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No. バトルマスター 各素元属性の能力を4つ併せ持つ強力なクリーチャー。 強い理由としてまずはその殲滅力が挙げられ槌の神父 ジルバやジュノーの剣、 はたまた一致サイアムの番兵までマストキルを倒せる範囲は非常に手広い。 また場に出た後も哨戒と呪縛で他の展開を大きく制限し隙がない。 その能力もさることながら、勇者枠や反逆者枠を使わないこともこのカードの大きな魅力である。 機巧デッキでは機巧城初代城主 シオンを引っ張ってくる役目も担っており 揃えば再行動コスト2で再び広範囲に殲滅を行える鬼畜ぶり。 となかなかに強力なクリーチャーであり手放しでデッキに投入してもそこそこの活躍をしてくれるが、 相手バトルマスターや機巧の継承者 ウォマックには注意が必要である。 コメント 名前
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第3話 親父からの贈り物?はんなり侍現る 「ふぅむ…………」 ルージュとの生活が始まって、色々ありながら1週間ほど経った頃 俺は玄関で目の前に置かれている箱を見て、少し悩んでいた ついさっき、宅配便で届いた小包に貼られた伝票の差出人には、 俺の親父の名前が書かれていた。 「ったく、あのクソ親父か……今度は一体何を送りつけてきたんだ?」 それを見て、ついつい俺は一人悪態を付いてしまう、その理由は親父が今まで送ってきた物である。 親父は如何言う仕事をやっているのかは全く分からないが、海外の彼方此方を飛び回っており、 時折、その現地から何かを贈り付けてくる事があるのだ。 例えば、親父がNYに居た時は「お前の友達と一緒に見ると良いぞ」という手紙と共に、 現地の無修正物のエロ本を贈り付けて来た事があった ……………それも、俺の働く職場に、である。 危うく同僚に見付かりそうになりつつも何とか処分したが、 あの時ほど親父に殺意を覚えた事は無かっただろう…… そして、親父がアフリカに居た時は、「面白そうだからお前に贈る」という手紙と共に、 何処かの部族製の明らかにヤバそうな呪いの仮面を贈り付けて来やがった事があった その日の夜、その仮面が不気味な笑い声と共にガタガタ動き出し、 直ぐに仮面を箱に押し込めなければヤバい所だった。 無論、その呪いの仮面は近くの寺に押し付けて事無きを得て。 俺はこんな物を送った親父を心の中で呪ったのだった。 とまあ、今までの例を見て分かるが、親父の贈って来る物は大体が 『ロクでもない代物』なのだ。 さて、これを如何するべきかであるが…… 「主殿、さっきから玄関で何をやっているのでしょうか?………む?それは……?」 俺がしばらく考えていると、玄関から何時までも戻ってこない俺の様子を見に来たのか さっきまではTVを見ていたルージュがトテトテと玄関まで歩いて来て 俺の目の前の箱に気が付く。 「いや、それが親父が何かを送ってきたらしくてなぁ……」 「何と、主殿の御父上からの贈り物か?むぅ、一体何が入っているのだろうな?主殿?」 ルージュは小包に興味が引かれたらしく、俺に「早く小包を開けて頂戴」と 言いたげな目線を浴びせてくる。 くっ!俺がこう言う、何かを求める目線に弱いの知っているのか!?こやつめ!! まあ良い、流石にあの親父でも爆発物とかの危険物を送ってくる事は無いだろう……多分であるが。 それに万が一、変な物だった場合は直ぐに親父に送り返せば済む話だ。 ルージュの目線に負けた俺は、そんな軽い気持ちで小包の梱包を解き始めた。 「こいつは……武装神姫か?親父の奴、何でこんな物を……」 「ふむ、これは私と同時期に発売されたTYPE SAMRAI『紅緒』ですね……」 小包の中は、武装神姫の箱が入っていた………その小包の別添えの手紙には 『元気にしているか!我が息子よ。 今日、俺は仕事の事情で一日だけ日本に帰って来れたのだ、 まあ、お前がこの手紙を見ている頃は、俺は中東の方に居る頃だろうけどな! 今、日本では武装神姫って奴が流行っているらしいな、 良い時代になったもんだ、はっはっはっは! 多分、お前は一人身で寂しいだろうから、 秋葉原で買ったこいつをプレゼントしてやる、存分に可愛がってやれ ああ、それと追伸、俺が日本に居た事は母さんには内緒だからな!以上!』 なんて書かれていた…… いや、まあ、神姫がルージュだけと言うのは少し寂しい物があるなと思っていたし、 ”今回”の贈り物に関しては感謝するとしよう。だが「一人身で寂しいだろう」は余計だ! 悪かったな、人間の彼女が居なくて……チクショウorz と、親父に対する愚痴はここまでにして、 とりあえず、このまま玄関で開けるのもなんだし、居間に行って開封してみるか…… 《数分後》 「こんにちわぁ、ウチの名はは椿(つばき)と申します、主はんの事は御父上から伺っておりますえ。どうぞ宜しゅうに」 「主殿………これは一体?」 「俺は知らん、贈って来たクソ親父に聞いてくれ……」 俺とルージュの目の前のポニーテール(もしくは丁髷?)が特徴的な侍型神姫が 三つ指をついて”はんなりと”挨拶をする。 ………開封したと同時に起動した彼女は既にある程度の設定が行われた状態だった、 侍型と聞いて、俺は「拙者~~~で御座る」のような所謂時代劇っぽい口調を想像していた。 だが、現実は俺の想像の斜め上を行く京ことば、いわば京都弁だったのだ。 多分、親父は俺のアパートに彼女を送る前にあらかじめ名前の他に様々な設定を施していたのだろう 彼女の口調も恐らく親父の趣味に違いない、絶対そうだ。 「にしても主はん、既にかわええのが傍にいらっしゃるとはなかなか隅に置けまへんなぁ ウチが来るのは少々遅かったのでっしゃろ?」 「う、いや、そのなぁ……ルージュは……」 「主はん、誤魔化さなくとも宜しおす、ウチは御父上から主はんに関する色々な事を教えてもらっておりやす そうやなぁ、例えば主はんの恋人居ない暦が年齢とほぼ同じやとか、その他に……」 「ちょwwww、あの親父めっ!!…って、椿、これ以上言うなってか、言わないでぇぇぇぇ!!」 極秘情報を暴露され、慌てる俺を見てコロコロと笑みを浮かべる椿、どうやら彼女はかなりの曲者と見た、 と言うか、親父、彼女には俺の情報を何処まで教えているんだ!? 畜生、あの親父め!手紙には『母さんには内緒だからな』とか書かれてたが やっぱ母さんに報告する事にしよう。あの親父は一回こってり絞られて反省するべきだ、うん ……何故だろうか?主殿と新しくやって来た神姫の椿さんが親しげに話している様子を見ていると、 私の思考回路に何かもやもやした物が込み上げて来る………一体これは何だろうか? 分からない……初めて感じる感情だ…… む、そう言えば、少し前にこれと同じ状況を見た事があった。 そう、あれは確か主殿と見たTVの恋愛ドラマで、主人公の恋人に主人公以外の異性が近づいた時の状況に似ている…… そうか、これは…………椿さんに対するやきもち…………成る程、そう言う事ですか…… その事に私が気付いた後、私は自然にある言葉を口に出していた。 「……椿さん」 「はい?ルージュはん、ウチに何か御用がありやっしゃろか?」 「先に貴方に言っておきますが主殿は私の主殿です、それだけは貴方に譲りません」 「あらぁ…それはウチに対する主はんを賭けた挑戦と言う事どすか?」 「言うまでも無く、私はそのつもりです」 「それやったらウチも負けるつもりはありまへんえ、ふふ」 私の挑戦とも取れる言葉に対して不敵に笑みを浮かべる椿さん。 望む所です、椿さん、貴方がこの先どのような行動を起しても 貴方よりも私の方が先に主殿の傍に居る、それだけでも私の方に利があるです。 この勝負、私は絶対に負けません。 もし、この勝負に負ける時は…………いや、負ける事は考えないでおきましょう、 それを考える時こそ、勝負に負ける時、なのですから…… ???………如何言う訳か、急にルージュと椿が二人で話し合い始めた 何故だろうか、二人の様子を見ていると唐突に嫌な感じがしてならないんだが…… 「主殿」 「何だ、ルージュ?」 「私は何時でも貴方と共に居ますので」 「はい?」 「主はん」 「えっと、椿も何だ?」 「やっぱり、主はんは隅に置けないどすなぁ」 「は、はい??」 ……意味が分からなかった、ルージュと椿の言っている言葉の意味が、 だが、その言葉の意味を二人から聞く事は俺には出来なかった。 二人から滲み出る、何とも言えないオーラみたいな物を本能的に感じ取った所為で…… 俺は何となく思っていた、この時の男ほど、無力な物は無いなと…… そして同時に、親父の贈ってくる物が『ロクでも無い物』だというジンクスは、 ある意味、しっかりと守られているなぁとも思ったのだった…… 第四話へ続く メインページへ戻る トップへ戻る
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第8話 「初戦」 「ンなーっはっはっはっはァ! ぅワガハイの最高傑作! バイオレント・ブラック・バニー! 略してB3(ビー・キューブ)よ! 今日は最高の成果を期待しておるぞォ!」 「サー、コマンダー」 「……なぁ、神姫のオーナーってのは皆あんなテンションなのか?」 「……私は今まで以上に遼平さんの事が好きになれそうです」 武装が揃ってから更に3日。 ネットで行える簡易バーチャルトレーニングで大体の動き方をマスターした俺とルーシーは、いよいよ初の実戦に参加する事にした。 ……と言ってもそう大げさな話じゃない。 今や武装神姫を扱った店は街のそこかしこにあり、神姫オーナーであればいつでも参加できるシステムを設置している店もあるのだ。 休日なんかにはちょっとした大会が開かれる事も多いようだが、普段行われるのは公式トーナメントやリーグ戦みたいなモノじゃなく、個人同士の草バトルって所だろう。 で、そんな俺たちの初陣の相手が、さっきからハイテンションで大騒ぎしてるオニイチャンってワケだ。 年は俺より少し若いくらいで、なんだかヘンなシミだらけのズボンにベスト、ご丁寧に頭には同じ模様のハチマキをしてる。 「アレはシミではなくて都市迷彩です。 それにハチマキじゃなくてバンダナですよ」 ルーシーが小声で注釈を入れてくるが、俺はそういうのに詳しくないんだって。 ま、そういう事に疎い俺でも分かるくらいにあからさまなファッションの軍隊フェチだった。 「退くな媚びるな省みるな! 敵前逃亡は問答無用で軍法会議! 兵士に命を惜しむ事など許されぬ! そう、お前の前に道はなく、お前の後ろに道が」 「そろそろ選手のご登録をお願いしたいのですが宜しいですか」 「あ、ハイ」 天井知らずに上がりっぱなしのテンションは、店員さんの必要以上に事務的な口調に大人しくなった。 っと、こっちにも来た。 「それでは、こちらにオーナー名と神姫のパーソナルデータ入力をお願いしますね」 キツめな感じの美人さんだけど、さっきと違ってにこやかだ。 どうやら店員さんもアレはやかましいと思ってたらしい。 えーっと、そんじゃ… オーナー名:藤丘 遼平 武装神姫:TYPE DEVIL「STRARF」 ニックネーム:ルーシー と、こんなトコかね。 『それでは両者、スタンバイ!』 さっきの店員さんによるアナウンスが入る。 「ビィィィ!キュウゥブッ! んGoGoGoGoォオゥ!!!」 「サー、コマンダー」 「んじゃ行くか、ルーシー?」 「ハイ。 あなたとなら、何処までも」 ……何処で憶えてくんのかね、そういうセリフ。 崩れたビルの立ち並ぶ廃虚をステージに、バトルはスタートした。 まずは索敵からか。 「相手のバッフェバニーは遠距離戦闘重視の重火器装備型…『ガンナー・ブラスター』です。 早めに接近しないと厄介ですね」 「初陣が真逆のタイプってのは嫌なもんだな」 「負ける気はありません…前方に反応」 緊張した言葉とほぼ同時、ビルとビルの隙間を縫うようにして何かが迫ってくるのが目に入った。 一瞬戸惑った俺が命じるより早く、ルーシーは大きく跳んで回避行動を取っていた。 着弾。 閃光。 爆発。 「…ミサイル?」 「誘導式ではないので、正確にはロケットですよ。 妄想スレ第2段の198さん、ありがとうございました」 「誰?」 「こちらの話です。 …来ますよ」 崩れたビルの残骸を乗り越えて敵が姿を現す。 左肩にはバズーカ砲、ロケットポッドを右肩に。 両手にはそれぞれガトリングガンと大ぶりのコンバットナイフを携え、のっしのっしと歩みを進めてくる……その顔は赤いスコープにガスマスクのせいで表情が読めない。 『ンなーっはっはっはァ! そこな新兵! こそこそ隠れて様子見とは兵士の風上にも置けぬ奴! このB3とワガハイが、フヌケた貴様らに戦場における鉄の掟というモノを叩き込んでくれるわっ!』 あーうるせぇ。 「ドンパチのルールブックにゃ不意打ち上等って書いてあんのか?」 『ムっふっフーン、モノを知らぬ奴め。 この世には『勝てば官軍』というすンばらしい言葉があるのだ! 勝った者にのみ全ての権利が与えられる! 即ちルールを決めるのもまた勝者! つまりすなわち勝利は勝ぁぁぁぁぁっつッ!』 「サー、コマンダー」 ……本格的にワケ分からんなお前ら。 「ま、向こうさんから来てくれたんなら探す手間が省けたな」 「そういう事を言ってる場合ですか」 すいっ、と持ち上げられたガトリングガンが狙いを定める前に、再び跳躍。 弾丸の雨が虚しくビルの壁を穿つのを尻目に、着地したルーシーがこちらに尋ねる。 「どうしましょう?」 「初の実戦なんだし……ここはやりたいようにやってみ」 「……了解」 『むヌぬっ、敵の眼前で作戦会議とは悠長な! 静かにせんかァ! ここは戦場だぞォ!』 相手オーナーの怒声を無視し、前傾姿勢になったルーシーは距離を詰め始めた。 ロケットポッドが迎撃を始めるが、最初の攻撃で誘導式でないと判っている。 最初から当たらない位置のモノは完全無視、被弾する位置にあるモノはサブマシンガンで撃ち落としていく。 その間、視線は相手に固定したまま。 『「なにー!?」』 くそ、向こうと俺の声がカブった。 つかルーシー、お前ちょっとスゴい? 距離が縮む事を嫌ったB3は後退を始めるが、なにしろこっちとは「一歩」の長さが違う。 あれよあれよと言う間に戦闘は至近距離でのそれに移った。 向こうもこの距離ではガトリングガンの取り回しは不可能だと悟り、もう1本コンバットナイフを取り出しての2刀流に切り替えた。 こっちもナイフ2刀流で斬り結ぶ! ……が、ルーシー自身の両手は空いているワケで。 サブアームが相手のナイフを押さえつけている間に、ひょいと掲げたサブマシンガンを相手の顔面に向けてブッ放しやがった。 ががががががっと派手な音がして頭が何度も揺れた後、B3は仰向けにぱったりと倒れた。 『んンNoおぉぉぉおおぉぉうッ!? B3! 応答せよびぃきゅうぅぅぅぅッぶ!』 「ルーシー、お前それちょっとエグい」 「勝てば官軍、負ければ賊軍……勝負の世界は非情なのですよ」 『衛生兵! えーせーへーえぇぇぇぇぇ!!!!』 しれっと言ってのける15センチ足らずのオモチャ。 コイツはやっぱり悪魔かなぁと思って嘆息した俺の視界で、動くものがあった。 「ッ……、」 どごおぉぉんっ! 突然起こった爆発に、俺の口から出かけた言葉が止まった。 スコープとガスマスクがダメージを緩和したのか、大の字になったB3の肩にマウントされたバズーカ砲から煙が昇り、射撃直後を物語る。 そして濛々と爆煙に包まれているのは……ルーシーの頭部付近。 「ルーシーっ!」 背筋の凍るような思いが俺の口を再び動かす。 「返事しろおい!」 「無事です」 冷静な声が響き、風に吹き散らされた爆煙の中からススけたルーシーの顔が見えた。 顔周辺のダメージはそんなものだが、片方のサブアームが手首の辺りから吹き飛んでいる。 どうやらそれを盾にして直撃を防いだらしい。 それを見てもB3は追撃しないし立ち上がらない。 どうやらバズーカは1発きりで、さっき与えた頭部への衝撃はオートバランサーか何かに影響を与えたらしい。 実質、勝負はここで決着ってワケだ。 ほっとした俺、ぽかんとしている相手オーナー、悔しげな表情のB3、無表情のルーシー。 なんだか妙な沈黙の後、ルーシーはおもむろにしゃがみ込んでB3のそばに膝を着くと、残ったサブアームを動かし始めた。 その手に握られているのは、ほとんど使う事もなく無傷に近いアングルブレード。 「はいはいストップストップ、もう終わっただろ。 こっちの勝ち」 俺の言ってる事を聞いているのかいないのか、ルーシーは見せつけるようにブレードを振り翳したまま動かない。 「こら、あんま脅かすなって」 刃に照り返る陽光を受けたB3の顔に、はっきりと恐怖の色が映る。 「ルーシー」 ぐっ、とアームデバイスのシリンダーが動く。 「やめろバカ!」 制止の声と風を一度に裂いたブレードが、鋭い音を立ててコンクリートの床に突き立った。 ……丸く湾曲した刃と床の隙間に、B3の白い首筋が挟まっている。 顔を上げれば、相手オーナーが白いハンカチを必死に振る姿があった。 「ンんバカモノおぉぉっ! 勲章ではなく命ひとつを持ち帰れば良いと教えたはづだろぉがっ!」 「サー、コマンダー」 「試合前と言ってる事が違うんだが……」 「アレがあの人たちの絆の形なのでしょう」 ひしと抱き合う(?)2人を眺めて、にこにこ笑顔のルーシー。 ……ホント、あの氷みたいな目ェしてた奴とは思えんね。 「……ちょっと、興奮しました」 俺の視線に気づいてか、わずかに肩を落とした。 人間で言えば『カッとなった』んだろうが……あんまコイツは怒らせない方がいいかも知れない。 「今、何か失礼な事を考えましたね?」 「いぃえぇメッソーもない」 「怪しいです」 「最愛のパートナーに信じてもらえないとはツラいなぁ」 ちゃかしたセリフに、テレたように小さく微笑む。 「最愛、ですか……嫌わないでくださいね」 「つまんない心配しない」 あっちほど熱烈じゃないが、こっちもちょっとイイ雰囲気。 ひとしきり泣いたり感動したりして気が済んだのか、向こうのオーナーが握手を求めてやってきた。 胸ポケットからはB3が覗いている……ちょっと微笑ましいな。 「いやいやいや諸ォ君! 今回は良い勉強をさせてもらったぞぉ!」 「ま、こっちも楽しかったよ。 ちょっとヒヤっとしたけどな」 「うむ! 記念すべき初陣を勝利で飾れなかったのはヒッジョーォに無念ではあるが、今日この日の戦いはワガハイとB3の輝ける第1歩として生涯この胸に刻もうぞ!」 「お前あんだけ偉そうな事言っといて自分も初心者かコラ」 バカ笑いするミリタリーマニアから視線をそらすと、ルーシーがB3の頬をそっと撫でている所だった。 「さっきは怖がらせてごめんなさい。 貴女の心優しいオーナーに、最大限の感謝を忘れずにね」 「……イエス、マム」 ルーシーの柔らかい微笑みと、風にかき消されそうなB3の声を幕に、俺たちの初陣は終わった。 「ついでにそちらのオーナー。 差し出がましいようですが『バイオレント』は『Violent』で頭文字は『B』ではありません。 その子の為にも早めの改名をお奨めします」 「ンなんとぉーっ!? ワガハイ一生の不覚ぅッ!」 「サー……」 その後、彼の神姫は『バーニング・ブラック・バニー』に改名したとかしないとか……ちゃんちゃん。
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人波行き交う夕暮れの繁華街 ネオン輝きだした街並みの中の大型スクリーン 1.2mm滑空砲を携えて立つ「天使型」が映っている。 『-神姫-感情を持つ15cmのフィギュアロボ-』 画面からはナレーションが流れている その画面の前で ピタリと足を止める人影。 背は高め 髪はオールバック気味、目付きは若干恐めで、スーツのような制服を着た青年 「武装神姫…ねぇ」 あまり興味のない言い方でポツリと一言 と同時に、同級生らしき男もよってきた。背は低めで中肉体型である。 「珍しいね、神姫に興味持つなんて」 茶化すような言い方だった。勿論恥ずかしまぎれに言い返す 「ハハッ勘弁しろよ。あくまでもフィギュアだろ?」 見栄を切って言ったものの 若干あの黒い悪魔型…?だかが気になっていたりもする…。 数日後 朝からすっきりしない雨模様 休み時間に携帯をいじっていると 「聞いたぞ隆斗。神姫に興味持ったんだって?」 ワラワラと野郎共が湧いてきた 「何で湧いてくんだよw」 と突っぱねてみると 「照れる必要はありませんわ☆」 「うぉっ?!」 突然友人の 井原卓三の胸ポケットからアーンヴァルタイプが身を乗り出したので素直に驚いた その天使型はにぱっとした表情で 「お友達、ライバル、自分を高める事のできるものなら皆ウェルカムですもの☆」 と言ってくれたものの 「いや…金が……。」 やはりネックはこの一言で片が付く。しかしそんな一言も盛り上がる空気の中掻き消され、ただの独り言になった。 その日の夜 まだ雨は止まない。雷まで落ちそうだ。そんな中傘をさして小走りな俺。 「まったく…こんな日にバイト延長は勘弁だぜ」 ぶつくさ言いながらも帰路に着く。 途中 ゴミ回収所の前を通る時に ゴトッ 妙な物音がしてビクッとなった。 「な…何スか何スか…」 ドキドキしながらみると 『燃えるゴミ火・金』 と書いてあるにもかかわらず。その場にただ一つある段ボール箱 そこからはビンが顔を出している。 (何だ。日にち無視の不法投棄か…) そろっと覗くと そこには うずくまり足を抱えた。 神姫がいた…。
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『"NOTRE-DAME" MARIE DE LA LUNE vs "ZYRDARYA" LALE SAITO』 仮想バトルフィールド上空に、文字が映し出された。 そしてその文字の横に数字が現れてバトルの開始時間をカウントダウンし始める。 「えっと、とりあえず、何したらいいのかな?」 私は目の前のクレードルで眠るマリーに聞いた。彼女の意識は今、筐体の中の電脳空間にいるのだけど、不思議なことに返事は現実の、クレードルの中のマリーから帰ってくる。 「まずはウォードレスを展開させてくださいませ。そうすればあとは私が美しく戦ってみせますわ」 「そっか。頑張ってね、マリー」 「はいっ」 マリーは目を閉じたままにっこりと笑った。 カウントダウンは最後の十秒を切る。電子音と一緒に数字はどんどん小さくなっていった。 開始三秒前、上空の文字は『READY』に変わる。 「いきますわ、のどか様」 私は軽く頷く。そして数字はゼロを示した。 「マリー、ウォードレス展開!」 そう言うと、マリーのドレスの裾のディティールが伸びて、前面ののこぎりのような形をした二本が、自由に動くライトセーバーのように、その他は小さな砲身を現して追撃用の機関砲になった。マリーはかなり可愛いものを選んだと思っていたけど、実際に展開したものを見ると意外とかっこいいものだ。 同時に相手は右手のポーレンホーミングを放つ。ハンドガンだというのにその弾は弧を描いて一つ一つがマリーを追う。その間にラーレはマリーとの間合いを詰めた。 マリーは飛びながらポーレンホーミングの弾を避けようとした。けれども高い誘導性能を誇るその弾は進行方向を百八十度変えてなおマリーを追った。そこへ猛スピードで間合いを詰めながら剣を構えるラーレがマリーの視界に入る。 「速いですわ」 関心しつつもマリーはウォードレスの機関砲をホーミングの弾へと向けて放った。そして両手で傘を持ち、ラーレの剣を受け止める構えを取った。 機関砲から発せられた弾幕は見事にポーレンホーミングを全て打ち落とし、とりあえずマリーは背後からの脅威から解放された。しかし次の瞬間、甲高い金属音と共にマリーとラーレは初めてお互いを至近距離で認識し合う。 「いいドレスですね」 鍔迫り合いをしながらラーレが言う。 「ありがとうございます。あなたのその銃も面白いですわ」 マリーがそう言い返すとラーレは不敵に笑った。 ††† カトー模型店の扉が開き、男が一人、入る。 「こんにちは、カトーさん。なんか盛り上がってますね」 「やあ、時裕君。今ね、のどかちゃんが戦ってるんだよ」 「あいつが?へえ、相手は?」 「斎藤香子ちゃん」 「...うちの妹に嫌がらせですか」 「いやいや、丁度女の子同士でいいと思って」 「のどかに香子ちゃんは倒せないでしょう。だって彼女は」 「それが結構頑張ってるんだよ、のどかちゃん」 「まだ香子ちゃんが手加減してるんじゃないですか?」 「そうだね...まだ"チューリップ"を使ってないところを見ると...」 「この店のオリジナルウェポンをあそこまで使いこなせるのは彼女だけですよ」 「うれしいことだねえ」 「ああ、哀れかな我が妹よ」 「君は本当にのどかちゃんのことが好きなんだな」 「そりゃあもう。アーニャの次に」 二人の男は再び視線を筐体に戻す。 ††† 数回、斬りあった後、ラーレはうしろに退いて、広めの間合いをとった。そしてまたポーレンホーミングを打つと、今度は腰から先にチューリップを模した飾りをつけた棒を取り出す。マリーは打撃系、もしくは投擲系の武装だと思って、傘をソードモードからライフルモードに構え直した。先のような急速接近で瞬時に懐まで迫らせないようにするためだ。 ポーレンホーミングから放たれた高誘導弾は例のごとくマリーのドレスに打ち落とされる。恐らくラーレはポーレンホーミングを決定力のある装備ではなく、間合いを取ったり、対戦相手を自分の思う場所に誘導するための補助的な装備であると考えているだろう。 手に持った棒を、ラーレは器用に片手でクルクルと回す。ジルダリアのスレンダーな体型も味方して、その姿はバトン競技のトッププロのようだ。 「今日が初めてのバトルのあなたに、こんな仕打ちはひどいかもしれませんが...マスターの記録を更新するために、全力で勝たせていただきます」 「光栄ですわ」 そう言ってラーレは回すのを止めた。そしてユピテルが雷を放つように、その棒をマリーに向かって投げた。 「ジャベリンですわね」 マリーは当然のようにそれを避けようとしたが、その前に飛んでいる棒の先のチューリップが開き、そこからさらに何かが発せられる。霧のようなそれは僅かにマリーの足に付着した。 乾いた音をたてて棒は着地した。その様子を見届けてラーレはまた手に剣を握る。 「さっきのは一体なんなんですの?」 「すぐにわかります」 二体の神姫は再び剣による近接格闘戦を始めた。マリーは傘で攻撃しつつも、ドレスで細かく間合いを取り、ラーレも主となる攻撃は剣であるものの、ポーレンホーミングを巧く使い見事に隙を埋める。単純な斬り合いのように見えるが、実際は双方が一瞬の隙を伺い合う頭脳戦であった。 しかしそれがしばらく続いたあと、マリーは異変に気づいた。足の動きがだんだんと鈍くなっていったのだ。sそれもさっきの霧のようなものが付着したあたりから。 「これは...?」 「効いてきたようですね。あの杖――トライアンフは麻痺性の液体を高圧噴射するものです。こっちのフレグランスキラーと違ってあの杖は遅効性。ゆっくりと、気づかないうちに機能を停止させるのです」 ラーレが説明する間も、非常に遅いスピードで、しかし確実にマリーの足は動きを遅くしていった。 『マリー!大丈夫!?』 「大丈夫ですから、のどか様は今と同じ指令を続けてください」 『左だよっ、マリー!』 気がつかないうちに、気づけない間にラーレが放った最後のポーレンホーミングの弾がすぐそこまでマリーに迫る。咄嗟にドレスの機関砲を向けたが、間に合わなかった。七発中の二発がマリーに直撃し、マリーの体が飛ぶ。胸元の赤いリボン状のディティールが煤けた。 「んっ...」 初めてマリーが苦痛の声を上げた。 『ねえ、もう止めようよ!もう少し強い装備にしてからまたやればいいからっ!』 「それは...ダメですわ...」 『マリー...』 「わたくしは人形型武装神姫。この姿で勝てるようにならなければ意味がないのですわ!」 マリーは再び立ち上がった。足はすでにただ体重を支えるだけの棒となっていたがなんとかバランスをとって傘を構える。 「...次が最後ですね」 ラーレが言う。彼女もまた剣を構えた。 その数秒後、ラーレが風を斬る。 ――ほんの刹那の後、ラーレの剣の切っ先はマリーの首筋に迫っていた。 ††† 「えっ?神姫バトルを始めてからずっと無敗だった!?」 香子ちゃんは静かに頷いて、彼女の肌理細やかで白い頬がうっすらと桃色に染まる。私はそんな仰天事実に開いた口が塞がらなかった。 「カトーさんの勧めで始めたんですけど...」 「そう。一戦目からずっと負けなし、四十七戦連勝。この店のオリジナルウェポン"チューリップ"を使いこなす戦い方は毒を持つ可憐な花そのもの。いつしか『プリンセス・オブ・ワイトドリーム』の通り名で呼ばれるようになった俺たちのアイドルだ!」 私と香子ちゃんはその声の主のほうへ顔を向けた。いや、私はその声が誰のものかわかっていたのだけれど、あまりのバカっぷりに向きたくなくても向いてしまったのだ。まわりで同調してる男の子たちもちょっとアレな感じだけど、こんなバカなことを堂々と言えるのはお兄ちゃんだけだろう。 「いつからいたの?」 「お前が負けそうになってたころから」 お兄ちゃんの肩に乗ったアーニャがお辞儀をした。 「あ、あの...のどかさんと時裕さんってお知り合いなんですか?」 香子ちゃんは私とお兄ちゃんの顔を交互に見て言う。その様子が少しおどおどとしていて、私は不思議に思った。 「うん、知り合い、兄妹。ていうか、香子ちゃんがお兄ちゃんの名前知ってるほうがびっくりだよ」 「そりゃお前、俺は香子ちゃんファンクラブ(ナイツ・オブ・ワイトドリーム)の会員ナンバー一番だからな。当然だろ」 「よかった...」 『よかった』...?えーと、この何気ない彼女の言葉からとてつもなく危険な香りがする。 それだけはダメな気がする。なんというか、香子ちゃんの将来的に。 とりあえずお兄ちゃんのほうに警告しておこう。 「ダメだよっ!妹と同級生の娘に手を出すなんて、大人として!」 私はお兄ちゃんの耳元で小さく言った。お兄ちゃんは何のことだ、という顔をしたのでそれ以上は何も言わなかった。 「しかし、俺は悲しいぞ、妹よ。そんな我らのアイドルをあんなふうに倒してしまうなんて。お前は香子ちゃんが可哀想だと思わんのか」 「いえ、負けは負けですし、私も調子に乗ってたんです。それにマリーさんはとっても強かったです」 香子ちゃんの制服のポケットからラーレが顔を出してそう言った。 ††† ――確かにラーレの剣の切っ先はマリーの喉に迫ろうとしていた。 しかしそれはあくまで迫ろうとしていたのである。 数ミリ手元を動かせば切っ先は間違いなく突き刺さる位置ではあったが、ラーレはそれ以上動けなかった。彼女の腹にはマリーの傘の先がピッタリと、一ミリの隙間もなく触れて、さらに両脇を、二本のクワガタの角のようなウォードレスの武装が挟み込んでいたからだった。 「少し、手元がブレましたわね」 マリーが言った。 ††† 「人形は少しも狂いのない精密な造りであって初めて、価値があるのですわ」 マリーが私の頭の上をふわふわと浮きながら得意気にそう答えた。 「うむ、素晴らしい。それでこそ人形型武装神姫ノートルダムだな」 「細かい設定と調整はみんなお兄ちゃんでしょ」 「だから素晴らしいって言ったんだ」 私は深くため息を吐いた。お兄ちゃんの無駄に自信満々な言葉に呆れたのもあるけれど、それをキラキラと輝く目で見つめる香子ちゃんにもちょっと呆れたからだ。 「さて、のどかちゃん、マリーちゃん。どうだった初めてのバトル、しかも勝利の味は?」 カトーさんが私たちにそう尋ねた。 私はマリーの顔を覗く。彼女もまた私のほうに顔を向けた。 「楽しかったですわ」 「そうだね、楽しかった」 それはよかった、とカトーさんは笑った。 「香子ちゃん、今度またバトルしようね」 「ええ。次は負けませんよ」 作品トップ | 前半
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先頭ページへ 装備構成解説 マイティ超高速巡航装備 軽量飛行装備 機動戦闘装備 シエンATパイロットスーツ装備 クエンティン瞬間移動装置活用装備 マイティ 超高速巡航装備 頭部:ヘッドセンサー・アネーロ 胸部:FL012胸部アーマー 背部:リアウイングAAU7 エクステンドブースター×2 VLBNY1スラスター×2 ランディングギアAT3(補助スラスター付バージョン)×2 ポラーシュテルン・FATEシールド×2 VLNBY1増設ラジエーター VLBNY1携行小型タンク ぷちマスィーン・シロにゃん (GEモデルLC3レーザーライフル) 上腕部:VLNBY1腕部アーマー 下腕部:左/FL012ガードシールド、右/M4ライトセイバー 大腿部:VLNBY1脚部アーマー 脹脛部:VLNBY1収納ポケット 脛部:WFブーツ・タイプ・クレイグ 武装: スティレット短距離空対空ミサイル×4 カッツバルゲル長距離空対空ミサイル×2 STR6ミニガン、もしくはアルヴォPDW9 登場時期:「強敵」~「固執」、「ねここの飼い方、そのじゅうさん、後半」 対アラエル戦、クエンティン遭遇戦の序盤など、初期によく用いられた構成。まだ煮詰まっていない段階の、雛形とも呼べる構成が対ルーシー戦でも登場している。 ありったけの推進装備をリアウイングAAU7に取り付け、推力を一方向に向けることで絶大な加速と最高速度をたたき出すことができる。推進器の取り付け方には変遷があり、後になるほどパワーロスが少なくなる(写真は初期の配置)。装備も射程の長いものを中心に取りまとめ、特に最終段階で片翼に懸架していたLC3レーザーライフルの長時間照射は前方の目標掃討に効果が高い。 本装備はアーンヴァルのもともと持っている高速飛行性能をさらに特化させることに成功しているが、同時に欠点も倍化させてしまっている。小回りはもちろん利かず、片腕にライトセイバーを付けているとはいえ近接戦闘は原則ご法度。さらに推進設備を全てリアウイングに集中させているために、推進器がどれか一つでも損傷してしまうとたちまち全体バランスの低下を招き、戦闘力が大きく削がれてしまう。バトルにおいてどんなに性能の高い神姫といえど、一発も被弾せずに戦う、などというのはほとんど無理な話なのである。 良くも悪くもピーキーに着地する結果となり、これ以上の発展を見込めないと判断したマイティとマスターは、飛行能力というアーンヴァルの特性を生かしたまま、より戦闘に適応する装備構成を模索してゆくことになる。 試行錯誤の末、現在以下の二つの構成が登場している。なお、すべての装備にほぼ例外なく取り付けられているぷちマスィーン・シロにゃんは、主に装備の制御や索敵などを担ってマイティの負担を軽減する、いわばフライトオフィサーである。 軽量飛行装備 頭部:ヘッドセンサー・アネーロ(棘輪) 胸部:FL012胸部アーマー(争上衣、ぷちマスィーン・シロにゃん搭乗) 背部:白き翼 上腕部:VLBNY1収納ポケット(なし) 下腕部:M4ライトセイバー×2(FL012増設アーマー) 大腿部:ハグダンド・アーミーブレード(なし) 脛部:ランディングギアAT3(脚部機能停止のため排除) 武装: カロッテTMP (忍者刀・風花、ぷちマスィーン八体) ※( )内は「信念」における装備 登場時期:「固執」、「信念」、「ねここの飼い方、そのじゅうさん、後半」 もともと白き翼のテストのために考えられた構成で、翼の性能を最大限に生かすためかなりの軽装となっている。クエンティン遭遇戦においては「装備B」として、変更されたフィールドに対応するために登場した。また「信念」の対クエンティン戦においては、序盤はストラーフのリアユニット GAアーム、GAレッグを用いた陸戦特化装備であったが、戦闘中脚部機能が死んでしまったために脚部を丸ごと排除して本装備となった。その折もともとの素体装備は変更していないため、防御力重視の構成となっている。 軽快さを生かした格闘戦が得意であったが、性能的にどうしても中途半端にとどまってしまうくせがあり、メイン装備としてはほとんど使われていない。 機動戦闘装備 頭部:ヘッドセンサー・アネーロ 胸部:ホーリィアーマージャケット 背部:レインディアアームドユニット・タイプγ(基部) ハイパーエレクトロマグネティックランチャー×2 バインダー(リアウイングAAU7) ハグダンド・アーミーブレード ぷちマスィーン・シロにゃん 下腕部:M4ライトセイバー×2 脛部:ランディングギアAT3 FL012ガードシールド 推進器付主翼(リアウイングAAU7) 武装: アルヴォLP4ハンドガン カロッテP12 スティレット短距離空対空ミサイル×4(サイドボード供給により発射可能総数は60発以上) 登場時期:神姫たちの舞う空編 アーンヴァルの飛行特性を維持したまま、戦闘適応性を上げるために考案された構成。メインの推進力が背部ではなく、脚部に移行されているのが大きな特長。ヨーロッパの軍隊によく見られるデルタ翼戦闘機のようなシルエットとなっている。 超高速巡航装備と比べて推進力は低下したものの、全体的にコンパクトにまとまっている。そして主翼が360度回転可能で、マグネティックランチャーとバインダーが四つのスタビライザーの役目を果たし、デルタ翼でありながら「低速域における機動性と安定性が低い」という欠点をカバーできている。結果、戦闘機にはできない奇想天外なマニューバーが可能になっている。 なによりも、ホーリィアーマージャケットの小型スラスターやマグネティックランチャーの電磁浮遊推進システムなど、脚部以外のボディ全体に推進器を配することによって、多少の損傷でも戦闘が続行できる優秀なダメージコントロール性能を獲得できたことがこの装備の功績として大きい。 未知数の部分がまだまだ多いが、本編における今後の活躍が大いに期待できる装備構成である。 シエン ATパイロットスーツ装備 頭部:頭甲・咆皇 胸部:VLBNY1胸部アーマー 上腕部:VLBNY1腕部アーマー 下腕部:VLBNY1リストガード 腰部:KT36D1ドッグテイル 大腿部:VLBNY1脚部アーマー 脛部:WFブーツ・タイプ・クレイグ 武装: 十手 カロッテP12 モデルPHCハンドガン・ウズルイフ 登場時期:「バトリングクラブ」、神姫たちの舞う空編 非公式の「ボトムズin武装神姫バトル」において、クリムゾンヘッドに搭乗する際シエンがまとう装備。ヴァッフェシリーズのアーマーは衝撃吸収に長けながらかさばらないため、パイロットスーツとして最適であった。 緊急時の武装として十手や拳銃をコクピットに持ち込んでいる。 ちなみにクリムゾンヘッドの主武装はベルトリンク式に改造し装弾数を増やした咆莱一式である。 クエンティン 瞬間移動装置活用装備 頭部:フロストゥ・グフロートゥ 黒ぶちメガネ 胸部:胸甲・万武(ぷちマスィーン・壱号搭乗) 上腕部:フロストゥ・クレイン 下腕部:FL013スパイクアーマー01 腰部:VLBNY1腰部ベルト 大腿部:FL013スパイクアーマー02 脛部:WFブーツ・タイプ・クレイグ 武装: サイズ・オブ・ザ・グリムリーパー ぷちマスィーン・肆号 ぷちマスィーン・オレにゃん 登場時期:「固執」、「信念」 瞬間移動装置とは厳密には装置ではなく、バーチャルバトルアクセスシステムの隙を利用した高速移動方法であり、あたかも瞬間移動しているように見えるためそう呼ばれる。また本装置によって空中移動も可能である。クエンティンのオーナーである理音が考案しセカンドバーチャルバトルにて使用していた。本装備はその瞬間移動を最大限活用するための構成である。 頭部、上腕部のフロストゥブレード、および下腕部、大腿部のスパイクアーマーは可動し、四肢とあわせて動かすことで限定的ではあるが瞬間移動後のアクロバット機動や体勢安定のためのバインダーとして働く。 主武装がサイズ・オブ・ザ・グリムリーパーと二体のぷちマスィーンだけというやや心もとない内容だが、これは瞬間移動装置の構成上サイドボードに神姫本体を入れねばならないため、武装の容量が限られてしまうためである(開始時の武装を入れるメインボードは空であるが、アクセスポッドには神姫が入れられていないため、武装を入れてもシステム側から「装備不能」と判断されエラーが発生する。そのためメインボードは使用できない)。ただ、瞬間移動のアドバンテージが非常に大きいため、この武装だけで十分という見方もある。 その後どこからともなく(おそらくネットから)瞬間移動の方法が解析され数多くの神姫がこの方法を使用したが、ゲームバランス崩壊の兆しが見えたためにオフィシャル側によってバーチャルバトル空間アクセスルールが改正され、実質使用禁止となってしまった。 そのためクエンティンの本装備はおそらくもう見ることは無い。 先頭ページへ
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【武装神姫】セッション1-0【SW2.0】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm17931932
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【武装神姫】セッション2-4【SW2.0】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm18827180
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【武装神姫】セッション1-3【SW2.0】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm18179759
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鋼の心 ~Eisen Herz~ インターミッション05:CSC(その2) 「う~す、おっはー」 陽気な挨拶と共に芹沢九十九が現れた。 「……また来た……」 「やほ」 「……やほ」 渋い顔をする京子の横で、真紀が無表情にその手を挙げる。 「随分普通に戻ってきたね、真紀ちゃん」 「おかげさまで……」 変人ではあるが、同時に恩人でもある。 京子も芹沢には強く出られなかった。 「……大学の教授なんでしょう? こんなに足繁く病院に来ている暇があるんですか?」 「いや~、それがね。最近はケモテックで顧問技術者をやっているから、授業なんか全部人任せ」 「……ダメな大人」 京子が溜息を吐く。 「そう言えば、この間真紀ちゃんにお願いされた物、手に入れてきたよ~」 「真紀が?」 「うん、MMSの基礎資料見せたら、『これが欲しい』って」 「……真紀に変なもの見せてるんじゃ無いでしょうね?」 どういう訳か、真紀は芹沢に懐いているようで、芹沢の影響を強く受けているようだった。 何時だったか、猫耳と犬耳について真剣に議論していたことがあるのを思い出し、京子は頭を抱える。 「……で、何を持ってきたの?」 「試作品のMMS素体と、結晶記憶体とか、後よく分からないものが数点じゃのぅ」 「そんなの持ち出して良いの? 企業秘密とかあるんでしょう?」 「いいのいいの。隠してこっそり研究するより、真紀ちゃんの柔軟な発想にインスピレーションを得ることの方が大切なのじゃよん」 「……」 「……後は、前の脳波データ……」 「あいよ、言われたとおりに処理して持ってきた。……でも、こんな重複しまくってるデータで何するの?」 「……適応放散」 「???」 真紀の言葉が理解できなかったのは芹沢も同じのようで、彼はその日そのまま帰った。 その後、芹沢の去った病室で、真紀が一心にMMSと繋いだパソコンを弄っているのが、強く印象に残っていた。 ◆ それは、神姫の産声。 ―――それが、神姫の産声。 ◆ 「始めまして、芹沢教授」 「……」 芹沢が息を呑む。 「私は、MMSオートマトン。名前は―――」 流麗な自己紹介をする“彼女”は、人間ではなかった。 「……そんな、事が……」 呆然と、それを見る芹沢。 芹沢の心境は心の欠けた真紀には分からない。 京子がそれを知るには、芹沢と同じだけの時を生きる必要があるだろう。 真紀の膝の上の“彼女”は、身長15cmのロボットだった。 それは、後に武装神姫と呼ばれる事になる最初の一人。 そして、5年後の天海において、『幽霊』の名で語られる最強の“神姫”だった。 ◆ 誰が悪い訳でもない。 そう言う意味では、彼女の敵は世界そのものだったのかもしれない。 ◆ 「……凄い結果だよ、身体性能も思考性能もこちらの想定を遥かに上回っている」 KemotechとFrontLineが共同で設立したMMSの開発室、その一室で芹沢が“彼女”のデータの解析結果を纏めていた。 「特に思考関連は凄いね。……チューリングに完全に対応できるAIなんて100年は出来ないと思っていたよ」 「……凄い?」 「凄いとも。いや、凄すぎるよ。コレはもう人間の道具じゃない。人類の新しいパートナーになるかもしれないよ」 「……パートナー?」 「うん、人間の新しい友達だね」 「……友達」 そう呟く真紀の顔は相変わらずの無表情のまま。 だがしかし、心なしか嬉しそうにも見え、京子は視線を外す。 (……芹沢さんが、真紀を……) 妹の心を解き放って行くのが自分ではない事に、京子は少なからず疎外感を覚えていた。 「……あの、芹沢さん。これは?」 彷徨わせていた視界の隅に、一振りの剣を見つけ、京子はそれを芹沢に問う。 なぜならばそれは、人の為の剣ではなく、明らかにMMSの為の剣であったからだ。 「ああ、それか。フロントラインの方からね、MMSに戦闘をさせる企画が来て、その試作品だよ」 「……」 よく見れば剣の他にも、銃などの武器が幾つも置かれている。 「……?」 その一つ、一番大きな塊を手にしてみるが、何なのかよく分からない。 「……それ、レーザー砲なんだってさ」 呆れたように溜息を吐く芹沢。 「……最も、出力もたいした事無い癖に大きすぎて、到底使い物にはならないみたいだけどね……」 「……」 確かに、触媒のルビーレンズもサイズと想定出力の相違を調整されておらず、放電管の造りも粗雑過ぎる。 内部の反射鏡も無駄に大きな構造で、重量と収納の無駄遣いも良い所だ。 これでは大した威力も射程も無いレーザー数発の射撃で、根本から破損する事は誰の目にも明らかだろう。 「…………ん~」 「興味ある? なんならそれ、上げても良いよ」 「……いいの?」 「どうせサンプルとしてもらったものだし、肝心のMMSがこんな性能を出したんだ。今までの想定で作った武器なんてもうゴミだよ」 「……」 頭の中で青地図ができる。 (触媒の構造を多重構造にして、反射鏡の透過率を変更。あとは屈折率の最大効率を計算しなおして……) 京子の頭の中でレーザー砲を称した鉄塊が、大きくその姿を変えてゆく。 より軽く、より強く。 それが、京子にしか出来ないことなのだと、彼女自身が知るのはまだまだ先の事。 ◆ そして、それは彼女達の運命を変えてゆく……。 インターミッション06:武装神姫につづく 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る 作中で触れているチューリングテストについて少々捕捉。 チューリングテストとはチューリング博士によって提唱されたAIに対するテストです。 チャットなどでAIに対して質問をし、その回答を人間(テスト官)が吟味し、AIか人間かを判断するというもの。 テスト官は自由に質問を行ってよく、AIは可能な限り人間に近い返答をすると言うもの。 この際、AIはわざと時間をかける、間違える、などをして人間を装うことも許される。 幾つか反論も出たが、作中の(そして皆様の想像する)神姫はこの反論すら許さぬほどに完璧なAIを備えている。 ここまで来るともう、相手がAIか人かを判断する意味は無いと思う。 ◆ AC4fA、今もプレイ中。 アセンしているだけで数時間潰れる。 でも幸せ。 相変わらずビジュアル重視の重AC。 ARGYROS/H EKHAZAR-CORE SOLDNER-G8A SOLDNER-G8L FLUORITE EB-R500 MUSSELSHELL OGOTO MUSSELSHELL(肩) はい、お分かりですね。 性能なんて何処か遠くの空の彼方です。 でもそれで良い。 夢はコイツで全てのハードミッションをSクリア。 ……無理か? ALCでした。