約 1,954,237 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1188.html
「トリッキーな攻撃で相手を翻弄させるルーナで」 「あら、アタシを選んでくれるのね。嬉しいかぎりだわ」 右肩で、しなやか身体を動かしながら喜ぶルーナ。 まぁ喜んでくれるのは嬉しい。 だけど他の三人は少し残念そうな感じだ。 『後で他の奴等と戦うから、その時にな』と言うとパア~と明る表情になる神姫達。 さて、そろそろ対戦するか。 装備…よし! 指示…よし! ステータス…よし! ルーナを筐体の中に入れ、残りの神姫達は俺の両肩で座ってルーナの観戦をする。 「ルーナ、頑張れよ!」 「勝ったらご褒美くださいね、ダーリン!」 「油断しないでしっかりね。頑張るのよ、ルーナ!」 「負けるじゃないよ!一番最初の闘いなんだからな!!」 「ルーナさんー!頑張ってください!!」 「まかせなさい」 ルーナは少し淫靡な笑顔を俺に見せ筐体の中へと入って行く。 気がつくと俺は両手で握り拳をつくっていた。 いつになく俺の心は興奮していたのだ。 何故だろう? 多分、誰かを応援している事によって熱くなっているのかもしれない。 それとルーナに勝ってほしい、という気持ちがある…かもなぁ。 俺は筐体の方に目を移すと中には空中を飛んでいる二人の武装神姫達が居た。 READY? 女性の電気信号がの声が鳴り響き、一気に筐体内の中に緊張が走る。 勿論、外に居る俺達もだ。 FIGHT! 闘いの幕があがった。 お互いの距離150メートルからスタートして、敵のストラーフが接近しルーナは…あれ、ニコニコと笑いながら戦闘態勢にもはいっていないでその場で静止し続けている。 おいおい、これじゃあどう見たってルーナの方が不利だ。 出遅れもして更に武器すら構えていない。 いったいどうゆう事だ? 何か秘策でもあるのだというのか? 「はああああぁぁぁぁーーーー!!!!」 敵のストラーフがDTリアユニットplusGA4アームに付いてるチーグルで攻撃しようとした。 そこでルーナがクスッと笑い、背中に隠していたクライモアを取り出した。 ガギン! チーグルとクライモアがぶつかって鈍い音が聞こえる。 ルーナの奴、何時の間にあんな武器を隠し持っていたんだ? まぁ確かに装備させておいたけど…。 「残念でしたね~。そんな安直な攻撃では、あたしに届きませんよ」 ニッコリ笑うルーナ。 余裕綽々みたいだ。 あの自信はいったい何処から湧き出てくるんだろう。 「チッ!」 一度、ルーナから離れる敵のストラーフ。 ルーナの奴はクスクスと笑いながら追撃しない。 何故なんだろう、絶好の攻撃のチャンスだったのに。 「次はちゃんと攻撃してくださいね」 「クッ!バカにしてー!!このーーーー!!!!」 シュラム・RvGNDランチャーを準備しルーナに狙いを定める。 その間のルーナは…。 「あら、物騒な武器ですわね」 笑みを浮べながらビルの背にして移動する。 ちょっと、オカシイだろ! 普通、回避行動をしたり接近したりビルの背後に隠れたりするだろうー! なのに何故逃げづらい場所に行くのかな~。 訳解らん。 「クラエー!」 「当たればの話ですけど」 ドンー! シュラム・RvGNDランチャーから発射された弾がルーナを襲う。 でもルーナは避けようとする素振すらしない。 このままじゃヤバイ! 「避けろー!」 ドカーン! 俺が叫んだ直後、ルーナの背後にあったビルが爆発する。 煙がモクモクと噴出しルーナが何処にいるか解らない。 もしかしてシュラム・RvGNDランチャーの弾に命中し吹き飛び、ビルに当たったんじゃ…。 「あらあら。駄目でしたね~」 「えっ!?」 突如ルーナの声が聞こえた。 でも姿が見えない。 煙の中にいるのか? あっ! ルーナの奴、いつの間にか敵のストラーフの背後に居て右腕を回し、短剣のグリーフエングレイバーをストラーフの首に突きつけている! 何時の間にあんな所に居たんだ? まるで忍者みたいだ。 敵のストラーフは急所を突きつけられているので身動きが取れない。 寧ろ動いたらルーナに攻撃されると思っているのかもしれない。 「もう一度チャンスをあげます。次の攻撃で、あたしに命中しなかったら…貴女は負けます。いいですか?」 そう言ってルーナはストラーフから離れる。 また絶好のチャンスだったのに攻撃もせずに…だ。 完璧に相手の事をおちょくっているな、あれは。 お~お~ぉ、敵のストラーフは顔を真っ赤にして怒っているよ。 こえ~コエ~。 にしてもルーナの奴はなんであんなにも闘い慣れているんだ? 今日が初めてのバトルだというのに…。 「さぁ…遠慮なく攻撃してくださいね♪」 ニッコリと笑い、どっから見ても無防備に見えるポーズをする。 敵に対して火に油を注ぐような行為だ。 挑発、と言えば簡単だろう。 「このー!」 敵のストラーフはカンカンに怒りながらモデルPHCハンドガン・ヴズルイフを乱射した。 『フゥ…』と溜息をつき、顔を左右に動かすルーナ。 呆れてるようにも見える…だがすぐに真面目な顔つきになり。 「…!」 ん!? 消えた!? ルーナが敵のストラーフに向かって突っ込もうとする動作が視認出来たがその瞬間、オバケのように消えてしまった。 勿論、乱射されたモデルPHCハンドガン・ヴズルイフの弾はルーナに当たっていない。 そりゃそうだ。 なんたって標的がいないのだから。 「どこ!?どこに言ったの!」 「…ここよ」 声がした方に顔を向けるストラーフ。 向いた方向…ストラーフの真上だった! しかも空中で逆立ちしていた、逆立ちというよりもただ単に上下逆に飛んでるようなものだ。 「残念でした♪機会があったらまた会いましょう」 ルーナが言い終わると何故か敵のストラーフは地上に転落していき、ゲーム終了した。 筺体に付いてるコンソールを見るとストラーフのLPは無くなっていた。 ルーナが右手に持っている武器を見ると短剣のグリーフエングレイバーを持っていた、逆手持ちで。 目には見えない早業でストラーフをグリーフエングレイバーで切り刻んだのか? まさかな…いや、やっぱりそのまさかもしれない。 後で少し探ってみるか。 俺の方の筐体に付いてるスピーカーから『WIN』と女性の電気信号の声が鳴り響く。 多分、相手の方では『LOSE』と言われてるだろう。 そりゃそうだ。 勝ちがあれば負けもある。 二つに一つ。 「ダーリン、勝ちましたよ。ご褒美くださいね♪」 筐体の中で俺の事を見ながら喜ぶルーナ。 俺も自分の神姫が勝った事が嬉しくて微笑む。 両肩にいるアンジェラス達も喜びはしゃいでいる。 そうか…。 これが武装神姫の楽しみ方か。 確かにこれは楽しい。 おっと、ルーナを筐体から出さないといけないなぁ。 俺は筐体の神姫の出入り口の中に手を突っ込みルーナを待つ。 数秒後、ルーナは優雅な足取りで俺の右手の手の平に乗った。 そのまま俺は右手を自分の目線と同じぐらい高さまで持っていきルーナを見る。 「お前…何であんなに余裕で勝てたんだ?今日が初めてのバトルだろ?」 「そうですよ」 屈託のない笑顔で答えるルーナ。 最初は何か隠してるようにも思えたが…気のせいかぁ。 「それより早く~。ご褒美頂戴♪」 「あ、そうだったな。っと言ってもなー。ルーナはどんなご褒美がいいんだ?」 「そうですね~…あたしのオデコにキスしてください」 「ナッ!?キスだと!?!?」 「駄目ですか~?」 どうしよー。 キスかぁー…。 う~ん、ここでもしルーナにキスしなかったら…。 ☆ 「オデコにキスはちょっと…」 「そうですか。じゃあ、あたしからしますねー。濃厚なキスを…ね♪」 「や、やめろ!こんな人が沢山いるところで!!」 「もう遅いです~!ブチュー~」 「ギャーーーー!!!!」 ★ …ここはキスすべきだろう。 嫌な予感しすぎて背筋がゾッとするからなぁ。 「解ったよ。キ、キスしてやるから目を閉じろ」 「わーい。さぁっ!目を閉じましたから早く!!」 あぁ~、本当にキスをするハメになっちまったぜ。 ここは我慢だ、俺。 羞恥心を無くせ! ルーナをオデコに俺の唇を近づけさせる。 神姫だからオデコの広さ凄く狭い。 下唇が触れるぐらいが丁度いいかもしれない。 …チュッ 「…ンァ」 よし! 狙い通りに下唇をルーナのオデコにキスした。 キスした瞬間を見た他の神姫達が。 「いいなぁ…。ご主人様、ご主人様、次の試合は私を指名してください。絶対勝ちますから!」 「あー!いいなぁ~ルーナの奴~。よし!!次の試合はボクが出る!!!」 「あの…私のバトルは最後でもいいので…もし勝ったら、お兄ちゃんのご褒美くれますか?」 両肩で何やらルーナに嫉妬しているように見える三人の神姫達。 そんなにご褒美が欲しいのか? まぁ今日はトーブン、ここにいるから一応全員バトルさせてやるか。 すぐさま唇を離すとルーナが不満そうな顔しながら。 「あれで終わりですか?キスした瞬間、舌で舐め回してもよかったですのに」 「俺はそんな事しね~よ。つか、舐め回してって…」 「ダーリンの意気地なし。でも一応、キスしてくれたから許してあげます。気持ちよかったですし」 「許すもなにもないだろ。だぁー疲れた」 本当に疲れた。 体力が、というよりも精神的に…。 まぁいいか…、ルーナが気持ち良くなるのなら俺はなにも文句は言わん それにキスした時のルーナは可愛いかったし。 またキスしたくなるような表情だった。 ここでまた再びルーナのオデコにキスをすると乗っている三人に何されるか解らないのでキスはお預け。 ルーナを両手から右肩に移動させ、俺は次の筐体に向かった。 闘いはまだ始まったばかりだ。 「さぁ行くぞ!俺達のバトルロンドの幕開けだー!!」 こうして俺達のバトルロンドがスタートした。 そしてこの日からルーナの二つ名が出来た。 名は『刹那を操る者』…。
https://w.atwiki.jp/battler/pages/54.html
バトルロイヤルR設置サイトのリストです。 まだ情報不足なので、追加等自由にどうぞ。 また、「自分のバトロイ載せるな」等あったらご自由にどうぞ。 []内は題名がバトルロイヤルR以外の物の題名です。 但し設置しているだけで、別にサポート等はしてないので注意。 アイコンデフォルト サイト名 URL 登録枠 試合間隔 初期LIFE 優勝戦名 優勝戦出場条件 LIFE回復連勝数 備考 Marinonet. http //marinonet.org/battle-r/battle.cgi 30 6分 10ないし12 D-BR杯 5勝 2連勝 ひんこのページi7 4770K http //hinko.s14.xrea.com/battle/battle.cgi 13 3分 5 D-BR杯 2勝 3連勝 バトルロイヤルR+α ファンフィクション総合wiki https //dbrpalpha.w7f.org/battle-r/battle.cgi 35 3分 10ないし12 D-BR杯 5勝 2連勝 このwikiとはまた別のwiki バトルロイヤルR+α ファンフィクション総合wiki(WithBOSS) https //dbrpalpha.w7f.org/boss-br/battle.cgi 35 3分 10ないし12 D-BR杯 5勝 2連勝 ・このwikiとはまた別のwiki・BOSS在中BOSSバトルロイヤルRとは別物・リクエスト受け付けてる バトルロイヤルR of 広場 http //ribia.net/battle-r/battle.cgi 13 5分 5 D-BR杯 2勝 3連勝 カオスバトルロイヤル http //chaos-br.dynamic-dns.net/cb/battle.cgi 35 3分 10ないし12 C-BR杯 5勝 2連勝 現状最大手。別wikiでアイコンのリクエストも受け付けている アイコンなし サイト名 URL 登録枠 試合間隔 初期LIFE 優勝戦名 優勝戦出場条件 LIFE回復連勝数 備考 BOSSつきバトルロイヤルR http //www20.tok2.com/home/akihira26/mybatoroy/battle.cgi 8 3分 5 決勝杯 3勝 3連勝 BOSSキャラがいます LIFE50バトルロイヤルR http //www20.tok2.com/home/akihira26/mybatoroy-r/battle.cgi 40 3分 50 再戦 15勝 3連勝 LIFEがおかしい。 Limiter Cut Battle Royal http //s1534.cs.land.to/ba-ro-/battle-r/battle.cgi 99999 3分 1 D-BR杯 2勝 無し 制限が殆ど無い アイコン変更、追加あり サイト名 URL 登録枠 試合間隔 初期LIFE 優勝戦名 優勝戦出場条件 LIFE回復連勝数 備考 ひらお電鉄 http //www20.tok2.com/home/akihira26/battle-r/battle.cgi 20 3分 10 再戦 トータル4勝 2 現在戦記ファンらによる多重登録被害を受けています。 こちらは関連CGIのVirtualBoss Online https //dbrpalpha.w7f.org/vboss/vbonline.cgi 同上 http //myhome.ryuhoku.jp/vboss/vbonline.cgi こちらは関連CGIの@雀荘 最強雀鬼決定戦 http //myhome.ryuhoku.jp/mahjong/janki.cgi 同上 https //dbrpalpha.w7f.org/mahjong/janki.cgi
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1916.html
物語の始まり 朝の午前七時、とある神姫センターで四人のオーナーと七人の武装神姫が居た。 このオーナー達と武装神姫達はVIS社に招待されて来ていたのだ。 全国からの武装神姫のオーナー達からランダムで選び、選ばれたオーナーの数は四人、男性三人、女性一人。 名前を順々に発表 天薙 達悪 石川 和弘 島田 祐一 七瀬 春奈 以上、四名。 VIS社は主に武装神姫のメンテナンス、ネットワークシステム、セキュリティーなどなどを研究や生産している会社。 以外にもVIS社が調べた結果この四人の中ではそれなりの関係があるらしい判明したが、本人達まったく気づいていない。 天薙達悪の場合、VIS社でバイトしているので、本人意思関係なくこの企画に強制参加しなければならない事を除いては。 今回のこの企画は前回の企画、バーチャルバトルに酷似していて、その元データをベースにし改ざんや修正をしたものである。 前回の企画に参加した者の発表 天薙 達悪 七瀬 都 七瀬 春奈 八谷 良平 以上の四名である。 因みに名前は変わり、サイバースペース(仮想情報ネットワーク空間)というものになった。 架空ネット世界、と言い換えれば理解しやすい。 前回とはまったく変更がないというのは、各自の武装神姫を筐体の中に入れ、筐体の中にあるコンピュータが武装神姫の人格及び能力を読み込みデータ化し立体ホログラム化するということ。 武装神姫は人間と同じ機能、『感覚』というものがる。 ホログラム化された神姫はこの『感覚』がよく鈍る。 前回の企画では保々成功に近い『感覚』を神姫達に感じさせる事が出来たらしいが、VIS社は納得できる結果ではなかった。 そこで今回の企画がでてくる。 『感覚』というものは外界を感知するための多種類の感覚機能のこと。 大きく分けて五種類にすると、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚をさし五感という表現が正しい。 そしてこの『感覚』を前回よりも改ざんされ、テスト上ではより感じやすく、よりリアルに近づく事に成功した。 しかもバリーションが増え、様々な状況や設定が出来る。 そんな筐体の中でオーナー達の神姫達にモニターをさせるのだ。 でも今回の招待の内容はバトルではない。 招待の内容は武装神姫達に我々人間同様の生活をさせたらどーなるのか、という理由である。 これを口実にVIS社が『感覚』のデータを収集するのです。 天薙達悪はこの事に気づいていたので警戒していたが、今回はバトルではなかったので、ある程度は警戒を解いていた。 だがもし万が一に何かあった時は他のオーナー達や神姫達を助けようと思っていた。 そんな疑惑を思いながらも天薙を含め他のオーナー達も各自の神姫達を筐体に入れていく。 この先にある物語はどのような展開になっていくのか…それは誰も分かりません。 それでは愉快な高校生武装神姫達の物語を見ていきましょう。
https://w.atwiki.jp/battler/pages/1983.html
バトルロイヤル脳内メーカーとは、石坂線の鬼神が作った成分解析のバトロイ版。 現在ver1.02 リンク 結果ログ(ver1.01) バトロイ関連 「バトルロイヤルR」:事故の妖精の巣窟 「バトルロイヤルR」:牛耳ってるのはこいつ 「D-BR杯」:このキャラが強いらしいです。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/336.html
単発作品用トップページ このページは? このページは、『一発ネタを思いついたんだけど、どうにも本スレには投下しづらい。かといって連作にするかどうかもわかんないからwikiにも投下しづらいぜ!』という作者さん向けの単発作品用トップページです。ログイン不要で編集も出来ますので、お気軽にどうぞ。 そして続きを思いついたりそれを妄想のままに書き上げてしまったりすれば、その作品のトップページにリンクを張り直してください。 連載を持っておられる作者さんも、思いつきなどあれば遠慮無く! 以下のテンプレをコピー&ペーストして、作品へのリンクを張るだけの簡単仕様です(wikiの基本的な使い方はトップページを参照してください)。 テンプレ開始 タイトル ここに作品のページへのリンクをどうぞ 簡単な紹介などあればこちらに。登場人物紹介などは、単発の場合、本編の冒頭や巻末に書いた方が良いかも。 テンプレおわり ↓作品へのリンクはこれ以下に貼っていってください。 天使のたまご ひょんなことから神姫のマスターになった青年と、ちょっと(だいぶ?)おまぬけな神姫の物語 音声ファイル2036 単発妄想ネタです。なんだかMightyMagicの十話とネタ が被ってしまった。 三十路の独身男性、自営業の場合 実際に神姫がいたら、こーゆーコトをしてもらいたいな、と。 バトルだけではなく、多方面で活躍するんじゃなかろうか、と。 第五弾発表 ある天使型の場合 第五弾の鳥型。装備が完全に被ってます。これを見た天使型の反応は如何に。 本当に一発ネタです。 弾丸神姫 神姫バトル初期の頃には、少ない装備のなかでこんなコンセプトの神姫もいたんじゃないかなー、という話です。 騎士子のヴァレンタイン大作戦 時事ネタです しかしなぜか妄想全開のバトルモノに… うっかりページタイトルを「騎士子」にしてしまいました… ねここの飼い方からゲストを出演させていただいてます 目覚めればそこは 素体購入記念。組み替え最中にふと思い付いた一コマ。 花は咲き乱れて※注意!18禁です 花子えっち 買うときは中身を確認しましょう 花種きてから数日後・・・ R18指定 どうしようもない神姫オーナーのお話。 こんな事がポンポン浮かぶ俺って・・・救いようがないな(w 埋め騒動 ややR18指定 スレの埋めに端を発した小騒動。 きっかけは 615の一行だった。 615氏に最大級の感謝。 シラヌイと僕のこと かなり長いです。 神姫狩人からねこねこ団にご登場願いました。 ツーリング@2036 バイクと神姫ネタ。 30年後の道路を走っているモノって、どう進化しているんだろうか、と。 リセット(ギャグです) 役立たずのハウリンにリセットの危機が・・・。 一見残虐物、実はギャグ。 ゆめであえたら どこにでもありうる、とある武装神姫とオーナーのお話。 *注:暗いです。 ネコのマスターの誕生日 誕生日ネタ。 自分の誕生日って人に忘れられると悲しいですよね。とか言って人の誕生日はすぐ忘れますが。 203X年 とある新聞の神姫特集(カコミ) 御免なさい。例によって酒の勢いで書いちゃいました。第七弾ネタです。白黒兎以来の神姫購入になりそう。 チェイング! 鳥子三体が繰り広げる小ネタ。 黒子ときっしー(超適当) SS総合掲示板へ投稿したものの再録。単発ページ投稿にあたり、新規の方向けに固有名詞など調整。一年前のもの。 種子さんときっしー(超仮タイトル) 「黒子さんときっしー(超適当)」を書いた時に考えていたネタ。長いです。本来なら上中下か上下にわけるくらい。でも単発なので一本。 デレなきっしー(蝶適当) 「種子さんときっしー(超仮タイトル)」のスピンアウト、余り、っつーかおまけ。上記タイトルの本文だったのだけど、焦点がボケるので本文から削除したもの。でも面白い描写ができたかな?と思ったので、独立して投稿。 あるオーナーと神姫 どこかの誰かの話。絆っていつ繋がるかわからないもの。(残酷描写があります。ご注意を) 桜舞 もしかしたら、こんなことしてる人たちがいるかも、しれません。 あるオーナーと神姫 牙 どこかの犬とオーナーの話。自分を楽しむと敵が多いかも? アホ毛ネタ 「ねここの飼い方・光と影」に寄稿された漫画を読んで浮かんだ小ネタ。 ゼルノとぼくの初対面 ゼルノグラードを入手した「ぼく」と彼女とのショートショート。 本スレからの再録です。 ある「とても平和な」日の話。 彼女は真面目、オーナーは・・・ 雪国の風景 季節は冬、北海道にある実家へと里帰りしたオーナーと犬子のSS S-R-princess むるちーメインで書きたかった。それだけです。 皆様の作品に肩を並べられるかわからないので、こちらにいます。 神姫に願いを 神姫に願いをかけたなら…… トップページ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2150.html
ウサギのナミダ ACT 1-25 ◆ 高村がCSCをセットし、目覚めたその日からすでに、雪華の目標はバトルロンドで頂点に立つことだった。 高村自身もバトルロンドに参戦するつもりでいた。 しかも相当本気でやるつもりでいたから、有名な神姫ショップにフルチューンを依頼し、素体ではほぼ最高レベルのパフォーマンスが出せるアーンヴァルを手にした。 素体が神姫の性格に影響したのか、CSCの組み合わせの問題なのかはわからない。 目覚めた雪華は誇り高く、バトルに勝利することを一番とした。 ただし、卑怯な振る舞いはしない。あくまで正々堂々、実力で勝つ。それが雪華の誇りであった。 しかし、それは茨の道だ。どんな神姫でも不得手な相手はいる。卑怯な戦い方をする奴もいる。真っ向勝負で勝とうというのは、なかなか難しい。 それでも、雪華は卑怯な真似は一切しなかった。 高村が感心するのは、雪華が努力を惜しまない姿勢だった。 フルチューンしたボディなら、性能差で渡り合うことができる。武装を選べば、並の神姫に負けることはない。 にもかかわらず、雪華はそれをよしとしなかった。 とにかく基本動作の反復練習を飽きることなく、今も続けている。 時には、近接武器だけ、遠距離狙撃用ライフルだけでバトルに出て、納得いくまで実戦経験を積むこともあった。 才能と努力。その二つが結実して、類稀な強さを手にした。 そして、どんな相手とでも真っ向勝負で勝利を収めてきた。 しかし。 いつの頃からだろう。 雪華は自らの成長に限界を感じていた。 雪華は大会に出て頂点に立つことを望んでいる。 故に、戦う相手は大会出場を目的とした神姫が多くなる。 だが、大会で勝てる神姫というのは、パターンが限られて似通ってくるのだ。 戦闘がマンネリ化してきた、とでも言おうか。 対戦するどの相手も、どこかで戦ったことがある武装神姫ばかりに見えるようになった。 もちろん、強い神姫もいる。 だが、想定の範囲内での攻撃しかしてこない。 限られた範囲での技を極め、純度を増す、というのも一つの強さなのだろう。 しかし、雪華はその範囲内での強さでは、もう限界を感じていた。 自分はこれ以上強くなれないのか。 そう思ったとき、雪華は焦りさえ覚えた。 彼女は頂点を極めるため、強くならなければならない。 どんな攻防にも勝てる強さを身につけなければ。 雪華はそれを戦闘での「引き出し」の多さに求めた。 それは大会出場の神姫とばかり対戦していては得られないもの。 大会にエントリーしていなくても、名の通った武装神姫はたくさんいる。 そうした神姫を求めて、雪華と高村はあちこちの神姫センターやゲームセンターに足を運んだ。 まるで武者修行だ。 だが、その武者修行はあたりだった。 思いもよらない変わり種の、強い神姫たちと出会い、対戦できた。 その対戦に勝つ度に、自分が少しづつ強くなっていることを実感する。 そして今日もまた、目の前に特別な神姫がいる。 ティアとの対戦は、今の雪華にとって、どんなことよりも優先されるべきことだった。 ◆ 「マスター。『レクイエム』の使用許可を」 「……いや、雪華。相手はもう動けそうにもない。『レクイエム』を撃つまでもないじゃないか」 マスターの逡巡する声に、雪華は厳かに告げる。 「いいえ。『ハイスピードバニー』は強敵です。ならば、手抜きは礼を失するというもの。我が最大の攻撃を持って、幕引きとしたく思います」 そう、雪華はティアを「強敵」と認識していた。 大会で出会った多くの神姫でも、ここまで食い下がった相手はほとんどいない。 武装がオリジナルで、見たことのない戦闘スタイルを駆使し、ノーデーターでの対戦であり、相手の得意なフィールドであることを差し引いても、これほど噛み合う対戦になるとは思いもしなかった。 雪華の胸は昂揚で沸き立っていた。 強敵と戦えることの喜び。そして、その戦いに勝利することで、私はまた一つ強くなる。 マスターの、あきらめたようなため息が、聴覚センサーに届く。 「……わかった。追加パーツ転送。『レクイエム』使用許可」 高村の声と共に、サイドボードから追加のパーツが転送される。 それと同時に、黄金の錫杖が変形する。 ビームガンを中心に再構成された錫杖は、航空機を思わせるシルエットに変わる。 追加のパーツの支持用のハンドルがドッキングする。 雪華の前に現れたのは、高出力のビームキャノンだった。 ノーマルのアーンヴァル・タイプとは異なる、鳥状の翼が大きく開く。 翼の縁が金色にまばゆく輝き始めた。 エネルギーの奔流が翼を伝い、雪華を通じて、ビームキャノン『レクイエム』に流れ込む。 溢れ出るエネルギーが光の粒子となって、雪華の周りを舞っている。 まるで高位の天使が光臨する様のように、観客の目に映った。 ■ 痛みは、わたしにとって、諦めを促す信号だ。 お店にいたとき、痛みや苦しみを受けると、「諦める」ことでそれらを適当に処理し、やりすごしてきた。 そうしなければ、耐えることができなかった、あそこでは。 落下の衝撃で体中がきしむ。 腹部には熱い痛みがある。雪華さんに撃たれたのだ。 わたしはお腹を抱えてうずくまり、その痛みに耐える。 ……もう、諦めてもいいですか? わたしは必死に戦ったけれど。 もう、立ち上がれません。 だって、痛いんです。 とてもとても痛いんです、体中が痛いんです。 痛くて痛くて痛くて泣いてしまいそうです。 だから、諦めてしまえば……。 心の中から、別のわたしが声を上げる。 ……何を? 何を諦めるというの。 この試合……? 負けてもいいでしょう? だって相手は全国大会の優勝候補なんだもの。 わたしはこんなに痛い思いをしているんだから……。 別のわたしは、何も言わず、ある画像を認識させた。 閉じたわたしの瞼に映る人の顔。 ……マスター。 わたしは、はっとなり、瞳を見開く。 思い出す。 あの時の、マスターの冷たい眼差しを。 マスターの右手に巻かれた包帯を。 マスターが手を差し出したときの、震えた声を。 ネットの掲示板に書かれた悪意の言葉を読んだときの気持ちを。 あのときの、耐え難い、心の痛みを。 いいはずない。 負けていいはずない。 諦めていいはずがない! わたしは拳を握り、地面の砂をぎゅっと掴んだ。 痛い? 何が? 撃たれたお腹が? 打ちつけられた身体が? こんなもの。 あの時の心の痛みに比べれば。 どれほどのものだっていうの!! そう、わたしは誓った。 すべてを賭けて、マスターに尽くすと。 マスターがわたしにしてくれたように、わたしもマスターのためにすべてを賭けると。 まだわたしは、このバトルですべてを賭けてはいない。 歯を食いしばる。 両腕をつっぱると、上半身をわずかに持ち上げた。 わたしはまだ走れる。 わたしにはまだ技がある。 マスターにも知らせていない、とっておきの技。 いま、ここで使う。 マスターに勝利を捧げるために。 ◆ 雪華はティアに照準を定める。 ティアは未だ動かない。うずくまったままだ。 先日の全国大会地区予選でも、使用することのなかった最大の技。 今こそ放とう。 ここで出会えた未知の強敵に、最大の敬意を払って。 「レクイエム……シュートッ!!」 雪華の叫びとともに、ビームキャノン『レクイエム』から虹色の光芒が放たれた。 埃にまみれたストリートを薙ぎ払う。 次の瞬間、メインストリートに光の絨毯が敷き詰められた。 放出されたエネルギーの光芒は、地面に着弾すると、無数の光弾になって炸裂した。 弾け飛ぶ無数の小さな光弾は、触れたものに確実な破壊をもたらす。 炸裂音が幾重にも重なり、轟音となって、廃墟の街に響き渡る。 はじけた光弾は、さらに細かい粒子となり、一瞬舞い踊る。 それによって、薙ぎ払われた攻撃範囲内のストリートは、光で膨れ上がった。 その下にあるものは完全なる破壊。 まさに鎮魂歌……その名に恥じない、美しくも無慈悲な必殺攻撃。 あまりの攻撃の美しさに、ギャラリーから感嘆のため息が漏れた。 虎実はきつく目を閉じて、観戦用の大型ディスプレイから顔を背けた。 「あんなの……かわせっこねぇ……」 ミスティは手で口元を押さえながら呟く。 「そこまで……する必要が……あるっていうの、クイーン……」 菜々子と大城は、厳しい表情のまま、大型ディスプレイから目が離せないでいる。 四人の少女たちも、口元を押さえて見入っている。 三強でさえ、呆けた表情でディスプレイを見入るばかりだ。 誰もが雪華の勝利を確信していた。 それは、雪華本人も、マスターである高村でさえも例外ではなかった。 □ そのとき、状況を正しく理解できていたのは、ティア本人だけであったかもしれない。 俺は信じられない思いでモバイルPCの画面を凝視していた。 自分を取り巻くギャラリーの気配さえ遠く感じる。 「……ティア……おまえ……」 ティアをモニターしているモバイルPCには、すべて限界を突破した数値が映し出され、画面は真っ赤に染まっていた。 そして、いまも刻々と数値は上昇を続けている。 ◆ 地表を覆っていた光の靄が晴れる。 風が砂煙を吹き払っていく。 後に残されたのは破壊の爪痕。 攻撃範囲内にあったものは、古ぼけた建物であれ、乾いたアスファルトであれ、何もかもが細かな瓦礫と化している。 『アーンヴァル・クイーン』雪華は、ゆっくりと地表に下降していく。 『レクイエム』は、彼女のエネルギーを大半使用する、まさに最終の必殺技だ。 アーンヴァルの飛行能力も、エネルギー低下の影響を否めない。 だからこそ、乱発できる技ではないのだ。 勝利を確実にするための必殺攻撃……それが『レクイエム』だった。 降下しながら、雪華は勝利を確認するため、自らの破壊の跡に目を向ける。 ……だがしかし、そこにティアの残骸は見受けられなかった。 雪華は怪訝な顔をした。 身動きの取れないティアが、あの攻撃をかわしたとは思えない。 瓦礫の下に埋まってしまったのだろうか? それもあるかもしれない。 だが、おかしい。 それならばなぜ、ジャッジAIから勝利のコールがなされない? あまりに低い一つの可能性に、雪華の思考が至るより早く。 「雪華、上だっ!!」 マスターの短い注意を、雪華が認識するよりも早く。 ティアの鋭い膝蹴りが、雪華の背中に降ってきた。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/416.html
人物紹介 MMSショップ“ALChemist”編 【神姫オーナー】[店長/長女:槇野 晶] [故人:槇野 歩] 【武装神姫】[次女:アルマ] [三女:ロッテ] [四女:クララ] [故人:クリスティアーネ] 【人型神姫インターフェイス(HVIF)】[次女:槇野 茜] [三女:槇野 葵] [四女:槇野 梓] 【その他】[支援兵器:アルファル] [支援兵器:プルマージュ] 【神姫オーナー】 [店長/長女:槇野 晶] 氏名:槇野 晶(まきの あきら) 通称:マイスター(職人) 年齢:不祥(外見は12~14歳程度) 性別:女性 CV:小暮 英麻 国籍:日本人 誕生:XXXX年02月14日 職業:対外的にはMMSショップ店長、実体は未定である。 趣味:神姫の改造・自作パーツの製造、服飾、甘味巡り 特技:MMS関連の各種精密工作、情報処理(勉強中) 食事:好きな食べ物:ジャンクフード、甘味各種 嫌いな食べ物:梅干し、納豆 住所:〒10A-8X2R 東京都千代田区外神田1-2Z-4X0 万世橋無線会館B2F MMSショップ“ALChemist” 特徴:艶やかな黒髪を肩胛骨で揃えた、非常に小柄な少女。 大抵は作業用白衣と可憐な服、更にウェアラブルPCに 接続された丸眼鏡風度入りディスプレイを着用する。 外出時には、白衣を脱ぎ華美な服を露わにする事も。 当物語の、“人間側”の主人公。マッドサイエンティスト幼女。 アキバの外れにあるMMSショップ“ALChemist”の店長を務める。 店の法的権利を所有する“オーナー”がいるらしい。(詳細不明) よく言えば物をハッキリという、悪く言えば傍若無人な娘さん。 かなりの居丈高であり、不機嫌そうに唇を結んだ表情が印象的。 丸眼鏡の奥にある目も鋭い為、決して万人受けはしないタイプ。 神姫に関する職人(マイスター)としての強い自負を持っており、 正規品の相談から改造・修理まで、印象に反して面倒見は良い。 その為、リピーターの中には彼女の性質に理解のある者が多い。 セリフ回しは基本的に断定系であり、容赦のない苛烈な話し方。 自分の神姫や気に入った客には、多少は荒っぽい口調も和らぐ。 特にプライベートでは、照れたり笑ったりと普通の少女の反応。 その反面冷静・冷徹に物を考える、クールな内面を抱えている。 内心では神姫犯罪や、神姫を軽視する人間の存在を憂いており、 今はその為に何が出来るかを、自分でも少し模索している様子。 若干百合気味……というか己の“妹達”への愛情を持っている。 それは『好き』や『愛する』を飛び越え、一周した“大好き”と 表現されるべき、純朴で純粋……且つ一途な感情だったらしい。 必殺技は、小柄な躯を全て活かしての“ハンマー飛び膝蹴り”。 反対に苦手なのは水泳。“カナヅチ”という程ではないが……。 [故人:槇野 歩] 氏名:槇野 歩(まきの あゆむ) 享年:不祥(死亡は数年前である) 性別:女性 CV:北都 南 国籍:日本人 誕生:XXXX年03月14日 職業:技術者(MMS及び武装神姫関係、超AIに詳しい?) 趣味:不明 特技:不明 食事:好きな食べ物:不明 嫌いな食べ物:不明 特徴:艶やかな黒髪を腰の付近まで伸ばした、小柄な女性。 外見年齢が幼いのを、若干気にしていた様子である。 晶の“実姉”。生前はMMS関連メーカーの開発チーフであった。 武装神姫の開発初期に於いても、プロジェクトの末端に携わる。 産み出した試作機の一体“クリスティアーネ”とは姉妹だった。 欧米へと海外出張に赴いた際、とある事件に巻き込まれて落命。 それでもなお、人を……そして“機械”を恨む事無く、逝った。 その志はあらゆる意味で、晶とその姉妹達に今も息づいている。 【武装神姫】 [次女:アルマ] 名称:MMS-SLF-017-LUV version.1,23a[Alma(アルマ)] 通称:紅星の閃姫(ロードナイト・ヴァルキュリア) 素体:悪魔型MMS・ストラーフ(強化フレームに換装済み) 年齢:再起動後数日/起動後数年(外見は同型機より少し幼い) 性別:女性 CV:植田 佳奈 色彩:赤・銀・黒・桜色を中心とする 国籍:武装神姫(登録地:日本・東京秋葉原神姫センター) 階級:秋葉原神姫センターセカンドリーグ・下位 職業:槇野晶の武装神姫、名刺上は「工房アシスタント」 趣味:歌と踊り(どちらもPOP系?)、手芸、人に尽くす事 特技:力仕事、歌と踊り(同上)、手芸 食事:好きな食べ物:甘味各種、しょっぱい物 嫌いな食べ物:炭酸飲料、酸っぱい物 特徴:長い桃色のストレートヘアをシニヨンにしている。 気分や装備で、解いたり団子ヘアにしたりもする。 素体の塗装は、肌色と黒・銀・紅をベースに変更。 カメラアイは琥珀色のドールアイ改造品へと置換。 両耳に石榴石のピアス、胸にルビーのペンダント。 元は猪刈が晶との対戦時に使用した、ストラーフタイプの1体。 神姫を“ゲームの駒”としか見ない猪刈によって破壊されたが、 「ちっちゃい物研」の手によって修復され、更に晶の手で改造。 性格としては大人しく一歩後ろに付くタイプ……実は甘えん坊。 晶を「マイスター」とは呼ぶが、“妹”の立場に戸惑いがある。 戦いには嫌悪的・消極的であったが、ロッテとの出会いで変化。 ぎこちない側面は見られるが、今後の生活で改善が期待できる。 装備の換装で軽量級・重量級両クラスへの参戦を可能とする為、 徒手空拳での神姫同士による格闘にも耐えうる程の強度を誇る、 レアメタル・特殊高剛性フレームへの素体置換が行われている。 通常時には[hmOCU_ALXXX “Electro Lolita”]の先行試作品を、 恥ずかしがりながら着用。 (故に、XXXに入る型番は不定である) “食事機能”でのエネルギー補完も修理の際に搭載されており、 変換の効率ではロッテを凌ぐ“エネルギー重視型”を使用する。 [三女:ロッテ] 名称:MMS-AVA-014-LUV version.1,46b[Lotte(ロッテ)] 通称:蒼天の旋姫(セレスタイン・ヴァルキュリア) 素体:天使型MMS・アーンヴァル(強化フレームに換装済み) 年齢:起動後数年?(外見は一般の同型機より少し幼い) 性別:女性 CV:小林 沙苗 色彩:青・金・白・水色を中心とする 国籍:武装神姫(登録地:日本・東京秋葉原神姫センター) 階級:秋葉原神姫センターセカンドリーグ・下位 職業:槇野晶の武装神姫、名刺上は「工房アシスタント」 趣味:マイスターの作る服を着る事、及び各種お手伝い 特技:歌唱(主にクラシック系を我流アレンジして唱う) 食事:好きな食べ物:甘味各種、チキン系のサンド類 嫌いな食べ物:炭酸飲料、激辛系全般 特徴:長い水色のストレートヘアを三つ編みにしている。 気分や装備で、解いたりポニーテールにしたりも。 素体の塗装は、肌色と白・金・青をベースに変更。 カメラアイは琥珀色のドールアイ改造品へと置換。 両耳に瑠璃玉のピアス、胸にサファイアの首飾り。 一体のアーンヴァルタイプ(新品)を、槇野晶が全身全霊を込めて 規約範囲内で極限までカスタムした神姫。晶の“妹”とされる。 性格としては陽気で従順。更に人懐っこく、華美な装飾を好む。 晶を「マイスター」と呼ぶが、“妹”の立場を受け入れている。 献身的な側面があり、戦闘後の負傷神姫をケアする場合もある。 これらは晶との密着生活で、自然に培われた“心”と思われる。 装備の換装で軽量級・重量級両クラスへの参戦を可能とする為、 徒手空拳での神姫同士による格闘にも耐えうる程の強度を誇る、 レアメタル・特殊高剛性フレームへの素体置換が行われている。 通常時には[hmOCU_ALXXX “Electro Lolita”]の先行試作品を、 年頃の娘の様に着こなす。 (故に、XXXに入る型番は不定である) どうやら食事によるエネルギー補完も、可能としているらしい。 [四女:クララ] 名称:MMS-HWL-012-LUV version.1,04c[Clara(クララ)] 通称:翠月の穿姫(ジェイダイト・ヴァルキュリア) 素体:犬娘型MMS・ハウリン(強化フレームに換装済み) 年齢:起動後数週間(外見は一般の同型機より少し幼い) 性別:女性 CV:水樹 奈々 色彩:緑・銅・灰・翠色を中心とする 国籍:武装神姫(登録地:日本・東京秋葉原神姫センター) 階級:秋葉原神姫センターセカンドリーグ・下位 職業:槇野晶の武装神姫、名刺上は「工房アシスタント」 趣味:読書、勉強、各種メディアの鑑賞、楽器演奏 特技:舞踏(主にフィジカル面の修練?)、情報処理 食事:好きな食べ物:甘味各種、辛い物全般(激辛はNG) 嫌いな食べ物:炭酸飲料、揚げ物など脂っこい物 特徴:翡翠色のショートボブヘアに、帽子と眼鏡が特徴。 素体の塗装は、肌色と灰・銅・翠をベースに変更。 カメラアイは琥珀色のドールアイ改造品へと置換。 両耳に橄欖石のピアス、胸にエメラルドの首飾り。 左手甲・右腕に、蔦の様な紋様の刻印が存在する。 初期不良品として交換に応じたハウリンを、晶が改造した一体。 実際、火器管制システムの致命的機能不全や駆動部出力低下等の 不具合が数個見つかっており“武装神姫”としては一見不良品。 性格としては寡黙であまり表情を変えないが、超絶ストレート。 晶を「マイスター」と呼んでおり、“妹”の地位を誇りに思う。 戦闘は一見出来なさそうだが、“オーバーロード”作用によって 情報処理機能が異様に発達しており、更にそれらの入出力機能も 優れている為、ヴァーチャル空間内部を合法的にハッキングして 様々な事象を引き起こす行為……自称“魔術”での戦闘が可能。 その代わりリアル戦闘では、何らかの電子的兵装がないと無力。 装備の換装で軽量級・重量級両クラスへの参戦を可能とする為、 徒手空拳での神姫同士による格闘にも耐えうる程の強度を誇る、 レアメタル・特殊高剛性フレームへの素体置換が行われている。 但し“オーバーロード”の副作用もあって、動きは鈍めである。 通常時には[hmOCU_ALXXX “Electro Lolita”]の先行試作品を、 着用。顔には出さないが嬉しい。 (故に、XXXに入る型番は不定) “食事機能”のエネルギー補完も修理の際に搭載されているが、 ロッテ以上の“コミュニケーション重視型”の為、非常に小食。 [故人:クリスティアーネ] 名称:MMS-573 version.0,24i[Christiane(クリスティアーネ)] 通称:無し 素体:大天使型MMS・クリスティアーネ(プロトタイプ) 年齢:起動後数週間(外見は現在の天使型より少し年上) 性別:女性 CV:雪野 五月 色彩:白・銀・金・黒を中心とする 国籍:武装神姫のプロトタイプ(未登録) 階級:無し 職業:槇野歩製作の、試作型武装神姫 趣味:舞踊、歌唱、読書 特技:情報処理、精緻なる“心” 食事:なし(食事機能未実装) 特徴:蜂蜜色の豊かな髪を伸ばした、琥珀色の瞳の神姫。 素体の塗装は、肌色と白・銀・黒をベースに変更。 カメラアイは琥珀色の特注品へと置換されていた。 槇野歩達が、武装神姫開発プロジェクトの最中で産み出した娘。 神姫達のプロトタイプであり、結局は実用化されなかった存在。 産み出してくれた技術者・槇野歩とは種族の垣根を越えた姉妹。 特別な機構によって得ていた精緻極まる“心”が、全ての始源と 言えるかも知れない。彼女は槇野歩共々この世を去っているが、 その影響は現在にまで、少なからぬ余韻を残し続けていたのだ。 【人型神姫インターフェイス(HVIF)】 [次女:槇野 茜] 氏名:槇野 茜(まきの あかね) 年齢:不祥(外見は16~18歳程度) 性別:女性 CV:植田 佳奈 国籍:フィンランド人(自称、実際には国籍無し) 職業:MMSショップ店員及び留学生(対外的) 趣味:歌と踊り(どちらもPOP系?)、手芸、人に尽くす事 特技:力仕事、歌と踊り(同上)、手芸 食事:好きな食べ物:甘味各種、しょっぱい物 嫌いな食べ物:炭酸飲料、酸っぱい物 住所:〒10A-8X2R 東京都千代田区外神田1-2Z-4X0 万世橋無線会館B2F MMSショップ“ALChemist” 特徴:蜂蜜色のセミロング風ヘアを、シニヨンにした少女。 深紅の瞳が特徴。(周囲にはコンタクトと言っている) 両耳には石榴石のピアス、胸にルビーのペンダント。 大抵は晶とお揃いの可憐な服とエプロンを着用する。 長女・槇野晶とは腹違いの妹であり、フィンランドからつい先日 留学の為に日本へと帰ってきた、帰国子女三姉妹の長女である。 現在は店でアルバイトする代わりとして、住まいを貸している。 ──という晶のシナリオに沿って活動する、アルマのHVIF。 フェレンツェ・カークランド博士の趣味なのか、美少女である。 学生服や私服も多数持つが、これらは全て偽装の為に存在する。 [三女:槇野 葵] 氏名:槇野 葵(まきの あおい) 年齢:不祥(外見は16~18歳程度) 性別:女性 CV:小林 沙苗 国籍:フィンランド人(自称、実際には国籍無し) 職業:MMSショップ店員及び留学生(対外的) 趣味:綺麗な服を着る事、及び各種お手伝い 特技:歌唱(主にクラシック系を我流アレンジして唱う) 食事:好きな食べ物:甘味各種、チキン系のサンド類 嫌いな食べ物:炭酸飲料、激辛系全般 住所:〒10A-8X2R 東京都千代田区外神田1-2Z-4X0 万世橋無線会館B2F MMSショップ“ALChemist” 特徴:長い蜂蜜色のストレートヘアを三つ編みにした少女。 深い蒼の瞳が特徴。(周囲にはコンタクトと説明する) 両耳には瑠璃玉のピアス、胸にサファイアの首飾り。 大抵は晶とお揃いの可憐な服とエプロンを着用する。 長女・槇野晶とは腹違いの妹であり、フィンランドからつい先日 留学の為に日本へと帰ってきた、帰国子女三姉妹の次女である。 現在は店でアルバイトする代わりとして、住まいを貸している。 ──という晶のシナリオに沿って活動する、ロッテのHVIF。 これまた日本ではなかなか見られない、絶世の美少女だったり。 晶と長く過ごしたキャリア故か、店番も十分に一人でこなせる。 [四女:槇野 梓] 氏名:槇野 梓(まきの あずさ) 年齢:不祥(外見は16~18歳程度) 性別:女性 CV:水樹 奈々 国籍:フィンランド人(自称、実際には国籍無し) 職業:MMSショップ店員及び留学生(対外的) 趣味:読書、勉強、各種メディアの鑑賞、楽器演奏 特技:舞踏(主にフィジカル面の修練?)、情報処理 食事:好きな食べ物:甘味各種、辛い物全般(激辛はNG) 嫌いな食べ物:炭酸飲料、揚げ物など脂っこい物 住所:〒10A-8X2R 東京都千代田区外神田1-2Z-4X0 万世橋無線会館B2F MMSショップ“ALChemist” 特徴:蜂蜜色のショートヘアを、自然に流した可憐な少女。 深緑の瞳が特徴。(周囲にはコンタクトと言っている) 両耳には橄欖石のピアス、胸にエメラルドの首飾り。 大抵はお揃いの可憐な服とエプロンに、眼鏡を着用。 長女・槇野晶とは腹違いの妹であり、フィンランドからつい先日 留学の為に日本へと帰ってきた、帰国子女三姉妹の三女である。 現在は店でアルバイトする代わりとして、住まいを貸している。 ──という晶のシナリオに沿って活動する、クララのHVIF。 これまた美少女である辺り、フェレンツェ博士の側面が窺える。 偽装の為に持つ勉強道具であるが、彼女は本当に勉強している。 【その他】 [支援兵器:アルファル] 名称:elVTA_AL777 [“魔女の箒(ブルーム)”Alfar(アルファル)] 通称:[Fiona(フィオナ)/Morian(モリアン)/Ulthers(アルサス)] 年齢:数週間 性別:女性? CV:合成音声(Donna Burke 他) 色彩:モノトーンとクロームが基調、状態により変色する 国籍:ぷちマスィーンズ(登録地:日本・東京秋葉原神姫センター) 職業:槇野晶の武装神姫達に仕える“騎士” 趣味:なし 特技:神姫のサポート(戦闘・お手伝い等多岐に渡る) 食事:なし(食事機能未実装) 特徴:多種多様な変形機能を見せ、主に忠実である。 晶が三姉妹の為に開発せしめた、ぷちマスィーンズを土台とした 多重可変型戦術支援システム。YES/NOしか喋れない物の、忠誠は 篤く、主である神姫の為なら何でもこなす、立派な騎士である。 なお名前の由来は、いずれもケルト神話から取られた物である。 [支援兵器:プルマージュ] 名称:elVDV_AL777 [“星龍姫(ライナー)”Plumage(プルマージュ)] 通称:[Fafner(ファフナー)/Wybrio(ウィブリオ)/Lindorm(リンドルム)] 年齢:数週間 性別:女性? CV:合成音声(Joanna Day 他) 色彩:白とクロームに、主たる神姫のパーソナルカラーが基調 国籍:ぷちマスィーンズ(登録地:日本・東京秋葉原神姫センター) 職業:槇野晶の武装神姫達に付き従う“竜” 趣味:なし 特技:神姫のサポート(主に戦闘と室内の移動) 食事:なし(食事機能未実装) 特徴:莫大な出力を持ち、性格が実に多彩である。 晶が重量級ランクへ赴く三姉妹に与えた、“アルファル”の対と なる重装型高機動戦闘システム。人語は話せない物の、愛嬌ある 仕草と相反する勇敢さを兼ね備えた、“獣の王”と呼べる存在。 なお名前の由来は、いずれも各種神話に登場する“竜”である。 メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2854.html
ぶそしき! これから!? 登場神姫紹介 <第0話> ○ヒイロ セイレーン型 呼称:「マスター」 持主:佐伯友大 瞳: 赤 髪: 深紅 近所のおもちゃ屋スターフィールドにて佐伯友大に購入される。 クレイドル付き、ただし武装なしの特価品である。 前のマスターの改造か、非常にパワーの値が高い。 性格は熱血よりと言うよりはバトル脳で少年っぽい。 マスターより、せめてものおしゃれと赤色のマフラーを与えられる。 戦い方はバーサーカーという言葉が相応しい攻撃偏重の猪突猛進ぶりである。 店員神姫 ○アリシア 天使型 神姫センターで働く店員神姫。 天使型らしくまじめで誰にでも丁寧に接し、人当たりが良い。 実はさり気に黒い。 ・・・ ○クラハ セイレーン型BK 呼称:「マスタァ」 持主:羽々辺誠志郎 瞳 :赤 髪 :金 鳥というよりは小鳥のような印象のセイレーン型? 普段、袖が広がった白と青のワンピースと帽子を着用し、鳥を思わせるレッグユニットを装備している。 実は袖に隠れた腕にも武装パーツをつけている。 ちなみに、元々はペットロボットのつもりで購入されたらしい。 素体とコアの組み合わせは純正のものではなく、通常の神姫より小柄である。 ・・・ 店員神姫 ○マリーベル 猫型 おもちゃ屋スターフィールドで働く世にも珍しい? 内気で控えめな猫型。 「……マオ、チャオ?」と彼女を初めて見て反応する客は珍しくない。 案内やプチマスィーンGとの店内清掃などを行っている。 ・・・ ○ハーティア 犬型 マリーベルと同時期におもちゃ屋スターフィールドで働くようになった神姫。 口が悪く一見ぶっきらぼうだが、仕事ぶりは生真面目であり、結構献身的である。 機材整備のプチマシーンGを率いて筐体などの施設管理や修理などを行っている。 時々出かけて―― ・・・ ○セラフィルフィス 悪魔型 おもちゃ屋スターフィールドで働く神姫。 武装神姫が出た初期の頃から稼働している古参であり、店員神姫たちのまとめ役であり、星原店長のパートナーである。 ・・・ <第2話> ○チャオ 猫型 呼称:「マスター」 持主:成行春澄 瞳 :黄緑 髪 :黄緑 性格は、いわゆるマオチャオらしく前向き。 ヒイロとは遊び仲間で友だちである。 実はストリートバトルをふっかけられた挙句、修理に出されるくらいに痛めつけられたことがあり、トラウマになっていた。 またその時に武装が幾つか壊れてしまっている。 代わりにマスターからお手製のクロースアーマーを渡されたが……あまり気に入っていないようである。 トップページ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/523.html
前へ 先頭ページへ 空を仰げば透き通るような青が広がっている。 バーチャルだとは分かっていてもついつい見惚れてしまう程に、キレイな空だ。 これで弁当の一つでもあればピクニック気分が満喫できる。 そうでなくとも良い天気というのは心を躍らせるものだ。 まあ、一つ気になる事といえば、今がバトルの真っ最中と言う事か。 「トリス……空を見るのも良いけど、バトルに集中してよ?」 「無論で御座るよ、主殿」 すぐ近くにいる対戦相手であるサイフォスには目もくれず、トリスは空を仰いでいる。 「しかし、今回ばかりは楽勝で御座るよ」 そう言いながら、視線をサイフォスに移す。 彼女はトリスが目と鼻の先に居るにも関わらず、周囲を警戒している。 まるでトリスが見えていないようだ。 実際、サイフォスにはトリスの姿は見えていない。 「奴の装備ではニトクリスを見破るまでにまだまだ余裕が御座ろう」 「そうだけどさ……」 トリスの用いる主武装の一つ、『システム・ニトクリス』 周囲に全長1マイクロミリメートル以下の超小型機械『ナノマシン』を散布し、 対象神姫の電子回路内部に侵入させ、ハッキングを施して感覚を狂わせるシステムである。 サイフォスがすぐ近くにいるトリスを見つけられないのは、このシステムを用いているからに他ならない。 このシステムのメリットは、神姫自体の感覚を狂わせる点にある。 ニトクリスにハッキングされた神姫は、トリスの思うが侭の幻覚を見る。 「ッ…そこか!」 現に、サイフォスはトリスがいる所とは全く別の空間に斬りかかっている。 サイフォスの中ではそこにトリスがいるのだ。 「……こんな悪趣味なシステム作るんじゃなかった」 「何を言うか主殿、これ程面白い機構は他に御座らんではないか!」 ニトクリスが狂わせる感覚は五感全てに及ぶ。 サイフォスの視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の全ては今、トリスの手の平の上にある。 が、このシステムも万能ではない。 「そうか……ハッキング系の武装か!?」 神姫は高度なAIを所有する。 それは人間と同等の精神活動をもたらすものであると同時に、超ハイレベルなCPUでもあるのだ。 よって、ハッキングに対する自己修復システムも標準的に持ち合わせているのだ。 「ふむ……存外、回復が早いで御座るな」 「そんな悠長に構えてないで、ナ・アシブを装着してよ!」 トリスが使うナノマシンには三つの能力がある。 一つ目はニトクリスに用いるハッキング能力。 二つ目は、光の屈折能力である。 簡単に言えば光学迷彩機能だ。 トリスの背後、何も無いはずの空間にノイズと共にそれは現れた。 それは無骨な腕と奇妙な背骨と獣の様な脚部を持った機械の鎧。 トリスの用いる主武装の一つ、強化外装『ナ・アシブ』 その中の、人体で表すならば肺や心臓などの内蔵がある場所にトリスは乗り込んだ。 「ふむ……異常無しで御座るな」 トリスは自身の右手首を動かした。 それを追従するように、ナ・アシブの大きな右手首が駆動する。 「おのれ、卑怯な真似をッ!」 ニトクリスのハッキングから復帰したサイフォスが本物のトリスを睨む。 「全くもって恐ろしくてたまらんで御座るな」 激昂しているにも関わらず、慎重に間合いを詰めてくるサイフォス。 それを飄飄とした様子で見物するトリス。 二人の間には温度差のある空気が充満していた。 「……拙者、喧嘩はそれほど得意では御座らん。よって、尻尾を巻いて隠れさせてもらうで御座る」 ナ・アシブはその巨体には不釣合いな程の速度で跳んだ。 「貴様、私を舐めているのか!」 怒声を頭の片隅に追いやりながら、トリスはフィールドを駆けた。 光学迷彩を起動しながら向かうのは、サイフォスからそう遠く無い物影だ。 「ふむ、ここら辺で良かろうか」 目的のポイントに到達したトリスは周囲をくるりと見回し、頷いた。 そして、背部に格納されていた三つ折のライフルを取り出した。 トリスの用いる武装の一つ『アルゴス・ランチャー』 全長2.3smの長大な超高出力レーザーライフルであるそれを右肩に担ぐように無造作に構えたトリスは、これまた無造作に引鉄を引いた。 大した反動も無く、レーザーは明後日の方向に飛んで、曲がった。 何度も何度も複雑に曲がり、障害物の合間を縫うようにサイフォスの元へと一瞬で迫った。 「なっ!?」 右肩を貫かれたサイフォスが驚きの声を上げる。 「ふむ。やはり多少の誤差はあるで御座るか」 トリスの用いるナノマシンの三つ目の能力。 それはレーザーの反射である。 ナノマシンの霧の中であれば、何処に隠れていても狙撃可能な千里眼。 トリスはナノマシンの誤差を修正しながら再び引鉄を引いた。 今度は大きく迂回するような軌道を取りながら、レーザーはサイフォスの眉間目掛けて飛来する。 しかしサイフォスは、それをコルヌを犠牲に防いだ。 「ほう。これは見事で御座るな」 サイフォスの後頭部から眉間にかけてレーザーが貫通したのは、トリスの呟きと同時だった。 「しかし、拙者の弾頭は幾らでも曲がるので御座るよ」 空を仰ぎながら、トリスは言った。 昼間だというのに人数疎らなバトルセンター。 何時もなら大勢の神姫オーナーの熱気が渦巻くこの場所が、まるで深夜のコンビニの様に鎮まり返っている。 まあ、それもその筈、今日は平日だ。 平日の真昼間からバトルセンターに入り浸れる人間というのはそう多くない。 神姫バトルセンターの職員か、ニートか、それともそれ以外か。 孝也とトリスの二人は、とりあえずはそれ以外の人間だった。 「主殿、レポートの残りは如何程で御座るか?」 「アルゴス・ランチャーのデータだけだから、あとオンラインで2・3回バトルすれば終るよ」 「それは残念。折角の機会、もう暫し神姫バトルを満喫してみたいで御座るのに」 「そうもいかないよ、レポートの提出今日までだもの……」 孝也は溜息をついた。 「ふむ。ならば明日にでも出直すとしようでは御座らんか」 「明日は普通に講義があるよ」 「ならば明後日でも」 「研究室の方でやることがあるんだよ」 「むむむ。ならば…」 「今度時間が空いたら、その時にしようよ」 「ふむ……まあ仕方なかろうか。主殿にも都合という物があるで御座るしな」 「ありがと、トリス」 孝也は軽く笑いながら言った。 「……さて、暫くは何を持って暇を潰そうかのぉ」 そう広くない僕の部屋。 実家が大学から遠いという理由で寮を使っている、僕の部屋。 家電類は初めから揃っていて、風呂トイレもちゃんとあるかなり住み心地の良い寮。 その部屋の中、床に座ってノートPCのキーボードを叩く。 僕はMMS環境心理学科に属している。 そこでは人と神姫とのコミュニケーションを通し、人間にどのような作用を及ぼすか。 みたいな事をメインにやっている。 その中で更に細かく分類があって、僕はバトルに介するものをやっている。 僕ら学生にはほぼ無償で最新の武装やPCなど様々な神姫用の備品と、ある一定の指向性を持った装備が与えられる。 けーくんとナルちゃんにはバランスの取れた装備が与えられた。 裕也先輩と蒼蓮華ちゃんには近接特化の装備が与えられた。 裕子先輩とアル・ヴァルには空中戦に特化した装備が与えられた。 全員が何らかの指向性を持った装備を与えられ、それのデータの報告する。 それが僕らの仕事。 今、僕がノートPCに打ち込んでいるのもそのレポート。 トリスの三つの武装。 「システム・ニトクリス」「ナ・アシブ」「アルゴス・ランチャー」 僕らに与えられた武装は電子戦に特化した装備だった。 初めの頃はナノマシンを利用した光学迷彩しか無かったけど、今は随分と豪華になった。 だけど、揺り籠の中で眠るトリスは昔と全く変わっていないと思う。 最初から胡散臭い御座る口調だった。 最初から僕を困らせて楽しそうに笑っていた。 最初から、今まで、すっと変わらない。 君はずっと僕の隣に居てくれた。 「……主殿、眠っておられるのか?」 トリスはクレイドルの上から呆然と孝也を見上げた。 何時ものように床に座ってノートPCを弄っている体勢のまま、項垂れている孝也。 その瞼は閉じられており、微かだか規則正しい呼吸の音が聞こえる。 部屋は暗く、明りと言えば孝也を背後から照らす月明かりだけだ。 顔は逆光のせいで見え辛いが、その表情だけは解る。 「……ト…リ……ス……」 笑っていた。 トリスの名を夢の中で呼びながら、笑っていた。 「……ふふ」 トリスはクレイドルから立ち上がり、孝也の肩まで飛び移った。 「主殿、拙者はここに居るで御座るよ……」 肩の上に座ると、孝也の寝顔に頬を寄せた。 「ずっと、此処に居るで御座るよ」 トリスは静かに目を瞑った。 同じ夢を見れる様にと、祈りながら。 「やっぱりトロンベちゃんは何着ても似合うわねぇ~♪」 「……う~」 ベッドの上でフリル満載のピンク色の可愛らしいドレスを着せられたトロンベはこれでもか、と言うほど顔を赤くしている。 その顔は若干俯いているが、その視線はアリカを見つめている。 「…それでバトルしてみる?」 「ご主人様ぁ!?」 「冗談よ、冗談」 クスクス笑っているアリカに、トロンベはとっても非難的な視線を突き刺す。 「でも」 アリカはすくうようにトロンベを抱き上げた。 「そういう格好も良く似合ってるわ、トロンベ」 「……ありがとう、ございます」 今度は完全に顔を俯かせて、蚊の鳴く様な声だった。 「にしてもよ、茜」 「なーにー?」 茜はごそごそと大き目のリュックを漁っている。 「アンタが家に来た理由って、コレだけじゃないでしょうね?」 「これだけよ?」 リュックの中から取り出した神姫サイズの洋服を手に取りながら答えた。 「アンタにはロンがいるじゃない。何でわざわざトロンベに着せるのよ」 「私はもう散々弄ばれましたので」 リュックの中から洋服を取り出しながらロンが答えた。 「あ、そう……」 「それに、トロンベが恥ずかしがるのを見るのも楽しいですし」 「そうなのよぉ~、ロンったら全然恥ずかしがらなくて弄り甲斐が無いのよぉ~」 要はこの二人、トロンベを着せ替え人形にする為だけにアリカの家に来たのだ。 「まあ、可愛らしいトロンベが見れるなら良いんだけどね」 悪戯っぽく笑いながらトロンベを撫でるアリカ。 「そうそう、ついでにアリカのも作ってきたわよ~」 「へ?」 「さあ、アリカさん。トロンベとおそろいですので遠慮せずに」 大きめなリュックに満載されていた人間サイズのフリフリたっぷりのドレスや、黒と白を基調としたゴスロリドレスなどを両手に持ちながら茜が迫り、神姫サイズの際どい衣装や旧スクなどを両手に持ったロンも迫る。 『さあ、お着替えしましょう』 「230! 231! 232!」 むっさ苦しい声がむっさ苦しい部屋に響く。 「198! 199! 200!」 畳張りの床の上で、可愛らしい声が響く。 「どうした蒼蓮華、また俺の勝ちか!」 片手腕立てをしながら、裕也が大声を上げた。 「まだまだなのだ~!」 同じく片手腕立てをしながら、蒼蓮華も負けじと声を上げた。 裕也と蒼蓮華の二人は今、日課の一つである片手腕立て300本競争に精を出している。 傍から見ればかなり珍妙だが、当人達が幸せならそれはそれで。 「268! 269! 270!」 孝也の身体が上下する速度が僅かに上がった。 「むむむ…!」 それに気付いた蒼蓮華も負けじとペースを上げる。 「今日こそは勝つのだ~!」 「きゅ~……」 畳の上で蒼蓮華は目を回している。 片手腕立て300本の後、背筋や腹筋、スクワットまでやったのだ。 並みの神姫ならとっくの昔にバッテリー切れを起こしているだろう。 「まだまだだな、蒼蓮華!」 それに対し、裕也は元気だ。 多少汗ばんではいるが、蒼蓮華程疲労していないと見える。 「おのれ~! 明次こそは絶対に勝つのだ~!」 「おう、その心意気や良し!」 二人は互いの拳を突き付け合った。 部屋には暑苦しい空気が充満していた。 「……孝也と蒼蓮華、今日も元気ですね」 やたらと騒がしい天井を見上げながら、アル・ヴェルはぼそりと呟いた。 「ふふ、やっぱり男の子は元気が一番ね」 どこか楽しそうに裕子は言った。 暑苦しい弟とは対照的な裕子は、優雅にアル・ヴェルと休日を満喫しているようだ。 テーブルの上には紅茶と洋菓子が並べられており、裕子は小説を読みながら紅茶を時折口に運ぶ。 アル・ヴェルは笑っていい○も増刊号を見ながら洋菓子を摘んでいる。 穏やかな昼下がり、という言葉が相応しい光景だ。 「……マスター」 ふいに、アル・ヴェルが裕子に向かい声をかけた。 「なぁに、ヴェル?」 裕子は小説から視線を上げず、言葉だけで応える。 「もうそろそろお昼です。やんちゃっ子達がお腹を空かせる時間ではないかと」 「……噂をすれば、ほら」 階段を降りる音と共に裕也の声が響く。 「姉貴、昼飯にしようぜ!」 裕子は小説にしおりを挟み、テーブルの上に置いた。 「そうね、今日は何にしようかしら?」 「平和って尊いな……」 狭いアパートの一室で、小さな幸福を噛み締める学生がここに一人。 「平和過ぎて退屈な気もします」 クレイドルの上で神姫サイズの雑誌を呼んでいたナルが言った。 「退屈なくらいが丁度良いんだよ~」 ベッドの上でゴロゴロしながら恵太郎は言った。 「そういうものですか」 「そういうものさ~」 引き続きベッドの上でゴロゴロする恵太郎。 「他の連中は喧しすぎるからな~。休みの日くらいはマッタリしたいさ~」 恵太郎の中ではマッタリ=ゴロゴロするなのか、それしかしていない。 他に幾らでもやることはあるだろうに、とナルは思っていたが言わないでおいた。 ピピピ、と無機質な機械音が響く。 「っと、メールか。珍しい」 恵太郎は枕元に置いてある携帯電話を手に取った。 「……孝也から? 『助けて、けーくん!昨晩うっかり寝オチしちゃってレポート間に合いそうに無いよ!』だぁ?」 「それは大変ですね」 「ああ、大変そうだな」 恵太郎とナルはまるで他人事だ。 まあ、実際他人事なのだから仕方ないが。 「『知るか、自分で何とかしろ』っと」 「……マスター、血も涙もありませんね」 「情は人の為ならずって言うだろ?」 「……そうですね」 ナルは一瞬突っ込もうかと思ったが、止めた。 「全く、休日にまでメールしてくるなよな……」 ピピピ! 「噂をすれば何とやらですね」 ナルは心なしか楽しそうだ。 「今度は茜か……って画像添付?」 「何の画像ですか?」 何か惹かれるモノがあるのか、ナルは恵太郎の下へ移動した。 「ああ、本文には『超レア画像在中』ってあるけど……」 「どれどれ……」 『うわぁ』 恵太郎とナルは声を揃えた。 そこに映し出されていたのはネコミミメイド服に身を包んだトロンベだった。 顔は真っ赤で今にも燃え上がりそうなのが画像越しでも良く分かる。 「……茜は相変わらずだな」 「……良くやりますよ」 二人が何とも言いがたい雰囲気に包まれていると、もう一通メールが届いた。 「また茜からか」 本文に『超絶レア画像在中』とあったその画像とは…。 『………』 恵太郎とナルは、文字通り固まった。 石になったと言っても問題は無い。 それくらい見事に硬直した。 そして。 「だーっはっはっはっは!……何じゃこりゃ!?」 携帯を投げ出し、腹を抱えて笑う恵太郎。 「……ま、マスター……そんなに、笑っては…失礼……ですよ……」 そういうナルも必死に笑いを堪え様としているのは見え見えだった。 投げ出された携帯の画面には、トロンベとお揃いのネコミミメイド服に身を纏ったアリカの姿があった。 その顔はトロンベ以上に真っ赤だった。 世は押し並べて、事もなし 先頭ページへ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2784.html
10ページ目『お前は誰だ』 姫乃がまどろみから覚めた時には、タクシーは総合病院のロータリーに入っていた。不意に胸がズキリと痛んでも、手や頭を動かすことすら億劫でどうしようもない。代わりに目を動かすと、隣に座っている弧域が「付いたぞ姫乃、もう少しの辛抱だからな」とささやいたところだった。 「病院? ……あれ、私いつから寝て……」 「ああ起きてくれたか、よかった。射美まで寝てるから二人とも背負わなきゃいけないとこだった」 姫乃が膝下を見ると、自分の太股を枕にした射美の頭があった。頭の重さがそのまま射美に預けられている信頼の重さのように感じた。タクシーから降りて射美を背負った弧域と、弧域の腕につかまった姫乃、三人が入ったロビーには長椅子が並んでいて、ちらほらと年寄りが座っていた。廊下に続く床には数本の電子回路のような線が引いてあって、患者や見舞いらしき人々がそれに従い、あるいはそれに気を向けることもなく歩いていく。線は色分けされていて、正しい色の線を辿っていけば広い院内でも迷わずにすむ。姫乃が座った位置からでは、それらの線がどこに向かっているのかはまったく見えなかった。 弧域が受付に行っている間、座って待っていた姫乃の胸に再び痛みが走った。全力で走った時のような苦しさとは違う、より直接的で鋭い痛み。タクシーに乗るまでにどこかにぶつけたのだろうと服の下に手を入れると、中はべっとりと湿っていた。熱があるのだから汗をかいて当然と軽く考え、痛みのある場所を押さえてみるとやはりズキリと痛む。しかしパジャマにカーディガン、それに弧域が羽織らせたらしいコートの上からではその傷が何なのかは分からなかった。 受付を済ませた弧域が戻ってきた。 「あと20分くらいで診察できるってよ。空いててよかった」 「ほんとねぇ。服の中が汗びっしょりだから、早く帰って着替えたい」 そう言って姫乃は服の中から手を抜いた。その手を丁度近くを通りかかった若い女性の看護師が見咎めて飛んできた。汗ではなく血で一面濡れた手に一番のショックを受けたのは姫乃で、弧域と看護師に支えられなければ椅子から転げ落ちていたところだった。 入院の必要はないとオッサン医師に言われた時、弧域は反発したが、ボロアパートに戻ると姫乃は部屋の前で大きな欠伸ができるほど、落ち着きを取り戻していた。しかし全身にまとわりつくような気だるさはそのままだった。姫乃は胸に張り付けられたガーゼが剥がれないように、もう何度目になるかしっかりと押さえつけた。 「ごめんね、いろいろ迷惑かけちゃって。射美ちゃんもありがとうね」 「いいからママは早く寝なきゃダメ。あたしが見張ってるからね、起きちゃダメだからね」 「射美はこっちの部屋だ。ママは今は一人でぐっすり寝ないといけないからな」 目が覚めたら軽くでもいいから何か食べるよう言い残して、弧域と射美は姫乃と別れた。 「さて……次の問題はこっちだな」 「何かあるの?」 「エルのことだ。思い出したはいいけど、神姫の存在を忘れてたってのはどういうことだ?」 ホムラ達が戦っている間、弧域は大学にいた。姫乃の言いつけどおり真面目に講義を受けていたところだったが、アマティがエルを殴り倒すと同時にエルのことを、またオートマタとして動く神姫のことを思い出した。近くに座っていた貞方と鉄子に神姫のことを尋ねたのだが、 「は? 動くってあの武装神姫が? お前さっきまでノート取ってたけど、寝てたのか」 「昨日傘姫が同じこと言って、『姫乃がおかしくなった!』って電話してきたんはあんたやないね。二人してどうしたんよ」 二人とも一分前の弧域同様、動くフィギュアのことなど知らなかった。講義を抜け出して帰宅すると丁度、弧域の部屋の扉から4体の神姫が出てきたところだった。 「マ、マスター…………違うんです! 私は姫乃さんのことを悪く思ってなんかいないんです! ホントなんです信じてください!」 「表ではニボシ食わぬ顔しておきながら、裏ではマスターの恋人暗殺を目論む愛憎劇! どうにゃ、ワガハイが監督やってやるから映画とか作らにゃいか」 「ああっ、丁度いいところに姫乃さんの彼氏さん、姫乃さんが危ないんです!」 「おい、あまり煽るな。ただ風邪をこじらせただけだろ」 この時弧域は初めて、姫乃の部屋に踏み入った。このボロアパートに引っ越してきてから三年が経とうとする今まで、一度も侵入を許可されたことのなかった姫乃の聖地。弧域は姫乃の意思を汲んだのか、なるべく部屋の中を見ないようにして、布団の中でガタガタと震える姫乃にコートを着せてタクシーを呼んだ。どうしても見過ごせなかった【モノ】については、姫乃の体調が回復してから厳しく追及することにした。 弧域は、姫乃の部屋の扉が閉まるのを確認した後で射美に問うた。 「姫乃が言ってたとおり、神姫はただのフィギュアじゃない」 「そうだね」 「ほぼ同じ頃、射美が俺達の前に現れた」 「パパとママの子供だからね」 「射美はフィギュア化事件のことを知っていた」 「知ってるね。あたしもイルミなんだし」 「怒らないから正直に教えてくれ。ぶっちゃけ黒幕だろ」 「分かんない。ほら、早く中入ろうよパパ、寒い寒いよー」 逃げるように弧域の部屋の扉を開けて中に入っていく射美。弧域もそれに続いた。 姫乃を病院に連れて行った時からずっとそうしていたのか、部屋の隅でエルは膝を抱えて縮こまっていた。ブロンドの長い髪が腕にかかり、ぐずぐずな顔を覆い隠している。事ある毎にそうやって落ち込むエルの姿を懐かしむように、弧域は苦笑をこぼした。 「なに落ち込んでるんだエル、せっかくフィギュアから――」 「あの神姫を信用しちゃダメだよパパ。ママを殺そうとしたんだから」 聞いていたエルは肩をビクッと震わせたが、頭を上げて言い返そうとはしなかった。 「あたしが鉄砲でバーンってやってママを助けたんだから」 弧域は机の上に放置されているエルの短剣三本を見つけて手に取った。忍刀を改造したそれは三本とも同じ場所で折れていて、もう使い物にならない。 弧域と射美が部屋着(射美は弧域のダボダボのジャージを着た)に着替えて二人で電気ストーブに手足をかざしながら落ち着いてから、ゆっくりと頭を上げて立ち上がったエルは、何かを決意したように、まっすぐ自分のクレイドルに向かった。そしてクレイドルに座って、目をつむった。 「私をリセットしてください、マスター」 すべてを諦めたような声だった。 「イルミ姉さんと初めて戦って、姫乃さんと握手した日から、姫乃さんのことを悪く思ったことはありませんでした。……ない、つもりでした。それが嘘だって、私も知らない本心が姫乃さんのことを憎んでたって分かっちゃったらもう、マスターの側にいられません。リセットしたら、私のことは捨ててください。新しく目覚めた私もきっと、マスターのことを心から好きになって、姫乃さんのことを心の奥底から憎みますから」 「…………」 「一思いにやっちゃってください。お別れの挨拶は……つらいだけですから」 「待て待て早まるな。小さい子の前でそんなこと言うなや、トラウマになったらどうすんだ」 エルのことをじっと見つめる射美を自分のほうに向かせた弧域は、まだ重い物を背負わせるにはあまりに華奢な両肩に手を置いた。 「なぁ射美。ママはエルとケンカしたことがあるんだけど、ちゃんと仲直りしたぞ。射美も良い子だからできるよな?」 「嘘。じゃあどうやって仲直りしたの?」 「握手して、デコピンして、それでおしまいだ。後でママが起きたら聞いてみるといい、ホントだぞ」 しばらく納得がいかないという風に弧域とエルを交互に見つめ、その後で壁越しに、今はベッドの上にいるはずの姫乃に視線を向けた射美は「……分かった。パパがそう言うなら、そうする」と、渋々が半分、弧域への信頼半分といった感じで頷いた。 「待ってください! そういう問題じゃなくて、私はもう――!」 エルを無理やり黙らせるように、弧域は15cm程度の体を右手で鷲掴んだ。そしてエルの首から上だけを射美に差し出した。黒ひげ危機一発ならぬ戦乙女危機一発。 まだ完全に納得しかねる様子の射美だったが「ママも仲直りした」とあらば、それを真似しないわけにはいかない。素振りを始めた右人差し指はビッ! ビッ! と鋭く空気を切り裂いた。 「な、なんかこの子、手加減しなさそうなんですけど……っていうかマスターその前に説明してください! この子どちら様ですか! すんごく姫乃さんに似てますけど、隠し子がいたなんて聞いてないです!」 「あー、デコピンの後で説明するから」 「説明聞く前に頭が吹き飛びそうなんですけど!?」 「さっきはリセットされる覚悟してたじゃない。心配しないでエル、もし頭が取れちゃったらパパが新しいの買ってくれるから」 「これがゆとり脳ってやつですか!? どんな教育方針ですかマスター! 最近の親は命の尊さも教えないんですか! 私の顔はアンパンですか! 顔を取り替えたら元気100倍ですか!」 「なんのためーにーうーまれてー」 「なにをして いきるのか?」 「こたえられーなーいーなんてー」 「そーんなのーはー」 「「 I ☆ YA ☆ DA 」」 「二人とも絶対間違ってます! アタマ吹っ飛ばす時に歌う歌じゃないです!」 「じゃあいくよパパ、しっかり押さえててね」 「おう、外すなよ」 「嫌です! 前言撤回ですまだ死にたくないです! い、いやーーーーっ!!」 勿論。 容赦のない姫乃と違って射美のデコピンは、力を抜いてエルの前髪を少し揺らした程度だった。ただ、中指に力をこめたまま暫くエルの前で留めて無駄に怖がらせたあたり、どこか母親に通じるものがあった。 「なるほど、イルミ姉さんでもある射美ちゃん……ん~、サッパリ分かりませんが、警察とかに頼るのはやめたほうがいいと思います。たぶん捜査して分かる範疇を超えてますよ」 「えへへ」 「褒めてな……いえ、褒めざるを得ないですね。おかげで姫乃さんを大変な目にあわせなくて助かったんですけど、神姫でもこんな芸当ができるのはマシロ姉さんクラスじゃないと無理ですから」 じっくりと眺めていた折られた刃をそばに置いたエルは、右手の親指と人差し指を立てて銃の形に作り、ベッドに座った弧域と射美に向けて「バーン」と撃った。それを受けて「あうっ!」と胸を押さえて倒れたノリの良い射美とは対照的に、弧域の表情は固いままだった。 「仮にマスターが射美ちゃんの普通じゃない部分をバッチリ説明できたとしても、理解はしてもらえないはずです。そして理解できないものは偶然、もしくはマスターの見間違いだって切り捨てられて、残るものは『記憶喪失の女の子』と『白昼夢の中で動く人形』だけです。やましいことのないマスターや姫乃さんにとって不利になるだけです」 「やっぱそうだよなぁ。自分達で解決するしかないのか……」 「いいじゃない、ずっと三人一緒に暮らそうよ。あ、エルも入れてあげるからね」 「どーせ神姫はペットみたいなもんですよーだ」 「だめだ」と弧域は断固とした口調で言った。 「こんな戸籍すら不明な状態で成長させられるか。お前くらいの子供が学校に通わなくてどうする」 弧域は自分の子供の頃を思い返しても、あまり真面目に勉強をこなしてきた覚えはなかった。彼の考える当たり前の子供のように宿題をこなして、あるいはサボりもした。試験前になれば徹夜もしたし、模試の結果が思うように出なければ悩みもした。最低限、授業に付いて行けなくなることはなく、やるべきことをそれなりにやったというだけで、特別なことはしていない。姫乃と鉄子に勉強を教え(ようとし)ていたが、彼もまた鉄子と同じように成り行きに身を任せていただけだった。しかしそれが本当に大切なことだと分かったのは、週に一時間だけの中学三年の子供を相手とする家庭教師を初めてからのことだった。小学校や中学校の教師達は教室内で計算ドリルなどを振りかざし「勉強は積み重ねだ」の短い言葉ひとつにあまりに重要な意味を込め過ぎ、何をどう積み重ねるのかを説明しなかった。弧域は教え子を前にした時、そんな教師達を殴りたくなった。何故もっと分かりやすく子供たちに理解させてやらなかったのか。早熟で聡明な子供は選ばれた道へと別れていき、勤勉な子供はステージを義務教育の上へ移していく段階を重ねて意味を知ることになる。では義務教育の最後の一年を迎えても未だ四則演算を満足に行なってくれない子供は? 分数を約分することを覚えてくれない子供は? そんな子供にどうやってルート記号の意味を教えればよいというのか? 弧域にも「勉強は積み重ねだ」を分かりやすく説明することはできない。教え子に説明を試みたこともあったが返事すらしてくれなかった(どころか半年以上過ぎた今でも挨拶の言葉すら聞いたことがない。ギャグを言ったら「グフッ!」とくぐもった声で笑うだけの、今思い返せばいろいろ残念な子だったなあとは作者の談)。しかし、その状況に甘んじていては確実に子供がダメになる。子供の何がどういった風にダメになるのかは大いに偏見が混じるため明記を避けるが、とにかくダメになる。姫乃と同じ顔をした少女がダメになる姿を、弧域は想像ですら許せなかった。 「いいな、勉強は必須だ。後で射美の教育レベルを測るからそのつもりで」 「やーだー。勉強やーだー」 「つべこべ言うな。あんまり成績悪いとママに言いつけるぞ」 「マスター、いろいろ考えてるとこにごめんなさいですけど、神姫のことも忘れないでもらえると嬉しいです。おしゃべりできたり戦ったりできる神姫が世界中で手の指で数えるくらいしかいないのは寂しいです」 そうエルが頼み込んだ、その時。 「分かるにゃあその気持ち。一匹狼ならぬ一匹猫のワガハイもたまには101匹マオチャオズと戯れたくなるもんにゃあ」 弧域たち三人が驚いて振り向いた先、ベランダの窓はいつの間にか開け放たれていて、縁によりかかったカグラは腕を組んで意味ありげに頷いていた。アマティとホムラの姿はない。タバコをどこからか取り出して口に咥え、ライターで火を着けて一服して、おもいっきりむせた。 「げえっほっ!? ぉえっ、ごっほおっ! ほ、ほむほむのやつ騙しやがったにゃ! マタタビヂェリー染みこませても茶葉がタバコになるわけあるかにゃ!」 ベランダに叩きつけるように捨てられたタバコ(?)はカグラの肉球付きの足で何度も踏みつけられた。息を荒げたカグラは弧域達の冷めた視線に気づくと慌てて取り繕い、再び腕を組んでニヒルなポーズをとった。 「そこのロリ娘のことでお困りですかにゃ? おおっと言わなくても分かってるにゃよ、オマエタチにはアイディーアが無いんにゃろ。そこでにゃ。ここはひとつ、ワガハイに協力しにゃいか。ロリ娘と神姫フィギュア化事件、一緒に解決できるかもしれにゃいぜ」 ■キャラ紹介(10) ハナコ 【多方性戦術兵器パンドラ試作型】 《1》武装神姫の装備数についての考察 一般的に、神姫が搭載する武装(任意起動させるタイプ)の数は、攻撃・防御・機動などを合わせて3~6つが適当とされている。 2つ以下では対応不可な状況の発生確率が跳ね上がり、また7つ以上の装備を用意してもバトルで一度も使用することのない余計な荷物になりがちであるのが根拠である。 素体に固定される装甲など非可動的な武装については別途検討が必要であることを始めに断っておく。 また、一部の狂った性能の神姫(例えばこの界隈の『デウス・エクス・マキナ』に分類されるような強さを持つ神姫)などには当てはまらない、あくまで基本的な考察であることも付け加えなければならない。 他にも数多の例外があることも、少々言い訳じみてはいるが認める。 これはあくまで一般的な見解である。 また、これは例外の中から発見した事柄だが、武装神姫バトルにおけるすべての戦術は大きく12に分けることができることについても言及したい。 以下、武装の数を少ない方から順に個別に検討していく。 《2》武装数;0の場合 素体のまま、または素体各部のアーマーのみとなる。 神姫がカラテマスターか何かでもない限り勝利はあり得ない。 それでなければ、非暴力・不服従のガンジースタイルで相手を精神的に追い詰めてサレンダーさせるくらいだろうか。 時折、回避行動やバトル中の恐怖心を克服するための特訓として非武装でバトルをさせるオーナーを見かけるが、ほとんどの場合、神姫にトラウマを植え付けるだけの逆効果に終わることは MMS 2nd 素体の登場前から各メーカーより警告されている。 《3》武装数;1の場合 これも武装数;0の場合と同様に誤解されやすいのだが、例えば剣術の練習として大剣一本だけ持ってバトルに臨んでも成果はあまり期待できない。 そもそも武装神姫のAIは初期状態からある程度の戦闘能力を持たされているため、よほど性格的に不得意な武装でない限り最低限の運用水準は満たされている。 よって武装ごとに個別に特訓時間を割くよりも状況に応じた複数の武装の扱いに慣れるほうが優先されるべきであり、その中で各武装の運用精度が自然と向上していくのが最も望ましいトレーニングといえる。 また別の例として、歴戦の強者が槍一本のみ担いでバトルに臨むなどといった光景も見受けられるが、褒められた行為ではないと言わざるをえない。 何故ならその手の神姫が勝利する場合は決まって相手が明らかな格下であり、また敗北する場合は刃がまるで届かなかったり弾が当たらないなど『詰み』状態となって得られるものが何一つないからである。 仮に単一の武器に固執してなお強者相手に勝利を重ねることができる神姫がいたとしたら、それは明らかな才能の無駄遣いであり、+αで何かしらの武装を追加装備したほうが強くなると断言できる。 そして何より、見るからに軽い武装は入念な用意をした相手を不愉快にさせ、俗に云う『舐めプレイ』と受け取られる可能性が非常に高い。 唯一の武器に固執した神姫にその気がなくとも、相手がそれを見てどう受け止めるかを考慮するのはバトルのマナーとして覚えておかねばならない。 4人の『デウス・エクス・マキナ』の中で最も温厚、寛容かつ正義感に富む『大魔法少女』アリベがハンマー一本を担いだ愚かなストラーフに挑発され、怒り狂って即サレンダー、筐体の外に出てストラーフを消し炭にした事件が最たる例である。 自分や相手のためにも、武装は複数用意すべきである。 《4》武装数;2の場合 駈け出し神姫、または現在流行しているライトアーマークラスに多いタイプである。 武装の組み合わせとしてはおおよそ以下の場合になる。 1.攻撃+防御 2.攻撃+機動 3.攻撃+攻撃 4.防御+機動 これらがあればバトルにおける最低限の行動を取ることができる。 どの構成を選ぶかは神姫とオーナーの好みになるが、注意すべきことは攻撃手段である。 機動力の低い神姫がナイフで接近戦を挑んだり、射撃の才能がまるっきり無い神姫がハンドガンを構えることなどに意味が無いのは当然である。 とにかく、相手に確実にダメージを与えられる攻撃武装を選ばなければならない。 しかし、先に列挙した例のうち一見して無難そうな1番と2番について考えてみれば分かるが、数多く存在する武器の中から「コレだ!」とひとつ選ぶのは難しい。 刃物は相手に届かなければただの棒。 銃器は弾薬が切れてしまえばただの重り。 爆発物に至っては相手に当たらなければ汚い花火だ。 他にも多種多様な武器があり、それぞれ一長一短がある。 そこで3番と4番に注目したい。 まず3番は、よほど偏った武器を選ばない限り、バトル中に何もできなくなる状況を(武器0,1つの場合と比較して)減らすことができる。 最近、衝撃的な登場で話題となっている『ドールマスター』コタマは参考例としては極端すぎるが、近距離用・遠距離用の人形を駆使してどの距離でも万能に戦える理想的な神姫だ。 次に4番だが、これは人間でいうところの車両事故、つまり装甲と機動力に任せた体当たりを武器とする。 原始的に思えるが、1~4番の中で最も相手にしたくないタイプは? と考えると自ずと4番になってはこないだろうか。 装甲で攻撃を弾く、または機動力で攻撃を躱して突撃する。 さながら戦車のような神姫はそう簡単には止められない。 どうだろうか、ここまで考えて「武装は2種類あればいいんだ」と考えるだろうか。 答えはNOのはずである。 3番の『ドールマスター』は基本的に人形だけで戦闘を行うが、本人まで攻撃・防御手段を持てばさらに強くならないだろうか。 4番の戦車のような神姫は、主砲を搭載すればさらに強くならないだろうか。 つまり武装数;2というのは0や1のように舐めくさったものではなく、必ずどこかに発展の余地がある数なのだ。 そのことに気づき、さらに強くなりたいと願った神姫とオーナー達が3つ以上へと武装を増やしていくのである。 《5》武装数;3~6の場合 ライトアーマーブームの前までは、ほとんどの武装神姫がこれくらいのボリュームで販売されている。 また次世代神姫として登場が発表されている戦乙女型も久々の重装備神姫であると噂されている。 (次世代神姫の登場により、長らく4人しかいなかった『デウス・エクス・マキナ』の席が増えるのではないかと、その手の情報屋は期待しているようだ) この数から武装の選択肢が爆発的に増えることとなり、ノーマル装備で戦う神姫や組み換え、改造など個性が際立ってくる。 どのような装備も神姫とオーナーそれぞれ好きなものを選べばよい。 試行錯誤を繰り返していけば自ずと「戦える神姫」になるだろう。 《6》武装数;7以上の場合 ドレスアップ目的ならばともかく、バトルにこれ以上の装備を持ち込むのは無駄だと言わざるをえない。 単純に考えても装備は増やせば増やすほど重くかさばるし、バトル中にすべてを必要とする機会など滅多にないはずである。 それに神姫も手段ばかりが増えて各装備に熟練できなければ混乱してしまうだけだ。 勿論、武装が多いのが悪いと決めつけるわけではなく、すべての武装を使いこなせれば何も問題ない。 努力次第では武装をどんどん増やすことで勝利を重ねることもできるだろう。 しかし強い神姫ほど武装の選択肢が最適化されていき、武装数が7つ未満に絞られることが多いのが事実だ。 RPGのように装備することが強さの足し算にならないところが武装神姫の醍醐味でもある。 重装備神姫の動きが鈍くなってきたと感じた時は無理にブースターなどを増やそうとせず、思い切って軽装になってみると、思いもしなかった戦術を得られるかもしれない。 ちなみに、声を大きくして言えないことだが、神姫バトル初心者を超えて一人前とされる基準の「門番」として、重装備神姫が選ばれることが多い。 ぶっちゃけると、金に物を言わせて高火力武装を持てるだけ持った神姫である。 バトル開始から弾丸、レーザー、ミサイル、ビットなどを考えなしに撒き散らすタイプが特に多く、バトル慣れしていない神姫を近づけることなく屠り勝利数を重ねるといった寸法である。 子供オーナーならば微笑ましい光景だが、いい年したオーナーであったなら見ていられない。 初心者にとっては防御・回避の良い基礎練習相手になるだろう。 また金こそパワータイプの門番は最新の武装を使ってくることが多いので、上級者ならばその性能を見極めるために相手したり、ナイフ一本を握りしめて「金」より「愛」であることを証明してやるのも面白いかもしれない。 こういった事情があるため、「門番」とはあまり良いイメージを持たれる存在ではなく、むしろ陰口のような意味で使われることが多い不名誉な称号である。 自分がそうならないよう、武装の数には気を配りたい。 《7》戦術数とその応用兵器について 様々なバトル(1対1のフリーバトル)を検証した結果、武装神姫の戦術は大きく12に分けることができる。 今後の研究に大いに関わってくることから、残念ながらそれら12の戦術を列挙するのは秘匿とさせてもらう。 一例を挙げるとすれば、『デウス・エクス・マキナ』の一人にして最も喧嘩を売りたくない相手と恐れられている『ナイツ・オブ・ラウンド』マシロが操る騎士人形の数が12だ。 相手が相手なだけに12という数字の結びつきを確認するのは難しいが、何かしらの関連性があるものと考えられる。 さらに、もし12の戦術すべてに対応できる神姫が存在すれば『最強』と呼べるのではないだろうか、とは当然の結論だろう。 12の戦術、そしてそれらを実現可能な武装を用意し熟練することで、どんな神姫でも『デウス・エクス・マキナ』クラス以上、つまり最高水準の武装神姫に手が届くと期待できる。 しかしそれでは前述した武装過多のデメリットと矛盾することになり、理論上、特別な才能(AIの特異な成長や、素体・武装の究極的なチューニングなど)のない神姫が『デウス・エクス・マキナ』クラスを相手取ることは不可能である、という消極的な結論に辿り着いてしまう。 そこで、12の戦術を一つの塊としたシステムウェポンを検討したい。 既に試作機の設計に着手しており、完成までの目処はついている。 一つの兵器としては過大な規模の武装になってしまうのが欠点だが、完成したあかつきには所持した神姫が少なくとも一目置かれるレベルの戦闘力を得ることは間違いないだろう。 兵器の名称は既に決めてある。 その兵器の武装者に銃口を向ければありとあらゆる災厄が襲い掛かってくる、というコンセプトから―― 【ハナコ先生の授業は眠い】 「[――というコンセプトから『多方性戦術兵器パンドラ』と名付ける。] 以上が私の武器の基礎らしくて……あれ?」 パンドラの取扱説明書に付属されていた資料を読み終えて顔を上げてみると、目を開いている人は誰もいませんでした。 メルはエルさんと肩を寄せ合うように仲良く眠っていて、コタマさんは私が読み始めた時から既にいびきをかいていたような気がします。 ニーキさん、マシロさんも姿勢は正しいままですが、こっくりこっくりと船を漕いでいます。 私の読み方が退屈だったのがいけないのでしょう。 皆さんに退屈な思いをさせてしまい申し訳ないです。 体を冷やさないように急いで布団を用意しないと……でも、その前に。 こうして皆さんが一緒に眠っている場面なんてなかなか出会えないですし、写真を一枚撮ってからでもバチは当たりませんよね。 次ページ『?』? 15cm程度の死闘トップへ