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初出 『恋愛美人if』2007年3月号 あらすじ 残業ばかりの冴えないOL・真理。いつもどおり残業を終え、エレベーターに乗ろうとすると、乗り込んできた男性がいた。隣の部署で働く、真理の憧れの人・田辺だった。 2人きりの状況。残業をしていたゆえの幸運に喜ぶ真理。それもつかの間、エレベーターが急停止し、明かりが消える。 驚きのあまり、田辺に抱きつく真理。はずみでキスしてしまう2人。真理は謝るが、田辺は積極的に真理に迫る。 少し強引な田辺にリードされるがまま、身体を開いてしまう真理。救助された後、思い返して恥ずかしさに身悶える真理。 しかし、田辺は平然とした様子。エレベーターに同乗したのは、実は偶然ではなく、田辺が真理を待っていたからだった。 真理に告白し、先に手を出してしまったがちゃんと付き合いたい、と真理を食事に誘う田辺。快諾する真理。手をつないで歩き出すエンディング。 みどころ 続編も2つ作られた人気作。田辺のSっぽい顔・表情・台詞が女性の心を鷲づかみにした。 携帯コミックス 携帯コミックスとして、以下のサイトで配信中。 「Handyコミック」 「コミックTOWN」 「コミックチャンプ」 Amazon Kindle
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56 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/09/20(月) 04 48 08 ID sMaSmGzXO [3/4] 梓「あったかあったかってしてもらったよ」 憂「そ、そうなんだ…」 梓「飴を唯先輩に貰ったんだ、チョコのお返しが飴というの唯先輩らしいね」 憂「…」 梓「?…憂?」 憂「…へ?な、何?」 梓「顔色悪いよ?大丈夫?」 憂「あ…えっと、ちょっと保健室行くね?先生に言っておいて、ごめんね?」 梓「あっ、憂」 ~~~保健室のベッド~~~ 憂「私何にも貰ってないよ…っ…ひっく…」 憂「…駄目だよね、見返りなんて求めたら…」 憂「でもホワイトデー期待してても…いいよね…」 ~~~ホワイトデー~~~ 憂「あっ、雪…ホワイトデーに雪っていいなぁ…」 憂「お姉ちゃんクッキーくれたりして♪」 ~~~自宅~~~ 唯「それでねーりっちゃんがねー」 唯「あっ皆でクッキー出し合って食べたんだ、美味しかったよー」 憂「!…そうなんだ、良かったねお姉ちゃん」 憂「ごめん、気分が良くないからもう寝るね、お休み」 ~~~翌日~~~ 唯「ういー?」 憂「まだ気分良くならないんだ今日は休むから…」 唯「分かったよー…何かあったら電話してね?」 憂「うん…」 憂「…雪なんて大っ嫌い…」 昨日と変わらず降り続けける雪に私はそう言った…雪も誰も悪くないのにね…それは言葉にしないまま静かに目を閉じた 感想をどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る 最後ハッピーエンドがよかった・・・ -- (唯憂は素晴らしいとは思わんかね?) 2010-10-18 21 03 26 え、なにこの寝とられた感じ -- (名無しさん) 2010-09-21 17 45 23
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前編はこちら 38 あったかクリスマス(後編)1/5 [sage] 2009/12/24(木) 22 20 54 ID wakyYTL8 クリスマスイブの夜。 私はケーキや料理をテーブルに広げて、二人きりのクリスマス会の準備を整えていた。 憂「…お姉ちゃん、まだかな」 今年は梓ちゃんの都合が悪いということで、軽音部のクリスマス会は行われない。 にも関わらず、お姉ちゃんは用事があると言って出かけてしまっていた。 お父さんとお母さんは旅行に行っていて、今この家には私一人しかいない。ちょっぴり、寂しいかも。 それにしてもお姉ちゃん…こんな時間までどこに行ってるんだろう。 憂「もしかして…彼氏と会ってるとか?」 いやまさか、お姉ちゃんに限ってそんなことは… あり得ないことじゃない。お姉ちゃんはかわいいし、内緒で誰かと付き合ってたってなんの不思議もない。 考えたくないけど、今頃相手の家で二人きりになって、プレゼントを交換してたりして… 「メリークリスマース♪」パーン! 憂「きゃあっ!?」 突如、背後から破裂音と聞き覚えのある声が聞こえた。ドギマギしつつ振り向くとそこにはサンタ…いや、 いつか見た赤いワンピースのサンタ服に身を包み、腰くらいまである白い髭を生やしたお姉ちゃんが…私の後ろに立っていた。 39 あったかクリスマス(後編)2/5 [sage] 2009/12/24(木) 22 24 23 ID wakyYTL8 憂「お…お姉ちゃん?その格好…」 唯「ノンノン、私は唯じゃありません、サンタです!」 お姉ちゃ…サンタは誇らしげに胸を張った。 自分から名前を明かしてしまっていたりクラッカーの中身の紙くずが帽子の上に乗っていたりと、思わずお姉ちゃんと呼んでしまいそうになるそのサンタに、私は再度質問した。 憂「サンタさん、その格好は?」 唯「去年さわちゃんに着せてもらったの借りてきたんだー♪あ、ついでにつけ髭も貸してくれたんだよ!」 憂「先生の家に行ってたんだ…よかった…お姉ちゃん、すごく似合うよ♪」 唯「えへへー♪」 私の言葉を聞いて嬉しそうに微笑むお姉ちゃんは、あっさりサンタ設定を解除してしまったようだ。 帽子についた紙くずを取り除いてあげていると、お姉ちゃんは思い出したように私に言った。 唯「憂、お料理全部準備し終わった?」 憂「えっと…あとはスープあっためるだけだよ」 唯「そっか!じゃあ早速…」 憂「うん、スープ準備するね」 唯「プレゼント交換しよう!」 憂「えっ?」 私はお姉ちゃんの言葉に驚いていた。まさかこのタイミングで言い出すとは思わなかったから。 てっきり、料理を食べてお腹を膨らませてからだとばかり… 40 あったかクリスマス(後編)3/5 [sage] 2009/12/24(木) 22 28 11 ID wakyYTL8 唯「憂、早く早くー!」 憂「う、うん!」 少し不安だけど…渡さないわけにもいかない。私は心を決め、用意していたプレゼントを取り出した。 唯「じゃあ…メリークリスマス、憂♪」 憂「メ、メリークリスマス!」 唯「えへへ…それじゃ一緒に開けよ♪」 憂「うん…」 私は予想外にドキドキしていた。もし喜んでもらえなかったらと考えると、とても不安になる。 そして今私の手の中にあるお姉ちゃんのプレゼントも、私をドキドキさせていた。とても柔らかい感触だけど…一体なんだろう? 唯「じゃあいくよ?せーので開けようね」 憂「う、うん!」 唯憂「せーの!」 私たちは同時に包みを開けた―― 憂「これ…」 お姉ちゃんがくれたプレゼント。それはエプロンだった。ピンクの、とてもかわいいエプロンだ。 唯「えへへ、憂いつも同じやつ着けてるから…似合うといいんだけど」 そして私がお姉ちゃんにあげたプレゼントは、膝掛けだった。これもピンクの生地だ。 憂「お姉ちゃん、ギター弾くたびに冷たそうにしてたから…膝掛け、作ってみたんだ」 私たちは、お互いに交換したプレゼントをジッと見つめていた。そして… 唯「…憂」 憂「…お姉ちゃん」 41 あったかクリスマス(後編)4/5 [sage] 2009/12/24(木) 22 31 35 ID wakyYTL8 唯憂「ありがとうっ!」 二人一緒に、お礼を言い合っていた。 唯「…ぷっ!あはは…」 憂「ふふっ…あはは…」 なんだかおかしくなって、私たちは笑い合う。 さっきまでの緊張はすっかり消え、幸福が私の心を満たしていた。 唯「ねぇ憂、さっそく着けてみて?」 唯「うん♪あ、だから料理の準備のこと聞いたんだね」 唯「ピンポーン♪私も膝掛け使ってみるね?ギー太乗っけても冷たくないか確かめてみよっと」 憂「じゃあ私も…」 私は鏡の前でエプロンを着けてみた。…今まで、エプロンを着けるのにこんなにも幸せな気分になったことなかったな… 唯「わぁ、似合う似合うー♪」 憂「えへへ…♪あ、お姉ちゃんはどう?膝掛け」 唯「うん、すっごくあったかいよ!今度りっちゃんたちに自慢しちゃおーっと♪」 憂「もう、お姉ちゃんったら…ほどほどにしなきゃダメだよ?」 唯「はーい♪あ、そういえばさっき私が帰ってきた時、なに独り言言ってたの?」 憂「な、何でもないよ!ス、スープあっためるから、お姉ちゃんはケーキ食べる準備して!」 唯「おー♪…あ、憂?」 憂「なに?」 唯「ホントに、ありがとね」 憂「…うん。私も…ありがとう、お姉ちゃん」 42 あったかクリスマス(後編)5/5 [sage] 2009/12/24(木) 22 33 29 ID wakyYTL8 ――今年は、去年みたいにホワイトクリスマスにはならなそうだけど… その代わり、とてもあったかい、とても幸せなクリスマスになりました。 ありがとう、お姉ちゃん。 おしまい
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986 あったかクリスマス(前編)1/2 [sage] 2009/12/20(日) 22 51 05 ID iohGTLdE ある日夕飯を食べていると、お姉ちゃんが何かを思い出したように私に話しかけてきた。 唯「ねえ憂」 憂「なあに?」 唯「クリスマスさ…」 憂「ごほっ!!」 唯「う、憂っ!?」 人間なにか秘密にしていることに触れられると動揺してしまうもので、私は思い切りむせてしまった。…無念。 それでも吹き出したご飯粒をふき取りながら、必死で平静を保つ。 憂「ゲホゲホ…ご、ごめんお姉ちゃん。それで、なに?」 唯「今年のクリスマスは、どんなごちそう作ってくれるの?今から楽しみだよー♪」 憂「もちろん腕によりをかけて作るよ?ケーキも作るから期待しててね」 唯「うんっ♪」 お姉ちゃんの無邪気な笑顔を見て、私は幸せな気持ちになる。クリスマスには、もっと嬉しそうな笑顔を見せてくれるといいんだけど―― 私は今、お姉ちゃんのために密かに手作りのプレゼントを用意していた。 お姉ちゃんの誕生日の時は準備不足に泣いたけど、今回は万全。既に2週間前から作業を始めている。 まぁ、そんな大それた物でもないのかもしれないけど…それでもお姉ちゃんのために、心を込めて頑張っている。だから… 唯「あ、プレゼントも交換しようね!」 憂「う、うん!?」 987 あったかクリスマス(前編)2/2 [sage] 2009/12/20(日) 22 53 57 ID iohGTLdE 唯「なに用意しようかなぁー?去年はマフラーだったんだよね…えっとぉ」 憂「お、お姉ちゃん?」 唯「ん?なにか欲しいものある?」 憂「そうじゃなくて…今年もお互いのプレゼント、秘密にしない?その方が楽しみも増えるし」 唯「あ、確かにそうだね…じゃあ、そうしよっか!」 憂「…うん♪」 唯「えへへー♪ホントに楽しみだなぁー♪」 ねえ、お姉ちゃん。去年マフラーをもらった時はね、とってもあったかい気持ちになれたんだよ。これからも頑張ろうって、そう思えたの。 だから、ちょっと図々しいかもしれないんだけど…今年もそんな素敵なプレゼント、期待してるね。 つづく 続きはクリスマスに投下します! 後編はこちら
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え、なにこの寝とられた感じ -- (名無しさん) 2010-09-21 17 45 23 最後ハッピーエンドがよかった・・・ -- (唯憂は素晴らしいとは思わんかね?) 2010-10-18 21 03 26
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424 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/02/20(土) 22 51 45 ID MGrLJjFcO 「ねぇ憂~おこたあったかいよね♪」 「そうだねー♪」 「あ、もっと足伸ばしていい?ちょっと窮屈なんだ」 「うん、いいよー」 「よいしょっ…」プニュ 「ひゃぅっ!」 「う、憂?どしたの?」 「な、なんでもないよ!」 い、今変なとこお姉ちゃんの足でつつかれちゃった… うぅ、おまけに変な声だしちゃったし……ちょっとだけ気持ちよかったからかなぁ?ってなに考えてんの私! 「憂ー」 「な、なに?」 「貝合わせってなあに?」 ゴツン! 「憂!おもいっきりテーブルにおでこ打ち付けたよ今!」 「あはは…い、石頭になりたくてね…で、今なんて?」 「だから、貝合わせ」 ガツン! 「憂!こぶできちゃうよ!」 「えはは…で、その言葉は誰から?まぁだいたい予想はつくけど」 「ムギちゃんが読んでた小説に書いてあったの。ムギちゃんに聞いたら憂に聞けって…なんか実際にしたらよく分かるらしいけど、どういうことなのかな」 「…か、貝って…いうのは…」 「?」 どうしようどうしよう、貝合わせを説明って、そんなのどう考えても無理! ていうかなんで私知ってるの!?ああもう純ちゃんのバカ! 「ねぇ憂ー?」 「え、えっと…」 425 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/02/20(土) 22 52 34 ID MGrLJjFcO いやでも冷静に考えようよ。 そういうことをするのが悪いとかいやらしいとか、そう考えること自体間違ってる! 私たちは姉妹、清らかな関係なんだ。何をしようと汚れることなんてない…そうですよね皆さん! 「ねぇ、憂?」 「わかったよ…教えてあげる。あのねお姉ちゃん、貝合わせっていうのはね、その…女の子同士で、こ、擦り合わせることなの」 「こ、擦り合わせるっ!な、なんでそんなことするの!?痛くならないの!?」 「なんでって…ほら、気持ちいいから…じゃないかな」 「な、なるほど…」 「まぁ、だから…実際にするっていうのはさすがに…」 「わ、私…いいよ!」 「え!?」 「要するに、女の子同士で、あ、えーと…することだよね!」 「う…うん」 「だったら…私、憂ならいいよ!」 「お姉ちゃん…ホ、ホントにいいの…?」 「うん…私がんばるよ!ちょっと怖いけど、大好きな憂となら私…」 「お姉ちゃん…じゃ、じゃあ…」 「うん…いいよ」 ――― こんにちは、琴吹紬です! 今日は親戚にいただいたお土産をお裾分けに唯ちゃんの家にやってきました! 「おじゃましまー…」 「憂…はぁはぁ…」 「お…お姉ちゃん…」 「!!」 426 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/02/20(土) 22 53 47 ID MGrLJjFcO まさか…あの二人、本当に貝合わせを実行してるの!?そんな、そんなこと絶対に… 「この目に焼き付けなくちゃ!おじゃまします!」ソロー… 「はぁ、はぁ…ねぇ憂、全然気持ちよくならないよ?」 「ふぅ、はぁ…あっ…も、もう少し右に…」 はぁはぁ…こ、この扉の向こうには絡み合う二人の姿が!…いざ! 「きゃあっ!つい手が滑って扉を開けちゃった!」ガララ 「こ…こうでいいのかな…はぁ、はぁ…」 「うん…いい感じだよ…ていうかお姉ちゃん…」 「なに…?」 「アサリとアサリを擦り合わせても未来永劫気持ちよくはならないと思うよ…」 「何が悪いのかなぁ?やっぱりシジミにした方がいいのかな?それともサザエ?」 「いや、っていうかそもそも…あ、紬さん!」 「どしたのムギちゃん?なんか泣きそうだよ?」 「…うふふ、うふふふふ…純粋っていいわねちくしょう♪」 おわり 嫌だなぁ、僕がそんなエッチなSS書くわけないじゃないですか!
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このページはこちらに移転しました あったかい 作詞/つまだ 最後に流れた 歌を口ずさみ 愛していますで 照れてみる クスリと笑って 君は寝返って もう少しだけと 回り道 まるでぼやけた 宇宙(そら)に一つの ミルク色の月明かり 「優しさで君を包む」 言葉は月並みで 思い出して クスリと 僕も笑ってみる 「目を擦るなよ腫れるぞ」 恥ずかしくなったんだ 今は僕の となりで 寝ててほしい 音源 あったかい(アカペラ) (このページは旧wikiから転載されました)
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あったかい 作詞/つまだ 最後に流れた 歌を口ずさみ 愛していますで 照れてみる クスリと笑って 君は寝返って もう少しだけと 回り道 まるでぼやけた 宇宙(そら)に一つの ミルク色の月明かり 「優しさで君を包む」 言葉は月並みで 思い出して クスリと 僕も笑ってみる 「目を擦るなよ腫れるぞ」 恥ずかしくなったんだ 今は僕の となりで 寝ててほしい 音源 あったかい(アカペラ)
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11月11日。今日は私の誕生日。 だけど、小さい頃の時ほどワクワクしたりはしない。大人になったら今よりももっと関心が無くなるのかな? 憂「おはよう、梓ちゃん!」 梓「あっ、憂。おはよう」 憂「寒くなってきたね〜」 梓「来週からはもっと寒くなるらしいよ」 憂「マフラーと手袋出しとかないと」 梓「ああ、あのマフラーね……」 憂のマフラーは少し変わったデザインで、唯先輩からのプレゼントらしい。たしか、首元でサカナが向かい合っていたような。 「おはよう、二人とも!」 梓「あっ、純。おはよう」 憂「おはよう、純ちゃん」 純「ここんとこ、勉強ばっかでイヤになるよ〜……」 純の言うように、最近は受験勉強ばかりで少し疲れる。学祭も終わってしまった私たちは受験生になった。この辛さを自分が体験してみると、難関校で有名な女子大に五人揃って合格した先輩たちはやっぱりすごいと思わせられる。 憂「仕方ないよ」 純「まぁ、がんばるけどさ……」 そう。私たちはがんばるしかない。今は受験生なんだから。 憂「元気の出るように、お菓子も作ってきたから!」 純「やった!」 梓「まったく……」 ♯ 放課後 部室 純「あー今日も疲れたー……」 直「今日もお疲れさまです」 学祭が終わってからも私たち三年生は部室にお邪魔して、毎日下校時刻まで勉強をしている。 去年の先輩たちと同じだ。かわいい後輩と会える。こういう伝統も悪くない。 菫「お茶淹れました」 憂「ありがとう、スミーレちゃん」 直「生き返る……」 純「私も〜……」 勉強後のゆるやかな一息。菫の淹れてくれた紅茶がおいしい。こういう時間もやっぱり必要だ。 くつろいでいる四人を見ていてそう思った。 ……そういえば、今日は私の誕生日だった。勉強に集中していたからすっかり忘れていた。 誰も覚えていないのかなぁ……。祝ってくれることを期待していたわけではないけど、少しだけさみしい気もする。 純「……ねぇ、憂。元気の出るお菓子は?」 憂「あ、そうだね。ちょっとトイレ行ってくるからそれまで待っててね」 そういえば、朝にそんな話があった。憂も忙しいなぁ。憂は部室を後にした。 菫「受験勉強はどうですか?」 純「やることが多くて多くてクタクタになっちゃうよ……」 梓「それは純が今までサボってきたからでしょ」 純「うっ……」 梓「そこは否定してよ……。けどまあ、部室でみんなと一緒にいられるのがうれしいからがんばれるよ」 心の底からの本当の気持ち。 菫「そう、ですか……」 梓「私たち、菫と直には感謝してるんだよ。ありがとう!」 私がそう言うと、二人は顔を赤らめた。特に、直の照れている姿は貴重だ。 菫「い、いえいえっ! そんなことないですよ!」 直「…………」 やっぱり、かわいい後輩だ。先輩たちもこんな気持ちだったのかな……。 そんなふうに思っていると、部室の電気が消えた。 純菫「わっ!?」 直「停電ですかね」 突然消えてしまったから驚いたけど、持っていたティーカップをゆっくりと机に戻す。 部長としてはここはひとまず。 梓「みんな落ち着いて!」 直「はい」 梓「直は落ち着きすぎ……」 純「まぁ、すぐに点くでしょ」 梓「そうかなぁ……」 菫「わ、私と直ちゃんでちょっと確認してきます!」 梓「えっ!? ちょ……」 直「梓先輩は座っていてください!」 梓「でも……」 純「まあまあ。後輩が進んで行くって言ってるんだから」 そういうものなのかなぁ……。私にはずっと後輩がいなかったからそういう扱いは純の方が詳しいのかもしれない。純の言う通りにしよう。 梓「わかった。でも、気をつけてね」 菫直「はい!!」 二人は立ち上がって、ゆっくりと歩き始めたらしい。真っ暗で何も見えない。 ガチャリと扉が鳴った後に純が口を開いた。 純「いやー良い後輩を持ったね」 梓「だね」 素直で優しい後輩だ。二人にはこれからも部活をがんばってほしい。 純「応援してくれている分、私たちもがんばらないとね」 梓「まったくその通りだよ」 これから試験までもっとがんばらないと! 単純だけど、やる気が出てきた。つくづく周囲の人に恵まれている。 再びガチャリと扉が鳴った。二人が戻ってきたのかな? すると、奥の方からぼうっとしたオレンジ色の灯りが見えた。どうして倉庫の方から? 小さな光がいくつか並んでいる。それはゆっくりと、こちらに近づいてくる。そして、聞き慣れた声が聞こえた。 「直ちゃん、今日は何の日?」 「今日はプラスマイナスの日。漢字で書くと、十一月十一日」 「……言われてみれば」 「違うよ、直。もっと有名な日があるでしょ?」 「えっ、何ですか」 「ポッキーの日だよ!」 「違うよ、純ちゃん。もっと大切な日があるでしょ?」 「え〜? 何の日〜?」 「今日はね……」 「あ、思い出した!」 「よかった。じゃあさ、せーので言おうよ!」 「わかった。二人もそれでいい?」 「はい」 「わかりました」 「じゃあ、いくよ。せーの……」 「「梓先輩の!!」」 「梓の!」 「梓ちゃんの!」 「誕生日!!!!」 灯りの正体はロウソクの光だった。灯りが憂、純、菫、直を照らしている。四人は私を見て微笑んでいる。私は思わず立ち上がって、吸い寄せられるように灯りの元へと歩いた。 梓「こ、これって……」 憂「誕生日おめでとう、梓ちゃん」 純「おめでとう、梓」 菫「おめでとうございます」 直「おめでとうございます、梓先輩」 バースデーケーキ。その上に乗せられたチョコに、“誕生日おめでとう! 梓ちゃん!”と白い文字で書かれていた。 そっか。今回のためにみんなでわざわざこんな仕掛けを……。 少しだけ泣きそうになるけど、ここは笑わないと。 梓「みんな、ありがとう!」 純「さっ、ロウソク消しちゃいなよ! どんどん溶けちゃうよ」 梓「はいはい」 相変わらずの純に思わず苦笑いした。 大きく息を吸う。この喜びを味わうように。そして、息をはいた。 梓「ふぅー」 ロウソクの火を消すと、再び部室が暗くなった。数秒もすると、憂が電気を点けてくれた。 明るさに目を細める私に四人が拍手をしてくれた。 梓「ありがとう。最高の誕生日だよ」 菫「よかったー……」 直「失敗しないか緊張しました……」 憂「今回のこの企画、この二人が提案してくれたんだ!」 梓「えっ、そうなの?」 菫「は、はい」 直「そうです」 うれしさが湧き上がる。本当に優しい後輩に恵まれた。この二人の先輩になれたことを誇りに思う。 私はしみじみとそう思った。 憂「じゃ、ケーキ食べよっか!」 純「やったー!」 菫「あ、じゃあもう一度お茶淹れますね」 直「私も手伝うよ」 菫「ありがとう」 純「さあさあ、主役は座って座って!」 純にそう促されて私は席についた。ケーキを切り分ける憂と純。お茶を淹れる菫と直。 そんな様子を見ていると、なんだか、あたたかい気持ちになってきた。先輩たちもこんな軽音部が好きだったに違いない。私は本当に幸せだ。 すると、携帯のバイブレーションが鳴った。サブディスプレイを見ると、『唯先輩』の名前が。私は携帯を開いた。 唯先輩 件名:あずにゃん誕生日おめでとう!!!! 本文:誕生日おめでとうあずにゃん! [添付画像] 画像が添付されている。ボタンを押すと、唯先輩、律先輩、澪先輩、ムギ先輩の写真が表示された。中央にケーキが置かれていて、全員が笑っている。そして、唯先輩が「Happy Birthday あずにゃん!」と書かれた用紙を手にしている。 私は目を閉じて、微笑んだ。 梓「菫、直ちょっとこっちに来て」 菫「?」 直「どうしました?」 梓「いいからいいから」 不思議そうな顔をする二人を私の所まで呼んだ。私は立ち上がってから、二人を思いきり抱きしめた。たくさんの愛情を込めて。 菫直「!!」 梓「ありがとう!」ギュッ 憂「あっ、ずるーい! 私も!」 純「私も入れてよ!」 梓「えへへ〜♪ あったかあったか」 私たちは五人で抱きしめ合った。あたかかくて、優しい絆。 みんな、最高の誕生日をありがとう。 終わり あとがき 軽音部の伝統である「確保ーっ!」とかかわいい後輩を抱きしめてあげる、とか。とても良いと思います、はい。そういう優しさが続くといいね。 誕生日おめでとうございます。 戻る
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31 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/10/06(木) 22 53 13.60 ID DLBe3hGP0 後ろから抱き抱える憂は本当にあったかい。私達は食後の定例ともいえるまったりタイムをソファーの上で過ごしていた。 「ういもさ、大胆な歌歌っちゃうよね」 「うん、おねえちゃん大好きだもん!」 振り向いて眩しいくらいの笑顔でそう答える妹にたじろいでしまう。とてもじゃないけど私だったら愛する人間にこんな事は気軽に言えない。 それはそうだ、なぜなら恥ずかしいから。私も目の前の妹に「大好き!」そんなふうにめんと向かって言えたらどんなに素敵なことか。 そう、私は平沢憂に恋しているのである。 逆に考えると憂が羞恥も無くこんな事を言えるのは私の事を「ギータ可愛いよね!」と同じニュアンスで思っているからなのかもしれない。もしそうだったとしたらいったい私っていったい…… 一度でもそう捉えると思考が進んでいき、そうかもしれない、そうに違いない、そして憂は私のことなんとも思っていないなんて方向に進んでいってしまう。 いや、それで当然なのだ。私達は同性で姉妹。本来なら私の気持ちがおかしいのだ。 でもおかしいって何?子供のころから、いや、生まれた瞬間から仲良し。幼稚園の頃だって、小学生の頃、中学生の頃だって友達より家族より憂といた時間が何より長い。 それだけ長い時間を共有して好きにならないほうが私からしたらおかしいと思う。 とにかく憂の存在は私にとって無くてはならないし、愛も深い。 そんな憂に拒絶され、たわけじゃないけどギータと同列宣言された(?)のは相当なダメージなわけで、すがるような気持ちで憂に確認してしまう。 「あのさ、憂のいうおねえちゃん大好きって、ライクなのかな?ラブなのかな?」 聞かなければグレーですませられたのに、仲のいい姉妹でいられたのに、怖いもの見たさに似たような、そんな感覚に飲み込まれてつい聞いてしまった。 「……どうしたの?おねえちゃん」 「私は憂と……姉妹以上に仲良くなりたいなぁって」 「……」 言ってしまった……憂の顔は確認できないけど、沈黙が支配する場に否応でもわからされてしまう。 これはまずい、と。 もしかしたら今この抱きかかえるようなポーズからも憂は今すぐにでも逃げ出したいのかもしれない。そう考えると体温が一気に下がって行くのがわかる。 「皆の前であんなに好き好き、家族の愛じゃなかったら言えないよ、おねえちゃん」 目頭が急に熱を持ってくる、なんだか喉も痛いし、マグマのようなものが体から逆流するように体が辛い。 私は今、人生で経験したことが無いからわからないけど、たぶん失恋をしているんだと、思う。 でも、本当に辛いのは憂なのに、なんで私が悲しんでいるんだろう……ただの仲良し姉妹だと思ってた姉にこんな事言われちゃって そんな姉にこんな事言わなきゃいけない憂の方が辛いのよね? こちらに振り返らずに憂は続けてる。憂の表情は相変わらず見えない 「だから、そういう思い込みに甘えて皆の前でおねえちゃん好き好きいってたんだ、私。そうすればまさか本当におねえちゃんに恋してるなんて思われないからね」 ……あれ?これって そして振り向きながら思い切りの笑顔で憂はこういった。 「私もおねいちゃんのこと愛して……うそ!おねいちゃんどうしたの?!そんな泣いて……何か痛かった?!大丈夫?!」 「ういいいいい」 次の日から私達は仲良し姉妹から恋人姉妹になりました、ちゃんちゃん 感想をどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る ん?オチの擬音だったら別に良いのでは? -- (うむ) 2011-11-03 19 52 42 憂の一人称なのに、最後の「ちゃんちゃん」は余計だなあ。もったいない。 -- (名無しさん) 2011-10-10 10 15 44