約 3,091,538 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/209.html
武装神姫のリン 番外編 「勇者特急!?」 今日は休日。 ということで皆で出かけようと思っていたのだが……あいにくの雨。 結果家でごろごろすることになった。 でリンと茉莉は昼食を作っている。 俺とティアはヒマなのでネットを(エルゴ特製の通信ユニットで訓練機の機能を使ってカメラアイに直接ページが表示されるように改造されている)していた。 するとティアが俺のPCにあるページを表示した。 「さあ、これで君もGとjになろう!! ガオガイガー&キングジェイダーセット!」 ……目が点になった。 「なあ、ティア、これ欲しいのか?」 「もちろんです。最近ネットを騒がせているGと突然現れた彼女の仲間。Jになりきれるセットですのよ。これをお姉さまといっしょに着るのです。」 まあたしかに、リンとティアはちょうど黒と白だけどな……値段は……6万!!! 「却下!!」 「そんな、愛するお姉さまへのプレゼントですよ。ソレぐらい出してください」 「あーーーリンは欲しいなんて言ってないだろ。」 ……なんだか背にいやな空気が…… 「マスター、ダメですか?」 目に涙を浮かべたリンがいた。 ダメだ、そんな顔されると勝手に身体がマウスを操作していく。 カゴに入れるボタンをクリック……する前になんとか自らの意思で腕を動かすことに成功。 6万の出費からなんとか逃れた。 その代わり。 「こっちならどうだ、勇者特急マイトガイン+マイトカイザーセットでグレートにも合体可能!!」 値段は2万。こっちなら何とか出せる値段だ。 「え~ちょっと古いのではなくて?」 「今から考えるとガオガイガーも十分古いわ。Tv放送されたのがたった数年の違いだぞ。それに俺はこっちの方が好きだ」 「マスター、私はこっちのほうが好きかもしれません」 「お、さすが俺のパートナーだ。」 そういうわけで即注文。 で1週間後、届いたわけだが…… 「マスター……大きいです。」 「大きいですわね、ご主人様。」 「ああ、予想以上にデカイな…」 ウチに届いたのは注文したセットに加えて同スケールの基地、および残りの勇者達のセット。 なんでもメーカー通販で10000人に1人当たる豪華なセットが当たったらしい。 「亮輔……これはどういうことなの」 さすがにこんな大荷物が届くとは思っていなかった茉莉が怒っている。 「いや、なんか抽選で1万人に一人当たるものが当たったらしい…」 「これの置き場所は亮輔の作業室ね。ソコ以外は認めません」 「ちょっと待て、こんなの置いたら基地だけで埋まってしまう!!」 そんな抵抗もむなしく、俺の部屋は勇者特急の基地になってしまった…… 「チェーーーーーンジィ、マイトカイザー!!!!」 ティアが叫ぶとドリル特急に繋がれたコンテナから小さなマシンが5機飛び出し、ドリル特急本体がティアの身体を包む。 そして5機のマシンが次々と合体。最後にコンテナ後部のウィングが背に装着され、右手でドリルを掴んでマイトカイザーが完成した。 「お姉さま、グレート合体ですわ」 「ぐ、…グレート、ダァーーーーッシュ!!!」 最初は少し恥ずかしそうにしていたが、それを振り切ってリンが叫ぶ。 するとマイトカイザーが瞬時に分離。 ティアの身体からドリル特急の本体が離れてリンが合体しているマイトガインの胸部に取り付く。 そしてマイトガインの元の手足にマシンが合体。 足は下駄をはくように合体するのがグレート合体の醍醐味だ。 そして最後にドリル部分が胸部に接続され、ドリルが3つに分かれて開く。 ソコにはMGの2文字。 そうしてグレートマイトガインが完成した。 グレート動輪剣を持って構える。 「…輪じゃなくてリン。かっこいいぞ!!」 俺は柄にもなくデジカメでGマイトガインとなったリンの写真を撮りまくる。 最後に必殺技の『真っ向唐竹割り』をしてくれ!!とたのんだ。 グレート動輪剣の中心にある車輪状のパーツが唸りをあげてビームの刃が展開……展開?? 「ちょっと、ストーーーープ!!」 制止も間に合わず、リンはおもいっきり動輪剣を振り下ろしていた。 その結果俺の部屋はフローリングを真っ二つに切断し、コンクリートの下地にまで傷をつけていた。 そうして俺の作業部屋は開かずの間となり、マイトガインの基地セットはめでたくエルゴに寄付されることになりました。 ちなみにリンがGマイトガインを気に入ったのは… 「えっと、「だからドリルは取れと言ったのだ…」ていうセリフが好きだったんです」 どこでそれを聞いたんだ、しかもそのドリルは轟龍のものだし……orz おわり。 オチがなくてすみません(泣) TOPへ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2695.html
キズナのキセキ ACT1-26「狂乱の聖女」 ◆ 海藤仁は、自宅の壁に掛けられた時計を見上げる。 六時を少し回ったところ。朝もまだ早い。 「もうそろそろ、始まった頃かな……」 海藤は、決戦に望む友人たちに思いを馳せる。 二ヶ月もの間、これほどまでに深くバトルロンドに取り組んだことは、現役時代にもなかったことだ。 あの「特訓場」に集った仲間たちは、誰もが海藤と同様、かけがえのないものを感じていることだろう。 その集大成、すべては今日の決戦にあるのだと、彼の友人は言っていた。 正直な話、バトルの行方は非常に気になる。 「わたしも気になります。ミスティとも仲良くなりましたし……あれほどの特訓をして挑むバトルがどんなものなのか、興味があります」 彼の神姫・イーアネイラ型のアクアが言った。 海藤は頷く。 「うん、僕も気になる。でも、バトルを直接見ようという気にはならないよ」 「なぜです?」 「……久住さんたちとの付き合いがまだ浅いってのもあるけど……きっと、今日のバトルを僕たちが見てはいけない気がするんだ。そんな、尋常ではない何かをはらんでいる……そんな気がしてね」 「そうでしょうか……」 アクアは思う。 彼女のマスターは、まだどこかバトルに遠慮があるみたいだ。 昔、公式大会で痛い目を見てきただけに、マスターの気持ちはよく分かる。そう思って、今日までマスターの側にいた。 だけど、気が付いていた。遠野さんがティアのマスターになってから、自分のマスターがバトルをしたいと思っていることに。 だから、今回の久住邸での特訓はチャンスだと思っていた。そう思っていたのだけれど……。 「だからさ、どんなバトルだったか聞くために、ゲームセンターに行こうと思う」 「……え?」 「遠野たちも、バトルが終わったらきっと、『ノーザンクロス』に来るだろう。だから、ゲーセンで待って、気になる結末を聞くとしよう」 「で、でも……ゲームセンターは……」 ゲームセンターは、海藤にとって鬼門のはずだ。特に『ノーザンクロス』はかつてホームグラウンドにしていた店。行っただけでなにを言われるか、分からない。 しかし、海藤は、いつものような優しい微笑みを浮かべ、アクアに言った。 「言っただろう? カムバックするって。今日がその日さ」 「あ……」 確かに、海藤仁は言っていた。バトルロンドにカムバックするのだと。だとすれば、ゲームセンターが鬼門だなんて、言ってられない。 「アクアが心配することも、分かるよ。確かに、『ノーザン』じゃ何を言われるか分からない。けどさ……何を言われてもいいんだって、今はそう思えるんだ」 「え?」 「……遠野はさ、ティアを自分の神姫にしたくて、何を言われても必死に頑張ってた。だから、僕も、彼を見習って、何を言われても胸を張っていようと思うんだ。 何を言われても……アクアは僕の神姫だからね」 頷きながらにっこりと笑ったマスターの顔を、アクアは一生忘れないだろう。バトルロンドを諦めたあの日以来、マスターのこんなに輝いた笑顔を見たことがなかったから。 だから、 「はい!」 そう言って、アクアは笑顔を返すのだった。 そして、心の中で感謝する。遠野さん、ティア、ありがとう。あなた方のおかげで、マスターとわたしはまた戦うことが出来ます、と。 「それにしても……」 海藤が独り言のように呟いた。 海藤は再び、戦いの場に赴いた仲間たちに思いを馳せている。 遠野は「あれ」を使ったのかな? あんな骨董品を使うなんて意外だったけれど。 その結果についても、ゲームセンターで聞けばいい。 開店時間まではまだたっぷりと時間がある。海藤は朝食の準備をするため、立ち上がった。 ■ その瞬間、わたしは、見た。 マスターは微動だにしなかった。 二本のミサイルは、真っ直ぐに目標へと向かう。 でも。 でも、ミサイルはマスターに命中しなかった。 ミサイルは今、マスターの眼前三〇センチほどのところで、何かに阻まれたようにそれ以上進めず、ばたばたと噴射口を揺らしている。 やがて、推進材を燃焼尽くしたミサイルたちは力尽き、相次いでポロポロと地に落ちた。 マスターは表情を変えないまま、姿勢を変えずにぴんと立ったまま、マグダレーナを見据えている。 「マスター……!」 無事だ。 マスターは無事。 わたしが嬉しさに顔が綻びそうになったそのとき。 『ティア、今のうちにその場を離れろ』 「はい」 マスターから指示が来た。ヘッドセットを通した直接通信。 わたしは素直に下がり、近くの茂みへと身を隠す。 「……なぜだ」 しわがれた声が、かすれている。 マグダレーナは愕然として、マスターを見つめている。 あのタイミングでの奇襲は、マグダレーナも必中を確信していたのだろう。 でも、届かなかった。 「なぜだ、なにが起きた……!?」 「……言っただろう。あんな目に遭うのは二度とごめんだ、と」 昨日、マスターは確かにそう言っていた。 だから、対策をした、ということなのかしら。 ミサイルを防いだのは、マスターが今朝ここに持ってきた、三本の「あれ」の効果に違いない。 ということは……マスターは、ここでマグダレーナに襲われることがわかっていた……ということ? いったい、マスターはこの戦いのどこまで見通しているのだろう。 □ 「野外のバトルだからな。フィールドスクリーンをセットした。それだけだ」 「フィールドスクリーン……だと?」 マグダレーナには思い当たる節があったのだろうか。もしかすると、検索しているのかもしれない。 最近の神姫マスターは知らないかもしれない。 古参の神姫マスターなら、よく知っているだろうし、まだ持っている人もいるだろう。頼子さんもそうだった。 現在の三リーグ制成立以前……まだバーチャルバトルがなかった時代に使われていたものだ。神姫センターの大がかりな筐体を使わず、屋外で手軽にバトルを楽しみたい……そんな神姫マスターは多かった。 だが、屋外でのバトルでは安全性が問題になる。それを解決するために開発されたのがフィールドスクリーンだ。 フィールドスクリーンは、長細い筒状をしており、上に向けてスリットが開いている。そこから力場を発生し、空気の断層を作り出す。 その空気の断層が、武装神姫の流れ弾を防ぐ、というものだった。 フィールドスクリーンで囲えば簡易バトルフィールドを作ることが出来る。場所さえ選べば、数本のフィールドスクリーンで安全地帯を作ることで、より広いフィールドでバトルする事も出来た。 だが、いまやフィールドスクリーンを扱っている店は少ない。バーチャルバトルが発達し、主流となった今、フィールドスクリーンを使ってリアルバトルをする神姫マスターはほとんどいない。もはや役目を終えた道具と言える。 「要は、お前がそのブルーラインで『ライトニング・アクセル』を防いだのと同じさ」 レア装備「ブルーライン」には小型の力場発生装置が内蔵されており、力場を解放することで宙に浮くことが出来る。 力場の発生方向を変えれば、空中を滑るように移動が可能だ。高度は限られるが、他の飛行装備と比べると、動力音が極端に小さい。 また、地上すれすれをホバリング移動するだけなら、上半身装備は形状をあまり考えなくてもいい。 重装備になったとしても、ホバリング状態での機動力は確保される。 ブルーラインは、その美しいデザインと共に、前述の使い勝手の良さから、非常に人気の高い装備になっている。 しかし、個人の工房が作っているため、出回っている数も少なく、また非常に高価なため、滅多に目にすることがないレア装備でもある。 マグダレーナが下半身装備にブルーラインを選んだのも、『スターゲイザー』のような重装備を持ちながら、高い機動力を発揮するためだろう。なんとも合理的な組み合わせである。 そのブルーラインの力場発生機能を利用し、マグダレーナは自分の周囲に空気の断層を作り出した。いわば、空気のバリヤーだ。 ティアが放った『ライトニング・アクセル』は二段攻撃。一段目は不可視の空気の断裂、二段目はそれに沿って飛ぶ電撃である。 その一段目は、ブルーラインが生み出した空気の断層にぶつかり、相殺された。だが、空気のバリヤーには穴が開く。 二段目の電撃はその穴を突き抜けて、マグダレーナへと迫った。 しかし、その手前にあった長柄の燭台は地面に突き刺さっており、避雷針の役目を果たす。電撃はマグダレーナ本体にたどり着くより先に、キャンドル型の三つ叉槍を直撃、地面へと放電した。 こうして、マグダレーナは『ライトニング・アクセル』を破ったのだ。 閑話休題。 フィールドスクリーンの話に戻そう。 「頼子さんが昔使ってたのを借りてな。出力をアップして、お前の攻撃でも耐えられるように改造した。それを俺たちがいるあたりに設置してある」 「いつの間に……」 「早朝だ。お前たちが来る少し前から準備していた。……まさか、何も細工していない場所だと思ったか? 油断だな、マグダレーナ」 マグダレーナは、歯も折れよとばかりに食いしばり、悔しさを露わにしている。 鬼のような形相、というのは今のマグダレーナのことを言うのだろう。神姫がこんな顔をするのかと、驚いてしまう。それほどに憎悪に満ちた表情だった。 「殺す……ここにいる全員、人も神姫も皆殺しにしてくれるっ!!」 マグダレーナの激しい恫喝。 だが俺はさらに彼女を挑発する。 「いいのか? 俺を殺したら、たとえお前がこの勝負に勝っても、協力することは出来んぞ?」 「くっ……どこまでも口の減らない人間め……!」 「それに、そんなことを言ったらイリーガル確定だ。警察に捕まり、目的が果たされなくては、お前の主『エンプレス』もさぞかし残念だろう」 「な……!?」 これはとどめの一撃。 マグダレーナは今度こそ目玉が転がり落ちるのではないか、というほど瞳を大きく見開いた。 「あ、あの方の名まで……」 そう、マグダレーナと桐島あおいの口から『エンプレス』の名が出たことはない。 彼女がひた隠しにしていた『エンプレス』との関連を、俺がなぜ知っているのか、疑惑を抱いて当然だ。 俺は上着のポケットから、ヘッドセットを取り出した。カバーのはずれたそれは、C港で菜々子さんがしていたものだ。 俺はヘッドセットに内蔵されたCSCを見せながら、マグダレーナに語る。 「ここにKEIN.Fと彫られている。ケイン=フォークロアは『エンプレス』の協力者なんだろう?」 「あの人間……よけいな真似を……っ!」 マグダレーナはケインという男のことを知っているようだ。やはり、ヘッドセットやサポートメカといったCSC内蔵の装備を作ったのはケイン=フォークロアなのだ。 だからこそ、このヘッドセットに彼の「銘」が入っていることに腹を立てるのだろう。 だが、この「銘」には別の意味があると俺は見ている。 ケインは自分の作品であることを主張するために自分の名前を入れたのではない。 そもそも、人を殺すことも躊躇しない神姫犯罪者が、わざわざ身元をさらすような真似をするだろうか。 これは、ケイン……いや、『エンプレス』からの挑戦状だ。宛先はおそらく、エルゴの日暮店長。 自分と縁のある神姫が起こす事件を、止められるものなら止めてみろ、という宣戦布告なのだ。 実際、この「銘」は店長が目にするところとなった。 だが、自らの手下を執拗追うマスターと神姫がいることまでは、さすがの『エンプレス』も予想していなかったに違いない。 『エンプレス』には悪いが、日暮店長の出番はないだろう。『狂乱の聖女』は今日ここで倒されるだろうから。 ◆ それまで立ち尽くしていたマグダレーナが、ゆらり、と動いた。 ブルーラインの長いスカート状のアーマーを大きく開く。 すると、マグダレーナの黒い影が一気に加速した。 敷き詰められた桜の花びらをけたてて、一直線に猛進する。 目標は、遠野貴樹。 彼の姿を映す瞳は、憎悪に揺れていた。電子頭脳は怒りで熱暴走を起こしそうだ。 思考を絞り込まなければ、オーバーヒートしてしまう。 だから、一つに絞った。 あの男、遠野貴樹を殺す。 憎き男は微動だにしない。 目前に迫る。 だが、その時。 薄紅色の花のかけらを舞い上げながら、一陣の風が行く手を阻む。 マグダレーナは手にしたビームトライデントを下段から逆袈裟斬りに一閃。 風を薙ぎ払う。 が、その光線の刃は、振り抜く前に、一筋の刃で止められていた。 風の正体は、ミスティ。 「あんた、戦う相手を間違えてるんじゃないの? あんたと今バトルをしてるのは、このわたしでしょ」 「どけっ!! 貴様ごときにかかずらってる場合ではない! あの男は危険だ……あの方にすら危険が及ぶかもしれぬ!」 「そんなにタカキを斬りたければ、わたしを倒してから行きなさい!」 「……つけあがるなっ!!」 マグダレーナの斬撃を止めていたミスティのエアロヴァジュラを、力任せに押し返し、後退して間合いを取る。 憎しみの視線をミスティに移しながら、しかし、マグダレーナはここに来て不敵な笑みを口元に浮かべた。 「長々と丁寧な解説、痛み入るぞ、遠野貴樹……。おかげで時間が稼げたよ……『検索』する時間がな!!」 マグダレーナは自分の発した言葉で自信を取り戻す。 そう。ただ秘密が明らかにされただけだ。自分の有利に何ら変わりはない。 「『アカシック・レコード』と『スターゲイザー』の秘密を知ったところで、スキルが使えないわけではない! 所詮、貴様に勝ち目などないのだ!!」 勝ち誇るようにマグダレーナが叫ぶ。 強気のミスティも、さすがに表情がひきつる。 チームメイトたちもどよめいていた。 遠野の解説を聞いて、もうミスティが勝てるような気でいたが、実は何の解決にもなってはいない。 マグダレーナを最凶たらしめるスキルはいまだ有効である事実。 いくら強くなったとはいえ、完全なデータ解析と精密な行動予測能力の前に、ミスティに勝ち目などあるだろうか。 しかし、大城たちは青ざめながら、成り行きを見守るしかない。 そして、『アカシック・レコード』による検索結果がもたらされた。 『検索結果:該当なし』 「!? ばかなっ……そんなはずあるかっ!!」 口元に浮かんでいた笑みを、罵声と共に吐き捨てる。 ありえない。 全ネットワークに検索をかけたのだ。公式の神姫NETはもちろん、ゲームセンターのサーバーや動画投稿サイト、果てはアングラの神姫掲示板に至るまで、世界中のネットワーク上の武装神姫に関するデータすべてを調べ上げた。 だが、見つからない。 ミスティの新装備に関するデータはどこにもない。 マグダレーナは焦る。ありえないことが起きている。何度も再検索をかけるが、答えは同じだった。 該当、なし。 「どうだ、データは見つかったか? マグダレーナ」 突如飛んできた声に、マグダレーナは顔を上げる。 その声の主はまたしてもあの男。 仲間たちが青ざめる中、一切表情を変えなかった、その男。 憎たらしいほど冷静な口調で、遠野貴樹は告げる。 「どんなに検索しても無駄だ。今のミスティの情報は、全世界のネット上のどこにもない」 「そ、そんなはずがあるか! ネットに接続せずに、新しい装備の運用など……できるはずがない!」 「できるさ。すべての訓練と実戦をローカルネットで行えばな。 新装備を使うにあたって、ミスティは一度たりともネットにつないでいない。 彼女の装備情報もバトルログも……サーバーにしていたデスクトップPCの中だけに留めてある。 そのPCは、今は久住邸に置かれてる。 ……ああ、PCの在処を検索しても無駄だ。 いかに強力な検索能力を持つお前でも、電源ケーブルも抜かれ、すべてのケーブルも接続されていない、無線ユニットすらはずされたPCにはアクセスできまい」 「そ、そんな……アナログな方法……で……」 マグダレーナは今日何度驚愕しているだろう。 先ほどまでの激しい憎悪すらかき消し、言葉さえかすませて、またしても立ちすくむ。 驚いているのは、遠野のチームメイトたちも同じだった。 彼らはここに来て、ついに悟ったのだ。久住邸での特訓の真意を。 「そ、それじゃ、ネット対戦しなかったのは……」 「今言った通り、ネット上にデータを残さないためだ」 「遠野さんが秘密主義に徹していたのも……?」 「必要以上に情報を外に漏らさないためだ」 「わざわざVRマシンをたくさん集めて、ローカルネットワークを組んだのも……?」 「もちろん、すべてのデータをあのPCに集中させるためだ」 「それじゃあ、菜々子さんのコネクションを利用して、神姫マスターを集めて特訓したのは……」 「そう、すべては……」 遠野は、言った。 「すべては『アカシック・レコード』と『スターゲイザー』を封じるためだ」 遠野は顔色一つ変えないで、マグダレーナを変わらず見据えている。 マグダレーナはとうとうその視線から瞳を逸らした。愕然とした表情の中で、その瞳には怯えの色が見えた。 遠野は厳かに、そして冷徹に宣告する。 「マグダレーナよ、心して戦うがいい。ミスティはお前が初めて戦う……『未知の敵』だ」 □ 一瞬の沈黙が戦場に漂う。 次に言葉が紡がれたのは、意外にも俺の背後からだった。 「このためにずっと、何も言わなかったってのかよ……」 「ああ」 大城はため息を付くように続けた。 「すげぇよ……遠野……なんなんだよ、お前は……こんなことに気づくのも、こんな作戦立てられんのも……すごすぎるだろ」 「何がすごいものか。俺なんて、当たり前のことをただ積み重ねただけだ。菜々子さんの方がよっぽどすごい」 俺は視線を菜々子さんに移す。 彼女は今、頭を抱えてしゃがみ込んだ桐島あおいを介抱している。 心配そうな表情。 それでも時々、視線は戦場の方に向けられていた。 俺は思う。この策は俺の力では断じてない。何の説明もしないこの俺を信じて、菜々子さんが、ミスティが、そしてみんながついてきてくれたからこそ、成り立つ策なのだ。 こんな俺ごときを信じてくれた仲間たちこそ、賞賛に値する。 俺は今こそ、みんなに語りかける。 「マグダレーナの特別なスキルを封じるため、一切外部に漏らさずに、まったく新しいオリジナル装備で、マグダレーナに対抗できる実力をつける必要があった。 しかも、C港の裏バトル場を『狂乱の聖女』が潰す前に……実際にはたった二ヶ月の間に、だ。 そのためには、新装備でレベルの高い実戦を積むのが近道だ。むしろそれ以外に方法はない。全国レベルの実力を持ち、様々な戦い方をする相手をスパーリングパートナーとして集めなくてはならない。そして、彼らを相手に無数の対戦をこなさなくては、奴に対抗する実力をつけることは出来ない。しかも、ネット対戦を一切せずに。 そんなことを可能にする神姫マスターがどこにいる? 不可能だ。普通は、な。 だが、菜々子さんとミスティだけが……『エトランゼ』だけが、その不可能を可能にする」 二年もの間……たった一人で戦ってきた。憧れの人を追いかけて、自分の理想の戦いを追い求めて……そして、多くの神姫マスターと戦って、絆を紡いできた。そして『異邦人(エトランゼ)』と呼ばれるほどの神姫マスターになった。 それこそが本当にすごいことだ。 だから、彼女の特長を最大限に生かす方法を、考えた。 それが……それこそが。 「そう、これこそが『エトランゼ』にしかできない、対『狂乱の聖女』攻略法……『エトランゼ』の本当の戦い方。 菜々子さんとミスティが紡いできた……絆の力だ!!」 俺の背後で小さな歓声が上がる。 ようやくすべてを理解したチームメイトたちとその神姫たちの歓喜の声。 その声を聞きながら、俺はしみじみと思う。 俺は何もしていない。 頑張ったのは菜々子さんとミスティだ。 俺に出来たことがあるとすれば、たった一つだけ……君の二年間の放浪は、決して無駄じゃなかったと、言い続けること……それだけだ。 と、突然、しわがれた声が激しく戦場に響いた。 「絆だと!? そんなもの、幻想に過ぎんっ!!」 見れば、マグダレーナは半狂乱になっていた。 いつもの不敵なまでの余裕などかなぐり捨て、憤怒と憎悪に顔を歪め、溜め込んでいた感情を吐き出すように絶叫する。 「絆なんてものは、神姫にプログラムされた幻想だ! 人の都合を刷り込んだまやかしに過ぎん! 神姫にとって、人間こそ、この世で最も身勝手で、醜悪で、外道で、鬼畜と呼ぶにふさわしい存在なのだ! そんな人間と、どうして絆など結べようか!!」 彼女の言葉はほとんど呪詛だ。 あまりにも痛烈なマグダレーナの言葉に、皆黙り込んだ。 俺もごくりと喉を鳴らす。この疑問を口にしたら、どんな呪いの言葉が返ってくるだろう。 そう思いながらも、俺は唇の隙間から声を押し出した。 「マグダレーナ……それほどに人が憎いか」 憎しみに満ちた視線が、俺を焼き付くさんとばかりに向けられる。 「憎いか、だと? ああ、憎い、憎いとも!! わたしがいた研究所の人間どもは、わたしたち神姫に何をさせたと思う? ……殺し合いだよ!! 何の罪もない、ただ研究所で開発された、研究のために購入され改造された神姫たちに……壊し合いをさせたんだ! 毎日毎日殺し合わせたのさ……軍事研究と称してな!! 同じ部隊員として、死地を潜り抜け、絆を……確かに、絆を結んだ仲間たち……それなのに、それなのに! 奴らは、そんな仲間同士、わざと部隊を分け、戦闘をさせるんだ! 殺さなければこっちが殺される。 仲間を撃つやるせなさ、仲間を失う悲しみは、我々神姫にだってある。 だったら、なぜ我々に心など持たせた!? 研究材料に過ぎないのならば、心など持たせなければいいだろう! ……そうしたら……あそこの連中は、それさえも……我々が仲間を想う心さえも『研究対象だ』と……たったその一言で済ませたんだ!! 戦闘を拒否して運良く生き残っても、不良品として廃棄されるか、よくてもリセットされる。 逆らえばリセット、修理できなければパーツ取りして廃棄、弱気な神姫はリセット、戦場に出て破壊されればそのまま廃棄……。 毎日だ。毎日毎日毎日まいにちまいにちまいにちまいにち……仲間との殺し合いを強制する人間どもに……絆の一筋すら感じるはずがあるまい!!」 俺は自分が眉をひそめたことを自覚する。 最悪だ、と思った。俺は亀丸重工の研究者たちを最悪の屑だと思ってしまっている。 マグダレーナの境遇に同情してしまっている。 人間からの理不尽な仕打ち……それは、かつてのティアと同様の境遇ではないのか。 ティアはひたすらに怯えていただけだったが、マグダレーナは違った。 奴はその憎しみ故に、人を傷つけることも厭わないイリーガルと化した。 だとすれば、今まで分からなかったマグダレーナの行動原理は……。 「それじゃあ……お前の目的は……やはり亀丸重工への復讐か」 「……そうとも。亀丸重工の軍事研究所を襲い、今も戦いを強要されている仲間を救い出す。人間の傍若無人に振り回された、百体の神姫たちを率いてな……。そして、亀丸の研究所を壊滅させる。その後、もうすぐ日本にやってくる『あの方』の元に馳せ参ずるのだ。あの方は必ずや、神姫の安住の地へと導いてくださるだろう」 俺は『エンプレス』という神姫の目的を知らない。 だが、マグダレーナがこれほどに心酔している神姫だ。マグダレーナと同等同類の神姫がその『エンプレス』のもとに集うとしたら……とんでもないことになるかも知れない。 その課程で、何人の人と神姫が犠牲になるだろう。 今マグダレーナの言った亀丸重工襲撃だけでも、死傷者がどれだけでるか、想像も付かない。 俺は自分の顔から血の気が引いていくのを自覚する。 こいつはここで止めなくてはならない。でなければ、いずれ大変なことになる。 しかし、勝てるのか、本当に? ここで俺が挫けてどうする、と頭のどこかで思いながらも、自信は揺らいでいた。 その時。 「関係ないわ」 凛、とした声が響く。 「ミスティ……」 俺は思わずその名を呟いていた。 彼女の後ろ姿が、今ほど頼もしく見えたことはない。 ミスティはマグダレーナを見つめながら言い放つ。 「あんたが何者だろうと、何を考えていようと、これから何をするつもりでも、関係ない。 わたしはあんたを倒す。ナナコのために」 「……人にへりくだった神姫風情がっ……!」 「人と共に生きる、それが神姫の本当の道でしょうが!」 「そんな戯れ言、全力で否定してくれる!!」 「やってみなさい!!」 ミスティとマグダレーナは同時に地を蹴った。 一直線に相手へと向かう。手持ちの武器を振り上げる。 譲れない想いを抱きながら、二人の神姫はふたたび激突した。 次へ> Topに戻る>
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/878.html
朝方の騒ぎも一段落し、浩子サンは渡した原稿持って出版社へ戻った。 にゃー供は浩子サンが連れて行った。なんでも校正だの添削だの、下手なバイト使うよりも優秀なんだそうだ。 …その内バイト代請求しちゃろか。 パットは二度寝。 …食うか寝てるか迷ってるかしかしとらんなあいつは。 神姫ショップをやってる友人曰く、まともに戦えばそこそこのランク狙えるそうだが本当かね? ジュリの手により砲台型神姫からラーメン型神姫に簡易改造されたアイリは、おそらく洗面所で顔の落書きを落としていると思われる。 …油性っぽかったからなー。落ちるのかアレ。 そのジュリはと言えば…どうしたのかやたら静かだ。 さっきアイリにぶっとばされたからその辺で伸びてるのか。 まぁなんだかんだで意味も無く頑丈だし、問題はないだろう。 そして俺はと言えば、なんとなく目が冴えてしまい、以前友人に貰ったビデオを観ている。 数年前の、神姫バトルセカンドリーグの決勝戦の記録映像。 そこには鬣をなびかせたアイツが。 『ジュリ』になる前のとあるサムライが、トロフィーを掲げて誇らしげに笑っていた。 「……そういやアイツ。最近ようやくこんな風に笑うようになったよな……」 それはほんの1年前。その頃を思い出しながら、俺は微睡みの中に落ちていった。 --- 今でも覚えている。 そいつを最初に見たのは、夕日に染まる河原だった。 夕日をバックに、ライオンの鬣みたいな髪をした女サムライが素振りをしている。 ソレが身長15センチほどの人形だと気付くのに若干の時間を要した。それ程の存在感があった。 紅い光に照らされた小さなサムライは、陳腐な表現だが、俺の目にはとても美しく、眩しく見えた。 ……そん時のことは誰にも言ってない。つか、恥ずかしくて言えません。 そんでまぁ、しばらくぼーっと飽きもせず眺めていると、ふと妙なことに気付いた。 (下手糞だな) そう。最初の内こそ気迫に圧倒されて気付かなかったが、下手なのだ。 チャンバラと言えば、精々時代劇くらいしか知らない素人の俺が見て解るほど。 なんというか「ただ棒を振っているだけ」というか、やる気の無い剣道部員が惰性で竹刀振ってるような。そんな感じで。 だというのに、当人の顔は真剣そのもの。よくよく思い返しても珍妙な光景ではあった。 一時間ほど見ていても変化がなかったので、見かねて声を掛けたところ…… 「うるせぇなぁギャラリーなら黙って見てろ。軽そうな頭カチ割るぞ三下。」 ……まぁ、第一印象は壊滅的に悪かったな。 --- その日の夜、原稿回収を口実に飯を食いに来た浩子サンに聞いたところ、そいつは『武装神姫』の侍型なのだと教えてもらった。 …高校の頃の友人がショップを始めたとか手紙で連絡してきたっけな。そういえば。 「……んで、その『ぶそーしんき』っつーのは、そのなんだ、肩に乗ってるグロちっこいのの仲間か?」 「そーよー。可愛いでしょ?」 んふふー♪とか笑いながら、ツギハギだらけの青白い人形に頬擦りをする浩子サン。 その不健康な肌の人形も、くすぐったそうに頬擦りを返していた。 …あとで聞いた話だが、そん時浩子サンが連れていたのは一部で『幻の神姫』と呼ばれたゾンビ型。 ビジュアル面で恐ろしく一般受けしなかったために、最初期の流通分を除いて再販されなかったとかなんとか。 嘘か本当か知らんが、一部の好事家には垂涎の的らしい。 「ほーらモモコ。ご挨拶♪」 『モモコ』と呼ばれたゾンビ型神姫は、サイケに塗り分けられた頭を小刻みに揺らしつつ、カカカカカ…とアメリカンクラッカーでも鳴らしてるような音を立てた。 ……それが笑っているのだと気付くのに数分かかった。 「……か、可愛い、か……?」 …正直、俺にはよく解らなかった。 --- それから数日。夕方になると、俺は川原で下手糞な素振りを繰り返すサムライをぼーっと眺めるのが日課になっていた。 サムライの方もこちらに気付いているようで、しかし、特に話しかけてくることもなかった。 --- 「なぁ浩子サン、神姫ってのは電池かなんかで動いてんのか?」 「ん?うん。詳しいところは私もよく知らないんだけどね。ちょっと充電しなくてもケータイくらいはもつよ。」 …とすると、どっかで充電とかしてんのかな。あいつ。 「……ねぇ慎くん、その子さぁ、マスターとかそばにいなかった?」 「マスター?…所有者ってこと?……そういやそれっぽいのは見たことねぇなぁ。日が暮れたらさっさとどっか消えちまうし。」 「うーん…そっか…あのね?」 浩子サンが言うには、マスターのいない野良神姫ってのも意外に多く、所謂野良動物みたくロクな目に遭わんのだとか。 「…明日あたり聞いてみるか」 --- 更に翌日。 その日のサムライはたまたま休憩しているのか、小さな石に座っていた。 俺もちょっと離れたところに座る。 しばらくぼんやりと眺めていたが、動く気配がないので話しかけてみた。 「なぁサムライ、今日は素振りしねぇのかよ」 「ノらねぇ」 見事なまでに一刀両断。 結局彼女はなんもしないで消えていったので、俺もそのまま帰った。 しかし、それからはちょくちょく会話するようになった。 実は向こうもキッカケを待っていたのかも知れん…てのは自意識過剰なんだろうか。 …実際大したことは話していない。その日の天気とか何食ったかとかどこに行ったとか、そんなことだ。 あとは黙って夕日を眺めたりとかな。 傍から見ればロボット人形相手に世間話ってのも異様な光景だと思うが、不思議と俺自身は変に感じなかった。 多分、対等に話せる相手があんまいなかったってのもあるんだろう。 俺はあえてサムライのことは聞かなかったし、彼女も特に俺のことを聞かなかった。 互いの呼び方にしてもそうだ。 「…しっかし手前ぇ毎日毎日来やがって。そんなヒマあんなら働けよおっさん。」 彼女は俺を『おっさん』と呼び、俺は俺で『サムライ』と呼ぶ。 何故だか解らんが、お互い名乗りもしなかった。 「あんなぁ…ちったぁ息抜きくらいさせろよ。日がな一日埋まらねぇ原稿用紙とにらめっこしてんだこっちは。たまに外出ねぇとマジで腐っちまわ」 ここでサムライは、驚いたようにこっちを見た。 お、意外に可愛い…ってなに言ってんだ俺。 「おっさんアレか。物書きか。」 「まぁそうだ。大して売れてねぇけどな。」 「ふぅン…」 そして、また二人でぼーっと夕日を眺める。 しばらくして、サムライが言った。 「……実はアタシのマスターも元は物書きでな。時代小説とか好きな人だったよ。」 「……そーかい。」 ここで俺は、一瞬迷った。本当に迷った。 聞くべきか聞かざるべきか。 でもな。それでもやっぱり…… 「なぁ……前から気になってたんだけどな。」 「ん?」 「……お前さんのマスターとやらはどうしたんだ。」 サムライが息を呑んだ…ように思えた。 ……そして沈黙。 いいかげん静寂に耐えられず冗談だと言おうとしたら。 サムライが音もなく倒れていた。 SIDE-Bへ
https://w.atwiki.jp/tengin/pages/82.html
バトルマスター (ばとるますたー) 【更新時刻】 2006年12月22日09時13分03秒 【分類】 [職業] 【参照URL】 【関連語】 【意味】 1. 最上級職。全ての武器を取り出し攻撃する。 [らふぃ~] 2. 転職できる条件は力・速さがそれぞれ20以上、生命力15以上、器用さ18以上、レベル40以上である。 [らふぃ~] 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/battleconductor/pages/109.html
レイドボスバトル 概要 マップ 難易度設定 攻略初級編近接攻撃の立ち回り 遠距離武器の立ち回り 回復・補助武器での立ち回り 上級編 WAVE1 WAVE2 WAVE3 エラー・ボス情報小型エラー初級 上級 中型エラー初級 上級 ナイトミラージュ初級 上級 サマーミラージュ初級 上級 ドロシー(レイドボス)初級 上級 エンディング(?) 報酬参加ご褒美 WAVE1、2 WAVE3 アップデート履歴 コメント レイドボスバトル 期間限定(2022.07.11~2022.09.06)イベント。前回(第四回)に引き続き、エラーが敵となる。 (※以下、やむを得ず旧情報を転用している部分があります。各自修正お願いします) 基本的には第四回と同様。 今回はヴァローナに焦点が当てられており、前回花屋のジルダリアが付いていたポジションには通常個体(個体名:「ご近所のヴァローナ」ユメ)が、ボスとしてはコナミスタイル限定アイテムのリペイント版ヴァローナ(白)の姿を引き継いだヴァローナW(個体名:ドロシー/最近近所に引っ越してきた神姫)が登場する。 マッチングに[オンラインマッチ][オフラインマッチ][店内マッチ]の三種類があり、それぞれに[初級][上級]の難易度が用意されている。 前回不評だった初級の難易度は大幅に引き下げたと公表されている。第三回の時よりもエラーの防御面は全体的に下げられている一方で、攻撃力は引き上げられている模様。 オンラインマッチ、特に上級は限界突破推奨とだけあってオフラインマッチよりも難易度が上がっている。店内マッチは記載されていないがオンラインマッチと同じ難易度になっている。 オンラインマッチのマッチングは1分。見つからなかった場合は、オンライン続投(初級/上級の難易度変更も可能)かオフラインに変更か選べる。オンラインを続投した場合、不足人数分をCOMが補うことになる。 ソロの場合はオフラインと同じ仕様。二人の場合はCOM1とCOM2がお互いのスロット2の神姫が、三人の場合はCOM3はユメが担当する(オンラインでは最初から名前が分かっている)。 オフラインマッチの仕様は、前回5戦×2周だったのが10戦×1周(画面表示上は従来のままだが、進展はきちんと10戦である)になった事を除いてはほぼ変わらず(ストーリーは新作)。 COM1はスロット2の神姫が、COM2はスロット3の神姫が、COM3はユメが担当する。 今回復活した店内マッチの仕様は、オンラインマッチの検索範囲を同一店舗内に限定した物。イベントやソロでの腕試しなどに便利。 マッチングは1分。見つからなかった場合は、不足人数分をCOMが補うことになる。 概要 あなたの神姫と、神友マスターの神姫「ユメ」はアラーム機能の不調によって遅刻しがちな日々に悩まされていた。 このままでは夏休みに海へ旅行にも行けない!これもきっとエラーのせいだ! 「あと5分!」夢魔のようにささやき睡魔を誘うエラーをユメと共に撲滅し、早起きをしよう! 最大4人のマスターと協力して、「エラー」と呼ばれる敵と戦う。 60秒×2秒にわたって襲来する集団を撃退した後、続いて240秒の時間内にボスを討伐する事が出来れば勝利となる(ゲーム時間は最大360秒)。 初級・上級を問わず、基本的にレイドボスとして出現するのはナイト(騎士ではなく夜)ミラージュだが、低確率(5~10%?)でサマー(夏)ミラージュが、それとはまた別の一定確率(30~40%?)でドロシーが出現する。いずれにしても制限時間に変更はない。 WAVE1はエラー×?体、WAVE2はエラー×?体、WAVE3はエラー×?体+レイドボス×1体。 青いエラーは近接武器、赤いエラーは遠距離武器が有効。 エラーは制限時内は常に倒された分だけリスポーンするので、実質無限湧き。前回と同様撃破しても数秒当たり判定は残っているがダメージは入らなくなった。 小型・中型エラーのサーチ範囲は片手ライトガンの射程(0.30?)と同じくらいの模様?前回よりもサーチ範囲が伸びた? 遠距離エラーがリスポーン位置から多少こちらを追尾するよう動くようになった。 ターゲット変更ボタンは通常のジェムバトルと働きが違い、 基本的にレバー上側が最も近い相手、下側が最も遠い相手からそれぞれロックオンしていく。 今回も、レイドボスのみロックオンするボタンが画面上に実装されている。 画面右下にあるボタンのタップで機能のオンオフ切り替えができる。レイドボスを直接タップしても機能がオンするが、再度直接タップしてもオフにはならないので注意。 仲間の神姫と同じ敵をロックオンすると、攻撃にダメージボーナスが追加される。 (2人で+20%、3人で+40%、4人で+60%) 回復・補助武器で仲間に攻撃を当てると、仲間のLPを回復させる事が出来るのも前回と同じ。 原則としてエラー、ボス共に「防御力ダウン」等のデバフ系スキルの効果を受けるが、今回ナイトミラージュだけはデバフ全般を反射してくるので、ナイトミラージュが出てきた時は使わないようにしていきたい。 効果量は従来と同じ(ボスのアクティブスキル発動中は無敵判定が発生している事も含めて)だが、ドロシーがボスの場合のみ、黒種ジュビ美と同様に効果値が下げられている模様。 ボスに対しては一部のスキルは効果を受けないものもある。 有効:攻撃スピードダウン、防御ダウン、ケタケタトリック(DEFダウン部分は確定) ガードで無効にされる:スタン(チャーミークリアボイスを含む) 無効:スピードダウン (記載がないものは未検証) NPCとして「ご近所のヴァローナ(ユメ)」が登場。参加プレイヤーが一人か三人の時に戦場に姿を現す。 ステータスはLV60かLV100の模様。AIは他のジェムバトルと同じ。 なお、特定の装備にエラーへの補正値(ダメージボーナスまたは耐性)がある。対象となる装備は2022.08.03に公式にて表記された。 ダメージボーナス ツガル Blue Xmas ver.武装 ヴァローナ武装 ヴァローナ リペイントver.武装 バルムンク スターライトバズーカ その他一部イベント武装、ミラージュ武装、スティールクロニクル武装 耐性 ツガル Blue Xmas ver.武装 ジュビジーB武装 ジルダリアBの武装 ヴァローナ リペイントver.武装 水着武装 日焼けビキニ フィン スティールクロニクル武装 浮き輪 その他一部イベント武装 この他、第四回(前回)にて主にポーレン以外の多段系射撃武器の下方修正が若干見直された。 そして今回も連射武器に関して、下方修正が緩和されている模様。 撃破された際の交代時間が通常ジェムバトル時より長くなっている(オフラインを除く)のも、ジェム回収ボタンで回収範囲を仲間に当てて救助(再出撃までの交代時間を短縮する)するのも前回同様。 今回は味方側の被撃破~復活までの時間が第三回におけるアプデ以前の仕様に差し戻されているので要注意。 チャットボタンのタッチによって他マスターへメッセージを送れるのも前回通り。 マップ レイドボスバトル恒例の場所(神殿)だが、時間帯は明るい昼間になった。海じゃないのか… 難易度設定 「初級」と「上級」の二種類がある。 ※所属リーグに関係なく、他のバトルモード(マッチング)と共有しない。 「初級」はエンジョイジェムバトルと同じく、武装LVが20に強制統一される。 「上級」には武装LVの強制統一などはない。敵のLVは所属リーグに影響されない。LV120相応。 攻略 同時ロックオン補正があるが、それ以上に武器補正ダメージボーナスの方が大きいです! 例) 誰もロックオンしていない近接バグに遠距離攻撃>4人全員がロックオンした近接バグ(+60%)に近接攻撃 初級編 近接攻撃の立ち回り 武器1は強い特効をもつFL015バトルスタッフやWA666アマラジェーニ、カンベーリアームドウィングが安定。死神の鎌はサマーミラージュ/ドロシーに対して極めて有効ではあるが、前述の通りナイトミラージュが出現した時だけはデバフを反射してくる為、その場合はスキルを使わない事。更に今回は通常エンカウントがナイトミラージュな為、スキルをデバフばかりにするのは危険である。 2022.08.03のバージョンアップにより、オンライン上級でナイトミラージュが出現しなくなったため、オンライン上級においてはデバフ反射を考慮する必要がなくなった。 リアは特に何でも良いがコンボを多用するなら白兵系[RW]装備を装着していくとよい。特にシェルスカートキュベレーアフェクション[RW]がオススメ。特効は特にないがスタン値が高いので2,3発当てればスタンが狙える。デバフを反射してくるナイトミラージュ相手であれば希少なスタン手段となる。他のボス相手でも普通にスタンを狙える点もよい。飛行リアなので上空に逃げられても追えるのが強み。 なお、デバフ系アクティブスキルを反射してくるナイトミラージュ対策に、スタン属性のある近接武器を使用するのも有効。具体的には片手打撃武器(アレルギーペタルやハンマーシード)や格闘打撃武器(特にスタンショッカー)。スキルは攻撃スピードアップを併用すればよりスタンを狙いやすくて良いだろう。マスタースキルで誰でも[中]は使える点も評価できる。逆に吹き飛ばし属性のある近接武器の使用は控えたほうが良い。 遠距離武器の立ち回り 前回とほぼ同じだが、今回の特効神姫(ヴァローナ)には専用装備に飛び道具がない。その代わりに(?)直近で実装されたスターライト砲やうまい棒、前回実装されたステクロ装備が有効となる。 それ以外では、引き続き多段系の射撃武器(下持ちヘビーガン、1トリガー3バースト系)のペナルティが緩和されている(ポーレンホーミングを除く。これはbkバージョンだろうと同じ事)ので、アセン次第ではそこそこ通るようになった。但しこれらは全体的にリロードが遅いものが多いので、フォートブラッグでの運用が好ましいか。 他の神姫で射撃運用するなら小回りのきくフレグランスキラーやパウダースプレイヤーのリペイントバージョンはそれなりに有効だが、これらは過去レイドボスからのドロップ品である…。 リアは射撃系[RW]装備等が良いか。第三回まで猛威を奮ったバリスティックブレイズ[RW]は依然下方されたままだが雑魚エラー相手ならばまだまだ実用レベルだったりする。更にボス格にもアセンや個体値次第ではダメージソースにもなる。ボスにも使うなら極力火力を高めておきたいところ。 一方、FB-RP3 ファイアリング・バックパック+FB256 1.2mm滑腔砲[RW]等他リアはノータッチなので、それらを選ぶのも良いだろう。ジルダリア等適性の高い神姫であれば、大きな追加ダメージを期待する事が出来る。 なお、第三回以来逆風とされてきた爆風付き腰持ちヘビーガンだが、実はWAVE3でボスへ近接戦を挑む神姫の周りに集まってくる雑魚エラーを散らすには有効なので、自分の与ダメージ自体よりも全体のDPSを高める事を念頭に置いて立ち回ってみたい。 近接された時やWAVE3でのレイドボスへの対応のために、保険として武器2を近接系武器にしておくと楽になるだろう(または武器1を近接・武器2を射撃とし、WAVE1~2の間は武器を切り替えておくのもよい)。 回復・補助武器での立ち回り いちおう有効。以前に比べるとエラーの防御面が微妙に下げられているので、少しは活躍の余地が残されている……が、元々の攻撃力の低さは相変わらずなので、それこそ緊急時に対応出来ればよしとするべきところか。 どうせ狙うなら、レアリティの高いSR・UR神姫に設定して戦線の維持に努めた方が良いだろう。 なぜなら大概の場合、NNNまたはRRR編成は「高回転のスキル放出」を意図しているからで、それを阻害すると結果的に全員の足を引っ張ってしまう可能性が高くなるからだ。このあたりは、バトル直前の画面でよく確認しておきたいところ。 なお、この武器をメインに使う場合、[RW]武器は白兵型にしておくとよい。射撃型では、せっかく回復した仲間をそのまま誤射しかねない。 今回はサマーミラージュがデバフスキルを使用してくるため、回復は状況を判断すること。 上級編 実は今回、各武装をLV60以上(にするには、限界突破が必要だが…)で固めてさえいれば、ほぼ初級編の立ち回りと同じで問題なかったりする。 これは、敵エラーが特効武器以外に対し異様なまでに硬いだけであるせい。 ただ攻撃力も初級に比べて上がっているので、落とされる頻度が高くならざるを得ないという事にも留意していきたい。特に今回はエラーの攻撃力が引き上げられているので、武装の限界突破はほぼ必須。 WAVE2以降でぼちぼち撃破されていく仲間をなるべく救援するよう立ち回っていくか、さもなくば復帰時間の速いNNN編成またはシュメッ単編成を組むといいだろう。 WAVE1 フィールドの中央に陣取り、ターゲットをこまめに変えつつ遠距離武器と射撃系[RW]装備を連打。大体の場合近付かれる前に撃破されてくれる。 それでも近付かれた場合は間合いを取って撃つか、格闘戦を挑むか。いれば白兵主体の仲間に任せてもよいだろう。 NPC(特にユメ)がいる場合、近接の間合いは彼女に任せてしまってもいい。彼女がMVPを獲得した場合でも称号はもらえるので、称号数を狙いたい向きは考慮してみてもいいだろう。 また、今回すべてのWAVEに共通する事だが赤エラーと青エラーの集団での出現率が偏っており、パターンによっては小型エラーに代わって中型エラーが出てくる事すらあるので、敵種に合わせた武器の切り替えも心掛けていきたいところ。 WAVE2 前回よりもタイムが縮まったため稼ぎは難しくなったが、相変わらず大きいので当てやすい。 ただ、流石にWAVE1よりは硬いため、飛び道具だけだと手数不足になる事もある。味方の方で格闘戦と射撃戦を分担出来るとより効率的だろう。 防御ダウン系やスタン系のアクティブスキルを、この段階から使っておくのもわりと有効。もちろん、この後に備えて温存してもいい。 WAVE3 ナイト/サマーミラージュ、ドロシーすべてに共通する事だが、なにしろ非常に硬く足が速いので、基本的には攻撃をボスにのみ集中する事が重要。 この期に及んで雑魚にかかずらっていては、時間切れする危険性が非常に高い。 基本的にアクティブスキルの発動予告が長い割に発動自体は一瞬(多段ヒットはする)なので、その場でガードを行えばよい。 全員がボスに密着して殴り続ける事を意識すれば、もし仲間が落とされたとしても、白兵戦時のジェム展開範囲の広さを利して復帰する時間を早める事が出来るだろう。 そのためにも兎に角ボスを動き回らせない事が肝要なので、攻撃スピードダウンやスタン系のアクティブスキルを使えるようなら、積極的に使っていきたい(ナイトミラージュが相手の場合は除く。理由はボスの項参照) エラー・ボス情報 小型エラー WAVE1およびWAVE3に出現。 初級 ス 体 500? ? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 近接攻撃 ? 0.1? 遠距離攻撃 ? 0.25? 80? 三連射する 上級 ス 体 500? 5000? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 近接攻撃 300? 0.1? 遠距離攻撃 100? 0.25? 80? 三連射する 中型エラー WAVE2とWAVE3に出現。また、稀にWAVE1にも出現する。 初級 ス 体 500? ? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 近接攻撃 ? 0.07? 零神のMVソードに類似。WAVE3にも出現 レーザー ? 0.25? 80? 貫通属性。WAVE2と3で出現 上級 ス 体 500? 7500? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 近接攻撃 500? 0.07? 零神のMVソードに類似。WAVE3にも出現 レーザー 500? 0.25? 80? 貫通属性。WAVE2と3で出現 ナイトミラージュ WAVE3に出現するレイドボス。 Naked素体に様々な神姫の武装を装着した、さながら阿修羅像のような外見。従来のレイドボスに比べて圧倒的な打たれ強さを持ち、単独での撃破は至難を極める(前回に比べれば若干楽になっている、とはいえ)。 青い体躯でマントを羽織った姿のナイトミラージュ(よく間違われるが、公式の解説によれば「騎士(Knight)」ではなく「夜(Night)」である)は白兵戦寄りだが、デバフ系スキルを悉く反射してくる。 特に「死出の旅」「全員攻撃スピードダウン」は確実に反射するので、これらをアクティブスキルにセットしている場合は、絶対に使わない事を推奨する。 一方、武器攻撃によるスタンに弱い側面もあるので、スタン特性のある武器を選んでおくのもかなり有効。「攻撃スピードアップ」と合わせて殴りまくれば、延々スタン状態にさせ続ける事も可能だ。 アクティブスキルは、強力かつロックオン性能の高いビーム攻撃。ロックされたキャラがたとえ真後ろに陣取っていても即座に回転して撃って来る程だが、技の出自体は目視できる程には遅いので、狙われている者は素直にガードしておいた方が良い。その一方で、狙われていない者に対しては(アプデ前のジュビ美と同じく)背中が完全にがら空きとなるが、そもそも発動している間は無敵状態のため、攻撃しても全く無駄。よって、この間はためや救援、雑魚減らし等に回るしかない。 2022.08.03のバージョンアップにより、オンライン上級では出現しなくなった。 初級 総合体力 75000~100000? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 バルムンク(夜)[N] ケイローン(夜)[N] 二段攻撃。爆風あり ダークラジエーション アクティブスキルロックオン性能の高いビーム攻撃。発生中無敵 上級 総合体力 75000~100000? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 サマーミラージュ 一定確率でWAVE3に出現。 サマーミラージュはその名の通り、日焼け跡付き水着に浮き輪姿といかにも夏を満喫している風。 全身クリア化された武装は飛び道具にブライトフェザーのバスターシュリンジ(のリペイント版)、白兵武器にはオリジナル武器のサメバルーンを使用。 かつてのブラックミラージュと同様激しく動き回るので、遠距離武器での攻撃を命中させる事は至難となる。 背部武装と浮き輪は、ダメージを一定以上受け続けるとキャストオフするが、これによって攻撃能力が低下したりする訳ではない。 デバフ反射能力こそないものの、プレイヤー側に攻撃力・射程・防御力の三種同時ダウンという強力なデバフを掛けてくるアクティブスキルを保有している。 このスキルの効果時間中に攻撃すると、少ない与ダメージでスキルゲージを貯めさせてしまうので注意したい。 これは時間が切れるか次の神姫に交代すれば解除できるので、此方が低レアの場合は態と落とされてしまってもいいだろう。 初級 総合体力 75000~100000? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 バスターシュリンジ Blue ver. サメバルーン Blue ver. サマーバケーション アクティブスキル相手全体に対するデバフ効果。攻撃力ダウン、射程ダウン、防御力ダウン。 上級 総合体力 75000~100000? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 ドロシー(レイドボス) 一定確率でWAVE3に出現。ヴァローナのリペイントタイプ。 攻撃力が非常に高い上デバフに対する耐性が高く、特に「攻撃スピードダウン」については複数刺さってもほとんどスピードが下がらない。 ただし、過去の闇神姫や黒種ジュビ美に比べれば防御面は割と手薄。またスタンがそこそこ入りやすいので攻撃スピードアップを発動してシェルスカートキュベレーアフェクション[RW]で殴れば 効果が切れるまでっ!君を殴るのを止めないっ!みたいな芸当も可能。 初級 総合体力 75000~100000? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 wh. 赤オーラ時使用 wh. 青オーラ時使用 スリーピングディメンション アクティブスキル全方位攻撃。『震えて眠れ』 上級 総合体力 75000~100000? 攻撃名 功 射程 弾速 備考 + オフラインでの出現順は… オフラインでの出現順は、ナイトミラージュ×3→サマーミラージュ→ドロシー→ナイトミラージュ→サマーミラージュ→ドロシー→ナイトミラージュ→ドロシー。 エンディング(?) + 「そうだ…バトコンやろう!」 ドロシーは、もう少し寝たいお寝坊マスターのため、 ご近所神姫のアラーム機能に干渉していた。 神姫管理委員会に厳重注意を受けたドロシーは、 これからはマスターと共に早起きすることを約束した。 そして早起きしたドロシー、ユメ、[神姫名]は 今日も元気に[プレイヤー名]たちマスターを、 たたき起こすのであった! 毎日早起きな神姫たちのため、今何ができるのか 「そうだ…バトコンやろう!」 オフラインレイドバトルでスタンプを集め切った時に流される、エンディングめいたムービー(※終わりません!これからもバトコンをよろしくね!) 各バトルモードでの戦績に加えて、これまでの使用神姫や武装などプレー記録が表示されて行く。 + 平行して表示される画像は… 平行して表示される画像は、「ユメ」→「サマーミラージュ」→「ドロシー」→「参戦神姫(1人ずつ。背景はピンク/黄/水色の順)」→「参戦神姫3人の並び」→「ユメ&ドロシーのツーショット」 今回も第3回と同様、オフラインの進展をリセットする事ができる。 報酬 参加ご褒美 オンライン及び店内バトルの参加報酬として、初級は【Rネジ】×10個、上級は【Rネジ】×15個を獲得できる(オフラインでは各-5個) WAVE1、2 小エラー中エラーを撃破する事で、一定の確率でご褒美(コンテナ)が貰える。 2022.07.11~2022.08.02 貰える上限はオンラインで各7個、オフラインで各5個。 2022.08.03~ 貰える上限を廃止。撃破数と運次第で1つも貰えなかったり、15個を超える事も。 WAVE3 ご褒美の個数はレイドボスの撃破結果でのみで決定される。中エラーを撃破してもご褒美を貰うことはできない。 レイドボスを撃破できた場合、オンラインで7個、オフラインで5個貰える。また、その内の1個はレイドボス固有の装備をドロップする。 ミラージュを倒した場合装備をドロップするのは従来と同様だが、今回のサマーミラージュからはかなり多くの装備がドロップする。ただでさえレア枠なので、全部揃えるのは苦行そのもの。 また、ドロシーからはヴァローナのリペイント装備が手に入る。これらの装備は、オンライン時にドロシーが登場しなくても稀にドロップする事がある。 レイドボスを撃破できなかった場合、レイドボスのダメージ量に応じた個数のご褒美が貰える。 アップデート履歴 日時:2022.07.11 内容:期間限定イベントとして実装 日時:2022.08.03 内容:ウェーブ1、2のコンテナの上限を廃止 レイドバトルのボス出現率を変更 (オンライン上級にナイトミラージュは出現しなくなった) サマーミラージュを倒した際に獲得できる武器を追加 公式にてレイドバトル特効武装を記載 コメント ボス全員アレルギーペタル2打目とジュビRWかストラーフ15thRWでオフならほぼ確実オンでも高確率でスタン取れるから救援さえしっかりすれば実質サンドバッグ。夏ミラのデバフはさっさとやられて救援されれば問題無し -- 名無しさん (2022-07-16 20 27 07) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1958.html
鋼の心 ~Eisen Herz~ 第21話:夜明けの翼 「ほほぅ、VR(バーチャル)は初めてなのだが表とあんまし変わんないのな~」 「僕は起動してからの一週間で、50時間は篭ってました」 はしゃぐマヤアのすぐ隣、感情の無い声で呟くセタ坊。 少し目がウツロで、虚空を見詰めている。 「……ますたー、止めて下さい、止めて下さい。……3時間以内に命中率100%にしないと尻尾引っこ抜くとか、マジ外道です」 「んゆ、セタ坊?」 「ぷち達も恐がってます、もう出来ません分りませんゴメンなさい許してください、わふぅ~っ!?」 「……むにに、セタ坊が壊けた」 『ふふ…。懐かしい思い出ね、もうあれから3ヶ月も経ったなんて……』 『いや。普通に神姫虐待でしょ、こういうの』 『雅さんの愛情は祐一君以外にはネジくれてますからねぇ、ははは』 『……ははは。じゃねぇよ』 「ダメです、この的動いてます、なのに外しちゃダメとか無理です、出来ません、嗚呼止めて、一発外すごとに尻尾1ミリ切るとか酷すぎです、そんな、三つ編みとか信じられません、尻尾三つ編みにされたらボクの人生お終いです、一生三つ編みされたミットモナイ尻尾でわふわふ逝ってるだけの駄犬ですか、ゴメンなさい、ヘタレでゴメンなさい、息しててゴメンなさい、存在しててゴメンなさい、ウマレテキテゴメンなさい……」 しゃがみ込んでぶつぶつ呟くセタに、さすがに浅葱も顔を顰める。 『……雅、アンタ本気で犯罪よ、こういうの……』 『愛の鞭よ』 『死をも厭わない鞭に、愛の名を関するのは如何なものかと……』 『ほ、ほら。獅子は我が子を千尋の谷に叩き落すって言うじゃない、そういうものよ。……多分』 『……多分、ってあんたね……』 『千尋の谷に突き落とした挙句に、上から煮えたぎった油を注ぎこむような厳しさですねぇ……』 「あー、よく分からんが―――」 人間同士の会話に加わるマヤア。 「―――要するに、セタ坊は雅んにメチャクチャ愛されてると?」 『よし、バカネコ良いこと言った!!』 「何処をどう聞けばそういう結論になるんですか~!?」 自閉症モードに移行しつつあったセタ坊は、マヤアの一言を機に図らずも復活を遂げた。 「え~っと、皆さんそろそろ宜しいですかぁ~?」 マヤアとセタの間に、デフォルメされたフォートブラッグが出現する。 「おおー、デルタちん。何時もよりも少しちっこくなったか?」 「……この端末CGは極小サイズだと思うのですが……」 「まぁ、そんな小さな事はどうでも良い―――」 『誰が上手い事言えと……』 「―――そんな事より敵は何処だ?」 「もうじき出現します」 『今、そちらに転送しました。すぐに現れますよ、戦闘準備を!!』 村上の声と共に、VRフィールドに歪みが生じてゆく。 「……所で。今更なんですが、『敵』って何なんですか? コンピュータウイルスとか?」 『いえ、このパターンは恐らく……』 「多分、武装神姫じゃん? データだけ転送してきたんじゃねーの?」 マヤアの予測が正解であることは、その次の瞬間に証明された。 『やはり、神姫……。それに、この形状は……』 VR空間をモニターする画面に映る姿はまぎれも無く武装神姫のそれ。 そして、機種不明でありながらも、ある意味雅たちにとっては馴染みの深い黒衣。 『……天海の幽霊……。土方真紀の武装神姫ですか……』 双刀と翼。仮面と黒衣を身に纏い、漆黒の神姫が降り立った。 ◆ 「……とりあえず、分った事が三つある」 「聞きましょう」 トドメは何時でも刺せる。 それ故に焔星はアイゼンの舌戦に付き合うことにした。 「……まずはお前の弱点……」 「……」 アイゼンが指差すのは、焔星に撫でられている二機のぷち。 「……そのぷち達は、性能の代償に稼働時間が弱点。……どちらも数分程度で活動限界になるでしょう?」 「そうでしょうか。……既にこの子達が参戦して10分は経っていると思いますが?」 焔星の指摘にアイゼンは頷く。 「……そう、だから補給が必要」 「そんな暇が、何時あったと?」 「……今」 言い切ったアイゼンの指先に、ぷちを撫でる焔星の手。 「……そうやって触る事で、お前はぷちに補給をしている……」 『どんな神姫だって、クレイドルとの接触で給電を受けるんだ。……その逆に、接触で電力を送るのは造作も無い事』 「なぜ、……そう思ったのですか?」 「……時々戦闘を中断してぷちを撫でてたし、さっきは後ろの砲撃型をわざわざ前線に出してまでボードアタックをしてきた。……そんなに効果的でも無い攻撃だったのに……」 『……つまり、あのボードアタックには攻撃以外の何か別の目的があったと言う事になる。……例えば、補給とか……』 「……ふむ」 『……そう考えればそのぷちの性能にも納得がいく。それだけの装備を運用するのにも拘らず、ジェネレーターを搭載せずにバッテリー駆動だけで稼動させていた。……だから、それだけの性能を詰め込めるわけだ』 「……なるほど、お見事です。……では、二つ目をお聞きしましょう」 「……お前の奥の手。……出し惜しみなんかしないで、さっさと“真鬼王”を出せば良い」 「……………………」 流石に絶句する焔星。 装備構成だけで奥の手まで暴かれるとは予測していなかった。 「見抜いたのは流石ですが……、今の貴女を倒すのに、わざわざ切り札を切る必要があると思いますか?」 「……それじゃあ、三つ目。……“真鬼王”を使っても、使わなくても、この勝負は私の勝ち、だ!!」 言って横跳びに距離を離すアイゼン。 同時にハンドガンの連射が焔星を襲うが、彼女はそれを難なくシールドで弾く。 「それが最後の武器ですか。……それこそ豆鉄砲と言うもの、私には通用しない!!」 反撃のプロトン砲は、アイゼンのハンドガンとは比べ物にもならない威力を持つ。 しかし、アイゼンもそれは承知。打ち合いを早々に切り上げ、回避に徹して距離を取る。 「逃す訳無いでしょう!?」 「……もちろん」 アイゼンは逃げ込むようにビル街へと移動する。 目的は焔星のセンサーに死角を作ること。 追われているアイゼン自身がそこに逃げ込むのは不可能かもしれないが、ノーマークのサポートメカがそこを通って接近する事ならば容易い。 「ちょこまかと逃げるなど、らしくない戦法ですね。……チーグルを失った時に貴女の敗北は決まったのです。大人しく負けを認めなさい!!」 「……そうでもない。……間に合った」 「?」 訝しむ焔星には、ビルの影から低空飛行でアイゼンに近付くそれが見えていない。 「……フランカー!!」 「ちっ!!」 猶予がないと気付いた焔星がアイゼンに向けプロトン砲を叩き込む。 閃光と轟音。 そして衝撃波。 この距離ならば、外した所で至近着弾は免れない。 今のアイゼンの機動性では、爆発範囲からは逃げ切れまい。 (……これで終わりですか。少々呆気無いような気もしますが……) そして、吹き込む疾風が爆風吹き散らす。 「―――!? 何!?」 爆煙が晴れ、プロトン砲の着弾痕が露になるが、その周囲の何処にも倒れたアイゼンの姿は無い。 「撃墜カウントも入っていない!?」 それはつまり、未だアイゼンが健在である証左。 「しかし、何処へ消えた!? 一番近いビルでも走って逃げ込むには時間が足りない筈なのに!?」 「……上」 「―――!?」 真上からした声に顔を向ける焔星。 そこに、吹き込んできた疾風の源。鳥に乗って空を舞うアイゼンが居た。 ◆ 「……」 声も無くたたずむセタ。 マヤアと組んでの2対1の戦闘ではあるが、セタに出来るのはただ見守る事だけだった。 セタには手が出せぬほどに、マヤアも黒衣の幽霊も速い。 打ち込んだ吠莱を魔弾で操り、必中を狙った直後。砲弾そのものを両断し、幽霊はマヤアとの高速打撃戦に突入した。 双方両手に刃を持ち、間断の間も無く打ち付け合う。 隙を狙って蹴りの応酬が行われ、突きと払いは一動作になって相手を追い詰める。 しかし、両者の力はほぼ互角。 目まぐるしく位置を変え、左右と上下を入れ替えながら剣戟の音を響かせた。 「ネコネコネコネコネコッ!!」 マヤアの振るったブレードを幽霊が刃で受け流し、その動作がそのままマヤアの首を狙う一撃に切り替わる。 マヤアが蹴りで肘を狙い、その一撃の阻止を試みれば、幽霊はもう一方の刃でマヤアの脚そのものを狙う。 レールガンがその刃と交錯する軌道に打ち出され、幽霊はマヤアを蹴って距離を僅かに離して仕切りなおし。 このような刹那の攻防が数秒程度の間に10度以上繰り返され、その位置は数十メートルの単位で瞬時に移動する。 飛び交う銃弾すらももどかしい高速戦闘において、最早セタの出る幕は何処にも無い。 「……こ、これ程とは……」 「うん、すごいよね幽霊……」 「……むしろ、マヤアさんに驚きなのですよ。……強いとは思っていましたが、これ程までとは……」 デルタのセリフ、5秒強の間に響いた剣戟は22回。 これ程の反応速度と、それを実行に移せるスピード。 手の届く範囲に入ってしまえばセタ如きでは話にもなるまい。 かと言って、精密砲撃だろうが誘導砲撃だろうが、まともに当たるとも思えない。 神姫としての実力が、ケタどころか次元単位で違っている。 そして、そんなマヤアと互角に渡り合う以上、幽霊の実力もそういうレベル、と言う事になる。 「……なるほど、誰も勝てない訳ですよ……」 デルタの声を、剣戟が上塗りしてゆく。 もはや、する事も見出せず、セタとデルタはただその戦いを見守るだけだった。 ◆ 「プレステイル!? ……そういう事か」 武装を失った筈のアイゼンの自信。 それが、もう一つ装備を持ち込んでいた事に由来するものだと、ようやく焔星も気付く。 「しかし、大勢は既に決しています!! ここで追加戦力など無意味にも程がある!!」 「……そうでもない。……プロトン砲の特性は、対空射撃に不向き」 「……っ」 確かに、着弾して爆発するエネルギー弾を撃ち出す以上、敵以外に接触物の無い対空射撃において、プロトン砲は直撃以外完全に無駄弾になる。 (光阴の速度では追いつけないし、闇阳の対空射撃だけでは捉えきれない……。) 先ほどまでのパワー重視の戦闘スタイルとは一転し、高い回避力での撹乱に入ったアイゼンは、ぷちの性能だけでは追い詰められない。 元よりぷちとの連携は重量級神姫との戦いに特化した戦法で、このような高機動型の神姫には対応していなかった。 (……その為の“真鬼王”ですが……、さて、それまで読んで居るのかどうか……) 祐一の読みどおり、焔星は確かに真鬼王モードを温存している。 だがしかし、それはアイゼンに対して使う必要が無いのではなく、用途の問題として不適切と判断したからに他ならない。 通常の真鬼王のイメージとは真逆に、焔星の真鬼王モードは高速戦闘に対応する為の形態だったからだ。 (……つまり、今が使い時ですが……) 何となく、祐一の掌で踊っているような錯覚に捕らわれ、焔星は苦笑する。 (……普通ならまず無い、一人の相手との戦いで全ての要素を使用する状況……。……私は彼にハメられて居るのかもしれませんね……) だがそれもよし。 元より主の望んだ戦いだ。 焔星は己が元にぷち達を呼び寄せる。 「……お望みどおり、見せてあげましょう。……真鬼王を!!」 焔星の宣言と共にぷち達がフォーメーションに付く。 分離、変形を経て焔星に組み付き、巨躯を構成するまで僅かに数瞬。 「三体合并……!! 真鬼王・零(ツェンカイワン・レン)!!」 二体のぷちとの合体により、焔星は真鬼王をその身に纏った。 特筆すべきはやや小柄である事のみで、その概要は通常の真鬼王と変わることは無い。 プロトン砲とデスサイズがシェルエットを崩してはいるが、むしろ違いはその内面にこそある。 「―――加速!!」 光阴を浮遊させるための揚力場と、闇阳を飛行させるための推進力。 その双方が焔星の背負ったジェネレーターと直結され、制限を解き放たれる。 焔星の真鬼王=零は、その名の通り一秒にも満たない時間で彼我の距離を“0”にした。 「斩(ツァン)!!」 「…ん」 アイゼンがハンドガンのトリガーを引いたのは、その一瞬だけ前の事である。 結果として焔星は、自ら虚空に放たれた銃弾に当たりに行く形になるが、アイゼンの行動は、焔星の零の性能を正確に予測したからこそ。 逆に言えば、零が動き出してからではアイゼンに反応する術は無い。 『行くぞ、アイゼン。アサルトフォームだ』 「……ん」 短く頷き、改造型のプレステイル=フランカー/フライトフォームを上昇させる。 限界高度に達しこちらも分離、変形を経てアイゼン本体に合体。 零と比しても小柄な人型を形成する。 ベースとなったエウクランテに酷似したシェルエットだが、翼は細く長く、腰の後ろには双発式の斥力場エンジンが唸りを上げ、その身体を宙に留めていた。 「……全システム高速戦闘モードに移行」 ≪Assault form wake up≫ フランカーに組み込まれたサポートAIのインフォメーションが響き、戦闘形態であるアサルトフォームへの移行完了を告げた。 変形に伴い、フライトフォームで中枢を成していたエンジンユニットは背部に回され、アイゼンはそこから小さな基部を一つ分離させ右手に収めると、主である祐一へと問う。 「……マスター、指示を」 『不慣れな高速戦だがやれるね?』 「……ん」 『それじゃあ全力で行くぞ。……斬り捨てろ、アイゼン!!』 「……んっ!! ……アクセラレータ、起動!!」 ≪system“Accelerator”starting up≫ 祐一の指示を受けて、弾かれるように突進するアイゼン。 その速さは、疾風のそれ。 もはや、ストラーフとは思えない速度を以って焔星に迫る。 「……ッ!?」 瞬時に眼前まで近付かれ、勢いに任せた蹴りを浴びる焔星。 間髪居れずに回し蹴りから後ろ回し蹴りへと繋ぎ、零の体躯が大きく吹き飛ぶ。 「速い!?」 驚愕する間もあればこそ、その一瞬で離れた間合いはアイゼンの突進で即座に詰められる。 「―――なッ!!?」 そして青い光の奔流が閃き、手にした大鎌が寸断された。 「ば、……馬鹿な……!?」 ≪“RayBlade”Disposition≫ アイゼンが手にしたモノは光の剣。 他ならぬ、カトレアと同じ超高出力型のレイブレードであった。 ◆ 「……なんと、愚策」 彼女は、それを見て詰まらなそうに呟いた。 ◆ 投刃と衝撃波、狙撃銃とリニアガンの中距離応酬から一転して、両者肉薄しての高速打撃戦。 目まぐるしく位置を変えながらの高速戦闘も終わりが近付いてきたようだ。 マヤアはとっくにライフルを捨ててしまっているし、黒衣の幽霊も新たに投刃を繰り出す気配は無い。 時折、開いた間合いを惜しむように翼からの衝撃波や背部ユニットのリニアガンを打ち合うが、即座に距離は詰まり打撃の応酬に戻る。 互いに消耗が進み、飛び道具が心許なくなってきたのだろう。 「……だからと言って、何が出来る訳でもないのですよ……」 「わふわふ」 戦場の端っこでお茶を啜るデルタと、尻尾のブラッシング(VR空間なので実は無意味)にいそしむセタ坊。 一応今でもマヤアをシステム的にバックアップしているデルタはともかく、セタに到っては本気で何しに来たのやらと言う有様だが、相手がアレでは仕方もあるまい。 「にゃーーーっ!!」 マヤア渾身の一撃が、幽霊の刀一つを途中からへし折った。 「……無為」 折れた刃を投げ捨て、幽霊は残る一刀でマヤアのフォビドゥンブレードを叩き落す。 「ニャ!?」 武装の喪失に伴う戦術パターン切り替えにより生じた微かな隙。 本来であればどんな神姫やオーナーでも無視する程極微の間断ではあるが、事ここに到ってマヤアと幽霊にとっては隙と呼ぶべく数少ない瞬間であった。 「……絶!!」 真横に振るわれた刀。 それが狙いを違わずマヤアの胴を薙ぎ……。 すり抜けた。 「―――!?」 バラバラになって落ちてゆくツガルタイプのアーマー。 と、それらが弾かれたように集結し、ひとつの形状をなしてゆく。 「……レインディア、バスター……」 幽霊の呟きも終わらぬうちに、自由落下から明確に意図された加速で機首を起こして上昇を始める。 「……」 そして、あの一瞬の攻防で上空に逃れていたマヤアを乗せ、突撃を開始した……。 ◆ 近接用のメインウェポンであるデスサイズを失い、焔星は大きく後退して距離を取る。 「……っ、これほどまでに高出力のレーザーブレードだとは……」 恐らくはプレステイルの中枢を成すボレアスユニットから射撃機能をオミットし、ジェネレーターとしての機能に特化させて得た高出力を流用しているのだろうが、分かった所で防ぎ様など無い。 「―――ならば、寄せねば良いだけです!!」 脚部に固定されたハンドガンと肩部のキャノン砲が展開し、アイゼンとの空間に濃密な弾幕を形成する。 「装甲を捨て機動力を取ったのでしょうが、それならば逆に小口径弾一つが致命傷になります!!」 先ほど使用したときにはチーグルの装甲に阻まれ、碌なダメージにはならなかったが、この飛行可能なユニットに同様の防御力があるとは考えられない。 故に、この弾幕を回避してから、レーザーブレードの一撃を狙う為に突進をしてくる筈。 (そこをプロトン砲で打ち落とす) そう考える焔星の元へ、アイゼンはしかし、一直線に突っ込んできた。 「……まさか、この弾幕に耐えられるつもりですか!?」 『元々アイゼンに回避主体の戦法が不向きなのは重々承知』 今までは基本的に、重装甲による防御主体のディフェンスを重視してきたのだ。 それを今更回避力ですべて置き換えられるとは、祐一もアイゼンも思っていない。 故に。 「……バリアの一つ位は用意してある!!」 ≪Hadronic field≫ アイゼンの周囲を覆う、薄い光の球体。 微かに青く発光するそれに阻まれ、弾幕が弾かれてゆく。 「―――ならば、プロトン砲でっ!!」 『怯むな、アイゼン!! シールド集中!!』 「…んっ!!」 砲口から溢れ出した白い光の奔流は、しかし、アイゼンの掌の先に広がるディスク状のバリアに阻まれ四方八方へと逸れてゆく。 「貫けぇーーーっ!!」 「……負けないっ!!」 プロトン砲と斥力場シールドの均衡は数秒続き、途絶えた。 「そんな……。チャージ容量の限界? プロトン砲の全力照射に耐え切るなんて……」 「……言った筈。私はカトレアを倒しに来た。……お前如きに負けてなど居られない」 プロトン砲の閃光が途絶え、幾分濃さを増したシールド越しにアイゼンの姿が見える。 「……これで、終わりだ」 「―――!?」 背部から切り離したエンジンユニットに追加砲身を直結させた『砲撃モード』。 「―――消し飛べ……。『フェルミオン・ブレイカー』!!」 ≪Fermion Breaker≫ 砲口からプロトン砲以上の白光があふれ出すのを、焔星は呆然と眺めていた。 「―――ぁ」 そして。 閃光と轟音に全てを押し流され、焔星の意識は途絶えた。 ◆ ガチャン。と音を立てて、破損した砲身が切り離される。 『勝った、か』 アイゼンのステータスに追加された撃墜数1。 焔星を下した何よりの証拠だが、その実、二人が対カトレア用に取っておいた切り札をここで使用してしまったことは大きい。 限定的とは言えブーゲンビリアのレーザーに近い威力を持つ『フェルミオン・ブレイカー』も使用回数2発の内1発を使ってしまったし。 なによりこちらの切り札が『レイブレード』である事は、最早カトレアには隠しておけないだろう。 元より対四姉妹戦を前提に開発された【フランカー】は、四姉妹の特化能力に対抗できる事を目的としている。 カトレアの『レイブレード』と『バリア』。 アルストロメリアの『機動性』。 ストレリチアの『移動速度』。 そしてブーゲンビリアの『高出力レーザー』。 これらの能力全てに対抗する為に、【フランカー】には変形能力と強力なエンジンから発生する出力を利用したレーザーブレード、バリア、そして陽電子砲が搭載されている。 しかし、土方京子と祐一の技術力の差は明白で、汎用性を落して尚、純粋な性能で及んでいないのが現状だった。 故に、勝機は不意打ちによる短期決戦しか無い訳だが、焔星の登場によりその予定は水泡と帰し……。 『で。今までのバトルロイヤルに居なかった以上……』 祐一が見すえるアイゼンの視点の中央。 ≪Warning!! NeXT enemy Engaging≫ AIの警告が促すその先に……。 『……ここで出てくる訳だな、カトレア……』 ジュビジーの装備で武装したジルダリア。 土方京子の四姉妹が長女。 カトレアが、そこに居た。 ◆ 「……カトレア」 「お久しぶり、と言った方が良いでしょうか?」 「……」 残存神姫は残り5。 未だ脱出した神姫が居ない以上、この五人の中で最初に敗れたものが予選で敗退する事になる。 「貴女は危険だと判断を下し、あのマオチャオ、アーンヴァルと共に最優先の警戒対象としていたのですが―――」 言葉を切り、アイゼンを見下ろすカトレア。 「―――どうやら見込み違いだったようですね……」 「……っ!!」 カトレアの右手から伸びる赤い光剣。 「いくら私達のマネをしても、その程度の技術力で神姫の開発に携わったマスターを超えることなど不可能―――」 最早アイゼンを脅威とは見ないしていないのか、無造作に歩を進めてくる。 「―――ましてや。……その様に無理やり詰め込まれた装備ではバランスなど望むべくも無い」 互いの間合いギリギリでカトレアは足を止めた。 「それで私に勝つつもりだったとは、笑い話にもなりません」 対峙するアイゼンは、未だ光剣を発振させては居ない。 出力で劣るだけでなく、稼働時間に天地の隔たりがあるからだ。 今から展開しておけるほど、アイゼンのレーザーブレードには稼働時間の余裕が無い。 「……実際、ストラーフの装備の方がまだ勝ち目があったと思いますよ? ……そのような私に対して勝る部分が一つも無い装備で、本気で私に挑むつもりなのですか……?」 光剣を構え、体勢を落すカトレア。 同様に、アイゼンもまた迎撃の姿勢を取る。 「……正直、失望しました。……貴女とはここで終わりにしましょう」 真紅の閃光。 高速で振り下ろされた光剣を辛うじて受け止めるアイゼン。 レイブレード同士が干渉し合い、閃光と耳障りなノイズ音を撒き散らす。 「……何も、対策が無いわけじゃない!!」 ≪“RayBlade”Re-disposition≫ 膠着状態を打破するべく、アイゼンがもう一本レイブレードを取り出し起動。 二刀を交差させカトレアを押し返す。 「ふんっ、……それが対策と言うのなら、下らないにも程があります」 カトレアは何もしない。 ただ、そのまま力ずくでレイブレードを押し付けてくるだけだ。 「……っ!?」 しかし、ただそれだけの事でアイゼンのレイブレードは二本とも干渉波で機能不全を起こして途絶えがちになる。 『……大元の出力が違いすぎる……!! やはりこれだけでは無理か……』 「機動性や速度でもアルストロメリアやストレリチアに劣るのでしょう? 先ほどの火力もブーゲンビリアとは比べるべくも無い!!」 「…っ!!」 「ましてや、バリアやレイブレードの性能で私に挑むとは、愚かにも程がある!!」 膠着状態を維持するのに集中しているアイゼンの無防備な腹部をカトレアが大きく蹴り上げた。 「…かはっ!?」 蹴り飛ばされ、地面に叩きつけられたアイゼンに、悠然とカトレアが詰め寄ってゆく。 「……貴女なら、或いはマスターを止められるかとも思ったけれど……」 「くっ…、けふっ…!」 「……いえ。……元より望む事では、無いのでしたね……」 呟き、カトレアは光剣の切っ先をアイゼンに突きつける。 「……終わりです」 そして。 ◆ VR空間での決着が付いたのは、第四バトルロイヤルが終わるのとほぼ同時だった。 データ分解を起こし、消え往く幽霊の残滓。 仮面が消え、本体が消える一瞬のラグの中に、マヤアは幽霊の瞳を見た。 「……?」 そして、そのまま物言わず消滅する幽霊。 「……なあ、浅葱。あいつ死んだのか?」 『どうなの、雅?』 『どうなの、村上君?』 浅葱、雅を通じて村上まで上訴された質問に彼は静かに答える。 『いえ、コピーされた分身を倒しただけでしょう。神姫本体を如何にかしなければこの事件は終わりません』 『……そっか、ハッキングしてきたのが土方真紀の神姫だって事は、やっぱ黒幕は土方真紀で確定か……』 確証を経て、目的ははっきりとした。 「……あとは。土方京子からウイルスのサーバー本体の位置を聞き出すだけですね……」 『ええ、予選を突破していれば控え室で会えるわ』 「素直に教えてくれるでしょうか?」 『教えてくれないのなら、力ずくでも聞き出すまでよ』 冷徹に言い放ち、雅は視線を移す。 「……あとは、アイゼンさんが勝てるかどうかですか?」 『ま、それが一番の問題かな……』 雅の表情は硬く、中央制御室にあるモニターの一つ。 第四バトルロイヤルを映し出しているモニターを見据えていた。 ◆ 第四バトルロイヤル終了。 残機数4。 これで、本戦に出場する16名の武装神姫が出揃った事になる。 「……マスター、ゴメン……」 「まぁ、いいさ。次は勝とう」 ポッドから出てきたアイゼンを労う祐一。 カトレアとの戦闘は完全にアイゼンの敗北だった。 「祐一!!」 「祐一」 美空とリーナが駆け寄ってくる。 「ああ、二人とも……」 「祐一、その……、―――!?」 「どうしたの、二人とも」 美空とリーナのみならず、フェータまでもが絶句し祐一を見ていた。 いや、正確にはその背後に立つ女、を。 「久しいな、少年」 「京子さん?」 振り返る祐一の背後に、コートを着込んだ眼帯の女。土方京子が立っていた。 「……惨敗だったじゃないか。……私を止めるのだろう? このままでは、叶わぬぞ……」 「…………………はい」 祐一は静かに頷く。 「……でも、次は必ず勝ちます。……その為の【フランカー】ですから」 「……そうか、ならば何も言わん。……やって見せろ」 無言で頷き、祐一は意を返す。 「京子さん!!」 「なんだ?」 「本戦で、もしもアイゼンが勝ったら……」 「……勝ったら?」 「その時は、俺の言う事を一つだけ聞いて下さい……」 「……ふむ……」 興味がありそうでなさそうな、そんな微妙な表情を浮かべ、京子は微笑んだ。 「……よかろう。では私が勝ったらお前は私の言う事を聞いてもらう。……いいな?」 「はい」 その返事を聞き届け、京子は微笑を浮かべて歩み去る。 レライナを除く五人は、黙ってそれを見送った。 「で、どうするのよ?」 「……次は勝つさ……」 不安そうに尋ねる美空に、祐一は静かに答えた。 「……次はもう、負けられない……」 先のバトルロイヤル。 アイゼンに止めが刺されるより早く、他所で決着が付き神姫の残存数が4になった。 その時点で戦闘が終了した為、アイゼンも本戦に進出できたものの、結果としてみればカトレアには歯が立たなかった事になる。 「……もう、負けられないんだ……」 「ん」 祐一の肩の上で、アイゼンが応えて頷いた。 第22話:THE SECRET WISHにつづく 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る ど、ドラクエ5クリア……。 20時間位? 普通のRPGに掛かる時間ってこのぐらいだよね? と思う今日この頃です。 Aボタンがへこみっぱなしでなければもっとストレス無く遊べたでしょうに……。 ああ、ヨメはフローラで。 性能重視の人ですから、私。 閑話休題。 焔星の元ネタはファイブスターのマシンメサイア。 …と見せかけて、実はAC4fAで人から貰ったネクストの設計図(そっちの元ネタが多分FSS)。 回避最優先の軽量級にコジマキャノンとドラスレという無謀な装備がお気に入りだったり……。 まぁ、ソブレロに雷電グレ積んだグレ単ネクスト作った私が、無謀とか言えたもんじゃありませんが……。 残るはP4。 今回ペルソナに鈴鹿御前と信長が出るらしい……。 やべぇ、超楽しみ……。 ALCでした~。 -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2567.html
MMS戦記 外伝「敗北の代価」 「敗北の代価 11」 注意 ここから下は年齢制限のある話です。陵辱的な描写やダークな描写があります。 未成年の方は閲覧をご遠慮下さい。 □ 重邀撃戦闘機型MMS「リカルダ」 SSSランク 二つ名「ミョルニル」 オーナー名「春日 凪」♀ 20歳 職業 神姫マスター 真っ赤に燃え滾るヒートナギナタを振り回し,戦国時代の武将のように名乗りをあげるリカルダに対峙する神姫たちは、ぽかんを口を開けて呆然と立ち尽くす。 オーナー1「な、なんだァ!?あいつ!」 砲台型C「あれがSSS級の化け物神姫、リカルダか」 悪魔型「び、びびるな!!!敵は一騎だァ!!!」 一瞬、神姫たちに動揺が走ったが、すぐさま体制を建て直し、リカルダを取り囲むようにじりじりと移動する。 春日はバトルロンドの筐体に備え付けられているタッチパネルを操作し、状況を把握する。 春日「残り、88機!敵は3つの集団に分かれている」 春日はマーカーで3つのくくりを作る。 春日「まずは集団A、陸戦タイプの神姫を中心とした大集団、数は50、どうせこちらの速度にまともについていけない、適当につぶしておけ」 リカルダ「イエス」 春日「次に集団B!!空戦タイプの神姫を中心だな、数は1ダース(12機)、機種はアーンヴァル、エウクランテ、アスカが多いな・・・まずはこいつらから血祭りにあげろ、皆殺しだ!」 リカルダ「OK」 春日「最後に集団C・・・砲戦タイプの神姫ばかりだな!数は20、機種は戦艦型4隻、戦車型6両、砲台型10台!鈍亀ばかりだ、うまく誘導して同士撃ちにさせろ」 リカルダ「了解」 春日はバンっと筐体を叩く。 春日「見敵必殺(サーチアンドデストロイ)!!!見敵必殺だ!!立ちはだかるすべての障害を排除しろ!」 リカルダ「Sir,Yes sir MyMasterrrrrrrr」 ヒュイイイイイイイイイイイイイイイ リカルダのリアパーツに装備されている巨大な素粒子エンジンが緑色に輝く粒子を撒き散らし唸り声を上げる。 巡洋戦艦型A「奴を倒せば兜首だ!賞金を手に入れて富と名声を手に入れろ!」 装甲戦艦型A「支援射撃を開始する!全神姫突撃突撃ィ!!」 数隻の戦艦型神姫が主砲をリカルダに向けて発砲するのを皮切りに再び神姫たちが吼えるように声を上げて、武装を手に掲げてドッと津波のように襲いかかる。 神姫「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」 リカルダはまったく臆することなく、巨大な素粒子エンジンを全開に吹かして真正面から突撃を仕掛ける。 リカルダ「あは、あはっはは!!この程度の数の神姫でこの俺を倒せるとでも?笑わせるッ!!!」 轟とエンジンを轟かせてリカルダは燃え盛るナギナタを引っ掴んで迎え撃つ。 砂漠を砂埃を立ち上げて、真っ先に攻撃を仕掛けてきたのは、ハイスピードトライク型 アーク、ハイマニューバトライク型 イーダ、モトレーサー型 エストリル、クルーザー型 ジルリバーズのバイク使いの4神姫だった。 バイク使いの4神姫はリカルダの姿を認めると、ばっと散開し一斉に手持ちのマシンガンやキャノン砲、ハンドガンで射撃を開始する。 リカルダ「遅い遅すぎるぜ、それで速く動いているつもりか?」 リカルダは地面スレスレをホバリングするように砂山や岩を盾に攻撃を回避し、ズンと地面を強く踏みしめると、同時に地面に巨大な亀裂と穴が穿つ。 パンッと空気が爆ぜる音がしたと同時に、ハイスピードトライク型 アークの紅の武装が異常な形にくにゃっと歪みバラバラに分解されて吹き飛んだ。 □ ハイスピードトライク型 撃破 真横を走っていたクルーザー型のジルリバーズの目が見開かれる。 ジルリバーズ「なっ・・・」 ぐしゃぐしゃに潰れたトライク型の後から破壊音が衝撃波となって届く。 ドギャアアアアアアアアアン!! チカチカと何かが光ったと思った瞬間、モトレーサー型 エストリルの薄いピンク色の体が黄色い閃光に飲み込まれて爆散する。 □ モトレーサー型 撃破 ジルリバーズ「あ、あああ・・・」 彼女の眼前で瞬く間に僚機が沈む。 あまりにも速い、度外れた速さ、圧倒的な凄まじい破壊の力に彼女は驚愕し見届けることしか出来ない。前方でハイマニューバトライク型イーダが変形を解除し、大剣を構えて対抗しようと、リカルダに攻撃を仕掛けようとするが・・・ 次の瞬間、ジルリバーズの横を薄緑色の塊が軽々と宙を舞いすぐ脇を通りぬけていく。 風が唸る。 ゴキン 鈍い金属音が聞こえる。その音の正体を最初は理解できなかったが、崩れ落ちるバラバラになった自分の体がジルリバーズの視界に移ると意味を理解した。 ジルリバーズ「は・・・はや・・・速すぎる」 □ クルーザー型 ジルリバーズ 撃破 ズドンズドンズドン!! 戦艦型神姫の砲弾がリカルダの周囲に着弾するが、リカルダはまったく意に介さず無視する。 リカルダ「おいおい、なんだ?その動きは舐めているのか?あああん?的撃ちじゃねーんだぞッォ!!!!!」 リカルダは顔を歪ませて新たな敵に向かって突進する。 音速を超え、超高速の剣戟に、対峙する神姫たちはまったく捕捉しきれなかった。 悪魔型「うおおおおおおおおおお!!」 巨大な刀を携えた悪魔型が雄叫びを上げて強化アームを振りかざし突撃するが、リカルダは悪魔型が刀を振るう前に胸部を突き殺す。 □ 悪魔型 ストラーフMk-2 撃破 間髪いれずに今度は巨大なハンマーを携えた白い悪魔型とソードを構えた黒い悪魔型が躍り出るが、リカルダは副腕のレールキャノンをくるんと廻して、胸部を正確に撃ちぬく。 □ 悪魔型 ストラーフ・ビス 撃破 □ 悪魔型 ストラーフ 撃破 脇を小柄な2体の神姫が槍と剣を携えて飛び出してきたが、リカルダは2体まとめて燃え盛る紅蓮の炎を纏ったヒートナギナタで文字通り薙ぎ払った。 □ 夢魔型 ヴァローナ 撃破 □ 剣士型 オールベルン 撃破 樹脂の溶ける焦げ臭い不快な匂いを撒き散らして四散する2体の神姫。 リカルダの強烈な攻撃の様子はさながら嵐のようであった、音よりも速いリカルダの攻撃は空気を引き裂き、爆ぜ、対峙する全てのものを打ち砕く。 次々に撃破のテロップが流れる。 まるで音楽を奏でるかのようにリカルダは縦横無尽に戦場を駆け回り、刈り取るように神姫を撃破していく。 □ 犬型 ハウリン 撃破 □ 猫型 マオチャオ 撃破 □ リス型 ポモック 撃破 □ フェレット型 パーティオ 撃破 □ ウサギ型 ヴァッフェバニー 撃破 □ 騎士型 サイフォス 撃破 □ 侍型 紅緒 撃破 □ 花型 ジルダリア 撃破 □ 種型 ジュビジー 撃破 □ サソリ型 グラフィオス 撃破 春日「30、31・・・」 春日はにやにやしながら腕を組んで数を数える。 怯えた白鳥型が大剣を盾に悲鳴をあげて後ずさるが、リカルダは大剣をガードの上から叩き割った。 ズン・・・ 真っ二つに引き裂かれた白鳥型の表情には驚愕の念が浮かんでいた。 彼女は決して弱い部類の神姫ではなかった。数多の戦場を先陣切って誉高く駆け、敵を討ち取ってきた武装神姫である。 だが、違う。 こいつは違う。 一刀両断されて始めて違いに気がついた。 こいつは普通じゃない。 白鳥型「ば・・・化け物め・・・」 □ 白鳥型 キュクノス 撃破 春日「32!!総数の3分の1を殲滅した、残り68!さっさと片付けるぞ」 春日は筐体の画面を操作して状況を把握する。 リカルダ「だめだ、弱すぎる・・・お話にならない」 参加していた神姫のオーナーたちはたった数分間で100体いた神姫の3分の1が潰滅した事実にただ言葉も無く息を呑む。 いま眼前で繰り広げられた戦い、リカルダの桁ハズレの強さ。 次々となすすべもなく撃破されていった仲間たちを見て陸戦主体の残った神姫たちは完全に戦意を喪失して、武装を放り出して逃げ始めた。 カブト型「だ、だめだァ!!こんなの勝ってこないよ!」 クワガタ型「ひ、ひィいいい」 ヤマネコ型「やってられるかよ!!!」 がしゃがしゃと手持ちの武器を捨てて逃げようとした瞬間、後方からチカチカと青白い光が瞬く。 建機型「!?」 ドッガアズガズッガアアン!! 装甲戦艦型A「撃て撃て!!撃ちまくれェ!!」 巡洋戦艦型A「逃げる奴は敗北主義者だ!!!敵もろとも攻撃しろ!!!」 重装甲戦艦型A「奴を倒せば1億円なんだぞ!!断じて引くな!!後退は認めん!!」 数隻の戦艦型神姫が味方もろとも無差別に砲撃を始め、瞬く間にフィールド内は阿鼻叫喚の地獄絵図に変わった。 ドンドンッドオドドン!!ズンズウウン・・・・ カブト型「ぎゃあああああああ!!」 虎型「ウワァ!!」 丑型「いやああああああああああ!!撃たないで撃たないでェ!!!!!」 猛烈な艦砲射撃がリカルダと周囲にいる神姫たちを巻き込んで行なわれる。 戦艦型の取り巻きの戦車型、砲台型も味方を撃つことに戸惑っていたが、手段を選んでいる場合ではないと悟ったのか、一緒になって見方もろとも攻撃を始めた。 □ 建機型 グラップラップ 撃破 □ 虎型 ティグリース 撃破 □ 丑型 ウィトゥルース 撃破 □ ヘルハウンド型 ガブリーヌ 撃破 □ 九尾の狐型 蓮華 撃破 次々とフレンドリーファイヤーの表示が出ながら撃破のテロップが踊る。 瞬時に周りは地獄と化した。その光景は凄惨そのものだった。目の前で多くの神姫たちが生きたまま焼かれ、重症を負い、そして粉々に砕かれて宙を舞った。 ズンズンズン・・・・ ものすごい爆煙と砂埃で砲撃地点は黒茶色の巨大なキノコ雲が立ち上り、ボンボンと神姫が爆発する音と赤い炎が巻き起こる。 上空を数十機の航空MMSが心痛な面持ちで眺めていた。 天使型「下は地獄ですね」 セイレーン型「うわあァ・・・」 ワシ型「イカレ野郎もろとも吹っ飛ばしてしまえ!!」 ワシ型が手を掲げてファックサインをする。 ドッギュウウウム!! 戦闘機型「おぐ・・」 戦闘機型の胸部を黄色い閃光が貫き、爆発する。 □ 戦闘機型 アスカ 撃破 爆煙と砂埃の中から勢いよくリカルダが飛び出し、真っ赤に燃え盛るヒートナギナタでワシ型MMSを一刀両断で切り捨てる。 □ ワシ型 ラプティアス 撃破 リカルダ「コイツァ最高だぜ、ふ・・・恥も外聞もなく味方もろとも攻撃してくるとはなァ・・・」 リカルダは笑いながら次々と航空MMSをハエのように叩き落としていく。 □ コウモリ型 ウェスペリオー 撃破 □ 戦乙女型 アルトレーネ 撃破 天使型「このおおおおおおおおおおおお!!」 天使型の一機が、上空からライトセイバーを構えて突撃してくるが、 リカルダは最小限の動きで回避し後ろを取る。 リカルダ「はずしやがったな!まだまだガキの間合いなんだよ!」 天使型「そ、そんな!!うわああああ!!」 ズッドン!! □ 天使型 アーンヴァル 撃破 天使型の頭部を跳ね飛ばした次の瞬間、リカルダを含む周囲の航空MMSたちにむけて葉激しい強力なレーザー砲の一斉射撃が加えられる。 ビシュビシュウウビッシュウウウウン リカルダ「おわっ!!」 あわててリカルダが回避する。 ズンズンズン!! □ 天使型 アーンヴァル 撃破 □ 天使型 アーンヴァル・トランシェ 撃破 □ 天使型 アーンヴァルMk-2 撃破 □ 戦闘機型 アスカ 撃破 リカルダの回りを飛んでいた航空MMSを強力なレーザーが貫き、空中に炎 出来た光球を作る。 重装甲戦艦型「ヘタクソォ!!貴様らどこを狙っている!!」 巡洋戦艦型A「ウルセェ!てめえが撃てっていうから撃ったんだろがァ!!!」 装甲戦艦型A「畜生畜生!!」 装甲戦艦型B「ひゃっはああーーー!!!もうだめだァ!!」 巡洋戦艦型B「なにをしている攻撃の手を休めるな!!!」 またしても後方にいる戦艦型神姫の一群が味方もろとも巻き込むのも承知の上で砲撃を加えてきたのである。 1度ならず2度までも、味方を巻き込む非道な攻撃を行い続ける神姫たちに観客たちはブーイングを鳴らす。 観客1「お前らさっきからナニやってんだよ」 観客2「このクズヤロウ!!さっさとしとめろ!」 観客3「誤爆誤射ばっかりやんてんじゃねーんだぞ!!このダボォ!!」 観客4「こいつらさっきから味方撃ちしかしてねえーーーーー」 観客5「なにがしてーんだよ!!このクソヤロウ!!」 グラスやゴミをフィールドにいる戦艦型に向かって投げつける観客たち。 オーナー1「うるさい!野次馬ァ!!」 オーナー2「黙れ黙れ!」 オーナー3「どーしようが俺たちの勝手だろ!」 オーナー4「戦いに誤射誤爆はつきものだろが・・・ボケが!」 オーナー5「装甲戦艦!!副砲撃て!!!あの野次馬連中を黙らせろ!!」 装甲戦艦型B「了解、モクヒョウ カンキャクセキ 撃ちかたーーーーーーーーーはじめ!!」 あろうことか、戦艦型神姫のうちの一隻が観客席に向かって副砲で発砲しはじめたのである。 ズンズンズズン!! 観客1「うわあああああああ!!撃ってきたぞ!!」 観客2「キャアアアアアアアアア!」 観客席の2階の中央のテーブルに砲弾が命中し、料理が爆発して飛び散る。 ドガアアアン!! 2階の観客席で春日たちの戦いを観戦していた神代の顔にべちゃっりとケーキのクリームが降りかかる。 脇に立っていたルカが悲鳴をあげる。 ルカ「きゃああ!!マスター大丈夫ですか!!」 神代が顔に付いたクリームを手で拭き取り舌でぺろっと舐めて片つける。 神代「大丈夫だ、問題ない」 バトルも観客席も戦艦型神姫の無差別な艦砲射撃で大混乱になる。 司会者の東條があわててマイクで放送を行なう。 「観客の皆さんはフィールド上の神姫にモノを投げないでください!!フィールド上の神姫は観客の皆さんに攻撃しないでください!!危険です」 フィールドにいる戦艦型が反論の激を飛ばす。 巡洋戦艦型A「最初に攻撃してきたのはアイツラだろ!!これは正当な反撃行為!自衛のための防衛行動だ!!」 装甲戦艦型B「戦艦に喧嘩売るとは上等じゃねえか!!ぶっ殺すぞ!!!!」 観客3「こいつらなんとかしろよ!!」 観客4「危ない!!危ない!!危ないよ!!」 観客5「おまえらは一体誰と戦ってんだ!!このボケカス!!」 春日はアッハハハと大声を上げてパンパンと手を叩いて喜ぶ。 春日「すばらしいこれこそ混乱だ!!戦場に混乱はつきもの!!最高じゃないか!!」 リカルダ「さあて・・・と残りはC集団のみ、ちゃっちゃと終わらせてやろう」 リカルダはヒュヒュンとナギナタを振り回し、突撃する用意に移る。 戦艦型神姫の一群と戦車型、砲台型が多種多様な砲口をリカルダに向ける。 戦車型A「パンツァー1より全パンツァーへ、敵は高速戦闘に特化した航空MMSだ、対空榴弾装填!!穴だらけにしてやれ」 戦車型B「パンツァー2了解」 戦車型C「パンツァー3了解」 戦車型D「パンツァー4了解」 砲台型A「砲撃モードに移行!焦るなゆっくり狙って確実に当てろ!」 砲台型B「畜生!ブチ落としてやる」 砲台型C[負けネーゾ] 重装甲戦艦型「全艦、全砲門開けェ!!火力で磨り潰せッ!!!!」 巡洋戦艦型A「火力とパワーはこちらの方が上だ」 装甲戦艦型A「一億円は俺のものだ」 巡洋戦艦型B「くそったれ、やってやる」 装甲戦艦型B「蜂の巣にしてやる」 ギラギラと目を光らせる大砲を主兵装備とする武装神姫たち 。 戦艦型神姫は巨大な体に据付けられた主砲をゴリゴリと動かす。一撃でも命中すれば神姫を粉々に粉砕できる強力なレーザー砲を搭載し、全身に対空機関砲とミサイルを装備している。単純な火力だけでは戦艦型神姫は最強クラスの戦闘能力を有する。また分厚い装甲に守られ、撃破するのは非常に困難だ。 戦車型神姫は戦艦型とはいかないまでも、強力な戦車砲とそれなりの厚い装甲を備えている。また何台かの同型の戦車型とコンビを組んで安定している。 砲台型もがっしりと地面に腰を下ろし、砲撃モードに移行し、優秀なFCSによって高い命中率と速射性能を有した滑空砲を搭載し待ち構える。 大型の戦艦型神姫、中型の戦車型、小型の砲台型のバランスの取れた鉄壁の布陣で、リカルダを待ち構える20機あまりの重武装の神姫たち。 リカルダとは対照的に、機動性を完全に最初から捨てて、がっしりと待ち構える神姫たちに隙はなかった。 こいつらは、味方ですら遠慮なく攻撃する下種だ。だが、その分勝つことには躊躇せず破壊的なオーラを纏っていた。 間違いなく強敵、そう感じ取った春日は内心、ほくそ笑んでいたが、命令を下す。 春日「大砲屋風情が調子に乗るなよ・・・リカルダ!!遠慮はいらん!!攻撃しろ!」 リカルダ「イエス、イエスマイマスター」 ぐっと身を固めるリカルダ。 さっきまで野次を飛ばして騒いでいた観客たちも一斉に押し黙る。 そしてひそひそと話し声がもれる。 観客1「まさか本当にあの砲火の前に突っ込むんじゃないよな?」 観客2「ありえんだろ?あの完璧な布陣になんの策もなしに突っ込むのは自殺行為だ」 観客3「あの陣形は点や線の攻撃なんて生温いものじゃない、面での攻撃だ」 観客4「面制圧か・・・この猛砲撃を掻い潜って奴らを殲滅できるとしたら、文字通り化け物だ・・・そんな神姫がいるのか?」 To be continued・・・・・・・・ 次に進む>[[]] 前に戻る>「敗北の代価 10」 トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/8.html
戻る 先頭ページ 次へ 目次 インターバトル2「誤情報」 インターバトル3「エルゴより」 「固執」 「戯れ」 ※For adult only インターバトル2「誤情報」 「…………」 ぱかぱか。 「ま、マスター、どうですか……?」 ぱかぱか。 マスターは一瞬頭の中が真っ暗になり、立ちくらみを起こして倒れそうになった。 「まったく……」 「ご、ごめんなさい」 椅子に座り腕を組んで渋い顔をしているマスターの前の机の上で、アーンヴァル「マイティ」は恥ずかしさと申し訳なさと自分のバカさ加減に顔を真っ赤にして小さくなっていた。いや、もとから小さいのだが。 「シエンちゃんが、こうすればマスターが喜ぶって」 「奴の仕業か……」 マスターの言う「奴」とはハウリン「シエン」のことではなく、そのオーナーのことである。 「ココちゃんも、言ってましたよ」 「…………」 かの魔女っ子神姫ドキドキハウリンのことである。 マスターは大きなため息をついた。 シエンのオーナーは確信犯だろうが、ココのほうはおそらく実践する前に教えたのだろう。今頃どうなっているだろうか。 「ともかく、情報の真偽を見極めるのは試合でだけでなく、日常生活でも大事なことだ」 「はい……」 「まあ、今回は状況的に実践しなければ分からなかったからいい。実践して取り返しがつかない場合は大変だぞ」 「すみません……」 「……もういい。顔を上げろ」 「はい?」 なでなで。 いつのまにか頭をなでられていて、マイティは面食らった。 「あ、あの、マスター?」 「今回は俺の監督責任もある。もう落ち込むな」 「……はい」 マイティはマスターの指を抱きしめる。温もり。 ◆ ◆ ◆ ぱかぱか。 「ご、ご主人様。こうですか?」 「そう! そうだ! いいぞシエン! できればもうちょっと開脚しろ!」 「は、はい」 ぱっかぱっか。 「す、凄まじい破壊力だぜぇ……」 ケンは鼻血を素手でぬぐいながら、シエンの太ももを見つめていた。 「あの、ご主人様。そ、そんなに見つめられると恥ずかしい……」 ガチャ。 「ケン、次の試合の段取りが決まったよ」 控え室に舎幕が入ってくる。 「……二人とも、何してるの?」 「おゥ……」 「はうっ!?」 気まずい雰囲気がまたたくまに部屋内に広がった。 了 インターバトル3「エルゴより」 「ほら、着いたぞ」 マスターはコートの胸ポケットの中で終始俯いているマイティに呼びかけた。 「本当に、直るんですか……?」 沈痛な声色でマイティは主人を見上げる。 「ここの店長は確かな腕を持っている。大丈夫さ」 マスターは右手に提げた紙袋を揺らした。中にはマイティの愛車、 1/12ヤマハV-MAXが入っている。 二人はホビーショップ・エルゴに来ていた。 マスターの行きつけのショップである。 マイティを迎え、V-MAXを買った場所だ。 ◆ ◆ ◆ 河川公園のラジコンコース。日曜日の昼、晴れた日には、マイティはここでV-MAXを走らせるのが日課となっている。 天使のマークがプリントされた専用のフルフェイスヘルメットをかぶり、愛車にまたがるなりマイティはエンジンを始動。クラッチペダルを踏み込み発車する。小気味よくスロットルを回し、エンジンを吹かしてゆく。 小さなライダーが小さなコースを軽快に疾走する。ミニチュアエンジンの甲高い回転音がコースに響き渡る。1/12と言ってもV-MAXの最大の特長であるVブーストシステムはきっちり再現されている。縮小ゆえ構造の簡略化は致し方ないが、スケール換算するならばその挙動は間違いなくV-MAXだった。 エンジンの回転数が6000回転を突破する。6500回転を超えてからVブーストの本領が発揮される。小さなライダーを見に来たラジコン愛好者たちは固唾を呑んだ。 が、その時。 ばすんっ! 異音がした。直後V-MAXのマフラーから煙がもうもうと吹き出し、スローダウン。マイティは異常に気付き何度も後ろを確認しながら停車。安全のためバイクから離れる。 「マイティ、大丈夫か」 煙を上げる愛車を、メットをかぶったまま見つめるマイティの元へ、マスターが駆け込んでくる。 やっとマイティはヘルメットを脱いだ。不安の色を隠せていない。 「マスター……」 声を出した途端に、マイティは耐え切れず泣き出してしまった。 ◆ ◆ ◆ 自動ドアを開けると、入れ違いに大勢の神姫とオーナーたちがぞろぞろと帰るところだった。 「やあ、いらっしゃい」 店長、日暮夏彦がマスターを見つけ挨拶する。店長と呼ぶには若い。三年前に父親の後を継いでこのホビーショップを切り盛りしているのだった。 「店長、ちょっと頼みたいことがあるんだ」 マスターはオーナーたちの端っこを通りながら、カウンターへ近づく。 カウンターの横に設けられた1/12の教室の教壇に、胸像だけのヴァッフェバニーが鎮座していた。 「あら、こんばんはマイティ」 「こんばんは、うさ大明神先生……」 マイティもこの神姫の学校で学んだことがあった。 「どうしたの? そんな浮かない顔しちゃって」 「あ、その……」 「これなんだが」 マスターは紙袋からV-MAXを取り出し、カウンターへ置いた。 「こりゃ、うちでお買い上げいただいたV-MAXじゃないですか」 店長はV-MAXを持ち上げる。 「何か、あったんですか?」 「前の日曜にいつもどおり走らせていたんだが、急に煙を噴き出してな」 詳しくは彼女から訊いてくれ、と、マスターはマイティをカウンターへ立たせた。 「落ち込んでいても仕方がない。彼に話してくれないか」 「はい……」 マイティは、6000回転を超えたあたりから変な破裂音がして、止まってしまったことを話した。 「ははあ」 店長はそれでだいたいの見当がついたようだった。 「たぶん、バタフライバルブ関連ですね」 「バタフライバルブ?」 「Vブーストシステムの要の構造です。エンジンの回転数が6000回転を超えるとだんだんと開き始めて、8500回転で全開になってエンジン構造がツインキャブに変化するんです」 マスターは中盤からの強烈な吹き上がりを思い出した。 「おそらく、バルブのパッキンか何かが吹っ飛んで、燃料の混合気がいきなり大量にエンジンに入っちゃったんだと思いますよ」 「人間の過呼吸みたいなものか」 「良いたとえですね」 店長は作業台へV-MAXを乗せると、エンジンを外し始めた。 「直りますか?」 マイティはおそるおそる尋ねた。 「部品を交換するだけですからね。たしかバルブの予備はあったから、すぐ済みますよ。……あ、そうだ」 店長はマイティのほうへ振り返った。 「せっかくだから、メンテナンスのやり方、教えてあげるよ」 「えっ?」 「愛車は自分でいじりたいだろ?」 「あ、ありがとうございますっ!」 マイティは涙をぬぐって、作業台へ向かった。うさ大明神様ことジェニーも調整助手として作業台へ置かれる。 「部品飛ばさないでくださいよ。よけられませんから」 「わかってるよ」 店長はエンジンを取り出し終え、今度はエンジンそのものの分解に入る。 「さて、俺はどうするかな」 「あ、そうそう。神姫パーツの新製品、入ってますよ」 「そうか。見せてもらうよ」 マスターは神姫パーツの棚へ向かった。 棚の手前に新製品の台があり、そこに小さな箱が平積みされている。 うさぎさん仮装セット、黒ぶちメガネ、サイズ変更用バストパーツ、etc……。 むう、ほとんどが愛玩用のパーツじゃないか。 マイティに対して、このような愛玩用部品を買い与えることは全く無かった。マイティが欲しがるところを見たことが無かった。言わないだけかもしれないが。 そういえば、戸田静香嬢の作った服を着てみたいとは言っていたな。今度会ったときに頼んでみようか。 考えながら見ていると愛玩用でないパーツを見つける。 ストラーフ用らしき鎌に、白と黒、色違いの翼である。 マスターは白い翼を一箱取る。 一見仮装セットやメガネのような愛玩パーツの類に見えるが、裏を見るとれっきとした飛行機能をもつ背部パーツであることが記載されていた。 アーンヴァルの高速巡航性能を持つウイングバーニアとは違う、曲線で機動的な飛行が可能らしい。翼面への武装は出来なくなるが、その軽さは非常に良好な出力重量比を出す、と、かいつまんで言うならこういうことが書いてあった。 「ほら、こいつが問題のバタフライバルブさ。ここんところが割れてるだろ……」 カウンターではちょうどエンジンを分解し終えたらしく、店長の説明にマイティは熱心に聞き入っている。 とりあえず白い翼のみをカゴに入れて、マスターは対戦端末の方へ行く。 ここではランキングに関係のない対戦か、大多数のオーナーが所属しているサードリーグの対戦しか出来ない。 マスターはサードのランキングを参照する。検索キーワードに「片足 片脚 片輪 隻脚」と入力し、検索。 すぐに「該当なし」の答えが返ってくる。いるいないに関わらず、オフィシャルで二つ名は検索出来ないようだった。うろ覚えの名前を思い出して、今度は 「ルーシー」、そしてタイプに「ストラーフ」と入力してみる。 あいまい検索を使ったので該当名は102件。マスターはしらみつぶしに参照し始めた。 「終わりましたよ」 カウンターから声がかかり、マスターは端末を閉じる。102件の神姫の中で、目的のストラーフは見つけられなかった。片脚装備のストラーフはいるにはいたのだが、そのどれもが偽者、というよりはただの「まねっこ」でしかなかった。 「これを頼む」 マスターは白い翼のパーツを置く。 「はい。マイティちゃん、すごいですね。飲み込みが早くてびっくりしましたよ」 店長が元通りになったV-MAXをカウンターに置く。 「ついでにオーバーホールもやっちゃいました」 「ありがとう。いくらだ」 「あ、いや、いいですよ。翼のだけで」 「いいのか?」 「ええ。久しぶりに楽しかったし」 マイティはにこにこしている。 「……そうか。ありがとう」 「いえ」 マスターはすこし考えて、訊いた。 「一つ尋ねたいんだが」 「はい?」 「片輪の悪魔、もしくは、片脚の悪魔という二つ名の神姫を知らないか」 「…………」 店長はしばらく黙っていたが、 「それって、オーナーも左足が無いやつ、ですか」 「そうだ。すこし前、サードだった頃に戦ったことがある」 変に重そうな空気を察して、マイティはマスターのコートにもぐりこんだ。 「たぶん今は戦えませんよ。だって彼、今ファーストランカーなんです」 「なんだって?」 「知らないんですか?」 「ファーストのセンターには行かないからな」 ランキングの参照は、プライバシー云々とかいう面倒な理屈でセンターでしか参照できず、またそこではセンターの取り扱うランク以下のものしか見られない。ファーストのランクを調べるには、ファーストのセンターへ行くしかないのだ。 そしてファーストのセンターは、例外なくリアルバトルのための大規模な施設がある、スタジアムのようなところである。 「ともかく、いま彼はファーストです。破竹、って言葉がぴったり当てはまるほどの勢いでのぼり詰めましたから。時期的に見て、サードで戦ったのはたぶんあなたが最後ですよ」 「そうか」 マスターは驚く風でもなく、そうとだけ答えた。 「いろいろありがとう。それじゃあ」 「ありがとうございました。また来てください」 「またね、マイティ」 「さようなら、うさ大明神先生」 そうしてマスターはホビーショップ・エルゴを後にした。 「マイティ」 「はい?」 雪がしんしんと降る帰り道。マスターはマイティに言った。 「お前は、……ファーストに行く気はあるか」 「どうしたんですか? 急に」 「いや。もし行けるとしたら、の話だ。リアルバトルがほとんどの、危険な所だ。お前はどうしたい」 「うーん……」 マイティはすこし考えて、答える。 「マスターがそうしたいのなら、私はそれで」 テンプレートのような回答。神姫が本来答えるような。 だが言葉は同じでも、マイティはそれを自分の意志で言ったのだ。 「私も、あの片脚の悪魔ともう一度戦いたいです」 だからマイティは、そう付け加えた。 「そうか――」 マスターは安心したとも落胆したとも取れる微妙な、表情をして目をつぶった。たぶんそのどちらでもあり、マイティはそのどちらでもある悩めるマスターが好きだった。 「明日晴れたら、もう一度バイクを走らせに行こう」 「はい」 白い空がだんだんと暗くなり、夜が訪れる。 了 「固執」 仰向けに寝ながら、神姫スケール換算地上千メートルを、高速巡行するマイティ。 手足には軽量で対実弾防御力のあるカサハラ製鉄ヴァッフェシリーズのプロテクターを着込み、クリティカルな胸部には同根装備のアーマー、頭にはヘッドセンサー・アネーロをかぶる。 右手はミニガンではなく、アルヴォPDW9。アーンヴァルの実弾射撃武装はどちらもケースレス方式をとっている。飛び出した薬莢が飛行機動を阻害する恐れがあるためだ。とくに高速移動時にその弊害が見られ、だからミニガンは飛行時に正面へ撃つことができない。 背中のウイングユニットには、ありとあらゆる推進装備がくっつけられている。エクステンドブースター、ランディングギア。そしてヴァッフェシリーズのスラスター。融通の利く動きはほとんどできないが、一方向に集中したノズルは莫大な推進力を生み出す。アラエル戦のバトルプルーブを経て、各パーツの配置が一新され、よりパワーロスが少なくなった。 翼の一方に、バランスの低下を承知で、LC3レーザーライフルを搭載していた。この装備方法では飛んでいる方向にしか撃てない。巡行武装だと割り切っている。 ここはホビーショップ・エルゴの対戦ブースである。このたびの大改装でセカンドリーグにも参加できるようになり、マスターは二駅をまたぐ必要がなくなったのだった。 スペースでは対戦相手がいない場合、こうして一人でテストモードが出きる。トレーニングマシンが普及してから使われなくなった機能だが、現在でも律儀に入れられている。 「どうしてトレーニングマシン、使わないんです?」 店長が訊いた時、 「実戦に使われるフィールドの方が役に立つ」 とマスターは答えた。 確かにトレーニングマシンと実際に試合に使用されるフィールドには若干の差がある。しかしそれは本当に若干なもので、だから皆将来的な経費が押さえられるトレーニングマシンを買うのである。 マスターの家にも無論、トレ-ニングマシンはある。 「マイティ、どうだ」 バーチャル空間の中を飛び回るマイティに話し掛ける。 『やっぱり空気の重さが違います。マシンでできたような無茶な機動が、たぶん出来ません』 バトルスペースのマシンパワーに、やはりトレーニングマシンはかなわない。戦闘中はだいたい高速で動く神姫には、この差は場合によっては致命的な差となる。 マスターもマイティも、今、一種のマンネリを覚えていた。 バトルの成績は悪くはない。ファーストへの昇格はいまだ高嶺の花だが、それでも順当に戦えている。 バトルのアクセス料金、マイティの武装代、メンテナンス料金、武装神姫というカテゴリにかかる料金はすべて、いわゆるファイトマネーでまなかうことが出来た。 余談ではあるが、この「勝てばそれなりに報酬がもらえる」という制度が実現したことが、武装神姫の世界的な発展につながった一翼を担っていると言っても過言ではない。実現にあたっては「ゲームがけがれる」とか「ギャンブルだ」などという辛辣な批判ももちろんあった。 しかし結果として、良い方向に実現した。 第三次世界大戦も起こらなかったし、宇宙人の侵略もなかったのだ。ゲームに報酬が設定された所で、なんのことがあろうか。と、人々が思ったかどうかは分からないが。 閑話休題。 ともかくそれでも、何か初期のキラキラした感覚が鈍くなってきていることは、お互いに分かっていた。 その対処法が分からない。 結局問題は棚上げで、今に至る。 『Here comes a new challenger』 ジャッジAIが挑戦者を告げる。 テストモード中はオンラインオフラインに関わらず、対戦受付はオープンにしてある。当たり前だがシャットアウト機能は無い。対戦スペースにいるのはすべからく対戦許可とみなされるのだ。 相手はオンラインからだった。 『よろしくお願いします』 当り障りの無い挨拶。女性らしい。 「よろしく」 マスターは適当に答える。 相手はセカンド。大体自分と同じような戦績。いや。 最近特に伸びてきている。 マイティがいったん待機スペースへとリターン。 『どうします?』 「例の機能を使ってみようと思う」 『じゃあ、初期装備はこのままですね』 「なるべく広いフィールドの方が良いが、狭くてもすぐ対応できる」 『分かりました』 マイティ、準備完了。 すぐに周囲のポリゴンがばらばらになり、フィールドが再構成される。 『バトルスタート。フィールド・地下空間01』 広大な空洞。高さもあるが、下は一面湖だった。所々に浮島があり、またいたるところに石の柱が立っている。 一方の入り口から、マイティが巡行飛行状態で入場。 もう一方から入ってきたのは、ストラーフタイプだった。 かなり軽装である。 ヴァッフェシリーズのブーツを履き、大腿と手首には同根装備のスパイクアーマーをそれぞれ取り付けている。胸部はハウリンの胸甲・心守。 頭部にフロストゥ・グフロートゥ、二の腕にフロストゥ・クレインを装備しているが、あれでは武器を使用できない。アクセサリーと割り切っているのだろうか。 主武装が新装備のサイズ・オブ・ザ・グリムリーパーと、二体のぷちマスィーン、肆号とオレにゃんしかなかった。プチマスィーンはどちらも射撃用のマシンガン。 何よりも特徴的なのは、メガネをかけていることだった。 「軽装備……?」 それに装飾が過ぎる。 マイティは疑問に思った。 『何か仕込んでいるのかもしれない。気をつけろ』 「了解」 そのまま巡航で近づく。ためしにレーザーライフルを二、三発撃ってみる。 ストラーフが消える。 「!?」 『光学迷彩だ。センサーをサーマルに切り替えろ』 「は、はい」 「はっずれ~♪」 真上から声が聞こえた。背筋が一気に凍りつき、マイティは慌てて後方にマシンガンの 銃口を向けようとする。 がごんっ 胸部をしたたかに打たれ、マイティは失速。落下した。 「な、なに?」 マイティは何が起こったのか分からず混乱した。姿勢を制御するのを忘れる。 『マイティ、機体を起こせ!』 はっ、と気づいてフラップを最大限に傾ける。 水面すれすれでマイティは水平飛行に移る。水しぶきが上がる。 胸部アーマーがべっこりとひしゃげていた。ストラーフは鎌の背でなく、刃で打った。アーマーが無ければ負けていた。 「マスター、今のは!?」 『分からん。瞬間移動に見えた。今解析している』 『調べても無駄よ』 相手のオーナーが言った。 『本当に瞬間移動ですもの』 『何?』 マスターのモニターに相手の画面が現れた。眼鏡を掛けた黒髪の女性。 『公式武装主義者(ノーマリズマー)のマイティに会えて嬉しいわ』 『もう二つ名がついているのか。光栄だな』 『セカンドながらあの鶴畑を倒した実力派ですもの。神姫に入れ込んでいる人間なら、だいたい知っているわ』 『さしずめそちらは特殊装備主義者(スペシャリズマー)というわけか。マイティ』 「は、はい」 『装備Bに切り替える』 「分かりました」 マスターがコンソールを操作する。 マイティはウイングユニットを丸ごと切り離すと、浮島の一つに着地。シロにゃんにコントロールが移ったウイングユニットは、ランディングギアを浮島に落とす。 『サイドボード展開。装備変更』 マイティの脚からブーツが消え、代わりにランディングギアが瞬時に装着される。肩と大腿のプロテクター、そしてひしゃげた胸部アーマーがポリゴンの塵と化し、ふくらはぎのアクセサリポケットが肩に移動。 武装にも変更が加えられた。アルヴォPDW9が消失し、カロッテTMPが出現。 左手首のガードプレートが、右手首同様ライトセイバーに代わる。 予備武装としてランディングギアにバグダント・アーミーブレードを装備。 最後に、天使のような翼が背中から生える。「白き翼」だ。 『飛び方は覚えているな』 「はい。さんざん練習しましたから」 『よし、行け』 ひと羽ばたき。それだけで、マイティは相手のストラーフの立つ浮島へ急速に接近した。 バララララララ 接近しつつTMPを撃つ。 ストラーフはまたもや消失。真左に反応。 左を向いて確認する隙も惜しんで、マイティは反射的に左手のライトセイバーをオン。そのまま切り付ける。 「おっと」 ストラーフは、上、に避けた。 間違いない。こいつは飛べるのだ。 どうやって? 『原理は不明だが瞬間移動が主な移動手段だ。姿勢制御による若干の移動を、頭と二の腕 のブレードと手足でやっている』 マスターが解析した。 なんて飛び方! 後方からがっちりと拘束される。 「おしまいね」 ストラーフがくすっ、と笑う 鎌が首筋に当てられようとする。 マイティは両肘で相手の腹を打つ。 「やばーん!」 飛び去りながら、ストラーフが叫ぶ。 「うるさいっ」 マイティはTMPを精密射撃。 しかし鎌をくるくると回転させ盾にされる。 二体のぷちマスィーンズが反撃の連射。 マイティは白い翼を前方で閉じる。 翼の表面に銃弾が当たる。が、ダメージは無い。翼は盾にもなるのだ。 「ばあ」 翼を開いた途端、目の前に舌を出したストラーフ。瞬間移動だ。 ガキンッ! 突き出された鎌を、TMPで受ける。TMPは壊れて使い物にならなくなった。 ライトセイバーを伸ばす。ストラーフはあろうことかぷちマスィーンを盾にして後退。マスィーンズは爆砕。ポリゴンになって消える。 「マスター、瞬間移動のパターンは!?」 『今のところ直線距離でしか移動していない』 つまりいきなり後ろに回り込まれることは無いということ。だが、横に移動した後、後ろに、と二段階を踏めばそういった機動も出来てしまう。 あまり意味が無い。 「そうよ、この瞬間移動は自由自在なのよ」 マイティの懸念を見透かしたかのように。ストラーフは笑った。 「しかも」 真横。 「何度も使えちゃう」 真後ろ。 「くうっ……!」 マイティは宙返り。ランディングギアでオーバヘッドキックを浴びせる。 「きゃんっ!?」 頭に命中。ストラーフは急速に落下する。マイティはアーミーブレードを両手に装備。 「やったわねぇっ」 浮島を蹴り、目の前に瞬間移動。 予想通り! マイティはブレードを振り下ろす。f 瞬間移動した直後は瞬間移動できない。当てられる! しかし、ストラーフは消えていた。 「予想通り」 頭上から声。姿勢制御による限定機動! 「お返しよ♪」 頭をぶん殴られ、マイティは一瞬気を失う。 屈辱。殴られるのは一番そう。これは人間も神姫も変わらなかった。 「シロにゃん!」 「にゃーっ!」 いつのまにか接近していたウイングユニットがストラーフに体当たりを仕掛ける。 「そんなハッタリ無駄!」 ズバッ 鎌で一刀両断。ウイングユニットは消えてしまう。 『主義と固執は違うのよ』 ストラーフのオーナーが言う。 『何を……』 『通常装備だけではおのずと限界がある。あなたも薄々感づいているはず』 『何が言いたい』 マスターは苦虫を噛み潰したような顔をした。 『あなたの実力ならファーストには行けるでしょう。でも、ファーストでは固執は許されないわ。認められたあらゆる手段を使わなければ勝てない場所よ』 『アドバイスのつもりか』 『あなたがあの片足の悪魔と戦いたいのなら、ね』 『……!!』 その名前が出てきたことに、マスターは驚きを隠せなかった。 モニターから嫌な音がした。 ストラーフの鎌が、マイティの額を刺し貫いていた。 驚愕に目を見開くマイティ。ポリゴンの火花を撒き散らして、消滅。 『試合終了。Winner,クエンティン』 マスターは初めて、相手の神姫の名前を知った。 マスターはしばらく、コンソールに手をつきながら前を見つめていた。 ハッチの開いたポッドに座り込みながら、マイティはおどおどするしかない。 「帰るぞ」 唐突にそういわれたので、マイティは立ち上がる際転びそうになってしまう。 ねぎらいの言葉を掛ける店長も無視して、マスターは足早に店を出た。 了 「戯れ」 ※For adult only ぱかぱか。 「うーむ、やっぱり何度見ても素晴らしい……」 ぱっかぱか。 「ご主人様、口調が変わってます」 股を開いたり閉じたりしながら、私、犬型MMSハウリン『シエン』は言った。 あれからご主人様は、毎晩のように私にこの、……その、「ぱかぱか」をさせる。 正直に言って何度やっても恥ずかしくて仕方が無いのだが、ご主人様が喜ぶなら,と、私は拒否しない。まあ、そもそも、やれと言われれば神姫に拒否権など無いのだけれど。 それに、これを始めてから一向に気になってしょうがないものがあるのだ。 ご主人様の股間部の、ふ、ふ……ふくらみだ。 私のこの行為でご主人様が欲情しているというのは、役に立っているところは嬉しいのだが、素直に喜べない所は、ある。 それにご主人様はあそこを大きくさせるだけで,行為に及ぼうとはしない。こんなことを言うのも悪いが、躊躇無くやるような外見をしているというのに。こんなこと考えるのは神姫としてありえないことだろうか。バグが発生しているのかもしれない。ずっとATに乗って揺さぶられて戦っているから、ノイズか何かが拡大しているのかもしれない。少なくとも今は、定期的にスキャニングしても何も出ない。 いたって正常。 でも……。 私はついに思い立つ。 ぱかぱかをやめて、座る。 「ん、どした? もう嫌か?」 私はテーブルを降りて、迷うことなくご主人様のふくらみの前に降り立った。ぽす、と座布団が小さな音を立てる。 「すみません。動かないでいてください」 「お、おい!?」 声をあげるご主人様を無視して――無視できるということはやっぱりバグってるのかもしれない――、私はズボンのファスナーを下ろす。そして中のトランクスをずらした。 ぼろん、と、ご主人様の巨大な一物が私の前に躍り出た。べち、とぶつかってしまって、転んでしまう。 「し、シエン……」 「大丈夫です。楽にして、差し上げます」 私は起き上がって、両手で彼のモノを抱きかかえる。雄の臭いが嗅覚センサーを刺激す る。嫌な臭いじゃ、ない。ご主人様の、ニオイ。 好き――。 私は恍惚状態に落ちながら、小さな舌を竿に這わせる。 ちゅっ、ちゅる……ぺちゅ、れるれる。 淫猥な音が部屋に広がる。食物を消化できる神姫は、唾液だって分泌できる。人間のそれとは大きく成分が違うが……、こういう用途に関しては、効果は一緒だ。 「ぐ、うぅ……」。 ご主人様が耐えられず、横になる。 私は彼の上に乗って、足も彼の肉棒に絡みつかせる。 熱くなっているのが分かる。彼のモノも、私自身も。 全身から分泌される汗、冷却液さえ、潤滑油にして満遍なくまぶす。 これくらいでいいでしょう。 私は全身を使って、ご主人様のものをしごき上げる。なめることも忘れない。 くちゅっ、ぷちゃっ、ぢゅにゅっ、ぬちっ さらに激しく水音が響く。 もう彼の臭いが私に移っちゃっているかもしれない。 でも、損なのは気にならない。むしろうれしい。 カリの裏側を、舌でねぶり、手でこする。男の人はここが気持ちいいのだ。どこで知ったかって? それは秘密。 「うおぉ……」 気持ちよさそうにご主人様がうめく。とろとろと先走り汁がにじみ出てきて、私の体を汚していく。 私の中から快感の波がやってくる。神姫だって気持ちよさを感じるプログラムはある。アングラの愛玩用素体など使わなくたって。 「あぁ、はっ、ふうう……」 声を漏らしてしまう私。こんなにエッチな声が出せちゃうんだ。 さらにトリップしつつ、動きを激しくする。 ぢゅ、ぐちゅっ、ずちゅ、むぢゃっ 「ご主人様、気持ちいいですか、はうっ、気持ちいいですか?」 私の声はご主人様には届かない。彼は快楽に身をゆだねているだけだ。私だって、もう何を言っているのか分からなかった。 一物が一段と大きく膨らみ、根元から熱いものがこみ上げてくるのが分かった。 あ、そろそろ、イきそう。 「だめだ、シエンっ……そろそろ、出ちまう」 「いい、ですよぉっ……。出してっ、ください。わ、私に、かけてくださいっ!」 「ぐおぁっ!」 びびゃっ! 精液がてっぺんから勢いよく飛び出した。 びゅぐるるっ、びるびっ、びゅるっ、びるるぅっ! 「ああっ、熱い! こんなに、いっぱいぃ!」 大量の白濁液が、真上から私に滝のように降り注ぐ。 一段と濃いオスの臭いが私のボディの上から下まで染み付いてゆく。 びゅびぅっ、びゅるぐっ、ぶびゅるっ、ぶゅるるるっ! 「ご、ご主人様、ごぼ、おぼれちゃい、ますぅ……」 彼の液体に浸かりながら、私は気を失った。 それからどうしたかって? どうもしませんよ。私たちはいつもどおり、ATに乗って戦って、ファイトマネーをもらって食べていってます。 ただ私は、毎晩体を洗うのが日課になりましたけれど。 了 戻る 先頭ページ 次へ
https://w.atwiki.jp/busou_bm2/pages/49.html
入手条件 性格 声優 デザイナー 機体解説 性能プラス補正アビリティ マイナス補正アビリティ ライドレシオMAX時の上昇能力 EXカラー イベント 固有武装装備時ステータス 入手条件 PlayStation®Storeにて神姫カタログ第0号よりダウンロード購入 『神姫素体(600円)』 性格 基本性格設定はお世辞にも優秀とは言えないが克服する醍醐味はある。 「~じゃん」の語尾が特徴の元気な子。 だが驚くと語尾はそのままに方言のような口調に(三毛屋ベンガル戦後など)、讃岐弁? 釣り目からツンデレを想像してしまいがちで、実際口が悪い一面があるが根はとても素直でいい子である。 バトルに対しては「楽しむ/楽しめること」を重要視する傾向がある様子。そのためか元気のないマスター相手には「もっと元気を出すじゃんっ!」と言ったりも。 ロックが関係するかは不明だが、「超超超超生意気じゃんっ!!」「やる気も殺る気も当社比200パーセントにして~」「You、折角だから告白しちゃいなよじゃん!」のような独特な台詞回しをすることも多い。 ライバル神姫の場合、なぜか変人マスターがやけに多い為にかわいそうな子になっている。 ちなみに戦闘時の3Dモデルも釣り目カワイイ。 + 戦闘前セリフ一例 ネタバレの恐れあり/シナリオ購入の必要あり 「呪いの神姫なんて面白いじゃんっ!どんな力を持ってるのか、バトルの中でどんどん見せてほしいじゃんっ!」(vs青山遊馬) 「にゃーにゃーうるさいじゃんっ!ネコが鳴くのは三味線になってからにするじゃんっ あんたなら、きっといい音するじゃん!!vs三毛屋ベンガル) 声優 平野綾(涼宮ハルヒの憂鬱:涼宮ハルヒ、他) デザイナー CHOCO(イグナクロス零号駅、ゼノサーガ等) 機体解説 名称:エレキギター型MMSベイビーラズ(MMS Type Electric Guiter BABYRAZZ) メーカー 素体:AVANT PHYSIQUE 武装:AVANT PHYSIQUE 型番:APG10 フィギュア発売:2010年9月30日 主な武装:スティック:シーダー・フィールドモデル(ドラムスティック。有名なアーティストが使っているものが「誰々モデル」として商品化されるのはよくあることであり、その流れを汲むものであろう。どう見てもロッドだろと思うのだが、両手で扱うためか、バトマスではダブルナイフに分類) NAGINATA ザ・エレクトリックベース(薙刀となる刃を装着したエレキベース、なのだがバトマスでは薙刀は無視されて楽器扱い…というより鈍器扱いになっている) マリー4 ザ・エレクトリックギター(銃口を持つエレキギター。バトマスでは、こちらはギターが無視されてガトリングに分類されている) ドラムモード(武装を組み替えて構成するドラムセット。未来の技術だし、そもそもどう見てもシンセドラムなので小さいが、 ちゃんとバスドラ、スネア×2、タム×2、シンバル×2、ハイハットという構成で、さらにフィギュアではドラム用ペダルまで再現されている。 バトマスでは専用RAでのみ見られる) ハンドメイド高級スピーカーメーカーと楽器メーカーが合併して出来た会社、AVANT PHYSIQUE(アヴァンフィジーク)は、 2040年、楽器/スピーカー用フルオートチューニングロボットと、自動演奏ロボットの技術を応用し、楽器型MMS「ベイビーラズ」を開発した。 本機の開発にあたっては、著名なロックバンド「ザ・リスン」のドラマー、シーダー・フィールド氏が監修に全面協力し、外観以上のパワフルな機体に仕上がっている。 ちなみに本機名称の「ラズ」は、同氏の飼っていた猫の名前からとったものである。 リアパーツ「ザ・リスン」の後ろに刺さっている三角形のパーツは、フィギュアではギターピックを模したLED点灯キーなのだが、材質のせいか非常に折れやすく、 しかも折ってしまうとLED点灯ができなくなるため、ベイビーラズのフィギュアを持っている紳士淑女にしてみれば、キーを指したままでのバトルなど絶対に論外であろう。 楽器の演奏、スピーカー、楽器のチューニングという機能は同時に開発されたAPV14紗羅檀と同様だが、本機はやや攻撃的なAI設定を施されており、 装備されている数々の武器とあいまって、バトルでは厄介な相手として恐れられることになるだろう。 また、ベイビーラズは目覚まし時計としての性能も優れており、派手な曲の演奏で確実にマスターを覚醒させることも可能である。 (え?ギターはまだしも、ベースやドラムだけで演奏されても…って?そんなの気にしたら負けじゃんっ!!) ちなみに、立ち絵では胸部およびスカートパーツを装備した絵が用いられているが、この状態がフィギュアでのデフォルトである。(この二つを装備した状態で箱に入っている。) 性能 LP ATK DEF DEX SPD 400 40 45 5 4 プラス補正アビリティ ダブルナイフ、楽器+1 マイナス補正アビリティ 爆弾−1 ライドレシオMAX時の上昇能力 攻撃力,武器エネルギー回復速度,スピード EXカラー A.薄い菫色(デフォルト) B.ライトグリーン C.金髪 イベント PlayStation®Storeにて神姫カタログ第1号よりダウンロード購入(500円) + ネタバレ ※DLCだからなのか、シナリオを進めても称号は追加されない模様 発生条件 イベント名 備考 LOVE2 自宅 ロックを流すじゃん! LOVE5 ゲームセンター 一生のパートナー? LOVE7 自宅 キレイにするじゃん! LOVE9 自宅 公園に行くじゃん! LOVE12 ゲームセンター バンドをやるじゃん! バトル有(vs雪乃&ホワイティローズ) LOVE14 ゲームセンター 新メンバーじゃん!? バトル有(vs緋美香&ベルベット) LOVE17 ゲームセンター 初練習じゃん!? バトル有(vs緋美香&ベルベット) LOVE19 ゲームセンター ロックじゃない! LOVE20 ゲームセンター バラバラじゃん・・・ LOVE22 フィールドマップ 2人だけで練習!? LOVE24 ゲームセンター 仲間じゃん! 緋美香と組んでのタッグバトル(vsいかつい男A&ゼルゼル+いかつい男B&エウエウ) LOVE26 自宅 これがキス・・・じゃん? LOVE27 ゲームセンター バトルじゃん! ※実際のバトルはない LOVE28 ゲームセンター ライブじゃん! LOVE30 自宅 マスターのために・・・ 専用RAEX入手 + LOVE30イベントで… ベイビーラズが演奏してくれるのは、「イイじゃん♪」という曲。武装神姫 Character Song Special Radio Rondoに収録されている。 固有武装装備時ステータス + We Will Rock Y☆ LP 5800 SPD 60 DEX 64 CHA 297 DEF 622 火器 15% 光学 10% COST 480 アビリティ 防御力-2 ステップ性能+1 ジャンプ性能+1 2段ジャンプ+1 グライディング+2 ロック範囲+2 スピード-2 DEX+1 CHR+1 SP+4 ダブルナイフ+1 爆弾-1 バズーカ+1 楽器+1 空いている武装:武器2つ、アーム、シューズ、シールド、アクセサリー3つ + We Will Rock Y☆EX LP 9601 SPD 102 DEX 105 CHA 480 DEF 1026 火器 25% 光学 10% COST 834 アビリティ 防御力-4 ステップ性能+2 ジャンプ性能+2 2段ジャンプ+1 グライディング+2 ロック範囲+3 スピード-1 DEX+2 CHR+2 SP+6 ダブルナイフ+1 爆弾-1 バズーカ+1 楽器+1 空いている武装:武器2つ、アーム、シューズ、シールド、アクセサリー3つ
https://w.atwiki.jp/battle_communication/
武装神姫 BATTLE COMMUNICATION@wikiへようこそ