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概要 外部から入力された値を処理します。 テキストボックス 入力インターフェースとしてテキストボックスを使用します。 Message.html script type="text/vbscript" src="Message.vbs" /script script type="text/vbscript" src="input.vbs" /script img src="test.png" width="300" height="300" input type="button" value="button1" name="Message" /br 入力 /br input type="text" id ="InputText" value="" name="InputText" input type="button" value="入力" name="Input" /br br タグは改行を表します。(br=Breakの略) input要素のtype属性に"text"を指定します。 id属性は、要素を一意に示すIDです。 要素にアクセスしたいときに分かりやすい名前を付けてください。 ドム HTMLの要素にアクセスするときは、DOMを使います。 DOMはDocument Object Model の略で、 id属性やname,tag属性等から要素にアクセスして、様々な操作を行うことができます。 今回はID属性を指定して、テキストボックスの要素にアクセスし、 入力されている値(value)を取得します。 Input.vbs Sub Input_OnClick Dim Text Text = Document.GetElementById("InputTetx").value MsgBox(Text) End Sub 変数TextにDOMで取得した値を代入し、メッセージ出力します。 GetElementById("任意のID属性値")で、IDを指定して任意の要素にアクセスできます。 同様に、GetElementsByNameやGetElementsByTagName等でもアクセスできますが、 ここでは省略します。 おまけ Document.GetEle…とかなんとか、やたらと長いですよね。 このながーいスペルは別に記憶する必要はありません。 なんとなく感覚でこういうのがあると知っていれば、 ggrってコピペするだけでいいです。 あるいは、あらかじめコピペ用のテキストを作るとか(スニペットとか) 自分専用の関数を作成するのも手です。 ここでは詳しく述べませんが、 こういったノウハウはいろいろあるので、 なるべく楽な方法を考えるといいですね。 名前 コメント
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【MAP】 「浮建市総合病院」 浮建市に存在する唯一の国営の総合病院。至って普通の病院で、『蟲』達との関係は非常に薄い。 そのため内装や医療品等も非常に充実しており、中にはコンビニや喫茶店などがある。 医者や看護師などの人員も充分存在しているため、有事の際でも適切に対応することが可能。 「浮建公立高校」 浮建市にある公立の高等学校。 一見すると普通の高校だが、中では何匹かの『蟲』達が学生や教師に交じり巣食っている。 そのため、よく学生が組織の手によって戸籍などを奪われ、殺されている。 校内には購買や学食、図書室なども完備されており、そこそこ満足の行く学生生活を送ることができる。 「浮建ネストタウン」 大量の小売店などが集まった大型ショッピングモール。全4階建てとなっており、面積が非常に広い。 呉服店から雑貨店、飲食店など多岐に渡る店があり、フードコートもある。 1階は雑貨店や家電用品店、呉服店などの物を売っている店が多く、2階は喫茶店や料亭、ファミレスなどの飲食店が多くなっており、フードコートもある。 3階は小さなイベント会場やゲームセンター等の娯楽施設が集まっており、4回は駐車場となっている。 4階駐車場の人目につかないような場所に関係者以外立ち入り禁止と書かれている鉄製のドアがある。 「蟲籠」 関係者以外立ち入り禁止ドア内――「蟲籠」 殺し屋である『蟲』達の本拠地。と言っても『蟲』達は基本的に自由に過ごしているため、ここに全員集まることなどは滅多にない。 内装はバーのような感じになっている。 ここには銃や銃弾、非合法の薬品等の様々な物が売っており、ここで武器等を調達することができる。 そのため『蟲』達は武器調達などではここによく集まる。 「住宅街」 アパートや一軒家などいろいろな住宅のある場所。 アパートやマンションなどが集まっている所と、一軒家などの家が集まっている所の2つに分かれている。 そのため路地なども多く、路地裏は薄暗くなっており危険な場所になっている。だが路地から出れば人なども多いため安全という二面性を持っている。 「ティーニャ教会」 街より少しだけ離れたとところにある。 神父やシスターも過ごせるように、たくさんの部屋がある本格的な造りの大きな教会。 建築様式はロマネスク様式、ラテンクロスの形をした十字架が取り付けてある。 廊下などは、アーチ状になっているヴォールト架構が導入されており、聖堂はそこそこ大きく多い人数を中に入れることができる。 「浮建ヴァミナスランド」 そこそこ大きく人気な遊園地。 目玉は非常に大きい観覧車、他にも大きなジェットコースターや、小さい子供のための乗り物もある。 浮建市の中では最も大きな遊ぶ場所。中に土産屋や飲食店、売店等がありいろいろ遊ぶことのできるようになっている。 ベンチなどもたくさんあり、非常に充実している。
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共通ストーリー #12 (2/9) 翻訳者 hakka Twitter 翻訳者 AFK Twitter ジェネレーター接収より数日後 惑星モーン地表にて 廃墟と化したカザンの集落を一望できる小高い丘。そこにルシール・ウィットロックの姿があった。紺碧の空へと昇っていく煙の厚いヴェール…彼女の目はそれを追いかけていた。彼女のジャケットにバラ色の陽光が一筋走り、袖の乾いた血痕を浮かび上がらせる。その痕はまるで糖衣、あるいは不吉な塗装の副産物のように見えた。 ライトグレーの前髪がかかった穏やかな彼女の目には、疲労が漂っていた。夜の儚げなそよ風に吹かれ、よりひもの束のような黄土色の草が足首にまとわりつく。ぼんやりしているヒマはない。腹の傷を左手で触れながら、ルシールはスーツのバイタルを確認した。かろうじて生きている、という状態だ。だがそれも長くはもたないだろう。いっそのことここですべて終わらせてしまいたい。だが何かがルシールの足を前へと突き動かしていた。風が勢いを増していく中、ルシールは壊れた家屋のガレキと金属片をどかしていた。 「ルシール・ウィットロック」 突如聞こえたのは、待ちわびるような、穏やかな声。ルシールはビクッとした。そして間をおかず、目の前に男の姿が飛び込んできた。あごひげと繋がったボサボサでチリチリの黒髪。厚手のフード付きジャケットは霧雨に濡れてつるつるしていた。だが、その男の目には「何か」の思惑が潜んでいた… 「だ、誰?」 男は傷口を押さえるルシールの手にチラリと目をやった。 「傷を負っているのか」 「質問に答えて」 ルシールはそう言うと、歯をくいしばりながら自分のベルトに手を伸ばした。だがそこには何もない。3000 クレジットの銃…パニックに陥ると、人はホルスターにないそれを探してしまうのか。 「私は味方だ」 「誰だ、って聞いてるの」 そう言うとルシールは一歩後ずさりした。男は笑みを浮かべた。犬歯が夜光で白く輝く。 「今はこの答えで十分だろう?」 「ふざけないで」 そう言って鼻息を荒げながら、ルシールは傷口を手で強く抑えた。痛みで身体を奮い立たせ、次の動きを起こせるように。 「殺すつもりならとっととやれば」 「死にたくてたまらないんだな?」 「手っ取り早い方が好きなの。じわじわと苦しめられるよりもね」 「だからアドニスへの協力に同意したんだな?」 ルシールの身体から力が抜けていく。 「何の話だか…」 脚が動かない。身体が崩れ落ち、背中に感じたのは石の冷たさだった。 「おいおいどうした。 まあ、トノコムはジェネレーターのことを”この程度”には気にかけているかもしれないな。だがアドニスはまったく気にしていない」「君は素晴らしい働きをしてくれた。おかげで襲撃の口実ができ、応神会を一掃することができた」丘の端を指さしながら、男はそう言った。 「感謝する」 脱力感が全身に広がっていく。もう何も考えられない。「殺すつもりがないなら、自分でやらせてくれない?せめて死くらいは穏やかに迎えたいの」口を僅かに動かしながら、ルシールはそうつぶやいた。 「応神会がまだいても?」 ルシールが半分閉じた目を上げて言った。 「応神会がまだいる?嘘でしょう?」 「嘘だって?」 彼は困惑しているようだ。 「Voxは、、」 「Voxはこの件に関して何もできない。連合は多数決が機能しているし、マーサーは十分すぎるほどの惑星を持っている。彼はその制度をうまく利用しているんだ。」 ルシールは雷に打たれように、頭の中に何百もの思考が駆け巡った。彼女は嘲笑して言った。 「連合はそれを統治と呼ぶの?」 「私は連合の人間ではない。」 その返答は即座に返ってきた。男の口調に初めて、言葉の端々を噛み締めるような厳しさがあった。 「それは統治とは呼べないだろう。が、マーサーにとっては宇宙評議会がどうなろうと知ったことではないし、Voxも連邦を分裂させるリスクを冒すことはできない。デリケートなバランスを崩すわけにはいかないんだ。」 ルシールは震える手で髪をかきあげて言った。 「なぜそんな話をするの?」 「私たちにできることがあるからだ。」 「勘弁してちょうだい!」 「私は真剣に言っているんだ。君は頭がいいし強い。そして何より、、」 彼は彼女の傷を示して言った。 「君は自分の信じるもののために尽くす人だ。会社の評判はもちろんのこと、同僚を犠牲にする連邦のようなものか?」 彼はニヤリと笑った。 「残忍な話だ。」 彼は身をかがめて彼女の方を向き、手を差し伸べた。 「私たちは君のような人が必要なんだ、ルシール。」。 彼女はゆっくりと首をかしげた。 「私たち?私たちって誰のことを言っているの?」 「今、彼らを紹介するのが一番いいだろうな。」 男はもう片方の手を上げ、 日光を遮った。彼が指を鳴らすと、空も、雲も、丘も動き出した、、というよりも何かが動き出したのだ。そこには十数人の人影がある。ステルス装置だ。ルシールは無意識のうちにそう思い、技術者としての脳をフル稼働させてた。彼らの顔や体にぶら下がっている器具、その様々な形を理解するのがやっとだった。細くてひょろひょろの人もいれば、がっしりとした肩幅の人もいる。ある者は彼女の娘と同じくらいの年齢に見え、また別の人は足を引きずっていて補助器具を使っている。 男の手はまだ伸ばしたままだ。少し指をくねらせている。ルシールが彼の目を見ると、一瞬、パーカーの向こう側、ふざけた髪型の向こう側に、より深い何かを見たような気がした。凶暴性はあるが、優雅で、永遠的な何かだ。 「わかったわ。なんてことでしょう。」 彼女はため息をつき、彼の手をしっかりと握り、体を持ち上げた。 「でもその前に、私をこの岩から降ろしてくれないかしら?」。 「もちろんだよ。君が一緒に来てくれることを嬉しく思う。」 男は微笑み、その目は輝いていた。 「私はエメット、そして彼らは、、」 彼は後ろの人影の集団を示して言った。 「フェイスレスだ。」
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私たちはどうかしている 登場人物 コメント 安藤なつみによる日本の漫画。 略称は「わたどう」。 登場人物 チェリム:花岡七桜 名前から フラージェス(しろいはな):大倉百合子 名前から コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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小栗献「とりなしの祈り」 (『礼拝と音楽』第 149号(2011年5月1日)2-3 頁より転載) 神よ,深い悲しみと混乱と動揺の中からあなたに祈ります。 私たちの祈りをお聞きください。 本当の力をもっておられる神よ 人の理解を超えた巨大な自然の力によって打ちのめされ, 痛めつけられ,今もその力におびやかされている人々のために祈ります。 主よ,すべての力を越えて支配されるあなたの力を, 弱り果て,疲れ果てた人々に与えてください。 人間の弱さをすべて知っておられる神よ 盤石であるかのように思われた土台が揺らぎ, 積み上げできた人生が崩れ落ち,希望と夢を失い, 恐怖と寒さと無力感に震えている人々のために祈ります。 人の心のすべてを知っておられるあなたが, その腕で人々を抱きしめてください。 うちひしがれた人をご自身のもとへとお招きになる神よ 突然の津波によってすべての財産と家と故郷と, そして愛する人々を暴力的に奪い取られてしまった人々のために祈ります。 その人が泣く時共にいてください。 それでもなおあなたが,生き続けることへと招いてください。 私たちの重荷を背負ってくださる神よ すっかり混乱し,動揺し,気力を失い, 将来が見えずに深い絶望の中に座り込んでいる人々のために祈ります。 あなたがみ手をもって立ち上がらせてください。 そしてあなたと共に新しい一歩を踏み出させてください。 美しい,調和のうちにある自然をつくられた神よ 人間の傲慢によって傷つけられ, 汚染されていく大地と空気と水のために祈ります。 そして住み慣れた故郷を失おうとしている人々のために祈ります。 あなたが与えてくださった自然と命を守ることよりも, 自分の生活を優先させてきた私たちの罪を許してください。 今,私たちの故郷は, 人が住むことが出来ない土地に変わり果てようという 重大な危機の中にあります。 神よ,この世界をお守りください。 砂漠に花を咲かせられたあなたが,この世界を新しくしてください。 そして私たちの生き方をも,未来に向かって新たなものとしてください。 愛であられ,私たちに愛せよ,と言われる神よ 困難にある人々のために心を痛め,その人たちのために祈り, 連帯して生きようとする日本の,そして世界中の人々のために祈ります。 そしてそのすべての働きのために祈ります。 私たちの絆を強めてください。 私たちが共に生きようとする願いと,そのための行動を祝福してください。 希望なる神よ 希望を見出すことができずにいるすべての人々のために祈ります。 主よ,私たちが信仰の内にはっきりと知ることができますように。 たとえこの世界に希望がないように見えようとも, あなたこそが私たちの希望であることを。 そしてあなたは,もっとも大きな苦しみと不安の中に, もうすでにおいでになっているということを。 全能の神,主よ あなたに信頼します。 あなたこそが私たちの微動だにしない土台なのです。 今,私たちが為すべきことを,私たちに知らしめてください。 そしてそれを為すための信仰と愛と力と勇気を私たちに与えてください。 あなたが私たちの行く道を備え, そしてあなたが,私たちと共に歩んでください。 主よ,私たちの祈りをお聞きください。 (2011年3月17日)
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未完成の僕たちに(2) ◆ 「ふんふーん、ふふふーん……」 病院に、彼が現れる数分前。 どこかで聞いたのか、それとも即興で作り出したものなのか。 そんな事さえ分からないほどに適当なメロディを鼻歌で奏でながら、キングは上機嫌にその足を北方向に進めていた。 彼の視線がその先に捉えるものは、今やただ一つ。 それは、D-1エリアに存在する病院。東側のそれに比べ小さいながらも、一方で東側のそれに比べて随分と病院と判断できるだけの質量を保有したまま佇む白亜の建造物であった。 そしてやがて、彼の足は止まる。 病院を目と鼻の先と形容できるほどに接近したことと、そしてなによりこれから行うことの仕込みを行う為だ。 「さぁて、それじゃ早速……」 言いながら彼がウキウキとした表情で掲げたのは、レンゲルバックル。 それをそのまま腰に迎え入れるのかと思いきや、彼の目論見は違っていた。 彼が見つめていたのはバックルではない。その中に収められた、都合18枚のラウズカードだったのである。 ――どういうことだ? キングの脳内に、スパイダーアンデッドの困惑したような声が響く。 『剣の世界』の存続のために、レンゲルに変身して他世界の参加者を減らすのではなかったのか。 少なくとも先のキングの言葉をそう捉えていたスパイダーアンデッドは、カードの中で著しい混乱を示した。 だが、そんな彼の困惑を前に、キングはただ笑う。 その動揺さえ、自分の計画のうちの一つであったと、そう言うかのように。 「いや、別にそんな混乱することじゃないよ、カテゴリーA。 これからやることに君が役立ってもらうってのは変わらないんだしさ」 キングの考えを読めずひたすら疑問符を浮かべるスパイダーアンデッドに対し、キングはもう取り合うこともせずにデイパックから一つのバックルを取り出す。 レンゲルバックルによく似た、しかし明確に違う意匠が施された黄色のバックルを。 ――なんだ、それは……? 「ん?あーこれね。君は知らないだろうけど、僕たちの世界で未来に作られるかもしれない新しい仮面ライダーさ」 結構よく出来てるんだよねこれ、と他人事のように呟きながら、キングはそのバックルに一枚のカードを装填しそのまま腰に迎え入れ、ベルトを発生させる。 「変身」 ――OPEN UP 瞬間生じたオリハルコンエレメントが、キングの身体を異なる形態へと変化させる。 仮面ライダーグレイブ……彼らが知るはずのない未来、或いは存在しえた一つの可能性の象徴。 しかし、その変身を見届けてなお、スパイダーアンデッドは困惑しか示せない。 自分を使用するレンゲルでなく、人造アンデッドを動力源に有するそれをわざわざ使う理由が、全く思い当たらなかったからだ。 だがそんな自分を無視するように、グレイブはレンゲルバックルから全てのラウズカードを引き抜く。 全てのカード……そう、スパイダーアンデッドの封印されたクラブのカテゴリーAをも含めた、全てのカードを。 ――なんのつもりだ、それは俺の力だぞ! キングの意図が読めないままに、スパイダーアンデッドは彼の行為に対する異議を吐く。 力への妄執に取りつかれたスパイダーアンデッドにとって、キングのこの行為は同じ世界の存在とはいえ決して看過できないもの。 だがそんな彼の怒りさえも、グレイブにとってはただの嘲笑の対象でしかなかった。 「君の力?嫌だなぁ思い上がらないでよカテゴリーA。ラウズカードに封印されたアンデッドは力なんかじゃなくて、言わば僕らの仲間だろ? じゃあこんな狭い世界の中でずっと閉じ込められてるのは可哀想だと思わない?」 ――まさか……貴様……! ニタニタと笑いながら、思ってもいないようなことを吐くキング。 彼の言葉は未だに要領を得なかったが、しかしスパイダーアンデッドは一つの可能性に思い至る。 だがそれは、まさしく今まで自分がバックルの中で行ってきた暗躍を全て無に帰すような、自分に対する冒涜そのもので――。 「ってことで、まぁ頑張ってきてねカテゴリーA。君もアンデッドなら、正々堂々バトルファイトに臨まなきゃ」 ――やめろぉぉぉぉ!! 次の瞬間、スパイダーアンデッドが思念で思い切り叫ぶのさえ無視して、グレイブはその手に持ったカードを思い切り振り撒いた。 その手を離れ、重力と風に捲られて不規則に落ちていく、7枚のハート、9枚のクラブ、1枚のスペード……計17枚のラウズカード。 仲間とさえ言ったはずのそれらにはしかし最早目をくれることもなく、グレイブは最後に手に残ったカードを勢いよくグレイブラウザーに滑らせた。 ――REMOTE 電子音声が響くと同時、カードそれぞれに向けてラウザーから光の線が伸びる。 グレイブでさえ目を眩ますような圧倒的な光量が収まれば、そこにいたのはもうただのカードの山ではなかった。 蜘蛛や蔓や海月や蛾……それらを含めた都合17体の恐ろしい異形の怪物たちが、狭いカードの中に封印されていた鬱憤さえ晴らそうとするかのように蠢いていた。 「アハハ!思ってた通りやっぱ最高!」 そしてそんな光景を前に、グレイブは一人場違いなまでに笑う。 彼が今歓喜の声を上げているのは、仲間を開放できたことに対する達成感からなどではない。 アンデッドという種族そのものが自分にとってはバトルファイトの敵に過ぎないのだから情などわくはずもなかった。 それに何より、ジョーカーや仮面ライダー如きに負け封印されたアンデッド共に、この殺し合いで今更キングが大きな期待を抱くはずもないとしても、当然のことだった。 なれば彼がここまでの興奮に包まれているのかと問われれば、答えは一つ。 彼らがいることでこの病院に齎されるだろう、最悪の混沌を想像したためだ。 こんなところでいつまでも引きこもっている臆病者を彼らが無残に引き裂くのを見て、仮面ライダーが絶望する未来を。 「少しの間ここで待っててよ、すぐに合図するからさ」 そうした混沌への期待に抱いた愉悦も冷めやまぬ中、キングはそのまま変身を解きアンデッドの集団に命令する。 かつてスペードスートのカテゴリー10である、スカラベアンデッドを思いのままに操った能力の応用。 生まれながら強力な洗脳能力を持つキングの力を以てすれば、解放されてすぐの理性を失ったアンデッドなど、上級であっても一括りに操ることなど容易い。 故に、アンデッドたちは忌々しいだろうカテゴリーKに反抗することさえ許されず、そのまま次なる彼の指示を待つこととなった。 「……ん?」 と、そんな折、キングは自分の言うことに従うことなく自身に鋭い視線を向け続ける一つの影を視認する。 だがその姿を視界に収めるまでもなく、キングはなぜそれに対して自分の能力が効かなかったのか、理解していた。 「あー……お前のこと忘れるところだったよ」 どことなくうんざりした口調で、キングはそのアンデッドに向き直る。 恐らくはこの場で唯一、ジョーカーでさえ言いなりに出来るだろう自分の洗脳に一切影響されないだろう存在、別世界に存在するもう一人の自分自身。 つまりはそう、スペードスートのカテゴリーK、コーカサスビートルアンデッドに。 「グオォ!」 封印からの解放を経た影響か、それともキングとは明確に別次元の存在である為か。 そのどちらかは不明ながら、コーカサスは言葉さえなくキングに向けて破壊剣オールオーバーを思い切り振り下ろした。 自分自身が翳す自分への暴力。ソリッドシールドさえない今、最早その直撃はキングでも耐えられるはずがない。 しかしキングは身動ぎ一つすることはなく、故にコーカサスの剣はそのまま彼の身体を真っ二つに切り落と――せない。 あと一ミリ、ほんの少し腕を動かせればキングを下すことが出来ただろうその寸前で、しかしコーカサスはもうまんじりとも剣を動かすことは出来なくなっていた。 「なに驚いてるんだよ。当たり前だろ?お前は僕なんだから」 キングが軽薄な笑みを浮かべそう吐き捨てるのに対し、コーカサスはなおも困惑しか返せない。 どうにかキングを下そうと衝撃波を放とうと一歩退いたかと思えば、しかしそれを為すことも出来ないまま、コーカサスは苦し気な声をあげてその身を粒子状に分解させていく。 「グアァ……!?」 自分自身がどうなっているのか、一切の理解が追い付かない様子でコーカサスが呻く。 だがもう一人の自分が上げる無声の抗議を前に、キングはただ愉悦の表情を漏らすだけ。 瞬間、彼がひとたび腕を大きく広げると、次の瞬間にはもうコーカサスの身体はキングに吸収され、まさしく”2人は1人になっていた”。 ――キングの身に何が起こったのか、一切の理解が追い付かないものもいるだろう。 だがこれは、決してこの場で初めて起こった事象ではない。 これと同様の事例が起こったのは、かつてディケイドが訪れた『龍騎の世界』におけることだった。 ライダー裁判の発端となるATASHIジャーナルの編集長、桃井玲子の殺害をはじめとして、龍騎の世界で暗躍していた、鎌田という男。 ライダーバトルの結果で裁判の判決が決まるその世界において、光夏美に自身の殺害に関する罪を擦り付けようとした、許されざる悪である。 結局は彼の犯行はタイムベントで過去に戻った士により阻止され、夏美に関するライダー裁判が起こることもなくなったものの、大事なのはそこではない。 今ここで重要なのは、彼が過去に戻った際に起こった事象、そして彼の本当の正体である。 果たして鎌田の真の姿とは、『剣の世界』に存在するハートスートのカテゴリーK、パラドキサアンデッドであった。 ディケイドの影響か、或いは鳴滝の手引きで世界を渡った彼は、桃井にある時その人ならざる正体を桃井に知られた為に、口封じの意を含め彼女を殺害したのである。 そして士たちのタイムベントに紛れ同じく過去に戻った鎌田ともう一人の(本来その時間にいたはずの)鎌田との間に起こった事象とは、二人の鎌田が……過去と未来の鎌田が一つになるという奇想天外なものだった。 どういうことだと頭を抱えたくなる気持ちも分かるが、しかしここまでは前提、本題はここからだ。 その本題とはつまり、なぜ鎌田は一切の理由なく過去の自分と融合したのか、という問いである。 タイムパラドックスの解消?なるほど一理あるかもしれない。 鎌田の語られざる能力?確かに彼の能力には不明瞭な点も多く、否定しきることは出来ないだろう。 だが、ここでは敢えてこれらの理屈を否定しよう。 ではなぜ、二人の鎌田は融合したのか? その答えはずばり、“鎌田がアンデッドであったから”だ。 どういうことか、それを説明するには、アンデッドというものがどういった存在なのかを今一度理解する必要がある。 『剣の世界』に存在する怪人アンデッドとは、つまりそれぞれのアンデッドがそれぞれの生物の始祖であり、またそれぞれの種にとっての英雄と言っていい。 彼らはそれぞれバトルファイトにおいて勝ち残ることで得られる報酬、自身の種の繁栄を望み、その座を巡って戦いあう、言わばそれぞれの種が選んだ精鋭たちの集まりなのだ。 と、ここまでを踏まえたうえで問おう。 “もしもどれか一つの種が、バトルファイトに参戦できるアンデッドを二人輩出したとしたらどうなる?” 答えは明確単純、明らかな不平等が生じ、バトルファイトそのものの均衡が崩れることになる。 なれば公正な戦いを望む統制者が、そもそもどういった条件であれ(勝利すれば全てを滅ぼすことになる破壊者ジョーカーを除いて)同一のアンデッドが同時に存在できないようにしていたとして、さして不思議ではないだろう。 ……説明は長くなったがつまりは、鎌田が一つになったのも、今キングが一つになったのも、統制者が仕組んだ調整機構の表れだったということだ。 さて、細かい理由はともかくとして、結論として今ここで起こったことは二つ。 参加者に支給されていたスペードスートのカテゴリーKがキングと一体化したこと、そして――。 「うん、やっぱり思った通り、だね」 自分自身もコーカサスアンデッドへとその身を変えたキングは、呟く。 先ほどまでは見る影もなく破壊されていたソリッドシールド。 もう一人の自分を吸収することで完全に復活したそれを、満足げに見つめながら。 別にエクシードギルスにこの盾を壊されてからもその不在を強く意識することはなかったが、ソリッドシールドは元来からこの身に備わった能力である。 それに、このバトルロワイアルに途中参加したことによるアドバンテージの一つ、参加者の正確な場所の把握が既に意味のないものになってしまった今となっては、一つでも戦力を増やしておくことは決して無駄ではなかった。 レンゲルバックルと合流できればこうなったかもしれないと思ってこそいたが、こうまで上手くいくとキングとしても今後が怖くなってしまうような心地である。 「ま、僕ならこんなの使わなくても面白い遊びは山ほど出来るけどね」 その身を再び人間のものに戻したキングは、最早不要な入れ物と化したレンゲルバックルを投げ捨てる。 スパイダーアンデッドがまた封印されれば使えるようにこそなるが、自分の楽しい時間を終わらせかねないアイテムなど一つでも少ない方が良い。 バイバイレンゲル、と一言だけ呟いた彼は瞬間、病院から響く喧噪の声を聞いた。 まさか先客がいたかと思ったが、何のことはない。恐らくこれは戦いの音ではなく、ただ暇を持て余してはしゃいでいるだけのようだ。 であればこれから、自分がそんな退屈な時間をぶちこわしてやろうではないか。 自身がこれから崩壊させる集団の、その最期の安息の声をただ煩わしく感じながら、キングはその場に似合わぬほどに気怠げな表情で病院へと足を進めた。 ◆ キングの合図を受けて現れたモンスターの数は、すぐわかるだけで10数体といったところか。 先ほどまで三人しかいなかったはずのこのロビーは、今や魑魅魍魎跋扈する地獄変と化していた。 流石の仮面ライダーも緊張を高める中、キングは一人場違いな余裕を浮かばせる。 「どう?驚いた?僕が無策でこんなところに来るわけないじゃん」 「……このモンスターたちは、一体なんだ。大ショッカーの手先か?」 「いや、違うよ。こいつらは僕が操ってるだけ。このカードを使ってね」 名護の問いに対し、案外素直にキングは懐から一枚のカードを取り出す。 その絵柄や細かい情報は未だ得られなかったが、しかし名護にはそうしてキングが表にその札を露出しただけで十分だった。 「総司君!これを使え!」 まるでその瞬間を待っていたでもいうのか、懐から素早く一枚のカードを取り出した名護は、ブレイドにそれを投げつける。 真っ直ぐに飛んできたカードを危なげなく受け取って、ブレイドはそのままそれをラウザーに滑らせた。 ――THEEF それは、名護が持っていたラウズカードの中の一枚、カメレオンシーフのカード。 敵の持つカードを奪う効果を持つそれを受けて、キングの手に握られていたカードは呆気なくブレイドの手に渡る。 「うわー、正義の味方が泥棒なんて、とんだスキャンダルじゃん。恥ずかしくないの?」 「あぁ、恥ずかしくはないな。それに、これでお前はモンスターを使役出来ない」 「……もしかして、こいつらをミラーモンスターみたいなもんだと思ってる? 違うよ、こいつらを操ってるのは僕自身の能力。そのカードはあくまで最初にこいつらを解放するためだけのものさ」 「解放……?」 キングの言葉につられてその手の中のカードを見たブレイドは、見覚えのある形式で書かれたクラブの10の文字を読み取った。 更にその下にはREMOTEの字が読み取れ、このカードがアンデッドを解放し使役するというリモートテイピアというものだということが理解出来た。 そして同時、先ほど一条から聞いた話の中でこのカードを始めとしてクラブのカードを使うライダーが西側にいたことを、彼らは思い出していた。 「まさか……今はお前がレンゲルを!?」 「う~ん、まぁ正解かな。本当はもうちょっと複雑だけど、おまけで当たりってことにしてやるよ。 あ、あとついでに教えておくけど、召喚制限の1分を待っても無駄だよ?首輪をしてない僕が召喚したこいつらは、そんな制限無視できるんだ」 まさにゲームを楽しむような口調で、キングは長々と話し続ける。 心底腹が立つ外道だが、今は彼に圧倒的情報アドバンテージがあるのは疑いようがない。 ここは苛立ちを押さえて話を聞くべきかと、翔太郎は何とか自分の先走りそうになる思いを押さえつけた。 「おい、解放だけがそのカードの力で、こいつらを操ってるのはお前の能力ってことは、お前を先に倒したらこいつらが野放しになるってことか?」 「お、いいとこ目付けるね、その通りだよ。僕を先に倒したら、こいつらは全員自由になって会場を徘徊して、手あたり次第参加者を襲うだろうね」 キングの答えを受けて、翔太郎は歯噛みする。 雑魚は無視して全員でキングを叩く、という戦法が通用しないようにあらかじめ手を打ってあるということだ。 恐らく、ここにいるアンデッドの一体一体は、ここまで生き残った仮面ライダーであれば問題なく対処できる強さであろう。 だが、参加者には変身制限が存在する以上、この数が鎖もなく解き放たれるのは避けなければならない。 恐らくはそこまで読んでこいつらを解放したのだと思うと、なるほどこれは世界を無茶苦茶にするという狂った目的のためには素晴らしいプレイングだと認めざるを得ないだろう。 何度目ともしれない嫌悪感を敵に抱いた翔太郎を相手に、キングはなんともわざとらしく何かに気付いたように声を上げた。 「あっ、そういえば言い忘れてたけど、解放したのはこいつらだけじゃないから。 他の連中は僕が操ってるわけじゃないから、もうこの近くの誰かを襲ってるかもね?」 「なッ……!」 三人の動揺を前に、キングは不気味に頬を吊り上げる。 元々混沌を望むキングにとって、それはある種当然の行動だ。 彼の行動原理からすれば当然の行為ではあるが……しかしそれでも怒りを抑えることは出来なかった。 ただ理不尽な暴力が、誰かに向いているという事実だけが、仮面ライダー達を焦燥に誘う。 そして同時、そんな最悪の作戦を今このタイミングで自らキングがわざわざ明かした。 それが意味するところは、つまり必要な時間稼ぎは大体出来ただろうという一つの確信から来るものだと、そう理解するほかなかった。 「放たれたアンデッドはそれぞれクラブのA、9、ハートの7、8の四体! さぁ君らは止められるかな?」 「……無駄話は終わったかよ?それじゃそろそろ行かせてもらうぜ」 「それはこっちの台詞だし。――行け!」 彼らが悠長に会話を出来ていたのも、最早それまでだった。 キングの指示が飛ぶと同時、三人に向けてアンデッドの波が襲いかかったのである。 だがその波が彼らに到達するより早く、翔太郎はその懐より“切り札”を取り出した。 ――JOKER! ガイアウィスパーが、高らかにその名前を宣言する。 その声を受け、アンデッドの視線が一斉に翔太郎に集まっていく。 まるで、それと同じ名前の忌むべき死神を想起しているかのように。 多くの憎しみを込めた視線を感じながら、しかしそれさえも振り切って彼は思い切りドライバーにメモリを差した。 「変身!」 ――JOKER! ロストドライバーに収められたメモリが翔太郎の戦意に応えるかのように再びその名を叫ぶ。 それと同時生じた紫の粒子が彼を包めば、そこにいたのは最早ただの人間ではない。 仮面ライダージョーカーの名を持つ、愛する街を、人々を守るため戦う孤高の戦士がそこに現れていた。 「さぁて……っておわっ!?」 戦闘準備を整え、敵に対峙しようと気障なポーズを構えたジョーカーは、しかし次の瞬間壁さえも打ち砕くスピードで吹き飛ばされていた。 見れば、解放されたアンデッドのうち、特に活きのいいサイのアンデッドが、鬼気迫る勢いで彼に突っ込んでいたのである。 「翔太郎ッ!」 ブレイドの焦燥を含んだ声が、響く。 常人であれば致命傷は避けられない攻撃を不意打ち気味に食らったジョーカーを心配してのことだったが、彼はそこまで軟ではない。 「ってぇな!いきなり何しやがん――」 「ガアァッ!!!」 突然の攻撃に怯みつつもすぐさま立ち上がり、そのまま軽口の一つでも叩こうとして、それよりも早く到来したアンデッドの群れを前に、その余裕さえ消え失せた。 変身さえしていない名護もいるというのに、何故自分に対してだけここまで攻撃が集中するのだと不条理に怒るジョーカー。 だがそんな呑気な思考を続けることさえ出来なくなるほどに、敵の攻撃は苛烈を極めていく。 幾ら歴戦の彼と言えど、流石に攻撃を捌けなくなるという、まさにその瞬間。 ジョーカーの視界を覆っていた魔物の群れが、突然に晴らされた。 「大丈夫か、翔太郎君」 「なんだか災難だったね」 「名護さん、総司、サンキュー。助かったぜ」 ブレイドと、イクサへの変身を終えた名護が、自身の救援に現れたのである。 新たに現れた戦士を前に、流石にジョーカーのみを妄信的に襲うことは出来なくなったと判断したのか、アンデッドたちもまたそれぞれに狙いを定めなおす。 未だ高みの見物を決め込むキングを、チラと横目で見やりながら、彼らは戦いの渦に飲み込まれていった。 ◆ 数分前、最初にキングの接近に気がついたのは、実は一条と共にロビーから離れた病室にいた翔一であった。 彼は瞬間、それまで浮かべていた柔和な表情から一変、突如虚空を睨み付け、何かを察したかのように険しい表情を浮かべたのである。 まるで、彼が元の世界でアンノウンの出現を察知したときのような。 この能力の原理は、翔一にも分からない。 アギトの力がそうさせるのか、或いは翔一の誰かを守りたいという思いがそれを可能にするのか。 だがそんな些末な事象の究明よりも大事なのは、それを感じるのは決まって人ならざる者が誰かを傷つけようとする時なのだということを、翔一は知っていた。 「……」 目の前で眠る一条を見る。 この場に彼を一人置き去りにはしていくことに抵抗はあるが、それ以上に仲間の身には一刻を争う危険が迫っているかもしれない。 どうするべきかと頭を悩ませていた翔一の元に、何か感情を込めた喧騒の声が届く。 これはいよいよ行動しなければいけない時かと一層緊張を高め踵を返した翔一はしかし、後方から響いた小さな声に呼び止められる。 「津上君……今の音は一体……」 「あっ、一条さん。起きちゃいましたか」 「いや、10分そこらであっても、寝られただけありがたい。 それよりも今の音はまさか……」 「……はい、そのまさか、だと思います」 眠りを極めて短く切り上げられた一条はさぞ不機嫌だろうとばかり思っていたのだが、彼の言葉は嘘ではないらしく、顔色や表情は先ほどとは見違えるほどに血色もよくすっきりとしたものであった。 刑事さんって大変だなぁ、などと場違いな言葉は口に出さず、代わりに翔一はただ彼の懸念に答える。 そして同時、先ほどとは違う翔一の声音から察せられる状況に、一条の顔も刑事のそれに戻っていた。 「でも、安心しててください。さっき言ったとおり、頭を使わなかった分だけ頑張ってきます」 「……あぁ、わかった」 なんとかその言葉を絞り出したが、実際のところ悔しくないと言えば嘘になる。 それでも今の自分が戦闘など望めようはずもないのだから、これ以上彼を引き留めても無駄な時間を過ごさせるだけだった。 そう脳内で理解は出来るものの、こうして事が起こって改めてその事実を突きつけられると些かプライドが傷つくというものである。 「大丈夫ですよ、きっとすぐに帰ってきますし、それにここは安全――」 一条の内心を見抜いているのか、どこか拗ねた子供に言い聞かせるような口調で語りながら、ふと窓に目を見やった翔一の瞳は、瞬間見開かれる。 一応は警戒のために他の部屋と同じくカーテンを開いていたこの部屋の窓の外。 そこに、壁に張り付きこちらの様子を覗き見る、緑と紫色をした蜘蛛の様なモンスターを視認したからだ。 「――一条さん、危ない!」 だが、その見覚えのある存在について因縁を燃やすより早く、翔一はベッドに横たわる一条を引き寄せそこから引きずり降ろしていた。 蜘蛛のモンスターが病院内に侵入するために、窓を叩き割ろうと大きく拳を振り上げているのが見えたからだ。 瞬間、翔一が一条をベッドの影で抱きかかえるが早いか、今まで一条が寝ていたベッドに、勢いよくガラスの破片が突き刺さる。 「大丈夫ですか!?一条さん」 「いや、問題ない。すまない、津上君」 流石に今の行動は怪我人相手に乱暴だったかとも思うが、一条は文句の一つもなく礼を言う。 彼が無理やりにでもこうして守らなければ、自分の身体はガラスの破片でズタズタになっていただろうことを嫌でも理解しているのだ。 「しかし、一体何なんだ……他の参加者なのか……?」 「いえ、違います。あいつ、多分小沢さんを操っていたモンスターです」 「なんだって?ということは、あれもアンデッドという怪人なのか……?」 小沢がレンゲルという仮面ライダーに変身した時に、一瞬だけ現れた蜘蛛のモンスター。 その姿と、今襲撃してきたモンスターは、間違いなく同一のものだったのである。 とはいえ、それが分かったところで、どうして実体化したのかだとか、誰が解放したのかだとか、様々な疑問は残ってしまう。 だが、関係ない。 少なくとも自分は頭を使ってどうこうするのは向いていないのは分かり切っているのだ。 であれば今、無力な人に躊躇なく暴力を振るう怪人に、翔一が示せる行動はただ一つだった。 ベッドの影から勢いよく立ち上がった翔一は、そのまま今しがた襲撃してきた蜘蛛のモンスター……スパイダーアンデッドに向き直る。 不意打ちを仕掛けるようなモンスターを相手に、つべこべと会話を交わしている暇もない。 居合のようなキレで、彼はいつもの構えを取った。 瞬間、その腰にオルタリングが浮かび上がって、彼の戦意はどんどんと高まっていく。 「ギシャア!」 「――変身!」 待ちきれないとばかりに、狭い病室を気にすることなく敵に目掛け跳びあがったスパイダーは、しかし瞬間翔一の腰から放たれた眩い光に怯み思わず目を覆う。 その光が晴れたとき、再度拳を振るおうとしたそれは、しかし逆に自身に放たれた黄金の拳のカウンターを受けていた。 自身が登ってきた窓ごと壁を破壊して、病院の外に吹き飛ばされていくスパイダー。 小沢が命を落とす遠因と言っても過言ではないそれにこうして一発叩き込めたことに僅かばかり満足感を得て、窓の外に顔を乗り出したアギトは、驚愕する。 今しがた落ちていったスパイダーが何事もなかったかのようにもう一度登り始めていることは勿論、イカ、植物、蛾をそれぞれ思わせるアンデッドも同様にこちらに向かってきているのだ。 ……そう、キングが放ち、近辺の参加者を襲う様に指示していたアンデッドたちは、今こうして最も近い場所にいた一条と翔一に狙いを定めたのである。 元々知性に疎い下級アンデッドばかりがその指示を受けたのもあり、翔太郎たちの懸念に及ばないような距離しか移動をしていなかったのだ。 だが、恐らくはキングがこれを知ったところで、大した失望は感じないだろう。 一瞬だけでも仮面ライダーたちの怒りを煽り自分のペースに巻き込めた時点で、彼にはそれで十分なのだ。 その結果そのものよりも、偽善者の仮面が剥がれるその瞬間こそが彼の望みなのだから。 ともかく、そんな敵の狙いに気付くはずもないまま、アギトは窓際から離れ一条のもとに駆け寄った。 「一条さん、ここもちょっと危ないみたいです、だから……一条さん?」 「……え、あぁすまない」 アギトの焦燥を含んだ声にようやく応じながら、しかし一条の目は未だ翔一が変じた戦士に釘付けになっていた。 これが、アギト。一瞬クウガと見間違ってしまうような外見をした、しかし異世界に存在する、出自も何も異なる戦士。 小沢から話を聞き存在については知っていたはずなのに、こうして直接目の当たりにすると自身の最も知る戦士によく似たその姿にはやはり呆気に取られてしまう心地だった。 らしくなく数舜呆けた表情を晒した一条に対し、アギトは何を言うでもなく自身に背を向けて屈みこんだ。 「乗ってください、一条さん」 「え……?」 「俺が絶対に守りますから」 聞きたかったのはそういう言葉ではないのだが、と思いながら、一条はようやく彼の提案を理解する。 この部屋に一人で残っていても危険だから、戦える自分と一緒に行動していた方がまだマシだ、と言いたいのだろう。 馬鹿にするな、俺も立つことくらいはできる、と粋がってみたがったが、正直それだけだ。変身を介さなければ、満足に走ることも出来まい。 であればここで意地を張るだけやはり無駄なだけと、一条は特に反論を講じるでもなく彼の背に飛び乗った。 自身の体重を苦にもせず立ち上がったアギトの前に、新しく現れたイカのアンデッドがその触手を用いて病室に乗り込んでくる。 どころかその横から計3体のアンデッドもまた乗り込んできているのだから、それ以上彼が余裕を持てるはずもなかった。 こんな狭いところでは戦いにもなり得ないと、病室から飛び出たアギトの背を追って、アンデッドの群れが病院の廊下に雪崩れ込んだ。 それを見ながら、どうやらこれは、いよいよ仲間たちの心配ばかりしていられる状況ではないらしいとアギトもまた気を引き締める。 仲間の無事を祈りながら、今の自分の使命はこの背に負ぶさる男を守ることだと強く再認識して、アギトは踵を翻し気合と共にモンスターの群れに背を向けて走り出した。 133 未完成の僕たちに(1) 投下順 133 未完成の僕たちに(3) 時系列順 一条薫 津上翔一 擬態天道 名護啓介 左翔太郎 キング 門矢士
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日曜日の神奈川・大阪衆院補欠選挙で、ともに自民党候補者が当選し、安倍政権の改革持続と安定的な政権運営が期待できることで買い安心感が広がり日経平均は137円高の1万6788円で引けました。 前日当ブログで『日々の高値が切り下がってきており大きく下押しすることなく、反転上昇すれば長期波動入りです』と指摘しておきましたが、どうやら吉とでたようですね! ところで、いつも指摘している外国証券の寄付前の注文状況を毎日チェックしていますか?この外国証券の寄付前の注文状況を毎日チェックしていた方は、10月16日以降外人の買い意欲が強くなってきたことを既に掴んでいたことでしょう。 まだチェックしてない方のために一応列挙してみますと 16日・・・売り 2320万株 買い 3110万株 買い越し 790万株 17日・・・売り 2680万株 買い 4180万株 買い越し 1500万株 18日・・・売り 3430万株 買い 2770万株 売り越し 600万株 19日・・・売り 2850万株 買い 4510万株 買い越し 1660万株 20日・・・売り 2810万株 買い 2910万株 買い越し 100万株 23日・・・売り 3580万株 買い 4610万株 買い越し 1030万株 です。如何ですか! 別件ですがソフトバンクがソフトバンク同士の携帯通話料とメール料金を無料とするという発表をしました。私たちにとってはドコモやAUから乗り換えても乗り換えなくても、携帯格安料金時代が到来することは結構なことですね! あなたは、ソフトバンクを買う気になれますか。株価は?ですね! 売買タイミングを把握したい人はいませんか? 買い、売りのポイントが判断できれば稼げます! ↓↓ ■超短期投資分析表作成マニュアル
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265 :earth:2012/05/09(水) 21 58 27 津波によって壊滅した旧アメリカ合衆国東海岸地域。 北米再開発のためには早めに復興しなければならない地域であったが、アメリカ風邪と言う疫病によってそれも不可能となっていた。 日英独の三ヶ国は協力してこの悪夢の病魔の封じ込めを行っていたが、それとて完璧ではなく、生き残った元アメリカ人が時折封鎖線を越えて 逃亡するときもあった。 中でも船舶(殆どが小船だが)を使って逃亡したアメリカ人がフロリダに上陸した時は大騒ぎになった。各国海軍は封鎖のために戦力の 増強を図ると同時に傭兵を募った。 しかしそんな中、傭兵のように金のためではなく、「自らの意思で世界を守ろう」という崇高な意思を持って立ち上がる男達もいた。 「(人類が生存できる)環境を守るために、今こそ立ち上がるときだ!」 男達は独自に武器と船舶を調達し、世界を守るために海洋に乗り出した。 各国政府は最初は困惑したが、彼らの行動が自国のためになると判断されると積極的に後押しした。 「彼らこそ、優良人種の鑑である!」 ドイツの某総統閣下はそう絶賛した。 南米やメキシコといった国々も身銭を切って世界を守ろうとする彼らに対し、惜しみない賞賛を送った。 彼らが寄港するたび、誰もが彼らを歓待し、彼らの武勇伝に聞き入った。 そして金銭に余裕のある人間達は、彼らに対して金銭的な支援を行い始める。これによって資金力を得た彼らはますます行動を活発化させて いくことになる。 特に一部の団体はドイツの後押しを受け、武装親衛隊の協力の下、容赦の無い攻撃を難民船に浴びせた。 「……軍人でも傭兵でもない民間人に、人殺しをさせるべきではないのでは?」 勿論そんな声もあったが、アメリカ風邪の脅威や封鎖線が破られた際の被害の大きさを盾にされて、すぐに萎むことになる。 「シーシェ○ードもどきの団体が賞賛される世界か……嫌な世界だ」 前世でよほど嫌な思い出があるのか、海軍軍人にして海保の相談役と言われる某海軍大将は、自称「(人類が生存できる)環境保護団体」が 操る船と彼らが掲げる旗を見てそうぼやいたと言われている。
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(2007年05月20日) いよいよ明日開院です
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毎日やることリスト 宿屋で金プレートの交換 1日1回のみ交換可能な各種ドーピング剤(アタークリキッドやマホアタークリキッド)・チョコボーロギフトの交換は行いましょう。 デイリーミッション・クエストの消化 1日1回のみのバザーポイントがもらえるデイリークエストとオルタリエに転職済みの方はデイリーミッションのHARDをクリアして各属性の指南書を集めると良いでしょう。 特に土曜日と日曜日に関しては獲得できるバザーポイントが55PTと獲得できる指南書が虹になりますのでできるだけ消化することをおすすめします。 ボーロメーカーの中身を全て育成中のペットor神餌などにあげる 時間経過で自動的にボーロメーカーにボーロが溜まり、最大50個(課金額に応じて上限変動)貯まるので欠かさずペットにあげましょう。 1日1回無料10連ガチャを回す 大当たりの銅のモバクマチケットは20枚集めると過去のモバ装備と交換ができます。 管理人はやることリストの中で一番重要だと思っています。 1日1回無料スロットを回す 1日1回のみ無料でチョコスロットを回すことができます。 ごくごくたまに(2週間に一回程度?)リキッドや飛空石などが当たりますのでバザーポイントの足しにしましょう。