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{ルーナと沙羅曼蛇} クリナーレとパルカと一緒に走り続けながら次の場所に向かう。 両足の血液循環が早くなり心臓もバクバクと動く。 肺は酸素を欲しがりフル活動。 ヤッベェ、もう疲れてきちまったぜ。 「お兄ちゃん!あのシャッターて、もしかして!!」 パルカが言う先を見ると廊下の右側に大きなシャッターがあった。 パルカやクリナーレと同じ形に大きさも同じ。 違うと言えばデカデカと、シャッターに『Two』と書かれていたぐらい…。 いや、違う! シャッターが開いている! これはいったい何が起こったのだろうか。 俺達が来る前にシャッターが開いてるという事は…まさかすでにルーナは破棄されたのか!? クリナーレとパルカを援護させながら俺はシャッターに向かって走り中に入る。 「ッ!?…ヒデェ…」 シャッターの部屋の中は酷い惨状だった。 人間の死体がテンコ盛りだったのだから。 ある死体は内臓を地面にブチ撒き倒れていたり、またある死体は手足が無かったり頭が無かったり。 他にも酷い死体は腐る程あるが、これ以上の説明は不要だ。 しかしこれはいったい誰がヤッたのだろうか。 ウッ、あまりにもグロテスクだから気持ち悪くなってきた。 「あたしがヤッたんですわよ、ダーリン」 「その声はっ!?」 突如声がしたので聞こえた方向を見ると、そこには二刀のレーザーブレード持った血塗れのルーナがいた。 よかった…無事だった。 でもまさかルーナがこの死体の数分をヤッたというのか。 本人はそう言ってるし…本当にブッ殺したのだろう。 いや、これは『殺し』というより『皆殺し』『残虐』『殺戮』と言った方が正しい。 武装神姫一体でここまで人間を殺す事が出来るのは無理ではないのだろうか…。 やはりツバァイとしての能力かもしれない。 これでルーナが今までバトルした時に余裕綽々で闘えていた事に納得がいく。 でもここで一つ疑問が起きる。 クリナーレ、パルカと同じく拘束されていたはずだ。 いったいぜんたいどうやったのだろうか。 「あたしはシャドーと同じ能力がありますの。レベルは中の下ですが」 「シャドーと同じ…あ、そういう事か!」 ルーナに言われて解った。 シャドーというのはシャドー=アンジェラスの事で、能力が同じという事はネットワークシステムを支配できるという事になるのだ。 シャドーはそーいう能力があるのは知っていたが、まさかルーナにも出来るとはな。 そしての能力を使って自力で大きな試験官から脱出し、敵である人間を殺しまくったということだ。 「お前、滅茶苦茶に強いんだな」 「アインお姉様に比べればこの程度、ヒヨッコ並みのレベルですわ」 俺は右手の手の平にルーナを乗せて近づける。 血塗れになっている体を左手で拭き取ろうとしたら、ルーナが人差指に抱きついてきた。 「おいおい、抱きつかれた吹けないだろうが」 「嬉しいんですわ。ダーリンがあたしを助けに来てくれた事が…」 「当たり前だろ。それにクリナーレやパルカもいるぜ」 「あら、それは朗報ですわね。アンジェラスお姉様は…まだのようですわね」 そりゃそうだ、まだアンジェラスを助け出していないのだから。 でもこれで三人目を助け出すことができた。 しかもアンジェラスの次に強いルーナだ。 これでアンジェラスの所まで難なく行きそうだぜ。 「それは期待できなそうですわ、ダーリン」 「えっ!?それはいったいどいう」 俺が言い切る前に突如とルーナの姿消えた。 そしてルーナが消えた同時に後ろから人間の叫び声が聞こえた。 声が聞こえた方角はシャッターの外。 俺はすぐさまシャッターの部屋から抜け出す。 すると。 「沙羅曼蛇の舞!」 <…燃やし…尽くす> ルーナが武装した人間を燃やし殺していたのだった。 沙羅曼蛇の舞とは、使用者の神姫の周りに炎渦が取り囲み、神姫そのまま状態で蛇のように突進し、敵を斬刻む攻撃。 さらに火炎の炎によって敵を斬刻むだけではなく火傷させる自動追加攻撃がる。 通常攻撃の場合はある程度相手距離を保ちつつ、隙あらば一気に敵の懐に飛び込み近接攻撃する。 因みに剣を振るたびにレーザーみたいな炎が飛び出すので飛び道具としても使える。 ただしこのワザはかなり体力を消耗をするので普段は使わない。 でもルーナはなんの躊躇い無く攻撃した。 しかも人間に対して。 攻撃を受けた人間は死ぬか炎によって燃えながら焼死していく。 ウッ、人間の体が焼けた匂いが鼻につく。 イヤな匂いだぜ。 ていうか、いつのまに沙羅曼蛇を装備していたんだよ。 消えると同時に俺から奪ったとしか考えようがないがな。 「…フゥー。これであらかた片付きましたわね」 「ルーナ、お前…」 一息をついてるルーナに近寄るとルーナは苦笑いした。 「あたしは簡単に人間を殺すことができる神姫ですわ…気持ち悪いですよね…」 俯き悲痛な声だった。 どうやら俺が人間を殺す神姫が嫌い、だと思っているみたいだ。 いつも人をチョッカイだして笑うルーナがこんな風になるんなんて。 心境的に辛いのだろうか。 でも俺が応える言葉はハナッから決まっている。 「ルーナはルーナだ。例え人間をブッ殺す神姫だろうが、俺はルーナの事が好きだ」 「ダーリン…」 「それにシャドーみたくむやみやたらに人間を殺さないだろ。ちゃんとした常識があるんだからルーナの事を嫌ってりしないぜ」 俺は右手をサムズアップして、いつものニヤリ顔をルーナに見せる。 するとルーナは俯きから顔を上げて。 「あたしはダーリンにこんなにも愛されて…幸せ者です!さぁ、行きましょっ!!アンジェラスお姉様がいる所へ!!!」 ルーナが元気よく先導する。 どうやらルーナはいつも通りのルーナに戻ったようだ。 そして俺は戦闘に疲れきったクリナーレとパルカを胸ポケットに入れルーナの後を追う。 後は残り一人! 待ってろよ、アンジェラス! 「(c) 2006 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.当コンテンツの再利用(再転載、再配布など)は禁止しています。」
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与太話10 : TVアニメ化に喜ぶ戦乙女 雨上がりの朝、濡れた草木が朝日の光を乱反射させ、教室内をいつもよりも明るく照らしている。大学までの道も輝いていた。ガードレールも輝いていた。エルにとって今日はとにかく、何でもかんでも輝いていた。 大学で顔を合わせるなり姉妹二人はこみ上げてくる気持ちを抑えきれず、抱き合わずにはいられなかった。 「メル!」 「エル姉!」 ぶつかり合うように胸を合わせ、エルはメルを抱え上げて振り回した。ジャイアントスイングのように。そしてやはりジャイアントスイングのように手を離し、メルを放り投げてしまった。危うく机の上から転げ落ちそうになるメルだったが、縁にしがみつきながらもゲラゲラ笑いが止まらなかった。メルを引っ張りあげたエルは、またメルと抱き合った。 「TVアニメ化ですよメル!」 「TVアニメ化だねエル姉!」 「アルトアイネスが登場しますよメル!」 「アルトレーネが登場するねエル姉!」 窓から差し込む光に照らされた机の上を、戦乙女の姉妹はしばらくもつれ合い転げまわっていた。二人のオーナーは前日からはしゃぎっぱなしだった二人を見ていたので、羽目を外していても苦笑するだけだった。姫乃も鉄子も、発狂に近い喜び方をする二人に水を差す理由はない。一緒に喜ぶわけではないが、微笑ましいものを見るような目をしていた。 騒がしさに何事かと集まってくる学生を相手に、エルとメルは自分達の姿がアニメーションとなってテレビに映ることを嬉々として説明した。相手が武装神姫に興味があろうがなかろうが関係なかった。喜びを押し付けるように笑顔を振りまいた。 MMSの存在を知らない学生相手に、エルは天使型と悪魔型と一緒に並ぶことがいかに破格の扱いであるかを説いて回った。これまで武装神姫コンテンツの看板を必ず飾ってきたアーンヴァルとストラーフ。つまり二人は最初期の神姫にして永遠の主人公とも言える。その他多数の神姫達の頭を押さえて、その主人公らの隣に立つアルトレーネとアルトアイネス。キュートなラフ画。ハーレムとバトルを予感させる解説は、神姫として在るべき姿になることを示している。これからの武装神姫を背負って立てと言われたような気がして、しかしエルは重圧以上に天にも昇る気持ちに包まれていた。メル共々、浮かれポンチだった。 二人の背中にコールタールを塗りたくるように向けられたドス黒い視線に、エルとメルは気づけなかった。 ◆――――◆ 大学から帰宅するなりオンライン上の茶室に呼び出されたエルは、コタマが渋い顔をしている理由に思い至らなかった。メルも隣で困惑している。四畳半の真ん中に置かれたちゃぶ台の上には、脱ぎ捨てられたヴェールと十字架があった。エルには、レラカムイの矮躯を包む修道服がいつもより黒く見えた。 「そこに座れ」ちゃぶ台の反対側をコタマが指差し、エルとメルはそこに座った。 「先に言っとくけどよ、アタシは別に嫉妬してるわけじゃねぇんだぜ? 分かるだろ、体はレラカムイでも主に仕えるこの気持ちはそう簡単に無くなるわけじゃねぇ」 「はあ」と気のない返事をするメル。 「アタシら神姫は主の前では謙虚であるべきだ。型番を与えられた日やらモチーフに貴賎はねぇ。主の前ではすべで平等だ。違いがあるとすれば、どれだけ主にゴマすったかどうかだけだ」 「コタマ姉さんが何を言いたいのか、これっぽっちも分かりません」 行儀よく正座したエルに向かって、コタマは大きなため息をついた。一週間分の呼吸に使う空気を吐き出したようなため息だった。これには機嫌の良い戦乙女姉妹も不快感を示さずにいられなかった。 「人を呼び出しといてその態度はないんじゃない? 親しき仲にも礼儀ありって言葉があるでしょ」 「そうですよ。あのマシロ姉さんですら線引きはちゃんとしてるんですからね」 「マシロね……オマエら、クーフランの名前を出すわけだ」 机の上の十字架を手に取ったコタマは意味も無くそれを天井の蛍光灯にかざした。磨き上げられた金色が、今朝の露のように輝いた。 「オマエら、マシロ以外のクーフランを見たことあるか?」 考える間をおかず、エルとメルは頭を振った。コタマは二人を嗜めるように言った。 「そうかよ。じゃあもう一つ聞くぜ。そんなマシロの前でTVアニメ化の話をすることは酷いことだと思わねぇか?」 エルは頭をハンマーで殴られたような衝撃に襲われた。確かに今日は朝から、マシロはいつにも増して沈黙を守っていた。思えば、戦乙女がアニメに出るということは、他の神姫が登場する機会を奪ってしまうことになる。アルトレーネより早く生まれた神姫は多い。クーフランはさらに古参と呼べる神姫になる。出荷数も全然違う。 何も言わないマシロを無思慮な振る舞いで傷つけていなかったか、エルは頭を抱えた。鋼よりも強い芯を持つマシロとはいえ、アニメに登場するからといって無思慮にはしゃぐエルを間近で見せつけられて不愉快でないわけがない。かつて自分も含めたアルトレーネ達は再販が決まらなかったからと神姫センターで大暴れしたではないか。あの時のすべてを破壊し尽くしたくなる衝動を他人に押し付けていいわけがない。 「私、マシロ姉さんになんてひどいことを」 メルも同じことを考えていたらしく、申し訳なさそうに視線を落とした。 「ボクも……TVアニメ化されて少し、調子に乗ってた……」 「やっと分かってくれた?」コタマは修道服を脱いだ。修道服がスイッチになっているのか、言葉がいくぶん柔らかくなった。 「アタシもちょっとキツいこと言ったかもしれないけどさ、二人には落ち着きってものを知ってほしかったんだよ。うん、でも分かってくれてよかった。いや本当。じゃあ一応のケジメとして、ゴメンナサイしとこうか」 エルとメルは素直に頭を下げようとした。神妙な顔をして、背筋を伸ばして頭を5ミリくらい前に倒したところで、二人同時に同じことに気がついた。 「ちょっと待って下さい。どうしてコタマ姉さんに謝らなきゃいけないんですか」 「そうだよ。謝る相手はマシロ姉でしょ」 コタマは目を逸らした。 「そ、そんなの決まってるじゃない。アタシはマシロと一緒に住んでるんだし、代わりに二人の謝罪を聞いとこうって」 「マシロ姉さんをここに呼んでくれればいいじゃないですか。そしたら私たち、ちゃんと謝りますよ」 「そうだそうだ。そもそもマシロ姉なら、こんな回りくどい謝罪なんてされたら逆にキレるに決まってるじゃん。一緒に住んでるコタマ姉ならそこんとこよく分かってるでしょ、なのにどうして――」 そこまで言ったメルだったが、「――あっ」と何かに気づいた風に見えるや、口をつぐんでしまった。顔が申し訳なさそうなものに戻った。 「どうしたんですかメル」 「えっと、やっぱりコタマ姉に謝ろうよ」 「嫌です! 意味もなく謝るなんで戦乙女がやっちゃダメです!」 「いいからほら、ね。ここは頭を下げなきゃいけないとこだよ。……レラカムイ相手にさ」 「うぐっ!?」とコタマが唸った。 エルはようやく、レラカムイがクーフランと同じくコタマ以外に見かけないことに思い至った。鉄子さんはいったいどこからレラカムイを見つけてきたんだろう、と疑問に思ってしまうほどだった。決して貶したいわけではない。ただ事実として、レラカムイの絶対数は少なかった。 「ま、待った待った二人とも。アタシは別に」 「ごめんコタマ姉。ボク達、コタマ姉の気持ちを全然考えてなかった」 「だ、だからアタシは別に」 「今までタマちゃんとか呼んでごめんなさい。コタマ姉さん、悲しいことがあったら私達に何でも相談してください。無力ですけど、きっと力になれますから」 「謝るんじゃねえ! アタシをそんな目で見るんじゃねえ!」 「私、コタマ姉さんの気持ちはよく分かりますから。アルトレーネも昔、『不人気』って言われたことありますし」 「どういう意味だコラァ! つーかテメェ今さりげなく不人気のことを過去形にしやがっただろ!」 「えっ? それはだって、アニメに大抜擢されましたし」 「ブッチ殺す! オマエ絶対ブチ殺してやらああああああ!」 ◆――――◆ ステージに立つなりエルとメルは、コタマ操るセカンドの銃弾の奇襲を受けた。 「エル姉隠れるよ!」 掠るだけでも体が抉られるほどの脅威を、二人は十数階建てのビルの影でやり過ごした。以前も同じようなシチュエーションがあったな、とエルは思った。あの時は確か、神姫の漫画が発売された時だった。漫画の中でアルトレーネが目立ちに目立って、メルと力を合わせてコタマを倒そうとした。しかし漫画の中にハーモニーグレイスの『ハ』の字も無かったことにキレたコタマに、二人のコンビネーションはまったく歯が立たなかった。 「今度は前と同じようにはならないよ」エルの手を引いたメルが言った。アルトアイネス専用の黒い武装脚とスカートを装備し、副腕の代わりにエルを包んでいるのは吸血鬼が着ていそうなボロボロの赤いマント。スカートの中には大量の武装が隠されている。隠し武装のバリエーションは、貞方にもらわれたばかりの時とは比べ物にならないほど充実している。姉であり頻繁に手合わせをするエルでさえ、そのスカートの中身をすべて把握することはできなかった。ビルの中を走る間も、メルはスカートから小型の爆弾をいくつも取り出し、そこら中に設置していった。 「ボクもエル姉も、もう昔とは違う。まだまだコタマ姉のほうが圧倒的に強いけどさ」 「私達にだってプライドってものがあるんです。メル、意地でもコタマ姉さんに一泡吹かせますよ」 ハイタッチを交わした二人は、別の方向へ走り出した。メルはそのまま一階の奥のほうへ。エルは階段を駆け上がっていった。メルがビルの端まで到達して身を隠したあたりで、入り口のほうの爆弾が炸裂した。続けていくつかの爆弾も、爆竹のように次々と爆発していく。コタマが入ってきたことを告げる爆発だ。事務所を模したフロアは机や椅子、棚などがいくつかの島を作って並べられていて、爆発した箇所にあったものが吹き飛んでいく。 「オマエらよぉ、まさかまたビルん中から仕掛けてくるんじゃねぇだろうなあ。もう同じ手は食わないとか思ってるんだろうけどよ、それはアタシだって同じ事なんだぜ?」 コタマが階段に足をかけると、進路を塞ぐように多数の浮遊機雷が発生した。コタマは慌てることなく下がり、爆発をやり過ごした。爆風で階段が吹き飛び、上階との道が途切れた。 「上がるなって意思表示か? アニメに出る奴はアタシに命令できるほど偉くなんのか? エル! メル! どっちかまだ一階に残ってんだろ! 隠れてないで出てきやがれ!」 しかしメルの影は姿を現さず、代わりにコタマが進む分だけ爆発が起きた。爆発は小規模だが、数が多い。コタマは数歩歩く度に爆発を回避するために下がらざるを得なかった。ビルの中心部あたりまで歩くのに少々時間がかかった。 「クソッ、このウザいトラップはメルの奴だな」 「ボクを呼んだ? コタマ姉」 メルは唐突に姿を表した。コタマからは離れた場所、少なくともファーストの攻撃範囲よりも僅かに外に立った。メルの両手にはそれぞれマシンガンが握られていた。コタマのセカンドの対物ライフルと比べると、あまりに頼りなく見えてしまう。 「いい度胸してんじゃねえか。一応聞いとくけどよ、エルも近くにいるのか?」 「いないよ」とメルがやけにあっさりと答えたため、コタマは怪訝な顔をした。 「アタシを出し抜きたい気持ちは分かるけどよ、もっとマシな嘘つけよ」 「嘘じゃないって。本当だよ。じゃあ証拠に、ここらの爆弾を全部爆発させようか」 「ああん?」 「エル姉は、というか普通の神姫は至近距離の爆発を回避したりできないから防御装甲が分厚くなるんだよ。だからもし軽装のエル姉がこの近くにいたら、爆発に巻き込まれて大ダメージを受けることになるよね」 「何が言いてぇんだ?」 「そのまんまの意味だよ。エル姉がいないことを証明するために、今から残った全部の爆弾を爆発させるんだ」 メルはおもむろに両手のマシンガンをコタマではないほうに向けて撃ち始めた。弾が当たった爆弾が爆発し、メルのマントを揺らした。ひとつ爆発するごとに土煙が巻き上がり、コタマとメルの視界を遮った。 (爆発で破片を飛ばしてくるでもなし。煙幕が目的? いや、メルの位置はマシンガンの火で丸わかりだし)ファーストとセカンドに防御の姿勢をさせて、コタマはじっと様子を見た。しかしマシンガンの火が唐突に向けられるわけでもない。メルはただ自分が仕掛けて回った爆弾をヤケクソに爆発させているだけにしか見えなかった。土煙の向こう側で、マシンガンがひっきりなしに弾を吐き出し続けている。 (わざわざ仕掛けて回ったのを意味もなく爆発させて何を――――いや、【仕掛けて回る】?) コタマが動いた。メルの姿は既に目視できなくなっており、セカンドにおおよその位置を撃たせた。セカンドの銃声で一旦マシンガンの音が止まったが、再び鳴りはじめた。それでコタマの疑念は確信に変わった。 「ビルを崩壊させる気かよ!」 メルを置いてコタマは外に向かって走り出した。それを合図にしたかのように、天井の崩壊が始まった。机や瓦礫を飛び越えながらコタマは舌打ちした。 「あの爆弾は柱を壊すためだったのかよ! クソッ、アタシとしたことがどうして気づけなかった!」 地鳴りのような音がして、床との間にあるものすべてをプレスするように天井が落ちてきた。メル自身も恐らく逃げられないだろうが、コタマに確認する余裕はない。壁を突き破るためにファーストを先行させてガントレットを繰り出した。コタマが通れるだけの穴を開けさせるつもりで叩き込んだ打撃は、しかし、壁を粉々にすることができても、大穴を開けるには至らなかった。天井がコタマの頭上僅かまで迫る。一か八か、僅かに空いた隙間に頭から飛び込んだ。膝から先が崩落に巻き込まれた。足が使い物にならなくなるよりも、ビルの一階外側部分に張り巡らされていたワイヤーに気を取られた。 濁流に巻き込まれるように、コタマの軽い体は転がっていった。幸いなことにビルが崩壊する方向はコタマが飛び出した側とは逆だった。隣に立っているビルに寄りかかるように倒れ、そのまま自重を支えきれずに真ん中から折れて崩れていった。 「ゲホッ、う、うう……」 さすがのコタマも無事では済まなかった。瓦礫に寄り添うように、道路に仰向けに倒れていた。千切れた足だけではなく、全身を襲うダメージに顔をしかめた。ファーストとセカンドはビルの下敷きになっている。 「っ……久しぶりに、本気で神に祈りたい気分だぜ」 「ではそのまま祈ってて、動かないでください」 エルが空から降らせた言葉に、コタマは心底驚いた顔をした。せっかくメルに借りたワイヤーを仕掛けて待っていたのに忘れられちゃ困る、と思ってエルは、コタマに向かって頭から落下しながら、二振りの剣を構えた。 「『スカーレットデビル』――これで最後です!」 「ざけんじゃねぇ!」コタマは最後の力を振り絞って、右手の十字架からエルに向けて糸を伸ばした。左手は動かなかった。接続された糸が制御系統を奪い、エルの右手が意思に反して刃を自身の胸に向けた。 「『FTD3』だ自決しやがれぇ!」 「その前に死んでください!」 エルの加速に乗った剣と、自身の胸を貫こうとする剣。コンマ一秒が何秒にも引き伸ばされたような感覚だった。エルは時間が意味をなさなくなる中で、二つの刃が同時に目標に沈んでいくのを見た。 ◆――――◆ 茶室に戻ってからしばらく、エルとメルは言葉を失っていた。 「なんだよアンタら、何か言いなさいよ」 修道服を脱いだコタマにそう言われ、戦乙女の二人は顔を見合わせた。 「だって、その」 「ねえ?」 エルにはまだ【さっきのこと】が信じられなかった。メルも同じ顔をしているから、同じことを考えているのだろう。勝つために戦っていたし負けるつもりもなかった。しかし頭の片隅では、二人がかり程度では絶対に勝ち目がないと考えていた。それほどまでにレベルが違う。努力でどうになかる高さではない壁がある。悔しいとすら思えなくなるほどコタマとの差を認めてしまっていて、それはエルに限らず、『ドールマスター』を知る誰もがそうだった。 「でも、引き分けました」 「『ドールマスター』と引き分けたね」 「すごいこと、ですよね」 「すごいこと、だよね」 「自慢、できますよね」 「TVアニメ化くらい自慢できるね」 「は……」 「ははは……」 「「あっはははははははははは!!」」 たまらずエルとメルは抱き合った。ちゃぶ台を蹴飛ばして四畳半の上でもつれ合った。棚に背中をぶつけようと、花瓶をひっくり返して頭から水をかぶろうと二人は構わず、今朝の大学を再現するように転げまわった。じゃれ合う肉食動物の子供のような二人を、部屋の隅でコタマは冷めた目で見ていた。 「引き分けでそんなに喜ばれても……アタシはどんな顔すればいいの?」 顔をくっつけて笑い合う二人が答えてくれるはずもなく、大きなため息をついたコタマは茶室から出ていった。残された二人はその後も転げまわり、茶室の備品をひとしきり破壊してようやく転がるのをやめた。 「ふう……あれ? コタマ姉さんがいませんよ」頭からかぶった花瓶の水を切りながらエルが言った。 「もう帰ったんじゃない? ボク達も帰ろうよ。ショウくんとハナ姉に報告しなきゃ。きっと驚くよ~」 エルは落ち着いてあたりを見回して、ちょっと浮かれすぎたと反省した。データだからいくら備品を破壊しても問題ないとはいえ、これではTVアニメ化されるに当たって全国に姿が流れる戦乙女として恥ずかしい。メルの言う通り、早く退散したほうがいい。茶室の扉を開こうと手をかけようとしたその時、自動ではないはずの扉が勝手に開いた。扉の向こうには白銀のスレイプニルが立っていた。 「まだ残っていたのですか。コタマが戻ってから随分時間が経ちましたが――なんですか、この部屋の有り様は」 エルとメルの後ろを覗きこんだマシロは、茶室のあんまりな荒れ模様に顔をしかめた。 「まあいいでしょう、茶室に用はありません。二人とも、すぐにバトルの準備をしなさい」 「ちょ、ちょっと待ってよマシロ姉。いきなりバトルって言われても、ボク達さっきコタマ姉と」 「引き分けたと聞いています。コタマが珍しく難しい顔をしていたので、お二人の戦い方が気になったのです。あと一戦はできるでしょう」 冗談じゃない、とエルは言いたかった。せっかく良いことが続いて今晩は幸せ気分で眠れそうだったのに、『ナイツ・オブ・ラウンド』を相手にしてしまったら必然的に黒星がついてしまう。仮にコタマの時のように作戦が上手くいったとしても、倒壊したビルの中から無傷で出てくるマシロの姿が目に浮かんだ。 「わ、私達ちょっと用事がありまして。ではこれで――」 「待ちなさい」とマシロは横を通り抜けようとする姉妹二人の首根っこを捕まえた。 「離してマシロ姉! やーだー戦いたくない!」 「つれないことを言わないでください。お二人にはアニメに抜擢された祝辞を伝えなければなりません」 「い、いえ、気持ちだけで十分です」 マシロは聞かなかった。 「おめでとうございます。これで戦乙女型は多種多様な神姫の中から頭ひとつ飛び出したわけですね。喜ばしいことです。それはそれとしてコタマから聞きました。コタマの聞き間違いの可能性も否定できませんが――」 たっぷり時間を置いて、まるで別人のように冷たい声で言った。 「クーフランを哀れんだそうではないですか」 「ち、違います! 私達そんなつもりはありません!」 「誤解だよ! コタマ姉が変なこと言ってるだけだってば!」 「言い訳は戦場で聞きます。天使や悪魔と肩を並べるほどの大抜擢ですから、お二人が少々目線を高くしたとしても、私にそれを咎めるつもりはありません」 「咎めるつもり満々だよね!? バトルで八つ当たりする気満々だよね!?」 「謝りますから! 謝りますから勘弁してください!」 「謝罪などする必要はないではありませんか、何も間違ったことはしていないのでしょう。それにしても楽しみですね、主役級となった戦乙女殿との勝負。これから全国に剣を振るう姿が放送される戦乙女殿と予め手合わせできるなど、身に余る光栄ではありませんか」 楽しみと言いつつ、マシロの顔で笑っているのは口元だけだった。深いエメラルド色の瞳は遠くの別のものを見ていた。暴れるエルとメルに殺気のようなものを飛ばして静かにさせて、二人をステージまで引きずっていった。尻で床を磨きながらエルは、これを期に戦乙女が再々販されることを少しだけ願った。 やはりISと似たような感じになるんでしょうか。 メカ、少女、スタッフまで同じとのことで。 ううむ。 15cm程度の死闘トップへ
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戦闘回数が増えていくと追加されるキャラもいるので とりあえず、今戦える相手の装備を全部ひっぺがす位(5〜6回)の勢いで戦っていけば 特に問題なく戦える相手も増えていきます。 「1対1」 「1対2」または「1対3」 のハンデ戦 「1対1」初登場はゲームセンターで1回戦闘のみ。本編クリア後の継続プレイで常駐する 「1対1」メインストーリーにからむイベント戦1回のみ。 初期~ F3クラス制覇~ F2クラス制覇~ 初期~ マスター 神姫 神姫タイプ 元ネタとか攻略情報とか 柴田勝シバタ マサル プルミエ アーンヴァルMk.2 おそらく多くのプレイヤーが最初に戦う相手。神姫名の「プルミエ」は「最初」を意味するフランス語「プルミエール」からだと思われる。戦国から江戸にかけて家名を残した「柴田氏」が「勝」の字を代々使っているまた格闘技にも「柴田勝久」「柴田勝頼」の親子がいるバトルロンドのNPCでも「まさる」「プルミエ」が登場 小早川千歳コバヤカワ チトセ リリス ストラーフMk.2 勝利後F3①予選解禁バトルロンドのNPCでも「ちとせ」「リリス」が登場 姉崎静馬 ナギ ハウリン 三毛屋ベンガルミケヤ ベンガル コモモ マオチャオ 「よーしよしよしよし」…漫画「ジョジョの奇妙な冒険 第六部」のキャラクターグェスの台詞のパロディ 柏葉剣 ルーデル ゼルノグラード 第二次大戦時のドイツ空軍の爆撃王(兼エース)ハンス・ウルリッヒ・ルーデル大佐及び彼が受賞した黄金柏葉剣ダイヤモンド付騎士鉄十字章から 山中美幸 ライラ アーンヴァルMk.2 赤橋瞳子アカハシ トウシ ハヤテ ハウリン 足利尊氏の妻 赤橋登子(あかはしとうし)? 津軽冬至 雪華 フブキ メールで対戦可 勝利後自宅でフブキ解禁 足利崇文 紅葉 マオチャオ 勝利後F3②予選解禁「兄様がまともに戻るまで、殴るのをやめないっ!!」…漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の主人公、ジョナサン・ジョースターの台詞のパロディ室町幕府初代将軍 足利尊氏? シルバー・クレイ マリー アーンヴァルMk.2 「私達はようやく登り始めたばかりなのデース、この果てしなく遠い神姫坂を」漫画「男坂」のラストのパロディ 犬童太 ハナ ハウリン 軍曹 三等兵 ゼルノグラード 映画「フルメタル・ジャケット」に登場する鬼教官、ハートマン軍曹とその部下神姫名の元ネタは漫画「ロボット三等兵」から? 真紅女帝総長 沙耶香 アーク メールで対戦可難関その1 沙耶香を倒すと戦う気が無くなる勝利後ショップでアーク解禁「女帝」は英訳するなら正しくは「エンプレス」なのに真紅女帝(クリムゾンエンペラー)と呼ぶのは、コナミシューティングゲーム、エアフォースデルタの作戦名からアーク型曰く「珍走団」←徒党を組んで道路交通法違反を繰り返す集団のこと「203高地に挑む」中国にある丘陵で日露戦争の重要拠点 真紅女帝副長 亜里沙 アーク 真紅女帝見習い 香里奈 アーク ダリル・ブレナン ドロシー ハウリン 吉川素子 アローズ マオチャオ 猪苗代孝実イナワシロ タカミ ふゆなぎ ゼルノグラード 春夏冬 あきな アーンヴァルMk.2 「商い中」の古い(言葉遊び的な)表現「春夏冬中」→「あきな」 F3クラス制覇~ マスター 神姫 神姫タイプ 元ネタとか攻略情報とか 双蜂 ベル マオチャオ 双蜂=ツインビー 南部蒼太 フレンダー フブキ タツノコのガッチャマン南部博士と、同じくタツノコキャシャーンのフレンダー チョコレッタ・G アンネ アーク 武装神姫2036 アーク・イーダのデザイナーCHOCO氏から 犬養創 ヤマト ハウリン メールで対戦可難関その2 単体のLPは低い神姫名は大日本帝国の大和型戦艦の名前。(大和・武蔵・信濃。ただし信濃のみ戦艦としてではなく空母として完成している) 犬養続 ムサシ ハウリン 犬養完 シナノ ハウリン 鍋島樹里 みおん マオチャオ 鍋島家の化け猫騒動 立花茂 銀千代 ハウリン 立花宗茂と妻・ギン千代「この風、この肌ざわりこそ神姫バトルよ」…アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクター、ランバ・ラル大尉の台詞のパロディ。「うん、無駄無駄無駄無駄無駄じゃ」…漫画「ジョジョの奇妙な冒険 第三部」のキャラクター、DIOの台詞のパロディ。「片眉剃って大笑いしたり」…空手バカ一代 豪徳寺みか まりぃ マオチャオ 「表の模様が裏に、裏の模様が表についてるコイン」…ジャイアンのもっていたコイン「縦縞のハンカチが横縞」…マギー司郎、審司の持ちネタのひとつ「頭の悪い怠け者~」ハン・フォンス・ゼークトの言葉「バカには見えないメイド服」…裸の王様のパロディ ケンプ 黒姫 ゼルノグラード 「我が選択に、一片の悔いも~」…漫画「北斗の拳」のキャラクター、ラオウの台詞のパロディ 百武健心 百花 イーダ メールで対戦可勝利後ショップでイーダ解禁 給料シーフ シルファ アーク シーフ=泥棒 給料泥棒? 真田有希那 キリカゼ イーダ 練馬大将軍 ミュー アーンヴァルMk.2 練馬区光が丘に存在した「グラントハイツ(米空軍宿舎)」の由来グラント元大統領・元将軍。もしくは究極超人あ~るの成原博士。「世界征服は練馬から!」 偉吹玲人 まお マオチャオ 武装神姫2036 ハウリン・マオチャオのデザイナーBLADE氏から勝利後猫型カスタムパーツ解禁 神選組局長 コテツ ゼルノグラード 新選組とその刀新選組局長 近藤勇:長曾祢虎徹<ながそね こてつ>新撰組副長 土方歳三:和泉守兼定<いずみのかみ かねさだ>新選組八番隊組長 藤堂平助:上総介兼重<かずさのすけ かねしげ> 神選組副長 イズミ ゼルノグラード 神選組隊士 カズサ ゼルノグラード 得川義文 葛葉 フブキ 「お風呂覗かれたり」…緑髪忍者型でコナミのゲーム「がんばれゴエモン」のヤエちゃん? 痴豚 ミランダ イーダ タレント・伊集院光が、ラジオ番組「深夜の馬鹿力」内で照れ隠しも含めて自身の事を言う際に使う呼び方。 痴漢の『痴』に太った人を蔑む意味『豚』を合わせた造語。それを抜きにしてもSMプレイでも『豚』という蔑称はよく用いられる。ミランダはイーダのデザイナーCHOCO氏の描くSFコミック「イグナクロス零号駅」の主人公ミランダ駅長から? 嶋渓フミカ エイル アーンヴァル 武装神姫2036 アーンヴァル・ストラーフ等のデザイナー島田フミカネ氏から ドグラ・モゲラ 菊花 フブキ ドグラ・マグラからか?(会話内容からマスターの容姿が「戸惑う、面食らう」や「堂廻り、目眩み」となっており、原点がそういう意味という説から)またはモグラ⇒掘る(男に対して性的な意味で)⇒アッー!⇒菊の花 山中日向 葵 アーク 日向葵で「ひまわり」。山の中に咲くひまわり? タケル サギリ アルトレーネ サギリの方が耐久が低い勝利後ショップでアルトレーネ・アルトアイネス解禁日本神話のヤマトタケルノミコト 日本神話の神:アメノサギリorクニノサギリ ミコト テルヒメ アルトアイネス F2クラス制覇~ マスター 神姫 神姫タイプ 元ネタとか攻略情報とか ??? ??? アーンヴァルMk.2 勝っても負けても展開は変らないが勝つと称号が貰える 神宮司八郎 アトラ アーンヴァルMk.2 F2制覇後登場。探偵 神宮寺三郎 また、「アトラ」は穴を開ける道具の事なので、海底軍艦轟天号艦長神宮司 八郎 大佐 森永穂波 アニー アーンヴァルMk.2 神宮司八郎戦闘後登場元女優の森永奈緒美さん。アニーは宇宙刑事シャイダーでの役名 神戸こなみ みなこ アルトアイネス F2制覇後登場。神戸のコナミそのまま。みなこはその逆さ読み「もっと恐ろしいものの片鱗を」…漫画「ジョジョの奇妙な冒険 第三部」のキャラクター、ポルナレフの台詞のパロディ。 笠嶋京香 あざみ ストラーフMk.2 赤城春菜 麗音 アルトレーネ 北関東最強、赤城→赤城山、春菜→榛名山、最強神姫理論→公道最速理論でいずれも漫画「頭文字D」のネタアルト「レーネ」→麗音 趙飛燕 夏姫 イーダ 前漢成帝の皇后。夏姫→巫臣(春秋時代の楚の政治家)のカミさん> 王秀英 睡蓮 アルトレーネ 周小紅 蘭蘭 ゼルノグラード 音黒野美子 クロミ フブキ クトゥルー神話に登場する架空の書物「ネクロノミコン」から。神姫名もネ「クロ」ノ「ミ」コン→クロミか?ちなみにバトル前の会話で唱えている怪しげな呪文も、クトゥルー神話に関わるものである。はしかのようなもの…はしかは日本人なら一生に一度はかかると言われる病気。転じて、恋の病や中二病など、誰もが経験するであろう事象を指す 武本哲 チェリー ゼルノグラード 漫画「じゃりン子チエ」の「竹本テツ」「チエ」にひっかけて「チェリー」 愛猫党党首 ターニャ マオチャオ 勝敗に関わらず趙飛燕と戦うと挑戦メールが来る 愛猫党参謀 アイニャ マオチャオ 愛猫党書記 ハルニャ マオチャオ 麻呂 雛鶴 イーダ 山県みちる 薫 アルトレーネ 「神姫イヤーは地獄耳」…デビルマン 兜茂 ユリコ アーク 仮面ライダーストロンガー神姫名のユリコはストロンガーのパートナーの電波人間タックルこと岬ユリ子 左籐楓 メープル フブキ 勝敗に関わらず愛猫党党首と戦うと挑戦メールが来るメープル:英語でカエデのこと。左籐楓(サトウカエデ)はメープルシロップの原材料アナベル:アジサイの品種。紫陽花(アジサイ)マグノリア:モクレンの品種。大山蓮華(オオヤマレンゲ)もモクレンの一種 紫陽 花 アナベル アーク 大山蓮華 マグノリア イーダ ういろー ナナ マオチャオ 名古屋名物、ういろうとナナちゃん 埴場怜太 クラリス アルトアイネス 羊たちの沈黙の登場人物。埴場怜太(ハンニバル・レクター)とクラリス・スターリング 九頭龍 ルル アーク クトゥルー…クトゥルー神話に登場する神の名前、九頭龍はその表記の一つルルイエ…同神話に登場する架空の地名 陰陽熊 ファム アルトアイネス 閃光魔女 シャイナ ストラーフMk.2 プロレス技のシャイニング・ウィザードからか?男にしとけばよかったんじゃ…(ウィザードは主に男性の魔術師を指す) 開田有人 ライム マオチャオ 全F1予選クリア後に登場。元ネタは開田裕治氏と氏のホームページに掲載されている徳間文庫の官能小説アンソロジー「爛夢」から?「きれいな言葉遣いだろ?マオチャオ型なんだぜこいつ」ご存知某野球漫画の主人公のせりふ。
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戻る トップへ 私の名前は田端 神楽。読書と妄想が趣味のピッチピチ高校一年生。 実家は山形の奥の方で、今は実家を離れ一人でアパートに住んでいる。 築何年かとか家賃とかは忘れた。全部親がやってくれたから。感謝。 ただ一つ覚えているのは、一人暮らしに十分な広さを持つ部屋だと言う事。 私の部屋が二階にある事と端から二番目だと言う事。 そして、隣の部屋の住人は同じ高校の生徒だと言う事。 そして、彼女とは読書仲間である事。 最後に、その彼女が熱を出して寝込んでいると言う事。 もひとつ最後に、今私が居るのはその彼女の部屋の扉の前と言う事。 トントン。 「田端か」 ノックとほぼ同時。嘘。少しして扉が開かれた。 この部屋の住人、戸坂 加奈美は容姿端麗素行良法、ないすばでいの美少女だ。 特徴は腰まで届く黒髪に、大きな胸。 その姿は一度見てしまえば忘れられない、そんな美味しそうなおんなのこであるはずなのだが。 「加奈美、暫く見ないうちに男みたいに」 「何ボケてんだ。とっとと入れよ」 何故かそこにいたのは短い髪をぼさぼさにした眼つきの悪い不良少年、越裏宗太だった。 何故彼がここにいるのか。もしや加奈美とあーんなことやこーんなことをしていたというのか。 「いらっしゃい、神楽……横になったままで御免なさいね」 古本屋でも開けそうな本の山。 本の山に埋もれるように加奈美は布団の中で横たわっていた。 「気にしない」 台所に立ちつくす宗太を横目に加奈美に近づく。 といっても三歩もあるけば加奈美の枕元に到着だ。 「具合は」 「ちょっと熱があるくらい……そんなに辛くはないわ」 そうは言うがな、大佐。 加奈美の頬は赤く染まり、瞳は潤んでいる。 そしてそのしなやかな肢体は布団に隠れて分らないが、襟元を見ればピンク色の寝巻を纏っているのが分る。 規則正しく上下する胸の膨らみが寝巻の襟もとから垣間見えてしまって、私の精神は臨界点を突破しそうな勢いだ。 「熱は37度弱……まぁ何時ものと同じだ」 この朴念仁め、この好機に何を悠長な事を抜かしているか。 こういう場合は部屋を訪ねて直ぐにいただきマンモス、ごちそうさマンマするのがフツーだろうに。 欲をいえば一通り終わって一息ついた頃に私が訪ねて二人であたふたして欲しい。 そうすれば私も長年の夢だった「お邪魔虫はとっとと出て行く」とか「お楽しみの途中だった」とか言えるのに。 と、そこまで考えてある事に気付いた。 「……この時期に珍しい」 加奈美は生まれつき病弱だ。出会ったのは今年だから詳しくは知らないけども。 それでも、この半年間の間に4回は寝込んでいる。 だけどそれにもある程度の法則がある。 「寒暖の差は無い……」 加奈美は季節の変わり目に決まって体調を崩す。 それは短い付き合いなれど完全に完璧に究極に熟知している。 それが、こんな気候が安定して冬にゆっくり向かう季節に熱を出すなんて、原因は激しい運動で汗たっぷりかいたとしか思いつかない。 「ええと……その……」 「まぁ、アレが原因だろうなぁ」 この反応は一体なんだ。 加奈美は恥ずかしそうに口ごもり、宗太は苦笑交じりに呟いている。 これはやはりアレか。ついに幼馴染という鎖から解き放たれたとみてよろしいですね。 「昨日な、こいつ俺と」 「宗太、あんまり詳しく話さないでよ……」 これは完全完璧究極にアレしかないじゃないですか。 同意と見てよろしいですね? 「神姫バトルしてよぉ、勝ちやがったんだよ。それで嬉しさの余りぴょんぴょん飛び跳ねてよぉ」 「……はしゃぎすぎちゃったみたい」 つまんねー。 ていうか加奈美さん、貴女子供ですか、二つの意味で。 期待して損した。ていうかこの二人がそう簡単に一線越える訳無いか。 「んじゃ、後は任せて良いか?」 このウスラトンカチめ、幼馴染の部屋に来て何もしないで帰るとは何事か。 「ええ、悪いわね宗太。今日もバイトあるんでしょう?」 「今日は休日だし、少しくらい遅れても構わねぇさ。じゃ、速く直せよ」 ちっ。加奈美の寂しそうな視線やら言葉に気付かないとはとんだフラグクラッシャーよ。 これだから男は嫌だ嫌だ。 「加奈美、汗は」 とりあえず、今は加奈美と密室に二人っきりという事象を受け入れ喜ぼう。 「ええ、少し……」 そうは言うがな、大佐。 布団越しから見てもピンクの寝巻は大分汗を吸っているように見える。 ここはやはりアレを、伝家の宝刀アレをやるべきだ。 と、頭の中で鼻血を噴き出していたその時だ。 ピピピピピピピ―――。 とっても機械的なアラームが鳴り響いたのは。 「ああ、ごめんなさいね」 身体を起こそうとしたので手を貸した。 その際、加奈美の体臭が鼻孔を擽った。やば、鼻血でそう。 そんな事とは露知らず、加奈美は本の山を枕もと周辺だけ崩した。 すると、何と言う事だろう。そこにはどうみても武装神姫が埋もれていたのだ。 「おはよう、シルフィ」 「おはよう、主」 その神姫は、クレイドルから颯爽と起き上がると加奈美に向かってそう言った。 「お客人か」 エウクランテ型と見えるその神姫は私を認めるとクレイドルから降りて、私の前に歩み出た。 「私はシルフィ。見ての通り、加奈美の武装神姫だ」 「田端神楽。加奈美のトモダチ」 「神楽殿、とお呼びしてよろしいか?」 「シルフィと呼んでも」 「ああ、私は構わない。では、今後ともよろしく。神楽殿」 「こちらこそ」 そういえば、加奈美から神姫を買ったと言うメールが来ていた。 このシルフィが件の神姫か。 加奈美に似て、とても美味しそうな神姫だ。 「二人とも、仲良くなれそうね」 加奈美が床に潜り込みながら言った。 そういえば加奈美は病人だった。 私はその看病をしにここに来ていたのだった。 「……主、具合が悪いのか?」 「ええ、昨日の夜、シルフィが寝た後に熱が出ちゃってね」 「主よ……何故私を起こさなかったのだ? 例え神姫の身と言えど、手伝いくらいは出来た筈だ」 「シルフィが気持ちよさそうに寝ていたものだから、起こしたら悪いと思ったの」 「そんなもの、主の事とは比べるまでも無いではないか」 「そう? これくらいならいつもの事だから、シルフィを起こすまでも無いと思ったんだけど……」 「そこまで」 この二人、仲が良いのは良く分かった。 だけど、ほっとくと何時までもエンドレスしそうだから早めにきりあげるとしよう。 そして、めくるめく夢のお仕事を私にやらせて頂こうか。 「加奈美の汗、拭く」 「お願いしていいかしら?」 加奈美の言葉に、無言で頷いて答える。 「私も、何か手伝おう」 シルフィが力強く言った。なるほど、この子はかなり責任感が強い娘のようだ。 しかし、神姫に出来る事は限りがある。 確かにそれだけちっちゃければあーんな事やこーんな事が自由自在だろう。 だけど、今の様な場面ではそれはデメリットにしかなりえない。 加奈美もそれを察してか、少し気まずそうな視線を泳がしている。 「案ずるな。私にはヘンデルがある」 そう胸を張りながらシルフィは言い放ち、部屋の片隅に鎮座する外骨格を纏った。 なるほど、それならまぁまぁ邪魔にはならない。 加奈美もそれを考えてか、私に視線を向けてくる。 そんな熱い視線を向けられると、色んなところがオーバーロードしそうだ。 「問題無い」 シルフィと、そして暗に加奈美に応えて軽く頷いて見せる。 ああ、加奈美が嬉しそうに笑っている。やば、色々爆発しそう。 「タオルを」 「了解した」 シルフィには汗を拭く為のタオルを頼むとして、私はぬるま湯を用意するとしよう。 台所にある薬缶に水を入れ、火にかける。 熱すぎてもぬるすぎてもいけない。万が一熱湯になれば加奈美の柔肌を傷つける事になるのだから。 「神楽殿、タオルはこれでよろしいか」 タオルを抱えたシルフィが戻ってきた。 神姫にしては大きく、人間からしたら大した大きさでは無いハンドタオルだ。 「ぐっ」 親指を立ててシルフィを肯定する。 それと同時にコンロの火を止めて、中を覗く。 温度は多分、50度くらいか。 このままでは少し熱すぎるだろう。 「洗面器を」 「了解した」 お湯を張る洗面器はシルフィに頼んだ。 だけど、それすらも時間稼ぎにはならないだろう。 薬缶の中を再び覗いてみたが、いい温度になるにはまだまだ時間がかかりそうだ。 「神楽殿、洗面器はこれで、よろしいか」 お風呂場の方からよたよたしながらシルフィがやってきた。 ヘンデルを介してもなお大きな洗面器を抱えているシルフィは、なんだかとっても微笑ましい。 「もらう」 それを直に受け取り、キッチンのテーブルの上に置く。 置いた洗面器の中に、薬缶で熱したお湯を移し変える。 洗面器の中のお湯はもうもうと湯気を噴き出している。 控えめに見ても、50度以上ある。 ……おかしいな。 「どうされた、神楽殿」 「お湯が冷めるまで待つ」 「了解した」 さて、ここでお湯に水入れて冷ましても良いけど、それはそれで面倒くさい。 ここは、ここぞとばかりに加奈美との時間を満喫しよう。 「何か飲みたいものは」 「そうね……温かい紅茶が飲みたいわ」 「分かった」 加奈美の飲みたそうなものは、大抵頭に入っていて、我が家にストックがある。 加奈美の部屋から私の部屋まで五秒もかからない。 速攻で取ってこれる。 「ああ、それとウィンとレミンにも会いたいわ」 「……分かった」 加奈美の声を背に受けて、私は加奈美の部屋を飛び出した。 外に出て一歩二歩三歩で私の部屋。 加奈美が待っている。一刻でも時間が惜しい。 この前通販で取り寄せた茶葉があった筈だ。 とりあえず、食器棚辺りからひっくり返してみよう。 「あの……司令官」 食器棚の引き出しを引っ張りだし、ひっくり返した時。 不意に背後あたりから声がかかった。 普通の人間なら聞き逃してしまいそうな声、私も危うく聞き逃してしまいそうな声。 振り返れば、そこには気弱そうに佇むヴォッフェバニーの姿が、私の第一神姫ウィンの姿が、茶葉の缶の隣に有った。 「良く分かった」 自分で言うのも何だが、私は色々なモノを無くす。 その度に部屋中引っ掻き回す事になる。 そんな折、ウィンは一番速く探し物を見つけだす。 場合によっては探し始める前に見つけ出す。今の様に。 「自分、ウサギですから……」 兎型のウィンは当然集音能力が高い。一戸隣の加奈美の部屋での会話も筒抜けだろう。 「……行く」 ジョルジの缶を開け、中の香りを一息吸い込む。 ああ、加奈美の喜ぶ顔が目に浮かぶ。 「あ、はい。お気を付けて」 相も変わらず気弱そうにウィンは言った。 さっきの会話を聞いていたならば分かることなのに。 謙虚さもここまで来るとダメダメだ。 「ウィンも」 「え? ……あ、はい!? わかりました!? 」 ウィンを頭の上に乗せて、加奈美の元へと急ぐ。 「あれ、司令官と隊長、お出かけッスか? 」 私の布団の上、雑誌を読みながらレミンが言った。 何時もなら構ってやる所だけど、今はその暇すらも惜しい。 「留守番」 そう言い残し、私は駆け出した。 「自分も行きたいッス!」 レミンがそう叫ぶころには、私は加奈美の部屋に舞い戻っていた。 「おかえり、神楽」 そんな私を出迎えてくれる加奈美の声。 甘くて、優しいその声の主に思わず抱き着きたくなるけど相手は病人、自重しよう。 「それにウィン、久しぶり」 その言葉を受けたウィンはさぞかし嬉しそうな顔をしているのだろう。 頭の上に居るウィンの表情を窺い知ることはできないが、余裕で分る。 少し妬ける。 「神楽殿は素早いのだな」 どうやってそこまで登ったのか、シルフィは台所のテーブルの上に居た。 「挨拶」 ジョルジの詰まった缶を台所に置き、頭の上に声を掛ける。 「シルフィさん……ですね。私はウィン、見ての通り司令官の神姫です……よろしく」 少し声が小さいけど、これだけ言えれば充分だろう 「こちらこそ、よろしくウィン殿。時に、何故私の名を?」 「私、ウサギ型だけに耳が良いんです……御隣でずっと聞いてましたから……」 「そうか、そうなのか……少し、気恥しいな」 「あぅ……ごめんなさい」 「いや、気にしないで欲しい」 ……内向的なウィンがここまで会話するとは、例え相手が神姫で合っても珍しい。 趣味の会うパーシでさえここまで会話は弾まないのに。 まぁ、パーシの場合の問題点はウィンにあるとは思わないが。 「シルフィは誰とでも仲良くなれるのね。嬉しいわ」 加奈美が嬉しいのなら私も嬉しい。 もとい、シルフィにはそういう人づき合いの才能があるのではないだろうか。 流石は加奈美の武装神姫だ。 「あぁ、そうだ。神楽殿」 照れくさそうにシルフィが言った。 「お湯は良い加減だと思うのだが、どうだろう」 シルフィに促されるまま、洗面器を覗いてみれば、成程。湯気の量からしてお湯の温度はそれほど高くなさそうだ。 これなら加奈美の汗ふきフィーバータイムにも使えるだろう。 だがしかし、私は加奈美のリクエストである紅茶も淹れなければならない。 加奈美は平然と会話をしていて忘れそうになるが、立派な病人だ。 熱もあるし、汗もかいている。早急に着替えさせなければまずい。 だが、加奈美自身が紅茶を飲みたいとも言っている。 病は気からと言うし、この紅茶で快復に向かう可能性も十分ある。 しかし、紅茶は何かと手間がかかるモノだ。 ただティーポッドに葉とお湯を入れて終わり、という訳では無い。 一つ言える事は、紅茶の用意をすればこの洗面器の中のお湯は確実に水になると言う事だ。 こうなったら最後の手段だ。 「ウィン、シルフィと紅茶を」 加奈美の紅茶を私自身の手で淹れられないのは少々口惜しいが、加奈美の柔肌を直に触れる方が上だ。 「あ……はい、がんばってみます」 「紅茶か……淹れた事が無いのだが、大丈夫だろうか」 「大丈夫……簡単だから」 あとは若い二人に任せて、私は加奈美とのキャッキャウフフに専念しよう。 「加奈美。汗、拭く」 最初にそう宣言してから行動を開始する。 まずは洗面器とハンドタオル。タオルは腕に引っ掛けて、洗面器を両手でしっかり持つ。 「初めに……お湯を沸かすついでにカップとポットを温めます」 「了解した」 シルフィとウィンは着々と準備を始めている。 これなら、完全にお任せして良さそうだ。 私は頑張る二人を尻目に加奈美の枕元に向かう。途中、足元に散らばる本を踏まないよう注意しながら。 「寝巻は」 次に加奈美の着替えの用意だ。 加奈美自身の汗を拭いても、汗を吸った衣類をまた着ては何の意味もない。 「何時ものでお願い」 加奈美の返答に頷く事で返し、質素なタンスの引き出しを開ける。 そこに拡がっているのは、正に桃源郷。 加奈美が普段、身につけているであろう寝巻が山と詰め込まれているのだから。 この場に誰も居なければ、目の前の桃源郷に頭から突っ込む所だけど、そんな事すらも今は後回しだ。 加奈美のお気に入り、黄色い厚手の寝巻を取り出して引き出しを閉める。 次に、タンスの一番下の引き出しを開ける。 そこには加奈美の下着が詰まっている。 華美な訳では無い。それでも、どこか優雅な雰囲気を感じる下着の山。 中から無造作に一着、取りだす。 その時、手が震えていたのは気のせいだろう。 その時、鼻血が出そうだったのも気のせいだろう。 心の準備と着替えの準備を終えた私は、加奈美へと向き直る。 視線の端にシルフィとウィンの姿が写りこんだ。 ヘンデルを装着し、お湯を沸かすシルフィ。 小さな体を駆使して、カップを用意するウィン。 彼女達は、彼女達なりに仕事をこなしている。 私も、仕事をこなすとしよう。 「脱げる?」 内心のドキドキを隠しながら、平静を装って加奈美に問う。 「ええ、それくらいなら大丈夫よ」 加奈美は熱っぽい顔で、そう言った。 加奈美がそう言うのなら、私はただ見ているしかない。 私がそんな事を考えている間に、加奈美は寝巻のボタンを一つ、また一つを外し始めた。 加奈美が指を動かす度に、その陶器のように白い肌が露になる。 首、胸、お腹、おへそ。 そして、加奈美の上半身全てが露になった。 熱のせいか、それを隠そうとも恥ずがしがろうともしない加奈美のそれを見ない様、ハンドタオルにぬるま湯を染み込ませる。 そして、余分な水分を絞りとって形を綺麗に整える。 音も立てずに加奈美の背後に移動し、呼吸を整える。 何と無しに、台所に視線を向ける。 「それじゃあ……ポッドに茶葉を入れますから、直ぐにお湯を入れてください」 「了解した」 真剣に紅茶を淹れようとする二人。 二人とも、加奈美の為に真剣に頑張っている。 それなのに、この私が煩悩ごときに屈するわけにはいかない。 「背中、から」 声は震えていないだろうか。 「ええ、よろしくね」 指は震えていないだろうか。 「……ん」 そうして、加奈美の背中に、加奈美の皮膚に、加奈美自身に私は触れた。 例えタオル越しでも解る加奈美の気配。 今までこんな近くに居るのに、初めて気付いた加奈美のにおい。 今まで見ようしなかった、加奈美の火照った横顔。 それらが全てが、私の五感を侵略する。 それらは全ては、私の正気を蹂躙する。 ……待て待て待て待て待て。 今さっき煩悩如きに屈しないと誓ったじゃないか私。 加奈美に触れただけでこんな事じゃあダメだろう私。 こうなったら素数だ、素数を数えるんだ。 2,3,5,7,9,11,13,17,19,23,29……。 …………9は素数じゃない! 「ありがとう、神楽」 加奈美の一声で、私の意識は再び覚醒した。 煩悩に打ち勝つための無の境地作戦は、暴走の危険性こそ無いけどやってる最中の事を何も覚えていないのが欠点だ。 最も、加奈美に感謝されるだけで私の心の中は薔薇色だけど。 「……気にしない」 精神を再起動しながらも、私は何とか発声出来た。 まともに発音出来たのを褒めてやりたい。よしよし。 「……布団」 布団の上に上品に座る加奈美の膝まで、かけ布団をかける。 そこまでやって私はようやく落ち着いた。 ぼやける頭を奮い立たせて加奈美の汗をたっぷり吸ったハンドタオルを洗面器に沈める。 「あ……司令官、準備……出来ました」 「……そう」 か細い声でウィンが言った。 キッチンを見れば、お盆にティーポッドとティーカップを乗せる二人が見えた。 そして、シルフィはその盆を持ったまま、椅子やごみ箱を踏み台にしつ器用に床へと着地した。 「10点」 その華麗な体捌きに、私は10点満点の賛美を。 「……ヒヤヒヤしました」 ウィンは心底安心し、胸を撫で下ろした。 加奈美は加奈美で、その様子を楽しそうに眺めている。 とっても微笑ましい光景だが、加奈美は自分が病人だという事をもう少し自覚して欲しい。 そんな事を考えている間にも、シルフィはサクサクと歩みを進めていく。 彼女の姿が力強く見えるのは、ただ単にヘンデルを纏っているからではないだろう。 私は洗面器の縁をなでなでしながら、シルフィの勇姿を見学する。 真一文字に引き締められた唇、真剣な眼差し。 まるで戦士のような気迫を感じさせる半面、とてもほほえましいものも感じる。 そう、それはまるで親の手伝いをして、誉められるのを心待ちにする子供の様だ。 それはまるで、純粋な子供の純粋な善意の様だ。 それはまさに、純粋な騎士の純粋な忠誠の様だ。 どこまでも真っすぐで、どこまでも真っすぐに。 ただ主に喜んでほしい、ただ主に褒めてほしい。 それだけを望み、そのために頑張る。 だからその姿が、そのシルフィの姿が微笑ましく思うのかもしれない。 「シルフィ、もう少しよ」 加奈美の声に、シルフィの表情が綻んだ。 ああ、なんて心癒される空間だろうか。 「主よ……お待たせした……」 シルフィが加奈美の手前、残り数歩と言ったところか。 丁度私が二人の真ん中に居るような位置で、それは起きてしまった。 シルフィの気が緩んだのか、それとも足元に何かがあったのかは分らない。 ただ一つ確かな事は、シルフィが熱々の紅茶が乗っている盆を持ったまま、転んだという事。 その瞬間、シルフィの表情が一変し、絶望一色に染まった。 それと同時、加奈美の顔色も変った。 それはシルフィが失敗した自分を責めると見抜いているから。それを、見たくないからだろう。 「うわぁ!」 キッチンでウィンの悲鳴が響いた。 それを聞いた瞬間、私のスイッチが入った。 手元のハンドタオルを取り、立て膝の要領で一歩前に踏み出す。 そして、すぐさま身体を左に半転。 すると丁度、シルフィの手から離れた盆が私目掛けて飛んでくる体勢になる。 盆の上にあるのはティーポッドとティーカップ。その中で最も気をつけなくてはならないのはティーポッドだ。 中にはほぼ熱湯と言っても差支えない紅茶が詰まっているだろうそれを、万が一加奈美が被れば素で火傷だ。 だから、第一に私は持ったハンドタオルでティーポッドを包み込む。 それと同時にタオル越しに口を右手の人差指で、同じく親指で蓋を押える。 出口と入口を押さえてしまえば、紅茶は外に漏れる事は無い。ただ、口を押さえた指が凄く熱いけどそんな事は言ってられない。 次はカップだ。熱湯は入っていないとは言え、割れたりしたら破片が飛び散って、それで加奈美が怪我をするかもしれない。 気を利かせてくれたシルフィは、盆の上に私と加奈美の分のカップを乗せてくれている。 その心遣いに感謝しながら、左手の親指と人差し指で二つのカップを挟み取る。 ティーポットに比べれば、難易度は月とスッポンだ。 最後に、飛んできた盆をお腹で受け止めて膝で挟んで終了だ。 「……シルフィ、お疲れ」 「え……? あ……か、神楽殿!?」 シルフィに労いの言葉をかけてから、盆を床に降ろす。 その上にカップとポットを置いて、タオルを洗面器に戻す。 一応、カップに罅とか入ってないか確かめて、紅茶を注ぐ。 ……幾らしたっけなぁ。 「飲む」 「ええ、頂くわ」 加奈美が凄い優雅で華麗な動作で紅茶を一口含んだ。 何だろう。この胸のざわめきは……恋? 「美味しいわ、シルフィ」 まるで天女と女神と大地母神を足して3で割って10かけたような笑顔で加奈美は言った。 もう色々とオーバーヒート起こしてオーバーフリーズもしてしまいそうだ。 「あ、主……私は……」 シルフィがまるで叱られる子供のように口を開く。 なんだかそっち側の趣味に目覚めてしまいそうなくらい可愛いなぁ。 「シルフィ、ありがとう」 そんな眩しい笑顔でそんな事言われたら、私だったら卒倒するね。 「主……いや、当然のことをしたまでだ」 気丈にシルフィはそう言った。 けど、私からは見えた。シルフィが涙を拭うのを。 「加奈美、お大事に」 「ええ、ありがとうね。神楽」 あれから少し。 私は紅茶を一杯頂いたし、加奈美の具合も良くなって来たので帰る事にしたのだった。 「……お大事に」 私の頭の上でウィンが呟いた。 一番近い私でやっと聞こえる程度の声なのに、加奈美はそれを掬い上げる。 「ありがとう、ウィン。紅茶、美味しかったわ」 その言葉に、ウィンはえへへ、と嬉しそうに笑った。 「神楽殿……」 加奈美の肩の上でシルフィが何か言いたそうに呟いた。 彼女は起動間も無い武装神姫だ。こういう時に何と言っていいのか分からないのだろう。それは私に取っても同じだ。 ただ一つだけ違うとすれば、私は何をすれば良いのかが分かる事くらい。 「シルフィはいい子」 それが正解かどうかは分からない。 だけど私は、シルフィの頭を撫でて褒めてあげる事を選択した。 「……神楽殿、ウィン。今日はありがとう」 シルフィと加奈美の笑顔に見送られ、私は徒歩三歩の自宅へと帰還した。 「ふぅ……」 間取りは同じ、ただそこにいる人間だけが違う部屋。 隣の加奈美の部屋が本で溢れている様に、逆隣のあの人の部屋が神姫で溢れている様に、私の部屋は銃に囲まれている。 ウィンを頭に乗せたまま、布団に向かって身体を倒す。 「ぐぇ!」 布団の上でごろごろしていたレミンを押し潰し、私は布団にの上、俯せに突っ伏した。 ウィンは私が倒れる寸前に飛び降りて、私の顔を覗き込んでいる。 「司令官……音、拾いますか?」 横目で加奈美の部屋を捉えながらウィンが言った。 何時もなら、即座に肯定している所だけど。 「必要無い」 「……いいんですか?」 ウィンが怪訝そうに言った。 恐らく、ウィン自身が隣の様子が気になるのだろう。 「第四級警戒体制、異常発生時報告」 「了解です」 即座に敬礼をしたウィンは壁に寄り掛かり目を閉じる。 きっと壁の向こう側では、加奈美とシルフィが話をしている。 シルフィは多分、加奈美に謝っているだろう。 紅茶を溢しそうになった事を、役に立てなかった事を。 それを悔いるだろう。もしかしたら泣いているかもしれない。 だけど、加奈美はこう言うだろう。 シルフィは私の為にやってくれた。それだけで充分。結果なんて関係無い、と。 だから、私は聞く必要が無い。 「司令官、いきなり何するッスか!」 お腹の下からレミンが這い出て来るなり文句を言う。 だけど、私はそれに応えない。 その代わり、周りに散らばる拳銃の中からマウザーミリタリーを取り上げた。 グリップを握り、マガジンを詰め、セーフティを外し、トリガーを引く。 「ばん」 窓に向けられたマウザーが、がちゃりという虚しい音だけを撃ち出した。 右手の親指が、少し疼いた。 「……司令官」 不意に、ウィンが口を開いた。少しだけ、焦りの様なものが見える。 「加奈美に電話がかかってきました」 「相手は」 「小さくて良く分かりませんが……男性かと」 その単語に、身体が一瞬強張る。 馬鹿幼馴染にしても、今はバイト中でそんな余裕は無い。 「……あ」 とか何とか考える前に、間の抜けた声でウィンが言った。 「どうしたの」 「えーと……その……」 少しおどおどし、気まずそうにするウィン。 そして、意を決したようにこう言った。 「加奈美の……お爺様からでした」 私は近くにあったBB弾を手早くマガジンに装弾し、銃口をウィンに向けた。 「し、司令官!?」 「何事ッスか!?」 「誤情報は銃殺」 私の部屋に、乾いた発射音が木霊した。 トップへ 進む -
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レイドボスバトル 概要 マップ 難易度設定 攻略初級編近接攻撃の立ち回り 遠距離武器の立ち回り 上級編近接攻撃の立ち回り 遠距離武器の立ち回り WAVE1 WAVE2 WAVE3 バグ・ボス情報小型バグ初級 上級 中型バグ初級 上級 大型バグ(レイドボス)初級 上級 報酬 アップデート履歴 コメント レイドボスバトル 2021.08.18~09.06 9 59(14日)の期間限定イベント。 全国のプレイヤーとオンラインで協力バトルできる。 ロケテストやカードゲーマーでは、一人プレイだけどボスを倒してスタンプを集めるオフラインレイドモードの存在が確認されたが、今回は実装されず。後のレイドボスバトル(常設)にて実装された。 オンラインレイドのマッチングは1分。見つからなかった場合は、その人数分COMが充当される。 最初の30秒は店内でマッチングを開始し、30秒間一人も見つからなかった場合、全国にマッチング範囲を切り替える。ただ必ず店内同士マッチングできるわけではないとのこと。 店内で一人でもマッチングした場合、全国にマッチング範囲は広がらない。 要はエンジョイジェムバトルと同じマッチング仕様。 概要 「ほぼすべてのインフラを支える神姫netに謎の障害が発生! その原因は武装神姫Rの世界から送られてきた謎の電子生物バグが確認された。 生活インフラからゲームセンターまでマスター達の生活を守れ! 最大4人のマスターと協力して、「バグ」と呼ばれる敵と戦う。 60秒+120秒にわたって襲来する集団を撃退した後、続いて240秒の時間内にボスを討伐する事が出来れば勝利となる(つまりゲーム時間は420秒)。 WAVE1は小バグ×8体、WAVE2は中バグ×8体、WAVE3は中バグ×4体+大型バグ(レイドボス)×1体。 青いバグは近接武器、赤いバグは遠距離武器が有効。 いずれも倒されるとリスポーンするが、通常のジェムバトルで神姫を倒した場合と同様、 倒された後も当たり判定が数秒ほど残っている。 小型バグ中型バグのサーチ範囲は片手ライトガンの射程(0.20)と同じくらいの模様。 ターゲット変更ボタンは通常のジェムバトルと働きが違い、 基本的にレバー上側が最も近い相手、下側が最も遠い相手からそれぞれロックオンしていく。 ボスには5箇所の部位があり、うち4箇所は破壊すると一定時間ダウン(行動不能)する。 部位によって有効な武器種が異なる事に注意。 攻撃範囲が広い武器で攻撃すれば、一度に複数の部位にHITする。 仲間の神姫と同じ敵をロックオンすると、攻撃にダメージボーナスが追加される。 (2人で+20%、3人で+40%、4人で+60%) 回復・補助武器で仲間に攻撃を当てると、仲間のLPを回復させる事が出来る。現状では… 「オルフェウス」(イーアネイラ) 「マルレーン712[C]」(シュメッターリング) 「ホーリーエコー」(ハーモニーグレイス) の追加武器3種となっている。 (ブライトフェザーのバスターシュリンジやスタンショッカーも適合しそうなものなのだが……) バグ、ボス共に「防御力ダウン」等のデバフ系スキルの効果を受けるが、効果がどれくれいかは不明。 「状態異常スタン」等一部のスキルは効果を受けない。 なお、このバグは「武装神姫R」の世界から流入してきたものである事が判明している(エーデルワイスの項も参照)。 集団の姿はプチマスィーンに、ボスの姿は「グラディウス」シリーズのダッカーに類似する。 ビジュアルイメージに対し体躯がかなり大きいのは、おそらく誤射防止のためか。 NPCとして「謎のエーデルワイス型」が登場。参加プレイヤーが一人か三人の時に戦場に姿を現す。 ステータスはLV60かLV100の模様。AIは他のジェムバトルと同じ。 なお、武装神姫Rの設定もあり、エーデルワイス用武装の防御力に少量のバフが掛かっている。 ジェム回収ボタンの仕様が変更されており、レイドバトルでは撃破された仲間にジェム回収範囲を当てることで、再出撃までの交代時間を短縮することがでる。 (レイドバトルはジェムバトルより再出撃までの時間が倍近く長くなっている) レイドバトル中は仲間をロックオンできず、画面タッチでのみロックオンすることができる。 また、ロックオンせずともジェム回収範囲が当たればOK。 ジェム回収展開速度は他のジェムバトルと同じ仕様。 チャットボタンのタッチによって他マスターへメッセージを送る事が可能。 メッセージ内容は「よろしんき」「ありがとう」「たすけて」「グッジョブ」「武装神姫」の5種類固定で設定されている。 マップ 神殿に近いが、神殿よりもオブジェクトが減ってほぼ更地と化している。そしてMAP全体が闇に包まれており… 近接バグは上に攻撃できないため、MAP四つ角にある背の高い柱に乗れば近接バグからの攻撃が届かずに済む。 難易度設定 「初級」と「上級」の二種類がある。 ※所属リーグに関係なく、他のバトルモード(マッチング)と共有しない。 「初級」はエンジョイジェムバトルと同じく、武装LVが20に強制統一される。 「上級」には武装LVの強制統一などはない。敵のLVは所属リーグに影響されない。LV100相応。 攻略 同時ロックオン補正があるが、それ以上に武器補正ダメージボーナスの方が大きいです! 例) 誰もロックオンしていない近接バグに遠距離攻撃>4人全員がロックオンした近接バグ(+60%)に近接攻撃 初級編 近接攻撃の立ち回り 元々ハイリスクローリターンなカテゴリーだが、バグ相手ではさらに分が悪くなってしまう。 小型中型の近接バグのDPSがかなり高く、こちらからの武器補正もないのでまずダメージレース負けする。 殴りあうと損害がとんでもなく大きくなるので、基本的に相手にしないのが良いのだが、逃げ切るのは不可能。 報酬は諦めて柱に乗ってひたすらやり過ごすのも手だが、WAVE3では通用しない。 正直レイドボスよりも中型近接バグをどう対処できるかがクリアに繋がっていると言っても過言ではない。 もちろんレイドボスも厄介。どの攻撃も強烈で、長時間殴れることはほぼない。 ウェポンやボディに攻撃が届かない ダメージボーナスがないので、攻撃する箇所はほぼ脚のみとなる。(回し蹴りと後ろ蹴りの軸足になっている左脚が狙いやすい) 遠距離武器の立ち回り このバトルでの大切なダメージ源。遠距離から攻撃できるというだけでどれだけ楽に立ち回れるかが分かるだろう。 とりあえずヴァッサーマン・D-MPやFB256 1.2mm滑腔砲等の射程が長い武器で観察と攻撃を繰り返してレイドバトルの経験を積もう。 ただ射程が長い=DPSが低いなので、ある程度慣れてきたらDPSに優れた片手ライトガンを装備しよう。中でもポーレンホ-ミングがオススメ。典型的なPLには当たり難いがCOMには当たり易いという性質が理由。装弾数を3にすればかなりのDPSになる。 10/7から再開された際にはバグステータスに調整が入り多段hit系の射撃武器は装備構成次第でかなり与ダメージが減少するよう調整されたので考えもなしにポーレンホーミングを使うと泣きを見る羽目になる。近接バグも割りと固まって襲って来やすくなったので爆風付きの腰持ちヘビーガンには追い風となっている。 上級編 近接攻撃の立ち回り 基本は初級と同じだが、よりダメージレース負けしやすい。 初級では他の近接武器カテゴリーでクリアできるが、上級ではほぼ双頭刃斬撃武器一択。 遠距離武器の立ち回り 必要なダメージ量が増えたので生半可な武器ではタイムアップする。 やはり装弾数を3にしたポーレンホ-ミングがオススメとなる。耐近接攻撃があってリロードが高速化するフォートブラッグもオススメ。 しかもお互いにシナジーがあるので、とりあえず困ったらフォートブラッグに装弾数を3にしたポーレンホ-ミングで良い。というかそれ以外だとかなり難易度が上がる。 WAVE1 60秒と短い上に敵が最大6体しかMAPに存在できないので、最大報酬まで獲得するのは結構難しい。撃破したらすぐ別のバグを狙おう。 遠距離バグの攻撃ダメージはしょぼいので無視して良い。 60秒経てば次のWAVEに進む MAP下側に遠距離武器持ちバグが出現しないので、最悪MAP下側の柱の上に乗ってるだけでも良かったり。 約15秒経過すると40秒間MAP左上にスキルポッドが出現する。 WAVE2 120秒間ひたすら近接バグを凌ぐ。 理論上四人でMAP中央に居続ければどのバグも起動させずに済ませられるが、COMが一人でも入るとアウト。 自信がなければやはり柱の上に乗るのが一番。すぐ隣の遠距離バグから常に攻撃されるので、ガードで対処しよう。オススメはMAP左上。 約20秒経過すると40秒間MAP左上にLPポッドが出現する。 約75秒経過すると40秒間MAP左上にスキルポッドが出現する。 WAVE3 240秒の間にレイドボスを撃破すればクリア。 約60秒経過すると40秒間MAP左上にLPポッドが出現する。 約120秒経過すると40秒間MAP左上にスキルポッドが出現する。 バグ・ボス情報 小型バグ WAVE1のみに出現。 WAVE1開始時の近接バグは、開始一秒時点で自身から一番遠かった神姫のみ狙うAIになっている? 増援の近接バグは、サーチ範囲に一番最初に入った神姫のみ狙うAIになっている。 遠距離バグは、サーチ範囲に入った神姫(複数いる場合は一番近い神姫)を狙うAIになっている。 最初に出てくるバグなだけあって火力も耐久も控えめかと思いきや、近接バグが結構油断ならない。 攻撃頻度がこちらの近接攻撃なみに速く、見た目以上のいんちきくさい攻撃範囲を持っている。しかもダメージもそこそこある。 一度取り付かれて攻撃モーションに入られたらダメージは避けられないと思って良い。 初級 ス 体 500? ? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 近接攻撃 ? 0.1? 遠距離攻撃 ? 0.25? 80? 上級 ス 体 500? 5000? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 近接攻撃 300? 0.1? 遠距離攻撃 100? 0.25? 80? 中型バグ WAVE2とWAVE3に出現。 WAVE2WAVE3開始時の近接バグは、バトル開始時点で自身に一番近かった神姫のみ狙うAIになっている。 WAVE2増援の近接バグは、サーチ範囲に一番最初に入った神姫のみ狙うAIになっている。 WAVE3増援の近接バグは、バトル開始時点で自身に一番近かった神姫のみ狙うAIになっている。 遠距離バグはどちらのWAVEも、サーチ範囲に入った神姫(複数いる場合は一番近い神姫)を狙うAIになっている。 小型バグの倍近い耐久と火力。 一回のダメージがそれなりにあり、複数出てくるのもあってダメージが積み重なりやすい。 背丈が神姫とほぼ同じだが、横幅が神姫三人分・空中に浮いているとあって、かなり大きく見える。 複数の攻撃タイプがいるが、中でも近接バグが厄介。 0.3秒~0.5秒とリキャストが速く、見た目通りの判定もあって近寄られると危険。ただし遠近バグ共に地上リアの挙動と同じ為、ホバリングを続けれる限りは近接バグの攻撃は届かない為安全である。 特にWAVE3はMAP真ん中に出現・増援するため、起動させないよう立ち回るのは不可能に近い。 上級をクリアするにはこの近接バグをどれだけ上手く対処できるかにかかっている。 初級 ス 体 500? ? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 近接攻撃 ? 0.07? 零神のMVソードに類似。WAVE3にも出現 レーザー ? 0.25? 80? 貫通属性。WAVE2ではMAP左下と右下を担当。WAVE3にも出現 ヘビーガン ? 0.25? 60? WAVE2ではMAP右上を担当。誘導が良い ガトリング ? 0.25? 60? WAVE2ではMAP左上を担当 上級 ス 体 500? 7500? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 近接攻撃 500? 0.07? 零神のMVソードに類似。WAVE3にも出現 レーザー 500? 0.25? 80? 貫通属性。WAVE2ではMAP左下と右下を担当。WAVE3にも出現 ヘビーガン 400? 0.25? 60? WAVE2ではMAP右上を担当。誘導が良い ガトリング 100? 0.25? 60? WAVE2ではMAP左上を担当 大型バグ(レイドボス) 3WAVEに出現。 とにかくでかく、その巨体に見合った耐久と火力を誇る。 いずれの攻撃もダメージが大きく、近接攻撃の大半が予備動作がないのでガードは不可能。 しかも位置取りによっては一部の近接攻撃がボディに届かないので、基本的には遠距離武器の射程ギリギリから攻撃するのが安定になる。 「右脚」「左脚」「ボディ」「ウェポン」「頭」の五つから構成されている。「ボディ」以外は破壊可能。 破壊した部位に攻撃を当てると、通常よりもダメージボーナスが入る。 初級 部位 体 備考 右脚 30000? 近接武器でダメージボーナス有り 左脚 30000? 近接武器でダメージボーナス有り ボディ ? ウェポン 30000? 頭 30000? 遠距離武器でダメージボーナス有り 総合体力 120000~200000? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 後ろ足で蹴る ? ? 右足で後ろに蹴りを二回。 回し蹴り ? ? 少しため動作をした後、左足を軸に右足で時計回りに一回転回し蹴り。 突進 ? 0.5? ? まっすぐ突っ込む。二回連続で突進する場合も。 レーザー ? 0.25? 80? 頭をかがめる動作をした後、ボディとウェポンの接続部からレーザーを4連射。銃口補正があまりないので、少し離れれば直角に歩いて避けれる。貫通属性 主砲 ? 無限 60? ウェポンから誘導する弾を一発。誘導性能がとても高く、股下にいても飛んでくる。 上級 部位 体 備考 右脚 150000? 近接武器でダメージボーナス有り 左脚 150000? 近接武器でダメージボーナス有り ボディ ? ウェポン 150000? 頭 150000? 遠距離武器でダメージボーナス有り 総合体力 600000~750000? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 後ろ足で蹴る 1000? ? 右足で後ろに蹴りを二回。 回し蹴り 1200? ? 少しため動作をした後、左足を軸に右足で時計回りに一回転回し蹴り。 突進 1000? 0.5? ? まっすぐ突っ込む。二回連続で突進する場合も。 レーザー 1300? 0.25? 80? 頭をかがめる動作をした後、ボディとウェポンの接続部からレーザーを4連射。 主砲 1500? 無限 60? ウェポンから誘導する弾を一発。誘導性能がとても高く、股下にいても飛んでくる。 報酬 バトル参加報酬として初級は【Rネジ】×10個、上級は【Rネジ】×20個獲得できる。 WAVE1の小バグ、WAVE2の中バグを撃破する事で、一定の確率でご褒美(コンテナ)が貰える。 WAVE3は中バグの撃破数は関係なく、レイドボスの部位を破壊するごとに(最大4つ)、レイドボスを早く討伐するほど(残り150秒を切ると10秒毎に-1つ?)多くのご褒美が貰える。 レイドボスを倒せなくとも、WAVE1WAVE2に獲得した報酬と、レイドボスの部位破壊をした数の報酬は貰える。 この時点で噂されていたバトコンオリジナル神姫「闇神姫」については、レイドボスバトル(常設)にて実装された。 アップデート履歴 日時:2021.08.18 内容:期間限定イベントとして追加実装。 今回はオンライン初級・上級のみで、オフラインの実装は見送られている。 日時:2021.07.16~18 内容:公式ロケテスト。なおこれに伴い、飛鳥の先行参戦が発表されている。飛鳥とレイドボスの関係はまったくないとの事。 コメント ソロならN SR SRかな。NPCの一人編成にスキルのカーテンコールは有効なのか? -- 名無しさん (2021-08-19 04 30 09) 有効みたいですよー。控えがシュメッターリング2人ならURでも最出撃までの時間が4秒になるので、かなり有効ですよ。 -- 名無しさん (2021-08-19 07 19 59) 期間限定のイベントであってもこれ常時実装させるなら一部の武装とスキル見なおさないと其一択になるような…と言うか協力プレーだから成果は全体で共有であっても一人が大暴れする流れはもうそれオンラインでやる必要性がないようなと思える -- 名無しさん (2021-08-31 23 20 32) 名前 コメント
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デザイナー 声優 神姫解説 性格セリフ一覧 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 覚えるパッシブスキル一覧 神姫固有武器補正 神姫考察 総評・運用 神姫攻略法 お迎え方 アップデート履歴 コメント デザイナー nuno(コナミ社内デザイナー) 声優 福井裕佳梨(トップをねらえ!2:ノノ、天元突破グレンラガン:ニア・テッペリン、ルーンファクトリー3:シア 他) 神姫解説 神姫バトルの黎明期に開発された、忍者をモチーフとした神姫。武装は忍び装束をベースにした柔らかなシルエットを描き出すデザインで統一され、和のイメージを色濃く描き出している。バトルスタイルも至近距離で会心の一撃を決めていく隠密タイプの戦法を得意としている。AIは寡黙かつ従順な性格付けで、主君に忠誠を誓う忍者のごとくマスターに付き従う傾向が強い。 名称:忍者型MMSフブキ(MMS Type Ninja FUBUKI) メーカー 素体:Group K2 武装:Group K2 型番:GK06N2 フィギュア発売:2008年12月26日 主な武装:忍者鎌"散梅"(文字通りの鎌だが、バトマスの分類上は小剣になっている。バトコンでは片手斬撃) 忍者刀"風花"(読みは「かざはな」。バトコンでは片手斬撃) 飛苦無"蓮華草"(読みは「れんげそう」。飛苦無(とびくない)とは、投げナイフのことと考えれば良い。なぜわざわざ「飛」とつけているのかといえば、苦無は手裏剣ではないため本来は投げないからである)。だがバトコンでは初の投擲武器として実装された。) 大手裏剣"白詰草"(読みは「しろつめくさ」。クローバーのこと。バトコンでは投擲武器。) 別名「フブキさん」「忍者子」「忍子」「フブッホ」。 元々は「バトルロンド」の初回ログイン特典キャラクターだったが、ファンからの要望により「注文数4000で商品化が決定される」というイベントが開催され、結果コナミスタイル専売にて商品化されたという経緯を持つ。 ちなみに後年のバトマスにおいても「ゲームでの登場が先でフィギュア発売が後になる神姫」はいたが、ゲーム登場時点でフィギュア発売の予定が全く存在しなかったのは本機くらいである…。 その関係からか、登場自体は神姫NETのサービスであるジオラマスタジオと同時(初登場が2006年の神姫NETジャーナルで、マオチャオ達第2弾の発売よりも前)と言えるほど古いにもかかわらず、フィギュアとして発売されたのはその2年以上後(2008年12月)という長い間があった。 それだけにリアル世界でも根強いファンが多く、中にはガレージキットの専用武装や、果てはチタン製素体ボディまで創ってしまった剛の者すらいるという。 ちなみに愛称のうち「フブッホ」とは、漫画「武装神姫2036」でフブキ初登場時の自己紹介時に転んで雪に顔を突っ込んでしまい、その時の悲鳴?をマオチャオハウリンやら周りにネタにされたのが由来。 無印版の早期予約特典として「忍襟布”陽炎”」が付属。 無印版の腰帯は腰の固定がややきつく破損報告が相次いだため、その後の再生産版「黒き翼Ver.(2009年12月18日)」では、一部塗装などの仕様変更と共に修正されている。 黒き翼Ver.とほぼ同時に発売されたリペイントモデル・ミズキの他、FRONT LINE社の協力で後継機として開発されたフブキ弐型およびリペイントモデルのミズキ弐型が存在する。共にコナミ内製の武装神姫最後の新作であったが、何故かnuno氏ではなく島田フミカネ氏によるデザインとなっており、発表当時は少なからず物議を醸した。 余談ながらこのフブキ/ミズキ弐型の発売(2012年2月23日)から約1ヶ月後、アーンヴァルMk.2テンペスタ/ストラーフMk.2ラヴィーナの両フルアームズパッケージの発売(同年3月15日)をもって、コナミ内製の武装神姫フィギュアはひとまず展開終了となった。 立体としての武装神姫の“復活”は7年後、模型メーカー・コトブキヤによるエーデルワイスの登場を待たなくてはならない。 展開初期以来の人気神姫だけに、公式媒体にもかなりの確率で出演(カメオ及び装備だけの登場も含む。完全に出ていないのはノベライズ版「神宮司シリーズ」くらいか)。 アニメ版においても、セミレギュラー「フキ」として声つきで出演している。 ちなみに後継機のはずの弐型たちはといえば、その登場時期があまりにも遅過ぎた(当時既にバトルロンドはサービス終了している)せいで、ほとんど出番がない様子。バトコンでの救済が期待されるところである。 性格 命令に対しては常に従順、かつ寡黙で必要以上のことをしゃべろうとしない。 最初は他人行儀な物言いだが、Loveが上がるにつれて感情を表に出すようになっていく マオチャオ型を前に「可愛いにゃー…」と口走ってしまったり、台詞を途中で噛んでしまったり、バトル中に「ニンニン…」と呟くなどの一面も。 セリフ一覧 + 白神流忍術の名にかけて! ログイン時 通常(朝) おはようございます。朝からお顔を拝見出来て幸せです。では、何をしましょうか? おはようございます。朝早くから私と過ごしていただいて、嬉しく思います。今日も1日、頑張ります。 通常(昼) こんにちは。ご用がありましたら、何でも言って下さい。では、よろしくお願いします。 こんにちは。…あ、あの、その、…いえ、何でもありません。気にしないで下さい。 通常(夕) こんにちは。お腹は空いてませんか?おやつを出せる忍法を習得中ですので、もう少々お待ち下さい。 こんにちは。そろそろ日が暮れそうですね。明るいうちに出来る修行で、更なる鍛錬に励みましょう。 通常(夜) こんばんは。日も暮れて参りましたが、バトルの火は消えません。張り切って参ります! こんばんは。私は忍者ですので、暗闇での任務はお任せ下さい。では、命令をどうぞ。 通常(深夜) こんばんは。夜遅くまで鍛錬なさるとは、頭が下がります。私も、戦績に泥を塗らぬよう努めて参りますので。 こんばんは。夜遅くまで修行とは、流石です。私も、白神流忍術でバトルを盛り上げて参りますからね。 年始 あけましておめでとうございます。(プレイヤー名)の抱負が達成されるよう私も陰ながら応援させていただきますので…! (ボイス) あけましておめでとうございます。こうしてまた、一緒に新年を迎えられて、嬉しいです。未熟者ではありますが、本年も、宜しくお願いします。 バレンタイン あの…こちら…よろしければお受け取り下さい。大好きな方に、チョコなるものをお渡しすれば、願いがかなうと聞きましたので。 ホワイトデー このプレゼントは…あ、先日のバレンタインの、お返しなのですね。私なんかにいただけるなんて、思ってなかったので、とっても幸せです! エイプリルフール ゴールデンウィーク 夏季 暑くなって来ましたね。しかし、『心頭を滅却すれば火もまた涼し』といいます。私もお供しますので、一緒に耐え忍びましょう。 水着キャンペ ただいま期間限定イベント開催中です。特別に水着を着て戦うようですが…は、恥ずかしいので、私はドロンします! 七夕 ハロウィン お気をつけ下さい、何だか街中物の怪で溢れかえっております。え、ハロウィン?そいつが悪の親玉なのですね 冬季 寒くなって来ましたね。しかし、私達忍者は、堅忍不抜の精神で、厳しい冬も修行をおこなっているのです。良ければ、ご一緒にどうですか? クリスマス クリスマスには毎年子供たちのためにプレゼントを配るサンタという赤い忍者がいるそうです。なんでも一度も配る姿を見られたことがないとか…。その極意、私にも教えてほしいものです…! (ボイス) め、メリー…クリスマス!この言葉を、大切な方にお伝えすれば、特別な一日を、一緒に過ごす事が出来る。とか…私と、二人っきりで過ごしていただけないでしょうか。 神姫の発売日 オーナーの誕生日 お誕生日おめでとうございます。わたしなんかが言うのもおこがましいですが…良い1年になることを、お祈りしております。 神姫ハウス 命名時 呼び方変更 (→決定後) レベルアップ後 MVP獲得 3連勝後 親密度Lv5後 親密度Lv10後 親密度Lv20後 親密度Lv30後 親密度Lv40後 親密度Lv50後 親密度Lv60後 親密度Lv70後 親密度Lv80後 親密度Lv90後 親密度Lv100後 頭タッチ(親密度0~19) (親密度20~39) (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 胸タッチ(親密度0~19) (親密度20~39) (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 尻タッチ(親密度0~19) (親密度20~39) (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 通常会話 武装カスタム 戦闘力Up時 戦闘力Down時 武器LvUP時 素体カスタム 親密度LvUp時 限界突破時 出撃時 入れ替え バトル開始時 貴方達に恨みはありません。私はただ、任務を遂行するのみ → バトル中 撃破時 コンテナ入手時 被弾時 オーバーヒート時 スキル発動時 (能力強化系) (HP回復系) (デバフ系) (攻撃スキル) チャーミークリアボイス まいります。白神流 忍術 魅惑の 舞です ニン ニン! 被撃破時 次出撃時 サイドモニター 応援時 交代時 被撃破時 バトル終了時 1位 → 2位 → 3位 → 4位 → コンテナ獲得時 1位 2位以下 LvUP時 神姫親密度 マスターレベル 神姫ショップお迎え時 はじめまして。私なんかでがっかりしていないでしょうか。ご期待に沿えるよう、頑張ります。 はじめまして。これから、命を懸けてお仕えさせていただきます。今後とも、よろしくお願いします。 ゲームオーバー時 バトル、お疲れ様でした。次の任務もまた、私にご命令をいただけると嬉しいです。それでは、次の出陣命令、お待ちしています。 その他 カラフルコンダクト 超忍法 白神流の名にかけて 完璧に 仕事を果たしますよ 密やかに 思いを抱いてます + リセット開始 神姫の想い、大切に。 + 選択した神姫をリセットします。よろしいですか? リセット開始 え…リセットですか?すみません、私の聞き間違いだと良いのですが…もう一度仰って頂けますか? はい を押す っ!そうですか。無礼を承知で言わせて下さい。考え直しては頂けませんか?修行してもっと強くなりますから。離れたくないんです!あたし… はい を押す(二回目) そうですか…そこまで意志が固いのであれば、仕方ありません。未熟なあたしが全て悪いのですから…今までお世話になりましたっ!ではお達者で…! リセット完了 はじめまして。これから、命を懸けてお仕えさせていただきます。今後とも、よろしくお願いします。 リセット取消 止めて頂けるのですか?御慈悲を頂き、有り難うございます。失望されないように今後も精進していきます! 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 マスター・お屋形様・お兄様 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 親密度Lv1 ATK DEF SPD LP BST N 30 35 100 350 150 R 35 40 110 400 200 SR 40 45 120 450 250 UR 45 50 130 500 300 親密度Lv100 ATK DEF SPD LP BST N - - - - - R - - - - - SR - - - - - UR - - - - - マスクステータス 1/s ジェム回収展開速度 ブースト回復量 ダッシュ速度 ダッシュ時ブースト消費量 ジャンプ時ブースト消費量 対空時ブースト消費量 防御時ブースト消費量 N 1640 160 1230 95 60 20 120 R 1320 115 80 40 130 SR 1410 135 100 60 150 UR 1500 155 120 80 170 覚えるパッシブスキル一覧 忍びの技術【フブキ専用】ダッシュスピードと弾速アップ 早熟型のパターンで覚えるパッシブスキル よろけ軽減[小]よろけの行動不能時間が短くなる 攻撃力アップ[小]攻撃力を上げる ブーストアップ[小]ブースト時の移動スピードアップ 防御力アップ[小]防御力を上げる スピードアップ[小]移動する際のスピードを上げる 攻撃スピードアップ[小] *要限界突破(L110)攻撃時のスピードが上がる ため時間減少[中] *要限界突破(L120)ため時間を減少する 通常型のパターンで覚えるパッシブスキル 攻撃スピードアップ[小]攻撃時のスピードが上がる 遠距離攻撃追加ダメージ[小]遠距離武器の攻撃にダメージを追加 ブーストアップ[小]ブースト時の移動スピードアップ よろけ軽減[小]よろけの行動不能時間が短くなる 体力最大値アップ[小]体力の最大値を上げる 防御力アップ[小] *要限界突破(L110)防御力を上げる 攻撃力アップ[中] *要限界突破(L120)攻撃力を上げる 晩成型のパターンで覚えるパッシブスキル 攻撃力アップ[小]攻撃力を上げる 攻撃スピードアップ[小]攻撃時のスピードが上がる 射程増加[小]攻撃距離が伸びる ブーストアップ[小]ブースト時の移動スピードアップ ため威力増加[中]タメ攻撃の威力を上げる ため時間減少[小] *要限界突破(L110)ため時間を減少する ダッシュブースト消費量減少[中] *要限界突破(L120)ダッシュする際のブースト消費を減少する 神姫固有武器補正 ※レアリティが上がる毎に得意武器は-5%、苦手武器は+5%される。数字はレア度Nのもの。 得意武器 +30% 片手斬撃武器・投擲 苦手武器 -30% 双斬撃武器・両手斬撃武器・格闘打撃武器・双頭刃斬撃武器・片手ライトガン・腰持ちヘビーガン・肩持ちヘビーガン -70% 下持ちヘビーガン 神姫考察 攻撃力 神姫自体のATK値は低く、パッシブスキルの補助込みでもかなり低い。得意武器の片手斬撃武器でATK値を増やせるが、当てにくいのが難点。唯一の遠距離武器である投擲は当てやすいがATK値と射程が難点。総じて攻撃面は低め。 防御力 神姫自体のDFE値は低く、パッシブスキルの補助込みでもかなり低い。当たらない立ち回りを。 機動力 神姫自体のダッシュスピードがかなり速く、ラプティアスと同速で全神姫中最速。しかも実質常時発動の専用スキルでさらにダッシュスピードが約10%上がるため、全域フル稼働のラプティアスに次ぐ速さとなる。 各種ブースト消費が大きめだが、この速さを考えたらお釣りが出るレベル。 総評・運用 速い。以上。 本当にそれしかなく、火力はないわ脆いわでフブキらしいと言えばそうだが…。 専用スキルはダッシュスピード約15%アップ、弾速約20%?アップ。 一撃離脱もがん逃げも圧倒的スピードで難なくこなせるが、一回のミス(被弾)が致命傷になりやすい。 忍者らしく基本は隠密重視で立ち回り、ここぞという場面(LPが少ない神姫に止めを刺す等)で強襲。すぐさま離脱の一撃離脱を常に心がけたい。ちょっとでも欲張るとカウンターで痛い目に遭うので、仕掛けるのに失敗しても直ぐに離脱しよう。 機動力があるので一人に追われても難なく凌げるが、流石に複数人に追われると逃げ場所が無くなってあっけなく撃破されてしまいやすい。 順位や立ち回りには細心の注意を。 慣れないと思ったら機動力は落ちるが近接武器メインならアルト姉妹を、遠距離武器メインならアークも検討しよう。 神姫攻略法 機動力だけは本当に高い。逃げに徹せられるとタイマンで追える神姫は一握りに限られているので、全員で狙う状況を作らないといけない。 逆に攻め続けないといけない状況には弱いので、相打ち覚悟で両手斬撃や双頭刃などのよりダメージが高い武器を当てられればたいていはこちらのが有利になる。純粋な殴り合いにも弱いのは向こうも承知かつ避けたいので、攻めて来る頻度が落ちるのも利点。 お迎え方 2021/10/8~から神姫ショップに登場 アップデート履歴 2021/11/15 10 00~ 黒き翼Ver.の武装(「極意之巻物」「面隠し"闇狐" + 極意之巻物」「忍装束"紫苑" + 忍襟布"陽炎"」「忍者摺"紫蘭" + 黒き翼」「忍者摺"紫蘭" + コンしっぽ + 黒き翼」)追加 コメント コメント失礼します フブキさんお迎えまで...毎回五連回して35連目にして初Rでお迎え その後追加80連目にしてようやくURでお迎え出来ました -- AKA (2021-10-16 23 10 50) カラフルコンダクト 訂正依頼 一番上のは 超忍法 白神流の名にかけて -- 名無しさん (2022-02-04 19 51 11) 燃焼ポットで飛行逃げ撃ちすると強い -- 名無しさん (2023-05-07 19 29 34) 名前 コメント
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第十幕、上幕。 ・・・。 銀色のケースがある。 丁重に扱われるように、多重になっているケースがある。 小さなそのケースには、かつて『生きていた』神姫のパーツが一つ、大切に納められている。 小さなケースの中の、とてもとても小さなパーツ。 たった一体の神姫の、たった一つの身体のパーツに過ぎない。 だけど。それでも、ほんの少しとはいえ、確かに大切な時を歩んだカラダには。 人さえ信じる者が少ない大切な物・・・心。それがあると。 そう、信じていた神姫がいた。 心に伝えようとした、声。 心と歩もうとした、脚。 心を包もうとした、手。 心さえ見つめようとした、瞳。 それらと共に・・・未来へと馳せられた想い・・・そのものが。そのケースには納められていた。 だが。それが、もしも。 無駄になるとすれば・・・。 その未来は、優しいだろうか。 12月も下旬。22日の夕方。千葉県峡国神姫研究所、所長室。 「はい・・・それでは。前向きに検討させて頂きます。はい、よろしくお願い致します。こちらこそ」 初老の女性、小幡紗枝は、そう括って電話を切り、デスクに置いた。 そのままやれやれと大きく溜息を付いて随分と、それこそ一年分の疲れが来ている首を回す。 老け込む歳では無いと本人は思っているのだが。このような仕事故の職業病か・・・随分と最近肩が凝る。忙しい事は決して悪い事ではないものの・・・。 認めたくは無いが、この歳では流石に身体に溜まるようだ。 (・・・ふふっ。強がりですね) 外は風が強くなってきたのか、窓越しでも風音がはっきりと聞こえるようになってきた。ふと立ち上がり、窓際に歩み寄りカーテンを指先で開けると、風に誘われたのか暗い雲が空を少しずつ覆い隠していく様が見えた。 クリスマスも近いというのに嵐でも来るのだろうか? まぁ、それで神が不貞腐れるとすれば、キリスト教徒には辛いのだろう。そんな下らない事を考えていると。 「所長、失礼します」 数度のノックの後、オートドアが開き、眼鏡をかけた見たところ20代後半ほどの男性が書類らしいファイルを片手に顔を覗かせた。 「あら、大河内君」 小幡がそう呼んだ男性の背の後でドアが静かに閉まると、カーテン越しに外を覗いていたらしい所長に肩をすくませる。 その男性、この研究所の所員である大河内芳和は、随分と古い印象を持つ黒縁眼鏡のズレを直しながら続けた。 「はい、今年分の・・・最後になりますか。一通りのデータ書類と、丁度・・・その、用件です」 「丁度?」 首を傾げて聞き返すと、彼は笑って指で窓を指した。 「雪が混ざれば吹雪く事になるかもしれません。全員定時で帰しましょうか」 「あ。そうですね・・・」 納得しつつ、さっと軽くカーテンを閉め直すと。小幡は椅子に戻って深く座りなおした。 「そろそろ、今年も終わるのですね。皆、お疲れ様でしたと伝えなくては」 堅苦しそうな表情、仕草。口調・・・しかしながら。どうにも人間臭さが前に出てしまう。 そんな所長だからこそ、か。彼は軽く肩を竦めた。 「所長もお疲れ様でした。ところで・・・先の電話の用件は、以前の?」 「えぇ、一応は了承しましたよ。あちらも喜んでくれました」 その言葉に大河内は苦笑ともつかぬ笑みを浮かべて頷く。 この研究所のバトル筐体の一般解放の事。 峡国はもとより武装神姫プロジェクト発足後は、武装テストを中心に行ってきた。その為、その筐体のシステムクオリティは常に最高級に位置する事が求められている。 ・・・以前より、『そういう打診』があった事は事実だが・・・。 「大会等の限定的に貸し出す事にしようと思っているのですが、あとは。今までどおり修理など」 意見を求めるように首を傾げる小幡に、彼は頷いた。 「『神姫も、近くなりにけり』ですか。良いのではないでしょうか」 「名前を変える必要があるかも知れませんね。『神姫研究所』では堅すぎますし・・・」 そういって小幡は笑った。 武装神姫以前、特に文化系特化神姫。エレティレス、ミネルヴァ、クラリネットといったタイプの神姫が発売された時には。とても一般に神姫がここまで普及するとは思えなかった。 当時、技術の最新鋭の結集。そんな代物では、そのほとんどがオーダーハンドメイドだった。今も、解析されない部分さえある一種不思議な存在、神姫。 ・・・時の流れは早い。その歴史の波濤は全てを押し流す。 今では。随分と『人に近いところ』まで神姫がやってきている。この『武装神姫ブーム』はその現れとも言えるだろう。 「・・・」 バトルだけではない。 普及していく彼女達に触れ、多くの人間が。きっと多くの事を感じることになる。 それは決して正の事だけではあるまい・・・しかし。 小幡は節くれだった指を合わせて何らかを考え込むように目を閉じた。 「所長?」 「クリスマスまで、あと三日。ですね」 彼女が何を言いたいかを解し、大河内はふっと驚いたような表情を浮かべて、しかし。そのまま自身もただ、目を閉じた。 「はい。そうですね」 「今も聞こえますか?」 何が。とは聞き返さない。ただ、彼は目を開けると小さく笑う。 「そう。・・・私もです」 そう言って、小幡も笑って見せた。 ・・・。 12月の、25日。 それは。峡国研究所所員にとって。忘れることが出来ない『命日』。 大河内も、その光景を覚えている。 作られた身体。たった一つの身体を愛しげに、その小さな自分の手で抱きすくめ、最期まで優しい微笑を浮かべながら・・・美しい声で別れの言葉を紡ぐ美しい姿を。 感謝さえ述べて。彼女は、涙を流す彼らの前で。その動きを永遠に停止した。 『えぇ、そうですね。私は幸せでした』 聞こえる。・・・今も。 彼女の美しい声が。彼女の小気味良い足音が。 思えば、ヒトが心を失ったと言われた『灰色の2010年代』。全てから彩が消えた時代に生まれた彼は。 あの時。ようやく涙を知ったのではなかろうか。 『それでは皆さん。たくさんの心を・・・ありがとうございました』 最後に一筋だけ伝った涙。 今思えば、あの涙に。彼女は・・・どれほどの想いを込めたのだろう。 彼女が口にしたその『言葉』は。彼にしてみれば最後の後悔。 それはむしろ自分たちが・・・。彼女に送るべき言葉だったから。 「・・・。では、先に言った様に定時で帰らせます。所長もお早く」 「ありがとう」 と、そう答えたとき。電話が鳴った。 「あら・・・?」 ふと番号を見れば、それは同業者・・・研究所からのもの。しかし、その研究所のある場所は。 (?) ここから遥か遠方。 一応、といった感じで。とりあえず登録してあるだけの番号だ。ふと、小さく眉を顰めながらも、小幡はその受話器を取った。 「はい、峡国研究所所長、小幡です」 訝しげな表情を声に出すまいとする彼女に遠慮するように。 大河内は書類をファイルごと机にそっと置いた。小幡に手で合図され、一度礼をして踵を返す。 「・・・えっ。はい、確かにありますが・・・」 「?」 「えぇ、その通りです。クラリネットタイプですが。それに、そういう初期不良なら・・・」 その単語が出た事に、彼はぎくりとして肩越しに振り返った。 「はい。あぁ・・・CSCリンクが・・・はい、はい。なるほど。それならば確かにこちらの方が良いかもしれませんね。えぇ・・・え?」 小幡の声に、僅かながら興奮が混ざっている。 「なんという・・・そうですか」 その顔に驚愕が走った。 「同系の波長が! そこまで条件が揃うのは・・・奇跡的ですね」 「・・・!」 「解りました・・・その、『違う神姫ではイヤだ』というマスターの方の為にも・・・はい。必ず」 その堅苦しささえ含めて浮かべていた訝しげな表情が、柔和な笑みに変わっていく。 (まさか?) 大河内は身体を振り向けて尚もズレていた眼鏡を押し上げた。 小幡は手を軽く振ってその事を肯定するように頷く。 (・・・あの、最後の部位が?) よもや『合う』神姫が存在するとは思わなかった。 神の導きか。それとも・・・。 (それとも・・・あなたですか? ゼリスさん) 大河内も無精髭が伸びた顔で、笑みを浮かべて頷き返す。 だが。その時だった。 「・・・え?」 明らかに調子の違う声と共に、小幡の表情が、固まった。 「・・・。・・・ッ!?」 そのまま笑みが崩れ、愕然とした表情に変わっていく。 「それは・・・つまり。いえ、もしも」 受話器を持つ手は震え、唇がわななく。彼は彼女の異常に思わず眉を顰めた。 (?) それから十数分、いや。もっと長くあっただろうか。 (・・・) 小幡の口からは数度聞き慣れぬ・・・いや、人間としては決して聞き慣れたくない単語が零れ、それらはその度に大河内の浮かれた気分を氷点下に叩き落していく。 「申し訳ありません・・・。折り返し、電話致します・・・はい。いえ、お気遣い。ありがとうございます。それでは」 そのまま、震える指で電話を切ると、卓上に置き。・・・小幡は目を見開いたまま、一度息を吐いた。 「所長・・・」 大体の内容は掴みはした。だからこそ、彼は、即座に口を開いて聞かなくてはならなかった。 『どうするのか』と。 「・・・無駄になるかもしれない」 小さな声。 「いや、大切な物が、無駄になる・・・とすれば」 その大河内の問いを待つ事も無く。小幡は呟くように口を開いた。 「そんな未来を選択する事を。出来るのでしょうか?」 「・・・」 「生まれて、すぐに・・・」 消えゆく事になる・・・かもしれない。 そんな『心』を、私は生み出すことが出来るのだろうか? 最後の言葉は、既に声になっていなかった。 何も持たずに生まれる神姫。その命の中で、何よりも繋がりを求める彼女達。 何も持たずに心が生まれ出で。 しかし、その心は時を走ることさえ出来ず、何も想わずに消えるとすれば。 そんな事を。自分は、決断出来るのか? ゼリスの身体を、想いがこもった最後のパーツが。 『無駄』になると解っていても。 ぽつり、ぽつりと話す小幡から、先の電話の内容を掴み、大河内は腕を組んで唸った。想像以上に事態は急を要するらしい。 彼はしばしの間、考え込んでいたが。 突如、自分でもぎょっとする案が頭を走った。 (それは・・・だけど) それをしてどうなる? ・・・いや、どうなるかでは、あるまい。きっと。彼が意を決するまで僅か数秒。 「所長・・・『訊いて』みては、いかがでしょう?」 その言葉に、小幡は顔を上げた。 「訊く? 誰に?」 その目をじっと見返し、彼自身も苦しげに言葉を続ける。 「ゼリスさんを・・・識っている者がいます」 辛そうな絞り出すような声に、小幡は目を見開いた。 「まさか。彼女達に伝えよと? この事を?」 「私達と同じほどに。彼女達は強くゼリスさんと繋がりを持ちます」 「・・・それは」 「はい。これが何になるかは解りません。しかし、訊いてみるべきかと思います」 「・・・」 沈黙が返る。大河内はじっと彼女の声を待つだけだ。 「・・・。・・・私達では、解らない繋がりがある。ですか」 「所長は恐らくゼリスさんと最も強い繋がりを持っておられます。しかし、ヒトである私達とは違います、彼女たちもまた、神姫なのです。ある意味これは」 そこまで言ったところで、弱々しく、手でその先を制した。 「そう。ですね」 顔を上げて、一度大きく息を吐くと。 小幡は、電話に手を伸ばした。 ・・・。 「それで、それは。いつですの?」 ヴィネットはいつものクレイドルの上、キャッシャーに接続しているコンピュータ。そのウィンドゥにに映る小幡に尋ねた。その真紅の目は常より鋭く、常よりも美しいと思わせる声はしかし緊張を張り巡らせている。 『二日後・・・です』 その言葉に息を飲んだのは、ヴィネットではなく。隣に立つリカルドの方であった。 「二日とは・・・なんと」 「そうですか、時間は・・・無いのですね」 猛禽を思わせる視線のまま、じっと画面に映る小幡を見つめて。 「母の身体、他ならぬ母の身体です。無論、そのような事。決して諸手を上げて賛成とは言えません・・・それが『長女』たる。私の選ぶべき言葉でしょう」 『そう、ですか』 「しかし・・・それでも」 姿さえ知らぬ、妹となるかもしれぬ者に。 神姫として、最も苦痛ともいえる悲しみを一種『強いる』事が出来ようか? (だけど・・・) ヴィネットは声と、心とが揺れるのを感じていた。 「それでいても、私は・・・」 ・・・。 「少しでも、会えるなら。会えるなら起こしてあげて!」 フェスタは自宅の応接間に持ってこられた電話の前で叫んだ。 「その・・・。会う『時間』は、少しでもあるんですか?」 「・・・フェスタ、落ち着いて」 マコトに宥められるが、彼女はぽろぽろと涙を零しながら、美しい山吹色の光を湛える髪を揺らして首を振る。 『フェスタさん。もしも間に合ったとしても・・・』 小幡の声が電話から小さく零れる。 「間に合ったと、しても?」 最早答えられぬフェスタの代わりに、マコトが先を急かす。 『恐らく会話が出来たりする状態では無いという事です』 「・・・」 しゃくり上げながら、ぺたん、と。その応接間の木製の天板に、フェスタは腰を落とした。 「どうして・・・」 『フェスタさん、悪い結果もまた、あくまで可能性です』 「・・・うん。解ってます」 小幡の声に、力なく答える。 「解って、ます・・・。解って・・・るんです」 そう繰り返す。が、彼女には涙が止まらない理由は。解らなかった。 それが、きっと神姫にとって、何よりも辛いことだと解るから。 やがて。しばらくの後。そのまま、顔を上げずに。 「・・・私、なら・・・」 ・・・。 ルクスはスピーカーモードになっているアキの携帯電話の前で立ち竦んでいた。 その震える唇で言葉を紡ぐ。 「会話さえも・・・。一度の会話さえも。不可能である、という事ですか?」 『・・・』 「なら・・・」 ゆっくりと。絞り出すように、小さく呟く。 「せめて、会って・・・。その・・・『会える』のでしょうか?」 『解りません。恐らく迅速に行ったとしても。全身麻酔に入っている可能性はありますし・・・それに既に』 唇を噛み、言葉を失ったパートナーを、アキが心配そうに覗き込む。 「・・・ルクス」 「その、それは」 声は揺れていた。怒りか、悲しみか。それは自身も介する事は出来ない。 「どれくらいで成功するのでしょうか・・・いえ」 可能性など無意味であると知り、首を振る。 答えを小幡が知らない事も解っている。だが、それでもルクスは問い尋ねなくてはならなかった。 気休めにもならない、その言葉を。 「成功、するのでしょうか?」 だが。 解答は、返って来なかった。 ふっと、その銀色の瞳で天を仰ぐ。 「母様の身体・・・。これはあくまで個人的な意見。述べさせていただきます・・・お聞きください」 ・・・。 電話を切り、小幡は首を振った。 「この結果は、想定できませんでした」 「皆、同じ解答を返しましたね」 大河内は、険しい顔のまま、僅かながら意外そうな声で言った。 「きっと。・・・何かを、知っているのでしょう」 目を伏せたまま、小幡は首を振る。 「それは・・・人が解らない感情。人が信じれない何か・・・その何かを、信じているのかもしれません」 「所長・・・」 その声に一度だけ頷き、彼女は最後の姉妹の電話番号を押した。 ・・・。 ボタンは久方ぶりに帰ってきたコウの自宅。 その仕事でも使用しているノート端末をTV電話として使い、その前でじっと腕を組んで胡坐をかいて座っていた。 「・・・」 コウはどっかと横の椅子に座り、何も言わず、その様子を見ているだけだ。 先までコウが吸っていた煙草は既に燃え尽き、沈黙のみがその場を支配する。耳が痛くなるような、冷たく重い空気が流れていた。 「なぁ、小幡殿」 ややあって。ボタンがようやく切り出した。 『はい』 「それを・・・。その神姫が望むと思うか?」 思いもしない問いを返され、小幡は声を失った。 『・・・その、神姫が、ですか?』 ボタンはじっと画面の向こうにいる小幡を直視する。 『その神姫は、未だ生まれてもいません。誕生させる為に・・・』 その返答に満足げにボタンは頷いた。 「人間らしい考え方だ、ありがとう。だが・・・神姫はそもそも、CSCが植え込まれ、初めて声を上げたときに『生まれる』のだろうか」 そういって、彼女は自分の掌を見つめた。 「既にCSC以外の全てを持ち、それ以外を持たぬ。決して『生まれる』という事が、心が動き出すという意味でもない・・・アタシは、そうも想う。その神姫は既に生まれているが・・・心を見つけようとしているだけだ」 しばし、視線を宙に這わせ。うん、と一度頷く。 「目覚める・・・いや、あえて『芽生える』。といった方が良いかもしれないな。それは」 モニターの向こうで、小幡が僅かに目を見開いた。彼女は、それを伝えてはいないはず。 その神姫が・・・。そのMMSタイプが・・・。 「なれば。もう生まれている神姫が。芽生え、自分であると認識し。光を知り、目を開け・・・そして。主の想いを受けることも無く。再び目を閉じるとして・・・それを望むだろうか?」 答えれぬままの小幡に一つ息をつき。淡々とボタンは続けた。 「アタシ達は何も持たずに生まれる。自分が自分であるという事は、この世界で心に触れ、心を抱き、風に吹かれる事で知るのだ。それさえ出来ず、それを許されぬ事を。その神姫は望むだろうか?」 『・・・』 無言を返すしかない小幡。そんなことは。 しばし顔を伏せ。やがて、ボタンはその大きな目をじっと彼女の映るディスプレイに向けた。 「アタシなら・・・望むかもしれない」 『!』 「・・・例えそれが一時でも構わない。それが一瞬で構わないんだ。しかし、そのCSCをセットしてもらった事。起動スイッチを押して貰った事。その事だけでも喜んで目覚めるかもしれない。だが・・・それは」 「ボタン」 それまで沈黙を守っていたコウが、じろりと視線を動かして、その口を開いた。 「どいつもこいつも。勝手に幸せになる、お前みたいなバカじゃねぇだろ」 「・・・。そうではある、主」 ボタンは恐ろしく強い。その心は死を知っている。絶望を知っている。 それを彼は、彼女と共に暮らしてきた彼は。誰よりも知っている。 ボタンなら全てを包み、全てを受け入れ、その『手』で抱きしめる事が出来るだろう。 だが・・・。 「なぁ、小幡さんよ。今、このバカ犬が言ったとおりだ。それを望む、望まないは神姫それぞれでしかねぇ」 『・・・えぇ』 「で。アンタは。エゴに生きてみる気があるか?」 コウは、ずいっと大きな身体を乗り出すように、小幡に問い尋ねた。 『・・・エゴ? ですか』 「そう、エゴだ。自分勝手に楽な解釈をして。自分勝手に動いて、他者よりも自分を可愛い。そう生きてみる気はあるか?」 いつもの得意な笑みさえ浮かべず、コウは続ける。その視線には何かを試すような意さえ込められていた。ボタンはきょとんと自身の主人を見上げる事しか出来ない。 「こっからは神姫どうこうじゃない。『人』としてのアンタの胸先三寸にかかる。聞け」 『・・・』 「コレは飽くまで、前例があるだけだが・・・」 『・・・それ・・・。ですか・・・』 話し終えた後。悲痛に近い表情を浮かべて、小幡は首を小さく振った。 「あぁ、知っているだろうが。方法として、あるには、ある。今回は特に、特別だ」 「主・・・しかし! ・・・しかし・・・それは」 ボタンが何か言いたげに、しかし。何を言えば良いか解らずに困ったような表情で首を振りながら見上げ続けている。 恐らくは泣いているであろう、その姿をあえて視界にいれないようにしながら。 「・・・。まぁ。やれと言われてもアンタにゃぁ簡単に出来ないだろうが」 余り言いたくなさげに。いつものように、やる気無さげに。彼は続けた。 「だったら。その神姫に直接『聞いて』みな。それでいいか、とな。訊けるなら・・・だが」 ・・・。 電話を切った後。小幡はちらりと大河内を見た。 「確かに前例はあります。確か二件ほど」 その言葉に頷くと。彼女はゆっくりと立ち上がった。 「所長」 心配そうな声を手で制する。 「今から準備をして行きます。時間がありません」 「・・・。訊くのですか? その神姫に。その問いを」 机の電子ロックを解除し、中から、小さな銀色のケースを取り出し、彼女は握り締めた。 「直接・・・訊けるのですか? 所長」 無機質なケースの冷たさだけがはっきりと伝わってくる。小幡はそのケースをじっと見つめ、やがて、そのまま窓に視線を向けた。 そう。この部屋。この窓。 あの日・・・今年の一月一日に。私は誓った。貴女の遺志を受け継ぐと。 窓を開けようと手を伸ばし、しかし。小幡はその鍵に手をかけた所で動きを止めた。外に吹き荒れるような強い風が、何かを彼女に知らせる警鐘のように鳴り響いていた。 (・・・ゼリス) その風に憧れると笑って言った彼女の名を心中で呼ぶ。 ・・・あなたなら。どうしますか・・・? ・・・今でも、私の背を。押してくれますか? ・・・。 翌日、深夜三時。新函館空港。 小幡は、雪が積もる北の大地に降り立った。今もまだ小降りとはいえ雪は降り続いている。 が、それは決して吹雪いてはいない。 そう。 そこには、あれほど千葉では強かった、全てを吹き押す風は。 その一切、吹いて・・・いなかった。 第十間幕
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「・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・」 「・・・お、おはよう」 「・・・・ん、おはよ」 クラブハンド・フォートブラッグ 第二十二話 『それを私にどうしろと』 うじうじすんのはもう止め。 確かにそういった。そういったけど・・・・。 「昨日の今日で何を話せばいいかわからないと」 「・・・・うん」 「全く、男女の仲というのは・・・どこも似たようなものですわね」 そういって遙はから揚げを口に放り込んだ。 うぅ・・・仕方ないじゃない。だって判らないんだもん。 「あはは。ほら、春奈ちゃんはツンデレだからさ。こういうのには弱いのよ」 クラスメイトのリオは笑いながら傍観している。 いや、アンタだって弱いじゃない。このブラコン。 ちなみに、八谷は四時間目が終わるやいなや学食にダッシュしていった。 教室出るときにこっち見てたから・・・多分むこうも気にしてるんじゃないだろうか。 「はぁ・・・いつまでもうじうじと。もういっその事貴女から思いを告げては如何? まだはっきりと口に出してはいないんでしょう?」 ・・・・確かにそうだけどさ。 なんというか・・・・ 「きっかけがない、と?」 「・・・うん」 どうしたものか。 今までだったら話すきっかけなんて考えたこともなかった。だって自然に話せてたし。 「・・・・もうこうなったら、何かきっかけを見つけるしかないですわね。とはいったものの、二人の共通点となると・・・・近所のお話なんてどうですか?」 「元からしないわよ。そんな井戸端会議みたいなこと」 「だったら何か昔の話とか」 「今の状況で出来ると思う?」 「昨日見た番組・・・」 「ニュースしか見ないわよ」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「じゃぁどうしろって言うのよ!!」 「逆ギレ!?」 何か怒こられてしまいましたよ!? これは私が悪いのか・・・いや多分違うと思うけど。 「もう全滅じゃないですか・・・・打つ手無しとは・・・・」 「・・・あのさ、二人とも」 と、私と遙が絶望に浸っていると今まで黙っていたリオが手を上げた。 二人揃って無言でリオの方を見る。 「共通点だったらさ、武装神姫があるじゃない?」 「・・・・・・・・・・あ」 「・・・・・・・・・・・それですわッ!!」 すっかり忘れてた。 っていうか当たり前すぎて気づかなかったんですけど。 「そうなると・・・・何か神姫の話で呼び出して・・・・」 「どーんといってガッシャンバラバラ」 「何の音ですの!?」 何か二人とも考え込んでるし。 ・・・なにか、いやな予感がするのは私だけかしらね。 「あ? 七瀬に会いづらい?」 現状を話したところ、親友その一・冬次君は非常に良く判らない顔をしました。 冬次も女顔、というか女にしか見えないから微妙な気分だけど。 「いやだってさ・・・アレだよ? なんてーかさ・・・ほら」 「あーまぁ言いたいことは判るけどよ。・・・・参ったな。どうするよ?」 そういって冬次は隣にいたハラキリ(あだ名・腹部に刺し傷がある)に話題を振る。 ・・・・ここでも名前がないんだこの人は。 「いやそれを言われてもだな。宇宙人相手にした方がまだ勝ち目があるだろ」 「それを言うなよ・・・なんか悲しくなってくるじゃねぇか」 そういって三人ともうな垂れる。 学食の中、このテーブルだけが何か暗かった。 「ともかくアレだ。押して押して押しまくれ。今のままじゃ絶対いけないぜ。会いづらいってんなら何か・・・考えて見るか」 そういって考え込む男三人組。 学食のにぎやかな空気がなんとも居心地が悪かった。 「・・・・お前と七瀬の共通点となるとだ、神姫しかないだろう」 ハラキリが重くそういった。 「そりゃそうだが、そっからどうするんだよ」 「・・・果たし状を送りつけてだな。勝ったら自分の話を聞いてもらうとか」 「よしそれで行こう」 「いやいや待ってよ絶対何か間違ってるでしょそれ!?」 この二人に任せてたらダメだ!! 失敗とかそういうの以前に何かダメだ!! どうしよう・・・・・。 「ちょっと。そこのなんか暗いズッ○ケ三人組」 僕が真剣に悩んでいると、誰かが話しかけてきた。 顔を上げると女生徒がいた・・・誰だっけのこの人。 「ん、どうしたよハルカ」 女生徒の存在に気づいたハラキリが気軽に声をかける。知り合いだったらしい。 「・・・お前、クラスメイトぐらい覚えとけよ」 え、あ、クラスの人だったんだ。 全然気づかなかった。 「・・・・ん、話してもよろしいかしら?」 どうぞ、と視線を送る男三人組。 「まずはこれをどうぞ。・・・これに書いてあることは絶対ですわ。彼女は延期も欠席も認めません。もしもそんなことがあったら・・・・まぁ大変なことになるでしょうね」 そういってハルカさんは一枚の封筒を僕にわたしてきた。 そこには・・・・ちょっと待て、何で『果たし状』って書いてあるんだ。 「三日後の午後三時、ちょうど午前授業の日ですわ。その日に貴方達がよく行く神姫センターで彼女は待ってます。ステージは砂漠、勝負形式は一対一の一本勝負、勝たなければ彼女は・・・男の子なら、こんな試練くらいちょちょいと打ち破って御覧なさいな」 そういうとハルカさんは踵を返してどこかへ行ってしまった。 残されたのは微妙な顔をした男三人組と果たし状だけ。 ・・・七瀬。 発想がこいつらと一緒だよ? 戻る進む
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ちっちゃいもの研の日常-02 ここは東杜田の片隅にある、ちっちゃいもの研・・・。 「CTaさん、ちょっとお願いします。」 見慣れない顔の男が、CTaに設計図のチェックを依頼している。 「うーむ、よしよし。 これでいいんじゃないかな。」 「あ、ありがとうございます!」 ダメ出し28回目にして、ようやく通った模様。 彼の目の下には、はっきり とした隈がうかんでいる。 ちょっと足もおぼつかない様子。 「・・・あのなぁ、いくら若いと言っても無理をしちゃいかんぞ。 あとで 言っておくから、先帰って寝ろや。」 彼は今年配属になった新人。なんでも、久遠のツテで本社へ入社したとかで、 当初からバリバリ仕事をこなし、ついには腕を買われてちっちゃいもの研へ 配属になったという経緯がある。 「はぁ、ありがとうございます。ですが、ちょっと私用で機材を使いたいの で、昼まではいることにします。」 というと、ちょっと頭を下げて自分の作業台へと戻った。 「ん〜? 何を作っているのかな〜?」 こそこそと隠れるように作業をする彼の元へ、CTaが行ってみると・・・ 武装神姫。 にやり、意味深長な笑みを浮かべるCTa。 「ちょ、ちょっと・・・何ですか・・・って、えぇ?!」 「いいモン持ってるねぇ。」 「ボクのマーヤに触らないで下さい!」 慌てて、伸ばされたCTaの手から、マーヤと呼ばれた「ツガル」を守る。 「ほうほう、だいぶ疲れている感じじゃないか。」 「もう、ほっといてください! ・・・先週の対戦で、左膝負傷しちゃった からねー・・・ ようやく手が空いたから、今治してあげるよー。」 「やさしくしてくださいね、おにいさま。」 そのやり取りに、CTa暴走。 「ぐわあぁぁっ!! おにいさまと、おにいさまと呼ばせたな!」 「な、何ですかいきなり!!」 背後からの叫び声に、びっくりして作業する手を止める男。 「認定! ちっちゃいもの研の、神姫使いリストに強制編入!」 「ちょ、ちょっと、CTaさん・・・。」 「ときにお前、神姫のメンテナンスはできるか?」 「はぁ・・・よほどコアが傷ついていない限り、治せる自信はありますよ。」 「よっしゃ! 決まった! お前、あたしの下、ナンバー2決定!」 「何なんですか、いったい!」 と、男が叫んだとき。CTaの白衣のポケットから、沙羅とヴェルナが顔を覗 かせた。 その姿に、男は驚き、固まった。 ・・・CTaさんも、神姫使い だったのか?! ということは、もしかして・・・自分は久遠さんにもはめ られてしまった可能性も・・・?! 混乱する彼にCTaは追い討ちをかける。 「それだけの神姫に対する愛、そして裏付けられた技術。 おまえ、あたし の一番弟子決定だわ。」 「はぁ?」 「はーい、拒否権無ーし。 いやー、困ってたんだよー。 最近、神姫関連 の修理だの研究だの、依頼が多くて多くて。あたし一人じゃ手一杯でさ。」 「そういうことだったんですか。」 「ただーし! 神姫とかをいじる人間は、ここでは偽名を持たなくっちゃい けないんだな、これが。 そーすっと、あんたの場合は・・・ 本名がアレ だからぁ・・・ 『Mk-Z』でどうだ。 うん、これがいい。 決定ね。」 言うが否や、CTaは近場の端末を操作し、研究所の所内用名簿から彼の本名 を抹消し、「Mk-Z」と冗談抜きで入れてしまった。 「あ・・・。」 悲しそうな顔をする、Mk-Zと名付けられてしまった彼。 「大丈夫。こうすれば、あんたもこそこそすること無く、存分にマーヤへ愛 を注ぐことができるのさっ!! どうだっ!」 「どうだ、と言われましても・・・」 「なにぃ? 嬉しくないのか?」 「い、いえ、嬉しいんですけど、なんか納得いかない気がして・・・」 「あんたが納得いかなくても、あたしは納得したからいいよ。」 「そ、そんな〜!」 悲鳴を上げるMk-Z。と、彼の手元へ、沙羅とヴェルナがやってきた。 「どうもっス! 沙羅って言うっス! こっちはヴェルナって言うっス!」 「よろしくおねがいします〜。 そうそう、先ほど関節がっ、て言っておられ ましたよね。ここに、マスターが作った削りだしの強化関節がありますので、 ぜひお使いください。」 そういいながら、ヴェルナはリゼにも使われているあの強化関節パーツを一組 差し出した。 美しく、鈍い光沢を放つパーツに、目を奪われるMk-Z。 「せっかくだから使ってくれよ。 あたしの弟子になってくれた以上は、悪い ようにはしないよ。 もちろん、通常業務の上でも、ね。」 ・・・変なノリで、変なところに転がり込んでしまった気がしない訳でもない。 でも居心地は悪くなさそうだな・・・。 こういう仕事も、いいのか・・・な? Mk-Zは、自分の置かれた境遇が、じつはとても恵まれているのではないか、 と思い直し、CTaにちょっと感謝をしていた・・・。 それから一週間後。 「はい、あーん。」 「・・・おにーさまー、この塩鮭、美味しいですー!」 「おー、そうかそうか。 じゃ、こっちの唐揚げもあげよう。」 「えっ! いいんですか? それでは・・・いただきまーす!」 昼休み、マーヤに仕出し弁当を分け与えるMk-Zの姿が。さっそく、CTaによって、 マーヤにも食事機能が搭載されていた。・・・いや、むしろ彼が進んで食事機能 を搭載した、と言うべきか。と、 「Mk-Zよぉ。さっき知り合いから電話があってな。 バトルに負けた神姫を叩き 壊したアフォがいたらしくて。 その神姫を、これから連れてくるそうなんだが、 お前に任せてもいいか?」 本来の医療関係の仕事の資料を山と持ったCTaが、Mk-Zに声をかけた。Mk-Zの 目つきがかわった。 「なんですと? 負けた神姫を、叩き壊した・・・だって?」 弁当にいったん蓋をすると、マーヤに命じた。 「マーヤ、受け入れ態勢を整えるんだ。」 「わかりました、おにーさま!」 「人間に叩き壊されたとなると、相当の傷を負っているだろう・・・。 任せて ください師匠! 神姫ドクター・Mk-Zの名にかけて、ちっちゃい心、救います!」 マーヤと並んでぐっと拳を挙げたMk-Z。 にやりと笑みを浮かべ、それに答えるCTa・・・。 ここに、ちっちゃいもの研「最強」の、神姫ドクターコンビが誕生した。。。 <トップ へ戻る<
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注意:この話はエロ・グロ・神姫破壊が含まれた打ちっ放し短編です。それでもいいよとおっしゃられる方はどうぞ。 連続神姫ラジオ 浸食機械 ~ファタモルガナ~ 1:末路 「そーれ」 少女の軽快なかけ声と共に空を切る音が響く。続いてグチュっと言う音と 「ひぎゃぁう」 奇妙な叫び声があがった。 「大命中、やっぱり私はすごいね、マスター」 先ほどかけ声をあげた少女が振り返り僕に語りかける。少女と言っても彼女はニンゲンでは無かった。全長16センチの機械仕掛け、武装神姫と呼ばれるロボットである。彼女はカブトムシをモチーフにしたランサメント型と呼ばれるタイプだ。しかし彼女は製品版とはカラーリングが異なっている。武装はシルクのような光沢のある白に塗られている。素体も白をを基調として所々に黒や金が使われていた。腰まであろうかという髪は青みがかった黒で、リボンでポニーテールにまとめられていた。 「ねえねえ、次はどれをいってみようか?やっぱり派手にどばーって出る方がいいかな」 彼女の足下には彼女ほどのサイズのナイフや釘が乱雑に散らばっていた。彼女は今までこれを「的」に投げて刺す遊びをしていたのだ。ちなみに勝率はなかなかのものである。 「マヤ、しばらく待ってくれ。彼女と話がしたいから」 マヤと呼ばれた神姫は少し不満げに頬をふくらませたが、分かったと答えて手に持っていた千枚通しを床に置いた。僕はそれを見届けると机の上の瓶を手に「的」に近づいていった。 「気分はどう?お友達のことが心配でここに来たみたいだけど技量は考えた方がいいよ」 「的」は、壁に手足を埋め込まれ、服を破かれ半裸になった少女はこちらにおびえた様な目を向けるばかりで答える様子はない。白い張りのある肌に何カ所もナイフや釘が突き刺さりだいぶ出血しているのだから答える気力も無いのかもしれない。もっとも、背中に生命維持のためのチューブを何本もつないでいるのだ。そこから送られる薬品のおかげで、まあ、とりあえずすぐ死ぬことはないだろう。 「まあ、どうでもいいけど。そうそう、ここに連れてこられたとき自分の神姫、確かヴィクターちゃんだっけ?のことすごく心配してたねよね、だから連れてきてあげたよ」 僕の差し出した瓶の中身を見て彼女は目を見開く。瓶の中には彼女の神姫であるオールベルンパール型のヴィクターが入れられていた。武装を外され、薔薇シフォンに身を包んだ彼女は四肢を金の鎖で絡め取られ、足を大きく広げた姿で瓶の中に閉じ込められていた。 「ヴィクター!」 痛いだろうに無理矢理身ををよじり少女は自分の神姫の名前を叫ぶ。しかしヴィクターは目を閉じたまま動かない。 「スリープモードのままだったね、ごめんごめん」 僕はヴィクターに送っていた彼女を眠らせる電波を止める。すぐに彼女は目を覚ました。そして目の前に広がる自分のマスターの惨状を見てその表情が怒りに染まる。振り向いて僕を見つけると飛びかかろうとでもしたのだろうか、身をよじるが鎖にからめとられて動くことができない。それでも構うことなく僕の方に向かってこようとする。鎖を切れない身をよじり、殺してやると叫びながら。 「殺すんなら一撃でやってくれなきゃお断りだよ。もっともその機会はないだろうけどね」 叫び続ける彼女の入った瓶を机の上に置くとマヤがその周囲にカメラを設置していく。 「い、一体何する気?ヴィクターにはひどいことしないで」 残念だけどそれは無理な話だ。負けがかさんだ友達を救いにやってきた彼女を美馬坂は許すなと言った。お友達はお友達でひどい目に遭っているが彼女もまたひどい目にあう、彼女の神姫と一緒というのがまあ、救いか。 僕はヴィクターの入った瓶にポケットから取り出したものを入れる。それは蛇だった。神姫サイズにミニチュア化されたアナコンダが三匹。もちろん本物ではないが面白い機能として体内のカプセルを対象に射出できると言う機能がある。そのカプセルの中にはこれまたミニチュアの蛇が何匹も入っている。つまりこれを使えば神姫の受胎、産卵ショーが楽しめるというわけである。 蛇に巻き付かれおぞましさに顔をゆがめるヴィクター、それを見て必死に彼女の名を叫ぶ少女だがその声は突然の殴打により止んだ。部屋に男達が入ってきた、仮面をつけ、手には様々な器具を持っている。彼女を殴ったのはその男達の一人だ。恐怖におびえ、声も出せない彼女を男達が取り囲んだ・・・ 蛇に身をまさぐられるおぞましさを感じるヴィクターだったが主のピンチと僕への怒りから気丈な表情を向けてくる。しかし蛇の一匹が彼女の秘所に潜り込もうとするとさすがに表情が変わった。肝心なところはスカートで隠れているが本能的に恐怖を感じるのだろう。膝をもぞもぞさせるが蛇を防ぐことなどできない。 「いや、やめて!」 そうヴィクターが叫んだとき、部屋の壁が明るく光る。壁にはモニターが埋め込まれており彼女の痴態が大画面に表示される。呆然としたヴィクターが嫌々と首を振り鎖につながれた手足を振り回すが無駄なあがきだった。存分に彼女の腹上を満喫した蛇はやがてカプセルの射出を始める。ドレスの腹の部分がふくらみまるで妊婦のようになった。その頃になるとこちらの様子に気がついたのか男達の何名かがこちらにやってきて彼女の痴態を眺める。その股間は一様に怒張していた。 「良かったわね、あなたのこと見てみんな興奮してくれてるわよ。いっぱいかけてもらうといいわ」 マヤの言葉に美馬坂の根回しが効いているのか男達は彼女の痴態をおかずに自慰を始める。ヴィクターが自分の運命に気がつき妊娠しながらもそれはやめてくれと懇願するがそんな彼女の顔に早速白濁がぶちまけられる。射精は続き、ドレスはカウパーでべったりと肌に張り付き彼女の美しい胸や腹のラインを浮きだたせている。そんな彼女に興奮したのか注がれた精液は彼女の膝ほどになった。 うつむいて小声で殺してやるとつぶやく彼女にマヤが声をかけた。 「ねえ、さっき産み付けられた卵だけどさ、あれって温度が一定になったら孵化するのよね」 その声に瓶の口を向いた彼女の顔にこれ以上ないと言った絶望的な表情が浮かぶ。 「元気な赤ちゃん、産んでね」 「いやぁぁぁぁ!蛇のママになんかなりたくない、マスター、ねぇ助けて、マスターぁ!」 ついに弱音を吐き出した彼女だが無情にもその腹がもぞもぞと動き始めた。産まれるのだ。 「お願いやめて出てこないで、助けてマスター、助けてよ、うぁぁぁああああん」 泣きじゃくり、もがく彼女のスカートからゾルッという音と共に蛇が落ちてくる。ヴィクターが悲鳴を上げ、それを境にどぼどぼと蛇の子が生まれていく。その光景が引き金になったのかさらに男達がオーガズムに達し、滝のような精液が注がれていく。生まれた子蛇は母乳を求めてか早速彼女の胸に群がっていく。出産のショックで、精液の雨も小蛇たちの乳辱もほうけた顔で受け止めるヴィクター。そして腹があいたことを悟った二匹目の蛇が彼女の腹の中へと潜り込んでいった。 戻る