約 981,700 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/15577.html
登録日:2010/03/13(土) 22 18 27 更新日:2024/08/10 Sat 18 53 54 所要時間:約 8 分で読めます ▽タグ一覧 KONAMI 1/12 12年秋アニメ 4mm穴 573 MMS アクションフィギュア アニメ化 コナミ バトルロンド フィギュア メカ娘 ロボ娘 天使型あーんばるがいいと思うの! 娘 改造 武装神姫 武装紳士 浅井真紀 紳士 美少女フィギュア 開いたり閉じたり 頑丈 魔改造 コナミデジタルエンターテイメントから発売されている美少女フィギュア及びそれを基にしたメディアミックスシリーズ。 概要 原型師、浅井真紀がデザインしたMMS(Multi Movable System)フィギュアと呼ばれる可動式素体にアーマーや武装などのパーツを取り付けたりして楽しむ。 まず特筆すべき点としてその素体の可動である。 神姫素体は限りなく自然な体育座りができるのである。 これは神姫の大きな特徴、引き出せる股関節によって成立する。 もちろん他にも、計算されたふくらはぎ、肘や爪先も幅広い可動範囲を誇る。 後述のスペーサーのためにももや腕を回せる構造など、可動の発想は普通のアクションフィギュアよりガンプラに近いとも言える。 また拡張性が他のフィギュアより大きく取られており、頭部や胸部や脚部を武装パーツと交換したり、二の腕や手首や太ももにスペーサーと呼ばれるジョイントパーツを取り付けて武装させたりすることができる。 一応お手本はあるが、組み合わせ方は自由。 他のアクションフィギュア同様に服などを着せてドールのような楽しみ方をする人も多い。 なお素体は現在までいろいろとバリエーションが広がっているが、説明がめんどくさいので割愛。 武装神姫は、 フルセット 素体と武装とスタンドがセットになった最もポピュラーなセット。 一つの弾で同じデザイナーによってデザインされた2種が類発売される。 約4000円だったが、最近は値上がりが激しい。 EXウエポンセット 頭部と武装と簡易スタンドのセット。 ボディは一部例外を除き付属しないので調達する必要がある。 約1700円 ライトアーマー フルセットに比べるとやや小ぶりなアーマーや武装が特徴な低価格タイプ。 フルセットと同じく2種類が同時発売される。 約3000円 MMS NAKED EXウエポンセット用や自作用に適したこな☆すたで単体発売されている素体。 白黒の他、肌色はいろいろあったり、胸のサイズが貧乳から巨乳まで用意されていたりと妙なところでこだわっている。 の方式で発売されている。 また箱に入っているアクセスコード(一部例外有り)をオンラインで使うことで自分の神姫を使って3Dスタジオ「武装神姫 DIORAMA STUDIO」と、育成シミュレーションバトル「武装神姫 BATTLE RONDO」で楽しむことができた。 なお、2ちゃんねるの神姫スレでは神姫の足をつまんで開いたり閉じたりすることによって炎のように燃え上がり荒んだ心が水を打ったように鎮まるという非常に高度な精神安定法が紹介されている。 人によっては神姫の頭やお腹を優しくなでるなどの方法も紹介されている。 主な武装神姫 (声はオンラインでのもの) ◆天使型アーンヴァル(阿澄佳奈) ◆悪魔型ストラーフ(茅原実里) デザイン:島田フミカネ(スカイガールズやストパン、メカ娘など) 通称:白子、黒子 起源にして頂点。 スパルタンなメカとツンデレ風な素体のストラーフに人気が集中。再販する度に即売り切れの伝説となる。 アーンヴァルは当初は出遅れ「在庫様」と呼ばれるも、後にオーソドックスなデザインが再評価されこちらも品薄に。 両者の状態は半年以上続き、彼女たちをお迎えすることは出遅れ紳士たちの目標となった。 後に限定品のリペイント、バージョンアップのアーンヴァル トランシェ、ストラーフbis、それらのリペイント、さらにMk.2も発表され、誰かこいつらをなんとかしろ。 ちなみにリペでは逆にストラーフの方が在庫様。 なおバージョンアップに伴い初期型は絶版扱いに。 関西圏域には「黒子狂」の名を持つ紳士が存在するなど、人気はかなり高い。 ◆犬型MMSハウリン(喜多村英梨) ◆猫型MMSマオチャオ(橋本まい) デザイン:BLADE(漫画家) 通称:犬子、猫子 第2弾。 大型のアーマーを着込むという独自のギミックになっているが、可動性と拡張性に劣り残念な出来に。 しかし素体自体には人気が集まり、面目躍如を果たす。20体以上のマオチャオをお迎えした紳士も確認されている。 また後に電撃ホビーマガジンで連載中のデザイナー自身による漫画「武装神姫2036」の設定に合わせ新規造形&新規武装のリペイントバージョン「凛」「まお」も限定発売されるが、あまりの人気に通販サイトの鯖が落ちたほど。 ◆騎士型MMSサイフォス(沢城みゆき) ◆侍型MMS紅緒(べにお)(門脇舞以) デザイン:篠房六郎(漫画家) 通称:騎士子、武士子、ベニモロ 第3弾。 コンセプトは悪くなかったものの、素体の顔があまりにもイラストと違い、パーツが落ちやすく、デザインでは金色の部分がうん…黄土色ということから人気が低く投げ売りされた。 特に人気のない紅緒の箱が立ち並ぶ様は赤壁と呼ばれた。 もっとも、投げ売り価格から改造して美人にしたり、ブスの方が飽きないとお迎えしたファンも少なくない。 ◆サンタ型MMSツガル(釘宮理恵) デザイン:GOLI(ビーマニなど) 通称:津軽 EXウエポンセット第2弾。 元はbeatmaniaIIDXの登場キャラクター…を元にして作り出されたらしい(濃いバックストーリーもある)。イラストカレンダー用にデザインされた武装をフィギュア化したもの。 公式に武装を合体させてゲットライド!させられることが明言されている。 後にリペイントのBlue X'masバージョンが限定発売された。 2018年にはコナミのアーケードゲーム「ボンバーガール」に参戦。 当初はビーマニからの参戦枠1人目と言われていたのだが、公式サイトなどでは「出典:ビーマニ」でありながら「武装神姫型ボンバーガール」と明言されている。 声は引き続きくぎゅ。武器もバトロンと同じくスナイパーライフルとハイパーエレクトロマグネティックランチャー。 ◆種型MMSジュビジー(名塚佳織) ◆花型MMSジルダリア(小林沙苗) デザイン:okama(漫画家、デザイナー) 通称:種子、花子、エウレカさん、麗花子 第4弾。 第3弾の悲劇から立ち直り、出来は第1弾の再来と呼べるほど安心できるものに。 しかしokamaの独特なデザインが他の神姫のパーツとの親和性が低いこと、PVC素材が多いためヘタレたりポロリしやすい難点も見受けられた。 なお現在ジルダリアは絶版扱い。 ◆セイレーン型MMSエウクランテ(加藤英美里) ◆マーメイド型MMSイーアネイラ(井上麻里奈) デザイン:間垣亮太(巨乳漫画家) 通称:鳥子、魚子、虜、イラ姉 第5弾。 この弾のヒットにより以降のメカ娘路線を決定づけたと言える。 今回から表情パーツが付属するようになった。 またイラ姉の胸パーツはデザイナーのこだわりにより今までのキャラを凌駕する巨乳となっており、ぶっちゃけ武装しないとバランス的に奇乳になってしまうほど。 後にブラックリペイントバージョンが限定発売されたが、こちらのイラ姉にはさらに新規巨乳パーツがつくと言うおっぱいバカっぷり。 ◆寅型MMSティグリース(植田佳奈) ◆丑型MMSウィトゥルース(桃井はるこ) デザイン:清水栄一+下口智裕(漫画家) 通称:寅子、丑子 第6弾。 今回は二体分の武装パーツを組み合わせることによるロボット形態「真鬼王」とバイク形態「ファスト・オーガ」に合体させることができる。 真鬼王がデザイナーのせいでどう見てもマキナなのは有名だが、組み換えでリガードになるのも有名。 合体を重視しているため、単体のプレイバリューは低いのが難点。2人一緒にお迎えすべし。 これの発売により紳士の間では複数買いして巨大メカを作るのが流行るが、パーツを組むことに熱中しすぎて神姫が疎かになってしまい「それ武装神姫つーかただの武装だろ」と本末転倒なものも多かった。 ◆ハイスピードトライク型MMSアーク(堀江由衣) ハイマニューバトライク型MMSイーダ(田村ゆかり) デザイン:CHOCO(ゼノサーガなど) 通称:A子、Y子、アー子、イー子 第7弾。 武装が3輪バイクに神姫込みで変形するという驚きのギミックが入っている(神姫無しでも変形可)。神姫も搭乗可。 しかしその分お値段はお高めで、クオリティの低いパーツの混入率も高かった。 後に白黒パトカラーも限定発売された。 現在は絶版扱いされている。 なおデザイナーのCHOCO氏は立体物にも非常に造詣が深く、同人誌の付録の形式を取ってフィギュアを販売。非公式ではあるものの、パーツは神姫との互換性を持たせているという力の入れっぷりを発揮している。 ◆アルトレーネ デザイン原案:一般投稿者 キャラクターデザイン:羽音たらく(おねティーなど) メカニカルデザイン:柳瀬敬之(ガンダム00など) 通称:アルトさん、ボク神 第11弾。 電撃ホビーマガジンで募集されたコンペの優秀賞を元に商品化されたもの。 ただしデザインは大幅にアレンジされている。 これに合わせて対となるアルトアイネスもデザインされ限定発売された。 また、グレンラガン、オトメディウス、スカイガールズ、ハヤテのごとく!等とMMSがコラボしたものもある。 メディアミックス及びその後の展開 PSPにて「武装神姫 BATTLE MASTERS」が発売。ジャンルはカスタマイズ対戦アクション より鋭角的になった白子と黒子のMk.2が新登場している。 その後、完全版の「Mk.2」も発売した そして、TBSにてアニメ化、決定。 しかし2011年にバトルロンドがサービス中止、その後開始されたソシャゲも半年でサービス中止。 2012年には更にコナミの玩具部門が閉鎖され、公式からの新作の発売は事実上中止状態であり、旧作の再販も行われなくなった。 アニメも放送されたにもかかわらず、この状態は一切改善されず、アニメで興味を持ったファンは中古品を探すしかなくやきもきする羽目に。 しかし固定式ではあるものの新作フィギュアが他社から発表するなど細々と生き残っている状態ではあったが、やはり固定式ゆえか難民を満足させるものとはならなかった。 そんな2014年、ワンフェス会場にて鳥山Pと浅井氏による「武装解除宣言」が行われる。 後のコメントではこの時何をやるかは何も考えてなかったとぶっちゃけられていたのだが、翌2015年にコトブキヤよりプラモデル化が公開。現在アーンヴァルとストラーフが企画中で、企画は浅井氏の新素体「マシーニカ」を採用している。 3.2mmの神姫穴は健在らしいので、神姫からのパーツの流用は可能と思われる。 似たようなカテゴリーのキットとしてFA G及びメガミデバイスが好評を博しているのもあり、武装紳士たちから新たな受け皿となれるか熱い視線を向けられている。 そして2017年冬コミケ(C93)KADOKAWAブースにおいて、唐突にアーンヴァルとストラーフの新規グッズが販売されることが発表される。 (武装神姫の情報発信を行っていた電撃ホビーマガジンは現在KADOKAWA傘下のため) だが飢えた武装紳士達がグッズを求めて有明で目にしたものは……。 Re Arm(再武装) Re Boot(再起動) Re Construct(再構築) 2018年。 KONAMI、KADOKAWA、KOTOBUKIYAによる武装神姫再始動の一報であった。 2020年12月。 「武装神姫 アーマードプリンセス バトルコンダクター」稼働開始。 神姫カードという新たな形で神姫たちは復活した。 追記・修正お願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 今でも時々バトロンがしたくなる -- ジル子の旦那 (2013-11-16 19 28 01) コナミでの販売、修理受付終了…バイク型2体は幻のままに -- ヴァローナのマスター (2014-03-06 17 42 19) あーんばるが良いと思うの! -- 天使型mk2のますたーさん (2014-03-06 21 17 15) 時々バイク型をお迎えする夢を見るんだ… -- 名無しさん (2014-03-06 21 21 53) 復活!! -- 名無しさん (2015-07-26 19 49 05) バトロン、エミュ鯖でいいから復活しないものだろうか…… -- 名無しさん (2015-07-26 19 55 17) FAG出た辺りでブキヤが武装神姫拾ってくれないかなぁ、とは思ってたが、まさかマジでブキヤが拾うとは……。「武装解除して待て」ってのは今回の事だったのか -- 名無しさん (2015-07-26 20 51 02) 復活って聞いてコナミやるじゃんって手のひら返そうと思ったけどコトブキヤがリメイクしてくれるのか。私はそのまま手のひらをセットしてターンエンド。 -- 名無しさん (2015-07-27 03 09 51) ↑その手のひらにサイクロン撃ちますね(^^ -- 名無しさん (2015-07-27 07 06 11) 漫画やゲームもでてた気がするな 漫画やゲームの評価ってどうなの? -- 名無しさん (2015-07-27 12 30 43) お前らはえーよw …今度こそバイク型の二人出るよな…?期待してもいいんだよな?ブキヤ、頼むよ? -- ヴァローナのマスター (2015-07-27 16 04 53) アニメはめっちゃすきだったなぁ OPもEDも最高だった -- 名無しさん (2015-10-12 23 09 40) お値段も手頃になると有難い…何せ神姫さん達元値が高い上にプレ値上等だから手が出せない…。 -- 名無しさん (2015-10-12 23 13 18) 最初の印象は美少女版カスタムロボだったな -- 名無しさん (2015-10-12 23 25 10) 高校二年の時、メカ少女特集をしていたメガミマガジンクリエイターズを買ったのが全ての始まりだった。島田フミカネのページで発売前の第一弾の二体が飾られていたのが切っ掛けだった。数か月後に今は亡きハローマックでストラーフを購入して感動し、乏しい財力でひたすら集めた。そして遂に再び形は変われど彼女たちと触れ合えると思うと -- 名無しさん (2015-10-12 23 35 13) ↑6 漫画:ZERO・2036・モバイルの三作品があったっけ?どれも面白かったよ。ZEROは単行本で大幅に加筆されてるので気になったら一読して見るのもあり。 ゲーム:バトマスはMK2の完全版商法っぷりがなぁ…DLC周りも2作続けて不備が多かった印象。 アニメ:非常にクォリティの高い良作。新たにカンチラというジャンルを世に生み出した。 -- 名無しさん (2015-12-03 18 10 25) 他人だが↑に追記。PC版のバトルロンドはスッゲー面白かったぞ。知識が必要なので初心者の内はきつかったが。開発チームの対応も良かった。だが中期になってチームメンバーが交代するとgdgdが進行し、声のでかい古参が初心者お断りの現状に気付かず舞い上がりすぎたせいで失速してしまったな -- 名無しさん (2015-12-03 19 46 20) アニメのこれでもかってほどかわいいで味付けしたトイストーリーって雰囲気が最高なんすよ -- 名無しさん (2016-07-22 07 22 05) バトロン、再開しないかなぁ…… -- 名無しさん (2016-07-22 07 25 00) バトルロンドは当時高房だった俺には衝撃だった。どうしても課金装備が強すぎるのと、戦略の分かりづらささえどうにかできれば何とか…。PSNあたりで追加課金制のプレミアムコース有、とかならサーバー代も確保しやすいんじゃぁ…でもフィギュア自体が高騰しているから無理か -- 名無しさん (2016-07-22 09 11 33) ブキヤ版販売も、BD-BOXの素体販売も、そろそろ続報来てくれ -- 名無しさん (2016-07-22 10 17 01) お願いです、バトロン復活を>< -- 名無しさん (2016-10-21 14 20 17) ちなみに、武装神姫の二次創作書いたことがあったけど、やっぱり白子がヒロインだったw ちなみに準ヒロインは犬子だから安心すべしww -- 名無しさん (2016-10-21 14 25 32) Re arm Re boot Re construct(再武装 再起動 再構築)のキャッチコピーとしずまよしのり氏など新絵師を一挙に迎えシリーズの本格的な再スタートが始まる模様 だいたいコトブキヤのせい(平伏 -- 名無しさん (2018-01-04 09 30 18) ↑これを機に、オンゲも復活させてほしい!>< -- 名無しさん (2018-01-10 19 04 58) コトブキヤが自前の企画で忙しいことを考えるとまずはコナミからソシャゲ出して角川で漫画の連載とかかな?出てきてる新デザインの子らも立体化考えてるか怪しい感じだし。 -- 名無しさん (2018-01-10 19 43 07) ↑コトブキヤ商品開発部のマンパワーだとFAガール一体につき年単位の期間を掛けて仕様検討している。…つまり仮に新神姫を商品化する場合「もう始めてる」と見ていい -- 名無しさん (2018-01-24 09 49 41) 一部では歴史で例えると大阪の陣が起こって天下取りが決まろうとしてるタイミングで織田信長が地獄から兵を連れて戻ってきたような衝撃と表された -- 名無しさん (2018-01-24 14 35 24) ブキヤアーンヴァル・ストラーフについては今回のワンフェスでは全く触れられなかったんだが、メガミデバイストークショーでなんとなく状況がわかったかな。簡単に言うと新シリーズは「コナミカドカワコトブキヤがメガミデバイスブランドで展開する」「アーンヴァルストラーフはコトブキヤのフレームアームズガール側のスタッフによるプラモ化」だから、2つの企画には関連性が全くないんだ。 -- 名無しさん (2018-02-19 09 56 52) もし、オンゲにするとしたら、マギレコやFGOのようなタイプかなぁ。カード数は、神姫の衣装違いで増やすって手があるし。 -- 名無しさん (2018-02-19 10 39 16) という訳(?)でメガミデバイス互換でRe第一弾エーデルワイスが発表、もしかするとあんばる達より先に出るかも… -- 名無しさん (2018-02-19 13 25 38) しずまはいてイチソはいない… -- 名無しさん (2018-02-19 14 19 03) ↑何!?はいてないのはフミカネ氏やしずま氏の常套では無いのか!?(錯乱 -- 名無しさん (2018-02-20 03 13 29) 遊戯王の新テーマ「閃刀姫」がどう見ても武装神姫な件。再起動に引っ掛けたか? -- 名無しさん (2018-02-27 19 39 36) ↑3 イチソはメカ造形苦手そうだし、まあ仕方ない。艦これ絵師で他に望みありそうなのはくーろくろかなあ -- 名無しさん (2018-03-14 05 28 49) 待ちに待った時が来たのだ。『武装神姫 アーマードプリンセス バトルコンダクター』『武装神姫R』発表! -- 名無しさん (2020-02-07 16 58 30) 展示したまま何年も動いてなかったアーンヴァルの正体が配信で明かされたね。そもそもブルーレイの時の再生産をコトブキヤが担当してその流用でアーンヴァルを出すつもりだったと…… -- 名無しさん (2021-08-29 15 42 20) 祝!メガミ版ストラーフ予約開始! -- 名無しさん (2022-12-13 08 35 57) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1961.html
戦うことを忘れた武装神姫 その40 時間はそろそろ18時を廻ろうとする頃。 紫色の初秋の夕暮れを背景に、色とりどりの灯りで飾られ浮かび上がる街。 行き交う人々も、クルマも、すべてが迫る夕闇の街に溶け込み、今日もまたあたりまえの景色を作り出していた。 そんな景色を切り抜く大きなキャンバスのようなショーウインドゥに・・・黒いバイクが風の如く映り込んだ。 今ではすっかり旧式となり、見ることも少なくなった久遠のバイク。 独特のメカノイズに振り返る人はいるものの、やはり都心とあってかさして珍しがって足を止める人もいない。 きれいに整備さた久遠のバイクは、シュラウドにも街の表情を映しこみながら、混みあう国道を軽やかに駆け抜けてゆく。 今宵の久遠は出張帰りであろうか・・・。 ジャケットの胸ポケットからは、マオチャオのエルガがぴょこんと顔を出し、夜風に緑色の髪をなびかせ、大きな翠色の瞳は流れ行く街の光を湛えていつも以上に輝いていた。 ターミナル駅そばの、大きな交差点の信号につかまったときだった。 まるで潮の流れのようにスクランブル交差点を通り過ぎる人間、ニンゲン。 身体を乗り出し、じーっと眺めていたエルガが、 「にゃーさん、おさかなー。」 と、ぼそり久遠に言った。 おねだりする時ともまた違った口調のエルガに、何事かと考える久遠。 どこかに焼き魚の屋台でもあるのか? いや、そんなものはない。 だいたい魚と言っても、この近辺にあるのは海鮮居酒屋くらい・・・。 「んー、おなかすいたか?」 久遠の問いかけに首を横に振るエルガ。 「ちがうの。 にゃーさんが、おさかな。」 何のことやらさっぱりの久遠に、エルガはなんとも楽しそうな笑みと共に続けた。 「バイクに乗って、街の中を駆けてくにゃーさんがおさかな。 にゃーさんはね、ひかりのうみのなかをおよぐおさかななんだよ!」 ・・・あぁ、なるほど・・・。 歩行者用の信号点滅を始め、これから進もうとする道が開けつつあるとき、久遠はエルガの言わんとしていることを理解した。 「光の海を泳ぐお魚、と・・・。」 久遠は呟きながらクラッチを握り、ギアを入れる。 その振動はエルガにも伝わり、半身を乗り出していたエルガは再びポケットに身体を深く納めた。 「にゃーさんも、ひとつの光になって、海を作って、海を泳ぐの。 このおっきな街からみたら、にゃーさんはちっちゃな光のひとつだけど、にゃーにとっては・・・みゅぅ・・・その、あのね・・・街よりもおっきな光なの!」 そういうと、顔を赤らめてぎゅっとジャケットに顔を埋めるエルガ。 前を見る久遠はエルガの動きを知ってか知らずか、使い込まれたグローブをはめたままの右手でちょんとエルガのアタマを突付いた。 「それじゃ・・・珊瑚の脇での休憩はおしまい。 ぼちぼち大海原へと泳ぎだそうか。」 信号が変わり、前方には広い道路が・・・いや、海の回廊がひらけた。 「いくぞっ!」 「うにぁー!」 エルガの声にあわせるかのごとく久遠はアクセルをひねり、光があふれる大海原へと再び飛び込んでいった。 透きとおる眼差しで、街を見つめる神姫がいる。 そう、ここにいるのは、戦うことを忘れた武装神姫・・・。 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/anews/pages/571.html
公式サイト→武装神姫公式サイト 2012年10月 武装神姫 1 [Blu-ray] posted with amazlet at 12.10.24 ポニーキャニオン (2012-12-26) 売り上げランキング 551 Amazon.co.jp で詳細を見る ブログ #blogsearch2
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/788.html
戦うことを忘れた武装神姫 その28 ・・・鳳凰カップ初日。 大勢の人でにぎわう企業ブースの一角に、久遠と彼の神姫たちが居た。 バトルにあまり熱心でない彼らにとっては、むしろこちらの物販だの展示だのがメイン・・・。 やがて彼らは東杜田技研のブース前へ到着。物販コーナーではどこかで見た顔・・・ 「あれ? かえでちゃん。 何してるの?」 久遠のポケットから、リゼが声をかける。 「ふ、ふええぇ~! 久遠さん、助けてくださぁ~い!!」 商品の補充をしながら半泣き顔のかえで。 聞けば、はじめは試合に出るつもりでいたのが、いつの間にか東杜田技研のアルバイトとしての参加になり・・・ 「私たちもこの有様です。」 これまたげっそりした顔で、かえでの肩に乗るフィーナ。技研の名の入った神姫サイズのジャケットを着用し、手には「先行販売・受付」と書かれたプラカード。 「にゃーん、エルガー! 手伝ってよー!」 と、傍らからティナのこれまたしなしなの声。いつぞやの猫耳ロリータファッションを着せられて、売り子をさせられている模様。。。 ふと見回せば、周囲は会待ちのお客さんがわんさといるし、何かの整理券を配っている列はダンゴ状態・・・ 「・・・なんと手際の悪い。」 久遠の肩に乗るシンメイが呟いた。 「なんだかCTaに挨拶しようと思ったけどそれどころじゃn・・・」 と、久遠がぼそり呟いたときだった。 「居た!! 久遠発見!! 直ちに捕獲せよ!!!」 聞き飽きるほど聞き慣れた声と共に、久遠に網がかぶせられた。 「よっしゃ! 久遠捕獲成功!」 動じることもなくため息ひとつの久遠の前に、油くさいメイド姿のCTaが立っていた。 彼女のポケットには、特殊な形状の巨大な砲を構える砲子が左右に一人ずつ。。。 「・・・をい。」 網を取りながらジト目でC睨む久遠に、珍しくちょっと退くCTa。 「拉致するわけじゃないんだから、なにもそいつらの装備試験を俺ですることはないだろう。」 CTaの砲子をさしながら久遠が怒りを通り越してあきれた顔つきで指摘した。 「ありゃ、テスト運用だってわかった?」 「命中精度がイマイチ。そして火薬量多すぎ。」 一瞬の出来事でありながら、きっちり分析する久遠にちょっと驚くかえでたち。。。 「まぁ、それはどうでもいいけど。」 たたんだ網をCTaに手渡し、 「手伝って欲しいのなら事前に予約入れること。 まぁ、予測の範囲内ではあるけれど。 なぁ、お前たち。」 『はーい!!』 ごそごそと久遠のポケットにもぐっていた、彼の神姫たちが一斉に顔を出した。 エルガとシンメイは作業用エプロン姿で。イオとリゼは、おそらくリゼがこしらえたものであろう、それぞれ白と黒のエプロンドレスで。 「・・・。」 CTaは驚きで言葉が出ない。 「さっき休憩してるときに、ここが大混乱してるって聞いたからな。 いつも世話になってるからたまには良いかなと思ってね。 で、この混乱を作り出した原因でもある責任者は?」 久遠の言葉に、むっとして頬を膨らませ自らを指さすCTa。 「ありゃ、お前だったのか。 ・・・学生ん時から仕切るのは苦手だったもんな・・・貧乏籤引いたな?」 こくりとCTaは頷いた。 「ま、詳しいハナシはあとでするとして。 あとはウチらに任せておけ。な。」 言うが否や、自らも作業用エプロン姿 -エルガ・シンメイとお揃い- に着替えた。 「まずは・・・ここの配置表、タイムテーブル、その他一式ここに出す!」 久遠が言うと、すすっとヴェルナが傍らから現れて東杜田技研・社用PDAを手渡した。 「ふむ・・・む。 まずは物販だな。 イオ、まだ飛べるだけの余力はあるかな?」 「もちろんです、マスター!」 「じゃ、これをこうしてだ。。。」 メモ用紙を取りだし、さらさらと指示を書き留めると、CTaにサインを入れさせた。 「ほい、それじゃ物販はイオとシンメイで。」 「了解しました!」 メモを受け取ったシンメイは敬礼で応える。 「ではシンメイ、いきましょう!」 イオはさっとユニットを背負い、シンメイを抱き上げて混乱の度合いが増している物販コーナーへと突撃していった。 「で、展示は・・・ なるなる。 Mk-Zに丸投げでOKだな。 Mk-Zとマーヤだけで回転するはずだから、余った人員は物販の誘導に今すぐ廻して。 エルガ、このメモを展示コーナーに。」 「了解なのー!!!」 武装にエプロンという姿で待機していたエルガは、どこからか取りだした紐でメモを身体に縛り付け、 「にゃー!!! 仔猫の宅○便がいくのだー!! そこ、邪魔なのー!!!」 四脚で混雑極まる中へと駆け出した。 「で、あとはデモコーナーだけど。 これは・・・リゼとかえでちゃんたちで良いかな。」 「え・・・? 物販は・・・?」 先まで人混みの中でもまれていたかえでは、本当にこれでよいのかという顔付き。 「大丈夫。 あと15分でこの状況はおさまるはず。 CTa、悪いけどリゼにデモ機の使用方法その他を教えてやってくれないか。」 自信たっぷりの久遠に、CTaもまたちょっと怪訝そうな顔をしたが、このような場での久遠には絶対の信頼を置いているCTaは、久遠からリゼを受け取ると、かえで・ティナ・フィーナと共にデモコーナーへと向かった。 それから10分も経たずして。 動き始める購入客、整理券配布場所の列。 展示コーナーにあふれ返っていた人だかりは、きれいな流れができて。 久遠の宣言したとおり、15分で・・・状況は一転。 先までの混乱が嘘のように、ブースは落ち着きを取り戻した。 「・・・久遠さんってすごいんですね・・・。」 デモコーナーでセッティングを終えたかえでが、ティナを手に乗せて言った。 「それがあいつの能力のひとつだよ・・・良かれ悪かれ一歩先を読んで行動できるところが。。。」 リゼにクレイドルの取り扱いを教えながら、CTaは呟くように言った。 「だからなんだよなぁ・・・。」 と、CTaのついたため息にリゼが気づいた。 「・・・? だからどうしたの?」 目が泳ぐCTaに、ニヤニヤとするリゼ。 「・・・何でもない。 ほら、さっさと仕事に入る! お客は待っているんだからっ!」 CTaはリゼをつまみ上げ、放っぽり投げるようにデモ用のクレイドルへと乗せた。 振り返りまだニヤニヤするリゼに手を振って仕事するように指示すると、リゼはぱっと営業スマイルに切り替え、クレイドルの解説を始めた。 傍らでパワーユニットの仕度をしていた沙羅とヴェルナが、相変わらずの調子で呟いていた。 「・・・マスターももっと素直になった方がいいでしょうに・・・。」 「全くっすよ。それでどれだけ損をしていることか。」 2人は顔を見合わせ、 『はぁ。。。』 いつぞやと同じ、大きなため息をひとつ。 そこへ久遠登場。 「どうした? CTaがまた何かやらかしたか?」 「あ、久遠さん。 何でもないっす。 いや、すごいっすね! あっという間にあれだけの状況を捌いてしまうなんて。」 と、振り返る沙羅。 「そうか? これだけのいい人員が居るんだ、こうなって然るべきなんだよ。 あとはどれだけ効率よく配置できるか・・・こればかりは慣れだからね。 こっちは大丈夫かな?」 「大丈夫ですよ。 あとはどのタイミングで昼休みを入れるか、ですが・・・」 とヴェルナが言うが否や、久遠は新たな指示書を手渡した。 「はい、これ。 回転始めたから、改めてタイムテーブル作ったから。」 その仕事の速さに、再び目を丸くするかえでたち。 「ふむ。。。 あとは展示コーナーか。。。」 ざっと見回して状況を確認した久遠は、そそくさとその場を後にした。 CTaは久々に見る、かえでは初めて見る久遠の本気モードに、ただただ驚くばかりであった。。。 その後、東杜田のブースは大いに盛り上がったという。 久遠の活躍もあったが、彼らの神姫、そして東杜田の社員の神姫たちと・・・マスターと神姫たち、皆の手で作り上げられて行く東杜田のブース。 久遠が、全員に廻したメモにはこう記されていたという。 -今日は武装神姫のお祭り、神姫もマスターも、みんなで楽しまなくっちゃ- お祭りを楽しむマスターと、盛り上げる神姫たち。 ここにいるのは、戦うことを忘れた武装神姫。。。 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2769.html
マイナスから始める初めての武装神姫[20xx] 20xx年某所。神姫バトルプレイヤーになりたい貧乏学生、武井峡次。 だがそこにやってきた神姫は、ある欠陥を抱えていた。 書いた人:新井しーな(ドキドキハウリンの中の人) 登場人物一覧 引越編 八畳一間のアパート、巴荘。そこに、新しい住人が越してくる。 マイナス☆その1 20xx.4.4 マイナス☆その2 20xx.4.4 前編 20xx.4.5 後編 マイナス☆その3 20xx.4.5 前編 20xx.4.5 後編 >エロあり マイナス☆その4 20xx.4.6 マイナス☆その5 20xx.4.6 秋葉原編 鳥小の勧めで、秋葉原に向かう事にした峡次。だが、そこでは……? マイナス☆その6 20xx.4.6 前編 20xx.4.6 後編 >エロあり マイナス☆その7 20xx.4.6 前編 20xx.4.6 後編 マイナス☆その8 20xx.4.6 >エロあり バイト探し編 活動資金を稼ぐため、バイトを探す事にした峡次。果たしてノリコは無事戦えるようになるのか。 マイナス☆その9 20xx.4.中旬 前編 20xx.4.中旬 後編 マイナス☆その10 20xx.4.下旬 >エロあり >犬子さんの土下座ライフ。と設定的リンクあり マイナス☆その11 20xx.4.下旬 前編 20xx.4.下旬 後編 マイナス☆その12 20xx 一学期中間テスト >エロあり トイズ編 バイト先での研修を始めた峡次。けれど研修先の面々は、一筋縄ではいかない連中ばかりで。 13話時点での登場人物一覧 マイナス☆その13 20xx.5.下旬 >微エロあり マイナス☆その14 20xx.5.下旬 前編 20xx.5.下旬 後編 マイナス☆その15 20xx.6.初旬 マイナス☆その16 20xx.6.上旬 >エロあり マイナス☆その17(New!) 20xx.6.中旬 番外編 鋼月十貴のケース ケース☆その1 20xx.4.2 前編 20xx.4.2 後編 >微エロあり ケース☆その2 20xx.4.6 前編 20xx.4.6 後編 フラグメント フラグメント 01 >エロあり・ダーク系設定あり フラグメント 02 >エロあり・ダーク系設定あり フラグメント 03 >神姫破壊描写・エロあり・ダーク系設定あり フラグメント 04 >エロあり・ダーク系設定あり 今日 - 昨日 - 合計 - 名前 コメント すべてのコメントを見る フラグメントの続きが気になります。なんとなく空気が好きな作品です。 -- (通りすがり) 2012-12-10 13 59 02 ありがとうございます! ぼちぼちペースになるかと思いますが、よろしくお願いします -- (あらい) 2012-11-05 16 47 32 復活おめでとうございますヽ(^0^)ノ、続きが読めるとは嬉しいです -- (ナナシ) 2012-10-30 20 02 05
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/505.html
戦うことを忘れた武装神姫 その16 ・・・その15の続き・・・ 何年前になろうか。 ・・・武装神姫、一般発売。 その翌年、バトルサービス開始。 各地で繰り広げられる熱い戦い、築かれてゆくつながり。ペアが生まれ、 チームが編成され・・・ 楽しむために戦う、仲間と集うために戦う。 そして・・・ 名誉と、賞金のために-。 スポンサーが付き、賞金のかかる試合もぼちぼち増えてきた頃。 とある町の、小さなチーム。彼らもまた、神姫バトルで賞金を稼ぐ者たち のあつまりであった。 彼らは、全員がストラーフのみを所有し、「黒い嵐」とも呼ばれた強豪で あった。 その中で、試合へ出向く神姫たちの、トレーニングをする際の 相手だけを務めるストラーフが居た。 特定のオーナーを持たず、 名前も与えられず。 表舞台へと向かう仲間が、新たに編み出した技を確かめ、オーナーたちが 試作した武器や技術を試すため・・・。 勝利を収めても、誉めてくれるオーナーはいない。 負傷しても、慰めてくれるオーナーもいない。 ただ独り、ひたすらに、黙々と、与えられた仕事をこなす。心を持つこと なく、まさに「機械」としての日常-。 そんな毎日を送る彼女を、一人だけ「仲間」と呼ぶ者がいた。 チームのリーダーで、最も成熟した心を持つストラーフ。 手加減のない 模擬戦のあとでも、必ず彼女のことを気にかけ、破損があろうものなら、 自らの損傷は後回しにして、真っ先に彼女の修復を申し出ることも。 「貴方のおかげで、私たちは常に頂点に居ることができるんですから。」 これが、リーダーの口癖だった。 しかしオーナーたちの中で、その意味を理解していた者は-、いなかった。 「毎日のように貴方は私たちと、対等の戦いを繰り広げ、次々に渡される 新型機器を、いとも容易く扱える。 もっと自信を持ちなさい。 ソロの 対戦なら、貴方が最も強い神姫かもしれませんよ。」 ある日、模擬戦で彼女が勝利を収めた際、リーダーが彼女に言った言葉。 いつも日陰者と自称していた彼女にとって、今までにない程の、暖かく、 熱い言葉-。 胸に、こみ上げる思い。 オーナーを持たない彼女に「こころ」が、芽生えた瞬間-。チームリーダー の証である、蠍のマーキングが施された自らの頬を指しながら言った。 「いずれ貴方も、表舞台で先頭に立てるといいですね。」 そして、この会話が、彼女とリーダーの最後の会話となった。 翌日の公式戦終了後、リーダーを収納したボックスが、何者かに持ち去ら れてしまったのだ。 リーダーのストラーフを失ったチームは、徐々にランクを下げていった。 それに比例するかのように、彼女への仕事-、いや、仕打ちと言った方が いいかもしれない- は、凄惨なものへと変化を遂げた。 勝つために作った力任せ・反則スレスレの改造武器を持たせ、彼女を動く 標的として-。 たとえ装備が破損してもそのままに、自らでの簡易修復 が限界の毎日-。 やがて、彼女自身が損傷を受け、まともに動く事すら 出来なくなった。 鍛錬の相手が居なくなり、チームはついにランク外へ と陥落。。。 ここで、ようやく彼女の存在意義、存在の大きさに気づいたオーナー連中。 息も絶え絶えの彼女を、大急ぎで東杜田の片隅にある工場へと持ち込んだ。 どんな損傷を受けたロボットをも生き返らせる技術者がいるというウワサ を聞いて・・・。 だが。 そこの技術者の答えは「修復不可能」との返答。長期間、内部損傷を放置 したため、コアへも損傷が生じてしまった、というものだった。 オーナー連中が出した結論は-、 チーム解散。 リーダーを失い、陰の立役者を失ったチームが、勝ち続けることは不可能 だった。 オーナーたちは、それぞれの所有する神姫を手に、それぞれの 道へと戻る-。 オーナーを持たない彼女は・・・ 研究所へ残された。 オーナー連中が立ち去り、静かになった研究室の片隅。 彼女を診断した技術者が、彼女を手に取り、にやりと笑みを浮かべた。 「・・・お前のことはよく知っているぞ。 リーダーが、徹底的に誉めて いたからな。」 いきなりのその言葉に、彼女は目を丸くした。 「時折来ていたんだよなー、あいつ・・・。 本当にいいやつだったよ。 無事でいてくれればいんだけど・・・ お前もそう思うだろ?」 彼女に、涙がわき上がった。 機械の身体であるはずなのに、何故、涙が 出るのだろう・・・。訊かずとも、技術者がすぐに答えた。 「泣いたな。 お前は、今や機械じゃない。 立派なひとりの『神姫』と なったからだよ・・・。」 ぼろぼろの身体をそっと撫でる技術者。はじめて、信頼できる「人間」が、 目の前にいる・・・。 自らの動力は、もう息絶えようとしているけれど・・・。 今までがんばってきて、良かった・・・。 「さて。と・・・って、こらこら! 一人で感動シーンをやってるんじゃ ないよ。 お前はまだ終わっちゃいないんだから。」 ごりごりと、ちょっと乱暴に頭を撫でる技術者。 「ああ言えば、あいつらはスンナリ納得して、お前を置いて帰るだろうと 思ったんだ。 ま、それもこれもあたしの腕と信頼があっての事だけど。」 そう言いながら、技術者は彼女を作業台へと運んだ。山と積まれた工具、 機材、そして素材。 「お前を見捨てるようなやつらは、ホンモノの神姫使いじゃないよ。私が ホンモノの神姫使いと巡り合わせてやる。 そうさ、これからがお前の、 本当の『武装神姫』として生きていく時間になるんだ-。」 と、技術者が言った。 彼女はそれが何を意味するかすぐに理解できた。 まだ、いける。 明日が、ある・・・!! 「・・・なんだけどねー。 あんたを救う代わりに、あたしの実証実験に 少し協力しなさーい! それがあたしへの報酬さっ!」 突如、小悪魔のような笑みを浮かべた技術者。 だが、そこに悪意は一切 なく、むしろ彼女への愛情のある顔付きだった・・・。 先とはうってかわり、機材を駆使してのテッテー的な破損個所の洗い出し を行い、詳細な修復計画を立てた技術者。まずはメインボディの修復作業 を行こととし、いったん動力を落とす旨を彼女に告げた。音声回路も破損 しかけ、かすれた声しか出せななくなっていた彼女は、ノイズ交じりの声 で、ひとつのお願いをした。 -いままでの記憶を、全て残してほしい- その願いに、技術者が目を丸くした。 本当にいいのか?と、問いかける 技術者に、彼女は強い意志を持った眼差しで答えた。 -記憶を消したら、私ではなくなってしまう- その答えに技術者は再びにやりと笑みを口元に浮かべると、彼女をそっと 撫でて、やさしく言った。 「へっ・・・泣かせる神姫だなぁ、お前は。 よーし、わかった。あたし がお前を、世界で一番の神姫にしてやる。 人間をオーナーにしてしまう くらいの、強く、かっこいい神姫に-。」 数日後。 彼女が目を覚ますと、初めて見る顔の人間がいた。 彼の肩や 胸のポケットには、3人の神姫が。猫、犬、白・・・。 「・・・なーるほどね。 そりゃー大変だったねぇ。」 「いいやつだよー。・・・ちょっと意地っ張りだけど。」 「いやぁ、構わない構わない。 話を聞いたら、なおさらウチに居て欲し くなったよ。」 その男は、技術者と親しそうに会話をしている。 やがて一段落付いたの だろうか、彼女の元へとやってきた。 と、彼女はひとつの異変に気づいた。 彼は、私のマスターだ・・・。 すぐに、認識が出来た。 そう、正式な 起動を行い、造られてから、はじめての「マスター」を得たのだ。。。 ・・・私の・・・マスター・・・ もう、独りでは・・・無いんだ・・・!!! 「どうも、はじめまして。 君のマスターになる、『ヒサトオ』っちゅー 者ですわ。 んで、こっちがエルガ、シンメイ、イオ・・・。」 それぞれの神姫が、彼女の前に降りて会釈をする。 「・・・ところで、君の名前は?」 うれしさがこみ上げる中、彼がふと尋ねた。 返答に困る彼女。 今まで、 名前で呼ばれたことなど無い・・・。 すると、技術者がさらさらと紙に文字を書いた。 「日はまた昇る、の『Rise』から音だけもらって、ちょいと綴りを変えた んだけどねー。 どお? いいでしょ。 なんたって、この数日かけて 考えた名前なんだからねっ!」 涙でにじむ視界に、ぼんやりと、しかしはっきりと浮かび上がった文字。 それは-。 「 -Lize- リゼ=ストラーフ 」 ・・・>続くっ!>・・・ <その15 へ戻る< >その17 へ進む> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2201.html
戦うことを忘れた武装神姫 その42 ・・・初雪が噂される、12月24日の神姫センターで開かれた、公式のクリスマスイベント戦で、鬼神の如く、次々と勝利を収めるツガルの姿があった。 1戦終えるごとに、ツガルのマスターは装備のメンテナンス・調整を短時間で行い、すぐさま次の試合に送り出す。 フィールドに戻ったツガルは、再びツガルらしからぬ荒々しい、しかし華麗なバトルを展開し、わずかな時間でまた1勝を上げていた。 数年前のある日。 レンガ造りを模した建物にテナントで入る神姫ショップのショーウインドウに、武装神姫のディスプレイとして、ツガルが仮起動状態でそっと置かれた。 どうやら昨年は、アーンヴァルが同じ場所に置かれ、仲間の道しるべとなるべくこの任務をこなしていたらしい・・・。AIは起動しているツガルは、準備する店員の会話を聴きながら、初めて見る外の世界にワクワクを覚えていた。 ・・・夏から秋へと移ろいゆく季節を眺め、足を止めて自分を見てくれる人に、動くことは出来ないけれどココロでアピールをする。ちょっと退屈だけども毎日がちょっとずつ違う、そんな日々を送っていたツガルは、いつしか店の前を行く人たちの表情に興味を持つようになった。 どんなことを考えているんだろう、どんな日常を送っているんだろう・・・。 そんなことを考えるだけでも楽しくなってきた、冬の日。 ツガルは、店の前の通り向こうの街灯の下に立つひとりの男に目が止まった。 髪をきれいに整え、手にはプレゼントと思しききれいな包みを手にして、覚えている限りではもう1時間も立ち続けている・・・。 いったい、誰を待っているのだろう。時々手に息をかけて温めては腕時計に目を移したりしながらも、疲れたそぶりも見せることなくただ立っていた。 そうか、大切な人を待っているのかもしれない・・・。ツガルは、男の様子をそっと見つめていた。 しかし、周囲の店の明かりも徐々に消え始め、人通りが少なくなってきても、まだ同じ場所で寒さをこらえる男。あれからさらに2時間は経過している・・・。 北風にこらえきれなくなった男が、そばの自販機に目を向けた、その瞬間。 男の動きが、止まった。 視線の先には、楽しそうに会話をしながら歩みゆくカップル。手には、互いにきれいな袋を持っている・・・。 カップルがツガルの視界から消えたとき、待っていた男は手にした袋を落とし・・・いや、がくりと膝を落としていた。 ツガルは、男の身に何が起きたか、考えることもなくすぐに理解できた。歩みゆく人の視線を気にすることもなく、膝を地に付けたまま小さく震える男の背中。 ツガルのいる店の灯りが落とされるころ、男はようやく腰を上げ、力ない足取りでツガルを横目で眺めながら、きらめく街の中へと消えていった。 翌日。 ショーウインドゥに居たツガルは、突如指名を受けてオーナーを得ることになった。 ツガルのオーナーこそ、昨晩の姿からは想像も出来ないラフな姿で店に現れた、あの男・・・。 一部始終をツガルが見ていたことに気づいていたのか、はたまた単なる偶然か。 だが、ツガルはあえて聞くことはしなかった。いや、昨晩の姿を見てしまっていただけに、聞くことができなかった・・・。 その日から、ツガルは新たな名をもらい、男の神姫としての日常を送ることになった。 バトルあり、おでかけあり、時に叱られたり、時に涙したり。ごくごく当たり前の、とても楽しい毎日を送り、あっという間に1年が経過しようとしていた。 やがて巡ってきた12月。 ツガルは、男の様子が少しおかしいことに気づいた。 日が進むにつれて徐々に顔色が悪くなる男。 もちろん仕事が忙しくなっていることもあるのかもしれない。しかし、これは・・・。去年の出来事を、ありありと思い出したツガル。おそらく、男もまた思い出しているに違いない・・・。そこでツガルは、男にひとつの提案をした。 「クリスマスを・・・ぶっ飛ばしてみませんか?」 その日から、時間が許す限り、ツガルと男は地元の神姫センターに通い始めた。 クリスマスに開かれる、公式イベント戦を目標に、ふたりは公式・非公式問わず、出来る限りのバトル経験を積み、結果この年のクリスマスのイベント戦では、経験が浅いにもかかわらず見事3位入賞を果たした。 副賞をもらう時の男の笑顔に、ツガルは何か、サンタ型として贈る事が出来た気がした。同時に、男から、笑顔というプレゼントをもらった気も・・・。 そして。 男の神姫となってから3年。 昨年のクリスマスイベント戦では見事に優勝し、今年は防衛戦でもある。 まだまだ予選ではあるが、決して手を抜くことなくまたひとつ勝利を収めたツガル。 元々男が、小さなロボットや工業・産業機械の設計に携わる仕事をしていることもあり、非の打ち所がない完全なメンテナンス・調整が施さたツガルは、常に最高のパフォーマンスを発揮し、またツガルも男の気持ちに応えるべく、鋭く、美しく、フィールドを舞い続ける。 ギャラリーからもため息が漏れる見事な戦いぶり、今年の優勝は・・・という声すらも聞こえる中、ふたりは今年もクリスマスをぶっ飛ばすべく・・・またひとつ、勝利ポイントを上げていた。 ・・・あの日のような姿は、二度と見たくない。 私が見たいのは、笑顔。 あの人の笑顔がいつでも見たいから、私は舞う。 そう。 いつの日か、出会った日の事を笑顔で語り合える日が来るまで-。 勝つための戦うことは忘れ、笑顔を忘れないために戦う神姫がいる。 彼女は、笑顔を射止める紅き弾丸。 ~ツガルのマーヤ~ <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/581.html
戦うことを忘れた武装神姫 その20 ・・・その19の続き・・・ フィーナの次のオーナーは・・・なんとティナのオーナーの、かえで。 CTaにティナのメンテナンスを頼んだ際に、フィーナの話を聞いたかえでは、 その場でフィーナを迎え入れたいと申し出たとか。 もっとも、この流れは CTaの計らいも少なからずあったようだが、リーダーの希望もあったらしい。 そして、リーダーは本名の「フィーナ」として、かえでの元で新たな生活を 始めていた。 「あーっ! リーダー! 元気してた?」 かえでの肩の上の「リーダー」に、リゼは久遠のポケットから顔を出し手を 振って応える。 「もう、リーダーじゃないですっ。 フィーナと呼びなさい!」 と、叱るフィーナの顔は、大変に穏やかな・・・笑顔だった。 その様子に、雑誌社の一人が気づき、カメラマンを含めた数人がやってきた。 色の濃い度付きスポーツグラスをしていた久遠だったが、あっさりとバレて しまった模様。 「・・・久遠さんですよね?すみませんがバイクを降りずに、そのスタイル の写真を撮らせていただけませんか。 それと、神姫の皆様はどちらにいま すか?」 久遠はちょっと苦笑いを浮かべるも、 「ウチの連中なら・・・ほら、ここに。」 とポケットを開くと、お揃いのゴーグルを着けたエルガ、シンメイ、イオ、 そしてリゼを、ハンドルやバーパッド部分に座らせた。 彼は、神姫たちに プレス連中の希望する希望するポーズを取らせる。もちろん、彼自身も。 「どうもありがとうございます、良い絵が撮れました!」 深々と頭を下げるプレス陣。 「今回の特集ページの表紙に、是非使わせて下さい!!」 「いや・・・そんな急に言われても・・・」 困惑する久遠に、フィーナが言った。 「良いのではないですか? 久遠さんは、今回の大会の主役でもあるのです から。 もっと堂々として下さい。」 「そ、そうなのか?」 「フィーナぁ、それはにゃーさんにはできないよー。 どうがんばっても、 いっつもでれんちょだもん。」 と、間髪入れずにエルガが言う。頷くシンメイ、リゼ、イオ。 その様子に かえでたちも、プレスも笑う。 場の雰囲気がさらに和む。。。 久遠とサイトウの対戦以降、久遠の言うところの「バトルの質」が向上した という。 神姫を持つ者に、神姫のバトルとは一体何なのか?・・・という 問いかけをした対戦にもなったようだ。 もちろん、M町のセンターも大きく雰囲気が変わった。 警察沙汰にもなったあの一件で、店長は相当立場が危なくなったようだが、 久遠の働きかけもあり、なんとか公認の看板は守り通した。 神姫に詳しく ないアルバイトはいなくなり、代わって学生時代から入り浸っていたような 良い意味で「濃い」連中が正社員や契約社員の形で入り、店内も大幅に改装 された。 また上の階に東杜田技研・HT-NEKの直営店が入店し、いつでも 気軽に立ち寄って相談できる場所となり、より一層人気のセンターとなって いった。。。 「なんだ、このポスターは。。。」 センターに入ろうとした久遠、ドアに張り出されたポスターに目が止まった。 あの時の「とつげきしゃもじ」エルガと「工臨壱式」シンメイが火花を散ら している、何とも不思議なスタイル。 真ん中に書かれた文字は- 、 <第1回 カッコイイ神姫選手権> 「うはっ、本当にこのタイトル使うとは思わなかったぞ。」 苦笑いする久遠を、店長が出迎えた。 「どうも、お待ちしていました。 皆さんお待ちかねですよ。」 ・・・この日、M町のセンターで開催されるイベント、それが「カッコイイ 神姫選手権」。 リゼが叫んだ、「カッコイイ神姫」は、一部の連中の間で かなりの流行になり、それならば、とM町の店長が久遠とCTaに働きかけ、 東杜田技研に協力を得て、さらには各メディアをも巻き込み、挙げ句は公式 のお墨付きまで付いた一大イベントに仕立ててしまったのだ。 「店長・・・やるときゃやるんですね。。。」 一歩踏み入れるや否や、久遠は想像を超えた店内の盛り上がりに、半ば呆れ つつも店長の行動力に驚きを隠せなかった。 「まぁね。 それなりのネットワークは持っているつもりだから。」 店長はそう言いながら、久遠にタイムテーブルの確認表を手渡した。内容を 確認する久遠の目が、オープニング部分でいきなり固まった。 カッコイイ神姫とはどんな神姫か? 戦い続ける神姫でも、 戦いを忘れた神姫でも、 仕事に就いている神姫でも、 誰もがカッコイイ神姫になれる。 集え、我こそはと思うカッコイイ神姫たち。 今ここで、神姫の新しい歴史の1ページを造ろう-。 「ちょ、ちょっと店長、これ俺が言うんですか?」 「そうだけど。」 目が点になる久遠に、事も無げに流す店長。 「誰がこんなこっぱずかしい台詞考えたんだっ!」 「あたしだよ。」 聞き飽きるほど聞き慣れた声と共に、久遠の後頭部をどつく人物。メイド姿 のDr.CTaが、久遠の背後に立っていた。 「二晩かかったんだぞ、このオープニングを考えるのに。」 「・・・。 勘弁してくれ、俺はそういうキャラクターじゃないっつーの。 それこそ、お前が言えや。」 「やだよ、こんな台詞。恥ずかしいもん。」 「・・・ハァ・・・。」 肩をガックリ落とし、ため息の久遠に、リゼが耳元にのぼって言った。 「なぁ、ヌシさん。どうせあたしらが初っ端でデモンストレーションをする だろ? それと絡めて、あたしたちが言ってやるよ。」 「そうか? じゃ、お願いしちゃおうかな〜。」 と言う久遠に、イオが顔を出して続けた。 「そのかわり、終わったら上で何か買って下さいね、全員に。」 なんか謀られた気がすると思いつつも、自分で言うよりはマシと考え直し、 さくさくと準備に取り掛かった。 この選手権はバトル型式ではない。 各オーナー、神姫が「カッコイイ」と 思うパフォーマンスを設けられた制限時間内で行い、審査してランキングを するだけ。 審査員にはそうそうたるメンバーが並ぶ。 エルゴの店長や、 東杜田技研の社長、本名を明かさないと言う契約で神姫開発者も一人招いた とも。 そして、審査委員長に・・・なんと久遠。彼の神姫たちも、4人で 一人の扱いではあるが審査員に名を連ねていた。もちろん。CTaも審査員に なっている。。。 エントリー期間はわずか数日間だったにもかかわらず、相当数の応募があり、 事前審査を行うほどであった。事前審査を経て厳選された十数組が、普段は バトルで使われるフィールドを舞台として用い、歌に踊りに模擬戦に、果て はマスターをも絡めたお笑いまで、何でもアリの展開がなされるであろう。 カッコイイに、形はないのだから・・・。 やがて、選手権の開会時刻に。 司会・進行は、店長の神姫、白子のアスタ と兎子のコリン。 2人とも、見事なまでの司会者スタイル。審査員に続い て選手が入場し、ギャラリーが拍手で迎える。 生活感あふれるスタイル、オーナーの持つみかんの段ボール箱に入って入場 する神姫あり。オーナーが操縦するラジコンヘリに乗り、BGMまで用意して 派手に入場する神姫あり。オーナーと同じ姿、すなわちお揃いのコスプレを した神姫も。。。 その中に、かえでの姿があった。 おもしろ半分で応募したところ、見事に 選出されてしまい、選手として参加することになってしまったのだ。 当初 は乗り気でなかったフィーナだったが、かえでの熱意に負けてティナと共に 出ることにした。 PDA状態のティナと、戦闘のプロのフィーナが、高校生 オーナーのかえでと、どんなかっこよさを見せてくれるのか- 。 「それでは・・・名誉カッコイイ神姫の入場ですっ!!」 コリンの声で、最後に久遠たちが入場する。 彼は神姫たちにいちばん好評だったオフ車乗りのスタイルのまま登場。 神姫たちも、それぞれにカッコイイと思うスタイルで、久遠の肩や手に乗り、 堂々と入場。 エルガは、新調した特製バトル用ホワイトエプロンにおたま。 シンメイは、工臨壱式スタイルで、6mmレンチを背中に付けて。 イオは、あの時と同じ装備をより一層軽快にしたモードでフワフワと。 リゼは・・・マイクスタンドをくくりつけたサブパワーユニットを手に。 ギャラリーから、より一層大きな拍手がわき起こる。 フィールドに歩み寄る久遠。 そこには、ちいさな舞台がスポットライトで 照らし出されている。 彼は神姫たちをフィールドに乗せた。舞台上に上が る4人。 それぞれの考える「カッコイイ」姿をそれぞれのパフォーマンス で魅せる、このイベントの目玉の一つが始まろうとしていた。 舞台の真ん中に立ったリゼは、くくりつけたマイクを外し、オリジナル曲を アカペラで歌った。 美声に静まり返る店内。 歌い上げたリゼはパワーユニットを背負うと、3人に目で合図を送る。 エルガ、シンメイ、イオ、そしてリゼの4人は、それぞれにスタイルを決め、 あの台詞が静まり返った店内に響き渡った。 「カッコイイ神姫とは、どんな神姫か?」 変わらぬ毎日の中でも、自らを常に磨き続ける神姫がいる。 何気ない日常の中で、「カッコイイ」を目指す神姫がいる。 武装神姫であるために、目指すものがあり、忘れないものがある。 そう、ここにいるのは、戦いを忘れず、戦うことを忘れた武装神姫。。。 ・・・ 第2部「What's Battle style? -It's my Life style.」 了 ・・・ <その19 へ戻る< <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/377.html
戦うことを忘れた武装神姫 その6 ・・・Dr.CTa。久遠とは大学の同期であり、両人とも腐れ縁を認めている。 Dr.と付くだけあって、所属する会社に於いてはそれなりの地位にあり、特にロボット工学では相当の研究成果を出してはいる才女・・・なのだが、その実は「腐女子」だと陰で囁かれている。 そんな彼女の手元には、サイフォス型の「ヴェルナ」と紅緒型の「沙羅」の、2体の神姫が住み着いている。しかしこの2体、顔が・・・明らかに通常のタイプと違う。 「雨、降ってきたっすね・・・。」 デスクで打ち出されたデータとにらめっこするCTaの脇で、コーヒーの缶に腰掛けた沙羅が、窓の外を見ながら呟いた。 「うむ。確か今朝の予報では、降水確率は70%だったな。」 ちらりと目を窓に向け、再びデータの山に向かうCTa・・・と、彼女の袖をヴェルナが引っ張っていた。 「マスター、そろそろ休憩の時間です。お茶菓子を用意しました。」 「おぉ、ありがと。」 ヴェルナから茶菓子のあんまんを受け取ると、ちぎって沙羅とヴェルナにも分け与えた。 CTaが勤務するのは、通称「ちっちゃいもの研」。体内マイクロマシンなど超小型機器の研究施設である。仕事上のつながり・・・というより腐れ縁の立場を利用されてか、久遠の神姫のメンテナンスもCTaは受け持っている。 顔見知りなのでタダではあるが、その代わり自らの研究材料としての利用もしている。そのひとつが、久遠の神姫にも搭載されている「食事」機能。 「あっちー!!」 渡されたあんまんにすぐかじりつき、餡の熱さに思わず声をあげた沙羅。 「これこれ沙羅、餡は熱いんだから。十分冷ましてからにせぇよ。」 と言いながら、CTaも餡を冷ましている。 「ところでマスター、今日は夕刻より久遠様と会議なのでは?」 一足先に食べ終えたヴェルナは、PDAを操作して予定表を確認していた。 そこには、「久遠・緊急用件@居酒屋・時刻1830」の文字が。 「あっ! 忘れてたっ!! いっけねぇ、何も用意してないぞっ!!」 あんまんを押し込むように食べ、むせ返るCTa。 「マスター・・・。」 その手元からは、沙羅とヴェルナの寒い視線がCTaに向けられていた。 沙羅とヴェルナは、いわゆる「捨てられた」神姫だった。 とある雨の日、久遠がシンメイを連れて買い物に出た帰り道だった。近道でもある河川敷を歩いていた際に、シンメイが消え入りそうな神姫のSOSシグナルを受信、周囲を捜索するとコアユニット、すなわち頭部が無惨にも破壊された 神姫を2体発見する。 それが、沙羅とヴェルナだった。 とても自らの手では修理できないと判断した久遠は、CTaに修復を依頼。コアユニットの修復はCTaも初めてであったようだが、他機種のガワを上手いこと流用し、数日後には見事に美しく修復させた。 当初、久遠が2体とも引き受ける予定であったのだが、情が移ってしまったのであろうか、CTaが自らのサポート用として、引き取ったのである。 「ふぇ・・・へぶしっ! 冷たいっ雨すねぇ。。。」 「おっと、ごめんよ。沙羅は雨が苦手だったよね。」 雨の中、待ち合わせの居酒屋へ急ぐCTaは、肩に乗せていた沙羅に小さな傘を持たせた。と、CTaの持つ鞄から、合羽を着込んだヴェルナが顔を出した。 「待ち合わせ時刻まで、残り6分と30秒です。間に合いますか?」 「だーっ!わかっとるわぃ!だからこうして急いでいるんじゃないかっ!」 「あ、マスター・・・あと20m先なんですが、私の計算ですと・・・」 「うん? なに?」 「工事に伴う歩道上の段差で、おそらく蹴躓い・・・」 どんがらがっちゃ。 ばしゃ、べっちゃり。 ヴェルナの方を振り向いた瞬間。見事、ヴェルナの予測通りの段差に蹴躓き、資材置き場にダイブするCTa。そして水のたまったブルーシートの上へ沈む。 「い、いてて・・・ ヴェルナっ!そういう事はもっと早く言うことっ!」 「も、申し訳ありません!」 鞄から転がり落ちて、ヴェルナは水たまりに填っている。 「ん、んん? あっ!沙羅っ!!」 体を起こしたCTaは、肩に乗せていた沙羅がどこかへ飛んでいったことに気がついた。ずぶ濡れのまま、あたりを見回すと・・・ 「・・・。」 目の前には、気の毒な表情を作ろうとしているものの笑いをこらえているのが一目でわかる、なんとも変な顔付きをした久遠が立っていた。そして彼の左手には、目を回した沙羅が。 「何やっているんだ? いきなり沙羅は飛んでくるし。何かしでかして思わず 投げ飛ばしたんじゃないかと思ったぞ。」 「うるさい。滑って転んだだけだ。」 むくれっ面で、ヴェルナと鞄を拾い上げるCTa。 「いえ、私の不注ぃ・・・むぐっ!」 と、CTaの手の中でヴェルナが何か言いかけたが、CTaは遮るようにヴェルナの口を塞いだ。 「沙羅じゃないけど、あたしも雨は苦手でね。目も悪いしぃ。」 「でも、私が・・・」 と、何か言いたそうなヴェルナを黙らせるかのように、どこからか取り出したタオルに包み込む。 「いんだよ。さぁ、沙羅もいつまでも目ぇ廻してないで。」 そう言いながら久遠から沙羅を受け取ると、ヴェルナを入れたタオルに併せて放り込むと、ちょっと乱暴に、がしがしと拭きあげる。そして。。。 「お前、風邪ひくぞ。」 その脇では、CTaに拾い上げた傘をずっとさし続ける久遠。 「何だよ。別にそこでつっ立っていなくて・・・ひっくしょん!」 振り返った瞬間、CTaは久遠にくしゃみをぶっかけてしまう。 「あ・・・ごめん・・・。」 「・・・。とりあえずこいつらは俺が拭いておくから。お前はそこの中武で服買ってこいや。」 久遠はひったくるようにヴェルナと沙羅の入ったタオルをCTaの手から取ると、代わりに傘を差しだした。 「くっそぉ、こんな事でポイント稼がれるとは・・・。」 ブツブツ言いながらも素直に中武へと消えるCTa。 「全く、素直じゃないんだから。」 ため息混じりにその後ろ姿を追う久遠。 彼の手元では、沙羅とヴェルナがタオルの隙間から顔を出し、ぼそっとため息混じりに呟いていた。 「あーあ、ダメっすねー。 素直じゃないのも、朴念仁なのも・・・」 「お互い様、ですねぇ。これじゃ苦労しますよ、久遠様の4人も・・・。」 そして顔を見合わせて、 『はぁ・・・。』 大きくため息の二人。 マスターの将来までをも心配する、お節介な神姫がいる。 そう、ここに居るのは、戦うことを忘れた武装神姫。。。 ・・・>その7へ続くっ!!>・・・ <その5 へ戻る< >その7 へ進む> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/728.html
戦うことを忘れた武装神姫 その27 ・・・T市のとある居酒屋。 カウンターで兎子を前に酒を飲んでいた男に、隣に座るストラーフを連れた男 が話しかけてきた。。。 ・ ・ ・ -おや、あなたも神姫をもっているのですか。 珍しい配色ですね、なんとも 美しい空色で・・・特殊強化塗装でン万・・・? いやはや、その愛情に脱帽 ですわ。 今日がここは初めて・・・そりゃどうも、どうぞよろしく。 -はぁ、ここには神姫愛好者が多く集まるから情報を集めるにはいいと言われ た・・・ なるなる、そうですか。 ほぉ、K屋のリーグで5位に入賞したの ですか・・・それはおめでとうございます。あの店は強豪が集いますからねー。 -え? ウチ? いえいえ、ウチらはバトルはしないんですよ。造った装備の 試験とかで、草リーグに遊びに出ることはありますけどねー。 -・・・何で戦わないかって? -うーん・・・手っ取り早く言えば、神姫の身になって考えると、戦わせられ ない、ってところですか。考えてもみてくださいよ。いくら自分で育てたとは いえ、そいつらを戦わせるんですよ? 基本がそういうプログラムだとはいって も、服従させてるみたいでどうしてもなじめなくって。 -ほら、今も長寿番組でやってるアレ、モンスターを戦わせる、ゲームが元の アニメ- あれもウチはあんまし好きにはなれないんですよ。 結局、オーナー だのマスターだのの、道具でしかない存在でしょ、あれじゃ。 -道具じゃなくて、パートナー・・・。 確かにそうですよね。 でもね、 自分の手を汚すことなく、必死に戦う神姫を離れたところで観戦して、それで 勝ったの負けたのを騒ぐのはどうも納得がいかなく・・・おっと、これは言い すぎましたね。。。 -そんな怖い顔しないでくださいって。 ひとつの考え方としてさらりと流し てくださいってば。 -あ、すんません、生中ひとつとライチサワーを。 あ、おごりですよ。気に せずぐっと行って下さい。 ともかく武装神姫ってぇのは神姫のプロジェクト の中のひとつなわけだし、神姫自体は無理に戦う必要なんて何もないと思うん です。 そうでしょ? -ま、場合によっては神姫自身が宣戦布告したりすることもありますけどね。 少し前にウチの連中も一戦やりましたけれど、あれなんて、こいつがその店の トップランカーにけんか売っちゃっ・・・い、いでででっ!!! ( -ストラーフが、彼の指の股を力いっぱい広げる- ) -悪かったよ、山崎とってやるから許せって。 すんません、山崎12年ロック、 ひとつお願いします。 ・・・あ、そうなんです。 呑んだり食ったりできる ようにちょっといじってありまして。 ( -彼が届けられた山崎ロックを差し出すと、うまそうにすするストラーフ- ) -こいつとの出会いはちょっと特殊だったけれど、ほかの3人はみな一目惚れ ですよ。 -最初は犬猫でしたね。神姫って何かを知らずに買ったんです。 起動させる まで、そう、説明書を読んだ段階では、あくまで戦うロボットという認識しか なかったんですけれどね。 起動させてからはもうダメ。傍に居るパートナー になっちゃったわけで。 -はいはい、おかわりね。お前は前科があるから、あとはサワーを呑むように。 文句いわなーい。 ( -ストラーフの空いた山崎のグラスにサワーを取り分ける彼- ) -だから、時々聞かれたんですよ、初めのころは。「戦わなくていいの?」って。 そのたびに、ウチは「別に戦うだけがすべてじゃない。傍に居てくれるだけで、 それだけでいいんだ。」って答えましたね。 ( -ストラーフ「あたしもヌシさんと居るだけで、それだけでも楽しいもん」- ) -はっはー、そういってもらえるとウチもうれしいねー。 だから、余計な買い ものをしちゃうのかもしれないなー(笑 ( -ストラーフ「あんたも愛情たっぷりの中でやってんじゃん」と兎子に声をかける- ) -ウチもそう思うよー。 何たってヴァッフェバニーっつーとどっちかというと 泥臭い印象が強いけど、ここまでさわやかな兎子さんは初めて見たもんね。 よほどの愛着がないと、そこまでの装備はできないっしょ。 -ありゃ、兎子が泣いてる? ・・・申し訳ないです、なんかせっかくの勝利 ムードに水差すようなことをしゃべっちゃって・・え? 違う? ( -ストラーフが彼に告げる、兎子は今までマスターがなぜそこまで自分に 手をかけていてくれたか、その「愛情」に気づいたんだ、と- ) -あなたの中ではそちらの兎子さん、どんな存在で- ? -でしょ? ね? そこがウチらは言いたかったわけなんですよ!! -いや、いやいやいや、そんなにお礼を言われても・・・そういう人間じゃあ ないですって、ウチは。。。 兎子さんも、そんなに頭下げな・・・ってリゼ! 女王様するんじゃない!! ったく・・・ -ここで語ったのも何かの縁、もうちょっと呑みましょうか。 -ウチがおごりますって。 いやはや・・・じゃぁ、割り勘で! -そうそう。ウチの知り合いに優秀な神姫のメンテ屋が居ましてね・・・ 彼らの話は、終電近くまで続いたという。 ・ ・ ・ それから数ヶ月の後。 K屋のリーグのトップに、ヴァッフェバニーの名があった。 マスターの愛情をたっぷりと注がれた蒼きヴァッフェバニーは、その後公式の リーグでも幾多の勝利を収め、碧空のスナイパーの異名を持つまでになった。 メディアで、インタビューを受けるたびに彼は言ったという。 あの居酒屋で、今でも良き相談相手の「あの」人に出会わなければ、小さくも 大きな「神姫」の「存在」に気づかせてくれたあの夜がなければ、今の僕と、 碧空のヴァッフェ「Blitz」はいなかっただろう、と- 。 <その26 へ戻る< <<トップ へ戻る<<