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こんにちは、悪魔の平沢唯です。 今はお仕事のために友達と待ち合わせをしています。 唯(ぼー……) 紬「ごめんね唯ちゃん、待たせちゃったかしら」 唯「あームギちゃん、全然だよー」 待ち合わせ場所に現れたのは琴吹紬ちゃん、通称ムギちゃん。 おっとりぽわぽわ、かわいい天使さんです。 唯「ムギちゃんはまさに紬という名の天使だね」 紬「え? うん、そうね。それじゃ行きましょうか、今日は神様の祝福を受けたケーキと聖水で淹れた紅茶を持ってきたの」 唯「わーい、休憩時間に食べようね!」 ムギちゃんのお菓子はちょっと舌がピリピリするけどいつも絶品です。 さて、なんで悪魔の私と天使のムギちゃんが仲良くお仕事に出かけるかというと…… もちろん私達悪魔とムギちゃん達天使はライバル同士です。 特に昔はそれはもう大変な争いを起こしていたみたいです。 天使は人間達の信仰心や道徳的な心、悪魔は逆に背徳的な心によってそれぞれ力を得ていました。 それは今も同じです。 だけれど現代では科学の発達によって、人間達は神様も悪魔もあんまり信じなくなってしまいました。 こうなると神様も魔王様も力が全然なくなってしまいます。 そこで神様は天使を、魔王様は悪魔を遣わして必死に人間達を自分達の方へ引き寄せようとしました。 しかし、力が弱くなっているうえに以前よりも激しい争い、そして人間の科学万能主義に阻まれて思うような成果は挙げられず、人々の心はドライになるばかり。 このままでは共倒れになる、そう思った神様と魔王様の間で約束事が交わされました。 天使と悪魔をコンビにして公平に人間達に囁かせるのです! これで縄張り争いのようなことは無くなって、どちらも効率的に力を蓄えられるという狙いでした。 唯「そして私達はなりたてほやほやの新米悪魔と天使さんなのでした!」 紬「一分の隙も矛盾も無い完璧なシステム! そして無駄の無い説明ね!」 唯「もぐもぐ」 紬「あらあら、もうティータイム?」 唯「えへへ、軽く腹ごしらえ。ムギちゃんのお菓子おいしいんだもん」 紬「うふふ、でもあんまりたくさん食べるとまた天国アレルギーで喉がかゆくなっちゃうから気をつけてね? あ、あの娘が今日の最初のターゲットじゃないかしら」 唯「お! えーと名前は……田井中律さん! 通称りっちゃんだね」 律「あー寒いなぁ……、はあ……」 紬「プロフィールには元気一杯の明るい女の子、趣味はドラム、チャームポイントはおでこ、って書いてあるわね」 唯「でもあんまり元気なさそうだね……寒いからかな?」 律「はあ……ん? 何か落ちてる、財布だ。……うわ、6万円も入ってる」 唯「おおう、なんだか典型的なお仕事だよムギちゃん! レッツゴー!」 紬「どんとこいでーす!」 私達の姿は人には見えません、だから人の心の中に入ってお話しをします。 ――――――――― 唯紬「りっちゃん!」 律「うわ! なんだお前ら! ああ、天使と悪魔か、って、え? ……いや、まあいいか」 私達と話したことは、直接は人々の記憶に残りません。 でも今話しかけている心の無意識の部分では天使や悪魔のことを覚えているので、大抵の人は私達が話しかけても慣れたものです。 唯「ふふふ~りっちゃんラッキーだね。ねぇこのお金を持って帰っちゃおうよ~」 律「いや、でもやっぱマズいだろ」 唯「え~。ねえ、りっちゃん周りを見てよ。誰もいないよ? これで新しいスネアが買えるよ? 欲しかったんでしょ? ソナーもカノウプスも思いのままだよ~?」 律「う、そうかな……貰っちゃっても……」 紬「いけないわりっちゃん!」 紬「それを落とした人はきっと困っているはずよ!」 律「そ、そうだよな、大金だしな!」 紬「それにね、それを貰ってしまったらりっちゃん自身がずっと苦しむことになるわ」 律「私自身が? ……良心の呵責ってやつか」 紬「そうよ、だから今すぐ交番に届けましょ? いいことをすると気持ちがいいものなのよ?」 律「そうだよなあ……」 唯「6万円使う方が気持ちいいよ~」 紬「人から感謝される方が素敵だと思うわ」 律「うーん……」 唯「ねぇりっちゃん~」 紬「りっちゃん!」 律「むむむ……」 ――――――――― ポイッ 律「まあ別に欲しいもんも無いし、どうでもいいや。誰か拾うだろ。あー寒ぃ……」 律「ままにならねえなぁ……」 唯「行っちゃった」 紬「面倒になったのね……」 唯「最近こういう人多いらしいね……」 紬「無気力で面倒なことを嫌う現代の若者ね」 こういうどっちつかずの行動は力にならないので、天使も悪魔もがっかりです。 唯「仕方ないね、次行こう次!」 紬「秋山澪ちゃん、趣味はベースと作詞、背が高くてかっこいいけど少し繊細な子だそうよ」 唯「ここが澪ちゃんのハウスだね!」 紬「机に向かって……あら、詩を書いてるみたいね」 澪「うーん、なんかイメージが沸かないなぁ」 唯「ムギちゃん仕事だー!」 紬「今度こそがんばろうね」 ――――――――― 唯「たのもう!」 澪「ん、天使と悪魔か。え? その格好……」 唯「澪ちゃん! ロックなんだし思い切って冒涜的な歌詞を書いちゃおうよ~。悪魔崇拝とか血塗れみたいな感じのさ」 澪「え? あ、ああそうだな。血とか悪魔とかは怖いからいやだけどちょっとくらいなら冒険しても……」 紬「ダメよ澪ちゃん! あなたはまだ高校生の女の子なのよ、もっと教育的で道徳的な歌詞を書くべきだわ」 澪「うーん、確かにあんまり不良っぽい歌詞は私には合わないかもな」 唯「『ばらばら救世主(メシア)』とか『私の恋はチェーンソー』とか!」 紬「『アラーのちブッダ』とか『イエスん ~あまてらすん~』とか!」 澪「もう天使の方無茶苦茶じゃないか」 紬「神様は本来唯一無二のものなの。形は変われど人々の信仰心は等しく神の御力となるのよ」 澪「へー……いや、だからって混ぜなくていいだろ」 唯「さあさあ澪ちゃん!」 澪「えーっと……」 ――――――――― 澪「……」 澪「……敬虔なキリスト教徒の少女が世に絶望して悪魔崇拝に堕ち、親友の助けによって立ち直り、神も悪魔もない自立した人間としての強さを得るまでを詠った壮大な叙事詩ができてしまった……」 唯「……どんな曲がつくのかな?」 紬「シンフォニックメタルかしら……」 唯「ムギちゃん、これはどっちの勝ち?」 紬「人間の勝ち、つまり私達はまたどっちも負けじゃないかしら」 唯「なんか作品はすごく極端なのに結果は微妙だね」 紬「次に行きましょうか……」 澪「はあ……詩なんて書いてもなあ……」 後に『輝け! 実存』と題されたその詩は小説として出版されとある新人賞を受賞しました。 唯「中野梓ちゃん、趣味はギター。あだ名は、うーん……あずにゃんかな」 紬「あずにゃん? 変わったあだ名を付けるのね」 唯「うん、なんか頭に浮かんだんだー」 紬「うふふ、猫みたいで可愛いわね」 唯「あはは、猫っぽい顔だしねー」 梓「はあ……イライラするなあ」 唯「うお、これは悪魔有利な予感! 今回はもらったよ、ムギちゃん!」 紬「まぁ、頑張らないと」 ――――――――― 梓「!? ……ああなんだ、天使さんと悪魔さんですか。何か御用ですか?」 唯「むーそっけないぞ、あずにゃん。イライラしてるんでしょ? 悪いことしてみようよ~夜遊びしたりタバコ吸っちゃったり!」 梓「興味ないですよ」 紬「偉いわ梓ちゃん。じゃあその鬱屈した気持ちを勉強やギターにぶつけてみましょう!」 梓「……それもどうでもいいです」 梓「帰ってもらえますか。今は特に何もしたくないんです」 唯「ふっふっふ……だらだらと怠惰な日々を送るのもまたよいものだよ~」 梓「いいから帰って!!」 唯「ぬっへぇ!」 ――――――――― 梓「……ぐすっ」 唯「不貞寝しちゃったね」 紬「無意識レベルまでご機嫌斜めだったのかしらね」 唯「仕方ないね、次行こ! お、今日の最後のお仕事だ! 名前は」 紬「平沢憂ちゃんね」 唯「んん……?」 紬「どうかしたの? え、この顔は……」 唯「んーわかんないや、とりあえず行ってみよー」 憂「うぅ、ぐすっ、お姉ちゃん……」 唯「泣いてるね」 紬「ねえ唯ちゃん、この娘、やっぱり……」 唯「うん、まあ考えてもしかたないよ! さあ仕事だ仕事だ~」 紬「唯ちゃん……」 ――――――――― 憂「あ、天使さんと悪魔さん……え!?」 唯「うい~何か悲しいことがあったのかい? いいじゃんいいじゃん、何もかもを破壊してしまいたい衝動に身を任せてみようよ~」 憂「あ、あ……」 唯「うい?」 憂「うぅ……うわああああん!」 唯「ちょ、ちょっと泣かないでようい~。おーよしよし」 憂「あ……うぅ……ひっく」 唯「うい~……」 紬「……唯ちゃん、行きましょう」 唯「え、でもお仕事が」 紬「きっと今のこの娘には何を言っても泣いちゃうと思うわ」 唯「……そうだね」 ――――――――― 憂「ぐす……」 唯「……」 2
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おっとりぽわぽわ、色で例えるなら暖色。 ケーキならスポンジかミルフィーユ ビーズ入りのクッション、低反発みたいに押し返してこない、丸ごと全部受け止めてくれる。 琴吹紬と言う人は、優しさとか柔らかさを連想させるものがよく似合うし 実際本人だって優しいし柔らかいし、あったかいし、あとそれにいい匂いだってする。 というわけで私はムギちゃんが大好きだ。 向かい合う私とムギちゃんは、夜の川を小さな船に乗って下り落ちている。 ムギちゃんがオールを持って、船をゆっくりゆっくり漕いでいる。 そういえばムギちゃんのイメージにスローテンポもあった。 きっといつも私たちを後ろから見守ってくれるからそういうイメージがついちゃったんだろうなあ。 あれ?どうしてこんな所にいるんだっけ?思い出を漁ってもこの状況を説明する妥当な理由が見当たらない。 代わりになんだか嫌な気分を思い出した。 「ねえムギちゃんここどこ?いつの間にかこんなところいるからびっくりしちゃった きおくそーしつって奴かな? ああでも、なんだかわかんないけど、ムギちゃんがいてくれてよかったあ。 こんなとこ一人じゃこわいもん。ねえ。ムギちゃん」 ムギちゃんはオールから視線をあげ、私の方を見る。それから優しく微笑んだ。 ムギちゃんが笑うと、私はすごく安心する。 ムギちゃんはまるでお母さんみたいだお姉さんみたいで、隣の家のお婆ちゃんみたいにあったかい 「ねえ、ムギちゃんこれは一体どこに向かうのかなあ。」 オールを漕いでいく時に少しだけ波が立つ。 それ以外水は静かなもんで、音だって私が動くたびに跳ねる水の音だけだ。 ムギちゃんと私の間を遮っていたランプを手に取り、水面を照らし出してみる。 水面を覗いても底は見えない。青の上にかぶせる様にある黒のおかげで顔も映らない。 しぶきがぴしゃり、ぴしゃりと跳ねる。手に少しだけあたった。 「ねえ、ムギちゃん」 返事が随分無いから、顔を上げたらムギちゃんのいる辺りが暗くて見えない。 背筋がひやりとして、ランプを落としそうになって、慌てて持ち直す。 「ムギちゃん?」 元あった場所にランプを下ろせば、ムギちゃんは変わらずオールを漕いでいた。 「ムギちゃん。」 ランプは私たちを遮っていたのではなく、繋げていたのだ。 さっきは疎ましく思ってごめんなさい。 ムギちゃんの声。やっぱり柔らかい。私を否定したことなんか無い声。 やっと聞けたムギちゃんの声に私はすごく安心した。心臓が規則正しく動いている。 「なに?」 「私たちはどこへ向かってるのかしらね。」 「やだあそれ、さっき私も言ったよ。」 「うふふ、そうね、ごめんなさい。」 夢のなかで沢庵だった眉毛をハの字曲げて、ムギちゃんが笑った。 「ねえ、唯ちゃん。」 「うん」 「この世は理不尽ね、理不尽だわ。どうにもならないことがたくさんあるの。 それに私は時々すごく憤るの。腹ただしいの。 オールを自分が持っていないとどこに流されるのか、わからないの。」 腹ただしいだって、憤るだって、ムギちゃんには見当たらなさそうな感情なのに。 似合わなさそうな感情なのに。笑ってるムギちゃんが好きなのに 今だってムギちゃんは怒った顔なんてしてない。悲しそうな顔をしているだけだ。 「この船はどこへ向かうのかしら。」 ムギちゃんはもう一度同じことを繰り返した。 雨が、降り始めた。 しとしとしと。本当は音なんてしないけど、憂と読んだ本にそう書いてあったからそうなんだと思う。 暗い闇の中、細い雨がふる。 ランプには屋根が着いているから今も火はぼうぼうと燃えて、私とムギちゃんをつなげている。 光に当たる雨が、まるで銀の糸みたいにキラキラと光っている。 「このランプ、ムギちゃんみたい。」 「あら?どうして?」 「あったかいもん」 濡れて冷えた体はすっかり感覚を鈍らせているけど、ランプに手をかざせば温かさを感じることはできる。 ああ、感覚はまだ生きていたのかと、ちょっとだけ嬉しい。 「ねえ、ムギちゃん」 「なあに。」 「この世は理不尽なの?どうにもならないことはそんなに溢れきっているの?」 「ええ」 「そーなんだ」 「でも私は、唯ちゃんがいてくれてよかったの。 唯ちゃんとの思い出があるから大丈夫、大丈夫よ。これからも、これから先もずうっと。」 「えへへ」 ムギちゃんはいっつも私の欲しい言葉を見つけてくれる。 見つけて両手で丁寧に渡してくれるもんだから、私はきっとムギちゃんがいなくなってしまったら 寂しくて痛くて泣いちゃうんだろうなあ。 簡単に予想のつく未来はあずにゃん辺りに馬鹿にされそうだけど、でもそれは間違いない未来だ。 だから私はこれからもムギちゃんと一緒にいたい。 「唯ちゃん」 「うん」 「言いたいことがあったの。」 雨。 ムギちゃんのやわかい声とあったかい言葉は、雨の隙間をぬって、私の元に届けられる。 むぎちゃんもびっしょり濡れていて、顔に流れ続ける水滴がランプの光を僅かに反射している。 「色々言いたいことがあったの。唯ちゃんに会えて良かったって。」 「私もだよ。」 「今までありがとうって。唯ちゃんのギターは世界一。あなたは太陽みたいな人。 あのね、私ずっと憧れていたの。唯ちゃんに」 「嘘」 私がムギちゃんに憧れているのに。 キラキラと雨と一緒に光る髪の毛だって、白い肌にだって 気配りができるところとか、優しいところとか、やわらかい声だって、一杯 ムギちゃんは笑っている。 「太陽みたいに笑う唯ちゃん。ギターを弾く唯ちゃん。 たくさん、たくさんあるの。キリが無いくらい。 今まで優しくしてくれてありがとう。 一杯ありがとう。 唯ちゃん伝えたい言葉がこんなにたくさんあったから、 どんどん溢れてしまいそう。 溢れて、溢れてきっとこの船を沈めちゃうわ。」 過去形しか無い言葉達。 ムギちゃんは笑っているけれど、雨が邪魔。 感情の些細な機微がわかんなくなっちゃう。 ムギちゃんはだって嘘つくの上手なんだから、気持ちが解んなくなっちゃう 「楽しかった。嬉しかった。私、唯ちゃん達に会うまでお友達いなかったから 毎日がずうっと新鮮になったの。」 「放課後ティータイムは、私の永遠の宝物。」 寒い。さっきからずっとだ。 雨が降ってるからだって、ランプに手をかざしてももう全然あったかくない。 ムギちゃん、ムギちゃんムギちゃん、ねえ。 「ムギちゃ…わっ!」 ムギちゃんに手を伸ばそうと思って、勢いをつけすぎた 船が大きく揺れて、オールですくわれた水が思いっきりかかっちゃった。 「…………むぎちゃん?」 ランプが消えてしまった。 何もみえない。まっくら 「むぎちゃん」 なんにも見えない。雨の音も聞こえない。オールを漕ぐ音だって。 真っ暗。真っ暗闇。 「むぎちゃん。むぎちゃん、寒いよう。」 「ムギちゃん」 寒いよう。寂しいよう。なんにも見えないだけで、こんなに隙間があくなんて思ってなかった。 かくれんぼで、一人きりになった時みたいだ、置いていかれて日が沈んで 憂に迎えに来てもらう間のあの感覚。それより今はもっと怖い 世界中で自分が一人取り残されたみたいだ。暗い。ムギちゃんに置いて行かれたみたいだ。 鼻の頭がツンとして、喉の奥が痛い。 「唯ちゃん。手、貸して」 ムギちゃんの声が、まるでのれんをかき分けるみたいに私の耳に届く。 ちょっと、いやすごく、とっても安心した。ムギちゃんがそばにいる。 手が伸ばしたら、ぎゅっと両手で包み込む様に握ってくれた。 「あったかい。」 「うふふ。私体温高いから」 あったかいあったかい。そうなんだムギちゃんはあったかいのだ。 やわらかい手、優しい声、あったかい手。 五感全部がムギちゃんを見つける。ああ、感覚はまだ生きていたいのかな私。 「ねえ、どこでも理不尽なことで溢れてるの。血が流れなかった地面が無いみたいに。」 「そうなの?」 「ええ、でも唯ちゃん。それでも本当は大丈夫なのよ。 憤っても悲しくても泣いちゃっても、寂しくったって、 大丈夫なの。唯ちゃん。」 「……うん」 「うん。だから私だって大丈夫。」 ムギちゃんの手が少し震えているから もう片方の手でムギちゃんの手を包んだ。 「冷たい。」 「えへへ。ねえ、ムギちゃん。今泣いてるでしょ。」 「……・言わない」 「私は泣いてるよ。」 「………」 ムギちゃんと私の体温が一緒くたになっていく ほっぺたにあったかい線が流れて、雨と混じって二人の手の上に落ちていく。 「唯ちゃん」 「うん」 「ありがとう。」 「うん。」 「好き。」 「うん」 「唯ちゃんが好き。」 「うん」 「だいすき」 「うん」 「さよなら」 これでおわり ※後日談は1レスで(途中)終わってるためカットしました。 (※二人は死んでません) 戻る
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■登場人物 リ*・一・リ 大手製薬会社の重役を父に持つ、天真爛漫で浮世離れしたお嬢様。ボーッとしている半面、喜怒哀楽がはっきりしたところも。 時代劇ヲタで夏焼さん推し。魔女の目(すぎゃさん談)と呼ばれる、深い茶色の瞳がチャームポイント。口癖は「命令よ!(ただし高確率で無視される)」スキンシップは苦手。 (o・ⅴ・) 学園創立以来の天才と言われ、周囲から奇異の目で見られることにうんざりしていたものの、自分を特別扱いしなかったお嬢様に心惹かれる。ちしゃとの本妻(自称)で、ちしゃとは俺の嫁(自称)。 照れ屋でツンデレ。口は悪いがあまえんぼう。 从・ゥ・从 学園の系列大学の体育学部に所属。前生徒会長。爽やか美人で腹筋バキバキ。フットワークの軽い℃天然ゆえ、誰かが引き起こしたトラブルを悪化させる傾向あり。私服はモサモサでフリフリ。 お嬢様をベッドから引き摺り下ろして、早朝マラソン勝負を開催するのが最近のヤジブーム。 ノソ*^ o゚) 風紀委員長兼生徒会副会長という高スペック。特待生。 自称お嬢様の教育係。特技は風紀チェック。もぉ軍団とはライバル(?)関係。 エアギターをかき鳴らし、ヘドバンしながら一人ライブを開催するナイショの性癖あり。 州 ´・ v ・) 学園内大人気ロックアイドルユニット・Buono!メンバー。笑い声が特徴的。 絵と歌が大好きな、心優しいふわふわお嬢様。・・・というのは表向きの顔で、ブラックな笑いを愛する黒愛理ちゃんな一面も。世界のアリカンと宇宙の萩原皇帝のバトルを安全なとこから見守るのが好き。 ノk| - ) 学業優秀者の裏の顔は、とんでもない℃変態。お嬢様の添い寝係。千聖お嬢様大好き。可愛い女の子大好き。男?シッシッ! 学内のあらゆる美少女のデータは図鑑形式で脳内にインプットされている。 舞様とは犬猿の仲と思いきや、よく一緒に行動。 リl|*´∀`l| 学園の系列専門学校で、服飾とメイクを学ぶ。 誰もが振り返るような、華やかでエキゾチックな長身美人。中身は料理上手な泣き虫さんで、将来の夢は可愛いお嫁さん。 寮生のお姉さんとして、わちゃわちゃやってる面々を優しく見守る。 川´・_・) 前生徒会副会長。現在は系列大学の社会学部に籍を置く。 マジメで堅そうに見えるが要領が良く、先生ウケもばっちりな器用タイプ。ダンスが得意。唯一の欠点(?)であるポイズンクッキングは生物兵器並みの殺傷力。 ル ‐ リ 学園の伝説として語り継がれる、(自称)カリスマ美少女アイドルももち。 その独特のファッションセンスと言動で、卒業後もなかさきちゃんの胃を痛めつけ続ける。 孤高の人らしく、気に入った人間にのみ本性を見せる。もぉ軍団リーダーでもぉ軍団リーダー(いずれも自称)。 从o゚ー゚从 現生徒会長。通称まーさママ。 圧倒的な包容力で、大きな熊さんすら手のひらで転がす豪傑。飾らず、誰にでも気さくで平等な性格。愛読書はコ○ン。推理大好き。オバケ屋敷と怪談だけはほんとうにごめんなさい。 ノノl∂_∂ ル 新聞部部長。今時の女の子らしい洗練された美人。とっつきにくそうに見えて、中身は案外おちゃめさん。 Buono!メンバー。お嬢様とすぎゃさんから熱烈に応援される。なんでもそつなく器用にこなすタイプ。勉強は大嫌いだけど目的(めぐぅ)のために、受験勉強こつこつ頑張っている最中。 从´∇`从 新聞部、バドミントン部、料理部、ミステリー研究会、茶道部・・・いろんな場所に籍を置き、気ままに楽しく学校生活を送る自由人。 めんどくさがりな反面、頼られるとはりきっちゃうお調子者。新聞部においては、人懐っこい笑顔で警戒心を解き情報を集めるやり手。 川*^∇^) 黙っていればモデル級長身美女、中身は天上天下唯我独尊。正義感が強く、友達思い・・・だけど、全て俺流。大体間違ってる。 ギャル、チーマー、ラッパー、秘密結社、危ない匂いのするものに感化されまくる。 頭の硬いなかさきちゃんに、世の中のことを教えてあげている最中。もぉ軍団の傘下に子分(少△年)を持つ。 州* o リ もぉ軍団の良心。心優しい女の子。大人しそうに見えて、もぉさんやお嬢様といった変人にも臆することなく意見する芯の強いタイプ。 夏焼先輩の親衛隊長。オリジナルグッズの販売(アンオフィ)、写真コレクション(アンオフィ)、メルマガ配布(アンオフィ)などギリギリな行為をやってのける。可愛いは正義を地でいく残念な美少女。 ノノ∮‘ _l‘) 老舗高級時計店の娘。いわゆる私学のお嬢様。 人当たり良く、物腰柔らかな態度とはうらはらに、常に刺激を求める羊の皮をかぶったオオカミ。面白い人大好き。よく遥ちゃんとつるむ。 ハo´ 。`ル 学園きっての問題児。毎日校舎のどこかを破壊し、反省文と正座が日課。ただし、純粋で友達思いな一匹狼タイプ。 偶然見かけた千聖お嬢様にガチ恋。決して姿を見せず、幽霊だと名乗って接近中。 ノリ・ 。・リ 初等部にして、模範生。有名な模範生。毎日千聖お嬢様に手紙を送り、お姉さまと慕う。 場に応じて、キャラクターを演じ分けるのが得意。なかなか本心をあらわせなかったものの、友達関係に悩み、お嬢様に助けを求めて涙を見せる。 ノソ*・ー・リ 岡井家次女。姉とは対照的にしっかりもの。お取りまきを従えて学園を闊歩する。 ぽわぽわして危なっかしい千聖お嬢様にやきもきしつつ、いつも甘える隙をうかがっている。愛理からもらったシュシュをいつも身に着けている。 リ|* ヮ ) 岡井家に勤務する優秀なメイド。長きにわたる、みやびちゃんとのすれ違いに終止符を打ち、今は絶賛ラブラブ期。キャンパスライフをともにするため、学業とメイド業の両立に励む。 自信家で物をはっきり言うが、愛情深い性格。世界のアリカンのお嬢様への夜這いに頭を痛める。 (執△事) めぐぅより少し年上の若い執事。有萩のサンドバック。いつも胃が痛い。 料理が得意で手先が器用。村上さんコワイ。 ひそかに愛理ちゃんに思いを寄せるも、その思いが成就する気配はまったくない。今までも、そしてこれからも。 (ツバサ) 岡井家長男。自由奔放に育てられた、暴れん坊で生意気なおぼっちゃま。 はぐれ悪魔超人コンビ(有萩)に「寮をクビにするぞ」と脅しをかけるも、あっさりかえりうちに合う。 (ミオン) 岡井家末っ子。みんなのアイドル。 いみはよくわからないけれど、まいおねえたまは、みおんのほんとうのおねえたまになるんだって。あとにねんごぐらいに。どうちてだろう? 从 w )お嬢様の遠縁の親戚。物静かで読書好き。 感受性が強く、未来を予知したり、なくし物を見つける不思議な力を持つ。 周囲との関わりが上手くいかず、一時的にお屋敷に身を置いていたものの、お嬢様やめぐぅとの交流の中で、道を見出していく。 現在は復学し、穏やかな学校生活を送っている。 (少△年) 公立の共学校に通う。基本的にいい人。妄想癖がとんでもない。 バス停で見かけた舞様に一目ぼれ。結果を求めすぎて撃沈するも、まだチャンスあり…?熊井ちゃんの舎弟でもぉさんやアリカンのオモチャ。目下、なかさきちゃんの心の氷を溶かそうと奮闘中。 从*・ 。.・) 不審者。お屋敷の周りを、ロココ調ドレスとママチャリで徘徊する。なんちゃってセレブ。 お嬢様の元婚約者の妹で、ペットショップを経営。ヘビちゃんを首に巻いてお嬢様を追いかけまわす。ストレスが溜まると眉毛を抜き始める。 川*´ c`) 姉妹校生徒会幹部。ぼーっとしておとなしいが、気は強いタイプ。 数年前、お嬢様と仲良くなりかけるも、とある大変なミステイクにより音信不通状態に・・・ |||s・ _・) 姉妹校生徒会幹部。やんちゃでいたずら好きな甘えん坊。 礼拝堂でお嬢様と親しくなり、お姉ちゃんと呼んで懐く。明日菜様のことはちょっぴり敵視。 从*・ェ・リ 姉妹校生徒会幹部。いつも一生懸命。いつもあわあわ。 お嬢様たちの学園の生徒にアイドル的な憧れを持つも話しかけられず、チャンスを伺う毎日。 川 ´‘ _‘|| 姉妹校生徒会幹部。絵画鑑賞を愛する、ちょっと不思議ちゃん。 お嬢様とゆうかりんの確執を案じる。無邪気に人の(おもに花音の)心をえぐる天然スナイパー。 (。・∀・。) 姉妹校元生徒会長。 中等部からトップクラスの成績を維持し、何事も真面目すぎるほど真面目に取り組む努力家。 体育会系で、何かとすぐ円陣を組む。現在は国立の難関大学の経済学部で学ぶ才媛。
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ギュイィィーン…ジャカジャーン 律「おお!」 澪「上達してる!」 紬「すごい!」 唯「ぎみ゛をみでるど~♪」ぼぇ~ 律紬澪「は…?」 さわ子「練習させすぎちゃった♪」テヘ 唯「声かれちゃった♪」テヘ 律「ってうおおおおい!」 律「明日本番なのにどうすんだよー!」ガミガミガミガミ 澪「はぁ…」 紬「…(唯ちゃんが怒られてる…だめ…私見てられない!)」 律「だいたいなぁ!」 紬「りっちゃん!」 律「ん?」チラッ 紬「私が…私が歌うわ!」フルフル 唯「ムギぢゃん…」 律「へっ?良いのか?」 紬「私もバンドの一員だもん!(恥ずかしい//)」 カアアア さわ子「よく言ったわムギちゃん!」 唯「ムギぢゃーん!」ダキッ 紬「きゃっ//」 澪「まぁ唯もギターはかなり上達したんだしムギに任せよう」 律「…そうだな!」 律「つーことで一回合わせるぞー!」 澪「ムギはボーカルもお願いな!」 紬「えっ…ええ…」アセアセ 唯「じゃあ゛ふわふわ時間いっでみよ゛おー」 ジャーン 紬「~♪」 唯律澪「えっ?」 ピタリ 紬「~♪」 唯律澪「ポケー」 紬「あれ…?えっ皆どうしたの!?(うぅぅ…やっぱり下手だったんだわ…)」ションボリ 唯「プロ?」 律「すげぇ…」 澪「まるでサラ・ブライトマンのような歌声……」 紬「へ?」 唯律澪「わあっ!」ダキッ 紬「きゃあっ///」 唯「ムギちゃんすごいね!完ぺきだね!」 澪「最高だったぞムギ!」 律「すごいぜー!ムギ!」 紬「そ…そんなこと…//(なんだかあったかぽわぽわ)」 さわ子「さあ!あんた達もムギちゃんの足を引っ張らないように頑張りなさいよ!」 唯律澪「はぁ~い!」 澪「よーし練習だ練習!練習するぞー!」 唯律「おー!」 紬「お…おー!」 ~帰り道~ 紬「はぁ…」テクテク 紬「つい安請け合いしちゃったなぁ…私人前にたつのただでさえ苦手なのに…」 紬「でもこれをきに変われるかもしれない!」 紬「でも…やっぱり恥ずかしい…」 ~家~ 紬「ただいま…」 斎藤「お帰りなさいませお嬢さま…」 紬「斎藤ぅ…」ウルウル 斎藤「はて?」 紬「うええぇ~ん…うええぇ~ん…」 斎藤「お、お嬢さま!どうされました!?」オロオロ 紬「うぇ~ん…ひっく…じつは学校で…」 斎藤「そんなことが…」 紬「えぇ…ひっく…取り乱してごめんなさい…」 斎藤「いえ、しかしお嬢さまが自ら人前に立つことを志願するとは…いやはや…嬉しい限りです」 紬「え?」 斎藤「軽音楽部に入る前のお嬢さまからは考えもつきません…お嬢さまは軽音楽部に入ってそれだけ成長したのですよ」 紬「斎藤…」 斎藤「人のためになにかするということはとても大切なことです。いい歳して仕事もせずモニターとにらめっこする日々を続ける人間もいるというのにお嬢さまは立派です!」 紬「斎藤……………ふふ♪ありがとう斎藤、なんだか少し自信が沸いて来たわ!」 斎藤「それはそれは」 紬「もう本番まで時間がないの!さっそく練習しなきゃ!」 斎藤「はい!では早急に夕飯の用意を!」 ~部屋~ ポロンポロロロロン~♪ 紬「君をみてるといつもハートドキ☆ドキ~♪」 紬「ふぅ…良い感じかしら?でも明日は大勢の人の前で…」アワアワ 紬「だ、ダメダメ!もっと練習しなくちゃ!頑張らなきゃ!」 ポロロロン~♪ チュン…チュンチュン… 紬「Zzz…」 ジリリリリ! 紬「んごっ」ガチャン ジリッ… 紬「Zzz…」 紬「ゲル状が良いのぉ…ムニャムニャ…Zzz…」 コンコン! 斎藤「お嬢さま!お嬢さま!朝です!起きてください!」 紬「んん……」 斎藤「お嬢さま!遅刻してしまいます!」 ドタバタ 紬「んぇ?」ガバッ 紬「大変!寝過ごしちゃったわ!斎藤!」 斎藤「すでに登校の準備をしてあります!」 紬「助かったわ!直ぐに準備して向かいます!」 紬「お待たせ!」 斎藤「すぐに車を出します」 紬「ふう…なんとか間に合いそうね…」 斎藤「お嬢さまが寝過ごすなんて初めてですな?」 紬「そうね、昨日は遅くまで練習しすぎちゃって…」 斎藤「はっはっはっ、お嬢さまは努力の人ですな」 紬「今日はついに本番だわ…」ドキドキ 斎藤「お嬢さまなら大丈夫です」 斎藤「さぁつきましたよ、頑張ってきてください」 紬「えぇ!ありがとう斎藤」 タッタッタ 斎藤「お嬢さま立派になられて…」ホロリ ~音楽室~ 紬「おはようございます」 律「おっ♪ムギ来たな~!めずらしくビリッけつだな~」 唯「おはようムギちゃん!今日もかわいいな~!」ギュウウウ 紬「ひゃあっ!」 澪「おいおい…朝から見せ付けるなぁ」 唯「へへ~」スリスリ 律「そういやムギはレオタードに決まったからな~」 紬「えっ?なにが?」 唯「衣装だよ♪」 澪「さわ子先生が強制的に置いていったんだよ…『着なかったらわかってるわね?』って言い残してな…」ブルッ 紬「うええええっ!?そんな!?」 紬「ひぃぃぃ…ぅぅぅう…」フルフル 唯「だーいじょうぶだよぉ♪皆着るから♪私は浴衣なんだぁ~」 律「あたしはナースだよん♪」 澪「私はメイド…」 紬「みんな普通なのに…私だけレオタード…あはははは♪あはは♪」 澪「たっ大変だ!ムギが壊れた!」 紬「私が…レオタード…ふふふ…」 澪「ムギ!落ち着け!」 唯「ムギちゃん?大丈夫だって!似合うから!」 紬「あはは…あはは…」 律「みんな!ムギを着替えさせろ!」 澪「はぁ?」 律「ムギが正気に戻る前にはやく!」 唯「なるほど!」 唯「よし!」 ヌガシヌガシ 紬「えへへ…へへ…」 澪「うわぁ…」 唯「ジィー…ハァハァ…//」 律「興奮してるんじゃない!」 唯「はっ!つい…」 唯「よいしょよいしょ!」キセキセ 唯「りっちゃん!ムギちゃんって良い匂いがするって知ってた!?」 律「な、なんだと!?」スタスタ 律「どれどれ?」スンスンスンスン 律「///」カアアア 唯「ねっ!?良い匂いでしょ!?」 律「コクリ…」 澪「…」 唯「澪ちゃんも嗅ぐなら今のうちだよぉ~♪」 澪「わ…私は…」 澪「…」スススー スンスンスンスン ホヮヮヮーン 澪「///」カアアア 唯「みんな幸せだね!!」 律「よーしソロソロムギを正気にもどそうぜ!」 紬「~♪」 律「ムギ!起きろ?」ペチペチ 紬「ひゃうっ!?」 紬「あれ?私は…?」 唯「ムギちゃん似合ってるよ!」 紬「へ?」 紬「きゃああああああ!!なんで私こんな破廉恥な格好を!」 律「最高に似合ってるぞ!」 澪「…(もう一回嗅ぎたい…)」 唯「か~わいいなぁムギちゃん」ギュウウウ スリスリ 紬「うぅぅ…恥ずかしいよぉ…」 ガチャリ さわ子「ちょりーっす」 律「おっ!さわちゃん!」 さわ子「あらりっちゃん?ナース服似合ってるわよ!唯ちゃん澪ちゃんも良い!ムギちゃんは…」チラッ 紬「うぅ…」オドオド さわ子「エロッ!!」 紬「ひっ…!」 さわ子「これは…眉唾もんね…澪ちゃん?」 澪「はい。カメラですよね?」サッ さわ子「わかってるじゃない!さっそく!」 カシャッカシャッ 紬「うぅぅ//こんな格好で歌えないよぉ…」 唯「私とツーショットとってー!」ムギュウウ さわ子「まかせなさい!」カシャカシャ 紬「…///」 和「あんたたちなにやってんのよ!」 唯「あ~?和ちゃあん」 律「血相変えてどうした~?」 和「どうした~?じゃないわよ!はやく機材運搬してもらわないと開演間に合わないわよ!」 澪「ちょっとふざけ過ぎたな!急いで機材運ぶぞ~!」 紬「ええっ!?私こんな格好で運ぶの!?」 律「時間無いんだししゃーないって!」 紬「うぅぅぅ//」 さわ子「全く!ふざけてばかりいるから!」 律澪「お前だろ!」 唯「んしょんしょ…」 紬「はぁ…」トボトボ 生徒A「みてみて!あれレオタードよ!着てるの琴吹さんじゃない?」 生徒B「ホントだー!超かわいいね~」 紬「恥ずかしい///」カアアア 生徒A「赤くなってる!かーわいい♪」 紬「うぅ…」スタスタ 律「なんとか運び終わったな!」 唯「ふぃ~いい汗かいた!」 澪「まだ少し時間あるな。ムギ?大丈夫そうか?」 紬「う、うん…(皆に心配かけないようにしなきゃ)」 唯「ムギちゃん?不安なら私の胸に飛び込んできて良いんだよ~?」ヘラヘラ 紬「えっ?」 唯「な~んちゃっ…」 ガバッ 紬「うぅぅ…唯ちゃぁん…」 唯「ひゃっ!」 律澪「!!」 紬「ホントは私凄く不安なの…うまく出来るかどうか…」 唯「ムギちゃん…」 唯「大丈夫だよぉ~良い子良い子♪」ナデナデ 紬「ふぁ」ピクッ 紬「…(唯ちゃんあったかい…)」 唯「ムギちゃんなら出来るに決まってるよぉ」ナデナデ 未完結 戻る
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最近、お姉ちゃんはガムにはまりだした。 部活のときや帰り道に、ふた粒くちゃくちゃ噛んでいる。 あんまりたくさん食べるとお腹がゆるくなるから気をつけるように言っていたのだけど、 今朝やけにトイレが長いと思ったら、やっぱりお腹を壊してしまったみたいだった。 夜のうちにひと箱食べきったらしく、少し寝不足でもあった。 アイスも同じで、お姉ちゃんはおいしいものは食べ過ぎてしまう。 ふつうの食事ならいいけれど、間食の食べ過ぎは体に悪いから、 節制できないなら私が管理しないといけない。 反省すると言っていたけれど、今日は私がお姉ちゃんのガムを持つことにした。 少なくともお腹が治るまで、ガムは噛ませないつもりだ。 学校で授業を受けて、梓ちゃんにもお姉ちゃんを見張るようお願いしてから、 帰りがけの買い物に向かった。 お姉ちゃんのお腹の調子も鑑みて献立を決める。 ガムもアイスも、もちろん買わなかった。 お家に帰って、掃除をしてからご飯の支度を始める。 途中、時計を見ると、お姉ちゃんが帰るまではまだかなりの時間があった。 急ぎ過ぎたかな、と苦笑して、下ごしらえだけ済ませてちょっと休憩をすることにした。 リビングのソファに座って、携帯を開いた。 いつの間にかメールが着ていて、 涙の絵文字とともに「ガムたべたいよ~」とお姉ちゃんが訴えていた。 「今日はまだダメ」と返信すると同時に、 ポケットにしまってあるガムを確認する。 箱に4粒残った、イチゴ風味の粒ガム。 お姉ちゃんがいちばん気に入っている味だったと思う。 憂「……そんなにおいしいのかな?」 少しだけ悪い気がしたけれど、また新しいのを買ってあげればいい話。 私は銀包装にくるまれた粒をひとつ取り、剥いて、くちびるに挟んでみた。 そしてくちびるを開けて、舌の上へ。 舌を動かし、奥歯へと硬いガムを運ぶ。 そうして、からからと鳴る感触を、ゆっくりと噛みつぶした。 憂「……」 殻を破って、中から軟らかいガムの感触。 強いイチゴの香りが鼻に抜けた。 じわっと唾液があふれて、唾にイチゴ味が混ざったようだった。 ぼーっと、くちゃくちゃと顎を動かし、口の中でガムを回す。 いちいち歯にくっつく感じがして、ちょっと噛みにくい。 食感も柔らかすぎるような気がする。 確かに何も考えずに食べていられるし、だからこそ食べ過ぎてしまうのだろうけれど、 そんなに強く惹かれるような食べ物だろうか。 食べ物を噛みながら考えることではないけれど、そんなことを思っていた。 目を閉じて噛み続ける。 再びメールが来た。 やっぱりお姉ちゃんからで、 「もうお腹も治ったし、帰ったら食べてもいいでしょ?」とのことだ。 ほんとうにガムが好きだね、と苦笑しつつ、返信を打つ。 「明日になったら、新しいの買うから」 そう打ちこんで、送信する。 携帯を閉じて、なおもガムを噛んだ。 憂「あ、そういえば……」 そしてイチゴの匂いがだいぶ薄まってきた時、ふと思い出した。 お姉ちゃんがガムを噛む時、よくやっていること。 ガムをぷくーっと膨らます、風船ガム。 昔、子供の時にやり方を教わった。 くちびるにガムを広げて張りつけて、息を吹き込むだけ。 早速わたしはガムを舌で押し広げて、くちびるに張ってみる。 憂「ん……」 少し小さいような気がしたけれど、気にせず息を吹いてみた。 ぷしゅう、と息が細く抜ける音がする。 ガムが破れてしまったみたいだ。 憂「あれ?」 子供のころは、できたはずなのだけれど。 ガムが小さいのだろうか。 私はもう一粒むき、口に入れて噛み始める。 ガムはすぐ柔らかくなって、もとあったガムと合わさって大きくなった。 それをまたくちびるの裏側に張り、息を吹いてみる。 憂「……」 少しぷくっとガムが膨れる。 が、すぐにぷちっと音を立ててはじけてしまった。 もっと大きくできるはず。 私は再びガムを噛み直し、くちびるの裏で成形する。 憂「よし……」 もう一度。 ゆっくりと息を吹き込むと、目にも見えるほど大きな風船が―― 唯「憂!」 その声にびくっとなって、風船がいっきに口の中に引っ込んだ。 憂「はうぇ……」 薄い膜になったガムが舌に絡んで、うまく喋れない。 お姉ちゃん、どうしてここに。 唯「……ガム食べてたでしょ」 言い訳をできる状況ではない。 今だってガムがくちびるの外側に張りついて、お姉ちゃんの視線をしっかり呼び込んでいる。 憂「ほ、ほと……」 ガムがぜんぜん取れない。 こんなにへばりつくものだっただろうか。 お姉ちゃんはギターを置いて、ずんずん私に近寄ってきた。 唯「……ずるいな」 ようやく破れたガムをかき集め、ひとつに噛みまとめる。 憂「ご、ごめんね」 銀紙はどこへやっただろうか。 でも今はそれよりこのガムを早く口から出したほうがいい。 私は手のひらを口の前に持ってきて、舌でガムを押し出した。 薄いピンク色をした、かんだガムが手のひらに残る。 唯「……」 お姉ちゃんは私の手をちらっと見た。 憂「ごめん……」 お姉ちゃんに禁止しておいて、勝手に奪って食べるなんてひどかったかもしれない。 あとで買えばいいなんて問題ではなかったのではないだろうか。 憂「えっと、でも、お姉ちゃんどうして」 唯「憂がメールで言ったんじゃん」 手に持ったガムが冷たくなってくるけど、 お姉ちゃんは、私の目が銀紙やティッシュを探すために動くのを禁じていた。 それほど強い視線で私のことを見つめている。 憂「メールで……?」 私はさっきどんなメールを送っただろうか。 確か、「明日になったら新しいのを買う」と……。 唯「……言ったよね?」 憂「あっ、えっと」 なるほど、確かにそう思えなくもない。 まるで私がお姉ちゃんのガムを食べきってしまったような文面じゃないか。 憂「あれは、そういう意味じゃ」 あわてて繕おうとするが、 だからといって私がお姉ちゃんのガムを盗み食いした事実は変わらない。 唯「ずるいよ」 お姉ちゃんは強く、けど静かな口調でまた言った。 私の目を見つめたまま、だけどどこか別のところを見ているような。 唯「ほんと、ずるい……」 口元から頬へ、お姉ちゃんの息が流れていった。 憂「ご、ごめんなさい……っ」 ずい、とお姉ちゃんの顔が近づく。 その時わたしは、私とお姉ちゃんとの関係なんて全部忘れて、胸をきゅんとしめてこう思った。 お姉ちゃんにキスされちゃう、と。 だけど、くちびるは触れなかった。 その代わり、お姉ちゃんの指が私の冷たい手のひらに触れた。 唯「……わたしだって」 そして、そこにあったガムを指でつまみとり、 お姉ちゃん自身のくちびるへ持っていった。 憂「おねえ、ちゃん……?」 そのまま、くちゃりくちゃりと、大事そうに噛む音がした。 顎も大きく動いている。 唯「私だって、憂に食べられたいのに」 そして、時間差だった。 目の前がお姉ちゃんでいっぱいになると、 くちびるをガムより柔らかい感触が包んだ。 憂「……っ」 お姉ちゃんにキスされた。 それも、私が噛み終えたガムを口の中でまた噛みながら。 わたしはどうしたらいいんだろう。 唯「ちゅ……」 対応を考えているうちに、くちびるが離れてしまう。 初めてのキスなのに、目を閉じることもできなかった。 唯「あまいね、憂」 お姉ちゃんが、キスしてる時と変わらない距離のまま囁く。 ガムの味のことを言っているのだと分かるまで、しばらく時間がかかった。 憂「……ごめんね」 唯「どうして謝るの?」 憂「だって、ガム食べちゃったから……」 私はちょっとずつ、涙ぐんできた。 どうして涙が出るのかはわからない。 ただ、口の中に残ったイチゴのような甘みは、 私の犯した罪の重さをずっと訴えていた。 唯「……まだわかってないんだね」 お姉ちゃんが、私の両手首を掴んで、ソファに押さえつけた。 そしてまた、唇が重なる。 憂「んんっ……」 イチゴの風味がするお姉ちゃんのくちびるが、私を包み込む。 ガムと一緒に、私も食べられちゃうんだ。 今度はくちびるに、お姉ちゃんが吸いついてきた。 お尻から浮き上がって、体が軽くなる。 だけど頭はどんどん重くなって、考え事をしようとしても動かなくなる。 憂「ん、んぁ……」 甘い甘い、お姉ちゃんのキス。 これっていったい、なんなんだろう。 唯「……んむ」 くちびるが離れる時、ちゅっと高い音がした。 憂「はぁ、はふ……」 心臓が胸を叩いている。 もっと焦らなければいけないのに、気持ちがぽわぽわ浮いて、もうだめだ。 唯「わかる?」 わからない。 私は首を振る。 2
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登録日:2014/10/30 (木) 20 19 50 更新日:2021/06/06 Sun 22 37 57 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 HHG HHG_女神の終焉 ういんどみる この俺が恋など!?_再び エロゲー ゲーム コードブレイカー ピカレスク 世界の破壊者 守護者 重度の厨二病 限りなく近く似て非なる世界 ういんどみるが2013年11月29日に発売したエロゲーで、Hyper→Highspeed→Geniusの続編に当たる作品。 ジャンルは真・ピカレスク風純愛AVG。 シナリオは前作に引き続きサイトウケンジ、三日堂、深山ユーキの三名。 原画担当はミヤスリサに加えて桜沢いづみ、ななせめるちが参加している。 エロシーンのテキストに関するイザコザでどみるが初めての発売延期をするハメになったり 製品インストールのセキュリティー関係でエラーが多発したりと少々問題があったりもしたが、 肝心の内容は良くも悪くもHHGの雰囲気を引き継ぐなかなかの良作であると言える。 シナリオの流れも前作と同じく妹である光理=メフィスト共にそれぞれタイプの異なる3つの学園のメインヒロインを1人ずつ攻略し、 その先に待つトゥルールートに辿り着くという流れになる。 一応、前作を知らなくても楽しめるという触れ込みになってはいるが、 ぶっちゃけ前作を知っていた方がニヤリとできるネタが多数なので、事前にプレイしておいた方が絶対に良い。 ◆ストーリー 主人公、明智久司朗は目を覚ますと自分が何者なのかもわからず、記憶の大半を失っていた。 そんな自分に献身的に接してくれるのが自分の妹だという明智光理という少女。 彼女と共に自分も通っていたという『公立葉月学園』にいたのは自分のことを知る三人の少女とその仲間たち。 能力(ギフト)と呼ばれる特別な力とそれを扱うジーニアスを育成する機関、そして聖女という単語。 それらに久司朗は強い違和感を抱くがやはり思い出すことができない。 そしてその矢先、夜の暗闇の中で久司朗に襲い掛かるのは零月と名乗る謎の仮面の少女。 絶体絶命の最中で久司朗が目覚めたのは嘗て自身が用いていた力──高速思考(ハイパーハイスピード)。 その先に待っていたのは広大な図書館のような空間とそこに一人佇む妹瓜二つの少女──メフィスト。 会合と覚醒と共に久司朗はこの世界での自分の役割を認識する。 自分はこの世界を破壊する者だと───。 ◆キャラクター 明智久司朗 能力:高速思考 -ハイパーハイスピード- CV:魁皇楽 前作に引き続き主人公。 登場当初の記憶喪失中は一人称が僕で最早コイツ誰? 状態だが、 序盤で覚醒してからはまた前作のようなエセイケメンうっかり策士に戻ってくれる。 ……が、それにプラスして今作では重度の厨二病患者という属性があったりする。 能力……というか自分の技能である高速思考(ハイパーハイスピード)も健在。 ルート終盤のシリアスシーンではやはりその思考を活かして活躍する。 メフィスト 150cm 84(D)/54/86 能力:悪魔図書館 -ウィッチライブラリー- CV:澤田なつ 絶体絶命のピンチにあった久司朗に接触してきた光理と瓜二つの少女。 自らを「君が世界を壊すための相棒のようなもの」と語る。 以降、光理に取りつく別人格として小悪魔的に久司朗を弄りながらも彼のサポートに徹する。 悪魔図書館は時間・空間共に現実世界から切り離された異空間の管理運営。 能力の詳細も含めたあらゆる情報の記録された情報書庫である。 ……というよりこれまた前作を知っている人間からすれば彼女の事情もわかっていることだろう。 膨大な世界の海の中でようやく出会えた最愛のパートナーに対する彼女の心境は如何ほどのものだっただろうか。 明智光理 150cm 84(D)/54/86 能力:??? CV:澤田なつ 久司朗の妹として記憶喪失の兄のことを献身的に支えようとするできた妹。 口調も丁寧で性格は穏やか、家事全般もそつなくこなせるかなりの器量良しである。 ただ、少々過保護且つヤキモチ焼きな面もあり、特に久司朗の女性関係には敏感。 能力はまだ覚醒していないものの、計測値によればかなりの潜在能力持ちとのこと。 奇稲田撫子 160cm 87(E)/59/86 能力:時間停止-クロノアルター- CV:桐谷華 引っ込み思案で控え目な少女で弥生学園出身の聖女候補の1人。 その中でも頭一つ抜けているらしく、学園ではアイドル的な存在として慕われている。 本人的には普通の学園生活を送りたいらしく、現在は女子力を高めるために奮闘中。 能力は和名が示すようにそのまま時間の停止。 時間、空間に干渉可能な高能力(ハイクラスギフト)の一種とされている。 西九条綾媛 153cm 88(F)/58/87 能力:明鏡止水-ミラーシェイド- CV:小倉結衣 のんびりスローペースな撫子の護衛兼親友。 護衛という割には主である撫子を弄りまくっているが、それでもお互いの信頼はかなり強い。 単純な戦闘能力は恐らく作品内でもトップクラスに位置する。 能力は相手の能力に対する反射、カウンター系の能力。 決まれば強力だが見極めがかなり難しくもある。 フィアナ・アストレイア 148cm 78(B)/54/79 能力:天恵技巧-デッドコピー- CV:みる エイプリル学園出身の聖女候補の1人で次期騎士団長候補でもあるお嬢様。 が、その実態は作中でも随一のはっちゃけ放題なボケボケキャラ。 久司朗にゾッコンでその猛烈アタックの数々は凄まじいものがある。 能力は相手の能力の一時的な模倣。 その詳細は悪魔図書館にも載ってないなど色々謎の多い能力でもある。 エルアリア・アストレイア 150cm 82(C)/56/84 能力:堕天神眼-エンジェルダスト- CV:木村あやか フィアナの実妹だが作中開始時点では何と投獄されている。 天然ぽわぽわ系に見えて実はかなり強かとフィアナとはまた違った方向でぶっ飛んでいるキャラ。 その笑顔の裏側に抱える闇はかなり根深い、そしてメイン勢の中でも一番登場機会に恵まれない悲劇。 能力は相手の思考の読み取りによる読心。 考えていることが全て筒抜けという駆け引きにはこれ以上ないくらいに役立つ強力な能力だが…。 サリー・霧宮 156cm 85(E)/56/84 能力:論理回路-ロジカルダッシュ- 修正天使-アップデイト- 鋼鉄乙女-アイアンメイデン- CV:Nonoka 国立キサラギ魔道学園出身の聖女候補、自他共に認める天才少女。 寡黙に見えて実は結構感情豊か、研究熱心で実にマイペースに突き進む。 久司朗のことも興味深い研究対象と見ていて、何かと付き合ってくれる。 能力は上から順に擬似的な未来予知、万能の修復、心身双方の絶対防御。 本来一人一つしか持てない能力を3つも持っているというその時点で相当に異質な存在。 そして前作プレイ済みの人間にはそのどれもが相当に馴染深い能力でもある。 オフィーリア・ランカスター 150cm 77(A)/54/78 能力:無貌百相-ワンリミテッド- CV:佐藤しずく キサラギ魔道学園のナンバー2、赤髪ツーテールのちみっこで自称サリーのライバル。 しかし根がこれでもかというくらいに単純で扱いやすい、故についた名称が「ちょろ子」 でも実は科学力で発展した小国の御令嬢で自身もその手の機械類の開発に長けているなど意外と侮れなかったり。 能力は一言で言うなら認識阻害も含めた他者への擬態能力。 物理的接触可、認識ごと書き換えるので味方も騙せる、自身の状態に左右されないなど実はかなり高度だったりする。 西九条真之介 能力:一騎当千-アブソリュートブレイバー- CV:髭内悪田 久司朗の親友で綾媛の実兄。 クールで真面目な堅物のメガネ系男子かと思いきや、意外と天然で人付き合いが良かったり。 重度のアニメオタクというかなり意外な趣味もあり、その手の話になるとやたらと食いつきが良くなる。 能力は己の人体が可能な範囲での最高の潜在能力を引き出す強化能力。 尤も、これを抜きにしても真之介自身が綾媛すらも上回る相当な強者なのだが。 零月 能力:高速思考 -ハイパーハイスピード- CV:??? 突如として久司朗を殺さんと襲い掛かってきた謎の少女。 長い銀髪、黒いマント、顔面上部を覆い隠す黒い仮面と傍から見れば相当に怪しい外見。 しかし本人的には至って大真面目且つ冷酷であり、久司朗を世界に害を与える者と断定して立ち塞がる強敵である。 能力は久司朗と同じで無数の思考並行処理。 これに加えて零月は高い身体能力と多数の暗器を用いて高い戦闘能力を発揮する。 追記・修正よろしくお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント
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屋久島 浅瀬付近 陽介「海だー!うおっ冷てーははっ」 陽介「それに…」 律「みおーそっちボール行ったぞー!」 澪「今度は手加減しないからなー」 紬「わぁ…梓ちゃん真っ黒に焼けたわね」 梓「うう…毎年こうなんです」 陽介「…男の夢だなコレは」 陽介「あれ?」 陽介「唯を見かけねーな…」 屋久島 浜辺 岩陰 唯「…」 すたすた 陽介「お姉さん一人?なーにやってんの?」 唯「なんにも」 陽介「そっか」 陽介「じゃ、何考えてた?」 唯「…これからのことかな?」 陽介「…意外な言葉だな」 唯「もうすぐ卒業だから」 陽介「まーな」 唯「…」 唯「私…大事な後輩に何も残せなかったよ」 唯「いつもあずにゃんには迷惑を掛けて怒られてばっかりだったし」 唯「新入部員だって集められなかった」 唯「私達が卒業したらあずにゃん独りぼっちになっちゃうよ…」 陽介「そんで、昨日から上の空だったのか」 唯「うん…」 唯「私、ダメダメな先輩だね」 唯「…」 唯「…いつか大人になったら」 唯「…みんな忘れちゃうのかな」 唯「軽音部があって…HTTがあって…みんながいたこと」 唯「…忘れちゃうのかなぁ」 陽介「…唯はさ」 陽介「みんなのこと、どう思ってるよ」 唯「…」 唯「…大事な仲間」 陽介「ホントにぃ?」 唯「…うん」 陽介「マジで?」 唯「…うん」 陽介「ぜってー?」 唯「…うん」 陽介「忘れねーよ!」 唯「え?」 陽介「なら忘れねーよ」 陽介「大事なみんなと過ごした毎日はさ」 陽介「それにいずれ梓と離れても」 陽介「それだけ想ってるなら離れてても伝わるさ、唯の心は」 唯「そう…なのかな」 陽介「そうだよ」 陽介「それに唯は何も残してない訳じゃない」 唯「私が…?」 陽介「梓がさ、軽音部に入った一番の理由知ってっか?」 唯「…」ふるふる 陽介「唯、オメーだよ」 唯「!」 陽介「楽しそうにギターを引く唯に音楽の楽しさを再認識させられたんだとさ」 陽介「尊敬してる、とも言ってたぜ?すっげー嬉しそうな顔してさ、ははっ」 唯「あずにゃんが…」 陽介「…唯の姿は梓の心にちゃんと残ってる」 陽介「…いや、唯だけじゃない、軽音部全員だ」 陽介「みーんな梓ん中に残ってる!」 唯「残ってる…」 陽介「だから、んなシケた顔するなよ」 陽介「ちゃんと笑顔のままの唯で梓ん中に残してやれ!」にっ 唯「…うん!」にっ 唯「なんかスッキリしたよ!」 陽介「俺もだ!」 唯「もうウジウジなんてしたりしない!」 陽介「そうそう!んな似合わねーことはやめとけ!」 唯「しどい!私だって女の子なのに!」 陽介「女の子ってより…子供?」 唯「がーん!」 陽介「ほら、そーゆートコがガキっぽいんだよ!」 唯「なにおぅ!」 陽介「やるか!?」 唯「…」 陽介「…」 唯陽介「「…ぶっ、あはははははは!」」 唯「はー…」 陽介「…日、落ちてきたな」 唯「みんなのトコに帰ろっか」 陽介「そうすっか!」 部室 陽介「こうして、波瀾万丈の二日間の合宿は終わった」 陽介「過ごした時は短いながらも軽音部の絆はより深まったと言える」 陽介「そして俺達は残り少ない時を惜しみながらも最後の学園祭に向けて練習を重ねた」 陽介「そして、数カ月の時が過ぎた」 陽介「…」 陽介「うし、録音完了」 陽介「そして梓!後ろにいるのは分かってるぜ!」ばっ しーん 陽介「…」 陽介「…」 陽介「///」 がらっ 梓「あれ、まだ花村センパイだけですか?」 陽介「…おぅ」 梓「いよいよ明日ですね学園祭!先に打ち合わせしていましょうか」 陽介「…うん」 梓「…何か嫌なことでもあったんですか?」 陽介「…別に」 梓「まぁ、あったとしてもどうでも良いですが」 陽介「この後輩可愛くねぇ…」 がらっ 唯「陽介君!この歌詞の部分だけど…」 陽介「わっ!ちょ!おま!馬鹿!」がたっ 唯「むがもご…」 梓「?」 梓「歌詞がどうしたんでしか?」 陽介「い、いやなんでもない!ちょっと外出るわ!」 唯「むー!むー!」じたばた がらっ 梓「?」 廊下 陽介「ここなら良いだろ…」ぱっ 唯「げっほ!げほっ!じぬがどおぼっだ…」 陽介「わりーわりー」 唯「なんか軽いよ謝り方が!」 陽介「てか、梓の前であの話すんなよな!」 陽介「全力でバレっとこだったぞ!」 唯「うっかり~してた~ごめ~ん」 陽介「軽ぃーぞ謝り方ぁ!」 陽介「…ちゃんと細心の注意を払っとけよな」 唯「了解です!よーちゃん隊員!」 陽介「うむ、しっかりするのだぞ平沢特攻兵」 唯「しどい!」 陽介「へへーんだ!」 すたすた 唯「…」 唯「陽介君も大概、子供じゃん…」 唯「あ、歌詞のこと聞くの忘れた」 すたすた 律「おっす唯」 澪「一人で何やってるんだ?」 唯「あ、りっちゃん!澪ちゃん!この歌詞の部分なんて読むの?」 澪「例の曲のか」 律「これはな、き…」 自室 陽介「んー!最後の最後に良い練習出来たな!」 陽介「まさに息ピッタリ!一心同体っての?」 陽介「これで明日は完璧だな!」 陽介「…」 陽介「しかし相変わらず俺がこの世界に来た理由が分からんままだな」 陽介「向こうに帰る手がかりもなんもねーし」 陽介「…」 陽介「なーんか心がざわつくな…」 陽介「…寝よう、明日は学園祭だ」 陽介「…」 翌日 学園祭 澪「凄い人の数だな…」 律「さすがのあたしも緊張してきた…」 紬「頑張ろうね!」ぐっ 梓「はいです!」 唯「あれ?陽介君は?」きょろきょろ 律「ああ、あそこでライブTシャツ配ってる」 陽介「らっしゃーせー!もれなく速が上がるライブTシャツはいかがっすかー!」 客「一枚下さい」 陽介「どもっす!」 客「これに描かれてるマスコットキャラ可愛いね、なんて言うの?」 陽介「ジラちゃんって言います!俺がデザインしました!」 客「良いセンスしてるよ、ただちょっと似てるよね、ミッ」 陽介「それ以上は駄目っす!」 澪「楽しそうだな」 律「自分の仕事じゃないのに良く働く奴だよ、おせっかいって奴?」 … 陽介「そろそろか…」 紬「うん!」 梓「やってやるです!」 澪「ああ!」 唯「だね!」 律「…あたし達でやれる最後の学園祭だ!気合い入れてくぞ!」 一同「「「「「「おーっ!」」」」」」 「最後は桜高軽音部、放課後ティータイムによる演奏です!」 たたたっ 陽介「どもどもー!桜高唯一の爽やかイケメン男子、花村陽介でっす!」 しーん… 陽介「乗れよオメーら!恥ずかしーだろーが!」 どっ 陽介「そーそー!」 陽介「えっとー俺はギターをやってまーす!」 陽介「全力でやってやっから、オメーらもちゃんと答えろよなー!」 おー! 陽介「次は…見た目はお転婆元気っ娘!一皮剥けば乙女みかん!田井中律だー!」 律「(なんだよソレ!聞いてないぞ!///)」 たたたっ 律「た、田井中律でーす!ドラムスを担当してまーす!」 律「ビシバシ叩いて会場を熱狂の渦に包んでやっからなー!覚悟しろー!」 おおおおおー! 陽介「俺より歓声凄くね?」 律「次は…ほんわかぽわぽわに騙されないで!私の力はむぎゅう1!琴吹紬だぁ!」 紬「(褒め過ぎよりっちゃん///)」 たたたっ 紬「キーボード担当の琴吹紬です」ぺこっ 紬「こんな大勢の人に集まってもらって、私は今とても感動してます!」 紬「そして、それに応えられるように精一杯演奏して行きます!」 うおおおおおー! 陽介「うおっすげっ!」 紬「次は…小さな体に十万馬力!その指がつまびくは生か死か!?中野梓ちゃん!」 梓「(私のだけ、物々しくないですか!?)」 たたたっ 梓「な、中野梓です!花村センパイと同じで、ギターを担当してます」 梓「まだまだ未熟ですけど、持てる全てを出し切って演奏してやるです!」 あずにゃあああああん! 陽介「えっ?広まってんの?」 梓「次は…見た目は大人で中身はピュア!合い言葉はM・M・Q!秋山澪センパイです!」 澪「(なんで梓が知ってるんだ!?///)」 たたたっ 澪「ベースの秋山澪です!」 澪「正直、今にも心臓がはちきれそうなくらい、ききき緊張してます!」 陽介「よっしゃアレいけ澪ー!」 澪「!(うううう!陽介ぇ~!悪ノリするな馬鹿!)」 澪「ハ、ハートを…ぶち抜くゾ?」 陽介「ぐふっ」 ぐふっ… 澪「さ、最後は歩く天然記念物!Going My Way平沢唯です!」 唯「よっし!」ふんす たたたっ 唯「3人目のギター!平沢唯です!」 唯「あずにゃんを除いた他のメンバーはみんな3年生でね」 唯「その3年生達にとっては今日が最後のライブなんだ」 唯「だから悔いの無いように」 唯「後悔しないように」 唯「頑張るからね!」 おおおおおおおおおお! 陽介「悔いと後悔って意味被ってんだろ唯!」 唯「あっそうか」 陽介「でも気持ちは伝わったみてーだな!」 おおおおおおおおおお! 唯「うん!」 唯「一曲目!『ごはんはおかず』行くよー!」 ♪ 唯「~」 6
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思えば今日は、朝から不吉な出来事がモリモリもりだくさんだった。 朝食には私の嫌いな生パプリカのサラダが出て、千聖とおそろいで買ったディ●ニーの携帯ストラップが切れて、出掛けにはお気に入りのスニーカーの靴紐まで切れた。 そして、たった今目の前を黒猫さんが通り過ぎた。 私は普段、占いやジンクスを信じる方じゃない。なぜかあんまりいい風に言われないから、気にすると余計に運が下がるような気がするから。 「うーん。」 それでもさすがに、朝だけでこんなに続いてしまうと、どうにも気が滅入ってしまう。 案の定学校でも宿題を忘れたり、ボーッとしてたら先生に注意されたりと散々だった。 こんな日は早く、キュートのみんなに会いたい。 みんなは私の第2の家族。どんなに気分が滅入っていても、そばにいるだけで元気になれる。 それに、なんと言っても今日は私の・・・・キュフフ、過剰な期待は禁物とはいえ、まさかスルーされることはないだろう。 そう思って、私は機嫌を直してレッスンスタジオに向かった。・・・・のだけれど。 「自分のことも満足にできないのに、リーダーだなんておかしくない?」 到着後、ロッカーで着替えをしていた私の耳に、信じられない言葉が飛び込んできた。 振り返ると、えりこちゃんが腕組みをしてみぃたんを睨むように見据えていた。 「・・・なんで?えりにそんなこと言われたくないよ。私の気持ちなんて何にもわからないくせに」 みぃたんも負けてはいない。いつものポーッとしたオーラが消えて、思いがけないほど強い口調で言い返していた。 「えっ・・・・みぃたん?」 隅っこでおしゃべりしながら着替えていた千聖と愛理も、びっくりした顔で下着姿のまま固まっている。 この2人じゃ、この場を取り仕切るのは難しいかも。 「ねえ、やめようよ。何があったかわからないけどさ、いい雰囲気でレッスン受けたいじゃん。そんな風に言い合うのは怖いよ。」 仕方ない、ここは私が。そう思っておそるおそる間に入ると、意外にあっさり2人はにらみ合うのをやめた。 「さすがなっきぃは裏リーダーだよね」 「あー、本当そうだね。私よりほっぽどリーダーに向いてるね。とかいってw」 ――え、ちょっと、何それ。 二人の言葉が胸に刺さる。 「なっきぃ、気にすることないよ。」 「そうね、お2人とも機嫌が悪かったのよ。」 千聖と愛理はそう言って励ましてくれたけど、私の胸のつっかえは取れてくれなかった。 何で、今日に限ってこんな変な感じになっちゃうんだろう。だって今日は私の・・・ 「もう、栞菜サイアク!!」 「だから悪かったって言ってんじゃん!舞ちゃんて本当しつこい!」 「はぁ!?逆ギレとかありえないし!」 レッスン室に入ると、今度は一足先に到着していた舞ちゃんと栞菜がものすごい言い争いをしていた。 「はぁ~。」 わざとらしくため息をつくみぃたん。われ関せずといった感じにメイクを直し始めるえりこちゃん。 ・・・・何、何なのこれ?どうして?? 「お2人とも、どうなさったの?喧嘩をするのはよくないわ。」 今度は千聖がいつもどおりぽわぽわした声で間に入ると、舞ちゃんの片眉がピクッと動いた。 「よくないわ?その気取った喋り方、むかつく。前は舞より子供だったくせに、偉そうにしないでよね!」 「あら、もう昔の千聖とは違うのよ。私は舞さんみたいに、嫌なことがあってもいちいち怒ったりしないもの。」 おしとやかな態度の下に気の強さを備えている千聖は、ターゲットにされても一向にひるまない。舞ちゃんの大きな瞳がさらに見開かれる。 「ねえ、ちょっと・・・やめようよ・・」 「なっきぃ、止めることないよ。」 たまらず口を挟んだ私を、愛理が静かな声で止めた。 「私たち、仲がいいだけじゃだめなんじゃない?これからは、言いたいことは言わないとね。」 「だからって、こういうのは変だよ。」 「はっ。出た出た、愛理はいつも大人だもんね。私だけは関係ないって?達観してるよねぇ~」 「そんなこと言ってないじゃん。本当感情的だよね、栞菜って。・・・それに、いつも関係ない顔してるのは私より千聖でしょ?」 「まぁ・・・愛理はそんな風に思っていたのね。それなら私も言わせていただくけれど・・・」 もう、もう、何なのこれ。こんな状況なのに、年上2人は、まったく興味ない感じでそっぽ向いてケータイをいじっている。 私の居場所が、めちゃくちゃになってる。私の第2の家族が。どうしてなの。今日は、私の・・・ 「もうやめてよぉ・・・!」 私はたまらなくなって、泣きながら座り込んでしまった。ピタッと言い争いが止まって、いっせいに視線が向けられたのを感じた。 「・・・そうだ、私、なっきぃにも言ってやりたいことがあったんだ。」 「あ、ウチもある。」 「私も。」 「舞も。」 みんなの声がだんだん近づいてくる。うっすら顔を上げると、円になって囲まれてるのがわかった。 「奇遇ね。千聖もお話があるのよ。」 「じゃあ、みんなで言おうか。なっきぃ、いいよね。」 よくない!無理、やめて!激しく首を横に振っているのに、みんなそんなこと気にもしてないみたいだ。 「いくよ、なっきぃ。せぇ~~のっ」 「待っ・・・!」 「「「「「「お誕生日、おめでとーう!!」」」」」」 ・・・・・・・・・・・・・・・はぁ? おそるおそる顔をあげると、満面の笑みのメンバーが私を見下ろしていた。ぐるりと見回して、私の真後ろにいた千聖と目が合う。 「うふふふ」 前の千聖みたいないたずらっ子スマイルで、千聖は後ろに隠していたものを私に向けてかざしてきた。 それは、“ドッキリ大成功!!”と書かれたプレートだった。 「な、な・・・・」 驚いて声も出ない私とは裏腹に、みんなはキャッキャいいながら抱き合ったりしている。 「もー、怖かったよ舞ちゃん!」 「栞菜こそ!舞ちょっと本気でむかついたんだからー」 「なっきぃ、びっくりした?」 みぃたんがいつもどおりのさわやかスマイルで、私の顔をタオルでぬぐってくれた。 「結構苦労したんだよーとかいってwみんなで険悪な雰囲気になるように練習して、なっきぃのママに朝食にわざと嫌いな赤ピーマン出してくれるようにお願いしたり。でも大成功でよかったよかった!あれ?なっきぃ?」 「ば、ば、ば、ばかああああ!うわあああああん!!」 よかった、私の大切な家族は何も変わっていなかった。胸のつかえが取れた私はちっちゃいこみたいにギャン泣きしてしまった。 「ご、ごめん!やりすぎちゃった?なっきぃ泣かないでぇ」 栞菜とえりこちゃんがが慌ててベソかきながら抱きついてきた。 「うっ、うぅう・・・ごめん、大丈夫。何か安心したら涙が・・・ヒック。ありがとう、びっくりしたけどう、うれしいよ。」 みんなが険悪になった時は本当に胸がズキズキして、怖くてたまらなかった。 でもその分、こうやって元通りの優しくてみんなと一緒にいられることが、とても尊いことだってわかった気がした。・・・とはいえ、ちょっと悔しいから、誰かの誕生日に仕返しドッキリを慣行してやろうっと。キュフフ・・ 「・・・そういえば、このドッキリは誰が思いついたの?」 レッスンが終わってから、みんなで輪になって、えりこちゃんが作ったオレンジ風味のチーズケーキを食べた。その時ふとそう切り出してみると、みんなの視線がある人物に注がれた。 「うそぉ・・・」 「はい、実は私が。クフフ」 そっと手をあげたのは、千聖だった。 「ちっさーが、なっきぃをちょっと困らせて驚かせてみたいって言うからさぁ」 「喧嘩のセリフも、全部千聖が考えたんだよ。」 「へぇ~!何かびっくり!」 ・・もしかしたら千聖は結構Sなのかもしれない。なんてふと思った。 「早貴さん?怒ってしまったかしら?」 そんなことを言いつつも、千聖の目は半月型で笑っている。もう、お嬢様でもいたずらっ子は健在なんだね! 「怒ってるよっこうしてやるー!」 「むぐぐぐ!?」 私はみぃたんにやられるみたいに、千聖の口にケーキをガーッしてやった。 「なっきぃ甘いよ!もっとこう、押し込む感じで・・・むぐ!??」 「ギュフ!モゴモゴモゴ!」 さすが本家。みぃたんも私の口にケーキを流し込んできた。そしてそのみぃたんの口に千聖が・・・ 「あっはっは!ちょっとウチのケーキでなんてことを!」 ガーッされながらガーッしている私達を見て、みんながおなかを抱えて笑っている。散々な誕生日だったけれど、たまにはこんな祝われ方もいいのかもしれない。 「早貴さん、お誕生日おめでとう。」 口の周りをケーキでベトベトにした千聖が、小さな声で囁いて微笑みかけてきた。 TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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坂口「珍しいこともあるなあ」 梓「ゆ、唯先輩!」ダッ 憂「お姉ちゃん!!」 憂「お姉ちゃん、どこに当たったの!?」 唯「あいたた、ここ……」 律「左膝の外側か。だから澪の方に飛んだんだな……」 梓「唯先輩、ごめんなさい……」グスッ 唯「あずにゃんは心配性なんだから~。ほら自分で立て……ありゃ」ストン 姫子「唯、よく頑張ったね」 唯「姫ちゃん!私まだ投げれるよ!」 掘込「平沢。意気込みは買うが、悪いがその状態で投げさせるわけにはいかない」 唯「せんせえ……」 掘込「立花、冷却スプレーだ。治療の間にどうするか決めなさい」スッ 姫子「はい……ありがとうございます」 唯「ちべたーいっ!」プシュウウウウ アカネ「我慢しなさい!」 紬(佐藤さん、何で楽しそうなのかしら?) 澪「佐々木さん、声かけてくれなきゃ多分捕れなかった。ありがとう」 曜子「えへへ……でも、どうしましょう?」 姫子「多分すぐには痛みは引かないだろうから、別の投手を立てるしかないかな……」 律「姫子が投手やるか?」 エリ「でもショートが居なくなるんだよね……」 姫子「ん~……いちご、やる?」 いちご「わたし?」 いちご「わかった。律、受けて」 律「え、お、おう!」 エリ「早!」 姫子「即決即断だな……」(ぶっちゃけ言ってみただけだったんだけど) 澪「次は憂ちゃんからか……大丈夫かな」 唯「え~、交替~?」ブー 曜子「でもその足じゃ難しいでしょ?それに凄く疲れてるみたい……」 唯「そんなことないよ~」グテー アカネ「ムギちゃんのひざに寝っ転がってちゃ説得力無いよ?」 いちご「ふっ!」シュパッ 律「おし!」スパァン 律(やっぱ経験者だな……野手とはいえ唯とはなんか違う) 憂(お姉ちゃんより少し、ううんもっと速いかな……) 梓「憂、ごめんね。唯先輩のこと……」 憂「一生懸命やった結果だもん。ぶつけようと思ったわけじゃないんでしょ?」 梓「そりゃそうだけど」 憂「ならいいんだ。お姉ちゃんも元気そうだし、正直私も少し休めたもん」 梓「憂……」 姫子「先生、若王子がピッチャーで、平沢がレフト、佐藤がセンターに入ります」 掘込「ん、そうか。平沢は走れるのか?」 姫子「はい、あのとおりです」 唯「ムギちゃんのおひざ、あったか~い……」 紬「あらあら」 アカネ「わ、わたしも次いいかな!?」 掘込「……そうか」 姫子「唯……」 プレイ! 律(二死一二塁、バッター憂ちゃんか……ヘビーな場面だな) 憂(弘ちゃんまで繋げれば勝てる!) いちご「っ!」シュパッ スパァン ストライーク! 律(動じてねーし。可愛げ無いけど、助かる) 憂(速いなぁ……) 岡田(こんな隠し玉があったのか……まあこっちにもあるけど) いちご「っ!」シュパッ 憂「やっ!」ブォン スパァン ストライーク! 憂(当たらない……!) 律「いいぞいちご!」シュッ いちご「ん」パシッ 岡田「純ちゃん、いこう」 純「おっ、待ってましたよ!」 憂(まだ終われない……!) 律(憂ちゃん、悪いけどこいつは打てないよ) いちご「ぃやっ!」ボッ 憂「当たって!」ビュオッ ドパァン ストライークバッターアウト! 姫子「いちご、ナイス火消し!」ペシペシ 唯「いちごちゃん王子様みたい!」 いちご「せやな」 エリ(あ、ちょっとうれしそう) 憂「最後の球、前の二球と全然違った……」シュン 梓「憂、ドンマイ!」 坂口「あんな人いたんならソフト部に入ってくれたら良かったのに!」 岡田「大丈夫、次で私が決める。ね、純ちゃん」 純「わたしにまかせなー!」 梓「え、純、まさか投げるの?」 岡田「なんか練習してたみたいだし、憂ちゃんももう1イニングは厳しいだろうからね」 憂「純ちゃん、お願いするね。はいボール」スッ 純「承った!」パシッ 純「よーっし、坂口さんちゃんと捕ってよー!」 坂口「はいよ」 純「いくよー!」スッ グイッ 梓(捻りがやけに大きいなぁ) 純「ちょいさー!」ザッ シュバッ 憂(サイドスロー!?) 坂口「とっと!」スパァン 純「ふふふ、決まった……」 唯「すごーい、なんかプロみたいな投げ方!」 律(岩崎っぽいな) 岡田「先生、鈴木がピッチャーで、平沢がレフトに入ります」 掘込「わかった」 プレイ! 純(ふー、やっぱ人相手だと緊張するな~)「やっ!」シュバッ 曜子「!」 スパァン ストライーク! 坂口「その調子!」シュッ 曜子(すごく変わった軌道……投げ方でこんなに変わるものなのね) 純「おりゃー!」シュバッ スパァン ストライーク! 曜子(でも……そんなに速さはないのね。これなら) 純(ふっふ、追い込んじゃったよ~) 純「決める!」シュバッ 曜子「打て、る!」キンッ 坂口「えっ!?」 梓「ありゃ、純……」 澪「佐々木さん!」グッ 曜子「秋山さん……!」フリフリ 律「皆よく打つねえ唯さんや」 唯「塁に出てないのはあたしらだけになってしまったねえ」 エリ「老化しとるー!!」ガビーン 純「あれ、おっかしいな……」 坂口「たまたまだよ、気にしない!」 梓(不安だ、果てしなく) 澪「鈴木さん、お手柔らかに」 純「はいっ、澪先輩!」 梓「こら純!」 純「へーへーわかってます、よっ!」シュバッ スパァン ストライーク! 澪(確かに見慣れないけど、別に難しい球じゃないな……特別回転かけてるわけでもないし) 純「てぇやっ!」シュバッ 澪(いけるっ!)カキーン 純「うそぉ!?」 憂「純ちゃん……」 梓(この場面でこの人かあ……) 岡田「梓ちゃん、二塁側に寄ってて」 梓「え、うん」(なんだろ?) いちご「……」トントン 純(すごい威圧感を感じる……) 純(ここは例のボールで満足するしか無い!) いちご(目が変わった?) 純「だあっ!」シュパッ スパァン ストライーク! いちご(……?) 純(やばやば、ぜんっぜん指にかかってなかったよ……) 純「であっ!」シュパァッ いちご(もらった)ビュォッ ククッ いちご「っ!?」ガゴッ 純「よっしゃ!」パシッ 坂口「純ちゃん、セカンド!」 純「うんっ、梓!」シュッ 梓「岡田さん!」パシッアウトー! シュッ 岡田「よし!」パシッアウトー! 律「うそだろ……」 アカネ「いちごちゃんが、ピッチャーゴロダブルプレー……」 いちご「……」トボトボ 唯「いちごちゃん……」 いちご「ごめん、なさい……」 姫子「気にしない!」ガバッ いちご「!」 姫子「あたしが打って決めれば関係ないしね、皆と打ち上げにどこ行くかでも相談してなよ!」 いちご「……ありがと」ボソッ 姫子(どっちにしろ一打サヨナラ、あたしで決める!) 純(やなバッターしかいないな~もう!) 坂口「……」スッ 憂(えっ、立ち上がった……?) 律「え、これってまさか」 アカネ「敬遠……!」 純「え~、マジで?」 姫子「ピッチャー不服そうだけどいいの?」 坂口「いいんです。純ちゃんだって先輩と真っ向勝負で敵わないってわかってるはずです」 姫子「……そ」 ボール フォアボール! 紬「……」ジッ 純(……なんか怖いんですけど) 純「ふっ!」ビシュッ 紬「はあっ!!」ゴシャァッ 坂口「うえぇっ!?」(終わった!?) ファール! 純「は、はー、びっくりした……」 坂口(もしかしなくてもこの人怒ってるな……) 紬(いちごちゃんを想う姫子ちゃんの気持ち、踏みにじった罪は重いわよ……)ゴゴゴゴゴ ボール フォアボール! 紬「りっちゃん、あとお願いね」 律「おう!」(ムギ、目が笑ってないよ……) エリ「逃げられたかー」 澪「賢明だと思うよ、私たちも怒ったムギなんて見たことないからな……」 アカネ「確かに、ムギちゃんはいつもニコニコしてるものね」 唯「そうだよ、おっとりぽわぽわなんだよ~」 律「さーて、残り物には福があるってか」 純(やっばいな~、こんな状況じゃ怖くてあんなシンカーもどき使えないよ) 純(やっぱやりたいってだけでピッチャーなんてやるもんじゃないのかな……) 梓「純!頑張れ!」 憂「純ちゃん!」 岡田「純ちゃん、逃げないで」 坂口「ミット目がけて来い!」 純「み、みんなぁ……」 律(これが友情パワーか) 純(ふう、泣いても笑っても最後。ならもう全力投球だ!) 純「いっくぞー!」ガバッ 律(大きく振りかぶった?) 純「んん~……!」グルン 梓(凄い捻り!これって) 純「でやああっ!」バシュッ 岡田(トルネード投法!) ドォンッ ストライーク! 律「……ひゅー、やるねえ」 純「ふっふっふ、これが私の全力っすよ!」 梓(純、すごいじゃん!) 純「まだまだ試合は終わらせません、よっ!」バシュッ ドコォッ ストライーク! 律(確かに速い) 律(しかも捻りの大きさでリリースポイントは分かりづらい、か) 律「……ふー」 唯「追い込まれちゃった……」 澪「純ちゃんもやるもんだな」 エリ「りっちゃーん、きばれー!」 アカネ「エリ、なんてはしたない……」 純「これで……」ガバッ グルン 純「ラストですっ!」ザシュッ ギャオッ 律(確かに状況は厳しいかも知れねえ、だが) 律「出塁率0割で終わってたまるかーーっ!!」カキャァン! 7
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ダイスキが溶け合って クチビルで重なって ぎゅっとぎゅーっと抱きしめて キラキラあふれるように!(イエイ!) GO×6 ぽわん♪ GO×6 ハイハイ! GO×6 ぽわん♪ GO×4 1234 GOGO!! あーでもない こーでもない 考えすぎるあたし 大事にしたいヒトなら目の前にいる (ふ〜) 年下のキミのこと 悩みのタネ いつでも (ハイハイ!) 素直になれないまま キミのねだりガオにいつもヤられるの(*゚-゚*) ダイスキが溶け合って (ぽわん!) クチビルで重なって (ハイハイ!) ぎゅっとぎゅーっと抱きしめて (おー!) キラキラあふれさせてね!(う〜キュン☆キュン) トキメキは序の口で (ぽわん) ドキドキはまだ続く (ハイハイ!) 不器用にカラマッタ (おー!) あたしの恋はどーなる?(イエイ!) GO×6 ぽわん♪ GO×6 ハイハイ! GO×6 ぽわん☆ GO×4 1234 GOGO!! どうしようもないみたい 熱にウかされちゃうと 強気な態度もホラね ヤクにたたない(ふ〜) 甘えた声しないで イヤだなんて言えない。。。(ハイハイ!) 子猫のよーに見つめる(にゃー◎) キミのこまりガオ果てしなくカワイイ!(≧▽≦) パステルにおまじない(ぽわん) カラフルな夢見ましょ(ハイハイ!) ココロまで染まるなら(おー!) キミと同じ色がイイ(う〜キュン☆キュン) トキメキは序の口で (ぽわん) ドキドキはまだ続く (ハイハイ!) 不器用にハジマッタ (おー!) あたしの恋はこれから!(イエイ!!) Lalala... ダイスキが溶け合って クチビルで重なって(ぽわん♪) ぎゅっとぎゅーっと抱きしめて キラキラあふれさせてね!(イエーイ!) パステルにおまじない(ぽわん) カラフルな夢見ましょ(ハイハイ!) ココロまで染まるなら(おー!) キミと同じ色がイイ(う〜キュン☆キュン) トキメキは序の口で (ぽわん) ドキドキはまだ続く (ハイハイ!) 不器用にハジマッタ (おー!) あたしの恋はこれから!(イエイ!!) GO×6 ぽわん♪ GO×6 ハイハイ! GO×6 ぽわん☆ GO×4 fripSide NAO Project!