約 730,147 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2249.html
ウサギのナミダ・番外編 黒兎と塔の騎士 前編 ◆ 「遠野さんとティアって、強いのか?」 安藤智哉の言葉に、四人の少女はそれぞれドーナツをくわえたまま、静止した。 四人とも目が点になっている。 俺何か悪いこと言ったか? と首を傾げた。 悪気はなかった。 だが、四人の中で一番早く、蓼科涼子が解凍し、くわえていたドーナツを落として、般若の顔で安藤の胸ぐらを掴んだ。 「何言ってくれちゃってんの、このルーキー風情が!」 「いや、落ち着け蓼科……」 「セカンドリーグの全国チャンピオン『アーンヴァル・クイーン』と互角に渡り合えるのよ!? ティアは強いに決まってんでしょーが!!」 「それがさ……その……オルフェが勝っちゃったんだけど……ティアに」 「…………はあ?」 T駅前、おなじみのミスタードーナッツの店先である。 さすがに恥ずかしい状況なので、動き出した美緒たちが涼子を止めた。 彼女は、師匠に心酔しているので、遠野たちを卑下する話題には、過剰に反応してしまう。 渋々席に着く涼子。視線は安藤を睨んだままだ。 安藤の隣にいた美緒が、涼子をなだめるように口を開く。 「オルフェが勝ったって……遠野さんたちと対戦したの?」 「ああ……こないだの土曜日、ちょっと早い時間で、みんないなくてさ……遠野さんから、アルトレーネと対戦したことないから、やってみないかって」 「それで、ティアが負けた、って?」 ちょっと信じられない、有紀は目を見開いた。 安藤は頷く。 涼子がイスに背を預け、投げやりに言った。 「練習してたんでしょ。遠野さんは勝敗に頓着しない人だから」 涼子は以前、遠野に言われたことがある。 『勝敗よりも、問題点を見つけることが大切だ』と。 あのときの言葉は、涼子と涼姫にとっての座右の銘だ。 安藤は、その涼子の言葉にも頷いた。 「それも分かってるよ。クイーンと伝説的なバトルをしたことも知ってる。 だからこそ、遠野さんとティアが真剣に戦ったら、どれだけ強いのか、どんな戦いになるのか、興味があるんじゃないか」 ふーむ、と美緒たち四人は腕組みして考え込んだ。 確かに、ティアの強さを伝えるのは難しい気がする。 実際に見るのが一番なのだが、遠野は全力の真剣勝負をあまりしない。 しかし、安藤はしばらく後に、それを目の当たりにすることになる。 □ ……墓穴を掘った。 俺はゲーセンの定位置である壁際に背をつき、額を押さえて落ち込んでいた。 オルフェとクインビーの対決からしばらく後の週末である。 あの日、俺は武装神姫のチームを作ることにした。 ここ『ノーザンクロス』では、バトルロンドのチームを作るのがはやりだ。 チームを組むことのメリットは、仲間意識が強くなるだけではない。チームメンバーなら、練習のお願いもしやすいし、戦い方の研究や情報の交換にも役に立つ。 また、対戦もチーム形式で行える。バトルの幅が増え、楽しみも増す。 チームバトルの魅力にとりつかれた常連さんたちが、こぞってチームを組んだ。 俺もいくつかのチームに誘われたが、いずれも断った。 久住さんと大城が「チームを組もう」と言い出したときにも保留にしていた。 俺にとってメリットがないと思っていたからだ。 現状維持でも、俺が武装神姫に求めることは達成できると考えていた。 だが、先日の事件で少し考え方を変えた。 チームを組めば、おいそれとチームメンバーが理不尽な目に遭うことも抑止できるのではないか。 そう考えて、チームを結成することにしたのだが……。 「墓穴を掘った……」 今度は口に出して言う。 チームを結成してからこっち、俺は自分のバトルをろくにしていない。 忙しすぎるのだ。 チーム結成直後は、チームに入れてほしいという希望者が続出した。 それらはすべて断った。チームを大きくする気はないからだ。 それで一苦労した。 だが、今度は俺のチーム宛にチームバトルを申し込んでくる連中が続出した。 それもすべて断った。 そもそも自分を含めたチームメイトを保護する意味が強いチームだし、チーム戦ができるほど、まだチームとしての熟成が足りていなかったからだ。 それでもう一苦労した。 チームのみんなは、俺の考えをよく理解してくれているから、何も言わなかった。 こぢんまりとした俺のチームがなぜこうも注目されるのか、と疑問に思ったが、よく考えてみれば、あの『エトランゼ』と現ランバトチャンピオンと、三強を倒したルーキーがいるチームなのだから、目立って当然か。 そんな事務処理に追われながら、今度はチームメイトのよしみで、バトルの相談に乗ったりしている。 だが、今度はそれも遠慮がなくなってきている。 特に蓼科さんは俺の一番弟子を自称している(認めたくないが)ので、ひっきりなしに話しかけてくる。 それに負けじと、成長著しい安藤が、バトルのアドバイスを求めてくる。 そこに他のチームメイトも加わるのだから、正直いい加減にしろと言いたくなる。 だから、 「おーい、遠野、虎実の空中戦の機動なんだけどさー」 「大城、貴様もかっ」 と言って、大城を邪険にあしらうのも、無理からぬことと思ってほしい。 「まあまあ。それだけ遠野くんがみんなから信頼されてるってことじゃない」 隣にいる久住さんが、そう言って笑う。 ……本当にそうだろうか。 いいように使われているだけのような気がするのは気のせいか。 「ところで、ミスティの変形のタイミングなんだけど……」 「君もかっ」 なんだか誰も信じられなくなりそうな、日曜の昼下がりである。 気分は墓に片足を突っ込んでいる感じだったが、平穏な日々ではあった。 そこに、珍しい客が現れた。 □ ゲームセンター『ノーザンクロス』の入り口が開き、新たな客が入ってくる。 その客に気づいた武装神姫コーナーの常連さんたちが、にわかにざわめきはじめた。 それに気が付いて、俺はふと視線を上げる。 その人物は、いつものように人の良さそうな笑顔で、俺に向かって手を挙げた。 肩には、輝くばかりの存在感を放つ、銀髪の神姫。 「高村……」 「遠野くん、ご無沙汰してます」 俺と高村優斗は握手を交わす。 俺の胸ポケットから、ティアがひょっこりと顔を出した。 「こんにちは、雪華さん」 「ごきげんよう、ティア」 高村の肩にいた銀髪のアーンヴァルは、鮮やかな笑みでティアに応えた。 まわりにいる誰かからため息が聞こえた。 隣にいた久住さんたちも、高村と雪華に挨拶する。 彼がここを訪れたのは、おそらくティアと雪華の一戦以来だろう。 久住さんにとっても久しぶりの再会であるはずだ。 「それで、高村。今日はどうした、こんなところまで。 ……それに、そちらは?」 「今日は、彼と彼の神姫を紹介したくて、来ました。……鳴滝くん」 高村の呼びかけに、一歩後ろにいた男性が前に出る。 体の大きい短髪の青年だった。 堂々とした印象。 ラフな服装の上からでも、鍛え上げた筋肉が見て取れる。 「鳴滝修平です」 「……遠野貴樹です。よろしく」 「お噂はかねがね」 「……はあ」 俺と鳴滝は握手を交わした。物怖じしない性格のようだ。 鳴滝の肩には、神姫がいた。 見たところ、騎士型サイフォス・タイプのカスタム機のようだ。 不機嫌そうな顔で、こちらをやぶにらみである。 マスターである鳴滝の態度とまるでちぐはぐだ。 「というわけで、今日は鳴滝くんのランティスと、遠野くんのティアで対戦してもらいたいんです」 そう言う高村は、相変わらずにこにこと笑っている。 鳴滝は力強く頷き、そして俺は首を傾げた。 ◆ 「なあ、今遠野さんと話してる人……みんな注目してるけど、誰なの?」 安藤が話しかけた美緒と他三名も、やはり遠野たちの会話に釘付けになっている。 涼子はそれを聞いてため息を付いたが、美緒が丁寧に教えてくれた。 「高村優斗さんと、その神姫で雪華。二つ名は『アーンヴァル・クイーン』。現セカンドリーグ全国チャンピオンよ」 「クイーンの雪華って……あの、ティアとすごいバトルをしたっていう……!?」 「そう」 美緒はあっさりと頷いた。 あれがあの『アーンヴァル・クイーン』なのか。 安藤の目は、ひときわ存在感を放つ、銀髪の神姫に吸い寄せられる。 雪華と呼ばれる神姫は、人の目を引きつけずにはおかない何かを備えているように思えた。 □ 「彼の神姫、ランティスは強いですよ。近接戦闘に限れば、秋葉原でも最強クラスです」 「ふむ……」 高村はそう言うが、俺はなおさら首を傾げざるを得ない。 武装神姫の対戦のメッカ・秋葉原で、近接限定ながらも最強クラスなら、対戦相手に事欠かないはずだ。 なのに、なぜ東京から離れたゲームセンターまでやって来て、ティアとの対戦を望むのか? その疑問をぶつけてみると、高村はあっさりこう言った。 「ランティスに挑む相手は、もう秋葉原にはいないのです。彼女はあるステージにおいて無敵を誇ります」 「無敵……?」 秋葉原で、特定のステージ限定とはいえ無敵とは……。 それはある意味、全国大会優勝ほどの実力ではないのか。 「……どのステージか聞いてもいいか」 「それは塔のステージさ。塔においては無敵ゆえに、こうあだ名された。『塔の騎士』あるいは『ナイト・オブ・グラップル』と」 鳴滝が穏やかな表情のまま、さらりと答えた。 肩にいるランティスは、いまだに不機嫌そうな表情を崩さない。 彼女はずっと俺の方を……いや、どうやら俺の胸ポケットにいるティアを睨みつけている。 と、大城が珍しく小さな声で口を挟んだ。 「塔の騎士・ランティス……? 聞いたことあるぞ。秋葉原で無敵のサイフォス・タイプで、その特徴は……武器を持たずに、徒手空拳で戦うって……」 大城は神姫プレイヤーの情報に詳しい。 だが、秋葉原ローカルの神姫まで知っているとは、なかなかの精通ぶりじゃないか。 高村と鳴滝は頷いた。 大城の情報は正しいようだ。 しかし、俺には不可解な点がある。 いくら近接格闘戦が得意な騎士型とはいえ、セットにある多彩な武器を使わず、素手……つまり、格闘術を使った肉弾戦で戦うというのは、いささか無謀ではないか。 しかも、塔のステージでは無敵を誇るという。 にわかには信じがたい。 「塔で無敵って……たとえば、アーンヴァルなんかの飛行タイプを相手にしてもか?」 「もちろん」 「ゼルノグラードのように、銃火器の塊相手でも?」 「言うまでもなく」 「ストラーフのように、サブアームで手数を稼ぐ相手でもか」 「当然です」 高村は俺の言葉にいちいち頷いた。 「塔のステージは、いささか特殊です。塔で最高のパフォーマンスを発揮できる神姫を考えたときに、一番に思いついたのがティアだったんですよ」 「噂は聞いてます。地上戦用の高速機動型で、その戦闘スタイルは唯一無二。そして、『クイーン』を破った、と」 俺は、鳴滝の神姫以上に、不機嫌そうな顔をした。 雪華はティアに負けたと言っているが、実際の試合結果ではティアが敗北している。 クイーンに勝った、などという風評は、俺にとっては好ましいものではない。 そんなことを考えていると、鳴滝の肩から、声がした。 「娼婦風情が、我が女王を倒したなど……世迷い言にもほどがある」 俺は思わずランティスを睨んでいた。 ティアが俺の胸ポケットで、身体をびくり、と震わせたのだ。 ランティスは苛烈ともいえる視線で、ティアを睨んでいた。 そんな神姫を、マスターの鳴滝がたしなめる。 「おい、ランティス……その言い方はないだろう」 「いいえ、師匠。我が女王の強い勧めがあったから、このような辺鄙な場所に来ましたが……あそこの気弱な娼婦が、わたしの相手足りうるなど、到底思えません」 もはやそんな言葉に動揺する俺とティアではないが、初対面の神姫にそう言われて、いい気分はしない。 鳴滝の物腰とは対照的に、不機嫌の度をますます強めるランティス。 そこへ、雪華の静かな叱責が飛んだ。 「ランティス、たとえあなたであろうとも、ティアへの侮辱は、このわたしが許しませんよ」 「え……あの、女王……」 「ティアは我が友であり、我がライバルです。あなたがわたしに見せる忠誠と同じように、彼女にも敬意を払うべきです」 「しかし……あれは娼婦です。あのような下賤な……」 「お黙りなさい!」 雪華が珍しく厳しい口調で怒鳴る。 「そのようなことに囚われているから、あなたは井の中の蛙だというのです。今のあなたのバトルは卑しいというのです」 「そ、それは言い過ぎではありませんか、女王!」 雪華の言いように、ランティスは気色ばむ。 どうやらランティスは、『アーンヴァル・クイーン』に仕える騎士を気取っているらしい。 だとすれば、辺鄙なゲーセンに棲む、人に言えない過去を持つ神姫に対し、敬愛する女王が下へも置かない扱いというのは、納得が行かないのも道理か。 ランティスはなおも食い下がる。 「わたしにも自負があります。相手は高速機動型とは言え、地上戦用。塔であれば後れを取ることはありえません!」 「その増長が卑しいというのです」 「女王!」 「わたしの物言いに不満があるならば、ティアとバトルなさい。きっと今のあなたに足りないものを教えてくれるでしょう」 あくまで不遜な態度を崩さない雪華。 ランティスは雪華のつれない態度に呆然とし、そしてティアへの憎悪を露わにした。 苛烈な視線が俺の胸ポケットへと向けられる。 ティアははらはらした表情で、雪華とランティスを見比べていた。 雪華はやわらかな微笑みを浮かべ、ティアを見て言った。 「ティア。お手数ですみませんが、このランティスに稽古を付けてやってもらえませんか?」 「……え? あ、あの……えと……」 戸惑うティア。 そして、ランティスがついに切れた。 「……いいでしょう。そこな神姫を完膚なきまでに打ち砕いてご覧に入れます。 師匠! マッチメイクを!」 マスターである鳴滝は肩をすくめ、苦笑しながら言った。 「……ということなんだが……ランティスの無礼な物言いは謝る。すまん。 で、改めてバトルを申し込みたい。どうかな?」 ランティスとは違い、鳴滝は柔軟だった。 ランティスの物言いに、正直ムカつくところもあったが、鳴滝は謝ってくれたし、高村と雪華がわざわざここまでやって来て、バトルのセッティングをしようというのだ。 しかも相手は、近接戦闘では秋葉原最強の神姫。 神姫プレイヤーとして、受けなければなるまい。 「ティア、行けるか?」 「マスターが戦いたいというならば、いつでも」 胸ポケットのティアに尋ねれば、いつもの答えが返ってくる。 俺は頷いた。 「OKだ。バトルしよう」 「よかった」 笑って言った鳴滝の肩から、ランティスが続けて言う。 「ステージは『塔』を希望する」 「塔、か……」 「……何か不服でも?」 「いや……ちょっとトラウマがな……」 以前俺たちが経験した塔でのバトルは、あまり思い出したくない。 そばにいた仲間たちも、少しうんざりとした表情をしている。 だが、俺は気を取り直して言った。 「いいだろう。塔のステージで受けて立つ」 俺がそう言った瞬間、周囲から歓声が上がった。 いつの間にか、俺たちのまわりに多くのギャラリーが集まっていた。 ■ バトル直前。 サイドボードに納める装備を吟味しながら、マスターはわたしに言った。 「相手は近接戦闘のプロフェッショナルだ。ちょうどいい機会だ。練習させてもらえ」 「で、でも……ランティスさんはそういう雰囲気じゃなかったみたいですが……」 筐体を挟んだ向こう側のアクセスポッドから、いまだ剣呑な視線がわたしを突いている。 「むしろ好都合だ。こんな草バトルなのに、向こうは真剣勝負で来てくれる。こんなチャンスは滅多にない」 「はあ……」 マスターは楽しそうだ。 その相手に睨まれてるのはわたしなんですけど。 ランティスさんに、圧倒的な力でねじ伏せられるとは、マスターは考えないのだろうか? ランティスさんは、近接格闘戦のみなら、秋葉原で最強クラスだという。 ということは、近接格闘戦でなら、雪華さんをもしのぐ、ということではないのだろうか? しかもステージは『塔』。 地上戦闘用の神姫同士ならば、丸く区切られた、何の障害物もない、まるで円形闘技場のような場所でのバトルになる。 小細工の入る余地もない、真っ向勝負になる。 そんなステージで無敵のランティスさんとわたしで勝負になるのだろうか。 そんなことを思いながら、マスターを見上げる。 するとマスターは微笑んでくれた。 「心配するな。いつも通りにやればいい」 「はい……って、サイドボードに火器が登録されていませんけど……?」 「ああ、相手は武器を持たないんだろ? だったらせめて、近接武器だけにしておくのが礼儀と言うものだろう」 「どこがいつも通りなんですかっ」 マスターが相手を侮っているとも、面白がっているだけとも思えないけれど。 相変わらずマスターの考えはわたしにははかりしれない。 「よし、はじめよう」 わたしと筐体が形作るバーチャルフィールドをつなぐ、アクセスポッドが閉じてゆく。 外の光は、細い一筋の線となり、やがて真の暗闇に包まれる。 一瞬の浮遊感。 意識される対戦カードの文字列。 『ティア VS ランティス』 次に目を開いたとき、わたしは巨大な塔の中にいた。 そして、わたしの視線の先。 ランティスさんの姿があった。 ■ 「ナイフ……?」 ランティスさんはわたしを睨みつけながら呟く。 わたしの手には、大振りなコンバットナイフが一本。 逆手に持って構える。 ランティスさんのまなじりが、さらにつり上がった。 「貴様ッ……銃器も持たずに……舐めてるのか!?」 「いえ、その……マスターの指示で……」 「ふざけるなッ!! もう許さん……一気に決めてやるッ!!」 ランティスさんはそう言うと、両手を顎の前に構え、そのままわたしに向かって突進してきた! 一足飛びに距離を詰めてくる。 わたしはまだ動き出せずにいる。 右ストレートのパンチ。 ランティスさんの、分厚い手甲を着けた腕が、大気を裂いた。 「ハァッ!!」 「わわっ!?」 これほどに速いパンチははじめてだった。 わたしはなんとかかわすだけで精一杯。 でも、ランティスさんの動きは止まらない。 パンチを繰り出した姿勢から、上体を崩し、身体を回転させる。 わたしは瞬時にランティスさんの意図を悟った。 これはわたしが得意とする格闘技と動きが同じ。 このあと、ランティスさんの脚が跳ね上がり、かかとがわたしを狙い打つはず。 はたして、彼女の脚部アーマーに覆われたかかとが空を切る。 「むっ……」 ランティスさんが姿勢を戻したときには、わたしはすでに彼女の攻撃範囲から逃れ、間合いを取っていた。 そうでなければ危ない。 ランティスさんのパンチもキックも、神姫を一撃で破壊するに足る威力を持っている。 「少しはやるようだな……」 ランティスさんは落ち着いた口調でそう言うと、わたしの方を向いて構えを取った。 彼女の装備は、騎士型サイフォス・タイプの軽装アーマーのアレンジ。 銀色の装甲が鈍く光る。 隙のないその構え。 ランティスさんの姿が何倍にも大きく見える。 わたしも腰を落として構える。 そして、走り出した。 中編へ> Topに戻る>
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/679.html
第5幕「心の指し示す場所」 焔は自問自答を繰り返す。 ワタシはご主人の意に適っているのか? と。 出る答えは決まっていた。 海神の代わりたる自身はその代理としての役目を果たさなくてはならない。 以前であれば、そこで思考は終わっていた。 だが、 はたしてそのワタシの思いは、ご主人の求めるものと同じであるのか? それこそ以前であったなら、その答えを「是である」と言えただろう。 しかしそこで焔は思う。 ならばなぜワタシはフブキではないのか? 普通の感覚で答えれば「フブキは限定品だから」で片付く問題である。が、結城セツナという少女は、自身が自室から一歩も外出する事なく、現在発表されている全てのMMSを手に入れるだけの環境を持っているのだ。 そんな、ある種の特権を持つ彼女に、「限定品だから」というだけの理由でフブキを入手できないはずがあるのだろうか? 否。 実際焔が目覚める前、セツナの目の前には全ての武装神姫があったのだ。当然そこにはフブキもあった。 ならば…… 焔は考える。 ならばワタシは何を望まれてここにいるのだろう、と。 当たり前のことではあるが、その日もセツナは学校に登校していた。 学校に来るぐらいならば焔との関係をどうにかしたい、という子供じみた思いがあるのと同時に、学校にいると焔と一緒では無いので楽だ、という矛盾した思いも去来する。 焔と一緒にいる事は、ある種の苦痛を伴った。 膨れ上がったわだかまりは、セツナの精神を大いに疲弊させる。 元来人付き合いの苦手なセツナは、そのコミュニケート能力の脆弱さを持って、焔との関係を円滑にする術を知らない。 だから放課後にもなると、焔との距離感をどう埋めようか、とばかり考えてしまう。 そしてもちろん今もその事で頭が一杯になっていたので、その友人が声をかけるまで存在を感知する事が出来なかった。 「ねえ、セツナったら。大丈夫?」 朔良=イゴール(さくら・―)という名のハーフの少女は、この学校内で唯一セツナの趣味を知るものである。 突然現れた(少なくともセツナにとっては)友人に、驚いた様子を微塵も表に出さずセツナは微笑む。 「大丈夫って、なにが? いつもと何も変わらないわよ」 「もうっ! アタシにまでウソつかなくてもいいんじゃない」 頬を膨らませて抗議する友人をみて、それもそうだ、と思い至ったセツナは、 「それじゃあ、少し付き合ってもらえるかしら?」 と言って、今度は笑う事をやめた。 二人が向かったのはとあるドールショップである。 ドールショップ、と言ってもドールハウスがメインでありドールは販売されていない。ドールハウスに使用する様々な小物が製造、販売されている個人経営の店だ。 個人経営の強みかそれともアバウトさか、座席は少ないがお茶も楽しめるらしい。 らしい、と言うのは、セツナはこの店を訪れた事がなく、朔良がつい最近見つけたばかりの店だからである。 セツナ達の学校から駅二つ隔てた場所にあるその店の名は『妖精館』。何とはなしに気恥ずかしくなる名前であった。 「いらっしゃいませ~」 「なのですよぉ~♪」 ドアに取り付けられたベルの音に反応して接客するその声に、セツナは聴き覚えがあった。 思わず声の主を注視する。 目が合った。 「…………………………………………」 「…………………………………………」 「あ、結城さんなのですよぉ♪」 そこにいたのはセツナよりわずかばかり背の低い眼鏡をかけた少年と、その少年の所有するマオチャオの武装神姫だった。 二人とも、可愛いフリルのエプロンを身に着けてそこにいた。 「こちら、ブレンドとカモミールティーです」 その少年は少し照れくさそうにカップを二つ置く。 「ありがとう」 セツナはにっこりと笑みを浮かべた後、耐えるようにクツクツと笑い出した。 「堪えるくらいなら笑ってくださいよ~」 困ったような顔で抗議する少年。その顔を見てセツナは更におかしくなった。 少年は困り顔を更に情けなくして、店の奥に戻る。 少年が奥に消えたのを見計らい、朔良は小声で訪ねた。 「ねぇねぇ、知り合い?」 「うーん、今はまだ友達……の友達くらい、かな?」 そう言ってセツナは少年――藤原雪那(ふじわら・せつな)――が消えた方に視線を移す。 友人のその表情を見た朔良は思うところもあったのだが、とりあえず今はその友人の悩みを聞きだすことが第一だと考え直した。 「で、悩みの種はやっぱり焔ちゃん?」 何の躊躇もなく、迂遠な表現の一つもなく切り出した。 セツナはその友人の遠慮のなさに苦笑しつつ、うなずく。 「やっぱりねー。セツナったら他の人が頭を悩ますような事は簡単にこなすくせに、こういう事ばかりに悩むんだもん」 そう洩らして朔良はブレンドを一口含む。 「あ、結構おいしい」 「……私ね、あの娘が何を考えているのか良くわかってないの」 ブレンドの感想に反応する訳でなく、セツナは自身の心情を吐露した。 「本当なら私はあの娘の事を一番知ってなきゃいけないのに、私はあの娘が良くわからない」 俯いてそう話すセツナを見て、本当にこの娘は不器用なんだから、と朔良は嘆息する。 「あのね、セツナ」 わざわざそこで一拍置いた。 「だからセツナは頭でっかちが過ぎるのよ。神姫とそのオーナーはこういう関係じゃないといけない、ってどこかで思い込んでいない?」 セツナがその言葉を理解しようと考え込む前に、朔良は畳み掛けるように言葉を続ける。 「考えるよりも前に思い出す! セツナとアタシ、どうやって友達になれた?」 そう言われて、セツナは思い出した。 最初から結城セツナと朔良=イゴールは仲が良かった訳ではない。 どちらかと言えばお互い嫌い合っていた。 セツナは朔良の事を「大勢でなければ何も出来ない集団のリーダー格」と思っていたし、朔良は朔良でセツナの事を「頭と財力に物を言わせたいけ好かない女」と思っていた。 表面上も裏さえも、お互いになるべく関わりあうのを避けていた。 とあるキッカケで話す事がなければ、今でも二人はお互いを嫌っていただろう。 言葉を交わす事がなければ、お互い理解など出来なかったはずである。 「……忘れてた」 もう、一年以上前のことだ。 朔良はニッコリと笑う。 「ならやるべき事はもうわかるよね?」 「そうね、ありがとう。おかげでスッキリしたわ」 セツナも笑う。放課後の学校で見せた作り物とは違う、心からの、決意を秘めた笑顔で。 と、ここで話が終われば少しはキリが良かったりもするのだが、それで二人の会話が終わる訳ではない。 話の上では完全に蛇足ではあるのだが。 朔良はスッキリとしたセツナの笑顔を確認すると少しだけ意地の悪い考えを頭にめぐらせる。 当座の悩みに対する解決法を見出したセツナは改めてカモミールティーを味わっていた。 「ところでさ」 「ん?」 「さっきの子とデートの一つでもした?」 「――?! ッッッ」 その朔良の不意打ちにセツナがむせる。 苦しそうにコンコン咳き込んでいる自分を見て、ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべる友人を、苦しいながらも恨めしそうにセツナは涙目で睨む。 「セツナってさ、本当はああいうのが好みだもんね~」 言外に、木井津沙紘(きいつ・さひろ)の様なタイプではなく、という意味がこめられていた。 「何事も話してみなきゃ始らないよ?」 未だ苦しそうに咳き込む友人に追い討ちをかけるように言った。 奥から雪那がタオルを持って心配そうにやってきたが、セツナは何も言えなかった。 トップ / 戻る / 続く
https://w.atwiki.jp/busou_bm2/pages/142.html
は ま や ら わ A B C D E F M N O P R W 数字 Glossary(あ~な) ※編集者の方へ 容量の問題から、は行とま行だけinclude化しています。編集の際はご注意ください。 は [部分編集] パーティオ ケモテック製神姫、フェレット型パーティオ。語尾は「なの」。素体は出ていないがDL武器だけが登場している。(ウィンディツインズなど)パーティオとポモックはイベントやコナミスタイルで発売されたプロトタイプバージョンの素体はMMS 1stであり、一般販売の素体はMMS 3rdになっている。 パイルバンカー 炸薬や電磁加速装置などを使って杭を突出させ攻撃する武器。原理的には大砲と同じだが、杭は前進するだけで飛んで行かないのが特徴。某最低野郎ロボットアニメをルーツとする架空の兵器。ドリルと並ぶ漢の浪漫とも。判定が強く、威力もある単発攻撃のためゲーム序盤でランクが低い頃はありがたい武装。 ハウリン ケモテック製神姫、犬型ハウリン。マスターには従順で可愛らしいが、一方で相手には非常に攻撃的な態度を取るのでそのギャップには戸惑うかもしれない。アーンヴァル ストラーフがMk.2に代替わりしているので、本作ではマオチャオと並んで最も古い神姫だが、それだけに愛用するマスターも多いようである。 バズーカ 現実世界では、携帯型のロケット弾発射装置のことで、連射できない単発式であり、そもそもカテゴリ名ではなかったりする。フィクションの世界では、発射するものがロケットだろうがミサイルだろうがビームだろうが、「とりあえず手持ちのぶっとい武器はバズーカって言っとけ」みたいな扱いであるゲーム中ではその「長もの」の役割はランチャーに譲っており、実際の使用感はグレネードランチャーという感じで、高い威力を持つが独特のクセがあり、上手く使うにはコツがいる。ぜるのん「分類上仕方ないかもしれないけど、1.2mm滑腔砲やハフ・グーファもバズーカにされているのは違和感を拭えないよ」むるちー「いや、少なくともハフ・グーファ(パンツァーファウスト)はバズーカの親戚みたいな関係だからあながち間違いじゃないぞ」 裸ナイフ アークのLOVE20イベントでの装備制限バトルの通称。装備しているのが特定のダブルナイフのみ、レールアクションすら無し、そして敵は通常通りという非常に厳しいハンデを課せられる。負けてもフル装備でリベンジできるが、ナイフだけのままで倒すと称号を獲得できる。同様の武装制限を課されるバトルはあと2つ(アークにもう一つとアルトレーネ)あり、どちらも「裸○○」と呼ばれる。(アーティルシナリオでは武装制限どころか全武装不可というバトルがあるが、これは相手も同じ素手というバトルなので、特に問題は起こっていない)どのイベントも無印・Mk2で「あるレールアクション」を獲得するためにはクリア必須。この戦闘でストレスを爆発させてソフトや本体をみぎぃさせた人もいる、らしい…。Mk2では敗北時即リトライとレールアクションの仕様変更が入っているので、難易度は前作より一応下がっている。 葉月 神姫マスターにして前回F1チャンプの竹姫葉月の事。独特な立ちポーズの為にネタにされたり。パートナーはアーンヴァルMk.2のアルテミスだが、その名前はバトロンのあるイベントで登場したラスボスと同じである・・・まったく関係なかったが。敵として戦う場合は非常に強いが、何故か仲間として戦う場合は極端に弱い印象がある。もちろん、ガイアさんをボコボコにしてる場合もあるが、そっちの印象は薄い。自分と共感する部分があるという理由だけで、赤の他人である千歳の保釈金を払っちゃう辺り、かなり裕福な家庭の娘と思われる。…両者とも所持神姫の方が常識がありそうなところは確かに似ている。バトマス2シナリオでは、主人公に協力を依頼して事件の核心へ誘導し、その上面倒な相手との戦いは全て主人公に丸投げするという見事な黒幕っぷりを披露してくれる。ガイアや四凶、千歳(inヴァルハラ)のような濃い面々の陰に隠れがちだが彼女自身も発言などを見る限り結構な変人の部類である。 バッカルコーン+E83 マリーセレスさんの専用RA。バッカルコーンは、クリオネが補食時に展開する6本の触手のことである。ネットで探してみると動画も見つかるであろうが、「流氷の天使」というネーミングにロマンを感じている人は見ないことをお勧めする。技の発動時に、あの特徴的なリアパーツをばっと広げるところが、バッカルコーンの展開を思わせるところからのネーミングであろう。後ろに付いている+E83については、O.P.F.からの公式発表はないものの、ファンの間では「イヤミ」の語呂合わせだという説がある。 バトコミ/バトコミュ モバゲーの「武装神姫 BATTLE COMMUNICATION」の略称。バトロンの終了と同時に発表された。バトロン、バトマスどちらとも違う世界観を持ち、神姫・装備の強化に他の神姫素体や武装が必要(強化素材用の素体としてNAKEDがあるが)、ベタな感じの悪の組織の存在など、ノリは他二つとは結構異なっているので注意。一時期はやけにイベントが多く行われており、イベント限定仕様(クリスマス・正月仕様など)の神姫も登場している。現在1~5弾およびそのリペイントと、ベルン姉妹、プロキシマ&マリーセレス、ビックバイパーコンビが参戦済み。Mk.2コンビやツガル・リぺアルト姉妹もいるが、これらはキャンペーン期間限定の神姫(期間終了済み)なので注意。あと、ガチャメインのソーシャルゲームの常として、他二つ以上にリアルマネーを吸い込む可能性が高い事には、特に注意されたし。一応課金ガチャさえ使わなければ基本無料なのでそこだけで楽しむこともできる。余談だが、神姫の素体カラーの違うエレガンス仕様・スポーツ仕様(要は体操服とかスク水とかそういうの)等のタイプが複数用意されている。…何か力の入れどころがおかしいような気もしないでもない。バレンタイン以降、ひな祭りと言う女の子の一大イベントにも関わらず何も起きないと思っていたら、2012年5月22日にサービスが終了することが発表(3/22更新)されてしまった。結局こっちでも出番のなさそうな神姫たちが不憫である。さらにこれによりバトマスMk.2DLCも全公開済み、フィギュアのMk.2リペイントフルアームズも発売済みなため神姫関連は公式による新しい情報も話題も無く、先が見えない状態になってしまっている。武装神姫の実際の市場規模や損得勘定はユーザーの立場からでは知る由もないが、ファンとしては今回のアニメ化が最後の打ち上げ花火にならないことを祈るばかりである・・。 バトマス PSPゲーム武装神姫バトルマスターズ(本作および前作も含む)の略称。バトロンで培った驚異の声優陣もあり、全神姫が登場するバトマス完全版を望まれていたりもする。UMDの容量では無理だと思われるため、ヴィータかPS3になるはずである。とはいっても、バトマスMk.2の全DLC神姫を入れても全神姫の半分くらいしか登場していないにも関わらず、16GBのメモリースティックが要求されるほどのボリュームとなっていることを考えると、完全版が実現したら一体どれくらいのものになることやら…。ちなみに現時点でバトマスに登場していない、武装のみ登場の神姫は以下の通りである。(一部武装・武器が登場しているものを含む)簡略化のためリペイント版とリニューアル版は除くが、書籍とバトロンのみ登場のものは含む。フィギュア発売済み/発売予定の神姫天使型アーンヴァル、悪魔型ストラーフ、兎型ヴァッフェバニー、騎士型サイフォス、侍型紅緒、砲台型フォートブラッグ、イルカ型ヴァッフェドルフィン、寅型ティグリース、丑型ウィトゥルース、建機型グラップラップ、蝶型シュメッターリング、カブト型ランサメント、クワガタ型エスパディア、天使コマンド型ウェルクストラ、悪魔夢魔型ヴァローナ、ナース型ブライトフェザー、シスター型ハーモニーグレイス、サソリ型グラフィオス、コウモリ型ウェスペリオー、忍者型ミズキ、フェレット型パーティオ、リス型ポモック、和風箸型こひる、スプーン型メリエンダ、忍者型フブキ弐型、忍者型ミズキ弐型、剣型フランベルジュ、斧型コルセスカ、鴉型アラストール、白鳥型キュクノス、MMS NAKEDバトロンに登場した神姫:イベントに登場しボスキャラを務めた。共に正確にはMMSだが神姫とは少々異なる存在全能なる者“root”、アルテミス(バトマスに同名のアーンヴァルがいるが別物)書籍(デジコミ/武装神姫マスターズブック)に登場した神姫:大半は「武装神姫 Forget-me-not」に登場狐型レラカムイ、人馬型クーフラン、犀型ディアドラ、羊型ベルスーズ、バッカルー型レイディ3、ハツカネズミ型マイキー・イースタン、舞妓型小桜、電気型リカ バトロン PCオンラインゲーム武装神姫バトルロンドの略称。2009年7月開始、2011年10月末に惜しまれつつ全サービス終了。神姫ライドシステムは無く、事前の指示を基に神姫自身が考えて行動する。そのためか、神姫所持者はオーナーと呼称されることが多い。マスターと一体化しバトルフィールドを縦横無尽に走り飛ぶバトマスと比べ、バトロンは最初にオーナーの指示を受けてからそれを基に神姫の判断で1対1で最大10ターンの攻防を順番に繰り返すというもので、ずいぶんと趣の異なるものであった。(そのため、互いの武器の射程次第では時間いっぱい追いかけっこで終わったりもした)そのせいか、同じ神姫でもバトマスとは微妙に性格・態度の違いがあったりする。(基本的なところは同じであることが多いが)神姫周りの基本的な設定は共通するが、神姫の意識をネットに送り込む技術の存在、MMS管理機構という組織、サーバー上での神姫バトルや軍事衛星をハッキングして乗っ取った神姫がいたりとバトマスとは同一世界ではないようだ。ちなみに上述の 全能なる者“root”とアルテミスはゲームでのイベントボスで、rootは神姫の武装パーツのみを寄せ集めた姿をした軍事用MMSのプロトタイプ。アルテミスは試作型の神姫の意識のみがネットワーク上に残ったもので、「軍事衛星をハッキングした(うえに街一つをサイバーテロでダウンさせた)」のは彼女。共にネットワーク上の存在として登場。 花子 花型ジルダリアの俗称の一つ。 パパン 各神姫達をデザインを行ったデザイナーたちの総称。浸透度も高いが、あくまでネットスラング。相手が神姫オーナーだからといって通用するのが当たり前と思わないこと。ちなみにママンも居る。 バルキリースカート アルトアイネスの鎧、ノインテーターの(スカート部分の)通称。元ネタは漫画(アニメ化もされた)「武装錬金」に登場するヒロインの武器から。専用RA「シザーズ・ガリアス・ドミニオール」で見せるスカート部が展開しクローが飛び出す挙動が似ているのと、アイネスが戦乙女(バルキリー)型であるという符合も相まって、すっかり定着した感がある。バトロン時代はアルトレーネのニーベルングも同じくバルキリースカートと呼ばれていたのだが、バトマスではレーネにスカート攻撃がなくなったので、アイネスの専売特許と化している。余談ながら、元ネタの方の中の人も武装神姫に砲台型フォートブラッグ役で出演しているのだが、本作には残念ながら未登場である。アイネスにも「はらわたをぶちまけろっ!」と叫んで欲しかった。まあ神姫がぶちまける事ができるのは…。 バレットカーニバル ゼルノグラードの固有レールアクション。前作での使い勝手の悪さを必要武装的な意味では改善した。でもモーションの関係上今作でも結局は…いたいッ ハンデ戦 一人で2,3人を相手にする戦闘のこと。死角からの攻撃や立っている暇もないほどの連続攻撃など、多くのマスターが苦しめられた。木を見て森を見よの精神を忘れずに、ビットで動きを止めたり速攻で頭数を減らすことが出来れば勝機はある。特に前作からあるハンデ戦の大半はメールでアレな集団に誘い出されて数に任せてフルボッコにされるという展開なため、本作のみぎぃの原因、本作に対する愚痴の代表例である。ひとまず放置して武装ランクを上げてからお礼参りに行くのが通例である。 パンドア 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつ。ガブリーヌと蓮華のメーカー。2人のシナリオを見る限り、神姫のAIに自分のことを神様とか地獄から来たとか、さらに人間と同じ食べ物を欲しがらせたり、と妙な初期設定を入れる傾向があるようだ。 ハンドガン 拳銃、ピストルとも。片手で撃てる銃、というのが一般的な認識だが、米国などの法律では撃つ時に肩に付ける銃床という部分がない銃とされている。ちなみに日本ではハンドガンを所有できるのは50人まで、と定められている。また、所有する銃も競技以外の非使用時は警察署に保管され、自宅に持ち帰ったりはできない。 轢き逃げアタック 装備しているパーツを分解して支援機体に変形し、体当たりを行うRAの総称。中でも特に、「地上を高速走行する」RAがこう呼ばれることが多い。現状のバトマスでは、バイク型およびトライク型の独壇場といえる。 ぴぎゅうっ クリア前ヴァルハラの伊庭寛二初戦にて、プレイヤーが負けた場合に見られるイベントのセリフ。どうなるかは「みぎぃ」を参照。 ビックバイパー コナミの名作シューティング「グラディウス」シリーズに登場する宇宙戦闘機。英語の綴りはVicViperなのでビッ「ク」バイパーである。(ちなみにVicはV字編隊のことで、オプションを引き連れて飛ぶ姿を編隊に見立てている)登場作品によって細かい形状はリファインされているが、先端が2つに分かれた形状と、白と青のカラーリングは共通である。コナミそのもののイメージキャラクター的な存在でもあり、数多くのコナミゲームに登場している。バトマスにおいても、前作の頃から主人公の部屋に模型が飾られており、さらに本作ではDLCでビックバイパー型神姫まで登場している。 ビット 某宇宙世紀ロボットアニメをルーツとする架空の兵器。遠隔操作の「飛ぶ銃」を使って攻撃する。便利な反面、制約もある。神姫的にはケモテック勢のプチマスィーンズ、アーンヴァルMk.2のリリアーヌ ココレットなどが該当する。射出前後に多大な隙が生じるものの、一度出してしまえば後はビットが勝手に相手のところまで飛んでいって射撃をしてくれる便利兵器である。マスターにニュータイプだとか特殊な空間把握能力だとかが無くても問題なく使えるが、漫画ではプチマスィーンズには自律式のAIが積んであるような描写があったり、神姫には分離変形した武装で構成される独立稼働するサポートユニットというものが結構あったりするので神姫自身そういう制御は得意なのかもしれない。ゲーム中ではこれを撃っているだけでNPCを倒してしまえるほど強力だが、ライバルに使われると非常に面倒な武装。相手を拘束するのに有用。 ひらいたりとじたり 股クールの別称。 貧乳 軽量省スペースをステータスと主張する胸部武装のこと。バトマスには未登場だがホボペタンAA(ポモックのアーマー)とかホボフラットAA(パーティオのアーマー)なんていう奥ゆかしい名前の胸部装甲もある。これら肌の見えるものとは別に、いかにもな装甲板な胸部パーツもある。「貧乳はステータスだ!希少価値だ!」というセリフが有名。本作ではハウリンが似た台詞を言うが、彼女は貧乳よりも幼児体型と言う方が正しい気も フォートブラッグ アームズインポケット製神姫、砲台型フォートブラッグ。素体は未登場だが武装(アサルトライフルやバックパックなど)だけは登場。製品では素体が付属しないEXウェポンセットであるため、同梱品だけで組むと通称「オーストリッチ」と呼ばれるクリーチャーが完成する。やめてあげてよ最近リペイントが発売された。やはりアメリカのノースカロライナ州フォートブラッグから取った名前なのだろうか(デルタフォースの基地がある)。 武装神姫 1:2006年から始まったコナミの可動フィギュアシリーズ。島田フミカネをはじめとするデザイナーや漫画家を起用して有名になった。しかし2011年にバトロンが終了し、それに続いて発表されたバトコミが2012年にサービスの終了が発表され、アーンヴァルMk.2テンペスタ フルアームズパッケージとストラーフMk.2ラヴィーナ フルアームズパッケージ以降の新作の発表がない時点でエストリル、ジルリバーズ、フランベルジュ、コルセスカが本当に発売するのか危ぶまれる状況に陥っている。コナスタがツイッターでエストリルとジルリバーズは現在発売の予定はないと公表してしまった。フランベルジュ、コルセスカも同様と思われる。このまま終了への道を・・・と思いきや、2012年にTBS系でTVアニメ化が発表され、2012年10月に放送した。今後の展開がますます混迷を極めていたが、そのアニメも放送が終わり、公式ページも縮小(ツイッターのアカウントも削除された)され、2013年6月に発売したBlu-ray DVD第7巻で有終の美を飾った。今後、武装神姫の復活はもうないと思われたが、2017年12月に再起動プロジェクトが始動。コトブキヤと角川との共同による再起動プロジェクトとなる。2:神姫という製品のうち娯楽としての戦闘ゲームを行うことを想定して設計されたモデルの総称。しかしオーナー次第なので必ず神姫バトルに使用されるとは限らない。 武装神姫 Moon Angel 「武装神姫 BATTLE MASTERS Mk.2」のゲーム用に配信されているアニメ。作中劇といった位置付けと思われる。コナスタでブルーレイディスク&DVDが発売中。もちろん、コナスタではアーンヴァルMk.2とストラーフMk.2のリペイントフルアームズとのセットのコナスタ限定商品もあったりする。いろいろ組み合わせているので無駄に高額。本作に登場する神姫であるアーンヴァルMk.2のかぐや(01)とストラーフMk.2の02は、神姫を模した自立戦闘用オートマトンであり神姫ではない。本作のオリジナルとしてかぐやと02のCSCを制御ユニットとした自立式汎用人型兵器アテナ(人間と同サイズ)が出てくる。 武装紳士 武装神姫のオーナーの総称でありスレ住人はその一部に過ぎない。武装神姫のもじりから。公式SS中のオーナー名で使われていたため定着し、そちらが発祥元という説もある。女性の場合は武装淑女と指す事もある。浸透度が高いとはいえあくまでネットスラングであり、神姫スレを知っているかバトロンのオーナー以外の人間は知っているとは限らないため知っていて当たり前と思ってはいけない。 フブキ グループケーツー製神姫、忍者型フブキ。もともとはバトロンオリジナルの初期神姫だったが、何度かフィギュア化もされた。デザイナーはコナミの中の人らしく公表されていない。パッケージイラストの人は名前は出ているが、デザイナーとは書かれていない。ジャンクショップに売っても不死鳥の如く帰り道に現れる現代版呪いの人形。それを売るなんてとんでもない。 フブキ弐型 グループケーツー製神姫、忍者型フブキ弐型。デザインは島田フミカネであり、アーンヴァル/ストラーフMk.2のようなフミカネ的意匠が随所に見られ(特に腕部は共通のデザインである。)、フブキとは印象が大きく異なっている。バトマスには素体は登場していないが、その武装セットがDLC第13号で登場する。そのため、「フブキ弐型装備のフブキさん」が再現可能。 フブッホ 忍者型フブキの俗称の一つ。元ネタは漫画「武装神姫2036」から。 ふぶにー フブキ弐型のこと。 フミカネ神姫 神姫デザイナー島田フミカネがデザインした神姫を指す。アーンヴァル(Mk.2)、ストラーフ(Mk.2)、飛鳥、ムルメルティア、ジールベルン、オールベルンなど最多。 フラッシングブレード エストリル専用レールアクション。バイクで走りつつ、刃物を地面にこすり付ける行動は一昔前の海外映画の悪役と同じ行動である…。まぁ、バイク使い神姫で唯一、轢き逃げアタックではないというのは、まだ良心的とも取れるが、単に「体当たりなんかして、万一バイクが壊れたら、スピード出せなくなるっしょ」ということかもしれない。 プラントプラネット 武装神姫世界における神姫製造メーカーの一つ。ジュビジー&ジルダリアのメーカーである。 プロキシマ O.P.F製神姫、ケンタウロス型プロキシマ。DL神姫。今まで居なかったタイプのヅカ系クールビューティーで、凛とした佇まいである。名前はケンタウルス座に存在する太陽系に最も近い恒星「プロキシマ・ケンタウリ」に由来し、ラテン語で「最も近い」という意味である。また、武装の名称はケンタウルス座を構成する星々の名称などから取られている。イベントでニトロヂェリー(Nitro+と描かれたアークのヂェリカンのこと。ちなみに酒類のような効果を持つ嗜好品が入っているらしい)を呑んでいる場面があるが、これはデザイナーがニトロプラスの社員であることに対するスタッフのお遊び。 プロメテウス事件 本作で追加されたメインシナリオで扱われた事件の一般的な呼び名。事件の詳細についてはプレイしていただきたい。 フロントライン 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつ。シンボルマークはFとLを組み合わせたものを図案化している。主な神姫はアーンヴァル・ストラーフ系列とそのヴァリエーション、のみならずムルメルティアや飛鳥のような局地戦用神姫も開発している。神姫の種類が最も多いため、武装神姫世界においては最大手メーカーと思われる。フブキ弐型、ミズキ弐型はフミカネデザインだがグループケーツー製になっている(ただし、弐型の開発にはフロントラインが協力している、という設定あり)ため、それ以外のフミカネ神姫はほぼここ。実はここが出した神姫は全てリペイント版が存在している。 ブンドド 一種の業界用語で、フィギュアやプラモデル同士でバトルごっこをして遊ぶことを指す。語源は遊ぶときに思わず口に出してしまう擬音「ブーンドドド」からとされている。子供の頃であれば、誰しも一度はやってみたことがあるであろう。武装紳士達の中にも、入手した神姫でブンドドするのを楽しみにしているのが少なからずいる。それ自体は趣味の範疇であるが、いい歳をしたオトナが神姫を手に「ブーンドドド」とやっているところを理解のない人に見られると、社会的に問題が発生するので、遊ぶときは周囲によく気をつけていただきたい。 ベイビーラズ アヴァンフィジーク製神姫、エレキギター型ベイビーラズ。DL神姫。語尾は「じゃん」。ゲーム中では何というか、マスター運に恵まれていない。 ヘビーガン神 武装収集により得られる称号の一つ。取得により専用RAを入手できる。このRAは対人戦ではすぐに見切られてしまうが、NPC相手なら大活躍。ランチャーさえ装備していれば武装ランク、LOVE、神姫の種類に関係なく使えるという汎用性の高さも魅力。意識して早めに取得すれば、やり込みや育成をする際の大きな力になるだろう。…DLCランチャー「被虐の女神」を所持していたり、専用RAでの使用武器とか考えると、ガイアはこの称号を持っているのかもしれないという気がしてくる。 ヘリッシュクレイドル ジルリバーズの専用レールアクション。ただ単純に突撃して跳ね飛ばすアーク、イーダの専用レールアクションとは違い、ヒットするとそのまま相手の上でジャックナイフ状態で一回転した後、跳ね飛ばすという非常にえげつない技であり、ジルリバーズのヒールさ、ダーティさを垣間見れる技。バイク系レールアクションの中では唯一の多段ヒットするレールアクションでもある。 ベルン姉妹 剣士型MMSのオールベルン3種類、ジールベルン3種類を総称した名前。ただし、公式の呼称ではないので注意されたし。全て宝石の名前を冠しており、オールベルンはパール、ガーネット、ルナーリア、ジールベルンはオブディシアン、サファイア、アメジストがいる。ただし、パールとオブディシアンはそれぞれのシリーズの最初の機体であるため、宝石名ではなく単に「オールベルン」「ジールベルン」と呼ばれることが多い。このネーミングから、「宝石姉妹」とか「宝石戦隊」とか呼ばれることも。 砲子 砲台型フォートブラッグの俗称の一つ。 咆哮 ガイアがランチャーを使って放つ固有RAその1。実質NPC戦専用といっていい。対人戦で使うと、ACで至近即発できればまだしも、後退してから発射するためジャストガードの的、もしくはジャンプなどで回避される事にしかならない。 ポモック ケモテック製神姫、タヌキ型リス型ポモック。語尾は「ぽも」。素体は未登場だがDL武器だけは登場している(まんが肉)。ちなみに前述のタヌキ型というのは持っているアイテムがまんが肉なのとどことなくタヌキっぽく見えることによるが、もちろんこのネタを不快に思う人もいるのと、ちょっとしたゴタゴタが過去に起こったので注意が必要。BLADE氏によればまんが肉を持たせたのは無意識だとか。 ま [部分編集] マーヴァインダストリーズ 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつ。ヴェルヴィエッタとリルビエートのメーカー。シンボルマークは「M」と「V」を組み合わせて図案化したもの。開発した神姫は二種類とも妹系・・・なのだが、「俺の妹がこんなに~」だったり、ヤンデレ(ただしヤンの意味は病みではない)だったりと、三回転半ほど斜め上の方向に投げてる感が否めない。 マオチャオ ケモテック製神姫、猫型MMSマオチャオ。戦闘前会話から、多くの神姫にとって「お馬鹿で可愛いアホの子」というのが共通認識のようで「そこが魅力」と言い切る神姫もいる。立ち絵こそ漫画(2036)準拠でちんちくりんだが、戦闘中のモデルの通り本来1st素体神姫なので実は結構グラマー。 間垣神姫 神姫デザイナー間垣リョウタがデザインした神姫を指す。エウクランテやイーアネイラなど。胸はもとより、複数の武装を組み合わせ完成するサポートメカも特徴の一つ。 間垣リョウタ 神姫デザイナーのひとり。メカデザインもかなりのものだが、何よりも大きな特徴は女性キャラの胸だったり胸だったり胸だったりする。大きな特徴だけに。キャラクターデザインとしての代表作は塔ノ沢魔術研究会。間垣氏は非公式の神姫のデザインをやっていた時期があり、スペイオー、リムノレイア、TYPE Camelのデザインをブログで公開している他、グラフィオスとウェスペリオーの武装合体メカ「ゼオ」をモチーフにしたパロディキャラ「ぜお虫」も公開している。 マジックマーケット 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつ。主な神姫はエウクランテ、イーアネイラなど。シンボルマークは、社名の頭文字である「M」を2つ重ねた形を図案化したもの。特徴としては神姫デザイナーの趣味の賜物でもある別格に豊かな胸と、社名通りのセイレーン、マーメイドなど神話の幻獣をモチーフにした神姫。 マスター 1:神姫の所有者。プレイヤーを含む大抵の神姫所有者が神姫からこう呼ばれる。神姫が所有者をどう呼ぶかは所有者の好きに決められる事になっているので中には殿とかブタとかマニアックな呼ばれ方をする人も。ただ、マオチャオのイベントでは、神姫が好き勝手に呼んでいると思われるフシもある。神姫の各シナリオでの描写からすると、マスターが神姫の所有権を手放すことは(神姫側の感情はともかくとして)自由だが、神姫が勝手にマスターを変えることは禁止されているようだ。ただし、違法となるが抜け道はあるらしい。また、基本的によほどとんでもないことをしない限りは、神姫はマスターに多少なりとも好意を持つようになっているようだ。2:称号のひとつ。前作では同一カテゴリーの武装や防具を全て集めるとカテゴリーごとに獲得できた。今作でも多少表現が変わったが基本的に獲得の条件は同じ。類似称号としてマニア、神がある。入手できる確率の低い武装もあるので、獲得はけっこう大変。 股クール 神姫の股を開いたり閉じたりして気持ちを落ち着かせる高等精神安定方法のこと。決して卑猥な意味ではない。やりすぎて神姫の股関節を痛めないように。 マリーさん/マリー マリーセレスの俗称の一つ。ついさん付けしてしまうのはあまりに無邪気で逆に腹のうちが透けて見えるような素敵な笑顔の成せる業。 マリーセレス O.P.F製神姫、テンタクルス型マリーセレス。DL神姫。名前の由来は、有名なメアリー・セレスト号(クラーケンに襲われたという説があった)からというのが定説。相方がケンタウロス型であるが彼女はクラーケン型でないので注意。愛好家の間ではクトゥルーのような旧支配者に祭り上げられたりしているとかいないとか(“触手型”という名状しがたい設定、どこか混沌とした言動、デザイナーの仕事つながり等々。武装にも「ダゴン」「ハイドラ」という名詞が)3rdsmall素体の隠れ巨乳で、下腹部のデザインが実に性的で…待て、あの手は何だ。…ああ、窓に!窓に!!(この「…ああ、窓に!窓に!!」は、H.P.ラヴクラフト作のコズミックホラー小説「ダゴン」が元ネタ。作中でも非常に印象的なフレーズであり、以後連綿と続くクトゥルー神話体系作品を象徴するかのような名文である。)リペイントverである「レムリア」はピンク系のカラーに変更され、アームや武器に薔薇エンブレムもあることからモチーフとなった海洋生物よりはむしろ花を連想させる容姿となっている。またレムリアでは新装備として大型ガンブレード「メイルストロームソード」が追加されており、クロスレンジでの攻撃力が大幅に上昇している。…花のイメージではあるが、巨大な剣を掲げ、様々な火器をそのスカート内に隠し持った姿は気高く可憐な薔薇・・というよりは獲物を狙う危険な妖花。まぁ性格的にも可憐って柄じゃないようn(…鈍い音の後、沈黙が訪れた。僅かな鉄の臭いと微かな水音がする) ○○子 白子、犬子などの特に初期の神姫に多い愛称の形。もともと正式名称が長いことからアーンヴァル、ストラーフを白子、黒子と呼んだことから始まった。基本的に神姫の特徴を漢字で表し、猫子、寅子のように表すが、アーク、イーダあたりからこのパターンを使わない愛称の神姫も増えてきている。 みぎぃ ヴァルハラにおける神姫マスター伊庭寛二が、13号に行った行為を表現した台詞。前作バトマスでの最大のトラウマイベントという声も高い。具体的にどうなっているのかは謎だが、現場を目撃した神姫の証言によると真っ二つになってるという話も。文字にしたときの語感が何となく笑いを誘うためネタに使われやすいが、行為そのものは非道である。「みぎぃ」は右側にねじっていると思われ、左側なら「ひだりぃ」であろうというネタもある。マリーセレスは14号との対決時に「またあれが見られるのかと思うと」ととんでもない発言をしている。 みこーき 飛鳥の俗称の一つ。単純に巫女+飛行機である。本名より長い愛称であるが、語感からかそれなりに使われる。 ミズキ グループケーツー製神姫、フブキのブランチモデル、忍者型ミズキ。もとはバトロンの一イベントのボスキャラ。その後いろいろあってプレイヤーキャラクターとして実装され、さらにフィギュア化もされた。素体・装備とも未登場だがDLCで武器(投擲など)だけ登場。 ミズキ弐型 ミズキの強化型。その武装はフブキ弐型とは完全に別物となっており、また、型式番号も全く異なる(フブキ:GK06N1→ミズキ:GK06N1Xに対して、フブキ弐型:GK07NJ2、ミズキ弐型:GK08NJ2)ことからも、ブランチモデルとしてではなく完全なオリジナルモデルとして一新されていることが読み取れる。設定上は、フブキ&ミズキから地上戦用に進化(特化)したフブキ弐型に対し、空中戦用に進化したのがミズキ弐型という位置付けである。バトマスには素体は登場していないが、その武装セットがDLC第15号で登場する。 ミミック 後半ストーリーでMAPにてエンカウントする、神姫を模した存在。機械的な見た目通りまともな会話をする能力もないが、一部ではシナリオ追加希望もあったりなかったり。鳴き声は「ううぅぅぅぅきゃあぁぁぁぁぁっ!!」 ちなみに声を担当しているのはハウリンの中の人である。また、武装のランクや勝利時のスコアに関係なく、貰えるsptは300sptとなっている。厳密には神姫ではない為、貰えるだけマシであろう。 むっちんぷりん 女性を象徴する部位の表現を形容した呼称を題名にしている雑誌…らしい。甚平や主人公にとっては大切な物だが常に神姫たちに発見される危機にさらされている。ただ彼女らはそれが何なのかまではよくわかっていないようでもある…まぁそれ故にある神姫のシナリオのようにとんでもないことをしでかしたりすることもあるので余計恐ろしいのだが。ちなみに、胸で有名な某神姫メーカーMM社とは何の関係もない…はずである。余談ながら、神姫は現在のサイズが1/1つまり原寸大であるという縛りがあるためか、そもそもフィギュアが発祥という経緯のためなのか薄い本がなかなかない。残念で(鈍い音がした)…まぁ、薄い方はともかく、せっかくコンシューマー向けのゲームになった訳だし、アンソロ位はもっと出てきてもいいんじゃないでしょうか。 ムルチー/むる子/むるちぃ 戦車型ムルメルティアの俗称の一つ。 ムルメルティア フロントライン製神姫、戦車型ムルメルティア。前作では武装のみ登場していたが、今作ではDL神姫として参戦。今作からの追加神姫としては先陣を切って第2号で実装された。神姫よりでかいサイズのパイルバンカーと主砲を所持し、火力こそパワーと言わんばかりの脳筋攻撃偏重思想を掲げて憚らない、他のバトル脳神姫とは一線を画す困ったちゃん。デザインの元ネタはナチスドイツ兵士およびティーガーI型戦車。なお、帽子のマークはフィギュアでは変形した十字マーク(形状は社のロゴに似ているが別物)であったが、モチーフなどの問題からかバトロンでは単なる×印に変更されていた。バトマスではフロントライン社のロゴマークにされている。 や [部分編集] 柳瀬敬之 神姫デザイナーの一人。ゼルノグラードやフォートブラッグなどのアームズインポケット製神姫や武装のデザインをしている。あくまで本業はメカニックデザインなためか、キャラクターデザインは苦手な模様…。そのためか、武装のみデザインすることも多い。アルトレーネ/アイネス/エストリル/ジルリバーズの武装デザイナーもこの人。フリーになる前はフロム・ソフトウェアでデザイナーをしていた。携わった作品としてはアニメでは「交響詩篇エウレカセブン」「機動戦士ガンダム MS IGLOO」「機動戦士ガンダム00」「STAR DRIVER 輝きのタクト」「デッドマン・アンダーランド」、ゲームでは「アーマード・コア2」「スーパーロボット大戦(J・W・OG)」、「A.C.E3」「メタルギアソリッド4」「ダライアスバースト」等等。 ヤンデレ リルビエートのことを指す。ただし、「ヤン」の意味合いが一般的なヤンデレとは異なることに注意。どうしてこうなった・・・。 やんばる アーンヴァルのイベントから派生した俗称の一つで、ヤンデレからきている。ネタ会話では本格的にヤンデレ化しているが…「クルナァァァァァァァァァ!」……とかネタにしてたら、「武装神姫Moon Angel」で本当に黒化した。どういうことだってばよ? ら [部分編集] ライトアーマー 素体と必要最低限の武装セットとして発売されたシリーズ。4弾8種類が存在し、フルセットとは異なる簡易スタンドが付属していた。ちなみに第~弾のカウントは、ライトアーマー第~弾と最初からカウントし直していた。バトロンでは全員登場しており、声優も設定されているが、バトマスには未登場。現在、ライトアーマーシリーズはフルセットと統合され、シリーズとしては消滅しているが、事実上ガブ&蓮華、ラプ&アティ、ベルン姉妹あたりはこれの系譜であるといえる(実際これらは付属スタンドがライトアーマーと同じものである)。装備が最小限であり、フル装備でも素体と大きくシルエットが変わらないことが多い。バトマスでは一応他の神姫と同じぐらい装備箇所がある娘もいるが、そもそも武器の大半がDLCなどで出てきてしまっている。ちなみに、フブキ(&ミズキ)も実質的にはライトアーマー枠といえるが、販売形態が異なるので正式にはライトアーマー扱いはされない。 ライドオン ①今作および前作の設定の一つ。バーチャルシステムを利用して神姫とマスターがリンクする事。基本的には持ち運ぶには向かない程度に大掛かりな装置を必要とするもので、ゴーグルのついたヘッドギアのような装置を介して神姫と感覚をリンクさせているらしい。本作で、ライドオンしなくても神姫だけでバトル自体は出来たり、マスターのみならず神姫の精神状態によっても同調率が低下したりすることが明かされている。この手の設定にありがちな「過剰な同調によるマスターへのダメージの伝達」などはないようだが…改造次第では(精神にとはいえ)できたりするようである。②前作の主題歌。正しいタイトルは英語で「RIDE ON」。葉月とのF1決勝戦のBGMとして知られており、本作でも戦闘時のBGMとして選択できる。なお本作での出番はストーリーのクライマックスの1シーンのみ。ちなみにitunesでも購入できるらしい。 ライドオンギア ゲームセンターのような大型筐体がなくとも、擬似的に神姫バトルを行える空間を作り出す端末。略称はROG。次世代の筐体として開発中のものであり、現在はプロトタイプが少数生産されているのみである。籠手のような形状をしており、左腕に装着して使用する。「俺のターン!ドロー!!」 …まぁどちらもKONAMIなので、特に問題はない。ぶっちゃけ路上でライドオンして危険はないのか気になる。(DLCアニメではディスクを投げてバトル空間を展開していたが、内部からの砲撃が外部に飛び出ていた為、思ったより危険かもしれない。)周りからはどう見えているのか・・・気にしていたら負けである。 ライトセイバー 某米SF映画に端を発する、あまりにも有名なレーザーの刀身をもつ剣。以後日本のアニメにやたらとコピーされている。神姫においてはフロントライン製の剣、特にアーンヴァル関係の武器にこのタイプの剣が多い。なお、アルト姉妹の使う剣の刀身はレーザーではなく強化クリスタルであるので誤解なきよう。もちろんフィクション上の存在。 ライドマックス ライドレシオが100%に達した状態。神姫は赤い(正確には赤紫色)オーラを纏い、SPの消費軽減・回復量上昇となる。また、本作から導入されたEXRAはこの状態でないと発動できない。言ってみれば「みなぎってきたぁ!!」状態のこと。(一部神姫は本当に言う。) ライフル リアルでは銃身長が16インチ以上で肩に固定して撃つ銃(ショットガンを除く)。元々の古い定義は、内側に弾丸を回転させるための施条という溝が彫られている(ライフリングされている)銃身のことで、現代の銃はショットガン等一部を除き皆ライフル銃身なのだが、単にライフルといえば一般的には小銃のことを指す(ライフリング技術の登場以前の主力小銃であったマスケット銃と、それに施条を施したライフルドマスケット銃が混在していた過渡期にそれぞれを区別するための呼び方だったが、マスケット銃が廃れて後も同様の用途に用いられる銃を便宜上ライフルと呼び続けた結果、小銃=ライフルとなった、という経緯だと思われる)。フィクションというか一般認識としては「手で持って撃つ長い銃」のことで、発射されるのが弾だろうとビームだろうとレーザーだろうと大体何でもライフルと呼んでいる。バトマスではだいたいその認識に沿ってのカテゴリとなっている様子。ただしリアルでは、どんな銃をライフルと呼ぶかは、日本をはじめ各国の法律で明確に定義されている。大抵、肩に固定して撃つ銃という条件があり、フィクションのただ長いだけの銃は実際にはほとんどハンドガンである。ちなみに、ライフル砲の方は、現在はほぼ使われず、滑腔砲にその座を譲っている。 ラヴィ 悪魔型ストラーフMk.2ラヴィーナの略称。(゚∀゚)ラヴィ!! ちなみにラヴィ-ナは露語で雪崩のことだとか。 ラズ ベイビーラズの略称。 らぷちー 鷲型ラプティアスの俗称の一つ。 ラプティアス アキュートダイナミックス製神姫、鷲型ラプティアス。DL神姫。イーダ、紗羅檀とお嬢様系の神姫は他にもいるが彼女らとは違い相手を不快にさせるような言動がないお姉さま。妹分のアーティルより胸が小さいことが良くネタにされるが、あれはあーちるがロリ巨乳なだけで、彼女も十分魅力的な美乳の持ち主である。(そういう意味ではイー姉と比較されるエウエウと似た立場か)鷲型なのに純正武装に空中ダッシュがない… ランチャー 基本的に発射装置を意味しミサイルやロケットの発射台である。神姫の使うランチャーはレーザーなども発射している。神姫では旧アーンヴァルのLC3レーザーライフル(通称「白子砲」)や、アークのシルバーストーンあたり。 乱舞系RA 連続して殴りつけたり斬りつけたりするRAの総称。ちなみに格闘ゲームで連続して殴りつける技のことを乱舞技と呼ぶのは、「龍虎の拳」の必殺技「龍虎乱舞」が元ネタ。本作ではマオチャオのスーパーねこ乱舞がそのものずばりのネーミング。他にもハウリンのドックサーカス、ラプティアスのスーパーダブルナックルあたりが乱舞系か。 リアルコナスタ 東京・六本木にあるコナミスタイル直販店のこと。 リフタングル=ビショット 前作からあるDL装備で、ビット兼用のリアパーツ。デザインは柳瀬敬之氏。武器として使うと背部の4つのビットが相手に向かって飛んでいき、直撃すると爆発を起こす。つまりミサイル。バトロンのスキルではビットらしい動きをしていたのに残念である。 リペイント 既に発売されている神姫のいわゆる色変え版の事。大抵は元の神姫が発売されてしばらくしてから発売される。元々は電撃などの誌上通販限定などだったが最近ではコナミスタイルでも取り扱う事が多い。時間が経つにつれて追加表情パーツ、追加髪型、追加胸、追加武装と増えていき、最近ではむしろ仕様変更版のような状態になっていることが多い。(実際、初期は○○リペイント、という名称だったのが、飛鳥・夜戦仕様 ムルメルティア・砂漠戦仕様を皮切りに、「元の名称」+「追加名称」のネーミングパターンが増えている)設定上調整が行われていることが多く、元の神姫とは性格が微妙に違うことも。現状リペイント神姫の数はFrontLine社が圧倒的(全神姫にリぺ版有り)。また、オンライン限定・バトコミ限定でフィギュア化のされていないリぺイント神姫も存在する。 リルビエート マーヴァインダストリーズ製神姫、ビックバイパー型リルビエート。DL神姫。ビッ「グ」ではなくビッ「ク」。赤くて名前がLBなのにロードブリティッシュ型ではないらしい。ビックバイパーとしては恐らく初の、F-22のような変形デルタ翼をもつ。典型的な妹・・・が欲しい方は、リルビエートのシナリオをDLするのは止めた方が良いかもしれない。 レーネ 戦乙女型アルトレーネの略称。 レー姉 「れーねぇ」。アルトレーネのことで、特にアルトアイネスとの関係で使われることが多い。 レールアクション SPを消費して発動させる特殊動作。RAと省略して記載するが、たまにLAとなっているのはご愛嬌。 レールガン ライトガンカテゴリーのライフル。旧アーンヴァルの武装「RG8レールガン」等。リアルでは物体を電磁誘導で撃ち出す装置(兵器に限らない)で原理は古くから知られており、実際に製作もされている。SF作品でもよく兵器として登場しているが、原理を理解しやすいコイルガンという装置と混同されがちである。それどころか、アニメ等で登場する際は、わかりやすさ優先のためか光線を発射していたりして、総突っ込みを受けていることも。 蓮華 パンドア製神姫、九尾の狐型蓮華。DL神姫。尻尾のギミックは多彩。語尾は「~ぞよ」もしくは「~じゃ」。そこ、何を言っているかわからないとか言わない。神の使いを自称しているという設定だが、本人は神そのものを自称する。武装のほぼすべてが最大の特徴でもある尻尾部分に集中しているのが特徴。 ロードファイター アーク専用レールアクション。轢逃げアタックとも言われる。突進系RAは「装備してる武器の最高ATK数値」が反映されるため、知らずに威力がしょぼいといわれたりする。なお、必要装備の都合上ピットブルでは使用不可だが狙撃スターでは使用可能。何か釈然としない。 ロードブリティッシュ コナミのシューティングゲーム「沙羅曼蛇」等に登場する宇宙戦闘機。2P側の機体で、1P側の白地に青のビックバイパーに対して白地に赤の機体色を持つ。このため、リルビエートは名前も相俟って(リルビエート=LB=LoadBritish)ロードブリティッシュ型ではないのかと言われている。しかしロードブリティッシュは機首が二股になっていないなど(機体正面からの印象はむしろ「ダライアス」のシルバーホークに似る)ビックバイパーとはそもそも別の機体であり形状も大きく異なるっているため、リルビエートはやはりビックバイパー型だという説も根強い。どっちかはっきりして「文句あるんか、あ゛あ゛ん?」イエナンデモアリマセン わ [部分編集] 和風神姫 古き良き日本の心を醸し出す神姫の通称。どうしてもメカチックなデザインが圧倒的に多い神姫の中で、いやがおうにも目を引く存在である。紅緒、飛鳥、フブキ(&ミズキ)、こひる、といった辺りが和風神姫として挙げられることが多い。そのうちでバトマスではフブキと飛鳥が実装されている。なお蓮華は、モチーフの九尾の狐(元は中国系妖怪)のイメージが強いためか、はたまた和風とか色々霞んでしまうほどの強烈な個性のためなのかあまり和風としては数えられない模様。 A [部分編集] AC アタックチェイン(Atack Chain)の略記。ウサギやライオンが跳ね回るCMとは一切関係無い。 AIP 製造メーカー、アームズインポケット(Arms In Pocket)の略記。 B [部分編集] BLADE 神姫デザイナーの一人。ハウリンおよびマオチャオなどのケモテック神姫をデザインしたり、漫画「武装神姫2036」を描いている人。言わずと知れた、大のケモっ子好き(雌雄問わず)。独特の意匠が多い反面、その構造上組み替えに使い辛く、ケモテック系は単体のフィギュアとして愛でられていることが多い。ちなみに、神姫イラストをすこし人間寄りに(関節等)描く人である。肉球付きの手になる武装腕が多いが、本人は無意識でやっているそうだ。 C [部分編集] CHIKARA ガイアがランチャーで放つ固有RAその2。巨大な光弾を発射する。弾速は遅いが誘導性能が非常に高い。ヘビーガン神と神姫オールコレクターの称号を取ると入手できる。CPU戦では適当に撃つだけで障害物も通り抜けガンガンヒットするため、大活躍。一見回避困難で非常に強力なRAに思えるが、実は引き付けてターンするだけで簡単に回避可能。発射前の隙も非常に大きい。見慣れてしまえば対処は簡単。対人戦では弱点ばかりが目立つ為、適当に打つのはやめたほうが良い。 CHOCO 神姫デザイナーの一人で、本名は麦谷興一。同じく神姫デザイナーのBLADE氏とは同期。アークおよびイーダのオーメストラーダ製、ベイビーラズや紗羅檀のアヴァンフィジーク製神姫をデザインしている人。主に携わった作品としては「イグナクロス零号駅(漫画連載)」、ゲーム「旋光の輪舞」、「CHAOS;HEAD」、ゲーム「ゼノサーガ」シリーズ等。 CHOCO神姫 オーメストラーダとアヴァンフィジークの神姫達のこと。デザイン完成度が高く非常に美しい。ただ隙のないデザイン故に各パーツが排他的で、他社製品のパーツと組み合わせて調和を得るのが難しいことでも知られている。また、フィギュアでは素材やギミックに新しい試みが組み込まれている(アーク&イーダのゴムタイヤ 金属スプリングを用いたサスペンションユニットや、紗羅檀&ベイビーラズのLEDとボタン電池を用いた発光機能など)事も特徴のひとつだが、比例してお値段もランクアップしている。 CSC コア・セットアップ・チップ(Core Setup Chip)。複数種類があり、神姫の胸に3個組み込むことで神姫の個性を生み出す。これを外すことはその個性が失われて神姫がリセットされてしまうことを意味する。OPのアニメに一瞬登場する他、ハウリンイベントのキーアイテムにもなっているが、種類がどうこうという設定は用いられていない。ちなみによく勘違いされがちだが、球型ではなく細長いピン状の形状。(小さいがゲームアバンの一枚絵や公式HPの「ABOUT BUSOU SHINKI」で確認できる) 前作のUMDディスクの盤面のイラストはCSCだった。 D [部分編集] DL ダウンロードの略記。主にDLCのことを指すことが多い。 DL神姫 ダウンロードコンテンツにて配信されている神姫達を指す。前作から継続8体、今作で追加された神姫が8体、計16体が判明している。素体(600円)、武器セット(1000円)、シナリオ(500円)とばら売りされているが、専用RAのためには武器セットが必要であり、バトル前後の会話のためにはシナリオが必要である。 DLC ダウンロードコンテンツの略記。後付け追加要素で、本作では追加装備、追加神姫(DL神姫)、ムービー「武装神姫Moon Angel」、追加BGMがある。前作で購入済みのものについては、本作では無料という扱いとなる(自動的に購入済みになっているわけではなく、改めてダウンロードする必要があることに注意) E [部分編集] EXウェポンセット 素体(神姫の胴体)を含まない武装セットとして発売されたシリーズ。今作ではツガルが該当し、単色素体を追加したものがゼルノグラードになる。TIPSのイラストで両者の体が単色なのはこのためで、ゲーム内のデザインはバトロン参戦時オンラインオリジナルとしてデザインされたもの…なのだが、ぜるのんのはそれとも違う本作オリジナルカラー。 EXRA 「一刀両断・白EX」等、後ろにEXと表記された神姫固有レールアクション。今作で追加された要素でいわゆる超必殺技。各神姫のLOVE30の最終イベントクリアで取得し、虹色のエフェクトと共に神姫が固有アクションで攻撃を行う。……のだが、指定されたランク6~7の神姫純正武装を装備する必要があり、武器種(武器が必須ではないものもあるが)・アビリティ・ステータス、それに伴って戦術にまで制約を課されるうえ、ライドマックス状態でしか使用できない(このため開幕ぶっぱRA戦術が使えないどころか、それ以前にライドマックスまで持って行く必要がある)割に、CPU戦ならともかく対人ともなればクリーンヒットするほうが珍しいので無理して使うほどのものとは到底言えない。だが、やはり専用アクションでビシッと決めるというのは漢の浪漫である。ライドマックス状態限定という点以外に運用について他のRAと変わるところはない。 F [部分編集] FL 神姫製造メーカー、フロントライン(Front Lineの略記。 M [部分編集] MATATABIジェル マオチャオの好物、猫にマタタビのあれで、マオチャオはこれを摂取すると酒に酔ったようになる。酔ってそのまま寝てしまったりして、イマイチ何のために存在するのかハッキリしない。主人公はマオチャオを黙らせる時にノドを撫でて撃沈させるか、コレを上手いこと飲ませて眠らせていると想像してみる。因みにジェルではなく、ヂェルではないかともいわれるがゲーム中の表記はジェル。 Mk.1 マーク1。基本的には、下記Mk.2以降が登場して初めて呼ばれることが多い。そりゃそうで、次世代が登場して初めて、改めて第一世代と呼ばれることになるのであるから。神姫界隈では、初代アーンヴァルと初代ストラーフが、Mk.2が登場したことで必然的にMk.1となるのだが、現在は旧白子、旧黒子で事足りるので、あまり呼ばれる事は無い。 Mk.2 マーク2。ロボット系の作品でよく使われる言葉。武装神姫でMk.2といえば以下がある。1:武装神姫バトルマスターズMk.22:アーンヴァルMk.23:ストラーフMk.2なお、いずれも正しい表記は「Mは大文字」「Mkと2の間に.(Markを略記していることを意味する記号)が入る」である。ロボットアニメやゲームでは後継や次世代を指す言葉として使われる事が多いが、本来は「第〇世代目の変種」という意味の言葉であり、「新しい物」や「次の物」を指す言葉ではない。 MM 神姫製造メーカー、マジックマーケットの略記。 MMS Multi Movable System の略記。神姫に用いられているロボットの開発技術、およびその技術を用いたロボットの総称である。そのため、神姫でないMMSも存在はする。リアルにおいては神姫に使用されてるアクションフィギュア規格の名称であり、神姫と呼ぶにはこれを使用し、かつ1/1サイズであることが数少ない縛り。mmsを利用したキャラクターフィギュアは1/12スケールだが、神姫はあくまでも1/1スケールである。 MMS NAKED えむえむえす・ねいきっど。コナスタで発売されている、素体のみ(ダミー頭部が付いてくる)のMMSフィギュア。肌の色が異なる数種類が発売されている。 N [部分編集] Niθ 神姫デザイナーの一人。「にしー」と読む。マリーセレスやプロキシマのO.P.F製神姫を手がけている。カッコ可愛い美人画から恐ろしくもスタイリッシュなクリーチャーまで幅広いデザインをこなし、特に女性キャラのお尻描写は「Niθケツ」と呼ばれ定評がある。が、パパンではなくママン。キャラクターデザインの絶対性にこだわらないタイプの絵師なためか、神姫のパッケイラストは絵ごとに顔が違っていたり怖かったり。マリーセレスとプロキシマのリペイント版パッケはほぼ別人の様相。主に携わった作品としては「斬魔大聖デモンベイン」「機神飛翔デモンベイン」「マブラヴ」「マブラヴ オルタネイティヴ」「ブラスレイター」「百花繚乱 SAMULAI GURLS]等。 O [部分編集] O.P.F. 神姫製造メーカー、Ovest Pozzo Fabbricaの略記。読みは「オヴァスト・ポッゾ・ファブリカ」。イタリア語であり、強引に意訳すると「西(=Niθ)製作所」というところか。 P [部分編集] PDW Personal Defence Weaponの略。日本語に訳すと、「個人防衛火器」。近代戦において、いわゆる非戦場(市街などを指す)の戦闘においては、取り回し易くなおかつそれなりの威力を持つ武器が求められ、それに応じて開発されたジャンルの兵器を指す。つまり、小銃よりも携帯性に優れ、短機関銃のようにとっさに片手で取り回せ、なおかつある程度の距離があっても相手のボディアーマーを貫ける威力を持つ銃。ただし、「それなりの威力」のために専用弾が必要となること、そして活躍の場がどちらかといえば戦場では無く後方であること(名前の通り、相手を攻撃するためというよりは、個人が自衛するための武器である)がネックとなり、軍隊ではあまり普及していなかったりする。神姫においては、アーンヴァルMk.2のアルヴォPDW11やウェルクストラのアルヴォPDW11(名称は同じだが別の武器。詳細はアーンヴァルの記事にて)が採用されている。本来のPDWの定義からすると、ウェルクストラのPDW11がより近いといえる。 R [部分編集] RA レールアクション(Rail Action)の略記。 ROG ライドオンギアの略記。作中では「通称」とされているので「ログ」と読むのだろうか。 RR ライドレシオ(Ride Ratio)の略記。神姫との同調を表す指標で、バトル開始時は0%。100%になると、神姫が赤いオーラをまとう「ライドマックス」状態になる。 W [部分編集] Wライフル ライフルを二丁装備する事の俗称。適度に切り替えて撃ち分けることで弾切れ知らずになるし、ライフルからライフルにACする事で最大3連射できるため、割と良く用いられる戦法。高速で飛んでくるライフル弾が、ハンドガンの如く飛んでくる様はなかなか怖い。 数字 [部分編集] 1st素体 MMS 1stとも。MMS素体の第一世代を意味しており、バトマス登場神姫では、ハウリン、マオチャオ、アーク、イーダ、ゼルノグラード、フブキ、エウクランテ、イーアネイラ、ツガル、ムルメルティア、飛鳥、ジルダリア、ジュビジーが1st素体を使用している。フィギュアでは素体と武装との接続位置や一部の軸の太さが異なるため、後述の3rd素体の武装の一部が換装出来ないが、ゲーム上ではそんなことは無いので気にしないで良い。ひとくくりに1st素体と呼ばれるが、弾によって細かいマイナーチェンジが行なわれている。 2nd素体 MMS 2ndとも。MMS素体の第二世代だが、武装神姫以外のキャラクターフィギュアに採用された素体であり、神姫用には改めて3rd素体が開発されたため、2nd素体は神姫とはほとんど関係ない。 3rd素体 MMS 3rdとも。MMS素体の第三世代にして現在の最新世代を意味する。背の高いtall素体と小さなsmall素体がある。バトマス登場神姫では、tall素体がアーンヴァルMk.2、ストラーフMk.2、アルトレーネ、紗羅檀、ラプティアス、プロキシマ、ヴェルヴィエッタ、オールベルン、ジールベルン。small素体がアルトアイネス、ベイビーラズ、ガブリーヌ、蓮華、アーティル、マリーセレス、リルビエートである。(エストリルとジルリバーズはフィギュア未発売のため不明)前述の通り、フィギュアでは1st素体の武装との互換性に一部問題があるが、ゲーム上は関係ない。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/735.html
武装神姫 鳳凰カップ 実況生中継! 「みなさん、こんにちわ。この番組の実況を務めさせて頂きます、アナウンサーの花菱 燕(ツバメ)です」 二日目の午前十時、俺は昨日まで予選会場だった場所に入れ替わるようにして設置された特設巨大スタジアムの放送席にいる 観客の最大収容人数は一万五千人、中継用のテレビカメラ30台…… もうアホだ、このグループ ゲンナリしつつもやはり解説者の仕事はやらざるをえず、ノアだけを連れて決勝トーナメント開会セレモ二ーのため勢揃いしている予選を勝ち抜いてきた16組を放送席から眺めていた 葉月のヤツ…滅茶苦茶緊張してるよ… 逆にアルティはドッシリ構えてやがる さすが元八相、大舞台には強いってか ミコとユーナはどこかって? 全国放送の番組だ、流石にミコとユーナを連れての大騒ぎはまずいだろうという事で二人は香憐ねぇに預けておいた ちなみに俺の横にいるアナウンサーさんは…もうなんとなくわかるよな? 燕さんは昴の母親なんだわ 花菱財閥の令嬢なのだが、アナウンサーの道に憧れてからは夫である昴の親父さんに財閥を任せ、のびのびと天職ともいえるフリーアナウンサーの仕事をやっている そんでもって御袋と桜さんの二人と同じく幼馴染 三人揃えば元祖かしましシスターズ!! …姉妹ではないがそれほど仲が良いということだ 「それでは今日の解説者の方をご紹介します。まずは武装神姫公式リーグ、公式ランキング13位、ファーストランカーの橘 明人さんと『緑色のケルベロス』ことパートナーのノアールさん。そしてそのお隣が同じく武装神姫公式リーグ、公式ランキング16位、ファーストランカーの綾川 千紗都さんと『黒き狼』ことパートナーの冥夜さんのお二人です。みなさま、今日はよろしくお願いします」 「よろしくおねがいします」 「よろしくおねがいします」 観客席から拍手をもらう 綾川さんは俺のランカー仲間でもある 多分御袋はそこら辺も知ってて彼女を選んだんだろうな 彼女の神姫は黒いアーンヴァルの冥夜 ノアと同じく刃物使いで『黒き狼』の二つ名を持っている 「今回の鳳凰カップ〈春の陣〉はかなりのハイレベルとの噂ですが橘さん、そこのところいかがお考えですか?」 「はい。花菱さんの仰るとおり、今回の参加者は予選脱落者を含めて非常にハイレベルとなっています。『黒衣の戦乙女』や『白い翼の悪魔』、さらには『鋼帝』に『剣の舞姫』、『弾丸神姫』、『クイントス』、『蒼天の旋姫』など、多くの名の知れた神姫が集いましたからね…」 「鶴畑 興紀選手も参加していますし…これはなかなか見られない好カードのバトルとなりそうですよね。綾川さんは注目されている選手はいらっしゃいますか?」 「私は……しいてお名前を上げるとすればAグループ代表のアルティ・フォレスト選手&ミュリエル選手でしょうか」 俺は綾川さんの言葉にぎくりとする 「彼女達は米国リーグで名をはせた実力者と存じています。ミュリエル選手はファーストの神姫にも劣らないとかで…」 そのことは観奈ちゃんから教えてもらっていたのであえて触れなかったのだが… あいつが騒がれたり注目されることで面倒なことになりかねないしさぁ… ちらりと下にいるアルに目をやれば「…何故私のことに触れなかったんだ」といわんばかりにこっちを凝視していた えぇい、この際見なかったことにしようと目線を横に逸らすとニコニコしながら俺を見ている綾川さんと目が合った それにしても…おかしいな…確か彼女には俺とアルの関係を教えてはいなかったと思うんだが… 「綾川さんは去年おこなわれた第三回大会、二度目の〈春の陣〉の優勝者ということですが…」 ええ? そうだったの? 俺、初耳なんだけど… 「はい、この大会は私にとって思い出深い大会なのですが…優勝した後の大変さが身に沁みましたね」 「と、もうしますと?」 「去年の大会からこの子が『黒き狼』なんて言われ出して、挑戦者が後を絶たなかったんですよ。橘さんのノアールちゃんみたいに実力があれば対処できたかもしれませんが、私達はホントに大変でした;」 少し困ったような笑顔で微笑む綾川さん 「つまり、この大会の知名度がどれほど高いかというわけですね…。さぁ、今大会からも未来の超有名神姫が誕生するのでしょうか!? 間もなく開会セレモニーが始まろうとしております!!」 燕さんがそういい終わるとスタジアムの横から屋根が出現し始める えぇ!? このスタジアムって特設のくせに開閉ドーム式なのか!? やっぱアホだろこのグループ!! 屋根が閉まりきり、スタジアムの中は真っ暗闇に包まれた この後はジジイによる主催者挨拶である (なんとなく頭の中で『一寸先は闇』って諺が浮かんできたんだが…俺ってネガティブ?) (安心してくださいご主人様、私もですから…) ノアと小声で話していると、スタジアム中央に“カッ!”と一筋のスポットライトが輝く その光の真ん中にはジジイの姿が………って、オイ 『れでぃ~~すえんどじぇんとるめん!!ようこそ盛大なる戦姫の祭りへ』 なんか椅子に座って足組んでるよ… 赤いスーツ姿で右目には黒い眼帯だしよ… おもいっきりアレじゃねぇか… 『さて皆さん、今ここに集いしは過酷な試練を超えた十六組の小さな姫とそのパートナー達であります。まずは苦難の道を勝ち抜いた彼らに賞賛の言葉を送りたいと思います…』 あああああああああ…頼むから全国ネットでアホな姿はさらすんじゃねぇぞ!? アンタ代表なんだからな? 鳳条院のトップなんだからな? 『しかし、彼ら彼女らに待ち構えるは今までよりもさらに厳しい王者への道。己の名を広き世界へ轟かせる勝鬨を上げるものは誰なのか、しかと彼女らの放つ熱き輝きを目に焼き付けて欲しい。諸君に『五色の翼の杯』……聖杯の加護があらんことを……』 左手をまげて礼式風の御辞儀をする爺さん 流石のジジイもなんとかちゃんとした場だと言うことはわきまえ… 『それでは皆さんご一緒に!! 武装神姫バトル! れでぃ~~~~っ……』 『ゴーーーーーーー!!!!』 ガツン! と勢いを殺せないまま実況席のテーブルに額をぶつけてしまった俺とノア 燕さんも綾川さんと冥夜もひっくるめて会場全員で怒涛の開幕となった もしかして毎回コレをやってるのかあのジジイ…… やっぱアホだわこのグループ!! 「さて、続いては決勝リーグのルール説明へと参りましょう。決勝リーグもバトル方式は予選と同じくバーチャルバトルです。しかし、通常のものよりもバージョンアップしている超大型V.B.B.S.筺体を使用します」 この大型V.B.B.S.筺体はフィールド自体の大きさはリアルバトルで使用するフィールドほどの大きさだ ようするに、リアルバトルにできるだけ近いバーチャルバトルということだな 「会場の皆様や視聴者の方々には私達の放送席の向かい側の巨大スクリーンより緊迫感のある白熱したバトルをご覧頂けます」 ちなみにバトル中の両オーナーは位置的に巨大モニターが見れなくなっている 自分の神姫が何処にいるのか相手にばれないように、また、相手の神姫がどこに隠れているのかわからないようになっているんだ 「鳳凰杯は第一回戦の八試合を午前の部とし、そこでの勝者八名による再抽選をおこないます。その後、途中休憩を挟んでから残りの午後の部に移ります。以上で説明の方を終わらせていただきまして、第一試合の方に参りましょう…」 またしてもライトが消えて暗闇に包まれてからしばらくすると、東西の両端に一本ずつ光の柱が一回戦の対戦者達を照らし出す 「まずは西方、虎門よりAグループの覇者、アルティ・フォレスト選手とミュリエル選手! 彼女らに対しますはBグループを制しました鳳条院 葉月選手とレイア選手、龍門より入場です!!」 お互いに大型V.B.B.S.筺体をはさんで目線をぶつける さっきまでの緊張は何処へやら、真剣そのものの顔はいつのも葉月ではない証… 「この試合の見所はいかがな所でしょうか橘さん」 見所って言ったってなぁ こちとらいきなり身内同士の対決なわけで…… とりあえず 「決勝リーグのオープニングを飾る一戦ですからね。双方悔いのないような良いバトルを期待しています」 ありきたりだがこんなもんだろ… 「御主人様…明人さんが悔いのないように頑張れって言ってます…」 「………」 「御主人様?」 「大丈夫だよ、レイア」 「は、はい……」 「私にはレイアがいてくれる…私はレイアを信じてる」 「御主人様……」 「あの時みたいに…力がなくて、ただ兄さんとアルティさんを…二人の関係を見ているだけしかできなかった私じゃない。今の私にはあなたがいる…お願いレイア…私に力を貸して!」 「………はいっ!!」 「実力的に言えばレイアは今だお前ほどではない…ただ、エリーがどんな厄介な物を渡したのか…そこが気になるな」 「……気にするの良くない…所詮、ぶっつけ勝負…」 「そうかもしれんがエリーは武装の特性にあうモニターを選ぶだろ。お前だって何回か使っただけで《ライトオリジン》や《レフトアイアン》を使いこなしたじゃないか」 「…そう………………………だっけ?」 「…なんにしても警戒が必要ということだな」 「さぁ両オーナー、武装させたパートナーをエントリーゲートに見送ります…」 他の武装をサイドボードに置くと開始前の静けさが会場を支配する 固唾を呑むとはこの事だ フィールドは…天守閣がそびえ立つ城の中庭 散りゆく桜に満月の光が影をつくる中に二人の悪魔がお互いを見つめている 「負けるわけには…いきません…」 「……勝つ……」 『ファーストバトル…ミュリエルVSレイア、レディ………』 両者腰を落として始まった瞬間の動きを警戒する 『ゴォォォォォォーーーーーーーーーーー!!!』 「はあぁぁぁぁっ!!」 『先に動いたのはレイア選手! 開始の合図に一足早く反応した!』 いや、違う ミュリエルも反応できていたがあえて後手に回ったんだ スクリーンに映るミュリエルの表情に一片の焦りも伺えない 冷静そのもの、完全に誘っている ミュリエルはそれでも接近するレイアをバックステップで距離をとりながら手に持ったシュラム・リボルビンググレネードランチャーで迎撃 会場のあらゆる所に設置されたスピーカーから爆音が響き渡る 『クリーンヒットか!? レイア選手、開始十秒とたたずに終わってしまうのでしょうか!?』 爆心地周辺を覆いつくしていた黒煙が舞い散る桜をのせた風により少しずつ薄らいでいく レイアは満月の逆光を背に浴びながら立っていた それも…… 『レイア選手…む、無傷です! 目の前にかざした巨大な武装で身を護りました!』 目の前にかざした武装…それすなわち紛れもなくエリーからの陣中見舞い、全領域兵器《マステマ》であった 全長はLC3には満たないものの、高強度の防御装甲があるため重量で言えば間違いなく上である それゆえに攻防一体の構えが取れ、前方下と後方下についた悪趣味なほどにギラつく刃は大抵の物を重さとともにぶった切り、前の刃のすぐ上はアレンジのため高エネルギー砲となっている オマケに二機のN2ミサイル…とまでは流石にいかなくても…ASM-Ⅶ『ハルバード』レベルのミサイルを備えてある 『敵意』の名の通り…手加減容赦ない凶悪兵器を自分の前にかざしているレイア 普段はおとなしい、良い子の彼女が始めて悪魔に見えた瞬間である 『無傷…か。防御装甲の強度が半端じゃない…出し惜しみしていて持久戦にでもなれば流れはこちらに不利だぞ』 「了解、《ライトオリジン》……展開…」 右腕手首がパージされ、蓄蔵されていたエネルギーが砲身にプラズマ現象を引き起こす 『レイア、チャージ開始。迎撃方法はわかってるわよね?』 「わかっています御主人様、任せてください!」 『ファーストコンタクトを終えお互い、今だ無傷! 高エネルギー波の力比べとなるのでしょうか!』 それはマズイ 《ライトオリジン》はあらかじめ初発分のエネルギーチャージはすませているはずだ ミュリエルは慌てずに照準を合わせるほどの余流がある 「……Lock」 スコープのど真ん中に映りこんだレイア目掛け高エネルギー波は発射される 『今よ、レイア!!』 「てあ!」 レイアは《マステマ》を持ち上げる さきほどと同じくを表に来るようにするが… 『またしても防御の姿勢に入った!しかし綾川さん、それで防げるのでしょうか!?』 答えは否 受け止められたとしてもミュリエルは次の動きに入る 反動で遅れたところを《レフトアイアン》の速射砲でつめられたら成す術がなくなってしまう 万事休すの展開でも葉月とレイアの目はまだ生きている 『彼女の狙いが防御だけとは限りませんよ』 と綾川さんの一言 『同意見ですね…』 『そ、それはどういう…』 すぐに答えは周知のものとなる レイアは《マステマ》の防御装甲面を展開、下に隠れていたハルバート級ミサイルを後方刃の上部にあるもう一機とともに合計二本、全弾打ち出した 防御装甲面下に隠れていた分は《ライトオリジン》のエネルギー波を相殺し、残る一方はミュリエル目掛けて飛んでいく 『小ざかしいマネを…ミュリエル、《レフトアイアン》!!』 「…展開、迎撃開始…」 即座にパージされた左腕から銃口が現れ雨あられと弾幕を張る …なにか妙だ 普通、ミサイルの迎撃を重視するなら《アポカリプス》も使えばいい… 「彼女、何か狙っていますね…」 マイクを通さずに俺に話してきたのは綾川さんだった 彼女も俺と同じく勘付いているようだな ミサイルは《レフトアイアン》だけでも打ち落とせたが、爆発した距離が近かったせいもありミュリエルは黒煙の中に消えていった 『レイア、決めるわよ!』 「了解です!!」 『昴…借りるぞ』 「…《アポカリプス》…展開」 黒煙の中でミュリエルの呟きは誰にも聞こえることはなかった サバーカの脚力を十二分に使い、正面に《マステマ》の銃口が先にくるように構え、突進するレイア ドスン! という音が聞こえたかと思うと煙の中で両者の動きが沈黙する 完全に煙が晴れた後、そこにあった光景は ミュリエルの腹部を貫いている《マステマ》の刃 しかし致命傷とまではいかない ジャッジプログラムによる勝利判定もない、ミュリエルのギブアップもない つまりまだ勝負は続いているのだ 「《マステマ》の刃は貫き通すためにあらず、《マステマ》の刃は捕らえるために…あるです!」 レイアはそのまま銃口を天高く掲げる 銃口にはミュリエルが刺さったままで身動きをしない…… 彼女の様子を良く見なかったことがマズかった レイアから見たミュリエルは満月と重なり逆光となっていたのだ 「コレで……終わりです!!」 「カルヴァリア・デスペアーーー!!」 『だ、第七聖典!? きまったかぁー!?』 とりあえずそのツッコミは置いといて… そのまま銃口から放たれる高エネルギー波がミュリエルを包んだ…次の瞬間 パン! と音を立ててミュリエルが………『割れた』 普通ならここで大ダメージによるジャッジコールがあるか強制退場となるのだがミュリエルのそれはどちらとも明らかに違っていたのだ その証拠にまたしても勝者コールが聞こえてこない 『こ、コレはどういうことでしょう…ミュリエル選手が倒れたのに勝利判定がありません……』 プログラムエラーでないとすると結論は一つ ミュリエルはまだ……そこにいる 「なっ…確かに手応えはあったハズなのに……」 彼女の周りに散るのは拡散したミュリエルだった物と夜風に舞う桜吹雪 あとはそれを照らす荒城の月……ただそれだけでフィールドの中は風の音のみが不気味に聞こえる うろたえるレイア その動揺が彼女の警戒レベルを一瞬だけ落としてしまっていた 「………Lock 」 レイアの真後ろ… 『なっ!?』 「なんですって……」 《ライトオリジン》を再チャージし終えたミュリエルがその銃口をレイアの後頭部に突きつけていた 『…まだやるか、葉月?』 そこで葉月はやっと納得がいった顔をした 思い出したようだな 『なるほど、そうだった………ふぅ、ここまでみたいね…降参します』 『マスターギブアップ。勝者 ミュリエル!!』 『ぎ、ギブアップです!ミュリエル選手第一試合を勝利で飾りました!!』 呆然となる観客も少しづつ我にかえり拍手や喝采を送り始める 『みゅ、ミュリエル選手が再び現れました…で、では橘さん、先ほどのミュリエル選手はいったい…』 『アレはですね…』 『……バックパックに収納してあった衝撃吸収素材で作られた特殊ダミーバルーン…ですか』 『!!』 綾川さんが俺の言おうとしたことを当ててしまっていた 『彼女がミサイルの撃墜にバックパックを使わなかったこととも辻褄が合います。ミサイルの黒煙は隠れてフェイクのバルーンと入れ替わるためにあえて近くで爆発させたんですよ』 おかしい 『そして入れ替わり、相手の必殺技をやり過ごさせてその後の隙を突く…単純ですがバルーンを展開した後となれば見破るのは至難の業となります』 これは昴が八相の-メイガス-と呼ばれていた頃、あいつの異名の元となった戦術だ ただのフェイクではない 幻の数を多数出現させることができる香憐ねぇの『惑乱の蜃気楼』とは別の、 『完全に同一の物を複製したかのように…-増殖ーしたかのように見せるトラップスキル……ですね』 昔の昴を知っている俺や香憐ねぇでさえ見破るのは至難の業 戦ったことのない葉月にしても、知識としては理解していたはず だか結果としてやられているわけだ アレを見破れる人物なんて早々いないはず…なのに… 少し警戒して彼女を見ると、何事もなかったかのように「なんですか?」というような微笑で俺の顔を見つめ返してくる 『第一試合はアルティ・フォレスト選手とミュリエル選手が準々決勝進出を決めています。それでは一端、CMです」 彼女は…一体… 追記 「桜や、動きはどうなっとる?」 「今のところ、彼女からの新たな連絡はありません」 「そうか、挨拶では少し挑発してみたんじゃがのぅ」 「…調子に乗ってたら彼女に殺されますよ?」 「なんだかホントにシャレにならんの…謝っておいたほうがええか?」 「それが宜しいかと」 「しかし…このまま動かんとなると…ますます嬢ちゃんの言っとった線が濃くなってくるの…」 「…あと、フェレンツェ博士が何かに勘付いている様子でしたが…」 「彼は流石に鋭い。侮れんわい…だが、彼にも話すわけにはいくまいて。嬢ちゃんとの約束じゃからの」 「…兼房様、私で宜しかったのですか?」 「ふぉ。お主が鳳条の名参謀と呼ばれとるのはわしがそう言って回っておったからじゃ」 「は? はぁ…」 「ま、それだけお主を評価してると思っとくれ。ふぉっふぉっふぉ!」 「有り難う御座います、兼房様…」 続く メインページへ このページの訪問者 -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/883.html
第7幕「意思の同調状態」 TEPY SAMURAIのボディーを使用してはいるが、コアパーツにはTEPY DOGの物を取り付けている。ならばTEPYで呼称するのであればその神姫はハウリンであろう。 例えその殆どを紅緒のもので武装したとしても、やはり顔がハウリンならばそう呼ぶのが妥当ではないか。 大本がどうであれ、判別する為の材料としてまずコアパーツを見るのであれば、いくらその個体の大部分がTEPY SAMURAI 紅緒だとしてもそれは紅緒になりえない。 結城セツナの所有する武装神姫、焔はそういう位置に立つ神姫である。 そのバトロイは、圧倒的で劇的な、そんな結果を伴って終了に向かっていた。 戦いには相性というものが少なからず存在する。簡単に言ってしまえばジャンケンの様なもの。 グーはチョキに勝てるが、パーには勝てない。 実際はそこまで単純な話ではないのだが、それでも相性というものは戦いにおいて重要だ。 そしてそれは何も相対する敵との相性に限った事ではない。 個体間に差異の大きい武装神姫であるなら、組む相手との相性もまた重要である。 ティキと焔の相性は、元々一つであった何かが再び出会ったのかと言う位良好であった。 M・D・U『シルヴェストル』を装備したティキの姿を見たときは、さすがにセツナも焔も驚いた。 今までのティキとは明らかに違うそのシルエットは、その変化に見合うだけの力を持っていることが窺い知れる。 決して洗練されてはいないのだが、そこには様式美ではない美しさが見て取れた。 一方焔は相変わらずオフィシャルな武装を組み合わせた姿である。それでも今までの装備とは違っていた。 外套を外し、黒き翼、悪魔の翼を装備する事をやめ、ツガルの背部ユニット、レインディアアームドユニット・タイプγに差し替えてあった。起動性能が落ちた分は、鎧の各所にスラスターを増設して補っている。 まるで武者なんとかみたいな有様ではあるが、そこにはある種の洗練されたまとまりが感じられた。 「索敵と援護射撃は任せて欲しいのですよぉ♪」 ゲーム開始直後、焔に自信満々でそう言ったティキは、その言葉を証明して有り余るほどの働きを見せる。 高速で移動し、位置をそのつど変えながらも的確に攻撃。その間にも次の敵を正確に察知する。 その援護を受けながら、焔は自身の得物、斬破刀“多々良”を振るい効率よく敵を殲滅していった。 焔もセツナも、正直二人の成長に驚いていた。もちろん焔は自身の中にある海神の残したデータと比べて、ではあるが。 わずか二月の間に性能任せの力押しはなりを潜め、的確な状況判断の下に行動する姿がそこにはある。 それでも武装は多分に趣味的ではあるのだが。 目の前の敵は、ティキの援護の甲斐もあってか一刀の下に両断された。 焔は初めて実感として経験するティキとの協力プレイに、今まで神姫相手に感じた事の無い頼もしさを得る。 「?」 神姫相手に始めて感じる感情。でもその感情そのものは、決して初めてのものではない。 それに思い至り、焔はしばし動きを止める。 「うに? 焔ちゃんどうかしたのですかぁ?」 不意に動きを止めたパートナーにティキは声をかける。 「あ、あぁ。大丈夫……」 ごく普通の、相手を気遣った当然過ぎるやり取り。 当たり前の反応で、当たり前すぎる行動。 お互いに信頼しあう間柄で交わされる、他愛も無いもの。 だけど だけど……? 『結城さん』 セツナにのみ届けられる雪那の声。インカムを通した、極めてパーソナルな通信。焔にも、ティキにもその声は届いていない。 「……何?」 ゲームが終了した訳でもなく、実際にまだお互いの神姫は他の敵と戦っているが、この調子ならしばらく指示を出す必要もなさそうだった。 実は雪那は最初からこのタイミングを狙っていた。焔やティキに話を聞かれない時機を窺っていたのだ。 『いや、僕で結城さんの力になれるのかな、って』 あまり頼りになりそうには聞こえない、弱気な口調。 セツナは少しだけ逡巡する。 そして少しだけの決意をこめて、言葉を紡ぐ。 「うん、ありがとう。……唐突なんだけど、実はもう海神はいないの」 『…………』 インカムの向こうで、息を呑む音。 「それで、新しく焔を起動したんだけど、私あの娘にどう接して良いのかわからなくて、ね」 『……うん』 「別に、海神の代わりにあの娘を起動させた訳じゃないわ。言い訳に聞こえるかもしれないけど」 わだかまっていた感情が、決壊しそうになるのを感じる。 頭の隅にいる冷静な自分が「無様」と言っている。けど、感情が迸るのを止められない。 「ねえ、私があの娘を好きな様には、あの娘は感じてくれないのかな?」 普段とは違う、少し幼い口調。 「私、焔に嫌われてるのかな?」 声に湿り気が混じる。 常識は「神姫がオーナーを嫌う事はありえない」と告げる。が、焔はあの海神のCSCをそのまま使っているのだ。ならば焔が「オーナーに対して好意的な関係を望む」とは限らない。 海神とは、そういう存在だった。 だから だから……? だけど自分はご主人にその当たり前をしていたのか? だから自分は焔を常に信じ切れなかったのか? ただ決め付けて ただ望みすぎて 本当の意味で、自分の事だけしか思いやれずに 私は ワタシは 『きっと色々思い出して、考えたらそんな事無いってわかるはずですよ』 インカムを通して聞こえる優しい声。 『嫌っている相手のために何かを頑張るなんて事は、人間だって神姫だって出来っこないんですよ? だったら、焔も結城さんも、お互い好き合っているに決まってます!』 そうだ。焔が何で海神のデータを欲しがったのか。 それは焔自身の為ではなかったのだと、セツナはようやく思い至った。 きっとそれは私の為。 「あ……」 「? やっぱりどこか怪我でもしたですかぁ!?」 ようやく焔は思い至る。 「違う。そうじゃない」 ワタシに海神のデータを入れることになんであれだけ躊躇したのか。 それは焔が海神では無いから。焔は焔でしかない。焔にしかなれない。 だからセツナが見せたあの躊躇は、海神の為ではなかった。 それはきっと焔の為。 「本当に、嫌われて無いかな?」 答えは見つかったのに、わざと甘えるように聞く。 自分以外の誰かに、口にして欲しくて。 『当たり前です。こういう言い方は失礼なんですけど、二人とも相手を気遣いすぎなんですよ。……不器用すぎです』 雪那は笑う。 その笑い声も耳に心地よい。 『だから結城さんはいつかのゲームのときに海神に見せた、あの誇らしげな顔で焔を迎えるだけで良いんです』 私はその時どんな顔を彼に見せていたのだろう。 初めて雪那と出会った時の事を思い出しても、うまく思い返すことは出来ない。 『海神の事、信頼していたんでしょ? そして焔の事も信じたいんでしょ? なら考えすぎないで、感じたままに接すれば良いんですよ』 言われて初めて自覚する。 私は海神をパートナーとして信頼を寄せていたんだ…… セツナの目には一筋の涙。 焔、ごめんなさい。私は海神をちゃんと大切に思っていた。 次いでもう一方の目からも涙が零れる。 そして焔。私、貴女の事も負けないくらいに大切に思ってる。 友人として新たな関係を築かねばと、そこに囚われすぎていた。本当はそんな事を深く考える必要など無かった。 「いきなりで申し訳ないが、ティキ。ワタシは焔以外の誰かになれるだろうか?」 振り返り、焔は真っ直ぐティキの目を見る。 「? 焔ちゃんは焔ちゃんなのですよぉ? 焔ちゃん以外の誰かになんて、なっても意味が無いのですよぉ~♪」 意味が解らないながらも、ティキははっきりと答える。 「ティキはそう思うのですよぉ♪ それに……」 ティキは少しだけ間を開ける。 「海神ちゃんも、そう言ってたのですぅ☆」 焔の内に海神の『記録』はあっても『記憶』は存在しない。だから、その『記憶』は焔の中には存在しない。 だが だが、海神がそう言ったのであれば、それはセツナの意思と同じなので、それは焔の中にも受け継がれているのではないのか。 思い至り、そして焔は思い出す。 『正式名称の方はただの飾りだから』 その言葉は一番初めにセツナが言った言葉。 それは何よりも焔が海神とは違う存在だと宣言していた。 セツナが焔に望む事。それは焔が焔でいるという事だった。 「は……ははは。ワタシはただの飾りに振り回されていたのか」 到ってみればその答えはあまりにも単純で。 ゲームの最中だと言うのに焔は声を上げて笑った。 最初から、セツナと焔はお互いを思いやり、大切に思っていた。 そして、だから、どうしても、どうしようもなく、すれ違ってしまった。 絆は初めから判りやすい位に堂々と存在していたのに。 「『ありがとう』」 セツナは雪那に 焔はティキに その同じ刹那に同じ言葉を送る。 雪那は照れたように笑い ティキは満面の笑みを浮かべて 『『まだゲームは終わって無いですよ』ぉ♪』 「そうね」 『その通りだ』 そう、まだゲームは終わっていない。 『敵機確認したですよぉ~♪』 そういうなりティキは再び空へと舞い上がる。 そのティキを確認することなく、焔は迎撃体勢に移った。 セツナと焔はやっとスタートラインに立つ。ゲームは、これから。 トップ / 戻る / 続く
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2446.html
MMS戦記 コメントログ コメントに書き込みを頂いた過去ログをこちらにまとめました。 たくさんのコメントありがとうございますね。 コメントページ修正しました。お手数おかけして申し訳ございません -- カタリナ (2011-01-15 12 00 26) いつも良いところで墜ちるアオイさん。今度は頑張って!w -- 名無しさん (2011-01-23 20 04 02) チーム名w -- にゃー (2011-01-24 00 18 02) 面白く成ってまいりましたなぁ、艦の沈め方のセオリー通りですなぁ…それにしても、ナウシカを思い出した私は旧い地球人(笑) -- 触神 (2011-01-24 20 17 10) >名無しさま ありがとうございます。まあ、どうなるかはお楽しみに・・・ -- カタリナ (2011-01-25 00 25 23) > にゃーさま 名前が適当なのは仕様ですww -- カタリナ (2011-01-25 00 25 53) > 触神さま なんと脆い船じゃ・・・ はい、実はこのシーン、ナウシカのバカガラス襲撃シーンを参考にしています。大当たりですwww次回もお楽しみに!! -- カタリナ (2011-01-25 00 27 30) 定期便なんて言われて居るからしっかり対策立てられるんだな(笑)、風穴空いたからこその反抗だとしてもね、高度が有ったらアノシーンに成るんでしょうが、爆撃がメインじゃむりか、あぁ楽しきかな大規模戦闘、続きが楽しみです -- 触神 (2011-01-29 12 49 58) >触神 さま 定期便、対策は立てやすいですが、それは向こうも襲撃を予想しているので、なかなかハードな戦いになりますよー大規模戦闘、武装神姫は基本は1対1の戦いがメインですが・・・それだといろいろ縛りが出そうなんで、あえて私は大規模な戦闘を描いてみました。最近のゲーセンもオンラインで10体10とかの戦闘とか普通にあるので、ノリはそんな感じです。戦場の絆とかボーダーブレイクとかww武装神姫も多分、そんな感じで戦うと思うのでなるべくリアルに戦闘とか表現しようと思います。次回もお楽しみに!! -- コメント返し (2011-01-30 22 44 04) 確かにニーズに沿ったサービスですよね、戦艦武装はタイマンでは成立しませんから(笑)こう言った所から発生した需要と考えれば更にリアリティーが増しますねぇ〜、正に大戦略(爆)戦記の名に負けぬ様に頑張って下さい -- 触神 (2011-02-02 14 01 42) > 触神さま 大型の戦艦型神姫、もちろんタイマンでも倒すことは可能です。この戦艦型神姫を単体で倒せるかどうかが、強神姫かどうかの境目ですね。他所さまの神姫の世界観ではこういった大型の神姫は存在しないので、また違った楽しみ方があると思います。次回もお楽しみにww -- カタリナ (2011-02-02 22 34 11) 初めまして。夜虹というものです。話を最初から読ませていただきました。 序盤からコアの性格にとらわれない性格の神姫が多いですね。しかし、その実力は本物。 単純なブラフのために無駄な武器を持ったり、わずかな隙を突いたりと展開が面白いですね そしてチーム名はすごく適当だったり、ちゃんとしたものだったりカオス極まりないですね。それはそれでメンバーの性格が出ていていいものではあります。 それでもそれぞれチームの性格が分かれていていい勝負になっていてよかったと思います。今後が気になるところです -- 夜虹 (2011-02-03 05 39 23) >夜虹さま ありがとうございます。我が家では初期の性格はコアに忠実ですが・・・年月がたってくると変化してくるといった感じです。戦いの流れや戦闘シーンは実際にゲームとか喧嘩、日常のなにげない駆け引きとかそういうのを参考にしています。チーム名や神姫の名前は適当です。特に深い意味はなかったり・・・今後ですが、私はいいかげんであんまり考えていないので、成り行きで物語を進めるので、私も今後どうなるかは決めていませんし、知りません。どうなるんでしょうねーーー -- カタリナ (2011-02-04 23 32 07) にやーと冷たく笑う内野さんに惚れそうです。 この人達は神姫を使い捨てにしているようですが、複数所持していて用途別に使い分けしているのでしょうか。 冷酷に見えますが戦艦型相手ならこの作戦も仕方無いでしょうね。 -- 名無しさん (2011-02-13 01 17 26) >名無しさま 使い捨てではないですよー、我が家の神姫バトルはリアルバトルがメインですが、壊れたりした場合は修理して何年も大事に戦わせています。複数所持しているオーナーさんも多いですし、作戦や戦術によって神姫や武装はもちろん使い分けています。いろいろなオーナーや神姫が登場するので次回もお楽しみに!! -- カタリナ (2011-02-17 22 42 45) 海外の映画的なセリフ回しに痺れます。 -- 名無しさん (2011-02-20 01 03 22) >名無しさん アパーム!!弾を持ってこいーですけどねww -- カタリナ (2011-02-20 01 12 16) 軽白子隊の壮絶な戦いに興奮しました!w我が家の軽白子隊もこういう感じのバトルを想像しているので最高ですw -- ユキナリ (2011-03-24 17 36 51) >ユキナリさま ありがとうございますw結局、ドセットにトドメを刺したのは、名も無き軽白子でした!!そして次の瞬間バッラバラに・・・軽白子は群れるのが前提の設定なので多分、こういう使われ方するんじゃないかなーと思いました。 -- カタリナ (2011-03-26 19 54 27) バトル中にだべりだす…wデボラさん達のイメージが変わりましたwガーリオンの皆さんも普段は普通に可愛い娘さんなのかもしれませんねw -- ユキナリ (2011-04-24 12 14 55) >ユキナリさま まあゲームですし、みんななりきって遊んでいるといった感じですねー遊びゆえにいろいろと真剣ですがww我が家の神姫はみんな可愛いよ! -- カタリナ (2011-04-27 00 12 21) ウォースパイトさん…本当にいつもご苦労様です…。神姫界でヤムチャ的活躍が、すっかり板についているような気がしますw本当は凄い強いと思ってますがw -- ユキナリ (2011-05-05 12 28 29) >ユキナリさま 強いザコ!!強いけどやられるシーンが多いだけです。気にしないでくださいw -- カタリナ (2011-05-05 20 10 10) お疲れ様でした、楽しませて貰いました、時間切れと言うなんともリアルな終わり方でしたなぁ〜でも其処が又良い(笑)、しかしまぁ此処まで壊れたら修理不能な神姫も居るんじゃ無いですかねぇ? -- 触神 (2011-05-07 07 49 48) >触神さま まあ、よくあることですよねーさて、我が家のバトルは基本、リアルバトルで実弾や実剣を用いてガチンコバトルするのですが・・・めちゃめちゃに破壊されてもちゃんと元通りに直してあげるのが、マスターの勤めとたしなみでもなります。後、壊れてもしっかりと修理してくれるサービスや体制が整っているので修理不能で起動できない神姫はほとんどいません。所詮神姫は機械ですし、壊れたら直せばいいだけですし、記憶もコピーして残せますしー -- カタリナ (2011-05-08 12 00 53) 深夜0時に現れるステルス神姫…あの人ですねw今回も同時に大量破壊を示すテロップ列が…w同時破壊によるテロップ列は見ていて爽快ですwでもマスターの方は、いつかへこませたいと言う衝動がwイケメンは敵!w -- ユキナリ (2011-05-09 17 42 05) >ユキナリさま 同時破壊のテロップの元ネタはボーダーブレイクだったり!!!深夜0時に現れるステルス神姫・・・・さてさて・・・イケメンマスターというか、痛いマスターというか・・・とりあえずお楽しみに!! -- カタリナ (2011-05-09 23 35 46) 伊藤勝成さん、格好いいご老人ですね!私も2041年だと、この方と同じぐらいの年齢になっていますw少し下ですがwこんな老人になりたいものです。夜帝討伐隊第2陣と言った感じですが今度はとても優秀な軍師を交えての作戦、楽しみにしています! -- ユキナリ (2011-05-15 11 54 23) >ユキナリさま ありがとうございます。老若男女神姫を持っているという設定です。今回は将校型神姫が参戦です。他の神姫とは一味違う戦いをご覧ください。 -- カタリナ (2011-05-21 19 32 37) これは!w非常に興味を持っていた非公式バトルの話がついに作品化!行為の傍らに残骸となった神姫があると言うシチュエーションが最高ですwそして挿し絵付き!カタリナ様の描かれる女性キャラクターは本当に魅力的です。続編も楽しみにしていますw -- ユキナリ (2011-05-22 12 37 42) 駆逐艦型は無いのですか? -- げしもちゃん (2011-05-22 13 54 28) >ユキナリさま 禁断の非公式バトルロンド・・・実は前から構想は練っていたのですが、中途半端にするのはイヤなのでいろいろなゲームやマンガを見て構想を練り直し、かなりハードで危険な本当の意味での裏の非公式バトルロンドをやってみようと思います。戦いはよりハードに、敗北者には相応の代価を、ボリュームたっぷりのスケールで満足できるようなお話をしようと思っていますのでお楽しみに・・・・ -- カタリナ (2011-05-23 23 16 14) >げしもちゃんさま 語るとうるさくなるのですが・・・我が家には多種多様な艦艇タイプの神姫がいます。とりあえず主力と呼ばれる大型艦艇神姫。航空母艦型神姫・戦艦型がいます。そして補助艦艇、潜水艦型神姫や輸送艦型神姫などがいます。また現在新たにオンステージに、コルベット艦型神姫と強襲ホバークラフト型新規と呼ばれる。新型の艦艇タイプの神姫を製作・量産しました。詳しくはブログ等でチェックしてくださいwww -- カタリナ (2011-05-23 23 21 52) カタリナ信者の僕が来ました -- 名無しさん (2011-05-28 20 18 05) 参加する女性への品定め役が居るんですね、確かにこのシステムなら自然に美少女が集まってきますね!その品定め役の醜男さんいい味していますねw私はキモい男が美少女を無理やりとか悪臭で歪む表情とか大好きなので彼のような存在は嬉しいですねwキツい悪臭を嫌がっているルカさん可愛かったですwもし私が参加し勝ったなら、醜男さんと相手オーナーを絡ませじっくり見物したいですw自分は手を出さずにw -- ユキナリ (2011-05-29 11 19 39) >名無しさん様 信者ってwwwありがとうございますww -- カタリナ (2011-05-30 23 27 05) >ユキナリさま まあ、エロゲでもよくいますよねwwこういうキャラwwこおういう汚れ役はいたら便利ですww何かとwww -- カタリナ (2011-05-30 23 29 22) トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2307.html
アスカ・シンカロン04 ~審寡~ 「おかしいぞ」 本屋を出た帰り道に立ち寄ったのだ。 繁華街の一角だった事も確か。 なのに。 「無い」 いつも通る道の何処にも、件の骨董屋は見つからない。 「無い訳無いだろう!?」 昨日の帰り道は、特に意識しては居なかった。 それは逆に言えば、何時もと同じ道を通ったからだ。 「なのに、なんで何処にも無いんだよ!?」 繁華街の入り口まで戻り、神姫センターを通って、昨日立ち寄った本屋へと辿り着く。 そして、その帰り道に古びた建物を見つけた筈だった。 「左の方だったんだ、間違いねぇ」 「北斗ちゃん、そっち右なんだよ」 「……」 「……」 「い…、いいんだよ。『こっち』側なのは確実だ!!」 本屋から繁華街の入り口まで戻る道を辿る。 右側と、念の為に反対側も確認しながら、ゆっくりと歩くが、該当する建物に巡り合わぬ内に、繁華街の入り口まで戻ってしまった。 「無いんだよ」 「んな訳無ぇ」 肩の上に腹這いになりながら寛ぐ明日香に、北斗は余裕の無い声で返す。 「なんで無いんだ。この通りなのは絶対に確実だ!!」 「あのさぁ、北斗ちゃん」 「んだよ」 「神姫を取り扱っているお店なら、神姫センターで聞けば分かるんじゃない?」 「……」 ぽん。と一つ手を打って、北斗は神姫センターに向かって走り出した。 「―――無いですねぇ」 大型神姫センターの店長である女性が、パソコンで検索しながらそう応える。 「んな訳無ぇだろ!!」 「でも、この近くで神姫を取り扱っているのは、ココとパソコンショップ、それにおもちゃ屋の3店だけです」 パソコンショップは場所も違うし、独立した大型店舗でどう間違っても骨董屋に間違えるわけが無い。 おもちゃ屋は、北斗も時折ゲームソフトなどを買いに行く行きつけの店だ。そこでもない事は確実だった。 「小さな店でよ、骨董屋みたいな雰囲気なんだ。このすぐ近くの筈なんだよ」 「そう言われましても……」 流石に店長も困った顔をする。 「あの……」 「はい?」 北斗の肩の上から店長に話しかける明日香。 「個人経営の小さな店だと、ココに登録されていない事ってありますか?」 「オーナー登録は必須だし、出荷や、ユーザー管理の観点からも、本社が把握していない小売店なんか存在しないわね」 「そうですか」 とりあえず礼を言って、二人はカウンターを離れる。 しかし、これで八方手詰まり。 こうなって来ると、昨日の記憶を疑う方が正しい気もするが、それが記憶違いでない事は今もポケットの中にある、あの墨で書かれた手書きの説明書が証明している。 「それ以外の可能性ね~」 「北斗ちゃん、携帯貸してほしいんだよ」 「…? どうするんだよ」 「骨董屋さんの検索をするんだよ」 テーブルの上に携帯と明日香を置いてやると、明日香は器用に掌でボタンを押し込みながらその操作を始めた。 「どうだ?」 「う~ん、該当件数3件なんだよ。……でも全部遠いね」 「違うか」 一番近い店でも徒歩で30分以上掛かる。 候補に上げる事は出来そうに無かった。 「…狐にでも化かされたかな?」 冗談めかしてそう言った後、背もたれに寄りかかり、仰け反って転地逆の真後ろを見る北斗。 さかさまの視界に、蝙蝠型ウェスペリオーのCMが流れていた。 「…何やってるのよ、北斗」 「んあ? 夜宵?」 本来なら天井からぶら下がっているのだろうその神姫のCMとの間に、割り込んでくる見慣れた少女。 「…んあ、じゃないわよ」 肩の上に白いストラーフを載せた夜宵が、北斗のすぐ後ろに立っていた。 「…って北斗、神姫買ったんだ?」 テーブルの上で正座する明日香を見つけ、夜宵が視線を動かす。 「あ、ああ、そうだ!! 夜宵―――」 「―――マスター、自己紹介ぐらい自分で出来ます」 「え?」 明日香の事を説明しようとした北斗を遮り、明日香自身が立ち上がって夜宵の前に進み出る。 「始めまして。……私、マスターの武装神姫になりました、明日香です」 「……っ!!」 その名に、弾かれた様に硬直する夜宵。 「……お、おい明日香……」 「……………………北斗、あんた趣味悪いわよ……」 一瞬、気持ちの悪い物でも見るような目で明日香を見て、夜宵は一歩後ずさる。 「……姉さんはもう居ないって、言ったでしょ? それなのにっ!!」 「大丈夫ですカ、マスター」 夜宵の肩の上でその頬に手を置きながら、彼女の神姫、パールが主を気遣った。 「……帰る……」 「では、これで失礼させていただきまス。北斗。……それから、明日香さン……」 北斗を、そして明日香に視線を這わせてから、パールが頭を下げた。 「……北斗。……姉さんは、もう死んじゃったんだからね……。……もう、何処にも居ないんだよ……」 そう言い残し、夜宵は踵を返して小走りに走り去った。 「明日香、お前どういうつもりで!?」 「えっと、夜宵ちゃんには、しばらくナイショしようと思うんだよ……」 「…なんでだよ」 何か考えがあるらしいと悟り、北斗は声を落した。 「ほら、あのさ。少なくとも私が何で神姫になってるのか。その理由を説明できないと、信じて貰えないかもしれないんだよ」 「夜宵なら大丈夫だって!!」 「……でも、ずっとこのままじゃないかもしれないし……。夜宵ちゃんには、心配かけたくないんだよ……」 「……ぁ」 確かにその通りだった。 弥涼明日香は生き返った訳ではない。 例えば、神姫の素体に明日香の魂みたいなものが憑依したのだとしても、ずっとこのままという保証も無い。 或いは、次の瞬間に明日香の魂が消えて、飛鳥がただの神姫に戻る可能性だってあるのだ。 「だから、少なくとも。私がどうしてこうなったのかが分かるまでは、他の人には秘密にして欲しいんだよ」 「……ああ、分かった」 頷くしかない。 もしも、明日香のこの状態が長く続かないのだとしたら。 心の整理をつけた夜宵に、もう一度別離を味わわせる事も無いのかもしれない。 「……でもよ、そのまま明日香って名乗ったのは不味くないか?」 「だって北斗ちゃんには、咄嗟に別の名前で呼ぶような演技は無理なんだよ」 「……はい、出来ません。演技力ゼロです。そういう機転も利きません。ゴメンなさいでしたぁ」 「うん、分かれば宜し~んだよ」 にへへ、と笑うその顔が、生前のものと同じ事に、北斗の胸が少しだけ痛んだ。 -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/198.html
眼前に神姫達が迫る。始めた作業は継続しつつジェネシスへ説明を始める。 「お前の攻撃データを改竄した。攻撃を当てればそこからウイルスコードが侵入し、 俺達とリンクする」 「相手のコンピュータからは消えたように見える筈だ。コレで洗脳から解放できる。 一時凌ぎだけどな」 めまぐるしくキーボードを叩きながら、ジェネシスへ指示を下す。 「了解です。」 「それと、一機一機回収してる時間の余裕がもう無い。リンクを経由して一緒に 連れ出す。その為には機体を機能停止させる必要が有る」 「人間でいう鳩尾の位置だ。エネルギーラインの集中位置がある。 バイザーにデータ送るぞ。ここを切断すれば無傷で神姫を止められる。 いいか、一撃でここだけを刺し貫け」 ジェネシスのバイザーにヒットポイントの位置データを転送。 ジェネシスは位置を確認し頷く。 「安心しました。いつもの貴方で」 「凹むのは後だ。その話はするな」 「頼りにしてます」 僅かに笑んだ気配のある彼女の声が、緊張をほぐしてくれる。サンキュ、相棒。 数秒置かず、神姫達の只中へ突っ込む。 最初に襲い掛かって来たのは先程のハウリンタイプだ。 「ジェネシス。システムを近接戦闘に移行」 「了解」 可変アーマーが跳ね上がり、ハウリンを弾き飛ばす。 展開したアーマーがフレキシブルアームごと後方へ移動し、折り畳まれて スラスターウイングを形成する。尾部のアーマーがサイドに持ち上がり展開して サブウイングとなって…高速格闘形態へ。 ウイング内に仕込まれたサバイバルナイフをクローデバイスで取り外し、 その手に握り込む。 もう片方のクローでハウリンを掴み、こちらへ引き寄せて。 「大丈夫…痛くはしません」 ドッという鈍い音と共に正確にその胸をナイフで刺し貫く。 停止したハウリンを降ろせば、周囲を取り囲む神姫達。流石に数が多い。 クローユニットを180度回転して逆方向に装着したビームユニットからサーベルを展開。 同時にドラグーンを射出して駆け出す。 ジェネシス自身が前方の1機を、後方の6機を至近まで接近したドラグーンが討つ。 一応、ジェネシスのビーム兵器には全てエネルギーキャップを付けてある。 短時間ならどの兵器からでもビーム刃を出せるのだ。 そこへ降り注ぐ攻撃から倒した神姫を突き飛ばして、自らも上空に避ける。 「容赦ねぇな。ま、操られてるんだし当然か」 「だからこそ、これ以上彼女達が傷を負う前に止めねばなりません」 味方を倒されても躊躇無く攻撃を加えてくる神姫達。回避行動を取りつつ、その要領で 次々と撃破していくと例の巨大神姫が接近してくるのが見えた。 神姫達の迎撃をドラグーンに任せ、巨大神姫へと飛び立つ。 アレとの戦いに他の神姫は巻き込めない。 迫る巨大神姫に先制攻撃を掛ける。これでウイルスが効けば儲けモンだが勝算は薄い。 なぜならアレは恐らく… 「よぉ、Gさんよ。初めましてだなぁ?攻撃しても無駄だぜ? コイツはオレが直接操ってるからなぁ。サーバーには依存しねぇ」 巨大神姫の蛇の様な頭部。その目の部分が点滅し、音声を再生する。 装甲も今までの比じゃねぇのか傷一つ付いていない。 「やっぱ初めてか。オレが今まで潰した連中と比べて大分ザルいぜアンタ。 その分卑怯くせぇけどな」 皮肉たっぷりに言い放ち、巨大神姫を調べる。 神姫部分が露出してれば話は早いが…そう簡単には行かせてくれないか。 「何とでも言ってくれや。取引だ、Gさん。オメェこのまま俺達に捕まれ。 大事な神姫を壊したくないだろ?それに…」 巨大神姫の頭部カバーが開く。その中に組み込まれていたのはストラーフ。 …しかも見覚えのある、だ。 「コラン…」 苦々しく呟く。それは、オレが修理を頼まれたあのストラーフだった。 「何だ知り合いかよ?なら話も早いってモンだ!アンタが抵抗すればこのストラーフ、 タダじゃすまないぜ?」 「こっちも高い金掛けてこの戦闘用神姫を組んでんだ。ランカー神姫まで用意してなぁ。 こんなトコで壊したくはねぇのよ」 人質ってワケか。どこまでも腹の立つヤロウだ。 このデカブツを破壊して頭部から彼女を救い、彼女にダメージを与える。 直接接触しない限りは攻撃は無駄。 …手が無いわけじゃねぇが。 (ジカンヲカセゲ) ジェネシスのバイザーにメッセージを送信する。 「…アンタの目的は?」 男に話しかけながら、キーボードを打ち続ける。デカい入り口を開ける為に。 ジェネシスも無言のままウイングをアーマーに変形させて防御姿勢を取る。 男の神姫がジェネシスをいたぶる様にその巨大な身体をぶつけて攻撃を開始した。 まるでお手玉の様に中空で攻撃を受け通けるジェネシスの顔が悔しさと痛みに歪む。 「目的ぃ?目的なんざ金に決まってんだろ!Gの神姫とソレをヤッた神姫となりゃ、 とんでもない額で売れるぜ!ハハハッ」 「手間ぁ掛けやがって!頂く前に少し遊ばせてもらうぜ、見敵必殺の神姫サンよぉ!」 「下衆野郎が…」 「口の利き方には気をつけろよ、Gさん。アンタの神姫が痛い目に合うぜ?」 巨大神姫の尾のブレードが、ジェネシスを地面に叩き付ける。 地に伏したジェネシス目掛けてそのブレードが何度も何度も振り下ろされた。 「大した事ねぇなぁ?おっと、手が出せないんだっけか、悪ぃ悪ぃ」 下品な笑い声を上げ、男が楽しげにこちらを挑発する。 そして巨大神姫が、その身体で蛇が獲物を絡め取るようにジェネシスに巻きつき、 締め上て来た。 「ぐっ…」 苦痛に耐え、呻き声を上げるジェネシスを見て、男は満足げに言い放った。 「オラ、Gさんよ。アンタはこの神姫を置いてさっさと消えな。これに懲りたら少しは 利口な生き方ってモンを覚えるんだな」 …この手の手合いは自分の優位を実感した瞬間、どうしようもなく隙が出来る。 小悪党の不文律か。 目の前にちらついたお宝に目が眩み、オレを無力と思ったのが運のツキだ。 終わったよ、準備。 「なぁに。利口になるのはアンタの方さ、小悪党!」 最後の構文を書き込み、エンターキーへ指を叩き付ける。 サーバー世界の雲に穴が開き、新たな入り口が開く。 「ジェネシス、待たせたな!やっちまえ!」 「アーマーユニット、オールパージ!」 オレの呼びかけに応えたジェネシスが叫ぶ。 アーマーが強制排除され、拘束を吹き飛ばしたその勢いのまま天へと跳んで。 同時、天空より飛来した戦闘機に飛び乗った。 「な、なんだこりゃっ!?」 状況を理解していない男の叫びが空へと木霊していた。 ジェネシスが乗っているのは、彼女の最強の剣だ。アムドライバーシリーズの ネオボードバイザー、通称ソードダンサー。 そいつの推進系とコネクタを改造し、銀に塗ったMMS用随伴戦闘装備。 その名は、ソードダンサー改「リボルケイン」 「モードブリガンディ!」 ジェネシスの咆哮に合わせてリボルケインが変形する。ジェネシスをその身に納め、 巨剣を構えるその姿はまさに剣帝。 「必殺!リボルクラッシュ!」 雄叫びと共に全推進系を使い、超高速で相手を貫くリボルケインの必殺技が巨大神姫の 首とその下を切り離す。 吹き飛ぶ頭を掴み、頭部カバーを弾き飛ばして、ジェネシスを分離。 ここまでを一呼吸で行なう。 リボルケインから分離したジェネシスがその内部に眠るコランを引き剥がし 胸を貫いた時、男はようやく現状を認識した。 「なっ!なぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 訂正、展開に追いついてないわ。このオッサンの頭。 「チェックメイト。とでも言えば通じますか。貴方の負けです、犯罪者さん」 コランを抱くジェネシスが、再度飛行形態へ変形したリボルケインの上で勝利宣言する。 「あ、ありえねぇぇぇぇっ!?」 叫ぶ男。負けた事は認識したらしい。ともあれ。 「ジェネシス、アーマーパージはキャストオフだ。基本だぞ?」 台詞について突っ込むオレ。 「ああ、気付きませんでした。失礼」 和やかに返すジェネシス。 「何の話じゃぁ!おまえらぁぁぁぁっ!?」 興奮状態のオッサン。 「何だ!?何をしやがった!?改造ボディのランカー神姫の反応を超える動きだと!? どんだけカスタマイズしてんだ!?」 大声で捲くし立てるオッサン。オレが皮肉の一つも言ってやろうと口を開いた時、 先にジェネシスの声が耳に入った。 「武装神姫は一人で戦っているんじゃない」 「信じ、信じてくれるマスターと共に戦うからこそ、スペックだけでは測れない戦いが 出来る」 「共に支え、胸を叩き、背中を押す。その声と心が共にあるからこそ、戦える」 「神姫をパーツとしか思わず、その心を、誇りを汚す愚か者になど… 武装神姫は負けない!恥を知りなさい!」 …言う言う。オレの心もすっとした。流石は俺の相棒様だ。 「くそっ!人形風情が何を人間様に説教たれてんだ、コラッ! 勘違いしてんじゃねーよ、機械の分際でよぉッ!」 男も負けじと吠える。台詞まで小悪党だ。どこまでも救えねぇ。 「そんなんだから負けんだよ。お前が言う機械にも解る事が解んねぇんだから、 お里が知れるぜオッサン」 嘲笑を込めて言ってやる。そして止めに一言。 「ま、負け犬の遠吠えってヤツぁいつ聞いても滑稽だな。二度と出てくんなよ三下、 出てくるたびにこうなるぜ?」 「うがぁああああああっ!!!くそっ!こうなりゃデータなんぞ関係ねぇ!死ね!!」 そこで男の通信が唐突に途切れる。いや…通信だけではない。 世界が、崩壊を始めていた。 遥か彼方から、凄いスピードで世界が崩れ、ただの無機質なデジタルデータの流れが 剥き出しになっていく。 「あのオヤジ、ヤケになってサーバーの電源無理矢理抜きやがったな」 この現象も悲しいかな経験済みだった。ヒステリー後の行動なんてそんなに多彩な パターンは無いらしい。 「UPSじゃ持って数分か。データリンクしといてよかったぜ。ずらかるぞ」 「マスター、リィリィを回収しないと!」 慌てて言ってくるジェネシスに、ニヤリと笑いながら告げてやる。 「最初にリンク張っといたよ。問題ナシ」 「そうですか、良かった…」 胸を撫で下ろすジェネシス。うん、なんか今オレ出来る男っぽくね?はっはっは。 「マスター…この捕縛プログラムはどうなるんでしょう?」 出口へ向けて神姫達を送り出しながら、ジェネシスが聞いて来る。 「電源抜いたくらいで壊れはせんだろ。UPSも動いてるし、後は警察がやってくれるさ」 「そうですか…」 俯くジェネシスが、パージしたアーマーを身に纏う。はて?何で今更アーマー着ますか。 「マスター確か今の私の攻撃データ、ウイルスが仕込んであるんでしたね?」 「…おう。ええと、ジェネシスさん?」 声音が低い。これはなんか怒ってる時の声だ。 「私が攻撃すれば…壊れますかね、この不愉快なプログラム」 にこやかに笑みつつ、屋敷を指差す。うひぃ。 「いや、時間無いよ?神姫達の転送も終わったしさっさと離脱しないと…」 「マスター…Gという名の由来を聞いた時、機械の英雄達の称号とおっしゃいましたね。 そして、私の装備にはGの遺伝子が受け継がれていると」 オレの呼び掛けを遮り、ジェネシスが語る。 ああ、確かに。 ガンダムもグレート合体もゴジュラスもギャラコンも、ロボットヒーローにはGの名は 付き物だ。 彼らの正義にあやかる為に、オレはこの稼業を始めた時Gを名乗った。 「この状況を打破出来るGを、私は知っています。そして、その力は私にもある」 再びアーマーが変形を始める。近接戦闘形態へ。そして、さらにウイング内に仕込んだ そのGのキャノンが、両腕のビームユニットが、腰のヴェスバーが。そして周囲には ドラグーンが。全砲門がプログラムへ向けてその牙を剥こうとしている。 「そのあまりの力から、やりたい放題…フリーダムの名を冠した伝説のG! その力を今こそ!!」 「いや、その説明俺の主観だし!証拠のプログラム壊したらたっちゃんに怒られ──」 慌てて止めようとしたオレの言葉をも吹き飛ばすように、ジェネシスの ハイマットフルバーストが電脳世界に止めを刺す。 白く染まり崩壊するその世界の輝きは、なんだか色々な物を忘れてしまいたくなった。 意味は無いけど南無。 「畜生、畜生畜生ッ!」 見事にGに出し抜かれた主犯格の男は、怒りをコンピューターにぶつけていた。 「あ、アニキ、落ち着いて!マジでデータが壊れちゃいますよ!」 慌てて取り押さえるその部下達。 「どうせGのヤロウに持っていかれた後に決まってるだろが!畜生、あのオタク野郎、 覚えてやがれっ!!」 力任せに蹴り飛ばされたテーブル。その上に乗っていた目覚まし時計が壊れ、 時を止めて転がった。 午前1 00時。 同時、インターホンが鳴る。 「誰だ、こんな時間に…?」 部下の一人がドアを開ける。其処に立っていたのは、黒手帳を示した男だった。 「…警視庁公安MMS犯罪担当3課、地走 達人。階級は警部だ。お前たちを 電子取引法違反、違法賭博、器物強奪etc等の容疑で逮捕する。コイツが令状だ」 あまりといえばあまりの事態に、男達が目を白黒させる。そして数秒。 「テ、テメェーッ!」 何がテメェなのか解らないが、パニック状態の男達が襲い掛かる。 手帳を仕舞う余裕すら見せ、地走警部が後ろに下がり一人目に当て身投げを行なう。 身体を半回転させドアを塞ぐように相手を投げれば、それに二人目三人目が 巻きこまれて倒れ。 「手間を掛けさせるな。公務執行妨害まで付くぞ?」 ドスの効いた声で告げる。警部というよりは殺し屋のようなその声に、主犯格の男が 腰を落とし…逮捕劇はあっけなく幕を閉じた。 「警部、証拠品の搬入先なんですが…」 「ああ、データ解析はKMEEの今米さんに頼んである。そっちに運んでくれ」 「はっ」 敬礼して持ち場に戻る若い警官を見送り、地走警部は携帯端末を操作した。 事件から数週間。結局あの事件は新聞の三面記事にすら載る事無く、静かに終息を迎えた。 それだけ、今の世の中神姫犯罪が多いってコトだろう。ブームの暗黒面だ。 だが、事件の当事者には良くも悪くもその記憶は残り続ける。 例えば、あのストラーフ使いの少年の様に。 ・ ・ 「本当に、有難う御座いました」 少年が深々と頭を下げる。その腕には意識を取り戻した彼のストラーフ、 コランがしっかりと抱かれていた。 「おう。ホント苦労したぜ。修理代はずんで貰わねぇとな」 カウンターに両腕を預け、軽口を零す。 「はい、貯金、全て下ろして来ました…いくらでもお支払いします」 「ほぉ、そいつはいい心がけだ。そんじゃ、コイツの代金を払って貰おうかい」 神妙な面持ちの少年に請求書と紙袋を手渡す。 請求書を読み上げた少年が不思議そうに顔を上げた。 「えっとこれ保守部品ですよね…?ハードの故障だったんですか?」 「いんや。正真正銘ソフトの問題」 一拍置いて言葉を続ける。 「ホント大変だったんだ。二度とゴメンだ。つーわけで二度目は無いぞ少年。 今度同じ事が起きても修理はしねぇ」 「だから、そのパーツでしっかり整備して頑張んな。強さってのを見つめなおす為にも」 「店長さん…」 一言そう呟く少年に頷いて見せる。 「裏にゃ裏の意味がある。否定はせんよ?でも、あそこは…なんつーかな、 普通の武装神姫にゃ似合わない場所さ。解るだろ」 「はい…」 「…だから、お前さんの求める強さはあそこには無ぇ。人に頭を下げるぐらい 大事な神姫なら、日の当たる場所で一緒に歩いてやんな」 少年が、少し俯いて無言になる… やがて、顔を上げた少年は「色々、お世話になりました」とだけ言って、会計を済ませた。 「きっと、彼女と胸を張ってまた会いに来ます」 「楽しみにしてるよ。有名になったらウチの宣伝もしてくれ」 手を振り見送る俺に何度も頭を下げながら、少年は帰っていった。 ・ ・ ・ 「カッコつけすぎたかなぁー」 思わず思い出して背筋が寒くなる。 クセとはいえ、クサ過ぎるだろうあの台詞は。病気だ。 「でも、カッコよかったですよ」 横から声を掛けるジェニーを見る。教室も終わり定位置…レジ横の特製クレードルに 鎮座する大明神様は、レジ兼用のデスクトップ端末からネット中のご様子だった。 「いや、何も言ってないんすケド」 「どうせ自分の勢い任せにいっちゃった台詞でも思い出してたんでしょう?」 恐る恐る聞けば、実に的確な突っ込みが返って来る。 エスパーか君は。 「長い付き合いですから」 「いや、モノローグを予測して答えるな、マジ怖い」 そんな遣り取りの後、ジェニーが端末のモニタを示して見せた。 「頑張ってるみたいですよ?コランさん」 見れば、強敵相手に善戦し、僅かながらポイントを上げたコランの姿が映し出される。 「ま、元々腕はよかったんだろし。頑張って欲しいねぇ」 ニヤケる顔を見られないようにジェニーとは逆の方を向く俺の耳に、 彼女の僅かな笑い声が聞こえた。くそう。 「で、私のボディは何時買って貰えるんですか? そろそろ今米さんから報酬が届く頃では?」 「そんな予定はありません」 定例の突っ込みに定例の言葉を返す。 「…電話してたのは聞いてます。報酬、私にも権利はあると思いますけど?」 ジェニーの冷静さを維持しようとする声に、誤魔化すのはムリと判断して真相を告げる。 「あのなぁ、いくらなんでも現金なんて貰えるワケないだろ。企業的に」 「というわけで、12月発売の3機種各6カートン。コレで手を打った」 「な…な…なっ?」 「ウチの店の規模じゃ破格の入荷数だぜ。震えるぜハート、燃え尽きるほどヒート…」 「じ、じゃあそこから一体素体を都合して下さいよ!」 「店の商品に手を出すなんて商売モラルがなってないぜ、ジェニーさん」 チッチ、と指を振る俺をジェニーが睨み付ける。心なしか肩が震えて居るような。 「この、金無し!根性無し!甲斐性無し!うああああん!マスターの馬鹿ーっ!」 走り出したいのかクレードルから分離しようと身を捩るジェニーさん。 首しか動いてないよジェニーさん。 「まぁまぁ…大明神様落ち着いて」 「ああっ!もうっ!解りました、それならこっちにも考えがあります!」 こちらをキッと睨むジェニー。やおら表情を作ってもじもじと呟く。 「もう…夏彦さんの意地悪」 グハァッ…!大ダメージを受けた俺は思わず突っ伏した。 「やめろ…っ!オレは小学校中学年以来、女に名前で呼ばれた事が無いんだ!」 早鐘の様に鳴り響く胸を抑えて何とか立ち上がる。くそう、エグい手使いやがる。 「ふふ…女扱いは悪い気しませんけど、許しませんよー。夏彦さ~ん♪」 「ぐぁぁぁっ!黄色い声を出すなぁっ!?」 「純情ですねー、夏彦さんは」 「謝る、謝るからヤメテーッ!?」 そんなコントを聞いてか聞かずか、自動ドアを開いて入ってきたお客さんが遠慮がちに 声を掛ける。その肩には見覚えのあるマオチャオタイプが手を振っていた。 「あの…ここ…武装神姫のお店、ですよね…?」 オレもジェニーも、すぐに切り替えて営業スマイルを浮かべる。 一瞬だけ視線が合って、それがお客さんの方を向き… 『いらっしゃいませ!』 ホビーショップ エルゴは、今日も明るく営業中である。 NEXT メニューへ
https://w.atwiki.jp/busoushinkibc/pages/16.html
ここは、新たにバトルコンダクターを始めるマスターがスムーズに始める為に必要な情報のみを記すページです。 詳細な攻略情報を集めたい方は、wiki内の他ページもご覧下さい。 ※実際のゲーム画面や操作等の詳細な説明は公式サイト、操作マニュアルに纏められているので、そちらも併せて参照して下さい。 ゲームでの疑問のあれこれは → よくある質問 武装神姫に関して武装神姫って何?知らなくても遊べる? ゲームプレイに関してとりあえず何を準備したらいい? e-Amusement passってどこで手に入る?他のカードじゃダメ? 初回プレイの注意点 大まかな初回プレイの流れ 初回プレイ後の注意点 デジタル神姫って? 神姫をカード化したい! 2回目以降のプレイの流れ 神姫のレアリティは?個体差はある? 高レアリティ/個体値が高いカード以外はゴミだったりする…? もしかしてめちゃくちゃお金かかる? プレイできる店舗はどこ? 武装神姫に関して 武装神姫って何?知らなくても遊べる? 武装神姫は2006年からKONAMIが発売し、現在はコトブキヤにてプラモデル化企画が進行中のオリジナルアクションフィギュアシリーズです。 「2036年に人間の日常生活のサポート用メカ兼バトルホビー玩具として発売された小型ロボット」という基本設定があるだけで、基本的には個別の背景や設定があるわけでもありません。 特にアニメが元ネタとか、ゲームやってないと~ってこともないので気になったら即100円投入ですよ!ますたー! ゲームプレイに関して とりあえず何を準備したらいい? 初プレイに必要なものはe-Amusment Passと呼ばれるICカードとチュートリアル用の100円玉1枚のみでOK ICカードを介して初めてプレイする時のみチュートリアルモードがプレイ可能なので、まずはそちらで操作を学ぼう! かなり複雑な部分もある上にチュートリアルはかなりの速度で進むので公式サイト、操作マニュアルである程度の予習をしておくことを推奨します。 e-Amusement passってどこで手に入る?他のカードじゃダメ? e-Amusement Pass対応ゲームを設置しているアミューズメント施設に設置されているカード販売機にて購入することが可能。武装神姫の筐体そのものからは購入できないので注意! 武装神姫設置店舗には絶対どっかにはあるはず…。 値段は300円。余談ながらAmusement ICマークがついてるものであればネシカだろうがバナパスポートだろうがなんでもいいです。 詳しくはコチラ 初回プレイの注意点 初回プレイでは ICカードに登録する4桁のパスワード(新品のICカードを使用する場合のみ) 自身のマスター名 自身の誕生日 自身の性別(武装紳士or武装淑女) 自身の職業(学生or社会人or武装貴族) の登録を行います。マスター名等は事前に考えておきましょう。 またICカードに紐付けられるパスワードは今後プレイの度に要求されます。覚えやすいものにしましょう。 大まかな初回プレイの流れ 基本はゲーム画面に沿いますが… 初回プレイでは最初に神姫カードを読み込ませますが、その際チュートリアル用の神姫を借り受けて使用します。 その後、神姫ハウスへ移動。各神姫にタッチしてコミュニケーションを取ったり、キャッキャウフフ ↓ カスタマイズ画面で武装選択 ↓ チュートリアルバトルへ ↓ 最後にランダムでデジタル神姫を無料で一体プレゼント という流れになっています。デジタル神姫に関しては後述。 初回プレイ後の注意点 初回プレイを終えたら、必ずe-amusementサイトにてICカードデータを登録しましょう。 カードを紛失・破損した場合でもデータを新しいカードへ移すことが可能になります。 仮にあなたの使用しているICカードがバナパスポートカードやネシカだったとしても、KONAMIのゲームデータはe-Amusementサイトに登録しなければ復旧できません。 例えばバナパスを使用した場合、バナパスポートカードサイトにのみ登録してもバンダイナムコ関連のゲーム以外はデータ移行が行えないので注意してください。 デジタル神姫って? デジタル神姫は1枚のICカードに最大30体まで保存しておけるデータ上の神姫です。 デジタル神姫はそのままではチュートリアル用の貸し出し神姫よりも弱い上に親密度や経験値も獲得できないので、実用のためにはカード化が必要です。 「カードコネクト」筐体にてカード化することができ、その際に神姫のレアリティやステータス、個体値、胸の大きさが決定します。 神姫をカード化したい! カードコネクト筐体にICカードをかざすことでデジタル神姫をカードとして発行が可能です。 ICカードを読み込み後、メニューを下方にスクロールして「武装神姫」を選びましょう。 その中からカード化する神姫を最大5枚まで選択し、カード化する枚数×100円を投入することでカード化可能です。 余談ですが、このカードコネクトの印刷にはめっっっっちゃくちゃ時間がかかります。 目当ての神姫がある程度揃ってしまえば、カード化に並ぶ必要もなくなるのでデッキが完成するまでの試練だと思って耐えましょう…。 カードコネクト上ではデジタル神姫を20体しか読み込めないため、20体以上のデジタル神姫がいる場合は神姫ハウス→神姫カード整理からカードコネクトに送信する神姫を予め選択しておく必要があります。 この時、溜め込んだデジタル神姫を消去しておくことも可能です。30体以上のデジタル神姫は持てないので枠が上限いっぱいになりそうな時に活用しましょう。 2回目以降のプレイの流れ 2回目以降も基本はチュートリアルと変わりませんが、神姫ハウスで神姫と触れ合うことでバトル前に親密度とステータスを若干上げることが可能になり、バトルでは全国対戦もしくはオフラインバトルのいずれかが選択可能になります。 また、全てのゲーム終了時に神姫ショップが開放され、ランダムでデジタル神姫を獲得することが可能になります。(いわゆるガチャ) その際、「1体獲得or5体獲得or獲得しない」が選択可能で、獲得数に応じたクレジットを追加投入する必要があります。 神姫のレアリティは?個体差はある? 神姫のレアリティはUR、SR、R、Nの4種類。 神姫カードの右下にはそれぞれ1~5個のステータスアイコンが記載されており、その数が多いほど若干ステータスが高いです。 ついでにカード裏に胸のサイズボディサイズの記載があります。こっちのが重要だよなぁ? 高レアリティ/個体値が高いカード以外はゴミだったりする…? 本ゲームには編成コストシステムがあり、最大7。URは4、SRは3、Rは2、Nは1がコストとして割り振られています。 その関係上、URを使用する場合は必ずNと組まねばならず、URやSRとは組むことはできません。 SRを使用する場合でもSR、SR、NもしくはSR、R、Rが最大の編成になります。 高レアリティの神姫は確かに強力ですが、被撃破時のジェム喪失量が異様に多く、決して「URが入っている編成が至高」といえるようなバランスではありません。 おまけにこのゲームはNがかなり出にくいため、様々なレアリティの神姫を確保しておくことを推奨します。(特に推しはURとSRどっちも欲しいよね…。) また、個体値は確かに若干の差はあるものの個体値アイコン5つのものと個体値アイコン1つのものでは5~10と基礎ステータスに誤差程度の差しかなく、加えて個体値アイコン1つのものの方が伸び率はいいようになっています。 あったらラッキー程度のものなので、それほど気にする必要もないでしょう。 もしかしてめちゃくちゃお金かかる? いわゆるガチャゲーなのでゲームを始めたての頃はすごい勢いで金が吹っ飛びます。 100円で遊んで、500円でガチャ引いて、500円でカード発行して…のループになること必至です。 しかしながら、ある程度カードが揃ってしまえば基本料金の100円だけで遊べるゲームになります。 加えて、全ての神姫のフルコンプを目指すわけでもないなら、基本はデジタル神姫として所持するだけで目当ての神姫のみカード化する方向で資金を貯めておくことも可能です。 また、カードとICは紐付いていないので、ガチャがイヤすぎる!という場合は「だからまおが言ってやったのにゃ~」などを用いて予め望みのカードを入手してからスタートしてもいいでしょう。 胸のサイズにこだわると死ぬぞ プレイできる店舗はどこ? 公式サイトの神姫センター一覧を見よう。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2102.html
ウサギのナミダ ACT 1-1 □ 廃墟の街に砂塵が吹き抜ける。 裏通りの路地にも、砂埃がたまっており、黒い影が高速で走り抜けると、砂煙で路地はいっぱいになる。 駆け抜ける黒い影は、少女。 愛らしい顔立ちに、バニーガールを思わせるボディカラー。さらに黒光りする、ごつい機械の両足が不釣り合いだ。 彼女は、俺の武装神姫。 廃墟の路地を、機械の両足首に装備されたランドスピナーで疾駆する。 これが彼女のメイン武装。陸上での機動性に特化した脚部パーツである。 彼女は細い路地裏を駆け抜けながら、メインストリートをうかがう。 朱色のエアバイクが一台、爆走を続けている。 「よくアレを振り回すな」 半分感心、半分あきれた口調で、俺はつぶやいた。 あのエアバイク「ファスト・オーガ」は公式装備であるが、バトルで好んで使用する神姫はあまりいない。 地上での高速機動には適しているが、取り回しがしづらく、接近戦には向かない。空中戦も、飛行タイプの装備と比べると能力は数段劣る。 戦闘機動においては中途半端なのだ。特に武装神姫のバトルにおいては。 しかも、高速域に達するようなレーシングタイプに組み替えてある。 あれでは操作系も相当にじゃじゃ馬なはずだ。 それでも、ファスト・オーガを使いこなそうというのは、よほどの物好きなのか……。 俺は、対戦筐体の向こう側でエキサイトしている、相手のマスターを見た。 派手に染めた髪に、革ジャン、銀のアクセサリーをこれでもかと身につけた、いかにもヤンキーと言った感じのあんちゃんである。 きっとバイクが好きなのだろう。 そういえば、この店の外にも派手なバイクが止まっていた。いかにも相手のマスターが乗り回してそうなやつだ。 そんなことを考えながら、エアバイクに仕掛けるタイミングを探る。 少し耳からずれた、片耳用ワイヤレスヘッドセットをつまんで、位置をなおしながら、俺は指示を出した。 「ティア、次のT字路。ビルの上からジャンプして、直上から撃て。そのあとは背後から追撃」 『はいっ!』 はきはきとした声が短く応答する。 ティアは直後に軽く地を蹴ると、そのまま朽ちたビルの壁面を斜め上に走る。 そのまま、交差点の角にあるビルの屋上に躍り出る。 ◆ 「やべえ、やべえ、やべえやべえっ!!」 エアバイク「ファスト・オーガ」に乗る、ティグリース・タイプの神姫は、悪態を風に流しながら逃走していた。 こんなのは想定外だ。 バトルを始めてこれまでに五戦五勝。 いずれも、相手の神姫を追いかけ回し、背後から重火器で撃ちまくって勝利してきた。 図体の大きなファスト・オーガであるが、マスターの教えてくれたライディングを駆使すれば、思った以上の小回りを発揮できる。 巨体に目を奪われて、動きが鈍いと判断した浅はかな相手こそは格好の獲物だった。 彼女に言わせれば、飛行型のアーンヴァルやエウクランテの方が、ターンするのが鈍い。大きな弧を描いてターンしてくる相手を、様々なバイクのターン技でかわして背後をとる。 そして、重くなるのもかまわずに「これでもか」と積んだ武装を撃ちまくる。 あなどった相手を手玉に取る、最高に気分がいい必勝パターンだった。 接近戦メインの猫型や武士型はもっと簡単だ。全開で走り回って撃ちまくれば、それだけで勝てる。 今日の相手も、そういう楽でおいしい相手だと思っていた。 『虎実』 「アニキ!」 彼女は自分マスターをこう呼んでいる。 「アニキ、話が違うじゃねぇか! 今回もラクショーとか言ってなかったか!?」 『文句垂れてんじゃねーよ。武装じゃこっちが勝ってるんだ。文句言う前にあのバニーガールに当ててみやがれ』 バニーガールのところで声が甘くなった。 アタシというものがありながら、ケシカランことを考えていたに違いない。 虎実は不機嫌をさらにまき散らす。 「マトが小さくて、あったんねーんだよ! なんかいい手はねーのか、バカアニキ!!」 『ふむ……なら、誘い込んでやるか』 「なんか手があるのか?」 『こういうのはどうだ……』 虎実のマスターは、声を潜めて策を授けた。 それを聞いて、虎実はニヤリと笑う。 アニキはバカでエロで喧嘩っ早いが、ことバイクを使っての勝負になると悪知恵が働く。 虎実がアニキを一番気に入っているところだ。 「いい手だね」 『あのちょろちょろうるさいウサギちゃんに一発かましてやれ』 「よっしゃぁ!」 虎実はさらにアクセルを踏み込んだ。 先はT字路。 狂ったようなスピードで、朽ちたビルの壁が迫り来る。 虎実は、最小限のブレーキングをかけると、エアバイクの左舷から身を乗り出した。 ハングオンで美しい弧を描き、ハイスピードのまま左折した。 瞬間、左手のビルの上から、小さな影が虎実の上に出現した。 「来たな……」 小さな敵影を確認すると、虎実は猛然とアクセルをふかす。 ■ わたしがビルの屋上から飛び出したとき、エアバイクはちょうど左折したところで、真下に来ていた。 対戦相手の神姫は、虎実さん、という名前だったか……が見上げていたところから、ある程度奇襲を予測していたようだ。 わたしは空中で狙いをつけ、両手に持ったサブマシンガンの引き金を絞る。 サブマシンガンが火を噴くのと同時、エアバイクがさらに加速する。 はたして地面に弾着し、小さな砂埃を上げた。 その砂埃を踏みしめるように、着地。膝のクッションで衝撃を殺して、その反発を利用して、上体を前に出す。 一気に加速、虎実さんの追跡を開始する。 エアバイクは、道幅の広いメインストリートを猛スピードで駈けてゆく。 次第に小さくなるエアバイクに追いすがるため、わたしは全力滑走した。 重心を身体の前に出した軸足に乗せ、反対のけり足で自分の後方の地面を蹴る。上体は前傾姿勢。腕は左右に大きく振る。 スピードスケートの選手と同様のフォームだ。 左右の足が地面を蹴る度に、軸足のホイールが回転数を上げ、加速する。 エアバイクとの差は徐々に詰まってきた。 ライダーの虎実さんが、ちらりとこちらを振り返る。 さらに差が詰まった。 サブマシンガンの射程には十分な距離。 わたしは走りながら、右手のマシンガンを構え、撃った。 ファスト・オーガがひらりと横滑りして、銃撃を回避。車体をストリートの右側に寄せる。 相手の左翼にスペースが出来る。一気に追いつくチャンス。 わたしはさらに加速し、そのスペースへと飛び込もうとした。 その時。 わたしの瞳に、不適に笑う虎実さんの顔が映った。 確信のある笑い。 虎実さんがファスト・オーガを一瞬だけ加速した。 少し前に出ると、なんと機首を持ち上げ、後方のフローティングユニットを中心にして、駒のように回転する! 「ふきとべええええええええ!!」 ファスト・オーガの機首部分が金属バットのごとく振り出されてくる。 虎実さんに並ぼうと加速していたわたしは、進路を変えることができない。 ファスト・オーガの大きな機首部分が、ものすごい勢いで、わたしの眼前に迫った。 □ まったくもって、無理矢理な力技である。 まさか、エアバイクをウィリーさせて、前方部分で吹っ飛ばそうとは。 思いもかけない接近戦の奇襲に、俺も肝を冷やした。 ティアは速度を落とすも、勢い余ってエアバイクの攻撃に吸い込まれていく。 二つの影が交差する。 しかし、ティアは、虎実の一撃をすり抜けた。 接地しているホイールをグリップさせながら、身体を地面すれすれまで倒しこむ。 スキーで言うビッテリーターンの要領だ。 ウィリーしていたファスト・オーガは、ティアの身体の上を通り過ぎる。 「ちょ……まっ!」 相手の神姫、ティグリースの虎実があわてた声を出す。 彼女にとっては起死回生、必中の一撃だったのだろう。 エアバイクの前部を持ち上げたまま、その場で勢いよく駒のように回りだした。 チャンスである。 指先はサイドボードのコントロールパネルを操作し、俺が望んだ武器を、バーチャル空間内のティアの手元に送り込む。 「ティア」 『はいっ』 同時に短く指示を下す。 「そいつをエアバイクの底面に向けて撃て」 ティアは即座に指示を実行する。 ティアの右手には、大きなハンドガンが握られている。 ただのハンドガンではない。先端に大きな弾頭があり、グリップからはストックも延びている。 ロケットランチャーガン。 装弾数は一発きりだが、威力は破格である。 機動性重視のティアにとっては、虎の子の一発だ。 ティアはランチャーガンを構えると、数瞬を待たずに引き金を絞った。 ファスト・オーガがウィリーターンしていたのも、ほんの数回転だったろう。 虎実がファスト・オーガを押さえ込むよりも早く、まっすぐな白煙を描いた弾頭は、その前方部の底面に直撃した。 『うわ、うわわわわぁっ!!』 虎実が素っ頓狂な声を上げる。 前方部をはじかれたエアバイクは、後部を支点に反転。 そのままひっくりかえった。 俺が思い描いたとおり。作戦は成功した。 命中を確認したティアは、実弾のなくなったロケットランチャーガンを捨てる。 俺はすぐに新しい武器をティアに送り込んでやる。 ティアはランドスピナーでゆっくりと滑走すると、転覆しているファスト・オーガの反対側に回り込んだ。 ◆ ひっくりかえったファスト・オーガから、いままさに虎実が這いだしてこようとしていた。 「くっそ……」 まさか、あの一撃をかわされるとは思わなかった。 奴の速度も乗っていたし、コースも予想通り。ファスト・オーガを回転させたときに視認したティアは、間違いなく直撃コースだった。 しかし、姿がかき消え、予想していた衝撃は来なかった。 ティアを吹き飛ばした衝撃を利用してブレーキをかけるつもりだったために、勢い余って駒のように回ってしまったのだ。 そして、その隙をつかれ、このありさまだった。 虎実はバイクから這い出そうと力を込める。 バイクはもう使い物にならないだろう。だが武装は健在だ。ありったけの武装を引っ張りだして、それから…… 考えている最中の虎実の前で、甲高いホイール音が停止する。 虎実は顔を上げる。 目の前に、ちょっとすまなそうな顔をした、黒い兎がいた。 「チェックメイトです……」 ちょっと申し訳なさそうに、バニーガールの格好をした神姫が告げる。 虎実は不機嫌になりながら思う。 なんでこいつは、こんなに自信なさげなんだ? 両手でサブマシンガン構えながら言う口調じゃねぇだろ。 虎実はティアを侮ることにした。 無駄なあがきとわかっちゃいるが、こんな奴に素直に降参するほど、虎実はおとなしくもない。 「そうか……」 虎実はちょっとうつむいて表情を隠す。 端からは、さもギブアップしそうに見えるだろう。 「しかたがない……なっ!!」 車体の下に差し入れていた右手。 最後の一文字を口から発すると同時、掴んでいた剣を地面スレスレに滑らせた。 自慢のレッグパーツをねらう。 しかし。 虎実の剣が届くより早く、ティアの両手のマシンガンが火を噴いた。 虎実の繰り出した剣は、柄の根本から破壊された。 地面に穴をうがち、バイクに風穴をあけ、弾着が点線を描き出す。 虎実は小さな悲鳴を上げて、頭を抱えた。 弾着の点線は虎実の身体を囲うように円を描いていた。 ティアが静かに告げる。 「降参してください……」 またしても申し訳なさそうな顔をしている。 それが虎実には無性に気に食わなかった。 でも、それをどうにかする術はない。 ティアの銃口はぴたりと虎実向けられている。 「ちくしょ……ちくしょう、ちくしょーーーーーっ!!」 虎実の叫びが廃墟の彼方に消えていく。 やがて、ファンファーレとともに、フィールド上に巨大な立体文字の列が浮かび上がった。 『WINNER:ティア』 ■ バーチャルバトルが終了し、周囲の廃墟が消えていく。 わたしの認識はリアルに戻され、ゆっくりと目を開く。 暗く、狭いポッドの中。 こわい、と認識するまもなく、目の前の壁に一筋の光の線が引かれ、やがて大きく開いた。 溢れてくる光。現実の光。 わたしは目を細めながら、ゆっくりとポッドから身を乗り出して振り向く。 「か、勝ちました。マスター」 わたしは自らの主の姿を見上げた。 どんな表情をしているのか、とてもとても気になる。 彼は、やっぱりいつものように事務的な無表情で、自分のモバイルPCのキーを叩いている。 わたしはちょっとだけ落胆する。 でも、 「うん。よくやった」 マスターがわたしを見て、かすかに笑ってくれたから。 わたしは嬉しくなって、思わず笑みを返した。 わたしのマスターは、あまり表情を変えない人だ。 だから、時々見せてくれる笑顔は、わたしの大切な宝物だった。 その時だ。 「おいおいっ! 今のは反則じゃねえのか!?」 大きな声でマスターに近づいて来る人がいる。 バトルの相手、ティグリース・タイプのマスターだ。 「なにがだ」 マスターの声は至って冷静……それどころか、わたしが身をすくませたほどに冷たい声。 「だってそうだろ! そっちのバニーちゃんの装備なんざ、見たことも聞いたこともねぇ! しかも、バトル前にフィールドまで指定しやがって……。 勝つためには何をしてもいいってのか!? あぁ!?」 「はじめに確認を取ったはずだ。君はそれを了承しただろ」 確かにマスターは、バトル前に確認をしている。 わたしは武装の特性上、市街地や廃墟のステージでしかバトルしない。 それは有利になるからというよりも、他のステージではパフォーマンスを発揮出来ないからだった。 「だけど、てめえの神姫の武装は公式じゃねえだろが!」 「確かに、ティアの武装はオリジナルだ。 だが、君の神姫の武装に勝っているとは思えない。 こっちはライトアーマー並みの軽量武装で、装備は手持ち武器をサイドボードから送り込んでいるだけだ。 単純な火力は君達の方が圧倒的だと思うけどね」 「ぐっ……」 マスターは冷たい視線で相手を見る。 体の大きな相手のマスターがあきらかにひるんでいる。 マスターは淡々と言葉を紡ぐ。 「それに、ここは公式の神姫センターじゃない。 ゲームセンターの非公式の草バトルだ。 パーツがオリジナルだろうが、武装が非公式だろうが、どんな相手が出てきたって文句は言えない。 ここにはそういう神姫が集まっている。 公式装備のバトルがしたければ、神姫センターに行けばいい」 マスターの言葉は冷たく、事務的で、しかも正論だった。 会話を聞いていた、周りの神姫マスターのみなさんも、口々に言う。 「そうだそうだ! ここじゃ武装は何でもありだ!」 「公式武装バトルがお望みなら、他へ行け!」 「負けたからって見苦しいぞ!」 「だいたい、火力で勝っているのに、いいわけがましいったらないよな」 「文句言うより、装備見直す方が先なんじゃね?」 そして、マスターがとどめの一言。 「それに、いまのバトルは、君から申し込んできたんだろ」 その一言に、周りがどよめいた。 相手のマスターは反論も出来ずに、うつむいている。 けれど、いきなり顔を上げると、びしっとわたしのマスターに人差し指を突きつけた。 肩の上のティグリースも一緒に。 「こ、これで勝ったと思うなよ! おぼえてろおおおおおぉぉ!!」 そう言い捨てて、相手のマスターは駆け足でお店を出ていった。 マスターを見上げると、彼は肩をすくめて軽くため息をついた。 「まったく、うるさいやつだったな……心配するな」 最後の一言でわたしを見て、マスターは右手を差し出した。 後かたづけが終わった証拠。 わたしはマスターの右手の甲に乗る。 すると、マスターの右手はわたしを乗せて、左胸のシャツのポケットに到着する。 わたしは右手から降りて、マスターの胸ポケットに滑り込んだ。 ここはわたしの定位置。 「よし、帰ろう」 ゲームセンターの、武装神姫コーナーの周りは、さっきの騒ぎの名残で、まだざわめいていた。 マスターはそれが気に入らないのだと思う。 他のバトルを観戦もせず、すり抜けるようにコーナーを離れ、店を後にした。 次へ> トップページに戻る