約 730,147 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1013.html
その他設定 斗小野グループ 日本有数の財閥「斗小野家」が率いる巨大グループ その影響力は各方面へと及ぶ 國崎技研 健四郎が勤める神姫関連のパーツを創っている会社 自社制作だけでなく、個人制作の武装の代理販売なども行っている 組織略図(状況により変更あり) 技術部 1課・フレーム・架装部門 2課・周辺機器・用品部門 3課・銃火器部門 4課・刀剣・防具部門 5課・衣料部門 6課・特殊用品部門(通称エロっ課) 営業部 1課・自社製品販売部門 2課・代理販売部門 3課・広報部門 細かい課分けも実際は殆ど役に立っておらず、技術部の人間が店に商品を売り込んだり、営業の人間が(意見だけでなく)開発に直接携わったりしている場合も多い ワークショップ『MACHINE FRIEND』 (武装神姫飛鳥ちゃんエウクランてに登場) かつて祖父が経営していた工場を今井一太郎が復活させたショップ バトル施設は無いので神姫センターとは呼べないが、BMA公認ショップである パーツの改造だけでなく、中古部品等の販売や、神姫心理カウンセリング等も行っている 作品中に描写は無かったが、格安の中古武装に並んで神姫の手足なども並んでいて一種異様な雰囲気を醸し出している 裏の廃工場を改装した実験場がある 神姫関連だけでなく、様々なメカの受注生産も行っている 独自設定 ここではこの作品のオリジナル設定を説明します 素体について この世界の素体は、極一部の例外を除いて「フレッシュ素体がスーツ等を着用している」事になってます 素体自体も女性の体を出来る限り忠実に再現されており、いわゆる「えっちな機能」も極一部の例外を除いて備わっております(ただし、処女膜は再現されていない) 『神姫性性同一障害』 神姫特有の精神疾患であり、人間のそれとは異なる 神姫が同性愛を行う事は珍しくないが、男性的な行動を起こす場合に定義される 症状が悪化すると男性的に恋人を愛したいと考えるようになり、存在しない陰茎部を挿入したいと考えるようになる こうして満たされない欲求に押しつぶされ、暴走したり最悪AI崩壊を引き起こしたりする事例も報告されている (ここまで重度のものは報告例は少ない。大抵は恋人を満足させる事により欲求は満たされる) 原因については一切不明 最悪の状態になり、やむをえずリセットされたコアへ同一素体・CSCを組み込んでも発症したという事例は今の所無い (神姫は同一コア・素体・CSCを使用しても同じ性格にはならない為、その因子が発現しない為とも考えられるので、たまたまという意見もある) この障害はBMAも問題視しており、症状の重い「患者」に対して様々な補助を行っている (國崎技研と協力してのツールの処方もその一環) 独自解釈武装について 謎の武装に関しては、作者の妄想が付け加えられている場合があります パウダースプレイヤー ジュビジー標準装備の銃。通常弾の他に特殊弾も発射可能 また弾倉が6発、3発、3発のに分かれていて、それぞれに異なる弾丸を装填可能 メーカー標準装備では、通常弾・煙幕弾・腐食ガス弾が付属している アレルギーペタル ジルダリア標準装備の特殊武装 周波数をセットし振動を与えることで特殊音波を発する その効果は「神姫の聴覚センサーに作用し負荷を掛け、一時的に能力を下げること」 この効果を無効化するには、聴覚センサーの可聴範囲をズラし、特殊音波を聞かないように変更すればよい。この機能は全ての神姫に備わっており、その為アレルギーペタルの効果発揮時間は対象神姫の対応能力に左右される(平均約0.5秒程度) ちなみに使用するジルダリアは発動前に自らの設定を変更している為、自分にはかからない(その為、他のジルダリアが使用した場合はかかってしまう) フローラルリング ジルダリア標準装備 本体の飛行を可能にするだけでなく、ハイパーモード時にはフィンにエッジが付き、切り離して遠隔操作にて攻撃することができる 重力制御装置 イーアネイラやウィトゥルースに装備されている装置 機体を浮かせて移動させるのが主な目的 しかし、イーアネイラは地上での最低限の移動力の確保を目的としているのに対し、ウィトゥルースのそれは積極的に戦術に取り入れる事を目的としている 複雑な合体や、ファストオーガの機動力を支えているのは間違いなくこのシステムであり、また真鬼王のパワーを十二分に発揮する為にもこのシステムが活用されている(力が逃げないように重力をコントロールしカウンターウエイトとしている) さらに反重力フィールドを形成し物理攻撃を逸らす事も出来る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1528.html
戻る トップへ 空は青く、そして高く。 流れる雲は、ただ白く。 冬の陽射しは柔らかく。 それをぼんやりと、どこか嬉しそうに眺める少女が、一人。 古ぼけた、二階建ての大きな図書館、その中で。 どれもこれも飾り気の無い、年季の入った本棚に囲まれて。 少女は二階にある、長机の上に座っていた。窓越しの空を嬉しそうに仰ぎ、古ぼけた本棚を楽しそうに眺めながら。 彼女はくすりと笑った。小さい身体を小さく揺らして。小さな、15センチ弱の身体を、小さく揺らして。 彼女は武装神姫。彼女にとって、人の世界は余りに大きく、人の世界は余りに遠い。 身長15センチ程しか無い彼女にとっては、この長机でさえ広大な大地と言える。 「レミン、決まった?」 少女の背後、陽射しをまるで避ける様に、神楽はそこに立っていた。平均的に言えば、決して大きく無い彼女も少女―――レミンからしたら大きな人間だった。 「司令官、自分はあれが読みたいッス!」 レミンは砲台型特有のバイザーを上げながら、屈託無く言った。その指で本棚の一角を指差しながら。 「……ん」 神楽は本棚へと向かい、迷う事なく一冊の『武装神姫と散弾銃』を手に取った。 顔に当たった日差しに目を細めながら、神楽はレミンに本を渡した。 「図書館では、静かに」 二人以外、本しかいない空間を見渡しながら神楽は言った。 「了解ッス、司令官!」 その忠告を理解しているのかいないのか、レミンは元気一杯に言った。 しかし、そんなレミンの声に眉をひそめる人間は、ここには居ない。 神楽も一応はそれを分かっているので、何も言わずに席に着き、自身の本を開いた。 何の音もしない、静かな図書館にぱらり、ぱらりと二つの音が木霊する。 ぱらり。 ぱらり。 革表紙の英語で書かれた本を、神楽は読んでいる。 無表情に、人から見ればある種不機嫌そうな顔で黙々と文字を追っている。 ぱらり。 ぱらり。 レミンは少し寂れた白い文庫を読んでいる。 楽しそうに、嬉しそうに。まるで子供が絵本を読むように、笑顔で読んでいる。 「やっぱりショットガンと言えばレミントンッスよね! 隊長はウィンチェスターが良いって言うッスけど、司令官はどう思うッスか?」 満面の笑顔で、レミンは言った。 子供が動物園で好きな動物を聞くように、楽しそうに言った。 その言葉は、子供が言うのなら少々不適切だが。 「SPAS」 本から目を離す事無く、神楽はぽつりと答えた。 「司令官、ウィンチェスターかレミントンかって聞いてるッスのに、それは無いッス!」 静かな図書館に、レミンの大声が小さく響いた。 小さな身体から発せられたそれは、人間からすれば普通かちょっと大きい程度の声だ。それは身体のサイズ云々よりも、機械的な制限の方が大きいのだろう。 それでもそれは、水を打った様な静けさに浸るこの場所に確かな波紋を投げ掛けた。 「図書館では、静かに」 レミンの声に引き寄せられる様に、風が吹いた。 窓をぎしりと軋ませるそれは、しかし神楽の声に掻き消された。 「SPASなんてダメダメじゃないッスか! ポンプ・セミ切り替え出来ても故障ばっかじゃ何の意味も無いッス!」 眉をひそめて、出来る限りの大声でレミンは文句を口にした。 その声を浴びせられている神楽は、端から見れば我関せず、右から左に受け流しに見えるだろう。 しかし、彼女を見慣れている人間は、前髪に隠れた眉がぴくりと動くのを見抜くだろう。 「SPASは人間工学に基づいた設計により兵士の負担を軽減している」 「いくら持ちやすくても重すぎッス! 変な機構詰むからそうなるッス! ショットガンはシンプルがイチバンッス!」 今まで、一定のタイミングでページをめくっていた神楽の指が止まった。 そして、無表情なその瞳がレミンを捕らえた。 「な、なんスか」 「……SPASは制圧力に優れるセミオートと確実性に優れるポンプアクションを導入している。これによってあらゆる任務に対応できる。それによって機構が複雑化し、重量が増大しているがそのおかげで安定した射撃が可能。装弾数の多さも利点の一つ」 全くの無表情、全くの無感情さで神楽は一気に言い切った。 しかしそれは一字一句正確無比な機械の発音であり、そしてそれは感情の籠った人間の発音でもあった。 「うぐぐ……SPASなんて旧世紀のイブツッス! そんなん使うならレミントン使うッス!」 「確かにSPASは古い。しかし、それはレミントンも同じ」 つい先刻まで静寂に包まれていた図書館はもう無い。 今あるのは二人の声が渦巻く、喧騒に巻き込まれた図書館だ。 「古ければ悪い訳じゃ無いッス!」 「それは認める。しかし、その発言、先とは矛盾している」 人と神姫、二人分の声は二人の注意力を削いでいた。 現に、階下から響く音に二人とも気付いてはいない。 ぎしり、ぎしり、と。 木製の古い階段を上ってくる足音に、気付いてはいない。 「レ、レミントンは今もパトカーに搭載されてるッス! SPASは大昔に生産終了してるッス!」 ぎしり、ぎしり。 その音は緩やかに、そして確かに近付いている。 二人の視界の外側から、ゆっくりと。 「……SPASの軍用銃は確かに生産が終わっている。しかし、民間向けなら未だに根強い人気を誇る」 ぎしり、ぎしり。 そして今、それは二人の視界の内側へと、侵入した。 「レミントンだって狩猟銃としてなら今でも大人気ッス!」 ゆっくりと、しかし確実に。 それは二人を目指して歩いてくる。 ぎしり、ぎしりと音を鳴らして。 「狩猟銃としてなら、確かにそう。でも、一般的な知名度はSPASの方が上」 ぎしり。 それは、もう二人の傍らに立っていた。 お互いに意識を向けすぎて、気付きもしない二人の傍らに。 そして、口を開いた。 「二人とも、図書館では静かにね」 二人はここに至って、ようやく彼女の存在に気付いた。 そこに立つ、戸坂 加奈美の存在に。 そこまでされてようやく気付いた神楽は 「…………」 絶句し、同じくそこまでされてようやく気付いたレミンは 「び、びっくりしたッス!」 と、大いに驚いた。 「二人の声、下まで響いてたわよ?」 そんな二人の様子を楽しげに眺めながら、加奈美はそう言った。更に続けて言う。 「あんなに大きい神楽の声、久しぶりね」 傍らに立つ加奈美の視線から逃げるように、神楽は顔を背けた。 その頬が赤かったのは言うまでもない。 「不意打ちなんて、加奈美姉さんも人が悪いッス!」 「そんなつもりは無かったんだけど、二人が楽しそうに話してるのを見てたら、ね」 悪戯っぽく笑いながら、加奈美は言った。 そうして、神楽の隣の席に腰を下ろした。その時、神楽は内心、レミンの比では無いほど驚いていた。少なくとも、会話すら出来ないほどには。 「そう言えば加奈美姉さん、昨日風邪で寝込んでたって聞いたッスけど、もう大丈夫なんスか?」 「ええ、神楽とウィンのお陰でね」 「そりゃ何よりッス!」 和気藹々と会話を交わす加奈美の隣、神楽はようやく平常心を取り戻していた。 そして加奈美はそれを見計らった様に、神楽へと声をかけた。 「そういえば、神楽。探したのよ。何時もみたいに教室にいると思ったのに」 「……そう」 少し拗ねた様なニュアンスを含む加奈美の言葉に対し、神楽は未だ俯き加減で一言だけ返した。 「お陰で学校中探し回る事になっちゃったわ」 「……そう」 少しおどけた様に喋る加奈美に対しても、神楽は俯き加減で一言だけ返すに留まった。 加奈美はしかし、それに対し不満を言うことは無い。代わりに、楽しげに神楽の顔を眺めているだけだ。 「司令官、加奈美姉さんの前でくらい明るくするッス!」 二人のやりとりを見ていたレミンは、そう言って立ち上がると手を腰に当てた。 「お婆ちゃんが言っていたッス、好きな人と話すときは明るく笑顔で話すッス!」 そう言いながら、神楽を責めるような視線を送る。 お説教のつもりだろうが、神姫であるレミンがそれをやっても可愛らしいだけで凄みも何もない。 現に加奈美はそれを微笑みながら見守っているだけだし、当の神楽も何の反応も示さないのだから。 「……レミンにお婆ちゃんはいない」 「物の例えッス!」 神楽は溜息ついでに言葉を吐き出し、こめかみを軽く押さえた。 彼女の心情を知ってか知らずか、レミンは相変わらず元気に返答している。 元気なのは良い事だが、元気なだけというのも考え物だと神楽は痛感していた。 「レミンはいつも元気ね」 「女の子は元気が一番ッス!」 図書館とは、本来静かな空間の筈だが、今やその影も形もありはしなかった。 形だけとはいえ、騒ぐ二人を戒めていた加奈美でさえも、お喋りに加担しているのだから。 神楽はそんな事を考えながら、少し音量を下げて口を開く。 「加奈美、何か用?」 先程、加奈美が神楽を探していたような言い方をしていた。 それが気になった神楽はそれを聞くために、そう問いた。 「ええ、探したわ」 それを聞いた加奈美は、にこりと笑った。 それを見た神楽は、内心胸を撫で下ろした。 神楽の心情を知らないままに加奈美は次にこう言った。 「昨日は、ありがとう」 一言、加奈美はそう言った。 神楽の目を真っ直ぐ見つめて、そう言った。 「……ん」 「司令官!」 神楽は無愛想にそう言った。 すぐ脇でレミンの叱責する声を上げたが、それすらも神楽の耳には入っていなかった。 今の神楽は、自分でも分かるほどに赤くなった顔を鎮めるのに精一杯だった。 「ウィンにもよろしく言っておいてね」 「加奈美姉さん、任せてくださいッス! 自分がしっかりと伝えておくッス!」 俯く神楽を横目で見ながら、レミンは元気にそう言った。 そして、一通り言いたいことを言い終えた加奈美は口を閉じた。 一瞬、図書館が図書館本来の静寂に包まれたが、それはレミンによっていともたやすく破られた。 「そういえば加奈美姉さん、神姫を買ったって聞いたッスけどホントッスか?」 「ええ、本当よ」 「なら是非とも会いたいッス!」 まるで、子供の様にはしゃぎだすレミンを見つめながら、加奈美はこう言った。 「そう言って貰えると嬉しいわ……そろそろ、かしらね」 加奈美が意味深な事を呟き、その瞳を大きな窓の方へと向けた。 それに釣られたレミンも意識を窓へと向ける。 しかし、そこにあるのは真っ青な空と白い雲ばかり。可笑しなものなど何も無かった。 「……加奈美姉さん、何がそろそろなんスか?」 レミンは何の変哲もない空を眺めながら小首を傾げた。 しかし、加奈美は何やら楽しそうに微笑むだけで、レミンの言葉には答えなかった。 「司令官……」 次にレミンは神楽に声をかけた。しかし、神楽は未だに俯いたままなので、応答は無い。 レミンは、仕方なしに再び窓へと視線を移した。 「……?」 何の変哲も無い空。 近所には高層ビルの類など無い、余計なものなど鳥くらいしか有り得ない空。 だが、レミンはそこに何かを見た。 しかし、鳥では有り得ないもの。 青い空に溶け込むような群青色のもの。 背中に白い羽を生やすもの。 人の形をしたもの。 それは桃色の髪をしたもの。 それは、武装神姫だった。 武装神姫が、窓の向こう側を飛んでいたのだ。 そして、こちらに向かって飛んできていたのだ。 「……!………!」 それは、窓に張り付くと何かを叫んだ。 しかし、それはガラスに阻まれ、レミンらの所にまでは届かなかい。ただ時折小さな声が届く以外は。 「エウクランテ……スか?」 レミンは半ば呆然としながらも、そこにいる神姫を認識した。 そして、その神姫が加奈美に向かって叫びかけている事に気付いた。 だが、加奈美の方を仰いでみても加奈美は何が楽しいのか、心底楽しそうに笑っているだけだ。 「姉さん、なんか叫んでるッスけど、開けなくていいんスか?」 「そぉねぇ……そろそろ可哀相だから開けてあげましょうか」 レミンに言われ、加奈美はようやく腰を上げた。 そして、やったらにこにこしながら窓を開けた。 その瞬間、静かだった図書館に神姫のモノとは思えないほどの怒鳴り声が満ち渡った。 「主、何故直ぐに窓を開けて下さらないのか!?」 窓を開けたままの体勢、そのままの加奈美に対してシルフィは開口1番怒鳴り付けたのだ。 「なんでかしらねぇ?」 「なんで、ではあるまい!明らかに楽しんでおられたろう!?」 怒鳴られながらも加奈美は平然とした様子で窓を閉め、もとの席に腰を下ろした。 「あら、分かっているんじゃない」 「主……!」 背中に翼を背負っただけのシルフィが加奈美の前、レミンに背を向ける形で長机の上に降り立った。 そして、それを見計らった様に口を開いた。 「そ・れ・よ・り、何か私に用があったんじゃなくて?」 「……ああ。ああ、そうだとも主。何処かに行かれる時は一声かけてくれとあれほど……!」 「だってぇ、シルフィったらパーシと楽しそうにおしゃべりしてたから邪魔したら悪いかしら、って」 「何度も言わせて頂くか、例えパーシとの会話であろえと神姫バトルであろうと、主の事とは比べるまでも無いと……!?」 「あら、お友達とのおしゃべりは大切よ」 「……それはそうだが!」 「シルフィはまだお友達が少ないのだからダメよ?」 「それとこれとは関係が無かろう!」 そう一喝されて、加奈美は一瞬押し黙った。 「ああ、そうだわ」 「……少しは反省なされたか?」 「ここは図書館だからあんまり大声出しちゃダメよぉ?」 「……主は……いつもそうだ……!」 なんかすごいもんみちゃったなぁ。と、神楽は内心思っていた。 凄まじい形相で怒鳴っていたシルフィ。それを涼しげに、むしろ楽しそうに受け流す加奈美。 そしてそれを呆然と眺めているレミン。 修羅場ってこういう事を言うんだなぁ、と神楽は考えていた。 「主よ、私がこうして怒っているのも主を案じての事と分かっておられるのか……!」 「シルフィが泣いて叫んで探し回ってくれれば私も少しは考えるわ」 「何をどう考えるのだ……!」 「どうやったらシルフィがもっと泣き叫ぶか」 「主ッ!」 「そんな事より、レミン。この子が私の神姫、シルフィよ」 唐突に、いきなりに話を振られたレミンは 「ふぇ?」 という妙な音声を発してしまった。 「……シルフィだ。何も言わずにふらふら歩き回り見つけたところで反省も何もしないオーナーの神姫だ」 シルフィは顔だけを後ろに向けて、そう言った。その顔に浮かぶ憤りを隠そうともせずに。 「わ、私は神楽の神姫のレミンッス!」 そんなシルフィの様子に尻込みしながらも、レミンは勇猛元気に挨拶をした。 「ああ、よろしく」 しかし、シルフィは素っ気なく答えただけで再び加奈美へと顔を向けてしまった。 残されたレミンは涙目で、小さな声で神楽に訴えかける事しか出来なかった。 「……司令官……シルフィさん……超怖い……ッス」 「……運が悪かった」 だが、神楽は神楽で読書を再開していた。レミンを慰められるのは、今や加奈美だけだった。 「姉さん……」 「そういえば、神楽。さっきは何の話をしていたの?」 「主、私の話はまだ終わっていないぞ!」 加奈美だけだった。 だけだったが、当の加奈美は平然と神楽に会話を振っており、レミンの声は聞こえていない様子だった。 「……散弾銃について」 神楽はレミンを一瞥したが、それだけだった。 「あら、そうなの。確か神楽はスパスが好きなのよね」 「……そう」 「私は断然モスバーグなんだけど、レミンはどう思う?」 今までスルーされていたのに、唐突に話を振られたレミンは一瞬驚き、しかし直ぐに目を輝かせながら口を開いた。 「自分はレミントン一筋ッス!」 「……主よ、どうやら主は私を本当に怒らせたいらしいな」 一方シルフィは額に青筋を浮かべて笑っていた。 「今日という今日は言わせてもら……!」 全く聞く耳を持たない加奈美に、シルフィがキレかけた。 神楽は読書しながら巻き添えを食わないよう微妙に距離を離し、レミンは再び半ベソになって、加奈美はシルフィを見ながら笑っていた。 まさにその時、だ 「みなさーん、図書館では静かにお願いしますよー」 階段の脇、にこやかに笑う図書委員、眼鏡の似合う女子高生、国崎 茜が警告を発したのは。 茜の容姿は学校指定のブレザーとスカート。胸元には真っ赤なネクタイを締めている。 茶色がかった髪は肩口で揃えられ、黒ぶち眼鏡をかけていた。 それはまさに図書委員であり、どこにでもいそうな高校生だった。 「「……ごめんなさい」」 眼鏡の奥にある目は僅かに細められていて、それは見る人間に悪い印象を与えないはずだ。 だがこの場、彼女と対峙した二人は何故か茜に戦慄した。 それは図書館で騒いでいた後ろめたさが大きいが、その奥底にはもっと根源的な感情が存在している。 「二度目は無いですからねー。次は食べちゃいますからねー」 にこやかに言い放つ茜の言葉は、恐らく額縁通りの意味だったのだろう。 トップへ 進む -
https://w.atwiki.jp/mking/pages/368.html
ロンギヌスの槍2(u) ロンギヌスの槍2(u)系 入手方法 特定期間の間に戦闘で取得 月別記念武器の一種。5月記念武器。 史上初のレベル制限の付いた月別記念武器である。 合成武器のロンギヌスの槍の強化版として位置づけられた武器であり、ほぼ上位互換の性能を持つ。 ただ攻撃力にこだわらなければ、EagleOrb系でも十分代用できるので(むしろEagleOrb系のほうが優れている面もあるので)、 苦労して入手する必要も無いかもしれない。 CRASHの効果を持っているので、やはり使い方には注意したい。 合成武器と月別記念武器という関係上、ロンギヌスの槍からランクアップする可能性はほとんど無いと思われるが・・・果たして?
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1173.html
○オリジナル武器(龍悪自作武器) ●メインウェポン ○ANGELUS専用 『GRADIUS』 系統:大光銃剣 重量:20 攻撃:0~∞ 命中/HIT数:0/1 射程:0~∞ 必要:- 準備:0 硬直:0 スタン:0~∞ ダウン:0~∞ スキル:[攻]MEGA CRASH 神姫侵食度:∞ 備考:MEGA CRASHはその場に存在するものを全て消滅させる攻撃。 通常攻撃は近距離の場合は斬りつけ、遠距離は剣の先から螺旋模様線状レーザーのCYCLONE LASERを撃つ、中距離は使い主の意思のままにどっちかで攻撃する。 他にもリング拡散型レーザーのROPPLE LASER、連射型レーザーのTWIN LASER、波動砲型のENERGY LASERがある。 覚醒するとHYPERという名前がつきANGELUSとGRADIUSの性能が一気にパワーアップ。 人口知能が入っていて、性格はアンジェラスに的確な指示と気遣う優しい、女性の声で言葉は英語で語る。 実は武装神姫にも変形できます、ようするに擬人化ですよね。 擬人化した後、アンジェラスの支援をします。 容姿について、顔は小さく銀髪のツインテックにアホ毛が二本で目の色は赤。 性格はGRADIUSと同じです、といいますか、マンマ同一人物です。 この状態ではGRADIUSを使用する事は出来ません。 ただし、かなりGRADIUS自体がかなり強いので支援は期待できます。 翼は背中に六本生えていて、腰辺りに二本生えています。 最後に、GRADIUSはまだまだ未完成です。 更なるバージョンアップがあるでしょう。 剣版 擬人化版 (下の画像は、翼は限りなく結構動かせます) ○CRINALE専用 『ネメシス』 系統:重力剣 重量:∞ 攻撃:20000 命中/HIT数:100/4 射程:使用者の有視界 必要:- 準備:0 硬直:0 スタン:500 ダウン:500 スキル:[攻] GRAVITY CRASH 神姫侵食度:∞ 備考:GRAVITY CRASHは重力に因って無理矢理敵を自分の所まで引き寄せ、ある程度まで近づいてきたら攻撃し敵の内部で爆発させる攻撃。 通常攻撃はGRAVITYが敵に接触した時にその場で重力空間を発生させ、その重力空間は爆発する。 人間の目から見て殴った瞬間に爆発するように見える。 中距離は二次元の球を作りだしその穴に向かって銃類の武器で攻撃、その攻撃は敵を中心にして間合い半径1メートルから10メートルの間で360度ランダムで撃った攻撃が敵に向かっていく、GRAVITY HOLEというものがある。 人口知能が入っていて、性格はクリナーレにお調子者で少しチョッカイするが結構頼りになる、男性の声で言葉、日本語で語る。 ○LUNA専用 『沙羅曼蛇』 系統:火炎灼剣 重量:1 攻撃:10000 命中/HIT数:1000/444 射程:0~500 必要:- 準備:0 硬直:0 スタン:1000 ダウン:0 スキル:[攻] 沙羅曼蛇の舞 神姫侵食度:∞ 備考:沙羅曼蛇の舞は使用者の神姫の周りに炎渦が取り囲み、蛇のように突進し、敵を斬刻む攻撃。 通常攻撃はある程度相手距離を保ちつつ、隙あらば一気に敵の懐に飛び込み近接攻撃する。 人口知能が入っていて、性格はルーナのいいなりでかなりの無口、でも時々喋る、男性の声で言葉は日本語で語る。 ○PARCA専用 『ライフフォース』 系統:光闇弓剣 重量:10 攻撃:15000 命中/HIT数:10000/4 射程:100~100000 必要:- 準備:300 硬直:0 スタン:900 ダウン:100 スキル:[攻] 光闇矢 神姫侵食度:∞ 備考:光闇矢は二つ種類がある。 光は敵を追尾し、しつこく追いかけるが威力は闇より低い攻撃。 闇は一直線に敵を貫く、光より威力が高い攻撃。 同時に光・闇の攻撃可能。 通常攻撃は普通にノーマルな弓で攻撃。 もしくは敵に近づいて攻撃。 人口知能が入っていて、性格はパルカに全てについて冷静沈着に言い感情がない、女性の声で言葉は日本語だが何故か片言。 ●サブウェポン ○ANGELUS専用 『OPTION』 系統:オプション 重量:0 防御:0 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0~∞ 回避:∞ 機動:∞ 攻撃:0~∞ 命中:0~∞ 必要:- スキル:[追] OPTION SHOT 神姫侵食度:∞ 備考:OPTION SHOTは相手に物凄いスピードで体当たりする攻撃。 通常攻撃は神姫と同じ攻撃をする。 ラグビーボールみたいな形状で赤く光っていて数は四個。 装備している神姫の周りをクルクルと回ったり編隊したり神姫の後ろを蛇みたく追いかけたりする。 ○PARCA専用 『モアイラッシュ』 系統:オプション 重量:100 防御:1000 対ダウン:0~10000 対スタン:0 索敵:100 回避:0 機動:50 攻撃:5000 命中:50 必要:- スキル:[追]モアイラッシュ 神姫侵食度:∞ 備考:その名も通りにパルカの間合いにモアイが増殖し相手に体当たりや口からリングレーザーを放つ。 とてもやっかいなスキルである。 ●リアパーツ ○ANGELUS専用 『リアウイングM‐88対消滅エンジン』 系統:リア 重量:10 防御:0 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0~∞ 回避:0~∞ 機動:∞ 攻撃:0 命中:0~∞ 必要:- スキル:[移]SPEED UP 神姫侵食度:∞ 備考:SPEED UPは0~5速あって亜光速で好きな場所に移動する事が出来る。 因みにMAXの5速でスキルを使うとLNITIAL SPEEDとなり0速になる。 5速に近ければ回避・起動が上がり、0速に近ければ索敵・命中が上がる。 ○CRINALE専用 『DTリアユニットGRAVITY』 系統:リア 重量:200 防御:1000 対ダウン:1000 対スタン:1000 索敵:0 回避:-100 機動:-100 攻撃:100 命中:0~∞ 必要:- スキル:[防]GRAVITY FIELO 神姫侵食度:∞ 備考:形状はDTリアユニットplus+GA4アームと同格だが、違うのは中身。 GRAVITY FIELOはCRINALEを中心にして球状の重力空間を発生させる、この時のCRINALE状態はその場から動けないが攻撃は可能。 重力空間はありとあらゆる物を引き寄せたり、逆に引き離したり出来る。 CRINALEがGRAVITY FIELOを発動している時間が長ければ長い程、球状の重力空間が面積と体積が増加する。 CRINALEがGRAVITY FIELOを発動の終了をするとCRINALEは自由に動ける、更にGRAVITY FIELOはすぐに無くならず大きさによってラグが発生しその場で残るが時が経てば自然消滅する。 装着しているチーグルアームを駆動させ攻撃も可能。 ●アーマー ○ANGELUS専用 『FORCE FIELO』 系統:バリアー 重量:0 防御:0~∞ 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0 回避:0 機動:0 攻撃:0 命中:0 必要:- スキル:- 神姫侵食度:∞ 備考:神姫の全体を青い光によって包み込み全方向からの攻撃を防ぎます。 アクセサリーのFREE SHIELDより防御力が弱い。 ○LUNA専用 『究極生命態システマイザー』 系統:バリアー&リカバリー 重量:0 防御:700 対ダウン:1000 対スタン:1000 索敵:0 回避:0 機動:0 攻撃:0 命中:0 必要:- スキル:[回] リカバリー 神姫侵食度:∞ 備考:神姫の表面に究極生命態システマイザーが張り付き敵の攻撃を跳ね返したり、受けた傷を時間とともに完治していく。 ●アクセサリー ○ANGELUS専用 『FREE SHIELD』 系統:バリアー 重量:0 防御:0~∞ 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0 回避:0 機動:0 攻撃:0 命中:0 必要:- スキル:- 神姫侵食度:∞ 備考:神姫の周りに青い弐個の球体のシールドを何処にでも配置できる。 大きさは神姫の半分ぐらいの大きさ。 アーマーのFORCE FIELOより防御力が強い。 ●アイテム 『ストラヴァル』 系統:アイテム補充偵察戦闘機 重量:100 防御:100 対ダウン:0 対スタン:0 索敵:100000 回避:100000 機動:100000 攻撃:1000 命中:1000 必要:- スキル:補充武器乱射 神姫侵食度:0 備考:補充武器乱射はストラヴァルに積まれている武器を乱射する事です、弾幕攻撃です。 通常攻撃はバルカン砲やミサイルです。 偵察機なので防御方面は弱い。 神姫を二人まで搭乗させる事が可能。 搭乗した神姫のHPは時間とともに回復。 色が地味なのは偵察戦闘機だから。 下の搭乗 上の搭乗 ●アイテム 『ストレガ』 系統:敵殲滅戦闘機 重量:1000000 防御:100000 対ダウン:0 対スタン:0 索敵:1000 回避:100000 機動:1000 攻撃:1000000 命中:1000000 必要:- スキル:? 神姫侵食度:0 備考:詳細は不明。 ただ解る事は武装神姫で作られた戦闘機である。 バージョンがいくつかあるらしく、これからも改良される可能性が高い。 ノーマルバージョン EXバージョン
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1151.html
夏の夜のけだるい空気の中で、僕は呆然と目の前にいる男たちを見つめていた。しとしとと降る雨、水蒸気と排ガスを含んだ都会の空気、夜のアスファルトから上がってくる妙にひんやりとした湿気、行き交う人々の雑踏、ごうごうとうなる車のロードノイズ。それらが一気に背中から襲いかかってきたような気がした。 目の前にいるのは、成人男性が二人。一人はGパン、シャツにざっくりとしたニットのタイ、麻のサマージャケットを着ている。年齢は恐らく三十代だろう。でも、そっちはまだよかった。問題はもう一人だ、いい歳をした成人男性のようだけど、夏だというのに肩口にケープ状のヒラヒラが付いた真っ黒なコートを着ている(後で調べたら、トンビ、と言うらしい)、それだけでも驚きだけど、とどめに派手な形をしたオレンジのヘッドギアを被っていた。 さすがにこれにはあきれてしまった。 「本当にあの人たち…、いや、どう見てもあの人たちなんだろうけど、大丈夫なのか」 胸ポケットにささやいた。すると。 「ああ、彼じゃないのか」 「そうなのであーる! 情報とおりなのであーる!」 ………見つかっちゃったよ。 「大丈夫ですよ、主。私たちを信じてください」 胸ポケットから、遅れて返答がかえってきた。応えたのは、武装神姫と呼ばれている身長15㌢のフィギュアロボだ。個体名はシラヌイ、忍者型MMS。今日、僕は彼女に乞われるまま、この場所に来ることになった。 そのいち。 大学の講義を終え、アパートに戻ると、サイドテーブルに置いてあるチェス盤に向かった。 もう何敗したか数えるのもイヤになっていた。まだ序盤、お互いのポーンが盤上に展開していた。 「もうお帰りになったんですか」 机の上、ノートパソコンの脇から声がした。チェスの対戦相手を務めてくれている、武装神姫のシラヌイだ。忍者型独特の黒にメッシュのボディスーツが、彼女の小柄な体躯を強調していた。が、見かけとはうらはらに、彼女が指してくる手は非情そのものだ。ま、僕がそうするようにと指示したのだけど。 「うん、講義も終わったから、やることもないしね」 「主、せっかく大学に入られたのですから、お友達を作られては」 またか。 僕は大学の学生連中が嫌いだった。なぜかと問われれば理由はないけど、どうにもソリが合わない。神姫サークルがあったけど、勧誘チラシのノリの軽さがカンに触った。 「いいんだよ。友達なんて無理につくるものじゃないだろうに」 そう言って、僕はチェス盤をにらんだ。 「でもー」 「もうその話はいいよ」 シラヌイはあきらめたように、一拍置くと、話をチェスに切り替えた。 「定石を学ばれれば、主ももっとゲームを楽しめるようになりますよ」 「いや、いいんだ。それって、初回から攻略本を使ってゲームをするようなもんじゃん。何か、タネをばらされてから手品を見せられているようで面白くないんだ。まずはある程度チェスの感覚を掴んでから、と思っているのだけど」 「確かに、主の意見も一理ありますね」 僕はポーンをひとつ、動かした。彼女はそれを見ると、自陣のナイトを抱え、他の駒を倒さないようにぐるりと回って配置をした。それを見て、また頭を抱えることになった。もう身動きがとれない。その様子を見て彼女が漏らす。 「だから、定石を学んでください、と申し上げているのです。単純に相手の駒を取ればよい、というものでもありません。どのようにして、自身に有利な布陣を敷くことができるのかがポイントなのです」 「うーん、見ていて、とりあえず最前線っていうかキーポイントになる駒には常にバックアップが付いていることは理解したよ。それがいつでも出来る体制をつくるって言うのがー」 僕は改めてそのナイトが置かれた位置を見る。ここからがいつも問題なんだ…。 「そこまで理解されているのなら、次の段階に進まれてもよいと思うのですが」 そんな彼女の声を聞きながら、違和感を感じていた。その違和感の原因はすぐに解った。いつもなら、彼女は自分の手を打ち終わると、長考のジャマにならないように机の角に腰掛けて、こちらがどんな手を打つのかと眺めているはずだ。でも、今日の彼女は盤の周りをチョロチョロと動き回っていた。いつもと違う動きだ。 「なぁ、何かあったの」 そう尋ねても、彼女は何かを言いよどんでいるような曖昧な返事をするだけだった。明らかにおかしい。僕は彼女に向き直ると改めて尋ねた。 「何かあるのなら、はっきり言ってよ」 命令することもできたけど、それは最後の手段としてとっておきたかった。 ちょっと間をおいて、彼女が口を開いた。 「実を申しますと、主に野良神姫の保護をお願いしたいのです」 「はい?」 空いた口がふさがらない、とかなんかそんな感じ。 武装神姫はその起動時に、その所有者である「マスター」の登録をし、それは一般には変更が出来ないことになっている。だけど、なぜか、マスターの元を離れて暮らす神姫、野良神姫がいる、という話は耳にしていた。でも、実際に確認されたという話は聞いたことがなかった。すっかり都市伝説とかそーゆーものだと思っていたのだけれど。 話を聞いても、まだ信じられない、と言うか、ますます信じられなくなってきた。僕が部屋を空ける時、彼女はクレイドルでスリープモードに入っていたりする。その状態で彼女たちはパソコンの操作ができるし、僕自身、彼女がパソコンを利用することを許可していた。パソコン自体の保守管理を任せられるし。で、彼女によると、ネット上には何カ所か、神姫同士が情報交換をする場所があるのだ、という。どうやってその場所を知ったものか、彼女もそこによくアクセスしていたのだとか。そこでこんな情報が上がってきた。曰く「野良神姫を発見した。でも、自分のマスターは小学生なので、保護を無理強いするわけにはいかない。どうやらイリーガル崩れらしいので、そのまま放っておくわけにもいかない」と。その書き込みに複数の神姫が「ウチのマスターなら協力してくれるかも」と名乗りを上げた。その一体が自分である、と。 ちなみに保護した神姫のために野良神姫専門の保護施設などがあり、また、イリーガルなど著しい改造が施されていた場合には、神姫専門のラボに送られるのだそうだ。 「で、イリーガルって? なんかイヤな予感がするンだけど」 「相手神姫の破壊を勝利条件にした、いわゆる闇バトルというものがあります。それに参戦するためにチューンされた神姫がイリーガルです。出力の向上が図られているほか、武装も実際に相手神姫を破壊することを主目的とした相応の威力のものを装備しています。また………当然、公式戦には参加できません」 さらりと恐ろしい台詞を言ってのける。 さて、どうしたものか。ただ、そのときは面白そうだな、と思った。 「よし、じゃぁ、もう一度詳しい情報を集めてくれ。ヤバげな武装をもっているようなら止めだ。でも相手が単体なら、何人かで協力すれば保護できるかもしれない」 そして、数日の打ち合わせを経て、僕を含む三人が今回の野良神姫保護をすることになった。 そのに。 ここは都心のとある駅前。前もって打ち合わせていた通り、二人の男性が僕を待っていた。 ただ、その男たちは僕の想像していた神姫のマスター像を色々な意味で裏切っていた。 一人はどうみても三十代の男性。武装神姫のマスターって、僕と同じくらいの大学生かと思っていたのだけど。で、もう一人がまたこれは別の意味で問題だった。夏なのに、真っ黒なコート。それだけでも不審者の必要十分条件を満たしているのに、とどめにヘンテコなヘッドギアを被っているときた。でも、時々、奇異の目を向ける人はいるものの、街行く人々はほとんど関心がないように二人の周囲を通り過ぎていく。ま、ここまで来て帰るのももったいない。 「どうも、こんばんわ」 まずはあいさつ。ジャケットを着た男性が僕に声をかけた。 「えーと、忍者型、シラヌイのマスターさんだっけ。侍型の椿のマスターだ」 うん、どうやら普通の人みたいだ。ジャケットの胸ポケットから顔を出した神姫がこちらに会釈をした。で。 「よし、我が輩は世界征服をたくらむ悪の秘密結社、ねこねこ団のー」 やっぱりコイツが問題だった。ヘッドギア男は右手を高々と上げ、ジェスチャーたっぷりに、カン高い声で演説のような自己紹介を始めた。ねこねこ団と言われて気がついたけど、彼のヘッドギアは猫型MMSが標準装備しているそれを模したものだった。事前に侍型、猫型のマスターが来るとは聞いていたけど、これはそうとう重傷だな。 「なぁ、ちょっと声を下げないか」 椿のマスターが低い声で文句を言った。 「何を言うか、貴様、せっかくこのような雑踏で我が輩が…」 反論しかけて、コケた。椿のマスターの胸元に顔から突っ込む。 「オイ、ひっつくなよ。気持ち悪い」 片手で男の顔をぐいと押しやる。まおちゃお団員の彼は、今度はよろめきながら僕の方へ倒れ込んできた。僕よりも少し背が低いだろうか。 「ちょっと、止めてくださいよ」 僕は両手で彼を押し返す。っと、行き着く先はまたもや椿のマスターの胸元だ。 「だから、くっつくなって」 「来ないでくださいよ」 「ちょ、止めるのであーる」 まおちゃお団の彼は僕らの間で、右に左にと押しやられていた。ーと。 「もういいかげんにするのだ。野良神姫の話はどうなったのだ」 声とともにヘッドギアの陰から、猫型がもぞもぞと姿を表した。 「そうですよ、マスター。この方の服装や行動がいくら社会規範から外れているからといって、遊ぶのはこれくらいにしてください」 椿が声を上げた。けっこう、ポイズン。 「………あー、ゴメン。遊びすぎたわ」 「状況を確認しよう」 椿のマスターが言った。ここは、駅にほど近いファーストフード店。僕らはそれぞれ好みの飲みものを片手に、椿のマスターが配るプリントを眺めていた。僕はウーロン茶、椿のマスターはコーヒー、ヘッドギア男はオレンジジュースだ。テーブルの上にはシラヌイたち、三体の神姫がこれからの話を待ち受けていた。 「野良神姫は廃ビルで生活をしている。目撃情報によると、情報提供者の神姫の呼びかけに対して、例によって通常の神姫が取るとされる対応からは、えー、大きく逸脱した行動をした。それで、イリーガルではないか、と。今のところ目撃されているのは種型一体。目標がいるビルの見取り図は今渡したプリントにある。これは野良神姫情報を流してくれた神姫からのものだ」 ビルはクルマ三台分の駐車スペースを備えていて、敷地に多少のゆとりがあり、その周囲は塀で囲まれていた。シラヌイと猫型(そういえば名前をまだ聞いていないぞ)はプリントの見取り図を挟んで、椿からレクチャーを受けていた。猫型はヘッドギアをしているだけだったけど、ボディ・スーツは特注ぽい。椿はベージュのスーツ姿。彼女が動くと、侍型の基本の髪型であるポニーテールが揺れる。シラヌイにも何か服を買ってやるべきなのだろうか。 さて、問題の部屋は通用門に面した当直室のようだ。 「神姫が出入りに使っているのは、建物裏の窓だ。赤い丸印があるだろ。その窓がある一室しか使われていないようだ。基本的に昼間は建物の中にいて夜になると出かける。何やら金属片や電子部品なんかを集めているらしい。お出かけの時間は決まっている。今日はその時間に合わせて、対象が外に出た瞬間を狙って保護をする。情報提供者が、出入り口にメッセージを残してくれているとはいうけど、それに応じてくれるとは思わない方がよさそうだ。特に武装は確認されていないとのことだけど、ま、イリーガルのようだし、最悪、保護しきれないかもと考えておこう」 「それは、仕方ないのである」 ヘッドギア男が先ほどまでとは打って変わった、しんみりとした声で応えた。 卓上の神姫たちも沈痛な面持ちでお互いを見つめ合っていた。 なんだか僕だけ仲間はずれみたいだ。 「あの…、イリーガルってそんなに普通の神姫と違うんですか。保護しきれないって、そのときはどうするんですか」 椿のマスターが意外そうな顔をした。 「おい、まさか何も知らないで来たのか」 すかさずシラヌイが割って入った。 「申し訳ありません、皆さん。主、これは私たち神姫にとって大きな問題なのです。イリーガルは勝利の条件として、常に相手神姫の破壊を命じられています。その一方で私たちには同胞を想う感情やバトルをする上での禁止事項がプログラムとして存在しています。だから…」 「だから?」 「イリーガルのほとんどが、メインフレームレベルでプログラムに改ざんを受けている場合が多いのです。そのためのツールも出回っています。それは私たち神姫の意識、精神を破壊することでもあるのです。だから、神姫同士の呼びかけに対する反応や立ち居振る舞いで、ある程度の推測は可能なのです」 う、う、う。これは思った以上に難しい問題をはらんでいるぞ。 「まぁ、ヤーさんがバックにいる賭博の一種だし、知らないのも仕方ないけど。有名な話が去年の闇バトルだ。ヤバすぎるチューンをした神姫がバトル終了後に何をトチ狂ったか、自分のマスターに攻撃して、そいつ、頬の肉をごっそりもってかれたらしい」 「それは神姫にとっても、人間にとっても、良いことではないのであーる。そのためにねこねこ団としても野良神姫やイリーガルの捕獲について積極的に活動をしているのであーる」 「警察に通報すればいいんじゃないですか。何もこんな危険なことをしなくても」 「そしてイリーガルの存在が公になったらどうなると思う。下手したら、武装神姫だけでなく、神姫という商売自体が成立しなくなる可能性だってあるんだぜ。神姫を造っている会社や従業員、神姫ショップだって、直営のものから零細の個人経営のものもある。この国内でも万単位の人間が神姫に関わる商売でメシを食っている。神姫は本当に広がりすぎた。今更、神姫を『無かったこと』になんてできないくらい社会に浸透しているんだ」 「それに」と椿が口を添えた。「私たちとしても姉妹がそのような扱いを受けているということを見過ごすわけには参りません」。続いて猫型ー、マオチャオタイプも「そーなのだ。これはニンゲンにとっても神姫にとっても大問題なのだ。だからカイシャだって支援してくれてるのだ」と言葉をつないだ。 何だって? 「カイシャ」? どこの? 脳裏に神姫のメーカー名がずらりと並んだ。 「ばかもの! それは軽々しく言ってはいけないと話しておいたではないか」 ヘッドギア男がマオチャオタイプを小突いた。椿のマスターが苦笑しながら言った。 「まぁ、今の一言は追求しないほうがいいと思うよ。で、まだ君の質問にひとつ応えてなかったけど、保護しきれない場合はー」 「見逃すんですか」 「いや、破壊する。そのための道具も色々と用意している。椿」 名前を呼ばれた彼女が何かを受け取った。それは神姫サイズの日本刀だけど、標準武装のものとは違う。 武装神姫と言っても、玩具として流通している以上、装備している武器は、その実物をダウンサイジングしたものではなく、あくまでも玩具の範疇に収まるものになっている。もちろん悪魔型の副腕はロボットアームとして機能するし、天使型はその羽で飛ぶこともできる(原理はしらないが)。でも、武装は別だ。銃火器の類いは単なる樹脂の固まりで、刀剣類には刃などついていない。ただ、内部にチップが仕込まれていて、バトルフィールドで、そのチップに応じたエフェクトが投影される。そういう仕組みだ。 でも、目の前の神姫が抜いて見せてくれたそれは、鈍く輝く金属の刃身。公式戦では使えない武装だ。 「こーゆーのもあるのだ」 マオチャオタイプが両手に武装を掲げていた。一見標準武装の研爪(ヤンチャオ)に見えるそれは、爪の部分が金属の棒に変更されていて、コードがバックパックとおぼしき箱に伸びていた。 「これは?」 「強力な電磁パルスで神姫を一時的に動作不能にする装備である。我が輩の傑作なのであーる」 「まぁ、大体それでケリが付くよな」 「お陰で私も実際に姉妹に向けて刃を振るうこともそうありませんし」 「その通りである。貴様はもっと我が輩に感謝するべきなのであーる」 「感謝するのだー!」 どうやら、この二人(と二体)はこれまでに何度か野良神姫、イリーガルの保護をしているらしい。僕は憮然とこちらを見上げているシラヌイを見返した。 「完全に場違いじゃないか。武装は確かに用意しているけど、それは兎型のアーマーとかそんな程度だ。シラヌイ、一体君はこの場で何が出来ると思って僕をこんなところまで引っ張り出したんだ」 「申し訳ありません。主」 すかさずシラヌイが頭を下げる。そして、沈黙。 気づけばテーブルの全員が僕を見つめていた。 「それは君が決断したことだろ。君が決断してここまで来た。彼女に無理矢理連れてこられたわけじゃないだろ」 「私もイリーガルの概要について説明をしたと聞いていましたが。その上で来られたのではなかったのですか」 椿とそのマスターが静かに僕を責めた。 「そんなこと言っても、ここまで危険だなんてわかるわけないでしょ。初めてなんだし」 「それは言い訳なのであーる。神姫から情報を得た時点で自ら考えるのがマスターの果たす役割のひとつなのであーる」 「そーなのだ、そんなんじゃマスター失格なのだ」 今度はヘッドギア男とそのマオチャオタイプだ。 「何なんです、皆で。大体、シラヌイが…」 「も、申し訳在りません、主」 また、シラヌイが頭を下げた。 「もういいのだ、少年。神姫には人間に従うプログラムが高いプライオリティで設定されているのである。責められたら、神姫はマスターに対して頭を下げるしかないのであーる。己の神姫にそのような行動を取らせるようでは本当にマスター失格なのであーる」 更にもまして気まずい沈黙が僕を包んだ。 「なぁ。考えてみろよ。さっきの話と矛盾するけど、こんなの、本来は人間がやってしまえばいい話なんだ。メーカーが動けばビルの所有者に迷惑料兼口止め料でも払って、とっとと回収することも不可能じゃない。各省庁にだってコネはある。スポンサーとしてマスコミを押さえることは出来る。でも、それをしないのは、神姫たちが心を持っているからだ。そのことをメーカーも認めているからだ。ただ、神姫が自分たちだけで活動しようとしても、人権も法的裏付けも何もない以上、単独で何かを、なんて出来ない。マスターたち人間がバックアップして後ろ盾になってやるしかないんだ。今の彼女たちだけではどうにもならない部分を俺たちが補うしかないんだよ」 コーヒーに口をつけると、椿のマスターは淡々と言葉を続けた。 「さて、どうする? 仮にここで君が棄権しても誰も責めることはできない。ま、読みが甘かったと言われるかも知れないがそれはあきらめろ。でも、君がその気なら、こちらも貸し出す武装や装備はある。君が決めろ。時間がない、一分だ」 僕はこの彼の言ったことを反すうした。どうやらチャンスをくれる、ということらしい。しかし、神姫に心があると改めていう言葉を思い出し、僕は彼女との付き合いを思い返していた。 今まで、別にトラブルもなく、彼女との生活を送ってきた。その内容はどうだろう。僕は彼女にパソコンのメンテやら、ネットを通じた口座の管理に神姫バトルと色々してもらっている。でも、僕が彼女に何かをしてあげたことがあったろうか。僕は、神姫に心があることは知識として知っていても、実際にそういう存在として彼女を、シラヌイを扱ったことがないんじゃないだろうか。 「やります。このまま帰ってはシラヌイにー。上手く言えないけど、彼女にヒドいことをしてしまうことになってしまう」 沈黙。 「もうすでにしてるのだ、少年よ」 ヘッドギア男がつぶやいた。 僕は、テーブルの上のシラヌイを見た。彼女はただただ申し訳なさそうにうつむいていた。本当に、僕は、ダメだ。情けない気持ちで一杯になった。なんで、こういう他の人が普通に気づけることに僕は気づけないんだろう。今までもそうだったけど、これからも未来永劫そうなんだろうか。 「君、人付き合いが苦手だろ」 椿のマスターだ。 「苦手って言うか、解らない。違うかい?」 さっきとは変わって、口調や態度が少し優しくなっていた。 「はい、解りません」 そうだ、これまでだって、そうだ。真摯に対応しようと思えば思うほど、相手はどんどん冷ややかになっていく。そしてお決まりの台詞だ。「もういいよ、そういうことが解らない人にいてもらいたくない」と、そう優しく言われるんだ。どうしてだろう。本当に解らない。ああ、ここでの僕も終わったな。そう、思った。 でも、違った。 「そんな自分を良い方向に変えていきたいと思っているのかい」 僕は一瞬ぽかんとして、それから、答えた。 「はい。そう思っています。でも…」 「『でも』は、いい。来い。さっきそう君が言ったんだ。装備は貸してやる」 椿のマスターはそう言い切った。 「良いのであるか?」 「誰にだって初めてはあるだろ」 「いや、しかしだな」 「言っておくけど、お前さんと初めて組んだ時は酷かったぞ」 「………それは言わない約束なのであーる」 彼らのやり取りを尻目に、僕はシラヌイに頭を下げた。 そのさん。 その三階建てのビルは、僕が想像していたより、ずっとこじんまりとしたものだった。繁華街からちょっと離れた住宅街。ところどころに事務所やセレクトショップが立ち並ぶ、ちょっと小洒落た場所だ。今は使われていないその建物は街頭の光も吸い込んで立ちつくす真っ黒な壁のようにも思えた。 門にある鉄パイプで組んだバリケードを、ふたりは身軽に乗り越えて敷地に入っていく。僕もそれに続く。 僕らは門柱の陰に座り込んで、シラヌイたちの準備を始めた。 「あのー、すみません。今日の保護活動をされる皆さんですね」 頭上から響くか細い声に、全員が腔を見上げた。そこにはエウクランテ型の神姫が羽をつけて浮遊していた。 「最初に皆さんにご相談させて頂いたオーディーヌです。今日は本当にありがとうございます」。全員に向け頭を下げた。「今日は私はお手伝いをすることができません。でも、皆さんがあの神姫を無事に保護できるようにと、私のマスターと祈らせて頂きます」 神姫はどんなカミサマに祈るんだろう。そんなことを考えていると、そのエウクランテ型ー、オーディーヌは僕の名前を呼んだ。 「シラヌイさんから聞いています。危険を伴う今回の保護への参加を、初めてであるにも関わらず、決断されたそうですね。シラヌイさんもそのことを誇りに思っていらっしゃると思います。是非、良い結果を残してください。私たち神姫のわがままに付き合ってくださって、本当にありがとう」 そう言うと、オーディーヌはふわふわと飛んでいった。 「シラヌイ」 「はい、主」 ヴァッフェバニーの装備に身を包んだ彼女が応えた。 「僕は、君が望んだことを君が成し遂げられるように、君のバックアップをする。だから、君は構わずに正しいと思ったことをしてくれ」 「はい、主。お任せください」 そう言って微笑んだ彼女の顔は、なぜか儚げに見えた。 「さて、お姫様が城から出てくる時間だぞ」 椿のマスターが言った。シラヌイたちはそれぞれの位置についている。シラヌイはヴァッフェバニー装備に、椿のものと同じ日本刀、マオチャオタイプは標準装備の鎧に先ほどの電磁パルス武装、椿は最初から着ていたスーツ姿のままだ。椿が説得し、それに失敗した場合、マオチャオが仕留める。シラヌイの役目は相手神姫が逃げようとした場合に退路を断つことにある、らしい。らしい、というのはこの役割分担が神姫同士の話し合いで決まったからだ。三体はそれぞれ、小型のCCDを肩に載せていた。その画像は、ヘッドギア男のノートパソコンに送られる。 僕らも黙って見ているわけではなかった。ヘッドギア男のノートパソコン脇にはSMGタイプのエア・ガンが地べたに置かれている。モノ自体は市販のものと変わらないが、弾が違う。硬度と重量を増した、特殊BB弾、もしくは神姫のボディに当たっただけで砕ける、(対神姫)非殺傷弾の二種類がマガジンで用意されている。椿のマスターが持っているのも同じくエア・ガンだ。ただし、こちらはアメリカのサバイバル・ゲームで使われている、大型のペイント弾を扱うタイプだ。こちらも弾は通常のペイント弾ではなく、いわゆるトリモチ、粘着弾が入っている。通常、対象の神姫が着弾点から半径二十センチ以内にいれば確実に動きを止めることが出来るそうだ。そして僕が持っているのが、彼ら曰く「捕獲銃」だ。仕組みはバネの力でミサイルを飛ばすオモチャなのだけど、五十センチ四方の金属製の網を飛ばす。有効射程は一メートル五十センチ。発射後、スイッチを入れると、瞬間的に高圧電流を流し、ネットに捕獲された神姫の動きを一時的に止めることが出来る、という。 僕らは敷地の隅に集まって、ヘッドギア男のノートパソコンの画面を覗き込んでいた。 「今日の主賓が登場したのであーる」 椿のCCDから送られてくる画像に対象に神姫の姿が映っていた。そして、それはあまりにも異様だった。その神姫は四つん這いの姿勢で画面に向かってカチャカチャと進んできた。椿の声が聞こえた。 「こんばんわ。私は椿と言います。少しあなたとお話がしたいのですが、よろしいでしょうか」 相手神姫は情報通り、武装はなし。種型の基本装備のブーツと腰回りのアーマーだけのようだ。声をかけられた神姫は無表情のまま首を傾けた。椿が言を継ぐ。 「もし、あなたのマスターがいらっしゃらないのであれば、あなたにとってもメリットのある解決方法をー」 いきなり、種型が画面に向かってジャンプした。これを受けて、シラヌイとマオチャオタイプが動いた。 椿はその場で姿勢を崩さずに、素立ちの姿勢から真上にジャンプ。ジャケットの裾から背中に隠していた日本刀が地面に落ちる。空を切る種型の手刀。マオチャオタイプがかけ声と共に種型に迫る。 「おとなしくするのだー!」 画面がいきなりブラックアウト。シラヌイの映像を見ると、まるで人間が神姫を掴んで投げ付けたような勢いで、種型の蹴りを喰らってすっとぶマオチャオタイプが見えた。ノーマルの神姫同士が本気でバトルしても到底こんな力は出ない。その間に空中でバク転を決めた椿が初期位置から十センチほど後方に着地。そのまま自分に向かって倒れ込んでくる日本刀を掴んで、抜刀する。 「行くぞ」 椿のマスターの声を聞いて、何も考えられないまま、ダッシュ。現場へ向かう。 椿と種型が交戦状態にあるのが見えた。シラヌイとマオチャオタイプの姿は見えない。どこだ? 「構わん、撃っちまえ。椿は巻き込まれても大丈夫だ。撃て」 遅れてきた椿のマスターが言う。一瞬、ためらう。種型が椿の腕をねじり上げて、武装コネクタの部分から腕を引っこ抜いた。その手に握られた日本刀を手に、種型は今度は僕に向かって跳躍してきた。 「撃てよ、オイ!」 エアガンの連射音が響く。ヘッドギア男のSMGを椿のマスターが撃っていた。何発かが命中したものの、種型はボディの表面ではじける弾には構わずにコチラへ向かって飛び込んでくる。 と、目の前に何か黒いものが疾った。鋭い金属音が響く。 種型はぼとりと僕の目の前の地面に落ちると、背後を振り返った。そこにはシラヌイが地面に倒れ込んでいる。僕はすかさずトリガーを引いた。種型がネットに取り込まれる。電源のスイッチを入れると、種型は地面に仰向けに倒れ込みー。 「ーーーーーーーー!!」 声にならない音を上げ、手足をバタバタさせて暴れた。椿のマスターがトリモチを打ち込む。一発では動きも、声も止まらず、二発目、三発目でその動きがようやく止まった。声もくぐもって聞こえなくなった。 「シラヌイ!?」 僕の呼びかけに彼女は起き上がって応えた。 「主も、ご無事で」 ヘッドギア男も駆け寄ってきた。 「我が輩のねこ助は無事なのであるか」 椿がマオチャオタイプを背負ってやってきた。さっき、もぎ取られた腕は無事にくっついていた。無理な体制に持ち込まれることを嫌った彼女が、自らロックを外したのだろう。 「無事です。鎧が割れてしまいましたし、まだスタン状態にあるようですが、CSC及びコア・ユニットの損傷はありません」 そういうと、ヘッドギア男の手のひらに、彼のマオチャオをそっと乗せた。 「おーい。まだ仕事は残ってるんだぜ」 椿のマスターはトリモチの塊と化した神姫をビニールに包んで、そのまま金属のケースに入れてロックした。蓋に付いているLEDがチカチカと瞬く。このケースも神姫の保護のために用意されたもので、神姫に機能停止の信号を送ることになっている。機能停止は神姫が持たされている人間にとっての安全弁のひとつで、イリーガルも例外ではない。むしろ、イリーガルの方が暴走の危険性が高いため、改造を受けてもその機能は残されているし、二重三重に機能停止の手段が盛り込まれている場合すらあるという。 僕はシラヌイに近づくと、そっと彼女をすくいあげた。 気づくと、しとしとと降っていた雨も止み、夜空には都会の明かりにとけ込みそうになりながら星が瞬いていた。 そのよん。 駅前に戻った僕らは、屋台で祝杯を上げていた。椿のマスターとヘッドギア男は青島、僕はZIMAだ。路上に並べられたテーブルの他の席では仕事帰りのサラリーマンやらカップルやらがそれぞれの夜を楽しんでいた。 「今日はお疲れ」 ふたりがボトルネックを掴み、ビン底を打ち合わせて乾杯するのを見て、僕もあわててボトルを持ち直した。 「今日は君たちがMVPだな」 「おかげで助かったのであーる」 二人がボトルを打ち付けてくるのを受ける。チン、と涼やかな音がした。テーブルの上ではシラヌイたちが歓談していた。シラヌイは右腕に白いテープを包帯のように巻いていた。種型に突進したとき、ボディスーツを切り裂かれてしまっていたのだ。それを見た椿が包帯代わりの応急処置にとテープを巻いてくれていた。 「まぁだふらふらするのだ」 「けっこうな勢いで蹴り飛ばされましたからね。直らないようであれば、明日、センターで内部機構のチェックをするのが良いでしょう」 「イリーガルがあれほどの力を発揮するとは思いませんでした。私も認識が甘かったようですね」 それぞれが感想を口にする。 「本当に大丈夫なのであるか」 「内部機能の診断はおーるぐりーんなのだ。それよりも、今回は全く良いところがなかったのだ。もっと活躍できるように新しい装備を開発しやがれなのだ」 「あいや、今日は、シラヌイ殿に良いところを見せようとして無防備に突進したー」 「言い訳無用なのだ。わかったかなのだ」 一方的にやり込められるヘッドギア男の姿に周辺のテーブルの客たちからも笑い声が漏れた。 「責めないんですか、僕を」 椿のマスターに向かって言った。 「何を」 「『撃て』って言われたのに撃てなかった。そのせいでシラヌイにケガをさせてしまった」 彼は夜空を見上げ、考えるようなそぶりを見せて話しはじめた。 「今日、最初に会ったとき、さんざんだったよな。君は。でも、君は自分自身の考えで、自分自身をどうにかしたいと思って今日の活動に参加した。君は自分自身で解っているから」 「何をですか」 「自分には何かが欠けている、ヘンだ、とね。そしてそれをなんとかしたい、と思っている。例えば、今は、自分の行動を振り返って反省している。なら、次回から直せばいい。 最初に君も認めた対人関係が苦手な部分、結局それが神姫への不義理な扱いに繋がっているのだけどー、それだって直していけばいい。神姫は、人間だったら離れていくような行動をとっても、あくまでマスターについていく。君は君のシラヌイから人の付き合い方を学べばいい。ただ、彼女に甘えるなよ。学生だったらサークルのひとつにでも入って、そこで友達でもつくってー」 「それは、無理ですよ。ソリの合わない人が多くて」 「うん、でも、校内の学生全員と顔を合わせたわけじゃないだろ。騙されたと思って神姫サークルでも立ち上げたらどうだ」 釈然とせずに僕は黙り込んだ。 「ま、無理強いはしないが、動かないことにはどうにもならんだろ」 確かに、そうだ。今日のことだって、最初に僕が帰っていたら、こういう展開にはならなかっただろうし。 「はい。………学校には神姫のサークルがあるんで、明日、いってきます」 「最初から、上手く行くとは考えないでな。軽く話しを合わせて、そんなもんだ」 手の甲に、柔らかくひんやりとしたものが当たった。テーブルの上に置いた僕の手に、シラヌイが身を寄せていた。 「私もお手伝いさせて頂きます、主」 見上げるシラヌイに何と言ったら良いのかとちょっと考えて、答えた。 「ありがとう。これからも迷惑をかけることになるかもしれないけれど、良いマスターになってみせるよ」 「はい。私は常に主とともに居ります。これからも、主のために」 お互いに黙り込んだまま見つめ合う僕らに気づいたマオチャオタイプが、矛先をこちらに向けた。 「おお、なんかいい雰囲気なのだ」 「ちょっと、お止めなさい。大事な場面なのですから」 これは椿さん。とはいえ好奇心まるだしの表情でこちらを見ているのは何ですか。 「うむ、マスターとしての自覚を新たにしたのであるな。それでこそー」 ビール一杯で顔を真っ赤にしたヘッドギア男がまた、演説口調で話し始めた瞬間。 「うるせーよ」 「本当に、公共の場所での行動をわきまえない方ですね」 「今、良いところなのだ、ひかえおうろうなのだ」 「せっかく主と良い雰囲気でしたのに」 一斉に非難の声が飛んだ。 Das Ende.
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1645.html
・・・。 「・・・・・・」 ぽかーん、と。進入口を前にして、マーチは突っ立っていた。 「えーっと。そういうことになっちゃった。気楽にやってみよ? マーチ」 ヤヨイは笑いを浮かべて、その後ろに座っている。自分のポケスタの中に一緒に仕舞っていた小さな箱を取り出して置く。 ごとん。 「ノーヴスと、バトルするんですか?」 「あ。やっぱり嫌かな?」 「いえ・・・。その、ちょっと楽しみです」 てへへっと笑いながらそう言って、マーチはぐっと手に力を込めて見せた。 「私、武装神姫です!」 対面の席に座るレオ。ノーヴスはのそのそと、ようやくポケスタから体は出した。 ふらりっと立ち上がると首をぷんぷんっ、と左右に振る。合わせて羽根飾りが揺れて、肩に引っかかった。 「マスター・・・ありがとうございます」 「?」 「彼女とは・・・。戦ってみたかったから・・・」 眠そうな目のまま、彼女は笑った。 「へぇ。珍しいね、ノーヴスがそう言うなんて」 「はい。良い風を、感じました」 そう言いながら。ポケスタの小物入れから、何やら紙に包まれた長い棒を取り出す。 「神姫としてではなく。『武装神姫』として・・・彼女がどんな風を吹かせるか・・・知りたいのです」 じっと。その言葉の意味を介しているのかは解らないが、レオはノーヴスを見据えていた。 「私も・・・えぇ。武装神姫、ですから」 「・・・うん、がんばって」 「行って。参ります」 ・・・。 高低差のある石畳と階段。そこは遺跡のようなステージだった。いわゆるジュビジーのノーマル武装に身を包んだマーチは、その両手で大きな木製ハンマーを携えて周囲を見回す。 キュベレーアフェクションには一個だけ箱状のOPT-γと呼ばれるパーツが付いているが、他は純正パーツそのまま。大きく広がった羽のようなユニットが作り出す、自分の大きな影を踏みながら、マーチは歩みを進めた。 がっしょ、がっしょ。と、一歩進むたびに大きな足音が鳴る。だが、それは明らかに・・・。 と、足を止めて。マーチは体を屈めた。通路の向こう側から、対戦相手となる神姫がゆっくり身を揺らせて近づいてきていた。 『STOP !』 コンピュータボイスにノーヴスも足を止めた。数個のパネルウィンドスが空中に表示されていく。 眠そうな目を、一度閉じる。その膝から下、そして胸と腕にはサイフォスが誇る装甲。しかしながら軽装モデルであり。他の部位・・・腰回りや袖には何も装備していない。左腕には小さな盾が装備されており、そこにサイフォスモデルのデフォルトソード『コルヌ』が差し込まれていた。 「マスター。アレ」 コンピュータがお約束の注意事項を表示したり、互いに違法パーツなどが無いかを検索している間。マーチはぽつっと呟く。 『うわ、カッコいい。さすがサイフォス。軽装もいいなぁ』 「えええ、そうじゃなくてー」 耳に直接入ってくるマスターの声。わくわくしている事を隠さないヤヨイに、マーチは困ったような声を上げる。 「ノーヴスの背中です」 見れば、その背中には、長い紙包みを背負っている。 「あれ、何だと思いますか?」 『うーん?』 「・・・」 『秘密兵器とか』 ・・・。 「やっぱり、そうですよね」 ヤヨイのそういう夢見がちな物を肯定してしまうマーチ。 『よしっ、マーチ。アレを使わせたら勝ちにしようよ!』 「あ・・・はいっ!」 彼女達なりの『ルール』だ。 だって、普通にやっても彼女は『勝てない』から。 『GET READY』 くるくるっとコンピュータグラフィックが回転して消えていくと、ぐっと姿勢を低くする。 そして、普通にやって『負けない』。けど、それは『負け』になってしまう『負けない』だから。 ノーヴスはコルヌの柄に手をやり、抜き放った。 『BATTLE !』 がしょん、という音を立てながら。マーチはキュベレーを前面に展開する。こっちから飛びこむ気は最初から無い。 だって、そんな事をしたら・・・。 「・・・。これより!」 澄んだ声が凛と響いた。 (ノーヴス?) 先までの、のんびりとした声ではない。 「此処にあるは戦士の魂。そのいずれにも・・・」 かっ、と。目を見開き、コルヌを中段に構えなおすと、ノーヴスはマーチを鋭く睨みつけた。 「精霊の祝福が。あらんことを!」 そう言い終わるや否や青い鎧は視界から消えていた。いや、消えつつあった。何とかそれを目で追う。 自身の身の丈の数倍の高さの位置、右上方に跳躍すると。そこにある柱を一度足場として、三角飛びの要領でノーヴスは側面からマーチに落下するように接近する。紫色の髪留の羽根飾りで軌跡を描きながら。15cmの小さな神姫だからこその、アクロバティックな強襲。 「う。わわっ?」 真正面から飛び込んでくるとばかり思っていたマーチは、その派手だが的確なアクションに慌てて体の向きを変えた。 キュベレーアフェクションの「爪」がマーチの視界を覆うように展開する。ふっと眉をひそめたが、ノーヴスはそのままコルヌを振り抜いた。 響く低い音。しかし、弾かれたのはコルヌの方。 文字通り、勢いごと跳ね返され、ノーヴスは左手を支点にしながら着地した。HIT表示は出るが、ダメージアラートは表示されない。 全部、受けきったという事。 ノーヴスがはっと気づけば、マーチがハンマーを振り上げていた。 「えーいっ!!」 しかし文字通りにそれは『遅い』。その軽装よりも軽い鎧で、ぱっと後ろに下がってそれを容易く回避する。 「あっ」 どかんっ! めり込む先端。舞い散る破片。 振り下ろした勢いは止まらず、木製のハンマーは地面をしたたかに打ちつけた。それに呼応するようにノーヴスは再度、軽い足音だけしか響かせずにマーチに接近した。その動きは重いという印象のある騎士ではない。まるで、木の葉のようにふわりっ・・・と。 慌ててマーチはアフェクションで前を視界ごと全部塞いだ。だが。 一際大きな、だんっ! という音。 それは踏み込みの音。その刹那の後に。 「わぁっ!?」 耳を劈く重低音が衝撃を伴ってマーチに襲いかかる。その動きに似つかわず、斬り払いの一撃は凄まじく重くて。 それでも、彼女は一歩さえ下がる事は無かった。 (固い。・・・いや、これは。固いといよりも・・・) ノーヴスは僅かながら手が痺れるのを感じていた。 とんっ。と展開が遅れたキュベレーを蹴って間合いを開ける。先と同じようにハンマーが今までノーヴスがいた所に上段から振り下ろされ、音を立てて地面を叩いた。 「うぅ・・・」 困ったようにそれだけ呟くと、マーチはその石畳にヒビを入れたハンマーを再度持ち上げて、腰を落として体制を整えた。 がしゃ。 一歩前に出る度に聞こえる音。それは足音だ。それが『何』を意味するか。ノーヴスは考えて少々ぞっとした。 その姿勢は防御だけを考えている。防御の後に攻撃を出来ればいいな、くらいの気持ちなんだろうか。 などと思考していると。 「えいっ!」 いつ、どこから取り出したのか、マーチの手に銃が握られていた。 (!) しまった。 銃声に、ダメージを覚悟したのは一瞬。その弾丸はノーヴスの右肩の・・・結構離れた場所を掠めていった。 「あれ?」 OPT-γに隠していた、文字通り隠し玉。「隠し弾」だったのだが、それはあっさりと明後日の方向に飛んで行った。 『チャンスだよマーチ! 相手が止まってるんだから!』 「は、はい」 ヤヨイの声に慌てたマーチはそのハンドガン、FBモデルのピストルを二発、三発と速射した。が、そもそも当たる軌道ではなく。既にノーヴスは横飛びでそこにはいない。 もはや、筋金入りの下手さである。 「うわ、わ」 急いで構えたまま追いかけて、そっちに銃口を向けようとするが、そこには困った事に自分のキュベレーの羽根。そして。爪の間の視界に映る青い影。 「わ。ひっ!?」 がつん! ピストルを取り落す。耳が痛くなるような音。思わず目を閉じる強烈な衝撃。ぐぐっ、と。そのまま押し込もうとする力の圧迫。 だが、マーチは下がらない。それどころか、そのまま圧力の方に一歩踏み出した。 「んううー・・・っ!」 ずんっ。 という、足音を残して。 爪の間から見えるノーヴスの顔が驚愕に染まる。 だけど、この状態では何もこちらからは攻撃できない。ハンマーは振れないし、ピストルを拾っても間抜けにも自分の「盾」に阻まれてしまう。他のジュビジーならそれこそ、アフェクションで攻撃するだろう。 (けど・・・) だから、マーチは頑張って『押す』事にした。 「ぇー・・・いっ!」 ずんっ・・・。 「えーいっ!」 ・・・ずしんっ! 一歩、また一歩と押していく。それは二歩めから「圧す」に変わっていた。 「っ!」 返されて膝と肘を畳んでしまったノーヴスが、ばっと後ろに飛びずさる。 ガ、ガコン。何かが噛み合うような低い音と共に。ゆっくりとアフェクションを定位置に戻して、マーチはきょろきょろと周辺にその影を探す。やがて、彼女はその青い影を遺跡の柱の上に見つけた。 「いつの間に・・・。速いなぁ」 心底茫然として、そう呟きながら、その数分の一の距離でもピストルを当てる自信の無い彼女はまた姿勢を低くして動きを止めた。 「なんという」 『うん、まさに種の殻だ』 感心したようなレオの声。 「えぇ・・・素晴らしいですね」 打ち込みの威力に自信が無いわけではなかった。 だが、自分の・・・サイフォスである自分の渾身の一撃は。そのジュビジーの足を1センチ下げる事さえ出来なかった。 「・・・あのアフェクションは、攻撃しないようです。出来ない、と言った方が良いでしょうか。それに」 『ノーヴス?』 「・・・。はい」 『君の予想通りだと思うよ』 全幅の信頼を寄せられている。と身に感じる言葉。 「・・・」 ノーヴスは数秒何か考えていたが。 「う・・・っ?」 ぐら、っと眩暈に似た感覚を覚え、眉を顰める。 「・・・」 首を振ると。彼女は意を決したようにコルヌを左手に持ち替え、背負った紙の包みを右手に携えた。 「あ・・・マスター、使いますよ、ノーヴス」 『うん、『勝ち』だけど、気を付けてね』 「はい!」 ぱっ、とノーヴスが柱から飛んで逆方向の瓦礫に音もなく着地する。その軽業に驚きつつも、そっちに体を向けた。 真正面。 ノーヴスは紙の包みの封を切って翻す。と、そこから姿を見せたのは。 「?」 思わずマーチは首を傾げた。 青い鎧、金の縁取。美しく気高い騎士型の右腕。そこに握られた物。それはとてもじゃないが、似つかわしいとは言い難い物。 血を思わせる赤と、黒。槍と剣の中間ほどの長さの柄。そして、その先端には歪な曲線を描く、二つの刃が組み合わさった不気味な剣身。 「あ。アングルブレード?」 そうだ。あの刃の部分はアングルブレード。悪魔型ストラーフの主力格闘武器だ。それを二本組み合わせている。 でも、どうしてあんな・・・。 「エエンレラトゥラーノ」 妙な単語を、ノーヴスが口にした。 「ヤウヤウッテ」 どこか、知らない国の言語なのだろうか。などと考えるは一瞬。ノーヴスはその黒い刃を一振りすると、マーチに飛びかかった。 あの剣が何かは解らない。だけど。アングルブレードなら。 (止められる!) 両のアフェクションパーツを前面に集中させる。 一刀目。左手に握られたコルヌの一撃が大上段から振り下ろされる。これまでよりも更に大きな衝撃がマーチを襲った。 「ううっ!」 しかし彼女は片目を閉じながらも両足をしっかりと踏みしめ、それに耐えきる。 二撃目。あの黒い刃を、ノーヴスは袈裟に振りかざしていた。 「ザイルドバルハっ!」 空気を引き裂く裂帛の気合。共に振り落とされる漆黒の剣。 耳が痛くなるような轟音が近くで炸裂した。 破片が舞うのが見えた。が、マーチに衝撃が伝わってこない。 何が起きたか理解できないまま。視界は変化していく。そんなつもりはないのに、視線が上へ上へ向かって行き。右足が前に前に行ってしまう。 「わっ! わっ? わわわっ!?」 腕をぶんぶんと振るが、虚しい抗いに過ぎず。 がしゃーん・・・! マーチは凄い音と共に。その場に仰向けで引っくり返っていた。 「あいたた・・・」 頭をぶつけてしまって、それを擦るヒマもなく。 すっ、と。顔の横に、刃が差しだされる。 「あ・・・」 涼やかな視線に眠たそうな感じはない。ノーヴスは小さく笑みを浮かべながら、じっとマーチを見据えていた。 「・・・あは。・・・負けです」 こちらも困ったように笑って。マーチは降参を宣言した。 最初はコンピュータも困っていたようであったが、しばらくして。笑うドクロのマークがマーチの体の上で回り始めた。 ちらりと見れば。黒い刃が抉ったのは自分の足元。そう、右足のあった場所・・・足場にしていた所だ。 凄まじい斬撃の痕跡が残り、散らばっているのは遺跡の土台、石畳の破片。 (そっか・・・) その『重さ』が、仇になった事を理解して。 双方ともに、ダメージはゼロ。一度もダメージアラートを表示すること無く。バトルは終了した。 2037の彩 彩・第一話 第四幕
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/735.html
武装神姫 鳳凰カップ 実況生中継! 「みなさん、こんにちわ。この番組の実況を務めさせて頂きます、アナウンサーの花菱 燕(ツバメ)です」 二日目の午前十時、俺は昨日まで予選会場だった場所に入れ替わるようにして設置された特設巨大スタジアムの放送席にいる 観客の最大収容人数は一万五千人、中継用のテレビカメラ30台…… もうアホだ、このグループ ゲンナリしつつもやはり解説者の仕事はやらざるをえず、ノアだけを連れて決勝トーナメント開会セレモ二ーのため勢揃いしている予選を勝ち抜いてきた16組を放送席から眺めていた 葉月のヤツ…滅茶苦茶緊張してるよ… 逆にアルティはドッシリ構えてやがる さすが元八相、大舞台には強いってか ミコとユーナはどこかって? 全国放送の番組だ、流石にミコとユーナを連れての大騒ぎはまずいだろうという事で二人は香憐ねぇに預けておいた ちなみに俺の横にいるアナウンサーさんは…もうなんとなくわかるよな? 燕さんは昴の母親なんだわ 花菱財閥の令嬢なのだが、アナウンサーの道に憧れてからは夫である昴の親父さんに財閥を任せ、のびのびと天職ともいえるフリーアナウンサーの仕事をやっている そんでもって御袋と桜さんの二人と同じく幼馴染 三人揃えば元祖かしましシスターズ!! …姉妹ではないがそれほど仲が良いということだ 「それでは今日の解説者の方をご紹介します。まずは武装神姫公式リーグ、公式ランキング13位、ファーストランカーの橘 明人さんと『緑色のケルベロス』ことパートナーのノアールさん。そしてそのお隣が同じく武装神姫公式リーグ、公式ランキング16位、ファーストランカーの綾川 千紗都さんと『黒き狼』ことパートナーの冥夜さんのお二人です。みなさま、今日はよろしくお願いします」 「よろしくおねがいします」 「よろしくおねがいします」 観客席から拍手をもらう 綾川さんは俺のランカー仲間でもある 多分御袋はそこら辺も知ってて彼女を選んだんだろうな 彼女の神姫は黒いアーンヴァルの冥夜 ノアと同じく刃物使いで『黒き狼』の二つ名を持っている 「今回の鳳凰カップ〈春の陣〉はかなりのハイレベルとの噂ですが橘さん、そこのところいかがお考えですか?」 「はい。花菱さんの仰るとおり、今回の参加者は予選脱落者を含めて非常にハイレベルとなっています。『黒衣の戦乙女』や『白い翼の悪魔』、さらには『鋼帝』に『剣の舞姫』、『弾丸神姫』、『クイントス』、『蒼天の旋姫』など、多くの名の知れた神姫が集いましたからね…」 「鶴畑 興紀選手も参加していますし…これはなかなか見られない好カードのバトルとなりそうですよね。綾川さんは注目されている選手はいらっしゃいますか?」 「私は……しいてお名前を上げるとすればAグループ代表のアルティ・フォレスト選手&ミュリエル選手でしょうか」 俺は綾川さんの言葉にぎくりとする 「彼女達は米国リーグで名をはせた実力者と存じています。ミュリエル選手はファーストの神姫にも劣らないとかで…」 そのことは観奈ちゃんから教えてもらっていたのであえて触れなかったのだが… あいつが騒がれたり注目されることで面倒なことになりかねないしさぁ… ちらりと下にいるアルに目をやれば「…何故私のことに触れなかったんだ」といわんばかりにこっちを凝視していた えぇい、この際見なかったことにしようと目線を横に逸らすとニコニコしながら俺を見ている綾川さんと目が合った それにしても…おかしいな…確か彼女には俺とアルの関係を教えてはいなかったと思うんだが… 「綾川さんは去年おこなわれた第三回大会、二度目の〈春の陣〉の優勝者ということですが…」 ええ? そうだったの? 俺、初耳なんだけど… 「はい、この大会は私にとって思い出深い大会なのですが…優勝した後の大変さが身に沁みましたね」 「と、もうしますと?」 「去年の大会からこの子が『黒き狼』なんて言われ出して、挑戦者が後を絶たなかったんですよ。橘さんのノアールちゃんみたいに実力があれば対処できたかもしれませんが、私達はホントに大変でした;」 少し困ったような笑顔で微笑む綾川さん 「つまり、この大会の知名度がどれほど高いかというわけですね…。さぁ、今大会からも未来の超有名神姫が誕生するのでしょうか!? 間もなく開会セレモニーが始まろうとしております!!」 燕さんがそういい終わるとスタジアムの横から屋根が出現し始める えぇ!? このスタジアムって特設のくせに開閉ドーム式なのか!? やっぱアホだろこのグループ!! 屋根が閉まりきり、スタジアムの中は真っ暗闇に包まれた この後はジジイによる主催者挨拶である (なんとなく頭の中で『一寸先は闇』って諺が浮かんできたんだが…俺ってネガティブ?) (安心してくださいご主人様、私もですから…) ノアと小声で話していると、スタジアム中央に“カッ!”と一筋のスポットライトが輝く その光の真ん中にはジジイの姿が………って、オイ 『れでぃ~~すえんどじぇんとるめん!!ようこそ盛大なる戦姫の祭りへ』 なんか椅子に座って足組んでるよ… 赤いスーツ姿で右目には黒い眼帯だしよ… おもいっきりアレじゃねぇか… 『さて皆さん、今ここに集いしは過酷な試練を超えた十六組の小さな姫とそのパートナー達であります。まずは苦難の道を勝ち抜いた彼らに賞賛の言葉を送りたいと思います…』 あああああああああ…頼むから全国ネットでアホな姿はさらすんじゃねぇぞ!? アンタ代表なんだからな? 鳳条院のトップなんだからな? 『しかし、彼ら彼女らに待ち構えるは今までよりもさらに厳しい王者への道。己の名を広き世界へ轟かせる勝鬨を上げるものは誰なのか、しかと彼女らの放つ熱き輝きを目に焼き付けて欲しい。諸君に『五色の翼の杯』……聖杯の加護があらんことを……』 左手をまげて礼式風の御辞儀をする爺さん 流石のジジイもなんとかちゃんとした場だと言うことはわきまえ… 『それでは皆さんご一緒に!! 武装神姫バトル! れでぃ~~~~っ……』 『ゴーーーーーーー!!!!』 ガツン! と勢いを殺せないまま実況席のテーブルに額をぶつけてしまった俺とノア 燕さんも綾川さんと冥夜もひっくるめて会場全員で怒涛の開幕となった もしかして毎回コレをやってるのかあのジジイ…… やっぱアホだわこのグループ!! 「さて、続いては決勝リーグのルール説明へと参りましょう。決勝リーグもバトル方式は予選と同じくバーチャルバトルです。しかし、通常のものよりもバージョンアップしている超大型V.B.B.S.筺体を使用します」 この大型V.B.B.S.筺体はフィールド自体の大きさはリアルバトルで使用するフィールドほどの大きさだ ようするに、リアルバトルにできるだけ近いバーチャルバトルということだな 「会場の皆様や視聴者の方々には私達の放送席の向かい側の巨大スクリーンより緊迫感のある白熱したバトルをご覧頂けます」 ちなみにバトル中の両オーナーは位置的に巨大モニターが見れなくなっている 自分の神姫が何処にいるのか相手にばれないように、また、相手の神姫がどこに隠れているのかわからないようになっているんだ 「鳳凰杯は第一回戦の八試合を午前の部とし、そこでの勝者八名による再抽選をおこないます。その後、途中休憩を挟んでから残りの午後の部に移ります。以上で説明の方を終わらせていただきまして、第一試合の方に参りましょう…」 またしてもライトが消えて暗闇に包まれてからしばらくすると、東西の両端に一本ずつ光の柱が一回戦の対戦者達を照らし出す 「まずは西方、虎門よりAグループの覇者、アルティ・フォレスト選手とミュリエル選手! 彼女らに対しますはBグループを制しました鳳条院 葉月選手とレイア選手、龍門より入場です!!」 お互いに大型V.B.B.S.筺体をはさんで目線をぶつける さっきまでの緊張は何処へやら、真剣そのものの顔はいつのも葉月ではない証… 「この試合の見所はいかがな所でしょうか橘さん」 見所って言ったってなぁ こちとらいきなり身内同士の対決なわけで…… とりあえず 「決勝リーグのオープニングを飾る一戦ですからね。双方悔いのないような良いバトルを期待しています」 ありきたりだがこんなもんだろ… 「御主人様…明人さんが悔いのないように頑張れって言ってます…」 「………」 「御主人様?」 「大丈夫だよ、レイア」 「は、はい……」 「私にはレイアがいてくれる…私はレイアを信じてる」 「御主人様……」 「あの時みたいに…力がなくて、ただ兄さんとアルティさんを…二人の関係を見ているだけしかできなかった私じゃない。今の私にはあなたがいる…お願いレイア…私に力を貸して!」 「………はいっ!!」 「実力的に言えばレイアは今だお前ほどではない…ただ、エリーがどんな厄介な物を渡したのか…そこが気になるな」 「……気にするの良くない…所詮、ぶっつけ勝負…」 「そうかもしれんがエリーは武装の特性にあうモニターを選ぶだろ。お前だって何回か使っただけで《ライトオリジン》や《レフトアイアン》を使いこなしたじゃないか」 「…そう………………………だっけ?」 「…なんにしても警戒が必要ということだな」 「さぁ両オーナー、武装させたパートナーをエントリーゲートに見送ります…」 他の武装をサイドボードに置くと開始前の静けさが会場を支配する 固唾を呑むとはこの事だ フィールドは…天守閣がそびえ立つ城の中庭 散りゆく桜に満月の光が影をつくる中に二人の悪魔がお互いを見つめている 「負けるわけには…いきません…」 「……勝つ……」 『ファーストバトル…ミュリエルVSレイア、レディ………』 両者腰を落として始まった瞬間の動きを警戒する 『ゴォォォォォォーーーーーーーーーーー!!!』 「はあぁぁぁぁっ!!」 『先に動いたのはレイア選手! 開始の合図に一足早く反応した!』 いや、違う ミュリエルも反応できていたがあえて後手に回ったんだ スクリーンに映るミュリエルの表情に一片の焦りも伺えない 冷静そのもの、完全に誘っている ミュリエルはそれでも接近するレイアをバックステップで距離をとりながら手に持ったシュラム・リボルビンググレネードランチャーで迎撃 会場のあらゆる所に設置されたスピーカーから爆音が響き渡る 『クリーンヒットか!? レイア選手、開始十秒とたたずに終わってしまうのでしょうか!?』 爆心地周辺を覆いつくしていた黒煙が舞い散る桜をのせた風により少しずつ薄らいでいく レイアは満月の逆光を背に浴びながら立っていた それも…… 『レイア選手…む、無傷です! 目の前にかざした巨大な武装で身を護りました!』 目の前にかざした武装…それすなわち紛れもなくエリーからの陣中見舞い、全領域兵器《マステマ》であった 全長はLC3には満たないものの、高強度の防御装甲があるため重量で言えば間違いなく上である それゆえに攻防一体の構えが取れ、前方下と後方下についた悪趣味なほどにギラつく刃は大抵の物を重さとともにぶった切り、前の刃のすぐ上はアレンジのため高エネルギー砲となっている オマケに二機のN2ミサイル…とまでは流石にいかなくても…ASM-Ⅶ『ハルバード』レベルのミサイルを備えてある 『敵意』の名の通り…手加減容赦ない凶悪兵器を自分の前にかざしているレイア 普段はおとなしい、良い子の彼女が始めて悪魔に見えた瞬間である 『無傷…か。防御装甲の強度が半端じゃない…出し惜しみしていて持久戦にでもなれば流れはこちらに不利だぞ』 「了解、《ライトオリジン》……展開…」 右腕手首がパージされ、蓄蔵されていたエネルギーが砲身にプラズマ現象を引き起こす 『レイア、チャージ開始。迎撃方法はわかってるわよね?』 「わかっています御主人様、任せてください!」 『ファーストコンタクトを終えお互い、今だ無傷! 高エネルギー波の力比べとなるのでしょうか!』 それはマズイ 《ライトオリジン》はあらかじめ初発分のエネルギーチャージはすませているはずだ ミュリエルは慌てずに照準を合わせるほどの余流がある 「……Lock」 スコープのど真ん中に映りこんだレイア目掛け高エネルギー波は発射される 『今よ、レイア!!』 「てあ!」 レイアは《マステマ》を持ち上げる さきほどと同じくを表に来るようにするが… 『またしても防御の姿勢に入った!しかし綾川さん、それで防げるのでしょうか!?』 答えは否 受け止められたとしてもミュリエルは次の動きに入る 反動で遅れたところを《レフトアイアン》の速射砲でつめられたら成す術がなくなってしまう 万事休すの展開でも葉月とレイアの目はまだ生きている 『彼女の狙いが防御だけとは限りませんよ』 と綾川さんの一言 『同意見ですね…』 『そ、それはどういう…』 すぐに答えは周知のものとなる レイアは《マステマ》の防御装甲面を展開、下に隠れていたハルバート級ミサイルを後方刃の上部にあるもう一機とともに合計二本、全弾打ち出した 防御装甲面下に隠れていた分は《ライトオリジン》のエネルギー波を相殺し、残る一方はミュリエル目掛けて飛んでいく 『小ざかしいマネを…ミュリエル、《レフトアイアン》!!』 「…展開、迎撃開始…」 即座にパージされた左腕から銃口が現れ雨あられと弾幕を張る …なにか妙だ 普通、ミサイルの迎撃を重視するなら《アポカリプス》も使えばいい… 「彼女、何か狙っていますね…」 マイクを通さずに俺に話してきたのは綾川さんだった 彼女も俺と同じく勘付いているようだな ミサイルは《レフトアイアン》だけでも打ち落とせたが、爆発した距離が近かったせいもありミュリエルは黒煙の中に消えていった 『レイア、決めるわよ!』 「了解です!!」 『昴…借りるぞ』 「…《アポカリプス》…展開」 黒煙の中でミュリエルの呟きは誰にも聞こえることはなかった サバーカの脚力を十二分に使い、正面に《マステマ》の銃口が先にくるように構え、突進するレイア ドスン! という音が聞こえたかと思うと煙の中で両者の動きが沈黙する 完全に煙が晴れた後、そこにあった光景は ミュリエルの腹部を貫いている《マステマ》の刃 しかし致命傷とまではいかない ジャッジプログラムによる勝利判定もない、ミュリエルのギブアップもない つまりまだ勝負は続いているのだ 「《マステマ》の刃は貫き通すためにあらず、《マステマ》の刃は捕らえるために…あるです!」 レイアはそのまま銃口を天高く掲げる 銃口にはミュリエルが刺さったままで身動きをしない…… 彼女の様子を良く見なかったことがマズかった レイアから見たミュリエルは満月と重なり逆光となっていたのだ 「コレで……終わりです!!」 「カルヴァリア・デスペアーーー!!」 『だ、第七聖典!? きまったかぁー!?』 とりあえずそのツッコミは置いといて… そのまま銃口から放たれる高エネルギー波がミュリエルを包んだ…次の瞬間 パン! と音を立ててミュリエルが………『割れた』 普通ならここで大ダメージによるジャッジコールがあるか強制退場となるのだがミュリエルのそれはどちらとも明らかに違っていたのだ その証拠にまたしても勝者コールが聞こえてこない 『こ、コレはどういうことでしょう…ミュリエル選手が倒れたのに勝利判定がありません……』 プログラムエラーでないとすると結論は一つ ミュリエルはまだ……そこにいる 「なっ…確かに手応えはあったハズなのに……」 彼女の周りに散るのは拡散したミュリエルだった物と夜風に舞う桜吹雪 あとはそれを照らす荒城の月……ただそれだけでフィールドの中は風の音のみが不気味に聞こえる うろたえるレイア その動揺が彼女の警戒レベルを一瞬だけ落としてしまっていた 「………Lock 」 レイアの真後ろ… 『なっ!?』 「なんですって……」 《ライトオリジン》を再チャージし終えたミュリエルがその銃口をレイアの後頭部に突きつけていた 『…まだやるか、葉月?』 そこで葉月はやっと納得がいった顔をした 思い出したようだな 『なるほど、そうだった………ふぅ、ここまでみたいね…降参します』 『マスターギブアップ。勝者 ミュリエル!!』 『ぎ、ギブアップです!ミュリエル選手第一試合を勝利で飾りました!!』 呆然となる観客も少しづつ我にかえり拍手や喝采を送り始める 『みゅ、ミュリエル選手が再び現れました…で、では橘さん、先ほどのミュリエル選手はいったい…』 『アレはですね…』 『……バックパックに収納してあった衝撃吸収素材で作られた特殊ダミーバルーン…ですか』 『!!』 綾川さんが俺の言おうとしたことを当ててしまっていた 『彼女がミサイルの撃墜にバックパックを使わなかったこととも辻褄が合います。ミサイルの黒煙は隠れてフェイクのバルーンと入れ替わるためにあえて近くで爆発させたんですよ』 おかしい 『そして入れ替わり、相手の必殺技をやり過ごさせてその後の隙を突く…単純ですがバルーンを展開した後となれば見破るのは至難の業となります』 これは昴が八相の-メイガス-と呼ばれていた頃、あいつの異名の元となった戦術だ ただのフェイクではない 幻の数を多数出現させることができる香憐ねぇの『惑乱の蜃気楼』とは別の、 『完全に同一の物を複製したかのように…-増殖ーしたかのように見せるトラップスキル……ですね』 昔の昴を知っている俺や香憐ねぇでさえ見破るのは至難の業 戦ったことのない葉月にしても、知識としては理解していたはず だか結果としてやられているわけだ アレを見破れる人物なんて早々いないはず…なのに… 少し警戒して彼女を見ると、何事もなかったかのように「なんですか?」というような微笑で俺の顔を見つめ返してくる 『第一試合はアルティ・フォレスト選手とミュリエル選手が準々決勝進出を決めています。それでは一端、CMです」 彼女は…一体… 追記 「桜や、動きはどうなっとる?」 「今のところ、彼女からの新たな連絡はありません」 「そうか、挨拶では少し挑発してみたんじゃがのぅ」 「…調子に乗ってたら彼女に殺されますよ?」 「なんだかホントにシャレにならんの…謝っておいたほうがええか?」 「それが宜しいかと」 「しかし…このまま動かんとなると…ますます嬢ちゃんの言っとった線が濃くなってくるの…」 「…あと、フェレンツェ博士が何かに勘付いている様子でしたが…」 「彼は流石に鋭い。侮れんわい…だが、彼にも話すわけにはいくまいて。嬢ちゃんとの約束じゃからの」 「…兼房様、私で宜しかったのですか?」 「ふぉ。お主が鳳条の名参謀と呼ばれとるのはわしがそう言って回っておったからじゃ」 「は? はぁ…」 「ま、それだけお主を評価してると思っとくれ。ふぉっふぉっふぉ!」 「有り難う御座います、兼房様…」 続く メインページへ このページの訪問者 -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1573.html
過去と流血に囚われし、嘆きの姫(その二) 第三節:怨霊 ゆっくりと、幽鬼の様な動きでその姿を見せたのは……神姫ともその他の MMSとも判断しがたい、軍隊風の装束に身を包んだ12センチの少女だ。 否……軍隊風、というのは正確でない。どちらかというと“戦闘機”だ。 流暢な日本語で捲し立てるその娘を見て、私は率直にそんな印象を抱く。 「来るなって、言ってるでしょ!?……貴女、やっぱり当局なのね!」 「日本語が分かるのか。いや、私達は権力を持たぬ……只の民間人だ」 「嘘よ!アタシを叩き壊す為に来たのよ、奪う為なんだわ!そうよ!」 「マイスター、この娘……脚が……ううん、腕も全部……武器ですの」 ロッテが青ざめた様な表情で呟く。彼女の言う通り、私達の眼前に居る MMSの姿は酷く歪だった。両脚が、無骨な武器に置換されていたのだ。 左脚は、膝にパイルバンカーらしき杭が見える。脛にもシリンダー風の 構造物があるが、これも恐らくは何らかの武装だろう。足は人のそれと 違い、ソリの様な板状の装置になっていた。右脚も同様だが、こちらは 膝にアンカーの様な物とリールが見て取れた。ワイヤーランチャーか? 両腕には重火器風の鉄塊がぶら下がっており、掌も無骨な鉄拳である。 「絶対そうだわ……そんな眼でアタシを見て、貴女も憎いのよッ!!」 「憎い、かどうかは分からぬ。そなたは、コレと関係があるのか……」 「そんな事どうでもいいでしょ!?どうせ全部分かってるクセにッ!」 彼女はストイックかつ無骨な姿とは裏腹に、ヒステリックな声で叫ぶ。 背にセットされている二本の曲剣には深紅の染みが幾つかこびりつき、 その腰には鉄で出来たスカートと……無骨な拳銃が二挺下がっていた。 更に肩胛骨の辺りには、巨大な二枚のバインダーと三角形のユニットが セットされていた。先程は、これを利用して飛んでいたのだろう。だが そんな武装と胸元の装甲板を揺らして、彼女は尚も狂った様に吼えた。 「そうよ!“ドクトル”や“マヨール”を殺して“妹”達も壊して!」 「……マイスター、この娘ひょっとしたら……アレかもしれないもん」 「アレって何!?人間の味方気取ってるんじゃないわよ、ガラクタ!」 クララが私に耳打ちするのを、彼女は聞き逃さない。しかし、ここまで 過敏になっているというのはやはり“AIPTD”か何か……ともかく 超AIに対して強いプレッシャーが掛かっているのは、疑い様がない。 単に凶暴化しているにしては、被害妄想が強い気がするのだ。無理矢理 そういう調整をされたのかもしれんが、ともあれ彼女は何かおかしい。 単純に殺人の命令を受けている、という訳でもなさそうだが……むぅ。 「……ガラクタなんかじゃないです!あた……この娘達は違います!」 似た様に一度人間を拒絶した茜……アルマが、咄嗟に叫んだ。慌てて、 『あたし達』という言葉は呑み込んだが、彼女は既にお見通しだった。 小刻みに震える手で茜を指差し、彼女はキッパリと言い切ってみせる。 「何言ってるのよ!声や動きで分かる、アンタもその玩具達と同じよ!」 「うっ……そうです、あたしも武装神姫。貴女だって、そうでしょう?」 「違うわよッ!!あたしは……あたしは“ロキ”!あたしは……ッ!!」 アルマの正体を看破した所まではいい。だが彼女は、その後の言葉が全く 続かない。ロキという名を告げた所で、激しく肩を振るわせ始めたのだ。 ……数秒の沈黙を破って、呪いを吐き出す様にロキは己の正体を告げた。 「“戦略級殲滅型MMS”……“ハザード・プリンセス”の零号機よ!」 「ハザード……プリンセス?“ラグナロク”が創った、MMSの名か?」 「ッ!?やっぱりアンタ、知ってるのね!絶対、壊しに来たのよッ!」 私の呟きに、ロキが再び烈火の如く激昂する……歩姉さんを殺したMMS。 そんな“予感”に囚われる意識を振り払い、私は彼女を見据えた。躯は、 武装神姫と何ら代わらないサイズである。これをテロや暗殺に用いようと 企んだ“ラグナロク”の邪心に、吐き気さえ催す……が、ここは我慢だ。 「落ちついてくれ、私達は壊しに来た訳ではないのだぞ……ただな?」 「嘘だッ!!そう言って人間は、アタシ達を騙して壊したのよ!!?」 「えと……さっきから、壊した殺したって……話が見えてきませんの」 「トボけないでガラクタッ!人間は、飽きたら玩具を棄てるのよ!?」 錯乱しているのか何なのか……至極真っ当なコミュニケーションさえも 成り立たないまでに、ロキは怒り狂っていた。いや、むしろこれは…… そう、“憎悪”。世の全てを恨み、嫉み……憎み、蔑む。そんな姿だ。 神姫にも“心”がある以上、そういう感情に支配される可能性はある。 だが、いざ目の前にすると……これ程まで憎悪の力は強いのかと思う。 「ロキ、と言ったか……そなたを使役する“ラグナロク”の……」 「いないわよそんな奴ッ!?もう誰も、アタシの側にはいない!」 そんな彼女を目の前にして、私達の心によぎったのは……哀しみだった。 歩姉さんの仇かもしれないMMSなのに、何故そこまで世界を憎むのか…… そうまでに歪み腐れ傷ついた“心”の存在が、とても哀しく思えたのだ。 「……私は本当に、お前の身に起きた出来事を知らぬ。話してくれぬか」 「ふん!何処まで嘘ばかり言えば気が済むの!?良いわ、言ってあげる」 「お願い、なんだよ……それを知れば、ボクらにも何かできる筈だもん」 「無理ね。むしろアンタ達も、“人間”から今すぐ逃げたくなるわよ!」 ──────何が、あったのかな……道化の神に……? 第四節:憎悪 “道化の神”の名を冠するMMSは、シェードの深奥に隠された瞳で私達を 睨み付ける。表情こそ見えぬが、明らかに殺気の混じった視線を感じる。 そして、一拍置いてから彼女は語り始めたのだ……己の呪わしき宿業を。 「アタシは、“ラグナロク”の博士……“ドクトル”に作られたのよ」 「……そう言えば、戦略級とか零号機と言っていたな。試作型なのか」 「そうよ。アタシは後に産まれた十二人の“妹”達……その姉だった」 私は話を聞きながら、納得する。彼女の装備は、全て人間社会に対する “兵器”なのだと……そう、彼女は『人間を殺す為の兵器』なのだと。 しかし、必ずしもそれだけではなかったという痕跡も……見えてくる。 「人間の顔なんてないカメラアイの妹達もアタシも、皆大事にしたわ」 「大事にって……商品のサンプルだからって意味、じゃないのかな?」 「違うわ!それもあったかもしれないけど、色々遊んでくれたのよ!」 ロキは語る。自分達の閉じた世界で、なお創ってくれた人間……そう、 “ラグナロク”の面々は人間味溢れる態度で、彼女らを愛したのだと。 クララの抉る様な質問を、血を吐く勢いで否定したロキの態度が証拠。 「イタリアで、電車を“プラズマ・ボマー”で壊した後だってそうよ」 「ッ!?……い、イタリア……?その時に、創造主はなんと言った?」 「何も言わないわ!でも、撫でてくれたのよ……笑ってくれたのよ!」 神姫は須く『マスターの為にある事』を第一義として生きる。ならば、 神姫の試作品を元として産み出されただろうこの娘も、神姫達と同じく 『自分を使ってくれる人の為に働く』事を、その喜びとしていたのだ。 目の前のロキが歩姉さんを殺した……その事実と、神姫としての因子を 受け継いでいた哀れなる姫。二つの事象が、私の中で渦を巻いていく。 「最初は“ベルンハルト”も“マヨール”も、冷たかったけど……でも」 「でも、その内に笑って貴女を抱きしめたりしてくれた……んですか?」 「そうよッ!他の人間なんか知らない、アタシ達の大事な人だったわ!」 「例えどれだけの人間を殺しても、その人達が笑ってくれるなら……?」 「構わないわ!だから……だから、アタシは望まれるままに戦ったの!」 彼女の腰に下がる血塗れのマチェットが、その歴史を証明する物だろう。 神姫のサイズならば、爆破工作だけと言わずに様々な裏の仕事が出来る。 ……残酷な様だが、理論上は非常に効率的だった。唯一の誤算は、作った “ラグナロク”の連中自身に、制御し切れない感情が産まれた事だろう。 そしてその“想い”は、知らず知らずにロキを“道化”へと換えたのだ。 「でも……でも、そんな事をした為に“ラグナロク”は壊滅しましたの」 「そうよ!アタシは皆に笑ってほしかっただけなのに、他の人間がッ!」 ただ愛するが故に屍山血河の道を突き進んだロキは、しかしその行いが 遠因となって、愛する人達を永遠に喪ってしまったのだ。自分がいくら 悪を為していたと認識しても、“想い”はそう簡単には精算出来ぬ物。 「あいつらは、あいつらは……何も言わずに皆を撃ち殺したのよッ!」 「……そう言えば“妹”さんは、その時どうしていたんですの……?」 「八人が人間達に壊されて……四人が、何処かに連れて行かれたわッ」 ロキの声が震える。彼女の脳裏に浮かぶのは、楽しかった思い出か…… それとも“悪”として滅ぼされた、愛する人々と“妹”達の断末魔か? “神々の黄昏”という名に相応しい、苦い余韻を伴って組織は滅びた。 だが唯一この世に遺されただろう彼女の“心”は、果たしてどうなる? 「“ベルンハルト”は、自分を盾にしてアタシを逃がしてくれたのよ」 「……そして、この東京まで逃げてきたのかな?たった一人で……?」 「一人じゃないわ!運び屋が持ってきたの!でも、でもアイツら!!」 そして……そんなロキの傷心に毒を塗り込んだだろう“運び屋”。やはり その者は二流……神姫を扱う者としては、三流以下のゲスだった様だな。 ……そう。私はこの時、ロキが最早『神姫と同じ娘』に見えていたのだ。 私の心を揺さぶる様に……ロキが、己に降りかかった最期の災厄を語る。 『畜生、ベルンハルトの奴!こんな玩具を俺に寄越しやがって……ッ』 『な、何するのよ!?やめて、こんな暗い所に押し込めないでよ!!』 『煩ぇ!お前の運び先なんて教えられてねぇんだ!人形が喋るなッ!』 『嫌!なんて突然、皆怖い顔してるのよ!?“マヨール”だって……』 『黙りやがれ!お前がはしゃいだ所為で足が着いたんだろうがッ!!』 『ぁ──────ッ』 あくまでもその運び屋は“荷物”としてロキを認識したのだ。恐らくは、 それまでロキが触れる事の無かった、組織の末端だったのだろう。信じる “ラグナロク”の構成員に、邪魔な玩具として扱われるという仕打ち…… 彼女に産まれた“人への憎悪”を増幅したのは、間違いなく彼らだろう。 そして恨みを払拭する事もなく……彼らはロキのシステムを停止させる。 彼女はスリープ状態でも記憶・記録を整理し続け……憎悪を、純化した。 「……気が付いたら、箱の中。それを破壊して出てきたら、ここよ!」 「自分でも知らない内に、秋葉原まで持ち込まれて……なの、かな?」 「そう、アタシはここで“棄てられた”!人間なんて、そんな物よ!」 ──────人間の為に、生きて……人間に、殺されたんだね……。 第五節:疑念 彼女は……ロキは、泣き叫んでいた。無論だが、涙を流す機能は備わって いないだろう。仮に備わっていたとしても、このヘルメットでは見えぬ。 下手をしたら、シェードの下にあるのは単なるカメラかもしれない。だが 私は……私達“四姉妹”は、強く感じていたのだ。哀しき“神の涙”を。 「アタシは、だから……自分が壊れるまで、復讐する事にしたのよ!」 「復讐?……人に、ううん。人間の存在する文明全てに……ですの?」 「そうよッ!もう、人間なんて信じない!だから、全部壊すのよ!!」 モノトーンの躯を揺らし、彼女は強い怨嗟の声を上げた。己を裏切った この世全ての悪となり、何もかも打ち砕くと吼えたのだ。しかし……。 「どうして、ですか?もう一度、誰かを信じてみる気になりません?」 「なるわけないでしょ!そう言う人を皆殺しておいて、何を言うの!」 「しかしだ……お前が愛して信じていたのも、また同じ人間なのだぞ」 もし彼女の語った事が全て真実ならば、私は彼女を止めねばならない。 無論、それは彼女を壊して『正義の為に戦う』等という、偽善に満ちた お題目を吐く為ではなく……私のエゴとして、彼女に止まってほしい。 「違うわ!同じ人でも、あの人達と他は違う!違うのよッ!そう……」 「ッ!?マイスター、下がって!拳銃を抜いた……撃たれるんだよ!」 「アンタも違うッ!冷たくてゴミみたいで、居る価値もない人間ッ!」 しかし憎悪に振り回されていたロキは、初めて遭った私の言葉を聞かぬ。 腰に下げていた両手の拳銃を抜き、私達にその照準を合わせたのだ……! いや、違う!この銃口の向きは……ロッテとクララか!?私は、焦った。 「そうね、このガラクタを壊せばハッキリするでしょ!そうでしょ!?」 「だ、ダメです!この娘達を撃つなら、まずあたしから撃って……ッ!」 「嫌よ!まずこのガラクタから壊して、それから殺してあげるわ……!」 『だめッ──────!!!』 ロキの厳つい指が動き、拳銃の引き金を引いた。先程の爆発と同じ様な、 プラズマの波紋が空気中を伝わり、文字通り光の速さで弾が飛んでいく。 ……最早、思考さえも追い付かない刹那の瞬間。私は、無意識に動いた。 「……ぐ、ぅぅ……!?……くぅ、手が……痛い……なッ」 「え……嘘?マイスター、何を……してるん、ですか……」 「……そんな、マイスターの手が……血が、流れてますの」 「ボクらを、庇って……手で、弾丸を受けたの……かな?」 皆が気付いた時、私は二つの弾丸を手に受けていた。咄嗟に両手を伸ばし 茜の肩にいるロッテと、己の肩に座ったクララを庇ったのだ。幸い、指は 全て付いている。激痛で意識が消し飛びそうになるが、深い傷ではない。 だが伝う血は涙の様に零れて、地と私の手を濡らす。そして彼女は……! 「嘘よ……嘘、嘘よ嘘!嘘よッ!?何故、そんなのを庇うのよ!?」 「……彼女らが、私の大切な“妹”だからだ。護るのは、当然の事」 「嘘ッ!人間なんか、アタシ達なんてどうでもいいんでしょ!!?」 「……誰が何時、ロキ……お前をガラクタと言った。全くもう……」 他ならぬ彼女……撃ったロキ自身が狼狽えていた。私だって、何故こんな 無謀な事をしたのか、と問われると……これしか応え様がない。しかし、 これで分かった。彼女は、己を“要らないガラクタ”と思いこんでいる。 となれば、彼女の憎悪を解きほぐす糸口も……見えて来るという物だな。 「……わからないわ。わからないわよ!何故、人間なのに何故ッ!?」 「マイスター、血が出てます!これ、早く止めないと……拙いです!」 「気をしっかり保ってほしいんだよ、マイスター!……今は、退いて」 「マイスターを、やらせはしませんの……ここは、退いてください!」 ロッテもクララも、私の身を思い量って“魔剣”を手に盾となる。茜は、 HVIFを纏っているのも忘れ“アルマ”として、私を抱きかかえる…… 血の流れに意識が遠のきつつも、“妹”達の勇姿はしっかり見えていた。 「なんでなのよ!?人間なんて身勝手で怖くて、庇っても意味無いわ!」 「意味は、ありますの……この人は、わたし達の“愛する人”ですのッ」 「愛する人の為に戦ってきたのは、他ならぬ貴女がやった事なんだよ?」 「だから、あたし達は……マイスターの、晶さんの為に戦うんですッ!」 「……わからない。アタシ、人間が分からない!貴女達も分からない!」 明らかな怯えの色を見せつつも、ロキが背中の翼を広げる。悪魔のそれを 想起させる変形を見せたバインダーを使い、彼女は東京の空へと消えた。 追い掛ければ届くのかもしれないが、今の私に追い縋る事は叶わぬ様だ。 「行っちゃいました……それより、マイスター!?大丈夫ですかッ!?」 「これは……一応掛かり付けの外科医さんが近所にいますの!そこへ!」 「分かったんだよ!マイスター、気をしっかり保って。傷は浅いんだよ」 「すまないな、皆……痛ッ!何、かすり傷だ……大した事は、ない……」 ──────哀れな姫様を、きっと助けてあげるからね……? 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2446.html
MMS戦記 コメントログ コメントに書き込みを頂いた過去ログをこちらにまとめました。 たくさんのコメントありがとうございますね。 コメントページ修正しました。お手数おかけして申し訳ございません -- カタリナ (2011-01-15 12 00 26) いつも良いところで墜ちるアオイさん。今度は頑張って!w -- 名無しさん (2011-01-23 20 04 02) チーム名w -- にゃー (2011-01-24 00 18 02) 面白く成ってまいりましたなぁ、艦の沈め方のセオリー通りですなぁ…それにしても、ナウシカを思い出した私は旧い地球人(笑) -- 触神 (2011-01-24 20 17 10) >名無しさま ありがとうございます。まあ、どうなるかはお楽しみに・・・ -- カタリナ (2011-01-25 00 25 23) > にゃーさま 名前が適当なのは仕様ですww -- カタリナ (2011-01-25 00 25 53) > 触神さま なんと脆い船じゃ・・・ はい、実はこのシーン、ナウシカのバカガラス襲撃シーンを参考にしています。大当たりですwww次回もお楽しみに!! -- カタリナ (2011-01-25 00 27 30) 定期便なんて言われて居るからしっかり対策立てられるんだな(笑)、風穴空いたからこその反抗だとしてもね、高度が有ったらアノシーンに成るんでしょうが、爆撃がメインじゃむりか、あぁ楽しきかな大規模戦闘、続きが楽しみです -- 触神 (2011-01-29 12 49 58) >触神 さま 定期便、対策は立てやすいですが、それは向こうも襲撃を予想しているので、なかなかハードな戦いになりますよー大規模戦闘、武装神姫は基本は1対1の戦いがメインですが・・・それだといろいろ縛りが出そうなんで、あえて私は大規模な戦闘を描いてみました。最近のゲーセンもオンラインで10体10とかの戦闘とか普通にあるので、ノリはそんな感じです。戦場の絆とかボーダーブレイクとかww武装神姫も多分、そんな感じで戦うと思うのでなるべくリアルに戦闘とか表現しようと思います。次回もお楽しみに!! -- コメント返し (2011-01-30 22 44 04) 確かにニーズに沿ったサービスですよね、戦艦武装はタイマンでは成立しませんから(笑)こう言った所から発生した需要と考えれば更にリアリティーが増しますねぇ〜、正に大戦略(爆)戦記の名に負けぬ様に頑張って下さい -- 触神 (2011-02-02 14 01 42) > 触神さま 大型の戦艦型神姫、もちろんタイマンでも倒すことは可能です。この戦艦型神姫を単体で倒せるかどうかが、強神姫かどうかの境目ですね。他所さまの神姫の世界観ではこういった大型の神姫は存在しないので、また違った楽しみ方があると思います。次回もお楽しみにww -- カタリナ (2011-02-02 22 34 11) 初めまして。夜虹というものです。話を最初から読ませていただきました。 序盤からコアの性格にとらわれない性格の神姫が多いですね。しかし、その実力は本物。 単純なブラフのために無駄な武器を持ったり、わずかな隙を突いたりと展開が面白いですね そしてチーム名はすごく適当だったり、ちゃんとしたものだったりカオス極まりないですね。それはそれでメンバーの性格が出ていていいものではあります。 それでもそれぞれチームの性格が分かれていていい勝負になっていてよかったと思います。今後が気になるところです -- 夜虹 (2011-02-03 05 39 23) >夜虹さま ありがとうございます。我が家では初期の性格はコアに忠実ですが・・・年月がたってくると変化してくるといった感じです。戦いの流れや戦闘シーンは実際にゲームとか喧嘩、日常のなにげない駆け引きとかそういうのを参考にしています。チーム名や神姫の名前は適当です。特に深い意味はなかったり・・・今後ですが、私はいいかげんであんまり考えていないので、成り行きで物語を進めるので、私も今後どうなるかは決めていませんし、知りません。どうなるんでしょうねーーー -- カタリナ (2011-02-04 23 32 07) にやーと冷たく笑う内野さんに惚れそうです。 この人達は神姫を使い捨てにしているようですが、複数所持していて用途別に使い分けしているのでしょうか。 冷酷に見えますが戦艦型相手ならこの作戦も仕方無いでしょうね。 -- 名無しさん (2011-02-13 01 17 26) >名無しさま 使い捨てではないですよー、我が家の神姫バトルはリアルバトルがメインですが、壊れたりした場合は修理して何年も大事に戦わせています。複数所持しているオーナーさんも多いですし、作戦や戦術によって神姫や武装はもちろん使い分けています。いろいろなオーナーや神姫が登場するので次回もお楽しみに!! -- カタリナ (2011-02-17 22 42 45) 海外の映画的なセリフ回しに痺れます。 -- 名無しさん (2011-02-20 01 03 22) >名無しさん アパーム!!弾を持ってこいーですけどねww -- カタリナ (2011-02-20 01 12 16) 軽白子隊の壮絶な戦いに興奮しました!w我が家の軽白子隊もこういう感じのバトルを想像しているので最高ですw -- ユキナリ (2011-03-24 17 36 51) >ユキナリさま ありがとうございますw結局、ドセットにトドメを刺したのは、名も無き軽白子でした!!そして次の瞬間バッラバラに・・・軽白子は群れるのが前提の設定なので多分、こういう使われ方するんじゃないかなーと思いました。 -- カタリナ (2011-03-26 19 54 27) バトル中にだべりだす…wデボラさん達のイメージが変わりましたwガーリオンの皆さんも普段は普通に可愛い娘さんなのかもしれませんねw -- ユキナリ (2011-04-24 12 14 55) >ユキナリさま まあゲームですし、みんななりきって遊んでいるといった感じですねー遊びゆえにいろいろと真剣ですがww我が家の神姫はみんな可愛いよ! -- カタリナ (2011-04-27 00 12 21) ウォースパイトさん…本当にいつもご苦労様です…。神姫界でヤムチャ的活躍が、すっかり板についているような気がしますw本当は凄い強いと思ってますがw -- ユキナリ (2011-05-05 12 28 29) >ユキナリさま 強いザコ!!強いけどやられるシーンが多いだけです。気にしないでくださいw -- カタリナ (2011-05-05 20 10 10) お疲れ様でした、楽しませて貰いました、時間切れと言うなんともリアルな終わり方でしたなぁ〜でも其処が又良い(笑)、しかしまぁ此処まで壊れたら修理不能な神姫も居るんじゃ無いですかねぇ? -- 触神 (2011-05-07 07 49 48) >触神さま まあ、よくあることですよねーさて、我が家のバトルは基本、リアルバトルで実弾や実剣を用いてガチンコバトルするのですが・・・めちゃめちゃに破壊されてもちゃんと元通りに直してあげるのが、マスターの勤めとたしなみでもなります。後、壊れてもしっかりと修理してくれるサービスや体制が整っているので修理不能で起動できない神姫はほとんどいません。所詮神姫は機械ですし、壊れたら直せばいいだけですし、記憶もコピーして残せますしー -- カタリナ (2011-05-08 12 00 53) 深夜0時に現れるステルス神姫…あの人ですねw今回も同時に大量破壊を示すテロップ列が…w同時破壊によるテロップ列は見ていて爽快ですwでもマスターの方は、いつかへこませたいと言う衝動がwイケメンは敵!w -- ユキナリ (2011-05-09 17 42 05) >ユキナリさま 同時破壊のテロップの元ネタはボーダーブレイクだったり!!!深夜0時に現れるステルス神姫・・・・さてさて・・・イケメンマスターというか、痛いマスターというか・・・とりあえずお楽しみに!! -- カタリナ (2011-05-09 23 35 46) 伊藤勝成さん、格好いいご老人ですね!私も2041年だと、この方と同じぐらいの年齢になっていますw少し下ですがwこんな老人になりたいものです。夜帝討伐隊第2陣と言った感じですが今度はとても優秀な軍師を交えての作戦、楽しみにしています! -- ユキナリ (2011-05-15 11 54 23) >ユキナリさま ありがとうございます。老若男女神姫を持っているという設定です。今回は将校型神姫が参戦です。他の神姫とは一味違う戦いをご覧ください。 -- カタリナ (2011-05-21 19 32 37) これは!w非常に興味を持っていた非公式バトルの話がついに作品化!行為の傍らに残骸となった神姫があると言うシチュエーションが最高ですwそして挿し絵付き!カタリナ様の描かれる女性キャラクターは本当に魅力的です。続編も楽しみにしていますw -- ユキナリ (2011-05-22 12 37 42) 駆逐艦型は無いのですか? -- げしもちゃん (2011-05-22 13 54 28) >ユキナリさま 禁断の非公式バトルロンド・・・実は前から構想は練っていたのですが、中途半端にするのはイヤなのでいろいろなゲームやマンガを見て構想を練り直し、かなりハードで危険な本当の意味での裏の非公式バトルロンドをやってみようと思います。戦いはよりハードに、敗北者には相応の代価を、ボリュームたっぷりのスケールで満足できるようなお話をしようと思っていますのでお楽しみに・・・・ -- カタリナ (2011-05-23 23 16 14) >げしもちゃんさま 語るとうるさくなるのですが・・・我が家には多種多様な艦艇タイプの神姫がいます。とりあえず主力と呼ばれる大型艦艇神姫。航空母艦型神姫・戦艦型がいます。そして補助艦艇、潜水艦型神姫や輸送艦型神姫などがいます。また現在新たにオンステージに、コルベット艦型神姫と強襲ホバークラフト型新規と呼ばれる。新型の艦艇タイプの神姫を製作・量産しました。詳しくはブログ等でチェックしてくださいwww -- カタリナ (2011-05-23 23 21 52) カタリナ信者の僕が来ました -- 名無しさん (2011-05-28 20 18 05) 参加する女性への品定め役が居るんですね、確かにこのシステムなら自然に美少女が集まってきますね!その品定め役の醜男さんいい味していますねw私はキモい男が美少女を無理やりとか悪臭で歪む表情とか大好きなので彼のような存在は嬉しいですねwキツい悪臭を嫌がっているルカさん可愛かったですwもし私が参加し勝ったなら、醜男さんと相手オーナーを絡ませじっくり見物したいですw自分は手を出さずにw -- ユキナリ (2011-05-29 11 19 39) >名無しさん様 信者ってwwwありがとうございますww -- カタリナ (2011-05-30 23 27 05) >ユキナリさま まあ、エロゲでもよくいますよねwwこういうキャラwwこおういう汚れ役はいたら便利ですww何かとwww -- カタリナ (2011-05-30 23 29 22) トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/busou_bm2/pages/142.html
は ま や ら わ A B C D E F M N O P R W 数字 Glossary(あ~な) ※編集者の方へ 容量の問題から、は行とま行だけinclude化しています。編集の際はご注意ください。 は [部分編集] パーティオ ケモテック製神姫、フェレット型パーティオ。語尾は「なの」。素体は出ていないがDL武器だけが登場している。(ウィンディツインズなど)パーティオとポモックはイベントやコナミスタイルで発売されたプロトタイプバージョンの素体はMMS 1stであり、一般販売の素体はMMS 3rdになっている。 パイルバンカー 炸薬や電磁加速装置などを使って杭を突出させ攻撃する武器。原理的には大砲と同じだが、杭は前進するだけで飛んで行かないのが特徴。某最低野郎ロボットアニメをルーツとする架空の兵器。ドリルと並ぶ漢の浪漫とも。判定が強く、威力もある単発攻撃のためゲーム序盤でランクが低い頃はありがたい武装。 ハウリン ケモテック製神姫、犬型ハウリン。マスターには従順で可愛らしいが、一方で相手には非常に攻撃的な態度を取るのでそのギャップには戸惑うかもしれない。アーンヴァル ストラーフがMk.2に代替わりしているので、本作ではマオチャオと並んで最も古い神姫だが、それだけに愛用するマスターも多いようである。 バズーカ 現実世界では、携帯型のロケット弾発射装置のことで、連射できない単発式であり、そもそもカテゴリ名ではなかったりする。フィクションの世界では、発射するものがロケットだろうがミサイルだろうがビームだろうが、「とりあえず手持ちのぶっとい武器はバズーカって言っとけ」みたいな扱いであるゲーム中ではその「長もの」の役割はランチャーに譲っており、実際の使用感はグレネードランチャーという感じで、高い威力を持つが独特のクセがあり、上手く使うにはコツがいる。ぜるのん「分類上仕方ないかもしれないけど、1.2mm滑腔砲やハフ・グーファもバズーカにされているのは違和感を拭えないよ」むるちー「いや、少なくともハフ・グーファ(パンツァーファウスト)はバズーカの親戚みたいな関係だからあながち間違いじゃないぞ」 裸ナイフ アークのLOVE20イベントでの装備制限バトルの通称。装備しているのが特定のダブルナイフのみ、レールアクションすら無し、そして敵は通常通りという非常に厳しいハンデを課せられる。負けてもフル装備でリベンジできるが、ナイフだけのままで倒すと称号を獲得できる。同様の武装制限を課されるバトルはあと2つ(アークにもう一つとアルトレーネ)あり、どちらも「裸○○」と呼ばれる。(アーティルシナリオでは武装制限どころか全武装不可というバトルがあるが、これは相手も同じ素手というバトルなので、特に問題は起こっていない)どのイベントも無印・Mk2で「あるレールアクション」を獲得するためにはクリア必須。この戦闘でストレスを爆発させてソフトや本体をみぎぃさせた人もいる、らしい…。Mk2では敗北時即リトライとレールアクションの仕様変更が入っているので、難易度は前作より一応下がっている。 葉月 神姫マスターにして前回F1チャンプの竹姫葉月の事。独特な立ちポーズの為にネタにされたり。パートナーはアーンヴァルMk.2のアルテミスだが、その名前はバトロンのあるイベントで登場したラスボスと同じである・・・まったく関係なかったが。敵として戦う場合は非常に強いが、何故か仲間として戦う場合は極端に弱い印象がある。もちろん、ガイアさんをボコボコにしてる場合もあるが、そっちの印象は薄い。自分と共感する部分があるという理由だけで、赤の他人である千歳の保釈金を払っちゃう辺り、かなり裕福な家庭の娘と思われる。…両者とも所持神姫の方が常識がありそうなところは確かに似ている。バトマス2シナリオでは、主人公に協力を依頼して事件の核心へ誘導し、その上面倒な相手との戦いは全て主人公に丸投げするという見事な黒幕っぷりを披露してくれる。ガイアや四凶、千歳(inヴァルハラ)のような濃い面々の陰に隠れがちだが彼女自身も発言などを見る限り結構な変人の部類である。 バッカルコーン+E83 マリーセレスさんの専用RA。バッカルコーンは、クリオネが補食時に展開する6本の触手のことである。ネットで探してみると動画も見つかるであろうが、「流氷の天使」というネーミングにロマンを感じている人は見ないことをお勧めする。技の発動時に、あの特徴的なリアパーツをばっと広げるところが、バッカルコーンの展開を思わせるところからのネーミングであろう。後ろに付いている+E83については、O.P.F.からの公式発表はないものの、ファンの間では「イヤミ」の語呂合わせだという説がある。 バトコミ/バトコミュ モバゲーの「武装神姫 BATTLE COMMUNICATION」の略称。バトロンの終了と同時に発表された。バトロン、バトマスどちらとも違う世界観を持ち、神姫・装備の強化に他の神姫素体や武装が必要(強化素材用の素体としてNAKEDがあるが)、ベタな感じの悪の組織の存在など、ノリは他二つとは結構異なっているので注意。一時期はやけにイベントが多く行われており、イベント限定仕様(クリスマス・正月仕様など)の神姫も登場している。現在1~5弾およびそのリペイントと、ベルン姉妹、プロキシマ&マリーセレス、ビックバイパーコンビが参戦済み。Mk.2コンビやツガル・リぺアルト姉妹もいるが、これらはキャンペーン期間限定の神姫(期間終了済み)なので注意。あと、ガチャメインのソーシャルゲームの常として、他二つ以上にリアルマネーを吸い込む可能性が高い事には、特に注意されたし。一応課金ガチャさえ使わなければ基本無料なのでそこだけで楽しむこともできる。余談だが、神姫の素体カラーの違うエレガンス仕様・スポーツ仕様(要は体操服とかスク水とかそういうの)等のタイプが複数用意されている。…何か力の入れどころがおかしいような気もしないでもない。バレンタイン以降、ひな祭りと言う女の子の一大イベントにも関わらず何も起きないと思っていたら、2012年5月22日にサービスが終了することが発表(3/22更新)されてしまった。結局こっちでも出番のなさそうな神姫たちが不憫である。さらにこれによりバトマスMk.2DLCも全公開済み、フィギュアのMk.2リペイントフルアームズも発売済みなため神姫関連は公式による新しい情報も話題も無く、先が見えない状態になってしまっている。武装神姫の実際の市場規模や損得勘定はユーザーの立場からでは知る由もないが、ファンとしては今回のアニメ化が最後の打ち上げ花火にならないことを祈るばかりである・・。 バトマス PSPゲーム武装神姫バトルマスターズ(本作および前作も含む)の略称。バトロンで培った驚異の声優陣もあり、全神姫が登場するバトマス完全版を望まれていたりもする。UMDの容量では無理だと思われるため、ヴィータかPS3になるはずである。とはいっても、バトマスMk.2の全DLC神姫を入れても全神姫の半分くらいしか登場していないにも関わらず、16GBのメモリースティックが要求されるほどのボリュームとなっていることを考えると、完全版が実現したら一体どれくらいのものになることやら…。ちなみに現時点でバトマスに登場していない、武装のみ登場の神姫は以下の通りである。(一部武装・武器が登場しているものを含む)簡略化のためリペイント版とリニューアル版は除くが、書籍とバトロンのみ登場のものは含む。フィギュア発売済み/発売予定の神姫天使型アーンヴァル、悪魔型ストラーフ、兎型ヴァッフェバニー、騎士型サイフォス、侍型紅緒、砲台型フォートブラッグ、イルカ型ヴァッフェドルフィン、寅型ティグリース、丑型ウィトゥルース、建機型グラップラップ、蝶型シュメッターリング、カブト型ランサメント、クワガタ型エスパディア、天使コマンド型ウェルクストラ、悪魔夢魔型ヴァローナ、ナース型ブライトフェザー、シスター型ハーモニーグレイス、サソリ型グラフィオス、コウモリ型ウェスペリオー、忍者型ミズキ、フェレット型パーティオ、リス型ポモック、和風箸型こひる、スプーン型メリエンダ、忍者型フブキ弐型、忍者型ミズキ弐型、剣型フランベルジュ、斧型コルセスカ、鴉型アラストール、白鳥型キュクノス、MMS NAKEDバトロンに登場した神姫:イベントに登場しボスキャラを務めた。共に正確にはMMSだが神姫とは少々異なる存在全能なる者“root”、アルテミス(バトマスに同名のアーンヴァルがいるが別物)書籍(デジコミ/武装神姫マスターズブック)に登場した神姫:大半は「武装神姫 Forget-me-not」に登場狐型レラカムイ、人馬型クーフラン、犀型ディアドラ、羊型ベルスーズ、バッカルー型レイディ3、ハツカネズミ型マイキー・イースタン、舞妓型小桜、電気型リカ バトロン PCオンラインゲーム武装神姫バトルロンドの略称。2009年7月開始、2011年10月末に惜しまれつつ全サービス終了。神姫ライドシステムは無く、事前の指示を基に神姫自身が考えて行動する。そのためか、神姫所持者はオーナーと呼称されることが多い。マスターと一体化しバトルフィールドを縦横無尽に走り飛ぶバトマスと比べ、バトロンは最初にオーナーの指示を受けてからそれを基に神姫の判断で1対1で最大10ターンの攻防を順番に繰り返すというもので、ずいぶんと趣の異なるものであった。(そのため、互いの武器の射程次第では時間いっぱい追いかけっこで終わったりもした)そのせいか、同じ神姫でもバトマスとは微妙に性格・態度の違いがあったりする。(基本的なところは同じであることが多いが)神姫周りの基本的な設定は共通するが、神姫の意識をネットに送り込む技術の存在、MMS管理機構という組織、サーバー上での神姫バトルや軍事衛星をハッキングして乗っ取った神姫がいたりとバトマスとは同一世界ではないようだ。ちなみに上述の 全能なる者“root”とアルテミスはゲームでのイベントボスで、rootは神姫の武装パーツのみを寄せ集めた姿をした軍事用MMSのプロトタイプ。アルテミスは試作型の神姫の意識のみがネットワーク上に残ったもので、「軍事衛星をハッキングした(うえに街一つをサイバーテロでダウンさせた)」のは彼女。共にネットワーク上の存在として登場。 花子 花型ジルダリアの俗称の一つ。 パパン 各神姫達をデザインを行ったデザイナーたちの総称。浸透度も高いが、あくまでネットスラング。相手が神姫オーナーだからといって通用するのが当たり前と思わないこと。ちなみにママンも居る。 バルキリースカート アルトアイネスの鎧、ノインテーターの(スカート部分の)通称。元ネタは漫画(アニメ化もされた)「武装錬金」に登場するヒロインの武器から。専用RA「シザーズ・ガリアス・ドミニオール」で見せるスカート部が展開しクローが飛び出す挙動が似ているのと、アイネスが戦乙女(バルキリー)型であるという符合も相まって、すっかり定着した感がある。バトロン時代はアルトレーネのニーベルングも同じくバルキリースカートと呼ばれていたのだが、バトマスではレーネにスカート攻撃がなくなったので、アイネスの専売特許と化している。余談ながら、元ネタの方の中の人も武装神姫に砲台型フォートブラッグ役で出演しているのだが、本作には残念ながら未登場である。アイネスにも「はらわたをぶちまけろっ!」と叫んで欲しかった。まあ神姫がぶちまける事ができるのは…。 バレットカーニバル ゼルノグラードの固有レールアクション。前作での使い勝手の悪さを必要武装的な意味では改善した。でもモーションの関係上今作でも結局は…いたいッ ハンデ戦 一人で2,3人を相手にする戦闘のこと。死角からの攻撃や立っている暇もないほどの連続攻撃など、多くのマスターが苦しめられた。木を見て森を見よの精神を忘れずに、ビットで動きを止めたり速攻で頭数を減らすことが出来れば勝機はある。特に前作からあるハンデ戦の大半はメールでアレな集団に誘い出されて数に任せてフルボッコにされるという展開なため、本作のみぎぃの原因、本作に対する愚痴の代表例である。ひとまず放置して武装ランクを上げてからお礼参りに行くのが通例である。 パンドア 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつ。ガブリーヌと蓮華のメーカー。2人のシナリオを見る限り、神姫のAIに自分のことを神様とか地獄から来たとか、さらに人間と同じ食べ物を欲しがらせたり、と妙な初期設定を入れる傾向があるようだ。 ハンドガン 拳銃、ピストルとも。片手で撃てる銃、というのが一般的な認識だが、米国などの法律では撃つ時に肩に付ける銃床という部分がない銃とされている。ちなみに日本ではハンドガンを所有できるのは50人まで、と定められている。また、所有する銃も競技以外の非使用時は警察署に保管され、自宅に持ち帰ったりはできない。 轢き逃げアタック 装備しているパーツを分解して支援機体に変形し、体当たりを行うRAの総称。中でも特に、「地上を高速走行する」RAがこう呼ばれることが多い。現状のバトマスでは、バイク型およびトライク型の独壇場といえる。 ぴぎゅうっ クリア前ヴァルハラの伊庭寛二初戦にて、プレイヤーが負けた場合に見られるイベントのセリフ。どうなるかは「みぎぃ」を参照。 ビックバイパー コナミの名作シューティング「グラディウス」シリーズに登場する宇宙戦闘機。英語の綴りはVicViperなのでビッ「ク」バイパーである。(ちなみにVicはV字編隊のことで、オプションを引き連れて飛ぶ姿を編隊に見立てている)登場作品によって細かい形状はリファインされているが、先端が2つに分かれた形状と、白と青のカラーリングは共通である。コナミそのもののイメージキャラクター的な存在でもあり、数多くのコナミゲームに登場している。バトマスにおいても、前作の頃から主人公の部屋に模型が飾られており、さらに本作ではDLCでビックバイパー型神姫まで登場している。 ビット 某宇宙世紀ロボットアニメをルーツとする架空の兵器。遠隔操作の「飛ぶ銃」を使って攻撃する。便利な反面、制約もある。神姫的にはケモテック勢のプチマスィーンズ、アーンヴァルMk.2のリリアーヌ ココレットなどが該当する。射出前後に多大な隙が生じるものの、一度出してしまえば後はビットが勝手に相手のところまで飛んでいって射撃をしてくれる便利兵器である。マスターにニュータイプだとか特殊な空間把握能力だとかが無くても問題なく使えるが、漫画ではプチマスィーンズには自律式のAIが積んであるような描写があったり、神姫には分離変形した武装で構成される独立稼働するサポートユニットというものが結構あったりするので神姫自身そういう制御は得意なのかもしれない。ゲーム中ではこれを撃っているだけでNPCを倒してしまえるほど強力だが、ライバルに使われると非常に面倒な武装。相手を拘束するのに有用。 ひらいたりとじたり 股クールの別称。 貧乳 軽量省スペースをステータスと主張する胸部武装のこと。バトマスには未登場だがホボペタンAA(ポモックのアーマー)とかホボフラットAA(パーティオのアーマー)なんていう奥ゆかしい名前の胸部装甲もある。これら肌の見えるものとは別に、いかにもな装甲板な胸部パーツもある。「貧乳はステータスだ!希少価値だ!」というセリフが有名。本作ではハウリンが似た台詞を言うが、彼女は貧乳よりも幼児体型と言う方が正しい気も フォートブラッグ アームズインポケット製神姫、砲台型フォートブラッグ。素体は未登場だが武装(アサルトライフルやバックパックなど)だけは登場。製品では素体が付属しないEXウェポンセットであるため、同梱品だけで組むと通称「オーストリッチ」と呼ばれるクリーチャーが完成する。やめてあげてよ最近リペイントが発売された。やはりアメリカのノースカロライナ州フォートブラッグから取った名前なのだろうか(デルタフォースの基地がある)。 武装神姫 1:2006年から始まったコナミの可動フィギュアシリーズ。島田フミカネをはじめとするデザイナーや漫画家を起用して有名になった。しかし2011年にバトロンが終了し、それに続いて発表されたバトコミが2012年にサービスの終了が発表され、アーンヴァルMk.2テンペスタ フルアームズパッケージとストラーフMk.2ラヴィーナ フルアームズパッケージ以降の新作の発表がない時点でエストリル、ジルリバーズ、フランベルジュ、コルセスカが本当に発売するのか危ぶまれる状況に陥っている。コナスタがツイッターでエストリルとジルリバーズは現在発売の予定はないと公表してしまった。フランベルジュ、コルセスカも同様と思われる。このまま終了への道を・・・と思いきや、2012年にTBS系でTVアニメ化が発表され、2012年10月に放送した。今後の展開がますます混迷を極めていたが、そのアニメも放送が終わり、公式ページも縮小(ツイッターのアカウントも削除された)され、2013年6月に発売したBlu-ray DVD第7巻で有終の美を飾った。今後、武装神姫の復活はもうないと思われたが、2017年12月に再起動プロジェクトが始動。コトブキヤと角川との共同による再起動プロジェクトとなる。2:神姫という製品のうち娯楽としての戦闘ゲームを行うことを想定して設計されたモデルの総称。しかしオーナー次第なので必ず神姫バトルに使用されるとは限らない。 武装神姫 Moon Angel 「武装神姫 BATTLE MASTERS Mk.2」のゲーム用に配信されているアニメ。作中劇といった位置付けと思われる。コナスタでブルーレイディスク&DVDが発売中。もちろん、コナスタではアーンヴァルMk.2とストラーフMk.2のリペイントフルアームズとのセットのコナスタ限定商品もあったりする。いろいろ組み合わせているので無駄に高額。本作に登場する神姫であるアーンヴァルMk.2のかぐや(01)とストラーフMk.2の02は、神姫を模した自立戦闘用オートマトンであり神姫ではない。本作のオリジナルとしてかぐやと02のCSCを制御ユニットとした自立式汎用人型兵器アテナ(人間と同サイズ)が出てくる。 武装紳士 武装神姫のオーナーの総称でありスレ住人はその一部に過ぎない。武装神姫のもじりから。公式SS中のオーナー名で使われていたため定着し、そちらが発祥元という説もある。女性の場合は武装淑女と指す事もある。浸透度が高いとはいえあくまでネットスラングであり、神姫スレを知っているかバトロンのオーナー以外の人間は知っているとは限らないため知っていて当たり前と思ってはいけない。 フブキ グループケーツー製神姫、忍者型フブキ。もともとはバトロンオリジナルの初期神姫だったが、何度かフィギュア化もされた。デザイナーはコナミの中の人らしく公表されていない。パッケージイラストの人は名前は出ているが、デザイナーとは書かれていない。ジャンクショップに売っても不死鳥の如く帰り道に現れる現代版呪いの人形。それを売るなんてとんでもない。 フブキ弐型 グループケーツー製神姫、忍者型フブキ弐型。デザインは島田フミカネであり、アーンヴァル/ストラーフMk.2のようなフミカネ的意匠が随所に見られ(特に腕部は共通のデザインである。)、フブキとは印象が大きく異なっている。バトマスには素体は登場していないが、その武装セットがDLC第13号で登場する。そのため、「フブキ弐型装備のフブキさん」が再現可能。 フブッホ 忍者型フブキの俗称の一つ。元ネタは漫画「武装神姫2036」から。 ふぶにー フブキ弐型のこと。 フミカネ神姫 神姫デザイナー島田フミカネがデザインした神姫を指す。アーンヴァル(Mk.2)、ストラーフ(Mk.2)、飛鳥、ムルメルティア、ジールベルン、オールベルンなど最多。 フラッシングブレード エストリル専用レールアクション。バイクで走りつつ、刃物を地面にこすり付ける行動は一昔前の海外映画の悪役と同じ行動である…。まぁ、バイク使い神姫で唯一、轢き逃げアタックではないというのは、まだ良心的とも取れるが、単に「体当たりなんかして、万一バイクが壊れたら、スピード出せなくなるっしょ」ということかもしれない。 プラントプラネット 武装神姫世界における神姫製造メーカーの一つ。ジュビジー&ジルダリアのメーカーである。 プロキシマ O.P.F製神姫、ケンタウロス型プロキシマ。DL神姫。今まで居なかったタイプのヅカ系クールビューティーで、凛とした佇まいである。名前はケンタウルス座に存在する太陽系に最も近い恒星「プロキシマ・ケンタウリ」に由来し、ラテン語で「最も近い」という意味である。また、武装の名称はケンタウルス座を構成する星々の名称などから取られている。イベントでニトロヂェリー(Nitro+と描かれたアークのヂェリカンのこと。ちなみに酒類のような効果を持つ嗜好品が入っているらしい)を呑んでいる場面があるが、これはデザイナーがニトロプラスの社員であることに対するスタッフのお遊び。 プロメテウス事件 本作で追加されたメインシナリオで扱われた事件の一般的な呼び名。事件の詳細についてはプレイしていただきたい。 フロントライン 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつ。シンボルマークはFとLを組み合わせたものを図案化している。主な神姫はアーンヴァル・ストラーフ系列とそのヴァリエーション、のみならずムルメルティアや飛鳥のような局地戦用神姫も開発している。神姫の種類が最も多いため、武装神姫世界においては最大手メーカーと思われる。フブキ弐型、ミズキ弐型はフミカネデザインだがグループケーツー製になっている(ただし、弐型の開発にはフロントラインが協力している、という設定あり)ため、それ以外のフミカネ神姫はほぼここ。実はここが出した神姫は全てリペイント版が存在している。 ブンドド 一種の業界用語で、フィギュアやプラモデル同士でバトルごっこをして遊ぶことを指す。語源は遊ぶときに思わず口に出してしまう擬音「ブーンドドド」からとされている。子供の頃であれば、誰しも一度はやってみたことがあるであろう。武装紳士達の中にも、入手した神姫でブンドドするのを楽しみにしているのが少なからずいる。それ自体は趣味の範疇であるが、いい歳をしたオトナが神姫を手に「ブーンドドド」とやっているところを理解のない人に見られると、社会的に問題が発生するので、遊ぶときは周囲によく気をつけていただきたい。 ベイビーラズ アヴァンフィジーク製神姫、エレキギター型ベイビーラズ。DL神姫。語尾は「じゃん」。ゲーム中では何というか、マスター運に恵まれていない。 ヘビーガン神 武装収集により得られる称号の一つ。取得により専用RAを入手できる。このRAは対人戦ではすぐに見切られてしまうが、NPC相手なら大活躍。ランチャーさえ装備していれば武装ランク、LOVE、神姫の種類に関係なく使えるという汎用性の高さも魅力。意識して早めに取得すれば、やり込みや育成をする際の大きな力になるだろう。…DLCランチャー「被虐の女神」を所持していたり、専用RAでの使用武器とか考えると、ガイアはこの称号を持っているのかもしれないという気がしてくる。 ヘリッシュクレイドル ジルリバーズの専用レールアクション。ただ単純に突撃して跳ね飛ばすアーク、イーダの専用レールアクションとは違い、ヒットするとそのまま相手の上でジャックナイフ状態で一回転した後、跳ね飛ばすという非常にえげつない技であり、ジルリバーズのヒールさ、ダーティさを垣間見れる技。バイク系レールアクションの中では唯一の多段ヒットするレールアクションでもある。 ベルン姉妹 剣士型MMSのオールベルン3種類、ジールベルン3種類を総称した名前。ただし、公式の呼称ではないので注意されたし。全て宝石の名前を冠しており、オールベルンはパール、ガーネット、ルナーリア、ジールベルンはオブディシアン、サファイア、アメジストがいる。ただし、パールとオブディシアンはそれぞれのシリーズの最初の機体であるため、宝石名ではなく単に「オールベルン」「ジールベルン」と呼ばれることが多い。このネーミングから、「宝石姉妹」とか「宝石戦隊」とか呼ばれることも。 砲子 砲台型フォートブラッグの俗称の一つ。 咆哮 ガイアがランチャーを使って放つ固有RAその1。実質NPC戦専用といっていい。対人戦で使うと、ACで至近即発できればまだしも、後退してから発射するためジャストガードの的、もしくはジャンプなどで回避される事にしかならない。 ポモック ケモテック製神姫、タヌキ型リス型ポモック。語尾は「ぽも」。素体は未登場だがDL武器だけは登場している(まんが肉)。ちなみに前述のタヌキ型というのは持っているアイテムがまんが肉なのとどことなくタヌキっぽく見えることによるが、もちろんこのネタを不快に思う人もいるのと、ちょっとしたゴタゴタが過去に起こったので注意が必要。BLADE氏によればまんが肉を持たせたのは無意識だとか。 ま [部分編集] マーヴァインダストリーズ 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつ。ヴェルヴィエッタとリルビエートのメーカー。シンボルマークは「M」と「V」を組み合わせて図案化したもの。開発した神姫は二種類とも妹系・・・なのだが、「俺の妹がこんなに~」だったり、ヤンデレ(ただしヤンの意味は病みではない)だったりと、三回転半ほど斜め上の方向に投げてる感が否めない。 マオチャオ ケモテック製神姫、猫型MMSマオチャオ。戦闘前会話から、多くの神姫にとって「お馬鹿で可愛いアホの子」というのが共通認識のようで「そこが魅力」と言い切る神姫もいる。立ち絵こそ漫画(2036)準拠でちんちくりんだが、戦闘中のモデルの通り本来1st素体神姫なので実は結構グラマー。 間垣神姫 神姫デザイナー間垣リョウタがデザインした神姫を指す。エウクランテやイーアネイラなど。胸はもとより、複数の武装を組み合わせ完成するサポートメカも特徴の一つ。 間垣リョウタ 神姫デザイナーのひとり。メカデザインもかなりのものだが、何よりも大きな特徴は女性キャラの胸だったり胸だったり胸だったりする。大きな特徴だけに。キャラクターデザインとしての代表作は塔ノ沢魔術研究会。間垣氏は非公式の神姫のデザインをやっていた時期があり、スペイオー、リムノレイア、TYPE Camelのデザインをブログで公開している他、グラフィオスとウェスペリオーの武装合体メカ「ゼオ」をモチーフにしたパロディキャラ「ぜお虫」も公開している。 マジックマーケット 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつ。主な神姫はエウクランテ、イーアネイラなど。シンボルマークは、社名の頭文字である「M」を2つ重ねた形を図案化したもの。特徴としては神姫デザイナーの趣味の賜物でもある別格に豊かな胸と、社名通りのセイレーン、マーメイドなど神話の幻獣をモチーフにした神姫。 マスター 1:神姫の所有者。プレイヤーを含む大抵の神姫所有者が神姫からこう呼ばれる。神姫が所有者をどう呼ぶかは所有者の好きに決められる事になっているので中には殿とかブタとかマニアックな呼ばれ方をする人も。ただ、マオチャオのイベントでは、神姫が好き勝手に呼んでいると思われるフシもある。神姫の各シナリオでの描写からすると、マスターが神姫の所有権を手放すことは(神姫側の感情はともかくとして)自由だが、神姫が勝手にマスターを変えることは禁止されているようだ。ただし、違法となるが抜け道はあるらしい。また、基本的によほどとんでもないことをしない限りは、神姫はマスターに多少なりとも好意を持つようになっているようだ。2:称号のひとつ。前作では同一カテゴリーの武装や防具を全て集めるとカテゴリーごとに獲得できた。今作でも多少表現が変わったが基本的に獲得の条件は同じ。類似称号としてマニア、神がある。入手できる確率の低い武装もあるので、獲得はけっこう大変。 股クール 神姫の股を開いたり閉じたりして気持ちを落ち着かせる高等精神安定方法のこと。決して卑猥な意味ではない。やりすぎて神姫の股関節を痛めないように。 マリーさん/マリー マリーセレスの俗称の一つ。ついさん付けしてしまうのはあまりに無邪気で逆に腹のうちが透けて見えるような素敵な笑顔の成せる業。 マリーセレス O.P.F製神姫、テンタクルス型マリーセレス。DL神姫。名前の由来は、有名なメアリー・セレスト号(クラーケンに襲われたという説があった)からというのが定説。相方がケンタウロス型であるが彼女はクラーケン型でないので注意。愛好家の間ではクトゥルーのような旧支配者に祭り上げられたりしているとかいないとか(“触手型”という名状しがたい設定、どこか混沌とした言動、デザイナーの仕事つながり等々。武装にも「ダゴン」「ハイドラ」という名詞が)3rdsmall素体の隠れ巨乳で、下腹部のデザインが実に性的で…待て、あの手は何だ。…ああ、窓に!窓に!!(この「…ああ、窓に!窓に!!」は、H.P.ラヴクラフト作のコズミックホラー小説「ダゴン」が元ネタ。作中でも非常に印象的なフレーズであり、以後連綿と続くクトゥルー神話体系作品を象徴するかのような名文である。)リペイントverである「レムリア」はピンク系のカラーに変更され、アームや武器に薔薇エンブレムもあることからモチーフとなった海洋生物よりはむしろ花を連想させる容姿となっている。またレムリアでは新装備として大型ガンブレード「メイルストロームソード」が追加されており、クロスレンジでの攻撃力が大幅に上昇している。…花のイメージではあるが、巨大な剣を掲げ、様々な火器をそのスカート内に隠し持った姿は気高く可憐な薔薇・・というよりは獲物を狙う危険な妖花。まぁ性格的にも可憐って柄じゃないようn(…鈍い音の後、沈黙が訪れた。僅かな鉄の臭いと微かな水音がする) ○○子 白子、犬子などの特に初期の神姫に多い愛称の形。もともと正式名称が長いことからアーンヴァル、ストラーフを白子、黒子と呼んだことから始まった。基本的に神姫の特徴を漢字で表し、猫子、寅子のように表すが、アーク、イーダあたりからこのパターンを使わない愛称の神姫も増えてきている。 みぎぃ ヴァルハラにおける神姫マスター伊庭寛二が、13号に行った行為を表現した台詞。前作バトマスでの最大のトラウマイベントという声も高い。具体的にどうなっているのかは謎だが、現場を目撃した神姫の証言によると真っ二つになってるという話も。文字にしたときの語感が何となく笑いを誘うためネタに使われやすいが、行為そのものは非道である。「みぎぃ」は右側にねじっていると思われ、左側なら「ひだりぃ」であろうというネタもある。マリーセレスは14号との対決時に「またあれが見られるのかと思うと」ととんでもない発言をしている。 みこーき 飛鳥の俗称の一つ。単純に巫女+飛行機である。本名より長い愛称であるが、語感からかそれなりに使われる。 ミズキ グループケーツー製神姫、フブキのブランチモデル、忍者型ミズキ。もとはバトロンの一イベントのボスキャラ。その後いろいろあってプレイヤーキャラクターとして実装され、さらにフィギュア化もされた。素体・装備とも未登場だがDLCで武器(投擲など)だけ登場。 ミズキ弐型 ミズキの強化型。その武装はフブキ弐型とは完全に別物となっており、また、型式番号も全く異なる(フブキ:GK06N1→ミズキ:GK06N1Xに対して、フブキ弐型:GK07NJ2、ミズキ弐型:GK08NJ2)ことからも、ブランチモデルとしてではなく完全なオリジナルモデルとして一新されていることが読み取れる。設定上は、フブキ&ミズキから地上戦用に進化(特化)したフブキ弐型に対し、空中戦用に進化したのがミズキ弐型という位置付けである。バトマスには素体は登場していないが、その武装セットがDLC第15号で登場する。 ミミック 後半ストーリーでMAPにてエンカウントする、神姫を模した存在。機械的な見た目通りまともな会話をする能力もないが、一部ではシナリオ追加希望もあったりなかったり。鳴き声は「ううぅぅぅぅきゃあぁぁぁぁぁっ!!」 ちなみに声を担当しているのはハウリンの中の人である。また、武装のランクや勝利時のスコアに関係なく、貰えるsptは300sptとなっている。厳密には神姫ではない為、貰えるだけマシであろう。 むっちんぷりん 女性を象徴する部位の表現を形容した呼称を題名にしている雑誌…らしい。甚平や主人公にとっては大切な物だが常に神姫たちに発見される危機にさらされている。ただ彼女らはそれが何なのかまではよくわかっていないようでもある…まぁそれ故にある神姫のシナリオのようにとんでもないことをしでかしたりすることもあるので余計恐ろしいのだが。ちなみに、胸で有名な某神姫メーカーMM社とは何の関係もない…はずである。余談ながら、神姫は現在のサイズが1/1つまり原寸大であるという縛りがあるためか、そもそもフィギュアが発祥という経緯のためなのか薄い本がなかなかない。残念で(鈍い音がした)…まぁ、薄い方はともかく、せっかくコンシューマー向けのゲームになった訳だし、アンソロ位はもっと出てきてもいいんじゃないでしょうか。 ムルチー/むる子/むるちぃ 戦車型ムルメルティアの俗称の一つ。 ムルメルティア フロントライン製神姫、戦車型ムルメルティア。前作では武装のみ登場していたが、今作ではDL神姫として参戦。今作からの追加神姫としては先陣を切って第2号で実装された。神姫よりでかいサイズのパイルバンカーと主砲を所持し、火力こそパワーと言わんばかりの脳筋攻撃偏重思想を掲げて憚らない、他のバトル脳神姫とは一線を画す困ったちゃん。デザインの元ネタはナチスドイツ兵士およびティーガーI型戦車。なお、帽子のマークはフィギュアでは変形した十字マーク(形状は社のロゴに似ているが別物)であったが、モチーフなどの問題からかバトロンでは単なる×印に変更されていた。バトマスではフロントライン社のロゴマークにされている。 や [部分編集] 柳瀬敬之 神姫デザイナーの一人。ゼルノグラードやフォートブラッグなどのアームズインポケット製神姫や武装のデザインをしている。あくまで本業はメカニックデザインなためか、キャラクターデザインは苦手な模様…。そのためか、武装のみデザインすることも多い。アルトレーネ/アイネス/エストリル/ジルリバーズの武装デザイナーもこの人。フリーになる前はフロム・ソフトウェアでデザイナーをしていた。携わった作品としてはアニメでは「交響詩篇エウレカセブン」「機動戦士ガンダム MS IGLOO」「機動戦士ガンダム00」「STAR DRIVER 輝きのタクト」「デッドマン・アンダーランド」、ゲームでは「アーマード・コア2」「スーパーロボット大戦(J・W・OG)」、「A.C.E3」「メタルギアソリッド4」「ダライアスバースト」等等。 ヤンデレ リルビエートのことを指す。ただし、「ヤン」の意味合いが一般的なヤンデレとは異なることに注意。どうしてこうなった・・・。 やんばる アーンヴァルのイベントから派生した俗称の一つで、ヤンデレからきている。ネタ会話では本格的にヤンデレ化しているが…「クルナァァァァァァァァァ!」……とかネタにしてたら、「武装神姫Moon Angel」で本当に黒化した。どういうことだってばよ? ら [部分編集] ライトアーマー 素体と必要最低限の武装セットとして発売されたシリーズ。4弾8種類が存在し、フルセットとは異なる簡易スタンドが付属していた。ちなみに第~弾のカウントは、ライトアーマー第~弾と最初からカウントし直していた。バトロンでは全員登場しており、声優も設定されているが、バトマスには未登場。現在、ライトアーマーシリーズはフルセットと統合され、シリーズとしては消滅しているが、事実上ガブ&蓮華、ラプ&アティ、ベルン姉妹あたりはこれの系譜であるといえる(実際これらは付属スタンドがライトアーマーと同じものである)。装備が最小限であり、フル装備でも素体と大きくシルエットが変わらないことが多い。バトマスでは一応他の神姫と同じぐらい装備箇所がある娘もいるが、そもそも武器の大半がDLCなどで出てきてしまっている。ちなみに、フブキ(&ミズキ)も実質的にはライトアーマー枠といえるが、販売形態が異なるので正式にはライトアーマー扱いはされない。 ライドオン ①今作および前作の設定の一つ。バーチャルシステムを利用して神姫とマスターがリンクする事。基本的には持ち運ぶには向かない程度に大掛かりな装置を必要とするもので、ゴーグルのついたヘッドギアのような装置を介して神姫と感覚をリンクさせているらしい。本作で、ライドオンしなくても神姫だけでバトル自体は出来たり、マスターのみならず神姫の精神状態によっても同調率が低下したりすることが明かされている。この手の設定にありがちな「過剰な同調によるマスターへのダメージの伝達」などはないようだが…改造次第では(精神にとはいえ)できたりするようである。②前作の主題歌。正しいタイトルは英語で「RIDE ON」。葉月とのF1決勝戦のBGMとして知られており、本作でも戦闘時のBGMとして選択できる。なお本作での出番はストーリーのクライマックスの1シーンのみ。ちなみにitunesでも購入できるらしい。 ライドオンギア ゲームセンターのような大型筐体がなくとも、擬似的に神姫バトルを行える空間を作り出す端末。略称はROG。次世代の筐体として開発中のものであり、現在はプロトタイプが少数生産されているのみである。籠手のような形状をしており、左腕に装着して使用する。「俺のターン!ドロー!!」 …まぁどちらもKONAMIなので、特に問題はない。ぶっちゃけ路上でライドオンして危険はないのか気になる。(DLCアニメではディスクを投げてバトル空間を展開していたが、内部からの砲撃が外部に飛び出ていた為、思ったより危険かもしれない。)周りからはどう見えているのか・・・気にしていたら負けである。 ライトセイバー 某米SF映画に端を発する、あまりにも有名なレーザーの刀身をもつ剣。以後日本のアニメにやたらとコピーされている。神姫においてはフロントライン製の剣、特にアーンヴァル関係の武器にこのタイプの剣が多い。なお、アルト姉妹の使う剣の刀身はレーザーではなく強化クリスタルであるので誤解なきよう。もちろんフィクション上の存在。 ライドマックス ライドレシオが100%に達した状態。神姫は赤い(正確には赤紫色)オーラを纏い、SPの消費軽減・回復量上昇となる。また、本作から導入されたEXRAはこの状態でないと発動できない。言ってみれば「みなぎってきたぁ!!」状態のこと。(一部神姫は本当に言う。) ライフル リアルでは銃身長が16インチ以上で肩に固定して撃つ銃(ショットガンを除く)。元々の古い定義は、内側に弾丸を回転させるための施条という溝が彫られている(ライフリングされている)銃身のことで、現代の銃はショットガン等一部を除き皆ライフル銃身なのだが、単にライフルといえば一般的には小銃のことを指す(ライフリング技術の登場以前の主力小銃であったマスケット銃と、それに施条を施したライフルドマスケット銃が混在していた過渡期にそれぞれを区別するための呼び方だったが、マスケット銃が廃れて後も同様の用途に用いられる銃を便宜上ライフルと呼び続けた結果、小銃=ライフルとなった、という経緯だと思われる)。フィクションというか一般認識としては「手で持って撃つ長い銃」のことで、発射されるのが弾だろうとビームだろうとレーザーだろうと大体何でもライフルと呼んでいる。バトマスではだいたいその認識に沿ってのカテゴリとなっている様子。ただしリアルでは、どんな銃をライフルと呼ぶかは、日本をはじめ各国の法律で明確に定義されている。大抵、肩に固定して撃つ銃という条件があり、フィクションのただ長いだけの銃は実際にはほとんどハンドガンである。ちなみに、ライフル砲の方は、現在はほぼ使われず、滑腔砲にその座を譲っている。 ラヴィ 悪魔型ストラーフMk.2ラヴィーナの略称。(゚∀゚)ラヴィ!! ちなみにラヴィ-ナは露語で雪崩のことだとか。 ラズ ベイビーラズの略称。 らぷちー 鷲型ラプティアスの俗称の一つ。 ラプティアス アキュートダイナミックス製神姫、鷲型ラプティアス。DL神姫。イーダ、紗羅檀とお嬢様系の神姫は他にもいるが彼女らとは違い相手を不快にさせるような言動がないお姉さま。妹分のアーティルより胸が小さいことが良くネタにされるが、あれはあーちるがロリ巨乳なだけで、彼女も十分魅力的な美乳の持ち主である。(そういう意味ではイー姉と比較されるエウエウと似た立場か)鷲型なのに純正武装に空中ダッシュがない… ランチャー 基本的に発射装置を意味しミサイルやロケットの発射台である。神姫の使うランチャーはレーザーなども発射している。神姫では旧アーンヴァルのLC3レーザーライフル(通称「白子砲」)や、アークのシルバーストーンあたり。 乱舞系RA 連続して殴りつけたり斬りつけたりするRAの総称。ちなみに格闘ゲームで連続して殴りつける技のことを乱舞技と呼ぶのは、「龍虎の拳」の必殺技「龍虎乱舞」が元ネタ。本作ではマオチャオのスーパーねこ乱舞がそのものずばりのネーミング。他にもハウリンのドックサーカス、ラプティアスのスーパーダブルナックルあたりが乱舞系か。 リアルコナスタ 東京・六本木にあるコナミスタイル直販店のこと。 リフタングル=ビショット 前作からあるDL装備で、ビット兼用のリアパーツ。デザインは柳瀬敬之氏。武器として使うと背部の4つのビットが相手に向かって飛んでいき、直撃すると爆発を起こす。つまりミサイル。バトロンのスキルではビットらしい動きをしていたのに残念である。 リペイント 既に発売されている神姫のいわゆる色変え版の事。大抵は元の神姫が発売されてしばらくしてから発売される。元々は電撃などの誌上通販限定などだったが最近ではコナミスタイルでも取り扱う事が多い。時間が経つにつれて追加表情パーツ、追加髪型、追加胸、追加武装と増えていき、最近ではむしろ仕様変更版のような状態になっていることが多い。(実際、初期は○○リペイント、という名称だったのが、飛鳥・夜戦仕様 ムルメルティア・砂漠戦仕様を皮切りに、「元の名称」+「追加名称」のネーミングパターンが増えている)設定上調整が行われていることが多く、元の神姫とは性格が微妙に違うことも。現状リペイント神姫の数はFrontLine社が圧倒的(全神姫にリぺ版有り)。また、オンライン限定・バトコミ限定でフィギュア化のされていないリぺイント神姫も存在する。 リルビエート マーヴァインダストリーズ製神姫、ビックバイパー型リルビエート。DL神姫。ビッ「グ」ではなくビッ「ク」。赤くて名前がLBなのにロードブリティッシュ型ではないらしい。ビックバイパーとしては恐らく初の、F-22のような変形デルタ翼をもつ。典型的な妹・・・が欲しい方は、リルビエートのシナリオをDLするのは止めた方が良いかもしれない。 レーネ 戦乙女型アルトレーネの略称。 レー姉 「れーねぇ」。アルトレーネのことで、特にアルトアイネスとの関係で使われることが多い。 レールアクション SPを消費して発動させる特殊動作。RAと省略して記載するが、たまにLAとなっているのはご愛嬌。 レールガン ライトガンカテゴリーのライフル。旧アーンヴァルの武装「RG8レールガン」等。リアルでは物体を電磁誘導で撃ち出す装置(兵器に限らない)で原理は古くから知られており、実際に製作もされている。SF作品でもよく兵器として登場しているが、原理を理解しやすいコイルガンという装置と混同されがちである。それどころか、アニメ等で登場する際は、わかりやすさ優先のためか光線を発射していたりして、総突っ込みを受けていることも。 蓮華 パンドア製神姫、九尾の狐型蓮華。DL神姫。尻尾のギミックは多彩。語尾は「~ぞよ」もしくは「~じゃ」。そこ、何を言っているかわからないとか言わない。神の使いを自称しているという設定だが、本人は神そのものを自称する。武装のほぼすべてが最大の特徴でもある尻尾部分に集中しているのが特徴。 ロードファイター アーク専用レールアクション。轢逃げアタックとも言われる。突進系RAは「装備してる武器の最高ATK数値」が反映されるため、知らずに威力がしょぼいといわれたりする。なお、必要装備の都合上ピットブルでは使用不可だが狙撃スターでは使用可能。何か釈然としない。 ロードブリティッシュ コナミのシューティングゲーム「沙羅曼蛇」等に登場する宇宙戦闘機。2P側の機体で、1P側の白地に青のビックバイパーに対して白地に赤の機体色を持つ。このため、リルビエートは名前も相俟って(リルビエート=LB=LoadBritish)ロードブリティッシュ型ではないのかと言われている。しかしロードブリティッシュは機首が二股になっていないなど(機体正面からの印象はむしろ「ダライアス」のシルバーホークに似る)ビックバイパーとはそもそも別の機体であり形状も大きく異なるっているため、リルビエートはやはりビックバイパー型だという説も根強い。どっちかはっきりして「文句あるんか、あ゛あ゛ん?」イエナンデモアリマセン わ [部分編集] 和風神姫 古き良き日本の心を醸し出す神姫の通称。どうしてもメカチックなデザインが圧倒的に多い神姫の中で、いやがおうにも目を引く存在である。紅緒、飛鳥、フブキ(&ミズキ)、こひる、といった辺りが和風神姫として挙げられることが多い。そのうちでバトマスではフブキと飛鳥が実装されている。なお蓮華は、モチーフの九尾の狐(元は中国系妖怪)のイメージが強いためか、はたまた和風とか色々霞んでしまうほどの強烈な個性のためなのかあまり和風としては数えられない模様。 A [部分編集] AC アタックチェイン(Atack Chain)の略記。ウサギやライオンが跳ね回るCMとは一切関係無い。 AIP 製造メーカー、アームズインポケット(Arms In Pocket)の略記。 B [部分編集] BLADE 神姫デザイナーの一人。ハウリンおよびマオチャオなどのケモテック神姫をデザインしたり、漫画「武装神姫2036」を描いている人。言わずと知れた、大のケモっ子好き(雌雄問わず)。独特の意匠が多い反面、その構造上組み替えに使い辛く、ケモテック系は単体のフィギュアとして愛でられていることが多い。ちなみに、神姫イラストをすこし人間寄りに(関節等)描く人である。肉球付きの手になる武装腕が多いが、本人は無意識でやっているそうだ。 C [部分編集] CHIKARA ガイアがランチャーで放つ固有RAその2。巨大な光弾を発射する。弾速は遅いが誘導性能が非常に高い。ヘビーガン神と神姫オールコレクターの称号を取ると入手できる。CPU戦では適当に撃つだけで障害物も通り抜けガンガンヒットするため、大活躍。一見回避困難で非常に強力なRAに思えるが、実は引き付けてターンするだけで簡単に回避可能。発射前の隙も非常に大きい。見慣れてしまえば対処は簡単。対人戦では弱点ばかりが目立つ為、適当に打つのはやめたほうが良い。 CHOCO 神姫デザイナーの一人で、本名は麦谷興一。同じく神姫デザイナーのBLADE氏とは同期。アークおよびイーダのオーメストラーダ製、ベイビーラズや紗羅檀のアヴァンフィジーク製神姫をデザインしている人。主に携わった作品としては「イグナクロス零号駅(漫画連載)」、ゲーム「旋光の輪舞」、「CHAOS;HEAD」、ゲーム「ゼノサーガ」シリーズ等。 CHOCO神姫 オーメストラーダとアヴァンフィジークの神姫達のこと。デザイン完成度が高く非常に美しい。ただ隙のないデザイン故に各パーツが排他的で、他社製品のパーツと組み合わせて調和を得るのが難しいことでも知られている。また、フィギュアでは素材やギミックに新しい試みが組み込まれている(アーク&イーダのゴムタイヤ 金属スプリングを用いたサスペンションユニットや、紗羅檀&ベイビーラズのLEDとボタン電池を用いた発光機能など)事も特徴のひとつだが、比例してお値段もランクアップしている。 CSC コア・セットアップ・チップ(Core Setup Chip)。複数種類があり、神姫の胸に3個組み込むことで神姫の個性を生み出す。これを外すことはその個性が失われて神姫がリセットされてしまうことを意味する。OPのアニメに一瞬登場する他、ハウリンイベントのキーアイテムにもなっているが、種類がどうこうという設定は用いられていない。ちなみによく勘違いされがちだが、球型ではなく細長いピン状の形状。(小さいがゲームアバンの一枚絵や公式HPの「ABOUT BUSOU SHINKI」で確認できる) 前作のUMDディスクの盤面のイラストはCSCだった。 D [部分編集] DL ダウンロードの略記。主にDLCのことを指すことが多い。 DL神姫 ダウンロードコンテンツにて配信されている神姫達を指す。前作から継続8体、今作で追加された神姫が8体、計16体が判明している。素体(600円)、武器セット(1000円)、シナリオ(500円)とばら売りされているが、専用RAのためには武器セットが必要であり、バトル前後の会話のためにはシナリオが必要である。 DLC ダウンロードコンテンツの略記。後付け追加要素で、本作では追加装備、追加神姫(DL神姫)、ムービー「武装神姫Moon Angel」、追加BGMがある。前作で購入済みのものについては、本作では無料という扱いとなる(自動的に購入済みになっているわけではなく、改めてダウンロードする必要があることに注意) E [部分編集] EXウェポンセット 素体(神姫の胴体)を含まない武装セットとして発売されたシリーズ。今作ではツガルが該当し、単色素体を追加したものがゼルノグラードになる。TIPSのイラストで両者の体が単色なのはこのためで、ゲーム内のデザインはバトロン参戦時オンラインオリジナルとしてデザインされたもの…なのだが、ぜるのんのはそれとも違う本作オリジナルカラー。 EXRA 「一刀両断・白EX」等、後ろにEXと表記された神姫固有レールアクション。今作で追加された要素でいわゆる超必殺技。各神姫のLOVE30の最終イベントクリアで取得し、虹色のエフェクトと共に神姫が固有アクションで攻撃を行う。……のだが、指定されたランク6~7の神姫純正武装を装備する必要があり、武器種(武器が必須ではないものもあるが)・アビリティ・ステータス、それに伴って戦術にまで制約を課されるうえ、ライドマックス状態でしか使用できない(このため開幕ぶっぱRA戦術が使えないどころか、それ以前にライドマックスまで持って行く必要がある)割に、CPU戦ならともかく対人ともなればクリーンヒットするほうが珍しいので無理して使うほどのものとは到底言えない。だが、やはり専用アクションでビシッと決めるというのは漢の浪漫である。ライドマックス状態限定という点以外に運用について他のRAと変わるところはない。 F [部分編集] FL 神姫製造メーカー、フロントライン(Front Lineの略記。 M [部分編集] MATATABIジェル マオチャオの好物、猫にマタタビのあれで、マオチャオはこれを摂取すると酒に酔ったようになる。酔ってそのまま寝てしまったりして、イマイチ何のために存在するのかハッキリしない。主人公はマオチャオを黙らせる時にノドを撫でて撃沈させるか、コレを上手いこと飲ませて眠らせていると想像してみる。因みにジェルではなく、ヂェルではないかともいわれるがゲーム中の表記はジェル。 Mk.1 マーク1。基本的には、下記Mk.2以降が登場して初めて呼ばれることが多い。そりゃそうで、次世代が登場して初めて、改めて第一世代と呼ばれることになるのであるから。神姫界隈では、初代アーンヴァルと初代ストラーフが、Mk.2が登場したことで必然的にMk.1となるのだが、現在は旧白子、旧黒子で事足りるので、あまり呼ばれる事は無い。 Mk.2 マーク2。ロボット系の作品でよく使われる言葉。武装神姫でMk.2といえば以下がある。1:武装神姫バトルマスターズMk.22:アーンヴァルMk.23:ストラーフMk.2なお、いずれも正しい表記は「Mは大文字」「Mkと2の間に.(Markを略記していることを意味する記号)が入る」である。ロボットアニメやゲームでは後継や次世代を指す言葉として使われる事が多いが、本来は「第〇世代目の変種」という意味の言葉であり、「新しい物」や「次の物」を指す言葉ではない。 MM 神姫製造メーカー、マジックマーケットの略記。 MMS Multi Movable System の略記。神姫に用いられているロボットの開発技術、およびその技術を用いたロボットの総称である。そのため、神姫でないMMSも存在はする。リアルにおいては神姫に使用されてるアクションフィギュア規格の名称であり、神姫と呼ぶにはこれを使用し、かつ1/1サイズであることが数少ない縛り。mmsを利用したキャラクターフィギュアは1/12スケールだが、神姫はあくまでも1/1スケールである。 MMS NAKED えむえむえす・ねいきっど。コナスタで発売されている、素体のみ(ダミー頭部が付いてくる)のMMSフィギュア。肌の色が異なる数種類が発売されている。 N [部分編集] Niθ 神姫デザイナーの一人。「にしー」と読む。マリーセレスやプロキシマのO.P.F製神姫を手がけている。カッコ可愛い美人画から恐ろしくもスタイリッシュなクリーチャーまで幅広いデザインをこなし、特に女性キャラのお尻描写は「Niθケツ」と呼ばれ定評がある。が、パパンではなくママン。キャラクターデザインの絶対性にこだわらないタイプの絵師なためか、神姫のパッケイラストは絵ごとに顔が違っていたり怖かったり。マリーセレスとプロキシマのリペイント版パッケはほぼ別人の様相。主に携わった作品としては「斬魔大聖デモンベイン」「機神飛翔デモンベイン」「マブラヴ」「マブラヴ オルタネイティヴ」「ブラスレイター」「百花繚乱 SAMULAI GURLS]等。 O [部分編集] O.P.F. 神姫製造メーカー、Ovest Pozzo Fabbricaの略記。読みは「オヴァスト・ポッゾ・ファブリカ」。イタリア語であり、強引に意訳すると「西(=Niθ)製作所」というところか。 P [部分編集] PDW Personal Defence Weaponの略。日本語に訳すと、「個人防衛火器」。近代戦において、いわゆる非戦場(市街などを指す)の戦闘においては、取り回し易くなおかつそれなりの威力を持つ武器が求められ、それに応じて開発されたジャンルの兵器を指す。つまり、小銃よりも携帯性に優れ、短機関銃のようにとっさに片手で取り回せ、なおかつある程度の距離があっても相手のボディアーマーを貫ける威力を持つ銃。ただし、「それなりの威力」のために専用弾が必要となること、そして活躍の場がどちらかといえば戦場では無く後方であること(名前の通り、相手を攻撃するためというよりは、個人が自衛するための武器である)がネックとなり、軍隊ではあまり普及していなかったりする。神姫においては、アーンヴァルMk.2のアルヴォPDW11やウェルクストラのアルヴォPDW11(名称は同じだが別の武器。詳細はアーンヴァルの記事にて)が採用されている。本来のPDWの定義からすると、ウェルクストラのPDW11がより近いといえる。 R [部分編集] RA レールアクション(Rail Action)の略記。 ROG ライドオンギアの略記。作中では「通称」とされているので「ログ」と読むのだろうか。 RR ライドレシオ(Ride Ratio)の略記。神姫との同調を表す指標で、バトル開始時は0%。100%になると、神姫が赤いオーラをまとう「ライドマックス」状態になる。 W [部分編集] Wライフル ライフルを二丁装備する事の俗称。適度に切り替えて撃ち分けることで弾切れ知らずになるし、ライフルからライフルにACする事で最大3連射できるため、割と良く用いられる戦法。高速で飛んでくるライフル弾が、ハンドガンの如く飛んでくる様はなかなか怖い。 数字 [部分編集] 1st素体 MMS 1stとも。MMS素体の第一世代を意味しており、バトマス登場神姫では、ハウリン、マオチャオ、アーク、イーダ、ゼルノグラード、フブキ、エウクランテ、イーアネイラ、ツガル、ムルメルティア、飛鳥、ジルダリア、ジュビジーが1st素体を使用している。フィギュアでは素体と武装との接続位置や一部の軸の太さが異なるため、後述の3rd素体の武装の一部が換装出来ないが、ゲーム上ではそんなことは無いので気にしないで良い。ひとくくりに1st素体と呼ばれるが、弾によって細かいマイナーチェンジが行なわれている。 2nd素体 MMS 2ndとも。MMS素体の第二世代だが、武装神姫以外のキャラクターフィギュアに採用された素体であり、神姫用には改めて3rd素体が開発されたため、2nd素体は神姫とはほとんど関係ない。 3rd素体 MMS 3rdとも。MMS素体の第三世代にして現在の最新世代を意味する。背の高いtall素体と小さなsmall素体がある。バトマス登場神姫では、tall素体がアーンヴァルMk.2、ストラーフMk.2、アルトレーネ、紗羅檀、ラプティアス、プロキシマ、ヴェルヴィエッタ、オールベルン、ジールベルン。small素体がアルトアイネス、ベイビーラズ、ガブリーヌ、蓮華、アーティル、マリーセレス、リルビエートである。(エストリルとジルリバーズはフィギュア未発売のため不明)前述の通り、フィギュアでは1st素体の武装との互換性に一部問題があるが、ゲーム上は関係ない。