約 2,552,022 件
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/593.html
作成中です・・・ ページ:1 2 3 作品 ■▲▼ 草になれ 219 名前:草になれ[sage] 投稿日:02/08/24 16 32 ID I0Ct2ZtG 庭のやたら目に付く処 ある雑草 汚れて見えるから抜いた そしてあたしは家に彼を招く 幸せな春の日 気が付くと又 性懲りもなく 夏の雑草はうちの庭を占領してる 土を掘り返して根ごと取り除き 今日は街へ 秋驚いた事に更に生えた雑草 上手くいかない恋をして居る その気持ちを 委ねて草を刈る 滅茶苦茶だった もうあたしの心も風も 冷たくなってきた冬 貴方は残酷だ 相変わらず抜いても抜いても あの草は 強く生きて居る 其の姿に 青い泪を注いであげたい 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 草! 222 名前:草![sage] 投稿日:02/08/24 22 24 ID YfnDQj9j 誰にも明かしたことなどないが 俺は本当は草なのだ 初めて今お前だけに明かすが 俺は本当は草なのだ まきびしだって持ってるぜ (行くぜ!) 陽の当たる町 遠く離れて 山陰に忍ぶ 俺の故郷さ 町から車で35分 オーイエ!たったの35分さ 俺は小さい頃から木の上飛んだ 俺より成長早いぜ木の上飛んだ 今じゃ樹齢が300年の 巨大桜も飛び越す俺さ だけど仕事は見張るだけ 草に隠れて見張るだけ 人工衛生浮いてる時代に 俺の仕事の意義って何?何?何? とにかく生まれた時から草だ 忍者装束なくても草だ バーガー食って ゲームして すごく自由だけれども草だ 224 名前:草!(上からの続き)[age] 投稿日:02/08/24 22 25 ID YfnDQj9j 信じないなら見せるぜ 忍法 俺のチャックがいきなり 解放 大したもんだろ?ズルムケ ち○ぽう 俺のニンポでお前を 貫こう お前「何わけわからんこというてんのん? 草ってアンタそこら辺に生えてる草かいな 意味不明なボケもいい加減にしとき!!」ビシィッ!! 意味が全然通じないYO! 現代人って通じないNE! そういう俺だって現代人だYO! 時代遅れの現代人だNE! 草とは忍者の意味なのだ お前「知るか!!」ビシィッ!! 江戸時代なら通じたのだ お前「しつこいわ!!」ビシィッ!! そして俺はその草なのだ お前「キショいわ!!」ビシィッ!! 俺のアイデンティティーはどうなるのだ お前「死ねやボケ!!」バキャァッ!!! 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 草の絨毯 223 名前:草の絨毯[sage] 投稿日:02/08/24 22 25 ID NspPC4/b 植物園に行きますた 乳豚のリンゴ 麺出のブドウ お気に入りの菩提樹 すらりと咲いた女郎花 針葉樹林を深緑の風 紫百日紅に揚羽蝶の乱舞 姿やさしい赤松を映す 池の水面にはヤンマが飛んで 見所の多い広い園内を 散策しながらふと周りを見ると 草の絨毯 名札も何もない 雑草が生き生きとしてる 花の終ったシロツメグサが 微妙な緑の濃淡を作って よく見ると蟻が飛蝗が 秋の到来に急かされている 何げに植物園で過ごした後半は 四つ葉のクローバー探しとなりますた 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 馬小屋と葡萄畑のはなし 230 名前:馬小屋と葡萄畑のはなし[sage] 投稿日:02/08/24 22 48 ID lHWMMaZ4 熟成したほしくさに身を任せ、いつか僕は革張りの服を着て 北欧のようなあの、牛の匂いと 草の香りが混じった小屋を拠り所にして いつか一個のベルを買い求め 君と一緒に鳴らしながら とくりとくりと流れる汗粒のひとつひとつに クローバーの葉をくっつけよう とか それとも ブドウ畑の蝸牛の話をしようか。 どうしようもなく白い身体を 雨粒をぬらして葉にぺったりと 隠れているそれを 君と一緒につかまえてようとか そういう想像をしながらぼくは 今の生活の吟味もせずにせっせと咳こんで ごみ箱にティッシュを投げ込んで 穴の深さを測る それが僕の業の深さだったり 空気のせいさ 喘息薬の匂いは それでもいつか髪の毛から 海のにおいをかぎわけ ほんのひとつの波がカタツムリという貝類を ここに置いてきぼりにしたつよい潮風を感じてみたいね 君につたえると 毒のない青酸が白いシチューのなかに いまほんのすこしだけ混じった そういう、いい天気だ。 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 17回目の草むしり 233 名前:「17回目の草むしり」[sage] 投稿日:02/08/25 01 43 ID tKhtR5jv ―夢を見たのよ。お母さんとお前たちで草原にピクニックに行くの。― 8月13日 大理石は太陽を反射する ―水色のワーゲンに乗ってね。― どくだみはいい草だから抜かない 煎じて飲むと身体にいいから “お母さん、家の車はもうマーチだよ。ワーゲン売っちゃったじゃん。” 猫じゃらしとクローバーは可哀想だけど抜こう 汗だくの額 ―夢だからいいのよ。楽しかったなぁ。― 石段の影で 線香に火をつける “ラベンダーの香りなんだって 菊とか桔梗はあんまり好きじゃなかったから オレンジ色のガーベラ買ってきたよ はい 綺麗でしょ また来年来るからね” 8月13日 風はとても強くて 目をつぶるとラベンダーの香りに 草原を走る水色のワーゲン バンパーの銀色がきらきら夏を反射して 反射して 234 名前:「17回目の草むしり」(続き)[sage] 投稿日:02/08/25 01 44 ID tKhtR5jv “そうだ、ずっと言おうと思ってた事があるんだ 小学校の時 病室で お母さんの財布から小銭くすねちゃってごめんなさい” もう一度目を閉じる 薄青い夏の空に大きな入道雲と 広い広い緑の草原 水色のワーゲンは埃を立てて赤茶色の道を走る オレンジ色のガーベラは お母さんの見た夢の景色に良く似合うね ―くすねた小銭でなに買ったの?怒らないから言ってごらん?― “・・・・・漫画。” オレンジのガーベラに免じて許してよぉ! 陽射しにぬるまった水を黒い大理石にそそぐと 銀色にきらり と 反射した 足元でどくだみが風に揺れて くすり と 笑った 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ ねこじゃらし 235 名前:ねこじゃらし[] 投稿日:02/08/25 03 24 ID n3JbTIzf さわさわと そよかぜの中 シュッとのびた細い葉を ほっぺたに感じ さぁいこう おきにいりのあの陽だまりへ 途中で出会う ちょうちょやトンボ 今日はごきげんで ごあいさつ 「今はおなかいっぱいだし」 空がすこし高くなったかな? (ぱしぱし) うすいくもが ゆっくりと流れていく (ぱしぱし) だれだよ? さっきから俺の頭をこづくのは 目をやると みどり色のあの物体 またおまえかよ? なんだよおまえ なんだよおまえ なんだよおまえ いつもいつも 俺にケンカ売ってんのか? 前足をそろえ 顔は肩より下に おしりをフルフル 今だ!! くっそぉぉ からぶりか・・・ ぬあぁぁぁぁぁぁぁ これならどうだ!!! 必殺ねこパーンチ☆ よし、やったぞ! ぬぁにぃ?? また戻ってきやがった ムキーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!! もう どうにもとまらない 日常化した無限ループ 俺にとっちゃ 真剣そのもの みどり色のあの物体は また俺をバカにしてる くっそぉ 今日こそ・・・ 今日こそ・・・・・・ 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 森 242 名前:森[] 投稿日:02/08/26 14 22 ID 1XD4FUwB 静かな風に誘われて 踏み入れたときは知らなんだ それは夜に続く密林で 私は無邪気に葬列に並ぶ 風を見た 同調する 蛸足のような草波に絡め獲られ もとより身から出た錆だとも 彼らは気付かないようだ 私だけを照らす月光とて 道標になりはしない 耳を衝く深い森のため息にうずくまり 一人けさざやかに呟く 躍れ躍れ風躍れ そなた踊れば 私ともに死にたもう 地面より湧いて出た蟲たちや 遠く風に運ばれた種たちが 私の亡骸を彩ってゆく しかし私を連れてきた風だけは その草波に今だ迷い 私を運んではくれない 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 想<sou> 243 名前:想<sou>1/2[] 投稿日:02/08/26 19 10 ID IT5OivcC すぐそばを 空気の膜をえぐりながら 自動車の列が過ぎ去っていく その排ガス混じりの風に吹かれ ゆれている ただなすがままに 乾ききったアスファルトの街路 忘れ去られ 薄汚れたプランターの中 ときおりぱらぱらと注がれる雨が この生命を生かしている ただなすがままに ここの主が枯死したのは いつのことだったか 皮肉にもよそ者だけが こうして 今も生命をながらえさせている ただなすがままに 245 名前:想<sou>2/2[] 投稿日:02/08/26 19 13 ID IT5OivcC どこにも土は見えない 世界はいつから 土のにおいを忘れてしまったのか プランターのわずかなそれからは 腐臭がただよっている ただなすがままに 側を通る誰の眼にも うつることはない 透明な存在 でもこの緑を見てほしい とは思わない ただなすがままに 風にふかれ雨に打たれ ただなすがままに 生きて想う ただ想うのだ 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ マルセリーノ 244 名前:マルセリーノ[] 投稿日:02/08/26 19 12 ID DIB4Tz0n 発情した庭師の最後の仕事 肝臓を患った老人を横目に 虹が見えなくなるまで水を撒く 刈り取った小枝を集めて 秘密の武器を作る 見栄えよりはむしろ庭師のの心象風景に忠実な出鱈目な構図 出鱈目な構図 その構図の中に気の利いた労いを知らない娼婦が割り込む 娼婦が割り込む 時間切れで 訝し気に庭を見渡す一匹の猫だけが庭師を昇天させた 【コメント】 【得点】 0点 ページ:1 2 3 ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/73.html
ページ:1 2 3 4 お題 神経 開催期間 2005/04/04~2005/04/14 参加作品数 24 審査員 6人 本スレ 14の178-256 議論スレ 9の774-843 【チャンプ】 神経(園川):9点 【準チャンプ】 海岸へ走る猫:5点 痛覚神経(soft):5点 作品一覧 No. タイトル 作者 点数 181 ナヲ - - 184 はなつづれ - 1 185-186 シリピア - 2 187 無神経 - - 188-191 神経 園川 9 192 失語 - - 193 神経衰弱 - 1 194-195 催眠 - 3 196 はじまりのうた P 3 197-198 末梢サラリーマン - - 199 音 - - 201-203 世界がオワだなんて、そんな! Canopus - 204 儚く散ってゆく日々 - - 205-207 選択 ゼッケン 3 209,211-212 夢神経 ウノ 3 210,213-214 青のイマージュ MUJINA 3 215 カナシイソラ - - 216 かわいそうだからあんたを私は捨てれない - 2 221-222 海岸へ走る猫 リーフレイン 5 223-225 虚無 - - 226 痛覚神経 soft 5 227-228 交☆感日記 ヒゲルド 2 229-230 僕は一人。水平線で - - 231-232 幽霊が覚えてる 清掃局の者 3 【審査員】 園川 ◆nWfXpQxHHM 葉土 ◆Rain/1Ex.w Canopus ◆DYj1h.j3e. MUJINA ◆iXws.WGCLY ゼッケン ◆DgT0G2eW4I ななほし ◆lYiSp4aok. 【採点レス】 239 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/12(火) 11 35 10 ID WoAUkFfY 3点 「海岸へ走る猫」 2点 青のイマージュ 1点 はじまりのうた 246 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w 投稿日:2005/04/13(水) 21 14 42 ID 1YfK0ynR 採点。 188-191 「神経」 3点 231-232 「幽霊が覚えてる」 2点 205-207 「選択」 1点 226 「はじまりのうた」 1点 247 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/04/13(水) 23 04 16 ID z2OMdFxz 3点 188-191 『神経』 2点 194-195 『催眠』 1点 184 『はなつづれ』 248 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/13(水) 23 25 03 ID 9jZiJlaE 【3点】 >226 痛覚神経 【2点】 >185-186 シリビア >227-228 交☆感日記 >221-222 海岸へ走る猫 >205-207 選択 【1点】 >188-191 神経 >193 神経衰弱 >194-195 催眠 >209,211-212 夢神経 >231-232 幽霊が覚えている 250 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I 投稿日:2005/04/14(木) 00 33 07 ID Xl5uprb3 188-191 :神経 に1点。 798 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/15(金) 11 48 20 ID vWpKpql+ 2点 209 :夢神経1/3 :2005/04/10(日) 00 39 03 ID jq2r9xlh 2点 216 :かわいそうだからあんたを私は捨てれない : 2点 226 :痛覚神経:2005/04/11(月) 17 53 14 ID 8CJw2XYM 1点 196 :はじまりのうた :2005/04/08(金) 06 46 42 ID yJgfq5MF 1点 210 :青のイマージュ 1/2:2005/04/10(日) 00 39 14 ID UIPYkJYL 1点 188 :神経 1/4:2005/04/06(水) 13 35 08 ID OJU4Erzh 作品 ■▲▼ ナヲ その時 ソレは ぷつり と音をたてた きりきり きりきり ねじ上げられ ぎりぎり ぎりぎり テンションがかかり きゅるきゅる きゅるきゅる 中心から細っていったソレは いともたやすく いとも軽やかに その時 ソレは ぷつり と音をたてた 181 名前:ナヲ 投稿日:2005/04/04(月) 03 27 14 ID +yTWQKDK 【コメント】 217 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19 30 27 ID aTfoXG3v 181 ソレ 読者にどこを読ませたかったのか、作者に解説してもらいたいと思った。 無属性な文字列の印象とそれを成立させている叙述の過不足の無さには好感を持った。 775 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00 42 17 ID TETQl2H4 181 :ナヲ :2005/04/04(月) 03 27 14 ID +yTWQKDK そのときソレは、といったところで、お題に寄りかかってしまったかなぁ?? どうでしょうか?? 779 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10 10 40 ID 1YfK0ynR 181 ソレ 題から考えて、ソレは「神経」だろなと思いました。 神経がぶち切れた瞬間。。 アキレス腱が切れたときみたいな描写でした。 とはいえ、この詩は対象を明記していないという推理の妙に 頼りすぎているんで、ちょっとあれだなあ。。。 787 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05 04 00 ID KKxjl5L7 181 ソレ 一時間弱での投稿かあ、早いなあ。でもその瞬発力が言葉に出てないと思う。 一発勝負のアスリートタイプなら、獲物に食らいつくその野蛮な瞬間を見せて欲しい。 生肉を持って来い、レンジでチンしたできあいのトレイではなく。 【得点】 0点 ■▲▼ はなつづれ すみれのはなのつるがわたしのあしさきから たれはじめてそこからしずかにだいちにねをはり みずをすいあげはじめたのははるがずるずるとなつに ひっぱられていくようなべるべっとのなかで ようやくこしをあげたわたしのせぼねからはあさがおのつるが たれておりそれがわたしのせなかからくびへとはってさいごに あたまのてっぺんではなをつける ぼくのからだはようりょくたいでおおわれ みどりいろになりしだいにこうごうせいをし しぜんにとけこんでいく ぼくはだいちのなかへともぐりこんでいく ぼくのしんけいはときどきくわでえぐられ のうさくきでほりおこされむざんにきられてしまうが またふっかつする ぼくはとてもこっけいだ 184 名前:はなつづれ 投稿日:2005/04/05(火) 09 07 18 ID PxF9nfhI 【コメント】 217 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19 30 27 ID aTfoXG3v 184 はなつづれ 5行目の、読者を煙に巻く文脈の展開が気持ち悪くて良かった。 平仮名の必然性が唯一感じられた箇所。でも他は何を書きたかったのか分らなかった。 234 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/12(火) 01 30 49 ID kzQXx8hV 184 はなつづれ 第1連のつるのイメージは、けっこう幻想的でいいんじゃないか。「あけびのつる がからまり」とかどうたらこたか、という詩を昔読んだ気がするのを、いま突然 思い出した。3~4行目あたりは、作者の真骨頂、というところだろう。 第1連の「わたし」から、第2・3連の「ぼく」への一人称の変化は、人間が 植物に進化したことを示したいのだろう。こうした手法ではなく、文体や語調の 転換などで表現する描写力で勝負してもらいたかった、というのが正直な感想。 ひら仮名表記の必然性はあまり感じられなかった。 247 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/04/13(水) 23 04 16 ID z2OMdFxz 1点 184 『はなつづれ』 1連めのことば運びは魅力的で、植物が成長していく 早回しの画像のイメージを堪能しました。滑らかな文章ですが、それだけに 「すみれのつる」は目立つミスでしょう。最後の「こっけい」も、ぼくには腑 に落ちなかった。 775 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00 42 17 ID TETQl2H4 184 :はなつづれ :2005/04/05(火) 09 07 18 ID PxF9nfhI ぼくはとてもこっけいだ < シリアスなユーモワを感じた。 779 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10 10 40 ID 1YfK0ynR 184 はなつづれ (微妙なんだけども、すみれは蔓ではないような。。) 前半は朝顔が這い上がっていく一本の樹(ようやく腰をあげたという記述から、 どうも春になるまで地を這っていて、それから上へと伸びていく何か。)ーわたしーが主体。 後半は語り手が変わって、朝顔そのものーぼくーが主体。作者はどっちかってと その寄生している朝顔に自分を重ね、神経系と根を重ねてあわせ、 その、なんというか徒労の多い労力(ぶちぶちと切られてしまうので)に自嘲を描いています。 読みながら、つい頭の中で漢字変換していました。たぶん平仮名でないほうが美しい。 平仮名であることで、なんとなく無色無個性な神経系がくもの巣を網を張るように伸びていく 不気味さみたいなものがかもし出されているんだけど、どうも、その効果は記述されている 内容の美しさによって逆に殺がれてしまっているような気がします。(特に前半) 前半主体と後半主体に分割した理由がいまひとつわかりにくい。両者は絡み合っているに もかかわらず、気持ちの上では自閉してしまっているので、前半と後半が乖離してしまっていて惜しいです。 788 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05 05 07 ID KKxjl5L7 184 :はなつづれ アルジャーノンに花束を の主人公の最後の手紙を思い出しました。 植物になる作者さんの最後の独白という雰囲気を演出するために全文ひらがなということでしょうか。 で、この作者さんが手に入れたのは安らぎではなくて、「こっけい」なほどに残酷な生命力。 それは「えぐられ」ても「きられて」も「またふっかつする」神経によって安らぎはもはやないわけですね。 「ぼくのしんけいはときどきくわでえぐられ 」とくるんですけど、これが唐突なんですよね。 一連目の「わたしのせぼね」からたれている「あさがおのつる」は脊髄から延長された神経のイメージだと思うんですが、 それなら「はなをつける」感覚(たぶん耽美な)を作者さんは味わったはず。そういうのも書いてあれば、 二連目の後半でのしんけいという言葉の登場も違和感がなかったんじゃないかと。 あと、一人称は私の場合も作中で変えるんですけど、あとにつづく文章や雰囲気で。 全体としての統一から見るとやっぱまずいような気もするし、でも、その瞬間においては 換えないとしっくり来ないしで、難しいですよね。難しくないですか? 【得点】 1点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点 ■▲▼ シリピア これまでの人生で、たぶん12回ぐらい、<本当にヒドイこと>を、僕は女性に、 したんじゃないかな、と、思うんだけど、これはその中でもいちばんヒドイことだっ たんじゃないかな、と思う。 中学生のときに、太った女の子が、前の席に座っていたのさ。 よく笑う子で、ちびでおかっぱで、頭が良くて目がきれいで、明るくて人に優しくて、 あんまり美人じゃなかったけど僕はその子が好きだったんだな。僕らは仲良しで、いろん な話をしたのさ。 ある日、僕は画びょうを持っていて、なんとなく、面白いかなって思って、彼女の椅子 に置いてみたんだ。 そしたら彼女は、まるで気がつかずに座ってしまって、僕はびっくりして大笑いしたのさ。 彼女が振り返って不思議そうな顔をしたので、僕もちょっと不思議だったし、「立ってみ てよ」と言ったんだよ。そしたら僕の画びょうは、ちゃんと車襞スカートの上から彼女のお 尻の左側に刺さっていて、僕がちょっとつっついたら、コロンと床に落ちたのさ。 彼女はそれを見て「あれ?」って顔をして、その顔がゆっくり変わっていって、最後はちょっ とさびしそうな笑顔になったんだよ。 そのとき僕は、太った女の子のお尻は大体全部脂肪でできていて、そこには痛覚 を感じる神経の分布が少ないのかな、って思ったんだけど、本当はそうじゃないん だろうな。 本当は痛みってのは、神経とかじゃなくて心で感じるものなんだろうなって、 今は思う。 185-186 名前:シリピア 投稿日:2005/04/06(水) 00 26 33 ID Ic1I2T0o 【コメント】 217 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19 30 27 ID aTfoXG3v 185 シリピア なんでもない散文に、 「痛みってのは、神経とかじゃなくて心で感じるものなんだろうな」 という、ありきたりな認識の転回。 生活語の中に一点「車襞スカート」や「痛覚を感じる神経の分布」 という、いかにもな語彙の転調。多分それだけの作品。 234 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/12(火) 01 30 49 ID kzQXx8hV 185-186 シリビア 読んだあと、この詩のことがしばらく頭から離れなかった。好きな女の子をいじめる、 ってのはよくあることじゃないか。でも、ちょっと度が過ぎたみたいだね。 第3連の「その笑顔がゆっくりと変わっていって、最後はさびしそうな笑顔になった」 というくだりが、最も印象的。簡潔だが的確に表現している。 こんな内容は詩よりも散文、エッセーにして書いたほうがよい、というのは読後に 予想された批判だ。でも、否と思う。随筆にすると、どうしても説明的な文章でさらに 水増しされてしまって、印象が薄くなる。やはり、ギュッと濃縮したポエムジュース として飲むほうが味わいが深くなるのではないか。それと、もうひとつ。簡単体、とで も言うのだろうか。余分な装飾を排した明瞭な文体は(ここらあたりも、詩らしくない、 と論難が加えられそうなところ)、私好み。 最後の2行は、グッと抑えて、書かないほうがよかったんじゃないの。書くにせよ、 画鋲に焦点を持っていくとか、安易に「心」を出さないでも、ほかに持っていきよう があったはずだ。 248 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/13(水) 23 25 03 ID 9jZiJlaE 【2点】 >185-186 シリビア……これも立派に詩、と呼んでよろしい。 何しろ山之口獏さんのような詩もあるんですから。 775 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00 42 17 ID TETQl2H4 185 :シリピア (1):2005/04/06(水) 00 26 33 ID Ic1I2T0o お話の世界に引き込まれて読んでしまった。有りそうな話だ。でも、 ありそうな話から飛び出してほしい。……読者のかってな期待が高まる。 780 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10 11 59 ID 1YfK0ynR 185 シリピア ”あれって言う顔がゆっくり変わって最後はちょっとさびしそうな笑顔になった” っていうのがいいなあ。この女の子が実に良い子だというのが良くわかるし、 その変化を見逃さなかった本人も良い子だねえ。 とはいえ、美しく育ったかもしんない恋は死んでしまったやもしれない。。(ご冥福を祈ります) 詩としてはここで終わってしまったほが良かった。 788 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05 05 07 ID KKxjl5L7 185-186 :シリピア あの、これ傷害罪だと思います。んで、「痛みってのは、神経とかじゃなくて心で感じるものなんだろうな」 なんてノンキな感想を述べてるし。反省してないなー、作者さん(実際は知らんけど)。 おおらかな時代の思い出話として読ませてもらいました。 【得点】 2点 MUJINA ◆iXws.WGCLY:2点 ■▲▼ 無神経 ブローカ中枢に棲むキングコブラは 0,1ミリの氷の中で串刺しになりながら シンケイサイボウの歌いやまない シワシワの脊髄を凝視していた 脳から分泌された心地よいシナプスに 生々しいメロディーを合わせてみれば ニューロンみたいな私の舌先から 情報インパルスがニョロリと拡散し 喉が焦げ、胸が焼け、手脚もポキリと取れてしまい、 煙草の煙みたいなダルマよりもみみっちく まるで右脳だけになった私のカラダは ついには変態の キングコブラに食われてしまいました が、少なくとも キングコブラの悲しげな咆哮は リクツダラケの空の下で、今も断続的に響いてます ああ…、なんて無神経なウナリ声なんだろう 187 名前:無神経 投稿日:2005/04/06(水) 03 52 19 ID oA1Y9k+e 【コメント】 217 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19 30 27 ID aTfoXG3v 187 無神経 特定の専門語彙のなかでの詩的戯れ。最初は興が乗らなかったが、 3連目辺りから「出まかせ語法」とでも言いたいようないい加減さに笑わせられた。 勢いを損なわない程度にもう少し描写を丁寧にするといいかもしれない。 今のままだと名詞に振り回されすぎて読者の頭にスッと入ってこないと思う。 775 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00 42 17 ID TETQl2H4 187 :無神経:2005/04/06(水) 03 52 19 ID oA1Y9k+e ブローカー、キングコブラ、喉が焦げ、変態、リクツダラケ、無真剣な オヤジタイプの人のコトかなぁ??? 理屈っぽいは若年のヒトかなぁ?? 780 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10 11 59 ID 1YfK0ynR 187 無神経 ”シナプス”の使い方が変だもんで読み手が(???)と思っているうちに詩が終わってしまった。 ”ニューロン”のイメージもしっくり合わない(涙。 788 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05 05 07 ID KKxjl5L7 187 :無神経 タイトルで損してるような気がします。「ブローカ中枢に棲むキングコブラ」はかっこいいんですけどね。 音楽を司る右脳を食べちゃったら、そりゃ「無神経なウナリ声」しか発せなくなるとは思うんですけど、 解剖学的な正解に結末を簡単に落としすぎのような気がします。そこに行き着くにしても、 なんかもう少し、こう、解剖実習からもうちょっと離れた展開が欲しかったような気がするんです。 【得点】 0点 ■▲▼ 神経 1 試作 a 巨大な高架を支える橋脚の柱石に 落ちている赤いライターを 右折車線の窓外に見る (あっちの崖でさ) (うん) (あの山の、海に突き出してる・・・) 下校する高校生 ベビーカーを推す女を 田舎の道で フロントガラスの向こうに見る (一番大きい?) (そこらしいよ) (じゃあ、あれ嘘だったんだ) ガード下のうらびれた公園の脇に落ちる階段 その真裏の支柱を背に車を停め 買ってきたハンバーガーを食べる (多分) (あたし海いきたいなー、家やだ) (あの崖のカーブ、海に突き出した・・・急な) 夕暮れの空に カーステレオが鳴る ホルダーのシェイクに手をつける 空席のナビシートには目を遣らない (いこうよ) (海?) (うん) 夜 山麓を川沿いに抜ける国道を走る あの時と同じ景色 もう一度 海へ (行こうか) b 川? うん 川沿いなんだな (黎明の野に鬱勃する森の影 遠景の稜線に朝陽が留まる 静止した分暁の空) 暗いねぇ 夜の山だから んー (女は森へ その歩行に呼応し湧出する大理石が 彼女の蹠を受け止める 歩揺する長い黒髪は その一揺れに束と落ちる) やばい眠い、危ない 川がきれいだ (女を追う 大理石の経路には 瘢痕に蝕まれた肢体の残片が 縷々と連なり重なっている) 見えるの? ううん ん? (ウッドソールと大理石の衝突に 明滅する言葉らが、 足元に散る肉塊を整複していく) 見えないけど どっち きれい (歩一歩と 致命的な歩み) c 透明な色石の渥美の肌に とりどりの華辞が彫金される (ここはシルバーでなく イエローゴールドで) 削りだされていく浮文の肌に 恍惚と浅笑する女 (ジルコニアを埋めて 半貴石がいい 濁った石が好きなの) 肉体を失った言葉の幽霊が 逸遊する この際涯 (虚辞の海風がまた私の肌を磨く この石も あの風も 一体誰の言葉なのだろう) 圏点を打たれた黒髪が号してる シフォンの海 鉄の海畔 布と金属の海景 (でも、どうしよう) 2 君へ 脳神経を一本に抽象化できたとして、 その縦断面を観察する。そんな詩を書きたかった。 この抽象的脳神経は精神総体の隠喩であり、 読み手は、言語化された知覚、記憶、夢などの精神現象を、 この作に於いては意識から無意識のベクトルへ下降していく。 妄執。 試行は続く。 いつか、あの女との海へのドライブを、 記憶の捏造によって再開する為に。 そして君と、 意識の上に偽造した世界で再会する為に。 そう思っている。 188-191 名前:神経 投稿日:2005/04/06(水) 13 35 08 ID OJU4Erzh 【コメント】 233 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/12(火) 00 44 16 ID gwDpg/77 188-191 神経 今回の投稿作品の中で一番の問題作から。最初は、どうということはない男女の会話に じわじわと詩語が忍び寄る。そのスリルとサスペンスを描いた異色作。と言ったら、映画の 宣伝文句みたい。「1.試作」の男女のドライブは、「2.君へ」の自己解説で「記憶の捏造」 とあるから、実景ではなく、一本の神経経路を走査するバーチャルなツールと考えてよいのだろう。 「ミクロの決死圏」を連想した。作中、何回も登場する「崖」も「意識から無意識」へと転落 する位相とでもいうところか。 ともかく、結露から言うと、「構成が凝り過ぎ」というのが率直な感想。この部分は、 ミステリーで言えば伏線にあたるところで、最後の詩的な種明かしにつながる、という トリッキーな構想が、推理小説好きにはたまらないのかもしれない。でも、小説嫌いが高じて 詩版にきた私としては、それが冗漫に感じられてならなかった。 そんな策を弄するより、もっと直球で勝負してくれ、と頼みたいところだ。 「透明な色石の渥美(?)の肌に/とりどりの華辞が彫金される」「削り出されていく 浮文(最初、間違えて「淫文」と読んでしまった。でも「淫文」のほうがいいかも)の 肌に/恍惚と浅笑する女」「虚辞の海風」など、剛速球をバンバン投げ込んでいるの だから、増すます「全部直球で」とサインを出したくなる。 それと、やっぱりもっと読者を信用しなくっちゃ。「2.君へ」の自己解説はないよ。 詩っつうのは、何も作者さんの意図が「正しい解釈」じゃないよ。読者に「誤読」する 自由を与えてくれ。もちろん、詩には「正しい解釈」などどこにも存在しない、という 前提の上で言っていることなんだけれど。 246 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w 投稿日:2005/04/13(水) 21 14 42 ID 1YfK0ynR 採点。 188-191 「神経」 3点 不満もあるんだけれども、やっぱり技巧的な挑戦、幻想的な美、 会話文のもたらす効果(耳元に聞こえてくる)という点でリードしてると思う。 247 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/04/13(水) 23 04 16 ID z2OMdFxz 3点 188-191 『神経』 対話と情景描写がネガ、ポジと、反転を繰り返し、舞 台を変えながら展開される、一風かわったアバンチュール。実はぼくは、 『2.君へ』は必要だと思っている。ただ、『2.』の冒頭の2連が、ごっそり要 らないんじゃないかな、と思う。いや、これは凄い詩です。タイトルは、もう ちょっとステキにしたかった。 248 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/13(水) 23 25 03 ID 9jZiJlaE 【1点】 >188-191 神経……妖刀で言葉を切り出す二字熟語の魔術師。 250 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I 投稿日:2005/04/14(木) 00 33 07 ID Xl5uprb3 188-191 :神経 に1点。 実験した部分は自分への不器用な言い訳、こういう詩を書きたかったといいつつ、 技巧的な試みも女への未練に収束する。 理屈っぽい男の女々しさがさらに喪失の痛切さを物語る。 という私の共感を除いても、情景の構成は群を抜いてると思う。 257 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/16(土) 00 33 15 ID EUvUl/Wj 神経を書きました。次回のお題は 「ドラマ」 でお願いします。期日は4/23午前0時まで。 審査期間は4/25午前0時までです。 775 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00 42 17 ID TETQl2H4 188 :神経 1/4:2005/04/06(水) 13 35 08 ID OJU4Erzh 出だし、「試作」が、引き込む好い一言。ちょと長すぎる……気もしないかなぁ? 結節で「再開」と、言うのちょっと、がっかりした感じ…… 781 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10 13 45 ID 1YfK0ynR 188-192 神経 美しい。。。これは美しいです。入れ子細工のようになった2段構えの詩を、前段の入れ子を次段の地の文に 連携させることで、一本の流れを作り出している。 詩作 a で、現実描写の中に、( )に入った過去の追想が展開。 読者の現実を主人公の現実に重ね合わせた上で、共感世界へ誘う。 この現実部分の詩もなかなか見逃せない。”橋桁の柱石に落ちている赤いライター” 詩作b においては、追想の女性と幻想世界への旅が始まる。 今度は( )の中には象徴的詩文が入り、幻想性を一段高める。地の文には追想された幻想の女性。(詩作aの地の文) 単独の幻想詩としても価値がある( )内の詩文は、個人的に尊敬している吉岡実氏の 「サフラン」にも似て、研ぎ澄まされて美しい。( )内の幻想詩を取り出してみると、 森についた幻想の女は髪を束に落とすのを皮切りに、一歩づつ歩みを進めつつ、 その肢体をぐずぐずと落としてゆく。 ”瘢痕に蝕まれ””累々”と重なっていくその穢れた破片は 今度は言葉によって、美麗に石に刻みつけられていく。絢爛たる美が構築される。 (”渥美”は変換ミスですかいな?)幻想の女の満足げな笑いが耳にこびりついて離れない。 美麗かつ難解な単語を駆使した、毒のある豪華絢爛な美は作者の真骨頂だと思う。 (虚辞の海風・・・ からは、実は段が変わる。たぶんここからは 詩作c とでもして展開してもいいような気もした。( )の中は主人公の自省となる。地の文は 前段の幻想詩が記述されている。 幻想の美を展開したあとでその虚しさに言葉を失い、ここから何処へ行けばいいのかと途方にくれる 本人の姿が浮き彫りになっている。 個人的には、この部分はちと不満。詩作bの幻想詩が暴力的なぐらい美しいんだから、それに 拮抗する転落を用意して欲しい。“一体誰の言葉なのだろう”なんて疑問形で逃してしまわないでください。 MUJINAさんも書いていたけど。詩作2は邪魔。ただし、詩作1だけでは題からそれているとのそしりを 免れないのも確かであるので、 ”脳神経を一本に抽象化できたとして、その縦断面を観察する”(題にするならもっとブラッシュアップ) という題をつけときゃあ良かったんでない? 782 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10 19 12 ID 1YfK0ynR あ。。ミスってる 詩作bの地の文は、詩作aの( )内追想部分。に訂正。(書き間違い。。ごめなさあい) 787 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05 04 00 ID KKxjl5L7 本スレ233、MUJINAさんの「誤読する自由」にびびんと勇気付けられたところです。 書いた詩を読ませたり、書かれた詩を読むその両方で。 具象情報であるデオキシリボ核酸も誤読する自由を残したからこそ、 つなげかたしだいで恐竜が鳥になるという手品を見せてくれたし、 抽象情報である言葉もつなげかたしだいでは日記が詩になるという手品を見せてくれるかもしれませんね。 生命を土台に知性というものが誕生するならば、それはまず、 生命の永遠なる不完全性に耐える気力を備えていなければならない というわけで、 みなさんも不完全な読み手に耐えてくださいよ、不完全感想文誤読込み発射。 789 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05 05 43 ID KKxjl5L7 188-191 :神経 う、泣けた。最後で。思い出ってつらいです。 うしろの種明かしに見せかけた部分は、失ったものを断ち切れない女々しさが理屈で言い訳しつつも抑えきれずに爆発してて、痛切。 未練を理屈っぽさでしか紛らわせ得ない男の不器用さがたまらん。純粋で切ない思いをさらに浮かび上がらせている。いま、 なんでもないようなことが幸せだったと思う~ なんでもない夜の事 2度とは戻れない夜~と熱唱したい気分。 会話音声をかぶせつつ淡々とした情景描写、そこで、 「ガード下のうらびれた公園の脇に落ちる階段 その真裏の支柱を背に車を停め 買ってきたハンバーガーを食べる」 という味気ない風景からちょっと画面を引いたら、 「空席のナビシートには目を遣らない」 で、もうすっかりしびれちゃって。 こむずかしい単語を使う理屈っぽい男というのも計算された演出なんじゃろうか。 すべてが創作だったら、すごすぎるよー。 なので、タイトルにも神経つかってください。 798 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/15(金) 11 48 20 ID vWpKpql+ 1点 188 :神経 1/4:2005/04/06(水) 13 35 08 ID OJU4Erzh なんか、架空の橋(嬌)脚の間に釣れ照ってくれる? オチはちょっと不満かなぁ 807 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:2005/04/16(土) 19 09 07 ID 0GlB9prJ 書き手として今回の感想を。 Canopusさんの言うようにすればMUJINAさんや葉土さん、 ななほしさんの批判をかわしつつゼッケンさんの読みを引き出せたでしょうね。 結局後半の冒頭2連のインパクトが強すぎたと言うことだと思います。 確かに、出発としては葉土さんの言うように、こじつける為だったんですけども。 語り手は「試作」を解説しましたが、「神経」は園川が解説するまでもなく、 構造としてはゼッケンさんの読まれた通りで、つまり男の姿を前景化させたかったんですね。 僕が壊してしまった意図をゼッケンさんが共感の力で復元してくれたようで、 不思議な気持ちとありがたさを感じました。 他の審査員の方もよく読んでもらったようで、ありがとうございます ちなみに、以前投稿した「隠喩の実在」という作品も同じような構造で書かれています。 今回やっと一通りのものが、推敲不足でかなりいい加減な部分もありますが、 (特に「ジルコニア」という石について完全に勘違いしてました)書けて、良かったです。 【得点】 9点(チャンプ作品) 葉土 ◆Rain/1Ex.w:3点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:3点 MUJINA ◆iXws.WGCLY:1点 ゼッケン ◆DgT0G2eW4I:1点 ななほし ◆lYiSp4aok.:1点 ■▲▼ 失語 いつも脳みその中身が ミルクよりも白濁している 常に眠くて誰にも会いたくない 脳神経が未発達で シナプスのつながりが悪いからきっと 人とウマく話すことができないんだ 情報が頭の中で錯綜して迷子になる この人と合う話題が思いつけない 結果沈黙でへらへら笑うだけ 昨日のことが思い出せない どうせいいことはないからいいんだけど お気に入りのテディベアがないのは きっと昨日何かしたからだった気がする 覚えてないけど 192 名前:失語 投稿日:2005/04/06(水) 16 28 44 ID v9pKB220 【コメント】 217 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19 30 27 ID aTfoXG3v 192 失語 「脳神経」や「シナプス」という語の使用に無理を感じた。 作品内部に必然性がない。「情報」や「錯綜」も、この作品の平易な語調には不似合いだと思った。 でも、最後の3行は、他者ばかりか自己からも自閉していく主人公の輪郭をきちっと捉えてとてもいいと思う。 きゅんときた。 239 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/12(火) 11 35 10 ID WoAUkFfY その他にいいと思った作品として、 192 失語 199 音 205-207 選択 226 痛覚神経 を挙げておきます。 775 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00 42 17 ID TETQl2H4 192 :失語 :2005/04/06(水) 16 28 44 ID v9pKB220 失語の原因はあきらめか?? デディベァが呼びかけてるのか? 780 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10 11 59 ID 1YfK0ynR 192 失語 失語症ってなあ、大脳皮質の一部が損傷していて、言語と言語の示すイメージがくっつかないらしいです。 その損傷の程度がいろいろあって、①自発的な言葉が出てこない(本を音読したりはできる。)②自発的な 思考そのものにもイメージと言葉が合致しない。(誤って認識がなされる)③言葉そのもんがない。 おおまかにこの3段階に分かれていて、①の場合はまあ、リンクを新たに張りなおしていくことで、かなり回復可能。 ②の場合でも現象と認識をひとつづつ確認していくことで、回復していくらしいですね。 記述されている症状は、不安神経症に近いみたいで、これは大脳皮質の損傷ではなくて、神経内分泌物質の異常。 不安感が大きいため、正常な伝達が阻害されてしまう状態。薬物によってかなり好転します。 脳が萎縮していく場合もあって、(小脳萎縮症みたいなやつ)これが併発すると記憶障害とかも起こります。 なんてことを考えていました。読みながら。 789 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05 05 43 ID KKxjl5L7 192 :失語 書いてる時間が多いと、話し言葉がうまく出ないってことないですか? 私ごとですが。 話せないので書く、覚えられないので創る。と、でも、まあ、孤独ではあります。 向こう岸で時間を共有しつつ楽しそうに話している人たちがうらやましいです。 833 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:2005/04/18(月) 13 53 13 ID ItsOmvDU 一言お礼だけさせてください 前回失語を書きました。評をくれた皆様ありがとうございます。 【得点】 0点 ページ:1 2 3 4 ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/171.html
1 2 3 → 次へ お題 角 開催期間 2004/08/21~2004/08/31 参加作品数 21 審査員 7人 本スレ 11の679-770 議論スレ 8の664-674 【チャンプ】 角部屋(ねむい):6点 【準チャンプ】 ツノ銀(Canopus):5点 夏厨:5点 作品一覧 No. タイトル 作者 点数 682-683 私の角 - 4 684 つるつるかくかく - 2 686-687 負け試合 - 2 689-690 ツノ銀 Canopus 5 692 角 - 2 694 角の白い手さん 心霊写真 3 696 夏厨 - 4 705-706 intersect -夏 4 - 708 僕の世界 わに 3 710 王の手 - - 712 交差点 てるあき 3 715 赤い角 - 1 717 能書き - 1 721-722 角部屋 ねむい 6 724 恋の崖っ淵 - 2 725 逆境の角にて - 2 727 回る社会と砂のツノ - - 729 記憶のかけら - 4 731-732 一つの部屋、一つの社会、一つの世界 - 3 734 It’s show time - - 737 トリケラトプス - - 【審査員】 わに ◆Wani6uvhK. Canopus ◆DYj1h.j3e. イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 園川 ◆nWfXpQxHHM むこうの317 ◆317..n/Ke6 ななほし soft ◆ZYsoftMCT2 【採点レス】 746 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:04/08/29 20 08 ID vXLaPzmF 686-687 :負け試合 この幸せモノに「1点」差し上げます 689-690 :ツノ銀 才能ある作者へ「2点」差し上げます 747 名前:わに ◆Wani6uvhK. [age] 投稿日:04/08/29 20 17 ID vXLaPzmF 712 :交差点 「1点」差し上げます 721-722 :角部屋 「2点」受け取ってください 731-732 :「一つの部屋、一つの社会、一つの世界」 「1点」どうぞ。 751 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:04/08/29 23 37 ID hxn8DkBT 2点 694『角の白い手さん』 1点 692『角』 696『夏厨』 705-706『intersect -夏』 753 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/08/30 00 47 ID 83CKc0r6 682-683「私の角」1点。 689-690「ツノ銀」2点。 696「夏厨」2点。 712「交差点」1点。 715「赤い角」1点。 724「恋の崖っ淵」2点。 759 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/08/31 14 56 ID +uqkxwpK 3点 705 「intersect -夏-」 2点 682 「私の角」 1点 692 「角」 760 名前:むこうの317 ◆317..n/Ke6 [sage] 投稿日:04/08/31 18 46 ID 2rdOTFFj [3点] 729 「記憶のかけら」 [2点] 708 「僕の世界」 [1点] 682-683 私の角 694 角の白い手さん 761 名前:ななほし#[] 投稿日:04/08/31 21 44 ID FLQ1FYtx 2点 684 :つるつるかくかく :04/08/22 03 52 ID 5GWvmQqf 2点 725 :逆境の角にて :04/08/28 16 09 ID 4AqCT8BV 2点 731 :「一つの部屋、一つの社会、一つの世界」 : 1点 686 :負け試合 :04/08/22 22 32 ID p+SbqOYU 1点 689 :ツノ銀 1/2 :04/08/24 00 33 ID g3WKQtAU 1点 696 :夏厨 :04/08/24 12 56 ID H4hgi6eK 1点 712 :交差点 :04/08/26 07 39 ID 5ZkzQstV 1点 717 :能書き :04/08/27 18 11 ID 0Xjph1Dk 1点 721 :角部屋(1/2) :04/08/28 01 29 ID ufxxPjwT 1点 729 :「記憶のかけら」 :04/08/28 21 45 ID E8+QfN7f 764 名前:soft ◆ZYsoftMCT2 [sage] 投稿日:04/08/31 23 19 ID TX1uUbue 721-722 角部屋 3点 708 僕の世界 1点 作品 ■▲▼ 私の角 季節を折るだけ 私は指を折った 夕暮れは靄を超えて 夜を呼び 夢を紡いで 背骨が寝返りをうたせる そうやって 私のこの一本の角は シクラメンのつぼみと一緒に 空へ向かって伸びていく 紅葉の中 貴方はそっと私の一本角にキスをした 一本角はいつものように静かに 私の頭上に鎮座し 私を静かに 吸って 急速に 鋭くなっていく 同時に私は 鈍く 徐々にだが 老いを深めていく 紅葉の中で 私の角は 彼女のキスを受けて 赤らんだ 682 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:04/08/21 23 35 ID wokB81lA 683 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:04/08/21 23 37 ID wokB81lA 【コメント】 688 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/08/23 07 02 ID qBGIiRLn 682-683 《お題》角じゃないほうがいいような気がする。 《作品》普通に詩らしい詩だと思う。ここでまず減点。 言葉はよく選ばれ、展開もよくまとまっているので加点。 「貴方」が「彼女」に変わるのは時の流れの表現か。 わかりやすいし、吸われて紅葉していく人物の描写にはゾッとするものさえある。 でも、角じゃないほうがいい気がするなぁ。 733 名前:日雇いくん ◆HIyaTOiQcI [sage] 投稿日:04/08/28 22 15 ID KJxgXSnP 682-683 ピンとこない、というか指を祈ったってなんだ ろう 753 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/08/30 00 47 ID 83CKc0r6 682-683「私の角」1点。安易だがゾッとしたところはあったので。 757 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/08/31 14 52 ID +uqkxwpK 682 私の角 紅葉の森に待つ女の下に伸びる角はアニマを求めて伸びるファルスだ。 睡眠という、意識と無意識の結合。 そこにまた角へのキスという性交の象徴=結合の象徴が重ねられる。 男が老いていくのは死もまた結合の象徴であるからで、宗教的には神の下への帰還 として描かれる。こうして女の待つ紅葉の森は夢であり逢瀬の場であり神の御座であり、 三位一体の結合の象徴となる。象徴に表象されるものは永遠である。 この作品は性交、睡眠、死という3つの永遠の象徴がきれいに重なり1枚の絵になっている。 詩というもう一つの永遠の枠に。ただ、構図はきれいだが 絵としては今一。この絵の完成にはもっと豪奢で高雅な語の駆使が必要だった。 ただ題材と構造の獲得した得体の知れない清淵さは魅力的。 759 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/08/31 14 56 ID +uqkxwpK 2点 682 「私の角」 資材は貧弱だったが図面は上手く引かれていた。 【得点】 4点 イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2:1点 園川 ◆nWfXpQxHHM:2点 むこうの317 ◆317..n/Ke6:1点 ■▲▼ つるつるかくかく 丸はつるつる 角はかくかく 丸を削れば角ができて 角を削れば丸になる つるつるでもかくかくでも あなたはあなた つるつるでもかくかくでも 私は私 形は見えるもの 中身は感じるもの 形なんて簡単に変わる 684 名前:つるつるかくかく[] 投稿日:04/08/22 03 52 ID 5GWvmQqf 【コメント】 688 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/08/23 07 02 ID qBGIiRLn 684 《お題》その使い方なら、角のほうをクローズアップしてほしいとも。 《作品》うーんわかりやすいが、説明的。おもしろくないっす。 733 名前:日雇いくん ◆HIyaTOiQcI [sage] 投稿日:04/08/28 22 15 ID KJxgXSnP 684 すぐに変わったらいいのになあ 754 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/08/30 01 15 ID IvCT3DvX 684 つるつるかくかく 5連目、形と中身の意味の深度が全て。 「つるつるでもかくかくでも」自分は自分だという 言葉から、形というものが社会の中での記号性のことだと分り、 それだけではつまらない。 761 名前:ななほし#[] 投稿日:04/08/31 21 44 ID FLQ1FYtx 2点 684 :つるつるかくかく :04/08/22 03 52 ID 5GWvmQqf 完成はしていないと見るが、詩を書こうとしているかなぁ? 【得点】 2点 ななほし:2点 ■▲▼ 負け試合 おかしいよなあ俺 容姿だって性格だって A子のほうがいいなあって思っていて 実際付き合ってみたらそれはそれは 楽しくてしかたないのだけれど 時々振り返る 容姿も劣るし性格もキツい どうしようもないB子 おかしいよなあ おかしいだけだと思うよ 自慢の彼女なわけですよ 愛想もいいしそれでいて俺には むっちゃ甘える 超かわいい 猫みたい 大好き おかしいよなあ俺 こうして二人で飯食べにきて 割り箸割った時に思い出す つのつの~って言って近づいてくる 馬鹿なあいつの汚い笑顔 牛みたい ふふっ あかん俺あかん あかんこれはあかん 忘れろ忘れろって念じても 近づいてくる馬鹿な牛 刺せ!マタドール! 刺せ!マタドール! やったぜしとめた しとめちゃった間違えて 今は何故か俺のおかん 今はB子が俺のおかん 試合に勝って勝負に負けたね チャンプ強制参加に一票 686 名前:負け試合[] 投稿日:04/08/22 22 32 ID p+SbqOYU 687 名前:負け試合[] 投稿日:04/08/22 22 33 ID p+SbqOYU 【コメント】 688 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/08/23 07 02 ID qBGIiRLn 686-687 《お題》小道具としてしか使われていない。 どーせなら闘牛よりボクシングでもしてくれたほうがナメた感じでよかった。 《作品》 >やったぜしとめた >しとめちゃった間違えて ↑ここ爆笑。 他には特にいいたいことはないです。 733 名前:日雇いくん ◆HIyaTOiQcI [sage] 投稿日:04/08/28 22 15 ID KJxgXSnP 686-687 何に対して負けなのか、というか勝ち負けの 前提になってる価値観みたいなものがなんだか知らない けど気に入らないのです。 746 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:04/08/29 20 08 ID vXLaPzmF 686-687 :負け試合 「超かわいい 猫みたい 大好き」 ありきたりの言葉って思う人もいるかもしれないけど、すごく気持ちの伝わる言葉だって思う この部分がいいなぁ~ この作者の実体験なのかな、幸せが伝わってきます。 この幸せモノに「1点」差し上げます 749 名前:園川@代行お願いしてます[sage] 投稿日:04/08/29 22 37 ID yKV+nk8I 686-687 負け試合 試合に勝って勝負に負けた。闘牛の喩えからは 意地悪に見れば便利な女を孕ませてしまい結婚したという 構図を連想するが語り口から判断するに、 まあ幸せなのだろう。 ただ試合と勝負という言葉にそれぞれ対応する意味が はっきりしないという部分が少し気になる。 761 名前:ななほし#[] 投稿日:04/08/31 21 44 ID FLQ1FYtx 1点 686 :負け試合 :04/08/22 22 32 ID p+SbqOYU 詩というよりは、大人の童話? 童話も詩のひとつのカ太刀ではあろう…… 【得点】 2点 わに ◆Wani6uvhK.:1点 ななほし:1点 ■▲▼ ツノ銀 曲り角をのんべんだらりと曲ったところで ユニコーンに出くわして 「ほら ブツだよ」ツノを一本わたされた ユニコーンっていったらあれだろ 女のそれも処女しか相手にしない 17歳ギラギラ童貞くんみたいなスケベエ馬で それがなんでオレなんだよって訊きたかったけど そいつの眼ときたらちょうど 共産党を非難する石原慎太郎のそれみたくイッちゃってて 怖くて何もいえずにもらっちまった こないだヤギのシッポをつけて歩いた時は あまりにハマってたらしくて誰も笑ってくれなかった これワシントン条約にひっかかってねえだろうな という危惧はあったが この際だからツノをおでこの窪みに取り付けた ぴったりだった ツノは重いからふんぞり返って歩く ツノは月に引っぱられて波のようにうねる 間もなくテレパシーが届く オーヴァ オーヴァ こちらナポレオンボナパルトです オーヴァ ヤツはパリのディズニーランドで勤務中だという 着ぐるみは暑くて重くてたいへんだと流暢な博多弁で話す ヤツはツノを通信販売で買ったんだと オレのツノ入手の経緯を話すと思いきり羨んだ オーヴァ 鬼の幼い兄妹が泣いている 寒くて腹へって道に迷ってあたりは地雷が埋まってて 汚染されたヒトの肉しかなくて妹の顔は土気色です だれかなんとかしてくださいいもうとだけでもたすけてください たちあがるげんきさえもうありません オレは全人類を代表して詫びをいれた ごめんな 多分サンダーバードは ツノ生やしてない金持ちのボンボンしか助けないんだ だいたいオレが助けにいったとしてお前らオレを喰っちまうだろ 鬼はヒトを喰わないってそんなの信じられるか トナカイとか龍とか そのほか全世界のツノ愛好家たちのテレパシーが飛んでくるが オレは正直そんなのどうでもよかった お前とテレパシーがしたかった お前ツノつけてくれるかなあ ツノつけていっしょに歩いてくれるかなあ お前におでこの窪みあったかなあ 月にツンツン引っぱられて と ビッグニュースが入ってきた 地球がツノさしたんだと 誰がイタズラでさしたんだよ地球のおでこってどこなんだよ イルカと泳ぐエコロジー野郎のようにわくわくして 地球とテレパシーしてみたんだが うん まあ 詳細をここに書くのはちょっとはばかられる ひとつだけいえることは 地球ちょっと頭よくないみたいだ 689 名前:ツノ銀 1/2[sage] 投稿日:04/08/24 00 33 ID g3WKQtAU 690 名前:ツノ銀 2/2[sage] 投稿日:04/08/24 00 34 ID g3WKQtAU 【コメント】 700 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/08/24 23 30 ID vIHkNFWj 689-690 《お題》まさに角がテーマになっている。 掘り下げ方も深くて多角的でおもしろい。 《作品》読み始めた時は「へた?幼稚?」とか思ったけど、 じつは凄く書きなれてるね。テクや衒学を抑えて多くの読者に歩み寄ってる。 >ツノは重いからふんぞり返って歩く >ツノは月に引っぱられて波のようにうねる ↑リアルで感心した。 オチをわざと内緒にしたのもリアルだし、読者が入り込む余地があっておもしろい。 ただ、「趣味は読書です」みたいな人が書いたっぽい常識的な嘘臭さはあるかなぁ。 「読書に人生狂わされてハッピーです」みたいな破天荒さは欲しいかも。 まぁ、俺の好みだけど。 733 名前:日雇いくん ◆HIyaTOiQcI [sage] 投稿日:04/08/28 22 15 ID KJxgXSnP 689-690 普通に楽しかったです。宇宙も少し頭よくな いのかなあ。私が頭よくないのも当然かも。 746 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:04/08/29 20 08 ID vXLaPzmF 689-690 :ツノ銀 「ツノは重いからふんぞり返って歩く」「流暢な墓多弁」などなど。 こういう言葉を使う才能に嫉妬します。 角が電波受信のアンテナだっていう発想も悔しい。 そして地球を頭が悪いというラストも秀逸。才能ある作者へ「2点」差し上げます 753 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/08/30 00 47 ID 83CKc0r6 689-690「ツノ銀」2点。好みではないがカルチャーセンター的上手さあり。 757 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/08/31 14 52 ID +uqkxwpK 689-690 ツノ銀 夢想を回遊する精神の死に場所はやはり世界の中心にいる「おまえ」の膝の上なのか。 最後は世界までもが鳴動する、しかし振動は韜晦のうちに秘匿される。 世はなべて事もなし。展開が弱くて謎が立ち上がってこないから 作品は再び夢想の海に還ってゆく。持っていき方が下手なのだ。 それならポップな綺想にもっと破壊力を、そして語りにもっと毒を、と思う。 761 名前:ななほし#[] 投稿日:04/08/31 21 44 ID FLQ1FYtx 1点 689 :ツノ銀 1/2 :04/08/24 00 33 ID g3WKQtAU 童話+叙事詩+ナンセンス+教訓? ……で、角であるのは、ナンセンス? 667 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:04/09/03(金) 21 02 ID Beeyhy6u ねむいさんおめでとーならびにみなさまおつかれでしたageです。 今回MUJINAさんは欠席で残念でした。 『ツノ銀』書きました。ま、世界を鳴動させようとしてないことは確かです。 そうするつもりはさらさらなかったけど、そうする手もあったね。 批評ならびに加点をどうもありがとうございました。 673 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/09/04(土) 10 19 ID COTwHd9k 667 誤解があったみたいなんで弁明します。 ツノ銀評の「地球の鳴動」は地球の発語を指した言葉で、 それ以外の何物も意味しません。 隠匿される地球の言葉がそれまでの流れを断ち切り 幕引きするだけの効果を持たないのではないかというのが主旨です。 文章が雑なせいで分りにくかったようです。 674 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:04/09/04(土) 21 18 ID Q0eKG0Rr 673 いやその…勉強になってます。今後ともよろしく。 ポップな感じの詩はわりと気に入ってて最近よく書くんですが、いまイチ受け が悪いんです。そんなこんなするうちに自らの詩のスタイルまで崩しているよ うな気がして、それが現在のぼくの悩みの種なんですが、少し糸口を見つけた ような気がして救われています。ありがとうございました。 【得点】 5点 わに ◆Wani6uvhK.:2点 イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2:2点 ななほし:1点 ■▲▼ 角 まるで流れ星のような一直線に 何の脈略もなく(感覚的にはあまりにも不自然だ!) その特異な点は現れた 蛙はその異様さに顔をしかめたが ぼくは多分ちがったろう まるで山手線のような等間隔に ローカルな不思議は(顕微鏡で覗いてご覧よ!) グローバルの中に埋没していく 蛙は気味悪がったが ぼくなら胸をおどらせたろう それは正多角形の単純な美しさ 692 名前:角[] 投稿日:04/08/24 01 53 ID ikRTmaK7 【コメント】 700 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/08/24 23 30 ID vIHkNFWj 692 《お題》角の形について書いた……のか? 《作品》直線の次は円(というか等間隔性?)、と形について描写して、 蛙と自分との感想の差異について触れて、最後に正多角形、と数学みたいに…… なんだか整然としすぎた表現で曖昧なものを取り扱っているような気がした。 733 名前:日雇いくん ◆HIyaTOiQcI [sage] 投稿日:04/08/28 22 15 ID KJxgXSnP 692 括弧内メッセージがかわいらしいと思ったです。 748 名前:園川@代行お願いしてます[sage] 投稿日:04/08/29 22 34 ID yKV+nk8I 692 角 1連目、「まるで流れ星のような一直線」 2連目、「まるで山手線のような等間隔」 これらが一体何を指しているのか。何も指していない。 言葉が内包される意味だけによって、自立して存在している。 つまりここにある言葉は一切の叙景を拒否しているのだ。 1連目、「何の脈略もなく(感覚的にはあまりにも不自然だ!) その特異な点は現れた」 2連目、「ローカルな不思議は(顕微鏡で覗いてご覧よ!) グローバルの中に埋没していく」 特異な点は特異な点としてのみ現れたのであり、 それはどのような特異な点でもない。ただ「特異な点」なのだが、 それがどのように「流れ星のような一直線」に現れるのかというと、 やはりその如何には問えない。ただ「何の脈絡もなく」「現れた」のだ。 言葉は自身に内包されたあらゆる意味を利用して、 次の言葉を召喚する。山の手線という語の円形のイメージ、 ローカルという言葉の音韻、それらによってグローバル という語新たな語が飛んでくる。 言葉の連鎖反応だ。視像や概念などの明滅する 諸表象は、「一直線」「グローバル」「特異な点」「ローカルな不思議」 という骨格をなす言葉に導かれ、最終行に現れる純粋な言葉の結晶。 「それは正多角形の単純な美しさ」だ。 問題は二つ、ます言葉は情景からきれいに分離されているか。 叙景の拒否を志向する言葉は実は半分は情景に足を掴まれていろうであり、 (この詩の場合は夜空の情景)纏わり付くノイズが邪魔をしてないか。 最終行の求心力は十分か。正多角形の単純な美しさを謳えるほどの 純粋さは獲得されていないのではないか。 751 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:04/08/29 23 37 ID hxn8DkBT 1点 692『角』 この詩はもう1連足りない、という印象。1連めは点と線。2連め は線的イメージ。で、もう立体かよっ!て感じなんです。もっと平面を明らか にすべきではないでしょうか。蛙のくだりはなんらかの寓意を含んでいるので しょうが、よくわかんなくて単調に感じます。でもなんか惹かれたな。 759 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/08/31 14 56 ID +uqkxwpK 1点 692 「角」 崩れたラインストーンリング。台座はシルバーの。 【得点】 2点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点 園川 ◆nWfXpQxHHM:1点 ■▲▼ 角の白い手さん ふわふわの体 壁にあずける 生えはじめる たくさんの手 握手してまわる はい ハンドクラップ 1 2 3 う ん 良 い 感じ 背中掻いてー もっと 上 う ん 気持 ち 良い おっと いつまでたってもかゆい古傷 これは僕だけのかゆみだよ 掻きむしってうまれる血 はやくカサブタになぁれ そしてバイバイする バ イ バ ー イ ・・・それじゃ おいでおいでだよ そうそう 優しく横に流れるように 二、三回 あ そこの角の白い手さん 首のナイフ取ってください 694 名前:角の白い手さん[sage] 投稿日:04/08/24 06 48 ID hDinFqLi 【コメント】 700 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/08/24 23 30 ID vIHkNFWj 694 《お題》壁と手をまず出しといて、角の白い手さん、という流れはおもしろい。 《作品》マンガみたいにコマを追って読んでいく感覚は楽しめた。 でも最後の一行はどう読んでもわからなかった。 733 名前:日雇いくん ◆HIyaTOiQcI [sage] 投稿日:04/08/28 22 15 ID KJxgXSnP 694 ハズシ方がちょっと定番ぽいかな。 751 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:04/08/29 23 37 ID hxn8DkBT 2点 694『角の白い手さん』 壁にたくさんの手が生えてるだけでも面白いのに、 なんだかわけのわからんコミュニケーションまでとってて、上質なパントマイ ムを観てる感じで、いいねえ。書き出しが説明不足のうえに、なんだか浮いて ると思った。 754 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/08/30 01 15 ID IvCT3DvX 694 角の白い手さん 最終行で首に刺さったナイフが もてあます古傷の痛みと共に秘匿された悲惨の存在を暗示する。 この得体の知れないふわふわとした内界と現実をつなぐ鍵が ナイフなのだろうがもっと直接的に刺殺された女の夢=死の世界 と取ってもいい。 想起を拒絶する悲惨な記憶への接近の試みと読みたい。 759 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/08/31 14 56 ID +uqkxwpK 754 >角の白い手 女ではなく男でしたね。失礼しました。殺されるのは女という固定観念があるんだなぁ・・・。 670 名前:心霊写真 [sage] 投稿日:04/09/04(土) 02 55 ID /x1utHgh 失礼します。チャンプさん、準チャンプのお二人さん、 おめでとうございました。 「角の白い手さん」を書きました。 点をくれた方、全ての評価人さん、色々まとめてくれる方、 ありがとーございます☆ 色んな解釈(感想)の評を読める事も、 同題で色々な詩を読める事もここは楽しいです。どーもです♪ 【得点】 3点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:2点 むこうの317 ◆317..n/Ke6:1点 ■▲▼ 夏厨 嫌いなものはたくさんあるくせ ぼくはこの夜 いまの自分が好きなのか嫌いなのかもわからないでいる でも そのくせ人に好かれたいと思っているぼくのことなら嫌いだ いつでも人に好かれたいと思っているやつらはみんな嫌いだ いつかぼくは そのいつかのぼくを全て引き受け いつか住む世界を全部好きになり ぼくに ぼくとこの世界を与えたものに感謝するだろう その可能性をたたえてるから未来のぼくははっきりと好きだ ぼくは 違う景色を見ながら 今とおなじ場所にいるだろう 二丁目の角の電柱のたんぽぽが咲いたのも見ないで 国境を越えることに頼って広い世界を夢見るやつは嫌いだ ぼくはぼくが受け持つ 半径数キロメートルの開けた未来が好きだ この蝉の音の 響く路地の 日の光 乱反射するアスファルトの 空 耳の後ろを通り抜けていく 少し強い風の 696 名前:夏厨[] 投稿日:04/08/24 12 56 ID H4hgi6eK 【コメント】 700 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/08/24 23 30 ID vIHkNFWj 696 《お題》「二丁目の角の電柱のたんぽぽが」がなければ、 俺は勝手に「角」を想像して読んだだろう。つまりあれ邪魔。 現在ある「角」を丸くすることへの希み。 《作品》うまいと思う。しかも一途でソウルがある。 このスレが「青春のポエム・コンテンスト」だったら文句なしにグランプリに推したい。 最後のどこまでも連れて行くような余韻のもたせ方もうまい。 733 名前:日雇いくん ◆HIyaTOiQcI [sage] 投稿日:04/08/28 22 15 ID KJxgXSnP 696 素直で好き。 751 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:04/08/29 23 37 ID hxn8DkBT 1点 696『夏厨』 気に入らなかったのはタイトル。この内容に2ちゃん用語はい らんでしょう。構成としては未熟なものを感じるものの、まっすぐでまっしぐ らで、いい。 753 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/08/30 00 47 ID 83CKc0r6 696「夏厨」2点。好みではないがしゃべり場的情熱と丁寧さを感じた。 754 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/08/30 01 15 ID IvCT3DvX 696 夏厨 真っ直ぐな所信表明を斜めから語ること。含羞。 ずらす事により読者の心を開くことを狙っているのは分る。 前半の他者への依存の嫌悪感と後半の夢想性への決別の関連 をもう少し重層的な構造の中で納得させた方がいいかもしれない。 761 名前:ななほし#[] 投稿日:04/08/31 21 44 ID FLQ1FYtx 1点 696 :夏厨 :04/08/24 12 56 ID H4hgi6eK 地球でも、見える距離があって、丸い地球に死角ができる。だから高く上りたがる人もいる……かなぁ? 669 名前:GON ◆rOo2fYBBKk [sage] 投稿日:04/09/04(土) 01 15 ID 1IlH/oq0 お、繰り上がっとる! 嬉しい驚きです。夏厨書きました。 MUJINAさんのコメントも非常に嬉しいです。あのフレーズに一番力込めました。 皆さん批評ありがとうございました。 (しかし園川さんの批評は僕にはちょっと難しすぎてわからんでした。スイマセン馬鹿で) ねむいさん、チャンプおめでとうございます。 あと準チャンプCanopusさんのツノ銀は、見事に僕のツボで、なんべんも読み返しました。 こりゃあかなわんと思ってたのに同着取れちゃって、うそ!?って感じです。 【得点】 4点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点 イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2:2点 ななほし:1点 1 2 3 → 次へ ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/368.html
ページ:1 2 3 作品 ■▲▼ 雨 石ころは立ち止まる 角の取れたその姿、彼の青春も過ぎたのだ それを見て雲は笑う 「何をしている大地の奴隷よ。体を滑らす涙は枯れたか。」 石ころは言い返す 「雲の分際で何を言う。貴様はいつでも空とべったりだ。見ているだけで吐き気がするね。」 あくる日、石ころは水に流されていた そして彼は思うのだ。「雨でも降ったのかな?」と 590 名前:雨 [sage] 投稿日:2005/12/13(火) 14 22 27 ID g6G+f6nK 【コメント】 618 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2005/12/17(土) 21 03 24 ID p701hVV+ 590さん。 短い詩のかたちを取った寓話。簡潔に物事を伝えるには「たとえ話」が良いのかも。 それにしても、寓話にしては台詞がえらく生々しいですね(笑) 何だかネット界の「煽り」を暗示している様で、別の意味で考え込んだり。 626 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/12/18(日) 08 44 34 ID qv6QNB/P 590 雲と石の対話という設定が、やや無理めに感じるのはなぜだろう。住 む世界が違うからだろうか。最終連は好きなんだけど。 631 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2005/12/18(日) 22 03 32 ID H9H5J1Ga 590 ギビングユーザベネフィット/ペブルス 【得点】 1点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点 ■▲▼ ギューってしたい 今どこにいますか? 寒くないですか? ウチより楽しいですか? もう苦しくないですか? ギューってしたい いつまでもギューってしていたかった 歩けなくなっていたのに キミはいつの間にかベッドを抜けだし 洗面台のすみでカラダを隠すように浅い息を繰り返していた その夜ベッドから転がり落ちたのも きっと死に場所を求めていたのだろう 次の朝 首もあげられないのに 眼でぼくを追いながら かすかにシッポを振ったのは サヨナラのつもりだったのだろうか 仕事が終わると もう意識もなくなっていたけれど それでも帰りを待っていたかのように わずか5分にも満たなかったが ぼくに時間を与えてくれた 「ありがとう… もうがんばらなくていいよ…」 この言葉に答えるように 頬を合わせたまま呼吸をやめた 抱き上げた彼女の首が垂れ下がるのが とてもイヤだった 神様 天国ってありますか? ワンコも天国にいけますか? いつか会えるときがきますか? お願い 最後までいい子だった彼女にギューってしてあげて ぼくの代わりにいっぱいご褒美のギューをしてあげて下さい うっすらと雪化粧をした砂浜を キミの友達がご主人様を連れ通り過ぎてゆく きっと墓参りなんかに行かないボクは 彼女の一番好きだったここを選んだ 話しかける 話しかける 静かに 優しく そして声が震えないように 独り言は悲しくはない キミが横にいないのがたまらなく寂しい 線香代わりに立てたタバコを 粉雪が濡らしてゆく 立てた襟のたもとから彼女のにおいがした 591-592 名前:ギューってしたい [sage] 投稿日:2005/12/13(火) 22 46 09 ID HVyyINks 【コメント】 618 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2005/12/17(土) 21 03 24 ID p701hVV+ 591-592さん。 タイトル通り「ギューってしたい」、この一言に全て尽きるのでしょう。 感傷と自分を切り離すのは難しい作業、なので、 何時か悲しみを客観視出来る時が来たら、もう一度同じ題を取って欲しいな。 626 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/12/18(日) 08 44 34 ID qv6QNB/P 591-592 この詩自体は、これでいいと思う。主観と客観のバランスがよく、 読みやすい。一方では、保健所送りになって「ドリームボックス」で処分され る、年間16万頭のワンコのことも思う。その時になってもワンコという生物は 尻尾を振ってるらしい。 631 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2005/12/18(日) 22 03 32 ID H9H5J1Ga 591-592 夢の中へ/斉藤由貴 ■▲▼ 魚の涙 震えるような抱擁のあとで君はじっと天井の染みを見つめている 何について考えているのか僕にはわかるので目玉の大きなヤモリになった こっそり布団を抜け出して柱を駆け上がり天井に張り付いてみる その染みは間近で見ると達磨大師のようないかつい視線をギロッと投げる 木目が波紋のように広がるその中心にたどり着くと僕は口をパカッと開けて 互いの目玉同士の威嚇を続けてふと下を見れば君の目線は別の染みを追う そうやって染みと染みの間の木目の波頭を飛び石のように伝わっていくと いつしか煤けた滲みが一点にゴソゴソと集まってきて僕の行く手を遮るのだ 君の瞳の驚きと僕の目玉の怯えが共振して天井にはポッカリと暗く空虚な穴 換気扇に溜まった黒い埃のようにモワモワな輪郭をだらしなく歪めながら その穴は僕を呑み込み木目は波動となってブルブルと床の畳にまで達し 君は黄色い蛾となって舞い上がり僕と一緒に天井の穴に吸い込まれてしまう 僕は君を守るためにヤモリの本分を思い出して蛾の君をパクリと丸呑みする 暗闇のトンネルの壁にはグラジオラスの花が襞のように何重にも咲き乱れ そのムッとした香りに眩暈を覚えながらも必死に四肢をムササビの如く広げ 抗うわけではないが速すぎないスピードで濁流に吸い込まれていけば いつしか広い世界に出るのかと思いきや突如現れる行き止まりの壁に衝突 罠にかかったヤモリと胃袋の中の蛾はなんとか道を引き返そうと試みるのだが 後から後から押し寄せる蜘蛛の子供の大群がブリザードのように吹きつけて 息もできない手足も動かせないまさに磔状態のまま闇の肉壁にめり込んでいき このまま何万年も経てば化石になると思った時には本当に化石になっていて 発掘されるのを待っている自分が妙におかしくて笑い出すと急に地響きが聞こえ 周りの蜘蛛で出来た琥珀が砕け散る音が目覚まし時計のけたたましさで響き渡り ここは水の中のようなものだと初めて気づくとこの穴の正体もわかってくるわけで 天井の木目を泳ぐ魚は君の不安を吸い上げて涙を流して染みを作っていたのだと わかったつもりが結局水の中で泣いたところで自分にも誰にも気づかれないので 僕は自分の大きな目玉をヤモリらしく自らの舌でベロリと舐め回し掃除を終えると 気合を入れて涙の代わりに金色の鱗粉を撒き散らすのだ 593 名前:魚の涙 [] 投稿日:2005/12/13(火) 23 46 40 ID z5qH84yg 【コメント】 618 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2005/12/17(土) 21 03 24 ID p701hVV+ 593さん。 疾走する悪夢、ひといきに話される圧倒的な質量。 これは、言葉を吟味するのとは逆のベクトルで攻め立てる手法なのかな。 引き込んで読むと、軽くトリップ体験の出来る作品です。 626 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/12/18(日) 08 44 34 ID qv6QNB/P 593 とっつきにくさはあるが、限られた空間に、時間をびょーーんと引き 延ばした、視覚を中心とした変容が、クセになりそうな面白さ。「水の中」 「魚の涙」に到る伏線の糸が細いのが、難。 631 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2005/12/18(日) 22 03 32 ID H9H5J1Ga 593 ロボットラブ/リザード 945 名前:名前はいらない [sage] 投稿日:2005/12/17(土) 21 31 50 ID 6o3LY0cw 本593 父や母となることがあるいは「磔」だとしてもそのために 解消される「不安」があります。彼らは彼らの子孫として 永遠に生きるチャンスを手にすることになるからです。 射精を想起させるラストはこのことを「散」るのだが「金色」の 実となるというかたちで鮮やかに表現しています。 「波紋」という同心円に遊ぶ「ヤモリ」(男)と「舞」う「蛾」(女)。 象徴的でありファンタジックなイメージです。 960 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2005/12/20(火) 03 37 08 ID PcZa1rMO 今回、「魚の涙」というのを自動書記のような感じで書いてみました。 雨さんの評価にある「トリップ体験」とはまさにその通りで、書いてる本人がトリップしておりました。(笑) Canopusさんの評も確かでありまして、まずタイトルつけてから書き始めて悪ノリしていったため、なかなか魚が出てこなくて自分も最後は強引に登場させました。(恥) それで書いてUPしてから思ったんすけど、「木目を泳ぐ魚」って誰かの小説にありましたよね。だから、これは失敗したなあ、と。 でも爬虫類好きとしては魚じゃなかったけどヤモリについていっぱい書けたので満足しております。←なんだそれ。 読んでくださった方々、本当にありがとうございました。 962 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2005/12/20(火) 03 44 16 ID MTrwE9VY 960 にいちぇ先生 審査員お疲れ様でした ああさすがだにいちぇ先生作だったんだ 今初めて気が付いた 作風つかめないからおもしろいね いいなと思った作品の一つですた くやっすいーけど 笑 【得点】 3点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:2点 ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY:1点 ■▲▼ カーテン ビル・エヴァンスのピアノの中にいる ロヒプノール 意識が弛緩している 部屋の電灯は闇に近い橙色 ジョン・レノンのメロディーは ついさっき どこかにいった いったいどこにいってしまったんだろう?? 夜の音色 ウッドベース なにも映さない窓 すこしまぶしい液晶に くゆるラッキーストライク ギターに 写真 全て 静物 まぶたはゆっくり ゆっくり ひらいて とじては ゆっくり ひらく 考えることも 疑うことも いまは ベッドのぬくもりに眠る 私は 今は 泣いてはいない 594 名前:カーテン[sage] 投稿日:2005/12/14(水) 01 40 50 ID JHdgNEAG 【コメント】 618 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2005/12/17(土) 21 03 24 ID p701hVV+ 594-596さん。 音楽を生活の一部とした人が読めば、きっとピアノの音が聞こえるんだろうな。 ゆったりとした律動がカーテンの様に揺らぐ、心地良い文章です。 只、最後の連で、何故か駆け足になったのが不満。リズムをキープして欲しかったな。 626 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/12/18(日) 08 44 34 ID qv6QNB/P 594 596 ビル・エヴァンズのピアノトリオは、小宇宙。ジョンレノンの ボーカルは、そこはかとない感傷。そんな位置付けでいいのかな。音楽を詩で 表すのはすごく難しく、彼らの魅力を引き出せてるとは言い難い。「夜の音色」 631 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2005/12/18(日) 22 03 32 ID H9H5J1Ga 594 596 不思議の国のアリス/ビルエヴァンス 【得点】 1点 ◆L4LyBSss3w:1点 ■▲▼ すめにしみいるこってがわ もるの箱根はケサランパサラン 総督の光栄にさらわらう神戸かな 600 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2005/12/14(水) 18 19 25 ID 7g/hihBc 【コメント】 619 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2005/12/17(土) 21 04 19 ID p701hVV+ 600さん。 …えーと、敢えて「無意味」を狙ったのかな?涙、では無いよね。 626 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/12/18(日) 08 44 34 ID qv6QNB/P 600 こってがわと箱根と神戸の関係が、よく分らん。分ったら、意外と面 白いのかもしれない。 631 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2005/12/18(日) 22 03 32 ID H9H5J1Ga 600 そして神戸/内山田洋とクールファイブ ■▲▼ ディープインパクト 僕が彼を初めて見たのは3月の弥生賞だ のちに英雄と呼ばれる彼を僕は本命には据えていなかった 馬券は当たった その時の彼は凄まじい勝ち方とは言えなかった 普通の追い込み馬 そう思った クラシックへと時が進むに連れ 普通という言葉を口にした自分が恥ずかしくなってくる 競馬は夢 馬券は現実 彼は夢も現実も叶えてくれることになる 時は過ぎて10月23日午後3時40分 彼は無敗の3冠に大手をかけていた もうまるで雲の上の存在 単勝支持率は80%を超えたという 8割の人間が勝つと信じたのだ ゲートが開いた 馬群に控える彼を眺めながら 3000mの距離という不安 3冠の壁という不安 僕に二つの不安が降っていた 僕はびしょ濡れだった 傘を開いたところで仕様がない ザー ザー 雨音に似た雑音が響いていた 最後の直線 彼はやってきた アドマイヤジャパンに2馬身ほどに迫った瞬間 音が消えた 消えたんだ 彼と僕の間の人ごみも視線から消えた スーッとゴール板を駆け抜けていた 勝負が終わり 何かを取り戻した僕は 気付くと涙を流していた テンポイントの最後を人の口から聞いた 涙は流せなかった シンボリルドルフの無敗の3冠も人の口から聞いた 涙は流せなかった オグリキャップの有馬記念はこの眼で見た 幼かった自分は涙を流せなかった この涙は誰のため? 3冠ジョッキーとなった武豊のため? 記録に並ばれたシンボリルドルフと岡部幸雄のため? 勝ちきった彼のため? 違う この涙は同情や悲しみや悔しさを一切含んでいない この涙は今この瞬間を喜ぶものでも称えるものでもない そう 無限の可能性への これからのための 涙 601 名前:ディープインパクト 1/2[sage] 投稿日:2005/12/15(木) 16 31 23 ID H9KXhYKm 【コメント】 619 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2005/12/17(土) 21 04 19 ID p701hVV+ 601-603さん。 正直、競馬は知らないのですが…崇拝に足るドラマだったのでしょうね。 語られる対象を讃える美しさ、でも、それが「普遍」にまで通じる言葉で有ったか、と言えば、 やっぱり現実の出来事に託す部分が大きい、範囲の「狭い」言葉、だと思います。 628 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/12/18(日) 19 57 14 ID qv6QNB/P 601-603 その涙は、現場にいたからこそ流せた涙であって、テンポイント やルドルフやオグリと比較するのは筋違いだと思う。そもそもディープインパ クトは、血統的に母系はヨーロッパ系で距離も持つし、相手に典型的なステイ ヤーもいなかったし、負けるとすればアクシデントか気性的なものくらいしか なかっただろう。事実1周めの第4コーナーでかかって、少しヒヤヒヤしたし。 ぼくがあのレースで感動したのは、2着のアドマイヤジャパン。彼らは間違い なく勝ちに行ってた。 ともかく、インパクトにはキングジョージから凱旋門賞に行ってほしい。そこ で勝って、はじめてぼくは泣くだろう。エルコンドルパサーの時のように。 631 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2005/12/18(日) 22 03 32 ID H9H5J1Ga 601-603 走れコータロー/ソルティシュガー ■▲▼ 失恋 涙袋の大きい目元が印象的な 背の高い女の人 更に桃色のハイヒールまで履いていちゃったりして 腰までの長い髪が歩くたびに揺れて あなたに触れる それをあなたは静かに受け止めて 時折笑顔を見せたりもする 階段を踏み外す 多分わざと それしっかりと受け止めるあなたの優しい腕 長い長い髪の毛が絡んで 侵されて行く感じ そして彼女は少し私の方を振り向いて 手で髪を梳かしながらくすりと笑った 悔しかったら髪を伸ばせと言いたげに 私の髪は 彼女を真似する程の長さも 失恋をしてバッサリ切る長さも無かった どうしようもなくて しょうがないから とりあえず泣いてみた 604 名前:失恋[sage] 投稿日:2005/12/16(金) 01 28 05 ID 35jLqTG8 【コメント】 619 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2005/12/17(土) 21 04 19 ID p701hVV+ 604さん。 うわぁあ、この相手生理的に嫌だ(汗)何だか自分に引き込んで読んでしまいます。 ちょっと冷静に距離を取って、でも「彼女」の描写が鮮やかで、意味も無く凹みそう。 “とりあえず泣いてみた”この一言がリアルでもう。 628 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/12/18(日) 19 57 14 ID qv6QNB/P 604 はっきり言うと、桃色のハイヒールって、趣味悪い…。この描写から は、魅力的な女性というより、アホな男を喰う長い髪のバケモノを連想させた な、ぼくには。 631 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2005/12/18(日) 22 03 32 ID H9H5J1Ga 604 赤いハイヒール/太田裕美 ■▲▼ 穂 窓の明かり、薄墨色 赤ん坊の掌に載るくらいの小さな切符 目を閉じれば天井が回り座席が沈む 宮殿の回廊に反響する木霊のように 一時間に一本の下り路線が行きつ戻りつ、寄せては返す 切符を拝見 霧のような潮風に車体は線路の上できぃきぃ軋む 6両編成の空洞を抜ける錆色のスキール音 今年も田んぼでは米が実りすぎている 山間の窪みに トラクターの看板に 老人の曲がった腰に 呪いのように米が実っている 海に外灯がクラゲのように浮かんでいて いつまでも夕方 馬鹿みたい バカミタイ 海と山とを分かつファスナーが ごっとんきぃ ごっとんきぃ 605 名前:穂[sage] 投稿日:2005/12/16(金) 18 31 10 ID zgblGfPq 【コメント】 619 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2005/12/17(土) 21 04 19 ID p701hVV+ 605さん。 言葉を尽くす、のでは無く、言葉を吟味する事で到達する境地。 匂いや気配まで伝わる程の切れ味に、ただ敬礼するばかりです。 「呪いのように米が実っている」これが陰鬱さの根本なのかな。 628 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/12/18(日) 19 57 14 ID qv6QNB/P 605 これは後で。 629 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/12/18(日) 19 58 48 ID qv6QNB/P 605 この作品に関しては、少し長くなります。この詩は、ある意味すげー 巧くて、同時にすげー下手。 情景描写のユニークさは群を抜いてて、基本的には海に面した農村の夕暮れと、 海沿いを走るローカル線と、低い山々、てな具合なんだけど、それがプラネタ リウムや宮殿、波濤やら呪いやらクラゲやら、いろんなものに変容しないまま 重層していく。んで最後には列車がファスナーになって、世界をツーと分割し て、終劇。いくつも膝を叩くような表現が畳み込まれて、ひとつの作品でいう のは何だが、才能を感じます。 が、その素晴らしいイメージが、すべて単発。小さな切符のイメージはそのま ま使い捨てだし、回る天井、沈む座席、宮殿の回廊だって、ここの情景にふさ わしいかどうか、疑問。 中盤になって、農村と山と海の描写になって、ようやく世界につながりが生れ てきたな、と思ったら… 「馬鹿みたい バカミタイ」 …めちゃくちゃじゃん、これ。このたった五文字に、世界のすべてを託すつも りか?よしんば託すとしても、世界がまだつながりを見せてない内にこれをや ったら、ツナギのないハンバーグみたいになっちまう。 まあ、今まで築いてきた、現実とも幻想ともつかない情景を「馬鹿みたい」と 笑い飛ばしたとしよう。じゃあ、最後の1行はいったい何さ?ということにな る。さっき笑い飛ばしたことの繰り返しをやるつもりだろうか。 ぼくの評価としては、「ヒット15本もかっ飛ばして、ピッチャーはヒット2本 に抑える力投。でもダブルプレーとフォアボールとタイムリーエラーの嵐で、 2対3で敗け。監督ゲキ怒り」です。 631 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2005/12/18(日) 22 03 32 ID H9H5J1Ga 605 田園/ベートーベン 975 名前:大木人[sage] 投稿日:2005/12/21(水) 00 10 45 ID BtVglDTx 長介ジュニアさん、あぶくさん、おめでとうございます。 どちらも3点級、特上の松といったところの良作で、自分も審査に参加していたらやはりこの2作品を選んだろうなぁと思います。 私自身は今回「穂」を書きました。 採点・寸評ありがとうございました。 そろそろ眠いので続きは明日以降にでも…。でわでわ。 【得点】 5点 ◆L4LyBSss3w:2点 虫 ◆Yh5.nC8OlA:2点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点 ■▲▼ 帰ろう。 なぁ、かぁちゃん。 なんでそこで眠ってんねん。 病院のベッドは寝心地悪かろ? なぁ、かぁちゃん。 もう帰ろうや。 庭のざくろは今年もたくさん実がなったで。 せやから 帰ろうや。 606 名前:帰ろう。[sage] 投稿日:2005/12/16(金) 23 44 51 ID shjQLNUf 【コメント】 619 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2005/12/17(土) 21 04 19 ID p701hVV+ 606さん。 テーマ「涙」が読み手の涙腺を刺激するものであるなら、この詩が最高点です。 直接に涙を流す描写も、悲しみを表す言葉も置かなかった分、尚更。 泣かせる手法のツボを外さない、ある意味あざとい作品だなぁ。 628 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/12/18(日) 19 57 14 ID qv6QNB/P 606 これはザクロを選んだ、作者のセンスを買いたいです。死者やいなく なった人には、ザクロがよく似合う。 631 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2005/12/18(日) 22 03 32 ID H9H5J1Ga 606 イッツオールライトマ/ボブディラン 632 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2005/12/18(日) 22 33 05 ID H9H5J1Ga 606 「帰ろう」の作者の方。三位なので本当は0.5点くらいにしないと二位の方に悪いような気もしますが、サービスで1点あげます。 979 名前: ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:2005/12/21(水) 10 45 16 ID 94Gp02Pv 審査員の皆様、集計・確認された方、投稿された皆様お疲れ様でした。 わたしが書いたのは「帰ろう。」でした。 雨さんゼッケンさんにぃちぇさん点数ありがとうございました。 カノプスさん評ありがとうございました。 久しぶりに戴いた点数、、、、うれしいです~ インチキ関西弁も言葉数少ないせいかばれずにすみました。よかった。 【得点】 3点 ◆L4LyBSss3w:1点 にいちぇ ◆UQRl.WeFEk:1点 ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY:1点 ■▲▼ な み だ 607 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2005/12/16(金) 23 56 48 ID NJFHAYnn 【コメント】 619 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2005/12/17(土) 21 04 19 ID p701hVV+ 607さん。 落ちて散る涙を、そのまま言葉に表したのですね。 空白や改行、配置、いわゆる「間」を最大限に生かした作品です。 「秘するが華」、言わない事も表現になると勉強になりました。 628 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/12/18(日) 19 57 14 ID qv6QNB/P 607 うーん、例えばこれは、毛筆だとか絵だとかで表現するべき方法じゃ ないかなあ、と思う。活字、しかも掲示板だと、やっぱり弱くなるね。 631 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2005/12/18(日) 22 03 32 ID H9H5J1Ga 607 なみだの操/殿さまキングス ページ:1 2 3 ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/339.html
前へ ← 1 2 3 4 → 次へ 作品 ■▲▼ 夜 希望を胸に眠りにつく 夜がやさしく包み込む 明日になれば始まる戦い ほんとは少しだけ怖い 癒す心 眠る体 夜が明日へ連れて行く 君は眠れるだろうか 大きな不安を抱え 僕は大丈夫 夜が僕を満たすから 暗さは不安じゃない 静けさは恐怖じゃない あなたを包む夜を抱きしめて 18 名前:夜 [] 投稿日:04/09/03(金) 02 33 ID r93aKqlU 【コメント】 27 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/09/04(土) 19 17 ID jx7S3+vx 18 俺にとって夜は恐怖だよ。いろんなものが襲いかかってくるよ。 それだからこそ眠りに逃げちゃだめだ逃げちゃだめだって思うよ。 そんな俺からするとこの詩は、自分を騙してる詩としか読めなかった。 29 名前:名前はいらない [sage] 投稿日:04/09/04(土) 20 21 ID UgWfZL5D 27 眠りに逃げちゃだめか~ 眠むらずに戦っている? 眠りの許可がおりる時間まで、ただ目を開けているだけ? 翌朝は今夜とは何か変わってる? あ~あ、だりぃぃ ピンクの眠剤ながしこんで眠っかな(*_*)。°〇 39 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/09/06(月) 10 57 ID 68quVNFH 29 人生、嫌いなら嫌いって素直に書けばいいのにって思っただけ。 自分を騙したような書き方しても逆説にもなってないよと。 嫌いならなんで嫌いなのかなって徹底的にそれ書いて それでおやすみ(逃避)したほうがリアルな作品になったんじゃないかなーとか。 あとこういうカキコはなるべく雑談スレのほうがいいと思うよ。 96 名前:Alnite ◆m3UVuKrnck [] 投稿日:04/09/10(金) 19 51 16 ID k4EUvZYV 18 夜 一つ一つの言葉の輝きは他のどの作品にも見られないものがあります。 ただ、『夜が僕を満たす』情景をもう少し丁寧に描いても 良かったのではないでしょうか。 夜が包み込む、という表現はありふれていながら斬新でした。 108 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/09/11(土) 19 31 06 ID s6NTt1gC 18 夜 叙述の破綻などなはいが普通。 【得点】 2点 Alnite ◆m3UVuKrnck:1点 むこうの317 ◆317..n/Ke6:1点 ■▲▼ 夜王伝説~序章~ 公園の草木も 白く光るコンビニも 永い眠りについたかのような夜 唸る自販機はまるで誰かのいびきのよう 風が吹き抜けるアスファルトは 昼間のうちに溜めこんだ熱をここぞとばかりに夜闇に放つ どこにでもあるようでここにしかないサバービア そんな街の夜の片隅で彼は生まれた さびれた団地で夜な夜なSEXに勤しむ若夫婦からではなく ましてやそこで一生を終えようとしている老夫婦からでもない この街とこの夜が彼を生み出したのだ 雨の夜も風の夜も 彼は決まって午前2時に目を覚ます 日毎に増える手首の傷はリストバンドで隠して 静かで暗いこの夜の空気を震わせるくらいの大声で 精一杯明るい歌を口ずさむ 時折流れる哀しい涙は夜闇が勝手に隠してくれる 都会ではこうはいかない 都会の夜は賑やかで明るすぎる だからこそ彼はこの街のこの夜が好きなのだ 彼は生まれたその日から自らを“夜王”と呼んでいたが それを知っているものは誰もいなかった しかし事実 夜の街は彼に支配されているかのように見えた 彼はいつもひとりぼっちだったが 同時に彼はどこまでも自由であった 大通り 規則正しく立ち並ぶ街路樹を見上げながら 不規則なリズムを刻んで歩く 両腕広げて ズン ラビ ラズ ベリ ダン トト トトト 虚ろな笑顔で ダッ ツツ リザ ズレ リン カラ ドットン 止めるものは誰もいない やがておとずれる 日の出までのわずかな時間ではあるが その間の彼はどこまでも自由であった しかし所詮“夜王”は“夜王”でしかなく 朝焼けと共にその支配は他人の手に渡ってしまう それは彼が彼でしかない限り避けることのできない 宿命であり運命でもあった それでも彼は毎朝 満足げな眠りについていた 黒い草木が音も無く佇んでいた公園は 今は緑と生の喜びで満ち満ちている 風の通り道だった片側4車線もあるバイパスには 排気ガスと無遠慮なクラクションが溢れている 淫らに乱れた恋人たちも そ知らぬ顔でそれぞれの暮らしに戻っていく 彼は眠る瞼の裏側でそんなことを考えながら ニヒルになりきれない可愛い寝顔で 忘れられた夜と 純粋ぶったつくりものの朝を笑うのだ それを知らない子供たちをも笑うのだ 妄想だけで笑うのだ そして今宵も彼は舞う 両腕広げて ズン ラビ ラズ ベリ ダン トト トトト ひとりぼっちで ダッ ツツ リザ ズレ リン カラ カラカラ… 孤独を孤独と感じない 今はまだ 彼はどこまでも自由であった 20 名前:夜王伝説~序章~ 1 [sage] 投稿日:04/09/03(金) 23 18 ID rmd2WfzV 21 名前:夜王伝説~序章~ 2 [sage] 投稿日:04/09/03(金) 23 19 ID rmd2WfzV 【コメント】 27 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/09/04(土) 19 17 ID jx7S3+vx 20 いいね。主人公を通じて秘匿されたものとしての「夜」を描いてる。 ことばは一見小説のそれだけど、詩のような小説というよりは小説のような詩、 擬音のリズムもいいね。全体的にリズムを感じる。悪くいえばまとまりすぎかも。 完結してなくて「序章」なのは好感。 71 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [catwalk7@nifty.ne.jp] 投稿日:04/09/08(水) 10 03 ID bJYsorZi 20-21 夜王伝説―序章― 夜王は都会から離れたある街で生まれたことになっている(これは作者の分身だろう)。 でも、そうした設定が物語りを物語たらしめている一方で、イメージを狭く限定してしまう という災いをもたらしてはいないか。夜がどこにでもやってくるように、夜王もどこにでも 出没する、としたほうが、私としてはおもしろいと思う。第8連にビーンときた。 「純粋ぶったつくりものの朝を笑う」ね。これを笑うことができるのは確かに夜王しか いないわな。なぜかこの夜王のイメージ、永井豪の漫画「デロリンマン」を重ねてしまった。 95 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/09/10(金) 19 14 28 ID 3Pxil3bk 20-21 夜王伝説~序章~ 内容的には、つまり一時的胎内回帰。 放棄した肉体をそこで再び獲得しようとするのだろう。 語り口の堅実さと表題で、いずれ彼の強さが臨月に到る事を予感させる。 しかし上手い。この詩人はもっと芸に拘るべきだ。 内面などと言う曖昧なものに言葉が引きずられてはいけない。 言葉が内面を引っ張ってくるべきだ。そこから展ける世界をみたい。そんな風に思った。 722 名前:ねむい ◆yYGM98H44I [sage] 投稿日:04/09/12(日) 22 58 43 ID ZC5ICRLL チャンプ、準チャンプの方々おめでとうございます~。 私は今回「夜王伝説~序章~」を書きました。 特に作品の内容については書くことないですね…。何と言うか、そのまんまなので(笑) 点を下さったMUJINAさん、批評して下さった審査員の皆さん、ありがとうございました。 前回は勢いだけで書いた作品でしたので、今回はまずガーッと書いてから徐々に削って 全体を仕上げていきました。そりゃあもう削って削って。整理して整理して… 結果イタチ小僧さんには“まとまりすぎ”と痛いところをつかれましたが(苦笑) あと園川さん、お褒めの言葉(?)と貴重なアドバイスをありがとうございました。 言葉が内面を引っ張ってくる、ですか…。かなり力が要りますね。頑張ります。 【得点】 1点 MUJINA ◆iXws.WGCLY:1点 ■▲▼ 夜の蝉 ひたすら口を開けて眠っていた夜 眠れない夜 それらの夜はいつしか こうやってただ漫然と眠らない夜へと成長していき ぼくは例えば楽な何かをして得をしようなどと考えている ・・・ 成長? 机に座ってはみたけれど 書くことの全く思いつかないのに 自ら半ば呆然としている いつのまにか甘えん坊で満足しちゃってたらしい まだ泣き叫んでいた頃のがましだ 客観視なんて 字面ですら見たことなかったあの頃 そして忘我したときのあの身の充実 できればのべつ忘我していたかったんだ もしぼくに恋人がいたなら 怒っただろうか 生活に満足して何処がいけないのと言って そしてはたかれるかもしれない ぼくがいつまでも奇麗事を恐れてるから 夜にもセミが鳴けばいいのに 考えなしに喚くから彼らは潔白なんだ 隙あらば価値や意味がはいってきそうな静寂なんかより よっぽどよく眠れそうだ そしたら明日が来るんだ 退屈の中にすっぽりはまり込んでみせて そのくせ退屈からはみ出している明日が なぞめいた光にも似せて 22 名前:夜の蝉 [] 投稿日:04/09/04(土) 01 42 ID 1IlH/oq0 【コメント】 25 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/09/04(土) 12 33 ID Q8DSl92v 22 たぶん前回のあの作品と同じ作者だと思うけど、上手で一途さのある人だね。 すごくストレートなようでいて、ちゃんとことばが選ばれて生き生きしている。 何回も読み直したくなる作品だ。 ガタガタ難しいこといわずにこういう作品が受け入れられたっていい。 個人的にはちっとも好みではないけど、 CDは買わないけどTVに出てたら引き寄せられて見てしまうアーティストみたいな。 88 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [catwalk7@nifty.ne.jp] 投稿日:04/09/09(木) 07 42 ID ZjpQtIrp 22 夜の蝉 第6連「考えなしに喚くから彼ら(セミ)は潔白なんだ/隙あらば価値や意味がはいってきそうな 静寂なんかより」が気に入った。極論しよう。確かに世界に価値や意味はない。だって価値や意味 という「汚れ」は人間の側が勝手に世界の中に持ち込むものだから。だから、蝉は潔白、とした 作者の感覚、いいじゃん。これまで蝉の鳴き声を潔白と断言した詩人があっただろうか。オリジナリティー とは、この種の断定する感性の謂い也。 109 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/09/11(土) 19 46 51 ID s6NTt1gC 22 夜の蝉 語り口は手馴れてるし所々光るフレーズがある。 でも僕は筋を追うのに苦労してしまう。すっと入ってこない。 潔白なセミが忘我だったころの自分だとして、 忘我を失った潔白でない自分はこの作品でどういう位置付けなのか。 否定されるべき物なのか乗り越えられるべき物なのか。 5連目で「価値や意味がはいってきそうな」と言ってる所もわからない。 価値や意味がはいってきたから眠れないではないか。 最終連の「そしたら」も、どうしたらなのか分らない。 眠れたらという事にしか読めないがどうすれば眠れるのか。 他に「甘えん坊」「奇麗事を恐れてるから」の意味も分らない。 揚げ足取りかもしれないが、致命的なことではないか。 曖昧さが入り込んではいけない形式の筈である。勿体ない。 こちらの読解力不足なら申し訳ない。 【得点】 1点 MUJINA ◆iXws.WGCLY:1点 ■▲▼ 輝く星が生まれた頃に 僕はあなたを想っています く 23 名前:名前はいらない [] 投稿日:04/09/04(土) 02 08 ID 5TSgB4WI 【コメント】 25 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/09/04(土) 12 33 ID Q8DSl92v 23 くがいい。これがなかったら陳腐なだけの作品になったところに 異物を持ち込んで破壊している。 ただあまり作品とは呼びたくない。 95 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/09/10(金) 19 14 28 ID 3Pxil3bk 23 時間軸のゆがみが多少気はになる。秘密は く が握っているのか。 ■▲▼ 臨月の夜に思う 母よ、私が生まれた夜、 あなたは夥しい出血で死にかけた。 母よ、そろそろ私も母となり、 あなたを遠い昔のことだったように言う。 そして母よ、 わたしも遠い過去になろうとしている。 しかし母よ、 私を生んだ赤い夜、あの燃え滾る血の魂が、 わたしの身体を熱くめぐっているのを今夜も感じる。 この指先の隅々にまで、 ああ、母よ、ただならぬ気持ちが、 あなたを予感させるのだ。 24 名前:臨月の夜に思う [sage] 投稿日:04/09/04(土) 02 58 ID ITrPuqD6 【コメント】 25 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/09/04(土) 12 33 ID Q8DSl92v 24 いかにもなちょっと昔の現代詩。茨木のり子とか好きでしょ? 俺は男だからわからんが、夜と臨月のタッグはこういうリアルを産むのだろう。 神秘だね、ことば選びも神秘だね、でも何歳? 71 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [catwalk7@nifty.ne.jp] 投稿日:04/09/08(水) 10 03 ID bJYsorZi 24 臨月の夜に思う 普通にうまい詩。惜しむらくは、短かすぎる。第6連「ただならぬ気持ち」をもっと突っ込んで 追求してほしかった。普通、母というと、優しさ、いたわり、慈愛、聖母などのイメージを 想起するが、こうした既成の枠を超えた、もっと狂的な母性の自覚に作者は恐れおののいて いる、というのだろうか(私は勝手にそう解釈した)。もしそうなら、それでこの詩の続きが 書かれていたなら、これは世紀に残る名詩となっていた(オーバーじゃなく、ホント)。 91 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:04/09/10(金) 01 02 ID cPRHn7Ay 24 『臨月の夜に思う』 ぼくは三好達治とか連想したなあ…。3連めの 「遠い過去」は、いくらなんでもオーバーでしょう。これからおっ母さんに なる人が。ことば遣いとか、いいと思う。 95 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/09/10(金) 19 14 28 ID 3Pxil3bk 24 臨月の夜に思う 孫を持つ年齢になった女が母の何を予感するのか。 子育てを終え尚滾る母の血、それは我が子に向けられた力ではない。 抽象化された母性の猛りだ。それがこの世にいない母を予感させると言うことは、 ここに予感されるのは自分の母というより神話化された母なのだろう。 臨月の夜とは女が神話に昇華する夜のこと。でも神話的母との同化を暗示する言葉が 「ただならぬ」では大したお母さんではなかったな、で終わってしまう。 100 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:04/09/10(金) 21 26 11 ID JWg0AAGF 24 臨月の夜に思う 1点 テーマの先を越された・・・・。ちょっとくやしい。 夜はお産が多く妊婦と夜の結びつきは強い。母の壮絶な出産体験から 自分にひたひた近づいて来る出産への恐怖が伝わってくる。 708 名前:北 ◆tr.t4dJfuU [sage] 投稿日:04/09/12(日) 12 06 04 ID vsM9hJky チャンプおめでとうございます。 もし続き書かれていたら世紀に残る名詩となっていたかもしれない詩、臨月の夜に思うを書いた北ですw ばばばっと3分くらいで書いたので、あーあ、もっと推敲すればよかったなぁと思ってます。 しかし、ひさびさに投稿しました。あいかわらずこのドキドキ感、癖になりです。 審査した人、詩を投稿した人、どうもお疲れ様でした。 >イタチ小僧 茨木のりこでは、雛ぶりの歌が好みだよ。俺は46億才だよ。 >カノプス 三好達治はあんまりしらないっす。これを機会に善く読んでみようと思います。 >わに ふふふふ 【得点】 4点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点 わに ◆Wani6uvhK.:1点 MUJINA ◆iXws.WGCLY:1点 むこうの317 ◆317..n/Ke6:1点 ■▲▼ 違う場所へ還る 日々 すこしずつ 良くないほうへ 進んでいく 朝おきればすべてが 何もなかった 何も変わらない ようだが ただしい方向を指し示す灯台が わたしをとりかこむ どれに従えば どこへ わかっているのだ 誰も いつかは自分の舟で 暗い 海へと 26 名前:違う場所へ還る [] 投稿日:04/09/04(土) 16 50 ID hXZrzmhN 【コメント】 40 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/09/06(月) 14 48 ID 68quVNFH 26 見逃してた。ごめん。 タイトルと余韻をもたせたラストとの相乗効果がグッド。 ようだが、で転調させる展開がナイス。 人生の夜だね。でもよくないほうへ進んでいると思うのは思い過ごし。 本当はわからないんだろ。 95 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/09/10(金) 19 14 28 ID 3Pxil3bk 26 違う場所へ還る 2連目から、船は無意識下を航行していることがわかる。 3連目に「わたしは」という表現がでるので夢の中に現れる(自我が運航に関わる)ということも分る。 でも夢の中に現れる船が死の宿命を規定するというのは無理がないか。 それだけの支配力を船に持たせたいのなら「わたし」が関与しないところで 船は常に航行しているべきだ。 100 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:04/09/10(金) 21 26 11 ID JWg0AAGF 26 違う場所へ帰る 2点 肝心なものを描かないもどかしさ。なんだかむずむずする。 ただ暗闇のもつざわざわした胸騒ぎ、理由のない恐怖がすごい。うまいと思う。 712 名前:名前はいらない [sage] 投稿日:04/09/12(日) 13 36 21 ID gspZ+OzT 本スレ26「違う場所へ還る」を書いた者です。 漠然と毎日ダメになりつづけていくような自分が憂鬱で、 それでも当然生きていくわけで、そんな鬱々を書きたかったんですが、 言葉が足りなかったですね。 言葉をもっとちゃんと使えるようにしないと…。 恐怖を読んでくれたわにさん、読んでくださった人たち、 ありがとうございました。 チャンプ・準チャンプの方々、おめでとうございます。 【得点】 2点 わに ◆Wani6uvhK.:2点 ■▲▼ Before Nightmare 静かに ただ 静かに 無音が全部全部皆壊してく 無音が全部全部皆素になる ばかでかい建物も 現実のような光も ついこの前できたばかりで 草木は枯れるのに 彼らは踊ってる 生きてる方が強いと言う 静かに ただ 静かに 流れる星よりも前から 暴れる獣よりも前から そこに今はあった それを知ってるのは 皆全部全部 それを覚えてるのは 体を横たわらせる猫 静かに ただ 静かに まだ夜は続いていた 30 名前:名前はいらない [sage] 投稿日:04/09/04(土) 22 02 ID cZLVb4jI 【コメント】 39 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/09/06(月) 10 57 ID 68quVNFH 30 酔いすき。きもちわるい。 タイトル見てさらにきもちわるくなった。 40 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/09/06(月) 14 48 ID 68quVNFH 30 体を横たわらせる猫はいい。よくこのフレーズ出てきたな、と。 97 名前:Alnite ◆m3UVuKrnck [] 投稿日:04/09/10(金) 20 07 06 ID k4EUvZYV 30 Before Nightmare 静かに夜が続いていく風景を眼の裏に想像すると なんとなく自分の棲んでいる世界がちっぽけに思えてきますね。 108 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/09/11(土) 19 31 06 ID s6NTt1gC 30 夜に停止した全時間全存在、猫だけが知っている。 これは神話としてはそう珍しいものではないと思うが、 3.4連目などもう少し上手く書けばそれなりに面白い物 になったかもしれない。 【得点】 1点 Alnite ◆m3UVuKrnck:1点 ■▲▼ どうでもいい夜 こうやってる間にも どこかの街のとある部屋の俺とどこかの部屋のお前はこの夜を共有していて 詩を書いて俺のことを見せようと お前のことを感じようと なにか同じものを見ようとして いろんなことを考えてパソコンの前にはりついている 一体なにを見せようと なにが言いたいのか なぜ僕らこんなことしなければならなくなったのか どうでもいい夜だ 俺はこの夜のことを絶対に忘れる お前も忘れる なんの印象も残せない夜 思い出にも記憶にも残らない夜 今夜だってそうだし 多分膨大な数の夜のことを俺達は忘れた 俺はこの夜のことを忘れるよ 約束したっていいけど多分憶えてないよ この夜は俺達のものじゃない おそらくなにか抗えない抽象的なものの所有物 俺はこの夜を忘れる お前らも絶対に忘れる 31 名前:どうでもいい夜 [] 投稿日:04/09/04(土) 22 50 ID BhdthNBy 【コメント】 39 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/09/06(月) 10 57 ID 68quVNFH 31 読みはじめて真ん中くらいまではおもしろかったが、 別に夜じゃなくてもいいじゃん。 どうでもいい夜を敢えて描写して反復させるのはちとダイナミック。 93 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [catwalk7@nifty.ne.jp] 投稿日:04/09/10(金) 01 09 ID dHoB/VyZ 31 どうでもいい夜 詩を書くときって、向こうからやってくるっていう感じで突然、言葉や感覚が降って来る ことがあるじゃない。この詩の第2連の冒頭3行「どうでもいいい夜だ/俺はこの夜のことを 絶対に忘れる/お前も忘れる」というフレーズがまさにその感覚じゃないだろうか。作者は詩 のとば口に立っている。惜しいかな、作者はその玄関の三和戸のところで止まってしまっている。 ここから家の中へ入っていくのに力量がいる。ゴメン。作者が力不足と言っているんじゃない。 大半の人はこの玄関にさえ辿り着けずに、塀の周りをぐるぐる回っているだけなんだ。 97 名前:Alnite ◆m3UVuKrnck [] 投稿日:04/09/10(金) 20 07 06 ID k4EUvZYV 31 どうでもいい夜 この夜のこともきっといつか忘れます。 『この夜は俺達のものじゃない』、強かな表現だと思います。 ちょっと悲しすぎかも知れませんが、これも詩人の性なのだろうか? 702 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/09/12(日) 04 54 48 ID iMCJRynO どうでもいい夜 1連目と2連目のつながり、夜という失われていくものと、 その夜に営まれる失われていく絆を残す努力という 構図が上手く納得できない。 が、とにかく喪失への諦念と抵抗の風景は良くわかる。 俺たちを囲繞する抽象的な何かも上手く浮かび上がって来る。 だからこそ残念。 【得点】 1点 Alnite ◆m3UVuKrnck:1点 ■▲▼ 月食 Gマイナー、Cメジャー、 あらかじめ組み込まれ照らされることばたち、 葉擦れのホタルがふわっと舞い上がる、 月はあかあかと、すべては記憶にない夜の清流の出来事で、 夜、地球の影、 月に映る、地球の影、 月に映る、僕らの影、 往復する巨大な書簡のように、 影と影のあいだでささやきつづけるふたつの、 Aマイナー、Tメジャー。 みずからの名を連呼しながら 花は次から次へと咲きみだれる。 34 名前:月食 [sage] 投稿日:04/09/05(日) 10 18 ID 9DghZuDm 【コメント】 39 名前:イタチ小僧 ◆8rr1u/54T2 [] 投稿日:04/09/06(月) 10 57 ID 68quVNFH 34 んー、いいっすね。 同じような描写でも 8と違って、自分たちのほうを月に影として映すダイナミズム。 まぁ、ただの月食なんだけど。 72 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [catwalk7@nifty.ne.jp] 投稿日:04/09/08(水) 11 06 ID bJYsorZi 34 月食 繊細な言葉の感性に思わずうっとりしてしまう。短さが幸いして傷がない。ほぼ完璧 に書けている。2行目の「あらかじめ組み込まれ照らされる言葉たち」など含蓄のある 表現に唸る。蛍の描写もうまい。書けるようで、なかなか書けない。背景に音楽が流れている が(ああ、この何とかマイナーとか何とかメジャー、が傷と言えば傷かな。こうした直接的な 表現を使わずに読者に音楽を意識させれば達人の芸域)、ドビュッシー的世界を彷彿させる。 ―みずからの名を連呼しながら/花は次から次へと咲き乱れる― まさに絶唱と呼ぶにふさわしい。 101 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:04/09/10(金) 21 59 43 ID yKUVa/MH 34 月食 イメージの意味の論理構造が蕪雑で混乱する。 きれいだがただ雑で分りにくいように感じる。 それは僕の誤読のせいなのかもしれない。 なんとか読み取ってみる。 張りぼての内部は構造を晒した世界の夜だ。 世界にあらかじめ配された言葉を拾い上げ、 僕は自分の中にもう一つの世界を形作る。 世界を裏返せばそこに見える、月に映った僕と地球、二つの世界。 詩人が戯れる言葉=存在の夜、そんな所だろうか。 102 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [catwalk7@nifty.ne.jp] 投稿日:04/09/10(金) 23 43 04 ID 24IhEbG6 >34 月食 世界が美しい。月と旋律はよく似合う。 723 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:04/09/12(日) 23 24 55 ID RM7piNwc どうもですー。みなさん、オツ&オメでございました。 ameさん、いつものことながら、どうもありがとうございます。 『月食』書きました。MUJINAさん、イタチさん、園川さん、どうもありがとう ございました。 えー、この詩は、予備知識がないと読み取りにくかったかもしれません。 というわけで解説です。 月食というのは、月が地球の影に隠れてしまう状態ですが、完全に隠れてしま う時つまり皆既月食の時は、日食のように月が完全に消えてしまうわけではな く、地球の大気の屈折の関係で、暗い赤からオレンジ色に染まるんですね。 その時に月の表面に映るのは、まさに地球の影であるわけで、その間ぼくらは 地球の影と影の間に立ってるわけです。 また「Gマイナー、Cメジャー云々」は、GCAT、つまりDNAの塩基配列を和声コ ード風に変換したものです。本当はDNAと、その影(転写像)であるRNAを1連 の冒頭と最終に挟むつもりだったんですが、どっちがよいのかはまだ迷ってい ます。 とまあ、この詩は必要な情報を呆れるほど省略化しました。ことばを刈り込ん でいった結果でもあり、この状態でどれだけ通用するかの一種の実験でもあり ました。どうもありがとうございました。 【得点】 3点 MUJINA ◆iXws.WGCLY:3点 前へ ← 1 2 3 4 → 次へ ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/521.html
作成中です・・・ ページ:1 2 作品 ■▲▼ 大人の私の 708 名前:大人の私の (1) [] 投稿日:03/08/21(木) 00 02 ID zIehwz1b カーテンを揺らして 若葉のにおいが入ってくる 広いベージュの食卓 大きな水槽 ブルーオーキッドの魚影 手元で泳ぐ 例えば、あなたは自分の魂を砕く 或いは魂の首を締める 母さんが帰ってくるのを 座って待っている 真っ白なノートに描く物がなくなったから 全ての本をツマラナク思うから ベージュの食卓の向かいガワに 誰もいないから なんて悲しいヒトなんだろ 誰の近くにもいなくて 誰も近くにいない 709 名前:大人の私の (2) [] 投稿日:03/08/21(木) 00 03 ID zIehwz1b 熱帯魚の影が大きくなって 部屋中にひろがると夜になって 救急車のサイレンが 父さんを運んでいると思い込む 秒針の音がコチコチいって 林の風がザワザワ騒ぐ ずっと先の素晴らしい救いなど 必要ないものなんです こつこつ積み重ねた孤独が 故郷になったようです 大人の私の 心の童話 悲しみを教えて下さい。寂しさがあります。 言葉が通じません。感情はありません。思いは伝わりません。 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 探し物 710 名前:探し物(1/6) [sage] 投稿日:03/08/21(木) 00 44 ID gXwjFA+6 ランプの伸びやかな明かりの中で 背を丸め 足を擦り合わせ 向こう一年間の予定をカレンダーに書き記していた 先生がいました 夏だというのに息が白むほど冷えた夜のことです 夜も深まり眠くなった先生が欠伸をしていると 机の右端に置いた壷に小さな虫が吸い込まれていきました 覗きこむと虫が墨汁に浮かんで足をわずかに動かしています あっ という驚きとも怯えともつかない 幼い声で先生が叫びました 壷を倒してしまったのでした カレンダーは墨汁でいっぱいになりました 壷がいやしい犯罪者のように揺れています 黒い墨汁の池はランプを反射して動いていて 浮かんでいた虫は 足を一層絡ませて悶えています いずれ死ぬでしょうねかわいそうに 711 名前:探し物(2/6) [sage] 投稿日:03/08/21(木) 00 44 ID gXwjFA+6 しかし先生は「やれやれ、」と言いながら 墨汁の滴るカレンダーをごみかごに捨てると そのまま布団にもぐりこんだのでした その夜に見た先生の夢は奇怪怪奇なものでした 先生は草原に立っていて なにかを探しているようでした 先生はドラ焼きが大好きでしたのでそれを探していたという説が有力ですが 本当のところは先生にもなにを探しているのか見当がつかないです おかしいですね 探し物がわからないのに探しているなんて こんなことがあるのでしょうか? でも先生は一生懸命に探しているのです 草原は広いのに(学校のグラウンドの何倍もありました。) 先生は同じところをぐーるぐーる回っているだけでした 何度回った事でしょうか もう嫌になっちゃうぐらい回りましたよ 先生は疲れて座り込みました するとどうでしょう 歩き回っているときには見えなかった 小さな井戸があるではありませんか! 先生は井戸に向かって走り出しました すぐ近くに見えたのにいくら走っても井戸は見当たりませんでした 息ができなくなるぐらい走った先生は空を見上げてまだ走りつづけています ひーひーひーひーもうだめひーひーひーひー もうだめだあひーひーひーひー もおだめーーーーーー 712 名前:探し物(3/6) [sage] 投稿日:03/08/21(木) 00 44 ID gXwjFA+6 もうだめだと思って座り込んだら また井戸がすぐ近くに見えました 先生はがっくりしました 同じ事を繰り返すのは馬鹿だと思った先生は 芋虫のように井戸に近付けばどうだろう?と思いつきました 笑っちゃいますけど先生は本当に芋虫の格好を真似して前に進んだんですよ? お尻をあげて体を伸ばす お尻をあげて体を伸ばす お尻をあげて体を伸ばす おいっちにっ さんしっ おいっちにっ さんしっ するとどうでしょう。 先生は見事に井戸へたどり着いたんです! 先生がようやくの事で井戸に触れた瞬間 パーカッションの音と桜吹雪が先生を一斉に祝福しました それは虫たちの大合唱した!なんて素敵なんでしょうか! それに感動した先生は むかし兵隊に行った時のことを思い出しました 先生は腕振り腕振り、軍艦マーチを唄いはじめました 「・・・・・・ きさまあとおれとはどおきのさくらあ はなればあなれにちっろおともっ はなのみやあこのやすぐにじんじゃ はなのこずげぇにざいてぇあおお ・・・・・・・」 713 名前:探し物(4/6) [sage] 投稿日:03/08/21(木) 00 46 ID gXwjFA+6 先生は涙を抑えながら感極まった顔をして歌い上げました しかし、辺りを見回すと誰もいませんでした 虫も草木も白けきった様子です 可哀相な先生は、泣きながら泣きながら(もうそれは孤独そのものです) 崩れ落ちたのでした 先生はねっころがったまま 空のお月様を見ていました お月様の優しい光で慰められた先生は気を取り直して ふたたびなにかを探し始めました きっとこの古びた井戸の中にあるんだと信じきっていました すっきりした顔をして、井戸を覗き込むと 真っ暗でどこまでも続いているようです 先生はどのくらい深いのだろうかと思い おおいと小さな声を井戸に落としました やけに遠くまで響きます やけに遠くまで響くのです おおおいと今度は大きな声で叫んでみました するとどうでしょうか おおおおおおおおおおおおおおおいおいでええええええと返って来たのです! 714 名前:探し物(5/6) [sage] 投稿日:03/08/21(木) 00 46 ID gXwjFA+6 先生はなんの躊躇もなく 井戸に落ち込みました 一直線に落ちていく中で先生は 色とりどりに咲く花を見ました 笑うと花びらが舞い散りました ずいぶん落ちつづけました 世界の反対側まで落ちつづけているはずなのに 地面はみえませんでした いつしか花もなくなって 先生は今、 真っ白な世界を落ちつづけているのです 真っ白な世界に、先生が探しているものがあるはずがありませんでした 先生はがっくりしました 脂汗が体中から滴り落ちて井戸の底の水に落ちる音がします 窒息しかけながら先生は時計の音を聞きました ぼーんぼーんぼーん ぼーんぼーんぼーん ああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛―― 715 名前:探し物(6/6) [sage] 投稿日:03/08/21(木) 00 53 ID gXwjFA+6 時計の鳴る音で先生は目を覚ましました もうとっくにお昼の12時を過ぎていました 寝すぎた!時間の浪費だ! 先生は、勢いよく布団から置きだして 玄関の扉を開けました 夏の生ぬるい風と共に 色とりどりの花びらが息もできないほど部屋に舞い込んできたのでした 先生は呆気に取られてしまいましたが 探し物を見つけた気になりました 716 名前:715 [] 投稿日:03/08/21(木) 01 10 ID gXwjFA+6 訂正します。 4行目:先生は、勢いよく布団から置きだして× 先生は、勢いよく布団から起きだして○ 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 影・絵本 723 名前:影・絵本 [] 投稿日:03/08/22(金) 22 14 ID 7AUvdwS/ 仕立てあげたドレスで お姫さまは毒りんごをさがす くちびるに浮かぶ花々 さわがしい空を吸いこむように 森は しん と、うなった ゆらぐ影のように ふらつく足を ぺたんと折り曲げて ひらく絵本に 瞳つぶやく 「めでたし めでたし」 と。 その続きは? 重ねたみずうみに沈むのは 汚れのない宝石でもなくて 美しい指をかざるのは 王子さまの甘いささやきでもなくて 背中のうらがわを刻む 赤黒い疎外感 タバコで焼きついた霧 一本がいくつにもなって くだけるような眩暈 つぶやけない瞳 それでも空は青いよ 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 影磁石と、あと、ねずみ 724 名前:影磁石と、あと、ねずみ (1) [sage] 投稿日:03/08/23(土) 01 09 ID 3cNa+ZTk その男は逃げ惑っていました。 とおくとおくの所まで、 彼の腰から生えた二本の足をつかい、 彼は川沿いまで来ていました。 彼は影に追われていました。 太陽を背に受け、影を作った者に追われていました。 男は常に月光をみつめながら走り、ときに歩き、 この川沿いまで来ていました。 男は川の流れをみていました。 正確には、河を泳ぐ落葉の、 川底に落ちた葉の影が、 泳ぐ落葉をひっぱっているその様を見つめていました。 男がその様をみて、もう影から逃げるその行動が、 影と影が磁石の反極のように、離れる行動が、 まるでいやになってしまいました。 725 名前:影磁石と、あと、ねずみ (2) [sage] 投稿日:03/08/23(土) 01 09 ID 3cNa+ZTk 男が目を上げるとそこにはコテージがありました。 もう逃げることをやめた男はそのコテージで、 追いかけてくる反極を待ち、人生を終わらせようと思いました。 コテージのドアをノックすると、老夫婦が顔を見せました。 ぐちゃぐちゃになったおとこの姿を見て、一瞬あわてたように見えましたが、 すぐにシャワーを浴びるように言われました。 シャワーをあび、老夫婦からもらった服を着ると、 老夫婦は男に、ここに住んでもいいよ、と言いました。 でも子供部屋しか空いてないけど、とも言いました。 男はそれでもありがたいぐらいでした。 老夫婦の子供部屋に落ちついた男は、 ここにいるべき人物について考えました。 考えたけれども結論はでず、悲しい推測だけが、頭をよぎりました。 子供部屋には遊び道具が沢山ありました。 おもちゃや絵本や、その他もろもろの子供の遊び道具でした。 その中で男が見つけた本「影磁石と、あと、ねずみ」という本を、 影が追いつくまで何度も何度も読みつづけました。 726 名前:影磁石と、あと、ねずみ (3) [sage] 投稿日:03/08/23(土) 01 10 ID 3cNa+ZTk 影が追いついた日、男は川岸に立っていました。 ふと、頭の中を、この原因をつくった少年をおもいだしたましたが、 ああ、わるいことをしたな、とその程度の考えでした。 そして沢山の警官隊に囲まれて、男はいいました。 「あの、影がついてくるのはそれはちがくて、 影がひっぱってるっていうのもそれもちがくて、 ええと、ただ落葉から落ちた影は大変きれいですね」 そういって男は川のなかに入り、 それは男は男自身の影になりました。 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 童話(はなし)をしよう 727 名前:童話(はなし)をしよう [] 投稿日:03/08/23(土) 03 34 ID Bff8+roc いろいろ可能性が残ってるほど子供じゃないわけで それでも星をとりたいと思う気持ちは残っているわけで いちばん必要な今は 楽しくなるための時間(ひととき) 今日あったことと なかった方がいいこと お話ししよう 明日はきっとそうなるよ オレたちは誰かの役に立っているのかなぁと思うとき ゲームですよとやさしい声が聞こえてくるならば ありがとう神さま今は 退屈な時間を楽しもう ささやかな決心も もひとつかなわないけど お話しをきいてよ やさしい心の光のことを ひたむきに生きたって報われることは少ないんだけど がっかりしてもそれでも年はとっていくわけで いちばん必要な明日を 楽しく待つための時間(ひととき) 昨日なければ良かったこととか 明日あったら良いこと 話してみよう 願えばきっと明日はくるよ 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 濡れるような夏の 728 名前:濡れるような夏の.1 [age] 投稿日:03/08/23(土) 04 09 ID SM0YKXwE 「そうか、ベイさんは、まだキジムナーとは会ってないんだね」 南国特有の濡れるような暑い夜、居酒屋の大きなテーブルで泡盛を傾けて、 カコちゃんとヨシコさんは、内緒ばなしをするようにお互いの顔を近付け、 くつくつと屈託なく笑った。 「キジムナー?いるの、本当に?」 「うん、いるよ、やんばるあたりに行くと」 「ガジュマルの木に住みついてるんだよ」 コンクリートの床、プラスチックのテーブルとイス、 正面にはステージもあって、「内地」から来たバンドが 「いちゃりば ちょーでー」と大声で歌っている。 大勢の客は彼らを歓迎して、合いの手をいれたり、指笛を吹いたり、 なかなかやかましい。若衆と目が合って、にんまり笑う。 三人とも相当量の泡盛が入っているはずなのに、 カコちゃんとヨシコさんは、ほとんどかわらない。 「五歳のころから飲んでるからね」 「いちゃりば、ちょーでー?」 「うん、『一度会えば兄弟』という意味だよ」 「沖縄のことば。私たちもそんなものね」 汗がじっとりと吹き出す、頭はぐるぐるまわる、耳がわんわんいって、 夜は真っ青に湯だって終わりそうにない。 729 名前:濡れるような夏の.2 [age] 投稿日:03/08/23(土) 04 10 ID SM0YKXwE 「キジムナーと、ちょーでーになれるかな?」 「わあ、ちょーでー、なれるよ。キジムナーの好きなものを、木の下にそっと 置いておくの。魚とか、蟹とか。あとは氷」 「氷?何、それ。私も知らない」 「氷はね、昔は沖縄にはなかったから。キジムナー氷食べて、気に入ったんだ よ、きっと」 「そうかしらねえ。でもキジムナー、悪さもするからねえ」 「そんな時は、キジムナーの嫌いなもの置くのよ、知ってた、ベイさん?キジ ムナーは、蛸が嫌い。あとはね、うふう、オナラが嫌いなんだって」 「うふう」 ライブはますます盛り上がって、囃子も指笛もいっそうやかましく、 夜はまだまだ終わりそうにない、観客は総立ちで、踊り出す者もいる。 「ベイさん、明日はきっとキジムナーに会えるよ」 「うん、キジムナーは、どこにでもいるから」 カコちゃんに手を引っ張られて、あやしい手付きで、ふらつきながら、 隣のニイニイ(兄さん)と肩を組んで、暑く濡れるような夏の夜、 夜はいつまでも終わりそうになく、みんなで大きく口を開いて、 終わらない琉球の夜、終わらない夜、夜の中、白い蛍光灯、踊る、踊る、 踊る。 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 死の舞踏 733 名前:死の舞踏~シンデレラ~ [] 投稿日:03/08/23(土) 23 48 ID /sTe0QUL ナルシストな彼女は 今日も薄幸なヒロインを演じている エデンの泉に溺れるように 妄想を抱きエーゲ海へ沈みゆく ガーデニアの蕾の中 閉ざされた世界に幻想の花を咲かせて パラレルな恋模様はパリの空 彼女は深い目覚めの中で微笑む キャラメル色の髪を結い 化粧を施しドレスを纏い 舞踏会へ消ゆ 734 名前:死の舞踏~白雪姫~ [] 投稿日:03/08/23(土) 23 57 ID /sTe0QUL 空白の瞬間の中で 夢物語をなぞっていく指 残雪に足をとられぬように 階段を上って行く お姫様が夢見た舞踏会 煌びやかな衣装と仮面 その内に秘められた悪意と悲劇に気付かないまま 報復と殺伐さをとぐろ巻くアクセサリーの不気味 復讐の時は今 彼女の足に燃え滾る鉄の靴を 惨劇の夜は狂ったステップと共に 死の舞踏をご覧あれ 735 名前:死の舞踏~眠りの森の美女~ [] 投稿日:03/08/24(日) 00 02 ID cdGeLD3b 眠りは永遠にあれ りんご売りがそっと呟く のぞきこめば苦悶 森の中に葬られた、悪意と悲劇の犠牲 のぞきこめば安息 美しい姿を遺して 女は舞踏会に消ゆ 【コメント】 【得点】 0点 ページ:1 2 ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/sangokushi11/pages/1699.html
コエンシャク 列伝 水滸伝一〇八星の1人。天威星。席次第八位。宋建国の功臣・呼延賛の子孫で、2本の銅鞭を操ることから「双鞭」のあだ名を持つ。高俅より梁山泊討伐を任されると、官軍を率いて梁山泊を強襲。装甲騎兵30騎を鎖に繋いで突進させる「連環馬」や火砲隊による攻撃で、梁山泊軍を窮地に追い込む。しかし徐寧率いる鈎鎌槍(鉤状の刃のついた槍(コウレンソウ))隊に連環馬が破られると、敗北。青州で再起を図るも呉用の策にはまり、宋江に説得されて梁山泊に入った。入山後は騎兵五虎将の1人となり、方臘(ホウロウ)征討後は官軍に戻った。 能力値 統率 武力 知力 政治 魅力 総合 軍事能力 統+武 統+武+知 素質 94 91 73 65 80 403 185 258 順位 偏差値 成長期 維持 維持 普通 普通 普通 - - - 能力持続 長い 短い 短い 短い 短い - - - 兵種 槍兵 戟兵 弩兵 騎兵 兵器 水軍 適性 S B A S S C 部隊 攻撃 防御 攻撃 防御 攻撃 防御 攻撃 防御 攻撃 防御 攻撃 防御 値 95 98 72 86 77 84 104 94 91 79 63 62 順位 偏差値 部隊攻撃力/防御力は技巧研究を全て終えた時点での値。兵器は木獣、水軍は闘艦。 特技 騎神 騎兵戦法成功時クリティカル マスクデータ 相性 出身地 起用 戦略傾向 地元執着 義理 野望 漢室 生年 登場 没年 死因 性格 音声 口調 88 4/5 3/5 3/3 161 184 223(63歳) 剛胆 剛胆 威厳 舌戦 得意話題 保有話術 大喝 詭弁 無視 鎮静 逆上 ○ 親愛・嫌悪 状態 武将名 呼延灼 親愛 宋江、関勝 関勝 嫌悪 高俅、童貫、蔡京 なし 馬超の知力強化版のようなステになっている。 特技を考えると騎兵で出したいが槍・兵器S、弩Aでもあるので兵装が足りなかったり地形の問題で騎兵で出せないときはそれらで出しても良いだろう。 それでも十分強い。 もちろん疾走持ちと組ませるのが理想。 -- (名無しさん) 2011-04-24 06 19 51 横光版水滸伝では、不気味な仮面姿に定評がある。 水滸伝武将中最高の統率を誇り、なおかつ高武力。特別低い能力もなく、典型的な名将といった感じ。 特技は騎神だが、騎兵以外に適性Sが2つあるので、状況によった戦い方ができる。 でもやっぱり騎兵持たせて戦法使えば、気分は正に連環馬。 -- (名無しさん) 2011-11-08 00 20 51 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/ng3ggc/pages/883.html
名稱:孔亮 伺服器及顏色:5服綠 類型:武 性別:男 生命值:644 武力:41 智力:12 防禦:17 敏捷:37 運勢:22 敘述:孔亮是孔明的弟弟。兄弟倆攻打青州救叔叔,孔明被呼延灼所捉。孔亮向武松、魯智深求救,魯智深聚集三山人馬攻打青州,又讓孔亮去梁山泊求救。宋江領兵馬一起打下青州,孔亮同哥哥一起,做了梁山守護中軍步軍驍將,是梁山第六十三 條好漢。征討方臘時孔亮陣亡。
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/618.html
前へ ← 1 2 3 → 次へ 作品 ■▲▼ (心) 白地に赤で「JAL」とプリントされたTシャツ 空気の層を切り裂きながら飛んでいる 私の目は楕円の覗き窓となり、覗いているのはカンガルー 見下ろせば綿飴を細かく千切ったような雲が、海面すれすれに浮かんでいる 海はもはや液体ではなく、コンクリートに漆を塗ったような硬質さ 黄昏……ベッコウ色に染められる 頭が甘くたるむ 引き出しから何百もの匙が床に崩れ落ち 乱暴にグイと現実に戻される 窓の外では何やら騒がしく鉄がぶつかり合う音 作業員の規則的な動き ロボットによるベルトコンベアを用いた流れ作業で代用可能 工事現場 鉄パイプの響き 黄色のヘルメット 規則的な動き 光のランブ 金属のリズム べっこう色の霧が沸き始めて…… 翼は温められた糖分によってベタつき ディズニーランドの閉園時間が近づく 夢の成分のほとんどは黒砂糖で 熱し過ぎると、たちまち理想都市は廃墟となる 甘い香りだけを残して 再び目を醒ました時には静寂しかなかった 鉄パイプの音も、機械のような動きの蛍光イエローも 暗黒の湖底に沈んだかのように気配が感じられない 私を取り巻く世界が愛想を尽かして逃げていったのか それともベルトコンベアに全てが流されてしまったのか 480 名前:(心)[JAL] 投稿日:2007/03/11(日) 19 16 40 ID ecpcAJjQ 【コメント】 508 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 02 53 42 ID faWm73RC 480 (心) 吹っ飛んでいて意味自体考えるのはナンセンスだと思った イメージを楽しむ以外の行為自体弾く様な 作品ですね 音楽から程遠い描写から音を感じているのです 夢の中で(実際に乗っているのかもしれませんが)飛行機に乗っているにもかかわらず音が響いている中で 心ではその音を響かせながら 音が呼び覚ましたであろう幾つもの時空の重なりを一挙に見せている感じで 夢の中で風を切り裂くような 耳慣れない音を聞いているかのような気分にとらわれてしまいました >私を取り巻く世界が愛想を尽かして逃げていったのか >それともベルトコンベアに全てが流されてしまったのか イメージをあやふやにフェイドアウトさせるのではなく 広がったイメージらをしっかり巻き取っている 文末も巧いです ○2点 511 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 03 50 51 ID R7ZIsZC2 480 工場の休憩所で仮眠を取っていて、時々音で起こされながらも断続的な夢を見続けている シチュエーションかと思って読み進めていましたが、最後の連で唸りました。 もちろんそのままのシチュエーションで読んでも味わい深いのですが、もっと多層的な読み方が 可能な、まさに文芸としての技で奥行きを出しています。現代社会の喧騒への暗喩とも読めるし、 時流に取り残された自分が感じた孤独とも読める。お題であるところの音楽は、工場、もしくは 工事現場のインダストリアルなハンマービートのようなドイツの前衛音楽のように聴こえてきます。 機械に「現代」を見い出すのはチャップリンのモダンタイムスなどですでに表現され尽くした常套手段 ではありますが、作品の完成度の高さを評価したいと思います。1点。 521 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22 30 42 ID fpudlBHr 480 「(心)」 作業中にうたた寝するのは危険だよね。 いやこれは、描かれるイメージを味わう詩だとは思うんだけど。 527 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 12 09 10 ID kQVK9M1c 480 「(心)」 1点 堕ちたのは飛行機か、心か。航空会社の良心か。 528 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 17 49 24 ID dgLmBPUT 480 「(心)」 音、よりむしろ、色と匂いが強く印象に残る詩でござった。 べっこう色、黒砂糖の匂い。機械じかけの世界を描く作品の中で、これらが読み終えてもつよく脳裏に残る。 優れた作品だとは思うのでござるが、ところどころに熟してない表現もあって 惜しいと思ったでござる。 530 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21 24 29 ID COEV4aQ+ 480 (心) 心の中に流れる音楽と言う感じで、都市の音楽かなと。 3連目の連体止めの連がいいリズムを作ってる。 もうさ、ストーリーなんか書かないで、音と音の印象だけをずーーと書いてたほうがよかったんじゃないかとちょと思いました。 533 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [age] 投稿日:2007/03/20(火) 22 24 55 ID 0lsM2rAh 480 「(心)」 かなり独り善がりな表現が散見する。そのせいで話に引き込まれきれず、ラストの着地が決まらなかった。 でもまぁ表現力はなかなか。 1点 125 名前:おれ ◆CeJ6D/I4qE [s] 投稿日:2007/03/22(木) 00 41 25 ID kMINiUH7 評価どうも(心)書いた俺です。 >表現が未熟、独り善がり まったくその通りです。あんま言うこともないわ。 131 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/22(木) 23 49 43 ID FNOpywko 125 げっ、もしかして天才高校生か!高校生にしてはうますぎる。若いうちに小さくまとまんなよ、なんて。 【得点】 5点 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:2点 まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:1点 ゼッケン ◆ZkkenDgUE6:1点 ナナシー ◆zMYfgmhp9w:1点 ■▲▼ 歌う男 歌う男はステージの奥から駆けてくる ギターを片手に拳を差し上げ 客席を睨みつけると ギャジャラーーーン ひらいた拳を弦に絡ませ 空気を切り裂き始める ささくれた鉛のような声が 毛羽立った空気にかぶさり 彼の作る振動が世界の全てになる 歌う男は首を振る 歌う男は足を打つ 歌う男は喉に爆薬を持っている 言葉のひとつひとつが弾け 火花を散らし 僕らは彼が起こすロマネスクじみた革命に 泣きながら踊りだすのだ 481 名前:歌う男[sage] 投稿日:2007/03/11(日) 22 08 50 ID NUivNcih 【コメント】 510 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 03 44 01 ID faWm73RC 481 歌う男 この男想像がたやすく出来てわたくしの身近にもいるこういう男が! 凄く原始的といっては失礼にあたるかもわかりませんが 泣きながら踊りだすという最終行 爆発力がありますね 肉体を伴ったMusic に体は反応して勝手に踊りだす この作品まさに 音 楽 が体内を突き抜ける瞬間を感じた! 歌う男もMusic 踊りだす僕らも Music ○ 2点 511 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 03 50 51 ID R7ZIsZC2 481 凄いミュージシャンです。カリスマです。突き上げた拳を開いてそのまま弦に絡めてギャジャラーンの 擬音がかっちょいい。ピック使わないのか、という驚きもさることながら、首を振り、足を踏み鳴らし、 さらには鉛のような重い声で歌いまくるわけでしょう、凄いです。サンボマスターの太ったやつを 思い出しましたが、ぜひモデルがあるならば教えてください。1点。 521 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22 30 42 ID fpudlBHr 481 「歌う男」 確か、芸人の濱口まさる氏の持ちキャラに「笑う男」というのがあった。 ただ意味もなく爆笑するキャラで、それを見ているだけで、何となく笑えてしまった。 歌うことにもそれが当てはまるのかは分からないけれど。 少なくともこの詩からは、それだけのパワーは感じとれなかった。 なんでだろうと考えて、詩形が整いすぎているからかもしれないと思った。 530 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21 24 29 ID COEV4aQ+ 481歌う男 あたしは古いんで、プレスリーとか、松山千春とか、JBとか思い出したり。。 ステレオタイプですが、きちんとまとまった一作。 122 名前:名前はいらない[] 投稿日:2007/03/21(水) 20 12 19 ID mzPpyf5w 「歌う男」を書いた者です まんこ将軍、竹輪さん、点数ありがとう 他の審査員さんもコメントありがとう 取り立ててモデルはいませんが、恰好いい男のイメージで書きました 描写があっさりすぎだったかもですね お疲れさまでした 131 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/22(木) 23 49 43 ID FNOpywko 122 おー、モデルなしであそこまでカッコ良く書けるとは想像力満点。 私にはアンガス・ヤングとジョー・コッカーが合体してる男みたいにも絵が浮かびました。 【得点】 3点 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:2点 まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:1点 ■▲▼ ある音楽のための十六のレビュー ■ステキ! 曲名もわからないのだけれど、イントロから 惹き込まれました。 とっても神秘的な響きがする曲です。 ビブラフォンのソロが素晴らしくきれいです。 ただ、途中にノイズみたいなのが入っているのが残念。 古い曲なのでしょうか? ■あまりにも尖端的な… あまりにも尖端的なアーティストの遺作となった、短い鮮烈な曲。 わずかな音数のあいだの沈黙に込められた、膨大な意味。 世界中でフィールドワークを行い、数十回の変貌を遂げた 変幻自在の作曲家が、最後にたどりついた境地が 2分50秒から55秒の間に現れる。 窒素ボンベからエアが抜ける音ではないかと私は推測しているが 不思議な音が、玄妙なハーモニーを奏で 涅槃の響きを鮮烈に伝えてくる。 ■聴いてはいけない あまりにも危険な音楽ですよこれ。ヤバイなんてもんじゃない。 ラジオから流れてきたら世界中で皿や花瓶が割れるね。手から滑り落ちて。 不吉すぎますこのグルーヴ。とくに声。あの声。 ほんの一瞬しかきこえないけど、あんなに醜い声は聴いたことがない。 ■↑の誇大宣伝に注意 上のレビューの大仰な物言いに興味もっちゃって、聴いてみたよ。 水の音がしてるだけじゃん、これ。 それも水道水が流しの桶からこぼれる音じゃん。だまされた! ■世界をくるむ音 わずか3分3秒しかない曲とは信じられない。 曲は可聴域ぎりぎりのバスクラリネットの低音からはじまり まるで大伽藍を形作るように、幾何学的に音が展開する。 その伽藍の中には世界中が入るかもしれない、そんなことを思わせる。 惜しむらくは、この美しい音の建築の中に、人間のにおいがしないこと。 管楽器が使われているのに、人間の息の痕跡はまるでないようにきこえる。 まるで太陽系外の音楽のようだ。 ■なんでバラバラなの? なぜ、みんな言ってることがバラバラなのでしょうか? ていうか、このレビューそのものが冗談? いったい、問題のその曲は実在するの? ■聴くことができない音楽 この曲は実在する。私が保証する。 ただ、上のレビューはぜんぶ嘘だ。 なぜなら、楽譜としてしか残っていない音楽だから。 いまだかつて、一度も演奏されたことはないはず。 少なくとも私が知るかぎりでは。 ■そんな馬鹿な ならば、いま僕が聴いているこの曲はなんなんだ。 杏仁豆腐のようなぷるぷるした空間が、音と音の間をみたす 奇跡のように苦くて、ぐにゃぐにゃなこの曲は! この曲は実在しているよ。だって、僕の耳元で鳴っているもの、いま! ■推理? なるほど…。混乱しがちな情報をまとめてみると ○短い曲らしい。3分3秒。 ○音数は少ない、シンプルな曲らしい。 ○あまり陽気な曲ではないらしい。 ○楽器については意見がバラバラ。 ○実在するのかしないのかは意見がわかれる。 …みんなが、同じ曲を聴いているなら、の話ですけど。 ■別サイトの公式レビュー 拾ってきたよ。これで決着するだろ。 <…音楽史に、他に例をみない異様な姿を残している モニュメント的な作品。 音で物質を形作るという、およそ常識離れした離れ業に成功している。 作者によれば、そこで「音的物質」としてこの世に誕生しているのは、 全長10センチほどのロボット犬であるという。 じっさいこの曲を聴いていると、背中の金属のひんやりした手触りと かすかなモーターの震動が如実に感じられるのだ。 これは怖ろしい経験で、曲の後半で犬の短い吠え声が聞こえたとたん 音楽の深奥に取り込まれて、思わず悲鳴を挙げそうになることだろう。 圧巻の3分3秒である。> ■…………… ロボット犬? つーかどこだよそのサイト。検索しても検索しても そんなテキストは見つからないぞ。 ■3分3秒 音楽というのは煎じ詰めれば時間なのだから。 時間は物質にはならない。 これは3分3秒ある。それだけが真実だ と、ジョン・ケージなら言うだろうね。 ■ふざけんな 俺は夢を見た。いや、夢を聴いた。 思い出せない夢のかけら、それが音楽だ。この曲なんだ。 だが、この曲とはなんだろう? 俺はいま、その曲を聴くことができないのに。 とにかく、ふざけんなおまえら。 ■かすかなノイズが 私の耳にずっときこえているけれど、それは あきらかにニンゲンが作ったノイズみたいだ。 音楽とは、ニンゲンが作ったものでしょ。 だから、私がききつづけているこれが、この曲なんです。 山でもなく川でもなく猫でもなく鳥でもないんです。 なにかが私にささやいてくるけど なにかが私にむかって世界をかなでているけど 私にはわからない。意味が。その意味が! ニンゲンがつくったものなのに。 ■いつか いつか聴けるよ、と彼は言った。 いつか聴けきたいね、と彼女は言った。 3分3秒。音楽の大伽藍にしてロボット犬の歌。 それを聴きながらあらゆる人は皿を割る。 音楽をいかにして他の音楽と区別するのか。 名札を取り去ったら全てはカオス。 だがそれは僕には関係のないことだよ。 ただ僕は、道を歩き出して パチンコ屋から流れる猥雑な歌を聴きながら 世界に溶け込むように口笛をふいて まだ聴かれたことのない3分3秒のことを忘れるんだ。 ………… ■カップ麺をゆでるのに重宝してます 聴き終えるとちょうどいい具合になってるんですw 482 名前:ある音楽のための十六のレビュー 1[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 07 15 19 ID IdNtnsX9 483 名前:ある音楽のための十六のレビュー 2[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 07 16 23 ID IdNtnsX9 484 名前:ある音楽のための十六のレビュー 3[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 07 17 37 ID IdNtnsX9 485 名前:ある音楽のための十六のレビュー 4[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 07 18 37 ID IdNtnsX9 486 名前:ある音楽のための十六のレビュー 完[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 07 19 40 ID IdNtnsX9 【コメント】 510 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 03 44 01 ID faWm73RC 482-486 「ある音楽のための十六のレビュー」 >■カップ麺をゆでるのに重宝してます >聴き終えるとちょうどいい具合になってるんですw 耳元でこの作品ぶつぶつとささやかれたら という感じで読んでみました ぷっと所々笑えてしまった 上引用部 これが一曲分の歌の長さであろう3分3秒をそのまま表していてにんまりできました それは何の音楽なのか想像を掻きたてまくる面白さで飽きることなく読み進められるのですが 一体何 と考え出すと発狂しそうなんです ああ分からないのでいつまでもこの得体の知れない 音楽 から抜け出せなくています 巻き込まれてしまったわたくしは聞いてもいない音楽をさも聴いたが如くに 十七番目のレビューとして語りだしてしまうような気分です ○ 1点 511 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 03 50 51 ID R7ZIsZC2 482-486 アマゾンとかのカスタマーレビューってこんな感じだったなあ、というのが第一感。とりあえず16個も 並んでるけどスラスラ読めて面白い。しかし途中でまとめる人、出てきちゃうでしょ。あれ、最後の方に 出した方がネットの書き込みのバラバラさからは遠くなって妙に形は整っちゃうかもしれないけど、 作品としては完成度高くなったと思う。例えば15個目にまとめいれて、16個目のオチはそのままで 落とす、と。オチは素直に笑えるから構成が惜しいと感じてしまいました。 私はジョンコルトレーンのエクスプレッションとかエリックドルフィーのラストデイトとかを真っ先に 思い浮かべたんすけどね、どーも楽器とか違うし。遺作という言葉に私は惹かれたんだけど。 たぶん作者のでっちあげ。でっちあげの力を評価。1点。 522 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22 31 53 ID fpudlBHr 482-486 「ある音楽のための十六のレビュー」 おもしろい。特に最後の落ちがいい。んだけど。 こうして作品として出されている時点でフィクションであることが明かされているので、 17番目のレビューを書くことも読むこともできないのが、惜しいと思ってしまう。 524 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2007/03/17(土) 22 57 01 ID Q6xbcHfr 3点 482-486 「ある音楽のための十六のレビュー」 噂の集合体としての、ことばで形成された音楽とはこういうものなんだなあ、 と納得。音楽的なことばはほとんど使われていないにも関わらず、これは確か に「ことばでできた音楽」なんだ。あちこちで世界が破綻してるのも、これが またいいんだ。…シュニトケあたりの曲をイメージしちゃうけど、ね。 ぼくが残念に思うところは、『■いつか』の項。ここは、2分50秒から55秒ま での第1パートと、2分55秒から3分までの第2パートに分けられる。(…ついで に言うと『カップ麺』は、残りの3秒にあたるんだよね。ここは心憎い構成だ と思う) 第1パート。ここは文字どおり『最後に行き着いた境地』、集大成でなくちゃ ならないんだ。他の部分よりも詩的な感じはするけど…今までの繰り返しと まとめになっちゃってるよね…折角の部分がやや弱くなってしまったんで、 画竜点睛を欠く思いでした。 ただ次のパートで『だがそれは僕には関係のないこと』と切り捨てているんで まあ、どうでもいいことだったのかもしれないけど。 ぼくはこの作品がダントツだと思います。…3点なんて久しぶりにつけた気が するよ。素晴らしい詩を、どうもありがとう。 525 名前:みたらしひかる ◆aglqL.ViKQ [sage] 投稿日:2007/03/18(日) 20 56 02 ID v84uC78j BE 532721669-2BP(350) 482-486 「ある音楽のための十六のレビュー」 3点 すごく不思議な香りがするけど、自分自身が詩の中にどんどん引き込まされる感覚がしました で、引き込まさせてこの最後の一連。 なんじゃこりゃ。 それが最終連を読んだときの所感 あっけにとられるいじょうのなにかがあった。 しかしかなりその連に濃い内容が詰まってました。 527 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 12 09 10 ID kQVK9M1c 482-486 「ある音楽のための十六のレビュー」1点 ネット伝説。ぼくらが語っていることの実体のなさ。時間だけは流れている。 530 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21 24 29 ID COEV4aQ+ 482 ある音楽のための16のレビュー アイデアの勝利。センスがいい。 このレビューの中で、最後のカップラーメンのレビューだけが 実際にこの曲を使っているという現実感があって、なんかここで曲が実体を持ったような気がしました。 1点 533 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [age] 投稿日:2007/03/20(火) 22 24 55 ID 0lsM2rAh 482-486 「ある音楽のための十六のレビュー」 アイデアは面白いけど構成がそれを活かしきれていない。 各々が好き勝手に書いたレビューなんだから構成が散漫に感じるのは当然作者の作為の範疇だと思うけど、それとは別に作品の背骨となる裏の構成が欲しかった。 ラストのオチはただ無難。逃げた感じがする。 1点 535 名前:あばらや ◆61ynRipd12 [sag] 投稿日:2007/03/20(火) 22 36 15 ID 368lNnCt 482ー486 1点 16小節(小説)のバーチャルソング。アイデアとオチに。 536 名前: ◆OPBYKkBBNQ [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 23 55 44 ID fhcGy0zF ※一点 482-486ある音楽のための十六のレビュー 《■いつか》を書いた人は詩人ですなぁ。つか、「いつか」の言葉力おそるべし。 受け取り手によって価値が違ってくる音楽を、実用的に使うオチ。誰が使っても三分余り。 詩や小説なども含めた「役に立たないもの」万歳!と、勝手に読んでみました。 60 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/03/17(土) 09 33 28 ID 6dalwscP ある音楽のための十六のレビュー カウントするとその数あった各々の件名が軽快な16ビートを 刻んでいるようです。野蛮な実録性は消え人造感が前面に出て いるようですがにぎやかなBBSという感じがよく出ています。 119 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/03/21(水) 00 51 54 ID zpC6RG6m 「ある音楽のための十六のレビュー」を書いた長介でござる。 皆様に面白がっていただき感激しきりでござるが この長ったらしいブツについては、反省点ばかりが思い浮かぶでござる。 一気呵成に書いてすぐ投稿してしまったゆえ、構成も細部もまだまだでござった。 カノプス殿はじめ皆様の指摘を、そうそうそうなんだよ!と、自分の作品なのに 激しく同意しつつ読んでおったでござる。 それにしても将軍殿の超能力には恐れ入り申した。ドルフィーのラストデイトは拙者の 愛聴盤でござってなあ。まさに、それを聴きながら思いついた作品でござる。 この音を言葉に出来ぬものか、いやそれが不可能ならば、はじめから存在せぬ音楽では どうか。そんな考えから、おかしなものを書こうと思い立ったのでござった。 皆様の講評に深く感謝するしだいでござる。ありがとうござった。 130 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/22(木) 23 17 52 ID FNOpywko 119 ふふふ。まあ私の高校時代からの愛聴盤でもあるのですぐわかりますよ。バスクラがね、うひひ。 ちなみにその誉めていただいた超能力で長介氏のリスニングルームをもっと透視してみましょう。 ああ、ラストデイトの隣に結構揃ってますね。アウトオブランチにアウトワードバウンド、 インヨーロッパもいいっすよね、あっ、ファイブスポットも当然のようにありますが、それ、帯つきの 日本盤ですねー、ファイブスポットのVol.1だけはアメリカの原盤でぜひ聴いて欲しいんすけどね、 音圧がまったく違いますから、これだけ違う盤もめずらしいくらいですよ、私は3000円弱出して 中古で手に入れました、って、その自慢がしたかっただけなんすけどね、えへへ。 130 おお、将軍殿もドルフィーファンでござったか。これは感動でござる。 拙者も高校生のときにファイブスポットに出会ったのでござるが そりゃもう衝撃でござったなあ。 以来、いくら聴いても聴きあきないでござる。 【得点】 13点 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:1点 まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:1点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:3点 みたらしひかる ◆aglqL.ViKQ:3点 ゼッケン ◆ZkkenDgUE6:1点 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点 ナナシー ◆zMYfgmhp9w:1点 あばらや ◆61ynRipd12:1点 ◆OPBYKkBBNQ:1点 ■▲▼ ひびき わたしがなにかを かんがえるとき それは こころになにかひびいたとき シンバルをならしたとき トライアングルをたたくとき ピアノのファ モーツァルトとであったとき みんな どこかで こころの琴線にふれて 作り出されている 487 名前:ひびき[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 22 30 17 ID JH5015sz 【コメント】 510 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 03 44 01 ID faWm73RC 48 ひびき シンクロニシティという言葉が過ぎった なぜか シンプルで素敵 内なる琴線に触れて響くという感覚が 512 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 04 31 56 ID R7ZIsZC2 487 ちょっと舌足らずと申しますか、短すぎるのかなあ。心の琴線に触れてそれが響いて何かを 作り出すに至るまでの過程をもう少し綿密に書いた方が良かったように思います。 ピアノの「ファ」の音に特別な感動ポイントをくすぐられるようで、その部分には非常に興味を 持ちました。そこだけを膨らませて、何か書いてみるのもおすすめしときます。 522 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22 31 53 ID fpudlBHr 487 「ひびき」 私は音楽には疎いので共感はもてないんだけれど、 すなおさと可愛いらしさが感じられました。 531 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21 25 14 ID COEV4aQ+ 487 ひびき 最初と最後の連がないほうがよかったかもしれない。 詩そのもの のひびき が鈍い。 60 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/03/17(土) 09 33 28 ID 6dalwscP ひびき 行末に「とき」が続くなかの突然の「ファ」の脱硬直的なところはいいし 次の行のそらおそろしい意味のわからなさに目が釘付けになりました。 第四連が吹っ飛んでいます。非常に読みづらいです。タイミングがいいです。 ナンセンス詩といわれるジャンルに属する作品は現実に不満を持つ読者に 需要があると思います。 70 名前:60[sage] 投稿日:2007/03/18(日) 02 13 53 ID IJQmUVkK 60 【モーツァルトと出会ったとき】だったんですね。 作者の方すいませんでした。 以下訂正を。 ひびき 行末に「とき」が続くなか突然の「ファ」にちょっと驚きました。 次の行の「トと」の部分は発音しづらいと思います。 ふわっとした雲の上という読後感でした。 ■▲▼ シャボー 熟成された 黄金色の風が吹く ざらついた質感を持って 再生されるビデオテープ 不規則に廻り続ける三音 潮風を体中に塗りつけたレンガ 遥か彼方に忘却された記憶と 万華鏡のような瞳に投影された未来が交わる並木道 出口など必要のない 色素のなくなった写真の中 今日は僕にとって最良の日 488 名前:『シャボー』[l] 投稿日:2007/03/13(火) 18 54 15 ID 8L6hib/I 【コメント】 512 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 04 31 56 ID R7ZIsZC2 488 シャボーはお酒のことでいいのかな。違ったらごめん。とりあえず内容だけ評価します。 音楽のお題から考えるに、ビデオテープを再生したときに不規則に繰り返される「三音」が キーポイントだと思うのですが、その三音をどこかで説明してくれないとまったく読めません。 「みらい」かなあ、とか考えたけどね、少しはね。最良の日というにしては、どことなく言葉の 質感が暗くて、実は何も伝わってこない。陳腐な表現も多く字面だけ見て楽しむわけにも いかないので、こういうのは正直困ってしまいます。 513 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 04 52 03 ID faWm73RC 488 『シャボー』 シャボーで記憶にあるのはsabaoとか お酒のメーカー シャボー(忘却したので調べたらアルマニャックのメーカー) シャボーはシャボン玉以外にも意味があるし 色々なイメージを持っていると思いましたのでタイトルの意味は限定しないで読んでみます 風 ビデオテープ 三音 (茶筅、通しの音ではないと思いますが 三音とはとても良い響きの言葉です) レンガ 記憶 未来 並木道 と少し読みがたいのですが なんだかきれいな光景が浮かんでは消えていくのです 音楽的なものはそれほど強くは感じなかったのです 三音が示すものが伝わりにくいからなのかもわかりません 不思議な琥珀色の中に飛ばされていくような雰囲気があってそこは良いなと思いました 522 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22 31 53 ID fpudlBHr 488 「シャボー」 気難しげな老人が思い出の休養地で一人、グラスを嘗めながら、 微笑んでいるイメージが浮かんだけれど。 なんとなく雑音が多いような気がしなくもない。 527 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 12 09 10 ID kQVK9M1c 488 「シャボー」 1点 味が音楽となってよみがえってくるというのはステキですね。 531 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21 25 14 ID COEV4aQ+ 488 「シャボー」 極上の酒を飲む、極上の気分の中で。 極上の酒はセピア色をしたラベルの中の醸造所で醸されて、 氷の音? グラスをゆるやかに回す音が続く。 というような光景が浮かんできて、快い酩酊に誘われました。 言葉の響きがいい。 1点 108 名前:ρ(=$ω\)ノ さぃきょぅ ◆PsyCHO8eyE [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 12 01 38 ID 1X0DMn0V 107 音楽というお題で若干期待して見てたんですが、 全体的に「音楽の周辺」についての作品ばかりで、 音楽そのものについて切り込んだものは少なかったみたいですね。 中から一つ選ぶなら488の『シャボー』かな。 いちばん音の聞こえてきそうな気配がします。 109 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [] 投稿日:2007/03/20(火) 12 23 00 ID kQVK9M1c 108 お。わたしもシャボーいいなと思いましたよ。 たぶんあれは最後の一行の力が大きいと思うんですよね。 にっこりして終わることで、読み終わった後、 こちら側で音楽が鳴り出すような気にさせてくれました。 時間のない忙しい人たちも こういう1レス感想でいいので、 気軽に感想よろしく。 【得点】 2点 ゼッケン ◆ZkkenDgUE6:1点 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点 ■▲▼ ゲラゲラ .r-、 _00 / ┴ r .| ´ r┘ !「`L00、|.l└ク_;厂 / .| 「| | l| |Ln r┘|.l _lニユ、 ./ . ̄└r "´]_ l| | r゙=゙┐ |└ァ / / / 、ヽ、 ,ゞ´_ | l| |「二 7 .|.l └′/ / / . \\`´ | |. l| l 〈 / 、 ! / \ ̄ l , ィ ヾト r ‐、_ . , / ,.-、/ / \ `‐ ^ヾ; ´ / { ゝイ /. ....`丶、.__戈‐ ! _ | | | ;イ l / `ヾl、 l (\____ / l | . { ,ム\\ `‐-‐ / / / ヽ; -ィ ´,.、 `㊦、、 ̄´ /= ィ⌒i ! {. ヾ;| l \ `ヾ= ´; -‐ ^ ゛ , 、 \\_,, ノ / } ! ヽ,\ ヾ;、.__,/∠_ ノ/ 丶丶、ヽ; ; ィ´ ゙, / ` ‐- .___ノ 489 名前:名前はいらない[] 投稿日:2007/03/13(火) 19 27 17 ID oWlKQLWH 【コメント】 512 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 04 31 56 ID R7ZIsZC2 489 ドラえもんがゲラゲラ笑っております。それだけです。 513 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 04 52 03 ID faWm73RC 489 笑い声も音楽でした とドラAAじゃあないですか カットインするタイミングが息抜きになりましたぼくどらえーもん♪ゲラゲラゲラ 522 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22 31 53 ID fpudlBHr 489 「ゲラゲラ」 こういうのを見るたびに、AA職人って凄いなぁと感心するのだけれど。スレ違いです。 ■▲▼ 響き 地球は回りながら 太陽の周りを回りながら 渦状銀河の縁を回りながら ぼくも回りながら あなたの周りを回りながら ぼくとあなたはいっしょに銀河の縁を回っている ぼくらは一秒も止まってなどいない 生命がパチパチと爆ぜる ぼくらは回りつづける 天の川流れる 星空に火の粉を吹き上げ あなたの周りを回るぼくの影は 億年の岩肌に映って伸び縮みする 恐竜がその上を歩いた地層が炎に照らされている すべらかな表面の石の内部では 電子がスピンしている ぼくは回りながら あなたの周りを回りながら あなたはぼくが手を差し出すのを待っている 石の内部では回転する宇宙の音が響いている 490 名前:響き[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 00 13 35 ID 75fUkrd1 【コメント】 512 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 04 31 56 ID R7ZIsZC2 490 いわゆる物理法則の中に数々の類似が見られる「何かの周りを回転する」現象をマクロから ミクロまで描きながら、その中には当然「自分」も存在し、回転の法則を言い訳にでもするかの ように「あなた」の周りでうろちょろしてる、と。その2連がユーモラスでいいですね。 しかしこの回転現象の類似をアイデアにした作品はいっぱいあるので、どうしても新鮮な読み物 とは成り得ないところが、過去の膨大な蓄積と勝負せざるを得ない我々にとって悔しいところです。 513 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 04 52 03 ID faWm73RC 490 響き 様々な引力と“回る”一行一行の流れが面白い なんて暖かで伸びやかな作品なんだろう ぼくとあなたの推移 宇宙は外なるものかもしれないけれど インナーワールドも感じました 大らかでわたくしはこういった音というか響きにいつも耳を傾けていたいなと思ったんだ 確かに こういったイメージは書き尽くされてはいると思う けれど それだけではないと >石の内部では回転する宇宙の音が響いている から読み取れたんだ 愛情とかなんだとか語らずにして こういった引力を何気なく表そうとした精神に共感しました ○2点 522 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22 31 53 ID fpudlBHr 490 「響き」 心地よいリズム・響きが感じられた。 ただ、どうして「僕」は「あなた」を待たせているのかな? とつい思ってしまった。 528 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 17 49 24 ID dgLmBPUT 490 「響き」 ひとつのイメージ核を中心に運動することで、言葉でパワーを生もうとする詩。 その試みを一心に、ひたすらやろうとしていることに好感を持ったでござる。 531 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21 25 14 ID COEV4aQ+ 490響き 回りながら という音がよかった。 途中でリフレインを崩してしまったのが残念。 535 名前:あばらや ◆61ynRipd12 [sag] 投稿日:2007/03/20(火) 22 36 15 ID 368lNnCt 490 1点 ワルツ、舞踏会、「2001年宇宙の旅」のイメージがクラシックと共に。 536 名前: ◆OPBYKkBBNQ [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 23 55 44 ID fhcGy0zF ※二点 490響き スピーディさが素敵でした。 地球が回ってるのは知ってはいても実感はない。(←当たり前か) のだけれど、遠心力と求心力に揺れちまいました。 120 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [] 投稿日:2007/03/21(水) 14 01 59 ID y5opNplk 「響き」を書きましたよ。 今回は王道勝負でございました。 竹輪さんのコメントから↓ こういったイメージは書き尽くされてはいると思う けれど それだけではないと そのとおり。竹輪さんえらい。 灰に新たな息吹を吹き込む一陣の南風ことゼッケンです。 まんこ将軍は反省しなさい。 最初の作品で得た陳腐さへの怒りをひきずったのではないでしょうか。 シオンさん、どうして「ぼく」が「あなた」を待たせているのか、という質問ですが、 ぼくがあなたを待たせているのではなく、あなたがぼくを待っているわけですね。 狙った効果としては オチの直前に主客を逆転させた違和感による一拍の遅れ、緊張を忍ばせてみました。 ああ、時間が。 コメントを頂いた他の方たちにもお返事する時間がありますように。 じゃ。 127 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [] 投稿日:2007/03/22(木) 11 54 41 ID n2lOW8fz 長介さん、試みてるだけじゃなく、ちゃんと効果出てるってば。 いまからでも遅くないです。もういちど読んでみて。点数くれ。 リーフさん。酔うぐらい回しとばよかったかな。 刺激マニアだからなあ、ここの人たち。 あばらやさんとは通じちゃってるね。 おお。あぶくさんから点もらった。最大にうれしい。 130 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/22(木) 23 17 52 ID FNOpywko 120 あっ、このやろ、竹輪と俺の評価を対照させてラブラブカップルに亀裂入れようとしやがって。 そんなの無駄よーん。本格的な引越しの準備とか雑用で忙しいんだから。ぐへへ。 まあ、この雑談スレのアジテーションからの連続もあるし、最初の作品でがっくし、というのもあって 今回の私の批評テーマは陳腐、凡庸への警告みたいのが主になったのは認めますけども。 しかしあれ、メッセージだから学校の教師に誉められるような内容は駄目、と言ったのであって、 メッセージ以外ならもちろん奇をてらう必要ないです。むしろわざと新しいこと探すような強迫観念は 百害あって一利なし。でもさ、ゼッケン氏の「響き」っつーの、今読み返してみたけどやっぱつまんねえぞ。 つまりね、兎にも角にも「おれおれゼッケン」なんだよね、良くも悪くも。主客転倒はいつかのクワモト先生 お題でも確か見た技だが、効果的どころか読みにくいけどなあ、俺には。あのね、最近の嫌味シリーズの 方がずっといいから。今回のここでの大量レスも凄くきてるから。いつもながら、策士よのう、つくづく。 しかしな、別にわざわざ書かなくていいけど俺と竹輪にも少しは心の中で感謝しろよ、このやろ。 ゼッケン、いいぞ、このやろ。チャスラフスカ。 134 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/03/23(金) 05 03 07 ID 8kLyywU8 127 うむ。拙者も、あらためて読み返してみたでござるよ。 …たしかに技術とリズムの面で、たいへん優れた作品なのじゃが。 こういう詩の場合、なんと申すか、言葉に一種の「神がかり」が必要なのではないかと 拙者は思うのでござるよ。 たとえば岡田隆彦の「史乃命」や、堀川正美のいくつかの詩のように。 もしくはルイ・アラゴンの詩のように。 言葉がるつぼに投げ込まれて流体になる感覚、と申せばよいのか。 ある種の理性的な錯乱、と申せばよいのか。 この詩の場合、それがないのが、拙者には不満なのでござるな。 って、えらく贅沢なことを申している気はするのでござるが。 【得点】 6点 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:2点 シオン ◆poetsyov/2:1点 あばらや ◆61ynRipd12:1点 ◆OPBYKkBBNQ:2点 前へ ← 1 2 3 → 次へ ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/118.html
作成中です・・・ ページ:1 2 3 お題 冒険 開催期間 2002/07/18~2002/07/26 参加作品数 28 審査員 6人 本スレ 2の531-765 議論スレ 2の241-297 【チャンプ】 生きろ!(撫子さん):9点 【準チャンプ】 わしの冒険(うたた寝死人):5点 作品一覧 No. タイトル 作者 点数 540 冒険色波 - - 549 昭和の頃のぼうけん(仮) - 1 573 履 歴 書 - - 581 冒険 - 3 589 賢いあなた - 1 591-592 Voyager Canopus 1 593 そこの彼女!!ファンキィーな俺様と冒険しない? - - 613 譲る舵取り - - 622 宇宙風来坊 - 1 623 瞑想 - - 624 闇を翔る - 4 635 生きろ! 撫子さん 9 641 めぐる - - 642 まなざし - - 653 RPG - - 654 輝き - - 668 冒険ちっく - - 671 点 - - 672 口紅桜色 - 2 678 夜明け前 - - 688 呼ぶ声 - 1 694 へい彼女冒険しない? - - 699 月 - - 700 桜吹雪 - - 702 旅立ち - 1 703 文章是冒険 - - 704-705 わしの冒険 うたた寝死人 5 708 ぼうけんってこんなもん? - - 【審査員】 撫子さん ◆eEr7LE3I Canopus ◆j1h.j3e. wildcat ◆nyancoBs unseen phantom ◆79...... マイマイカムリ ◆BPIliBR2 509恩田朗 ◆FEgWNVKI 【採点レス】 722 名前:撫子さん ◆eEr7LE3I [] 投稿日:02/07/25 23 39 ID eAU/GlhQ 624「闇を翔る」=3てん☆ 589=「賢いあなた」1てん。 702=「旅立ち」1てん。 732 名前:Canopus ◆j1h.j3e. [] 投稿日:02/07/26 01 47 ID p9iD+D8g まず 635 3点。 704-705 3点。 688 1点。 752 名前:wildcat ◆nyancoBs [] 投稿日:02/07/26 11 31 ID pfX8JJ0S で、1点は下記の2作品ということにします。 581さん「冒険」 2点 672さん「口紅桜色 」 1点 754 名前:unseen phantom ◆79...... [sage] 投稿日:02/07/26 14 23 ID ??? 1点 591-592 「Voyager」 1点 622 「宇宙風来坊」 1点 672 「口紅桜色」 755 名前:マイマイカムリ ◆BPIliBR2 [sage] 投稿日:02/07/26 21 10 ID ??? 635 :生きろ! :02/07/21 17 53 ID WzZ1Zcza 3点 549 :昭和の頃のぼうけん(仮) :02/07/19 00 00 ID ??? 1点 581 :冒険 :02/07/20 00 21 ID +P7KzNTe 1点 756 名前:509恩田朗 ◆FEgWNVKI [] 投稿日:02/07/26 21 52 ID PVRbY/2D 635 (3点) 704-705 (2点) 624 (1点) 作品 ■▲▼ 冒険色波 540 名前:冒険色波[sage] 投稿日:02/07/18 22 13 ID ??? きっ とした 線が望む 知っている高い波撃ち 頭をこぼしてテーブル 集まったいい奴 たたきっ放しで かぞえる ごろごく ボクが揺れても 上へ 連れ出せ それだけの命(めい) 宿して 生まれろ あたらしい 果ての色波 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 昭和の頃のぼうけん(仮) 549 名前:昭和の頃のぼうけん(仮)[sage] 投稿日:02/07/19 00 00 ID ??? 自転車で 知らない町へ ポケットのなかの100円が 地面に落っこちないように 左手でちゃんとおさえながら お母さんとハミコンを買いに来たことのある ダイエーをこえて とうかいどう本線のふみ切りをわたて おばあちゃんの家に行く時に通る 中部電力のボス基地をこえて 自転車で 知らない町へ にいにいぜみがいっぱい鳴いている 坂の下のだがし屋で アイスキャンデーをかじりながら ゲームをしてる ぼくと同じころあいの 知らないがっこの子たちが ぼくをだまって 見つめている。 片手運転で 100円をにぎりしめる ぼくの手のひらは 汗がたまっていて とてもかゆい。 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 履 歴 書 573 名前:履 歴 書[sage] 投稿日:02/07/19 21 23 ID ??? 昨年の猛暑 炎天下の最中 脳卒中で倒れた 父の鉄工所を引き継いだ 不況続きの世相に大学中退を決意して以来 父の手元を見ながら覚えた ガス溶接に研磨作業 田舎の町工場(こうば)だったせいか あらゆる仕事を引き受けてきた父の性格もあり 時折舞い込む特殊鋳型の砂型作りに 泣き笑いしながら 五年も経った頃には すっかり板についたものだと自負していた 鼻高々に手業の艶を撫でる私を 父は横目で追い黙り込んだ おごりを零さない父の背中を見つめ 時折私は苦笑いをした 父が倒れた直後の病床 片言で聞き取リづらい声を拾いながら 私は 自負して疑いもしなかった 未熟な業に 工場でひとり 背中を丸め 涙を汗で誤魔化した 風を避け窓を締め切った 小さな工場(こうば) 二人で居るには暑苦しく 狭いだけの空間だった作業場 ひとり仕事を始めた二度目の夏を迎える今まで 毎朝 ブレーカーを上げ 空調機のスイッチを押す毎に 澱んだ空気の中 私の胸に虚しい空調の音が通り過ぎてゆく 二人で仕事をしていたあの日々 この音が気になる事は無かったというのに 35年間続いた父の鉄工所 今年の夏一杯で閉鎖が決まっている 慣れない手つき はじめての履歴書を書く私の両袖机の傍らに 愛飲茶であるチャイを 今朝方 母が初めて自ら作って運んでくれた スパイスは程好く効いて 少々甘すぎるをそれを口に含みながら 甘く苦い 少し奥手な私のひとり旅は もう始まっているのだと 知らされた 寝たきりの父に旅の知らせを何時の日か 聞かせたいものだ ※チャイー香辛料(生姜、クローブ、ナツメグ等)の入ったミルクティ 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 冒険 581 名前:冒険[] 投稿日:02/07/20 00 21 ID +P7KzNTe 急がなくてはならない 水槽の匂いのする 鈍くて淡いざわめきを 夜の葉が編んでいるうちに グールドの永遠に 鍵盤と会話する声 生温い風が目の前を 駆け抜けてゆく音 しかしどちらも 聞く価値はない 走り続ける 鍛練も恐怖も 必要とせずに 誰かが欠けたコップで 青空の広がる砂浜で 緩やかな丘を作る そこに辿り着くまで 私は息をはずませて 明るい夜の看板を頼りに その丘が崩れ落ちる前に 走らなければならない すでに渇いた砂が 海に浮かぶ霞んだ星を 抱き締めている 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 賢いあなた 589 名前:賢いあなた[] 投稿日:02/07/20 16 20 ID jLMF6eCo リスクが無いと楽しめないよ 冒険避けて安全を選ぶ 賢い大人になりたくはない 冒険はいつも命懸けだから 保険掛けて安心を得る 賢い大人は忘れてしまった 生きる事に慣れたあなたは もう二度と踏み出せないだろう 明日を背負い今に縛られ 目の前には未来のあなたが 窓の外を見て叫び続ける ツマラナイノハオマエノセイダと 生きる事に慣れたあなたは もう二度と捨てられないだろう 明日の保険を掛けた時から 生きる事に慣れたあなたの 目の前には未来のあなたが こっちを向いて偉そうな態度で ツマラナイノハオマエノセイダと 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ Voyager 591 名前:Voyager[sage] 投稿日:02/07/20 17 07 ID ??? 1 ケンタウリ星系アルファの探査を終えて ぼくら「オデュッセイア号」のクルーは 次の目的地 かに座星系ガンマに座標をむけた 簡単な報告と かずかずの映像を送信し 採取したサンプルを小ポッド「ヤシの実」に入れて 地球へ発射した メッセージは ひとことも 詰め込まなかった クルーに達成感など有りえなかった ぼくらは もっと遠くを見つめていた 広い宇宙では わずかな座標のずれが 即座に遭難につながる 限られた人生での ゆるぎない瞳 そして次世代へ 遠くに もっと遠くに そう ぼくらは星の群島を旅するオデュッセイウス ドライブ・システムの点火とともに 星の光は短い帯となり 次第にその長さを増し 無数のまばゆいシャワーとなってぼくらに降り注いだ 光のシャワーは徐々に位相を変えて 無数の白い蝶の群れとなり 凝縮して 飛び散り やがて何も見えなくなった 592 名前:Voyager・続き[sage] 投稿日:02/07/20 17 08 ID ??? 2 全角度センサーが反応した 「座標350’35”-255’87”-3.13に小物体を発見 拡大画像では 人工物と思われる」 色めきたったぼくらは興奮を鎮めつつ 船首を転換し その 鉄屑としか思われない物体のもとへ向かった それは簡単なつくりの無人探査艇で 恒星間の風にさらされ 宇宙塵に磨耗して 活動を停止したらしい 原形は ほとんどとどめていない わずかな連結や溶接の痕跡が認められる 有人ポッド「屑拾い」で ぼくらはそれを救い上げた その心臓部に 大切に抱えられた一枚の黄金の板 それは 一対の人間の男女と 太陽系第三惑星を表した画だった そう それはかつて 「ボイジャー」と呼ばれた旅人の成れの果てだった 1977年 地球を旅立って太陽系内惑星を探索した後に 宇宙の彼方に消えていった ぼくらの先達だった ぼくらは彼の辿ってきた四百年もの道程に 一瞬のうちに追い付いてしまったのだ オデュッセイア号のクルーは 彼の浴びてきた光の記憶を余すところなく読み取った 彼のかなしい孤独な旅に花束を捧げた ぼくらを待ち受ける運命に 静かに乾杯した そして 「ボイジャー」の再出航 彼の在りし日の姿を再現し 心臓部に黄金の板を容れて ぼくらは大海に一本の小壜を投じた ゆっくり遠ざかる 孤独な旅人 心には 大切なただ一つのものを抱いて ぼくらも 宇宙に漂う一本の小壜なのだ 誰に読まれることもなく朽ちていく運命の 一本の小壜なのだ そして 地球もまた一本の小壜なのだろうか オデュッセイア号は再び かに座星系ガンマに座標をむける 新たな光の記憶へ まだ見ぬ歴史へ 誰も踏んだことのない地へ もっと遠くへ 届け ぼくらの声 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ そこの彼女!!ファンキィーな俺様と冒険しない? 593 名前:いかいか ◆EzuNnL0g [age] 投稿日:02/07/20 17 25 ID ??? 長い詩は疲れるので短く、、、。 「そこの彼女!!ファンキィーな俺様と冒険しない?」 セクシーダイナマイトボディ を揺らしながら ドデカイグラサンの向こうに見える 獲物をねらう魔女の目 舌なめずり されたら 俺様は もうトンでっちゃう 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 譲る舵取り 613 名前:譲る舵取り[] 投稿日:02/07/20 19 57 ID sNwCVsJ+ お前を、ずっと見ていよう 黒目がちな瞳、小さな手 深く脳裏に焼き付けるように、今のお前を 俺の舵取りで人生という冒険に付き合ってくれた、お前 明日、そう、明日 お前は今までと違う新しい冒険に、旅立つ これからのお前の人生の舵取りは、俺じゃない 非常に癪だがあいつに、任せるよ 迷わないように、困難に遭わないように お前は、そう、地図とコンパスを 伝えたい事はたくさん、ある 言っても言い足りないほど しかしそれらを口にしないだろう、できないだろう 頬をつたう一筋の涙でそれらを、理解してほしい お前を、ずっと見ていよう 俺の手にまとわりつく、小さな手 『あぁ、あの時間(とき)に戻ってくれ』 未来の俺に恨まれる、今の俺 いつでもどんな時でもそれを噛みしめて お前を、ずっと見ていよう 深く脳裏に焼き付けるように、可愛いお前を 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 宇宙風来坊 622 名前:宇宙風来坊[] 投稿日:02/07/21 13 14 ID 9U9NAiNZ 全てのうねりが味方した 運命のような宙(そら)に 昨日今日明日※の道義を語れど 太陽たちは唇を焼くばかり 明後日 六千五百万年ぶりに 見慣れた青い星まで アイツを呼んでみようか 又ひょいと顔出せば 星を往く塵たちが 光も闇も覆い隠し また違った答えを 僕らにくれるかもしれない ※ここは過去、現在、未来って意味で読んでもらえるとありがてぇ。 【コメント】 【得点】 0点 ページ:1 2 3 ページ先頭へ トップページ