約 85 件
https://w.atwiki.jp/rokurei60/pages/251.html
前100|トップ|次100 451 :原始人@1:05/02/23 01 35 59 ID WqhjporC 393 麦と粟はすぐにわかっただよ。 稗と黍は違いが良くわからねぇだよ。どの辺がちがうだか? あと稲だども・・・・・半透明の白っぽい奴はねえだね。 麦と粟、あと稗と黍っぽいやつを除くと 黄色い穂で粒が大きめで茶色っぽくて半透明っぽいやつと 黒っぽい穂で中身がやっぱり大きめの茶色で半透明なやつ 穂は黄色だけど中は小さい粒で白っぽいやつがあるだよ。 452 :オーバーテクナナシー:05/02/23 01 36 57 ID KI2g2zPT 424のZさん おっしゃるとおりです。 南中時刻から正午を導出しているのでこの場合は南中時刻=正午です。 標準時がある場合は、経度が1度ずれると約4分南中時刻がずれます。 しかしながら、気になったので調べてみました。実は子午線でも、南中時刻=正午ではないんですね。 明石の南中時刻ですが、定義から言うと通年を通して正午のはずですが、実際には違うのです。 ある地点が自転によって太陽のほうを向くのが南中ですが、自転軸が公転の軸に対して傾いている影響により、一日の長さがふらつくのです。 一日の長さを通年で同じにした平均太陽時(現代の時計は太陽とは独立していますので)と、真太陽時はずれてきてしまうわけです。 これを均時差といいます。詳しく知りたい方は均時差で検索すれば私などの説明よりもずっと詳しい説明がすぐにヒットするでしょう。 真太陽時の正午には太陽は南中しているわけですが、その時刻は時計の刻む平均太陽時では必ずしも正午ではないということですね。 さて、眠くなりましたし、明日も早いので、お先に寝ます。 おやすみなさいませ。 (みなさんもいつも3時とか、遅くまでお疲れ様です。ほんと、お体にきをつけてくださいね。) 453 :1:05/02/23 01 58 08 ID WqhjporC 「いやー、しんどかっただよ」 ナナッシは語る。 彼の周りには足に紐をかけられて杭につながれた3羽の鶏がいた。 ナナッシとモーナーとギーコのいつもの3人が森で木の実を探していたときだ。 「こけ?」 あまり見たことの無い生物との遭遇。 茶色っぽい体に黄色いクチバシ、赤い鶏冠が特徴のあいつだ。 ナナッシは咄嗟にネ申の声を思い出した。そう、あれが鶏なのだと。 「あ!あ!あ!あいつを捕まえるだよ!殺さねぇで捕まえるだよ」 「こけ?!」 叫び出したと思ったら鶏を追いかけるナナッシ、逃げる鶏。 訳が分からずとりあえずナナッシの後追う2人。 しばらく追いかけっこが続き、出たところは、森の外れ、木がまばらに生えた開けた場所だ。 やっとそこまで来て、ナナッシが鶏に袋をかぶせた。 必死に暴れる鶏・・・・ 「はぁはぁ・・・やった。こいつがいれば、新しい食い物が手に入るだよ」 「こけ!」「こけ!」「こけ!」 袋の中の鶏の悲鳴を聞いて現れてのか、周りには10羽を超える大群。 一羽の最も鶏冠が大きな鶏が前に出てくる。 「おらおらぁ、われぇ、なにさらしとんねん」 ってな声が聞こえてきそうな迫力を備えてる、恐らく群れのリーダーなのだろう。 その、大きな鶏冠の鶏が時の声をあげると、群れはいっせいに襲い掛かってきた。 引っかき傷とツイバミ傷だらけで、3人は村に戻ってきたが、 3人共に袋に鶏を生け捕りに成功しているところは、ちゃっかりとしているのかもしれない。 村ではじめの家畜。鶏の誕生である。 454 :ANIOTASAN:05/02/23 02 49 10 ID 5Lh9PfhF 450さんへ 私のおおおじちゃんは、重巡洋艦羽黒の偵察機乗りなので、守備隊ではないです。最後は戦闘機編隊と戦って行方不明です。 私が仮に免許取れても、まともな仕事無いみたいですし、おちこぼれなので尊敬しないでください。メディカルもやばげだし。(笑) (もちろん意地でも飛ぶけど) (↑聞こえない声で) 原始人さんへ 鶏捕獲おめでとうございます!食うまでの間家族の一員としてかわいがってあげてください。 みなさんお疲れ様です。(452さんのコメントを見て「たしかに」と思いました) 私は学校朝遅いので、復習したら寝ます。1さんの実況物語見て、なんか腹減ってきました。(笑) おやすみさい 455 :オーバーテクナナシー:05/02/23 07 43 05 ID 4N8hF1ey ちょっと気になったんだが 鶏って野性種いたっけ? 456 :オーバーテクナナシー:05/02/23 10 15 48 ID 9AtMF9bE 451 そういえば、稲は精白しないと茶色だったね。。 黄色い穂で粒が大きめで茶色っぽくて半透明なのが『稲』 黒っぽい穂で中身がやっぱり大きめの茶色で半透明なのが『黍』 穂は黄色だけど中は小さい粒で白っぽいのが『稗』 だと思います。 457 :オーバーテクナナシー:05/02/23 10 57 51 ID 9AtMF9bE 原始人に技術を教えるスレ 一スレ456レスまでの総まとめ (書き漏らしがあったら言ってください) 【0 総記】 ルール説明 原始人におこっている、色々な問題を技術の力で解決してください。 1-原始人は現在あらゆる道具もっていませんが、一度教えた道具を忘れることはありません。 2-現在の原始人は木、水、土、石、空気等の抽象的な事柄を知っていますが、それの細かな分類がありません。 3-一度教えた技術や、植物や動物、鉱物などの細かな分類は『』をつけて、名前を定義してあげてください。 4-原始人は非常に賢く、器用です。多少無理な方法でも、時間をかけてやってしまいます。 5-原始人は暇人です。星空も夕暮れから明け方まで眺めたり出来ます。 6-原始人は怪力ではありません。素手で大木を倒したり、岩石を割ったりは出来ません。 7-原始人が必要な資源は村から徒歩で取りにいけるところに全てあります。 あとは、必要時に追加するかもしれません。 Web画像説明許可条件 赤、青、緑、黄色、白、黒、茶色の7色を含む 10種類の着色が1種類の媒体に可能になったとき 259 【100 哲学】 「勝つってことは食うことだ、負けるってことは食われることだ。」(ナナッシ) 【160 宗教】 『モラーラ』が村のもてない男を集めて『聖女崇拝』をしている。 『大麻』が儀式に用いられる。 一方、村の占い師『ナナッシ』は ネ申さんたち から発明品のアイディアを 授かっているが、特に宗教的行為は行なっていない。 458 :オーバーテクナナシー:05/02/23 10 59 37 ID 9AtMF9bE 【200 歴史】(お話風のところ) 1-1 村がサイに荒らされる 1-21 『尖頭器』でサイを撃退 1-62 『袋』発明で採集が楽に 1-88 『尖頭器』で鹿狩り、まだきつい 1-95 『火おこし器』で『火』を手に入れる 1-115 『土器』発明 1-117 『麻』で『糸』『紐』『布』『袋』『服』ができる 1-140 モラーラ、『大麻』中毒に 1-165 『レンガ』で『かまど』ができる 1-166 偶然『ぶどう酒』ができる 1-172 数字表記『╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 』ができる 1-175 竪穴式住居ができて数年、人口増加で食糧不足深刻化 1-204 『木炭』ができる 1-220 果物の栽培がうまくいかない 1-237 モラーラ、もてない男たちを集めて「聖女信仰」をはじめる 1-301 『投石器』『投槍器』の実用化で狩が楽に 1-337 地震発生、『水晶』発見 1-353 『針』づくりうまくいかず 1-383 狩猟武器開発、『筏』『網』実用化、農耕成功で食糧不足改善の兆し でもまだ足りない。 1-425 南の海から巫女オオテクナナシノウズメヒメが来る。 1-453 初の家畜『鶏』捕獲 【280 伝記】 『ナナッシ 』 ”ネ申の声を聞くもの”普段話している原始人はかれです。 怠惰を求めて勤勉にたどり着くタイプの彼は、めんどくさいことが嫌いですが それを回避するための労力を惜しみません。手先が器用ですが、力仕事は今一つ。 『モーナー』 ちょっと臆病だけど、いざとなるとぶちぎれるタイプ。 サイとの戦いでは、一番最初に頭突かれたが、きれて一番やりを決めた。普段は温厚なせいかく。 459 :オーバーテクナナシー:05/02/23 11 01 35 ID 9AtMF9bE 『ギーコ 』 口は悪いが、気はやさしい。面倒見の良い兄貴分。 体は小さく、すばしっこい。木登り等はおてのもの。 『モラーラ』 村のトラブルメイカー ナナッシとは別の意味で電波を受信する奴。 ※聖女信仰のリーダー 薬物常用 『クックルー 』 腕力がじまんのちからもち。狩りの時にはリーダーとしても活躍する。 『長老・ホッシュ 』 村で一番の長生き。いろいろしってるぞ 『かあちゃん 』 ナナッシの母親。奥さんではない。現在村には結婚という制度がない。 『オオテクナナシノウズメヒメ』 ”ネ申の声を聞くもの”。南の海の向こうからやってきた巫女。 【290 地理】 村の名前は『未来技術村』 現在は洞窟が点在する、谷にある。 どうやら、村の周辺一帯は露出した粘土層であるらしく 赤茶けた固い土があるだけで、めだった植物は無い様子。 周囲には、森や海やら川やら山やらと自然に富んでいる様子。 農耕したり、都市を築くためには引越しの必要がでてくるかもしれず。 現在村の中央には水路があり、水をそこで補充したり、洗い物をしたりできるようになった。 糞尿はその辺に垂れ流すので、衛生環境は当然悪い 観測によると北緯32度±15 エデン内部はあらゆる資源があるが、 エデン外部は通常の資源状態とのこと 460 :オーバーテクナナシー:05/02/23 11 03 47 ID 9AtMF9bE 【300 社会科学】 【380 風俗習慣】 いまのところ、未来技術村は母親を中心とする母系社会に近い状態のようです。 婚姻の概念は現在なく。沢山の食料を獲得できる男は、複数の女性と関係をもち 美しい女は、複数の男性と関係をもつのが一般のようです。 もっとも、多くの男達に複数の女性を養う力はないので、一人があたりまでもあるようです。 女達は母親を中心にグループを作っていて、関係を持ちたい女性がいれば グループ全員に食事を配るのが常識となっているようです。 もちろん、自分を生んだ母親を中心とするグループを養うのも男の仕事です。 男の負担がやたらと高い社会になっています(笑 社会の効率化と改革も皆さんでやってみてください。 法律を持ち込んでみたり、宗教を持ち込んでみたり、経済を持ち込んでみたり 色々やってみると楽しいかもしれません。 【400 自然科学】 『板』・・・状態 原「うすっぺらいモノだな」 『粘土状』・・・状態 原「ねばねばしたモノだな」 【410 数学】 『6』数字 『7』数字 『8』数字 『9』数字 『10』数字 『100』数字 10が10集まったもの 『足し算』+を使う 『=』等号 461 :オーバーテクナナシー:05/02/23 11 05 14 ID 9AtMF9bE 『〇』数字表記 0 『┃┃┃┃┃┃┃┃┃』 数字表記 9 『╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋』数字表記 10 『漢数字表記』数字表記 一二三四五六七八九十百千万 『寸』(3.03㎝)親指の先から第一関節まで 『尺』(30.30㎝)十寸にあたる 『キュービット』・・・長さ (約45㎝) 原「肘から指の先までの長さだでよ」 『丈』(303.00cm)十尺に当たる 『頂点』数学概念 『辺』数学概念 『輪』概念 『円』概念 『正三角形』数学概念 『四角』概念 『正八面体』数学概念 『正四面体』数学概念 『刻』時間概念 日の出から正午までの三分の一(約二時間) 『日』時間概念 【420 物理学】 【430 化学】 【440 天文学/宇宙科学】 『太陽』天体 『月』天体 『星』天体 『日時計』観測機 地面に直立させた石柱 『月の満ち欠け』 28~29日周期 『正午』概念 『南中』 462 :オーバーテクナナシー:05/02/23 11 06 19 ID 9AtMF9bE 『夏至』概念 『冬至』概念 『東西南北』方角 『右手』 『左手』 【450 地球科学/地学】 『黒曜石』・・・天然資源 原「強くたたくと綺麗に割れるいしだよ。尖ったものを作るのに便利だよ」 『サヌカイト』・・・天然資源 原「鋤の先につかってるだよ。斧を作るのにも使えるそうだが 斧の詳しい作り方が今一つわからねえだよ」 『粘土』・・・天然資源 原「これを使って土器をつくるだよ。村の土はだいたい粘土に使えるみたいだよ」 『灰』木が燃えたあとにできる白いもの 『酸化鉄』鉱物 血のような匂いのする砂 『水晶』鉱物 硬い 『火山』火や煙を吐く山 『赤い池』熱い強酸の池 『赤い水』強酸 『磁鉄鉱』正八面体の形をした岩 『孔雀石』緑色の柔らかい石(未発見) 『川上』川の水が流れてくる方 『川下』川が流れ去る方向 【460 一般生物学】 【470 植物学】 『蔦』植物 結ぶのに適した固いものは少ない 『松』 原「細くて、ちくちくする葉っぱの生えた木だよ。火をつけるのに、よくつかうだね」 463 :オーバーテクナナシー:05/02/23 11 11 23 ID 9AtMF9bE 『竹』 弓、筏、建物、ものさし の原料として大活躍 『梅』 食用のほか漢方薬『烏梅』の原料となる 『葦』 原「まだ使ったことがないだが、繊維がとれるそうだよ。沼に沢山生えてだだね」 『麻』 原「これから繊維を取り出せるだよ。いっぱいほしいだね」 『大麻』植物 モラーラさん曰く、「あの葉っぱの煙を吸いこめばネ申に会えるのでしょう」 『山葡萄』植物 『りんご』植物 まだ小さい 『ベニテングダケ』植物 毒性あり 『芋』植物 正確な種類は不明 『ユキノシタ』植物 薬草 『落花生』 植物 『綿』 植物 『油菜』 植物 『胡麻』 植物 『ひまわり』 植物 『オリーブ』 植物 『バナナ』植物 『ウコン』染料 薬草 『桜』薬草 【480 動物学】 『サイ』 原「岩みてぇに、硬い皮の動物だよ。もう村にきてほしくねぇだね」 『鹿』 原「雄の鹿には角がはえてるだよ。この角を使えば木に穴をあけたり 石を砕いたりできるだよ」 『熊』 原「大きくて、くむくじゃら。強暴だで、あまりあいたくねぇだな」 『狼』 原「大きくはないだが、強暴だで、こいつにもあいたくねぇだよ」 『ワニ』動物 『カバ』動物 『象』鼻の長い動物 464 :オーバーテクナナシー:05/02/23 11 13 02 ID 9AtMF9bE 『ねずみ』作物を食い荒らしたりする小さい動物 『ミミズ』畑をよくする紐状の動物 【490 医学・薬学】 『木酢』薬品 虫除け・傷・腹痛 ほとんど取れない 『烏梅』薬品 原料 梅 効用 かぜ、食あたり、暑気あたり 『ユキノシタの葉』貼る薬品 原料 ユキノシタ 効用 火傷・凍傷・腫れ物・ひきつけ 『ウコンの煎じ汁』 原料 ウコンの根 効用 肝臓 『桜皮』服用/塗る薬 原料 桜の内皮 効用 おでき・湿疹・じんましん・せき 『包帯』医療器具 原料 布 【500 技術】 【510 建設工学、土木工学 】 『鋤』・・・道具(農耕&土木具) 原「話には余り出てこないだがしっかり使ってるだよ。土器を焼くための穴や 水路はこれで掘っただよ。落とし穴なんかも、これで掘ってるだよ」 『斧』工具 サヌカイト製 『レンガ』建材 日干し煉瓦&かまどで焼いたもの 『釘』建材 杭の細く小さいもの 『石錐』工具 原料 黒曜石またはサヌカイト 『杭』道具 『柱』建材 【520 建築学 】 『竪穴式住居』建築物 『梁』建材 『棟木』建材 『垂木』建材 『屋根』建築物 『いろり』設備 465 :オーバーテクナナシー:05/02/23 11 16 00 ID 9AtMF9bE 『小屋』鶏を狩ったりする柵で囲まれた建物 『柵』建造物 『はしご』道具 【550 海洋工学、船舶工学、兵器 】 『満潮』海洋知識 『干潮』海洋知識 『大潮』海洋知識 『小潮』海洋知識 『長潮』海洋知識 『海風』海洋知識 『陸風』海洋知識 『凪』海洋知識 『筏』船舶 原料 竹・麻紐 『棹』操船具 原料 竹 『櫂/オール』操船具 原料 木 【559 兵器】 『尖頭器』 原「初めて作った道具だよ。棒の先に尖った黒曜石をくっつけてあるだよ はじめは蔦をつかっていただども、最近は紐を使っているだよ」 ※『尖頭器』は『槍』という名称が定着した模様 『投石器』投擲武器射出装置 主原料 革、麻紐 『投槍器』投擲武器射出装置 主原料 木の棒 『弓』投擲武器射出装置 原料 竹・麻紐・ニカワ・松ヤニ・油 『弦』弓のパーツ 原料 麻紐 『矢』投擲武器 原料 竹・麻紐・黒曜石 だれか羽のつけ方教えて・・・・・ 『鏃』道具 『矢筒』容器 原料 竹・麻紐 『水鉄砲』強酸を射出する化学兵器 原料 竹、布 『ピストン』水鉄砲のパーツ 466 :オーバーテクナナシー:05/02/23 11 19 55 ID 9AtMF9bE 【570 化学工業 】 『ニカワ』日用品 動物脂の接着剤 『松脂』接着剤? 【590 家政学、生活科学 】 『ナイフ』原「蔦をきったり、肉を切ったり、木を削ったり。いろいろつかえるだよ。 素材はいまのところ、黒曜石だよ」 『松明』原「火を持ち歩くときにつかうだよ。だども、持ってると手がべたべたというか なんか変な感じがするだよ。なんでだぁ?」 『爆竹』日用品 竹を火に投げ込んで動物撃退用 【593 衣服 裁縫】 『服』 原「皮の服と布の服があるだよ。これを着てれば寒さも少しだけ防げるだよ 作り方は、布や皮の真中に頭を入れる穴をあけるだけだよ」 『糸』原「麻の繊維をよりあわせたものだよ。よりあわせるときに、少しづつずらせば、長くもなるだよ」 『布』原「糸を組んでつくったものだよ。皮に比べるとスカスカだよ。よくみると、後ろが見えるだな」 『紐』原「これも、糸を組んで作ったものだよ。蔦より丈夫で、しなやかだよ」 『ブランドもん』概念? 「何かの「皮」を使って布みたいなものを作り、使」う 『竹の針』われやすい 『骨針』作るのに石錐がいる 【596 食品 料理】 『土器』原「食べ物や水をいれるものだよ。たき火の真中にこれを入れておくと 水をあっためたりできるだよ」 『フタ』土器で作る 鼠害防止 『ろ過器』日用品 炭や砂、小石でできている。 『火おこし器』原「これで火をおこすだよ。結構手間がかかるで、めんどくさいだよ」 『火口』『薪』原「火をおこすのにつかうだよ。素材は主に松の木だよ 467 :オーバーテクナナシー:05/02/23 11 22 06 ID 9AtMF9bE 『木炭』燃料 墨にも使える 『竹炭』燃料 いい音が鳴るらしい 『かまど』日用品 レンガで出来ている 『たき火』火を「丸く木を並べて、1~3キューピット位の大きさに保ってる状態」 『塩』調味料 『醗酵』技術 『煮る』技術 『水筒』日用品 竹製 『ご飯』食品 『干肉』保存食 『燻製』保存食 『酒』食品 山葡萄が発酵したもの 【600 産業】 ここには書いてないが狩猟採集が重要な産業 狩猟道具は「559 兵器」を参照 【610 農業 】 『鋤』(農耕&土木具) 原「話には余り出てこないだがしっかり使ってるだよ。土器を焼くための穴や 水路はこれで掘っただよ。落とし穴なんかも、これで掘ってるだよ」 『黒い土』資源 水路や森にある栄養のある土 『コンポスト』装置 生ゴミから『黒い土』を作る 『畑』農業設備 『水路』建築物 『稲』 黄色い穂で粒が大きめで茶色っぽくて半透明っぽいやつ 『籾』穂の粒 『米』稲の殻を取ったもの 『藁』乾かした『麦』や『米』の葉 『麦』籾に長い毛が生えていて、脱穀した粒は白く、真ん中に黒い線が入っています 『粟』3キュービット以上ある背の高い茎を持っています。色は様々です。 『稗』穂は黄色だけど中は小さい粒で白っぽいやつ 『黍』 黒っぽい穂で中身がやっぱり大きめの茶色で半透明なやつ 468 :オーバーテクナナシー:05/02/23 11 28 00 ID 9AtMF9bE 【620 園芸 】 木の実や『葡萄』を育てているらしい 【640 畜産業、獣医学 】 『鶏』初めての家畜 『卵』鳥などが産む白っぽいもの 『ヒナ』黄色い鶏の子供 『犬』狼を家畜化したときの名前(まだ成功せず) 『馬』動物 (まだ家畜化されてない) 『飼う』動物にえさや水を与えて養うこと 【660 水産業 】 『銛』武器 返しのついた鹿の骨でできている。漁業用 『網』漁業用品 原料 麻紐 塩作りは海水を煮る方法と布に海水をかける方法がある。 【680 運輸、交通 】 『担架』原「一応作ってあるだよ。森に行くときは袋のほうが便利だで あまり出番がないだよ。病人も運べるみたいだでよ」 『袋』原「皮の袋と、布の袋があるだよ。森の果物なんかをこれに入れて 村に持ってかえるだよ。皮の袋だと水も入るだよ」 『滑動車』道具 棒で作った橇のようなもの 【690 通信事業 】 『狼煙』使ってるかは不明 原料 狼の糞 469 :オーバーテクナナシー:05/02/23 11 29 02 ID 9AtMF9bE 【700 芸術】 絵画技術はありますが、音楽・スポーツもやらせたいね。 『赤色』概念 火の色、血の色 『青色』概念 空の色 『茜色』概念 夕焼けの色 『緑色』概念 葉っぱの色 『黒』概念 『パピルス』画材 主原料 葦 『白い石』岩に絵を描ける 『墨』画材 原料 木炭、ニカワ 『黄色い絵の具』 原料 ウコン、ニカワ 『赤い絵の具』 原料 酸化鉄・ニカワ 『筆』画材 原料 竹、麻 『葦ペン』画材 原料 葦 『羽ペン』画材 原料 羽 『じゃんけん』遊戯 【800 言語】 文字は今のところ数字しかありません 【900 文学】 特に神話とか作ってないようです。 470 :オーバーテクナナシー:05/02/23 17 17 52 ID 9AtMF9bE 金属器もなく、船も筏しかなく、農耕初期で、家畜も鶏しかいないのにこの量・・・・・ 青銅器時代になったら連続投稿規制に引っかかりそうだ。 orz 455 鶏の野生種は、インドシナ半島にいるセキショクヤケイらしい。 特徴は鶏冠が赤くて毛色が金~赤銅色で、尻尾は長くて黒くてわずかに青・紫・緑の光沢があるとのこと。 家畜化されたのは5000年以上前の中国南部らしいです。 471 :ウズメ@原始人:05/02/23 17 45 29 ID mQzr1P28 許可が出てほっとしただ ダメって言われたらまた長い旅をしないといえかいとこだったよ 人数はあたいを入れて三人だけここに残る事にしただよ ここのおきてに従う事を誓うだよ 426 それはあたいの名前だか?むずかしか字だなや~ ここまでは舟できただよ 舟って言うのはここでカヌーて言われてるのとよっく似てるけんど もうちょっと工夫してあるだよ 二つの舟の間に木の棒を渡してあって縛り付けてあるだアウトリガーっちゅうだよ あたいらがいた南の島はこんまいしまがいっぺーあってなこんな乗り物が無いと行き来できねだ ネ申さんたちの話をちょっとおさらいしにいってくるだでまたくっからな~ 472 :オーバーテクナナシー:05/02/23 18 46 15 ID skwn05a5 ……NDCで分類されてる。 じゃんけんの勝ち負けは良く考えると原始人さんにはかなり抽象的で馴染みにくかったかなぁ、 という反省の元に、遊びそのに。 二人以上でやる遊びです。 まず砂を積み上げて、小さな山を作ってください。大きさは適当で良いです。高さ一尺くらいあれば良いでしょう。 砂山の高さより長い、細い棒を持って来て、砂山の真ん中に真っ直ぐ突き立てます。 次に参加者の順番を決めて下さい。適当に決めても良いし、じゃんけんで決めても良いでしょう。 さて、ここからが本番です。 砂の山からそうっと手で砂を取り除いていって下さい。 最初の人から、一人一掬いで次の人に順番が回ります。 その内、砂山がどんどん崩れて、最後には棒が倒れてしまいます。 砂を掬った時に棒を倒してしまった人が負け。 その一つ前に掬った人が勝ちです。 ポイントは、いかに棒を倒さずに、なおかつ次の人が掬った時に倒してしまうであろう程度まで砂を取るか? です。 全員やっても棒が倒れなかった時は、また最初の人から始めてください。 473 :オーバーテクナナシー:05/02/23 20 45 50 ID 9AtMF9bE 渦女さん 双胴カヌーとは、便利そうですね。作り方を調べてみますか。 カヌーや高床式倉庫を作る時便利そうなので工具を提案します。 _____ 「 上のような棒を用意してください。この棒の先に四角くしたサヌカイトの『辺』 の一つを尖らせたでつくった刃物をくくりつけてください。 刃の部分が平らなら、結びつけるところは結びやすいように細く削って構いません。 形は手で土を掘るときの指先に当たるところが刃であるという感じです。 この道具を『石カンナ』と言います。 板を作る時など、木を引っかくように削るときに使えます。 刃を細く、小さくするほど細かく削ることができます。 (聞こえない)早く金属がほしいなぁ 474 :オーバーテクナナシー:05/02/24 01 05 12 ID SS6RGyJg 原始人さん、こんばんわっ。 わわ、鶏捕獲、おめでとうございますっ。 そうそう、長く飼ってると近親交配で子供がだんだん弱ってきますから、ある程度世代交代したら野性の鶏をたまに捕まえてきて補充してくださいね。 457-469 まとめ、おつかれさまです。 大変参考になります。 472 そうですね。図書館でよくみるNDCですね。まさか、こんな使い方があるとは。 こんなわたしでも、一応昔は文学少女だったんですよ(笑 ウズメさん、定住なさるんですね。 ウズメさんも、われわれの声を聞けるんですね。 475 :ANIOTASAN:05/02/24 01 52 57 ID llrlXjpL 皆さんこんばんわ! 457さん、 まとめ、お疲れ様です。かなり大変ですね。感動的です。 ひめさま(←なんかいいな・・・。)、 遠路お疲れ様です。そして、居住許可おめでとうございます! 何NM位ありましたか? (原始人さんが、大きな数字や距離単位が役に立つ事に気付いてくれることを期待して) 原始人さん、 土器に水を入れ、覗き込んでみてください。そこに写ってる人が、もう一人のあなたです。 あなたと右左反対の姿をし、あなたとちょうど反対の動きをします。あなたが見てる間だけ、そこにいます。 その人を見ると、今自分がどんな姿か、普段知らないでいつも何をしているかが分かります。 それを見て、自分のなりたい髪型や服装をしてみてください。もっとかっこよくなれます。 髪(頭の毛)を好きな色に染めてみたり、(体に悪くないものしかだめです。やりすぎると髪抜けるので気を付けて) 動物捕まえる時見つからないように、肌や服を木や土の色にして、木の枝もつけたり(迷彩・偽装と言います)、 それをうまくいったか確かめることもできます。顔を綺麗に塗るのを「化粧」といいます。ひめにも教えてあげてください。 頭を染めて目立つ格好をすれば、「かぶきもの」という特別な人になれます。 海の向こうに住んでるオニみたいな格好にして、話す時語尾に「このやろう!」と言い、 笑う時「ニカッ」と笑えば、「やんきぃ」という特別な人になれます。 ただしどちらの場合も、いつもより、人や飼ってる動物に優しくしないと、 「ちんぴら」と言うかっこ悪い人になってしまいます。 (↓聞こえない声で) 「原始デビューだ。コノヤロウ(笑)」 476 :オーバーテクナナシー:05/02/24 02 33 19 ID Oj7WtVYq 原始人さんには聞こえない声 海里もメートルも地球が基準の単位だから、 まず原始人さんの認識がそこまで追いついてくれないと、そういう単位を使う意味は無いです。 何か手近の物で絶対的な単位の基準に為りうるものがあれば…… それと長距離単位がちゃんとした意味を成すのはその長さを正確に認識出来るようになってからです。 具体的には農耕地の拡大や大型灌漑事業で、 それだけの大きさのものをコントロールする必要が生じてから。 測量技術も持ってないと……。 今の所「歩いて何日」とかの単位の方がよっぽど使い勝手がある筈です。 当分は概念としてだけ持っておけば十分だと思います。 477 :ANIOTASAN:05/02/24 03 16 22 ID llrlXjpL 原始人さんへ さっきのは「鏡」といいます。 今日は、遊び物を作ってもらいます。 1、木で枠を作り、薄い布を貼り、4ヶ所(それぞれが一番遠くなる位置)に、糸をつけ、 真ん中(それぞれの糸、同じ長さ。布から離して)でまとめ、そこに長い糸を付け、 その先を、丈夫な片手で持てる木の枝を取ってきたものに付けます。 4m位(まとめで0.45キューピッド=1mと決まったので、だいたい9キューピッド)残して、 糸を木の枝に巻きつければできあがり。「凧(たこ)」と言います。 地面に置き、木の枝の方を持ち、糸が出ないように押さえて風の来てる方に走り、 布の方が浮いたら枝だけ持って、常に糸が少し突っ張ってる状態を保てば、布が空を飛びます。 2、主に、2人より多くで遊ぶ遊びです。海の近くで綺麗な小さめの石を20個位拾ってきてください。(できるだけ同じ大きさ) 平らな地面に布を敷き(しわができないように)、まずじゃんけんをして順番を決めてください。 布の上に、じゃんけんで決まった人が一回で、できるだけくっ付かないようにまいてください。 その人から順番に、 「指で一つを軽く(布から出ないように)はじき、他の石にぶつけ、その時できた隙間を指でなぞればその石がもらえて、もう一回できる。 なぞるのを失敗してどれかの石に触ったり、布から石出したら、次の人に交代。 で、一番多く石もらった人が勝ちで、次ぎやる時はその人から。(もらった石は集めて、また使う)」 という遊び。「おはじき」と言います。 3、平たい石を拾い、水がある所(海や広い川)に向かって投げます。(人に当たらないように) その時、平たい方が、できるだけ、横に飛んでいって水にぶつかるように投げます。(上からじゃなく) 2回より多く跳ねたらうまくいってます。多く跳ねるほど楽しいです。 これを「くんたっし(カウンタック)」といいます。「くんたっし」とは「驚いた」という意味です。 478 :ANIOTASAN:05/02/24 03 23 21 ID llrlXjpL 476さんへ 確かにおっしゃる通りです。今は概念だけでいいとは思います。 ただ、1さんのご発言から、地球っぽいので、地球の大きさからでなく、「逆算な感じで地球の大きさとかを把握してもらおうかな」とか考えてました。 測量技術についても、極めて同感ではあります。 やはり、ご飯系が妥当でしょうか? 479 :ANIOTASAN:05/02/24 04 18 56 ID llrlXjpL 読み返してて、私が場違いなことにふと気付きました。(今頃) というわけで、勝手に空気読んで帰ることにしました。 楽しかったです。ありがとう! 皆さんお元気で!よりよき原始ライフと原始人さんに明るい未来を! (聞こえない声で) 原始人さん、 私はあっちの世界に帰りますが、「凧」と「くんたっし」は覚えててくださいね。あなたも飛べる日がきっときます。 480 :ANIOTASAN:05/02/24 04 24 20 ID llrlXjpL ついでに477の訂正 誤「0.45キューピッド=1m」 正「1キューピッド=0.45m」 481 :ウズメ@原始人:05/02/24 08 13 11 ID BTaYXig+ お~い!(←海の上から手を振っている) 大量だよ~今まで銛で一匹ずつ突いていたども ここには網っちゅう便利なもんがあったから使わせてもらっただ このとおりどっさり捕れただよみんなで分けるだよ 473おおっその道具すげーな~ 鋤のちっちゃいやつみたいな感じだか?石斧の石の取り付け方を工夫したやつだなおめさ頭良いなー 石カンナいうだな覚えとくだ男たちが船作るのに便利だって喜んでたぞ 475距離てのがいまいちよくわかってねども・・・海の上は遠さみないなのが掴みづらいだよ だいたいおてんとさまが╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ ╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋よりもっと昇って沈んだだよ 化粧こんどやってみるだよ~なんだかこっぱずかしかね 479あれれもう来ねーだか?寂しくなるだよ;; 遊びは子供達に教えてあげただよ とってもよろこんでたぞありがとな 482 :オーバーテクナナシー:05/02/24 09 28 38 ID JypWGHxs 《現代人さん達へ》 別に誰々と競っている訳ではないし時間はたっぷりあるのだから、 中の人の様に見落としがないかゆっくり考慮しながら過程を愉しむべきではないでしょうか? 人もいろんな意味で増えて来た事ですから。妥協して無理に現代に至るより、 たとえ途中まででも丁寧に一つずつ積み上げて行った方がいい思い出になると思います。 483 :オーバーテクナナシー:05/02/24 11 39 16 ID ZLbUKJhG 確かに、NDC 457-469 ttp //www.trc.co.jp/trc-japa/search/ndc.htm を見ると穴が多いですね。 今のお題は食糧増産ということで歴史資料集を見ながら、各産業を補完しましょう。 原始人さんへ 黒曜石を割っている時、槍にも鏃にも使えそうもない細かいかけらが出来ると思いますが、 これを『細石刃』といいます。棒のさきを > このように加工して薄くし、 薄くなったふちの部分に切れ目を入れてそこに『細石刃』を挟み込むと『槍』 や『銛』として使えます。これをすると、黒曜石の節約になります。 あと、農耕をやると狩りに割ける人数が減ってしまったと思いますが、そろそろ 『狼』の捕獲を考えてみてはどうでしょうか? 捕まえるには、『松明』『弓矢』『袋』を用意して数人で向かいましょう。 狼の子供は春ごろにいますので、そのころ狼の足跡を追って巣穴を見つけてください。 捕まえるのは、まだ目が開いていないものにする必要があります。 連れて帰ったら、『粥』(米などを煮てどろどろにしたもの)や肉を与えて 可愛がってください。そのうち家の番や狩りを手伝ってくれます。 増やし方ですが、メスの狼がいれば野生の狼が訪ねてきますので自然と増えます。 484 :ANIOTASAN:05/02/24 13 33 21 ID llrlXjpL 寝坊して帰り損ね、すごく寂しくなったので、今日から、恥を忍んで、「1回に一言だけ喋る地縛霊」になります。嫌な人おられたらすぐ言ってください。 「原始人さんごめんなさい。うまく帰れなかったのでこの土地にとりつくことにしました。狼→犬には、ネギ系の野菜と鯨を食べさせちゃダメですよ~。」 485 :オーバーテクナナシー:05/02/24 16 43 51 ID ZLbUKJhG 481そういえば、過去ログに舟のアイディアは出ても実際に作成して なかったような気が・・・・ 『丸木舟』の作り方 太さ2キュービットを越える木を切り倒し、枝を払って棒状にしてください。 これを『丸太』といいます。 丸太の切り口にはいくつも輪が見えると思いますが、これを『年輪』といいます。 『年輪』の数は一年に一つづつ増えるので、その木の年齢を知ることができます。 南側はよく育つので年輪の間隔が広く、北側は逆に狭いです。 丸太は年輪が詰まっているほうを下にしておきましょう。 この方が、舟を作った時安定します。 そして、丸太の上の方を斧で削り取ってください。 そのあと両端を細く削るとよいでしょう。 削った穴に水を入れ、そこに焼けた石を入れると木が柔らかくなって削りやすくなります。 そして、後は、木の内側を底に穴を開けたいように気をつけながらひたすら 削ってくりぬきます。最後に、石カンナで内側を滑らかにして完成です。 この細長い土器のような形をしたものを『丸木舟』と言って使い方は 筏と同じです。 作るのにかなりの労力が必要ですが、強度は高いです。 486 :オーバーテクナナシー:05/02/24 16 53 56 ID ZLbUKJhG そして、この『丸木舟』を横に並べ、2本の棒で繋いだものがウズメさんが 使った『双胴船』です。この舟は曲がりづらいですが、波に強く、 『転覆』(舟がひっくり返ること)しにくいです。 また、船の変わりにと細めの丸太を片側、または両側に繋いだものを 『アウトリガーカヌー』といいます。載せられる荷物は減りますが、 安定性は変わらず、曲がることも『双胴船』と比べると容易です。 さしあたり、近くの海で漁をするには『筏』で十分ですが、 これらは、いずれ遠くの島へ行って『交易』(他の村と物のやり取りを すること)で使うかもしれません。 487 :ウズメ@原始人:05/02/24 18 50 09 ID BTaYXig+ 484 あはは!寝坊しただか~ネ申さんにもそそっかしいやつがいたもんだなぁ おめさ面白いからずっといろ(←なぜか命令口調) 485 うんうん大体そんな作り方だ あたいらはもともとここの人間じゃないから船はもともと持ってたども 上手く作り方を説明できなかっただよ 詳しく説明してくれて助かっただ あたいらは実は双胴船とアウトリガーはあんまり区別してなかっただ もともと舟を二つくっ付けたのがすんげー具合が良かったんでみんなそうやってたんだけんど 舟はすっごく作るのが大変なんで1人で二つ分も持つってのはすっげー贅沢なんだ だから脇のはただの浮きでいいやってことになって何となく皆そうするようになっただよ あたいの乗ってきた舟だけ双胴船でここに残った三人はこれに乗ってきたってわけだよ あたいら海の民はここの陸の民(そう呼んでいるらしい)とちょこっと違うとこがあっから また機会が有ったらぼちぼち話すだよ あ、そうそう 484が教えてくれた凧な なんか全然教えてもらったとおりにならないだよ ほんとにこれが空飛ぶだか?子供達に怒られちまっただよ おはじきとかじゃんけんは喜んで遊んでるだ 488 :ANIOTASAN:05/02/24 22 54 03 ID llrlXjpL 原始人さんこんばんわ。ありがとう!凧は4角(4つの角ある形)で、 角━━角←こんな枠に、角から角に斜も入れて丈夫に作ってください。糸全体はかなり長く。 ┃ ┃ 角━━角 489 :ANIOTASAN:05/02/24 22 56 29 ID llrlXjpL 訂正 角━━角 ┃ ┃ 角━━角 490 :ANIOTASAN:05/02/24 22 59 28 ID llrlXjpL 角━━角 ┃ ┃ ┃ ┃ 角━━角・・・なぜ四角くならない・・・。(半泣) 491 :ANIOTASAN:05/02/24 23 02 14 ID llrlXjpL 角━角 ┃。┃ 角━角・・・訂正完了。「。」は見ないで・・・。(号泣) 492 :オーバーテクナナシー:05/02/24 23 34 10 ID +ua100Ww NDC 457-469 お疲れ様です。 『水鉄砲』強酸を射出する化学兵器 gj 気になるところ、やっぱりありますね。 今後を見越して、耐火煉瓦と吹子~たたら、現在の材料で出来ないもんかと 調べ中です。 もうすぐ板材がOKっぽいので何とかなりそうです。 あと、コンポストはあるけどウン子はその辺にってのも気になりますね。 こちらもうまいこと出来るといいんだけど。 (聞こえない声で) 493 :オーバーテクナナシー:05/02/25 00 09 25 ID 3x1L56Nv 原始人さんと1さんは風邪でしょうか? 心配です。 いままで一ヶ月(こっちの時間で)近く毎日レスをするというのは、 出されたアイディアの調査・検証にかける時間を考えると結構な苦労ですね。 ナナッシさんは真に偉大な巫術師です。 風邪かどうかはわかりませんが、ゆっくりと療養してください。 494 :オーバーテクナナシー:05/02/25 00 19 58 ID 3x1L56Nv 487 『凧』の枠を木でなく、ぺらぺらするぐらい薄く割った竹にして、 布の代わりに、ニカワを薄く塗って、空気が通りにくくなったパピルス を使ったら、かなり壊れやすくなりますが、軽くなるので多少は飛ぶと思いますよ。 495 :ANIOTASAN:05/02/25 00 21 24 ID ZTQcrViA 488の訂正 誤「原始人さんこんばんわ。ありがとう!」 正「ひめさまこんばんわ。ありがとう!」 ナナッシさん(中の1さん)、493さんの書き込みで誤りに気付きました・・・。 もし風邪とかならおだいじに。「風邪の時にって書いてあるコンビニ栄養ドリンク」お薦めです。 ゆっくり休まれてください・・・。 496 :ANIOTASAN:05/02/25 00 25 02 ID ZTQcrViA 494さん、技術修正ありがとうございます。 原始人さん達、飛んだら、凧を好きな色で塗ったらもっと楽しいですよ。 497 :原始人子供@1:05/02/25 00 25 54 ID NiH7M78l 大人の取ってきた『サイ』とかゆう動物の骨が転がってたんで遊び道具にもらった。 最初は振り回して遊んでたんだけど地面を叩いたとき石ころに当たっただ。 その石はかなり遠くまで飛んでいったんだよ。 ちょっと面白くて石コロを叩いていたら遠くに飛ばすコツがわかってきただ。 もちろん手で投げたほうがもっと遠くに飛ぶだが、 オラはこの骨を使って遠くに飛ばす遊びが気に入ったんだな。 オラはそのうちなんでも叩くようになっただ。 大きな葉っぱとか皮の切れ端なんかを骨の先に引っ掛けて飛ばしてみた。 なかでも『サイ』の脊椎の骨のリングになったやつ(中身の髄は皆で食べただ。) は、びっくりするほど良く飛んだ。 この遊びは子供仲間の間で流行っただ。みんなどうやったらより遠く飛ばせるか競争だっただよ。 あるとき大人がオラたちの遊びを見てなんか思いついたようだっただが、 この「まっすぐ伸びた枝の尻に骨の関節部分をひっかけて」飛ばしてたのがどうかしただかなあ・・・。 (中の人より)僕がその時代にいたらどうだろう?と考えてみたら結構、子供が発見に重要な役割を 果たしたんじゃないかと思いつきました。 一番時間があるし工夫して遊ぶのは子供の特性かな~と思いまして。 498 :オーバーテクナナシー:05/02/25 00 42 53 ID dzbf6y02 493 それは一月真摯に推考し、ストーリー構想し伏線を張って来たのに、 過去ログ読まずにキャラメイクして参入したウズメによって立て直し不可に陥って悩んでんだろ。 1は人がいいからそれを否定するだろうがな。 499 :中の人@1:05/02/25 00 55 21 ID dUy5uL7j 457-469 まとめ、ありがとうございます。 なんか、1日レスをサボったら、皆さんに心配をかけてしまいまして、 ほんとうにすいません。 昨日はレスを返す前に少し休憩と思っているうちに眠ってしまいました。 まとめのお礼と、皆さんに心配をかけたお詫びと、新しく入った村の住人の歓迎をこめて 原始人さんが書いた(誰が書いたかは知らない)壁画を一枚紹介します。 ttp //www.ff.iij4u.or.jp/~ranmaru/nazo/tizu.jpg 絵の意味は皆さんで考えてみてください。 500 :ANIOTASAN:05/02/25 00 55 35 ID ZTQcrViA 498さんへ もしもそうでも、許可されてるから問題無しとおもわれ。(1さんの優秀な頭脳なら、その部分は問題無しと思います。) ただ、増えてますが・・・。↑(497さんが・・・) 497さん(中の人)へ 子供に関して同感です。が、住人、内緒で増えていいのですか? 前100|トップ|次100
https://w.atwiki.jp/rokurei60/pages/69.html
前100|トップ|次100 1 :Σ(゚Д゚):05/03/06 15 27 29ID NJRz1/Hm すみません。まとめ張ったら512kこえてしまいました。 進行は、前スレの1さんおねがいします。 前スレ http //science3.2ch.net/test/read.cgi/future/1106236165/ 《原始人に技術を教えるスレ NDC》 1スレ700レスまで ※書き漏らし多し 【0 総記】 ルール説明 原始人におこっている、色々な問題を技術の力で解決してください。 1-原始人は現在わずかしか道具もっていませんが、一度教えた道具を忘れることはありません。 2-現在の原始人は木、水、土、石、空気等の抽象的な事柄を知っていますが、それの細かな分類がありません。 3-一度教えた技術や、植物や動物、鉱物などの細かな分類は『』をつけて、名前を定義してあげてください。 4-原始人は非常に賢く、器用です。多少無理な方法でも、時間をかけてやってしまいます。 5-原始人は暇人です。星空も夕暮れから明け方まで眺めたり出来ます。 6-原始人は怪力ではありません。素手で大木を倒したり、岩石を割ったりは出来ません。 7-原始人が必要な資源は村から徒歩で取りにいけるところに全てあります。 あとは、必要時に追加するかもしれません。 8-今まで教えた概念は次の以下の通りです。↓ 2 :オーバーテクナナシー:05/03/06 15 32 50ID v6z2lHdE もういくね? あきたってもう… 3 :オーバーテクナナシー:05/03/06 15 46 15ID 8FypgIbK 連続投稿に引っ掛かった。。 まとめはしばらく待って下さい。 4 :オーバーテクナナシー:05/03/06 16 16 53ID 0nmMaw7K http //science3.2ch.net/test/read.cgi/future/1106236165/60の続き 研究員A「時空破壊量子砲発射準備完了」 研究員B「ワームホールにロック完了しました。時空座標future/1106236165」 所長「よし、発射準備状態のまま待機しろ。TPに連絡。その時代から緊急退避させろ」 通信員A「すでに退避完了とのことです」 所長「よし、発射しろっ!」 研究員A「5・・4・・・3・・・2・・・1 発射します」 研究員B「時空観測スクリーン、ノイズより回復します」 研究員A「ワームホールの閉鎖完了を確認」 所長「よし、封鎖完了。歴史に多大な影響を与えてしまったようだが、幸い技術の他部族への流出はしていないようだ。 もうあのスレを通した原人への干渉はできないだろう」 だが、時空座標http //science3.2ch.net/test/read.cgi/future/1110090449/に第二のスレが立っていることを、タイムパトロール達は知る由もなかった。 5 :オーバーテクナナシー:05/03/06 17 09 03ID NJRz1/Hm 【0 総記】(続き) Web画像説明許可条件 赤、青、緑、黄色、白、黒、茶色の7色を含む 10種類の着色が1種類の媒体に可能になったとき 原始人役のキャラメイクをするには過去ログを読んで、1に相談して時代考証とかしたほうがよさげ 【100 哲学】 「勝つってことは食うことだ、負けるってことは食われることだ。」(ナナッシ) 【160 宗教】 モラーラが村のもてない男を集めて聖女崇拝をしている。 大麻が儀式に用いられる。 一方、村の占い師ナナッシは ネ申さんたち から発明品のアイディアを 授かっているが、特に宗教的行為は行なっていない。 畑に種をまくときに、『祭』をやっているらしい。 【200 歴史】(お話風のところ) 1-1 村がサイに荒らされる 1-21 『尖頭器』でサイを撃退 1-62 『袋』発明で採集が楽に 1-88 『尖頭器』で鹿狩り、まだきつい 1-95 『火おこし器』で『火』を手に入れる 1-115 『土器』発明 1-117 『麻』で『糸』『紐』『布』『袋』『服』ができる 1-140 モラーラ、『大麻』中毒に 1-165 『レンガ』で『かまど』ができる 1-166 偶然『ぶどう酒』ができる 1-172 数字表記『╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋ 』ができる 1-175 竪穴式住居ができて数年、人口増加で食糧不足深刻化 1-204 『木炭』ができる 1-220 果物の栽培がうまくいかない 6 :オーバーテクナナシー:05/03/06 17 10 50ID NJRz1/Hm 1-237 モラーラ、もてない男たちを集めて「聖女信仰」をはじめる 1-301 『投石器』『投槍器』の実用化で狩が楽に 1-337 地震発生、『水晶』発見 1-353 『針』づくりうまくいかず 1-383 狩猟武器開発、『筏』『網』実用化、農耕成功で食糧不足改善の兆し。でもまだ足りない。 1-425 南の海から巫女オオテクナナシノウズメヒメが来る。 1-453 初の家畜『鶏』捕獲 1-497 原始人子供の初登場、遊びの風景 1-514 洞窟で、『黄銅鉱』を発見 1-526 原始人子供、友人の死 1-529 ウズメ、昔話『バナナと石(仮)』を語る 1-542 海から舟の大軍が攻めてくる夢。 1-578 カマドに改良の余地 1-687 『田』完成 そろそろ主力穀物の決め時か? 1-688 『草履』完成 行動半径が広がる 【280 伝記】 『ナナッシ 』 ”ネ申の声を聞くもの”普段話している原始人はかれです。 怠惰を求めて勤勉にたどり着くタイプの彼は、めんどくさいことが嫌いですが それを回避するための労力を惜しみません。手先が器用ですが、力仕事は今一つ。 『モーナー』 ちょっと臆病だけど、いざとなるとぶちぎれるタイプ。 サイとの戦いでは、一番最初に頭突かれたが、きれて一番やりを決めた。普段は温厚な性格。 『ギーコ 』 口は悪いが、気はやさしい。面倒見の良い兄貴分。 体は小さく、すばしっこい。木登り等はおてのもの。 『モラーラ』 村のトラブルメイカー ナナッシとは別の意味で電波を受信する奴。※聖女信仰のリーダー 薬物常用 7 :オーバーテクナナシー:05/03/06 17 12 58ID NJRz1/Hm 『クックルー 』 腕力がじまんのちからもち。狩りの時にはリーダーとしても活躍する。 『長老・ホッシュ 』 村で一番の長生き。いろいろしってるぞ 『かあちゃん 』 ナナッシの母親。奥さんではない。現在村には結婚という制度がない。 『オオテクナナシノウズメヒメ』 ”ネ申の声を聞くもの”。南の海の向こうからやってきた巫女。 子供の面倒をよく見ている。 『原始人子供』 原始人の子供。村での生活の様子の報告をしてくれる。 【290 地理】 村の名前は『未来技術村』 現在は洞窟が点在する、谷にある。 どうやら、村の周辺一帯は露出した粘土層であるらしく 赤茶けた固い土があるだけで、めだった植物は無い様子。 周囲には、森や海やら川やら山やらと自然に富んでいる様子。 農耕したり、都市を築くためには引越しの必要がでてくるかもしれず。 現在村の中央には水路があり、水をそこで補充したり、洗い物をしたりできるようになった。 ・『火の山』には、『赤い池』(強酸)がある。 ・『水晶』や『黄銅鉱』が取れる洞窟がある。また、この洞窟がある山では『孔雀石』が取れる。 ・『畑』や『田』ができて穀物を育てている。 観測によると北緯32度±15 エデン内部はあらゆる資源があるが、 エデン外部は通常の資源状態とのこと 『地図』 大地の様子を書いたもの 誰が書いたのかわからない壁画 ttp //www.ff.iij4u.or.jp/~ranmaru/nazo/tizu.jpg 8 :オーバーテクナナシー:05/03/06 17 14 29ID NJRz1/Hm 【300 社会科学】 【360 社会】 『奴隷』 武力によって言いなりにさせた人間。重労働に使う ※まだいない 『略奪』他の村の人や物を奪うこと ※まだやってない 『征服』他の村に住み着き、そこの住民を従わせること ※まだやってない 【380 風俗習慣】 いまのところ、未来技術村は母親を中心とする母系社会に近い状態のようです。 婚姻の概念は現在なく。沢山の食料を獲得できる男は、複数の女性と関係をもち 美しい女は、複数の男性と関係をもつのが一般のようです。 もっとも、多くの男達に複数の女性を養う力はないので、一人があたりまでもあるようです。 女達は母親を中心にグループを作っていて、関係を持ちたい女性がいれば グループ全員に食事を配るのが常識となっているようです。 もちろん、自分を生んだ母親を中心とするグループを養うのも男の仕事です。 男の負担がやたらと高い社会になっています(笑 社会の効率化と改革も皆さんでやってみてください。 法律を持ち込んでみたり、宗教を持ち込んでみたり、経済を持ち込んでみたり 色々やってみると楽しいかもしれません。 《葬儀の様式》花を供えて土葬の上、動物に荒らされないように上に石を置く。 『葬式・告別式』死者との別れの会 『魂』心の本体、身体にいられなくなると抜け出てしまう。 《魂の行方》森の奥や水の中に行くとか言われている。 ウズメさんによると空の上のネ申さんのところへ行くとのこと 《種まき前の祭》村の広場で音を鳴らしたり踊ったりして豊作を祈る 【388 伝説・民話(昔話)】 『オニ』ネ申ヶの世界に住む違う言葉を喋り、違う考え方で物事を考え始める、少し大きい、普通の人。 ネ申ヶの先祖は彼らとよく戦ったが、今は仲がいいらしい。 『バナナと石(仮)』海の民に伝わる昔話。昔、ネ申が人間に繁栄の象徴であるバナナと 不死の命の象徴である石を与えたが、人間は石を放棄したため、不死性を失ったのだという。 9 :オーバーテクナナシー:05/03/06 17 16 17ID NJRz1/Hm 【400 自然科学】 『板』状態 原「うすっぺらいモノだな」 『粘土状』状態 原「ねばねばしたモノだな」 【410 数学】 『6』数字 『7』数字 『8』数字 『9』数字 『10』数字 『100』数字 10が10集まったもの 『〇』数字表記 0 『┃┃┃┃┃┃┃┃┃』 数字表記 9 『╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋』数字表記 10 『漢数字表記』 一二三四五六七八九十百千万 『算用数字表記』 0123456789 とりあえず10000まで 『計算』数について考えること 『足し算』+を使う。3個の木の実があり、さらに4個の木の実を取ったら全部でいくつでせう。3+4=7 『引き算』-を使う。5個の魚のうち2個を食べたら残りはいくつでせう。5-2=3 『=』等号 『寸』(3.03㎝)親指の先から第一関節まで 『尺』(30.30㎝)十寸にあたる 『キュービット』長さ(約45㎝) 原「肘から指の先までの長さだでよ」 『丈』(303.00cm)十尺に当たる 『頂点』数学概念 『辺』数学概念 『角度』傾き 『直角』3 4 5の三角形を作った時の一番大きい角度 10 :オーバーテクナナシー:05/03/06 17 17 11ID NJRz1/Hm 『輪』概念 『円』平らな○ 『中心』規などで円を書く時の真ん中の点 『半径』中心から円の線までの長さ 『直径』半径の二倍の長さ 『半円』円を半分にしたもの 『正三角形』数学概念 『四角』概念 『平行四辺形』向かい合う辺の長さが同じ四角形 『ひし形』同じ長さの棒で作った四角形 『長方形』向かい合う辺の長さが同じで接する辺の角度が直角である四角形 『正方形』すべての辺の長さが同じで接する辺の角度が直角である四角形 『対角線』辺によってつながってない点同士を結んだ線。 『球』立体的な○ 『半球』球を半分にしたもの 『正八面体』数学概念 『正四面体』数学概念 『ものさし』長さを測る道具 原料 竹、炭 『規』円を書くための竹の棒に穴をあけたもの 原料 竹 『刻』時間概念 日の出から正午までの三分の一(約二時間) 『日』時間概念 11 :オーバーテクナナシー:05/03/06 17 18 03ID NJRz1/Hm 【440 天文学/宇宙科学】 『太陽』天体 『月』天体 『星』天体 『北極星』北の動かない星 『日時計』観測機 地面に直立させた石柱 『月の満ち欠け』 28~29日周期 『正午』概念 『南中』 『夏至』概念 『冬至』概念 『東西南北』方角 『右手』 『左手』 【450 地球科学/地学】 『天候』空の雲の様子 『晴』雲が少ないこと 『曇』空が雲に覆われていること 『雲』空に浮かぶ白かったり黒かったりするもの 『雨』空から水が落ちる 『雷』空が光ったり轟音が鳴ったりする 『雪』ひらひらした氷の粒がふる 『雹』固い氷の粒がふる 『嵐』風や雨が激しいこと 『空気』そこらじゅうに漂っているもの。息を止めると苦しい。 『季節』一年の寒暖、植物の様子などの変化 『春』動物が眠りから覚め、草花が咲く季節 『夏』一番暑い季節 『秋』果実が実り、葉が落ちる季節 『冬』動物が眠る寒い季節 12 :オーバーテクナナシー:05/03/06 17 19 05ID NJRz1/Hm 『黒曜石』・・・天然資源 原「強くたたくと綺麗に割れるいしだよ。尖ったものを作るのに便利だよ」 『サヌカイト』・・・天然資源 原「鋤の先につかってるだよ。斧を作るのにも使えるそうだが 斧の詳しい作り方が今一つわからねえだよ」 『安山岩』ごく小さな黒い点々がある灰色の石 『石灰』水に入れると暖かくなる白い石 『粘土』・・・天然資源 原「これを使って土器をつくるだよ。村の土はだいたい粘土に使えるみたいだよ」 『灰』木が燃えたあとにできる白いもの 『水晶』鉱物 硬い 『火山』火や煙を吐く山 『赤い池』熱い強酸の池 『赤い水』強酸 『酸化鉄』鉱物 血のような匂いのする砂 『鉄鉱石』赤茶けた石 『磁鉄鉱』正八面体の形をした岩 『孔雀石』緑色の柔らかい石 『黄銅鉱』黄色く光り、引っかいたらとそこが黒くなる石 『川上』川の水が流れてくる方 『川下』川が流れ去る方向 【460 一般生物学】 『交配』交わること(生物一般) 『交尾』動物が交わること 『セックス』特に人が交わることをさす 『繁殖』子供が生まれること 『世代交代』子が産まれ、親が死ぬこと 『第二次性徴』男が男らしい、女が女らしい身体的特徴を得ること。 これが来ると子供が生まれるようになる。 13 :オーバーテクナナシー:05/03/06 17 36 31ID v6z2lHdE もういいっつうの 14 :オーバーテクナナシー:05/03/06 18 25 31ID NJRz1/Hm 『生理』女性が月に一度出血する現象。この時は抵抗力が落ちているので交わってはならない 『今度産む』避妊具 原料 魚の浮き袋 『胎盤』出産の際、へその緒の先についているもの 【470 植物学】 『球根』丸い根っこ 『年輪』木の切り口にある輪。この本数で木の年齢を知ることができる 『鱗茎』たまねぎのようなもの 『蔦』植物 結ぶのに適した固いものは少ない 『松』原「細くて、ちくちくする葉っぱの生えた木だよ。火をつけるのに、よくつかうだね」 『竹』 弓、筏、建物、ものさし の原料として大活躍 『たけのこ』食用 竹の子供 『梅』 食用のほか漢方薬『烏梅』の原料となる 『樫』どんぐりができる常緑樹。硬い 『柏』どんぐりができる木 『葦』原「まだ使ったことがないだが、繊維がとれるそうだよ。沼に沢山生えてだだね」 『麻』原「これから繊維を取り出せるだよ。いっぱいほしいだね」 『大麻』植物モラーラさん曰く、「あの葉っぱの煙を吸いこめばネ申に会えるのでしょう」 『山葡萄』植物 『りんご』植物 まだ小さい 『ベニテングダケ』植物 毒性あり 『芋』植物 正確な種類は不明 『ユキノシタ』植物 薬草 『豆』大き目の食べられる種 『大豆』カヌー上の鞘を持つ 『落花生』炒るとおいしい 『綿』 植物 『油菜』 植物 『胡麻』 植物 『ひまわり』 植物 15 :オーバーテクナナシー:05/03/06 18 27 00ID NJRz1/Hm 『オリーブ』 植物 『バナナ』植物 『ウコン』染料 薬草 『桜』薬草 『カタクリ』薬草 『ヨモギ』薬草 【480 動物学】 『虫かご』捕獲器具 原料 土器・網 『サイ』原「岩みてぇに、硬い皮の動物だよ。もう村にきてほしくねぇだね」 『鹿』原「雄の鹿には角がはえてるだよ。この角を使えば木に穴をあけたり石を砕いたりできるだよ」 『熊』原「大きくて、くむくじゃら。強暴だで、あまりあいたくねぇだな」 『狼』原「大きくはないだが、強暴だで、こいつにもあいたくねぇだよ」 『ワニ』動物 『カバ』動物 『象』鼻の長い動物 『ねずみ』作物を食い荒らしたりする小さい動物 『イナゴ』畑を荒らす虫。塩、醤油に漬けて食べることもできる 『ミミズ』畑をよくする紐状の動物 『魚』 『イワシ』腐りやすい 【490 医学・薬学】 『木酢』薬品 虫除け・傷・腹痛 ほとんど取れない 『烏梅』薬品 原料 梅 効用 かぜ、食あたり、暑気あたり 『ユキノシタの葉』貼る薬品 原料 ユキノシタ 効用 火傷・凍傷・腫れ物・ひきつけ 『ウコンの煎じ汁』 原料 ウコンの根 効用 肝臓 『桜皮』服用/塗る薬 原料 桜の内皮 効用 おでき・湿疹・じんましん・せき 『包帯』医療器具 原料 布 『片栗粉』散布薬 原料 カタクリ 効用 擦り傷・できもの・湿疹 『葛湯』服用薬 原料 片栗粉・湯・糖分 効用 風邪・下痢 16 :オーバーテクナナシー:05/03/06 18 28 08ID NJRz1/Hm 『ヨモギ』煎じ汁 原料 ヨモギ 効用 貧血・下痢 揉んだ葉 効用 切り傷 【500 技術】 【510 建設工学、土木工学 】 『石カンナ』工具 原料 曲がった枝、サヌカイト 『鋤』・・・道具(農耕&土木具) 原「話には余り出てこないだがしっかり使ってるだよ。土器を焼くための穴や 水路はこれで掘っただよ。落とし穴なんかも、これで掘ってるだよ」 『斧』工具 サヌカイト製 『槌/ハンマー』工具 原料 木 石 『釘』建材 杭の細く小さいもの 『鑿(のみ)』ハンマーと組み合わせて使う工具 原料 とがった水晶 『石錐』工具 原料 黒曜石またはサヌカイト 『杭』道具 『柱』建材 『丸太』枝を払った木の幹 『レンガ』建材 日干し煉瓦&かまどで焼いたもの 『ケージ』粘土や板で作った型。同じ形のものを作るとき役に立つ 【520 建築学 】 『竪穴式住居』建築物 『梁』建材 『棟木』建材 『垂木』建材 『屋根』建築物 『いろり』設備 『小屋』鶏を狩ったりする柵で囲まれた建物 『柵』建造物 『はしご』道具 17 :オーバーテクナナシー:05/03/06 18 29 46ID NJRz1/Hm 『アーチ』レンガや石を半円状に組んで下に落ちないようにしたもの※未完成 『ドーム』レンガや石を半球状に組んで下に落ちないようにしたもの※未完成 【550 海洋工学、船舶工学、兵器 】 『満潮』一日のうち海水面が一番上昇している時 『干潮』一日のうち海水面が一番下降している時 『大潮』満月や新月の最も干満の差が激しい日 『小潮』半月の干満の差が少ない日 『長潮』半月の二日後に起こる最も干満の差が少ない日 『海風』昼間に吹く海からの風 『陸風』夜に吹く陸からの風 『凪』朝や夕方におこる無風状態 『転覆』船舶がひっくり返ること 『灯台』設備 夜の航海の時の目印であり、今は焚き火でやっている 『筏』船舶 原料 竹・麻紐 『棹』操船具 原料 竹 『櫂/オール』操船具 原料 木 『丸木舟』船舶 原料 木 『双胴船』丸木舟を二つ繋いで安定性をよくしたもの 『アウトリガーカヌー』丸木舟と丸太を繋いだもの 【559 兵器】 『尖頭器』原「初めて作った道具だよ。棒の先に尖った黒曜石をくっつけてあるだよ はじめは蔦をつかっていただども、最近は紐を使っているだよ」 ※『尖頭器』は『槍』という名称が定着した模様 『細石刃』小さい黒曜石のかけら ニカワなどと組み合わせて槍や銛を作れる 『投石器』投擲武器射出装置 主原料 革、麻紐 『投槍器』投擲武器射出装置 主原料 木の棒 『弓』投擲武器射出装置 原料 竹・麻紐・ニカワ・松ヤニ・油 『弦』弓のパーツ 原料 麻紐 18 :オーバーテクナナシー:05/03/06 18 32 57ID NJRz1/Hm 『矢』投擲武器 原料 竹・麻紐・黒曜石・羽を半分に割ったもの 『火矢』やじり部分に油をしみこませた布をまき、火をつけたもの 『鏃』道具 『矢筒』容器 原料 竹・麻紐 『水鉄砲』強酸を射出する化学兵器 原料 竹、布 『ピストン』水鉄砲のパーツ 【560 金属工学、鉱山工学】 『金属』硬くて光っていて火に入れると解けるもの 『銅』孔雀石や黄銅鉱に含まれる(未発見) 『鉄』赤い砂、鉄鉱石に含まれる。(未発見) 【570 化学工業 】 『ニカワ』日用品 動物脂の接着剤 『松脂』接着剤? 【590 家政学、生活科学 】 『ナイフ』原「蔦をきったり、肉を切ったり、木を削ったり。いろいろつかえるだよ。 素材はいまのところ、黒曜石だよ」 『松明』原「火を持ち歩くときにつかうだよ。だども、持ってると手がべたべたというか なんか変な感じがするだよ。なんでだぁ?」 『爆竹』日用品 竹を火に投げ込んで動物撃退用 『藁縄』 原料 藁 【593 衣服 裁縫】 『服』 原「皮の服と布の服があるだよ。これを着てれば寒さも少しだけ防げるだよ 作り方は、布や皮の真中に頭を入れる穴をあけるだけだよ」 『草履』初めての履物 原料 藁 藁縄 『糸』原「麻の繊維をよりあわせたものだよ。よりあわせるときに、少しづつずらせば、長くもなるだよ」 『布』原「糸を組んでつくったものだよ。皮に比べるとスカスカだよ。よくみると、後ろが見えるだな」 19 :オーバーテクナナシー:05/03/06 18 33 47ID NJRz1/Hm 『紐』原「これも、糸を組んで作ったものだよ。蔦より丈夫で、しなやかだよ」 『皮なめし』技術 これをすると革がごわごわしない。 『なめし液』 原料 柏、樫の樹皮 『ブランドもん』概念? 「何かの「皮」を使って布みたいなものを作り、使」う 『竹の針』われやすい 『骨針』作るのに石錐がいる 【595 理容・美容】 『化粧』顔をきれいな色に塗ること 『水鏡』さしあたり、沼を使えばいらないらしい。 原料 土器・水 『迷彩』肌や服を土色にして木の枝とかもつけること 狩りで使えるらしい 【596 食品 料理】 『土器』土で作った器。現在、赤い土をかまどで焼いたものを使っている 強度が低く、吸水性があり、内側を研磨して水漏れを防いでいる。 『鍋』煮ることに使う土器をそう呼ぶ。持つための出っ張りがある。 『フタ』土器で作る。破裂防止のため小さい穴がある 『箸』炒る時など、手を使えない際用いる2本の棒 原料 木 『スプーン』おたまの小さいもの? 『おたま』汁を救い上げるもの 原料 木 紐 『しゃもじ』原料 木 『すり石』原料 安山岩 『石皿』原料 安山岩 『木の器』 『ろ過器』日用品 炭や砂、小石でできている。 『火おこし器』原「これで火をおこすだよ。結構手間がかかるで、めんどくさいだよ」 『種火入れ』種日を保存する 原料 土器・皮・灰・燃えた炭 『火口』『薪』原「火をおこすのにつかうだよ。素材は主に松の木だよ 『木炭』燃料 墨にも使える 『竹炭』燃料 いい音が鳴るらしい 20 :オーバーテクナナシー:05/03/06 18 34 55ID NJRz1/Hm 『かまど』日用品 レンガで出来ている 『たき火』火を「丸く木を並べて、1~3キューピット位の大きさに保ってる状態」 『塩』調味料 『灰汁抜き』技術 茹でて苦味・渋み成分を取り除く 『灰汁』泡のようなもの。苦い 『醗酵』技術 『煮る』技術 『蒸す』食べ物を水に入れずに湯気に当てる 『炒る』土器に水を入れないで食べ物の見入れて火にかける 『水筒』日用品 竹製 『ご飯』食品 『粥』米などを煮てどろどろにしたもの 『糒(ほしいい)』ご飯を乾かしたもの 『干肉』保存食 『干物』保存食 魚など 『燻製』保存食 『酒』嗜好品 山葡萄が発酵したもの 『魚醤油』調味料 原料 魚・塩 『塩辛』嗜好品 原料 魚・塩 『かまぼこ』食品 原料 魚・塩・麦の粉 『生春巻き』食品 肉や草をこれで巻いて食べる 原料 米の粉・塩 『春巻き』食品 生春巻きを焼いたもの 【600 産業】 ここには書いてないが狩猟採集が重要な産業 狩猟道具は「559 兵器」を参照 【610 農業 】 『鋤』(農耕&土木具)原「話には余り出てこないだがしっかり使ってるだよ。土器を焼くための穴や 水路はこれで掘っただよ。落とし穴なんかも、これで掘ってるだよ」 『鍬』カンナのような方向に刃をつけた鋤のような物。扱いにくいので刃が木の板になるが、 肥料不足のため、深耕の必要がないので無問題 原料 木、 21 :オーバーテクナナシー:05/03/06 18 36 30ID NJRz1/Hm 『えぶり』田を平らにする走り幅跳びのとき使うアレ 原料 木 『田下駄』田で活動する際はく物 原料 木 藁縄 『黒い土』資源 水路や森にある栄養のある土 『コンポスト』装置 生ゴミから『黒い土』を作る 『畑』農業設備 『焼畑』焼いて養分が増えた畑 『防火帯』森への延焼を防ぐため、畑の周囲4キュービットの草をむしったところ 『田』水を溜めた農耕施設 『水路』建築物 『穀類』米や麦 『稲』黄色い穂で粒が大きめで茶色っぽくて半透明っぽいやつ 『籾』穂の粒 『米』稲の殻を取ったもの 『苗』生長前の稲 『藁』乾かした『麦』や『米』の葉 『麦』籾に長い毛が生えていて、脱穀した粒は白く、真ん中に黒い線が入っています 『粟』3キュービット以上ある背の高い茎を持っています。色は様々です。 『稗』穂は黄色だけど中は小さい粒で白っぽいやつ 『黍』黒っぽい穂で中身がやっぱり大きめの茶色で半透明なやつ 『豆』ある程度大きい食べられる種 『落花生』 『大豆』緑色のカヌー状の皮を持つ 【620 園芸 】 木の実や『葡萄』を育てているらしい 【640 畜産業、獣医学 】 『家畜』人間が利用しやすいように飼いならした動物 『鶏』初めての家畜 『卵』鳥などが産む白っぽいもの 『ヒナ』黄色い鶏の子供 22 :オーバーテクナナシー:05/03/06 19 26 06ID v6z2lHdE いい加減止めとけコピペ荒らし アク禁されてもしらねえぞ 23 :オーバーテクナナシー:05/03/06 20 16 22ID NJRz1/Hm 削除ガイドライン ttp //info.2ch.net/guide/adv.html 故意が荒らしでなく、当該スレの趣旨にそった補助行為なので大丈夫みたいです。 『犬』狼を家畜化したときの名前(まだ成功せず) 『豚』いのししを家畜化したときの名前(いまだ成らず) 『馬』足の速い大型動物 (まだ家畜化されてない) 『飼う』動物にえさや水を与えて養うこと 『近親相姦』兄妹、姉弟など血のつながりの濃いものどうしでまじわること 身体の弱い子供が生まれやすい。 【660 水産業 】 『銛』武器 返しのついた鹿の骨でできている。漁業用 『網』漁業用品 原料 麻紐 塩作りは海水を煮る方法と布に海水をかける方法がある。 【680 運輸、交通 】 『担架』原「一応作ってあるだよ。森に行くときは袋のほうが便利だで あまり出番がないだよ。病人も運べるみたいだでよ」 『袋』原「皮の袋と、布の袋があるだよ。森の果物なんかをこれに入れて 村に持ってかえるだよ。皮の袋だと水も入るだよ」 『滑動車』道具 棒で作った橇のようなもの 『天秤棒』江戸時代の行商が使うアレ 原料 木・藁縄・網 【690 通信事業 】 『狼煙』使ってるかは不明 原料 狼の糞 【700 芸術】 『赤色』概念 火の色、血の色 『青色』概念 空の色 『茜色』概念 夕焼けの色 24 :オーバーテクナナシー:05/03/06 20 18 39ID NJRz1/Hm 『緑色』概念 葉っぱの色 『黒』概念 『ピンク』 白と赤の中間色 『紫』 赤と青の中間色。カタクリの花の色 『灰色』灰の色 【720 絵画・書道】 『パピルス』画材 主原料 葦 『白い石』岩に絵を描ける 『墨』画材 原料 木炭、ニカワ 『黄色い絵の具』 原料 ウコン、ニカワ 『赤い絵の具』 原料 酸化鉄・ニカワ 『筆』画材 原料 竹、麻 『葦ペン』画材 原料 葦 『羽ペン』画材 原料 羽 【760 音楽】 『楽器』音を鳴らす道具 『拍子木』原料 木 『うなり木』原料:木 紐 【770 演劇・映画】 『踊り』主に祭りに行なう 【790 諸芸・娯楽】 『おはじき』石をはじく遊び 原料 小石 『くんたっし』平たい石を投げて水面を何回も跳ねさせる遊び 『じゃんけん』遊戯 『棒倒し』砂山に棒を立て、倒さないように砂を崩す遊び 『凧』 原料:糸、竹を薄くしたもの、パピルス、ニカワ 25 :オーバーテクナナシー:05/03/06 20 29 36ID NJRz1/Hm 『鬼ごっこ』遊戯 『ままごと』大人のまねをする遊び 『~ごっこ』~のまねをする遊び 【800 言語】 『発声』声を出すこと 『母音』舌を歯にも唇にも口の中のどこにも付けないで口から息を吐いて発声する声 文字は今のところ数字しかありません 【900 文学】 昔話、伝説、神話などは【388 伝説・民話(昔話)】参照 ○文明レベル 農耕をやってる縄文時代程度 ○今のお題 ・作物を1種類を沢山作り効率化を測るか、多数の種類を作り、 もしものために備えるかについてのアドバイス 量が多すぎて、多分次はまとめを張るのは無理そう orz 26 :オーバーテクナナシー:05/03/06 20 36 10ID 1kFSpkCI 次からは差分だけでいいと思いますよ 27 :30女:05/03/06 23 42 37ID 0nmMaw7K スレ立ておつかれさまですの。 そういえば、美しい女性は、複数の男性と関係をもつ・・・ってありますけど。 美しい基準ってどうなんでしょうね。 どんな女性が美しいですか? ウズメさんはナナッシさんからみて、美人ですか? 【平安時代では、のっぺりして、眉が楕円形な女性が美しいっていわれてましたよね】 あ、そうそう。 それで思い出しました。 貝の殻を焼いて砕いてください。 白い粉になりますよね。お顔に塗ると、白くきれいにみえますよ。 絵を描くときにも使えますよね。 28 :オーバーテクナナシー:05/03/07 01 20 54ID FprSaIwf ~ここから聞こえない声~ 良スレハッケソ ここまで斜め読みした とりあえず美しい女性は前スレ114の >12歳のお下げメガネっ子 からそういう外見かな? というのは冗談で… そうえば前スレ181の村一番の美人のシ~ とかモラーラのあやしい力 とか色々気になるのが残ってますが 頑張れ初代1 そして all ~ここまで聞こえない声~ ナナッシさん達は眠る時どの様に寝ていますか それと洞窟の奥はどのくらい深いですか そして変わった様子はありませんか 29 :オーバーテクナナシー:05/03/07 12 01 22ID XisdoSxR そういえば、前スレ542に戦争の伏線が・・・・ 原始人さんへ 村から海が見えますか? もし見えるのならば、変わったことがあったら『狼煙』を焚いて合図をしてください。 海の水が急に引いたときは、『津波』(大きい波)が来る可能性があります。 そのときは、山など高い所に逃げてください。 もし、海から舟がたくさん着たら動物の皮で途切れ途切れにした煙で合図をしてください。 そのときは、武器を持って村へ集合してください。 夜で煙が見えない時場合、津波は拍子木の連打、舟はうなり木をならして合図をしてください。 夜は理屈はよく分かりませんが、昼よりも音が遠くに伝わりやすいです。 村から海が見えない場合は、海の近くで海が見える高台に住居を建てて見張ってください。 この住居は、普段は休憩所や網の修理小屋につかえます。 30 :オーバーテクナナシー:05/03/07 19 56 16ID NbGKBe9q 26 まとめページを作ってそこへのリンクを貼った方がいいでしょう。 ちなみに『便所』はどのようなものですか? 『便所』の周りの土からは『硝酸塩』が取れます。 『硝酸塩』と『硫黄』と『木炭』で『火薬』が作れます。 31 :オーバーテクナナシー:05/03/07 21 15 10ID am/vq2bA 便所はまだありませんが何か? 32 :オーバーテクナナシー:05/03/07 22 55 06ID Fa+mLo8+ 原始人くん 今日はネ甲らしく、君に魔法を教えよう。 この魔法を使えば村にいるどんな力持ちよりも、 君は大きく重い石を動かすことが出来る。 まず、森に行き、硬くて丈夫でしならない長い木の枝を取ってくるんだ。 そして、手ごろな大きさの石を用意する。 そうだな、縦横高さが1キューピットほどもあればいいだろう。 さて、ここからが魔法のかけ方だ。 まず、木の枝を動かしたい大きく重い石と地面の隙間に斜めに差し込む。 そして、木の枝の下に用意した石を置く。 こんな感じにな。 ●/。 ~~~~~ (●が重い石・/が棒・。が用意した石だと思いたまえ)。 そして、 魔法の呪文を唱えながら(ここが重要!) 棒の一端を地面に向かって押すのだ。 このとき、用意した石が棒の下敷きになるように注意せよ。 これで、重い石も思うが侭に動かせるだろう。 用意した石は動かす石に近く、棒は長ければ長いほど良いということも 覚えておきたまえ。 では、いよいよ魔法の呪文を教えよう。 それはずばり、君の名前「ナナッシ」だ! 君こそはテクノロジーのネ甲の使徒。 偉大なる魔法の使い手なのだ!! 33 :オーバーテクナナシー:05/03/07 23 22 12ID XisdoSxR 前スレにも話題がありましたが、農耕が始まったからそろそろ『肥溜め』があったほうがいいかも。 田畑の近くで村の家から離れた所に深い穴を掘ってそこに糞尿を捨てるようにしてください。 この穴を『肥溜め』といいます。 糞尿は、肥溜めの上に板を渡してそこでするか、糞尿を溜めるための土器を作って それに溜めた後、肥溜めに捨ててください。 肥溜めにたまったものは、長い棒に土器または木の器を付けたもの『肥柄杓』で すくって田畑にまくと作物の育ちがよくなります。 34 :1:05/03/07 23 35 55ID rCNqjZGU アーチを使う建築物が何時ごろ登場したのかは、定かではない。 しかし、日干し煉瓦や焼きレンガ、石材などを使いアーチを作っていたのは 2000年よりも前であることは間違いないだろう。 アーチ型の構造物の利点として、アーチの上に物を載せられるというのがある これを利用して橋などもつくることができるのだが、現在の未来技術村では・・・・ 「できただよーーー」 そこにあるのは、幅5キュービット、奥行き5キュービット、高さ3キュービットにもなる 巨大なカマドだ。カマドの真ん中には柱があり前後にアーチ型のハリはあり そのハリの上に2つのアーチ型の天井がのってる。 入り口から見て右側奥の上部には排煙口があるが、例によって煙突はない アーチ型の天井の下、壁の部分に一部レンガの積まれていない場所があるだけだ。 このカマドは実に2年の歳月をかけてかんせいさせたものだが・・・・ 「大きすぎて、カマドがあったまるのに時間がかかるのが難点だなぁ」 っと、欠点もあったりする。 35 :オーバーテクナナシー:05/03/07 23 36 00ID 88Q/f12i 民族間の殺戮や略奪は避けられないというか、自然な流れなのではないかな。狩りの対象が「うまい 肉の獣」から「財物を持った異民族」にかわるだけだし、こちらにその気がなくとも、あちらはやる気 まんまんの可能性もあるし。 将来始める交易なんかも、最低限自衛できる程度の集団戦闘能力の裏打ちがないと難しい気がする。 ユダヤやイスラーム、蒙古の天信仰など、古い宗教はすべからく根幹に「異民族は潜在的に敵」って 思想があって、それが故にそれを持つ民族はためらいなく殺す側に回れ、結果生き延びて来れた。 戦闘民族となる事を推奨してる訳ではないのですが、あまり早い参会で「よその人ともなかよくしま しょう」的な教義を広めてしまうのは、外敵への備えという点でも危険だと思います。 36 :オーバーテクナナシー:05/03/07 23 38 36ID 4XzTDkAK 32 テコキタ---------------(゚∀゚)------------------!! たぶん人類最大の発見の一つ。 (以上、聞こえない声) その魔法のタネを『てこ』と呼びます。 いろいろ工夫してみてください。 37 :オーバーテクナナシー:05/03/08 01 45 21ID 5HbAbr4E 夜の四十八手はいかが? 「テコ」を応用することでいろんなポーズが楽しめるよ。 38 :オーバーテクナナシー:05/03/08 02 00 33ID Ne7siHM8 かまど建設に2年・・・お疲れ様です。 しかし村の赤い粘土で作った煙突なしの窯か、どの程度温度が上がるんだろ。 当面は土器と木炭の増産用に活躍しそうですね。 もし、今までより遠くへ行く事があったらぜひ『珪藻土』のある場所を見つけて きてください。姿は目の詰まった土のような感じで白色~薄いピンクのものが 見つけやすいと思います。 場所は海の底などが多いようですが、火山周辺の湖のあたりでも見つけられそうです。 (赤い池の近くは不明)水の漏れない土器を焼くときの煉瓦に使う他、ろ過器の 性能も上げられる様です。 39 :オーバーテクナナシー:05/03/08 03 04 57ID sD6OOVBG 火山の周辺に黄色い結晶があればそれが自然『硫黄』。 塩硝床はどうやって作ったものか・・・ 塩硝ができたらできたで除湿に悩むわけだが。 40 :オーバーテクナナシー:05/03/08 11 42 23ID Wq6VqIQy ===原始人とは関係ない声=== 初めましてこんにちは。 遠出可能となったところで今後の大きな方向性を出してみます 賢者の方々によるフォロー是非よろしくで投げ =============== ・狩猟民族から農耕民族へ 現在の『未来技術村』は海にも山にも近くて何かと便利だが、 土地自体が粘土質で植物が育ちにくい。田を耕す技術はある。季節と天気も判別可能。 現在の村の近くで植物の良く育つ場所を探してみるか。 または村レベルの大移動が必要か? ネズミ大発生は嫌だなぁ。 とりあえず、「村人男は狩りと探検」「村人女は村近くで農耕」をメインに役割分担してみよう。 ・『オオテクナナシノウズメヒメ』の出身地へ行ってみる 長距離航海可能な船と航海術がある村、ウズメの出身地は『未来技術村』には 無いモノが色々見つかると信じたい。まずはウズメの話を聞いてみよう。 (何日で到着した、村の規模はetc) 「海の民はおだやか~な民」なので双方で商い(物々交換かな)できるかもだし。 長距離の航海スキルは必要かな、北極星は既出。 ・キャラ役割(案) ナナッシは神の声を聞く天才型発明キャラ ウズメは料理(狩猟海キャラをアピールするか?薬草とか医療も期待か?) クックルーは狩猟のリーダー(主に陸地?) かあちゃんは農耕&村人女性まとめのリーダー モラーラは占いとか宗教とか、神秘系 ギーコとモーナーはまぁ、ごにょごにょ。ウズメから水泳や航海スキルを習得させるか。 ・気になるもの 空からの絵は誰が書いたのやら、モラーラか長老かウズメか・・? ナナッシorウズメが是非村人に問い詰めて欲しいです。 ここらで長老にも何かしら頑張って欲しいな(長老が死ぬ前に!) 41 :オーバーテクナナシー:05/03/08 11 51 27ID Wq6VqIQy ・探検隊結成 安全第一で頑張ってみよう。 装備万端にしてからね。怪我に注意ね。野生動物に注意ね。 ・倒してない動物を倒してみる ブタ、熊、狼、ワニ、カバ、象 って危険ですか止めたほうが良いですか? 武器はかなり強いんだけどさ。 ===原始人とは関係ない声=== ・現在、最も必要なもの 板まとめサイト =============== 42 :ウズメ@原始人:05/03/0813 25 29 ID 7jNZKyIr 27 んだな~ナナッシはあたいの事どう思ってんだかなぁ わざと素っ気無い振りしてる気もするだね 今度こっそり後ろから近づいて思いっきり抱き付いてやるべか・・・ウシシ 28 シ~ねえはすっげえ美人だぞ!びっくりすんぞ うらやましいだね~ モラーラはなんかぁ ゃιぃふいんき(なぜか変換できない)を漂わせているだね だども人それぞれだからあまり言うのはやめとくだ あたいらも村の人たちに竪穴式住居建てて貰ったからその中で寝てるだよ 34 カマドの完成おめでと~~^^/ ここに来てからもう2年も経っただねぇ~~~ あたいの背も少し伸びて髪も大分伸びただよ そのうちシ~ねえみたいに綺麗になれるといいだね~ 32 「ナナッシ!」・・・ころん、「ナナッシ!」・・・ころん おおーー!こっこれはすごい魔法だぞ!みんなみてみろ~! すっごい力が出るぞー!こんなでっけー岩でもひとりで動かせるだ! 「えいっ!」・・・ころん・・・あれ?呪文言わなくても動くだ・・・ 36・・・・・これは『てこ』って言うだね ふむふむこれを使えばもしかして・・・(←何かを考えているもよう) 43 :オーバーテクナナシー:05/03/08 15 56 19ID RPsw4gWr ナナッシさんへ カマド完成おめでとうございます。 これで土器の強度も少しは上ったと思われますので、土器の装飾方を教えます。 土器を焼く前に土器の表面に濡れた縄を転がすと模様ができます。 このような模様がついた土器を『縄文土器』といいます。 他にも、ぬらした貝や葉、木の棒で模様を書くことができます。 モラーラさんへ 石や木や粘土で人や動物の形をかたどったものを『像』といいます。 粘土を使ったものはすでにあるようなので、石や木で作ることにもチャレンジしましょう。 石で作ったものは『石像』といい、道具は『槌』と『鑿』を使います。 手間がかかり、落とすと割れてしまいますが、大切に扱えば半ば永遠にその姿をとどめます。 木で作ったものを『木像』といい、道具は『石カンナ』やナイフを使います。 これは落としてもそれほど割れませんが、長持ちさせるためには湿気の多い所に於かないように 気をつけてください。 それと聖女様を祭る場所を『神殿』と呼ぶことにしましょう。 40 前スレ481によると、ウズメさんの村は航海で60日以上の距離にあるそうです。 双胴船でまだ帆もないので、そこへ行くまでにいくつか水や食料を補給する 中継地点が短い間隔でたくさんあると思われます。 44 :聖女◆9RaBw0NoLw:05/03/08 18 54 58 ID KPmy/tpl ところで飢えを見分ける方法ですが、その人にとっての腹の右を、 わき腹と臍の間の辺りを抓んでみてブヨブヨしていたら『体脂肪』が 足りません。穀物をなるべく食べさせるようにしましょう。 このような食べ物のまわし方を『慈善』または『厚生』と呼びます。 『慈善』『厚生』にはもっとたくさんのこともあります。 穀物でも寝る前に食べておくと体につくときには『脂肪』になりやすいです。 これは人だけでなく豚や鶏にも言えることです。 豚や鶏などの暮らし方を見つめ続けて彼らの暮らし方を書き留めたり 覚えたりすることを『観察』といいます。 『観察』には星空と寒さ暑さ、河や雨水の変わり方を見分けるなど 豚や鶏のほかにもたくさん『観察』すると良いものはあります。 45 :聖女◆9RaBw0NoLw:05/03/08 18 59 49 ID KPmy/tpl 未だ大和朝廷に制圧されるレベルの部族ぐらいにしか発展していないのに、 もうわらひには社会制度と健康管理しか教えるものが無い(-^;;)。 偉大なり人類文明(^-^;;;;)。 46 :オーバーテクナナシー:05/03/08 20 04 48ID LDM9nwQS なんていうか、これ以降こっち側の知識不足で停滞しそう。 文系の専門家も必要になりそうだし。 少なくとも、今のコテハンだけじゃつぶれると思う。 47 :オーバーテクナナシー:05/03/08 21 13 39ID /T7UCeUv 粘土質の土壌のほうがおいしい米が取れると言います。 主力作物が米の場合はこのまま定住化? 48 :オーバーテクナナシー:05/03/08 23 19 45ID em+JIL7c ひとまず食料の量くらい管理出来るようになりたいところですね。。 農業社会に移行するなら大雑把にでも人口に見合った畑を確保できるようにならないと。 必要なのは掛け算と度量衡と面積? 記録用にパピルスはあるけど粘土板はいるのかな? まずは第一歩。「掛け算」をおしえませう。 掛け算は足し算や引き算の仲間です。 ある数の集まりが幾つかあったら、全部で幾つになるか、を計算するものです。 例えば、ナナッシさんとモラーラさんの二人で、三つずつリンゴが食べたいと思ったとします。 さて、この場合二人で合わせて幾つのリンゴを食べるか。 三つが二人ですから、●●●/●●● 答えは六つになります。 これが掛け算です。 計算式では『×』(かける)という記号を使います。 上記の例の場合、3×2=6 と書くわけです。 或いは二人増えて四人で三つずつのリンゴを食べるとします。 この場合、●●●/●●●/●●●/●●● 全部で12個です。 計算式は 3×4=12 となります。 以下、原始人さんには聞こえない声。 良く考えたら、これってただの概念の説明で、実用に使える「計算の方法」にはなっていないような気がします。 これだけ聞いて「じゃあ27×365をやってみろ」とか言われても……一々数えてたら足し算と手間代わりませんし。 まず位の概念をはっきりさせないと。九九とか筆算とか算盤とかも必要になってくるんでしょうね。 49 :オーバーテクナナシー:05/03/09 00 04 17ID KyaIv60M 下の表は掛け算の組み合わせを表した表で『九九』といいます。 これを覚えると、だいぶ掛け算が楽にできます。 ×│1|2|3|4|5|6|7|8|9 ─┼────────────── 1│1|2|3|4|5|6|7|8|9 2│2|4|6|8|10|12|14|16|18 3│3|6|9|12|15|18|21|24|27 4│4|8|12|16|20|24|28|32|36 5│5|10|15|20|25|30|35|40|45 6│6|12|18|24|30|36|42|48|54 7│7|14|21|28|35|42|49|56|63 8│8|16|24|32|40|48|56|64|72 9│9|18|27|36|45|54|63|72|81 50 :オーバーテクナナシー:05/03/09 00 31 37ID EyX1borM 48 穀物の量を管理する『升』を作ればいい。 1つできれば同じ量が入るマスを作る。 そして10杯ぶんのマス、10杯が10杯はいる箱、と作ればマス単位で正確に量を把握できる。 前100|トップ|次100
https://w.atwiki.jp/b-files/pages/42.html
(19)【発行国】日本国特許庁(JP) (12)【公報種別】公開特許公報(A) (11)【公開番号】特開2005-23082(P2005-23082A) (43)【公開日】平成17年1月27日(2005.1.27) (54)【発明の名称】ストレスを低減する、あるいはうつ病から回復する方法 (51)【国際特許分類第7版】 A61K 35/72 A61P 25/20 A61P 25/24 A61P 43/00 【FI】 A61K 35/72 A61P 25/20 A61P 25/24 A61P 43/00 【審査請求】未請求 【請求項の数】2 【出願形態】OL 【公開請求】 【全頁数】24 (21)【出願番号】特願2004-227392(P2004-227392) (22)【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4) 【公序良俗違反の表示】 (特許庁注:以下のものは登録商標) 1.キリン (71)【出願人】 【識別番号】304033502 【氏名又は名称】廣瀬 行博 【住所又は居所】神奈川県横浜市鶴見区生麦四丁目6番15-416号 (72)【発明者】 【氏名】廣 瀬 行 博 【住所又は居所】神奈川県横浜市鶴見区生麦四丁目6番15-416号 【テーマコード(参考)】 4C087 【Fターム(参考)】 4C087 AA01 BC12 MA52 ZA01 ZA05 ZA12 (57)【要約】 【課題】 ストレスを低減する、あるいはうつ病から回復する方法を提供する。 【解決手段】 自分の好きな食べ物あるいは飲み物を好きな時に適量摂取すること、自分の好きな異性に憧れをもつこと、憧れる人にはアピールをしてその人に自分を認識して貰うこと、自己を表現できる課題を持つこと、およびその課題をプロフェショナルなレベルで達成できるようになるまで自分を磨くことを特徴とする、ストレスの低減あるいはうつ病から回復する方法。飲み物が、ビールであることを特徴とする、ストレスの低減あるいはうつ病から回復する方法。 【選択図】 図1 【特許請求の範囲】 【請求項1】 自分の好きな食べ物あるいは飲み物を好きな時に適量摂取すること、自分の好きな異性に憧れをもつこと、憧れる人にはアピールをしてその人に自分を認識して貰うこと、自己を表現できる課題を持つこと、およびその課題をプロフェショナルなレベルで達成できるようになるまで自分を磨くことを特徴とする、ストレスの低減あるいはうつ病から回復する方法。 【請求項2】 飲み物が、ビールであることを特徴とする、請求項1に記載のストレスの低減あるいはうつ病から回復する方法。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、ストレスを低減する、あるいはうつ病から回復する方法に関する。 【背景技術】 【0002】 本発明は、日本国の雅子妃殿下が、ストレスによる病から、解放され、一刻も早く、日本国民に幸福と希望をもたらされることを期待するものであり、結果として、本発明に産業上の利用価値があったとしても、本発明は、産業上の利用価値を意図したものでない。 【0003】 現代は、ストレスの多い社会である。原因を挙げたら限りがない。本発明者がストレスを蓄積し、かなり重度のうつ病になってしまったのは、1994年2月頃と記憶しているが、詳しくは、東京女子医大の吉増精神科医師のカルテを見なければ、私がどれほど、重度のうつ病になり、どのような軌跡で回復していったかは、私自身、詳述できない。なお、本発明者は、現在も投薬治療を続けている。 【0004】 そこで、技術開示の前に、本発明者のうつ病の体験について、記述しておきたい。本発明者がうつ病との診断を得ることができたのは、1994年5月であったと記憶している。発病は、1994年1月末頃であったと思う。本発明者は、当時は、職務上の理由から単身にて勤務していたが、1994年2月中旬頃から歩くのさえ困難な状態に突然陥った。 本発明者は、最初は、心臓病あるいは甲状腺機能障害と考え、内科医を尋ねたが、どこも異常ないという診断が下された。しかし、本発明者は、身動きできない程苦しかったし、この状態で、高校3年、高校2年、中学3年の子供を抱えどうしていいかわからず、途方に暮れていた。その時当然、自殺願望が頭をよぎったが、今自殺しても、保険金では、家族が生活できないこと、保険に入ってから自殺するには、1年以上経る必要があることを知り、自殺はなんとか回避しなければという思いであった。私が、うつ病ではないかと推察したのは、薬剤師の私の妻であった。ほとんど、寝ていない状態が続いていた本発明者は、医師の処置により、連続3日間ぐらい寝続けた。そして、その時点において、やっと病名がついたので、病欠との認定のもと会社勤務を休むことが、できた。かなり回復するまでに、一ヶ月程度の病欠を3回程繰り返した。 【0005】 うつ病の原因は何であったのだろうか。本発明者には、これについて断言できないが、発病前に、やがてやってくる人事異動についての恐怖感が潜在的に進行していたような気かする。嫌なポジションに配属される夢を何度も見た記憶は、今でも鮮明である。発病当時は、44歳であったので、次の人事では、一応サラリーマンとしての先が見えてくる。しかし、人事の決定が通知されるまでは、それが見えない、見えないものに対する恐怖であった。その恐怖は、どこから来たのであろうか、それは、私が、一人っ子として育ち、また生まれ持った性格から、複雑な対人関係、いわゆる根回しというものを要求される職務につくことへの恐怖であったと想像する。 【0006】 回復のきっかけは何であったか。1.何よりも元妻(薬剤師)のうつ病ではないかという推察。2.それにより、優れた医師にめぐり会えたこと。3.病気の本発明者に対してリストラ処分しなかった会社の温かい計らい。4.心の支え(本発明者には、現在2度目の妻となっている女性がいるのだが、心の支えになってくれた)5.仕事以外に楽しみを持つこと(本発明者は、陸上短距離を除き、スポーツとかは不得意であったので、辿りついたのは、学生時代にその美しさに感動した女優・藤純子(現富司純子)さんの演劇鑑賞、ビデオ鑑賞/緋牡丹博徒シリーズだけでも少なくとも100回以上X8作鑑賞している、藤純子さんの資料収集、ファンレターの投稿を楽しみとした。それに歌手では、石川さゆりさんのファンになった。ちなみに、本発明者の一番は、「津軽海峡・冬景色」(阿久悠作詞/本発明者が最も尊敬する人物である。これが大ヒットした年に私の長男が誕生した。)6.元妻も良く本発明者をサポートしてくれた。7.子供達も、みんな良くがんばってくれた。長男は、高校三年の時、ラグビーで花園にレギュラーで出場し、一橋大学法学部に合格、2003年には、勤務(JA全農)をしながら勉強し司法試験に合格した。長女は、社会福祉士、次女は、幼稚園教諭、保育士の資格を取得した。なかでも、長男が2年目にして、司法試験に合格したことは、自分の子供の能力の高さには、小さい頃から気づいていたものの、改めて驚くとともに、私にも、今後の人生の生き方について、勇気を与えて貰った。このように、うつ病を回復させるには、いろいろな方策が必要であり、それゆえ、本発明者のように、睡眠不足が続いて一旦錯乱的状態に陥ると、回復には、多面的な手段を獲得する必要があり、回復には、長期間を要するようである。 【0007】 そこで、本発明者には、一つの疑問が残った。何故、人生を生きることについて恐怖を持つようになってしまったかということである。本発明者には、母方も父方も、祖父の記憶がまったくない。どうも、本発明者が生まれた時には、亡くなっていたようである。その死因を確かめることは、もうあまりにも昔の事になり行わなかったが、母方の祖父は、当時いわゆる庄屋といわれた豪農の主人として、選挙活動等を中心に日暮し、農業としての実労はほとんど行わなかった人のようであった。父方の祖父は、あまり勤勉ではなく(体が労働に耐えなかったのかもしれない)、妻と家を飛び出し、商売を始めたが成功せず、ほとんど妻の世話になって生活していたと聞いている。これは、本発明者が、父母より、幼少の頃聞いた話である。ここに二人の共通点が伺われる。それは、二人とも、自分自身ではあまり仕事をしなかったというこである。このことは、二人に潜在的な恐怖心を植え付け、二人とも、うつ病になっていたのではないかと推察する。ただし、二人は、自殺して亡くなったのではなさそうである。ただ、父母共に、自分の父については、すなわち、本発明者の祖父については、あまり語ろうとしなかた。あまりいい思い出が父に関して残っていないのであろう。そこで、本発明者は、二人の祖父は実体的仕事をしていなかったために、精神的な病となり、酒に溺れていき若死したのではないかと推論する。 【0008】 自分が、何らか形で実体のある仕事に打ち込む、もう少し明解に言えば、自己表現できる仕事をするということは、非常に重要なことであると考えている。つまり、本発明者が、人生を生きることについて恐怖を持つようになってしまったかの原因には、上述のような遺伝的素因の他に、会社生活の中で自己表現できる仕事をしてこなかったために、何ら実績がなく、自己嫌悪のようなものに陥ったと推察する。大会社には、自己実現ができないポストはきわめて多いというか、それが普通であり、雅子妃殿下もいろいろな意味において自己実現できていないのではなかろうか。 【0009】 先行特許文献についてながめてみると、下記のようなものがある。 【0010】 特開2004-196750号公報(特許文献1)には、ブラックコホシュを有効成分とするストレス緩和剤。ブラックコホシュ抽出物を有効成分とするストレス緩和剤。ブラックコホシュまたはその抽出物を含有するストレス緩和作用を有する組成物。組成物が食品、栄養補助食品、機能性食品または医薬品である組成物が開示されている。 【0011】 特開2003-321355号公報(特許文献2)には、テアニンを含有することを特徴とするストレス抑制組成物。口腔内粘膜からの吸収に適した形態であることを特徴とするストレス抑制組成物。 口腔内に摂食した際に少なくとも1分間は口腔内に残留可能な形態であるストレス抑制組成物。 食品組成物である請求項1~3のいずれかに記載のストレス抑制組成物。テアニン粉砕物10~49重量%と、糖類粉砕物51~90重量%とを造粒してなることを特徴とするテアニン含有顆粒が開示されている。 【0012】 特開2003-252755号公報(特許文献3)には、GABAを有効成分として含有することを特徴とする、癒し効果組成物。癒し効果が、脳波であるアルファ波の出現回数を上昇させ、同時にベータ波の出現回数を減少させ、そのベータ波の出現回数/アルファ波の出現回数の比が1より小さい値を示す効果を表すことを特徴とする癒し効果組成物が開示されている。 【0013】 特開2003-95964号公報(特許文献4)には、松樹皮抽出物を含有することを特徴とする抗ストレス剤。 前記松樹皮抽出物が、OPC(oligomeric proanthocyanidin)を20重量%以上含有することを特徴とする、請求項1に記載の抗ストレス剤。 前記松樹皮抽出物が、さらにカテキン(catechin)類を5重量%以上含有することを特徴とする、抗ストレス剤が開示されている。 【0014】 特開2003-81868号公報(特許文献5)には、絹蛋白質、ケラチン蛋白質、コラーゲン蛋白質から選ばれる1種以上の蛋白質分解物を含有することを特徴とする、ストレス抑制剤。必須成分として、次の(1)及び(2)を含有することを特徴とするストレス抑制剤。 (1)絹蛋白質、ケラチン蛋白質、コラーゲン蛋白質から選ばれる1種以上の蛋白質分解物。 (2)エンメイソウ、オトギリソウ、サルビア、ボダイジュ、ラカンカから選ばれる1種以上の植物抽出物が開示されている。 尚、上記発明で、で使用する「絹蛋白質」の原料は絹から調整した絹フィブロイン蛋白質又は絹セリシン蛋白質を用いることができ、製造法としては、酸、アルカリ及び酵素による直接又はバイオリアクター法による分解によって製造できること。 【0015】 上記発明で使用する「ケラチン蛋白質」の原料は羽毛、羊毛等から調整した蛋白質を用いることができ、製造法としては、アルカリ分解、無機酸、有機酸による酸化分解、還元剤による還元分解及び酵素による直接又はバイオリアクター法による分解によって製造できること。 【0016】 上記発明で使用する「エンメイソウ(別名:延命草)」とは、シソ科(Labiatae)、ヤマハッカ属(Rabdosia)の植物:ヒキオコシ「Rabdosia japonicus (Burm.f.) Hara(=Isodon japonicus Hara)」又はクロバナヒキオコシ(Isodon trichocarpus Kubo)の花、花穂、果皮、果実、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根茎、根皮、根、種子又は全草を用いる。 【0017】 又、上記発明で使用する「オトギリソウ(別名:弟切草)」とは、オトギリソウ科(Guttiferae)、オトギリソウ属(Hypericum)の植物:オトギリソウ(Hypericum erectum Thunb.)、セイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum L.)、コゴメバオトギリソウ(Hypericum perforatum L.var angustifoliom D.C)の花、花穂、果皮、果実、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根茎、根皮、根、種子又は全草を用いる。 【0018】 上記発明で使用する「サルビア(別名:セージ)」とは、シソ科(Labiatae)、アキギリ属(Salvia)の植物:サルビア(Salvia officinalis L.)の花、花穂、果皮、果実、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根茎、根皮、根、種子又は全草を用いる。 【0019】 上記発明で使用する「ボダイジュ(別名:菩醍樹)」とは、シナノキ科(Tiliaceae)、シナノキ属(Tilia)の植物:ナツボダイジュ(Tilia platyphyllos Scop.)、フユボダイジュ(Tilia cordata Mill.)、セイヨウシナノキ(Tilia europaea L.)又はその他の近縁植物の花、花穂、果皮、果実、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根茎、根皮、根、種子又は全草を用いる。 【0020】 上記発明で使用する「ラカンカ(別名:羅漢果)」とは、ウリ科(Cucurbitaceae)、ツルレイシ属(Momordica)の植物:モモルディカ・グロスベノリィ「Momordica grosvenorii Swingle.(=Siraitia grosvenorii(Swingle) C.Jeffrey)」の花、花穂、果皮、果実、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根茎、根皮、根、種子又は全草を用いる。 【0021】 上記発明で使用するエンメイソウ、オトギリソウ、サルビア、ボダイジュ、ラカンカの抽出物とは、各々の植物体の各種部位(花、花穂、果皮、果実、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根茎、根皮、根、種子又は全草)をそのまま或い粉砕後搾取したもの。又は、そのまま或いは粉砕後、溶媒で抽出したものである。 【0022】 尚、上記の各種植物抽出物の抽出溶媒としては、供する製品の使用目的、種類、或いは後に行う加工処理等を考慮した上で選択すれば良いが、通常では、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等の低級アルコール或いは含水低級アルコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール或いは含水多価アルコール、アセトン、酢酸エチル等の各種有機溶媒の中から選ばれる1種若しくは2種以上の混液を用いるのが望ましい。但し、使用目的により有機溶媒の含有が好ましくない場合においては、水のみを使用したり、或いは抽出後に除去しやすいエタノールを採用し、単独又は水との任意の混液で用いたりすれば良く、又、搾取抽出したものでも良い。更に、各々の溶媒抽出物が組み合わされた状態でも使用できる。 【0023】 又、上記の各種植物を酵素分解による加水分解抽出の他、酸・アルカリによる加水分解を行ったものも使用できる。 【0024】 尚、製造方法は特に制限されるものはないが、通常、常温、常圧下での溶媒の沸点の範囲であれば良く、抽出後は濾過又はイオン交換樹脂を用い、吸着・脱色・精製して溶液状、ペースト状、ゲル状、粉末状とすれば良い。更に多くの場合は、そのままの状態で利用できるが、必要ならば、その効果に影響のない範囲で更に脱臭、脱色等の精製処理を加えても良く、脱臭・脱色等の精製処理手段としては、活性炭カラム等を用いれば良く、抽出物質により一般的に適用される通常の手段を任意に選択して行えば良い。又、抽出後の抽出液に対して、エタノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、フェノキシエタノール等の有機溶媒、又はこれらの任意の混液を添加することもできる。得られた抽出液はそのままでも利用可能であるが、濃縮、乾燥してペースト状、粉末状として利用することもできる 【0025】 上記発明の絹蛋白質、ケラチン蛋白質、コラーゲン蛋白質の各種蛋白質分解物は、そのままストレス抑制剤、化粧料組成物又は飲食品へ含有できるが、その含有量は特に規定されるものではなく、ストレス抑制剤、化粧料組成物又は飲食品の剤型の種類、品質、期待される作用の程度によって若干異なり、通常、0.001質量%以上(以下、%で表わす)好ましくは0.2~20%が良い。又、浴用剤の場合では、200~300Lの浴湯に投じて同程度の濃度になるように処方を考慮すれば良い。 【0026】 又、同様に上記発明のエンメイソウ、オトギリソウ、サルビア、ボダイジュ、ラカンカの各種植物抽出物についても、ストレス抑制剤、化粧料組成物又は飲食品へ含有でき、その含有量としては特に規定するものではなく、ストレス抑制剤、化粧料組成物又は飲食品の剤型の種類、品質、期待される作用の程度によって若干異なり、通常、0.01質量%以上(以下、%で表わす)好ましくは3~50%が良い。又、浴用剤の場合では、200~300Lの浴湯に投じて同程度の濃度になるように処方を考慮すれば良い。 【0027】 又、上記発明のストレス抑制剤、化粧料組成物又は飲食品の剤型・形態は任意であり、カプセル、粉末、顆粒、固形、液体、ゲル、気泡、乳液、クリーム、軟膏、シート等の形態で配合して用いることができる。その利用分野は、例えば、各種の内用・外用製剤類(動物用に使用する製剤も含む)全般において利用でき、具体的には、アンプル、カプセル、丸剤、錠剤、粉末、顆粒、固形、液体、ゲル、気泡、エマルジョン、シート、ミスト、スプレー剤等利用上の適当な形態の1)医薬品類、2)医薬部外品類、3)局所用又は全身用の皮膚用化粧品類(例えば、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、ローション、オイル、パック等の基礎化粧料、洗顔料や皮膚洗浄料、マッサージ用剤、クレンジング用剤、除毛剤、脱毛剤、髭剃り処理料、アフターシェーブローション、プレショーブローション、シェービングクリーム、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ等のメークアップ化粧料、香水類、美爪剤、美爪エナメル、美爪エナメル除去剤、パップ剤、プラスター剤、テープ剤、シート剤、貼付剤、エアゾール剤等)、4)頭皮・頭髪に適用する薬用又は/及び化粧用の製剤類(例えば、シャンプー剤、リンス剤、ヘアートリートメント剤、プレヘアートリートメント剤、パーマネント液、染毛料、整髪料、ヘアートニック剤、育毛・養毛料、パップ剤、プラスター剤、テープ剤、シート剤、貼付剤、エアゾール剤等)、5)浴湯に投じて使用する浴用剤、6)その他、腋臭防止剤や消臭剤、防臭剤、制汗剤、衛生用品、衛生綿類、ウエットティシュ、歯磨き類、口中清涼剤、含嗽剤、7)飲食品類等が挙げられる。 【0028】 更に飲食品類としては、口腔用組成物(ガム、キャンデー等)やかまぼこ、ちくわ等の加工水産ねり製品、ソーセージ、ハム等の畜産製品、洋菓子類、和菓子類、生めん、中華めん、ゆでめん、ソバ等のめん類、ソース、醤油、タレ、砂糖、ハチミツ、粉末あめ、水あめ等の調味料、カレー粉、からし粉、コショウ粉等の香辛料、ジャム、マーマレード、チョコレートスプレッド、漬物、そう菜、ふりかけ、又は各種野菜・果実の缶詰・瓶詰等の加工野菜・果実類、チーズ、バター、ヨーグルト等の乳製品、みそ汁、スープ、果実ジュース、野菜ジュース、乳清飲料、清涼飲料、酒類等の飲料、健康食品等、一般的な飲食品類への使用が挙げられる。 【0029】 尚、上記発明のストレス抑制剤、化粧料組成物又は飲食品は、前記の必須成分に加え必要に応じ、上記発明の効果を損なわない範囲内で、下記に例示する成分や添加剤を任意に選択・併用して製造することができ、製剤中への含有量は、特に規定しないが、通常、0.0001~50%が好ましい。 【0030】 (1)各種油脂類アボガド油、アーモンド油、ウイキョウ油、エゴマ油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラファー油、ゴマ油、カカオ脂、カミツレ油、カロット油、キューカンバー油、牛脂脂肪酸、ククイナッツ油、サフラワー油、シア脂、液状シア脂、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ヒマシ油、綿実油、落花生油、タートル油、ミンク油、卵黄油、パーム油、パーム核油、モクロウ、ヤシ油、牛脂、豚脂、スクワレン、スクワラン、プリスタン又はこれら油脂類の水素添加物(硬化油等)等。(2)ロウ類ミツロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カンデリラロウ、モンタンロウ、セラックロウ、ライスワックス等。(3)鉱物油流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オゾケライド、セレシン、マイクロクリスタンワックス等。(4)脂肪酸類ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール油、ラノリン脂肪酸等の天然脂肪酸、イソノナン酸、カプロン酸、2-エチルブタン酸、イソペンタン酸、2-メチルペンタン酸、2-エチルヘキサン酸、イソペンタン酸等の合成脂肪酸。(5)アルコール類エタノール、イソピロパノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、フェノキシエタノール等の天然アルコール、2-ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール等の合成アルコール。(6)多価アルコール類酸化エチレン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、酸化プロピレン、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリトリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、ガラクチトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、マルチトール等。(7)エステル類ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、酢酸ラノリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール等。(8)金属セッケン類ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等。(9)ガム質、糖類又は水溶性高分子化合物アラビアゴム、ベンゾインゴム、ダンマルゴム、グアヤク脂、アイルランド苔、カラヤゴム、トラガントゴム、キャロブゴム、クインシード、寒天、カゼイン、乳糖、果糖、ショ糖又はそのエステル、トレハロース又はその誘導体、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、カラギーナン、カルボキシメチルキチン又はキトサン、エチレンオキサイド等のアルキレン(C2~C4)オキサイドが付加されたヒドロキシアルキル(C2~C4)キチン又はキトサン、低分子キチン又はキトサン、キトサン塩、硫酸化キチン又はキトサン、リン酸化キチン又はキトサン、アルギン酸又はその塩、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸又はその塩、ヘパリン、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド又はその架橋重合物、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン等。(10)界面活性剤アニオン界面活性剤(アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩)、カチオン界面活性剤(アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩)、両性界面活性剤:カルボン酸型両性界面活性剤(アミノ型、ベタイン型)、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤、非イオン界面活性剤(エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤)、その他の界面活性剤(天然界面活性剤、タンパク質加水分解物の誘導体、高分子界面活性剤、チタン・ケイ素を含む界面活性剤、フッ化炭素系界面活性剤)等。(11)各種ビタミン類ビタミンA群:レチノール、レチナール(ビタミンA1)、デヒドロレチナール(ビタミンA2)、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、ビタミンB群:チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、ビタミンC群:ビタミンC酸又はその誘導体、ビタミンD群:エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、ジヒドロタキステロール、ビタミンE群:ビタミンE又はその誘導体、ユビキノン類、ビタミンK群:フィトナジオン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)、メナジオン(ビタミンK3)、メナジオール(ビタミンK4)、その他、必須脂肪酸(ビタミンF)、カルニチン、フェルラ酸、γ-オリザノール、オロット酸、ビタミンP類(ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン)、ビタミンU等。 (12)各種アミノ酸類バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン等や、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、或いはピロリドンカルボン酸のごときアミノ酸誘導体等。(13)植物又は動物系原料由来の種々の添加物これらは、添加しようとする製品種別、形態に応じて常法的に行われる加工(例えば、粉砕、製粉、洗浄、加水分解、醗酵、精製、圧搾、抽出、分画、ろ過、乾燥、粉末化、造粒、溶解、滅菌、pH調整、脱臭、脱色等を任意に選択、組合わせた処理)を行い、各種の素材から任意に選択して供すれば良い。 【0031】 尚、抽出に用いる溶媒については、供する製品の使用目的、種類、或いは後に行う加工処理等を考慮した上で選択すれば良いが、通常では、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等の低級アルコール或いは含水低級アルコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール或いは含水多価アルコール、アセトン、酢酸エチル等の各種有機溶媒の中から選ばれる1種若しくは2種以上の混液を用いるのが望ましい。但し、用途により有機溶媒の含有が好ましくない場合においては、水のみを使用したり、あるいは抽出後に除去しやすいエタノールを採用し、単独又は水との任意の混液で用いたりすれば良く、又、搾取抽出したものでも良い。 【0032】 尚、植物又は動物系原料由来の添加物を、全身用又は局所用の外用剤、化粧品類に供する場合、皮膚や頭髪の保護をはじめ、保湿、感触・風合いの改善、柔軟性の付与、刺激の緩和、芳香によるストレスの緩和、細胞賦活(細胞老化防止)、炎症の抑制、肌質・髪質の改善、肌荒れ防止及びその改善、発毛、育毛、脱毛防止、光沢の付与、清浄効果、疲労の緩和、血流促進、温浴効果等の美容的効果のほか、香付け、消臭、増粘、防腐、緩衝等の効果も期待できる。 【0033】 又、飲食品においては、栄養補給、疲労回復、強壮、細胞賦活(細胞老化防止)等の健身並びに美容的効果をはじめ、味覚の改善、色調や芳香、光沢の付与、安定化、増粘、防腐等の目的で使用することができる。更にこの他にも、これまでに知られている各原料素材の様々な美容的、薬剤的効果を期待し、これらを組合わせることによって目的とする効果の増進を図ったり、或いは多機能的な効果を期待した製品とすることも可能である。 【0034】 原料とする具体的な植物(生薬)としては、例えば、アーモンド(へん桃)、アイ(藍葉)、アオカズラ(清風藤)、アオキ(青木)、アオギリ又はケナシアオギリ(梧桐)、アオツヅラフジ(木防巳)、アオテンマ、アカシア、アカショウマ(赤升麻)、アカスグリ「果実」、アカツメクサ、アカブドウ、アカミノキ(ログウッド)、アカメガシワ(赤芽柏)、アカミノアカネ又はセイヨウアカネ又はアカネ(茜草根)、アカヤジオウ又はジオウ(地黄)、アギ(阿魏)、アキカラマツ、アキニレ(榔楡皮)、アグアイー・グァスー、アグアヘ(オオミテングヤシ)、アケビ(木通)、アサ(麻子仁)、マルバアサガオ又はアサガオ(牽牛子)、アジサイ(紫陽花)、アシタバ(明日葉)、アズキ(赤小豆)、アスナロ、アセロラ、アセンヤク(阿仙薬)、アチラ(ショクヨウカンナ)、アニス、アビウ、アビウラーナ、アブラナ、アベマキ「果実」、アボカド、アマ、アマチャ(甘茶)、アマチャヅル、アマドコロ(玉竹)、アマナ(光慈姑)、アマランサス(ヒユ、ハゲイトウ、ヒモゲイトウ、センニンコク、スギモリゲイトウ、ホソアオゲイトウ、アオゲイトウ、ハリビユ、アオスズラン、アマラントウス・ヒポコンドリアクス)、アミガサユリ又はバイモ(貝母)、アリストロメリア(ユリズイセン)、アルカナ(アルカンナ)、アルガローボ(キャベ)、アルテア、アルニカ、アルピニア又はカツマダイ(ソウズク)、アロエ(蘆薈)、アロエベラ、アンジェリカ、アンズ又はホンアンズ(杏仁)、アンソッコウ(安息香)、イエローサポテ、イガコウゾリナ(地胆頭)、イカリソウ又はヤチマタイカリソウ(インヨウカク)、イグサ(灯心草)、イタドリ(虎杖根)、イチイ(一位)、イチゴ、イチジク(無花果「果実、葉」)、イチハツ(一初)、イチビ(冬葵子)、イチヤクソウ(一薬草)、イチョウ(銀杏「種子、葉」)、イトヒメハギ(遠志)、イナゴマメ、イヌナズナ(テイレキシ)、イヌビユ(ホナガイヌビユ)、イネ「種子、種皮」、イノンド「種子」、イブキジャコウソウ、イラクサ、イランイラン、イワタバコ(岩萵苣)、イワヒバ又はイワマツ(巻柏)、インゲンマメ、ウーロン茶、ウイキョウ(茴香)、ウィート(チブサノキ)、ウキヤガラ(三稜)、ウグイスカグラ「果実」、ヒメウイキョウ、ウコン(鬱金)、ウキクサ(浮萍)、ウスバサイシン又はケイリンサイシン又はオウシュウサイシン(細辛)、ウスベニアオイ、ウスベニタチアオイ、ウチョウラン、ウツボグサ(夏枯草)、ウド又はシシウド(羌活、独活、唐独活)、ウニャデガト(ウンカリア、キャッツクロー)、ウバ茶、ウメ(烏梅「種子、果肉」)、ウラジロガシ、ウワウルシ(クサコケモモ)、ウンシュウミカン(陳皮)、ウンボク、エストラゴン、エゾウコギ(蝦夷五加)、エゾスズラン、エチナシ(ホソバムラサキバレンギク)、エニシダ、エノキタケ(榎茸)、エビスグサ又はカッシア・トーラ(決明子)、エルカンプレ、エルダーベリー「果実」、エレミ、エリンギィ又はプレロータスエリンジ、エンジュ(槐花、槐花米)、エンドウ、オウギ又はキバナオウギ(黄耆)、ナルコユリ又はカギクルマバナルコユリ(黄精)、オウヒササノユキ又はササノユキ、オウレン(黄連)、オオガタホウケン、オオカラスウリ(カロコン)、オオグルマ(土木香)、オオツヅラフジ(防己)、オオバコ(車前子、車前草)、オオバナアザミ(祁州漏芦、白頭翁)、オオハシバミ(榛子)、オオハシラサボテン、オオバナオケラ又はオケラ(白朮)、オオバナサルスベリ(バナバ)、オオバヤシャブシ「果実」、オオホシグサ(穀精草)、オオミアカテツ、オオミサンザシ又はサンザシ(山査子)、オオミヤシ、オオムギ(大麦)、オカ、オカゼリ(蛇床子)、オクラ「果実」、オグルマ(旋覆)、オクルリヒゴタイ(禹州漏芦、藍刺頭)、オタネニンジン又はトチバニンジン (人参)、オドリコソウ(続断)、オナモミ(蒼耳子)、オニグルミ、オニドコロ又はトコロ又はナガドコロ(ヒカイ)、オニノヤガラ(天麻)、オニユリ又はササユリ又はハカタユリ(百合)、オノエラン、オノニス、オヒョウ(裂葉楡)、オミナエシ(敗醤)、オユーコ、オランダカラシ(クレソン)、オランダゼリ、オランダビユ、オランダミツバ、オリーブ「果実、種子、葉」、オレガノ、オレンジ「果実、果皮」、カイケイジオウ(熟地黄)、カカオ「果実、果皮、種子」、カキ(柿蒂「葉」)、カギカズラ(釣藤鈎)、カキドオシ又はカントリソウ(蓮銭草)、カキラン、ガクアジサイ、カシア、カジノキ(楮実「果実」)、ガジュツ(莪朮)、カシワ(槲樹、槲葉)、カスカリラ、カスカラサグラダ、カスミソウ、カセンソウ、カニクサ(金沙藤)、カニーワ、カーネーション、カノコソウ(吉草根)、カバ、カバノキ又はシダレカンバ(白樺)、ガーベラ、カボチャ、カポックノキ「種子」、カホクサンショウ(蜀椒)、ガマ(蒲黄)、カミツレ又はローマカミツレ、カミヤツデ(通草)、カムカム(カモカモ)、カラー、カラクサケマン、カラスウリ又はシナカラスウリ(王瓜)、カラスビシャク(半夏)、カラスムギ、ガラナ「種子」、カラホオ(厚朴)、カラヤ、ガリュウ、カリン(木瓜)、ガルシニア、カワミドリ、カワラサイコ(委陵菜、翻白草)、カワヂシャ、カワラタケ、カワラナデシコ(石竹)又はエゾカワラナデシコ(瞿麦、瞿麦子)、カワラニンジン(青蒿)、カワラヨモギ(茵チン蒿)、カンスイ(甘遂)、カンゾウ(甘草)、カンタラアサ、カンデリラ、カントウ、カンナ、カンラン、キイチゴ(エゾイチゴ、オランダイチゴ、エビガライチゴ、ナワシロイチゴ、モミジイチゴ、ヨーロッパキイチゴ)、キウイ「果実、葉」、キカラスウリ(瓜呂根)、キキョウ(桔梗、桔梗根)、キク(菊花、シマカンギク、チョウセンノギク)、キクタニギク、キササゲ(梓実)、ギシギシ(羊蹄根)、キジツ(枳実)、キズタ、キダチアロエ、キダチハッカ、キナ、キナノキ(シンコーナ、アカキナノキ)、キヌア(キノア)、キハダ(黄柏)、キマメ、ギムネマ・シルベスタ、キメンカク、キャベツ、キャベブ「未熟果」、キャラウェー、キュウリ、ギョリュウ(西河柳、てい柳)、キラジャ・サポナリア、キラヤ、キランソウ(金瘡小草)、キンカン「果実」、キンキジュ、ギンセカイ、キンブセン、キンマ、キンミズヒキ(仙鶴草)、キンラン、ギンラン、キンリョウヘン、グァペーバ・ヴェルメーリャ、グアバ「果実」、グアユーレ、クェルクス・インフェクトリア(没食子)、ククイナッツ、クゲヌマラン、クコ(枸杞、枸杞子、枸杞葉、地骨皮)、クサスギカズラ(天門冬)、クズ(葛根)、クスノキ、グースベリー「果実」、クソニンジン(黄花蒿)、クティティリバー、クチナシ(山梔子)、クヌギ(樸ソウ)、クプアス、クベバ、クマザサ、クマツヅラ(馬鞭草)、クララ(苦参)、クランベリー「果実」、クリ「種子、果実、渋皮」、クルクリゴ・ラチフォリア「果実」、グレープフルーツ「果実・葉」、クロウメモドキ、クロガネモチ(救必応)、クローブ(丁子、丁香)、グンバイナズナ(セキメイ、セキメイシ)、ケイガイ(荊芥、荊芥穂)、ケイトウ(鶏冠花、鶏冠子)、ゲッカビジン、ゲッケイジュ(月桂樹)、ケナシサルトリイバラ(土茯苓、山帰来)、ゲンチアナ、ゲンノショウコ(老鸛草)、ケンポナシ(キグシ)、コウキセッコク、キシュウミカン(コウジ、タチバナ、オオベニミカン、フクレミカン、サガミコウジ、ポンカン、サンタラ(橘皮))、コウシンバラ(月季花)、コウスイハッカ、コウゾ「果実」、コウチャ(紅茶)、コウホネ(川骨)、コウホン(藁本、唐藁本)、コウリャン、コウリョウキョウ(高良姜)、コエンドロ「果実」、コオウレン(胡黄連)、コガネバナ(黄ゴン)、コケモモ(越橘)、ココヤシ「果実」、ゴシュユ(呉茱萸)、ゴショイチゴ(覆盆子)、コショウ(胡椒)、コスモス、コパイババルサム、コーヒー「種子、葉」、コブシ又はモクレン(辛夷)、ゴボウ(牛蒡、牛蒡子)、コボタンヅル、ゴマ(胡麻)、ゴマノハグサ(玄参)、ゴミシ(五味子)、サネカズラ又はビナンカズラ又はマツブサ、コムギ(小麦)、米又は米糠「赤糠、白糠」、コメ油、コーラ・アクミナタ「種子」、コーラ・ベラ「種子」、コロニーリャ、コロハ「果実」、コロンボ、コンズランゴ、コンブ、コンニャク、コンフリー(鰭張草)、サイザル(サイザルアサ)、サイハイラン、サカネラン(エゾサカネラン)、サキシマボタンヅル又はシナボタンヅル又はシナセンニンソウ(威霊仙)、サクラ(オオシマザクラ、ヤマザクラ、オオヤマザクラ、エドヒガシ、マメザクラ、ミヤマザクラ、ソメイヨシノ、タカネザクラ、カスミザクラ、コヒガン、サトザクラ、カンザクラ「葉、花、果実、樹皮(桜皮)」)、サクランボ、ザクロ、ササ、ササバギンラン、サザンカ、サジオモダカ(沢瀉)、サツマイモ、サトウキビ、サトウダイコン、サネブトナツメ(酸棗仁)、サフラン(番紅花、西紅花)、サポジラ、サポテアマリヨ、ザボン「果実」、サボンソウ、サーモンベリー「果実」、サラシナショウマ(升麻)、サランシトウ(砂藍刺頭)、サワギキョウ(山梗菜)、サワグルミ(山胡桃)、サンカクサボテン、サングレデグラード(クロトン)、サンシクヨウソウ、サンシチニンジン(三七人参)、サンシュユ(山茱萸)、サンショウ(山椒)、サンズコン(山豆根)、シア(カリテ)、シアノキ「果実」、シイタケ(椎茸)、シオン(紫苑)、シカクマメ、ジキタリス、シクンシ(使君子)、シソ又はアオジソ又はチリメンジソ又はカタメンジソ(紫蘇葉、紫蘇子)、シタン、シナホオノキ、シナレンギョウ(連翹)、シメジ(ヒンシメジ、シャカシメジ、ハタケシメジ、オシロイシメジ、ブナシメジ、ホンジメシ、シロタモギタケ)、シモクレン(辛夷)、シモツケソウ、ジャガイモ、シャクヤク(芍薬)、シャジン(沙参)、ジャスミン(マツリカ)、ジャノヒゲ(麦門冬)、ジュウロクササゲ、シュクコンカスミソウ、シュクシャミツ(砂仁、縮砂)、ジュズダマ、シュロ「果実」、シュンラン、ジョウオウヤシ、ショウガ(生姜)、ジョウザンアジサイ(常山)、ショウブ(菖蒲、菖蒲根)、ショズク「果実」、シラカシ「種子」、シラン(ビャッキュウ)、シロゴチョウ「種子」、シロツメクサ(クローバー)、シロトウアズキ(鶏骨草)、シロバナイリス(ニオイイリス)、シロバナツタ「花」、シロバナルーピン、シロミナンテン(南天実)、シンコナサクシルブラ、ジンチョウゲ(瑞香、瑞香花、沈丁花)、シンナモン、シンナモムム・カッシア(桂皮)、スイカ(西瓜)、スイカズラ(金銀花、忍冬)、スイバ(酸模)、スイムベリー「果実」、スターアップル、ステビア、ストロベリー「果実」、スズサイコ(徐長卿)、スギナ(問荊)、スベリヒユ(馬歯けん、馬歯けん子)、スモモ「果実」、スルガラン(オラン)、セイヨウアカマツ「球果」、セイヨウカラマツ、セイヨウキズタ、セイヨウグルミ、セイヨウサンザシ、セイヨウスノキ、セイヨウタンポポ、セイヨウトチノキ(マロニエ)、セイヨウナシ「果実」、セイヨウナツユキソウ、セイヨウニワトコ(エルダー)、セイヨウネズ(ジュニパー、杜松)、セイヨウノコギリソウ(ミルフォイル)、セイヨウバラ、セイヨウフウチョウボク、セイヨウヤドリギ、セイヨウハッカ又はセイヨウヤマハッカ、セイヨウワサビ、セキショウ(石菖根)、セッコク(サクラセッコク、コウキセッコク、オオバナセッコク、オキナワセッコク、ホンセッコク、コチョウセッコク、シカクセッコク、キバナノセッコク)(デンドロビウム、石斛)、セドロン(ボウシュウボク)、ゼニアオイ、ヒロハセネガ、セネガ、セリ、セロリ、センキュウ(川キュウ)、センシンレン(穿心連)、センダン、センニンサボテン、センナ「果実、葉」、センニンソウ(大蓼)、センブリ(当薬)、センボク、ソウカ(草果)、ゾウゲチュウ、ソシンロウバイ、ソバ「種実」、ソメモノイモ、ソラマメ、ダイオウ(大黄)、大根、大豆、ダイダイ(橙皮、枳実)、タカサゴルリヒゴタイ(東南藍刺頭)、タカサブロウ(旱蓮草)、タカトウダイ(大戟)、タカワラビ(狗脊)、ダークスィートチェリー「果実」、タチアオイ、タチジャコウソウ(タイム、百里香)、タチドコロ(ヒカイ)、タチヤナギ、タマリンド「種子」、タマネギ、タムシバ(辛夷)、タラノキ「果実、葉、根皮」、タラヨウ(大葉冬青、一葉茶、苦丁茶、苦灯茶)、ダリア(テンジクボタン)、タルウィ、タンキリマメ、タンシウチワ、タンジン(丹参)、タンポポ(蒲公英)又はシロバナタンポポ又はモウコタンポポ、ダンマル、チェリー「果実」、チガヤ「果実、根、芽」、チクセツニンジン(竹節人参)、チコリ、チャンカピエドラ(キダチコミカンソウ)、チューリップ、チョコノステイ、チョウセンアザミ(アーティチョーク)、チョウセンダイオウ(大黄)、チョウセンニレ(蕪夷)、チョウセ ンヨモギ(艾葉)、チョレイマイタケ(猪苓)、チョロギ、ツキミソウ、ツクシサカネラン、ツクリタケ(マッシュルーム)、ツチアケビ、ツバキ、ツボクサ、ツメクサ(漆姑草)、ツユクサ(鴨跖草)、ツルアズキ(赤小豆)、ツルツチアケビ、ツルドクダミ(何首烏)、ツルナ(蕃杏)、ツルニンジン(四葉参)、ツルマメ、ツワブキ、デイコ、テウチグルミ、デュベリー「果実」、テングサ、テンチャ(甜茶)、テンダイウヤク(烏薬)、トウガ(冬瓜子)、トウカギカズラ、トウガラシ(番椒)、トウキ(当帰)、トウキンセンカ(マリーゴールド)、トウサイカチ、トウナベナ(川断)、トウモロコシ又はトウモロコシ毛(南蛮毛)、トウネズミモチ(女貞子)、トウリンドウ又はチョウセンリンドウ(竜胆)、トクサ(木賊)、ドクダミ(十薬)、トコン(吐根)、トシシ又はマメダオシ又はネナシカズラ、トチュウ(杜仲「樹皮、葉、根」)、トネリコ(秦皮)、トマト、トラガント、トリアカンソス「種子」、トルコキキョウ、トルメンチラ、ドロノキ、トロロアオイ、トンカマメ、ナイゼリアベリー「果実」、ナガイモ又はヤマノイモ(山薬)、ナギイカダ(ブッチャーブルーム)、ナギナタコウジュ、ナズナ、ナタネ、ナタマメ又はタテハキ(刀豆)、ナツミカン、ナツメ(大棗)、ナニワイバラ(金桜子)、ナベナ(続断)、ナメコ、ナンキンマメ(落花生)、ナンテン(南天実)、ナンバンカラムシ(苧麻)、ニオイスミレ、ニガキ(苦木)、ニガヨモギ(苦艾)、ニクズク、ケイ又はニッケイ又はセイロンニッケイ又はヤブニッケイ(桂皮)又はケイシ(桂枝)、ニョホウチドリ、ニラ(韮子)、ニワトコ(接骨木「果実、花、茎、葉」)、ニンニク(大蒜)、ヌルデ(五倍子)、ネギ、ネムノキ又はネブ又はネビ又はネムリノキ又はジゴクバナ(合歓)、ノアザミ(大薊)、ノイバラ(営実)、ノウゼンカズラ(凌霄花)、ノゲイトウ、ノコギリソウ、ノダケ(前胡)、ノバラ、ノモモ、パイナップル「果実」、ハイビスカス(ブッソウゲ、フウリンブッソウゲ、ローゼル)、ハイリンドウ、ハウチワ、パウ・ドーセ、ハカマウラボシ(骨砕補)、ハクカユマトウ、ハクサンチドリ、ハクセン(白癬皮)、ハクルベリー「果実」、ハコベ(繁縷)、ハシバミ(榛子)、ハシリドコロ(ロート根)、バジル、ハス(蓮、蓮肉、蓮子)、パセリ(オランダゼリ)、ハダカムギ、バタタ、ハチク又はマダケ(竹茹)、パチョリー、ハッカ(薄荷、薄荷葉)、ハッショウマメ、ハトムギ(ヨクイニン)、ハナスゲ(知母)、バナナ、ハナハッカ、ハナビシ(シツリシ、シシツリ)、バニラビンズ、パパイヤ、ハハコグサ(鼠麹草)、パハロボボ、ハブ「全草、茎、葉」、パプリカ、ハマカキラン、ハマゴウ又はミツバハマゴウ(蔓荊子)、ハマスゲ(香附子)、ハマビシ(シツ莉子)、ハマナス(マイカイ花)、ハマボウフウ(浜防風)、ハマメリス、パーム、バラ(薔薇)、バラータ、バラタゴムノキ、ハラタケ(ハラタケ、シロオオハラタケ、ウスキモリノカサ)、ハラン、パリウルス(セイヨウハマナツメ)、パリエタリア、ハルカンラン、バルサミーナ(ツルレイシ、ニガウリ)、ハルニレ(楡皮、楡白皮、楡葉)、バルバスコ、ハルリンドウ、ハンダイカイ(胖大海)、パンノキ、ヒオウギ(射干)、ヒカゲツルニンジン(党参)、ピーカンナッツ、ヒガンバナ(石蒜、蔓珠沙華)、ヒグルマダリア、ヒゴタイ、ヒシ(菱実)、ピスタチオ、ビート、ヒトツバ(石葦)、ヒトツバエニシダ、ヒナギク(デージー)、ヒナタイノコズチ(牛膝)、ヒナチヨドリ、ヒノキ、ヒバ、ヒマシ、ヒマワリ、ピーマン、ヒメウズ(天葵)、ヒメガマ(香蒲)、ヒメマツタケ(カワリハラタケ、ヒロマツタケ)、ヒメムヨウラン、ピメンタ「果実」、ビャクシ、ビャッキュウ、ヒユ「果実」、ヒヨコマメ、ヒラマメ、ビロウドアオイ、ヒロハオキナグサ(白頭翁)、ビワ「果実、葉、茎」、ビンロウ(大服皮、檳榔子)、プーアル茶(普?茶)、フウトウカズラ(南籐)、フキ、フキタンポポ(款冬花、款冬葉)、フジバカマ(蘭草)、フジマメ(扁豆)、フジモドキ(チョウジザクラ、芫花)、ブドウ「果実、果皮、種子、葉」、ブナ、フユムシナツクサタケ(冬虫夏草)、ブラジルカンゾウ、ブラジルニンジン、ブラジルヤシ、ブラジルゾウゲヤシ、ブラックカーラント「果実」、ブラックベリー、ブラーニェン、プラム「果実」、フルセラリア、ブルーベリー(セイヨウヒメスノキ)、プルーン、フローラルブランカ、ブロンドサイリウム、ブンドウ(緑豆)、ヘーゼルナッツ、ヘチマ、ヘツカラン、ベニバナ(紅花)、ヘネケン、ベラドンナ、ベリー「果実」、ペルセア、ペルビアンバーグ、ペレスキア・グランディフォリア、ベンケイソウ又はイキクサ(景天)、ボイセンベリー「果実」、ホウキギ又はニワクサ又はネンドウ又はハハキギ・コキア(地膚子)、ホウサイラン、ホウセンカ(鳳仙、急性子、透骨草)、ポウテリア・サポタ、ポウテリア・ルクマ、ホウノキ、ボウフウ(防風)、ホウレンソウ、ホオズキ(登呂根)、ホオノキ(和厚朴、朴)、ボケ(木瓜)、ホソバアブラギク(苦ヨク)、ホソバオグルマ、ホソバナオケラ(蒼朮)、ホソバノキリンソウ(景天三七)、ホソババレンギク、ボタン(牡丹「花、葉、茎、樹皮」)、ボタンピ(牡丹皮)、ホップ、ホホバ、ボリジ(ルリチシャ)、ボルドー、ホワートルベリー「果実」、ホンオニク(肉じゅ蓉、大芸)、ホンセッコク(鉄皮石斛、雀山石斛)、マイズルテンナンショウ(天南星)、マイタケ(舞茸)、マオウ(麻黄)、マカ、マカデミアナッツ、マーガレット(モクシュンギク)、マクリ(海人草)、マグワ(桑白皮「樹皮、葉」)、マグノリア・スプレンゲリ、マサランヅーバ、マサランズーバ・ド・セアラー、マシェイラ・デ・ボイ、マシュア(タマノウゼンハレン、キュウコンキンレンカ)、マタタビ(木天蓼)、マツカサ、松「葉、樹皮、根」、マッタ・オーリョ、マツホド(茯苓)、マティコ(コルドンシージョ)、マヨラム(ハナハッカ)、マルバノジャジン(苦参)、マルベリー「果実」、マルメロ、マレイン(ビロウドモウズイカ)、マンゴー、マンゴスチン、マンサーニャ(アンデスカミツレ)、マンシュウグルミ、マンダリン「果実」、マンネンタケ(霊芝)、キジツ(枳実「果実」)、ミシマサイコ(柴胡)、ミズオオバコ又はミズアサガオ(竜舌草)、ミゾカクシ(半辺蓮)、ミソハギ(千屈菜)、ミチヤナギ又はニワヤナギ(篇蓄)、ミツガシワ、ミツバ、ミドリサポテ、ミドリハッカ、ミモザ、ミョウガ、ミラクルフルーツ「果実」、ミルラ、ミロバラン、ムギワラギク、ムクゲ(木槿)、ムクノキ、ムクロジ(延命皮)、ムニャ、ムラサキ(紫根)、ムラサキシキブ又はオオムラサキシキブ(紫珠)、ムラサキトウモロコシ、ムラサキナツフジ(昆明鶏血藤)、メガカンサ・オプンティカ、メハジキ(益母草)、メボウギ、メラロイカ、メリッサ、メリロート、メロン「果実」、モウコヨモギ、モウソウチク、モクキリン、モジェ(コショウボク)、モチノキ、モッコウ(木香)、モミジバダイオウ、モモ(桃「葉、種子、花、果実」)、モヤシ、モレロチェリー「果実」、モロヘイヤ(黄麻)、ヤカワムラサキイモ、ヤクチ(益智)、ヤグルマソウ(ヤグルマギク)、ヤグルマハッカ、ヤーコン、ヤシャブシ(矢車)又はヒメヤシャブシ又はオオバヤシャブシ「果実、果皮、果穂」、ヤチヤナギ、ヤツデ(八角金盤)、ヤドリギ(柳寄生)、ヤナギ(カワヤナギ、タチヤナギ、シダレヤナギ、アカメヤナギ、ネコヤナギ、イヌコリヤナギ、キヌヤナギ、コリヤナギ、ウンリュウヤナギ、ミヤマヤナギ、ヤシ、ヤマヤナギ、オオバヤナギ、タイリクキヌヤナギ、キツネヤナギ、ドロノキ)、ヤナギタデ「葉、茎」、ヤブガラシ、ヤブコウジ(紫金牛)、ヤブタバコ(鶴虱、天名精)、ヤマゴボウ(商陸)、ヤマハンノキ(山榛)、ヤマモモ(楊梅皮)、ヤマヨモギ、 ユーカリ、ユキノシタ(虎耳草)、ユッカ又はフレビフォリア、ユズ「果実」、ユリ、ヨロイグサ、ヨモギ(艾葉)、ライガン(雷丸)、ライム「果実」、ライムギ、ラズベリー「葉、果実」、ラタニア(クラメリア)、ラッキョウ又はエシャロット(薤白)、ラベンダー、リュウガン(竜眼肉)、リュウゼツラン(アオノリュウゼツラン、フクリンリュウゼツラン)、リョクチャ(緑茶)、リンゴ「果実、種子、葉、根」、リンドウ、ルバス又はスアビシムス(甜涼)、ルリタマアザミ(ウラジロヒゴタイ、新彊藍刺頭)、レイシ(茘枝、茘枝核)、レタス(チシャ)、レッドカーラント「果実」、レッドピタヤ、レモン「果実」、レモングラス、レンギョウ又はシナレンギョウ(連翹)、レンゲソウ、ロウバイ(蝋梅)、ロウヤシ、ロコン(ヨシ、蘆根)、ローガンベリー「果実」、ローズマリー(マンネンロウ)、ローズヒップ(ノバラ)、ワサビ、ワタフジウツギ(密蒙花)、ワレモコウ(地楡)等が挙げられる海藻類としては、海藻[緑藻類:クロレラ・ブルガリス、クロレラ・ピレノイドサ、クロレラ・エリプソイデイア、アオノリ(ウスバアオノリ、スジアオノリ、ヒラアオノリ、ボウアオノリ、ホソエダアオノリ)、アナアオサ(アオサ)]、海藻[褐藻類:コンブ(マコンブ、リシリコンブ、ホソメコンブ、ミツイシコンブ)、ワカメ、ヒロメ、アオワカメ、ジャイアントケルプ(マクロシスティス・ピリフェラ、マクロシスティス・インテグリフォリア、ネオシティス・ルエトケアーナ)、ヒジキ、ヒバマタ、ウミウチワ、ウスバウミウチワ、キレバノウミウチワ、アカバウミウチワ、コナウミウチワ、オキナウチワ、ウスユキウチワ、エツキウミウチワ]、海藻[紅藻類:ヒジリメン、マクサ(テングサ)、ヒラクサ、オニクサ、オバクサ、カタオバクサ、ヤタベグサ、ユイキリ、シマテングサ、トサカノリ、トゲキリンサイ、アマクサキリンサイ、キリンサイ、ビャクシンキリンサイ、ツノマタ、オオバツノマタ、トチャカ(ヤハズツノマタ)、エゾツノマタ、トゲツノマタ、ヒラコトジ、コトジツノマタ、イボツノマタ、マルバツノマタ、ヒラコトジ、スギノリ、シキンノリ、カイノリ、ヤレウスバノリ、カギウスバノリ、スジウスバノリ、ハイウスバノリ、アカモミジノリ]等が代表的なものとして挙げられる。又、その他の藻類、例えば、緑藻類(クラミドモナス属:クラミドモナス、アカユキモ、ドゥナリエラ属:ドゥナリエラ、クロロコッカス属:クロロコッカス、クワノミモ属:クワノミモ、ボルボックス属:オオヒゲマワリ、ボルボックス、パルメラ属、ヨツメモ属、アオミドロ属:ヒザオリ、アオミドロ、ツルギミドロ属、ヒビミドロ属:ヒビミドロ、アオサ属:アナアオサ、アミアオサ、ナガアオサ、カワノリ属:カワノリ、フリッチエラ属、シオグサ属:オオシオグサ、アサミドリシオグサ、カワシオグサ、マリモ、バロニア属:タマゴバロニア、タマバロニア、マガタマモ属:マガタマモ、イワヅタ属:フサイワヅタ、スリコギヅタ、ヘライワヅタ、クロキヅタ、ハネモ属、ミル属:ミル、クロミル、サキブチミル、ナガミル、ヒラミル、カサノリ属:カサノリ、ジュズモ属:フトジュズモ、タマジュズモ、ミゾジュズモ、ミカヅキモ属、コレカエテ属、ツヅミモ属、キッコウグサ属:キッコウグサ、ヒトエグサ属:ヒトエグサ、ヒロハノヒトエグサ、ウスヒトエグサ、モツキヒトエ、サヤミドロ属、クンショウモ属、スミレモ属:スミレモ、ホシミドロ属、フシナシミドロ属等)。藍藻類(スイゼンジノリ属:スイゼンジノリ、アオコ属、ネンジュモ属:カワタケ、イシクラゲ、ハッサイ、ユレモ属、ラセンモ(スピルリナ)属:スピルリナ、トリコデスミウム(アイアカシオ)属等)。褐藻類(ピラエラ属:ピラエラ、シオ
https://w.atwiki.jp/harukaze_lab/pages/55.html
四日のあやめ 山本周五郎 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 《》:ルビ (例)噂《うわさ》 |:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号 (例)政|逼迫《ひっぱく》 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定 (例)[#6字下げ] ------------------------------------------------------- [#6字下げ]一[#「一」は中見出し] 二月下旬の寒い朝であった。 六七日まえからすっかり春めいて、どこそこでは桜が咲きはじめた、などという噂《うわさ》も聞いたのに、その朝は狂ったように気温がさがり、家の中でも息が白く凍るほどであった。――早朝五時ちょっと過ぎたじぶん、千世《ちせ》が居間で鏡に向っていると、家士の岩間勇作が来て「来客です」と告げた。もちろん戸外は明るくなっているが、まだ客の来る時刻ではなかった。 「深松さまです、裏殿町の深松伴六さまです」と勇作は云った、「たいそうおいそぎのようすで、大事が起こったからすぐおめにかかりたい、玄関で、と申しておられます」 大事という言葉が千世の耳に刺さった。良人《おっと》の五大主税介《ごだいちからのすけ》はまだ寝ていた。 「わたくしがまいります」 千世はこう答え、紙で手早く指を拭きながら立ちかけたが、ふと吃驚《びっくり》したように鏡の面を覗《のぞ》いた。いまそこに人の顔が映ったのである。自分のではない、蒼白《あおじろ》く痩《や》せた老婆の顔のようであった。 ――いつかもこんなことがあった。 覗いた鏡にはむろん自分の顔しか映っていない、千世は胸騒ぎを感じながら立ちあがった。 深松伴六は玄関に立ってふるえていた。彼は七十五石の近習番で、年は二十五歳、良人より三つ若いが、二人は兄弟のように仲がよかった。――伴六はひどく昂奮《こうふん》していた。外が明るいので顔はよくわからないが、握っている両の拳がふるえているし、その声も平生とはまるで違うように聞えた。 「今日は非番なものですから、まだやすんでおりますけれど」 「ではこうお伝え下さい」と伴六は云った、「とうとう徒士《かち》組と衝突しました。場所は籠崎の大洲、時刻は六時です」 千世はくっと喉《のど》が詰った。伴六はなお、自分はこれから土田と唐沢へまわるが、刻限が迫っているからすぐ起こしてくれるようにと云い、門の外へ出ていったと思うと、(そこに繋《つな》いでおいたのだろう)馬に乗って駆け去るのが聞えた。戞々《かつかつ》というその蹄《ひづめ》の音が聞えなくなるまで、千世は動くことができなかった。 ――大変なことだ、大変なことになった。 彼女はふらふらと立ちあがった。 「あの方たちは良人を頼みにしている」と彼女は呟《つぶや》いた、「良人もあの方たちが自分を頼みにしていることをよく知っている、早く起こして知らせなければならない」 彼女は廊下を寝間の前までいったが、そこで急に立停った。何十人という多勢の人たちの、激しく斬りむすんでいる姿がふと眼にうかんだのである。ぎらぎらと閃光《せんこう》をとばす刃や、つんざくような叫喚や、そして、血に染まって倒れる姿までが、……その群の中に良人がいる、五大主税介の蒼白くひきつった顔がこちらへ振返る。いやそれは良人ではない、痩せた皺《しわ》だらけの老婆の顔、いましがた鏡の面に映った(ように思った)あの老婆の顔である。千世は恐怖のあまり吐きけにおそわれ、その吐きけから逃げようとでもするように、寝間へはゆかないで自分の居間へ戻った。 ――あの老婆の顔はなにかの知らせだ、慥《たし》かに、まえにもあんなことがあった。 千世は坐って鏡を見た。白く乾いたような自分の、怯《おび》えて歪《ゆが》んだ顔が映った。血のけのひいた唇が見えるほどふるえている。彼女はその唇を噛《か》んで、それから舌で濡らした。 「いいえ、そうではない」と千世は首を振りながら鏡の中の自分に云った、「決してそうではない、自分も武士の妻だ、良人の危険が怖ろしいのではない、あたしだってそれほどみれんな女ではない、ただ、いますぐに起こしては悪いような気がする、なにか考えなければならない大事なことがあるようだ」 深松伴六の知らせて来たのは重大な事であった。 彼は「とうとう徒士組と衝突した」と云った。それは馬廻りの者と徒士組の者とが決闘するという意味であった。徒士組と馬廻りとのあいだに、数年まえから根強い確執があり、いちどは衝突が避けられないだろうといわれていた。千世はこの五大家へ嫁して来て一年あまりになるが、まだ。実家の江木にいるじぶんからその噂を聞いていた。一方には「そんな事は起こらないだろう」という評もあった。現に実家の兄の江木重三郎もその一人であった。 ――噂がこんなに弘まってしまうと、その噂が中和剤になって、そのこと自体は却《かえ》って起こりにくくなるものだ。 兄はそう云っていた。だが、ついにそれが事実になったのである。良人の五大主税介は隈江流という刀法の達者で、藩の道場「精明館」の師範をしていた。徒士組との決闘になれば、彼は馬廻りの中心となり先鋒《せんぽう》となることは必至である。とすれば、双方で何十人という多勢が斬りむすび、その一方の中心となり先鋒になるとすれば、……千世は身ぶるいをした。 「いいえ、それが怖ろしいのではない」と彼女はふるえながら呟いた、「良人が傷ついたり、もしかすると斬り死にをするかもしれないということは怖ろしい、けれどもそれだけではない、もっと大事なこと、もっと恐れなければならないことがほかにある、慥かにあるような気がする、たとえば、……たとえば、――たとえばその衝突が、私闘だということなど」 千世は吃驚したように鏡の蓋《ふた》をした。 「私闘、――そうだ、そのことだった」 彼女の眼は強い光りを帯びた。顔色はまだ恢復《かいふく》しないが、もう硬ばってもいないし恐怖も去ったようである。 「良人をゆかせてはいけない」と千世は呟いた、「私闘は武士の道に外れたことだ、そういうところへ良人をゆかせるのは、武士の妻のたしなみではない、あたしには良人に道に外れたことをさせることはできない」 千世は立って玄関のほうへいった。そして岩間勇作に、「深松伴六の来たことは黙っているように」と云った。そう云いながら、千世は初めて自分がこの家の主婦になったような、気強さとおちつきを感じた。 ――あたしは法度を犯すことから主人を護った。 そういう自覚が、彼女に力と自信を与えるようであった。千世の顔は明るくなった。 時計が六時を打つとまもなく、主税介が起きた。千世が洗面の支度《したく》をして待っていると、寝衣《ねまき》のまま出て来た良人の躯《からだ》から、濃厚な躰臭の匂うのが感じられた。 「化粧が濃すぎる」と主税介が云った、「もう少し薄く直すほうがいい」 千世は「はい」といって、房楊枝と塩の皿とを良人に渡した。そのときまた良人の躯がつよく匂い、千世は赤くなった。そのむっとするような濃厚な躰臭が彼女のからだにまだなまなまと残っているあけがたの記憶をよびさましたのである。千世は赤くなりながら、さりげないふうに良人を見あげた。 [#6字下げ]二[#「二」は中見出し] 主税介は背丈が五尺九寸、筋肉質の、ひき緊ったみごとな躯である。手足にも胸にも逞《たくま》しく毛が生えているし、髭《ひげ》もずいぶん濃い。一日でも剃刀《かみそり》を当てないと、両頬の上のほうまで黒くなるのであった。 千世は良人から眼をはなすことができなかった。洗面をし、剃刀を使うあいだ、側に付ききりで良人を見ていた。 ――これがあたしの良人だ。 千世は心の中でそう繰り返した。あたしはこの人の妻だ、この人はあたしの良人だ、あたし一人の良人だ、あたしだけの、……彼女はむきになってそう繰り返した。もちろんそれが全部ではない、籠崎大洲のことが絶えず頭にあった。また迎えが来はしないかと恐れ、物音のするたびにぎくりとした。決闘がどうなっているかはもっと気懸りで、また、良人をそこへやらなかったことに安堵《あんど》しながら、同時にそれが悪いことでもしたような心の咎《とが》めを感じた。これらの不安定な苛立《いらだ》たしい思いのなかで、彼女は激しく主税介にひきつけられ、いきなりふるいつきたいという、官能的な衝動を抑えるのに苦しんでいた。 主税介は黙って剃刀を使った。それからまた顔を洗い、着替えをして食膳《しょくぜん》に向った。 彼は口数の少ない男であった。千世と結婚してから幾らか変ったが、それでも口数は少ないほうであった。千世はそういう彼が好きであった。彼は自分に対して厳しく、精神的にも肉躰的にも、常に洗いあげたように清直で凛《りん》としていた。千世は彼の凛としているのが好きであった。彼が背骨をまっすぐにして、折目正しく動作をし、必要なこと以外には口を出さず、感情にむら[#「むら」に傍点]もなく、いつも彼らしい彼でいるのが好きであった。 千世は彼に恋をして結婚した。 五大家は馬廻りの二百二十石。実家の江木は百九十石で、兄の重三郎は納戸役を勤めていた。重三郎は彼より四歳年長であるが、学問所で知りあってから親しくなり、ひところは互いに招いたり招かれたりしたものであった。 ――五大は人物だ、あの若さで立派に風格をそなえている、ああいうのを古武士の風格というのだ。 重三郎がそう云うのを、千世は幾たびとなく聞いた。そしてそのたびに自分が褒められているような嬉しさと、彼への思慕が深く強くなるのを感じた。その想いが恋であることに気づいたのは十五の年で、千世はそれを勇敢に兄へ告白した。――そのとき主税介は城下にいなかった。彼は刀法を修業するために、日向の国の高鍋という処へいっていた。そこに隈江流という珍しい流儀があり、古法だというのを聞いてでかけたのであった。 千世の告白を聞いた重三郎は、笑いながら「そんなことはお母さまか志津に話すものだ」と云った。兄には志津という妻がい、もう二歳になる幾三郎という子もあった。だが千世は母にも嫂《あによめ》にも話す気にはなれなかった。兄ならわかってくれるし、味方になってくれると思った。 ――だがそれは考えものだな。 千世が本気だとわかると、重三郎もまじめになって云った。 ――おまえの性分は五大とは合わない、結婚しても幸福にはなれないと思う。 ――わたくしの望みは幸福ではなく、あの方の妻になることですわ。 千世はこう答えた。 よくも云えたものだ、と、いま彼女は思う。若さと負け嫌いと、そうして相手が兄だったから云えたのだろう、あのとき自分は勝ったのだ。いま彼女は心の中でそう呟きながら、良人の横顔をうっとりと見まもるのであった。 主税介は茶を喫して立つと、居間へいって茣蓙《ござ》をひろげた。それを慥かめてから、千世も朝食の膳に坐った。しかし、召使のお琴の給仕で箸《はし》をとると、胸が重苦しくなり、吐きけがこみあげてくるようで、どうにも喰《た》べ物が喉をとおらなかった。 ――もう時刻は過ぎている、二度めの迎えが来るならとっくに来ている筈だ、もう大丈夫だ。 こう自分に云い聞かせたりしたが、ついに諦《あきら》めて膳を片づけさせた。 主税介は横笛を作っていた。それが彼の唯一つの道楽であった。自分で竹を捜すことから始め、仕上げまですべて自分でやる。竹を捜して歩くのも楽しいらしい、枝付きのものや、桜皮で巻いたものや、生地のままのや、塗ったものなど、すでに十二管ほど作ったという。そのうち五管は人に懇望されて遣り、家にはいま七管だけ残っていた。 彼はいま歌口を刳《えぐ》りながら、頭の中ではべつのことを考えていた。十日のちに猪狩りが行われるが、これは七年ぶりのことで、全藩を挙げての大掛りな計画であった。というのが、藩の財政|逼迫《ひっぱく》で、長いあいだ藩士の禄米《ろくまい》が借上げになっていた。そのため狩りの行事なども延期されて来たのであるが、去年(寛保三年)十一月、藩主の監物忠辰《けんもつただとき》が帰国したとき、この借上げを解除し、全藩士の禄米を旧に復したうえ、倹約と尚武の訓令を出した。――こんどの猪狩りはその「倹約」と「尚武」の主旨で行われるもので、実戦そのままの規模と内容をもっていた。 主税介にはその当日が気懸りであった。 彼は馬廻りで抜刀隊の指揮を命ぜられ、すでに下演習を終っていたが、下演習の期間ちゅう、馬廻りの内部に険悪な空気があり、それが猪狩りの日に暴発する恐れのあるのを感じた。――問題は徒士組との長い確執で、これまでにもしばしば小さい衝突があった。事の起こりは古く、その原因も(いろいろ説はあるが)いまでは正確にはわかっていない。いってみれば漠然とした、だが根深く強い反感である。原因がはっきりしていれば解決の法もあるが、まるで性格の違いからどうしても融和しない個人関係というに似たとの確執は始末に困るものであった。 ――こんなに長いあいだ一般の評判になっているのだから、却って大きな衝突は起こらないだろう。 そう云う人たちもあったが、現に七年ぶりで「猪狩り」が行われると発表され、その下演習が始まるとともに、狩場で、狩場で、――という囁《ささや》きがしきりと耳に入った。それには一つの動機があった。去年の十月はじめ、馬廻りの羽形与茂八と、徒士組の荒木織馬とが喧嘩《けんか》をして、与茂八がしたたかにやられた。当時、岡崎には藩の道場のほかに、通次多仲《みちつぐたちゅう》という者が一刀流を教えていて、徒士組の者は多くその門に学んでいたが、荒木は同門でも指折りの達者であった。馬廻りには「精明館」の門人が多いので、しぜん両者が対立するようなかたちになり、そのときもひと騒動起こりそうになった。 ――狩場で、狩場で。 こういう囁きは、与茂八の件を動機として、長いあいだくすぶっていたものが、堰《せき》を切るところまで来たといえるのである。主税介は下演習の終った日に、最も尖鋭《せんえい》な者たちを集めて戒告した。 ――御狩場は戦場と同様である、殿の御馬前で私怨《しえん》の争いなど起こせば軍律干犯になる、どんなに堪忍ならぬことがあっても、御狩場では断じて事を起こしてはならない。 かれらは了承した。主税介は誓いを求め、かれらはそれを誓った。 [#6字下げ]三[#「三」は中見出し] 狩場で事を起こさないことをかれらが誓ったのは、主税介の戒告に服したのではなく、いざとなれば主税介が共に立って徒士組と対決する人間だということを信じていたからであった。 「持場を変えてもらおう」主税介は手を休めながら呟いた、「徒士組から仕掛けてくるおそれがあるし、気が立っているから万一ということもある、――そうだ、持場を変えてもらうほうが安全だ」 十時ちょっとまわった頃に、矢部六左衛門が訪ねて来た。矢部は二百五十石の山方奉行で、六左衛門は主税介の叔父に当っている。廊下を踏み鳴らすように入って来た六左衛門は、息をきらし、汗をかいていた。 「よかったよかった、よくいてくれた」 五十歳になるこの叔父は、昂奮して咳《せ》きこみながら、殆んど主税介の手を握らんばかりにして、「おれはもうでかけたものだと思って九分どおり諦めて来たんだ、よかったよかった」と繰り返し、客間へ入るなり云った。 「水を一杯もらおう、いそいでくれ」 水を取りにゆきながら、千世も心の中で「よかったよかった」と呟いた。たぶん籠崎大洲の事がわかったのに違いない、もう良人が誘い出されるようなことはないだろう、と思った。 「どうなすったのです、なにごとですか」 「なにごとですって」六左衛門は水を飲み終って云った、「ではなにも知らないんだな、うんそうだろう、知っていればでかけた筈だからな、もう一杯くれ」空になった天目《てんもく》を千世に渡して続けた。「おれは話を聞いてすぐに此処《ここ》へ駆けつけたから、大洲のもようは知らないが、馬廻りと徒士組とが、ついに衝突してえらい騒ぎが起こったのだ」 主税介はあっと口をあけた。 彼はいまのいままでその事を心配していた。狩りの当日には、徒士組から遠い持場に変えてもらい、衝突の危険を避けようと考えていた。それがすでに起こってしまったという、叔父の口ぶりでは小人数ではないらしい、どうするか。主税介は自分を抑え、おちついた眼で叔父を見た。千世が戻って来た。 「それはいつのことですか」 「早朝のことらしい、有難う」六左衛門は千世から天目を受取りながら云った、「詳しくは知らない、大目付に知らせる者があって、それは一刻ほどまえのことだというが」 「まだやっているのですか」 「いや」と六左衛門は水を飲んだ、さも美味《うま》そうに喉を鳴らして飲んで、それから云った、「籠崎大洲でしかじかと注進する者があって、大目付が人数を繰り出し、二の丸から高楷殿も出張されて、どうやらとり鎮めたということだ」 主税介は立とうとした。その中には自分が教えている門人や、親しくしている者が少なくない。とにかくいってみなければならぬ、と思ったのであるが、そのとき城中から、使番が馬で触書《ふれがき》を示しに来た。 「城下に争闘をする者があったがすでにおさまった。非番の者、またお召しのない者は、その居宅で静かにしているように」 こういう通達で、城代水野治部右衛門はじめ老臣連署のものであった。 使番が去るとすぐに、千世の兄の江木重三郎と、田口藤右衛門が来、ついで浦原彦馬が来た。田口は精明館の司事であり、浦原は(中老五百二十石)千世と主税介との仲人であった。かれらはみな、主税介が決闘に加わらなかったことをよろこび、祝いを述べた。江木重三郎は大洲へ駆けつけたという、騒ぎを聞いたとき「これは五大もいっしょだな」と直感した。てっきり主税介もいると思い、ばあいによっては自分も助勢するつもりで、その支度をしていったところ、もう大目付の人数が出ていて洲の口を止め、中へ入ることができなかったそうである。 「縁者がいる筈だからと云って、私はすっかり終るまで洲の口で見ていた」と重三郎は云った、「決闘は六時ごろに始まったらしい、徒士組が三十余人、馬廻りは二十六七人で、大目付の人数が出張したのは八時ごろだが、死傷者は双方で四十人ちかくあるということだった」 「そこから城中へ伴《つ》れてゆかれたのか」と矢部六左衛門が訊《き》いた。 「そうではない」重三郎は首を振った、「死者はその家へ送られたが、負傷者は菅生郭の中の作事小屋へ、そのほかは鈴木殿、高楷殿、大林寺、水野主膳殿の四家に分けて預けられた」 主税介は黙って聞いていた。 ――馬廻りでは誰と誰がいたか。 重三郎にそう訊きたかった。重三郎は始末の終るまで見ていたというから、そこにいた者の名をあげることができるだろう。「深松はいたか、唐沢は、井上十蔵は、池上は、羽形は、――」なんどもそう訊きかけたが、やがてわかることだと思って辛抱した。 「猪狩りを控えての騒動だから、重科はまぬかれまいな」浦原彦馬が云った、「せめてお狩りのあとにすればよかったのに、こらえ性のない連中にも困ったものだ」 「男と男の喧嘩はそういうものですよ」重三郎が云った、「長いあいだくすぶっていたことだし、ぶっつかる時が来れば利も不利もない、義理も恩愛もなげうって対決したんですから、いかにも三河武士らしくていいと思いますね」 語気が激しかったので彦馬は、渋い顔をした。主税介にもその調子が異様に感じられた。自分が決闘に出なかったことを責めているのではないか、とさえ思った。――老職連署の触書が廻ったことを話したので、三人はまもなく帰った。千世は兄に残ってもらいたかった、自分の今朝したことを話して、兄の意見を聞きたいと思ったのであるが、重三郎は妹に話しかける隙を与えず、他の二人といっしょに帰っていった。 客を送ったあと、居間へ戻るなり主税介は独り言を云った、低いけれども憤懣《ふんまん》のこもった調子で、延べてある茣蓙の端を踏みつけながら云った。 「なんということだ、なぜおれに知らせて来なかった、深松はどうしたのだ」 千世はその呟きを聞いた。その声には怒りと疑惑がこもっていた。自分だけが除外された怒りと、なぜ除外されたかという疑惑とが、千世の耳にもはっきり聞きとれるようであった。 そのとき千世は、三たび吐きけにおそわれた。 明くる日、主税介は登城して、城中で詳しいことを聞いた。羽形与茂八と荒木織馬がまた出会ったのである。与茂八は井上十蔵といっしょだったし、織馬には三人の伴れがあり、しかも双方が酔っていた。喧嘩は初めその六人でする筈だったところ、いちど帰宅した井上十蔵が、家の近い深松伊織に話し、「相手は四人だから手を貸せ」と云った。伊織は十蔵と共に与茂八の家へゆき、そこで酒になった。 [#6字下げ]四[#「四」は中見出し] 荒木織馬のほうでも、同じようになかまが集まり、やはり酒を飲んで気勢をあげたらしい。羽形の家では池上安左衛門を呼び、末広忠之進を呼んだ。それが夜の十一時過ぎで、まもなく荒木織馬から使いが来た。 ――明朝六時、籠崎大洲で待つ。 そういう口上であった。それでもまだこっちは五人、相手は四人でやるつもりだった。ところが午前四時をまわってから、徒士組では三十余人集まったということがわかり、こちらでもすぐに手分けをして人を集めた。それは(人を集めたことは)深松伊織が本家の深松伴六に知らせ、伴六の主張で定ったのだという。馬廻りは二十七人、徒士組は三十一人、その中に一刀流師範の通次多仲がいた。 死者は馬廻りのほうに多く出た。 唐沢辰之助 即死 土田久太夫 即死 村野大作 重傷後死去 坂島伊兵衛 重傷後死去 他に深松伊織ほか三人の重傷者と、羽形与茂八ほか十四人の軽傷者があった。 徒士組には即死者はなく、重傷後の死者が二人、重傷者が五人、軽傷者が十七人ということである。この差は徒士組に通次多仲がいたためで、唐沢以下四人の死者は、みな多仲の手にかかったもののようであった。 双方とも死者はその家族に引取らせた。あとは馬廻りの者を鈴木弥市右衛門、拝郷源左衛門の二家へ。また徒士組の者は大林寺と、高楷又十郎、水野主膳の三家へと、それぞれ預けられた。もちろん面接は絶対禁止で、その家族は居宅謹慎。家中ぜんたいにも言行を慎むようにと布令が出た。特に「大洲の出来事については公私ともに話談すべからず」という厳重な箇条つきで、これは町奉行から城下の市民たちにも通達された。 ――深松はどうしておれに知らせなかったのか、なにか理由があるのか。 主税介はどうにも疑念が晴れなかった。周囲の人たちにも彼の加わらなかったことが意外だったらしい、二三日のあいだ、しばしば同じような質問を受けた。 「貴方は御無事だったんですね」とかれらはみな意外そうな顔をした、「それはよかった、私は貴方もいっしょだとばかり思っていました、それはよかったですね」 精明館の門人たちも同様であった。ここでもまた彼の不参加が驚かれ、無事であることを祝われた。そうして、まもなく通次多仲が追放(罰せられなかった理由はのちにわかったが)されてから、主税介に対する評はいっそうよくなり、責任者が老職に喚問されたときにも、彼の不参加は「神妙である」というふうに云われた。 だが主税介は沈鬱な無感動な表情で、人々の云うことを黙って聞きながした。 猪狩りは予定どおり行われた。幕府に届けの出ていたためもあろうが、ほかにもう一つ、大きな理由のあることが、終ったあとでわかった。それは、猪狩りの五日のち、籠崎大洲の決闘が狩場の出来事として扱われ、御馬前に獲物を競ううち、不慮のことが起こって死傷者を出した、ということになった。 ――かかる失態が起こったのは、日頃の不鍛錬によるもので、当人どもは追って沙汰のあるまで五家に預け、またその支配は十日、組頭は十五日の謹慎に処す。 こういう処置が公式に発表された。 これは藩主監物忠辰の意志によるものだそうで、罪を軽減するため、特に配慮されたものだと伝えられた。それで通次多仲が罰せられずに、追放処分になった理由もわかったし、「大洲のことを話してはならない」という禁令の意味もわかったのであるが、この発表があった翌日、主税介は城中で思いがけないことを聞いた。――彼は精明館の師範ではあるが、身分は馬廻りに属するので、非番でない限り一日に一度は登城して、支配の役部屋へ顔を出さなければならない。そのときの支配は中老の鈴木大学であって、これが謹慎を命ぜられたため、同じ中老の拝郷源左衛門が代役を勤めていた。 その日、役部屋へ出頭した主税介は、拝郷家に深松ら十一人が預けられていると聞いたので、挨拶を述べたのち、かれらのようすをたずね、いちど会わせてもらえまいかと頼んだ。 「ぜひ聞きたいことがございますので」と主税介は云った、「格別のお計らいをお願い申したいのですが」 「面接は固く禁じられている、それは許すわけにはまいらない」と源左衛門は云った、「もしどうしても必要なら、……その事柄にもよるが、私が代って聞いてもよい」 主税介は迷った。それは人を介して聞くべきことではない、じかに会って慥かめなければならないことであった。しかし彼は、それ以上もう疑念に苦しめられることに耐えられなくなっていた。それで、彼は決心して「では深松伴六にこう訊いてもらいたい」と頼んだ。 源左衛門は解せないという顔をした。 「あの朝なぜ知らせなかったか、――と訊くのか」 「どうぞお願い致します」 「私にはよくのみこめないが」と源左衛門は云った、「私の聞いたところでは、知らせにいったということだが」 「いや、まいらなかったのです」 「深松伴六がいったと申しているぞ」 「いや、まいりませんでした」と主税介は云った、「わたくしは矢部六左衛門殿から聞くまでなにも知らずにいたのです」 「しかし深松は知らせたと申しているが」 主税介の頭にふと妻の顔がうかんだ。 ――まさかそんなことが。 うち消そうとしたが、源左衛門の口ぶりはあまりに明確だし、深松がそんなことで嘘を云うとは思えなかった。主税介は狼狽《ろうばい》し、珍しく吃《ども》りながら低頭した。 「申し訳ありません。これはなにかのゆき違でございましょう」彼は云った、「唯今のお願いはお忘れ下さるよう、またできることなら御内聞にお頼み申します」 源左衛門はよろしいと頷いた。 その夜、主税介は寝所へ入るまえに、妻を呼んでそのことを訊いた。家士たちのことは頭にうかばず、ふしぎに「妻だ」という感じがした。はたして、千世はそうだと答えた。 「すると深松は知らせに来たのだな」 「はい、おみえになりました」 千世は悪びれなかった。むしろこういう時の来るのを期していたかのように、良人の眼をまともに見あげた。 「どうしてそれを取次がなかった」主税介はけんめいに感情を抑えていた、「云ってごらん、なぜ私に黙っていたのだ」 「申上げてはならないと存じました」 [#6字下げ]五[#「五」は中見出し] 主税介は妻の眼をにらんだ。千世は眩《まぶ》しくなって眼を伏せた。 「なぜだ」と主税介が云った。 千世は口ごもった。しかしひるんだのではない、良心に疚《やま》しいところはなかった。 「わたくし以前から、徒士組と不和の話は聞いておりました」と千世は云った、「それで、深松様からお知らせをうかがったとき、これは旦那さまには申上げてはならない、申上げればきっと大洲へいらっしゃる、それでは私闘になるし、私闘は御法度だから、あとでどんなお叱りをうけてもここは黙っていよう、そう思ったのでございます」 主税介は片膝を立てた。千世は打たれるかと思って肩をちぢめた。片方の膝を立てた動作には、いきなり殴りつけそうな勢いがこもっていたのである。――主税介は茶道具ののせてある盆を押しやった。その手はふるえていた。 「わかった」と彼は云った、「もういい」 千世はおずおずと眼をあげた。 「寝ていいよ」と主税介は云った。 「わたくし、悪うございましたでしょうか」と千世は云った、「武士の妻として、そうしなければならないと存じたのですけれど、どうぞ、間違っていましたらどうぞお叱り下さいまし」 「もういい、寝ろ」 主税介はそう云って立ちあがった。 千世が茶道具を持ってさがると、彼は庭へおりていった。彼の全身は怒りの固まりのようであった、妻のしたり顔が彼を毒し、辱しめ、汚涜《おとく》するように思える。「女め」と主税介は呟いて、唾を吐いた。彼は妻を殴らなかったことを後悔し、まだむずむずする右手の拳を左の掌へ力まかせに叩きつけた。「女め」と彼は呟いた。暗い庭のついそとに、若木の桃の咲いているのがぼんやりと見えた。それは千世の愛している木である。そばにこごめ[#「こごめ」に傍点]桜や、ゆすら梅や、やはり若木の八重桜がある。それらも千世が実家から移したり、よそから貰ったりして植えたものであった。――主税介は腰脇差を抜いて、桃の木のほうへ近よっていった。 明くる朝、――千世は庭を見て声をあげた。庭にはまだ靄《もや》が薄く残っている時刻だったが、自分の愛している桃やゆすら梅や八重桜などが、さんざんに枝を払われ、根から切り倒されていた。湿った黒い土の上に散乱した花枝や、こぼれた桃の葩《はな》を見ると、千世ははだしでそこへとびだしてゆき、「誰がこんなことを」と云いながら、僅かに花の残っている桃の枝を拾おうとした。しかし彼女は伸ばした手を途中で止めて、はっとしたように立ちあがり、それからまた跼《かが》んで、その枝を拾いあげた。 「あの方だわ、あの方だわ」千世は云った。眼からぽろぽろ涙がこぼれた、「ひどい、あんまりだわ」 千世は衝動的に立ちあがり、良人の居間の縁先から(足の汚れたまま)あがって、その部屋の障子をあけた。そこには良人はいなかった。彼女は躊《ためら》いもせずに寝間の襖をあけた。良人はそこにもいなかった。それで千世はさらにのぼせあがり、すぐに居間へ引返した。すると廊下から入って来る良人と顔を見合せた。主税介は手洗いにいって来たらしい、寝衣のままで、ふきげんに妻の顔を見た。千世は持っていた桃の花枝を彼に示した。 「これはあなたがなさいましたの」 千世の声はひきつっていた。 「そうだ」と主税介が云った。 「なぜです。なぜですの」と千世が云った。 「ゆうべ申上げたことがお気にいらなかったのですか、そうでございますか」 主税介は黙っていた。 「そうですのね」と千世は云った、「それならどうしてわたくしを叱って下さいませんの、わたくしのしたことが間違っていたのなら、わたくしを叱って下さればいい、お気の済むように打つなり蹴《け》るなりして下さればいい、花をこんなになさるなんてひどうございますわ、花がなにを致しましたの」彼女の眼からまた激しく涙がこぼれた、「花に罪はございません、あんまりひどうございますわ」 そして崩れるようにそこへ坐ると、花枝を抱えたまま、袂《たもと》で顔を掩《おお》って、声をあげて泣きだした。――主税介は突然おどかされた人のように、眼をみはって妻を眺めた。まるで子供みたようなやつだ。と彼は思った。 ――四日のあやめ[#「あやめ」に傍点]か。 と心の中で彼は呟いた。主税介が千世との縁談を承諾したとき、江木重三郎がそう云った、「妹の気性のなかには、ひとところいつまでも育ちきらないところがある。私は四日のあやめ[#「あやめ」に傍点]と名付けているが、それは欠点でもあるし良いところでもあるように思う」兄の眼だから不正確かもしれないが、そこを認めてやってもらいたいと重三郎は云った。六日の菖蒲ということはあるが、四日の菖蒲とは初めて聞くので、主税介はいまでも覚えていた。 「私が悪かった」と主税介は云った、「あやまる、勘弁してくれ」 千世の泣き声がちょっと低くなった。 「だが、――これはもう云ってもしようのないことだが、云っておく」と主税介は続けた、「おまえはおれに法度をやぶらせないために黙っていたと云った、慥かに、私闘は固く禁じられている、それは主持ちの侍の守るべき道だ、しかし、男としてはべつに男の道というものがある、或るばあいにはそれは侍の道より大切なものだ」 千世は泣きやんだ。泣きやんで、泣きじゃくりをしながら、良人の言葉を熱心に聞いていた。 「あの朝、大洲へいった者たちは、私が来るものと信じていた」と主税介は云った、「私が来ないかもしれないなどとは、一人も疑ってはいなかったろう、――向うには通次多仲がいて、存分に斬りまくった、段の違う多仲に斬りまくられ、味方がばたばた倒れるのを見ながら、みんな、いまに五大が来る、五大さえ来れば、……と思っていたんだ」 千世はふるえだした。がたがたと全身がふるえるので、泣きじゃくりの声が、(喉で)なにかがころげるように聞えた。 「そのときのみんなの気持がどんなだったか、それをよく考えてみろ」と主税介は云った、「斬り死にをしたり傷ついた者の、親きょうだいや妻の身になって、おまえ自身が良人を斬られた立場になって、よく考えてみるがいい、――おまえの大切な花を切ったことは悪かった。勘弁してくれ」 そして主税介は寝間へ入っていった。 ――着替えの世話をしてあげなければ。 こう思いながら、千世は立つことができず、やはり顔を掩ったまま坐ってふるえていた。抱えている桃の花枝から、曲が膝の上へこぼれ落ちた。 [#6字下げ]六[#「六」は中見出し] ま夜なかであった。雨が降っていた。 千世はそっと襖をあけて、良人の寝間へ入った。暗くしてある有明行燈の仄《ほの》かな光りの中で、良人の仰向けに寝ている顔が見えた。正しく上を向いて、静かな寝息をたてていたが、千世が襖を閉めると寝息が止り、膝ですり寄ってゆくと(上を向いたまま)眼をあいた。千世は夜具へ手の届くところまで近より、良人の眼がこっちへ向くのを待った。 庇《ひさし》を打つ雨の音が、彼女の神経をかきたてるように響いた。寝間の中の空気は温かく、健康な良人の躯の匂いに染まっていた。十日以上も遠のいていた良人の匂いと、他のあらゆる物音を消して降りしきる雨の音とが、千世の神経をかきたて、胸ぐるしいほど激しく官能的な情緒に包みこんだ。 「あなた」と千世は云った。 主税介は黙っていた。 「わたくしお詫《わ》びを申上げたいんです」 「わかっている」 「お詫びを申上げて、堪忍して頂きたいんですの」 「もうそれは済んだことだ」と主税介は云った。 「でも怒っていらっしゃいますわ」 主税介は答えなかった。 「ねえ、怒っていらっしゃるのでしょう」 「その話はよそう」 「堪忍すると仰しゃって、ねえ、堪忍してやるって」 「堪忍しているよ」 感情のない、冷たい声であった。千世はのぼせあがったようになり、掛け夜具をはねると、いきなり寝床の中へ入って、良人の躯に抱きついた。主税介は身動きもしなかった。千世は大きく喘《あえ》ぎながら、狂ったような動作で良人の肌と自分の肌を合わせ、手と足とで絡みつき、それから手を伸ばした。主税介はぐいと躯を引いた。そして千世に絡みつかせたまま夜具の上に立ちあがり、寝衣の前をかき合せた。千世は両手で良人の躯にしがみついて、半分ひき起こされた不自然な恰好で泣きだした。 「いって寝なさい」主税介が云った。 「あなたは」泣きながら千世が云った、「どうしても千世を堪忍して下さませんの」 「それはもう済んだことだ」 「どうしましょう」千世は泣き崩れた。夜具の上へ泣き崩れて、呻《うめ》くように云った、「どうしたらいいでしょう、仰しゃって下さい、わたくしどうしたらいいんですの」 「いって寝なさい」と主税介が云った、「そんな恰好でいると風邪をひくよ」 千世はやがて起きあがり、呻くように泣きながら、自分の寝間へ戻っていった。 五月になって、大洲の事に関係した者の家族は、ぜんぶ謹慎を解かれた。当人たちは五家に預けられたまま、面接禁止でまだなんの沙汰もなかったが、家族の謹慎が解かれたので、主税介は一軒ずつみまいに廻った。だが、その一軒一軒で、彼はあからさまな敵意と、露骨な軽侮を投げ返された。 初めに死んだ者の遺族を訪ねた。唐沢辰之助の家では弟の菊二郎が出て、玄関に立ったまま上から見おろした。 「御丁寧なことですね」と菊二郎は云った。 「決闘には出ないがみまいには来るんですか」主税介は頭を垂れて辞去した。 村野大作の家でも、土田でも、坂島伊兵衛の家でも同様であった。言葉は違っても、表現する意味に変りはなかった。それでも主税介は二十七軒をぜんぶ廻ったが、最も近しい深松伴六の家では、父親の忠左衛門が出て「みまいは受けたくない」と云った。老人は骨ばった拳をわなわなさせ、もっとなにか云いかけたが、苦しそうに咳きこんだまま奥へ去った。 「みんなもう知っているのだ」主税介は自分に云った、「知らせたのに大洲へ来なかったということを、――怒るのが当然だ」 家中の人たちのようすがしだいに変りだした。はじめはそんなことはなかった。田口藤右衛門や浦原彦馬の来たとき、主税介がなにも知らなかったということをかれらは認めたし、知っていたらゆかない筈がない、ということは大抵の者が認めていた。しかし、「知らせた」ということは、拝郷源左衛門がすでに深松から聞いて知っていたし、それが家族の人たちにわかり、ついで家中ぜんたいに弘まってゆくことは、ごくしぜんななりゆきであろう。――主税介はそれをはっきりと感じはじめた。それは遠くから眼に見えない速度で、だんだんに縮まり、彼の周囲をせばめ、彼を孤立させるようであった。 千世は知らなかったろうか。彼女もむろん知っていた、良人のようすを見るだけでもわかるし、じかに自分で聞くこともあった。 ――人はみかけによらないものだ、いざとなってみなければ、人間の本性はわからないものだ。 千世の耳に届くところでしばしばそういう評がとり交わされた。故意にか、偶然にか、彼女はしばしばそういう言葉を聞いた。――彼女の苦しさは二重であった。当然それが良人の耳にもはいっているだろうことと、その責任が良人にではなく自分にあるのだということとで、……もともと夏痩せをするたちではあったが、秋風の立つ頃には、千世は見ちがえるほど痩せてしまった。 十月初旬、監物忠辰は参覲《さんきん》のため出府した。その出府の直前に、籠崎大洲の件(表向きは狩場の出来事として)の裁決があった。それまでの経過で、ひどい重科に問われるだろう、という予想はなくなっていた。場所が狩場に変えられたのと、私闘という点が黙殺されたのとで、相当にゆるやかな処置がとられるだろうと考えられていた。だが実際には考えられた以上に寛大で、全員みな御預けを解かれ、改めて百五十日の居宅謹慎を命ぜられた。これは双方いっしょに城中へ呼ばれ、(傷の全治しない深松伊織と、徒士組の二人は出られなかった)城代の水野治部右衛門から申渡された。 城代家老がこのような申渡しをするのも異例であったし、「特に殿のおぼしめし」とあって、両者に盃を賜わり、 「私闘の事は不届きであるが、長年にわたる双方の意地、やむを得ず、恩愛義理をも思い切ったる心底の男らしさはよい、そのためこのたびばかりは許すが、今後は固く慎み、双方和親協力して奉公するように」 というお沙汰がさがった。 これで家中の評はまったく逆転した。私闘は咎めるが、「意地をたてた男らしさ」は褒められたのである。当人たちはもちろん、その家族まで肩身がひろくなった。これが主税介に影響しない筈がない、五大主税介は全藩の人たちから白い眼で見られ、非難と嘲笑《ちょうしょう》の声を聞かなければならなかった。 最も耐え難いと思えたのは、精明館の稽古で、門人たちが彼の指南を拒絶することであった。主税介が手を直してやろうとすると、かれらは稽古をやめてしまうか、または作った慇懃《いんぎん》さで首を振った。 「いいえそれには及びません」とかれらはいちように云うのであった、「私は師範代にお願いしてありますから」 [#6字下げ]七[#「七」は中見出し] だが主税介はめげなかった。彼は以前にも増して凛《りん》としてみえたし、どんな非難の眼にも嘲笑の声にも挫《くじ》けるようすはなかった。 こうして年が明け、三月中旬になった或る日、――居宅謹慎が解けたのを祝って、双方五十二人が大林寺に集まって酒宴を催した。これには各支配や組頭も出席したし、諸方から祝いの品が届けられて、たいそうな盛会になった。 同じ日、主税介は非番で家にいた。 彼は朝食のあと居間に茣蓙をひろげ、久しくやめていた笛作りを始めた。一年まえのあの日以来、そんなことは初めてで、午後になってもずっと続け、きげんのいい顔で丸鑿《まるのみ》や小刀《さすが》を使っていた。 夕食を済ませてから一刻ばかり経つと、江木重三郎が訪ねて来た。 「今日、田口さんに会ったか」 重三郎は坐るとすぐに、尖《とが》った眼で主税介を見た。主税介は「会った」と答えた。 「それで」と重三郎は云った、「どうする」 「どうするとは」 「精明館を辞任するようにと云われたんじゃないのか」 「いや」と主税介は云った、「辞任したほうがよくはないかと云われたのだ」 「同じことだ、――どうする」 「もちろん断わった」 「やめないというのか」 千世が茶を持って、入って来ようとした。 「茶は要らない」と重三郎が云った、「そこを閉めて向うへいっていてくれ」 千世は良人を見て、それから襖を閉めて去った。 「やめないというのか」と重三郎は主税介を見た、「こんなに世評が喧しくなり、精明館では誰も稽古を受けないというのに、それでも師範の席にかじりついているというのか」 「精明館師範の役は殿から仰せつけられたものだ」と主税介は答えた、「殿から解任されるか、正当な理由のない限り、この役を勤めるのは私の義務だと思う」 「わかった」と重三郎は云った、「これでもう聞くことはない、千世を伴れて帰るから離別してくれ」 主税介は不審そうな眼をし、それから「そうか」というふうに唇で微笑した。 「ばかなことを云うな」 「こっちはばかどころじゃないんだ」と重三郎は云った、「おれは五大を信じていた、世間がなんといおうと、五大主税介は卑怯《ひきょう》なまねをする男ではないと信じていた、だがおれは事実を聞いた、深松伴六からじかに聞いたんだ、あの朝早く、深松自身が此処へ知らせに来たという、刻限は六時、場所は籠崎大洲とはっきり云ったというぞ」 「そのとおりだ」と主税介が頷いた。 「しかも五大はゆかなかった、みんなが命を賭《と》して斬りむすんでいるとき、五大主税介ひとりは家にいた、みんなが傷ついたり斬り死にをしているとき、五大主税介ひとりは安閑と家にいたのだ」と重三郎は云った、「おれには面目というものがある、おれは世間に対しても、そういう人間に妹を遣っておくわけにはいかない、今日限り千世を離別してもらうぞ」 襖をあけて、「待って下さい」と云いながら、千世がこちらへ辷《すべ》り込んで来た。 「来てはいけない」と主税介が云った。 「出るな」と重三郎がどなった、「おまえの知ったことではない、さがっておれ」 千世は兄の前へ来て坐った。顔は蒼白く硬ばって、眼だけが燃えるように光っていた。彼女はその眼で兄をみつめ、みじめにおののく声で云った。 「お兄さまあやまって下さい、お兄さまは御存じないのです、どうか主人にすぐあやまって下さい」 「なにをあやまれというんだ」 「云うな千世」と主税介が云った、「それを云うと勘弁しないぞ」 「はい、もう堪忍して頂こうとは存じません、兄の申すとおり実家へ戻ります」と千世は云った、「戻りますけれど、そのまえに本当のことを云わせて頂きます、お兄さま、――あの朝、深松さまの知らせを聞いたのはわたくしです、主人はなにも知りません、わたくしが聞いて、そのまま取次がずにいたんです」 「おまえが聞いた」重三郎は殆んど叫び声をあげた、「そして取次がなかったというのか」 「取次がなかったばかりでなく、深松さまのいらしったことさえ黙っているようにと、玄関の者に申しつけました」 重三郎は「はっ」と息を吐き、主税介を見て、すぐ千世のほうへ向き直った。 「なぜだ、わけを云え」と彼は叫んだ、「しだいによってはそのままには置かんぞ」 「申します、なにもかも申します」千世は主税介のほうを見た、「旦那さま、わたくし正直に申します、あのときは私闘が法度だからと申上げました、武士の妻として、良人に法度をやぶらせたくないから、黙っていたと申しました」 「千世はそう云った」と主税介が云った、「江木さん、それが、千世の黙っていた理由なんだ」 「いいえお待ち下さい、そうではなかったのです」と千世が云った、「あのときはそう申しましたけれど、本当はみれんな気持からでした、あなたにもしものことがあってはいけない、危ない場所へはやりたくない、ただそう思う気持がいっぱいでした」千世の喉を鳴咽《おえつ》が塞《ふさ》いだ、しかし彼女は続けた、「わたくしにはあなたが大事でした、いつもお側にいたい、いつまでも、……どんなものにも代えることはできない、あなたが御無事でいて下さりさえすれば、ほかのことはどうなってもいい、夢中でそう思って、それがみれんだとは気がつかずに黙っていたのです」 「それでいいんだ千世、それでよかったんだよ」 「いいえ悪うございました、どんなに悪かったかということは、わたくしにもだんだんわかってきたのです」千世は声をあげて泣いた、「世間の悪い評判を聞き、あなたがじっとこらえていらっしゃるのを見て、自分のしたことがどんなに悪かったか、どんなに取返しのつかないことだったかということがわかりました。――わたくし、いつ離別して頂こうかと、ずっと、そればかり考えていたんです」 千世は両手をつき頭を垂れた。すると重三郎が立ちあがって、乱暴に妹の腕をつかみ、ふるえる声で云った。 「立て、千世、――五大へは改めて詫びに来る、立って支度をしろ」 「その手を放せ、江木」と主税介が云った、「それはおれの妻だ」 よく徹る屹とした声であった。重三郎は妹の腕を掴んだまま静止した、千世の眼から涙が、(音を立てるほどに)ぽろぽろと畳へこぼれ落ちた。 「千世が黙っていたのは正しかった」と主税介は云った、「江木にもわからない、おれ自身もわからなかった、しかし今日わかった、あのときのなかまが和解して、大林寺で酒宴を催すと聞いて、おれは初めて、千世の黙っていたことが正しかったと気がついた、考えてみろ、江木、――あのとき千世が取次いだらどうなったと思う」主税介の声は低くなった、「おれはもちろん大洲へ駆けつけただろう、いばるようだがおれの隈江流は多仲より下ではない、おれがいて多仲がいて、みんな決死でやったとすれば、死傷者の数はあんな程度では済まなかった、とうていあんな程度では済まなかったということが想像できないか、江木」 重三郎の手が妹の腕から放れ、痺《しび》れでもしたように、腿《もも》に添って下へ垂れた。 「あの程度で済んだからこそ、寛大な御処置にもなり、今日の祝宴も開けたのだ、それは千世が黙っていてくれたからだ」 「しかし」と重三郎が向うを見たままで云った、「しかし五大の汚名は消えないぞ」 「結構だ」と主税介が云った、「大いに結構だよ、おれは悪評されだしてからだいぶ成長した。これまで褒められてばかりいたし、江木にも古武士の風格があるなどと云われて、自分では気づかずにいいつもりでいた。だが、悪く云われだしてから初めて、その『いいつもりでいた』自分に気がついた。それだけでも成長だし、これからも成長するだろう、悪評の続く限りおれは成長してみせるよ」 重三郎は手をあげて眼を拭いた。向うを見やったままで、主税介の方へは向かなかった。 「帰っていいだろうか」と重三郎が云った。 「いいだろう」と主税介が云った、「但し離別うんぬんは取消していってくれ」 「明日、挨拶に来る」 重三郎はついにこちらを見ずに出ていった。 その夜半、――千世の寝間へ主税介が入っていった。千世は眠っていた。長いあいだの精神的な苦しみから解放されて、いかにも安心しきったような寝顔であった。主税介は夜具の衿《えり》に手をかけた。すると千世が眼をさました。熟睡からさめて、良人がそこにいることを認めると、彼女はすぐに起きあがった。 「そのままでいいんだ」 「いいえあちらで」千世は両手で抱きついた。寝衣の袖がずれて、腕がすっかり裸になった。彼女はその裸の腕で良人に絡まりながら、うっとりとした声で囁《ささや》いた、「わたしあちらのほうが好き、あなたの匂いのするお寝間のほうが、ねええ」 「こうか」と主税介が云った。 「ああ」と千世が云った、「あなた」 主税介は妻を抱えて自分の寝間へ戻り、あいだの襖を閉めた。 底本:「山本周五郎全集第二十五巻 三十ふり袖・みずぐるま」新潮社 1983(昭和58)年1月25日 発行 底本の親本:「オール読物」 1954(昭和29)年7月号 初出:「オール読物」 1954(昭和29)年7月号 入力:特定非営利活動法人はるかぜ
https://w.atwiki.jp/kuhigasi/pages/16.html
巻第五(いつまきにあたるまき) 雑歌(くさぐさのうた) 太宰帥(おほみこともちのかみ)大伴の卿(まへつきみ)の凶問に報へたまふ歌一首(ひとつ)、また序 禍故重畳(かさな)り、凶問累(しき)りに集まる。永(ひたぶる)に心を崩す悲しみを懐き、独り腸を断つ泣(なみだ)を流す。但両君の大助に依りて傾命纔(わづか)に継ぐのみ。筆言を尽さず。古今歎く所なり。 0793 世の中は空しきものと知る時しいよよますます悲しかりけり 神亀(じむき)五年(いつとせといふとし)六月(みなつき)の二十三日(はつかまりみかのひ)。 筑前守(つくしのみちのくちのかみ)山上臣憶良(やまのへのおみおくら)が亡(みまか)れる妻(め)を悲傷(かな)しめる詩(からうた)一首、また序 盖し聞く、四生の起滅は、夢に方(あた)りて皆空なり。三界の漂流は、環の息まざるに喩ふ。所以に維摩大士は方丈に在りて、疾に染む患(うれひ)を懐くこと有り。釋迦能仁は双林に坐し、泥(ない)オンの苦を免るること無しと。故に知る、二聖至極すら、力負の尋(つ)ぎて至るを払ふこと能はず。三千世界、誰か能く黒闇の捜り来たるを逃れむ。二鼠(にそ)競ひ走りて、目を度(わた)る鳥旦(あした)に飛び、四蛇争ひ侵して、隙を過ぐる駒夕に走る。嗟乎(ああ)痛きかな。紅顏三従と共に長逝し、素質四徳と与(とも)に永滅す。何そ図らむ、偕老要期に違ひ、独飛半路に生ぜむとは。蘭室の屏風徒らに張り、断腸の哀しみ弥よ痛し。枕頭の明鏡空しく懸かり、染ヰンの涙逾よ落つ。泉門一掩すれば、再見に由無し。嗚呼哀しきかな。 愛河の波浪已く先づ滅び 苦海の煩悩また結ぶこと無し 従来此の穢土を厭離す 本願生を彼の浄刹に託せむ 日本挽歌(かなしみのやまとうた)一首、また短歌(みじかうた) 0794 大王(おほきみ)の 遠の朝廷(みかど)と しらぬひ 筑紫(つくし)の国に 泣く子なす 慕ひ来まして 息だにも いまだ休めず 年月も 幾だもあらねば 心ゆも 思はぬ間に 打ち靡き 臥(こ)やしぬれ 言はむすべ 為むすべ知らに 岩木をも 問ひ放け知らず 家ならば 形はあらむを 恨めしき 妹の命の 吾(あれ)をばも いかにせよとか にほ鳥の 二人並び居 語らひし 心背きて 家離(ざか)りいます 反し歌 0795 家に行きて如何にか吾(あ)がせむ枕付く妻屋寂(さぶ)しく思ほゆべしも 0796 愛(は)しきよしかくのみからに慕ひ来(こ)し妹が心のすべもすべ無さ 0797 悔しかもかく知らませば青丹よし国内(くぬち)ことごと見せましものを 0798 妹が見し楝(あふち)の花は散りぬべし我が泣く涙いまだ干(ひ)なくに 0799 大野山(おほぬやま)霧立ち渡る我が嘆く息嘯(おきそ)の風に霧立ち渡る 神亀五年七月(ふみつき)の二十一日(はつかまりひとひ)、筑前国(つくしのみちのくちのくに)の守(かみ) 山上憶良上(たてまつ)る。 惑へる情(こころ)を反(かへ)さしむる歌一首、また序 或る人、父母敬はずして、侍養を忘れ、妻子を顧みざること脱履よりも軽し。自ら異俗先生(せむじやう)と称る。意気青雲の上に揚がると雖も、身体は猶塵俗の中に在り。未だ修行得道の聖を験(し)らず。蓋し是山沢に亡命する民なり。所以(かれ)三綱を指示(しめ)して、更に五教を開く。遣るに歌を以て、其の惑ひを反さしむ。その歌に曰く、 0800 父母を 見れば貴し 妻子(めこ)見れば めぐし愛(うつく)し 遁ろえぬ 兄弟(はらから)親族(うがら) 遁ろえぬ 老いみ幼(いとけ)み 朋友(ともかき)の 言問ひ交はす 世の中は かくぞことわり もち鳥の かからはしもよ 早川の ゆくへ知らねば 穿沓(うけぐつ)を 脱き棄(つ)るごとく 踏み脱きて 行くちふ人は 石木(いはき)より 成りてし人か 汝(な)が名告(の)らさね 天(あめ)へ行かば 汝がまにまに 地(つち)ならば 大王(おほきみ)います この照らす 日月の下は 天雲の 向伏す極み 蟾蜍(たにぐく)の さ渡る極み 聞こし食(を)す 国のまほらぞ かにかくに 欲しきまにまに しかにはあらじか 反し歌 0801 久かたの天道(あまぢ)は遠し黙々(なほなほ)に家に帰りて業(なり)を為まさに 子等を思(しぬ)ふ歌一首、また序 釋迦如来金口(こんく)正に説きたまへらく、等しく衆生を思ふこと、羅ゴ羅の如しとのたまへり。又説きたまへらく、愛は子に過ぐること無しとのたまへり。至極の大聖すら、子を愛(うつく)しむ心有り。況乎(まして)世間の蒼生(あをひとぐさ)、誰か子を愛まざる。 0802 瓜食(は)めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ いづくより 来りしものぞ 眼交(まなかひ)に もとなかかりて 安眠(やすい)し寝(な)さぬ 反し歌 0803 銀(しろかね)も金(くがね)も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも 世間(よのなか)の住(とどま)り難きを哀しめる歌一首、また序 集め易く排し難し、八大辛苦。遂げ難く尽し易し、百年の賞楽。古人の歎きし所、今また及ぶ。所以因(かれ)一章の歌を作みて、以て二毛の歎きを撥(のぞ)く。其の歌に曰く、 0804 世間(よのなか)の すべなきものは 年月は 流るるごとし 取り続き 追ひ来るものは 百種(ももくさ)に 迫め寄り来たる 娘子(をとめ)らが 娘子さびすと 唐玉を 手本に巻かし 白妙の 袖振り交はし 紅の 赤裳裾引き よち子らと 手携はりて 遊びけむ 時の盛りを 留みかね 過ぐしやりつれ 蜷(みな)の腸(わた) か黒き髪に いつの間か 霜の降りけむ 丹(に)の秀(ほ)なす 面(おもて)の上に いづくゆか 皺か来たりし ますらをの 男さびすと 剣太刀 腰に取り佩き さつ弓を 手(た)握り持ちて 赤駒に 倭文鞍(しつくら)うち置き 這ひ乗りて 遊び歩きし 世間や 常にありける 娘子らが 閉鳴(さな)す板戸を 押し開き い辿り寄りて 真玉手の 玉手さし交へ さ寝し夜の いくだもあらねば 手束杖(たつかづえ) 腰に束(たが)ねて か行けば 人に厭はえ かく行けば 人に憎まえ 老よし男は かくのみならし 玉きはる 命惜しけど 為むすべもなし 反し歌 0805 常磐なすかくしもがもと思へども世の事なれば留みかねつも 神亀五年七月の二十一日、嘉摩(かま)の郡にて撰定(えら)ぶ。 筑前国守山上憶良。 太宰帥大伴の卿の相聞歌(したしみうた)二首 〔脱文〕 歌詞両首 太宰帥大伴卿 0806 龍の馬(ま)も今も得てしか青丹よし奈良の都に行きて来むため 0807 うつつには逢ふよしも無しぬば玉の夜の夢(いめ)にを継ぎて見えこそ 大伴淡等(たびと)謹状。 官氏報ふる歌二首 伏して来書を辱(かたじけな)くす。具(つぶさ)に芳旨を承る。忽ち漢を隔つる恋を成し、復た梁を抱く意を傷む。唯羨(とも)しくは、去留恙無く、遂に雲を披(ひら)かむことを待つのみ。 答ふる歌二首 0808 龍の馬を吾(あれ)は求めむ青丹よし奈良の都に来む人の為(たに) 0809 直に逢はずあらくも多し敷細(しきたへ)の枕去らずて夢にし見えむ 姓名謹状。 帥(かみ)大伴の卿の梧桐(きり)の日本琴(やまとこと)を中衛大将(なかのまもりのつかさのかみ)藤原の卿に贈りたまへる歌二首 梧桐の日本琴一面(ひとつ) 對馬ノ結石山ノ孫枝ナリ 此の琴、夢に娘子に化(な)りて曰けらく、「余(われ)根を遥島の崇巒(すうれむ)に託(よ)せ、幹(から)を九陽(くやう)の休光に晞(さら)す。長く烟霞を帯びて、山川の阿(くま)に逍遥す。遠く風波を望みて、雁木の間に出入りす。唯百年の後、空しく溝壑(こうがく)に朽ちなむことを恐れき。偶(たまた)ま長匠に遭ひて、散りて小琴と為りき。質麁(あら)く音少きを顧みず、恒に君子(うまひと)の左琴とならむことを希ふ」といひて、即ち歌ひけらく、 0810 いかにあらむ日の時にかも声知らむ人の膝の上(へ)吾(あ)が枕かむ 僕(われ)その詩詠(うた)に報(こた)へけらく、 0811 言問はぬ木にはありとも美(うるは)しき君が手(た)馴れの琴にしあるべし 琴の娘子が答曰(い)へらく、「敬みて徳音を奉(うけたま)はる。幸甚幸甚」といへり。片時にして覚めたり。即ち夢の言に感(かま)け、慨然として黙止(もだ)り得ず。故(かれ)公使(おほやけつかひ)に附けて、聊か進御(たてまつ)るのみ。 謹状不具 天平(てんびやう)元年十月の七日、使に附けて進上(たてまつ)る。 謹みて中衛高明閤下に通(たてまつ)る 謹空。 中衛大将藤原の卿の報へたまふ歌一首 跪きて芳音を承はる。嘉懽交(こもごも)深し。乃ち龍門の恩復た蓬身の上に厚きことを知りぬ。恋望殊念、常心に百倍す。謹みて白雲の什に和へて、野鄙の歌を奏(たてまつ)る。房前謹状。 0812 言問はぬ木にもありとも我が背子が手馴れの御琴地(つち)に置かめやも 十一月八日、還る使大監(おほきまつりごとひと)に附けて、 謹みて尊門記室に通(たてまつ)る。 山上臣憶良が鎮懐石を詠める歌一首、また短歌 筑前国怡土郡(いとのこほり))深江村(ふかえのむら)子負原(こふのはら)、海に臨(そ)ひたる丘の上に二の石有り。大きなるは長さ一尺(ひとさかまり)二寸(ふたき)六分(むきだ)、囲(うだ)き一尺八寸(やき)六分、重さ十八斤(とをまりむはかり)五両(いつころ)。小さきは長さ一尺一寸、囲き一尺八寸、重さ十六斤十両。並皆(みな)楕円にして状鶏の子の如し。其の美好(うるはし)きこと、勝(あ)へて論ふベからず。所謂径尺璧これなり 或は云く、此の二の石は肥前国彼杵郡平敷の石にして、占に当りて取ると。深江の駅家を去ること二十許里(はたさとばかり)、近く路頭在り。公私の往来、馬より下りて跪拝(をろが)まざるは莫し。古老相伝へて曰く、往者(いにしへ)息長足日女(おきながたらしひめ)の命、新羅の国を征討(ことむけ)たまひし時、茲の両の石を用(もち)て御袖の中に挿著(さしはさ)みたまひて、以て鎮懐と為したまふと 実はこれ御裳の中なり。所以(かれ)行人(みちゆきひと)此の石を敬拝すといへり。乃ち歌よみすらく、 0813 かけまくは あやに畏し 足日女(たらしひめ) 神の命 韓国(からくに)を 向け平らげて 御心を 鎮めたまふと い取らして 斎(いは)ひたまひし 真玉なす 二つの石を 世の人に 示したまひて 万代に 言ひ継ぐがねと 海(わた)の底 沖つ深江の 海上(うなかみ)の 子負の原に 御手づから 置かしたまひて 神ながら 神さびいます 奇御魂(くしみたま) 今の現(をつつ)に 貴きろかも 0814 天地のともに久しく言ひ継げとこの奇御魂敷かしけらしも 右ノ事伝ヘ言フハ、那珂郡伊知郷蓑島ノ人、 建部牛麻呂(タテベノウシマロ)ナリ。 太宰帥大伴の卿の宅に宴してよめる梅の花の歌三十二首(みそぢまりふたつ)、また序 天平二年(ふたとせといふとし)正月(むつき)の十三日(とをかまりみかのひ)、帥(かみ)の老(おきな)の宅(いへ)に萃(つど)ひて、宴会を申(の)ぶ。時に初春の令月、気淑く風和ぐ。梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後の香を薫らす。加以(しかのみにあらず)曙は嶺に雲を移し、松は羅(うすきぬ)を掛けて盖(きぬかさ)を傾け、夕岫(せきしふ)に霧を結び、鳥はうすものに封(こも)りて林に迷ふ。庭には舞ふ新蝶あり、空には帰る故雁あり。是に天を盖にし地を坐(しきゐ)にして、膝を促して觴(さかづき)を飛ばし、言を一室の裏(うち)に忘れ、衿を煙霞の外に開き、淡然として自放に、快然として自ら足れり。若し翰苑にあらずは、何を以てか情(こころ)をのベむ。請ひて落梅の篇を紀(しる)さむと。古今それ何ぞ異ならむ。園梅を賦し、聊か短詠(みじかうた)を成(よ)むベし。 0815 正月立ち春の来らばかくしこそ梅を折りつつ楽しき終へめ 大弐(おほきすけ)紀卿 0816 梅の花今咲けるごと散り過ぎず我が家(へ)の園にありこせぬかも 少弐(すなきすけ)小野大夫 0817 梅の花咲きたる園の青柳は縵(かづら)にすべく成りにけらずや 少弐粟田大夫 0818 春さればまづ咲く屋戸の梅の花独り見つつや春日暮らさむ 筑前守山上大夫 0819 世の中は恋繁しゑやかくしあらば梅の花にも成らましものを 豊後守(とよくにのみちのしりのかみ)大伴大夫 0820 梅の花今盛りなり思ふどち挿頭(かざし)にしてな今盛りなり 筑後守(つくしのみちのしりのかみ)葛井大夫 0821 青柳梅との花を折り挿頭(かざ)し飲みての後は散りぬともよし 某官笠氏沙弥 0822 我が園に梅の花散る久かたの天より雪の流れ来るかも 主人(あるじ) 0823 梅の花散らくはいづくしかすがにこの城(き)の山に雪は降りつつ 大監大伴氏百代 0824 梅の花散らまく惜しみ我が園の竹の林に鴬鳴くも 少監(すなきまつりごとひと)阿氏奥島 0825 梅の花咲きたる園の青柳を縵にしつつ遊び暮らさな 少監土氏百村 0826 打ち靡く春の柳と我が屋戸の梅の花とをいかにか分かむ 大典(おほきふみひと)史氏大原 0827 春されば木末(こぬれ)隠(がく)りて鴬ぞ鳴きて去ぬなる梅が下枝(しづえ)に 少典(すなきふみひと)山氏若麻呂 0828 人ごとに折り挿頭しつつ遊べどもいやめづらしき梅の花かも 大判事(おほきことわるつかさ)舟氏麻呂 0829 梅の花咲きて散りなば桜花継ぎて咲くべく成りにてあらずや 薬師(くすりし)張氏福子(さきこ) 0830 万代に年は来経(きふ)とも梅の花絶ゆることなく咲きわたるべし 筑前介佐氏子首(こびと) 0831 春なればうべも咲きたる梅の花君を思ふと夜寐(よい)も寝なくに 壹岐守(いきのかみ)板氏安麻呂 0832 梅の花折りて挿頭せる諸人は今日の間は楽しくあるべし 神司(かむつかさ)荒氏稲布(いなふ) 0833 年のはに春の来らばかくしこそ梅を挿頭して楽しく飲まめ 大令(おほきふみひと)史野氏宿奈麻呂 0834 梅の花今盛りなり百鳥の声の恋(こほ)しき春来たるらし 少令(すなきふみひと)史田氏肥人(うまひと) 0835 春さらば逢はむと思(も)ひし梅の花今日の遊びに相見つるかも 薬師高氏義通 0836 梅の花手折り挿頭して遊べども飽き足らぬ日は今日にしありけり 陰陽師(うらのし)磯氏法麻呂 0837 春の野に鳴くや鴬なつけむと我が家(へ)の園に梅が花咲く 算師(かぞへのし)志氏大道 0838 梅の花散り乱(まが)ひたる岡びには鴬鳴くも春かたまけて 大隅目(おほすみのふみひと)榎氏鉢麻呂(もひまろ) 0839 春の野(の)に霧立ちわたり降る雪と人の見るまで梅の花散る 筑前目田氏眞人 0840 春柳かづらに折りし梅の花誰か浮かべし酒坏の上(へ)に 壹岐目村氏彼方(をちかた) 0841 鴬の音聞くなべに梅の花我ぎ家の園に咲きて知る見ゆ 對馬目高氏老 0842 我が屋戸の梅の下枝に遊びつつ鴬鳴くも散らまく惜しみ 薩摩目高氏海人 0843 梅の花折り挿頭しつつ諸人の遊ぶを見れば都しぞ思ふ 土師氏御通 0844 妹が家(へ)に雪かも降ると見るまでにここだも乱(まが)ふ梅の花かも 小野氏国堅 0845 鴬の待ちかてにせし梅が花散らずありこそ思ふ子が為 筑前拯(まつりごとひと)門氏石足 0846 霞立つ長き春日を挿頭せれどいやなつかしき梅の花かも 小野氏淡理 員外(かずよりほか)故郷(くに)思(しぬ)ふ歌両首(ふたつ) 0847 我が盛りいたく降(くだ)ちぬ雲に飛ぶ薬食(は)むともまた変若(をち)めやも 0848 雲に飛ぶ薬食むよは都見ばいやしき吾(あ)が身また変若ぬべし 後に追ひて和(よ)める梅(うめのはな)の歌四首 0849 残りたる雪に交れる梅の花早くな散りそ雪は消(け)ぬとも 0850 雪の色を奪ひて咲ける梅の花今盛りなり見む人もがも 0851 我が屋戸に盛りに咲ける梅の花散るべくなりぬ見む人もがも 0852 梅の花夢に語らく風流(みやび)たる花と吾(あれ)思(も)ふ酒に浮かべこそ 松浦河(まつらがは)に遊びて贈り答ふる歌八首、また序 余(われ)暫く松浦県(まつらがた)に往きて逍遥し、玉島の潭に臨みて遊覧するに、忽ち魚釣る女子等に値(あ)へり。花容双び無く、光儀匹ひ無し。柳葉を眉中に開き、桃花を頬上に発(ひら)く。意気雲を凌ぎ、風流世に絶えたり。僕(われ)問ひけらく、「誰が郷誰が家の児等ぞ。若疑(けだし)神仙ならむか」。娘(をとめ)等皆咲みて答へけらく、「児等は漁夫の舎(いへ)の児、草菴の微(いや)しき者、郷も無く家も無し。なぞも称(な)を云(の)るに足らむ。唯性水に便り、復た心に山を楽しぶ。或は洛浦に臨みて、徒に王魚を羨(とも)しみ、乍(あるい)は巫峡に臥して空しく烟霞を望む。今邂逅(わくらば)に貴客(うまひと)に相遇(あ)ひ、感応に勝へず、輙ち款曲を陳ぶ。今より後、豈に偕老ならざるべけむや」。下官(おのれ)対ひて曰く、「唯々(をを)、敬みて芳命を奉(うけたま)はりき」。時に日は山西に落ち、驪馬(りば)去なむとす。遂に懐抱を申(の)べ、因て詠みて贈れる歌に曰く、 0853 漁りする海人の子どもと人は言へど見るに知らえぬ貴人(うまひと)の子と 答ふる詩(うた)に曰く、 0854 玉島のこの川上に家はあれど君を恥(やさ)しみ顕はさずありき 蓬客等(をのれ)また贈れる歌三首 0855 松浦川川の瀬光り鮎釣ると立たせる妹が裳の裾濡れぬ 0856 松浦なる玉島川に鮎釣ると立たせる子らが家道知らずも 0857 遠つ人松浦の川に若鮎(わかゆ)釣る妹が手本を我こそ巻かめ 娘等(をとめら)また報ふる歌三首 0858 若鮎釣る松浦の川の川波の並にし思(も)はば我恋ひめやも 0859 春されば我家(わぎへ)の里の川門(かはど)には鮎子さ走る君待ちがてに 0860 松浦川七瀬の淀は淀むとも我は淀まず君をし待たむ 後れたる人の追ひて和(よ)める詩(うた)三首 都帥老 0861 松浦川川の瀬早み紅の裳の裾濡れて鮎か釣るらむ 0862 人皆の見らむ松浦の玉島を見ずてや我は恋ひつつ居らむ 0863 松浦川玉島の浦に若鮎釣る妹らを見らむ人の羨(とも)しさ 吉田連宜(よしだのむらじよろし)が答ふる歌四首 宜(よろし)啓(まを)す。伏して四月の六日の賜書を奉(うけたまは)り、跪きて封函を開き、芳藻を拝読するに、心神の開朗たること、泰初が月を懐(うだ)きしに似たり。鄙懐の除こること、樂廣が天を披(ひら)きしが若し。至若(しかのみにあらず)、辺域に羇旅し、古旧を懐ひて志を傷ましむ。年矢停まらず、平生を憶ひて涙を落(なが)す。但達人は排に安みし、君子は悶り無し。伏して冀(こひねがは)くは、朝に雉(きぎし)を懐(なつ)くる化を宣べ、暮に亀を放つ術を存(たも)ち、張趙を百代に架し、松喬を千齢に追はむのみ。兼ねて垂示を奉はる、梅苑の芳席、群英藻をのべ、松浦の玉潭、仙媛の贈答、杏壇各言の作に類(たぐ)へ、衡皐税駕の篇に疑(なぞら)ふ。耽読吟諷し、感謝歓怡す。宜(よろし)主を恋(しぬ)ふ誠、誠に犬馬に逾ゆ。徳を仰ぐ心、心葵(きつ)カクに同じ。而るに碧海地を分ち、白雲天を隔て、徒に傾延を積む。何(なぞ)も労緒を慰めむ。孟秋膺節、伏して願はくは万祐日新たむことを。今相撲部領使(すまひことりつかひ)に因りて、謹みて片紙を付く。宜謹みて啓す。不次。 諸人の梅の花の歌に和(なぞら)へ奉(まつ)る一首(ひとうた) 0864 後れ居て長恋せずは御苑生(みそのふ)の梅の花にも成らましものを 松浦仙媛(まつらをとめ)の歌に和ふる一首 0865 君を待つ松浦の浦の娘子らは常世の国の海人娘子かも 君を思ふこと未だ尽きずてまた題(しる)せる二首(うたふたつ) 0866 はろばろに思ほゆるかも白雲の千重に隔てる筑紫の国は 0867 君が行(ゆき)日(け)長くなりぬ奈良道なる山斎(しま)の木立も神さびにけり 天平二年(ふたとせといふとし)七月の十日(とをかのひ)。 山上臣憶良が松浦の歌三首(みつ) 憶良誠惶頓首謹啓す。憶良聞く、方岳の諸侯、都督の刺使、並(みな)典法に依りて部下を巡行し、其の風俗を察(み)る。意内端多く、口外出し難し。謹みて三首の鄙歌を以て、五蔵の欝結を写さむとす。其の歌に曰く、 0868 松浦県(がた)佐用姫(さよひめ)の子が領巾(ひれ)振りし山の名のみや聞きつつ居らむ 0869 足姫(たらしひめ)神の命の魚(な)釣らすとみ立たしせりし石を誰見き 0870 百日(ももか)しも行かぬ松浦道今日行きて明日は来(き)なむを何か障(さや)れる 天平二年七月の十一日、筑前国司山上憶良謹みて上(たてまつ)る。 領巾麾(ひれふり)の嶺(ね)を詠める歌一首 大伴佐提比古(さでひこ)の良子(いらつこ)、特(ひとり)朝命(おほみこと)を被(かが)ふり、藩国(みやつこくに)に奉使(ま)けらる。艤棹(ふなよそひ)して帰(ゆ)き、稍蒼波を赴(あつ)む。その妾(め)松浦佐用嬪面(さよひめ)、此の別れの易きを嗟(なげ)き、彼(そ)の会ひの難きを嘆く。即ち高山の嶺に登りて遥かに離(さか)り去(ゆ)く船を望む。悵然として腸を断ち、黯然として魂(たま)を銷(け)つ。遂に領巾を脱きて麾(ふ)る。傍者流涕(かなし)まざるはなかりき。因(かれ)此の山を領巾麾の嶺と曰(なづ)くといへり。乃ち作歌(うたよみ)すらく、 0871 遠つ人松浦佐用姫夫恋(つまこひ)に領巾振りしより負へる山の名 後の人が追ひて和(なぞら)ふる歌一首 0872 山の名と言ひ継げとかも佐用姫がこの山の上(へ)に領巾を振りけむ 最(いと)後の人が追ひて和ふる歌一首 0873 万代に語り継げとしこの岳(たけ)に領巾振りけらし松浦佐用姫 最最(いといと)後の人が追ひて和ふる歌二首 0874 海原(うなはら)の沖行く船を帰れとか領巾振らしけむ松浦佐用姫 0875 ゆく船を振り留みかね如何ばかり恋(こほ)しくありけむ松浦佐用姫 書殿(ふみとの)に餞酒(うまのはなむけ)せる日の倭歌(やまとうた)四首 0876 天(あま)飛ぶや鳥にもがもや都まで送り申して飛び帰るもの 0877 人皆のうらぶれ居るに立田山御馬(みま)近づかば忘らしなむか 0878 言ひつつも後こそ知らめ暫(しま)しくも寂(さぶ)しけめやも君いまさずして 0879 万代にいまし給ひて天の下奏(まを)し給はね朝廷(みかど)去らずて 敢へて私懐(おもひ)を布(の)ぶる歌三首 0880 天ざかる夷(ひな)に五年(いつとせ)住まひつつ都の風俗(てぶり)忘らえにけり 0881 かくのみや息づき居らむあら玉の来経(きへ)ゆく年の限り知らずて 0882 吾(あ)が主の御霊(みたま)賜ひて春さらば奈良の都に召上(めさ)げ賜はね 天平二年十二月(しはす)の六日(むかのひ)、筑前国司山上憶良、 謹みて上(たてまつ)る。 三島王の後に追ひて和(なぞら)へたまへる松浦佐用嬪面の歌一首 0883 音に聞き目にはいまだ見ず佐用姫が領巾振りきとふ君松浦山 大典(おほきふみひと)麻田連陽春(あさたのむらじやす)が大伴君熊凝(くまこり)に為(かは)りて志を述ぶる歌二首 0884 国遠き道の長手をおほほしく恋(こ)ふや過ぎなむ言問(ことどひ)もなく 0885 朝露の消(け)やすき吾(あ)が身他国(ひとくに)に過ぎかてぬかも親の目を欲り 筑前の国司守(みこともちのかみ)山上憶良が、熊凝に為(かは)りて其の志を述ぶる歌に敬みて和(なぞら)ふるうた六首、また序 大伴君熊凝は、肥後国(ひのみちのしりのくに)益城郡(ましきのこほり)の人なり。年十八歳(とをまりやつ)。天平三年(みとせといふとし)六月(みなつき)の十七日(とをかまりなぬかのひ)を以て、相撲使(すまひのつかひ)某の国の司(みこともち)官位姓名の従人(ともびと)と為り、京都(みやこ)に参向(まゐのぼ)る。天為るかも不幸、路に在りて疾を獲、即ち安藝国佐伯郡(さいきのこほり)高庭(たかには)の駅家(うまや)にて、身故(みまか)りぬ。臨終(まか)らむとする時、長歎息(なげ)きて曰く、「伝へ聞く、仮合の身滅び易く、泡沫の命駐め難し。所以に千聖已く去り、百賢留まらず。况乎(まして)凡愚の微しき者、何ぞも能く逃れ避らむ。但我が老親、並(みな)菴室に在りて、我を侍つこと日を過ぐし、自ら心を傷む恨み有らむ。我を望むこと時を違へり。必ず明を喪ふ泣(なみだ)を致さむ。哀しき哉我が父、痛き哉我が母。一身死に向かふ途を患(うれ)へず、唯二親在生の苦を悲しむ。今日長く別れ、何れの世かも観ることを得む」。乃ち歌六首(むつ)を作(よ)みて死(みまか)りぬ。其の歌に曰く、 0886 打日さす 宮へ上ると たらちしの 母が手離れ 常知らぬ 国の奥処(おくか)を 百重山 越えて過ぎゆき いつしかも 都を見むと 思ひつつ 語らひ居れど おのが身し 労(いた)はしければ 玉ほこの 道の隈廻(くまみ)に 草手折り 柴取り敷きて 床じもの うち臥(こ)い伏して 思ひつつ 嘆き伏せらく 国にあらば 父とり見まし 家にあらば 母とり見まし 世間(よのなか)は かくのみならし 犬じもの 道に伏してや 命過ぎなむ 0887 たらちしの母が目見ずておほほしくいづち向きてか吾(あ)が別るらむ 0888 常知らぬ道の長手を暗々(くれくれ)といかにか行かむ糧(かりて)は無しに 0889 家にありて母が取り見ば慰むる心はあらまし死なば死ぬとも 0890 出でてゆきし日を数へつつ今日今日と吾(あ)を待たすらむ父母らはも 0891 一世には二遍(ふたたび)見えぬ父母を置きてや長く吾(あ)が別れなむ 貧窮問答の歌一首、また短歌 0892 風雑(まじ)り 雨降る夜(よ)の 雨雑り 雪降る夜は すべもなく 寒くしあれば 堅塩を 取りつづしろひ 糟湯酒(かすゆさけ) うち啜(すす)ろひて 咳(しはぶ)かひ 鼻びしびしに しかとあらぬ 髭掻き撫でて 吾(あれ)をおきて 人はあらじと 誇ろへど 寒くしあれば 麻衾(あさふすま) 引き被(かがふ)り 布肩衣(ぬのかたきぬ) ありのことごと 着襲(そ)へども 寒き夜すらを 我よりも 貧しき人の 父母は 飢ゑ寒からむ 妻子(めこ)どもは 乞ひて泣くらむ この時は いかにしつつか 汝(な)が世は渡る 天地は 広しといへど 吾(あ)が為は 狭(さ)くやなりぬる 日月は 明(あか)しといへど 吾(あ)が為は 照りやたまはぬ 人皆か 吾(あ)のみやしかる わくらばに 人とはあるを 人並に 吾(あれ)も作るを 綿も無き 布肩衣の 海松(みる)のごと 乱(わわ)け垂(さが)れる かかふのみ 肩に打ち掛け 伏廬(ふせいほ)の 曲廬(まげいほ)の内に 直土(ひたつち)に 藁解き敷きて 父母は 枕の方に 妻子どもは 足(あと)の方に 囲み居て 憂へ吟(さまよ)ひ 竈には 火気(けぶり)吹き立てず 甑(こしき)には 蜘蛛の巣かきて 飯(いひ)炊(かし)く ことも忘れて ぬえ鳥の のどよび居るに いとのきて 短き物を 端切ると 云へるが如く 笞杖(しもと)執る 里長(さとをさ)が声は 寝屋処(ねやど)まで 来立ち呼ばひぬ かくばかり すべなきものか 世間(よのなか)の道 0893 世間を憂しと恥(やさ)しと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば 0900 富人の家の子どもの着る身なみ腐(くた)し捨つらむ絹綿らはも 0901 荒布(あらたへ)の布衣をだに着せかてにかくや嘆かむ為むすべを無み 山上憶良頓首謹みて上る。 好去好来の歌一首、また短歌 0894 神代より 言ひ伝て来(け)らく そらみつ 倭(やまと)の国は 皇神(すめかみ)の 厳(いつく)しき国 言霊(ことたま)の 幸(さき)はふ国と 語り継ぎ 言ひ継がひけり 今の世の 人もことごと 目の前に 見たり知りたり 人さはに 満ちてはあれども 高光る 日の朝廷(みかど) 神ながら 愛での盛りに 天の下 奏(まを)したまひし 家の子と 選びたまひて 大御言 反云、大命(オホミコト) 戴き持ちて 唐(もろこし)の 遠き境に 遣はされ 罷りいませ 海原の 辺(へ)にも沖にも 神づまり 領(うしは)きいます 諸々の 大御神たち 船の舳に 反云、フナノヘニ 導きまをし 天地の 大御神たち 倭の 大国御魂(みたま) 久かたの 天(あま)のみ空ゆ 天翔(あまかけ)り 見渡したまひ 事終り 帰らむ日には 又更に 大御神たち 船の舳に 御手うち掛けて 墨縄を 延(は)へたるごとく 阿庭可遠志 値嘉(ちか)の崎より 大伴の 御津の浜びに 直(ただ)泊(は)てに 御船は泊てむ 障(つつ)みなく 幸くいまして 早帰りませ 反し歌 0895 大伴の御津の松原かき掃きて我立ち待たむ早帰りませ 0896 難波津に御船泊てぬと聞こえ来ば紐解き放けて立ち走りせむ 天平五年三月の一日 良宅対面、献ルハ三日ナリ。山上憶良 謹みて上る。 大唐大使(もろこしにつかはすつかひのかみ)の卿の記室。 沈痾自哀文 山上憶良作 竊(ひそ)かに以(おもひみ)るに、朝夕山野に佃食する者すら、猶災害無くして世を度ることを得 謂ふは、常に弓箭を執りて六斎を避けず、値ふところの禽獣、大小を論はず、孕めるとまた孕まざると、並皆(みな)殺し食らふ。此を以て業と為す者をいへり。昼夜河海に釣漁する者すら、尚慶福有りて俗を経ることを全くす 謂ふは、漁夫潜女各勤むるところ有り。男は手に竹竿を把りて、能く波浪の上に釣り、女は腰に鑿と籠を帯び、潜きて深潭の底に採る者をいへり。况乎(まして)我胎生より今日に至るまで、自ら修善の志有り、曽て作悪の心無し 謂ふは、諸悪莫作、諸善奉行の教へを聞くことをいへり。所以に三宝を礼拝し、日として勤まざるは無く 毎日誦経、発露、懺悔せり、百神を敬重し、夜として欠けたること鮮(な)し 謂ふは、天地諸神等を敬拝するをいへり。嗟乎(ああ)恥(やさ)しきかも、我何(いか)なる罪を犯してか此の重疾に遭へる 謂ふは、未だ過去に造りし罪か、若しは是現前に犯せる過なるかを知らず、罪過を犯すこと無くは、何ぞ此の病を獲むやといへり。初めて痾ひに沈みしより已来(このかた)、年月稍多し 謂ふは、十余年を経たるをいへり。是の時年七十有四、鬢髪斑白にして、筋力汪羸(わうるい)。但に年老いるのみにあらず、復た斯の病を加へたり。諺に曰く、「痛き瘡は塩を灌ぎ、短き材は端を截る」といふは、此の謂なり。四支動かず、百節皆疼み、身体太だ重きこと、猶鈞石を負へるがごとし 二十四銖を一両と為し、十六両を一斤を為し、卅斤を一鈞と為し、四鈞を一石と為す、合せて一百廿斤なり。布を懸けて立たむとすれば、翼折れたる鳥の如く、杖に倚りて歩まむとすれば、跛足(あしなへ)の驢(うさぎうま)に比(たぐ)ふ。吾、身已く俗を穿ち、心も亦塵に累(つな)がるるを以て、禍の伏す所、祟の隠るる所を知らむと欲ひ、亀卜の門、巫祝の室に、徃きて問はずといふこと無し。若しは実なれ、若しは妄(いつはり)なれ、其の教ふる所に隋ひ、幣帛を奉り、祈祷せずといふこと無し。然れども弥よ苦を増す有り、曽て減差(い)ゆること無し。吾聞く、前代に多く良医有りて、蒼生の病患を救療す。楡柎、扁鵲、華他、秦の和、緩、葛稚川、陶隠居、張仲景等のごときに至りては、皆是世に在りし良医にして、除愈せずといふこと無しと 扁鵲、姓は秦、字は越人、勃海郡の人なり。胸を割きて心腸を採りて之を置き、投(い)るるに神薬を以てすれば、即ち寤めて平の如し。華他、字は元化、沛国のセフの人なり。若し病結積(むすぼ)れ沈重(おも)れる者有らば、内に在る者は腸を刳きて病を取る。縫ひ復して膏を摩れば、四五日にして差(い)ゆ。件の医(くすし)を追ひ望むとも、敢へて及ぶ所にあらじ。若し聖医神薬に逢はば、仰ぎ願はくは五蔵を割刳(さ)きて百病を抄採(さぐ)り、尋ねて膏盲の奥処(あうしよ)に達(いた)り 盲は鬲なり。心の下を膏とす。之を改むること可(よ)からず。之に達れども及ばず、薬至らず、二竪の逃れ匿りたるを顕さむと欲(す) 謂ふは、晉の景公疾み、秦の医(くすし)緩視て還りしは、鬼の為に殺さると謂ふべしといへり。命根既く尽き、其の天年を終りてすら、なほ哀しと為す 聖人賢者一切含霊、誰か此の道を免れむ。何ぞ况んや、生録未だ半ばならずして、鬼に枉殺せられ、顏色壮年にして、病に横困せらる者をや。世に在るの大患、孰れか此より甚だしからむ 志恠記に云く、「廣平の前の大守、北海の徐玄方の女、年十八歳にして死ぬ。其の霊、馮馬子に謂ひて曰く、『我が生録を案ふるに、寿(よはひ)八十余歳なるべし。今妖鬼の為に枉殺されて、已に四年を経たり』と。此に馮馬子に遇ひて、乃ち更活(よみがへ)ることを得たり」といふは是なり。内教に云く、「瞻浮州の人は寿百二十歳なり」と。謹みて此の数を案ふるに、必(うたがた)も此を過ぐること得ずといふに非ず。故に寿延経に云はく、「比丘有り、名を難逹と曰ふ。命終の時に臨み、仏に詣でて寿を請ひ、則ち十八年を延べたり」といふ。但善を為す者のみ、天地と相畢(を)はる。其の寿夭は、業報の招く所にして、其の脩短に隋ひて半ばと為る。未だ斯の算に盈たずしてすみやかに死去す。故に未だ半ばならずと曰ふ。任徴君曰く、「病は口より入る。故に君子は其の飲食を節(つつし)む」と。斯に由りて言はば、人の疾病に遇ふは必も妖鬼にあらず。それ医方諸家の広説、飲食禁忌の厚訓、知ること易く行ふこと難き鈍情の、三つは目に盈ち耳に満つこと由来久し。抱朴子に曰く、「人は但其の当(まさ)に死なむ日を知らず、故に憂へざるのみ。若し誠に、羽カク期を延ぶること得べき者を知らば、必ず之を為さむ」と。此を以て観れば、乃ち知りぬ、我が病は盖しこれ飲食の招く所にして、自ら治むること能はぬものか。帛公略説に曰く、「伏して思ひ自ら励むに、斯の長生を以てす。生は貪るべし、死は畏(おそ)るべし」と。天地の大徳を生と曰ふ。故に死人は生鼠に及かず。王侯為りと雖も、一日気を絶たば、金を積むこと山の如くありとも、誰か富と為(せ)む。威勢海の如くありとも、誰か貴しと為む。遊仙窟に曰く、「九泉下の人、一銭にだに直(あたひ)せず」と。孔子の曰く、「天に受けて、変易すべからぬものは形なり、命に受けて請益すべからぬものは寿(いのち)なり」と 鬼谷先生の相人書に見ゆ。故に生の極りて貴く、命の至りて重きことを知る。言はむと欲へば言窮まる。何を以てか言はむ。慮(おもひはか)らむと欲へば慮(おもひはか)り絶ゆ、何に由(よ)りてか慮らむ。惟以(おもひ)みれば、人賢愚と無く、世古今と無く、咸(ことごと)く悉(みな)嗟歎(なげ)く。歳月競ひ流れ、昼夜息(いこ)はず 曾子曰く、「往きて反らぬものは年なり」と。宣尼の川に臨む歎きも亦是なり。老疾相催し、朝夕侵し動(さは)ぐ。一代の歓楽、未だ席前に尽きずして 魏文の時賢を惜しむ詩に曰く、「未だ西花の夜を尽さず、劇(たちまち)に北芒の塵となる」と。千年の愁苦、更に坐後を継ぐ 古詩に云く、「人生百に満たず、何ぞ千年の憂を懐かむ」。若夫(それ)群生品類、皆尽くること有る身を以て、並(とも)に窮り無き命を求めずといふこと莫し。所以に道人方士の自ら丹経を負ひ、名山に入りて合薬する者は、性を養ひ神を怡(よろこ)び、以て長生を求む。抱朴子に曰く、「神農云く、『百病愈えずは、安(いかに)ぞ長生を得む』」と。帛公又曰く、「生は好き物なり。死は悪しき物なり」と。若し不幸にして長生を得ずは、猶生涯病患無き者を以て福大と為さむか。今吾病を為し悩を見、臥坐を得ず。東に向かひ西に向かひ、為す所知ること莫し。福無きこと至りて甚しき、すべて我に集まる。人願へば天従ふ。如し実有らば、仰ぎ願はくは、頓(たちまち)に此の病を除き、頼(さきはひ)に平の如くあるを得む。鼠を以て喩とす、豈に愧ぢざらむや 已に上に見ゆ。 俗道仮合即離、去り易く留まり難きを悲歎する詩一首、また序 竊に以(おもひみ)るに、釋慈の示教 釋氏慈氏を謂へり、先に三帰 仏法僧に帰依するを謂へり、五戒 謂ふは、一に不殺生、二に不偸盗、三に不邪婬、四に不妄語、五に不飲酒をいへりを開きて遍く法界を化(おもむ)け、周孔の垂訓は、前に三綱 謂ふは、君臣・父子・夫婦をいへり、五教謂ふは、父義・母慈・兄友・弟順・子孝をいへりを張りて、斉しく邦国を済(すく)ふ。故に知る、引導は二ありと雖も、悟を得たるは惟一なりと。但以(おもひみ)れば世に恒質無し、所以に陵谷更に変る。人に定期無し、所以に寿夭同じからず。撃目の間、百齢已に尽き、申臂(しんぴ)の頃(けい)、千代(せんだい)亦空し。旦には席上の主となり、夕には泉下の客となる。白馬走り来るとも、黄泉(くわうせん)は何にか及ばむ。隴上の青松、空しく信釼を懸け、野中の白楊、但悲風に吹かる。是に知る、世俗本より隠遁の室無く、原野唯長夜の台(うてな)のみ有り。先聖已に去り、後賢留まらず。如し贖ひて免るべきこと有らば、古人誰か価金無からむ。未だ独り存(ながら)へて遂に世の終を見る者を聞かず、所以に維摩大士は玉体を方丈に疾み、釋迦能仁は金容を双樹に掩へり。内教に曰く、「黒闇の後に来らむを欲せずは、徳天の先に至るに入ること莫かれ」と 徳天は生なり。黒闇は死なり。故に知る、生必ず死有り、死若し欲(ねが)はざらむは、生まれぬには如かず。况乎(まして)縦ひ始終の恒数を覚るとも、何にぞ存亡の大期を慮(おもひはか)らむ。 俗道の変化は撃目の如く 人事の経紀は申臂の如し 空しく浮雲と大虚を行き 心力共に尽きて寄る所無し 老身重病年を経て辛苦(くる)しみ、また児等を思ふ歌五首 長一首、短四首 0897 玉きはる 現(うち)の限りは 平らけく 安くもあらむを 事もなく 喪なくもあらむを 世間(よのなか)の 憂けく辛けく いとのきて 痛き瘡(きず)には 辛塩を 灌ぐちふごとく ますますも 重き馬荷に 表荷(うはに)打つと いふことのごと 老いにてある 吾(あ)が身の上に 病をら 加へてしあれば 昼はも 嘆かひ暮らし 夜はも 息づき明かし 年長く 病みしわたれば 月重ね 憂へさまよひ ことことは 死ななと思(も)へど 五月蝿(さばへ)なす 騒く子どもを 棄(うつ)てては 死には知らず 見つつあれば 心は燃えぬ かにかくに 思ひ煩ひ 音のみし泣かゆ 反し歌 0898 慰むる心は無しに雲隠れ鳴きゆく鳥の音のみし泣かゆ 0899 すべもなく苦しくあれば出で走り去(い)ななと思(も)へど子等に障(さや)りぬ 0902 水沫(みなわ)なす脆き命も栲縄(たくなは)の千尋にもがと願ひ暮らしつ 0903 しづたまき数にもあらぬ身にはあれど千年にもがと思ほゆるかも 去ル神亀二年ニ作メリ。但類ヲ以テノ故ニ更ニ茲ニ載ス 天平五年六月の丙申(ひのえさる)の朔(つきたち)三日(みかのひ)戊戌(つちのえいぬ)作めり。 男子(をのこ)名は古日(ふるひ)を恋ふる歌三首 長一首、短二首 0904 世の人の 貴み願ふ 七種(くさ)の 宝も吾(あれ)は 何せむに 願ひ欲(ほり)せむ 我が中の 生れ出でたる 白玉の 我が子古日は 明星(あかぼし)の 明くる朝(あした)は 敷細(しきたへ)の 床の辺去らず 立てれども 居れども共に 掻き撫でて 言問ひ戯(たは)れ 夕星(ゆふづつ)の 夕べになれば いざ寝よと 手を携はり 父母も うへはな離(さか)り 三枝(さきくさ)の 中にを寝むと 愛(うるは)しく しが語らへば いつしかも 人と成り出でて 悪しけくも 吉けくも見むと 大船の 思ひ頼むに 思はぬに 横様(よこしま)風の にはかにも 覆ひ来たれば 為むすべの たどきを知らに 白妙の たすきを掛け 真澄鏡 手に取り持ちて 天つ神 仰(あふ)ぎ祈(こ)ひ祷(の)み 国つ神 伏して額づき かからずも かかりもよしゑ 天地の 神のまにまと 立ちあざり 我が祈ひ祷めど しましくも 吉けくはなしに 漸々(やうやう)に かたちつくほり 朝な朝(さ)な 言ふことやみ 玉きはる 命絶えぬれ 立ち躍り 足すり叫び 伏し仰ぎ 胸打ち嘆き 手に持たる 吾(あ)が子飛ばしつ 世間の道 反し歌 0905 若ければ道行き知らじ賄(まひ)はせむ下方(したへ)の使負ひて通らせ 0906 布施置きて吾(あれ)は祈ひ祷む欺かず直(ただ)に率(ゐ)行きて天道知らしめ -------------------------------------------------------- .巻第六(むまきにあたるまき) 雑歌(くさぐさのうた) 養老(やうらう)七年(ななとせといふとし)癸亥(みづのとゐ)夏五月(さつき)、芳野の離宮(とつみや)に幸(いでま)せる時、笠朝臣金村がよめる歌一首(ひとつ)、また短歌(みじかうた) 0907 滝(たぎ)の上(へ)の 三船の山に 水枝(みづえ)さし 繁(しじ)に生ひたる 樛(つが)の木の いや継ぎ継ぎに 万代に かくし知らさむ み吉野の 秋津(あきづ)の宮は 神柄(かみから)か 貴かるらむ 国柄か 見が欲しからむ 山川を 淳(あつ)み清(さや)けみ 大宮と 諾(うべ)し神代ゆ 定めけらしも 反(かへ)し歌二首 0908 毎年(としのは)にかくも見てしかみ吉野の清き河内(かふち)の激(たぎ)つ白波 0909 山高み白木綿花(しらゆふはな)に落ち激つ滝(たぎ)の河内は見れど飽かぬかも 或ル本ノ反シ歌ニ曰ク、 0910 神柄か見が欲しからむみ吉野の滝の河内は見れど飽かぬかも 0911 み吉野の秋津の川の万代に絶ゆることなくまた還り見む 0912 泊瀬女(はつせめ)の造る木綿花み吉野の滝の水沫(みなわ)に咲きにけらずや 車持朝臣千年(くらもちのあそみちとせ)がよめる歌一首、また短歌 0913 味凝(うまこり) あやに羨(とも)しき 鳴神の 音のみ聞きし み吉野の 真木立つ山ゆ 見降(くだ)せば 川の瀬ごとに 明け来れば 朝霧立ち 夕されば かはづ鳴くなり 紐解かぬ 旅にしあれば 吾(あ)のみして 清き川原を 見らくし惜しも 反し歌一首 0914 滝(たぎ)の上(へ)の三船の山は見つれども思ひ忘るる時も日も無し 或ル本ノ反シ歌ニ曰ク、 0915 千鳥泣くみ吉野川の川音(かはと)なす止む時なしに思ほゆる君 0916 茜さす日並べなくに吾(あ)が恋は吉野の川の霧に立ちつつ 右、年月審(ツマビラ)カナラズ。但歌類ヲ以テ此ノ次 ニ載ス。或ル本ニ云ク、養老七年五月、芳野 離宮ニ幸セル時ニ作ム。 神亀(じむき)元年(はじめのとし)甲子(きのえね)冬十月(かみなつき)五日(いつかのひ)、紀伊国に幸せる時、山部宿禰赤人がよめる歌一首、また短歌 0917 やすみしし 我ご大王(おほきみ)の 外津宮(とつみや)と 仕へ奉(まつ)れる 雑賀野(さひかぬ)ゆ 背向(そがひ)に見ゆる 沖つ島 清き渚に 風吹けば 白波騒き 潮干(ひ)れば 玉藻刈りつつ 神代より しかぞ貴き 玉津(たまづ)島山 反し歌二首 0918 沖つ島荒磯(ありそ)の玉藻潮干満ちてい隠(かく)ろひなば思ほえむかも 0919 若の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺(あしへ)をさして鶴(たづ)鳴き渡る 右、年月記サズ。但称ハク玉津島ニ従駕セリキト。 因リテ今行幸ノ年月ヲ検注シ、以テ載ス。 二年(ふたとせといふとし)乙丑(きのとのうし)夏五月(さつき)、芳野の離宮に幸せる時、笠朝臣金村がよめる歌一首、また短歌 0920 あしひきの み山も清(さや)に 落ち激(たぎ)つ 吉野の川の 川の瀬の 浄きを見れば 上辺(かみへ)には 千鳥しば鳴き 下辺(しもへ)には かはづ妻呼ぶ 百敷の 大宮人も をちこちに 繁(しじ)にしあれば 見るごとに あやにともしみ 玉葛(たまかづら) 絶ゆることなく 万代(よろづよ)に かくしもがもと 天地(あめつち)の 神をぞ祈る 畏かれども 反し歌二首 0921 万代に見とも飽かめやみ吉野の滝(たぎ)つ河内の大宮所 0922 人皆の命も吾(あれ)もみ吉野の滝の常磐の常ならぬかも 山部宿禰赤人がよめる歌二首、また短歌 0923 やすみしし 我ご大王(おほきみ)の 高知らす 吉野の宮は たたなづく 青垣隠(ごも)り 川並の 清き河内(かふち)そ 春へは 花咲き撓(をを)り 秋されば 霧立ち渡る その山の いや益々に この川の 絶ゆること無く 百敷の 大宮人は 常に通はむ 反し歌二首 0924 み吉野の象山(きさやま)の際(ま)の木末(こぬれ)にはここだも騒く鳥の声かも 0925 ぬば玉の夜の更けぬれば久木生ふる清き川原に千鳥しば鳴く 0926 やすみしし 我ご大王は み吉野の 秋津の小野の 野の上(へ)には 跡見(とみ)据ゑ置きて み山には 射目(いめ)立て渡し 朝狩に 獣(しし)踏み起し 夕狩に 鳥踏み立て 馬並(な)めて 御狩そ立たす 春の茂野に 反し歌一首 0927 あしひきの山にも野にも御狩人さつ矢手(だ)挟み騒ぎたり見ゆ 右、先後ヲ審ラカニセズ。但便ヲ以テノ故ニ此次ニ載ス。 冬十月(かみなづき)、難波の宮に幸せる時、笠朝臣金村がよめる歌一首、また短歌 0928 押し照る 難波の国は 葦垣の 古りにし里と 人皆の 思ひ安みて 連れもなく ありし間に 続麻(うみを)なす 長柄(ながら)の宮に 真木柱 太高敷きて 食(を)す国を 治めたまへば 沖つ鳥 味經(あぢふ)の原に 物部(もののふ)の 八十伴雄(やそとものを)は 廬りして 都と成れり 旅にはあれども 反し歌二首 0929 荒野らに里はあれども大王の敷き坐(ま)す時は都と成りぬ 0930 海未通女(あまをとめ)棚無小舟榜ぎ出(づ)らし旅の宿りに楫の音(と)聞こゆ 車持朝臣千年がよめる歌一首、また短歌 0931 鯨魚(いさな)取り 浜辺を清み 打ち靡き 生ふる玉藻に 朝凪に 千重(ちへ)波寄り 夕凪に 五百重(いほへ)波寄る 沖つ波 いや益々に 辺(へ)つ波の いやしくしくに 月に日(け)に 日々に見がほし 今のみに 飽き足らめやも 白波の い咲き廻(もと)へる 住吉(すみのえ)の浜 反し歌一首 0932 白波の千重に来寄する住吉の岸の黄土生(はにふ)ににほひて行かな 山部宿禰赤人がよめる歌一首、また短歌 0933 天地の 遠きが如く 日月(ひつき)の 長きが如く 押し照る 難波の宮に 我ご大王 国知らすらし 御食(みけ)つ国 日々の御調(みつき)と 淡路の 野島の海人の 海(わた)の底 沖つ海石(いくり)に 鮑玉(あはびたま) 多(さは)に潜(かづ)き出 船並(な)めて 仕へ奉(まつ)るか 貴し見れば 反し歌一首 0934 朝凪に楫の音(と)聞こゆ御食つ国野島の海人の船にしあるらし 三年(みとせといふとし)丙寅(ひのえとら)秋九月(ながつき)十五日(とをかまりいつかのひ)、播磨国印南野(いなみぬ)に幸(いでま)せる時、笠朝臣金村がよめる歌一首、また短歌 0935 名寸隅(なきすみ)の 船瀬(ふなせ)ゆ見ゆる 淡路島 松帆の浦に 朝凪に 玉藻刈りつつ 夕凪に 藻塩焼きつつ 海未通女(あまをとめ) ありとは聞けど 見に行かむ 由のなければ 大夫(ますらを)の 心は無しに 手弱女(たわやめ)の 思ひたわみて 徘徊(たもとほ)り 吾(あれ)はそ恋ふる 船楫(ふねかぢ)を無み 反し歌二首 0936 玉藻刈る海未通女ども見に行かむ船楫もがも波高くとも 0937 往き還り見とも飽かめや名寸隅の船瀬の浜に頻る白波 山部宿禰赤人がよめる歌一首 、また短歌 0938 やすみしし 我が大王の 神ながら 高知らせる 印南野の 大海(おほうみ)の原の 荒栲(あらたへ)の 藤江の浦に 鮪(しび)釣ると 海人船騒ぎ 塩焼くと 人そ多(さは)なる 浦を吉(よ)み 諾(うべ)も釣はす 浜を吉み 諾も塩焼く あり通ひ 見(め)さくも著(しる)し 清き白浜 反し歌三首 0939 沖つ波辺波静けみ漁(いざ)りすと藤江の浦に船そ騒げる 0940 印南野の浅茅押しなべさ寝(ぬ)る夜の日(け)長くしあれば家し偲はゆ 0941 明石潟潮干の道を明日よりは下笑ましけむ家近づけば 辛荷(からに)の島を過ぐる時、山部宿禰赤人がよめる歌一首、また短歌 0942 あぢさはふ 妹が目離(か)れて 敷細(しきたへ)の 枕も巻かず 桜皮(かには)巻き 作れる舟に 真楫(かぢ)貫(ぬ)き 吾(あ)が榜ぎ来れば 淡路の 野島も過ぎ 印南嬬(いなみつま) 辛荷の島の 島の際(ま)ゆ 我家(わぎへ)を見れば 青山の そことも見えず 白雲も 千重になり来ぬ 榜ぎ廻(たむ)る 浦のことごと 行き隠る 島の崎々 隈(くま)も置かず 思ひそ吾(あ)が来る 旅の日(け)長み 反し歌三首 0943 玉藻刈る辛荷の島に島回(み)する鵜にしもあれや家思(も)はざらむ 0944 島隠り吾(あ)が榜ぎ来れば羨(とも)しかも大和へ上る真熊野の船 0945 風吹けば波か立たむと伺候(さもらひ)に都太(つた)の細江に浦隠り居り 敏馬(みぬめ)の浦を過ぐる時、山部宿禰赤人がよめる歌一首、また短歌 0946 御食(みけ)向ふ 淡路の島に 直(ただ)向ふ 敏馬の浦の 沖辺には 深海松(ふかみる)摘み 浦廻には 名告藻(なのりそ)苅り 深海松の 見まく欲しけど 名告藻の 己が名惜しみ 間使も 遣らずて吾(あれ)は 生けるともなし 反し歌一首 0947 須磨の海人の塩焼き衣の慣れなばか一日も君を忘れて思はむ 右ノ作歌、年月詳ラカナラズ。但類ヲ以テノ故ニ 此ノ次ニ載ス。 四年(よとせといふとし)丁卯(ひのとのう)春正月(むつき)、諸王(おほきみたち)諸臣子等(おみたち)に勅(みことのり)して、授刀寮に散禁(はなちいまし)めたまへる時によめる歌一首、また短歌 0948 真葛(まくず)延(は)ふ 春日の山は 打ち靡く 春さりゆくと 山の辺(へ)に 霞たな引き 高圓(たかまと)に 鴬鳴きぬ 物部(もののふ)の 八十伴男(やそとものを)は 雁が音の 来継ぎこの頃 かく継ぎて 常にありせば 友並(な)めて 遊ばむものを 馬並めて 行かまし里を 待ちがてに 吾(あ)がせし春を かけまくも あやに畏し 言はまくも 忌々(ゆゆ)しからむと あらかじめ かねて知りせば 千鳥鳴く その佐保川に 石(いそ)に生ふる 菅の根採りて 偲(しぬ)ふ草 祓ひてましを 行く水に 禊(みそ)ぎてましを 大王の 命畏み 百敷の 大宮人の 玉ほこの 道にも出でず 恋ふるこの頃 反し歌一首 0949 梅柳過ぐらく惜しみ佐保の内に遊びし事を宮もとどろに 右、神亀四年正月、数王子マタ諸臣子等、春日野ニ 集ヒ、打毬ノ楽ヲ作ス。其ノ日、忽チニ天陰リ、雨 フリ雷(カミ)ナリ電(イナビカリ)ス。此ノ時宮中ニ侍従マタ侍衛無 シ。勅シテ刑罰ニ行ヒ、皆授刀寮ニ散禁シテ、妄リ ニ道路ニ出ヅルコトヲ得ザラシメタマフ。時ニ悒憤 シテ、即チ斯ノ歌ヲ作ム。作者ハ詳ラカナラズ。 五年(いつとせといふとし)戊辰(つちのえたつ)、難波の宮に幸せる時よめる歌四首 0950 大王の境ひたまふと山守(やまもり)据ゑ守(も)るちふ山に入らずはやまじ 0951 見渡せば近きものから石(いそ)隠り燿(かがよ)ふ玉を取らずはやまじ 0952 韓衣(からころも)着奈良の里の君松に玉をし付けむ好(よ)き人もがも 0953 さ牡鹿の鳴くなる山を越え行かむ日だにや君にはた逢はざらむ 右、笠朝臣金村ガ歌ノ中ニ出ヅ。或ハ云ク、車持 朝臣千年作ムト。 膳王(かしはでのおほきみ)の歌一首 0954 朝(あした)には海辺に漁(あさ)りし夕されば大和へ越ゆる雁し羨しも 右ノ作歌ノ年ハ審ラカナラズ。但歌類ヲ以テ便チ 此ノ次ニ載ス。 太宰少弐(おほみこともちのすなきすけ)石川朝臣足人(たりひと)が歌一首 0955 刺竹(さすだけ)の大宮人の家と住む佐保の山をば思ふやも君 帥(かみ)大伴卿(おほとものまへつきみ)が和(こた)ふる歌一首 0956 やすみしし我が大王の食す国は大和もここも同(おや)じとそ思(も)ふ 冬十一月(しもつき)、太宰の官人(つかさひと)等、香椎の廟を拝(をろが)み奉り、訖(を)へて退帰(まか)れる時、馬を香椎の浦に駐(とど)めて、各(おのもおのも)懐(おもひ)を述べてよめる歌 帥(かみ)大伴の卿(まへつきみ)の歌一首 0957 いざ子ども香椎の潟に白妙の袖さへ濡れて朝菜摘みてむ 大弐(おほきすけ)小野老朝臣が歌一首 0958 時つ風吹くべくなりぬ香椎潟潮干の浦に玉藻刈りてな 豊前守(とよくにのみちのくちのかみ)宇努首男人(うぬのおびとをひと)が歌一首 0959 往き還り常に吾(あ)が見し香椎潟明日ゆ後には見む縁(よし)もなし 帥大伴の卿の芳野の離宮(とつみや)を遥思(しぬ)ひてよみたまへる歌一首 0960 隼人(はやひと)の瀬戸の巌(いはほ)も鮎走る吉野の滝になほしかずけり 帥大伴の卿の、次田(すきた)の温泉(ゆ)に宿りて、鶴(たづ)が喧(ね)を聞きてよみたまへる歌一首 0961 湯の原に鳴く葦鶴は吾(あ)が如く妹に恋ふれや時わかず鳴く 天平(てむひやう)二年庚午(かのえうま)、勅(みことのり)して駿馬(ときうま)を擢(えら)ぶ使大伴道足(みちたり)宿禰を遣はせる時の歌一首 0962 奥山の岩に苔むし畏くも問ひ賜ふかも思ひあへなくに 右、勅使(みかどつかひ)大伴道足宿禰を帥の家に饗(あへ)す。此の日 衆諸を会集へ、駅使(はゆまづかひ)葛井連廣成を相誘ひ、歌詞 を作むべしと言ふ。登時(すなはち)廣成声に応へて、此の歌 を吟(うた)へりき。 冬十一月(しもつき)、大伴坂上郎女が帥の家より上道(みちだち)して、筑前国宗形郡名兒山を超ゆる時よめる歌一首 0963 大汝(おほなむぢ) 少彦名(すくなびこな)の 神こそは 名付けそめけめ 名のみを 名兒山と負ひて 吾(あ)が恋の 千重の一重も 慰めなくに 同(おや)じ坂上郎女が京(みやこ)に向(のぼ)る海路(うみつぢ)にて浜の貝を見てよめる歌一首 0964 我が背子に恋ふれば苦し暇(いとま)あらば拾ひて行かむ恋忘れ貝 冬十二月(しはす)、太宰帥(おほみこともちのかみ)大伴の卿の京に上りたまふ時、娘子(をとめ)がよめる歌二首 0965 凡(おほ)ならばかもかもせむを畏みと振りたき袖を忍(しぬ)ひてあるかも 0966 大和道は雲隠れたりしかれども吾(あ)が振る袖を無礼(なめ)しと思(も)ふな 右、太宰帥大伴の卿の大納言に兼任(め)され、京に向(のぼ)らむ として上道(みちだち)したまふ。此の日水城に馬駐め、府家を顧 み望む。時に卿を送る府吏(つかさひと)の中に遊行女婦(うかれめ)あり。其の 字(な)を兒島(こしま)と曰ふ。是に娘子、此の別れ易きを傷み、彼の 会ひ難きを嘆き、涕を拭ひて自ら袖を振る歌を吟(うた)ふ。 大納言(おほきものまをすつかさ)大伴の卿の和へたまへる歌二首 0967 大和道の吉備の兒島を過ぎて行かば筑紫の子島思ほえむかも 0968 大夫(ますらを)と思へる吾(あれ)や水茎(みづくき)の水城(みづき)の上に涙拭(のご)はむ 三年辛未(かのとひつじ)、大納言大伴の卿の、寧樂の家に在りて故郷(ふるさと)を思(しぬ)ひてよみたまへる歌二首 0969 暫(しま)しくも行きて見てしか神名備(かむなび)の淵は浅(あせ)にて瀬にか成るらむ 0970 群玉の栗栖(くるす)の小野の萩が花散らむ時にし行きて手向けむ 四年壬申(みづのえさる)、藤原宇合の卿の西海道(にしのうみつぢ)の節度使に遣はさるる時、高橋連蟲麻呂がよめる歌一首、また短歌 0971 白雲の 龍田の山の 露霜に 色づく時に 打ち越えて 旅行く君は 五百重山 い行きさくみ 賊(あた)守る 筑紫に至り 山の極(そき) 野の極見(め)せと 伴の部(べ)を 班(あが)ち遣はし 山彦の 答へむ極み 蟾蜍(たにぐく)の さ渡る極み 国形を 見(め)したまひて 冬籠り 春さりゆかば 飛ぶ鳥の 早還り来ね 龍田道の 岡辺の道に 紅躑躅(につつじ)の にほはむ時の 桜花 咲きなむ時に 山釿(たづ)の 迎へ参ゐ出む 君が来まさば 反し歌一首 0972 千万(ちよろづ)の軍(いくさ)なりとも言挙げせず討(と)りて来(き)ぬべき男(をとこ)とぞ思(も)ふ 天皇(すめらみこと)の節度使の卿等(まへつきみたち)に酒(おほみき)賜へる御歌(おほみうた)一首、また短歌 0973 食(を)す国の 遠の朝廷(みかど)に 汝(いまし)らし かく罷りなば 平けく 吾(あれ)は遊ばむ 手抱(てうだ)きて 吾(あれ)はいまさむ 天皇(すめら)朕(わ)が 珍(うづ)の御手もち 掻き撫でそ 労(ね)ぎたまふ 打ち撫でそ 労ぎたまふ 還り来む日 相飲まむ酒(き)そ この豊御酒(とよみき)は 反し歌一首 0974 大夫(ますらを)の行くちふ道そおほろかに思ひて行くな大夫の伴 右ノ御歌ハ、或ハ云ク、太上天皇ノ御製ナリト。 中納言(なかのものまをすつかさ)安倍廣庭の卿の歌一首 0975 かくしつつ在らくを好(よ)みぞ玉きはる短き命を長く欲りする 五年癸酉(みづのととり)、草香山を超ゆる時、神社忌寸老麿(かみこそのいみきおゆまろ)がよめる歌二首 0976 難波潟潮干の名残よく見てむ家なる妹が待ち問はむため 0977 直越(ただこえ)のこの道にして押し照るや難波の海と名付けけらしも 山上臣憶良が沈痾(やみこやれ)る時の歌一首 0978 士(をとこ)やも空しかるべき万代に語り継ぐべき名は立てずして 右ノ一首ハ、山上憶良臣ガ沈痾ル時、藤原朝臣八束、 河邊朝臣東人ヲシテ、疾メル状ヲ問ハシム。是ニ憶良 臣、報フル語已ニ畢リ、須ク有リテ涕ヲ拭ヒ、悲シミ 嘆キテ此ノ歌ヲ口吟(ウタ)ヒキ。 大伴坂上郎女が、姪(をひ)家持が佐保より西の宅(いへ)に還帰(かへ)るときに与(おく)れる歌一首 0979 我が背子が着(け)る衣薄し佐保風はいたくな吹きそ家に至るまで 安倍朝臣蟲麻呂が月の歌一首 0980 雨隠り三笠の山を高みかも月の出で来ぬ夜は降(くだ)ちつつ 大伴坂上郎女が月の歌三首 0981 獵高(かりたか)の高圓山を高みかも出で来む月の遅く照るらむ 0982 ぬば玉の夜霧の立ちておほほしく照れる月夜の見れば悲しさ 0983 山の端の細愛壮士(ささらえをとこ)天の原門(と)渡る光見らくしよしも 豊前国(とよくにのみちのくち)の娘子が月の歌一首 娘子字ヲ大宅ト曰フ。姓氏詳ラカナラズ。 0984 雲隠り行方を無みと吾(あ)が恋ふる月をや君が見まく欲りする 湯原王の月の歌二首 0985 天(あめ)にます月読壮士(つくよみをとこ)幣(まひ)はせむ今宵の長さ五百夜(いほよ)継ぎこそ 0986 愛(は)しきやし間近き里の君来むと言ふ徴(しるし)にかも月の照りたる 藤原八束朝臣が月の歌一首 0987 待ちがてに吾(あ)がする月は妹が着(け)る三笠の山に隠(こも)りたりけり 市原王の宴に父安貴王を祷(ほ)きませる歌一首 0988 春草は後は散り易し巌なす常盤にいませ貴き吾君(あきみ) 湯原王の打酒(さかほかひ)の歌一首 0989 焼太刀のかど打ち放ち大夫の寿(ほ)く豊御酒(とよみき)に吾(あれ)酔ひにけり 紀朝臣鹿人(かひと)が跡見(とみ)の茂岡(しげをか)の松の樹の歌一首 0990 茂岡に神さび立ちて栄えたる千代松の樹の歳の知らなく 同じ鹿人が泊瀬河の辺(ほとり)に至りてよめる歌一首 0991 石走(いはばし)り激(たぎ)ち流るる泊瀬川絶ゆること無くまたも来て見む 大伴坂上郎女が元興寺の里を詠める歌一首 0992 古郷の飛鳥はあれど青丹よし奈良の明日香を見らくしよしも 同じ坂上郎女が初月(みかつき)の歌一首 0993 月立ちてただ三日月の眉根(まよね)掻き日(け)長く恋ひし君に逢へるかも 大伴宿禰家持が初月の歌一首 0994 振り放(さ)けて三日月見れば一目見し人の眉引(まよびき)思ほゆるかも 大伴坂上郎女が親族(うがら)と宴せる歌一首 0995 かくしつつ遊び飲みこそ草木すら春は咲きつつ秋は散りぬる 六年(むとせといふとし)甲戌(きのえいぬ)、海犬養宿禰(あまのいぬかひのすくね)岡麿が詔(みことのり)を応(うけたまは)りてよめる歌一首 0996 御民吾(あれ)生ける験(しるし)あり天地の栄ゆる時に遭へらく思へば 春三月(やよひ)、難波の宮に幸せる時の歌六首 0997 住吉(すみのえ)の粉浜(こばま)の蜆開けも見ず隠(こも)りのみやも恋ひ渡りなむ 右の一首(ひとうた)は、作者(よみひと)未詳(しらず)。 0998 眉(まよ)のごと雲居に見ゆる阿波の山懸けて榜ぐ舟泊(とまり)知らずも 右の一首は、船王(ふねのおほきみ)のよみたまへる。 0999 茅渟廻(ちぬみ)より雨そ降り来る四極(しはつ)の海人綱手干したり濡れあへむかも 右の一首は、住吉の浜に遊覧(あそ)びて、宮に還りたまへる時 の道にて、守部王(もりべのおほきみ)の詔を応(うけたまは)りてよみたまへる歌。 1000 児らがあらば二人聞かむを沖つ洲に鳴くなる鶴(たづ)の暁の声 右の一首は、守部王のよみたまへる。 1001 大夫(ますらを)は御狩に立たし娘子(をとめ)らは赤裳裾引く清き浜びを 右の一首は、山部宿禰赤人がよめる。 1002 馬の歩み抑へ留めよ住吉の岸の黄土(はにふ)ににほひて行かむ 右の一首は、安倍朝臣豊継がよめる。 筑後守(つくしのみちのしりのかみ)外従五位(とのひろきいつつのくらゐ)下(しもつしな)葛井連大成が海人の釣船を遥見(みさ)けてよめる歌一首 1003 海女をとめ玉求むらし沖つ波恐(かしこ)き海に船出せり見ゆ 按作村主益人(くらつくりのすくりますひと)が歌一首 1004 思ほえず来ませる君を佐保川のかはづ聞かせず帰しつるかも 右、内匠大属按作村主益人、聊カ飲饌ヲ設ケ、以テ長官 佐為王ヲ饗ス。未ダ日斜(クタ)ツニ及バズシテ王既ク還帰(カヘ)ル。 時ニ益人、厭(ア)カズシテ帰ルコトヲ怜惜(ヲシ)ミテ、仍チ此ノ歌 ヲ作ム。 八年(やとせといふとし)丙子(ひのえね)夏六月(みなつき)、芳野の離宮(とつみや)に幸(いでま)せる時、山部宿禰赤人が詔を応(うけたまは)りてよめる歌一首、また短歌 1005 やすみしし 我が大王の 見(め)したまふ 吉野の宮は 山高(だか)み 雲そ棚引く 川速み 瀬の音(と)そ清き 神さびて 見れば貴く よろしなへ 見れば清(さや)けし この山の 尽きばのみこそ この川の 絶えばのみこそ 百敷の 大宮所 止む時もあらめ 反し歌一首 1006 神代より吉野の宮にあり通ひ高知らせるは山川を吉(よ)み 市原王の独り子を悲しみたまへる歌一首 1007 言問はぬ木すら妹(いも)と兄(せ)ありちふをただ独り子にあるが苦しさ 忌部首黒麿(いみべのおびとくろまろ)が友の来ること遅きを恨むる歌一首 1008 山の端にいさよふ月の出でむかと吾(あ)が待つ君が夜は降ちつつ 冬十一月(しもつき)、左大弁(ひだりのおほきおほともひ)葛城王(かづらきのおほきみ)等(たち)に、橘の氏(うぢ)を賜姓(たま)へる時、みよみませる御製歌(おほみうた)一首 1009 橘は実さへ花さへその葉さへ枝(え)に霜降れどいや常葉(とこは)の木 右、冬十一月九日、従三位葛城王、従四位上佐為王等、 皇族ノ高名ヲ辞シ、外家ノ橘姓ヲ賜フコト已ニ訖リヌ。 時ニ太上天皇、皇后、共ニ皇后宮ニ在シテ、肆宴ヲ為シ、 即チ橘ヲ賀(ホ)ク歌ヲ御製シ、マタ御酒ヲ宿禰等ニ賜フ。 或ハ云ク、此ノ歌一首、太上天皇ノ御歌ナリ。但シ天皇 皇后ノ御歌ハ各一首有リ。其ノ歌遺落シテ探リ求ムルコ トヲ得ズ。今案内ヲ検フルニ、八年十一月九日、葛城王 等橘宿禰ノ姓ヲ願ヒ表ヲ上ル。十七日ヲ以テ表ニ依リ乞 ヒ橘宿禰ヲ賜フト。 橘宿禰奈良麿が詔を応りてよめる歌一首 1010 奥山の真木の葉しのぎ降る雪の降りは増すとも地(つち)に落ちめやも 冬十二月(しはす)の十二日(とをまりふつかのひ)、歌舞所(うたまひどころ)の諸王臣子等(おほきみまへつきみたち)、葛井連廣成が家に集ひて宴せる歌二首 比来古舞盛ニ興リテ、古歳漸(ヤヤ)ク晩(ク)レヌ。理、共ニ古情ヲ尽シテ、同ニ此ノ歌ヲ唄フベシ。故ニ此ノ趣ニ擬ヘテ、輙(スナハ)チ古曲二節ヲ献ル。風流意気ノ士、儻(モ)シ此ノ集ノ中ニ在ラバ、発念ヲ争ヒ、心々ニ古体ニ和ヘヨ。 1011 我が屋戸の梅咲きたりと告げ遣らば来(こ)ちふに似たり散りぬともよし 1012 春されば撓(をを)りに撓り鴬の鳴く吾(あ)が山斎(しま)そ止まず通はせ 九年(ここのとせといふとし)丁丑(ひのとうし)春正月(むつき)、橘少卿(たちばなのおとまへつきみ)、また諸大夫等(まへつきみたち)の、弾正尹(ただすつかさのかみ)門部王の家に集ひて宴せる歌二首 1013 あらかじめ君来まさむと知らませば門に屋戸にも玉敷かましを 右の一首は、主人(あろじ)門部王 後、大原真人氏ヲ賜姓フ。 1014 一昨日(をとつひ)も昨日も今日も見つれども明日さへ見まく欲しき君かも 右の一首は、橘宿禰文成(あやなり) 少卿ノ子ナリ。 榎井王の後に追ひて和へたまへる歌一首 1015 玉敷きて待たえしよりはたけそかに来たる今宵し楽しく思ほゆ 春二月(きさらき)、諸大夫等、左少弁(ひだりのすなきおほともひ)巨勢宿奈麻呂朝臣の家に集ひて宴せる歌一首 1016 海原の遠き渡りを遊士(みやびを)の遊ぶを見むとなづさひそ来し 右ノ一首ハ、白紙ニ書キテ屋ノ壁ニ懸ケ著ケタリ。 題シテ云ク、蓬莱ノ仙媛ノ作メル。謾ニ風流秀才ノ 士ノ為ナリ。斯凡客ノ望ミ見ル所ニアラズカト。 夏四月(うつき)、大伴坂上郎女が賀茂の神社(かみのやしろ)を拝(をろが)み奉る時、相坂山を超え、近江の海を望見(みさ)けて、晩頭(ゆふへ)に還り来たるときよめる歌一首 1017 木綿畳(ゆふたたみ)手向(たむけ)の山を今日越えていづれの野辺に廬りせむ吾等(あれ) 十年(ととせといふとし)戊寅(つちのえとら)、元興寺(ぐわむこうじ)の僧(ほうし)が自ら嘆く歌一首 1018 白珠は人に知らえず知らずともよし知らずとも吾(あれ)し知れらば知らずともよし 右ノ一首ハ、或ハ云ク、元興寺ノ僧、独リ覚リテ智多ケレドモ、 顕聞スルトコロ有ラズ、衆諸狎侮(アナヅ)リキ。此ニ因リテ僧此ノ歌ヲ 作(ヨ)ミ、自ラ身ノ才ヲ嘆ク。 石上乙麿(いそのかみのおとまろ)の卿(まへつきみ)の、土佐の国に配(はなた)えし時の歌三首、また短歌 1019 石上(いそのかみ) 布留(ふる)の尊(みこと)は 手弱女(たわやめ)の 惑(さど)ひによりて 馬じもの 縄取り付け 獣(しし)じもの 弓矢囲(かく)みて 大王(おほきみ)の 命(みこと)畏(かしこ)み 天ざかる 夷辺(ひなへ)に罷(まか)る 古衣(ふるころも) 真土の山ゆ 帰り来ぬかも 1020 大王の 命畏み さし並の 国に出でます はしきやし 我が背の君を (1021)かけまくも 忌々(ゆゆ)し畏し 住吉(すみのえ)の 現人神(あらひとかみ) 船の舳(へ)に うしはきたまひ 着きたまはむ 島の崎々 依りたまはむ 磯の崎々 荒き波 風に遇はせず 障(つつ)みなく み病あらず 速(すむや)けく 帰したまはね もとの国辺に 右の二首は、石上の卿の妻(め)がよめる。 1022 父君に 吾(あれ)は愛子(まなご)ぞ 母刀自(おもとじ)に 吾(あれ)は愛子ぞ 参上(まゐのぼ)り 八十氏人(やそうぢひと)の 手向する 畏(かしこ)の坂に 幣(ぬさ)奉(まつ)り 吾(あれ)はぞ退(まか)る 遠き土佐道を 反し歌一首 1023 大崎の神の小浜(をはま)は狭けども百船人(ももふなひと)も過ぐと言はなくに 右の二首は、石上の卿のよめる。 秋八月(はつき)二十日(はつかのひ)、右大臣(みぎのおほまへつきみ)橘の家に宴せる歌四首 1024 長門なる沖つ借島奥まへて吾(あ)が思(も)ふ君は千年にもがも 右の一歌は、長門守巨曽倍對馬(こそべのつしま)朝臣。 1025 奥まへて吾(あれ)を思へる我が背子は千年五百年(いほとせ)ありこせぬかも 右の一歌は、右大臣の和へたまへる歌。 1026 百敷の大宮人は今日もかも暇を無みと里に出でざらむ 右の一首は、右大臣の伝へ云(の)りたまはく、 故(もと)の豊島采女(てしまのうねべ)が歌。 1027 橘の本に道踏み八衢(やちまた)に物をそ思ふ人に知らえず 右の一歌は、右大弁(みぎのおほきおほともひ)高橋安麿の卿語りけらく、 故の豊島采女がよめるなり。 但シ或ル本ニ云ク、三方沙彌、妻ノ苑臣ヲ恋ヒテ作メル歌ナリト。 然ラバ則チ、豊島采女、当時当所ニ此ノ歌ヲ口吟(ウタ)ヘルカ。 十一年(ととせまりひととせといふとし)己卯(つちのとう)、天皇(すめらみこと)高圓の野に遊猟(みかり)したまへる時、小さき獣(けだもの)堵里(さと)の中(うち)に泄(い)で走る。是に勇士(ますらを)に適値(あ)ひて生きながら獲(え)らえぬ。即ち此の獣を御在所(みもと)に献上るとき副ふる歌一首 獣ノ名ハ俗ニ牟射佐妣(ムササビ)ト曰フ 1028 大夫(ますらを)の高圓山に迫めたれば里に下(お)り来(け)るむささびそこれ 右の一歌は、大伴坂上郎女がよめる。但シ奏ヲ 逕ズシテ小獣死シ斃レヌ。此ニ因リテ献歌停ム。 十二年(ととせまりふたとせといふとし)庚辰(かのえたつ)冬十月(かみなつき)、太宰少弐(おほみこともちのすなきすけ)藤原朝臣廣嗣が反謀(みかどかたぶ)けむとして軍(いくさ)を発(おこ)せるに、伊勢国に幸(いでま)せる時、河口の行宮(かりみや)にて内舎人(うちとねり)大伴宿禰家持がよめる歌一首 1029 河口(かはくち)の野辺に廬りて夜の歴(ふ)れば妹が手本し思ほゆるかも 天皇のみよみませる御製歌(おほみうた)一首 1030 妹に恋ひ吾(あ)が松原よ見渡せば潮干の潟に鶴(たづ)鳴き渡る 丹比屋主真人(たぢひのいへぬしのまひと)が歌一首 1031 後れにし人を思(しぬ)はく四泥(しで)の崎木綿取り垂(し)でて往かむとそ思(も)ふ 独り行宮に残(おくれゐ)て大伴宿禰家持がよめる歌二首 1032 天皇(おほきみ)の行幸(いでまし)のまに我妹子(わぎもこ)が手枕巻かず月そ経にける 1033 御食(みけ)つ国志摩の海人(あま)ならし真熊野の小船(をぶね)に乗りて沖へ榜ぐ見ゆ 美濃国多藝(たぎ)の行宮にて、大伴宿禰東人がよめる歌一首 1034 古(いにしへ)よ人の言ひ来(け)る老人の変若(を)つちふ水そ名に負ふ滝の瀬 大伴宿禰家持がよめる歌一首 1035 田跡川(たどかは)の滝(たぎ)を清みか古ゆ宮仕へけむ多藝の野の上(へ)に 不破の行宮にて、大伴宿禰家持がよめる歌一首 1036 関なくば帰りにだにも打ち行きて妹が手枕巻きて寝ましを 十五年(ととせまりいつとせといふとし)癸未(みづのとひつじ)秋八月(はつき)の十六日(とをかまりむかのひ)、内舎人大伴宿禰家持が久邇(くに)の京を讃へてよめる歌一首 1037 今造る久邇の都は山河の清(さや)けき見ればうべ知らすらし 高丘河内連(たかをかのかふちのむらじ)が歌二首 1038 故郷は遠くもあらず一重山越ゆるがからに思ひぞ吾(あ)がせし 1039 我が背子と二人し居れば山高み里には月は照らずともよし 安積親王の左少弁(ひだりのすなきおほともひ)藤原八束朝臣が家に宴したまふ日、内舎人大伴宿禰家持がよめる歌一首 1040 久かたの雨は降りしけ思ふ子が屋戸に今夜は明かしてゆかむ 十六年(ととせまりむとせといふとし)甲申(きのえさる)、春正月(むつき)の五日(いつかのひ)、諸卿大夫(まへつきみたち)安倍蟲麻呂朝臣が家に集ひて宴せる歌一首 1041 我が屋戸の君松の木に降る雪の行きには行かじ待ちにし待たむ 同じ月十一日(とをかまりひとひ)、活道(いくぢ)の岡に登り、一株松(ひとつまつ)の下(もと)に集ひて飲(うたげ)せる歌二首 1042 一つ松幾代か経ぬる吹く風の声の清(す)めるは年深みかも 右の一首は、市原王のよみたまへる。 1043 玉きはる命は知らず松が枝を結ぶ心は長くとそ思(も)ふ 右の一首は、大伴宿禰家持がよめる。 寧樂(なら)の京(みやこ)の荒墟(あれたる)を傷惜(をし)みてよめる歌三首 作者不審 1044 紅に深く染みにし心かも奈良の都に年の経ぬべき 1045 世の中を常無きものと今ぞ知る奈良の都のうつろふ見れば 1046 石綱(いはつな)のまた変若(を)ちかへり青丹よし奈良の都をまた見なむかも 寧樂の京の故郷(あれたる)を悲しみよめる歌一首、また短歌 1047 やすみしし 我が大王(おほきみ)の 高敷かす 大和の国は 皇祖(すめろき)の 神の御代より 敷きませる 国にしあれば 生(あ)れまさむ 御子の継ぎ継ぎ 天の下 知ろしめさむと 八百万(やほよろづ) 千年を兼ねて 定めけむ 奈良の都は 陽炎(かぎろひ)の 春にしなれば 春日山 御笠の野辺に 桜花 木の暗(くれ)隠り 貌鳥は 間なくしば鳴く 露霜の 秋さり来れば 射鉤(いかひ)山 飛火(とぶひ)が岳(たけ)に 萩の枝(え)を しがらみ散らし さ牡鹿は 妻呼び響(とよ)め 山見れば 山も見が欲し 里見れば 里も住みよし 物部(もののふ)の 八十伴の男の うちはへて 里並みしけば 天地の 寄り合ひの極み 万代に 栄えゆかむと 思ひにし 大宮すらを 頼めりし 奈良の都を 新代(あらたよ)の 事にしあれば 大王の 引きのまにまに 春花の うつろひ変り 群鳥の 朝立ち行けば 刺竹(さすだけ)の 大宮人の 踏み平し 通ひし道は 馬も行かず 人も行かねば 荒れにけるかも 反し歌二首 1048 建ち替り古き都となりぬれば道の芝草長く生ひにけり 1049 馴(な)つきにし奈良の都の荒れゆけば出で立つごとに嘆きし増さる 久邇(くに)の新京(にひみやこ)を讃ふる歌二首、また短歌 1050 現(あき)つ神 我が大王の 天の下 八島の内に 国はしも 多くあれども 里はしも さはにあれども 山並の よろしき国と 川並の 立ち合ふ里と 山背の 鹿背(かせ)山の際(ま)に 宮柱 太敷きまつり 高知らす 布當(ふたぎ)の宮は 川近み 瀬の音(と)ぞ清き 山近み 鳥が音(ね)響(とよ)む 秋されば 山もとどろに さ牡鹿は 妻呼び響め 春されば 岡辺も繁(しじ)に 巌には 花咲き撓(をを)り あなおもしろ 布當の原 いと貴(たふと) 大宮所 諾(うべ)しこそ 我が大王は 君のまに 聞かしたまひて 刺竹の 大宮ここと 定めけらしも 反し歌二首 1051 三香(みか)の原布當の野辺を清みこそ大宮所定めけらしも 1052 山高く川の瀬清し百代まで神(かむ)しみゆかむ大宮所 1053 吾が大王 神の命の 高知らす 布當の宮は 百木盛る 山は木高(こだか)し 落ちたぎつ 瀬の音(と)も清し 鴬の 来鳴く春へは 巌には 山下光り 錦なす 花咲き撓(をを)り さ牡鹿の 妻呼ぶ秋は 天霧(あまぎら)ふ 時雨をいたみ さ丹頬(にづら)ふ 黄葉(もみち)散りつつ 八千年(やちとせ)に 生(あ)れ付かしつつ 天の下 知ろしめさむと 百代にも 変るべからぬ 大宮所 反し歌五首 1054 泉川行く瀬の水の絶えばこそ大宮所移ろひ行かめ 1055 布當山山並見れば百代にも変るべからぬ大宮所 1056 娘子らが続麻(うみを)懸くちふ鹿背の山時しゆければ都となりぬ 1057 鹿背の山木立を繁み朝さらず来鳴き響もす鴬の声 1058 狛山に鳴く霍公鳥(ほととぎす)泉川渡りを遠みここに通はず 春日(はるのころ)、三香原(みかのはら)の都の荒墟(あれたる)を悲傷(かな)しみよめる歌一首、また短歌 1059 三香の原 久邇の都は 山高み 川の瀬清み 在りよしと 人は言へども 住みよしと 吾(あれ)は思へど 古りにし 里にしあれば 国見れど 人も通はず 里見れば 家も荒れたり 愛(は)しけやし かくありけるか 三諸(みもろ)つく 鹿背山の際に 咲く花の 色めづらしく 百鳥の 声なつかしき ありが欲し 住みよき里の 荒るらく惜しも 反し歌二首 1060 三香の原久邇の都は荒れにけり大宮人のうつろひぬれば 1061 咲く花の色は変らず百敷の大宮人ぞたち変りける 難波の宮にてよめる歌一首、また短歌 1062 やすみしし 我が大王の あり通ふ 難波の宮は 鯨魚(いさな)取り 海片付きて 玉拾(ひり)ふ 浜辺を近み 朝羽振る 波の音(と)騒き 夕凪に 楫の音聞こゆ 暁の 寝覚に聞けば 海近み 潮干の共(むた) 浦洲には 千鳥妻呼び 葦辺には 鶴(たづ)が音響む 見る人の 語りにすれば 聞く人の 見まく欲りする 御食(みけ)向ふ 味経(あぢふ)の宮は 見れど飽かぬかも 反し歌二首 1063 あり通ふ難波の宮は海近み海人娘子らが乗れる船見ゆ 1064 潮干れば葦辺に騒く白鶴(あしたづ)の妻呼ぶ声は宮もとどろに 敏馬(みぬめ)の浦を過ぐる時よめる歌一首、また短歌 1065 八千桙(やちほこ)の 神の御代より 百船(ももふね)の 泊つる泊と 八島国 百船人(ももふなひと)の 定めてし 敏馬の浦は 朝風に 浦波騒き 夕波に 玉藻は来寄る 白沙(しらまなご) 清き浜辺は 往き還り 見れども飽かず 諾しこそ 見る人毎に 語り継ぎ 偲(しぬ)ひけらしき 百代経て 偲はえゆかむ 清き白浜 反し歌二首 1066 真澄鏡敏馬の浦は百船の過ぎて行くべき浜ならなくに 1067 浜清み浦うるはしみ神代より千船の泊つる大和太(おほわだ)の浜 右ノ二十一首ハ、田邊福麻呂ガ歌集ノ中ニ出ヅ。