約 514,096 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/650.html
第漆幕 「READY STEADY GO」 華墨のここ二戦における敗因・・・それは俺のマスターとしての至らなさと、華墨自身の「猪突猛進なゴリ押し」スタイルにある 華墨は実戦経験がまだまだ足りない・・・にも関わらず、その身体能力でもって勝ちを続けてしまった事が、自身の弱点を見えにくくし、ひいては慢心さえ生んでいた 弱点を改良していき、より良い戦術を開発しなければ、勝利し続ける事は出来ない 例えば、俺はあの「シルヴィア」について殆ど何も知らないが、公式武装主義者が勝ち続けるには、多分ゴリ押しだけじゃ駄目なのだろうという事くらいは判る 別に俺は公式武装主義者になろうとしている訳ではない が、目下の所その「公式武装」もまともに扱えているのかどうか怪しい華墨に、山の様なカスタムパーツを託すというのは・・・かなり無理がある気がしてもいた 取敢えずは、今迄の華墨の戦闘データを見てみて、どういう戦術が良くて、どういうのが不味いのか、何が得意で何が不得手なのかを検証してみる事。今はそれが第一だろう (とは言ってもな・・・) 自慢じゃないが俺は戦術だとか戦略だとか、頭が要りそうな事はほとほと苦手だった (ええい、だからってやらない訳にはいかないだろう!華墨はこういうの、もっとやらない「たち」なんだから) それもまた、「二人で闘う」ことの一つの有り方だろう (まず注目すべきなのは華墨の「ゆらぎ」の賜物、この超抜の運動能力だろうな) 今迄華墨は、「ストラーフ(ニビルではない)」「マオチャオ」「ハウリン」「ジルダリア(?)」「サイフォス」と闘った事があるが、その運動能力・・・というか脚力は、ほぼ「ストラーフ」のパワードスーツと大差無いレベルに見えた その脚力が叩き出す瞬間速度は、全身に鎧を纏っていてもマオチャオやハウリンのそれを越える かなりの練習が必要だと思うが、半端な高度を飛んでいる相手になら補助装備無しで空中戦を挑む事すら可能だろう ただし、回避が下手糞というか、速度に頼って見え透いた突込みをし過ぎる所から、多分同じ相手とやると相当な高確率で敗れるだろうし、明らかにこういうタイプに強いであろう「エルギール」に勝利する事は不可能だろう (多分もうちょっと跳躍とダッシュを織り交ぜたトリッキーな動きをした方が良いんだろうなぁ・・・) 例えば、初めてヌルと闘った時に見せたあの壁蹴りの様な・・・だ 武器は今の所、「紅緒」に付属していた標準装備は一応全て使ってみたが、太刀が合っているだろう どのみち、運動能力を全面に押し出した戦いをするなら大き過ぎる武器は邪魔になる可能性が高い かといって、ナイフコンバットさせるには、密着戦のセンスが未知数だ。そもそも「紅緒」は、比較的大型の白兵武器を振り回すタイプなのだから、剣を手放させてもあまり良い事は無いように思える だが、太刀を主力に闘う限り、あの「エルギール」の「魔女の剣」は重大な壁になるだろう・・・あの剣は、太刀より遥かに間合いが広く、加えて長い武器を絡め取るのに向いている・・・ (もう少し強力な飛び道具があればアウトレンジから一方的に攻撃出来るんだがな・・・装甲が薄いから白兵戦相手じゃ強そうだが弾幕には弱そうだ) 結局華墨にとって最も攻略しなければならない第一の難敵があの魔女、エルギールである事は明白だった 「うぅ~むむむむむ・・・」 俺は頭を抱えて部屋でごろごろ転がるのだった 「・・・暇だな」 私はベランダで頬杖をつき、甲羅干ししている「ヴェートーベン君」をつついていた マスターが色々考え始めたのは良いが、どうもそういう作業に慣れて居ないのか、知恵熱が出る寸前の様だった かといって私は私で、普段は一人で色々考え込む癖に、いざ戦闘の事になると、何も考えずに突っ込んでしまえば良いと思っている(実際今でもそうだが)ものだから、結局マスターが考える事になってしまった様だ 少しずつ等身大の自分が見えて来たが、どうも私は、自己存在についてあれこれ悩む事と、何も考えずに体を動かす事が好きな様だ 「・・・また一人でバトルスペースに行こうかな・・・」 呟きつつ振り返る。そこでばっちりボナパルト君と目が合ってしまった 「・・・」 なんかまた激しく片目をぐるぐる動かしつつ片目はしっかり私を見ている・・・だから体の隅の方だけ色変えんな!気色悪い 「えぇいっ!相変らずでかい面してっ!言って置くが私はお前に負けた訳ではないのだからな!其処の所はっきり・・・うをっ!!」 またしても私の顔の横を凄まじい速度で通り過ぎるボナパルト君の舌・・・おのれ、爬虫類め・・・馬鹿にしくさって! その時、部屋のインターフォンが鳴る。同時に、これまた凄まじい勢いで駆け出すマスター 「はいはいっ!はいはいっ!!待ってましたっっ!!」 宅配されて来たものは・・・なんとも大掛かりな機械だった。結構な額を支払っているマスター 「へへっ・・・ようやく来たぜ」 「マスター、それは一体何だ?」 ごそごそと説明書を取り出してパソコンと繋ぎ始めるマスター 「所謂トレーニングマシンってやつさ。二個前の機種だから結構安く買い叩けたぜ・・・おっけい!多分コレで動く筈」 『ふいいいいぃぃぃ』とか間の抜けた唸りを上げながら起動するトレーニングマシン。無骨なアクセスポッドが大袈裟な蒸気を上げて開く・・・なんか微妙に入りたくねー 「さぁ華墨?カモ~ン」 渋々・・・という顔だけしてポッドインする。入ってみれば槙縞玩具店のアクセスポッドと大差無いな 『実際のリーグで使われてるのと殆ど同じステージが幾つか入ってるっぽいな・・・取敢えずこの「ゴーストタウン」とかいってみるか』 画面を切り替える度に『ぶひいいいん』とか一々音がする仕様を何とかして欲しい 切り替わった世界、出現するダミー神姫 「ふっ!」 機械に対する不満は幾つかあったが、こうやってバトルが出来る事自体には不満は無い・・・むしろ望む所だ 『んじゃぁ俺ちょっと出てくるから、その間に「慣らし」やっといてくれ』 「応!」とだけ応えて、私は手近のダミー神姫との殺陣に没頭し始めた 俺が帰って来た時、華墨は新しい相手と闘い始めた所の様だった。それを邪魔しない程度に、「買って来たモノ」をサイドボードに放り込む 新しい相手は「アーンヴァル」か・・・華墨が今迄闘った事がなく、そしてもし「エルギール」を下したら、その後最も大きな課題になるであろう神姫だ 上空から距離を保ったまま強烈な砲撃を繰り返すアーンヴァルに、華墨は大いに攻めあぐねている様だった 丁度良い 「華墨!今からサイドボードを送るから、巧い事ソイツでなんとかしてみろ。いくぜ!?」 さぁ行け、モデルPHCハンドガン「ヴズルイフ」!!華墨の可能性を俺に示せェェ!! たかだかボタンを一個押すだけに無駄に気合いを込めて、華墨の左手に大型リボルバーを転送する しっかり握り締める華墨、そして 『おおおおおおおおおおおおおおォォォオ!!』 ハンドガンを握り締め、傾いたビルの壁面を駆け上がる華墨。そうだ、それだ!お前にもし魂があるなら・・・ 跳躍する華墨。無論、実際に「飛んで」いるアーンヴァルに、翼無き身では届く筈も無い だが今の華墨には俺が与えたもう一つの剣がある・・・!やってみろ、華墨・・・お前の力を 「お前の力を見せてみろおおおおおぉぉぉォォ!!」 天使は、堕ちながらバーチャルの空気に溶けて消えて行った・・・ 神姫が人と同じ心を持ち、その身に燃える魂が有るならば・・・華墨のその魂の名は「闘志」に他ならないだろう 多分華墨は、良くも悪くも「武装神姫」を体現しているのだ プログラムされたものでありながら、ひとのそれと実質は変わり無い感情。機械の体に、熱い魂。 多分俺が抱え、悩んだあの葛藤すらも含めて、神姫は神姫足り得、華墨を「俺の神姫」として扱うならば、その全てを飲み込んでやらなきゃならない・・・ 人でもあり、機械でもある。玩具であり、パートナーでもある その、一見背反するもの全てがブレずに、ひとつの形として存在しているのが 「武装神姫」・・・人工の戦女神達なのだ 非常に軽いブレーキ音が槙縞玩具店の表に響く 待ち兼ねていた様に、皆川彰人は店の前に立っていた 「おかえりなさい西さん。大会はいかがでした?」 エレカのドアから電気盲導犬。それに引かれて女性が一人 「ええ・・・なかなか良かったようです。この子もかなりの刺激を受けたようですし・・・」 その女性の後から 堂々とした仕草で蒼い鎧姿がゆっくりと降りて来る 「有り難い・・・助かりました、奥様」 「もう、奥様はよしてと言っているでしょう?」 身長15センチの筈が、圧倒的に大きく見える威厳を備えた「サイフォス」 狗の頭部の様にカスタムした兜を脇に抱え、濃紺のマントを羽織った金髪の神姫・・・ 「おかえり・・・『クイントス』・・・」 それが槙縞ランキングの女王「クイントス」帰還の際のやり取りだった 剣は紅い花の誇り 前へ 次へ
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/881.html
ヴァッフェドルフィンにジュゴンはどうかな? -- (名無しさん) 2010-12-18 09 30 23 オスしかいないポケモンは論外じゃないか -- (名無しさん) 2011-10-21 02 08 43 草案 フーディン:メリエンダ(スプーン型) 無理やりだが キュウコン:蓮華(九尾の狐型) レパルダス:アーティル(ヤマネコ型) ジュカイン:オールベルン(剣士型) エアームドorトゲキッス:ヴェルヴィエッタ(ビックバイパー型) -- (ユリス) 2016-03-04 22 30 18 草案 主題歌 OPテーマ ガラガラ:孤高のカタルシス EDテーマ ラブカス:か弱き十字架の愛 -- (ユリス) 2021-07-17 16 59 27
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/662.html
春の足跡も聞こえてきそうな二月の下旬 暖冬だ? つってもまだまだ寒いんだよ! と、いうわけで冬に向かって逆ギレしながらベッドの中でぬくぬくと惰眠を貪る事にしていた俺なのだが… いきなり俺の部屋に入ってきた香憐ねぇに毛布までひっぺがされたかと思うと「兼房様がお呼びです」の一言と共に香憐ねぇの愛車で朝の国道を突っ走り、腕をつかまれて引きずられるがままに鳳条院グループ本社ビルまで拉致られていた 社員用とは別の特殊エレベーターまで俺を押し込むと最上階である四十階のボタンを押す香憐ねぇ まだ少し寝ぼけていた俺の頭もゆっくり覚醒し始め、ある疑問に行き着いた 「なぁ、香憐ねぇ…最上階は社長室だろ?」 「はい、そうですが」 「いや、俺を呼び出したのは御袋じゃなくてジジイなんじゃなかったか?」 普段社長室にいるのはジジイじゃない ジジイはグループの総帥であり、社長は別にいる では誰が鳳条院グループの社長なのか 今の会話からもわかるかもしえないが………俺の母親だ つまり社長室は俺の母親のオフィスとなっているはずなのだ 「伊織さん…いえ、社長はただ今会議中です。ですから兼房様は社長室をお使いになるのだろうと…」 最上階に到着 社長室の扉を開け、俺を中に入るよう促しながら香憐ねぇは先ほどの言葉を続ける 「ここ、鳳条院グループ本社においても博士の研究フロアと会議室と社長室の三つは最重要箇所です。他とは別格のセキュリティーですからね…」 …つまり俺を呼び出したのは結構重大な話があるって事なのだろうな 「んで、肝心の爺さんがいないんだが…」 「そう…ですね…」 香憐ねぇも困惑気味である 社長室は見事なまでにもぬけの殻と化していた 「わしならここにおるぞ?」 部屋を見渡していた俺たちに聞こえたジジイの声 しかし今だ姿は見えない 「ふぉふぉふぉ、ここじゃよ。ここ」 と聞こえた瞬間、部屋の奥にある社長椅子がぐるりと回る しかしそこにも爺さんの姿はない だがその椅子には景色が揺れるような違和感があった 「もしかして………ステルスか?」 「正解じゃ♪」 まるで椅子の上に転送されたかのように爺さんが現れる SFじゃないんだからよ…… 「どうじゃ? わが社の新技術、『ミラージュコロイド』じゃ!」 ついにボケたかこのジジイ… 「……なにが新技術だ。思いっきりパクッてんじゃねぇか…」 「心配するな。ちゃんとあちらさんには許可を取っとる。それに斗小野グループの國崎技研との共同開発品じゃ」 ほぅ、斗小野グループ…國崎技研…… 斗小野グループといえば昔、俺がまだ本家にいるときに無理やり出された社交界かなんかで斗小野会長に挨拶したことがあったな たしか俺より少し年上の孫娘を連れて来てたっけ… それに國崎技研… ファーストランカーの國崎 観奈ちゃんには俺も面識がある 彼女のお父さんの会社だ 「バーチャルとは違う。つまりはリアルリーグでも使えるというのが売りじゃ!」 「………そんで? それを自慢したかっただけなんて言うなよ。もしもそうなら実の祖父といえど、すぐさま葬式屋のお客にしてやるぜ?」 「心配するな。わしが棺桶に入るのはお前がこの会社を継いだ後じゃからな。ふぉふぉふぉ!」 口の減らないクソジジイが…… 俺が本気で仏様にしてやろうかと思っていると可憐ねぇがため息混じりに俺達の仲裁に入った 「兼房様…そろそろ本題に入られては…」 「香憐ちゃん、続きは私が話すわ。呼び出したのはお父さんだけど用事があったのは私だからね…」 そう言ったのはいつの間にか俺と香憐ねぇの後ろにいた… 「社長」 ここのトップである俺の母親、鳳条院 伊織 その人であった 「久しぶりね、明人……」 俺の母親だ、実際の年齢はソコソコになるんだろうが…どう見たって香憐ねぇより年下に見える 下手すりゃ葉月より少し上程度…我が母は若々しいの度を越えて…子供っぽかった (何故かマイスターを連想するのは俺だけか?) (いえ、社長には申し訳ないですが…私もです明人様…) 「もぅ明人! 聞いてるの?」 「ああ…っても、葉月の誕生日のときに顔出しただろう?」 「だってだって! あの時は私に挨拶もしてくれなかったじゃない!」 ぷんぷんという擬音が恐ろしいほど似合うような頬の膨らまし方をする御袋… ヤメテクレ…マジデハズイデス… 小学校のときの参観日の記憶がフラッシュバックする 「だったらそっちから挨拶でも何でもしてくりゃいいじゃねぇか…」 …なんだか頭が痛くなってきて俺は左手を額に当てた 「それは……はづちゃんの邪魔しちゃ…悪いじゃない…」 今度は小さな声でブツブツと何かを言いながら拗ねだした アンタホントに俺の親ですか? 「社長、お話がそれていますよ…」 またしても新たな声 その声の主には俺も香憐ねぇも予想はついていた そりゃそうだ、御袋とこの人はワンセットだからな… 「桜さん」 「お母さん」 「お久しぶりです若様。香憐も…」 香憐ねぇのお母さん、水無月 桜さんである 御袋よりも歳を取って見えるものの、それでも十分に若く見える(御袋が幼すぎるんだ…) 着ているレディーススーツも香憐ねぇの母親なだけあってバッチリ似合っている(ちなみに香憐ねぇもレディーススーツだがパンツスタイル、桜さんはスカートスタイルだ) 香憐ねぇの実家である水無月家は昔からウチの家、鳳条院家に仕えてくれている 香憐ねぇのお父さんも爺さんの専属執事として働いてくれているんだわ まぁ昔といっても爺さんが事業に成功してからなのだが…それでも両家の関係は深い 俺と香憐ねぇも姉弟のような関係だが… 「あ、いつの間に…ごめぇ~ん。ありがとね、桜」 「はぁ…いつものことですから」 この二人の関係も主人と従者と言うより無二の親友という風に見える そりゃそうだ 生まれたときからの幼馴染で小中高、さらには大学まで一緒というほどの年月を共にしているんだからな この母親の性格でこのどデカイ会社のトップを切り盛りできているのは有能な秘書である桜さんのサポートあってこそなのだろうとしみじみ思うぞ… ホントお世話になってます…桜さん… 「オホン! それでは本題に入ります…」 いまさら社長っぽく締めようとしてもムダな気がするぞ御袋 「明人、この時期になって貴方を呼んだことに思い当たる節はない?」 いきなりの質問である そう言われてもこちとら朝っぱらから香憐ねぇに拉致られてクタクタな訳だ いきなりそんな漠然とした質問されても答えがすぐに出るわけがない 「なんだよ藪から棒に…わかるわけねぇだろ…」 ぶっちゃけ俺、ただ今不機嫌 それにより口調がいつもより二割り増しで厳つい… 「う~ん…それじゃぁヒント。武装神姫関係」 「…………『武装神姫お花見ツアー』の企画会議?」 やる気なさげに思いついたことを言ってみる 言っておいてなんだがここは技術会社…そんな旅行ツアー計画あるわけないよな… 「…………あなたホントにファーストランカー? ってかホントに我が愛しの息子で鳳条院の次期跡取り?」 がっくりと肩を落とす御袋 「ずいぶんな言い草だなオイ…それにその二つは関係ないだろうが」 だいたい俺は継ぐ気なんかねぇし…… 「あるわよぉう;知ってるでしょ? 鳳凰カップ!」 痺れを切らして答えを述べる御袋 最初からそうしろよ…… ん? 鳳凰………どっかで聞いたような……… 「…………………………あぁ、アレね」 「そう、アレよアレ………」 《鳳凰カップ》 2035年から始まった鳳条院グループ主催の武装神姫バトルカップだ 会場は鳳条院グループ本社ビルから近いイベント広場 春と秋の年二回開催されていてそれぞれ〈春の陣〉と〈冬の陣〉と呼ばれている 会議中、発案者であるジジイがグループ役員に『何でこの時期なんですか?』との質問に対して… 『夏コミと冬コミに被らないからじゃ!!!』 …と、高々と宣言して全員を納得させたエピソードは社内や身内でも印象深かった それはさておき バトル形式は全試合バーチャルバトル 抽選によりA~Pまでの十六組に分かれての予選リーグ そこからは予選リーグを勝ち抜いた者達による決勝トーナメントだったっけ 毎年上位優勝者には多額の賞金と豪華副賞が送られる 確かテレビ中継もやっていて特番も組まれたりするんだっけかな? なんにせよメディアからの注目をバッチリ受けるもんだからランカーとして名声を受けることに憧れる神姫ユーザーや神姫にとっては登龍門となっているとか何とか… 武装神姫関係の各企業や研究所、私営の神姫ショップなんかと協力して企業ごとのブースを設けることで、バトルをしない神姫ユーザーにとってもお祭り気分で楽しめることもイベントの売りのようだ… 何にせよ鳳条院グループ社内総動員の一大プロジェクトなわけで、それも今年で三回目の〈春の陣〉を迎えようとしている ちなみに〈春の陣〉の日程は三月の中頃だそうだ 「そうえば若様は前年度も前々年度も鳳凰カップには参加しておいでではなかったですね…」 と桜さん 「確かにそうですねぇ…」 とうなずく香憐ねぇ 「なんでぇ!? なんで明人は出てくれないのぉぉぉ!!?」 「そうじゃそうじゃ!!」 「あぁ~止めろ! 御袋、抱きつくな!! ジジイは煽るな!!」 俺は腰の辺りにへばり付いて喚く御袋に悪戦苦闘中… 俺がこの大会に出ない理由は至極簡単 あれだよ、夏祭りで自分の家が出した夜店に誰が客としていくと思う? そりゃ誰もいかねぇわな普通… 「つか、そういうのって関係者は参加禁止だろうが」 「そんなもん関係ないわい!!」 ………い、いやいやいやいやいや!! 関係あるだろ!!? 「無論、香憐も葉月も昴もじゃ。ついでにアル嬢ちゃんとエリー嬢ちゃんもええぞ?」 ジジイの一蹴で俺、以下、いつものメンバーの参加は許可されてしまった…… それでいいのか鳳条院グループ!! 「と、いうわけで私たちの鳳凰カップ参加が許可されました」 時間は飛びに飛んでお昼前 あれから香憐ねぇは俺を引きずり二十二階、博士の研究所フロアへ移動 パソコンでデータ整理をしていたアルティと博士にお茶を出していたエリーの二人を拉致るなり俺共々自分の愛車に乗せて、来た道を華麗なるドライビングテクニックでスピード帰宅したのだった 途中で四輪ドリフトかましたときは流石に死ぬかと思ったぞ… んで、我が家に帰ってみると何故か昴と葉月がリビングで茶を飲みながら話していた 二人とも香憐ねぇに呼び出されたのだとか 何がなんだかわからないうちに俺の家にはマスターとその神姫たち…(葉月の前なのでインターフェイス組も全員神姫素体)が勢揃いしているこの状況…それから 「あっ」 っという間に香憐ねぇはアルティ達に今までのことをズバッと説明 「面白そうじゃねぇか」 話が一段落してから始めに口を開いたのは昴だった 「香憐ねぇ、言うなればお祭り騒ぎ&腕試しってこったろ?」 「まぁ、そのようなものですね」 それを聞くとニヤリと笑いランを見ながら昴は言った 「その鳳凰カップとやら、俺とランは参加するぜ。ラン、いいよな?」 「ええ、昴さんがそういうのなら……」 まずはアッサリと参戦決定の昴&ランスロット ペア 「ランスロットが出るとなれば手前も出ねばなりますまい…よろしいか、姫君殿?」 「う~ん…私は本来、会場運営を手助けしなければならないんですが…」 少し考え込む香憐ねぇ………だが 「お許し…いただけませんか?」 「………でも、兼房様からの折角のお許しが出ましたし………出てみますか、孫市」 少ししょんぼりした孫市の視線に数秒で陥落、香憐ねぇ&孫市ペア、参戦決定 「レイア、私達はどうする?」 「え?…あ、その………私は…参加してみたいです」 少し赤くなりながらも控えめなレイア 「そだよね! 燃えるよね! よっしゃ! いいトコ見せるぞ!!」 誰に? と聞きたくなったが香憐ねぇに拍手されている葉月はいつの間にか熱血お嬢様キャラと化していた…… これほど我が妹に声を掛けづらかったことはなかったぞ 世間で言う『妹萌え』ならぬ『妹燃え』とはコレいかに… 葉月&レイア ペア、参戦決定 「ふっ、負けてはおれんな。ミュリエル、私達も…って…ミュリエル?」 いつの間にかいなくなっているミュリエルを探し周りを見わたすアルティ そりゃいないわな…だってお探し中の相棒は何故か知らんが俺の前にいるんだから… 「ど、どうかしたのか? ミュリエル」 そう問いかけてみた俺にミュリエルは自分の小さな拳を頭の上に掲げ 「………ミュリエル…勝つ…」 と、気合満々の意気込みを見せてくれた それはいいんだが……え~っと………何故俺に? 「ミュリエル…お前…」 その一部始終を黙って見ていたアルは困惑気味の表情 アルの声に振り返り、ミュリエルは一言… 「…アル…戦場はいつも非情…」 なんだか少し挑発的に感じたのは俺の気のせいなんだろうか… アルティ&ミュリエル ペア参戦決定 「エリー、お前はどうするんだ?」 「ん~、僕らはいいよ。あの子達はあんまりバトルは…ね。それよりもお祭りを回らせてもらおうかな。他の企業の新作とかも出るみたいだし」 にっかりと白い歯を見せながら笑うエリー 「明人はバトルカップに出るんでしょ?誰でエントリーするの? やっぱりノア? それともミコ? あ、ユーナの経験値稼ぎにはいいかもしれないね~」 なにやら一人で勝手に話を進めておられますな… 「いや、俺は出る気はない」 と、言うことで明人&ノアールorミコorユーナ チーム、不参加決…… 「「「「え、ええぇぇぇ~~~~~!!!??」」」」 一斉に騒がしくなる橘家リビング… 「ちょ、待てよオイ! どういうこった明人?」 「何故だ! 何故お前らが出んのだ!?」 「明人様…まさか、メンドクサイ…なんて言いませんよね?」 昴には詰め寄られるわ、アルには胸倉つかまれるわ、香憐ねぇはお説教モードになりかけるわで散々だなぁ俺… つぅかアル! ちょ、顔近いって!! 「どういうことだ? アニキ」 「私もバトル大会でたいよぅ~;」 「私は別にかまいませんが…」 三人それぞれの意見を述べる我がかしましシスターズ ………ネーミングセンスが微妙? うっせぇ!! 「実家主催の大会に出るのはなんだかなぁ~って感じだからな。バトルカップ参加はパスだ」 俺は社長室で思ったことと同じ理由を述べた たとえ上位に入ったってあんまり嬉しくないような気がするんだよなぁ…… 「じゃあ…兄さんは大会に来てくれないの?」 いつの間にか『燃えモード』の熱が冷めている葉月が悲しそうに訊ねてくる 昴達もさっきまでのテンションはどこえやらと言った感じ… そんなに俺達が出ないことが残念なんだろうか? と少しの罪悪感を感じる 「いや、大会には行くつもりだ。御袋からバトルカップの解説者役を頼まれてるしな」 「あ、そう言えばそうでしたね…」 大体、今日本社まで呼び出されたのはそのためだったのだ ついでに知り合いのショップや関係者に宣伝してくれって言われたけど…どうしたもんかねぇこりゃ… 「でも明人様…たしか伊織さんにはお断りしてらしたじゃありませんか…本家の手伝いは遠慮するって…」 そりゃそうなんだがなぁ…… 自分の母親に泣きつかれて(子供の様にだがな…)聞かなかったことにするほど俺は鬼畜じゃねぇし… 「まぁ、ちょっとした気まぐれだよ、気まぐ…うわぁ!! むぐぅ…」 気がつくと俺は香憐ねぇに抱きしめられていた 「明人様…ご成長なされて…香憐は…香憐はうれしゅうございますぅぅぅ!!」 (ちょ、香憐ね…ぇ…息…息ができ…ねぇ…!!) 香憐ねぇは美人な上にスタイルもいい その大きめのバストに顔を押し付けられて俺と葉月は何回呼吸困難に陥ったことか… あれはちょっとした恐怖だぞ、死の恐怖… 「むぅ! むぐぐぅ!!」 早めに香憐ねぇの背中にタップして危険な状態であると必死のアピール 俺のSOSに香憐ねぇは我に返り、慌てて俺を解放すると「申し訳ありません…」と小さくなった 香憐ねぇは感動すると毎度コレをやる 被害者の俺や葉月はこのパターンにけっこう慣れてしまっているのだが 「ゴホッ、ゴホッ……あぁ~それにだな。皆が行くのにコイツラだけお預けってのも…なぁ」 涙目になりながらも三人のイベント参加を許可してやる 「よかったですね。お姉様方」 「私達は観戦だけどちゃんと見させてもらうわねレイア、ラン」 「は、はい! ノア御姉様!」 「おう、頑張れよ孫市!」 「は! ユーナ姉上、見ていて下され」 それから皆で大会についての雑談に花を咲かせる そんな中、突然ミコが俺に向かって走って来たかと思うと… 「うにゃぁ~~~ご主人様ダイスキ~~~!!」 という絶叫とともにテーブルから俺目掛けての大ジャンプ 避けるわけにもいかない俺の胸に両手でガシッとしがみ付いた 「あ、コラァ! アネ……キ……」 ミコに怒鳴ろうとしたユーナの声が何故か途中から小さくなっていく 不思議に思いその視線を辿っていくと… 「……え~っと…ミュリエル?」 俺の右肩に座り、俺の頬に体を預けてもたれかかっているミュリエルに行き着いた いつの間に………ってかなんで?? 「…ミコ、ユーナ……戦場はいつも非情…」 ミュリエルが放つ、またしても挑発的で勝ち誇ったようなニュアンスの台詞にショックを受けていたミコとユーナであった… 追記 「ご主人様、参加者募集活動をするんですか?」 「ん? あぁ、まぁな。集めるのはバトルカップ参加者とブース出展参加者の二通りだ。まぁ、ちらっと知り合いでも声かけてみるだけでいいんだとさ…なんとかなるだろ」 「………少し楽天的過ぎませんか?」 「それは俺じゃなくてジジイに言ってくれ」 続く メインページへ このページの訪問者 -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/779.html
激烈なる拳──あるいは決勝その一(中編) そうしてボク・槇野梓とロッテお姉ちゃんは、決勝ブロックの舞台へ 上がっていったんだよ……でも、クローズアップされるのはこの後。 この第一回戦を勝ち上がった八人で再度組み合わせ抽選が行われて、 そこから大々的な演出が行われるんだよ……ここはまだ入口だもん。 と言っても、専用のヴァーチャル型バトルフィールドは大きいけど。 「それじゃ行くぜ、リアル系!ちょこまかすんじゃねぇぞッ!!」 「いえいえ、全力で参りますの。それじゃあ……始めましょう!」 『ハンゾー・ヴァーサス・ロッテッ!!レディ──────ゴー!!』 『“W.I.N.G.S.”……Execution!』 「変身、しやがったっ!?」 「流石に“フィオラ”のままでは、勝てませんの」 戦闘開始と同時にロッテお姉ちゃんは、瞬時に“Heiliges Kleid”へと 変身するんだよ。流石にこれはハンゾーさんも驚いたみたいだけど…… 何か、ハンゾーさんも妙なポーズを取ってるんだよ。腕組み……かな? ちなみに舞台設定は何故か、古い採石場の様な谷底の荒れ地なんだよ。 「そっちが変身するなら、こっちも行かせてもらうぜ!!」 「え、空間のゆらぎ?ううん……これって、“気”ですの!?」 「行くぜ!“猫獣装着”!!」 カンフー等での手を合わせるポーズから右の拳を突き出す、“非武装の” ハンゾーさん。その瞬間、躯から発散される紅い物が形になったんだよ。 それは“サバーカ”くらいは優にある、巨大な一匹のぷちマスィーンズ! しかもそれは各部で分離されて、純正のマオチャオ風パーツとして合体。 あっという間に、ハンゾーさんは格闘型の“武装神姫”になったんだよ。 「マオッ……タイガー!!!」 「まるで、戦隊ヒーローのロボットですの……!」 「ハン、どうだサード野郎。セカンドの俺が羨ましいか?」 「……常に憧れてはいます。でも、羨望はしませんの」 「言うじゃねぇか。ならスーパー系の威力、味わえッ!」 そう言うと後ろの空間がもう一度揺らいで、二機のぷちマスィーンズが、 ハンゾーさんに付き従ったんだよ……いや、正確には“ぷち”じゃない。 神姫に覆い被さる事も出来る、そのサイズと容姿は……“ビースト”ッ! 「黄色と青……これが、今回のハンゾーさんが使う武器、ですの?」 「そういうこった。ゲキジャガーとゲキチーター、行けッ!!」 「Grrrrrrrryyyyyyaaaaaaaaaa!!!」 「早いっ!?このライフルで……怯まないですの!?」 ロッテお姉ちゃんは後退しつつも“ムラクモ”で制圧射撃を掛けるけど、 俊敏な四肢と鋼の皮膚で武装した“ゲキビースト”達は、物ともしない。 “アサルトキャリバー”の高速ローラーダッシュも、この不整地では多少 駆動率が劣る……その隙に、ハンゾーさんが高速で接近してきたんだよ。 「まずは一撃……喰らえ、ゲキワザ“激気打”ッ!!」 「きゃあっ!?そんな、“Heiliges Kleid”の装甲服が……!?」 「痛ぇなぁ……縁が刃物になってんじゃねぇか、その服ッ!!」 「こういう服ですから。それよりも、わたしはまだ生きてますの!」 拳の一撃で、鋼鉄のメイド服はあっさりと砕け散るんだよ。でも、ボクは 見逃さなかったよ。彼方としても、そのパワーで強引に砕いているだけ。 恐ろしい力だったけど、コートのエッジ自体が効かない訳ではない……! だからボクはすぐに、サイドボード部分の起動コードを入力したんだよ。 「ロッテちゃん、3sm後退してジャンプ。出来るだけ引き寄せて!」 「梓ちゃんわかりましたの、さぁハンゾーさんこっちへどうぞッ!」 「ちょこまか逃げんじゃねえ!一気にブッ倒してやるぜっ!!」 『……ん?いけないハンゾー、深追いするな!』 「あん?!逃がす訳に行くかよッ!」 カウント・ゼロまで五秒。後退用ブースターまで駆使して引き寄せて、 一気に跳躍。ボクらの目論み通り、ハンゾーさんと獣達はそれを追って 飛びかかってきた……ここで彼女らは“刃の罠”に、嵌ったんだよッ。 コンマ数ミリで殴られる、その僅かな隙に……“SSS”が転移する! 『Plug-out!』 「うわあああっ!?服が、弾け飛びやがった……痛ッ!」 「Gyaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!?」 「“スヴェンW”とライドボード、展開して!着装しますのッ!!」 “Heiliges Kleid”のパージ機能によって、エッジの効いた刃と一緒に 弾き飛ばされるハンゾーさん。だけど流石に致命傷には至っていない。 この強靱さこそがセカンドの真髄なのかもしれないもん。でもそれは、 全力を尽くそうというロッテお姉ちゃんだって同じ事なんだよ、うん。 「“光と闇の舞い”、受けてみて下さいのッ!」 「さっきのレーザー攻撃か、あんなモン喰らわねぇぜ!」 「確かに……ハンゾーさん相手で、普通に撃つのは無理ですの」 「……分かってるなら、往生しなッ!!」 “Valkyrja・Skjald-maer・Phase”の姿を現したお姉ちゃんは、すぐに マントを振り解き、バインダーと翼を展開して蒼い空へと舞い上がる。 そして両肩のシールドを展開して、チャフを放出。ここまでは、同じ。 更にロッテお姉ちゃんは、その手にあるミサイルランチャーを掲げて、 上下に勢いよく開いたんだよ。そこにあるのは……無数の煙幕弾ッ!! 「CMMランチャー“ギャッラルホルン”、フォイエルッ!!」 「おうわっ?な、なんだこりゃ!くそ、煙てぇじゃねえか!」 『下がるんだ、ハンゾー。ロッテちゃんの狙いは……!』 「うっせぇ!そう言っても、この煙の中じゃ見えねぇッ!」 装填されていた六十数発を一斉に爆裂させ、周囲を暗い煙で包み込む。 即ちこれが“闇”。そう……“光”の雨を覆い隠す、夜の帳なんだよ! 「多次元測距レーダーアーム、観測終了。チャージ、完了ですの!」 「なん……だって!?」 「レーザーガンポッド、照準セット……フォイエルッ!!」 「のわぁああああぁっ!?」 「Grrrraaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!?」 黒い煙の中に幾本も打ち込まれる、小型レーザー砲による“光”の雨。 これで勝てた……とはあまり思えなかったんだよ。だってまだ、二匹の “ゲキビースト”がどうなったかが、分からないもん。そして懸念は、 まだ立ちこめる煙を渦巻かせ、有り得ない形で具現化していくんだよ! 「てんめぇぇぇぇぇぇ……赦さねぇぞ!ジャガー、チーター!!」 「まだ生きてる……何か、凄いプレッシャーを感じますの!?」 「あったりめぇだ!覚悟しろ、“猫獣合体”ッ!!」 ──────それは猛々しい、野獣の象徴なんだよッ。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2446.html
MMS戦記 コメントログ コメントに書き込みを頂いた過去ログをこちらにまとめました。 たくさんのコメントありがとうございますね。 コメントページ修正しました。お手数おかけして申し訳ございません -- カタリナ (2011-01-15 12 00 26) いつも良いところで墜ちるアオイさん。今度は頑張って!w -- 名無しさん (2011-01-23 20 04 02) チーム名w -- にゃー (2011-01-24 00 18 02) 面白く成ってまいりましたなぁ、艦の沈め方のセオリー通りですなぁ…それにしても、ナウシカを思い出した私は旧い地球人(笑) -- 触神 (2011-01-24 20 17 10) >名無しさま ありがとうございます。まあ、どうなるかはお楽しみに・・・ -- カタリナ (2011-01-25 00 25 23) > にゃーさま 名前が適当なのは仕様ですww -- カタリナ (2011-01-25 00 25 53) > 触神さま なんと脆い船じゃ・・・ はい、実はこのシーン、ナウシカのバカガラス襲撃シーンを参考にしています。大当たりですwww次回もお楽しみに!! -- カタリナ (2011-01-25 00 27 30) 定期便なんて言われて居るからしっかり対策立てられるんだな(笑)、風穴空いたからこその反抗だとしてもね、高度が有ったらアノシーンに成るんでしょうが、爆撃がメインじゃむりか、あぁ楽しきかな大規模戦闘、続きが楽しみです -- 触神 (2011-01-29 12 49 58) >触神 さま 定期便、対策は立てやすいですが、それは向こうも襲撃を予想しているので、なかなかハードな戦いになりますよー大規模戦闘、武装神姫は基本は1対1の戦いがメインですが・・・それだといろいろ縛りが出そうなんで、あえて私は大規模な戦闘を描いてみました。最近のゲーセンもオンラインで10体10とかの戦闘とか普通にあるので、ノリはそんな感じです。戦場の絆とかボーダーブレイクとかww武装神姫も多分、そんな感じで戦うと思うのでなるべくリアルに戦闘とか表現しようと思います。次回もお楽しみに!! -- コメント返し (2011-01-30 22 44 04) 確かにニーズに沿ったサービスですよね、戦艦武装はタイマンでは成立しませんから(笑)こう言った所から発生した需要と考えれば更にリアリティーが増しますねぇ〜、正に大戦略(爆)戦記の名に負けぬ様に頑張って下さい -- 触神 (2011-02-02 14 01 42) > 触神さま 大型の戦艦型神姫、もちろんタイマンでも倒すことは可能です。この戦艦型神姫を単体で倒せるかどうかが、強神姫かどうかの境目ですね。他所さまの神姫の世界観ではこういった大型の神姫は存在しないので、また違った楽しみ方があると思います。次回もお楽しみにww -- カタリナ (2011-02-02 22 34 11) 初めまして。夜虹というものです。話を最初から読ませていただきました。 序盤からコアの性格にとらわれない性格の神姫が多いですね。しかし、その実力は本物。 単純なブラフのために無駄な武器を持ったり、わずかな隙を突いたりと展開が面白いですね そしてチーム名はすごく適当だったり、ちゃんとしたものだったりカオス極まりないですね。それはそれでメンバーの性格が出ていていいものではあります。 それでもそれぞれチームの性格が分かれていていい勝負になっていてよかったと思います。今後が気になるところです -- 夜虹 (2011-02-03 05 39 23) >夜虹さま ありがとうございます。我が家では初期の性格はコアに忠実ですが・・・年月がたってくると変化してくるといった感じです。戦いの流れや戦闘シーンは実際にゲームとか喧嘩、日常のなにげない駆け引きとかそういうのを参考にしています。チーム名や神姫の名前は適当です。特に深い意味はなかったり・・・今後ですが、私はいいかげんであんまり考えていないので、成り行きで物語を進めるので、私も今後どうなるかは決めていませんし、知りません。どうなるんでしょうねーーー -- カタリナ (2011-02-04 23 32 07) にやーと冷たく笑う内野さんに惚れそうです。 この人達は神姫を使い捨てにしているようですが、複数所持していて用途別に使い分けしているのでしょうか。 冷酷に見えますが戦艦型相手ならこの作戦も仕方無いでしょうね。 -- 名無しさん (2011-02-13 01 17 26) >名無しさま 使い捨てではないですよー、我が家の神姫バトルはリアルバトルがメインですが、壊れたりした場合は修理して何年も大事に戦わせています。複数所持しているオーナーさんも多いですし、作戦や戦術によって神姫や武装はもちろん使い分けています。いろいろなオーナーや神姫が登場するので次回もお楽しみに!! -- カタリナ (2011-02-17 22 42 45) 海外の映画的なセリフ回しに痺れます。 -- 名無しさん (2011-02-20 01 03 22) >名無しさん アパーム!!弾を持ってこいーですけどねww -- カタリナ (2011-02-20 01 12 16) 軽白子隊の壮絶な戦いに興奮しました!w我が家の軽白子隊もこういう感じのバトルを想像しているので最高ですw -- ユキナリ (2011-03-24 17 36 51) >ユキナリさま ありがとうございますw結局、ドセットにトドメを刺したのは、名も無き軽白子でした!!そして次の瞬間バッラバラに・・・軽白子は群れるのが前提の設定なので多分、こういう使われ方するんじゃないかなーと思いました。 -- カタリナ (2011-03-26 19 54 27) バトル中にだべりだす…wデボラさん達のイメージが変わりましたwガーリオンの皆さんも普段は普通に可愛い娘さんなのかもしれませんねw -- ユキナリ (2011-04-24 12 14 55) >ユキナリさま まあゲームですし、みんななりきって遊んでいるといった感じですねー遊びゆえにいろいろと真剣ですがww我が家の神姫はみんな可愛いよ! -- カタリナ (2011-04-27 00 12 21) ウォースパイトさん…本当にいつもご苦労様です…。神姫界でヤムチャ的活躍が、すっかり板についているような気がしますw本当は凄い強いと思ってますがw -- ユキナリ (2011-05-05 12 28 29) >ユキナリさま 強いザコ!!強いけどやられるシーンが多いだけです。気にしないでくださいw -- カタリナ (2011-05-05 20 10 10) お疲れ様でした、楽しませて貰いました、時間切れと言うなんともリアルな終わり方でしたなぁ〜でも其処が又良い(笑)、しかしまぁ此処まで壊れたら修理不能な神姫も居るんじゃ無いですかねぇ? -- 触神 (2011-05-07 07 49 48) >触神さま まあ、よくあることですよねーさて、我が家のバトルは基本、リアルバトルで実弾や実剣を用いてガチンコバトルするのですが・・・めちゃめちゃに破壊されてもちゃんと元通りに直してあげるのが、マスターの勤めとたしなみでもなります。後、壊れてもしっかりと修理してくれるサービスや体制が整っているので修理不能で起動できない神姫はほとんどいません。所詮神姫は機械ですし、壊れたら直せばいいだけですし、記憶もコピーして残せますしー -- カタリナ (2011-05-08 12 00 53) 深夜0時に現れるステルス神姫…あの人ですねw今回も同時に大量破壊を示すテロップ列が…w同時破壊によるテロップ列は見ていて爽快ですwでもマスターの方は、いつかへこませたいと言う衝動がwイケメンは敵!w -- ユキナリ (2011-05-09 17 42 05) >ユキナリさま 同時破壊のテロップの元ネタはボーダーブレイクだったり!!!深夜0時に現れるステルス神姫・・・・さてさて・・・イケメンマスターというか、痛いマスターというか・・・とりあえずお楽しみに!! -- カタリナ (2011-05-09 23 35 46) 伊藤勝成さん、格好いいご老人ですね!私も2041年だと、この方と同じぐらいの年齢になっていますw少し下ですがwこんな老人になりたいものです。夜帝討伐隊第2陣と言った感じですが今度はとても優秀な軍師を交えての作戦、楽しみにしています! -- ユキナリ (2011-05-15 11 54 23) >ユキナリさま ありがとうございます。老若男女神姫を持っているという設定です。今回は将校型神姫が参戦です。他の神姫とは一味違う戦いをご覧ください。 -- カタリナ (2011-05-21 19 32 37) これは!w非常に興味を持っていた非公式バトルの話がついに作品化!行為の傍らに残骸となった神姫があると言うシチュエーションが最高ですwそして挿し絵付き!カタリナ様の描かれる女性キャラクターは本当に魅力的です。続編も楽しみにしていますw -- ユキナリ (2011-05-22 12 37 42) 駆逐艦型は無いのですか? -- げしもちゃん (2011-05-22 13 54 28) >ユキナリさま 禁断の非公式バトルロンド・・・実は前から構想は練っていたのですが、中途半端にするのはイヤなのでいろいろなゲームやマンガを見て構想を練り直し、かなりハードで危険な本当の意味での裏の非公式バトルロンドをやってみようと思います。戦いはよりハードに、敗北者には相応の代価を、ボリュームたっぷりのスケールで満足できるようなお話をしようと思っていますのでお楽しみに・・・・ -- カタリナ (2011-05-23 23 16 14) >げしもちゃんさま 語るとうるさくなるのですが・・・我が家には多種多様な艦艇タイプの神姫がいます。とりあえず主力と呼ばれる大型艦艇神姫。航空母艦型神姫・戦艦型がいます。そして補助艦艇、潜水艦型神姫や輸送艦型神姫などがいます。また現在新たにオンステージに、コルベット艦型神姫と強襲ホバークラフト型新規と呼ばれる。新型の艦艇タイプの神姫を製作・量産しました。詳しくはブログ等でチェックしてくださいwww -- カタリナ (2011-05-23 23 21 52) カタリナ信者の僕が来ました -- 名無しさん (2011-05-28 20 18 05) 参加する女性への品定め役が居るんですね、確かにこのシステムなら自然に美少女が集まってきますね!その品定め役の醜男さんいい味していますねw私はキモい男が美少女を無理やりとか悪臭で歪む表情とか大好きなので彼のような存在は嬉しいですねwキツい悪臭を嫌がっているルカさん可愛かったですwもし私が参加し勝ったなら、醜男さんと相手オーナーを絡ませじっくり見物したいですw自分は手を出さずにw -- ユキナリ (2011-05-29 11 19 39) >名無しさん様 信者ってwwwありがとうございますww -- カタリナ (2011-05-30 23 27 05) >ユキナリさま まあ、エロゲでもよくいますよねwwこういうキャラwwこおういう汚れ役はいたら便利ですww何かとwww -- カタリナ (2011-05-30 23 29 22) トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/4.html
ここは「マイティのひと」が作成した武装神姫ショートストーリー 『Mighty Magic』シリーズを掲載しております。 著/マイティのひと ※コラボレーション大歓迎也。 ※文字サイズを通常よりも一段階小さくしてご覧になると読みやすくなります。 ※本文は随時加筆修正されます。更新履歴をご参照ください。 ※現在諸事情により更新速度が激減しております。何卒ご了承ください。 - 昨日 - 今日 - 合計 神姫とそのオーナーたち 装備構成解説 設定解説 本文ページ(妄想設定準拠) マイティ編 Mighty Magic ・インターバトルO「アーキタイプ・エンジン」 ・強敵 ※『不良品』?とのコラボ作品 ・犬達の出会い ・バトリングクラブ ・インターバトル1「プレゼント」 ・変身! ※魔女っ子神姫☆ドキドキハウリンとのコラボ作品 ・主義 ※岡島士郎と愉快な神姫達より、鶴畑大紀ゲスト出演。 ・インターバトル2「誤情報」 ※パカパカ祭りより ・インターバトル3「エルゴより」 ※HOBBY LIFE,HOBBY SHOPとのコラボ作品 ・固執 ・戯れ(18禁作品) ・インターバトル4「親友」 ・インターバトル5「トレーニング・デイ」 ・信念 ・インターバトル6「変身! そのに」 神姫たちの舞う空 ・事前予告 某月某日2001時 ・開催前夜 二ヵ月後、某月某日2221時 ・参加手続および第一次作戦会議 *月*日1144時 ・エルゴ飛行隊(ERGO Spuadron)メンバー表 ・出撃~接敵 1223時~1236時 ・交戦~十五分経過 1236時~1245時 ・~三十分経過 1245時~1302時 ・戦況再変~戦術再考 1303時~1311時 ・コンタクトイエロー~第一ラウンド終了 1312時~1330時 クエンティン編 CROSS LO[A=R]D ※全編にわたって、岡島士郎と愉快な神姫達より鶴畑コンツェルンの面々が特別出演しております。 ・第一話「修正」 ・第二話「融合」 ・第三話「エイダ」 ・第四話「それぞれの正義」 ・第五話「相対」 ・第六話「恐怖の正体」 ・第七話「OFイクイップメント」 ・第八話「襲撃」 ・第九話「拉致」 ・第十話「知性」 ・第十一話「決意」 ・第十二話「回帰」 ・第十三話「脱出」 ・第十四話「アーマーン」 ・第十五話「上空戦」 ・第十六話「共鳴」 ・第十七話「憧憬」 ・第十八話「教育期間」 ・第十九話「逃亡」 ★The Latest Chapter★ シエン編 クレマチスの檻(タイトル決定) ※CROSS LO(A=R)Dが終了し次第連載開始。 Archives エロ妄想スレッドにて初期に書いた拙作二編。 For Adult only! ・ヴァッフェ装備のこと ・知識 参考文献 私が拙作を書く際おおいに助けていただいた書籍を紹介しています。 ※五十音順、敬称略 相田裕 『ガンスリンガー・ガール』電撃コミックス 押井守 『アヴァロン~灰色の貴婦人~』メディアファクトリー カズオ・イシグロ 『わたしを離さないで』早川書房 神林長平 『戦闘妖精・雪風《改》』 『グッドラック 戦闘妖精・雪風』 “火星三部作” 『あなたの魂に安らぎあれ』 『帝王の殻』 『膚の下』 いずれもハヤカワ文庫JA ※その他の作品も、機械知性を考えるのに役立ちます。 京極夏彦 “京極堂シリーズ” 『姑獲鳥の夏』講談社文庫 『魍魎の匣』講談社文庫 グレッグ・イーガン 『ひとりっ子』 士郎正宗 『攻殻機動隊 The ghost in the shell』 『攻殻機動隊1.5 Human-error processor』 『攻殻機動隊2 Manmachine interface』 いずれも講談社 藤田博史 『人形愛の精神分析』青土社 船木亨 『デジタルメディア時代の《方法序説》 機械と人間とのかかわりについて』ナカニシヤ出版 宮沢賢治 『新編宮沢賢治詩集』新潮文庫 ご感想などどうぞ。 サイドボードがタネとは、目からウロコでした。カードゲーム的発想ですね~ -- ねここのひと (2006-10-26 07 43 55) けっこう面白い話があるので、いつも楽しみにしています。 -- 名無しさん (2007-01-03 12 57 09) 面白い話とシリアスな話がそれぞれ展開していくのがいいですね。 -- 名無しさん (2007-01-04 16 06 00) 神姫たちの舞う空編、続きがむちゃくちゃ楽しみです! -- 神姫の父 (2007-01-13 21 10 23) 燃えますな大規模空戦!続きを楽しみにしております。 -- Gの人 (2007-01-16 00 24 46) いよいよ戦闘開始ですね! 次回も楽しみにしております! -- ドキ(ryの人 (2007-01-16 01 02 43) CROSS LO[A=R]Dがマジ熱い!! -- 名無しさん (2007-01-30 07 15 42) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1212.html
SHINKI/NEAR TO YOU Phase02-4 gavotte 「ヒューマノイド・インタフェイス?」 「そう。人によって呼び方は様々だが、ようは人体を模した駆動義体の総称さ」 現在の2030年代に入ってから、人は様々なロボットを実用化してきた。 武装神姫もそうしたロボット開発の中で創り出された、人のパートナーとしてのアンドロイドの一種だ。 武装神姫は日常生活におけるマスコットとしての要求から、その大きさは14から15センチとなった。その一方、医療における義肢・義体の研究、純粋労働力としての可能性の研究としてのロボット開発も行われていた。駆動義体とは、そうした目的で作られた人体、もしくはその部分的な要素を模した機器のことを指す。 「でも、等身大の駆動義体なんて存在するのかしら?」 ふたり仲良く首を傾げる伊吹に、神楽さんがちっちっちっと舌を鳴らす。 「何だってアンダーグランド……裏社会は存在するものさ。表向きにはないとされているものが、本当に存在しないとは限らないのだよ?」 神楽さんの話によると、一般レベルでは様々な法・倫理的な問題で人間大のアンドロイドは実在しないとされている。が、裏の社会ではすでにそういったものの開発に成功しているらしい。 驚くシュンたちだが「考えてもみたまえ。全高15センチのオート・マタが存在するんだ。だとしたら、それを等身大にしたものが開発されていても、何ら不思議なことはないだろう?」と神楽さんに言われると、なんとなく納得できる。 確かにたった全高15センチほどで、あれだけの機能を備えた武装神姫がすでにいるんだ。むしろ、技術的な面で言えば人間を模したロボットを作るなら、人間と同じ大きさの方がいろいろと面倒がないんじゃないか? 「早い話、そういうことだよ。実験目的、研究開発、または趣味嗜好などなど……アングラなところでは様々な需要があるのだよ」 具体的にはどんな?――試しにシュンが聞くと、神楽さんは「君は知らなくてもいいことだよ」といい笑顔で返された。 みんなの方を向くと「シュッちゃんにはまだ早いわよ」と伊吹にいい笑顔で肩を叩かれた。 「いや、待てよ? 何かすっげー気になるんですけど……」 「…………えいっ」 「イタタタタッ!? ちょっ……足っ、足踏まれてるんですけど、伊吹さん!? つーか本気でいたっ……痛い、痛いってのっ!?」 耕一とチカが苦笑する。なんかその心配する表情がグサッとくるのは何故だ? 「ま、戯れるおふたりはそっと無視しておくとして……そのヒューマノイド・インタフェイスというものを使えば、チカさんが本物のヴァイオリンを弾くことは可能なのですね?」 「そうさ。しかし何ぶん非合法……げふっげふん。あ~、あまり良い子のみんなはまねをしてはいけないよ的な代物なので、いくつか制限がある」 神楽さんは指をひとつ立てる。 「まず、このことに関しては他言無用とすること。ここに集まったメンバ以外には、秘密を厳守してもらう。これは君たちのためでもある、絶対に他には喋ってくれるなよ」 ふたつ目の指。 「ひとつ目から分かると思うが、この方法での演奏を一般人の前で行うものNGだ。あくまでも必要最低限の関係者だけを集めた……まあ、ごく内輪でのリサイタルということになるね」 みっつ目。 「この方法ができるのは、今回一回のみだ。……別にバトル前に言っていたことは、ハッタリという訳ではないのさ。調達できたといっても、引っ張り出す名目をでっち上げて今回限りという取り決めとなっている。つまり――」 そこで神楽さんは耕一とチカを見て、ニヤリと笑った。 「あとから、あの時やっぱり本物のヴァイオリンを弾いておけばよかった……なんて後悔の念を抱いても、残念ながらもう協力はできないよ?」 ギョッとした顔でみんながチカを見た。 みなの見つめる先で、チカは驚いた眼差しを神楽さんに向ける。 「そんな……いえ、そういうことじゃなくて……。でも……」 「チカさん、あなた自身が疑問に思ってしまっているのではないのですか?」 今まで黙っていたゼリスが、ゆっくりと口を開く。 「本物のヴァイオリンを弾くことが、本当に自分の音色を見つけることになるのだろうか――と」 ゼリスの言葉に、ビクリとチカが肩を振るわせる。 「本当はもう気づいているのでは? ――本物のヴァイオリンがなくとも、あなたの創るべき音色は、その胸の内にあるということに」 チカがギュッと自分の胸に手を当てる。そこに息づくもの――神姫の感情中枢たる機関〝CSC〝。そこから紡がれる彼女の心――自らのマスターを想う気持ち。 「例え私たちの手足が人を機械的に模した縮小に過ぎないとしても、ヴェイオリンの音が電子的に再現された複製に過ぎないとしても、それを奏でるあなた自身――CSCから産まれる私たちの感情は、心は。まぎれもない私たちの――あなた自身の本当の想いです」 「私自身の――想い」 ポツリとチカが呟いた。 ――それはとても大切なもの。でも、それが実際何なのかは分からない、見えないもの。 だから、みんな勘違いしたのだ。 ――それは人間だって、自分自身のことだって、何かと問われれば明確な答えなど返せない。すごくあやふやなもの。 チカ自身も勘違いしていたこと、手段と目的を取り違えていたことに。 ――心。 それにゼリスは気づいていたのだ。そのために独りで反対したり、ワザと邪魔をしてみせたりしたのだ。 すべては本当に大切なことを気づいてもらうために。 ――それは、確かに誰もが持っている。人も、神姫だって。 ゼリスは最初からチカのことを、同じ立場の親友として、誰よりも心配していたんだ。 「大切なのは、弾く楽器ではなく、誰かを想って音楽を奏でるあなた自身です。あなたは、あなたの音色を奏でればいいのですよ」 ゼリスはチカの肩に手を置き、瞳を真っ直ぐに見つめた。その彼女の瞳、朝露に濡れた新緑のようなそれは、優しい色。 「私は……」 チカがその唇から、言葉を搾り出す。彼女の小さな体の中では、様々な葛藤が駆け巡っているのだろう。 「そのくらいにしておきたまえよ、ゼリス君。その先は彼女が一番良く分かっているはずさ。後は彼女自身の問題だよ」 ぐるりと神楽さんが一堂を仰いだ。 この場にいる誰もが、温かい目でチカを見守っていた。 チカがどんな答えを出そうと、誰もがそれを肯定する……と。 「さあ、命題だ。仮初の人の身を得、真のヴァイオリンという名のイコンを求むるか、否か――。君はどちらを選ぶんだい?」 悩める少女は、側らに立つ、最も大切な人の顔を仰いだ。 そこにあるのは、彼女の大好きな優しい笑顔。どんな答えを出そうとも、その意思を尊重する。彼女を認めると言っていた。 それに勇気付けられ、チカは静かに口を開いた。 「私は――」 ♪♪♪ 開幕。 シックな装いに身を包んだ彼女を、燕尾服を着込んだ少年が付き添う。 優しく差し伸べられた手を、白い小さな両手で大切に包む。 招かれた場所は、とある屋敷の一室。 観客は少年少女とふたりの人形、黒い影法師。 彼らに囲まれて、車椅子に佇むひとりの老紳士。 五人は彼女に勇気と奇跡をくれた、魔法使い。 老紳士は大切な家族。彼女の隣に立つ少年にとっては師。 彼女にとって、音の素晴らしさを教えてくれた恩師。 緊張した彼女を察して、隣に立つ少年が笑む。 優しい笑顔、大好きな笑顔。それだけで体を包む緊張という鎖から解き放たれていくのを、彼女はその身に感じた。 彼女を想い集まってくれた人たちへ、今日という日を与えてくれた喜びに、感謝を込めて。 少年がタクトを取り出し、少女はヴェイオリンを手に取る。 それは今宵一夜限りの。 慎ましやかで温かな、彼と彼女の音色のリサイタル――。 ♪♪♪ 六月といえば梅雨だ。先週までの雨も途絶え、今週の日曜は朝から暖かな日差し。 梅雨前線と高気圧のおしくら饅頭も、どうやら軍配が上がるのはもうすぐそこだ。 「今年の夏は暑くなるかなぁ~」 「そうですね。記録的な事例から、空梅雨のあとは猛暑が訪れる確率が高いと言えます」 だかだらとベットに横になりながら、なんとなしのシュンの独り言に、机の上から返事が返ってくる。 どうやらゼリスはシュンの机の上に陣取っての、ネットサーフィンの最中らしい。 「ぢゃんぢゃぢゃ~ん、優ちゃん登場!」 ガチャリとドアが開き、妹の優が部屋に入ってきた。 そのままニコニコ、ささっと机に向かい「何してるの?」とゼリスに話しかける。 わいのわいのと今度は優も一緒になって、ふたりはキーボードをカチャカチャしだした。 「お前ら、人の部屋に勝手に入ってきて騒ぐなよ……」 無駄だと分かっての投げ槍な講義は、キャアキャア騒ぐふたりに黙殺される。 シュンは読んでいた雑誌を放り出して、ベットに身を投げ出した。 あ~あ。日曜の朝から騒がしいヤツらめ。 「あっ、新着メールが届いてる。差出人は……チカちゃん?」 「そのようですね」 その遣り取りにシュンはハッとベットから身を起した。 あの一見以来、耕一たちとはまだ一度も連絡を取っていなかった。今ふたりはどうしてるんだろう? 「……ふむ。おふたりともあれから元気にしていらっしゃるようですね。耕一さんの音楽の修養の方も、チカさんのヴァイオリンの方も、順調に励んでいらっしゃるようです」 「そうなのか?」 シュンも優の後ろから、PCモニタを覗き込む。三人一緒になって同じ画面を覗きながら、ゼリスが文面を読み上げる。 「それで……ほう。おふたりは今度ヨーロッパに旅立たれるそうですね」 「ヨーロッパ?」 「はい。どうやら本格的に音楽の勉強をするために、耕一さんが留学なさるそうです。それにチカさんも一緒なさるそうです」 モニタに映し出された文章では、以前から海外留学の話があり悩んでいたが、最近になってやっと決心がついたので、ふたりで欧州に旅立つことにした事。向こうでもお互いに支えあって頑張ることなどがしとやかな文面で綴られ、最後に『しばらく逢えなくなってしまうけど、帰ってきたら必ずまたみなさんをヴァイオリン演奏にご招待致します』と締めくくられていた。 「そっか……ふたりとも頑張ってるんだな」 シュンの言葉に、ゼリスがこくんと頷いた。 あの日見た、ふたりの互いに寄り添う姿。きっとふたりなら遠い異国の地だって、うまくやっていけるに違いない。 感慨深げに目蓋を閉じるシュンとゼリスに、ひとり優だけが憮然とした顔をする。 「チカちゃんって、前に家にやってきたヴァイオリンの神姫だよね? そういえば、私だけあの後何があったか聞いてない。私だけ仲間はずれ~えっ! 結局チカちゃんは本物のヴァイオリンを弾けたの?」 優がぷっくり頬を膨らませる。シュンは苦笑しながら優の頭をポンポン叩く。 「別に仲間はずれにしてないっての。あの後なあ……」 と、そのとき聞きなれたメロディがどこからともなく聞こえてきた。開けっ放しのドアから、優の部屋の細工時計が10時を告げる音色を運んできたのだ。 「あ――っ!? もうこんな時間。黒猫キッドが始まっちゃうよ~っ」 「うわっと?」 いきなり優は奇声を上げると、椅子の上でピーンッと飛び上がり、大急ぎでリビングへと駆けていく。 ……そんなに慌てるほど大事か、黒猫キッド。 「ふう、慌てて階段から転げ落ちるなよ……」 やれやれとシュンが椅子にかけると、ゼリスがジッとモニタを見つめていた。 やっぱりゼリスなりに、親友の旅立ちを想っているのか。あるいは、ひょっとしたら寂しさを感じてるのかも知れない。 「ゼリス……」 シュンが声をかけると、ゼリスはこちらを振り返り、そのままシュンの頭に飛び乗った。 「ほら、シュン。急がないと今週の黒猫キッドを見逃してしまいますよ」 「はいはい、了解~」 ったく。少しはしおらしいところもあるんじゃないかと思ったら、すぐこれだ。 まあ、しおらしい態度なんかされたら、それはそれで調子が狂っちゃうけどな。 ゼリスを頭に乗せ立ち上がりながら、シュンは窓の外に目を向ける。 いつも道理の日曜の午前、雨の恵みによって芽吹いた新緑を、爽やかな青空が照らしていた。 FINE & ……To be continued Next Phase. ▲BACK///NEXT▼ 戻る
https://w.atwiki.jp/busosodo/pages/79.html
武装神姫達のソード・ワールド2.0【第2-0話】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm18534375
https://w.atwiki.jp/busosodo/pages/75.html
武装神姫達のソード・ワールド2.0【第1-3話】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm18046461
https://w.atwiki.jp/busosodo/pages/80.html
武装神姫達のソード・ワールド2.0【第2-1話】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm18755838