約 3,114,253 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/393.html
戦うことを忘れた武装神姫 その7 ・・・その6の続き・・・ 神姫オーナーがよく来ることで名のしれた、T市のとある居酒屋。 情報交換の場でもあり、久遠もちょくちょく訪れている。 「・・・で。今日の相談なんだけど。」 カウンター席で、イオの手にしたぐい飲みに自らのコップから酒を分け注ぎながら、久遠が話を切りだした。 「実は神姫バトルする事になっちゃってね・・・」 「なんだ、そんな事か。やっちゃえばいいじゃないか。 あ、オヤジさん、唐揚げ一皿追加ね。」 と、バリバリ食べ物を注文してはモリモリ消費するDr.CTa。 彼女の神姫、沙羅とヴェルナも同様に、どんどん食べている。 「いやー、それがさぁ。M町のセンターのトップとやるんだよ。」 「ふーん。それで? ・・・おねーさーん、生中一杯追加おねがいしまーす。」 「それでって・・・。」 ため息ひとつ、久遠は手元の酒を飲み干すと、経緯をCTaに説明した。 ・・・ それは、久遠がリゼを連れて、神姫関連の雑誌をM町のセンターへ買いに行った時の事だった。たまたまフィールドでは、草リーグの試合が開催中。。。 騎士子VS猫子、しかし猫子は戦い慣れていないのか、一方的な試合内容だった。半泣きの顔つきで防戦一方の猫子に、容赦ない攻撃を次々に加える騎士子。 やがて、研爪(ヤンチャオ)が跳ね飛ばされ、防壁(ファンビー)が粉砕され- 騎士子は、独特の形をした太刀-おそらく、オーナーが自作した物であろう-を振りかざし、追いつめられて戦意を喪失しきった猫子の右腕を- 斬り落とした。 盛り上がるギャラリー。フィールドのシールドが解除されると、まだ中学生くらいの猫子のオーナーの女の子は倒れて動かない猫子を拾い上げ、ごめんね、ごめんね・・・と、大粒の涙をこぼし、店の隅でしゃがみ込んでしまった。 一方の騎士子のオーナーと思しき人物は、勝って当たり前と言わんばかりの態度で、ギャラリーと歓談。 どうにも納得がいかない表情の久遠は、その場を離れ猫子のオーナーの元へ。 「・・・大丈夫。ウチのリゼが治せると思うよ。」 声をかけると一瞬警戒した猫子のオーナーだったが、久遠のボックスから出てきたリゼの姿に、泣くことを止めた。 「どもー。久遠にくきゅうレスキュー隊のリゼでーす。お怪我をした神姫はどの子かなぁ?」 妙に明るいノリで出てきたリゼは、いわゆるナースルック。手にはご丁寧に注射器とバインダー。 「・・・ということ。こう見えても結構な腕前を持っているから・・・。」 久遠はセンターのレンタル作業台を借り、まだ不信感を抱く女の子を後目にリゼと作業にかかる。 「どう?」 「うーん・・・やぁ、大したことは無さそうだよ。あたしは外傷を診ておくから、ヌシさんはクレイドル経由でデータ損傷のチェックをかけて。」 「ほいきた。」 久遠はCTaから貰った試作のクレイドル「さわやかしんさつしつ」を取り出すと、そこへ猫子を移動させ、診察台に寝かせた。 リゼは、白衣の下から次々に工具や補修パテ、タッチペン等々を取り出し、猫子の傷を瞬く間に修復。斬り落とされた腕も、久遠のストックパーツを用い見事に修復完了。 その間に久遠は、慣れた手つきでデータの検査。 それも数分で終わり・・・ 「はーい、お姉ちゃん。おまたせ〜。 破損部品も全部純正で補修したから、これで完璧、もとどおりだよー。 さぁ、再起動かけてあげて。」 女の子に、猫子をリゼが抱きかかえて手渡す。 マニュアル通りの手順で再起動をかける。 「・・・ふえ? あー、かえでちゃん・・・ にゃー!!!怖かったよ〜!!」 「ティナ・・・ごめんね、あたしがやってみたいって言ったばっかりに・・・」 「ううん、かえでちゃんの所為じゃないよ・・・わたしが弱かったから・・・」 わんわんと鳴く一人と一体の横で、冷静に状況判断の久遠。 「ふむ・・・きちんと再起動したねぇ。」 「そりゃそうさ。あたしが治したんだもの。どうやらデータも問題無いっぽいね。よかったよかった。」 と、リゼも満足そうな笑みを浮かべていた。・・・久遠が、クレイドルを片付け終わるころには、かえでと呼ばれた猫子・ティナのオーナーも、落ち着きを取り戻していた。 「本当にありがとうございました。雑誌で読んで、対戦をしてみようとはじめてやってみたら、いきなりここで一番強い人とやることになってしまったんです。」 「私からも御礼を申し上げます。右腕どころか、身体の細かい傷の補修までしていただきまして・・・。」 深々と頭を下げるかえでとティナ。かえでは財布をごそごそ・・・と、その手を止める久遠。 「いや、そんなにしなくてもいいから・・・。 趣味の延長なんだから、タダでいいって。なぁ、リゼ。」 「そうそう。あたしだって、好きでやってることなんだし。ねー、ヌシさん。」 その二人の会話に、思わず笑みがこぼれるかえで。 「おぢさまとそのストラーフさん、仲がいいんですね。」 「お、おぢさまって・・・」 ちょっとガックリ来ている久遠の肩の上では、リゼが必死に笑いをこらえている。 「・・・しかし、最近のバトルもずいぶんと質が落ちたもんだ。」 ぼそっと久遠が呟くと、かえでが訊いてきた。 「そうなんですか? もっと激しい試合だったんですか?」 「ちがうちがう、その逆。最近の試合が殺伐としすぎているんだよ。 さっきの君たちの対戦だって・・・終了間際には、もうティナちゃん・・・だっけ?戦意喪失していたのに、トドメを刺してきたじゃないか。」 頷くかえでとティナ。久遠は続けた。 「俺が武装神姫をいじり始めたときなんて、それこそ礼に始まって礼に終わる、互いをいたわり尊敬する、のんびりとした感じだったんだけどね・・・。」 「そんなんじゃロクな武装神姫にならないっすよ。」 中途半端に太い声が、久遠達の後ろから響いてきた。振り返ると、そこには先の勝者-すなわちM町のトップ神姫使い-が立っていた。 ・・・>後編へ続くっ!!>・・・ <その6 へ戻る< >その8 へ進む> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/tengin/pages/82.html
バトルマスター (ばとるますたー) 【更新時刻】 2006年12月22日09時13分03秒 【分類】 [職業] 【参照URL】 【関連語】 【意味】 1. 最上級職。全ての武器を取り出し攻撃する。 [らふぃ~] 2. 転職できる条件は力・速さがそれぞれ20以上、生命力15以上、器用さ18以上、レベル40以上である。 [らふぃ~] 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/myshinki/
ここは武装神姫バトルロンドの個人的なデータベースwikiです。 他wikiやブログ、攻略サイト、ティールームでの会話などをもとに情報を集めています。 閲覧は自由ですが情報に誤りがある可能性がおおいにございます。 ページ内検索 ※カタカナは半角で入力してください。 更新履歴 取得中です。 本日のお客さん - 人の方がいらっしゃいました。 *
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/245.html
なぜなに武装神姫* 「という訳で今回もやってまいりましたこのコーナー。いい加減ネタがやばいみさにゃんです」 「えー。せっかくユキにゃんがきたのにー」 「あはは……まぁ、今回はこちらっ」 『機械なのに姉妹ってどうして?』 「まぁ、ある意味武装神姫全員が姉妹と言えなくもないけどね。 同じマスターの元にいる神姫は姉妹、って感覚で付き合うマスターが多いかしら。早く来た順に姉~妹ってね」 「じゃあねここはユキにゃんのお姉ちゃんなのだ~☆」 「どう見ても妹だと思うけどね」 「え゛ー」 続く トップへ戻る
https://w.atwiki.jp/dqm5mod/pages/28.html
特技詳細 バトルマスター 01 攻撃力+5 全職業にて攻撃力が5増加する 02 最大HP+30 全職業にて最大HPが30増加する 03 守備力+5 全職業にて守備力が5増加する 04 最大HP+70 全職業にて最大HPが70増加する 05 正拳突き 拳専用 通常攻撃+大ダメージ(技選択後ジャンプ攻撃) 06 捨て身 HPを削り、通常攻撃+固定ダメージ中(技選択後ジャンプ攻撃) 07 守備力+10 全職業にて守備力が10増加する 08 攻撃力+10 全職業にて攻撃力が10増加する 09 前衛系盾装備可 全職業にて重い盾が装備出来るようになる 10 爆裂拳 拳専用 連続8回攻撃による特大ダメージ(技選択後ジャンプ攻撃)
https://w.atwiki.jp/cthulhuartonline/pages/105.html
◎バトルマスター ★ジョブスキル【波紋の呼吸】or【雷光の如く】or【武芸百般】or【亀仙人の教え】、【武道(空手、相撲、プロレスリング、カポエイラ、ボクシング、ムエタイ、CQC、逮捕術)】より三つ STRとDEXとCONに+3 【波紋の呼吸】・・・人型の敵に対して無敵貫通のパッシブがつく。 【雷光の如く】・・・成功すれば3回行動ができるようになる。 【武芸百般】・・・適正武器が全ての武器(個別)に変化する 隠し:【亀仙人の教え】・・・このスキルを取ると全ての技能値が半分になり、DEXもー15されるが、SP【かめはめ波】を打つことが出来るようになる 【武道(空手)】・・・あらゆる攻撃を受け流す「回し受け」や、どんな場所でも同じ火力を出し続けることが出来る「三戦」など、補助技能を入手できる 【武道(相撲)】・・・【頭突き】に【ぶちかまし】が追加され、ボクシングをしのぐ高火力と高耐久を持ち、吹き飛ばされなくなるがDEXが表示上最低になる 【武道(プロレスリング)】・・・魅せる技を数多くこなすことが出来る。強力な一撃をガンガン打てるが、回避をするとSANが2減る 【武道(カポエイラ)】・・・キックした際に蹴った回数が1d3回増える(魔術は乗せられない) 【武道(ボクシング)】・・・拳のダメージが規格外となり、STR加算値が発生する。その代わり、足を使う攻撃技能の一切を禁止する。 【武道(ムエタイ)】・・・キックと拳がバランスよく上がり、敵に強制的にCONロールさせる技などが存在する 【武道(CQC)】・・・攻撃した際に、その技能値の半分でもう一回、さらに半分でもう一回・・・と連打攻撃ができるが、二回目以降に魔術は入れられない 【武道(逮捕術)】・・・JAPANESE POLICEMENの逮捕術。主に組付きからの派生攻撃をコンボさせる 隠し:【武道(亀仙流)】・・・かめはめ波が打てるようになる ◆バトルマス◆上級格闘家・バトルマスター ①バーバリアン【勇猛:100 敏捷:100 頑健:100】獰猛な戦士。素手の戦闘にボーナス ②レイジング【勇猛:200 敏捷:200 頑健:200】秘めたる業怒を力に変えて戦う蛮人戦士 ③サイレント【勇猛:300 敏捷:300 頑健:300】全くの無音のまま敵対者を葬り去る無音戦闘者 ④カンフーマスター【勇猛:400 敏捷:400 頑健:400】東洋体術に秀でた者。生半可な攻撃で彼にダメージは与えられない ⑤バトルマスター【勇猛:500 敏捷:500 頑健:500】素手での戦闘において右に出るものはいない。人間において極められた武の完成形ター~特殊称号~ 【武功:】敵に与えたダメージ/1000 【武道(空手)】 ①STR,DEX,CON+3 ②STR+2 ③DEX+3 ④CON+4 ⑤STR,DEX,CON+4+1d6 【武功:100】入門者 【武功:200】初段 【武功:300】錬士 【武功:400】達士 【武功:500】範士 【武道(相撲)】 ①STR+5、CON+4、SIZ+3 ②STR+1d16、CON+1d6、SIZ+3 ③STR+1d16+2、CON+1d6、SIZ+5 ④STR+1d30、CON+1d6+1、SIZ+7 ⑤STR+2d8+2d12、CON+1d6+2、SIZ+10 【武功:100】序の口 【武功:200】十両 【武功:300】関脇 【武功:400】大関 【武功:500】横綱 【武道(プロレスリング)】 ①STR+3,SIZ+4,APP+1 ②STR+1d6,SIZ+1d4 ③STR+1d8,SIZ+1d6 ④STR+1d10,SIZ+1d8 ⑤STR+1d12,SIZ+1d10 【武功:100】ウェルター級・・・ユニークスキル【ダブルラリアット】:【拳】【CON*3】【武道(プロレスリング)】の順に成功すると放つことが出来るSP技(30消費)。部屋の敵全体に(STR+SIZ)d6+SIZ+DBの物理ダメージを与える。 【武功:200】ミドル級・・・ユニークスキル【スクリューパイルドライバー】:【組付き】【跳躍】【武道(プロレスリング)】の順に成功すると放つことが出来るSP技(50消費)。敵単体に(STR+SIZ+DEX)d6+DBの物理ダメージを与える。 【武功:300】クルーザー級・・・ユニークスキル【パワーボム】:【組付き】【跳躍】【武道(プロレスリング)】の順に成功すると放つことが出来るSP技(75消費)。敵単体にDB*SIZの物理ダメージを与える。 【武功:400】ヘビー級・・・ユニークスキル【ハイパーボム】:【組付き】【跳躍】【武道(プロレスリング)】の順に成功すると放つことが出来るSP技(100消費)。敵単体にSTRd4*2+DB*SIZの物理ダメージを与える。 ユニークスキル【六連バックドロップ】:対象に気づかれていない状態で【組付き】【組付き】【武道(プロレスリング)】の順に成功すると放つことが出来るSP技(100消費)。敵単体にSTRd4*6の物理ダメージを与える。 【武功:500】スーパーヘビー級・・・ユニークスキル【アルティメットアトミックバスター】:【組付き】【跳躍】【跳躍/2】【跳躍/4】【武道(プロレスリング)】の順に成功すると放つことが出来るSP技(300消費)。敵単体に(SIZ+STR+DEX)d2*DB。 【魅了:300】マスクマン・・・ユニークスキル【フライングギガバスター】:【組付き】【跳躍】【武道(プロレスリング)】の順に成功すると放つことが出来る。 【武道(カポエイラ)】 ①DEX+3、打撃数+1 ②DEX+4、打撃数+1 ③DEX+5、打撃数+1 ④DEX+6、打撃数+1d2 ⑤DEX+8、打撃数+1d3 【武功:100】洗礼者 【武功:200】バチザード 【武功:300】コルダゥン 【武功:400】カントラ・メストーレ 【武功:500】メストーレ 【武道(ボクシング)】 ①STR+8 ②STR+8+1d4 ③STR+10+1d6 ④STR+12+1d8 ⑤STR+14+1d20 【武功:100】ストロー級 【武功:200】フライ級 【武功:300】クルーザー級 【武功:400】ヘビー級 【武功:500】チャンピオン 【STR100以上】ハードパンチャー 【武道(ムエタイ)】 ①APP,INT,EDU以外+2 ②APP,INT,EDU以外+2 ③APP,INT,EDU以外+1+1d2 ④APP,INT,EDU以外+1d4 ⑤APP,INT,EDU以外+1d6 【武功:100】コットン級 【武功:200】ピン級 【武功:300】バンタム級 【武功:400】クルーザー級 【武功:500】ヘビー級 【武道(CQC)】 ①全ての近接技能値+1d10% ②全ての近接技能値+1d16% ③全ての近接技能値+1d16% ④全ての近接技能値+1d20% ⑤全ての近接技能値+1d20% 【武功:100】ラッシャー 【武功:200】拳銃格闘術 【武功:300】刀剣格闘術 【武功:400】連打の達人 【武功:500】ガン=カタ 【武道(逮捕術)】 ① ② ③ ④ ⑤ 【武功:100】徒手空拳 【武功:200】小手返し 【武功:300】短剣格闘 【武功:400】銃剣道 【武功:500】制圧 【武道(亀仙流)】 ①全能力値+2 ②POW+初期値+3 ③CON+初期値+3 ④DEX+初期値+3 ⑤STR+初期値+3、EDU+3 【武功:100】太陽拳 【武功:200】気円斬 【武功:300】瞬間移動 【武功:400】界王拳 【武功:500】元気玉 ◆適正武器:棍、暗器を追加 ◆功績:勇猛、頑健、敏捷
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2588.html
フブキ型神姫「与一」 燃えないゴミ捨て場に廃棄されていたところを義弘によって拾われ再起動した神姫。「アテナ」「キュベレー」にとっては姉的存在。 普段は言って聞かせる程度だが本気で怒らせると恐怖の人となる。 アーンヴァルmk2型神姫「アテナ」 「キュベレー」とともに義弘がどこからか手に入れてきた神姫。まじめな性格で表裏のない性格とても恥ずかしがりやで頂点に達すると、 手近なものを投げつける習性がある。 ストラーフmk2型神姫「キュベレー」 「アテナ」とともに義弘がどこからか手に入れてきた神姫。冷静さを常に保とうと表面上そう努めてているが、「アテナ」と違い天邪鬼 なところがあり、本人も気にしている。その点について「アテナ」をうらやましく思っており、その反動からかアテナをよくからかっては 物を投げつけられている。 マオチャオ型神姫「たま子」 天真爛漫でマオチャオ型を絵にかいたような神姫でいつも笑顔を絶やさず楽しそうにしている。が、時にズバリと的を得たことを口にし、 侮れない一面を持つ。甚平とともにいろいろなところにいくのが大好き ストラーフmk型神姫「リリス」 いつも冷静さを崩さないが、マスターである「千歳」のことを第一に強く幸せを思っている。「強くなりたい。」という 「千歳」の願いにこたえ、ともに神姫バトルを戦う。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/670.html
戦うことを忘れた武装神姫 その24 最近、正式に「ムサコ神姫センター」との名称になった、M町のセンターの 3階にある大型筐体・CMU-381-M2。 いわゆる草リーグではあるが、中では2vs2の激しい戦闘が繰り広げられて いた。真夏のような草原フィールド、宙を飛び回るダブルツガルに対するは、 ストラーフと猫爪の組み合わせ・・・そう、かえでの神姫。。。 手が加えられ、より軽量となっている装備を活かし、速度で勝負を仕掛けて くるダブルツガル。 対するは、戦略のティナと経験のフィーナ・・・。 開始時は圧倒的な速度に押されていたかえでの2人だったが、やがてティナ が相手の弱点 -装甲の薄さ- に気づき、情報を受けたフィーナはアームの指 先を外して待機。ティナが囮になっている間に、フィーナは草原フィールド の起伏により死角になる位置へと移動した。 「-Tへ。セット完了。」 「-Pへ。-T、了解。あと7.5sで到達。」 「-P、了解。」 短いやりとりをすると、ティナは四脚にてフィーナの潜む窪地へと一直線に 駆け出した。 後を追うは、HEMLを両の手に構えたツガル2体。 脚力には定評のある猫爪ではあるが、空間を一直線に移動できるツガルの方 が、当然速く移動できる。 間合いが詰まる。 2体のツガルは、照準をティナの背中に合わせた・・・ その瞬間。 窪地から、ツガルたちの目前に10個の小さな黒い物体が放り出された。特殊 鋼材でできた、フィーナが自らのアームから取り外したアームの指だ・・・。 速度を求めるがあまり、装甲を減らし過ぎたツガル2体は、自慢の速度が仇 となり、突如出現した固い物体を避けることが出来ず、全身に思い切りブチ 当ててしまった。 「衝撃は速度の二乗に比例しますから、それに見合った性能の対衝撃装甲を するべきにゃのです。」 見事撃墜され、目前に落ちてきたツガルの2人に、静かに語りかけるティナ。 「チームワークも、速さも照準も申し分がありません。ですが、装備に関し ては、今一度考えた方が良いでしょう。」 フィーナはちらばる指を拾い集め、元の通りにアームへ組み付ける。 「それだけの能力、装備で殺してしまうなんて・・・」 「もったいにゃいですよ?」 2人の余裕の様子に、白旗を揚げるツガルコンビ。 「勝者、ティナ・フィーナチーム!!」 ジャッジマシンが勝利を告げた。 土曜の午後、けっこうな人の入りの中、 わき上がる拍手。ダブルツガルのオーナーと握手を交わし、互いの神姫たち の健闘をたたえるかえで。 2人の周りには、顔見知りとなった仲間たちが 集い、話に花を咲かせる・・・。 ・・・今やすっかり川崎家の一員としての生活にも慣れたフィーナ。 普段は、かえでのちっちゃいお目付メイドとして、ティナと共に、いわゆる うっかりさんのかえでを冷や汗混じりでフォローする毎日。 だが週末には、 自らの存在を確認する意味でも、一戦は必ずこなしているとか。 一方のティナはといえば、フィーナに稽古を付けてもらい、また自ら研究を 重ねたことで、猫爪にしては大変に珍しい「頭脳格闘派」として名を馳せて いた。 とはえい、基本は猫爪、ネコネコしい事に変わりはないのだが。 一時期、引きこもりがちになったかえでに、そっと父親が渡したもの、それ が猫爪型武装神姫。。。 所詮は大人向けのおもちゃ、そんな気持ちで起動させた。 静かに起動する ちっちゃい仔猫。 好きだった絵本の主人公の名をとり、ティナと名付け、 傍らにポンと置いた、それだけの存在だったはずなのに。 戦う格好をした 人形、ただそれだけだったはずなのに。 いつの間にか、自分の生活に溶け込んで、 いつの間にか、当たり前の存在になり、 いつの間にか、無くてはならない存在になっていた。 この子がいるから、頑張ってみようと思う。 この子が応援するから、あと 一歩を踏み出そうと思う・・・ 気が付けば、だれとでも話せるように なった自分が- 。 そんなときに起きたあの事件。 かえで自身にとっても、大きな転機となった。 ちっちゃいけど、精一杯がんばる神姫の姿。 それは、ヒトが作りし、ちっちゃい心。。。 「かえでちゃん、どうしたの?」 「あ、ごめ〜ん。ちょっと考え事していて。」 神姫仲間の一人に声をかけられて、はっと我に返るかえで。 フィーナに 引っ張られるように始めた神姫バトル。 今では、ここに週一回来ることが 楽しみでならない・・・。 ここに来れば、同じ志を語り合える「仲間」が 待っているから- 。 「そうだ、かえでちゃん、推薦で大学決まったんでしょ?」 恥ずかしそうに、かえでは顔を赤らめる。 「えー? 何で知っているの?」 「この前フィーナちゃんが言ってたじゃない。 えーっと・・・」 「T工大。Dr.CTaさんみたいになれればいいな、って思って。」 私に道を開いてくれた、ちっちゃい存在。 自分にだって、造り出せるはず- 。 「へぇ、それはすごいねぇ。」 いつの間にか話に加わっていたムサコの店長が口を挟んだ。 「て、店長さんまで・・・。」 「お祝いってわけじゃないけど、これをあげよう。・・・使うかな?」 と、手渡された小袋。開けるとそこには神姫サイズのメイド服。ブランドは TODA-Design、しかも Battle Use ONLY とデカデカと書かれている。 「いいんですか? 頂いちゃって・・・」 「どうぞー。 先週だったっけ、君たちと話をした、CTaさんじゃないコス プレのねーちゃんがいたろ、ハウリン連れた。あの人が戸田さん本人だった んだよ。 で、戦うメイドって言葉が似合うから- 、って作ったんだとさ。」 「はぁ・・・嬉しいのですが、ティナはともかく、フィーナがどう言うか。」 「私がどうかしましたか?」 ツガルたちとの話が一段落したのか、ひょっと顔を出すフィーナ。 「こういうの、着る?」 かえでが広げた服に、一瞬目を丸くするフィーナ。 「イヤです、といっても、マスターもしくはティナに無理矢理着せられるの がオチでしょう。。。」 「・・・イヤなの?」 が、フィーナはすぐにいつもの笑顔に戻った。 「ふふ、ウ・ソ・です。 こういうの、私好きなんですよ。」 まだツガルたちと話をしていたティナを呼び、2人で袋にはいるとごそごそ と着替えを済ませ、出てきたときには・・・ マシンガンが似合いそうな姿 のメイド神姫になっていた。と、横から仲間の一人が言った。 「やっぱ、二つ名は『戦うメイドさんズ』でいいんじゃないですか?」 ふたたびわき上がる拍手。 対戦相手のマスターも、ダブルツガルも拍手を している。その暖かな輪の中で、嬉しそうにクルクル舞うティナとフィーナ。 「どうです? マスター。 似合いますか?」 「かえでちゃん、見てみて! ここに隠し武器があるの!」 その姿に、かえでは心の底からうれしさがこみ上げてきていた。 気が付けば、いつも仲間がいる。 もう、寂しくなんかない。 だから、決めたんだ。 いつの日か、仲間をつないでくれた、 小さな存在を、自分が神姫を作るんだ、と-。 <その23 へ戻る< >その25 へ進む> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2769.html
マイナスから始める初めての武装神姫[20xx] 20xx年某所。神姫バトルプレイヤーになりたい貧乏学生、武井峡次。 だがそこにやってきた神姫は、ある欠陥を抱えていた。 書いた人:新井しーな(ドキドキハウリンの中の人) 登場人物一覧 引越編 八畳一間のアパート、巴荘。そこに、新しい住人が越してくる。 マイナス☆その1 20xx.4.4 マイナス☆その2 20xx.4.4 前編 20xx.4.5 後編 マイナス☆その3 20xx.4.5 前編 20xx.4.5 後編 >エロあり マイナス☆その4 20xx.4.6 マイナス☆その5 20xx.4.6 秋葉原編 鳥小の勧めで、秋葉原に向かう事にした峡次。だが、そこでは……? マイナス☆その6 20xx.4.6 前編 20xx.4.6 後編 >エロあり マイナス☆その7 20xx.4.6 前編 20xx.4.6 後編 マイナス☆その8 20xx.4.6 >エロあり バイト探し編 活動資金を稼ぐため、バイトを探す事にした峡次。果たしてノリコは無事戦えるようになるのか。 マイナス☆その9 20xx.4.中旬 前編 20xx.4.中旬 後編 マイナス☆その10 20xx.4.下旬 >エロあり >犬子さんの土下座ライフ。と設定的リンクあり マイナス☆その11 20xx.4.下旬 前編 20xx.4.下旬 後編 マイナス☆その12 20xx 一学期中間テスト >エロあり トイズ編 バイト先での研修を始めた峡次。けれど研修先の面々は、一筋縄ではいかない連中ばかりで。 13話時点での登場人物一覧 マイナス☆その13 20xx.5.下旬 >微エロあり マイナス☆その14 20xx.5.下旬 前編 20xx.5.下旬 後編 マイナス☆その15 20xx.6.初旬 マイナス☆その16 20xx.6.上旬 >エロあり マイナス☆その17(New!) 20xx.6.中旬 番外編 鋼月十貴のケース ケース☆その1 20xx.4.2 前編 20xx.4.2 後編 >微エロあり ケース☆その2 20xx.4.6 前編 20xx.4.6 後編 フラグメント フラグメント 01 >エロあり・ダーク系設定あり フラグメント 02 >エロあり・ダーク系設定あり フラグメント 03 >神姫破壊描写・エロあり・ダーク系設定あり フラグメント 04 >エロあり・ダーク系設定あり 今日 - 昨日 - 合計 - 名前 コメント すべてのコメントを見る フラグメントの続きが気になります。なんとなく空気が好きな作品です。 -- (通りすがり) 2012-12-10 13 59 02 ありがとうございます! ぼちぼちペースになるかと思いますが、よろしくお願いします -- (あらい) 2012-11-05 16 47 32 復活おめでとうございますヽ(^0^)ノ、続きが読めるとは嬉しいです -- (ナナシ) 2012-10-30 20 02 05
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2797.html
『天才ファーストランカー・黒野白太の謎』 読者は黒野白太を御存じだろうか。 先々月、神姫バトル界の頂点のファーストリーグに十四という若年神姫マスターがその名を連ねた衝撃はまだ耳に新しい。武装の性能に頼らず的確に相手の心理を読むセンスを以て神姫バトル界の最前線に立つ天才マスター。それが黒野白太であり、彼のバトルに憧れを抱く神姫オーナーは少なくはない。私のオーナーもその内の一人だ。 しかし名声を手にした代償としてか、数ヶ月前、そのバトルに関わる悪い噂が流れ始めた。観客によれば黒野白太は自分の神姫に全く指示を出していないらしい。 マスターはただ神姫に適切な武装を送るだけの貯蔵庫ではなく、第三の眼として戦場全体を俯瞰した上で指示を出し神姫を勝利へ導く重要な役割を持つ。黒野白太はそれをしない、にも関わらずファーストランカーとなったのはどういう事なのか。 多数の同証言者が出た事から真実を帯びたものとして神姫ネットを騒がせ、一時期は「黒野白太は違法改造した神姫で成り上がった卑怯者」「武装神姫の世界から追放すべき」と訴える過激な声もあった程だ。 このような騒動に対してオフィシャルは彼に神姫に精密な検査を行った上で違法改造の痕跡は無いことを発表している。そして黒野白太も自身のブログでバトル中に言葉を発していないのは事実であると認めた上で合理化の為に簡単な合図だけでも指示が出せるようにしていると言い残している(尚、現在ブログは閉鎖されている)。 現在では彼を擁護するマスターも現れており批難の声は潜みつつあるが風評被害を怖れてか黒野白太は神姫バトルに対して消極的になっている。人の噂も七十五日、噂が完全に消えたその時にはまた我々の前に姿を現わして欲しいものだ。 …。 …。 …。 「先月号では私達を散々批難していたくせに見事なまでの掌返しだな」 「ライターが変わっているんだよ。ほら、これを書いたのはムルメルティアだって」 お昼休み、昼食を摂り終えた僕達は立ち入り禁止の屋上で武装神姫関係の雑誌を読んでいた。 イシュタルは文字が進む毎に不機嫌になっているけれど雑誌から目を離さない。たかがゴシップと割り切っているけれど、この記事が自分達の周囲にどのような影響を与えるかをしっかりと吟味しなければならない。そんなことを考えているんだろう。 僕としては早く今週の神姫グラビア(今週はナース服!)を見たいんだけど中々それを切り出せない。かといって不真面目な態度を見せると怒られるから悩み腐っているような振りだけはしておく。グラウンドで爽やかに体を動かしている体育会系の男子達がちょっと羨ましい。 「好転はしているんじゃないかな。擁護的な記事だし。後は書いてある通り時間が過ぎるのを待つだけだよ」 「それは分かっている。しかし焚きつけておいて火消しは時間の流れに任せるとは余りに無責任だと思わないか」 「仕方ないんじゃない? 僕としては学校に武装神姫を知ってる奴が少なかっただけでも大助かりだし」 居ないわけじゃないけれど全員気の良い友人で僕のことを表立って叩く奴は居ない。御蔭で被害は神姫センターに行けなくなる程度の被害で済んだ。 「マスター、君は本当にそれで納得しているのか。もっと良い解決方法があったのではないか?」 「いや、これは本当に諦めるしかないって。悪いイメージを払拭するのは手間と時間が掛るって色んな人も言ってたじゃない」 水を得た魚ならぬ大義名分を得た人間。それを目の当たりにした御蔭で割り切れるようになってしまった。イシュタルの方はそれでも納得が行かなくて、もしくは飲み込もうとして不具合を起こしているのか、唸っている。 「それに、そうやって他人を馬鹿にするのは決まって程度の低い連中じゃないか」 「マスター…、しかし、それでも私は…」 平気で他人を馬鹿に出来る辺り僕も悪だな―とか思いつつも。 「…そう、だな。得る物はあったと考えるべきか」 「そうそう。何時でも何処でもポジティブであるべきだよ。人の上に立つ立場なら尚更ね」 「いい言葉だ。最後の一文さえ無ければだが」 「え、あ、ごめん。嫌味のつもりじゃなかったんだんだけど」 皮肉に聞こえたみたいだ。この失言を誤魔化す為にストラーフの水色の頭を人差し指で撫でる。 「わっ、こらっ、何をするっ、恥ずかしい」 「いやぁ、イシュタルの頭って時々撫でたくなるんだよねぇ。なんでだろ」 「私が知るかっ。やめろっ」 「良いではないか、良いではないかぁ」 「良くない!」 ガーッと大きく口を開けて威嚇しながら人差し指から逃れるイシュタル。 普通の神姫はマスターに頭を撫でられると喜ぶもの。数週間前にこの事実を知った時に僕を襲った衝撃は計り知れない。その例外曰く自分は母親の代わりをやってきたものだから僕に撫でられるのは何だか恥ずかしいらしい。 でも「嫌よ」と言われはい「そうですか」と諦めるようじゃ真の武装紳士とは言えないよね。だから親指で逃げる頭を追い掛ける。 「イシュタルの頭撫で撫で」 「止めろと言っているだろう!」 「嫌よ嫌よも好きの内」 「止めないと本気で怒るぞ!」 「だが断「Wasshoi!」グワーッ! 指が、指がーッ!」 わ、忘れていた、照れ隠しでロボット三原則を破るイシュタルの爆発力を! 「でも指は酷いよぅ…まだ授業は残ってるんだし…」 「全く。だから小指にしておいた。ほら、指をテーピングして固定するよりも先にすべきことはないか?」 「え、なにそれ。被害者面してアヘ顔ダブルピース要求する気満々だったんだけど」 「悪い事をしたら御免なさいと謝る。昔よく言い聞かせていただろう。ほら」 「だが断「もう一本逝くか」ごめんなさい、もうしません、ってぇ、何で謝ったのにやるのかにゃぁ!?」 「これは人として当然のことを忘れていた罰だ」 「理不尽な…」 負傷してる理由を尋ねられたら「転んだら両手の小指がイカれました」で通るかな。通すけど。怒っていたイシュタルを馬鹿にしたのは僕だから罰は甘んじて受け容れなくちゃならない。いやいや、やだなにこの糞真面目思考。ここにもイシュタル教育の影響が見えたような気がして自分自身が恐ろしくなってくる。 それよりも一秒でも早く雑誌のページを進めなければ。今月の神姫グラビア(ナース!ナース!)が楽しみで昨日は眠れなかったんだ。これ以上待たされたら午後の授業は内容が頭の中に入らなくなるだろう。ナース服に栄光あれ。 「ん、マスター、ページを捲る手が早くないか」 「気になるような見出しは無かったし別にいいじゃない」 「もしやと思うが、目的は如何わしい衣装を着た神姫のページか」 「そうだけど?」 「…もう少し恥じらいというものを持ったらどうだ」 イシュタルは呆れながらも捲ろうとしていたページの上に圧し掛かって胡坐を組んだ。目に見えて分かる不動の意思の現れは無視すれば後々が面倒になる事を雄弁しておりナース服の為とは言え軽視するのは流石に躊躇った。 「どいてくれないかな。僕はその先に用が有るんだ」 「断る。いかがわしい物など百害有って一利無し。見た者の心が堕落するだけだ」 「健全な中学生がいかがわしいものに興味を持つのは大自然の摂理だよ」 「よく聞く理屈だな。だがその欲望を断ち切ってこそ人は成長するのではないか?」 「それは違うよ! 欲望もまた自分の一部、否定しちゃ駄目だ。欲望と理性の折り合いを付けられるようになることこそが本当の意味で成長したって言えるんじゃないかな」 「むっ…、それはそうだ」 「むしろ今のイシュタルにみたいに、あれは駄目これも駄目これにしなさいあれをしなさいとか言って選択の自由を奪うのは自立する意思を奪っていることと同じだよ」 「むむむっ…、だが私は御両親の代理として不健全なものをマスターから遠ざける責任がある!」 うわ、大人専用対子供最終兵器・責任だ。じゃあこちらも子供専用対大人最終兵器を使っちゃおう。 「……」 「どうだ、分かったか。ならば早くその手を離して…」 「今月号の奴は本当に楽しみにしていたんです。だからお願いです、見せて下さい」 「わっ、わっ、泣く程か!? 泣く程楽しみにしていたのか!?」 「何でもします。だから見せて下さい。全部見せろとは言いませんから、お願いします、お願いします、お願いします」 「分かった、一ページだけなら特別に許すから、ほら、もう泣き止んで。…まったく、これでは私がマスターを虐めたみたいじゃないか」 「ありがとう、イシュタル!」 計画通り。堂々と今週はナース服特集の神姫グラビアへのページへと指を掛けた。そしてそこに開かれたのは正に楽園の扉。ナース服によるナース服の為のナース服の世界。鼻唄を歌いながらそれを眺め頭の中では色取り取りのナース服を思い浮かべる。 読めるのが一ページだけなのは辛いけれどイシュタルが譲渡してくれたんだから割り切ろう。それに一ページ目で写っていたのがナース服を着ているストラーフだったのが良かった。やっぱり褐色に白い服は良く似合う。 「…ふぅ」 「全く、こんなもののどこがいいのか私には理解出来ない」 「今僕は自分が裸エプロンになっても構わないくらい気分が盛り上がっているんだけどね」 「辞めてくれ。そんなことしたら私は家を出ていくからな」 「ははっ、やらないよ。エプロン無いし」 「有ったらやるのか…まぁいい。しかし十五センチの身体に欲情すると言うのは人間として不健全じゃないか?」 「イシュタル、君は何を言っているかな(↑)」 その発言は「アニメのキャラってただの絵じゃん」に匹敵する破壊力を持っていた。下手に爆発させれば僕達は全世界の武装紳士を敵に回しかねないのでそのマスターとしてクールに処理しよう。…あれ、何でだろう、目から汗が湧いてきた。 「あのね(↑)、武装紳士は神姫がなくちゃ生きていられない身体になっているんだ(↑)。もう神姫の声しか聞こえない(↑)。だから神姫に欲情するのは当然の事なんだよ(↑)」 「意味不明な事を言うな。そも有名なマスターの大抵は人間の女性と付き合っているじゃないか。しかも美人と」 「それ以上はいけないなぁ(↑)。それにしても、あいつらは理人さんに全裸で土下座するべきだと思うんだ(↑)」 「沖縄旅行で一人ぼっちという理人の人間性に問題があるような気がするが」 「僕はぼっちじゃない(↑)」 「マスターのことは言っていない。それよりもさっきから声が上擦っているが、一体どうしたんだ?」 駄目だ。さっきから自分で何を言っているか分からない。でも負けない。武装紳士として生きる道を選んだことに後悔なんてあるはずない。うちはうち、他所は他所だ。彼女持ちのマスターなんて羨ましくも何とも思わない、僕達には神姫が居るのだから。それにしてもクリスマスの日に空からイチャついてるカップルを目掛けて空から赤い服着た小太りのおっさんが降って来ないかな―。屋上からクリスマス衣装のカー○ルおじさんを落とすくらいなら出来るかも。 クリスマス撲滅計画は後々に考えるとして。先ずは心の傷を癒そうと次のページに捲ろうとした指を止められる。さりげない流れで行けたと思ったんだけど甘かったようだ。 「一ページだけだ。それ以上は認めない。そう言っただろう」 「残念無念」 「そろそろチャイムが鳴る。屋上の鍵は私が閉めておくからマスターは雑誌を片付けて教室に向かえ」 「後一ページだけでも見せてくれないかな」 「くどい。こんな物に見惚れている暇があったら学生の本分に励むべきだ」 「ナース服に比べたら授業一つなんて大したものでもないでしょ」 「…私は一体何処でマスターの教育を間違えたんだろう」 珍しくイシュタルが落ち込んでいる。そんな姿は見たくないなぁ。落ち込ませたのは僕なんだけど。 「あのねイシュタル、教育者が子供に完璧を求める必要は無いんだよ」 「子供が何を言っている」 「これだからゆとり世代は、て決まり文句が有るじゃない。あれ。僕は可笑しいと思うんだ。ゆとり世代なのに出来る奴にも同じ事を言えるのかって。違うでしょ、土曜日が休日になってもそうじゃなくとも出来る奴は出来るんだ。ゆとり教育は出来る奴と出来ない奴の格差を広げただけ。じゃあ出来る奴と出来ない奴の大きな違いって何だと思う?」 「…、才能か?」 「正解。出来る奴は嫌でも辛くても難しくても苦しくても逃げ出したくても出来る。何故かって、それが出来る才能があるから」 「それはそうだが…、努力を怠ってはいけないだろう」 「努力も才能の内だよ。当たり前に努力が出来る才能を育ててあげるのが正しい教育って奴じゃないか無いかな。だから僕は感謝してる。もしもイシュタルに出会わなかったら、僕は何の努力も出来ない引きこもりになっていた」 これは本心だ。僕の両親は典型的な会社人間だから。 「話は逸れたけど要するに人は完璧であるのではなく自然であるべきなんだよ。僕は自然と意味も無く勉強をして運動をして信頼が出来る。それは教育者として立派な成功だよ。僕は君と出会えてよかったって胸を張れて生きていける」 「マスター…、め、面と向かって感謝されると、なんだか照れるな」 「だからさ、落ち込まないで。それに人も神姫もナース服も万能じゃない。努力が報われないことだってある。仕方ない事だってある。僕がナース服フェチになったのは仕方が無いこと。授業よりもナース服を優先するのは自然なことなんだ」 「…、何故そこでナース服を強調するんだ?」 「そこにナース服が有るから(キリッ)」 「カッコ良く決めたつもりか愚か者がぁぁぁぁっ! 薬指を貰うぞぉおおお!」 「え、両方? ちょ、やめて、僕、結婚指輪付けられない身体になっちゃ…アーッ!」 ま、失ったものは多かったけれど。 薬指を組みつかれた隙を突いて神姫グラビアの二ページ目、ナース服のアーンヴァルを見れたから僕は幸せだ。