約 220,458 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/429.html
戦うことを忘れた武装神姫・番外編 ちっちゃい物研・商品案内-4 注)当然ですが、以下の内容はすべて当方の脳内生成物であり、 現実には存在しませんので。。。 <東杜田技研・新製品のご案内-4> 弊社の小型ロボット向け機器ブランド「HT-NEK」では、「武装神姫」 向けの一般型および簡易型のクレイドルの発売を予定しております。 このたび、武装神姫向けクレイドルの第4弾として、要望が多く寄せ られておりますデラックスタイプがラインナップに加わります。 〜武装神姫専用デラックスタイプクレイドル 「ふたごのおひめさま」の主な特徴〜 ■純正クレイドルを含め、従来のクレイドルは(通常では)1体のみ の対応でしたが、当製品では2体同時の充電のみならず、データの やりとりも2体同時に、しかも混信することなく行えます。(特許 出願中) ■デザインは本場ヨーロッパにデザインセンターを置く「DDC・犬塚 家具」との共同設計。素材には天然石もふんだんに使用しました。 商品名が示すとおり、おとぎ話のお姫様のお部屋のような、かわい らしくも気品あふれる、いままでになかった本格的なスタイルです。 ■メインユニットは、ダブルサイズのベッドタイプ。二体の神姫が、 仲良くならんで寝ることが可能です。 もちろん、このデザインも、 「DDC・犬塚家具」の専属デザイナーによるものです。 ■標準で神姫サイズのクローゼット(装備を収納できます)やダブル サイズの神姫ベッドに対応した羽根布団、ゲスト神姫を迎えるため の充電ソファーなど、豪華な付属品が多数セットされております。 箱を開けたその瞬間から、あなたの神姫はあなただけのお姫様に! ■いままでに無い大型クレイドル! 床に置くにはもったいないけど テーブルには大きすぎて置けない・・・。 そんな貴方に、どんな お部屋に違和感無く据え付けられるよう、別売にて専用の収納棚も 開発しました。こちらには、離れたPCと連動させるための無線LAN 端末も内蔵しております。(棚下部は3段の収納引き出しとなって おります。また、上部に開き戸式の棚を追加することが出来ます。) ■初心者には使いやすく、達人にも飽きが来ない、独自の専用ソフト 付属。(WindowsVista2037・MacOS12 両対応。) 詳細は、下記を参照して下さい。また、新たな情報は随時公開いたし ますので、HPにてご確認下さい。 ※当製品は、上記の通り今までにはない大型のクレイドルです。本体の 重量も、天然石材や木材を利用しているため、かなりのものとなって おります。ご購入の際は、設置場所を十分にご検討くださいますよう、 お願い申し上げます。 ※なお二体同時に使用する際には、仲の良い神姫を組み合わせて下さい。 ケンカ等により生じた故障・破損は、保証の対象外となります。 ※初回生産分は、エルゴブランド「TODA-Design・プリンセスドレス」 の特別仕様が2着付属する予定です。 ※また二体同時に使用する際に、仲の良すぎる神姫を組み合わせて使用 する場合にも十分ご注意下さい。(オーナーとの距離が開いてしまう 事例が、テスト段階で報告されています。これに付きましても、保証 対象外とさせていただきます。) <武装神姫専用クレイドル「ふたごのおひめさま」> ・対応武装神姫 現在発売中の全武装神姫(純正クレイドルが使用可能である神姫に 限ります。)・2体まで同時に充電・通信が可能 ・インターフェース LANケーブルにて接続 (内蔵のマイクロサーバ経由・テラビット イーサネット対応) ※当製品の電源は、専用ACアダプタ(同梱)のみとなります。 ・対応オプションパーツ(下記以外にも開発中です) 弊社発売予定品 「ロマンティックバスタブ」(実際にお湯を張り使用できます) 「まったりスツール」(ソファーと組み合わせてご使用下さい) 「きらきらドレッシング」(化粧台と小物のセット。実際にお化粧 をすることができます) 「デラックスふにふに抱き枕型診断機」(低反発抱き枕ですが抱き ついている神姫の簡易ダメージ診断も行うことが出来ます) 「ふたごのおひめさま・専用収納棚」(無線LAN端末内蔵) 「ふたごのおひめさま専用収納棚・増設収納」(専用棚の上に載せ て使用する、開き戸型の増設収納棚) エルゴブランド 「TODA-Design・プリンセスドレス」(全8種+シークレット2種) 「姫様、お勉強の時間です! 〜エルゴStyle〜」(武装神姫学習 用ソフト・ホビーショップエルゴ版) (そのほかに付きましては、順次調査の上HPにて公開する予定です) ・付属装置・付属品 マニュアル、ベッドメークセット(シーツ、羽根布団、大型まくら他) 神姫用ソファー(簡易クレイドルとなっており、充電が出来ます) 神姫用クローゼット(2体分)、温熱カーペット、専用ACアダプタ 神姫といっしょ・神姫用端末、神姫用デスクプリンセス版(各2台) 専用ドライバDVD ・・・他、多数付属品あり ・付属ソフト(ドライバDVDに同梱) 「神姫といっしょ(武装神姫・自己記録日記帳)」 「ごはんのじかん(バーチャル食事体験)」 「姫様、お勉強の時間です!(武装神姫学習用ソフトおしとやか編)」 「THE バトル(戦闘シミュレータ)」 ほか ・動作条件(ドライバ・付属ソフト) Windows2037・MacOS12が動作可能なPC。 (注:ギガビット以上のLAN必須。) ・発売予定価格 412,860円(税込) ・発売予定時期 2037年6月 以上 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/734.html
圧倒的な闘いだった 一撃目の段階で、会場に居た神姫の大半は『G』の異常さに気付いていた だが、復帰してからのニビルはその遥か上を行く異常さでもって『G』を圧倒していた 挙動の鈍いパワードスーツを纏った状態で、『G』の密着戦の攻撃を全て見切り、かわす 眼と反射神経が強力な神姫が見ても、『G』の攻撃一つ一つが弾丸並みか、ものによっては以上の速度と、徒手空拳ならではの変化に富んでいる事は明らかだった 密着距離でかわせるものでは無い・・・ましてや、これまでの『ニビル』の戦績や映像を見ても、それだけの能力を秘めたタイプでは無さそうな事は明らかだった(並みのストラーフの域を出ないどころか、総合的な戦力ではスタンダードなストラーフに劣るだろう) だが、かわしている 否、放つ前に綺麗に逃げている まるでこれからどこに攻撃が来るのか判っているかの様に・・・ 第拾弐幕 「侵食」 「姉さま!凄い!『G』をあっさり降すなんて!!」 daきついて来るヌル。尻尾をそうびさせていれば確実に、凄まじい勢いでふりふりふりふりふりhurifurifurifuriしていた所だろう 「当然よ、負ける訳ないじゃない!!私を誰だと思ってるの!?」 まだバトルでヌルに心配される程じゃぁぁぁぁぁない。・・・かおの感覚が薄い、わたしはきちんと笑えているだろうか? 「ほら、次は貴女のが控えてるんだから?装備と戦技の確認は良いの?」 「あ・・・あぁ!やってくる!後で!姉さま!!」 「いってらっしゃい」 ぬるの肩をたたく・・・掌にヌルの感触を感じることは・・・できなかttttttった 「ニビル・・・こっちへいらっしゃい・・・」 ますたーのよびごえのほうこうにむかうとちゅうでいしきがとぎれましt 「なぁ華墨、それは武者震いか?それともやっぱり怖いのか?」 「・・・震えているのか?私は?」 マスターの指が優しく肩に掛けられる 「震えているのだろうな・・・」 らしくない だが、こういう時に武装神姫であるという事はいかに楽な事なのかも判った気がする 傍に居る限り、マスターに甘える事は出来るからだ 「・・・」 視界の隅に映った他の何人かの神姫達が、各々のマスターに抱いてもらったり、慰めてもらったりしていた 私は・・・ 「・・・」 マスターの指に両手を絡めるだけに留めた マスターは何も言わず、ただじっと、体温のぬくもりだけを私に感じさせてくれていた 「・・・・・・助かった、マスター。うん、私はもう闘える。大丈夫だ」 「おっけい!そうでなくちゃ困るぜ」 マスターの笑顔が頼もしかった 「しかし・・・あれは一体何だったんだろうな?『ニビル』ってあんな化け物だったのかよ?」 「判らない・・・ただ、伝え聞く感じのニビルの戦闘スタイルとさっきのあれとの間には随分ギャップがある気がする」 「確かにな・・・あんな凄え力があるんだったら、とっくに一桁だろうな」 「マスターの目から見て・・・あれは一体なんだったと思う?」 バトル中に隣の男が言っていた「強力な武器」というのがあの凶悪なパンチと謎の「見切り」なのだろうが・・・ 「武装神姫の目で見切れないパンチを見切れる能力・・・なんて言われてもなぁ・・・武装神姫より反射神経の劣る俺じゃぁなぁ・・・」 そういう事を言うだろうと思ってはいたが・・・だが判っていてこういう事を聞くあたり、実の所私の恐怖は「得体の知れない物」への不安感というやつなのかも知れない 実際の正体等判る訳も無いのに、「マスターとの結びつきによる神姫へのリラックス効果」で無理矢理納得させられようと期待するあたり、私も結構肝が小さい 「・・・ただ判った事もあるぜ」 え?何か言えるのか?マスター 「『武装神姫で見切れないものを見切る能力』って事はつまり『武装神姫の枠を超えた能力』って事だ・・・極端な話、『ニビル』は武装神姫じゃないのかも知れん」 恐ろしく的が外れている気もしたが、『武装神姫じゃない』という所に言い知れぬ恐怖を感じた・・・ 「理屈はわからねえが、ニビルは武装神姫じゃない。だから武装神姫のマスターとして武装神姫を所有する事も出来る・・・ってのはどうだ?」 「・・・それは・・・」 『武装神姫とは何か?』という気が遠くなる様な哲学的命題の片鱗を垣間見る発言だ とかく私の周りには本来のそのタイプの属性を失ったカスタム神姫が多いし、私以外の紅緒も居ないからデータが足りないが、兎に角ニビルは特殊な気がする・・・何か他の武装神姫とは違う、特別な感じが、初めて見た時からしていた(あるいはその感覚こそが、私がニビルに感じた、未だに正体不明の感情の正体を探る鍵かも知れない だがその理由は、「ニビルが武装神姫じゃない」からだとすれば、同時にそれは今の私には確認不可能だ。何故ならば私には『武装神姫とは何か?』という命題の解が得られていないからだ・・・マスターは何か自分の中で解らしきものを得た様だが、残念ながらその説明を理解し切れる程に、私の「知識と感情の一致」は進んでいなかった ニビルが単なる『例外』なのか、それとも武装神姫とは実はああいったものなのか・・・私はどうにも神姫に興味と関心を持ち過ぎではないのか? 「それは魅力的な説だが、それは飲めないな」 「なんでだよ?」 「この地区最強の武装神姫を決める大会に武装神姫以外が混じっていたら意味が無いからだ」 そう言って笑って、自分を誤魔化しておいた 強力な「ナインブレイカー」達の闘いはしかし、より強力な「ナイン」の方が勝つばかりだった そもそも以前にマスターも言っていた気がするが、この方式はスイスドローといいながら、実際少しも「実力が近い物同士の組み合わせ」ではない 強弱の差が異様にはっきりしている それこそ、『ニビル』が見せた異能の力でもなければ逆転は不可能な感じだった 正直ちょっと退屈してきた私とマスターは、『ジルベノウって書いてるけどこれって「ジベルノウ」の間違いじゃね?』とか『タスラムすっげぇ厨装備+名前』とか参加選手に突っ込みを入れていた で、その当の『タスラム』のバトル中にその異変は起こった 相手は「モア」・・・ジュビジーとジルダリアのパーツの派手な所取りをした、えらいファンシーな外見で、イオノクラフトによる奇っ怪な挙動と、鞭+アナルビ・・・ゲフンゲフンハンマーシードによるコンビネーションで闘うタイプの様だった マスターは今日の大会では二人しか居ない小学生マスターの片方で、戦術は『モア』に一任しているらしく、オーナーブースからは応援する可愛い声だけが響いていた 「頑張れっ!モア!!」 『はいっ!マスター!!』 あぁ、こういうのって何か和むなぁ・・・でもそんなふよふよした挙動じゃ短期決戦に持っていかないと慣れられたら唯の的じゃね?とか思ったりしつつ 『!?何か言いましたか?マスター』 「頑張れ!負けるなって言ったんだよ」 『・・・?はいっ!』 何度か、そんな奇妙なやり取りが発生している事に、そろそろ『タスラム』のマスターも気付いた様だった 「タスラム・・・待て。様子がおかしい・・・もう一度距離を取って・・・・・・否、その位置で良い、一旦砲撃を止めるんだ」 『モア』は明らかに聞こえない声を聞いていた 『タスラム』を無視してフィールド内をうろついている 「モア・・・?どうしちゃったのモア!」 「何だぁ・・・?ありゃ」 「戦意喪失か・・・?いや、そういった感じでもないが・・・?」 この期に及んでジャッジマシンは一切反応していない様子だった 「・・・ジャッジが下されないな・・・という事は・・・全く理解出来無いがあれは敵の作戦と見るべきか・・・『タスラム』攻撃再開だ!ただし」 『ただし・・・?何ですかマイロード?』 「『ブリューナク』を使え・・・全力で仕留めろ」 『ブリューナクを?あれは決勝戦迄温存するのではなかったのですか?』 「・・・そのつもりだったが、何かイヤな予感がする。後腐れなく吹き飛ばせ・・・何も仕掛けて来れないようにな!」 『イ・・・イエスマイロード!』 (決勝戦での対『ストリクス』戦での決戦兵器にするつもりだったが・・・) 『砲撃形態への変形完了!マスター!サイドボードの転送を!!』 「おう!『ブリューナク』行けええぇぇぇぇぇぇっ!!」 フォートブラッグから取って来たであろう機械脚で体を固定した『タスラム』の全身から、『タスラム』たる所以の機銃類とミサイルポッド類が消失し、代わりに強力なセンサー類と追加ジェネレータ、大型冷却装置と、五つの砲門を持つ巨大な砲が転送されて来る 『エネルギー充填率100%。ブリューナク、発射!!』 五つの光線が渦を巻きながら『モア』に迫る・・・! (何だ?) 多分、それに気付いた者は会場の中では私と、あと数名居たかどうかだろう 発砲の瞬間、『モア』が何かとても嬉しそうな表情を見せた様な・・・ 画面が光で埋め尽くされる・・・眩し過ぎない様にある程度は抑えられているが、それでもバトルフィールドの様子がまともに伺える様になる迄二秒以上を費やした 『馬鹿な!?』 『タスラム』の声だった 発砲点から着弾点迄、優に1500スケールメートル・・・恐らくあの『ブリューナク』とかの射程では殆ど限界の距離だろう・・・だが、何故か『モア』は無傷で、『タスラム』を挟んで着弾点と点対称の位置に居た 『・・・あれ?』 『モア』本人も、何が起きたのか全く判っていない様子だった (瞬間・・・移動ッ!??) 『マスター、何か判らないけどかわせちゃいましたぁ・・・てへっ』 画面に向かって微笑みながらVサインを送る『モア』・・・確かに、全ての武装をパージし、今また必殺の一撃(五撃?)を回避された『タスラム』に勝機は無いだろう。現に『ブリューナク』は破損し、全身に装備された追加ジェネレータも黒焦げになっている だがそれでも尚、この闘いは『タスラム』の勝利に終わった 画面一杯に広がった『モア』の笑みは突如苦悶の表情に変わり、凄まじく苦しみ悶えた挙句、マスターの名を呼びながら力尽きたからだ ・・・あの様子では本体の方もまずいんじゃないのか? 案の定強制ログアウトし、結果『モア』の敗北が宣言されるが、『タスラム』自身もそのマスターも含め、誰一人としてそんな事は最早眼中に無かった やがてオーナーブースから聞こえてくる子供の嗚咽・・・ 深町昭が、走った 「おい、しっかりするんだ!何があったんだ?出て来てくれ飯島千夏ちゃん!!」 ブースのドアを叩く・・・返事は無い 「どきな」 いつの間にか、マスターが椅子を持ってブースドアの前に立っていた おいこらマスター、一応店の備品なんだぞ 突っ込みを入れるより早く、椅子ともどもドアは破壊され、マスターと深町昭はオーナーブースに入り込む 「大丈夫かい?一体どうなったんだ・・・・・・・」 「・・・ッ!!」 「モアが・・・モアが・・・返事をしないの・・・」 涙で顔をぐしゃぐしゃにした少女の手の中には、全身から冷却水を噴出してドロドロになったまま動かないモアの素体が握られていた 剣は紅い花の誇り 前へ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/93.html
先頭ページへ キャラクター紹介 マイティ マイティのマスター シエン ケン アラエル 鶴畑大紀(つるはた ひろのり) クエンティン 夢卯理音(ゆめう りね) 鶴畑興紀(つるはた おきのり) マイティ マイティとシロにゃん 神姫の舞う空編の装備・ジオラマスタジオ再現 天使型MMSアーンヴァルタイプ。 マイティのマスター 都心部から少し離れたところで暮らしている三十代の男。独身。職業は不明だが、在宅勤務なのでどうやらモノ書き系の職業と思われる。 シエン 犬型MMSハウリンタイプ。 ケン シエンのオーナー。大柄で髯面で、耳と鼻と唇にピアスをしているどこかの社会不適合者のような男。職業不詳。たぶん無職。 アラエル 天使型MMSアーンヴァルタイプ。 鶴畑大紀が度重なる敗北の憂さ晴らしに、マスターの最寄のセカンドリーグセンターで使用していた。 鶴畑大紀(つるはた ひろのり) 岡島士郎と愉快な神姫達より特別出演。 武装神姫の出資その他に関わった鶴畑コンツェルン、その次男坊。金髪にオレンジのメガネをかけた肥満体。 クエンティン どちらも対マイティ戦における装備 悪魔型MMSストラーフタイプ。 夢卯理音(ゆめう りね) クエンティンのオーナー。クエンティンと同じ形の黒ぶちメガネをかけた、長い黒髪の女性。二十代後半。すこしやつれた顔立ち。 鶴畑興紀(つるはた おきのり) 岡島士郎と愉快な神姫達より特別出演。 鶴畑家長男。鶴畑コンツェルンは武装神姫開発の筆頭出資者で、神姫を世に産み落としたEDEN本社において、社外の人間でありながら強大な発言権を持つ。 先頭ページへ このページ内における神姫NETから転載された全てのコンテンツの著作権につきましては、 制作及び運営元である株式会社コナミデジタルエンタテインメントに帰属します。 (c) 2006 Konami Digital Entertainment Co., Ltd. なお当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・再配布など)は禁止しています。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2630.html
――あのゲームセンターの近く、ファミレスがあるのだけど、そこで話せない?―― 二時間後。 淳平と別れた後、夜に変わった時刻にメールをもらい、一旦家に帰る。 シオンには「休んだ人が出ちゃったから、バイトに行くよ」と嘘をついた。 正直に前のオーナーと会ってくるなんて言えるわけもなく。 「代わりだからすぐ終わるよ。だからちょっと待っててね」と言った。 寂しそうにしていたと思ったら、すぐに嬉しそうに返事をしてくれた。……かわいい。 待っていてくれる人、ではなく神姫だけど、そんなのが家にいてくれるのは嬉しいと思えた。 私服に着替えて、返信をしてすぐに向かうことを伝える。 あのゲームセンターから、少し通りを歩いたところ。信号があって大きな十字路になっている角にファミリーレストランがある。 ゲームセンター近くに来てみたけど、ここで合ってるのかな。 心配になったので、とりあえずそこで合っているかどうかのメールをしてみる。 合ってなかったら恥ずかしいし、聞く恥なら耐えられる。 ――そのお店。そこの禁煙席、奥の方にいるから―― すぐに返信を返してくれる律義さに感心を覚えつつ、ファミリーレストランに向かう。 会う事はできたけど僕はどうすればいいのか、まだ答えは出てきてない。 シオンが元の場所に戻れるのを望んでいるのか。……それは嫌なんだけど、元々は宮本さんの物だし、武装神姫は世間から見れば、結構高いもの。 高校生の僕とかはアルバイト代とかを必死に貯めれば買えないものではないけど、武装とかもお金がかかるしな。淳平とかは親戚の伝手で、中学の頃から内緒でアルバイトしてミスズを買った、て言ってたっけ。 僕はただ、シオンの顔を曇らしたくないだけで。転がり込んできた神姫だけど、シオンが望むのなら元の居場所に戻ったって……。 考え込んでいたら、足はもう目的地のファミリーレストラン前に着いていた。 思い耽ってた事を横に置き、扉を潜る。 「いらっしゃいませ、何名さまですか?」 とお決まりのフレーズを店員さんが出しやってきた。待ち合わせで来ている人が居ると説明すると「ごゆっくりどうぞ」と会釈される。 いつも、家で食べてるからファミリーレストランに入るのも久しぶりだな。一人暮らしだったらこういうところを利用するのも悪くないけど、お金がかかるしなあ。ちゃんと、生計は考えないといけないし。 禁煙席の奥の方。宮本さんはいた。 もうテーブルには積み上がった二皿とアイスティーが載せられていて、今はグラタンを食べている。 女性なのに、よくこんなに入るな。 「さっきぶりね。こんばんわ」 「こんばんわ」 僕は挨拶をすると、向かいの席に座る。 宮本さんの方を見れば横に何かの紙袋を置いていて、先ほどと同じ服装でいる。ラフな服装を好む人みたいだな。 「長倉君だっけ。キミも何か頼んでいいよ、奢ってあげるから。ただし常識の範囲内でね」 「そんなことはしませんよ。今日一緒にいた僕の友達ならやりかねないですけど」 「彼ね、確かにそんなことをしそう。でも、あの天使型の神姫に止められるでしょう?」 「そうですね。学校でもそんな感じですし」 「ふふ、初めて会ったけど、何となく想像つくわ」 なんでか知らないけど、淳平の事をだしにして会話をしている。いい人そうであるし、神姫のバトルに固執する人にも見えない。あのイスカっていう神姫だって……あれ? 「宮本さんの神姫はいないんですか?」 「ああ、言ったでしょ。スリープモードになっているって。家に置いてきたわ。それに、この話しを聞かせたくないのよ」 一呼吸置いて、グラタンを運んでいた手を止める。 「それじゃ、話してくれないかしら。長倉君がどうしてあの子を拾ったのかを」 居住まいを正して、僕はあの日に拾ったことから、いままでのことを話した。 ―――― 「……。そう。あの子にはシオンって名前をつけてくれたのね」 「はい」 話し終えたら、宮本さんは名前に関心がいっている様子で、いつの間にか食べ終えたグラタンの皿の底をスプーンでつついている。 「どうして、神姫の登録を消したんですか?」 「こういう時って、こうするしかないのよ。探し回ってはいたんだけど、どうしても見つからなくて、家にも戻ってこなくて。……長倉君は知ってる? 神姫を悪用して、犯罪を犯す人もいてね。それが自分のじゃなくて、他のオーナーのとかだったらどうなるか、とか」 「! ……そうか」 拾う人が善人とは限らない。携帯電話とかと同じだ。携帯会社に連絡して紛失したら一時的に解約することと同じ。 神姫が知らない人に自分の名前、オーナーの名前を言わなくても、機械を通じている人なら神姫の記録を直接見ることが出来る人もいる。当然神姫をプログラムで操る人もいる。 それが他人の神姫だったら犯罪のリスクが低くなるということか。疑われるのは持ち主だもんな。そこら辺りが勉強不足だった。 「キミって見かけの割に、結構頭の回転早いのね。詳しく説明しなくてもわかってるみたい。まあ、つまりそういう事。心が痛むけどね」 「だけど、それは考えれば少ない事例です。神姫が盗まれたりした時とか、神姫を捨てる人だって多分そういうのはわかってます。でも、勝手に家出する神姫なんて極力ないし、なにがあったんですか」 「あら、あの子から聞いてないの?」 「そ、それは、聞きましたよ。バトルが出来ない、戦う事が出来ない。武装神姫としては欠陥だって悲しそうに言ってました。でも、武装神姫だからって、色々他にもあるはずです。生活のパートナーだったり、友達とかでも」 「……甘いわね」 「っ――」 目を見て射すくめられた。先の言葉を言おうとしたのに、止められた感がある。細くなっている水色の目つき。感情は冷え切っているようにも見えた。 「確かに、そういう人も周りにはいる。でもね、わたしの武装神姫はバトル本命なのよ。バトルができないからって、いきなり『生活のパートナーにする』とか私は切り替えられない。……それにね、ええっと、今はシオンだっけ? シオンがバトルできないことに対して、一番怒っているのは『イスカ』なのよ。私が何も言えない程にね」 「あのストラーフですか」 「そうよ。あの子が妹が欲しいなんて言うから買っちゃたのよ。買うときは、バトルに熱くなれるよう熱血なアーティル型がいいからってイスカが決めたんだけどね。コアをセットしてみたら、あら不思議。バトルができない心優しいアーティル型ができたってわけ。組み合わせが悪かったのかもね」 宮本さんは饒舌に喋り続けている。今まで行き場のない怒りや不満に感じていたことを全部吐き出すように。一旦止めて、テーブルにあったアイスティーを一口飲むとまた喋り出した。 「バトルを始める前までは、そりゃすごく可愛がっていたのよ。イスカは無口だけど、バトル以外で楽しそうにしてるのを初めて見たわ。……私にとったらドン引きよ。顔をデレデレしちゃってるんだから。だけど私はシオンがものすごく丁寧な物腰なのにちょっと不安だったのよ。こんな子が激しいバトルをできるのかって」 真っ赤な目で無表情な顔を綻ばせているあの悪魔型神姫があまり想像できないな。バトルしてる感じでは普段からあまり喋らなそうに感じたけど。 「そしたら、案の定バトルをやらせてみても、何も出来ずに終わる。どんなバトルでも同じ。イスカとやらせてもへっぴり腰な姿。イスカはそれはもう絶望してたわ。期待してたのに、裏切られた気分だったみたいね。元の無表情に戻ってたわ。私もそんなこと初めてだから、何を言えばいいかわからなかったのよ。 神姫センターで修理にも出してみたけど、ノーエラーで異常はないってね。何もでないっておかしいけど本当なのよ。それで私は何も出来ず、イスカは会話もせず。……それで、あの子は出て行っちゃったってわけ」 「でも、だったら、どうしてここのゲームセンターでバトルなんかして、探すような真似をしてたんですか? 宮本さんの地元はここじゃないみたいですし」 最近見かけるようになったって話しを聞いたときに、不思議だった。シオンを拾った日から何日も経ってるし、なんで今ごろとも思った。 「私ね、神姫バトルは好きなんだけど、これでも医学生なのよ」 うん? なんか話が飛んだな。 「私はクォーターでね、祖父がフランス人。その祖父が国で病院を経営しているの。最近になってそこで研修生として働かないかって話が祖父から来ててね」 「じゃあ、日本を離れるんですか?」 「今すぐって訳じゃないけどね。もちろん、神姫も連れて行くわ。あっちにも武装神姫は流行っているみたいだし。日本を出るとなると、気になってきてね。あの子はどこに行っちゃったのかって。まさか二駅先にまで彷徨っていたなんて。根性があるわ」 ふうっと一息ついて、アイスティーを飲み干す宮本さん。言いたい愚痴を全部吐き出した感じがする。 「後はゲーセンで色々聞き込みしてたら、バトルする流れになっちゃって。キミたちが出てきたということ。バトルしてたのは無駄じゃなかったわ」 「見つけて、その後はどうしようと?」 「うーん、いい人に拾ってもらってたらそのまま。危ないことや酷いことをさせられてたら、意地でも捕まえて悲しいけどリセットさせるわ。でも、キミみたいな子に拾われてたのは不幸中の幸いね。……そこはお礼を言うわ。ありがとうね」 「いえ、大したことはしてません。とてもいい子だし、僕の神姫としては勿体ないくらいです」 一緒にいる僕もシオンには色々助けられているし。 「そうね。いい子すぎるわ」 宮本さんは自傷気味にそう言うと、グラタンの皿を持ち、テーブルの皿は三皿積み上がった 「……CSCをリセットしようと思わなかったんですか? バトルがうまくできないとわかって」 言いたくはなかったけど、これは聞いておかないといけないことだ。 「CSCをリセットすることはね、神姫を殺すことと同義なのよ。医者を目指す私としては人形といえどそんなことをする気は起きないわ。だから余計にバトル恐怖症をなんとかしようと躍起にはなったんだけど……このざま、カウンセリングなんて知識もまだない。ましてや相手は武装神姫。神姫に逃げられるダメマスターよ」 宮本さんはため息をもらす。 どうにかして、バトルできるようにしてたみたいだけど失敗に終わり続け、シオンは宮本さんの元を離れてしまったわけか。バトルができないからオーナーに捨てられる、傍にいる価値はないと思ってるのかな。神姫も悩むし苦しむんだ。 「宮本さんの神姫は……イスカは、シオンの事を怒っているんですよね」 「ええ、今でもその話したら、不機嫌になるわね。『……あいつの話はしないで』なんて言って、もっと仏頂面になるわ。最悪、いなくなって、なにも思ってないのかもしれないわね」 イスカをどうにかできないと、シオンのわだかまりはどうにもできそうにないな。イスカにシオンを認めさせるには、やっぱりバトルをして勝つことだろうか。 いがみ合った敵でも戦った後に友情が芽生えるとか王道だし。……思考が短絡的だな、僕。 戦う前提だと、バトル恐怖症の壁があるのを忘れたのか。 「私からも一つ聞いていいかしら?」 「あ、ええ。なんでしょうか」 「見た感じ長倉君は武装神姫は初めて持つのよね。拾った神姫でなんでそこまで一生懸命になれるのかしら?」 なんで、てそれは……なんでだろうか。家庭に人がいない状況を僕は寂しいと感じた。それでも毎日シオンが出迎えてくれるのが嬉しい。つまりそれはもうシオンが僕の家族になっているからだと僕は思ってるから。 「シオンは僕の家族です。家族の為に行動するのに理由はいりません」 キッパリと僕は宮本さんに言いきった。 「ク……クク……。ハハハハ!」 だけどなぜか宮本さんにすごい笑われた。腹を抱え口を開けて大笑いだった。 「な! どうして、笑うんですか!?」 「いえね……クク……。キミが真剣にそんなこと言うから。ふふ」 ものすごく心外だ。真面目に答えたのに、笑われるとどう反応していいのかわからないぞ。 「ふぅー。久しぶりにこんなに笑ったわ。でも、いいと思うわよ。家族」 「……そうなんですかね」 笑われた人に言われてもな。僕はなんだか呆れてしまう。 「そうよ。私は真正面から人形を家族なんて言えないもの。それは長倉君が持つ優しさよ。……シオンを頼むわ、それで、これ」 「これって?」 宮本さんは横に置いてあった紙袋を渡してきた。ずいぶんと大きな紙袋だ。中を確認してみると、武装神姫とロゴが入ったケースだ。隅の方にはクレイドルもあった。 「あの子の装備一式よ。バトルのために揃えたけど、無駄になってね。イスカにも似合わないし、あげるわ」 「そんな、こんなの貰えません。バトルだって……」 「でも、必要になるわよ。武装神姫を持っていればおのずとね」 意味深な事をそう告げる。なにか見透かされているようなそんな感じ。 「……一応、預かっておきます」 「そうしておきなさい」 そう言うと、宮本さんはコップの、解けた氷の水と少し残ったアイスティーとが混ざった飲み物を口に入れる。それがカランと音をたてる。 その後、僕は結局何も頼まずお礼をして、家に帰った。 手には紙袋を持って。 前へ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/676.html
戻る アマチュア・個人製作パーツ一覧 ※本設定は非公式のものです。また、強制されるものでもありません。 ※物語製作においてご参考になれば幸いです。 武装神姫の世界的普及は、当然の成り行きと言うべきか、日本のアマチュアガレージキット業界にも大きな影響を及ぼし始めた。 2036年現在におけるアマチュアガレージキット製作においては家庭用工作ロボット・コンピュータの支援が当たり前となっており、製作者の手間がかなり低減されている。そのためおよそ三十年前当時では使いにくい材質を用いたり、意欲的なギミックを仕込んだりするなどして作品形態が多様化していった。そういった中で生まれてきたのが「機械系作家」と呼ばれる人々である。簡単に言えば、自作のロボットや機械式おもちゃを製作販売するアマチュアガレージキット製作者のことである。 武装神姫のガレージキットへの派生にいち早く気づいたのが彼らであった(「神姫」の先駆者としては服飾関係のアマチュア製作者たちで、神姫用の衣装を製作販売している)。彼らはオフィシャル介入以前より自作パーツを製作しており、オフィシャル介入後に爆発的に増加した。 本項で紹介するのはオフィシャル介入後の主な製作者、およびパーツである。公式装備には無い独自性を持ったパーツがたくさんあるので、ぜひともご覧頂きたい。 『F-Face』【アウタースキン「和三盆」】 【オリジナルヘッド「ワンダ」】 三屋八方堂【オリジナルパーツセット 堕天使型MMSラルナーヴ(魔王型MMSフォルテストラーフ)】 『F-Face』 何を隠そう、神姫の生みの父である浅井真紀氏のガレージキットディーラーである。EDEN-PLASTICS本社におけるエンジニア稼業の暇を縫い、機械系キットから服飾まで様々な意欲的作品を世に生み出してきた。 【アウタースキン「和三盆」】 ○衣装 第一弾のアーンヴァル・ストラーフに着せることを想定してデザインされた、特殊ビニール繊維製の衣装。前後リバーシブルの角帽子、ショール、ボレロ、ワンピース、カフス、ブーツカフス、そしてワンピース固定用パーツ(背中の拡張ハンガーとの交換式)のセットで、白と黒の二色がある。 洗練されたスタイリッシュなデザインながら、素体の駆動を邪魔せず、さらに服を着たまま武装することができる。そのため人気があり、これを着てバトルに臨む神姫は多い。 【オリジナルヘッド「ワンダ」】 ○コア オリジナルデザインのコアパーツ。市販の陽電子プロセッサを搭載しているが、思考ルーチンプログラムはこのパーツのために新しく組まれたものである。言うまでもなくコアの製作にはある程度の専門知識が必要である。 個別に市販されている素体とCSCを組み合わせることによってちゃんとした一体の神姫となる。 武装神姫関係のガレージキット製作に関しては特に版権審査などは必要ないが、コアパーツだけは別物で、EDEN本社による審査が必要となる。これはおおよそ武装神姫らしくない人格の予防(特に性格破綻していると色々問題である)と、武装神姫の規格内に収めるためである。晴れて審査に通った場合には製作に関して本社の惜しみない協力が得られ、またそのコアで公式戦にも参加できるようになる。逆に言えばそれほど審査が厳しいということでもある。たとえ生みの父親といえど例外ではないが、本コアパーツは公式のものと比べてもなんら遜色ない出来となっている。 三屋八方堂 F-Faceを除いてオフィシャル介入後に初めて武装神姫のオリジナルパーツを製作したガレージキットディーラー。 ※掲載にあたって東海林氏よりご許可を頂いております。 ※3/2 東海林氏よりご指摘のあった部分を加筆修正しました。 【オリジナルパーツセット 堕天使型MMSラルナーヴ(魔王型MMSフォルテストラーフ)】 各種武装とオリジナルコアパーツのセットという豪華なものである。いくつかのパーツが多機能モデルとなっているのが特長。 MMS素体とCSCをそろえればオリジナル神姫を作ることができる。また武装はストラーフ用の強化パーツを想定して製作され、これを装備したストラーフは「魔王型MMSフォルテストラーフ」となる。 フォルテストラーフはストラーフが本来持っている地上機動力、近接格闘戦闘能力を特化させるとともに、アーンヴァルなどの対飛行型神姫戦を想定し、苦手項目であった射撃を補強するとともに超小型ジェットエンジンを搭載し飛行能力も付加されている。 欠点として消費エネルギーが著しく増大してしまうが、それを見越した短期決戦が常套戦術となる。 以下に各武装の説明を掲載する。 フルストゥ・ジガント ○至近距離~近距離 ストラーフのメイン武器であるフルストゥブレードの大型版。グフロートゥの二倍近い刀身長を誇る。 ジョイントブレード(フルストゥ・クレッセント) ○至近距離 パーツに直付けするタイプの湾曲剣。主にひじやひざなどの関節部に取り付けるためこう呼ばれる。 バフォメットスリッパー ○至近距離 GA2レッグの足元に履く強化パーツ。ヤギのように二股に分かれたつま先を持ち、接地性、走破性が向上する。 またつま先のナイフが二本に増え、在来のナイフがかかとに移動するため単純にキックによる攻撃力も上昇する。 ボルトドライバーテール ○(至近距離) 中~遠距離 フォルテストラーフの尻尾となる銃剣付大口径ロングライフル。ケースレスタイプ。命中精度と威力が高いレベルで両立している。 「センチネル」自動レーザー迎撃システム ○至近~中距離 背中から触手のように伸びる八本のアームは自動迎撃のための高収束レーザー照射装置である。迎撃目標確認から発射まで自動であり、もちろん自由に動き、装着者の意志で攻撃にも参加する。本体のエネルギー消費を抑えるためそれぞれに専用バッテリーが付いている。 レーザーはM4ライトセイバーの技術が踏襲されており、レーザー刀身を発生させ近接防御戦闘にも用いられる。エネルギーが無くなっても先端の突起部(バッテリーケース)が打突用スパイクとなる。 また緊急的な使い方であるが、対戦相手を触手のように絡めとって拘束することもできる。 ヘッドギア「イーヴルアイ」 ○頭部パーツ 悪魔の一つ目のようなスリットが入ったバイザー型ヘッドギア。望遠、サーマル、Xレイ、ナイトビジョンと、対戦相手を視覚的に発見、捕捉することに特化した機能構成となっている。 オリジナルバスト「パスカービルの魔乳」 ○胸部パーツ 妙な名前の豊満な巨乳パーツ。何の機能もないが、神姫には人気がある。素体バスト同様絶縁性対衝撃ジェルが充填されている。おそらく製作者が遊びで入れたパーツであると思われる。 GA4カスタム「ゴーレム」アーム/レッグパーツ ○腕部パーツ DTリアユニットPlusとの連動が推奨されたアームパーツ。チーグルアームと換装する。チーグル以上の馬力を持ち、そのままでも立派な武装として使用できるほか、神姫と規格の合わない大型武装も持てるようになる。 またひじパーツを取り外すことで脚部となり、その場合は大腿部から換装することになる。脚部として装備した場合、内蔵されたスラスターベーンにより浮遊することが可能となる。 さらにスラスター部分を全展開させることによって、腕に付ければシールド、背部に付ければリアスラスターと、単純な機構で多機能を実現しているのには目を見張るものがある。 アドバンスドジェットエンジン ○機能補助パーツ 超小型ジェットエンジン。このDTリアユニットの肩部に乗るほど小さなエンジンで飛行できるようになり、たとえ完全装備でもアーンヴァルに追従する機動力をたたき出す。ただしアーンヴァルのような自己精製型水素エンジンではなく模型用ジェット燃料を用いるため、取り扱いが面倒で燃料代がバカにならない。 インバーテッドクロスガーダー ○装甲パーツ 逆さ十字の形をした盾。 スカルアーマー01 ○装甲パーツ 骸骨の意匠の増加装甲。非常に分厚い。サブスラスターユニットも兼ねており、アドバンストジェットエンジンの補助を担う。 スカルアーマー02 ○装甲パーツ 増加装甲。こちらは骸骨の意匠は無い。 オリジナルヘッド「ラルナーヴ」 ○コア 市販の陽電子プロセッサを搭載したオリジナルコアパーツ。堕天使型の名のとおり、アーンヴァルに似ながらストラーフの雰囲気を持つ思考ルーチンプログラムが組まれている。 文責:マイティのひと 戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/789.html
戦うことを忘れた武装神姫・番外編 ちっちゃい物研・商品案内-11 <東杜田技研・新製品のご案内-11> 注)当然ですが、以下の内容はすべて当方の脳内生成物であり、 現実には存在しませんので。。。 <東杜田技研・新製品のご案内> このたび、弊社の小型ロボット向け機器ブランド「HT-NEK」では、 ご好評頂いております「武装神姫」向けの機器に、新たに携帯型の 周辺機器を発売することになりました。 第2弾としまして、携帯型クレイドル・強化版を発売いたします。 ~武装神姫専用携帯クレイドル「ポケットスタイルHD」の主な特徴~ ・・・使用例・イメージ写真・・・ ■数多くの小型ロボット向け機器の開発で実績がる、弊社・小型機械 技術研究製作部が中心となり開発。抜群の安定性を誇ります。 ■複数神姫の移動に便利な、ひとまわり大きめサイズに仕上げました。 通常時は2体まで、最大3体まで対応します。 ■神姫を収めるポケットとは別に、ユーティリティポケットを設定。 各種装備を余裕を持って収められる容量を確保。バッテリーを収納 し、スタンドアロンクレイドルポーチとしての使用も可能!。 ■バッテリーによる充電機能のみならず、携帯電話やPDAとの接続も できる、簡易通信機能も搭載。もちろん、PCとの連動も可能です。 ■外観はポーチタイプの工具入れそのもの。 しかしながら生活防水 機能を持ち、防塵性能もばっちり。 アウトドア派の神姫にはぜひ 一台ご用意ください! ■初心者には使いやすく、達人にも飽きが来ない、独自の専用ソフト 付属。(WindowsVista2037・MacOS12 両対応。) 詳細は、下記を参照して下さい。また、新たな情報は随時公開いたし ますので、HPにてご確認下さい。 <武装神姫専用クレイドル「ポケットスタイルHD」> ・カラーラインナップ >ライトグレー、ブラック、タンイエロー、モスグリーン ・対応武装神姫 現在発売中の全武装神姫(純正クレイドルが使用可能である神姫に 限ります。) ・インターフェース 携帯機器接続時:別売の専用変換ケーブルを使用して接続 PC接続時:専用ケーブルによりUSB3.1にて接続 ・電源 Li-ionバッテリー、ACアダプタ、乾電池ボックス(別売) ほか ・対応オプションパーツ 大容量Li-ionバッテリー、アクセサリソケット用アダプター、 携帯電話用アダプタ(各社)、HD専用水中(潜水)対応化キット、 HD専用簡易保温外装 ほか ・付属装置・付属品 マニュアル、ACアダプタ、ドライバDVD、専用USBケーブル 装備用小物入れ(ユーティリティポケット用) ・付属ソフト(ドライバDVDに同梱) 「神姫といっしょLite(機能限定版)」 ほか ・動作条件(ドライバ・付属ソフト) Windows2037・MacOS12が動作可能なPC。 ・発売予定価格 >オープン価格 ・発売予定時期 >発売中 以上 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/669.html
戦うことを忘れた武装神姫・番外編 ちっちゃい物研・商品案内-10 <東杜田技研・新製品のご案内-10> 注)当然ですが、以下の内容はすべて当方の脳内生成物であり、 現実には存在しませんので。。。 <東杜田技研・新製品のご案内> このたび、弊社の小型ロボット向け機器ブランド「HT-NEK」では、 ご好評頂いております「武装神姫」向けの機器に、新たに携帯型の 周辺機器を発売することになりました。 第一弾としまして、携帯型クレイドルを発売いたします。 〜武装神姫専用携帯クレイドル・「ポケットスタイル」の主な特徴〜 ■数多くの小型ロボット向け機器の開発で実績がる、弊社・小型機械 技術研究製作部が中心となり開発。抜群の安定性を誇ります。 ■ポケットの中に違和感無くすっぽり収まる超小型仕様。 ■バッテリーによる充電機能のみならず、携帯電話やPDAとの接続も できる、簡易通信機能も搭載。もちろん、PCとの連動も可能です。 ■種類は2種。 衝撃に強い「HS」(硬質外装仕様)と、ポケットに 入れても痛くない「SF」(軟質外装仕様)を設定。 目的、好みに 合わせてお選び下さい。(色柄には各5色を設定。) ■初心者には使いやすく、達人にも飽きが来ない、独自の専用ソフト 付属。(WindowsVista2037・MacOS12 両対応。) 詳細は、下記を参照して下さい。また、新たな情報は随時公開いたし ますので、HPにてご確認下さい。 <武装神姫専用クレイドル「ポケットスタイル」> ・カラーラインナップ ポケットスタイル-HS(硬質) >ホワイト、マットブラック、グリーン迷彩、カーボン、メッキ ポケットスタイル-SF(軟質) >ライトグレー、ブラック、サンタレッド、唐草、スカイブルー ・対応武装神姫 現在発売中の全武装神姫(純正クレイドルが使用可能である神姫に 限ります。) ・インターフェース 携帯機器接続時:別売の専用変換ケーブルを使用して接続 PC接続時:専用ケーブルによりUSB3.1にて接続 ・電源 Li-ionバッテリー、ACアダプタ、乾電池ボックス(別売) ほか ・対応オプションパーツ 大容量Li-ionバッテリー、アクセサリソケット用アダプター、 携帯電話用アダプタ(各社)、HS専用水中(潜水)対応化キット、 HS専用簡易防水フード ほか ・付属装置・付属品 マニュアル、ACアダプタ、ドライバDVD ・付属ソフト(ドライバDVDに同梱) 「神姫といっしょLite(機能限定版)」 ほか ・動作条件(ドライバ・付属ソフト) Windows2037・MacOS12が動作可能なPC。 ・発売予定価格 (現在未定) ・発売予定時期 (今夏予定) 以上 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/493.html
戦うことを忘れた武装神姫・番外編 ちっちゃい物研・商品案内-7 ・・・武装神姫向けクレイドル・品薄のお詫び・・・ 先日の発売以降、大変にご好評を頂いております当社の各種武装神姫 向けクレイドルシリーズは、現在当社では全力を挙げて増産しており ます。しかしながら、当社の生産能力の関係上、皆様のご希望に添え ない市場在庫の状況となっており、御迷惑をおかけしております事、 深くお詫び申し上げます。 当社は品質を何よりも重視する方針でありますので、現在の生産数が 限界となっております。生産ライン等の見直しにより、来月後半には まとまった数の出荷が出来る見込みです。 何卒、今しばらくお待ち下さいますようお願い申し上げます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ <東杜田技研・新製品のご案内-8> このたび、弊社の小型ロボット向け機器ブランド「HT-NEK」では、 ご要望が多く寄せられました「ぬくぬくこたつ」の4体用を、新たに ラインナップいたしました。 〜武装神姫簡易クレイドル・「おっきいぬくぬくこたつ」主な特徴〜 ■データ通信機能等を一切省き、「充電機能のみ」とした、簡易型の クレイドル。 ■電源には、USB3.1のみならず、ACアダプタ(付属)や、専用電池 ボックス(別売)、シガーソケットアダプタ(別売)を用いる事が 可能。いつでもどこでも、充電が出来ます。 ■デザインは、シンプルで、かつ飽きの来ない、ごく一般的な4人用 こたつ」そのもの。こたつ布団の柄は、5種類から選べます。 ■内部には遠赤外線装置が組み込まれており、実際に「暖かく」する ことができます。(寒がりの神姫に最適です。) ■本製品は、完全な充電専用クレイドルとすることで、よりお求め やすい価格に設定。 また、夏場には布団を取り外し、座卓型の クレイドルとしての使用も出来るようなデザインとしました。 ※本製品は完全な充電専用クレイドルです。オプションを用いても、 データ通信を行うことは出来ません。ご了承下さい。 ※初回生産分には、こたつ布団と同じ柄の「こたつ敷き布団」が付属 する予定です。 詳細は、下記を参照して下さい。また、新たな情報は随時公開いたし ますので、HPにてご確認下さい。 <武装神姫・簡易(充電専用)クレイドル「おっきいぬくぬくこたつ」> ・対応武装神姫 現在発売中の全武装神姫(純正クレイドルが使用可能である神姫に 限ります。) ・対応電源 USB3.1(同梱専用ケーブル)・ACアダプタ(同梱) 乾電池(別売専用電池ケース)・シガーソケット(別売専用ケーブル) ・対応オプションパーツ 弊社発売予定品 「神姫みかん」(食べられませんが、アロマ効果があります) 「おっきいこたつ布団」(色柄違い・各種) 「おっきいこたつ敷きふとん」(色柄違い・各種) 「おっきいこたつケース」(愛媛みかんの段ボール柄・1段仕様) (そのほかに付きましては、順次調査の上HPにて公開する予定です。) ・付属装置・付属品 マニュアル、USB3.1充電専用ケーブル、専用ACアダプタ、 おっきいこたつ布団(1枚) ・付属ソフトはありません。 ・動作条件(USB充電時) USB3.1を搭載し、Windows2037・MacOS12が動作可能なPC。 ・発売予定価格 (現在未定)13,820円(税込) ・発売予定時期 (来夏予定) 以上 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/661.html
●ISI… 違法神姫調査官(IllegalShinki Investigator)の略称。 神姫BMAは警察機関ではない為、直接的に違法神姫を取り締まる勇敢なオーナーを求めた。その結果、ISIと呼ばれる特殊なオーナーが生まれた。 神姫BMAの調査課の中か、『High』クラス以上の神姫を持つオーナーから厳選され、基本的には警察機関への協力を義務付けている。だが、過激に活動するISIが多いのも事実である。 州によってはISIを選定しないところもあるが、ISIの権限は基本的に国内全土にて適用される。 例外としては国外への長期滞在時に、滞在国の神姫BMAに許可を得られることがある。 ●AIES… 『違法神姫対策神姫(Anti-Illegality Executioner-Shinki)』の略称。 ISIが所有する、違法神姫対策用にカスタマイズされた神姫を指す。 その武装は多岐に亘り、神姫BMAが用意してくれるものから、違法武装の改造品などがある。 AIESに認定された神姫は神姫BMAより非合法神姫対策武装が特別に配布されるが、オフィシャルバトルへの参加は禁じられ、フリーバトルは相手からの強い要望を受けないかぎりは自粛し、オープンバトルのみ自由とされる。また、違法神姫以外の相手に非合法神姫対策武装を使用することを禁じている。 ●HDC… CSCの違法品で『HyperDriveChip』の略称。これを付けた神姫は大きく戦闘力を高めるが、戦闘力向上だけしかない為、神姫は感情や意思が失われ完全な戦闘マシンとなる。 また、高い戦闘力の代償に電力の消耗が激しくなると言う欠点がある。また、HDCを三つ埋め込めば、神姫の限界以上の能力を引き出せるが、パワーに耐え切れず自壊してしまう事もある。様々な亜種が発見されているが、最初にミラが押収したものは割と入手しやすいものらしい。 一時的に能力を増進させるがAIに異常をきたしやすい『narcotic』タイプ、能力の増進時間が長いがバッテリーの消耗が特に激しい『booster』タイプなどがある。 一度でもHDCを取り付けて稼動させられた神姫は素体やコアユニットの精密部品に酷い悪影響を及ぼす為、一度機能停止させ正規のCSCに交換しても正常な神姫には戻れない。 神姫BMAではHDCが付けられた神姫は破壊すべき対象と定められている。 ●武装闘士… 女性に対する差別、ジェンダーフリーを主張する人物・団体の反発や意見・経済的圧力により、武装神姫とは異なる少年型MMS(タイプは武装神姫とほぼ同じ)としてアメリカで独自に開発された。 但し、既に生産停止されており、武装神姫とのバトルを問題視する意見も多く出ていた(神姫BMAでは、武装闘士がオフィシャルバトルに参加することを禁じている)。また、主張団体の意見を強く押し出しすぎた結果、武装神姫との汎用性が無くなってしまった。 武装神姫発売から3年後にようやく発売されたが素体・コアユニット・CSCの製造に武装神姫よりも多くの種類を求められた事で生産面に於けるコストが非常に掛かり、一般的な武装神姫の1.5倍以上の価格で発売せざるを得なかった。 その上、リサーチによると武装闘士のオーナーは同性愛者が半数以上を占め、世間的な目から見て大きなマイナスとなった。その為、生産数は50万体程度に過ぎず、僅か1年で生産停止となった。 本末転倒とは正しくこのことだ。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1302.html
「皆さーん、ここ、どこだと思いますかー? 今日は私とマスターさんは、なんと『神姫センター』にお邪魔していまーす!」 「お約束ですね」 「お約束です」 「おっと、先に『誰に言っているんですか?』とツッコむべきでした、不手際申し訳ない」 「いえいえ、そこまでお手を煩わせたらこちらこそ申し訳ないです」 というわけで、本日はマスターさんの胸ポケットにお邪魔して、初めてのお出かけです。 当然、最大のポイントは『マスターさんと一緒』だと言うことは言うまでもありませんが、初めてのお出かけで嬉しいのもありますし、見るもの聞くもの全てが目新しいって言うのもあります。 もちろん、昨今のメディアの発達からすれば予備知識に関しては十分なのですが、そこはそれ、実際に生で見ると大違いといいますか。 さっきから周囲を見回しては何かを見つけて食い入るように見つめ、ドッグテイルがオーバーヒートしそうなほどにぶんぶん振り回されている私を見てマスターさんがニコニコしていらっしゃって、それに気付いて我に返り赤面してしまう、のくり返しなのです。 そんなこんなで辿りついた、武装神姫の専門店、神姫センター。初めてのお出かけの目的地としては順当でしょう。 かく言う私もここでご購入されたという、いわば故郷なだけにとってもドキドキです。 「といっても別に、購入店だからって何か思い出があるわけでもないんですけどね」 「割とドライですね犬子さん」 「それはもう、マスターさんと出会ってからが私の全てですから」 「意味深な台詞に聞こえますが、実はそのまんまですよね」 「そのまんまです」 さてさて、件の神姫センターですが、案内を確認するに1階が新製品や基本セットと言った目玉商品に、それから関連書籍と言った比較的ライトな層向けの商品、2階と3階がパーツの販売スペース、そして4階がバトルスペースとなっているようです。 そして1階でも(おそらく各階でも)、各所に設置されたモニターで4階のバトルのリアルタイム映像や、名勝負のリプレイなどが観戦可能になっております。 今も、かなりカスタムされたストラーフタイプが、マオチャオタイプを圧倒してる映像が流れています。現在の対戦風景のようですね。 マスターさんも足を止めて、その映像に目を向けました。 「あの黒いほうは……見たことがないタイプですね?」 「アレは悪魔型MMS『ストラーフ』ですね。天使型MMS『アーンヴァル』ともども第一弾で発売された武装神姫なのですが、第6弾まで発売されている現在でも武装性能・デザイン両面で人気が高く、再販時も瞬く間に売り切れ、現在は入手困難となっております。最近武装神姫の存在を知ったマスターさんには、なじみが薄いのも仕方ないかと」 「なるほど、根強い人気の武装神姫の基本形といったところですか。 ちなみに犬子さんは第何弾だったのですか?」 「第二弾です」 「犬子さんもわりと初期に発売されていたのですね」 「ええ、わりと」 「…………………………」 「…………………………」 「私たち第二弾の場合、第一弾の売れ行きを考慮して初回生産時から安定供給が図られましたから」 「僕は何も言ってませんよ?」 「…………………………」 「…………………………」 「コミック連載との連動企画で通信販売された第二弾のリペイントバージョンは、販売受付当日はサーバーがダウンするほどに注文が殺到し、その予定生産数を大幅に上回る注文数に販売形式を数量限定から受注生産へと切り替えられたりしているのですよ?」 「ですから僕は何も言ってませんから」 「…………………………」 「…………………………」 「さて、いつまでも通路で突っ立っていては他の方の邪魔になってしまいますね。まずはぐるっと見て回りましょう」 「ええ、行きましょう」 微妙に墓穴を掘ったような気がしないでもありませんでしたが、それはさておき深く突っ込まなかったマスターさんに感謝しつつ、私はマスターさんの胸ポケットの中で「おー」と拳を突き上げます。 『Winner:ローザリッタ! これにて12連勝中! さあ! 彼女の快進撃を止めるものは誰か?!』 そんな私たちの背後で、件のストラーフの勝利コールが高らかに鳴り響くのでした。 まずは、関連書籍コーナーです。 「現在、武装神姫関連の雑誌は定期刊行誌・ムックをあわせて80誌、書籍では1,400タイトルに及ぶと言われています」 「それが一所に集まっているだけに、壮観ですねぇ。これだけあると、何から手を出せばいいのか」 「武装神姫の知識を深めるならば、現在販売中の武装神姫たちを網羅し、バトルデータも充実、さらには限定コスチュームであるナースセットもついてくる『武装神姫マスターズブック』 が初心者向けの手引書としてよろしいかと」 「ほほう」 「エンターテイメント作品ならば、7体の武装神姫とそのマスターとの交流を描いた小説『武装神姫 Always together』がネットで高評価を受けております」 「なるほどなるほど。販促義務ご苦労様です」 「いえいえ、お耳汚しを」 往来で、しかもマスターさんの胸ポケットに間借りしている身分としては、座礼が出来ないのが悔やまれます。 「ちなみにその小説だと、犬子さんの……ええと、ハウリンタイプでしたっけ? その武装神姫は活躍しているのですか?」 「いいえ、この小説におけるハウリンタイプへの言及は、同型機であるマオチャオタイプのレストアに際し、ハウリンタイプのパーツを流用した、との記述があるのみだそうです」 「……そうですか」 「そうです」 「…………………………」 「…………………………」 「ちなみに他に関しては、『ヒロインの兄が所持していた』という伝聞形式や、店頭に展示されていたという描写も含めるなら、第6弾までの全ての武装神姫の登場が確認されているとの事です」 「……そうですか」 「そうです」 「…………………………」 「…………………………」 「次にいきましょう」 「そういましょう」 泣いてなどいませんよ? 武装神姫には涙を流す機能は搭載されていませんから。 「うーん、こちらもまた色々ありますねぇ犬子さん」 「目移りしちゃいますよねマスターさん」 「……申し訳ない、目移りするほど違いがわかりません」 「……こちらこそ、話題の振り方を間違って申し訳ありません」 と、いうわけで、現在はウエポンパーツコーナーを見て回っています。 取り回しやすそうな短剣、炎を吹き上げる大剣、重厚な機関銃、神姫には長大なノーマルサイズのフォークとナイフ、ミサイルの詰め合わせ、なぜかモアイ像などなど……様々な武器が所狭しと陳列されております。 「こういったものも、いずれ買い求めるべきなのでしょうかね?」 「世間一般の評価では、基本セットだけでバトルに臨んでも遠からず行き詰ってしまい、上を目指すならばこういった装備を揃える必要があるとか」 「そういうものなのですか」 「そういうものらしいです。ですが、初めからバトル志向ならばいざ知らず、まだバトルを未体験で、どれほどバトルに力を注ぐか未知数な私たちは、慌てて買い求める必要もないかと」 「当分は、基本セットだけで十分と?」 「そうです。当面は基本セットを活用し、まずは自らのバトルスタイルの方向性を見極めることが先決かと存じます。幸いハウリンタイプの基本セットには、近距離から遠距離まで一通りの武装が揃っていますしね」 「実際に戦ってみて、要不要を見極めてからでも遅くないというわけですね、なるほど」 「ええ、それが妥当かと。マスターさん本来の武装神姫の活用目的を考えれば、バトルとは無縁になる可能性もありますし」 そこまで言って、私はいたずらっぽくウィンクなどを一つして見たりします。 「買い控えをお勧めするのは、販促義務には反するのですけどね」 「よろしいのですか、販促義務は?」 私の言葉に、マスターさんもくすりと笑って聞かれました。ですから私も、わずかに胸を張って応えるのです。 「ええ、こう見えても私も成長しているのです。初期プログラムに縛られず、『マスターさんにとって本当に必要なものは何か?』を自己判断できるようになってきているのですよ」 「『男子三日会わざれば刮目して見よ』、ですね。 いや、毎日顔をあわせてますし、男子でもないですし、そもそも武装神姫なんですけどね」 「マスターさん、そこまで丁寧に自己完結されると、ツッコミどころに困ります」 「や、これは申し訳ない……しかし、先ほどの関連書籍コーナーでは、販促義務が炸裂していましたよね?」 「そのあたりは、値段と必要度の兼ね合いの上と言いますか……ありていに言って『本の一冊や二冊、武装パーツに比べればものすごく安いですし』と言う表現が妥当なところかと」 「ぶっちゃけましたね」 「ぶっちゃけました」 こんな他愛ないやり取りをしているだけですっかり機嫌が直ってドッグテイルがぱたぱた動き続ける自分は、安上がりで幸せな武装神姫だと思うのです。 <そのろく> <そのはち> <目次>