まってる。こればかりは、他の人では駄目だって思ってる」 和「先鋒……ですか……」 咲「誰、なんですか?」 久「ええ。先鋒は――――――――――――」 久「……ということで、まず第一局目は三日後、清澄の部室で。詳しいことはまた連絡するわね」 京太郎『部長、一局だけってそういう……』 久「え? 何もおかしくないでしょ?」 京太郎『はぁ……部長は相変わらずですね。思えば、俺もいつも振り回されてましたし』 久「また振り回されたくなったら、いつでも言ってね」 京太郎『遠慮致します。ところで、相手は誰なんですか?』 久「それは三日後のお楽しみ」 京太郎『……わかりました。言っておきますが、手加減はしませんよ?』 久「勿論よ。それじゃ、またね」 ピッ 久「…………」 久「ありがと、須賀君。受けてくれて」 久「でも、受けてくれると思ってたわ。だって……」 久「あなたには、最後に戦いたいであろう人がいるのだから」 京太郎「まったく、あの人は……いくら何でも強引すぎだろ」 京太郎「と言っても、部長の強引は今に始まったことじゃないけど……」 京太郎「……まぁ、いいか」 京太郎「最後に、今の俺の力を見せておくのも悪くない」 京太郎「優希にも、染谷先輩にも、部長にも、和にも」 京太郎「そして……咲にも」 京太郎(それにしても……) 京太郎(あの五人、他校の面子集められるほど交友関係広いのかな?) 京太郎(特に染谷先輩とか、誰を呼ぶのか全く見当もつかねーぞ……) 三日後 京太郎「まだ、誰も来てないか……」 京太郎「あと五局だけど……四ヶ月、この雀卓ではずいぶん打ったな」 京太郎「お前には、世話になった。もっと一緒に遊んでたいが、俺は去らなきゃいけないんだ。悪いな」 京太郎「俺がいなくなった後も、みんなに大事にしてもらえよ……って、何言ってんだ俺は」 京太郎「しかし、インターハイ出発前からここ放置しっ放しだから、よくよく見ると汚れてるな」 京太郎「……こんなことが気になるあたり、すっかり雑用精神が身に付いちまってんな……」 京太郎「ま、立つ鳥跡を濁さずだ。掃除くらいはやっておくか」 京太郎「……こんなところでいいだろ」 京太郎「あとは、相手が来るのを待つばかりだが……」 京太郎「先鋒は、きっと……」 ガチャッ ゆみ「失礼します」 美穂子「こんにちは。今日はお招きいただき、ありがとうございました」 京太郎「……驚きましたよ」 京太郎「なんだかんだで、先鋒は斬り込み隊長らしく優希の奴かと思ってたんですが」 久「あははっ、本人はやりたがっていたんだけどね」 久「どうしても……譲れなかったのよ。この位置は」 京太郎「…………」 久「最初の相手は……私よ。須賀君」 ゆみ「須賀君、だったな。君の活躍はよく知っている」 美穂子「今日は、よろしくお願いします」 京太郎「……いえ、こちらこそ」 久「じゃあ、早速始めましょうか」 京太郎(部長……それと、風越の福路さん。鶴賀の加治木さん) 京太郎(みんな長野屈指の強豪だが……誰を誘おうが、今の俺の相手じゃない) 京太郎(そのことは、部長も理解しているはず。何か、目的でもあるのか……?) 【東1局 親:美穂子】 京太郎「ツモ。1300・2600」 美穂子(……予想はしていたけど、こうして対峙してみるとよくわかるわね) 美穂子(やっぱり、私たちよりも一段上の力がある) ゆみ(私も全国の猛者相手でも、そこそこ程度には渡り合える自信はあったが……さすがに、格が違う) ゆみ(その分、代償を考えると痛ましいものを感じるな。久にも、彼にも) 【東2局 親:久】 久(親番でいい手が入った……南切りで、258-47萬の五門張) 久(でも、私なら……やっぱり、こうよね) 久「リーチ!」 久(さぁて、どう出るかしら? 須賀君) 京太郎(7m切りリーチ……か) 京太郎(福路さんは現物、そして俺のツモは……南) 京太郎(リーチ者は部長、ということは……) 京太郎(…………) タンッ 久「ロン。リーチ一発ドラ1、裏1。12000」 京太郎「五門張を捨てての地獄単騎……ですか。和が見たらまた騒ぎそうですね」 久「須賀君も知っての通り、これが私のスタイルだから」 京太郎「……相変わらずですね、部長は」 久(ただ……) 久(須賀君相手に、どこまで通用するかしら) 【東2局1本場 親:久】 久(また張った……今度も、悪待ちで) 久「リーチ……」 京太郎「ロンです。平和ドラドラ、3900は4200」 久(……! 狙われた!?) 京太郎「部長、あなたの悪待ちは。もしかしたら、全国でも有数の能力かもしれない」 京太郎「ですが、それはあくまで和了率を高めるだけのもの」 久「…………」 京太郎「それ以上の力の相手には、通用しません」 久(予想はしてたけど……) 久(こんなに早く、破られるとはね……) 【東3局 親:ゆみ】 ゆみ(私の親番か……七対ドラドラの9600) ゆみ(リーチすれば倍満まで見えるが、ここは黙で確実に和了りたい) ゆみ(一枚切れの南単騎、掴めば出るような牌だが……) ゆみ「テンパイ」 京太郎「テンパイ」 美穂子「ノーテン」 久「ノーテン」 ゆみ(私と同じ南単騎の仮テン……ピッタリ止められている) ゆみ(好防共に全く隙がない。さすがは最強の高校生といったところか) ゆみ(だが、今のところは天江衣ほどの迫力は感じない) ゆみ(本気を出すまでもない……ということか……) 久(東4局も終わり、現在の点はほぼ並んでいる……) 久(須賀君は、まだ本気を出している風はない……) 久(…………) 久「須賀君。今更だけど、この二人のことは知ってるわよね」 京太郎「風越の福路さんと、鶴賀の加治木さん……長野でも有数の選手ですから」 久「……彼女たちは、あなたから見ても高い実力があるということね?」 京太郎「勿論です」 久「でも……知ってるかしら。美穂子はともかく、ゆみが麻雀を始めたのは高一。須賀君と、ほとんど同じ時期だって」 京太郎「……高一?」 ゆみ「ああ。昔から麻雀をしている二人とは違い、私が始めたのは高校生になってからだ」 ゆみ「決して、天江衣のように才に恵まれていたわけではない。だが二年かけて、ようやく県のトップが見える位置まで来れた」 美穂子「……私も、そう。観察眼は人より優れているかもしれないけど、それだけの話だったわ」 美穂子「それでも……今くらいの力なら、つけることができるのよ」 京太郎「…………」 ゆみ「須賀君のことは、聞かせてもらった。元々は、みんなと共に全国に行きたかった……そうだな」 京太郎「……はい」 ゆみ「だが君は、今や全国最強の高校生だ。これ以上、望むものはないはずだ」 ゆみ「久たちが、どんな思いで君のことを見ているか、知らないわけではないのだろう」 京太郎「……この力を捨てて、努力だけで強くなってほしいと。福路さんや部長も、同じ意見ですか?」 美穂子「……ええ」 久「……そうよ」 京太郎「……加治木さん。一つ聞いてもいいですか?」 ゆみ「何だ?」 京太郎「あなたは、天江衣に勝てますか?」 ゆみ「……!」 京太郎「福路さん、あなたは宮永照に勝てますか?」 美穂子「……それは……」 京太郎「部長、あなたは……小鍛治健夜に、勝てますか?」 久「須賀君、何を言って……」 京太郎「世の中には、牌に愛された者たちがいます。生まれ持って、天賦の才を身につけた者たちが」 京太郎「そうした人たちの世界には、努力だけでは決して到達できない」 京太郎「鬼にならねば、見えぬ地平がある」 久「……須賀君の、目標は」 京太郎「確かに、最初は全国出場でした。でも、それを決めてもいまだに満足できない自分がいた」 京太郎「もはや俺の目指す場所は、全国ではなくなっていた」 ゆみ「ならば、何処だと?」 京太郎「……わかりません。何か目指す場所はあったはずなのに、それが何かわからない」 京太郎「ならば、ひたすらに上に行く。そうすれば……いずれ辿り着くはずですから」 京太郎「部長……あなたは、まだ俺にこの力を捨てて戻ってきて欲しいと思ってますか?」 久「……勿論よ」 京太郎「そう思うのは、部長が強いからです。部長は、弱者の立場を知らない」 久「弱者の、立場……」 ゴッ! 久「なっ……!」 美穂子「!?」 ゆみ(これは……天江衣、いや、そんなレベルじゃない……!) 京太郎「教えてあげますよ、部長」 京太郎「力がないということが、どれほどまでに辛いことか」 【南1局 親:美穂子】 京太郎「ツモ。リーチ一発ツモ裏1、2000・4000」 美穂子「三門張を捨てて……単騎!?」 ゆみ「これは……久の……」 京太郎「多門張だとか悪待ちだとか、そんなことは関係ない」 京太郎「和了れる者は、和了れる……そういう人間というものが、存在するんです」 京太郎「たとえば、嶺上開花で必ず和了れる……みたいに」 久「…………」 【南2局 親:久】 京太郎「ツモ。白中ドラ1、1300・2600」 久「……また、多門張を捨てて……」 京太郎「初めて真似してみたんですけど、案外簡単ですね」 【南3局 親:ゆみ】 京太郎「ロン。8000です」 美穂子(駄目だわ……) ゆみ(次元が、違いすぎる……) 久(……須賀君) 【南4局 親:京太郎】 京太郎「……ツモ。2000オール」 美穂子「……はい」 ゆみ(これが、最強の高校生か……本物の、化け物だ) 久「……対局、ありがとうござい……」 京太郎「挨拶は、まだ早いですよ」 美穂子「……え?」 京太郎「確か……オーラストップ親の和了り止めは権利であって、義務ではないはずです」 美穂子「す、須賀君……何を言って……」 京太郎「続行です。オーラス一本場」 ゆみ「ちょ、ちょっと待ってくれ……点数を引き継ぐ団体戦ならともかく、この場で続ける意味は……」 京太郎「部長、さっき言いましたよね。力がないということが、どれほどまでに辛いことか教えてあげますって」 久「…………」 京太郎「まだまだ、終わらせるには早い」 京太郎「続けます。あなたに、絶望の淵が見えるまで」 京太郎「……ツモ、満貫です」 美穂子(また、須賀君の和了……) ゆみ(これで何連続だ……とても、止められる気がしない) 京太郎「連荘です。次、行きましょう」 久「……まだまだ、終わらせる気はないみたいね。でも、いいのかしら?」 京太郎「何がですか?」 久「連荘すればするほど、私の逆転の目も増えるのに」 京太郎「…………」 京太郎(部長……なぜですか) 京太郎(これほどの点差が開いて……これほどの力の差を見せつけられて……) 京太郎(それでもあなたは、士気が下がった様子はない) 京太郎(逆転の手段なんか、あるわけないのに……もうひと押し、してみるか) ゆみ(久はもう飛び寸前。私も美穂子も、一万点もない) 美穂子(トップが無理なら、せめて2確で終わらせなきゃいけないのに……) 久「…………」タンッ 京太郎「ロン。タンヤオのみです」 美穂子(……! それは、私が一巡前に切った牌!) ゆみ(美穂子から見逃して、久から直撃を取りに……) 久(……そういうことね。これで私の持ち点は0) 久(県大会の天江衣と同じ。心を折りに来た狙い撃ち……) 京太郎「続行です。次、行きましょう」 久「……須賀君。辛いものね、力がないって」 久「負けて悲しい思いは何度もしてきたけど……今日まで、本当にそのことをわかっていなかった」 久「わかって……あげられなかった」 京太郎「……さすがにそろそろ、終わりそうですけどね」 京太郎(そう……ツモでも部長からの直撃でも、部長は飛んで終局) 京太郎(福路さんや加治木さんも、さすがにこの期に及んで俺の当たり牌を切ったりはしないだろう) 京太郎(でも……なぜなんですか? 部長) 京太郎(0点にもなって、こんなにみじめな目に遭って……) 京太郎(なぜ部長は、心が折れないどころか、笑みまで浮かべて打てるんですか?) 京太郎(一体、なぜ……) 久「…………」タンッ 京太郎(なぜ、辛い思いをしているはずなのに、そんなに……) 京太郎(…………! まさか!) 京太郎(部長、あなたは……!) 美穂子(何回目の、連荘かしら) ゆみ(須賀京太郎……本当に、恐ろしい男だ。高校最強というのもうなずける) ゆみ(だが……真に恐ろしいのは、もしかしたら久なのかもしれないな) ゆみ(須賀君の、親番での大連荘で飛び寸前までじわじわ削られていく) 美穂子(最初に聞いた時は、耳を疑ったけど……) ゆみ(まさか、本当に……久の言った通りの展開に、なるなんてな) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 久「でも、先鋒は決まってる。こればかりは、他の人では駄目だって思ってる」 和「先鋒……ですか……」 咲「誰、なんですか?」 久「ええ。先鋒は――――――――――――私よ」 和「部長が……ですか?」 まこ「……他の人では駄目とまで言うくらいなら、何か理由があるんじゃろう?」 優希「まさか部長、必勝策が!?」 久「そんなのあるわけないでしょ。彼に勝てたら、個人戦全国優勝してるわよ」 咲「じゃあ、一体……」 久「……思えば、彼にはずいぶん重荷を背負わせてしまったわ」 久「部員の中で一人だけ弱い上に、ろくに麻雀も打てず雑用ばかりを押し付けてしまった」 咲「……それは、私たちに全国行きの可能性があったからです。京ちゃんもそのあたりは、理解してるはずです」 久「ええ、理屈の上でなら納得してると思う。でも、それはあくまで理屈。感情とは別物よ」 久「彼には、やっぱり私たちへの不満が心の底にはあるはず。力のない者の苦悩を、分かってもらえないってことも含めてね」 久「そんな彼と真っ先に打つ先鋒は、どうなると思う?」 まこ「……その不満が、爆発する可能性がある……ってことか?」 久「ええ。きっと開始早々あっという間に圧倒的な火力で飛ばされるか……」 久「もしくは、最後の最後まで連荘でじわじわ嬲られるか、どちらかよ」 和「部長は、それを自ら背負う気ですか!?」 久「当然よ、あなた達にそんなこと任せられないもの。むしろ、できるだけボコボコにやられる方が有難いわ」 優希「……そのぶん、私たちが楽になるから……」 久「それもあるし……力のなかった彼の苦悩も、少しは理解に近づけるかもしれないしね」 まこ「そ、それだったら、わしら全員が負うべきものじゃろ」 久「まぁ、そのへんは彼と打てば自然と入ってくるものでしょうね」 咲「部長……」 久「やっぱり私も、みんなと同じように……彼のこと、好きなのよ」 久「こんなこと言う資格があるのか分からないけど……」 久「部員の苦しみや悲しみを理解できれば、部長冥利に尽きるってもんじゃない?」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎(部長、あなたは……) 京太郎(最初から、負けることが目的だったんですね……) 京太郎(それも、できるだけ無残に……) 京太郎「テンパイ」 美穂子「ノーテンです」 久「ノーテン」 ゆみ「……テンパイ」 久「私の飛びで、終了ね。テンパイで連荘目指してたんだけどなぁ、残念」 京太郎(……強がりなんかじゃない) 京太郎(部長は……本当に、テンパイを目指していた……) ゆみ「……お疲れ様でした」 美穂子「対局、ありがとうございました」 京太郎「いえ、こちらこそ……」 久「やっぱり、勝てなかったわね。もしかしたらって、思ってたんだけど」 京太郎「部長……あなたがどうして最初に俺と打ったのか、何となくわかります」 京太郎「最後の最後まで、部長には振り回されっぱなしでしたね……俺は」 久「……私のこと、恨んでる?」 京太郎「……いえ」 京太郎「それでもやっぱり、俺は戻りません」 久「あら、それは残念。でも、きっと須賀君は戻ってくるわよ」 久「だって私には、頼りになる後輩たちがいるんだから」 京太郎「…………」 久「清澄の次鋒は、きっと……」 優希「京太郎……」 優希「待ってるじぇ!」 久「一筋縄じゃ、いかないわよ」 京太郎「……こんにちは」 優希「お、京太郎! 来たかー!」 純「よっ、久しぶり」 華菜「私は初めましてだな。風越二年の池田華菜だ」 京太郎(今日の相手は優希……) 京太郎(他の二人は井上さんと池田さんか。二人とも優希の奴とは仲良さそうだったし、想定はしていたけど) 優希「京太郎! いよいよ決着をつける時が来たな!」 華菜「チャンピオンと打てるなんて光栄だ。キャプテンのリベンジだし、今日はよろしくな」 京太郎「いえ、こちらこそ」 優希「無視するなー!」 優希「……リーチ!」 純「ったく、相変わらず東場だけは調子いいな」 優希「タコスもちゃんと持ってきたし、パワー全開だじぇ!」 京太郎「ロン。1300だ」 優希「ぐぐ、東場なのに」 京太郎「東場だろうが、どうしようもないくらいの実力差がある。もうお前は俺には勝てない」 優希「うー……京太郎のくせに腹立つじぇ」 華菜「まぁまぁ、勝負は最後までわからんよ」 京太郎「……ツモ。1300・2600」 華菜「うーむ、やっぱり隙がないな。さすがヘルカイザーだし」 優希「正直その呼び名ださいじょ、京太郎」 京太郎「俺がつけたわけじゃねえ!」 華菜「じわじわくるな、その名前」 純「……お前ら、楽しそうだな」 京太郎(……いかんいかん。以前のようなノリに戻っちゃ駄目だ) 京太郎(俺はもう、麻雀部は捨てたんだ。ただ目の前の対局をこなし、淡々と勝利する) 京太郎(それだけを考えろ、須賀京太郎) 京太郎「ロン、2600」 華菜「うぐっ……」 純「おい、タコスチビ! タコスパワーとやらでこいつ何とかするし!」 優希「む、無理だじぇ! タコスも全部食べ終わっちゃったし、東場ももう終わりだじぇ!」 華菜「いや、まだまだ! 華菜ちゃんはずーずーしいから、最後まで……」 ゴッ!! 優希「……っ!」 華菜「うひゃっ!」 純「きょ、京太郎……!」 京太郎「……もう、楽しい麻雀は終わりです。ここから先は、あなた達は減っていく自分の点を眺めることしかできない」」 京太郎「昔の俺が、そうだったように。勝利の芽なんか、もう残らない」 京太郎「ツモ。2000・4000」 純(こいつ……鳴いて流れを変えようにも、全く関係ねえ) 純(予想はしていたが、龍門渕に来ていた頃よりも、格段に強くなってやがる) 華菜(やっべぇ……やられっぱなしだし。つい最近まで初心者だったなんて、とても信じられんな) 優希(……今まで麻雀で負けたことなんて、山ほどあるけど……) 優希(こんなにも勝てる気がしないって感じたのは、初めてかもな。やっぱり、辛いものだじぇ) 優希(……京太郎は……) 優希(京太郎は、ずっとこんな思いをしながら、私たちと打ってた……) 優希(今の京太郎を作ったのは、やっぱり……) 京太郎「オーラスですね」 華菜「うひー、いいとこなしだし。でもこのオーラスで逆転してやるし」 京太郎「……池田さんは」 華菜「ん?」 京太郎「池田さんは、どれだけ負けてても……心が折れたりは、しないんですね」 華菜「んー、数か月前の私なら折れてたかもね。でも今は、まだ勝つ気満々さ」 京太郎「……天江さん、ですか」 華菜「そそ。あれは苦い思い出だけど、いい経験になったよ」 華菜「須賀君も、たまには負けるってのも悪くないもんだと思うし」 京太郎「負けなんて、死ぬほど経験してますんで」 華菜「あはは、そうだったな……ん、どうした? 清澄の」 優希「……いや……何でも、ないじぇ」 京太郎「……ツモ。終了です」 華菜「あーあ、和了られたか。やっぱ現実は甘くないな」 純「すっげぇな……衣と打った時よりも、プレッシャーあったぜ」 優希「……京太郎。その、最後に……言いたい、ことがあるじぇ」 京太郎「ん、何だ?」 優希「その……ごめんなさいっ!」 京太郎「……は!?」 優希「私は京太郎が悪いって言ってたけど、本当は薄々わかってたじぇ……」 優希「京太郎も辛い思いをした。そこまで追い込んだのは、さんざん弱いだの何だの言ってきた、私にも責任があるって」 京太郎「…………」 優希「だから、一言、謝りたかったじぇ……ごめん、京太郎」 京太郎「……優希は」 優希「ん……」 京太郎「優希は、俺に戻って欲しいのか?」 優希「…………」 優希「戻って、欲しいじょ……」 優希「また昔みたいに、馬鹿なこと言い合ったり……」 優希「京太郎の作ったタコスを食べたり……」 優希「そんな毎日を、また過ごしてみたいじょ……」 京太郎「……そうか……」 優希「でも、京太郎は私たちを恨んでる。だから……」 京太郎「……俺は麻雀部に戻る気はない。悪いな」 優希「…………」 優希「そっか……これで、お別れか……」 京太郎「……あぁ。それじゃ井上さん、池田さん。失礼します」 華菜「あ、須賀君」 京太郎「何ですか?」 華菜「楽しかったぞ。また、打とうな」 京太郎「……機会があれば」 純「……ふぅ。久しぶりに打ったけど、洒落にならねぇな、あの強さは」 優希「…………」 純「残念だったな、タコスチビ」 優希「……いや。最初から、わかってたじぇ」 純「ん……何がだ?」 優希「私じゃ、以前の京太郎を取り戻すことはできないってことに」 優希「私じゃ、ダメなんだじぇ……だって……」 優希「京太郎の目に、ずっとずっと前から映っているのは……私じゃ、なくて……」 京太郎(……優希。それに部長……) 京太郎(俺は、別に恨んでるわけじゃないんだよ……) まこ「……わかった。次はわしの番じゃな」 久『お願いね。面子の当てはある?』 まこ「まぁな……なぁ、久」 久『何?』 まこ「……京太郎との対局、好きにやらせてもらってもええんじゃな?」 久『もちろんよ。まこのやりたいようにやりなさい、あなたなら悪い結果にはならないと思うし』 まこ「……そうか。じゃあ、わしのやりたいようにやらせてもらうわ」 久『うん。それじゃあね』 ピッ まこ「……京太郎」 まこ「お前さんとも、沢山打ったのぅ。まさかこんな状況になるとは、思いもしなかったわい」 まこ「でも、次がお前さんとの、最後の対局になるのかもしれんな」 京太郎「今日は、染谷先輩ですか」 まこ「そうじゃ。まぁ、座れ」 京太郎「……はい」 まこ「なぁ、京太郎。打つ前にもう一回だけ聞いておく。やっぱり、麻雀部に戻る気はないんか?」 京太郎「ええ。俺はこのまま、一人で戦い続けます」 まこ「……そうか」 京太郎「あの、染谷先輩」 まこ「ん?」 京太郎「他の二人は? 俺たちだけでは、打てませんよ」 まこ「京太郎。十七歩って、知っとるか?」 京太郎「一応、ルールは。実際やったことはありませんけど」 まこ「そっか、それなら問題ない。わしら二人で、やるとしようか」 京太郎「他の二人が来るまでですか?」 まこ「……来んよ」 京太郎「え?」 まこ「今日は、誰も来ない。わしら二人だけじゃよ」 京太郎「……誰も、呼ばなかったんですか?」 まこ「あぁ」 京太郎「染谷先輩……やっぱり、他の学校に友達が……」 まこ「いるわい! 呼べなかったんじゃない、呼ばなかったんじゃ!」 京太郎「す、すいません……でも、なぜです?」 まこ「……ま、ちょっとした事情があっての。じゃ、始めるとするか」 京太郎(十七歩……二人で遊ぶための特殊ルール) 京太郎(自分の山から好きな13牌を選び、リーチ込みで満貫以上の手を作る) 京太郎(プレイヤーは残った山牌から交互に切っていき、相手のリーチをかわしつつロンを狙う) 京太郎(お互い17牌捨てるまで和了ることができなかったら流局……それゆえ、十七歩) 京太郎(漫画で見たことはあるけど、実際にやるのは初めてだな) 京太郎(でも、どうして染谷先輩はわざわざ普通の麻雀ではなく、これを……?) まこ「こっちはOKじゃ」 京太郎「俺も、終わりました」 まこ「よし、じゃあわしからじゃの。リーチ」 京太郎「……リーチ」 京太郎「……流局ですね」 まこ「うむ。テンパイじゃ」 京太郎「……ノーテンです」 まこ「おや、ノーテンじゃったか?」 京太郎「配牌で満貫が作れそうになかったので、とにかく安全そうな牌ばかりを集めて……」 まこ「なるほど、そういう手もある。どうじゃ、案外満貫縛りってきついものじゃろ?」 京太郎「はい、結構簡単に出来るものなのかと思ってたんですが……」 まこ「なかなか難しいんじゃよ。さ、次いくぞ」 京太郎(うーむ、今度は満貫自体は混一で作れそうなんだが……) 京太郎(そうなると必然的に、捨牌は他の色が並ぶ。これはそうそう出してくれないだろうな) 京太郎(かといって、さっきみたいに和了り放棄するのも……まぁ、これでいくしかないか) まこ「お、それロンじゃ。満貫じゃな」 京太郎「うぐっ……これでしたか」 まこ「普通の麻雀ならボコボコにされるんじゃろうが、こっちなら京太郎の力も少し弱まってるようじゃな」 京太郎「……みたいですね。あくまで俺は、普通の麻雀で勝ちたいと思ったわけですから」 まこ「意外と頭を使うもんじゃろ、これ」 京太郎「……そうですね」 まこ「テンパイ」 京太郎「……ノーテンです。いや、難しいですよ……満貫作るの」 まこ「作れても、相手が出してくれるかって問題もあるしのぅ」 京太郎「……染谷先輩」 まこ「なんじゃ?」 京太郎「何を、考えてるんですか?」 まこ「何を……というと?」 京太郎「確かに奥が深いゲームだということはわかりましたが、所詮はこんなもの遊びでしかない」 京太郎「どうして、誰か二人を呼んで普通の麻雀にしなかったんですか?」 まこ「……考えの相違ってやつじゃよ」 京太郎「考えの……相違」 まこ「風越も、鶴賀も、龍門渕も……みんなみんな、京太郎の事情を知っている」 まこ「そして久たちが、昔の京太郎に戻ってほしいと思っていることも知っている」 まこ「だから、それに協力するつもりなんじゃ。実際に、風越の福路たちがそうしたように」 京太郎「……染谷先輩も、そうじゃないんですか?」 まこ「正直に言うと、最初はわしもそう考えておった」 まこ「何かを犠牲にして、誰かを悲しませて……そうまでして強くなりたいなんて、間違っている」 まこ「そう、思っておった」 京太郎「…………」 まこ「だけど、大会で勝ち進んでいく京太郎を見ておったら……」 まこ「今のお前さんを、応援したくもなってきての。だから、他の誰かを呼ぶことはできんかった」 京太郎「……俺がこのまま、戻らないことを望むんですか?」 まこ「それは違う。本心ではわしも、久たちのように麻雀部に戻ってきてほしいと思っとるよ」 京太郎「じゃあ、なぜ……」 まこ「……京太郎は、十分に苦しんだからじゃよ」 京太郎「苦しんだ……?」 まこ「もし京太郎が、何も考えずただ強くなりたいって思い、今の道を歩んだら、一発ぶん殴っとったかもしれん」 まこ「でも、実際はお前さんは大いに悩み、大いに苦しみ……苦渋の選択の末、今の道を選んだはずじゃからの」 京太郎「……なぜ、そんなことがわかるんです?」 まこ「そうでもなきゃ、そこまで強い力は得られんじゃろ。それに、わしは昔の京太郎をよく知ってる」 まこ「いくら負けても、笑顔で過ごしていた……麻雀部を楽しんでいた頃の京太郎を、よく知ってる」 まこ「あの京太郎が、麻雀部を捨てるなんて、辛い思いをしたに違いない。そうじゃろ?」 京太郎「…………」 まこ「ん、それロンじゃ。跳満じゃの」 京太郎「……染谷先輩、強いですね」 まこ「結構打ったこともあるからの。経験だけなら、そうそう負けんぞ」 まこ「思えば、お前さんには雑用ばっかりさせて、ろくに指導もできんかった」 京太郎「……そのことについては、実力的には仕方なかったとは思いますけど」 まこ「うむ、不満もあったろうにちゃんと仕事をやってくれたことには、深く感謝しとる」 まこ「今、久たちは京太郎に麻雀部に戻ってもらおうと、色々頑張ってるようじゃがの」 まこ「もう、わしはいいと思うんじゃ。京太郎の好きなようにさせて」 京太郎「……このままの俺で、いいんですか?」 まこ「それが真剣に考えた末の結論なら……わしが何か言うことなぞ、できはせん」 まこ「京太郎。お前さんの望んだ道を歩むとええ」 京太郎「染谷先輩……ありがとう、ございます」 京太郎「思えば、一番俺に仲間として接してくれたのは、染谷先輩だったのかもしれませんね」 まこ「な、何言っとるんじゃ! 照れるわ!」 まこ「……ロン、満貫じゃ」 京太郎「はぁ……飛びですね。染谷先輩、強ぇっすよ……」 まこ「経験がものを言ったかもの。さすがに特殊ルールでも負けたら、心折れるわい」 京太郎「……それじゃ……」 まこ「うむ……そうだ、最後に一言だけいいか?」 京太郎「何ですか?」 まこ「せっかくなら、トップを目指してみぃ。日本一……いや、世界一じゃ。今のお前さんなら、夢物語ではないぞ」 まこ「なんたって、こんな美少女まで犠牲にしたんじゃからな。そのくらいはやってもらわんと、寂しいわい」 京太郎「……美少女?」 まこ「そこを疑問に思うんじゃない! 先輩の顔を立てんか!」 京太郎「……ははは、そうですね。すいませんでした」 まこ「……それじゃあの。覚えておいてくれ、京太郎」 まこ「麻雀部に戻ってこようとも、このまま修羅の道を歩もうとも……わしは常に、お前さんの味方じゃからな」 京太郎「……はい。それでは、さようなら……染谷先輩」 まこ「ああ……さようならじゃ、京太郎」 まこ(京太郎は、悩み抜いた末に今の道を選んだ。そんなこと、久や優希だってわかってる) まこ(それでもあいつらが、京太郎を麻雀部に戻したいと思うのは、京太郎のことが好きだからってだけじゃない) まこ(みんなみんな、気付いているからじゃよ。京太郎……お前さんが、本当に望んでいることに) まこ(強くなるってのは、その目的のための手段の一つに過ぎないってことに) まこ(結局、そのことを言えんかったのぅ……いや、わしが言っても意味ないんじゃがの) まこ(それは、京太郎が自分で気づかないと意味がない。そして……) まこ(それに気付かせられる者は……わしらでは、ないんじゃからな) 咲(……部長も、優希ちゃんも、染谷先輩も駄目だった……) 咲(京ちゃん……京ちゃんはもう、麻雀部に戻ってくる気はないの?) 咲(京ちゃんはもう……私と、麻雀を打ってくれないの?) 咲(どうして、京ちゃんは……) プルルルル 咲「ん……電話」 咲「はい、宮永です」 照『……咲?』 咲「え……お姉、ちゃん……?」 京太郎「…………」 ムロ「よろしくお願いします」 マホ「全国優勝者と打てるなんて嬉しいです! 今日はよろしくですー」 京太郎「……和?」 和「中学時代の後輩です。ほら、ご挨拶を」 ムロ「あ、すいません……室橋裕子、3年です……」 マホ「2年の夢乃マホです。えっと、須賀先輩ですね?」 京太郎「あ、あぁ……須賀京太郎だ。でも、驚いたな……まさか中学生を連れてくるとは」 和「私がお願いしたんです。ぜひ卓に入って下さいって」 京太郎「和が……てことは、二人とも相当な強さってわけか?」 ムロ「いっ、いえ全然! 全然大したことないです!」 和「マホちゃんにいたっては、レーティング1200台ですし」 京太郎(せ、1200……昔の俺と同レベルじゃないか……) マホ「えへへ、お手柔らかにー」 京太郎(他にも当てはあったはずなのに、中学生を引っ張ってきた) 京太郎(和が言うなら、本当に初心者なんだろう。だが、わざわざこの場に呼ぶくらいだ) 京太郎(何もないはずはない……それに、このマホって子からは何となく感じる) 京太郎(咲や天江さんと、同じ感覚を……) 京太郎(それで、俺が麻雀部に戻るとでも思っているのか……? 和は) マホ「では、私の親からですね……お、ダブルリーチです!」 ムロ「うわ、いきなり優希先輩か」 京太郎「優希……?」 ムロ「マホの奴、優希先輩や和先輩に憧れてて、真似した打ち方をしようとするんですよ」 京太郎「真似だって? そんなこと、しようと思ってもできるもんじゃ……」 和「私もそう思うんですが……なぜか一半荘に一局くらい、できてしまうことがあるんです」 マホ「ツモです! 6000オール!」 ムロ「あいたた、いきなり親っ跳ねかー」 京太郎(……模倣の能力、ってわけか……) マホ「ノーテン」 和「テンパイ」 ムロ「ノーテン」 京太郎「テンパイ」 京太郎(……今度は、まるで和みたいな綺麗な打ち筋だ) 京太郎(一手の無駄もなく手を進め、和のリーチを見て勝負は危険と見てすぐオリた) 京太郎(憧れが強くて模倣に走る……か……) 京太郎(…………) マホ「この局も和了りますよー」 ムロ「……マホ、それ取ったら多牌だよ」 マホ「わわっ! す、すいませんです!」 和「はぁ……マホちゃんは相変わらずですね」 京太郎「……本当に、初心者なのな」 マホ「うぅ、恥ずかしいところをお見せしてしまったのです……」 京太郎(まったく、調子狂うな……でも、間違いない。この子は魔物側に属する人間だ) 京太郎(今までは優希、和と模倣を続けてきた) 京太郎(……まさか……) 京太郎「……リーチだ」 ムロ「リーチですか……うーん、困ったな……」 マホ「……カンです」 ムロ「カン? リーチ相手に?」 マホ「はい。何となくですけど……」 京太郎(やっぱり……この子は、咲の麻雀を……!) マホ「マホ、嶺上で和了れるような気がします」 タンッ マホ「ツモ。嶺上開花ドラ3、2000・4000」 京太郎「……マホ、だったかな」 マホ「はい、何ですか?」 京太郎「咲の麻雀を、見たことがあるのか?」 和「この前の合同合宿に来ましたから、その時に打ってましたね」 マホ「県予選で見た、宮永先輩の打ち筋がものすごくて……」 マホ「マホもああいう風に打ちたいって思ってて、何回か真似してたら、時々成功するようになったんですよ」 京太郎「……咲の、ように……」 和「人の真似をするより、自分の底上げをしないと……」 マホ「でも……一人だけ、どうしても真似できなかった人がいるんです」 京太郎「真似できなかった人……?」 和「聞いてませんね……」 マホ「はい。テレビで見ただけなんですけど、宮永先輩以上に、凄くカッコいい麻雀だったんです」 京太郎「誰だ、それは?」 マホ「須賀先輩です」 京太郎「……俺?」 マホ「はい。豪快で、華々しくて、カッコよくて……マホ、釘づけになっちゃいました!」 マホ「だから私も、須賀先輩のような麻雀を打とうって、何度もチャレンジしたんですけど……」 ムロ「まだ一度も、成功したことないんだよね」 マホ「はい……なぜでしょうか……」 ムロ「そりゃー全国最強の人だもん。そうそう真似なんてできるわけないって何度も言ってるじゃん」 和「そもそも人の真似ができるなんて、そんなオカルトありえません」 京太郎(……違う……) 京太郎(俺の打ち方が、真似できないのは、きっと……周りを犠牲にして得た、力だから) 京太郎(本当の俺自身は、昔から何も変わってない……能力も何もない、初心者のままだから) マホ「うぅ、リーチ一発ならずです……今回も、失敗しました……」 和「今回も?」 マホ「須賀先輩でしたら一発でツモって裏3乗っただろうから、マホも真似してみたんですが……愚形だけが残ってしまいました」 ムロ「そういうことは言わなくていいの」 京太郎「…………」 マホ「でも、次こそ成功させますよー」 ムロ「諦めなよ、マホ」 京太郎(……これ以上見てるのは、辛いな……) 京太郎(終わらせに……いくか) マホ「」 和「ま、マホちゃん……大丈夫ですか?」 マホ「」 ムロ「ここまでボッコボコにされるとは……まぁ予想はしてたけど」 マホ「うぅ……須賀先輩、容赦ないのです……飛び寸前です」 京太郎「悪いな、これも勝負なんで。あと、俺の模倣はもう諦めたほうがいい、おそらく無理だろうから」 マホ「そ、そんなことないです! 信じていれば、必ずできます!」 京太郎「リーチだ」 マホ「ぴぃ……」 マホ「あ、ツモりました……ツモのみ、400・700……」 ムロ「首の皮一枚繋がったね」 マホ「……あれ?」 和「どうかしましたか?」 マホ「いや、そんなはずは……あれ? でも……え?」 京太郎「?」 ムロ「マホ?」 マホ「い、いえ何でもないです……」 京太郎「ツモ。6000オール」 マホ「飛びましたです……」 ムロ「ありがとうございました……マホ、どんまい……」 和「ありがとうございました」 マホ「……今日は、ありがとうございました! ボコボコにされたけど、楽しかったです!」 ムロ「いい勉強になりました。ありがとうございました」 京太郎「二人とも、清澄を受けるのか?」 ムロ「はい、今のところはそのつもりです」 マホ「えへへー、再来年は同じ麻雀部ですね! よろしくお願いします」 ムロ「マホはもうちょっと勉強頑張らないと、入れるか怪しいんじゃないかな?」 マホ「あうっ……」 京太郎「……俺は、麻雀部には……」 和「そうですね。もし合格できたら、みんな一緒ですね」 京太郎「……和」 ムロ「それでは、失礼します」 マホ「またよろしくお願いしますー」 和「はい、お元気で」 京太郎「和」 和「はい」 京太郎「……言わなかったのか? 俺は、麻雀部にはいないって」 和「今はそうかもしれません。でも、確信していますよ。きっと戻ってくれるって」 京太郎「……なぜ、そう言えるんだ?」 京太郎「あの二人を呼んだのだって、何か考えがあってのことだろうけど……」 京太郎「少なくとも、和やあの二人と打って……麻雀部に戻ろうなんて考えは、強くなることはなかった」 和「考え、ですか……」 京太郎「どうして、わざわざ中学の後輩を呼んだんだ?」 和「強い人と打てるのは、いい経験になると思ったからです。それに、打ちたがっていましたしね」 京太郎「それだけじゃないだろう。何か、俺を麻雀部に戻らせるための……」 和「それだけですよ?」 京太郎「……それだけ?」 和「本当にそれ以外の意味はないです。彼女たちに、そんなことは期待していませんよ」 和「いえ……そもそも、そんなこと出来るわけがないんです。部長も、優希も、染谷先輩も、最初からわかってました」 和「須賀君を麻雀部に戻らせることができる人なんて……」 和「この世に、たった一人しかいないってことが」 京太郎「…………」 和「そういえば……須賀君は、大切なものを犠牲にして力を得る……でしたよね。にわかには信じ難い話ですけど」 京太郎「……それがどうかしたか?」 和「確か最初に犠牲にしたのは、私でしたよね?」 京太郎「……あ、そういえば水がかかった時……」 和「それは思い出さなくていいです! ま、まぁ、それだけ大切に想ってくれているというのは嬉しいです」 和「でも須賀君は、本当の本当に大切なものは、きっと最後まで捨てきれない人でしょう」 和「その人は……誰でしたか?」 京太郎「…………」 和「彼女ならば、きっと……って、私は思いますよ。ふふ」 和「だから……また、打ちましょうね。須賀君」 照『そう……そんなことが……』 咲「うん……」 照『……咲は、京ちゃんがことが好きなんだよね?』 咲「ふぇっ!? ななな、何言ってるの!?」 照『違うの?』 咲「う……えっと……その……」 照『……いや、もういい。大体わかったから……ねぇ、咲。まだ他の面子、席あるんだよね』 咲「え……うん、一応……一人はもう話ついてるんだけど、もう片方は空いてるよ」 照『……じゃあ、行く』 咲「お姉、ちゃん……」 照『力になれるかはわからない。でも……このまま京ちゃんとお別れなんて、したくない』 照『私も……京ちゃんと、戦うよ』 ムロ「さすがに強かったねー、須賀先輩。マホもさすがに真似できなかったか」 マホ「……そこ、どうしても気になることがあるんですよ」 ムロ「何?」 マホ「須賀先輩の真似……出来た感触があるんです」 ムロ「え、ホント? いつ?」 マホ「最後、須賀先輩のリーチをツモのみで流した時がありましたよね」 ムロ「……あのしょぼい手が、須賀先輩の真似!? そんなバカな……」 マホ「私もバカなって思うんですよ。須賀先輩なら、追っかけ一発裏3くらいはしそうですし」 マホ「でも……確かにあれは、須賀先輩の模倣をできた感触でした」 ムロ「……どういうこと? まさかあの人の真の能力は、リーチを安手で流す力とか……」 マホ「いえ、それはさすがにないと思うです」 ムロ「だよねぇ。じゃあ、一体……」 マホ「うーん……わかりません。ただ……」 ムロ「ただ?」 マホ「あの和了り……高い手でもないし、綺麗な手でもない、平凡極まりない手なんですけど……」 マホ「充実感溢れるというか、何というか……よくわかりませんが」 マホ「嬉しい、和了りでした」 ハギヨシ「衣様。宮永様から連絡がありました」 衣「何だ?」 ハギヨシ「須賀様との対戦の残りの一席、宮永照様が入ることになったそうです」 衣「……そうか。下がっていいぞ、ハギヨシ」 ハギヨシ「はい、失礼いたします」 衣「ふぅ……」 衣「お前と会ってからまだ数ヶ月というのに、幾星霜の時を経たようにも感じるよ」 衣「それほどまでに、お前のことが気になっていたようだ」 衣「京太郎……これで終わりになんか、させはしないぞ」 『ツモ、嶺上開花。70符2翻は、1200・2300です』 京太郎(思い返せば、あの日から……ずっと俺は、咲を追ってきた) 京太郎(あんな風に、強くありたいと思った。だから俺は、力を欲した) 京太郎(今の俺は、誰にだって勝てる。たとえ咲だろうと、負けはしない) 京太郎(それでも……いつもいつも、頭にチラつくのは……咲の麻雀。咲の声、咲の姿) 京太郎(……もう、終わりにする。俺は次の、清澄麻雀部員としての最後の麻雀で……完全に、断ち切る) 京太郎(決着をつけるぞ。咲) 京太郎(部長。優希。染谷先輩。和。そして……咲) 京太郎(みんなの想いは、よくわかった。まだ俺のことを、仲間として見てくれていることも) 京太郎(この力さえ捨てれば、昔に戻れる。またみんなと楽しく麻雀が打てる) 京太郎(でも……俺は、やっぱり) 京太郎(今の強い状態のままで、ありたいんだ) 京太郎「さて……」 京太郎「行くか、最後の戦いに」 ガチャッ 京太郎(まだ、誰も来ていないか) 京太郎(この部室とも……今日で、本当にお別れだ) 京太郎(数ヶ月前、咲を引っ張りこんで……今思えば、あれが人生の境目だった) 『ツモ、嶺上開花。70符2翻は、1200・2300です』 京太郎(咲の麻雀は凄かった。圧倒的な力と華麗な打ち回し、そして……あの嶺上開花) 京太郎(惹きつけられると同時に……自分と比べて、辛い気持ちになった) 京太郎(咲も、和も、優希も、部長も、染谷先輩も。みんなみんな、強かった) 京太郎(弱かったのは……俺だけだ。みんなが活躍しても、俺だけは雑魚のまま) 京太郎(俺も、輝きたかった。そしてみんなに……咲に、負けたくなかった) 京太郎(だけど、今の俺は力を得た。咲すらも、問題にならないほどの) 京太郎(だから……) 京太郎「今日でお別れだ。咲」 咲「負けないよ。京ちゃん」 咲「……こうしてお話するのも、久々だね」 京太郎「そうだな。でも、今日で終わりだ」 咲「…………」 京太郎「わかっているはずだ。今の俺は、お前よりもはるかに強い」 咲「……そうかもしれないね」 京太郎「お前には、俺の心を変えることはできない。ただ俺が和了り続け、そのまま終局だ」 京太郎「そして……今度こそ、さよならだ。咲」 咲「……一つだけ、不思議なことがあるんだ。京ちゃん」 京太郎「不思議なこと?」 咲「今の京ちゃんは、トッププロにも勝てるかもしれない。本来私なんかじゃ、勝負にならない」 咲「でもね、どういうわけか知らないけど」 咲「私……今の京ちゃんには、全く負ける気がしないんだ」 京太郎「……意味がわかんねぇよ。それじゃあお前は、トッププロレベルなのか」 咲「まさか、そんなわけないじゃん」 京太郎「じゃあ、俺に勝てるなんて……」 ガチャッ 照「勝てるよ。咲なら、きっと勝てる」 衣「うむ。衣もそう思うぞ」 京太郎「……照さん。天江さん」 照「また会ったね。京ちゃん」 京太郎「来てたんですね、長野に」 咲「お姉ちゃん……」 照「話は咲から聞いた。今までの、京ちゃんのことも、全部」 照「強くなるために、全てを犠牲にしてきたってことも」 京太郎「……それで自分なら、俺に勝てると?」 照「それは……わからない。でも、今の京ちゃんじゃ、咲には勝てない」 京太郎「…………」 衣「京太郎……衣はここ最近、ずっと考えていたことがある」 京太郎「……何ですか?」 衣「ふふ、それがあまりに突拍子もないことでな。言っても何を馬鹿なと笑い飛ばされるだけだろう」 衣「だが今は、衣は衣の仮説の自信を持っているよ」 京太郎「…………」 衣「一つだけ言っておこう。京太郎、お前は強くなんかなっていない」 衣「今の京太郎では、決して咲には勝てない」 京太郎「……天江さんも、そう言うんですか」 衣「……思えば、京太郎のことは、道を踏み外した弟子のように思ってたよ。実に刺激的な日々だった」 京太郎「だとしたら、今日は恩返しをしなければなりませんね。師匠を倒す、という形で」 照「それじゃあ……」 衣「うむ」 咲「…………」 京太郎「始めましょうか。最後の、戦いを」 【東1局 親:衣】 衣「そういえば……照だったか。こうして打つのは初めてだな」 照「……去年のインターハイでの活躍は、よく覚えている。龍門渕高校、天江衣」 衣「照ならば、衣の遊び相手としては申し分ない。一度全力で手合せ願いたいものだが……」 照「うん……ちょっと、そんな状況にないかな」 京太郎「ツモ。2000・4000」 衣「衣の親が、こうもあっさり流されるとはな」 京太郎「これでもまだ、俺が強くなんかなっていないとか言う気ですか?」 衣「言うさ」 京太郎「…………」 衣「京太郎。お前は全国優勝を遂げるまでになったが、お前は最初に衣を訪れたあの日から、何も変わっていない」 京太郎「…………」 京太郎「それなら……」 【東2局 親:照】 京太郎「卓上で、黙らせるまでです」 京太郎「ツモ。1300・2600」 【東3局 親:咲】 京太郎(やっぱり、何も変わってない……照さんや天江さんだろうと、相手にならない) 京太郎(このまま、いつものように和了り続けて、終わらせる) 京太郎(そして……) 京太郎「リーチ」 京太郎(咲、お別れだ) 京太郎(俺は一人のままで、戦い続ける) 衣(京太郎からリーチか……) 照(咲……どうする?) 咲「…………」 咲「リーチ」 京太郎(……追っかけ!?) 咲「……ロン。12000」 京太郎「……はい」 京太郎(くっ……まさか一発でツモれないどころか、掴まされるなんて) 京太郎(……偶然だ、気にするな。次こそ……) 【東3局1本場 親:咲】 咲「ロン。7700の一本場は、8000」 京太郎(ま、また……!?) 【東3局2本場 親:咲】 京太郎(おかしいぞ! こんなこと、力を得てからは一度もなかった!) 京太郎(間違いない、俺は最強の高校生だ! 咲よりも、絶対に強いはずだ!) 京太郎(負けるなんて……) 『今の京ちゃんには、全く負ける気がしないんだ』 京太郎(…………) 京太郎(そんな、はずは……) 咲「リーチ」 京太郎「……チー!」 京太郎「……ツモ、タンヤオのみ……」 京太郎(くそっ! タンピン三色イーペーコーまで見える手だったのに、安手で流さずにはいられなかった!) 京太郎(次の親番で、何とかしなくては……) 【東4局 親:京太郎】 京太郎(……よし! いい手だ、跳満……いや、倍満まで狙える!) 京太郎(今度こそ、叩きのめしてやる!) 京太郎「リーチ!」 咲「……ねえ、京ちゃん」 京太郎「……何だ、咲」 咲「さっきも言ったけど、今の京ちゃんはトッププロにも見劣りしないと思う」 咲「それでもね……やっぱり、思った通り」 パタリ 京太郎「!?」 咲「負ける気が、しないよ」 咲「カン……ツモ、嶺上開花。8000点、責任払いです」 京太郎(嘘……だろ……) 京太郎(俺は、全国優勝者のはずだ……) 京太郎(俺は、最強の力を手に入れたはずだ……) 京太郎(誰が相手だろうと、問題なく勝利してきた。俺に勝てる奴なんか、いなかった) 京太郎(なのに、なぜ咲に……こんなにも……) 京太郎(……咲に……) 京太郎(よりによって……咲に……) 京太郎「…………」ギリッ 照「…………」 咲「……京ちゃん……」 衣「…………」 衣「京太郎、次行くぞ」 京太郎「…………」 衣「……の、前にだ。京太郎、すまないがトイレの場所を教えてくれ」 京太郎「……トイレですか? そこの角を曲がって……」 衣「口で言ってもわからぬ! 案内してくれ!」 京太郎「は?」 衣「ほら、さっさと案内してくれ」 京太郎「いや、でも……」 咲「……京ちゃん、お願い。一旦中断しよ」 京太郎「え……」 衣「京太郎」 京太郎「わ、わかりました……じゃあ、行きましょうか」 衣「うむ、かたじけない」 衣「では、行ってくる」 照「……うん」 バタン 咲「……お姉ちゃん。京ちゃん、昔みたいに戻ってくれるのかな……」 照「咲……」 咲「全力でぶつかれば、きっと戻ってくれると思ってた。以前の、ちょっと意地悪だけど優しかった頃の京ちゃんに」 咲「それでも、やっぱり……本当にそうなるのかって、不安は拭いきれなくて」 咲「あんなに辛そうな京ちゃんを見てたら……私も、辛いよ」 照「大丈夫だよ、咲。京ちゃんなら、きっと気付いてくれる」 照「なんたって、咲が好きになった男の子なんだもの」 咲「……お姉ちゃん……」 照「京ちゃんなら大丈夫。だから……信じて、待っていよう」 咲「……うん」 衣「……不可解か? 最強のはずの自分が、ここまでやられるのが」 京太郎「…………」 衣「言っただろう。今のお前では、咲には勝てぬと」 京太郎「……なぜですか……」 京太郎「俺は、全てを捨てて力を得た。誰にも負けないほどの、力を」 京太郎「なのに……なぜ! なぜ、咲には勝てないんだ!」 京太郎「俺の方が! 俺の方が、絶対に強いはずなのにっ!」 衣「……咲に、勝ちたいか?」 京太郎「…………」 京太郎「……勝ちたい、です」 京太郎「咲には……咲にだけは、負けたくないです」 衣「……ならば京太郎。一つ、教えておこう」 衣「咲の麻雀に、能力はあると思うか?」 京太郎「そりゃ……ありますよ。嶺上で必ず和了るじゃないですか」 衣「では照と衣は?」 京太郎「打点が順々に上がっていくのと、海底で和了る……ですよね?」 衣「ふむ。では京太郎、お前自身は?」 京太郎「……何かを犠牲にして、力を得る……」 衣「なるほどな……なぁ、京太郎」 京太郎「…………」 衣「全部ハズレだ」 京太郎「……は?」 京太郎「ど、どういう意味で……」 衣「言った通りだ。咲には嶺上で必ず和了る能力なんてない」 京太郎「あ、あの……」 衣「照に打点を順々に上げる能力なんてない。衣に海底で必ず和了る能力なんてない」 京太郎「えっと……」 衣「ましてや、何かを犠牲に力を得るだと? そんなオカルト、あるわけがないだろう」 京太郎「ちょ、ちょっと! 天江さん、意味がわかりませんよ!」 衣「ははは、だいぶ混乱しているようだな。無理もない、衣もそのことにハッキリ気付いたのはごく最近だ」 衣「大体、嶺上で和了るだの何だの、そんなのできるはずがない。超能力じゃあるまいし」 京太郎「いや、でも現にみんな……」 衣「……同じものだったのだ。全て」 京太郎「……同じもの?」 衣「咲も、照も、衣も、京太郎も」 衣「みんなみんな、ただ一つ……同じ力を持っている。それだけのことだ」 京太郎「同じ、力……」 衣「それは本来、誰もが持っているものだ。大人も、子供も、プロも、初心者も」 衣「麻雀を打つすべての人間が、その力を持っている。だがそのほとんどは、それに気づくことがないままなのだ」 衣「お前の言う能力者たちだけが、気付いてる。だからこそ、咲は嶺上で和了れるし……」 衣「今、京太郎を倒すことができるのだ」 京太郎「そ、それじゃあ俺が全てを犠牲にして得た力ってのは……」 衣「そうだ。そんな力、元からありはしない」 衣「ヘルカイザーなど、最初から存在していなかった」 京太郎「…………」 衣「言っただろう。お前は強くなんかなっていない、と」 京太郎「……はい……」 衣「確かに京太郎は、全国優勝を遂げた。だが、それは『強くなった』からではない」 衣「もし今の京太郎が『強い』としたら……お前は、衣を訪ねてきたあの日から……最初から、強かったのだ」 京太郎「俺が……強い……」 衣「今までよく頑張った。胸を張れ。他人を犠牲にして得た力なんかじゃない」 衣「京太郎は……自分自身の力で、全国の頂点に立ったのだ」 京太郎「……じゃあ、何なんですか! その誰もが持つ『力』ってのは!」 京太郎「咲が嶺上で和了ったり、俺が全国優勝できたりする『力』は!」 衣「……京太郎。今のお前なら気付くことができるはずだ。そして気付かなければ、咲には勝てない」 京太郎「…………」 衣「そろそろ戻ろうか……京太郎。お前なら、きっと気付けるはずだ。期待しているぞ」 京太郎(咲の嶺上開花……照さんの連続和了、天江さんの海底撈月……) 京太郎(そして、俺の力……) 京太郎(それらは全て共通した、ある一つの『力』だった……) 京太郎(…………) 京太郎(咲……今、お前はその『力』を使って、俺を圧倒しているんだろう) 京太郎(一体……どんな『力』なんだ……) 京太郎(全てを犠牲にして、俺も何かは確実に変わった……俺もその『力』とは、間違いなく接しているはずだ) 京太郎(一体……どんな『力』なんだ……) 京太郎(咲……) 咲「ツモ、嶺上開花」 照(……咲が止まらない) 照(本来ならば、この四人で勝つ力は京ちゃんにある。私や天江衣よりも、はるかに上なのだから) 照(でも今の咲は、その京ちゃんを完全に上回っている。だから、咲が勝つ) 照(……どうして京ちゃんが勝てないのか、何となくわかる) 照(きっと天江衣も気づいてる……そしておそらく、咲も) 照(……京ちゃん……) 京太郎「あと、2局か……」 咲「……うん」 京太郎(……無様なもんだ) 京太郎(全てを捨てて、最強の力を手に入れたはずだった。誰も、俺に敵う者はいなかった) 京太郎(でも、そんな俺が……咲には、全く歯が立たないなんてな) 『そんな力、元からありはしない』 『ヘルカイザーなど、最初から存在していなかった』 京太郎(昔の俺から変わってないまんまだったら……そりゃ、咲には勝てないだろう) 京太郎(だったら、何で今まで俺は勝てていたんだ?) 京太郎(どうして今、咲に勝てないんだ?) 京太郎(咲の力って……俺の力って、一体、何なんだ……?) 京太郎(くそっ、また違う牌……) 京太郎(リーチをかけても、和了れない……こんなこと、今まで……) 京太郎(どうして……) 京太郎(どうして、咲には……勝てないんだ……) 咲「……ねぇ、京ちゃん」 京太郎「……何だよ」 咲「私ね、今まで一人じゃ何もできなくて、自分に何も自信が持てなかった」 咲「だから京ちゃんに、ずっと頼ってきた。思い返せば、昔からそうだったよね」 咲「今だって……きっと一人じゃ、京ちゃんに勝てなかったと思うんだ」 京太郎「……いきなり何言い出すんだ。麻雀なのに、一人じゃ勝てないなんて意味がわからねぇよ」 咲「ううん、京ちゃんならわかるはずだよ。今の私が、一人じゃないってことに」 咲「全国優勝した時の京ちゃんは、本当に凄かった。堂々としてて、自信に溢れてて……」 咲「自分の力を、完全に信じていた。一人きりでも、誰よりも強かった」 京太郎「…………」 咲「でも今の私は……部長に、優希ちゃんに、染谷先輩に、和ちゃん」 咲「それに……お姉ちゃんに、衣ちゃん。みんなの想いを背負っている」 咲「だから、私は今の京ちゃんには負けない。京ちゃんの勝ちたいという想いより、私たちの想いの方が強いから」 京太郎「意味わからねぇよ。想いの強さが麻雀の強さになるなんて、あるわけ……」 咲『愛する麻雀を、牌を、信じる気持ちがあれば……』 咲『きっと、京ちゃんにも引けるよ。勝利への、和了り牌を』 京太郎(…………!) 京太郎(昔……確かに咲は、そんなことを言っていた……) 京太郎(俺を元気づけるための、適当なでっちあげじゃなくて……本気で、言ってたってのか) 京太郎(信じていれば、きっと牌は応えてくれるって……) 衣「ツモ、海底撈月。2000・4000」 照「オーラスだね」 咲「……うん……」 京太郎(昔の俺が、弱かったのは……自分を、信じてなかったから。弱い自分が勝てるだなんて、思ってなかったから) 京太郎(俺が勝てるようになったのは、全てを犠牲にして力を得たからではなく……力を得たと、思い込んでいたから) 京太郎(だから、自分が最強だと思い、自分のことを信じていた) 京太郎(そして、その気持ちに牌が応えてくれたから……勝ててたっていうのか) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎『なぁ、咲。前から気になってたんだけどさ』 咲『どうしたの、京ちゃん』 京太郎『なんでお前、いつも槓材が入ったり嶺上牌が分かったりするんだ?』 咲『え、えぇ……それは、何と言うか……自然にと言うか……何となく?』 京太郎『何となくで済むわけねーだろ……あんなに連発されりゃあ』 咲『と言われても……』 京太郎『はぁ……俺も咲みたいに、欲しい牌を都合よく引けたら少しは勝てるかもしれないのになぁ……』 咲『京ちゃんだって、欲しい牌を引けたことくらいあるでしょ』 京太郎『そりゃ何度もあるけどさ、ここぞって時に引けたことは一度もないんだよ』 咲『そうなんだ……』 京太郎『咲と何が違うのかなぁ、俺は……』 咲『うーん……ちょっと考えてみたんだけど、京ちゃんは『この牌で和了れる』って思って引いたことないんじゃない?』 京太郎『は?』 咲『私はいつも嶺上牌を引くときは『この牌が和了り牌だ』って信じてる。牌のことを信じてる』 咲『だから……その気持ちに、牌が応えてくれるんじゃないかなって、ふと思ったんだ』 京太郎『何だそりゃ。信じるだけで引けるわけないだろ』 咲『そんなことないよ。麻雀が好きなら、きっと引けるようになるよ』 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎「……咲が嶺上で和了れるのも、天江さんが海底で和了れるのも……」 京太郎「信じる気持ちに牌が応えてくれるからってのか……?」 衣「……海底は、衣の領域だ。絶対に、応えてくれる」 京太郎「そんなこと……そんなこと、出来るわけない!」 衣「出来るさ。現にお前は、ずっと信じ続け、それで勝ち続けてきたではないか」 衣「他人を犠牲に得た力ではなく、自分自身の力で」 京太郎「あれは……」 照「……よくわからないけど、想いの強さってことなら、京ちゃんは誰にも負けないよ」 京太郎「……照さん」 照「だって、全てを捨ててでも勝ちたいって思ってたんでしょ?」 照「それくらい、麻雀に入れ込んでたんだよね。麻雀が好きだったんだよね」 照「その想いの強さなら……誰にも負けないよ、京ちゃんは」 京太郎(逆転には、役満ツモが必要……) 京太郎(昔の俺なら、もう諦めてた。全国優勝した頃の俺なら、可能だった) 京太郎(今の、俺は……) 京太郎(…………) 京太郎(仮に、信じれば牌が応えてくれるなんて力があったとしたら……) マホ『そ、そんなことないです! 信じていれば、必ずできます!』 マホ『あ、ツモりました……ツモのみ、400・700……』 京太郎(マホ……お前が模倣したのは、俺の……信じる力、だっていうのか……) 京太郎(俺が自分を……牌を信じ、その気持ちを模倣したから、和了れた) 京太郎(俺にも、そんな力があるっていうのか……) 京太郎(……これで、二暗刻目) 京太郎(役満が見えてきたのは、なんでだろうな。ただの偶然か、俺の力の残骸か) 京太郎(それとも……) 咲「……リーチだよ。京ちゃん」 京太郎(ケリをつけろっていう、天からのおぼしめしか) 京太郎(ケリなんて……もう、とっくについてるのにな。俺じゃ、咲には勝てないって) 京太郎「……結局……」 京太郎「結局、俺は……咲には、勝てないままだったな」 咲「……京ちゃん」 京太郎「すべてを犠牲にしても、全国の頂点に立っても」 京太郎「俺は……咲には、一度も勝てないままだった」 咲「……勝てるよ。京ちゃんなら、きっと勝てる」 咲「自分を、牌を、信じてれば……必ず、応えてくれるよ。京ちゃんの、想いに」 京太郎「……本気で、言ってるのか」 咲「もちろんだよ。私、ずっと見てきたから」 咲「京ちゃんの、麻雀にかける想いを。京ちゃんの一番そばで、ずっと見てきたから」 京太郎「…………」 咲「だから……」 咲「お願い、京ちゃん」 ―――――――私を、信じて。 京太郎(…………) 京太郎(そっか……) 京太郎(そういうこと、だったんだな) 京太郎(俺には、目標があった) 京太郎(それが何かはハッキリとはわからなかったが、何となく、昔の俺には手が届かないものだって気がした) 京太郎(だから、俺は……強くなりたいって、思った) 京太郎(……やっと、わかったよ。俺が、本当に目指していたもの) 京太郎(それは、みんなと一緒に全国に行くことなんかじゃなかった) 京太郎(全国大会で、優勝することなんかじゃなかった) 京太郎(誰よりも、強くなることなんかじゃなかった) 京太郎(俺は―――――――) 京太郎(……四暗刻を張った次巡のツモが、これかよ) 京太郎(はは……決着をつける舞台まで、神様はしゃれた用意をしてくれたってわけか) 京太郎(……乗るしか、ねぇよな) 京太郎「カン」 照(暗槓……) 衣(……この嶺上牌が咲の当たり牌。もしくは……京太郎の和了り牌だろう) 衣(そして、どちらかというと、おそらくは……) 『ここまでやられたのは、完全に咲のことを捨て切れていなかったからじゃないのか?』 京太郎(まぁ……捨て切れてなかったってのは、認めるよ) 『今度こそ完全に咲のことを捨てきれば、きっとツモ和了れるだろう』 京太郎(その可能性は、確かにあるかもしれないな) 『前みたいに、誰よりも強くなることもできるだろうさ』 京太郎(いいんだよ。俺の目標は、そんなことじゃないんだ) 京太郎(俺の、本当の目標は……) 『愛する麻雀を、牌を、信じる気持ちがあれば……』 『きっと、京ちゃんにも引けるよ。勝利への、和了り牌を』 京太郎(自分の力なんて、別に信じてない) 京太郎(だけど……) 京太郎(和了り牌を引けるって、咲が言ってくれるなら……) 京太郎(俺は……引けるはずだ!) カツッ! 京太郎「…………」 照「京ちゃん……」 衣「……はは、衣の予想が覆されるとはな」 咲「…………」 咲「その嶺上牌……本当は、私の当たり牌だったはずだった」 咲「でも、私が嶺上牌を信じる想いより……京ちゃんの信じる想いが、上回った」 咲「だから、牌はそれに応えてくれたんだと思う」 京太郎「……俺は、別に自分を信じちゃいなかった」 京太郎「やっぱり、咲には勝てないのかなって……ちょっと、思ったりもした」 京太郎「だけど……信じるものは、自分以外にもあった」 京太郎「俺は、咲を信じた。俺を強いって言ってくれた、咲を信じた」 京太郎「今、初めて知ったよ……麻雀って、一人でやるものとは、限らないんだな」 京太郎「ありがとう……咲」 咲「京ちゃん……こちらこそ、ありがとう」 咲「完敗だよ。やっぱり、京ちゃんと打つ麻雀は、楽しいな」 京太郎「これから先、山ほど打ってやるよ。何度も負かしてやるぜ、以前の俺とは違うからな」 衣「おっと、その時は衣も混ぜてくれ。この上なく、楽しい遊戯となりそうだ」 衣「それと……天江さんなんて他人行儀な呼び方は、もうやめてくれな」 照「京ちゃん……私はもう卒業しちゃうけど、今度はプロの立場に立つから……」 照「だから、来年も優勝して……また、あの舞台で戦おう。ね」 京太郎「……衣さん、照さん……」 照「それより、点数報告がまだだよ。ほら」 京太郎「あっ、すいません」 京太郎「ツモ、嶺上開花……四暗刻。俺の……逆転トップです」 久「もう一年経つのか、早いものね」 和「そうですね。またみんなで全国に来れたなんて、夢みたいです」 京太郎「部長もわざわざ東京まで、ありがとうございます。それに、マホも」 久「そりゃもう、可愛い後輩たちの全国の晴れ舞台だもの。OGとして応援に来るのは当然でしょ」 マホ「私も暇でしたのでー」 ムロ「本当は勉強しなきゃ駄目なんだけどね」 マホ「……ま、まぁそれは置いといて!」 まこ「そもそも、今の部長はわしなんじゃがの」 優希「でもやっぱり、部長は部長だじぇ!」 咲「あはは、そうだね」 久「でも……咲と和は流石としても……」 久「須賀君も、よく代表取れたじゃない? 激戦区の男子で」 京太郎「いやいや、俺は運がよかっただけですよ」 優希「去年の決勝で当たった三人が実はみんなその時三年で、今年はいなかったみたいだじぇ」 まこ「おかげで、今年は層スッカスカだったと評判じゃったの」 京太郎「そのスッカスカの層の中ですら、ギリギリの代表獲得だったんですよ」 京太郎「部内でもそこまで勝ててないし、俺、代表者の中で最弱なんじゃないかな……」 咲「そ、そんなことないよ……多分」 久「多分……ねぇ」 咲「ぶ、部長!」 京太郎「はは、ですよね。でも、そのぶん気楽に打てますよ。負けてもともと、勝てればラッキー程度のものですから」 京太郎「それじゃ、そろそろ時間ですので。行ってきます」 京太郎「…………」 衣「京太郎」 京太郎「……あ、衣さん」 衣「すまないな。最初から最後まで、衣はお前を振り回してばかりで、何もしてやれなかった」 京太郎「何言ってるんですか。衣さんには、感謝してもしきれませんよ」 京太郎「衣さんがいなければ、俺はずっと麻雀にコンプレックスを抱いたまま……自分の気持ちにも、気付けなかった」 京太郎「俺がこうして堂々とこの舞台に立てるのも、衣さんのおかげですよ」 衣「……惜しくは、ないのか? 去年の自分が」 京太郎「…………」 衣「あのまま衣たちが何もしなければ、京太郎は去年以上の力でいられただろう。全国制覇など、たやすいはずだ」 衣「そのことを……惜しくは、感じないのか?」 京太郎「……全然、惜しくなんかないですよ」 京太郎「だって、俺の目標は、全国制覇なんかじゃなかったんですから」 衣「……そうか。ならば、衣も気兼ねなく応援できるよ」 京太郎「見ていてください。勝てる可能性は限りなく低いかもしれないけど、全身全霊で戦ってきますんで」 衣「うむ、思いっきり暴れてこい、京太郎!」 京太郎「はい! では行ってきます、衣さん!」 衣「京太郎……」 衣「お前との付き合いは一年程度。決して長い期間とは言えぬ」 衣「だが衣にとっては、何よりも大切な一年間だった。京太郎にとっても、そうであれば嬉しいよ」 衣「……いいところを見せられるといいな。頑張れ、京太郎」 アナ「……しかし妙な組み合わせですね、宮永プロ。初戦から、去年の優勝者と準優勝者が当たるなんて」 照「京ちゃ……須賀選手は、今年はギリギリの予選突破でしたから。この対戦システムには一考の価値があるとは思いますが」 アナ「ええ。須賀選手ですが、去年とはまるで別人のようなヨレヨレの県大会突破だったようです」 照「……確かに去年みたいに、圧倒的な力で相手を叩き潰すような麻雀は鳴りを潜めています」 照「ですが、きっと須賀選手が打ちたかった麻雀は、今の須賀選手の打っている麻雀だと思います」 アナ「……去年は不本意な麻雀だった、ということですか?」 照「はい。ですが当時は、そのことに彼は気付いていませんでした」 照「ヘルカイザーと言われた去年も、かろうじてギリギリの県予選突破だった今年も。本質的には、同じ須賀京太郎だったんです」 アナ「……はぁ……」 照(……いけない、喋りすぎた。わけのわからない子だって思われてないかな……) 竜「…………」 京太郎「…………」 竜「……今年のあンたは、背中が煤けねぇな」 京太郎「……よろしくお願いします」 アナ「それでは、試合開始です!」 照(牌を、自分を、信じれば……きっと応えてくれるから) 照(だから……頑張って、京ちゃん) 京太郎(衣さんが言っていた。昔の自分は麻雀を打っていたんじゃない、打たされていたんだって) 京太郎(思えば俺も、そうだったのかもしれない。ただ強くなりたい、勝ちたいとだけ思っていた) 京太郎(今の俺は……本当に自分の望んでいる麻雀が、よくわかっている) 京太郎(それは……) 京太郎「カン」 京太郎「……ツモ! 嶺上開花、中ドラドラ、2000・4000!」 竜「……へぇ」 京太郎(見ててくれよ、みんな!) 優希「やったじぇ、京太郎の先制和了だじょ!」 和「……須賀君、楽しそうですね」 まこ「そりゃそうじゃ。あいつほど麻雀が好きな奴は、そうそうおらんよ」 ムロ「去年打った時とは、全然雰囲気違いますね」 マホ「んー……確かに去年の方が強そうだったんですけど、今の須賀先輩の方が何だか、生き生きとしてるって思います」 咲「そういえば……一つ気になることがあるんですけど」 まこ「何じゃ?」 咲「結局、京ちゃんの目標って何だったんですか?」 咲「全てを捨ててまで、強くなろうとして……でも、目指していたのは全国出場でも、全国制覇でもなかったみたいで」 久「……は?」 咲「本人に聞いても適当にはぐらかされるし……みんな、何か知りませんか?」 和「……宮永さん……」 優希「咲ちゃん、それ本気か?」 咲「え? え?」 マホ「部外者の私でも、とっくに気付いてますよ……」 久「わかってないわね……じゃあ、教えてあげる」 久「須賀君はね、他の誰でもない……あなたに、勝ちたかった。それこそ、彼の本当の目標だったのよ」 咲「わ、私に……?」 まこ「ずっと前から、咲以外みんなわかってたぞ」 咲「……やっぱり……」 咲「やっぱり、悔しかったんでしょうか? こんなどんくさい私なんかに、全然勝てないってことが」 久「まぁ……それもあるかもしれないけどね。本命の理由は、そんなんじゃないわよ」 咲「え、じゃあ一体……」 優希「……咲ちゃん、さすがに酷いじぇ」 和「須賀君、かわいそうです……」 ムロ「お気の毒です、先輩……」 咲「え? え?」 まこ「……本当にわからんのか?」 久「やれやれ……一年経ってもこれじゃあ、まだまだ時間かかりそうね」 咲「お、教えてくださいよぉー!」 久「だぁーめ。それは似た者同士、自分で考えなさい」 昔から、決まってるじゃない。 男の子っていうのは。 好きな子の前じゃ、強くありたい、いいところを見せたいって思うものだって。 咏「……ふーん、いい顔するようになったじゃん、彼」 えり「確かに去年とは、だいぶ印象が違いますね」 健夜「うん。去年はただ勝利だけを求め、相手へのリスペクトなんて全く感じなかったけど……」 恒子「何かあったのかな?」 咏「だろうねぃ。それも、きっといいことがね」 えり「……そういえば彼、妙なんですよね」 咏「妙?」 えり「はい。県大会のデータを見ると、去年みたいな圧倒的な火力はないのですが……」 えり「どういうわけか、嶺上開花の和了率が高いままなんですよ」 恒子「高いって、どのくらい?」 えり「えぇ。彼が嶺上を引く時は……大体、3回に1回くらいは和了っています」 咏「確かに高いけど低っ!」 健夜「嶺上か……何だか、宮永さんみたいだね」 恒子「あ、確かに。長野ってところも同じだね」 咏「……もしかしたら、彼女に対して何か思うところがあったのかもしれないねぃ」 えり「思うこと?」 咏「うん。それが対抗心か、憧れか、はたまた別の感情かはわからないけど……」 咏「あんな風に戦いたい。あんな麻雀を打ちたい。そんな思いを、ずっと持ってたのかも」 健夜「……それが去年は、ヘルカイザーとして昇華することになったと?」 咏「わかんねーけど、今の彼、ずいぶんいい顔してるよ」 咏「それだけでも、あちら側の世界に足を踏み入れた価値はあったんだろうさ」 咏「……頭ごなしに彼を否定しちゃった私は、後で謝らないとねぃ」 健夜「……やっぱり若い子って凄いね。どんな道に進んでも、色々な未来がさらに広がってる」 健夜「もし、自分が間違った道に進んだって彼が思ってたとしても……きっと、後悔はしてないだろうね」 恒子「ほうほう、アラフォーらしい若い子に嫉妬した発言だね」 健夜「アラサーだよ! あと別に嫉妬してるわけじゃないよ!」 京太郎「……ふぅ……」 咲「……京ちゃん、お疲れ様」 京太郎「咲か。わざわざありがとうな」 咲「……残念だったね」 京太郎「いやぁ、あそこまでフルボッコにされると、かえって気持ちいいさ」 京太郎「もともと、ここに来れたこと自体が不思議なくらいだからな。それに、楽しかったし」 京太郎「ところで、みんなは?」 咲「いや、その……せ、せっかくだし、私だけ先に行ってこいって……」 咲(……こんなことまで、気を回してくれなくてもいいのに……) 京太郎「しかし、やっぱりなかなかうまくいかないな。どうしても嶺上で和了れるとか、ありえないって思っちまうし」 咲「あはは、まだまだ信じ切れてないのかな。無理に私の真似なんかしなくても……」 京太郎「咲の真似してるわけじゃないさ。ただ、ここぞって場面だといつも咲を感じるんだよ」 京太郎「そういう時は……嶺上牌も、いつも応えてくれるんだ。何せ、咲と一緒に打っているんだからな」 咲「……京ちゃん……」 京太郎「でも……欲を言えばやっぱりもう少し、カッコいいところを見せたかったな」 咲「……カッコよかったよ、十分すぎるくらい」 京太郎「ん……咲にそう言ってもらえるなら、おおいに価値ある一戦だったな」 咲「来年、また来ようよ。今度は、もっと強くなって」 京太郎「……そうだな。見てろ咲、完全に負けたって言わせるくらい強くなってやるから」 咲「……私、いっつも京ちゃんには負けてるよ……」 京太郎「え?」 咲「ううん、何でもない。みんなが待ってる、戻ろう」 京太郎「あぁ、そうだな」 京太郎「……なぁ、咲」 咲「何? 京ちゃん」 京太郎「今思えば、最初に俺が麻雀部に連れてきてプラマイ0を連発してた時から……」 京太郎「ずっと、魅せられてたんだなって思うよ」 咲「……私の麻雀、そんなに凄かったの?」 京太郎「麻雀も確かにそうだけど……本当に魅せられたのは、きっと……」 京太郎「……やっぱ教えてやんねー!」 咲「ええっ、何それ! そこまで言っておいて!」 咲「部長たちも、何だか肝心なところは言わないし……私だけ、のけ者にされてる気分だよ」 京太郎「ま、そのうち言う日が来るさ。いや、そうしなきゃ駄目だろうな。男として」 咲「何言ってるの?」 京太郎「……ま、今はまだこれでいいかな。でも、そのうち……な」 久「おかえり、須賀君」 和「お疲れ様でした」 まこ「惜しかったのう、京太郎」 優希「優しい私が、頭なでなでしてやるぞ犬!」 マホ「うっへっへ、お二人さんいい雰囲気で~いたたっ!」 ムロ「こら、マホ!」 「「ただいまっ!」」 END
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4445.html
長野のローカル局で放送されている、ご当地麻雀番組(通称:まどでしょ)である! 内容はいたって平凡。メインパーソナリティーの福与恒子と小鍛治健夜、そして師匠・須賀京太郎とイーピンちゃんこと安福莉子が麻雀の結果に応じて各地を旅し、色んな目に遭う……それだけ! 恒子「――――はいどもー!ひっっっっさしぶりにやって来ました、麻雀どうでしょうのお時間でっすー!」 健夜「ホントに久しぶりに……」 恒子「今日も今日とて、ふくよかじゃない恒子ちゃんとあらふ……すこやんの二人で進行してくよー」 健夜「ねえ、今アラフォーって言った?言ったよね!?」 恒子「ま、よくあるこった、気にすんな!」 健夜「それはスペシャルな作品の主人公(金)の台詞だから使っちゃダメだよ!」 恒子「えー、いいじゃん。そんな細かいこと気にしてると婚期逃……ぁ、もう逃してるかー」 健夜「久しぶりだけど全然変わってないね、こーこちゃんは!」 恒子「はいはーい、それじゃサクッと話進めるよー」 健夜「あのゴメン、あからさまに無視しないで、正直に傷つくから……」 恒子「まずはこの人がいなけりゃ話が進まない!師匠こと須賀京太郎くーん!」 健夜「…………メゲるよ」 京太郎「…………まだ続いてたんだ、この企画」 恒子「長野は娯楽が少ないから」注:あくまで恒子ちゃんの意見です 京太郎「おい、ちょっと聞き捨てなんねーですよ今の発言!」 恒子「えー、だって長野って聞いて私が思い付くのって、ピーマンの嫌いな吸血鬼ぐらいだし」 健夜「あ、僕血だね。続編の僕月も面白かったよね」 恒子「コスモス荘が傑作な気もするけど、あれは漫画版が神っちゃったし。私的におちゃらか駅前劇場とか九官鳥刑事辺りのノリでもう一回―――」 京太郎「ネタがわっかんねーし!つーか、麻雀があんでしょーが麻雀が!?」 健夜「あわわ、それは何もないって言ってるのと同じだよ須賀く……師匠!」(ギュー 京太郎「どさくさにまぎれて抱きつかないでほしいっす、小鍛治さん!」 恒子「……はい!師匠が疲労困憊でツッコミできない内に番組続けちゃおー」 京太郎「ハァ、ハァ……くっそ、またこの人のペースに乗っちまった」 健夜「しょうがないよ、こーこちゃんだもん……」 京太郎「空見上げながら言わないでください、悲しくなります」 恒子「なーんだか黄昏ちゃってる二人に構わず、次のゲストを呼んじゃいましょう!やっぱりこの番組には彼女の力が必・要だぁー!!」 京太郎「お、やっぱり莉子も参加させられてるんだ」 健夜「もうレギュラーだもんね、須賀君と莉子ちゃん」 京太郎「ええ、認めたくないことですが、まだ道連……相方がいる分、リアクションも取り易――――」 誠子「えーっと、ども……」 恒子「白糸台チーム虎姫からやって来ました!和了もコメントも思いのままに釣りあげる!フイッシャー・亦野誠子ちゃんでーす!いらっしゃいませー」 京太郎「なんでだああぁぁぁぁぁっ!?」 誠子「うぉっ?」 恒子「女房と畳はナントヤラというわけで、リアクションに新鮮味を求めてちょっと相方をチェンジしてみましたー☆」 誠子「まさか私がこの番組に出るなんて……。つーか、女房と、みたいな表現されると後で大星になに言われるかわからなすぎて怖いんだけど……」 京太郎「莉子……いや、イーピンちゃんカムバーーック!」 ―――某所 淡「うー!うー!なんで私が麻雀どうでしょうに出れないのー!?」 菫「そのうーうー言うのは止めろ!あと、師匠の相方を勤めるには一つ絶対条件があるからだ」 照「それは初耳」 菫「フフ、これはまだDVDに収録されていない回でこーこちゃ……恒子さんがうっかり漏らした情報だからな」 尭深「ファンなんだ……」 菫「それほどではない。ただ……」 照「ただ?」 菫「番組の無茶な企画決定権を賭けた麻雀対決で健闘虚しく、オーラスにド高めを振り込んだイーピンちゃんや、役満親被りでまくられた時のししょ……須賀君の愕然とした表情が――――な、わかるだろ?」(ゾクゾク 照「のーこめんとで」 淡「きょーたろー君いじめちゃダーメー!」 尭深「それで……さっき言ってた絶対条件って?」 菫「おっと、忘れてた。それはだな……コホン――――手痛い、あるいは致命的な失点をしていること、だ」 淡「つまりどーゆーこと?」 菫「振り込んだりした跳んだ数が多い人ほど選ばれやすい、ってことだよ」 尭深「なるほど」 照(あ、だから須賀君は師匠なのか……) 誠子「そういや私、なんで師匠の相方に選ばれたんだろ」 京太郎「知りませんよ。つーか、亦野さんまで俺を師匠とか呼ばないでください」 恒子「本当はねー、頑張ってる師匠へのご褒美ってことで、阿知賀の松実選手を相方にって意見もあったんだけど……スポンサーの方から猛抗議が来ちゃってさー」 京太郎「猛抗議、ですか。いったいどこのスポンサーが……」 恒子「うん。えっとね、りゅ―――」 京太郎「あ、いいです、もうわかりました」 恒子「残念だったね、おもちが拝めなくて!」 京太郎「ハイハイそーですねー、あー残念残念…………マジで残念だ、チクショウ」 健夜「須賀君、すっかりやさぐれちゃって……」 恒子「何が悪かったんだろうね。ああっ、あの頃のおもちに並々ならぬ情熱を持っていた師匠はいずこへ!」 誠子「なんとなく原因は目の前の人のよーな気がするな」 健夜「うん、みんなそう思ってるよ」 恒子「さて、役者も揃ったことだし、そろそろ今回の企画いってみよー!」 京太郎「どーせ今回もどっか地方に飛ばされて跳ばされる企画なんだろーなー……」 恒子「今回の企画は……なななんと!――――美少女雀士を自分好みにプロデュースして、次世代の雀ドルに育て上げろ!『THE雀DOLM@STER』プロジェクト、っでーーーす!!」 京太郎「………………あ?」 恒子「番組スタッフによる厳選なる審査を通過した十数名の美少女雀士!師匠にはこれから三ヶ月間、彼女達とコミュニケーションを重ねて、共に笑い、時に涙してトップ雀ドルへの道を駆け抜けていただきます!!」 京太郎「さ、三ヶ月!?なんすかそれ、聞いてないですよそんなの!」 恒子「言ってないですからー!」 京太郎「またこのパターンか!おい、カメラ止めろ!!」 健夜「おお、落ち着いて、暴力はダメだよ師匠!」(ダキー 恒子「キャー、おーそーわーれーるー♪」 誠子「えーっと…………あ、これ読めばいいんですね」 ついに始まった新企画! まどでしょプロ、トップ雀ドルへの道! 恒子「万が一失敗したら、南米コスタリカで――――」 京太郎「また南米か!」 誠子「めんどくさ……」 莉子「は、話が違うじゃないですか!今回の企画に協力したら私、卒業じゃなかったんですか!?」 京太郎「おい莉子、一度腹割って話そうか」 莉子「魔が差したんですー!」 健夜「み、みんなで頑張れば大丈夫だよ!」 恒子「―――全責任取るってことで、師匠にはウエディングドレス姿のすこやんと撮影していただきます!」 健夜「…………す、須賀君、パスポートは持ってる?いっ、今のうちにパスポート取っておいた方がいいんじゃないかな!かな!?」 京太郎「企画に成功しても失敗しても決着くせーぞ俺の人生ェ!?」 誠子「はたして師匠は自由を勝ち取れるのか!それでは、また来週ー…………南米ってどんな魚釣れるのかな?」 終われ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6406.html
【8月第1週 平日】 京太郎「ほんと、憩さんていっつも何してるんだろう?」 京太郎「何…ナニ……?」 京太郎「ははっ、まさかな」 京太郎「IHに向けて追い込むぞ!」 京太郎「そういえば霞さんから説明とか受けてなかったな」 京太郎「咏ー特訓しようぜー!」 咏「おう、いいぜぃ」 咏「私は団体戦だけだからみっちり教えてやるよ」 京太郎「ま、お手柔らかにな」 咏「ロン、24000だよ」 咏「ツモ、4000・8000」 咏「ツモ、16000オール」 咏「ロ「ストーップ」」 京太郎「もういいです飛びました」 京太郎「ってかなんでそんな高いのばっか和了れるんだよ!」 咏「高いの目指せば作れんじゃね?知らんけど」 京太郎「知らんけどって……」 咏「とりあえず手牌見せてみ」スッ 咏「うーん、これなら、こうして……」 京太郎(小さいけど、なんか男っぽくて荒い性格してるけど) 京太郎(咏ってやっぱり可愛いよな」 咏「はっ!?」 京太郎「えっ!?」 咏「ん……そ、そっか」カァァ 咏「あっ!別に気にしてるわけじゃねえんだよ!」 京太郎「なんかコツをつかんだ気がするぞ!」 京太郎「次はどうするかな」 昼 京太郎「よし、中心街に行こう!」 京太郎「息抜き息抜き」 京太郎「海遊館に来てみたぞ」 京太郎「おお、これが海遊館のサメか」 小蒔「はっちゃんはっちゃん!サメですよ!サメ!」 初美「あ!あっちにエイがいるのですよー」タッタッ 京太郎「えっ」 初美「うわわっ!」 ドーン 初美「うう、痛いのですよー」 京太郎「きみ、大丈夫?」 初美「うわっ、金髪なのですよー!不良ですよー!タバコ吸ってるのですよー!」 京太郎「第一印象でそこまで決めつけないでもらえる!?」 小蒔「はっちゃんどうかしましたか?うわ、金髪」 京太郎「またですか……」 小蒔「金髪!かっこいいです!触らせてください!」キラキラ 京太郎「は、はい」 小蒔「凄いです!金ぴかです!」キラキラ 京太郎「あのー、もうよろしいでしょうか?」 小蒔「あ、長々とすみません!」ペッコリン 京太郎(おお、おもちが揺れる) 小蒔「申し遅れました、私、神代小蒔と申します。ほら、はっちゃんも」 初美「薄墨初美です、これでも高校3年生ですよー」 京太郎「ははっ、ご冗談を」 初美「冗談じゃないですよー!」ムキー 小蒔「まあまあはっちゃん落ち着きましょう、ね?」 初美「むぅ、姫様が言うのなら仕方ないですねー」 京太郎「あの後、3人で海遊館を周った」 京太郎「2人の連絡先ももらえたし良かったよかった」 京太郎「いいおもちだったな……」 京太郎「ここがUSJかぁ」 理沙(道に迷っちゃったな……あの子に聞いてみよう) 京太郎「金が無いから入らないけどな」 理沙(落ち着いて、落ち着いて……) 理沙「あのっ!」 京太郎「は、はいっ!」 理沙「ここ、どこ!」プンスカ 理沙(なんでいっつもこうなっちゃうのぉ……) 京太郎(なんで怒ってるんだこの人……あれ、この人どっかで見たような…) 京太郎「ここはUSJですよ」 理沙「USJ!?」 京太郎「道に迷ったんですか?」 理沙「ち、違う!」 理沙「ただ…その……」 理沙(なんか変な目で見られてる、うぅ、どう言おう) 京太郎(ひょっとして口下手だからうまく喋れないんじゃないかな?) 京太郎(じゃあ……) 京太郎「メアド、交換しませんか?」 理沙(メ、メアド!?まさかこの子が世に言うチャラ男なの?) 理沙「なんで!」 京太郎「会話できないならメールで用件を聞こうかと思いまして」 京太郎「初対面の人と話すときにどもっちゃうこととか良くありますよね」ウンウン 理沙(この人、私のことをわかってくれてるの?) 理沙(なにこれ、嬉しい) 理沙「わかった!」つ携帯 京太郎「……っと」ピロリン 京太郎「はい、これで完了です」 理沙(これで村吉さん含めて2件目のメアドゲットだ!) 京太郎「それで、どうして迷ったんですか?」 ヴーッ ヴーッ 理沙『大阪駅から東京駅に行こうとしたらここにいました』 京太郎「Oh……」 京太郎「あの後なんとか案内できたぞ」 京太郎「しかしあの人が野依プロだったとは、世界は狭いんだなぁ」 京太郎「通天閣に来たぞー!」 京太郎「前にも来たな」 小蒔「霞ちゃん!高いです!」 霞「小蒔ちゃん、ちょっと落ち着いて」 小蒔「これが落ち着いていられるかってんでいべらぼうめい!」 霞「口調がおかしくなってるわよ、って京太郎くんじゃない」 京太郎「あ、どうも」 小蒔「先刻ぶりですね、須賀さん!」 霞「あら、2人はもう知り合いなの?」 小蒔「はい!さっきはっちゃんと海遊館を案内してもらいました!」 京太郎「ところで、どうしてお2人がここに?知り合いなんですか?」 霞「親戚ね、私たちの家は代々巫女の家系なのよ」 霞「私やはっちゃんは分家で、小蒔ちゃんが本家」 京太郎「さっぱりわからんです」 小蒔「まあ細かいことは気にせず遊びましょう!」ギュッ 京太郎「ちょ、そんなにくっつかれると、俺の通天閣が!」 霞「通天閣が、なあに?」ニッコリ 京太郎「いえ、なんでもございません」 京太郎「こえぇよ、霞さんこえぇよ」 夜 京太郎「IH前にできるだけ宿題を片付けておこう」 京太郎「頑張るぞー!」メラメラ 京太郎「この問題わっかんねー」 京太郎「三角比とかもう何がなんだか」 京太郎「照に聞いてみるか?」 京太郎「……いや、参考書だけで頑張ろう」 【8月第1週 平日】終 【8月第1週 休日】 京太郎「明日から東京か」 京太郎「何を使って行くんだっけか」 京太郎「また中心街に行くか」 京太郎「サボってるわけじゃないよ!買い出しだよ買い出し!これ重要だから!」 京太郎「雀荘に来たぞ」 おっさま「おお、須賀ちゃん、今日はバイトじゃないんか?」 京太郎「はい、たまには打ちたいですし!」 おっさま(いっつも打ってるきがするのはワイの気のせいやろか……) カランコロン 京太郎「いらっしゃいませ!」 京太郎「あっ、条件反射でつい!」 やえ「おお、本当にいた」 菫「うげっ、本当にいた」 京太郎「同じ言葉なのに意思の違いが感じられるのは気のせいでしょうか」 やえ「まあまあ、須賀、どうだ?私たちと打たないか?」 京太郎「ええ、構いませんよ」 やえ「そうか、では、お見せしよう!王者の打ち筋を!」 やえ「にわかは相手にならんよ!」 京太郎「俺の新技を見せておげますよ!」 菫「私は蚊帳の外か……」 開局 京太郎(よし、テンパイしたぞ) 京太郎(でも、こんな安手じゃ満足しない) 京太郎(もっと、高くだ!) やえ(前会ったときとは何か違うようだな、ふむ) 京太郎「ツモ!6000オール!」 東2局 親 京太郎 43000 おっさま 19000 やえ 19000 菫 19000 京太郎(よっし、いい感じだ!) 京太郎(この調子で)トン 菫「ロン」ザシュ 京太郎「は!?」 菫「5200の1本場は5500」 菫「ようやく射抜いたぞ、須賀」 東2局 京太郎 37500 親 おっさま 19000 やえ 19000 菫 24500 やえ(菫は須賀を射抜いたか、ならば私も負けてられないな) やえ(須賀を撃ち抜く) やえ(なぜなら私は) やえ「リーチ!」 やえ(王者なのだから) 【大回転リーチ】発動! やえ(一発ならず、か) やえ(でも、須賀をぎゃふんと言わせるぞ!)トン 京太郎「あ、ロンです」 やえ「へ?」 京太郎「16000ですね」 東3局 京太郎 54500 おっさま 19000 親 やえ 2000 菫 24500 京太郎(また和了れた) 京太郎(後で咏にお礼でもするか) 京太郎(テンパイ、このままでいいか) やえ(ダメだったか、くそぅ、もう1回だ!) 菫(もう1度、射抜く!) 京太郎「ロン、24000」 終局 京太郎 78500 菫 24500 やえ 2000 おっさま -5000 京太郎「甲子園に来てみたぞ!」 淡「いぇー!」 京太郎「そういえば1か月くらい前にもここに来たんだよな」 淡「たしかに来たねぇ」ウンウン 京太郎「あのときの松実さんと戒能さんのおもちは、一生忘れまい……ッ」 淡「おもち?」 京太郎「そして今さらだが……」 京太郎「どうしてお前がここにいる」 淡「ん?誰?」 京太郎「お前だよ、淡」 淡「え、私?」 京太郎「お前以外にだれがいるんだよ」 淡「あ、そだねー」 京太郎「お前さぁ……」 淡「今日って何もやってないのかな?」 京太郎「もうすぐ甲子園だからな」 淡「甲子園といえば、京太郎の学校はインターハイに来るんだよね!」 京太郎「話題換えんの早くね!?」 京太郎「まあ行くよ」 淡「じゃあさ!私とどっか行かない?」 淡「地元民の淡ちゃんが案内してあげるよ!」 京太郎「いやもう神田とか行ったしいいや」 淡「もうちょっと迷ってよ!」 京太郎「うーん……わかったよ」 京太郎「楽しみにしとくよ」 淡「やたっ!」 京太郎「コンビニに来たぞ」 菫「くっそぉ、一回しか射抜けなかった……ポッキーおいし」ポリポリ やえ「私なんて焼き鳥で倍満あてられたんだぞ……たけのこおいし」パクパク 菫「やえ!お前はなんてものを食べている!たけのこなど!」ポリポリ やえ「たけのこいいじゃないか!このドリルのような形状が特にいい!」パクパク 菫「ついに二つの意味で頭がクルクルパーになったのか!」ポリポリ やえ「なんだと!」パクパク 京太郎「二人とも落ち着いて」 や菫「「どうしてお前がここにいる?」」 京太郎「えーっと、買い物?」 菫「やえ、準備はいいか?」 やえ「ああ」 京太郎「何をする気ですか!」 やえ「須賀にたけのこときのこを食べ比べてもらう」 京太郎「なんで1箱ずつあるんですかねぇ」 菫「そりゃ、1箱食べなきゃ判定なんてできないだろう?」 京太郎「判定も何も、どれも同じじゃないですか!」 や菫「「あ゙?」」 京太郎「きのことたけのこを食べさせられ続けてゲシュタルト崩壊、ついでに俺の鼻も決壊」 京太郎「俺の味覚もう限界」 京太郎「口のなかが甘ったるい」 京太郎「IH前、特訓するか」 京太郎「照と特訓するか」 照「読んだ?」 京太郎「何をだ」 照「詠んだ?」 京太郎「詠んでない」 照「呼んでないんだ……」 京太郎「それだよそれ!」 照「本当に、いいの?」 京太郎「今の俺なら照にも勝てる!」 照「はぁ……」 ――――――― 照「ロン、13500」 京太郎「五連荘とか、マジかよ……」 夜 京太郎「東京に行ったらできないだろうしやっとくか」 京太郎「戒能さんでヤるか……」モゾモゾ 30分後 京太郎「あれ、マイサンがスタンドアップしないぞ」 京太郎「はぁ……寝るか」 【8月第1週 休日】終 【8月第2週 インターハイ0日目】 京太郎「着替え、歯ブラシ、お菓子、本、パソコン」 京太郎「いざ、インターハイへ!」 ―――――――――――――― 霞「今日は何もしなかったみたいね」 京太郎「だってみんな起きてるじゃないですか」 霞「やるつもりはあった、と」 京太郎「ありま……」 霞「」ニッコリ 京太郎「せんでした」 京太郎「そういえば、どうやって東京に行くんですか?」 霞「車よ」 京太郎「霞さんって車持ってましたっけ?」 霞「私は運転、車は」 郁乃「私のやで~」 霞「郁乃ちゃんの運転免許は使えないから私が運転するの」 京太郎「車を実際に運転したことは?」 霞「」ニッコリ 京太郎「隣は照か」 照「気持ち悪い」ウプッ 京太郎「ちょ、早くね!?」 照「落ち着いた」 京太郎「郁乃さんが酔い止め持っててよかったな」 照「うん」 京太郎「そうだ、郁乃さん」 郁乃「なんや~?」 京太郎「割りばし持ってます?」 郁乃「持っとるよ~」 京太郎「赤ペンと黒ペンは?」 郁乃「水性油性どっちも持っとるで~」 憩「なんでそんなに持ってるんですか……」 咏「何する気だぃ?」 京太郎「王様ゲームだ」 照「王様ゲームって、あの本の?」ガクガク 京太郎「普通の王様ゲームだからな」 エイスリン「オウサマgame?」 霞「パーティーとかでよくやるゲームよ、一回やってみればわかるわ」 京太郎「王様だーれだ?」 憩「あ、ウチや」 京太郎「じゃあ命令してください、どうぞ」 憩「うーん、2番の人が3番の耳が甘噛みする、で」 郁乃「2番は誰や~?」 京太郎「俺で、すね」 咏「うえっ!?」 郁乃「咏ちゃんが3番やな~」 咏「そんなのぜってえおかしいだろ……」 京太郎「う……」 京太郎「あの、命令変えてもらえませんかね?」 照「うん、うん」 霞「あら、命令は絶対よ、守りなさい」 京太郎(この人、自分は参加できないからって!) 咏「……命令じゃ、仕方ないよな」ボソッ 咏「いいよ、京太郎」 京太郎「……はぁ、じゃあやるぞ」 ハムッ 京太郎(咏の耳、なんかしょっぱいな)ハムハム 咏「んっ」 京太郎「ぷはっ……もういいでしょう?」 霞「上出来よ」 京太郎「ごめんな、咏」 咏「な、なんてこと、ねえよ……///」 郁乃「それじゃあもう1回や~」 エイスリン「オウサマガメイレイスル?」 郁乃「そうそうそういうことやで~」 郁乃「王様誰や~?」 照「私」 郁乃「命令は~?」 照「私が5番をくすぐる」 京太郎「5番は誰だ?」 咏「またかよ……」 照「行くよ」 咏「おう」 照「こちょこちょ」ギュルルル 咏「あはははっ」 5分後 照「こちょこちょ」ギュドルルルルルルルル 咏「はあっ、もう、やめっ、て」 照「まだまだ」ガギュラルルルルルルルルルルル 咏「や、め、あっ、あっ」 京太郎(くすぐられて咏の和服が乱れて、その、やばい……) 郁乃「さ、3回目行くで~」 京太郎「放置するんですか!?」 エイスリン「オウサマダーレダ?」 照「私」 京太郎「あれ、また?」 憩「何言うてんの?さっきは京太郎くんやったやん」 京太郎「え、あれ?」 郁乃「命令は~?」 照「4番の人が東京に着くまでの間語尾に「にゃ」をつけて喋る、で」 京太郎「4番は誰ですか?」 咏「今回は違った……よかった」ホッ 郁乃「また当たらんかった~」 エイスリン「ワタシ、1」 京太郎「じゃあ……」 憩「」カタカタ 照「さ、早く」 憩「な、なんとかならへんの?」 照「にゃだよ、にゃ」 憩「なんとかならへんのか……にゃ?」カァ 照「合格、その調子」 照「王様だーれだ」 咏「私だぜぃ!」キャッホー 咏「命令は、そうだねぃ……」 咏「1番の人がアへ顔をする、で」 郁乃「1番だ~れや?」 京太郎「あ、俺です」 照「誰得」 憩(ア、アヘ顔……)モゾモゾ 霞「却下で」 咏「王様はだれだぃ?」 照「私」 郁乃「また照ちゃんか~」 エイスリン「テル、ツヨイ!」 照「郁乃さん、メイド服持ってる?」 郁乃「あるで~」 照「じゃあこれを2番の人が着る、で」 憩「ま、またかいにゃ……」カタカタ 郁乃「じゃ、後ろで着替えてな~」 エイスリン「キョウタロー、ミチャダメ!」メカクシー 京太郎「ぬわっ!」 ――――――――― 憩「着替えたにゃ……」 郁乃「うわぁ~可愛いわ~」 エイスリン「ケイ!good!」 京太郎「憩さん……」 憩「ぁぅ……」 京太郎「めちゃくちゃ似合ってますよ!素敵です!」 憩「ほ、本当かにゃ?」 京太郎「はい」 憩「そ、そうかにゃ……」 京太郎「王様だーれだ?」 郁乃「あ、ウチや~」 照「え」 憩「あ」 エイスリン「ウ」 咏「い」 照京憩エ咏(*1)))) 郁乃「じゃあ~5番の人の黒歴史暴露や~」 憩「またウチだにゃ……」 郁乃「早く早く~」 憩「実はな……ウチ、技があるのにゃ」 照「技?」 エイスリン「ブラストバーントカ?」 京太郎「ダークフレイムとか?」 憩「ヒーリングローリング、だにゃ」 郁乃「わぁ~見せて見せて~」つ包帯 咏「何でもってるんだよ」 憩「わかったにゃ……」 憩「ヒーリング!ローリングー!」 バシバシ 京太郎「あばっ!」 京太郎「~~~!」モゴモゴ 憩「患者を拘束する技なのにゃ」 憩「やっと、やっとウチにゃ」 憩「命令は、3番の人が窓から大声で大会の目標を叫ぶ、だにゃ!」 咏「で、3番は……」 郁乃「あ、私や~」 エイスリン「イッカイモコナイ……」 郁乃「ん~じゃあ~」 郁乃「全国優勝したるで~!」 竜華「応援してるで」 郁乃「え?」 怜「どうも」ペッコリン 霞「実は千里山の子たちもこっちで預かることになったのよ」 雅枝「私のは4人乗りやから、そっちに2人乗せてもらうんや」 京太郎「で、誰が乗るんですか?」 泉「よろしくお願いします」 浩子「右に同じです」 雅枝「次は浜名湖で休憩や、お先」 ブロロロ 霞「じゃあ私たちも行きましょうか」 郁乃「次はものまねせえへん?」 京太郎「ものまね、ですか?」 郁乃「さっきの王様ゲームの割りばし使って星マーク引いた人がやるんや」 泉「へぇ、いいですね」 郁乃「ほな早速~」 浩子「なぜにメイド服?」 憩「訊かんといてにゃ」 咏「うわっ、私かよ」 郁乃「わくわく」 エイスリン「ドキドキ」 咏「じゃあエスパー伊藤の物まねしてやるよ」 泉「エスパー伊藤?」 郁乃「はいかばん~」 咏「ん……」モゾモゾ ジーッ 船Q「ああ、あの人ですか」 咏「どうだ!」ヒョコ エイスリン「!」カキカキ バッ |飛行機と金の絵| 憩「これは、どういうかとかにゃ?」 京太郎「これを使えば旅行代が1人分浮く、と」 エイスリン「ウンウン」 憩「ウチかにゃ~」 憩「エスパー伊藤の物まねをするのにゃ」 郁乃「カバンならあるで~」 憩「……ん」ゴソゴソ 泉「体柔らかいんですねぇ」 憩(アソコ舐めようとしたら軟らかくなってた、なんて言えへんよなぁ……) ――――――――――― 船Q「次は私ですか……じゃあおばちゃ…もとい監督の物まねします」 船Q「コホン……」 船Q「おい、須賀、焼きそばパン買ってこいや」 泉「ひっ」 咏「どうかしたのかぃ?」 泉「いや、なんでも」 郁乃「うわぁ~似とるなぁ~」 憩「親戚やからにゃ」 霞「あ、もうすぐ着くわよ」 ――――――――――― 【浜名湖】 霞「休憩は20分くらいよ、それじゃあまた後で」 京太郎「さて、どこに行こう」 京太郎「これが浜名湖か……」 穏乃「わあーっ!広い!東京ドーム100個分あるんじゃないかなっ!」 憧「100なんて数字ではしゃぐ高校生シズくらいしかいないよ」 玄「あれ、あの人は……」ウーン 怜「お、京くんや」 京太郎「怜さんもここに?」 竜華「ウチもおるで」 玄「あ、須賀くん!」 京太郎「松実さん!?」 玄「お久しぶりなのです」 京太郎「どうも」 憧「クロ、知り合いなの?」 玄「少しだけだけどね」 京太郎「松実さんたちもインターハイですか?」 玄「ふっふっふ、これでも奈良代表なのです」ドヤァ 玄「どうです?」ドヤッ ドヤッ 憧「ドヤ顔やめなって」 穏乃「……も?」 セーラ「怜ー!竜華ー!須賀ー!車が出るでー!」 竜華「もう行かなきゃやな」 怜「この度は、失礼しました」 京太郎「じゃあまた、えーっと」 憧「新子憧よ」 穏乃「高鴨穏乃っていうんだ、よろしくね!」 京太郎「おう、それじゃあまたな」 玄「さよならなのです~」ブンブン 晴絵「あの制服、たしか千里山女子のだよな」 晴絵「あれ、じゃあもう1つの制服はどこのなんだ?」 晴絵「うーむ」 灼「ハルちゃん、どうかしたの?」 晴絵「あ、いや、なんでもないぞ」 京太郎「じゃあ次は大富豪でもやりましょうか」 郁乃「大貧民が罰ゲームやな~」 京太郎「デュエル、スタンバイ!」 郁乃「あちゃ~上がれんかった~」 京太郎「じゃあ罰ゲームですね」 照「!」ピコーン 照「リボン、持ってる?」 郁乃「持っとる、けど」 照「じゃあそれ付けて」 郁乃「え?」 照「罰ゲーム」 憩「自分で言ったことにゃ」 郁乃「うわぁ~!」 郁乃「ど、どうや……?」 京太郎「なんか新鮮ですね、可愛いと思いますよ」 郁乃「か、からかわんといてや……」カァァ 咏「助手席だから参加できねぇ」 霞「まあまあ、ラジオでも聞きましょうよ」 ズン ズンズンズンドコ 霞「き・よ・し!」 咏「演歌かよ……」 照「大貧民……」 郁乃「革命起こして都落ちや~」 泉「罰ゲームはどうします?」 憩「東京に着くまで中二病ににゃるとかどうかにゃ?」 京太郎「あ、それいいですね」 照「中二病?」スットボケ 京太郎「知らないとは言わせないよ、文学少女さん」 照「見よ!これが我が現世で得た<ブレイズコード>、開闢の輪廻だ!」ギュルルルル 照「がはっ!これが貴様のチカラ、終焉の一閃かッ!」 照「もういい?」 憩「罰ゲームは絶対だにゃ」 郁乃「また私かぁ~」 船Q「罰ゲームは、そうですね……」 スバラシイ! 霞「Y・M・C・A!」 船Q「石戸先輩を怒らせてください」 郁乃「……は?」 京太郎「大声で悪口言えばすぐ怒りますから大丈夫ですよ」 郁乃「そういう問題じゃなくてやな~」 憩「早くするにゃ!」 郁乃「うぅ~」 郁乃「霞ちゃんの年増!」 郁乃「コロコロ使い!」 郁乃「垂れパイ!」 キキッ 霞「郁乃ちゃん」 郁乃「は、はい!」 霞「ホテルに着いたら、わかるわね?」ニッコリ 郁乃「」ダラダラ 霞「わかるわね?」 郁乃「イエスマム!」 泉「私が大貧民ですか……」 郁乃「……」ズーン 船Q「罰ゲームは大富豪とメルアド交換とか?」 京太郎「それのどこが罰ゲームなんですか」 京太郎「そもそも大富豪俺ですし」 憩「じゃあ罰ゲームどうするかにゃ?」 京太郎「そうですね……じゃあ 180で」 霞「着いたわよー」 泉「おつかれさまです、マッサージしましょうか?」 霞「あら、よろしく頼むわ」 泉「本当にやるんですか?」ボソボソ 京太郎「罰ゲームは絶対だからね、しょうがないね」ボソボソ 泉「責任、取ってもらいますからね」ボソボソ 泉「失礼します」モニュ 泉(なんや、この感覚、ありえへん) 泉(同じ人間とは思えへん) 泉(いっつも京太郎くんはこれ見てるな) 泉(うらやましい……) 泉(私も、豆乳飲んだりすれば……) ―――――――― 泉「京太郎くん!」バイーン 京太郎「泉!付き合ってくれ!」 ―――――――― 泉(なんてことに……)モニュモニュ ガシッ 霞「気は済んだ?」ニッコリ 泉「あばばばばばばば」 霞「はぁ、すっきりした」 京太郎「」ガクガク 郁乃「」ダラダラ 泉「」カタカタ 照「今日は何があるの?」 エイスリン「カイカイシキト、チュウセンカイ」 照「開会式……長いんだよね」 咏「え、そうなん?」 照「連盟の会長の話がね」 憩「その後の抽選会はウチの出番やな」 霞「あ、その抽選会のことなんだけど、私たちは第2シードらしいわよ」 憩「な、なんで?」 霞「元々千里山の枠になるはずだったのけれど私たちが進んじゃったでしょ?」 霞「それで変更するのが面倒臭いから、だそうよ」 咏「うわ、てきとーだねぃ……」 憩「シード校が参戦するのは2回戦からやから……」 霞「日程はこうなるわね」 1日目 オフ 【Aブロック一回戦・第一~第三試合】 2日目 オフ 【Bブロック一回戦・第一~第三試合】 3日目 オフ 【Aブロック一回戦・第四~第六試合】 4日目 オフ 【Bブロック一回戦・第四~第六試合】 5日目 【Aブロック二回戦・二試合】 6日目 オフ 【Bブロック二回戦・二試合】 7日目 【Aブロック準決勝】 8日目 オフ 【Bブロック準決勝】 9日目 【決勝】 10日目 【個人戦一回戦】 11日目 【個人戦二回戦】 12日目 【個人戦三回戦】 13日目 【個人戦準決勝】 14日目 【個人戦決勝】 京太郎「個人戦は男女で同じ日にやるんですか?」 霞「場所は違うけどね、男子は西東京の方の会場になるわ」 霞「ちなみに、個人戦の一回戦と二回戦の通過条件は半荘1回で1位になることよ」 霞「三回戦と準決勝の通過条件は少し変わって、半荘1回で2位以上になること、だったわね」 霞「説明も終わったことだし、開会式に行きましょうか」 照「長い闘いだった……」 咏「同じ話を延々とするって頭どうなってんだよ」 エイスリン「ズレテタ!」 憩「それ言っちゃダメやから!」 京太郎「男子は開会式無しって邪険じゃないか?」 京太郎「そういえば、ここで女子団体戦が開かれるんだよな」 京太郎「うろついてみようかな」 午後 京太郎「へー菓子屋まであるのか」 淡「私のオススメはねー」 京太郎「なんでまた会うかな」 淡「運命の赤い糸ってやつじゃない?」 京太郎「そんな言葉、似合わないぞ」 淡「じゃあ、単なる偶然じゃないの?」 京太郎「急にあっさりしたな」 淡「いいからいいから、ケーキ食べに行こっ!」 京太郎「ケーキ?」 淡「ここのムシー!ケーキはおいしいんだよ」 京太郎「蒸しケーキか……」 淡「どうかな?」 京太郎「いや、金ないからパス」 淡「むぅ、もういいもん!ヤケ食いだー!」タッタッ ムシー! ム、ムシ? ソレハシリマセン 京太郎「いっつも元気なやつだな」 京太郎「今度は別の場所に行くか」 京太郎「ここ、どこだ?」 京太郎「調子に乗って行きすぎたな……」 理沙(トイレ、どこぉ……) 京太郎「あ」 理沙「あ」 京太郎「お久しぶりですね、野依プロ」 理沙「あぅ……」 理沙(ど、どうしよぉ、須賀くんに訊くのは恥ずかしいし) 京太郎「どうかしましたか?」 理沙「な、なんでもないっ!」ドヒューン 京太郎「あ……」 京太郎「案内してもらおうと思ったのに、どうしたんだろう?」 理沙(言えない言えない!トイレまで連れて行って、なんて!)タッタッ 理沙(あ、もうこれ、げん……かい) 京太郎「お、出れた」 京太郎「早く宿舎に戻らないとな」 京太郎「そういえば夕食は各自外で食べるって話だったな」 京太郎「どこに行こう」 京太郎「お財布に優しいサイゼリヤに来てみたぞ」 店員「すみませんお客様、ただいま店内混みあっているので相席でもよろしいでしょうか?」 京太郎「はい、大丈夫ですよ」 店員「それではあちらの席へどうぞ」 京太郎「相席させてもらってもよろしいでしょうか?」 はやり「ああ、どうぞ」 京太郎「どうもすみませんね……ん?」 はやり「どうかしましたか?」 京太郎「あっ」 京太郎(こ、この童顔、そしてこのおもち!) 京太郎(変装していてもわかる!見まがうことなどない!) 京太郎(このおも…人は!) 京太郎「瑞原プロ!」 はやり「ひっ」ビクッ 京太郎「牌のお姉さんの瑞原はやりプロですよね!」 京太郎「俺、ファンなんです!本も、もがっ」 はやり「ちょっーと静かにしててね、お姉さんとの約束だよっ☆」 はやり「おごってあげるから、ね?」 メニュー 東北風グラタン 関東風ドリア 中部風カルボナーラ 関西風タコのカルパッチョ 九州風ハンバーグ 京太郎「グラタンうまっ!」 はやり「うぅ、今月の食費がぁ……」 はやり「ただでさえ最近仕事減ってるのに……」 京太郎「う……すみません」 はやり「気にしないでいいよ」 京太郎「俺でよかったら相談に乗りましょうか?」 はやり「いいの?」 京太郎「一応、ファンですから」 はやり「わかりました、じゃあこれがはやりの連絡先です」 京太郎「え、本当にいいんですか?」 はやり「来る連絡はどうせマネージャーさんの事務連絡だけですし」 はやり「きみがいたずらするような子だとは思わないし」 はやり「大丈夫ですよ」 京太郎「じゃあ、ありがとうございます」 はやり「そういえば君、制服だけどもしかしてインターハイに出るの?」 京太郎「はい、三箇牧高校の須賀京太郎といいます」 はやり「そうですか、インターハイ頑張ってくださいねっ☆」 京太郎「宿舎に着いたのはいいけど」 京太郎「俺の部屋ってどこだったっけ?」 京太郎「334号室、ここか」ガチャ 京太郎「うおっ!広い!ベッドも大きい!」 京太郎「うっはー最高!」 京太郎「あれ、もう一つ旅行鞄があるぞ?どういうことだ?」ウーン 京太郎「ま、いっか、次はシャワールームを」ガララ 竜華「なんや怜、寂しくなって来たん……か」 京太郎「えっ」 竜華「えっ」ユアガリ 竜華「で、出てけー!」 京太郎「さ、サーセンでしたぁっ!」 竜華「監督に確認したんやけど、やっぱりウチもここや、って」 京太郎「俺もですよ……」 竜華「でも、どうする?寝るとことか」 京太郎「それは俺が床で寝ますよ」 竜華「でも、須賀くんは個人戦出るんやろ?」 京太郎「それを言ったら清水谷さんもじゃないですか」 竜華「うーん……」 竜華「やっぱり、一緒に寝ようか?」 京太郎「いいんですか?襲っちゃうかもしれませんよ?」 竜華「どうせ須賀くんにはそないな意気地あらへんから大丈夫や」 京太郎「うぐっ、確かにそうですね」 竜華「ほな、2週間よろしくな」 京太郎「いえいえこちらこそ」 竜華「あ!せや、ルームメイトになった記念にお互いのこと名前で呼ばへん?」 京太郎「いいですね、それじゃ、竜華さん」 竜華「なんや?京くん」 京太郎「名前じゃないですよね、それ」 竜華「怜もこう呼んどるしええやん」 京太郎「そういえばそうでしたね」 京太郎「それじゃあ竜華さん」 京太郎「何しましょうか」 夜 京太郎「お菓子、食べます?」 竜華「お菓子?」 京太郎「持ってきたんですよ色々」 京太郎「どうです?」 京太郎「焼きプリンうまっ!うまー!」 竜華「うぅ……」 竜華(怜に、「竜華って重そうやな」って言われて、頑張って1キロも落としたのに、プリンなんて食べたらまた太ってまう) 竜華(我慢や、我慢)ジーッ 京太郎「超デリシャス!」パクパク 竜華(我慢…)ジーッ 京太郎「最後の一口!……」 竜華(がまん……)ウルウル 京太郎「竜華さん」 竜華「な、なんや?最後の一口食べたらええやろ」 京太郎「いいですから、はい」アーン 竜華(京くん優しい!やなくて、我慢や!) 竜華(でも、一口くらいなら……) 竜華(ええやろ) 竜華「あーん」 京太郎「ぱくっ」 竜華「え?」 京太郎「あーおいしかった」 竜華「え?え?」 京太郎「食べさせてもらえると思った?」 京太郎「残念、食べちゃいました!」 竜華「」 【0日目】終了 【インターハイ 1日目】 竜華「……ん」 京太郎「くっ!これじゃあ息子の世話ができねぇ!」 竜華「すぅ……」ムニュ 京太郎「ああ、ここが天国か」 京太郎「麻雀するか」 京太郎「千里山の人に教えてもらうのもありだな」 竜華「何ブツブツ言うてんの?」 京太郎「竜華さん、怜さんの部屋「337」」 京太郎「行ってきます」 怜「特訓か」 京太郎「はい」 怜「でも私に教えることなんてないからなぁ」 京太郎「じゃああれ!一発教えてくださいよ!」 怜「え、あれ?」 京太郎「見ていて凄かったですよ!リーチすれば絶対一発って!」 怜「そんなに教えてほしいんか?」 京太郎「はい!是非!」 怜「じゃあ」 怜「チカンガオルデー!」 怜「いっぺん死んで来てな」 京太郎「……は?」 バタム! 竜華「痴漢は、どこや?」ゴゴゴゴゴ 京太郎「なんで包丁なんて……」 竜華「そうかァ、京くんやったんやな」 京太郎「俺何もやってない!無実ですから!」 竜華「問答無用!」 ゴッ 京太郎「また相席か」 京太郎「近くでインターハイやってるんだし当然か」 京太郎「すみま……」 豊音「わーっ!料理がいっぱいあるよー!」 豊音「どれもおいしそうだなー」キラキラ 京太郎「相席してもいいですか?」 豊音「わわっ!いつからそこに?」 京太郎「少し前からですね」 豊音「久しぶりだねー!あ、そうだ!」 豊音「料理選ぶの手伝って!」 京太郎「は、はい」 メニュー 東北風グラタン 関東風ドリア 中部風カルボナーラ 関西風タコのカルパッチョ 九州風ハンバーグ 豊音「どれにしようかなー?」 豊音「このハンバーグもおいしそうだし、ドドリア?っていうのもオシャレだし」 豊音「カルボナーラが一番おいしそうだよー」 京太郎「じゃあ、俺がカルボナーラ頼んで分けましょう」 豊音「いいの?じゃあ私はハンバーグにするね!」 豊音「須賀くんが来てくれて本当に良かったよー」 豊音「あれ?須賀くんがここにいるってことは、須賀くんもインターハイに出るのー?」 京太郎「はい、俺が個人戦、女子は団体戦で」 京太郎「女子の個人戦もウチから2人出ますね」 豊音「私も個人戦出るんだ!」 豊音「シロは参加すらしなくって、岩手代表は私の高校の4人なんだー!」 京太郎「す、すごいですね」 豊音「そういえば須賀くんの学校ってどこだっけ?」 京太郎「三箇牧ですね」 豊音「三箇牧!?」 豊音「そこってチャンピオンの宮永照さんが移ったとこだよね?」 豊音「あとは個人戦2位の荒川憩さんとか!」 豊音「あんな人たちといるなんてすごいねー!」 京太郎「今度サインでももらってきましょうか?」 豊音「いいの!?」 京太郎「多分ですけど」 豊音「それでもいいよ!ありがとー!」 京太郎「午後は何をしよう」 京太郎「よ」 照「ん、どうしたの?」 京太郎「特訓しないか?」 照「いいよ」 照「じゃあ私の部屋に」 京太郎「いや、外でやろう」 照「どうして?」 京太郎「刺されたくないから」 竜華「京くんどこ行ったー?」 京太郎「なあ照、お前あれ使わないのか?」 照「あれって?」 京太郎「あのギギギーってやつ」 照「あれは……まだ使わない、使えない」 京太郎「かくかくしかじか」 竜華「なるほどな、怜が悪かったんか」 竜華「ごめんな、京くん」 京太郎「いや、わかってくれてよかったですよ」 夜 京太郎「竜華さんは怜さんの部屋に行ったらしいし、今のうちに風呂に入るか」 京太郎「……」 京太郎「竜華さんに背中流してもらったらもう死んでもいいわ」 竜華「京くんいないみたいやし、風呂入っとこ」 ガララ 京太郎「あ」 竜華「あ」 京竜「「またこのパターンか!」」 竜華(怜がいるから下手に出て行けへん……どうしよ) 京太郎(まさか竜華さんが入ってくるとは……どうしよう) 竜華「うっ、京くん、に裸見られ、た」グスッ 竜華「もうお嫁にいけへん……」グスッ 京太郎「うぐっ」 京太郎(ここは……)プイッ 京太郎「何も見てませんから!安心してください!」 竜華「ホンマ?ホンマにホンマ?」 京太郎「ホンマにホンマでホンマですから!」 竜華「良かったぁ……」 竜華「でも、これからどうする?」 京太郎「そうですね……」 竜華「このまま出ていくのもあれやし、体だけ洗っときたい」 京太郎「別にいいですよ、俺タオルで目隠ししますから」 竜華「ほんまにごめんな」 シャワー 京太郎(俺の後ろで竜華さんのあの体があって) 京太郎(あのおもちを洗っていると考えると……やばいな) 京太郎(いかんいかん、邪念は取り去らねば) 京太郎(でもなぁ……) キュッ 竜華「お、終わったからもう出るな」 京太郎「わかりました」 ガララ 京太郎「さて……と」 【1日目】終了
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3345.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1348835148/ http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1348918191/ 俺は須賀京太郎(29歳)。22歳の時に妻と離婚してから7年間女とは無縁の生活を送ってきた。 長野には居づらかったので上京したはいいけどいまいちぱっとしない20代の最後の年を送っていた。 そんな20代最後の夏に俺のモテキは突如としてやってきた。 とある日 PURUUUU 京太郎「ん?電話か?…。って、マジかよ…」 着信 宮永咲 京太郎「…。なんかでたくねー」 それもそのはず、女房と別れた原因の女であるからだ。 しかも別れさせておいて数ヶ月もしないうちに別れを告げられたもんだから俺が若干のを持っていたとしても不思議じゃないだろう? 京太郎「…。はぁ。」 ピッ 京太郎「はい、須賀です」 咲「あ?京ちゃん?ひさしぶりー!」 京太郎「…。」 咲「なによー?久しぶりだってのに元気ないわね」 京太郎「なんだよ、なんか用か?てか、お前よく俺に電話なんか出来るな…」 咲「なーにー?まだあの時のこと引きずってるわけ?小さいわねー京ちゃんはー」 京太郎「はぁ?お前人の家庭壊しておいて…その上直ぐに俺を捨てて行きやがって…」 京太郎「お前俺が今までどんな気持ちで生きてきたかわかってるのか!?」 咲「…。」 京太郎「お前のせいで…俺は…」 咲「ごめん、なさい」 京太郎「え?」 咲「ごめんなさい、本当にごめんなさい。私…どうかしてた…」 京太郎「どうかしてたって、どっちの意味でだよ…」 咲「…。多分京ちゃんが思っている意味の両方の意味…」 京太郎「…。はぁ…。わかったよ、俺の負けだ。くっそー、なんで俺はこう人が良いんだかなー」 咲「許してく…れるの?」 京太郎「過ぎたことなんだから仕方ないだろ…今更どうこうって話でもないし」 咲「京ちゃんは優しいね…」グス… 京太郎「…。で、要件はなんだ?まさか俺に謝りたくて電話したわけじゃないだろうし」 咲「実はね…今、東京にいるんだ…」 京太郎「あー、そうなんだ」 咲「でね…その…今夜会えないかなって…」 京太郎「あぁん?」 その日の夜 JR王子駅 京太郎「…。なんでこうなった…」 結局俺は咲の願いを断れなかった。 それにしても…。7年か…。 別れたと言え中学からの腐れ縁だ、アラサー手前の同級生がどうなっているかは多少興味がある。 ましてや何度も抱いた女だけにだ…。 咲「京ちゃん?」 京太郎「え?あ、え?咲、か?」 咲「京ちゃん久しぶりだねー」ニコ なんかすっごい美人が俺の後ろに立っていた。 京太郎「め、メガネかわいいじゃん、それに、髪も伸ばしたんだ…」 目の前の咲は俺の知ってる咲では無かった。 少し茶色がかった肩甲骨まである髪。 赤い太縁のメガネ。 スレンダーな体。 小奇麗なスカート。 化粧は薄めだが元がいいのか十分すぎるほど魅力的な女性になっていた。 京太郎「咲…しばらく見ない間に美人になったな…」 咲「ええ?それじゃ昔は美人じゃなかったみたいじゃないよ!」 京太郎「はは、それもそうだな…」 咲「京ちゃんは…うん、なんか変わってないなーって感じかな」 京太郎「それは、喜ぶところなのか?」 咲「んー?わかんない」ニコ うわっ、こいつ、なんだこの魔性のほほ笑みみたいなのは… 咲「京ちゃん、今日は私のわがままを聞いて下さり、ありがとう御座います」ペコリ 京太郎「え?ああ、いや、別にいいんだけどさ…」 やばいよ、やばいよこれ!咲のやつなんかむっちゃ可愛いじゃんかよおおおおお! 京太郎「で?今日はどんな要件だ?あってから話すって言ってたが」 咲「ん?まぁ、それはこのあと、とりあえず飲みに行きましょうよ!」 京太郎「ん、まぁ、いいけどさ…」 咲「どうする?お店入る?」 京太郎「んー。飲むって分かってれば赤羽集合にしたんだけどなー王子じゃ大した店ないし」 咲「そぉ?じゃあ、京ちゃんの家で飲もうか?」 京太郎「あー、そうすっかな、じゃあとりあえず行くか」 おいおい、なんかいいように咲のペースに巻き込まれてる気がするぞ。 どうすんだよ!こいつに関わったってろくなことにはならないぞ絶対。 そもそも何なんだよこいつは!いきなり会いたいとか言って強引に来やがって。 なんだ?欲求不満とかなのか?俺に何を求めようとしてるんだこの腐れビッチが! だいたいこいつは俺の家庭を奪った張本人じゃねーか! 何いけしゃーしゃーと会いに来てるんだよ!恥の心ってもんがねーのかこいつにはよー!!! 咲「京ちゃん、どうかした?なんか怖い顔してるけど…やっぱり迷惑だったカナ?」 京太郎「え?いや、違うよ、ちょっと仕事の事思い出してて…」 咲「へー、」 京太郎家 咲「おじゃましまーす、うわー、物がいっぱいある…」 京太郎「ああ、悪いな、汚いところで」 咲「ううん、いいのよ」 咲「よっと」ベットにドサー 咲「ふーん。。。京ちゃんの匂いだぁ」マクラクンカクンカ 京太郎「お、おい、何やってるんだよ…」 咲「ん、でもちょっと加齢臭的な匂いが…」 京太郎「うっさいわ!こちとら来年30なんだよ!」 咲「あはは、そうだねー確かに」 咲「じゃ、とりあえずカンパーイ」 京太郎「おう。」 咲「コクコク、ぷはー。はぁー30かぁー」遠い目 京太郎「なに遠い目してるんだよ」 咲「だって、30だよさんじゅー?ついこないだハタチになったって思ったのになー」 京太郎「まぁ、それはそうだな…。俺なんて、まだまだ子供だなって思うし」 咲「それは、私だってそうよ。」 咲「私って何時まで経っても子供だなーって最近すごく思うの。子供のまま30になって40になっちゃうんだろーなーって。」 咲「子供だからさ、私。子供なんだ…」 京太郎「…」 京太郎「なんか、意味有りげに連呼するな?子供って」 咲「うん、でもちょっと待って、もう少し飲んでから…もうちょっと気持ちよくなってから言うから」 京太郎「…。おう、」グビッ あーあー、めんどくせーなー女ってのは。 なんでこー自分を悲劇のヒロイン気取りにしたがるかなー。 世の中お前より不幸な他人はいくらでもいるっつーの! 絶対今の俺のほうが不幸だっつーの! 数時間後 京太郎「…」グビ 咲「…」コクコク なんか急に喋らなくなった。うーん、気まずい。 京太郎「テレビでも見るか」 咲「あ、うん。」 ピッ テレビ「さーて!今日も牌のおねーさんが今注目の雀士にゃんに突撃インタビューだよ☆」 京咲「あ、」 牌のおねーさん、和(のどっち)が現れた。 京太郎「はは、和、頑張ってるみたいだな…」 咲「…。」 京太郎「そういえば、咲俺と別れた後は和と暮らしてたんだよな…」 咲「…。うん…。」 おっとなんだ?このびみゅぉぉぉおおおうな反応は。 京太郎「今も、そうなのか?」 咲「…。いちおう…」 あー、これだなー。 そーかー、俺はそんなくっだらねー理由の相談を受けるためにここに降臨してるのかー。 うっわー、だりぃ。 どうせ勝手に喧嘩して盛り上がって最終的にモトサヤなんだろ?まじうっぜーわこいつ。 京太郎「で、なんかの悩みっては和との関係についての事なんだろ?」 咲「…。うん、まぁそうだね」 京太郎「おまえさー、どうせ喧嘩だろ?つまんねー痴話喧嘩してそれで俺に相談したいってことだろ?そうだろ?」 咲「うーん、似てるけど違うかな」 京太郎「じゃあ、どんな話なんだよ?」 咲「あのさ、京ちゃん、女の子同士が結婚するってどう思う?」 京太郎「え?」 咲「和ちゃんにね、言われたの、結婚しようって…」 京太郎「え?え?」 咲「ISP細胞があるから子供だってできるって言うの…」 京太郎「ああ、そう…。」 咲「おかしいよね?」 京太郎「う、うん、おかしいとは、まぁ、思うわな普通は…」 いや、知ってたよ!知ってたけどさー。ねぇー? 京太郎「お前はそれでいいのか?」 咲「う…んー。まぁ、それは別にいいんだけどさ…」 いいんだ!? 京太郎「じゃ、じゃあいいんじゃね?結婚すれば」 咲「だめよ!」 京太郎「ええっ?」 どっちだよっ!めんでくせーなー 京太郎「ん?結婚しても別にいいけどダメなの?日本語おかしくね?」 咲「だって私、男が好きなんだもん!!!!」若干オオゴエ 京太郎「…。お、おう。」 咲「だって!女の子同士でエッチなことしたって所詮は手マンだけよ!て!ま!ん!」 京太郎「て、てまん!?ですか?」 咲「そうよ!手マンよ!あ、まぁお互い擦りあわせたりするけどさ!」 京太郎「コスリアワセル!?」裏声 咲「だめじゃん!」 京太郎「だめなんだ」 咲「やっぱとろっとろの精子を注いでもらいたいのよ!」 京太郎「え?天膳?伊賀の者!?」 咲「あ、京ちゃんバジリスク読むんだ」 京太郎「全巻もってるよ。ってちげーよ!その話じゃねーよ!」 咲「だから、抱いて?」テヘッ うわーでーたー。でましたーその言葉。 京太郎「おまえな…ウムッ…」 ああああ、やばい唇奪われたよ。しかもベロチューだよ! 咲「んっ、むっっ、はぁっ」チュッチュ 咲「きょーちゃん、ここに溜まったもの私に一杯注いで…?」サワサワ えーっ、脱ぎだしちゃったよこの子、てかまだそのネタ引っ張るのかよ 咲「どう?あの頃と体つき変わってないでしょ?そりゃまぁちょっとは張りとかないかもしれないけど…」 咲「オトナの色気は出てると思うんだけどな…」下を見る …。ガーターっすか…。 咲「ね?キモチイイコトしよ?」 咲「きょーちゃん…」 テレビ「はい☆それでは今日のゲスト片岡優希プロです☆」 優希「いよっしゃー!のどちゃん久しぶりだじぇ!今日は宜しくだじぇ!」 京咲「あ、」 のどっち「はい、よろしくお願いしますね☆それはそうと片岡プロ、その喋り方はどうしたんですか?」 優希「え?あ、申し訳ありません。つい。昔を懐かしんでしまって」 のどっち「テレビの前のみんなの中にはご存じの方もいらっしゃるでしょうが、私と片岡プロは中学高校と同級生なんですよー☆」 優希「ええ、この語尾にだじぇってつけるのが私の口癖だったんですよ」 優希「やはり、年をとってから言うのは少し恥ずかしかったですね」苦笑い のどっち「それを言ったら私だって、未だに牌のおねーさんだからね☆」 京太郎「優希…」 咲「…。」 のどっち「さて、片岡プロ。今日の特集は片岡プロの半生についてお伺いしたいと思います☆」 のどっち「片岡プロ、これまで人生を振り返ってどうでしょうか?」 優希「そうですね、まぁ、月並みな言葉で恐縮ですが、生きるってことは大変なんだなーって思います。」 優希「皆さん、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、私はドラフト組ではありません。トライアウトからここまで来ました」 優希「高校を卒業して直ぐに結婚して、子供もできました。そして21で離婚して子供を育てる手段としてプロを目指しました」 優希「プロになる前もプロになってからもいっぱい泣きました」 優希「でも、今まで頑張ってこれたのは…子供がいたから…この子を立派に育てるんだ!」 優希「って思いで今まで頑張って来ましたし、今後も頑張って行きたいと思っています」 優希「でも、あっという間でした。私もプロ6年目で来年30歳ですよ。ホント、あっという間でしたよ」 優希「私の好きな言葉…というかHysteric Blueのカクテルって曲の歌詞なんですが」 優希「1日をこんなに長く感じるのに、1年がこんなに早く過ぎてしまう」 優希「1年をこんなに早く感じるのに、一生をどんなにうまく生きれるでしょう」 優希「という歌詞が曲の最後にあるんですけど、ホントそのとおりなんですよ」 ピッ! 咲「京ちゃん…」 京太郎「…。」声には出さないが涙が止めどもなく出てる。 咲「京ちゃん…ごめんなさい」 京太郎「ん、ああ、いや、いいんだ。」ゴシゴシ 京太郎「あいつも大変そうだけど、俺解いた時より生き生きしてる気もするし、な」 咲「京ちゃん…。」 京太郎「…。咲。」 咲「ん?なぁに?」 京太郎「忘れさせてくれ」 咲「うん、」 京太郎「ありがとう」 咲「うん。」 咲「んんっ!ああっ!」 あー。 咲「きょーちゃん!きょーちゃん!あああっ!」 俺って。 咲「出して!中でっ!んぁっ!んんっ!」 クズだなぁ。 咲「きょーちゃん!いやぁっ!」 こんなクズ死んでしまえばいいのに。 事後 咲「ねー、きょーちゃん」 京太郎「ん?」 咲「子供できたら、認知してくれる?」 京太郎「和はどうするんだ?」 咲「んー、どうでもいいかな」 京太郎「お前…最低だな」 咲「きょーちゃんだって結構最低だと思うよ」 京太郎「…。そうかもな」 京太郎のモテキ 第1章 二人のクズ 終わり。 明治神宮 京太郎「編集長も人使い荒いよなー、なーにが明治神宮に鹿児島から偉い巫女さんが来るからカメラに納めて来いだよ」 京太郎「あれ?あれは確か…」 チョエー(なんか演舞とかでよく聞くあの曲) 京太郎「ああ、思い出した。永水の人たちだ」 チョエー 京太郎「うわー、皆さん凄い美人になってるよ。元から美人揃いだけど」 京太郎「あ、先鋒の人、なんか神々しいなー」パシャパs 京太郎「うわー、なんかカッコいいなー」パシャパシャ 小蒔「そこのあなた」 京太郎「え?俺?」 小蒔「そう、あなた」 京太郎「な、なんでしょうか?」 小蒔「あなたから何やら邪気を感じます」 京太郎「じゃ、邪気ですか?」 小蒔「そう、邪気」 京太郎「えっと、えっと…」 小蒔「取り除かないと、アンタ死ぬわよ」 ええー?何そのどっかの占い師みたいな決め言葉 巴「あ、姫様!」 小蒔さんが舞台を降りこちらに向かってきた 小蒔「さぁ、こやつに巣食う邪気よ、姿を現せ」 ビュルルルルル 京太郎「え?なに?この風?」 ビュルルルルル 京太郎「え?え?なにこれ?なにこれ?」 ビュルルルルル うおっ!何も見えない! あ!誰かが手を掴んで。 小蒔「こちらに」 京太郎「え?うわぁー!」 ダッシュ 京太郎「え?ちょっと!小蒔さん!?」 小蒔「ごめんない!京太郎さん!あなたの中に邪気なんかいませんよ!」 京太郎「えっ?じゃあ、なんで今ダッシュしてるんですかっ!?それは邪気とは関係ないと思いますけど!」 小蒔「訳はあとで話します!今はとにかく走ってくだい!」 あー。これぜったい面倒なことに巻き込まれたぞ…。 原宿駅前 小蒔「はぁ、はぁ、ここまで来ればもう大丈夫です」 京太郎「はぁはぁ、小蒔さん、これは一体どうゆうことですか?」 小蒔「あら?私の事をご存知なんですか?京太郎さん」 京太郎「そりゃもう、俺が高1の時お世話になりましたから…って小蒔さんこそなんで俺の名前を?」 小蒔「企業秘密です」 京太郎「ああ、そうですか…」 小蒔「京太郎さん、ごめんなさい、あなたを利用させてもらいました」 京太郎「ええっ?面倒事はごめんですよ…」 小蒔「ごめんなさい、もう絶対面倒な事になってます。今頃、マネージャーが大騒ぎしてると思います」 京太郎「マネージャー?」 その頃明治神宮 マネージャー「小蒔ちゃん、逃げちゃったね」 初美「毎度のことですが探すこっちの身にもなってほしいですよー」 春(ポリポリ) 巴「霞マネージャー、どうしますか。さすがに都内で逃げられたら探すのは厳しいですよ」 霞「うーん、そーねぇ。」 巴「姫様は方向音痴ですからヘタしたら日本から出ていってしまうかもしれませんし…」 霞「それは多分大丈夫だと思うけどね…昔なじみの顔に会えて嬉しかっただけだと思うし」 初美「昔なじみですかー?」 霞「そ、小蒔ちゃんが連行した人って清澄の男の子ですもの、まぁ、保護者がいれば悪いようにはならないでしょ」 原宿駅前 京太郎「え?逃げたんですか?」 小蒔「はい…」 京太郎「なんで逃げる必要があるんですか!?」 小蒔「もう、嫌なんです」 京太郎「嫌って何がですか?」 小蒔「京太郎さんが知らない前提で話しますが、私は霧島神境の姫巫女なんです」 小蒔「小さなころから事あるごとに除霊だ降臨だって大人たちにこき使われてきたんですよ!」 京太郎「はぁ」 小蒔「嫌なんです、本当にもう嫌なんです!毎日毎日同じ事の繰り返し」 小蒔「今日だって折角東京に来たのに演舞の儀式が終わったら鹿児島にとんぼ返りなんですよ!」 小蒔「人をなんだと思ってるんですか!」プンプン 小蒔「だから逃げました」キッパリ 京太郎「はぁ、そうですか…。」 小蒔「京太郎さん、ご迷惑をお掛けして、大変申し訳ありません」ペコリ 京太郎「あ、いや、そんなかしこまらなくても…」 京太郎「…。そういえば、なんで俺を使って逃げたんですか?」 小蒔「えっ?」 京太郎「逃げるだけなら別に俺を使わなくても実際余裕なんじゃなかったんですか?なんか変なかぜおこししてましたし」 小蒔「そ、それは…あの、…ぇと」 京太郎「?」 小蒔「男の子とデートしてみたかったからです////」 京太郎「えっ?」 小蒔「わ、私、先程も言ったようにずっとずーっと姫巫女としての責務を果たしてきたので…その…男の子と遊んだことがないんです…」 京太郎「そうなんですか!?」 小蒔「はい///」 京太郎「なんで赤くなってるんですか?」 小蒔「ふぇっ////いえ、決して、そのようなことは////] いや、小蒔さん、あなた今むっちゃ赤いですよ…。 かわいいですけど。 京太郎「うーん、事情は…。つまり、俺と遊びたいと?」 小蒔「はい/////」 うーん、ますます赤くなった。この人全く男に耐性がないんだな。。。 京太郎「うーん、」 小蒔「あの、ご迷惑でしたら、私、その…」悲しそうな顔 小蒔「そうですよね…こんな、もう30にもなって全くの世間知らずの処女なんて…」 京太郎「しょっ!!!?いや!小蒔さん!そーゆー問題じゃなくて…」 小蒔(ウルウル) 京太郎「わかりました!今日は俺が小蒔さんをエスコートしますよ」 小蒔「本当ですか!?」パァァァ 京太郎「ええ、でも、俺に大したことなんて出来ませんよ?ふつうのコトしか」 小蒔「いいんです。私はフツウに憧れてるんです」 京太郎「わかりました。とりあえず、その巫女服はここでは絶対に普通じゃないんで服を買いに行きましょう」 小蒔「はい!」パァァァ 京太郎「小蒔さん、すっごいうれしそうな笑顔ですね」 小蒔「はい!凄い嬉しいんですもう!」 京太郎「服か…。原宿だし都合はいいんだけど…小蒔さん、見つかったらまずいんですよね?」 小蒔「あ、はい、見つかったら連れ戻されてしまいます」 京太郎「そうですよね…じゃあ、このまま原宿にいるのは危険か、よし!小蒔さん移動しましょう!」 小蒔「わかりました。どこに行くんですか?」 京太郎「マイホームタウンです!」 小蒔「?」 その頃。明治神宮 霞「うーん、大丈夫だとは思うけど一応探しましょうか?」 初美「探すといっても、どこを探すんですかー?」 霞「そーねー4手に分かれて探しましょうか?」 巴「そうですね、さすがにもうこの辺にいるとは考えにくいですし」 春(ポリポリ) 霞「そーねー、じゃあ私は千葉方面、初美ちゃんが八王子方面、巴ちゃんが埼玉方面」 霞「春ちゃんが神奈川方面を探すってことにしましょうか?」 初美「え?でもそれ範囲広すぎじゃないですかー?」 春「大丈夫、これがあれば」 初美「?」 春「ペケポカン!姫様はっけんきー!」ドラエもん声 春「これは姫様発見器と言って姫様が半径5キロ以内にいるとその方角を教えてくれる優れものなんだ」ドラエもん声 霞「ね?これならいけそうでしょ?」 巴「そうですね、これならすぐに見つかるでしょう」 初美「そ、そうかなー?そもそもこれどうゆう原理なのですかー?」 霞「さぁ?昨日秋葉原で作ってもらったばかりだからよく知らないわ」 初美(じゃあ、効果があるかも分からないじゃないですかー) 巴「まぁ、とにかく探しましょうか?」 一同「エイエイオー」 大宮 京太郎「ビバ!マイホームタウン!」 小蒔「うわー、ここも人がいっぱいです」キラキラ 京太郎「とりあえず、ここなら安心だろうし、服も買えますよ」 小蒔「はい!」キラキラ 服屋 店員「イラッシャイマセー」 小蒔「京太郎さん!この服どうですか?ちょっと着てみます!」着てみた 小蒔「どうですか?」 うおおおお!かわいい!(要脳内補完) 京太郎「小蒔さん!すっごいかわいいですよ!」 夕方 京太郎「さーて、小蒔さんどうします?まだ帰らなくても大丈夫ですか?」 小蒔「え?はい、大丈夫です。」 京太郎「じゃあ、お酒でも飲みに行きますか?」 小蒔「お酒ですか?」 京太郎「あれ?飲めませんか?」 小蒔「いえ、今まで2回くらいしか飲んだことないんですけど…是非行きたいです!」 京太郎「よし!じゃあ行きますか!」 赤羽 京太郎「小蒔さん立ち飲み屋って行ったことあ…るわけないですよね?」 小蒔「たちのみや?」 京太郎「ええ、椅子がないんですよ」 小蒔「そうなんですか?疲れたりしないんですか?」 京太郎「ん、いや、そうでも無いですよ」 京太郎「まぁ、客層はかなり平均年齢高いってのと椅子がないって以外はそのへんの居酒屋と変わらないですね」 小蒔「なんだか面白そうですね」 京太郎「うん、雰囲気が好きなんですよ」 ガラッ オヤジ「エラッシャイ!」 ガヤガヤ 小蒔「うわー、すごーい」キラキラ 京太郎「気に入って貰えました?」 小蒔「はい、とっても!」ニコニコキラキラ 京太郎「えーと、何飲みます?」 小蒔「私、焼酎がいいです」 京太郎「おお、なんかカッコイイ!」 小蒔「え?そうですか?」 京太郎「いきなり焼酎頼む女の子なんて見た事無いですよ」 小蒔「あ、そうなんですか…女の子らしくないですか?」 京太郎「いやぁ、小蒔さんみたいに綺麗な女性がいきなり焼酎っていうギャップも俺はいいと思いますよ。ギャップ萌えってやつですよ」 小蒔「そうですか…」 オヤジ「あい!焼酎とビールお待ちー!」 京太郎「じゃあ!乾杯!」 小蒔「かんぱーい」 ごくごく 京太郎「ップハァー!このために生きてるんだなぁ~!」 小蒔「すみませーん!焼酎おかわりくださーい!」 京太郎「えええっ!?」 小蒔「えっ?」 オヤジ「あい!焼酎お待ち!」 小蒔「ありがとうございます」グビッ 小蒔「すみませーん!焼酎おかわりクダサーイ!」 京太郎「…。すげぇ…」 オヤジ「お嬢ちゃんいい飲みっぷりだね!あいよ焼酎!」 小蒔「えへへ、そうですか?」グビッ 小蒔「おじさーん!もう一杯ちょうだーい!」 オヤジ「あいよー!」 京太郎「小蒔さん、凄いっすね…」 小蒔「え?そうれふか?」グビッ 京太郎「え?もう酔ってます?」 小蒔「よってないれすよ?京太郎君変なこといいますねー」プンプン うわー、俺地雷踏んじゃったよ絶対。 その頃 巴「おおっと!レーダーに反応が!近いですよ!」 車内アナウンス「次はーあかばねーあかばねー」 巴「あ、矢印が一気に180度回転した!ってことは、ここね!」 てくてく 巴「こっちか…」 巴「あれ?この辺って…」 巴「このお店か…」 ガラッ オヤジ「エラッシャイ!」 小蒔「きょーたろーくーん」ケタケタ 京太郎「は、はい、なんでしょうか?」 小蒔「わたしねー、きょうたろうくんのことすきになっちゃったみたいなんだー」 京太郎「えっ?」 小蒔「きょうはーすっごいたのしかったんだよー、こんなにたのしかったのなんてさいきんなかったんだよー」 腕に抱きつかれた 胸が!胸が!腕が幸せな感じに! 小蒔「すき?」 京太郎「あの、小蒔さん、やっぱり酔ってますよね?しかも相当…」 小蒔「えー?はい、わたし酔ってますよー」 小蒔「でも、この気持ちは嘘ではないですよ?」 あれ?いきなり雰囲気が 小蒔「あなたと一緒なら、私この先の人生も生きていけそうです」 ガラッ 巴「…。」 小蒔「あー。ともえちゃんだぁー」 京太郎「あ、どうも、お世話になってます」 巴「え、あ、こちらこそ、姫様がご迷惑をお掛けしているみたいで…」 小蒔「とーもーえーちゃーんもーいっしょにおさけのみましょーよー」ケラケラ 巴「あの、京太郎さん、この人どのくらい飲みました?」 京太郎「えっと、焼酎を13リットル程…」 巴「やっぱり…」ガックシ 京太郎「すみません、こんなに凄いものとは知らずに…」 巴「いや、いいんです。それに大丈夫ですよ、この人いくら飲んでも粗相はしないんで」 京太郎「そうなんですか…?」 巴「はぁ、すいません。私にも焼酎を」 オヤジ「あいよ!お待ち!」 京太郎「じゃあ、とりあえず乾杯」 小蒔「カンパーイ」 巴「乾杯」 グビグビ 巴「あのー焼酎おかわりいただけますか?」 オヤジ「あいよ!」 お前もかよおおおおおおおおおお!!!! 京太郎「あの、鹿児島って水の代わりに焼酎飲んでるんですか?」 巴「いえ、単純に私達の家系がお酒に強いだけです」 京太郎「あ、そうなんですか…」 小蒔「とーもーえーちゃーんわたしのきょうたろうをとらないでー」 巴「え?私の?」 京太郎「あの、実はさっき告白されまして…」 巴「ええっ!?」 小蒔「ともえちゃーん!わたしねー、きょうたろうとけっこんしたいんだー」 巴「えええええっ!?」 京太郎「だそうですが…」 巴「え?待って、本気なんですか?京太郎さん」 京太郎「いや、俺は特に何も言ってないです、小蒔さんが酔っ払って一方的に言われてるだけです」コゴエ 小蒔「きょうたろうー」ウルウル 巴「えっ!?姫様!?」 小蒔「ともえちゃぁぁん、きょうたろーをとらないでー」グビグビウルウル 巴「いや、取りませんから」グビッ 小蒔「やったぁ」ニコ 巴「はいはい、さぁ、姫様、それ飲んだら帰りますよ。」 小蒔「ええぇー、やらー」 巴「みんな心配してますから」 小蒔「ふえー」涙目 京太郎「あのー」 巴「?」 京太郎「もう電車動いてないですよ…」 巴「え?」 京太郎「もう、終電終わってる時間ですよ…」 巴「…。やっちまった…」ッガックシ 小蒔「やったー、おとまりしよー」 巴「お泊りですか…京太郎さん、このあたりHOTELはありますか?」 京太郎「まーあることはありますが…」 巴「そうですか、じゃあ仕方がないですね、姫様、今日はお泊りです」 小蒔「わーい」 京太郎「それじゃ、もう行きますか?」 小蒔「えー、やだー」 巴「…。姫様もこう言ってることですからもうしばらく飲みましょうか?」 京太郎「そうですね」 よっしゃ!巴ちゃんと飲める!姫様GJ! 1時間後 巴「そーなんですよ!姫様ったら事あるごとに逃げ出すんですから!」 京太郎「へー」 小蒔「にげてないれすよー、おさんぽですー」ケラケラ 巴「毎度毎度かぜおこしの術使って逃げてるじゃないですか」 あれって術なんだ… 巴「まったく、探す方の身にもなってくださいよ…」 京太郎「ははっ、皆さん大変なんですね」 巴「はい、全くですよ」クグビグビ 小蒔「はうー」 巴「すみません、おかわりです」 オヤジ「あいよー!」 さらに1時間 巴「あー、もう飲めないわー」 小蒔「ともえちゃん、おさけ弱くなったねー」 巴「歳ですよもう」 京太郎「じゃあ、そろそろ行きますか?」 小蒔ねーむーいー」 巴「そうですね、行きましょうか」 外 京太郎「この辺がHOTEL街なんで、それじゃあ、今日は楽しかったです、またいつか機会があったら…」 小蒔「えー?きょうたろー帰っちゃうのー?」 巴「姫様、京太郎さんを困らせてはいけませんよ」 小蒔「きょうたろう、おねがい、今日だけは一緒にいて」 巴(え?ここで寝るんですか) 京太郎「あー、でもやっぱりご迷惑じゃ…」 巴「…。大丈夫ですよ、京太郎さんがいたほうが姫様も安心するでしょうから」 京太郎「あー、それじゃー行きますかHOTELに…」 巴「はい、」 HOTEL 巴「…。何故にラブホをチョイスしたんですか?///」 京太郎「いや、安いから…」 小蒔「わーい、えっちなことしよー」 巴「姫様!はしたないですよ!」 小蒔「えー、もうー、巴ちゃんったら私達もさんじゅーだよー?そろそろこどもほしいじゃーん」 巴「え、まぁ、それはそうですけど…」 ん?これは…どんな流れだ… 小蒔「だから、三人で子作りしましょー」 京巴「えっ?」 京巴「子作り!?」 小蒔「よいしょ」服を脱ぐ 巴「姫様!はしたないです!」京太郎に覆いかぶさって隠す 京太郎「うおっ!」巴「きゃっ!」 勢いで巴さんにマウントポジションを取られた。 巴「あ、すみません!すみません!姫様!ダメです!」 小蒔「あー、ともえちゃんにとられちゃうよー」 京太郎「うおっ!」 横から唇を奪われた 小蒔「ハムッ」 京太郎「んんっ!」 小蒔「ともえちゃんも…」 巴「あ、ひめさ…んっ」 巴「ぷはっ!姫様!?」 小蒔「あー、ともえちゃんときすしちゃった、えへへ」 巴「あ、あ…」カァ 小蒔「ともえちゃんもいっしょにきもちいことしよーよー」 京太郎「あの…」 巴「京太郎さん申し訳ありません!姫様完全に酔っ払っているみたいで…」 小蒔「よっぱらってないれすーさーきょうたろーさんにんでこずくりしましょー」 京太郎「え!?あの、小蒔さん!?」 小蒔「はじめてだから…わたしもともえちゃんも…」 巴「ちょ!姫様!」 京太郎「そうなんですか?」 巴「え、ええ、男の人とそのような事になったことは…ない、です。」 あー、なんかたってきた…。 こんな美人二人と…。 3Pか…ゴクリ…。 巴「私に経験ないのは今は関係ないでしょう!姫様!」 小蒔「あーもーめんどくさいなー」ガシッ 巴「え?ひ、姫様!?」 小蒔「さー、きょうたろー、ともえちゃんにいのちのせいをそそぎましょうねー」 京太郎「…。」巴を見つめる 巴(あ、やばい、この人、目付きが…) 京太郎「いいんですか…?」 巴「いいわk!ウムッ!」 小蒔「最初は巴ちゃんに譲りますよー私は横で見てますから」ニコニコ 京太郎「…。小蒔さん…いいんですか?本当に…」 小蒔「ええ、いい加減私達にも子孫が必要ですから私は姫として分家を守る義務もありますから」 巴「んーんー!!!(寝やがった…しかもたちの悪いのが降りてきてる!)」 京太郎「…。巴さん。すみません。俺もう我慢できません」 巴「んー!んー!(嫌!イヤッ!いやああああ!)」 巴「ンー!ンー!(やばい!やばいよ!ああ、胸…触らないで!)」 巴「んんんん!(誰か!助けて!」涙目 京太郎「…。」胸を揉む。 京太郎「巴さん…小ぶりですけど形がいいですね…綺麗です」 巴「ンー!ンー!(あ、やばい。ちょっとキモチイイ) 小蒔「んー?これじゃいまいち盛り上がりに欠けますねー」 京太郎「あのタオルで縛りますか…」 小蒔「あ、それいいですね。私も楽しみたいので」 巴(え?し、縛る!?) 京太郎「よーし、両手をベットに括りつけたぞ、小蒔さんもう離していいですよ」 小蒔「はーい」ぱっ 巴「ぷはっ!ちょ!姫様!京太郎さん!止めてください!」 小蒔「巴ちゃん。お願い。これも一族のためなの…」 巴「えっ?」 小蒔「一族の長としてのお願い、このままだと、一族の血が途絶えてしまうから…」 巴「姫様…」 巴「…。わかりました…。京太郎さん…。好きにしてください…」 小蒔「だそうです」ニコッ 京太郎「…。ええ、好きにさせてもらいます。」ペロッ 巴「ヒウッ!」耳をなめられつつ胸を揉まれる 京太郎「どうですか?巴さん」 巴「あっ!んんっ!(息が…耳に…)」 京太郎「下は…」 巴「あああっ!」 京太郎「あー、凄い濡れてますね…」 巴「あの…その、私…そろそろ…」 京太郎「入れて欲しいんですか?」ニヤニヤ 巴「あの…優しくしてください…」 京太郎「はい」ズッ 巴「あああっ!痛い!痛イイ! 京太郎「少し我慢してください、じきなれると思うんで…」 巴「あっ!あっ!んっ!」 京太郎「はあっ!はあっ!」 小蒔「うわー、初めて見るけど凄い…」 巴「あっ!あっ!」 小蒔「中に…出しますよ…?」 巴「えっ!?んんっ!」 京太郎「いくっんっ!」 いのちのせいがでた 巴「ああああっ!」 京太郎「ふぅ…」 巴「…。」 小蒔「凄かったです///] 小蒔「それじゃあ次は私ですね」ニコ 京太郎「ええ」 ?「そこまでです!」 京小「えっ!?」 霞「見つけましたよ姫様」ゴゴゴゴ 小蒔「あ、か、霞ちゃん…」 巴「マネージャー」ボー 霞「姫様、今回は少しお痛が過ぎたようですね…」 小蒔「あれーかすみちゃんだー」パッ 霞「はぁ、一番悪いのが降りてたみたいですね…」 霞「さ、二人共、帰りますよ」 京太郎「あの…」 霞「ああ、あなた…もし、巴ちゃんが妊娠してたら責任はとってもらいますからね」 巴「はは、私、はは…」 京太郎「あ、はい、あの…」 霞「さ、帰りましょう。二人共」 第二章 処女を守った女と処女をドブに捨てた女 おわり。 怪人「グエッヘッヘー!どーしたー?のどっち?そんなものか?」 のどっち「くっ!仕方ありません!シーサンプトー!」 怪人「ぐはぁ!」 のどっち「地球の平和は私が守る!」 …。 監督「はいおっけー!」 のどっち「ふぅ…」 怪人「お疲れ様でーす」 のどっち「あ、お疲れ様です」 監督「いやーお疲れさん、これで最後ってのが惜しいよホント」 のどっち「監督さん、長い間ありがとうございました。」ペコ 監督「うん、原村プロもありがとう。ごめんね、俺の実力が足りなかったせいで番組終わることになっちゃって…」 のどっち「いえそんな…」 監督「本業も頑張ってな」 のどっち「はい…」 私は原村和(29歳) 肩書きはプロ雀士 牌のお姉さんのどっち そして宮永咲のフィアンセ だった。 和「はぁ…」 先日私のフィアンセ、咲が家を出ていった。 同棲を始めて7年立つ。 先日改めて告白をした。 一緒に咲のお姉さんがいる海外で暮らそうという話もした。 咲はそうだねといっただけだった。 そしてそれから2日経ったら咲は家に帰らなくなった。 電話をしても出なかった。 私は途方に暮れた。 何もする気が起きなかった。 でも、生きるためには働かなくてはならない。 だから今日も魔法雀士のどっちの撮影を終えた。 最終回の。 池田「おーい!はらむらー!」 和「あ、池田さん。お疲れ様です」 池田「おー、おつかれー、どうした?元気ないな?魔法雀士のどっちの最終回おもしろかたぞー」 和「ありがとうございます。実は最近少し私生活が…」 池田「そうなのか…お前もお前で大変なんだな。元気だせよ!今度メシおごっちゃるから!」ウインク☆ 和「あ、ありがとうございます、その時はお言葉に甘えますね」 池田「おおう!じゃ、私これから決勝だから!」 和「はい、頑張ってください」 プロ雀士になってもう10年。 初めの目的はタイトルを獲得して世間に認められて咲と一緒になることだった。 3年目にタイトル制覇をして咲と一緒になった。 それからのプロ人生ははっきりって惰性の人生だった。 私は30を目前にして一人になってしまった。 咲が本当は私と一緒になることなんて望んでいないことは一緒に暮らしていて気づいていた。 それでも私には意地があった。 だって、私の人生の半分近くを捧げたんですもの。 それが、全て無意味だったなんて。 そんなの。悲しすぎる。 PURUUUU 和「はい…はい、わかりました…ご迷惑おかけします…はい、それでは…」 プッ 私はプロ雀士を辞める。 悲しい人生を終わらせ。虚しい人生を始める為に。 和「あーあ。なんかもー疲れちゃった…」 和「はぁ、飲みにでも行きますか…」 赤羽 最近よく行く立ち飲み屋。 一人でも気軽に入れるし、なによりお客さんがおっさんおばさんばかりだから気が楽だからだ。 まぁ、もう私もおばさんだけどね。 ガラッ オヤジ「エラッシャイ!」 和「えーと、ビールお願いします」 オヤジ「あいよ!」 ?「あれ?ひょっとして和?」 和「え?」 京太郎「よう」 和「あら、須賀君じゃない?どうしたのこんなところで」 京太郎「いや、俺王子に住んでててさ、ここよく来るんだわ」 和「そうなの?私十条なのよ、こんな近くに居たなんてね、世間って狭いわね」 京太郎「だな、てか、お前こそ何一人で立ち飲みなんか着てるんだよ」 和「最近よく来るんだ。一人でさ」 京太郎「そうなのか…。ところで最近どうよ?仕事の方は?」 和「え…。うーん、それがね、辞めることにしたの」 京太郎「ほぇ?な、なんでだよ?お前結構いいところまで行ってるんだろ?」 和「うん、そうなんだけどさ、なんかもうどうでも良くなっちゃってさー」 京太郎「そう、なんか…まぁ、和の人生だから、好きにすればいいとは思うけどさ…。プロって大変だろうし…」 和「ふふ、まぁね、牌のおねーさんだって最近は痛いだけのおばさんだし」 京太郎「うーん、知り合いとしては、確かに少し痛いかな…」 和「あはは、そうだよね、うん、もうさ、どうでもいいんだー」セノビー 京太郎「…。まぁ、あれだ、折角の再開だし、今日は一緒に飲んでもいいかな?」 和「ええ、勿論」 京太郎「じゃあ、乾杯」 和「乾杯」 京太郎「ごくごく、プフゥ。…。なぁ、ところでちょっと聞きたいんだけどさ」 和「何?」 京太郎「こないださ、テレビで見たんだけど…」 和「あ、もしかして優希?」 京太郎「ああ…あいつ、実際のところどんな感じだった?」 和「うーん、あんま変わってはいなかったかな。元気な感じなのはいつも通りだし。まぁ、営業用の顔だったかもしれないけどね」 京太郎「そっか…」 和「あなたも…まぁ、どんな理由があったかは私は知りませんが、離婚なんて決してほめられることじゃないですよ?」 和「ましてや子供がいるってのに」 京太郎「ん、そこを突かれると…言い返せないかな。優希には申し訳ないとは思ってるよ今でも、」 和「詮索はしませんがね、私だって聖人君子みたいな生き方しているわけじゃありませんから」 京太郎「悪いね。そっかー、あいつも頑張ってるんだなー」遠い目 和「…。ねぇ須賀君」 京太郎「ん?」 和「私の悩みも聞いてくれる?」 京太郎「ああ、いいぞ。」 和「あの…女の子同士の恋愛ってどう思いますか?」 京太郎「ん、あー、咲とのことか?」 和「え?知ってるの?」 京太郎「まぁ、な、一応、話には聞いてる」 和「だ、誰から聞いたんですか!?」//// 京太郎「本人」 和「もう、あのひとったら…あの、何か変なこと言ってませんでしたか?」 京太郎「あー、言っていいかわからないけど…その、結構生々しい話は…聞いた」 和「えええええっ!/////」 和「ど、どんな話ですか!?」 京太郎「あー、それは…言えないかな…」 和「いいから!私が許可します!」 京太郎「あー、その…手マンがどうとか…擦りあわせてるとか…」コゴエ 和「//////」 京太郎「あー、だから言いたくなかったんだよ…」 和「それ聞いたのって最近ですか?」 京太郎「えっ!?んっと、えーと、結構前の…話かな?」 和「あ、そうですか…えっとその時はどんな状況で話を聞いたんですか…?」 京太郎「ん、ああ、まぁこれでも腐れ縁だからな、たまには電話したりしてたんだよ…」 和「そ、うですか…最近はどうです?」 京太郎「最近かー、ここ1年くらいは連絡とったりはしてないけど…」 和「そうですか…」 京太郎「…。和、まだ咲と付き合ってるのか?」 和「いえ…、最近はついに愛想をつかされたようで…」 京太郎「そうか…なんというか…悲しいな友達同士の縁が切れちまうなんてさ…」 和「ええ、でも、仕方がないのかもしれません、こうなるってことは最初から…わかっていたんですから…」 京太郎「…。そうか。」 和「ええ、いい夢を見させてもらいましたよ…やっぱり、女の子同士が結ばれるなんてありえないものなんですよ」 京太郎「そうか…」 和「須賀君、私ね、頑張ったんだよ、これでもさ」 和「今日は…愚痴聞いてもらっていいかな…?」悲しそうな顔 京太郎「…。ああ、いいぞ、辛いことは誰かに聞いてもらうだけで楽になるかもだからな、ちゃんと聞いて慰めてやるよ」 和「ありがと」ニコ 和の話を聞いた。 インターハイでの約束の話。 プロになった理由。 咲が和のもとに来た話。 それからの生活の話。 そして、再度告白して咲がいなくなってしまった話。 京太郎「うーん、結構、凄い話を聞いてしまったなー。」 和「ふふ、おかしい女でしょ私?10年以上もこだわってきたのにね、結局願いは叶わなかったわ」 京太郎「ひょっとして、咲のことが仕事辞める原因か?」 和「うーん、まぁそれもあるわね、あの人がいないのにやってる意味はないって思いはあるわ」 和「それに、いい加減嫌なのよね、牌のおねーさんも、痛いだけだし、もう、賞味期限切れの女だもん」 京太郎「和…」肩寄せ 和「あ、」 京太郎「お前は、頑張った。俺が認めるよ、」頭なでなで 和「…。ありがとう」 数時間後 和「今日は、話聞いてくれてありがとう」 京太郎「ああ、」 和「また、一緒に飲みたいね」 京太郎「そうだな、是非」 和「うん、じゃあ、またね」 そう言って和は去っていった。 京太郎「…。恋愛って、めんどくさいよな、ホント」 京太郎「はぁ、」 プルルル 京太郎「ん、あ、咲か、もしもし」 咲「あ、京ちゃん?今から会える?」 京太郎「ん、ああ、大丈夫だよ、今赤羽だけど、どうしたらいい?」 咲「あ、ホント?私今新都心なんだー。ねぇ、映画みたいから新都心まで来てもらっていいかな? 京太郎「お、わかったーいくわー」 咲「はーい、じゃあ、まってるねー」ガチャ 京太郎「…。和、ごめんな」 さいたま新都心 咲「あ、京ちゃーん!」 京太郎「よう」 咲「ごめんね、いきなり。あ、お酒臭い?まーた飲んでたの?」 京太郎「まぁな、調度良かったよ、暇だっだし」 咲「ぷぅー、私は暇つぶしですか、そうですか」 京太郎「いや、誘ったのは咲だろ?」 咲「えへへ、そうでした」ニコ 京太郎「映画だろ?何見るんだ?」 咲「んとね、恋愛映画!」 京太郎「おう、そうか、じゃ、行くか」 咲「うん!」 しばらくしてさいたま新都心 和「ふう、久しぶりだなここも、さて、何を見ようかしら…」 和「…!?え?あ、れわ…」 遠くに京太郎と咲がいた 和「え、ええ?なんで?どうして?」 和「なんで、あの二人が、ここに…」 和「!?手をつないでる…」 和「…。」 映画館 咲「これ見たかったのよねー」 京太郎「お、人あんまいないなこの時間だと」 咲「まぁ、平日だしねー」 京太郎「…。」 咲「ん?どうしたの京ちゃん?」 京太郎「いや、寒いかもだから掛けるもの借りようかなって」 咲「あ、そうだね」 京太郎「おう」 遠く 和「…。」 映画始まってしばらく 咲「…。」 京太郎『…。」スッ 咲「!?」 京太郎「…」フトモモさわさわ 咲「ちょっと、京ちゃん/////」コゴエ 京太郎「…」内側攻め 咲「んっ、ダメだってきょうちゃん、」コゴエ 京太郎「大丈夫、毛布で見えないからさ」さわさわ 咲「だめ、だよ、声、出ちゃうじゃ、ない、んっ」 京太郎「我慢」さわさわ 咲「ふぅっ、んんっ!」 30分 咲「はぁ、はぁ…」 京太郎「咲は、焦らされるの好きだもんな」フトモモさわさわ 咲「はぁ、はぁ、もう、我慢出来ないよぉ…ね、え、触って…」 京太郎「んー?触ってるじゃん?」ニヤニヤ 咲「ち、がう、もっと付け根の方…」 京太郎「付け根?いいの?映画館だよここ?」 咲「はぁ、もう我慢出来ないのぉ…」 京太郎「…。」穴に指を入れる 咲「んんんんっ、んんんんんっ!!!」ビクビク 京太郎「え?なに?イっちゃったの?」強めに 咲「はぁ!んぁぁぁぁっ!」ちょっとオオゴエ 京太郎「だめだよ、咲、気づかれちゃうよ?」ニヤニヤ 咲「もう、だめ…京ちゃん…」 二人の後ろの方 和「…。」 和「…。」ツー 和「…。殺してやる…。」 映画終わり 咲「もう!京ちゃんのせいで全然映画見てなかったよ!」プンプン 京太郎「そんな俺好みの格好で来る咲が悪いんだよ、あと、咲が可愛いのが悪い」 咲「もう」//// 京太郎「このあと、うち来る?てか、続きしたい」 咲「…。うん」 京太郎「よし、帰ろうか」 遠く 和「…。」 京太郎家 ガチャ 咲「ただいまー」 京太郎「おかえりー」ギュッ 咲「キャッ!」ベットにドサッ! 京太郎「咲、ハムッ」」 咲「んっ」チュッチュ 京太郎「咲、咲」 咲「んー、きょーちゃーん」 ピンポーン 咲「誰か来たよ?」 京太郎「なんだよ、こんな時に…」ドテドテ 京太郎「はーい、どちら様ー?」 ??「宅配便でーす」 京太郎「あ、はいはーい」ガチャ 和「こんばんわ」ニコ 京太郎「和!?」 咲「えっ!?」 和(ニコ)バチバチ! 京太郎「ぐあっ!」どさっ! 咲「京ちゃん!!!!」 和(ダッシュ) 咲{!?」 和「ごめんなさい、少し寝てもらいます」バチバチ 咲「んぁえっ!?」ドサ 和「…。うふふ…」 京太郎「んっ…」 和「あら?起きましたか?」 京太郎「!?和!あ、咲!?」 咲「」 京太郎「おい!咲!咲!」 咲「ん…きょうちゃん…!?」 和「…」冷たい目 咲「ひぃっ!!!」 和「おはよう、咲」 咲「和…ちゃん…」 和(ニコニコ) 和「さぁて、どっちが悪い子なのかな☆」 京咲「!?」 和「世界の平和を脅かす悪い子は許さないぞ☆」 和「ウフフフ、アハハハハハ!」 和「クククククゥ~!!!☆」 和「さーて、どっちから、ころして、あげましょうか☆」 咲「ヒィ!あ、和ちゃん。何行ってるの!?ころすって…」 京太郎「そうだよ…怖いこと言うなよ…」 和「こわいー?あー、こわいわねー、だって、これから二人共しんじゃうもんねー☆」 咲「いやよ!何行ってるのよ!和!」 京太郎「何でこんなこと…」 和「なんで?何ででしょうねー?ウフフ、あなたさっき飲み屋で私の話し聞いてた?」 和「私の思い知ってるわよね?」 和「さっき、映画館で、何してた?」 和「…。アハハ、私、バカだなー、こんな男に何話してるんだろう☆」 和「もういいやー、めんどくさいし、しんじゃえ☆」トテトテ 和「あー、この部屋、包丁もないのかー☆」 和「あ、ダンベルがある☆」 和「うーん、ちょっと、おもいかなー☆」 和「あ、そっか、そうだよねー、原型もわからないほど、殴れば、いいんだ☆」 和「そうだー、そうだよねー、アハハハ!」 和「これで、忘れられる、もんね☆」 和「ウフ、ウフフフフッ☆」トテトテ 和「さー、どっちが、いいかなー☆」 和「咲ちゃん?須賀君?選ばせてあげる☆」 咲「なに、言ってるのよ…和ちゃん…」 京太郎「…。ごめん、和…」 咲「!?」 京太郎「咲、すまん、お前に合う前に、俺、和と飲んでたんだ…」 咲「え?」 京太郎「和から、お前の話、聞いた」 咲「そう、なの…」 和「ウフフー、それを聞いた後に、あなた、よく、あんな所で、あんなこと出来るね☆」 和「きーめた!」 和「そんなにシたいんだったら、いくらでもさせてあげるよ☆」 咲「え?」 京太郎「なにを…」 和「エッチな事に決まってるじゃないですかー☆」 和「どうしたの?早くヤリなよ?☆」 和「あー、縛られてちゃ、無理だよね☆」ドゴォ! 咲「ぐぇっ!」腹に蹴りが入る 京太郎「咲!」 咲「ゴホッ!ゴホッ!和ちゃん…やめて…ゴホッ!」 和「んー?なにかなー?こんなのいつものことじゃない☆」 咲「だから…逃げたのよ…」ウルウル 京太郎「えっ!?」 咲「二人のときだって、あなた、いつも私に暴力ばかり…もう、嫌だったのよ…」泣き出す 京太郎「なんだって!?」 咲「いつもそうだったのよ…、きまってのどっち言葉で殴ったり、蹴ったり…もう、いやぁ…」 京太郎「本当なのか…和…」 和「んんー?聞き分けの無い子にはお仕置きが必要だもん☆」 和「そう、お仕置きだよ☆」 和「でもでもー、最後には、ちゃんとご褒美あげるの☆」 和「今回のご褒美はね☆」 和「気持よくなりながらー地獄逝き☆」 和「あ、須賀君もね」ブンッ! 京太郎「あがっ!!!」ドンッ! ダンベルで殴られた。 咲「京ちゃん!!!」 嘘だろ…。マジかよ!ホントに殺されちゃうよ…! 血が…。口切れた…。 ヤバイヤバイヤバイ。 和「さーて、お仕置き終わり☆」 和「ご褒美の時間ですよ☆」スルスル 和「さー、咲。あなたは自由に動けるわー☆」 和「この男とシたいんでしょ?早く始めて☆」 和「あ、余計なことしたら、わかってるよね?☆」 咲(ガクガク) 京太郎「あ、っのっ!和!」 和「なあに?☆」 京太郎「俺、お前とシたい!」 和「?」 京太郎「どうせ死ぬならさ!初めての感触を感じて死にたいんだ!いいだろ!和!」 和「んー?何言ってるのかな?この男☆」 和「なんで、私が、あなたと、しなきゃ、いけないの☆」 京太郎「俺は、どうなっても、どんなふうにしてもいい、だから咲は…助けてやってくれ!」 京太郎「俺が悪いんだ!俺が無理やり咲を誘ったんだ!」 京太郎「お前らが付き合ってるのは知ってた!俺が勝手に咲を自分のものにしたかったんだ!だから…咲は悪くないんだ…」 和「本当…?」 京太郎「本当だ!俺が…その、無理やり、レイプしたんだ…」 和「レイプ?」 京太郎「ああ、そうだ…」 咲「京ちゃん…」 和「レイプした?お前が咲をレイプしたァッ!!!?」 京太郎「ああ…。そうだ…。」 和「アハ、アハハハ!そうか!そうだったんだー!じゃあ、お前はご褒美なしに殺してあげる」 和「さき、ごめんね、しらなかったの、まっててね、すぐに、おわるから、おわったら、またいっしょにくらしましょう…」 京太郎「…。」 これで、咲は、助かるかもしれない。 あれ?俺、死にたくは無かったのに。 自分犠牲にして咲を助けようとしてるのか。 はは、なんだかなー。下手だなー。 まぁ。いいか、こんなクズ。どうなっても。 和「じゃあ、さようなら」ダンベル振りかぶり 咲「だめっ!」ガシッ! 和「なぁに?じゃましないでよ?」 咲「だめ!だめっ!そんなの!だめっ!」 和「うるさい!」ブンッ! 咲「キャッ!」 和「こいつがしねば、もとどおり、なるから、だいじょうぶだから」 咲「だめなの…。聞いて、和ちゃん、私ね、妊娠したの…」 京和「え?」 咲「昨日ね、分かったの…だから…この子を親なしにしたくないの…」 和「?」 和「にんしん?おや?咲?おや?咲?親なし?こ、ども?」 和「あー、あー!あああああああああああああああっ!」 京咲「!?」 和「何言ってる!?何言ってるの!?ねぇ!何言ってるのよ!妊娠っ!え?なになに?あなた何言ってるの?ねぇ!」 咲「だから…。もう、止めてよ…うぇっ!ぁあぁあぁっぁっっ…」 和「あ、…。あぁ…」 京太郎「咲…。」 和「…。」トテトテ 咲「和ぁっ…もう、ゆるしてよぉ…」 和「許さない」ドゴ 咲「グゥッ!」腹に蹴り 和「許さない、許さない、許さない、許さない 和「絶対に許さない」腹に何度も蹴り 咲「うっ!グッぅ!ゲェっ!」 和「絶対!絶対!絶対!」蹴り 咲「やべでっ!ぐぅっ!やねでっ!」 京太郎「咲!咲ぃ!やめろ和!やめろおおおおお!やめてくれえええええええ!!!!」 咲「グッ!ぐぅっ!あぅえっ…!」 和「はぁ、はぁ、はぁ、しんじゃえ…」 咲「ごほっ!ぼほっ!」吐血 京太郎「咲!咲!おい!和!咲が血を吐いてるじゃないか!お前!咲のこと愛してるんじゃないのか!?何でそんな事するんだよ!」 和「うるさいですよ」 京太郎「うるせーじゃねーよ!このクソアマ!でめぇ何してんだよ!頭おかしいんじゃねーのかよおお!」 和「頭がおかしいのはお前だ」 和「私は今、咲を助けてるの、こんな、ろくでもない男のガキを産ませない為に」 京太郎「狂ってる…。」 和「狂ってなんかいないですよ?」 京太郎「子供には…罪はないだろう…しんじゃうだろ…あんなことしたら…」 和「だいじょうぶ、私が、かわりに、産むから…」 京太郎「えっ?」 和「1引く1足す1は1でしょ?これで大丈夫じゃない?」 京太郎「お前…何言ってるんだよ…わっかんねーよ!」 和「こういうことよ」スルスル 数が服を脱ぎだした。 和「私が、あなたの、子供を、代わりに、産むの」 京太郎「あ、ああ…」 和「さぁ、早く済ませましょう…早く、勃てて」 京太郎「勃つわけねーだろ…」 和「じゃあ、無理やり、立たせるハムッ!」 和が俺のペニスを舐め始めた。 勃った。 案外簡単に。 和「入れるから」ヌゥ 京太郎「んっ」 凄いすんなり入った。 和、相当濡れている。 和「さぁ、楽しんで。最後だから」上下運動 京太郎「おぅっんぁ!」ユサユサ 和「んっ!んっ!んぁ!」ユレユレ 京太郎「こ、こんなこと、なんで!」 和「んっ!んっ!はぁ!」 ガシッ! 京太郎「!?」 和が首を閉め始めた。 京太郎「んっ!んんっ!ぐぅっ!」 和「はぁはあ!どう?気持ちいでしょ?あなたはこのまま首を絞められて死ぬの」 京太郎「!?」 和「気持ちいわよー?首を絞められながら逝くのって…」 和「あ、でも普通は落とすだけだけどね、こうやって喉をつぶしながらだと気持ちいいいのかは知らないけどね」クスクス え?え? 和「ふふふ、さようなら、心配しなくても、あなたの子は育ててあげるからね」 あー、意識が…。なく、なる…。 …。 ……。 ………。 京太郎「…。ここは…。」 刑事「気が付かれましたか?ここは病院です」 京太郎「あの、どちら様、ですか?」 刑事「警視庁の刑事です」 京太郎「刑事…。!?あのっ!咲は!?和はっ!?」 刑事「…。実はですね…。」 その後、俺は刑事からいろいろな話を聞いた。 異常な物音で通報が入ったらしかった。 警察が来た時には咲も和も俺の部屋にはいなかったらしい。 俺はベットに縛られて下半身丸出しで気絶していたそうだ。 刑事にありのままを話した。 刑事は、わかりました。とだけ言って部屋を出ていった。 あの二人がどうなったかは、捜査するとのことだ。 あの精神状況の和に連れ去られた咲。 血を吐いていた。 咲は…無事だろうか…。 今の俺にはどうすることもできないが、願わくば、最善の結末が訪れる事を祈る…。 第三章 浮気は身を滅ぼす 終わり。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6397.html
【5月第1週 平日】開始 朝 京太郎「今日こそは誰かと一緒に行くぞ!」 京太郎「お、スキップしながらいけば誰かがはなしかけてくれるんじゃないか?」 京太郎「そうと決まれば実践あるのみだ!」 京太郎「~♪」 ヒソヒソ ナンヤアレ キチガイガキタデー ウワァ 京太郎「白い目で見られた……」 昼食 京太郎「屋上で食べてみるか」 京太郎「空がきれいだなぁ」 バタム! 部員A「どこだっ!」 部員C「どこにいるっ!」 部員B「池田部長から連絡!中庭にターゲットありとのこと!」 部員A「了解!直ちに向かう!」ザッザッ バタム! 京太郎「なんだったんだ今の」 京太郎「放課後は何をしようかな」 京太郎「街に行くか」 京太郎「ゲーセンに行くか、前は楽しめなかったからな」 照「ようやく初めてを捨てられる」 京太郎「そう!今日こそはゲーセン童貞を捨ててやるぜ!って、照!?」 照「イエス、照デェす!」 京太郎「あーはいはい」 照「もう少しノッてくれてもいいんじゃないかな、ゴールドフレイムマスターさん」 京太郎「やめろ!その名を呼ぶな!」ハズカシー 照「ふふっ、やっぱり京は面白いや」 京太郎「で、照はここに何をしにきたんだ?」 照「雀荘に行こうとしたら迷っちゃった」テヘペロ 京太郎「お、おう…じゃあ俺と遊んで行くか!」 照「うん!」 夕 京太郎「公園で少し休むか」 京太郎「公園に来たぞ!おや、あれは」 怜「抜き足差し足忍び足」コソコソ 京太郎「怜さーん!何してるんですかー!」 怜「ちょっ、黙っとれ!」 京太郎「うわ!」ガサガサ トキードコヤートキー 怜「ふう、ようやくいなくなったみたいや。お、ごめんな」 京太郎「後頭部痛いです……」 京太郎「今のは清水谷さんですか?」 怜「せや、竜華は過保護やねん」 京太郎「それで、園城寺さんは何をしているんですか?」 怜「私はアレや、ちょっと休みにな。いや、サボっとるわけやないで、病弱やからな」コホッコホッ 京太郎「はあ、わかりましたよ」 怜「じゃあ膝まく「清水谷さーん!こっちに園城寺さんがいますよー!」 怜「ちょっと待てや!」 竜華「やあ怜、ここで何しとるん?」ニコッ 怜「いやな、これはな、ちゃうねん。ちょっと待ってーや、話合えばわかるはずや、な?」 竜華「はいはい、それじゃあ帰るでー」 怜「須賀くぅん」ウルウル 京太郎「そんな目で見てもだめです、確かに可愛いですけど」 怜「か、かわい?」 竜華「ほな行くでー」 怜「いやああああああ」ズルズル 京太郎「麻雀してないときは元気だな」 京太郎「さて、そろそろ寝ますか」 ヴヴヴ 京太郎「お、メールだ。霞さんからだ、なになに…」 『明日から千里山と2泊3日の合宿を行うので8時に私の家の前に集合ね!』 京太郎「明日!?いきなりすぎるだろ!?」 ヴヴヴ 京太郎「またメールだ、次は…母さんからか」 『調子はどうですか?私は元気です。たまには実家にも顔を出しなさい』 京太郎「実家か…暇があれば帰ってみるのもいいな」 【5月第1週平日】終 【合宿1日目】開始 ピピピピピ 京太郎「ん、もう朝か……ってまだ6時半じゃねえか」 京太郎「もう1回寝よ」 京太郎「おはよーございまーす!」 京太郎「あれ、誰もいないや」 京太郎「しょうがない!俺が起こしに行こう!」 京太郎「よし!霞さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!】デデーン! 京太郎「おはよーございまーす」ヒソヒソ 京太郎「今日は我らが大家、石戸霞さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 霞「う…う……」ネガエリ 京太郎「見ましたか!今のおもち!じつにすばらです!」ヒソヒソ 京太郎「それでは、霞さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それではですね、俺の初めてを捧げて、霞さんを起こしたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「失礼しまーす」 チュッ 霞「ん……」 京太郎(フレンチキスなう) 霞「ん……」パチッ 霞「……」 霞「~~!///」 京太郎「ぷはっ……」 霞「ふぁっ……」 京太郎「ドッキリ、大・成・功!」テッテレー! 霞「…ちょーっと京太郎君?人の家で何をしているのかしら?」ピキピキ 京太郎「須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!をしているだけですが?」つ看板 霞「大成功じゃ、ないわよ!」 京太郎「そっ、そこは……!らめっ!」 デデーン 須賀 OUT 霞「私の初めてだったのに……」グスッ 京太郎「ごめんなさい、もうしません」 霞「ごめんじゃすまないわよ…」 京太郎「ごめんなさい、なんでもしますから!」 霞「もう一人にさせて……」 京太郎「本当にごめんなさい」 京太郎「あれ、まだ誰もいないや」 京太郎「よし!また起こしに行こう!」 京太郎「よし!咏を起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part2】デデーン! 京太郎「おはよーございまーす」ヒソヒソ 京太郎「今度は我らがロリ枠、三尋木咏さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 咏「うーん……もうたべられねーよー」 京太郎「聞きましたか?今の寝言!じつにかわいいですねー」ヒソヒソ 京太郎「それでは、咏を起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは、咏を起こしまーす」 京太郎「えい!」ギュッ 咏「ムグッ…」 京太郎「もう片方も、えい!」 咏「うぅ…」 咏「うう……」パチッ 咏「あえ、ひょうはほうははひひへふふは?」(京太郎はなにしてるんだ?) 京太郎「ドッキリ、大成功!」テッテレー 咏「はへ?」 咏「はんはははっんへぇへほ、ははひへふへはい?」(なんかわっかんねぇけど、放してくれない?) 京太郎「嫌です」ニマァ 咏「~~~~~!」 京太郎「はぁ…はぁ…」アセビッショリ 咏「はぁ…はぁ…」フクミダレ 京太郎「もう、出し切ったぜ…」 咏「先に外にいてくれ」 京太郎「あれれー?まあだ人がきてないぞお?これはしょうがないよね!」 京太郎「」ゾクッ 京太郎「やっぱり行くのやめよーっと(震え声)」 憩「おはよーさーん」 エイスリン「オハヨウ!」 照「おはよう…」ウツラウツラ 咏「おはよー」 霞「おはよう」 京太郎「おはようございます!」 霞「」ツーン 咏「///」カァァ 憩「ねぇ、京太郎君何かしたん?」ヒソヒソ エイスリン「ワカラナイ」ヒソヒソ 【合宿初日 朝】終 【千里山】 京太郎「ここが千里山女子かぁ~」 キャッキャウフフ キマシタワー アッー 京太郎「やっぱり女子高っていいよな!」 照「共学の女の子もいいと思うの」 京太郎「女子高には、共学とはまた違った良さがあるのですよ!」フフン 霞「はぁ…」 エイスリン「カスミ、ゲンキダシテ!」カキカキ エイスリン「ネッ!」バッ |チアガールエイスリンの絵| 霞「ありがとうね…エイスリンちゃん」ナデナデ エイスリン「エヘヘ」 霞「そういえば、千里山の人が私たちを迎えにくるはずなのだけれど…遅いわね」 憩「咏ちゃんは京太郎君となにかあったん?」 咏「いや~朝から少し激しくヤッちゃってねぃ~」 憩「ヤ、ヤッた!?な、何をや!」 咏「何ってそりゃあ…知らんし」ポッ 憩「何…ナニ?京太郎君と咏ちゃんが…?」 憩「いやあああああああ!」 咏(こらえろ、こらえるんだ三尋木咏!)ププッ ?「あのー」 浩子「あのー、アンタら、三箇牧高校の人やろ?」 霞「あら、浩子ちゃんじゃない!」 浩子「石戸さんですか?お久しぶりです」 霞「ということは、浩子ちゃんが私たちを迎えに来たの?」 浩子「そうです。おば…監督に言われたんで」 浩子「それじゃあ皆さんこちらへ」 【宿舎】 浩子「ここがアンタらの泊まる場所や、ちなみに全部1人部屋やで。合宿中はウチらレギュラーメンバーも泊まってます」 京太郎「学校の近くに合宿所なんてあるのか」 憩「名門千里山の名は伊達やないっちゅうことやな」 照「そういえば、風呂ってどうなっているんですか?」 浩子(チャンピオンが大阪に来たって噂は本当やったんか…) 浩子「そこの男子には我慢…なんてことはしたくないんで、予め入浴時間を決めておきました」 浩子「朝食と夕食はここの食堂で食べられますが、昼食は適当に自分らで食べてください」 浩子「説明は以上ですね、質問はありますか?」 浩子「無ければ自分の部屋に荷物を置いてきてください、部室に案内しますので」 【部室】 浩子「ここが我が麻雀部の部室です」 憩「わぁ、広いなー」 咏「うわ、この部屋の卓全部全自動卓なのかよ…」 エイスリン「スゴイ!」キラキラ 雅枝「おお、石戸もう来とったんか」 霞「お久しぶりです、監督」 雅枝「なんや、顔色悪いなあ、なんかあったん?」 霞「いえ、大丈夫ですよ!」 ~部員の自己紹介とかはキンクリ~ 霞「これでこちらの部員は全員です」 雅枝「ほなまずはお互い2VS2で打ってもらおうか」 京太郎「さて、俺は誰と打とうかな」 怜「須賀君、打つ相手いないん?」 京太郎「はい、そうなんですよ」 怜「じゃあ私と一緒に打たへん?昨日の恨みはらしたるわ」 憩「えーなになに?京太郎君は怜ちゃんと打つん?ならウチも入れてー」 船Q「それならウチもいいですか?」 怜「お、これで4人揃ったな。ほな始めよか」 開局 浩子(この金髪男…気になりますね、少し様子を見てみますか) 【分析】発動! 浩子(張っているようですから、このへん) 京太郎「それです、ロン!12000」 浩子(ふむふむ) 東2局 船Q 13000 親 怜 25000 京太郎 37000 憩 25000 全員ノーテンのため、流局 東3局 船Q 13000 怜 25000 親 京太郎 37000 憩 25000 京太郎(なんだ…船久保さんに何か手を封じられてる気がする…) 憩(さて…と) 【孔穿つ閃光】発動! 怜(憩は…張ったか) 怜「よし…」キィィィン 【先読み】発動! 倍満→5200 憩「お、それロンや、5200よろしくな」 東4局 船Q 13000 怜 25000 京太郎 31800 親 憩 30200 全員ノーテンのため、流局 京太郎(どんどん聴牌から遠ざかっていっている気がする…) 怜(聴牌できへんなー) 浩子(いいデータが取れました) 憩(親なのにぁ) 終局 1位 京太郎 31800 2位 憩 30200 3位 怜 25000 4位 船Q 13000 京太郎「おつかれさまでしたー」グデー 怜「おつかれやー」グダー 憩「なんや、そうやっとると二人ともなんか似とるなぁ」 浩子「おつかれさまでした。須賀君といいましたか…中々面白いですね」 京太郎「昼飯でも食べに行くか」 京太郎「来る途中にそば屋があったからそこに行くか」 憩「京太郎君どこ行くんー?」 京太郎「昼飯を食べにそば屋に行こうかと」 憩「じゃあウチもついて行っていい?」 京太郎「もちろんですよ、それじゃあいきましょうか」 メニュー アカマムシそば 激辛そば 千里山そば Vやねん!姫松!そば 桜そば 全て800円均一 京太郎「憩さんは何を頼むんですか?」 憩「んー、ウチは激辛そばやな」 京太郎「辛いもの好きなんですか?」 憩「極端な味のものは全部好きやで」 憩「で、京太郎君は何にするん?」 京太郎「この、Vやねん!姫松!そばっていうのが気になるんで、これにします」 オマタセシマシター 京太郎「うわ、なんだこれ…赤い麺、黒い麺、青い麺、紫色の麺、金色の麺」 憩「うわ…すごいなそれ。リボンみたいなえび天に、なんかクルクルしとる天ぷらに、おもちに、これは…ハンバーグ?なんでこんなんが乗っとるんや……」 京太郎「……覚悟を決めますか」ズルズルッ 憩「どうなんや?」 京太郎「……」 京太郎「おいしい!」テーレッテレー 京太郎「なんかよくわからないですけど、おいしいですよこれ!」ズルズルッ 憩「そ、そうなんか…」 京太郎「ボリュームもたっぷりだったし満足満足!」 京太郎「昼は何をしよう」 京太郎「特訓をしよう!」 京太郎「ヘイ、テルー!」 照「ナニカヨウデスカー?キョウ!」 京太郎「ミートトックンシーマセンカー?」 照「オーイイデスネー」 照京「「HAHAHAHA!!」」 京太郎「ハァハァ」 照「オヤー、コンナトコロデオワリデスカー?」ギュルギュル 京太郎「ノリが疲れる…」 照「ダイジョーブソウナノデマダマダイッキマース!」ギュルンッ 京太郎「」チーン 照「科学ノ発展ニ犠牲ハツキモノデース」 京太郎「夕方は何をしよう」 京太郎「霞さんと話そう」 【部室】 京太郎「あれ、霞さんはいないんですか?」 咏「また1人にしてくれって言って宿舎に戻っていったぜぃ~」 京太郎「わかった、ありがとう」 【宿舎】 京太郎「霞さんの部屋は…ここか」 京太郎「霞さーん」コンコン シーン 京太郎「入りますよー」ガチャ 京太郎「霞さ…」 霞「すぅ……すぅ…」 京太郎「寝ているのか…どうしよう」 京太郎「ドッキ…いや、起きるまで待とう」 霞「すぅ…」 霞「ん……」 霞「あれ…京太郎君、どうしたの?」 京太郎「謝りに…来ました」 霞「あや、まりに…?」 京太郎「はい」 京太郎「霞さんの、いえ女性の大事な物を奪ってしまって申し訳ありませんでした」ドゲザー 京太郎「部員が4人集まって、霞さんも顧問になってくれて…」 京太郎「初めての合宿で、俺…興奮して夜も眠れなかったんです」 京太郎「だから!」 京太郎「すいません、テンション上がってて調子に乗ってました!」 京太郎「霞さんの気持ちも考えないで、悪ふざけでキスなんかして本当にすみません」 京太郎「嫌だったでしょう?好きでもない男にキスされて」 京太郎「本当にすいませんでした…」 霞「…じゃないわよ」 京太郎「え?」 霞「嫌じゃないわよ…京太郎君だったんだもの」ボソッ 霞「よし、それじゃあ京太郎君が私に誠意を見せてくれたら」 霞「お互いにこのことは忘れる、ということにしましょう!」 京太郎「ありがとうございます!」 霞「それじゃあ京太郎君には」 霞「私に1日料理を振る舞いなさい。合宿が終わった後で」 京太郎「それで、いいんですか?」 霞「いい、とは言ってもまた同じことを別の人にしたら許さないからね!」 京太郎「はい!」 京太郎「許してもらえてよかったな」 京太郎「さて、次は何をしよう」 夜 京太郎「また照と特訓しよーっと」 照「なに、また特訓?」 京太郎「おう!早く照に追いつきたいからな」 照「もう、京ったら」ポッ 照「いっくよー!ギュルギュルじゃんけん!じゃんけん」ギュルギュルギュル 照「グー!」ギュルギュルギュルギュルギュルギュル 京太郎「ちょっと待ってくださいよー!」 ドゴーン 京太郎「これが…これが貴様の力…か……」マッシロ ―――――――――――― 京太郎「風呂の時間だ!」 京太郎「だがしかし一人風呂か…」シュン カポーン 京太郎「露天風呂まであるのか、たまげたなぁ」 京太郎「よっと」 京太郎「ああ~癒される~」 ガララッ 京太郎「え?」 憩「お、露天風呂まであるんか、こりゃええわ」 京太郎(こ、この声は憩さんか?なんでここにいるんだ)イワカゲニカクレ 憩「貸切や!泳ぐでー!」タオルバサッ 京太郎(おいおいウソだろ) 憩「いい湯や~」ヒラオヨギ 京太郎(見つかりませんように!) 京太郎「あ」 憩「え」 憩「はえ?」 憩「な…なんでここにおるん?」 京太郎「今は俺の入浴時間ですからね」 憩「え、あれ?」 京太郎「そんなことより早く隠してください、際どいんで」メソラシー 憩「え?……~~~~~!」カァァァ 憩「」ササッ 憩「」タオルソウチャク 憩「…見た?」 京太郎「ギリギリ見えてないのでご安心を…(震え声)」 憩「そ、そうか……ならよかったわ」ハハハ 京太郎(少し先っぽが見えていたのは黙っておこう…) 京太郎「さて、深夜だ!」 京太郎「なにをしよう!」 京太郎「憩さんとお菓子を食べよう!」 京太郎「何を持っていこうかな」 京太郎「ポッキーを持っていこう」 京太郎「あっらかわさーん、あっそびましょ!」 憩「う!京太郎君!」 京太郎「そんな身構えないでくださいよ、俺を信じてください。友好の証に、これを」つポッキー 憩「おお!ポッキーや!」バッ 京太郎「させるか」パッ 憩「うぅ…なんでそんなことするんや!早く頂戴!」ピョンピョン 京太郎(そ、そんな薄着で跳ねられたら…見えてしまうじゃないか…)ゴクリ 京太郎「それじゃあまずは部屋にあげてもらいましょうか」 憩「んー、麻雀が上手くなる方法かー」ポリポリ 京太郎「はい、どうやったら上手くなれるかなーって」 憩「緊張しないことやないのかな、緊張しないで昔、初めて麻雀をしたときのことを思い出しながら打つ」 憩「そんなことをしとったらウチは上手くなっとったな」 京太郎「初めて打ったときの感情……」 京太郎「緊張しない……ですか」 京太郎「なんだかわかったような気がします!ありがとうございました!」 【合宿1日目】 終 【合宿2日目】 京太郎「ふぁぁぁ」 京太郎「さて、と朝食は何時からだったっけ」 京太郎「8時からか…今は…7時か」 京太郎「よし、みんなを起こしに行こう!」 京太郎「よし!船久保さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part3】デデーン! 京太郎「おはよーございまーす」ヒソヒソ 京太郎「今日は!千里山の参謀、船久保浩子さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 船久保「どうや…ウチがいちばんや…」ドヤァ 京太郎「今のドヤ顔、じつにすばらです」ヒソヒソ 京太郎「それでは、船久保さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それではですね、千里山の監督の真似で、船久保さんを起こしたいと思いまーす」 京太郎「あーあーっー」ウラゴエ 京太郎「よしっ」ヒサカワヴォイス 京太郎「起きろー浩子、起きんとどうなるかわかっとるやろな?」 浩子「ん……」 浩子「…ん、あと5分待って…おばちゃ……須賀君?」 京太郎「ドッキリ!大成功!」テッテレー 京太郎「どうでしたか、ドッキリの感想は?」 浩子「そうですね、須賀君の物まねがなかなか上手でしたね…って」 浩子「勝手に人の部屋に入るなー!」ウガー 京太郎「次は誰を起こそう」 京太郎「よし!エイスリンさんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part4】デデーン! 京太郎「今回は!我らが大天使、エイスリン・ウィッシュアートさんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ エイスリン「ン…モウニガクテノミコメナイよ…」Zzz 京太郎「どうですか、この笑顔!まさに大天使、すばらです!」ヒソヒソ 京太郎「それでは、エイスリンさんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは、エイスリンさんを起こしまーす」 京太郎「えい!」ツンツン エイスリン「ンッ…」 京太郎「もう片方も、えい!」ツンツン エイスリン「アッ…」 エイスリン「エヘヘ…モットヤサシク……」Zzz 京太郎「どうやら、まだ起きないようです!それでは次に行きましょう!」ヒソヒソ ツンツン 京太郎「次は、前世での出会いと、未来の君を思いながら、この言葉にありったけの魔翌力を込めてエイスリンさんを起こしたいと思います!」ヒソヒソ 京太郎「Love you forever」ボソッ エイスリン「ン…」 エイスリンは起きるか、判定 コンマ 126 エイスリン「ン……」パチッ エイスリン「スガクン…?」 エイスリン「Love you forever?」 エイスリン「?」 京太郎「忘れてくださいお願いします」 京太郎「と、いうことで、ドッキリ大成功!」テッテレー エイスリン「ネエネエ、スガクン」ツンツン 京太郎「はい?」 エイスリン「D…Do you love me forever?」カァァ 京太郎「Yes?」 エイ京「……」 エイスリン「///」カァァ 京太郎「///」カァァ 京太郎「さぁて次のターゲットはぁ?」 京太郎「よし!照を起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part5】デデーン! 京太郎「今回は!我らがエース、宮永照さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 照「ん……」ギュルギュル 京太郎「ノーコメントで」ヒソヒソ 京太郎「それでは、照を起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それではですね、咲の真似で、照を起こしたいと思いまーす」 京太郎「あーあーっー」ウラゴエ 京太郎「よしっ」ウエダヴォイス 京太郎「お姉ちゃん起きて!起きないと遅刻しちゃうよ!」ウエダヴォイス 照「……」 照「……」 照「おい…貴様がなぜここにいる?」ギュルッ 京太郎「い、いやぁ…ドッキリですよ!ドッキリ!ほら、ドッキリ大成功!」 照「……なんだ、京か」ギュルゥゥゥ 京太郎(なんだったんだ今の……) 【食堂】 京太郎「んー、どこに座ろうかな」 ?「席が無いんなら、ここいいですよ」 京太郎「あ、ありがとうございます」 ?「困ったときはお互いさまです、私もよく座るところがないこととかあるんですよ」ハハハ 京太郎「奇遇ですね、俺もあまり座れなかったり、皆からはぐれちゃったりするんですよね」 ?「私もよくありますよ!いや~三箇牧にも同志がいるとは思わなかったです」 京太郎「えーと、あなたの名前は確か……」 ?「二条泉です、君は須賀京太郎君やろ?」 京太郎「覚えててくれたんですか?あんな噛みまくりの自己紹介だったのに」 泉「だからこそ、ですね。それと敬語はやめますか、私ら同学年ですし」 京太郎「そうだな、うんこっちの方が喋りやすいや」 泉「じゃあ今日一日頑張っていくで!」 京太郎「おう!」 京太郎「朝は何をしよう」 京太郎「今日も特訓特訓!」 京太郎「お、咏!一緒に特訓しようぜ!」 咏「お、いいねぃ~」 咏「じゃ、ま始めよっか」 咏「でさ、ここでこうすると」 京太郎「おお!」 咏「こうなって、こうすると」 京太郎「おおおお!!!」 咏(何だこれ……) 京太郎「昼飯を食べに行こう」 京太郎「昼はどこに行こうかな」 竜華「お、須賀君やん!ウチと昼食べに行かへん?」 京太郎「お、いいですね!行きましょう行きましょう!」 竜華「そうと決まればレッツラゴーやで!」 【カレー屋】 竜華「ついたでー」 京太郎「ここが清水谷さんのオススメのカレー屋ですか」 竜華「せや、ここはカレーは勿論ナンも格別の美味しさなんやで!」 竜華「須賀君には一昨日助けてもらったからお姉さんが奢ったるわ!」 メニュー 赤まむしカレー 激辛カレー 千里山カレー 桜カレー 商品は全て800円均一 京太郎「じゃあ千里山カレーで」 竜華「ウチはいつも通り赤まむしカレーやな」 京太郎「そんなもの食べられるんですか……」 竜華「中々いけるもんやで」 オマタセシマシター 竜華「ほら、来たでー美味しそうやなー」 京太郎「ナンから凄くいい匂いがしますね」 竜華「ナンはなー、一口目はまずこうすんねん」ハムッ 京太郎(何この小動物的な可愛さ) 竜華「須賀君もやってみーや!」 京太郎「はい、いただきまーす」ハムッ 京太郎「確かにおいしいですね、このナン」 竜華「せやろ、それでな……ほれアーン」つナン 京太郎「それ、竜華さんがかじったナンですけど、いいんですか?食べちゃって」 竜華「食わず嫌いはするもんやないで、ほれ」 京太郎「そういう意味じゃ…」パクッ 京太郎「これは……おいしい!」 竜華「せやろー、おいしいやろー!」 京太郎「……でもこれって間接キスですよね、本当に良かったんですか?」 竜華「ふぇ?」 竜華「ちゃうちゃう!そんな意味はないねん!忘れてや!」アセアセ 京太郎「考えておきますよ」ハハハ 京竜「「ごちそうさまでした」」 竜華「さてと、じゃあ須賀君は先に戻っててええで、ウチが払うから」 京太郎「いや、いいですよ。自分の分は自分で払います」 竜華「え?でも……」 京太郎「俺は望んで清水谷さんを助けてたんですから、お礼なんていらないですよ」ニコッ 竜華「そ、そうなん……///」 京太郎「カレーおいしかったな」 京太郎「昼は何をしよう」 京太郎「憩さん、特訓しませんか?」 憩「お、ええなそれ。少し待っててな」タン 憩「よし、ほな始めよか」 憩「それで、この1筒をこうしてな」ピキーン 京太郎「憩さんの後ろに宇宙が見える…!」 京太郎「それじゃあ俺もこの1索を」ピキーン 憩「なんも見えへんな」 京太郎「夕方はなにをしようかなー」 京太郎「引き続き憩さんと特訓を続けるぞ!」 憩「どんと来なさい!」 京太郎「え、これを着るんですか?」 憩「特訓といったらユニフォーム、ユニフォームといったら衣装、衣装といったら…」 憩「これに決まっとるやろ!」 憩「ナース服~」ダミゴエ 京太郎「そんなの着ませんからね!」 憩「ええ~そんな~」 京太郎「夜はなにをしようかなー」 京太郎「次は誰と特訓しようかなー」 竜華「お、須賀君やん、何してるん?」 京太郎「あ、竜華さん、俺と特訓してください!」 竜華「ええでー」 竜華「でな、そんときに怜がな!」キャー 京太郎「そ、そうなんですか」 竜華「ほんでな、ほんでな…!」 京太郎(麻雀の特訓をしていたのに…どうしてこうなった……) 京太郎「ヒャッハー!風呂の時間だあああああ!」 京太郎「誰が来るかな!誰が来るかな!」 【脱衣所】 ワイワイガヤガヤ 京太郎「浴場が騒がしいな…あれ、これってまずいんじゃ」 千里山A「キャー!覗きよー!」 千里山B「この千里山の浴場に忍び込むとは!」 京太郎「逃げよ」タッタッ 千里山C「逃げたぞ!追えー!」 千里山D「イエス、マム!」 ドタドタ 京太郎「ふぅ…なんとか逃げ切ったぜ」 霞「あら」ゴゴゴゴ 雅枝「何から」ピキッ 浩子「逃げ切った」ジトー 照「のでしょうねぇ…」ギュルギュル 京太郎(あ、これ終わったな) 京太郎「……」マッシロ 深夜 京太郎「園城寺さんとお菓子を食べよう!」 京太郎「何を持っていこうかな」 京太郎「ポッキーと、プリンとかりんとうを持っていこう!」 京太郎「園城寺!トキィ!我は貴様に会いに来た!」カッ 怜「なんや須賀君」 京太郎「あれ、ノらないんですか」 怜「ノリに合わせるのは疲れるんや…ほら、うち病弱やし」コホコホ 京太郎「まあそれは置いといて、お菓子を持ってきたんで、夜を語り明かしましょう!」 怜「お、これ焼きプリンやんおいしそうやなぁ」 京太郎「一口いります?」 怜「ほな、もらおうかな」アーン 京太郎「はい」 怜「おいしいわぁ」パァァ 京太郎「俺もこの焼きプリン好きなんですよね」 怜「ええ味出とるよな」 京太郎「いい味といえば、園城寺さんのリーチ一発すごいですね!」 京太郎「以前雀荘でやったときのあの一発率!」 京太郎「凄かったですよ!どうやったらできるんですか?」 怜「んー、あれは…偶然や、偶然」 京太郎「そうなんですか、でも、そうだとしてもやっぱり凄いですよ!」 怜「そう言われるとなんか照れるな」エヘヘ 怜「せや、せっかくやし麻雀教えよか」 京太郎「お願いします!園城寺先生!」 怜「怜でええで、私も須賀君のこと京太郎君って呼ぶし」 京太郎「え、いいんですか?」 怜「京太郎君か…そうすると憩と呼び方が被ってまうから」ブツブツ 怜「京くんでええか」 怜「それじゃあ京くん仕切り直してもう一回!」 京太郎「お願いします!怜先生!」 【合宿2日目】 終 【合宿3日目】 京太郎「ふっふっふ」 京太郎「あー今日も早起きしちゃったなー」ボウヨミ 京太郎「早く起きすぎて暇だなー」ボウヨミ 京太郎「そうだ、みんなを起こしに行こう!」 京太郎「よし!清水谷さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part6】デデーン! 京太郎「今回は!千里山の部長、清水谷竜華さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 竜華「ん……」モゾモゾ 京太郎「霞さんほどではないにしろ、大変すばらなおもちです!」ヒソヒソ 京太郎「それでは、清水谷さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「髪の毛を梳きながら起こしたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは、失礼しまーす」サッー 竜華「すぅ……」モゾモゾ 京太郎「おはようございまーす」ヒソヒソ 竜華「んっ…」 竜華「怜ぃ…そんなとこイジったらアカンて……」モゾモゾ 京太郎「まだ起きないようです!それでは次の作戦です!」ヒソヒソ 京太郎「次はこちら!」ヒソヒソ 京太郎「当方で用意いたしました、特選豆を使用したこのモーニングコーヒーを」ヒソヒソ 京太郎「清水谷さんにぶっかけたいと思いまーす」ヒソヒソ 竜華「ちょっと……外に出さんでよかったんに……」 京太郎「それではいきまーす」 京太郎「3」 京太郎「2」 京太郎「1」 京太郎(あ、これコーヒーじゃなくて北海道産の特選飲むヨーグルトじゃん) 竜華「あれ、須賀君?」 京太郎「あれ、起きちゃった」 京太郎「しまった!手が滑った!」バシャ 竜華「なんやこれ…ヨーグルト……?」 京太郎(なんだこのすばらな光景は……ヨーグルトが清水谷さんの身体全体にかかっている…これじゃまるで…おっといかんいかん) 竜華「……」 京太郎「ドッキリ大成功!」 竜華「なにするんや!須賀君のアホー!」 京太郎「ほら!この看板見て!これドッキリですから!」 竜華「うるさいわぁ~!」ポカポカ 京太郎「334回くらい土下座したら許してもらえた…」 京太郎「清水谷さん少し怒ってたな…」 京太郎「まあ続けますけど」 京太郎「よし!憩さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part7】デデーン! 京太郎「今回は!我らが部長、荒川憩さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 憩「そ…そんな…だめですよ……こんなところで…」 京太郎「俺、なんだか興奮します!」ヒソヒソ 京太郎「それでは、憩さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それではまずはマウントポジションを取って…」 京太郎「やっばい、おっきしてきた…」 京太郎「おっきしろーっ」ユッサユッサ サワサワ 憩「うぅぅ…」 憩「うぅぅ……あまり焦らさんといてくださいよ……」 京太郎「おっと、まだ起きない!」 京太郎「次はこちら!」 京太郎「次は、当方が用意した、ナース服を着て憩さんを起こしまーす」 ―着替え中― 京子「さて、着替えてきましたっ☆」ウラゴエ 京子「それでは、また憩さんを起こしまーす」ウラゴエ 京子「おはよーございますっ☆」 憩「うーん……」 憩「うーん……」パチッ 憩「あれ…誰?」 京子「須賀京子ですっ☆」キュルンッ 憩「誰やねん…」ゲシッ 京太郎「すねはやめてくださいって、うわわわ」 ドンガラガッシャーン 京太郎「……何がどうしてこうなった…」モフモフ |京太郎、憩ちゃんを押し倒しその胸にダイブするの図| 憩「くっ、くすぐったいからあんま喋らんといて///」 京太郎「そんなこといわれても」モフモフ 憩「だ、だから…やめてや……///」 京太郎(この少しとがったところは…)カオズラシ 京太郎「まさか…ね」ツマンデモフモフ 憩「あっ……」 京太郎「あれ、憩さん?」 憩「はぁ…はぁ……」パタッ 京太郎「また寝ちゃったみたいだけど、どうしようか」モフモフ 京太郎「俺も寝よ」 ―――――――――――― 憩「ん……京太郎君?」 憩「なんか変なことされた気がするけど…まあええか」 京太郎「…やめろ…俺は……ノンケなんだ…」Zzz 憩「可愛い寝顔やな」ナデナデ 京太郎「きもちいいですよ……ハギ……さん…」Zzz 憩「なんか、幸せな気分や」ナデナデ 憩「そういえば……」 憩「なんでナース服なんや…?」 京太郎「朝食を食べに来たぞ!」セイフク! 京太郎「清水谷さん、前いいですか?」 竜華「あーええよー」 京太郎「さっきは本当にすみませんでした」 竜華「ええってええって、朝風呂入れて気持ちよかったし」 京太郎(清水谷さん…風呂…おもち) 京太郎「うっ、股間が!」 竜華「どうかしたん?」 京太郎「いえ、どうにも!」 竜華「それじゃあ今日も頑張っていこかー!」 京太郎「はい!」 京太郎「いよいよ最終日だ!」 京太郎「朝は何をしよう」 京太郎「雑用をしよう!」 京太郎「昼食を作りにいくか」 【食堂】 京太郎「こんにちはー」 咏「お、京太郎じゃ~ん、どうしたの?」 京太郎「咏か、昼食作りの手伝いに来たんだけど…作る人ってお前なのか?」 咏「なんだよ、私がしちゃ悪いのかよ…」 京太郎「いや、意外だなーって」 咏「いいよ、もう知らんし」プイー 京太郎「おお、なんだこの味噌汁!うめえ!うめえよ!」 咏「だろ!だろ!この天才料理人三尋木咏ちゃんに任せればこんなもんお茶の子さいさいだぜぃ!しらんけど」ドヤァ 京太郎「ほんとにうめえよ、この味噌汁、毎日飲みたいぜ!」 咏「ま、毎日ってそんな……///」 京太郎「次は何をしよう」 京太郎「牌譜の整理をしよう」 京太郎「おお、こんなにたくさんあるのか、流石は名門」 京太郎「合宿中の対局の牌譜もあるな」 泉「あれ?須賀君ですか?」 京太郎「二条か、お前も牌譜の整理に来たのか」 泉「はい、須賀君もですか?」 京太郎「おう、じゃあ始めようぜ」 京太郎「へー、みんな面白い打ち方するんだな」 泉「ちょっと須賀君、ちゃんと手伝ってよ」 京太郎「ふっふっふ、見ろこの整理整頓された牌譜を!!!」 泉「す、すごい!こんなに速く、そしてきれいにする人、見た事ない!」 京太郎「これからは雑用マスター京太郎と呼びなさい!」 泉「ははっー」 京泉「なんだこれ…」 泉「ふう…これで全部ですか?」 京太郎「そうみたいだな、それじゃあ戻るか」 泉「はい!」 京太郎「昼食はどこで食べようかな」 京太郎「エイスリンさん、どこかに食べに行きません?」 エイスリン「イクイク!」 京太郎「行きたいところとかあります?」 エイスリン「ウーン」カキカキ エイスリン「ココ!」バッ |驚いているドンキーコングの絵| 京太郎「これは…ドンキーコング…?」 竜華「エイちゃんはびっくり鈍器ーに行きたいんか?」 エイスリン「リューカ、セイカイ!」 京太郎「あれ、二人とも知り合いなんですか?」 竜華「何回か打ったしな」 エイスリン「リューカ、ツヨイ!」 竜華「そういうエイちゃんも強いやないかー」ウリウリ 京太郎「微笑ましい光景だ…」 京太郎「じゃあ行きましょうか」 【びっくり鈍器ー】 京太郎「店名に違和感があるんだが…」 竜華「ほな、入ってくでー」 竜華「あ」 雅枝「お」 竜華「なんで監督がここに…?」 雅枝「そう身構えなくてええって、その2人は三箇牧の生徒か」 京太郎「須賀です!」 エイスリン「Aislinnデス!」 雅枝「わかっとるわかっとる、みんなで食おかー」 メニュー アカマムシハンバーグ 激辛ハンバーグ 千里山ハンバーグ Vやねん!姫松!ハンバーグ 桜ハンバーグ 全て1000円均一 京太郎「うーん…」 竜華「せやな…」 エイスリン「ウムム…」 雅枝「ふむふむ…」 京太郎「俺は桜ハンバーグで」 竜華「ウチはアカマムシハンバーグで」 エイスリン「コレ!」 京太郎「千里山ハンバーグですか」 雅枝「私はVやねん!姫松!ハンバーグや」 竜華「監督はホンマに姫松好きですね」 雅枝「まあ愛娘2人がいるところやからな」 京太郎「えー愛宕監督ってお子さんがいるんですかー?」ボウヨミ 竜華「そんな若くは見えないよねー」ボウヨミ エイスリン「!」コクッコクッ 雅枝「そんな褒めたってなんも出えへんよ~」 京竜エイ「チッ」 京太郎「船久保さん!特訓をしましょう!」 浩子「須賀君?どうしたんです、急に」 京太郎「朝、牌譜の整理をしていたら船久保さんの打ち筋を見かけましてね、船久保さんが対戦相手を完全に把握しているように思えるんですよね」 京太郎「この通りです!お願いします!」 浩子「わかりましたよ」 浩子「たとえば、須賀君の場合、こうすることが多いので」 浩子「こうすると」 京太郎「振り込んじゃいますね」 浩子「とりあえずはこんな感じですね」 京太郎「なるほど、ありがとうございました」 京太郎「夕方は何をしよう」 京太郎「照と特訓しよう!」 京太郎「照!特訓するぞ!ついてこい!」 照「ちょっと、いきなりすぎない!?」 照「さてと、今日はなにする?」 京太郎「今までのおさらいをしようじゃねえか!」 照「ワッカッリマーシタ」 照「ソレデハ、ハジメマショウ!テルテルじゃんけん」ギュルギュル 照「パー」ギュルギュルギュルルル 京太郎「チョキだ!」 ドカーン 照「京…成長したね…」ハァハァ 京太郎「照もな…」ゼェゼェ 京太郎「夜はナニをしよう」 京太郎「まだ続けるぜ!」 照「わかった、それなら私も本気を出そう」ギュルッ 照「それでは、参る!」 京太郎「上等だ!」 照「ぐはぁっ…」 京太郎「はっはっはー!俺は照に勝ったぞー!」 照「やったね、京…これが、私の力…だよ」ガクッ 京太郎「照ーー!」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/1821.html
hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1361971095/ 菫「おや?ここは大会関係者以外立ち入り禁止だぞ?なんで男子が……」 京太郎「すみません、俺、迷っちゃって・・・。一応長野県代表の関係者です」 菫「長野代表・・・?まさか清澄高校・・・」 京太郎「知ってるんですか?」 菫「まあな。だが、共学校だとしても、この大会は女子の大会だぞ?」 京太郎「はは・・・。俺、唯一の男子部員なもんで、この大会には雑用として連れてこられたんですよ・・・」 菫「そうだったのか。何と声をかけてやったらいいか・・・」 京太郎「まあ、今更なんで気にしてないっすよ」 菫「そうか。ところで迷ったと言っていたな?どこに行きたいんだ?案内してやるぞ」 京太郎「いいんですか?」 菫「ああ。それに、男子がうろうろしていては他の人間が不審に思うかもしれないしな」 京太郎「俺は不審者ですか」 菫「ふふ、冗談だ」 京太郎「冗談きついっすよ」 菫「で、どこに行こうとしてたんだ?」 京太郎「ええ、売店を探してたんです」 菫「なるほど。それならこっちだ。案内するからついてきてくれ」 京太郎「助かります。あ、俺、須賀京太郎っていいます。清澄の一年です」 菫「私は白糸台の三年、弘世菫だ」 京太郎「よろしくお願いします」 菫「ここが売店だ」 京太郎「ありがとうございました」 菫「何、私の高校は今日は試合がないんだ。暇だったので気にしないでくれ」 京太郎「・・・・・・あれ、菫さんも売店で何か買うんですか?」 菫「ああ、いや、暇だからな。それと、君が何を買うのかも興味あったんで見ていた」 京太郎「あはは、見てて楽しいもんじゃないと思いますけど、どうぞ」 菫「買い出しか何かか?」 京太郎「ええ。タコスを買いに行くよう言われたんですけど・・・。この売店じゃ売ってなさそうですね・・・」 菫「タコスを売っている売店の方が珍しいと思うが・・・」 京太郎「まあ、外のお店でも探してみますよ」 菫「待て」 京太郎「どうかしたんですか?」 菫「その、何だ・・・。君はこの辺りには土地勘がないんじゃないか?」 京太郎「確かに・・・」 菫「私は東京出身だ。よかったらタコス探しに付き合うが」 京太郎「それは助かります!すみません、弘世さん」 菫「何、ただの暇潰しだ。さ、行くぞ」 京太郎「はい!」 菫「迷った・・・」 京太郎「迷いましたね」 菫「済まない・・・。よく考えれば私は白糸台の田舎者だった・・・」 京太郎「いえ、俺だって長野の田舎者ですし気にしないで下さい」 菫「しかし困ったな・・・。何だか雨が降りそうな天気だ・・・」 京太郎「ですね」 菫「そうんなこと言ってるうちに降ってきた」 京太郎「わわっ!どこか雨宿りする場所は・・・」 菫「適当な店を探して入るぞ」 京太郎「そうしましょう!」 菫「どこかコンビニでもあれば・・・」 京太郎「なんだかそういうのはなさそうな区画ですねここ」 菫「お、あったぞ須賀君。休憩4000円だそうだ」 京太郎「えっ、でもここって・・・」 菫「大丈夫だ!金の心配なら無用だ。雨にこれ以上濡れる前に行くぞ!」 京太郎「はいっ!」 菫「・・・それにしてもあれだな」 京太郎「はい」 菫「宿泊施設を休憩用に借りるというのは初めてだ」 京太郎「お、俺もです」 菫「何を緊張してるんだ君は。おかしな奴だな」 京太郎「お、俺、こういうとこ来るの初めてで・・・///」 菫(清澄はホテルじゃなくて安宿だったか?そういえば白糸台が宿泊するとなると高級ホテルが常だからな。まあ、ここは私が緊張をほぐしてやるか) 菫「大丈夫、私は慣れているから何も心配することはない」 京太郎「えっ・・・。じゃあ、こういうとこには何度も・・・?」 菫「まあそうなるかな」 京太郎「見かけによらずすごいんですね・・・。経験豊富なお姉さんって感じがします・・・///」 菫「まあ一応三年で白糸台じゃ部長を務めているからな」 菫「それにしても結構濡れてしまったな。須賀君、シャワーを浴びてくるといい」 京太郎「で、でも・・・」 菫「体が冷えただろう?遠慮はいらないから」 京太郎「じゃ、じゃあ、弘世さんからどうぞ!」 菫「だが私は年上だし、こういうときは年下に譲るものだと・・・」 京太郎「弘世さんは女の子ですから!」 菫「な、何を突然・・・///」 京太郎「女の子は体を冷やしたらいけないんです!だからお願いします!どうか先にお風呂に・・・!」 菫「そこまで言われたら仕方ない。ここはその好意に甘えさせてもらおうか」 京太郎「はいっ!」 ザーッ・・・ 菫(そういえば男の子に女の子扱いされるなんて初めてかもしれないな・・・) 菫(むっ・・・。このままでは風呂上りを男子に見られることになる・・・///) 菫(よく考えたら着替えもないからタオルのみか・・・。参ったな・・・) 菫「あがったぞ」 京太郎「早かったですね。・・・って、どうしたんですか?」 菫「その・・・。恥ずかしいので目を閉じていてくれると助かるんだが・・・///」 京太郎「で、ですよね・・・///」 京太郎「わかりました。俺、目を閉じてるんで出てきて下さい」 菫「・・・よ、よし」 京太郎「・・・そろそろ目を開けてもいいですか?」 菫「あ、ああ。構わない。君もお風呂に入ってくるといい」 京太郎「は、はい」 菫「・・・・・・・・」 京太郎「・・・・・・・・・」 菫「ん?どうしたんだ?何故こっちを見る?」 京太郎「い、いえ、布団に潜り込んでいる弘世さんが何だか小動物みたいでかわいかったものでつい・・・」 菫「なっ・・・///」 菫「バカなこと言ってないで早く入って来い!」 京太郎「はいっ!すみませーん!」 菫(まったく、彼という奴は・・・。素直でいい奴だというのはわかるんだが、思ってることを何でも言ってしまうのはな・・・) 菫(だがしかし、そうすると・・・) 菫(私は彼に可愛いと思われてるということに!?) 菫(いやいやいや・・・///) 菫(何を馬鹿な・・・。だ、だが・・・) 菫(ぐぬぬ・・・) 京太郎「遅くなりましたー」 菫「い、いや、全然気にしてない!気にしてない!」 京太郎「は、はあ・・・」 菫「というよりその格好・・・///」 京太郎「すみません、着替えがなかったんでタオルで隠してるんですけど、まずかったですか?」 菫「い、いや、当たり前のことだと思うぞ。私は。ああ、そうだとも」 京太郎「で、ですよね」 菫「それにしても雨はまだ止まないのか・・・?窓の外の様子は・・・」テクテク 京太郎「んほぉぉぉっ!?」 菫「ん?どうかしたのか須賀君?」 京太郎「ひ、弘世さんのお尻が・・・///」 菫「キャァーッ!?」バッ 菫(うぅ~っ・・・。そういえばタオルで前を隠してただけなんだった・・・。布団に包まってたから忘れてた・・・) 京太郎「す、すみません・・・。俺、見るつもりは・・・」 菫「・・・わかってる。これは事故だ・・・///」 京太郎「す、すみません・・・」 菫「ふとした疑問ですまないのだが、聞いていいか?」 京太郎「なんでしょう?」 菫「何故君は前かがみでそこにしゃがみこんでいるんだ?」 京太郎「こ、これはその・・・///」 菫「どうした?」 京太郎「うぅ・・・///」 菫「何をしている?まさか、何か隠しているのか?」 京太郎「ある意味そうなんです・・・」 菫「・・・そうか。なら仕方ない。無理強いはよくないからな」 京太郎「心遣いに感謝します」ホッ 菫「だが、私は君に裸の後ろ姿を見られている。恥ずかしい思いをしたんだ。わかるな?」 京太郎「ひ、卑怯ですよ、ここでそれを持ち出すなんて」 菫「ふふ、いいじゃないか。とにかく立って欲しい。何を隠しているんだ?」 京太郎「・・・わかりました。立つだけですからね」 菫「ああ、それだけでいい」 屹立 圧倒的屹立 京太郎が腰に巻くタオルは、その股間の部分を大きく仰け反らせていた 菫「あ、あああ、そ、それは・・・///」 風呂上りの京太郎のタオルは、水分と汗を吸い、半分透けている状態であった 京太郎「すみません・・・。弘世さんの後姿見ただけで俺、興奮しちゃって・・・///」 京太郎「恥ずかしくて穴があったら入りたいです!すみませんっ!」ビクンッ 謝罪で頭を下げるの同時に京太郎の股間も揺れ動く 菫「い、いいから早く隠せ///」 京太郎「は、はい・・・///」 菫「・・・・・・・・・///」 京太郎「・・・・・・・・・///」 互いに互いを意識し合い、言葉すら出せない状況が数分続いた 菫(そ、それにしても男性のあそこがまさかあんなものだったとは・・・///) 菫(すごい・・・。私で興奮したと言っていたな・・・。どんなこと考えてたんだ、まったく・・・///) 菫(・・・目を閉じてる?彼は一体何を・・・) 菫「あ、あの・・・」 京太郎「はいっ!何でしょうかっ!」 菫「君は何故目を閉じているんだ?」 京太郎「弘世さんを見たらきっと俺、また・・・。だから・・・」 菫「くっ・・・///」 菫(一体何を考えているのだ、彼は・・・///) 菫(しかしあれだな、こんな状態じゃお互いにまともに会話できない・・・) 菫「テレビでも点けようか」 京太郎「あっ、でも・・・」 菫「大丈夫、ここはコイン式のテレビみたいだが私がお金を入れる。心配するな」カチャッ SKY『ほらほら、ここがいいんだろう?』 AKD『そんな・・・ううっ、そこはリー棒入れるとこじゃ・・・///』 菫「うわわ・・・、何だこの番組は・・・///」 京太郎「わわっ、弘世さん!またお尻が・・・!?」 菫「キャァーッ!?」 菫「何か言うことは?」 京太郎「・・・ありません」 菫「まったく。君はまた私を見て・・・そこを・・・大きくしたのか・・・///」 京太郎「何も言えないです・・・。正直な俺の体が恨めしい・・・」 菫「やれやれ・・・///」 菫「どうしたら元に戻るんだ?」 京太郎「えっ・・・?」 菫「それが大きくなったのは私が原因みたいなものだろう」 京太郎「それは・・・。でも・・・」 菫「そのままじゃズボンだって穿けないんじゃないか?どうしたらそれは治まるんだ?」 京太郎「そ、そんなこと言って乱暴するつもりじゃないですか!?エロ同人みたいにっ!」 菫「エロ同人・・・?君は何を・・・」 京太郎「この童貞だけは絶対死守してみせる・・・」 菫「ど、童貞・・・///」 菫「い、いや、私は別にそんなつもりじゃ・・・///」 京太郎「弘世さんがそんな人だとは思わなかったです!こんな部屋にはこれ以上いられません!俺は出させてもらいます!」スクッ 菫「ま、待て!」グイッ 立ち上がる京太郎と、それを留めようとする菫 二人の体が交差するとき、物語は始まる 娘「ねえパパー、ママー」 菫「どうしたの?」 京太郎「なんだい?」 娘「パパとママはどこでどんな出会いをしたのー?」 菫・京太郎「「あのね・・・」」 完
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3395.html
京太郎「熱出てるし、学校いけねぇし、和のおっぱい見れないし」 京太郎「嗚呼、しんどい」 京太郎「カワイコちゃんが看病しに来てくれないかなー」 京太郎「……暇つぶしに考えてみるか」 京太郎「……いや、逆に俺がカワイコちゃんの看病をしに行くって言うのも……」 咲「京ちゃん、風邪引いたんだって?」 京太郎「咲か……?」 咲「京ちゃんは風邪なんて引かないものだと思ってたよ」 京太郎「どういう意味だよ……」 咲「まぁまぁ、今日は私がつきっきりで看病してあげるからさ」 京太郎「……悪いな」 咲「大丈夫だって!私におまかせあれ」 京太郎「どうしよう……不安だ……」 咲「なにかいった?」 京太郎「別に」 咲「ふーん……」 和「お粥ができましたよ、須賀君」 京太郎「和が食べさせてくれたら嬉しいな」キリッ 和「もう、須賀君ったら♪」 キャッキャウフフ 咲(見舞いに来たのはいいけど……) 京太郎「でへへ……」 咲(なんで寝ながらにやけてるんだろ) ピンポーン 京太郎「ん……まさか部員の誰かが来てくれたのか…?」 京太郎「はーい…」 竜華「きたでー!」 京太郎「誰だ!?」 竜華「うちは清水谷竜華や。はじめまして」 京太郎「は、はあ…」 竜華「たまたま近くを通りかかったら、なんや情けない声が聞こえて来たから来てみたんや」 京太郎(喋り方からして関西だよな……たまたまって) 霞「破ァ!!」 京太郎「治った…!」 小蒔「……!」 …… 小蒔「はぁー!」 京太郎「……」 小蒔「はぁーっ!」 京太郎「……」 小蒔「治せません……」ウルウル 京太郎(かわいい) はやり「風邪引いちゃったの?」 京太郎「はやねぇ来てたんだ……」 はやり「昔から季節の変わり目には風邪をひいてるよね?」 京太郎「はやねぇと違ってデリケートなんだよ」 はやり「そんなことをいう子は看病してあげないぞ☆」 京太郎「え?」 はやり「おじさんもおばさんもいないからわざわざ看病しに来てあげたのになぁ……」 京太郎「そ、そうなの……?」 はやり「だけど口の悪い子の看病はしてあげたくないなぁ……」 京太郎「ご、ごめんなさい……」 はやり「じゃあ許してあげる☆」 はやり「熱は……うん、ちょっと高いね☆」ピト 京太郎「は、はやねぇ……?」/// はやり「昔から熱を測るときはこうしてたよね?」 京太郎(か、顔が近い……)/// はやり「なんだかすごい汗だね」 はやり「自分で着替えられる?なんだったら昔みたいに着替えさせてあげるけど……」 京太郎「そ、そこまではいいよ」/// はやり「だったらいいけど……」 はやり「じゃあ……」 京太郎「な、なんでベッドに入ってくるの……?」 はやり「昔はおねぇちゃんに抱きついて一緒に寝てたでしょ?」 京太郎「そ、そんな昔のこと……」/// はやり「今でも京くんは私のかわいい弟だもん☆」 京太郎「……ありがとう」 はやり「やっと素直になったね☆」 はやり「やっぱり京くんは素直な方がかわいいよ☆」 京太郎「………」/// カンッ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6414.html
朝 京太郎「照と打ちたい」 京太郎「憩さんと咏と打ったときみたいに」 京太郎「何が変わるのかわかんねえけど」 京太郎「昨日は何とか辻垣内さんから逃げ切れたけど、照の場合は和了することが怪しいし」 京太郎「まずは特訓するか」 京太郎「おはようございまーす」 憩「お、京太郎くんか」 京太郎「憩さん、早いですね」 憩「まあね、どや?一緒に打たへん?」 京太郎「別に構いませんけど、他の面子はどうするんですか?」 憩「もう集まってるからはやくはやく」 京太郎「はいはい」 憩「連れてきましたよーぅ」 郁乃「お、来た来た~」 エイスリン「キョウタロー!ナマケ!」 京太郎「何を言っているんですか」 郁乃「京太郎くんには強くなってもらうで~」 結果 一位 憩 二位 エイスリン 三位 京太郎 四位 郁乃 京太郎「うむむ……」 郁乃「ラスってもうたか~あはは」 エイスリン「ケイ、ツヨイ!」 憩「たまたまやで、結構危なかったし」 京太郎「エイスリンさんと憩さんに和了られっぱなしでしたよ」 郁乃「みんな強いな~」 憩「いや、あんたはワザと振り込んでたやろ」 郁乃「あれ~?そう見えた~?」 エイスリン「キョウタロー!ゲンキダシテ!」 京太郎「はい、ありがとうございます」 エイスリン「ヨカッタ!」ニコッ 京太郎(いっつも元気だなぁ) 昼 京太郎「バイトでもするか」 京太郎「今日はどんなバイトがあるのかなー」 京太郎「遊園地スタッフ、か」 京太郎「結構近いところにあったんだな」 京太郎「規模はあまり大きくないみたいだけど」 京太郎「よし、行ってみるか」 「ハハッようこそダイスニーランドへ」 「DISNEYLANDと書いてダイスニーランドだよ」 京太郎「スペル同じですよね、東の夢の国パクってますよね」 「ハハッそんなわけないじゃないか、大体あそこだって騙してるじゃないか、何が東京だよ千葉じゃないか」 京太郎「そりゃあそうですけど!いくらなんでもダメだと思うんですよ」 京太郎「あそこのマスコットの黒の部分を赤で塗りつぶしただけのマスコットは」 「とにかく、うーん、まずは園内の掃除をしてもらおうかな」 「ゴタゴタ言ってねえでさっさと行けよ」 京太郎「いきなり口調変わりすぎでしょ!」 「おう、帰ったか」 京太郎「もうキャラ壊れてますよね、それ素ですよね」 「るっせーな、キャラなんてそんなもんだよ」 「常時笑ってるネズミもウヒョウヒョ言ってる犬もよくわかんねえ言葉しゃべってるアヒルも全部猫被ってんだよ」 「ま、実際被ってんのは着ぐるみだけどな、ハハッ」 京太郎「笑い方はそれが素だったんですか」 郁乃「ただいま帰ったで~」 「おう、荷物ならそこに置いとけ」 郁乃「あれ?今日来るバイトって京太郎くんやったん?」 京太郎「そう言う郁乃さんこそ」 「なんだ?二人とも知り合いなのか?」 「イチャイチャしやがって」 京太郎「知り合いですけど、イチャイチャはしてないですよね」 「男女が喋ってたらイチャイチャ、そうとしか言えねえ」 「そろそろ終業だから帰っていいぞ」 京太郎「えっまだ16時ですよ?」 郁乃「この人が趣味で開いた遊園地やからな~」 「そういうことだ、とっとと帰れ」 郁乃「遊園地ん中綺麗やな~って思っとったけど、京太郎くんやったんやな」 京太郎「まあ掃除とかは得意な方なんで」 郁乃「どうせなら京太郎くんと一緒に働きたかったな~」 郁乃「あ、今日は買い物行くからここまでや」 郁乃「ほなまた~」 京太郎「お疲れ様でしたー」 夕 京太郎「雀荘に行くか」 京太郎「この前みたいな賭けは見つかると困るからな」 京太郎「いつも通りノーレートで行こう」 憩「あ、京太郎くーん」 京太郎「憩さんも来てたんですか?」 憩「まあね」 おっさま「おっ、須賀ちゃん、どうや久しぶりに打とうやないか」 おっさん「げっげっげっ、けちょんけちょんにしたるわ」 京太郎「は、はあ、よろしくお願いします」 一位 京太郎 二位 憩 三位 おっさま 四位 おっさん おっさん「飛ばされてもうた……」 憩「今回は調子よかったみたいやね」 京太郎「流石に二回も負けるわけにはいかないので」 おっさま「やっぱり須賀ちゃんも荒川ちゃんも強うなったわ、また打とな」 京太郎「はい、負けませんからね」 おっさま「おお怖い怖い」 憩「ほな帰ろか」 京太郎「はい、それではまた!」 おっさん「楽しみにしてるでー」 おっさま「バイトにも来てなー」 京太郎「五か月前と同じ面子でしたね」 憩「せやったな」 京太郎「今朝のことでもわかりましたよね?憩さんは強いです」 憩「この前はほんま、おおきに」 京太郎「別にいいですよ、それじゃあスーパーかどっかに寄って帰りましょうか」 憩「せやね、行こか」 夜 京太郎「最近は月が綺麗だな、流石は秋」 京太郎「今年も月見団子作ろうかな、みんなを呼んでみるのもいいかも」 京太郎「散歩でもしてくるか」 京太郎「今日はあんまり寒くないな」 京太郎「人もぽちぽち見かけるし」 京太郎「ここに来てもう五か月、か」 京太郎「学校まで歩いてみるか」 ウーウーウー 京太郎「救急車か、近くの病院っていうと……荒川病院」 京太郎「憩さんの病院か、やっぱり何回見ても大きいよな」 京太郎「憩さんは親元を離れて生活したいからこっちに住んでるんだっけか」 京太郎「風邪になったら来てみるか」 憩「あれ?京太郎くん?」 京太郎「憩さん、どうしてここに?」 憩「んーちょっとな、京太郎くんは散歩?」 京太郎「はい、一緒に帰りましょうか?」 憩「あーうん、そうしよか」 憩「もう秋やなー」 京太郎「秋ですねー」 京太郎「月が綺麗ですよ」 憩「……はぇっ!?」 京太郎「どうかしましたか?」 憩「うっううん!何でもないで!」 憩「気にせんといてや!」 京太郎「は、はあ……」 夜 京太郎「憩さんを送り届けてきたぞ」 京太郎「今度は駅の方にでも行ってみるかな」 京太郎「夜の街、やっぱり長野とも東京とも違うな」 京太郎「そういえば、戒能さんは今どこにいるんだろうか」 京太郎「学校でまだ働いてんのかな」 竜華「~♪」 京太郎「あ、竜華さーん」 竜華「あ、京くん、何しとるん?」 京太郎「それはこっちの台詞ですよ、何してるんですか?」 竜華「怜の家に泊まっとるんや、来る?」 京太郎「行きませんよ、お家の人に迷惑じゃないですか」 竜華「あはは、それもそうやな」 京太郎「それでその買い出しのため、と」 竜華「せやで!」 京太郎「買い出しはいいですけど、気を付けてくださいね」 京太郎「ここいら辺不審者が出るらしいので」 竜華「大丈夫大丈夫」 京太郎「……だといいんですけどね」 京太郎「それじゃあまた」 竜華「じゃあねー!」 【9月第1週 平日】終 【9月第1週 休日】 京太郎「今日で夏休みも最後か」 京太郎「宿題は……まあ、大丈夫だろ」 京太郎「今日も楽しもう!」 京太郎「…………大丈夫だよな?」 京太郎「朝の散歩とでも行くか」 京太郎「今日はどこに行こうかなー」 ガチャ バタム 京太郎「んーっ!」ノビー 京太郎「いい天気だなー!」 バタム エイスリン「キョウタロー?」 京太郎「エイスリンさん、おはようございます」 エイスリン「オハヨッ!」 京太郎「エイスリンさんも散歩ですか?」 エイスリン「コレ!」バッ 京太郎「何も描かれてないですけど……?」 エイスリン「コレカラ!」 京太郎「ああ、これから描きに行くってことですか」 エイスリン「」コクッコクッ エイスリン「イコッ!」 京太郎「いいですね、行きましょうか」 京太郎(なんやかんやで絵のモデルになることになった) エイスリン「ウゴカナイデ!」 京太郎「すみません!」 エイスリン「」ジーッ 京太郎(でも、一生懸命描いてるな……) エイスリン「」カキカキ 京太郎(完成が楽しみだ) エイスリンの好感度が上がった! 昼 京太郎「誰かの部屋に遊びに行くか」 ピンポーン 京太郎「うーたーちゃん、あっそびーましょ」 ピンポーン 京太郎「あっそびーましょ!」 シーン 京太郎「咏ー?」 シーン 京太郎「…………」 シーン 京太郎「別のことをしよう」 京太郎「勉強するか」 京太郎「誰か呼んでこようかな」 憩「京太郎くんおるー?」 京太郎「はーい、何ですか?」 憩「一緒に勉強せえへん?」 京太郎「今俺から呼ぼうかと思ってたんですよ」 憩「そうなん?ま、ええわ、まずは何からやろか?」 京太郎「じゃあ最初は国語から、でいいですか?」 憩「ええでーほな始めよか」 京太郎「そういえばあと3週間後に中間試験なんですよね」 憩「中間試験はきっついでー、ウチの高校の試験やる度に難しくなっていくんや」 京太郎「え、そうなんですか?」 憩「せやから頑張らんとな」 京太郎「ですねー……」 憩「ま、ウチがおるから任せといてや!これでも学年一位なんやから!」 京太郎「そうだったんですか!?」 憩「あれ、知らんかったん?」 京太郎「ええ、でもすごいですね」 京太郎「麻雀できて、勉強もできて、それに可愛いんですから」 憩「かっ、かわええ?」 京太郎「憩さんは十分可愛い人だと思いますよ?」 京太郎「笑顔は特に可愛いと思いますよ?」 憩「ぁぅ……お、おおきに…っ…」カァァ 憩「う、ウチ用事思い出した!」 京太郎「??」 ガチャ バタム! 京太郎「なんだったんだ?」 京太郎「……あーあ、また一人、か」 京太郎「頑張ろ」 夕 ピンポーン 霞「京太郎くん、いいかしら?」 京太郎「どうぞー」 ガチャ バタム 霞「京太郎くんの担任の先生から連絡があって、夏休みの宿題が増えてたそうよ」 京太郎「えっ」 霞「社会の宿題が増えちゃったらしくってね」 京太郎「それをどうして夏休み明け前日に言うんですか」 霞「忘れちゃってた、てへっ☆」 京太郎「…………」 霞「…………」 京太郎「に、似合ってました、よ?」メソラシ 霞「…………ごめんなさい」 霞「ここは……こうね」 京太郎「なるほど、流石は霞さんですね!」 霞「まあ、これでも一教師だから」 京太郎「じゃあここはわかります?」 霞「そこは……えーっと……」 霞(わ、わからない……どうしましょう) 霞(京太郎くん期待してるし……あーもう、かすみんまいっちんぐ!」 京太郎「えっ」 霞「えっ」 京太郎「………えーっと」 霞「声に出てた?」 京太郎「」コクッ 霞「」ブワッ 霞「私なんて!私なんて!」 霞「うええええん!」 京太郎「か、霞さん!?」 霞「もう嫌あああ!」 霞(京太郎くんにも年増って思われたし、絶対) 霞(何でもう京太郎くんには知られたくないことばかり!) 霞(前だって……!) 霞(前だっていきなり私にキス………した…り)カァァ 京太郎「泣き止んだ……か?」 霞「も、もう嫌!」 京太郎「えええっ!?」 ガチャ バタム! 京太郎「な、何だったんだ……」 京太郎「今日はどっかに食いに行くか」 京太郎「バイト代もあることだし」 京太郎「そういえばそろそろ国麻の選考会とかあるんだっけか」 京太郎「高校生男子の部はなぜか無いらしい」 京太郎「……なんでだろう」 華菜「なーにさっきからぶつぶつ言ってんだ?」 京太郎「…………いや、まあ少し」 華菜「ま、私には関係ないことだし」 華菜「ところで、一緒に食わないか?」 京太郎「は、はあ……」 京太郎(この人……誰?) メニュー のんびり定食 ゆっくり定食 さっさと定食 いそがば定食 はやめに定食 京太郎「速っ!頼んで5分も経ってないぞ」 華菜「ここの定食は名前によって出てくる速さが違うんだ」 華菜「のんびりは出てくるまでに約30分、ゆっくりは1時間」 華菜「さっさとは7分、いそがばは5分、はやめには1分」 京太郎「1分て、人間業じゃないでしょう」 京太郎「あれ?あなたさっきゆっくり定食頼んでませんでした?」 華菜「そうだけど?」 京太郎「はふっはふっはふっ!」 京太郎「ごちそうさまでした」 華菜「お、おい?」 京太郎「さすがに1時間も待ってられないので、すみません」 華菜「おーい、須賀ー?」 京太郎(……結局誰だったんだ?)ウーン 京太郎(確か……池?)ウーン 京太郎(そうだ、小池さんだ!)ピコン 京太郎(解決解決)ウンウン 夜 京太郎「暇だし、することないし」 京太郎「咏にメールでもするか」 京太郎『咏ってどうやってあんな火力を出せるようになったんだ?』 京太郎「アイツは郁乃さん並にわかんないことが多いからな」 京太郎「送信」ピッ ヴーッ ヴーッ 咏『火力?あー私にもわっかんねーんだよな』 咏『気づいたらできるようになってたっつーか、まあとにかくわっかんねー』 京太郎「適当すぎるだろ、っていうかこっちもわかんねえよ」 京太郎『でも俺に教えられたくらいなんだから何かあるんじゃないのか?』 咏『あーあれなんとなく』 咏『こんな感じかなーって教えたら京太郎が簡単にできるようになっておっどろいたよ』 京太郎「?余計わからなくなってきたぞ?」 京太郎『つまりあれは適当だった、と』 咏『そゆこと』 咏『あの打ち方でインターハイ優勝してくれて誇らしかったぜ、知らんけど』 咏『それになんか嬉しかった』 咏『何言ってんだろうな、もう寝るわ』 京太郎「……嬉しかった、か」 京太郎『寝る子は育つって迷信だったんだな』 京太郎「よし」ピッ 京太郎「本当にどこまでもわからないやつだ」 咏の好感度が上がった! 京太郎「もう一人くらいメールしてみよう」 京太郎「戒能さんに送ってみるか」 京太郎「これが初メールだな」 京太郎「ってかそもそもあまりメールをしてない気がする」 京太郎『須賀京太郎です、初メールですね』 京太郎「最初はこのくらいで」 十分後 ヴーッ ヴーッ 京太郎「お、やっと来たか」 良子『ありがとう!』 京太郎「それだけ!?」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「もう一通来たな」 良子『すまない(笑)、先走って(笑)出してしまった(笑)』 良子『嬉しかったものでつい(笑)』 良子『あと、私はもう松山に帰ったから学校では会えないと思う(笑)』 良子『国麻(笑)の選考会(笑)にはまたそっちに行くから(笑)会えたらいいな(笑)』 京太郎「笑いすぎだろ!」 京太郎「必要なの最後だけでいいじゃん!国麻(笑)って馬鹿にしてるみたいじゃん!」 京太郎「まああまり慣れてなかったんだろう、こっちから話題でも……」 京太郎「戒能さんと言えば……あのおもち、だよな」ゴクリ 京太郎『おもちについてどうおもいますか?』 京太郎「よし」ピッ 京太郎「よし、じゃねえだろ!」 京太郎「うわぁ、送っちゃったよ、どうしようもう取り返しつかないよ」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「やっと返ってきた」 良子『おもち、ricecakeはやはり磯辺焼きがfavoriteだ』 良子『きなこはどうしても口の中がパサついてしまってな』 良子『そっちはどうなんだ?』 京太郎「今度は笑わなくなってる」 京太郎「おもちなんて使ってるのあの部屋と俺くらいだからな、そりゃそうか」 京太郎「でも戒能さんの口の中、か……」ゴクリ 京太郎『俺も磯辺焼き派ですね』 京太郎『納豆とかもいいですよ』 ヴーッ ヴーッ 京太郎「お、今度は早いな」 良子『納豆はあまり、な』 良子『入れた後口の周りがネトネトするし、なんだか好きになれないんだ』 良子『茨城にもあまりいいfeelingが持てないんだ』 京太郎『小鍛治プロですか?』 良子『いつも私ばかり狙ってくるんだ』 良子『困ったものだよ』 良子『もうすぐmeetingだから、good night』 京太郎『お疲れ様です』 京太郎「送信」ピッ 京太郎「納豆の件さぁ……」 京太郎「無意識?無意識なのか?」 京太郎「さて、次は何をしよう」 夜1 京太郎「」モゾモゾ 京太郎「いやいやいかんいかん」 京太郎「戒能さんは友だちなんだ、ダメだダメだ」 京太郎「煩悩を払おう」 京太郎「えいっ!えいっ!」ブンッブンッ 華菜「うるさいぞー須賀ー」 京太郎「えいっ!えいっ!」 華菜「須賀ー?何やってんだー?」 京太郎「あ、小池さんじゃないですか」 華菜「小池じゃないし!池田だし!」 京太郎「少し特訓をしてましてね」 華菜「特訓?」 京太郎「ええ、小池さんは何を?」 華菜「池田華菜だ、お前がうるさいから注意をな」 京太郎「そうですか、すみませんでした」 華菜「どうってことないし!それじゃあまた明日な」 京太郎「はい、おやすみなさい」 【9月第1週 休日】終了 【9月第2週 平日】開始 京太郎「あー今日から学校か……」 京太郎「行くしかないよな」 朝 京太郎「……だるい」 郁乃「同じく~」 京太郎「ああ、郁乃さん」 郁乃「この道も懐かしいな~」 郁乃「はぁ」 京太郎「はぁ」 郁乃「そういえば前~」 京太郎「何ですか?」 郁乃「京太郎くんとデートしに行くとか~」 郁乃「行かないとか~」 京太郎「ああ、そんな約束してましたね」 郁乃「忘れとったん~?」プクーッ 京太郎「いつ言い出そうかと思ってただけですよ」 京太郎(実は忘れてたなんて言えない) 京太郎(どうにかして話題を変えないと……) 京太郎「飯、ちゃんと食ってるか?友達は出来た?たまには実家に顔だせよ。仕送りは足りてるか?」 郁乃「え?え?え?」 京太郎「飯、ちゃんと食ってるか?友達は出来た?たまには実家に顔だせよ。仕送りは足りてるか?」 郁乃「二回も言わんでええから!」 郁乃「ご飯は霞ちゃんと当番制にしてあるし、友だちは善野ちゃんがおるし」 郁乃「仕送り、というか私、親もおらへんから~」 京太郎「そう……ですか、なんかすみません」 郁乃「ええってええって~ほな早く行こ~」 京太郎「はいはい」 京太郎(なんとか逸らせたな) 京太郎「やっと昼か……」 京太郎「どこで食べようかな」 京太郎「毎度毎度おなじみ!屋上!」 京太郎「案外人いないんだよな」 京太郎「さーて、誰かいないかなー」 京太郎「お、あそこに郁乃さんがいるぞ」 京太郎「おーい郁乃さん!」タッタッ ビチョ 京太郎「……どうして犬の糞があるんだ……」 京太郎「メゲるわ……」 キーンコーンカーンコーン 京太郎「さて、放課後はどうするかな」 京太郎「よし、公園にでも行くか」 京太郎「部活は、まあ女子の大会が近いから邪魔をしないようにする」 京太郎「誰かいないかなーっと」ブチョ 京太郎「…………」 犬の糞「」ワタシダ 京太郎「…………」 京太郎「おかしいだろ!」 京太郎「なんで一日に二回も犬の糞踏むの!?」 京太郎「…………帰ろ」 夕 京太郎「街に行くか」 京太郎「朝以来誰とも会えてない気がする……」 京太郎「図書館に来てみたぞ」 京太郎「勉強勉強っと」 淡「あ!京太郎だー!」 京太郎「淡!?」 「図書館ではお静かにお願いいたします」 京太郎「はい、すみません」 京太郎「で、どうしてここにいるんだ」ヒソヒソ 淡「それは女のヒミツというヤツだよ」ヒソヒソ 淡「京太郎はここで何してるの」ヒソヒソ 京太郎「それは男のヒミツというヤツだ」ヒソヒソ 淡「わかった!お宝本だね!」 京太郎「違うわ!全く以て違うわ!」 「静かにしろと言いませんでしたか?」 京太郎「はい、すみません」 淡「京太郎じゃあねー」 京太郎「またなー」 京太郎(結局何しに来たんだよあいつ……) 京太郎「照にでもメールすっかな」 京太郎「今日は何て送ろう……」 京太郎『学校が始まったんだけどさあ……』 京太郎「送信っと」ピッ ヴーッ ヴーッ 照『始まったんだけど、何?』 京太郎『犬の糞二回踏んじまったんだよ……』 京太郎『どうしよ』ピッ ヴーッ ヴーッ 照『知るか』 京太郎『俺の幼馴染は冷たいなー』 京太郎『冷たすぎて投資しちゃうなー』ピッ ヴーッ ヴーッ 照『投資してどうする気?』 京太郎『……逃避?』ピッ ヴーッ ヴーッ 照『さて、どうしてくれようか』 京太郎『許してくださいごめんなさい』 ヴーッ ヴーッ 照『許してほしくばプリンをおくれよ』 京太郎『口調変わりすぎだろ、焼きプリンでいいか?』ピッ ヴーッ ヴーッ 照『口調じゃない、これはメールだからメール調』 照『牛乳プリンで』 京太郎『誰もおごるとは言ってねえよ』ピッ 京太郎「あれ、来なくなったか?」 ヴーッ ヴーッ 照『ばか』 照『おやすみ』 京太郎『今度会ったらおごってやるよ』ピッ 京太郎「あたりさわりのないメールだったな」 京太郎「俺も寝るかー」 照母「照ー風呂空いたわよー」 照「わかった」 照母「メール、終わったの?京太郎くん」 照「なっ、なんで」 照母「だってずっとにやけてるんだもん」 ヴーッ ヴーッ 照「……京」ニヘラ 照母「ほらまたー、好きなんだったら早く告っちゃえばいいのに」 照「京はそういうのじゃない……っていうか……その……」 照母「じれったいわねー、思ったことはぱぱっと言っちゃえばいいのよ」 照「それで喧嘩して別居までしてるくせに」 照母「あーあー聞こえなーい、それじゃあ私仕事行ってくるわね」 照「勝手だなぁ」 照母「おやすみってきまーす」 ガチャ バタム 照「行ってらっしゃい」 照「咲とモモ……」 照「にやけてる?」 ヴーッ ヴーッ 照「京」ニヘラ 照「……またにやけてた?」 照「どうしたんだろ……」 照母『好きなんだったら―――』 照「」ブンブンブン 照「どうせ京は私なんて……」 照「でも……」 照「好き、なのかな」 照「……わからない」 照「ばか」 ――――――――――― 「ごめん、遅れた」 「もう三人で始めちゃったからちょっと待っててなー」 「それ、ロンっす」 「うげっ」 「お姉ちゃんは本でも読んでて、借りてきておいたから」 「わかった」 コンコン 「宮永さん、ああ上級生の方よ」 「ちょっと来てくれるかしら?」 「……わかりました」 「なんで他の人のぶんまで……」 「あれ?」 『先に帰ってるね』 「……はぁ」 ――――――――――― 照「私は、必要なのかな」 【9月第2週 平日】終了 【9月第2週 休日】 京太郎「やっと一週間が終わった~」 京太郎「久しぶりの学校となると結構きついな」 京太郎「今朝は何をしようかな」 朝 京太郎「ここに来るのも久しぶりだな」 京太郎「まずはどこから行こうか!」 京太郎「水族館に来てみたぞ」 京太郎「どこから見ようかなー」 恭子「ん?君はたしか……」 京太郎「あ、えーっと、末原先輩でしたっけ?」 恭子「君は……須賀くん、やったか」 恭子「まあなんでもええ、ちょっとええか?」 京太郎「はい」 絃「すぅ……すぅ……」 恭子「さっきこの人とぶつかってもうて、気ぃ失ったみたいなんや」 京太郎「は、はぁ……」 京太郎「なんで霜崎さんがここに……」 恭子「なんや、知り合いなんか?」 京太郎「ええ、まあ」 恭子「とりあえず、運んでくれるか?」 京太郎「よっこらせっ、と」 京太郎「さ、行きますか」 恭子「んで、須賀くんとその……」 京太郎「霜崎さんです」 恭子「霜崎さんはどういう関係なんや?」 京太郎「関係……ですか」 京太郎「そうですね……」 京太郎「ただの友人ですよ」 京太郎「確かひっかけ橋で会って、東京の浅草で買い物をしたりしましたね」 恭子「ふーん」ジトッ 京太郎「な、なんですかその目は」 恭子「由子も主将も……ふーん」ジトッ 恭子「あ、ここやで」トントン 絃「う、ぅーん」パチッ 絃「あれ、須賀さん、に……さっきぶつかった人?」 恭子「お、目ぇ覚めましたか?」 絃「こ、この度は迷惑をおかけして申し訳ありません!」 絃「誠に申し訳ありません!」 恭子「いや、ぶつかったんこっちですし」 絃「いえいえ、何もかも私が悪いのです、すみませんすみません」 恭子「え、えっと……」アセアセ 恭子「ど、どうすればええんや?」ボソボソ 京太郎「じゃあ…………」 京太郎「後は俺が引き受けます」 恭子「頼むで」 絃「っひっく、ひっく」シクシク 京太郎「霜崎さん、末原先輩が困ってるので、もう泣き止みましょう」 絃「ですが、私のせいで……」シクシク 絃「うわぁあぁああん!」 京太郎「ど、どうしましょう」ボソボソ 恭子「私にわかるか!」ボソボソ 京太郎「電気街に来てみたぞ」 京太郎「大阪にはいろんなところがあるんだなー」 京太郎「あ、あの人……」 もこ「…………」ブツブツ 京太郎「対木さん、だったっけ?」 もこ「!」ビクッ もこ「貴様はゴールデンフレ「違う」」 もこ「如何にして我の居場所を突き止めた……?」 京太郎「は、はあ……」 京太郎「で、何をしてるんだ?」 もこ「…………我暗黒に囚われし者、故に道無からずとも……」グスッ 京太郎「迷子になったんだな」 もこ「」コクッ 洋榎「お、京太郎やん!」 もこ「!」ビクッ 京太郎「ど、どうも」 洋榎「こんな所でなにしとるんや?」 洋榎「あ……デ、デート中やったか?」 もこ「否、断じて否!」クワッ 京太郎「そこまで強調する!?」 京太郎「この人、対木さんが迷子になってしまったんですよ」 洋榎「そ、そうなんか……」メソラシー 洋榎「それで、どうするつもりなんや?」 京太郎「……そうだ!」 京太郎「洋榎さんと絹恵さんに手伝ってもらおう」 洋榎「き、絹か?」 京太郎「あれ、そういえば絹恵さんはいないんですか?」 洋榎「え、えーっと、その、なんというかー」 洋榎「うーん、せやなー」 京太郎「はぐれたんですか?」 洋榎「ぎくっ」 京太郎「携帯電話の充電もなくなって連絡ができない、と」 洋榎「ぎくぎくっ」 京太郎「はぁ……対木さんの目的地はどこなんだ?」 もこ「古を打ち破りし白き鬼の交錯する地」 もこ「希望が響き、白き光ある場所」 京太郎「新大阪駅な、洋榎さんは?」 洋榎「ま、まずは対木ちゃんを連れていこ、な?」 京太郎「洋榎さんは?」 洋榎「あ、その……新大阪です」 京太郎「じゃあ俺が絹恵さんに連絡しとくので一緒に行きましょう」 洋榎「でなーそれでなー」 もこ「」コクッコクッ 京太郎(二人とも仲良くなったみたいだ) ワイワイガヤガヤ 京太郎(ん、人が多くなってきたな) 京太郎(はぐれたら困る……どうしよ) 京太郎「対木さん」ニギッ もこ「!?」ビクビクッ 京太郎「はぐれると危ないから、な?」 もこ「」コクッ 洋榎「なんや、ウチははぐれてもええんか」プクーッ 洋榎「可愛くてかよわい乙女にようやるわ」 京太郎「どこがかよわいんでしょうかね……」 洋榎「ふんっ」プイッ もこ「」カァァ 絹恵「あ!お姉ちゃーん!」 洋榎「絹ー!」 絹恵「よかったぁ、あえたぁ……」 洋榎「ごめんな、絹」 絹恵「京太郎くん、おおきに!」 京太郎「いえ、どういたしまして」 もこ「」コクッコクッ 絹恵「あれ、その子……彼女さん?」 もこ「」ブンブン! 京太郎「ああいや、違うんですよ」 絹恵「でも、手ぇ繋いどるし」 もこ「」パッ 京太郎「この人も迷子だったんですよ」 絹恵「あ、なんや、そんなんなんか」 洋榎「よっしゃ!絹!新世界いくで!」 絹恵「今度ははぐれんようにね」 洋榎「またなー」 絹恵「おおきにー」 京太郎「さよならー!」 京太郎「さてと、ここまででいいか?」 もこ「」コクッ 京太郎「じゃあまたな、もう迷うなよ」 もこ「」コクッ もこ「……ありがとう」 京太郎「おう、んじゃなー」 もこ「」ブンブン! 夕 京太郎「帰ってきたことだし、散歩でも行くか」 京太郎「今日はどこに行こうかなー」 京太郎「ま、適当に回るか」 「お、アンタあれやろ!」 「インターハイチャンピオンやないか!」 「すごいな!」 「握手握手!」 「サインしてください!」 「ちょーうれしいよー」 京太郎「地元ともなるとやっぱり知名度が段違いだな、感動感動」 夜1 京太郎「……」 京太郎「インターハイから竜華さんと同じ部屋、洋榎さんと同じ部屋」 京太郎「……そろそろ出すか」 京太郎「お、咲からメールだ」 京太郎「なになに」 咲『ふぇぇ、京ちゃんが男の人と寝てる夢見ちゃった、どうしよう』 京太郎「俺はホモじゃねえっての!」 京太郎「……男といえば、龍門渕の井上さんってかっこいいよな」 京太郎「でもあの人も脱いだら女の人なんだよな……」モゾモゾ 京太郎「ダメだ……やっぱりおもちがないと」 京太郎「そういえば戒能さん……」 京太郎「……よし」モゾモゾ 夜2 京太郎「ふぅ……」 京太郎「少し散歩に行ってくるか」 京太郎「~♪」 竜華「京くーん!」 京太郎「あ、竜華さん、こんばんは」 竜華「京くんはまた散歩?」 京太郎「はい、最近は専らですね」 竜華「そっかー、今日はセーラの家に泊まってるんや、ちょっと急いどるからまたな」 京太郎「さよーならー」 京太郎「さーてと、もう帰るかなー」 「なァ、そこの兄ちャんよ」 「これ、キレイか?」バサッ 京太郎「」 「くくく、いいねェその顔」 「いいもん見させてもらッたぜ、じャあな」 【9月第3週 平日】 京太郎「なんだったんだよアレ」 京太郎「でもああいう趣味だから竜華さんとかには行かないんだよな」 京太郎「そう考えれば……まだ」 京太郎「……はぁ」 エイスリン「ドウシタノ?」 京太郎「ああ、エイスリンさんですか」 エイスリン「……」カキカキ バッ |ガリガリの人の絵| 京太郎「元気がないように見えます?」 エイスリン「」コクッ 京太郎「少し、嫌なことがあったので」 エイスリン「……ソッカ」 京太郎(嫌な雰囲気だな……) 京太郎(話題を変えないと) 京太郎(そういえば美術の宿題があったような……) 京太郎「エイスリンさんの絵って上手ですよね」 エイスリン「ソ、ソウカナ?」 京太郎「はい!エイスリンさんの絵は大好きです!」 エイスリン「ダ、イスキ……」カァァ 京太郎「もしよければ、絵の描き方教えてくれませんか?」 エイスリン「……ウン、イイヨ」 京太郎「いいんですか!ありがとうございます!」 エイスリン「……エヘヘ」ニヨニヨ 京太郎「あれ、エイスリンさん?」 エイスリン「ダイスキ……」ニヨニヨ 京太郎「エイスリンさん?おーい」 エイスリン「エヘヘ……」ニヨニヨ 京太郎「んーっ、昼だー!」 京太郎「今週から試験勉強か」 京太郎「前みたいに誰かにご褒美とかねだってみようかな……」 京太郎「そんなことより昼飯昼飯」 京太郎「屋上に来てみたぞ」 京太郎「今日は誰もいないみたいだな」 京太郎「……ほんとに誰も来ないな」 京太郎「そういえば、今日で試験二週間前か」 京太郎「今日から部活動制限じゃねえか……」 京太郎「雀荘に行くかー」 京太郎「勉強なんて前と同じ要領でやればいいんだから楽勝楽勝!」 京太郎「あれ?竜華さんに……戒能さん!?」 京太郎「週末までこっちには来ないんじゃ?」 良子「少しワークを済ませてきたんだ」 良子「この子は須賀くんの知り合いなのか?」 京太郎「ええ、まあ」 竜華「し、清水谷りゅりゅかと言いまひゅっ!」カチカチ 京太郎「ちょ、緊張しすぎじゃないですか!?」 良子「ぁ、戒能……でしゅ」 京太郎「あーもう人見知り!噛むのはやってるんですか!?」 京太郎(そんなわけでいざ打ち始めてみました) 良子「チー」カクッ 良子(プロフェッサー熊倉の紹介で打ったミス赤土の阿知賀ールズたちの打ち筋) 良子(そして以前の合宿で盗み取ったシューターの打ち筋) 良子(試させてもらう!) 京太郎(にしてもドラが集まらない……) 京太郎(高いのが作れねえし……) 京太郎(戒能さんなんて赤ドラ混じりの三副露) 京太郎(ここ、なら)トン 良子(君ではない) おっさま「~♪」トン 良子「それだ」 良子「ロン」 良子「三色ドラ4」 良子「12000」 京太郎「うげっ、和了られた……」 良子「流石に高校生二人に負けるわけにもいかないので」 良子「連荘」 竜華(なんで京くんは戒能プロとあんなに自然に話してるんやろか?) 東一局一本場 親 良子 37000 竜華 25000 おっさま 13000 京太郎 25000 同コンマのため、流局 良子(今度は鳴き一通) 良子(……どうだ?) 竜華(戒能プロはもう聴牌か……) 竜華(確か今年の大阪選抜のコーチは戒能プロやった) 竜華(ウチがどこまで通用するか!) 竜華(気張ってくで!) 京太郎(とりあえず振り込まないようにしないと) 東一局二本場 親 良子 37000 竜華 25000 おっさま 13000 京太郎 25000 竜華(きたでー!) 竜華(最高状態やないけど、ノッてるノッてる!) 竜華(これは何て言えばええんやろ)ウーン 竜華(準最高状態?) 竜華(怜みたいに言うと……99年生状態か?) 竜華(なんか米寿みたいやな……) 京太郎(うへぇ、聴牌できね)トン 竜華「ロン!16600や!」 東二局 良子 37000 親 竜華 41600 おっさま 13000 京太郎 8400 京太郎(えぇ……) 京太郎(よりによって倍満……) 京太郎(取り返さないと、低くても!)ギィン 京太郎「ロン!8000!」 良子(ふむ……まだパーフェクトでは使えないようですね) 東三局 良子 37000 竜華 41600 親 おっさま 5000 京太郎 16400 良子(今回も狙ってみましょうか……) 竜華(負けられへん!) 京太郎(こっから一気にまくってやるぜ!) 良子(…………ポテンシャル) 良子(可能性を見せてもらいましょう) 良子(ん、来ましたか) 良子「ツモ、2000・4000」 オーラス 良子 45000 竜華 39600 おっさま 1000 親 京太郎 14400 同コンマのため、流局 良子(テンパイ……しかしこの巡目で、ですか) 良子(この打ち筋もまだまだですね) 良子(あと一つは制約無しだと異様に扱いやすいですね) 良子(データも取れましたし、あとは) 竜華(テンパイきたで!)グッ 京太郎(ようやくテンパイ!)グッ 良子(この二人を見るだけです) 良子(それにしても……) 良子「テンパイ」 竜華「テンパイや……」ヘナァ おっさま「テンパイ」 京太郎「テンパイ……」ヘナァ 良子(なんでこんなに仕草が似てるんでしょうか……) 良子(フレンドリーだからでしょうか?) 良子(ちょっぴりジェラシーです)プクーッ オーラス一本場 良子 45000 竜華 39600 おっさま 1000 親 京太郎 14400 良子(倍満テンパイ) 良子(客人と京太郎を狙えば飛んでしまう) 良子(可能ならばそんなことはアンウォンテッド、ならば)カクッ 良子(あなたを狙わせてもらいましょう)ギィン 竜華(!)ゾクッ 竜華(なんやこの感じ……ウチが狙われとる?) 竜華(関係あらへん!) 竜華(前に進むで!)トッ… 竜華(あれ、そういえば泉が言うとったな) 竜華(それに、戒能プロの打ち方は確か……)…ッン 良子「ロン」 良子「16000」 良子(二回で気づきましたか、十分パッシングマークです) 良子(楽しませてもらいました) 終局 良子 61300 竜華 23300 京太郎 14400 おっさま 1000
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6417.html
霞「さて、みんなの着替えも済んだことですし午前の仕事を分担しましょうか」 霞「二人は文化祭を回りつつ宣伝、集客」 霞「ばらばらでも二人で行動してもいいわよ」 霞「残った四人は接客・お茶入れをします」 霞「基本的に一人一卓、強そうな人が来た場合はその時々で相談ね」 霞「それじゃあ始めましょうか」 京太郎「えーっと、俺の仕事はー」 京太郎「俺と憩さんが集客ですね」 憩「せやね、どこ行こか?」 京太郎「遊ぶ気満々すね」 憩「京太郎くんと遊べるんやから張り切らんとね」ニコッ 京太郎「そ、そうですね」テレッ 憩「あ、京太郎くん照れとるーぅ」 京太郎「照れてません!」 憩「照れとる!」 京太郎「照れてません!」 泉「手いれ取る?」 憩「照れとる!」 泉「ひゅ~どろどろ~」 京太郎「照れてませんってば!」 憩「照れてますーぅ!」 泉「あ、あの……」 京太郎「絶対照れてません!」 憩「ぜーったい照れとる!」 泉「ここまで無視されると……もう……」 京太郎「ん?泉いたのか」 泉「酷くないですか!?」 憩「ひぃっ!」 泉「怖いですよね?そうでしょうそうでしょう」 憩「いつの間に!」 泉「そっち!?手の込んだメーキャップよりも突っ込むところそこなんですか!?」 京太郎「千里山はお化け屋敷だったっけ?」 泉「はい、こっちですよ」 京太郎「面白そうだし行ってみましょうよ」 憩「お、お化け屋敷……」ガクガク 泉「荒川さんはお化け屋敷苦手ですか?」フフッ 憩「そ、そんなことないですーぅ!」 憩「ここやな、一緒にいくで京太郎くん!」グイッ 京太郎「えっ、あっ、憩さん!?」 泉「行ってらっしゃーい」 ヒュードロドロ カァーカァー 京太郎「和風のお化け屋敷ですか、よく用意しましたね」 憩「うぅ……」 京太郎「憩さん?」 憩「ちょっと待ってな、すぐ行くから」ガクガク 京太郎「待ってますよ、ゆっくり行きましょう」 憩「うん……おおきに」 「……ら……し……」 怜「トリプルや!!!」クワッ 憩「ひゃあっ!」ダキッ 京太郎「んんっ!?」 怜「見える……見えるで……」クワッ クワッ クワッ←赤い目 憩「いや、いやぁ……来んといてぇ」ナミダメ 怜「トリプルや!!!」 憩「きゃあぁっ!」ギュッ 京太郎「憩さん!当たってます!」 憩「きゃああっ!」ギュッ 京太郎(小っちゃいけど……ありだな)グッ 怜「ふふっ、ええ仕事したな」ドヤッ 【廊下】 京太郎「落ち着きましたか?」ナデナデ 憩「……うん」ションボリ 京太郎「憩さん、お化け屋敷苦手だったんですね」 憩「ごめんな……」 京太郎「なんで謝るんですか?誰だって苦手なものはあるじゃないですか」 京太郎「元気出して笑ってくださいよ、いつも通り」 憩「これで、ええか?」ニコッ 京太郎「はい、上出来です」ニコッ 憩「……なぁ」 京太郎「はい?」ナデナデ 憩「いつまで頭撫でとるん?」 京太郎「さあ?」 咏「よーっす、おっ仲良さそうじゃん」 憩「まあ……ね」 京太郎「色々あったんだよ」 咏「お化け屋敷の奥にあるベッドでやらかしてきたとかかぃ?」ケラケラ 京太郎「?なんだそりゃ」 憩「やらかっ……///」カァァ 咏「そろそろ戻ってこいってさ、仕事分担しなおすんだと」 京太郎「はいはい、行きましょうか」 憩「うん」 咏「あ、そういや宣伝はしてきたん?」 京太郎「宣伝……だと?」 憩「一応やってたつもりやで」 咏「ふーん、まいっか速く行こうぜー」 京太郎「今度は接客か、どんな人が来るんだろうなー」 郁乃「いらっしゃいませ~、二番の卓へどうぞ~」 京太郎「郁乃さんはああいうのもできるのか」 京太郎「お客さんが来たな、上手く接客しよう……」 煌「コスプレ雀荘とは実にすばらです!」 京太郎(裏声)「いらっしゃいませー」 煌「おや?貴方は準決勝ではお見かけしませんでしたが?」 京太郎(裏声)「今学期から入部したので、お手柔らかにお願いします」 煌「そうでしたか、初心者の方!なるほどすばらです!」 京太郎(罪悪感が半端ねー!) 哩「よろしく」 哩(姫子ば下してバツゲームばさせる!)メラメラ 姫子「よろしくお願いします」 姫子(部長ば倒して罰ゲームばさせる!)メラメラ 京太郎(裏声)「よろしくお願いします」 京太郎(なんでこの二人もいるんだよ!) 京太郎(裏声)「終わり……ですね」 煌「なんともすばら!姫子と部長を相手にトップとは!」 京太郎(裏声)「そ、そうでしょうか?」 煌「はい、たいっへんにすばらです!」グイッ 京太郎(顔近いって!) 煌「さあさあ!それでは罰ゲームを!」 哩「遠慮なく」 京太郎(裏声)「えーっと、それじゃあ……」 京太郎(裏声)「おしりペンペンで」 煌「な、なるほど……」 姫子「花田がすばら言わん!?」 哩「おしりペンペン……よか」コウコツ 姫子「ぶ、ぶちょー!?」 京太郎(裏声)「卓に手をついておしりを出してください」 哩(この命令される感じ……たまらん) 京太郎(……ごくり) 京太郎「いきますよー」ペシッ 哩「んっ」 ペシッ 哩「あっ」 ペシッペシッペシッ 哩「あっ、あっ、んんっ!///」 姫子「ぶちょー……」 京太郎(やばい、白水さんがすごくエロい)ペシッペシッ 哩「もっと!もっとぉ!」 煌(あ、あわわ、なんということでしょう……ん?) 煌「ウィッグ?」 京太郎「なにっ!」 姫子「急に声ば低くなった?」 煌「というか、貴方は須賀さんではありませんか!」 哩「つぎぃ、はやくぅ……」ビクン 京太郎「やばっ!」 煌「まあ、騙される方も騙される方ですからね。ここがコスプレ雀荘ということを失念していました」 煌「ただ、姫子には注意した方がいいですよ」ボソッ 京太郎「えっ」 姫子「」ゴゴゴゴゴ 哩「つよくぅ、つよく……っ」ビクンビクン 京太郎「……あーこれ無理だわ」 京太郎「亀甲縛りの刑ってなんでだよ」 京太郎「次も接客か、頑張って行こう」 ゾロゾロ 京太郎「早速お客さんが来たな」 京太郎(裏声)「いらっしゃいませー」 穏乃「お願いします!」 初美「よろしくですよー」 梢「宜しくお願いします」 京太郎(裏声)「よろしくお願いします」 初美「須賀くんはいないのですかー?」 京太郎(裏声)「外回りの方に行ってますので」 穏乃「お姉さん、大阪の人なのに関西弁じゃないんですね!」 京太郎(それはお前もだろ!) 梢「そうですね、不思議です」 京太郎(あんたもでしょ!?) 京太郎(裏声)「あ、あはは、じゃあ始めましょうか」 初美「和了れなかったのですよー」 穏乃「お姉さん強いですね!どうしてそんなに強いんですか!」 京太郎(裏声)「え、いや……」 梢「負けてしまいましたか……」 穏乃「落ち込まないでくださいよ!まだ次がありますから!」 梢「そう……ですね、ありがとうございます」 初美「それで罰ゲームはどうするんですかー?」 京太郎(裏声)「罰ゲームをするので、ついてきてください」キリッ 梢「はいっ!」ビクッ 梢(何でしょうか……今の) 梢(まるで殿方のような……でもこの方はどこからどう見ても女性の方ですし……)カァァ 京太郎(裏声)「離れると危ないので」ニギッ 梢「はうっ///」 梢(この方の手、とても逞しい) 梢(でも私をどこへ連れて行くつもりなのでしょうか?) 京太郎(裏声)「着きました」 梢「ここは……?」 梢(人気が無い、ここって……まるで……いやでも私たちは女性同士ですし、そんな……)カァァ 京太郎(裏声)「こちらを向いてもらってもよろしいでしょうか」 梢「!」ドキッ 梢「はい……」ドクンドクン 梢(これが告白、というものなのでしょうか……)ドクンドクン 京太郎(裏声)「これが俺の正体のハンサム顔だ!」ババーン! 梢「」ポカーン 京太郎「」ババーン! 京太郎「さ、帰りましょうか」 京太郎(裏声)「お待たせしましたー」 穏乃「あ、ありがとうございましたー……」イソイソ←一部始終を見てた 初美「なのですよー」イソイソ←上に同じ 京太郎「……なんかさっきの対局で変な感じがしたけど……まいっか」 京太郎「放課後はどうしよっかな」 霞「京太郎くーん、片づけ手伝ってくれるかしらー」 京太郎「今行っきまーす!」 京太郎「コスプレのまんまなんすね」 霞「着替えるのも面倒くさいからね」 京太郎「俺は何をすれば?」 霞「そうね……誰か適当な人を手伝ってくれる?」 京太郎「了解です!」 霞「よろしくね」 咏「んしょ、んしょ」 京太郎(ダンボールを棚の上に乗っけようとしてるけど高さが足りねえのか……よし) 京太郎「咏、手伝おうか?」 咏「ふんっ」プイッ 京太郎「まだ怒ってんのか?」 咏「当たり前だろ、バカ」ツーン 咏「それにお前の手助けなんかいらねーっつうの」 京太郎「あれはごめん、って」 咏「もういいからあっち行けよ」 咏「んしょっ!」 ダンボール山「」グラッ 京太郎「あぶねえっ!」 京太郎「咏っ!」ダッ 咏「――――っ!」 ドサッドサドサッ 霞「咏ちゃん!?」 京太郎「いっつっつ……」 咏「京太郎……?」 京太郎「怪我、ねえか?」 咏「お、おう……」 郁乃「二人とも大丈夫……はっ!」 憩「ふ、二人とも、それは大胆すぎるっちゅうか、その……」モジモジ 京太郎「へ?」 咏「は?」 京太郎「…………」←咏を押し倒してる 咏「…………」←京太郎に押し倒されてる 京太郎「あっ、えーっと……」 咏「……」カァァ 咏「はっ!はやく離れろ!」 京太郎「すまん……」 咏「ふんっだ!」プイッ 京太郎(はぁ……なんでまたこうなるんだよ) 咏(……京太郎) 咏(私が京太郎とそんなことになるなんて……まだ百年も先だよな) 咏(……素直になりてえな) 咏「……ありがとよ」ボソッ 京太郎「さーてと、もう夕方か」 京太郎「どこいこっかなー」 京太郎「勉強するか」 京太郎「街に行けば今日文化祭に来てた人とも会えたかもしれなかったけど、宿題出てるしな」 京太郎「大人しく行こう」 京太郎「……誰か誘ってみよっかな」 京太郎「早速この問題から解いてみよう!」 ポキッ 京太郎「うっ、芯出しすぎたか、もう一回!」 ポキッ 京太郎「失敗失敗、やり直しだ」 ポキッ 京太郎「えい!」 ポキッ 京太郎「……」 ポキッ 京太郎「……メゲるわ……」 夜 京太郎「メゲずにもいっかい!」 京太郎「不屈の闘志の京太郎に敵はない!」 京太郎「今度は課題のプリントを片付けるぞ!」 カキカキ 京太郎「ふむふむ」 カキカキ 京太郎「なるほどなるほど」 カキカキ 京太郎「うっし!完成だ!」 京太郎「不屈の闘志の京太郎に敵は無いんだぜ!ヒャッホー!」カチャッ 京太郎「……ん?」 コーヒー「」ドバァッ 京太郎「…………」 京太郎「嘘……だろ……」 京太郎「あーもうなんかもう!やってられないんだぜ!」 【一日目】終 【10月第2週 休日】 【三箇牧・千里山合同文化祭】 【二日目】 京太郎「今日は千里山の方でやるんだよな」 京太郎「ちょっと早めにでてくか」 京太郎「千里山まで結構かかるんだよな」 京太郎「そういえば前の体育祭のときは泉と行ったっけ?」 京太郎「あ、でもあれは三箇牧か」 セーラ「なーにブツブツ言うとんのや?」パシッ 京太郎「痛っ!って、江口さんですか」 セーラ「須賀と会うんは久しぶりやな」 京太郎「話すのは体育祭以来ですね」 セーラ「いっつも竜華とか怜とかとおるからなー、たまにはオレとも話そうや!」 京太郎「そうですねーじゃあ何について話しましょうか」 セーラ「んーせやなー」 セーラ「せや、オレトランクス派なんやけど―――」ムグッ 京太郎「女の子が下着の話を男子にするものじゃありません」 セーラ「オレはオトコや!」 京太郎「いえ、どこからどう見ても女の子です」 京太郎「……そういえば、江口さんは文化祭でなにやるんですか?」 セーラ「オレは大道具作ったで!」 京太郎「妖怪とかにはならなかったんすか?」 セーラ「あ……それは……やな」ポッ 京太郎「のっぺらぼうとか?」 セーラ「せやったら良かったんやけど……化け猫なんや」 京太郎「化け猫?」 セーラ「ネコ耳にしっぽ付けて、襲い掛かるいうやつなんや」 京太郎「あー、憩さんみたいな感じですか」 セーラ「浩子に無理やり着せられたんや……」 京太郎「でも結構似合いそうですけどね」 セーラ「似合わん似合わん」プイプイ 京太郎「江口さん元が可愛いから似合うと思うんだけどなぁ」 セーラ「!」バッ セーラ「かっかわい!?」 京太郎「江口さん可愛いなぁって」 セーラ「……~~~!」カァァ セーラ「須賀のアホー!」ダダダダダダダ 京太郎「ええええええっ!」 京太郎「何で逃げるんすか!待ってくださいよ!」 セーラ「嫌やー!」ダダダダダダ 京太郎「準備も終わったし、二日目も頑張るぞ!」 京太郎「接客かー」フヘー 京太郎「また裏声でやらなきゃなんだよな……」 霞「あ、そのことなんだけど『チャンピオンはいないんですか!』っていう人がいっぱいいてね」 霞「人寄せパンダってことでウィッグは取ってやって頂戴」 京太郎「制服はどうするんです?」 霞「うちはコスプレ雀荘よ?何言ってるのかしら」 京太郎「」 京太郎「裏声出さないでいいってのは楽だな」 京太郎「お、誰か来たな」 京太郎「いらっしゃいませー……え」 菫「……あ」 菫「…………」マジマジ 菫「そうか、つまり君はそういうやつだったんだな」 京太郎「エーミールですか!」 はやり「あっ!理沙ちゃん理沙ちゃん!須賀くんがいるよっ☆」 理沙「久しぶり!」プンスカ 菫「瑞原プロに……野依プロ!?」 京太郎「どうも、お久しぶりです」 菫「おい、この二人と知り合いなのか?」ボソボソ 京太郎「ええ、まあ」 菫「…………」 菫「私にはお前のことがわからないよ……」 「京ちゃん!危ないよ!」 「ばか!見捨てられねえだろ!」 「京太郎!」 京太郎(……なんだ、今の) 京太郎(咲とモモの声が聞こえたような……) 京太郎(あっ、俺の番か)トン はやり「ロン、12000」 京太郎「まだ一巡目ですよ!?」 はやり「人和じゃないだけラッキーだったよ」 京太郎「跳満でも十分アンラッキーなんですけどね」 理沙「ドンマイ!」プンスカ 京太郎「ありがとうございます」 京太郎「じゃあ次行きましょうか……」 理沙「ロン!」 京太郎「ハコワレ……」 菫「まあその……なんだ、すまなかった」 理沙「ごめん!」プンスカ はやり「ごめんね」 京太郎「いえ、俺が弱いだけですから……」 京太郎「罰ゲーム、どうします?」 はやり「そういえばそんなルールだったね、それじゃあ……」 はやり「ねーねー、理沙ちゃんブログやってたよね?」 理沙「一応!」プンスカ はやり「菫ちゃんは?」 菫「わっ、私ですか!?」 はやり「うんっ☆」 菫「い、一応やっております」 はやり「それじゃあ須賀君への罰ゲーム!」 はやり「はやりたちとツーショットを撮ってブログにアップするよっ☆」 京太郎「それって、この状態で……ですか?」 はやり「もちろん☆」 京太郎「……わかりました、いいですよ」 はやり「まずははやりからだよ!」 理沙「撮影!」プンスカ! はやり「ほら須賀くん、もっと近くに!」ムギュッ モニュッ 京太郎「Oh……」 京太郎(なんたるおもち!なんたる巨乳よ!まさにこれは母のめぐみ!) 理沙「チーズ!」プンスカ! はやり「うん!いい笑顔だね!次は理沙ちゃん!」 理沙「近く!」ムギュッ フニュッ 京太郎(これもまたはやりさんではないほどだがやわらかく、すばらなおもち!) はやり「はい、チーズ!」パシャッ はやり「さーさー次は菫ちゃんだよ!」 菫「は、はい……」 はやり「ほらほらもっと近くに寄って!」プッシュ 菫「うぐっ」フニュッ 京太郎(これもなかなかのなかなか……) 理沙「チーズ!」プンスカ! はやり「いい写真が撮れたよ!それじゃあね須賀くん!」 理沙「バイバイ!」 菫「じゃあな」 京太郎「はい、またのお越しを!」ニコニコ 京太郎「いい罰ゲームだった、実にいい罰ゲームだった」 昼 京太郎「今度は俺と霞さんで集客ですか」 霞「よろしくね」 京太郎「じゃあどこ行きましょうか?」 霞「うーん、今日は体育館かしらね」 京太郎「ライブ会場ですか」 霞「生徒さんがいっぱいいると思うから行ってみましょう」 キーミート ハイ! イッショガイチバン! 霞「みんな楽しそうね」 京太郎「ですねー」 ザワザワ ワーワー 霞「段々人が増えてきたわね」 京太郎「はぐれないように気を付けてくださいよ?」 霞「京太郎くんこそね」 京太郎「もちろんっすよ」 霞「ふふっ……んっ」 京太郎「どうしました?」 霞「い、いま……誰かが、その……ぅっ!」モゾモゾ 京太郎「大丈夫ですか!?」 霞「大丈夫だから、楽しんでて」ハァハァ 京太郎「……ひょっとして、痴漢、とか?」 霞「」コクッ 京太郎「……それじゃあ出ましょうか、気分悪いですよね」 霞「……もうどこかに行ったみたいだから、大丈夫よ」 京太郎「そうですか……」 霞「ほら、もっと楽しみましょう?」ニコッ 京太郎「……はい」 京太郎「霞さん、無理しなくていいんですよ」 霞「大丈夫だから、ね?そろそろ帰りましょうか」 京太郎「……はい」 桃子「あ、京太郎!」 京太郎「モモ!?」 桃子「一か月ぶりっすね!」ムギュッ 京太郎「モモ、当たってる当たってる!」 桃子「わかってないっすねー、当たってるんじゃなくて、当ててるんすよ」ニコッ 京太郎「……」ゴクリ 霞「京太郎くん?」ゴゴゴゴゴ 京太郎「すみません霞さん、こいつ幼馴染なんですよ」 霞「わかってるわよ」ムギュッ 京太郎「はあっ!?」 京太郎「霞さん!当たってますよ!」 霞「当ててるの♪」 桃子「むむっ、私に対抗するとでも?」 霞「知らなかった?京太郎くんは年上好きなのよ」 桃子「本当っすか!」 京太郎「年齢なんて関係ねーよ」 桃子「それ見ろっす!京太郎はおっぱいが好きなんっすよ!」 京太郎「モモ、公衆の面前で何言ってんだ!」 霞「おっぱいでも私の方が勝ってるけどね」 桃子「ぐぬぬ……とにかく私は負けないっすからね!」 京太郎(なんかすっごい満足感) 昼 照「…………」 京太郎「いらっしゃいま……せ」 照「……京……」アワレミ 京太郎「……はい」※女子の制服 照「に、似合ってると思う……よ」 京太郎「顔引き攣ってんぞ」 智葉「宮永照!」 照「うわ……」 智葉「ここであったが百年目!」 照「インターハイで打ったじゃん」 桃子「あっ!」 桃子「ここで会ったが百年目っすね!」 照「それもう聞いた」 桃子「ふっふっふ、今日こそは負けないっすよ」 智葉「私もだ、はやく打とう」 照「…………」 京太郎「なーに突っ立ってんだ?はやく卓につけよ」 京太郎「打とうぜ、麻雀」 京太郎「うがー勝てねー!」 桃子「ふふっ、やっぱり私には遠く及ばないみたいっすね!」 京太郎「結構僅差だったじゃねえか」 智葉「…………私って何なんだ?」 照(京とモモ……懐かしい) 照(でも、足りない) 京太郎「そうだ照、罰ゲームはどうするんだ?」 照「罰ゲーム?」 京太郎「辻垣内さんに何か一つ罰ゲームを与えていいんだぜ」 智葉「もういい!何でも来い!」 照「ん……じゃあ……」 照「ここに寿司がある、食べて」 智葉「寿司、だと?」 照「辻垣内さんが好きそうな大トロだよ」 智葉「確かに、確かに好きだが……」 京太郎「どーせわさびを入れてあるとかなんだろ」 照「ぎくっ」 桃子「そういえば出店にわさび大量寿司が売ってたっすね」 照「ぎくぎくっ」 智葉「やはり裏があったわけか」 照「ぎくぎくぎくっ」 照「ばれてしまっては仕方がない、さあ食べようか」アーン 智葉「や、やめろ!」 照「食べちゃえば終わるから、ね?」 桃子「それ食べてる人、確か思いっきりむせて死にかけてたっすよ」 智葉「っ、それ見ろ!」 照「ルールは従うためにあるんだよ」グイグイ 智葉「そのルールを知らなかったお前が言うな!」 照「あ、UFOだ」 智葉「なにっ!どこだ!」 照「えいっ」ヒョイ 智葉「」パクッ 智葉「…………」 智葉「げほっ、げほっ!」 智葉「からっ!みずっ!げほっ!水をくれ!」 京太郎「はい、ただいま!」 智葉「がはっ!ごほっ、けほっけほっ、おえっ」 桃子「うわぁ……」 照「つ、辻垣内さん大丈夫?」 智葉「ごほっ、けはっ、ぜぇ、はっっ!」 京太郎「大丈夫ですか!これ、飲んで」 智葉「んっ、んぅ……はぁ、はぁ……」 照「……ごめん」 智葉「いいんだ、負けた私が悪いんだ……」 智葉「須賀も、すまなかったな。もう帰るよ……」トボトボ 京太郎「辻垣内さん!」 照「…………」ズーン 照「……ごめん」 京太郎「謝るなら辻垣内さんにだな」 桃子「私も行ってあげるっすよ」 照「うん、行こう」 京太郎「……照!」 照「……何?」 京太郎「お前が戻ってくるの、待ってるから!」 照「…………」 照「私に勝てたらね」 京太郎「もうすぐ文化祭も終わりか」 京太郎「後は投票結果の発表とキャンプファイヤーだけ」 京太郎「最後まで楽しもう!」 放課後 京太郎「霞さーん、俺何すればいいっすかー」 霞「特にすることもないし、どっか適当にぶらついて来なさいな」 京太郎「いいんですか!」 霞「京太郎くんのおかげでプロが二人も来たんだもの、それに照ちゃんも」 霞「さ、行ってきなさい」 京太郎「ではお言葉に甘えて行ってきまーす!」 京太郎「適当にぶらつくっつっても女子高だし何もないよなー」 京太郎「……女子更衣室にでも忍び込むか?」 京太郎「いやいや、それは違う、違うようん」 京太郎「……暇だ」 恒子「およ?」 京太郎「……あっ」 恒子「君……確かー」 京太郎(福与アナ?どうしてここに?) えり「福与アナ、一体何を?」 京太郎(針生アナまで?) 恒子「ねーねー針生アナ、この子誰だっけ?」 えり「この子?うーん……」マジマジ 京太郎(おお、なんかいい匂いがする)ドキドキ 恒子「気になるよねー」マジマジ 京太郎「って!俺ですよ!須賀京太郎!会ったことあるじゃないですか!」 恒子「須賀?……あー電話帳にあったよーなないよーな」 えり「ああ、男子個人戦チャンピオンの」 京太郎「そうです!その須賀です!」 恒子「そういえばいたねーそんなの」 京太郎「そんなのって……」 えり「福与アナ、この際ですし最後は須賀くんでいいんじゃないんですか?」 恒子「だね!さっさと済ませちゃおう!」 京太郎(針生アナの方が年上だったよな……?) 京太郎「取材って何のですか?」 えり「最近の高校生事情とかですね」 京太郎「恋愛とか部活とか?」 恒子「そーそー、恋愛が真っ先に出てくるあたり須賀くんもそっちの人間なんだね!」 京太郎「そっちってどっちですか」 恒子「針生アナとは逆の方!」 えり「」イラッ 京太郎「失礼ですよね思いっきり」 恒子「というわけで体育館裏!」 えり「いやなんでですか」 恒子「ほらナイショの話は体育館裏でって言うでしょ!」 京太郎「女子高なんで頻度は少ないですよ」 恒子「あ、そだねー」 京太郎(針生アナがいるとツッコミ楽だな) えり(須賀くんがいるとつっこまなくてもいいんですね……) 恒子「そんじゃこっち側の須賀くんには恋愛事情を訊いちゃおうかな!」 京太郎「だからこっちってどっちですか」 恒子「そんでどうなの?好きな子いるの?」 恒子「麻雀部の子だったりする?それとも千里山の方?ひょっとして遠距離?」 えり「福与アナ、がっつきすぎですよ」 恒子「こんくらいの距離感がいいんだよ!それでどうなの?」 京太郎「好きな人……ですか」 えり「いるかいないかで十分ですよ」 恒子「どーせなら誰かとか訊きたいなー」 えり「プライバシーは大事ですよ」 京太郎(好きな人なんて考えたことないしなー) 京太郎(……何て答えよう) 京太郎(好き……恋愛の好きとは違うけど) 京太郎「幼馴染が好きです」キリッ えり「幼馴染さん……ですか」 恒子「確か宮永照と宮永咲ともう一人……誰だっけ?」 えり「東横選手ですよ」 恒子「あ、あーいたねそんなの」 京太郎「影が薄いからわからないですよね」 恒子「そーそー」 えり「だから失礼ですってば」 恒子「じゃあ須賀くんは幼馴染三人でハーレムを作ろうと画策している、と」 京太郎「根も葉もないこと書かないでくださいよ」 恒子「根はあるよ根は!」 えり「葉がなければだめです」 恒子「ぶー」 京太郎「なんだか姉妹みたいですね」 恒子「私と姉妹だったら針生アナはストレスで死んじゃうよ」 えり「自覚があるのなら自重してください」 恒子「あっはっは、私ってバカ!」 えり「そっちの自嘲じゃないです」 恒子「それじゃー次ね」 恒子「じゃあさ!須賀くんがプロで付き合うなら誰?」 えり「そんな内容でしたか?」 恒子「気になるじゃん!すこやんにも頼まれてたし!」 えり「はぁ……」 恒子「で、どーなのどーなの?」 京太郎「えっ、えぇぇ……」 えり「無理して答えなくていいですからね」 恒子「そんなんだから針生アナは生き遅れるんですよー」 えり「なっ、福与アナだって彼氏いない歴=年齢じゃないですか!」 恒子「針生アナこそずっと女子校通いの箱入り娘!」 えり「どうしてそれを!」 恒子「ウ○くる!?でやってた!」 えり「フリーじゃないですから出てませんよ」 恒子「あそっかー」 えり「」イラッ 京太郎(大変そうだなー) 恒子「そんで誰なの?」 京太郎「針生アナ、じゃだめですか?」 恒子「えっ」 えり「えっ……」 えり「えっ?」 京太郎「なんで二回も聞き返したんですか」 えり「まず確認しましょう、質問内容は?」 恒子「プロで付き合うなら誰?」 えり「それに対する須賀くんの回答は?」 京太郎「針生アナじゃだめですか?」 えり「」テレッ 恒子「あれ?針生アナ照れてない?照れてなくなくなくなくない?」 えり「照れてませんから!大体なんで『プロで』と訊いたのに私なんですか!」 京太郎「プロ以上に針生アナの方がかっこいいと思ったので……」 京太郎「テレビで見るときはいっつもキリッとしてますし、今みたいに福与アナを上手く抑えてるじゃないですか」 恒子「むむっ、その言いぐさだと私が馬かなにかみたいだね」 えり「お馬鹿さんですからね」 恒子「むむっ」 京太郎「スタイルいいし、顔も可愛いです、というか綺麗ですし」 京太郎「それでいて苦労人で、頼りになってそこに惹かれるっていうかなんというか……」 恒子「つまり須賀くんは針生アナのヒモになりたい、と」 えり(ヒモ……聞こえは悪いですけど一生一緒に……ってことですよね) えり(ということは……その……)カァァ 恒子「おや?針生アナも満更でもない感じ?」 えり「ば、バカ言わないでください!もうっ!」カァァ 京太郎「クールそうな針生アナもそんなに顔赤くしたりするんですね、可愛いです」 えり「」ボンッ! 恒子「お、おう……やるねぇ」 京太郎「あれ?今何かおかしなこと言いました?」 恒子「無自覚か……」 えり「……可愛い……私が……えへへ……///」 恒子「ありゃりゃ、針生アナがポンコツになっちゃったからここまでだね」 恒子「それじゃあまたどこかで遭おう!」 京太郎「はい、さようなら」 恒子「いい返事だな!ほら行きますよ」 えり「…………えへへ」 京太郎「福与アナも敬語は使うんだな……ってそりゃそうか」 京太郎「そろそろ体育館に行くか」 「麻雀部対決の結果はーーー!」 「18%三箇牧、82%千里山ということで!」 「千里山女子高校麻雀部の勝利ィィィイイイ!」 京太郎「……負けたか」 霞「京太郎くん、ここにいたのね」 京太郎「霞さん、その……すみませんでした」 霞「京太郎くんの責任じゃないわよ、それで千里山の方の要求なんだけど」 『練習のために男子チャンピオンをレンタルできる権利』 京太郎「えっ、何すかそれ」 霞「権利って言ってるからいつでも何回でも使えるのよね」 京太郎「ええっ」 霞「まあそういうルールと日本語だからね、休日に来てくれればいいって」 京太郎「えええっ」 霞「平日にも何回来てもいいけど、毎月最低一回は来るように、ですって」 京太郎「拒否権は……」 霞「諦めなさい」 京太郎「…………」 京太郎「そんなのないっすよおおお!」 京太郎「気を取り直してキャンプファイヤーだ!フォークダンスだ!」 京太郎「前半は校外の人も参加するらしい、後半は校内の人で踊るそうだ」 京太郎「俺も参加するぞ!」 京太郎「さーて相手はいないかなー」キョロキョロ 京太郎「おっ、あの人は……!」 京太郎「針生アナー!」 えり「」ビクッ 京太郎「また会えましたね!」 えり「私はあれですからね!ただ取材のために来たので!」 京太郎「福与アナはいらっしゃらないみたいっすけど?」 えり「あぅ、そ、それは……」 えり(言えない!須賀くんにまた会えるかもと思って来ちゃいました、なんて)テレッ えり(それに須賀くんだってクールな私がす、すすす好きって言ってくれたんですから、そんな浮ついたところなんて……)カァァ えり(でも、あそこまで言ってくれたんですし……)モジモジ えり(未来のある須賀くんに私みたいな年増が近づくなんて恐れ多い……)ズーン 京太郎「じゃあ、取材ついでと言ってはなんですけど、一緒に踊りませんか?」 えり「はい!よろこんで!」ニコッ えり「えっ」 京太郎「えっ」 京太郎「まあ踊りましょうか」 えり「……はい」 えり「…………」カァァ 京太郎(フォークダンスっつっても案外暇だなー) 京太郎(なんか話しかけてみるか) 京太郎(そういえばさっきから顔赤いよな) 京太郎(福与アナが言うには箱入り娘だったらしいし、高橋真○アナみたいな感じだったのか?) 京太郎(いや、なんかイメージ違うな) 京太郎(男が苦手だからなのかな……?)ウーン えり(須賀くんがさっきからずっと見てきます……)カァァ 京太郎(また赤くなってる、ひょっとして体調が悪いからなのか?) えり(私の顔に何かついてるんでしょうか……?) 京太郎「あのー針生アナ?」 えり「はい、なんでしょうか?」 京太郎「さっきから顔赤いですけど、大丈夫ですか?」 えり(赤い……私ったらまた須賀くんを意識して……)カァァ 京太郎「ほらまた、ちょっと失礼しますね」スッ えり「えっ?」 ピタッ←頬に手を当てる えり「……~~~~ッ!」カァァーッ 京太郎「やっぱり熱いですね、風邪とか?」 京太郎(ほっぺやわらけー) えり「か、風邪じゃないですから!大丈夫です!」 京太郎「あ、そうですか」 えり「はい、なので続きを」 京太郎「わかりました、でも無理なようなら行ってくださいね」 京太郎「針生アナが倒れたりしたら一大事なので」 えり「……お気遣いありがとうございます」 京太郎「どういたしまして」 えり(男の人はオオカミだとお母さんに言われてましたけど……優しいじゃないですか) 京太郎「ようやく終わった……」 京太郎「針生アナの手もほっぺもやわらかかったなー、なんか幸せだ」 京太郎「他は誰がいるのかな?」 憩「あ、京太郎くーん!」 憩「探したで!ウチと踊らへん?」 京太郎「いいですけど、後半でもよかったのでは?」 憩「わかってないなー、ここで踊るからこそウチらの仲良しさがアピールできるんや!」 京太郎「ああーなるほど」 京太郎「わかってないですけどわかりました、それじゃあ……」スッ 京太郎「お手をどうぞ、お姫様」ニコッ 憩「もう、京太郎くんはキザやなぁ」 京太郎「そうですかね?」 憩「~♪」 京太郎「楽しいですか?」 憩「もちろん!」 京太郎「でも明日から学校なんですよね……」ズーン 憩「せやな……」ズーン 京太郎「なんで振替休日とかないんでしょうか……」 京太郎(学校と言えば、憩さんの試験の結果ってどうだったんだろうか) 京太郎(前は照も憩さんも学年一位だって言ってたよな) 京太郎「そういえば、試験の結果って?」 憩「ウチの?」 京太郎「はい」 憩「あー……ウチは学年7位やったんよ」 京太郎「7位、ですか」 憩「うん、せやからお父さんに怒られてな、連れ戻されてもうた」 京太郎「…………そうなんですか」 憩「元々勉強は頑張るって条件やったから当然なんやけどね、あはは」 京太郎「じゃあまた試験で頑張れば戻ってくるってことですよね」 憩「さあ、わからん」 憩「多分無理や、お父さんが許してくれへんさかい」 京太郎「そう……ですか」 憩「でも麻雀部の活動はオッケーやから、そないにしんみりせんでええんよ?」 京太郎「ですね、じゃあもっと楽しみましょうか」 憩「……お手柔らかにな」 京太郎(……なら、どうして秘書さんの話をしたときに誤魔化したんだ) 京太郎(俺の思い違いだったのか……?) 「おっとごめんよ」ドンッ 京太郎「えっ」 憩「へ?」 チュッ 京太郎「……っ」 憩「……ん!」ムグッ 京太郎「す、すみません!」バッ 憩「こ、こっちこそ!」バッ 京太郎「…………」カァァ 憩「…………///」カァァ 憩「……その、ごめん、先帰るわ!」ドヒューン 京太郎「あっ、憩さん!」 京太郎「…………二回目、か」 京太郎「そろそろ後半だな、次は誰がいるかなー」 京太郎「絶対憩さんも嫌がってるよな……もうやだ」 エイスリン「ドシタノ?」 京太郎「エイスリンさん、いえなんでもないですよ」 エイスリン「ソーナノ?」 京太郎「そーなんす」 京太郎「エイスリンさんは一緒に踊る人とかいないんですか?」 エイスリン「ボッチダカラネ……」 京太郎「それじゃあ……」スッ 京太郎「Shall we dance?」 エイスリン「Sure!」 エイスリン「チャッチャカチャンチャン♪」 京太郎「楽しいですか?」 エイスリン「ウン!」 京太郎「そういえば、エイスリンさんの夢って何なんですか?」 エイスリン「ユメ?」 京太郎「dreamです、眠らない方の」 エイスリン「フムナル!」ポンッ エイスリン「artist!」 京太郎「あー画家、ですか」 エイスリン「!」グッ エイスリン「…………!」カキカキ バッ! |ベレー帽を被る大きな男の人、エイスリンの絵| 京太郎(でかっ!3mくらいないか!?) 京太郎(大きな男の人……お父さん?でもすごく大きいよな……) 京太郎「あっ、おじいさんに教わるってことですか?」 エイスリン「」コクッコクッ 京太郎「エイスリンさんのおじいさんは画家なんですね」 エイスリン「エッヘン!」 京太郎「じゃあ、いつかはエイスリンさんともお別れしないといけないんっすね」 エイスリン「…………ァ」 京太郎「…………」 エイスリン「……イヤダ」シュン 京太郎「俺も……です」 京太郎「だからこそ、今このときを楽しみましょうよ」 エイスリン「…………」コクッ 京太郎「Continue to dance!ですよ!」ニコッ エイスリン「!」パァァ エイスリン「Enjoy now!」ニコッ 京太郎「その意気です、頑張りましょう!」 エイスリン「オー!」 京太郎(何この青春してる感) 京太郎「そろそろ終わりも近い、か」 京太郎「最後は誰と踊ろっかなー……っとあれは……」 京太郎「おーい咏ー!」 咏「おっ、京太郎!」 京太郎「よかったら一緒に踊んねえか?」 咏「へっ、京太郎がナンパかーでっかくなったじゃん」 京太郎「お前がちっちぇんだよ」 咏「なんだとー!」ウデグルグル 京太郎「効かぬ!効かぬぞ!」アタマオサエ 咏「ぬおー!」ススメナイ 京太郎「はっはっはー!」 京太郎「文化祭どうだった?」 咏「まー良かったんじゃないの?知らんけど」 京太郎「知らんって……」 京太郎「そういえばよ」 咏「んーなんだー?」 京太郎「機嫌直ったんだな」 咏「まーなー」 咏「あ、だからっつってもお前を許したわけじゃないかんな!」 京太郎「わかってるよ、悪かった」 咏「あんな服見たら誰でも引っ張るに決まってんだろ、しゃあねえんだよ」 京太郎「そんなもんかなー」 咏「そんなもんなんじゃねえの?あっはっは!」 京太郎「まあ実際お前の裸見たところでなーんも思わねえけどな!」 咏「あっ!お前それは許さねえかんな!」 京太郎「へへっじゃあ俺に追いついてみやがれ!」ドヒューン 咏「せっけー!待てよー!」 京太郎「いーやだーねー!」 京太郎「学校終わりー!」 京太郎「今日は部活で打ち上げもあるらしいけどどうしよっかなー」