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ウサギのナミダ ACT 1-13 ◆ 「って、菜々子ちゃん! 大丈夫なのかよぉ……」 大型筐体に一人座り、黙々と準備をする菜々子に、大城はそわそわと話しかけた。 大城の心配ももっともだ。 このゲームセンターで最強と呼ばれる三人とスリー・オン・ワン……三対一の同時プレイで対戦するというのだから。 いくら有名なエトランゼといえど、実力者三人を同時に敵にするのは圧倒的に不利だ。 「大丈夫。絶対に負けない」 菜々子ははっきり言いきった。 ミスティは菜々子を見上げた。 「……『本身を抜く』のね?」 「そうよ。わたし、キレたから。もう徹底的にやる」 「やっとキレたの? わたしはもう先週からキレっぱなしなんだけど」 無表情に話す二人に、大城は空恐ろしいものを感じずにはいられない。 「なあ……ほんみをぬく、って、なんのことだ……?」 「見ていればわかるわ」 菜々子は筐体の向こう側にいる、三強の男達を見た。 三人とも、こちらを睨みつつ、バトルの準備をしている。 スリー・オン・ワンで相手をする、と言ったら、男達は激怒した。 「なめやがって……!」 捨て台詞を吐いて、バトルを承諾した。 菜々子の思惑通りに事は進んでいる。 頭に血が上っていては判断が鈍る。そして、三対一という圧倒的優位からの油断。 もちろん、それらを生かすための実力があってこその策略だった。 菜々子は、耳元のワイヤレスヘッドセットをオンにすると、マイクに囁きかけた。 「ミスティ、リアルモード起動。入力コード“icedoll”、タイプ・デビル」 菜々子は三強の男達をもう一度見て、そして目を閉じた。 意識を切り替える。 あれは『対戦相手』じゃない…… 『敵』だ。 再び菜々子が目を開いたとき、バトルの準備は整っていた。 三強とエトランゼのスリー・オン・ワン対決と知り、ギャラリーが続々と集まってきた。 都合がいい。 バトルの見届け人として、そしてバトル後の相手として、ギャラリーは多いほどいい。 うるさい連中は、実力で黙らせる。それがエトランゼの流儀だ。 「ミスティ、調子はどう?」 「問題ないわ、ナナコ」 勝つ。 菜々子には確信がある。 この程度のバトルに勝てなくちゃ、『ヤツ』を倒すなど夢のまた夢だ。 菜々子は鋭い表情のままスタートボタンを押した。 近代的なビルと、その間を縫うように走るハイウェイ。 都市ステージは立体的なバトルフィールドが特徴だ。 三強とエトランゼ、どちらも持ち味の生かせるフィールドとして、ここが選択された。 『ヘルハウンド・ハウリング』は、そのハイウェイのど真ん中で、正面と背後に気を配っていた。 『エトランゼ』が来るとすれば、やはりフィールドを横切って走る、このハイウェイだろう。 エトランゼは、トライク形態からの反転奇襲が得意技だ。 だから、防御力の高いハウリンのヘルハウンドが待ちかまえ、エトランゼを足止めする。 そして、後から合流した二人と、三人がかりで仕止める。 エトランゼは、ヘルハウンドもたびたび対戦したが、勝てない相手ではなかった。 それが三強をいっぺんに相手にして、かなうはずがない。 さあ、来い。 ヘルハウンドはハイウェイの先を鋭く見据えた。 ……まさか、待っている相手がビルの上から降ってくるとは、思いもしなかった。 「ぎゃっ!?」 強い衝撃と共に、いきなりうつ伏せに押し倒された。 振り向くよりも早く、背面に設置された二本の武装用アーム……ヘルハウンドの名の由来が、ばりばりと引き剥がされる。 何が起こっているのか。 そんなことさえ確認する余裕も与えられなかった。 エトランゼは、手にしたマシンガンの引き金を引き絞り、ヘルハウンドのアーマーが隠していない後頭部と腰に、まるでリベットの打ち込み作業をするように撃ち込んだ。 ヘルハウンドと合流すべく、『ブラッディ・ワイバーン』は滑空していた。 ウェスペリオーの素体と羽、脚から先がイーアネイラの魚型パーツになっている。 マスターが言うには、昔見た強い神姫の武装を参考にしているという。 確かにこの武装は、空を自由に飛ぶのに適していた。 空中から、足止めされているエトランゼを狙い撃ちにするのが、ワイバーンの役目だった。 だが。 下方から銃撃を受けた。 ワイバーンは驚く。 足止めどころか、エトランゼはハイウェイ上でワイバーンを待ちかまえていた。 あわてて、こちらも銃撃を開始する。 直後、エトランゼの緑色の副腕が何かを投擲した。 大きな何かが、ワイバーンを直撃する。 それは、ヘルハウンドの残骸だった。 「うわああぁ!」 バランスを崩し、高度を下げる。 そこに、間髪入れずにジャンプしてきたエトランゼが迫る。 剛腕一閃。 ワイバーンの右羽を根本からもぎ取った。 そして、その勢いを借りて反転し、さらに剛腕が振るわれる。 エアロ・チャクラムが、今度はワイバーンの素体を捕らえる。 力任せに掴むと、ハイウェイ脇に立つビルの壁に叩きつけた。 「あああああっ!」 ワイバーンはビルにめり込み、エアロ・チャクラムに押さえ込まれ、身動きがとれない。 逃げようともがいても、抜け出す術はなかった。 エトランゼが装備していた太刀を引き抜く。 視線が合う。 イーダ・タイプの赤い瞳は、まったく感情に揺れていなかった。 ただ、殺意だけが、込められていた。 ワイバーンが恐怖にすくみあがったのも一瞬だった。 彼女の胸に太刀が突き立てられた。 大城は息を詰めてバトルを見ていた。 背中に冷たい汗が流れている。 斜め前で筐体を前に座っている菜々子は、いつもと様子が違っていた。 いつもはミスティと楽しげにやりとりをしながらバトルしているが、今日はやけに静かだ。 指示用のワイヤレスヘッドセットに、小さな声で短くささやく。それだけだ。 そしてミスティは返答さえしない。 バトルは一方的な展開を見せている。 ミスティはこんなに強かったのだろうか? 今日の菜々子とミスティは何かが違う。 疑問と不安を抱きながら、それでも大城はバトルから目が離せなかった。 『玉虫色のエスパディア』は、もうバトルが終わっているかも知れないと思っていた。 三強二人を相手に、いくらエトランゼが強者とは言え、何分も持つとは思えない。 もう勝負の趨勢は決していることだろう。 低空から、ハイウェイの先の様子を見定めようとする。 確かに、勝負の趨勢は決していた。 ハイウェイの先、仲間二体の残骸があるのを目視した。 「ば……ばかな!?」 玉虫色は空中で急停止すると、逆向きに方向転換。 元来た方向へ加速する。 少なくとも、エトランゼはあの残骸のそばにいるはずだ。 とりあえず距離を取る。 それから対策を立てる。いままでも対戦して勝てない相手ではなかったはずだ。 だが、玉虫色の脳裏に、すでに残骸と化した二人の姿が浮かんだ。 ……まだ、バトル開始から、二分も経っていないじゃないか! 本当にエトランゼなのか!? そう思った玉虫色の耳に、ホイールの回転音が聞こえてきた。 まさか、と思って振り向いた瞬間、トライクが猛然とハイウェイを走って来るのが見えた。 ハイウェイの下道から、合流ラインを抜けて、メインのハイウェイへ。 トライク形態のエトランゼは、一気に加速すると、玉虫色を下から追い抜いた。 視線を前に戻したときには、すでにエトランゼはストラーフ形態に変形し、反転を開始していた。 リバーサル・スクラッチ。 まぎれもなく、エトランゼのオリジナル技だった。 エアロ・チャクラムが玉虫色に思い切り叩きつけられる。 仰向けに押し倒されたエスパディアは、組み替えてあった背部アーム装備の機銃を狂ったように乱射する。 それを意にも介さず、エトランゼは副腕を動かして、玉虫色の装備をむしりとりはじめた。 前輪のタイヤがはじけ飛び、副腕の装甲に弾痕が走る。弾丸がバイザーに当たり、頬をかすめても、エトランゼはいっこうに気にした様子がない。 まるで、意志がない機械のように。 黙々とエスパディアの装備を引き剥がしていった。 そして、素体だけの姿になったところで、胸のあたりを副腕の爪で掴みあげた。 その姿をさらすように持ち上げる。 「ひいいいいいぃぃっ! や、やめ……やめてやめてぇっ!!」 玉虫色は悲鳴を上げる。 しかし、エトランゼは一切表情を変えない。 菜々子が一言、囁いた。 次の瞬間。 「いやぁああああああああっ!!……」 断末魔の悲鳴が、無人の都市に響きわたった。 玉虫色の身体には機械の爪が食い込み、つぶされていた。 ハイウェイ上に無惨に転がるハウリンの残骸、ビルに磔になったウェスペリオーの残骸、そして、副腕の爪にいまだ引っかかったままのエスパディアだったモノ。 それらを背景に、逆光の黒いシルエットが立ち上がる。 ミスティが顔を上げた。 表情はない。ただ、殺気に満ちた赤い瞳だけが爛々と光って見える。 「あ、悪魔……」 誰かの呟き。 それと同時に、ジャッジAIがエトランゼの勝利を告げた。 試合時間は二分二十七秒だった。 アクセスポッドが開く。 ミスティは立ち上がると、筐体の回りのギャラリーを見渡し、そして正面の三強のマスターと神姫達を睥睨した。 誰も一言も発しようとはしない。しんと静まっている。 驚きと畏怖が、エトランゼの二人以外の意志を奪っていた。 ミスティは、先ほどのバトルの時とはうってかわった怒りの表情で怒鳴った。 「よわっちい連中が……こそこそ陰口叩いてんじゃないわよ!」 いまにも噛みつかんばかりに、周囲を威嚇している。 逆に、菜々子は氷のように冷えきった表情だ。 「宣戦布告よ」 薄く目を開け、三強に、そしてギャラリーに向けて宣言する。 「私たちは……エトランゼは、ハイスピードバニー・ティアにつくわ。 文句があるなら、バトルロンドで私たちに勝ってから聞いてあげる。 言いたいことがある人から……」 ミスティと菜々子の声が重なった。 「かかってらっしゃい!!」 ギャラリーがどよめいた。 いま、ハイスピードバニー・ティアを擁護するということは、このゲーセンの神姫プレイヤーだけでなく、すべての武装神姫を敵に回すに等しい。 菜々子はそれをはっきりと公言してのけたのだ。 「そ、そんなこと言ったら……誰も君の相手なんてしなくなるぞ!? それでもいいのかよっ!?」 ワイバーンのマスターの言葉はほとんど悲鳴だった。 菜々子はワイバーンのマスターを、氷の眼差しで睨みつける。 「上等よ……練習にもならないバトルなんて、こっちから願い下げだわ」 吐き捨てるように言う。 ワイバーンのマスターは、怒り心頭の様子だったが、ぐうの根も出ない。 他の二人も同様だった。 ギャラリーの目の前で、三対一で完膚無きまでに叩きのめされたのだ。三強としてのプライドも粉々に打ち砕かれた。 今、彼らが何を言っても、負け犬の遠吠えにしかならない。 三強のマスター達は、菜々子の激しい言葉にも、黙って耐えるしかなかった。 いまだに皆が立ち尽くしている中で、菜々子は黙々と後片づけをはじめた。 そこに大城が声をかけてくる。 「……ミスティってあんなに強かったのか……知らなかった」 その言葉に菜々子は首を振る。 「違う……あれはバトルロンドと呼べないわ。だから、あなたの言う『強さ』じゃない」 「け、けどよ……圧勝だったじゃねぇか。三強と三対一で勝つなんて、信じられねぇよ」 大城の声はうわずっている。 彼も感じているだろう。いつもと違うわたしたち。 いつもと違う、あまりに凄惨なバトルの内容に、引いているだろう。 「あれが、『本身を抜く』ってやつなのか? なんで……ミスティがあんな風に戦えるんだ?」 虎実が尋ねた。 菜々子は頷いた。 「『本身を抜く』っていうのは、真剣を抜いて戦うってこと。その心構えと戦い方で戦うってことよ」 大城と虎実は、よくわからない、といった顔をしている。 「そうね……剣道に例えればわかりやすいかしら。 防具着て竹刀でやる試合と、真剣での果たし合い。その違いってこと」 近代剣道の試合は、防具をつけ、竹刀を持ち、有効部位への打突をもって、審判が判定を下す。いわば模擬戦闘だ。スポーツであり、ゲームである。 対して、真剣での果たし合いは、防具はあるものの、持っている武器は真剣である以上、傷つくことは避けられない。攻撃がどこに当たろうとも、相手の戦闘力を奪い、相手を倒すことが優先される。つまりは命の奪い合いなのだ。 これを武装神姫に例えてみればどうか。 隆盛を極めるバーチャルバトルは剣道に当てはめられる。 ファーストクラスのリアルバトルでさえ、審判がいてルールがあるから、剣道の方に入る、と菜々子は考えている。 ルールの下で戦うが故に、バトルロンドにはそれに適したプレイスタイルが求められる。 「わたしだって、バトルロンドは楽しくプレイしたいわ。だから、バトルロンドに適した戦い方をするし、そういうつもりでプレイする。 でもね、『実戦』は違うの……つまり、真剣での果たし合いと剣道の試合が違うように」 菜々子の言う「実戦」は、ルール無用、審判なしのリアルバトルだ。バトルの結果が神姫の命に直結するような、紛れもない殺し合いである。 それは剣道の試合とは心構えからしてまったく違う。 「そうか……本身を抜くってのは、殺し合いをする気ってことのたとえなのか」 菜々子は頷いた。 「そう。 三強は剣道の試合をしようとしてるのに、わたしは真剣で彼らを殺そうと思っていたのよ。 そのためには自分のプレイスタイルにもこだわらないし、何より敵を早く確実にしとめることを優先する。 彼らは、あくまで「エトランゼとバトルロンドで試合しよう」としていた。 その心構えの差が、結果に現れたのね」 「なるほど……」 たとえ三強が、今度はミスティを殺すつもりで戦うとしても、それは結果につながらない。 なぜなら、彼らは「実戦」というものをまったく知らないからだ。 とするならば、菜々子とミスティは、その実戦を経験したことも、その心構えも、実戦向けの戦い方もあるということなのだが……。 「なあ、菜々子ちゃん……」 「本当なら、『本身を抜く』なんてこと、ずっとするつもりなかった」 大城の言いたいことを遮り、菜々子は早口でしゃべる。 「ここでは……遠野くん達がいるから、絶対にしないと思ってた。わたし自身の問題で身につけているものだし、バトルロンドでは使わないことにしてた。必要もなかった。 もしかしたら、もう『本身を抜く』なんて、忘れてもいい気さえしていたの。 ……でも、遠野くん達のために、自分にできることをすると、決めたから」 装備を片づけたアタッシュケースを閉める。 そして菜々子は大城に視線を移した。 「だから、わたしは全力を尽くす。本身だって抜くわ」 大城は菜々子の大きな瞳をみつめた。 真っ直ぐな視線。揺らがない。 誰かに似ている。 ああ、と大城は思い至る。 遠野だ。あいつの視線にそっくりだぜ、菜々子ちゃん。 大城は小さくため息をつきながら、頭を掻いた。 「まったく……惚れ直すぜ」 「それはダメ」 菜々子はいたずらっぽく笑い、人差し指を立てた。 「わたし、好きな人がいるから」 その笑顔を見て、大城はほっとする。 ようやくいつもの『エトランゼ』が戻ってきた。 次へ> トップページに戻る
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レイドボスバトル 概要 マップ 難易度設定 攻略初級編近接攻撃の立ち回り 遠距離武器の立ち回り 上級編近接攻撃の立ち回り 遠距離武器の立ち回り WAVE1 WAVE2 WAVE3 バグ・ボス情報小型バグ初級 上級 中型バグ初級 上級 大型バグ(レイドボス)初級 上級 報酬 アップデート履歴 コメント レイドボスバトル 2021.08.18~09.06 9 59(14日)の期間限定イベント。 全国のプレイヤーとオンラインで協力バトルできる。 ロケテストやカードゲーマーでは、一人プレイだけどボスを倒してスタンプを集めるオフラインレイドモードの存在が確認されたが、今回は実装されず。後のレイドボスバトル(常設)にて実装された。 オンラインレイドのマッチングは1分。見つからなかった場合は、その人数分COMが充当される。 最初の30秒は店内でマッチングを開始し、30秒間一人も見つからなかった場合、全国にマッチング範囲を切り替える。ただ必ず店内同士マッチングできるわけではないとのこと。 店内で一人でもマッチングした場合、全国にマッチング範囲は広がらない。 要はエンジョイジェムバトルと同じマッチング仕様。 概要 「ほぼすべてのインフラを支える神姫netに謎の障害が発生! その原因は武装神姫Rの世界から送られてきた謎の電子生物バグが確認された。 生活インフラからゲームセンターまでマスター達の生活を守れ! 最大4人のマスターと協力して、「バグ」と呼ばれる敵と戦う。 60秒+120秒にわたって襲来する集団を撃退した後、続いて240秒の時間内にボスを討伐する事が出来れば勝利となる(つまりゲーム時間は420秒)。 WAVE1は小バグ×8体、WAVE2は中バグ×8体、WAVE3は中バグ×4体+大型バグ(レイドボス)×1体。 青いバグは近接武器、赤いバグは遠距離武器が有効。 いずれも倒されるとリスポーンするが、通常のジェムバトルで神姫を倒した場合と同様、 倒された後も当たり判定が数秒ほど残っている。 小型バグ中型バグのサーチ範囲は片手ライトガンの射程(0.20)と同じくらいの模様。 ターゲット変更ボタンは通常のジェムバトルと働きが違い、 基本的にレバー上側が最も近い相手、下側が最も遠い相手からそれぞれロックオンしていく。 ボスには5箇所の部位があり、うち4箇所は破壊すると一定時間ダウン(行動不能)する。 部位によって有効な武器種が異なる事に注意。 攻撃範囲が広い武器で攻撃すれば、一度に複数の部位にHITする。 仲間の神姫と同じ敵をロックオンすると、攻撃にダメージボーナスが追加される。 (2人で+20%、3人で+40%、4人で+60%) 回復・補助武器で仲間に攻撃を当てると、仲間のLPを回復させる事が出来る。現状では… 「オルフェウス」(イーアネイラ) 「マルレーン712[C]」(シュメッターリング) 「ホーリーエコー」(ハーモニーグレイス) の追加武器3種となっている。 (ブライトフェザーのバスターシュリンジやスタンショッカーも適合しそうなものなのだが……) バグ、ボス共に「防御力ダウン」等のデバフ系スキルの効果を受けるが、効果がどれくれいかは不明。 「状態異常スタン」等一部のスキルは効果を受けない。 なお、このバグは「武装神姫R」の世界から流入してきたものである事が判明している(エーデルワイスの項も参照)。 集団の姿はプチマスィーンに、ボスの姿は「グラディウス」シリーズのダッカーに類似する。 ビジュアルイメージに対し体躯がかなり大きいのは、おそらく誤射防止のためか。 NPCとして「謎のエーデルワイス型」が登場。参加プレイヤーが一人か三人の時に戦場に姿を現す。 ステータスはLV60かLV100の模様。AIは他のジェムバトルと同じ。 なお、武装神姫Rの設定もあり、エーデルワイス用武装の防御力に少量のバフが掛かっている。 ジェム回収ボタンの仕様が変更されており、レイドバトルでは撃破された仲間にジェム回収範囲を当てることで、再出撃までの交代時間を短縮することがでる。 (レイドバトルはジェムバトルより再出撃までの時間が倍近く長くなっている) レイドバトル中は仲間をロックオンできず、画面タッチでのみロックオンすることができる。 また、ロックオンせずともジェム回収範囲が当たればOK。 ジェム回収展開速度は他のジェムバトルと同じ仕様。 チャットボタンのタッチによって他マスターへメッセージを送る事が可能。 メッセージ内容は「よろしんき」「ありがとう」「たすけて」「グッジョブ」「武装神姫」の5種類固定で設定されている。 マップ 神殿に近いが、神殿よりもオブジェクトが減ってほぼ更地と化している。そしてMAP全体が闇に包まれており… 近接バグは上に攻撃できないため、MAP四つ角にある背の高い柱に乗れば近接バグからの攻撃が届かずに済む。 難易度設定 「初級」と「上級」の二種類がある。 ※所属リーグに関係なく、他のバトルモード(マッチング)と共有しない。 「初級」はエンジョイジェムバトルと同じく、武装LVが20に強制統一される。 「上級」には武装LVの強制統一などはない。敵のLVは所属リーグに影響されない。LV100相応。 攻略 同時ロックオン補正があるが、それ以上に武器補正ダメージボーナスの方が大きいです! 例) 誰もロックオンしていない近接バグに遠距離攻撃>4人全員がロックオンした近接バグ(+60%)に近接攻撃 初級編 近接攻撃の立ち回り 元々ハイリスクローリターンなカテゴリーだが、バグ相手ではさらに分が悪くなってしまう。 小型中型の近接バグのDPSがかなり高く、こちらからの武器補正もないのでまずダメージレース負けする。 殴りあうと損害がとんでもなく大きくなるので、基本的に相手にしないのが良いのだが、逃げ切るのは不可能。 報酬は諦めて柱に乗ってひたすらやり過ごすのも手だが、WAVE3では通用しない。 正直レイドボスよりも中型近接バグをどう対処できるかがクリアに繋がっていると言っても過言ではない。 もちろんレイドボスも厄介。どの攻撃も強烈で、長時間殴れることはほぼない。 ウェポンやボディに攻撃が届かない ダメージボーナスがないので、攻撃する箇所はほぼ脚のみとなる。(回し蹴りと後ろ蹴りの軸足になっている左脚が狙いやすい) 遠距離武器の立ち回り このバトルでの大切なダメージ源。遠距離から攻撃できるというだけでどれだけ楽に立ち回れるかが分かるだろう。 とりあえずヴァッサーマン・D-MPやFB256 1.2mm滑腔砲等の射程が長い武器で観察と攻撃を繰り返してレイドバトルの経験を積もう。 ただ射程が長い=DPSが低いなので、ある程度慣れてきたらDPSに優れた片手ライトガンを装備しよう。中でもポーレンホ-ミングがオススメ。典型的なPLには当たり難いがCOMには当たり易いという性質が理由。装弾数を3にすればかなりのDPSになる。 10/7から再開された際にはバグステータスに調整が入り多段hit系の射撃武器は装備構成次第でかなり与ダメージが減少するよう調整されたので考えもなしにポーレンホーミングを使うと泣きを見る羽目になる。近接バグも割りと固まって襲って来やすくなったので爆風付きの腰持ちヘビーガンには追い風となっている。 上級編 近接攻撃の立ち回り 基本は初級と同じだが、よりダメージレース負けしやすい。 初級では他の近接武器カテゴリーでクリアできるが、上級ではほぼ双頭刃斬撃武器一択。 遠距離武器の立ち回り 必要なダメージ量が増えたので生半可な武器ではタイムアップする。 やはり装弾数を3にしたポーレンホ-ミングがオススメとなる。耐近接攻撃があってリロードが高速化するフォートブラッグもオススメ。 しかもお互いにシナジーがあるので、とりあえず困ったらフォートブラッグに装弾数を3にしたポーレンホ-ミングで良い。というかそれ以外だとかなり難易度が上がる。 WAVE1 60秒と短い上に敵が最大6体しかMAPに存在できないので、最大報酬まで獲得するのは結構難しい。撃破したらすぐ別のバグを狙おう。 遠距離バグの攻撃ダメージはしょぼいので無視して良い。 60秒経てば次のWAVEに進む MAP下側に遠距離武器持ちバグが出現しないので、最悪MAP下側の柱の上に乗ってるだけでも良かったり。 約15秒経過すると40秒間MAP左上にスキルポッドが出現する。 WAVE2 120秒間ひたすら近接バグを凌ぐ。 理論上四人でMAP中央に居続ければどのバグも起動させずに済ませられるが、COMが一人でも入るとアウト。 自信がなければやはり柱の上に乗るのが一番。すぐ隣の遠距離バグから常に攻撃されるので、ガードで対処しよう。オススメはMAP左上。 約20秒経過すると40秒間MAP左上にLPポッドが出現する。 約75秒経過すると40秒間MAP左上にスキルポッドが出現する。 WAVE3 240秒の間にレイドボスを撃破すればクリア。 約60秒経過すると40秒間MAP左上にLPポッドが出現する。 約120秒経過すると40秒間MAP左上にスキルポッドが出現する。 バグ・ボス情報 小型バグ WAVE1のみに出現。 WAVE1開始時の近接バグは、開始一秒時点で自身から一番遠かった神姫のみ狙うAIになっている? 増援の近接バグは、サーチ範囲に一番最初に入った神姫のみ狙うAIになっている。 遠距離バグは、サーチ範囲に入った神姫(複数いる場合は一番近い神姫)を狙うAIになっている。 最初に出てくるバグなだけあって火力も耐久も控えめかと思いきや、近接バグが結構油断ならない。 攻撃頻度がこちらの近接攻撃なみに速く、見た目以上のいんちきくさい攻撃範囲を持っている。しかもダメージもそこそこある。 一度取り付かれて攻撃モーションに入られたらダメージは避けられないと思って良い。 初級 ス 体 500? ? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 近接攻撃 ? 0.1? 遠距離攻撃 ? 0.25? 80? 上級 ス 体 500? 5000? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 近接攻撃 300? 0.1? 遠距離攻撃 100? 0.25? 80? 中型バグ WAVE2とWAVE3に出現。 WAVE2WAVE3開始時の近接バグは、バトル開始時点で自身に一番近かった神姫のみ狙うAIになっている。 WAVE2増援の近接バグは、サーチ範囲に一番最初に入った神姫のみ狙うAIになっている。 WAVE3増援の近接バグは、バトル開始時点で自身に一番近かった神姫のみ狙うAIになっている。 遠距離バグはどちらのWAVEも、サーチ範囲に入った神姫(複数いる場合は一番近い神姫)を狙うAIになっている。 小型バグの倍近い耐久と火力。 一回のダメージがそれなりにあり、複数出てくるのもあってダメージが積み重なりやすい。 背丈が神姫とほぼ同じだが、横幅が神姫三人分・空中に浮いているとあって、かなり大きく見える。 複数の攻撃タイプがいるが、中でも近接バグが厄介。 0.3秒~0.5秒とリキャストが速く、見た目通りの判定もあって近寄られると危険。ただし遠近バグ共に地上リアの挙動と同じ為、ホバリングを続けれる限りは近接バグの攻撃は届かない為安全である。 特にWAVE3はMAP真ん中に出現・増援するため、起動させないよう立ち回るのは不可能に近い。 上級をクリアするにはこの近接バグをどれだけ上手く対処できるかにかかっている。 初級 ス 体 500? ? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 近接攻撃 ? 0.07? 零神のMVソードに類似。WAVE3にも出現 レーザー ? 0.25? 80? 貫通属性。WAVE2ではMAP左下と右下を担当。WAVE3にも出現 ヘビーガン ? 0.25? 60? WAVE2ではMAP右上を担当。誘導が良い ガトリング ? 0.25? 60? WAVE2ではMAP左上を担当 上級 ス 体 500? 7500? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 近接攻撃 500? 0.07? 零神のMVソードに類似。WAVE3にも出現 レーザー 500? 0.25? 80? 貫通属性。WAVE2ではMAP左下と右下を担当。WAVE3にも出現 ヘビーガン 400? 0.25? 60? WAVE2ではMAP右上を担当。誘導が良い ガトリング 100? 0.25? 60? WAVE2ではMAP左上を担当 大型バグ(レイドボス) 3WAVEに出現。 とにかくでかく、その巨体に見合った耐久と火力を誇る。 いずれの攻撃もダメージが大きく、近接攻撃の大半が予備動作がないのでガードは不可能。 しかも位置取りによっては一部の近接攻撃がボディに届かないので、基本的には遠距離武器の射程ギリギリから攻撃するのが安定になる。 「右脚」「左脚」「ボディ」「ウェポン」「頭」の五つから構成されている。「ボディ」以外は破壊可能。 破壊した部位に攻撃を当てると、通常よりもダメージボーナスが入る。 初級 部位 体 備考 右脚 30000? 近接武器でダメージボーナス有り 左脚 30000? 近接武器でダメージボーナス有り ボディ ? ウェポン 30000? 頭 30000? 遠距離武器でダメージボーナス有り 総合体力 120000~200000? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 後ろ足で蹴る ? ? 右足で後ろに蹴りを二回。 回し蹴り ? ? 少しため動作をした後、左足を軸に右足で時計回りに一回転回し蹴り。 突進 ? 0.5? ? まっすぐ突っ込む。二回連続で突進する場合も。 レーザー ? 0.25? 80? 頭をかがめる動作をした後、ボディとウェポンの接続部からレーザーを4連射。銃口補正があまりないので、少し離れれば直角に歩いて避けれる。貫通属性 主砲 ? 無限 60? ウェポンから誘導する弾を一発。誘導性能がとても高く、股下にいても飛んでくる。 上級 部位 体 備考 右脚 150000? 近接武器でダメージボーナス有り 左脚 150000? 近接武器でダメージボーナス有り ボディ ? ウェポン 150000? 頭 150000? 遠距離武器でダメージボーナス有り 総合体力 600000~750000? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 後ろ足で蹴る 1000? ? 右足で後ろに蹴りを二回。 回し蹴り 1200? ? 少しため動作をした後、左足を軸に右足で時計回りに一回転回し蹴り。 突進 1000? 0.5? ? まっすぐ突っ込む。二回連続で突進する場合も。 レーザー 1300? 0.25? 80? 頭をかがめる動作をした後、ボディとウェポンの接続部からレーザーを4連射。 主砲 1500? 無限 60? ウェポンから誘導する弾を一発。誘導性能がとても高く、股下にいても飛んでくる。 報酬 バトル参加報酬として初級は【Rネジ】×10個、上級は【Rネジ】×20個獲得できる。 WAVE1の小バグ、WAVE2の中バグを撃破する事で、一定の確率でご褒美(コンテナ)が貰える。 WAVE3は中バグの撃破数は関係なく、レイドボスの部位を破壊するごとに(最大4つ)、レイドボスを早く討伐するほど(残り150秒を切ると10秒毎に-1つ?)多くのご褒美が貰える。 レイドボスを倒せなくとも、WAVE1WAVE2に獲得した報酬と、レイドボスの部位破壊をした数の報酬は貰える。 この時点で噂されていたバトコンオリジナル神姫「闇神姫」については、レイドボスバトル(常設)にて実装された。 アップデート履歴 日時:2021.08.18 内容:期間限定イベントとして追加実装。 今回はオンライン初級・上級のみで、オフラインの実装は見送られている。 日時:2021.07.16~18 内容:公式ロケテスト。なおこれに伴い、飛鳥の先行参戦が発表されている。飛鳥とレイドボスの関係はまったくないとの事。 コメント ソロならN SR SRかな。NPCの一人編成にスキルのカーテンコールは有効なのか? -- 名無しさん (2021-08-19 04 30 09) 有効みたいですよー。控えがシュメッターリング2人ならURでも最出撃までの時間が4秒になるので、かなり有効ですよ。 -- 名無しさん (2021-08-19 07 19 59) 期間限定のイベントであってもこれ常時実装させるなら一部の武装とスキル見なおさないと其一択になるような…と言うか協力プレーだから成果は全体で共有であっても一人が大暴れする流れはもうそれオンラインでやる必要性がないようなと思える -- 名無しさん (2021-08-31 23 20 32) 名前 コメント
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注意:この話はエロ・グロ・神姫破壊が含まれた打ちっ放し短編です。それでもいいよとおっしゃられる方はどうぞ。 連続神姫ラジオ 浸食機械 ~ファタモルガナ~ 1:末路 「そーれ」 少女の軽快なかけ声と共に空を切る音が響く。続いてグチュっと言う音と 「ひぎゃぁう」 奇妙な叫び声があがった。 「大命中、やっぱり私はすごいね、マスター」 先ほどかけ声をあげた少女が振り返り僕に語りかける。少女と言っても彼女はニンゲンでは無かった。全長16センチの機械仕掛け、武装神姫と呼ばれるロボットである。彼女はカブトムシをモチーフにしたランサメント型と呼ばれるタイプだ。しかし彼女は製品版とはカラーリングが異なっている。武装はシルクのような光沢のある白に塗られている。素体も白をを基調として所々に黒や金が使われていた。腰まであろうかという髪は青みがかった黒で、リボンでポニーテールにまとめられていた。 「ねえねえ、次はどれをいってみようか?やっぱり派手にどばーって出る方がいいかな」 彼女の足下には彼女ほどのサイズのナイフや釘が乱雑に散らばっていた。彼女は今までこれを「的」に投げて刺す遊びをしていたのだ。ちなみに勝率はなかなかのものである。 「マヤ、しばらく待ってくれ。彼女と話がしたいから」 マヤと呼ばれた神姫は少し不満げに頬をふくらませたが、分かったと答えて手に持っていた千枚通しを床に置いた。僕はそれを見届けると机の上の瓶を手に「的」に近づいていった。 「気分はどう?お友達のことが心配でここに来たみたいだけど技量は考えた方がいいよ」 「的」は、壁に手足を埋め込まれ、服を破かれ半裸になった少女はこちらにおびえた様な目を向けるばかりで答える様子はない。白い張りのある肌に何カ所もナイフや釘が突き刺さりだいぶ出血しているのだから答える気力も無いのかもしれない。もっとも、背中に生命維持のためのチューブを何本もつないでいるのだ。そこから送られる薬品のおかげで、まあ、とりあえずすぐ死ぬことはないだろう。 「まあ、どうでもいいけど。そうそう、ここに連れてこられたとき自分の神姫、確かヴィクターちゃんだっけ?のことすごく心配してたねよね、だから連れてきてあげたよ」 僕の差し出した瓶の中身を見て彼女は目を見開く。瓶の中には彼女の神姫であるオールベルンパール型のヴィクターが入れられていた。武装を外され、薔薇シフォンに身を包んだ彼女は四肢を金の鎖で絡め取られ、足を大きく広げた姿で瓶の中に閉じ込められていた。 「ヴィクター!」 痛いだろうに無理矢理身ををよじり少女は自分の神姫の名前を叫ぶ。しかしヴィクターは目を閉じたまま動かない。 「スリープモードのままだったね、ごめんごめん」 僕はヴィクターに送っていた彼女を眠らせる電波を止める。すぐに彼女は目を覚ました。そして目の前に広がる自分のマスターの惨状を見てその表情が怒りに染まる。振り向いて僕を見つけると飛びかかろうとでもしたのだろうか、身をよじるが鎖にからめとられて動くことができない。それでも構うことなく僕の方に向かってこようとする。鎖を切れない身をよじり、殺してやると叫びながら。 「殺すんなら一撃でやってくれなきゃお断りだよ。もっともその機会はないだろうけどね」 叫び続ける彼女の入った瓶を机の上に置くとマヤがその周囲にカメラを設置していく。 「い、一体何する気?ヴィクターにはひどいことしないで」 残念だけどそれは無理な話だ。負けがかさんだ友達を救いにやってきた彼女を美馬坂は許すなと言った。お友達はお友達でひどい目に遭っているが彼女もまたひどい目にあう、彼女の神姫と一緒というのがまあ、救いか。 僕はヴィクターの入った瓶にポケットから取り出したものを入れる。それは蛇だった。神姫サイズにミニチュア化されたアナコンダが三匹。もちろん本物ではないが面白い機能として体内のカプセルを対象に射出できると言う機能がある。そのカプセルの中にはこれまたミニチュアの蛇が何匹も入っている。つまりこれを使えば神姫の受胎、産卵ショーが楽しめるというわけである。 蛇に巻き付かれおぞましさに顔をゆがめるヴィクター、それを見て必死に彼女の名を叫ぶ少女だがその声は突然の殴打により止んだ。部屋に男達が入ってきた、仮面をつけ、手には様々な器具を持っている。彼女を殴ったのはその男達の一人だ。恐怖におびえ、声も出せない彼女を男達が取り囲んだ・・・ 蛇に身をまさぐられるおぞましさを感じるヴィクターだったが主のピンチと僕への怒りから気丈な表情を向けてくる。しかし蛇の一匹が彼女の秘所に潜り込もうとするとさすがに表情が変わった。肝心なところはスカートで隠れているが本能的に恐怖を感じるのだろう。膝をもぞもぞさせるが蛇を防ぐことなどできない。 「いや、やめて!」 そうヴィクターが叫んだとき、部屋の壁が明るく光る。壁にはモニターが埋め込まれており彼女の痴態が大画面に表示される。呆然としたヴィクターが嫌々と首を振り鎖につながれた手足を振り回すが無駄なあがきだった。存分に彼女の腹上を満喫した蛇はやがてカプセルの射出を始める。ドレスの腹の部分がふくらみまるで妊婦のようになった。その頃になるとこちらの様子に気がついたのか男達の何名かがこちらにやってきて彼女の痴態を眺める。その股間は一様に怒張していた。 「良かったわね、あなたのこと見てみんな興奮してくれてるわよ。いっぱいかけてもらうといいわ」 マヤの言葉に美馬坂の根回しが効いているのか男達は彼女の痴態をおかずに自慰を始める。ヴィクターが自分の運命に気がつき妊娠しながらもそれはやめてくれと懇願するがそんな彼女の顔に早速白濁がぶちまけられる。射精は続き、ドレスはカウパーでべったりと肌に張り付き彼女の美しい胸や腹のラインを浮きだたせている。そんな彼女に興奮したのか注がれた精液は彼女の膝ほどになった。 うつむいて小声で殺してやるとつぶやく彼女にマヤが声をかけた。 「ねえ、さっき産み付けられた卵だけどさ、あれって温度が一定になったら孵化するのよね」 その声に瓶の口を向いた彼女の顔にこれ以上ないと言った絶望的な表情が浮かぶ。 「元気な赤ちゃん、産んでね」 「いやぁぁぁぁ!蛇のママになんかなりたくない、マスター、ねぇ助けて、マスターぁ!」 ついに弱音を吐き出した彼女だが無情にもその腹がもぞもぞと動き始めた。産まれるのだ。 「お願いやめて出てこないで、助けてマスター、助けてよ、うぁぁぁああああん」 泣きじゃくり、もがく彼女のスカートからゾルッという音と共に蛇が落ちてくる。ヴィクターが悲鳴を上げ、それを境にどぼどぼと蛇の子が生まれていく。その光景が引き金になったのかさらに男達がオーガズムに達し、滝のような精液が注がれていく。生まれた子蛇は母乳を求めてか早速彼女の胸に群がっていく。出産のショックで、精液の雨も小蛇たちの乳辱もほうけた顔で受け止めるヴィクター。そして腹があいたことを悟った二匹目の蛇が彼女の腹の中へと潜り込んでいった。 戻る
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戻る トップへ 私の名前は田端 神楽。読書と妄想が趣味のピッチピチ高校一年生。 実家は山形の奥の方で、今は実家を離れ一人でアパートに住んでいる。 築何年かとか家賃とかは忘れた。全部親がやってくれたから。感謝。 ただ一つ覚えているのは、一人暮らしに十分な広さを持つ部屋だと言う事。 私の部屋が二階にある事と端から二番目だと言う事。 そして、隣の部屋の住人は同じ高校の生徒だと言う事。 そして、彼女とは読書仲間である事。 最後に、その彼女が熱を出して寝込んでいると言う事。 もひとつ最後に、今私が居るのはその彼女の部屋の扉の前と言う事。 トントン。 「田端か」 ノックとほぼ同時。嘘。少しして扉が開かれた。 この部屋の住人、戸坂 加奈美は容姿端麗素行良法、ないすばでいの美少女だ。 特徴は腰まで届く黒髪に、大きな胸。 その姿は一度見てしまえば忘れられない、そんな美味しそうなおんなのこであるはずなのだが。 「加奈美、暫く見ないうちに男みたいに」 「何ボケてんだ。とっとと入れよ」 何故かそこにいたのは短い髪をぼさぼさにした眼つきの悪い不良少年、越裏宗太だった。 何故彼がここにいるのか。もしや加奈美とあーんなことやこーんなことをしていたというのか。 「いらっしゃい、神楽……横になったままで御免なさいね」 古本屋でも開けそうな本の山。 本の山に埋もれるように加奈美は布団の中で横たわっていた。 「気にしない」 台所に立ちつくす宗太を横目に加奈美に近づく。 といっても三歩もあるけば加奈美の枕元に到着だ。 「具合は」 「ちょっと熱があるくらい……そんなに辛くはないわ」 そうは言うがな、大佐。 加奈美の頬は赤く染まり、瞳は潤んでいる。 そしてそのしなやかな肢体は布団に隠れて分らないが、襟元を見ればピンク色の寝巻を纏っているのが分る。 規則正しく上下する胸の膨らみが寝巻の襟もとから垣間見えてしまって、私の精神は臨界点を突破しそうな勢いだ。 「熱は37度弱……まぁ何時ものと同じだ」 この朴念仁め、この好機に何を悠長な事を抜かしているか。 こういう場合は部屋を訪ねて直ぐにいただきマンモス、ごちそうさマンマするのがフツーだろうに。 欲をいえば一通り終わって一息ついた頃に私が訪ねて二人であたふたして欲しい。 そうすれば私も長年の夢だった「お邪魔虫はとっとと出て行く」とか「お楽しみの途中だった」とか言えるのに。 と、そこまで考えてある事に気付いた。 「……この時期に珍しい」 加奈美は生まれつき病弱だ。出会ったのは今年だから詳しくは知らないけども。 それでも、この半年間の間に4回は寝込んでいる。 だけどそれにもある程度の法則がある。 「寒暖の差は無い……」 加奈美は季節の変わり目に決まって体調を崩す。 それは短い付き合いなれど完全に完璧に究極に熟知している。 それが、こんな気候が安定して冬にゆっくり向かう季節に熱を出すなんて、原因は激しい運動で汗たっぷりかいたとしか思いつかない。 「ええと……その……」 「まぁ、アレが原因だろうなぁ」 この反応は一体なんだ。 加奈美は恥ずかしそうに口ごもり、宗太は苦笑交じりに呟いている。 これはやはりアレか。ついに幼馴染という鎖から解き放たれたとみてよろしいですね。 「昨日な、こいつ俺と」 「宗太、あんまり詳しく話さないでよ……」 これは完全完璧究極にアレしかないじゃないですか。 同意と見てよろしいですね? 「神姫バトルしてよぉ、勝ちやがったんだよ。それで嬉しさの余りぴょんぴょん飛び跳ねてよぉ」 「……はしゃぎすぎちゃったみたい」 つまんねー。 ていうか加奈美さん、貴女子供ですか、二つの意味で。 期待して損した。ていうかこの二人がそう簡単に一線越える訳無いか。 「んじゃ、後は任せて良いか?」 このウスラトンカチめ、幼馴染の部屋に来て何もしないで帰るとは何事か。 「ええ、悪いわね宗太。今日もバイトあるんでしょう?」 「今日は休日だし、少しくらい遅れても構わねぇさ。じゃ、速く直せよ」 ちっ。加奈美の寂しそうな視線やら言葉に気付かないとはとんだフラグクラッシャーよ。 これだから男は嫌だ嫌だ。 「加奈美、汗は」 とりあえず、今は加奈美と密室に二人っきりという事象を受け入れ喜ぼう。 「ええ、少し……」 そうは言うがな、大佐。 布団越しから見てもピンクの寝巻は大分汗を吸っているように見える。 ここはやはりアレを、伝家の宝刀アレをやるべきだ。 と、頭の中で鼻血を噴き出していたその時だ。 ピピピピピピピ―――。 とっても機械的なアラームが鳴り響いたのは。 「ああ、ごめんなさいね」 身体を起こそうとしたので手を貸した。 その際、加奈美の体臭が鼻孔を擽った。やば、鼻血でそう。 そんな事とは露知らず、加奈美は本の山を枕もと周辺だけ崩した。 すると、何と言う事だろう。そこにはどうみても武装神姫が埋もれていたのだ。 「おはよう、シルフィ」 「おはよう、主」 その神姫は、クレイドルから颯爽と起き上がると加奈美に向かってそう言った。 「お客人か」 エウクランテ型と見えるその神姫は私を認めるとクレイドルから降りて、私の前に歩み出た。 「私はシルフィ。見ての通り、加奈美の武装神姫だ」 「田端神楽。加奈美のトモダチ」 「神楽殿、とお呼びしてよろしいか?」 「シルフィと呼んでも」 「ああ、私は構わない。では、今後ともよろしく。神楽殿」 「こちらこそ」 そういえば、加奈美から神姫を買ったと言うメールが来ていた。 このシルフィが件の神姫か。 加奈美に似て、とても美味しそうな神姫だ。 「二人とも、仲良くなれそうね」 加奈美が床に潜り込みながら言った。 そういえば加奈美は病人だった。 私はその看病をしにここに来ていたのだった。 「……主、具合が悪いのか?」 「ええ、昨日の夜、シルフィが寝た後に熱が出ちゃってね」 「主よ……何故私を起こさなかったのだ? 例え神姫の身と言えど、手伝いくらいは出来た筈だ」 「シルフィが気持ちよさそうに寝ていたものだから、起こしたら悪いと思ったの」 「そんなもの、主の事とは比べるまでも無いではないか」 「そう? これくらいならいつもの事だから、シルフィを起こすまでも無いと思ったんだけど……」 「そこまで」 この二人、仲が良いのは良く分かった。 だけど、ほっとくと何時までもエンドレスしそうだから早めにきりあげるとしよう。 そして、めくるめく夢のお仕事を私にやらせて頂こうか。 「加奈美の汗、拭く」 「お願いしていいかしら?」 加奈美の言葉に、無言で頷いて答える。 「私も、何か手伝おう」 シルフィが力強く言った。なるほど、この子はかなり責任感が強い娘のようだ。 しかし、神姫に出来る事は限りがある。 確かにそれだけちっちゃければあーんな事やこーんな事が自由自在だろう。 だけど、今の様な場面ではそれはデメリットにしかなりえない。 加奈美もそれを察してか、少し気まずそうな視線を泳がしている。 「案ずるな。私にはヘンデルがある」 そう胸を張りながらシルフィは言い放ち、部屋の片隅に鎮座する外骨格を纏った。 なるほど、それならまぁまぁ邪魔にはならない。 加奈美もそれを考えてか、私に視線を向けてくる。 そんな熱い視線を向けられると、色んなところがオーバーロードしそうだ。 「問題無い」 シルフィと、そして暗に加奈美に応えて軽く頷いて見せる。 ああ、加奈美が嬉しそうに笑っている。やば、色々爆発しそう。 「タオルを」 「了解した」 シルフィには汗を拭く為のタオルを頼むとして、私はぬるま湯を用意するとしよう。 台所にある薬缶に水を入れ、火にかける。 熱すぎてもぬるすぎてもいけない。万が一熱湯になれば加奈美の柔肌を傷つける事になるのだから。 「神楽殿、タオルはこれでよろしいか」 タオルを抱えたシルフィが戻ってきた。 神姫にしては大きく、人間からしたら大した大きさでは無いハンドタオルだ。 「ぐっ」 親指を立ててシルフィを肯定する。 それと同時にコンロの火を止めて、中を覗く。 温度は多分、50度くらいか。 このままでは少し熱すぎるだろう。 「洗面器を」 「了解した」 お湯を張る洗面器はシルフィに頼んだ。 だけど、それすらも時間稼ぎにはならないだろう。 薬缶の中を再び覗いてみたが、いい温度になるにはまだまだ時間がかかりそうだ。 「神楽殿、洗面器はこれで、よろしいか」 お風呂場の方からよたよたしながらシルフィがやってきた。 ヘンデルを介してもなお大きな洗面器を抱えているシルフィは、なんだかとっても微笑ましい。 「もらう」 それを直に受け取り、キッチンのテーブルの上に置く。 置いた洗面器の中に、薬缶で熱したお湯を移し変える。 洗面器の中のお湯はもうもうと湯気を噴き出している。 控えめに見ても、50度以上ある。 ……おかしいな。 「どうされた、神楽殿」 「お湯が冷めるまで待つ」 「了解した」 さて、ここでお湯に水入れて冷ましても良いけど、それはそれで面倒くさい。 ここは、ここぞとばかりに加奈美との時間を満喫しよう。 「何か飲みたいものは」 「そうね……温かい紅茶が飲みたいわ」 「分かった」 加奈美の飲みたそうなものは、大抵頭に入っていて、我が家にストックがある。 加奈美の部屋から私の部屋まで五秒もかからない。 速攻で取ってこれる。 「ああ、それとウィンとレミンにも会いたいわ」 「……分かった」 加奈美の声を背に受けて、私は加奈美の部屋を飛び出した。 外に出て一歩二歩三歩で私の部屋。 加奈美が待っている。一刻でも時間が惜しい。 この前通販で取り寄せた茶葉があった筈だ。 とりあえず、食器棚辺りからひっくり返してみよう。 「あの……司令官」 食器棚の引き出しを引っ張りだし、ひっくり返した時。 不意に背後あたりから声がかかった。 普通の人間なら聞き逃してしまいそうな声、私も危うく聞き逃してしまいそうな声。 振り返れば、そこには気弱そうに佇むヴォッフェバニーの姿が、私の第一神姫ウィンの姿が、茶葉の缶の隣に有った。 「良く分かった」 自分で言うのも何だが、私は色々なモノを無くす。 その度に部屋中引っ掻き回す事になる。 そんな折、ウィンは一番速く探し物を見つけだす。 場合によっては探し始める前に見つけ出す。今の様に。 「自分、ウサギですから……」 兎型のウィンは当然集音能力が高い。一戸隣の加奈美の部屋での会話も筒抜けだろう。 「……行く」 ジョルジの缶を開け、中の香りを一息吸い込む。 ああ、加奈美の喜ぶ顔が目に浮かぶ。 「あ、はい。お気を付けて」 相も変わらず気弱そうにウィンは言った。 さっきの会話を聞いていたならば分かることなのに。 謙虚さもここまで来るとダメダメだ。 「ウィンも」 「え? ……あ、はい!? わかりました!? 」 ウィンを頭の上に乗せて、加奈美の元へと急ぐ。 「あれ、司令官と隊長、お出かけッスか? 」 私の布団の上、雑誌を読みながらレミンが言った。 何時もなら構ってやる所だけど、今はその暇すらも惜しい。 「留守番」 そう言い残し、私は駆け出した。 「自分も行きたいッス!」 レミンがそう叫ぶころには、私は加奈美の部屋に舞い戻っていた。 「おかえり、神楽」 そんな私を出迎えてくれる加奈美の声。 甘くて、優しいその声の主に思わず抱き着きたくなるけど相手は病人、自重しよう。 「それにウィン、久しぶり」 その言葉を受けたウィンはさぞかし嬉しそうな顔をしているのだろう。 頭の上に居るウィンの表情を窺い知ることはできないが、余裕で分る。 少し妬ける。 「神楽殿は素早いのだな」 どうやってそこまで登ったのか、シルフィは台所のテーブルの上に居た。 「挨拶」 ジョルジの詰まった缶を台所に置き、頭の上に声を掛ける。 「シルフィさん……ですね。私はウィン、見ての通り司令官の神姫です……よろしく」 少し声が小さいけど、これだけ言えれば充分だろう 「こちらこそ、よろしくウィン殿。時に、何故私の名を?」 「私、ウサギ型だけに耳が良いんです……御隣でずっと聞いてましたから……」 「そうか、そうなのか……少し、気恥しいな」 「あぅ……ごめんなさい」 「いや、気にしないで欲しい」 ……内向的なウィンがここまで会話するとは、例え相手が神姫で合っても珍しい。 趣味の会うパーシでさえここまで会話は弾まないのに。 まぁ、パーシの場合の問題点はウィンにあるとは思わないが。 「シルフィは誰とでも仲良くなれるのね。嬉しいわ」 加奈美が嬉しいのなら私も嬉しい。 もとい、シルフィにはそういう人づき合いの才能があるのではないだろうか。 流石は加奈美の武装神姫だ。 「あぁ、そうだ。神楽殿」 照れくさそうにシルフィが言った。 「お湯は良い加減だと思うのだが、どうだろう」 シルフィに促されるまま、洗面器を覗いてみれば、成程。湯気の量からしてお湯の温度はそれほど高くなさそうだ。 これなら加奈美の汗ふきフィーバータイムにも使えるだろう。 だがしかし、私は加奈美のリクエストである紅茶も淹れなければならない。 加奈美は平然と会話をしていて忘れそうになるが、立派な病人だ。 熱もあるし、汗もかいている。早急に着替えさせなければまずい。 だが、加奈美自身が紅茶を飲みたいとも言っている。 病は気からと言うし、この紅茶で快復に向かう可能性も十分ある。 しかし、紅茶は何かと手間がかかるモノだ。 ただティーポッドに葉とお湯を入れて終わり、という訳では無い。 一つ言える事は、紅茶の用意をすればこの洗面器の中のお湯は確実に水になると言う事だ。 こうなったら最後の手段だ。 「ウィン、シルフィと紅茶を」 加奈美の紅茶を私自身の手で淹れられないのは少々口惜しいが、加奈美の柔肌を直に触れる方が上だ。 「あ……はい、がんばってみます」 「紅茶か……淹れた事が無いのだが、大丈夫だろうか」 「大丈夫……簡単だから」 あとは若い二人に任せて、私は加奈美とのキャッキャウフフに専念しよう。 「加奈美。汗、拭く」 最初にそう宣言してから行動を開始する。 まずは洗面器とハンドタオル。タオルは腕に引っ掛けて、洗面器を両手でしっかり持つ。 「初めに……お湯を沸かすついでにカップとポットを温めます」 「了解した」 シルフィとウィンは着々と準備を始めている。 これなら、完全にお任せして良さそうだ。 私は頑張る二人を尻目に加奈美の枕元に向かう。途中、足元に散らばる本を踏まないよう注意しながら。 「寝巻は」 次に加奈美の着替えの用意だ。 加奈美自身の汗を拭いても、汗を吸った衣類をまた着ては何の意味もない。 「何時ものでお願い」 加奈美の返答に頷く事で返し、質素なタンスの引き出しを開ける。 そこに拡がっているのは、正に桃源郷。 加奈美が普段、身につけているであろう寝巻が山と詰め込まれているのだから。 この場に誰も居なければ、目の前の桃源郷に頭から突っ込む所だけど、そんな事すらも今は後回しだ。 加奈美のお気に入り、黄色い厚手の寝巻を取り出して引き出しを閉める。 次に、タンスの一番下の引き出しを開ける。 そこには加奈美の下着が詰まっている。 華美な訳では無い。それでも、どこか優雅な雰囲気を感じる下着の山。 中から無造作に一着、取りだす。 その時、手が震えていたのは気のせいだろう。 その時、鼻血が出そうだったのも気のせいだろう。 心の準備と着替えの準備を終えた私は、加奈美へと向き直る。 視線の端にシルフィとウィンの姿が写りこんだ。 ヘンデルを装着し、お湯を沸かすシルフィ。 小さな体を駆使して、カップを用意するウィン。 彼女達は、彼女達なりに仕事をこなしている。 私も、仕事をこなすとしよう。 「脱げる?」 内心のドキドキを隠しながら、平静を装って加奈美に問う。 「ええ、それくらいなら大丈夫よ」 加奈美は熱っぽい顔で、そう言った。 加奈美がそう言うのなら、私はただ見ているしかない。 私がそんな事を考えている間に、加奈美は寝巻のボタンを一つ、また一つを外し始めた。 加奈美が指を動かす度に、その陶器のように白い肌が露になる。 首、胸、お腹、おへそ。 そして、加奈美の上半身全てが露になった。 熱のせいか、それを隠そうとも恥ずがしがろうともしない加奈美のそれを見ない様、ハンドタオルにぬるま湯を染み込ませる。 そして、余分な水分を絞りとって形を綺麗に整える。 音も立てずに加奈美の背後に移動し、呼吸を整える。 何と無しに、台所に視線を向ける。 「それじゃあ……ポッドに茶葉を入れますから、直ぐにお湯を入れてください」 「了解した」 真剣に紅茶を淹れようとする二人。 二人とも、加奈美の為に真剣に頑張っている。 それなのに、この私が煩悩ごときに屈するわけにはいかない。 「背中、から」 声は震えていないだろうか。 「ええ、よろしくね」 指は震えていないだろうか。 「……ん」 そうして、加奈美の背中に、加奈美の皮膚に、加奈美自身に私は触れた。 例えタオル越しでも解る加奈美の気配。 今までこんな近くに居るのに、初めて気付いた加奈美のにおい。 今まで見ようしなかった、加奈美の火照った横顔。 それらが全てが、私の五感を侵略する。 それらは全ては、私の正気を蹂躙する。 ……待て待て待て待て待て。 今さっき煩悩如きに屈しないと誓ったじゃないか私。 加奈美に触れただけでこんな事じゃあダメだろう私。 こうなったら素数だ、素数を数えるんだ。 2,3,5,7,9,11,13,17,19,23,29……。 …………9は素数じゃない! 「ありがとう、神楽」 加奈美の一声で、私の意識は再び覚醒した。 煩悩に打ち勝つための無の境地作戦は、暴走の危険性こそ無いけどやってる最中の事を何も覚えていないのが欠点だ。 最も、加奈美に感謝されるだけで私の心の中は薔薇色だけど。 「……気にしない」 精神を再起動しながらも、私は何とか発声出来た。 まともに発音出来たのを褒めてやりたい。よしよし。 「……布団」 布団の上に上品に座る加奈美の膝まで、かけ布団をかける。 そこまでやって私はようやく落ち着いた。 ぼやける頭を奮い立たせて加奈美の汗をたっぷり吸ったハンドタオルを洗面器に沈める。 「あ……司令官、準備……出来ました」 「……そう」 か細い声でウィンが言った。 キッチンを見れば、お盆にティーポッドとティーカップを乗せる二人が見えた。 そして、シルフィはその盆を持ったまま、椅子やごみ箱を踏み台にしつ器用に床へと着地した。 「10点」 その華麗な体捌きに、私は10点満点の賛美を。 「……ヒヤヒヤしました」 ウィンは心底安心し、胸を撫で下ろした。 加奈美は加奈美で、その様子を楽しそうに眺めている。 とっても微笑ましい光景だが、加奈美は自分が病人だという事をもう少し自覚して欲しい。 そんな事を考えている間にも、シルフィはサクサクと歩みを進めていく。 彼女の姿が力強く見えるのは、ただ単にヘンデルを纏っているからではないだろう。 私は洗面器の縁をなでなでしながら、シルフィの勇姿を見学する。 真一文字に引き締められた唇、真剣な眼差し。 まるで戦士のような気迫を感じさせる半面、とてもほほえましいものも感じる。 そう、それはまるで親の手伝いをして、誉められるのを心待ちにする子供の様だ。 それはまるで、純粋な子供の純粋な善意の様だ。 それはまさに、純粋な騎士の純粋な忠誠の様だ。 どこまでも真っすぐで、どこまでも真っすぐに。 ただ主に喜んでほしい、ただ主に褒めてほしい。 それだけを望み、そのために頑張る。 だからその姿が、そのシルフィの姿が微笑ましく思うのかもしれない。 「シルフィ、もう少しよ」 加奈美の声に、シルフィの表情が綻んだ。 ああ、なんて心癒される空間だろうか。 「主よ……お待たせした……」 シルフィが加奈美の手前、残り数歩と言ったところか。 丁度私が二人の真ん中に居るような位置で、それは起きてしまった。 シルフィの気が緩んだのか、それとも足元に何かがあったのかは分らない。 ただ一つ確かな事は、シルフィが熱々の紅茶が乗っている盆を持ったまま、転んだという事。 その瞬間、シルフィの表情が一変し、絶望一色に染まった。 それと同時、加奈美の顔色も変った。 それはシルフィが失敗した自分を責めると見抜いているから。それを、見たくないからだろう。 「うわぁ!」 キッチンでウィンの悲鳴が響いた。 それを聞いた瞬間、私のスイッチが入った。 手元のハンドタオルを取り、立て膝の要領で一歩前に踏み出す。 そして、すぐさま身体を左に半転。 すると丁度、シルフィの手から離れた盆が私目掛けて飛んでくる体勢になる。 盆の上にあるのはティーポッドとティーカップ。その中で最も気をつけなくてはならないのはティーポッドだ。 中にはほぼ熱湯と言っても差支えない紅茶が詰まっているだろうそれを、万が一加奈美が被れば素で火傷だ。 だから、第一に私は持ったハンドタオルでティーポッドを包み込む。 それと同時にタオル越しに口を右手の人差指で、同じく親指で蓋を押える。 出口と入口を押さえてしまえば、紅茶は外に漏れる事は無い。ただ、口を押さえた指が凄く熱いけどそんな事は言ってられない。 次はカップだ。熱湯は入っていないとは言え、割れたりしたら破片が飛び散って、それで加奈美が怪我をするかもしれない。 気を利かせてくれたシルフィは、盆の上に私と加奈美の分のカップを乗せてくれている。 その心遣いに感謝しながら、左手の親指と人差し指で二つのカップを挟み取る。 ティーポットに比べれば、難易度は月とスッポンだ。 最後に、飛んできた盆をお腹で受け止めて膝で挟んで終了だ。 「……シルフィ、お疲れ」 「え……? あ……か、神楽殿!?」 シルフィに労いの言葉をかけてから、盆を床に降ろす。 その上にカップとポットを置いて、タオルを洗面器に戻す。 一応、カップに罅とか入ってないか確かめて、紅茶を注ぐ。 ……幾らしたっけなぁ。 「飲む」 「ええ、頂くわ」 加奈美が凄い優雅で華麗な動作で紅茶を一口含んだ。 何だろう。この胸のざわめきは……恋? 「美味しいわ、シルフィ」 まるで天女と女神と大地母神を足して3で割って10かけたような笑顔で加奈美は言った。 もう色々とオーバーヒート起こしてオーバーフリーズもしてしまいそうだ。 「あ、主……私は……」 シルフィがまるで叱られる子供のように口を開く。 なんだかそっち側の趣味に目覚めてしまいそうなくらい可愛いなぁ。 「シルフィ、ありがとう」 そんな眩しい笑顔でそんな事言われたら、私だったら卒倒するね。 「主……いや、当然のことをしたまでだ」 気丈にシルフィはそう言った。 けど、私からは見えた。シルフィが涙を拭うのを。 「加奈美、お大事に」 「ええ、ありがとうね。神楽」 あれから少し。 私は紅茶を一杯頂いたし、加奈美の具合も良くなって来たので帰る事にしたのだった。 「……お大事に」 私の頭の上でウィンが呟いた。 一番近い私でやっと聞こえる程度の声なのに、加奈美はそれを掬い上げる。 「ありがとう、ウィン。紅茶、美味しかったわ」 その言葉に、ウィンはえへへ、と嬉しそうに笑った。 「神楽殿……」 加奈美の肩の上でシルフィが何か言いたそうに呟いた。 彼女は起動間も無い武装神姫だ。こういう時に何と言っていいのか分からないのだろう。それは私に取っても同じだ。 ただ一つだけ違うとすれば、私は何をすれば良いのかが分かる事くらい。 「シルフィはいい子」 それが正解かどうかは分からない。 だけど私は、シルフィの頭を撫でて褒めてあげる事を選択した。 「……神楽殿、ウィン。今日はありがとう」 シルフィと加奈美の笑顔に見送られ、私は徒歩三歩の自宅へと帰還した。 「ふぅ……」 間取りは同じ、ただそこにいる人間だけが違う部屋。 隣の加奈美の部屋が本で溢れている様に、逆隣のあの人の部屋が神姫で溢れている様に、私の部屋は銃に囲まれている。 ウィンを頭に乗せたまま、布団に向かって身体を倒す。 「ぐぇ!」 布団の上でごろごろしていたレミンを押し潰し、私は布団にの上、俯せに突っ伏した。 ウィンは私が倒れる寸前に飛び降りて、私の顔を覗き込んでいる。 「司令官……音、拾いますか?」 横目で加奈美の部屋を捉えながらウィンが言った。 何時もなら、即座に肯定している所だけど。 「必要無い」 「……いいんですか?」 ウィンが怪訝そうに言った。 恐らく、ウィン自身が隣の様子が気になるのだろう。 「第四級警戒体制、異常発生時報告」 「了解です」 即座に敬礼をしたウィンは壁に寄り掛かり目を閉じる。 きっと壁の向こう側では、加奈美とシルフィが話をしている。 シルフィは多分、加奈美に謝っているだろう。 紅茶を溢しそうになった事を、役に立てなかった事を。 それを悔いるだろう。もしかしたら泣いているかもしれない。 だけど、加奈美はこう言うだろう。 シルフィは私の為にやってくれた。それだけで充分。結果なんて関係無い、と。 だから、私は聞く必要が無い。 「司令官、いきなり何するッスか!」 お腹の下からレミンが這い出て来るなり文句を言う。 だけど、私はそれに応えない。 その代わり、周りに散らばる拳銃の中からマウザーミリタリーを取り上げた。 グリップを握り、マガジンを詰め、セーフティを外し、トリガーを引く。 「ばん」 窓に向けられたマウザーが、がちゃりという虚しい音だけを撃ち出した。 右手の親指が、少し疼いた。 「……司令官」 不意に、ウィンが口を開いた。少しだけ、焦りの様なものが見える。 「加奈美に電話がかかってきました」 「相手は」 「小さくて良く分かりませんが……男性かと」 その単語に、身体が一瞬強張る。 馬鹿幼馴染にしても、今はバイト中でそんな余裕は無い。 「……あ」 とか何とか考える前に、間の抜けた声でウィンが言った。 「どうしたの」 「えーと……その……」 少しおどおどし、気まずそうにするウィン。 そして、意を決したようにこう言った。 「加奈美の……お爺様からでした」 私は近くにあったBB弾を手早くマガジンに装弾し、銃口をウィンに向けた。 「し、司令官!?」 「何事ッスか!?」 「誤情報は銃殺」 私の部屋に、乾いた発射音が木霊した。 トップへ 進む -
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樫坂家一家の設定 序幕終了時点 樫坂 脩 / 男 17歳 本編主人公。 時折突拍子も無い事を言ったり独り言を呟きまくったかと思えば黙り込んだりもする男子学生。 両親は共働きで母は大手航空会社のスチュワーデス、父は神姫関係の大手会社の社員でよく出張する。 たまに帰ってきて二人揃ったらあらゆる意味で目も当てられないバカップルらしい。 武装神姫は前から興味があったがなかなか踏ん切りがつかないでいた。 が、母からユイナが、遅れて父からシェラが届いたことで本格的に踏み出し始めることとなった。 ちなみに両親が稼いでそうなのになぜか自宅は普通、というかむしろ多少ボロい。そして脩は所持金が少なかったりする。のに良くギャンブルまがいの事をする悪癖がある。 神姫の名前は結構しょうもない理由で付けてしまう。あと実はCSCとかは深く考えないで装着していた。 更に、日ごろからやれば出来るのに……と言われている。実際頭はかなり良いが疲れるのと頭痛が起きる時があるのでやる気が無いと使わないし居眠り癖があるので教師を困らせてる。 考え方が若干ズレてる。どうズレてるかと言うと、当り前のようで当り前じゃない、矛盾してるようで矛盾して無かったりする等。 ユイナ、シェラ、くー、フィー、キュリア、リムの6体のマスター。 武装はフルセットについてくるアーマーパーツは変えずに武装だけ変えていて、リアパーツ等はまだ弄れないとの事。 ユイナ アーク/ストラダーレ仕様 一人称は「私」 脩の最初の神姫でありHST型と呼ばれる神姫で、トライクになったり、武装がバイクになったりする。 脩の母が仕事先で見つけ即購入、脩の誕生日に贈った神姫で「ストラダーレ(公道仕様)」とよばれるリペイントバージョン。 性格は基本的なアークより大人しい。そしてお姉さんっぽい。実際他の5人をまとめてるのはユイナ。 面倒見が良く、誰とでも仲がいいので周りの神姫からは慕われていく。 戦闘スタイルは「高速万能型」。つまるところオールラウンド。トライク状態も多用する。 主な装備 アーク基本装備。だがナイフは抜けた。 代わりに手榴弾、ソウブレード「断慈斬」が初期装備に追加されている。 予備(サイド)にはM49ショットガン、偃月刀の二つ。 シェラ アルトレーネ/蒼空リペイント 一人称は「私」 脩の二人目の神姫であり、ユイナの三日後に来た。 脩の父が出張先で知り合った人物から譲り受けた神姫で、オリジナルのカラーリングが施されている。 簡単にまとめると髪は金、装甲と素体はノーマルペイントの白い部分が空色、青い部分が白になってる。が空色になってて 性格はアルトレーネの基本に違わず天然気質でどことなくふわふわした雰囲気でドジ。しかし一度切り替わると普段からはあまり想像できないくらい凛々しくなる。 戦闘スタイルは「機動近接型」。ほとんどフリューゲルモードでの戦闘だが時折、軽装状態になる。 主な装備 アルトレーネ基本装備。 それにアルヴォPDW9、ビームブーメランを追加した物が初期装備。 予備にはバルムンク、アルファ・ピストル×2。 くー(???) マリーセレス/青紫リペイント 一人称は「くー」 脩の三人目の神姫で野良神姫だったところ、不法侵入した脩の家にいついた。 詳しい経歴は不明な上に行動、言動のどちらをとっても掴みどころのない神姫だがそれでも自分を迎えてくれた脩とユイナ達には感謝している。 性格はマイペース、というか自由奔放。だが、その裏でかなりの策士でもあり、本当は寂しがり屋でもあるという表と裏の2面性を持った神姫。 脩に使いたい武装を要求したり、自分の自由に戦ったりもするがその強さは本物であり、脩に初戦を見せる事で自分の戦い方を伝えた。 ペイントはノーマルのカラーリングの黒を暗い青紫に、青を更に濃く(濃紺色)してライン系統は全て白という配色になってる。髪のみ変わって無い。 戦闘スタイルは「多段奇襲型」。常に相手の意表を突いていくうえ、単純計算では8段構えの攻撃をする。 主な装備 マリーセレス基本装備。 だがイング・ベイカー以外の基本武器は触手状のフロントスカートに装着。 また、両サイドスカートにはダブルアームフォールディングナイフをそれぞれ装備、内側に格納している。 そしてイング・ベイカーは2丁。 予備はスクラマサスク1本のみ。 フィー(フィラメル) 紗羅檀/銀眼リペイント 一人称は「わたくし」 脩の四人目の神姫であり、倉根玩具店のオーナーでデザイナーでもある倉根 敏章によりリペイントされている。 具体的にいえばノーマルペイントの黒はそのまま、金色が白色、髪は薄紫から真紅のグラデーション、そして眼が銀色。 実はとてつもなくスペシャルモデルであり通常より遥かに高額だが、店主の倉根 敏章が倉根玩具店のクジの特賞(約100000分1、毎日抜けた分だけ補充される)として一応設定していた。 普通ならまず当たらないのだが、まさかの敏章自身のミスによって脩が引き当てた事で脩の手元に来た。 性格は大人びたお嬢様といった感じであり、普段の振る舞いもお嬢様のそれといった感じであるが時折フランクな場面も見せる。ユイナに次ぐまとめ役でもあり隠れた努力家。 また、日常生活でも左足をスレイプニティに変えている。たまに左腕もグラニヴァリウスになってる。 戦闘スタイルは「特殊近接型」。近接戦でも立ち回りながら演奏をする。余談だが実は6体の中で一番基本から離れている。 主な装備 紗羅檀基本装備………というかまさかのフル装備。 脩でも気づかない内にスレイプニティとグラニヴァリウスを同時に着けてる。しかもイメージに反して蹴る時もある。 リジル、ノーデゥングはスレイプニティの装飾をはずしてそこに着けてたりする。そしてスネークソードを初期装備 予備は無し。 キュリア ムルメルティア/深緑リペイント 一人称は「自分」。ただし心の中では「私」 脩の5人目の神姫で、ジャンクショップから萩河の知人、そして萩河と奥道が直して脩へと渡ってきた。 ペイントは素体以外は、ほぼ深緑色と一部赤。髪は銀髪。 性格は基本的に無口で、言葉を出しても事務的に聞こえるが、実は心の中ではかなりおどおどしていて、悪い方向に物事を考えてしまうが心優しい。 起動当初は、リセット前の影響からかほとんど喋らなかったが、脩達の何気ない気づかいと後押しに押されてシェラに射撃の手ほどきをしたことがきっかけになり打ち解けるようになった。 実はかなりの動物好きであり、近所の猫や犬、鳥を一日中眺めていることもある。 戦闘スタイルは「重量砲戦型」。つまるとこ巨砲主義。反動の強い武器を思いっきりばらまく。一番脩が装備構成をなやんでいる神姫でもある。 主な装備 ムルメルティア基本装備。インターメラルはキャノン砲。 副腕アリ。だが暫定的な物で脚にするか悩み中。 初期装備はさらにM49ショットガン、アイゼンイーゲル、シェルブレイクが追加。 予備は無し。 リム エウクランテ/黄リペイント 一人称は「あたし」 脩の六人目の神姫であり、ここまできてやっと、初めて自分で買った神姫だったりする。が、酔ってたので考えものでもある。 先に五人も先輩神姫が居るので最初は驚いてた感じだったが、その後はあっさりと親しくなる。 性格は普通。あえて言えば真面目だが冗談も言える。よく貧乏くじを引いている。悩みの種は無個性。他のメンツの個性が強いせいもあるが一芸欲しいとは考えてる。 ペイントは、ノーマルペイントの白を薄い黄色、青を薄い赤、黄色を黒に変えた感じ。髪は金髪ツインテール。 メンバー内ではシェラに次ぐ空戦要員。近接では流石に劣るがその分バランスが良い。 戦闘スタイルは「空中射撃型」。中距離からの射撃メインだが、脩は他の事も考えているらしい。 主な装備 エウクランテ基本装備。実はまだ模索中だったりする。 一応現在はビーハイヴ、ジャマダハルを追加した初期装備。 予備は無し。
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赤い月が天窓に浮かぶ屋敷の広大なエントランスにて、銀色の輝く番犬が月光に照らされて鋭利な牙を光らせた。 その牙の先には床から壁から角から天井からと縦横無尽に跳び回る黒色と紫色の不躾者。 不躾ながらも一筋縄では往生しない実力者であるらしく、青いツインテールの彼女は既に何本もの番犬の牙から逃げ切っている。 されとて犬達の戦意は意気揚々と怖れず止まらず諦めずの精神を以て不躾者を仕留めてみせんと空を切った。 金属同士が鎬を削り合う際の荒い音が西洋風の屋敷の中で舞い踊ってはそそくさと舞台の外へ立ち去る。 既に何百と繰り広げてきた無骨な音の舞踏会は、しかし一人の役者と力不足によって台無しにされようとしていた。 ほんの僅かな隙、それこそ高名な評論家であっても見逃すであろう奇跡の隙間を番犬の一本が通り抜ける。 不躾者が自身の失態に気付いた時にはもう遅く銀色をした牙に腕一本を噛みつかれてしまう。 不意に受けた攻撃に反射的に動きを止めてしまった時にはもう遅く、番犬達の操り手であるメイドが静かに語り掛ける。 「殺人ドール。」 ミニスカートのメイド服を着たハウリンの宣言と共に服の袖から十本ほどの銀製ナイフが跳び出す。 少しの間ハウリンの傍に浮かんでいたナイフは、やがて犬の手を借りる事も無く独りでにストラーフへと襲い掛かる。 全てのナイフはその肢体を突き刺し刃の銀の光が暗闇に溶けていたフブキ型武装の黒と紫の色を明確に照らす。 本来なら今の一撃で決まっていたのだが、そうならなかったのはストラーフがナイフの一部を弾き飛ばしたからだ。 対戦相手の冷静な判断に敬意を称しつつもしかしながらハウリンは手を止めずに同じ技で雪崩れの如く押し崩しに掛かる。 「殺人ドール。」 十本の番犬が再び襲い掛かる。 さながら影の悪魔を仕留めんとする銀色の光弾にストラーフはハウリンを見据えたまま後ろへと跳んだ。 バックステップを踏んだ程度でナイフは避けられない、後ろへと跳んだのは前へと進む為だ。 鉤爪のような形をしているフブキ型のフットパーツと屈指の強力を誇る副腕であるチーグルを以て屋敷の壁に着地する。 そしてほんの一瞬、両脚と副腕を屈ませて、ほんの一瞬でも十分に溜まり切る力を解放し思い切りハウリンへと跳び掛かった。 だがそれは先に放たれた技であるナイフの群れの中へと踊り込む事を意味している。 そんな事は常々承知しているストラーフは必死の覚悟と共に素体の両腕で急所となる頭部と胸部のみを守る。 右目を貫かれようとも喉元を食い破られようとも腹部を刺し穿たれようとも太腿を噛み千切られようとも止まらない。 二体を隔てる距離が神姫一体分となりハウリンを射程距離に捕らえたストラーフは副腕を振り上げる。 「デモニッシュクロー!」 例えナイフを無尽蔵に貯蓄している不可思議なハウリンであってもこの必殺の悪魔の爪は避けれず防げない。 そう確信して放っていたのだがその爪がメイド服を切り裂く寸前、ハウリンの姿が忽然と消えた。 「!?」 瞬間移動や超スピードといったチャチな類では一切無く何の前触れも無く居なくなった。 一人その場に残されたストラーフは何が起きたのかすらも理解出来ず周囲を見渡しハウリンの姿を探す。 だがどこにも居ない、そう思っていた矢先、彼女は、ストラーフの後ろに居た。 「ようこそ私の『世界』へ。そして、永遠にさようなら。」 「なっ…!?」 ストラーフは下方向を除く百八十度全方位を優に百を超える無数のナイフに囲まれている事の気付く。 催眠術や超スピード等チャチな物では断じてない現実にハウリンは終わりを告げた。 「幻葬「夜霧の幻影殺人鬼」!」 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァァ!」 嵐の様なナイフが我が一番ナイフだと言わんばかりの猛烈な勢いでストラーフへと殺到した。 百を超える凶器に囲まれつつもストラーフはその眼の希望を夜闇に沈ませる事無く全身全霊を以て拳を振るい弾き飛ばす。 それでも尚、一本のナイフが肩に突き刺さり、一本のナイフが胸に突き刺さり、一本のナイフが副腕の接合部を破壊する。 「粘るわね…なら、駄目押しにもう一本!」 ハウリンが手を翳すとその手に何処からともなくナイフが現れる。 親指と人差し指で弾くように投げられたナイフは先行しているナイフをかい潜ってストラーフへと向かう。 ストラーフは先ずそれを弾き飛ばそうとし腹を殴ったが何故か奇妙な方向へと跳ねてそのままストラーフの頭部へと突き刺さった。 弾き飛ばされる事を計算に入れてナイフを投げたのか、そうだとすれば神業的な投擲技術である。 頭部を貫かれ両腕の動きが止まり抑制を失ったナイフに襲われ玩具の海賊船長の様な姿になったストラーフは崩れ落ちる。 だが崩れ落ちる寸前、手に持っていたハンドガンが火を吹いてハウリンの右肩を貫く。 完全に力尽きたストラーフのポリゴンの像が掻き消える瞬間にはあれほどの数のナイフは全て何処かへと消え去っていた。 勝者として一人残ったハウリンにジャッジマシンが祝福の判決を下す。 『ウィナー・サクヤ』 「最期まで勝利を望んでいたのね。貴方のその勝利への執念、このサクヤ、認めましょう。」 撃ち抜かれた右肩を抑えながらもメイドのハウリン、サクヤの姿が消え、そして誰も居なくなった。 …。 …。 …。 『刃毀れも大分ここに慣れてきたわね。』 バトルを終え、意識を現実世界の素体へと取り戻したイシュタルへと向けられた、サクヤの第一感想がそれだった。 黒野白太とイシュタルが今利用しているページは公式大会に出られない様な色物神姫とそのマスター達が集まる場所である。 偶然にもその場所の存在を知った黒野白太は一度そこでのバトルを覗いて以来、刃毀れというHNを使い色物神姫達との対戦を繰り広げていた。 今回の対戦相手、ハウリン型のサクヤは色物神姫達でも比較的穏やかな人物であり何度も戦っている強敵(とも)である。 そんな彼女にとって知り合いの成長と言うのは例えインターネットの回線を通しパソコンのモニター越しにしか知らなくとも嬉しいものらしい 『まぁ、もう百回は戦って負けてますからね。嫌でも慣れますよ。』 『大抵の神姫やそのマスターはここの連中と一度戦っただけでトラウマになるんだけど。負け慣れているのね。』 『ちょっとカッコ付けた台詞を言った後で結局負けた事もありましたから。そんじょそこらの敗北じゃ僕の心は傷付きませんよ。』 『それって竹姫葉月との戦いの時でしたっけ?』 『知ってるんですか?』 『御嬢様がテレビで見ていたのよ。』 『あぁ、成程。』 そう言えばあの大会の場にテレビカメラらしき物が回っていたような気もする。 黒野白太は眼中にしていなかったがあの大会には竹姫葉月以外にも高名な神姫プレイヤーがいたのかもしれない。 『でも、どんなに負けてもカッコ付けるのを止めない、そんな貴方に惹かれる人や神姫も居るのじゃないかしら。』 『居るとすればとんでもない根暗ですよ。僕、ファンレターとか一枚も貰った事ないですし。』 『貴方、手紙とか貰っても絶対に返さないでしょ。』 『勿論ですとも。ファンは自分の気持ちを伝えたくて手紙を送るのだから別に返さなくてもいいでしょう?』 悪い方向に歪みが無い黒野白太にサクヤは「やれやれだわ。」と扱いに困る子供を見る年上の女性のように優しく微笑む。 『それにしても前もその武装を使っていたわね。気に入ってるの?』 『ストラ・クモの事ですか。』 『ストラ・クモ?』 『初めはクモをイメージして組み立てたんです。ストラーフ型・クモ武装。だから僕は略してストラ・クモと呼んでいるんです。』 『実際の動きはバッタよね。ストラ・バッタにした方がいいんじゃないかしら。』 『その辺りちょっと気にしてるんですよ。後、ストラ・バッタじゃなんかカッコ悪いから嫌です。』 彼等が言う武装とはフブキ型の防具に初代ストラーフのリアパーツであるチーグルを組み込んだ武装の事である。 副腕で壁や地面を殴りつけて出す瞬発力と的確に相手の弱点を狙う柔軟性に重きを置いており急加速と急停止を繰り返す事で相手の撹乱させる戦法を主としている。足場となる物が多い屋内や障害物が多いステージでは無類の優位性を発揮し床と言う床を壁と言う壁を跳び回る姿は正にバッタと呼んでもいいだろう。 尤も黒野白太本人は初めはそういった特性に気付かず「クモっぽい」という理由から組み立てたものなので実際の性能がどうであれクモと呼ぶ事に固執しているのだが。 『でも、中距離から一気に近付いて斬りつけるのは僕好みの戦法なんです。機動力は低いから今回みたいにガン逃げされると厳しいですけど。』 『移動スキルや広範囲攻撃スキルで補うのはどう?』 『それは考えたんですけどストラーフ型ってSP低いから移動に使うと攻撃の方が疎かになるですよ。』 『ならチーグルは止めてFL017リアパーツを入れたら? グリーヴァと一緒なら高威力なスキルも発動出来るでしょう。』 『スキルは魅力的ですけど、あれ、重いんですよ。単純なパワーもチーグルに劣りますから瞬発力も下がりますし。』 『成程。良く言えば一長一短、悪く言えばままならないってことね。』 『そう言う事です。それでも今の武装を使っているのはヴィジュアルがクモっぽいからですよ。』 『動き方はバッタなのに?』 『あれは、バッタみたいな動きをするクモです。』 頑なにクモだと言い張る黒野白太であったが、ふと、デスクトップの向こうからくすくすと笑うサクヤの声が聞こえてきた。 『どうしたんですか?』 『今更だけど、貴方って普通よね。』 『普通?』 『そう。あの武装がいいかな、この武装がいいかな、なんて悩むなんて、まるで普通の神姫マスターじゃない。』 『そう言えばサクヤさんの武装はずっとメイド服とナイフですよね。時々魔法使ってきますけど。』 『むしろここではそれが普通よ? あらかじめ一つか二つ置く武装を決めて、それを重点に究める。沢山の武装を買うよりも一つの武装を改造した方が安上がりで済むし。』 『そのくせ、ここの人等は欠点無いですからねー。接近戦も格闘戦も銃撃戦も制圧戦も空中戦も海中戦も全てこなす上で何者も勝てない長所を持っている。サクヤさんも含めて異常者揃いですよ。』 『はっきり言うわね。否定しないけど。でも私達から見たら貴方の方が異常なんだけどね。』 『そりゃまぁ貴方達にとって僕の異常が普通ですし。』 『そういう意味じゃないわ。異常な武装を使う私達に普通の武装の貴方は勝とうとしている。普通なら異常には勝てないって諦めるはずなのに。実力差が分からない程、貴方は馬鹿ではないでしょう?』 『いや、だって勝ち負けに普通とか異常とか関係無いじゃないですか。』 『関係有るわよ。だって貴方、私達に一度も勝った事ないじゃない。』 『関係有りませんよ。普通が異常に勝てないって誰が決めましたか? 普遍が特別に勝てないって誰が決めましたか? 勝つ方が勝つ、それだけです。』 『じゃあ貴方はまだ私達に勝つつもりなの?』 『当たり前です。んでもってその時は今まで見下しやがった貴方達を指指して全力で笑ってやります。』 『性格悪いわね。じゃあその時まで私達は貴方を笑っていてもいいのかしら?』 『どーぞどーぞ。僕は特に気にしませんし。』 あっけらかんと言う黒野白太であるが、サクヤは笑わなかった。 『やっぱり貴方は充分に異常だわ。…勝利なんて何の価値も無いだろうに、何でそんなものを求めるの?』 『僕は勝ちたいだけの武装紳士です。勝ちたいから勝つ、それ以外に意味はありませんよ。』 『イシュタルも同じ意見なの?』 サクヤに話を振られてそれまで黙っていたイシュタルが返事をする。 『私はマスターのようには考えてはいないな。勝利だけでなく敗北にもまた価値があると思っている。それに私達が君達に勝つ日は無いだろうとも思っている。』 『じゃあ何で刃毀れを止めないの? 勝利以外は無価値だって言う刃毀れにとってここでの戦いは無意味じゃないの?』 『私が神姫だからだ。マスターは私の勝利を信じている。それが例え幼子の夢のような無根拠のものであっても、それに答えるのが神姫というものだろう?』 武装する神姫、武装神姫、その在り方は、ただひたすら、勝利を望むマスターの為に勝利を。 イシュタルの答えにサクヤはハッとなったようだった。 『驚いたわ。貴方達にもちゃんとした絆があるね。勝利で結びついた絆が。』 『果たしてそれを絆と呼んでいいのかと疑うがな。私のマスターは格闘技はやってないし手先は器用ではないし頭も良くし友達も居ないからバトルの大体は私は任せだ。むしろ無能とも言っていい。』 『うっわ、ひど。事実だから別にいいけど。』 『それでも私は貴方達に絆があると見るわ。確かにそれは歪ではあるけれどね。』 『サクヤさんはどうなんですか? 貴方のマスターと会話した事ないんですけど。』 『私には御嬢様がいるけど、御嬢様はマスターではなくオーナーね。人間じゃ私への指示が間に合わない。』 『サクヤさんですらもですか。サクヤさんですらそうなら、ここの利用者は皆、そうなのかもしれませんね。』 『そういう意味でも貴方達は異常なのかもね。マスターと神姫が一緒になって戦う普通の武装神姫。…ちょっとだけ羨ましいわ。』 『でも僕は適当に武装させたり指示出してるだけですし、イシュタルは勝手に動いているだけなんですけどね―。そのせいで結局は勝てませんし。』 『でも刃毀れはイシュタルを信じているんでしょ。』 『…まぁ、マスターが神姫を信じてやらなくて誰が信じてやるんですか。べ、別に勘違いしないでよね! ホントはイシュタルの事なんて何とも思っていないんだから!』 『男のツンデレって気持ち悪いわね。』 『同感だな。』 『言わないでください。自分でも本当に面倒臭い性格だって自覚しているんですから。』 神姫二体から罵倒されパソコンのデスクトップに向かってがっくりと頭を垂れる(一応)神姫マスター、黒野白太。 『でもハッキリ言って、僕が貴方達に勝てる可能性は零ではないと思っているんですよ。』 『あら、どうして?』 『ハッキリとした根拠は無いんですけどね。最強の武装はあるのかもしれませんが、無敵の武装は無いと思っているんです。何事も一長一短と言う一般論ですね。』 『私にも短所はあると言うの?』 『ありますよ。サクヤさんのナイフの量は確かに脅威ですけど所詮はナイフです。剣や銃弾で直接的に弾いたりするのではなく、爆風などで間接的に吹き飛ばせばいいのではないのでしょうか。』 『…成程。まぁ、間違ってはいないわね。』 『付け加えれば貴方達にはマスターが居てイシュタルには僕が居る。これもまた大きな違いです。』 『バトルにおいて人間の指示を聞くよりも神姫が自分で考えて動く方が効率がいいわよ?』 『それはそうですけどね。でも状況に対する柔軟性は僕達の方が上だと思っています。イシュタルが思いもよらなかった戦術に僕が気付くかもしれません。その逆も然りです。』 『でも貴方、無能じゃない。』 『一寸の虫にも五寸の魂です。』 『うちのマスターは自分が凄いと思っている誇大妄想野郎だからな。』 『イシュタルって容赦無く刃毀れを罵倒するわよね。』 『こんな奴を尊敬しろと言う方が無理だろう。』 『そのくせ刃毀れの為にバトルする事に迷いは無いと。』 『残念ながら私は刃毀れの神姫だからな。私が人間だったら知り合いにすらなりたくなかった。』 『イシュタルのLove度は-255です、はい。』 『カンストしてるのね。マイナス方向に。』 等と、和気藹藹と(だがこの中に人間は黒野白田一人しかいない)雑談をし、途中、サクヤが胸元から金色の懐中時計を取り出し、時間を見た。 『もうこんな時間。そろそろおゆはんの支度をしなくちゃ。』 『あ、そう? じゃあばはあーい。』 『出来たらまた今度、料理のレシピを送ってくれ。サクヤの料理は本当に上手い物が出来るからな。』 『分かったわ。それじゃあね。』 パソコンのモニターの向こうから、サクヤの姿が消えた。 それを確認した黒野白太もまた表示されていたページを閉じデスクトップに表示されているアナログな時間表示を目にする。時刻は約六時四十三分、窓から差し込んできた黄色味を帯びた光が満腹神経が刺激され内臓が言葉には出さずとも空腹を訴えかける。 立ち上がった黒野白太に合わせてイシュタルは彼の右肩に飛び乗って座った、そこが彼女の指定席であるからだ。 「じゃあ僕達もそろそろ夕御飯にしようか。今日は何作るの?」 「親子丼とごぼうのサラダ。昨日、卵が安かったからな。」 「分かった、じゃあ僕は親子丼の方を作ろうかな、サラダの方は任せたよ。」 「前みたいに弱火で加熱してしまい卵を発泡スチロールの屑みたいにしてしまわないようにするなよ。」 「分かってるって、強火で一気に、だよね。」 トントントンと小刻みの良い音の後に、ジュウジュウとフライパンが働く悲鳴の音が部屋に響いた。 神姫がマスターを見下し、神姫が罵倒し、神姫が戦い、神姫が勝利し、神姫が料理を考え、神姫が調理をする。 武装だとか戦法だとか実力だとかは普通なのかもしれない、けれどこういう日常も充分に異常で、けれど悪い物ではないと黒野白太は考えていた
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『聖者の導き(ロンギヌス)』 (ロンギヌス) ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:2~4 最大捕捉:1人 イエスの脇腹を突き刺した槍。 槍身から流れ落ちる神の子の血は、極限まで凝縮された浄化の力を含み、 あらゆる穢れや罪、または呪詛を祓い、如何なる傷をも治癒する。 この槍によって傷を与えられた者は、これまでに犯した罪、他者に与えた傷などが、 槍による傷の上に、さらなる傷となって現れる。 また、その傷は、この槍より滴る神の子の血以外では治療できず、 毎ターン、自身の罪の具現である呪詛によるダメージ判定を強いる。
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デザイナー 声優 神姫解説 性格セリフ一覧 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 覚えるパッシブスキル一覧 神姫固有武器補正 神姫考察 総評・運用 神姫攻略法 お迎え方 アップデート履歴 コメント デザイナー BLADE(まじしゃんず・あかでみい、武装神姫2036、等) 声優 橋本まい(TVアニメ武装神姫:タマミィ、To LOVEる -とらぶる-:九条凛、アルカナハートシリーズ:犬若なずな、アニたま:たまタン、等) 神姫解説 ハウリンと同時期に開発された、Kemotech社製の猫型神姫。胸部装甲と1セットになっているナックルをはじめ、大型クロー・研爪、巨大ドリル・旋牙と近距離格闘戦に特化されているのが大きな特徴。AIは天真爛漫で無邪気な性格付けがなされ、バトルでも思いつきで動くことが多いが、その親しみやすいキャラクターと戦略を迷わずにすむ格闘戦特化という組み合わせは、初心者にはぴったりである。 名称:猫型マオチャオ(ねこがたまおちゃお) メーカー 素体:Kemotech 武装:Kemotech 型番:KT36D1 フィギュア発売:2006年9月28日 主な武装:裂拳甲(リークアンジア/腕装甲と一体化したナックル。本作では争上衣とワンセット) 防壁(ファンビー/拳を覆うナックル) 研爪(ヤンチャオ/クロー付きのナックル) 旋牙(シャンヤ/巨大ドリル。本作では2本バージョンも存在し、共に装備するだけで『ふぁいなるドリドリあたっく』を使用できる) 鉄耳装(ティエアールツァン/ヘッド防具) 争上衣(ツェンシャンイー/ボディ防具) 天舞靴(ティアンウーシェ/レッグ防具) KT36C1 キャットテイル 猫型プチマスィーンズ(全5機。本作では未実装…?) 子猫球&子旋牙(チーマオクゥ&チーシャンヤ/リペイント版武器。本作では未実装) 散歩(サンプー/リペイント版レッグ防具。本作では未実装) しっぽアクセ:蝶舞(チーウー/リペイント版リア防具。KT36C1キャットテイルに装着する。本作では未実装) 武装神姫第2弾。愛称「猫子」「まおちゃお」「まお(後述)」「まいちゃお」。ハウリン(とヴァッフェバニー)の同期にして、言うまでもなくシリーズ初期を代表する神姫のひとり。 当初発売されたフィギュア版は技術的に過渡期の産物だったためか総合的評価は微妙だったという点、にもかかわらずデザイナー独自のセンスと親しみやすいキャラ性そしてごっついドリルがユーザー層に広く受け入れられた結果、今なお根強い人気を誇る神姫であるという点においても相方と共通する。 ついでに本作では「3rdSmall素体に近い体型で再現されている」という点も同じ。 2007年度に開催されたホビーイベント『キャラホビ2007 C3×HOBBY』では、「2036」本編での水着姿を再現したリペイントバージョン(俗称:水猫子)が販売され、その後僅かに仕様変更された電撃15周年バージョンも販売された。こちらは装備が全体的に軽量化されている上頭部パーツの造形も改良されたため、従来品と組み替えるという楽しみ方も可能だ。 以上の3バージョンいずれも大量に販売されたため、現在の中古市場でも比較的簡単に見かける事が可能な神姫となっている。 更に、デザイナー考案による強化型「チャオマオチャオ」も存在していたが、バトロンのサービス終了に伴いお蔵入りとなった経緯がある(「2036」には登場)。 果たしてこれらの装備は実装されるのだろうか? それはバトコンスタッフのみぞ知る。 タオニャオ?さて、知らない子ですね… 従来の公式媒体では、他でもない「2036」の主人公・自称“全国85億のマオチャオの代表”まおをはじめ、アニメ版のタマミィ等ほぼ一貫して常連メンバーを務めていた(ただ、流石に「神宮司シリーズ」には、そのキャラ性と作品自体のイメージ的齟齬が大きくなるためか登場していない)。 当然ながらバトロン・バトマス(およびMk.2)・バトコミと、ゲームにおいても皆勤賞である。なんだったら、前述まおはバトマスMk.2にゲスト出演までしている。 しかし、それから10年程が経過した本作においては、その間にボイスパーツの方が声優活動を実質的に休止していた事情もあってか実装の気配がなかなか見えず、全国85億のマオチャオオーナー達のみならずケモテックファン達をも長い間やきもきさせてきた…というか、もはや絶望視すらされていた節もあったのだが、この度相方に遅れる事3ヶ月にて「みんな大好きマオチャオが遂に登場!(公式・談)」とあいなった。 (ちなみにその後、2024年のパチスロ版にも登場を果たしている) 往年のマオチャオマスターもそうでないマスターも、是非「猫まっしぐら」でお迎えしよう。 性格 「だからまおが言ってやったのにゃ~」 天然元気系、好奇心旺盛だが飽きっぽく、専ら語尾に「にゃ」または「~なのだ」を付けて喋る(前者はバトロン&「2036」期、後者はバトマス&アニメ期以降に多用している) 基本的に「おバカで可愛いアホの子」という認識でOK。 尤もバトマスにおいてはこれに限らず、様々な性格の個体が見受けられた。ついでにシナリオの都合で爆破されたりも… 複雑な武器や飛び道具よりは、直接的な肉弾戦武器を好む。というかデホルト装備の時点で飛び道具が(本作では実装されてないが)プチマスィーンズくらいしかない潔さである…。 セリフ一覧 + おちゃのこさいさいなのだー! ログイン時 通常(朝) お・は・よ~!朝から顔が見られて嬉しいのだ~。今日もいい1日になりそうなのだ。 おはよ~。今日もいっぱい遊んでくれるの?それじゃ、最高の1日にしちゃうのだ! 通常(昼) こ~んに~ちは~!これから一緒に遊んでくれるの~?それじゃあ早速、いっぱいい~っぱ~い遊ぶのだ~! こんちは。今日もたくさん傍にいていい?いいよね?それじゃ、遠慮なく傍にいちゃうのだ~! 通常(夕) こんちは~!今日は何して遊ぼっか?遠慮なく気軽に、何でも言うといいのだ。 おかえりなのだ。これから何するの?何でも遊んであげちゃうから、遠慮はご無用なのだ♪ 通常(夜) こんばんは!時間はた~っぷりあるから、いっぱい遊ぶのだ!それじゃあ、レッツゴー!なのだ! はいは~い!連れてきてくれて嬉しいのだ~。夜もいっぱい遊ぶのだ~。 通常(深夜) こんばんは~。夜遅くまで、あたしと遊んでくれるなんて、嬉しすぎるのだ~! こんばんは。顔を見たら眠気も吹っ飛んだのだ~。それじゃ、眠くなるまで、遊び倒すのだ~! 年始 あけましておめでとうなのだ!今年の目標は決まったかって?そんなのずーっと前から決まってるのだ。今年もマスターがあたしをいっぱいかわいがりますように!これしかないのだー! (ボイス) あけましておめでとうなのだ!お年玉もらったら、一緒に遊ぶおもちゃを買っちゃうのだ~。 バレンタイン はい、これどうぞ!がんばって作った、マタタビチョコなのだ!嬉しくって、メロメロになる事間違いなしなのだ! ホワイトデー にゃにゃっ!?これって……バレンタインの、お返し?やーったぁー!嬉しすぎるのだぁー!お礼にゴロゴロしちゃうのだ♪ エイプリルフール ゴールデンウィーク 夏季 暑くなってきたのだ。こういう時期は、涼し~い部屋で、日向ぼっこを楽しむという、贅沢なシチュエーションを満喫するのだ~。 水着キャンペーン 七夕 ハロウィン とりっくあーんどとりぃーとぉー!お菓子を貰って、イタズラもしちゃう。あたしだけの大サービスなのだ! 冬季 寒くなってきたのだ~。“猫はこたつで丸くなる”って言うけど、あたしは大好きな人の上で丸くなりたいのだ~! クリスマス メリークリスマスなのだ!ねぇマスター。あたしのところにもサンタさんは来る?来るよね!?欲しい物いっぱいあるから靴下もいっぱい用意したのだ!わくわくが止まらないのだー! (ボイス) メリークリスマスなのだ!今日は、大切な人とふたりっきりで遊ぶ日らしいので、ず~っと一緒にいるのだ! 神姫の発売日 メリークリスマスなのだ!ねぇマスター。あたしのところにもサンタさんは来る?来るよね!?欲しい物いっぱいあるから靴下もいっぱい用意したのだ!わくわくが止まらないのだー! オーナーの誕生日 お誕生日おめでとうなのだ。猫らしく、今年1年分の福を招き寄せちゃうのだ。 神姫ハウス 命名時 呼び方変更 (→決定後) LvUP後 MVP獲得 3連勝後 3連敗後 専用スキル解放時 親密度Lv5後 親密度Lv10後 親密度Lv20後 親密度Lv30後 親密度Lv40後 親密度Lv50後 親密度Lv60後 親密度Lv70後 親密度Lv80後 親密度Lv90後 親密度Lv100後 親愛度Lv1~19限定 親愛度Lv20~39限定 親愛度Lv40~59限定 親愛度Lv60~79限定 親愛度Lv80以上 頭タッチ(親密度1~19) うにゃ!急ににつつかれたら痛いのだ!もっとやさしくなでなでするのだ。 (親密度20~39) 何なのだ?別にボーっとしてたわけじゃないのだ。 (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 胸タッチ(親密度1~19) ふぎゃぁああ!マスター!いきなりそんなとこつつくんじゃないのだ! (親密度20~39) ふぎゃぁああ!ちょっと!いくらカンヨーなあたしでも怒っちゃうのだ! (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 尻タッチ(親密度1~19) ふぎゃぁああ!ちょっとマスター!いきなりそんなとこ触ったらダメダメダメなのだー! (親密度20~39) ふぎゃぁああ!もう!マスター!次やったら絶対ひっかくから覚悟しとくのだー! (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 通常会話 クリスマス限定 年始限定 武装カスタム 戦闘力UP・武器LvUP時 戦闘力Down時 素体カスタム 親密度LvUP時 限界突破時 出撃時 キャラ入れ替え バトル開始時 → バトル中 撃破時 コンテナ入手時 被弾時 オーバーヒート時 スタン時 デバフ被弾時 スキル発動時 (能力強化系) (HP回復系) (デバフ系) (攻撃スキル) (チャーミークリアボイス) 被撃破時 次出撃時 サイドモニター 応援時 交代時 被撃破時 バトル終了時 1位 → 2位 → 3位 → 4位 → 親密度LvUP時 マスターレベルUP時 コンテナ獲得後1位 コンテナ獲得後2位以下 レイド成功時 レイド失敗時 カラフルコンダクト 神姫ショップお迎え時 はいは~い!お迎えしてくれてありがとなのだ~。これからい~~~っぱい仲良くするのだ~。 ゲームオーバー時 その他 + リセット開始 神姫の想い、大切に。 + 選択した神姫をリセットします。よろしいですか? リセット開始 はい を押す はい を押す(二回目) リセット完了 リセット取消 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 マスター・ご主人様・お兄ちゃん 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 親密度Lv1 ATK DEF SPD LP BST N - - - - - R - - - - - SR - - - - - UR - - - - - 親密度Lv100 ATK DEF SPD LP BST N - - - - - R - - - - - SR - - - - - UR - - - - - マスクステータス 1/s ジェム回収展開速度 ブースト回復量 ダッシュ速度 ダッシュ時ブースト消費量 ジャンプ時ブースト消費量 対空時ブースト消費量 防御時ブースト消費量 N 1500 150 960 85 70 20 90 R 1050 105 90 40 110 SR 1140 125 110 60 130 UR 1230 145 130 80 150 覚えるパッシブスキル一覧 猫の気まぐれ【マオチャオ専用】瀕死になった際にジェム攻撃力・ジェム防御力アップ。撃破されたらLPを1残す スキル名説明 早熟型のパターンで覚えるパッシブスキル 防御力アップ[小]防御力を上げる クリティカル発生アップ[小]クリティカルが出る確率が上がる 追加ダメージ軽減[小]敵からの追加ダメージを軽減する ブーストアップ[小]ブースト時の移動スピードアップ スピードアップ[小]移動する際のスピードアップ ため威力増加[小] *要限界突破(L110)ため攻撃の威力を上げる 攻撃力アップ[中] *要限界突破(L120)攻撃力を上げる 通常型のパターンで覚えるパッシブスキル 防御力アップ[小]防御力を上げる 攻撃力アップ[小]攻撃力を上げる 体力最大値アップ[小]体力の最大値を上げる よろけ軽減[小]よろけの行動不能時間が短くなる 攻撃スピードアップ[小]攻撃時のスピードが上がる 晩成型のパターンで覚えるパッシブスキル ブーストアップ[小]ブースト時の移動スピードアップ スピードアップ[小]移動する際のスピードアップ ダッシュブースト消費量減少[小]ダッシュする際のブースト消費を減少する ため威力増加[小]ため攻撃の威力を上げる 攻撃スピードアップ[小]攻撃時のスピードが上がる 神姫固有武器補正 ※レアリティが上がる毎に得意武器は-5%、苦手武器は+5%される。数字はレア度Nのもの。 得意武器 +30% 槍斬撃武器・格闘打撃武器・投擲武器 苦手武器 -30% 片手斬撃武器・双斬撃武器・両手斬撃武器・双頭斬撃武器・片手ライトガン・片手ヘビーガン・肩持ちヘビーガン・腰持ちヘビーガン 神姫考察 攻撃力 防御力 機動力 回収力 総評・運用 神姫攻略法 お迎え方 2023/4/12~から神姫ショップに登場 アップデート履歴 コメント その話はやめるのです! シナリオの都合で爆破 -- 名無しさん (2023-04-13 18 02 19) 名前 コメント
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コメントログ3 はじめまして、にゅうと申します。深み填りを一章から外伝まで読ませていただきました。蒼貴が章が進む毎に成長していき、第一章の自信無さげな雰囲気が無くなっていくあたり、読んでいて上手いと思いました。武装神姫を知ったのがもうバトルロンドが終了決定した後だったので現在はバトルマスターズをプレイしていますが脳内で妄想が溢れ返っておりこんな風に文章に出来る方たちがうらやましいですね。外伝終了してから今度は新章になるのか分かりませんがどんな形であれ楽しみにしています。 -- にゅう (2011-07-30 22 25 12) にゅうさん> こちらこそ初めまして。この『深み填りと這上姫』を書いている夜虹です。感想をありがとうございます。 この物語は蒼貴と紫貴の成長物語なのでそういった感想が聞けて何よりです。蒼貴はオーナーを得て、技や装備、相棒と友達を少しずつ得ていく事でそれを表現してみました。 ここには書いてみようと頑張っている人もいるので、にゅうさんも妄想があるのでしたらまずは実践してみるといいと思いますよ。何事も回数を重ねてこそですしね。 外伝が終わって、その中でやってみた事が何とか形になってきたので、次章ではそれを実践してみようと思います。期待に応えられるよう頑張ります。 -- 夜虹 (2011-08-01 13 11 55) 夜虹さんがこんな面白いものを書いていたなんて知りませんでした、これからも読ませていただきますね^^ -- 竹 (2011-08-19 00 55 24) 竹さん> 読んで頂きありがとうございます。 非常に長い文章になっているとは思いますが、読んでいただければ幸いです。 僕も感想を励みに今後の神姫小説を頑張っていこうと思います。 -- 夜虹 (2011-08-20 00 25 42) 初めまして、クロムという者です。 最初から外伝まで読ませて頂きましたが、読んで行く内に物語に、そして登場するキャラ達に引き込まれとても面白くて読む手が止まりませんでした! いきなり出てきてアレですが、これからも楽しみにしておりますので無理せずに頑張ってください。 そして、恐縮ですがもし宜しければこちらの作品の設定を、自分の作品にも使いたいと思っているのですが宜しいでしょうか? 長々と長文、失礼いたしました。 -- クロム (2011-09-04 01 36 01) >クロムさん こちらこそ初めまして。作者の夜虹です。 最初から外伝まで読んで頂き、ありがとうございます。一人一人、 楽しく読んでいただけて光栄です。期待に応えられる執筆していきたいと思います。 作品の設定に関しては上の方に書いてある通り、コラボ可能となっており、 設定もキャラも使用可能ですのでどうぞお使いくださいませ。 クロムさんの作品を楽しみにしております。 -- 夜虹 (2011-09-05 05 36 53) 桐皮町にいらして下さったようで、ありがとうございます。真那ちゃんも尊くんも、機会があればお酒飲みに来て下さい(笑)! -- ばるかん (2011-09-12 22 21 27) 新章読ませていただきました。技術面でも精神面でも蒼貴、紫貴共に確実に成長していますね。これから話がどう進んでいくのか楽しみにしています。 -- にゅう (2011-09-14 12 56 18) ばるかんさん> こちらこそ、武装食堂を設定をお借りしています。ありがとうございます 武装食堂のキャラの性格を上手く引き出せるように頑張ります。 食堂は五話で出していましたねw ビールのほかにも何かありそうな予感がしますw 特に真那は色々とのむでしょうね……w にゅうさん> 読んで頂きありがとうございます。 武装が無い分、それらが磨かれていく事になりますね。 第一章の「知恵と勇気で何とかする」という考えは変わらない訳です。 それ以上に尊の精神面の強さが彼女達をここまで引っ張るのが大きいですね。 今後もその成長を上手く描き、期待に応えられるよう、頑張っていこうと思います -- 夜虹 (2011-09-16 20 14 23) 久しぶりに紙媒体で読みたく成る程面白いです。 紫貴と蒼貴が二人共可愛過ぎる!! これからも頑張ってくださいm(_ _)m -- 焦げかぼちゃ (2012-04-04 23 57 57) >焦げかぼちゃさん こんにちは。作者の夜虹です。紙媒体で読みたいとまで言っていただけて光栄の限りです。 社会人になって更新のペースがだいぶ落ちてしまいますが、今後も蒼貴と紫貴の活躍を見ていただければと思います。 次の尊と真那の決着もまた、お楽しみにしていただければ幸いです。 -- 夜虹 (2012-04-08 11 14 01) 最新話、待ってました! 前話のバトルの決着もとてもよかったのですが、尊と真那のその後がとても気になっていたので、すぐに読ませていただきました(^^) 落ち着くところに落ち着いたようで、よかったですねぇ、尊くん(笑) 私も社会人なので、執筆時間の捻出には苦労しています。今後の展開も楽しみにしておりますので、お互いに頑張りましょう! -- トミすけ (2012-04-24 22 45 06) >トミすけさん 待っていていただけて何よりです。 ミコちゃんはついにやりましたね。たぶんこれからも真那に振り回される日が続くことでしょうw 公開告白をしてしまったのでもう逃げられませんしねw お互い、社会人で苦労しますな。僕もトミすけさんの今後の小説の展開を楽しみにしております。 今後もまた、頑張りましょう。より良い物語を書ける様に -- 夜虹 (2012-04-28 15 18 25) 最初は尊くんはヲタ嫌いならなんで神姫やるんだ…と思いましたが、読み続けるに連れて好感度がぐんぐん上がってましたw 凄く面白いです!応援してます! -- 名無しさん (2012-05-18 10 37 15) 久々に来たら最新話出とるし 久々に爆発して欲しくないカップル出来とるWW -- 焦げかぼちゃ (2012-05-21 21 08 54) 名無しさん> ありがとうございます。応援にこたえられるように頑張っていこうと思います。 偶然が重なって深みに填る事となる人ですからね。そこから色々と広がるのがミコちゃんです(ぉぃ 今後もまた、お楽しみにしていただければと思います。 焦げかぼちゃさん> お久しぶりです。爆発して欲しくないカップルと言っていただけるのは光栄の限りです。 この二人はこの先、どういう付き合い方をするのか……w -- 夜虹 (2012-05-23 03 03 32) 戻る
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「……なんか、改めて向き合うと緊張するもんだな」 「そうですわね」 家に着き、俺とヒルダは自室で向かい合っていた。何故か正座で。 ヒルダは居間に置かれている座卓の上に座りながらこちらを見上げていた。 バイザー越しなので視線は感じ取れないが……ちょっとおびえているようにも見える。……無理もないか。自身の中の別人格を意識的に呼ぼうとしているんだから。 しかしまあ、あれだ。こうやってにらめっこを続けていても埒が明かない。 「……ヒルダ、頼む」 「はい、ですわ」 ヒルダがルナピエナガレットに手をかけ、ゆっくりと外す。 こちらを見据えた蒼い目は瞬きをした瞬間に紫水晶へとその色を変えた。 「……あら。ワタクシを貴方自ら呼びだすなんて、めずらしいですわね」 あきらかに居丈高な口調。そして高圧的な態度。 間違いなく、「裏」のヒルダだ。 「さて、一体何の用ですの? ワタクシを呼び出したのですから、理由があっての事ですわよね? 筐体のなかでないのならリアルファイトですの?」 「別に戦うために呼び出したわけじゃないさ。茶飲み話ぐらい付き合ってくれ。お前は俺のパートナーなんだからな」 ヒルダの物怖じしない態度にこちらも緊張が和らいだ。 正座が馬鹿らしくなり、崩しながら答える。 彼女は一瞬ぽかんとした。 「どういう風の吹きまわしですの?」 「……と言うと」 「戦いもないのにワタクシを呼び出すなんて、貴方らしくありませんわ」 「俺らしくないって……」 そもそも俺が望んでこいつにバトルに出てもらったことは一度もないのだが。まあそれはいい。 「俺がお前の存在を認知してからまあ半月ぐらいたつわけだが、表のヒルダと会話をしたことはあっても、お前とは滅多に、いや、全く話す機会なんてなかったからな。バトル中のお前は俺の話を聞かないし」 「ワタクシを扱うに足らぬマスターの言うことなど聞く耳持ちませんわ」 お前はあれか。高レベルか。ジムバッジが足らんのか。八つ目を手に入れないと言うことを聞いてくれないのか。 「それに。茶飲み話と言っておきながらお茶がないのはいかがなものですの?」 「……それもそうだな。淹れるか」 「ワタクシは紅茶がいいですわ」 「そんなハイカラなもん家にはねーよ」 緑茶で我慢しろ。 ◆◇◆ 「意外と美味しいですわね。粗茶ですけど」 「やかましいわ」 スーパーで買った一山いくらの茶葉でもうまく淹れればそこそこうまいものである。 一人暮らしを始めて約半年、慣れれば美味い茶を淹れることなど造作もない。 ヒルダは彼女用にと購入したプラスチックの湯呑を使って茶を啜る。 「……そう言えば神姫は飲み食いできるって愛に聞いてなんの疑いも持ってなかったが、いざ目の当たりにしてみると不思議だよな」 「一応、飲むことはできますわ。濾過されて冷却系に回されますの。固形物も摂取は可能ですが、色々と面倒なのであまりワタクシは好きではありませんわ」 「面倒、とは」 「分解に莫大なエネルギーが必要ですの。エネルギーを得るための行動にそれ以上のエネルギーをかけるのは不毛でしょう?」 それは道理。もともとは人とのコミュニケーション用として考案された機能らしいからな。実用性は皆無だろう。 「食事が趣味って神姫の話を聞いたことがあるが」 「味を感じることはできますもの。ワタクシ達のAIは人間に近い思考をとりますから、美味しいモノを食べて嬉しいと感じるのは当然ですわ」 「そりゃそうだな」 「……さて、ごちそうさまですわ。戦いがないならワタクシはこれで」 「おいおいおいちょっと待てコラ」 バイザーをはめてさっさと交代しようとするヒルダに俺は待ったをかける。 「何ですの?」 「茶を飲んだだけでもう変わる気かお前」 「……お代でも取る気ですの?」 「誰がそんなもん取るか」 うちに勝手に来て菓子漁って帰るどっかの馬鹿はそろそろ警察に突き出してもいいとは思うが。いやそうじゃなくて。 「お茶を頂いた。話をした。茶飲み話という条件はこれでクリアしていますわ」 「お前についての話をしようと思ってるのにお前がいなくなってどうするんだよ」 「ワタクシの話ですの? 茶飲み話と言ったのはそちらでしょう?」 「言葉の綾だ。本当に茶だけ飲んでどうする」 「ではさっさと本題に移りなさいな。ワタクシ、回りくどいのは嫌いですわ」 本題……ねえ。 俺はため息をつく。 いろいろ聞きたいことはあるが……とりあえず。 「お前はもう一人のヒルダの事を認識してるか?」 「もちろんですわ。彼女が表に出ているとき、私も意識はありますもの」 「……はっきりと意識があるのか?」 「いいえ。夢うつつといった感じですが」 これは表のヒルダと一緒か。まあこの程度は予測範囲内だな。 「初めて起動した日がいつかわかるか?」 「二〇三七年十一月十三日ですわ」 正解。つまり、表のヒルダが自我を持った瞬間、こいつも生まれたってことだ。……こりゃ単なるバグなんかじゃなさそうだな。 「初めて戦った相手は?」 「……さっきから何を言ってますの? 愛の持つアルトレーネに決まっているでしょう?」 そう。愛にそそのかされてイーダ・ストラダーレ型を購入し、その場で起動させられてすぐにバトルにもつれ込んだのだ。 バトル終盤、リーヴェの放ったゲイルスケイグルがヒルダの顔をかすめてバイザーが破損。そしてこいつは覚醒し、暴走した。 あの時の愛の唖然とした顔は写真に収めて送りつけてやりたいほど貴重なものだったが、あいにくその筐体の向かい側で俺も同じ顔をしていたに違いない。 そしてその時のリーヴェとヒルダの痴態の録画映像が、アングラで高値で取引されているとかいう噂を聞いたことがある。信じたくもない。 ……次の質問はこれにするか。 「何でお前は戦う神姫全員にセクハラしやがるんだ。今日で被害数が二十を突破したぞ」 「敗者は勝者にとっての供物でしかありませんわ。それをワタクシがどうしようとワタクシの勝手でしょう?」 「相手の感情は無視かよ。それじゃ立派な強姦だろうが」 「敗者は地べたをはいずり回って泣くのがお似合いですわ」 「それはお前個人の考えだもんでとくに言及はしないが、地べたに押し倒して鳴かせるのはいかがなもんかと」 「あら、うまいこと言いますわね」 「褒められても全く嬉しくねーよ」 そしてうまいこと言ったつもりでもねーよ。 「というかあれだ。何でセクハラばっかりしやがる」 「趣味ですわ」 「趣味て」 「他に大した趣味もありませんので」 「なんでだよ。探せばいくらでも見つかるだろうが」 「バトル以外で表に出ているのは『彼女』ですし」 「……それはそうだが」 確かに、今日初めてバトル以外で俺はこいつを呼び出した(呼び出したこと自体が今日初めてだが)。そういう意味では、俺はこいつをヒルダという檻の中に閉じ込めていたともいえる。 「……まあ、確かに。それは悪かった」 「別にかまいませんわ。ワタクシとしては、勝つことさえできればよいのですから」 「正直なところ、それはどうかと思うが」 「何故ですの? 武装神姫は戦うために生まれた存在。戦うことに意義を見出し、勝つことで価値が生まれるものですわ」 「戦うことは確かにお前たちの根幹をなすものだろうが、武装神姫は元々人間のパートナーとして生み出されたもんだろう。それについてはどうなんだ」 「そんなもの、ワタクシの知ったことではありませんわ」 「おいおい……」 つまり俺とコミュニケーションを取るつもりが皆無である、ということか。厄介な。 「なんでそんな俺を毛嫌いしくさる。神姫はマスターに対して絶対とはいわんが従うものなんじゃないのか」 「先ほどから申し上げています通り、ワタクシは貴方をマスターとして認識しておりませんので」 認められてねーってか、くそったれ。 まあ確かに、イーダ型の基本的な性格は高飛車なものだし、むしろヒルダの性格が本来のイーダ型のそれとずれていると言ってもいいから、元々こんなもんなのか? ……神姫オーナーとしての経験値が少ないせいか、よくわからん。 「じゃあどうすればお前は俺の言うことを聞くんだよ」 「未来永劫、ありえませんわ」 「歩み寄りの精神ぐらいみせろよ!」 「貴方がワタクシに適応なさいな」 くっそ、プリインストールされた性格とは言え、腹が立つな。 「では、お話はすみましたね? ではこれで。次は戦いの場でお会いしましょう」 「あ。てめ! こら!」 あわてて掴みかかったが、時すでに遅し。俺の右手のひらの中ではバイザーをつけたヒルダがびくりと肩を震わせて俺を見上げていた。 「マ……マス、ター?」 「……すまん、逃げられた」 ため息をつき、ヒルダを離してやる。ヒルダは俺の剣幕に心底おびえていたようだが、呼吸を整える。 「……くそったれ」 「……結局、どうでした? あの……『彼女』は」 「全く話を聞かなかったよ。なんとかしてあいつの手綱を握る方法を考えなきゃな」 茶をもう一杯淹れながら俺は呟く。ヒルダのにも淹れてやると、彼女がおそるおそる喋り出した。 「あの……マスター。差し出がましいようですが、提案があります」 「……提案?」 「はい。彼女に言うことを聞かせられるかもしれない方法です。かなり荒療治だとは思うのですが……」 バイザー越しに見上げてくる彼女の視線は、どこか決意めいたものを感じた。 俺はぐっ、と湯呑をあおると、彼女に言葉の続きを促した。 ◆◇◆ 「はああああああああっ!」 「くふっ、くふふふっ」 翌日、俺たちはゲームセンターへと足を運んでいた。 今回の対戦相手はリーヴェ。こちらから挑戦した形になる。 開始三分ですでにバイザーは壊れ、裏のヒルダが表出してリーヴェに襲いかかっていた。 ……まあ、今回は想定の範囲内なんだが。 一応、こちらから指示を出しているものの、ヒルダは全く従う気配がない。それでもその一挙手一投足は着実にリーヴェを追い詰めていく。 「く……流石ヒルダちゃん、間近で見れば見るほど感じるすさまじいまでの戦闘センスですよー!」 「御褒めにあずかり光栄ですわ。再び貴女を這いつくばらせて差し上げます!」 下から打ち上げられるエアロチャクラムを副腕に搭載したシールドで打ち払い、リーヴェは距離を置く。させじと突出するヒルダ。 しかしヒルダが自らの間合いにリーヴェを捉える前に、リーヴェはすでにシールドと大剣ジークリンデの柄の結合を終えていた。 シールドが展開。内部からエネルギーの刃があふれ出すと同時に、リーヴェはそれを投擲する――! 「――【ゲイルスケイグル】!」 副腕から豪速で放たれた槍は一直線にヒルダへと向かった。極至近距離で放たれたそれをヒルダは避けきるすべがない。 「!!」 「――くふふっ」 しかしそれをヒルダは素体にあたらないレベルの挙動で避けた。左のエアロチャクラムが接続パーツごと千切れ飛んだが、ヒルダの突進自体は止まらない。 ヒルダは右手首の袖を展開。リーヴェにアイアンクローを叩きこんだ。 途端にリーヴェの膝から力が抜け、地についてしまう。 「し、しま―っ」 「くふふふふっ。それでは頂きますわ――?」 ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ! ――Surrender B side. Winner Liebe. いつものように鳴り響いたサレンダー。 しかし、それによってジャッジシステムが告げた勝者の名はヒルダではなく。 「――え――」 ヒルダの身体が一瞬にして0と1へと分解され、空へと還っていく。 リーヴェはそれを見送り、呟いた。 「幸人ちゃん、ヒルダちゃんは手ごわいのですよー。頑張ってくださいねー」 ◆◇◆ 「……これでよかったわけ? 本当に」 向こう側の筐体でリーヴェを回収しながら愛は言った。 「大丈夫だろう。ヴァーチャル空間で裏ヒルダが現れても、ゲームが終わればその意識は自動的に封じられる。あとは根競べだ」 俺はヒルダを胸ポケットに入れて答える。 「ヒルダ、もう一人のお前の事何かわかるか?」 「……多分ですけど、すごい怒ってます」 だろうな。だけどこっちもそれが目的だし。 勝つことを至上とし、固執する裏ヒルダに手綱をつけるには、そのプライドを叩きつぶすほかない。 そのための方法としてヒルダが提案したのは、裏ヒルダが暴走しそうになった瞬間、俺がサレンダースイッチを押すことだった。 ……行き過ぎて暴走しないよう、調整は要るだろうが。 ヒルダの勝率も落ちるし、俺自身にはデメリットしかないが他に方法も思いつかない。行き当たりばったりの作戦であることはわかっているが……。 あれだ。裏ヒルダの手綱を握るための先行投資だと思おう。普通に勝つなら勝たせてやればいいんだし。 「さて、これが吉とでるか、凶とでるか……」 俺はため息をついて、再び筐体の前に座った。 幸い、対戦相手に関しては断った面子にこちらからメールを送ることで事欠かない。 もちろんこちらの作戦に関しては伝えて了承を取ってある。 あとは裏ヒルダが折れてくれるのを待つだけだ。 俺はそう思いながらヒルダをエントリーポッドへと送りこんだ。 進む 戻る トップへ