約 220,421 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2437.html
第2部 「ミッドナイトブルー」 第3話 「night-3」 西暦2041年 5月21日 22:00 『大阪府 大阪市 鶴見緑地センター店』 店外の外では露天式のショットバーが置かれ、何十人かのオーナーと重武装の神姫たちがガヤガヤと集まって夕食や酒を飲んで騒いでいた。 バーの中心には、丸いテーブルが置かれ、真ん中でシャレた椅子に座ったヴァイオリン型神姫が演奏をし、深くスリットの入った紅のドレスを着たセイレーン型が歌を歌っていた。 □ヴァイオリン型MMS 「シャレニ」 Bランク □セイレーン型MMS 「マリー」 Aランク オーナー名「奥村 優」♀ 24歳 職業 ショットバー店員 心地よいヴァイオリンの音色とマリーの歌声に聞きほれている神姫や、まったく意に介せず、ガツガツとアールコールや飯を喰う神姫もいたり、さまざまだ。 戦闘爆撃機型「へっ!!なんでえ・・・何が夜帝だ、調子に乗りやがって、俺がぶっ潰してやるよ」 ワシ型「よく言うぜ、びびって今日のバトルロンドは参加してねえくせに」 天使型がサラミを口に運び、クチャクチャと噛み千切る。 天使型「あれだろ、灰色艦隊の成金連中が半滅した話だろ?ざまあねえぜェ」 コウモリ型「そのどて焼き、俺もらうな」 砲台型がビールをごくごくと飲む。 砲台型「ゲップ・・・今日は仕返しに、数十体の神姫を呼んで反撃するらしいなー」 戦闘機型「やられたらやりかえすってか?」 ワシ型がにやつく。 ワシ型「目には目をっ!!!歯には歯をっ!!!」 戦闘機型「これはけじめだな」 コウモリ型がどて焼きにぱくつく。 コウモリ型「はふはふ、穏やかじゃないねーーー」 戦闘爆撃型がスコッチをぐいっと飲む。 戦闘爆撃機型「バカヤロウ!俺たちゃ、武装神姫だぜ?伊達衣装に身を包んでよォ・・・戦場を刀や銃持って駆け回って暴れまくるんだ!!元から穏やかな身分かよ」 天使型がなんこつの唐揚げを口に含んで噛み砕く。 天使型「ぎゃはっははっ!!!ちげえねえ!!」 砲台型がごっごっとビールを飲み干すとガンとテーブルにジョッキを叩きつけて叫ぶ。 砲台型「武装神姫、万歳っーーー戦友(カメラート)!!」 一緒のテーブルに座っていた神姫たちもジョッキやグラスを叩き割って叫ぶ。 天使型「戦友(カメラート)!!」 スコッチをぐっと平らげる戦闘爆撃機型。 戦闘爆撃機型「くそたっれ!!こわかあぁねえぞ!!このヤロウ!!」 戦闘爆撃機型は副腕に装備された機関砲をくいっと空に向けるとぶっ放す。 ドドドドドドドッ!!! バキバキャン!! 照明の電球に弾丸が当たり、火花がまい散る。 別の席で酒をたしなんでいたテーブルの神姫たちに火の粉が舞い散る。 剣士型「あっち!!!」 騎士型「おい!!!てめえェ!!!アブネエだろが!!」 戦乙女型「てめえ!!!ぶっ殺すぞ!!クソヤロウが!!」 悪魔型「FUCK YOU―!!」 悪魔型がぶんっと副腕の出力を上げグラスを投げつける。 ガッシャーーーン!! 天使型のバイザーにグラスがぶち当たる。 天使型「ぎゃあああ!!いってええ」 ワシ型「てめええ!!」 戦闘爆撃機型「やりやがったぁ!!クソが!!」 剣士型がドカッと椅子を蹴り倒す。 剣士型「なんじゃぁ!!やんのかワレェ!!」 騎士型「このボケェが!!いてまうぞ!!コラ!!」 騎士型がシャリンと剣を抜く。 戦闘機型「抜きやがったな!!このアホンダラぁ!!」 戦闘爆撃機型がドンガラガッシャーンと机をひっくり返す。 戦闘爆撃機型「なんやッ!!!やんのかワレェ!!!なめんなや!!」 コウモリ型「ああーーもったいない」 砲台型がビールを投げつける。 砲台型「アホ!」 悪魔型「表出ろやッ!!!怖いんか!!ああぁ!?」 戦闘機型「上等じゃ、このヴォケ!!」 剣士型が唾を吐く。 剣士型「ぶっ殺してやるさかいな、あああ、殺しちゃる」 戦乙女型「キャハ!!うへっへへへへへ、へあッ」 戦乙女型が涎をじゅるりと飲み込む。 他のテーブルの神姫やオーナーがけげんな顔で騒ぐ神姫たちを見る。 花型「なんやなんや!」 丑型「喧嘩や!!」 種型「オー怖い怖い」 オーナーA「ちょっとなんだなんの騒ぎだ」 オーナーB「おい、やめろよ」 忍者型「やれやれッ!!!ぶっ殺せ!!」 武士型が口笛を吹く。 ヒュウーーーー♪ チーム名「からしマヨネーズ風味 ピザ」 □剣士型MMS 「ノロヴァ」 Aランク □騎士型MMS 「バートリー」Aランク □戦乙女型MMS「オタリア」Sランク □悪魔型MMS 「ニパラ」 Sランク VS チーム名「カーテン・レールのストッパー」 □戦闘爆撃機型MMS 「マレズ」 Sランク □戦闘機型MMS「カグラ」 Aランク □天使型MMS 「レコア」Sランク □砲台型MMS 「ルーシ」Aランク ショットバーの前で完全武装の神姫たちが騒ぐ。 マレズ「ぶっ殺してやる」 オタリア「けひ、けっひいッ!!」 バートリー「調子に乗るなよ、コラ」 ???「主砲、撃て」 ズンズズズン!!! 上空から青白いレーザーが騒ぐ神姫たちの真ん中に着弾する。 ルーシ「うはっ!!」 ニパラ「アブネエ!!」 レコア「な、なんだぁ!!」 上空を見上げると、低いエンジン音を鳴らしながら数隻の戦艦型神姫がゆっくりと降下してくる。 ゴーンゴーンゴーーン・・・ マレズ「せ、戦艦型神姫!?」 バートリー「灰色艦隊の生き残りか!」 野木がすっと手のひらを指す。 手のひらの中には黒ずくめの軍服を着た将校型神姫がいた。 ナターリャ「ふん、バカ共が・・・力が有り余っているようだな」 レコア「な、ナターリャさ、さん」 ノロヴァ「ななんのようでしょうか!?うへっへ」 急にヘコヘコと大人しくなる神姫たち。 ノザッパ「けっ・・・コメツキムシかよ、へこへこ媚びやがって」 マキシマ「ノザッパ黙れ」 ナターリャ「そんなにバトルしたいなら、俺がバトルの場を用意してやろうか?」 マレズ「とーー言いますと・・・」 ナターリャ「今日の夜12時に、例の神姫が出没する。貴様らも出ろ」 ニパラ「ちょ・・・ちょっと待ってくださいよ」 オタリア「うひひひ、それって夜帝のことですよね」 ルーシ「勝てっこないですよ、ムリですよ」 ナターリャ「指揮は私が取る。無理だと?」 ルーシ「い、いえそういう意味では・・・」 ナターリャ「これはお願いではない、命令だ・・・私の言っていることが分かるな?んん?」 重巡洋戦艦型神姫のヴィクトリアが砲門をマレズたちに向ける。 コオオオオオン・・・ マレズ「は、はひ!!さ、参加しますよ!!なあオマエラ」 ニパラ「ナターリャさん、へっへへもちろんでっせ」 ルーシ「あうあうあー」 ナターリャ「よし、では1時間後に噴水広場まで集合。さっさと貴様らのマスターを呼んで来い!!」 マレズ「は、はひ!!」 ノロヴァ「え、えらいこっちゃ」 ワラワラと散る神姫たち。 野木がナターリャに囁く。 野木「おい、いいのか?こんなバカな連中で・・・」 ナターリャ「勤勉で優秀なものは参謀にしろ 怠惰で優秀なものは指揮官にしろ 怠惰で馬鹿なものは兵隊にしろ 勤勉で馬鹿なものは即座に銃殺にしろ」というハンス・フォン・ゼークト の軍事組織論を知っているか?」 野木「はあ?」 ナターリャ「駒はバカを使うに限るってことだ。常識だろ?」 野木「・・・・あんたには負けるよ」 野木は肩をすくめる。 チカチカと、湖の向こうから発光信号が光る。 ノザッパ「おッ!!マスター!!来ました!!さっきメール送った奴です」 野木「来たか」 ナターリャが双眼鏡で湖を見る。 ズズズズズズ・・・・ 大型の航空母艦型神姫が真っ暗な湖を併進する。 □航空母艦型MMS「ツラギ」 SSランク 二つ名「アタックキャリア」 オーナー名「金川 登」♂ 40歳 職業 模型店長 航空母艦の上には、数機の武装神姫が乗って手を振っている。艦橋ブロックからチカチカと発光信号が流れる。 ノザッパ「ツラギより電文、ワレ ツラギ ワレ ツラギ 」 ナターリャ「・・・ノザッパ、電文を流せ」 ノザッパ「は?」 ナターリャ「到着を歓迎するとな」 野木「近くの模型店の店長の航空母艦型神姫「ツラギ」だ。20機くらいの神姫なら余裕で搭載できる。内部は各種通信設備を完備、CIC(戦闘指揮所)付きの贅沢な神姫だ」 ナターリャ「うむ」 野木「役者がそろったな。この戦力で絶対勝てるのか?」 ナターリャ「世の中には絶対というのは存在しないが、限りなく近づけることは可能だ」 野木「へらず口を」 ナターリャ「艦載機の情報を」 野木がぴっと携帯の画面を照らす。 野木「腕利きの神姫を集めた。クセの強い連中だがな」 ナターリャは一瞥する。 ナターリャ「ふっ・・・構わんよ」 マキシマがツラギの横につく。 マキシマ「よお、ツラギ久しぶりだな」 ツラギ「マキシマ、こんな夜遅くに呼び出すってことはただごとじゃないですね」 マキシマ「派手に行こうぜ!マスターは?」 ツラギ「もちろん、後から来ますよ」 マキシマ「頼むぜ、今日の得物は大物だぞ」 野木は湖の桟橋に立つ。 野木「時刻は22:30・・・あと、1時間半か・・・」 ナターリャ「30分後にみんなを集めて作戦会議だ。とは言っても作戦と呼べるようなものでもないがな」 野木「お手並み拝見と行こうか」 To be continued・・・・・・・・ 次に進む>・第4話 「night-4」 前に戻る>・第2話 「night-2」 トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2161.html
ご意見部屋 沙耶:ここはホーリーの物語に関するコメントを書き込み・閲覧出来るコーナーよ! メイリン:感想、意見等はここに書き込んでくださいにゃ。作者の返答もここで行なうニャ。ただし、作者の都合上、返答は不定期になるニャ。 沙耶:もちろん、あたしたちの事とかあいつのこととか、この作品の気になることとかもOKよ。気軽に書き込んでね。 メイリン:コメント欄はこの下にあるニャ。ただし、作者や投稿者を迷惑になる荒らしは遠慮してほしいニャ。 沙耶:コメント、待ってるわよ! テストです。 投稿するとこの上のコメントが載る…はずです。 -- muna (2009-09-26 22 50 16) 設置お疲れ様です。 地道に読んでいますよw -- 第七スレの6 (2009-09-27 11 32 48) こんばんは。夜虹です。第一部を一通り見させていただきました。 真冬の川に流される神姫を拾って共に成長する物語というのはなかなか正統派な始まり方で、話を分かりやすく進めてありますな。 設定に関しても神姫の名前を与えて、初めてオーナーとして認識されたり、神姫における精神ダメージによって病院送りになり、そうなったときの治療法があったりと参考になる事が多く、考えさせられる所がありました。 後はオリジナル武装が非常に多く、それを用いた独特の戦い方は面白いですね。自分はあまりオリジナル装備は用いないのでこうした戦い方は見ていて新鮮ですよ。 今後の新装備、ストーリー展開を楽しみにしています。 -- 夜虹 (2009-09-29 22 00 50) コメントありがとうございます。 第七スレの6さま ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 夜虹さま 最初のころはどうやって話を進めていけばいいのか悩んでました。 過去にもこれに似た小説を書いた経験があったのですが、今回は設定的に悩んだところが多々ありました。 オリジナル装備も組み換えで出来るものが多いのですが、スクラッチに近いものも多少あります(メイリンの武器とか)。 ほかの方は写真やイラストで装備の詳細を掲載してますが、私の場合、現在のところそれがないので、今後どのようにして装備等を見せるか考案中です。 話が長くなりましたが、これからもこの小説をよろしくお願いします。 -- muna (2009-10-03 16 31 48) 上記の返答に追加。 オリジナルの装備ですが、組み換えで出来るものが多いと書きましたが、実際には単に組み換えだけなのは1/3ほどです。 あとは一部改造かリペイントしたものが多いです。 私の場合、出来る限り組み換えやほかの商品の流用で再現できるように設定しています。(例を言えば、獣牙王や不動のバリエーションは主に神姫のパーツで構成されています) それでも、新造しないと再現できない武器もありますが。 あとは丸々ほかの玩具から流用したりすることもあります(百雷はプライズ騎馬武者のリペだったりします) -- muna (2009-10-03 21 04 41) こんばんは。武装についての説明、ありがとうございます。手軽に作れるように工夫してある様ですね。 自分は素体のリペイントや武装の小改造が関の山でして難しいのが多いかなんて思いましたよ 二章の最新話まで読ませていただきました。 今度はフェレットタイプのために頑張る翔君が第二の主人公となりましたか。 ホーリーベルはその時にはワールドロボットフェスティバルを駆け抜ける人気者とは二年の間になにがあったのか気になる所ですね。 オリハルコンシリーズを始め、確かに武装神姫だけが世界ではないですな。 とは言え、この様子だと武装神姫が市場の先を行っているなのはまだ変わっていないというのが実情という感じの様ですが。 そんな中で美由紀はいずるに実際に会った人ときましたか。ともなればこの勝負の後は都村いずるとはどんな人かという話になるかもしれませんね。 それが聞けるか否かでいろいろと話が変わってきそうな気がしますよ。 -- 夜虹 (2009-10-10 02 19 46) 夜虹さま 第2部は翔くんと美由紀さん、それぞれの視線で物語を進めていきます。 彼らがいずるとホーリーを目標にするためには、それなりのレベルを持たせたほうがいいと判断したからです。 そのためにWRFという大きな舞台を用意する必要があったわけです。 ほかの美少女タイプをだしたのは、ロボット業界の変化を知ってほしかったため。 あと、美由紀さんがいずるを目標にしているのは、同じ場所まで行き着くことのほかに、もうひとつ理由があるのですが・・・。 それはあとの展開にとっておきます。 書き込みが少ないのは、部屋の入り口が目立たない場所にあるからなのでしょうか・・・? ちょっと体調が悪いので、今日はここまでにしておきます。 -- muna (2009-10-12 21 48 58) ご意見部屋を少し目立つ(?)場所に移動しました。 これで少しは判る・・・かな? -- muna (2009-10-31 22 38 56) 場所としてはいいと思います。書き込みが少ないのは……感想を書くというのがちょっと勇気のいる事だからなのかもしれませんね。 ウサギのナミダは思わず書いてしまいたい小説故にそうしたいと思えるたくさんの感想が来ている事ですしね 謎の鉄騎兵は今の所は武器がわかってシルエットが多少わかった程度ですか……。 とはいえ、再現した神姫と闘えるとなれば何かしらの糸口がつかめそうではありますな。 まずはその神姫と戦って、それから進めるのかもしれませんね。 次を楽しみにしていますよ。 -- 夜虹 (2009-11-07 02 26 18) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/47.html
「おっ昼~休~みはウッキウキショッピング♪」の巻 チュン…チュンチュン… 冬に近づくとは言え、暖かい日差しが差し込む日曜日の朝… 目が覚めた、朝の…7時半か。ああ…特撮ヒーローモノが始まるな… 今年で60年目だったっけ…録画してあるからまぁいいか。 今日は休みだ…このまま1日惰眠を貪りた… ??「おっはようなのだ―――――――――――!!!」 めごすっ!! 俺「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」 突如顔面にセントーン・ケプラドーラをかます黄色い物体。 鼻を強打し、のたうつ俺。 ??「おはようなのだマスター!いい天気なのだ?お出かけするのだ~!」 ??「あ~、ずっる~い!ボクもする~!てや!!」 ごわしっ!! 俺「のごぉぉぉぉをぉぉぉぉぉっt!!!」 続けて黒い物体が、俺の鼻に今度はプランチャ・スイシーダをかます。 ??「こら!二人ともその起こし方しちゃダメっていったろ!! すいませんマスター!ちょっと目を離したスキに…」 平謝りする緑の物体。 俺「ひや…大丈夫。良ひ目覚まひになった…。はりがほう、ヴェル。」 鼻を押さえながら答える俺。 ヴェル「…は、はい。ほ…ほら!!ジャロもノワルも謝って!!」 ノワル「え~、だって今マスターありがとうって言ってたよ~?」 ジャロ「そうなのだ!今度から毎日してあげ…」 ヴェル「あ・や・ま・り・な・さ・い ! !」 ノワル・ジャロ「「ご…ごめんなさ~~~~ぃ…。」」 ヴェルの凄まじい形相に、萎縮し謝る2人。 その姿に苦笑する俺。 俺は3体…いや3人のMMSと一緒に暮らしている。3人の名前は、 イタリア語の色の名前からもじって付けた。 まぁ、2名ほどやんちゃなのが居て多少大変ではあるが、我が家の財政の一部は 彼女達に稼いで貰っているから、あまり大きな事は言えない。 2036年、「武装神姫」によるバトルは全国区となり、老若男女が己の 育て上げた武装神姫を持ち寄ってあらゆる所でバトルをしている。 プロリーグともなると、ランカーには賞金も出、1位ともなるとン億ン千万単位の 金が動き、上位ランカーにはでっかいスポンサーも付いているとの事。中には黒い 話もあるそうだが…。 俺は中位~下位をウロウロしつつ、彼女たちの整備費用と小遣い程度の賞金を頂いている 程度なので、そんな話は来もしない。いや、来ない方が気楽なのだ。 朝飯を済ませ、朝の番組も見終わったので、3人を連れて外へ出かける事に。 ノワル「おでかけ~♪おっでかけ~♪」 ジャロ「高いのだ~ 楽しいのだ~!!」 俺の頭に乗っかり、はしゃぐ2人。 ヴェル「ほら!あんまり暴れると落っこちちゃうよ!」 2人を注意しつつも、俺の肩の脇という好位置をキープするヴェル。 と、 前方に親子連れが歩いている、女の子の肩には見慣れた白いMMSが。 ジャロ「マイコちゃん!おっはようなのだ~!!」 ノワル「フェアリ~、いっつもお仲のよろしい事で~♪」 フェアリ「あ~ら、そっちだってご主人様にべったりじゃな~い。」 ジャロ「いいのだ~♪ジャロはベッタベタなのだ~♪」 俺「おはようマイコちゃん、今日はどちらへ?」 マイコ「今日はね、フェアリの新しいお洋服を買いに行くの!」 俺「へ~、お洋服…ね。」 (そういえば、戦う事ばっかりで、今の今まで洋服を買ってやるとか 考えた事もなかったな…。) ジャロ「へ~、いいな~。そうだマスター!ヴェルもお洋服が欲しいのだ!!」 ノワル「え~!それならボクも欲しいよ~!」 頭の上で騒ぐ2人。 ヴェル「こーらー!マスターに迷惑をかけちゃダメだろ!!」 2人を叱るヴェル、 俺「いや、買いに行こう…洋服。今までずっとノーマルスーツのまんま だったもんな。」 ヴェル「え…マスタ…」 俺「ヴェルは欲しくない?洋服。」 ヴェル「ほ…欲しい…です。」 顔を真っ赤にしながら答えるヴェル。 俺「じゃ、行こう。マイコちゃん、こいつらの服売ってる所って何処? 一緒に連れてって貰って良いかな?」 マイコ「うん!」 ジャロ「うっわ~い!お洋服~!マスター大好き~!」 ちゅっ☆ 俺&ヴェル「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!?」 いきなり前に乗り出し、逆さのままデコちゅーをかますジャロ。驚く俺とヴェル。 ノワル「あ~!!ずるいするい!ボクもする~!!」 うっちゅ~~~~っ☆ 負けじとデコちゅーをするノワル。 ヴェル「ああぁあぁぁぁぁアンタたちななな何を…」 フェアリ「ふ…不潔よ!不潔だわ!」 マイコ「いいな~、そうだフェアリ、あたしにもチューして!」 俺・お母さん「は…はははははは…;」 そんなショートコントもどきが展開されるお昼前であった…。 めでたいやらめでたくないやら。 ちゃんちゃん☆
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/433.html
私と彼女、小さな小さな“幸せ”を 対戦相手に名刺を渡して意気揚々と帰る、私・槇野晶と神姫・ロッテ。 とは言えそろそろ、夕食の時間であるな……。買い物を手早く済ませ、 外食へ赴く事にしようか。たった2人のささやかな祝宴だが、十分だ。 「マイスターっ、わたしチキンのサンドが食べたいですの♪ねっ?」 「む?遠出になるが……よし、今日は頑張ったからな!いいだろう」 「やった!マイスター、マイスター、大好きですの。えへへ~……」 「わぷ、こらっ。すりすりするなっ!?うぅ、しょうがない娘だッ」 我々が帰りの足で向かったのは、神田神保町にあるサブウェイである。 少し秋葉原からは離れているが、ロッテの好物なのだ。仕方あるまい? 何、「神姫の食事って電気じゃないか」だと?……その筈、なのだが。 「いっただ~きま~すの~、マイスターっ!!チキン、チキンっ」 「冷めはしても逃げはせん、落ち着いて食べろ……って、もうッ」 「はむ、はむ、はむっ……もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ……♪」 「相変わらずおいしそうに食べるなぁ、ロッテ。可愛い“妹”だ」 「はみゅう?ふぁいすふぁ~、んぎゅっ……どうかしましたの?」 「う゛ぁ……そ、そのな。ほら、ドレッシングを零すんじゃない」 この通り、ロッテは平然と“人間用の”チキンサンドを食べている。 飲んですぐに「嫌いですの」と言い放った、炭酸飲料や辛い物以外は 食料ならなんでも食べてしまう。無論、15cmの体格に見合った量しか 食べられぬ故、自然と私と半分ずつシェアする事になるのだが……。 「そう言えば、ロッテや。お前がその様に食事するようになったのは」 「えっと……確か、以前定期メンテナンスにお出かけしてからですの」 「む、そうか……あの時頼んだ先は、確か“ちっちゃい物研”だな?」 「はい♪あれからなんだか、とても快調ですの。お腹は空きますけど」 東杜田技研。そう大きな会社ではないが、マイクロマシン分野に強い。 そこの一部署が“ちっちゃい物研”と自らを名乗っている。そして以前 メンテを依頼する際、知人を頼って同部署を指名した覚えがあるのだ。 あれは研究員……“Dr.CTa”の技術論文を読み、感銘を受けたからか? 実際同社の手際は見事な物だ、私に解決できない不調は全て解消した。 特に補助バッテリーの持続性が、30%程伸びているのは驚きだった。 「だが、ううむ……その時の事は、まだ思い出せないのかロッテ?」 「えと、あ。そう言えば……白衣のお姉さんが嬉しそうに手を……」 「ふむなるほど、そういう事か。感謝せねばならんな、ある意味で」 なんとなく掴めた。が、追求はするだけ無意味であるとも理解が及ぶ。 “Dr.CTa”か仲間の誰かが、実験の為ロッテに改造を施したのだろう。 となればロッテからそれを取り外すのは、かなりの大手術になる筈だ。 そもそも、だな?こんな可愛く物を食べるのに……外すなどとはな?! せっかくの“妹”から、食を取り上げるという冷酷な行為はなッ!?! 「……マイスター?なんだか顔が紅いですの、どうしました~?」 「な、なんでもないっ!……そう言えば、こんなビラがあるぞッ」 「武装神姫・第五弾?セイレーンにマーメイドに、イルカ……?」 「うむ。今度は海シリーズらしい……水着も開発せねばならんか」 と私が水着のデザインを思案し始めた横で、何やらロッテが唸り出す。 あからさまに縦線が入る程の、負のオーラさえ背負っている様だった。 何事?と顔を近づけ、ロッテの様子を伺ってみる。そして出た言葉は。 「……マイスター。なんだかこの妹達、胸がおっきいですの」 ホットティーを噴いた。見ればなるほど、確かにキャンペーンガール…… 正確にはキャンペーン神姫か。彼女らの胸部は、至上類を見ない豊かさ。 成長期なのに躯が小さい私も、アーンヴァルタイプのロッテも心は同じ。 どちらから切り出そうかと悩んでいたが、先行したのはやはりロッテだ。 「マイスターも、わたしの胸大きい方がやっぱり……いいですの?」 「ぐ!?……いいんだ。ロッテは今のロッテが一番可愛いからな!」 「てへ……マイスターも、今のマイスターが一番大好きですの~♪」 そう言って肩に飛び乗ったロッテに、私は頬を寄せ頭を預けさせてやる。 嫉妬心が無いわけではないし、今後は豊満な躯用の服も作らねばならん。 我々としてもいろいろネガティブな物は感じるが、それはそれであるッ! 別に胸の善し悪しで全ての価値が決まるわけではない、気楽に構えよう。 彼女は大切なパートナーであり、彼女にとって私もそうであるのだから。 「あ。マイスター、紅茶が付いてますの。んっ……♪」 「わ゛!?こ、こらっ、頬にとはいえキスするなっ!」 「えへへ~、大好きって言ってくれたご褒美ですのッ」 ──────この笑顔があればね、別にいいじゃないの。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/843.html
春が近い事を告げる嵐が、町中を吹き荒れていた 今年は冬が短かった・・・此処の所食傷気味なチョコレートをばりばりと乱暴に齧りながら、俺、佐鳴武士は帰宅した 「よう、随分と身が入るじゃないか。華墨、エルギール」 決勝に向けてのスパーリング(?)を止めて俺を見る二体の神姫 「やぁ、おかえり武士君」 奥からエプロン姿の神浦琥珀が顔を出す・・・激しく似合わない その手にはぁゃιぃ色の煙を上げる鍋が鍋つかみ越しに握られている 彼女らが此処に来てから、既に三日目になる 「HELLO,CP ISOLATION」 「べ・・・っ!別にアンタに用があるわけじゃないんだからね!アタシは琥珀がアンタのマスターに義理チョコ渡しに来たのに、付き合いで来ただけなんだから!!」 マフラーと手袋で着膨れした琥珀嬢のポケットから顔を出すなり、エルギールは叫んだ。有様にマスターは苦笑していたが、私にはその意味する所は良く判らなかった 「そいつはわざわざ御丁寧にどーも・・・コレ、牧縞の皆に配ってんの?」 「うん、こう見えても僕はあの店の仲間内では一種のアイドルだからね。今年こそは皆にチョコを配ろうと思ってね」 自分で自分の事をアイドル呼ばわりするあたり、相変わらずどうにも正体の掴めない人物だが、気になったのは「今年こそ」の部分だ 「今年こそ・・・って?どういう事だ琥珀嬢?」 「まぁ、判り易く言えば実験台になれって事だね」 「・・・・・・」 「オーケイベイビィ、相手をしてやるぜ」 「マスター、地獄の壁は有名だがその台詞は原典が判りにく過ぎる」 とまれ、あがりこんで来た琥珀嬢のチョコレートで一服する事になったのだった 「・・・この団子みたいなやつは形はいびつだが味は普通だな・・・でも中身が入ってないと寂しいぜ。俺個人的にナッツが入ってるのが好きなんだ」 「僕はヌガーの入ってるのが好きさ」 「この亀型(?)のやつはやばいな・・・滅茶苦茶苦いぜ」 「糖分の加減を間違えたんだ・・・鰐は逆に異様に甘いから気をつけてね」 「要するに失敗作処分しにきただけじゃねーのか?」 「・・・まだ四十個くらいあるから好きなだけ食べてね」 「おい、何だよ今の沈黙は!?てか40個って何だよ?おかしいだろこら!!」 「へぇ、カメレオン飼ってるんだ・・・良いよね、爬虫類」 マスターの非難を無視してボナパルト君と見つめ合う琥珀嬢・・・あ、ボナパルト君が目を逸らした (強い・・・ッ!!) マスターに対する対応も含めて、何故か私の中にこの家での力関係の妙な図式が一瞬浮かんだが、不愉快な の連鎖だったので慌てて頭を振った 「何いきなり激しくヘッドバンキングしてんのよ?ホント相変わらず宇宙的にバカね」 エルギールは大概誰に対してもこうだが、私だけに特別厳し過ぎはしないだろうか? 「あぁ、あとついでに鍋とコンロ貸してくれないかな?うちにあるやつがもう駄目になっちゃったんだ」 「スルーかよ!何で駄目になるんだよそんなモンが」 「一々細かいな君は・・・ケツ穴小さ過ぎだよ」(注1) 「・・・・・・」 凄まじい迫力だ、表情は一切変わっていないというのに・・・やはり途轍も無い実力者の様だ、後半は何を言ったのかよく聞き取れなかったが(注2) 家のキッチンを占拠して、琥珀嬢のチョコレート造りが、何故かマスター宅で再開される その足元にはボナパルト君が控えている 不謹慎にも、その後姿を見て「魔女の薬草実験」を幻視した 「訳判らん!なんでウチでやるんだよそんなの!」 「ほら、なんか昔の18禁ゲームみたいで微妙に嬉しいシチュエーションだろ?」 「ほらじゃねえっての!しかも俺はお前さんみたいなえろくない体型の女は好みじゃねええ!!」 「仕方が無いだろう?深町君には彼女が居るし、皆川さんの所じゃ迷惑になるし、西さんの所には僕の本命が居るんだ・・・ならここでやるしか無いじゃないか」 「説明になってねぇぇぇぇ!!駄目だこの女あぁぁぁ!!」 うむ、マスターがムチムチ好みだということは知っていたが、本人を前にその発言は失礼過ぎるだろう どうやら話を手繰れば、チョコ作成の判定にファンブルしてついでに鍋とコンロ、そして恐らくはキッチン自体も深刻なダメージを負ったという事だな だがそれだけではわざわざ此処に来る理由は弱い・・・何せ彼女とマスターが顔をあわせるのは、私の知る限りこれで3度目だか4度目だ 本命は別に居ると言っていたから、それこそギャルゲーの常套パターンを踏襲した訳でも無さそうだし・・・すると他の所に理由が・・・? 「何時迄一人の思考に浸ってんのよ!何か相手しなさいよ」 エルギールの怒声で現実に引き戻される・・・入って来た時、私には用は無いとか言ってなかったか? 「・・・あぁ、済まないエルギール」 「・・・でとう」 「え?」 「決勝進出おめでとうって言ったのよ!二度も三度も言わせるんじゃないわよこのスカタン!!」 何故か顔を真っ赤にして私を激しく殴りまくるエルギール・・・さっぱり訳がわからない 「ホンっと頭来るわね!アンタそこに直りなさいな!性根を叩き直してあげるから!!」 じゃきん、と『魔女の剣』を構えるエルギール・・・冗談ではない 振り回される鞭剣を、辛うじてかわす 「部屋のモン壊すなよ」 マスター、どうして貴方はそんなにテキトーなのだいつもッ!! ばたんばたんばたん 「何だかなぁ・・・結局何しに来たんだよ一体」 「君は本当に愚鈍だね」 「何?」 「そんな調子じゃ何時迄たっても僕のチョコの実験台がせいぜいだ・・・さぁ、出来立てだ、ありがたく貪りたまえ」 言いつつ、琥珀嬢がマスターに差し出したチョコは、今までの40個がまだまだ彼女にしてはマシな方の代物であった事を痛感させるに足るものだった 持ち込んだクレイドルで寝付いたエルギールに、優しく毛布(?)をかける琥珀。結局居付くつもりなのか? 「エルギールは兎も角、お前はどうするんだよ?」 「この寒空の中外に放り出すつもりかい?」 「そんなに家非道い状態なのかよ?」 「・・・エルギールが来たがったんだ」 「・・・え?」 「・・・っと。これは言わない約束だった。記憶を失っておいて」 相変らず無表情に、しれっと非道い台詞を吐くなコイツは 「・・・まぁ良いがよ・・・で、お前はどうすんだ?」 「どっちみち今家は人間が生活出来る状態じゃないしね。他当たるのも面倒臭いから泊めさせて貰えるかな?」 「宿泊費取るぞ・・・さんざキッチン占拠してぁゃιぃモン造りやがって・・・後半ただのネタチョコばっかだったじゃねーか」(注3) 「体で払うよ」 「・・・っ!!」 「冗談だよ。僕も正直、君はあんまり好みのタイプじゃない・・・まぁ深町君みたいなのに比べれば、君みたいな馬鹿の方が大分好感が持てるけどね」 「は・・・ん!最初に俺のやり方に釘刺しに来やがった癖に!」 「あれは本当はニビルの担当なんだ・・・マスターである僕が言うよりも、神姫当人から言われた方が効くだろう?僕は『壁』役なんて本当は御免なんだ」 「『壁』・・・ね」 最初にぶつかる壁、限界を感じる瞬間、乗り越えるべき障害・・・俺と華墨にとって琥珀とエルギールはまさに最初の『壁』だった 「でもニビルには明らかに上昇志向があるし、エルギールには別にそんな気概はそれ程感じねえな?案外適任なんじゃねえのか?」 「それに、ニビルはその・・・巧く言えないんだが・・・何か『危うい』感じがする。不安定っつーかなんかな」 一瞬、「へぇ」という様な声を漏らして俺の顔を凝視する琥珀・・・瞬きをしろ、怖いから 「言う程鈍臭くも無いのかな?君は」 「どんだけ鈍臭く見られてんだよ俺は?」 「上昇志向・・・か、確かにね。あの時はああ言ったけど、僕自身がエルギールを『闘わせて』いる当人だからね・・・エルギールは僕の要求に応えてるに過ぎないから当然かも知れない」 今度はこっちが「へぇ」を漏らす番だった 「意外だな・・・お前さんはそんな好戦的なタイプじゃないと思ってたんだが」 むしろ、好戦的なエルギールを琥珀が抑えているように見えていたのだが・・・ 「僕はね・・・武装神姫用の剣を作ってるんだ。それで、最初はその実験を色々な武装神姫に手伝って貰ってたんだけど、その内自分の作品で自分の神姫を闘わせてみたくなってね・・・それでさる筋から譲ってもらったのがエルギールだったのさ」 「まぁ、その剣匠の工房の関連で、今家を改築してるんだ。チョコの件があろうとなかろうと、誰かの家に転がり込むつもりでは居たんだ」 「ちょっと待てよ!それって暫くウチに泊り込むって事かよ!?」 「だから言ったじゃないか。昔の18禁ゲームみたいなシチュエーションだって・・・僕みたいな不思議ちゃんはお約束だろ?」 「自分で不思議ちゃんとか言うな!てかそれどころじゃねえって!」 「別に性欲処理については相談次第で相手してあげなくも無いけど・・・?それとも人形相手じゃないと勃たない変態さんだっけ?」 「変態じゃねえ!ついでに別にお前とフラグを立てるつもりもねえ!!」 「じゃぁ誰が目標?やっぱり華墨?」 「だから変態じゃねえっての!泊り込むとかならもっと早く言えよ!?」 「そうだね、まぁそういう事で宜しく」 「ぐあああぁぁぁっ!!なんじゃそりゃああぁぁぁぁ!?」 結局俺がいくら吼えても、琥珀はウチに泊り込む事を決定、好みでないとは言え床上手な性技に絡み取られた事もあって、変な同居生活が始まったのだった 「あと、満足のいくチョコが出来る迄は実験台になってもらうから」 とんでもない奴じゃないのか?コイツは 剣は紅い花の誇り 前へ 次へ 注1 ケツ穴の部分だけ何故か合成音声っぽいぁゃιぃ発音 注2 冷や汗びっしょり。この時華墨は、「いっそ人形であったなら」と一瞬思った 注3 しかも結局この日の内に渡せていない
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/420.html
注意 各項目は順不同に並びます。また、扱われる内容によっては 専用の解説ページを設ける事もありますのでご注意下さい。 また、以下は全て妄想神姫に於ける世界設定類の解釈です。 一部皆様の解釈とは異なる点がありますが、ご了承下さい。 それでも採用してくださる場合は、遠慮無くご利用下さい。 大前提MMSショップ“ALChemist” 神姫用ファッションブランド“Electro Lolita” 食事機能 晶の得意分野 HOS(ハイパー・オペレーティング・システム) アシモフ・プロテクト ゲヒルン 情報魔導学(魔術) 2036年のネットワーク事情 人工知性心的外傷症候群(AIPTD) 人型神姫インターフェイス 万世橋無線会館 集光タワー 趣味嗜好 重量級クラス 合法ハッキング 晶の眼鏡 神姫の解析 2036年~2037年の気候 HVIFの免疫系 一応塾 “Electro Lolita”量産タイプ“Fiora” 人間用“Fiora” 祭典 薬物への耐性 3on3 ヴァーチャルバトルの舞台設定 天丼屋 魔導 晶達の日課 集光ケーブル等の増設 プロトタイプCSC 三姉妹の戦闘訓練 執事喫茶 お風呂 戦績記録カード 大江戸大風呂敷物語 設計図面 ぷちマスィーンズ(及び、その超AI) 接合 昇進を賭けた試合 エントリーゲート 玩具展示会 海上基地 バトル時の重力 階級章 電気自動車 パイプオルガン オーロラ・エフェクト 松本城 バイザー 拡張型サイドボード 超AIの個性と、その弊害 射出式のゲート フィールドの有効範囲 簡易クレイドル 牛丼屋・インドカレー屋 ブラックアウト 大前提 「妄想神姫(以下作品)」を書くにあたり、実際に発売された KONAMIのフィギュア「武装神姫」における構造等は、あまり 作品には考慮されていない事をお断りする。率直に言えば、 作品を書くにあたり実物の「武装神姫」は検証していない。 作者自身が、それを一切所持できない事情に由来している。 甘い部分があったらごめんなさい……指摘は受け付けます。 追記・07/08/07:今や実物の神姫は7人おります。(笑) MMSショップ“ALChemist” 人間側の主役・槇野晶と神姫側の主役である三姉妹が運営する店。 アキバの外れに聳えた雑居ビルの地下にある、隠れた店舗である。 神姫正規取扱店の認可を持ち、別フロアは主役達の住居も兼ねる。 その主な業務は、武装神姫達の販売・点検・修理・改造等である。 一応各種届け出の窓口もやっているが、場所柄故利用者は少ない。 神姫以外のMMS系商品に至っては、玩具店にも負けそうな勢い。 逆に神姫用ショップブランド品の開発には、目下力を入れている。 ちなみに、登記簿など法律上の“オーナー”は晶ではないらしい。 神姫用ファッションブランド“Electro Lolita” 晶がMMSショップ“ALChemist”において売り出している神姫用品。 下着からコートまで、神姫達が身につける為の各種衣料をカバー。 素材も、本格的な布地から装甲能力を持つ硬質素材までと幅広い。 そのデザインは晶とロッテの趣味嗜好が前面に押し出されており、 有り体に言えば“少女趣味”な、過剰装飾気味のデザインである。 神姫を大切に扱う一部の好事家には、ヒットを飛ばしている様子。 通販もしているが、注文には写真も含めた神姫のデータを要する。 オーダーメイドも気まぐれ次第では行う事がある。(主に常連相手) トータルコーディネイトをした場合、値段は人間用にも匹敵する。 食事機能 経緯は第四章に譲るが、(株)東杜田技研・小型機械技術研究製作部 ──通称「ちっちゃい物研」に属する者の手によって、ロッテには 同研究所が実証実験中の“食事機能”が、何故か搭載されている。 ロッテの同機能は“コミュニケーション重視型”であり、彼女には 確り好き嫌いが存在する。詳細は戦うことを忘れた武装神姫参照。 第八章の段階で、食事機能を内緒で搭載していたのがDr.CTa女史と 判明する。クララにも搭載されたこの機能を、晶は歓迎している。 クララの同機能は、ロッテ以上の“コミュニケーション重視型”。 アルマにも修理の際、Mk-Z氏によって同機能が搭載されたらしい。 Dr.CTa女史の指図なのか独自の判断かは、第十章の段階では不明。 アルマのそれは、何故だか“エネルギー重視型”気味である様子。 晶の得意分野 職人(マイスター)を名乗る晶だが、決して万能な存在ではない。 彼女の才能が強く発揮されるのは、各種の精密工作技術である。 そちらが“Electro Lolita”として一定成果を上げている反面、 データ処理等の情報処理技能は、本人が力量に納得していない。 修行の甲斐もあってそれなりの技術力は備えているが、まだまだ 研究者やその手のプロには及ばない、と自己分析しているのだ。 その為、適材適所の言葉通り他人の助力を扇ぐ事も躊躇わない。 “ホビーショップ・エルゴ”や“ちっちゃい物研”を多く頼る。 弟十九章の段階では、クララとの学習で技術力を高めつつある。 HOS(ハイパー・オペレーティング・システム) 神姫を戦闘の為に最適化する市販プログラム。一時期は大多数の バトル派ユーザーが使用したが、去年夏に通称“HOS事件”を 引き起こした事で風評が広まり、現在使用するユーザーは稀少。 事件の経緯など、詳しくはねここの飼い方・劇場版を参照の事。 なおロッテ達晶の神姫には“HOS”は全く使用されていない。 正規品をそのまま使用する行為をあまり選ばない晶の職人気質、 “HOS事件”で巻き起こった簡易設定用プログラムへの批判。 これらを勘案した結果、晶は“HOS”を使用する事を放棄して 彼女が自作した動作制御用コンポーネントを搭載する事にした。 それは喩えるなら、「軍事教本」や「取扱説明書」の様な代物。 アシモフ・プロテクト 後述する命令をメインフレームとする、電子的な動作制約。 神姫を初めとするMMSは武装が可能であるという特性上、 MMS国際法第六条にてプロテクトの実装義務が存在する。 第一項:人を傷つける事なかれ、また危機を見逃す事なかれ 第二項:前項を遵守する限りに於いて、人の命令に忠実たれ 第三項:全条項を遵守する限りに於いて、己を常に護るべし これは旧時代の有名SF作家が、自己の作品を通し定義した ロボットに対しての三原則が、バックボーンになっている。 これを思考回路に内包したロボットは、“人間にとっての” 忠実なる下僕……役に立つ道具となる事が運命付けられる。 だが作家自身があら探しする程、この機構は不完全である。 作中ではその矛盾について数多くの場面で描かれている上、 実際問題として高度な知能を備えているMMSにおいても、 “独自・創造・発展”という“三つの性”を強力に阻害する 一種の枷でしかない事が、開発段階の初期に判明している。 この為現在は、正式なユーザー登録を経て所在が確認された 神姫に対しては、解除プログラムがCSCに組み込まれる。 その一方で、各種犯罪に用いられる“違法神姫”に対しては 同プロテクトを阻害する命令を組み込むユーザーが大多数。 いずれにせよこれらのプロテクト無効化措置により、神姫は プロテクトに囚われない、自由な思考・判断が可能となる。 この事により、プロテクトの意義を疑問視する識者は多い。 一方で犯罪抑止の為にプロテクトを強化すべし、との声も。 ゲヒルン “オーバーロード”の1種。“オーバーロード”とは、通常では 持ち得ない何らかの超常的能力を備えた神姫、またはその能力。 大抵は代償を抱える。詳細は徒然続く、そんな話。を参照の事。 クララは、極めて重症の“オーバーロード”を抱えてしまった。 それが晶をして“頭脳”と名付けた、非常に特殊な症例である。 本来別の用途に割り当てられているAIの機能が、情報処理系に 置き換えられ流用されているが為に情報処理能力に秀でている。 但しその代償として本来の“別の用途”に支障を来す事となり、 クララの場合、それは火器管制系と駆動系の瞬発力制御だった。 故にクララには、通常の戦闘とは異なる戦闘体系が求められた。 情報魔導学(魔術) 英訳名は“TechnoWizardly”。“即時性仮想空間侵蝕技法”の通称。 もっと端的に言う時は、“魔術”という言い回しを用いる事が多い。 “オーバーロード”作用により戦闘力を著しく欠いているクララが、 その長所を最大限に生かした結果開発された、全く新しい戦闘体系。 “即時性仮想空間侵蝕技法”というのは、至極簡単に説明するならば 『リアルタイムでバトルフィールドに行われるハッキング』である。 燃焼実験のデータを展開すれば炎を起こし、液体窒素の原子的状態を 割り込ませれば周囲を凍結させて、電荷状態の数値を変えれば落雷。 専門知識と情報処理の能力さえ一定以上あれば、その実効性は高い。 しかしレギュレーションに則した侵食範囲を超える事はできないし、 通常の神姫では難易度が高く、バッテリーの消費もバカにならない。 普通は専用情報処理パーツと大型バッテリーが必要になる程であり、 生まれつきの才能を持ったクララだからこその、特殊な技能である。 2036年のネットワーク事情 この時代でもテキストベースの匿名的ネットワークは死んでいない。 有名な巨大掲示板やソーシャル・ネットワーキング・サービスには、 神姫話専門のコミュニティが常設されている事も決して珍しくない。 他方では匿名性を半ば犠牲とした次世代コミュニケーションツールも 広く普及しているが、どちらも“晒し・叩き”等の行為は存在する。 (特に都市部の)悪辣なオーナーは、それ故に著名である場合も多い。 人工知性心的外傷症候群(AIPTD) ぶっちゃけてしまえば、神姫等の高度人工知性体が負うトラウマ。 基本治療は人間と大差ないのだが、身体的構造が人類と異なる為に 薬物療法等は行えず、プログラムで無理矢理矯正する“荒療治”は 治療の趣旨に反する為に、治療は人間相手よりも難しいとされる。 アルマが蘇生時に見せた拒絶反応もこれに該当すると思われるが、 神姫同士による対話と晶の誠意により、軽度症状に留まった様だ。 人型神姫インターフェイス アンドロイド等、人型ヒューマノイド・マシンの一種。神姫の為に 作られた躯であり、機能や構造等は人間のそれに近くなっている。 詳細は橘明人とかしまし神姫たちの日常日記を参照の事。晶達は、 フェレンツェ・カークランド博士より実験協力の依頼を受けた為、 アルマ・クララ・ロッテの3人ともインターフェイスを利用する。 本作中では、HVIF(Human-type Valkyrie InterFaces)と略す事も。 万世橋無線会館 地上八階・地下五階の、割と大きめな雑居ビル。その名前の通り、 地上階は無線パーツの店や各種業者のオフィス等が入居している。 一方地下階……厳密には地下二階から地下四階は、晶の為にある。 地下二階にMMSショップ“ALChemist”の店舗部と晶の住居を構え、 地下三階は各種工作用の“工房”とHVIF三人の居室を設けている。 地下四階は倉庫フロアであり、地下三階から移された備品もある。 これを見越してか、エレベーターは地下二階までしか移動しない。 ちなみに地下五階が、ビル全体の為にあるライフラインの受け口。 “ALChemist”登記簿上“オーナー”の、所有ビルの1つらしい。 集光タワー 万世橋無線会館の屋上に、各種アンテナに紛れて設置されたポール。 全体が特殊なプラスチックで出来ており、効率よく太陽光を集束して 光ファイバー経由で地下のMMSショップ“ALChemist”へと伝達する。 晶がTV放送用のアンテナと一緒に、ドサクサに紛れて3本設置した。 趣味嗜好 人間と変わらない“心”をCSCとコアの配列によって会得している 神姫達にも、当然ながら好悪や趣味嗜好が存在する。人間とは大きく 生活様式が異なる為、そのバリエーションが少し人間と異なる程度。 但し、バトルマニアのユーザーはそう言った事を含め“余計な事”を 思考させない様に、神姫自身をプログラムで矯正したりするらしい。 逆に戦闘が趣味の神姫もおり、“人間同様の多様性”の証と言える。 重量級クラス KONMAI事務局が昨年末制定したばかりの、新しい神姫バトル用階級。 アムテクノロジー社が開発していたMMS専用の局地戦機動装甲服、 “バイザー”の研究が大手各社で進んだ事で、試験的に確立された。 “無秩序な恐竜的進化”という誰もが予想した問題を抑制する為に、 現在は乾燥重量と通常容積に対して、上限と下限が設けられている。 反面従来の自由性を維持する為に、自作パーツの使用も認められた。 とは言え制限は厳しく参加の為には、一定の事前審査を必要とする。 晶は序章の開始時に、自作モジュールの簡易試作品とロッテを提出。 一悶着はあった物の無事に合格し、ロッテに参加IDが発行された。 なお対義語である“軽量級ランク”とは、従来のリーグバトル形式。 重量級ランクはあくまで現状維持を優先した、実験的な階級である。 また、クララとアルマの参加IDは第十五章時点で交付されている。 合法ハッキング 2037年現在、ヴァーチャル式バトルフィールドを使用するタイプの 神姫バトルについては、神姫自身によるハッキングが許可されている。 但し幾つかの“禁則事項”があり、これを検知すると反則負けとなる。 ・瞬間移動、あるいはそれに準じたハッキングによる超光速移動 (過去に公開されたメソッドが、戦闘バランスを崩す程氾濫した) ・神姫自身のプログラムをダイレクトに破壊する“クラッキング” (幻覚を見せ幻聴を聞かせる程度ならば、現状は認められている) ・神姫自身の体内組成データのみを、接触せずに直接破壊する行為 ・戦闘領域全体を書き換える程の、大規模・無秩序なハッキング 所謂“クラッキング”は認められない為、手順には細心の注意が必要。 クララの武装には、これらを違反しない様にリミッターが課せられた。 晶の眼鏡 槇野晶の眼鏡は、普段装着するウェアラブルPCのモニターである。 画面は視界を遮らない様に半透明の状態で映し出され、画面の配色も 視界の邪魔にならない淡めのカラーパターンを採用している。OSは Winbows Viske 2036w-Professional。モバイル端末を兼ねるPHSと 連結させる事で、インターネット通信も楽々こなせる高性能モデル。 弦には超小型CCDカメラがあり、ロッテ達“晶の三姉妹”の戦闘は これを用いて録画される。その用途は戦闘パターンの、分析と改良。 MMSショップ“ALChemist”の専用サーバには、三姉妹のクレイドルと “PCのクレイドル”が接続してあり、データリンクも同時に行う。 その為神姫達のデータが、一部このウェアラブルPCに入っている。 神姫の解析 高度な人工知性体の“知性”を構成する、神姫のコアとCSCには、 当然ながらメンテナンスや検査・デバッグなどの行為が欠かせない。 当然、それを行う為の道具……精密工具やソフトウェアも存在する。 一般向けソフトは、許された範囲の数値閲覧や設定変更等を行える。 それ以上を行う場合、基本的に一般流通していない専門の物を使う。 下手にアクセスして改造してしまえば、直ちに規約違反となる為だ。 晶は、正規登録しているMMSショップであるという立場を活かして 専門のソフトを専門業者から(コネを利用した交渉の末に)安く購入。 クララ・実験台に志願した神姫と共に、短期集中的に徹底学習した。 2036年~2037年の気候 2006年が記録的な暖冬だった日本。30年後の未来、その傾向は 更に進行してしまい、猛暑が長続きする一方で冬は短くなっている。 海面上昇も顕著になっており、ニュースで騒がれない日は殆どない。 それでも人類の猛省と努力が奏功した為か、30年前の予測時よりも 温暖化現象による環境被害は、若干ながら控えめな物となっている。 エネルギーや駆動機関が化石燃料を頼らない物に移行し終えた事も、 更にそれが世界規模で押し進められた事も、十分成果を上げている。 HVIFの免疫系 人間は風邪を引くが、人の躯を模したヒューマノイド・マシンである 人型神姫インターフェイスの場合も、人間の病気とは無縁ではない。 受胎・出産すら行う位までに高機能化され、生体に近くなった為だ。 (同機能に異常を来している様な劣化コピー版の場合は、不明である) しかし人間とは違い機械的なメンテナンスを受ける事が出来る為に、 従来の病理学も併用すれば、大抵の病気は簡単に治癒できてしまう。 そう言う意味で、HVIFの免疫機構は人間の物よりも強靱である。 とは言え最初から病気にならない方がいいのは当然であり、三姉妹も 晶の影響を受けて、健康には大分気を遣っているらしい。それでも、 病気になる時はなってしまうのが、生命体という存在なのだが……。 一応塾 “塾偏重”を批判する2006年のCMで用いていた単語ではない。 慧応義塾学院と一波紫大学が共同で設立した、新派の進学塾である。 世間の流れより2年程遅れて、設備の近代化・完全ペーパーレス化が 現在進んでいる。首都圏に31校あり、規模だけは無駄に大きい塾。 とは言え大学出資だけあり学習内容は確かな品質。その一方で塾内の 気風はオープン。神姫の持ち込みも(邪魔しなければ)許可されるが、 流石に神姫自身を“一人の塾生”として認める程、開明的ではない。 クララは自身のHVIF・梓をまとって、この塾で現在学んでいる。 “Electro Lolita”量産タイプ“Fiora” “フィオラ”と劇中で呼称されている服飾類。“Electro Lolita”の 事実上初めての“量産型”シリーズである。手始めに、2037年三月の “鳳凰カップ”にて、限定生産品として先行販売される事となった。 帽子・リボン・ネクタイ・コードタイ等の小物に始まって、メインの 服部分はブラウス・スカート・ベスト・ジャケット等が製作された。 更に神姫専用アンダーまで用意されており、カラーバリエーションが 各パーツ事に3~4種類ずつ存在している。内二つは白と黒である。 外見のみならず防御性能や戦闘時の動きやすさも考慮された。しかも リボンにレーダー素子を組み込む他、ネクタイ類を強化ワイヤー製に している等、“武装神姫としての機能性”も考慮された逸品である。 なお、トータルコーディネイトの価格は普段の“Electro Lolita”の 2割安である。それでも5桁は確実で、決して安価でないのが欠点。 人間用“Fiora” 手先の器用さを生きる武器と成し、服飾を趣味とする槇野晶にとって 自分の着る服を作るという行為は、極希に行う儀式の様な物である。 大抵は気合いを入れる時や、大規模なイベントへ参加する時に行う。 第二十二章の時に晶が持っていたのは、そうして作られた服である。 プレゼンテーションの意味合いも込めてか、そのデザインは神姫用の トータルコーディネイト“フィオラ”を土台とした物になっている。 少女的な造作と振る舞いを備えた凪千空氏にも、似合っていた様子。 ちなみに晶はコスプレ趣味を備えておらず、メディア由来の服飾類を 自分の趣味において作成した経験は無い。但しデザインの方向性故、 元ネタがあるのか?と周囲の興味(主に素人カメラマン)を惹く事も。 祭典 盆と暮れの年二回、東京ビッグサイトで挙行されている“本市場”を 意味する大規模な民間イベント。創始者は既に死亡しているのだが、 彼らの志を継ぐ者達と参加者の精神、そして肥大化した欲望に伴って 弟150回を目前にする程のロングランを記録している、日本最大の イベントである。晶は数度だけ、物見遊山に行った事があるらしい。 2037年という電子化の時代を迎えてもアナログの魅力は棄てがたく、 紙媒体のそれらも多量に頒布されている。尤も環境問題もあってか、 100%再生紙や非透過フィルム紙を用いる製本が一般化しつつあるが。 その魅力と影響力たるや、鳳条院グループ総帥が自社主催イベントの 開催時期を、わざわざ春と冬(秋?)にずらしてしまう程なのである。 薬物への耐性 通常型の神姫であれば、無論アルコールを摂取する事さえ叶わない。 だが何らかの要因で飲食を可能とする神姫は、一部の物質に対しても ある程度の個性を持った反応を示す。アルコール類はその代表格だ。 二日酔いや常習性等は、大抵の場合AIの個性に依存する物である。 ロッテの様に冷静に暴走して数分で収束するタイプもいるが、大抵は 頬を桜色に染めて前後不覚になる……即ち人間同様の酔い方をする。 だが、神姫にアルコールが(生理学的に)作用している訳ではない為、 人間以上に“酒癖”は千差万別だと言える。但し研究は途上である。 3on3 神姫がある程度普及した時期に設けられた、特別レギュレーション。 そのままズバリ、二人のオーナーが各々三体ずつの神姫を持ち寄って チームで勝敗を競う。勝利ポイントは、所属神姫全員に与えられる。 バトルロイヤルや2on2等の亜種を含め公式戦でも開催されており、 これのみに全力を傾けるオーナー(及びオーナー連合)も、いるとか。 神姫達のチームワークと戦術が全ての鍵を握る、特殊な戦場である。 ヴァーチャルバトルの舞台設定 神姫バトル用ヴァーチャルフィールドには、様々な環境が存在する。 草原から都市、果ては第二十五章の様な月面から火山帯・洋上まで。 事前に選ぶ事も出来れば、ブース単位でランダムに決定する場合も。 これは今後リリースされていく神姫の活動範囲を保障する為であり、 同時に各神姫の戦術が固着化しない為の、一種のスパイスでもある。 天丼屋 知っている人なら知っている、JR秋葉原駅近所の“彼処”を示す。 2036~2037年でも、アキバを訪れる“ディープな”人々に愛される。 但し、つくばエクスプレスの開業から年月が経過した事もあってか、 “ディープでない”人々も多く訪れる様になり、益々繁盛している。 魔導 “魔術”に酷似してはいるが、現実空間でも使用出来る等不可思議な 原理を内包する特殊な技法。当然ながら、科学では説明しきれない。 三姉妹の“魔剣”がそれらの能力を備えているが、詳細な原理自体が “妄想神姫”で語られる事は無いと思われる。別な話の要素である。 晶達の日課 地下生活が基本となっている事を意識している晶は、ロッテと暮らす それ以前から、(荒天時以外)毎朝の体操を欠かさない。健康面は勿論 精神衛生上、朝焼けの空を見る事はプラスになると考えている為だ。 なおその際、実用面から冬はジャージ・夏はブルマを着用しているが 何故かこの服装パターンは、ロッテ達“三姉妹”にも伝播している。 集光ケーブル等の増設 万世橋無線会館に配置された集光用ファイバーや空調用のダクトは、 増設や模様替え・改築に対応できる様に、接続を自在に変更できる。 晶が地下に張り巡らせた分だけでもまだ相当の余裕があったらしく、 余っていた内の更に1/3程が、神姫だけの為に宛われた様である。 プロトタイプCSC ロッテ達三姉妹には、最終期試作品であるCSCが使用されている。 製品版で行われる“着色”が為されておらず、水晶の様に無色透明。 情報処理能力が2%程劣る物の、性能その物は製品版に準じている。 三姉妹はそれを誇りとして“プロト・クリスタル”という名で呼ぶ。 入手経路は現在の所不明。しかし、晶は何らかの信念を以てロッテに 六つ所持していた内の半分を搭載した。機能上は規約通りである為、 精緻な動作チェックを経た後に、事務局には事実上黙認されている。 その後クララとなる神姫を売る際、在庫不足から客に貸与した一つが そのまま彼女に組み込まれ、アルマとなる神姫が猪刈に破壊された時 CSCの保全用修理パーツとして、東杜田技研に二つ持ち込まれた。 三姉妹の戦闘訓練 MMSショップ“ALChemist”の私室には、一応ヴァーチャル式の神姫用 トレーニングマシンが存在するのだが、利用率は七割弱程度である。 つまり三回に一回は、生身……神姫素体での模擬戦やスパーリングを こなしている計算になる。これは三姉妹全員とも、同じ傾向にある。 理由は、ヴァーチャルに慣れる事での感覚の鈍りを避ける為である。 これは損傷する危険が大いに存在するが、晶が修理を引き受ける為に (金銭的なコストと引き替えに)安全で有益な戦闘訓練となっている。 なお、実空間訓練の提唱者は存在しない。神姫の自発的行為である。 執事喫茶 メイド喫茶も兼ねる、というよりそちらが主体の“平仮名三文字”の 店である。No1の店ではない物の、茶葉やサイドメニューに於いて 実に“わかっている”セレクトが、創立三十年後の今も人気である。 お風呂 MMSショップ“ALChemist”の居住区画には、ビル唯一と言ってもいい ユニットバスが存在する。バス本体と周囲一帯は風呂場となっており 晶は毎日此処で躯を磨いている。神姫達と暮らす様になってからは、 三姉妹用の洗浄剤ラックを初めとした神姫用の施設も増設している。 とは言え小柄な晶でも狭いと感じる事があるのか、月に一度は都内の 大型温泉施設に行っている。神姫は、特別許可をもらって入浴する。 設立から数十年経った為、立て替え計画が進んでいるのが悩みの種。 戦績記録カード 神姫バトルに正式登録した神姫のCSC固有IDは勿論、対戦成績や バトル傾向等、様々な情報を記録するカード。神姫センターの窓口や 受付機で主に使用する。その発行は神姫一体当たり一枚のみである。 オーナー側は販売されている専用のソフトで、内容の閲覧を行える。 発行を受けるか否かはオーナーの任意だが、その制約は少なくない。 特に記録されたデータの不正な改竄は、該当国の情報犯罪関連法及び MMS国際法弟二十七条により、厳しい罰則と共に禁じられている。 晶は、カードによって取得した各種データと自分で採取したデータを 統合して精査する事により、装備の改良を行う際の参考にしている。 大江戸大風呂敷物語 頼りない名前だが、歴とした温泉式大型公共浴場である。露天風呂や アミューズメント系のスパも完備されており、人気はそこそこある。 二十一世紀初頭の都心型温泉ブームに沿って作られた、施設の一つ。 神姫専用洗浄剤を(銘柄は限定される物の)使用させてくれる、稀少な 公共施設の一つであり、神姫オーナーの紳士淑女が神姫と連れ立って 訪れる事も偶にある。晶は、回数券を複数所持している常連である。 設計図面 “マイスター(職人)”という渾名を持つ晶だが、作成する物について 図面を引き記録を電子的に残す、という技術者的な面も持っている。 積み重ねが、将来自らが作り上げる物の礎になると信じている為だ。 しかし工業製品程精緻に引かれた図面ではない上、一部読み解くには 晶の“職人的感性による発想の転換”を必要とする箇所が多い為に、 図面自体は誰でも読める物の他人が“作品”を再現するのは難しい。 ぷちマスィーンズ(及び、その超AI) 第二弾(犬型・猫型)の神姫にて採用された、遠隔攻撃端末群の通称。 超AIによる機体制御と五基(内一基は神姫とのリンクを担当する)の 連携による全方位攻撃が売りであり、その潜在性能は計り知れない。 ぷちマスィーンズ自体は最新技術と特許権の塊である為、バラ売りの 超AIモジュールはブラックボックス化したキットのみが流通する。 それによりオリジナル装備の作成も可能だが、比較的難易度は高い。 晶は秋葉原という地の利を活かして、それらのキットを安値で入手し 様々な攻撃端末を製作した。“Valkyrja”の一部分や“EL Doll”に 使用している人工知能も、この超AIキットがベースとなっている。 接合 遠隔攻撃端末としては優秀なぷちマスィーンズだが、何らかの方法で 神姫からの指令を即座に受け取れなければ、力を十分発揮出来ない。 その為、第二弾に於いて使われている手法の一つが“接合”である。 極自然に用いられる手法の為、“接合”を認識する神姫は多くない。 上半身アーマーの背部に接続されたぷちマスィーンズが、通常これを 担当している。神姫のコアとぷちの超AIを密接にリンクさせる事で 命令を受ける速度が上昇するのだ。第二弾では、直接の指令を受けた ぷちが別のぷち四基に指令を伝達し、多次元的な攻撃を行っている。 密接なリンクさえしていれば、別に神姫と密着している必要はない。 その為に晶は、“接合”で単独の超AIと神姫をリンクさせている。 他の超AIと通信する為に用いられる情報処理機能を、機体の制御に 宛てさせる事により、“以心伝心”の連携プレーが可能となるのだ。 昇進を賭けた試合 リーグに於いて一定量の戦果を挙げた神姫が、月一回の“試験日”に 申請する事で行われるバトルである。外見上は普通のバトルと区別が つかないが、勝利した神姫には上位リーグへの移籍権が与えられる。 長く“主”としてリーグ首位に居座る神姫は、この移籍権を意図的に 行使しない場合もあるが、そもそも申請しないケースが殆どである。 マスターの都合で、毎月の“試験日”に出場しない神姫も多いのだ。 エントリーゲート 「妄想神姫」に於いて、ヴァーチャル式バトルフィールドにおいても 神姫のエントリー部分まではリアル式と共通の方式が採られている。 即ちオーナーの物理的干渉を防止する為、エレベーター風に筐体内へ “降下”し、そこからバトルフィールドへ“射出”する方式である。 ヴァーチャル式の場合、“降下”のプロセスが終わってからが違う。 筐体内でスキャンを受けた神姫は、自分自身と言うべき主幹データを バトルフィールドに転送し、疑似空間内に設けられたゲートを潜って 戦場へと“射出”されるのである。感覚的に、リアルとの差はない。 玩具展示会 毎年一回、八月に幕張の会場で催される玩具製造各社の新作発表会。 “武装神姫”も世間一般の認識は玩具である為、新作発表の場として このイベントを利用して神姫プラントの各社は宣伝に勤しんでおり、 事務局と“EDEN”を中心として、共同ブースが毎回設営される。 2037年は新作ラッシュの年であり、翌年早春までリリース予定の 試作品がブースでのコンパニオンを務める程、精力的・野心的な年。 これを契機に、オートマータ(自動人形)システムとしてのMMS達が 各界で注目を浴び始め、結果更なる発展を成し遂げていくのである。 海上基地 水中完全対応型の第五弾神姫リリースに際して、バトルフィールドに 追加された、新しいステージ群の一つ。油井プラントを彷彿とさせる 形状をしており、陸上型の神姫でも戦える様に配慮が為されている。 立体的な構成としては空半分の海半分で、足場が海面の七割である。 このステージ最大の特徴は『足場が脆い』事である。流れ弾等により 破損した足場は海中に脱落し、陸上型神姫の動きを阻害する。もしも 海中に堕ちれば沈み続けて、いずれは領域離脱にて反則負けとなる。 このデメリットに現状対抗出来るのが、水中対応型神姫なのである。 バトル時の重力 リアル式の場合、フィールドに掛かる重力は地上のそれに等しいが、 ヴァーチャル式フィールドの場合は、座標の重力を制御するデータに 沿って、神姫のセンサーに適度な負荷を与える事で重力を表現する。 これに依り、地上では有り得ない月面並みの軽重力や完全な無重力、 或いは海底の様な高圧環境さえも表現出来うる。クララの魔術には、 このデータと物質密度データを、ブラックホールの研究資料を参考に 圧縮した疑似超重力素子を展開する、“重力”攻撃魔術も存在する。 なお、クララと戦ったリュミエールの剣はエネルギーの集積と解放を 機械的・データ的に『重力操作風に見せかけ』運用しているだけで、 実際に重力や物質密度のデータを、彼女が操作している訳ではない。 階級章 電磁吸着式の装飾品。5mm角の宝石であり、ファーストリーグ用と セカンドリーグ用が存在する。該当するリーグに所属すれば、誰でも 装備が可能だが、購入が有料である為に身につける神姫は多くない。 ID認証や紛失時のGPS追尾機能等“希少性の高くなった”神姫の 安全性・利便性を補助する目的で作られた電子機器でもある為、晶は 専用の強化ネックレスを作って、褒美として妹達に与えたのである。 なおリーグ毎に形状は決まっているが、色が数種類用意されている。 電気自動車 二十一世紀当初から声高に叫ばれていた諸々の環境問題は、輸送業に 深刻な影を落とした。しかし地道に開発されていた電気自動車の類が 普及するに伴い、シェアを従来の燃焼機関系車両と二分するに至る。 重機・工事用車両程パワーを必要としないバス・トラックの類は特に 電気自動車への移行が進み、特に長距離バスは2037年現在殆どが 電気バスとなった。静粛性に優れる為、特に観光バスの人気が高い。 これにより史上空前のバス旅行ブームが起きているとかいないとか。 パイプオルガン 松本市郊外のホールに常設されている、電気駆動式の大型オルガン。 規模としては中堅だが、音楽の街として毎年イベントを開く同市の、 ある種のシンボルとして、2037年現在でも現役で駆動している。 その音色は豪奢・荘厳・雄大。人間の躯さえ震わせるそれは、神姫に とって震動による悪影響も懸念される為、晶達は後列にて拝聴した。 そんなリスクを侵してもなお神姫の“心”に良い、とは碓氷灯の弁。 オーロラ・エフェクト 事務局側が筐体の高性能化に伴い、試験的に開発した戦闘演出効果。 CSCの組み合わせと神姫及び武装の傾向に対応したホログラフを、 “CSCの機能駆動率”……即ち“気合”に応じて戦場に投影する。 筐体の情報処理能力が要求される為に、全国で散発的なロケテストが 行われているのみで、本格的な普及にはまだまだ時間が掛かる模様。 松本市の神姫センターにあるのは偶然だったが、人気は高いらしい。 松本城 国宝の指定を受けている、松本市最古にして最大の観光名所。近所に 旧開智学校等の史跡や市役所等も存在している。様々な意味に於いて 松本市の中心と言える場所であり、2037年現在も存在している。 城内の木造床を胡桃と米糠で磨き上げるのは、近所の小学生や企業の 新入社員にとっての試練と化しており、ローカル版ニュースでは毎年 取り上げられる程ポピュラーな行事として、市民に認識されている。 バイザー アムテクノロジー社が開発していたMMS専用の局地戦機動装甲服。 自社ブランドのMMS専用オプションとして、研究・開発が進んだ。 政治的理由で同社が衰退するまでに、十数種がリリースされている。 現在は、MMS全般に使えるオプションアイテムとして関係各社での 研究・開発が存続している。その結果がある程度出た事で、事務局が 重量級ランクの試験運用を決定したという噂もある、隠れた逸品だ。 現在同ランクに参加した一部オーナーが使用しているのは、主にこの “後継型”バイザーであるが、アムテクノロジー社製品の評価も未だ 高く、特に“ネオボードバイザー”は愛好者が現在も絶えないとか。 拡張型サイドボード 重量級ランク対応型のバトルロンド筐体に於いて用いられる、専用の サイドボード。間仕切りなどのオプションパーツで、従来のタイプに 復元する事も可能であり、店舗や筐体毎に選択する事が可能である。 一応は拡張型サイドボードタイプの筐体を一台以上は設置する事が、 事務局側で推奨されている為、晶は敢えて同タイプ筐体を前提として 装備を作成した。参加不能とはならない、と判断しての決断である。 超AIの個性と、その弊害 重量級ランク用の相棒“プルマージュ”は、本能的な動作をする様に その性格構造やロジック面で若干の工夫が行われた。これは達人とは まだ呼べない晶の情報処理技術故に、僅かな弊害をもたらしている。 その筆頭こそ、行動に支障を来す程の強い“個性”である。キットの 範囲内で組み上げられているとはいえ、動物(野獣)的側面を強調した それらは、晶の技術と相俟って予期しない動作の偏りを発生させた。 本来ぷちマスィーンズは“接合”(本頁参照)によって、マスターたる 神姫の命に従う構造なのだが、この“歪み”は“接合”の強制力にも 影響を及ぼした。“接合”でのAIリンク率が上昇しなかったのだ。 これらの不具合は、三姉妹の“芝居”によって無事矯正されている。 その為“個性”は残しつつ、“接合”による機体リンクや意思疎通に 発生した問題は無くなり、これ以後は戦闘訓練が可能となっている。 射出式のゲート 実の所、従来の武装レギュレーションに於いても神姫達はゲートから 射出されていた。パワーが緩やかな為に、誰も意識しなかったのだ。 しかし重量級ランクに於いては、それを流用出来ない事情があった。 それが各神姫の重量差である。レギュレーションで上下限度を幅広く 取った為に、最軽量と最重量では彼我距離の明確な“差”が生じる。 それはそのまま一方的なハンデとなりうる為、開始時だけでも距離を (一方的に奇襲されない範囲で)常に一定の感覚で保つ必要があった。 その為に事務局側は、ゲートの射出機構をパワーアップさせたのだ。 これには『重装甲・重武装の神姫達ならば耐えられる』という公算も 働いており、読み通り参加神姫達はそのエントリー方法に適合した。 フィールドの有効範囲 重量級ランクが始動する少し以前より、バトルフィールドの広大化は 要望として存在していた。一定の戦闘領域を維持しつつ、その欲求を 満たす為、新規追加された大型フィールドには有効範囲が存在する。 それは神姫が活動出来る、物理的限界である。普段は隠されているが 神姫が接近すると、その限界点はホログラフの線として表示される。 線を踏み越えた時のペナルティは、フィールドによって様々である。 例えば“高空”のフィールドならば、領域離脱と見なされ敗北する。 “軌道エレベータ”ならば、気密維持用という設定のバリアに灼かれ 大きなダメージを受けながらフィールドに戻される、という具合だ。 簡易クレイドル これは、晶の完全自作品ではない。キャリアと接続するフレーム部は 晶が三姉妹の武装キャリア専用に設計した品だが、クレイドル本体は 東杜田技研ブランド“HT-NEK”の“ポケットスタイル”を利用した。 これは製品自体の安定性が至極良好だった為であり、キャリアに半ば 固定する形で利用する晶は、クレイドル機能をこれに頼る事とした。 実際その寝心地は、バトルで消耗した三姉妹に大変好評である様子。 牛丼屋・インドカレー屋 秋葉原の本筋・昭和通から外れた裏路地の中にある、古びた牛丼屋。 チェーン店の牛丼屋からは幾分離れている立地条件が奏功したのか、 アキバを訪れているディープな人種には、隠れた店として知られる。 一方のインドカレー屋は、都内に数店を展開している。その特徴は、 “黒い”極辛のインドカレー。一口食べれば汗が出るその刺激には、 リピーターも数多い。どちらも、二十一世紀以前から存在する老舗。 ブラックアウト 神姫の思考中枢は超AIという“機械”である。となれば当然だが、 過負荷による破損も考えられるケースとして存在する。それを防ぐ為 備えられた安全機構が、意識体……即ち回路のブラックアウト機能。 この時神姫はブレーカーが落ちる様に意識を失うが、異常ではない。 むしろオーバーフローや外因性ショックから自己を守る事が可能で、 適切な手順で再起動してやれば神姫は一応平穏を取り戻す事となる。 しかし発生要因が取り除かれない限りは、何らかの事象がトリガーと なって再びブラックアウトする可能性を抱える事となる。それは大抵 神姫の“心”に出来た“トラウマ”でもあるので、治療は一応可能。 次頁へ進む メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1222.html
第三話「学校」 ※ヒカル視点 午前8時00分 「じゃ、学校行くから」 私のマスター『彩聞形人(さいもん けいと)』が言った 「そう言えば形人の学校って、どんな所?ついて行っていい?」 「駄目だ。MMSは持ち込み禁止になってるからな」 「ケチ!」 だって…彼女かなんかいるかどうか気になるもん… 彼女とかがいたら、私…… あ、そうだ! ※形人視点 午後12時15分 あー…腹減った… 早くメシにしよう そう思い弁当を取り出したところ、違和感を感じた。 「…何か軽いな…?」 よく見ると、弁当箱は普段のものではなく以前使っていたものだった。 「まさか…」 予感的中 一言で言ったら、弁当じゃなくてヒカルが入ってた。 …ってオイ 「……」 「…てへっ♪」 「てへっ♪じゃねぇよ!!」 「彩聞、どうした?大声なんか出して?」 「いや風間(かぜま)何でもないから!弁当開けたら『てへっ♪』って書いた紙だけが入ってただけだから!」 「…そういやお前の母ちゃん、冗談好きだったからな。なるほど」 ああ中学時代からの友よ、勘違いしてくれてありがとう。 「でも矢瀬には気をつけろよ。アイツは神姫嫌いだからな」 う…ばれてる… 「なにしろアイツがMMS禁止を生徒会に訴えた奴だからな」 あーわかってるさ我が友よ もうメシの事なんてどうでもよくなっていた。 弁当箱を持ったまま、僕は屋上へと走り出していた 「何でついて来たんだよ!」 「……」 「答えろ。じゃないと三日間エスコン禁止にするぞ」 「……だって…だって彼女とか出来たら私の事なんて見なくなるじゃん!」 は? 「私が認めない限り、彼女なんてつくらせないんだから!」 やべ、泣き出しちゃったよ… 「スマン。つーか彼女なんて僕ともっとも縁のないものじゃないか」 「グスッ…ホント?」 「それよか静かにしろ、あの委員長に見つかったら…」 「わたくしがどうかしたかね?」 そこにはヤセ形眼鏡の典型的なヤツがいた。 あ、やべ。 僕は現在、全速力で逃亡中。目下スネーク中である 「ほれ言わんこっちゃない、アイツは神姫に片思いの相手をを取られたから神姫にうらみを持ってんだ」 「あの人男だよ?まさかウホッな人?」 「その通り、ヤラナイカ系の奴だ」 そう、ヤツはホモである。 「そこのダンボール!止まれーっ!」 まずい、見つかった!? 「ダンボールが動いてるんだからあたり前じゃん」 やかましい! 僕はダンボール箱を捨て、再び全速力で走り出した その直後、誰かにぶつかった ※ヒカル視点 いたぁ~… 形人の胸ポケットに居た私は思い切り床に叩きつけられた 誰かにぶつかったみたい…って女の人!?てゆうか形人!胸触ってるって! …って相手の胸ポケットに居るのはMMS?(かも) 私は相手がMMSである事を祈り、ハンドサインで返事を送った (MMSの敵に追われてる!そっちのマスターにこの状況を何とかしてくれる事を頼む) 相手(やっぱりMMSだった)はこちらに気付き、指でOKサインを作った ※形人視点 「あ!…すまん!」 反射的に飛び上がる しかし地獄への使者はあと3mへと近づいていた! もう駄目か!? 「あら?こんな所にいたの?、捜したわよ」 は?コノヒトハナゼボクヲサガシテイルノデスカ? 「お!氷男(ひお)先輩、アンタんとこの会員ですか?」 「そうよ。さっきから捜してたけどこんなとこでスネークしてたのね」 そう言って氷男と呼ばれた女生徒はこちらにウインクした そして声を出さずにこう言った (わたしはドール愛好会の会長、状況は教えてもらったからわたしに合わせて) なるほど、胸にMMSが居る。ヒカルが説明したのか 「あーそうなんすよ会長!ちょっと次回検討されてる鬼ゴッコの練習をちょっと…」 「…どうゆう愛好会なんだ…?まあいい。警戒態勢が最近敷かれてるから気をつけるんですよ」 そう言って矢瀬は去っていった。なんとゆう変わり身の早さ… 所詮先輩には弱いとゆうことか。 ※ヒカル視点 「すみません、助かりました」 「あら、いいのよ。あの人は裏返しで真面目みたいだから」 「にしちゃあ度が過ぎてるよなぁ…」 「わたしは『氷男聖憐(ひお せいれん)』ドール愛好会とは名ばかりの武装神姫愛好会の会長よ」 神姫愛好会?やっぱりあるんだ 「こっちはラリー、天使型(アーンヴァル)よ」 ラリーと呼ばれた神姫(こ)は無言でこちらに一礼した。てゆーかラリーってまさか… 「あ…僕は彩聞形人と言います。こっちがヒカル」 「よろしくお願いします。氷男さん」 「あら、普通でいいわよ。あとわたしの事はレンでいいわ」 言葉の最初に「あら」がよく付く人だな… 気のせいか形人が彼女に見惚れている… 面白くない… ※形人視点 「それよりも、放課後バトルロンドで対決しない?」 はい?何故いきなり? 「何となくよ、それじゃ、3時半に神姫センターで」 否定も質問の間もなく走り去ってしまった…。何なんだ一体? 「ところで形人…」 「何だ?」 「あの神姫(こ)…『片羽の妖精』ね」 そうかいお前もそう思ったか 第四話に続く 次回予告 よう、え?だれかって? そんなこと知ったこっちゃない。 次回「バトルロンド」(N:ラリー) 武装神姫でいこう!?に戻る トップページ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1093.html
{奴が来た!?} 午前7時、晴天。 天薙龍悪とアンジェラス達は安らかに寝ている。 それもとても気持ち良さそうに。 まるで天国みたいな環境だ。 だが、この天国はすぐに終わりがおとずれた。 天薙家の門の前に仁王立ちして両手を腰にあてながら見る一人の人間によって。 「ウフフフ」 薄紫色のアホ毛一本ありのロングヘアー。 スレンダーな体形に童顔な容姿。 服は一般的に何処にでもある高校の制服。 ミニスカートが強くない風にフワッと揺れる。 「先輩、今行くわ」 天薙家の敷地に入りスカートのポケットから鍵を出す。 カチャカチャ、と音を出しながらドアのロックを解除しドアを開ける。 家に侵入すると礼儀正しく靴を脱ぎ並べ、すぐさま二階に上がり目的の龍悪が居る場所に向かう。 龍悪の部屋に入ると四つん這いになり、ベットで寝ている龍悪の顔近くまで接近する。 「可愛い寝顔。キスしちゃいたいくらい」 と、言いつつ自分の唇を龍悪の唇に密着させようとした。 その時だ。 布団で隠れていた龍悪の右腕が布団から勢いよく出てきて、不法侵入した者の顔を鷲掴みした。 「ハワワワ!?」 龍悪に顔を鷲掴みされた者は、両腕を上下に振りながら慌てる。 ムクリ、と上半身だけ起こした龍悪の顔はそうとうな不機嫌さをかもだしながら言った。 「…おはやう…婪」 「お、おはよ、う、…先輩」 ギリギリ、と鷲掴みした顔を龍男は力をちょっとずつ強くする。 その度に婪は『ハワワワ!?』と言い慌てる。 「俺に、なにしようとした?」 「あたしからの目覚めのキスをしようと思って…」 俺は右腕の肘を曲げ婪をこっちに近づかせ、最大まで曲げた瞬間に腕を伸ばし押すようにした。 伸ばしきった所で婪の顔を離し婪は押された衝撃によって机までフッ飛んだ。 「キャン!?」 かわいらしい声を上げ机に背中を打ち付ける婪。 なにが『キャン』だ。 気持ち悪い声を出しやがって。 「ご主人様~、今の揺れは地震ですか~?」 机の上にアンジェラスが片目を擦りながら眠そうに立っていた。 その後ろにはクリナーレ、ルーナ、パルカも起きていた。 多分、婪が机に当たった衝撃で起きたのだろう。 俺は布団から出て婪に近づき膝を曲げ尻餅ついてる婪の視点に合わせる。 「ウゥ~、痛いですよ~先輩~」 「うるせぇ。俺にキスしようとした罰だ」 「そんなぁ、あたしはこんなにも先輩の事を愛してるのにー」 ピキッと俺のこめかみ辺りにある血管が浮き、婪の胸倉を右手で掴みお互いの額がぶつかるギリギリまで引き寄せた。 「キャー!先輩、近いですよ~。でも、あたしはいっこうに構いませんけど…♪」 「テメェ、いい加減にしろ」 「あたしは先輩に対する愛には、いい加減じゃありませんよ」 「この野郎…俺はお前の事なんか愛してねぇぞ」 「いつかあたしに振り向いてくれます」 「それは絶対にねぇー!」 今度は左手の親指を婪の右頬につけ、残りの四本の指を左頬につける。 その瞬間にすくさま俺は左手に力を入れ婪の頬を両方から押す。 「イタイ、イタイ!」 「あたり前だろ。力を入れてるだから」 そんな時だった。 アンジェラスが俺の頭に下りて来て言う。 「ご主人様。女の子に暴力は良くないと思います!」 「はぁあ!?」 俺は頭に居るアンジェラスを掴むために胸倉と婪の頬から手を離し、その手でアンジェラスを優しく掴む。 「あのなぁ、こいつは女じゃなくて男だぞ」 「えぇーーーー!?!?」 アンジェラスは目を見開き驚愕した。 まぁ無理もない。 婪の奴は見た目は何処からどう見ても美少女に見える。 声も凄く女の子らしい声だ。 だが、こんなナリしてるけど立派な男だ。 ちゃんと股の部分に男性性器もついている。 婪の奴が外に出れば、たいていの男がナンパしてくる。 男が男をナンパして愉しいか? 「まぁいいや、アンジェラス達は朝飯を作ってきてくれ。アンジェラスとパルカは調理、クリナーレとルーナは補助しろよ」 「「「「はーい」」」」 アンジェラス達は俺の身体を伝って一階降りって行った。 部屋に残ったのは俺と婪だけ。 俺は婪から離れ服を着ようと箪笥に向かう。 「先輩、あの子達は?」 「ん?あぁ~アンジェラス達の事か。まぁ気にすんな。にしてもお前、よく俺の家に入れたな」 「これよ」 婪が俺に見せびらかすかのように右手に持った鍵を見せる。 その鍵の形を見た瞬間、俺は納得した。 だって、俺の家の鍵とそっくりなのだから。 そりゃあ入って来れるよなぁ。 「お袋に渡されたのか?」 「うん。先輩の事をよろしくね、と言われたから」 「あのババァ…」 俺は髪の毛を掻きながら苦い顔をした。 十六夜 婪(いざよい りん)。 こいつは俺の後輩にして幼馴染である。 二つ年が離れてるので今のこいつは高校三年生。 言ってみれば普通の高校生なのだが…。 「先輩~あたしの事…いつになったら抱いてくれるのぉ~♪」 「身体をクネクネ動かすな!気色悪い!!」 さっきも言ったとうりに、こいつは男だ。 男性なのに女子の制服を着ている。 なんでも、あまりにもルックスが良いので校長が許したとか? どんな学校だよ、俺の高校の母校は。 「お前も一階に来い。話はそれからだ」 「あたしと先輩の愛語り合いですか?」 「あ・い・つ・ら・の・事だ!」 …。 ……。 ………。 カチャカチャ、と食器の音を出しながら運ぶ武装神姫達。 朝食の準備をしているのだ。 今まで俺が一人で飯を作ってきたがアンジェラスとパルカが料理を覚えてから俺は作らなくなった。 そんな俺は婪と向かい合いのテーブルを挟んだ状態椅子に座っている。 婪は俺の顔を見てニコニコと笑ってやがる。なんだ、俺の顔が面白いか? 「先輩。先輩っていつから武装神姫をやり始めたんですか?」 「ん?あぁ~壱ヶ月前ぐらいからやってるかな。よく覚えてねぇー」 「ふ~ん、先輩の事だから朱美さんから『武装神姫のバイトやらない』とか言われたクチでしょ」 ウグッ…微妙に合ってる、つか、何で解るだよ。 婪の奴は昔から結構勘とか鋭いのだ。 まるで俺の事は何でも知ってるような感じがして気持ち悪い。 「あたしも武装神姫やってますよ。今度先輩と戦ってみたいなぁ~」 「へぇ~婪もやってるんだ。意外だぁ」 「意外とはなんですかー!意外とは~!!」 プク~と顔を膨らませる婪。 う~ん、やっぱこいつは可愛い。 だが、こいつは男だ。 騙されはしないぞ。 「アニキー、朝食の準備ができたよ」 「おぉ。そんじゃあ喰うか。いただきます」 俺は右手に箸を持ち、茶碗に入った米粒を喰う。 アンジェラス達も『いただきます』と言って、俺が作った神姫用の茶碗、コップ、箸、スプーンを使うって朝食を食べる。 最初は人形の身体なのに、人間の食料が食べる機能に驚いたが今は全然違和感を感じない。 婪の奴は丁寧に手を合わせてお辞儀して『いただきます』と言った。 律義な奴ー。 ていうか。 「何で、テメェが俺の食卓で朝食してるんだよ」 「え?だって、あたしの分も置かれてからご馳走になろうと思って」 「はぁあ?おい、アンジェラスにパルカ。こいつの分はいらねぇだぞ」 「そんな事はいけませよ、ご主人様。私達には大切なお客様なのですから」 「お客様!?この野郎が!?!?勘弁してくれよ、ただでさえ金が無いのに婪のせいで更に食費がかさむじゃねえか」 うなだれる用に肩をガクッと落とす。 「まあまあ先輩、そんなに気を落とさないで」 「落とすに決まってるだろーが!このオカマ野郎!!」 吠える俺。 そんな俺を見て怯えるパルカ。 ヤッベ。 今日の朝食を作ったのアンジェラスとパルカだ。 婪の分まで作ってしまった事に責任感を感じてしまったのだろう 「いや、パルカが悪いじゃないよ。悪いのは婪の野郎だから。だからそう怯えないでくれ」 「ウウゥ…分かりました、お兄ちゃん」 だあぁー、疲れる。 朝食ぐらいでこんなに疲れたのは久しぶりだ。 俺が初めて料理した頃ぐらいの疲れ加減だ。 「婪、今日の所は勘弁してやる。だが明日からは自分の家で飯を喰えよ」 「はぁ~い」 ニコヤカな顔をしながら飯を食べる婪。 全くしょうがない奴だ。 「にしても、美味しいね。先輩の神姫が作る料理は」 「ありがとうございます、婪様」 アンジェラスがお辞儀した。 そんなアンジェラスに婪はズズイっと顔を寄せて。 「ねね、今度あたしの神姫に料理教えてあげてくれない?」 「え!?私が、ですか!」 驚くアンジェラス。 それもそうだ。 料理を初めてからそんなに月日が経っていないのに、今度は教える立場になってしまったのだから。 「私は別に構いませんが…ご主人様の許可が下りりれば良いのですが」 「先輩の許可ね。分かったわ、任せて」 婪は椅子から立ち上がり俺の方に来た。 何するつもりだ? 「ねぇ~先輩。今度でいいですから、あたしの神姫に料理を教えてくれませんか?」 色気を使ってきやがった。 残念だがテメェの色気には昔からやられてるから、もう慣れてるんだよ。 効かないぜ。 「許可くれるたら~あたしが先輩にいい事しちゃいますよ~。チュッ」 「ダァーッ!?」 俺は勢いよく立ち上がった。 頬っぺに婪がキスしたのだ。 気持ち悪いったらありゃしれない。 これが女の子だったらどんなに嬉しかった事だったか。 「もう先輩ったら~。テレッちゃって、可愛いんだから~」 「可愛いとか言うな!もう帰れ!!テメェがいるとろくな事が起きねぇー!!!」 「まぁまぁ、ダーリン落ち着いてください」 いつの間にかルーナがコップ辺りにいた。 飯を食うには早すぎる。 「あの婪様、どうかあたしにその色気の術を教えてください!」 「んぅ、ポニーテールの天使型だね、お名前は?」 「ルーナといいます」 「ルーナちゃんね。良いわよ、あたしの今まで先輩に使って色気のテクニックを教えてあげる」 「ありがとうございます、婪様!」 おいおい。 何いっちゃってくれてやがるんだ、この二人は。 ルーナの奴が婪の色気のテクニックを身につけたら、俺の脳の中身が毎日理性と欲望の闘いになっちまう。 勘弁してくれ。 ここは何とか話題を変えないといけない。 このままだと俺の身体が危ない。 「おい婪。そろそろ学校に行かなねぇーとマズイじゃねぇの。俺の車で学校まで送っててやるから」 「えっ先輩とカーセックスですか!?やったー!」 「ご主人様!?」 「アニキ!?」 「ダーリン!?」 「お兄ちゃん!?」 婪の一言によって神姫達は俺を凝視した。 …マジで勘弁してくれ。 もうイヤだ。 「チゲーよ!誰がテメェのケツの穴に俺を入れないといけないんだ!!アンジェラス達も本気にするな!!!」 「下品な言い方は女の子に嫌われますよ、先輩」 「ウッサイ、黙れ!ほら、飯はもう喰ったろ!!行くぞ!!!」 「アァン、そんなに引っ張らないで」 婪の左腕を俺の右手で引っ張りながら玄関に向かう。 早くこの色魔をこの家から追い出さないとアンジェラス達に悪い影響を及ぼす。 勿論、エッチ方面で。 「そんじゃ、ちょっくら行ってくるから留守番頼むぜ」 「バイバイ。また今度来るねぇ~。次来る時はあたしの神姫も連れてくるから~」 バタンッとドアを閉め婪を車に乗せ俺は学校に向かった。 その後、家に帰った後はもう疲れすぎて大学に行く気を失っていたので俺はベットに突っ伏しながら寝た。 婪、こいつは最悪な小悪魔だと、再び実感した一日だった。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2268.html
キズナのキセキ ACT1ー1 不機嫌の理由 □ 「デュアルオーダー?」 伏せていた顔を上げ、大城大介の言葉を繰り返す。 見れば、大城は雑誌のページを広げてこちらに見せながら、愛想笑いで頷いた。 「お前なら、真似できるんじゃないかと思ってさ」 またバカなことを言い出した。 俺はため息をつく。 「アホか。そんなものが簡単に真似できるなら、苦労はない」 雑誌は「バトルロンド・ダイジェスト」。 最新号の特集は、最近注目の神姫たちである。 その最後の方、一人の神姫マスターが紹介されていた。 バトルネームを『尊(みこと)』というそのマスターは、素性はわからないが、今密かに注目を集めるマスターだそうだ。 彼の神姫は、フブキ型とイーダ型のプロトタイプの二体。 フブキの方は『盗賊姫』の異名を取り、対戦相手の武器を奪いながら戦うスタイル。 イーダ型は異名こそないが、パワーファイトを得意としながらも、壁走りまでするほどの機動力を持っているらしい。 バトルで二体の神姫を同時に扱う……そうした特殊技術を『デュアルオーダー』、それを使うマスターを『双姫主』という。 同系統の神姫であれば、わからないでもない。 だが、この記事にあるマスターのように、全く性質の異なる二人の神姫を同時に戦わせることができるなんて……まず記事の信憑性を疑うべきだ。 そもそも、デュアルオーダー自体を、俺は都市伝説のたぐいだと思っている。 神姫のマスターならば分かると思うが、バトル中は神姫一人扱うのでさえ、手一杯になってしまう。 刻々と変化する状況の中、マスターは相手の作戦を探り、現状を把握、両神姫の状態確認、作戦立案に神姫への指示、とやることは山ほどある。 それを別々の位置で戦う二人の神姫に同時に行うという。普通のマスターであれば、とても出来ない芸当である。 双姫主になるには、常人離れした情報分析力、空間把握能力、瞬間的な判断力、そして卓越した指揮能力が必要だ。 そういった前提を考慮して、 「俺には無理だ」 結論を大城に告げた。 それでもなお、大城は不満な顔をする。 「でもよ、お前がバトル中に、ティアに出す指示は、俺たちよりずっと細かいぜ? ティアに集中している分を半分くらい別の神姫に振り分けて指示してやればできそうなもんじゃんか」 俺はため息を付いた。 そんなに単純なものではないのだが。 だが、俺の言葉に納得がいかないようで、大城は是が非でもデュアルオーダーを俺にやらせたいようだ。 大城の奴は意外に頑固である。 「仕方のない奴だな……だったら、試しに俺が神姫二人同時にバトルさせたらどうなるか……やってみるか?」 「そうこなくちゃな!」 「ただし、ステージとか、バトルの条件は俺に従ってもらう。いいな?」 「いいとも」 ■ 見慣れた廃墟の街並みの中、わたしは全速力で駆け抜けている。 背後から、フローティング・エンジンの音が聞こえてくる。 虎実さんの『ファスト・オーガ』カスタムタイプが追い縋ってきている。 わたしは振り向き、スピードを落とさないまま、背中向きに走って、虎実さんと対峙する。 わたしの脚には、モーターで駆動するローラーブレードのようなものが取り付けられている。 ランドスピナー。 マスターが作ってくれた、わたしだけの装備。 装着されたレッグパーツは、わたしの身体と直接接続されて、思いのままに、本当に身体の一部として使うことができる。 このランドスピナーを使いこなすのが、わたしの戦い方。 縦横無尽な動きで相手を攪乱したり、攻撃を回避したりして、有利に戦いを進めていく。 限られたステージでしか戦えないし、空を飛ぶことも、大きな武器を持つこともできないけれど。 わたしはこの装備がとても気に入っていた。 このレッグパーツを使いこなすのに、膨大な時間を訓練に費やした。 だから、後ろ向きに全力で走りながら戦う、なんてこともできるのだった。 手にしたサブマシンガンで、虎実さんを撃つ。 大きなエアバイクを軽やかに操り、弾丸の連なりをひらりとかわす。 虎実さんは、また腕を上げたみたい。戦う度に無駄な動作が削ぎ落とされているのが分かる。 今のは牽制。当たらなくてもいい。 それにしても、このバトルは奇妙だった。 八重樫美緒さんの神姫・パティさんとわたしが組んで、大城さんの神姫・虎実さんと対戦するツー・オン・ワン。 しかも、わたしのマスターがパティさんとわたしの指揮を担当する。 武装神姫のバトルでは、マスター一人が神姫一人を指揮するのが普通だ。 そして、マスターから事前に言われたのは、マスターの指示は絶対遵守、指示方法は事前に打ち合わせ、攻撃については神姫のわたしたちが各自判断、ということ。 たとえば今、 『ティア、直進、二○・四八。パティ、左、二二・五二』 暗号のように短縮された指示が、耳に聞こえてきている。 これはただ、移動方向と位置を示すだけで、その間の攻防については、わたしたちのアドリブに任されている。 いつものマスターの指揮方法とは違う。 なぜマスターはこんな変則的なバトルをしているのだろう? さっきの大城さんの話……デュアルオーダーに影響されたのかしら。 そこまで考えて、わたしは一度、思考を切る。 今はバトル中。 ファスト・オーガに据えられたミサイルポッドが火を噴いた。 勝手知ったるストリート。 わたしはランドスピナーを細かく動かし、連続でターンしながら爆風を避けた。 『ティア、二○・四二、T字・右。パティ、二二・四二で左構え』 もうすぐT字路。 まだ視界は爆煙に隠れている。 わたしはステップを踏んで前を向き、正面に向かって加速する。 この瞬間に、虎実さんと距離を取る。 マスターはここで何か仕掛けるはず。そう思ったので、距離を作ってみた。 エアバイクが、黒い煙を蹴散らして、飛び出てきた。 一気に加速してくる気配。それでもまだ、先ほどよりは距離がある。 行き止まりの壁が迫る。 わたしは高速ターンでT字路を右に曲がった。 その時。 『ティア! ウォールライドで逆に走れ! パティ、左構えで狙え!』 マスターの鋭い指示は最小限。 高速ターンから立ち直ったわたしは、左の壁を一気に駆け上がり、そこでくるりと回って、今度はT字路の反対側へと壁の上を走った。 壁走りはわたしの得意技。 わたしが壁を走り出したそのとき、虎実さんがT字路にハングオンで突入した。 「もらったああぁぁ! ……って、えぇ?」 右に曲がって、地上にいるであろうわたしに狙いを付けた、のだと思う。 でも、そこにわたしはおらず、かわりに、少し先の上空から飛び出してきて、狙いを定めるパティさんを見つけてしまった。 虎実さんはあわてて、振り向いた。 わたしと、ガンサイト越しに目が合う。 「ちょ、ちょっとタンマ……」 『撃て!』 虎実さんの制止の言葉より早く、マスターの短い指示が来た。 わたしとパティさんは、同時に引き金を絞る。 「うわわわわわーーーーーっ!?」 素っ頓狂な声とともに、虎実さんは敗北した。 □ 「すごおおぉい……」 感嘆の声を上げたのは、パティのマスターである八重樫さん。 彼女の仲間三人とも、並んで今のバトルを観戦していた。 みんな、俺を賞賛してくれているが……。 「もう二度とやらん」 そう呟いて、俺は椅子の背もたれに全体重を預ける。 えらく疲れた。 「でも、完璧だったじゃないですか、ティアとパティのコンビネーション! 二人とも別々に動いているのに、最後はT字路で位置を入れ替えての挟撃なんて」 そう言ったのは、俺の一番弟子を自称する蓼科涼子さん。 俺の弟子を自称するなら、もっと注意を払って観戦するべきだと思うが。 「あれは詰め将棋だ」 「詰め将棋?」 「そう。最初から決めていた動きを指示しただけさ」 俺は頷く。 今のバトルで、臨機応変な対応なんて一つもなかった。 ティアを囮にして虎実の相手を一人に集中させる。 その間にパティは見えないところから、具体的には、少し離れたビルの上すれすれを滑空しながら、二人に併走する。 二人がT字路に差し掛かったところで、パティは空中で待ちかまえる。 ティアは反転し、壁走りで虎実の後ろを取る。 虎実からは、T字路を曲がったところで、ティアとパティが入れ替わったように見えただろう。 虎実が慌てたその一瞬で勝負を決める。 「こんな作戦が当たったのも、俺が虎実の性格や戦い方をよく知ってたからだし、ティアとパティも俺の言うことを忠実に実行してくれたからだ。 それに、二対一だったことも大きい」 それでも、二人の動きを追うのにえらく神経を使ったし、タイミングを合わせるのも大変だった。 これが通常のバトルで作戦なし、敵が複数だったら、間違いなく俺の守備範囲を超える。 想像するまでもなく、俺には無理な芸当だった。 「双姫主ならば、二カ所で起きているバトルを同時に、リアルタイムに把握できるはずだ。 それは単純に神姫二人の動きを見ていればいいわけじゃない。おそらくは二人以上になる相手神姫の行動も把握し続けなくてはならない。 それも、まったく未知の神姫を相手にして、だ。 それで最低限。それでも、俺の詰め将棋よりも遙かに高度な技術だ。 そこにバトルにまつわる要素が絡んでくるわけだから……デュアルオーダーがどれだけ特殊な能力か、わかるだろ」 双姫主には、バトルがどんな風に見えているのだろうか。 武装神姫のマスターは誰でも、バトルをある程度俯瞰的な視点で見ている。 それで、周囲の状況を把握し、神姫に指示を出しているのだ。 双姫主と呼ばれるマスターは、それよりもさらに上の位置で俯瞰してバトルを見ているのではないか。 あるいは、二カ所で起きているバトルを同時に、ほかのマスターと同様の視点で見ているか……。 もしかするとその両方を行っているかもしれない。 どちらにしろ、離れ業だ。 俺はゆっくりと首を振った。 「でもまあ、この尊ってマスターは興味を引かれるな」 神姫を二人操れるだけで、話題に上るほどの実力を得ることはできない。 双姫主であってなお、頭脳的なバトルを行っているということだ。 特に『盗賊姫』の異名を取るフブキ型は面白い。相手の武器を奪って戦うなんて、口で言うのは簡単だが、相当な技術が必要だし、相手を翻弄する戦術も必要だ。 尊というマスターが、ただデュアルオーダーに頼っているだけでないことが分かる。 もし機会があったら、その『盗賊姫』と対戦してみたいものだ。 大城が、なぜかほっと息をつくように言った。 「相手が双姫主でも、一対一なら勝ち目があるんじゃねーか?」 「どうでしょう……二人に振り分けていた指揮能力を、一人のバトルに注ぐなら、もっと緻密なバトルを展開できるのかも」 「そうだ、師匠、今度はわたしの涼姫とティアのタッグを見せてくださいよ」 「あたしは、デュアルオーダーを相手してみたいな」 「あ、俺も」 チームの仲間たちは俺の囲んで談笑している。 なにやら安堵したような空気。 ああ、なんだ。 つまり……俺は気を遣われていた、と言うことか。 □ 仲間たちが俺に気を遣ってくれるのには理由がある。 俺はここ最近、あまり機嫌がよくなかった。 それが態度に出てしまっているのだろう。 反省しなくてはならない。 不機嫌の理由は二つあった。 一つは、俺の家庭の問題だ。 海外赴任していた父親が、久しぶりに帰ってくる。 近々会って話がしたい、と連絡があった。 それだけでも気が滅入るというのに、よりによって、その話というのが自分の再婚話だというのだから、バカにしている。 母さんの死に目にも来なかった奴が、別の女性と結婚だと? 普段の俺を知っている人が聞いたら目をむいて驚くだろう、と自分でも思うほどの勢いで、電話先の男に罵詈雑言を浴びせかけた。 しかしそれでも、奴は親権を振りかざし、無理矢理顔を合わせることを約束させた。 胸くそ悪い。 だが、学費や生活費を出してくれているのは奴だ。 子供を放置している親の責任として、せめて金くらい出すのは当たり前だと思っているが、ここで会合を拒否して仕送りをストップされるのもつまらない。 俺は渋々頷いた。 俺は小さい頃から、自分の父親が大嫌いだった。 もう一つは、久住菜々子さんに会っていないことだった。 菜々子さんは、俺の武装神姫チームでも一番の凄腕で、『エトランゼ』の異名を取る有名プレイヤーだ。 明るくて気さくな性格の美人で、誰もが彼女を好きだし、プレイヤーとして尊敬している。 そんな菜々子さんは、なぜか俺と付き合っている。 彼女の反則な笑顔を見るとドギマギするが、それ以上に心が満たされる。 その笑顔を、もう三週間ほど見ていない。 最後に会ったのは、年明けすぐの初詣の時だっただろうか。 メールや電話で連絡を取ってはいる。だが、ゲームセンターに来ることはなく、あちこち飛び回っているようだった。 詳しくは知らないが、彼女は彼女自身の用事に振り回されているらしい。 こういう気分が悪いときには、菜々子さんの笑顔と前向きな言葉が欲しいと思うのだが、致し方がない。 そんなわけで、俺は不機嫌な様子が態度にでるほどに、心がささくれ立っていたのだった。 ■ マスターには申し訳ないけれど、わたしは幸せを噛みしめていた。 ここのところ、大した事件もなく、わたしたちの周辺は平穏だった。 マスターとの訓練はもちろん、一緒にいる時間も多くなっていて、わたしは嬉しかった。 ゲームセンターに行けば、チームのみんなや、常連さんたちが、笑顔で話しかけてきてくれる。 バトルや練習の相手も事欠かなかったし、バトルしないときには神姫同士で集まって話に花を咲かせたりする。 もう誰も、わたしたちを、マスターを傷つけようとする人はいない。 そんな当たり前の時間が、わたしにとってはなにより嬉しく、大切だった。 この場に、親友のミスティがいないのが残念だったけれど。 今、彼女はマスターの菜々子さんと一緒に、あちらこちらのゲームセンターを回っているみたいだった。 『エトランゼ』の異名通りに。 □ 今思えば、このときにはもう、取り返しのつかないところまで事件は進んでいた。 俺は気がつくのが遅かった。遅すぎたのだ。 その夜、携帯端末にかかってきた一本の電話で、俺はその事件を知ることになる。 かけてきたのは、久住菜々子さん。 表示を確認して、少し心が浮き立つ。久々に声が聞ける。 通話ボタンを押す。 「もしもし」 『……』 無言。 俺は一度、耳から携帯端末を離し、着信の表示を確認する。 確かに、菜々子さん……だよな。 もう一度端末を耳に付ける。 聞こえてきたのは、低くくぐもった、叩くようなノイズ。 風の音。 外か。 「菜々子さん、どうかした? 今どこにいる?」 俺の問いかけに、電話先は沈黙を守ったままだった。 俺は待った。 辛抱強く、待った。 明らかな異変に心がざわめき、嫌な予感がじわじわと浮き立つ気持ちを浸食していく。 それでも彼女の返答を待った。 やがて、聞こえてきた、一言。 『……負け……ちゃった……』 消え入りそうな、かすれた、泣き声。 その一言が、この物語の始まりだった。 言い忘れていた。 俺の名前は、遠野貴樹。 一介の武装神姫のマスターだ。 この物語の、いわば、狂言回しである。 ■ このときの菜々子さんの言葉の意味を、わたしは理解していなかった。 負けた、という一言に、どんな意味が込められていたのか。 ミスティに何が起きたのか。 この後、マスターとわたしは、菜々子さんを取り巻く事件の渦に巻き込まれていく。 そのことさえ、この時のわたしには知る由もなかった。 わたしの名前はティア。 遠野貴樹の武装神姫。 この物語の、もう一人の狂言回しだ。 □ いや、彼女の一言は始まりではない。 正確には、もうずっと前から物語は続いていたのだ。 始まりは五年前。 狂言回しである俺たちこそ、後から付け足された出演者だったのかも知れない。 どこまで正確に語ることが出来るか分からないが、とりあえず俺なりに語っていくこととしよう。 『エトランゼ』と呼ばれた少女と、ミスティと名付けられた神姫が紡いだ、絆の物語を。 次へ> Topに戻る>
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1945.html
『セルノとぼくの初対面』 「…あいからず重い」 四階建て団地の階段をのぼりつつ、ぼくは呟いた。 2036年にもなって未だに階段しかない設計はどうかしていると思う。 それに、今背負ってるデイバックに入ってるものが重すぎるのだ。 武装神姫を買ったのは初めてではない。 現に今、家の中で猫がグースカ寝ていることだろう。 今回は二人目、新発売の子をお迎えしたわけだ。 しかし本体+クレイドルは非常に重い、こんなに重いものなのか? 「重心が後ろに偏ってるんだから、転んでもおかしくないよなぁ」 つるっ 「あ」 きのう降った雨のせいで階段が滑りやすくなっていた。 で、足を滑らしたわけだ。 いくらなんでも、話題をだした途端に起こらなくても… とか考えてたら、床に叩きつけられた。 だけど、パンパンになっていたデイバックのおかげで頭をぶつけずに済んだ。 すごく鈍い音がしたけど大丈夫かなぁ…。 「ぅぎゃう~ぅっ」 なんかうめき声が聞こえるので、その場でバッグを開けた。 クレイドルは無事だが、本体の箱がつぶれている。 中身を取り出すと小さな手がビクビクふるえながら伸びてきた。 「大丈夫かい?」 這い出てきた小さな少女は青い目でぼくを見据える、目に涙をうかべながら。 「い、痛かったです…」 彼女は"ゼルノグラード"、Arms in Pocket社の新商品だ。 「ごめんごめん。でも助かったよ、きみの箱のおかげで頭を打たなくてすんだからね」 「自分より箱ですか…orz」「そういうわけじゃないって!」 その後彼女をなだめるのに、ぼくは数時間を費やしてしまうのだった。 こうして、ぼくとゼルノは出会った。 著者:第七スレの6 単発作品用トップページ トップページ