約 220,433 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/132.html
【マルコ・ソロネス】 明日香の相棒である格闘戦特化天使型MMS。 性格は真面目。誇り高く正義感が強い。一人称はボクの男まさりな武装神姫である。 ウイングとプロペラントタンク、脚部ブースターアーマーをオミットし、軽量化を図ると共に四枚の白い翼を背負い高機動化を図っている。 武装は電磁サーベル。このサーベルは出力を最大にすることで、敵神姫のAIを一時的に負荷でシャットダウンさせる攻撃、シャイニングアイシクルを放つことが出来る。 ただしこの技はレギュレーション違反のため非公式バトル専用装備である。 格闘能力は一流であり、明日香の性格とあいまって知名度は別の意味で高く、公式リーグにも参加しているもののバトル自体が成立しないことが多くてランクは低い。 なお名前の由来は堕天して魔狼となった第七座天使、マルコシアスである。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/263.html
アールとエルと 著:アールのマスター 加筆修正されているところもあります 本編 アールとエルと ある日、おもちゃ屋で手に取った武装神姫 目覚めた神姫、アーンヴァルのアールとの 新しい日々が始まった… 捨てられていたストラーフのエルも加わり 三人の生活は続く… 登場人物及び神姫紹介 1話 目覚め 2話 好きなものは? 3話 初めてのおでかけ 4話 新しい家族 5話 剣の舞姫(ソードダンサー) 6話 運命の日 岡島士郎と愉快な神姫達とリンク 7話 新たな武器を探せ HOBBY LIFE,HOBBY SHOPとリンク 8話 剣の名は 9話 鳳凰杯への挑戦 鳳凰カップシリーズ参加作品 10話 もうひとつの戦い 鳳凰カップシリーズ参加作品 11話 鳳凰杯・激突!『剣の舞姫』VS『鋼帝』鳳凰カップシリーズ参加作品 12話 鳳凰杯・悪魔の裁き鳳凰カップシリーズ参加作品 外伝 しるくろぉぉどぉ No1 エプロンろぉぉどぉ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2344.html
第一章 深み填りと這上姫 あらすじ: 大学のレポートに追われる毎日を送る俺がトイレに行って戻ってくると目の前に蒼髪の人形がいた。 それは武器と鎧を装い、人という神のために戦う姫という謳い文句の人形 武装神姫であり、乱暴なオーナーに捨てられたといって駆け込んできたらしい。 さて、どうしたものやら…… 第一話:潜入姫 第二話:金無姫 第三話:入城姫 第四話:盗賊姫 第五話:反省姫 第六話:逆襲姫 第七話:決別姫 総合トップに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2305.html
アスカ・シンカロン03 ~親過~ 「北斗ちゃん、起きるんだよ~」 「起きなさいよ、北斗!!」 弥涼姉妹は双子で、その外見は瓜二つ、否―――。 ―――完全に同一だった。 起きている時はともかく、眠っていると親でも区別がつかないほどに、彼女達は互いが分身だった。 「えへへ~、あたしはね~、北斗ちゃん好きなんだよ~」 「別に、あたしだって嫌って言ってないでしょ……」 ただし、その性格は大きく違う。 静と動。 陰と陽。 光と影。 二人はまるで一つの人格を分け合ったかのように相対し、融和していた。 「北斗ちゃん」 「北斗」 元々、二人は揃って一つの人格なのだと、いつだったか、理屈っぽい親友が言っていたような気がする。 「起きてってば」 「ああ、分かった。起きるから、起こすな」 とりあえず上半身を起こすと、うきゃぁ~、とか言う声を残して何かが転がり落ちていった。 「あぁん? なんだぁ?」 ベッドの下を覗き込めば、そこで目を回している身長15センチの人形。 「あ~、そういえば神姫買ったんだったけ?」 ひょい、とつまみ上げ、目の前に持ってくる。 「動いたって事は、起動したのか?」 「うにゅぅ~」 左手でぶら下げたまま、目を回している神姫、飛鳥の頬をツンツン突いてみる。 「おい、起きろよ」 「ん~、あ~。北斗?」 「え?」 その呼び方に覚えがあって、北斗はその身を強張らせた。 「……なんで」 いや、それ以前に。 北斗は、その声に聞き覚えがあった。 「どうしたの?」 そもそも、オーナー登録もしていない武装神姫がオーナーを愛称で呼ぶ事などありえないと言う事ぐらい、北斗にも分かる。 「お腹痛いの? 食べすぎ? それとも拾い食い?」 つまり、それは…。 「どういう事だ?」 北斗の頭ではさっぱり分からなかった。 「おまえ、まさか」 ただ、一つ。 死んだ筈の明日香と、この神姫の声が同じ事だけは、はっきりと、分かった。 「…おまえ、まさか。…明日香、なのか?」 「ん~?」 一瞬、首を傾げる飛鳥。 「ん~、多分そうじゃないかな~って思うんだよ」 えへへ、と頭を掻く仕草は、もう何処にもいない明日香のそれ。 それが、今。 北斗の目の前に居た。 「どうなってるんだ、これ?」 とりあえず現状確認。 1.弥涼明日香が自殺して死んだ。 2.武装神姫、飛鳥を買った。 3.その飛鳥が明日香だった。 「訳分からんわっ!!」 「あ~、うん。そうだねぇ~」 うんうんと同意する明日香。 「つーか、確認な。お前は明日香なんだな?」 「うん、そうなんだよ」 にへら~、と。見ている方まで溶けそうな笑顔を浮かべる神姫。 「なんで、武装神姫になってるんだ?」 「え? う~ん、……わかんないんだよ」 首をかしげ、困った顔をする神姫の仕草は、演技や模倣などではありえない、明日香自身のそれだった。 「だいたい、お前。どうして……」 自殺なんか。 そう言いかけて、北斗は気付く。 「まて、その前に確認しなきゃ成らない事がある」 そもそも、この明日香は、『どこ』まで覚えているのか、を。 ◆ 「えぇ、あたし自殺したの?」 した事は覚えていなかったらしい。 尋問開始後3分(早っ)。 逆に口を滑らした北斗は明日香に、彼女が自殺した事を白状させられていた。 「したんだよ。……なんでそんな事しやがったんだ。俺や夜宵がどんな気持ちだったと……」 「……夜宵、ちゃん?」 「ああ、そうだよ。あいつ平気な振りしているけど、そんな訳ねぇんだ……」 半身。 その表現が、この双子に限っては比喩だけでは済まない事を北斗は知っている。 「産まれた時からずーっと一緒に生きてきた姉妹が、突然片方居なくなって平気な訳無いだろう」 「うん。そ~だねぇ」 よしよしと慰められる北斗。 「……って、何で自殺しやがった張本人に慰められなきゃならんのだ」 「あ~、ごめんね~。すっぱり何にも覚えてないんだよ」 「ったく」 そう言って北斗は、飛鳥の身体をした明日香を持ち上げる。 「……大体、なんでこんな事になってるんだ?」 う~ん、と考え込んでみるが、北斗の頭で結論が出るわけも無い。 元々、頭を使う事は苦手なのだ。 「……こういう時は、っと」 神姫に詳しい友人。件の理屈っぽい奴の顔を思い浮かべ、携帯を探す。 「…?」 そして、携帯を置いたテーブルの上に広げられた飛鳥の箱と、墨で書かれた手書きの説明書。 「……まてよ。これってアイツに聞くより、昨日の店の店員に聞いた方が良いんじゃないか?」 とにかく起きている現象が異常なのだ。 普通に神姫に詳しい友人より、どう考えても怪しい昨日の骨董屋に聞く方が良い。 「……出かけるぜ、明日香」 「いってらっしゃいなんだよ」 「お前も行くんだよ!!」 ふえっ? と惚ける明日香をつまみ上げ、北斗は昨日の骨董屋に向かった。 地の文とセリフの間に改行入れてみましたが如何でしょうね? 多少は読みやすいでしょうか? -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/326.html
おまかせ♪ホーリーベル あらすじ ある大会で一躍有名になったいずるとホーリー。彼らに憧れ、同じ道を目指す九重翔とリリィ、そして佐和田美由紀とシラユキ。それぞれの物語が始まる。 インフォメーション ●病気のせいで筆が進まないmunaです。番外編がうまく進まなくて申しわけありません。その代わり、先に完成しました本編を掲載します。つぎは・・・、病気が治り次第掲載になります。・・・何とか病気を治してもとのペースに戻りたいですね。 更新メニュー ●第2部の4話を掲載しました。 設定 この物語の登場人物 この物語の登場人物 第二部編 神姫装備関連集 神姫装備関連集 第二部編? 本編 第一部 素敵なハッピークリスマス ホーリーとの出会いがいずるの人生を変えた?! 聖夜に天使がやってきた?! 対決、黒のシュートレイ 其の一 対決、黒のシュートレイ 其の二 対決、黒のシュートレイ 其の三 妖精コンビあらわる ムラサメVSムラサメ ホーリー、バトルデビュー!! 前編 ホーリー、バトルデビュー!! 後編 水中バトルで大ピンチ! 前編 水中バトルで大ピンチ! 後編 アイドルは神姫を救う? 前編 アイドルは神姫を救う? 後編 光と影のクリスマス 前編 光と影のクリスマス 中編 光と影のクリスマス 後編 第二部 目指せ、伝説のサンタ あれから2年後・・・、いずるとホーリーにあこがれ、それを目指す新たな物語が始まる。 人気者にあこがれて ショーケースの中の君 幻の黒い鉄騎兵 翔の気持ち、リリィの気持ち 外伝 『ホーリーベル』の世界に登場する、神姫たちの物語。 その名はシュートレイ 前編 その名はシュートレイ 中編 その名はシュートレイ 後編 その名はシュートレイ エピローグ 黒き天使の伝説 前編 黒き天使の伝説 後編 愛と情熱のタッグバトル 前編 愛と情熱のタッグバトル 中編 愛と情熱のタッグバトル 後編 ヤイバと白い馬 前編 ヤイバと白い馬 後編 ソルティ、初出撃です! 前編 ソルティ、初出撃です! 後編 年末年始だ!丑寅対決 番外編 ギャグ系はこちら。 名乗ろう、決めゼリフ! 初詣で一大事! 年末は大騒ぎ 特別編 ネット世界の侵略者 プロローグ 侵略 出撃、討伐部隊 その1 出撃、討伐部隊 その2 逆襲の獅子虎コンビ その1 逆襲の獅子虎コンビ その2 逆襲の獅子虎コンビ その3 オワリとハジマリ その1 オワリとハジマリ その2 オワリとハジマリ その3 オワリとハジマリ その4 オワリとハジマリ その5 エピローグ 未来(あした) ご意見・ご感想はご意見部屋へ コラボレーション情報 ●第6話で戦うことを忘れた武装神姫の東杜田技研の名前をお借りしました。 ●第6話&7話で神姫ちゃんは何歳ですか?の國崎観奈嬢&ミチルをゲスト出演しました。 ●番外編1で魔女っ子神姫☆ドキドキハウリンの名前と名乗りをお借りしました。 ●番外編2で狛犬はうりん劇場の結さんと三河夫婦をゲスト出演しました。 ●第二部1話でツガル戦術論のシルヴィアとせつなの武装神姫のきらりの名前をお借りしました。 ○昨日アクセスしていただいた方 - ○今日アクセスしていただいた方 - ○今までアクセスしていただいた方 -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1675.html
――私がダメージチェックをしながら瓦礫から身を起こすと、GA4“チーグル”アームパーツを振りぬいた姿勢のロゼさんの瞳も、さすがに驚愕に見開かれました。 「こいつ、まだ……!」 驚かれているようですね。それはそうでしょう。さっきからアレだけ攻撃を食らいまくっていた上に、今またストラーフの象徴ともいうべきチーグルの渾身の一撃を食らって吹き飛んでも、それでもまだ沈まないのですから。 ここはバトルエリア:ゴーストタウン、条件は高重力。より重装備な方がより動きを制限されるこのエリアをあえて選んだのは、佐藤さんとしては自信なのでしょうか、それともハンデなのでしょうか。 「アンタ……なんなのよ、なんだってのよ! 何で今ので決まらないのよ!」 ロゼさんは、サバーカを盛んに踏み鳴らし、地団太を踏んでいらっしゃいます。 そしてチーグルのいかつい指とご自身の指をシンクロさせてこちらをびしっと指差しまして。 「駆け出しのクセにナマイキ!」 いえそう仰られても困るのですが。 と言いますかね、正直自分でもビックリです。 そうですね、強いて思い当たる点といえば……。 「……ご存知でしょうか?」 これもまた心理戦、せいぜいもったいぶって、低い声で言ってみます。 「な、なによ」 「武装神姫の成長には、バトルにおける戦い方も反映されると言うことを……」 「何言ってのよ、当たり前じゃない」 「そうですね、ごく当たり前のことです。 敵に攻撃を当てるほどに命中率が、 敵にダメージを与えるほどに攻撃力が、 スキルを使うほどにスキルポイントが伸びていく、というのは。 そして……」 「…………!」 ここまで言えば、ロゼさんもお察しいただいたようですね。 「そして、敵の攻撃を食らうほどに、ライフポイントが伸びていくのです!」 しかももともとハウリンタイプは武装神姫の中でもLPが多く、伸びやすいと言う特長もあります。 私もお返しのようにびっとロゼさんを指差して力強く断言しました。 「即ち! 今までの対戦を全て全損敗北している私は、そんじょそこらの駆け出しとは一線を画したLPを誇っちゃっていたりするのですよ!」 「胸張って言うことかーっ?!」 いやごもっとも。 それにしても、あのオーナーにしてこの武装神姫あり。ロゼさんもまた、見事なツッコミスキルをお持ちのようです。 まぁそれはともかくと致しまして。 『まだ行けそうですね、犬子さん』 「はい」 マスターさんのお声に、私ははっきりと答えます。 『ロゼさん、驚かれてるようですね。今の攻撃で勝負が決まらなかったのが意外のようです』 「そのようです」 『つまり、今の攻撃はロゼさんにとってかなり自信のあった攻撃と言うことになります』 「……と、いうことは?」 『風輪渦斬と忠実なる守り手は、そこにぶつけましょう』 風輪渦斬と忠実なる守り手、それぞれ棘輪と胸甲・心守のスキルですが、共通するのは「相手の攻撃を無効化できる」点です。 「なるほど、さすがはマスターさん」 私は両手の手甲・拳狼を打ち当てて、構えを取ります。 相手の大技を防ぐ手立てがあるなら、通常攻撃さえ凌げばいいと言う事。 つまり―― 「私はまだまだ、沈みませんよ!」 両の拳を構え、私はロゼさん目指してまっすぐに駆け出しました。 「お疲れ様でした」 バーチャルモードから目を覚まし、コンソールのスキャニングエリアから身を起こす私に、マスターさんがすかさずご挨拶いただきました。 「いえいえ、マスターさんもサポートありがとうございました」 マスターさんがこちらにかざされた掌に、私はいえーい♪と同じく掌を打ち合わせ、ハイタッチをします。 「おかげさまで、今回はいろんな経験値をがっぽりゲットです!」 「それはよかったですねぇ」 和やかに会話しながら、私はマスターさんの手に乗り、対戦PODを後にします。 視界の隅に、なにやら俯いて拳を震わす佐藤さんの姿をお見かけしましたが、まぁ今はマスターさんにご報告するのが先です。 「ロゼさんは、回避よりも防御を優先する方だったのも幸運でしたね。私のにわか格闘でも、それなりに当てることができました!」 私はにっこりと満面の微笑を浮かべます。マスターさんは、そんな私の話をにこにことご機嫌よさそうにお聞きくださっています。 「お陰様で、貴重な格闘経験値を稼げました! 幸先いいですよマスターさん! しかもその上ですね……」 ドッグテイルもぱたぱたと快調のなか、私はびっと、Vサインをマスターさんに示しました。 「いつも通りの全損敗北で、LP経験値もまるっと最大値ゲットです!」 「ふざけんなコラ!」 私たちが喜びを分かち合い労いあっていると、いつの間にやらお近づきになっていた佐藤さんからそんなお言葉をいただきました。 その肩に腰を下ろしているロゼさんも、なにやら憮然とした表情です。 「お前ら思わせぶりな事言っといて、ちょっと打たれ強いだけのまるきりド素人じゃねーか!」 ……一体何を怒っていらっしゃるのでしょう佐藤さんは。せっかくの勝利なのですから、もうちょっとお喜びになればよいかと思います。 そんなに大声出して、肩のロゼさんも顔をしかめておりますよ? 「あ、佐藤君お疲れ様です。いやー、噂どおりお強いですねぇ」 そんな佐藤さんに、マスターさんはいたってにこやかにご挨拶されました。 と、ふと訝しげなお顔になり。 「ところで、思わせぶりって何のことでしょう?」 「お前、どんな条件だって勝てるみたいなこと言ってたろうが」 「……言いましたっけ?」 「言っていませんかと」 マスターさんは小首をかしげて私に確認をお求めになられたのですが、私にも記憶にないため、そうお答えします。 「言った! 確かに言ってたっつの!」 うーん? どういうことでしょうか? 念のためログをさかのぼって見ましょう。 ……やはり、その発言はどこにも……。 あ。 「マスターさん、『どんな条件にしろ、結果は変わりません』というお言葉ならありました」 「そう、それだ!」 「あー、はいはいはい、言いました、それなら確かに言いましたよ」 「ほら見ろ、やっぱり言ったじゃねーか」 「ですが、『どんな条件でも勝てる』なんてつもりで言ってたりはしませんよ?」 「……は? どういうことだよ?」 「いやですねぇ、始めたばかりでしかも恥ずかしながら未勝利な僕たちが、ちょっとやそっとのハンデを頂いたくらいで歴戦の佐藤君たちにバトルで勝てるわけないじゃないですか、はっはっはっは」 「そういう意味かよっ?!」 「当たり前ですよねぇ、今の私じゃ100回戦ったって、どんな条件でもロゼさんには勝ってこないですよ」 「ふふん♪ わかってんじゃない、アンタ」 「ええ、本当にお見事なお手前でしたねぇ」 「胸をお借りさせていただきました」 「そうねぇ、アンタも素人丸出しだったけど、格闘のセンスはそんなには悪くなかったんじゃない? さすがハウリンよね」 「おお、これは嬉しいお言葉を頂いてしまいました」 「よかったですねぇ、犬子さん」 「はい、ロゼさんのお墨付きをいただけるとは、励みになります」 そんな風に和やかに会話する私たちをよそに、佐藤さんはなにやらコメカミの辺りをピクピクと震わせていらっしゃいます。 「……そうかナメてんだな、お前ら俺をおちょくってんだな?」 「? いえ滅相もない」 「~~~~~!」 素できょとんとされるマスターさんに、さすがの佐藤さんも言葉がないご様子です。 俯いて肩と拳を震わせて、そのままの姿勢で5秒。 何か叫び声が上がるのでしょうか?と思っていましたら、不意に肩を落としては~~~~~っと息を長く吐き出しまして。 「……もういい、とっとと次いくぞ。こんな茶番、さっさと終わらすに限る」 くるりと踵を返し、一人お先にターミナルへと歩いてかれました。 「二本目は、そっちが条件決めな」 肩越しにそんな風に言い捨てる佐藤さん。 その背中に、にこやかにマスターさんがお声をかけました。 「はい、では二本目は暗算勝負で」 「アンザン? そんなステージあったか?」 佐藤さんの足が止まり、こちらを振り返ります。 「いえバトルのステージではなく、道具を使わずに計算する方の暗算で」 「…………は?」 あ、佐藤さんのこんな無防備なお顔は、初めて見たような気がします。 「え、いやその、ほら……バトルで、じゃないのか?」 「いやですねぇ、バトルでの勝負でしたら、今しがたついたばかりじゃないですか」 なにやら自信なさげに問いかけてきた佐藤さんに、マスターさんはにこやかに笑いながら、ですがばっさりと一刀両断にされました。 「言ったじゃないですか。僕は『犬子さんが何も出来ない』と仰られたことを否定するために『どちらの武装神姫が優秀か』を証明するために競っていると」 そこでにっこりと会心の笑みを浮かべるマスターさん。……いつもは仏が宿って見えるかのようなマスターさんの笑顔ですが、今日は何だか悪魔が宿って見えます。 「『どちらの武装神姫が強いか』に関しては文句なしにそちらに軍配が上がりましたが、まぁそれは武装神姫の優秀さを示すうちの、一側面に過ぎませんよね」 「てめぇ、最初から……!」 佐藤さんも、さすがに気がついたようです。 そう、これこそがマスターさんの勝算。 これぞ『バトルで勝てないなら、バトル以外で勝負をかければいいじゃない』作戦です! あ、ちなみに作戦名は、僭越ながら私めがつけさせていただきました。 「ちょ、どーすんのよアキ?! アタシ暗算勝負なんてやったことないわよ?!」 肩のロゼさん、佐藤さんの髪の毛を引っ張りながら慌てておられます。 「バ、バカ! オタオタしてんじゃねぇ! どんなにバカでもお前だって武装神姫なら、アタマにコンピューター乗ってるんだろうが!」 「誰がバカよ誰が! バカアキのクセに!」 「論点違ぇ! とにかく条件は同じなんだ、お前だって計算くらいやれる!」 「わ、分かったわよ……とにかくやってみるわよ」 「おう、お前ならできる!」 ……僭越ながら。 その会話を聞いて私は、自身の勝利を確信したのでした。 「ところでマスターさん」 「なんでしょう犬子さん」 「なにやらすごい事になっているのですが」 「すごい事になっていますねぇ」 と言うわけで、佐藤さんとの勝負との二本目に突入するわけですが。 『はーい、皆さんお待たせしましたー!! これより"神姫三本勝負"の二本目! 暗算対決を開始しまーす! 審判兼司会は私、スタッフ浜野でお送りしまーす!!』 ノリノリの浜野さんのマイクパフォーマンスに、歓声で応えるギャラリーの皆さん。ノリのよい方々です。 ここは4階バトルスペースの一角、イベントなどで使われる事を想定しているのであろう簡易ステージ上です。 簡易と言うだけあって床から一段高くなっているだけの、10人も並べばいっぱいになりそうな手狭なステージですが、その上には堂々と"神姫三本勝負!"の題字が飾られています。 今回の勝負の審判役は、公平公正を期すためにと心苦しいながらもお仕事中の浜野さんにお願いしてみました。 そのところ快くお引き受けいただいた上で『準備があるからちょっと待って』と言われたので、てっきりお仕事をしばらく離れるとご同僚の皆様に引継ぎをお願いしているものと思ったのですが……こんなものを用意していたようです。 そして私たちはステージに設置された卓球台くらいの机の上の両端に、オーナーの方々は椅子に、神姫は机の上で、向かい合うように腰掛けております。 向いに座る佐藤さんたちも、困惑を隠しきれないご様子です。 そして私たちの前には、突発イベント見守るギャラリーの皆様が、ざっと30人ほど。 どこから見てもゲリライベントです。 もはや単なるオーナー同士の揉め事の範疇を越えています。 浜野さん、ノリがよすぎです。お仕事の方は平気なのでしょうか? というか神姫三本勝負ってなんですか。 「マスターさん、どうしたものでしょうか」 「うーん、ある程度は耳目を集めるのも狙いのうちではありましたし、その意味では願ったりな情況ではありますが……さすがに予想を超えてますねぇ」 困惑する私たちをよそに、浜野さんのMCは続きます。 『対戦者はこちら! 当店未曾有の30連勝にリーチまでこぎつけた期待のホープ、ロゼことローザリッター! 惜しくも30連勝は逃してしまいましたがその実力は折り紙付き! この勝負に先立って行なわれた一本目のバトル勝負では、まったく危なげなく勝利を収めています!』 浜野さんがステージ左手に控える佐藤さんたちへ手を差し伸べ、佐藤さんたちが戸惑いながらもギャラリーに手を振ると、途端にギャラリーの皆さんが沸きまくります。 「いよ! 待ってました!」「ロゼちゃーん!」「ストラーフたん(;´Д`) `ァ `ァ 」「佐藤はカエレ」「オーナーはむかつくが、ロゼちゃんは応援するぞ!」「ロゼさま俺を罵って!」「30連勝、惜しかったなー」「また頑張れよー!」 そんな歓声の収まりきらぬうちに、今度はステージ右手の私たちに手を差し伸べ。 『対するは新進気鋭! まだデビュー間もないというのにこの勝負を挑んだ命知らず! 犬子さんだー! 先だっての勝負では残念ながら勝利は逃してしまいましたが、そんな事ではめげない注目の前向きっ子! 自身で提案した暗算勝負で、巻き返しを図れるかー?!』 とりあえずご紹介を受けましたので、マスターさんともども深々と頭を下げてご挨拶します。 「がんばれよ!」「応援してるぞー!」「ハウリンたん(;´Д`) `ァ `ァ 」「その度胸気に入った! ウチに来て妹をファックしていいぞ!」「あのオーナーをギャフンと言わせてやれー!」「骨は拾ってやるからなー」「気合入れろー」 こちらでも、負けないくらいにギャラリーの皆さんは沸いてます。 「というか、盛り上がる名目さえあるなら何でもいいのではないでしょうか」 「何でもいいんでしょうねぇ」 『さて、それではルールを説明いたします!』 そういって浜野さんは、なにやら手の平に乗る程度の小ぶりなカゴを取り出し、机の上に置かれました。 中には、なにやら小さな紙片が大量に入っているようです。アレは……レシート? 『取り出だしましたるこのカゴは、3階某レジより借りてきた、不要レシート入れです! ――皆様、平素よりのご愛顧、誠にありがとうございます』 浜野さんがMCを中断して深々と頭を下げますと、ギャラリーの皆さんから笑い声が漏れ出しました。 そして浜野さん、今度はコルクボードを取り出しまして。 『こちらから無作為に取り出したレシートを10枚、こちらのボードに上下5枚ずつ貼り付けまして! その合計金額を計算していただきます! 勝敗のポイントは、計算の正確さと早さ! 金額を間違えたら、一円ごとに一秒のペナルティになるとします!』 おおー、とギャラリーの皆様から低い歓声が上がります。 ……いや今の、感心するところなのでしょうか? 「まぁギャラリーのお約束と言う奴ではないですかねぇ」 「……なるほど、つくづくノリがよいギャラリーの皆様です」 「と言いますか、浜野さんの手馴れっぷりとあわせて考えると、このお店ではわりとこの手のゲリライベントが頻発しているのではないかと」 「頻発していましたか」 つまり、よく訓練されたギャラリーの皆様であったようです。 と申しますか、先ほどよりも広い意味で、浜野さんお仕事の方は大丈夫なのでしょうか? 『では、少々お待ちを』 そして私たちに、メモ用紙とボールペンが手渡されました。ボールペンは人間サイズのため、肩に担ぐようにして書かねばならないでしょう。私はメモ用紙の端に走り書きをし、その感触を試します。 うん、インクの出に問題はなさそうです。その他諸々の下準備も、抜かりナシです。 「いけそうですか?」 「お任せください」 マスターさんのお声に、私は僅かにそちらを見上げて笑顔で答えます。その時窺ったマスターさんのご表情も、落ち着いたものです。信頼されていると見るべきでしょう。これは負けられませんね。 ……そんな大切な勝負なのですから、勝手に動くのは止めなさいこの不良品ドッグテイル。 そうこうするうちに、浜野さんは無造作につかみ出されたレシート束から、10枚を選び出されたようです。 『ところでロゼさんに犬子さん』 浜野さんはレシートをコルクボードに貼り付けながら、不意に私たちに話しかけられました。 「はい?」 「なによ?」 『1から10までで、好きな数字はなんです?』 「……そんなの、ナンバーワンに決まってるじゃない!」 「でしたら私は、ラッキーセブンを」 『なるほどなるほど、1と7ね……はいお待たせしました!』 言いながら浜野さん、なにやらボードに手を走らせ、そのまま手前側にボードを伏せ、その上に 手を置いて押さえました。 「これはもしや……」 マスターさんの呟きを耳にし、私は振り返ってそちらを見上げます。 「マスターさん、なにか気になることが?」 「ええ、念のためですが……ボードの向きには、気をつけてくださいね」 よくは分かりませんが、マスターさんの仰ることです。警戒しておきましょう。 『では、いよいよ勝負開始です! お二人は、そのメモ用紙に10枚のレシートの示す合計金額を記入してください。 記入が終わったらメモ用紙を裏返し、その上にペンを置くところまで行なって、計算終了とみなします』 「はい」 「りょーかい」 『では、行きますよ……スタート!』 ば、と浜野さんが、私たちに見えるようにボードを起こされました。 ……すなわち、私たちには上下逆に示されるように。 なるほど、マスターさんが警戒されていたのはこれですか。 「ちょ、何よそれ?!」 「落ち着けロゼ!」 ロゼさん達の悲鳴をよそに、私はざしゃあ!と全力でボールペンを走らせます。そして記入を終えたメモ用紙を素早く裏返し、その上にペンを置きます。そして正座しつつ。 「終わりました」 「早っ!」 ロゼさんは、まだボールペンを必死に動かされていました。どうやら、人間サイズのペンにお慣れでないご様子。このあたりは、「ロゼさんはバトルに専念している武装神姫で、生活サポートの方はあまり行なっていないのではないでしょうか?」というマスターさんの読みどおりでしょう。 また、ボードが上下逆に示されたのも、ロゼさんの混乱に拍車をかけたと思われます。 浜野さんから見て手前側に伏せたボードを、私たちに開示するように逆から起こせば上下逆になる……言ってしまえばごく当たり前のことですが、それをあらかじめ警戒していなければ混乱も致し方ないでしょう。 私とて、マスターさんからご警告を受けていなかったら、戸惑っていたやも知れません。 「ところで犬子さん」 「何でしょうマスターさん」 囁かれるようなマスターさんの問いかけに、私はマスターさんにだけ聞こえるような声で振り返らずに返事いたします。 「あの、印のついたレシートにはお気づきですか?」 「はい、あの赤丸ですね?」 マスターさんの仰るとおり、上下二段に5枚ずつ貼り付けられたレシートのうち、上段の左から4枚目と一番右下の2枚には赤丸で印がつけられていて、気に留めておりました。 「アレには念のためご注意を。……2ラウンド目があるかもしれません。気を緩めずにお願いします」 「了解です」 それは私もうすうす感じていたことですので、異論などありません。 そうこうしているうちに、ロゼさんも計算終了されました。 慣れない作業に、ロゼさんはややお疲れ気味……と申しますか、「何でアタシがこんなことしなくちゃいけないの?!」とでも言いたげな憮然としたお顔です。 「こんなの、武装神姫のやることじゃないわよ!」 訂正、実際に仰られました。 双方が計算終了したのを確認して、浜野さんは再びボードを伏せられます。 『はい、お二人ともお疲れ様です』 そう言って浜野さんは、私たちそれぞれに笑いかけられました。 私はマスターさんを笑顔で見上げます。計算の結果には自信あり。そして明らかにこちらの方が早く終わりました。マスターさんのご信頼に、応えることが出来たものと自負しております。 そんな私の心を汲んで下さったかのように、マスターさんは優しく笑って頷いて下さいました。 ……こら、落ち着くのです、ドッグテイル。 ですがマスターさんが、ふとその表情を僅かにお引き締めになられたので、私も正面に向き直り、浜野さんを見上げます。 果たして、浜野さんはびしっ、と何やらフシギなポーズを決めて。 『それでは第二問に参ります! さあ、お二人とも準備して! メモ用紙もまた表に戻してねー』 「んだと?」 「き、聞いてないわよ?!」 やはり来ましたか。私はマスターさんを振り返って頷きあうと、落ち着いてペンを再び担ぎメモ用紙を裏返します。 ロゼさんはと言いますと、慌てておられてペンを取り落としたりなどいています。そのほど予想外だったのでしょうか? 「れ、冷静になれロゼ! 逆に考えれば、今の遅れを取り戻すチャンスだ!」 「そ、そうね、そうよね!」 『はーい、お二人とも準備できたねー? 計算終わったら裏返してペンを置くのも一緒だからねー。 じゃあ、今度はボードは見せないでいくよー』 「え、ちょ?!」 さらりと付け足された新条件に、ロゼさんが抗議の声を上げましたが、浜野さんの進行は止まりません。 『今度は、赤丸のついたレシートは除いた合計金額をどうぞ』 新たな条件設定を聞いた瞬間、私のペンが再びざしゃあ!とメモ用紙の上を踊ります。 「慌てんなロゼ! 過去ログを検索するんだ!」 「そ、そんなこと言っても急には見つか」 「終わりました」 「「早っ!」」 今度の叫びは、佐藤さんともどもでした。 それにしても、マスターさんのご指示通りに警戒していて正解だったようです。 赤丸のついた上段の左から4枚目と一番右下のレシート……上下を戻せば、上段の左端と下段の左から2枚目、即ち左上から数えて1枚目と7枚目。 まさに私たちが先ほど答えた数字です。これは何かあると考えるのが自然ですよね。 ですのであらかじめ別枠で赤丸印だけの合計を算出し、それを総計から加減乗除したパターンをいくつか計算をしておいたのです。結局一番簡単なパターンでしたが。 そうこうしているうちに、ロゼさんも該当のログデータを見つけたのか、ペンを走らせ始めます。 そして程なく、ロゼさんもメモ用紙を裏返しペンを置いて計算終了の姿勢になりましたが、そのお顔は憮然としたままです。 ……すねた表情もわりと似合っていて愛らしいストラーフタイプのフェイスがちょっと羨ましく感じたりもしましたがそれはさておき。 『はい二人とも終わったね? 今度こそお疲れ様ー、もう問題はないから安心してね?』 ギャラリーの皆様から笑い声が上がり、ロゼさんはますます拗ねた様にそっぽを向かれます。 ……このあたり、佐藤さんと通じるものがあります。やはり武装神姫は、オーナーに似るものなのでしょうか? 「計算対決とは聞いてたけど、こんなにイジワルされるとは思わなかったわよ」 そんなロゼさんに対し、メモを回収しながら浜野さんが宥めにかかります。 『ごめんねー、普通に神姫のスピードで計算されても、人間にはどっちが早かったか区別つかない事があるから、その辺の差がはっきり出るようにしたんだ』 たしかにそれもごもっとも。ロゼさんには悪いことをしてしまったようですが。 『では、結果発表ー! ロゼさんが……第一問、95,970円! 第二問、8万飛んで230円! 対する犬子さんは……第一問、95,970円! 第二問、8万飛んで230円! 同じ回答です!』 おおー、と低い歓声の上がるギャラリーの皆様。 と、浜野さんが茶目っ気たっぷりに小首をかしげ。 『でもこれ、正解なんですかね?』 結局、ギャラリーの皆様のお連れしてる武装神姫の方の何人かに手伝って頂き、検算をしていただくこととなりました。 ……いやまぁ確かに、アトランダムに選出されたレシートの金額の合計を浜野さんがあらかじめご存知のはずないですし、人間の浜野さんに武装神姫並の計算スピードを要求するのも無茶だとは思いますが……失礼ながら、ちょっと締まらなかったですね。 「ん、間違いない、金額はあってるよ」 「はい、こちらの計算でも、間違いありません」 「うむ、二人とも正解であるな」 『はーい、ご協力感謝ですー、これよろしかったらどうぞー』 ご協力いただいた武装神姫の方々になにやらチケットらしきものをお渡しする浜野さん。それを受け取った武装神姫の皆さんは、ギャラリーの皆さんから拍手を受けつつ、オーナーの下へお戻りになられました。 『ご有志のみなさん、ご協力ありがとうございましたー。お渡ししたのは当店で使える300円割引チケットです、次回のお買い物の際にご利用くださいー。 ……というわけで! 結果は両者共に正解! イジワルな条件の中、見事に正解したのはさすが武装神姫! はい皆さん拍手ー』 わー、と拍手と歓声を上がるギャラリーの皆さん。 が、すぐに浜野さん両手を広げてそれを制し。 『ですが、勝負は無情! 共に健闘を讃えたいところでありますが、勝敗はきっちりつけましょう。 どちらも正解であったならば、勝者は当然! 二問とも圧倒的なスピードで回答した、犬子さんだー!』 「よっしゃ!」「よくやった犬子さん!」「お利口ハウリンたん(;´Д`) `ァ `ァ 」「ナイスガッツ!」「よくぞ佐藤をギャフンと言わせてくれた!」「ロゼちゃんも頑張ったぞー!」「おめでとう!」 先ほど以上の、盛大な拍手と歓声が上がります。 再び私とマスターさんは、深々と頭を下げました。 ですが。 「何やってんだよロゼ!」 そんな激白と、それと共に机に振り下ろされた拳の音に、会場が静まり返ります。 「なによ、あんな風にイジワルされたらしょうがないじゃない!」 心外だ、と言う風に反論するロゼさん。 ですが佐藤さんの言葉は、激しさを増すばかり。 「あんな子供だましにご丁寧に引っかかってんじゃねーよって話だよ!」 「そんな事言ったって……!」 「あっちの素人ハウリンに出来て、何でお前にできねーんだよ! お前の頭に詰まってるコンピューターは 飾りか、ええ?!」 「そ、そんな言い方しなくたって……!」 と言うかロゼさん、泣きそうな表情です。 「なんだよあれ」「ひでーなー……」「泣き顔ストラーフたん(;´Д`) `ァ `ァ 」「あんな言い方しなくっても」「俺もあんな風に言われたことあるぜ……」「これだから佐藤は」「武装紳士の風上にも置けねーな」「ロゼちゃんが可哀想だ」「ああ、できるなら俺が代わってあげたい……むしろ代わって」 周囲からも、そんなヒソヒソ声が聞こえて参ります。浜野さんも、声をかけあぐねているご様子。 ですが……これは見ていられませんね。 私はマスターさんを見上げます。マスターさんは、私が何も言わないうちに頷いて下さいました。 「僕も同じ気持ちです。行ってきて下さい」 「はい!」 マスターさんの信任を得たなら、怖いものなどありません。 私は机を渡り、佐藤さんたちの前に立ちます。 「佐藤さん、つかぬ事をお伺いしますが」 「あん?」 唐突に話しかけた私を、胡乱な目で見る佐藤さん。 「もし私が、『ロゼさんと同じ素体・同じ装備でバトルしたら、条件は同じだから互角に戦える』と言い出したら、どう思われますか?」 「……は?」 とりあえず、こちらに興味を引くことには成功した模様です。 ですので、そのまま有無を言わさず押し切ることにします。 「おそらく佐藤さんは、鼻で笑われることと思います」 「……………………」 佐藤さんは、ロゼさんともども無言です。こんなことを言い出す私の意図を探っているご様子。 「同じハードで戦ったとしても、私とロゼさんでは、ソフト――戦闘経験が決定的に違います。 例え私がロゼさんとハード的に同じ条件を揃えたとしても、互角に戦えることなど有り得ません」 「……………………」 佐藤さんは無言ながら、その目が鋭いものへと変わっていかれます。わたしの言わんとすることを、お察しいただけたのでしょうか。 「それは即ち、計算能力においても同じことが言えます」 『とにかく条件は同じなんだ、お前だって計算くらいやれる』とは、勝負の前に佐藤さんがロゼさんに対して飛ばした檄であり、私が勝利を確信した言葉でもあります。 確かに単純な計算能力であるなら、基本的に同等の能力を持つ思考回路を搭載した武装神姫同士なら、さほど差はないでしょう。 ですが、その計算を効率よく行なうための最適化に関しては、その武装神姫の経験がものを言います。 ましてや今回の勝負に関して言うなら、純粋な計算能力以外の要素、いわば機転を要求される要素が多く含まれておりました。 私はこの勝負に際して、あらかじめログデータの中から過去に受け取ったレシートデザインの検索および今回の勝負に必要な合計金額の算出欄の確認を行い、ピンポイントで合計金額のチェックを可能にしました。 さらに、ボールペンの試し書きを行なってそのペンを活用しての筆記動作の調整・最適化を図り、加えてマスターさんのご助言を受けて問題の提示がトリッキーである場合への警戒を済ませておきました。 それから実は、解答を筆記し始めた時には実は計算を完全には終了しておらず、確定した部分から筆記しつつ、残りの計算は並行処理で続けていたり、なんて事も行なっていました。 もちろん、計算機能そのものの最適化も、この騒ぎになるずっと以前、日常生活でのサポート業務の時点でとっくに済ませております。 すべて、マスターさんの生活サポートを主として活用されてきた私の経験から導き出された、計算の効率化のための工夫です。 たかが計算ですが、私はそのたかが計算のための研鑽を怠らずにいた、その結果なのです。 「ロゼさんを、あまり責めないであげて下さいませ。バトルの経験についてはロゼさんが勝り、計算の経験については私が勝った――それだけのことでございます」 「……………………」 言うべきことを全て言い終えた私は、一礼してマスターさんの元へと戻ります。 「よく言った犬子さん!」「グッジョブ!」「お叱りハウリンたん(;´Д`) `ァ `ァ 」「いいぞー!」「ざまーみろ佐藤」「ロゼちゃんを苛めた罰だー」「俺も叱ってください」 なにやら喝采を浴びているようですが、面映いので意識的に気にしないようにしまして。 『はーい、それじゃあここで、5分間の休憩を挟みまーす』 タイミングよく、浜野さんがステージにカーテンを引いてくださいました。 ふと振り向いた私に、先ほどまでとは打って変わった雰囲気のお二人が目に止まります。 佐藤さんは俯き加減でなにやらぼそぼそとお話しをし、ロゼさんはそっぽを向いて何かを口走っているところです。 ……少し気になりますね。 ログデータ、巻き戻し。佐藤さんの口元をアップにて再生。口唇の動きをスキャニング。 発音された母音は、順に「a,u,a(促音?),a,a,(一秒ほどの間があき)i(長音?),u,i,a」と思われます。 そこから類推される発言内容候補から、意味が通るものを選び出すと……はて? 「ところでマスターさん」 「なんでしょう犬子さん」 「『カルカッタは、いい国だ』とは、どういった意図に基づく発言なのでしょうか?」 「僕の方がどういう意図の質問かとお聞きしたいのですが」 「は、これは失礼しました。佐藤さんの口唇の動きを解析したところ、そのような発言をされていたと類推されましたので」 「犬子さんは、読唇術の心得がおありでしたか」 「はい、まだまだ試験運用中の拙い芸ではございますが」 マスターさんは一つ頷き、それから何度か『カルカッタは、いい国だ』という言葉をお口の中で転がしまして。 「……もしかしてそれは、『悪かったな、言いすぎた』と言っていたのではないでしょうか?」 「おお」 ぽん、と手のひらに拳を打ち降ろします。 「さすがはマスターさん、そちらのほうが状況に即しておりますね」 「お二人の表情を見ても、おそらくそうは間違っていないでしょう」 「なるほど、そういったアプローチもあるのですね」 そういう要素も加味するべきでしたか。道理で『カルカッタは、いい国だ』や『丸まったら、いいスイカ』では、意味が通らないはずです。 状況からの類推も考慮する、という要素を加えて、今度はロゼさんの発言も解析してみます。 佐藤さん「悪かったな、言いすぎた」 ロゼさん「べ、別に気にしてなんかないわよ! アキの口が悪いのなんて、いつものことだし」 おお、今度は会話が自然です。その後もお二人はぼそぼそと会話を続けておられるようですが、これならば安心でしょう。 「お二人は無事、仲直りができたようです」 「それはよかったですねぇ」 「うんうん、犬子さんお手柄」 浜野さんからも、そんなお声をかけていただきました。 浜野さん、少し照れくさそうに頭をかいておられます。 「うーん、ヘタに他人が口出すと余計こじれるかな、とか思って声かけにくかったけど……案ずるより生むが易し、だったね」 む? そういうものなのでしょうか。 いえ案ずるより生むが易しの方でなく、余計にこじれかねなかった、と言う部分が。 恥ずかしながら私は、そこまでは考えが及びませんでした。 私はただ、同じ武装神姫としてロゼさんを見ていられなかっただけなのですが、それでこじらせて余計にロゼさんを窮地に追い込むかもしれなかった、となれば……。 「……私の行動は、浅はかさだったのでしょうか」 「いえ、そんなことはありませんよ犬子さん」 自省する私に、すかさずマスターさんがお声をかけて下さりました。 「犬子さんのお言葉で、佐藤君が落ち着く目算はついてましたよ。……第一、浜野さんご本人から言い出したことじゃないですか」 「ん? 何のこと?」 ややいたずらっぽい口調のマスターさんのお言葉に、浜野さんが首をかしげます。 マスターさんは、そんな浜野さんを笑顔で見上げまして。 「佐藤君は、それほど悪い方じゃない、ということですよ」 「ああ、なるほどね」 浜野さん、マスターさんの言葉にからからと笑って頷いていますが……私にはなんの事やら。 「……申し訳ありませんが、お話の飛躍についていけていません」 「これは失礼しました。つまりですね、佐藤君は本当にあんな風に思って本気で怒っていたわけではなく、ちょっと熱くなって心にもないことを言っていただけで、我に返ったらすぐさま謝罪するあの姿勢こそがあの方の本質ではないかと、そういうことです」 そういえば浜野さんも、佐藤さんを『ちょっと熱くなりやすくて口が悪くて、思ったことをそのまま口にしちゃうだけ』と評されておりましたね。 なるほど、ここまでご説明いただければ、私にも理解が及びます。 「つまり、佐藤さんが私の言を受け入れてくださったというよりは、横槍が入ったことで佐藤さんが我に立ち返るきっかけになったと、そういうことですね」 極論すれば、話しかける内容も何でもよく、私でなくとも良かったと言うことでしょう。 強いて言えば、こじれるかも?と言う危惧をしなかった私の空気の読めなさが功を奏したといったところでしょうか。 ううむ、まだまだ未熟ですね、私は。 「半分正解、といったところですね。"犬子さんが行なった"ということにも、意義はありましたよ」 は? そうなのでしょうか? 「なに、簡単なことさ」 言葉を継いだのは、茶目っ気たっぷりのウィンクを披露する浜野さんでした。 「神姫の言うことに耳を傾けないような人が、この店にくるわけないじゃない」 ……つい今しがたの佐藤さんとロゼさんのやり取りを目の当たりにしておいてそう断言できる浜野さんの、懐の広さを垣間見た気がします。 「まぁ、僕たちが口を挟むよりはうまく行く公算が高かったのは確かですね」 決め台詞を取られてしまったであろう、軽い苦笑いのマスターさんがそう補足いたしました。 ちらりと、佐藤さんたちのご様子を伺います。 佐藤さんが悪態をつき、ロゼさんが拗ねて、ロゼさんが反撃して、佐藤さんがやり込められる。 お二人の仕草や表情から察するに、そんなご様子です。 でも、そんな二人のやり取りには陰や険はまったくなくて、むしろ軽妙とすら言えるテンポで。 つまりは、私たちと初めて顔を合わせた時のままのお二人のご様子。 あれがきっと、あの方々の在り方なのでしょう。 ……うん。 「ところでマスターさん」 「何でしょう犬子さん」 「先ほどの、『佐藤さんは、実は悪い方ではない』と言うお話ですが」 「はい」 私は、にっこりと笑ってマスターさんを見上げます。 「私も同意いたします」 「ご同意頂き感謝です」 マスターさんに、笑って頷いていただきました。 ……ええ、私はその程度の一言でドッグテイルが起動するお手軽武装神姫ですとも。 「それでマスターさん、それを踏まえた上で、これからはいかがいたしましょう?」 「ええ、殲滅プランは必要なくなったわけですから」 「和解プランですか」 「和解プランです」 「ん? どーするのかな?」 「ああ、浜野さんにも話を合わせていただけたら、助かるのですが……」 「浜野さんにとっても、悪い話ではないかと」 「ほほう? 聞きましょう」 和やかな雰囲気の佐藤さんたちを尻目に、そんな打ち合わせをする三悪人。 さて、最終局面です。 『はいでは、休憩も済んだところで、次の勝負へ移りたいと思いまーす! さあ、皆さん拍手ー!』 浜野さんのMCは相変わらず絶好調、ギャラリーの皆様のテンションも衰えを知りません。 対面の佐藤さんたちはすっかり復調されたようで、主従共に自信に溢れた不敵な笑顔です。 『勝負はとうとう最終局面です! 一本目のバトル勝負ではロゼさんの勝利! 続く二本目では犬子さんが暗算勝負を提案し、見事これを勝利! 決着は三本目に持ち込まれることとなりましたー! さあ、この接戦を制するのは果たしてどちらか?!』 おおおおおおおお! と怒号のような沸きを見せるギャラリーの皆様。 『さてそれで肝心の三本目の勝負なのですが、どんな勝負にしましょうか?』 そこで、すっとマスターさんが挙手します。 「それについて、僕から提案があるのですが、よろしいでしょうか?」 『とのことですが、いかがでしょう佐藤君?』 「……とりあえず、言ってみな」 佐藤さんは、鷹揚に頷きました。そのお顔には、どんな勝負になっても自分たちは負けないという自信に溢れています。結構なことでございます。 が、その自信が命取りです、うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ。 「ありがとうございます。今までは武装神姫同士を競わせていたわけですが、三本目は趣向を変えて、どちらがより良いオーナーかを比較してみてはいかがでしょうか?」 意表をつかれたらしく、へえ、と佐藤さんが興味深そうなお顔になりました。 「どうするんだ? 装備のチューンナップの腕でも競うのか?」 「それでも構いませんが、もっと手っ取り早く済む方法がありますよ」 さすがはマスターさん。実際に行われたら確実に敗北する提案を、ごく自然にさりげなくスルーされました。 「へえ、どんな?」 「はい、それはですね」 マスターさんが笑顔で頷きます。 ……仏ではなく、悪魔の方で。 「当事者の方に、お聞きしてみるのですよ」 <その14> <その16> <目次>
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2846.html
西暦20XX年、幾らかの災害こそあれど、3度目の世界大戦も起きることなく今日に至る日本。 今、日本、いや世界中でブームとなっているホビーがあった。ガ○プラだの遊○王だのヴァ○ガー○もメジャーだが。 俗に、「武装神姫」と呼ばれる全高15cmの自律稼動する少女達。 知性と感情を備えた彼女達は、ときに生活のパートナー、ときに友人、ときに小さな家族、ときに戦場での相棒として広く普及している。 なかには小さな嫁だったり主従関係が逆転してたりある意味特殊な事例もあるが… そしてなかには、単なるバトルの道具扱いされるものもいる… これは、ひょんなことから神姫に関わることになった青年と、事情持ちの神姫の話… …の予定だ!内容?続く範囲ってことで。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2399.html
第1部 戦闘機型MMS「飛鳥」の航跡 ・第13話 「雷兎」 全身、砲弾や斬撃の攻撃を受けボロボロになった戦艦型MMSのスーザンは、横にあるハッチから煙草を取り出す。 マッチで煙草の火をつけると一服する。 スーザン「ふう・・・・」 西野「おい、スーザン!何をのんびり一服してんだよ」 スーザン「オレの仕事は終わったのさ・・・見て分かるだろ?主砲は全損、機関砲もいかれて、ミサイルも吹っ飛んだ。副砲は斬り飛ばされてエンジンはおしゃか、もうオレはただのでかい的だ」 目を細めて気持ちよさそうに煙草を吐くスーザン。 ズン・・・ズズズン・・・ガキン・・・バキン・・・ズゴン・・・ドム・・・・ スーザンの目の前では、敵味方乱れての神姫が激しいバトルを行っていた。 スーザン「そんなオレが出来ることといえば、あいつらの戦いを煙草を吸いながら眺めるだけさ」 煙草を吸い終わるとスーザンは煙草の火を自分の分厚い装甲板ですりつぶし火を消した。 ジュッ・・・・ □戦乙女型MMS 「オードリ」 Sクラス 二つ名 「聖白騎士」 オーナー名「斉藤 創」♂ 15歳 職業 高校生 □マニューバトライク型MMS 「ミシェル」 Sクラス 二つ名 「パワーアーム」 オーナー名「内野 千春」♀ 21歳 職業 大学生 □ウサギ型MMS 「アティス」 Sクラス 二つ名 「シュペルラビット」 オーナー名「野中 一平」♂ 20歳 職業 大学生 □ハイスピードトライク型 「アキミス」 Bクラス オーナー名「狭山 健太」♂ 19歳 職業 大学生 □黒天使型MMS「エーベル」 Sクラス オーナー名「斉藤 由梨」 ♀ 22歳 職業 商社OL □戦闘機型MMS 「アオイ」 Aクラス オーナー名「立花 一樹」♂ 24歳 職業 事務機営業マン VS □邀撃戦闘機型MMS 「アラキナ」 Sクラス オーナー名 「深田 京子」 ♀ 23歳 職業 公務員 □邀撃戦闘機型MMS 「デボラ」 Sクラス オーナー名 「渡部 雅行」 ♂ 25歳 職業 不動産営業員 □邀撃戦闘機型MMS 「ジャネット」 Sクラス オーナー名 「福島 紀之」 ♂ 27歳 職業 出版社員 □邀撃戦闘機型MMS 「カリーヌ」 Aクラス オーナー名 「今西 麻耶」 ♀ 14歳 職業 中学生 デボラ「でやあああああああ!!!」 熱く熱せられたヒートナガマキを回転させデボラが突っ込む。 アティスがばっとステップを踏んで回避する。 アティス「そんな大雑把な攻撃が当たるか!」 デボラの真後ろにアラキナがバースト・レールガンを構えアティスを狙い撃つ。 アラキナ「甘いな」 バギュム!! アティスの左脚部に命中し、がくっとアティスの体が吹っ飛ぶ。 アティス「ぐわあ!!」 そしてアラキナの後ろにはジャネットがヒートナガマキをぐんと振りかぶり、バランスを崩したアティスに迫る。 アティス「あ・・・・」 ジャネット「死ね」 バッガーーーン!!! アティスの頭部をすれ違いざまにぶった斬るジャネット。 □ウサギ型MMS 「アティス」 Sクラス 二つ名 「シュペルラビット」 撃破 アオイ「じぇ、ジェットストリームアタックか!!実戦で使うバカがいるとは!!」 ジェットストリームアタックとは、○い三連星が使用した攻撃フォーメーションの名前であり、もともとは対艦船戦闘用に考案されたものであった。まさに三者三様に異なる特性を、最大限に生かすかたちでフォーメーションが構成されている。 この技の攻撃手順は、まずそれぞれが縦一列に重なって並び、真正面からみると1機のみが攻撃対象に向かっているように見せかける。そしてそのまま攻撃対象に向かって接近し、1機目が対象に一撃目を加えてすぐさま列から離れ移動、直後に2機目が同様の箇所に攻撃を加える。これを3機目まで実行し、攻撃対象に深手を負わせるというものである。 緊密な時間差攻撃による連携プレーで、バトルロンドでは息の合った武装神姫同士がこのようなMMS戦における古典的な戦術手段として使用されることもしばしばあった。 エーベル「まずい、まずいぞ!!アオイ!連中がなぜ、同一の武装神姫でつるんでいるのかやっと分かった!!みんなこいつらの攻撃でやられたんだ!!」 デボラ「ふふん!!やっと気が付いてくれたか!」 アラキナ「私たち、武装も黒と赤でド○と一緒だしねー黒い三連星ーなんちゃって^^」 ジャネット「武装の構成も似たような感じだし、ネタでやってみたら意外とはまちゃってさーきゃっはっは♪」 ミシェル「く、黒い三連星って・・・なんですか・・・」 カリーヌ「マスターに聞いてごらんよ」 ミシェル「ねえねえーマスター黒い三連星ってなに?」 内野「え・・・えええと・・・ゴメンなさい、分からないわ・・・」 アミキス「・・・私は分かるよwそのネター」 狭山「オレも分かった、たしか何十年か前にあった機動戦士ガ○ダム種死の・・・」 アミキス「うん、おしいけど違うね」 オードリ「完全再現にはミデア役の輸送機型神姫がいるね」 みんな戦い疲れて、一気にだらけ始めた。ぺちゃくちゃと関係のないことをしゃべっている。 エーベル「ちょっと!!!みんな!!!マジメにやろうよ!!!」 エーベルは一人プンスカ怒り出した。 アオイ「おいおい、そんな怒るなよ、エーベル」 アラキナ「ちょっとおしゃべりしただけじゃねーかよー」 ミシェル「まじめですね。エーベルさん」 デボラ「わかったわかった、すまんかった!バトルロンド中だったな!仕切りなおしだ!」 エーベル「まじめに戦わないと、撃破されていった神姫たちに申し訳が立たないよ!」 アオイ「はいはい、分かった分かったから興奮すんな」 デボラとアラキナ、ジャネットがずらっと一列に並ぶ。 デボラ「さて・・・と・・・俺たちのジェットストリームアタック。どうやぶる?」 アラキナ「私たちのコンビネーションは完璧だよ」 ジャネット「本家には負けないよ」 ギラギラと赤い瞳を光らせる3機。 そんな3機の前に一機の甲冑を纏ったようなデザインの白い武装神姫が立ちはだかる。 オードリ「ここは、私の出番かな?」 戦乙女型MMS アルトレーネ タイプ 邀撃戦闘機型MMS「ガーリオン」とほぼ同じスペックと武装ユニット構成を持つ武装神姫である。 アラキナ「ふん、アルトレーネタイプか」 デボラ「たしかに、俺たちと同じ副腕と強力な近接戦闘能力を持つ同スペック、同クラスの神姫だ」 ジャネット「だが、こちらは3機!そちらはどうするつもりだ?」 オードリはひゅんと大剣ジークリンデを振るう。 オードリ「私は戦乙女型神姫オードリ!!二つ名は『聖白騎士』!!手もなくひねられるとは思わないわ」 マニューバトライク型MMSの「ミシェル」もオードリの横に並ぶ。 ミシェル「そういうことなら私も二つ名『パワーアーム』 を持つSクラスのランカー神姫よ、甘く見ないことね」 エーベルもボロボロの装甲をパージし身軽になって立ち上がる。 エーベル「ふうーオレもSクラスだぜ?舐めるなよ?」 アラキナ「やれやれ・・・けっきょく、今現在、バトルロンドで生き残っている連中ってのは、ベテランのSクラスの神姫だけかい」 デボラ「ふひひひ、バトルロンドは経験の少ないルーキーや要領の悪い奴や運のない奴からくたばっていくのは、当たり前といえば当たり前だぜェ?」 デボラはニタニタと笑う。 ジャネット「じゃあ、お互いに油の乗ったSクラス同士ということで遠慮なしにやらせてもらいましょうか」 すっと身構えるジャネットたち、オードリたちも身構える。 アミキス「ぐっ・・・くそう、オレも一緒に戦う」 アミキスの肩をぐっと抑えるアオイ。 アオイ「おいおい、勘違いすんなよ、俺たちの相手はアイツだぜ?」 カリーヌがヒートナギナタをブンと振るう。 カリーヌ「あまりモノですまないけど、貴方たちの相手は私がさせてもらうわね」 アオイ「こちらこそ、あまりモノですまんな」 仕切り直した神姫たちは、再び各々の剣や銃を手に取り、地面を力強く蹴って突撃した。 ズン・・・ズズン・・・バキン!!!ゴス・・・・ドドドオオン・・・ びりびりと空気が重く震える。ここまでの激戦で生き残った神姫たちの戦いは、みな凄みを増していた。 観戦していた多くの神姫やオーナーは、いろいろと雑談に花を咲かせる。 神姫1「こいつらまだ戦っていたのかよ」 神姫2「残ってる連中みんなベテランばっかり」 神姫3「よえー奴は生き残れないんだよ」 神姫4「ひゃー恐ろしい恐ろしい」 神姫5「ぶっ通しで戦い続けるとか、マジ鬼畜」 神姫6「昼が終わっちまう」 神姫7「み、みなさん強いですね・・・ひひひ」 神姫8「戦艦型神姫、暴れすぎだろ・・・何機喰ってんだ?」 オーナーA「よかった、このバトルロンドに家の子ださなくて」 オーナーB「何機撃破されてるのかカウントできてないし」 オーナーC「でも戦艦型神姫倒せたら撃破ポイントうますぎだろ」 オーナーD「このバトルはうちの子見せたら泣いちゃうな」 オーナーE「物騒ってレベルこえてんぞwwww」 神姫9「廃墟ステージもすんごいドンパチやってるね」 神姫10「さっき、見に行ったら靴下に爆弾詰めてた」 神姫11「くつした爆弾wwww昔、よく作って投げてたわ」 オーナーF「くつしたに爆弾入れて投げるのか?」 神姫12「それ本当に効くのか?」 オーナーG「即席すぎてマジ泣けるな」 神姫13「でもけっこう強力ですよー」 神姫14「縞々の水色ソックスに爆弾つけて投げたら、戦車型神姫が吹き飛んだのはよい思い出ですです♪」 オーナーH「ソックス最強伝説がここに・・・・」 神姫15「武装神姫で一番の武器は靴下!!」 オーナーI「神姫の靴下ペロペロしたいお」 神姫16「そして靴下に爆弾が入っていて、マスターの顎が吹き飛ぶんですね。分かります」 オーナーJ「よい子の神姫のみんなは絶対にマネするなよ!」 To be continued・・・・・・・・ 前に戻る>・第12話 「焔兎」 次に進む>・第14話 「燈兎」 トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/365.html
オリジナル設定紹介 ドキドキハウリン本編、外伝などに登場する、この作品中のみのオリジナル設定です。 GFF 神姫以前に発売された、自律駆動型ロボットを対戦させるゲームのひとつ。 某機動戦士をモデルにしており、精密なディテールとリアルさが最大の特徴。いわば、『戦うガン○ラ』 世界観の都合上、コミュニケーションよりも純粋なロボットバトルを重視しているため、AIの人間性は薄い。 原典が2029年に放映開始五十周年を迎えたこともあり、熱狂的なファンも多い。 SRW 『全てのロボットとの対戦を』をスローガンに掲げた、自律駆動型ロボットバトルゲームのひとつ。 GFFの仕様が数社の占有状態になっているのに対し、仕様の完全オープンソース化を行うことで、多種多様なメーカーから多くの対応機種を出す事に成功している。また、GFFに対する拡張仕様も策定されているため、GFFの機体をSRWに参戦させることも出来る(逆はできない)。 世界観の都合上、コミュニケーションよりも純粋なロボットバトルを重視しているのはGFFと同じ。 オープンソース化がされていることでオリジナル武装も(技術さえあれば)簡単に作れるようになっており、それもSRWがヒットした要因の一つであるが、その自由度が装備の無秩序なインフレ化を生んでおり、現状のSRWリーグはかなり混沌とした状態にある。 また、機体サイズはSサイズ~LLサイズとある程度規定されているため、実際のスケールと異なる場合も多い。 MMS 神姫素体に使われている規格。 最初は完全な独自規格であったが、ユーザーの希望を反映してSRWとの互換仕様が策定されたため、現在はSRWやGFFの武装もバトル装備として流用できるようになっている。 バトルと同程度にコミュニケーション性も重視しているため、GFFやSRWよりも『人間くさい』AIが採用されているのが最大の特徴。 同系列の規格として、アムドライバーやAHPがある。 AHP アクションヒーロープロの通称。MMS規格の同系列商品。 頭部コアユニットに基本となる性格を持たない素体のみのシリーズで、外観はオプションとなる外装、キャラクターの性格付けはCSCのみに一任される。細かい性格付けが必要になるため、CSCを四つ付けられるようになっているのがハード上の特徴。 外装制作時の敷居が高いため神姫ほど流行ってはいないが、他のシリーズよりも自由度が高いところから、根強いファン層を持つ。 神姫と同じスケールの素体も発売しているが、武装神姫ではないため公式バトル・ランキングへの参加は出来ない。 また、フリーバトル(リアル・バーチャル問わず)への参加は可能だが、未登録機の参戦となるためランキングやポイントに影響することはない。この点を利用して、神姫のスパーリングパートナーとして使われるAHPもいる。 神姫より大きな体格を持つため、基本強度とバッテリー容量が大きくなっている。 アムドライバー MMSの同系列規格。 MMSをよりバトル寄りにしたもので、『バイザー』などの多くの支援武装を持つ。装備規格はMMSに準拠しているため、神姫が『バイザー』を使うことも可能。 少女型メカである武装神姫を持つには抵抗のある十代中盤の男性ユーザーに訴求すべく開発されたが、SRWやGFFほどの認知度を得るには至っていない。 トップ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2456.html
MMS戦記 登場MMS MMS戦記に登場する主な神姫を紹介します。 戦乙女型MMS 「アルトレーネ ヴィオラ」 :ディオーネコーポレーション・アームズ・イン・ポケット社共同開発 :主兵装備 ブラオシュテルン 1本 ランドグリーズ 1本 ジークリンデ 1挺 素体部分をディオーネコーポレーション、武装部分をアームズ・イン・ポケット社という異例のタッグ体制で開発された機体。各所に配置されたクリスタルアーマー内にはそれぞれ小型コンデンサを内蔵。副腕部、脚部などへ独立したパワー供給が可能となり大柄なアーマーにも関わらず高い機動力を獲得している。また特徴的なスカートアーマーは展開して格闘用武器、変形して高機動用ウイングへと転用できる多用途なユニットとなっており、優れた攻守のバランスを実現している。さらにヴィオラでは、新規に開発された専用ライフル-ランドグリーズによって従来苦手としていたミドル~ロングレンジの戦闘にも十分に対応可能となった。 攻守ともに隙のない性能を備えた蒼い機体は対戦相手に威圧感を与えるのに十分なデザインとなった。 戦闘攻撃機型MMS 「グリフォン」 :カタリナ社第2開発局製 :主兵装備 1.2mm機関銃×1挺 3.5mmレールキャノン×1門 ショットライフル×1挺 ハンドカノン×1門 ハフ・グーファ×2発 ヒートソード×1本 プチマシーン「弾着観測猫41型」 カタリナ社第2開発局が設計、開発した戦闘航空神姫。アキュート・ダイナミックス社が開発したワシ型MMS「ラプティアス」の飛行特性はおおむね優れていたが、兵装搭載力と火力、防御力などの性能に不満がもたれていた。このためカタリナ社で強化改良機の計画が立てられて最終的にヤマネコ型とワシ型の9割のパーツの共有性を持つ同機の改型ともえいる「グリフォン」が再開発された。大型火器の運用能力が付与されて有効な戦闘攻撃機となり、バトルロンドでは対地、対艦、対大型重MMS攻撃などで有効に運用された。 戦闘機型MMSとしては優秀な性能を持つレーダーと長射程レールキャノンの装備により、近接交戦能力についても他の戦闘機型MMSに劣らぬ空戦機動と有効な重武装を持つ強力な戦闘MMSである。しかし欠点としてコストが高いことと、重いため操縦にクセがあり、左右非対称のため安定性が悪いなどの欠点があるため、少々使い手を選ぶ武装になってしまった。名前の由来は上半身は鷲、下半身は獅子の半鳥、半獣の幻獣の「グリフォン」。ワシ型とヤマネコ型を合体させたまさに本機にふさわしい名前である。 全身に装備された重装備の数々、不要になった場合は投棄可能。 突撃戦闘艦型MMS 「ヴォストーク」 :カタリナ社第5開発局製 :主兵装備 スタンダートミサイル4連装発射機×2 2mmCIWS機関砲×2 連装VSL×2 大型ヒートクロー×2 艦首魚雷発射装置×2 メガビーム砲×2 カタリナ社が開発した新鋭の突撃戦用大型MMS。 本MMSの特徴は、なんと言ってもアーンヴァルのエンジェリックスカイ以上の超高速性能(厳密な速度は不明)で水上、陸上、氷上を走り回り、多数の砲門から放たれるミサイルで獲物を追い詰め撃墜したり、接近戦用に両脇の大型クローで真っ二つに両断する。目の前のもの全てを巨体でなぎ倒し轟音を奏でながら猛スピードで突っ込み、両脇の大型クローでなんでもぶった切る姿はバトルロンドでは非常に恐れられた。 水陸両用で、特に他のMMSでは航行や走行が困難な浅瀬や湿地でも、まったく速度を落とさずに移動でき通常のMMSよりはるかに高速で機雷、魚雷、地雷などの兵器に対して反応しにくい点など特殊な長所も多いが・・・大騒音によって敵に事前に察知されやすいこと、バッテリーをドカ喰いするので行動時間が短い、整備・維持に莫大なコストが必要、運用方法が特殊すぎて扱いにくいなどがデメリットとされ、結局、特殊すぎるMMSのため本格的に運用できるオーナーも少なく、極小数が生産されただけで終わった。 大型MMSのクセにやたらと機動性と速度は速く、高機動タイプの神姫であっても機動性についていけないほどの機動性を発揮するが、その分、他の大型MMSと比べて装甲は薄い。 重邀撃戦闘機型MMS 「アステ・リオン」 :カタリナ社第2開発局製 :主兵装備 1.2mm機関銃 2門 ヒートナガマキ 1本 バーストレールガン 1挺 ミサイルランチャー 2基 カタリナ社第2軍事開発局が秘密裏に開発していた最新鋭次世代型MMS。ガーリオン型MMSをベースに最先端テクノロジーの運用と既存の信頼性の高い武装とコンセプトを加えた堅実で強力な新世代機。 野心的な重戦闘神姫。リアパーツ、副腕に新型の超強力な大出力素粒子エンジンを搭載しカナード翼を設け、加速力、高速性能、抜群の運動性、重武装と重装甲を有し長大な航続距離を兼ね備えており、数多くいる武装神姫の中でもトップクラスの性能を有する。しかし、大出力素粒子エンジンは整備、維持には莫大なコストが発生し、コストパフォーマンスは最低だったため結局、完全受注生産の高級武装神姫として極小数が販売されただけにとどまった。 圧倒的な加速性能と速度を持つ武装を生かした一撃離脱の強力な攻撃で、相手を強襲するスタイルを好む。バトルロンドでは全身に装備された強力な武装をもちいて対戦相手の武装神姫を撃ち殺している。一撃離脱の強襲攻撃の威力は凄まじく、重装甲の戦艦型MMSでさえも一撃で叩き割られるほどである。最高速度の攻撃は、音速を超え衝撃波と摩擦熱で全身が真っ赤に燃え上がり、プラズマが周囲を取り巻くとさえ言われる。 エンジンの開発製造には、高い技術を有するカタリナ社以外の外注工場で製造されたとの噂もある。