約 220,453 件
https://w.atwiki.jp/cwcwiki/pages/684.html
武装神姫 BATTLE MASTERS Mk.2 武装神姫 BATTLE MASTERS Mk.2ID+ゲーム名1回の戦闘でLOVE 1UP 1体目から30体目の神姫LOVE xx 1体目神姫Love 所持金MAX コストオーバー ○ボタン レールアクション全部 神姫全部購入可能 全武装1個所持 HP減らない 攻撃当たらない L+R+セレクトで即勝利 移動距離2倍 神姫巨大化 公式バトルのレギュレーションチェックスキップ 装備変更時に武装ランクとコストオーバーのチェックをスキップ Ver1.01用コード神姫ポイント 1回の戦闘でLOVE 1UP 1体目の神姫 LOVE 30 30体目までの神姫 LOVE 30 1.01用の装備のコストとランクチェック無視 即勝利 全武装 初回対戦会話フラグON レールアクション全部 LP減らない SP減らない ブーストゲージMAX ライドレシオゲージMAX ロックオン外れない ID+ゲーム名 _S NPJH-50453 _G BUSOU SHINKI BATTLE MASTERS Mk2 ※アップデータを適用した場合はアドレスがズレる場合あり。 1回の戦闘でLOVE 1UP _C0 EXP _L 0x203CA430 0x000927C0 1体目から30体目の神姫LOVE xx _C0 1-30 LOVE _L 0x8038E057 0x001E02C4 _L 0x000000xx 0x00000000 ※xxは1からFF[255]まで、1E[30] 1体目神姫Love _C0 1 LOVE _L 0x00038E057 0x000000xx ※2体目以降は+2C4h 所持金MAX _C0 MONEY MAX _L 0x2038DE70 0x3B9AC9FF コストオーバー ○ボタン _C0 cost over ○push _L 0xD0000001 0x10002000 _L 0x604DF8E4 0x00000000 _L 0x00010001 0x000000E0 レールアクション全部 _C0 Rail Action All _L 0x803A7C90 0x006D0001 _L 0x00000001 0x00000000 神姫全部購入可能 _C0 ORIGINAL BODY ALL _L 0x803A418F 0x00420006 _L 0x00000001 0x00000000 全武装1個所持 _C0 All WEAPON _L 0xE0078084 0x001C8692 _L 0x201C8690 0x0E200400 _L 0x201C8694 0x80850000 _L 0x20001000 0x24050001 _L 0x20001004 0xA0850000 _L 0x20001008 0x80840000 _L 0x2000100C 0x03E00008 _L 0x20001010 0x3084007F ※所持数ズレた時は全神姫購入後、下記の2行をONにすればOK _L 0x803A4180 0x00890001 _L 0x10000181 0x00000000 ※DLCOPENはセーブ後も効果残るんでなんか不都合出たら各自対処 HP減らない _C0 HP NOT DEC _L 0xD0278D62 0x000014C7 _L 0x20278D60 0x14C00003 攻撃当たらない _C0 INVINCIBLE _L 0xE0020002 0x00277EF8 _L 0x20277EF8 0x8E2401A8 _L 0x20277EFC 0x10800014 L+R+セレクトで即勝利 _C0 INSTANT WIN L+R+SELECT _L 0xE00201A8 0x0022837C _L 0xD0000000 0x10000301 _L 0x2022837C 0x00003021 移動距離2倍 _C0 MOVING DISTANCE x2 _L 0xD0273214 0x00003F80 _L 0x20273214 0x3C084000 神姫巨大化 _C0 DEKA SHINKI _L 0xE0070008 0x0025E698 _L 0x2025E698 0x0A2005C0 _L 0x20001700 0xAE670008 _L 0x20001704 0x3C043FD0 _L 0x20001708 0xAE040060 _L 0x2000170C 0xAE040064 _L 0x20001710 0x0A2979A8 _L 0x20001714 0xAE040068 公式バトルのレギュレーションチェックスキップ _C0 NO REGULATION _L 0x2005D744 0x10000016 装備変更時に武装ランクとコストオーバーのチェックをスキップ _C0 EQUIP LIMIT OFF _L 0xE0025080 0x001CA6F2 _L 0x201CA6F0 0x1000007C _L 0x201CA8FC 0x1000007D 中華の長いマスターコードの分割について。当環境のPRO-Bで、18行目の「_L 0x00002020 0x00000000」までで1コードにした場合になるが、HP,SP,Boost Gauge、Raid Ratio,時間停止,敵一撃死までの効果を2周目クリアまで、正常動作を確認した。ただし、もうすでにスレのほうにマスターコードを使わなくても同等の効果の出せるコードがあり、そちらも同PRO-B環境で効果を確認しているので、中華のコードが嫌いな方はそちらを使ったほうがいいかも…。 -- (名無しさん) 2011-09-29 13 22 20 Ver1.01用コード 神姫ポイント _C0 money 9999999 (1.01) _L 0x2038FED0 0x0098967F 1回の戦闘でLOVE 1UP _C0 1battle 1LOVE up (1.01) _L 0x203CC490 0x000927C0 1体目の神姫 LOVE 30 _C0 1 LOVE 30 (1.01) _L 0x0003900B7 0x0000001E 2体目以降は+2C4h 30体目までの神姫 LOVE 30 _C0 1-30 LOVE 30 (1.01) _L 0x803900B7 0x001E02C4 _L 0x0000001E 0x00000000 1.01用の装備のコストとランクチェック無視 _C0 Cost and Rank Not Check (1.01) _L 0xE0025080 0x001CB9F2 _L 0x201CB9F0 0x1000007C _L 0x201CBBFC 0x1000007D 即勝利 _C0 INSTANT WIN(START) (1.01) _L 0xE00201A8 0x0022973C _L 0xD0000000 0x10000008 _L 0x2022973C 0x00003021 全武装 _C0 All Weapon (1.01) _L 0xE0078084 0x001C9992 _L 0x201C9990 0x0E200400 _L 0x201C9994 0x80850000 _L 0x20001000 0x24050001 _L 0x20001004 0xA0850000 _L 0x20001008 0x80840000 _L 0x2000100C 0x03E00008 _L 0x20001010 0x3084007F 初回対戦会話フラグON _C0 firstcontact ON (1.01) _L 0x202B6C28 0x30840000 レールアクション全部 _C0 Rail Action All (1.01) _L 0x803A9CF0 0x006D0001 _L 0x00000001 0x00000000 LP減らない _C0 Player LP (1.01) _L 0xE0033010 0x00228D1C _L 0x20228D28 0xC64C291C _L 0x20228D2C 0xE64C2918 _L 0x20228D40 0x44047000 SP減らない _C0 Player SP (1.01) _L 0xE0013010 0x00228D1C _L 0x20228D94 0xC64C2938 ブーストゲージMAX _C0 BST MAX (1.01) _L 0xE0013010 0x00228D1C _L 0x20228DC8 0xC64C2954 ライドレシオゲージMAX _C0 RAID RATIO MAX (1.01) _L 0xE0033010 0x00228D1C _L 0x20228DF0 0xC64C2994 _L 0x20228DF4 0xE64C2990 _L 0x20228E10 0x44066000 ロックオン外れない _C0 NO LOCK-ON RELEASE (1.01) _L 0xE0024500 0x0026F776 _L 0x2026F774 0x10000003 _L 0x20270158 0x00000000 武装神姫バトルマスターズMk.2 チート(現行スレ) http //kohada.2ch.net/test/read.cgi/gameurawaza/1323353116/
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1845.html
鋼の心 ~Eisen Herz~ インターミッション08:天使は滅びの笛を吹く 「―――では、彼女の扱いはそういう事で……」 「止むを得ませんな。中心的開発者となれば、その影響は大きい……」 「左様。マスコミへの情報管理は中心各社の宣伝部に徹底させておきましょう」 「懸案事項が一つ減ったか。……いや、増えたのかな?」 「では、次の議題に移ります―――」 ◆ 『―――次のニュースです。……天海水族館でウーパールパーが大繁殖しており、訪れる客を―――』 暗い部屋の中でニュースが流され、京子の顔を照らしだす。 痩せこけ、乾涸びた花のように、ただ朽ちるに任せ。 彼女はそこに居た。 (……私の所為、なのか……) 真紀のCSCが重度に到ったのは、京子が一月もの間意識不明であったから。 京子がもっと早くに目を醒ましていれば、真紀は……。 (―――何もかも) MMSが武装神姫になってしまったのは、京子が造った武装が切っ掛けだった。 もし京子がそれをしなければ、MMSは……。 (―――最期まで) 真紀が、誰にも看取られずに一人で死んだのも。 (―――、最初から) そもそも、真紀がCSCになってしまったのも……。 (私が、全部悪いんだ……) 違うと否定してくれる者も居ないまま、京子は一人朽ちようとしていた。 結局、真紀が戻ることの無かった家の、彼女の部屋で……。 ◆ 今は亡き、主たる少女の情報操作によって、電力と資材は確保されていた。 後はただ、言われたとおりに操作すれば良いだけだ。 「我が主の最期の命。……必ずや、この命に代えても……」 主無き機械人形はただ動く。 今の“彼女”を指し示す言葉は無い。 イリーガルと言う言葉が生まれるのは、この先数年を待たねばならなかった。 ◆ 「ああ、分かった。そこに、彼女達の実家があるんじゃな?」 芹沢は車載電話の向こうに返事を返しながら、高速への道を辿った。 「すまんの、この件では会社はまるで当てにならんからな」 土方真紀の死と、以後の扱いについては既に共同会議で決定されていた。 FrontLineも、Kemotechもこの件に関しては頼りに出来ないと思っていいだろう。 (コネクションが無くなれば少女一人探せぬか。脆いものだな……) 芹沢は首を振り、ラジオのスイッチに手を伸ばした。 『―――では、次のニュースです』 ◆ 『―――では、次のニュースです。 FrontLine、Kemotech両社が中心となって企画された考えるロボット、“武装神姫”の発表がなされました』 「―――あ」 京子の瞳に光が戻る。 『展示されたサンプルは、人と殆ど変わらない情緒を持っており―――』 武装神姫が世に出る。 真紀の造ったものが、世界に出てゆく。 『―――関係者を驚愕させると共に、今後の展開について注目がなされます』 もう、真紀は居ないけど。 真紀の居た証は、世界に残る。 「真紀……」 京子の頬を、涙が伝った。 『―――では、神姫事業部の方に伺ってみましょう』 ◆ 「―――武装神姫と言う事ですが、これだけ感情性のあるAIであれば、ロボットペット的な扱い方も充分視野に入っていると見てよいのでしょうか?」 「ええ、ですが今後の展開は武装面の拡充と、新型機の他社発展に力を入れて行きたいと思っております」 「機種とCSCを始めとする初期設定で、神姫の“性格”に強い影響が出ると言う事ですが、この辺りについて何か?」 「性格だけでは無く、神姫の性能に非常に強く影響を及ぼします。機種によって攻撃用のプログラムとの相性もあり……」 「性格面が分布的に分類される形式で表わされていると言うのは、性格と言うのはパターン化された物ではなく、非常に多岐にわたる“人格”的な要素であると理解して宜しいのでしょうか?」 「ええ、戦闘能力においても、個性的な相違が生まれる為、機種によっての戦法は分類以上のパターン化は―――」 「これだけ高度なAIを造るのは大変だったでしょう? 開発はどの様に?」 「―――スタッフ達の、努力の成果です」 ◆ 「……………………」 メノマエノコウケイガ、シンジラレナカッタ。 『―――スタッフ達の、努力の成果です』 何を言ってるんだ? 『スタッフ達の、努力の成果です』 違う。 『スタッフ達の―――』 違う!! 京子は立ち上がる。 「お前達が何をした!! 見る事もせず、只出来たものを使っただけじゃないか!!」 スタッフ達の―――。 「違う!! 真紀だ。全部真紀が創り上げたものじゃないか!! 真紀が、一人で……っ!!」 涙で滲む視界の中、手当たり次第に物を投げ付け、まるで子供みたいに泣きじゃくり。 「……真紀が、たった一人で創ったんじゃないか……。それを……。それ、を……」 誰にも抱き止められぬまま。 京子は隻眼の奥に怒りを灯す。 「……全部奪うのか……」 『―――ゆえに、私は全ての神姫を否定し、これを破壊します―――』 不意に甦る、真紀の声。 「全部、奪うのか……」 天啓だと、そう思った。 「真紀から、何もかも奪うんだな?」 遺志も。 痕跡も。 「―――なら、私と真紀が、今度はお前達から奪ってやるッ……!!」 涙を拭いて、京子は暗い部屋に背を向けた。 「―――返して、貰うぞ!! 何もかも!!」 ◆ それが、最初の破綻だった。 ◆ 「………………京子ちゃん」 芹沢が辿り着いた時には既に京子の姿は無く。 全ては動き始めた痕(あと)だった。 インターミッション09:エピローグにつづく 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る ALCでした。 -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1736.html
{Zwei} 前回はクリナーレ…『Drei』を調べた。 中身は『Vier』とほぼ同じだったんでそれほど驚愕はしなかった。 残念ながら俺の記憶に関する事は書かれていなかった…。 まぁ、そりゃあそうだよな。『Drei』に関するデータだったんだからな。 …あれ、前もこんなセリフ言ってなかったっけ? まぁいいや、で今日は『Eins』『Zwei』の二個中の一個、『Zwei』のセキュリティーを突破する事に成功した。 ホント、セキュリティーを突破するのにどれだけの労力を使ったことやら…。 「ツヴァイ…どんな事が書かれているかな?」 注意深く見ながら次々に色々な項目を見ていく。 西暦2027年12月×日 我が社が武装神姫というプロジェクトに参加するになった日。 そこで我が社はオリジナル、つまり試作型MMS(Multi Movable System)を開発する事になった。 試作型の数は四体。 西暦2029年2月1×日 この時はまだ武装神姫は一般に公開されていなかった。 『Zwei』は『Eins』と一緒に誕生したMMS。 『Zwei』の識別はAngel Type Version Two。 西暦2030年4月2×日 攻防システムでトレーニングした結果。 近距離能力: ◎ 中距離能力: ○ 遠距離能力: ○ 攻撃能力: ○ 防御能力: △ 加速能力: ◎ 最高速度能力:○ いずれは近距離関係に特化したMMSになると予定される。 ※Devil Type Version Oneの『Drei』と酷似しているが、『Zwei』の場合、奇襲や襲撃という敵の不意をつく攻撃が得意と判明。 近距離関係といってもヒット&アウェイに近い戦法になるだろう。 西暦2030年8月×日 『Eins』と平行に製作された『Zwei』は近距離奇襲攻撃に特化したMMSに決定された。 暴走の危険は多少検知された。危険度は20%。 だが、暴走の危険に注意しこのまま更なる研究を続ければ、通常のMMSよりも数十倍の能力を引き出せると肯定した。 他の武装神姫に比べ、体重が軽い。 西暦2030年10月×日 『Eins』の状態が急変したのを我が社のスーパーコンピューターが察知。 人間の『感情』というものを身につけた。 原因は不明、この事がきっかけとして『Eins』と平行に製作されたいた『Zwei』とは別々に研究される事になった。 今だに何処にも支障がない『Zwei』はそのままプロジェクト研究を続ける。 『Eins』は一時中断、西暦2030年10月2×日に別のプロジェクト研究に移行。 西暦2030年12月1×日 度重なる訓練の結果、複数の敵でも瞬時に判断し撃退する事も可能と判明した。 今では強化された複数のレプリカと戦闘を行っても易々と迎撃し、レプリカは全滅。 武装も従来着用されるよりオリジナル武装の方が能力強化される事も判明。 更なる能力向上を決定された。 だが、問題点は暴走の危険度が20%ある事。 能力向上する事は決定されているが、過度の力は素体とコアの負担になる。 要注意して研究を進める事が義務づけられた。 西暦2031年5月1×日 『Eins』が原因不明の暴走。 研究員14人、機動隊32人を惨殺。 『Eins』の暴走を停止するため『Zwei』に迎撃させたが、残念ながらいまひとつ成果は得られなかった。 こうなってしまったら『Drei』『Vier』も同じ結果になると推定され試作型MMSによる迎撃は不可能と判断。 暴走してから数十分が経過した時、『Eins』の近くに居た一人の少年によって『Eins』の暴走を止める事に成功した。 少年の名は…ある研究員の保護により記載されていない。 西暦2031年5月1×日 上記に記されいる日付と同時刻に『Eins』の暴走を停止するため『Zwei』が迎撃に向かったが返り討ちにあい、素体に損傷・内部回路に損傷。 『Zwei』の素体は軽傷だが内部回路は重傷。 どうやら『Eins』の攻撃は外部・内部に別けて攻撃可能と予測。 内部回路はズタズタにされ損傷は激しく、一部の記憶デバイスを犠牲にして修理する事が決定された。 記憶デバイスの内容は不明。 機密事項である。 幸いと言えば、コアが破壊されてないのでデータは健在である。 西暦2031年5月1×日 突如の『Eins』の暴走事故により、試作型MMSの研究は一時的に凍結。 研究の中断は余儀なくされ、確定は確実。 『Eins』『Zwei』『Drei』『Vier』はこの日をもって完全凍結された。 西暦2040年5月1×日 武装神姫が稼動、発売されてから9年。 ※神姫タイプ以外のMMSはこの限りではない。 武装神姫のシステムが総合的にバージョンアップし、ある程度安定してきた。 しかも武装神姫の人気は徐々に上がっていくのを見て我が社の試作型MMS研究を再開される事が決定した。 しかし、いくらバージョンアップしたとはいえ、9年前同様に暴走してしまったら危険。 我が社は試行錯誤を繰り返した結果、試しに人間と生活させる事にした。 人間と一緒に生活させれば、我々人間がどのように生きているのか生活面の知識が増えるだろうと予測。 そうする事によって我が社の四体の試作型MMSはこの世の中の知識を身につける。 そうすれば、人間がMMSをどのように使役してるか自分達がどのような存在か知る事になる。 結果、試作型MMSは自分達がどのような存在か理解し、無駄な抵抗をしないまま研究できる。 しかし、ここで少し問題が発生した。 この四体の試作型MMSと一緒に生活する人間を決めなければならないという問題。 我が社の人員から選んでもよかったのだが、9年前の事故によって誰もが拒否した。 だが、斉藤朱美研究員のスカウトによって一般人がこの大役を受け持つ事になった。 現在は 斉藤朱美研究員の弟、天薙龍悪に四体の試作型『Eins』『Zwei』『Drei』『Vier』監視をさせ、今に致る。 ここで文章が終わっていた。 「…少し変わったな」 このデータで一つ謎のピースが解った。 『Eins』の事故の詳細が少し解ったのだから。 それと『Eins』と『Zwei』は別々のプロジェクトに移されたみたいだ。 正確に言えば『Zwei』はそのまま予定通りに研究され『Eins』はまた別のプロジェクトに移された、と言えばいいかな。 しかし、『Eins』とバトルして重傷とはな。 データを見ると記憶デバイスを犠牲にした、と記されていたが…いったい何の記憶だ? …にしても酷い攻撃をクラッタに違いない。 …これがルーナの過去かぁ。 可哀想な過去だな。 「そういえばっ…」 今思った事。 あいつらには、この今までの記憶というものが無いのか? そこら辺どうなんだろう。 訊いてみたい所だが、正直、気が引ける。 今まで見てきたデータでは三人とも感情がないように見えるし。 データの画像を見て、それがハッキリする程の無表情だ。 …なんか嫌だな。 あいつ等の過去を無断で見るのは。 罪悪感もあるし、俺の良心が痛むのは当たり前。 もっと悪く言えば俺は土足であいつ等の心の中にズカズカと入っていくようのものだ。 …あぁ~! そう考えてきただけで自分にイラついてきた。 でも、俺はどうしても調べないといけない。 あいつ等の事を考えながらも結局調べて見る、この行動。 矛盾してるがしょうがない。 後一つ、『Eins』が終わるんだ! あれが終わればもう見る必要もなくなる。 もう遅いかもしれないけど、今、謝っとく! 「ゴメン!」 俺しかいない地下部屋で俺の声が響く。 無意味な行動だが、やっとかないと良心の呵責に押し潰されそうだったから言った。 時が来たら、いつかは面と向かって言おう。 だから…もうちょっとだけ、お前等の事を調べさせてくれ! 「(c) 2006 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.当コンテンツの再利用(再転載、再配布など)は禁止しています。」
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2350.html
MMS戦記 登場MMS MMS戦記に登場する主な神姫を紹介します。 戦闘機型MMS「飛鳥」 :フロント・ライン社製 :主兵装備 霊刀 千鳥雲切×1本 flak171.5mm機関砲×2挺 三七式一号二粍機関砲×1門 三十六式航空爆弾×2発 増加燃料タンク×2基 2030年代中盤、長大な航続距離、重武装、優れた旋回・格闘性能により、バトルロンドの各戦闘機型MMSに対し圧倒的な勝利を収めたことから、当時の武装神姫から「ゼロファイター」の異名で恐れられた。しかし、2040年代以降、各メーカーの新鋭航空MMS機の大量新規投入から旧式化し戦闘力の優位は失われたが、個人レベルのカスタムやチューニングで乗り切っている個体も多数存在する。 防御装備は設計においてもほとんど考慮されることはなかった。バトルロンドにおいて防弾装備の必要性が痛感されていたにも拘らず要求の追加すら行われていないのは、将来戦闘機型MMSへの搭載が一般化すると判断されていた2mm級機銃弾に耐えうる防弾装備は非常に重いことから、中途半端な防弾装備を施すよりは軽量化を図り、速度や運動性などを向上させることで被弾確率を低下させた方が合理的と考えられたためである。 アーンヴァル天使型MMSから発展した技術として、全面的な沈頭鋲の採用、徹底的な軽量化と空気力学的洗練、主翼翼端の捻り下げ、空戦フラップ、落下式増槽などがある。これらは高い旋回性能の実現にも大きく貢献している。 軽量化による高い余剰馬力のため、高速度と高い運動性能、長大な航続距離、2mm機関砲搭載の大火力を併せ持ち、ベテランの神姫が扱えばバトルロンドの黎明期において無敵ともいえる活躍を見せたことから、バトルロンド初期の優秀戦闘機型MMSと言われる。飛鳥は徹底した軽量化による機動性の向上が重視して開発されたため、装甲板などが搭載されておらず、ドラッケン戦闘爆撃機型MMSなど同世代の武装神姫に比べ、被弾に弱かった。後述のように初戦から防弾の不備はたびたび使用している神姫からの指摘もあったが、対策は後回しにされ、その後の改修でもしばらく防弾装備はされなかった。 開発元はフロントライン社。カタリナ社でもOEMでライセンス生産され、総生産数の半数以上はカタリナ社製。マジック・マーケット社のエウクランテ、カタリナ社のドラッケン、スタジオ・ルーツ社のツガルなどとともに、バトルロンドで比較的よく見られる代表的な戦闘機型MMSとして知られている。 名前の由来は日本語で地名、もしくは万葉集からとられたと思われる。 黒天使型MMS「ナイト・アーンヴァル」 :フロント・ライン社製 :主兵装備 GEモデルLC3レーザーライフル×1門 アルヴォPDW9機関銃×1挺 アルヴォLP4ハンドガン×1挺 M4ライトセイバー×2基 GEモデルRG8レールガン×1門 他 最初期の航空戦闘機型MMS、2030年代初頭に登場した航空神姫で、2040年代にはすでに旧式化しつつあるが、安定したスペックと高い兵装備搭載能力と高速度性能、機動力を買われてまだまだ第一線級の神姫である。 さすがに基礎設計から10年以上経過しているので、様々なオプションパーツや内装電子関係を入れ替えてある。カタリナ社製の火器管制ソフトを搭載しているタイプは各種さまざまなミサイルを搭載できる。反対にフロントライン社の火器管制ソフトを搭載しているタイプは光学兵器系の武装を搭載できる。見た目は一緒だが、バトルロンドの運用思想でさまざまな亜種や分化がすすでいる機種となっている。 この機体塗装が黒色に塗られたタイプは夜間戦闘に優れた「ナイト・アーンヴァル」と呼ばれ、暗視性能や各種電子装備が若干強化されている。このような夜間戦闘に優れた亜種の神姫はアーンヴァルタイプだけでなく、エウクランテや飛鳥タイプにも多々見られるので、別段珍しいことではない。 名前の由来はイタリア語で「突撃」という意味。 重装甲戦艦型MMS「ヴィクターⅠ級」 :カタリナ社・第5開発局製 :主兵装備 2連装ヘヴィ・ターボレーザー砲×3基 2連装ターボレーザー・キャノン×5基 レーザー機関砲×6基 大型ミサイルランチャー×4基 100g爆弾 大型巡航ミサイル 等 カタリナ社が開発した大型宇宙戦艦をモチーフとした武装神姫。 インペリアル級装甲戦艦型神姫を拡大・発展させさらに攻撃、防御、センサー、巡航性能、すべてを強化した上位艦である。重装甲戦艦の名に恥じない強力な外装甲と高出力エンジンが生み出す電磁シールドによって防御能力は非常に高く、巨大な巨体は耐久力も高く生半可な攻撃ではびくともしない。高出力エンジンが生み出す莫大なエネルギーは相当なスピードを誇り、アーンヴァルのASにもを追跡することもできた。全身に多数のレーザーキャノンを搭載し単体の神姫としては想像を絶する火力を持つ。さらに武装神姫の搭載も可能であり、センサー、レーダー類も優秀で高い捕捉率を持ち、戦艦、簡易空母、艦隊旗艦・司令部としての機能をも併せ持ち砲撃戦から、単艦での威力偵察、フィールド占領など数多くの運用が可能であった。 防御力、火力、耐久力、探査能力、搭載能力、巡航性能などあらゆる点で高い完成度を持ち、カタリナ社の「大艦巨砲主義」を象徴するような戦艦型神姫であったが、設計思想はあきらかに時代遅れで「力任せでそれ以外に策のない神姫」など厳しく酷評され、あまりにも戦闘能力に固執するあまり神姫の進化の袋小路に入ってしまった。このⅠ級は強力な2連装ヘヴィ・ターボレーザー砲を搭載したタイプで他にも実弾兵器を強化したⅡ級、電子戦闘やミサイルを主兵装備としたⅢ級のさまざまな型が存在する。 「ヴィクター」名前の由来は旧天使の名前、絶対勝利、絶対無敵という意味。 重装甲戦艦型MMS「ヴィクターⅡ級」 :カタリナ社・第5開発局製 :主兵装備 MKS40 2mm砲×2門 2連装ターボレーザー・キャノン×2門 レーザー機関砲×8門 大型ミサイルランチャー×4基 VLSスタンダートミサイル×4基 100g爆弾 大型巡航ミサイル 等 カタリナ社が開発した大型宇宙戦艦をモチーフとした武装神姫。 重装甲戦艦型MMS「ヴィクターⅠ級」の低コスト化計画に基づき整備されたのが本級である。武装やレーダー、各種センサー類が改められているが、統合的な性能はそのままでコストダウンが図られている。前級と同じく防御力、火力、耐久力、探査能力、搭載能力、巡航性能などあらゆる点で高い完成度を持つバランスの取れた戦艦型神姫であり、相当な数が量産されている。MKS40 2mm砲はカタリナ社の開発した艦載砲で、カタリナ社の各種艦艇型MMSに採用されている砲で、発射速度は毎分60発、全自動電気式、対空、対艦、対地両用で、ミサイルも迎撃可能な優れた艦載砲で、高速で移動する物体にも対処可能。バトルロンドでは強烈な速射性能と打撃力で、遠距離から艦砲射撃を行い、数多くの武装神姫を駆逐している。また多種多様なミサイルを搭載しており遠距離からのミサイル攻撃も可能で、攻撃目標の捜索、発見、索敵、弾着観測に味方神姫とのデーターリンクシステムを搭載している。いずれも目標から遠く離れた位置から砲撃、発射を行うので、接近戦は考慮していないが、やむをえない場合はその巨体を生かして体当り攻撃やのしかかり攻撃などの単純な質量攻撃を行う場合もある。当然、通常の神姫がこの巨大な神姫の質量攻撃を喰らった場合、ひとたまりも無く潰される。 邀撃戦闘機型MMS「ガーリオン」 :カタリナ社・第2開発局製 :主兵装備 マシンキャノン×2門 ヒートナガマキ×1本 バースト・レールガン×1丁 空対空ミサイルポッド×2基 電磁シールド×1基 ECM装置×1基 等 カタリナ社の次期主力戦闘機型神姫開発計画「XF―003」の元、カタリナ社 第2開発局が設計、開発した戦闘神姫である。機動性能、防御性能、火力共にバランスのとれた機体で、特に大出力エンジンをフルに生かした加速力、急降下性能、上昇能力は高くそれらを生かした一撃離脱戦闘を得意とした。 ガーリオン系は前期型、中期型、後期型と細かなバリエーション違いが存在するが、スペック自体にはさほどの違いはなく、武装も共通で内部のソフトウェア、姿勢制御系や火器管制、電子装備がUpしている。 集団で連携した一撃離脱戦法を得意としレーダーとセンサーによる索敵・高度差を生かした加速・銃撃による先制攻撃で相手を仕留める。近接武装にヒートナガマキを装備。戦国時代に多用されていた長巻と同じその重量と刀身長を生かし、すれ違いざまに振る、薙ぐ、突くと幅広く攻撃できた。槍と刀の中間的な武装である。 遠距離武装にはレールガンを装備。弾速と威力に優れたが連射性能が低い。 同じ武装同じ一撃離脱戦法で集団で一気に襲い掛かかる戦闘方法は集団バトルロンドでは非常に恐れられた。 戦乙女型のアルトタイプ(開発はアームズ・イン・ポケット社)は開発元とは、似たようなカラーリングと武装構成、フォルムをしているのでバトルロンドの空中戦ではしばしば両機を混合して間違えて誤認する場合などが発生し、フレンドリーフャイヤーなどの誤射などが発生し問題になったこともある。 明らかに類縁関係の遠い神姫間ですが、妙に似通った姿、あるいは似通った武装構成を持っています。またアルトタイプは日本ではどちらかというと関東地方で比較的よく見かける神姫でガーリオンタイプは逆に関西地方でよく見かけるタイプで、両者は異なった地域で異なった種において、似通った方向の進化が見られる現象が発生している。また出現した時期もほぼ同時期であることも注目されている。 全体のスペックも似たような形になっており収斂進化が起きている。 青カラーバージョン 近接攻撃が得意。 赤カラー 射撃戦闘が得意。 アルトアイネス型とガーリオン型の比較。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1256.html
「それでセンセ! おれはいつからカンナのガッコにいけるんだ? なあなあ?」 「いや、あたしの話聞きなさいよ・・・。大体、学校なんかに何しに行くって言うのよ?」 「カンナとあそぶ!」 「学校は勉強する所よ」 「じゃあカンナがよろこぶことおしえてもらう!」 「そういう場所でもないわよ普通・・・」 「いくんだ!いくんだ!!いくんだ♪ うおーん♪」 「・・・あーもう! そんなに言うならあたしが家庭教師やってあげるわよ! あなたには教えなきゃなんないこと山ほどありそうだしねぇ」 「がう? かていきょうしってえらいのか?」 「賃金高い分三倍は偉いわよ。あたしなら十倍ね。一般教養から設ける株取引、おばーちゃんの知恵袋に恋の駆け引きまで手とり足とり腰とり教えてあげるわ!」 「うわーい! センセありがとー♪ カンナといっしょー♪」 「絶対判ってないわね・・・。全く、人の気も知らずにいい笑顔向けてくれちゃって・・・可愛さ余って憎さ百倍って言葉今程かみ締めた事ないわ」 「かみしめるって、ソレうまいのか?」 「不味いわよ、すごく。もう・・まだ“昨日の後処理”が終わってないって言うのに・・・。こんな事してる間に、ボロ出なきゃいいけど」 繋章1 縁 何の変哲もない郊外、何の変哲もないマンション、何の変哲もないとある部屋の前。佇むのは、何の変哲も“ある”男。 「・・・じー。」 「・・いや奥さん、俺刑事ですから。ホラ手帳」 「・・・いやそれならいいんですけれどね。それにしても刑事には見えないわねぇ」 「余計なお世話!」 ・・・気を取り直して。男はインターホンを鳴らす。・・・無反応。 「ま、そりゃそうか。本人は今日自首してきたんだから」 挿入、開錠。 預かった鍵で扉を開く。奥に広がるのは、一人暮らしにありがちな乱雑。我が物顔で男は踏み込む。 ・・武装神姫の空パッケージ。箱は3つ。 ・・・PCに保存されたMMS改造コード。 ・・・・プリントアウトされた市内地図。 ・・・・・犯行予定と見られるメモ。日付は昨日。場所は“豊島家”。 ・・・・・・明らかに、部屋に不釣合いな高級貴金属。 「・・・聞いていた通りだな。」 その全てが、武装神姫による犯罪行為、そして連日世間を賑わせた窃盗犯を指し示す証拠品。“もし世間に露呈すれば確実に武装神姫の“心”を疑われる代物”。男は、刑事は証拠品を丁寧に整理し、立ち上がる。 「・・・さてと、後はこれを・・・」 「・・・どうやって処分するかだよな」 夕陽が射し込む。その男―松代鋏はその眩しさに背を向けて、呟いた。 「それにしても、ファナティックのアネさんも適当だよな。もし俺にこの事件回ってこなかったらどうするつもりだったんだよ」 全ては茶番。全ては喜劇。刑事にあるまじき刑事、松代鋏は既に職務より“友人の依頼”を優先して動いていた。アニー・“ザ・ファナティック”の『神姫が犯罪に悪用された痕跡を全て消せ』と言う依頼を。 「神姫関連の物は普通に処分で・・・この辺のデータは細工して単独の窃盗犯に見せかけ・・・。盗品は・・・まあ適当に横領しておくか(笑) 後は本人脅して口裏合わせるようにしておけば十分かな?いや一応根回ししておくか・・・」 調理法を口ずさみながら、鋏は手際よく作業をこなす。あっさりと出来上がる、“何処にでも居る軽犯罪者”の部屋。 「・・・にしても、女を改造して言う事聞かすなんて、俺には考えられないね。そんな手間あるんだったらさっさと口説けばいいんだよ」 最後に処分する物を詰めたダンボール一つを持って、部屋を立ち去る。 「・・・いい女との縁は、大切にしろよな」 ただ一つ、真剣に放った、その言葉だけ、残して。 目次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/297.html
Battle Anima “俺”と武装神姫のアルトが繰り広げる、愛のあるユニークで豊かなバトルの日々…そんな感じで、ひとつ。 * * * Who s Who - ひるいなき とうじょうじんぶつたち -? * * * Show No Mercy - なさけ むよう - 前編? Show No Mercy - なさけ むよう - 後編? * * *
https://w.atwiki.jp/guringurin/pages/2.html
メニュー トップページ +『過去ログ』 【2009】 5/12-8/31 9/1-4/30 ジオラマスタジオ 二次創作物 掲示板<ただいま閉鎖中> 公式 神姫NET 管理人の公式掲示板投稿履歴 wiki 武装神姫BATTLE RONDO」スレ まとめwiki リンク 当サイトへのリンクについて 梟遊の無駄書 更新履歴 取得中です。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1456.html
武装神姫…それはテクノロジーが生み出した全く新しいロボットである。 MMSと呼ばれる基本素体にCSCチップを搭載、さらに様々なパーツを使用することで無限の能力を引き出す事ができるのである。 武装神姫と暮らす日常 第二章『べるの登場!?』 次の日… 「……き…な…さい」 (ん…誰だ…?) 気だるそうにしながら卯月は目を開け 「早く起きなさいってばっ!!」 「ぐがッ…」 よとしたところをチーグルアームで頬を思いっきり殴打された。 「………はぁ」 様子を静観していた耿が額を押さえながら溜息をつく。 「うぅ…何が起きたんだ…」 卯月は頬を押さえながら辺りを見回す。 「やっと起きたのね」 丁度胸の辺りにチーグルアームを装備したクラリスが立っていた。 「クラリスー…」 「ん?どうしたの、もしかしてあたしにお礼をいいたいのかな?」 「昨日から武装で人を殴るなっつってるだろうがッ!」 言って卯月はクラリスの頬をひっぱる。 「ふにゃっ…アンヒャこそっ、あひゃしの頬をひっぱらひゃいでっていっひぇるでしょッ!」 本日二度目の右フックが卯月の頬に決まった。 「昨日アレだけ念を押したのに、何で寝坊するのかな…」 「スイマセン…」 卯月達はある場所へと向かっていた。 「しかし、昨日の今日でいきなり実戦をするのか」 「そう言うマスターだって、僕達を起動した日にバトルやらなかったかな」 卯月の一言にすかさず耿が突っ込みを入れる。 「でしょ?なら私もやっても問題ないよね」 「まーそうだが……まぁいいか…この近くだと……雪ノ下かな」 「そうだね」 卯月の言葉に耿が頷く。 「雪ノ下って確か霜月さんが経営してるお店だよね?」 「そそ、あそこも一応神姫バトル用の筐体あるからね」 と言ってるうちに卯月達は雪ノ下の前に着いた。 「いらっしゃいませー」 卯月達が店に入ると柊が挨拶する。 「よっ、柊ーちょっとバトル用の筐体使うぞ」 「はい、どうぞどうぞ」 そう柊が答えるのを待ってから卯月達は筐体のある二階へと向かう。 「おーやってるやってるー」 筐体内では二人の神姫が戦いを行っていた。 『カッツェ、離脱して!』 『は、はいにゃ!』 一方は基本兵装に身を包んだマオチャオ 「マスター…あれって」 「極端というか何と言うか…てかあの装備量はレギュ違反じゃないのか……」 もう一方はミサイルランチャーからガドリングガンまで多種多様な重火器を全身に備えている外骨格を装備したツガルであった。 『ノエル、そんな雑魚神姫なんて早く止めをさしてあげなさい!』 『了解、マスター』 言ってノエルはカッツェに向けてミサイルによる弾幕を張る。 『にゃ?にゃにゃにゃにゃ!?』 カッツェは爆風を防ぐように防壁を構えつつその場で蹲る。 『カッツェ、足を止めちゃダメッ!』 『もう、遅いですよ』 ノエルは滑空砲をカッツェに向かって放つ。 カンッと言う軽い音と共にカッツェはアーマーの破片を撒き散らせながら吹き飛んでゆき、地面を二転三転したところで動きを止める。 『ネコガタカッツェ…コアシステムキノウテイシヲカクニン……Winner Beruno』 「マスター、勝ちましたよ」 言いながらノエルは筐体から出てくる。 「私の神姫なのですから当然のことでしょう?」 「はい、マスター」 ノエルは自らのマスターの肩へと座る。 「私に勝てるような人はここにはいないでしょうしね」 挑戦的な笑みを浮かべながらノエルのマスターは言う。 「むーなんか見ていて腹立つな~」 その様子を見てクラリスは言う。 「だなぁ…よし、ここは俺とアキで」 「私が華麗に初勝利飾ってみせましょ!」 言いながらゆかりは卯月を遮る様に前に出る。 「あらあら、初めてのバトルでこの私に挑もうなんて無謀すぎることですわよ?」 そのゆかりの姿を見てノエルのマスターは嘲笑うかのように言う。 「無謀かどうかなんてやってみなくちゃわからないじゃない!」 睨む様にしてゆかりが言い返す。 「ふん、まぁいいでしょう…行きますわよ、ノエル」 「はい、マスター」 言ってノエルは筐体の中へと入る。 「こっちも行くよ、クラリス」 「うん!」 笑顔で答え、クラリスは筐体へと入ってゆく。 「頑張ってくださいね、応援してますよ」 ゆかりの肩に乗りながらアリエスは言う。 「……俺の出番は?」 「どんまいなのにゃ」 卯月の頭に乗っかりながらラキは言う。 『サンタ型ノエル オーナー:美月べるの ランク:C 悪魔型クラリス オーナー:鴻乃ゆかり ランク:C バトルフィールド:工場跡 .........配置完了』 「やめるなら今のうちですことよ」 「その言葉そのままそっちに返すよ」 『READY』 「実戦経験も無し…装備も初期装備…それでは私には勝てませんよ?」 「そんな減らず口すぐにたたけなくしてあげるよ!」 『FIGHT』 ―次回予告― 「悪の秘密結社べるの団の卑怯な罠に瀕死の重症を負うアリエス!」 「え、何で私が重症負うんですか?」 「その仇を討つため単身べるの団本拠地に乗り込むクラリス!」 「えっ?えっ?」 「果たしてクラリスはべるのの罠の数々を突破できるのか!そして囚われの身となったゆかりの運命や如何にっ!?」 「何でマスターが囚われてるんですかっ!!」 「次回マジカルトラッパークラ☆リス第三幕『べるの団アジト火で染めて』」 「嘘ですよ!信じちゃダメですからね!」 「クラリスのトラップが起動するときまた神姫が吹き飛ぶ…」 「何しんみりした言い方してるんですかーッ!!」 続く 戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1810.html
オヤッさんに打ち明ける。 あの事件にも関わりがあるからな。 今更隠す事必要もないか。 ある意味素直にゲロッちまった方が話が早いかもしれない。 俺はオヤッさんに向き独特のニヤリ顔を見せた。 「ちょっとVIS社に喧嘩を売ってくる」 そう言うとオヤッさんは『ヤレヤレ』てな感じで溜息ついていた。 やっぱりオヤッさんは俺がこれから何ヤらかすか解っていたみたいだ。 事細かく言う必要ないなぁ。 オヤッさんは察しが良くて助かるぜ。 カウンターに片肘を付きながら苦笑いしながら。 「閃鎖、お前がそんなやる気に満ち溢れた顔を見たことないぞ」 「そうか?」 「あぁ。アンジェラス達と出合って変わったよ。確実にな」 「…かもな。そろそろ…行くぜ」 俺は相変わらずのニヤリ顔のままドアノブに手を掛ける。 これ以上ここに居ると色々喋っちゃいそうだし、一分一秒でも惜しいのからな。 それにオヤッさんから買ったこのブツを色々と準備しないといけないしぃ。 おっと、忘れるとこだった。 「ホラッ」 俺は金を上着の内ポケットから一つの札束をカウンターに投げつけ、ブツを持って店を出て行こうとする。 「つり銭はいらんよ。今の俺はリッチだからさぁ」 「豪快だな。あぁ~そうだ」 オヤッさんに呼び止められ、後ろ姿を見せながら俺は立ち止まる。 いったいなんのために引き止めたのか。 「次に会うときは飲み明かそうぜ!勿論武装神姫達も交えてな!!最高の酒をご馳走してやらー!!!」 「サンキューな、オヤッさん」 俺は再び足を動かしドアを開けた。 その時、カランカランと鳴るベルが鳴る。 いつも聞き慣れてる音が異様に寂しさがヒシヒシと俺の心に伝わってきた。 が、オヤッさんは俺に激励してくれた。 アンダーグラウンドの夜中の生暖かい風が頬にあたる。 徐に煙草の箱を取り出し、煙草を口に咥え火をつける。 紫煙が舞い、煙草独特の匂いが鼻につく。 待ってろよ、俺の武装神姫達! フラグ+2
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/520.html
前へ 先頭ページへ 次へ ~三十分経過 ブルーチーム所属の二百数人のオーナーで、いわゆる「航空支援」に値するカードはなんと一枚しかなかった。その効果も次のようなものだった。 《効果発動時の戦況に合わせた航空機を一枚につき一機召喚。効果発動までにディレイ五分。航空機は自由行動し、撃墜されるか燃料が尽きて墜落するまで稼動し続ける》 初期段階にできるだけ制空ポイントを稼ぎ引き離しておこうと、レッドチームが豪勢に四十枚も使用した航空支援カード。それに比べてうちのカードはなんと貧相な効果か。コンソールのディスプレイに表示されたこの説明文を読んだブルーチームのオーナーたちは、一様に不満を抱いた。 が、そのただ一機の援軍が登場した途端、乱戦でぎりぎり拮抗していた戦況は、スイッチをパチリと切り替えるようにブルー側の優勢に激変した。 「効果発動時の戦況」にあわせた援軍がやってきたのだ。 現れた航空機はAWACS、早期警戒管制機といった。胴体上部にゆっくりと回転するレーダードームを装備した、E-3セントリー。コールサインは「スカイアイ」。 『どこからともなくワイルドカードが現れて、手札がありえねえファイブカードになりやがった』 この一連の流れを評して、シエンのオーナー、ケンは言った。 1245時 諸島上空(VR空間) 《こちらがフィルタリングしたコーヒーを全員にふるまう。戦闘管制システムの空きを二十だけ作ってくれ》 スカイアイの言葉に応じて、ブルーチームの全員がそうする。 瞬時にデータリンクが施される。 それは意識が鮮明になり、チームの全員とより密接に繋がりあう感覚だった。神姫の誰もが感じたことのあるご存知の感覚。そう、クレイドルからネットワークに直接接続したときのようなセンセーション。 マイティのHUDにも変化が現れた。というよりは、マイティの感覚に直にHUDが取り込まれたようだった。 いちいち目視で確認しなくても、どれが敵でどれが味方か分かるようになったのだ。 肩の荷がすうっと降ろされたような気がした。いちいち注意して撃つ必要がなくなったのだ。敵だと感じたらそのまま撃てばよい。 チームの他のみんなも同じように感じているのだろう。機動に迷いがなくなっている。 おっと、よそ見をしている場合じゃない。 マイティは飛ぶ。先ほどよりものびのびと。 ゆるやかにバレルロールしつつ高度をかせぐ。八千フィートでぴたりと真横にロールし、数秒前から目星をつけていた相手の後方にぴたりとつける。 以前のマイティのような、リアウイングAAU7にありったけの推進装備を取り付けたアーンヴァルだった。 その装備の長所も欠点も、良く知っていた。莫大な推進力を持つ反面、運動性能が犠牲になるのだ。レッドチームの援軍、MiG-31Dのように。 引き離される前に勝負をつける。 マグネティックランチャーを高電圧精密射撃モードに。 三秒弱のチャージの間に後方から被ロックオン警告。 後ろを見もせずミサイルの一本をガランと落とす。弾頭がちょうど後方を向いた瞬間に点火。スティレットミサイルはまっすぐ追跡者に飛来し、真正面から命中。頭部を吹き飛ばされ、爆発のエフェクトとともにポリゴンの塵となって消えた。 チャージ完了。このときすでに着弾誤差も計算済み。弾切れの心配はないからといって無駄弾は出さない。 ペレットパージ。一発だけ。青白いスパークを引いて高速の合金ペレットがアーンヴァルに吸い込まれる。 主翼の片方を撃ち抜き、そのままショックウェーヴで引きちぎる。 片翼で飛べる神姫は今のところいない。いまだに数え切れない改修を経て現役のF-15戦闘機を研究すべきだろうか。きりもみしながらあわれ墜落してゆく敵を尻目にマイティは思った。 《なかなかやるじゃない、ノーマリズマー》 そう通信してきたのはアームズフライトリーダー、セカンドの強豪、スノーボウだった。 彼女の翼の配置こそF-15に酷似していた。リアウイングAAU7をそのまま背負い、ツガルのホーリーブースターブーツを履いているが、つま先を排除して、水平尾翼、垂直尾翼を付けている。垂直尾翼がかかと側でなくつま先側に伸びていることを除けば、バランス的にはF-15そのものだった。きっと推進器関係も強化しているに違いない。スティレット短距離ミサイル四発、カッツバルゲル長距離ミサイル二発を懸架し、加えて強化ジェネレータを増設しているLC3レーザーライフルを持ちながら出力重量比が一を超えるように。出力重量比が一を超えると、翼の揚力に頼らず推進器の推力だけで飛べるのだ。 マイティでさえ出力重量比は一未満である。スノーボウがF-15ならば、マイティは欧州のユーロファイターかラファールのような、デルタ翼の戦闘機バランスだった。ランディングギアに直付けしたAAU7の主翼がもろにデルタ翼を形成している。デルタ翼はコンパクトにまとめられる反面、低速時の運動性や安定性に欠けるからおのずと高速戦闘機になる。 が、そのままでは今撃墜したアーンヴァル、以前のマイティの装備のダウングレードになってしまう。 あの装備の欠点は、推進器が多すぎてウィークポイントの塊となり、さらに構成としてもピーキーなことである。要するに、どれか一つでも損傷したり不調を起こしたりすればたちまちバランスを崩してしまうのだ。 復帰しようとして不調な推進器と対になる正常な推進器をどんどん脱落させていってしまうと、結果デフォルトなアーンヴァル装備と行き着くところはほとんど変わらない。 それでは意味が無い。ありったけの推進器を付けるというやり方は分かりやすく、確かに性能は向上するが、戦闘に際してアーンヴァルが元来持っている問題は少しも解決されていない。それどころか悪化しているともとれる。ただ追加するだけではだめなのだ。 飛行型武装神姫は戦闘機ではない。 空飛ぶ神姫が誰でもぶつかる壁は、戦闘機というまさに飛ぶために形作られた先輩機械に対する固定観念なのだ。 誰もが戦闘機を目指そうとするがゆえに、戦闘機ではない壁に阻まれ、伸び悩んでしまう。戦闘機ではないのだから当たり前である。武装神姫は空を飛べても戦闘機そのものには絶対になれない。 自分は武装神姫なのだという基本を踏まえつつ、戦闘機の長所を踏襲し、武装神姫ならではの飛行に昇華する。これができれば飛行型神姫の実力は一気に跳ね上がる。 余談だが、「戦闘機」の部分を「鳥」と読み替えてもよい。白き翼などを愛用する神姫は鳥を目指すがゆえに鳥では無い壁に阻まれ――あとは一緒である。 自分は戦闘機ではない。その意識こそ今のマイティはしっかり持っているが、目指すマニューバーと、それを生む装備構成に関してはほとんど五里霧中な模索の只中だった。 デルタ翼について回る低速時の問題点をカバーするために、マイティは様々な対抗策をこの装備に講じていた。 まず、主翼はリアウイング時と同じく一点付けのため三六〇度回転するようになっている。さらにレインディアアームドユニットの基部を利用し、推進器にもなるマグネティックランチャーと、AAU7のパーツであるバインダーで安定させている。この合計四つからなるスタビライザーの操作は、同じく基部にくっついているシロにゃんに任せている。つまり、安定性の悪い前進翼を持つ戦闘機が空力制御をコンピュータに頼るのと同じことをやっている。サブコンをぷちマスィーンズにさせるというのはいかにも武装神姫らしい。 結果、マイティは前装備の絶大な推進力を失う代わりに、通常の飛行装備ではなしえない運動性能と、ある程度の損傷にも耐えられる幅の広いダメージコントロールを手に入れた。デルタ翼の欠点は納得のいくレベルで解消されている。総合的な戦闘適応力が上がったのである。 「あ、ありがとうございますっ」 飛行タイプの上位に褒められて、マイティは悪い気はしなかった。実力を認められているということなのだから。 《あのシヅが目を付けるのも当然ね》 「あの人もノーマル装備主義だと聞きました」 《ええ。ただ、あなたのように飛行装備特化じゃないわ。彼女はあくまで忍者型が持つあらゆる装備への適応力を生かして戦う。今回の飛行装備もその一環。・・・・・・ねえ、マイティ》 「はい?」 《あなたをシュリークと呼ぶわ。わたしがTACネームを付けてあげる》 「あ、はい、ありがとう。・・・・・・それで、シュリークって」 《ブリーフィングルームでのあなたの悲鳴、面白かったわよ》 はっ、と、マイティは気がついた。 シュリークとは金切り声という意味なのだ。 「えっ、あのっ・・・・・・!」 《今後、どこにいてもあなたのことをシュリークと呼ぶわ。いい? 分かったわね》 そう言い残してスノーボウは離れていった。 これはいわゆる、後輩いびりというやつかしらん? でも悪気は無いように見えたけど・・・・・・。 ビーッ! 「ミサイルアラート! ぼーっとしていちゃだめですよっ」 背中でシロにゃんがわめいた。 「分かってるわよ!」 マイティ、アフターバーナーを焚いて垂直急降下。 切り込む大気が肌にしみる。 ずいぶん高性能なバーチャル構築だこと。 ◆ ◆ ◆ BGM アンテナの森(戦闘妖精雪風 オリジナルサウンドトラック1より) 1258時 十一番コンソールルーム 間もなく三十分が経とうとしていた。 画面の向こうでひっきりなしに展開される諸島上空における乱戦は続いていた。マイティは被弾することも無く、なんとか戦い続けている。AWACSのスカイアイはそこからはるかに離れた洋上を飛んでおり、エルゴ飛行隊のチェストフライト、レッグスフライトをはじめ何体かの支援装備の神姫が直衛についていた。 ブルーチームの優勢は揺らいでいなかった。圧倒的というわけではなかったが、順調に押してきていた。 が、マスターは先ほどから何かが引っかかっていた。嫌な予感がする、と言ったほうがよいのだろうか。 『なあ、これホントに一時間続けんのか?』 単調な展開で痺れを切らした、というよりは、やはり不安そうな声色でケンが言ってきた。 『何か終了条件みたいなモンはねぇのかよ』 「・・・・・・おそらく片方の神姫が全員やられるか何かで戦闘続行が不可能になれば、一時間を待たずに次に行く事はあるかもしれない。だが、このままでは一時間ぶっ通しで戦うことになる」 はっ、とマスターは思い当たって、マイティに通信を開いた。 「マイティ」 『・・・・・・あ、はい?』 「疲れていないか」 『えっ?』 「疲れは無いのか?」 『え、ええと。ちょっと眠いです。ずっと乱戦から変わらないからだと思いますけど』 「・・・・・・そうか」 マスターは額を押さえて考え込んだ。主催側が、一回の戦闘時間を一時間という長期に設定した理由。 通常行われるバトル、いわゆる一対一、多くても二対二のバトルは、どんなに長期になろうと十分ちょっとが限界である。実力が拮抗している、というのもあるが、たいていは時間制限が設定してあるか、お互いに隠れたままで動かない場合戦意喪失とジャッジが見なして警告を発し、それでも動かなければ自動的にノーコンテスト(ドローゲームではない)となるからである。後者は一般にネガティブペナルティと呼ばれている。ネガティブペナルティが適用された試合は、双方のポイントが引かれてしまう。だから隠れたままというのはできないわけだ。隠れながら攻撃するというのなら話は別だが。 一般の試合に比べて、今回のイベントは一戦闘一時間。どう考えても長い。このイベントには様々な実験的意味合いが含まれている、と、マスターは日暮店長から聞いた。参加規約にもそのような旨が記載されていた。 この一時間という長時間戦闘も実験なのだ。 マスターはコンソールを見渡す。マイティのコンディションモニターが目に留まった。 「これは・・・・・・」 いつもは気にならない数値が、今は重要な立場にあった。 まず、陽電子頭脳の熱量が上がっている。ずっと飛びながらひっきりなしに戦っているマイティは、演算を休める時間が取れないのだ。熱を持てば眠くなるのは当然である。つまり脳が疲れているということなのだ。 さらに、もっと分かりやすいものが、燃料だった。 アーンヴァルの推進器には、当たり前だがちゃんと推進剤というものがある。実際のパーツに置けるそれはジェット燃料のように高額なものではなく、水を神姫本体のエネルギー源である電力で分解・再反応させるいわゆる自己生成型水素エンジンである。つまり燃料は水なのである。 この燃料の数値はバーチャルバトルにおいてもきちんと設定されているが、通常のバトルではまったく気にならない。たとえ始めから終わりまで全力でアフターバーナーを吹かそうとも、十分やそこらで空っぽになるなどということはありえないのである。 マイティの推進剤残量は、いまや二十パーセントを切っていた。 さらに、あれだけ用意したはずのサイドボードのミサイルも心もとなくなっていた。 一時間の狙いはまさにこれなんだ。マスターはそう確信した。 「マイティ、空母に帰還しろ、RTBだ」 ◆ ◆ ◆ 1301時 諸島上空(VR空間) 「えっ、マスター?」 いきなり何を言い出すのかという風にマイティはぽかんとした。 『気がつかないのか。燃料が無いんだ。おまけに脳みそに疲労が蓄積している。ミサイルもそろそろやばい。このまま戦っていたら力尽きて戦闘不能になるぞ』 「あわわ、本当だ。マイティ様。戻りましょう。燃料がギリギリです」 確認したシロにゃんも警告する。 「・・・・・・やっと戦いのペースがつかめてきたのに!」 不満を抱きながら乱戦から抜け出し、マイティは南下する。 《シュリーク、ビーキューブの所へ来い》 B3のオーナーが通信をかけてきた。シュリークというあだ名はもう広まってしまっていた。 《修理はできんが、予備弾薬と燃料(水)を持たせてある。前線基地の役職は伊達じゃないぞ》 「ラジャー。向かいます!」 シュリークについては考えなかった。もうどうでもいいやと半分投げてもいた。 《私もビーキューブのところへ戻ります。ご主人様、いいですね?》 『ああ、今のうちに行っとけ』 シエンのクリムゾンヘッドも続いた。多少の被弾をものともしないアーマードトルーパーも、燃料となると話は別だった。重い分神姫よりも燃費が悪い。 他の神姫たちも、隙を見て基地へ戻り始めたり、エルゴ飛行隊ではないのにB3にお世話になろうとマイティについてきたりする者がちらほら見え始めた。 レッドチームの方も同様だった。まだ戦い続けられる神姫たちにその場を任せ、乱戦から離れてゆく。 まるでF1のピットインだ、とマイティは思った。できるだけ早く戦線に復帰する方が有利なのは間違いない。が、F1と違うのは休養が必要なところだ。燃料、弾薬補給をと修理を済ませても、陽電子頭脳の疲労回復には時間を置かねばならない。 マイティはB3に感謝した。 ◆ ◆ ◆ 1302時 諸島地上、森の中(VR空間) 「頃合いだ」 戦闘開始からずっとここで上空を見つめていたその神姫は言った。 彼女を含め五体の影が森の陰から現れた。ずっと休まされてエンジンが、やっと活躍のときを与えられて唸りを上げだした。 「飛行隊、出撃」 五機が飛び立つ。綺麗な傘型陣形を敷いて。 前へ 先頭ページへ 次へ