約 877,896 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/57.html
その他いじめ短編集 1 2 3 4 5 6 7 鶴屋いじめ 真夏の海の生徒会
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2602.html
空が赤く染まるころ、ぴょこぴょこと竹藪の中をはねる一匹のゆっくりがいた。 黒髪にちょこんと、丸っこくて白いふわふわしているうさ耳を生やしたゆっくり、『ゆっくりてい』である。 「うっさうさ~♪」 ていは狡賢く、いたずら好きなゆっくりだ。 嘘や演技は当然のこと、酷いときには落とし穴と組み合わせて他のゆっくりを落とすこともある。 そして騙されたゆっくりをみて、その滑稽さを笑うのだ。 「おかーさん、ただいまうさ!」 「おちびちゃん! おそとはあぶないうさ! もっとゆっくりせずにかえってくるうさ!!!」 「ゆっくりごめんなさいうさ……」 「わかればいいうさ。はやくいっしょにごはんをたべるうさ」 このていは母親と二匹で住んでいる、完全な母子家庭。 父親は幼い頃に亡くしていたし、他の姉妹はすでに巣立っていた。 二人きりの食卓に、幸せそうな声が響く。 「「むーしゃむーしゃ、しあわせ~うさっ♪」」 ◇ ◇ ◇ 今回は、てい虐めである。だが、ていを捕獲してはいけない。 なぜなら今回は、小さな群れを丸々一つ利用したものだからだ。 「というわけで俺はいま、キャンプをしています!」 「うぅ~? だれにむかっていってるんだどぉ?」 「おいおいれみりゃ、そこは空気を読むところだろ? なあいくさん!」 「およよ、いくはくうきのよめるおんなです」 ちなみに俺の周りには、なんやかんやで五匹ほどゆっくりがついてきている。 みんな割と楽しそうにキャンプ―――もとい、野生生活をしてくれているようでなによりだ。 「まあ、せいぜい楽しむがいいさ。……鬼井山がテントを貸してくれるなんて、これで最後かもしれないんだからな」 ちなみにテントは二人用であるため、ゆっくりは何匹か野宿になる。 数日続くのだが、たぶんだいじょうぶだろ。どれも元々野生だし。 「うー♪ きょうはおにーさんといっしょにねるどぉー☆」 「いや、お前夜型だから見張り役だろ。野犬でも来たら教えてくれ」 「いやだどぉー! ひとりはゆっくりできないんだどぉー!!!」 「わがまま言ってはいけません。めっ!」 「うぁっ!! ……うぅー、たまにはゆっくりしたいどぉ……」 そう呟きつつ、いかにも泣きそうな顔でとぼとぼさっていくれみりゃ。今日は割と素直である。 ……仕方がないから頭をなでてやった。この前、ちょっと虐めすぎたしな。 「まあ、俺はいくさんと一緒に寝るがな」 「うぅー!?」 冗談だ。……冗談だよ? ◇ ◇ ◇ 「うっさっさ♪ きょうもいたずらするうさ♪」 朝になり、今日もていは元気よく遊びに出かける。いつも通りの毎日。 ていはどんないたずらをするかは考えていなかったが、とりあえずいたずらすることだけは決めていた。 またありすにただの小石を "ほーせき" として渡してもよいし、まりさに適当な方向を教えてそこに果物があると言ってもいい。 ぱちゅりーはていの嘘に最近引っ掛からなくなってきたからやめよう。 そんなことを思いながら、群れの近くをぐるぐると回っていた。 ちなみに、ていは子供を作るといたずらをしなくなる。というより、いたずらをしていては必要なごはんが集めれないのだ。 いたずらはていにとってゆっくりできるもの、当然だがいたずらをしなければゆっくりできなくなる。 そのためていは親になる個体が少なく、それがていを希少種たらしめる要因の一つにもなっていた。 あるいみ、ずっと子供でいたがる種族といえるのかもしれない。 「……うさ?」 ふと、ていは緑色の茂みの奥から目立つピンク色の何かを見つける。 この距離だと、なんだかよくわからない。 好奇心旺盛なていは、ゆっくりとそちらに近づいていく。 「そろーりうさ……そろーりうさ……」 ピンク色の何かは、突然動いたり止まったりを繰り返していた。 けれどそんなに早く動いてなかったから、ゆっくり落ち着いて行けば大丈夫そうである。 もっと、もっと近づいてゆく。 「そろーりうさ……そろーりうさ……」 「そろーりだどぉー……そろーりだどぉー……」 何か声が聞こえるが、何なのだろう? そこまで来たとき、ていは自分が追っていたものの正体がわかった。 ピンク色の靴だ。 なぜか群れの方へと向かっている。 靴というものは知っている。にんげんさんが履くものだ。 ということは、にんげんさんなのだろうか? その靴がはっきり見える位置に来たていは、ゆっくりと視線を上げた。 「……うー?」 ちょうど向こうも気づいたのか、二匹の視線が交差する。 「―――れ、れみりゃうさぁぁぁ!!!」 「うわぁぁぁ!? みつかったんだどぉぉぉ!?!」 ていは叫びながられみりゃを追い越し、一目散に群れへと駆けもどって行った。 後ろで何か叫び声が聞こえるような気もするが、気にしてはいられない。 れみりゃぐらいなら、今群れにいる大人たちで追い払えるはずだ。 「うさぁぁぁ!! たいへん! たいへんうさっ!!!」 「むきゅっ!? てい、どうしたの? ゆっくりしてないわよ?」 群れに戻ったていが最初に出会ったのは、運がいいことに長であるぱちゅりーだった。 赤ゆっくりの世話をしていた長はていの必死な形相を見てちょっと引いたが、とりあえず事情を聞いてみる。 「れみりゃ、れみりゃうさ! れみりゃがやってきたうさ!!」 「むきゅっ!? それはたいへんね! おちびちゃんたち、ゆっくりおうちにはいりなさい!」 「ゆっくちりかいちたよ!!!」 「おねーちゃん、れみりゃってきょわいの?」 「そううさ! と~ってもこわいゆっくりうさ!!」 「れいみゅこわいのいやぁ……」 次々と赤ゆっくりが長の家へと避難していく。 そこにゆっくりとした様子は全くない。まさしく非常事態だ。 そしてその間に、ていの叫び声を聞いた大人たちが集まってきた。 「ぱちゅりー、いったいどうしたの?」 「むきゅ。ていがさっき、れみりゃがきたっておしえてくれたの」 「いなかもののれみりゃはゆっくりできないわ!」 「ゆっ! みんなでおいはらいにいくよ!」 「そのとおりね! てい、あんないしてちょうだい!」 「わかったうさっ! こっちうさ!」 群れのゆっくりを誘導するため、ていは先頭で急ぎ跳ねていく。 しかし、ていがれみりゃを見かけた場所にはもう誰もいなかった。 「……たぶん、もっとおくうさ」 仕方なくさらに進んでいくのだが、このとき大人たちはていが本当のことを言っているのか、ゆっくりと疑問に思い始める。 だいぶ進んだのに、れみりゃどころかほかのゆっくりの姿も見えないのだ。ていを追いかけていたらすぐにすれ違うはずなのに、それもない。 それに、ていは嘘つきだ。前にも『たいへんうさ! れみりゃがきたうさ!』と言われて騙されたこともある。 もちろん、ていも何となくおかしいとは思っていた。 確かに出会ったはずなのに自信がどんどんなくなっていき、内心では不安と混乱が渦巻いている。 「むきゅー……。てい、れみりゃはどこなの?」 「こっちうさ! たぶん、もっとむこううさ!」 ていは先ほどからそう言っているが、何の証拠もないのもまずかった。 命からがら逃げてきたのなら傷の一つくらいあってもいいのに、それもない。 そもそも一人だと、大人だってれみりゃから逃げるのは難しいのだ。 だから大人たちがその結論に達したのは、たとえゆっくりの餡子脳と言えでも当然の結果だろう。 「……ていはうそつきなんだねー! わかるよー!」 最初に切り出したのは、ちぇんだった。 次の瞬間、周りの大人たちも一気にていを責め立てる。 「ゆゆっ!? うそだったんだね! うそはゆっくりできないよ!!!」 「う、うさ? ちがううさ! ほんとうさ!」 「じゃあ "しょうこ" をみせるんだぜ! ないならうそなんだぜ!」 「しんじてほしいうさ! れみりゃはいたうさ!」 「それいじょういうと、さすがにとかいはのありすもおこるわよ?」 「ほんと……うさ……」 大人たちに一斉に攻められるのは、子供のていにはとても恐ろしい。 その大きな体と大きな声は、小さなていには持ちえないもの。 ていは返す言葉もなく、完全に委縮してしまう。 だがそこに、ぱちゅりーが助け船を出してくれた。 「みんなおちつくのよ! まだていはこどもなんだから、ゆるしてあげましょう?」 ―――もちろん、ていのことは全く信じていなかったが。 「…………」 (……ほんとうさ。しんじてほしいうさ) ていのその思いは、言わなければ伝わらない。 それなのに、言ったところで信じてくれない。 無情にも、大人たちは『ていが嘘をついた』ということを事実として決定した。 「…………」 「ゆゆっ! そういえば、かりのとちゅうだったんだぜ!」 「むきゅ。おちびちゃんたちがまっているわ!」 「ゆっ! そういえばそろそろ "てぃーたいむ" ね!」 「いそいでかえるんだねー! わかるよー!」 長であるぱちゅりーがゆるすというのなら、何の問題もないというのだろう。 大人たちに油を売ってる暇などない。 それぞれ自分の用事を思い出して去っていく。 「ぷんぷん! ぜんぜんゆっくりできなかったよ!」 「もううそはつかないでね! めいわくだよ!」 「れみりゃがいなかっただけよかったじゃない。むきゅん」 ていと『ていが嘘をついた』という事実だけが、その場にぽつんと残されてしまった。 ◇ ◇ ◇ 『――だから、ていはうそをいってないうさ! しんじてほしいうさ!』 『……おちびちゃんはゆっくりしているうさ。だからしんじるうさ』 『ありがとううさ……しんじてくれたのは、おかーさんだけうさ……』 「泣かせるね……いい親子愛じゃないか」 電池式のランタンを点けたテントの中。 俺はいま、盗聴器を通してあのていの会話を聞いていた。 というか見つからない位置にいる以上、こうして盗聴するぐらいしか向こうの様子を知る方法がないのだ。 やはりと思うかもしれないが、あのれみりゃは我が家のれみりゃである。 れいりゃ曰く『ぎゃお~! たーべちゃうぞー♪』と言いながら出る予定らしかったのだが、群れの近くに行く途中で見つかったらしい。 まあ結果オーライだ。うん、結果オーライ。 そのまま誰にも見られないようにこっちに戻って来るよう指示して、人工的なオオカミ少年のできあがりというわけだ。 「やっぱ、本当のことを言っても信じてもらえないのは辛いよな―――けどさ」 人間の感覚情報は8割以上が視覚だという。 つまり、この虐待は俺にとって8割以上がないようなもの。 ぶっちゃけ、俺、あんま楽しくない。 「早くネタばらしに入らないかなー」 まるでぐずる子供のように地面をゴロゴロと転がる俺。 でもビニール越しに石が当たるからすぐやめた。こんど家でやろう、うん。 「それならおにーさんも、ゆっくり "きゃんぷ" をたのしめばいいんだどぉ~♪」 「うぉっ! いつのまに中に入ってきた!? ……しかしまあ、それも一理あるか」 何もすることがないならキャンプを楽しめばいい。 たしかに筋は通ってる。れみりゃのくせになまいきな。 「―――お前に正しいことを言われるのは何か気に食わん。なあれみりゃ、なでなでと明日のぷっでぃ~ん抜き、どっちがいい?」 「うー♪ そんなのなでなでにきまってるんだどぉー♪」 「よし、言ったな? 後悔すんなよ?」 俺はさっそくれみりゃの頭をなでてやることに。 なでなで。 「うぅー☆」 なでなで。 「うぁー♪」 なでなで。 「うー……」 なでなで。 「うぅー! なでなではもういいどぉ!」 なでなで。 「ううぅー!? あついどぉ! やめてほしいどぉ!!」 なでなで。 「うわぁぁぁ!?! あたまがぉぉぉ!!!」 なでなで。 ◇ ◇ ◇ れみりゃにであってから一週間後、ていは群れの嫌われ者になっていた。 れいむも、まりさも、ありすも、ちぇんも、ぱちゅりーも。 大人から子供まで、ていは嫌われてしまっていた。 友達だったゆっくりも、いたずらにつきあうどころか話すらしてくれない。 「……なんで、ていをしんじてくれないうさ」 本当に、れみりゃにであった。 本当に、木の上から降りてきたふらんに襲われた。 本当に、ゆゆこが吸いこもうとしてきた。 本当に、れてぃが食べようとしてきた。 どれも命からがら群れまで逃げてきたのに。 群れに帰ってくるまで、すぐそこにいたはずなのに。 群れの仲間から返される言葉は、つらいものだった。 『ふらんはれみりゃよりゆっくりしてないのよ! にげられないわ!!』 『ゆゆこはすぐにすいこむんだよー! わかってねー!!!』 『ゆ? こんなにあついのに、れてぃがいるわけないでしょ? ばかなの? しぬの?』 言われてみればその通りだけれど、嘘ではないのだからていにはどうしようもない。 そのうち、ていは襲われても何も言わなくなっていた。そうすれば、嘘つきだと言われないから。 それどころか家に閉じこもってしまい、外で遊ぶこともなかった。 ていにとって、唯一の味方は "おかーさん" だけである。 ていのせいで肩身が狭い思いをしているにもかかわらず、ていの言うことを全て信じてくれていた。 まさしく、母親の鏡のようなゆっくりだ。 時々おかーさんは、ていをじっと見つめるときがある。 その視線はやさしいような、かなしいような……ていには良くわからないものだった。 人はその視線を哀れみというのだが、ゆっくりであるていに知る由はない。 「ゆっくりかえったうさ! さっそくごはんにするうさ!」 「わかったうさ。……おかーさん、いつもありがとううさ」 それでも、ていは幸せだった。 外ではあそべなくなったけれども、毎日おかーさんと一緒に食事ができる。 それだけで十分幸せだった。 「ゆっくりくろまく~♪」 幸せ、だったのに。 「……うさ?」 ていは、目の前でおかーさんがれてぃの舌にからめとられる様子を、呆然と見ていただけだった。 そしてていと同じ白いうさ耳が外に消えたかと思うと、長い静寂。 それが意味するところは一つしかない。 たべられた。 おかーさんが、たべられた。 ていの餡子はその情報を処理しきれない。処理をしたがらない。 こんなつらい現実を、認めたくなかった。 「…………」 どのくらい時がたったのだろう。それは須臾か永遠か。 再びおうちの中に、れてぃの長い舌が入りこんできた。 硬直してまったく動けなかったていは、簡単にれてぃの舌がからめ取る。 (……もういいうさ) ここ最近いろいろな出来事が多すぎて、ていの心は摩耗していたのだろう。 それは潔いくらいのあきらめ。 ていはむしろ、母親と同じところに行けるなら本望とも思えた。 口に入るその一瞬。 群れがあった場所にていが見たのは、捕食種のカーニバル。 れみりゃが長のパチュリーを襲い、ふらんが友達だったありすとまりさを串刺しにしている。 そこらじゅうでおうちの入り口が壊されているのは、れてぃがみんな食べたからなのか。 どこかでゆゆこが吸い込む音も聞こえるため、生き残るゆっくりは一匹もいないだろう。 皮肉にもその光景は、ていが嘘をついていないという完璧な証明であった。 ◇ ◇ ◇ 俺は夕日に照らされながら、キャンプの後片付けを終えていた。 明日からまた仕事だ。そう考えるとちょっとうつである。 でも、昔の偉大なる誰かさんは『忙しいから休日はありがたい』と言っていた。 そうだ、仕事があるだけましじゃないか。ワーカーホリック日本人だからこそ、休日はありがたいのだ。 ……休暇取ってる自分が言うことじゃないけど。 「お、戻ってきたか」 いくさんを除いた四匹が戻ってきた。 心なしかゆゆことれてぃの顔が満足げだ。いつも満足に食べさせてやれないでごめんな。 「それで、あいつはどうした?」 「くろまく~!」 れてぃが口から一匹のゆっくりを吐きだした。 例のていである。 ちょっと融けているのはご愛敬だろう。 「う、うさ……」 「よっ! 大丈夫か? 俺はお前に会いたくて待ち遠しかったから、こうして会えてうれしいよ」 「……うさっ!? な、なんでにんげんさんがいるうさ!」 「れてぃに連れてこさせたんだ。後ろ見てみろ」 その時後ろを向いたていの顔は、――割と良い顔だった。 今まで自分が見かけた捕食種が全てここにいるのだ。 群れのみんなに言っていたゆっくりが、全てここにいるのだ。 何を思っているかは知らないけれども、死ぬかも知れない恐怖に顔をゆがませているよりはよっぽど良い表情である。 「さて。いくさん、ちょっとこいつ持っててくれ」 「およよ。べとべとしますわ」 ていは何の抵抗も見せないまま、いくさんにあっさりと抱えられた。 ……しかし何だろう。良い表情が見えた後なのに、なぜかちょっと嫌な予感がするんだが。 「んーじゃあ、まずためしに。ていが見た捕食種は、全部このおにーさんが操っていました。どう思いますか?」 「……そううさか」 「おや? 俺のせいで群れのみんなから嫌われたり、おかーさんが食べられたりしたが、恨んでないのか?」 「……おかーさんをたべたのはゆるせないうさ。でも、もうどうでもいいうさ。ころすなりうさぎなべにするなり、すきにするがいいうさ」 「あっはっは、そうか。……こいつ、達観しやがったな」 まあいいか。もう一つの方に期待させてもらおう。 「じゃあ、おかーさんにもう一度会えるとしたら?」 「―――うさ?」 ◇ ◇ ◇ ていは、目の前のにんげんさんが何を言い出したのかわからなかった。 おかーさんに会えるとしたら会いたい。でも、どうしてここでそれを訊くのか。 あの時れてぃに食べられたのだ。生きているわけが……? 「れてぃ、もう一匹も頼む」 「ゆっくりくろまく~!」 レティの口から、黒髪に丸っこいうさ耳を生やしたゆっくりが現れる。 毎日見てたその姿は、間違えようがない。おかーさんだ。 そうだ、ゆっくり思い出せば、ていもこうやってここに出てきたはず。 ということは、そこにいるのは死体ではなく――― 「……おかー、さん?」 「はぁ? なにいってるうさ?」 ……え? 「ていにこどもはいないうさ。まったくしつれいうさね!」 ていは、おかーさんのこどもだよ? なんで、おかーさんはそんなこというの? 「いや、実はこいつ、俺が飼ってるていなんだ。お前のおかーさんじゃないの。わかるか?」 違う。そんなことはない。 だって、ていはおかーさんのことを見間違えるわけがない。 あそこにいるのは、おかーさんだ。 「まったく、あたまがわるいうさね。ていはおかーさんじゃないうさ。 バカなの? しぬの?」 「俺が入れ替えておいたんだ。ゆっくりりかいしてね!!!」 そんなばかな。 ていは、おかーさんをよく知っている。 優しいおかーさんを知っている。 ちょっとぐらい似ているからって、あんな性格じゃない。 「いや、そこはていの特性……演技能力だよ。ほら、よく嘘ついたり、演技でだましたりするだろ? あれといっしょさ」 「―――おちびちゃん、だいじょうぶうさ? いたくないうさ? とけているところをぺーろぺーろしてあげるうさ」 そこにいたのは、紛れもない "おかーさん" だった。 ていのことを子供じゃないといったゆっくりが、 "おかーさん" になった。 いつも優しくて、甘やかしてくれて、心配性な。 でも、あのゆっくりは "おかーさん" じゃなくて……あれ? 「こいつの演技はすごかっただろう? いたずらということで協力的だったのが良かったよ」 「うっさっさ。ずっとみすぼらしいゆっくりのふりはつかれたうさ」 おかーさんはみすぼらしくなんかない。 おかーさんはお前よりずっと素敵だった。 おかーさんは、確かにいたのだ。 「ああ、ちなみにお前の "おかーさん" は死んでるから」 「う~♪ でりしゃすだったどぉ~☆」 「……うそうさ」 「お?」 「うそうさっっっ!!!!!」 おかーさんは、生きている。 きっと生きてる。 だから、言わなければいけない。 それは嘘だ。 「ああそうだ。嘘だよ。―――そう言えば満足か?」 「いまならていのことを "おかーさん" とよんでもいいうさよ? げらげらげら!!!」 「うっさぁぁぁ!!! ちがううさ! おまえなんておかーさんじゃないうさ!!! うそうさ! ぜんぶうそうさ!!!」 「おいおい、酷いな。仮にもここ数日の "おかーさん" だろう?」 「こんなゲスはおかーさんじゃないうさ!!! ていせいするうさ!! うそうさっ! うそうさぁぁぁ!!!」 ていは一生賢明体を動かした。 ここを抜け出して、あの目の前にいるにんげんとゲスを殺さなければ。 そうしなければ、気が収まりそうになかった。 そのとき、ゲスがじっとこちらを見ていることに気づく。 そう、あれはおうちの中でも見た顔だ。 やさしいような、かなしいような…… ―――何もできないだろうと、思ってる目だ。 「うっざぁぁぁぁぁ!!!」 一生懸命体をひねる。 ふざけるな。何が何もできないだ。 殺してやる。 ゲスであるお前を殺してやる。 「ああ、ちなみにこれ、お前のおかーさんの餡子な? 余ってたからやるよ」 にんげんが黒い何かを出してくるが、そんなのはどうでもいい。 おかーさんは生きてる。 ぜったいに生きてるんだ…… 「うぞうざっ! おがーざんはぜったいにいぎているうざっ!!!」 「そんなに泣いていても説得力ないな。……もう死んでるって、わかってるんだろ?」 「ていならゆっくりいきているうさ! うっさっさ!」 「うっ、うぞうざ……ぜっだいに……」 「もういいぞ、自分に嘘はつかなくていい。――あとはゆっくりしろ」 「フィーバー!」 その時。 バチィッ! という音とともに、ていの視界は真っ暗に包まれた。 ◇ ◇ ◇ 「どうだ? いくさん」 「いくはくうきのよめる、おんなです」 「いや、それじゃ解らないんだが……」 ピクピクと動いているため、まあ生きているのだろう。よしよし。 ゆっくりは感電しても死ににくい。なぜなら餡子を吐く前に意識を失うため、内部の餡子が焦げなければ死なないのだ。 「いやしかし、今回の主演女優賞は間違いなくお前だよ、てい。あの演技は素晴らしかった」 「……そううさか」 ていの声は、子供のていを騙していた時のような元気が全くない。 さっきまでの生き生きとした表情がうそのようだ。 「おいおい、俺は褒めてるんだぞ? ―――本当の子供を、見事に騙せたんだからな」 俺がそう言うと、何かのタガが外れたのか、ていはぽろぽろと泣き出した。 さすがに母であるというべきか、子供と違ってうるさくない。 「うっ、うざっ……うざぁ……」 「さて、約束は守るぞ。約束通りお前とこの子供は生かしておこう。よかったな」 「うっうっうっ……うざっ……」 そう、俺はこいつに協力してもらった。 もしあのていに計画をばらすことがあれば、群れごと殺してやると脅しておいて。 最後に自分の子供を騙せなければ、同じように殺すとも。 これだけ捕食主がいたのが幸いしたらしい。割と素直に聞いてくれた。 この大きなていだって、母親になる前は一人前の嘘つきだったはずだ。 子供を助けるためならば、あのくらいの演技はできるということか。 母親の執念、恐れ入る。 「ああそれと、ここにつけておいた盗聴器は回収させてもらうな。……お前は見えないだろうけれど」 「……おちびぢゃんごめんうざ……おがーざんはおぢびぢゃんのこど、だいずきうざ……」 「まあ、まだ生きてるんだ。チャンスは残ってるって。 ――それじゃあ、いくさん!」 「フィーバー!」 バチィッ! 「うざっ……」 そして母親のていも、苦悶の表情で気絶した。 気絶しても苦しんでいるとは。 身を削って産んだ我が子を否定したのは、それほど辛かったのだろう。 ……いや、逆に我が子に否定されたことの方が辛かったのかもしれない。 「さて、全部終わったし帰るか。……どうしたれみりゃ?」 「なんでおっきいほうをもってるんだどぉー?」 「この母親か? とりあえず適当なところで置いていくつもりだ。 あの子供は気絶したまま置いとくが……まあ、運が良ければ死なないさ」 ◇ ◇ ◇ 家に帰ってから、今回録音した音声を編集している時にふと思った。 あのていの親子が生き延び、再び出会ったらどうなるのだろう。 母親は喜んで子供に声をかけるだろう。それは間違いない。 だが、子供の方はどうなのか…… 相手が "おかーさん" だと認めるのだろうか? 怒りに身を任せて殺そうとするのだろうか? 俺は本当の母親は死んでいると思いこませたかったが、うまくいったのだろうか。 それだけはちょっと気がかりだ。 まあ、何にしても一つだけ解ることがある。 自分がおかーさんと言ったって、一度騙された相手を完全に信用するわけがない。 ……いくら言ったところで、次に出会った時には信じてくれないだろうさ。 あとがき 一日に一作ペースは無理があった。 とりあえず、まずは『B級ホラーとひと夏の恋』以上の作品が作れるように修業します。 SSの基礎から勉強し直すよ…… 前に書いたもの ゆっくりいじめ系2744 B級ホラーとひと夏の恋 ゆっくりいじめ系2754 ゆっくりできないおみずさん ゆっくりいじめ系2756 ゆっくり障害物競走? ゆっくりいじめ系2762 れみりゃはメイド長 ゆっくりいじめ小ネタ517 見えない恐怖 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1318.html
ループ・プレイス 19KB 虐待-普通 制裁 観察 自業自得 差別・格差 飾り 自滅 家族崩壊 同族殺し 駆除 妊娠 ツガイ 野良ゆ 赤子・子供 都会 現代 独自設定 うんしー 八作目 「ループ・プレイス」 ・「ふたば系ゆっくりいじめ 604 ロンリー・ラック」からの続編という形を取っています。 ・人間視点ですが主軸はゆっくりです ・駄文注意 ・いくつかの独自設定を使っています ・うんしー注意 ・自滅モノです 冬のゆっくりと言うのは越冬をする。これは当然の常識だ。 いくつかに分類するなら越冬型、冬眠型等があるが巣ごもりすることには変わらない。 だが街のゆっくりは違う。山野のゆっくりと違い食料なら冬でも何とか手に入るからだ。 なので遠出とはいかなくとも巣の周辺を出歩いたりすることはある。 さて、街のゆっくりがいる所…と言えば路地裏、空地、そして公園の大体三つだ。 特に空地、公園にはゆっくりが集まるいわゆる「コロニー」(饅頭にコロニーという言葉は似つかわしくないかもしれないが)のような状態になっている。 なので時折加工所の職員がやってきて定期的に「掃除」をするのだ。 あの時、私と羽付きが見たのは公園に吸い寄せられうように集まったあるゆっくりの悲劇である。 冬の公園を私と羽付きは歩いていた。冬は相変わらずどんよりとした雲が立ち込め冷たい風が嫌がおいにも荒涼とした雰囲気を演出していた。 大きな公園であるがためにゆっくりが大量にここに居ついている。 近々大規模な加工所による掃除が行われると告知されているので、その前にここのゆっくり達の様子を観察して置きたかったからだ。 早速の如く私と羽付きの周りにはピンポン玉サイズの子ゆっくりからバスケットボールサイズのゆっくりまで大小様々なゆっくりが寄ってきていた。 「きゃわいいれいみゅにあみゃあみゃしゃんをおいちぇいっちぇね!」 「まりしゃはちゅよいんだじぇ!あみゃあみゃをおいちぇいきゃにゃいちょいちゃいめにあうんだじぇ!」 「むきゅ!ここはぱちぇのしきちよ!かってにはいってきたのならあまあまさんをおいていきなさい!」 「ゆゆーん!れいむはしんぐるまざーなんだよ!はやくあまあまさんをおいていってね!」 「はやくするんだぜ!まりささまはぐずがきらいなんだぜ!」 「みすぼらしいじじいはさっさとあまあまをおいていくんだねーわかるよー!」 「いなかものはさっさとあまあまをおいていきなさい!」 耳をふさぎたくなるほどの音だ。口々に勝手な事を言いながら小麦粉の皮をグネグネと押し合い形を変えながら私の足へ寄ってくる。 赤ゆっくりや子ゆっくりは膨れながら威嚇を繰り返し、私の靴やズボンのすそを口で噛んでいた。 私は羽付きを見て「なんとかならないか?」といった。 羽付きは私に帽子をとってくれと言った。秘密兵器があるらしい。 私は羽付きのとんがり帽子をとる。そこに現れたのはれみりゃの帽子であった。 「うー!こんなところにあまあまがいっぱいいるんだどー!」 羽付きがれみりゃのまねをしながら上下にピョンピョンと跳ねた。 次の瞬間、私の鼓膜が破れると思うほどの大音響が響きわたった。 「「「「「「でびりゃだああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」」」」」 蜘蛛の子を散らすように四方八方に飛び跳ねて退散するゆっくり達。10秒ほどたてば辺りには踏まれたのか押しつぶされたのか、それともその両方か分からないが餡子やクリーム、チョコレートを口から吐き出しながら悶絶するいくつかのゆっくりの姿以外無くなっていた。 「むぎゅぅぅ…えれえれ…」 「ゆ”!ゆ”!ゆ”!」 「わがらないよおおおおおおお!!おそらがじだにあるよおおおおおおおおお!?」 「ごんなのどがいばじゃないわあああああああああ!!あでぃずのおがざりざんんんんんんんんんんんんん!!」 体当たりを受けすぎて餡子を大量に吐きだしたのか、手前に帽子を投げだしたまま寒天の白目をむいて痙攣しているまりさ種、ありす種は飾りを途中で落としてスタンピートに巻き込まれたのか、無残にボロボロになった飾りの欠片を舌で拾い集めながら喚き散らし、ちぇん種に至っては跳ね飛ばされ転がったのか逆さに向いて叫んでいた。底部の方がグネグネと不規則に動き、砂糖水の涙を流しながらすごい勢いで喚いている(ゆっくりはその特性上逆さまになると自力で元に戻れない) 私は羽付きの方を向くとこう言った。 「…凄い効果だね」 「こうえんひっすの"あいてむ"だぜ。おにいさんももってるといいんだぜ」 「いや…遠慮しとくよ」 ニヤリと羽付きが笑って答えた。 ひと段落ついた所で羽付きはそのトレードマークの帽子を被り、私も公園の中心部へと進んでいく。 人気のない一角、魚が泳ぐ池の前にある木の麓に、ポツンとダンボール箱が置いてあった。 どうやらゆっくりの「おうち」の様だ。横に倒しておかれて、ボロボロではあるがゴミ袋の様な袋がかぶさっている。 袋が飛ぶのを防いでいるのか、いくつかの小石がダンボールの上に置かれていた。 私が近づくと中からガサガサと2匹のゆっくりが飛び出してきた。 「ここはまりさとありすのおうちなんだぜ!ゆっくりできないじじいとへんなまりさはさっさとかえるんだぜ!」 大きく膨れて威嚇しているその口ぶりの「ゆっくりまりさ」は私と羽付きを睨みつけている。 奥の方には下顎が不自然に膨れているありすとその横で小麦粉の皮をぴったりとくっつけている、2匹のソフトボールほどの子ありすと子まりさがいた。 比較的よくある組み合わせだ。ありすの様子を察するに胎生型にんっしんっ(ゆっくりの場合はこう表記する)をしている様で、これがまた珍しい。 子ありすと子まりさ、そしてありすが巣の奥で私と羽付きに声を投げかける。 「いなかものなにんげんさんとまりさはゆっくりかえりさない!」 「しょうじゃよ!ゆっきゅりかえりなちゃい!」 「まりしゃはちゅよいんだじぇ!しゃっしゃとどっきゃいきゃにゃいちょゆっきゅりできなきゅしてやりゅんだじぇ!」 …あくまで推定だがあまりよいゆっくりではないようだ。れいぱーありすになっていないのが判断の迷う所である。 私は羽付きの方を見る羽付きは私を横目で一瞥するとこう言いだした。 「ゆ!ゆゆうううう!?ま、まさかこんなつよそうでとかいはなありすやまりさがいるとはおもわなかったんだぜ!?ゆっくりまりさのけらいといっしょににげるんだぜ!」 そう言うと羽付きは急いで別の所へ跳ねだす。私もそれについていった。 少し離れたベンチに羽付きは跳ねていった。私も息を切らせながら何とかたどり着く。 「そういえばにんげんさん、げすゆっくりをみるのははじめてかぜ?」 「最初のありす以来だね」 「だったらちょうどいいんだぜ、ああいうゆっくりがどうなるかがわかるんだぜ」 私はメモ帳を取り出しあのまりさ一家の様子を眺めていた。 「ゆゆーん♪だーりんはつよいのね!とってもとかいはよ!」 「ゆ!そうだぜ!まりさはつよいんだぜ!」 「だーりんすーりすーり!」 「ありすすーりすーり!」 そんな事を言いあいながら小麦粉の皮を上下に伸び縮みさせて擦り合わせる二匹のゆっくり。 後ろの方で子ゆっくり二匹ピョンピョンと跳ねまわっている。 「ゲス」であろうか?街ゆっくりはそれが判断の難しい所である。 「でいぶ」や「れいぱーありす」の様に明らかに問題のあるゆっくりではなく、かといって「だぜ」という言葉遣いだったり人間に対して積極的と言わずとも近づいてくれば傲岸不遜な事を言うゆっくりがいる。 それらは中間のゆっくりと位置付けられているので判断が非常に難しいのだ。(羽付きはゲスと断定しているし、私もそうだとは思うがありす種が何ともないのが妙に引っかかる) 改めて様子を見てみよう。 「ゆゆ!おなかすいたんだぜ!」 「ゆ!じゃあごはんさんにしましょう!」 どうやら外で食べるようだ。 ありす種がいるつがいはよくこう言った一見無駄に見える行動をとる。葉っぱの上に何かを乗せたり、役にも立たない石っころを「とかいはなたからもの」なんて言っておいて言ったりと。 「とかいは」の概念からなる行動だと言われているが正直な話、全く無駄な行為だ。 ダンボール箱の奥から食糧が詰まったビニール袋をありすが引っ張り出す。 ガサガサと振ると中からパン切れや魚の骨、野菜くず等が出てきた。 また、ありすが平たい石の上にそれらを並べた。そうしてそれを中心にまりさ一家が円を組むように並ぶ。 そして一斉にむさぼる様に口をつけ始めた。グネグネと押し合いを繰り返しながら食べていくその光景は「とかいは」(少なくとも私の持つイメージとは)とはかけ離れたものだった。 「うめっ!めっちゃうめっ!」 「む~ちゃむ~ちゃ!ちあわちぇえええええ!!」 「む~ちゃむ~ちゃ…ちょっちぇもちょかいはにぇ!」 「がぶがふ!ごふ!がつ!ぐちゃ!ずるずるっ!とってもとかいはなごはんさんね!」 パンきれを砂糖水の涎を垂らしながらむさぼり、魚の骨をバリバリとかみ砕き、野菜くずをグチャグチャと咀嚼し生麺をずるずるとすする。 あまり言いたくないが見ていて気分のいいものではない。少なくとも私が今まで見てきたゆっくりの中では一番食べた量が多いのではないかと思う。 「ゆっくりとしたごはんなんだぜ!」 「おながのおぢびぢゃんもよろごんでるわ!ゆげぇっぷ!」 「ゆゆ~ん・・・おなきゃいっぴゃいだじぇ!」 「のーびのーび!しょくごのうんどうをしゅりゅわ!」 一様に勝手気ままな行動をしている。どうやらゲス寄りのゆっくりの様だ。 その後はダンボール箱の中にぴったりと納まり、ありすに子ゆっくりがすーりすーりを繰り返している。 「ゆゆ~ん!おきゃあしゃんしゅーりしゅーり!」 「まりしゃもしゅーりしゅーり!」 「すーりすーり!とってもとかいはね!」 羽付きがその光景を眺めてただ一言呟いた。「気に入らない」と。 その後言った一言を私は今でもよく覚えている。 「なにが"とかいは"だ。」と 私は何も言う事が出来なかった。何か並々ならぬありす種に対する想いがあるようだ。 羽付きはただ私の方へ視線をやってこう聞いた。 「…そろそろかこうじょがくるんだぜ。おもてへいくと"そうじ"がみられるんだぜ」 私は時計を見た。確かにあと数分ほどで切りのいい時間帯だが何故羽付きがその時間を知っているのか?それが不思議でならない。 私がその事を尋ねるとただ一言「きまったじかんにやるだからそとからみればわかるんだぜ」といった。 急いで羽付きとその場を後にする。 すぐに戻っては来れたが一斉に掃除が始まっている様だ。棒の先に鋭いフックをつけた物を持ってそこら中に人がゆっくりを追い回している。 あれでダンボール箱をひっかけたり、ゆっくりをひっかけて袋に詰めるようだ。 一様に逃げ惑うゆっくりや袋に番いや子ゆっくりを入れられ体当たりや威嚇を繰り返すゆっくりで辺りはあふれかえっていた。 「ゆんやああああああああ!!いだいいいいいいいいいい!!」 「までぃざのおぼうじざんがえずんだぜええええええええええ!?」 「ぢぇええええええええええええええん!?」 「どぐんだぜえええええええ!!までぃざいがいのぐずなゆっぐりはゆっぐりじねえええええええええ!!」 「までぃざあああああああああ!ごのうらぎりぼのおおおおおおおおおお!!」 「いだいいいいいいいいいい!!ばぢぇのがわざんびっばらないでええええええええ!!」 「ごんなのどがいばじゃないわああああああああああああ!?」 どこもかしこも袋詰めにされたゆっくりと辺りを跳ねまわるゆっくりばかり。 あまりにも多くのゆっくり達がつかまり袋に詰められる。そんな中で私はふと先ほどのまりさ一家が気になって。戻ってみることにした。 羽付きも渋々付いていく。私の周りから少しでも離れればそれは捕獲対象になってしまうからだ。 …私と羽付きがついた頃には頃にはすでにまりさ一家はダンボール箱から蹴りだされて木の根元をバックにひと固まりになっていた。 「ゆゆ!ありす!おちびちゃんたち!ゆっくりうしろにいるんだぜ!まりさがいまからこのじじいをせいっさいっしてやるんだぜ!」 「ゆんやあああああああ!!きょわいわああああああ!!」 「おとうしゃんはちゅよいんぢゃよ!ゆっきゅりどっかいっちぇね!ぷきゅー!」 「ゆゆ!だいじょうぶよ!だーりんはつよいからきっとあんないなかものたおしてくれるわ!」 後ろで子ゆっくり二匹が小麦粉の皮をありすにくっ付けて様々な行動を取っていた。ありすの方もキリッとした表情でまりさを見ている。 私も羽付きもあのゆっくり達はもう捕まったと思った。あまりにも不利すぎるからだ。 職員がフック付きの棒をびゅっとふるう。本来なら側面や後部の小麦粉の皮に引っ掛けるのが普通だが、あまりなれていないのか。とんでもない方向に刺さる。 「ゆがあああああああああああ!!までぃざのおべべがあああああああああああああ!!」 棒をふるったのとまりさが体当たりを仕掛けようとしたのが同じタイミングだったからだろうか?まるで導かれるようにまりさの寒天の右目にプッスリと刺さった。 かなり狼狽しているのか。職員がグイグイと引っ張る。当然寒天の右目がブチンと音を立てて離れてしまった。 「いだいいいいいいいいいい!!」 「「おどうじゃあああああああああん!?」」 「だーりんんんんんんんんんんんんんんんん!?」 後ろで余裕をこいていた子ゆっくりとありすが驚く。人間にも勝てる強いゆっくりと思っていたのだろうか?だが現実は無常だ。 目の前で砂糖水の涙と涎を吐き散らしながら帽子を投げだしゴロゴロと転がるそれが私と羽付きと、そしてあのありす達が見た「強いまりさ」の真実だった。 職員が動きまわるまりさを四苦八苦してとらえようと何度も棒をふるった。 だがわざとかと思うほどきれいに刺さらず。小麦粉の皮がまるでふらんに引っ掛かれるかの如くズタズタになるばかりで餡子を飛び散らせながらのたうち回るばかりであった。 「いだい!いだいいいいいいいい!!ゆぎいいいいいいい!!やべでぐださいいいいいいいいい!!あ”あ”あ”あ”!?あでぃずううううううう!だづげでええええええええ!!あでぃずうううううううう!?」 ボロボロの体で必死にありすの名前を呼ぶ。だが… 「こんないなかものなまりさとはゆっくりできないわ!さっさとにげましょう!」 「きょんなぐじゅにゃんきゃほっちょくわ!ゆ!ゆ!」 「じゃこのまりちゃはしゃっしゃちょしにゅんだじぇ!」 そう吐き捨てながらくるっと後ろを向くと一斉に跳ねて逃げ始めていた。ここで私は間違いなくゲスゆっくりであると断定したのである。 「ぞんなああああああああああああ!!ゆがあああああああ!!だずげでえええええええええ!!」 まりさが地面に突っ伏したまま凄まじい声で泣き叫ぶ。先ほどの威勢はどうしたのかという勢いだ。 職員が逃げるありすに棒をふるった。かなり焦っている様だ。慣れない手つきから見て新入りではないかと推測する。 フックはありすの上部前方にスコンと刺さり、グイッとありすの体が持ち上がる。 「ゆっがあああああああああ!?あでぃずのあだばがあああああああ!?」 グネグネと底部を動かしまるでメトロノームの様に勢いをつけて前後に揺れている。そのおかげだろうか。ミチミチと音がして小麦粉の皮と飾りがフックの先についてありすはボトンと地面に落ちた。 「ごんなのどがいばじゃないわあああああああああああああああああああああ!!」 「ゆびぇえええええええええええん!!きょわいんだじぇえええええええええ!!」 「ちょかいはにゃありちゅをたしゅけちぇねええええええええええええ!!」 口々に勝手な事を言いながら寒天の目を血走らせ涎をまき散らし逃げるありす達。 職員は諦めたのか「ゆ”!ゆ”!」と餡子が出すぎて息も絶え絶えのまりさを袋に詰めると、キョロキョロと辺りをうかがってそのまま引き上げていってしまった。 私と羽付きはあのありす達の言った方向へと向かった。 まだそんなに遠くへは言って無いだろう。 人気のない公衆便所の壁面の端にありす達がいた。 だが、私と羽付きはその目を疑った。 先ほどまでともに逃げていた子ゆっくり二匹をなんとあのありすが攻撃していたのである。 子まりさの方はすでに帽子と砂糖細工の髪の毛以外は判断できない程に潰れていた。恐らくありすが踏みつぶしたのだろう。 そして残った子ありすはありすの舌で持ち上げられ、硬い地面に底部をドカドカと打ちつけられている。 「ゆびゅあ!ゆぎゅっ!ゆげぇっ!やべぢぇええええええ!!ありぢゅのぢょがいばなぎゃおぎゃあああああああ!?」 「ありすをおいてにげるようないなかものはゆっくりしになさい!」 …既に子ありすは小麦粉の皮が数倍にも腫れてどこがどうか判別できなくなっていた。中のクリームが不規則に移動しているからだろう。 口からカスタードクリームを吐きだしてもがき苦しんでいる。だが、あと二度ほども叩きつけられて 「ゆ”!…ゆ”!…ゅ”!」とピクピクと震えるだけになってやがて動かなくなってしまった。 ありすはそれを見て満足そうに 「ゆゆーん♪いなかものがきえてすっきりしたわ!」と満足げにニタニタと笑っているのだ。 私は怒りを通り越して呆れ果てた。目の前でニタニタと笑っている泥やゴミを砂糖細工の髪や小麦粉の皮につけているありすを見ていると、そんな事しか浮かばない。 私は振り向いて歩き出す。羽付きもそれに呼応して跳ねて着いてきた。 たった一匹残った胎生型のありす…羽付きの予想を聞かなくともどうなるかは大体想像がつくからだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー あれから一週間後。私は再び公園の様子を羽付きとともに見に来ていた。 まだ数は少ないなれども、再び全く別の所からやってきたゆっくり達が住み着いている様だ。 羽付きが言うにはあの掃除から零れ出たとしてもここから出ていくゆっくりが殆どで、後は全部新しいゆっくりがやってくるから「掃除」に永遠に気づかないらしい。 その話を聞きながらあのありすの事を思い出していた。あのありすは今何をしているのだろうか? 羽付きにその事を尋ねると「もういないかもしれない、いるとすれば他のゆっくりの"家来"になっているだろう」と答えた 家来?それは一体どういう意味なのか? 歩いていくと池の周り、まりさ一家がいたダンボール箱がそのまま残っていた。 「ほらほら!はやくまりささまとれいむのうんうんをたべないとそこのちびがつぶれちゃうんだぜ?」 「ゆゆ!すっきりー!」 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”おぢびぢゃんんんんんんんんんんん!?」 そこにはふた回りも大きいれいむとまりさがいた。一様にあにゃるを突き出してうんうんを一か所にかましている。 うんうんがよく見ると動いている。いや…中に何かがいるようだ。 良く見てみるとそこには三匹のミカン程の小ささの子ありすが三匹、苦しそうにウネウネとうんうんの中で動いていた。 「ゆ”・・・ゆ”…!」 「ぐざいわあああああああ!!」 「ぢょがいばじゃないいいいいいいい!!」 だが、それより目についたのはあのありすの風貌だった。 頭の飾りが無くなったのは当然だが、何より砂糖細工の髪の毛が全て無くなっていた。 毟られたのだろうか?後部の上方に木の枝が三本刺さっているのを見るとどうやらあのれいむとありすにやられたのではないかと思えてくる。 ボロボロになったありすは必死にれいむとまりさの餡子…うんうんをグチャグチャとかき分けるように顔を突っ込んで食べながら必死に寒天の両目から涙を流していた。 「おぢびぢゃんまっででね!いばだずげるがらね!がふ!ぐふっ!ゆおげぇぇぇえええ!!ゆげぇぇえええっ!」 何度もえずきながらうんうんをぐちゃぐちゃと食べながら時にクリームと餡子が混じった物を吐き出して必死に子ありすを探す。 全て片付けるまで約二分近くかかっただろうか。ボロボロのありすの横に怯えるように小麦粉の皮をくっつけて震える子ありすの姿。 「あでぃずのおぢびぢゃんがああああああ!?ゆっぐりよぐなるのよ!?ぺーろぺーろ!」 だがもう一匹の子ありすの方はかなり致命的の様だ。口からカスタードクリームをぼとぼとと吐き出し、しわしわになって地面に潰れかけている。 ありすが必死にぺーろぺーろしようにも全く意味はない。やがて「ゅ”!」と小さく跳ねると完全に動かなくなってしまっていた。 「あ”あ”あ”あ”あ”!?あでぃずのおぢびぢゃゆがあああ!?」 「うるさいよ!ぎゃーぎゃーさわがないでね!」 悲しむ間もなくれいむに弾き飛ばされるありす。まりさが帽子から木の枝を取り出してありすの右側面に突き立てる。 「ゆぎゃあああああ!!いだいいいいいいい!?」 「これでよんかいめなんだぜ!つぎごはんさんをさがしにいってもごはんさんをとれないのならおなじことをもういっかするんだぜ!」 「れいむあまあまさんがたべたいよ!さっさととってきてね!」 「そうだぜ!さっさとごはんさんをとってくるんだぜ!あとばつとしてきょうのごはんさんはそこのまんじゅうなんだぜ!」 まりさとれいむがことごとく注文をつけるとよろよろと立ち上がり、子ありす二匹を口に入れ力なくズリズリと這いだした。 それを見たまりさが一匹の子ありすの髪の毛を口でくわえて乱暴に引っ張る。 「おまえはこっちにくるんだぜ!かってににげだされたらこまるんだぜ!」 「ゆんやあああああ!!いぢゃいわいいいいい!!ありぢゅのぢょがいばなぎゃみをひっびゃらにゃいぢぇえええええ!!」 「おぢびぢゃんんんんんんん!?」 「なにかもんくあるの!?かざりのないゆっくりはだまっててね!」 どうやら子ありす一匹を盾に取っている様だ。容赦なく自分の子ゆっくりを潰したありすならそのまま逃げだしそうだがそうはいかないらしい。その辺の事は私や羽付きでもその心情を察する事は出来なかった。 「ゆうう…ゆっくりまってるのよ…!ありすがいっぱいごはんさんをとってくるから…!」 「ゆええええええええん!おねえしゃんだけぢゅるいわあああああ!!ゆんやああああああああ!!」 子ありすの悲鳴に振り返りもせずとぼとぼと跳ねていくありすと子ありす。 それを見ながられいむとまりさは小麦粉の皮を合わせてすーりすーりを繰り返している。 「ゆゆ!れいむすーりすーり!」 「ゆゆ~ん♪まりさすーりすーり!」 そのすぐ横には残ったうんうんをしかめながらちょぼちょぼと口に運ぶ子ありすの姿があった。 「ゆうう…くぢゃいわぁぁ…でもゆっきゅりちゃべりゅわ…む~ちゃむ~ちゃ…」 …その対照的な姿を見ても何の感情すらも思い浮かばない。なんとなくこうなるだろうと言う事はあのありす達の達振る舞いを見ていたら予想がつくからだ。 羽付きはそれを見ると「もう帰ろう」と言うとそのまま振り返りもせずに飛び跳ねだした。 私も踵を返して池の周りを後にする。 羽付きと別れた帰り道の途中、あのありすを見た。 ありすはただひたすらに寒天の両目から涙を流して道路の端に生えた雑草をブチブチと引き抜いていた。 子ありすの方も同様だ。一様に心配そうな表情を浮かべてありすの後部を見ていると言うこと以外は。 「ゆ”!ゆ”!もういやだわぁぁ…!ゆっぐりじだいよぉぉ…!どぼじであでぃずがごんなめにあわないどいげないのぉぉ…」 そう言いながらブチブチとただひたすらに雑草を引き抜きありすを尻目に私はそこを後にした。 羽付きが言うにはあの公園に居ついたゆっくりは大体ああいった末路をたどるという。あのありす達が特別なのではなく。少し足を延ばせばどこでも見られる光景だそうだ。 家路につく途中にあのありす達の事を思い返していた。シビアな冬の街をあんな気楽な心持ちで生きていたのだ。もしかすればまりさ種の方がとてつもなく優秀だったのかもしれない。 だが、整理して考えてみるとあのまりさ一家も同じように「掃除」によってあぶれたゆっくりを「家来」にして越冬用の食料を集めたと思うのが妥当だろう。 ――――あの公園には今日も外から吸い寄せられるようにゆっくりが集まっていく。まるで「ドスまりさの群れ」がいると聞きつけたかのように… 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 504 かりすま☆ふぁいたー ふたば系ゆっくりいじめ 516 サバイバル・ウィンター ふたば系ゆっくりいじめ 527 シティ・リベンジャーズ ふたば系ゆっくりいじめ 582 ビルディング・フォレスト ふたば系ゆっくりいじめ 587 バトル・プレイス ふたば系ゆっくりいじめ 592 コールド・ソング ふたば系ゆっくりいじめ 604 ロンリー・ラック トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る いつもコメ欄に涌くキモ厨二あきさん乙ですwwwwww批判する前に自分で書いたらどうすかwwwwwwwww -- 2013-03-22 14 54 12 毎度ながらハゲェェェが笑えて仕方ないな -- 2011-09-02 21 57 45 ひはんちゅうはまりさがせいっさい!するんだぜ! -- 2011-08-11 21 34 05 ゆっくり達は直接虐待しなくても観察するだけでホッコリするねぇ -- 2011-06-06 17 25 29 こいつがトップで噂のキモいしか語彙が無いゆとりDQNの荒らしか…噂通りだなwきめえ -- 2011-03-09 08 03 16 うわっww本当にいたよキモ荒らしwキモッww -- 2011-03-09 00 00 47 俺赤ゆありす虐待大好きだからゆっくりできたわ。 -- 2011-03-08 23 42 04 ふむふむ、羽付きがとんがり帽子を取るとそこに現れたのはれみりゃの帽子であったと・・・ 更にれみりゃの帽子を取ると邪気眼が現れるというわけだ キモいんだよハゲェェ!! なんかどんどんキモい方へキモい方へと突き進んでいるな 次はいったいどんなキモい厨二設定が出てくるのかと思うと 吐き気を押さえらんねえぜ -- 2011-03-08 08 48 01 羽付きの秘密兵器に吹いたw このゆっくりは好きだわー 胎生出産した子ゆっくりは特別なのかねぇ。 お腹痛めて生まない赤ゆっくりって簡単に見捨てられるのかなぁ -- 2010-10-21 15 33 41 ゆっくりがみんなゲスだったらいいのに・・・ -- 2010-08-25 21 28 29
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/714.html
とあるクリニックにて 6KB 1.俺設定があります 2.前作『ふたば系ゆっくりいじめ 318 とあるペットショップにて』と関係があります 3.設定を拝借させてもらっています(感謝) 4.ではご覧下さい 【とあるクリニックにて】 私は男である、名前はまだ無い。 私はとあるペットショップに併設されているクリニック【ゆっキュア】に勤める男だ。 人から見れば私は獣医か何かなのだろう、だが私が扱うのはあの「ゆっくり」だ。 と、私以外誰もいない診察室で一人呟いていてもしょうがない。 ゆっくりなんて生物を「治療」出来る場所なんて、日本全国数えても両手で足りるだろう。 そして対処できる場所が少ない分、こちらにツケがわんさか回ってくるのだ。 「お待ちの目出さーん、診察室へどうぞー!」 受付のねーちゃんの声が聞こえる。 今日も1日が始まった。 患者:ゆっくりれいむ- 「ゆぴいいいいいい!!! あんよがいじゃいぃぃぃぃ!!!!!」 あんよを真っ赤に腫れさせたれいむを抱えて飼い主が入ってきた。 ゆっくりを診療する際は「何があったのか?」等は殆ど飼い主に聞く事が多い。 患者(この場合患餡だろうか?)が話にならない場合が多いからだ。 「目出さん、本日はいかがいたしましたか?」 『ゆぴいいいいいいいいいいいい!!!!いだああああああああああい!!!!!』 『はい・・・れいむが足ツボマットを踏んでしまいまして・・・。』 ほほう、要は感覚が鋭敏なあんよに突起物を刺してしまい、れいむが苦しんでいると。 ゆっくりの足・・・「あんよ」と呼ばれる地面に接する場所は頭だけ生物であるゆっくりの全てである。 うっかりザックリ!とやってしまえば野性のゆっくりでは死を意味し、飼いゆっくりでも最悪歩行不能になってしまう。 それだけ大切は器官だからこそ、ちょっとやそっとの痛みが大幅に増幅されてしまうと言うわけだ。 『ゆひぃー!ゆひぃー!ゆひぃー!ゆひぃー!』 『だ、大丈夫か!れいむ!お、お医者さん!? 早く!早く!』 「大丈夫ですよ、目出さん、れいむちゃんはどちらかと言えば軽症ですから。」 このれいむのあんよも赤くはなっているものの致命傷に至る傷も無いため、診察としては簡単な方だ。 腫れ上がっているあんよにたっぷりとオレンジ軟膏を塗って、底部を包帯でぐるぐる巻きにする。 ぬりぬり・・・ 『ゆゆ~ん・・・ ゆふふふふふふ・・・』 『おぉ!れいむ!きもちいいのか!楽になったのか!』 うわきめぇ・・・。 しかしアレやコレを危険な事だと言って、「ゆっくりわかったよ!」だけで覚えていられるのはかなり優秀な個体だろう。 実際は「痛い目」とやらを何度も経験しない限りはゆっくりと言う生物は学習をしてくれないのだ。 それだけゆっくりは手に入りやすい代わりに扱いが手難しい生き物だと言われている。 変えの軟膏と包帯の処方箋を書きつつ、ペットショップでHow to本中級ver(鬼意社 2300円)の購入を勧めておいた。 こういう地味な連携が収益につながるのだ、許せ飼い主。 『ゆっふん!れいむなかなかったよ!えらいでしょ!』 『さぁれいむおうちにかえろうねぇ~。』 「おだいじにどーぞー。」 「お待ちの尾根さーん、診察室へどうぞー!」 ねーちゃんの声が響く、次はどんな患者だろうかな? 患者2号:ゆっくりまりさ- 『ゆがががががががが!!!!ががが!!!!ぎぎぎぎぎ!!!!!!!』 『まりさ!静かにしなさい!』 口をガタガタ揺らしたまりさと年頃の綺麗なお姉さんが入ってきた。 お姉さんはともかく、まりさはケツに手でも突っ込まれてガタガタ言わされてるのだろうか? 「まりさちゃんはどうされましたか?」とあらん限りで心からのスマイルで聞く。 前にも言ったが、とにかく飼い主から事情を聞かない限りは医者はどうしようもない。 『その・・・まりさが虫歯みたいなんです・・・。』 「虫歯・・・ですか、まりさちゃんに甘いものばかりを食べさせすぎでしょうねぇ。」 診断結果は「虫歯」 歯も磨かず甘いものを食べ過ぎたと言う簡単な結果だ。 犬や猫だってかかる病気だ、と言っても犬猫は虫歯と言うより歯周病の方が割合が多い。 関係のないことは置いて、今はこのまりさを黙らせなくては。 『あがっががががっ!!!ががが!!ゆっぐぐぐうぐぐ! べべべべべ!!!いだあああああああいだだいだい!!!!!!!』 ゆっくり専用の麻酔注射で黙らせてあげよう、ほーれプスっとな。 『ゆっ!? いたいのなおったよ おねーさん こここわいよ はやくかえろうね!!』 『あれっ?治療はこれで終わりなんですか?』 「あっ、いえいえ、まだ治療の最中ですので。」と言いつつまりさを診療台にくくりつける。 『ゆっ!まりさもういたーいいたーいないよ!とっととはなしてね!ぷくぅ~!!』 「(ビキィ)ほ~ら、まりさちゃん、上を見てごらん?」 「あ、あまあま!ゆっくりおりてきてね!』 と、間抜け面100%で天井に釣り下がっているケーキの蝋細工相手に大口を開けているまりさ。 もうおわかりだろうが、ゆっくりの歯の治療用に口をあけさせるための罠だ。 その間抜けな口を覗き込むと、人間で言う奥歯、右側の1個が真っ黒になっていた。 これは人間でも相当痛いだろう、と言うかむしろ手遅れだともいえる。 これは・・・抜くしかないな・・・と言うか抜くしかない、ゆっくりは総永久歯だからだ。 しかし、甘いものを食いすぎれば虫歯になるし、硬いものを齧ってしまえば容易に砕け散る。 野良だったらあんよと同じく壊れれば死を意味するが、飼いでは入れ歯等がやっと開発された。 あまあま~と言って、未だに大口をあけるまりさの口にやっとこを差し入れて。 フン!メキッ!ミチィ・・・。 カラン・・・。 『ゆ゙っ?! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』 どこか精神がいってしまったまりさを尻目に綺麗なお姉さんに解説をする。 「これがまりさちゃんの虫歯ですね、」 『あぁ・・・、ずいぶん真っ黒ですねぇ・・・。』 「えぇ、こうなってしまうと抜くしかないので、歯磨きをきちんとして甘い物は控えてあげて下さい。」 『はい、わかりました。』 「次回にまりさちゃんの義歯を用意しますのでまた来てください。」 頓服の痛み止めとガーゼの処方箋を書きつつ、ゆっくり歯磨きセット(エイト社 1980円)の購入を勧めておいた。 ゆっくりの歯の取り寄せもしておかないといけない、販促も忘れないようにしなければ。 『まりさー?虫歯治ったわよ~?もう起きなさ~い。』 『・・・・・・・・・・・・ゆえぇええええええええええん!!!!!!!!おねえさ~~~~~~~ん!!!!!』 まりさ、泣きながら退室。 もう2度と虫歯になるんじゃないぞ、と思いつつ軽く手を振る。 ねーちゃんの声を待つが何も聞こえない、様子見がてら覗いてみると久々に空いている。 聞きなれたゆっくりの騒がしい声も聞こえない、ねーちゃんは相変わらず受付に座っていた。 ・・・・・・・・・ 暇だったからちょっと考えていた、日々ゆっくりを虐待する事しか考えていなかった時を。 たまたま目に付いたのがペットショップのチラシ、「ゆっくりの体に詳しい方募集!」と来た物だ。 「元とは言え虐待お兄さんってだけでこんな職に就けただけでもありがたいと思わなくちゃ・・・ねぇ?」 私はまた誰もいない診療室で一人伸びをしながら呟いた、1日はまだ長い。 「お待ちの稗田さーん、診察室へどうぞー!」 おわり- あとがき- ゆっくりハウスに併設されていたクリニックです。 中身の設定としては医者のお兄さん1人・受付1人・裏方2人で回している小さな医院です。 ショップ購入の金バッジで診察料割引サービスが受けられます、大体5%引きです。 言ってしまえば、ゆっくりの治療は家庭でもできるレベルです、でも気味が悪いのでやらない人が多いだけなんです。 多分。 アィディアを思いついた時は書けると思いましたが、際限が無くなってしまい何回か書き直しました。 オチを考えるのが結構難しかったりします。 描写がおかしいと思うのは許して下さい。 過去作品 『ふたば系ゆっくりいじめ 279 愛されゆっくり』 『ふたば系ゆっくりいじめ 318 とあるペットショップにて』 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る AQNwww ここで働かせてください!! 完璧に修ri···治療してみせます!(トラウマが残るかも知れませんがww) -- 2018-01-14 17 29 19 あっ↑きゅう↓ -- 2011-08-02 16 50 16 おい最後の奴… -- 2011-05-09 22 28 07 ゆっくりあんとくさま、とか飼ってそうな御方が・・・ -- 2011-03-06 13 16 03 稗田さんって・・・え?まさか!? -- 2011-02-19 22 53 39
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2306.html
あるちるのの一生 ずっと続いていく物語 16KB 愛で 捕食種 自然界 人間なし シリアスな愛で作品に挑戦してみました 作、長月です ※駄文、稚拙な表現注意 ※俺設定注意 ※本作のみのゆっくりちるのとれてぃに関する設定があります。 ※愛で注意 それは昔々の話。 あるところにゆっくりちるのとゆっくりれてぃがいました。 れてぃは巨大な捕食種なので友達がいません。話しかけようとしても向こうのほうが逃げてしまいます。 寂しがりやのれてぃはいつも寂しい寂しいと泣いてばかり。 それを見かねたちるのはれてぃの友達になってあげようとします。 しかしひとつ大きな問題がありました・・・・ これはあるちるのとれてぃの物語。十年前から続く2匹のゆっくりの物語。 あるちるのの一生 ずっと続いていく物語 作、長月 はっと目を覚ますちるの。見えるのは自分の巣の天井だ。 「ゆめか・・・・」 そう言いながらむくりと起き上がる。ひんやりとした朝の空気が気持ちいい。 久しぶりに母の夢を見た。母が永遠にゆっくりした時の夢を。 もう長い間、思い出していなかったのに。 「ん・・・・?」 まだ夢の中にいるかのようなちるのだったが巣の中から見える銀白の世界に一気に覚醒した。 「ゆきだ!!!」 入り口のけっかいを押しのけて外に出るちるの。一面、純白の世界に歓喜する。 今年初めての雪。昨日の夜に降った雪がこの山を白く覆ったのだ。 カレンダーなど持たないちるのにとって初めて雪が降った日が冬ということになっている。 自分の・・いや自分達の季節である冬だ。 「わーい。ゆきだ、ゆきだ!!」 雪の上でごろごろと転げまわるちるの。その様は雪遊びに興じる子供そのものだ。 しばらく雪と戯れていたちるのだがはっと思い出す。 「そうだ!!れてぃをおこさなくちゃ!!」 ふわりと飛び立つちるの。 「れてぃ・・・いまいくよ!!!」 そのまま森の岩山のほうへ飛んでいく。 自分の親友であるゆっくりれてぃに会う為に。 数時間後 「遅いわね・・・あのこ・・・」 草原のほうを見続けるドスサイズのゆっくりが一匹。 ちるのの親友ゆっくりれてぃだ。 「まったくあのこったら・・・毎年毎年ひとをまたせて・・・・」 そう言いながられてぃはため息をつく。 冬になったらちるのがれてぃを迎えに来る。これがちるのとれてぃのルールだ。 十年前友達になって以来続く変わらないルール。 とはいえおバカなちるのは毎年れてぃの巣への道順を忘れ、れてぃは長い間外で待たされることになるのだが。 「まぁ・・待つのは嫌いじゃないけどね・・」 ちるのと何してゆっくりしようか考えながら待つのも乙なもの。 どうせ春夏秋と数ヶ月の間待ち続けてきたのだ。今更数時間待つくらいなんてことはない。 「あっ、いた!!おーいれてぃー!!」 ちるのがやってきた。自分の姿を認めると全速力でこちらへ飛んでくる。 「ひさしぶりっ、れてぃ!!ゆっくりしてってね!!」 「久しぶりじゃないわよ。どれだけまったと思ってるの・・・」 苦笑しながらもうれしそうなれてぃ。 「さぁごはんさんをさがすわよ。ずっと巣にこもってたからおなかがすいたわ。」 「わーい。ごはんごはん!!」 森の中へ跳ねていくれてぃ。それにちるのも後に続く。 こうしてちるのとれてぃの冬が始まった。 森の中に入っていった2匹はまず腹ごしらえをすることにした。 ちるのは朝から何も食べてないし、れてぃに至っては長い間、巣の保存食しか食べていなかったのだから当然の選択といえよう。 「むーしゃむーしゃ、しあわせー!!」 「むーしゃむーしゃ、あたいったらしあわせね!!」 2匹で冬でも採れる木の実や花をとり食欲を満たしていく。他のゆっくりには取れない高い場所にある果実も飛べるちるのや巨体のれてぃには楽々とれることができる。 このあたりはゆっくり保護用の自然公園で危険な獣もいない。餌場が冬でも豊富にある。 ここは2匹にとって理想的なゆっくりプレイスだった。 しかし楽しい時間も長くは続かなかった。 「ここにいたんだね。れてぃ・・・」 そこにいたのはドスまりさだった。なぜか神妙な顔をしている。 「おしごと・・・たのみたいんだぜ・・・」 「そう・・・」 沈痛な表情のれてぃ。ドスがこんな寒い中自分に会いにくる用事なんて一つしかない。 このドスまりさこの辺り一帯を取り仕切るドスだ。本来ならドスの縄張りであるこの森にれてぃのような捕食種が巣を作ることは許されない。 もし無理やり居つこうものなら、ドススパークを含めた実力行使で追い出されることになる。 だがこのドスは平和主義者で捕食種にも理解があった。 けして群れのゆっくりに手を出さないこと、そしてある「おしごと」を引き受けることを条件にれてぃの永住を許したのだ。 「ちるの・・・わるいけど一人で遊んでてくれるかしら・・・れてぃはドスにおしごと頼まれたから・・・」 「そう・・・ゆっくりがんばってね、れてぃ・・・」 「だいじょうぶ・・・すぐにもどるから・・・」 そう言ってドスとともにれてぃは去っていく。 後にはやりきれない顔をしたちるのが残された。 「ここなんだぜ・・・」 れてぃが連れてこられたのはある洞窟の前だった。 「じゃあドスはかえるんだぜ・・・あとはいつもどおりに・・・」 そう言ってドスはそのまま帰ってしまった。これから始まる惨劇を見たくはないのだろう。 れてぃの仕事。それは群れの掟を破ったゆっくりに対する制裁である。 聞くところによるとここは元々ここはぱちゅりーとありすのつがいの巣だったのだが、ある日ゲスまりさとでいぶが侵入してきて巣ごと冬ごもり用の食料を強奪してしまったのだ。 ぱちゅりーとありすは家を失い、その時受けた傷が原因でどちらも死んでしまった。 群れのゆっくりはこのゲス達を制裁しようとしたが、誰が制裁を実行するかとなると全員尻込みし始める。 ゲスとはいえ同じ群れのゆっくりを殺すようなまねは誰もしたくないのだ。 そこでれてぃに「おしごと」が回ってきたのである。捕食種のれてぃなら良心も痛まないだろうということだ。 「おじゃまするわよ・・・」 そう言ってれてぃは巣の中を覗き込む。 「むーちゃむちゃちあわせー!!」 「ゆふふ。あのありすたち、たっぷりためこんでたね!!」 「これでゆっくりふゆがこせるんだぜ!!」 そこにはありす達がコツコツ集めていただろう保存食を食い散らかすゲス親子の姿があった。 ドスまりさの言うことは本当だったのだ。できれば嘘であって欲しかったが。 「ゆ!!ぎゃぁああああ!!!れてぃだぁああああ!!!」 「ゆわぁああああ!!きょわいよぉおおおお!!」 「たじけでぇえええええ!!!」 ゲス親子達がれてぃの姿に気づいた。捕食種の姿にパニック状態になる子ゆっくり達。 ゲスまりさがなんとか落ち着かせようとする。 「お・・・おちつくんだぜ!!れてぃはおでぶだからここへははいってこれないんだぜ!!」 そうこの洞窟の大きさは高さ1メートル、奥行き2メートル程度。ドス並に大きいれてぃが入れるはずもない。 このままれてぃが諦めるまでこの巣で篭城しよう。幸い食料はたくさんある。 そう安堵するゲス親子。 しかし。 「ゆ?おしょらをとんでいりゅみたい・・」 不意に宙に浮く子れいむ。れてぃの伸ばした長い舌に捕まったのだ。 そのままれてぃの口の中へと吸い込まれる。 まりさ達は知らなかったがれてぃ種の舌は最大で自分の身長程度の長さまで伸ばすことができる上、人間の手のようになんでも掴むことができる。 つまりこの洞窟内は全てれてぃのテリトリー。むしろ逃げ道がない分、まりさ達は袋のネズミだ。 「うがぁああああ!!!よぐもおちびちゃんをぉおおおお!!!」 怒りにかられ、れてぃに特攻するれいむ。ゲスながらも子ゆっくりに対する母性はあったようである。 「しねぇええ!!!・・っゆべ!!」 しかしそんなもの自殺行為でしかない。そのまま舌につかまれ食べられる。 「しにたくにゃい!!!しにたくにゃいよぉおおお!!!」 「ゆんやぁあああ!!!たじげでぇえええ!!!」 「うがぁああああ!!!どけぇえええ、くぞれでぃいいいい!!!」 死にたくないと狂ったように喚き散らす子まりさ。 誰かに助けを求める赤れいむ。 なんとか外へ逃げ出そうとする親まりさ。 行動は三者三様だが結果は同じ。変幻自在の舌に捕まり、親子仲良くれてぃの腹の中だ。 こうして巣の中には誰もいなくなった。 「・・・ん。」 いや、まだ一匹残っていた。 物陰に隠れていた赤まりさが一匹。震えているのは寒さのせいではないだろう。 れてぃと目が合い逃げようとするがここは洞窟。れてぃのいる入り口以外は行き止まりだ。 カリカリカリ・・・・ なんとか歯で穴を掘り、向こう側に逃げようとする赤まりさ。 カリカリカリカリ・・・ポキィ「ゆびぃ!!」 しかし赤ゆっくりの歯で堅い岩盤が掘れる訳もなく歯が欠けただけだった。 赤まりさに逃げ場などない。 「やめちぇ・・・ゆるしちぇ・・・」 舌足らずな言葉で必死に命乞いをする赤まりさ。泣きながらしーしーを漏らしている。 それを見るれてぃの顔も険しくなる。 できれば見逃してあげたい・・・ それがれてぃの偽らざる本音だ。 しかし通常種の赤ゆっくりが一人で生きていけるほど野性の世界は甘いものではない。 どの道、今以上に苦しんで野垂れ死にするのが関の山だろう。 そしてゲスの子はゲスになりやすく、仮に成体になれても群れに害をなす可能性が高い。 「ごめんね・・・・」 れてぃはガタガタと震える赤まりさにそっと舌を伸ばした。 「ただいま・・・ちるの。」 「おかえり・・・れてぃ。」 「おしごと」から帰ってきたれてぃをちるのは迎える。しかしれてぃの表情はさえない。 ちるのはれてぃの「おしごと」が何をしてるか知っている。その上でれてぃの親友なのだ。 本来、捕食種が通常種を食べることはなんら罪悪感を感じることではない。 人間が牛や豚を食べるのと同じ、ごく当たり前の行為だ。 しかしれてぃは罪の意識を感じてしまう。その優しすぎる性格ゆえに。 それなのに他のゆっくり達はれてぃを「冷酷非道なゆっくり殺しの捕食種」「おちびちゃんも殺すゆっくりでなし」と陰口をたたいているらしい。 本当はれてぃだってあんなことはしたくないはずだ。 実際れてぃが自分から通常種を襲ったことは一度もないと聞いている。 だけどゲスを野放しにすれば更にゆっくりできなくなる者がでる。だからこの誰もやりたがらないこの汚れ仕事を引き受けたのだ。 「れてぃ・・・」 そっとその大きな体にすーりすりするちるの。 悪いゆっくりを制裁するのがれてぃの仕事なら、傷ついたれてぃを慰めてあげるのがちるのの仕事だ。 なぜなられてぃは友達なのだから。 れてぃ種の生涯は孤独だ。 れてぃは冬の始まりに子供を作る。 基本的に胎生にんっしんっで1匹しか子供を産まないれてぃに姉妹はいない。またれてぃはれてぃ種同士でしかすっきりーをせず、父親役をしたれてぃはすっきりー後は他の場所へいってしまう。 唯一の肉親である母れてぃも、子供に一通り狩りや春夏秋ごもりの方法を教えられると、そのまま半ば追い出すように一人立ちさせられる。 れてぃは赤ゆっくりでも通常種の成体より大きく、冬の間は危険な獣もあまり出歩かないので赤ゆっくりでも十分生きていくことができるからだ。 「おちびちゃん・・・かなしいけどこれでおわかれだよ。ゆっくりしたくろまくになってね。」 「みゃみゃ・・・・」 そう言うと母れてぃは目に涙を浮かべてれてぃの前から去っていった。それ以来、母れてぃとは一度も会っていない。 こうしてまだ赤ゆっくり言葉が完全に抜けないうちに一人で生きていくことになったれてぃ。 幸いにもれてぃはこの自然公園を見つけ、餌や巣には困ることはなかった。 豊富な餌場に虐待お兄さんや猛獣もいない。野生としてはこれ以上ないようななゆっくりプレイス。 しかし孤独であることに変わりはない。 捕食種であるれてぃには通常種の仲間はできない。 どんなに友達になろうとしても向こうは話も聞かない。 通常種はもちろん同じ捕食種のれみりゃやふらんですら、れてぃを見ただけで逃げてしまう。 れてぃはいつも寂しい思いをしており、巣の中で泣いてばかりいた。 そんなある日、ちるのがれてぃの前に現れたのだ。 「あんた、れてぃっていうんだろ。あたいがともだちになってやるよ。」 巣の中で泣いていたれてぃにいたずら小僧のようにニカッと笑かけるちるの。 この日以来ちるのとれてぃは友達になった。 何か教えても次の年には忘れてしまうおバカなちるの。だがそのちるのにれてぃはどれだけ救われているだろう。 以前は捕食種であるゆっくりれてぃに生まれた己の運命を呪ったこともあるが今は違う。れてぃとして生まれたからこそちるのと会うことができたのだと前向きに考えることができる。 ちるのは友達。れてぃのたった一人の大切な友達なのだ。 そして季節は巡る。 れてぃ達の住んでる山にも雪がとけ春の陽気が漂い始めた。 春はたくさんの生命を産みだし、冬ごもりを終えたゆっくり達はつかの間のゆっくりを謳歌している。 だが、それはちるのとれてぃの別れを意味していた。 暑さや陽気に弱いれてぃ種はもう巣に戻り夏ごもりをしなければならないからだ。 「じゃあちるの・・・ゆっくりしてってね!!」 「ゆっくりしてってね!!」 別れを終えるとれてぃは自分の巣穴に戻り、厳重に入り口を封鎖する。 他のゆっくりや動物の侵入を防ぐとともに暑さ対策の為である。 巣の中には冬の間に用意した干草などが山のように積んである。冬まで腐らないよう加工したれてぃご自慢の保存食だ。 そのまま次の冬まで眠り続けるのだ。時折起きて巣の保存食を食べてまた眠る。その繰り返しである。 またちるのと会えるその日を夢見ながら。 しかし、れてぃは知らなかった。 この別れがちるのとの今生の別れになることを・・・ そして1ヶ月がたった。 今日も元気に巣から飛び立つちるの。そして・・・ 「あちゃい!!」 「さいきょー!!」 ちるのの後に付いて回る数匹の赤ちるの達。数日前にちるのが産んだ赤ゆっくりだ。 あまり知られていないことだがちるのは通常のすっきりーの他に単為生殖、つまりつがいがいなくても子供を作ることができる。 「さあ、おちびちゃんおかあさんのおはなしをきいてね!!」 「「「ゆっくちりきゃいしたよ!!」」」 ちるのは自分の知識を余すことなく赤ゆっくり達に教えていく。 餌のとり方、保存の仕方。 巣の見つけ方、作り方。 危険な場所に危険な獣のこと。 そして自分の、いや自分達の親友れてぃのことを。 「みゃみゃー。れちぃのおはなしもっときかしぇてー」 れてぃの話をせがむ子供たちにちるのはゆっくりと話ていく。 れてぃがどんなゆっくりか。 れてぃはどんな「おしごと」をしているか。 そして自分達ちるのの「おしごと」について・・・ 季節は巡り秋。 巣の中にはちるのともう成体間近まで成長した子ちるのが1匹。 残りの子供たちは皆ここから巣立っていったが、この子ちるのだけはある理由でここに残ったのだ。 「・・・おちびちゃんよくきいて・・・おかあさんのたったひとつだけのおねがいを・・・」 ちるのは息も絶え絶えの声で話しかける。 ちるの種の生涯は短い。春に生まれたちるのは半年ほどで成体になり、次の年の秋には死んでしまう。 2度目の冬を迎えることはけっしてないのだ。 「あのこの・・・れてぃのともだちになってあげて・・・」 子ちるのは解っていた。もう母が長くないことを。もうすぐ永遠にゆっくりしてしまうだろうことを。 そして知っていた。れてぃと友達になるということがどういうことか。 「わかったよ、おかあさん・・・あたいなるよ・・・れてぃのともだちに・・・」 泣きたいのを必死で我慢して笑顔を作る子ちるの。 もはや母は助からない。ならばせめて死にゆく母を安心させて逝かせてあげたい。 そう思い無理に笑おうとする子ちるの。 今まで泣いていたので涙で顔もグチャグチャ。最低の、しかし精一杯の笑顔を母に見せる。 そんな子ちるのにちるのもにっこりと微笑み返す。 思えば自分もそうだった。死にゆく母にせめて安心させようと無理に笑ったっけ。そう思いながら。 「そう・・・ありがとう・・おちびちゃん・・・ゆっくり・・・してってね・・・」 そう言い残し、ちるのは息を引き取った。 それは昔々の話。 あるところにゆっくりちるのとゆっくりれてぃがいました。 れてぃは巨大な捕食種なので友達がいません。話しかけようとしても向こうのほうが逃げてしまいます。 寂しがりやのれてぃはいつも寂しい寂しいと泣いてばかり。 それを見かねたちるのはれてぃの友達になってあげようと思いました。 しかしひとつ大きな問題があります。 それはれてぃがちるのの何十倍も長生きだと言うこと。 友達になってもちるのが先に永遠にゆっくりしてしまいます。当然ちるのが死ねば、れてぃは今以上に泣いてしまうでしょう。 これでは何の為に友達になったのか解りません。 れてぃにいつまでも変わらない笑顔をしてもらいたい。 だからちるのは考えました。 自分のおちびちゃんのおちびちゃん、そのまたおちびちゃん、その先のおちびちゃん達もずっとれてぃの友達でいてあげればいいのだと。 これはあるちるのとれてぃの物語。十年前から続く優しい嘘の物語。 そして今年も冬が来る。 「まっててね、れてぃ!!」 雪の中、元気一杯飛んでいく子ちるの。その頭のお飾りは母から貰った最初にれてぃと友達になったちるののリボンだ。 「んー。れてぃはどこにいるのかなぁ?」 大体の場所は母に教えてもらったとはいえ、子ちるのにとってここは始めてくる場所。 れてぃを見つけるまでたっぷり数時間はかかってしまった。 「あっ!!れてぃだ!!」 やっとれてぃを見つけることができた子ちるの。本当は始めましてだけど子ちるのの言うことは決まっている。 「ひさしぶりっ、れてぃ!!ゆっくりしてってね!!」 これはあるちるのとれてぃの物語。寂しがり屋のれてぃの為にずっと続いてく物語。 あとがき いつもご愛読ありがとうございます。餡コンペ何書けばいいのか思案中の長月です。ご意見、ご感想等コメント欄に書いていただければ嬉しいです。 挿絵 byめーりんあき 挿絵 byめーりんあき 今まで書いた作品 ふたば系ゆっくりいじめ 176 ゆっくりちるのの生態(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 185 選ばれしゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 196 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 ふたば系ゆっくりいじめ 208 ゆっくり見ていってね ふたば系ゆっくりいじめ 218 またにてゐ う詐欺師てゐの日々 ふたば系ゆっくりいじめ 227 VS最強のゆっくり 史上最低の戦い ふたば系ゆっくりいじめ 247 夢と現実のはざまで ふたば系ゆっくりいじめ 264 あるまりさの一生 ふたば系ゆっくりいじめ 298 ゆっくりを拾ってきた ふたば系ゆっくりいじめ 336 ゆっくり Change the World(出題編) ふたば系ゆっくりいじめ 357 ゆっくり Change the World(出題編2) ふたば系ゆっくりいじめ 391 ゆっくり Change the World(解答編) ふたば系ゆっくりいじめ 400 あるゆっくりできない2匹の一生 ふたば系ゆっくりいじめ 441 てんこがゆっくりするSSさん ふたば系ゆっくりいじめ 457 あるドスまりさの一生 とてもゆっくりした群れ ふたば系ゆっくりいじめ 476 ゆっくりを愛でてみた ふたば系ゆっくりいじめ 511 れいむと幸せを呼ぶ金バッジ ふたば系ゆっくりいじめ 528 としあき博士のれいぱーありす矯正計画 ふたば系ゆっくりいじめ 624 あるてんこの一生 メスブタの群れ ふたば系ゆっくりいじめ 653 あるさなえの一生 ゆっくりは皆それぞれ(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 679 あるさなえの一生 ゆっくりは皆それぞれ(後編) ふたば系ゆっくりいじめ 816 誰も救われない話 ふたば系ゆっくりいじめ 904 あるババ・・お姉さんの結婚 ふたば系ゆっくりいじめ 939 もらうぞ ふたば系ゆっくりいじめ 1007 めすぶた祭り 長月の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 感動した -- 2021-04-10 17 57 39 …チルノぉぉぉ…ゆっくりの中のゆっくりだよぉぉぉ… -- 2016-05-22 01 17 01 ちるのは馬鹿だけど馬鹿だから持っている純粋さっていうのがあるのかな?やっぱりちるの可愛い。初代ちるのの意思をついでおちびちゃんのちるの達がれてぃを笑顔にさせるために頑張っていて泣いちゃいました -- 2016-01-19 20 57 28 初代ちるのの意志は今でも受け継がれている……ちるのっ…… -- 2015-08-14 13 21 22 大妖精「私の出番はまだですかぁぁぁぁぁ!!」 -- 2015-02-05 21 57 05 画像からこれを発見してしまった。すごく泣ける話だ -- 2015-01-15 16 31 19 ↓お前が落ち着け うわああああああああああああああああああああああああああああああ ちるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお -- 2014-06-15 18 17 42 お前ら落ち着けよ こんなので泣くなwwwwwwwwwwwwww うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ちるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお -- 2014-06-11 21 25 37 ええはなしや……(´;ω;`) -- 2013-12-11 19 37 53 泣けます。 -- 2013-07-18 20 20 32 チルノフゥゥゥゥ -- 2013-03-05 00 31 00 チルノ・・・感動させてくれて・・・ありがとう;w; -- 2013-02-20 18 11 56 ううっ…ちるのおおおおおおおおおおおおおお -- 2012-09-17 15 20 18 そうだよ!おちつけーね! ……にしてもチルノはかわゆいなぁ〜(´・ω・`) ぅぅ…ぅうぅううおおおおおおおおおおおおおおお!!!!! チルノぉおおおおおおおおおおおおお!!! -- 2012-04-01 15 14 02 おまえらもちつけwww -- 2012-01-19 00 12 13 ↓お前も、お、おちつけよwww 息すって~ はいて~ すぅーー はぁ~ぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ ちるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!! -- 2011-12-04 20 06 42 ↓お、落ち着け!まずは落ち着いて深呼吸だ!! スーハー、スー・・・うわああああああちるのおおおおおおお!!! -- 2011-10-21 20 30 15 宇和ああああああああああああああああああああああああああああああああ ちるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!! -- 2011-10-21 18 11 38 道忘れるのただのバカかと思ったらこんなことが…… -- 2011-09-23 15 21 13 ちるのは本当に優しいなあ。れてぃを悲しませないために・・・ -- 2011-04-28 20 54 32
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1716.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 819 ムシゴロウ王国/コメントログ」 浦安鉄筋家族を思い出した -- 2010-06-16 19 05 35 なんというゲスおじいさん -- 2010-08-02 13 41 18 汚示威惨www -- 2010-11-01 12 36 25 イラストに爆笑したwww -- 2010-11-11 11 06 23 イラストがっ -- 2011-08-14 23 15 36 イラストwwww -- 2012-02-16 16 26 15 ムシゴロウの頭にまちょりーが! -- 2013-03-09 19 51 27 これさ、浦安鉄筋家族ならぬ、ゆらやす鉄筋家族ってかW -- 2014-04-29 14 57 57 吹いた -- 2016-09-04 15 46 19 ムシゴロウwww -- 2017-03-21 21 14 20 やりたい放題ww -- 2019-03-29 21 21 55
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/669.html
ユックリンの笛吹き 7KB 駄文注意 多少人間いじめがあります 10KB?無理に決まってるでしょおぉぉぉぉ!!! ユックリンの笛吹き ペッパーあき あるところに「ユックリン」という町がありました。 ユックリンの町はその町名からもお察しの通り、某ゆっくり愛護団体の会員達が集まった 四六時中、やかましい町でした。 町の人々は皆、天使のように可愛らしい(笑)ゆっくりを愛していました ある時、この町に大変なことが起こりました。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ここをまりささまのゆっくりぷれいすにするんだぜ!!!」 「そろーり!そろーり!」「「「しょりょーり!しょりょーり!」」」 「かわいいれいむにあまあまをよこしてね!!」 「くしょじじいはどっかいっちぇにぇ!!」 「「「「ゆ~ゆゆんゆ~ゆくっり~していってね~」」」」 「おやさいさんはかってにはえてくるんだよ!?そんなこともしらないの?ばかなの?しぬの?」 「うんうんしゅりゅよ!!!」 「おぢびぢゃんどごいっだのぉぉぉぉぉぉお!!!?」 町から程近い場所にある山から大量の野生ゆっくりが下りてきてしまったのです。 原因は勿論、ゆん口増加による山の資源の食い荒らしです、流石は餡子脳ですね。 大量の野生ゆっくり達は町の路地裏や、家の軒下などに住み着き、うざいことこの上ありません。 商店でも、ゆっくり達は大暴れです。 「おやさいさんはかわいいれいむにたべられてね!!!」「「きゃわいくっちぇごみぇんにぇ!!!」」 「うわああ!お前達!何をしてるんだ!!早くやめなさい!!」 「にんげんがおやさいをひとりじめしてるのがわるいんだぜ!!あとあまあまちょうだいね」 「いっぱいたべたらうんうんしたくなったよ!!」 モリュン 「なななななななな・・・なんだそれは!!天使のように可愛いゆっくりはそんなことしないんだぞぉぉぉ!!」 「「きゃわいっくちぇごめんにぇ!!」」 ゆっくり達は、人間が抵抗しないのを良い事に、町中を練り歩き、売り物の野菜などを食い荒らしていきます。 その上、ゆっくりの声があまりにも煩くて、夜もゆっくり眠れません。 追い払ってもどこからともなく続々とゆっくりは沸いて来るので 町の人々は仕方なく駆除に乗り出しました。 「ゆんやぁぁぁぁ!!いだいぃぃぃ!!どぼじでごんなごどずるのぉぉぉぉ!!!」 「あぁ・・・ゆっくりに手を出してしまった!俺はどうすれば・・・」 「やべるんだじぇぇぇぇぇえ!!!まりざをはなずんだじぇぇぇぇえ!!!」 「「ゆぴいぃぃぃぃぃ!おとーしゃーん!!」」 「私だってこんな事したくないわよ!!でも・・・でも・・・」 「おぢびぢゃんのがだぎぃぃぃぃぃい!!!!」 「「「「ぎゃんばりぇおきゃーしゃん!!」」」」 「どうしてこんなことに・・・」 ですが、この町に住んでいるのは、曲がりなりにもゆっくり好きばかり、一向に効率は上がりませんし いかんせん数が多すぎて被害は増える一方です。 町の人々は、何とかしてこの事態を解決すべく、連日会議を続けました。 流石にこれには会長も重い腰を上げましたが、何の解決策も見当たりませんでした。 加工所や研究所を野蛮な場所と決めつけ、完全に排斥した結果がこれです。 そろいもそろって頭を捻らせる町の人々。 その時、突然、笛の音が鳴り響きました。 『フォォォォォォォン・・・・・ンフオォォォォォォォォォォォン・・・・・・・・』 尺八です、たちが悪いですね。 尺八の音のした方を見てみると、見慣れない青年がジョジョ立ちしていました。 「やあ!僕はgy・・笛吹きお兄さん!!」 あからさまに怪しいですね、本当にありがとうございました。 これには町の人々も唖然としましたが、我に返って怒りをあらわにします。 「この忙しいときに何をしとるんだねチミは!」 「私達は今大変なんだ!わかったら出て行ってくれ!!」 しかし、平然とした様子でお兄さんは言い放ちます。 「まあまあそう怒らないで、僕がゆっくり達を追い払ってあげますから」 それを聞いた町の人々は騒ぎ出しました。 ざわ・・・・・ざわ・・・・・ その喧騒の中、会長が尋ねました。 「本当にそんなことができるのかね?」 「ええ、勿論です。この尺八で、今までたくさんのゆっくりを退治してきましたから」 町の人々は大喜びしました。 「おねがいだ!早くゆっくりの皮を被ったあの悪魔達を追い払ってくれ!見ているだけで辛いんだ」 「わかりました、ただし成功した暁には金貨を一袋もらいますよ」 これを聞いた会長は少しためらいましたが、他の解決策がない以上、素直に従うことにしました。 お兄さんはすぐに尺八を吹き始めました。 『フォォォン・・フォォフォォンホオオオオオオオオオオン・・・』 すると町中のあちらこちらからゆっくりが飛び出してきて、お兄さんの後ろに長蛇の列を作り始めました。 みな放心したような顔をしており、半開きの口からゆぅぅゆぅぅと意味不明の言葉を発しています。 お兄さんは町にいる全てのゆっくりを集めると、はぐれる者がでないように、ゆっくりと町から出て行きました。 そして、尺八を吹きながら大きな湖へと入っていきました。 するとゆっくり達も続いて湖に飛び込みます。 ここで演奏をやめるのがお兄さんクオリティ ゆっくり達は正気に戻りました・・・湖の中で。 「「「「「「・・・・・・どぼじでみずさんのながなのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!??」」」」」」 「だづげでね!!だづgがぼぢぃぃ・・・!!」「まりざざまのしたじきになるんだずぇぇぇぇ!!!!」 「・・・・ゆっhぢゅいyっはぃ!!!!!」 「ごびゅぼぁあ!!ゆべっつぼい!!!!」 「「「おぎゃあじゃあぁぁぁ・・・・・・・」」」 「でいぶのあんごさんもれないでねぇぇぇぇぇえ!!?」 「ぱぴぷぺぽー!!!!」 「おぼうしに・・・どぼじでのれないのぉぉぉぉ!??」「「ゆんびゃああああ!!!!!」」 「そんなことよりおうどんたべたい」 「「「もっど・・・ゆっぐ・・・・・が・・・」」」 湖に入ったゆっくり達は、皆溺れ死んでしまいました。 町に戻ったお兄さんは会長にいいました。 「さぁ、ゆっくりは追い払いましたよ、約束の金貨をください」 会長は金貨を一枚だけ渡し、鼻で笑いながら言いました。 「尺八を吹いていただけで追い払っただと?笑わせてくれるわ!! ゆっくり達は自発的に出て行ったんじゃないか!!金貨一枚だけでも有難く思え!!」 この会長、正に悪役、ついでに小者です。 「金貨を一袋と約束したじゃないか!!」 お兄さんがそう言うと、町の人々は 「金貨を一袋も貰おうとする欲張りはゆっくりしね!!」 だの 「用がないからさっさと出て行ってね!!ついでにあまあまちょうだいね!」 と言うような事を言って、一斉に罵ってきます。 流石にこれにはお兄さんも怒って、町の人々を睨み付けながらこう言いました。 「・・・・・・・・・恨みはらさでおくべきか・・・・・・・・」 その事件から数日が経つと、ユックリンの町の人々はお兄さんの事などすっかり忘れ去っていました。 やがて、町に皆で飼いゆっくりを持ち寄り自慢すると言う なんともアレなお祭りの日がやってきました。 広場に各々自慢の飼いゆっくり達を放しておき、祭りの準備に夢中です。 その時、どこからか、笛の音が鳴り響きました。 『ンホオォォォォォォォォォォォォォオ・・・・ンホゥンホォォォォォォォ・・・・・・』 その笛の音を聞いた飼いゆっくり達は、次々と町の外へ出て行きました。 人間には聞こえない音だったので、誰にも気づかれることはありませんでした。 ゆっくり達が集まったのは、丘の上・・・・ではなく、あの湖でした。 そして、まるで再現するかの如く、お兄さんはゆっくりと湖の中へ 尺八を吹きながら入って行きました。 町の人々が飼いゆっくりが居なくなった事に気がついたのは、それから一時間も後でした。 飼い主達は血相を変えて総出で町中を探しましたが、どこにも見当たりません。 そうこうしている間に町の外に探しに行った人達が帰って来ました。 皆、一様に悲壮な顔をしていました。 案内されたのは、あの湖でした。 「どうしてこんなことに・・・・・・」 「あぁ、あの時約束通りに金貨を渡しておけばこんなことには・・・」 その湖は、まるで町の人々の心を映したかのように、黒く染まっており その上に、まるで金貨を一袋ぶちまけたかのように、たくさんの金バッジが浮いていましたとさ。 めでたしめでたし。 前作の感想でも言いましたが、anko390『壊れてしまったドスまりさの話』は 今一度、練り直してみたいと思います 削除する予定がないのは、悪しからず 読んでくださる方、感想を書いてくださる方、アドバイスをしてくださる方 本当にありがとうございます 過去作 『ふたば系ゆっくりいじめ 300 顔面胡椒』 『ふたば系ゆっくりいじめ 302 壊れてしまったドスまりさの話 』 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る コメント欄は賛否両論だな。 私的には、前半だけなら詰まらなかったが、 後半の仕返しがあっただけ楽しめたよ! -- 2018-01-31 23 19 43 「金貨を一袋も貰おうとする欲張りはゆっくりしね!!」 「用がないからさっさと出て行ってね!!ついでにあまあまちょうだいね!」 …言い回しがゆっくりにしか思えないw -- 2014-05-24 16 02 08 元ネタはネズミを溺死させて子供を楽園に連れて行くんだっけ? -- 2013-12-08 03 29 38 ↓×15の意味が全く解らん。ゆ虐サイトで何言ってんだ。 -- 2013-04-08 07 57 25 金貨一袋って金バッジの事かと最初思ってしまった、まぁ結果的に金バッジにはなったんだが 笛吹きの話ってこういう怖い話なのか、知らなかった、後これは面白い -- 2013-01-17 10 29 28 愛でってほんとキチガイばっか どこの※欄みても思うわ てかここの名前がふたば系ゆっくりいじめSSなのに入ってくるって馬鹿なの?死ぬの? -- 2011-12-31 21 22 25 これは・・・・最高のハッピーエンドだね!!! -- 2011-12-31 18 10 34 ユックリンの村人はすべて餡子脳か・・・ カワイソーダナー、アワレダナー(棒読み) -- 2011-08-25 13 47 08 会長ゲスすぎわろたwww -- 2011-03-14 19 53 03 約束を守らない人間共はざまぁww 元ネタだと罪も無い子供達が酷い目に合うからなぁ… 飼いゆには罪は無いけど、ペットが死ぬのと実の子が死ぬとでは比べたら… -- 2010-10-04 18 37 07 支援 -- 2010-09-17 22 22 03 いや可哀想ったって元ネタがアレだし むしろ元ネタのほうが酷いから -- 2010-09-09 14 03 25 腹いせに殺された飼いゆがかわいそう -- 2010-08-12 21 19 21 重度の愛で派はゲス化すんのか? -- 2010-07-11 23 40 16 ハーメルンの笛吹き男のパロディですね。 こんなにしっくり来るとはw -- 2010-07-11 18 16 47 ゆっくり出来たよ! -- 2010-05-23 02 41 26 くだらんつまらんしょーもないwww ゆっくりに恨みがあるなら他のことで解消しろwww -- 2010-05-03 03 11 39 すっきりー! -- 2010-03-01 16 32 54 くだらんつまらんしょーもない ゆっくりに恨みがあるなら他のことで解消しろ -- 2010-01-01 16 40 29
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2574.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 1231 食物/コメントログ」 いいね。 -- 2010-06-20 16 07 41 ちぇんが好きだ。愛でたい。でも、チョコ饅頭食べたい。そうだ。ゲスちぇんを喰おう。 -- 2010-07-01 00 33 23 ゲスなら食うよ -- 2010-07-06 21 31 58 ゲスなら駆除も兼ねていいね -- 2010-07-11 23 49 15 食べられるその瞬間まで赤ゆを苦しませるところが最高です。 -- 2010-07-19 09 28 43 俺も作って食いたいわ。イイ話しだ。 -- 2010-07-27 23 32 01 最初の赤ゆの、れいみゅ&まりちゃはきゃわいいよ! みたいな所でビール飲んでるコップ握って割りそうになったw が、その直後のお料理でヒャッハー!マジでコップ割れそうだったYO コレこそ虐待!なお話にQNQNさせてもらいました! 善良とかゲスとか!!関係無えんだよぉぉぉ!!!赤ゆは泣き叫んで死んでけばそれで良いんだよぉぉ!! ヒャッハァァァー!!!GJ!! -- 2010-07-28 01 11 36 ↓酔ってますねお兄さん -- 2010-08-14 18 32 03 サクっとゆっくり出来なくなるのがいいですね。 -- 2010-12-24 02 23 17 卵産んでくれる雌鶏と同じ境遇だなw -- 2011-01-13 10 04 13 なんでわざわざ高い金はらってショップのゆっくりつかうんだろ? こういうのは野良を拾うか、ひとやまいくらの廉価品でやらないとコスパ悪いよ。 -- 2011-07-14 20 35 30 ゆおー! -- 2011-09-25 13 04 07 この世すべての食材に…感謝!! モグモグ…びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛!! -- 2011-10-16 00 52 42 親の質が味や栄養価に影響するのかもよ コーンフレークはさっくりしそうでいいねえ -- 2011-11-14 20 40 32 野良は寄生虫とか病気もってそうじゃん -- 2012-09-02 22 58 14 ↓×3トリコとマスオ? -- 2013-01-06 11 55 02 おおうまいうまい -- 2013-03-31 19 16 38 びぁあぁう゛まいぃい! -- 2013-07-10 22 06 53 俺にも一個食べさせてくれー -- 2013-12-30 02 29 10 どうせ食うなら番はレイパーアリスで良いんじゃねーの もちろん清潔なショップ売りの -- 2014-02-01 16 13 39 美味しそうだな。一度食べてみたい -- 2014-04-11 17 51 41 余裕があるなら1,2匹育てさせてあげればいいんじゃね? それ以外を食用として作らせればいい 仕事として割り切らせれば効率もよかろう -- 2014-06-20 14 18 55 足焼きとせいし餡で済むな -- 2014-10-26 12 00 34 営業目的になったら、一回子ゆっくりを調理して食わずに そのまた子供を産ませて(生える、が正しいと思うけど) それを食用に使えば良いんじゃない? あと、テンプラ鍋の上にガラスの箱でも作って 極限まで子ゆっくりの餡子の甘みを増やすとか 子ゆっくり1「ゆんやあああああぁぁぁれいむしにたぐなぃぃぃぃぃ『どじゅううううぅぅぅ・・・パチパチ』 親れいむ+まりさ「おじびじゃあぁぁぁぁぁん」 子ゆっくり2「ばでぃざだじだっでいぎでるんだよおぉぉぉ『バシャッ!じゅうぅぅぅぅぅ・・・』 親れいむ+まりさ「どぼじでごんあごどずるのぉぉ『バキッ!』 親れいむ+まりさ「ごのどげずがぁぁぁぁ『グシャ』『ザクザクザクザクッ!』 以上、テンプラとなるとあるゆっくりの家族でした。 -- 2014-12-31 18 08 47 ん?んん?ンホオオオォォォォォォ スッキリ〜!! -- 2015-01-01 20 02 58 スッキリーーーーーーーー!! -- 2017-01-22 21 13 48 ゆっくりを調理して食べる系は色々読んできたが、 ここまで無感情に食べるお兄さんは初めて見たwww 揚げ物といえば、チョコ(ちぇん)やカスタード(ありす)は美味いと聞くね。 稲荷寿司(らん)や肉まん(れみりゃ)だと分類は主食か? くりーむ(ぱちゅりー)は調理が大変そうww -- 2018-03-06 06 28 49 店で出せそう -- 2018-12-08 19 53 52 これ見てソーセージパーティーと言う映画思い出したな。 -- 2019-12-30 15 44 26 たしかにって思った -- 2020-12-05 15 34 20 ゆっくりいじめしてるやつまじしね -- 2021-05-22 14 58 57 もしもし警察ですか?あのーゆっくりを揚げてる奴がいるんで逮捕してください -- 2021-05-22 14 59 58 米欄にげぇじさんがいるよ!くじょしてね! -- 2021-07-07 19 22 51 にんげんしゃんにれーむのおちびちゃんを取られた・・・ゆ”っ ブチャッ -- 2021-08-01 15 00 35
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2278.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 1089 ユグソウ プレリュード/コメントログ」 ゆーさつってwwあまり頼りなならないな -- 2010-12-12 22 08 45 野良を駆除した善良ゆっくりを爆殺するなんて犯人は何が目的なのか? ···っていうか爆弾を無許可で使用する事件は本物の警察の仕事だろ! -- 2018-01-26 16 53 08
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1276.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 605 家族の絆/コメントログ」 うまいなあ・・・ -- 2010-06-10 00 53 37 不幸な境遇のゆっくりって極端にいいかゲスだよね。 まあ、ゲスは死んですっきり!! -- 2010-07-27 14 13 52 上手いなぁ。ゲス制裁はすっきりするね。 子まりさ、げすにならずに強く生きろよー! -- 2010-10-19 14 10 10 予告が面白すぎて本編が霞むwww -- 2010-11-03 12 24 32 子まりさ「水草さんをごちそうするよ」 殺す気だwwwwwww -- 2011-07-24 08 57 33 多分5年後ぐらいに奇跡的に再会し水草ご馳走され、意外に水草が美味しいことに気づく少年であった -- 2012-07-10 11 50 28 川だよな? ゆっくりが漕げる程度の波なら弟君入れるだろ? 人間が入れないくらいの川ならゆっくりが自由に漕げる訳がない。 絵本を描くように文章を書かないと、矛盾が発生するよ。 -- 2018-01-11 11 21 05