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カード右下のアイコンについて 攻撃力(ATK) 防御力(DEF) スピード(SPD) 体力(LP) ブースト(BST) 個体値加算表 神姫固有武器補正 個体値の排出率 アップデート履歴 コメント カード右下のアイコンについて 個体値と呼ばれる。 いわゆるプラスアビリティ。 常時発動でマイナス補正は無い。 神姫やレア度は関係なく、アイコンの分だけ加算される模様。 ◆ or ◆◆ or ◆◆◆◆◆ 現在1個、2個、5個のパターンが確認されている。 5個パターンには武装Cost+10されているもの(通称6V、キャパオバ)が存在する。ステータスに差はない。 0個、その他のパターン、同アイコン複数パターンはない。 基本的にどのパターンも合計で+100の値がステータスに加算されるよう割り振られる。 正確ではないが単純な例として、 1V=100 2V=50 50 5V=20 20 20 20 20 つまり必ずしも5Vが強い訳では無いということ。 詳しい値はページ下部へ。 1Vにおいて以下は確認されていない。 黄色の足(スピード) 2Vにおいて以下の組み合わせは確認されていない。 黄色の足(スピード) + その他アイコン 赤色の剣(攻撃力) + 灰色のLP(体力) 緑色の盾(防御力) + 水色の円(ブースト) ※ただし期間限定で印刷出来た謹賀新年「ストラーフ」のみ黄色の足(スピード) +水色の円(ブースト)かつコスト+10の変則仕様、無論通常の神姫購入では存在しないパターンである。 【本当は武装Cost+10カードなのに裏面の印刷に反映されていないカードが存在する】 例:ゲーム内では武装Cost80表記なのにカード裏面では武装Cost70表記。 稼働初期、武装Cost+10(6V)神姫なのにカード裏面の印刷に反映されない不具合があったが、 これは2021年1月7日のアップデートで修正された。 プレイヤー達は「仕様」なのだと思っていたが修正で「不具合」だと理解。 1/6以前に印刷した手持ち神姫やフリマサイトの5Vが「本当は6Vなのかも知れない」と留意しておこう。 攻撃力(ATK) 一番左、赤色の剣のアイコン ゲーム内での正式な呼称は「攻撃力」 ATKのみ ATK+α 5つ全て +100 +50 +25 防御力(DEF) 左から二番目、緑色の盾のアイコン ゲーム内での正式な呼称は「防御力」 DEFのみ DEF+α 5つ全て +250 +125 +50 スピード(SPD) 左から三番目、黄色の足のアイコン ゲーム内での正式な呼称は「スピード」 現在5つ全てのアイコンが揃う場合にのみ出現。単体、これと他セットでの出現は確認されていない。 例外で期間限定で印刷出来た謹賀新年「ストラーフ」はBSTとの組み合わせである。 SPDのみ SPD+α 5つ全て なし +30 +25 体力(LP) 左から四番目、灰色のLPのアイコン ゲーム内での正式な呼称は「体力」 LPのみ LP+α 5つ全て +500 +250 +125 ブースト(BST) 左から五番目、水色の円のアイコン ゲーム内での正式な呼称は「ブースト」 BSTのみ BST+α 5つ全て +500 +250 +125 個体値加算表 ATK値は神姫/レアリティによって補正がかかっているため、表の通りではない。 ATK DEF SPD LP BST ATK (100) 0 0 0 0 DEF 0 250 0 0 0 LP 0 0 0 500 0 BST 0 0 0 0 500 ATK/DEF (50) 125 0 0 0 ATK/BST (50) 0 0 0 250 DEF/LP 0 125 0 250 0 LP/BST 0 0 0 250 250 SPD/BST 0 0 ? 0 250 ALL (25) 50 25 125 125 神姫固有武器補正 得意武器を装備するとATK値にプラス補正が、苦手武器を装備すればATK値にマイナス補正がかかる。 マスクデータだが、実際に装備した時のATKの上がり方や、神姫ハウスでの台詞、2021.1.28発売のカードゲーマーでおおよその判断ができる。 当wikiでは各神姫に個別で掲載。 個体値の排出率 この数値でほぼほぼ間違いなさそうである。 個体値 排出率1V 48%(12% 12% 12% 12%)2V 48%(12% 12% 12% 12%)5V 3%6V 1% 出典:5ちゃんねるバトコンスレ「武装神姫 バトルコンダクター part11」 479 アップデート履歴 日時:2021.5.26 内容:ATK以外の個体値の上方調整。当wikiは最新のもの。過去のデータは公式お知らせ参照。 コメント 名前 コメント
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第3部 「竜の嘶き」 「ドラゴン-3」 2041年10月27日 A飛行場の片隅で天使型のエーベルたちが自分の武装パーツの整備を行なっている。 連日の戦闘で被弾した箇所や老朽化したパーツなどを交換したり修理するなどやることは多い。 エーベルが鼻歌を歌いながら自分の武装パーツを弄る。 エーベル「フンフンフウーーン♪」 シャル「ごきげんだな、どんな具合だ?」 エーベル「エンジンの油漏れがひどくてね、オイルクーラーの方はどうにかなったが、パッキンがなくて苦労しました」 シャル「で、どうしたんだ?」 エーベル「この間撃墜したテンペスタの廃材からかっぱらったんですよ」 リイン「シャルッ!!!」 リインが血相を変えてシャルに詰め寄る。 シャル「私たちのドラッケン戦闘爆撃隊は地上攻撃に専念させるようにマスターに言ったそうですね!!」 シャル「だったらどうした?」 リインが怒鳴る。 リイン「シャルはテンペスタとやるのが怖いんですか!!」 シャル「テンペスタと空戦してもムダだからな」 リイン「戦乙女のアイネスの連中に任せておいていいんですか!!俺の仲間はみんなテンペスタに叩き落されちまった!シャルの仲間もそうでしょう!!なぜですか!?あんたはソレで悔しくないんですか!?」 シャルががっとリインの胸倉を掴む シャル「リイン!!てめえェそれ以上知ったような口を叩いてみろ!!もう二度とキサマとは飛べないようにしてやるぞ!」 リイン「グッ!」 シャルはぱっとリインの胸倉を離すと去っていく。 リイン「へっ・・・チキン野郎め!」 横で聞いていたエーベルが舌打ちをする。 エーベル「おい、リイン!!」 リイン「なんだよ・・・」 エーベル「つまらんことを言うな、ちょっとやりやったぐらいのエース気取りで一人前の口をきくんじゃない」 リイン「俺はそんなつもりじゃ・・・」 エーベルはため息をつく。 エーベル「シャルだって何度もズタボロになりつつも帰ってきている」 リイン「何度も負け戦で臆病風に吹かれたって感じか?」 エーベル「・・・いいか、よく聞けよ小娘、テンペスタと戦うことだけがここの集団バトルロンドの戦闘じゃねえ、地上攻撃や支援攻撃も立派な戦闘だ」 リイン「・・・・」 エーベル「重装甲、重武装の戦闘爆撃機型のドラッケンで軽量高機動のテンペスタに空戦で勝つのは難しい。テンペスタを落としたいお前のガッツは分かるだがな、シャルは爆装した重いドラッケンでテンペスタのウヨウヨ待ち構えている所に味方の支援用の低空攻撃をかけてきているんだ、そしてそれをさらに続けようと言うんだ。上空を他の神姫に、俺やアイネスの連中を信じて任せてな」 リイン「そ、それは・・・」 エーベル「シャルがチキン野郎かどうか、よく考えろよ、その足りない頭でな・・・」 エーベルはそういうと再び自分の武装の整備を無言でもくもくと続ける。 2041年10月28日 天王寺公園神姫センター 第3フィールド森林ステージ 小川にB飛行場に補給を行なう旧式の輸送艦型MMSが数隻、小川を下る。 チーム名「マテハン」 □コルベット艦型MMS「アルバトロス」 Sクラス オーナー名「小野 幸助」♂ 31歳 職業 システムエンジニア □輸送艦型MMS「モントレ」 Cクラス □輸送艦型MMS「フェイサー」Cクラス □輸送艦型MMS「ラヴァトリ」Cクラス □砲台型MMS 「ブレア」Bクラス □砲台型MMS 「ザフィー」Bクラス □火器型MMS 「ノレマ」Bクラス オーナー名「橘田 勝」♂ 40歳 職業 印刷会社総務 シャル「敵チームの輸送船団だ!撃沈するぞ!」 ライラ「生意気にコルベット艦型なんて護衛に引き連れてやがる!」 チーム名「ドラケン戦闘爆撃隊」 □戦闘爆撃機型MMS「シャル」 Sクラス □戦闘爆撃機型MMS「ライラ」 Aクラス □戦闘爆撃機型MMS「セシル」 Aクラス オーナー名「伊藤 和正」♂ 27歳 職業 工場設備関係メーカー営業員 □戦闘爆撃機型MMS「リイン」 Aクラス オーナー名「伊上 直人」♂ 26歳 職業 総合卸商社営業員 シャルたちのドラッケン戦闘爆撃隊がロケット弾を積んで上空から急降下で攻撃を仕掛ける。 アルバトロス「レーダーに感有り、敵機確認!機種はドラッケン戦闘爆撃機4機を認識」 小野「対空戦闘方位3-2-0距離30に備え、このままの戦闘隊形を崩すな、後続の輸送艦隊に発光信号、対空戦闘用意!」 アルバトロスがチカチカと発光信号を発する。 輸送艦型神姫の甲板に上がっている砲台型神姫たちが砲台モードに展開し、迎撃の準備を始める。 橘田「対空戦闘用意っーー各砲台各個射撃はじめ!敵を近寄らせるな!」 ドドドドドドドン!!ズンズズウズン!! 輸送艦型神姫の甲板から砲台型神姫による激しい対空攻撃が行なわれる。 ライラ「おはッ、輸送艦風情がなかなかやるな!」 リイン「シャル!リインだ、殿をやらせてください!」 シャル「・・・」 シャルはリインの顔をじっと見る。 シャル「殿は砲火が集中するぞ!気をつけろ!」 リイン「わかっています!」 シャルはぐんと機首を下げると水面スレスレを飛ぶ、それに続くリイン。 アルバトロス「ドラッケン4機!輸送船団を狙っています!」 小野「いかん!アルバトロス、全速前進!なんとしても守れ」 コルベット艦型MMSがシャルたちの前に躍り出る。 アルバトロス「やらせるかァ!!」 アルバトロスは主砲の2mm単装砲をシャルたちに向かって撃ちまくる。 ドンドンドンドンドンドンドンドンッ!! ガキンバキンゴキン!!シャルの装甲板に命中し穴だらけになるが、シャルはひるまない。 シャル「こなくそ!これでも喰らえ!!」 シャルはグレネードキャノンを展開すると、アルバトロス目掛けて連続で撃ち込む。 ドゴオオオンドッゴオオンンッ!! アルバトロス「うぐおおおおお!!?」 アルバトロスの砲塔に命中し爆発が起きる。 ズンズンズウズズウウウウウン!! シャル「リイン!!ついて来ているか!?」 リイン「はい!!」 シャル「俺はさっきのコルベットの攻撃で満足に動けない!輸送船団をライラたちと一緒に血祭りにあげろ!」 リイン「了解!」 アルバトロス「ごほごほ、主砲塔のモーターが潰れました砲撃不能・・・消火装置作動、火災鎮火、SAM発射します」 アルバトロスは垂直ミサイルを連続で発射する。 ライラ「警告!ミサイルミサイル!」 ミサイルが山なりの弾道を描いてリインたちに襲いかかる。 リインはすかさずチャフフレアを放出する。 リイン「FUCK!」 バッババッバババン!! チャフフレアの欺瞞によってミサイルはあらぬ方向に命中する。 ズンズウウウン アルバトロス「ミサイル全弾はずれ!小口径砲による射撃を行ないます」 アルバトロスは格納式の機関銃座を展開し、リインたちに集中砲火を浴びせる。 ドドドドドドドド!! ライラ「てめえはしつこいんだよ!!」 ライラが機関砲をアルバトロスに向けて撃ちまくる。 ドガドガドガドガ!! アルバトロス「うわあああ!!ま、マスタァーーー!!」 体中を大口径の機関砲で撃ち抜かれ、弾薬庫に引火したアルバトロスは派手な水蒸気爆発を起こして轟沈する。 □コルベット艦型MMS「アルバトロス」 Sクラス 撃破 モントレ「ご、護衛のコルベットが!」 ライラ「邪魔なコルベットは沈めたぜ!」 リイン「よし!今だ!!ロケットランチャー全弾撃ちつくせ!」 バシュバシュバシュシュシュ!! ブレア「うわああ!」 ザフィー「に、逃げろ!」 ノレマ「NOOOO!」 橘田「か、回避全速!!」 モントレ「ま、間に合いませ・・・」 フェイサー「うわあああああああ!!」 ズドドドドオオンッ!!! 物凄い爆音と水柱を立てて、一気に3隻の輸送艦型神姫が木っ端微塵になってバラバラに吹き飛ばされ轟沈する。 □輸送艦型MMS「モントレ」 Cクラス 撃破 □輸送艦型MMS「フェイサー」Cクラス 撃破 □輸送艦型MMS「ラヴァトリ」Cクラス 撃破 □砲台型MMS 「ブレア」Bクラス 撃破 □砲台型MMS 「ザフィー」Bクラス 撃破 □火器型MMS 「ノレマ」Bクラス 撃破 ライラ「イーーーヤッハ!!」 セシル「まるでイワシ缶だぜェ」 リイン「やりましたね!シャル」 シャル「今日は久々に大量だな」 シャルたちは、勝ち誇ったように上空を旋回し、エンジン音を轟かせる。 リインがシャルのすぐそばを通る。 リイン「シャル、昨日はその・・・すまなかった・・・臆病者なんていってしまって」 シャル「本当に臆病ならリアルバトルの武装神姫なんかやらねーよ、ケガしないバーチャルのロンドやってるぜ」 リイン「それもそうだな・・・」 ライラ「そーいえば今日はいつものテンペスタの連中いねえな」 セシル「あいつらはマスターが女子高校生だからな、今週はテストの前だから大人しいんだよ」 ライラ「なるほど」 セシル「ということは、テストが終わった日が危険ということか・・・」 To be continued・・・・・・・・ 次に進む>「ドラゴン-4」 前に戻る>「ドラゴン-2」 トップページに戻る
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前を見た少女と、煌めく神の姫達(その二) 第四節:真心 楽しかった夕餉も終わり、私達は電車で次の場所へと向かった。そこは、 冬のお台場である。バレンタインには相当早い為か、夜と言ってもさほど カップルの数は多くない。私達の邪魔をされないという意味では、上等! 「とりあえず、観覧車にでも乗るか?街の夜景を見るのも、いいだろう」 「はいっ!あたし達も、こんな所に来るのは初めてですから緊張します」 「……多分それは、マイスターも同じなんだよ?だって頬が、紅いから」 「マイスターも来た事無かったの?大丈夫かしら……でも付いていくわ」 「折角のデートですから、デートコースはマイスターにお任せですの♪」 民放キー局が遠くないこの場所にあるのは、湾岸地区の夜景を楽しむには 最適と、午前中に買い求めた雑誌の記事で書かれていた大観覧車である。 なるほど……目の前にしてみれば、小さな私の躯にはかなり大きい。更に 躯の小さな神姫達ともなれば、天を突く程の巨大な風車なのかもしれん。 「……ふむ、どうだ。これに乗って、今から暫く皆に話をしたいのだが」 「う、うん。良いわよ……アタシには何がどうとか、まだ分からないし」 「きっと東京の夜景が、煌めく無数の宝石みたいに映るはずですの~♪」 「楽しみ、かな。さぁ、マイスター……行こう?邪魔のされない領域に」 「どんな時間が過ごせるのか、楽しみですね……ええと、大人一枚です」 訝しむ受付嬢に“大人一枚”と復唱して、私達はゴンドラへと乗り込む。 デートスポットに一人で来る、こんな外見の私を不審に思うのも当然か。 だが無闇にそれを怒るよりも、今は大切な“妹”達との時間を尊重する! 「ほう……これが、東京の夜景か。どうだ皆、自分達が住まう街の灯は」 「うん、綺麗!凄く綺麗よ……世界がこんなに輝いてるのに、アタシっ」 「それ以上は言いっこ無し。エルナちゃんも、この光景を楽しむんだよ」 「そうですよ。ほらアレ見て下さい!東京タワーですよ、東京タワー!」 「夜空の星はちょっと見辛くても、夜の灯火はまた綺麗ですの~……♪」 その自制が奏功し、皆は輝く夜の街並みに釘付けとなっている。無論私も 東京の美しさを再認識して、荒み気味の“心”が満たされるのを感じる。 陳腐とは思うが、こういう些細な事さえも……今なら大事に思えたのだ。 そして最上部へ差し掛かった辺りで、私は話を切り出してみる事とした。 「……さてと、まずは今日の修理で何をしたか。それを告げねばならん」 「修理、ですか?あたし達は全身のモーターと、電装機器が不調で……」 「とても立ってられなくて、セーフティが起動したんだよ。大丈夫かな」 「有無。それらの交換・修理は無論だが、CSCへの負荷が大きかった」 正直、今告げて良いかは悩んでいた。だが、この後にもっと重大な告白を せねばならん以上は、この程度なら『大事の前の小事』と言えるだろう。 私は、少し不安げに見つめる四人を膝に乗せて“治療”の内容を告げる。 「そこで損耗が軽微な“プロト・クリスタル”の情報を利用したそうだ」 「利用?それって、データの補強に別のCSCを用いたって事ですの?」 「そうだ。現行型CSCの論理ダメージは、そうして修復したらしいぞ」 そして物理的な傷は、Dr.CTaが持つマイクロマシン用の技術で回復した。 その辺をどうやって直したのかは、私には分からぬが……恐らく彼女なら 後顧の憂いがない程度に“傷”を修復してくれた、そう私は信じている。 「そしてエルナ。お前の“CSC”も、同様の方法で修復したと聞いた」 「えッ!?ちょっと、CSCって……アタシにそんなのが入ってたの?」 「有無。当然、現行型CSCではない。もう一つの“プロトタイプ”だ」 「じゃあ……これでエルナちゃんは、正真正銘“神姫”になれたのかな」 「更に言えば、本当の意味であたし達の“妹”にもなりましたね……♪」 それはロッテのCSCが正式に認可される程度に、CSCと酷似した珠。 神姫の試作品が源流ならば、それも必然だったのだろうが……エルナに、 “心”が宿るのを拒む者が居なかったのは、これで確かとなったのだッ! 「やっぱりエルナちゃんは、愛されてましたの。そしてこれからもっ♪」 「う、うん……アタシにも“心”……“真心”が、宿ったのかしら?」 「無論だろう。四人とも、各々の“真心”を得て蘇ったのだ。大丈夫!」 恐らく同じ修理法は何度も使えぬだろう。それだけの“離れ業”なのだ。 だが、Dr.CTaがそうして皆を蘇らせた事は……私達にとって特別な意味を 持つだろう。“魂”が神姫にあるならば、その繋がりがより強固な物へと 進化したという事が、言えるのだからな。私にとっても、誇らしい事だ! 「そっか……じゃあ、アタシもお姉ちゃん達の大切な“妹”になれる?」 「勿論ですの!エルナちゃんは、これからもずっと大切な存在ですの♪」 「ボクらも……アルマお姉ちゃんも、ロッテお姉ちゃんも……なのかな」 「それは、マイスターの“告白”を聞けば分かると思いますよ……うん」 「そうだな。では今こそ、言おうではないか……っと!?ちょっと待て」 そして“様態”の説明が一区切り付いた所で、皆の視線は私へと集まる。 そう、いよいよ告げねばならぬ時が来た……と思ったのだが、見ると外の 風景は、輝く夜景から元居たビルの谷間へと戻ってきていた。そう、今は 観覧車の中……一周してしまえば、降りなければならない。迂闊だった。 「う、うぅむ……時間が来てしまった。場所を変えて、そこで話そうか」 「それがいいですの。ちょっといい雰囲気だったのに、残念ですの……」 「ぅぅ……じゃあ何処に往きますか?あたしは何処でも大丈夫ですけど」 「やっぱり、ロマンチックな場所がいいと思うんだよ。大事な事だから」 「アタシは……胸が熱くなる感じがしてたから、助かるわ。少し怖い位」 ──────私も怖いけど、だけど……とても胸が暖かいよ。 第五節:約束 場所の選定ミスによって、告げるタイミングを逃した私達。だが、ここで 諦めるつもりはない。という訳で、観覧車を後にした私達は海浜公園へと やってきた。潮騒の音が、優しく夜闇を揺らす……そんな静かな場所だ。 だが、どうも仕切直しとなった空気は重苦しい。何から話せばいい……? 「……ところでさ、マイスター。なんでアタシの名は“エルナ”なの?」 「む。いきなりだな、エルナや……そうか、名前の由来が知りたいのか」 「そうみたいなんだよ。ボクは、お店の名前からもらったんだけど……」 「あたしもですね。“ALChemist”から一文字もらってます……あっ!」 そんな雰囲気を撃ち払ったのは、エルナだった。そう、“妹”の名前には しっかりと意味がある。店名から、ドイツ人女性の名を導き出したのだ。 “Alma”と“Lotte”、そして“Clara”に“Erna”。不思議か?だがッ! 「そう。エルナの“r”と“n”は、“m”を分解して捻り出した物だ」 「つまり“錬金術師”の名を冠する大切な神姫、って事になりますの♪」 「アタシも、同じ存在なのね……じゃあ残りの字は、どうするのかしら」 私の考えを聞いて、エルナは嬉しそうに……しかし、少しだけ不安そうに 私を見つめる。彼女の純粋な問いに対する答えは、私の胸にある。それは 少し照れくさい言葉となるが、“告白”の切っ掛けとしては上等だろう。 「まず、“ist”は“Christiane”……クリスティアーネから取った物」 「……なら残りの“h”はどうしますの?それが、気になりますの……」 「そうだな。“Herz”……ドイツ語で、“心”や心臓を意味する単語だ」 『え……?』 そうだ。皆の中心には“心”が……私の“心”がある。今から告げるのは それを確固たる物とする為の、誓いの儀式だ。言葉は、選ばねばならん。 「エルナ。新しく私達の“妹”となる、気高き紫の姫君よ」 「な、何?……マイスター、何でもいいわ。話して……」 「お前を解き放った以上は、終生まで側にいてもらうぞ?」 「これ……首飾り?お姉ちゃん達と、お揃いの……?」 私は、答えを待たずポケットから一つのペンダントを取り出して、彼女に 付けてやった。そう、私の……歩姉さんのペンダントを元に作り上げた、 五人お揃いのペンダント。これがエルナに与える、“約束の翼”である。 何れは此処に神姫バトルの階級章を嵌め込む。そうして完成する逸品だ! 「……クララや、静かなる翠の姫君よ」 「何、かな?マイスター……」 「智恵と、秘められた優しさ。これからも大事にしてほしい」 「……大事に?……それは……」 クララは答えを紡ぎ出そうと俯き何かを思うが、私は更に皆へと告げる。 四人もいるのだ、一々区切るよりは一遍に告げてしまった方が楽だろう? 「アルマよ。陽の如き、明るき紅の姫君」 「は、はいっ!?」 「お前の暖かさと“姉”としての矜持は、皆を支えていくだろうな」 「ぁ……支えるだけじゃ、ダメなんです……その……」 アルマは反論しようとしたが、そこで一端言葉を句切った。そのまま私は 残った一人へと、そして皆へと想いを告げる事とする。血が沸騰しそうな 感覚を堪えて、私は言葉を絞り出す。最早、隠す事は出来ないのだから。 「……そしてロッテ、澄み切った蒼の姫君よ」 「はいですの♪」 「お前は、純粋な“心”で私の……皆の力となった」 「……そう言ってもらえると、光栄ですのっ」 「そして、皆……今だけは、私の『本当の言葉』を伝えたい」 『はい……』 それは、遠い昔に棄ててきた私の“弱さ”。しかし、完全に捨て去る上で 彼女らに、それを伝えないといけなかった……ううん、伝えないとダメ。 私の弱い所も強い所も、全部……何もかも皆に見せないといけないから。 「コホン……皆、とても大切。『好き』とか『愛してる』だけじゃない」 「ま、マイスター……?」 「もっともっと純粋な『大切にしたい』って想いが、私にはあるんだよ」 「……マイスター、その口調……」 「でも、それを一言にしちゃうなら……やっぱりこうなっちゃうかな?」 「ずっと前、お店を立ち上げるより前の……弱かった頃の言葉ですの」 「だから、私は言うよ。アルマ、ロッテ。クララ、エルナ……四人とも」 「う、うん……何?」 そう……これは私が弱さを棄てる前に、歩お姉ちゃんと話していた言葉。 今この時は、この言葉で語りたい……だって、止められない想いだもの。 それはたった一言。陳腐でも、飾らなくてもいい。偽れない大切な言葉。 「“大好き”だよ……皆」 『あ……!?』 その言葉と共に、私は皆の小さな……とても小さな唇と、優しく触れる。 堅い殻の躯だけど、それでも“心”はとても甘く切なくて……暖かいの。 だけど、それを認識したから……私はやっぱり、素直になれないのだな。 「……は、はは。今更生き様は換えられぬが、雰囲気もあるしな?」 「マイスター……」 「だから今だけは、あの言葉で想いを……な、何だクララや?」 そう言い、照れながらも調子を戻した私の掌に乗るのは、クララだった。 彼女は、心なしか潤んだ様に映る“琥珀色の瞳”で、私を見つめている。 「異形を抱えて消えかかったボクを救ってくれたのは、貴女なんだよ」 「……う、うむ。そうだったな」 「その時から、ボクの“心”にはずっと貴女がいたもん」 「クララ……?」 「だから、ボクも言うよ……掛け替えのない大切な人に“大好き”って」 「んむ……ん、ぷは。クララ……むぐぅ!?」 そして私の唇に押しつけ返される、クララの小さな唇。そっと抱きしめる 私の手中で、彼女は身を退き……アルマへと、身を譲った。彼女もまた、 私の唇を奪い……そして、泣きそうな儚い笑顔を浮かべつつ言ったのだ。 「ん、ん……あ、アルマっ?」 「支えるだけじゃダメです。あたしも、皆を愛して……愛されたいから」 「アルマ、お前……」 「だって貴女の“心”が、あたしを暖かくしてくれたから……だから」 「……有り難うな、本当に」 「いいんです、一生お返しするんですから。“大好き”な人に……ね?」 涙が零れる。だが、皆の思いが籠もった“琥珀色の瞳”を見逃すまいと、 私はずっと皆を抱きしめながら、その想いに応えていくのだ。次に、私の 前に現れたのはエルナ。彼女は、頬を真っ赤に染めながら上目で告げた。 「……正直ね?まだ、何もかも信じ切れたわけじゃないの」 「エルナ……それは、そうだろうな」 「だけど、貴女達なら……お姉ちゃん達と貴女なら、信じてみたいわ」 「……そうか」 「“命”と“心”を掛けて救ってくれた皆を、“大好き”って言いたい」 「──────ッ!」 「それが、アタシの“真心”。素直じゃないけど、赦してね?……んっ」 「ん、む……んぅぅ!?」 エルナの告白と共に、私の唇は三度……そして四度塞がれる。最後に私へ “純潔”を捧げたのは……他ならぬロッテだった。彼女は、とても明るく 私に微笑みかけて、そして紅潮する顔をそっと抱きしめてきたのだ……。 「人と神姫では、歩いていける時間が違いますの。永遠は無理です」 「ロ、ッテ……?」 「だけど、全ての時間を“大好き”な人と共に使いたいですの♪」 「あ……ロッテ、皆……ッ!!」 「だって、本当に“大好き”なんですから……貴女の事が」 「……ぐす、みんなぁ……ッ」 「だから万一人間の恋人さんが出来たって、問題ないですの~♪」 「ッ……ばかぁ、っ!」 ロッテの“告白”を受けて、四人が私を見上げる。堪らなく、愛おしい。 私は優しく抱きしめた。小さな殻の躯に詰まっているのは“空”ではなく 純粋で穢れのない“心”。その眩しさで、また私の視界は潤んでしまう。 私は、ずっと……愛しい“妹”達を抱きしめて、歓喜の涙を流していた。 彼女らも、その想いは同じだろう……それがまた嬉しくて、微笑むのだ。 「ぐす……私の“弱さ”を見せたのはお前達だけだ、そして……だなっ」 「今後“弱さ”を見せる事は多分無いだろう……って言いたいのかな?」 「それでも大丈夫ですよ。今の……マイスターの“心”は、皆の中に!」 「ちゃんと刻まれたわ……大丈夫、忘れない。貴女の全てと共に歩むの」 「だから、もう一回だけ。皆で“告白”しますの♪いっせーのーせっ!」 『マイスター……“大好き”ですッ!!!!』 ──────私も、“大好き”だよ……。 ──武装神姫……小さな戦乙女。人と機械の垣根を越えて、そんな君達に 出会えた喜びは、ずっと朽ち果てない宝物だよ……小さな私の“妹”達。 皆で、ずっと一緒に歩んでいこうね。それが、皆の“願い”だから──。 妄想神姫:本編 / Fin. メインメニューへ戻る
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第5話「白子とご主人様の戦闘準備」 「ご主人様にお願いがあります」 三人でのんびりくつろいでいたとき、白子が妙にかしこまって俺に声をかけた 「ん? なんだ? 改まって」 「実は私…。バトルに、参加してみたいんです!」 「ぎゃにぃい!?」 「し、白ちゃん!?」 まさか、こんな事を言うとは… 「黒ちゃんが毎日うなされてて、私たちにはどうすればいいのか分からない…」 「それは俺だって考えている。でも…」 「そんな、だって…。白ちゃんまで怖い目にあうこと無い!」 あわてて止めようとする俺達二人を白子はかぶりを振って静止する 「一杯、考えたんです。…私も、一度戦場に行ってみたら…何か分かるかも…」 白子が一瞬うつむくが、すぐに凛と顔を上げ 「もう、決めたんです」 その表情を見て、俺も黒子も、白子の説得は不可能だと察した しばし沈黙が流れ、やがて意を決したように 「ボクも、出る!」 「黒ちゃん!?」 「ボクが原因なのに、白ちゃんばっかりにやらせることなんてできない!」 俺は頭痛を感じたが、戦場の恐ろしさに立ち向かうことで黒子のトラウマも軽減されるかもしれない そう思えば、俺に出来ることはたくさんある 「タッグマッチの部門もある。二人ペアで参加するのがいいだろう」 「ご主人様…!」 白子がとがめるような声を出す。過保護な部分がある彼女は黒子を止めるべきだと考えているんだろう しかし、俺はそれを黙殺し、 「それと、二人に、新しい名前をつけてあげよう」 「ご主人様?」 「え? なんで?」 「せっかく試合に出ると決めたんだ。それなのに白子黒子じゃあまりにおざなりだろ?」 「あ、やっぱり自覚あったんですね…」 「じゃあ、ご主人様はボクが試合に出るのに賛成してくれるんだ!」 「ああ、いずれこういう日がくるかもと思って考えていた名前があるんだが、…マリンとアニタってのでどうだ? 白子がマリンで、黒子がアニタだ」 「マリンと、アニタ…ですか」 「いい名前です! 気に入りました!」 「そうか、気に入ってくれたか…。なら、お前達が史上最強の神姫として君臨できるような武装も用意せねばならんな…」 「は?」 「えっと?」 「クククク、待っていろ二人とも、俺が持つすべての技術を結集して究極の装備を開発して見せるぞ! フフフフフ、ハァーッハッハッハッハッ!」 「ご主人様!?」 「き、気を確かにしてください!」 なんか二人が心配していたが、俺は体中にやる気とアイデアが満ち溢れるのを感じていた ―――次の日の夜 「う~、ご主人様遅い…」 いつに無く落ち着きが無い白ちゃん…じゃなかったマリンちゃん 確かにちょっと遅いけど、まだ電車一つ分くらいしか遅れてない 「マリンちゃん…探しにいっちゃだめだよ」 ボクは面白くなって、ちょっと意地悪な声を出しちゃう それにマリンちゃんがぷぅ、と頬を膨らましてちょっと怒ったような声を出そうとした瞬間 バターーン! という、玄関を蹴り開けるような音が響き、 「ただいまぁ!!」 いつもと比べて異様にパワフルなご主人様の声が響く 昨日はひたすら紙にボクたち用武装ユニットの設計図を書きなぐって一晩明かし、 始発が動き始める時間には「早速上司を説得だ!」とか叫んで家を飛び出していったので非常に不安だったけど、一日中ハイテンションは続いたようだ 「マリン! アニタ! 所長を説得して、スポンサー契約を取り付けたぞ! これでうちの研究所が総力を上げてお前たちのバックアップを行う体制になった!」 急な展開に思わず呆れるボク。マリンちゃんは一瞬ふらついたが、すぐに気を取り直してご主人様に噛み付く 「何でいきなりそこまで話が大きくなってるんですか!?」 そんな言葉をご主人様は全く無視してまくし立てる 「二人のための武装も、マリンのは4日後、アニタのも8日でロールアウト予定だ」 完全新規設計の武装ユニットをたった4日で…。でも 「ボクのは後なの?」 「ああ、それだけでなく、マリンのはサード基準、アニタのはセカンド基準の出力になっているから、セカンド昇格まではマリン一人で戦ってもらう」 「ど、どうしてですか?」 「マリンちゃんだけ戦わせるなんて…!?」 「厳しいことだが、これはスポンサー契約の条件の一つだからどうにもならんことだ。ついでに3ヶ月以内にセカンドに昇格できなければスポンサー契約は打ち切られる」 「たったの?」 「一人でやるのに、それは短いよ!」 あまりに無茶な条件にボクは大声を出してしまう 「大丈夫、サードからセカンドに上がった最短レコードは1週間だ。まあ、シングルで、八百長試合の噂が耐えない奴だったが…。それに比べれば競技人口の少ないタッグなら3ヶ月くらいでいける、かもしれない」 「でも一人でなんて!」 「まって、アニタちゃん…。いいの、私やる。ご主人様が出来るって言ってるんだから、それを信じる」 「マリンちゃん…? だって戦うのって危ないんだよ! 怖いんだよ!」 「わかってる。でも、怖いものから逃げちゃ駄目なの。アニタちゃんもそれに立ち向かうって決めたんでしょ?」 「マリンちゃん…」 「大丈夫、サードはヴァーチャルが基本だから、危険は無い、はず」 無責任な事を言うご主人様 「ご主人様…!」 ボクは思わず咎めるような声を出してしまう。でもマリンちゃんはそれを制して 「アニタちゃん、ご主人様を信じられないの?」 「そうじゃないけど…!」 「そうだ、俺を信じろ。俺の何よりも誇れることは、技術力だ。この世の何よりもな」 そう力強く宣言するご主人様。ボクは長らく黙っていたけど 「…はい」 と頷くしかできなかった 「とりあえず、武装データは先行して完成させてきたから、これでヴァーチャルトレーニングできるぞ」 といって、押入れから訓練機を引っ張り出してくるご主人様。そんなの持ってたんですね… 「それと、これもだ。昔、知り合いの研ぎ師に遊び半分で作らせたものだが、本物の業物だ。これも信頼しろ。俺の次にな」 そういって取り出したのは二振りずつのナイフとマチェットだった。鈍く輝き、見るからに鋭そうな… 「これは…?」 「作ったのは俺じゃないが、設計自体は俺がした。製法も素材もこだわってあるから、硬度も切れ味も並じゃないぞ」 「ご主人様…、本当はボク達にバトルさせたかったの?」 「まあ、そういう気持ちも無くは無かったが、バトルにはあまり興味ないといわれて諦めていたよ」 そういって笑ったご主人様。いつも以上に生き生きしているように見えるけど気のせいだと思っておこう 「とりあえず、俺は出来る事をすべてやった。後はお前達に任せるよ」 「はーい!」 「ご期待に沿えるよう努力します!」 誤配送のときには感じなかった、ゆっくりと温まっていく高揚感。戦うのは怖いけど、ご主人様とマリンちゃんが一緒なら大丈夫 そんな気持ちがボクの心の奥底から湧き上がってくる。やっぱり、ボクも武装神姫なんだ… その夜、久しぶりに、ボクは悪夢を見なかった 続く
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バトルも終わり、記四季は彩女と共に席を立った。 「しかしあの狙撃手、恐ろしいほどの腕前でしたね」 「だぁな。俺もまさか、動けなくなるほどに正確とは思ってなかった」 来たときと同じように、着物の肩に彩女を乗せその場を去ろうとする記四季。しかし記四季のその行動は、女の声で遮られた。 「・・・・おじいちゃん?」 記四季が振り返った先にいたのは、サラを肩に乗せた春奈だった。 「・・・おぉぅ。春奈じゃねぇか。元気してたか」 突然の孫娘の登場で、記四季はばつが悪そうに頭をかく。 無理も無い。武装神姫はかなり市民権を得、一般にも普及し始めてはいるがまだかなりコアな部類に入る趣味だ。彼の周りには女性ユーザーが多いが、やはり男性ユーザーの方が圧倒的に数は多い。 見つかった相手が孫娘、ましてや記四季は老人である。何だかいわれの無い誤解を受けそうな空気だ。 「・・・・あー・・・つまりだな・・・・こいつはよ・・・ほら、アレだ・・・」 ボケ予防に買ったとか嘘をつくか? だが本当は妻が死んだとき、春奈の姉の都が寂しかろうといきなり送りつけてきたと言うのも別にいいかもしれない。 ・・・いや、そもそも自分は何故こんなにも混乱しているのか? 別にやましい理由が無いならば、真実を話しても構わないのではないか? しかしそれを言うのは都に悪い気がするし、なにより自分のプライドがそれを許さない。 ・・・どうしたものか、と記四季の脳が全力で回転していると 「お初にお目にかかります。記四季の神姫をしております。彩女と申します。春奈お嬢様のお噂はかねがね」 空気読んでない犬が、深々と座礼をしやがったのだ。 ホワイトファング・ハウリングソウル 第三話 『爺の心労』 「・・・つまり彩女ちゃんは、お姉ちゃんからのプレゼントって訳なんだ」 「・・・・応」 彩女が春奈に挨拶した後、なし崩し的にティールームに連れ込まれ(彩女の発案)店内で一番奥の席に座り(記四季、最後の抵抗)麦茶を注文したところで記四季は春奈に彩女の事を話していた。 「となると・・・まさかビルを袈裟切りしたのは・・・」 「はい、私で御座います」 神姫は神姫で話が盛り上がっているようだ。ようなのだが人間側が全く盛り上がってない。 別に春奈は普通にしている・・・というか記四季が“自分が神姫を持っている”事を気にしすぎて、春奈はどうすればいいのか対応に困っている。 彼の考え方は妙に古いところがあり、恐らくは女子どもが持つべき人形を男の、しかも老人の自分が持っていることを孫娘に知られたのがショックなのだろう。 ボケ予防に神姫を買う老人もいることだし・・・別に気にすることは無いと思うのだが。 「・・・そ、そうだ。彩女ちゃんってハウリンタイプだよね。なのになんで髪が白いの? 耳も生えてるし」 「・・・・・・なんでも、都が知り合いのカスタムメイカーから貰ってきたらしい」 「ふ、普段から甲冑着てるの?」 「・・・・家に送られてきたときは十二単を着ていた」 「お、おじいちゃんは、最近どう? 私はテストで赤点ぎりぎりだったよ」 「・・・・昨日イノシシ鍋食べた。・・・・・解体に手間取ったよ」 「・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・」 会話が続かない。 春奈は今、非常に困っていた。 その様子を少し楽しそうにテーブルから見ているサラは本物のサドだろう。八谷以外でこんなに困っている春奈を見るのは初めてだ。 彩女はというと暢気に茶をすすっている。あんな山奥で暮らしていると人付き合いが無いため、春奈には悪いがちょうどいい機会であると助け船を出さないつもりだ。 「・・・あ、あのさ・・・えぇと・・・そ、そういえばお姉ちゃんも神姫を持ってるんだよ。悪魔型と犬型の姉妹でね・・・」 「クロとハチ公か。知ってるよ」 「う、うん、それでこの間その二人がね・・・」 「・・・アヤメ、キシキはハルナが苦手なのですか?」 「違います。多分、お嬢様に私の存在がばれたのが問題なのでしょう。ほら、私達はマニアックな存在ではないですか。多分引かれるとでも思っているのでしょう」 「なるほど、まぁその心配は無用ですが。・・・しかし大した狼狽ぶりですね。ハルナもさることながら、キシキも無言で狼狽すると言う芸を披露するとは。いやはや七瀬一族、中々に奥が深い」 「・・・まぁ主も山に引き篭もってばかりではいけませんからね。たまにはこうして街に下りるようにしているのです」 「山に引き篭もる・・・随分アウトドアなヒッキーですね」 「事実その様なものです。あの竹が生い茂り、緑しかない景色の中では、あまり外にいると言う感覚がしません」 「ほほぅ、竹林ですか。少し見てみたいですね」 「それでしたら春奈お嬢様と是非お越しください。文字通り何も無い場所ですが、持てる限りの持て成しをさせて頂きますので」 「それはありがたい。ではそのうちにお邪魔させていただきます」 神姫は神姫で暢気なものである。 「それじゃ、またね。おじいちゃん」 「・・・・・・・・・・応。お前も元気してろな」 ティールームで一時間ほど話した後、春奈と別れ記四季は帰路についた。 行きは手に持っていた杖を、今は突いている。・・・背筋は真っ直ぐではあるが。 「今日はお疲れ様で御座いました」 「・・・全くだ」 彩女が微笑みながら言うと記四季は溜息をつきながら答える。 自分がいなければ主はここまで疲れなかっただろうと、彩女は思ったが気にしないことにした。 何分刺激の少ない山暮らしだ。たまにはこういうのも悪くは無いだろう。 「こんなことならムラサキんとこ行っとけばよかった・・・そうすりゃ心構えも出来たってのによ・・・」 「主、彼女は『アメティスタ』です。・・・確かに彼女の“能力”には目を見張るものがありますが。それにばかり頼っていてはいけませんぞ?」 記四季と彩女が暮らす山の入り口にある北白蛇神社。そこにいる『アメティスタ』は予言ができると言う。確かに彼女は他の神姫とは違い、どこか神秘的な美しさを備えていはいるが・・・彩女にとってはただの友人だ。 ちなみに、アメティスタが予言が出来ることは秘密にされている。彼女のマスターが騒ぎを嫌う性格だからだ。そのためアメティスタは自身の姿を見せないように、パソコンで予言したことを書いて印刷している。その精度はなかなかで好評なのだが、予言できる内容が日常に関すること(どこぞのスーパーがセールをするとか。明日は雨が降るとか)ばかりなので地域密着型の預言者とも言えるかもしれない。 「ならば明日こそはアメティスタに会いに行きましょう。ここ最近彼女と話していませんしね」 「・・・俺ぁむしろ神主の方に用事があるんだがな。まぁいいさ、明日行こう。今日はもう帰るぞ。このままじゃ帰る頃には真っ暗だ」 「御意。最近不逞の輩が増えたそうですし、騒動は避けたいですな」 「タバコ屋のタミさんとこだったか? この間空き巣が入ったのは」 「ですね。まぁいつも居眠りしていらしたようですし。空き巣も何も取らずに帰ったそうですが」 二人は話しながら、逢魔ヶ時の街を歩いていった。 ・・・・二人が家に着いたのは日が落ちてからの事である。 前・・・次
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第六幕。上幕。 ・・・。 2035年12月31日。千葉峡国神姫研究所。 大晦日の夜も既に更け、除夜の鐘が遠く響こうとする時刻。既に所員たちのほとんどは帰途につき、その研究所も一年を終えようとしていた。 常夜灯以外の電源が落とされた研究所。しかしそんな沈黙が支配する中で、今尚、所長室には明かりが灯っていた。 小幡 紗枝は、彼女の体躯にしてみれば十分に大き目の事務机の前に座り、その目の前に置かれてあるクリアーカバーで蓋をしたケースに静かに視線を向けていた。 幾度と無く、それに手を触れ・・・しかしやがて離し、大きな溜息と共に椅子に深々と座りなおす。 こんな事を、彼女は一週間も続けていた。 その器の中には目を閉じて眠っているような一体の神姫。違う・・・眠っているのではない。そのCSCは二度と起動する事は無く、その瞳は二度と開かれる事は無いのだから・・・。 そう、『死んで』いるのだ。彼女は。 「ゼリス」 小幡は呼びかけると、その年齢相応の皺が刻まれた顔を両手で覆った。 「・・・」 エゴだろうか。 これまで数十体という神姫のボディを、『失敗作』という名目でCSCを埋め込まず、起動さえさせずに分解してきた自分が。 最早『死した』神姫を、かつての自分のパートナーであるという理由だけで・・・それを分解する事を躊躇うとは。生前の彼女がそれを願っていたというのに。いや、だからこそか。何故、彼女がそんな事を、こんなに辛い事を自分に託したのか。それが理解できないまま。 これほどに。自分は未熟であったのか? ゼリスが遺したZFというファイル。そこには、確かに彼女からのメッセージが込められていた。『自分のボディを分解してほしい』と。『娘たちに、それを受け継いで欲しい』と。 だが、果たしてそれを、簡単に受け入れる事が出来るだろうか? 貴女の『心』を、最後まで・・・私は見る事が出来なかったの? 目をやれば、変わらず。口元に静かな笑みさえ湛えて彼女は永眠についている。美しい翠の髪も。草色のスーツラインも何も変わらない。その合成樹脂によって作られた体を横たえ、昏々と眠り続けている。 この姿を、この姿を失えと? この姿を、私自身に壊せと? そう言うのですか? そんな事を託すなんて。 いや、かつて、我武者羅に研究に打ち込んでいた自分ならば可能だろう。だけど。今、ここにいるのは。 (貴女のパートナーなのですよ?) 幾度目かの溜息。出来ようか。そのようなことが。 そもそもは、探していたのだ。 彼女たち、神姫という人工の存在が。それでも時折見せる『心』の場所。CSCと呼ばれる多大なブラックボックスを内包した超集積プログラミングシステム。それは、口調や性格のパターンを複雑化し、限界まで叩き込んだ人工AIの一種。 組み合わせさえ選べば、性格、精神年齢さえ自在に変える事が出来る、その技術の結晶たるCSC。だが、時として人が作り上げたプログラムが介入できないレベルにまで神姫は・・・この世に現れてからずっと、明らかな不確定要素的な因子を示していた。 それを、小幡はあえて『心』と呼び、解明を行おうとしていた。 やがて。 言語、通訳。朗読や踊り、歌など。『芸術・文化的要素』を強化した神姫シリーズが発足するにあたり、その一つのタイプ・・・通訳等での活躍が期待される言語・発声能力特化型神姫のプロトタイプを峡国研究所が製作し、小幡自身がそのテスターとして『彼女』を受け取る流れになった。 それまで個人では神姫を迎えた事の無かった小幡にとっての、言うなれば、長く『彼女達』と付き合ってきたにも関わらず、『初めての神姫』。 ようやく完成したタイプナンバーはCRZR-C003。プロトタイプ・・・MMSネームを『クラリネット』と名付けられ、小幡の手に渡った。 心の究明の手伝いにもなるだろうと、軽い気持ちでそれを引き受けると。彼女はCSCを生まれて初めて、自分の手でボディにセットした。 そして。その銀の眼を、ゆっくりと開けた神姫が最初に行った行動は。 CSCに基本として導入されているはずのマスター初期確認でもなく、ネーミングのセッティングでもなく。また、自身のコードナンバーを読み上げる事でもなく。 微笑みを・・・優しく浮かべる事だった。 『はじめまして、マスター』 美しい声でそう言って。 小幡の中で、それまで積み上げてきた全てが崩壊していくと同時に。何かが大量に流れ込んできて。意味も解らず、突如としてぽろぽろと涙を流しはじめた彼女を、慌てて『ゼリス』は宥めていた。 (・・・それまで。私は常に無機質な世界を見つめていた) 数式とデータによって支配され、怒濤の様に流れていく歴史に取り残されまいと。虚ろな瞳で急くように走り抜けていた。 それがこの世界の法であると信じて。 だが、彼女と出会い。彼女と暮らす事で。時間という風が緩やかになっていく。 相も変わらず忙しい日々。神姫のパーツ開発、また、武装神姫プロジェクトの発足によるテスト武装の試験。 それでも。その風は緩やかに吹いていた。 『風に、憧れます』 そう言った彼女に、風になりたいのかと聞いた事がある。 『いいえ? 風になりたいのではなく。風に憧れるのです』 謎々のような事を言って。ゼリスは笑った。 少し不思議な感覚を有している彼女は、しかし研究所の皆からも愛されていた。 やがて。 第一期武装神姫の武装テスト中、彼女のCSCリンクシステムに異変が発見された。 記憶の消失。どうしようもない欠陥の発覚。 泣きながらも真実を伝える私に。彼女は微笑みかけたのだ。 『・・・とても、とても嬉しいです』 何故? どうしてかと問う私に。 『だって。これだけの想いを、私は受けているのでしょう?』 そう言って、ようやく彼女は静かに泣いた。 想いを『受けている』? 私は、その感覚を理解する事は出来ず、戸惑いと悲しみに打ちひしがれるだけだった。 ・・・。 ふと、涙の温かさを感じ。小幡は顔を上げた。 涙。 そうだ。いつから、私は涙を流せるようになったのだろうか? ただ、灰色で。無機質な日々でしかなかった。彼女に会うまでの、それまでの生きてきた長い日々。 その世界を。風が吹きぬけるように・・・色取り取りの美しい世界にしてくれたのは。他ならぬゼリスだった。 ほんの少しの、ちょっとした事で心が揺れる事を知り、喜ぶ事を覚えたのも。 海を眺め、空を見上げ、移り変わる世界に思いを馳せながら、夢を描く事を知ったのも。 頬を濡らす涙を流す事を教えてくれたのも。 全ては・・・彼女と共に、歩み始めてからではなかったか。 『・・・マスターは』 ふっと、思い出したようにゼリスは銀色の瞳で私を見つめた。 『とても人らしいヒト、ですね』 いつものように謎々のような事を言う彼女。 私は最初から人ですよ? と困ったように問い返した私に。 『えぇ、けど。最近とってもヒトらしいなって、思うんです』 そう言って、イタズラっぽく。彼女は笑った。 「そうですね・・・」 ゼリスと出会い。 「私の方・・・だったのですよね」 『神姫』である彼女に照らされるように、それまで何事にも急き走り続ける事しか出来なかった私が。 「貴女と出会う事で」 ・・・共に生きる事で。 「心と、心が触れ合う事を知りました・・・」 涙がケースに滴り落ちる。 「『心』を生む事が出来たのは、私の方でした」 人である私が。神姫であるゼリスから。 人としての心を貰って。 『人になれた』のだ。 ・・・。 小幡はコンピュータのモニタートップの『ZF』と名付けられたファイルを見つめていた。 ゼリスの言葉。ゼリスの声。ゼリスの姿。全て、そこには宿っている。 そして。遺志さえも。このちっぽけなプログラムの中に。 小さくても。そこには確かに翠色の風が、宿っている。 ・・・。 「翠?」 ふっと。 小幡は、目の前で眠り続けるゼリスの髪に目をやった。美しい髪色は、全く変わることなく艶やかに流れ、その肌は今も生前の美しさを保っている。 「・・・」 瞳が揺れた。 彼女は、ようやく。 その、長きに渡る研究と。自分が抱いてきた謎の解を知った。 (『違う』) 人ならば既に、色も何もかも変わっているだろう。 その身は荼毘に伏され、美しい姿を残す事も無く、今は写真を眺めるくらいしか出来ないだろう。 彼女達は人ではない。神姫だ。それは解っていた。それは理解していた。 だが、いつから? いつから勘違いをしていたのか? その体は人工の物。作り出された美しい樹脂の結晶。 そして・・・その『心』もまた、『人間に似せられて人工的に作られている』と。そう信じてしまっていた。それは間違ってはいない。CSC、ヘッドコア、ボディユニット。 全ては人が生み出し、人が作り上げた存在である。 だが・・・だが、それでも? それでも、彼女たちの心を人が作ったと言えるのか!? 「違う・・・」 今度は口をついて出た、その言葉。 神姫は。 『神姫の心を有している』。 『心』を解明しようと。その心が生まれる瞬間を知ろうと。彼女を迎えた時には。 『神姫の心』を、『ヒトの心のミニチュア』としか考えず。彼女はいつしか・・・ただ、その既に出ていると思った結論を受け入れようとして、それをただ科学的に証明しようとしていただけだったのだ。 人の心を元に。神姫の心があると信じていた。 「そうではない・・・そうですね?」 答えぬパートナーに、小さく笑いかける。何と愚かなマスターだろう。そのような事は、貴女がずっと。ずっと伝えてくれていたのに。 『神姫には。神姫としての。ツクリモノではない。確かな心がある』。 小幡は後悔の涙を流した。 「許してください・・・ゼリス」 私はずっと、『人の心』の尺で全く違う存在を計ろうとしていたのだ。どれほど、心の解釈を彼女に押し付けただろう。 「貴女は・・・全てを知っていたのでしょうね」 ゼリスは、それらを神姫の心で受け止め、そして。それこそ命尽きるまで答えてくれていたのだ。 だとすれば。 「・・・」 彼女の遺志。それもまた・・・人の心では計れぬ行為なのか? 「貴女は・・・『神姫』として、何をしようとしているのですか?」 問いかけ、その心に想いを馳せる・・・。 その遺志は、彼女の・・・『自分を残す事』。 小幡の動きが止まった。浮かべていた哀しい笑みが震えるように崩れ、目が見開き、驚愕の面持ちに変わっていく。 「まさか・・・」 それは。神姫である彼女であればこその。 『継承的行為』。 「あ・・・あぁっ・・・?」 小幡はケースを、震える、その少し節くれだった手で抱き上げた。少し揺れ、中のボディがカタリと壁にぶつかった。 「・・・貴女は・・・!」 眠り続けるパートナーは静かな微笑を湛えている。 人は死して名を残すという。子を残し、身体は自然に帰し、いつしか大地に戻る事が出来る。 ・・・神姫は。作られた体の神姫は。その身体を残す事しか出来ない。その美しい、姿だけは残さんとする。 愛してくれた主の為に、大切にしてくれたマスターの為に。彼女達はたくさんの思い出が詰まった身体を残すだろう。 「・・・そう」 『身体しか残せない』のだ。 彼女達はそれ以外に、それこそ何も抱かずに生まれてくるのだから。母も父も、子も無く。ただ、生まれてくるのだ。 自分が自分であったという証拠。それさえも。貴女は。後の神姫に、渡してくれと。 『そんなに驚いた顔をしないでください。ずっと前から決めていました』 ・・・。 その決断を下して。どれほどの恐怖と戦いましたか? 死した後、自分の身体が切り刻まれる事への恐ろしさは、人の比ではなかったでしょう。 どれほどの哀しみを抱きましたか? 自分が『いなくなる』という事を思い、その小さな身体で、絶たれる未来に・・・どれほどの哀しみを宿したのですか。 どれほどの涙を・・・私達に見せないように流したのですか? それは神姫にとって、『全てを失う』に等しい行為なのに。ただ。『母』として。姿も知らぬ『娘達』に心を込めた身体を贈る事を。 『身体を失っても。マスターや皆さんと一緒に、『心』があります』 ・・・。 小幡は、止め処なく零れ落ちる涙の中。確かにその声を聞いた。 信じていたのだ。科学的に何も実証されず。人間でさえ信じようとする者が少ない、その、掛け替えの無い物。 『心』。 それは。彼女が。 恐らくは世界で始めて、自らの意思で『死す事を選んだ』神姫である彼女が。 誰よりも優しく、妹たちを、娘たちを見つめていた彼女が。 子を為す事も出来ず、自身の未来さえ絶たれた一体の神姫が。辿り着き、望んだ、最後の結論。 彼女に許された唯一の・・・『未来を紡ぐ方法』だったのだ。 ゆっくりと小幡はケースを手に立ち上がった。 「ありがとう・・・」 貴女を作ったのは私。 私の心を生んでくれたのは・・・貴女でした。 返さなくてはならない。この恩を。 私を人にしてくれた貴女へ・・・身を裂かれる様な思いに貫かれても。『人の心』が、苦しいと悲鳴を上げても。 貴女への恩に報いましょう。 未来を、紡ぎましょう。 なおも重い足を、それでも作業場に向ける。 少し疲れたような微笑を浮かべ、ケースを開けて。翠の髪を指先で軽く梳かす。 「受け継ぎましょう・・・」 貴女の、遺志を。 『人としての心』を持つ私が。貴女の『神姫としての心』を・・・受け継ぎます。 母として。友として。 そして・・・『娘』として。 ・・・。 夜が白々と明け始める頃。作業は終了した。銀色の小さなケースを載せた台車を押して、小幡は酷い表情で再び所長室に戻ってきた。 長く息をつき首を振る。想像通り、それは凄まじい精神的苦痛を伴った。心が砕かれるような思いの中。それでも彼女は・・・全てをやり遂げた。 CSCの神経リンクとの硬着。今の規格とは違いすぎる・・・完全な旧式化で使えないパーツ。最早、ほとんどの部分が利用できないと覚悟していたが。それでも少しながら、利用可能な部位を取り外す事が出来た。 銀色の、小さなケースを机に並べていく。 数は僅かに5つだけ。 どんな神姫がこれを受け継ぐのだろう? そんな事を思い、ふっと、小幡は苦笑する。 こんな旧式のパーツ、きっと『いらない』と笑われるだろう。普通に考えれば。 だから、これを受け継ごうとする、受け継ぐ神姫は・・・貴女に似て、少し、変わっているのでしょうね? ゼリス。 まだ姿さえ知らぬ・・・彼女たち、『ゼリスの娘たち』は。 一つ目のケースには『喉』。 それはクラリネットタイプの特徴の一つ。声帯を内包した部位。様々な言語を使いこなす・・・透き通るようなあの、声量豊かな声。 この喉を受け継ぐ神姫は・・・その美しい声を響かせ、それに乗せて『心を伝える』事になるだろう。 二つ目のケースには『脚』が一対。 少し古い感じのするデザイン。ゼリスのスーツカラーがそのまま残る場所だ。堅めの足裏でカタコトと、小気味良い足音が今はもう懐かしい。 この脚を受け継ぐ神姫は。どれほどの困難があろうとも。強い意志で『心と共に歩む』だろう。 三つ目のケースには『手』・・・。 高質樹脂ではない。少し表面がざらついているのが特徴の合成樹脂。どことなく、彼女らしい素朴な感じのする小さな手。 受け継ぐ神姫は、全てを優しく抱きしめて来た手で、『心を包む込む』事だろう。 四つ目のケースには『眼』が入っている。 光を宿す銀色の瞳・・・相手の目を見つめて話す事を心がけていた、彼女の柔らかな、表情豊かな視線を宿した部位。 受け継ぐ神姫は、目を逸らしたくなる過去さえも乗り越え・・・真っ直ぐに『心を見つめる』神姫だろう。 そして・・・。 最後の一つのケースを机に置く。それだけは少し小さ目なケース。そして他の物よりも、遥かに丁重に扱われるように、多重のケースに入れられている。 (・・・。・・・) 何故、この部位が全く損傷無く取り外せたのか。CSCが活動を停止した今。それが取り外せたのは奇跡に近い。 小幡は明るくなりつつある空に目をやり、窓を開けた。 風が吹き込む。 貴女は私の娘。 そして、私は貴女の娘・・・。 上りつつある陽に目を細めながら、小幡はゆっくりと言葉を紡ぐ。 「全ての妹たち・・・」 陽光は輝き、闇の空を開けていく。 「・・・全ての娘たちよ」 肩に、確かに彼女を感じる。いつものように穏やかな表情で、その美しい声を響かせて。 冷たい風が髪を遊び、カーテンを軽く吹き上げる。 翠の髪、銀の瞳。パールと草色のスーツを身に纏った、美しい神姫がいた。 プロトタイプ=クラリネット。名をゼリスという。 流れ往く時間の中で。彼女の名はいつしか忘れられ、歴史に埋もれていくだろう。 (消えはしない) 彼女は言ったのだ。『心』がありますと。 世界で始めて、母となる事を選択した神姫。 (消せはしない・・・) 声が重なっていく。 「貴女たちを、愛しています。これまでも、ずっと。これからも・・・」 自分の声と、他ならぬ、優しい『母』の声。 「そして・・・」 重なり、やがて。 あの、懐かしい声が響いた。 『想いと共に。未来を紡ぎなさい』 西暦2036年。1月1日元旦。 全てが忙しなく流れ往き、歴史の波濤が全てを覆い尽くす時代。 そんな中でも時として。 草色の風が舞い、緩やかな『想い』が彼女達の髪を梳き・・・流れる事があった。 第六幕。下幕。 第六間幕
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私立龍ノ宮大学理事長室 そこが今現在俺、及びノア、ミコ、ユーナ(三人ともインターフェイスなんで正確には美子と優奈)の現在位置なんだが… 「はっ!ひっさしぶりだな明人!元気そうでなによりだ」 「いや、吟璽朗のじっちゃんよりは元気じゃねぇから…」 「ははっ、ちげぇねぇ!俺も兼房も若けぇのよりはなんぼも元気だからな。褒め言葉として受け取っとくぜ?」 そういって銀色の派手な扇子を片手にカラカラと大笑いする爺様との対談中であるのだ この爺様について少し説明しておこう 名は龍ノ宮 吟璽朗(たつのみや ぎんじろう) 年は75 職業は…まぁお解りだろうがここ、私立龍ノ宮大学の最高責任者、理事長 うちのジジイ、鳳条院 兼房とは若い頃からの付き合い…つまりはダチなのだそうだ そしてここ、私立龍ノ宮大学こそが今回の騒動の元になった葉月とアルが通っている大学なのだ… ついでを言えば 「しかし…ノアールさんに美子さん、優奈さんだったか?学生時代、そこそこ人気はあったのに誰とも交際していなかったお前が三人もいっぺんにたぁ驚いたな…」 三年前まで俺が通っていた大学でもあるんだ 「いや、こいつらはそんなんじゃねぇから」 「ん?そうなのか?もったいねぇな…三人ともベッピンさんなのによ」 「理事長、お戯れを…」 「理事長さんだってカッコいいよ~燻し銀?」 「おうおう、うれしいこといってくれるじゃねぇかw でも良かったぜ、お前が落ち着いたとなると涼が煩いだろうからなぁ…」 「涼さんか…元気にしてるのか?」 「お前、卒業以来全然顔ださなかっからな。多少のお小言は覚悟するんだな」 「…あ~、まぁ、なぁ…」 「一応元気にはしてらぁ。今は紅柳君の下についとる」 「薫…じゃない、紅柳教授にか?」 「アニキ、二人だけでしゃべってないで説明してくれって」 すこし拗ねたようにいう優奈 「ああ、すまない。紅柳 薫(くりゅう かおる)ってのは俺のダチで、去年からここの電子総合学部で教授をやってんだ。んで涼っていうのはじっちゃん、龍ノ宮理事長の孫でここの情報化学部の助教授をやってたんだが…なんで涼さんが電子総合学部に移ってんだ?」 情報科学部の講義は俺も取っていた うちのジジイと吟璽朗のじっちゃんの仲だから俺と涼さんも昔からの縁だったわけで色々と涼さんには世話になった いわば涼さんは大学時代の俺のセンセイだった ちなみに涼さんは香憐ねぇと同級生で同じ中学、高校を卒業した親友だったりする 当時から二人揃ってかなりの優等生、しかも美人ときたもんだ 勿体ない事に未だ二人とも独身なのが不思議でならない 「本人の希望だよ。もうそろそろ来るだろうから詳しくは本人から聞くんだな。」 「え゛ぇ゛!?呼んじゃったのか?」 「はっ、予想通りの反応だな」 じっちゃんめ、余計なことしやがって… 俺が頬を引きつらせていると控えめなノックの音の後に「失礼します」という大人しめな男の声が聞こえると共にドアが開いた 「明人、久し振り」 「お、おぅ…薫…いや、紅柳教授」 「はは、薫でいいよ」 やんわりとした笑顔、優しげな声で薫はそう言った 中性的な顔立ちは相変わらずだが少し長めになった髪を束ねていたり清潔感のある白衣姿は三年ぶりの再会であることを俺に認識させた 「ほんと久しぶりだな…」 「うん、電話やメールはしても直接会うのはほんと三年ぶりだよね。あ、彼女たちは…」 「あぁ…こいつらは」 「ノアール・H・アレッシアさんに鳳条院 美子さん、その妹さんの優奈さん…でしょ?」 「え?ええ?」 「な、なんでアタシ達の名前を?」 「ははは、葉月君から話は聞いてたんだ。それに…」 「それに?」 「あ、いや、この続きは涼さんたちが来てからにしよう」 なんかすっきりしない言い方しやがって…って、そうだ、忘れてた 「薫、り、涼さんは来るのか?」 「うん、ちょうど今日から新しい教授がくるんでその出迎えと理事長室への案内もあるからって。もうすぐ来るんじゃないか…あ、来たみたい」 薫の言葉の途中で理事長室のドアをノックする音が聞こえる 先ほどの薫の様な控え目な感じなど一切しない遠慮なしのノックの音に俺の背中に鳥肌が立った 扉が開く時がスローモーションのようにゆっくりと感じる 俺の心の中でダースベーダーのテーマのBGMが流れていく 開かれた扉の向こうにはダースベーダーなどではなく銀縁眼鏡の白衣の女性が立っていた 「爺さん、失礼するよ」 俺にとってはダースベーダーよりも恐怖の対象なんだがな… 「おお、涼、やっと来たか」 「ああ、ここに来るまで少し頼道しながら来たからね。ね?ツクモ教授?」 「ツクモ?…ツクモ……」 なんかどっかで聞いたことのある…しかもかなり最近… なんてことを考えてると扉の向こうから飛んでもない人物が現れた 「なっ!?み、ミラ?」 「若様ではないか…なぜここに?」 アメリカ・カリフォルニア州神姫BMA・ロサンゼルス支部所属、違法神姫調査官にして第五回鳳凰杯・2037 春の陣 の大会中に起きた連続爆弾事件・『アルカナ事件』を見事に解決した救世主、ミラ・ツクモの姿がそこにはあった 「へぇ、そんなことがあったのか。大変だったじゃないか」 場所は移って現在地は電子総合学部の教授室 薫と涼さんの仕事場である ミラと少しばかり話をした後お邪魔にならないようにこっちに異動したわけだ 「大変だったのはミラ達と桜さんぐらいですよ」 「桜さんもか…だったら香憐も関わっていたのだろう?」 「ええ、といっても俺が事実を知った頃にはあらかた片付いちゃってましたから」 「へぇ…若いのに優秀なんだね彼女」 「それをお前が言うなよ紅柳教授、教え子に追い越されちゃった私の立場がないだろ…」 「あ…すいません…」 「お前の性格だから仕方がないが普通のやつならかなり厭味なタイミングで謝ったな…」 薫は俺と同い年だ なのに若くして大学教授 そう、薫は超天才なんだ うーん、どうしてもコイツとフェレンツェ博士が社会的に同じ部類だとは思えんのだが 「あ、や、えと、僕はそんな…」 「わかってるって。それよりも久しぶりだな馬鹿弟子…」 うお!!いつかは来るかと思ってはいたがついに矛先がこっちに向いた!! 「三年…挨拶もナシとはどういうことだ?」 「あ、いや…」 細められた目に睨まれて思わず口ごもる俺 「うおぉぉ…アニキが押し負けてるぜ?」 「お兄ちゃんがノアねぇ以外の人にこんな風になるの初めて見た…」 そらそうだ 俺にとってこの人は『天敵』そのものだからな 「ふ、まぁ顔を見せない間にもお前の事は葉月とフォレストから聞いていたがな」 「あ、アルティもか?」 「うん、二人とも僕の講義を取ってくれているからね。ここにも頻繁に足を運んでくれるし研究の手伝いもしてくれてるんだ。助かってるよ」 俺の質問に答えたのは薫だった 「へぇ…二人が電子総合学をねぇ…つか涼さんもなんでまた情報化学部からこっちに移ったんだ?」 「むっ…それは…」 俺の質問に苦い顔をする涼さん 「『僕の研究の対象が武装神姫だから』ですよね?涼さん」 「こ、こら薫!」 「へ?涼さんって神姫に興味ありましたっけ?」 「誰のおかげで興味を持ったと思う?」 「はぁるぅかぁ……」 「照れなくてもいいのに。弟子思いの素晴らしい師匠じゃないですか」 えっと、つまり俺が神姫を始めたから涼さんも興味を持って電総合学部に移ったってこと? 「…ただ知識の上で馬鹿弟師に負けたくなかっただけだ。こいつに教わるようなことがあっては師として悔しくてならん」 なんとまぁ意地っ張りな師匠なことで… 「そういや薫、お前の研究対象が神姫って…」 「そろそろ明人にも言っておかなくちゃね」 「そうだな」 「あ?なにをだ?」 「実は僕と涼さんはある科学者の一大プロジェクトに関わっているんだ」 「一大プロジェクト?」 「僕の研究とその人、その人のスポンサーの企業とは方針が会ってね、僕たちも及ばずながら協力してるんだ」 おいおい…まさかその科学者…その企業って… 「その科学者…まさか…」 「ふ、流石我が弟子だな。感は鋭い。私たちが協力している科学者の名はフェレンツェ・カークランド博士だ」 「えぇ!?」 「そんじゃアタシ達のこと…」 「もちろん知ってるよノア、ミコ、ユーナ」 「ですが私たちは研究所であなた方のお顔を拝見したことは…」 「私たちも大学の講義だなんだでこう見えて忙しいのでね。そう何回も研究所の方へは行ったことはないんだ」 「そうなんだ…」 「私と薫をスカウトに来るとはさすがは大物、いい目をしている」 うんうんと頷く涼さんを見てやはりこの人も相変わらずだと思う俺であった 「それで?今日は何しにきたんだ?」 「ああ……今週の金曜、何があるか知ってますか?」 「なるほど、その件か…」 神姫の関係に携わっているとなるとやはりこの二人の耳にも入っていたのだろう 「ふむ、やはりお前も出るのか?」 「まぁ一応…妹の危機なんでね。それで実際神姫サークルのやつらってどんな感じなんっですか?」 「うん…現在サークルのメンバーは8人、内サードが2人にセカンド中位が5人、残る一人、会長の今居がファーストと少ないながらなかなかの実力者が集まっている。少数精鋭といったところだな」 ほぅ…ファーストランカーもいるとは意外だな… 「どれ、敵情視察に来たのなら案内してやる。私も奴らのやり方は気に食わんのでな」 「こりゃまた心強い人が味方に付いたもんで」 「何を言っている。私はお前の師だ。いつだってお前の味方のつもりだが?」 しらっとそんなこと言いますけどね師匠、だったらもう少し弟子に優しくしましょうよ 席を立った涼さんを見ながらそう思うが口には出せないでいる俺であった そんでもって案内されたのが大学の敷地内では南東に位置する第三分館の二階 サークル関係は一から三の文館に分かれているが一分館の方が建物や部屋は大きく、人数が多かったり、世間に話題性があり大学側からして利益があるサークルの方が優遇されているのだ つまり、第三分館の二階に部屋を構える武装神姫サークルは下から数えた方がいい位ってなもんだ ちなみに大学時代の俺は無所属 前半はやさぐれ、後半はノアとミコに引っ掻き回され始めていたころでサークルうんぬんなんて状況じゃなかったからな 「発足はいつからだ?」 「確か…三年前か?ちょうどお前らの卒業と入れ違うかたちで入学してきた今の会長の今居が立ち上げて今年でちょうど三年だな」 「一回生がサークル立ち上げたのか?」 「まぁ何かと苦労はあったようだが奴はなかなか優秀でな。成績もかなりのものだ…まぁ後は本人に会って直接見極めてみろ。その方が何かと…」 「効率的でいい…ですか?」 「む…まぁな」 くすくすと笑う薫 その口癖、もとはと言えば涼さんの口癖だったんだ 俺にもうつっちまってたけど そう言っている間にお目当ての神姫サークルの部室前へと到着したようだ 扉を軽くノックすると「どうぞ」と声がする 意外なことに声は女性のものであった 「……失礼します」 「はいはい~、どちら様ですか…って、あれ?紅柳教授に涼さん?」 ドアを開けた手前には身長155㎝くらいに眼鏡に三つ編みのいかにもオタクな女の子が立っていた 「邪魔するぞ、今居」 「お邪魔します、今居君」 「はい~どうぞどうぞ、今お茶を入れますから…」 振り返る彼女を見て俺は何だか次の展開を予想してしまう 「あっ!」 振り返りざまに床に延びていたコードらしきものに足を取られる 「あああああっ!」 そのまま体制がぐらりと前倒しに… 「きゃぁぁぁ!!」 そして地面へとぶつかる 「…………あ、あれ?」 そこまで予測済みだったからそうなる前になんとか体を支えることが出来た 「あ、あの…」 眼鏡がズレて素顔がちらりと見えるが…なかなかに綺麗な顔立ちをしているじゃないか なんというか… 「君はあれか?」 「はい?」 「一昔前の少年誌のヒロインか何かか?」 「え、ひろ!?わ、私がですか!?」 「それは違うぞ馬鹿弟師!」 「涼さん?」 パニックになている彼女を前に涼さんは腕組みしながら会話に割り込んでくる 「一昔前ではない、それは今でも王道だ!!」 「はぁ…」 「何を隠そう私のこの眼鏡も…」 自分の銀縁眼鏡を指さして涼さんは宣言した 「伊達だからな!」 「…………それっておもいっきり邪道じゃないんですか?」 入り口での一悶着、もといコントを終えて部屋の中で茶を入れてもらう んでもって先にこちら側から自己紹介…毎度のことだから省くけどな 「それじゃ…葉月さんのお兄さんなんですか」 「まぁね、苗字が違ってややこしいけどあいつの兄貴です」 「そうですか…それじゃ今回の一件は…」 「ああ、知ってる。だから来たようなもんだし。だけどそんなことするサークルの会長さんが君みたいな子だとは思ってなかったけどね…」 「あ、あの…それは…」 「少し事情が違うんだよ明人。ほら、今居君、彼になら相談してもいいんじゃないかな?それと、自己紹介まだだったよね」 「あ、はい…私は今居 加奈子といいます。それと私の神姫、タイプ エウクランテの」 そこまで言うと今居さんのポケットから一体の神姫が飛び出し彼女の肩に乗る 「鷹千代です」 赤い翼のエウクランテだ 「赤……もしかして『紅羽の鷹千代』?」 ノアが問う 『紅羽の鷹千代』…う~ん、俺は覚えがないなぁ… 「そのとおり、彼女らはれっきとしたファーストランカーなんだよ」 「あの、その、ファーストといっても一番下位にいるので…ねぇ」 「いいえ、カナコはもう少し自信を持つべきかと…。下位とはいえファーストランカーはファーストランカー。そう多く存在するものではないのですよ?」 「で、でも…」 うん、いや実際鷹千代のいうことはもっともだと俺は思う 下位とはいえファーストの下にはセカンドの何百体、さらにその下にはサードの何千体もの神姫たちがいるのだから それにしちゃあやはりこの子は謙虚というか神姫を私利私欲のために使うような子には見えないんだが 「でもまぁ同じファーストランカーのよしみだ。何か事情がありそうってのは十分わかったし…話してくれないか?」 「は、はい…」 話は鳳凰杯の開始一か月前までに遡るそうな ある日、部室に集まっていつものごとくだべっていると会話の話題に葉月が出てきた 「実は鳳条院のお嬢様が神姫をやっているらしい」 もともと会員が少ないサークルだけに新会員として誘ってみてはどうかという話になった もちろんそれは会長として今居さんも賛成であった そして自ら勧誘しに行こうとすると、それは自分たちでやっておくと買って出たのが 「生田君と八代君です」 「ああ、なるほどな。あの二人なら話がわかる…」 「と、いうと?」 「生田 誠吾、八代 御影、二人ともセカンド中位の実力派だ。その上このサークルでトップ2と3の位置にいる。今居が大人し目の性格してるもんだからあいつら調子に乗っててね。これがまたタッグ組ませると厄介なんだよ」 「今回のことはあとから噂で聞きました。すいません…私…こんなことになってるなんて全然知らなくて…止めようとしてもここまで大きくなってしまっていては」 伏し目になりうなりうなだれる今居さん その眼にはじんわりと涙が… 「ふ、泣くな今居。お前が悪いのではない」 「涼さん…」 「それに過ぎてしまったことは仕方がない、今は次のことを考えるべきだ。なに、大丈夫さ。この馬鹿弟子がなんとかする」 「いや、そうなんの根拠もないことの責任を人に押し付けんで下さい」 「なに?ならお前は目の前の困っている女の子を見て見ぬふりしておくというのか?」 …まったく、この人は 「誰もそんなこと言ってないでしょうが。んで、忘れてません?俺がなんで今日ここに来たのかってこと」 「ん?私の顔を見に来たのでは…」 「はいはい、敵情視察ですよ。つまり、こちとらはなっからヤル気まんまんってこった」 「それじゃ、明人」 「要するにその二人とその他大勢、全員ぶったおしゃ解決なんだろ?」 「はっはっは!言うな馬鹿弟子、150体もの数だぞ?」 「まぁそりゃ数は多いですけど、今居さんもこっちに付いてくれそうですし」 「は、はい!こんなやり方は会長としてゆるせません!」 ノア、鷹千代、レイア、ミュリエルにミコ 正直あいつに借りをつくるのは癪だが冥夜にも手伝ってもらって… あとはユーナとラン、孫市 ファースト三人、セカンド三人、サードが三人とはまた奇麗にそろったな… 「うん、作戦によっちゃ何とかなるかも知れません」 メインページへ このページの訪問者 -
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彼女は強い。 それは承知していたはずだった。 しかし、思わず愚痴が出る。 「なにも、こうも簡単に…、嫌な娘なンだからッ」 彼女は公式バトルの経験はほとんどない。 事実、バトル用の筐体に入った彼女のパラメーターは新参のそれだった。 LP lv.0 SP lv.0 攻撃 lv.1 命中 lv.1 回避 lv.1 防御 lv.0 総合lv.3 今しがた受けた忍者刀での攻撃も、ダメージは軽微。LPも合計200弱ほど持っていかれただけ。ただ、その攻撃の内容が問題だった。 まず、彼女の気配を察知することができなかった。そして攻撃。交錯する瞬間に放たれたその一振りは、確実に自分の左手首に当たっていた。これまでに受けた攻撃は合計三回。最初は足だった。右足、そして左足の順で攻撃を受けた。もちろん、神姫バトルでは攻撃が有効か否かだけで、攻撃部位によって、被ダメージが変わるということはない。どこで受けても一定の計算式に則った値が自分に与えられたLP値から引かれるだけだ。 しかし、その、相手の四肢から攻めて動きを止める、という明確な意志が籠った攻撃は、屈辱でもあったが同時に驚きでもあり喜びでもあった。今まで神姫バトルで部位を考えて攻撃するなどということは、自分が知るどの神姫もー、必然が無かったからではあるが、採ったことが無い行動だったからだ。攻撃を受けたことは屈辱だが、これまでにない新しい経験をできたことに喜びを感じていた。 「流石イリーガルの相手をしている、ってことよね」 しかし、自分の攻撃も当たらない。本来なら、パラメーター上では決してはずすことのない回避レベルである。それでも彼女は遮蔽物を巧みに使い、パラメーターの低さを補っている。補う? 訂正。恐らく彼女は己の回避レベルを意識していない。 本当に戦っているなら、もう勝敗はついている。 しかし、これは公式ルールに則った神姫バトルだ。改めて、自分のステータスを確認する。次の接敵でスキルを発動させられる。 ひょい、と目の前に彼女が現れた。忍者刀の間合いにはまだ少し遠い。 「これで終わりにするよッ!」 クライモアを振り上げた。 春。東京、某大学。サークル棟。「神姫同好会」サークル室。 その少女、山崎恵子は目の前で繰り広げられたバトルに思わず声をあげた。 新入生の勧誘を兼ねて行われたエキシビジョンマッチである。 「すごいよ、巴」 テーブルで一緒に観戦していた自分の神姫に声を掛ける。 「はい、マスター。勝者の方も凄いですが、Cランクであそこまで戦ったあの忍者型は本当に凄いと思い………ます」 巴と呼ばれたその種型の神姫は己の主人の声に応える。 周囲では、山崎と同様に勧誘を受けた新入生たちが、ある者は興奮しながら、またある者はささやくように己の神姫と今のバトルについて意見を交わしていた。その内容は山崎恵子たち同様、短時間でspを溜め込みドラゴンクラッシャーを放った、勝者の花形神姫に対するものだった。 勝者の花型、名をゲンドゥルという、がマスターである間中優の手のひらの上で観客の新入生らに手を振って呼びかけをした。アーマー類は花型の標準武装のそれである。ボディ・アーマー部には青のグラデーションで、音楽のフォルテを模したと思われる記号が配されていた。 ゲンドゥルは打ち合わせていた通りに勧誘の台詞を話し始めた。 「皆さん、見てお解りいただけたように、この同好会は上位ランカーでなければ入れない、というわけではありません。いろんな方々に入って頂きたいんです。今でこそ神姫バトルがメインになっていますが、武装神姫である必要はありません! 互換があるMMS素体のマスターであればオッケー。神姫の服飾デザインに興味のある方や小物作りが好きな方なんかも大歓迎! あたし自身もバトル以外でも素敵な衣装が欲しいしね。気づいていると思うけど、室内の棚に飾っているのは同好会のメンバーが作った………」 「あ、すいません。じゃぁ、ウチの子なんかもいいんですか」 質問を投げかけた新入生の肩には、ホットパンツにビキニを纏ったMMSがちょこんと腰をかけていた。 「もちろん! 最近発表されたSOLの皆さんもオッケー。ローカルルールを作って異種バトルなんかも考えてます」 ゲンドゥルの声に新入生たちからどよめきが上がった。 山崎恵子は、ふと、自分の神姫があらぬ方向を見て動きを止めていることに気づいた。 「巴?」 一拍の間を置いて、神姫が彼女に応えた。 「マスター、わたし、あの人たちに会ったことがあるような気がします」 と、先ほどまでゲンドゥルと対戦していた忍者型とそのマスターを指した。 マスターの男性は、標準体型で身長は170センチを越えるくらい。髪を短く切りそろえ茶色いコーデュロイのジャケットを羽織っていた。山崎はその姿を見た瞬間、自分と同じものを感じ取った。理由はさほどない。ただ、自分と一緒だ、と感じただけだ。 「シラヌイ」 彼は自分の神姫をそう呼んでいた。 フィンランド、ヘルシンキ空港。出発ロビー。 若い女性の声。日本語。 「そういえば、シラヌイさんたち、今頃同好会の新入生の勧誘をしてるはずですね」 その声に、ベンチに座った男が応える。名を相原竜之介、という。 「おや、椿もそういうことをしてみたいのかい」 隣の席に置かれた鞄の上に立つ侍型の神姫に向かって声を掛けた。サンダル履きに作務衣の上下を着た相原の姿とは対照的に、その椿と呼ばれた神姫はフォーマルな桜色のスーツを身に纏っていた。 「いえ、彼も当初と比較して、人付き合いが上手くなったと思います。これもマスターの働きかけあってのことです。以前なら、そのようなことに参加するなんて思えませんでしたが」 「買いかぶり過ぎ…、だよっと」 相原は手にしたPDAをタップしてメーラーをチェックする。 「何か新しい情報がありましたか、マスター」 相原は奇妙な笑いを浮かべた。困ったような、嬉しそうな、人を小馬鹿にしたような表情にも見える。それは、この男が時折見せる特有の表情である。 「どうやら、ね。例のノード群の情報の流れを掴むことができたようだよ」 東京、西東京市。とあるアパート。 「うーん、何か調子ヘンなのよ、最近」 作業デスクの上から、悪魔型神姫がマスターの男性、天野敬三に訴えている。 「ユリ、君はどうだい」 天野は悪魔型の傍らに立つ天使型に尋ねた。 「ケイと一緒よ」 「って、何がヘンなんだ。もうちょっと具体的に」 そう言うと、二体の神姫は互いに顔を見合わせた。どこまで言っていいのかな、とでも言う風に。 「ネット上にアタシたち神姫が情報交換する掲示板があることは知ってるわよね」 悪魔型ー、ケイが切り出した。 「ああ、うわさは聞いたことがある。でも誰も見つけられないでいる。それがどうしたんだ」 「どこかのサーバーにあるわけじゃないからなの」 天使型の、ユリが続ける。 「私たち神姫同士がピアとして、直接データをやり取りしてるの」 天野は一瞬ポカンとして、次にパンと手を打った。 「思い出したぞ。大学の情報処理の講義で出てきた。確か今世紀初頭のP2Pソフトのwinny2で実装されていた掲示板機能だな。………そうか、それなら確かにネット上でその存在を探知することはほとんど困難になるはずだ! いや、上手い手を考えたなぁ」 興奮してひとりで話し始めた。 「おーい、馬鹿オーナーっ」 ケイが、デスクの上で跳ねる。悪魔型特有の長いツインテールがぴょこぴょこと揺れる。 「あ、いや。済まん。ーで?」 「えーっと、ですねぇ。わたしたちたが『おかしい』と言っているのは、本来、クレイドルでバックアップ、デフラグとアップデートをしているだけのスリープ状態のはずなのに、P2Pをしたときのような感じが残っているってことなんです」 話の腰を折られながらもとりあえず説明をするユリ。 一瞬、考えを巡らせた天野が口を開いた。 「むむむ………さて、それじゃー、とりあえず、次の休みにでも神姫センターにでも行ってみようか。ちょっと俺じゃ手に負えないしね。それまではスリープのときにはネットとの接続を切っておこう」
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花は咲き乱れて ※注意!18禁です! 登場人物 パンジーのマスター 友人に勧められ、神姫を初めて購入した男 うっかりさん パンジー 花型MMSタイプジルダリアの神姫 大人しい性格 書いた人:優柔不断な人(仮) ちらっ…ちらっ… 「どうしたのです、マスター?」 昨日ウチに来たばかりのパンジーが俺に言った 「いや…なんでもない…」 友達に勧められて初めて買った武装神姫 パッケ絵に惹かれて中身を良く見ずに買ってしまったのだが、まさか中身があんなにえっちなカッコだったとは… 「心拍数及び呼吸数が異常に上昇してるようですが、どこかお体の具合でも悪いのですか? 「いや、大丈夫だ…」 武装させればマシになるのだろうが、武装させる為には直視しなければならない マスター設定をするまでは耐えられたのだが、動き出したらもう恥ずかしくて恥ずかしくて… 「もしかして、私に何か到らぬ点でも?」 「そんなことはないよ」 「でも私が起動してから、ちっとも私の方を見て話して下さらないのですね…」 う…俺が悪いのに…罪悪感が… 「…クスン、申し訳ありません。私が到らないばかりにマスターに不愉快な思いをさせてしまって…」 「そんな事ないぞ!キミがとっても魅力的すぎるから、俺の気持ちが昂ぶるだけだ!昂ぶりすぎるから怖いだけだ!」 ようやく彼女を見ながら、思いをぶつける 「…ホントですか?」 「ああ、本当だ。キミは俺になんか勿体ないくらい眩しすぎるのさ」 「そういうことでしたら相談していただければ良かったのに。私、良い対処法を知っております」 「何?ホントか?」 「はい。古くから伝わる気持ちの昂ぶりを押さえる方法です」 俺の前に来る彼女、そしてちょこんと座り、足を上げ顔を真っ赤にしながら言った 「私の足を持ってゆっくりと『開いたり、閉じたり』してください…」 彼女の言うとおりにしてみる俺 「開いたり…閉じたり…開いたり…閉じたり…」 彼女の透き通るような白い肌、それが微妙に赤みを帯びている… その肌を隠すのはわずかばかりの白い布… 「なんか余計に昂ぶってくるような…」 「ヘンですね…昔から伝えられている方法なのに…?」 彼女のカラダを弄ぶように開いたり閉じたりする俺… …やば…理性が…ぷち… 「パンジー!」 俺はとうとう欲求に負け、彼女の胸へと指を伸ばした 「あっ…」 弱々しく抵抗する彼女。しかし神姫と人間の力の差は歴然だ むにゅ… 「柔らかい…」 「マスター…ダメです…」 彼女の抗議を無視し、胸をいじり続ける くいっ ブラを上にずらす。彼女の胸が丸見えになる 勿論その先端のピンクの突起まで 「あっ…恥ずかしい…」 彼女のささやかな抵抗が、俺の淫らな欲望を増大させる 「キミが悪いんだ…」 「え…?」 俺の言葉に目を丸くする彼女。体が硬直し、抵抗も収まる そんな彼女の体に顔を近づけ ぺろっ お腹から胸、顔まで舐める 「はうっ…私が…いけないんですか…」 「そうだ、キミがいけないんだ…」 もう一度舐める 胸の先端を刺激する 「はうっ…私の、どこがいけないんですか…」 ぺろっ 答えずに舐め続ける 「私が…悪いんですか…申し訳…ありません…」 ぺろっ 不意にしょっぱい味がして驚く俺 ふと見ると彼女は… 「申し訳ありません…マスター…私が…到らないばかりに…」 その小さな体を震わせて、泣いていた …俺は何をやっている? 今俺はなにをしている? 彼女の何が悪いんだ? 悪いのは俺だ 自らの欲望に負けた俺だ 「…マスター、泣いておられるのですか?」 俺は泣いていた 自分の愚かさに 自分の勝手さに 彼女を傷つけた事に… 「…ごめん」 胸から手を離し、箪笥へと向かう 「…あの」 引き出しを開け、ハンカチを取り出す 「ごめん、最初からこうすれば良かったんだ」 彼女にハンカチを掛ける 「…あ」 ハンカチで体を隠す彼女 「ごめん、キミは悪くない。悪いのは俺だ。恥ずかしがりながらも、キミの肌をみたかった俺の…」 「マスター…」 「俺はマスター失格だ。キミを守らなきゃいけないのに、キミを傷つけた。キミを汚そうとした。自分の性欲を満足させるためだけに!」 「そんなことないです…」 「…え?」 「マスターにそんな感情を起こさせた私が悪いんです…」 そういって立ち上がる彼女 「だから…」 顔を真っ赤にし 「私で鎮めてください…」 ハンカチを下に落とし、全てをさらけ出して 「私を…汚してください…」 彼女が言った 「…わかった」 彼女を優しく持ち、テーブルの上へと乗せ、仰向けに寝そべらせる そして、彼女に残った最後の砦…パンティを脱がす 「…あ」 彼女の秘部からはキラキラと光る物が… 「濡れて…いる…」 「恥ずかしい…」 「もっと濡らしてあげるよ」 そう言って秘部に舌を這わせる 「はうぅ…」 熱い吐息を漏らす彼女 そんな彼女の秘部を執拗に攻める俺 だんだん彼女の息づかいが荒くなってくる 「あっあっ…はぅ…あん…あうう…あっ…ああっ!…もう…ダメッ!」 そんな彼女の秘部に最後の一撃を与える 「ああ~~~~~っ!」 背中をピンと反らせ、達する彼女 「ふぅ、ふぅ、ふぅ、はぁ、はぁ…はぁ…」 そんな彼女の頭を、優しく撫でる 「…申し訳ありません…マスターを鎮めなければ…いけないのに…私だけ…」 「…じゃあ、休憩したらこっちも…」 「あ…大丈夫です…」 彼女の返事を聞き、立ち上がりスボンをおろす 「…あ…これがマスターの…おしべ…すごい…」 この表現を聞いて、ああ、やっぱりこの子は花型なんだなと思ってしまった 膝を付き、テーブルの上にいる彼女に男根を近づける 「それじゃ、頼むよ」 「…はい」 そういって男根に手を伸ばす彼女 「…うっ」 触れた途端に快楽が… 「あっ…大丈夫ですか?」 「大丈夫、気持ちよかっただけだから。だから続けて」 「はい…」 そう言って男根を撫で始める彼女 「うう…きもちいい…もうちょっと…強く…早くして…」 しゅっ…しゅっ… 彼女の擦る力が強くなり、速度も上がる しゅっしゅっしゅっしゅっ 「ああっ…先端も舐めて…」 ぺろっ…ぺろっ… 舌による刺激も加わる 先走りの液体と、彼女の唾液とで男根はすっかりビショ濡れになった ぬちゅっぬちゅっ… 濡れた卑猥な音が響く もっと刺激が欲しい… 「ちょっとストップ」 「…はい」 彼女を止める俺 「もう一回寝そべって」 いわれるままに寝そべる彼女 その上に男根を乗せる 「足で締め付けて」 「あ…恥ずかしい…」 そういいつつ足を絡め、締め付けてくれる彼女 「じゃあ、動くから。体をしっかりと固定してね」 テーブルに手を置き、動きに備える彼女 それを確認し、ゆっくりと腰を降り始める ぬちゅ、ぬちゅ、ぬちゅ… 足で締められた男根は、彼女の秘部とお腹へと擦りつけられる 「おっ…おおっ…すごいくもちいい…」 「んっ…はんっ…私も…ですっ…あん…」 腰を振るスピードを上げる俺 「おっ…おおっ!…もう…そろそろ…」 「はうっ…私もっ!…また…あううっ!…」 「はぁっ!…くっ…くぅっ!でるっ!でるぅっ!」 びゅくっ! 「はうっ!…はあああああっ!」 ビクン! 同時に達し、嬌声を上げる彼女の体へと精液をぶちまける俺 びゅくっ!びゅくっ!びゅくっ! 「うううっ…ううっ…はううっ…」 「ああん、マスター…スゴかったです…」 彼女の体は、俺の放った精液で全身ズブ濡れになった… 「そうしてあなたが生まれたのよ、菜種」 パンジーは目の前にいる種型MMSタイプジュビジー…菜種に向かって話しかける 「ふーん。パパとママって、出会ったときからラブラブだったんだ」 「おいおいパンジー、嘘を教えるなよ」 「えー、嘘なの?」 「一部だけよ」 「どこが嘘なの?」 「それはね───」 終わる あとがき エロ妄想スレに投下したネタを大幅加筆修正してみました ジルダリアの足って、めしべなんだそうで そこにかけたら… とここまで書いて、武装させてなかった事に気付く俺うっかりさん
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[部分編集] カービン もともとは馬上で使用する軽量なライフルの事。現在では室内等で使いやすい短くされたライフルをこう呼ぶ。ただし明確な定義はない。ライトガンカテゴリーのイーダ型の武装。ライフルとハンドガンがあるので選ぶ時は注意。 ガイア ヴァルハラのトップに君臨している(いた?)神姫マスター。専用シルエットのオーラ(?)により独特の雰囲気をかもし出している。その厨二病溢れる言動から色々とネタにされ、「大地さん」と親しまれて(?)いる。かっこいい専用戦闘BGMがあるが、イベント戦でしか聞けない。相方はストラーフMk.2のハーデス。説明では他人の大事なものを壊すことが好きなS(意訳)とあるが、むしろただの戦闘狂という方が近い。とりあえずチューブステージでCHIKARAはやめて下さい。 楽器 打撃武器の一種なのだが、このゲームのルールにおいて弱い要素が揃っているためどうにも使うのが難しい。ちなみに打撃に使用する割に何故か打楽器はない。もちろん楽器は本来武器ではないが、ゲーム等では武器として登場することがたまにある。なお、DLCで登場する武器パラボナソナー"マポノス"は楽器カテゴリの武器では楽器の形状はしておらず、純粋な兵器の形状である。補足:ベイビーラズは公式に打楽器を持っているが、ドラムセット本体はリアパーツ、スティックはダブルナイフ扱いであり、パーカッションは通常頭に付けているためか武装ですらない。 勝ち組 何かの要素で勝っているとされる者達の事。男性ならば身長・財力・ルックスなどだったりするが、女の子ばかりな神姫においては一部パーツの大きさで決まると言われる。バトマスでは一般的にイー姉、レーネ、アーク、紗羅檀、オールベルンあたりが勝ち組と呼ばれる。一方で負け組とされる神姫については記述を避けるが、おおむね指摘するとムキになるのが負け組だとい(ここから先は何かで汚れていて読めない)勝ち組側は大抵その事に自覚が無く、「大きくてもそんなにいいことないんだけどなぁ」といった発言が飛び出すことが多い。…ある奴と無い奴の溝は何よりも深く昏いのである。ちなみに、神姫の場合胸パーツは換装できるが、やっぱりそういったパーツは需要があるのか和津香のような悲劇を産むことになったりも…。 滑腔砲 戦車などの大砲で砲身内に砲弾を回転させる旋条がないもの。より高速で砲弾を発射したり、回転すると効果が落ちるタイプの砲弾を発射するのに使う。神姫では、フォートブラッグのリア装備、FB1.2mm滑腔砲がこれにあたる。神姫の装備では、なぜかバズーカ扱いである。対して、砲身内に施条を切って砲弾を回転させる砲をライフル砲(施条=ライフリング)と呼び、こちらは回転することで砲弾の飛行が安定するので、より命中率を求めるタイプの砲弾用の砲となる。 ガトリング ガトリング砲。100年以上前に発明された機関銃。多銃身がリング状に配置されていることが特徴で、複数の銃身を回転させる事で装填、発射、排莢のサイクルを自動で繰り返しつつ連続射撃を行うことを可能とした。手持ち式ガトリングは単銃身で連続射撃が可能かつ軽量の機関銃の登場で一気に廃れたが、同じ数の弾丸を発射した場合銃身が複数ある分だけ銃身へのストレスが減るため発射サイクルを上げても銃身寿命が長い、万一不発弾などの不具合が生じても滞りなく次弾を発射できる等の利点があり、現在では重量が大きいことより動作不良が問題になる航空機搭載機関砲や艦船のCIWSに採用されている。なお、初期は手動式だったが、現在は電動等が用いられる。ちょっと使いにくい武装だがRA「T・ARMS」を入手するとつい使っちゃうんだ。 ガブ/ガブ子 ガブリーヌの俗称の一つ。 ガブリーヌ パンドア製神姫、ヘルハウンド型ガブリーヌ。前作DL神姫でシナリオは第7号にて実装される。自分は地獄から来た、と主張するが、同期の蓮華には「地獄の駄犬」呼ばわりされていた。グラ姐未登場の本作においては、唯一の褐色肌神姫である。 金朋地獄 蓮華の中の人、金田朋子嬢の言動が、あまりにハチャメチャで聞いた者の腹筋を破壊する上に抜け出せなくなる中毒性を持つところから付けられたもの。既に固有魔法の域に達しているとも。バトマスのプレイ動画でも、蓮華が取り上げられると、もれなく金朋地獄のタグが付けられている。今から蓮華のシナリオが実装される日が心配楽しみである。←DLC第5号にて実装。予想通りの金朋地獄が堪能できましたw余談だが、本人のブログ名が「カネトモ地獄 早起きは三文の毒」であり、ある意味公認の言葉である。 キシマさん プロキシマの俗称の一つ。 キメラ キメラ装備とも。複数の動物の混ざった姿をした神話の合成獣キメラを語源とし、転じて神姫各々の純正装備以外の武装を一つでも装備した状態を指す。見た目の整合性やキャラクター性より、よりストレスなく嫁神姫を操作できることを重視したアセンブルスタイル。しかし実際アビリティの補完、戦闘スタイルの自由度確保のため、アクセサリーと武器については何がしか純正以外のものを装備しているプレイヤーがほとんどで、暗黙のうちにアクセサリーと武器に限っては何を装備していてもキメラではないと見なされている。また、固有RAを使用できる純正武装だけでコストを使い切ることはまずないので、空いている部位に追加の武装を施す「純正+α」のアセンブルもごく普通に行われる事である。対戦の際にはこのあたりについてどうするか確認しよう。ぶっちゃけ完全純正以外のアセンブルがアリかナシかで全く別のゲームになる。古くは神姫のゲームがバトロンのみだった時代からある単語で、性能重視で外見がすごいこと(全身ハリネズミのようにブースターがついているなど)になっている神姫が主にこう呼ばれた。キメラの名はそのような外見も関係していたのかもしれない。バトロンでは最終的に武装がまったく同じで素体だけ違う神姫ばかりという状態になったこともあり、「(性能的)個性がなくなる」という事実から「キメラ」を否定的に考えている層も少なくない。しかし武装神姫はもともと公式に組み替え遊びを是としている玩具であり、組み替えの自由がある。結局は「他所は他所、ウチはウチ」の精神が大切ということだろう。また、先の経緯からキメラという呼び方を蔑称として使う人、受け取る人も少なからず居るので空気を読む事も忘れずに。 キャッキャウフフ 一般的には「じゃれあう様子」をさし、神姫とイチャコラする意味で使われる。「キャッキャウフフ」と半角で記載することが通例である。 旧黒子 初代ストラーフの俗称の一つ。ストラーフMk.2と区別するための呼び名。 旧白子 初代アーンヴァルの俗称の一つ。アーンヴァルMk.2と区別するための呼び名。 牛丼/ぎゅうどん/ギュウドン/ギュウドン 戦乙女型アルトレーネの事。バトルロンドやバトルマスターズにおいても、ぎゅうどん会話ネタがついてきたため。 キュクノス ドレス・メカニカ製神姫、白鳥型キュクノス。鴉型アラストールと同じく、コナミが2011年にイベントと通販のみで発売した神姫で、武装部分はレジンキャストになっており、素体はMMS NAKEDを用いる。彼女の登場のために、ガレージキット版で白鳥・黒鳥と呼ばれていたオールベルンが剣士型にされたと勘違いされ、一部のファンからあらぬ恨みを買う羽目になっていたりする。(実際にはオールベルンが「剣士型」として製品化が発表されたワンダーフェスティバル後の飲み会で製作が決まったため、無関係と思われる。また、オールベルンガーネット・ジールベルンサファイアもほぼ同時に発表されており、そちらの影響とも考えられる)アラストールと同様に、武装セットのみがDLC第7号にて実装される。オールベルンにキュクノスのリアを組み合わせ、「白鳥型オールベルン」を再現した紳士も多いのではないだろうか?戦力面でも、オールベルンの純正装備にキュクノスのリアを組み合わせると空中移動系のアビリティが全て揃う(急上昇・急降下、空中ダッシュが追加)ので、悪い組み合わせではない。 強化ミミック ストーリー終盤とクリア後のMAPにてエンカウントするミミックの強化型。SPDとDEFの初期値がずば抜けており、他の部分の数値も素体中で高い部類である・・・が、このゲームではSPDの値が反映される上限がある。また出現の条件を考えると自神姫も十分に強くなっている為、あまりミミックと大差なく感じるかもしれない。ただし、ジャスティスやミミックを育てているときには、Love1だろうと、外に出ると強化ミミックが襲ってくるので、そこだけは注意されたし。 グラフィオス マジックマーケット製神姫、サソリ型グラフィオス。素体未登場だが武器(レサートロッドシステム等)だけ登場。AIは非常に好戦的な性格付けがなされており、「悪の組織の女幹部」や「魔王」などと称される性格の持ち主。ことバトルに関してはマスターに対しても高圧的にふるまうことも。イーアネイラ並の豊満ボディに、胸部装甲とサイハイソックス以外は紋様を描いただけの実質裸という抜群の露出度を誇り、美少女型が大多数を占める神姫達の中で他にイーアネイラ型、プロキシマ型くらいしか居ない美女型。加えて他にはガブリーヌ型しかいない褐色肌であるなど希少性要素のオンパレード。選択肢を広げる意味でも、バトマスにも登場して欲しかった。武装の殆どがリアに集中しているのが特徴。また武装を組み合わせてサソリ型ビーグルメカ「ウィリデ」に変形させることも可能。更に複数の神姫の武装を合体させるシステムに対応し、同時期に開発されたウェスペリオーと互いの武装を合体させることで、大型ドラゴン型メカ「ゼオ」を作り出せる。そのためフィギュアのプレイバリューは非常に高い。このロマン溢れる複数の神姫の武装を合体させるシステムを持つ神姫は、グラフィオス ウェスペリオーの「ゼオ」の他に寅型ティグリース 丑型ウィトゥルースの「真鬼王」 「ファストオーガ」とカブト型ランサメント クワガタ型エスパディアの「ヘラクレス」がいるが、残念ながらバトマスには一切登場しない。 クラブヴァルハラ メインストーリー中盤以降に登場する非公式バトルを行っている賭博場。名の由来は北欧神話において決戦のときに備え戦士達の魂を集める宮殿ヴァルハラ。勝てば相手の武装を手に入れ、負ければ武装を剥奪される。ここにしか出てこないマスターもいる。登場時点では非合法な場所のはずなのだが、ゲームセンターで見かける面々がホイホイ出入りしていたり、違法改造が横行している割に敵の戦闘能力に差異はないなどあまり緊張感はない。浄化後はそれに拍車がかかる。tipsにもあるが問題なのは現金による賭博と神姫の違法改造であり、ここでの神姫バトル自体は違法ではないため安心してほしい。一部マスターが、賭け金がどうのこうのと呟いていることがあるが、聞かなかったことにするのが大人の対応である。柴田君の武器がピコピコハンマーだけになっている。もうやめて、柴田君の使える武器はゼロよ! グループケーツー 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつ。フブキのメーカー。長らくシンボルマークが不明だったが、フブキ弐型 ミズキ弐型のマーキングに、縦に並んだKKを図案化したものがあり、これがグループケーツーのシンボルマークと思われる。 クレイドル 神姫の充電に使われる充電器。主人公の部屋にはクレイドルが1個しか確認されていないため、34体以上の神姫をどうやって充電しているのやら…。主に人間でいう寝床のような形で利用するものらしい…が、アークのイベントではどう聞いても押し込んでいる。なお、同イベントの話を聞くと、どうやら一つのクレイドルを使い回している様子だが、さて…。コナミスタイルで通販グッズとして販売もされたりするが、こちらは無論神姫の充電機能は付いていない。代わりと言ってはなんだが、USBに差すとランプ部分が光る。…ただ、それだけである。 黒子 悪魔型ストラーフの俗称の一つ。今作ではストラーフMk.2も含む。 黒にー 悪魔型ストラーフMk.2の俗称の一つ。黒=ストラーフ にー=Mk.2(に)。間違っても黒いニーソックスの略ではないぞ。大体誇り高いストラーフがそんな装備など…、あー、ど、どうしてもというのなら、その…ゴニョゴニョ 黒星紅白 アフォンソファクトリー製のエストリルとジルリバーズの素体部分を手掛けたデザイナー。代表作はキノの旅やサモンナイトなど。エストリル・ジルリバーズ発表時に降臨した本人のコメントによるとペロリストらしい。 軽白子 天使コマンド型ウェルクストラの俗称の一つ。「軽」なのはライトアーマーシリーズのため。ちなみにヴァローナはこの法則からだと「軽黒子」だが、モチーフからか夢魔子と呼ばれることの方が多い。 ゲイルスケイグル(EX) アルトレーネ専用レールアクション。前作では当てにくいレールアクションの代名詞だったが、今作では威力共に大幅な改善をみられた。が、槍の向きが逆なのはアルトレーネ型のいつもの事だったりする。バトロンではちゃんとした向きで投げるのにどうしてこうなった。ちなみに名前は北欧神話に登場するワルキューレの一人の名前からで、「槍の戦」の意味。 ゲームセンター 娯楽施設。他の神姫オーナーたちと神姫バトルを行う場所。子供からお年寄りまでが利用しているが、神姫上級者も多く訪れるようで、普通の人はちょっと入りずらい雰囲気を醸し出しているような気がしないでもない。。ツガルによると主人公が的確に変人を選んで戦っているだけらしいが…あるいは単に主人公の周囲に濃い人が集まりやすいだけなのかもしれない。隣町にもゲーセンがあり、筐体からレイアウトまでまったく同じようだ。全国展開なのだろうか。ちなみに、画面を見るかぎりレースゲームらしきものが見え、他にも紗羅檀のシナリオでリズムゲーム(「神姫が乗って足で遊べる」ということから、恐らくbeatmaniaIIDXだと思われる)が置いてある事が分かっている。 ケモテック 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつで、ハウリン・マオチャオなどのメーカー。名前通り主に動物を題材にした神姫を取り扱っており、会社のシンボルマークも動物の顔を図案化したもの、と徹底している。神姫デザイナーBLADEのデザイン神姫はほぼここ。 誤爆は神姫名うp スレで誤爆してしまったときは、自分の神姫達につけた名前をうpしなければならないというバトルマスターズ神姫スレの鉄の掟。元々はおもちゃ板の武装神姫スレの鉄の掟「誤爆は神姫(の写真)うp」から。 コナ☆スタ コナミの通販サイト「コナミスタイル」の事。表記の「☆」は略称の語感が某アニメに似るため。武装神姫の限定商品などを取り扱っていたりする。特に地方在住の武装紳士にとって、一般流通しないリペイント版神姫を入手するほぼ唯一の手段でもある。クリアファイル等の「コナスタ限定の」オマケがついてくることも多い。価格は基本的に定価販売(ごくたまにセールをするが、ほぼ瞬殺される)。値段は気にしないが確実に欲しいという場合、ここで予約するのも手だろう。 固有RA 各神姫に特定の武装を施した状態でのみ使用可能になる専用RA、および特定ライバルが使用してくる特殊RAのこと。神姫専用RAにはランク3~5武装を使う通常版(1体のみ例外)と、ランク6~7武装を使うEX版がある。基本的に数を撃ってこその射撃系RAはスキあらば発射できる通常版のほうが使い勝手が良いが武装が貧弱になるという問題があり、EX版はライドマックス状態でしか使えないため出したいときほど使えない。武装も含めて性能はピンキリ。だがやはり、トドメはこれで締めたい。 コンマイ コナミの蔑称あるいは愛称。“KONAMI”をローマ字入力する際、"KONMAI”と打ってしまうことが少なくないことから。またあるアーケードゲームでコナミ自らが誤植してしまったこともある。